説明

3−アリール−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミド、3−ヘテロアリール−3−ヒドロキシ−2−アミノ−プロピオン酸アミドおよび関連化合物を使用する認知障害の処置方法

式1および式2:


式1
[式中、記号は明細書に定義するとおりである]
で示される化合物を用いて認知障害の患者を処置する方法を開示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3-アリール-3-ヒドロキシ-2-アミノ-プロピオン酸アミド、3-ヘテロアリール-3-ヒドロキシ-2-アミノ-プロピオン酸アミドの誘導体、および関連化合物を使用して、1種またはそれ以上の認知障害に罹患した患者を処置する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
「3-アリール-3-ヒドロキシ-2-アミノ-プロピオン酸アミド、3-ヘテロアリール-3-ヒドロキシ-2-アミノ-プロピオン酸アミド、1-アリール-1-ヒドロキシ-2,3-ジアミノ-プロピルアミン、1-ヘテロアリール-1-ヒドロキシ-2,3-ジアミノ-プロピルアミンの誘導体」との一般定義の1つまたはそれ以上に含まれるいくつかの化合物が、特許および科学文献により既知である。例えば、米国特許出願公開第2003/0153768号および第2003/0050299号は、前記既知化合物のいくつかの例を開示している。
【0003】
これらの文献の化合物の例は、下記の化合物である:
【化1】

【0004】
Shinら、Tetrahedron Asymmetry, 2000, 11, 3293-3301は、下記の化合物を開示している:
【化2】

【0005】
同じかまたは関連した開示に基づいているので全て相互に関連している米国特許第5945442号、第5952370号、第6030995号および第6051598号は、前記既知化合物に構造的に類似した化合物を記載している。
【0006】
Journal of Labelled Compounds & Radiopharmaceuticals (1996), 38(3), 285-97は、下記式の化合物を開示している:
【化3】

【0007】
公開されたPCT出願WO 01/38228は、クロマトグラフ法に関連して下記の化合物を開示している:
【化4】

【0008】
Kastronら、Latvijas PSR Zinatnu Akademijas Vestis, Kimijas Serija(1965)(4), 474-7は、下記の化合物を開示している:
【化5】

【発明の概要】
【0009】
発明の概要
本発明は、式1の化合物、または該化合物の医薬的に許容される塩を使用して、1種またはそれ以上の認知障害に罹患した患者を処置する方法に関する:
【化6】

式1
【0010】
[式中、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、シアノ基もしくはハロゲン基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく、または該環の1個もしくは2個の炭素原子が酸素原子に結合してケト基を形成してもよく、また、該4、5、6または7員環は、N、OおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を有してもよい芳香族または非芳香族5または6員環と縮合してもよく;
R3は、独立に、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル、アリール-(ヒドロキシ)アルキル、ヘテロアリール-アルキルまたはヘテロ-(ヒドロキシ)アルキルから選択され、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく、または
R3は、CO-R7、SO2R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、NH2基もしくはNH-COアルキル基(該アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)で置換された1〜20個の炭素原子を有するアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキルまたはヘテロアリール-アルキルであり、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜6個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
R4は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R8であり、ここでR8は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
波線は、RまたはS配置を有する炭素原子への結合を表し;
破線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、破線を有する環は芳香族であるものとし;
m、nおよびqは、独立に、0、1、2または3から選択される整数であり、但し、m、nおよびqの合計は2または3であるものとし;
sは、ゼロ(0)であるか、または、XがNであるとき、sはゼロ(0)もしくは1であり;
W、XおよびYは、独立に、CH、CR5、CR6、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子を表し;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するハロゲン置換アルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するチオキシ、およびフェニルから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は、環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR9基によって置換されてもよく、ここでR9は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜6個の炭素原子を有するチオキシから選択される]
(但し、式1は、R4がHであり、R1およびR2が窒素原子と一緒になってピロリジノまたはモルホリノ環を形成し、m、nおよびqの合計が3であり、かつ、W、XおよびYのどれもがヘテロ原子を表さない化合物を含まないものとし、さらに、式1は、式:
【化7】

の化合物を含まないものとする)。
【0011】
本発明は、式2の化合物、または該化合物の医薬的に許容される塩を使用して、認知障害を処置する方法にも関する:
【化8】

式1
【0012】
[式中、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、シアノもしくはハロゲン基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく、または該環の1個もしくは2個の炭素原子が酸素原子に結合してケト基を形成してもよく、また、該4、5、6または7員環は、N、OおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を有してもよい芳香族または非芳香族5または6員環と縮合してもよく;
R3は、独立に、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル、アリール-(ヒドロキシ)アルキル、ヘテロアリール-アルキルまたはヘテロ-(ヒドロキシ)アルキルから選択され、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜6個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく、または
R3は、CO-R7、SO2R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、Hであるか、1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、NH2、NHCOR7もしくはNHCOOR7基で置換された1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキルまたはヘテロアリール-アルキルであり、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜6個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
波線は、RまたはS配置を有する炭素原子への結合を表し;
破線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、破線を有する環は芳香族であるものとし;
R9およびR10は、独立に、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはOR11であるか、またはR9およびR10は、一緒になってNOR11を表し、但し、プロピオン酸成分の炭素2と3の間の破線が結合を表すとき、R10は存在せず、かつR9はOR11でないものとし、さらに、R9がOR11であるとき、R10は水素でないものとし;
R11は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R12であり、ここでR12は1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
m、nおよびqは、0、1、2または3から独立に選択される整数であり、但し、m、nおよびqの合計は2または3であるものとし;
sは、ゼロ(0)であるか、または、XがNであるとき、sはゼロ(0)もしくは1であり;
W、XおよびYは、独立に、CH、CR5、CR6、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子を表し;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するハロゲン置換アルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜6個の炭素原子を有するチオキシ、およびフェニルから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR9基によって置換されてもよく、ここでR9は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜6個の炭素原子を有するチオキシから選択される]。
【0013】
本書に記載されている任意の化合物を使用して、認知障害、例えば、失認症、健忘症、失語症、失行症、せん妄、認知症および学習障害の患者を処置しうる。
【0014】
発明の詳細な説明
本発明の方法に有用な化合物の多くは、1個またはそれ以上の不斉中心を有し、従って、化合物は鏡像異性体およびジアステレオ異性体の形態で存在しうる。実際に、本発明化合物の多くは、互いに隣接する2個の不斉炭素を有し、従って、エリトロまたはトレオ型で存在でき、この2つ形態はそれぞれ右旋性(D)または左旋性(L)鏡像異性体を有する。トレオ型が本発明に一般に好ましいが、特に指示しない限り、本発明の範囲は、全ての鏡像異性体、ジアステレオ異性体、およびジアステレオ異性体混合物またはラセミ混合物を包含する。前記に照らして、本出願における記号「DL」または「(+/−)」もしくは「(±)」は、純粋右旋性鏡像異性体、純粋左旋性鏡像異性体、および全てのラセミ混合物(2つの鏡像異性体が等比率または不等比率で存在する混合物を包含する)を包含するものと明確に理解すべきである。さらに、簡単のために、多くの構造式において、例えば下記の例において、鏡像異性体の1つだけを実際に示すが、記号「DL」または「(+/−)」もしくは「(±)」が示されている場合、式に実際に示されている構造の鏡像異性体(鏡像)も包含する。
【0015】
例:
【化9】

HCl
DL-トレオ(1つの鏡像異性体だけが示されている)
【0016】
即ち、上記の例において、1つの鏡像異性体だけが示されているが、式の下に記号「DL」(または「(+/−)」もしくは「(±)」)が示されているので、その光学異性体:
【化10】

HCl
DL-トレオ(もう一方の鏡像異性体が示されている)
および、2つの光学異性体の全てのラセミ混合物も包含される。
【0017】
本発明のいくつかの化合物の場合において、トレオ型(およびいくつかの場合においてエリトロ型)鏡像異性体の一方は、同じ対の他方の鏡像異性体より有意に高い活性を有する。この理由から、他方より有意に高活性の単離された鏡像異性体は、同じ化合物のラセミ混合物または他方の鏡像異性体が先行文献に既に記載されているとしても、新規性および進歩性を有する構成であると考えられる。
【0018】
本発明の方法に有用な化合物のいくつかは、3個またはそれ以上の不斉中心を有する。その例は、本書において化合物214と称される下記の化合物である:
【化11】

化合物214
化合物214に関して本書に示されている式は、トレオ異性体の2つの化合物を示しているが、示されている2つの化合物は互いの鏡像ではなく、それらはジアステレオ異性体である。他の異性体対が示され、化合物215として記載されている:
【化12】

化合物215
【0019】
前記の例を念頭に置いて、当業者は各記載例の範囲を容易に理解しうるが、広い意味においては、全ての異性体、鏡像異性体およびラセミ混合物が本発明の範囲に含まれる。
【0020】
化合物の一般的記載および定義における「アルキル」という用語は、直鎖および分岐鎖アルキル基を包含する。
【0021】
一般的に言えば、本発明の化合物は、医薬的に許容される酸または塩基との塩を形成でき、そのような式1および式2の化合物の医薬的に許容される塩も、本発明の範囲に含まれる。
【0022】
式1の新規化合物に関して、好ましい本発明化合物群において、W、XおよびY基のどれもがヘテロ原子でない。この群において、m、nおよびqの合計が3であり、芳香族基が、非置換であるか、または1個もしくはそれ以上のハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、もしくは1〜6個の炭素原子を有するハロゲン置換アルキルで置換されている化合物が好ましい。この群の化合物においては、R5およびR6基が炭素環またはヘテロ環を形成することも好ましい。
【0023】
式1で示される他の好ましい化合物群において、W、XおよびYの1つが、ヘテロ原子、好ましくは窒素原子を表し、m、nおよびqの合計は3である。
【0024】
式1で示されるさらに他の好ましい化合物群において、W、XおよびYの1つまたは2つが、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を表し、m、nおよびqの合計は2である。
【0025】
さらに式1の化合物に関して、R4がHまたはアシル基(より好ましくはH)である化合物が好ましい。
【0026】
R3に関して、式1の化合物は、R3基が両方ともHであるもの、また、一方のR3基がHであり、他方が下記の基であるものが好ましい:ベンジル、モノハロゲノ、ジハロゲノ、メチルもしくはメトキシ置換ベンジル、シクロヘキシル、1〜7個の炭素原子を有するアルキル、COR7、COOR7、ここでR7は1〜15個の炭素原子を有するアルキル、ベンジルオキシ、フェニル、メトキシフェニル、モノハロゲンもしくはジハロゲノ置換フェニル、2-ヒドロキシ-1-フェニルエチル基、またはNH2、NHCOR7もしくはNHCOOR7基で置換された1〜20個の炭素原子を有するアルキル基。
【0027】
式1の化合物におけるR1およびR2に関して、下記のような化合物が本発明に好ましい:R1およびR2が一緒になって、ピロリジン、3-フルオロもしくは3,3-ジフルオロまたは3-ヒドロキシ置換ピロリジン、モルホリン、チオモルホリン、ピペラジン、アルキル置換ピペラジン(該アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)、アゼチジン、テトラヒドロチアゾール、インドリンまたは2H-ピロール環を形成するか、またはR1およびR2が、1〜3個の炭素原子を有する2個のアルキル基である。
【0028】
式2の新規化合物に関しても、式1の化合物に関して好ましいW、X、Y、m、n、q、R1、R2、R5、R6、R3を有する化合物が一般に好ましい。
【0029】
R9およびR10に関して、下記のような化合物が一般に好ましい:R9およびR10が両方とも水素である化合物;一方がヒドロキシであり、他方が1〜6個の炭素原子を有するアルキルである化合物;R9およびR10基が一緒になってNOR11基を形成する化合物;および、R9が水素であり、炭素2と3の間の破線が二重結合を表し、R10が存在しない化合物。R11に関して、R11がHまたはCOR12[R12は1〜3個の炭素原子を有するアルキルである]である式2の化合物が好ましい。
【0030】
現在、より好ましいのは、下記のような式2の化合物である:R1およびR2が窒素原子と一緒になって5員環を形成する化合物;両方のR3基が水素である化合物;およびR3基の1つが水素であり、他方がホルミルである化合物。
【0031】
生物学的活性、投与様式
本書に記載されている化合物は、1種類またはそれ以上の認知障害、例えば、失認症、健忘症、失語症、失行症、せん妄、認知症および学習障害の患者を処置するのに使用しうる。
【0032】
本書において使用される「処置」とは、医学的な処置を意味し、例えば、認知障害の発症を予防するため、その重症度を軽減するため、その再発を防止するために、本発明の化合物を投与することを包含する。
【0033】
本書において使用される「認知障害」という用語は、思考、学習または記憶に関連した精神活動の障害を特徴とするあらゆる状態を意味する。そのような障害の例は、失認症、健忘症、失語症、失行症、せん妄、認知症および学習障害を包含する。
【0034】
ある場合に、認知障害の原因は、不明または不確定である。他の場合に、認知障害は、ニューロン間のシグナルの伝達に関与しているニューロンまたは他の構造物の損傷または損失を特徴とする他の状態に関連しうる(即ち、その状態によって生じうるか、またはその状態の存在下に起こりうる)。従って、認知障害は、神経変性疾患、例えば、アルツハイマー病、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト-ヤコブ病、前頭側頭葉変性症、ハンチントン病、多発性硬化症、正常圧水頭症、器質性慢性脳症候群、パーキンソン病、ピック病、進行性核上性麻痺または老人性認知症(アルツハイマー型)に関連する場合があり;脳の損傷、例えば、慢性硬膜下血腫、脳震とう、脳内出血によって生じた損傷、または脳への他の損傷、例えば、感染(例えば、脳炎、髄膜炎、敗血症)または薬物中毒もしくは乱用によって生じた損傷に関連する場合もある。
【0035】
認知障害は、中枢神経系の正常機能を損なう他の状態(精神障害、例えば、不安障害、解離性障害、気分障害、統合失調症、ならびに身体表現性および虚偽性障害を包含する)に関連する場合もあり;末梢神経系の状態、例えば慢性痛に関連する場合もある。
【0036】
本書に記載されている化合物は、失認症、健忘症、失語症、失行症、せん妄、認知症、学習障害および他の認知障害を、それらの原因がわかっているか否かにかかわらず、処置するのに使用しうる。
【0037】
本発明の方法によって処置しうる認知症の例は、エイズによる認知症、ビンスワンガー病、レヴィー小体認知症、前頭側頭型認知症、多発梗塞性認知症、ピック病、意味認知症、老人性認知症および血管性認知症を包含する。
【0038】
本発明の方法によって処置しうる学習障害の例は、アスペルガー症候群、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、小児期崩壊性障害およびレット症候群を包含する。
本発明の方法によって処置しうる失語症の例は、進行性非流暢失語症を包含する。
【0039】
本書に記載されている化合物を使用して、軽度の、または日常生活を大きくは妨げない精神活動障害を有する患者も処置しうる。軽度認知障害はそのような状態の例であり、軽度認知障害を有する患者は、認知症の症状(例えば、言語または記憶に関する困難性)を示すが、症状の重症度は、認知症との診断が適切でないかもしれない程度である。本書に記載されている化合物は、軽度認知障害、および同様にそれほど重症でない形態の他の認知障害を処置するのに使用しうる。
【0040】
本発明の化合物の例
下記の表1に、本発明の方法に使用しうる化合物を挙げる。
【0041】
【表1−1】

【0042】
【表1−2】

【0043】
【表1−3】

【0044】
【表1−4】

【0045】
【表1−5】

【0046】
【表1−6】

【0047】
【表1−7】

【0048】
【表1−8】

【0049】
【表1−9】

【0050】
【表1−10】

【0051】
【表1−11】

【0052】
任意の前記化合物および下記化合物を本発明の方法に使用して、任意の認知障害を処置することができる。
【0053】
投与様式
本発明の化合物は、医薬的に有効な用量で投与しうる。そのような用量は、通常、所望の処置効果を得るのに必要な最小用量である。認知障害の処置において、所望の処置効果は、認知機能の向上、または失認症、健忘症、失語症、失行症、せん妄、認知症および学習障害に関連した任意の症状の軽減である。ヒト成人について、そのような用量は一般に0.1〜5,000mg/日であり、より好ましくは、1〜3,000mg/日、10〜500mg/日、500〜1,000mg/日、1,000〜1,500mg/日、1,500〜2,000mg/日、2,000〜2,500mg/日、または2,500〜3,000mg/日でありうる。しかし、任意の特定の場合に投与される実際の化合物量は、関連状況、例えば、認知障害の重症度、患者の年齢および体重、患者の全身状態、障害の原因ならびに投与経路を考慮して、医師によって決定される。
【0054】
本発明化合物は、哺乳動物、特にヒトの認知障害の処置に有用である。好ましくは、患者に化合物を、任意の許容される形態、例えば、錠剤、液剤、カプセル剤、散剤などの形態で経口投与する。しかし、患者が悪心を有する場合には特に、他の経路が望ましいかまたは必要とされる場合もある。そのような他の経路は、例外なく、経皮、腹腔内、非経口、皮下、鼻内、クモ膜下、筋肉内、静脈内および直腸内送達法を包含しうる。本発明の方法に有用な組成物は、賦形剤をさらに含有しうる。そのような賦形剤は担体または希釈剤であってよく、これは、通常、活性化合物と混合されるか、または活性化合物を希釈または封入する。希釈剤の場合、担体は、活性化合物用の賦形剤またはビヒクルとして機能する固体、半固体または液体材料であってよい。配合物は、湿潤剤、乳化剤、防腐剤、甘味剤および/または香味剤も含有しうる。眼用または注入形式で使用される場合、配合物は、配合物の浸透圧に影響する1つまたはそれ以上の塩を一般に含有しうる。
【0055】
実施例
本発明者は、本発明の3つの化合物を使用して記憶向上活性を実証した。受動的回避タスクは、げっ歯類が嫌悪刺激(例えばショック)に以前に関連付けられた環境を避けようとする傾向を利用するもので、従って、情動的記憶の信頼できる尺度である。モリス水迷路(MWM)タスク(空間認識および記憶の試験)は、水槽中の水面下に隠された避難台の位置を正確に特定するために、種々の迷路外手掛かり(extra-maze cues)の空間位置を動物が学習することを必要とする。これらのタスクの全てにおいて、被験化合物は記憶を向上させた:受動的回避において、これは若齢マウスに当てはまり、MWMタスクにおいて、該化合物は高齢ラットにおける学習および記憶を有意に向上させた。
【0056】
重要なことに、被験化合物は経口的に活性であり、従って、錠剤およびカプセル剤(それらに限定されない)を包含する多くの形態で投与しうる。これらの化合物は、静脈内、筋肉内、クモ膜下、皮下または腹腔内にも投与しうる。
【0057】
下記の表2に、受動的回避タスクにおける本発明化合物の効果(従属変数としての、暗/ショック区画に入るまでの潜伏時間(latency))を示す。データを、一元配置ANOVA、次に、ボンフェローニ補正post-hoc法(比較の数に依存する必要なP値)によって分析した。下記の表は、ビヒクル処置マウス、ならびに化合物Aおよび化合物Bで処置したマウスからのデータを含む。
【化13】

【0058】
全ての処置は、訓練後すぐに腹腔内投与によって行った。訓練中(処置前)は有意な違いがなかったが、訓練後の化合物Aおよび化合物Bの注射は、ショック関連環境の記憶を有意に向上させた。
【0059】
【表2】

全体的な処置効果を、反復測定ANOVAによって調べた。post-hocボンフェローニ試験により、個々の処置群間の相異を対照に対して確認した:はビヒクルに対してP<0.02、**はビヒクルに対してP<0.01を表す。N=6/群。
【0060】
下記の表3に、モリス水迷路タスクにおける化合物Cの効果を示す(試験日の平均逃避潜伏時間(latency)を示す)。
【化14】

【0061】
データをマン・ホイットニーU検定によって分析した。平均逃避潜伏時間は、隠された台に逃避するまでの、3セッションの群平均を示している。第7日〜第11日(水迷路訓練日)のデータを示す。水迷路訓練前の第1日〜第6日に、10mg/kgの化合物番号1またはビヒクル(示されている)を動物に毎日2回投与した(経口)。
【0062】
【表3】

【0063】
若齢および高齢の対照は、セッションごとに逃避潜伏時間(台を見出すまでの時間)を短縮したが、これは隠された台の位置が学習できたことを示している。水迷路訓練中に、高齢対照は若齢対照より長い逃避潜伏時間および経路長を示したが、これは加齢性学習障害を示唆している。加齢によるこの作用は、第3〜第5の訓練日(第9日〜第11日)にわたって主に観察された。対照動物で行った分散分析は、訓練期間中の統計学的に有意な加齢の主作用を裏付けた(ANOVA:FAge(全試行)=15.644;p<0.001)。
【0064】
若齢対照と比較して、高齢対照における、平均速度に対する明白な影響は観測されなかったが(データ示さず)、これは、高齢ラットに運動障害はないことを示唆している。
【0065】
実験前の6日間にわたって毎日2回、および実験中に毎日2回投与された化合物C(10mg/kg)は、訓練期間中にわたり高齢ラットの逃避潜伏時間を、高齢対照と比較して短縮させた。化合物Cの効果は、最後の3訓練セッション中に得られたデータをプールした場合に、統計学的に有意であった。化合物Cは、高齢対照と比較して、平均速度に影響を及ぼさなかった(データ示さず)。
=p<0.05;**=p<0.01(高齢対照と若齢対照との比較)。◇=P<0.05(化合物Cで処置した高齢ラットと若齢対照との比較)。
【0066】
材料および方法
受動的抑制回避
動物:
C57B/6雄マウス(20〜25g;n=6〜8/群)を、この試験に使用した。
【0067】
訓練/試験:
第0日に、動物をそれぞれ、2区画の抑制回避ボックスの明室に入れた。マウスを35秒間順化させた後、2つの区画の間のドアを持ち上げて、暗室への移動を可能にした。移動したら、ゲートを閉め、動物の脚に軽いショック(0.15mA、2秒)を与えた。ショック関連状況の記憶保持を、24時間後(第1日)、4日後(第4日)および7日後(第7日)に評価した。3回の記憶保持試験(第1日、第4日および第7日)のそれぞれにおいて、マウスを15秒間順化させてからゲートを持ち上げた。暗(ショック)室に入るまでの潜伏時間を測定し、受動的恐怖回避の指数とみなした。最大試行長さ=180秒。
【0068】
モリス水迷路
モリス迷路は、水で満たされ、27℃に維持された円形水槽(直径150cm)から成り、水面下2cmで、周縁から18cm離れた避難台(直径15cm)(常に同位置)を有する。非毒性着色剤の添加によって水を不透明にして、台が見えないようにした。中程度の明るさの下に試験を行った。
【0069】
動物を、5日間連続で、5訓練セッションに付した。各訓練セッションは、モリス迷路における3連続試行(120秒の間隔を置く)から成った。各試行において、動物を、避難台から等距離の2出発点の1つにおいて迷路に入れ、避難台を見つけさせた。動物を避難台に60秒間置き、次に、個々のケージで60秒間休息させてから、新たな試行を開始した。動物が120秒以内に台を見つけなかった場合、実験者は動物を水から出し、台に60秒間置いた。3試行の間、動物に、各動物ごとにランダムに決めた異なる出発点から、迷路を開始させた。
【0070】
試行をビデオ記録し、ビデオ追跡システム(Panlab: Smart)を使用して、動物の行動を分析した。測定した主要尺度は、各試行における逃避潜伏時間(隠された台を見つけるまでの時間)であった。他の尺度(経路長(隠された台を見つけるまでに移動した距離)および平均速度)も測定した。
【0071】
高齢動物は、試行ごとに逃避潜伏時間を短縮する能力がより低いことによって示されるように、このタスクにおいて健忘症を示す。各群につき15匹の高齢ラットを試験した。実験には、若齢対照群も用いた。試験を盲検法で行った。
【0072】
化合物Cを、10mg/kgの経口投与用量で評価し、ビヒクル対照群と比較した。動物には、水迷路訓練前の6日間にわたって毎日2回、割り当てた処置を受けさせた。訓練中、毎日2回の投与を継続し、1回の投与は各訓練セッションの60分前に行い、もう1回の投与は午前8:30〜9:30または午後4:30〜5:30の間(いずれか、特定動物の訓練セッションから離れている方)に行った。
従って、実験は3つの群を含んでいた。
【0073】
マン・ホイットニーU検定を使用して、処置群と高齢対照とを比較することによってデータを分析した。さらに、データを、二元配置分散分析に付した(年齢およびセッションを因子とし、セッションについて反復測定した)。
【0074】
本発明の化合物を得るための合成法、実験的
米国特許出願第60/647271号(WO/2006/081273;WO/2006/081280;WO/2006/081252およびWO/2006/081276)(その開示は参照により本明細書に含まれる)は、本発明の方法に使用しうるさらなる化合物を開示し、それらの合成法を開示している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物、または該化合物の医薬的に許容される塩の使用:
【化1】

式1
[式中、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、ハロゲン基、シアノ基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく、または該環の1個もしくは2個の炭素原子が酸素原子に結合してケト基を形成してもよく、また、該4、5、6または7員環は、N、OおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を有してもよい芳香族または非芳香族5または6員環と縮合してもよく;
R3は、独立に、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)、アリール-(ヒドロキシ)アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)、ヘテロアリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)またはヘテロ-(ヒドロキシ)アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)から選択され、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく、または
R3は、CO-R7、SO2R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、NH2基もしくはNH-COアルキル基(該アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)で置換された1〜20個の炭素原子を有するアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)またはヘテロアリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)であり、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
R4は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R8であり、ここでR8は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
波線は、RまたはS配置を有する炭素原子への結合を表し;
破線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、破線を有する環は芳香族であるものとし;
m、nおよびqは、独立に、0、1、2または3から選択される整数であり、但し、m、nおよびqの合計は2または3であるものとし;
sは、ゼロ(0)であるか、または、XがNであるとき、sはゼロ(0)もしくは1であり;
W、XおよびYは、独立に、CH、CR5、CR6、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子を表し;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するハロゲン置換アルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜3個の炭素原子を有するチオキシ、およびフェニルから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は、環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR9基によって置換されてもよく、ここでR9は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから選択される]
(但し、式1は、R4がHであり、R1およびR2が窒素原子と一緒になってピロリジノまたはモルホリノ環を形成し、m、nおよびqの合計が3であり、かつ、W、XおよびYのどれもがヘテロ原子を表さない化合物を含まないものとし、さらに、式1は、式:
【化2】

の化合物を含まないものとする)。
【請求項2】
整数m、nおよびqの合計が3である、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
W、XおよびY基の1つがNである、請求項2に記載の使用。
【請求項4】
R5およびR6が、それらが結合している原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成する、請求項3に記載の使用。
【請求項5】
W、XおよびY基のどれもがヘテロ原子でない、請求項2に記載の使用。
【請求項6】
R5およびR6が、それらが結合している原子と一緒になって、炭素環または複素環を形成する、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
整数m、nおよびqの合計が2であり、W、XおよびYの少なくとも1つがヘテロ原子である、請求項1に記載の使用。
【請求項8】
W、XおよびYの1つだけがヘテロ原子を表す、請求項7に記載の使用。
【請求項9】
W、XおよびY基の2つがそれぞれ、独立に選択されるヘテロ原子を表す、請求項7に記載の使用。
【請求項10】
R4がHである、請求項1に記載の使用。
【請求項11】
R3基が両方ともHである、請求項10に記載の使用。
【請求項12】
一方のR3基がHであり、他方のR3基がCO-R7、または1〜20個の炭素原子を有するアルキルである、請求項10に記載の使用。
【請求項13】
R3が、H、および1〜10個の炭素原子を有するアルキルから独立に選択される、請求項10に記載の使用。
【請求項14】
R4がCO-R8である、請求項1に記載の使用。
【請求項15】
R1およびR2が、窒素原子と一緒になって4、5、6または7員環を形成する、請求項1に記載の使用。
【請求項16】
R1およびR2が、窒素原子と一緒になって5員環を形成する、請求項15に記載の使用。
【請求項17】
R1およびR2が、窒素原子と一緒になって6員環を形成する、請求項15に記載の使用。
【請求項18】
R5およびR6が両方とも水素である、請求項1に記載の使用。
【請求項19】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物、または該化合物の医薬的に許容される任意の塩の使用:
【化3】

[式中、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、ハロゲン基、シアノ基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく;
R3は、H、CO-R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、Hであるか、1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル、アリール(ヒドロキシ)アルキル、ヘテロアリール-アルキルまたはヘテロアルキル(ヒドロキシ)アルキルであり、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
R4は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R8であり、ここでR8は1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR9基によって置換されてもよく、ここでR9は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシから選択され;
波線は、αまたはβ配置の結合を表す]。
【請求項20】
R4がHである、請求項19に記載の使用。
【請求項21】
R3基が両方ともHである、請求項19に記載の使用。
【請求項22】
R5およびR6が両方とも水素である、請求項19に記載の使用。
【請求項23】
化合物が下記の式で示される化合物であるか、または該化合物の医薬的に許容される塩である、請求項19に記載の使用。
【化4】

【請求項24】
R4がHである、請求項23に記載の使用。
【請求項25】
R3基が両方ともHである、請求項23に記載の使用。
【請求項26】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物、または該化合物の医薬的に許容される任意の塩の使用:
【化5】

[式中、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、ハロゲン基、シアノ基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく;
R3は、H、CO-R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、Hであるか、1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、アリールまたはヘテロアリールであるか、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキルであるか、アリール-アルキル、アリール(ヒドロキシ)アルキル、ヘテロアリール-アルキルまたはヘテロアリール(ヒドロキシ)アルキルであり、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
R4は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R8であり、ここでR8は1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜3個の炭素原子を有するチオキシ、およびフェニルから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR9基によって置換されてもよく、ここでR9は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから選択され;
波線は、RまたはS配置を有する炭素原子への結合を表す]
(但し、R4がHであり、R1およびR2が窒素原子と一緒になってピロリジノまたはモルホリノ環を形成する化合物は含まないものとする)。
【請求項27】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物、または該化合物の医薬的に許容される任意の塩の使用:
【化6】

[式中、
Xは、OまたはSであり;
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和5または6員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、ハロゲン基もしくはシアノ基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく;
R3は、H、CO-R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、Hであるか、1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル、アリール(ヒドロキシ)アルキル、ヘテロアリール-アルキルまたはヘテロアリール(ヒドロキシ)アルキルであり、該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有し、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
R4は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R8であり、ここでR8は1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR9基によって置換されてもよく、ここでR9は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、および1〜6個の炭素原子を有するアルコキシから選択され;
波線は、RまたはS配置を有する炭素原子への結合を表す]
(但し、式:
【化7】

の化合物を含まないものとする)。
【請求項28】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物、または該化合物の医薬的に許容される塩の使用:
【化8】

式1
[式中、
R1は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R2は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであるか;または
R1およびR2基は、窒素原子と一緒になって、N、OおよびSから独立に選択される1個または2個のヘテロ原子を有してもよい飽和または不飽和4、5、6または7員環を形成し、該4、5、6または7員環は、1個もしくは2個のCOOH、CH2OH、OH、B(OH)2、ハロゲンもしくはシアノ基、または1個もしくは2個の、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基によって置換されてもよく、または該環の1個もしくは2個の炭素原子が酸素原子に結合してケト基を形成してもよく、また、該4、5、6または7員環は、N、OおよびSから選択される1個またはそれ以上のヘテロ原子を有してもよい芳香族または非芳香族5または6員環と縮合してもよく;
R3は、独立に、H、1〜20個の炭素原子を有するアルキル、3〜6個の炭素原子を有するシクロアルキル、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)、アリール-(ヒドロキシ)アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)、ヘテロアリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)またはヘテロ-(ヒドロキシ)アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)から選択され、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく、または
R3は、CO-R7、SO2R7またはCO-O-R7であり、ここでR7は、Hであるか、1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、NH2基もしくはNH-COアルキル基(該アルキル基は1〜6個の炭素原子を有する)で置換された1〜20個の炭素原子を有するアルキルであるか、アリールまたはヘテロアリール、アリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)またはヘテロアリール-アルキル(該アルキル成分は1〜4個の炭素原子を有する)であり、該アリールまたはヘテロアリール基は、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから成る群から独立に選択される1〜3個の基で置換されてもよく;
波線は、RまたはS配置を有する炭素原子への結合を表し;
破線は、結合、または結合の不存在を表し、但し、破線を有する環は芳香族であるものとし;
R9およびR10は、下記から成る群から選択される組合せの1つであり:(1)R9はNOR11であり、R10は存在しない、(2)R9はOR11であり、R10は1〜6個の炭素原子を有するアルキルである、(3)プロピオン酸成分の炭素2と3の間の破線が結合を表すとき、R9は、H、または1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり、R10は存在しない;
R11は、H、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、またはCO-R12であり、ここでR12は、1〜6個の炭素原子を有するアルキルであり;
m、nおよびqは、0、1、2または3から独立に選択される整数であり、但し、m、nおよびqの合計は2または3であるものとし;
sは、ゼロ(0)であるか、または、XがNであるとき、sはゼロ(0)もしくは1であり;
W、XおよびYは、独立に、CH、CR5、CR6、またはN、OおよびSから独立に選択されるヘテロ原子を表し;
R5およびR6は、独立に、H、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するハロゲン置換アルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、1〜3個の炭素原子を有するチオキシ、およびフェニルから選択されるか、または
R5およびR6は、それらが結合している原子と一緒になって炭素環または複素環を形成し、該炭素環は環に5個または6個の原子を有し、該複素環は環に5個または6個の原子を有し、N、OおよびSから独立に選択される1〜3個のヘテロ原子を有し;
R5およびR6が一緒になって形成される該炭素環または複素環は、1〜6個のR12基によって置換されてもよく、ここでR12は、独立に、ハロゲン、1〜6個の炭素原子を有するアルキル、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ、および1〜3個の炭素原子を有するチオキシから選択される]。
【請求項29】
整数m、nおよびqの合計が3である、請求項28に記載の使用。
【請求項30】
W、XおよびY基の1つがNである、請求項28に記載の使用。
【請求項31】
R1およびR2基が、窒素原子と一緒になって5員環を形成する、請求項28に記載の使用。
【請求項32】
R9がNOR11であり、R10が存在しない、請求項28に記載の使用。
【請求項33】
R9がメチルであり、R10がOR11である、請求項28に記載の使用。
【請求項34】
炭素2と3の間の破線が結合を表す、請求項28に記載の使用。
【請求項35】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化9】

【請求項36】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-オンである、請求項35に記載の使用。
【請求項37】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-オンである、請求項35に記載の使用。
【請求項38】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-オンである、請求項35に記載の使用。
【請求項39】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(チオフェン-3-イル)プロパン-1-オンである、請求項35に記載の使用。
【請求項40】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化10】

【請求項41】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項40に記載の使用。
【請求項42】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項40に記載の使用。
【請求項43】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項40に記載の使用。
【請求項44】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-3-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項40に記載の使用。
【請求項45】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化11】

【請求項46】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項45に記載の使用。
【請求項47】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項45に記載の使用。
【請求項48】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項45に記載の使用。
【請求項49】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-3-(ピリジン-4-イル)-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項45に記載の使用。
【請求項50】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化12】

【請求項51】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピペリジン-1-イル)-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項50に記載の使用。
【請求項52】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピペリジン-1-イル)-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項50に記載の使用。
【請求項53】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピペリジン-1-イル)-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項50に記載の使用。
【請求項54】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピペリジン-1-イル)-3-(ピリジン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項50に記載の使用。
【請求項55】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化13】

【請求項56】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-(フラン-3-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項55に記載の使用。
【請求項57】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-(フラン-3-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項55に記載の使用。
【請求項58】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-(フラン-3-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項55に記載の使用。
【請求項59】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-(フラン-3-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項55に記載の使用。
【請求項60】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化14】

【請求項61】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(キノリン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項60に記載の使用。
【請求項62】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(キノリン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項60に記載の使用。
【請求項63】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(キノリン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項60に記載の使用。
【請求項64】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-(キノリン-4-イル)プロパン-1-オンである、請求項60に記載の使用。
【請求項65】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化15】

【請求項66】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-p-トリルプロパン-1-オンである、請求項65に記載の使用。
【請求項67】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-p-トリルプロパン-1-オンである、請求項65に記載の使用。
【請求項68】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-p-トリルプロパン-1-オンである、請求項65に記載の使用。
【請求項69】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)-3-p-トリルプロパン-1-オンである、請求項65に記載の使用。
【請求項70】
認知障害処置用医薬の製造における、下記の構造を有する化合物の使用:
【化16】

【請求項71】
化合物が(2S,3S)-2-アミノ-3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項70に記載の使用。
【請求項72】
化合物が(2S,3R)-2-アミノ-3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項70に記載の使用。
【請求項73】
化合物が(2R,3S)-2-アミノ-3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項70に記載の使用。
【請求項74】
化合物が(2R,3R)-2-アミノ-3-(ビフェニル-4-イル)-3-ヒドロキシ-1-(ピロリジン-1-イル)プロパン-1-オンである、請求項70に記載の使用。
【請求項75】
認知障害が、失認症、健忘症、失語症、失行症、せん妄、認知症および学習障害から成る群から選択される、請求項1〜74のいずれかに記載の使用。
【請求項76】
認知障害が、エイズによる認知症、ビンスワンガー病、レヴィー小体認知症、前頭側頭型認知症、軽度認知障害、多発梗塞性認知症、ピック病、意味認知症、老人性認知症および血管性認知症から成る群から選択される、請求項75に記載の使用。
【請求項77】
学習障害が、アスペルガー症候群、注意欠陥障害、注意欠陥多動性障害、自閉症、小児期崩壊性障害およびレット症候群から成る群から選択される、請求項75に記載の使用。
【請求項78】
失語症が進行性非流暢失語症である、請求項75に記載の使用。
【請求項79】
認知障害が、神経変性疾患、脳の損傷、精神障害または慢性痛に関連している、請求項1〜78のいずれかに記載の使用。
【請求項80】
神経変性疾患が、アルツハイマー病、大脳皮質基底核変性症、クロイツフェルト-ヤコブ病、前頭側頭葉変性症、ハンチントン病、多発性硬化症、正常圧水頭症、器質性慢性脳症候群、パーキンソン病、ピック病、進行性核上性麻痺および老人性認知症(アルツハイマー型)から成る群から選択される、請求項79に記載の使用。
【請求項81】
脳の損傷が、慢性硬膜下血腫、脳震とう、脳内出血、脳炎、髄膜炎、敗血症、薬物中毒および薬物乱用から成る群から選択される、請求項79に記載の使用。
【請求項82】
精神障害が、不安障害、解離性障害、気分障害、統合失調症ならびに身体表現性および虚偽性障害から成る群から選択される、請求項79に記載の使用。

【公表番号】特表2010−520299(P2010−520299A)
【公表日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−552838(P2009−552838)
【出願日】平成20年3月4日(2008.3.4)
【国際出願番号】PCT/US2008/055812
【国際公開番号】WO2008/109610
【国際公開日】平成20年9月12日(2008.9.12)
【出願人】(591018268)アラーガン、インコーポレイテッド (293)
【氏名又は名称原語表記】ALLERGAN,INCORPORATED
【Fターム(参考)】