説明

3−トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよび殺菌剤としてのその使用

本発明は、一般式(I)の3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリド(ここで、Xは酸素、硫黄または直接結合を表し、Wは酸素または硫黄を表し、nは0、1、2、3または4を表し、置換基は、特許請求の範囲に示した意味を有する)ならびに、(I)の農業上有用な塩に関する。本発明はさらに、一般式(I)の該3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよびそれらの農業上許容される塩を殺菌剤として使用すること、ならびにこれを含む植物保護剤に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌活性を有する3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよび、殺菌剤として、すなわち有害菌を制御するためのその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
殺菌活性を有するヘタリールアニリドは、多くの特許出願の対象である(例えば、WO 86/02641, JP 01313402, US 4,877,441, EP 371950, WO 93/11117, EP 545099, DE 4204766, DE 4204768, EP 591699, EP 589301, JP 07145156, JP 08092223, WO 97/08148, WO 98/03500, EP 824099, EP 846416, WO 00/09482, WO 01/42223, EP 1110454, EP 1110956, WO 01/49664, JP 2001-302605, WO 02/08195, WO 02/08197, WO 02/38542, WO 02/59086, WO 02/064562, WO 03/010149, WO 03/66609, WO 03/66610, WO 03/69995, WO 03/74491 および WO 03/70705参照)。しかしながら、特に低い施用割合では、これらの公報に記載されるヘタリールアニリドは全く申し分がないというわけではない。
【0003】
JP 58096069は、式
【化1】

【0004】
(ここで、RはCH3またはCF3である)
の殺菌に有効なピコリン酸アニリドを開示する。しかし、これらの化合物の殺菌活性は不十分である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術から公知の化合物の不都合を克服する、特に低施用割合で改善された作用を有する、さらなる殺菌活性化合物を提供することである。その上、これらの化合物は、有用な植物と良好な適合性を有していなければならず、可能なら、有用な動物に対して、あってもわずかの害しか引起さないものでなければならない。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、以下に記載する式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよびそれらの農業上許容される塩によってこの目的が達成されることを見出した。
【0007】
したがって、本発明は、式I
【化2】

【0008】
(ここで、nは0、1、2、3または4であり、置換基は以下のように定義される:
Xは、O、Sまたは直接結合であり;
Wは、OまたはSであり;
R1、R2、R3は互いに独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、CN、C1-C4-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシであり、4個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R4は、水素、OH、C1-C4-アルキル、 C3-C6-シクロアルキル C1-C4-アルコキシであり、3個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R5は、非置換のC4-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C3-C12-アルケニル、 C5-C12-シクロアルケニル、 C3-C12-アルキニル、 C3-C12-シクロアルキル-C1-C4-アルキル[5個の最後に挙げた基は、各場合に、1、2または3個の置換基R9を有することができ、5個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる];C1-C12-ハロアルキル、 C1-C12-アルキル[1、2 または 3 個の置換基R11を有する];基-C(R10)=NOR8、基-C(O)NR13R14;フェニル; フェニル-C1-C6-アルキル、 フェニル-C2-C6-アルケニル、 フェニル-C2-C6-アルキニル、 フェニルオキシ-C1-C6-アルキル、 フェニルオキシ-C2-C6-アルケニル、 フェニルオキシ-C2-C6-アルキニル[6個の最後に挙げた基中のアルキル、アルケニルおよびアルキニル部分は、1、2、3または4個の置換基R11を有することができ、7個の最後に挙げた基中のフェニル環は、1、2、3または4個の基R7を有することができる]であり;
R6は、水素とは異なるR1について挙げた意味を有し;
R7は、C1-C4-アルキル、 C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニル、C2-C4-アルキニルオキシ[これら7個の基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる]、OH、ハロゲン、ニトロ、CN, C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルホニル、-C(O)R12, NR13R14、-C(O)NR13R14、-C(S)NR13R14、-C(R10)=NOR8、フェニル[R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]、フェノキシ[R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]、C1-C6-アルキル-フェニル[アルキル部分の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ、フェニル環は、R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]であり、ここで、隣接炭素原子に結合した2個の基R7はまた、CH=CH-CH=CHまたは3〜5個を有するアルキレン鎖であることができ、ここで、1個または2個の隣接しないCH2基はまた、酸素もしくは硫黄により置換されることができ、水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる;
R8は、C1-C4-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル[これら4個の基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる]、フェニルまたはフェニル-C1-C6-アルキル[2個の最後に挙げた基中のフェニルは、R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]であり;
R9は、C1-C4-アルキル、C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C8-アルコキシであり、これらの基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R10は、水素、ハロゲン、C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C8-アルコキシ、C1-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C2-C12-アルケニル、C5-C12-シクロアルケニル、C3-C12-シクロアルキル-C1-C4-アルキル[9個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる]、フェニル[R7の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]であり;
R11は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C8-アルコキシ、C1-C8-アルコキシ-C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C8-アルコキシであり、これらの基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R12は、水素、OH、C1-C4-アルキル, C1-C4-アルコキシ, C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシであり、7個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R13、R14は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル, C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニルであり、これらの基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる)
の3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよび、Iの農業上有用な塩に関する。
【0009】
さらに本発明は、式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよびそれらの農業上許容される塩を殺菌剤として使用すること、ならびにこれらの化合物を含む作物保護組成物に関する。
【0010】
さらには本発明は、植物病原菌(有害菌)を制御する方法に関し、この方法は、有害菌、その生息地または、それらがいないように保持されるべき植物、領域、材料もしくは空間を、殺菌に有効な量の式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよび/またはIの農業上許容される塩で処理することを含む。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
置換基の性質に依存して、式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドは、1個以上のキラル中心を有することができ、その場合、それらは鏡像体またはジアステレオマーの混合物として存在する。本発明は、純粋な鏡像体またはジアステレオマーおよびその混合物の両方を提供する。適当な式Iの化合物はまた、全ての可能な立体異性体(シス/トランス異性体)およびその混合物を含む。
【0012】
適当な農業上有用な塩は特に、そのカチオンおよびアニオンがそれぞれ、化合物Iの殺菌作用に悪影響を及ぼさない、それらのカチオンの塩またはそれらの酸の酸付加塩である。かくして、適当なカチオンは特に、アルカリ金属、好ましくはナトリウムおよびカリウム、アルカリ土類金属、好ましくはカルシウム、マグネシウムおよびバリウムならびに遷移金属、好ましくはマンガン、銅、亜鉛および鉄のイオン、ならびにまた、所望なら1〜4個のC1-C4-アルキル置換基および/または1個のフェニルもしくはベンジル置換基を有することができるアンモニウムイオン、好ましくはジイソプロピルアンモニウム、テトラメチルアンモニウム、テトラブチルアンモニウム、トリメチルベンジルアンモニウム、さらにはホスホニウムイオン、スルホニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホニウム、およびスルホキソニウムイオン、好ましくはトリ(C1-C4-アルキル)スルホキソニウムである。
【0013】
有用な酸付加塩のアニオンは主としてクロリド、ブロミド、フロリド、ハイドロジェンサルフェート、サルフェート、ジハイドロジェンホスフェート、ハイドロジェンホスフェート、ホスフェート、ナイトレート、バイカーボネート、カーボネート、ヘキサフルオロシリケート、ヘキサフルオロホスフェート、ベンゾエートおよび、C1-C4-アルカン酸のアニオン、好ましくはホルメート、アセテート、プロピオネートおよびブチレートである。それらは、Iと対応するアニオンの酸、好ましくは塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸または硝酸とを反応させることにより形成することができる。
【0014】
上記式に与えられた変数の定義においては、当該置換基について一般に典型的である集合的用語が使用される。Cn-Cmという語は、当該置換基または置換部分において各場合に可能な炭素原子数を示す。全て炭化水素鎖、すなわち全てアルキル、ハロアルキル、フェニルアルキル、アルケニル、ハロアルケニル、フェニルアルケニル、アルキニル、ハロアルキニルおよびフェニルアルキニル部分は、直鎖または分岐鎖であることができる。ハロゲン化置換基は好ましくは、1〜5個の同じまたは異なるハロゲン原子を有する。ハロゲンという語は、各場合、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素を表す。
【0015】
他の意味の例は次のとおりである:
- C1-C4-アルキルならびに、アルコキシアルキル、アルキルスルホニルおよびアルキルチオ中のアルキル部分:CH3, C2H5, CH2-C2H5, CH(CH3)2, n-ブチル, CH(CH3)-C2H5, CH2-CH(CH3)2 または C(CH3)3
- C1-C4-ハロアルキル:水素原子のうちの幾つか、例えば1、2もしくは3個または全部がハロゲン、例えばフッ素、塩素、臭素および/またはヨウ素、特に塩素および/またはフッ素、とりわけフッ素で置換されている上記したC1-C4-アルキル基、例えばCH2F, CHF2, CF3, CH2Cl, CH(Cl)2, C(Cl)3、クロロフルオロメチル、ジクロロフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2-フルオロエチル、2-クロロエチル、2-ブロモエチル、2-ヨードエチル、2,2-ジフルオロエチル、2,2,2-トリフルオロエチル、2-クロロ-2-フルオロエチル、2-クロロ-2,2-ジフルオロエチル、2,2-ジクロロ-2-フルオロエチル、2,2,2-トリクロロエチル、C2F5、2-フルオロプロピル、3-フルオロプロピル、2,2-ジフルオロプロピル、2,3-ジフルオロプロピル、2-クロロプロピル、3-クロロプロピル、2,3-ジクロロプロピル、2-ブロモプロピル、3-ブロモプロピル、3,3,3-トリフルオロプロピル、3,3,3-トリクロロプロピル、CH2-C2F5, CF2-C2F5、1-(フルオロメチル)-2-フルオロエチル、1-(クロロメチル)-2-クロロエチル、1-(ブロモメチル)-2-ブロモエチル、4-フルオロブチル、4-クロロブチル、4-ブロモブチルまたはノナフルオロブチル;
- C1-C12-アルキル:1〜12個の炭素原子を有する飽和炭化水素基、例えば上記したC1-C4-アルキル基または、例えばn-ペンチル、1-メチルブチル、2-メチルブチル、 3-メチルブチル、2,2-ジメチルプロピル、1-エチルプロピル、n-ヘキシル、1,1-ジメチルプロピル、1,2-ジメチルプロピル、1-メチルペンチル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、1,1-ジメチルブチル、1,2-ジメチルブチル、1,3-ジメチルブチル、2,2-ジメチルブチル、2,3-ジメチルブチル、3,3-ジメチルブチル、1-エチルブチル、2-エチルブチル、1,1,2-トリメチルプロピル、1,2,2-トリメチルプロピル、1-エチル-1-メチルプロピル または 1-エチル-2-メチルプロピル、好ましくはCH3, C2H5, CH2-C2H5, CH(CH3)2, n-ブチル, C(CH3)3, n-ペンチル、n-ヘキシル、n-ヘプチルまたはn-オクチル;
- C1-C12-ハロアルキル:水素原子のうちの幾つか、例えば1、2もしくは3個または全部がハロゲン、特に塩素および/またはフッ素、とりわけフッ素で置換されている上記したC1-C12-アルキル基、すなわち、例えばC1-C4-ハロアルキルの下に挙げられている基のうちの1つ、または5-フルオロ-1-ペンチル、5-クロロ-1-ペンチル、5-ブロモ-1-ペンチル、5-ヨード-1-ペンチル、5,5,5-トリクロロ-1-ペンチル、ウンデカフルオロペンチル、6-フルオロ-1-ヘキシル、6-クロロ-1-ヘキシル、6-ブロモ-1-ヘキシル, 6-ヨード-1-ヘキシル、6,6,6-トリクロロ-1-ヘキシルまたはトリデカフルオロヘキシル;
- C2-C4-アルケニルおよびアルケニルオキシ中のアルケニル部分: 2〜4個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する、不飽和直鎖もしくは分岐の炭化水素基、例えばエテニル、1-プロペニル、2-プロペニル、1-メチルエテニル、1-ブテン-1-イル、1-ブテン-2-イル、1-ブテン-3-イル、2ブテン-1-イル、1-メチルプロパ-1-エン-1-イル、2-メチルプロパ-1-エン-1-イル、1-メチルプロパ-2-エン-1-イル、2-メチルプロパ-2-エン-1-イル;
- C2-C12-アルケニル: 2〜12個の炭素原子および任意の位置に二重結合を有する、不飽和直鎖もしくは分岐の炭化水素基、例えば上記したC2-C4-アルケニルおよびまた、例えばn-ペンテン-1-イル、n-ペンテン-2-イル、n-ペンテン-3-イル、n-ペンテン-4-イル、1-メチルブタ-1-エン-1-イル、2-メチルブタ-1-エン-1-イル、3-メチルブタ-1-エン-1-イル、1-メチルブタ-2-エン-1-イル、2-メチルブタ-2-エン-1-イル、3-メチルブタ-2-エン-1-イル、1-メチルブタ-3-エン-1-イル、2-メチルブタ-3-エン-1-イル、3-メチルブタ-3-エン-1-イル、1,1-ジメチルプロパ-2-エン-1-イル、1,2-ジメチルプロパ-1-エン-1-イル、1,2-ジメチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチルプロパ-1-エン-2-イル、1-エチルプロパ-2-エン-1-イル、n-ヘキサ-1-エン-1-イル、n-ヘキサ-2-エン-1-イル、n-ヘキサ-3-エン-1-イル、n-ヘキサ-4-エン-1-イル、n-ヘキサ-5-エン-1-イル、1-メチルペンタ-1-エン-1-イル、2-メチルペンタ-1-エン-1-イル、3-メチルペンタ-1-エン-1-イル、4-メチルペンタ-1-エン-1-イル、1-メチルペンタ-2-エン-1-イル、2-メチルペンタ-2-エン-1-イル、3-メチルペンタ-2-エン-1-イル、4-メチルペンタ-2-エン-1-イル、1-メチルペンタ-3-エン-1-イル、2-メチルペンタ-3-エン-1-イル、3-メチルペンタ-3-エン-1-イル、4-メチルペンタ-3-エン-1-イル、1-メチルペンタ-4-エン-1-イル、2-メチルペンタ-4-エン-1-イル、3-メチルペンタ-4-エン-1-イル、4-メチルペンタ-4-エン-1-イル、1,1-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,1-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-1-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,2-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-1-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1,3-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、2,2-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-1-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、2,3-ジメチルブタ-3-エン-1-イル、3,3-ジメチルブタ-1-エン-1-イル、3,3-ジメチルブタ-2-エン-1-イル、1-エチルブタ-1-エン-1-イル、1-エチルブタ-2-エン-1-イル、1-エチルブタ-3-エン-1-イル、2-エチルブタ-1-エン-1-イル、2-エチルブタ-2-エン-1-イル、2-エチルブタ-3-エン-1-イル、1,1,2-トリメチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチル-1-メチルプロパ-2-エン-1-イル、1-エチル-2-メチルプロパ-1-エン-1-イルまたは 1-エチル-2-メチルプロパ-2-エン-1-イル;
- C2-C4-アルキニルおよびアルキニルオキシ中のアルキニル部分:2〜4個の炭素原子および任意の位置に三重結合を有する、直鎖もしくは分岐の炭化水素基、例えばエチニル、1-プロピニル、2-プロピニル(=プロパルギル)、1-ブチニル、2-ブチニル、3-ブチニルおよび1-メチル-2-プロピニル;
- C2-C12-アルキニル:2〜12個の炭素原子および任意の位置に三重結合を有する、直鎖もしくは分岐の炭化水素基、例えばエチニル、プロパ-1-イン-1-イル、プロパ-2-イン-1-イル、n-ブタ-1-イン-1-イル、n-ブタ-1-イン-3-イル、n-ブタ-1-イン-4-イル、n-ブタ-2-イン-1-イル、n-ペンタ-1-イン-1-イル、n-ペンタ-1-イン-3-イル、n-ペンタ-1-イン-4-イル、n-ペンタ-1-イン-5-イル、n-ペンタ-2-イン-1-イル、n-ペンタ-2-イン-4-イル、n-ペンタ-2-イン-5-イル、3-メチルブタ-1-イン-3-イル、3-メチルブタ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-1-イル、n-ヘキサ-1-イン-3-イル、n-ヘキサ-1-イン-4-イル、n-ヘキサ-1-イン-5-イル、n-ヘキサ-1-イン-6-イル、n-ヘキサ-2-イン-1-イル、n-ヘキサ-2-イン-4-イル、n-ヘキサ-2-イン-5-イル、n-ヘキサ-2-イン-6-イル、n-ヘキサ-3-イン-1-イル、n-ヘキサ-3-イン-2-イル、3-メチルペンタ-1-イン-1-イル、3-メチルペンタ-1-イン-3-イル、3-メチルペンタ-1-イン-4-イル、3-メチルペンタ-1-イン-5-イル、4-メチルペンタ-1-イン-1-イル、4-メチルペンタ-2-イン-4-イルおよび4-メチルペンタ-2-イン-5-イル;
- C1-C4-アルコキシ:OCH3, OC2H5, OCH2-C2H5, OCH(CH3)2, n-ブトキシ, OCH(CH3)-C2H5、OCH2-CH(CH3)2またはOC(CH3)3
- C1-C4-ハロアルコキシ:幾つか例えば1、2もしくは3個または全部の水素原子がハロゲン原子、特に塩素および/またはフッ素、とりわけフッ素で置換されている、上記したC1-C4-アルコキシ基、すなわち、例えばOCH2F, OCHF2, OCF3, OCH2Cl, OCH(Cl)2, OC(Cl)3, クロロフルオロメトキシ、ジクロロフルオロメトキシ、クロロジフルオロメトキシ、2-フルオロエトキシ、2-クロロエトキシ、2-ブロモエトキシ、2-ヨードエトキシ、2,2-ジフルオロエトキシ、2,2,2-トリフルオロエトキシ、2-クロロ-2-フルオロエトキシ、2-クロロ-2,2-ジフルオロエトキシ、2,2-ジクロロ-2-フルオロエトキシ、2,2,2-トリクロロエトキシ、OC2F5, 2-フルオロプロポキシ、3-フルオロプロポキシ、2,2-ジフルオロプロポキシ、2,3-ジフルオロプロポキシ、2-クロロプロポキシ、3-クロロプロポキシ、2,3-ジクロロプロポキシ、2-ブロモプロポキシ、3-ブロモプロポキシ、3,3,3-トリフルオロプロポキシ、3,3,3-トリクロロプロポキシ、OCH2-C2F5, OCF2-C2F5, 1-(CH2F)-2-フルオロエトキシ、1-(CH2Cl)-2-クロロエトキシ、1-(CH2Br)-2-ブロモエトキシ、4-フルオロブトキシ、4-クロロブトキシ、4-ブロモブトキシまたはノナフルオロブトキシ、好ましくは OCHF2, OCF3, ジクロロフルオロメトキ、クロロジフルオロメトキシまたは2,2,2-トリフルオロエトキシ;
- C3-C6-シクロアルキル:シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルまたはシクロヘキシル;
- C3-C12-シクロアルキル:単環、2環もしくは3環の炭化水素基、例えば上記したC3-C6-シクロアルキル基または、シクロヘプチル、シクロオクチル、ビシクロ[2.2.1]ヘプチル、ビシクロ[2.2.2]オクチル、ビシクロ[3.2.1]オクチル、ビシクロ[3.3.0]オクチル、ビシクロ[4.3.0]ノニル、ビシクロ[4.4.0]デシルまたはアダマンチル;
- C3-C12-シクロアルキル- C1-C4-アルキル:C3-C12-シクロアルキルで置換されたC1-C4-アルキル、例えばシクロプロピルメチル、シクロブチルメチル、シクロペンチルメチル、シクロヘキシルメチル、シクロヘプチルメチル、シクロオクチルメチル、2-(シクロプロピル)エチル、2-(シクロブチル)エチル, 2-(シクロペンチル)エチル, 2-(シクロヘキシル)エチル、2-(シクロヘプチル)エチル、2-(シクロオクチル)エチル、3-(シクロプロピル)プロピル、3-(シクロブチル) プロピル、3-(シクロペンチル) プロピル、3-(シクロヘキシル) プロピル、3-(シクロヘプチル) プロピル、3-(シクロオクチル) プロピル、4-(シクロプロピル) ブチル、4-(シクロブチル) ブチル、4-(シクロペンチル) ブチル、4-(シクロヘキシル) ブチル、4-(シクロヘプチル) ブチル、4-(シクロオクチル) ブチル;
- C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルキル:C1-C4-アルコキシで置換されたC1-C4-アルキル、例えばメトキシメチル、エトキシメチル、1-もしくは2-メトキシエチル、1-もしくは2-エトキシエチル、1-、2-もしくは3-メトキシプロピル;
- C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシ:C1-C4-アルコキシで置換されたC1-C4-アルコキシ、例えばメトキシメトキシ、エトキシメトキシ、1-もしくは2-メトキシエトキシ、1-もしくは2-エキシエトキシ、1-、2-もしくは3-メトキシプロポキシ;
- フェニル-C1-C6-アルキル:フェニルで置換されたC1-C6-アルキル、例えばベンジル、1-もしくは2-フェニルエチル、1-、2-もしくは3-フェニルプロピル;
- フェニルオキシ-C1-C6-アルキル:フェノキシで置換されたC1-C6-アルキル、例えばフェノキシメチル、1-もしくは2-フェノキシエチル、1-、2-もしくは3-フェノキシプロピル;
フェニル-C2-C6-アルケニル:フェニルで置換されたC2-C6-アルケニル、例えば1-もしくは2-フェニルエテニル、1-フェニルプロパ-2-エン-1-イル、3-フェニル-1-プロペン-1-イル、3-フェニル-2-プロペン-1-イル、4-フェニル-1-ブテン-1-イルまたは4-フェニル-2-ブテン-1-イル;
- フェニルオキシ-C2-C6-アルケニル:フェノキシで置換されたC2-C6-アルケニル、例えば1-もしくは2-フェニルオキシエテニル、1-フェニルオキシプロパ-2-エン-1-イル、3-フェニルオキシ-1-プロペン-1-イル、3-フェニルオキシ-2-プロペン-1-イル、4-フェニルオキシ-1-ブテン-1-イルまたは4-フェニルオキシ-2-ブテン-1-イル;
- フェニル-C2-C6-アルキニル:フェニルで置換されたC2-C6-アルキニル、例えば1-フェニルプロパ-2-イン-1-イル、3-フェニル-1-プロピン-1-イル、3-フェニル-2-プロピン-1-イル、4-フェニル-1-ブチン-1-イルまたは4-フェニル-2-ブチン-1-イル;
- フェニルオキシ-C2-C6-アルキニル:フェノキシで置換されたC2-C6-アルキニル、例えば1-フェニルオキシプロパ-2-イン-1-イル、3-フェニルオキシ-1-プロピン-1-イル、3-フェニルオキシ-2-プロピン-1-イル、4-フェニルオキシ-1-ブチン-1-イルまたは4-フェニルオキシ-2-ブチン-1-イル。
【0016】
殺菌活性に関しては、変数R1〜R6が互いに独立して、および特に組合せて、次の意味を有する式Iのアニリドが好ましい:
R1、R2、R3が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである。特に、1、2個または好ましくは全部の基R1、R2およびR3が水素である;
R4が、水素、メチル、OHまたはメトキシであり、特に水素である;
R5が、以下の意味のうちの1つを有する:
- 非置換のC4-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C2-C12-アルケニル、C5-C12-シクロアルケニル、C2-C12-アルキニル、ここで、4つの最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ、C3-C12-シクロアルキル中の水素原子の幾つかまたは全部は、C1-C4-アルキルで置換されることができる;
- C1-C12-ハロアルキル、特にC1-C4-フルオロアルキル、C1-C4-アルコキシ- C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルコキシ- C1-C4-アルキル、特にC1-C4-フルオロアルコキシ- C1-C4-アルキル;
- フェニル、フェニル- C1-C6-アルキル、ここでフェニル環は、1、2、3または4個の基R7で置換されることができ、特に0、1、2または3個の基R7を有する;または
- -C(C1-C4-アルキル)=NO-R8、ここで、C1-C4-アルキル基の水素原子の幾つか、例えば1、2もしくは3個または全部は、ハロゲンで置換されることができる;ならびに
R6が互いに独立して、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシまたはハロゲン、特にフッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメチルである。
【0017】
変数R7は特に、C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ、C1-C4-ハロアルキル、C1-C4-ハロアルコキシ、ニトロ、CNおよびハロゲン、特にフッ素、塩素、メチル、トリフルオロメチル、メトキシ、トリフルオロメトキシまたはジフルオロメチルからなる群より選択される。
【0018】
変数R8は好ましくは、C1-C4-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル(これら5つの基中の水素原子の幾つかまたは全部はハロゲンで置換されることができる)、ハロゲン、ニトロ、CN、フェニル(R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる)、フェノキシ(R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる)、C1-C6-アルキル-フェニル(アルキル基の水素原子の幾つかまたは全部はハロゲンで置換されることができ、フェニル環は、R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる)からなる群より選択され、特に、C1-C4-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル(これら4つの基中の水素原子の幾つかまたは全部はハロゲンで置換されることができる)ならびにフェニルおよびベンジル(2個の最後に挙げた基中のフェニルは、R6の下に挙げた1、2または3個の基を有することができる)からなる群より選択される。
【0019】
殺菌活性に関しては、n=0である式Iのアニリドが好ましい。
【0020】
変数Wは特に、酸素である。
【0021】
アニリドIの殺菌活性に関しては、式I中のXは、直接結合または酸素である。本発明の第1の特に好ましい実施態様においては、Xは酸素である。別の特に好ましい実施態様においては、Xは直接結合である。R5が非置換のアルキルであるなら、Xは特に、直接結合である。
【0022】
それらの殺菌活性に関しては、基X-R5がオルト位またはメタ位で、特にオルト位でアミド窒素に結合する、式Iのアニリドが好ましい。これらの中で、R1、R2およびR3がそれぞれ水素である式Iのアニリド、特に、n=0である式Iのアニリドが特に好ましい。これらの中で、R5が以下の意味のうちの1つを有するアニリドが特に好ましい:
- 非置換のC4-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C2-C12-アルケニル、C5-C12-シクロアルケニル、C2-C12-アルキニル、ここで、4つの最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ、C3-C12-シクロアルキル中の水素原子の幾つかまたは全部は、C1-C4-アルキルで置換されることができる;
- C1-C12-ハロアルキル、特にC1-C4-フルオロアルキル、C1-C4-アルコキシ- C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルコキシ- C1-C4-アルキル、特にC1-C4-フルオロアルコキシ- C1-C4-アルキル;
- フェニル、フェニル- C1-C6-アルキル、ここでフェニル環は、1、2、3または4個の基R7で置換されることができ、特に0、1、2または3個の基R7を有する;または
- -C(C1-C4-アルキル)=NO-R8、ここで、C1-C4-アルキル基の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる。
【0023】
ここで、R7およびR8は特に、好ましいとして与えられた意味を有し;Wは特に酸素である。
【0024】
特に殺菌剤および害虫を制御するための活性化合物としてのそれらの使用に関しては、以下の表1〜6に集められた個々の化合物が好ましく、これらの化合物は、式Ia、IbおよびIcにより包含され、式Iaの化合物が特に好ましい。
【表1】

【0025】

【0026】

【0027】

【0028】

【0029】

【0030】

【0031】

【0032】

【0033】

【0034】

【0035】

【0036】

【0037】

【0038】

【0039】

【0040】
表1:
式Iaの化合物:
【化3】

【0041】
(ここで、Xは直接結合であり、R5は表Aに与えられた意味のうちの1つを有する)
表2:
XがOであり、R5が表Aに与えられた意味のうちの1つを有する、式Iaの化合物。
【0042】
表3:
式Ibの化合物:
【化4】

【0043】
(ここで、Xは直接結合であり、R5は表Aに与えられた意味のうちの1つを有する)
表4:
XがOであり、R5が表Aに与えられた意味のうちの1つを有する、式Ibの化合物。
【0044】
表5:
式Icの化合物:
【化5】

【0045】
(ここで、Xは直接結合であり、R5は表Aに与えられた意味のうちの1つを有する)
表6:
XがOであり、R5が表Aに与えられた意味のうちの1つを有する、式Icの化合物。
【0046】
W=OおよびR4=Hである式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドは、文献から公知のスキーム1の以下のプロセスに示された合成にしたがって、式IIの活性化された3-トリフルオロメチルピコリン誘導体とアニリンIIIを反応させることによって製造することができる[Houben-Weyl: “Methoden der organ. Chemie” [有機化学の方法(Methods of organic chemistry)], Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, New York 1985, Volume E5, pp. 941-1045.]。活性化されたカルボン酸誘導体は、例えばハライド、活性化エステル、無水物、アジド、例えばクロリド、フロリド、ブロミド、パラ-ニトロフェニルエステル、ペンタフルオロフェニルエステル、N-ヒドロキシスクシンイミデートおよびヒドロキシベンゾトリアゾール-1-イルエステルである。
【0047】
スキーム1:
【化6】

【0048】
スキーム1において、Lは適当な求核的に交換可能な脱離基、たとえばハライド、活性化エステルの基、無水物の基、アジド、たとえばクロリド、フロリド、ブロミド、パラ-ニトロフェニルオキシ、ペンタフルオロフェニルオキシ、N-ヒドロキシスクシンイミドもしくはヒドロキシベンゾトリアゾール-1-イルから誘導される基である。
【0049】
さらには、式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドは、遊離の酸IIaと非置換もしくはN-置換されたアニリンIIIaとをカップリング剤の存在下で反応させることによって製造することができる(スキーム2)。
【0050】
スキーム2:
【化7】

【0051】
適当なカップリング剤は、例えば:
- カルボジイミドに基づくカップリング剤、例えばN,N’-ジシクロヘキシルカルボジイミド[J.C. Sheehan, G.P. Hess, J. Am. Chem. Soc. 1955, 77, 1067]、N-(3-ジメチルアミノプロピル)-N’-エチルカルボジイミド;
- 炭酸エステルと混合無水物を形成するカップリング剤、例えば2-エトキシ-1-エトキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン[B. Belleau, G. Malek, J. Amer. Chem. Soc. 1968, 90, 1651.]、2-イソブチルオキシ-1-イソブチルオキシカルボニル-1,2-ジヒドロキノリン[Y. Kiso, H. Yajima, J. Chem. Soc., Chem. Commun. 1972, 942.];
- ホスホニウムに基づくカップリング剤、例えば(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリス(ジメチルアミノ)ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート[B. Castro, J.R. Domoy, G. Evin, C. Selve, Tetrahedron Lett. 1975, 14, 1219.]、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)トリピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート[J. Coste et.al., Tetrahedron Lett. 1990, 31, 205.];
- ウロニウムに基づくカップリング剤またはグアニジニウムN-オキシド構造を有するカップリング剤、例えばN,N,N’,N’-テトラメチル-O-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)ウロニウムヘキサフルオロホスフェート[R. Knorr, A. Trzeciak, W. Bannwarth, D. Gillessen, Tetrahedron Lett. 1989, 30, 1927. ]、N,N,N’,N’-テトラメチル-O-(ベンゾトリアゾール-1-イル) ウロニウムテトラフルオロボレート、(ベンゾトリアゾール-1-イルオキシ)ジピペリジノカルベニウムヘキサフルオロホスフェート[S. Chen, J. Xu, Tetrahedron Lett. 1992, 33, 647];
- 酸塩化物を形成するカップリング剤、例えばビス-(2-オキソオキサゾリジニル)ホスフィン酸クロリド[J. Diago-Mesequer, Synthesis 1980, 547.]。
【0052】
R4=非置換もしくはハロゲン-置換されたアルキルまたは非置換もしくはハロゲン-置換されたシクロアルキルである、式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドは、アミドI(ここでR4=水素であり、スキーム1または2に従って得ることができる)を、塩基の存在下で、適当なアルキル化剤でアルキル化することによって製造することができる。これを達成するためのプロセスは、例えばJ. Am. Chem. Soc. 1952, 74, p.3121, Helv. Chim. Acta, 1974, 57, p. 281, Synth. Commun. 1988, 18, p. 2011から公知である。
【0053】
3-トリフルオロメチルピコリン酸IIaは、文献から公知の方法によって、例えば対応するピリジン-2,3-ジカルボン酸から、J. Fluorine Chem. 1993, 60, p. 233-237; JP 1980-5059135; US 4803205;もしくは Khim. Geterotsikl. Soedin 1994, pp. 657-659と同様にして四フッ化硫黄との反応によって、またはEur. J. Org. Chem. 2002, pp. 327-330に従い、カルボキシル基を導入することによって、製造することができる。
【0054】
これらは、文献 [Houben-Weyl: “Methoden der organ. Chemie”, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, New York 1985, Volume E5, pp. 587-614, 633-772] から公知のプロセスによって、活性化されたチオフェンカルボン酸誘導体IIを合成するために使用することができる。
【0055】
アニリンIIIおよびIIIaは、文献 [Houben-Weyl: “Methoden der organ. Chemie”, Georg-Thieme-Verlag, Stuttgart, New York, Volume XI, Part 1, pp. 9-1005.] から公知の方法によって合成することができる。
【0056】
W=Sである式Iの3-トリフルオロメチルピコリンチオアニリドは、一般に公知の硫化プロセスにより、X=Oである式Iの対応するアニリドから、例えばJ. Am. Chem. Soc. 1951, 73, p. 4988に従ってP2S5を用いて硫化するか、またはHeterocycles 2002, 58, pp. 203-212; もしくはPharmazie 1999, 54 (9), pp.645-650に従ってLawessons試薬との反応により、製造することができる。
【0057】
式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよびそれらの農業上許容される、すなわち有用な塩は、殺菌剤として使用するために適当である。それらは、広いスペクトル範囲の植物病原菌、特にAscomycetes, Deuteromycetes, PhycomycetesおよびBasidiomycetesの種類からの菌に対して著しく有効であることにより特徴づけられる。幾つかは全体的に有効であり、葉および土壌用殺菌剤として植物保護に使用することができる。
【0058】
それらは、種々の栽培植物、例えば小麦、ライ麦、大麦、オーツ麦、米、トウモロコシ、牧草、バナナ、綿、大豆、コーヒー、サトウキビ、ブドウの木、果物および観賞植物ならびに野菜、例えばキュウリ、豆、トマト、ジャガイモおよびウリならびに、これらの植物の種子に対して、多数の菌の制御に特に重要である。
【0059】
それらは、以下の植物の病気を制御するために特に適当である:
・ 果物および野菜に対するAlternaria種、
・ イチゴ、野菜、観賞植物およびブドウの木に対するBotrytis cinerea(灰色カビ病)、
・ 塊根植物に対するCercospora arachidicola、
・ ウリに対するErysiphe cichoracearumおよびSphaerotheca fuliginea、
・ 穀類に対するErysiphe graminis(ウドンコ病)、
・ 種々の植物に対するFusariumおよびVerticillium種、
・ 穀類に対するHelminthosporium種、
・ バナナおよび塊根植物に対するMycosphaerella種
・ ジャガイモおよびトマトに対するPhytophthora infestans、
・ ブドウの木に対するPlasmopara viticola、
・ リンゴに対するPodosphaera leucotricha、
・ 小麦および大麦に対するPseudocercosporella herpotrichoides、
・ ホップおよびキュウリに対するPseudoperonospora種、
・ 穀類に対するPuccinia種、
・ 米に対するPyricularia oryzae、
・ 綿、米および芝に対するRhizoctonia種、
・ 小麦に対するSeptoria nodorum、
・ キュウリに対するSphaerotheca fuliginea(キュウリのウドンコ病)、
・ ブドウの木に対するUncinula necator、
・ 穀類およびサトウキビに対するUstilago種、
・ リンゴおよび洋梨に対するVenturia種(黒星病)、
・ Septoria tritici、
・ Pyrenophora種、
・ Leptosphaeria nodorum、
・ Rhynchosporium種、
・ Typhula種。
【0060】
化合物Iはまた、材料(例えば木材、紙、塗料分散物、繊維または織地)の保護において、および貯蔵製品の保護において、有害菌、例えばPaecilomyces variotiiを制御するために適当である。
【0061】
化合物Iは、菌または、菌の攻撃から保護されるべき植物、種子、材料もしくは土壌を、殺菌に有効な量の活性化合物で処理することによって使用される。施用は、材料、植物または種子の菌による感染の前および後の両方に行なうことができる。
【0062】
殺菌組成物は一般に、0.1〜95重量%、好ましくは0.5〜90重量%の活性化合物を含む。
【0063】
植物保護において使用されるときには、施用される量は、望まれる効果の種類に依存して、1ha当たり0.01〜2.0kgの活性化合物である。
【0064】
種子の処理においては、種子1kg当たり0.001〜0.1g、好ましくは0.01〜0.05gの活性化合物の量が一般に必要である。
【0065】
材料または貯蔵製品の保護に使用されるときには、施用される活性化合物の量は、施用領域の種類および望まれる効果に依存する。材料の保護において慣例的に施用される量は、例えば処理される材料1立方メートル当たり0.001g〜2kg、好ましくは0.005g〜1kgの活性化合物である。
【0066】
化合物Iは、通常の処方物、例えば溶液、エマルジョン、懸濁物、粉剤、粉末、ペーストおよび顆粒に変えることができる。施用形態は、意図されるそれぞれの用途に依存し、いずれの場合にも、本発明の化合物の細かくかつ均質な分布を保証すべきである。
【0067】
処方物は、公知の方法で、例えば活性化合物を溶媒および/または担体で、所望なら乳化剤および分散剤を用いて、希釈することにより製造され、水が希釈剤であるときには、他の有機溶媒を補助溶媒として使用することがまた可能である。この目的のために適当な補助剤は本質的に、溶媒、例えば芳香族(例えばキシレン)、塩素化芳香族(例えばクロロベンゼン)、パラフィン(例えば石油画分)、アルコール(例えばメタノール、ブタノール)、ケトン(例えばシクロヘキサノン)、アミン(例えばエタノールアミン、ジメチルホルムアミド)および水;担体、例えば土壌天然鉱物(例えばカオリン、クレー、タルク、チョーク)および土壌合成鉱物(例えば高度に分散されたケイ酸、シリケート);乳化剤、例えば非イオンおよびアニオン性乳化剤(例えばポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、アルキルスルホネートおよびアリールスルホネート)ならびに分散剤、例えばリグノサルファイト廃液およびメチルセルロースである。
【0068】
適当な界面活性剤は、リグノスルホン酸、ナフタレンスルホン酸、フェノールスルホン酸およびジブチルナフタレンスルホン酸のアルカリ金属、アルカリ土類金属およびアンモニウム塩、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、アルキルスルホネート、脂肪アルコールサルフェートおよび脂肪酸ならびにそれらのアルカリ金属およびアルカリ土類金属塩、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテルの塩、スルホン化ナフタレンおよびナフタレン誘導体とホルムアルデヒドとの縮合生成物、ナフタレンまたはナフタレンスルホン酸とフェノールおよびホルムアルデヒドとの縮合生成物、ポリオキシエチレンオクチルフェノールエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノールおよびノニルフェノール、アルキルフェノールポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、イソトリデシルアルコール、脂肪アルコールエチレンオキシド縮合物、エトキシル化ひまし油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグノサルファイト廃液およびメチルセルロースである。
【0069】
中沸点〜高沸点を有する石油画分、例えばケロセンまたはディーゼル油、さらにはコールタール油および、植物および動物由来の油、脂肪族、環状および芳香族炭化水素、例えばベンゼン、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、アルキル化ナフタレンもしくはその誘導体、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、クロロホルム、四塩化炭素、シクロヘキサノール、シクロヘキサノン、クロロベンゼンもしくはイソホロン、または高極性溶媒、例えばジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、N-メチルピロリドンまたは水は、直接噴霧可能な溶液、エマルジョン、ペーストまたは油状分散物の製造のために適当である。
【0070】
粉末、散布するための組成物および粉剤は、活性物質を固体担体と混合または相互に粉砕することによって製造することができる。
【0071】
顆粒、例えばコーティングした顆粒、含浸した顆粒および均質な顆粒は、活性化合物を固体担体に結合させることによって製造することができる。固体担体は、例えば鉱物土、例えばシリカゲル、シリケート、タルク、カオリン、アッタクレー(attaclay)、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、クレー、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム、硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、土壌合成物質、肥料、例えば硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウムまたは尿素、および植物生成物、例えば穀類粉、樹皮粉、木材粉および堅果殻粉、セルロース粉末および他の固体担体である。
【0072】
処方物は一般に、0.01〜95重量%、好ましくは0.1〜90重量%の活性化合物を含む。活性化合物は、(NMRスペクトルに従って)90〜100%、好ましくは95〜100%の純度で使用される。
【0073】
処方物のための例は、次のとおりである:
I. 5重量部の本発明の化合物が、95重量部の細かく分割されたカオリンとよく混合される。このようにして、5重量%の活性化合物を含む粉剤が得られる。
【0074】
II. 30重量部の本発明の化合物が、92重量部の微粉シリカゲルおよび8重量部の液体パラフィ(シリカゲルの表面に噴霧しておく)の混合物とよく混合される。このようにして、良好な接着特性を有する活性化合物調製物(活性化合物含量23重量%)が得られる。
【0075】
III. 10重量部の本発明の化合物が、90重量部のキシレン、6重量部の、8〜10モルのエチレンオキシドと1モルのオレイン酸N-モノエタノールアミドとの付加生成物、2重量部のドデシルベンゼンスルホン酸のカルシウム塩および2重量部の、40モルのエチレンオキシドと1モルのひまし油との付加生成物からなる混合物中に溶解される(活性化合物含量9重量%)。
【0076】
IV. 20重量部の本発明の化合物が、60重量部のシクロヘキサノン、30重量部のイソブタノール、5重量部の、7モルのエチレンオキシドと1モルのイソオクチルフェノールとの付加生成物および5重量部の、40モルのエチレンオキシドと1モルのひまし油との付加生成物からなる混合物中に溶解される(活性化合物含量16重量%)。
【0077】
V. 80重量部の本発明の化合物が、3重量部のジイソブチルナフタレン-α-スルホン酸のナトリウム塩、10重量部の、サルファイト廃液からのリグノスルホン酸のナトリウム塩および7重量部の微粉シリカゲルとよく混合され、ハンマーミルで粉砕される(活性化合物含量80重量%)。
【0078】
VI. 90重量部の本発明の化合物が、10重量部のN-メチル-α-ピロリドンと混合され、非常に小さい滴の形態で使用されるのに適当な溶液が得られる(活性化合物含量90重量%)。
【0079】
VII. 20重量部の本発明の化合物が、40重量部のシクロヘキサノン、30重量部のイソブタノール、20重量部の、7モルのエチレンオキシドと1モルのイソオクチルフェノールとの付加生成物および10重量部の、40モルのエチレンオキシドと1モルのひまし油との付加生成物からなる混合物中に溶解される。溶液を100,000重量部の水中に投入し、その中に微細に分散させることによって、0.02重量%の活性化合物を含む水性分散物が得られる。
【0080】
VIII. 20重量部の本発明の化合物が、3重量部のジイソブチルナフタレン-α-スルホン酸のナトリウム塩、17重量部の、サルファイト廃液からのリグノスルホン酸のナトリウム塩および60重量部の微粉シリカゲルとよく混合され、ハンマーミルで粉砕される。20,000重量部の水中に混合物を細かく分散させることによって、0.1重量%の活性化合物を含む噴霧エマルジョンが得られる。
【0081】
IX. 10重量部の本発明の化合物が、63重量部のシクロヘキサノン、27重量部の分散剤(例えば50重量部の、7モルのエチレンオキシドと1モルのイソオクチルフェノールとの付加物および50重量部の、40モルのエチレンオキシドと1モルのひまし油との付加物の混合物)中に溶解される。次にストック溶液が所望の濃度に、例えば1〜100ppmの範囲の濃度に、水中に分配することによって希釈される。
【0082】
活性化合物は、そのまま、処方物の形態で、またはそれから製造される施用形態の形で、例えば直接噴霧可能な溶液、粉末、懸濁物もしくは分散物、エマルジョン、油状分散物、ペースト、粉剤、散布するための組成物または顆粒の形態で、噴霧、霧化、空中散布、散布または散水によって、使用することができる。施用形態は、もっぱら意図される用途に依存し;いずれの場合にも、本発明の活性化合物の最も微細な可能な分散を保証すべきである。
【0083】
水性施用形態は、エマルジョン濃縮物、ペーストまたは湿潤可能な粉末(噴霧粉末、油状分散物)から、水の添加により製造することができる。エマルジョン、ペーストまたは油状分散物を製造するために、物質を、そのまま、または油もしくは溶媒に溶かして、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤または乳化剤によって、水中で均質化することができる。しかしながら、活性物質、湿潤剤、粘着性付与剤、分散剤または乳化剤および可能なら溶媒もしくは油を含む濃縮物をまた製造することができ、その濃縮物は、水での希釈のために適当である。
【0084】
すぐに使用できる調製物中の活性化合物の濃度は、比較的広い範囲内で変化し得る。一般に、0.0001〜10%である。しばしば、少量の、例えば2〜200ppmの活性化合物Iですら、すぐに使用できる調製物において十分である。0.01〜1%の範囲の活性化合物の濃度を有するすぐに使用できる調製物がまた好ましい。
【0085】
活性化合物はまた、超低体積(ULV)プロセスにおいて非常に上首尾で使用することができ、95重量%より多い活性化合物を有する処方物、または添加剤なしで活性化合物を有する処方物でさえ、施用することが可能である。
【0086】
種々のタイプの油、除草剤、殺菌剤、他の農薬および殺菌剤を活性化合物に添加することができ、必要なら使用直前までまた添加しないことができる(タンクミックス)。これらの剤は、1:10〜10:1の重量比で本発明の組成物に添加することができる。
【0087】
本発明の組成物は、殺菌剤としての施用形態においてまた、他の活性化合物と一緒に、例えば除草剤、殺虫剤、成長調節剤、殺菌剤と一緒に、または肥料とまた一緒に存在することができる。化合物Iまたは、施用形態中に殺菌剤としてそれを含む組成物を、他の殺菌剤と混合すると、多くの場合、活性の殺菌スペクトルの拡大が得られる。
【0088】
本発明の化合物が共に使用することができる以下の殺菌剤のリストは、可能な組合せを説明することを意図し、限定することはない:
・ 硫黄、ジチオカルバメートおよびその誘導体、例えばジメチルジチオカルバミン酸鉄(III)、ジメチルジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸亜鉛、エチレンビスジチオカルバミン酸マンガン、エチレンジアミンビスジチオカルバミン酸マンガン亜鉛、テトラメチルチウラムジサルファイド、(N,N’-エチレンビスジチオカルバミン酸)亜鉛のアンモニア錯体、(N,N’-プロピレンビスジチオカルバミン酸)亜鉛のアンモニア錯体、(N,N’-プロピレンビスジチオカルバミン酸)亜鉛またはN,N’-ポリプロピレンビス(チオカルバモイル)ジサルファイド;
・ ニトロ誘導体、例えばクロトン酸ジニトロ(1-メチルヘプチル)フェニル、3,3-ジメチルアクリル酸2-sec-ブチル-4,6-ジニトロフェニル、炭酸2-sec-ブチル-4,6-ジニトロフェニルイソプロピルまたは5-ニトロイソフタル酸ジイソプロピル;
・ 複素環式物質、例えば2-ヘプタデシル-2-イミダゾリンアセテート、2,4-ジクロロ-6-(o-クロロアニリノ)-s-トリアジン、O,O-ジエチル フタルイミドホスホノチオエート、5-アミノ-1-[ビス(ジメチルアミノ)ホスフィニル]-3-フェニル-1,2,4-トリアゾール、2,3-ジシアノ-1,4-ジチオアントラキノン、2-チオ-1,3-ジチオ[4,5-b]キノキサリン、1-(ブチルカルバモイル)-2-ベンズイミダゾールカルバミン酸メチル、2-(メトキシカルボニルアミノ)ベンズイミダゾール、2-(2-フリル) ベンズイミダゾール、2-(4-チアゾリル) ベンズイミダゾール、N-(1,1,2,2-テトラクロロエチルチオ)テトラヒドロフタルイミド、N-(トリクロロメチルチオ) テトラヒドロフタルイミドまたはN-(トリクロロメチルチオ)フタルイミド;
・ N-ジクロロフルオロメチルチオ-N’,N’-ジメチル-N-フェニル硫酸ジアミド、5-エトキシ-3-トリクロロメチル-1,2,3-チアジアゾール、2-チオシアナトメチルチオベンゾチアゾール、1,4-ジクロロ-2,5-ジメトキシベンゼン、4-(2-クロロフェニルヒドラゾノ)-3-メチル-5-イソキサゾロン、2-チオピリジン1-オキシド、8-ヒドロキシキノリンもしくはその銅塩、2,3-ジヒドロ-5-カルボキシアニリド-6-メチル-1,4-オキサチイン、2,3-ジヒドロ-5-カルボキシアニリド-6-メチル-1,4-オキサチアイン 4,4-ジオキシド、2-メチル-5,6-ジヒドロ-4H-ピラン-3-カルボキシアニリド、2-メチルフラン-3-カルボキシアニリド、2,5-ジメチルフラン-3-カルボキシアニリド、2,4,5-トリメチルフラン-3-カルボキシアニリド、N-シクロヘキシル-2,5-ジメチルフラン-3-カルボキシアミド、N-シクロヘキシル-N-メトキシ-2,5-ジメチルフラン-3-カルボキシアミド、2-メチルベンズアニリド、2-ヨードベンズアニリド、N-ホルミル-N-モルホリン 2,2,2-トリクロロエチルアセタール、ピペラジン-1,4-ジイルビス-1-(2,2,2-トリクロロエチル)ホルムアミド、1-(3,4-ジクロロアニリノ)-1-ホルミルアミノ-2,2,2-トリクロロエタン、2,6-ジメチル-N-トリデシルモルホリンもしくはその塩、2,6-ジメチル-N-シクロドデシルモルホリンもしくはその塩、N-[3-(p-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロピル]-cis-2,6-ジメチルモルホリン、N-[3-(p-(tert-ブチル)フェニル)-2-メチルプロピル]ピペリジン、1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-4-エチル-1,3-ジオキソラン-2-イルエチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)-4-(n-プロピル) -1,3-ジオキソラン-2-イルエチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、N-(n-プロピル) -N-(2,4,6-トリクロロフェノキシエチル)-N’-イミダゾリル尿素、1-(4-クロロフェノキシ)-3,3-ジメチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ブタノン、1-(4-クロロフェノキシ)-3,3-ジメチル-1-(1H-1,2,4-トリアゾール-1-イル)-2-ブタノール、(2RS,3RS)-1-[3-(2-クロロフェニル)-2-(4-フルオロフェニル)オキシラン-2-イルメチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、α-(2-クロロフェニル)-α-(4-クロロフェニル)-5-ピリミジンメタノール、5-ブチル-2-ジメチルアミノ-4-ヒドロキシ-6-メチルピリミジン、ビス(p-クロロフェニル)-3-ピリジンメタノール、1,2-ビス(3-エトキシカルボニル-2-チオウレイド)ベンゼンまたは1,2-ビス(3-メトキシカルボニル-2-チオウレイド)ベンゼン;
・ ストロビルリン、例えばE-メトキシイミノ[α-(o-トリルオキシ)-o-トリル]酢酸メチル、E-2-{2-[6-(2-シアノフェノキシ)ピリミジン-4-イルオキシ]フェニル}-3-メトキシアクリル酸メチル、メチルE-メトキシイミノ-[α-(2-フェノキシフェニル)]アセトアミド、メチルE-メトキシイミノ-[α-(2,5-ジメチルフェノキシ)-o-トリル]アセトアミド;
・ アニリノピリミジン、例えばN-(4,6-ジメチルピリミジン-2-イル)アニリン、N-[4-メチル-6-(1-プロピニル)ピリミジン-2-イル]アニリンまたはN-[4-メチル-6-シクロプロピルピリミジン-2-イル]アニリン;
・ フェニルピロール、例えば4-(2,2-ジフルオロ-1,3-ベンゾジオキソール-4-イル)ピロール-3-カルボニトリル;
・ シアナミド、例えば3-(4-クロロフェニル)-3-(3,4-ジメトキシフェニル)アクリロイルモルホリン;ならびに
種々の殺菌剤、例えばドデシルグアニジンアセテート、3-[3-(3,5-ジメチル-2-オキシシクロヘキシル)-2-ヒドロキシエチル]グルタルイミド、ヘキサクロロベンゼン、メチルN-(2,6-ジメチルフェニル)-N-(2-フロイル)-DL-アラニネート、N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-(2’-メトキシアセチル)-DL-アラニンメチルエステル、N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-クロロアセチル-D,L-アミノブチロラクトン、N-(2,6-ジメチルフェニル)-N-(フェニルアセチル)-DL-アラニンメチルエステル、5-メチル-5-ビニル-3-(3,5-ジクロロフェニル)-2,4-ジオキソ-1,3-オキサゾリジン、3-(3,5-ジクロロフェニル)-5-メチル-5-メトキシメチル-1,3-オキサゾリジン-2,4-ジオン、3-(3,5-ジクロロフェニル)-1-イソプロピルカルバモイルヒダントイン、N-(3,5-ジクロロフェニル)-1,2-ジメチルシクロプロパン-1,2-ジカルボキシイミド、2-シアノ-N-(エチルアミノカルボニル)-2-[メトキシイミノ]アセトアミド、1-[2-(2,4-ジクロロフェニル)ペンチル]-1H-1,2,4-トリアゾール、2,4-ジフルオロ-α-(1H-1,2,4-トリアゾリル-1-メチル)ベンズヒドリルアルコール、N-(3-クロロ-2,6-ジニトロ-4-トリフルオロメチルフェニル)-5-トリフルオロメチル-3-クロロ-2-アミノピリジン、1-((ビス(4-フルオロフェニル)メチルシリル)メチル)-1H-1,2,4-トリアゾール。
【実施例】
【0089】
製造例:
実施例1:3-トリフルオロメチルピコリン酸(オルト-シクロヘキシル)アニリド:
1.1 3-トリフルオロメチルピリジン-2-カルボン酸メチル:
66.8g(0.4モル)のピリジン-2,3-ジカルボン酸を最初に、0.5リットルのオートクレーブに仕込んだ。次に120g(6モル)の無水フッ化水素を凝縮させ、138.4g(1.28モル)の四フッ化硫黄を加圧下で添加した。混合物を60℃で24時間撹拌した。オートクレーブを通気し、次に150mlのメタノールを加え、その後、混合物を80℃にて自生圧力下で3時間撹拌した。オートクレーブを通気し、次に内容物を1000gの氷水中に注ぎ入れ、40重量%強度の水酸化カリウム水性溶液を用いて、混合物をアルカリ性にし、350mlの塩化メチレンで3回洗浄し、塩化メチレン相を分離し、300mlの水で1回洗浄し、次に有機相を硫酸マグネシウムで乾燥した。減圧下での溶媒の除去のこの速度は残渣を与え、これを15cmVigreuxカラムにて減圧下で蒸留した。61.9gの標記化合物を、GCによる純度88.7%を有する98〜99℃(10ミリバール)での画分として得た。
【0090】
1H-NMR (DMSO-d6): 3.05 ppm (s, 3H, OMe); 7.85 ppm (m, 1H, ピリジン-H); 8.40 ppm (d, 1H, ピリジン-H); 8.95 ppm (d, 1H, ピリジン-H)。
【0091】
1.2 3-トリフルオロメチルピリジン-2-カルボン酸カリウム塩:
20g(0.086モル)の88.7%純度の3-トリフルオロメチルピリジン-2-カルボン酸メチルおよび300mlの20重量%強度の水酸化カリウム水性溶液を6時間加熱還流した。次に混合物を、水性塩酸を用いてpH=5に調整し、濃縮乾固させた。残渣を、400mlの沸騰メタノールで2回処理した。メタノール抽出物をまとめて、減圧下で蒸発乾固させた。20.2gの標記化合物を、カリウム塩として得た。
【0092】
1H-NMR (DMSO-d6): 7.3 ppm (m, 1H, ピリジン-H); 7,95 ppm (d, 1H, ピリジン-H); 8.6 ppm (d, 1H, ピリジン-H)。
【0093】
1.3 3-トリフルオロメチルピコリン酸(オルト-シクロヘキシル)アニリド:
600mgのオルト-シクロヘキシルアニリンおよび1.04gのトリエチルアミンを20mlのジクロロメタンに溶かした。0.72gの3-トリフルオロメチルピコリノイルクロリドを添加し、混合物を室温で14時間撹拌した。反応混合物を次に、各場合、重炭酸ナトリウム水性溶液および希塩酸で1回洗浄し、水で2回洗浄した。有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、減圧下で濃縮した。残渣を、シクロヘキサンおよびメチルtert-ブチルエーテルの混合物を用い、シリカゲルでクロマトグラフィー精製することにより、740mgの融点111〜116℃の目的化合物を得た。
【0094】
実施例2〜22の化合物(式I’の化合物)を、同様の方法で製造した。その物理化学データを表7に示す。
【0095】
表7:
【化8】

【表2】

【0096】

【0097】
使用例:
活性化合物は、アセトンまたはジメチルスルホキシド(DMSO)中に0.25重量%の活性化合物を含むストック溶液として製造された。1重量%の乳化剤Uniperol(商標)EL(エトキシル化アルキルフェノールに基づく乳化および分散作用を有する湿潤剤)がこの溶液に添加され、混合物は、所望の濃度まで水で希釈された。
【0098】
Sphaerotheca fuligineaにより引起されるキュウリの葉のウドンコ病に対する活性、保護的施用
品種「Chinese Snake」の鉢植えのキュウリの苗の葉に、子葉期に、以下に記載された活性化合物の濃度を有する水性懸濁物を、流出点(runoff point)まで噴霧した。噴霧の20時間後にコーティングが乾燥し、植物は、キュウリのウドンコ病の胞子(Sphaerotheca fuliginea)の水性懸濁物を接種された。次に試験植物を、20〜24℃の温度および60〜80%相対的大気湿度にて7日間、温室中で栽培した。次にウドンコ病の展開の広がりが、子葉領域の%感染で視覚的に決定された。結果を表8に示す。
【0099】
表8:
【表3】

【0100】
小麦のPuccinia recondita(小麦のサビ病)に対する保護活性
品種「Kanzler」の鉢植えの小麦苗の葉に、以下に記載された活性化合物の濃度を有する水性懸濁物を、流出点まで振りかけた。次の日、処理した植物は、小麦のサビ菌(Puccinia recondita)の胞子を振りまかれた。次に植物は、高い大気湿度(90〜95%)および20〜22℃の部屋に24時間置かれた。この時間中、胞子は発芽し、胚芽管が葉の組織中に入り込んだ。次の日、試験植物は、温室に戻され、20〜22℃および65〜70%相対的大気湿度でさらに7日間栽培された。その後、葉におけるサビ菌の展開の広がりを視覚的に決定した。結果を表9に示す。
【0101】
表9:
【表4】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I
【化1】

(ここで、nは0、1、2、3または4であり、置換基は以下のように定義される:
Xは、O、Sまたは直接結合であり;
Wは、OまたはSであり;
R1、R2、R3は互いに独立して、水素、ハロゲン、ニトロ、CN、C1-C4-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C1-C4-アルコキシであり、4個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R4は、水素、OH、C1-C4-アルキル、 C3-C6-シクロアルキル C1-C4-アルコキシであり、3個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R5は、非置換のC4-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C3-C12-アルケニル、 C5-C12-シクロアルケニル、 C3-C12-アルキニル、 C3-C12-シクロアルキル-C1-C4-アルキル[5個の最後に挙げた基は、各場合に、1、2または3個の置換基R9を有することができ、5個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる];C1-C12-ハロアルキル、 C1-C12-アルキル[1、2 または 3 個の置換基R11を有する];基-C(R10)=NOR8、基-C(O)NR13R14;フェニル; フェニル-C1-C6-アルキル、 フェニル-C2-C6-アルケニル、 フェニル-C2-C6-アルキニル、 フェニルオキシ-C1-C6-アルキル、 フェニルオキシ-C2-C6-アルケニル、 フェニルオキシ-C2-C6-アルキニル[6個の最後に挙げた基中のアルキル、アルケニルおよびアルキニル部分は、1、2、3または4個の置換基R11を有することができ、7個の最後に挙げた基中のフェニル環は、1、2、3または4個の基R7を有することができる]であり;
R6は、水素とは異なるR1について挙げた意味を有し;
R7は、C1-C4-アルキル、 C3-C6-シクロアルキル、C1-C4-アルコキシ、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニル、C2-C4-アルキニルオキシ[これら7個の基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる]、OH、ハロゲン、ニトロ、CN, C1-C4-アルキルチオ、C1-C4-アルキルスルホニル、-C(O)R12, NR13R14、-C(O)NR13R14、-C(S)NR13R14、-C(R10)=NOR8、フェニル[R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]、フェノキシ[R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]、C1-C6-アルキル-フェニル[アルキル部分の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ、フェニル環は、R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]であり、ここで、隣接炭素原子に結合した2個の基R7はまた、CH=CH-CH=CHまたは3〜5個を有するアルキレン鎖であることができ、ここで、1個または2個の隣接しないCH2基はまた、酸素もしくは硫黄により置換されることができ、水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる;
R8は、C1-C4-アルキル、C3-C6-シクロアルキル、C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル[これら4個の基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる]、フェニルまたはフェニル-C1-C6-アルキル[2個の最後に挙げた基中のフェニルは、R6の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]であり;
R9は、C1-C4-アルキル、C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C8-アルコキシであり、これらの基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R10は、水素、ハロゲン、C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C8-アルコキシ、C1-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C2-C12-アルケニル、C5-C12-シクロアルケニル、C3-C12-シクロアルキル-C1-C4-アルキル[9個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる]、フェニル[R7の下に挙げた1、2、3または4個の基を有することができる]であり;
R11は、ハロゲン、C1-C4-アルキル、C1-C8-アルコキシ、C1-C8-アルコキシ-C1-C8-アルコキシ、C2-C8-アルケニルオキシ、C2-C8-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C8-アルコキシであり、これらの基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R12は、水素、OH、C1-C4-アルキル, C1-C4-アルコキシ, C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニル、C2-C4-アルケニルオキシ、C2-C4-アルキニルオキシ、C1-C4-アルコキシ-C1-C4-アルコキシであり、7個の最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ;
R13、R14は、互いに独立して、水素、C1-C4-アルキル, C2-C4-アルケニル、C2-C4-アルキニルであり、これらの基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる)
の3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドまたはIの農業上有用な塩。
【請求項2】
R1、R2およびR3が、互いに独立して、水素、ハロゲン、C1-C4-アルキルまたはC1-C4-ハロアルキルである請求項1記載の式Iのアニリド。
【請求項3】
R1、R2およびR3がそれぞれ水素である請求項1記載の式Iのアニリド。
【請求項4】
R4が、水素、メチル、OHおよびメトキシからなる群より選択される請求項1〜3のいずれか1項記載の式Iのアニリド。
【請求項5】
R4が水素である請求項4記載の式Iのアニリド。
【請求項6】
R5が、以下の意味のうちの1つ:
- 非置換のC4-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C2-C12-アルケニル、C5-C12-シクロアルケニル、C2-C12-アルキニル、ここで、4つの最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ、C3-C12-シクロアルキル中の水素原子の幾つかまたは全部は、C1-C4-アルキルで置換されることができる;
- C1-C12-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ- C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルコキシ- C1-C4-アルキル;
- フェニル、フェニル- C1-C6-アルキル、ここでフェニル環は、1、2、3または4個の基R7で置換されることができる;または
- -C(C1-C4-アルキル)=NO-R8、ここで、C1-C4-アルキル基の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる
を有する請求項1〜5のいずれか1項記載の式Iのアニリド。
【請求項7】
R6が以下の意味:C1-C4-アルキル、C1-C4-アルコキシ(これらの基はハロゲンで置換されることができる)またはハロゲンを有する請求項1〜6のいずれか1項記載の式Iのアニリド。
【請求項8】
n=0である請求項1〜7のいずれか1項記載の式Iのアニリド。
【請求項9】
R1、R2およびR3がそれぞれ水素を表し、基X-R5がアミド窒素に、オルトまたはメタ位で結合される請求項9記載の式Iのアニリド。
【請求項10】
Xが直接結合または酸素である請求項1〜9のいずれか1項記載の式Iのアニリド。
【請求項11】
Xが酸素または直接結合であり、R5が以下の意味のうちの1つ:
- 非置換のC4-C12-アルキル、C3-C12-シクロアルキル、C2-C12-アルケニル、C5-C12-シクロアルケニル、C2-C12-アルキニル、ここで、4つの最後に挙げた基中の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができ、C3-C12-シクロアルキル中の水素原子の幾つかまたは全部は、C1-C4-アルキルで置換されることができる;
- C1-C12-ハロアルキル、C1-C4-アルコキシ- C1-C4-アルキル、C1-C4-ハロアルコキシ- C1-C4-アルキル;
- フェニル、フェニル- C1-C6-アルキル、ここでフェニル環は、1、2、3または4個の基R7で置換されることができる;または
- -C(C1-C4-アルキル)=NO-R8、ここで、C1-C4-アルキル基の水素原子の幾つかまたは全部は、ハロゲンで置換されることができる
を有する請求項10記載の式Iのアニリド。
【請求項12】
請求項1〜11のいずれか1項記載の式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドおよびその農業上許容される塩を、有害菌を制御するために使用する方法。
【請求項13】
殺菌に有効な量の少なくとも1種の、請求項1〜11のいずれか1項記載の式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドまたはIの農業上許容される塩を含む殺菌組成物。
【請求項14】
有害菌を制御するための方法であって、有害菌、それらの生息地または、それらがいないように保持されるべき植物、領域、材料もしくは空間を、少なくとも1種の殺菌に有効な量の、請求項1〜11のいずれか1項記載の式Iの3-トリフルオロメチルピコリン酸アニリドまたはIの農業上許容される塩で処理することを含む方法。

【公表番号】特表2007−534652(P2007−534652A)
【公表日】平成19年11月29日(2007.11.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−546061(P2006−546061)
【出願日】平成16年12月22日(2004.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2004/014621
【国際公開番号】WO2005/063710
【国際公開日】平成17年7月14日(2005.7.14)
【出願人】(595123069)ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト (847)
【氏名又は名称原語表記】BASF Aktiengesellschaft
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】