説明

3−ピリジニウムメチルセフェム化合物

式:
【化1】


(式中、Aは置換されていてもよい低級アルキレン(置換基:モノまたはジ低級アルキル、低級アルキリデン、または炭素2以上の低級アルキレン);Zは以下のいずれかの基:
【化2】


(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル、置換されていてもよいアミノシクロアルキル、置換されていてもよい環状アミノ、または置換されていてもよい環状アミノ低級アルキル;R9は水素または低級アルキル、またはRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素または置換されていてもよい低級アルキル))
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、種々の病原性細菌に対して幅広い抗菌スペクトルを示す広域セフェム化合物およびそれを含有する医薬組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
グラム陽性菌および緑膿菌を含むグラム陰性菌に対して強い抗菌力を有する広域セフェム化合物としては、近年、セフェム骨格の7位末端がアミノチアゾールまたはアミノチアジアゾールで、かつ3位が環状タイプの4級アンモニウムメチル基である化合物が注目されている。例えば、3位側鎖としてイミダゾピリジニウムメチル基を有するセフェム化合物が公知である(参照:特許文献1)。特に緑膿菌等のグラム陰性菌に対しても有効なセフェム化合物として、7位側鎖上にカルボキシ置換アルコキシイミノ構造を有する化合物が公知である(参照:特許文献2、3)。特許文献2は、7位が置換アミノチアゾール型で3位に種々の4級アンモニウムメチル基を有するのセフェム化合物を開示している。特許文献3は、7位がアミノチアジアゾール型で3位のヘテロ環がピラゾール環であるセフェム化合物を開示している。その他にも、7位側鎖上にカルボキシ置換アルコキシイミノ構造を有する化合物は公知である(参照:特許文献4、5)。
【特許文献1】WO00/32606
【特許文献2】WO03/07440
【特許文献3】WO02/090364
【特許文献4】特開昭57−131795
【特許文献5】特開昭60−231684
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
従来のセフェム化合物に比べて、さらに強力な抗菌活性を示すか、または異なる抗菌パターンを示す新規な広域セフェム化合物の開発が要望されていた。また耐性緑膿菌にも有効な抗菌剤の開発が必要である。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは鋭意検討した結果、7位側鎖上にアミノチアジアゾール環およびカルボキシ置換アルコキシイミノ構造を有し、かつ3位側鎖上のヘテロ環として置換または縮合ピリジニウム環を有するセフェム化合物が優れた抗菌活性を有することを見出し、以下に示す本発明を完成した。
(1)式:
【化1】

(式中、Aは置換されていてもよい低級アルキレン(置換基:モノまたはジ低級アルキル、低級アルキリデン、または炭素2以上の低級アルキレン);Zは以下のいずれかの基:
【化2】


(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル、置換されていてもよいアミノシクロアルキル、置換されていてもよい環状アミノ、または置換されていてもよい環状アミノ低級アルキル;R9は水素または低級アルキル、またはRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素または置換されていてもよい低級アルキル))
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(2)Aは式:
【化3】


(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素もしくは低級アルキルであるか、または一緒になって低級アルキリデンもしくは炭素2以上の低級アルキレンを形成する)
で示される基である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(3)Aは−C(CH−である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(4)RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニルまたはシクロアルキル)、低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノまたは低級アルキルで置換されていてもよい飽和3〜6員環状アミノ低級アルキル;R9は水素または低級アルキル、またはRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ(置換基:置換されていてもよいアミノまたは低級アルキル)を形成してもよい;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(5)RおよびRはそれぞれ独立して、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rはアミノ;XはNまたはCHである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(6)Aは式:−C(CH− で示される基;RおよびRはそれぞれ独立して、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)ある、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(7)Zは(Z‐1)で示される基;Rは置換されていてもよいアミノ低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニルまたはシクロアルキル)である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(8)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニルまたはシクロアルキル)である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(9)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは−(CH)mNHCH(mは1〜5の整数)である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(10)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは−(CHNHCHである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(11)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(12)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和3〜6員環状アミノ低級アルキルである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(13)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;RおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ(置換基:置換されていてもよいアミノまたは低級アルキル)を形成する、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(14)Zは(Z‐2)で示される基;Rはアミノである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(15)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rはアミノである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(16)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは水素、−(CH)nNHCH(nは1〜5の整数)、−(CH)pCH(CH)NH(pは1〜5の整数)または以下に示されるいずれかの基:
【化4】


;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(17)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは−(CH)nNHCH(nは1〜5の整数);Rはアミノ;XはNである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(18)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは−(CHNHCH;Rはアミノ;XはNである上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(19)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、または低級アルキル)である、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(20)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rはアミノ;XはNまたはCHである、上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(21)Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは水素、;Rは水素またはアミノ;XはCR(Rは低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である上記(1)記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
(22)上記(1)〜(21)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する、医薬組成物。
(23)抗菌薬である、上記(22)記載の医薬組成物。
(24)上記(1)〜(21)のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の、カルボキシおよび/またはアミノが保護された化合物。
【発明の効果】
【0005】
本化合物は、種々の細菌に対して強い抗菌作用を示す。好ましい化合物は、特に大腸菌や耐性型の緑膿菌等を含むグラム陰性菌に対して顕著に強い抗菌作用を示す。また別の好ましい化合物は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対してバランスよく活性を示す。さらに本化合物は、体内動態や水溶性等もよいので、特に注射薬として好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
本発明書中、各用語は特に断らない限り、単独、併用のいずれの場合も以下の意味を有する。
低級アルキルは、直鎖又は分枝状のC1〜C6アルキルを包含し、例えばメチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、t−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシルが例示される。
低級アルキレンは、メチレンまたは、低級アルキルの異なる2個の炭素原子から2個の水素原子が失われて生ずる2価の基を意味し、好ましくは−(CH)m−(mは1〜6、好ましくは1〜3の整数)で示される。
低級アルキリデンは、低級アルキルの同一炭素原子から2個の水素原子が失われて生ずる2価の基を意味し、=CH、=CHCH、=CHCHCH、=C(CH2、=CH(CHCH、=CHC(CHが例示される。
アミノシクロアルキルは、アミノが置換したシクロアルキルを意味する。
シクロアルキルはC3〜C7、好ましくはC3〜C5のシクロアルキルを意味し、例えば、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなどが例示される。
【0007】
Aは、化合物(I)の抗菌活性、体内動態等に悪影響を及ぼさない2価の基であれば必ずしも限定されないが、好ましくは、置換されていてもよい低級アルキレン、より好ましくは置換されていてもよいメチレンである。該置換基としては、モノまたはジ低級アルキル(例:モノまたはジメチル)、低級アルキリデン(例:=CH)、または炭素2以上の低級アルキレン(例:−(CH)m−(m:2または3))が例示されるが、好ましくはモノまたはジ低級アルキル、より好ましくはジ低級アルキル(例:ジメチル)である。
Aはより好ましくは、式:
【化5】


(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素もしくは低級アルキルであるか、または一緒になって低級アルキリデンもしくは炭素2以上の低級アルキレンを形成する)
で示される基である。RaおよびRbは、好ましくはともに低級アルキルであり、より好ましくはC1〜C3アルキル、特に好ましくはメチルである。すなわちAは特に好ましくは、”=C(CH”である。RaおよびRbが、一緒になって炭素2以上の低級アルキレンを形成する場合は、隣接する炭素原子と共に3員以上の炭素環(例:シクロプロパン、シクロブタン)を形成する。
【0008】
およびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル、置換されていてもよいアミノシクロアルキル、置換されていてもよい環状アミノまたは置換されていてもよい環状アミノ低級アルキルである。
【0009】
「置換されていてもよいアミノ低級アルキル」、「置換されていてもよいアミノシクロアルキル」の置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル(例:メチル、エチル、プロピル)、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニル等から選択される1またはそれ以上の置換基が例示され、好ましくは低級アルキルである。該置換基は、アミノ低級アルキルのいずれの位置に置換していてもよい。また「置換されていてもよいアミノ」は、環状アミノや4級カチオンを形成している場合も含む。
上記「置換されていてもよい低級アルキル」の置換基としては、ヒドロキシ、イミノ、アミノが例示される。
が「置換されていてもよいアミノ低級アルキル」である場合、特に好ましくは、−(CH)mNHCH(mは1〜5、好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは2である。)で示される。
が「置換されていてもよいアミノ低級アルキル」である場合、特に好ましくは、−(CH)nNHCH(nは1〜5、好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは3である。)や、−(CH)pCH(CH)NH(pは1〜5、好ましくは1〜3の整数、特に好ましくは2である。)で示される基である。
【0010】
「環状アミノ」は、飽和、不飽和または芳香族の、単環(例:3〜7員)または縮合環(例:8〜10員)状の基を包含し、該環の構成原子としてアミノのN原子以外にさらにO、S、Nから選択される同一または異なるヘテロ原子を1〜3個含有していてもよい。「環状アミノ」は好ましくは、飽和の単環(好ましくは3〜6員環)である。より好ましくは、アゼチジル 、ピロリジル、ピペリジル等である。「環状アミノ」における窒素原子の位置は特に制限されない。
またはRが環状アミノである場合の結合位置は、好ましくは、該窒素原子に対して3または4位の炭素原子である。より好ましくは以下に示す基である。
【化6】

が環状アミノである場合、好ましくは、ピロリジル(より好ましくは(b))である。
が環状アミノである場合、好ましくは、ピペリジル(より好ましくは(c))である。
「置換されていてもよい環状アミノ低級アルキル」における環状アミノの窒素原子は、好ましくは低級アルキルに結合する。
9は水素または低級アルキルであるが、好ましくは水素である。
またRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、前記の置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい。該環状アミノとして好ましくは、ピペリジル、ピペラジニル、モルホリニルが例示される。 「置換されていてもよい環状アミノ」及び「置換されていてもよい環状アミノ低級アルキル」の置換基としては、低級アルキル(例:メチル、エチル、プロピル)、アミノ、低級アルキルアミノが例示され、特に好ましくは低級アルキル(例:メチル)である。
は水素またはアミノであるが、好ましくはアミノである。
【0011】
Xは、NまたはCR(Rは水素または置換されていてもよい低級アルキル)であるが、好ましくはNである。XがCRの場合、「置換されていてもよい低級アルキル」の置換基としては、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ、ヒドロキシなどが例示されるが、好ましくは低級アルキルで置換されていてもよいアミノ(例:NH、NHCH)である。Rは好ましくは、水素、低級アルキル(例:メチル)、低級アルキルアミノ低級アルキル(例:−CHNHCH、−CHCHNHCH)等であり、より好ましくは水素または低級アルキル(例:メチル)である。
は、前記(Z−1)または(Z−2)で示される基である。(Z−1)タイプのZとしては、後記の実施例1、3、4、5、7、14、16、18等に示される基や、以下に示すピリジン環の4級カチオンが例示される。
【化30】

(Z−2)タイプのZとしては、後記の実施例に示される基や、以下に示す縮合ピリジン環の4級カチオンが例示される。
【化31】

【0012】
化合物(I)の好ましい態様を以下に例示する。
(1)RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノまたはアミノスルホニル)、低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノまたは低級アルキルで置換されていてもよい飽和3〜6員環状アミノ低級アルキル;R9は水素または低級アルキル;またはRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ(置換基:置換されていてもよいアミノまたは低級アルキル)を形成してもよい。;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である場合。
(2)RおよびRはそれぞれ独立して、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;R9は水素;Rはアミノ;XはNまたはCHである場合。
(3)Aは式:−C(CH− で示される基;RおよびRはそれぞれ独立して、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;R9は水素または低級アルキル;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である場合。
(4)Zは(Z‐1)で示される基である場合、好ましくはRは置換されていてもよいアミノ低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノまたはアミノスルホニル)であり、より好ましくはAは式:−C(CH− で示される基である。さらに好ましくは、Rは−(CH)mNHCH(mは1〜5の整数)であり、特に好ましくはmが2である。
(5)Zは(Z‐1)で示される基である場合、好ましくはAは式:−C(CH− で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノである。
(6)Zは(Z‐2)で示される基である場合、好ましくはRはアミノであり、より好ましくは、Aは式:−C(CH− で示される基である。
(7)Zは(Z‐2)で示される基である場合、Aは式:−C(CH− で示される基;Rは水素、−(CH)nNHCH(nは1〜5の整数)、−(CH)pCH(CH)NH(pは1〜5の整数)または以下に示されるいずれかの基:
【化7】


;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である。より好ましくは、Rは−(CH)nNHCH(nは1〜5の整数);Rはアミノ;XはNである。特に好ましくは、Rは−(CHNHCH;Rはアミノ;XはNである。
(8)Zは(Z‐2)で示される基である場合、Aは式:−C(CH− で示される基であり、Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノである。好ましくはRは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、または低級アルキル)である。より好ましくはRはアミノ;XはNまたはCHである。
(9)Zは(Z‐2)で示される基である場合、Aは式:−C(CH− で示される基;Rは水素、;Rは水素またはアミノ;XはCR(Rは低級アルキルまたは低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である。
【0013】
本発明化合物の製法を以下に例示する。
【化8】

(式中、R5は水素またはカルボキシ保護基;R6は水素またはアミノ保護基;R7は水素またはカルボキシ保護基;Rは水素またはアミノ保護基;Raは水素またはカルボキシ保護基;Yは脱離基(例:ヒドロキシ、ハロゲン(Cl、Br、I等)、カルバモイルオキシ、置換カルバモイルオキシ、アシルオキシ、メタンスルホニルオキシ、トルエンスルホニルオキシ等);Q-はハロゲン等の対イオン)
【0014】
(1)化合物(IV)の製法
化合物(IV)は、WO02/090364号等に記載の公知化合物であるか、または
化合物(II)と化合物(III)を反応させることにより得られる。この場合、好ましくはR5は水素;R6はアミノ保護基;R7はカルボキシ保護基である。
化合物(III)の使用量は、化合物(II)1モルに対して通常、約1〜10モル、好ましくは約1〜2モルである。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アルコール類(例:メタノール、エタノール、イソプロパノール)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
反応温度は、通常、約−20〜100℃、好ましくは約0〜50℃である。
【0015】
(2)化合物(VII) および(VIII)の製法
1) )7位アシル化
化合物(VI)と化合物(IV)を反応させることにより化合物(VII)が得られる。この場合、好ましくは、Raはカルボキシ保護基;R5は水素;R6はアミノ保護基;R7はカルボキシ保護基;R8は水素である。
化合物(IV)の使用量は、化合物(VI)1モルに対して通常、約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。
反応温度は、通常、約−40〜100℃、好ましくは約0〜30℃である。
また化合物(VI,VII,VIII,T=SO)は、化合物(VI,VII,VIII,T=S)を酸化することにより得ることもできる。好ましくは、化合物(VII,T=SO)は、化合物(VII,T=S)を酸化することにより得ることができる。
酸化剤としては、m-Cl過安息香酸(m-CPBA)、過酸化水素、過酢酸等が例示される。
化合物(VI)は文献(例:特開昭60−231684、特開昭62−149682等)記載の方法に準じて合成できる。
上記アミド化反応は、カルボキシル部分を反応性誘導体(例:無機塩基塩、有機塩基塩、酸ハライド、酸アジド、酸無水物、混合酸無水物、活性アミド、活性エステル、活性チオエステル)に変換して行ってもよい。該無機塩基としてはアルカリ金属(例:Na、K等)、アルカリ土類金属(例:Ca,Mg)などが、有機塩基としてはトリメチルアミン、トリエチルアミン、tert−ブチルジメチルアミン、ジベンジルメチルアミン、ベンジルジメチルアミン、N−メチルモルホリン、ジイソプロピルエチルアミンなどが、酸ハライドとしては酸クロライド、酸ブロマイドなどが、混合酸無水物としてはモノアルキル炭酸混合酸無水物、脂肪族カルボン酸混合酸無水物、芳香族カルボン酸混合酸無水物、有機スルホン酸混合酸無水物などが、活性アミドとしては含窒素複素環化合物とのアミドなどが例示される。活性エステルとしては有機リン酸エステル(例:ジエトキシリン酸エステル、ジフェノキシリン酸エステルなど)、p−ニトロフェニルエステル、2,4−ジニトロフェニルエステル、シアノメチルエステルなどが例示される。活性チオエステルとしては、芳香族複素環チオール化合物とのエステル(例:2−ピリジルチオールエステル)などが例示される。また上記反応においては所望により適当な縮合剤を用いてもよい。縮合剤としては例えば、1−ジメチルアミノプロピル−3−エチルカルボジイミド・塩酸塩(WSCD・HCl)、N,N′−ジシクロヘキシルカルボジイミド、N,N′−カルボニルジイミダゾール、N,N′−チオカルボニルジイミダゾール、N−エトキシカルボニル−2−エトキシ−1,2−ジヒドロキノリン、オキシ塩化リン、アルコキシアセチレン、2−クロロピリジニウムメチルアイオダイド、2−フルオロピリジニウムメチルアイオダイド、無水トリフルオロ酢酸などが用いられる。
【0016】
2)3位側鎖形成
化合物(VII)とZ(Zに対応するヘテロ環化合物)を反応させることにより化合物(VIII)が得られる。この場合、好ましくは、R6はアミノ保護基;R7はカルボキシ保護基;Raはカルボキシ保護基である。なお、化合物(VIII)のZ上に置換基としてアミノ等の官能基が存在する場合には、保護基で保護されていてもよい。
Zの使用量は、化合物(VII)1モルに対して通常、約1〜10モル、好ましくは約1〜2モルである。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。
反応温度は通常、約0〜100℃、好ましくは約0〜50℃、より好ましくは約10〜30℃である。
反応促進剤として、NaI、KI等を使用してもよい。
【0017】
(3)化合物(IX)および(VIII)の製法
1) )3位側鎖形成
化合物(VI)とZを反応させることにより化合物(IX)が得られる。この場合、好ましくは、R8は水素;Raはカルボキシ保護基である。なお、化合物(IX)のZ上に置換基としてアミノ等の官能基が存在する場合には、保護基で保護されていてもよい。
Zの使用量は、化合物(VI)1モルに対して通常、約1〜10モル、好ましくは約1〜2モルである。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。
反応温度は通常、約0〜100℃、好ましくは約0〜50℃、より好ましくは約10〜30℃である。
反応促進剤として、NaI、KI等を使用してもよい。
【0018】
2) )7位アシル化
化合物(IX)と化合物(IV)を反応させることにより化合物(VIII)が得られる。この場合、好ましくは、Raはカルボキシ保護基;R5は水素;R6はアミノ保護基;R7はカルボキシ保護基;R8は水素である。
化合物(IV)の使用量は、化合物(IX)1モルに対して通常、約1〜5モル、好ましくは約1〜2モルである。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。
反応温度は、通常、約−40〜100℃、好ましくは約0〜30℃である。
アミド化反応は、上記と同様にカルボキシル部分を反応性誘導体(例:無機塩基塩、有機塩基塩、酸ハライド、酸アジド、酸無水物、混合酸無水物、活性アミド、活性エステル、活性チオエステル)に変換してもよいし、所望により適当な縮合剤を用いてもよい。
【0019】
(4)脱保護
化合物(VIII)を当業者周知の方法により脱保護反応に付すことにより化合物(I)が得られる。
反応溶媒としては、例えばエーテル類(例:アニソール、ジオキサン、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、ジイソプロピルエーテル)、エステル類(例:ギ酸エチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル)、ハロゲン化炭化水素類(例:ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素)、炭化水素類(例:n−ヘキサン、ベンゼン、トルエン)、アミド類(例:ホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン)、ケトン類(例:アセトン、メチルエチルケトン)、ニトリル類(例:MeCN、プロピオニトリル)、ニトロ類(例:ニトロメタン、ニトロエタン、ニトロベンゼン)、ジメチルスルホキシド、水などが例示される。これらの溶媒は単独で使用しても、2種以上を混合して使用してもよい。
反応温度は通常、約−70〜50 ℃、好ましくは約−50〜0℃である。
触媒としては、ルイス酸(例:AlCl3, SnCl4, TiCl4)、プロトン酸(例:HCl, H2SO4, HClO4, HCOOH, フェノール)等が使用でき、所望によりアニソールを併用する。
なお得られた化合物(I)を更に化学修飾して別の化合物(I)、その製薬上許容される塩もしくは溶媒和物を合成することもできる。
本発明はさらに、化合物(I)、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の、カルボキシおよび/またはアミノが保護された化合物も提供する。具体的には前記化合物(VIII)が例示される。該化合物は、合成中間体として有用である。
化合物(I)のカルボキシが保護された化合物とは、好ましくは7位側鎖上のカルボキシルがエステル構造(COOR)および/または4位のカルボキシルがエステル構造(COOR)になっている化合物を意味する。該エステルは、体内で容易に代謝されてカルボキシの状態になるエステルも包含する。
上記RやRで示されるカルボキシ保護基としては、低級アルキル(例:メチル、エチル、t−ブチル)、(置換)アラルキル(例:ベンジル、ベンズヒドリル、p−メトキシベンジル、p−ニトロベンジル)、シリル基(t−ブチルジメチルシリル、ジフェニルt−ブチルシリル)等が例示される。
化合物(I)のアミノが保護された化合物とは、3位側鎖および/または7位アミノチアジゾール環上のアミノが保護された状態(例:NHR)の化合物を意味する。R6で示されるアミノ保護基は、体内で容易に代謝されてアミノになる基も包含し、低級アルコキシカルボニル(例:t−ブトキシカルボニル、ベンジルオキシカルボニル、p−ニトロベンジルオキシカルボニル)、(置換)アラルカノイル(例:p−ニトロベンゾイル)、アシル(例:ホルミル、クロロアセチル)等が例示される。
上記のカルボキシおよび/またはアミノが保護された化合物は、前記製法(4)に記載の方法に準じて脱保護され得る。
化合物(I)の製薬上許容される塩としては、無機塩基、アンモニア、有機塩基、無機酸、有機酸、塩基性アミノ酸、ハロゲンイオン等により形成される塩又は分子内塩が例示される。該無機塩基としては、アルカリ金属(Na,K等)、アルカリ土類金属(Mg等)、有機塩基としては、プロカイン、2−フェニルエチルベンジルアミン、ジベンジルエチレンジアミン、エタノールアミン、ジエタノールアミン、トリスヒドロキシメチルアミノメタン、ポリヒドロキシアルキルアミン、N−メチルグルコサミン等が例示される。無機酸としては、塩酸、臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸等が例示される。有機酸としては、p−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸等が例示される。塩基性アミノ酸としては、リジン、アルギン、オルニチン、ヒスチジン等が例示される。
化合物(I)の溶媒和物の溶媒としては水やアルコールが例示される。
【0020】
本発明化合物はスペクトルの広い抗菌活性を有し、人を含む各種哺乳動物における病原性細菌により生ずる種々の疾病、例えば気道感染症、尿路感染症、呼吸器感染症、敗血症、腎炎、胆嚢炎、口腔内感染症、心内膜炎、肺炎、骨髄膜炎、中耳炎、腸炎、畜膿、創傷感染、日和見感染等の予防又は治療のために使用され得る。
本発明化合物は、特に緑膿菌、大腸菌、インフルエンザ菌等を含むグラム陰性菌に対して高い抗菌活性を示す。またセフェム耐性の緑膿菌が産出するβ−ラクタマーゼ(特にC型β−ラクタマーゼ)に対しても安定であるので、耐性緑膿菌に対しても有効である。よって、β−ラクタマーゼ阻害剤を併用しなくても単独で優れた治療効果を発揮する。また本発明化合物は黄色ブドウ球菌、ペニシリン耐性肺炎ブドウ球菌(PRSP)、肺炎球菌等を含むグラム陽性菌に対しても抗菌活性を有する。特に好ましい化合物では、緑膿菌等のグラム陰性菌に対して高い抗菌活性を示し、かつグラム陽性菌に対してもバランスよく抗菌活性を示す。さらに体内動態として、血中濃度が高い、効果の持続時間が長い、組織移行性が顕著である等の特徴も有している。
【0021】
本発明化合物は、注射剤、カプセル剤、錠剤、顆粒剤として非経口または経口的に投与できるが、水溶性が高く好ましくは注射剤として投与される。投与量は、通常、患者または動物の体重1kg当たり、約0.1〜100mg/日、好ましくは約0.5〜50mg/日を、所望により1日2〜4回に分割して投与すればよい。注射剤として用いられる場合の担体は、たとえば蒸留水、生理食塩水などであり、またpH調節のための塩基等を使用してもよい。カプセル剤、顆粒剤、錠剤として用いられる場合の担体は、公知の賦形剤(例:デンプン、乳糖、白糖、炭酸カルシウム、リン酸カルシウムなど)、結合剤(例:デンプン、アラビアゴム、カルボキシメチルセルロ−ス、ヒドロキシプロピルセルロ−ス、結晶セルロ−スなど)、滑沢剤(例:ステアリン酸マグネシウム、タルクなど)等である。
【0022】
以下に実施例を示す。
(略号)
Me:メチル; Et:エチル; iPr:イソプロピル; Bu:t−ブチル; Ac:アセチル;DMF:ジメチルホルムアミド; THF:テトラヒドロフラン; Boc:t-ブトキシカルボニル; PMB:p-メトキシベンジル; BH:ベンズヒドリル
【実施例1】
【0023】
【化9】

(1)窒素雰囲気下、化合物2 (425 mg, 1.2 mmol)のジメチルホルムアミド (2.6 mL)溶液に化合物1 (877 mg, 1.1 mmol)、臭化ナトリウム (229 mg, 2.2 mmol)を加え、室温下12時間攪拌した。この反応液にジメチルホルムアミド (8 mL)、ヨウ化カリウム (1.28 g, 7.7 mmol)を加え、-40℃に冷却後塩化アセチル (0.31 mL, 4.4 mmol)を滴下した。0℃まで昇温後、氷冷下で1時間攪拌し、この反応液をチオ硫酸ナトリウム (1.5 g)を加えた氷冷下の5 %食塩水 (100 mL)に滴下すると沈殿物を与えた。さらに氷冷下で30分攪拌後、沈殿物を濾取し、減圧下五塩化リンを用いて乾燥し、3を含む黄土色粉末状の粗生成物(1.33 g)を得た。この粗生成物を塩化メチレン (13 mL)及びニトロメタン (13 mL)の混液に溶解し、窒素雰囲気下アニソール (1.41 mL, 12.9 mmol)を加え-40℃に冷却した。-40℃下、塩化アルミニウム (2.0M ニトロメタン溶液, 6.5 mL, 12.9 mmol)を滴下した後、0℃で1時間攪拌した。この反応液を氷冷下攪拌した1規定塩酸水溶液 (30 mL)、ジエチルエーテル (80 mL)の混合液に注ぎ、水層を分離後、有機層を0.5N規定塩酸水溶液 (30 mL)で2回抽出した。合わせた水層を減圧濃縮後、HPクロマトに付して集めた分画を凍結乾燥し、化合物4 (無色粉末、568 mg)を得た。
1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.76 (3H,s), 3.17 and 3.59 (2H, ABq, J = 17.9 Hz), 3.22 (2H, t, J = 6.3Hz), 3.72 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.83 and 5.10 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.81 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.89 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.19 (2H, brd-like).
IR (KBr) cm-1: 3387, 3066, 1771, 1650, 1598, 1557, 1523, 1467, 1398, 1361, 1289, 1217, 1167, 1065.
MS(ESI): 620+ (M+H)+
元素分析 C26H29N11O7S2・3.4 H2O
計算値: C,42.61 ; H,4.92 ; N,21.02 ; S,8.75 (%)
実験値: C,42.67 ; H,4.68 ; N,21.05 ; S,8.55 (%)
【実施例2】
【0024】
【化10】

(1)窒素雰囲気下、化合物5 (389 mg, 0.77 mmol)のジメチルホルムアミド (1.7 mL)溶液に化合物1 (558 mg, 0.7 mmol)、臭化ナトリウム (144 mg, 1.40 mmol)を加え、室温下12時間攪拌した。この反応液にジメチルホルムアミド (6 mL)、KI (813 mg, 4.90 mmol)を加え、-40℃に冷却後塩化アセチル (0.20 mL, 2.8 mmol)を滴下した。0℃まで昇温後、氷冷下で1時間攪拌し、この反応液をチオ硫酸ナトリウム (1.0 g)を加えた氷冷下の5 %食塩水 (100 mL)に滴下すると沈殿物を与えた。さらに氷冷下で30分攪拌後、沈殿物を濾取し、減圧下五酸化リンを用いて乾燥し、6を含む黄土色粉末状の粗生成物(944 mg)を得た。この粗生成物を塩化メチレン (10 mL)及びニトロメタン (10 mL)の混液に溶解し、窒素雰囲気下アニソール (0.88 mL, 8.13 mmol)を加え-40℃に冷却した。-40℃下、塩化アルミニウム (2.0M soln. in CH3NO2, 4.1 mL, 8.2 mmol)を滴下した後、0℃で1時間攪拌した。この反応液を氷冷下攪拌した1規定塩酸水溶液 (30 mL)、ジエチルエーテル (80 mL)の混合液に注ぎ、水層を分離後、有機層を0.5N塩酸水溶液 (30 mL)で2回抽出した。合わせた水層を減圧濃縮後、HPクロマトに付して集めた分画を凍結乾燥し、化合物7 (無色粉末、360 mg)を得た。
1H-NMR (D2O) δ: 1.49 (3H, s), 1.50 (3H, s), 2.15 - 2.26 (2H, m), 2.71 (3H, s), 3.10 - 3.15 (2H, m), 3.26 and 3.51 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 4.23 (2H, t-like), 5.20 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.24 and 5.57 (2H, ABq, J = 15.0 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 6.8, 7.7 Hz), 7.88 (1H, dd, J = 0.7, 7.7), 8.11 (1H, dd, J = 0 .7, 6.8).
IR (KBr) cm-1: 3377, 1770, 1651, 1601, 1566, 1495, 1469, 1398, 1362, 1320, 1223, 1162, 1067.
MS(ESI): 674+ (M+H)+
元素分析 C26H31N11O7S2・4.2 H2O
計算値: C,41.67 ; H,5.30 ; N,20.56 ; S,8.56 (%)
実験値: C,41.68 ; H,5.16 ; N,20.46 ; S,8.67 (%)
【0025】
実施例1または2に準じて、以下の化合物を合成した。
【実施例3】
【0026】
【化11】

1H-NMR (D2O) δ: 1.47 (3H, d, J = 6.9 Hz), 2.75 (3H, s), 3.17 and 3.58 (2H, ABq, J = 17.9 Hz), 3.32 (2H, t, J = 6.0Hz), 3.73 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.73 (1H, q, J = 6.9 Hz), 4.88 and 5.08 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.24 (1H, d, J = 4.8Hz), 5.55 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.91 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.18 (2H, brd-like).
IR (KBr) cm-1: 3396, 3065, 1771, 1650, 1601, 1557, 1523, 1453, 1397, 1358, 1287, 1218, 1169, 1095, 1065, 1035.
MS(ESI): 606+ (M+H)+
元素分析 C23H27N9O7S2・3.6 H2O
計算値: C,41.20 ; H,5.14 ; N,18.80 ; S,9.56 (%)
実験値: C,41.16 ; H,4.74 ; N,18.79 ; S,9.13 (%)
【実施例4】
【0027】
【化12】


1H-NMR (D2O) δ: 1.60 (6H, s), 3.29 and 3.66 (2H, ABq, J = 18.3 Hz), 4.20 - 4.27 (2H, m), 4.50 - 4.57 (2H, m), 4.18 (1H, m), 4.99 and 5.34 (2H, ABq, J = 15.0 Hz), 5.31 (1H, d, J = 5.1 Hz), 5.91 (1H, d, J = 5.1 Hz), 6.91 (2H, brd-like), 8.22 (2H, brd, J = 7.8 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3398, 3060, 1769, 1649, 1601, 1553, 1468, 1400, 1362, 1291, 1217, 1166, 1065.
MS(ESI): 618+ (M+H)+
元素分析 C24H27N9O7S2・4.5 H2O
計算値: C,41.25 ; H,5.19 ; N,18.04 ; S,9.18 (%)
実験値: C,41.13 ; H,4.91 ; N,18.06 ; S,9.19 (%)
【実施例5】
【0028】
【化13】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.09 - 2.20 (1H, m), 2.42 - 2.54 (1H, m), 3.17 and 3.59 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.37 (1H, dd, J = 4.2, 12.9 Hz), 3.48 - 3.55 (2H, m), 3.70 (1H, dd, J = 6.6, 12.9 Hz), 4.45 - 4.52 (1H, m), 4.83 and 5.11 (2H, ABq, J = 15.0 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.81 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.89 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.18 (2H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3399, 2986, 1772, 1650, 1600, 1553, 1467, 1396, 1361, 1288, 1217, 1166, 1065.
MS(ESI): 632+ (M+H)+
元素分析 C25H29N9O7S2・3.9 H2O
計算値: C,42.78 ; H,5.28 ; N,17.96 ; S,9.14 (%)
実験値: C,42.53 ; H,4.99 ; N,18.04 ; S,9.23 (%)
【実施例6】
【0029】
【化14】

1H-NMR (d6-DMSO) δ: 1.43 (3H, s), 1.44 (3H, s), 3.00 and 3.31 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 5.04 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.21 and 5.33 (2H, ABq, J = 14.1 Hz), 5.73 (1H, dd, J = 4.8, 8.56 Hz), 5.91 (1H, s), 6.86 (1H, t-like), 7.48 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.82 (2H, brs), 8.15 (1H, d, J = 6.6 Hz ), 8.18 (2H, brs), 9.65 (1H, brs), 12.8 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3345, 3198, 2938, 1773, 1638, 1581, 1525, 1473, 1427, 1396, 1364, 1284, 1160, 1061.
MS(ESI): 602+ (M+H)+
元素分析 C23H23N9O7S2・3.1 H2O
計算値: C,42.02 ; H,4.48 ; N,19.17 ; S,9.75 (%)
実験値: C,42.37 ; H,4.33 ; N,18.74 ; S,9.82 (%)
【実施例7】
【0030】
【化15】

1H-NMR (D2O) δ: 1.49 (3H, s), 1.50 (3H, s), 2.61 - 2.70 (2H, m), 3.26 and 3.51 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.51 - 3.61 (1H, m), 3.67 - 3.95 (3H, m), 5.20 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.24 and 5.60 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.22 - 5.35 (1H, m), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.29 (1H, dd, J = 6.8, 7.8 Hz), 7.98 (1H, d, J = 7.8 Hz), 8.14 (1H, d, J = 6.8 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3361, 1770, 1666, 1601, 1559, 1491, 1439, 1398, 1362, 1322, 1221, 1165, 1112, 1066.
MS(ESI): 672+ (M+H)+
元素分析 C26H29N11O7S2・3.4 H2O
計算値: C,42.61 ; H,4.92 ; N,21.02 ; S,8.75 (%)
実験値: C,42.44 ; H,4.83 ; N,20.97 ; S,9.16 (%)
【実施例8】
【0031】
【化16】

1H-NMR (D2O) δ: 1.49 (3H, s), 1.51 (3H, s), 3.11 and 3.47 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.35- 3.42 (4H, m), 5.28 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.88 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.64 (1H, t, J = 7.2 Hz), 8.03 (1H, brs), 8.50 (2H, d, J = 7.2 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3398, 1771, 1660, 1528, 1448, 1396, 1360, 1288, 1226, 1157, 1119, 1066.
MS(ESI): 630+ (M+H)+
元素分析 C25H27N9O7S2・3.4 H2O
計算値: C,43.46 ; H,4.93 ; N,18.25 ; S,9.28 (%)
実験値: C,43.37 ; H,4.67 ; N,18.41 ; S,9.20 (%)
【実施例9】
【0032】
【化17】

1H-NMR (D2O + DCl) δ: 1.58 (3H, s), 1.59 (3H, s), 2.26 (2H, d, J = 13.2 Hz), 2.60 - 2.75 (2H, m), 3.21 and 3.47 (2H, ABq, J = 18.3 Hz), 3.24 - 3.34 (1H, m), 3.72 (2H, d, J = 13.2 Hz), 4.66 - 4.78 (1H, m), 5.29 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.34 and 5.53 (2H, ABq, J = 15.6 Hz), 5.90 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.07 (1H, dd, J = 6.6, 7.8 Hz), 7.93 (2H, t-like).
IR (KBr) cm-1: 3382, 3183, 1770, 1594, 1559 1469, 1434, 1399, 1360, 1283, 1160, 1065.
MS(ESI): 685+ (M+H)+
元素分析 C28H31N10O7S2・4.2 H2O
計算値: C,44.23 ; H,5.36 ; N,18.42 ; S,8.43 (%)
実験値: C,44.16 ; H,5.08 ; N,18.69 ; S,7.88 (%)
【実施例10】
【0033】
【化18】

1H-NMR (d6-DMSO) δ: 1.43 (3H, s), 1.44 (3H, s), 2.23 (3H, s), 2.98 and 3.53 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 5.10 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.39 (2H, t-like), 5.76 (1H, dd, J = 4.8, 8.1 Hz), 6.78 (1H, t-like, J = 7.2 Hz), 7.35 (1H, d, J = 7.2 Hz), 7.61 (2H, brs), 8.18 (3H, m), 9.64 (1H, brs), 12.7 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3351, 3197, 1773, 1635, 1567, 1523, 1477, 1397, 1364, 1284, 1224, 1162, 1092, 1060, 1016.
MS(ESI): 616+ (M+H)+
元素分析 C24H25N9O7S2・3.5 H2O
計算値: C,42.47 ; H,4.75 ; N,18.57 ; S,9.45 (%)
実験値: C,42.50 ; H,4.18 ; N,18.31 ; S,9.36 (%)
【実施例11】
【0034】
【化19】

1H-NMR (D2O + DCl) δ: 1.60 (6H, s), 2.68 (2H, q, J = 8.7 Hz), 3.35 (1H, d, J = 18.6 Hz), 3.53 - 3.63 (2H, m), 3.70 - 3.97 (3H, m), 5.27 - 5.40 (2H, m), 5.49 and 5.70 (2H, ABq, J = 14.9 Hz), 5.91 (1H, d, J = 5.1 Hz), 7.33 (1H, t-like), 8.05 (1H, dd, J = 7.8 Hz), 8.16 (1H, d, J = 6.6 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3374, 1769, 1666, 1601, 1560, 1491, 1440, 1400, 1362, 1322, 1222, 1165, 1113, 1092, 1066.
MS(ESI): 672+ (M+H)+
元素分析 C26H29N11O7S2・3.4 H2O
計算値: C,42.61 ; H,4.92 ; N,21.02 ; S,8.75 (%)
実験値: C,42.67 ; H,4.68 ; N,21.05 ; S,8.55 (%)
【実施例12】
【0035】
【化20】

1H-NMR (D2O + DCl) δ: 1.49 (3H, s), 1.50 (3H, s), 2.31 (2H, d, J = 12.5 Hz), 2.49 - 2.62 (2H, m), 3.19 - 3.29 (3H, m), 3.50 (1H, d, J = 17.1 Hz), 3.70 (2H, d, J = 12.5 Hz), 5.20 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.24 and 5.59 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.28 (1H, t-like), 8.03 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.12 (1H, d, J = 6.6 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3374, 3179, 1771, 1602, 1557, 1491, 1438, 1397, 1362, 1320, 1224, 1165, 1091, 1066, 1000.
MS(ESI): 686+ (M+H)+
元素分析 C27H31N11O7S2・4.0 H2O
計算値: C,42.79 ; H,5.19 ; N,20.33 ; S,8.46 (%)
実験値: C,42.49 ; H,5.38 ; N,20.62 ; S,8.51 (%)
【実施例13】
【0036】
【化21】

1H-NMR (D2O) δ: 1.51 (3H, s), 1.52 (3H, s), 2.82 (3H, s), 3.13 and 3.57 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 5.31 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.72 and 5.85 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.89 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.72 (1H, t-like), 8.31 (1H, s), 8.54 (1H, d, J = 6.0 Hz), 8.59 (1H, d, J = 8.1 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3397, 1771, 1609, 1528, 1450, 1398, 1363, 1291, 1157, 1066.
MS(ESI): 630+ (M+H)+
元素分析 C25H27N9O7S2・7.1 H2O
計算値: C,39.64 ; H,5.48 ; N,16.64 ; S,8.47 (%)
実験値: C,39.73 ; H,4.81 ; N,16.66 ; S,9.28 (%)
【実施例14】
【0037】
【化22】

1H-NMR (D2O) δ: 2.76 (3H, s), 3.15 and 3.55 (2H, ABq, J = 17.9 Hz), 3.33 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.73 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.86 and 5.08 (2H, ABq, J = 14.4 Hz), 5.21 - 5.23 (2H, m), 5.37 (1H, d, J = 2.1 Hz), 5.84 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.90 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.16 (2H, brd-like).
IR (KBr) cm-1: 3398, 3064, 1770, 1650, 1600, 1557, 1523, 1455, 1397, 1357, 1290, 1201, 1170, 1065, 1065, 1020.
MS(ESI): 604+ (M+H)+
元素分析 C23H25N9O7S2・3.9 H2O
計算値: C,40.99 ; H,4.91 ; N,18.71 ; S,9.52 (%)
実験値: C,41.05 ; H,4.94 ; N,18.51 ; S,9.48 (%)
【実施例15】
【0038】
【化23】

1H-NMR (D2O) δ: 2.15 - 2.25 (2H, m), 2.70 (3H, s), 3.09 - 3.15 (2H, m), 3.21 and 3.48 (2H, ABq, J = 17.9 Hz), 5.16 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.20 - 5.25 (2H, m), 5.37 (1H, d, J = 2.1 Hz), 5.56 (1H, d, J = 14.7 Hz), 5.84 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.27 (1H, t-like), 7.87 (1H, d, J = 7.2 Hz), 8.10 (1H, d, J = 6.6 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3375, 3179, 1769, 1650, 1601, 1565, 1528, 1494, 1471, 1397, 1355, 1320, 1200, 1167, 1113, 1067, 1022.
MS(ESI): 658+ (M+H)+
元素分析 C25H27N11O7S2・3.2 H2O
計算値: C,41.98 ; H,4.71 ; N,21.54 ; S,8.97 (%)
実験値: C,42.19 ; H,4.84 ; N,21.24 ; S,8.97 (%)
【実施例16】
【0039】
【化24】

1H-NMR (D2O) δ: 1.82 - 2.03 (2H, m), 2.26 - 2.58 (4H, m), 2.76 (3H,s), 3.17 and 3.60 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.32 (2H, t, J = 6.0 Hz), 3.71 (2H, t, J = 6.0 Hz), 5.11 (1H, d, J = 14.7 Hz), 5.27 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.88 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.19 (2H, brd-like).
IR (KBr) cm-1: 3377, 1770, 1666, 1602, 1566, 1494, 1471, 1397, 1319, 1233, 1162, 1145, 1067, 1022.
MS(ESI): 686+ (M+H)+
元素分析 C25H29N9O7S2・2.4 H2O
計算値: C,44.49 ; H,5.05 ; N,18.68 ; S,9.50 (%)
実験値: C,44.42 ; H,4.96 ; N,18.78 ; S,9.34 (%)
【実施例17】
【0040】
【化25】

1H-NMR (D2O) δ: 1.81 - 2.02 (2H, m), 2.15 - 2.40 (4H, m), 2.45 - 2.54 (2H, m), 2.70 (3H, s), 3.10 - 3.15 (2H, m), 3.25 and 3.52 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 4.22 (2H, t, J = 7.2 Hz), 5.22 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.25 and 5.56 (2H, ABq, J = 14.4 Hz), 5.84 (1H, d, J = 4.5 Hz), 7.28 (1H, t-like), 7.87 (1H, d, J = 7.2 Hz), 8.11 (1H, d, J = 6.3 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3377, 1770, 1666, 1602, 1566, 1494, 1471, 1397, 1319, 1233, 1162, 1145, 1067, 1022.
MS(ESI): 686+ (M+H)+
元素分析 C27H31N11O7S2・3.3 H2O
計算値: C,43.52 ; H,5.09 ; N,20.68 ; S,8.61 (%)
実験値: C,43.49 ; H,5.06 ; N,20.66 ; S,8.68 (%)
【実施例18】
【0041】
【化26】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.50 (3H, s), 3.17 and 3.58 (2H, ABq, J = 18.3 Hz), 3.24 - 3.37 (1H, m), 3.62 (2H, d, J = 7.4 Hz), 3.95 (2H, dd, J = 7.4, 11.7 Hz), 4.19 - 4.25 (2H, m), 4.84 and 5.07 (2H, ABq, J = 15.3 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.85 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.06 (1H, brs), 8.20 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3395, 3066, 2986, 1771, 1650, 1598, 1557, 1523, 1467, 1398, 1362, 1290, 1216, 1165, 1065.
MS(ESI): 632+ (M+H)+
元素分析 C25H29N9O7S2・3.6 H2O
計算値: C,43.11 ; H,5.24 ; N,18.10 ; S,9.21 (%)
実験値: C,43.04 ; H,5.04 ; N,18.37 ; S,8.92 (%)
【実施例19】
【0042】
【化27】

1H-NMR (D2O) δ: 1.41 (3H, d, J = 6.6 Hz), 1.49 (3H, s), 1.50 (3H, s), 2.09 - 2.11 (1H, m), 2.15 - 2.27 (1H, m), 3.25 (1H, d, J = 17.7 Hz), 3.41 - 3.54 (2H, m), 3.24 (2H, t, J = 8.1 Hz), 5.20 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.25 and 5.57 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 H z), 7.30 (1H, t-like), 7.89 (1H, d, J = 7.8), 8.12 (1H, d, J = 6.6).
IR (KBr) cm-1: 3368, 3180, 1770, 1651, 1566, 1495, 1469, 1399, 1362, 1320, 1222, 1162, 1066.
MS(ESI): 674+ (M+H)+
元素分析 C26H31N11O7S2・3.1 H2O
計算値: C,42.80 ; H,5.14 ; N,21.12 ; S,8.79 (%)
実験値: C,42.96 ; H,5.26 ; N,20.93 ; S,8.35 (%)
【実施例20】
【0043】
【化28】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.78 (3H, s), 2.97 and 3.22 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 4.32 and 4.53 (2H, ABq, J = 15.6 Hz),5.24 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.43 and 5.61 (2H, ABq, J = 15.6 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.12 (1H, dd, J = 6.0, 7.5 Hz), 7.74 (1H, d, J = 7.5 Hz), 7.87 (1H, d, J = 6.0 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3381, 3189, 1768, 1577, 1526, 1469, 1399, 1362, 1284, 1227, 1158, 1066.
MS(ESI): 645+ (M+ H)+
元素分析 C25H28N10O7S2・5.2 H2O
計算値: C,40.67 ; H,5.24 ; N,18.97 ; S,8.69 (%)
実験値: C,40.57 ; H,4.76 ; N,18.65 ; S,9.12 (%)
【実施例21】
【0044】
【化29】

1H-NMR (D2O) δ: 1.48 (6H, s), 2.31 (2H, m), 2.69 (3H, s), 3.03 - 3.09 (2H, m), 3.17 and 3.38 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 4.53 (2H, t, J = 7.2 Hz), 5.19 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.55 and 5.69 (2H, ABq, J = 15.0 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.03 (1H, d, J = 3.8 Hz), 7.68 (1H, dd, J = 6.0, 8.1 Hz), 8.12 (1H, d, J = 3.8 Hz), 8.5 9 (1H, d, J = 8.1 Hz), 8.64 (1H, d, J = 6.0 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3420, 2985, 1774, 1611, 1525, 1498, 1467, 1393, 1361, 1286, 1158, 1122, 1062.
MS(ESI): 658+ (M+H)+
元素分析 C27H31N9O7S2・5.3 H2O
計算値: C,43.05 ; H,5.57 ; N,16.74 ; S,8.51 (%)
実験値: C,42.98 ; H,5.37 ; N,16.69 ; S,8.59 (%)

実施例A
本発明はさらに以下の化合物を包含する。
【化32】

Zは以下に示す置換または縮合型のピリジン環である。
【化33】

【化34】

【0045】
実施例Aの化合物の物性例を以下に示す。
【実施例22】
【0046】
【化35】

1H-NMR (D2O) δ: 1 .50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 3.17 and 3.59 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.28 (2H, t, J = 6.0), 3.69 (2H, t, J = 6.0 Hz), 4.82 and 5.25 (2H, ABq, J = 14.4 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.81 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.89 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.11 (1H, brs), 8.25 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3397, 3067, 1770, 1650, 1595, 1558, 1523, 1467, 1399, 1361, 1289, 1217, 1167, 1065.
MS(ESI): 606+ (M+H)+
元素分析 C23H27N9O7S2・3.5 H2O
計算値: C,41.31 ; H,5.12 ; N,18.85 ; S,9.59 (%)
実験値: C,41.24 ; H,4.92 ; N,19.05 ; S,9.42 (%)OLE_LINK1
【実施例23】
【0047】
【化36】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.95 (6H, s), 3.17 and 3.59 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.44 (2H, t, J = 6.3), 3.78 (2H, t, J = 6.3 Hz), 4.83 and 5.10 (2H, ABq, J = 14.4 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.81 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.90 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.22 (2H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3399, 1771, 1650, 1601, 1557, 1523, 1468, 1397, 1360, 1289, 1218, 1167, 1065.
MS(ESI): 634+ (M+H)+
元素分析 C25H31N9O7S2・3.6 H2O
計算値: C,42.98 ; H,5.51 ; N,18.05 ; S,9.18 (%)
実験値: C,42.93 ; H,5.35 ; N,18.29 ; S,9.15 (%)
【実施例24】
【0048】
【化37】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (6H, s), 2.18 (3H, s), 3.16 (1H, d, J = 17.7 Hz), 3.55 - 3.65 (5H, m), 4.82 and 5.07 (2H, ABq, J = 14.4 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.81 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.87 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.08 (1H, brs), 8.23 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3374, 1771, 1649, 1597, 1556, 1454, 1398, 1361, 1289, 1217, 1168, 1065.
MS(ESI): 647+ (M+H)+
元素分析 C25H30N10O7S2・3.7 H2O
計算値: C,42.09 ; H,5.28 ; N,19.63 ; S,8.99 (%)
実験値: C,42.11 ; H,5.18 ; N,19.61 ; S,8.86 (%)
【実施例25】
【0049】
【化38】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 3.18 and 3.61 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.45 (2H, t, J = 5.4), 3.95 (2H, t, J = 5.4 Hz), 4.88 and 5.13 (2H, ABq, J = 8.7 Hz), 5.26 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.12 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.28 (2H, d, J = 7.8).
IR (KBr) cm-1: 3408, 2479, 1771, 1649, 1549, 1453, 1398, 1361, 1283, 1238, 1157, 1065, 1016.
MS(ESI): 632+ (M+H)+
元素分析 C25H24N9O7S2・3.3 H2O
計算値: C,43.45 ; H,5.19 ; N,18.24 ; S,9.28 (%)
実験値: C,43.46 ; H,5.09 ; N,18.32 ; S,9.12 (%)
【実施例26】
【0050】
【化39】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.51 (3H, s), 2.76 (3H, s), 3.18 and 3.59 (2H, ABq, J = 17.7 Hz), 3.21 (3H, s), 3.34 (2H, t, J = 6.6), 3.83 - 4.01 (2H, m), 4.85 and 5.10 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.26 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.96 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.22 (2H, d, J = 7.8 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3419, 2463, 1771, 1650, 1557, 1467, 1401, 1361, 1288, 1235, 1164, 1065.
MS(ESI): 634+ (M+H)+
元素分析 C25H31N9O7S2・3.9 H2O
計算値: C,42.65 ; H,5.56 ; N,17.91 ; S,9.11 (%)
実験値: C,42.68 ; H,5.48 ; N,17.96 ; S,9.09 (%)
【実施例27】
【0051】
【化40】

1H-NMR (D2O) δ: 1.51 (6H, s), 2.09 (4H, d-like), 3.15 - 3.21 (3H, m), 3.49 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.57 - 3.79 (5H, m), 4.83 and 5.11 (2H, ABq, J = 14.1 Hz), 5.26 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.90 (2H, d, J = 6.9 Hz), 8.16 (1H, brs), 8.24 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3398, 3066, 2986, 1773, 1650, 1601, 1557, 1523, 1458, 1396, 1360, 1288, 1217, 1167, 1065.
MS(ESI): 660+ (M+H)+
元素分析 C27H33N9O7S2・4.2 H2O
計算値: C,44.10 ; H,5.67 ; N,17.14 ; S,8.72 (%)
実験値: C,44.03 ; H,5.51 ; N,17.03 ; S,8.26 (%)
【実施例28】
【0052】
【化41】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (6H, s), 1.98 - 2.08 (2H, m), 2.72 (3H, s), 3.09 - 3.19 (4H, m), 3.42 (2H, t, J = 6.9), 3.57 (1H, d, J = 17.7 Hz), 4.81 and 5.05 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.82 (2H, d, J = 6.9 Hz), 8.02 (1H, brs), 8.19 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3389, 3067, 1772, 1650, 1596, 1557, 1524, 1467, 1397, 1360, 1289, 1216, 1166, 1065.
MS(ESI): 634+ (M+H)+
元素分析 C25H31N9O7S2・3.1 H2O
計算値: C,43.55 ; H,5.44 ; N,18.28 ; S,9.30 (%)
実験値: C,43.59 ; H,5.54 ; N,18.16 ; S,9.13 (%)
【実施例29】
【0053】
【化42】

1H-NMR (D2O) δ: 1.51 (3H, s), 1.51 (3H, s), 3.17 and 3.59 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.23 - 3.26 (2H, m), 3.38 (2H, t, J = 6.3), 3.75 (2H, t, J = 6.3 Hz), 3.84 - 3.87 (2H, m), 4.83 and 5.10 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.81 (1H, d, J = 4.5 Hz), 6.90 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.13 (1H, brs), 8.25 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3383, 3067, 1771, 1650, 1599, 1557, 1523, 1454, 1398, 1361, 1289, 1218, 1168, 1066, 1014.
MS(ESI): 650+ (M+H)+
元素分析 C25H31N9O8S2・3.7 H2O
計算値: C,41.92 ; H,5.40 ; N,17.60 ; S,8.95 (%)
実験値: C,41.75 ; H,5.15 ; N,17.56 ; S,9.67 (%)
【実施例30】
【0054】
【化43】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (3H, s), 1.50 (3H, s), 1.94 - 2.05 (2H, m), 3.16 and 3.58 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.42 - 3.50 (3H, m), 3.68 (1H, dd, J = 6.3, 12.3), 3.86 (2H, dd, J = 3.6, 12.3 Hz), 4.81 and 5.06 (2H, ABq, J = 14.4 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.83 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.05 (1H, brs), 8.19 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3377, 1771, 1650, 1592, 1558, 1523, 1468, 1398, 1362, 1289, 1216, 1168, 1063.
MS(ESI): 650+ (M+H)+
元素分析 C25H31N9O8S2・3.5 H2O
計算値: C,42.13 ; H,5.37 ; N,17.69 ; S,9.00 (%)
実験値: C,42.02 ; H,5.27 ; N,17.62 ; S,9.21 (%)
【実施例31】
【0055】
【化44】

1H-NMR (D2O) δ: 1.49 (6H, s), 1.63 - 1.75 (2H, m), 2.18 - 2.22 (2H, m), 3.13 - 3.30 (3H, m), 3.55 - 3.64 (2H, m), 4.20 - 4. 30 (2H, m), 4.83 and 5.06 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 7.06 (2H, d, J = 7.8 Hz), 8.15 (2H, d, J = 7.8 Hz).
IR (KBr) cm-1: 3398, 2121, 1771, 1650, 1600, 1552, 1467, 1398, 1362, 1287, 1237, 1160, 1065.
MS(ESI): 646+ (M+H)+
元素分析 C25H31N9O7S2・4.3 H2O
計算値: C,43.18 ; H,5.52 ; N,17.43 ; S,8.87 (%)
実験値: C,43.07 ; H,5.42 ; N,17.19 ; S,9.07 (%)
【実施例32】
【0056】
【化45】

1H-NMR (D2O) δ: 1.14 (3H, t, J = 7.5), 1.50 (6H, s), 2.44 (2H, q, J = 7.5), 3.14 (1H, d, J = 17.7), 3.55 - 3.65 (5H, m), 4.81 and 5.08 (2H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.8 Hz), 5.82 (1H, d, J = 4.8 Hz), 6.87 (2H, d, J = 7.2 Hz), 8.09 (1H, brs), 8.24 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3275, 1770, 1649, 1597, 1557, 1467, 1399, 1362, 1290, 1217, 1168, 1066.
MS(ESI): 661+ (M+H)+
元素分析 C26H32N10O7S2・4.7 H2O
計算値: C,41.89 ; H,5.60 ; N,18.79 ; S,8.60 (%)
実験値: C,41.90 ; H,5.21 ; N,18.81 ; S,8.45 (%)
【実施例33】
【0057】
【化46】

1H-NMR (D2O) δ: 1.50 (6H, s), 3.17 and 3.59 (2H, ABq, J = 18.0 Hz), 3.23 (9H, s), 3.65 (2H, t, J = 6.9), 3.90 (2H, t, J = 6.9 Hz), 4.87 and 5.11 (1H, ABq, J = 14.7 Hz), 5.25 (1H, d, J = 4.5 Hz), 5.83 (1H, d, J = 4.5 Hz), 6.93 (2H, d, J = 7.5 Hz), 8.14 (1H, brs), 8.29 (1H, brs).
IR (KBr) cm-1: 3409, 1771, 1650, 1601, 1557, 1523, 1471, 1397, 1360, 1289, 1219, 1167, 1065.
MS(ESI): 648+ (M+H)+
元素分析 C26H33N9O7S2・4.4 H2O
計算値: C,42.95 ; H,5.80 ; N,17.34 ; S,8.82 (%)
実験値: C,43.00 ; H,5.74 ; N,17.35 ; S,8.64 (%)
【0058】
試験例1
化合物(I)の抗菌活性について調べた。
(試験方法)
最小発育阻止濃度(MIC:μg/ml)の測定は日本化学療法学会標準法に準じ、接種菌量は1000 cfu/spot,試験培地は感受性ディスク培地を用いて、寒天平板希釈法により実施した。
【表1】

本発明化合物は、グラム陽性菌およびグラム陰性菌に対して強い抗菌作用を示した。

製剤例1
実施例1の本発明化合物を粉末充填することにより注射剤を調製する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式:
【化1】

(式中、Aは置換されていてもよい低級アルキレン(置換基:モノまたはジ低級アルキル、低級アルキリデン、または炭素2以上の低級アルキレン);Zは以下のいずれかの基:
【化2】

(式中、RおよびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル、置換されていてもよいアミノシクロアルキル、置換されていてもよい環状アミノ、または置換されていてもよい環状アミノ低級アルキル;R9は水素または低級アルキル、またはRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい環状アミノを形成してもよい;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素または置換されていてもよい低級アルキル))
で示される化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項2】
Aは式:
【化3】


(式中、RaおよびRbは、それぞれ独立して水素もしくは低級アルキルであるか、または一緒になって低級アルキリデンもしくは炭素2以上の低級アルキレンを形成する)
で示される基である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】
Aは−C(CH−である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項4】
およびRはそれぞれ独立して、水素、置換されていてもよいアミノ低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニルまたはシクロアルキル)、低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノまたは低級アルキルで置換されていてもよい飽和3〜6員環状アミノ低級アルキル;R9は水素または低級アルキル、またはRおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ(置換基:置換されていてもよいアミノまたは低級アルキル)を形成してもよい;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項5】
およびRはそれぞれ独立して、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rはアミノ;XはNまたはCHである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項6】
Aは式:−C(CH− で示される基;RおよびRはそれぞれ独立して、低級アルキルで置換されていてもよいアミノ低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)ある、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】
は(Z‐1)で示される基;Rは置換されていてもよいアミノ低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニルまたはシクロアルキル)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル(置換基としては、置換されていてもよい低級アルキル、ヒドロキシ、アミノ、アミノスルホニルまたはシクロアルキル)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは−(CH)mNHCH(mは1〜5の整数)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは−(CHNHCHである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項11】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項12】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和3〜6員環状アミノ低級アルキルである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項13】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐1)で示される基;RおよびRは隣接するN原子と一緒になって、置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ(置換基:置換されていてもよいアミノまたは低級アルキル)を形成する、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項14】
は(Z‐2)で示される基;Rはアミノである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項15】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rはアミノである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項16】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは水素、−(CH)nNHCH(nは1〜5の整数)、−(CH)pCH(CH)NH(pは1〜5の整数)または以下に示されるいずれかの基:
【化4】


;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項17】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは−(CH)nNHCH(nは1〜5の整数);Rはアミノ;XはNである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項18】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは−(CHNHCH;Rはアミノ;XはNである請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項19】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rは水素またはアミノ;XはNまたはCR(Rは水素、または低級アルキル)である、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項20】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは低級アルキルで置換されていてもよい飽和4〜6員環状アミノ;Rはアミノ;XはNまたはCHである、請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項21】
Aは式:−C(CH− で示される基;Zは(Z‐2)で示される基;Rは水素、;Rは水素またはアミノ;XはCR(Rは低級アルキル、または低級アルキルで置換されていてもよいアミノで置換された低級アルキル)である請求項1記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項22】
請求項1〜21のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物を含有する、医薬組成物。
【請求項23】
抗菌薬である、請求項22記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項1〜21のいずれかに記載の化合物、その製薬上許容される塩またはそれらの溶媒和物の、カルボキシ及び/又はアミノが保護された化合物。

【国際公開番号】WO2005/085258
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【発行日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−510701(P2006−510701)
【国際出願番号】PCT/JP2005/003565
【国際出願日】平成17年3月3日(2005.3.3)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【Fターム(参考)】