説明

3−フルオロピペリジンT型カルシウムチャネルアンタゴニスト

本発明は、T型カルシウムチャネルのアンタゴニストであり、T型カルシウムチャネルが関与する神経精神障害及び疾患の治療又は予防に有用な3−フルオロピペリジン化合物に関する。本発明はこれらの化合物を含有する医薬組成物と、T型カルシウムチャネルが関与する前記疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用にも関する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
原形質膜カルシウムチャネルは広範な電位依存性チャネル蛋白スーパーファミリーのメンバーである。カルシウムチャネルはCa2+イオンを細胞外体液から細胞内に制御下に流入させる膜貫通型マルチサブユニット蛋白である。全動物界の興奮性細胞と少なくとも一部の細菌、真菌及び植物細胞は1種以上のカルシウムチャネルをもつ。動物のほぼ全ての「興奮性」細胞(例えば中枢神経系(CNS)のニューロン、末梢神経細胞及び筋肉細胞(骨格筋、心筋並びに静脈及び動脈平滑筋細胞を含む))は電位依存性カルシウムチャネルをもつ。
【0002】
骨格筋、心筋、肺、平滑筋及び脳等の各種組織に由来する哺乳動物細胞で複数種のカルシウムチャネルが同定されている。このファミリーの主要な型はL型カルシウムチャネルであり、その機能は周知類のカルシウムチャネル遮断薬(ニフェジピン等のジヒドロピリジン類、ベラパミル等のフェニルアルキルアミン類、及びジルチアゼム等のベンゾチアゼピン類)により抑制される。他に、T、N、P、Q及びRと呼ばれる類の原形質膜カルシウムチャネルもある。
【0003】
「T型」(又は「低電位活性化型」)カルシウムチャネルは開放時間の長いL型カルシウムチャネル(L=持続性)よりも開放時間が短い(T=一過性)ことからこのように呼ばれている。L、N、P及びQ型チャネルは高い正電位で活性化し(高電位活性化型)、各種反応速度と電位依存性を示す。T型カルシウムチャネルは、ラットを含む各種温血動物から分子的、薬理的及び電気生理学的に3種のサブタイプが同定されている[J Biol.Chem.276(6)3999−4011(2001);Eur J Neurosci 11(12):4171−8(1999);Cell Mol Life Sci 56(7−8):660−9(1999)]。これらのサブタイプはα1G、α1H及びα1Iと命名されている。これらのチャネルの分子性質によると、60〜70%のアミノ酸配列の一致を示している。これらの各サブタイプの電気生理学的特性決定の結果、電位依存性活性化、不活性化、脱活性化及び定常状態不活性化レベル並びにバリウム等の各種イオンに対するその選択性に差異があることが分かった(J Biol.Chem.276(6)3999−4011(2001))。薬理学的に見ても、これらのサブタイプはニッケルイオンによる遮断に対する感受性が相違する。更にこれらのチャネルサブタイプはそのアセンブリ中に各種スプライシングイベントを受けるため、多様な形態で発現される(J Biol.Chem.276(6)3999−4011(2001))。
【0004】
T型カルシウムチャネルは癲癇、本態性振戦、疼痛、神経因性疼痛、統合失調症、パーキンソン病、鬱病、不安症、睡眠障害、睡眠異常、精神病、統合失調症、心臓不整脈、高血圧、疼痛、癌、糖尿病、不妊症及び性機能障害等の各種疾患及び障害に関連する病理に関係があるとされている(J Neuroscience,14,5485(1994);Drugs Future 30(6),573−580(2005);EMBO J,24,315−324(2005);Drug Discovery Today,11,5/6,245−253(2006))。このような疾患及び障害の公知治療レジメンには多数の問題がある。従って、より生理的な方法でこれらの疾患及び障害を治療することが非常に望ましい。
【発明の開示】
【0005】
(発明の概要)
本発明は、T型カルシウムチャネルのアンタゴニストであり、T型カルシウムチャネルが関与する神経精神障害及び疾患の治療又は予防に有用な3−フルオロピペリジン化合物に関する。本発明は、これらの化合物を含有する医薬組成物ならびにT型カルシウムチャネルが関与する前記疾患の予防又は治療におけるこれらの化合物及び組成物の使用にも関する。
【0006】
(発明の詳細な説明)
本発明は式I:
【0007】
【化3】

{式中、
及びRは、
(1)水素、及び
(2)置換されていない又はハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されているC1−6アルキル
から構成される群から独立して選択され、又は
とRは、一緒になって、置換されていない又はC1−6アルキルもしくはハロゲンで置換されているC3−6シクロアルキル環を形成し;
は、
(1)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(2)C1−8アルキル[このC1−8アルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO(Rは、
(i)水素、
(ii)置換されていない又は1〜6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、
(iii)ベンジル、及び
(iv)フェニルから独立して選択される。)、
(f)−NR1011(R10及びR11は、水素、−C1−6アルキル及び−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルから独立して選択され、又は、R10とR11は、一緒になって、置換されていない又はハロゲン、C1−6アルキルもしくはハロゲン置換C1−6アルキルで置換されているピロリジン環、ピペリジン環、オキサゾリジン環もしくはモルホリン環を形成する。)
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(3)C3−10シクロアルキル[このC3−10シクロアルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(4)−C1−6アルキル−(C3−10シクロアルキル)[この−C1−6アルキル−(C3−10シクロアルキル)は、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(5)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3e又はオキソで置換されているヘテロアリール
から構成される群から選択され;
3a、R3b、R3c、R3d及びR3eは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−CF
(7)−OCF
(8)−OCHF
(9)−OCHF、
(10)−OCFCHF
(11)−CN、及び
(12)−NR1011
から構成される群から独立して選択され;
及びRは、
(1)水素、
(2)C1−8アルキル[このC1−8アルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(3)C3−10シクロアルキル[このC3−10シクロアルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(4)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(5)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3e又はオキソで置換されている複素環、
(6)−CO−C1−8アルキル[この−CO−C1−8アルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(7)−SO
(8)−CO、並びに
(9)−CONR1011
から構成される群から独立して選択され、又は、
とRは、一緒になって、置換されていない又はC1−6アルキルもしくはハロゲンで置換されているC3−6シクロアルキル環を形成する。}
の化合物、そのN−オキシド、その医薬的に許容可能な塩並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーに関する。
【0008】
本発明の1態様は、
及びRが、
(1)水素、及び
(2)C1−6アルキル
から構成される群から独立して選択され;
が、
(1)R3a、R3b及びR3cで置換されているフェニル、
(2)置換されていない又はフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、
(3)置換されていない又はフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキル、並びに
(4)置換されていない又はフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−6アルキル−(C3−10シクロアルキル)
から構成される群から選択され;
3a、R3b及びR3cが、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−O−C1−6アルキル、
(5)−CF
(6)−OCF
(7)−OCHF
(8)−OCHF、
(9)−OCFCHF
(10)−CN、及び
(11)−NR1011(R10及びR11は水素及び−C1−6アルキルから独立して選択される。)
から構成される群から独立して選択され;
及びRが、
(1)水素、
(2)置換されていない又はヒドロキシもしくはフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、
(3)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキル、
(4)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキルオキシ、
(5)−CO−C1−8アルキル、及び
(6)−CONR1011
から構成される群から独立して選択される
式Iの化合物、そのN−オキシド、その医薬的に許容可能な塩並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマーを含む。
【0009】
本発明の1態様は式Ia’:
【0010】
【化4】

(式中、R、R、R、R及びRは本明細書に定義する通りである)の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマーを含む。
【0011】
本発明の1態様はRが水素であり、Rが水素である化合物を含む。
【0012】
本発明の1態様はR3dが水素であり、R3eが水素である化合物を含む。
【0013】
本発明の1態様はRがR3a、R3b及びR3cで置換されたフェニルである化合物を含む。
【0014】
本発明の1態様はR3dが水素であり、R3eが水素であり、R3a、R3b及びR3cが、
(1)水素、
(2)フルオロ、
(3)クロロ、
(4)ブロモ、
(5)−CH
(6)−C(CH
(7)−CF
(8)−CN、
(9)−O−CH
(10)−OCF
(11)−OCHF
(12)−OCHF、
(13)−OCFCHF、及び
(14)−N(CH
から構成される群から独立して選択される化合物を含む。
【0015】
本発明の1態様はRがアダマンチルである化合物を含む。
【0016】
本発明の1態様はRが−C4−6アルキル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている化合物を含む。
【0017】
本発明の1態様はRがシクロブチル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている化合物を含む。
【0018】
本発明の1態様はRがシクロペンチル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている化合物を含む。
【0019】
本発明の1態様はRがシクロヘキシル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている化合物を含む。
【0020】
本発明の1態様はRが水素である化合物を含む。
【0021】
本発明の1態様はRが水素であり、Rが、
(1)置換されていない又はヒドロキシもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、
(2)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキル、
(3)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキルオキシ、
(4)−CO−C1−8アルキル、及び
(5)−CONR1011
から構成される群から選択される化合物を含む。
【0022】
本発明の1態様はRが水素であり、Rが、
(1)置換されていない又はヒドロキシで置換されているC1−8アルキル、
(2)C3−10シクロアルキル、
(3)−CO−C1−8アルキル、
(4)置換されていない又は1個以上のC1−6アルキルで置換されているテトラヒドロフラニル、及び
(5)置換されていない又は1個以上のC1−6アルキルで置換されているテトラヒドロピラニル
から構成される群から選択される化合物を含む。
【0023】
本発明の1態様はRが水素であり、Rが、
(1)−CHCHC(CH
(2)アダマンチル、
(3)ジメチル−テトラヒドロフラニル、及び
(4)ジメチル−テトラヒドロピラニル
から構成される群から選択される化合物を含む。
【0024】
本発明の特定態様としては本明細書の実施例の標題化合物から構成される群から選択される化合物又はその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0025】
本発明の化合物は、1個以上の不斉中心を含む場合があり、従ってラセミ化合物及びラセミ混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。分子上の各種置換基の種類に応じて更に不斉中心が存在する場合もある。このような各不斉中心は、各々2種の光学異性体を生じ、混合物中及び純化合物又は部分精製化合物として存在し得る全光学異性体及びジアステレオマーを本発明の範囲に含むものとする。本発明はこれらの化合物のこのような全異性形態を含むものとする。式Iは好ましい立体配置を指定せずにこのような化合物の構造を示す。
【0026】
これらのジアステレオマーの個々の合成又はそのクロマトグラフィー分離は本明細書に開示する方法を適宜変更することにより当分野で公知のように実施することができる。その絶対立体配置は必要に応じて公知絶対配置の不斉中心を含む試薬で誘導体化した結晶生成物又は結晶中間体のX線結晶解析により決定することができる。
【0027】
所望により、個々のエナンチオマーを単離するように化合物のラセミ混合物を分離してもよい。この分離は化合物のラセミ混合物を純エナンチオマー化合物とカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成した後に分別結晶法やクロマトグラフィー等の標準方法により個々のジアステレオマーを分離する等の当分野で周知の方法により実施することができる。カップリング反応は多くの場合には純エナンチオマー酸又は塩基を使用する塩形成である。その後、付加キラル残基の開裂によりジアステレオマー誘導体を純エナンチオマーに変換することができる。キラル固定相を使用するクロマトグラフィー法により化合物のラセミ混合物を直接分離することもでき、このような方法は当分野で周知である。
【0028】
あるいは、当分野で周知の方法により公知配置の光学的に純粋な出発材料又は試薬を使用して立体選択的合成により化合物の任意エナンチオマーを得ることもできる。
【0029】
当業者に自明の通り、本明細書で使用するハロ又はハロゲンとはフルオロ、クロロ、ブロモ及びヨードを意味する。同様に、C1−6アルキル等におけるC1−6とはこの基が直鎖又は分岐鎖配置で1、2、3、4、5又は6個の炭素をもつことを意味すると定義され、従って、C1−8アルキルとしては具体的にメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、tert−ブチル、ペンチル及びヘキシルが挙げられる。ある基が独立して置換基で置換されていると言う場合には、独立して複数のこのような置換基で置換されていてもよい。本明細書で使用する「複素環」なる用語は不飽和及び飽和複素環部分を意味し、不飽和複素環部分(本明細書では「ヘテロアリール」と言う)としては、ベンゾイミダゾリル、ベンズイミダゾロニル、ベンゾフラニル、ベンゾフラザニル、ベンゾピラゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾオキサゾリル、カルバゾリル、カルボリニル、シンノリニル、フラニル、イミダゾリル、インドリニル、インドリル、インドラジニル、インダゾリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフトピリジニル、オキサジアゾリル、オキサゾリル、オキサゾリン、イソオキサゾリン、オキセタニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリドピリジニル、ピリダジニル、ピリジル、ピリミジル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノキサリニル、テトラゾリル、テトラゾロピリジル、チアジアゾリル、チアゾリル、チエニル、トリアゾリル及びそのN−オキシドが挙げられ、飽和複素環部分としては、アゼチジニル、1,4−ジオキサニル、ヘキサヒドロアゼピニル、ピペラジニル、ピペリジニル、ピリジン−2−オニル、ピロリジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、チオモルホリニル及びテトラヒドロチエニル、並びにそのN−オキシドが挙げられる。
【0030】
「医薬的に許容可能な塩」なる用語は無機又は有機塩基と無機又は有機酸を含む医薬的に許容可能な非毒性塩基又は酸から製造される塩を意味する。無機塩基から誘導される塩としてはアルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、三価鉄、二価鉄、リチウム、マグネシウム、三価マンガン、二価マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛等の塩が挙げられる。アンモニウム、カルシウム、マグネシウム、カリウム及びナトリウム塩が特に好ましい。固体形態の塩は2種以上の結晶構造で存在してもよいし、水和物形態でもよい。医薬的に許容可能な非毒性有機塩基から誘導される塩としては第一、第二、及び第三アミン、置換アミン(天然置換アミンを含む)、環状アミン、並びに塩基性イオン交換樹脂(例えばアルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミン等)の塩が挙げられる。
【0031】
本発明の化合物が塩基性である場合には、無機酸や有機酸等の医薬的に許容可能な非毒性酸から塩を製造することができる。このような酸としては酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、樟脳スルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、粘液酸、硝酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、琥珀酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸等が挙げられる。クエン酸、臭化水素酸、塩酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、フマル酸、及び酒石酸が特に好ましい。当然のことながら、本明細書で式Iの化合物と言う場合にはその医薬的に許容可能な塩も含むものとする。
【0032】
本発明の具体例は実施例及び本明細書に開示する化合物の使用である。本発明に含まれる特定化合物としては下記実施例に開示する化合物から構成される群から選択される化合物とその医薬的に許容可能な塩及びその個々のジアステレオマーが挙げられる。
【0033】
本発明の化合物は有効量の前記化合物を投与することを含む、阻害を必要とする哺乳動物等の患者におけるT型カルシウムチャネル活性の阻害方法において有用である。本発明はT型カルシウムチャネル活性のアンタゴニストとしての本明細書に開示する化合物の使用に関する。霊長類、特にヒトに加え、他の各種哺乳動物も本発明の方法により治療することができる。
【0034】
本発明は更に、ヒト及び動物におけるT型カルシウムチャネル活性の阻害用医薬又は本明細書に記載する障害及び疾患の治療用医薬の製造方法として、本発明の化合物を医薬キャリヤー又は希釈剤と配合する段階を含む方法に関する。
【0035】
本発明の方法で治療する対象は一般に雌雄哺乳動物、好ましくはヒトである。「治療有効量」なる用語は研究者、獣医、医師又は他の臨床医により求められる組織、系、動物又はヒトの生物学的又は医学的応答を誘発する該当化合物の量を意味する。当然のことながら、当業者は有効量の本発明の化合物で前記神経精神障害に現在冒されている患者を治療するか又は前記障害に冒されている患者を予防的に治療することにより前記障害を処置することができる。本明細書で使用する「治療」及び「治療する」なる用語は本明細書に記載する神経精神障害の進行を遅延、中断、阻止、抑制、又は停止させる等の全プロセスを意味するが、必ずしも全障害症状の完全な根絶や、特にこのような疾患又は障害の素因のある患者における上記状態の予防的治療を意味するものではない。化合物「の投与」及び/又は「を投与する」なる用語は治療を必要とする個体に本発明の化合物又は本発明の化合物のプロドラッグを提供することを意味する。
【0036】
本明細書で使用する「組成物」なる用語は特定量の特定成分を含有する製剤に加え、特定量の特定成分の併用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。医薬組成物に関してこの用語は活性成分とキャリヤーを構成する不活性成分を含有する製剤に加え、成分の任意2種以上の配合、錯化もしくは凝集、又は成分の1種以上の解離、又は成分の1種以上の他の型の反応もしくは相互作用により直接又は間接的に得られる任意製剤を含むものとする。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物と医薬的に許容可能なキャリヤーを混合することにより製造される任意組成物を含む。「医薬的に許容可能」とはキャリヤー、希釈剤又は賦形剤が製剤の他の成分と適合可能でなければならず且つそのレシピエントに有害であってはならないことを意味する。
【0037】
T型カルシウムチャネルアンタゴニストとしての本発明の化合物の有用性は過度の実験を必要とせずに[Xiaら,Assay and Drug Development Tech.,1(5),637−645(2003)に記載の]「FLIPR Ca2+フラックスアッセイ」や「T型カルシウム(Ca2+)アンタゴニストボルテージクランプアッセイ」等の当分野で周知の方法により容易に実証することができる。典型的実験では、T型チャネルα1G、H又はI(CaV 3.1,3.2,3.3)を発現するHEK293細胞に由来するイオンチャネル機能を記録し、T型チャネルα1G、H又はI(CaV 3.1,3.2,3.3)により媒介されるカルシウム電流を遮断する化合物の活性を測定する。このT型カルシウム(Ca2+)アンタゴニストボルテージクランプアッセイでは、以下のようにヒトα1G、H又はI(CaV 3.1,3.2,3.3)カルシウムチャネルの休止状態からカルシウム電流を誘起する。T型(低電位活性化型)カルシウムチャネルの配列情報は例えばUS5,618,720、US5,686,241、US5,710,250、US5,726,035、US5,792,846、US5,846,757、US5,851,824、US5,874,236、US5,876,958、US6,013,474、US6,057,114、US6,096,514、WO99/28342及びJ.Neuroscience,/P(6):1912−1921(1999)に詳細に開示されている。DMEM、6%ウシ胎仔血清(HYCLONE)、30μmolベラパミル、200μg/mlハイグロマイシンB、1Xペニシリン/ストレプトマイシンから構成されるH3D5増殖培地でt型チャネルを発現する細胞を増殖させた。ピペットプラーでガラスピペット先端径1〜2μmまで引く。ピペットに細胞内液を充填し、塩化銀ワイヤーをピペットの長手方向に挿入した後、ボルテージクランプ増幅器のヘッドステージに接続する。トリプシン処理緩衝液は0.05%トリプシン、0.53mM EDTAとした。細胞外記録液(mM)は130mM NaCl,4mM KCl,1mM MgCl2,2mM CaCl2,10mM HEPES,30グルコース,pH7.4から構成する。内液(mM)は135mM CsMeSO4,1 MgCl2,10 CsCl,5 EGTA,10 HEPES,pH7.4、又は135mM CsCl,2 MgCl2,3 MgATP,2 Na2ATP,1 Na2GTP,5 EGTA,10 HEPES,pH7.4から構成する。ピペット先端を浴に挿入後、直列抵抗を記録する(許容範囲は1〜4MΩ)。ピペットと浴溶液間の接点電位を増幅器でゼロにする。次に細胞にパッチ電極を押し付け、パッチを破壊し、直列抵抗の補償(≧80%)後、全細胞Ca2+電流応答を記録しながら電位プロトコールを適用する。電位プロトコールは以下の通りとする。(1)−80mV保持電位から−20mVまで40ミリ秒周期で20秒間隔パルスを与える;薬剤がチャネルにより媒介される電流を阻害する効力は−80mVから−20mVへの電位シフトにより開始されるピーク電流振幅の減少を測定することにより直接測定される;(2)−100mV保持電位から−20mVまで40ミリ秒周期で15秒間隔パルスを与える;薬剤がチャネルにより媒介される電流を阻害する効力は−100mVから−30mVへの電位シフトにより開始されるピーク電流振幅の減少を測定することにより直接測定される。2種の保持電位におけるブロックの差を使用して細胞の休止状態電位レベルにより誘発される各種不活性化レベルで薬剤の効果を測定した。対照基線カルシウム電流を得た後に、試験化合物の濃度を増加させながら細胞外液を加える。所与化合物濃度の定常状態阻害に達したら、更に高濃度の化合物を加える。−20mVまでの脱分極段階中のピーク内向き対照Ca2+電流の%阻害を化合物濃度の関数としてプロットする。
【0038】
本発明で使用することができる化合物のT型カルシウムチャネルアンタゴニスト固有活性はこれらの方法により測定することができる。
【0039】
特に、下記実施例の化合物は上記アッセイでT型カルシウムチャネルを阻害する活性をもち、一般にIC50は約10μMであった。本発明の範囲内の好ましい化合物は上記アッセイでT型カルシウムチャネルを阻害する活性をもち、IC50は約1μMであった。このような結果は化合物がT型カルシウムチャネル活性のアンタゴニストとして使用する際に固有活性をもつことを示す。
【0040】
他のピペリジニル化合物に対して、本発明の化合物は他の受容体及び/又はイオンチャネルに対する選択性の増加等の予想外の特性を示す。
【0041】
T型カルシウムチャネルは多様な生体機能に関係があるとされている。従って、これらの受容体はヒト又は他の種における各種疾患プロセスに潜在的役割をもつと考えられている。本発明の化合物はカルシウムチャネルに関連する各種神経精神障害の治療、予防、改善、抑制又は危険低減に有用であり、このような障害としては以下の症状又は疾患の1種以上が挙げられる:運動障害として、無動症及び無動・硬直症候群(例えばパーキンソン病、薬物誘発性パーキンソン病、脳炎後パーキンソン病、進行性核上性麻痺、多系統萎縮症、大脳皮質基底核変性症、パーキンソン病−ALS痴呆複合及び大脳基底核石灰化症)、慢性疲労症候群、疲労(例えばパーキンソン病の疲労、多発性硬化症の疲労、睡眠障害又は概日リズム障害に起因する疲労)、薬物誘発性パーキンソン病(例えば神経遮断薬誘発性パーキンソン病、神経遮断薬性悪性症候群、神経遮断薬誘発性急性ジストニア、神経遮断薬誘発急性アカシジア、神経遮断薬誘発性遅発性ジスキネジア及び薬物誘発性姿勢時振戦)、ジルドラツーレット症候群、発作障害、癲癇及びジスキネジア[例えば振戦(例えば安静時振戦、本態性振戦、姿勢時振戦及び企図時振戦)、舞踏病(例えばシデナム舞踏病、ハンチントン舞踏病、良性遺伝性舞踏病、神経有棘赤血球症、症候性舞踏病、薬物誘発性舞踏病及びヘミバリスム)、ミオクローヌス(例えば全般性ミオクローヌス及び焦点性ミオクローヌス)、チック症(例えば単純チック、複雑チック及び症候性チック症)、下肢静止不能症候群及びジストニア(特発性ジストニア、薬物誘発性ジストニア、症候性ジストニア及び発作性ジストニア等の全般性ジストニアと、眼瞼痙攣、顎口腔ジストニア、痙攣性発声障害、痙性斜頚、軸性ジストニア、ジストニア書痙及び片麻痺ジストニア等の焦点性ジストニア)];心臓病、心拍リズム異常及び不整脈、心筋梗塞、鬱血性心不全、冠状動脈性心臓病、突然死、脳卒中、性機能及び生殖機能障害(例えば受精障害、不妊症)、脳に異常振動活動が生じる疾患又は障害(例えば鬱病、偏頭痛、神経因性疼痛、パーキンソン病、精神病及び統合失調症)並びに特に視床を介する活動の連動異常を生じる疾患又は障害;認知機能強化;記憶強化;記憶保持増加;動作訓練の増進;免疫応答増加;免疫機能増加;ホットフラッシュ;寝汗;寿命延長;統合失調症;心拍リズムや他の心臓血管系障害等の神経系による興奮/弛緩リズムにより制御される筋肉関連障害;血管拡張又は血管収縮及び血圧等の細胞増殖に関連する疾患;癌;心臓不整脈;高血圧;鬱血性心不全;泌尿生殖系疾患;性機能及び妊娠障害;腎機能不全;麻酔薬反応;睡眠障害、睡眠異常(例えば睡眠品質強化、睡眠品質改善、睡眠効率増加、睡眠維持増加);対象の睡眠時間を対象が取ろうとしている睡眠時間で割ることにより計算される値の増加;入眠の改善;睡眠潜伏時間ないし開始時間(入眠までの時間)の短縮;入眠困難の低減;睡眠持続時間の増加;睡眠中の覚醒回数の低減;睡眠中の断続覚醒の低減;夜間覚醒の低減;最初の入眠後に覚醒に消費される時間の低減;合計睡眠量の増加;睡眠の断片化の低減;レム睡眠期のタイミング、頻度又は長さの改変;徐波(即ちステージ3又は4)睡眠期のタイミング、頻度又は長さの改変;ステージ2睡眠の量及び百分率の増加;徐波睡眠の促進;睡眠中のEEG−δ活動の強化;睡眠サイクル初期のδ睡眠量の増加、睡眠サイクル後期のレム睡眠の増加;夜間覚醒、特に早朝覚醒の低減;日中覚醒の増加;日中嗜眠の低減;過剰日中睡眠の治療又は緩和;睡眠強度に対する満足の増加;睡眠維持の増加;特発性不眠症;睡眠障害;不眠症、過眠症、特発性過眠症、反復性過眠症、真性過眠症、ナルコレプシー、断続睡眠、睡眠時無呼吸、閉塞型睡眠時無呼吸、覚醒、夜間ミオクローヌス、レム睡眠中断、時差ぼけ、交代勤務性睡眠障害、睡眠異常症、夜間恐怖症、鬱病、情緒/気分障害、アルツハイマー病又は認知障害に伴う不眠症、夢遊病及び遺尿症、並びに加齢に伴う睡眠障害;アルツハイマー病の日暮れ時徴候;概日リズムに関連する疾患並びに時差を伴う旅行及び交代勤務スケジュールに関連する精神及び身体障害、副作用としてレム睡眠を減少させる薬剤に起因する疾患;線維筋肉痛;非回復性睡眠により発現される症候群及び睡眠中の呼吸障害に伴う筋肉痛又は睡眠時無呼吸;睡眠品質低下に起因する疾患;気分障害、例えば鬱病又はより特定的には鬱病性障害(例えば単発性又は反復性大鬱病性障害及び気分変調性障害)、又は双極性障害(例えばI型双極性障害、II型双極性障害及び気分循環性障害)、一般病状に起因する気分障害、及び物質誘発性気分障害;不安障害(例えば急性ストレス障害、広場恐怖症、全般性不安障害、強迫性障害、パニック発作、パニック障害、外傷後ストレス障害、分離不安障害、対人恐怖症、特定恐怖症、物質誘発性不安障害及び一般病状に起因する不安症);急性神経精神障害(例えば心臓バイパス手術及び移植後の脳欠損、脳卒中、虚血性脳卒中、脳虚血、脊髄外傷、頭部外傷、周産期低酸素症、心停止、低血糖性神経損傷);ハンチントン舞踏病;筋委縮性側索硬化症;多発性硬化症;眼球損傷;網膜症;認知障害;特発性及び薬物誘発性パーキンソン病;筋痙攣及び振戦、癲癇、痙攣等の筋痙縮に関連する障害;(アルツハイマー病、虚血、外傷、血管障害又は脳卒中、HIV病、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツェルフェルト・ヤコブ病、周産期低酸素症、他の一般病状又は物質濫用に関連する)痴呆症を含む認知障害;譫妄、健忘症又は加齢による認知低下;統合失調症又は統合失調症を含む精神病(妄想型、破瓜型、緊張型又は未分化型)、統合失調症型障害、統合失調感情障害、妄想性障害、短期精神病性障害、共有精神病性障害、一般病状に起因する精神障害及び物質誘発性精神障害;物質関連障害及び常習行為(例えば物質誘発性譫妄、持続性痴呆症、持続性健忘症、精神障害又は不安障害);アルコール、アンフェタミン、大麻、コカイン、幻覚剤、吸入剤、ニコチン、オピオイド、フェンシクリジン、鎮静剤、催眠剤又は不安緩解剤等の物質に対する耐性、依存性又は禁断症状;注意欠陥多動性障害(ADHD);行為障害;偏頭痛(例えば偏頭痛);尿失禁;物質耐性、物質禁断症状(例えばアヘン、ニコチン、タバコ製品、アルコール、ベンゾジアゼピン、コカイン、鎮静剤、催眠剤等の物質);精神病;統合失調症;不安症(例えば全般性不安障害、パニック障害及び強迫性障害);気分障害(例えば鬱病、躁病、双極性障害);三叉神経痛;難聴;耳鳴り;眼球損傷を含むニューロン損傷;網膜症;黄斑変性症;嘔吐;脳浮腫;疼痛、例えば急性疼痛、慢性疼痛、激痛、難治性疼痛、炎症性疼痛、慢性炎症性疼痛、神経因性疼痛、慢性神経因性疼痛、外傷後疼痛、骨及び関節痛(変形性骨関節炎)、反復性運動痛、歯痛、癌性疼痛、筋筋膜痛(筋肉損傷、線維筋肉痛)、周術期疼痛(一般外科、婦人科)、慢性疼痛、神経因性疼痛、外傷後疼痛、三叉神経痛、片側痛及び偏頭痛。
【0042】
従って、好ましい態様では、本発明はその必要のある哺乳動物患者における失神癲癇を含む癲癇の治療、抑制、改善又は危険低減;パーキンソン病の治療又は抑制;本態性振戦の治療;神経因性疼痛を含む疼痛の治療又は抑制;睡眠品質強化;睡眠維持増加;レム睡眠増加;徐波睡眠増加;睡眠パターンの断片化の低減;不眠症の治療;認知強化;記憶保持増加;鬱病の治療又は抑制;精神病の治療又は抑制;あるいは統合失調症の治療、抑制、改善又は危険低減方法として、治療有効量の本発明の化合物を患者に投与することを含む方法を提供する。
【0043】
本発明の化合物は更に本明細書に記載する疾患、障害及び症状の予防、治療、抑制、改善又は危険低減方法でも有用である。
【0044】
本発明の組成物中の活性成分の用量は各種用量とすることができるが、適切な剤形が得られるような活性成分の量を選択することが必要である。活性成分は最適な医薬効果を提供する用量でこのような治療を必要とする患者(動物又はヒト)に投与することができる。選択する用量は所望治療効果、投与経路及び治療期間により異なる。用量は疾患の種類と重篤度、患者の体重、患者が順守している特別な食生活、併用投薬及び当業者に自明の他の因子により患者間で異なる。一般に、T型カルシウムチャネルの有効な阻害を得るためには、0.0001〜10mg/kg体重/日の用量レベルを患者(例えばヒト及び高齢者)に投与する。用量範囲は一般に患者1人1日当たり約0.5mg〜1.0gであり、一度に投与してもよいし、複数回に分けて投与してもよい。用量範囲は患者1人1日当たり約0.5mg〜500mgが好ましく;患者1人1日当たり約0.5mg〜200mgがより好ましく;患者1人1日当たり約5mg〜50mgが更に好ましい。本発明の医薬組成物は好ましくは活性成分約0.5mg〜500mg、より好ましくは活性成分約1mg〜250mgを含有する固体製剤として投与することができる。医薬組成物は活性成分約1mg、5mg、10mg、25mg、50mg、100mg、200mg又は250mgを含有する固体製剤として投与することが好ましい。経口投与の場合、組成物は治療する患者の症状に合わせて活性成分1.0〜1000mg、特に1、5、10、15、20、25、50、75、100、150、200、250、300、400、500、600、750、800、900及び1000mgを含有する錠剤として投与することが好ましい。化合物は1日1〜4回、好ましくは1日1回又は2回のレジメンで投与することができる。
【0045】
本発明の化合物は薬剤を併用したほうが単剤よりも安全又は有効である場合には、本発明の化合物又は他の薬剤が有用であり得る疾患又は症状の治療、予防、抑制、改善、又は危険低減に他の1種以上の薬剤と併用することができる。このような他の薬剤はこのような用途に通常使用されている経路と量で本発明の化合物と同時又は順次投与することができる。本発明の化合物を他の1種以上の薬剤と同時に使用する場合には、このような他の薬剤と本発明の化合物を含有する単位剤形の医薬組成物が好ましい。他方、併用療法は本発明の化合物と1種以上の他の薬剤を別個のオーバーラップするスケジュールで投与する療法でもよい。1種以上の他の活性成分と併用する場合には、本発明の化合物と他の活性成分を各々単独使用する場合よりも低用量で使用できるとも考えられる。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物に加えて1種以上の他の活性成分を含有するものを含む。上記併用は本発明の化合物と他の1種の活性化合物との併用のみならず、2種以上の他の活性化合物との併用も含む。
【0046】
同様に、本発明の化合物は本発明の化合物が有用である疾患又は症状の予防、治療、抑制、改善、又は危険低減に使用される他の薬剤と併用することもできる。このような他の薬剤はこのような用途に通常使用されている経路と量で本発明の化合物と同時又は順次投与することができる。本発明の化合物を他の1種以上の薬剤と同時に使用する場合には、本発明の化合物に加えてこのような他の薬剤を含有する医薬組成物が好ましい。従って、本発明の医薬組成物は本発明の化合物に加えて1種以上の他の活性成分を含有するものを含む。
【0047】
本発明の化合物と第2の活性成分の重量比は変動させることができ、各成分の有効用量により異なる。一般に、各々の有効用量を使用する。従って、例えば本発明の化合物を別の物質と併用する場合には、本発明の化合物と他方の物質の重量比は一般に約1000:1〜約1:1000、好ましくは約200:1〜約1:200である。本発明の化合物と他の活性成分の併用も一般に上記範囲に含まれるが、各場合に各活性成分の有効用量を使用すべきである。このような併用では、本発明の化合物と他の活性剤を別々に投与してもよいし、一緒に投与してもよい。更に、ある成分を他の物質の前に投与してもよいし、同時に投与してもよいし、後から投与してもよい。
【0048】
本発明の化合物はカルバマゼピン、クロナゼパム、ジバルプロエクス、エトスクシミド、フェルバメート、フォスフェニトイン、ガバペンチン、ラモトリジン、レベチラセタム、ロラゼパム、ミダゾラム、オクスカルバゼピン、フェノバルビタール、フェニトイン、プリミドン、チアガビン、トピラメート、バルプロエート、ビガバトリン又はゾニサミド等の抗発作剤と併用することができる。別の態様では、本発明の化合物はアセトフェナジン、アレンテモール、ベンズヘキソール、ブロモクリプチン、ビペリデン、クロルプロマジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ジアゼパム、フェノルドパム、フルフェナジン、ハロペリドール、レボドパ、レボドパ+ベンセラジド、レボドパ+カルビドパ、リスリド、ロキサピン、メソリダジン、モリンドン、ナキサゴリド、オランザピン、ペルゴリド、ペルフェナジン、ピモジド、プラミペキソール、リスペリドン、スルピリド、テトラベナジン、トリヘキシルフェニジル、チオリダジン、チオチキセン、トリフルオペラジン又はバルプロン酸と併用することができる。
【0049】
別の態様では、本発明の化合物は(カルビドパやベンセラジド等の選択的脳外脱炭酸酵素阻害剤との併用下又は非併用下の)レボドパ、抗コリン薬(例えば(場合によりその塩酸塩又は乳酸塩としての)ビペリデン及び塩酸トリヘキシルフェニジル(ベンズヘキソール))、COMT阻害剤(例えばエンタカポン)、MOA−B阻害剤、抗酸化剤、A2aアデノシン受容体アンタゴニスト、コリン作動薬、セロトニン受容体アンタゴニスト及びドーパミン受容体アゴニスト(例えばアレンテモール、ブロモクリプチン、フェノルドパム、リスリド、ナキサゴリド、ペルゴリド及びプラミペキソール)と併用することができる。当然のことながら、ドーパミンアゴニストは医薬的に許容可能な塩(例えば臭化水素酸アレンテモール、メシル酸ブロモクリプチン、メシル酸フェノルドパム、塩酸ナキサゴリド及びメシル酸ペルゴリド)の形態とすることができる。リスリドとプラミペキソールは一般に非塩形態で使用される。
【0050】
別の態様では、本発明の化合物はフェノチアジン、チオキサンテン、複素環式ジベンズアゼピン、ブチロフェノン、ジフェニルブチルピペリジン及びインドロン類の神経遮断薬から選択される化合物と併用することができる。フェノチアジンの適切な例としてはクロルプロマジン、メソリダジン、チオリダジン、アセトフェナジン、フルフェナジン、ペルフェナジン及びトリフルオペラジンが挙げられる。チオキサンテンの適切な例としてはクロルプロチキセンとチオチキセンが挙げられる。ジベンズアゼピンの1例はクロザピンである。ブチロフェノンの1例はハロペリドールである。ジフェニルブチルピペリジンの1例はピモジドである。インドロンの1例はモリンドンである。他の神経遮断薬としてはロキサピン、スルピリド及びリスペリドンが挙げられる。当然のことながら、神経遮断薬を本発明の化合物と併用する場合には、医薬的に許容可能な塩(例えば塩酸クロルプロマジン、ベシル酸メソリダジン、塩酸チオリダジン、マレイン酸アセトフェナジン、塩酸フルフェナジン、エナント酸フルフェナジン、デカン酸フルフェナジン、塩酸トリフルオペラジン、塩酸チオチキセン、デカン酸ハロペリドール、琥珀酸ロキサピン及び塩酸モリンドン)の形態とすることができる。ペルフェナジン、クロルプロチキセン、クロザピン、ハロペリドール、ピモジド及びリスペリドンは一般に非塩形態で使用される。
【0051】
別の態様では、本発明の化合物はオピエートアゴニスト、リポキシゲナーゼ阻害剤(例えば5−リポキシゲナーゼ阻害剤)、シクロオキシゲナーゼ阻害剤(例えばシクロオキシゲナーゼ−2阻害剤)、インターロイキン阻害剤(例えばインターロイキン−1阻害剤)、NMDAアンタゴニスト、一酸化窒素阻害剤もしくは一酸化窒素合成阻害剤、非ステロイド性抗炎症薬又はサイトカイン抑制性抗炎症薬と併用することができ、例えば、アセトアミノフェン、アスピリン、コデイン、フェンタニル、イブプロフェン、インドメタシン、ケトロラック、モルヒネ、ナプロキセン、フェナセチン、ピロキシカム、ステロイド性鎮痛薬、スフェンタニル、スリンダック、テニダップ等の化合物と併用することができる。同様に、本発明の化合物は鎮痛剤;効力増強剤(例えばカフェイン、H2アンタゴニスト、シメチコン、水酸化アルミニウム又は水酸化マグネシウム);充血除去剤(例えばフェニルエフリン、フェニルプロパノールアミン、プソイドエフェドリン、オキシメタゾリン、エピネフリン、ナファゾリン、キシロメタゾリン、プロピルヘキセドリン又はレボデオキシエフェドリン);鎮咳薬(例えばコデイン、ヒドロコドン、カラミフェン、カルベタペンタン又はデクストラメトルファン);利尿薬;及び鎮静性又は非鎮静性抗ヒスタミン薬と併用投与することもできる。別の態様では、本発明の化合物はアムロジピン等のL型カルシウムチャネルアンタゴニストと併用することができる。
【0052】
別の態様では、本発明の化合物は睡眠品質を強化し、睡眠障害及び睡眠異常を予防及び治療するために有用であるとして当分野で公知の化合物(例えば鎮静剤、催眠剤、不安緩解剤、抗精神病薬、抗不安剤、抗ヒスタミン薬、ベンゾジアゼピン、バルビツレート、シクロピロロン、GABAアゴニスト、5HT−2アンタゴニスト(5HT−2Aアンタゴニスト及び5HT−2A/2Cアンタゴニストを含む)、ヒスタミンアンタゴニスト(ヒスタミンH3アンタゴニスト、H3逆アゴニストを含む)、イミダゾピリジン、マイナートランキライザー、メラトニンアゴニスト及びアンタゴニスト、メラトニン作動薬、他のオレキシンアンタゴニスト、オレキシンアゴニスト、プロキネチシンアゴニスト及びアンタゴニスト、ピラゾロピリミジン、他のT型カルシウムチャネルアンタゴニスト、トリアゾロピリジン等)と併用投与することができ、例えば、アジナゾラム、アロバルビタール、アロニミド、アルプラゾラム、アミトリプチリン、アモバルビタール、アモキサピン、アルモダフィニル,APD−125、ベンタゼパム、ベンゾクタミン、ブロチゾラム、ブプロピオン、ブスピロン、ブタバルビタール、ブタルビタール、カプロモレリン、カプリド、カルボクロラール、クロラールベタイン、抱水クロラール、クロルジアゼポキシド、クロミプラミン、クロナゼパム、クロペリドン、クロラゼペート、クロレテート、クロザピン、クロナゼパム、シプラゼパム、デシプラミン、デクスクラモール、ジアゼパム、ジクロルアルフェナゾン、ジバルプロエクス、ジフェンヒドラミン、ドキセピン、EMD−281014,エプリバンセリン、エスタゾラム、エスゾピクロン、エトクロルビノール、エトミデート、フェノバム、フルニトラゼパム、フルラゼパム、フルボキサミン、フルオキセチン、ホサゼパム、ガボキサドール、グルテチミド、ハラゼパム、ヒドロキシジン、イブタモレン、イミプラミン、インディプロン、リチウム、ロラゼパム、ロルメタゼパム、LY−156735、マプロチリン、MDL−100907、メクロカロン、メラトニン、メホバルビタール、メプロバメート、メタカロン、メチプリロン、ミダフルル、ミダゾラム、モダフィニル、ネファゾドン、NGD−2−73、ニソバメート、ニトラゼパム、ノルトリプチリン、オキサゼパム、パルアルデヒド、パロキセチン、ペントバルビタール、ペルラピン、ペルフェナジン、フェネルジン、フェノバルビタール、プラゼパム、プロメタジン、プロポフォル、プロトリプチリン、クアゼパム、ラメルテオン、レクラゼパム、ロレタミド、セコバルビタール、セルトラリン、スプロクロン、TAK−375、テマゼパム、チオリダジン、チアガビン、トラカゾラート、トラニルシプロミン、トラザドン、トリアゾラム、トレピパム、トリセタミド、トリクロホス、トリフルオペラジン、トリメトジン、トリミプラミン、ウルダゼパム、ベンラファキシン、ザレプロン、ゾラゼパム、ゾピクロン、ゾルピデム及びその塩並びにその組合わせ等が挙げられ、あるいは本発明の化合物は光療法や電気刺激等の物理的方法と併用投与することもできる。
【0053】
別の態様では、本発明の化合物は抗鬱剤又は抗不安症剤と併用することができ、例えば、ノルエピネフリン再取込み阻害剤(例えば第三級アミン三環系及び第二級アミン三環系)、選択的セロトニン再取込み阻害剤(SSRI)、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)、可逆的モノアミンオキシダーゼ阻害剤(RIMA)、セロトニン及びノルアドレナリン再取込み阻害剤(SNRI)、コルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、ニューロキニン−1受容体アンタゴニスト、非定型抗鬱剤、ベンゾジアゼピン、5−HT1Aアゴニスト又はアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、並びにコルチコトロピン放出因子(CRF)アンタゴニストが挙げられる。特定薬剤としてはアミトリプチリン、クロミプラミン、ドキセピン、イミプラミン及びトリミプラミン;アモキサピン、デシプラミン、マプロチリン、ノルトリプチリン及びプロトリプチリン;フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン及びセルトラリン;イソカルボキサジド、フェネルジン、トラニルシプロミン及びセレギリン;モクロベミド;ベンラファキシン;アプレピタント;ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドン及びビロキサジン;アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロラゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム及びプラゼパム;ブスピロン、フレシノキサン、ゲピロン及びイプサピロン、並びにその医薬的に許容可能な塩が挙げられる。
【0054】
別の態様では、本発明の化合物はアルツハイマー病治療剤;βセクレターゼ阻害剤;γセクレターゼ阻害剤;成長ホルモン分泌促進剤;組換え成長ホルモン;HMG−CoAレダクターゼ阻害剤;NSAID(例えばイブプロフェン);ビタミンE;抗アミロイド抗体;CB−1受容体アンタゴニスト又はCB−1受容体逆アゴニスト;抗生物質(例えばドキシサイクリン及びリファムピン);N−メチル−D−アスパラギン酸(NMDA)受容体アンタゴニスト(例えばメマンチン);コリンエステラーゼ阻害剤(例えばガランタミン、リバスチグミン、ドネペジル及びタクリン);成長ホルモン分泌促進剤(例えばイブタモレン、メシル酸イブタモレン及びカプロモレリン);ヒスタミンHアンタゴニスト;AMPAアゴニスト;PDE IV阻害剤;GABA逆アゴニスト;又はニューロンニコチンアゴニストと併用することができる。
【0055】
本発明の化合物は経口、非経口(例えば筋肉内、腹腔内、静脈内、ICV、槽内注射もしくは注入、皮下注射、又はインプラント)、吸入スプレー、鼻孔内、膣、直腸、舌下、又は局所投与経路により投与することができ、各投与経路に適した従来の医薬的に許容可能な非毒性キャリヤー、アジュバント及びビヒクルを含有する適切な用量単位製剤に単独又は複数を配合することができる。マウス、ラット、ウマ、ウシ、ヒツジ、イヌ、ネコ、サル等の温血動物の治療に加え、本発明の化合物はヒトで使用するのにも有効である。
【0056】
本発明の化合物の投与用医薬組成物は用量単位形態とすると簡便であり、製薬分野で周知の任意方法により製造することができる。いずれの方法も1種以上の補助成分を構成するキャリヤーと活性成分を配合する段階を含む。一般に、医薬組成物は活性成分を液体キャリヤー又は微粉状固体キャリヤー又は両者と均質混和した後に必要に応じて生成物を所望製剤に成形することにより製造される。医薬組成物には、疾患の過程又は症状に所望効果を与えるために十分な量の目的活性化合物が含有される。本明細書で使用する「組成物」なる用語は特定量の特定成分を含有する製剤に加え、特定量の特定成分の併用により直接又は間接的に得られる任意製剤を意味する。
【0057】
経口用組成物は医薬組成物の製造に当分野で公知の任意の方法により製造することができ、このような組成物は医薬的にエレガントで口当たりのよい製剤にするために甘味剤、香味剤、着色剤及び防腐剤から構成される群から選択される1種以上の添加剤を添加することができる。錠剤は錠剤の製造に適した医薬的に許容可能な非毒性賦形剤と混合した活性成分を含有する。これらの賦形剤としては例えば不活性希釈剤(例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム又はリン酸ナトリウム);顆粒化剤及び崩壊剤(例えばコーンスターチ又はアルギン酸);結合剤(例えば澱粉、ゼラチン又はアラビアガム)及び滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸又はタルク)が挙げられる。錠剤はコーティングしなくてもよいし、胃腸管での崩壊と吸収を遅らせて長時間持続作用を提供するために公知技術によりコーティングしてもよい。経口用組成物は更に活性成分を不活性固体希釈剤(例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム又はカオリン)と混合したハードゼラチンカプセルの形態でもよいし、活性成分を水又は油性媒体(例えば落花生油、液体パラフィン、又はオリーブ油)と混合したソトフゼラチンカプセルの形態でもよい。水性懸濁液剤は水性懸濁液剤の製造に適した賦形剤と混合した活性材料を含有する。油性懸濁液剤は適切な油に活性成分を懸濁することにより製剤化することができる。水中油エマルションも利用できる。水を加えて水性懸濁液を調製するのに適した分散性散剤及び顆粒剤は分散剤又は湿潤剤、懸濁剤及び1種以上の防腐剤と混合した活性成分を提供する。本発明の医薬組成物は注射用滅菌水性又は油性懸濁液の形態でもよい。本発明の化合物は直腸投与用座剤形態で投与することもできる。局所用には、本発明の化合物を含有するクリーム、軟膏、ゼリー、溶液又は懸濁液等を使用することができる。本発明の化合物は吸入投与用に製剤化することもできる。本発明の化合物は当分野で公知の方法により経皮パッチにより投与することもできる。
【0058】
本発明の化合物の数種の製造方法を下記スキーム及び実施例に例証する。出発材料は当分野で公知の手順に従うか又は本明細書に例証するように製造される。本明細書では以下の略語を使用する。Me:メチル;Et:エチル;t−Bu:tert−ブチル;Ar:アリール;Ph:フェニル;Bn:ベンジル;Ac:アセチル;THF:テトラヒドロフラン;DMSO:ジメチルスルホキシド;EDC:N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’− エチルカルボジイミド;Boc:tert−ブチルオキシカルボニル;EtN:トリエチルアミン;DCM:ジクロロメタン;DCE:ジクロロエタン;BSA:ウシ血清アルブミン;TFA:トリフルオロ酢酸;DMF:N,N−ジメチルホルムアミド;SOCl:塩化チオニル;CDI:カルボニルジイミダゾール;rt:室温;HPLC:高性能液体クロマトグラフィー。本発明の化合物は各種方法で製造することができる。
【0059】
【化5】

【0060】
化合物1−1はLiverton,N.J.;Claiborne,C.F.;Claremon,D.A.;McCauley,J.A.PCT int.Appl.(2004),WO2004108705に記載されているように製造される。1−1を酸又は塩化アシルでアシル化し、対応するアミド1−2を得る。酢酸中でHBrを使用して4−メチルベンジルカルボニルを除去し、ピペリジン1−3を得た。アルデヒド又はケトンで還元アミノ化し、式1−4の化合物を得た。
【0061】
場合により、例えば置換基の操作により最終生成物を更に修飾してもよい。これらの操作としては限定されないが、当業者に一般に公知の還元、酸化、アルキル化、アシル化及び加水分解反応が挙げられる。場合により、反応を容易にするため又は望ましくない反応生成物を避けるように上記反応スキームの実施順序を変更してもよい。以下、本発明をより十分に理解できるように実施例を記載する。これらの実施例は例証に過ぎず、本発明を限定するものと解釈すべきではない。
【実施例1】
【0062】
【化6】

N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}アダマンタン−1−カルボキサミド
(3S,4R)−4−(アミノメチル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボン酸4−メチルベンジル塩酸塩(1.5g,4.7mmol)の室温CHCl(15mL)溶液に1−アダマンチルカルボン酸(0.94g,5.2mmol)、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾール(0.77g,5.7mmol)、1−(3−デメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(1.1g,5.7mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.65mL,9.47mmol)を加えた。得られた混合物を室温で3時間撹拌した。LC−MSは反応が完了したことを示した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(勾配,CHCl中0→16% MeOH)により精製し、乾燥すると、標記化合物が白色アモルファス固体として得られた(11.8g,2.1g,98%)。MS(ES):443.4[M+1]。上記中間体(2.0g,4.52mmol)のCHCl(10mL)溶液にAcOH中HBr(33wt%,10mL)を加えた。室温で0.5時間撹拌後、LC−MSは出発材料が完全に消費されたことを示した。次にジエチルエーテルを反応混合物に加えた。白色沈殿を集め、更にジエチルエーテルで洗浄し、乾燥した。上記白色固体(HBr塩,0.2g,0.533mmol)をNaBH(OAc)(0.169g,0.799mmol)、ジクロロエタン(5mL)、ジイソプロピルエチルアミン(0.176mL,1.07mmol)及び3,3−ジメチルブチルアルデヒド(5.0mL,39.8mmol)と混合した。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。溶媒を濃縮により除去した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(勾配,CHCl中0→20% MeOH)により精製し、乾燥すると、標記化合物が白色固体として得られた(0.144g,総収率71%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ5.92(bs,1H),4.68(d,J=48.7Hz,1H),3.37−3.21(m,3H),2.96(d,J=11.4,1H),2.42−2.29(m,2H),1.14−1.91(m,2H),1.84(m,6H),1.76−1.63(m,8H),1.54(dd,J=13.0,3.1Hz,1H),1.47−1.38(m,2H),0.90(s,9H)。HRMS(ES):C2339FNOの計算値[M+1]:379.3119,実測値379.3119。
【実施例2】
【0063】
【化7】

3,5−ジクロロ−N−{[(3S.4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド
(3S,4R)−4−(アミノメチル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボン酸4−メチルベンジル塩酸塩(Liverton,N.J.;Claiborne,C.F.;Claremon,D.A.;McCauley,J.A.,PCT Int.Appl WO2004108705(2004))(10.45g,32.99mmol)の0℃ CHCl(31mL)溶液にEtN(13mL,99mmol)と塩化3,5−ジクロロベンゾイル(5.5mL,38mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。LC−MSは反応が完了したことを示した。次にこの混合物にAcOH中HBr(33wt%,50mL)を加えた。濃NaOH水溶液となるまで反応混合物を針で通気した。室温で1時間撹拌後、LC−MSは出発材料が完全に消費されたことを示した。次にジエチルエーテル(300mL)を反応混合物に加えた。白色沈殿を集め、更にジエチルエーテルで洗浄した。白色固体を分液漏斗に移し、飽和NaHCO水溶液(300mL)とCHCl(300mL)を加えた。激しく振盪後、2層を分離した。生成物が残っていないことをLC−MSが示すまで水層をCHCl(>3×)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られた白色固体(3−Fピペリジン中間体)を次にNaBH(OAc)(10.5g,49.5mmol)、ジクロロエタン(100mL)及び3,3−ジメチルブチルアルデヒド(5.0mL,39.8mmol)と混合した。得られた懸濁液を室温で一晩撹拌した。飽和NaHCO水溶液を加えることにより反応混合物をワークアップし、CHClで抽出した。有機層を合わせて乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣をシリカゲルフラッシュクロマトグラフィー(勾配,CHCl中0→20% MeOH)により精製し、乾燥すると、標記化合物が白色固体として得られた(11.8g,総収率92%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.62(m,2H),7.49(m,1H),6.40(bs,1H),4.78(d,J=51.1Hz,1H),3.62−3.39(m,2H),3.27(t,J=11.5Hz,1H),2.99(d,J=11.0,1H),2.43−2.30(m,2H),2.17−1.97(m,2H),2.00−1.87(m,1H),1.83−1.72(m,1H),1.64−1.60(m,1H),1.55−1.38(m,2H),0.90(s,9H)。HRMS(ES):C1927ClFNOの計算値[M]:389.1557,実測値389.1561。
【実施例3】
【0064】
【化8】

3,5−ジクロロ−N−({(3S,4R)−1−[(3,3−ジメチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド
化合物(3,3−ジメチル−テトラヒドロフラン−2−イル)メタノール(0.065g,0.5mmol)(Zaidlewicz,M.;Sarnowski,R.Heterocycles 1982,75,281−284.)をCHCl(3mL)に溶かし、0℃まで冷却した。デス・マーチン・ペルヨージナン(424mg,1.0mmol)を加えた後、得られた混合物を室温で2時間撹拌した。飽和NaHSO水溶液を加えることにより反応混合物をワークアップし、CHClで抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮すると、粗アルデヒドが透明油状物として得られた。粗アルデヒドをジクロロエタン(3mL)中、3−Fピペリジン中間体(実施例2参照)のHBr塩(0.119g,0.27mmol)、NaBH(OAc)(0.114g,0.54mmol)及びトリエチルアミン(0.075mL,0.54mmol)と混合した。得られた混合物を室温で一晩撹拌した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液とブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。残渣を分取HPLC(30分間5→95% CHCN/HO,0.05% TFA添加,C18 SunFire 19×150mm)により精製し、乾燥すると、標記化合物が白色固体として得られた(18.4mg,13%)。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.75−7.68(m,2H),7.9−7.50(m,1H),4.98(d,J=46.0Hz,1H),3.62−3.39(m,2H),3.99−3.72(m,H),3.59−3.31(m,4H),2.95−2.60(m,2H),2.40−2.20(m,1H),2.18−1.99(m,1H),1.95−1.65(m,3H),1.08(s,3H),0.88(m,3H)。MS(ES):C2028ClFNの計算値[M+1]:417.1,実測値417.1。
【実施例4】
【0065】
【化9】

3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−メトキシベンズアミド
(3S,4R)−4−(アミノメチル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボン酸4−メチルベンジル塩酸塩(Liverton,N.J.;Claiborne,C.F.;Claremon,D.A.;McCauley,J.A.,PCT Int.Appl WO2004108705(2004))(1.5g,4.7mmol)の0℃ CHCl(20mL)溶液に3−クロロ−5−メトキシルベンゾイル酸(0.97g,5.2mmol)、HOAt(0.77g,5.7mmol)、EDC(1.1g,5.7mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(1.6mL,9.5mmol)を加えた。得られた混合物を室温で1時間撹拌した。LC−MSは反応が完了したことを示した。約10mL容量まで濃縮した後、この混合物にAcOH中HBr(30wt%,15mL)を加えた。濃NaOH水溶液となるまで反応混合物を針で通気した。室温で15分間撹拌後、LC−MSは出発材料が完全に消費されたことを示した。次にジエチルエーテル(100mL)を反応混合物に加えた。白色沈殿を集め、更にジエチルエーテルで洗浄し、HOに溶かすと、残渣が反応フラスコに残った。次に水溶液を分液漏斗に移し、固体NaHCOとCHCl(100mL)を加えた。激しく振盪後、2層を分離した。生成物が残っていないことをLC−MSが示すまで水層をCHCl(>3×)で抽出した。有機層を合わせてブラインで洗浄し、乾燥し(NaSO)、濾過し、濃縮した。得られた粗生成物の一部(3−Fピペリジン中間体,0.20g,0.67mmol)を次に密閉管でMeCN(2mL)中、KCO(0.28g,2.0mmol)、1−ブロモピナコロン(0.14mL,1.0mmol)と混合した。得られた混合物を80℃に12時間加熱した。反応混合物を濾過し、分取HPLC(30分間5→95% CHCN/HO,0.05% TFA添加,C18 SunFire 19×150mm)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物が白色固体として得られた。H NMR(400MHz,CDCl):δ7.30(s,1H),7.23(s,1H),7.16(bs,1H),7.01(t,J=2.0Hz,1H),5.01(d,J=46.1Hz,1H),4.34(d,J=18.0Hz,1H),4.21(d,J=17.9Hz,1H),3.81(s,3H),3.80(t,J=11.8Hz,1H),3.58−3.52(m,3H),3.45(dd,J=28.7,13.6Hz,1H),3.33(dd,J=12.3,11.5Hz,1H),2.43−2.27(m,1H),2.05(q,J=11.9Hz,1H),1.89(d,J=12.5Hz),1.18(s,9H)。HRMS(ES):C2028ClFNの計算値[M+1]:399.1845,実測値399.1849。
【実施例5】
【0066】
【化10】

3−クロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−5−メトキシベンズアミド及び3−クロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2R)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−5−メトキシベンズアミド
3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−メトキシベンズアミド(0.132g,0.331mmol)のMeOH(1mL)溶液にNaBH(0.0380g,0.993mmol)を加えた。混合物を室温で15分間撹拌した。溶媒を除去し、残渣を分取HPLC(30分間5→95% CHCN/HO,0.05% TFA添加,C18 SunFire 19×150mm)により精製すると、凍結乾燥後に標記化合物が白色固体として得られた。HRMS(ES):C2030ClFNの計算値[M+1]:401.2002,実測値401.2011。キラルカラム(85% CO,15% MeOHに調節剤としてジエチルアミン1mL/Lを添加,Chiralcel OJ,2×25cm,10μ)で2種のジアステレオマーを分離した。H NMR(400MHz,CDCl,第1のピーク):δ7.26(m,1H),7.22(m,1H),7.03(t,J=1.8Hz,1H),6.36(bs,1H),4.74(d,J=48.9Hz,1H),3.84(s,3H),3.57−3.43(m,2H),3.36(dd,J=11.0,3.1Hz,1H),3.14(d,J=12.6Hz,1H),3.10(dd,J=11.4,10.3Hz,1H),2.46(dd,J=37.9,12.6Hz,1H),2.36(dd,J=12.1,2.6Hz,1H),2.26(dd,J=12.1,11.0Hz,1H),2.07−1.90(m,2H),1.74−1.55(m,2H),0.90(s,9H)。H NMR(400MHz,CDCl,第2のピーク):δ7.26(m,1H),7.22(m,1H),7.02(t,J=2.0Hz,1H),6.47(bs,1H),4.73(d,J=48.3Hz,1H),3.84(s,3H),3.56−3.43(m,2H),3.34−3.29(m,2H),2.85(d,J=11.5Hz,1H),2.40(t,J=11.0Hz,1H),2.37(d,J=7.2Hz,2H),2.12(dd,J=38.0,12.8Hz,1H),2.05−1.90(m,1H),1.78(dq,J=12.3,3.9Hz,1H),1.62(dd,J=13.1,3.1Hz,1H),0.90(s,9H)。
【実施例6】
【0067】
【化11】

N−({(3S,4R)−1−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3,5−ジクロロベンズアミド
tert−ブチルアミン(1.0ml,9.5mmol)とEtN(1.3ml,9.5mmol)の0℃ CHCl溶液に塩化クロロアセチル(0.758ml,9.516mmol)を滴下した。反応混合物を0℃で15分間撹拌し、1.0N HCl、水及びブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過した。濾液を濃縮すると、粗中間体1として淡褐色固体1.1gが得られた。これをそれ以上精製せずに使用した。(3S,4R)−4−(アミノメチル)−3−フルオロピペリジン−1−カルボン酸4−メチルベンジル塩酸塩(Liverton,N.J.;Claiborne,C.F.;Claremon,D.A.;McCauley,J.A.,PCT Int.Appl WO2004108705(2004))(3.2g,10mmol)とジイソプロピルエチルアミン(3.5ml,21mmol)の0℃ CHCl(50ml)溶液にCHCl(10ml)中、塩化3,5−ジクロロベンゾイル(2.2g,10mmol)を加えた。得られた混合物を1時間撹拌すると、LC−MSは良好な変換を示した。放出されるHBrガスをNaOH(40%水溶液)でトラップしながらAcOH中HBr(33%wt)(4.8ml,80mmol)をゆっくりと加えた。室温で1時間撹拌後、LC−MSによると、反応は完了した。反応混合物をEtO 100mlに注いだ。淡褐色固体が沈殿したので濾取した。固形分をEtOで洗浄し、乾燥すると、粗生成物として淡褐色固体が得られた。シリカゲルカラム(CHCl中0→10% MeOH,20分間勾配)により精製すると、所望中間体2として白色固体2.1g(収率70%)が得られた。
【0068】
無水DMF(0.5ml)中の中間体1(11mg,0.072mmol)、中間体2(23mg,0.072mmol)及びジイソプロピルエチルアミン(0.012ml,0.072mmol)の混合物を室温で一晩撹拌した。LC−MSは反応が完了したことを示した。反応混合物を飽和NaHCO溶液とブラインで洗浄した。有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。分取HPLC(30分間5→95% CHCN/HO,0.05% TFA添加,C18 SunFire 19×150mm)を使用して残渣を精製すると、標記化合物23mg(77%)が得られた。H NMR(CDCl,400MHz)δ7.81(d,J=1.0Hz,2H);7.66(t,J=1.9Hz,1H);5.07(d,J=46.0Hz,1H);3.95(br d,J=10.1Hz,1H);3.84(br s,2H);3.53(br s,1H);3.47(d,J=6.41Hz,2H);3.36(br s,1H);3.33(br d,J=16.8Hz,1H);2.2(m,1H);1.98(br d,J=11.3Hz,2H);1.37(s,9H);HRMS(ES):C1927ClFNの計算値[M+1]:418.1459,実測値418.1467。
【0069】
(表1)
上記実施例に記載したような有機金属やアミン等の適切に置換された試薬を変更した以外は上記方法を使用して以下の化合物を製造した。必要な出発材料は市販品、文献に記載されているもの、又は過度の実験を必要とせずに有機合成分野の当業者により容易に合成されるものを使用した。
【0070】
【表1】














【0071】
以上、所定の特定態様について本発明を記載及び例示したが、当業者に自明の通り、本発明の精神と範囲から逸脱せずに手順及びプロトコールの各種応用、変更、変形、置換、削除又は追加が可能である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

{式中、
及びRは、
(1)水素、及び
(2)置換されていない又はハロゲンもしくはヒドロキシルで置換されているC1−6アルキル
から構成される群から独立して選択され、又は
とRは、一緒になって、置換されていない又はC1−6アルキルもしくはハロゲンで置換されているC3−6シクロアルキル環を形成し;
は、
(1)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(2)C1−8アルキル[このC1−8アルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO(Rは、
(i)水素、
(ii)置換されていない又は1〜6個のフルオロで置換されているC1−6アルキル、
(iii)ベンジル、及び
(iv)フェニルから独立して選択される。)、
(f)−NR1011(R10及びR11は、水素、−C1−6アルキル及び−C1−6アルキル−O−C1−6アルキルから独立して選択され、又は、R10とR11は、一緒になって、置換されていない又はハロゲン、C1−6アルキルもしくはハロゲン置換C1−6アルキルで置換されているピロリジン環、ピペリジン環、オキサゾリジン環もしくはモルホリン環を形成する。)
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(3)C3−10シクロアルキル[このC3−10シクロアルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(4)−C1−6アルキル−(C3−10シクロアルキル)[この−C1−6アルキル−(C3−10シクロアルキル)は、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(5)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3e又はオキソで置換されているヘテロアリール
から構成される群から選択され;
3a、R3b、R3c、R3d及びR3eは、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)ヒドロキシル、
(4)−C1−6アルキル、
(5)−O−C1−6アルキル、
(6)−CF
(7)−OCF
(8)−OCHF
(9)−OCHF、
(10)−OCFCHF
(11)−CN、及び
(12)−NR1011
から構成される群から独立して選択され;
及びRは、
(1)水素、
(2)C1−8アルキル[このC1−8アルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(3)C3−10シクロアルキル[このC3−10シクロアルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(4)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(5)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3e又はオキソで置換されている複素環、
(6)−CO−C1−8アルキル[この−CO−C1−8アルキルは、置換されていなく、又は、
(a)R3a、R3b、R3c、R3d及びR3eで置換されているフェニル、
(b)ハロゲン、
(c)ヒドロキシル、
(d)−O−C1−6アルキル、
(e)−CO
(f)−NR1011
から選択される1個以上の置換基で置換されている。]、
(7)−SO
(8)−CO、並びに
(9)−CONR1011
から構成される群から独立して選択され、又は、
とRは、一緒になって、置換されていない又はC1−6アルキルもしくはハロゲンで置換されているC3−6シクロアルキル環を形成する。}
の化合物、そのN−オキシド、その医薬的に許容可能な塩並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項2】
及びRが、
(1)水素、及び
(2)C1−6アルキル
から構成される群から独立して選択され;
が、
(1)R3a、R3b及びR3cで置換されているフェニル、
(2)置換されていない又はフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、
(3)置換されていない又はフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキル、並びに
(4)置換されていない又はフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−6アルキル−(C3−10シクロアルキル)
から構成される群から選択され;
3a、R3b及びR3cが、
(1)水素、
(2)ハロゲン、
(3)−C1−6アルキル、
(4)−O−C1−6アルキル、
(5)−CF
(6)−OCF
(7)−OCHF
(8)−OCHF、
(9)−OCFCHF
(10)−CN、及び
(11)−NR1011(R10及びR11は水素及び−C1−6アルキルから独立して選択される。)
から構成される群から独立して選択され;
及びRが、
(1)水素、
(2)置換されていない又はヒドロキシもしくはフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、
(3)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(このフェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキル、
(4)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキルオキシ、
(5)−CO−C1−8アルキル、及び
(6)−CONR1011
から構成される群から独立して選択される
請求項1に記載の化合物、そのN−オキシド、その医薬的に許容可能な塩並びにその個々のエナンチオマー及びジアステレオマー。
【請求項3】
式Ia’:
【化2】

の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩又はその個々のエナンチオマーもしくはジアステレオマー。
【請求項4】
が水素であり、Rが水素である請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
がR3a、R3b及びR3cで置換されているフェニルである請求項1に記載の化合物。
【請求項6】
3a、R3b及びR3cが、
(1)水素、
(2)フルオロ、
(3)クロロ、
(4)ブロモ、
(5)−CH
(6)−C(CH
(7)−CF
(8)−CN、
(9)−O−CH
(10)−OCF
(11)−OCHF
(12)−OCHF、
(13)−OCFCHF、及び
(14)−N(CHから構成される群から独立して選択される
請求項5に記載の化合物。
【請求項7】
がアダマンチルである請求項1に記載の化合物。
【請求項8】
が−C4−6アルキル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項9】
がシクロブチル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項10】
がシクロペンチル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項11】
がシクロヘキシル−フェニルであり、前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている請求項1に記載の化合物。
【請求項12】
が水素である請求項2に記載の化合物。
【請求項13】
が水素であり、Rが、
(1)置換されていない又はヒドロキシもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC1−8アルキル、
(2)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている。)で置換されているC3−10シクロアルキル、
(3)置換されていない又はC1−8アルキルもしくはフェニル(前記フェニルはR3a、R3b及びR3cで置換されている)で置換されているC3−10シクロアルキルオキシ、
(4)−CO−C1−8アルキル、及び
(5)−CONR1011
から構成される群から選択される請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
が水素であり、Rが、
(1)置換されていない又はヒドロキシで置換されているC1−8アルキル、
(2)C3−10シクロアルキル、
(3)−CO−C1−8アルキル、
(4)置換されていない又は1個以上のC1−6アルキルで置換されているテトラヒドロフラニル、及び
(5)置換されていない又は1個以上のC1−6アルキルで置換されているテトラヒドロピラニル
から構成される群から選択される請求項13に記載の化合物。
【請求項15】
が水素であり、Rが、
(1)−CHCHC(CH
(2)アダマンチル、
(3)ジメチル−テトラヒドロフラニル、及び
(4)ジメチル−テトラヒドロピラニル
から構成される群から選択される請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}アダマンタン−1−カルボキサミド;
3,5−ジクロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({(3S,4R)−1−[(3,3−ジメチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−メトキシベンズアミド;
3−クロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−5−メトキシベンズアミド;
3−クロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2R)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−5−メトキシベンズアミド;
N−({(3S,4R)−1−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3,5−ジクロロベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−{[(3R,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
3,5−ジメチル−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({1−[(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
N−{[1−(1−アダマンチルメチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3,5−ジクロロベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}アダマンタン−1−カルボキサミド;
3−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−フルオロベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}アダマンタン−1−カルボキサミド;
N−({1−[(2,2−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−4−イル)メチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)アダマンタン−1−カルボキサミド;
3,5−メトキシ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
3−tert−ブチル−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−メトキシベンズアミド;
3−クロロ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
3−シアノ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−フルオロベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3,5−ジフルオロベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−(トリフルオロメトキシ)ベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−(1,1,2,2−テトラフルオロエトキシ)ベンズアミド;
3,5−ジブロモ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−(トリフルオロ)ベンズアミド;
3−(ジメチルアミノ)−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
3−ブロモ−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−メチルベンズアミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(4−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)シクロペンタンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(4−クロロフェニル)シクロブタンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(4−クロロフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(4−メトキシフェニル)シクロペンタンカルボキサミド;
1−(2−クロロ−4−フルオロフェニル)−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}シクロペンタンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(4−フルオロフェニル)シクロペンタンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(3−フルオロフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−1−(4−メトキシフェニル)シクロヘキサンカルボキサミド;
2−(1−アダマンチル)−N−{[1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}アセトアミド;
3,5−ジクロロ−N−{[(3R,4S)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({1−[(6,6−ジメチルテトラヒドロ−2H−ピラン−2−イル)メチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({1−[(3,3−ジメチルテトラヒドロフラン−2−イル)メチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−フルオロ−5−メトキシベンズアミド;
3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−メチル−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−メトキシ−5−メチルベンズアミド;
3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−メチルベンズアミド;
3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−(フルオロメトキシ)ベンズアミド;
3−クロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2R)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−5−メトキシベンズアミド;
3−クロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)−5−メトキシベンズアミド;
3−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−5−メトキシベンズアミド;
4−クロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−フルオロベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2R)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[(2S)−2−ヒドロキシ−3,3−ジメチルブチル]ピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチル−2−オキソブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}ベンズアミド;
N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3,5−ジメトキシベンズアミド;
N−{[(3S,4R)−1−(3,3−ジメチルブチル)−3−フルオロピペリジン−4−イル]メチル}−3−フルオロ−5−(トリフルオロメチル)ベンズアミド;
N−({(3S,4R)−1−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−2−(4−tert−ブチルフェニル)アセトアミド;
N−[((3S,4R)−1−{2−[tert−ブチル(2−メトキシエチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−3,5−ジクロロベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({(3S,4R)−3−フルオロ−1−[2−(2−メチルピペリジン−1−イル)−2−オキソエチル]ピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
3,5−ジクロロ−N−({(3S,4R)−1−[2−(4,4−ジメチル−1,3−オキサゾリジン−3−イル)−2−オキソエチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)ベンズアミド;
N−[((3S,4R)−1−{2−[tert−ブチル(エチル)アミノ]−2−オキソエチル}−3−フルオロピペリジン−4−イル)メチル]−3,5−ジクロロベンズアミド;
N−({(3S,4R)−1−[2−(tert−ブチルアミノ)−2−オキソエチル]−3−フルオロピペリジン−4−イル}メチル)−3,5−ジクロロベンズアミド
から構成される群から選択される化合物又はその医薬的に許容可能な塩。
【請求項17】
不活性キャリヤーおよび請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を含有する医薬組成物。
【請求項18】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、癲癇の治療又は抑制の必要がある哺乳動物患者における、癲癇の治療又は抑制の方法。
【請求項19】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、疼痛の治療又は抑制の必要がある哺乳動物患者における、疼痛の治療又は抑制の方法。
【請求項20】
治療有効量の請求項1に記載の化合物又はその医薬的に許容可能な塩を患者に投与することを含む、睡眠品質の強化の必要がある哺乳動物患者における、睡眠品質の強化の方法。

【公表番号】特表2008−546800(P2008−546800A)
【公表日】平成20年12月25日(2008.12.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−518415(P2008−518415)
【出願日】平成18年6月21日(2006.6.21)
【国際出願番号】PCT/US2006/024426
【国際公開番号】WO2007/002361
【国際公開日】平成19年1月4日(2007.1.4)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】