説明

3−プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物の調製方法

本発明は、3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物の改良された調製方法に関し、特に、本発明は、式(XIV)のセフプロジル(cefprozil)の調製に有用である、式(I)のセフプロジルDMF溶媒和物の改良された調製方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物の改良された調製方法に関する。特に、本発明は、式(I)のセフプロジル(cefprozil)DMF溶媒和物の改良された調製方法に関する。
【0002】
【化1】

【0003】
前記式(I)の3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物は、式(XIV)のセフプロジルの調製に有用である。
【0004】
【化2】

【背景技術】
【0005】
セフプロジルは、(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸として化学的に知られている。それは、グラム陽性およびグラム陰性微生物の双方に対する抗菌活性の広域スペクトルを有する、経口的に有効なセファロスポリン抗生物質であり、米国特許第4,520,022号(特許文献1)に開示されている。
【0006】
米国特許第4,694,079号(特許文献2)は、以下の表1に示すような、セフプロジルのDMF溶媒和物の調製方法を開示している。
【0007】
【表1】

【0008】
この方法から得られるセフプロジルの収率は、わずか65%である。
【0009】
米国特許第5,608,055号(特許文献3)は、非ハロゲン溶媒における7-アミノ-3-セフェム-4-カルボン酸またはそれらの誘導体のアシル化による、7-α-アミノアシル-セファロスポリンの製造方法を開示している。前記方法における収率は非常に低い。
【0010】
米国特許第5,869,648号(特許文献4)および第6,136,967号(特許文献5)は、以下の工程を含む、セフプロジルの調製方法を開示している。
i) 7-アミノ-3-(1-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸のZ/E混合物中の7-アミノ-3-[(E)-1-プロペン-1-イル]-3-セフェム-4-カルボン酸を激減させることにより、(Z)-異性体に富む7-アミノ-3-(1-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(APCA)を調製する工程、
a) 溶媒または溶媒混合物中で前記APCA塩酸塩を形成し、豊富なZ異性体を回収し、また、任意に前記塩酸塩をpHの調整によってE体の量が減少した遊離酸へと変換させることによって、または、
APCA塩を形成し、前記塩をE体量が減少したAPCAに変換させること、または、前記APCA溶液を吸着クロマトグラフィーに供することによって、および、
ii) セフプロジルを得るために、工程(i)で得られた遊離酸または塩形態の前記(Z)-異性体に富む7-アミノ-3-(1-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸の環系の7位アミン基をアシル化する工程。
【0011】
この特許は、種々のAPCA塩およびこれらの塩を用いた前記セフプロジルの調製を開示している。開示されている塩は、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、シクロヘキシルアミン、ジシクロヘキシルアミンである。クロマトグラフィーまたはさらなる精製前における前記生成物のZ/E比は、85/15である。精製後の前記Z-異性体比は、90%以上に増加する。
【特許文献1】米国特許第4,520,022号
【特許文献2】米国特許第4,694,079号
【特許文献3】米国特許第5,608,055号
【特許文献4】米国特許第5,869,648号
【特許文献5】米国特許第6,136,967号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
前記方法の一つは、異性体の分離に、容易に工業規模での実施ができない吸着クロマトグラフィーを用いている。他の方法は、豊富な(Z)異性体を得るために、大量の溶媒の使用を含む再結晶化を用いている。
【0013】
前述の従来技術の方法によって、高い異性体純度を得ることはできない。全ての方法によって得られた生成物は、高い含量の(E)異性体を含む。従って、我々は、高い異性体純度の生成物を与える方法を明らかにする研究に焦点を当てた。
【0014】
(本発明の目的)
本発明の主な目的は、前記式(I)の3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物の改良された調製方法を提供することである。
【0015】
本発明のさらなる他の目的は、(Z)異性体に富む前記式(I)の3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物の安定な調製方法を提供することである。
【0016】
本発明のさらなる他の目的は、ハロゲン化溶媒を用いて、高純度および高収率に前記式(I)の3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物を安定に調製する方法を提供することである。
【0017】
本発明のさらなる他の目的は、方法のいずれの段階においても、吸着クロマトグラフィーまたは再結晶法の使用を避け、工業規模で操作が容易である、前記式(I)の3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物の安定な調製方法を提供することである。
【0018】
本発明のさらなる他の目的は、前記式(I)の3-プロペニルセファロスポリンDMF溶媒和物を用いるセフプロジルの調製方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(本発明の概要)
従って、本発明は、以下の工程を含む、前記式(I)のセフプロジルDMF溶媒和物の改良された調製方法を提供する。
【0020】
【化3】

【0021】
i) 溶媒およびアルカリ金属ヨウ化物存在下でトリフェニルホスフィンを用いて、R1がカルボキシ保護基を表わす式(VII)の化合物を、式(VIII)の化合物に変換する工程、
ii) 溶媒の存在下、-10℃〜30℃の温度範囲で塩化リチウムを用いて、前記式(VIII)の化合物をアセトアルデヒドと反応させ、式(IX)の化合物を製造する工程、
ただし、R1は上記で定義されている。
iii) 溶媒の存在下、10℃〜50℃の温度範囲で酸を用いて、前記式(IX)の化合物の前記カルボキシ保護基を脱エステル化し、式(X)の化合物を得る工程、
iv) 前記式(X)の化合物を、式(XI)の化合物に変換する工程、
ただし、M+は塩基および溶媒の存在下で塩を形成する対イオンを表わす。
v) 前記式(XI)の化合物を中和し、続いて従来の方法を用いる酵素加水分解を行い、式(V)のAPCAを製造する工程、
vi) ハロゲン化溶媒の存在下、トリメチルシリルクロライドおよびヘキサメチルジシラザンの混合物を用いて、前記式(V)のAPCAをシリル化し、式(XII)のシリル化APCAを製造する工程、および、
vii) ハロゲン化溶媒および塩基の存在下、-70℃〜10℃の温度範囲で前記式(XII)のAPCAシリル化誘導体を式(XIII)の混合無水物と縮合し、式(I)のセフプロジルDMF溶媒和物を製造する工程、
ただし、R2はアルキル、フェニル、ベンジルまたはシクロアルキルを表わし、R3はメチル、エチルまたはイソプロピルを表わす。
【0022】
前記方法を表2に示す。
【0023】
【表2】

【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
(発明の詳細な説明)
本発明の実施形態において、R1によって表わされる前記カルボキシ保護基は、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、t-ブチル等のような(C-C6)アルキル基;p-メトキシベンジル、p-ニトロベンジル、o-クロロベンジル、ジフェニルメチル等から選択される。
【0025】
さらに本発明の他の実施形態において、前記工程(i)に用いられる溶媒は、塩化メチレン、アセトン、水等またはそれらの混合物から選択される。
【0026】
本発明の実施形態において、前記工程(i)に用いられるアルカリ金属ヨウ化物は、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化リチウムまたはヨウ化カリウムから選択される。
【0027】
本発明の実施形態において、前記工程(ii)のアセトアルデヒドとの反応は、DMF、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、アセトン、アセトニトリル等またはそれらの混合物のような溶媒を用いて行われる。
【0028】
本発明の実施形態において、前記工程(ii)のアセトアルデヒドとの反応は、好ましくは0-5℃の温度範囲で行われる。
【0029】
さらに、本発明の他の実施形態において、前記工程(iii)の脱エステル化は、塩化メチレン、酢酸エチル、水等またはそれらの混合物のような溶媒を用いた、フェノール、フェノール/トリフルオロ酢酸、アニソール/トリフルオロ酢酸、ギ酸を使用して行われる。
【0030】
さらに、本発明の他の実施形態において、前記工程(iv)の変換は、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム等の無機塩基、または、第3級ブチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミン、ベンゾチアゾール等の有機塩基のような塩基を用いて、水、アセトン、DMF、THF、DMAc、DMSO、塩化メチレン、塩化エチレン、CC14、CHC13のようなハロゲン化アルカン等またはそれらの混合物から選択される溶媒の存在下で行われる。
【0031】
本発明の実施形態において、前記工程(v)の中和は、酢酸エチル水等またはそれらの混合物のような溶媒を用いて行われる。
【0032】
本発明の実施形態において、前記工程(v)の中和は、アンモニアを用いて行われる。
【0033】
本発明の実施形態において、前記工程(v)の酵素加水分解は、PenG-アミダーゼを用いて行われる。
【0034】
さらに、本発明の他の実施形態において、前記工程(vi)のシリル化は、塩化メチレン、塩化エチレン、CCl4、CHC13等のようなハロゲン化溶媒の存在下で行われる。
【0035】
さらに、本発明の他の実施形態において、前記工程(vii)の縮合は、塩化メチレン、塩化エチレン、CCl4、CHC13等のようなハロゲン化溶媒、および、トリエチルアミン、N-メチルモルホリン、ジエチルアミン等のような塩基の存在下で行われる。
【0036】
本発明は、他の実施形態において、公知の方法により、前記式(I)のセフプロジルDMF溶媒和物からの式(XIV)のセフプロジルを調製する方法を提供する。
【0037】
【化4】

【0038】
さらに、本発明の他の実施形態において、前記式(XIII)の混合無水物は、式(XV)のデーン(Dane)塩から調製される。
【0039】
【化5】

【0040】
ただし、R3は、メチル、エチルまたはイソプロピルを表わし、Y+は、ナトリウムまたはカリウムおよび式(XVI)のクロロ炭酸塩である。
【0041】
【化6】

【0042】
ただし、R2は、塩化メチレン/ジメチルアセタミド、塩化エチレン/ジメチルアセタミド、塩化メチレン/DMF、塩化エチレン/DMF等の混合物から選択される溶媒、および、N-メチルモルホリンのような触媒の存在下における、アルキル、フェニル、ベンジルまたはシクロアルキルを表わす。
【0043】
さらに、本発明は、他の実施形態において、式(XI)の中間体を提供する。
【0044】
【化7】

【0045】
ただし、M+は塩を形成する対イオンを表わす。
【0046】
さらに、本発明の他の実施形態において、M+によって表わされる前記対イオンは、ナトリウム、カリウム、リチウム、アンモニウム 第3級ブチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、ベンゾチアゾール等から選択される。
【0047】
得られる前記式(XI)の化合物は、(Z)異性体が豊富である。式(I)の化合物の調製のための中間体として、この化合物を用いることで、我々は、(Z)異性体が豊富な式(I)の化合物の調製を達成できた。
【0048】
シリル化試薬として、HMDSとトリメチルシリルクロライドとの組み合わせを用いる利点は、反応が速いこと、および、不純物の形成が少ないことである。
【0049】
本発明は、例示として提供されているのみである以下の実施例によって提供されており、本発明の範囲を制限するとみなすべきではない。
【実施例1】
【0050】
工程(i):4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VIII)の調製
4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VII)(100g、0.2053mol)の塩化メチレン(600mL)懸濁液にNaI(32.3g、0.2155mol)、トリフェニルホスフィン(56.6g、0.2157mol)および水(600mL)を添加した。前記混合物を窒素雰囲気下、32〜35℃で90分間撹拌した。有機層を分離し、1N NaOH(217mL)を加えた。得られた赤褐色の混合物を、30〜32℃で20分間撹拌した。有機層を分離し、水(500mL)続いて20% w/w NaCl水溶液(500mL)で洗浄した。有機層を新たな塩化メチレンを用いて1000mLまで希釈した。塩化メチレン中の標記化合物(VIII)を次の反応に用いた。
【0051】
工程(ii):4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-((Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸塩(IX)の調製
前記工程(i)で得られた4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VIII)の塩化メチレン(1000mL)溶液を、塩化リチウム(26.2g、0.618mol)の乾燥DMF(100mL)冷懸濁液に添加した。得られた溶液を0〜5℃まで冷却した。アセトアルデヒド(139mL、2.46mol)を前記混合物に0〜5℃で添加した。前記反応混合物を0〜5℃で18時間撹拌し、水(400mL)を添加し、10〜15℃で10分間撹拌した。有機層を分離し、真空下で濃縮して洗浄した。この濃縮物にIPA(800mL)を30℃で加え、撹拌して(IX)の沈殿物を得た。水(900mL)を加え、濾過を行い、標記化合物(収量86g、純度92.6%、Z/E比92.4/7.5、HPLCによる)を得た。
【0052】
工程(iii):7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E)-プロペン-1-イル]-3-セフェム-4-カルボン酸(X)の調製
工程(ii)で得られた4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸塩(50g)を、フェノール(50mL)およびトリフルオロ酢酸(TFA)(14.5g)に溶解した。前記反応混合物を30〜35℃で4〜5時間撹拌し、20℃で水(250mL)および酢酸エチル(250mL)の混合物に移した。2N NaOH溶液を用いてpHを8.0に調整した。有機層を分離し、水層を酢酸エチル(50mL)で抽出した。集めた水層を活性炭処理(charcoalised)し、濾過を行った。15%硫酸で濾液のpHを2.0〜2.5に調整し、30分間撹拌した。濾過を行い、水(2x50mL)で洗浄し、標記化合物(収量(湿重量)74g、純度97.6%、Z/E比90.0/10.0、HPLCによる)を得た。
【0053】
工程(iv):7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸ジシクロヘキシルアミン塩(XI)の調製
前記工程(iii)で得られた7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E)-プロペン-1-イル]-3-セフェム-4-カルボン酸(5g)を、アセトン(80mL)および水(40mL)に溶解した。この溶液にジシクロヘキシルアミン(2.5g)を添加し、撹拌し、吸引濾過を行い、酢酸エチル(10mL)で洗浄し、標記化合物(収量2.5g、純度99.6%、Z/E比93.7/6.3、HPLCによる)を得た。
【0054】
工程(v):7-アミノ-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(V)の調製
前記工程(iv)の方法によって調製された7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸ジシクロヘキシルアミン塩(100g)を酢酸エチル(1.6 L)および水(1.0 L)に添加した。15%硫酸を用いて、得られたスラリーのpHを2.0に調整した。層を分離した。酢酸エチル層に水(1.0 L)を添加し、10%アンモニア溶液を用いてpHを8.0に調整した。層を分離し、水層を酢酸ブチル(250mL)で洗浄した。前記水層にPenG-アミダーゼ(48g、乾燥基準)を添加した。5%アンモニアを用いてpHを7.8〜8.0の間で4〜5時間維持した。PenG-アミダーゼを濾過によって分離し、濾液を活性炭で処理した。活性炭を濾過で取り除き、30℃で1:1 HC1溶液を用いて濾液のpHを3.5に調整した。沈殿物を撹拌し、濾過を行い、水(2x60mL)で洗浄して乾燥させ、標記化合物(収量39g、純度99.2%、Z/E比92.3/7.7)を得た。
【0055】
工程(vi):(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸DMF溶媒和物(I)の調製
前記工程(v)の方法によって調製された7-アミノ-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(V)(50g、0.2081mol)を、30℃の塩化メチレン(250mL)中で撹拌した。テトラメチルクロロシラン(17.3g、0.1594mol)およびヘキサメチルジシラザン(25.75g、0.1594mol)を添加し、30〜35℃で2時間撹拌し、そのまま、化合物(XII)を形成した。そして、-10℃に冷却した。
【0056】
同時に、塩化メチレン(350mL)中でp-ヒドロキシフェニルグリシンデーン塩(67.4g、0.2223mol)を撹拌し、-10℃に冷却した。DMF(120mL)を添加し、さらに-45℃に冷却した。N-メチルモルホリン(0.5mL)およびエチルクロロ炭酸塩(24.8g、0.2285mol)を添加し、-40℃〜-45℃で1.5時間撹拌し、化合物(XIII)を形成した。
【0057】
前記化合物(XII)の冷混合物を化合物(XIII)に-60℃で添加した。得られたスラリーを-45℃〜-50℃で1.5時間撹拌した。1:1 HCl(55mL)および水(100mL)を-45℃で添加した。温度を5℃まで徐々に上昇させ、10分間撹拌した。水層を分離し、有機層を1:1 HCl溶液(10mL)で抽出し、集めた水層を0〜5℃に冷却した。DMF(600mL)およびIPA(300mL)を添加し、0〜5℃で10分間撹拌し、濾過を行った。濾液を30℃まで温め、トリエチルアミンを早急に添加して30〜35℃でpHを6に調整した。スラリーを0〜5℃で1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、IPA(80mL)続いてアセトン(300mL)で洗浄した。湿った物質を風乾し、標記化合物(収量110.4g、純度97.69、含水率3.4%、Z/E比92.3/7.7)を得た。
【0058】
工程(vii):(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド1-3-[(Z)-プロペニル1-3-セフェム-4-カルボン酸一水化物(XIV)の調製
(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸DMF溶媒和物(I)(110g)を水(160mL)中、30℃で40分間撹拌した。粗化合物を濾過によって集め、水(30mL)続いてアセトン(30mL)で洗浄した。湿った粗化合物を室温で真空乾燥させ、乾燥物質を得た。そして、水(140mL)中、15℃で撹拌し、1:1 HC1を用いてpHを1.0に調整し、透明溶液を得た。そして、15〜20℃で10%アンモニア溶液を用いてpHを5.0まで再調整した。沈殿物を2〜5℃に冷却し、1.5時間撹拌し、濾過を行い、水(30mL)続いてアセトン(30mL)で洗浄し、室温で真空乾燥させ、標記化合物(収量65g、純度98.96%、含水率5.5%、Z/E比91.5/8.5)を得た。
【実施例2】
【0059】
工程(i):4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VIII)の調製
4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VII)(10g、0.0205mol)のアセトン(50mL)撹拌懸濁液にヨウ化ナトリウム(3.1g、0.0207mol)およびトリフェニルホスフィン(5.9g、0.0226mol)を添加した。前記混合物を30〜32℃で1.5時間撹拌した。得られた混合物を真空下で濃縮し、残留油分を得た。この濃縮物に塩化メチレン(50ML)を添加し、得られた溶液に2N NaOH溶液(20mL)を添加し、30〜32℃で20分間撹拌した。有機層を分離し、水(25mL)で洗浄し、過剰の無水硫酸ナトリウムで乾燥させ、標記化合物(VIII)の塩化メチレン溶液を得た。
【0060】
工程(ii):4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-((Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸塩(IX)の調製
塩化リチウム(26.2g、0.6179mol)の乾燥DMF(100mL)冷懸濁液に前記工程(i)の方法によって得られた4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VIII)の塩化メチレン(1000mL)溶液を添加した。得られた溶液を0〜5℃に冷却した。アセトアルデヒド(139mL、2.48mol)を0〜5℃で前記混合物に添加した。反応混合物を0〜5℃で18時間撹拌し、水(400mL)を添加し、10〜15℃で10分間撹拌した。有機層を分離し、真空下で濃縮して洗浄した。前記濃縮物にIPA(800mL)を30℃で添加し、撹拌し、(IX)の沈殿物を得た。水(900mL)を添加し、濾過を行い、標記化合物(収量86g、純度93%、Z/E比92.2/7.8)を得た。
【0061】
工程(iii):7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸ジシクロヘキシルアミン塩(XI)の調製
前記工程(ii)で得られた4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-((Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸塩(50g)を、フェノール(50mL)およびTFA(14.25g)に溶解し、30〜35℃で3〜4時間撹拌した。前記混合物を水(250mL)および酢酸エチル(250mL)の冷混合物に添加し、2N NaOH溶液を用いて20-22℃でpHを8.0に調整した。水層を分離し、酢酸エチル(400mL)を添加し、15%w/v硫酸を用いてpHを2.0〜2.3に調整した。上部の酢酸エチル層を分離し、これに水(300mL)およびアセトン(50mL)を添加した。ジシクロヘキシルアミン滴下し、pHを5.0に調整した。直後に、得られた沈殿物を撹拌し、濾過を行い、酢酸エチル(50mL)で洗浄し、乾燥させ、標記化合物(収量(乾燥重量)35g、純度99.6%、Z/E比94.6/5.4)を得た。
【0062】
工程(iv):7-アミノ-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(V)の調製
前記工程(iii)の方法によって調製された7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸ジシクロヘキシルアミン塩(100g)を、酢酸エチル(1.6 L)および水(1.0 L)に添加した。15% 硫酸を用いて得られたスラリーのpHを2.0に調整した。層を分離した。酢酸エチル層に水(1.0 L)を添加し、10%アンモニア溶液を用いてpHを8.0に調整した。層を分離し、水層を酢酸ブチル(250mL)で洗浄した。前記水層にPenG-アミダーゼ(48g、乾燥基準)を添加した。 5%アンモニアを用いてpHを7.8〜8.0の間で4〜5時間維持した。PenG-アミダーゼを濾過によって分離し、濾液を活性炭で処理した。活性炭を濾過で取り除き、30℃で1:1 HCl溶液を用いて濾液のpHを3.5に調整した。沈殿物を撹拌し、濾過を行い、水(2x60mL)で洗浄し、乾燥させ、標記化合物(収量39g、純度98.2%、Z/E比93.6/6.4)を得た。
【0063】
工程(v):(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸DMF溶媒和物(I)の調製
前記工程(iv)の方法によって調製された7-アミノ-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(V)(50g、0.2081mol)を、30℃の塩化メチレン(250mL)中で撹拌した。テトラメチルクロロシラン(17.3g、0.1594mol)およびヘキサメチルジシラザン(25.75g、0.1594mol)を添加し、30〜35℃で2時間撹拌し、そのまま、化合物(XII)を形成した。そして、-10℃に冷却した。
【0064】
同時に、塩化メチレン(350mL)中でp-ヒドロキシフェニルグリシンデーン塩(67.4g、0.2223mol)を撹拌し-10℃に冷却した。DMF(120mL)を添加し、さらに、-45℃に冷却した。N-メチルモルホリン(0.5mL)およびメチルクロロ炭酸塩(21.59g、0.2285mol)を添加し、-40℃〜-45℃で1.5時間撹拌し、化合物(XIII)を形成した。
【0065】
前記化合物(XII)の冷混合物を化合物(XIII)に-60℃で添加した。得られたスラリーを-45℃〜-50℃で1.5時間撹拌した。1:1 HCl(55mL)および水(100mL)を-45℃で添加した。温度を5℃まで徐々に上昇させ、10分間撹拌した。水層を分離し、有機層を1:1 HCl溶液(10mL)で抽出し、集めた水層を0〜5℃に冷却した。DMF(600mL)およびIPA(300mL)を添加し、0〜5℃で10分間撹拌し、濾過を行った。濾液を30℃まで温め、トリエチルアミンを早急に添加し、30〜35℃でpHを6に調整した。スラリーを0〜5℃で1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、IPA(80mL)続いてアセトン(300mL)で洗浄した。湿った物質を風乾し、標記化合物(収量110.4g、含水率3.4%、純度97.4%、Z/E比91.8/8.2)を得た。
【0066】
工程(vi):(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-((Z)-プロペニル)-3-セフェム-4-カルボン酸一水化物(XIV)の調製
(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸DMF溶媒和物(I)(110g)を水(160mL)中、30℃で40分間撹拌した。粗化合物を濾過によって集め、水(30mL)続いてアセトン(30mL)で洗浄した。湿った粗化合物を室温で真空乾燥させ、乾燥物質を得た。そして、水(140mL)中、15℃で撹拌し、1:1 HC1を用いてpHを1.0に調整し、透明溶液を得た。そして、15〜20℃で10%アンモニア溶液を用いてpHを5.0まで再調整した。沈殿物を2〜5℃に冷却し、1.5時間撹拌し、濾過を行い、水(30mL)続いてアセトン(30mL)で洗浄し、室温で真空乾燥させ、標記化合物(収量65g、含水率5.5%、純度98.45%、Z/E比91.3/8.7)を得た。
【実施例3】
【0067】
工程(i):4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VIII)の調製
4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-クロロメチル-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VII)(100g、0.2053mol)の塩化メチレン(600mL)懸濁液にNaI(32.3g、0.2155mol)、トリフェニルホスフィン (56.6g、0.2155mol)および水(600mL)を添加した。前記混合物を、窒素雰囲気下、32〜35℃で90分間撹拌した。有機層を分離し、1N NaOH(217mL)を加えた。得られた赤褐色の混合物を、30〜32℃で20分間撹拌した。有機層を分離し、水(500mL)続いて20% w/w NaCl水溶液(500mL)で洗浄した。有機層を新たな塩化メチレンを用いて1000mLまで希釈した。塩化メチレン中の標記化合物(VIII)を次の反応へ用いた。
【0068】
工程(ii):4-メトキシベンジル7-フェニルアセタミド-3-((Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸塩(IX)の調製
前記工程(i)で得られた4-メトキシベンジル 7-フェニルアセタミド-3-[(トリフェニルホスホラニリデン)メチル]-3-セフェム-4-カルボン酸塩(VIII)の塩化メチレン(500mL)冷溶液に、塩化リチウム(13.1g、0.3089mol)および乾燥DMF(50mL)を添加した。得られた溶液を0〜5℃まで冷却した。アセトアルデヒド(69.5mL、1.24mol)を前記混合物に0〜5℃で添加した。前記反応混合物を0〜5℃で18時間撹拌し、水(200mL)を添加し、10〜15℃で10分間撹拌した。有機層を分離し、真空下で濃縮し、洗浄した。この濃縮物にIPA(400mL)を30℃で加え、撹拌し、(IX)の沈殿物を得た。水(450mL)を加え、濾過を行い、標記化合物(収量44.6g、純度93.7%、Z/E比92.2/7.8)を得た。
【0069】
工程(iii):7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸シクロヘキシルアミン塩(XI)の調製
前記工程(ii)で得られた7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E)-プロペン-1-イル]-3-セフェム-4-カルボン酸(20g)を、フェノール(20mL)およびTFA(5.7g)に溶解し、30〜35℃で3〜4時間撹拌した。前記混合物を水(100mL)および酢酸エチル(100mL)の混合物に添加し、20-22℃で2N NaOH溶液を用いてpHを8.0に調整した。水層を分離し、酢酸エチル(140mL)を添加し、15%w/v硫酸を用いてpHを2.0〜2.3に調整した。上部の酢酸エチル層を分離し、これに水(25mL)およびアセトン(50mL)を添加した。シクロヘキシルアミンを滴下し、pHを5.5に調整した。直後に、得られた沈殿物を撹拌し、濾過を行い、酢酸エチル(20mL)で洗浄し、乾燥させ、標記化合物(収量(乾燥重量)8.2g、純度99.68%、Z/E比93.1/6.9)を得た。
【0070】
工程(iv):7-アミノ-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(V)の調製
前記工程(iii)の方法によって調製された7-フェニルアセタミド-3-[(Z/E-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸シクロヘキシルアミン塩(100g)を、酢酸エチル(1.6 L)および水(1.0 L)に添加した。15%硫酸を用いて得られたスラリーのpHを2.0に調整した。層を分離した。酢酸エチル層に水(1.0 L)を添加し、10%アンモニア溶液を用いてpHを8.0に調整した。層を分離し、水層を酢酸ブチル(250mL)で洗浄した。前記水層にPenG-アミダーゼ(48g、乾燥基準)を添加した。5%アンモニアを用いてpHを7.8〜8.0の間で4〜5時間維持した。PenG-アミダーゼを濾過によって分離し、濾液を活性炭で処理した。活性炭を濾過で取り除き、30℃で1:1 HCl溶液を用いて濾液のpHを3.5に調整した。沈殿物を撹拌し、濾過を行い、水(2x60mL)で洗浄し、乾燥させ、標記化合物(収量39g)を得た。
【0071】
工程(v):(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸DMF溶媒和物(I)の調製
7-アミノ-3-((Z/E)-プロペン-1-イル)-3-セフェム-4-カルボン酸(V)(50g、0.2081mol)を、30℃の塩化メチレン(250mL)中で撹拌した。テトラメチルクロロシラン(17.3g、0.1594mol)およびヘキサメチルジシラザン(25.75g、0.1594mol)を添加し、30〜35℃で2時間撹拌し、そのまま、化合物(XII)を形成した。そして、-10℃に冷却した。
【0072】
同時に、塩化メチレン(350mL)中のp-ヒドロキシフェニルグリシンデーン塩(67.4g、0.2223mol)を撹拌し-10℃に冷却した。DMF(120mL)を添加し、さらに、-45℃に冷却した。N-メチルモルホリン(0.5mL)およびエチルクロロ炭酸塩(24.8g、0.2285mol)を添加し、-40℃〜-45℃で1.5時間撹拌し、化合物(XIII)を形成した。
【0073】
前記化合物(XII)の冷混合物を化合物(XIII)に-60℃で添加した。得られたスラリーを-45℃〜-50℃で1.5時間撹拌した。1:1 HCl(55mL)および水(100mL)を-45℃で添加した。温度を5℃まで徐々に上昇させ、10分間撹拌した。水層を分離し、有機層を1:1 HCl溶液(10mL)で抽出し、集めた水層を0〜5℃に冷却した。DMF(600mL)およびIPA(300mL)を添加し、0〜5℃で10分間撹拌し、濾過を行った。濾液を30℃まで温め、トリエチルアミンを早急に添加し、30〜35℃でpHを6に調整した。スラリーを0〜5℃で1時間撹拌した。沈殿物を濾過し、IPA(80mL)続いてアセトン(300mL)で洗浄した。湿った物質を風乾し、標記化合物(収量110.4g、含水率3.4%)を得た。
【0074】
工程(vii):(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸一水化物(XIV)の調製
(6R,7R)-7-[2-アミノ-2-(4-ヒドロキシフェニル)アセタミド]-3-[(Z)-プロペニル]-3-セフェム-4-カルボン酸DMF溶媒和物(I)(110g)を水(160mL)中、30℃で40分間撹拌した。粗化合物を濾過によって集め、水(30mL)続いてアセトン(30mL)で洗浄した。湿った粗化合物を室温で真空乾燥させ、乾燥物質を得た。そして、水(140mL)中、15℃で撹拌し、1:1 HC1を用いてpHを1.0に調整し、透明溶液を得た。そして、15〜20℃で10%アンモニア溶液を用いてpHを5.0まで再調整した。沈殿物を2〜5℃に冷却し、1.5時間撹拌し、濾過を行い、水(30mL)続いてアセトン(30mL)で洗浄し、室温で真空乾燥させ、標記化合物(収量65g、純度99.1%、含水率5.5%)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の工程を含む、式(I)のセフプロジル(cefprozil)DMF溶媒和物の改良された調製方法。
【化1】

i) 溶媒の存在下、-10℃〜30℃の温度範囲で塩化リチウムを用いて、前記式(VIII)の化合物をアセトアルデヒドと反応させ、式(IX)の化合物を製造する工程、
【化2】

【化3】

ただし、R1は上記で定義されている。
ii) 溶媒の存在下、10℃〜50℃の温度範囲で酸を用いて、前記式(IX)の化合物のカルボキシ保護基を脱エステル化し、式(X)の化合物を得る工程、
【化4】

iii) 前記式(X)の化合物を、式(XI)の化合物に変換する工程、
【化5】

ただし、M+は塩基および溶媒の存在下で塩を形成する対イオンを表わす。
iv) 前記式(XI)の化合物を中和し、続いて従来法を用いて酵素加水分解を行い、式(V)のAPCAを製造する工程、
【化6】

v) ハロゲン化溶媒の存在下、トリメチルシリルクロライドおよびヘキサメチルジシラザンの混合物を用いて、前記式(V)のAPCAをシリル化し、式(XII)のシリル化APCAを製造する工程、および、
【化7】

vi) ハロゲン化溶媒および塩基の存在下、-70℃〜10℃の温度範囲で前記式(XII)のAPCAシリル化誘導体を式(XIII)の混合無水物と縮合し、式(I)のセフプロジルDMF溶媒和物を製造する工程、
【化8】

ただし、R2はアルキル、フェニル、ベンジルまたはシクロアルキルを表わし、R3はメチル、エチルまたはイソプロピルを表わす。
【請求項2】
R1によって表わされる前記カルボキシ保護基が、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、p-メトキシベンジル、p-ニトロベンジル、o-クロロベンジル、ジフェニルメチル等から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記工程(i)のアセトアルデヒドとの反応に使用する溶媒が、DMF、イソプロピルアルコール、塩化メチレン、アセトニトリル等またはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記工程(ii)の脱エステル化に使用する溶媒が、塩化メチレン、酢酸エチル、水またはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記工程(ii)の脱エステル化が、塩化メチレン、酢酸エチル、水またはそれらの混合物のような溶媒を用いた、フェノール/トリフルオロ酢酸、アニソール/トリフルオロ酢酸、ギ酸を使用して行われる、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記工程(iii)で使用する溶媒が、水、アセトン、DMF、THF、DMAc、DMSO、塩化メチレン、塩化エチレン、CC14、CHC13のようなハロゲン化アルカンまたはそれらの混合物から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記工程(iii)で使用する塩基が、水酸化ナトリウム、水酸化リチウム、水酸化カリウム、水酸化アンモニウム、または、第3級ブチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミンもしくはベンゾチアゾールから選択される有機塩から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記工程(v)で使用するハロゲン化溶媒が、塩化メチレン、塩化エチレン、CCl4またはCHC13から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記工程(vi)で使用するハロゲン化溶媒が、塩化メチレン、塩化エチレン、CCl4またはCHC13から選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記工程(vi)で使用する塩基が、トリエチルアミン、N-メチルモルホリンまたはジエチルアミンから選択される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
式(XI)の中間体。
【化9】

ただし、M+は塩を形成する対イオンを表わす。
【請求項12】
M+によって表わされる前記対イオンが、ナトリウム、リチウム、カリウム、アンモニウム、第3級ブチルアミン、ベンジルアミン、ジベンジルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、ジシクロヘキシルアミン、シクロヘキシルアミンまたはベンゾチアゾールから選択される、請求項11に記載の中間体。
【請求項13】
請求項1〜10に記載の方法によって調製される、前記式(I)のセフプロジルDMF溶媒和物からの式(XIV)のセフプロジルの調製方法。
【化10】


【公表番号】特表2006−508093(P2006−508093A)
【公表日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−547840(P2004−547840)
【出願日】平成14年12月18日(2002.12.18)
【国際出願番号】PCT/IB2002/005459
【国際公開番号】WO2004/039812
【国際公開日】平成16年5月13日(2004.5.13)
【出願人】(504380943)オーキッド ケミカルズ アンド ファーマシューティカルズ リミテッド (6)
【氏名又は名称原語表記】ORCHID CHEMICALS & PHARMACEUTICALS LIMITED
【Fターム(参考)】