説明

3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンの製造プロセス

3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンからの3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンの新規調製プロセスは、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールおよびこのスルホン化誘導体などの中間体、ならびにヨウ化ナトリウム存在下でのアミノ化を特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機化学の分野に属し、基本中間体としての容易に得ることができる3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを特徴とする、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンを調製するための効率的な新規合成プロセスに関する。
【背景技術】
【0002】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンを調製するための幾つかの合成アプローチが既に記載されている。先行技術文献には、ラセミ生成物の調製および最終段階におけるエナンチオマーの分割またはキラル合成のいずれかを用いて得られるエナンチオマー的に純粋な生成物の調製が記載されている。
【0003】
EP 325571には、第一中間体としての4−(メトキシ−5−メチルフェニル)−6−メチル−3,4−ジヒドロクマリンから出発する、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンを調製するための多段プロセスが示されている。塩基性媒体中でカルボン酸基のエステル化とフェノールヒドロキシルのエーテル化を同時に行うラクトン環開環により、3,3−ジフェニルプロピオン酸エステルに至る。このプロピオン酸エステル中間体のその後の還元、アルコール部分のトシル化、ジイソプロピルアミンでの置換、およびフェノール基の脱保護により、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンが生じる。エナンチオマーの分割は、(+)−L−酒石酸を使用する分別結晶化により達成され、結果として純粋なキラル結晶性酒石酸エステルが生じる。WO 03/01460もまた、上のプロセスを取り扱っている。
【0004】
WO 04/078700によると、HBr水溶液と酢酸の混合物中での加熱によるフェノール部分からのメチルエーテル保護基の切断は、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミン二量体の形成を助長する。
【0005】
US 5922914には、基本中間体として3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オールを使用する、四反応段階プロセスが教示されている。ジイソプロピルアミンでのアミノ化は、水素の存在下、高圧で進行する。
【0006】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンのエナンチオマーについての幾つかのエナンチオ選択的合成アプローチが知られている。
【0007】
エナンチオマー的に富化された(+)−R−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンを調製するための多段プロセスは、US 6310248に開示されているようなエナンチオマー的に富化された3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンの合成に基づく。エナンチオマー的に富化されたベンゾピラン−2−オン中間体は、3−メチル−3−フェニル−1−インデン−1−オンのカルボニル基のエナンチオ選択的還元で出発し、これにシグマトロピー転位およびバイヤー・ビリガー(Bayer−Villiger)酸化が続く3段プロセスによって調製される。
【0008】
US 6410746には、エナンチオマー的に富化されたgem−ジアリールアルキル誘導体の調製における挿入反応のための二遷移金属(ロジウム)触媒の適用が示されている。
【0009】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンのエナンチオマーの不斉合成は、J.Organic Chem.,1998,63,8067に発表されており、これは、キラル助剤として使用されるオキサゾリジノンのフェニルプロペノイル誘導体へのアリールグリニャール試薬の、銅利用不斉共役付加を含む。Organic Process Research and Development(2002,6,379)には別のアプローチが発表されている。
【0010】
3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2H−ベンゾピラン−2−オンは、WO 01/49649から公知であり、表題化合物の合成におけるこの使用は、CZ 293791から公知である。
【0011】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンへのアプローチが幾つか記載されているにもかかわらず、より穏やかな条件下で行われる、より短く、より経済的で、より工業適用可能なプロセスが、いまだ必要とされている。
【0012】
すなわち、3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2H−ベンゾピラノンから調製される3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンは、非サブタイプ選択的ムスカリン受容体拮抗薬としての機能を果たす(+)−L−酒石酸塩(重要な泌尿器薬)として現在市販されているトルテロジン、(+)−R−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミン、を調製するための基本出発化合物である。これは、尿頻度、尿意逼迫または切迫尿失禁の症状を示す過活動性膀胱の患者を治療するための医薬品の製造に用いられており、喘息、CODPおよびアレルギー性鼻炎の治療に用いることができる。また、この代謝物、5−ヒドロキシメチルは、抗ムスカリン活性を示す。
【発明の開示】
【0013】
1つの態様において、本発明は、3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンから3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンまたはこの塩を調製するための新規プロセスであり、このプロセスは、新規中間体経由で進行し、これらの中間体の第一中間体は、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールである。このプロセスで用いられる中間体は、式:
【0014】
【化5】

[式中、Yは、Hであってもよく、またはYは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、Zは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、またはYは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、またはYは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NR’’’(CH)から選択され、この場合、各R’’’は、C−CアルキルおよびNMe(CHから独立して選択される)であってもよく;ならびにプロピル鎖上の置換基であるAは、OYであってもよく、またはAは、IもしくはBrであってもよく、またはAは、NR(RおよびRは、同じであってよいし、異なっていてもよく、HもしくはC−Cアルキルから選択されるが、但し、Yが、Hである場合には、RおよびRは、一緒に3個未満の炭素原子を含有しなければならないことを条件とする)であってもよい]
の化合物である。
【0015】
従って、1つの態様において、本発明は、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを式:
【0016】
【化6】

(式中、YおよびAは、上で定義したとおりであり、好ましくは、Aは、OYである)
の化合物に変換することを特徴とし、その後、置換基AをIまたはBrに、およびN(i−Pr)に変換することをさらに特徴とするプロセスである。具体的には、1つの態様では、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールは、3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンから調製し、ならびに具体的には、1つの態様では、段階のうちの1つにおいて、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンのエナンチオマーの混合物を、好ましくは、最終段階において3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンのエナンチオマーの混合物を分割する。
【0017】
本発明者らの発明に包含されるプロセスは、以下の段階から成る。
【0018】
a)3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンのラクトン環を還元開環して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを生じさせる段階;
b)プロピル鎖上のO−置換基が、芳香族環上のO−置換基よりずっと容易にジイソプロピルアミンと反応することを特徴とする、前段階で得られた化合物の両方のヒドロキシ基を同じ試薬で変換して、O−二置換誘導体を形成する段階;
c)前段階で得られた化合物のプロピル鎖上のO−置換基をハロゲンで置換する段階;
d)前段階で得られた化合物のプロピル鎖上のハロゲンをアミンで置換する段階;
e)前段階で得られた化合物を加水分解して、残りのO−置換基をヒドロキシ置換基に変換する段階;および
f)前記段階のいずれかにおいて得られたエナンチオマーの混合物を、場合により、光学分割する段階。
【0019】
特定の実施形態において、本プロセスは、以下の段階順序:
a)3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンのラクトン環を還元開環して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを生じさせる段階;
b)プロピル鎖上に形成されるエステル基が、芳香族環上のエステル基よりずっと容易にジイソプロピルアミンと反応することを特徴とする、各O−置換基がエステル基になるように両方のヒドロキシ基を同じ酸または酸誘導体でエステル化する段階;
c)プロピル鎖上のエステル基をヨウ素で置換する段階;
d)プロピル鎖上の(ヨウ素である)ハロゲンを(ジイソプロピルアミンである)アミンで置換する段階;
e)残りのエステル基を加水分解する段階;および
f)前記段階のいずれかにおいて得られたエナンチオマーの混合物を、場合により、光学分割する段階
を含み、この場合、段階C)およびd)を1つの組み合わされた段階として行うか、段階b)からd)を単一ポットで行う。
【0020】
本プロセスのもう1つの特定の態様では、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールのヒドロキシ基を、有機塩基(好ましくは、ピリジン、置換ピリジンまたは第三アミンである)の存在下、ベンゼンスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、4−ニトロベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸およびフルオロスルホン酸から成る群より選択される酸(好ましくは、ベンゼンスルホン酸またはエタンスルホン酸)または酸のハロゲン化物もしくは無水物で、エステル化する。
【0021】
本プロセスのもう1つの特定の態様では、得られた化合物のプロピル鎖上のO−置換基を、ハロゲン化物、好ましくはヨウ化ナトリウムの存在下、アミンで置換する。
【0022】
本発明の特定の実施形態は、上記プロセスのいずれかに従って得られた3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンから調製される化合物、酒石酸水素(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、ならびに前記化合物を含む医薬組成物である。
【0023】
式:
【0024】
【化7】

[式中、Yは、Hであってもよく、またはYは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、Zは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、またはYは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、またはYは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NMe(CHから選択される)であってもよく;ならびにAは、OYであってもよく、またはAは、IもしくはBrであってもよく、またはAは、NR(RおよびRは、同じであってよいし、異なっていてもよく、HもしくはC−Cアルキルから選択されるが、但し、Yが、Hである場合には、RおよびRは、一緒に3個未満の炭素原子を含有しなければならないことを条件とする)であってもよい]
の新規化合物は、本発明の特定の実施形態といえる。
【0025】
本発明の好ましい特定の実施形態は、(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−ベンゼンスルホネート;3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−エタンスルホネート;N,N−ジイソプロピル−3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン;N,N−ジイソプロピル−3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン;3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド;および3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド;ならびに3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージドおよびブロミド;ならびに3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージドおよびブロミドである。
【0026】
これらの化合物は、過活動性膀胱を治療するための医薬品を調製するプロセスにおいて使用することができる。
【0027】
本発明の好ましい特定の態様は、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−3−フェニルプロピルアミンの製造プロセスにおけるヨウ化ナトリウムの使用、好ましくは、式:
【0028】
【化8】

[式中、Yは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、Zは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、またはYは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、またはYは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NMe(CHから選択される)であってもよく;ならびにAは、NR(RおよびRは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、HまたはC−Cアルキルから選択される)である]
の中間体化合物の製造におけるこの使用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
本発明者らの発明のプロセスは、「図式」に示されるものであり、以下の段階を含む。
【0030】
a)場合により置換されている式Iの化合物のラクトン環の還元的ラクトン環開環を行って、場合により置換されている2−ヒドロキシフェニルプロパノール誘導体、式IIで表される化合物、を得る段階、好ましくは、3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンのラクトン環を還元開環して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを生じさせる段階;
b)アルコール部分の活性化とフェノール部分の保護を同時に行う試薬で処理することによって行う、式IIの化合物の両方のヒドロキシ基を同じ試薬で変換して、O−二置換誘導体を形成する段階(この変換は、プロピル鎖上のO−置換基が、芳香族環上のO−置換基よりずっと容易にジイソプロピルアミンと反応して、場合により置換されている式IIIの化合物を生じさせることを特徴とする);
c)プロピル鎖上のO−置換基をハロゲン、好ましくはヨウ素、で置換して、芳香族環上にO置換基を有し、アルキル鎖上にヨウ素置換基を有する式IVの中間体化合物を生じさせる段階;
d)プロパン鎖上のハロゲンをアミン、好ましくはジイソプロピルエチルアミン、で置換して、場合により置換されている式Vの化合物またはこの類似体を生じさせる段階;
e)残りのO−置換基を加水分解して、場合により置換されている式VIの化合物またはこの類似体を得る段階;および
f)いずれかの段階、好ましくは前の段階、で得られたエナンチオマーの混合物を、場合により、光学分割する段階。段階d)において使用するアミノ化剤が、ジイソプロピルアミンとは異なる場合、形成された、場合により置換されている式Vの化合物の類似体は、中間または最終段階において別のアミン、好ましくはジイソプロピルアミンに、場合により転化させることができる。
【0031】
好ましい実施形態において、このプロセスは、以下の段階を含む。a)3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンのラクトン環を還元開環して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを生じさせる段階;b)両方のヒドロキシ基を、(前記ヒドロキシ基とともに、プロパン鎖に結合した容易に置換可能な基、例えば、アルキルカルボキシ、アリールカルボキシ、スルホニルオキシ、ホスホリルオキシ基を形成する)酸誘導体で、エステル化する段階;c)このプロピル鎖上の基を、NaIの存在下、ジイソプロピルアミンで置換する段階;d)結合したまま残っている基を加水分解して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンを得る段階;およびe)得られたエナンチオマーの混合物を、場合により光学分割する段階。
【0032】
図式
【0033】
【化9】

【0034】
式IIIの中間体は、一般に、式中のYが、COR(Rは、C−Cアルキル、完全もしくは部分フッ素化C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYが、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、またはYが、PX(Z)(Xは、O、NTs、NPhから選択され、Zは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、またはYが、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、またはYが、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、好ましくはC;完全もしくは部分フッ素化C−Cアルキル、好ましくはCFもしくはCもしくはCF−CH;ハロゲン、好ましくはF;NMe(CH)から選択される)であってもよいものであり、好ましくは、3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ベンゼンスルホネート;3−(2−(p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−ニトロベンゼンスルホネート;3−(2−(p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−ブロモベンゼンスルホネート;3−(2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−トリフルオロメタンスルホネート;3−(2−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−2,2,2−トリフルオロエタンスルホネート;3−(2−ノナフルオロブタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ノナフルオロブタンスルホネート;3−(2−トリフルオロスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−トリフルオロスルホネート;3−(10−カンフルスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−10−カンフルスルホネート;3−(2−アセチルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアセテート;3−(2−トリフルオロアセチルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルトリフルオロアセテート;3−(2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ジフェニルホスフェート;3−(2−(ジエチルホスファイト)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ジエチルホスファイトから選択される。
【0035】
式IVの一般的な中間体において、Yは、上のとおりであるが、ヨウ素は、一般に、別のハロゲンによって置換することができる。好ましくは、これらは、3−(2−ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−(p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−(p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−ノナフルオロブタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−トリフルオロスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−トリフルオロスルホネート;3−(10−カンフルスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−アセチルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド;3−(2−トリフルオロアセチルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド;3−(2−(ジフェニルホスホリルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;3−(2−(ジエチルホスファイト)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ヨージド;またはそれぞれのブロミドから選択される。
【0036】
式Vの中間体は、一般に、次の構造:
【0037】
【化10】

(式中、Yは、上で定義したとおりであり、ならびにRおよびRは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、Hまたは場合により置換されているC−Cアルキルから選択され、好ましくは、RおよびRは、同じであり、i−Prであり、またはYがHであるとき、Rは、HもしくはCからCであってもよく、Rは、HもしくはC−Cアルキルであってもよい)
を有することもでき、好ましくは、N,N−ジイソプロピル−3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−(p−ニトロベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−(p−ブロモベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−トリフルオロメタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2,2,2−トリフルオロエタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ノナフルオロブタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−(10−カンフルスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−アセチルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−トリフルオロアセチルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ジフェニルホスホリルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン、N,N−ジイソプロピル−3−(2−ジエチルホスファイト−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンから選択される。
【0038】
最も好ましい中間体は、3−(2−ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルベンゼンスルホネート;3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルエタンスルホネート;3−(2−ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−1−ヨードプロパン;3−(2−メタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニル−1−ヨードプロパン;3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニル−1−ヨードプロパン;N,N−ジイソプロピル−3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンおよびN,N−ジイソプロピル−3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンである。
【0039】
3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オン(式Iの化合物)は、容易に入手できる出発原料である。驚くべきことに、本発明者らは、以前から知られているものより経済的で危険でない化学物質を使用する、より迅速でより適便な合成アプローチにより、これを3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミン(式VIの化合物)に変換できることを発見した。本発明は、穏やかな反応条件下で行われる、従って大規模生産に適する、簡潔なプロセスを示す。
【0040】
式Iの化合物(しかし、場合により置換されている化合物も)のラクトン環の還元的開環は、エステルをアルコール基に還元するために適する様々な還元剤および反応条件を用いて達成することができる。このプロセスは、有機溶媒中、15分から24時間、−10℃から150℃の温度で、反応性を強化するための添加剤、例えばLiBr、CoCl、ZnCl、AlClが存在するまたはしない状態で、複合金属水素化物(例えば、水素化アルミニウムカルシウムまたは水素化ホウ素リチウムもだが、好ましくは水素化アルミニウムリチウムおよび水素化ホウ素ナトリウムから選択されるもの)を使用して行うことが好ましい。好ましい実施形態において、この反応は、有機溶媒中、好ましくは、エーテルまたは芳香族炭化水素、例えばテトラヒドロフラン、エチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、モノグリム、ジグリム、ジオキサン、ベンゼン、トルエンおよびこれらの混合物中、30分から8時間の間の反応時間で、さらにいっそう好ましくは、テトラヒドロ溶液中、−5℃から30℃の間の温度範囲で、水素化アルミニウムリチウムを用いて行われる。別の実施形態において、場合により置換されている式Iの化合物は、上のような、またはアルコール、ポリオールもしくはグリムの群から選択される有機溶媒中、反応性を強化するための添加剤を伴いまたは伴わず、好ましくは2時間から8時間の反応時間で、20℃から100℃の間の温度範囲で、水素化ホウ素ナトリウムで処理される。適する処理および精製の後、2−ヒドロキシフェニルプロパノール誘導体(式IIの化合物)が得られ、これを次の段階で使用する。
【0041】
続く段階では、2つのヒドロキシル部分を有する式IIの化合物を、アルコール部分(プロピル鎖上のヒドロキシル基)を活性化してプロピル鎖上に置換可能な基を形成すること(活性化基としての官能化)とフェノール基の保護(保護基としての官能化)とを同時にもたらす試薬での処理によって変換する。好ましい反応は、エステル化である。適する試薬は、好ましくは、酸またはこの誘導体であり、ならびにO−置換基をもたらす酸、酸ハロゲン化物または酸無水物の基、例えば、アルキルカルボキシ、アリールカルボキシ、スルホニルオキシ、ホスホリルオキシ基、好ましくはスルホニルオキシ基、好ましくは非置換および置換(CからC)−アルカンスルホニルオキシ、10−カンフルスルホニルオキシおよびアレーン−スルホニルオキシ、さらにいっそう好ましくはトリフルオロメタンスルホニルオキシおよびC−Cスルホニルオキシ基、最も好ましくはベンゼンスルホニルオキシまたはエタンスルホニルオキシ基から選択することができる。好ましい実施形態において、2−ヒドロキシフェニルプロパノール誘導体(式IIの化合物)は、少なくとも2当量の有機塩基、好ましくは第三アミンまたはピリジン誘導体、好ましくはトリエチルアミン、の存在下、少なくとも2当量の塩化エタンスルホニルまたは塩化ベンゼンスルホニルもしくは無水ベンゼンスルホニルと反応させる。好ましくは、この反応混合物を、反応が完了するまで、攪拌する。溶媒の選択は重要ではなく、適する溶媒としては、塩素化溶媒、例えば塩化メチレン、クロロホルムもしくはトルエン、または場合によりさらに水性溶媒が挙げられるが、これらに限定されない。反応は、通常、約−20℃から40℃、好ましくは−5℃から30℃、さらに好ましくは−20℃から10℃で行われる。反応温度を上昇させて、反応速度を増すこともできる。
【0042】
式IIIの化合物は、単離および精製し次第、次の段階で使用することができる。または、式IIIの化合物は、精製せずに次の段階で使用することができる。すなわち、式IIの化合物から式Vの化合物または式IIIの化合物から式Vの化合物の単一ポット合成が考えられる。これらのならびに/またはその後の中間体を単離および精製しない場合、反応性の低い化合物、例えばベンゼンスルホニルオキシもしくはエタンスルホニルオキシもしくはプロパンスルホニルオキシもしくはブタンスルホニルオキシまたはカルボキシルもしくはホスホリル、すなわち、式III中のYが、R’’−SO−(この場合、R’’は、C−Cアルキル、好ましくはCまたはC;完全または部分フッ素化C−Cアルキル、好ましくはCFまたはCまたはCF−CH;ハロゲン、好ましくはF;NMe(CH)から選択される)を表すか、Yが、R’−C−SO(この場合、R’は、H、BrまたはClである)を表すか、Yが、R’’’−CO(この場合、R’’’は、アルキルである)を表すもの、を製造および使用するのが有利である。
【0043】
式IIIの化合物のプロピル鎖に結合している基を、さらに、式NHR(RおよびRは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、Hまたは場合により置換されているC−Cアルキルから選択される)のアミン、好ましくはジイソプロピルアミンで選択的に置換して、式Vの化合物を得ることができる。しかし、このアミンが、立体的に拘束されている、例えばジイソプロピルアミンである場合、活性化エステル基の置換に対してこれが示す求核性は弱い。それ故、極性非プロトン性溶媒、高温および高圧を利用して、反応速度を増すことができる。式IIIの化合物とジイソプロピルアミンの間の反応は、極性非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、DMA、DMF、THF、DMSO、1−メチルピロリジノン、好ましくはアセトニトリル中で行うほうが好ましい。または、この反応は、相間移動触媒を場合により使用して、水と混ざらない有機溶媒、例えば塩素化溶媒または芳香族溶媒中で行うことができる。この反応は、50℃より上の温度、好ましくは70℃より上、さらに好ましくは約80℃で、2週間以下、好ましくは4から8日間、高圧で、好ましくは加圧びん(オートクレーブ)の中で常圧より上で、好ましくは20気圧より下、最も好ましくは約3気圧で行うことができる。
【0044】
しかし、式IIIの化合物のプロピル鎖に結合している基を、先ず、ハロ誘導体に転化させて、式IVの化合物を生じさせ(ここでのハロは、ヨードである)、後続の反応段階でのみアミン誘導体に転化さる場合、両方の反応の反応時間は、上で説明したものに比べて有意に短い(すなわち、1日以下、好ましくは6時間以下)。または、式IIIの化合物から、式IVの化合物経由で、式Vの化合物への段階は、1つの組み合わされた段階として、すなわち単一ポット合成で、行うことができる。この場合も、全反応時間は、有意に短い。
【0045】
従って、次の段階では、式IIIの化合物を、ハロゲン源、好ましくはヨウ化または臭化ナトリウムと、好ましくは加圧下で、好ましくは適する溶媒、例えばアセトニトリル、DMF、DMA中で反応させる。この反応において、このプロピル鎖のO−置換基をハロゲンで置換する。この反応は、50℃より高いが、好ましくは200℃未満の温度、好ましくは約70℃より上、さらに好ましくは約80℃より上、最も好ましくは約115℃の温度で、数分間から約半日まで、好ましくは2から6時間の期間にわたって行うことができる。形成された式IV(式中のYは、上のとおりである)の化合物は、大規模な精製を伴わずに後続の反応段階で使用することができる。
【0046】
式IVの化合物上のハロ置換基は、今や、さらに、式NHR(RおよびRは、同じであってもよいし、異なっていてもよく、Hまたは場合により置換されているC−Cアルキルから選択される)のアミン、好ましくはジイソプロピルアミンで選択的に置換することができ、これによって式Vの化合物を得ることができる。式IVの化合物とアミンの間の反応は、極性非プロトン性溶媒、例えばアセトニトリル、DMA、DMF、THF、DMSO、1−メチルピロリジノン、好ましくはアセトニトリル中で行うほうが好ましく、または、この反応は、上で説明したような水と混ざらない有機溶媒中で行うことができる。この反応は、50℃より上だが、好ましくは200℃未満の温度、好ましくは約70℃より上、さらに好ましくは約80℃より上、最も好ましくは約115℃で、数時間までの間、好ましくは2から6時間日の間、高圧で、好ましくは加圧瓶(オートクレーブ)の中で常圧より上で、好ましくは20気圧未満、最も好ましくは約3気圧で行うことができる。得られた式Vの化合物は、一般に(および好ましくは第三アミンの場合は)酸−塩基抽出によって精製することができる。
【0047】
ヨウ化ナトリウムの存在下でアミンとの反応を行うことにより、式IIIの化合物から式Vの化合物への反応段階を組み合わせる場合、ヨウ化ナトリウムのモル量は、式IIIの出発化合物のモル量より低くてもよい(好ましくは低い)。反応条件は、式IVの化合物をアミノ化するときと同じであり得る。
【0048】
トルエンスルホニルオキシまたはメチルスルホニルオキシのような反応性が高いエステルほど、特にヨウ化ナトリウム不在下で反応をおこなう場合、反応時間は短くなるが、ベンゼンスルホニルオキシまたはエチルスルホニルオキシのような反応性が低いエステルのほうが、副生成物の量が少量および低量であるため、有利である。
【0049】
場合により置換されている式Vの化合物またはこの類似体からのO−置換基、例えばアルキルカルボニル、スルホニル、ホスホニルまたはホスホリルエステル基、の切断により、場合により置換されている式VIの表題化合物が生じる。好ましい実施形態において、この化合物は、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンである。一般に、この切断は、当分野では公知の任意の方法による、例えば適する塩基または酸を用いる、加水分解により達成することができる。好ましい実施形態において、この塩基は、少なくとも1つのアルコール、エーテル、アミド、ケトンもしくは極性非プロトン性溶媒もしくは水またはこれらの混合物中の、アルコキシドの金属塩または金属水酸化物であり得る。適する塩基としては、水酸化ナトリウムまたはカリウム、ナトリウムまたはカリウムメトキシド、エトキシド、プロポキシド、イソプロポキシド、t−ブトキシドおよびt−ペンタノキシドが挙げられるが、これらに限定されず、第三アルコキシドが好ましい。適する溶媒としては、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノールもしくはt−ペンタノールのようなアルコール;テトラヒドロフラン、ジオキサン、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドもしくは水などの非プロトン性溶媒;またはこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。アルコキシドおよび溶媒アルコールにおける同じアルキル基(例えば、t−ブタノール中でのカリウムt−ブトキシド)の使用は、これらの基の交換を防止するために好ましい。好ましくは、この反応は、数当量の水を添加したt−ブタノール中のt−ブトキシドの溶液中で行う。これは、室温からこの溶媒の沸点までの温度、好ましくは約40℃から約100℃の温度で行われ、約50℃から約70℃が最適であり、この最高温度は、使用する溶媒の沸点によって決まる。この反応混合物を、この反応が実質的に完了するまで、通常は1から12時間、望ましい温度で維持し、その後、これを室温に冷却する。
【0050】
生成物の単離については、次の処理を用いることができる。水をこの反応混合物に添加し、これをさらにしばらくの間、攪拌する。この生成物を(水と)不混和性の有機溶媒で抽出する。有機画分を水で洗浄し、乾燥剤で乾燥させ、真空下で蒸発させて、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミン(式Vの化合物)を形成する。これをさらに(+)−L−酒石酸で処理して、エナンチオマーの分割を達成することができる。しかし、このエナンチオマーの分割は、あらゆる他の常法も含むことになろう。以下の実施例は、本発明の態様を例証するために提供するものであり、如何なる形においても本発明を限定または規定するためのものではない。
【実施例】
【0051】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノール(式IIの化合物)の調製
乾燥テトラヒドロフラン(50mL)中の7−メチル−4−フェニル−3,4−ジヒドロクマリン(式Iの化合物)(9.52g、40.0mmol)の溶液を、100mLの乾燥テトラヒドロフラン中の水素化アルミニウムリチウム(3.04g、80mmol)の冷却(0℃)懸濁液に1滴ずつ添加する。この反応混合物を1時間、室温、不活性雰囲気下で攪拌し、その後、テトラヒドロフランと水(1:1)の50mLの混合物を注意深く添加することにより反応を停止させ、その後、1mol/Lの塩酸溶液(150mL)で酸性化する。この生成物を酢酸エチルで抽出する。併せた有機相を水およびブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒除去後、式IIの化合物を、収率97%で得る(9.68g)。これをジイソプロピルエーテルから再結晶させて、生成物を白色の粉末として得る;融点=112から115。
【0052】
H NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm]=2.08−2.17(5H,m,CH,CH),3.29−3.31(2H,m,CH),4.38,4.42(2H,2xt,CH,OH),6.63(1H,d,J=8.0 Hz,1H−Ar),6.76(1H,dd,J=8.3,1.7 Hz,1H−Ar),7.00(1H,d,J=1.7Hz,1H−Ar),7.08−7.13(2H,m,1 H−Ph),7.20−7.28(3H,m,4H−Ph),9.04(1H,s,OH)
13C NMR(300MHz,DMSO−d):δ[ppm] 20.5,37.6,39.1,59.3,115.0,125.6,127.0,127.3,127.9,128.0,130.9,145.3,152.4。
【0053】
ESIマススペクトル:243[M + H]。
【0054】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノール(式IIの化合物)の調製
水素化ホウ素ナトリウム(0.76g、20mmol)を、20mLのメタノール中の7−メチル−4−フェニル−3,4−ジヒドロクマリン(式Iの化合物)(0.48g、2mmol)の冷却溶液に少しずつ添加する。この反応混合物を1時間、0℃で攪拌し、4時間、室温で攪拌する。この反応混合物を1mol/Lの塩酸溶液(120mL)に注入し、酢酸エチル(3×70mL)で抽出する。併せた有機画分を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、生成物を収率70%で得る(0.49g)。
【0055】
3−(2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−トルエンスルホネート(式IIIaの化合物)の調製
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノール(1.15g、5.0mmol)を20mLのジクロロメタンに懸濁させ、4.20mLのトリエチルアミン(30mmol)を添加し、この混合物を0℃に冷却する。塩化p−トルエンスルホニル(3.81g、20mmol)の添加後、この反応混合物を2時間、0℃で攪拌し、放置してゆっくりと室温に温め、さらに2時間攪拌する。この反応混合物を氷冷水(100mL)、2mol/Lの冷塩酸溶液(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、油性残留物を得る。溶離剤としてヘキサン:エーテル=2:1の混合物を使用するカラムクロマトグラフィーでの精製後、生成物を収率85%で得る(2.20g)。
【0056】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=2.12−2.32(5H,m,CH,CH),2.45,2.47(6H,2xs,2xCH),3.79−3.98(2H,m,2xCH),4.20(1H,dd,J=9.2,6.7 Hz,CH),6.91−7.00(5H,m,Ph),7.14−7.20(3H,m,Ar),7.31,7.35(4H,2xd,J=8.6 Hz,4H−Ts),7.73,7.77(4H,2xd,J=8.2 Hz,4H−Ts)。
【0057】
13C NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=21.0,21.5,21.6,33.7,39.4,68.3,121.7,126.5,127.8,128.1,128.3,128.4,128.6,129.7,129.9,132.7,132.8,136.0,136.9,141.3,144.6,145.2,145.4.
ESIマススペクトル:551[M + H]。
【0058】
3−(2−メタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−メタンスルホネート(式IIIbの化合物)の調製
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノール(1.15g、4.8mmol)を20mLのジクロロメタンに懸濁させ、4.2mLのトリエチルアミン(30mmol)を添加する。この溶液を−5℃に冷却し、塩化メタンスルホニル(1.55mL、20mmol)を1滴ずつ添加する。この反応混合物を2時間、0℃で攪拌し、氷冷水(100mL)、2mol/Lの冷塩酸溶液(2×50mL)およびブライン(50mL)で洗浄する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、帯黄色の油性残留物を得る。溶離剤としてジクロロメタン使用するカラムクロマトグラフィーでの精製後、生成物を収率82%で得る(1.56g)。
【0059】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=2.34(3H,s,CH),2.48(2H,dd,J=14.4,6.4 Hz,CH),2.95,3.01(6H,2xs,2xCH),4.17−4.22(2H,m,CH),4.57(1H,t,J = 7.94 Hz,CH),7.06(H,dd,J=8.3,2.3 Hz,H−Ar),7.13(1H,d,J=2.0 Hz,1H−Ar),7.21−7.36(6H,m,5H−Ph,1H−Ar)。
【0060】
13C NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=21.1,34.3,37.2,37.9,39.8,67.9,121.6,126.9,128.0,128.7,128.8,129.2,135.7,137.3,141.8,145.0
ESIマススペクトル:399[M + H]。
【0061】
3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ベンゼンスルホネート(式IIIcの化合物)の調製
室温で20mLのジクロロメタン中の3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノール(4.84g、20mmol)および1,4−ジアザ−ビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO、5.61g、50mmol)のよく攪拌した溶液に、塩化ベンゼンスルホニル(5.6mL、44mmol)をゆっくりと添加する。得られた混合物を2時間、還流させる。その後、この反応混合物を室温に冷却し、t−ブチルメチルエーテル(MTBE、100mL)を添加する。この混合物を1mol/Lの塩酸溶液(2×50mL)、5%炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、生成物を定量収率で無色または僅かに黄色の油として得る(10.4g)。
【0062】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=2.12−2.36(2H,m,CH),2.25(3H,s,CH),3.80−3.89(1H,m,CH),3.92−4.02(1H,m,CH),4.21(1H,dd,J=9.1,6.7 Hz),6.83−7.02(5H,m,Ph),7.09−7.23(4H,m,4H−Ar),7.47−7.73(6H,m,6H−Ar),7.81−7.99(3H,m,3H−Ar)。
【0063】
3−(2−(エタンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−エタンスルホネート(式IIIdの化合物)の調製
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノール(4.84g、20mmol)を20mLのジクロロメタンに懸濁させる。トリエチルアミン(7.0mL、50mmol)を添加し、得られた透明な溶液を0℃に冷却する。塩化エタンスルホニル(4.2mL、44mmol)をゆっくりと添加した後、この混合物を15分間、0℃で攪拌する。t−ブチルメチルエーテル(MTBE、100mL)を添加する。この混合物を1mol/Lの塩酸溶液(2×50mL)、5%炭酸水素ナトリウム溶液(50mL)およびブライン(50mL)で洗浄する。有機相を無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、生成物を定量収率で褐色の油として得る(8.5g)。
【0064】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=1.37(3H,t,J=7.5 Hz,CHCH),1.53(3H,t,J=7.5 Hz,CHCH),2.32(3H,s,CH),2.43−2.53(2H,m,CH),3.07(2H,q,J=7.5 Hz,CHCH),3.28(2H,dq,J=7.5,1.4 Hz,CHCH),4.22−4.37(2H,m,CH),4.60(1H,t,J=7.9 Hz,CH),7.02−7.07(1H,m,1H−Ar),7.09−7.13(1H,m,1H−Ar),7.19−7.35(6H,m,1H−Ar,Ph)。
【0065】
2−(3−ヨード−1−フェニルプロピル)−4−メチルフェニル−ベンゼンスルホネート(式IVcの化合物)の調製
20mLのアセトニトリル中の3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ベンゼンスルホネート(5.22g、10mmol)とヨウ化ナトリウム(1.88g、12.5mmol)の混合物を、加圧びんの中で6時間、115℃で加熱する。冷却後、この混合物を真空中で蒸発させる。残留物を激しく攪拌しながら50mLのMTBEおよび50mLの1mol/L 水酸化ナトリウム溶液に溶解する。相を分離し、水相を50mLのMTBEでもう1度抽出する。有機抽出物を併せ、50mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、淡黄色の固体(融点=112.5から115.7℃)を収率92%で得る(4.5g)。
【0066】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=2.28−2.40(1H,m,CH),2.30(3H,s,CH),2.46−2.59(1H,m,CH),2.84−2.94(1H,m,CH),3.00−3.09(1H,m,CH),4.21(1H,dd,J=8.7,6.7 Hz),6.94−6.96(2H,m,2H−Ar),7.03−7.06(1H,m,1H−Ar),7.11−7.30(5H,m,5H−Ar),7.52−7.61(2H,m,2H−Ar),7.67−7.75(1H,m,1H−Ar),7.91−7.93(1H,m,1H−Ar),7.93−7.96(1H,m,1H−Ar)。
【0067】
2−(3−ヨード−1−フェニルプロピル)−4−メチルフェニルエタンスルホネート(式IVdの化合物)の調製
40mLのアセトニトリル中の3−(2−(エタンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−エタンスルホネート(8.5g、20mmol)とヨウ化ナトリウム(3.75g、25mmol)の混合物を、加圧びんの中で2時間、115℃で加熱する。冷却後、この混合物を真空中で蒸発させる。残留物を激しく攪拌しながら50mLのMTBEおよび50mLの1mol/L 水酸化ナトリウム溶液に溶解する。相を分離し、水相を50mLのMTBEでもう1度抽出する。有機抽出物を併せ、50mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、褐色の油を収率99%で得る(8.8g)。
【0068】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=1.53(3H,t,J=7.5 Hz,CHCH),2.33(3H,s,CH),2.48−2.61(2H,m,CH),3.02−3.34(4H,m,2xCH),4.53(1H,t,J=7.6 Hz,CH),7.02−7.07(1H,m,1H−Ar),7.11−7.13(1H,m,1H−Ar),7.19−7.35(6H,m,1H−Ar,Ph)。
【0069】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vaの化合物)の調製
10mLのアセトニトリル中の3−(2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−トルエンスルホネート(2.06g、3.74mmol)およびジイソプロピルアミン(5.2mL、37.4mmol)の混合物を、加圧びんの中で4から6日間、80℃で加熱する。この反応混合物を冷却した後、揮発成分を蒸発させ、残留物を50mLの2mol/L 水酸化ナトリウム溶液で処理し、エーテル(3×50mL)で抽出する。
【0070】
併せた抽出物を水で洗浄し、2mol/Lの塩酸溶液(3×50mL)で抽出する。併せた抽出物に、pHが13から14に調整されるまで、30%水酸化ナトリウム水溶液を添加する。生成物をエーテル(3×50mL)で抽出し、併せた抽出物をブライン(70mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させ、生成物を油性残留物として収率73%で得る(1.31g)。
【0071】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=0.93(12H,d,J=6.3 Hz,4xCH),2.00−2.09(2H,m,2xCH),2.24−2.27(5H,m,CH,CH),2.45(3H,s,CH),2.93−
2.99(2H,m,CH),4.16(1H,t,J=7.5 Hz,CH),6.89(2H,s,2H−Ar),7.10−7.27(6H,m,5H−Ph,1H−Ar),7.32(2H,d,J=8.7 Hz,Ts),7.78(2H,d,J=8.4 Hz,Ts)。
【0072】
13C NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=20.3,20.5,20.9,21.5,37.2,41.6,43.7,48.8,121.2,126.0,127.5,128.0,128.1,128.2,128.9,129.6,133.3,136.5,137.6,143.2,145.0,145.5。
【0073】
ESIマススペクトル:480[M + H]。
【0074】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(メタンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vbの化合物)の調製
11mLのアセトニトリル中の3−(2−メタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−メタンスルホネート(1.66g、4.2mmol)およびジイソプロピルアミン(5.9mL)の混合物を、加圧びんの中で4から6日間、80℃で加熱する。揮発成分を蒸発させ、残留物を50mLの2mol/L 水酸化ナトリウム溶液で処理し、エーテル(3×50mL)で抽出する。
【0075】
併せた抽出物を水(2×30mL)で洗浄し、2mol/Lの塩酸溶液(3×50mL)で抽出する。水抽出物を併せ、エーテル(2×30mL)で洗浄し、pHが13から14に調整されるまで30%水酸化ナトリウム水溶液を添加する。生成物をエーテルで抽出し、併せた抽出物をブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させる。溶媒を蒸発させ、生成物を油性残留物として収率67%で得る(1.12g)。
【0076】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=0.95(12H,d,J=6.4 Hz,4xCH),2.14−2.18(2H,m,2xCH),2.35−2.40(5H,m,CH,CH),2.79(3H,s,CH),2.95−3.03(2H,m,CH),4.34(1H,t,J=7.6 Hz,CH),7.03(1H,dd,J=8.2,2.0 Hz,1H−Ar),7.16−7.29(7H,m,5H−Ph,2H−Ar)。
【0077】
13C NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=20.3,20.5,20.9,37.0,37.2,41.7,43.5,48.6,120.7,126.1,127.8,128.0,128.3,129.2,136.7,136.9,143.7,145.4。
【0078】
ESIマススペクトル:404[M + H]。
【0079】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vcの化合物)の調製
24mLのアセトニトリル中の3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ベンゼンスルホネート(5.22g、10mmol)、ジイソプロピルアミン(8.6mL、60mmol)およびヨウ化ナトリウム(0.75g、5mmol)の混合物を、加圧びんの中で6時間、115℃で加熱する。冷却後、この混合物を真空中で蒸発させる。残留物を、激しく攪拌しながら、25mLのMTBEおよび25mLの2mol/L 水酸化ナトリウム溶液に溶解する。相を分離し、水相を25mLのMTBEでもう1度抽出する。有機抽出物を併せ、25mLの水で洗浄し、2mol/Lの塩酸溶液(2×25mL)で抽出する。MTBE相を廃棄する。酸性相を併せ、4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液でpH=13に塩基性化する。この混合物をMTBE(2×25mL)で抽出する。有機相を併せ、25mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、生成物を褐色の油として収率75%で得る(3.5g)。
【0080】
H NMR(300MHz,CDCl,CDOD):δ[ppm]=0.78(12H,d,J=6.4 Hz,4xCH),1.82−2.03(2H,m,CH),2.07(3H,s,CH),2.07−2.19(2H,m,CH),2.76−2.88(2H,m,2xCH),3.92(1H,t,J=7.6 Hz),6.57−6.61(1H,m,1H−Ar),6.68−6.72(1H,m,1H−Ar),6.87−7.09(6H,m,6H−Ar),7.33−7.42(2H,m,2H−Ar),7.49−7.57(1H,m,1H−Ar),7.66−7.72(2H,m,2H−Ar)。
【0081】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vcの化合物)の調製
12mLのアセトニトリル中の2−(3−ヨード−1−フェニルプロピル)−4−メチルフェニルベンゼンスルホネート(4.38g、8.9mmol)、ジイソプロピルアミン(4.3mL、30mmol)の混合物を、加圧びんの中で6時間、115℃で加熱する。冷却後、この混合物を真空中で蒸発させる。残留物を、激しく攪拌しながら、25mLのMTBEおよび25mLの2mol/L 水酸化ナトリウム溶液に溶解する。相を分離し、水相を25mLのMTBEでもう1度抽出する。有機抽出物を併せ、25mLの水で洗浄し、2mol/Lの塩酸溶液(2×25mL)で抽出する。MTBE相を廃棄する。酸性相を併せ、4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液でpH=13に塩基性化する。この混合物をMTBE(2×25mL)で抽出する。有機相を併せ、25mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、生成物を褐色の油として収率77%で得る(3.2g)。
【0082】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(エタンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vdの化合物)の調製
48mLのアセトニトリル中の3−(2−(エタンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−ベンゼンスルホネート(8.53g、20mmol)、ジイソプロピルアミン(17mL、120mmol)およびヨウ化ナトリウム(1.5g、10mmol)の混合物を、加圧びんの中で6時間、115℃で加熱する。冷却後、この混合物を真空中で蒸発させる。残留物を、激しく攪拌しながら、50mLのMTBEおよび50mLの2mol/L 水酸化ナトリウム溶液に溶解する。相を分離し、水相を50mLのMTBEでもう1度抽出する。有機抽出物を併せ、50mLの水で洗浄し、2mol/Lの塩酸溶液(2×50mL)で抽出する。MTBE相を廃棄する。酸性相を併せ、4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液でpH=13に塩基性化する。この混合物をMTBE(2×50mL)で抽出する。有機相を併せ、50mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、生成物を褐色の油として収率91%で得る(7.6g)。
【0083】
H NMR(300MHz,CDCl):δ[ppm]=0.95(12H,d,J=6.4 Hz,4xCH),1.48(3H,t,J=7.4 Hz,CHCH),2.09−2.22(2H,m,CH),2.33(3H,s,CH),2.34−2.43(2H,m,CH),2.92−3.06(2H,m,2xCH),3.07−3.24(2H,m,CH) 4.38(1H,t,J=7.6 Hz),6.98−7.03(1H,m,1H−Ar),7.14−7.23(3H,m,3H−Ar),7.24−7.33(4H,m,4H−Ar),6.87−7.09(6H,m,6H−Ar),7.33−7.42(2H,m,2H−Ar),7.49−7.57(1H,m,1H−Ar),7.66−7.72(2H,m,2H−Ar).
【0084】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(エタンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vdの化合物)の調製
24mLのアセトニトリル中の2−(3−ヨード−1−フェニルプロピル)−4−メチルフェニルエタンスルホネート(8.8g、19.8mmol)、ジイソプロピルアミン(8.6mL、60mmol)の混合物を、加圧びんの中で6時間、115℃で加熱する。冷却後、この混合物を真空中で蒸発させる。残留物を、激しく攪拌しながら、50mLのMTBEおよび50mLの2mol/L 水酸化ナトリウム溶液に溶解する。相を分離し、水相を50mLのMTBEでもう1度抽出する。有機抽出物を併せ、50mLの水で洗浄し、2mol/Lの塩酸溶液(2×50mL)で抽出する。MTBE相を廃棄する。酸性相を併せ、4mol/Lの水酸化ナトリウム溶液でpH=13に塩基性化する。この混合物をMTBE(2×50mL)で抽出する。有機相を併せ、50mLのブラインで洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、真空中で蒸発させて、生成物を褐色の油として収率90%で得る(7.5g)。
【0085】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式VIの化合物)の調製
N,N−ジイソプロピル−3−(2−(p−トルエンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式IVaの化合物)(1.05g、1.91mmol)に、27mLの(t−ブタノール中1mol/Lのカリウムt−ブトキシド脱酸素溶液)および0.65mLの脱酸素化脱イオン水を添加する。この反応は、窒素流下で行う。この反応混合物を65℃に加熱し、この温度で3.5時間、攪拌する。室温に冷却後、150mLの脱イオン水をこの反応混合物に添加し、1時間攪拌する。生成物をエーテル(3×100mL)で抽出する。併せた抽出物を水(100mL)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を蒸発させて、生成物を油性残留物として収率95%で得る(0.59g)。
【0086】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式VIの化合物)のエナンチオマー分割
N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン(式Vの化合物)(0.49g、1.5mmol)を5mLの高温96%エタノールに溶解し、5mLの96%エタノール中の(+)−L−酒石酸(0.23g、1.5mmol)の高温溶液に添加する。この混合物を沸点に加熱し、濾過する。濾液を5℃に冷却し、この温度で24時間保持する。生成した白色沈殿を濾過して除去し、エタノールで洗浄する。この沈殿をエタノールから再結晶させて、酒石酸水素(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンを収率36%で得る(0.26g)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンまたはこの塩の調整プロセスであり、
式:
【化1】

[式中、
Yは、Hであってもよく、または
Yは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、およびZは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、または
Yは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、または
Yは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NR’’’(CH)から選択され、この場合、各R’’’は、C−CアルキルおよびNMe(CHから独立して選択される)であってもよく;ならびに
Aは、OYであってもよく、または
Aは、IもしくはBrであってもよく、または
Aは、NR(RおよびRは、同じであってよいし、異なっていてもよく、HもしくはC−Cアルキルから選択されるが、但し、Yが、Hである場合には、RおよびRは、一緒に3個未満の炭素原子を含有しなければならないことを条件とする)であってもよい]
の化合物を使用することを特徴とする、調製プロセス。
【請求項2】
Yが、C−SOまたはC−SOであってもよく、およびAが、OYまたはIまたはBrまたはN(i−Pr)である、請求項1に記載のプロセス。
【請求項3】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンまたはこの塩のの調整プロセスであり、
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを式:
【化2】

[式中、
Yは、Hであってもよく、または
Yは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、およびZは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、または
Yは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、または
Yは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NMe(CHから選択される)であってもよく;ならびに
Aは、OYである]
の化合物に変換することを特徴とし、
その後、Aを、IまたはBrに、およびN(i−Pr)に変換し、ならびに所望される場合には、得られた化合物を塩に転化させることをさらに特徴とする、調製プロセス。
【請求項4】
3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンから調製される3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールから調製されることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンの調製プロセス。
【請求項5】
段階の1つにおいて、エナンチオマーの混合物を分割する、請求項1から4のいずれか一項に記載の3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンの調製プロセス。
【請求項6】
以下の段階:
a)3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンのラクトン環を還元開環して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを生じさせる段階;
b)プロピル鎖上のO−置換基が、芳香族環上のO−置換基より容易にジイソプロピルアミンと反応することを特徴とする、前段階で得られた化合物の両方のヒドロキシ基を同じ試薬で変換して、O−二置換誘導体を形成する段階;
c)前段階で得られた化合物のプロピル鎖上のO−置換基をハロゲンで置換する段階;
d)前段階で得られた化合物のプロピル鎖上のハロゲンをアミンで置換する段階;
e)前段階で得られた化合物を加水分解して、残りのO−置換基をヒドロキシ置換基に変換する段階;および
f)前段階のいずれかにおいて得られたエナンチオマーの混合物を(場合により)光学分割する段階
から成るプロセス。
【請求項7】
a)3,4−ジヒドロ−6−メチル−4−フェニル−2−ベンゾピラン−2−オンのラクトン環を還元開環して、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールを生じさせる段階;
b)プロピル鎖上に形成されるエステル基が、芳香族環上のエステル基より容易にジイソプロピルアミンと反応することを特徴とする、両方のヒドロキシ基を同じ酸または酸誘導体でエステル化する段階;
c)プロピル鎖上のエステル基をヨウ素で置換する段階;
d)プロピル鎖上のヨウ素をジイソプロピルアミンであるアミンで置換する段階;
e)残りのエステル基を加水分解する段階;および
f)段階のいずれかにおいて得られたエナンチオマーの混合物を、場合により、光学分割する段階
を含む、請求項6に記載のプロセス。
【請求項8】
段階c)およびd)が、1つの組み合わされた段階として行われる、請求項6から7の二項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項9】
段階b)からd)が、単一ポットで行われる、請求項6から8の三項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項10】
ベンゼンスルホン酸、4−ブロモベンゼンスルホン酸、4−ニトロベンゼンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、ブタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、2,2,2−トリフルオロエタンスルホン酸、ノナフルオロブタンスルホン酸およびフルオロスルホン酸から成る群より選択される酸または酸のハロゲン化物もしくは無水物で、3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールのヒドロキシ基をエステル化する、請求項6から9の四項のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項11】
ベンゼンスルホン酸またはエタンスルホン酸から成る群より選択される酸のハロゲン化物または無水物を有機塩基の存在下で3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロパノールと反応させることにより、エステルを調製する、請求項10に記載のプロセス。
【請求項12】
有機塩基が、ピリジン、置換ピリジンまたは第三アミンである、請求項11に記載のプロセス。
【請求項13】
ハロゲン化物の存在下で行われるアミンでのプロピル鎖上の置換基の置換を特徴とする、請求項3から12のいずれかに記載のプロセス。
【請求項14】
3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンの調整プロセスであり、
段階の1つにおいて、式:
【化3】

[式中、
Yは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、およびZは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、または
Yは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、または
Yは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NMe(CHから選択される)であってもよい]
の化合物をハロゲン化物の存在下でアミンと反応させることを特徴とする、調製プロセス。
【請求項15】
ハロゲン化物が、ヨウ化ナトリウムであることを特徴とする、請求項13から14の二項のいずれかに記載のプロセス。
【請求項16】
アミンでのプロピル鎖上の置換基の置換が、極性非プロトン性溶媒中で行われる、請求項3から15のいずれか一項に記載のプロセス。
【請求項17】
極性非プロトン性溶媒が、アセトニトリルである、請求項16に記載のプロセス。
【請求項18】
アミンとの反応が、70℃を超える温度で行われることを特徴とする、請求項3から17のいずれかに記載のプロセス。
【請求項19】
アミンとの反応が、1気圧を超える圧力で行われることを特徴とする、請求項3から18のいずれかに記載のプロセス。
【請求項20】
請求項1から19のいずれかのプロセスに従って得られた3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−N,N−ジイソプロピル−3−フェニルプロピルアミンから調製される、酒石酸水素(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン。
【請求項21】
請求項20に記載の酒石酸(+)−N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンを含む医薬組成物。
【請求項22】
式:
【化4】

[式中、
Yは、Hであってもよく、または
Yは、COR(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、P(OR)(Rは、C−Cアルキルから選択される)であってもよく、または
Yは、PX(Z)(Xは、O、N−SO−C−Me、NPhから選択され、およびZは、OPh、NMeから選択される)であってもよく、または
Yは、Ar−SO(Arは、R’−Cであり、この場合のR’は、H、ハロゲン、NOから選択される)であってもよく、または
Yは、R’’−SO−(R’’は、C−Cアルキル、フッ素化C−Cアルキル、ハロゲン、NMe(CHから選択される)であってもよく;ならびに
Aは、OYであり、または
Aは、IもしくはBrであり、または
Aは、NR(RおよびRは、同じであってよいし、異なっていてもよく、HもしくはC−Cアルキルから選択されるが、但し、Yが、Hである場合には、RおよびRは、一緒に3個未満の炭素原子を含有しなければならないことを条件とする)であってもよい]
の化合物。
【請求項23】
3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−p−ベンゼンスルホネート;3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル−エタンスルホネート;N,N−ジイソプロピル−3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン;N,N−ジイソプロピル−3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミン;3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド;および3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージドから選択される、請求項22に記載の化合物。
【請求項24】
3−(2−(ベンゼンスルホニルオキシ)−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド、および3−(2−エタンスルホニルオキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピル・ヨージド。
【請求項25】
過活動性膀胱を治療するための医薬品を調製するプロセスにおける、請求項22から24の三項のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項26】
N,N−ジイソプロピル−3−(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)−3−フェニルプロピルアミンの調製プロセスにおけるヨウ化ナトリウムの使用。

【公表番号】特表2008−525360(P2008−525360A)
【公表日】平成20年7月17日(2008.7.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−547369(P2007−547369)
【出願日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【国際出願番号】PCT/EP2005/013899
【国際公開番号】WO2006/066931
【国際公開日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【出願人】(504359293)レツク・フアーマシユーテイカルズ・デー・デー (60)
【Fターム(参考)】