説明

3−(2−ヒドロキシフェニル)ピラゾールおよびHSP90モジュレーターとしてのそれらの使用

式(I)の新規フェニルピラゾール誘導体(R1〜R6、XおよびYは請求項1に示されている意味を有する)はHSP90阻害剤であり、HSP90の阻害、調節および/またはモジュレーションが役割を果たす疾患の治療のための医薬の調製に使用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、HSP90の阻害、調節および/またはモジュレーションに役割を果たす化合物、さらに、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに、HSP90が役割を果たす疾患の治療のための前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
本発明は、価値ある性質を有する新規化合物、特に、医薬の調製に使用できるものを見出すという目的に基づいていた。
【0003】
本発明は、HSP90の阻害、調節および/またはモジュレーションに役割を果たす化合物、さらに、これらの化合物を含む医薬組成物、ならびに、HSP90が役割を果たす疾患の治療のための前記化合物の使用に関する。
【0004】
細胞内タンパク質の正しいフォールディングおよびコンホメーションは、分子シャペロンにより確実に行われ、タンパク質合成と分解の間の平衡調節にとって欠くことができない。シャペロンは、例えば、細胞増殖およびアポトーシスのような、細胞の多くの主要な機能の調節にとって重要である(Jolly and Morimoto,2000;Smith et al,1998;Smith,2001)。
【0005】
熱ショックタンパク質(HSP)
組織の細胞は、例えば、熱、低酸素、酸化ストレスのような外的ストレス、あるいは、重金属またはアルコールのような毒性物質に、「熱ショックタンパク質」(HSP)という用語で知られている多数のシャペロンの活性化により反応する。
【0006】
HSPの活性化は、このようなストレス因子によって開始される損傷から細胞を保護し、正常な状態の回復を加速し、細胞をストレス耐性状態にする。
【0007】
外的ストレスに対してHSPにより促進されるこの当初発見された防護機構以外に、正常なストレスのない状態の下での個々のHSPについて、さらに重要なシャペロンの機能もまた、時が経つにつれて示されてきた。このように、様々なHSPは、生物にとって重要な相当数の細胞タンパク質の、例えば、正しいフォールディング、細胞内での局在化、および機能または調節された分解を調節している。
【0008】
HSPは、細胞での発現、機能および局在化が異なる細胞で違う別個の遺伝子産物による遺伝子ファミリーを形成している。このファミリー内での命名および分類は、それらの分子量に基づいて(例えば、HSP27、HSP70、およびHSP90)行われている。
【0009】
いくつかのヒトの疾患は、タンパク質の間違ったフォールディングに基づいている(例えば、以下の報告を参照、Tytell et al.,2001;Smith et al.,1998)。したがって、シャペロンに依存するタンパク質フォールディング機構に関与する治療法の開発は、このような場合に有用であり得る。例えば、間違ってフォールディングしたタンパク質は、アルツハイマー病、プリオン病またはハンチントン症候群の場合において神経変性の進行を伴うタンパク質の凝集を生じる。タンパク質の間違ったフォールディングはまた野生型の機能喪失を生じ、この結果、分子的および生理的機能が間違って調節されることがある。
【0010】
HSPはまた、腫瘍疾患において非常に重要であると見なされている。例えば、特定のHSPの発現は腫瘍の進行段階に関連することが示されている(Martin et al.,2000;Conroy et al.,1996;Kawanishi et al.,1999;Jameel et al.,1992;Hoang et al.,2000;Lebeau et al.,1991)。
【0011】
HSP90が細胞内のかなりの数の主要な発癌シグナル伝達経路において役割を果たし、癌阻害活性を有する天然産生物がHSP90を標的にしているという事実により、腫瘍疾患の治療においてHSP90の機能の阻害は理に適ったものであろうという考え方に導かれた。HSP90阻害剤の、17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)(ゲルダナマイシンの誘導体である)は現在、臨床試験を受けている。
【0012】
HSP90
HSP90は細胞タンパク質の全質量のほぼ1〜2%を占める。通常それは細胞内で2量体の形になっており、多数のタンパク質、いわゆるコシャペロンと関連している(例えば以下を参照、Pratt,1997)。HSP90は細胞の活動にとって必須であり(Young et al.,2001)、例えば熱ショックのような外的ストレスによって本来のフォールディングがいくらか変えられた多くのタンパク質と、元々のフォールディングを回復するか、あるいはタンパク質の凝集を防ぐために、相互作用することによって、細胞ストレスに対する応答において重要な役割を果たす(Smith et a1.,1998)。
【0013】
HSP90は、恐らく、突然変異によって生じるタンパク質の間違ったフォールディングの修正を通じて、突然変異の影響に対する緩衝として重要であることもまた示されている(Rutherford and Lindquist,1998)。
【0014】
さらに、HSP90はまた調節においても重要である。生理的な状態の下で、HSP90は、小胞体におけるそのホモローグであるGRP94と共に、重要な様々なクライアントタンパク質のコンホメーションの安定性および成熟を確保するための細胞内バランスにおいて役割を果たしている。これらのクライアントタンパク質は、3つのグループに分けることができる:ステロイドホルモン受容体、Ser/Thrキナーゼまたはチロシンキナーゼ(例えば、ERBB2、RAF−1、CDK4およびLCK)、ならびに、例えば、突然変異したp53またはテロメラーゼhTERTの触媒サブユニットのような様々なタンパク質の集まり。これらのタンパク質の各々は、細胞の生理的および生化学的過程の調節において極めて重要な役割を果たす。
【0015】
ヒトにおいて保存されているHSP90ファミリーは、4つの遺伝子、細胞質HSP90α、誘導HSP90βアイソフォーム(Hickey et al.,1989)、小胞体のGRP94(Argon et al.,1999)、ならびにミトコンドリアマトリックスのHSP75/TRAP1(Felts et al.,2000)からなる。ファミリーの全ての成員は類似の作用機序をもつが、細胞における局在化に応じて、異なるクライアントタンパク質に結合する。例えば、ERBB2は、GRP94の特異的クライアントタンパク質であり(Argon et al.,1999)、腫瘍壊死因子のタイプ1受容体(TNFR1)または網膜芽細胞腫タンパク質(Rb)はTRAP1のクライアントであることが見出されている(Song et al.,1995;Chen et al.,1996)。
【0016】
HSP90は、多数のクライアントタンパク質および調節タンパク質との、かなりの数の複雑な相互作用に関与している(Smith,2001)。分子の正確な詳細はまだ明らかになっていないが、最近の生化学実験およびX線結晶学の助けによる探求は、HSP90のシャペロン機能の詳細を、益々、解き明かすことができるようになってきた(Prodromou et al,1997;Stebbins et al,1997)。それによって、HSP90はATP依存性分子シャペロンであり(Prodromou et al,1997)、2量体化がATPの加水分解にとって重要である。ATPの結合により、環状体の2量体構造を形成し、この構造では、2つのN末端ドメインが互いに接近しており、コンホメーションにおけるスイッチとして働く(Prodromou and Pearl,2000)。
【0017】
知られているHSP90阻害剤
発見されるHSP90阻害剤の第1の種類は、ベンゾキノンアンサマイシン(化合物へルビマイシン(herbimycin)Aおよびゲルダナマイシンがある)であった。元々、v−Src癌遺伝子によるトランスフォーメーションによって誘発された、線維芽細胞における悪性の表現型からの復帰(reversion)がこれらにより認められた(Uehara et al.,1985)。
【0018】
後に、強い抗腫瘍活性がin vitroで(Schulte et al.,1998)、またin vivoで動物モデルにおいて(Supko et al.,1995)実証された。
【0019】
次いで、免疫沈降およびアフィニティマトリックスでの探求により、ゲルダナマイシンの主な作用機構はHSP90への結合を伴うことが示された(Whitesell et al.,1994;Schulte and Neckers,1998)。さらに、X線結晶学による研究により、ゲルダナマイシンはATP結合部位に対して競合し、HSP90の固有のATPアーゼ活性を阻害することが示された(Prodromou et al.,1997;Panaretou et al.,1998)。このために、クライアントタンパク質に対してシャペロンとして機能する性質をもつ、多量体のHSP90複合体の形成が妨げられる。結果として、クライアントタンパク質はユビキチン−プロテアソーム経路を通じて分解される。
【0020】
ゲルダナマイシン誘導体である、17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)は、HSP90の阻害、クライアントタンパク質の分解、ならびに、細胞培養および異種移植腫瘍モデルにおける抗腫瘍活性において変わらない性質を示した(Schulte et al,1998;Kelland et al,1999)が、ゲルダナマイシンより肝細胞毒性が著しく少なかった(Page et al,1997)。17AAGは現在、臨床試験のI/II段階の下にある。
【0021】
ラディシコール(大環状化合物の抗生物質)は、同様に、線維芽細胞のv−Srcおよびv−Ha−Ras誘発悪性表現型からの復帰を示した(Kwon et al,1992;Zhao et al,1995)。ラディシコールはHSP90の阻害の結果として多数のシグナルタンパク質を分解する(Schulte et al.,1998)。X線結晶学による研究は、同じ様にラディシコールが、HSP90のN末端ドメインに結合し、固有のATPアーゼ活性を阻害することを示した(Roe et al.,1998)。
【0022】
クマリン型の抗生物質は、知られているように、細菌におけるHSP90ホモローグであるDNAジャイレースのATP結合部位に結合する。クマリンであるノボビオシンは、HSP90のカルボキシ末端に結合する、すなわち、ベンゾキノン−アンサマイシンおよびラディシコール(これらはHSP90のN末端に結合する)とは異なる部位に結合する(Marcu et al.,2000b)。
【0023】
ノボビオシンによるHSP90の阻害によって、多数のHSP90依存シグナルタンパク質の分解が生じる(Marcu et al.,2000a)。
【0024】
シグナルタンパク質(例えばERBB2)の分解はPU3(プリン類から誘導されたHSP90阻害剤)を用いて実証された。PU3は細胞周期停止および乳癌細胞系の分化を引き起こす(Chiosis et al.,2001)。
【0025】
治療標的としてのHSP90
腫瘍の表現型において決定的な重要性をもつ多数のシグナル伝達経路の調節におけるHSP90の関与、ならびに、特定の天然産生物がHSP90の活性の阻害を通じて生物学的作用を及ぼしているという発見により、HSP90は現在、腫瘍治療剤の開発で新規な標的として試験されている(Neckers et al.,1999)。
【0026】
ゲルダナマイシン、17AAG、およびラディシコールの主な作用機構は、このタンパク質のN末端のATP結合部位へのATPの結合の阻害、および結果としてのHSP90の固有のATPアーゼ活性の阻害を含む(例えば以下を参照、Prodromou et al.,1997;Stebbins et al.,1997;Panaretou et al.,1998)。HSP90のATPアーゼ活性の阻害はコシャペロンの動員を妨げ、HSP90ヘテロ複合体の形成に有利であり、このために、クライアントタンパク質はユビキチン−プロテアソーム経路を通じて分解を受けるようになる(例えば以下を参照、Neckers et al.,1999;Kelland et al.,1999)。HSP90阻害剤による腫瘍細胞の治療は、細胞増殖、細胞周期およびアポトーシスの調節のような過程にとって基本的な重要性を有する重要なタンパク質の選択的分解を生じる。これらの過程は腫瘍においてしばしば異常になる(deregulated)(例えば以下を参照、Hostein et al.,2001)。HSP90の阻害剤の開発に対する魅力的な理由付けは、トランスフォームした表現型に関連する複数のタンパク質の同時分解によって強力な腫瘍治療作用を達成できるということである。
【0027】
詳細には、本発明はHSP90を阻害し、調節し、かつ/またはモジュレーションをする化合物、これらの化合物を含む組成物、ならびに、腫瘍性疾患のようなHSP90誘発疾患、ウイルス性疾患、例えばB型肝炎(Waxman,2002)の治療;移植における免疫抑制(Bijlmakers,2000、および、Yorgin,2000);炎症誘発疾患(Bucci,2000)、例えば、関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス(lupus erythematosus)、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症(Fuller,2000);血管新生に関連する疾患(Hur,2002、および、Kurebayashi,2001)、例えば、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生;感染性疾患;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進(Rosen et al.,WO 02/09696;Degranco et al.,WO 99/51223;Gold,US 6,210,974 B1);線維化疾患(fibrogenetic disease)、例えば、強皮症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス(systemic lupus)、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症(Strehlow,WO 02/02123)のためのこれらの使用方法に関する。
【0028】
本発明はまた、化学療法に起因する毒性からの正常な細胞の保護のための本発明による化合物の使用、ならびに、間違ったタンパク質のフォールディングまたは凝集が主な原因である疾患(例えば、スクレイピー、クロイツフェルト−ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病)における本発明による化合物の使用にも関する(Sittler,Hum.Mol.Genet.,10,1307,2001;Tratzelt et al.,Proc.Nat.Acad.Sci.,92,2944,1995;Winklhofer et al.,J.Biol.Chem.,276,45160,2001)。WO 01/72779は、プリン化合物、ならびに腫瘍疾患のようなGRP94(HSP90のホモローグまたはパラローグ)誘発疾患の治療のためのそれらの使用を記載し、前記腫瘍疾患では、癌組織には、以下からなる群から選択される肉腫または癌腫が含まれる:線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫(endotheliosarcoma)、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫(leiosarcoma)、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂細胞癌(sebaceous cell carcinoma)、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌(cystadenocarcinomas)、骨髄腫、気管支原性癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫(haemangioblastoma)、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびH鎖病。
【0029】
A.Kamal等(Trends in Molecular Medicine,Vol.10 No.6 June 2004)は、特に、中枢神経系の疾患および心臓血管疾患の治療のための、HSP90活性化の治療および診断への応用を記載する。
【0030】
したがって、HSP90を特異的に阻害し、調節し、かつ/またはモジュレーションする小さな化合物の同定は望ましいことであり、本発明の目的である。
【0031】
式Iの化合物およびそれらの塩は非常に有益な薬理学的な性質を有すると同時に、忍容性が良好であることが見出されている。特に、それらはHSP90阻害性を示す。
【0032】
したがって、本発明は、前記疾患の治療および/または予防における医薬および/または医薬活性化合物としての式Iの化合物、ならびに、前記疾患の治療および/または予防のための医薬の調製のための式Iの化合物使用、さらに、このような投与を必要としている患者への式Iの化合物の1種または複数の投与を含む、前記疾患の治療方法にも関する。
【0033】
受容者または患者は、どのような哺乳動物種に属していてもよく、例えば、霊長類種(特にヒト)、齧歯類動物(マウス、ラットおよびハムスターが含まれる)、ウサギ、ウマ、ウシ、イヌ、ネコなどであり得る。動物モデルは実験的探求にとって興味深く、それらはヒトの疾患の治療に対するモデルを提供する。
【0034】
従来技術
WO 00/53169はクマリンまたはクマリン誘導体によるHSP90の阻害を記載する。
【0035】
WO 03/041643 A2は、HSP90−阻害性ゼアララノール誘導体を開示する。
【0036】
他のHSP90−阻害性ピラゾール誘導体(3−または5−位で芳香族基により置換されている)が、WO 2004/050087 A1およびWO 2004/056782 A1に開示されている。
【0037】
WO 03/055860 A1は、HSP90阻害剤として3,4−ジアリールピラゾールを記載する。HSP90−阻害性を有するプリン誘導体が、WO 02/36075 A2に開示されている。
【0038】
以下のフェニルピラゾールはそれらのCAS登録番号の下に知られている:
374909−20−3
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
476609−64−0
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ニトロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
433703−66−3
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
433702−50−2
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
433702−41−1
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−フェニルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
433697−01−9
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
433329−33−0
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
433329−32−9、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−イソプロピルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
433329−19−2
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
433328−86−0
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
433328−01−9、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
431919−95−8
3−(2−ヒドロキシ−4−メチル−5−エチルフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
431890−54−9
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
431886−77−0
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
431072−63−8
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
431056−28−9
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
430470−45−4
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
430451−78−8
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
415686−18−9
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
412962−83−5
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ブロモフェノキシ)−1H−ピラゾール、
394237−90−2
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−ニトロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
394228−95−6
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−カルボキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
394228−66−1
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
394228−60−5
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
394228−57−0
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−5−1H−ピラゾール、
394228−55−8
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
394228−50−3
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
394228−36−5
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
385401−47−8
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
385401−44−5
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
385401−27−4
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
385401−21−8
3−(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
385401−19−4
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
385401−17−2
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
383412−00−8
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
381230−39−3
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
374699−23−7
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
374699−18−0
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
374698−43−8
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
327100−86−7
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
312309−70−9
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
311809−91−3
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−ブロモフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
310440−73−4
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
308298−51−3
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
306280−10−4、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
304880−27−1
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ブロモフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
300834−71−3
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
297147−95−6
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
294668−76−1
3−(2,4−ジヒドロキシ−フェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
263744−90−7
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ)−1H−ピラゾール、
510766−37−7
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール。
【0039】
請求項1におけるディスクレイマーはこれらの化合物を含んでいる。
【0040】
WO 01/72779はプリン化合物と、腫瘍疾患のようなGRP94(HSP90のホモローグまたはパラローグ)誘発疾患の治療のためのそれらの使用を記載し、前記腫瘍疾患では、癌組織には、以下からなる群から選択される肉腫または癌腫が含まれる:線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂細胞癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、骨髄腫、気管支原性癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびH鎖病。
【0041】
WO 01/72779は、さらに、ウイルス性疾患の治療のための、それに挙げられている化合物の使用を開示し、前記ウイルス性疾患においては、ウイルス病原体は以下からなる群から選択される:A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSV−1)、単純ヘルペスII型(HSV−ll)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス(equinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスタイプI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスタイプII型(HIV−II)。
【0042】
WO 01/72779は、さらに、GRP94のモジュレーションのための、それに挙げられている化合物の使用を記載し、この場合、モジュレーションを受けた生体GRP94の活性は、個体における免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養不良からの回復、熱ストレスからの回復、またはこれらの組合せを引き起こし、かつ/あるいは、この場合、障害は、ある種の癌、感染性疾患、小胞体からの途絶したタンパク質輸送に関連する障害、虚血/再潅流に関連する障害、またはこれらの組合せであり、この虚血/再潅流に関連する障害は以下の結果である:心停止、無心拍(asystolia)および遅延心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性脳梗塞、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖、てんかん重積状態、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレス(neonatal stress)。
【0043】
最後に、WO 01/72779は、虚血状態の後の細胞反応が変わる程度に細胞のGRP94活性を増大させるための、GRP94タンパク質モジュレーターによる組織部位の細胞の処理によって、個体の組織部位における虚血状態の後の細胞反応を変えるための医薬の調製のためのGRP94タンパク質モジュレーターの有効量の使用を記載し、この場合、引き続いて起こる虚血状態は、好ましくは、以下の結果である:心停止、無心拍および遅延心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性脳梗塞、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖、てんかん重積状態、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレス、あるいは、この場合、前記組織部位は移植のためのドナー組織である。
Further literature:
Argon Y and Simen BB. 1999 "Grp94, an ER chaperone with protein and peptide binding properties", Semin. Cell Dev. Biol., Vol. 10, pp. 495-505.

Bijlmakers M-JJE, Marsh M. 2000 "Hsp90 is essential for the synthesis and subsequent membrane association, but not the maintenance, of the Srckinase p56lck", Mol. Biol. Cell, Vol. 11(5), pp. 1585-1595.

Bucci M; Roviezzo F; Cicala C; Sessa WC, Cirino G. 2000 "Geldanamycin, an inhibitor of heat shock protein 90 (Hsp90) mediated signal transduction has anti-inflammatory effects and interacts with glucocorticoid receptor in vivo", Brit. J. Pharmacol., Vol 131(1), pp. 13-16.

Carreras CW, Schirmer A, Zhong Z, Santi VS. 2003 "Filter binding assay for the geldanamycin-heat shock protein 90 interaction", Analytical Biochem., Vol 317, pp 40-46.

Chen C-F, Chen Y, Dai KD, Chen P-L, Riley DJ and Lee W-H. 1996 "A new member of the hsp90 family of molecular chaperones interacts with the retinoblastoma protein during mitosis and after heat shock", Mol. Cell. Biol., Vol. 16, pp. 4691-4699.

Chiosis G, Timaul MN, Lucas B, Munster PN, Zheng FF, Sepp-Lozenzino L and Rosen N. 2001 "A small molecule designed to bind to the adenine nucleotide pocket of HSP90 causes Her2 degradation and the growth arrest and differentiation of breast cancer cells", Chem. Biol., Vol. 8, pp. 289-299.

Chiosis G, Lucas B, Shtil A, Huezo H, Rosen N 2002 "Development of a purine-scaffold novel class of HSP90 binders that inhibit the proliferation of cancer cells and induce the degradation of her2 tyrosine kinase". Bio-organic Med. Chem., Vol 10, pp 3555-3564.

Conroy SE and Latchman DS. 1996 "Do heat shock proteins have a role in breast cancer?", Brit. J. Cancer, Vol. 74, pp. 717-721.

Felts SJ, Owen BAL, Nguyen P, Trepel J, Donner DB and Toft DO. 2000 "The HSP90-related protein TRAP1 is a mitochondrial protein with distinct functional properties", J. Biol. Chem., Vol. 5, pp. 3305-331 2.

Fuller W, Cuthbert AW. 2000 "Post-translational disruption of the delta F508 cystic fibrosis transmembrane conductance regulator (CFTR)-molecular Chaperone complex with geldanamycin stabilises delta F508 CFTR in the rabbit reticulocyte lysate", J. Biol. Chem., Vol. 275(48), pp. 37462-37468.

Hickey E, Brandon SE, Smale G, Lloyd D and Weber LA. 1999 "Sequence I and regulation of a gene encoding a human 89-kilodalton heat shock protein", Mol. Cell. Biol., Vol. 9, pp. 2615-2626.

Hoang AT, Huang J, Rudra-Gonguly N, Zheng J, Powell WC, Rabindron SK, Wu C and Roy-Burman P. 2000 "A novel association between the human heat shock transcription factor 1 (HSF1) and prostate adenocarcinoma, Am. J. Pathol., Vol. 156, pp. 857-864.

Hostein I, Robertson D, Di Stefano F, Workman P and Clarke PA. 2001 "Inhibition of signal transduction by the HSP90 inhibitor 17-allylamino-1 7-demethoxygeldanamycin results in cytostasis and apoptosis", Cancer Res., Vol. 61, pp. 4003-4009.

Hur E, Kim H-H, Choi SM, Kim JH, Yim S, Kwon HJ, Choi Y, Kim DK, Lee M-0, Park H. 2002 "Reduction of hypoxia-induced transcription through the repression of hypoxia-inducible factor-1(/aryl hydrocarbon receptor nuclear translocator DNA binding by the 90-kDa heat-shock protein inhibitor radicicol", Mol. Pharmacol., Vol 62(5), pp. 975-982.

Jameel A, Skilton RA, Campbell TA, Chandler SK, Coombes RC and Luqmani YA. 1992 "Clinical

Jolly C and Morimoto RI. 2000 "Role of the heat shock response and molecular chaperones in oncogenesis and cell death", J. Natl. Cancer Inst., Vol. 92, pp. 1564-1572.

Kawanishi K, Shiozaki H, Doki Y, Sakita I, Inoue M, Yano M, Tsujinata T, Shamma A and Monden M. 1999 "Prognostic significance of heat shock proteins 27 and 70 in patients with squamous cell carcinoma of the esophagus", Cancer, Vol. 85, pp. 1649-1657.

Kelland LR, Abel G, McKeage MJ, Jones M, Goddard PM, Valenti M, Murrer BA, and Harrap KR. 1993 "Preclinical antitumour evaluation of bis-acetalo-amino-dichloro-cyclohexylamine platinum (IV): an orally active platinum drug", Cancer Research, Vol. 53, pp. 2581 - 2586.

Kelland LR, Sharp SY, Rogers PM, Myers TG and Workman P. 1999 "DT-diaphorase expression and tumor cell sensitivity to 17-allylamino, 17-demethoxygeldanamycin, an inhibitor of heat shock protein 90", J. Natl. Cancer Inst., Vol. 91, pp. 1940-1949.

Kurebayashi J, Otsuki T, Kurosumi M, Soga S, Akinaga S, Sonoo, H. 2001 "A radicicol derivative, KF58333, inhibits expression of hypoxia-inducible factor-1α and vascular endothelial growth factor, angiogenesis and growth of human breast cancer xenografts", Jap. J. Cancer Res. Vol. 92(12), 1342-1351.

Kwon HJ, Yoshida M, Abe K, Horinouchi S and Bepple T. 1992 "Radicicol, an agent inducing the reversal of transformed phentoype of src-transformed fibroblasts, Biosci., Biotechnol., Biochem., Vol. 56, pp. 538-539. Lebeau J, Le Cholony C, Prosperi MT and Goubin G. 1991 "Constitutive overexpression of 89 kDa heat shock protein gene in the HBL100 mammary cell line converted to a tumorigenic phenotype by the EJE24 Harveyras oncogene", Oncogene, Vol. 6, pp. 1125-1132.

Marcu MG, Chadli A, Bouhouche I, Catelli M and Neckers L. 2000a "The heat shock protein 90 antagonist novobiocin interacts with a previously unrecognised ATP-binding domain in the carboxyl terminus of the chaperone", J. Biol. Chem., Vol. 275, pp. 37181-37186.

Marcu MG, Schulte TW and Neckers L. 2000b "Novobiocin and related coumarins and depletion of heat shock protein 90-dependent signaling proteins", J. Natl. Cancer Inst., Vol. 92, pp. 242-248.

Martin KJ, Kritzman BM, Price LM, Koh B, Kwan CP, Zhang X, MacKay A, O'Hare MJ, Kaelin CM, Mutter GL, Pardee AB and Sager R. 2000 "Linking gene expression patterns to therapeutic groups in breast cancer", Cancer Res., Vol. 60, pp. 2232-2238.

Neckers L, Schulte TW and Momnaaugh E. 1999 "Geldanamycin as a potential anti-cancer agent: its molecular target and biochemical activity", Invest. New Drugs, Vol. 17, pp. 361-373.

Page J, Heath J, Fulton R, Yalkowsky E, Tabibi E, Tomaszewski J, Smith A and Rodman L. 1997 "Comparison of geldanamycin (NSC-122750) and 17-allylaminogeldanamycin (NSC-330507D) toxicity in rats", Proc. Am. Assoc. Cancer Res., Vol. 38, pp. 308.

Panaretou B, Prodromou C, Roe SM, OBrien R, Ladbury JE, Piper PW and Pearl LH. 1998 "ATP binding and hydrolysis are essential to the function of the HSP90 molecular chaperone in vivo", EMBO J., Vol. 17, pp. 4829-4836.

Pratt WB. 1997 "The role of the HSP90-based chaperone system in signal transduction by nuclear receptors and receptors signalling via MAP kinase", Annu. Rev. Pharmacol. Toxicol., Vol. 37, pp. 297-326.

Prodromou C, Roe SM, O'Brien R, Ladbury JE, Piper PW and Pearl LH. 1997 "Identification and structural characterisation of the ATP/ADP-binding site in the HSP90 molecular chaperone", Cell, Vol. 90, pp. 65-75.

Prodromou C, Panaretou B, Chohan S, Siligardi G, O'Brien R, Ladbury JE, Roe SM, Piper PW and Pearl LH. 2000 "The ATPase cycle of HSP90 drives a molecular "clamp" via transient dimerisation of the N-terminal domains", EMBO J., Vol. 19, pp. 4383-4392.

Roe SM, Prodromou C, O'Brien R, Ladbury JE, Piper PW and Pearl LH. 1999 "Structural basis for inhibition of the HSP90 molecular chaperone by the antitumour antibiotics radicicol and geldanamycin", J. Med. Chem., Vol. 42, pp. 260-266.

Rutherford SL and Lindquist S. 1998 "HSP90 as a capacitor for morphological evolution. Nature, Vol. 396, pp. 336-342.

Schulte TW, Akinaga S, Murakata T, Agatsuma T, Sugimoto S, Nakano H, Lee YS, Simen BB, Argon Y, Felts S, Toft DO, Neckers LM and Sharma SV. 1999 "Interaction of radicicol with members of the heat shock protein 90 family of molecular chaperones", Mol. Endocrinoloqy, Vol. 13, pp. 1435-1448.
Schulte TW, Akinaga S, Soga S, Sullivan W, Sensgard B, Toft D and Neckers LM. 1998 "Antibiotic radicicol binds to the N-terminal domain of HSP90 and shares important biologic activities with geldanamcyin", Cell Stress and Chaperones, Vol. 3, pp. 100-108.

Schulte TW and Neckers LM. 1998 "The benzoquinone ansamycin 17-allylamino-17-demethoxygeldanamcyin binds to HSP90 and shares important biologic activities with geldanamycin", Cancer Chemother. Pharmacol., Vol. 42, pp. 273-279.

Smith DF. 2001 "Chaperones in signal transduction", in: Molecular chaperones in the cell (P Lund, ed.; Oxford University Press, Oxford and NY), pp. 165-178.

Smith DF, Whitesell L and Katsanis E. 1998 "Molecular chaperones: Biology and prospects for pharmacological intervention", Pharmacological Reviews, Vol. 50, pp. 493-513.

Song HY, Dunbar JD, Zhang YX, Guo D and Donner DB. 1995 "Identification of a protein with homology to hsp90 that binds the type 1 tumour necrosis factor receptor", J. Biol. Chem., Vol. 270, pp. 3574-3581.

Stebbins CE, Russo A, Schneider C, Rosen N, Hartl FU and Pavletich NP. 1997 "Crystal structure of an HSP90-geldanamcyin complex: targeting of a protein chaperone by an antitumor agent", Cell, Vol. 89, pp. 239-250.

Supko JG, Hickman RL, Grever MR and Malspeis L. 1995 "Preclinical pharmacologic evaluation of geldanamycin as an antitumour agent", Cancer Chemother. Pharmacol., Vol. 36, pp. 305-315.

Tytell M and Hooper PL. 2001 "Heat shock proteins: new keys to the development of cytoprotective therapies", Emerging Therapeutic Targets, Vol. 5, pp. 267-287.

Uehara U, Hori M, Takeuchi T and Umezawa H. 1986 "Phenotypic change from transformed to normal induced by benzoquinoid ansamycins accompanies inactivation of p6Osrc in rat kidney cells infected with Rous sarcoma virus", Mol. Cell. Biol., Vol. 6, pp. 21 98-2206.

Waxman, Lloyd H. Inhibiting hepatitis C virus processing and replication. (Merck & Co., Inc., USA). PCT Int. Appl. (2002), WO 0207761 Whitesell L, Mimnaugh EG, De Costa B, Myers CE and Neckers LM. 1994 "Inhibition of heat shock protein HSP90-pp60v-src heteroprotein complex formation by benzoquinone ansamycins: essential role for stress proteins in oncogenic transformation", Proc. Natl. Acad. Sci. USA., Vol. 91, pp. 8324-8328.

Yorgin et al. 2000 "Effects of geldanamycin, a heat-shock protein 90-binding agent, on T cell function and T cell nonreceptor protein tyrosine kinases", J. Immunol., Vol 164(6), pp. 2915-2923.

Young JC, Moarefi I and Hartl FU. 2001 "HSP90: a specialised but essential protein-folding tool", J. Cell. Biol., Vol. 154, pp. 267-273.

Zhao JF, Nakano H and Sharma S. 1995 "Suppression of RAS and MOS transformation by radicicol", Oncoqene, Vol. 11, pp. 161 -173.
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0044】
発明の概要
本発明は、式Iの化合物:
【0045】
【化1】

【0046】
[式中、
1は、OH、OCH3、OCF3、OCHF2、OBzl、OAc、p−メトキシベンジルオキシ、SH、S(O)mCH3、SO2NH2、Hal、CF3またはCH3を表し、
2、R3は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NH(CH2nAr、SO2NAAr、SO2NH(CH2nHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4、R5、R6は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NHCONH2、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NHAr、SO2NAAr、SO2NHHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xは、O、S、SOまたはSO2を表し、
Yは、H、A、ArまたはHetを表し、
A、A’は、それぞれ、互いに独立に、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく、
AおよびA’はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、N、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルを表し、
7は、COOR9、CONR910、NR910、NHCOR9、NHCOOR9またはOR9を表し、
8は、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、4〜10個のC原子を有するシクロアルキルアルキレン、Alk、または、1〜6個のC原子を有する非分岐もしくは分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9、R10は、それぞれ、互いに独立に、H、または1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9およびR10はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、あるいは、Hal、A、OR11、N(R112、NO2、CN、フェニル、CON(R112、NR11COA、NR11CON(R112、NR11SO2A、COR11、SO2N(R112、S(O)mA、−[C(R112n−COOR11および/または−O[C(R112o−COOR11によって、一置換、二置換または三置換されており、
Hetは、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環または二環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この複素環は、Hal、A、(CH2nOR11、(CH2nN(R112、NO2、CN、COOR11、CON(R112、NR11COA、NR11SO2A、COR11、SO2NR11、S(O)mA、=S、=NR11および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11は、HまたはAを表し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1、2、3または4を表し、
oは、1、2または3を表す]
ならびに、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)に関するが、
但し
1がOHまたはOCH3を表し、
2がHまたはエチルを表し、
3がHまたはメチルを表し、
4がH、NO2、F、CI、Br、フェニル、i−プロピル、n−プロピル、COOH、COOCH3またはエトキシを表し、
5がHまたはClを表し、
6がHを表し、
XがOを表し、
YがH、CH3またはCF3を表す、
式Iの化合物は除外される。
【0047】
前記のディスクレイマーは知られているフェニルピラゾールを包含し、請求項1〜14にだけ適用される。
【0048】
本発明は、式Iの化合物およびそれらの塩、ならびに、請求項1〜14による式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩、互変体および立体異性体の調製方法に関し、この調製方法は、
a)式IIの化合物:
【0049】
【化2】

【0050】
[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、XおよびYは、請求項1に示されている意味を有し、
ZはHまたはメチルを表す]
を、式IIIの化合物:
2N−NH3+OH- III
と反応させ、次いで、所望により、Zがメチルを表す得られる化合物は、エーテルの開裂によって、ZがHを表す式Iの化合物に変換されること、
ならびに/あるいは、式Iの化合物における基、R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6の1つまたは複数が、R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6の1つまたは複数の基に、例えば、
i)ニトロ基をアミノ基に還元すること、
ii)エステル基をカルボキシル基に加水分解すること、
iii)還元的アミノ化によってアミノ基をアルキル化アミンに変換すること、
iv)酸クロライドをアミドに変換すること、
によって変換されること、
ならびに/あるいは、式Iの塩基もしくは酸がその塩の1つに変換されること、
を特徴とする。
【0051】
本発明はまた、これらの化合物の水和物および溶媒和物にも関する。前記化合物の溶媒和物は、相互引力により形成する、前記化合物への不活性溶媒分子の付加生成物を意味すると考えられている。溶媒和物は、例えば、一または二水和物あるいはアルコラートである。
【0052】
本発明による式Iの化合物はまた、互変体の形(式Ia)としても存在し得る。
【0053】
【化3】

【0054】
薬学的に使用可能な誘導体は、例えば、本発明による化合物の塩、および、いわゆるプロドラッグ化合物もまた意味すると考えられている。
【0055】
プロドラッグ誘導体は、例えば、アルキルまたはアシル基、糖またはオリゴペプチドにより修飾されていて、生体内で迅速に開裂して、本発明による有効な化合物を生じる、式Iの化合物を意味すると考えられている。
【0056】
これらには、また、例えば、Int.J.Pharm.115,61−67(1995)、に記載されているように、本発明による化合物の生分解性ポリマー誘導体も含まれる。
【0057】
「有効量」という表現は、例えば、研究者または医師によって、組織、系、動物またはヒトに求められている、または望まれている生体または治療反応を引き起こす、医薬または薬学的活性化合物の量を意味する。
【0058】
さらに、「治療有効量」という表現は、この量を与えられなかった対応する対象に比べて、次の結果を有する量を意味する:治癒治療の改善、疾患、疾患像、疾患状態、愁訴、障害または副作用の治癒、予防または除去、あるいはまた疾患の進行、愁訴または障害の減少。
【0059】
「治療有効量」という用語にはまた、正常な生理的機能を高めるのに有効である量も含まれる。
【0060】
本発明はまた、本発明による化合物Iの混合物、例えば2種のジアステレオマーの、例えば、1:1、1:2、1:3、1:4、1:5、1:10、1:100または1:1000の比の混合物に関する。
【0061】
これらは、特に好ましくは、立体異性体化合物の混合物である。
【0062】
1回よりも多く現れる全ての基では、それらの意味は互いに独立である。
【0063】
上および下で、基ならびにパラメータ(R1、R2、R3、R4、R5およびR6)は、特に断らないかぎり、式Iに対して示された意味を有する。
【0064】
AまたはA’は、好ましくはアルキルを表し、非分岐(線状)または分岐状であり、1、2、3、4、5、6、7、8、9または10個のC原子を有する。AまたはA’は、特に好ましくは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチルまたはtert−ブチルを、さらにまた、ペンチル、1−、2−または3−メチルブチル、1,1−、1,2−または2,2−ジメチルプロピル、1−エチルプロピル、ヘキシル、1−、2−、3−または4−メチルペンチル、1,1−、1,2−、1,3−、2,2−、2,3−または3,3−ジメチルブチル、1−または2−エチルブチル、1−エチル−1−メチルプロピル、1−エチル−2−メチルプロピル、1,1,2−または1,2,2−トリメチルプロピルも表す。
【0065】
AまたはA’は、特に非常に好ましくは、1、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキル、好ましくは、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、ヘキシル、トリフルオロメチル、ペンタフルオロエチルまたは1,1,1−トリフルオロエチルを表す。
【0066】
AまたはA’はまた、シクロアルキルも表す。シクロアルキルは、好ましくは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルまたはシクロヘプチルを表す。
【0067】
AまたはA’はまたAlkも表す。Alkは、例えば、ビニルまたはプロペニルのような2〜6個のC原子を有するアルケニルを表す。
【0068】
Acはアセチルを表し、Bzlはベンジルを表し、Msは−SO2CH3を表す。
【0069】
1は、好ましくは、OH、OCH3またはSHを、特に好ましくは、OHまたはOCH3を表し、さらにまた、OCF3、OCHF2も表す。
【0070】
好ましくは、R2、R3はそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、A、OA、OH、SO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表す。
【0071】
2は、特に好ましくは、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表す。
【0072】
3は、特に好ましくはOHまたはOAを表す。
【0073】
好ましくは、R4、R5、R6はそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表す。
【0074】
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表す。
【0075】
7は、好ましくは、COOR9(例えば、COOHまたはCOOCH3);CONR910(例えば、CONH2);NR910(例えば、アミノ、メチルアミノまたはジメチルアミノ);NHCOR9、NHCOOR9またはOR9(例えば、ヒドロキシルまたはメトキシ)を表す。
【0076】
好ましくは、R9、R10はそれぞれ、互いに独立に、H、または1〜5個のC原子を有するアルキル(1〜5個のH原子はFおよび/またはClにより置換されていてもよい)を表す。
【0077】
Arは、例えば、以下を表す:フェニル、o−、m−またはp−トリル、o−、m−またはp−エチルフェニル、o−、m−またはp−プロピルフェニル、o−、m−またはp−イソプロピルフェニル、o−、m−またはp−tert−ブチルフェニル、o−、m−またはp−ヒドロキシフェニル、o−、m−またはp−ニトロフェニル、o−、m−またはp−アミノフェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N−メチルアミノカルボニル)フェニル、o−、m−またはp−アセトアミドフェニル、o−、m−またはp−メトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシフェニル、o−、m−またはp−エトキシカルボニルフェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジメチルアミノカルボニル)−フェニル、o−、m−またはp−(N−エチルアミノ)フェニル、o−、m−またはp−(N,N−ジエチルアミノ)−フェニル、o−、m−またはp−フルオロフェニル、o−、m−またはp−ブロモフェニル、o−、m−またはp−クロロフェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホンアミド)フェニル、o−、m−またはp−(メチルスルホニル)フェニル、o−、m−またはp−シアノフェニル、o−、m−またはp−ウレイドフェニル、o−、m−またはp−ホルミルフェニル、o−、m−またはp−アセチルフェニル、o−、m−またはp−アミノスルホニルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメチルフェニル、o−、m−またはp−カルボキシメトキシフェニル、さらに好ましくは2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジフルオロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジクロロフェニル、2,3−、2,4−、2,5−、2,6−、3,4−または3,5−ジブロモフェニル、2,4−または2,5−ジニトロフェニル、2,5−または3,4−ジメトキシフェニル、3−ニトロ−4−クロロフェニル、3−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−3−クロロ−、2−アミノ−4−クロロ−、2−アミノ−5−クロロ−または2−アミノ−6−クロロフェニル、2−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノ−または3−ニトロ−4−N,N−ジメチルアミノフェニル、2,3−ジアミノフェニル、2,3,4−、2,3,5−、2,3,6−、2,4,6−または3,4,5−トリクロロフェニル、2,4,6−トリメトキシフェニル、2−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフェニル、p−ヨードフェニル、3,6−ジクロロ−4−アミノフェニル、4−フルオロ−3−クロロフェニル、2−フルオロ−4−ブロモフェニル、2,5−ジフルオロ−4−ブロモフェニル、3−ブロモ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−6−メトキシフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニル、3−フルオロ−4−メトキシフェニル、3−アミノ−6−メチルフェニル、3−クロロ−4−アセトアミドフェニルまたは2,5−ジメチル−4−クロロフェニル。
【0078】
Arは、好ましくは、例えば、非置換であるか、または、Hal、A、OR11、SO2A、COOR11またはCNにより(例えばメチルにより)一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを表す。Arは、特に非常に好ましくは、非置換であるか、または、Halおよび/またはAにより一置換、二置換もしくは三置換されているフェニルを表す。
【0079】
Hetはさらなる置換に関わりなく、例えば以下を表す:2−または3−フリル、2−または3−チエニル、1−、2−または3−ピロリル、1−、2、4−または5−イミダゾリル、1−、3−、4−または5−ピラゾリル、2−、4−または5−オキサゾリル、3−、4−または5−イソキサゾリル、2−、4−または5−チアゾリル、3−、4−または5−イソチアゾリル、2−、3−または4−ピリジル、2−、4−、5−または6−ピリミジニル、さらに好ましくは1,2,3−トリアゾール−1−、−4−または−5−イル、1,2,4−トリアゾール−1−、−3−または5−イル、1−または5−テトラゾリル、1,2,3−オキサジアゾール−4−または−5−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−または−5−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−または−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−または−5−イル、1,2,3−チアジアゾール−4−または−5−イル、3−または4−ピリダジニル、ピラジニル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インドリル、4−または5−イソインドリル、1−、2−、4−または5−ベンズイミダゾリル、1−、2−、3−、4−、5−、6−または7−インダゾリル、1−、3−、4−、5−、6−または7−ベンゾピラゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズオキサゾリル、3−、4−、5−、6−または7−ベンズイソオキサゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンゾチアゾリル、2−、4−、5−、6−または7−ベンズイソチアゾリル、4−、5−、6−または7−ベンズ−2,1,3−オキサジアゾリル、2−、3−、4−、5−、6−、7−または8−キノリル、1−、3−、4−、5−、6−、7−または8−イソキノリル、3−、4−、5−、6−、7−または8−シンノリニル、2−、4−、5−、6−、7−または8−キナゾリニル、5−または6−キノキサリニル、2−、3−、5−、6−、7−または8−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは1,3−ベンゾジオキソール−5−イル、1,4−ベンゾジオキサン−6−イル、2,1,3−ベンゾチアジアゾール−4−または−5−イルまたは2,1,3−ベンゾオキサジアゾール−5−イル。
【0080】
複素環式基はまた、部分的に、または完全に水素化されていてもよい。
【0081】
こうして、Hetはまた、例えば以下も表し得る:2,3−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または−5−フリル、2,5−ジヒドロ−2−、−3−、−4−または5−フリル、テトラヒドロ−2−または−3−フリル、1,3−ジオキソラン−4−イル、テトラヒドロ−2−または−3−チエニル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、2,5−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピロリル、1−、2−または3−ピロリジニル、テトラヒドロ−1−、−2−または−4−イミダゾリル、2,3−ジヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−または−5−ピラゾリル、テトラヒドロ−1−、−3−または−4−ピラゾリル、1,4−ジヒドロ−1−、−2−、−3−または−4−ピリジル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−または−6−ピリジル、1−、2−、3−または4−ピペリジニル、2−、3−または4−モルホリニル、テトラヒドロ−2−、−3−または−4−ピラニル、1,4−ジオキサニル、1,3−ジオキサン−2−、−4−または−5−イル、ヘキサヒドロ−1−、−3−または−4−ピリダジニル、ヘキサヒドロ−1−、−2−、−4−または−5−ピリミジニル、1−、2−または3−ピペラジニル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、−2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−キノリル、1,2,3,4−テトラヒドロ−1−、2−、−3−、−4−、−5−、−6−、−7−または−8−イソ−キノリル、2−、3−、5−、6−、7−または8− 3,4−ジヒドロ−2H−ベンゾ−1,4−オキサジニル、さらに好ましくは2,3−メチレンジオキシフェニル、3,4−メチレンジオキシフェニル、2,3−エチレンジオキシフェニル、3,4−エチレンジオキシフェニル、3,4−(ジフルオロメチレンジオキシ)フェニル、2,3−ジヒドロベンゾフラン−5−または6−イル、2,3−(2−オキソメチレンジオキシ)−フェニルまたは3,4−ジヒドロ−2H−1,5−ベンゾジオキセピン−6−または−7−イルも、さらに好ましくは2,3−ジヒドロベンゾフラニルまたは2,3−ジヒドロ−2−オキソフラニル。
【0082】
Hetは、好ましくは、1から2個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、この環は非置換であっても、あるいは、A、Hal、OHおよび/またはOAにより一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい。
【0083】
Hetは、特に好ましくは、1から2個のNおよび/またはO原子を有する単環の飽和複素環を表し、この環は非置換であっても、または、Aにより一置換もしくは二置換されていてもよい。
【0084】
さらなる実施形態において、Hetは、特に非常に好ましくは、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルを表す。
【0085】
さらなる実施形態において、Hetは、特に好ましくは、フリル、チエニル、ピロリル、イミダゾリル、ピリジル、ピリミジニル、ピラゾリル、チアゾリル、インドリル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニルまたはピペラジニルを表し、これらの各々は非置換であっても、あるいは、A、Hal、OHおよび/またはOAにより一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい。
【0086】
特に非常に好ましい実施形態において、Hetはピリジル、ピペリジニルまたはピペラジニルを表す。
【0087】
さらなる実施形態において、Hetは、好ましくは、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族複素環を表し、この環は、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112により一置換、二置換もしくは三置換されていてもよい。
【0088】
さらなる実施形態において、Hetは、特に好ましくは、1から2個のN原子を有する単環の芳香族複素環(例えば、ピリジンまたはピリミジン)、または、1から2個のN原子を有する飽和複素環(例えば、ピペリジンまたはピペラジン)を表し、これらの環は、CH2OHおよび/またはCH2NA2により一置換または二置換されていてもよい。
【0089】
Xは、好ましくはOまたはSを、特に非常に好ましくはOを表す。
【0090】
Yは、好ましくはHまたはAを表す。
【0091】
式Iの化合物は、1つまたは複数のキラル中心を有し得るので、様々な立体異性形が存在し得る。式Iはこれらの全ての形を含んでいる。
【0092】
したがって、本発明は、特に、前記の基の少なくとも1つが上に示されている好ましい意味の1つを有する式Iの化合物に関する。いくつかの好ましい化合物群は、下位式IaからIo[式Iに従っており、詳細に指定されていない基は式Iに対して示された意味を有するが、
Iaでは、R1が、OH、OCH3またはSHを表し;
Ibでは、R2、R3がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、A、OA、OH、SO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表し;
Icでは、R2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArもしくはSO2NH(CH2nHetを表し;
Idでは、R3が、OHまたはOAを表し;
Ieでは、R4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表し;
Ifでは、Xが、OまたはSを表し;
Igでは、Yが、HまたはAを表し;
Ihでは、Aが、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHおよび/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく;
Iiでは、Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHおよび/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく;
Ijでは、R9、R10がそれぞれ、互いに独立に、H、または、1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClにより置換されていてもよく;
Ikでは、Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよく;
Ilでは、Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表し;
Imでは、Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環は、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく;
Inでは、Hetが、1から2個のN原子を有する単環の芳香族複素環、または1から2個のN原子を有する飽和複素環を表し、この環は、CH2OHおよび/またはCH2NA2によって一置換または二置換されていてもよく;
Ioでは、
1が、OH、OCH3またはSHを表し、
2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArもしくはSO2NH(CH2nHetを表し、
3が、OHまたはOAを表し、
4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表し、
4およびR5がまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xが、OまたはSを表し、
Yが、HまたはAを表し、
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、あるいは3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよく、
Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表し、
Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環は、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11が、HまたはAを表し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを表し、
nが、0、1、2、3または4を表す]
ならびに、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)によって表すことができるが、但し、
1がOHまたはOCH3を表し、
2がHまたはエチルを表し、
3がHまたはメチルを表し、
4がH、NO2、F、CI、Br、フェニル、i−プロピル、n−プロピル、COOH、COOCH3またはエトキシを表し、
5がHまたはClを表し、
6がHを表し、
XがOを表し、
YがH、CH3またはCF3を表す、
式Iの化合物は除外される。
【0093】
さらに、本発明のよる化合物と、それらの調製のための出発材料も、文献に(例えば、Houben−Weylの「Methoden der organischen Chemie(有機化学の方法)」(Georg−Thieme−Verlag、シュツットガルト)のような標準的な著作に)記載されている、それ自体は知られている方法によって、知られていてこれらの反応にとって適切である反応条件の下に精確であれば、調製される。ここではより詳細に記載されない、それ自体は知られている変形形態もまた調製に利用できる。
【0094】
望ましければ、出発材料はまた、反応混合物からそれらを単離しないで、代わりに、それらをさらに本発明による化合物に直ちに変換することによって、in situに形成させてもよい。
【0095】
出発化合物は一般に知られている。しかし、それらが新規である場合は、それ自体は知られている方法によって調製できる。
【0096】
式Iの化合物は、好ましくは、式IIの化合物を式IIIのヒドラジドと反応させることによって得ることができる。
【0097】
この反応は当業者に知られている方法によって実施される。
【0098】
まず第1に、反応は適切な溶媒中で実施される。
【0099】
適切な不活性溶媒の例は以下である:炭化水素、例えば、ヘキサン、石油エーテル、ベンゼン、トルエンまたはキシレン;塩素化炭化水素、例えば、トリクロロエチエン、1,2−ジクロロエタン、四塩化炭素、クロロホルムまたはジクロロメタン;アルコール、例えば、メタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、n−ブタノールまたはtert−ブタノール;エーテル、例えば、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン(THF)またはジオキサン;グリコールエーテル、例えば、エチレングリコールモノメチルもしくはモノエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル(ジグリム);ケトン、例えば、アセトンまたはブタノン;アミド、例えば、アセトアミド、ジメチルアセトアミドまたはジメチルホルムアミド(DMF);ニトリル、例えばアセトニトリル;スルホキシド、例えばジメチルスルホキシド(DMSO);二流化炭素;カルボン酸、例えば、ギ酸または酢酸;ニトロ化合物、例えば、ニトロメタンまたはニトロベンゼン;エステル、例えば、酢酸エチル;あるいはこれらの溶媒の混合物。
【0100】
特に好ましい溶媒は、アルコール、例えば、イソプロパノールまたはエタノールである。
【0101】
用いられる条件に応じて、反応時間は、数分と14日の間であり、反応温度は、約−30°と140°の間、通常は−10°と130°の間、特に約30°と約125°の間である。
【0102】
得られる式Iの化合物(ZはHまたはメチルを表す):
【0103】
【化4】

【0104】
において、任意選択で、エーテルの開裂が当業者に知られている方法によって実施される。
【0105】
この反応は、上で示された適切な溶媒中で、好ましくは三臭化ホウ素の添加によって実施される。
【0106】
この反応は、特に好ましくは、ジクロロメタン中、約−30°と50°の間、通常は−20°と20°の間、特に約−15°と約0°の間の反応温度で実施される。
【0107】
この反応により、ZがHを表す式Iの化合物が得られる。
【0108】
さらに、式Iの化合物は、1つまたは複数の基、R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6を、1つまたは複数の別の基、R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6に変換することによって(例えば、ニトロ基をアミノ基に還元することによって、例えば、不活性溶媒(例えば、メタノールまたはエタノール)中のラネーニッケルもしくはPd/カーボンでの水素化、および/または、エステル基をカルボキシル基に変換すること、および/または、アミノ基を還元的アミノ化によりアルキル化アミンに変換すること、および/または、カルボキシル基をアルコールとの反応によりエステル化すること、および/または、酸クロライドをアミンと反応させることにより酸アミドに変換することによって)別の式Iの化合物に変換することが可能である。
【0109】
さらに、遊離アミノ基は、酸クロライドまたは無水物を用いる通常のやり方でアシル化されるか、あるいは、有利には、−60と+30°の間の温度で、不活性溶媒(例えば、ジクロロメタンまたはTHF)中、塩基(例えば、トリエチルアミンまたはピリジン)の存在下に、非置換または置換アルキルハロゲン化物を用いてアルキル化されてもよい。
【0110】
本発明はまた、式I−Iの中間体化合物、およびそれらの塩にも関する。
【0111】
【化5】

【0112】
式中、
1は、OCH3、OBzl、OAcまたはp−メトキシベンジルオキシを表し、
2は、H、AまたはHalを表し、
3は、Aを表し、
4、R5、R6はそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’またはNH2を表し、
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xは、Oを表し、
Yは、HまたはAを表し、
Zは、A、Ac、ベンジルまたはp−メトキシベンジルを表し、
A、A’は、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表す。
【0113】
医薬としての塩および他の形
本発明による前記化合物は、それらの最終の塩でない形で使用できる。他方、本発明はまた、薬学的に許容されるそれらの塩(当技術分野において知られている手順により様々な有機および無機の酸および塩基から誘導できる)の形における、これらの化合物の使用も包含する。式Iの化合物の薬学的に許容される塩の形は、大部分、通常の方法によって調製される。式Iの化合物がカルボキシル基を含んでいる場合、適切なその塩の1つは、その化合物を適切な塩基と反応させて対応する塩基付加塩を得ることにより形成できる。このような塩基は、例えば、アルカリ金属水酸化物(水酸化カリウム、水酸化ナトリウムおよび水酸化リチウムが含まれる)、アルカリ土類金属水酸化物(例えば、水酸化バリウムおよび水酸化カルシウム)、アルカリ金属アルコキシド(例えば、カリウムエトキシドおよびナトリウムプロポキシド)、ならびに様々な有機塩基(例えば、ピペリジン、ジエタノールアミンおよびN−メチルグルタミン)である。式Iの化合物のアルミニウム塩も同様に含まれる。式Iの特定の化合物の場合において、酸付加塩は、これらの化合物を薬学的に許容される有機および無機の酸、例えば、ハロゲン化水素(例えば、塩化水素、臭化水素またはヨウ化水素)、他の無機酸および対応するそれらの塩(例えば、硫酸塩、硝酸塩またはリン酸塩など)、ならびにアルキル−およびモノアリールスルホン酸塩(例えば、エタンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩およびベンゼンスルホン酸塩)、ならびに他の有機酸および対応するそれらの塩(例えば、酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、安息香酸塩、サリチル酸塩、アスコルビン酸塩など)により処理することによって形成できる。したがって、式Iの化合物の薬学的に許容される酸付加塩には以下が含まれるが、これは限定ではない:酢酸塩、アジピン酸塩、アルギン酸塩、アルギニン塩(arginate)、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシラート(besylate))、硫酸水素塩、亜硫酸水素塩、臭化物塩、酪酸塩、ショウノウ酸塩、カンファースルホン酸塩、カプリル酸塩、塩化物塩、クロロ安息香酸塩、クエン酸塩、シクロペンタンプロピオン酸塩、ジグルコン酸塩、リン酸二水素塩、ジニトロ安息香酸塩、ドデシル硫酸塩、エタンスルホン酸塩、フマル酸塩、ガラクタル酸塩(粘液酸から)、ガラクツロン酸塩、グルコヘプタン酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、グリセロリン酸塩、ヘミコハク酸塩、ヘミ硫酸塩、ヘプタン酸塩、ヘキサン酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩、ヨウ化物塩、イセチオン酸塩、イソブチル酸塩、乳酸塩、ラクトビオン酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、マンデル酸塩、メタリン酸塩、メタンスルホン酸塩、メチル安息香酸塩、リン酸一水素塩、2−ナフタレンスルホン酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、シュウ酸塩、オレイン酸塩、パルモエート(palmoate)、ペクチン酸塩、過硫酸塩、フェニル酢酸塩、3−フェニルプロピオン酸、リン酸塩、ホスホン酸塩、フタル酸塩。
【0114】
さらに、本発明による化合物の塩基による塩には、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、鉄(III)、鉄(II)、リチウム、マグネシウム、マンガン(III)、マンガン(II)、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛の塩が含まれるが、これは限定しようとするものではない。前記の塩の中で、アンモニウム、アルカリ金属塩(ナトリウムおよびカリウム)、ならびにアルカリ土類金属塩(カルシウムおよびマグネシウム)が好ましい。薬学的に許容される無毒の有機塩基から誘導される式Iの化合物の塩には、以下による塩が含まれるが、これは限定しようとするものではない:第1級、第2級および第3級アミン、置換アミン(天然に産する置換アミンも含まれる)、環状アミン、ならびに塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、クロロプロカイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン(ベンザチン)、ジシクロヘキシルアミン、ジエタノールアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチルモルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン(hydrabamine)、イソプロピルアミン、リドカイン、リシン、メグルミン、N−メチル−D−グルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン類、テオブロミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミンおよびトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン(トロメタミン)。
【0115】
塩基性窒素含有基を含む本発明の化合物は、以下のような作用剤を用いて第4級化できる:(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化−メチル、エチル、イソプロピルおよびtert−ブチル;ジ(C1〜C4)アルキル硫酸エステル、例えば、硫酸−ジメチル、ジエチルおよびジアミル;(C10〜C18)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化、臭化およびヨウ化−デシル、ドデシル、ラウリル、ミリスチルおよびステアリル;ならびに、アリール(C1〜C4)アルキルハロゲン化物、例えば、塩化ベンジルおよび臭化フェネチル。水にもオイルにも可溶性の本発明による化合物は、このような塩を用いて調製できる。
【0116】
好ましい前記の医薬としての塩には以下が含まれるが、これは限定しようとするものではない:酢酸塩、トリフルオロ酢酸塩、ベシラート、クエン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、ヘミコハク酸塩、馬尿酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、イセチオン酸塩、マンデル酸塩、メグルミン、硝酸塩、オレイン酸塩、ホスホン酸塩、ピバリン酸塩、リン酸ナトリウム塩、ステアリン酸塩、硫酸塩、スルホサリチル酸塩、酒石酸塩、チオリンゴ酸塩、トシラートおよびトロメタミン。
【0117】
式Iの塩基性化合物の酸付加塩は、遊離塩基の形を十分な量の望みの酸と接触させて、通常の仕方で塩を形成させることによって調製される。遊離塩基は、その塩の形を塩基と接触させて、通常の仕方で遊離塩基を単離することによって再生できる。遊離塩基の形は、対応するそれらの塩の形と特定の物理的性質(例えば、極性溶媒への溶解性)に関してある点において異なるが、本発明の目的にとって、塩は、他の点では、それらの個々の遊離塩基の形に相当する。
【0118】
前記のように、式Iの化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、金属またはアミン(例えば、アルカリ金属およびアルカリ土類金属または有機アミン)により形成される。好ましい金属は、ナトリウム、カリウム、マグネシウムおよびカルシウムである。好ましい有機アミンは、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、N−メチル−D−グルカミンおよびプロカインである。
【0119】
本発明による酸性化合物の塩基付加塩は、遊離酸の形を十分な量の望みの塩基と接触させて、通常の仕方で塩を形成させることによって調製される。遊離酸は、その塩の形を酸と接触させて、通常の仕方で遊離酸を単離することによって再生できる。遊離酸の形は、対応するそれらの塩の形と特定の物理的性質(例えば、極性溶媒への溶解性)に関してある点において異なるが、本発明の目的にとって、塩は、他の点では、それらの個々の遊離酸の形に相当する。
【0120】
本発明による化合物が、このタイプの薬学的に許容される塩を形成できる基を2つ以上含んでいる場合、本発明は多重塩もまた包含する。典型的な多重塩の形には、例えば、酒石酸水素塩、二酢酸塩、二フマル酸塩、二メグルミン塩、二リン酸塩、二ナトリウム塩および三塩酸塩が含まれるが、これは限定しようとするものではない。
【0121】
上で記載されたことに関して、本発明との関連での「薬学的に許容される塩」という表現は、式Iの化合物をその塩の1つの形(特に、活性化合物の遊離形または先に使用された活性化合物の他の塩の形に比べて改善された薬物動態学的性質を、この塩の形が活性化合物に付与する場合)で含む活性化合物を意味すると見なされていることが分かる。活性化合物の薬学的に許容される塩の形はまた、前にはもっていなかった望みの薬物動態学的性質をこの活性化合物に初めてもたせることができ、身体におけるその治療効果に関してこの活性化合物の薬力学に好ましい影響を及ぼすことさえできる。
【0122】
本発明による式Iの化合物は、それらの分子構造のためにキラルであることがあり、したがって、様々なエナンチオマーの形で存在し得る。したがって、これらはラセミ体または光学活性体として存在し得る。
【0123】
式Iの化合物のラセミ体または立体異性体の薬学的効果は異なることがあり、エナンチオマーを用いることが望ましい。これらの場合において、最終生成物または中間体でさえ、当業者に知られている化学的または物理的手段によってエナンチオマー化合物に分離されるか、あるいは合成においてはそのまま用いられることさえある。
【0124】
ラセミ体アミンの場合には、ジアステレオマーが光学活性分割剤との反応により混合物から形成される。適切な分割剤の例は、酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸、適切にN−保護されたアミノ酸(例えば、N−ベンゾイルプロリンまたはN−ベンゼンスルホニルプロリン)のRおよびS形、あるいは様々な光学活性カンファースルホン酸のような光学活性な酸である。やはり利点があるのは、光学活性分割剤(例えば、シリカゲル上に固定化された、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン、セルローストリアセテートまたは他の炭水化物誘導体またはキラルに誘導体化されたメタクリレートポリマー)の助けによるクロマトグラフィーでのエナンチオマー分割である。この目的にとって適切な溶離剤は、例えば、ヘキサン/イソプロパノール/アセトニトリル(例えば、82:15:3の比の)のような、水性またはアルコール性溶媒混合物である。
【0125】
本発明は、さらに、特に非化学的な方法による、医薬(医薬組成物)の調製のための、本発明の化合物および/またはそれらの生理学的に許容される塩の使用に関する。本発明の化合物は、この場合、固体、液体および/または半液体の賦形剤またはアジュバントの少なくとも1つと一緒になって、所望により、1種または複数のさらなる活性化合物と組み合わせて、適切な投薬形態に変換される。
【0126】
本発明は、さらに、式Iの化合物ならびに/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)と、任意選択で賦形剤および/またはアジュバントとを含む医薬に関する。
【0127】
したがって、本発明は、式Iの化合物、ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)と、任意選択で賦形剤および/またはアジュバントとを含む医薬に関する。
【0128】
【化6】

【0129】
式中、
1は、OH、OCH3、OCF3、OCHF2、OBzl、OAc、p−メトキシベンジルオキシ、SH、S(O)mCH3、SO2NH2、Hal、CF3またはCH3を表し、
2、R3は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NH(CH2nAr、SO2NAAr、SO2NH(CH2nHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4、R5、R6は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NHCONH2、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NHAr、SO2NAAr、SO2NHHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xは、O、S、SOまたはSO2を表し、
Yは、H、A、ArまたはHetを表し、
A、A’は、それぞれ、互いに独立に、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく、
AおよびA’はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルを表し、
7は、COOR9、CONR910、NR910、NHCOR9、NHCOOR9またはOR9を表し、
8は、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、4〜10個のC原子を有するシクロアルキルアルキレン、Alk、または、1〜6個のC原子を有する非分岐もしくは分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9、R10は、それぞれ、互いに独立に、H、または1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9およびR10はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、あるいは、Hal、A、OR11、N(R112、NO2、CN、フェニル、CON(R112、NR11COA、NR11CON(R112、NR11SO2A、COR11、SO2N(R112、S(O)mA、−[C(R112n−COOR11および/または−O[C(R112o−COOR11によって、一置換、二置換または三置換されており、
Hetは、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環または二環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この複素環は、Hal、A、(CH2nOR11、(CH2nN(R112、NO2、CN、COOR11、CON(R112、NR11COA、NR11SO2A、COR11、SO2NR11、S(O)mA、=S、=NR11および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11は、HまたはAを表し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1、2、3または4を表し、
oは、1、2または3を表す。
【0130】
こうして、本発明はまた、特に、前記の基の少なくとも1つが上で示された好ましい意味の1つを有する式Iの化合物を含む医薬に関する。いくつかの好ましい化合物群は、下位式IaからIo[式Iに従っており、詳細に指定されていない基は式Iに対して示された意味を有するが、
Iaでは、R1が、OH、OCH3またはSHを表し;
Ibでは、R2、R3がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、A、OA、OH、SO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表し;
Icでは、R2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArもしくはSO2NH(CH2nHetを表し;
Idでは、R3が、OHまたはOAを表し;
Ieでは、R4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表し;
Ifでは、Xが、OまたはSを表し;
Igでは、Yが、HまたはAを表し;
Ihでは、Aが、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHおよび/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく;
Iiでは、Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHおよび/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく;
Ijでは、R9、R10がそれぞれ、互いに独立に、H、または、1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClにより置換されていてもよく;
Ikでは、Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよく;
Ilでは、Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表し;
Imでは、Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環は、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく;
Inでは、Hetが、1から2個のN原子を有する単環の芳香族複素環、または1から2個のN原子を有する飽和複素環を表し、この環は、CH2OHおよび/またはCH2NA2によって一置換または二置換されていてもよく;
Ioでは、
1が、OH、OCH3またはSHを表し、
2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArもしくはSO2NH(CH2nHetを表し、
3が、OHまたはOAを表し、
4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表し、
4およびR5がまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xが、OまたはSを表し、
Yが、HまたはAを表し、
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、あるいは3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよく、
Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表し、
Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環は、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11が、HまたはAを表し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを表し、
nが、0、1、2、3または4を表す]
ならびに、それらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)によって表すことができる。
【0131】
特に、本発明は、以下の群から選択される化合物、ならびに、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む医薬に関する:
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−6−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−5−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ウレイドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジブロモフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−ジエチルスルファモイルフェニル]−4−(2−クロロ−4−ジエチルスルファモイルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−4−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−3−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ベンジルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(フェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−ジエチルアミノメチルピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ジエチルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール。
【0132】
医薬製剤は、投薬単位当たりに予め決められた量の活性化合物を含む投薬単位の形態で投与できる。このような単位は、治療される疾患の病状、投与方法および年齢、患者の体重および病状に応じて、本発明による化合物を、例えば、0.1mgから3g、好ましくは1mgから700mg、特に好ましくは5mgから100mg含み得る、あるいは、医薬製剤は、投薬単位当たりに予め決められた量の活性化合物を含む投薬単位の形態で投与できる。好ましい投薬単位の製剤は、活性化合物の、上で示された1日量または分割量、または対応するこれらの部分を含むものである。さらに、このタイプの医薬製剤は、製剤技術において一般に知られている方法を用いて調製できる。
【0133】
医薬製剤は、任意の所望の適切な方法により、例えば、経口(口内または舌下も含まれる)、直腸、鼻、局所(口内、舌下または経皮も含まれる)、膣あるいは非経口(皮下、筋肉内、静脈内または皮内も含まれる)による方法よって、投与されるようにすることができる。このような製剤は、例えば、活性化合物を(複数の)賦形剤または(複数の)アジュバントと合わせて一体化することによって、製剤技術において知られているあらゆる方法を用いて調製できる。
【0134】
経口投与に適合する医薬製剤は、例えば、カプセルまたは錠剤;粉末または顆粒;水性または非水性液体の溶液または懸濁液;可食発泡体または発泡食品;あるいは、水中油の液体エマルジョンまたは油中水の液体エマルジョンのような独立した単位として投与できる。
【0135】
こうして、例えば、錠剤またはカプセルの形態での経口投与の場合、活性成分は、例えば、エタノール、グリセロール、水などのような無毒で薬学的に許容される経口不活性賦形剤と合わせて一体化できる。粉末は、本発明の化合物を細かい適切な大きさに砕き、それを、同様に砕いた医薬賦形剤、例えば可食性炭水化物(例えばデンプンまたはマンニトール)と混合することによって調製される。芳香剤、保存剤、分散剤および染料も同様に存在し得る。
【0136】
カプセルは、前記のように粉末混合物を調製し、それを成形ゼラチン殻(shell)に充填することによって製造される。充填操作の前に、この粉末混合物に、例えば、高分散ケイ酸、タルク、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウムまたは固体状ポリエチレングリコールのような流動促進剤(glidant)および滑剤を加えてもよい。カプセルが服用された後での医薬の有用性を高めるために、例えば、寒天、炭酸カルシウムまたは炭酸ナトリウムのような崩壊剤または可溶化剤も同様に添加されてもよい。
【0137】
さらに、所望であるか必要である場合、適切な結合剤(binder)、滑剤および崩壊剤ならびに染料を同様に、混合物に組み入れてもよい。適切な結合剤には、デンプン、ゼラチン、天然糖(例えば、グルコースまたはβ−ラクトース)、トウモロコシから製造される甘味剤、天然および合成ゴム(例えば、アカシア、トラガカント)またはアルギン酸ナトリウム、カルボキシメチルセルロース、ポリエチレングリコール、ワックスなどが含まれる。これらの投薬形態において使用される滑剤には、オレイン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸マグネシウム、安息香酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、塩化ナトリウムなどが含まれる。崩壊剤には、これらに限定されないが、デンプン、メチルセルロース、寒天、ベントナイト、ザンサンガムなどが含まれる。錠剤は、例えば、粉末混合物を調製し、この混合物を顆粒化または乾式加圧成形し、滑剤および崩壊剤を添加し、全混合物を加圧成形して錠剤を得ることによって製剤化される。粉末混合物は、上で記載されたように、適切なやり方で細かく砕かれた本発明の化合物と、稀釈材または基材(base)と、任意選択で結合剤(例えば、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチンまたはポリビニルピロリドン)、溶解遅延剤(例えばパラフィン)、吸収促進剤(例えば第4級塩)、および/または吸収剤(例えば、ベントナイト、カオリンまたはリン酸一水素カルシウム)とを混合することによって調製される。粉末混合物は、それを結合剤(例えば、シロップ、デンプンペースト、アカディア粘液(acadia mucilage)またはセルロースもしくはポリマー材料の溶液)により湿らし、篩を通してそれを加圧成形することによって顆粒化できる。顆粒化処理の代わりに、打錠機を通して粉末混合物を加工し、不均一な形状の固まりを得て、それを砕いて顆粒としてもよい。顆粒は、錠剤成形型にくっつくことを防ぐために、ステアリン酸、ステアリン酸塩、タルクまたはミネラルオイルの添加によって滑性を付与されてもよい。次いで、滑性を付与された混合物は加圧成形されて錠剤となる。本発明による化合物はまた、自由流動性不活性賦形剤と一緒にし、次いで、顆粒化処理または乾式加圧成形工程を実施することなく、直接、加圧成形して錠剤としてもよい。セラックのシール層からなる透明または不透明な保護層、糖またはポリマー材料の層およびワックスの光沢層もまた存在してもよい。異なる投薬単位の間で区別できるように、染料がこれらの被覆に加えられてもよい。
【0138】
経口液(例えば、溶液、シロップおよびエリキシル)は、所定の量が予め指定された量の本発明の化合物を含むように、投薬単位の形に調製できる。シロップは、本発明の化合物を適切な芳香剤と共に水性溶液に溶かすことによって調製でき、他方、エリキシルは、無毒のアルコール媒体を用いることによって調製される。懸濁液は、無毒の媒体中に本発明の化合物を分散させることによって製剤化できる。可溶化剤および乳化剤(例えば、エトキシ化イソステアリルアルコールおよびポリオキシエチレンソルビトールエーテル)、保存剤、芳香添加剤(例えばペパーミントオイル)または天然甘味料またはサッカリン、あるいは他の人口甘味料なども同様に添加してもよい。
【0139】
経口投与のための投薬単位製剤は、所望により、マイクロカプセルにカプセル化できる。この製剤はまた、例えば、微粒子材料をポリマー、ワックスなどで被覆するか、またはこれらに埋め込むことによって、放出時間が延長されるか、または遅らされるような仕方で調製できる。
【0140】
式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理的機能誘導体はまた、リポソーム送達システムの形態(例えば、小さなユニラメラベシクル(unilamellar vesicle)、大きなユニラメラベシクルおよびマルチラメラベシクル)でも投与できる。リポソームは、様々なリン脂質(例えばコレステロール、アテアリルアミンまたはホスファチジルコリン)から形成できる。
【0141】
式Iの化合物、ならびにそれらの塩、溶媒和物および生理的機能誘導体はまた、本発明の化合物分子が連結される個別の担体としてモノクローナル抗体を用いても送達できる。本発明の化合物はまた、標的化医薬担体として可溶性ポリマーに連結されてもよい。このようなポリマーには、ポリビニルピロリドン、ピランコポリマー、ポリヒドロキシプロピルメタクリルアミドフェノール、ポリヒドロキシエチルアスパルトアミドフェノール、またはパルミトイル基により置換されたポリエチレンオキシドポリリシンが含まれ得る。本発明の化合物は、さらに、医薬の制御放出を実施するのに適する生分解性ポリマー類(例えば、ポリ乳酸、ポリ−ε−カプロラクトン、ポリヒドロキシ酪酸、ポリオルトエステル、ポリアセタール、ポリジヒドロキシピラン、ポリシアノアクリレート、および架橋または両親媒性のヒドロゲルブロックコポリマー)に連結されてもよい。
【0142】
経皮投与に適する医薬製剤は、受容者の表皮に、広げられ密着する貼り薬(independent plaster)として投与できる。こうして、例えば、活性化合物は、Pharmaceutical Research,3(6),318(1986)において一般用語として説明されているイオントフォレシスによって膏薬から送達できる。
【0143】
局所投与に適する医薬化合物は、軟膏、クリーム、懸濁液、ローション、粉末、溶液、ペースト、ゲル、スプレー、エアロゾルまたはオイルとして製剤化できる。
【0144】
目または他の外部組織(例えば、口および皮膚)の治療では、製剤は、好ましくは、局所軟膏またはクリームとして付けられる。軟膏を与える製剤の場合には、本発明の活性化合物は、パラフィンまたは水混和性クリーム基材のいずれかと共に用いることができる。別法として、活性化合物は、水中油クリーム基材または油中水基材によりクリームとなるように製剤化されてもよい。
【0145】
目への局所適用に適する医薬製剤には、本発明の活性化合物が適切な担体(特に水性溶媒)に溶けているか、または懸濁している点眼薬が含まれる。
【0146】
口内の局所適用に適する医薬製剤には、薬用ドロップ(lozenge)、トローチ剤(pastille)およびマウスウォッシュが含まれる。
【0147】
直腸投与に適する医薬製剤は、座薬または浣腸の形態で投与できる。
【0148】
担体物質が固体である、経鼻投与に適する医薬製剤には、例えば20〜500ミクロンの範囲の粒径を有する粗い粉末が含まれ、これは鼻で吸い込まれる、すなわち、鼻の近くに保持された、粉末の入った容器からの鼻腔による素早い吸入による方法で投与される。担体物質として液体を有する鼻孔スプレーまたは点鼻薬として投与するのに適する製剤には、活性成分の水またはオイルの溶液が含まれる。
【0149】
吸入によって投与されるのに適する医薬製剤には微細粒子ダストまたはミストが含まれ、これらは、エアロゾル、ネブライザーまたはインサフレーター(insufflator)を有する様々なタイプの加圧ディスペンサーによって形成できる。
【0150】
経腟投与に適する医薬製剤は、腟座薬、タンポン、クリーム、ゲル、ペースト、フォーム(foam)またはスプレー製剤として投与できる。
【0151】
非経口投与に適する医薬製剤には、酸化防止剤、緩衝液、静菌剤、および溶質(治療される受容者の血液と製剤がこれによって等張になる)を含む水性および非水性の滅菌注射液;ならびに、懸濁媒体と増粘剤を含み得る水性および非水性の滅菌懸濁液が含まれる。これらの製剤は、シングルドースまたはマルチドース容器(例えば、密封アンプルおよびバイアル)として投与され、また、使用直前の滅菌担体液(例えば注射のための水)の添加だけが必要である凍結乾燥状態で保管できる。
【0152】
処方に従って調製される注射液および懸濁液は、滅菌粉末、顆粒および錠剤から調製できる。
【0153】
言うまでもなく、上で特に挙げられた成分以外に、前記製剤はまた、特定のタイプの製剤に関して当技術分野において慣例の他の作用剤も含んでいてもよく、したがって、例えば、経口投与に適する製剤は芳香剤を含んでいてもよい。
【0154】
式Iの化合物の治療有効量は、例えば、ヒトまたは動物の年齢および体重、治療を要する疾患の正確な病状、およびその重篤度、製剤の性質および投与方法を含めて、多数の要因に応じて決まり、治療している医師または獣医によって最終的には決められる。しかし、本発明のよる化合物の有効量は、一般に、1日当たり、0.1から100mg/(受容者(哺乳動物)の体重1kg)の範囲、特に典型的には、1日当たり、1から10mg/(体重1kg)の範囲である。したがって、重さ70kgの成熟した哺乳動物に対する1日当たりの実際の量は、通常、70と700mgの間であり、この量は1日当たり1回の投薬として、あるいは、1日当たりの全投薬量が同じであるように、1日当たり一連の(例えば、2、3、4、5または6回)部分投薬として投与できる。塩または溶媒和物あるいはこれらの生理的機能誘導体の有効量は、式Iの化合物本体の有効量の部分として求めることができる。前記の他の病状の治療に対しても同様の投薬量が適切であると推定できる。
【0155】
本発明は、さらに、式Iの化合物ならびに/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)と、さらなる医薬活性化合物の少なくとも1種とを含む医薬に関する。
【0156】
さらなる医薬活性化合物は、好ましくは化学療法剤、特に、血管新生を抑制し、したがってまた腫瘍細胞の成長と広がりを抑制するものであり、この場合、好ましいのは、VEGF受容体阻害剤(VEGF受容体を対象とするリボザイムおよびアンチセンスが含まれる)、ならびにアンジオスタチンおよびエンドスタチンである。
【0157】
本発明による化合物と組み合わせて使用できる抗悪性腫瘍薬には、一般に、アルキル化剤、代謝拮抗剤;エピドフィロトキシン(epidophyllotoxin);抗悪性腫瘍酵素;トポイソメラーゼ阻害剤;プロカルバジン;ミトキサントロンまたは白金配位錯体が含まれる。
【0158】
抗悪性腫瘍薬は、好ましくは、次の種類から選択される:アントラサイクリン、ビンカ薬剤、マイトマイシン、ブレオマイシン、細胞障害性(cytotoxic)ヌクレオシド、エポチロン、ディスコルモリド(discormolide)、プテリジン、ジイネン(diynene)およびポドフィロトキシン。
【0159】
前記の種類の中で特に好ましいのは、例えば、カルミノマイシン、ダウノルビシン、アミノプテリン、メトトレキサート、メトプテリン、ジクロロメトトレキサート、マイトマイシンC、ポルフィロマイシン、5−フルオロウラシル、5−フルオロデオキシウリジン一リン酸、シタラビン、5−アザシチジン、チオグアニン、アザチオプリン、アデノシン、ペントスタチン、エリトロヒドロキシノニルアデニン、クラドリビン、6−メルカプトプリン、ゲムシタビン、シトシナラビノシド(cytosinarabinoside)、ポドフィロトキシンまたはポドフィロトキシン誘導体(例えば、エトポシド、リン酸エトポシドまたはテニポシド)、メルファラン、ビンブラスチン、ビノレルビン、ビンクリスチン、ロイロシジン(leurosidine)、ビンデシン、ロイロシン(leurosine)、ドセタキセルおよびパクリタキセルである。他の好ましい抗悪性腫瘍薬は以下の群から選択される:ディスコルモリド、エポシロンD、エストラムスチン、カルボプラチン、シスプラチン、オキサリプラチン、シクロホスファミド、ブレオマイシン、ゲムシタビン、イフォスアミド(ifosamide)、メルファラン、ヘキサメチルメラミン、チオテパ、イダトレキサート(idatrexate)、トリメトレキサート、ダカルバジン、L−アスパラギナーゼ、カンプトテシン、CPT−11、トポテカン、アラビノシルシトシン、ビカルタミド、フルタミド、ロイプロリド、ピリドベンゾインドール(pyridobenzoindole)誘導体、インターフェロンおよびインターロイキン。
【0160】
さらなる医薬活性成分は、好ましくは抗生物質である。好ましい抗生物質は、ダクチノマイシン、ダウノルビシン、イダルビシン、エピルビシン、ミトキサントロン、ブレオマイシン、プリカマイシン、マイトマイシンの群から選択される。
【0161】
さらなる医薬活性成分は、好ましくは酵素阻害剤である。好ましい酵素阻害剤は、ヒストン脱アセチル化阻害剤(例えば、スベロイルアニリドヒドロキサム酸[SAHA])およびチロシンキナーゼ阻害剤(例えばZD1839[イレッサ])の群から選択される。
【0162】
さらなる医薬活性成分は、好ましくは核外輸送阻害剤である。核外輸送阻害剤は、細胞核からの生体ポリマー(例えばRNA)の放出を妨げる。好ましい核外輸送阻害剤は、カリスタチン、レプトマイシンB、ラトジャドン(ratjadone)の群から選択される。
【0163】
さらなる医薬活性成分は、好ましくは核外輸送阻害剤である。核外輸送阻害剤は、細胞核からの生体ポリマー(例えばRNA)の放出を妨げる。好ましい核外輸送阻害剤は、カリスタチン、レプトマイシンB、ラトジャドンの群から選択される。
【0164】
さらなる医薬活性成分は、好ましくは免疫抑制剤である。好ましい免疫抑制剤は、ラパマイシン、CCI−779(Wyeth)、RAD001(Novartis)、AP23573(Ariad Pharmaceuticals)の群から選択される。
【0165】
本発明はまた、
(a)式Iの化合物ならびに/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の有効量、および
(b)さらなる医薬活性化合物の有効量、
の別々のパックからなるセット(キット)にも関する。
【0166】
このセットは、適切な容器(例えば箱)、個別のボトル、バッグまたはアンプルを備える。このセットは、例えば、個別のアンプルを備え、それぞれのアンプルは、式Iの化合物ならびに/またはそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の有効量、ならびにさらなる医薬活性化合物の有効量を、溶解したか、または凍結乾燥された形で含み得る。
【0167】
使用
本発明の化合物は、HSP90が役割を果たす疾患の治療において、哺乳動物、特にヒトに対する医薬活性化合物として適している。
【0168】
こうして、本発明は、HSP90の阻害、調節および/またはモジュレーションが役割を果たす疾患の治療のための医薬の調製のための、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の使用に関する。
【0169】
この場合、SGKが好ましい。
【0170】
好ましいのは、腫瘍疾患、例えば、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂細胞癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、骨髄腫、気管支原性癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびH鎖病;
ウイルス病原体が以下からなる群から選択されるウイルス性疾患:A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSV−1)、単純ヘルペスII型(HSV−ll)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス(equinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスタイプI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスタイプII型(HIV−II);の治療のための、
移植における免疫抑制;炎症誘発疾患、例えば、関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス、乾癬および炎症性腸疾患;嚢胞性線維症;血管新生に関連する疾患、例えば、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生;感染性疾患;自己免疫疾患;虚血;神経再生の促進;線維化疾患、例えば、強皮症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症;
のための医薬の調製のための、式Iの化合物ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の使用である。
【0171】
式Iの化合物は、特に、癌の成長、腫瘍細胞および腫瘍の転移を抑制するので、腫瘍の治療に適している。
【0172】
本発明はさらに、化学療法により生じる毒性に対する正常細胞の保護、および、間違ったタンパク質のフォールディングまたは凝集が主な原因である疾患(例えば、スクレイピー、クロイツフェルト−ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病)の治療のための医薬の調製のための、式Iの化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用を含む。
【0173】
本発明はまた、中枢神経系の疾患、心臓血管疾患および悪液質の治療のための医薬の調製のための、式Iの化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用に関する。
【0174】
さらなる実施形態において、本発明はまた、HSP90のモジュレーションのための医薬の調製のための、式Iの化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用に関し、この場合、モジュレーションを受けた生体HSP90の活性は個体に免疫反応、小胞体からのタンパク質輸送、低酸素/無酸素ストレスからの回復、栄養不良からの回復、熱ストレスからの回復、またはこれらの組合せを引き起こし、かつ/あるいは、この場合、障害は、ある種の癌、感染性疾患、小胞体からの途絶したタンパク質輸送に関連する障害、虚血/再潅流に関連する障害、またはこれらの組合せであり、この虚血/再潅流に関連する障害は以下の結果である:心停止、無心拍および遅延心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性脳梗塞、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖、てんかん重積状態、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレスである。
【0175】
さらなる実施形態において、本発明はまた、心停止、無心拍および遅延心室性不整脈、心臓手術、心肺バイパス手術、臓器移植、脊髄外傷、頭部外傷、卒中、血栓塞栓性脳梗塞、出血性卒中、脳血管攣縮、低血圧、低血糖、てんかん重積状態、てんかん発作、不安、統合失調症、神経変性障害、アルツハイマー病、ハンチントン病、筋萎縮性側索硬化症(ALS)または新生児ストレスの結果としての虚血の治療のための医薬の調製のための、式Iの化合物ならびに/またはそれらの生理学的に許容される塩および溶媒和物の使用に関する。
【0176】
HSP90阻害剤の測定のための試験法
HSP90へのゲルダナマイシン、または17−アリルアミノ−17−デメトキシゲルダナマイシン(17AAG)の結合およびHSP90の競合阻害が、本発明による化合物の阻害活性を求めるために利用できる(Carreras et al.2003,Chiosis et al.2002)。
【0177】
特殊な場合には、ラジオリガンドのフィルター結合試験が用いられる。この試験で用いられるラジオリガンドは、トリチウム標識17−アリルアミノゲルダナマイシン([3H]17AAG)である。このフィルター結合試験により、ATP結合部位に干渉する阻害剤を標的とする探索が可能になる。
【0178】
材料
組換えヒトHSP90α(大腸菌発現、純度95%)
[3H]17AAG(17−アリルアミノゲルダナマイシン、[アリルアミノ−2,3−3H]、比活性:1.11×1012Bq/mmol(Moravek、MT−1717)
HEPESフィルター緩衝液(50mMのHEPES、pH7.0、5mMのMgCl2、0.01%のBSA)
マルチスクリーンFB(1μm)フィルタープレート(Millipore、MAFBNOB 50)
方法
最初に、96ウェルのマイクロタイターフィルタープレートに灌注し、0.1%のポリエチレンイミンで被覆する。
【0179】
試験を次の条件で実施する:
反応温度22℃
反応時間:30分、800rpmで振盪
試験容積:50μl
最終濃度:50mMのHEPES HCl、pH7.0、0.5mMのMgCl2、0.01%(w/v)のBSA、HSP90:1.5μg/アッセイ
[3H]17AGG:0.08μM
反応の終わりに、フィルタープレートの上澄みを、真空マニホールド(Multiscreen Separation System、Millipore)の助けにより吸引によって取り除き、フィルターを2回洗浄する。
【0180】
次いで、フィルタープレートを、シンチレーター(Microscint 20、Packard)を備えるベータカウンター(Microbeta、Wallac)で測定する。
【0181】
「コントロールに対する%」を「1分間当たりのカウント数」の値から求め、化合物のIC−50の値をこれから計算する。
【0182】
上および下で、全ての温度は℃で示されている。以下の実施例において、「通常のワークアップ」は以下を意味する:必要であれば水を加え、必要であればpHを、最終生成物の構成に応じて2と10の間に調節し、混合物を酢酸エチルまたはジクロロメタンにより抽出し、相分離させ、有機相を硫酸ナトリウムで乾燥し、蒸発させ、生成物をシリカゲルでのクロマトグラフィーおよび/または晶析によって精製する。シリカゲルでのRf値;溶離液:酢酸エチル/メタノール 9:1。
【0183】
LC−MS条件
次の特徴を有するHP 1100シリーズ(Hewlett Packard)の装置:
イオン源:エルクトロスプレー(ポジティブモード);スキャン:100〜1000m/e;フラグメンテーション電圧:60V;ガス温度:300℃;DAD:220nm。
【0184】
流量:2.4ml/min。使用したスプリッターは、DAD後、MSへの流量を0.75ml/minに減らした。
【0185】
カラム:Chromolith SpeedROD RP−18e 50−4.6
溶媒:Lichrosolv製品(Merck KGaA製)
溶媒A:H2O(0.01%のTFA)
溶媒B:ACN(0.008%のTFA)
勾配:
20%のB→100%のB:0分から2.8分
100%のB:2.8分から3.3分
100%のB→20%のB:3.3分から4分
以下の実施例において示す保持時間(Rf[分])およびM+H+MWデータはLC−MS測定の測定結果である。
【0186】
実施例1
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール(「A1」)の調製
1.1.0gの2,4−ジメトキシクロロアセトフェノン、530gの4−フルオロフェノール、100mgのテトラ−n−ブチルアンモニウムヨージドおよび1.0gの炭酸カリウムのアセトニトリル(50ml)溶液を1時間還流する。通常のワークアップにより、1.2gの1−(2,4−ジメトキシフェニル)−2−(4−フルオロフェノキシ)エタノン(「1」)を得る。
【0187】
2.200gの「1」および0.2mlのN,N−ジメチルホルムアミドジメチルアセタールの混合物に、160〜180°で30分間マイクロ波を照射して、1−(2,4−ジメトキシフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−(4−フルオロフェノキシ)プロペノン(「2」)を得る(これをさらに精製することなく反応させる)。
【0188】
【化7】

【0189】
3.220mgの「2」および100μlのヒドラジニウムヒドロキシドのエタノール(2ml)溶液に120°で30分間マイクロ波を照射する。フラッシュクロマトグラフィーによる精製により109mgの3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール(「3」)(Rf:1.966;MW 314)を得る。
【0190】
4.50μlの三臭化ホウ素を、氷冷しながら、14mgの「3」のジクロロメタン(1ml)溶液に加え、混合物を室温でさらに50時間撹拌する。精製により、3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール(「A1」)(Rf:1.026;MW 286)を得る。
【0191】
同様にして以下の化合物が得られる:
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.817;
MW 282;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.806;
MW 282;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.809;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.716;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.668;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.532;MW 293;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.965;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.924;MW 296;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.959;MW 296;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.921;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.944;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.935;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.929;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.954;MW 296;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.913;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−.4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.749;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.832;MW 303;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.816;MW 303;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.728;MW 304;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.704;MW 304;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.688;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.625;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−6−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−5−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.853;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ウレイドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.210;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、Rf 1.877;MW 302;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.052;MW 361;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジブロモフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.938;MW 383;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.704;MW 304;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.071;MW 382;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.091;MW 382;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.185;MW 375;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.164;MW 375;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.790;MW 372;
3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、Rf 2.342;MW 330;
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−カルボキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.271;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.434;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.890;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.939;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.997;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.154;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.169;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.167;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.177;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.068;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.321;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.918;
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.057。
【0192】
実施例2
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾールの調製
【0193】
【化8】

【0194】
実施例3
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールの調製
3.1 化合物、1−(2,4−ジメトキシフェニル)−3−ジメチルアミノ−2−(2−クロロフェノキシ)プロペノンを実施例1のステップ2と同様にして得る。
【0195】
【化9】

【0196】
3.2 これとヒドラジニウムヒドロキシドとの反応(実施例1のステップ3と同様)により、化合物、3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0197】
3.3 ジクロロメタン中における標準的な条件下での、3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールとクロロスルホン酸との反応により、化合物、3−(2,4−ジメトキシ−5−スルホフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0198】
3.4 3−(2,4−ジメトキシ−5−スルホフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールと、塩化チオニルおよび1当量のDMFとの反応により、4時間の加熱と通常のワークアップの後に、化合物、3−(2,4−ジメトキシ−5−クロロスルホニルフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0199】
3.5 150mgの3−(2,4−ジメトキシ−5−クロロスルホニルフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを、44.96μlの3−(ヒドロキシメチル)ピペリジンおよび82.9mgのピリジンのジクロロメタン(4ml)溶液に加え、混合物を16時間撹拌する。通常のワークアップにより、化合物、3−[2,4−ジメトキシ−5−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを定量的な収率で得る。
【0200】
3.6 これのエーテル開裂(実施例1のステップ4と同様)により、化合物、3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール(Rf:1.526;MW 480.94)を得る。
【0201】
【化10】

【0202】
実施例4
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−ジエチルスルファモイルフェニル]−4−(2−クロロ−4−ジエチルスルファモイルフェノキシ)−1H−ピラゾールの調製
4.1 標準的な条件下での、3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールと無水酢酸との反応により、化合物、1−アセチル−3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0203】
4.2 112mgの1−アセチル−3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールのジクロロメタン(1ml)溶液を、1mlの冷却したクロロスルホン酸に滴下して加える。混合物を冷却しながら1時間撹拌し、次いで、放置して室温まで温める。全混合物を氷−水に滴下して加え、通常のワークアップに従い、133mgの1−アセチル−3−[2,4−ジヒドロキシ−5−クロロスルホニルフェニル]−4−(2−クロロ−4−クロロスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0204】
4.3 133mgの1−アセチル−3−[2,4−ジヒドロキシ−5−クロロスルホニルフェニル]−4−(2−クロロ−4−クロロスルホニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、200μlのジエチルアミンおよび3mlのTHFの混合物を室温で4時間撹拌する。溶媒を除去し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(ISCO Companion(登録商標))にかけて、85mgの3−[2,4−ジメトキシ−5−ジエチルスルファモイルフェニル]−4−(2−クロロ−4−ジエチルスルファモイルフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0205】
4.4 これのエーテル開裂(実施例1のステップ4と同様)により、化合物、3−[2,4−ジヒドロキシ−5−ジエチルスルファモイルフェニル]−4−(2−クロロ−4−ジエチルスルファモイルフェノキシ)−1H−ピラゾール(Rf:1.977;MW 574.09)を得る。
【0206】
【化11】

【0207】
実施例5
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−4−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールの調製
3−(2,4−ジメトキシ−5−クロロスルホニルフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールと4−アミノピリジンとの反応(実施例3.5と同様)により、化合物、3−[2,4−ジメトキシ−5−(ピリジン−4−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを得て、これのエーテルの開裂により、化合物、3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−4−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾールを得る。
【0208】
【化12】

【0209】
同様の手順により以下の化合物が得られる:
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.408;MW 459.88;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−3−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.209;MW 459.88;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ベンジルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.735;MW 472.92;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.735;MW 476.88;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.763;MW 476.88;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.748;MW 476.88;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(フェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.704;MW 458.89;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−ジエチルアミノメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.154;MW 536.06;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 0.995;MW 465.93;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 2.002;MW 450.91;
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ジエチルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、Rf 1.840;MW 438.90。
【0210】
以下の実施例は医薬組成物に関する。
【0211】
実施例A:注射バイアル
100gの本発明による活性化合物および5gのリン酸水素二ナトリウムの再蒸留水(3L)溶液を、2Nの塩酸を用いてpH6.5に調節し、濾過滅菌し、注射バイアルに移し、無菌状態の下で凍結乾燥し、無菌状態の下でシールする。各注射バイアルは5mgの活性化合物を含む。
【0212】
実施例B:座薬
20gの本発明による活性化合物と100gの大豆レシチンおよび1400gのココアバターの混合物を溶融し、成形型に注ぎ、冷ます。各座薬は20mgの活性化合物を含む。
【0213】
実施例C:溶液
940mlの再蒸留水中、1gの本発明のよる化合物、9.38gのNaH2PO4・2H2O、28.48gのNa2HPO4・12H2Oおよび0.1gの塩化ベンザルコニウムから溶液を調製する。pHを6.8に調節し、この溶液を1Lにし、照射により滅菌する。この溶液は点眼薬の形態で使用できる。
【0214】
実施例D:軟膏
500mgの本発明のよる化合物を、無菌の状態の下で99.5gのワセリンと混合する。
【0215】
実施例E:錠剤
1kgの本発明による活性化合物、4kgのラクトース、1.2kgのバレイショデンプン、0.2kgのタルクおよび0.1kgのステアリン酸マグネシウムの混合物を通常のやり方で加圧成形して、各錠剤が10mgの活性化合物を含むような仕方で、錠剤を得る。
【0216】
実施例F:糖衣錠
実施例Eと同様に錠剤を加圧成形し、次に、通常のやり方で、スクロール、バレイショデンプン、タルク、トラガカントおよび染料の1枚の皮膜により被覆する。
【0217】
実施例G:カプセル
2kgの本発明による活性化合物を、通常のやり方で、各カプセルが20mgの活性化合物を含むような仕方で、ハードゼラチンカプセルに導入する。
【0218】
実施例H:アンプル
1kgの本発明による活性化合物の再蒸留水(60L)溶液を濾過滅菌し、アンプルに移し、無菌の状態の下で凍結乾燥し、無菌の状態の下でシールする。各アンプルは10mgの活性化合物を含む。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:
【化1】

[式中、
1は、OH、OCH3、OCF3、OCHF2、OBzl、OAc、p−メトキシベンジルオキシ、SH、S(O)mCH3、SO2NH2、Hal、CF3またはCH3を表し、
2、R3は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NH(CH2nAr、SO2NAAr、SO2NH(CH2nHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4、R5、R6は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NHCONH2、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NHAr、SO2NAAr、SO2NHHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xは、O、S、SOまたはSO2を表し、
Yは、H、A、ArまたはHetを表し、
A、A’は、それぞれ、互いに独立に、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく、
AおよびA’はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルを表し、
7は、COOR9、CONR910、NR910、NHCOR9、NHCOOR9またはOR9を表し、
8は、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、4〜10個のC原子を有するシクロアルキルアルキレン、Alk、または、1〜6個のC原子を有する非分岐もしくは分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9、R10は、それぞれ、互いに独立に、H、または1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9およびR10はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、あるいは、Hal、A、OR11、N(R112、NO2、CN、フェニル、CON(R112、NR11COA、NR11CON(R112、NR11SO2A、COR11、SO2N(R112、S(O)mA、−[C(R112n−COOR11および/または−O[C(R112o−COOR11によって、一置換、二置換または三置換されており、
Hetは、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環または二環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この複素環は、Hal、A、(CH2nOR11、(CH2nN(R112、NO2、CN、COOR11、CON(R112、NR11COA、NR11SO2A、COR11、SO2NR11、S(O)mA、=S、=NR11および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11は、HまたはAを表し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1、2、3または4を表し、
oは、1、2または3を表す]
ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)(但し、
1がOHまたはOCH3を表し、
2がHまたはエチルを表し、
3がHまたはメチルを表し、
4がH、NO2、F、CI、Br、フェニル、i−プロピル、n−プロピル、COOH、COOCH3またはエトキシを表し、
5がHまたはClを表し、
6がHを表し、
XがOを表し、
YがH、CH3またはCF3を表す、
式Iの化合物は除外される)。
【請求項2】
以下の化合物が除外される、請求項1に記載の式Iの化合物:
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ニトロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−フェニルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−イソプロピルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フェニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メチル−5−エチルフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ブロモフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−ニトロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−カルボキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−6−メチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−5−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−n−プロピルフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−6−メチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−フェノキシ−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−ブロモフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジクロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2−ヒドロキシ−4−メトキシフェニル)−4−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−ブロモフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール。
【請求項3】
1がOH、OCH3またはSHを表す請求項1または2に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項4】
2、R3がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、A、OA、OH、SO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表す請求項1、2または3に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項5】
2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表す請求項1から4の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項6】
3がOHまたはOAを表す請求項1から5の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項7】
4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表す請求項1から6の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項8】
XがOまたはSを表す請求項1から7の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項9】
YがHまたはAを表す請求項1から8の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項10】
Aが、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基が、O、S、SO、SO2、NH、NR8および/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子が、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよい、請求項1から9の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項11】
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基が、O、S、SO、SO2、NHおよび/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはCl、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよい、請求項1から10の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項12】
9、R10がそれぞれ、互いに独立に、H、または、1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置換されていてもよい、請求項1から11の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項13】
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよい、請求項1から12の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項14】
Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表す請求項1から13の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項15】
Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環が、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよい、請求項1から14の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項16】
Hetが、1から2個のN原子を有する単環の芳香族複素環、または1から2個のN原子を有する飽和複素環を表し、これらの環が、CH2OHおよび/またはCH2NA2によって一置換または二置換されていてもよい、請求項1から15の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項17】
1が、OH、OCH3またはSHを表し、
2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArもしくはSO2NH(CH2nHetを表し、
3が、OHまたはOAを表し、
4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表し、
4およびR5がまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xが、OまたはSを表し、
Yが、HまたはAを表し、
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよく、
Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表し、
Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環が、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11が、HまたはAを表し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを表し、
nが、0、1、2、3または4を表す、
請求項1から16の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項18】
以下の群から選択される請求項1に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる):
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−6−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−5−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ウレイドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジブロモフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−ジエチルスルファモイルフェニル]−4−(2−クロロ−4−ジエチルスルファモイルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−4−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−3−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ベンジルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(フェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−ジエチルアミノメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ジエチルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール。
【請求項19】
a)式IIの化合物:
【化2】

[式中、
1、R2、R3、R4、R5、R6、XおよびYは、請求項1に示されている意味を有し、
ZはHまたはメチルを表す]
を、式IIIの化合物:
2N−NH3+OH- III
と反応させ、次いで、所望により、Zがメチルを表す得られる化合物は、エーテルの開裂によって、ZがHを表す式Iの化合物に変換されること、
ならびに/あるいは、式Iの化合物における基、R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6の1つまたは複数が、R1、R2、R3、R4、R5および/またはR6の1つまたは複数の基に、例えば、
i)ニトロ基をアミノ基に還元すること、
ii)エステル基をカルボキシル基に加水分解すること、
iii)還元的アミノ化によってアミノ基をアルキル化アミンに変換すること、
iv)酸クロライドをアミドに変換すること、
によって変換されること、
ならびに/あるいは、式Iの塩基もしくは酸がその塩の1つに変換されること、
を特徴とする、請求項1から18に記載の式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、溶媒和物、塩、互変体および立体異性体の調製方法。
【請求項20】
式Iの化合物:
【化3】

[式中、
1は、OH、OCH3、OCF3、OCHF2、OBzl、OAc、p−メトキシベンジルオキシ、SH、S(O)mCH3、SO2NH2、Hal、CF3またはCH3を表し、
2、R3は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NH(CH2nAr、SO2NAAr、SO2NH(CH2nHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4、R5、R6は、それぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、NO2、A、Alk、(CH2nAr、(CH2nHet、COOH、COOA、COOAr、COOHet、CONH2、CONHA、CONAA’、CONHAr、CONAAr、CON(Ar)2、CONHHet、CON(Het)2、NH2、NHA、NHAr、NHHet、NAA’、NHCOA、NHCONH2、NACOA’、NHCOAr、NHCOHet、NHCOOA、NHCOOAr、NHCOOHet、NHCONHA、NHCONHAr、NHCONHHet、OH、OA、OAr、OHet、SH、S(O)mA、S(O)mAr、S(O)mHet、SO2NH2、SO2NHA、SO2NAA’、SO2NHAr、SO2NAAr、SO2NHHet、SO2N(Ar)2またはSO2N(Het)2を表し、
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xは、O、S、SOまたはSO2を表し、
Yは、H、A、ArまたはHetを表し、
A、A’は、それぞれ、互いに独立に、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8および/または−CH=CH−基によって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよく、
AおよびA’はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Alkは、2〜6個のC原子を有するアルケニルを表し、
7は、COOR9、CONR910、NR910、NHCOR9、NHCOOR9またはOR9を表し、
8は、3〜7個のC原子を有するシクロアルキル、4〜10個のC原子を有するシクロアルキルアルキレン、Alk、または、1〜6個のC原子を有する非分岐もしくは分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NHによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9、R10は、それぞれ、互いに独立に、H、または1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜3個のCH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NMeまたはNEtによって置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはClによって置換されていてもよく、
9およびR10はまた一緒になって、2、3、4、5または6個のC原子を有するアルキレン鎖を表し、このアルキレン鎖において、CH2基は、O、S、SO、SO2、NH、NR8、NCOR8またはNCOOR8によって置換されていてもよく、
Arは、フェニル、ナフチルまたはビフェニルを表し、これらの各々は、置換されていないか、あるいは、Hal、A、OR11、N(R112、NO2、CN、フェニル、CON(R112、NR11COA、NR11CON(R112、NR11SO2A、COR11、SO2N(R112、S(O)mA、−[C(R112n−COOR11および/または−O[C(R112o−COOR11によって、一置換、二置換または三置換されており、
Hetは、1から4個のN、Oおよび/またはS原子を有する、単環または二環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この複素環は、Hal、A、(CH2nOR11、(CH2nN(R112、NO2、CN、COOR11、CON(R112、NR11COA、NR11SO2A、COR11、SO2NR11、S(O)mA、=S、=NR11および/または=O(カルボニル酸素)によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11は、HまたはAを表し、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表し、
mは、0、1または2を表し、
nは、0、1、2、3または4を表し、
oは、1、2または3を表す]
ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)と、任意選択で賦形剤および/またはアジュバントとを含む医薬。
【請求項21】
1が、OH、OCH3またはSHを表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20に記載の医薬。
【請求項22】
2、R3がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、A、OA、OH、SO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20または21に記載の医薬。
【請求項23】
2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArまたはSO2NH(CH2nHetを表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から22の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項24】
3がOHまたはOAを表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から23の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項25】
4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から24の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項26】
XがOまたはSを表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から25の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項27】
YがHまたはAを表す式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から26の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項28】
Aが、1〜10個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基が、O、S、SO、SO2、NH、NR8および/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子が、F、Clおよび/またはR7、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよい式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から27の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項29】
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1、2または3個のCH2基が、O、S、SO、SO2、NHおよび/または−CH=CH−基により置換されていてもよく、かつ/あるいは、さらに、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはCl、Alk、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換されていてもよい式I化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から28の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項30】
9、R10がそれぞれ、互いに独立に、H、または、1〜5個のC原子を有するアルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはClにより置換されていてもよい式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から29の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項31】
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよい式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から30の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項32】
Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表す請求項20から31の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項33】
Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環が、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよい請求項20から32の一項または複数項に記載の化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項34】
Hetが、1から2個のN原子を有する単環の芳香族複素環、または1から2個のN原子を有する飽和複素環を表し、これらの環が、CH2OHおよび/またはCH2NA2によって一置換または二置換されていてもよい請求項20から33の一項または複数項に記載の化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)。
【請求項35】
1が、OH、OCH3またはSHを表し、
2が、H、A、HalまたはSO2NH(CH2nArもしくはSO2NH(CH2nHetを表し、
3が、OHまたはOAを表し、
4、R5、R6がそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’、NH2、SO2NH2、SO2NHAまたはSO2NAA’を表し、
4およびR5がまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xが、OまたはSを表し、
Yが、HまたはAを表し、
Aが、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子が、Fおよび/またはCl、または3〜7個のC原子を有する環状アルキルにより置換されていてもよく、
Arが、非置換であるか、あるいは、Halおよび/またはAによって一置換、二置換または三置換されているフェニルを表し、
Hetが、1から3個のNおよび/またはO原子を有する、単環の飽和、不飽和または芳香族の複素環を表し、この環が、A、(CH2nOR11および/または(CH2nN(R112によって、一置換、二置換または三置換されていてもよく、
11が、HまたはAを表し、
Halが、F、Cl、BrまたはIを表し、
nが、0、1、2、3または4を表す、
式Iの化合物、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20から34の一項または複数項に記載の医薬。
【請求項36】
以下の群、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−エチルフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−メチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エトキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−フェノキシ−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−5−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノ−4−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アミノ−6−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,3−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3,5−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−6−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−4−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(インドール−5−イルオキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−シアノ−3−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アミノカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(4−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−アセトアミドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ウレイドフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(2−メトキシカルボニルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジブロモフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(4−シアノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−[(4−フルオロフェニル)スルファニル]−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−4−(3−カルボキシフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−ジメチルアミノフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,6−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジフルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,3−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3,5−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−エチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(3,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2,4−ジメチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−フルオロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−(2,4−ジヒドロキシ−5−ブロモフェニル)−4−(2−メチルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−ヒドロキシメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−ジエチルスルファモイルフェニル]−4−(2−クロロ−4−ジエチルスルファモイルフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−4−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−2−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピリジン−3−イルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ベンジルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(3−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−フルオロフェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(フェニルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(2−ジエチルアミノメチルピペリジン−1−スルホニル)−フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(4−メチルピペラジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ピペリジン−1−スルホニル)フェニル]−4−(2−クロロフェノキシ)−1H−ピラゾール、
3−[2,4−ジヒドロキシ−5−(ジエチルスルファモイル)フェニル]−4−(2−クロロ−フェノキシ)−1H−ピラゾール、
から選択される請求項20に記載の式I化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)を含む、請求項20に記載の医薬。
【請求項37】
HSP90の阻害、調節および/またはモジュレーションが役割を果たす疾患の治療および/または予防のための医薬の調製のための、請求項20から36の一項または複数項に記載の式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の使用。
【請求項38】
腫瘍性疾患、ウイルス性疾患の治療または予防のための、移植における免疫抑制、炎症誘発疾患、嚢胞性線維症、血管新生に関連する疾患、感染性疾患、自己免疫疾患、虚血、線維化疾患のための、神経再生の促進のための、癌の成長、腫瘍細胞および腫瘍の転移を抑制するための、化学療法により生じる毒性に対する正常細胞の保護のための、間違ったタンパク質のフォールディングまたは凝集が主な原因である疾患の治療のための医薬の調製のための、請求項20から36の一項または複数項に記載の式Iの化合物、ならびにそれらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の請求項37に記載の使用。
【請求項39】
前記腫瘍疾患が、線維肉腫、粘液肉腫、脂肪肉腫、軟骨肉腫、骨肉腫、脊索腫、血管肉腫、内皮肉腫、リンパ管肉腫、リンパ管内皮肉腫、滑膜腫、中皮腫、ユーイング肉腫、平滑筋肉腫、横紋筋肉腫、大腸癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌、扁平上皮癌、基底細胞癌、腺癌、汗腺癌、皮脂細胞癌、乳頭癌、乳頭腺癌、嚢胞腺癌、骨髄腫、気管支原性癌、腎細胞癌、肝臓癌、胆管癌、絨毛癌、精上皮腫、胎児性癌、ウイルムス腫瘍、子宮頚癌、精巣腫瘍、肺癌、小細胞肺癌、膀胱癌、上皮癌、神経膠腫、星細胞腫、髄芽腫、頭蓋咽頭腫、上衣腫、松果体腫、血管芽腫、聴神経腫、乏突起膠腫、髄膜腫、黒色腫、神経芽腫、網膜芽細胞腫、白血病、リンパ腫、多発性骨髄腫、ワルデンシュトレームマクログロブリン血症およびH鎖病である、請求項38に記載の使用。
【請求項40】
前記ウイルス疾患のウイルス病原体が以下からなる群から選択される、請求項38に記載の使用:A型肝炎、B型肝炎、C型肝炎、インフルエンザ、水痘、アデノウイルス、単純ヘルペスI型(HSV−1)、単純ヘルペスII型(HSV−ll)、牛疫、ライノウイルス、エコーウイルス、ロタウイルス、呼吸器多核体ウイルス(RSV)、パピローマウイルス、パポーバウイルス、サイトメガロウイルス、エキノウイルス(equinovirus)、アルボウイルス、ハンタウイルス、コクサッキーウイルス、ムンプスウイルス、はしかウイルス、風疹ウイルス、ポリオウイルス、ヒト免疫不全ウイルスタイプI型(HIV−I)およびヒト免疫不全ウイルスタイプII型(HIV−II)。
【請求項41】
前記炎症誘発疾患が、関節リウマチ、喘息、多発性硬化症、1型糖尿病、エリテマトーデス、乾癬および炎症性腸疾患である、請求項38に記載の使用。
【請求項42】
血管新生に関連する前記疾患が、糖尿病性網膜症、血管腫、子宮内膜症および腫瘍血管新生である、請求項38に記載の使用。
【請求項43】
前記線維化疾患が、強皮症、多発性筋炎、全身性エリテマトーデス、肝硬変、ケロイド形成、間質性腎炎および肺線維症である、請求項38に記載の使用。
【請求項44】
間違ったタンパク質のフォールディングまたは凝集が主な原因である前記疾患が、スクレイピー、クロイツフェルト−ヤコブ病、ハンチントン病またはアルツハイマー病である、請求項38に記載の使用。
【請求項45】
式Iの化合物、ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体の少なくとも1種(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)と、さらなる医薬活性化合物の少なくとも1種とを含む医薬。
【請求項46】
(a)式Iの化合物、ならびに/または、それらの薬学的に使用可能な誘導体、塩、溶媒和物、互変体および立体異性体(あらゆる比率のこれらの混合物も含まれる)の有効量、および
(b)さらなる医薬活性化合物の有効量、
の別々のパックからなるセット(キット)。
【請求項47】
式I−Iの中間体化合物、およびそれらの塩:
【化4】

[式中、
1は、OCH3、OBzl、OAcまたはp−メトキシベンジルオキシを表し、
2は、H、AまたはHalを表し、
3は、OAを表し、
4、R5、R6はそれぞれ、互いに独立に、H、Hal、CN、A、COOH、COOA、CONH2、NHCOA、NHCONH2、OH、OA、NAA’またはNH2を表し、
4およびR5はまた一緒になって、OCH2O、OCH2CH2O、NH−CH=CHまたはCH=CH−NHを表し、
Xは、Oを表し、
Yは、HまたはAを表し、
Zは、A、Ac、ベンジルまたはp−メトキシベンジルを表し、
A、A’は、1〜6個のC原子を有する非分岐または分岐状アルキルを表し、このアルキルにおいて、1〜5個のH原子は、Fおよび/またはCl、あるいは3〜7個のC原子を有する環状アルキルによって置換さられていてもよく、
Halは、F、Cl、BrまたはIを表す]。

【公表番号】特表2008−515823(P2008−515823A)
【公表日】平成20年5月15日(2008.5.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−535040(P2007−535040)
【出願日】平成17年9月14日(2005.9.14)
【国際出願番号】PCT/EP2005/009873
【国際公開番号】WO2006/039977
【国際公開日】平成18年4月20日(2006.4.20)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフトング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】