説明

3つの電極を有する生理学的モニター着用可能物

着用可能なシステムもしくは衣服は、例えば、着用可能なシステムもしくは衣服の残りの部分を構成する非伝導性 伸長-回復ヤーンと一体化された電気的伝導性 伸長-回復ヤーンで作られ得る、少なくとも3つの伝導性電極を含む。着用可能物もしくは衣服はさらに、着用者の少なくとも1つの生理学的もしくは生物物理学的事象もしくは特性をモニターするために3つの電極を使用するための手段を含む。1つの電極は特に、着用者の発生したノイズを破壊的に妨害するために、転化されたノイズ信号を着用者にフィード バックするために使用される。特に、着用者の心拍数、ECGおよび関連する電気的特性は、乾いた電極状態の元で高分解能でモニターされ得る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は例えば、金属で覆われたファブリック電極のような少なくとも3つのファブリック電極を一部に含む、体の回りに着用される衣服、バンド、もしくはパッチの形態の着用可能なアイテムに関する。また特に本発明は、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性と相互に関連する信号を受信するモニター装置と方法に関する。特に、本発明は例えば、着用可能なアイテムの残りの部分を構成する、非伝導性の伸長-回復(stretch-recovery)ヤーンと組み込まれた電気的導電性の伸長-回復ヤーンの、少なくとも3つの伝導性の電極を含む着用可能なアイテムを提供する。この着用可能なアイテムはさらに、着用者の少なくとも1つの生物物理学的な事象もしくは生物物理学的な特性をモニターするために上記3つの電極を使用するための手段を含み得る。特に、少なくとも着用者の電気的な特性および心拍数は、改善された解像度と安定性を持ってモニターされ得る。
【背景技術】
【0002】
衣服のような着用可能なアイテムに組み入れられた伝導性の電極および電極システムが開示されている。例えば着用者の心拍数(脈拍)を検出し、さもなければリポートするための2つの電極を有する、着用可能な伝導性のセンサが、OYを保持するRTOに譲渡された、特許公報WO 02/071935に開示されている。
【特許文献1】特許公報WO 02/071935
【特許文献2】米国特許出願番号11/082,240
【特許文献3】米国特許出願公開番号2004/0237494 A1
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ここに引用によって含まれる米国特許出願番号11/082,240の全体の開示はまた、少なくとも1つの伝導性の電極を有する衣服と着用可能なシステムも開示する。この出願に開示された衣服および着用可能なシステムは、非伝導性の伸長-回復ヤーンを有するファブリック部分と、電気的伝導性のヤーン フィラメントの電気的伝導性の伸長-回復領域を含む。そのような伝導性の電極システムは、電気的伝導性の領域を含む第1と第2のファブリック部分を提供する。電気的伝導性の領域は、電気的伝導性の領域と皮膚との間の電気的伝導を結果として生じ得る、部分的な物理的接触の領域を考慮に入れて、部分的に重なり合う関係に配置される。少なくとも1つの電気的伝導性の領域は、フロート ヤーン(float yarn)を含み得る。加えて、少なくとも1つの電気的伝導性の領域は、弾性化された(elastified)電気的伝導性ヤーンおよび/または少なくとも一部が伝導性ヤーンで覆われた弾性ヤーンから構成され得る。1つの実施の形態では、電気的伝導性の領域は、テクスチャードもしくはリブ(ribbed)構造を有するファブリックを含む。そのような伝導性の電極は、電極を組み入れた衣服の着用者の生理学的な事象もしくは生物物理学的な信号をモニターするための測定デバイスと接続され得る。例えば、伝導性の電極は、心拍数を導き出すために着用者の電気的な活動をモニターすることを可能にするために使用され得る。例えば、心拍数モニターシステム用の「スポーツブラ」は、2つの統合されたファブリック電極を使用する。この2つの電極の構造は、検知された心臓の信号内に、かなりの程度のノイズが含まれ得る。これに関して、スポーツブラの着用者の動きがこの電気的なノイズの一因となり得、また、2つ以上の電極を有する設計が電気的なノイズを低減するのに有利になり得ることが信じられている。
【0004】
心電図もしくはECGは、人間の心臓(および/または哺乳類および他の心臓)の電気信号もしくは特性の測定である。従来のECGの測定では、皮膚-表面電極は、測定される対象者の4本の手足もしくは胸に置かれる(Bioimpedance & Bioelectricity Basics,S.Gimnes and O.G. Martinsen;
Academic Press, 2000, 268-269頁)。そのような従来のECGの実施に使用される4つの電極は、一般的に、3つの電位差の記録する両極の電圧を使用する。第4の電極は、対象者の右脚に付けられ、接地または基準として働く。S.Gimnes他によれば、上記引用された研究において、これらの3つの電位差の信号の振幅は、直流成分をフィルタリングして、一般的に約1mVであり、測定されたその帯域幅は、約0.05から約100Hzの範囲内にある。
【0005】
3つのテクスタイル電極を基にした、ECGおよび心拍数のモニター用の腕および胸のバンドが、IEEEコンピューター ソサイエティがスポンサーの、着用可能なコンピューター(ISWC 2004)の第8回国際シンポジウムの議事録において、Wijesiriwardana他によって「メッシュ状のファイバー変換器を基にしたリアルタイムの着用可能な生理学的な情報モニター システム(Fiber-Meshed Transducers Based Real Time Wearable Physiological Information Monitoring System)」と題された論文(「Wijesiriwardana」)において開示された。Wijesiriwardanaは、各バンドが非伝導性のエラストマー構造上の電気-伝導性のファブリック構造上に縫い付けられたものを含む、上記3バンドの配列を開示した。1つのバンドは、モニターされる対象者の胸を取り囲むように開示され、他の2つのバンドは、各二の腕上に着用されるように開示された。これらの3つの電極はプリアンプに接続され、1つの腕電極が参照電極として機能し、他の2つの電極がプリアンプ エレクトロニクスへの差動入力として機能した。Wijesiriwardanaによれば、プリアンプのエレクトロニクスは、観察された信号およびECG電位の非常に低い信号レベル内の高い変動を減衰させるために、交流カップル信号およびハイパス「RC受動」フィルタを用いて設計された。本来、Wijesiriwardanaの3つの電極の構成は、弾性材料の基体ファブリックに縫い付けられる、電気-伝導性のファブリックの「カット アンド ソウ(sew)」の電極パッチを使用する。Wijesiriwardanaの3つの電極システムは、まとまった設計ではなく、3つの電極が、測定される対象者の着用されたバンドに離れて置かれたことを意味する。
【0006】
ECG信号を集め、増幅することができるが、一方、同時に、低レベルECGおよび心拍数信号において電気的ノイズを拒絶する能力を有するエレクトロニクスを備えた、1つの着用可能なユニットを含む、ECGおよび心拍数モニター システムのための技術において1つの必要性が存在する。ECGおよび心拍数をモニターするためのそのようなシステムは、例えば、着用者のために便利良く、例えばブラ、特に「スポーツブラ」、または両性に適するシャツもしくは袖無しベスト アンダーシャツのような、衣服全体として構成され得る。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性をモニターするための着用可能なシステムを提供する。着用可能なシステムは、(i)少なくとも1つの実質的に電気的に非導電性のヤーンと、(ii)少なくとも3つの伝導性の電極を含む、着用可能なアイテムを含む。着用可能なシステムはさらに、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性に関連する検出された電気的な信号から伝導するための少なくとも1つの手段を含む。
【0008】
少なくとも1つの実施の形態において、少なくとも1つの伝導性の電極は、伸長および回復特性を有する伝導性ヤーンを含み得る。
【0009】
本発明の実施の形態は、電気信号を伝導するための手段が、少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性を信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、フィルタリング、分析、警報および/またはストアするための少なくとも1つの手段に電気的にリンクされ得るそれらもまた含み得る。
【0010】
本発明によってモニターされ得る生理学的な事象もしくは特性は、制限されないが、例えば、ECGもしくは心拍数、呼吸数、脳波図(EEG)、筋電図(EMG)、および電気ガストログラム(Electro Gastrogram)(EGG)を含み得る。
【0011】
本発明の着用可能なデバイスは、例えば、ブラ、シャツ、下着、ベスト、ボディスーツ、靴下、手袋、ストッキング、ベルト、バンド、ストラップ、もしくはジャケットのような衣服の形態の中に含まれ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図1は2つの皮膚接触電極を有する先行技術の衣服の概略図である。
図2は3つの皮膚接触電極を有する本発明による衣服の概略図である。
図3は図2の3-3線に沿う衣服の拡大断面図である。
図4は本発明による3つの皮膚接触電極を有する着用可能なデバイスから生理学的な信号を受信し、増幅するために有用な電子回路の概略図である。
図5は図4の増幅回路のブロック図である。
図6は2つの皮膚接触電極を有する、先行技術の心拍数モニターベルトもしくはバンドからの心臓拍動波形のグラフである。
図7は3つの皮膚接触電極を有する、この発明による心拍数モニターベルトもしくはバンドからの心臓拍動波形のグラフである。
【0013】
本発明は1つの実施の形態において、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性をモニターするための改良された着用可能物もしくは衣服システムを提供し得る。着用可能物もしくは衣服は、少なくとも1つの実質的に電気的に非伝導性の伸長-回復ヤーンと、例えば着用可能なデバイスと一体化された電気的に伝導性の伸長-回復ヤーンの少なくとも3つの伝導性の電極を含む。また、着用可能なシステムには、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性に関連する電気信号を衣服から外部の手段に伝導させるための少なくとも1つの手段が含まれる。外部の手段は例えば、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性に関連する電気信号を、信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、フィルタリング、分析、警報および/またはストアするために使用され得る。
【0014】
ここで用いられるように、「着用可能(wearable)」という用語は、着用者の体もしくは体のどのような部分によっても着用され、もしくは身に付けられるように設計された製品のどのような物品も表す。衣服の形態のときには、着用可能物は例えば、ブラ、シャツ(例えばタンク トップを含む)、下着(アンダーシャツもしくはアンダーパンツのような)、ベスト、靴下、袖、手袋、ストッキング、ボディスーツ、もしくはジャケットの形態であり得る。「着用可能」という用語は、衣服だけでなく、バンド、ストラップ、ベルト、ハット、パッチなども包含する。バンドの形態のときには、着用可能物は例えば、胴バンド、腰バンド、腕バンド、脚バンド、首バンド、もしくは手首バンドの形態であり得る。
【0015】
ここで用いられるように、「生理学的な事象(physiological event)」もしくは「生理学的な特性(physiological characteristic」という用語は、対象者の生理学的な状態に関する測定可能なパラメーターを表す。生理学的な事象および生理学的な特性の例は、実施例としてECGと心拍数、呼吸数、脳波図(EEG)、筋電図(EMG)、および電気ガストログラム(Electro Gastrogram)(EGG)を同定し得る信号を含むが、それらに限定されない。
【0016】
ここで用いられるように、「実質的に非電気的伝導性 伸長-回復ヤーン(substantially non-electrically conductive
stretch-recovery yarn)」という用語は、弾性限界がゲージ長さの800%に至るまで達する前の伸びと、続いて起こる何も実質的な設定無しの元のゲージ長さへの収縮を提供する、実質的に電気的に絶縁するエラストマー材料からそれぞれが作られた、1つもしくはそれ以上の連続的なフィラメントから作られた連続的ヤーンを表す。
【0017】
ここで用いられるように、「激しい運動(strenuous activity)」という用語は、皮膚が湿ったり濡れるような、着用者が汗をかくような運動として定義され得る。
【0018】
ここで用いられるように、「激しくない運動(non-strenuous activity)」という用語は、皮膚が本質的に乾燥している運動として定義され得る。
【0019】
ここで用いられるように、「高度な動きの運動(high-movement activity)」という用語は、少なくとも1つの伝導性電極に接触する体の一部が、高い程度の関連する動きもしくは移動を経験する運動として定義され得る。
【0020】
ここで用いられるように、「低度な動きの運動(low-movement activity)」という用語は、少なくとも1つの伝導性電極に接触する体の一部が、低い程度の関連する動きもしくは移動を経験する運動として定義され得る。
【0021】
高度な動きの激しい運動の例は、ランニング、ジョギング、ハイキング、漕ぐこと、エアロビック エクササイズもしくはダンス、および競争スポーツ(バスケットボール、フットボール、ラケットボール、テニスなど)を含む。高度な動きの激しくない運動の例は、ウォーキング、乗馬、スカイダイビング、ハンググライダー、バンジー ジャンプ、ジェットコースター乗り、トランポリンおよびゴルフを含む。低度な動きの激しくない運動の例は、テレビを見ること、コンピューターの前にすわること、および(病院のベッドの患者のように)静止した位置で休むことを含む。低度な動きの激しい運動は、静止したバイクもしくは車イスに乗ることであろう(電極が上記腰で体に接触する)。
【0022】
本発明の着用可能なシステムは、人間の着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは特性をモニターするために使用され得る。馬、もしくはチンパンジーやゴリラのような人間でない霊長類(NHP)のような動物の着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは特性をモニターすることもまた使用され得る。
【0023】
ここに開示された着用可能なシステムは、少なくとも3つの伝導性電極を使用して得られる着用者の少なくともECGと心拍数の測定に適合され得る。ここに開示された着用可能なシステムはまた、呼吸数、脳波図(EEG)、筋電図(EMG)、および電気ガストログラム(Electro Gastrogram)(EGG)のような着用者の他の生理学的な事象もしくは生理学的な特性の測定をモニターするために適合され得る。例えば3つの電極の実施の形態において、3つの電極は、着用可能なアイテムの基体(bulk)の伸長-回復特性によってしっかりと着用者の体に接触するように構成される。
【0024】
着用可能なアイテムの基体は、ファブリックおよびテクスタイル利用に一般に使用される他の材料の他に、実質的に電気的に非伝導性のどのような伸長-回復ヤーンも含み得る。例えば着用可能なアイテムの基体は、(スパンデックス(spandex)のような)エラストマー ヤーンおよび(ナイロン、ポリエステル、および/またはコットンのような)快適(comfort)ヤーンで作られ得る。1つの実施の形態では、着用可能物の非伝導性ゾーンは、一部の(INVISTA S.ar.l.からの)LYCRA(登録商標)ブランド スパンデックス(そのような着用可能アイテムの一例はスポーツ ブラである)を含み得る。そのようなスパンデックスは、例えば(i)ナイロン ヤーンもしくは(ii)ポリエステル ヤーンもしくはコットンのような天然のファイバー ヤーンと組み合わされた(combined)ポリエステル ヤーンで被覆もしくは組み合わされ得る。さらに着用可能なアイテムの基体は、ファブリックもしくは材料の1つもしくはそれ以上の層を含み得る。
【0025】
着用可能物の基体内に伝導性電極を内包させ得る方法は、着用可能なアイテム内および/または上に織られもしくは編まれ、着用可能なアイテム上に印刷され、着用可能なアイテム上に熱伝導され、接着され、着用可能なアイテム上もしくは層間に薄積化されもしくはサンドイッチされ、および(スナップなどの手段によって)着用可能なアイテム上に機械的に留められることを含むがそれらに限定されない。伝導性電極は、織るもしくは編む方法によって着用可能なアイテムの構造内に一体化され得る。基体ファブリックに伝導性電極を織りもしくは編むための方法は、例えば2005年3月16日に提出された米国特許出願番号11/082,240に開示され、その全体の開示は引用によってここに含まれる。テクスタイル構造の弾性層間に伝導性エレメントを薄層化するための方法は、2005年6月15日に提出されたPCT出願番号PCT/IB2005/001682に開示され、その全体の開示は引用によってここに含まれる。
【0026】
伝導性電極は様々な材料から作られ得る。例えば伝導性電極は、金属ワイヤー、伝導性ファイバー、伝導性インク、伝導性ポリマー、伝導性ヤーン、および(金属スナップやリベットのような)金属のような材料を含み得る。
【0027】
伝導性電極を作るのに役に立つ伝導性ヤーンは例えば金属被覆ヤーン、例えば銀(Ag)もしくは他の適した金属で被覆されたヤーンであり得る。そのような伝導性ヤーンは、(i)ヤーン フィラメントの基体を構成する合成ポリマーに加えられる金属フィラメントもしくは粒子を有するヤーン、もしくは(ii)ポリアニリンのような電気的に真性(intrinsic)伝導性ヤーン、もしくは(iii)上記の組み合わせのような真性伝導性を有するヤーンを含み得る。伝導性電極は、例えば2005年3月16日に提出された米国特許出願番号11/082,240に開示されような、(例えば1×1もしくは1×3うね編み構造を含む)うね(ribbed)構造のような、異なるタイプの編み構造を使用することによって伸長(stretch)を示し得る。さらにテクスタイル電極は、米国特許出願公開番号2004/0237494 A1に開示されたタイプの伸長および回復 伝導性ヤーンで編まれ得、その全体の開示は引用によってここに含まれる。そのようなヤーンは、スパンデックスのような弾性材料が、金属ワイヤーのような伝導性材料でより合わされ、もしくは巻き付けられたものを含む。
【0028】
さらに本発明の実施の形態には、着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性に関連する電気信号を伝える手段も含まれ、それは例えばそのような電気信号を、そのような生理学的な事象もしくは特性を信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、フィルター、分析、警報および/またはストアするために外部の手段に伝えることができる。電気信号を伝えるそのような手段は、少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域を含み得、その表面もしくは領域は伝導性電極を含み得る。
【0029】
1つの実施の形態では、少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域は、着用者の皮膚と着用可能なアイテムの外側表面の両方との直接的な接触を持つことができる。他の実施の形態では、少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域は、着用者の皮膚と直接的な接触を持つことができ、そこで少なくとも1つの相互に連結するデバイスもしくは材料は、少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域を、伝導性の相互に連結するブリッジを介して着用可能なアイテムの外側の表面に電気的に連結することができる。そのような伝導性の相互に連結するブリッジは例えば、少なくとも1つの(a)(スナップのような)機械的な留め手段、(b)伝導性の糸もしくはワイヤー、(c)(米国特許出願番号11/082,240に開示されたような)接触する内部の伝導性フロート(float)、(d)金属グロメット(grommet)、(f)けばだった(fuzzy)内部の表面ブラシ接触を含むことができる。
【0030】
少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域の構成は、少なくとも2つの伝導性表面もしくは領域が互いに相対的に水平もしくは垂直に整列される構成を含むことができるが、それに限定されない。例えば着用可能物がバンド、ストラップもしくはベルトの形態にあるとき、伝導性表面もしくは領域は、バンド、ストラップもしくはベルトの少なくとも縦の部分に沿って互いに水平に整列され得る。他の実施の形態では、3つの表面もしくは領域は、三角形の配列に配置され得、そこでは1つの表面もしくは領域は、他の2つの表面もしくは領域の上、下、左、もしくは右にある。
【0031】
十分なノイズの抑制を達成するために、少なくとも3つの伝導性電極が、電気的インピーダンスの相互関係からそれぞれの電極が体とのそれらの相互作用に関して基本的に電気的に一致することを意味する「平衡を保たせ(balansed)」得る。換言すれば、3つの伝導性電極が平衡を保たれるとき、その3つの電極の電極皮膚インピーダンスは本質的に同じである。
【0032】
本発明は1つの実施の形態において、少なくとも2つの電極から前処理回路へ供給される電気信号の増幅の同調された低利得高入力インピーダンス第1ステージを含む。電極から期待される周波数範囲に基づく回路入力へマッチする適切なインピーダンスを提供するここに同調された手段は増幅される。そのような同調手段は当該技術において慣例的であり、図4に示された回路の別々の電気的エレメントの選択を一般に含む。当該技術に熟練した人は、電気信号の周波数の知識と組み合わせて、増幅器回路と電極の同調を達成するための抵抗と静電容量の値の先天的な選び方を知るだろう。
【0033】
本発明は他の実施の形態において、着用者のECGと心拍数のような少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性を信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、分析、フィルター、警報、もしくはストアするための少なくとも1つの手段をさらに含む、衣服システムのような改良された着用可能なシステムを含む。少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性は、少なくとも3つの伝導性電極を用いて電気信号を伝えるための少なくとも1つの手段からの電気的つながり(linkage)を介して、信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、分析、フィルター、警報、もしくはストアするための少なくとも1つの手段に伝えられ得る。電気的つながりは、どのような形態の直接の物理的つながりもしくは通信を含み得、さらにどのような形態の無線通信も含み得る。
【0034】
信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、分析、フィルター、警報、もしくはストアするための少なくとも1つの手段は、少なくとも1つのそのような機能を果たすことができるどのような特別なデバイスにも制限されず、例えばリスト ウォッチ、データ ロガー(logger) ダイアリー、パーソナル デジタル アシスタント(PDA)、エクササイズ マシーン(トレッドミルなど)、ECGモニター、オシロスコープ、ラップトップ、パーソナル コンピュータ、オーディオ-ビジュアル ディスプレイ ユニット、警報システム、もしくは心臓事象モニター(Cardiac Event Monitor)を含み得る。
【0035】
信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、分析、フィルター、警報、もしくはストアするための少なくとも1つの手段は、着用可能なアイテムに対して外部もしくは内部であり得、例えばそれは着用可能なアイテムと統合された、もしくは該アイテムから取り去ることが可能な1つのデバイス内に収容され得る。例えば1つの実施形態において、それは(スナップなどの機械的な留め機構を介して)着用可能なアイテムに取り付け得る。それはまた少なくとも1本のワイヤーもしくはケーブル(それは例えば着用可能なアイテムから取り外し得る)を介して着用可能なアイテムに接続し得る。それはまた、ECGレコーダーおよび心臓事象モニターのような病院のECGモニターとともになされるような、着用可能なアイテムへ、もしくは該アイテムから無線通信し得る。
【0036】
信号前処理するための少なくとも1つの手段は、さもなければ伝導性電極から受け取るであろう共通モード電気ノイズを低減するように設計された回路を含み得る。そのような回路は、(i)少なくとも2つの伝導性電極から該回路へ供給される電気信号の増幅の低利得高共通モード除去率と高入力インピーダンス第1ステージ、(ii)ハイ-パス フィルタリング ステージ、(iii)ハイ-パス フィルタリング ステージからの出力の増幅の高利得第2ステージ、(iv)少なくとも第3の伝導性電極へのリードへフィードバックされる前に、第1ステージからの共通モードノイズ信号がバッファされ、増幅され、かつインバートされるフィードバック ステージを含み得る。本発明はさらに図を参照して述べられ得る。
【0037】
図1は、2つの電極を有する先行技術の典型的な衣服(スポーツ ブラ)40を示す。該衣服は、折り返され、相互に接触する内側部分50と外側部分60を含む。ブラ40には、米国特許出願番号11/082,240における伝導性電極のように衣服40と完全に統合された2つのテクスタイルを基体とする電極5と15が含まれる。衣服40のテクスタイル電極は、それによって部分50と60と着用者の皮膚間の電気的接続を提供する相互に接触する伝導性フロート ヤーンを含む。テクスタイルを基体とする電極5と15は、外側部分60の正面上にあり、心拍数をモニターするための内側部分50の電極(示されず)間の皮膚接触から伝えられる心臓信号を受け取るために胸部上の低い所に置かれる。
【0038】
図2は、折り返され、相互に接触する内側部分80と外側部分90からなる本発明の典型的な衣服(スポーツ ブラ)70を示す。ブラ70には、それぞれ衣服70と完全に統合された3つのテクスタイルを基体とする電極5、15および25が含まれる。図2では、2つの電極5、15が外側部分90の正面上に示され、第3の電極25が衣服70の背上に示される。3つのテクスタイルを基体とする電極5、15および25は、衣服70と完全に統合され、米国特許出願番号11/082,240におけるテクスタイルを基体とする電極と同じような構造であり得る。衣服70のテクスタイル電極は、それによって部分80と90と着用者の皮膚間の電気的接続を提供する相互に接触する伝導性フロート ヤーンを含む。伝導性電極5と15は外側部分90の正面上にあり、テクスタイル電極25は外側部分90の背上にある。電極は、内側部分80の電極(示されず)間の皮膚接触から伝えられる心臓信号を受け取るために胸部上の低い所に置かれる。
【0039】
図4は、本発明の実施の形態において用いられ得る信号前処理のための典型的な電子回路を概略的に示す。この信号前処理装置は、図2に示される伝導性リード10、20および30を介して衣服70の電極5、15および25からのような3つの入力を受け入れ得る。リード10と20は、衣服70の正面電極5および15と連続している。リード10と20は、図4のそれぞれ45と55で信号前処理装置回路へ伝えられる、着用者のECG信号を取得するために用いられる。衣服70の第3電極25は、リード30と連続している。図2のリード30は、図4の35で信号前処理装置回路へ伝えられる。図5のブロック ダイヤグラムに図示されるように、増幅回路は3つのステージを含む。これらのステージは、(i)高入力インピーダンスと高共通モード除去率を持つ差動増幅器100を有する低利得第1ステージ、引き続く(ii)ハイ-パスRCフィルター ステージ160と180、および(iii)演算増幅器400からなる第2の高利得増幅器である。
【0040】
図4と5に示される信号前処理装置の第1ステージは、高入力インピーダンスを有し得、約20の電圧利得を有し得る。ハイ-パス フィルターは、約0.5Hzのカットオフ周波数を有し得る。単純RCフィルター(160、180)は、ハイ-パス フィルターするのに用いられ得る。増幅し、演算増幅器400をインバートする第2ステージは、約100の電圧利得を有し得る。演算増幅器400をインバートするための入力はRCフィルターの出力である。
【0041】
心拍数モニターの単純なケースでは、図4の増幅器400からの出力信号の極性は取るに足りないべきである。従って、図2のリード10と20は、いずれか一方の構成において、図2の入力45と55に都合がよいように接続され得る。ECG品質信号が要求される場合、その後、リード20は、図4の差動増幅器100のインバート(-)入力に接続されるべきであり、リード10は、差動増幅器100のインバートしない(+)入力に接続されるべきである。
【0042】
増幅器400の第2ステージの出力は、ECGもしくは心拍数をストアするためのパルス検波回路もしくはデータ取得システムに接続され得る。増幅器100の第1ステージからの共通モード電気ノイズは、アクティブ リードとも呼ばれる第3のリード35へフィードバックされる前にバッファされ、インバートされ、かつ増幅され得る。この測定は、該システムの共通モード電気的干渉を低減するためになされ得る。該システムの共通モード信号は、(より高いCMRRがより好ましい)該システムの共通モード除去率(CMRR)を改良するために、第3の電極25を介してインバートされ、かつ体の中へフィードバックされ得る。
【0043】
インバートする演算増幅器400からの出力信号は、図6と7に示される。これらの図に示されるように、デジタル ストレージ オシロスコープの波形は、3つのファブリック電極を用いてとても改善され(図7)、そこでは1つの電極は、2つのファブリック電極しか有しないシステム(図6)と比較して、該システムの信号対雑音比CMRRを改善するためにアクティブ電極として機能する。これらの図は、Tektronix, Inc., Beaverton,
Oregon, USAから入手できるTDS1000オシロスコープからの電圧対時間のスクリーン印刷を示す。
【0044】
本発明の3つの電極に基づくシステムの改善された性能は、暗騒音(background noise)に対立するように差動入力信号を増幅する該システムの能力によって少なくとも一部説明され得る。これに関して先行技術の2電極システムの場合、静的高まりやモーション アーティファクト(motion artifacts)のような体によって発生するどのようなノイズも、関連する大きな共通モード構成要素を有する。このため、2電極は電気的ノイズを同時にかつ同じように「見る(see)」。理論的に「完璧な」差動増幅器へ提示されるそのような信号は、(増幅器出力は、入力電極ノードでの2つの入力信号の差の機能のみであるべきであるような)問題を示さないだろうが、特に、(共通モード ノイズは実際に測定される信号よりも大であり得ることが可能であるけれども)低いレベルであろうとも、共通モードが差動モードへ代わる増幅器において、現実の世界の増幅器結果における抵抗間のどのような不完全な構成要素および小さな差において、現実の世界の差動増幅器は共通モード ノイズに対して免疫がない。その結果として、上記で同定されたような源からのノイズは信号とともに増幅され、それゆえ、信号対雑音比を低減するのに役立ち、したがって、2電極心拍数モニター システムの感度と有効性を低減するだろう。
【0045】
上述の2電極システムとの比較において、3電極システムは第3もしくはアクティブ電極を含み、それは該増幅器に見られるように共通モード ノイズをつかまえ、それをバッファし、かつ体にそれをフィードバックする前にそれをインバートし得る。基本的には、該フィードバックは、ノイズ無しと共通モード無しのバランスがあるまで、該フィードバックを低減する共通モードを低減し、源で多くのノイズを効果的にキャンセルする。これらの手段を通して、増幅器に到達する共通モードの電気的ノイズの総計は、ずっと低減され得る。例えば増幅器のCMMR(共通モード除去率)は約100dbであり得る。そのようなCMMRは、図7に示されるように著しく低減されたノイズとずっと高い品質信号を有する電極間の真差動のみのずっと優れた機能である、出力信号を供給し得る。
【0046】
さらに2電極システムにおいて、上述の2電極システムのように、より速く信号を取得するために使用からの表面と表面の電気的接続を増すために例えばファブリック表面を湿らせるのが望ましいだろう。比較すると、本発明の3電極システムにおいては、そのような湿潤のための必要性は、低減もしくは除去され得る。換言すれば、本発明の3電極システムは、乾燥テクスタイル電極システムを提供し得る。皮膚とテクスタイル表面間の良好な電気的接触を促進するために、電極を含む(ストラップやバンドのような)着用可能なアイテムの一部が体に対してしっかりつかまれ、もしくは締められるとき、2電極システムの性能はまた、高められもしくは改善され得る。
【実施例】
【0047】
心拍数モニター ベルト
本発明の次の実施例は、心拍数モニター ベルトの形態の実施例を示す。
【0048】
例示されている心拍数モニター ベルトは、2005年3月16日に提出された米国特許出願番号11/082,240の実施例に開示されたものと基本的に一致するファブリック システムを含む。特にこれらの心拍数モニター ベルトは、(GRUPPOLONATI、Italyからの)SANTONIからのSMA-8-TOP1 シームレス、13インチ ボディ サイズの編機(以後「SANTONI編機」)を用いて丸編みによって作られる。心拍数モニター ベルトを作るのに、様々なタイプのヤーンを用いて(ジャージー(jersey)とモック リブ(mock rib)編み構造を含む)異なる編み構造の組み合わせが使用され得る。
【0049】
1つの実施例では、心拍数モニター ベルトのファブリック システムは、基体ファブリック内に少なくとも1つの電極もしくは伝導性領域を含む。少なくとも1つの電極領域は、Laird
Sauquoit Industries(Scranton, Pennsylvania, USA 18505)からの70デニール(denier)と34フィラメントの銀で金属被覆されたナイロン ヤーンのXstatic(登録商標)ヤーン(以後「Xstatic(登録商標) 70/34」)を用いて作られる。基体ファブリックは、Lycra(登録商標)スパンデックス(T-902C 260d)で被覆された、INVISTAからのCoolmax(登録商標) 70/88マイクロ デニールのポリエステル ヤーン(「Coolmax(登録商標)」)の一編みである。Coolmax(登録商標)とLycra(登録商標)スパンデックスは、約92%のCoolmax(登録商標)と8%のLycra(登録商標)スパンデックスの比(約75から約100%のCoolmax(登録商標)と、0から約25%のLycra(登録商標)スパンデックスの比もまた可能である)で、SANTONI編機を用いていっしょに編まれ、ファブリックの非伝導性領域と同様に、伝導性電極(「伝導性領域」)を含むファブリックの領域において、平(plain)ジャージー スティッチング(stitching)とモック リブ(1×1, 3×1, 2×1, 2×2) スティッチングの両方が使用され得る。
【0050】
伝導性電極(もしくは「伝導性領域」)を含むファブリックの領域について、伝導性ヤーンは、SANTONI編機を用いて基体ファブリックの一側上(非フロート領域上)に編まれる。伝導性ヤーンは、(おおよそ80%のポリエステルと20%のステンレス スチールを有するBekaertからの複合(composite)ヤーンもまた使用可能であるけれども)Xstatic(登録商標) 70/34である。伝導性ファブリック領域の基本的な構造は、米国特許出願番号11/082,240に示されたものと一致する。
【0051】
図4の5、15および25として示される電極は、それぞれ導線10、20および30へ電気的に接触される。これらの導線は、伝統的なハードな銅導線もしくは米国特許出願公開番号2004/0237494A1に開示されたタイプの伸長および回復伝導性ヤーンから任意に構成される。
【0052】
図4に示されるような増幅器回路は、3電極心拍数モニター ベルト、もしくは図2の描写によるスポーツ ブラからの信号を取得するのに有用である。表1は、熟練した人がこの回路を構成し得る構成要素を一覧表にする。
【0053】
【表1】

比較の目的のため、POLAR S810i「ソフト」および「ハード」心拍数モニター ベルトが参照される。これらのベルトは、OYを保持するRTOに譲渡された特許文書WO
02/071935に開示されたものと基本的に一致する。POLAR S810i比較心拍数モニター ベルトは、ただ2つの皮膚接触電極を含み、ここに図1によって示されたデバイスと基本的に一致する。
【0054】
試験方法として、信号取得の品質は、POLAR S810iおよびそれから(図2に示されるような)本発明による3電極ベルト実施例を使い古している熟練者のパネルによって評価される。POLARベルトの信号品質は、各着用者のための1セットの所定のエクササイズ ルーチンの間の最初の信号取得のスピードについてまず評価される。波形における電気的ノイズの存在もしくは他の信号の低下はまた、着用者による激しい運動もしくはエクササイズの間に注目される。
【0055】
図4に示されたタイプの回路からの出力信号は、デジタル ストレージ オシロスコープ(DSO)を用いて表示され、その用途は心臓信号を表示もしくは示すためによく知られている(この実施例に使用されるものに同等のDSOは、Tektronix,
Inc., Beaverton, Oregon, USAから入手可能なモデル ナンバーTDS1000である)。特に、図4の演算増幅器400からの出力は、DSO垂直増幅器に接続され、不連続な時間間隔での電圧出力が、DSOへの水平入力におけるアナログ-デジタル変換器を介してサンプリングされる。その結果は、図6と7に示されるような波形である。
【0056】
3つのテクスタイル電極の改善された性能は、図7に示されたものに相当する波形によって示される。この図7の信号は、図6よりも高い信号対雑音比を有し、2つの皮膚接触電極を有する先行技術の心拍数モニター ベルト(例えばPOLAR S810i)からの心拍数波形を示す。
【0057】
前述の方法と材料により構成されたスポーツ ブラもしくはベルトは、電極の皮膚接触領域上に少なくとも10mmHgの圧力とさらに典型的には約20mmHgの圧力を及ぼすことができることが期待されるだろう。一般的にそのようなしっかりフィットする皮膚接触は、着用者の体の動きによって引き起こされる電気的ノイズから十分解放された、信頼できる信号取得を提供する。ここに開示された3つのテクスタイル電極と信号取得、増幅、およびフィルタリング回路との組み合わせにおいて、優れた性能の心拍数モニター システムが開示される。
【0058】
ここにかつ上記で明らかにされたような本発明の教示の利益を有する当該技術に熟練した人々は、それに加えて変更をもたらすだろう。そのような変更は、付け加えられた請求項によって定義されるように本発明の範囲内にあるように解釈されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【0059】
【図1】2つの皮膚接触電極を有する先行技術の衣服の概略図である。
【図2】3つの皮膚接触電極を有する本発明による衣服の概略図である。
【図3】図2の3-3線に沿う衣服の拡大断面図である。
【図4】本発明による3つの皮膚接触電極を有する着用可能なデバイスから生理学的な信号を受信し、増幅するために有用な電子回路の概略図である。
【図5】図4の増幅回路のブロック図である。
【図6】2つの皮膚接触電極を有する、先行技術の心拍数モニターベルトもしくはバンドからの心臓拍動波形のグラフである。
【図7】3つの皮膚接触電極を有する、この発明による心拍数モニターベルトもしくはバンドからの心臓拍動波形のグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(i)少なくとも1つの実質的に電気的に非伝導性のヤーン、および
(ii)少なくとも3つの伝導性電極を含む
(a)着用可能物、および
(b)着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性に関連する電気信号を、前記着用可能物から伝える少なくとも1つの手段
を含む前記着用者の少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性をモニターするための着用可能なシステム。
【請求項2】
前記少なくとも3つの伝導性電極の1つもしくはそれ以上は、
(i)前記着用可能物内および/または上に織られ、
(ii)前記着用可能物内および/または上に編まれ、
(iii)前記着用可能物上に印刷され、
(iv)前記着用可能物上に熱転写され、
(v)前記着用可能物上もしくは層間に接着、積層、もしくはサンドイッチされ、および
(vi)前記着用可能物上に機械的に留められ、
からなるグループから選ばれる少なくとも1つの方法によって前記着用可能物内もしくは上に含まれる請求項1記載の着用可能物。
【請求項3】
前記少なくとも3つの伝導性電極の1つもしくはそれ以上は、
(i)金属ワイヤー、
(ii)伝導性ファイバー、
(iii)伝導性インク、
(iv)伝導性ポリマー、
(v)伝導性ヤーン、および
(vi)金属
からなるグループから選ばれる少なくとも1つの材料を含む請求項1または2記載の着用可能物。
【請求項4】
前記伝導性ヤーンは、
(i)合成伝導性ポリマー、
(ii)金属被覆合成ポリマー、
(iii)金属粒子もしくはフィラメントを含む合成ポリマー構成物、および
(iv)金属ワイヤーで撚り合わされ、もしくは巻き付けられた合成ポリマー
からなるグループの少なくとも1つの部材を含む請求項2記載の着用可能物。
【請求項5】
前記電気信号を伝えるための手段は、前記着用者の皮膚と直接接触する少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域を含み、前記電気信号を伝えるための手段は、少なくとも1つの伝導性表面もしくは領域を、前記少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性を信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、分析、フィルタリング、警報、および/またはストアするための少なくとも1つの手段に電気的にリンクすることができる請求項1記載の着用可能物。
【請求項6】
前記電気信号を伝えるための手段は、少なくとも1つの相互に連結するデバイスもしくは材料を含む請求項5記載の着用可能物。
【請求項7】
前記相互に連結するデバイスは、
(i)スナップ、
(ii)伝導性糸、
(iii)伝導性ワイヤー、
(iv)接触する内部伝導性フロート、
(v)金属グロメット
(vi)伝導性接着剤もしくはホット メルト材料、および
(vii)けばだった内部の表面ブラシ接触
からなるグループから選ばれた伝導性の相互に連結するブリッジである請求項6記載の着用可能物。
【請求項8】
前記電気信号を伝えるための手段は、前記少なくとも1つの生理学的な事象もしくは生理学的な特性を信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、フィルタリング、分析、警報および/またはストアするための少なくとも1つの手段に電気的にリンクされている請求項1記載の着用可能物。
【請求項9】
前記信号前処理、前増幅、増幅、処理、表示、フィルタリング、分析、警報、および/またはストアするための手段は、当該着用可能物と統合された、もしくは取り外し可能な少なくとも1つのデバイス内に収容されている請求項8記載の着用可能物。
【請求項10】
前記電気信号を伝えるための手段は、無線通信を介して前記デバイスに電気的にリンクされている請求項9記載の着用可能物。
【請求項11】
前記少なくとも1つのデバイスは、
(i)リスト ウォッチ、(ii)データ ロガー ダイアリー、(iii)PDA、(iv)エクササイズ マシーン、(v)ECG モニター、(vi)オシロスコープ、(vii)ラップ トップもしくはパーソナル コンピュータ、(viii)オーディオ ビジュアル ディスプレイ ユニット、(ix)警報システム、(x)心臓事象モニター、および(xi)ペース メーカーからなるグループから選ばれる請求項9記載の着用可能物。
【請求項12】
前記信号前処理するための手段は、
(i)少なくとも2つの伝導性電極から前記回路に供給される電気信号の増幅の同調された低利得高入力インピーダンス第1ステージ、
(ii)ハイ-パス フィルタリング ステージ、
(iii)前記ハイ-パス フィルタリング ステージからの出力の増幅の高利得第2ステージ、および
(iv)少なくとも第3の伝導性電極へのリードへフィードバックされる前に、第1ステージからの共通モード電気ノイズがバッファされ、増幅され、かつインバートされ、それによって当該システムの共通モード除去率(CMRR)が増加するフィードバック ステージからなる回路を含む請求項8記載の着用可能物。
【請求項13】
前記生理学的な事象もしくは生理学的な特性は、
ECGもしくは心拍数、呼吸数、脳波図(EEG)、筋電図(EMG)、および電気ガストログラム(EGG)からなるグループから選ばれる少なくとも1つの事象もしくは特性を含む請求項1、8、11のいずれか記載の着用可能物。
【請求項14】
前記3電極の電極皮膚インピーダンスが同じである請求項1記載の着用可能物。
【請求項15】
衣服の形態の請求項1記載の着用可能物。
【請求項16】
前記衣服は、ブラ、シャツ、下着、ベスト、ボディスーツ、ソックス、手袋、ストッキング、ベルト、バンド、ストラップおよびジャケットからなるグループから選ばれる請求項15記載の着用可能物。
【請求項17】
前記バンドは、胴バンド、腰バンド、腕バンド、脚バンド、首バンド、および手首バンドからなるグループから選ばれる請求項16記載の着用可能物。
【請求項18】
前記着用可能物は、低度な動きの激しい運動、低度な動きの激しくない運動、高度な動きの激しい運動、高度な動きの激しくない運動からなるグループから選ばれる状態の元で、前記着用者によって着用される請求項1記載の着用可能物で生理学的な事象もしくは生理学的な特性をモニターする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−510276(P2009−510276A)
【公表日】平成21年3月12日(2009.3.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−533370(P2008−533370)
【出願日】平成18年9月1日(2006.9.1)
【国際出願番号】PCT/US2006/034262
【国際公開番号】WO2007/040878
【国際公開日】平成19年4月12日(2007.4.12)
【出願人】(505470889)テクストロニクス, インク. (17)
【Fターム(参考)】