説明

3剤式染毛料による染毛方法

【課題】 本発明は、効果的に毛髪へ染着することが出来、又、明るい明度に塗着することが出来る、3剤式染毛料による染毛方法を提供する。
【課題手段】第1剤は(A)所要濃度の塩基性染料および/又はHC染料を含有し、(B)所要濃度のベンジルアルコ−ルを含有し又は含有せず、pH4.0〜7.0、第2剤は(C)所要濃度のベンジルアルコ−ルを含有し又は含有せず、(D)所要濃度の還元剤を含有し、pH7.5〜9.0、第3剤は(E)酸化剤を1.0〜7.0質量%含有する3剤式染毛料を用い、(1)第1剤と第2剤を混合して頭髪に塗布する工程と、(2)40℃〜60℃に加温放置した後、水洗を行う工程と、(3)第3剤を頭髪に塗布して室温に放置した後、水洗を行う工程と、(4)シャンプ−剤で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる工程とを含む、3剤式染毛料による染毛方法である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、毛髪への染着効果が高く、色の持続性に優れ、尚且つ皮膚への染まりが少な
い3剤式染毛料による染毛方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、一般的なヘアカラ−剤として酸化染毛剤と酸性染毛料が使用されている。上
記酸化染毛剤は、主に2剤形式のものが多く、第1剤中にはパラフェニレンジアミン等の
染料中間体およびアルカリ剤が配合されており、第2剤中には過酸化水素を用いた酸化剤
から成っている。そして、第1剤と第2剤を混合して用いることにより、毛髪中のメラニ
ンを分解すると同時に酸化重合反応を起こさせて毛髪を染毛する方法であり、白髪染め、
白髪・おしゃれ染め、おしゃれ染めと幅広く使用されている。
【0003】
しかしながら、近年ヘアカラ−の使用頻度が高くなると共に、酸化染毛剤に使用されて
いるパラフェニレンジアミン等の染料中間体によるアレルギ−の問題が取り沙汰されてお
り、更なる安全性に対する取組みが重要となってきている。
【0004】
一方、酸性染毛料は、酸性染料を配合した1剤式であり、酸性領域において毛髪とのイ
オン吸着により毛髪を染毛する方法である。また、染料中間体を使用せず酸性染料を使用
しているため、比較的アレルギ−の問題が少く、より安心して使用できる染毛料である。
【0005】
しかしながら、酸性染毛料の問題点は、皮膚や頭皮への染まりが強く、皮膚や頭皮が一
度染着されると非常に取れ難いという大きな問題がある。理・美容室での施術において、
根元の生え際に染着を施すためには高度な技術が必要であるばかりでなく、施術にかなり
の時間を要し、効率的な施術とは言えない。また、酸性染毛料は、毛髪中のメラニンを分
解する作用はなく、酸性染料を毛髪中に留めるのみであり、白髪染めや毛髪のニュアンス
を変えるなどの使用が一般的であり、酸化染毛料のように毛髪を明るく見せるための白髪
・おしゃれ染め、おしゃれ染めには使用されていない。
【0006】
上述したように、ヘアカラ−剤にはアレルギ−の問題だけでなく皮膚や頭皮への染まり
等の問題点があり、これを解決するために、塩基性染料を用いたヘアカラ−製品が市場に
一部みられる。
塩基性染料を用いた染毛料は、皮膚や頭皮への染まりは少ないが毛髪への染着効果が弱
く、色の持続性に劣るという問題があり、さまざまな特許が提出されている(特許文献1
〜3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−59565号公報
【特許文献2】特開2005−179225号公報
【特許文献3】特開2005−213243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、上記特許文献記載の塩基性染毛料と従来の酸化染毛剤や酸性染毛料を比
較した場合、上記特許文献記載の塩基性染毛料は皮膚や頭皮への染まりは少ないが、毛髪
への染着効果は弱く同等程度の染着が得られず、また色の持続性も弱いため染毛剤として
は十分なものではない。
【0009】
本発明は、上記従来例の課題を解決し、3剤式染毛料を用い、効果的に毛髪へ染着する
ことが出来、又、明るい明度に塗着することが出来る3剤式染毛料による染毛方法を提案
することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を解決するため、本願請求項1記載の発明は、第1剤は(A)塩基性染料お
よび/又はHC染料を含有すると共に、(B)ベンジルアルコ−ルを含有し又は含有せず
、pH4.0〜7.0であり、第2剤は(C)ベンジルアルコ−ルを含有し又は含有しな
いと共に、(D)還元剤を含有し、pH7.5〜9.0であり、第1剤と第2剤の混合時
における前記(A)塩基性染料および/又はHC染料濃度は0.1〜3.0質量%、前記
(B)(C)ベンジルアルコ−ル濃度は1.0〜7.0質量%、前記(D)還元剤濃度は
0.02mole/1〜0.3mole/1含有し、第3剤は(E)酸化剤を1.0〜7
.0質量%含有する3剤式染毛料を用い、次の(1)〜(4)の操作工程を含むことを特
徴とする、3剤式染毛料による染毛方法。
(1)第1剤と第2剤を混合した後、頭髪に塗布する工程
(2)40℃〜60℃に加温し、5〜30分間放置した後、水洗を行う工程
(3)第3剤を頭髪に塗布し、室温にて5〜30分間放置した後、水洗を行う工程
(4)シャンプ−剤で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる工程
を要旨とするものである。
【0011】
そして、上記請求項1記載の3剤式染毛料による染毛方法は、第1剤および第2剤から
なるライトナ−を混合した後、頭髪に塗布することにより毛髪中のメラニンを分解して毛
髪の明度を上げる前処理工程を行うものとされている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1記載の発明は、上記のように構成されているため、人体に対するアレ
ルギ−の問題が少く、より安心して使用できるばかりでなく、毛髪への染着効果が高く、
色の持続性に優れ、なお且つ皮膚や頭皮への染まりが少ない効果を得ることが出来る。
【発明を実施するための形態】
【0013】
次に、本発明を実施するための形態について詳細に説明する。
本発明の3剤式染毛料による染毛方法において、第1剤に用いられる塩基性染料および
HC染料の具体的な例を挙げると、塩基性染料としては塩基性青99、塩基性青75、塩
基性茶16、塩基性茶17、塩基性赤76、塩基性赤51、塩基性黄57、塩基性黄87
、塩基性橙31、赤213号等であり、一方、HC染料としてはHC青2、HC赤1、H
C赤3、HC赤7、HC橙1、HC橙2、HC黄2、HC黄4、HC黄9、HC紫1、H
C紫2、2−アミノ−6−クロロ−4ニトロフェノ−ル、2−アミノ−3−ニトロフェノ
−ル、4−アミノ−3−ニトロフェノ−ル、4−ヒドロキシプロピルアミノ−3−ニトロ
フェノ−ル、ヒドロキシアントラキノンアミノプロピルメチルモルホニウムメトサルフェ
−ト、3−メチルアミノ−4−ニトロフェノキシエタノ−ル、2−ニトロ−5−グリセリ
ルメチルアニリン、3−ニトロ−p−ヒドロキシエチルアミノフェノ−ル等を挙げること
ができ、少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
【0014】
上記塩基性染料および/又はHC染料は、酸化染毛剤に使用される染料中間体に比較し
てアレルギ−を引き起こすことが少く、酸性染料に比較して皮膚や頭皮への染まりが少な
いため、より安心して使用することができる染料である。
【0015】
上記第1剤と第2剤の混合時における塩基性染料および/又はHC染料の含有量は、0
.1〜3.0質量%であり、特に好ましくは0.5〜2.0質量%である。0.1質量%
未満では、染着効果が弱く、3.0質量%を越えると毛髪表面での染着が過剰に増加する
のみであり、色落ちの問題を引き起こすだけでなく、不必要に配合量を増やすことは経済
的にも好ましくない。
【0016】
本発明の3剤式染毛料による染毛方法において、第1剤および第2剤に用いられるベン
ジンアルコ−ルは、毛髪への染料の浸透を促進させ、染着効果を高めるために配合されて
いる。第1剤と第2剤は混合して用いるため、第1剤または第2剤の何れか又は両方に含
有していても良い。第1剤と第2剤の混合時における含有量は1.0〜7.0質量%であ
り、特に好ましくは3.0〜5.0質量%である。1.0質量%未満では良好な染着効果
が得られず、7.0質量%を越えると染着性も上がらず経済的でないため好ましくない。
【0017】
本発明の3剤式染毛料による染毛方法において、第1剤のpHは4.0〜7.0であり
、特に好ましくはpH5.0〜6.0である。pH4.0未満では、染毛直前に第1剤と
第2剤を混合して毛髪に塗布するさいには、混合時のpHが低くなって染着効果が弱くな
り、pH7.0を越えると長期保存するさいには、第1剤中の染料の安定性に影響を与え
、染着効果が弱くなるため好ましくない。
【0018】
本発明の3剤式染毛料による染毛方法において、第2剤に用いられる還元剤の具体的な
例を挙げると、L−システイン、L−システイン塩酸塩、DL−システイン、DL−シス
テイン塩酸塩、N−アセチルシステイン、チオグリコ−ル酸、チオグリコ−ル酸アンモニ
ウム、システアミン塩酸塩、チオグリセリン等を挙げることができ、少なくとも1種また
は2種以上を組み合わせて用いることが出来る。
上記第1剤と第2剤の混合時における還元剤の含有量は、0.02mole/1〜0.
3mole/1であり、特に好ましくは0.1mole/1〜0.2mole/1である
。0.02mole/1未満では、良好な染着効果が得られず、0.3mole/1を越
えると、塩基性染料および/又はHC染料の安定した状態が得られず、染着性も悪くなる
だけであり、過剰な配合は毛髪の損傷を引き起こすため好ましくない。
【0019】
本発明の3剤式染毛料による染毛方法において、第2剤のpHは、pH7.5〜9.0
であり、特に好ましくはpH8.0〜8.5である。pH7.5未満では、染毛直前に第
1剤と第2剤を混合して毛髪に塗布するさいに混合時のpHが低くなり過ぎるため染着効果が弱く、pH9.0を越えると、毛髪は急激に膨潤度が高くなり、毛髪の損傷を引き起こすため好ましくない。
【0020】
本発明の3剤式染毛料による染毛方法において、第3剤に用いられる酸化剤の具体的な
例を挙げると、臭素酸ナトリウム、臭素酸カリウム、過酸化水素水等を挙げることが出来
る。そして、かかる酸化剤の含有量は、1.0〜7.0質量%であり、特に好ましくは2
.0〜5.0質量%である。1.0質量%未満では、十分な酸化が行われないため、毛髪
の損傷へと繋がり、色の持続性が劣り、7.0質量%を越えると、色の持続性がそれ以上
に上がらず経済的でないため好ましくない。
【0021】
一方、毛髪の明度を明るくして染着する方法としては、第1剤と第2剤から成るライト
ナ−を混合し、毛髪を前処理した後、3剤式染毛料による染毛方法を用いることである。
ライトナ−処理することは、毛髪中のメラニンを分解し、毛髪の明度を上げることにより
白髪染め〜おしゃれ染めまで幅広く使用できるカラ−剤となる。
【0022】
上記ライトナ−の第1剤に用いられるアルカリ剤の具体的な例を挙げると、アンモニア
水、炭酸水素アンモニウム、L−アルギニン、モノエタノ−ルアミン、トリエタノ−ルア
ミン、モノイソプロパノ−ルアミン、ジイソプロパノ−ルアミン、水酸化ナトリウム、水
酸化カリウム等を挙げることができ、少なくとも1種又は2種以上を組み合わせて用いる
ことが出来る。ライトナ−の第2剤に用いられる酸化剤としては、過酸化水素水を挙げる
ことができる。
【0023】
また、その他として、3剤式染毛料には、本発明の効果を損なわない程度に高級アルコ
−ル、エチルアルコ−ル、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、両性界面活性剤、
動植物油、アミノ酸、高分子化合物、紫外線吸収剤、植物抽出物、ポリペプタイド類、タ
ンパク質、保湿剤、有機溶剤、シリコ−ン類、キレ−ト剤、pH調整剤、防腐剤、香料な
ど一般に頭髪化粧品に使用される原料を適宜配合しても良い。
【0024】
次に、本発明の3剤式染毛料を用いた染毛方法について述べると、第1剤と第2剤を混
合した後、頭髪に塗布する工程、40℃〜60℃に加温し、5〜30分間放置した後、水
洗を行う工程、第3剤を頭髪に塗布し、室温にて5〜30分間放置した後、水洗を行う工
程、シャンプ−剤で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる操作方法であ
る。
なお、第1剤と第2剤を染毛する直前に混合することは、第1剤中の塩基性染料および
/又はHC染料をより効果的に毛髪に染着するためである。
【実施例】
【0025】
以下に、実施例を挙げて本発明を詳細に説明するが、本発明はこれに何等限定されるも
のではない。なお、配合量は特記しない限り質量%で表わす。
【0026】
実施例1〜2
本発明の3剤式染毛料として、下記の表1に示す組成を有する第1剤、第2剤および第
3剤から成る染毛料を調製した。
【0027】
比較例1〜5
また、3剤式染毛料の比較例として、下記の表1に示す組成を有する第1剤、第2剤お
よび第3剤から成る染毛料を調製した。
【0028】
〔表1〕

【0029】
次に、上記実施例1〜2、および比較例1〜5の3剤式染毛料について、以下に示す染
着性試験、色の持続性試験の評価を行い、その評価結果を表2に示す。
【0030】
<染着性試験>
人毛の白髪1gを束にし、2%ラウリル硫酸ナトリウムを用いて洗浄を行い、十分に水
洗した後、室温にて一昼夜放置し、乾燥したものを試験用毛束として用いた。
試験用毛束に表1の第1剤と第2剤を1:1で混合し、試験用毛束に混合液2gをハケ
で均一に塗布した。次に、45℃恒温槽にて20分間放置し、その後水洗した。水気を良
くとった後、第3剤を毛束に塗布し、室温で10分間放置した。さらにその後、毛束を十
分に水洗し、市販シャンプ−で洗浄した後、市販トリ−トメントを塗布し水洗した。さら
に、ドライヤ−を用いて乾燥した後、染着性について10名の専門パネラ−により下記の
評価基準に従って評価した。
〔評価〕
◎:染着性が良好である
○:染着性がほぼ良好である
△:染着性がやや悪い
×:染着性が悪い
【0031】
<色の持続性試験>
上記染着性試験で染毛処理した毛束を市販シャンプ−で洗浄した後、市販トリ−トメン
トを塗布し水洗した。さらに、ドライヤ−を用いて乾燥させる工程を1回とし、10回連
続で処理を行い、処理した毛束の色の持続性について、10名の専門パネラ−により下記
の評価基準に従って評価した。
〔評価〕
◎:色の持続性が良好である
○:色の持続性がほぼ良好である
△:色の持続性がやや悪い
×:色の持続性が悪い
【0032】
<染毛方法>
さらに、表1の実施例1を用いて以下の染毛方法1〜6で比較試験を行った。
【0033】
[染毛方法1]
(1)第1剤と第2剤を混合した後、毛束に塗布する工程
(2)45℃に加温し、20分間放置した後、水洗を行う工程
(3)第3剤を毛束に塗布し、室温にて10分間放置した後、水洗を行う工程
(4)シャンプ−剤で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる工程
【0034】
[染毛方法2]
染毛方法1の(1)〜(2)を「第1剤を毛束に塗布し、45℃に加温し、20分間
放置した後、水洗を行う工程。さらに、第2剤を毛束に塗布し、45℃に加温し、20分
間放置した後、水洗を行う工程」に変更する染毛方法。
【0035】
[染毛方法3]
染毛方法1の(2)を「25℃に加温し、20分間放置した後、水洗を行う工程」に変
更する染毛方法。
【0036】
[染毛方法4]
染毛方法1の(2)を「25℃に加温し、40分間放置した後、水洗を行う工程」に変
更する染毛方法。
【0037】
[染毛方法5]
染毛方法1の(2)を「45℃に加温し、1分間放置した後、水洗を行う工程。」に変
更する染毛方法。
【0038】
[染毛方法6]
染毛方法1の(3)を「第3剤を毛束に塗布し、直ちに水洗を行う工程。」に変更する染毛方法。
【0039】
〔表2〕

【0040】
上記表2の評価結果から明らかなように、本発明の実施例1〜2の3剤式染毛料は、第
1剤に(A)塩基性染料および/又はHC染料を含有すると共に、(B)ベンジルアルコ
−ルを含有し又は含有せず、pH4.0〜7.0であり、第2剤は(C)ベンジルアルコ
−ルを含有し又は含有しないと共に、(D)還元剤を含有し、pH7.5〜9.0であり
、第1剤と第2剤の混合時における前記(A)塩基性染料および/又はHC染料濃度は0
.1〜0.3質量%、前記(B)(C)ベンジルアルコ−ル濃度は1.0〜7.0質量%
、前記(D)還元剤濃度は0.02mole/1〜0.3mole/含有し、第3剤は
(E)酸化剤を1.0〜7.0質量%含有しており、第1剤と第2剤を混合した後、頭髪
に塗布する工程、40℃〜60℃に加温し、5〜30分間放置した後、水洗を行う工程、
第3剤を頭髪に塗布し室温にて5〜30分間放置した後、水洗を行う工程、シャンプ−剤
で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる工程から成っているため、染着
性が良好であり、色の持続性に優れていることがわかる。
【0041】
一方、上記表2の評価結果から明らかなように、比較例1〜5は染着性が悪く、色の持
続性が劣っていることがわかる。
【0042】
次に、染毛方法の比較による染着性試験、色の持続性試験の評価結果を下記表3に示す

【0043】
〔表3〕

【0044】
上記表3の評価結果から明らかなように、本発明の実施例1の3剤式染毛料は、第1剤
に(A)塩基性染料および/又はHC染料を含有すると共に、(B)ベンジルアルコ−ル
を含有し又は含有せず、pH4.0〜7.0であり、第2剤は(C)ベンジルアルコ−ル
を含有し又は含有しないと共に、(D)還元剤を含有し、pH7.5〜9.0であり、第
1剤と第2剤の混合時における前記(A)塩基性染料および/又はHC染料濃度は、0.
1〜0.3質量%、前記(B)(C)ベンジルアルコ−ル濃度は、1.0〜7.0質量%
、前記(D)還元剤濃度は0.02mole/1〜0.3mole/含有し、第3剤は
(E)酸化剤を1.0〜7.0質量%含有しており、第1剤と第2剤を混合した後、頭髪
に塗布する工程、40℃〜60℃に加温し、5〜30分間放置した後、水洗を行う工程、
第3剤を頭髪に塗布し、室温にて5〜30分間放置した後、水洗を行う工程、シャンプ−
剤で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる工程から成っているため、染
着性が良好であり、色の持続性に優れていることがわかる。
【0045】
一方、上記表3の評価結果から明らかなように、染着方法2〜6は染着性が悪く、色の
持続性が劣っていることがわかる。
【0046】
以上の次第で、上記表2および表3の結果より、本発明の3剤式染毛料による染毛方法
は、毛髪への染着性効果が高く、色の持続性に優れ、尚且つ皮膚や頭皮への染まりが少な
いと言える。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1剤は(A)塩基性染料および/又はHC染料を含有すると共に、(B)ベンジルア
ルコ−ルを含有し又は含有せず、pH4.0〜7.0であり、第2剤は(C)ベンジルア
ルコ−ルを含有し又は含有しないと共に、(D)還元剤を含有し、pH7.5〜9.0で
あり、第1剤と第2剤の混合時における前記(A)塩基性染料および/又はHC染料濃度
は0.1〜3.0質量%、前記(B)(C)ベンジルアルコ−ル濃度は1.0〜7.0質
量%、前記(D)還元剤濃度は0.02mole/1〜0.3mole/1含有し、第3
剤は(E)酸化剤を1.0〜7.0質量%含有する3剤式染毛料を用い、次の(1)〜
(4)の操作工程を含むことを特徴とする、3剤式染毛料による染毛方法。
(1)第1剤と第2剤を混合した後、頭髪に塗布する工程
(2)40℃〜60℃に加温し、5〜30分間放置した後、水洗を行う工程
(3)第3剤を頭髪に塗布し、室温にて5〜30分間放置した後、水洗を行う工程
(4)シャンプ−剤で洗浄し、ヘアトリ−トメント処理を行った後、仕上げる工程
【請求項2】
第1剤にアルカリ剤および第2剤に過酸化水素水を含有するライトナ−から成り、第1
剤と第2剤を混合し、頭髪に塗布し、毛髪の明度を上げる前処理工程を行うことを特徴と
する、請求項1に記載の3剤式染毛料による染毛方法。

【公開番号】特開2012−171952(P2012−171952A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−38556(P2011−38556)
【出願日】平成23年2月24日(2011.2.24)
【出願人】(598176905)玉理化学株式会社 (9)
【Fターム(参考)】