説明

3方向の位置決め機構を備えた蓄電モジュール

【課題】複数の蓄電モジュールからなるバンクの構成をさらにシンプルなものとし、これにより、スペース効率の向上(ダウンサイジング)およびコストダウンを実現する。
【解決手段】対向する正面壁11と背面壁12を含む六面体ハウジング10内に、複数のパッケージセルを収容してなる蓄電モジュール1。蓄電モジュール1は、同種のモジュールを横方向に連結するためのヨコ方向位置決め機構と、高さ方向に連結するためのタテ方向位置決め機構と、奥行き方向に連結するためのオクユキ方向位置決め機構と、をハウジング10上に備える。したがって、別のケーシング等を必要とせずに、複数の蓄電モジュールを、ハウジング10同士を互いに接触させた状態で位置決め・連結することが可能となり、バンクをコンパクト化できる。これにより、ダウンサイジングおよびコストダウンが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数を接続してバンクを構成する蓄電モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
蓄電池などの蓄電モジュールはそれ単体では出力が限られているので、複数の蓄電モジュールを直列または並列に接続して、大出力を得ることが従来から行われている。複数の蓄電モジュールを組み合わせてバンクを構成するに際して、一般的には、箱体その他のケーシングを用意し、その中に、複数の蓄電モジュールを並べて収容する。
【0003】
本件出願人は既に、簡単にバンクを組み立てることを可能とする蓄電モジュールの構成を開発し、特許出願を行った(特許文献1)。特許文献1においては、基板上に並べた多数の蓄電モジュールの上にカバープレートを被せ、このカバープレートを柱部材で基板に連結する構成を採用している。
【0004】
【特許文献1】特開2008−124250号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願発明の目的は、複数の蓄電モジュールからなるバンクの構成をさらにシンプルなものとし、これにより、スペース効率の向上(ダウンサイジング)およびコストダウンを実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記課題を有効に解決するために創案されたものであって、以下の特徴を備えた蓄電モジュールを提供する。
【0007】
本発明の蓄電モジュールは、対向する正面壁と背面壁を含む絶縁樹脂製の六面体ハウジング内に、複数のパッケージセルを収容してなる。
そして、正面壁および背面壁に、「当該蓄電モジュールを他の蓄電モジュールに直接接触して横方向に連結するためのヨコ方向位置決め機構」と「当該蓄電モジュールを他の蓄電モジュールに直接接触して高さ方向に連結するためのタテ方向位置決め機構」と「当該蓄電モジュールを他の蓄電モジュールに直接接触して奥行き方向に連結するためのオクユキ方向位置決め機構」と、を備えたことを特徴としている。
【0008】
なお、ここで言う「他の蓄電モジュール」とは、≪当該蓄電モジュールと同一構造を有する他の蓄電モジュール≫という意味である。すなわち、本発明は、同一構造の複数の蓄電モジュールを「ヨコ」、「タテ」、「オクユキ」方向に並べてバンクを構成する際における連結機構について工夫したものである。
また、「ヨコ」、「タテ」、「オクユキ」なる語は、六面体ハウジングにおいて直交する3方向を互いに区別するために、便宜上使用している用語である。直交座標系におけるX、Y、Zに相当する概念であるが、いずれが水平方向であっても、鉛直方向であってもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記構成を備えた本発明の蓄電モジュールは、これを複数並べてバンク化するための位置決め機構が、蓄電モジュール自身のハウジングに直接形成されている。したがって、別のケーシング等を必要とせずに、複数の蓄電モジュールを、ハウジング同士を互いに接触させた状態で位置決め・連結することが可能となり、バンクをコンパクト化できる。これにより、ダウンサイジングおよびコストダウンが可能となる。
【0010】
特に、蓄電モジュールの六面体ハウジングが絶縁樹脂で構成されているため、次のようなメリットが得られる。
板金で作成されたモジュールとは異なり、モジュール同士を直接接触させて配置しても絶縁を確保することができる。樹脂性のハウジング表面には、バンク化のための上記各位置決め機構を構成することが容易である。
樹脂性ハウジングは、特に肉厚に構成した場合には、板金構造の筐体よりも高い剛性が得られるので、タテ積みに有利である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明の実施形態を、添付の図面を参照して以下に詳細に説明する。図1(a)は、一実施形態に係る蓄電モジュール1の前方斜視図を、図1(b)は、その後方斜視図を、それぞれ示している。蓄電モジュール1は、絶縁樹脂製の六面体ハウジング10の内部に、複数のパッケージセル(不図示)を収容して構成されている。
【0012】
収容されるパッケージセル自体は、電極および電解液等を収容した公知の構成を有しているので、詳しくは説明しない。複数のパッケージセルは、互いの電極端子が接続された上で、ハウジング10表面に設けた正極端子90aおよび負極端子90bに接続されており、蓄電モジュール1全体が1つの蓄電池として機能する。ハウジング10は、両端子90a、90bの短絡を防ぐために、絶縁樹脂で構成される。
【0013】
図示した例では、蓄電モジュール1は、定格電圧50Vの電気二重層キャパシタであって、後述する3方向の位置決め機構をもって複数の蓄電モジュール1を連結し、例えば200V、400Vなどのバンクを構成する。ただし、本発明は、電気二重層キャパシタ以外の蓄電池に対しても適用可能であり、また、定格電圧についても50Vである必要はなく、適宜設定することができる。
【0014】
図1に示したように、蓄電モジュール1のハウジング10は、対向する正面壁11および背面壁12、左右の側壁13、天壁14、底壁を含む六面体ハウジングである。ここで言う「六面体」は、6つの面が完全な平面で構成された六面体を意味するものではない。図示しているように、ハウジング表面には、後述する位置決め機構、通気孔、その他の構造が設けられており、厳密な意味では六面体ではないが、全体として大略的に見れば、六面体を構成しているという意味である。
【0015】
本発明の蓄電モジュール1は、3種類の位置決め機構をハウジング10上に備える。複数の蓄電モジュール1を並べてバンクを構成する際に、各位置決め機構は、直交する3方向、つまり「ヨコ」、「タテ」、「オクユキ」の各方向における蓄電モジュール間の位置決めを行う。
以下に、各位置決め機構について説明する。
【0016】
≪ヨコ方向位置決め機構30:図2≫
ヨコ方向位置決め機構30は、複数の蓄電モジュール1を、直接ハウジング同士を接触させた状態で横方向に位置決めする機構である。図2に示した例では、蓄電モジュール1の正面壁11に、壁面から隆起する4つのロッド挿通隆起部30a、b、c、dを設けていて、これらがヨコ方向位置決め機構30を構成している(便宜上、a、b、c、dで区別するが、4つの隆起部はすべて同一構造である)。
ロッド挿通隆起部30a、b、c、dは、開口36を備えていて、ここにロッド部材80が壁面と平行に水平方向に通される。すなわち、上方に並ぶ2つのロッド挿通隆起部30a、bに対して1本のロッド部材80が通され、下方に並ぶ2つのロッド挿通隆起部30c、dに対して別のロッド部材80が通される。
【0017】
同じ構造の蓄電モジュール1を複数、横方向に並べ、ロッド部材80を通すことで、複数の蓄電モジュール1を横方向に整列させることができる。背面壁12にも、同様の連結機構を設けている。すなわち、横方向に並んだ蓄電モジュール1は、正面および背面の両側において、ロッド部材で整列(位置決め)されることとなる。
【0018】
図2では、2つの蓄電モジュール1を横方向に並べた例を示しているが、3つあるいはそれ以上の蓄電モジュール1の場合でも、同様にして横方向に連結することができる。蓄電モジュール1の数に応じて、適宜適当な長さのロッド部材80を採用する。
なお、ロッド部材の両端に側方プレート等を固定して両側から挟み込むことで、整列した複数の蓄電モジュールが最終的に固定される(図5参照)。
【0019】
図示の例では、上下2組(合計4個)のロッド挿通隆起部30を形成して、2本のロッド部材80を挿通しているが、ロッド挿通隆起部30の形成位置や個数、およびそれに応じて使用するロッド部材の数は、適宜変更することができる。
【0020】
≪タテ方向位置決め機構40:図3≫
タテ方向位置決め機構40は、高さ方向に積み上げた2つの蓄電モジュール1を、直接ハウジング同士を接触させた状態で位置決めする機構である。タテ方向位置決め機構40は、第1ネジ連結隆起部45と、第2ネジ連結隆起部49とで構成される。
【0021】
正面壁11には、壁面下端領域から隆起する第1ネジ連結隆起部45が設けられ、そこに鉛直方向の開口46が形成されている。この開口46にネジ部材85が通される。
一方、正面壁11の壁面上端領域には、ネジ部材85と係合するネジ係合部48を上面に備える第2ネジ連結隆起部49が形成されている。
したがって、第1ネジ連結隆起部45の開口46に通したネジ部材85を、第2ネジ連結隆起部49のネジ係合部48にネジ係合させることで、2つの蓄電モジュール1を高さ方向に位置決め・連結することができる。
【0022】
図3では、2つの蓄電モジュール1を上下に積んだ例を示しているが、同様にして、3つ、4つと、積み上げていくことが可能である。
また、背面壁12側にも同様のタテ方向位置決め機構を設けているので、蓄電モジュール1は、正面および背面の両側において、ネジ部材85を用いて位置決め・連結されることとなる。
【0023】
≪オクユキ方向位置決め機構50:図4≫
オクユキ方向位置決め機構50は、奥行き方向(長さ方向)に並べた2つの蓄電モジュール1を、直接ハウジング同士を接触させた状態で位置決めする機構である。オクユキ方向位置決め機構50は、背面壁12に設けた第1相補連結部55と、正面壁11に設けた第2相補連結部56とで構成される。
背面側を“第1”、正面側を“第2”と呼んでいるが、これは、単に説明の便宜上区別しているだけである。
【0024】
図示の例では、前方に置いた蓄電モジュール1の背面壁12に4つの第1相補連結部55a、b、c、dを設けており、それぞれに対応して、後方に置いた蓄電モジュール1の正面壁11に4つの第2相補連結部56a、b、c、dを設けている。
対応する第1および第2の相補連結部55、56は、凹凸形状による嵌合を利用した相補係合部を先端に備えていて、互いが相補係合することで、長さ方向に並べた2つの蓄電モジュール1を位置決めして、整列させる。各相補連結部55、56の先端に設けた凹凸形状は、相互に補完して係合できるものであれば、任意の形状を採用できる。
【0025】
一列に並べられた複数の蓄電モジュールは、先頭の蓄電モジュールの正面壁、後端の蓄電モジュールの背面壁に沿って前後プレートを配置し、これら前後プレートを側方フレームで連結することで、最終的に固定される(図6参照)。
【0026】
なお、図3、4を参照すれば分かるように、図示の例では、1つの隆起した構造部が「タテ方向位置決め機構40における第1ネジ連結隆起部45」と「オクユキ方向位置決め機構における相補連結部55、56」を兼用している。両者を別体として個別に形成することも勿論可能である。
【0027】
≪各位置決め機構の変形例≫
図2〜4に、ヨコ方向位置決め機構30、タテ方向位置決め機構40、オクユキ方向位置決め機構50の一例をそれぞれ示したが、各機構の具体的な形態は図示したものに限らない。各位置決め機構を構成する具体的な連結部位の数、位置、形状は、適宜変更を加えることが可能である。
また、直交する3方向の位置決めに関して、各機構を「タテ」、「ヨコ」、「オクユキ」の言葉で区別しているが、これらの言葉は、説明の便宜上、3方向を区別するためのものであるから、いずれが水平方向あるいは鉛直方向であってもよい。
【0028】
≪3方向における連結態様≫
以上の説明したように、3種類の位置決め機構により、任意の数の蓄電モジュール1を直交する3方向に連結してバンクを構成することができる。図5、6にバンクの構成例を示す。整列した複数の蓄電モジュールを最終的に固定する方法については、図示のものに限らず、適宜変更を加えることが可能である。
【0029】
図5では、上下2段、横方向4列の計8個の蓄電モジュール1を連結したバンクを示している。蓄電モジュールは、両側に配置した側方プレートをロッド部材で連結して固定されている。ロッド部材は、図2に示したように、各蓄電モジュール1の正面壁および背面壁に形成したヨコ方向位置決め機構(ロッド挿通隆起部)30に通されている。
タテ方向位置決め機構40はネジ部材85を利用しているので、高さ方向に関しては、プレート等の他の固定機構は必要ない。
【0030】
図6では、長さ方向に3個の蓄電モジュール1を一列に連結したバンクを示している。先頭の蓄電モジュールの正面壁、後端の蓄電モジュールの背面壁に沿って前後プレートを配置し、これら前後プレートを側方フレームで連結することで固定している。
【0031】
≪L字端子:図7≫
一般的に、蓄電モジュールは内部で複数のパッケージセル(不図示)を接続して、これをハウジング表面に露出させた端子部に電気的に接続し、全体として1つの電池体を構成する。ハウジング表面に露出した端子部は、隣接する別の蓄電モジュールの端子部に対して導電プレート等を使用して連結される。
本発明では、この導電プレートによる連結作業を容易にするため、L字形端子90を採用している。これについて説明する。
【0032】
図7に部分的に拡大して示したように、L字端子90は、ハウジング10の正面壁11に沿う部分91と、天壁14に沿う部分92とが、直角に連なって構成される。1つの蓄電モジュール1に対して、プラス端子90aとマイナス端子90bの2つのL字端子を設ける。
【0033】
図7においては、左側の蓄電モジュール1のマイナス端子90bと、右側の蓄電モジュール1のプラス端子90aを導電性プレートで連結する際に、正面壁11に沿ってプレート93をもって連結するのか、あるいは、天壁14に沿ってプレート94をもって連結するのかを、2者択一で選択することができる。
すなわち、複数の蓄電モジュール1からバンクを組み立てる際に、その組立場所あるいは設置箇所に応じて、作業上都合が良い方を選択することが可能となり、フレキシビリティを高めることができる。
なお、図示の例では、L字端子90は、正面壁11と天壁14を跨ぐように設置されているが、正面壁11と側壁13を跨ぐように設置してもよい。
【0034】
図7では、図示を明瞭にするために、2つの蓄電モジュール間に隙間が存在するように描いているが、実際には2つの蓄電モジュールは、互いに当接した状態で連結される。
【0035】
板金で作製された従来の蓄電モジュールの場合には、L字ブラケットを用いて、正面壁あるいは天壁の両方からフレキシブルに端子を出すことは困難であった。板金の場合は、天壁と主端子間の距離が遠くなるため、主端子を天壁側に配置するためには、天壁を切欠く、あるいは長寸法のバスバーを使用することが必要となり、非常に大がかりな構造となっていた。さらには、天壁も板金であるため、主端子あるいは主端子取付部を絶縁構造としなければならず、これも非常に大がかりな構造となってしまう。
本発明の蓄電モジュールでは、ハウジングを絶縁樹脂で構成しており、天壁を低く配置できる。そのため、ハウジングの正面壁および天壁のコーナー部にL型板金を直付けできるため、非常にシンプルな絶縁構造が実現可能となった。
【0036】
≪通気孔を備えた凹所:図8≫
次に、壁面の一部を凹所とし、ここに通気孔を形成することのメリットについて説明する。図8(a)に一部拡大して示したように、蓄電モジュール1の側壁13は、その中央部が凹所13aとされていて、そこに通気孔17が形成されている。通気孔17は、ハウジング10内に収容されたパッケージセル(不図示)に連通している。
図8(b)は、壁面の凹所13aに通気孔17を形成するメリットを模式的に示すもので、2つ並べた蓄電モジュール1を上方から簡略化して示している。凹所13aに通気孔17を設けると、蓄電モジュール1を2つ、ハウジング同士を接触させて並べた場合でも、通気孔17から出た気流をスムーズに外部に逃がすことができる。
図示した実施形態では、側壁13に凹所13aを設けて、そこに通気孔17を形成しているが、正面壁11、背面壁12、天壁14、底壁のいずれに凹所および通気孔を形成してもよい。
【0037】
図9〜図11には、蓄電モジュール1の6面図を示した。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の一実施形態に係る蓄電モジュールの前方および後方斜視図。
【図2】図1の蓄電モジュールが備えるヨコ方向位置決め機構を説明する図。
【図3】図1の蓄電モジュールが備えるタテ方向位置決め機構を説明する図。
【図4】図1の蓄電モジュールが備えるオクユキ方向位置決め機構を説明する図。
【図5】図1の蓄電モジュールを4×2のバンクに構成した例を示す斜視図。
【図6】図1の蓄電モジュールを3つ、長さ方向に並べたバンクに構成した例を示す斜視図。
【図7】図1の蓄電モジュールが備えるL字端子を説明する図。
【図8】図1の蓄電モジュールの側壁に設けた凹所に通気孔を形成した例を説明する図。
【図9】図1の蓄電モジュールの正面壁と背面壁を示す図。
【図10】図1の蓄電モジュールの天壁と底壁を示す図。
【図11】図1の蓄電モジュールの左右の側壁を示す図。
【符号の説明】
【0039】
1 蓄電モジュール
10 六面体ハウジング
11 正面壁
12 背面壁
13 側壁
13a 凹所
14 天壁
17 通気孔
30 ヨコ方向位置決め機構(ロッド挿通隆起部)
36 開口
40 タテ方向位置決め機構
45 第1ネジ連結隆起部
46 開口
48 ネジ係合部
49 第2ネジ連結隆起部
50 オクユキ方向位置決め機構
55 第1相補連結部
56 第2相補連結部
80 ロッド部材
85 ネジ部材
90 L字端子
93、94 導電性プレート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
対向する正面壁(11)と背面壁(12)を含む絶縁樹脂製の六面体ハウジング(10)内に、複数のパッケージセルを収容してなる蓄電モジュールであって、正面壁(11)および背面壁(12)に、
当該蓄電モジュールを他の蓄電モジュールに直接接触して横方向に連結するためのヨコ方向位置決め機構(30)と、
当該蓄電モジュールを他の蓄電モジュールに直接接触して高さ方向に連結するためのタテ方向位置決め機構(40)と、
当該蓄電モジュールを他の蓄電モジュールに直接接触して奥行き方向に連結するためのオクユキ方向位置決め機構(50)と、を備えたことを特徴とする、蓄電モジュール。
【請求項2】
上記ヨコ方向位置決め機構(30)は、正面壁(11)および背面壁(12)上で、壁面から隆起し、ロッド部材(80)を壁面と平行に通す開口(36)を備えたロッド挿通隆起部(30)で構成されていて、
横方向に隣接して並べた複数の蓄電モジュールに対して、ロッド挿通隆起部(30)の開口(36)に通したロッド部材(80)により、各蓄電モジュールが横方向に位置決めされ、

上記タテ方向位置決め機構(40)は、正面壁(11)および背面壁(12)上で、壁面から隆起し、ネジ部材(85)を壁面と平行に通す開口(46)を備えた第1ネジ連結隆起部(45)と、上記ネジ部材(85)とネジ係合するネジ係合部(48)を備えた第2ネジ連結隆起部(49)と、で構成されていて、
高さ方向に隣接して積み上げた2つの蓄電モジュールに対して、上方に置いた蓄電モジュールの第1ネジ連結隆起部(45)の開口(46)に通したネジ部材(85)を、下方においた蓄電モジュールの第2ネジ連結隆起部(49)のネジ係合部(48)にネジ係合させることで、両蓄電モジュールが高さ方向に位置決めおよび連結され、

上記オクユキ方向位置決め機構(50)は、正面壁(11)および背面壁(12)上で、壁面から隆起し、先端に相補係合部を備えた、第1および第2の相補連結部(55、56)で構成されていて、
奥行き方向に隣接して並べた2つの蓄電モジュールにおいて、前方に置いた蓄電モジュールの背面壁(12)に設けた第1相補連結部(55)と、後方に置いた蓄電モジュールの正面壁(11)に設けた第2相補連結部(56)とが相補係合することで、両蓄電モジュールが奥行き方向に位置決めされることを特徴とする、請求項1記載の蓄電モジュール。
【請求項3】
上記六面体ハウジング(10)は、内部に収容したパッケージセルに電気的に接続された端子(90)を表面に露出するよう備えており、
当該端子(90)は、正面壁(11)およびこれと隣接する他の壁面に跨って延在するL字形状を為していることを特徴とする、請求項1または2記載の蓄電モジュール。
【請求項4】
上記六面体ハウジング(10)は、いずれかの壁面に、内部に収容されたパッケージセルに連通する通気孔(17)が形成された凹所(13a)を有することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1つに記載の蓄電モジュール1。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2010−129860(P2010−129860A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−304454(P2008−304454)
【出願日】平成20年11月28日(2008.11.28)
【出願人】(393013560)株式会社パワーシステム (127)
【Fターム(参考)】