説明

3次元マップマッチング処理装置、3次元マップマッチング処理方法、3次元マップマッチング処理プログラム、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および、自動車

【課題】3次元座標データを用いて移動体の現在位置をマップマッチングするときに誤差の発生を抑制できるようにすることを課題とする。
【解決手段】ロケーションコンピュータ21では、現在位置および進行情報の情報に基づいて2次元マップマッチングが実行されて2次元位置情報が算出される。その2次元位置情報と3次元座標DB22に記憶される3次元座標データとに基づいてZ座標位置が算出される。さらに、移動体の移動上、Z座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差が検出され、その勾配差に基づいて移動距離が補正されて3次元位置情報が算出される。画像処理装置27では、3次元位置情報に基づいて経路上の案内画像が生成される。その案内画像には自動車の傾斜補正が加味されて、カメラ7で撮影された実際の風景画像が重畳される。その結果はディスプレイ5に表示出力される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元マップマッチング処理装置、3次元マップマッチング処理方法、3次元マップマッチング処理プログラム、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および、自動車に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、カーナビゲーション装置の普及は著しく、とくにコンピュータグラフィックス(CG)技術の進歩が目覚しいことから、実際の風景をよりリアルなCG画像で再現することにより臨場感溢れるナビゲーションを実現することが可能である。テクスチャマッピングで3次元CG画像として生成される建物、樹木等のオブジェクトが立体的に表現されるので、実際の風景に近いリアル感が増している。このように、実際にフロントガラスを通して見える風景とナビゲーション装置によって提供される3次元CG画像との差異が少なければ少ないほどドライバに対して直感的な認識を促すことが可能となる。
【0003】
その一方で、地図に更新箇所が発生すると、その都度通信によって更新部分をダウンロードする必要がある。この場合には、更新対象が区画単位であっても地図データの情報量自体が膨大であるため、地図データをダウンロードするための通信コストは嵩むものである。そこで今日、詳細な地図データを必要とせず、カメラで撮影した画像を利用するナビゲーション装置が提案されている。
【0004】
すなわち、自動車の現在位置と進行方向を検出し、その位置、方向での案内情報を自動車が撮影した画像に重畳させたものをディスプレイに表示するナビゲーション装置が提案されている(特許文献1)。また、そのような案内情報をフロントガラスに投影させるナビゲーション装置の提案もある(特許文献2)。
【0005】
さらに、3次元座標データを用いるものであって、移動体の現在位置から所定区間における平面座標系の走行予定経路鳥瞰画像を求め、その走行予定経路鳥瞰画像を移動体自身の傾斜角度に基づいて補正し、その補正後の走行予定経路鳥瞰画像に移動体のカメラで撮影した前方視界の画像を合成する位置表示システムの提案もある(特許文献3)。
【0006】
【特許文献1】特開平10−132598号公報
【特許文献2】特開平10−132597号公報
【特許文献3】特願2005−233710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上述した従来例においては、自動車の傾斜角度を検知して走行予定経路鳥瞰画像とカメラで撮影した前方視界の画像との間でカメラ座標系での整合を図っているものもあるが、勾配差のある道路上を走行する自動車の真の現在位置を走行予定経路鳥瞰画像にマップマッチングさせることは困難であった。とくに従来のナビゲーション装置が移動距離の補正を交差点ノードでの右左折を利用していることもあって、勾配差のある道路で自動車の直進移動距離が伸びると、地図上に反映される自動車の現在位置に誤差が蓄積するという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、3次元座標データを用いて移動体の現在位置をマップマッチングするときに誤差の発生を抑制することが可能な3次元マップマッチング処理装置、3次元マップマッチング処理方法、および、3次元マップマッチング処理プログラムを提供することにある。
【0009】
また、本発明の目的は、3次元座標データを用いて移動体の現在位置をマップマッチングするときに誤差の発生を抑制して、案内精度の高いナビゲーションを実現することが可能なナビゲーション装置、ナビゲーション方法、ナビゲーションプログラム、および、自動車を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決し、上記目的を達成するため、本発明の請求項1に係る3次元マップマッチング処理装置は、少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体の3次元マップマッチング処理装置であって、XYZ座標系の3次元座標データを記憶する記憶手段と、現在位置および進行情報の情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する2次元マッチング手段と、前記2次元マップマッチング手段で算出された2次元位置情報と前記記憶手段に記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する算出手段と、前記移動体の移動上、前記算出手段で算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する3次元マップマッチング手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0011】
また、本発明の請求項2の発明に係る3次元マップマッチング処理方法は、少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体の3次元マップマッチング処理方法であって、現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、を含んだことを特徴とするものである。
【0012】
また、本発明の請求項3の発明に係る3次元マップマッチング処理方法は、少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体に設置されるコンピュータにより実行可能な3次元マップマッチング処理プログラムであって、前記コンピュータに、現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【0013】
また、本発明の請求項4の発明に係るナビゲーション装置は、カメラ、ディスプレイおよび少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体のナビゲーション装置であって、XYZ座標系の3次元座標データを記憶する記憶手段と、前記カメラの撮影で取得される画像情報および現在位置および進行情報の情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する2次元マッチング手段と、前記2次元マップマッチング手段で算出された2次元位置情報と前記記憶手段に記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する算出手段と、前記移動体の移動上、前記算出手段で算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する3次元マップマッチング手段と、前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段で生成された画像情報と前記入力手段で入力された画像情報とを重畳する重畳手段と、前記重畳手段で重畳された画像を前記ディスプレイに表示する表示手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0014】
また、請求項5の発明は、請求項4において、さらに、2次元地図データを記憶する地図記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶される2次元地図データを参照して前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する地図生成手段と、前記地図生成手段で生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する地図表示手段とを有してもよい。
【0015】
また、請求項6の発明は、請求項4または5において、前記重畳手段は前記入力手段で入力された情報に基づいて前記画像生成手段で生成された画像情報の傾斜を補正してもよい。
【0016】
また、本発明の請求項7の発明に係るナビゲーション方法は、カメラ、ディスプレイおよび少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体のナビゲーション方法であって、前記カメラの撮影で取得される画像情報および現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する第6ステップと、前記第6ステップで生成された画像と前記第1ステップで入力された画像情報とを重畳する第7ステップと、前記第7ステップで重畳された画像を前記ディスプレイに表示する第8ステップと、を含んだことを特徴とするものである。
【0017】
また、請求項8の発明は、請求項7において、さらに、2次元地図データを前記メモリに記憶しており、前記メモリに記憶される2次元地図データを参照して前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する第9ステップと、前記第9ステップで生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する第10ステップとを含んでもよい。
【0018】
また、請求項9の発明は、請求項7または8において、前記第7ステップは前記第1ステップで入力された情報に基づいて前記第6ステップで生成された画像情報の傾斜を補正してもよい。
【0019】
また、本発明の請求項10の発明に係るナビゲーションプログラムは、カメラ、ディスプレイおよび少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体に設置されるコンピュータにより実行可能なナビゲーションプログラムであって、前記コンピュータに、前記カメラの撮影で取得される画像情報および現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する第6ステップと、前記第6ステップで生成された画像と前記第1ステップで入力された画像情報とを重畳する第7ステップと、前記第7ステップで重畳された画像を前記ディスプレイに表示する第8ステップと、を実行させることを特徴とするものである。
【0020】
また、請求項11の発明は、請求項10において、さらに、前記コンピュータに、2次元地図データを前記メモリに記憶しており、前記メモリに記憶される2次元地図データを参照して前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する第9ステップと、前記第9ステップで生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する第10ステップとを実行させてもよい。
【0021】
また、請求項12の発明は、請求項10または11において、前記第7ステップは前記第1ステップで入力された情報に基づいて前記第6ステップで生成された画像情報の傾斜を補正してもよい。
【0022】
また、本発明の請求項13の発明に係る自動車は、自動車であって、前後左右方向のいずれか1つまたはその組み合わせ分の撮影を行うカメラと、ディスプレイと、少なくとも現在位置および進行情報を検出する位置検出ユニットと、ディスプレイを有しており、当該ディスプレイに画像を表示するナビゲーション装置と、を備え、前記ナビゲーション装置は、XYZ座標系の3次元座標データを記憶する記憶手段と、前記カメラの撮影で取得される画像情報および前記位置検出ユニットで取得される現在位置および進行情報の情報を入力する入力手段と、前記入力手段で入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する2次元マッチング手段と、前記2次元マップマッチング手段で算出された2次元位置情報と前記記憶手段に記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する算出手段と、前記移動体の移動上、前記算出手段で算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する検出手段と、前記検出手段で検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する3次元マップマッチング手段と、前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段で生成された画像情報と前記入力手段で入力された画像情報とを重畳する重畳手段と、前記重畳手段で重畳された画像を前記ディスプレイに表示する表示手段と、を備えたことを特徴とするものである。
【0023】
また、請求項14の発明は、請求項13において、前記ナビゲーション装置は、さらに、2次元地図データを記憶する地図記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶される2次元地図データを参照して前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する地図生成手段と、前記地図生成手段で生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する地図表示手段とを有してもよい。
【0024】
また、請求項15の発明は、請求項13または14において、前記重畳手段は前記入力手段で入力された情報に基づいて前記画像生成手段で生成された画像情報の傾斜を補正してもよい。
【発明の効果】
【0025】
本発明は、3次元座標データを用いて移動体の現在位置をマップマッチングするときに誤差の発生を抑制することが可能である。このように誤差の発生を抑制したことにより、移動体に設けたディスプレイ上で案内精度の高いナビゲーションを実現することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0026】
以下、添付図面を参照して、本発明に係る一実施の形態について詳細に説明する。
【0027】
まず、全体の構成について説明する。図1は本発明の一実施形態による自動車の内部構成例を示すブロック図である。本実施形態の自動車1は、たとえば図1に示したように、以下に説明するが、本実施形態の3次元マップマッチングにより3次元位置情報の取得等を行うナビゲーション装置2、無線通信により各種の情報を授受するためのアンテナ3、音声を出力するスピーカ4、画像を表示するディスプレイ5、自車の現在位置を検出するGPS(Global Positioning System)機器61および進行情報となる方位、移動量をそれぞれ検出する2次元振動ジャイロ62、車速度パルス63を具備している2次元ナビゲーションセンサ6、自車の前方景色を撮影して画像を入力するCCD等のカメラ7、自車の傾斜を検知する傾斜センサ8等により構成されている。自動車1の制御系、電気系、エンジン部位等の構成は、本発明の趣旨からその説明を省略する。なお、2次元ナビゲーションコンピュータ6は、自車の現在位置と進行情報を検出できるものであればその他の構成であってもよい。
【0028】
ナビゲーション装置2は、以下に詳述するが、本実施形態による3次元マップマッチングを実現するものであり、たとえば、ロケーションコンピュータ21、領域の一部もしくは全部の3次元座標データ(3次元折線形状データ)を蓄積する3次元座標データベース(3次元座標DB)22、領域の一部もしくは全部の2次元地図データおよび右左折等のポイントに応じて生成されるべき音声情報(音声データおよび生成ポイントの組み合わせ)を蓄積する地図および音声データベース(地図および音声DB)23、通信処理装置24、操作パネル25、音声処理装置26、画像処理装置27等により構成されている。
【0029】
ロケーションコンピュータ21は、CPU、ROMおよびRAMによる制御ユニット、本実施形態の3次元マップマッチング処理等を実現するためのロケーション処理プログラム211等を具備している。このロケーションコンピュータ21は、2次元ナビゲーションセンサ6に接続され、GPS機器61から現在位置情報、2次元振動ジャイロ62から方位し、車速度パルス63から移動量をそれぞれ入力してX−Y座標系の2次元マップマッチングを実行し、さらに、3次元座標DB22から3次元座標データを読み出してX−YZ座標系でのZ座標位置情報を算出する。このロケーションコンピュータ21は、Z座標位置情報に基づいて移動距離の補正を行ってから3次元位置情報を求めて画像処理装置27に供給する。
【0030】
通信処理装置24は、アンテナ3に接続され、無線通信によってアンテナ3を介して各種の情報(渋滞情報、2次元地図データ、3次元座標データ、音声情報等)を取得する。通信処理装置24は、アンテナ3を介して受信される2次元地図データや音声情報を地図および音声DB23に出力する。これにより、地図および音声DB23の更新処理が実行される。また、通信処理装置24は、アンテナ3を介して受信される3次元座標データを3次元座標DB22に出力する。これにより、3次元座標DB22の更新処理が実行される。
【0031】
操作パネル25においては、ここではナビゲーション装置自体に設けられている例が示されているが、本発明はこれに限定されるものではなく、ナビゲーション装置外に設けてナビゲーション装置に対して操作信号を送る構成としてもよい。操作パネル25は、出発地、目的地の入力により経路要求をしたり、候補として挙げられる経路の選択をしたり、本実施形態のカメラ撮影画像によるナビゲーション表示と2次元地図によるナビゲーション表示間の切り替えを指示するための操作ボタン等を備えている。
【0032】
音声処理装置26は、ロケーションコンピュータ21、地図および音声DB23等に接続され、地図および音声DB23を参照してロケーションコンピュータ2から供給される3次元位置情報に基づいて真の現在位置に応じた音声データを後段に接続されるスピーカ4に供給する。スピーカ4は、音声処理装置26から音声データを入力して音声を再生する。
【0033】
画像処理装置27は、ロケーションコンピュータ21、地図および音声DB23等に接続され、ロケーションコンピュータ21から供給される3次元位置情報に基づいて真の現在位置に応じた経路案内画像を生成し、その画像をカメラ7から供給される風景の画像に重畳して後段に接続されるディスプレイ5に供給する。この画像処理装置27は、傾斜センサ8にも接続され、その傾斜センサ8から供給される傾斜角度に応じて経路案内画像の角度をカメラ座標系に整合させる。ディスプレイ5は、画像処理装置27に接続され、そこから出力される画像情報に基づく画像を表示する。
【0034】
つぎに、主要なデータベースについて詳述する。図2は本実施形態による3次元座標DB22の一例を示す図である。3次元座標DB22は、たとえば図2に示したように、ヘッダ部を先頭にして座標ポイント毎にX,Y,Z座標データを対応付けて記憶している。一例として、座標ポイントP(X,Y,Z)、・・・、Pn-1(Xn-1,Yn-1,Zn-1)のように順に記憶されている。3次元座標データの計測手法にもよるが、座標ポイントは、たとえば1m間隔でもよいが、それ以上もしくはそれ以下の間隔でもよいことは言うまでもない。
【0035】
つづいて、動作について説明する。図3は本実施形態によるナビゲーション処理の一例を説明するフローチャートである。以下に説明する動作は、主として、ナビゲーション装置2のロケーションコンピュータ21および画像処理装置23において、各制御ユニットおよびプログラムにより実現されるものである。
【0036】
ナビゲーション装置2の電源が投入されると、初期設定が実行され(ステップS101)、2次元ナビゲーションセンサ6および傾斜センサ8からそれぞれにおいて検知される情報の入力が開始される(ステップS102)。つづいて、ドライバもしくは同乗者から経路設定(出発地、目的地等)等の入力が受け付けられ、メモリに記憶される(ステップS103)。ここで、メモリは図示せぬがナビゲーション装置2全体を制御する制御ユニットの記憶装置でもよく、あるいは、ロケーションコンピュータ21や画像処理装置27のメモリでもよい。
【0037】
以上の準備が整い、自動車2が走行を開始すると、ロケーションコンピュータ21において、図4および図5に示す3次元マップマッチング処理が開始される(ステップS104)。この3次元マップマッチング処理により3次元位置情報(3次元座標データに基づいて算出される情報)が決定すると、画像処理装置27において、その3次元位置情報に基づいて経路案内画像(矢印で示すものであって右左折の案内、色等で示すものであって識別可能な坂道の案内、数字等で示すものであって車線数が多いときの走行ラインの案内等)が生成される(ステップS105)。
【0038】
この経路案内画像には、傾斜センサ8から供給される自車の傾斜角度に応じてカメラ座標系としての補正が施される(ステップS106)。そして、カメラ7から撮影画像が読み込まれて(ステップS107)、その撮影画像に傾斜補正された経路案内画像が重畳される(ステップS108)。このようにして得られた重畳画像データに基づく画像はディスプレイ5に出力されて表示される(ステップS109)。
【0039】
さらに、音声処理装置26においては、ロケーションコンピュータ21から供給された3次元位置情報に基づいて地図および音声DB23から音声情報が抽出され、その音声情報のうち音声データに基づいて音声ガイダンスが生成される。この音声ガイダンスはスピーカ4から音声として出力される(ステップS110)。
【0040】
つづいて、3次元マップマッチングについて詳述する。図4は本実施形態による3次元マップマッチングの原理を座標系で説明する図、図5は本実施形態による3次元マップマッチング処理の一例を説明するフローチャートである。3次元マップマッチング処理は、ロケーションコンピュータ21により実行されるものである。図4(a)は、3次元座標系における2次元マップマッチングと3次元マップマッチングとの関係を示すものであり、同図(b)は、走行時、勾配差の発生において、3次元マップマッチングにより移動量の誤差を防止する原理を説明するものである。
【0041】
図4(a)において、2次元座標上の位置A′,P′,B′,C′には、3次元座標系の位置A,P,B,Cがそれぞれ対応しているものとする。XY平面に写像した2次元位置情報による線分A′,B′,C′上にある点P′の位置情報が得られた場合、3次元位置情報の線分A,B上の点Pの位置に自車があると推定できる。線分ABは、たとえば1m間隔に取得した位置情報を端点とする。このように、2次元マップマッチングにより自車の位置P′がわかれば、必然的に高さデータZすなわちZ軸座標位置データを算出することが可能となる。これにより、3次元振動ジャイロが用意できなくても、2次元ナビゲーションセンサ6を備えるだけでX,Y,Zの3次元ナビゲーションセンサをソフトウェアの支援により実現することが可能となる。
【0042】
図4(b)において、2次元座標上の位置F′,G′,H′,I′,J′には、3次元座標系の位置F,G,H,I,Jがそれぞれ対応しているものとする。3次元に拡張して勾配の変化を利用して、距離計測の補正を行うと、既存の方法よりも制度が向上する。たとえば、線分FG間において道路の勾配差(角度θ1)が確認されると、本実施形態の3次元マップマッチングにより移動距離の補正が可能となる。ところが、補正が施されないと線分間の補正前移動距離で示されるように、誤差d1が発生する。同様に、線分GH間においても道路の勾配差(角度θ2)が確認され、本実施形態の3次元マップマッチングによる移動距離の補正が施されないと、誤差は蓄積して誤差d2が発生する。本実施形態の3次元マップマッチングが施されると、図示の如く、各線分において誤差の発生が抑制された各線分の補正後移動距離が得られる。その結果、誤差の蓄積を防止することが可能となる。
【0043】
以下、具体的な処理について説明する。3次元マップマッチング処理では、図5に示したように、まず2次元ナビゲーションセンサ6からの情報にしたがって現在位置、移動距離、および、進行方向の算出が行われ、これらの情報に基づいて2次元マップマッチング処理が実行される。その結果、2次元座標位置が算出される(ステップS202)。ここで、一例として、図4(a)に示したように、2次元座標位置(X−Y座標系)をP′とする。そして、3次元座標DB22から3次元座標データ(X−Y−Z座標系)が読み出されて参照され(ステップS203)、2次元座標位置P′の位置における高さZすなわちZ座標位置が算出される。このようにして、Z位置座標データが取得され、ロケーションコンピュータ21内のメモリに記憶される(ステップS204)。
【0044】
つづいてZ座標位置間の線分から勾配差が判断される(ステップS205)。勾配差があるという判断結果が得られた場合には(ステップS205のYESルート)、その勾配差に基づいて移動距離が補正される(ステップS206)。たとえば、図4(b)の場合、線分FG間では、角度θ1となってそれに基づいて補正処理が実行される。一方、線分GH間では、角度θ2となってそれに基づいて補正処理が実行される。これにより、それぞれの誤差d1、d2は解消される。
【0045】
勾配差に基づく補正が施されると、移動距離の補正からX−Y座標におけるX座標位置およびY座標位置が確定し、これらX−Y座標位置データにZ座標位置データが組み合わされて3次元位置情報が確定する。このようにして3次元位置情報が算出されると、ロケーションコンピュータ21のメモリに記憶される。そして、処理は図3に戻る(ステップS207)。従来、移動距離の補正は交差点ノードでの右左折を利用しており、直進移動距離が伸びると誤差が蓄積していたが、以上の結果、その蓄積を抑制することができる。
【0046】
つぎに、表示例について説明する。図6は本実施形態のナビゲーション時における表示案内の一例を示す図であり、図7は本実施形態のナビゲーション時における表示案内の他の例を示す図である。
【0047】
たとえば立体交差のような場所では、適切な位置で車線変更して早めに経路を確保しなくてはならないところである。たとえば図6(a)に示すように自動車2が立体交差に近づくと、その後、同図(b)に示すように、ドライバが見ている景観と同じ映像がディスプレイ5に表示され、景観に対する経路案内画像51の重畳によって正確に案内することができる。
【0048】
また、たとえば図7(a)に示したように、見通しがよい状態で自動車2が交差点に差し掛かったときはよいが、たとえば同図(b)に示したように、自車前方に大型車両52が走行して前方の見通しを遮るような場合がある。このような場合でも、ディスプレイ5中に実際の景観に対して経路案内画像53を重畳させることで、右左折の報知が可能となり、急な右左折でドライバが慌てるようなことはなくなり、交通安全上の効果も期待できる。
【0049】
つぎに、2次元地図への切り替えについても補足説明する。図8は本実施形態による2次元地図への切り替え処理を説明するフローチャートであり、図9は本実施形態による2次元地図の表示例を示す図である。この処理は、画像処理装置27によって実行される。
【0050】
操作パネル25の操作により景観に対して経路案内画像を重畳させた画像の表示から2次元地図への切り替えが受け付けられると、地図および音声DB23の2次元地図データが参照され、ロケーションコンピュータ21から供給される3次元位置情報のうちからX−Y座標位置データが取得される(ステップS301)。
【0051】
そして、X−Y座標位置データに基づいて2次元地図上の自車位置が確定され、その自車位置に自車画像が重畳される。その結果、たとえば図9に示したように、経路画像54上に自車位置を示す現在位置マーク55を重畳させた画像が表示される(ステップS303)。この場合にも、移動距離が補正されていることから誤差が抑制された状態で正確な自車位置の表示によりナビゲーションすることが可能となる。
【0052】
以上説明したように、本実施形態によれば、現在位置および進行情報の情報を2次元マップマッチングして2次元位置情報を算出し、その2次元位置情報と3次元折線形状データとに基づいてZ座標位置を算出し、自動車の移動上、Z座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出し、その勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出するようにしたので、勾配差のある道路で自動車の直進移動距離が伸びても、地図上に反映される自動車の現在位置に誤差が蓄積することはなく、誤差の発生を抑制することが可能である。
【0053】
また、以上のように誤差の発生を抑制したので、ナビゲーション装置および自動車においては、案内精度の高いナビゲーションを実現することが可能である。
【0054】
さらに、GPS装置、2次元振動ジャイロ、および、車速度パルスのように、既存のナビゲーションセンサでよく、これにより、安価なナビゲーションシステムを提供することができることはもちろん、そのような既存のナビゲーションセンサを利用しても本実施形態のロケーションコンピュータを適用すれば、ナビゲーションシステム全体で高精度の3次元ナビゲーションセンサを実現することが可能である。
【0055】
そして、本実施形態においても、3次元CG技術を駆使して実際の風景を再現しないため、膨大な地図データを自動車に取り込む必要はなくなる。
【0056】
また、自動車の現在位置を精度高く地図上にマップマッチングさせるようにしたので、地図鳥瞰画像とカメラで撮影される画像との間で整合されるカメラ座標系においては、自動車の傾斜補正を正確な現在位置に基づいて反映させることが可能である。
【0057】
さらに、自動車の現在位置を正確にマップマッチングさせていることから、カメラで撮影される画像に案内画像を重畳させるときにも案内画像をディスプレイに表示される撮影画像中に正確な位置で表示させることが可能である。
【0058】
そして、3次元折線形状データを使用することから、案内画像の生成もより細かく設定することができるので、右左折の経路においても緩やかな曲線で案内の矢印等を描写することが可能である。
【0059】
また、3次元折線形状データを使用して、自動車の現在位置を正確にマップマッチングさせていることから、夜間、雨、霧等で見通しの悪い景観や前方の視界を大型車両が遮って交差点が確認できないときの走行時でも、前方に近づく右左折案内等の情報を正確にディスプレイ上で表示することが可能である。
【0060】
さらに、ディスプレイに実際の景観を表示させ、そこに適宜案内を重ねて表示するようにしたので、ドライバが見ている景観と同じ映像でのナビゲーションを実現することが可能である。これにより、一般のナビゲーション装置に不慣れな利用者であっても矢印等の案内確認さえできればよく、誰でも簡単かつ即座に使いこなせるというメリットがある。また、右左折レーンや側道までもわかりやすく案内することが可能である。
【0061】
そして、2次元表示する地図においては、必要最小限の情報が収録されていればよく、本実施形態の3次元マップマッチングに対して特別な地図データを用意する必要はないので、この場合にも安価なカーナビゲーションシステムを提供することが可能である。
【0062】
さて、前述の実施形態においては、自動車の前方に向けてカメラを設置した前方景観に対する説明をしていたが、本発明はこれに限定されるものではなく、後方の景観を撮影するカメラを設置して同様の機能を実現するようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0063】
本発明は、船舶等の業種においても産業上有用であるとともに、位置情報を取得することが可能な携帯電話、携帯情報端末、万歩計(登録商標)、携帯ゲーム機等の電化製品市場においても有用である。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】本発明の一実施形態による自動車の内部構成例を示すブロック図である。
【図2】本実施形態による3次元座標DBの一例を示す図である。
【図3】本実施形態によるナビゲーション処理の一例を説明するフローチャートである。
【図4】本実施形態による3次元マップマッチングの原理を座標系で説明する図である。
【図5】本実施形態による3次元マップマッチング処理の一例を説明するフローチャートである。
【図6】本実施形態のナビゲーション時における表示案内の一例を示す図である。
【図7】本実施形態のナビゲーション時における表示案内の他の例を示す図である。
【図8】本実施形態による2次元地図への切り替え処理を説明するフローチャートである。
【図9】本実施形態による2次元地図の表示例を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
1 自動車
2 ナビゲーション装置
3 アンテナ
4 スピーカ
5 ディスプレイ
6 2次元ナビゲーションセンサ
7 カメラ
8 傾斜センサ
21 ロケーションコンピュータ
22 3次元座標DB
23 地図および音声DB
24 通信処理装置
25 操作パネル
26 音声処理装置
27 画像処理装置
51 経路案内画像
53 経路案内画像
54 経路画像
55 現在位置マーク
61 GPS機器
62 2次元振動ジャイロ
63 車速度パルス
211 ロケーション処理プログラム
271 画像処理プログラム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体の3次元マップマッチング処理装置であって、
XYZ座標系の3次元座標データを記憶する記憶手段と、
現在位置および進行情報の情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する2次元マッチング手段と、
前記2次元マップマッチング手段で算出された2次元位置情報と前記記憶手段に記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する算出手段と、
前記移動体の移動上、前記算出手段で算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する3次元マップマッチング手段と、
を備えたことを特徴とする3次元マップマッチング装置。
【請求項2】
少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体の3次元マップマッチング処理方法であって、
現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、
前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、
XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、
前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、
前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、
を含んだことを特徴とする3次元マップマッチング処理方法。
【請求項3】
少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体に設置されるコンピュータにより実行可能な3次元マップマッチング処理プログラムであって、
前記コンピュータに、
現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、
前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、
XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、
前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、
前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、
を実行させることを特徴とする3次元マップマッチング処理プログラム。
【請求項4】
カメラ、ディスプレイおよび少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体のナビゲーション装置であって、
XYZ座標系の3次元座標データを記憶する記憶手段と、
前記カメラの撮影で取得される画像情報および現在位置および進行情報の情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する2次元マッチング手段と、
前記2次元マップマッチング手段で算出された2次元位置情報と前記記憶手段に記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する算出手段と、
前記移動体の移動上、前記算出手段で算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する3次元マップマッチング手段と、
前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段で生成された画像情報と前記入力手段で入力された画像情報とを重畳する重畳手段と、
前記重畳手段で重畳された画像を前記ディスプレイに表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とするナビゲーション装置。
【請求項5】
さらに、2次元地図データを記憶する地図記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶される2次元地図データを参照して前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する地図生成手段と、前記地図生成手段で生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する地図表示手段とを有することを特徴とする請求項4に記載のナビゲーション装置。
【請求項6】
前記重畳手段は前記入力手段で入力された情報に基づいて前記画像生成手段で生成された画像情報の傾斜を補正することを特徴とする請求項4または5に記載のナビゲーション装置。
【請求項7】
カメラ、ディスプレイおよび少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体のナビゲーション方法であって、
前記カメラの撮影で取得される画像情報および現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、
前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、
XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、
前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、
前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、
前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する第6ステップと、
前記第6ステップで生成された画像と前記第1ステップで入力された画像情報とを重畳する第7ステップと、
前記第7ステップで重畳された画像を前記ディスプレイに表示する第8ステップと、
を含んだことを特徴とするナビゲーション方法。
【請求項8】
さらに、2次元地図データを前記メモリに記憶しており、前記メモリに記憶される2次元地図データを参照して前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する第9ステップと、前記第9ステップで生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する第10ステップとを含むことを特徴とする請求項7に記載のナビゲーション方法。
【請求項9】
前記第7ステップは前記第1ステップで入力された情報に基づいて前記第6ステップで生成された画像情報の傾斜を補正することを特徴とする請求項7または8に記載のナビゲーション方法。
【請求項10】
カメラ、ディスプレイおよび少なくとも現在位置および進行情報を検出する機能を有する移動体に設置されるコンピュータにより実行可能なナビゲーションプログラムであって、
前記コンピュータに、
前記カメラの撮影で取得される画像情報および現在位置および進行情報の情報を入力する第1ステップと、
前記第1ステップで入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する第2ステップと、
XYZ座標系の3次元座標データをメモリに記憶しており、前記第2ステップで算出された2次元位置情報と前記メモリに記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する第3ステップと、
前記移動体の移動上、前記第3ステップで算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する第4ステップと、
前記第4ステップで検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する第5ステップと、
前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する第6ステップと、
前記第6ステップで生成された画像と前記第1ステップで入力された画像情報とを重畳する第7ステップと、
前記第7ステップで重畳された画像を前記ディスプレイに表示する第8ステップと、
を実行させることを特徴とするナビゲーションプログラム。
【請求項11】
さらに、前記コンピュータに、2次元地図データを前記メモリに記憶しており、前記メモリに記憶される2次元地図データを参照して前記第5ステップで算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する第9ステップと、前記第9ステップで生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する第10ステップとを実行させることを特徴とする請求項10に記載のナビゲーションプログラム。
【請求項12】
前記第7ステップは前記第1ステップで入力された情報に基づいて前記第6ステップで生成された画像情報の傾斜を補正することを特徴とする請求項10または11に記載のナビゲーションプログラム。
【請求項13】
自動車であって、
前後左右方向のいずれか1つまたはその組み合わせ分の撮影を行うカメラと、
ディスプレイと、
少なくとも現在位置および進行情報を検出する位置検出ユニットと、
ディスプレイを有しており、当該ディスプレイに画像を表示するナビゲーション装置と、
を備え、
前記ナビゲーション装置は、
XYZ座標系の3次元座標データを記憶する記憶手段と、
前記カメラの撮影で取得される画像情報および前記位置検出ユニットで取得される現在位置および進行情報の情報を入力する入力手段と、
前記入力手段で入力された情報を2次元マップマッチングしてX−Y座標上の2次元位置情報を算出する2次元マッチング手段と、
前記2次元マップマッチング手段で算出された2次元位置情報と前記記憶手段に記憶される3次元座標データとに基づいてX−Y−Z座標上のZ座標位置を算出する算出手段と、
前記移動体の移動上、前記算出手段で算出されたZ座標位置に基づいてZ軸方向の勾配差を検出する検出手段と、
前記検出手段で検出された勾配差に基づいて移動距離を補正して3次元位置情報を算出する3次元マップマッチング手段と、
前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいてルート案内を示す画像情報を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段で生成された画像情報と前記入力手段で入力された画像情報とを重畳する重畳手段と、
前記重畳手段で重畳された画像を前記ディスプレイに表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする自動車。
【請求項14】
前記ナビゲーション装置は、さらに、2次元地図データを記憶する地図記憶手段と、前記地図記憶手段に記憶される2次元地図データを参照して前記3次元マップマッチング手段で算出された3次元位置情報に基づいて前記移動体の現在位置情報を含む2次元地図を生成する地図生成手段と、前記地図生成手段で生成された2次元地図を前記ディスプレイに表示する地図表示手段とを有することを特徴とする請求項13に記載の自動車。
【請求項15】
前記重畳手段は前記入力手段で入力された情報に基づいて前記画像生成手段で生成された画像情報の傾斜を補正することを特徴とする請求項13または14に記載の自動車。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−32596(P2008−32596A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−207720(P2006−207720)
【出願日】平成18年7月31日(2006.7.31)
【出願人】(506027860)モバイルマッピング株式会社 (5)
【出願人】(506103016)株式会社CYBISS (3)
【Fターム(参考)】