説明

3次元共焦点観察用装置及び観察焦点面変位・補正ユニット

【課題】光ピンセットを用いた試料の操作中に、光トラップに影響を与えることなく試料の3次元像を取得できる3次元共焦点観察用装置を提供する。
【解決手段】 共焦点顕微鏡と光ピンセット技術を組み合わせた3次元共焦点観察用装置において、固定の対物レンズと蛍光撮像用カメラとの間に、一方のレンズが光軸方向に移動可能とされている焦点面変位用レンズペアを配置し、かつ、蛍光撮像用カメラにより得られた蛍光共焦点像の歪みを補正する手段を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3次元共焦点観察用装置及び観察焦点面変位・補正ユニットに関する。更に詳しくは、本発明は、いわゆる共焦点顕微鏡と光ピンセット技術を組み合わせると共に、このような組み合わせにおいて生じる新規な課題に対応した3次元共焦点観察用装置と、この装置における新規な構成の要部である観察焦点面変位・補正ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
生物学等の分野では、従来より、例えば下記の特許文献1に示されるように、透明なマイクロビーズを液中に投入して、集光した赤外レーザー光の焦点位置で捕捉し、そのマイクロビーズを介して液中でDNAや生体分子、細胞等を操作する、光ピンセットと呼ばれる手法が用いられている。又、下記の特許文献2には、2光子吸収光造形法により作製された全長10μmサイズの樹脂製の微小構造体を対象物として、この対象物を液中で光ピンセットによって駆動させ、細胞の操作や力計測に用いる技術が開示されている。
【0003】
このような光ピンセットの手法では、対象物(試料)が非常に微小であるため、液中の対象物を顕微鏡下で観察しながら操作する必要がある。その場合、通常の顕微鏡では光ピンセットの対象物を2次元的にしか観察できないため、対象物と光トラップの焦点位置との上下関係を把握し難く、精確な操作ができないという問題がある。
【0004】
一方、観察対象物を3次元的に観察する顕微鏡として、従来、共焦点顕微鏡が用いられている。共焦点顕微鏡では、試料(蛍光染色を行った観察対象物)上に対物レンズを通して励起用レーザー光を集光照射し、試料から発せられた蛍光を対物レンズと共役な位置に配置したピンホールを通過させて検出器上に結像させる。対物レンズの焦点以外から発せられた光はピンホールによって除去されるため、焦点領域の光のみを検出することができる。そして、励起用レーザー光の集光点をガルバノミラーや音響光学素子により試料上で2次元的に走査することによって、試料の特定深さ近傍の薄い断面像を得ることができる。更に、対物レンズまたは試料ステージを光軸方向に走査することにより、異なる深さでの断面像を得ることができる。従って、試料の3次元画像を構築することができる。
【0005】
又、上記のような共焦点顕微鏡において、例えば下記の特許文献3、4に示されるように、試料上の2次元走査を高速化するために、ニッポウディスクやマイクロレンズアレイを用いて、励起用レーザー光を多数本に分割し、試料上の複数の領域を同時に走査する方法が知られている。同様な目的から、例えば下記の特許文献5に示されるように、励起用レーザー光をライン状に集光して走査するラインスキャン型走査系が用いられることもある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開平8−234110号公報。
【特許文献2】特開2009−294008号公報。
【特許文献3】特開2009−210889号公報。
【特許文献4】特開2010−160371号公報。
【特許文献5】特開2010−164635号公報。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
以上の点から、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせた3次元共焦点観察用装置を構成すれば、光ピンセットの手法において試料を3次元的に観察でき、従って、試料と光トラップの焦点位置との上下関係を良好に把握して、精確な光ピンセット操作ができるようになることが期待される。しかし、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせて、光トラップされた試料を3次元観察しようとした場合には、新たに問題を生じる。この問題を図1に基づいて説明する。
【0008】
図1は、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせた3次元共焦点観察用装置の要部を簡略化して示すものである。図1の左側の図面において、共焦点観察用レーザー1は、対物レンズ2を通過して、焦点面3に焦点を結ぶ。一方、光ピンセット用レーザー4は、ダイクロイックミラー5を介して同じ対物レンズ2を通過し、焦点面3で試料6を捕捉する。
【0009】
この状態で試料6を3次元観察をしようとした場合、共焦点顕微鏡では対物レンズ2を上下に走査する必要がある。例えば、図1の右側の図面に示すように対物レンズ2を下方位置7に移動させると、より低い高さの焦点面8を観察することができる。しかしその際、同軸で入射している光ピンセット用レーザーの焦点位置も連動して下方に移動するので、光ピンセットにより操作している試料も追従して下方位置9に移動してしまう。即ち、従来の光ピンセット手法と共焦点顕微鏡との単純な組み合わせでは、光ピンセットによる試料の操作に影響を与えずに、試料の3次元観察をすることができないという問題がある。
【0010】
本発明の目的は、上記の問題を解消することである。本発明の目的は、より具体的には、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせた3次元共焦点観察用装置において、対物レンズ及び光ピンセット用レーザーの焦点位置(試料ステージ)を移動させることなく、言い換えれば、光ピンセットを用いた試料の操作中に、光トラップに影響を与えることなく、試料の3次元像を取得することである。更に本発明の目的は、このようにして取得した試料の3次元像の正確さを確保することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(第1発明の構成)
上記課題を解決するための本願第1発明の構成は、共焦点観察励起用の第1のレーザーの光源と、前記第1のレーザーを試料上で走査するための2次元走査光学系と、前記光源から供給される第1のレーザーを観察対象物たる蛍光性の試料上に集光する対物レンズと、前記蛍光性の試料から発せられた蛍光に基づいて蛍光共焦点像を検出する蛍光撮像用カメラとを備えた3次元共焦点観察用装置において、
前記対物レンズと蛍光撮像用カメラとの間には、前記試料の蛍光共焦点像の中間像を結ぶ中間結像レンズと、この中間結像レンズに対して同一光軸上で焦点位置が重なるように配置される中間対物レンズからなり、かつこれらの内の少なくとも一方のレンズがレンズ駆動手段によって光軸方向に移動可能とされている焦点面変位用レンズペアを配置し、又、
前記蛍光撮像用カメラにより得られた蛍光共焦点像と、サンプル試料の予備計測により予め取得された歪補正用データとを用いて、前記焦点面変位用レンズペアにおけるレンズの移動に起因する蛍光共焦点像の歪みをリアルタイムに補正して試料の3次元構築画像を得る演算手段を備えた計算機と、前記演算手段により得られた補正画像を表示する手段とを設け、更に、
前記焦点面変位用レンズペアと前記対物レンズとの間にビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを備えさせ、光ピンセット用の第2のレーザーの光源から供給される第2のレーザーが、前記ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを介して、前記対物レンズを通過し試料上に集光される構成とした、3次元共焦点観察用装置である。
【0012】
(第2発明の構成)
上記課題を解決するための本願第2発明の構成は、前記第1発明に係る3次元共焦点観察用装置において、2次元走査光学系がニッポウディスクあるいはラインスキャン型走査系を備える、3次元共焦点観察用装置である。
【0013】
(第3発明の構成)
上記課題を解決するための本願第3発明の構成は、前記第1発明又は第2発明に係る3次元共焦点観察用装置において、焦点面変位用レンズペアのレンズ駆動手段が、ピエゾ素子、磁歪素子、ボイスコイルのいずれかである、3次元共焦点観察用装置である。
【0014】
(第4発明の構成)
上記課題を解決するための本願第4発明の構成は、前記第1発明〜第3発明のいずれかに係る3次元共焦点観察用装置において、焦点面変位用レンズペアにおけるレンズ駆動手段の駆動と、蛍光撮像用カメラによる画像取得とのタイミングが同期するように調整されている、3次元共焦点観察用装置である。
【0015】
(第5発明の構成)
上記課題を解決するための本願第5発明の構成は、前記第1発明〜第4発明のいずれかに係る3次元共焦点観察用装置において、試料の3次元構築画像を得る演算手段による演算をGPU(Graphics Processing Unit)によって行うものである、3次元共焦点観察用装置である。
【0016】
(第6発明の構成)
上記課題を解決するための本願第6発明の構成は、前記第1発明〜第5発明のいずれかに係る3次元共焦点観察用装置が、更に、対物レンズと焦点面変位用レンズペアとの間に配置したビームスプリッタ又はダイクロイックミラーと、これらのビームスプリッタ又はダイクロイックミラーによって分離された試料の2次元画像を撮影するための結像レンズ及び明視野観察用カメラを備える、3次元共焦点観察用装置である。
【0017】
(第7発明の構成)
上記課題を解決するための本願第7発明の構成は、共焦点観察励起用のレーザーの光源と、この光源から供給されるレーザーを蛍光性の試料上に集光する対物レンズと、前記試料から発せられた蛍光に基づいて蛍光共焦点像を検出する蛍光撮像用カメラとを備えた3次元共焦点観察用装置における前記対物レンズと前記蛍光撮像用カメラとの間に設置するユニットであって、
前記試料の蛍光共焦点像の中間像を結ぶ中間結像レンズと、この中間結像レンズに対して同一光軸上で焦点位置が重なるように配置される中間対物レンズからなり、かつこれらの内の少なくとも一方のレンズがレンズ駆動手段によって光軸方向に移動可能とされている焦点面変位用レンズペアを備え、更に、
前記蛍光撮像用カメラにより得られた蛍光共焦点像と、サンプル試料の予備計測により予め取得された歪補正用データとを用いて、前記焦点面変位用レンズペアにおけるレンズの移動に起因する蛍光共焦点像の歪みをリアルタイムに補正して試料の3次元構築画像を得る演算手段を備えた計算機と、前記演算手段により得られた補正画像を表示する手段とを備えている、観察焦点面変位・補正ユニットである。
【発明の効果】
【0018】
第1発明によれば、光ピンセット技術に対して共焦点顕微鏡を組み合わせてなる3次元共焦点観察用装置において、対物レンズと蛍光撮像用カメラとの間には焦点面変位用レンズペアを配置している。この焦点面変位用レンズペアにおける一方のレンズをレンズ駆動手段によって光軸方向に移動させれば、詳しくは図3に基づいて後述するように、共焦点顕微鏡の対物レンズを移動させることなく、その焦点面を試料における異なる高さの面に変位させることができる。そのため、共焦点顕微鏡の焦点面を試料における異なる高さの面に変位させても、対物レンズによって集光される光ピンセット用レーザー(第2のレーザー)の焦点位置は変らない。従って、本発明の課題が解決される。
【0019】
即ち、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせた3次元共焦点観察用装置において、対物レンズ及び光ピンセット用レーザーの焦点位置(試料ステージ)を移動させることなく(言い換えれば、光ピンセットを用いた試料の操作中に、光トラップに影響を与えることなく)、試料の3次元像を取得することができる。
【0020】
なお、詳しくは図3に基づいて後述するが、焦点面変位用レンズペアにおける一方のレンズをレンズ駆動手段によって光軸方向に移動させることにより、顕微鏡の蛍光共焦点像に一定の歪みを生じる。しかし、この歪みは、当該蛍光共焦点像と、サンプル試料の予備計測により予め取得された歪補正用データとを用いて、演算手段によってリアルタイムに補正されるので、正確な3次元補正画像が表示され、試料の3次元像の正確さを確保するという課題も解決される。
【0021】
第2発明によれば、試料上でのレーザー光の2次元走査に、ニッポウディスクあるいはラインスキャン型走査系を用いることで、任意の深さの試料断面の共焦点像を高速に取得することができる。そのため、光ピンセットで移動中の試料や、動きのある試料でもブレのない断面像を得ることが可能である。
【0022】
第3発明によれば、焦点面変位用レンズペアのレンズ駆動手段がピエゾ素子、磁歪素子あるいはボイスコイルという高速の駆動手段であるため、試料における異なる深さの複数の断面像を高速に取得することができる。従って、第2発明のニッポウディスクあるいはラインスキャン型走査系という高速の2次元走査系との組み合わせにより、光ピンセットで操作中の試料の3次元像を極めて高速に取得することが可能となる。
【0023】
更にこのとき、第4発明に示すように、焦点面変位用レンズペアにおけるレンズ駆動手段の駆動と、蛍光撮像用カメラによる画像取得とのタイミングが同期するように調整されていると、高速走査手段が駆動して特定の試料深さに焦点を合わせた位置で停止するタイミングと、カメラによる画像撮影のタイミングが一致するので、高速走査中のブレの影響を受けることなく、試料の断面像を取得することができる。
【0024】
又、第5発明によれば、GPUを用いた画像演算により、試料の異なる深さの複数の断面像から、試料の3次元像を高速に構築し、表示することができる。従って、観察者が光ピンセットの操作中に、その時点での試料の3次元像を、任意の視点及び倍率で観察しながら、操作を行うことができる。
【0025】
更に第6発明によれば、蛍光撮像用カメラとは別の明視野観察用カメラにより、共焦点光学系を通らない試料の明視野像を取得することができる。そのため、光ピンセットの操作中に、試料の蛍光部分の3次元像と合せて、試料の非蛍光性の部分の状態も確認することができる。
【0026】
第7発明によれば、新規な観察焦点面変位・補正ユニットが提供される。このユニットは、本発明の3次元共焦点観察用装置における特徴的な部分を構成するものである。又、例えば、一般的な共焦点顕微鏡の既製品に組み込むと言う利用方法も可能である。更には、共焦点顕微鏡と光ピンセット装置が組み合わされた3次元共焦点観察用装置の既製品に組み込むと言う利用方法も可能である。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を単純に組み合わせた3次元共焦点観察用装置における問題点を示す図である。
【図2】本発明における、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせた3次元共焦点観察用装置の実施形態を示す図である。
【図3】焦点面変位用レンズペアの作用・効果と、これに伴う蛍光共焦点像の歪補正の原理を説明する図である。
【図4】本発明による3次元共焦点観察・操作プロセスをフローチャートにて示す図である。
【図5】実施例における試料(蛍光性円柱構造体)の歪補正前(上側)及び歪補正後(下側)の共焦点観察像を示す図である。
【図6】2光子吸収光造形法により作製された、細胞操作用の全長10μmの樹脂製微小構造体の明視野観察像を示す。
【図7】本発明の3次元共焦点観察用装置を用い、微小構造体の円柱状突起部位を液中で光ピンセットによって捕捉し、可動腕を駆動させている様子を示す図である。
【図8】本発明の3次元共焦点観察用装置を用い、細胞と微小構造体の動作をリアルタイムで3次元的に観察しながら細胞操作をしている様子を示す図である。
【符号の説明】
【0028】
1:共焦点観察用レーザー
2:対物レンズ
3:焦点面
4:光ピンセット用レーザー
5:ダイクロイックミラー
6:試料
7:下方位置
8:焦点面
9:下方位置
10:励起用レーザー光源
11:共焦点ユニット
12:対物レンズ
13:試料
14:中間結像レンズ
15:中間対物レンズ
16:共焦点観察用カメラ
17:ピエゾアクチュエータ
18:赤外レーザー光源
19:光ピンセット駆動用光学系
20:ダイクロイックミラー
21:ハーフミラー
22:明視野観察用カメラ
23:画像処理プロセス
24:断面像取得プロセス
25:光ピンセット制御プロセス
26:円柱断面
27:側面
28:円柱断面
29:側面
30:本体
31:固定腕
32:可動腕
33:円柱状突起部位
34:細胞
35:微小構造体本体
36:可動腕
37:円柱状突起部位
38:リング構造
39:操作対象の細胞
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
次に、本発明を実施するための形態を、その最良の形態を含めて説明する。
【0030】
〔3次元共焦点観察用装置〕
本発明に係る3次元共焦点観察用装置は、以下(1)〜(4)の構成を備える。
【0031】
(1)共焦点観察励起用の第1のレーザーの光源と、前記第1のレーザーを試料上で走査するための2次元走査光学系と、前記光源から供給される第1のレーザーを観察対象物たる蛍光性の試料上に集光する対物レンズと、前記蛍光性の試料から発せられた蛍光に基づいて蛍光共焦点像を検出する蛍光撮像用カメラとを備えた3次元共焦点観察用装置において、
(2)前記対物レンズと蛍光撮像用カメラとの間には、前記試料の蛍光共焦点像の中間像を結ぶ中間結像レンズと、この中間結像レンズに対して同一光軸上で焦点位置が重なるように配置される中間対物レンズからなり、かつこれらの内の少なくとも一方のレンズがレンズ駆動手段によって光軸方向に移動可能とされている焦点面変位用レンズペアを配置し、又、
(3)前記蛍光撮像用カメラにより得られた蛍光共焦点像と、サンプル試料の予備計測により予め取得された歪補正用データとを用いて、前記焦点面変位用レンズペアにおけるレンズの移動に起因する蛍光共焦点像の歪みをリアルタイムに補正して試料の3次元構築画像を得る演算手段を備えた計算機と、前記演算手段により得られた補正画像を表示する手段とを設け、更に、
(4)前記焦点面変位用レンズペアと前記対物レンズとの間にビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを備えさせ、光ピンセット用の第2のレーザーの光源から供給される第2のレーザーが、前記ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを介して、前記対物レンズを通過し試料上に集光される構成とした。
【0032】
以上の3次元共焦点観察用装置の構成において、対物レンズ、あるいは焦点面変位用レンズペアを構成する中間結像レンズ及び中間対物レンズ、更には実施例において後述するその他の各種レンズは、単一のレンズ体から構成されていても良いが、同一光軸上に並列されて筒状ハウジングに収納された複数のレンズ体から構成されていても良い。
【0033】
〔3次元共焦点観察用装置における第1の構成部分〕
上記(1)の構成において、「2次元走査光学系」とは、励起用レーザー光の集光点を試料上で2次元的に走査して試料の特定深さ近傍の薄い断面像を得るための光学系であって、公知の各種2次元走査光学系を利用することができるが、特に好ましくは、ニッポウディスク(Nipkow disc)、あるいはラインスキャン型走査系を利用することができる。
【0034】
ニッポウディスクとは、周知のように、多数のピンホールを例えば渦巻き状に配設した回転円板であって、マルチビームスキャンにより高速スキャン性能下に試料の共焦点画像を得ることができる。但し、このような回転円板のみでは十分な光量が得られないとか、いわゆるS/N比が悪い等の不満点があるため、ニッポウディスクのピンホールに対応位置する多数のマイクロレンズを備えたマイクロレンズアレイディスクをニッポウディスクと一体構造化して、両ディスクを同期回転させる改良形式のものもある。更に、上記のニッポウディスクとマイクロレンズアレイディスクとの間にダイクロイックミラーを組み込むこともできる。本発明における「ニッポウディスク」は、これらのいずれの形式のものも包含している。
【0035】
ラインスキャン型走査系とは、特許文献5等に開示され、公知のものであるが、励起用レーザー光をライン状に集光して走査する走査光学系であって、例えば、ライン状に集光された照明光で試料を照明し、更にはこのライン状の照明光を試料上で所定方向に走査させ、試料上の照明された領域で生じた光を光検出器で検出して、試料の2次元画像データを取得するものである。
【0036】
第1のレーザーを観察対象物たる試料上に集光する対物レンズは、固定されたレンズである。しかし、光軸に沿って移動可能に構成されたレンズであっても、使用時に移動させずに使用すれば目的を達するので、その意味では、本発明の対物レンズとして利用することができる。
【0037】
〔3次元共焦点観察用装置における第2の構成部分〕
上記(2)の構成において、焦点面変位用レンズペアを構成する中間結像レンズ及び中間対物レンズは、同一光軸上にあって互いの焦点位置が重なるように配置されており、かつ少なくとも一方のレンズがレンズ駆動手段によって光軸方向に移動可能とされている。即ち、いずれか一方のレンズが固定され他方のレンズが移動可能とされているか、又は、双方のレンズが移動可能とされている。但し、双方のレンズが移動可能とされている場合は駆動手段の正確な制御が困難となりやすいため、好ましくは、いずれか一方のレンズが固定され他方のレンズが移動可能とされており、更に好ましくは、対物レンズ側に固定の中間結像レンズが配置されると共に蛍光撮像用カメラ側に移動可能な中間対物レンズが配置される。
【0038】
レンズを移動させる駆動手段の種類は限定されないが、正確な制御のもとにレンズを高速で移動させ得る手段が好ましく、そのような駆動手段として、例えば、周知のピエゾ素子、磁歪素子、ボイスコイルのいずれかが挙げられる。
【0039】
なお、前記「発明の効果」の欄において第4発明に関して述べた理由から、このような焦点面変位用レンズペアにおけるレンズ駆動手段の駆動と、蛍光撮像用カメラによる画像取得とのタイミングは、同期するように調整されていることが好ましい。
【0040】
〔3次元共焦点観察用装置における第3の構成部分〕
上記(3)の構成における「試料の3次元構築画像を得る演算」の意味を、3次元共焦点観察用装置の基本的な構成を簡略化して示した図3に基づいて説明する。図3において「Objective Lens 3」と表記した最上方のレンズが共焦点観察励起用のレーザーを試料上に集光する固定の対物レンズであり、その下方において「Objective Lens 2」及び「Objective Lens 1」と表記したものが、それぞれ、固定の中間結像レンズと移動可能な中間対物レンズである。
【0041】
中間対物レンズが図3に示す位置にあるとき、これら両レンズの焦点は、「Image 2’」と表記した焦点面上で重なっている。この場合は、対物レンズ(Objective Lens 3)の焦点位置は、「Sample」と表記された試料ステージに一致している。従って、仮に試料が図3の右側に示す平面的な市松模様体であるとした場合、その通常のサイズの観察像(Image 2)が図3の最下方に「Confocal Unit」として表記する蛍光撮像部に送られる。
【0042】
一方、中間対物レンズが「Image 1」と表記した上方位置へ移動して中間結像レンズに接近したとき、両レンズの焦点は「Image 1’」と表記した焦点面上で重なるので、対物レンズの焦点位置は試料ステージを超えた上方位置に移行する。従ってレンズの倍率が拡大され、市松模様体の拡大された観察像が蛍光撮像部に送られる。逆に中間対物レンズが「Image 3」と表記した下方位置へ移動し中間結像レンズから離隔すると、両レンズの焦点は「Image 3’」と表記した焦点面上で重なるので、対物レンズの焦点位置は、試料ステージに達しない下方位置に移行する。従って、市松模様体の縮小観察像が蛍光撮像部に送られる。
【0043】
このように、試料の3次元構築画像を得るために中間対物レンズを中間結像レンズに対して接近又は離隔させると、両レンズの設計焦点距離からのズレを生じ、蛍光撮像用カメラには画像の拡大、縮小といった歪みを伴う蛍光共焦点像が得られるので、この歪みを補正して試料の正確な3次元構築画像を得る必要がある。
【0044】
そこで、例えば上記した市松模様体のようなサンプル試料の予備計測により、中間対物レンズの移動の方向及び移動距離に対応する蛍光共焦点像の拡大、縮小という歪みの度合いの関係を、予め歪補正用データとして計算機に取得させておき、これによって、焦点面変位用レンズペアにおける焦点面変位に基づく蛍光共焦点像の歪みをリアルタイムに演算して補正すれば、試料の3次元構築画像を正確に得ることができる。
【0045】
なお、試料の3次元構築画像を得るためにする上記の演算は、より好ましくは、公知のGPU(グラフィックス・プロセシング・ユニット:Graphics Processing Unit)によって行うことができる。GPUとは、計算機において3次元画像処理を専門に担う補助演算装置あるいは専用回路をいう。
【0046】
〔3次元共焦点観察用装置における第4の構成部分〕
上記(4)の構成は、共焦点顕微鏡に光ピンセット技術を組み合わせるためのものであって、光ピンセット用の第2のレーザーは、ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを介して、共焦点顕微鏡における焦点面変位用レンズペアと対物レンズとの間の光路上に導入され、対物レンズを通過して試料上に集光される。
【0047】
ビームスプリッタとは、入射した光の一部を反射し、他の一部を透過させることにより光束を分割する光学部品であって、反射光と透過光の強さがほぼ1:1であるものをハーフミラーと呼ぶが、これもビームスプリッタに包含される。ダイクロイックミラーとは、特定の波長の光を反射し、その他の波長の光を透過する光学部品をいう。
【0048】
〔3次元共焦点観察用装置におけるその他の構成部分〕
3次元共焦点観察用装置は、上記の各構成部分の他にも更に、対物レンズと焦点面変位用レンズペアとの間に配置したビームスプリッタ又はダイクロイックミラーと、これらのビームスプリッタ又はダイクロイックミラーによって分離された試料の2次元画像を撮影するための結像レンズ及び明視野観察用カメラを備えることができる。
【0049】
〔観察焦点面変位・補正ユニット〕
本発明に係る観察焦点面変位・補正ユニットは、3次元共焦点観察用装置における上記の第2の構成部分及び第3の構成部分からなるものである。
【0050】
観察焦点面変位・補正ユニットの代表的な用途は、光ピンセット技術と共焦点顕微鏡を組み合わせてなる3次元共焦点観察用装置に組み込むことである。より具体的には、共焦点観察励起用のレーザーの光源と、この光源から供給されるレーザーを蛍光性の試料上に集光する固定の対物レンズと、前記試料から発せられた蛍光に基づいて蛍光共焦点像を検出する蛍光撮像用カメラとを備えた3次元共焦点観察用装置における、前記固定の対物レンズと前記蛍光撮像用カメラとの間に設置することである。
【実施例】
【0051】
以下に、本発明に係る3次元共焦点観察用装置及び観察焦点面変位・補正ユニットの一実施例を説明する。本発明の技術的範囲は、以下の実施例によって限定されない。
〔実施例1:3次元共焦点観察用装置の構成及び作用・効果〕
本実施例に係る3次元共焦点観察用装置の構成を図2に示す。この3次元共焦点観察用装置において、励起用レーザー光源10からの励起用レーザーが、ニッポウディスク方式の共焦点ユニット11(横河電機社製
CSU-X)を通して分割・走査され、対物レンズ12(オリンパス光学社製 UPlanSApo100x)により、試料13上に集光される。
【0052】
この共焦点ユニット11は、共に断面図で示す右側のニッポウディスクと左側のマイクロレンズアレイディスクとを一体構造化して、両ディスクを同期回転させる形式のものであって、これらのニッポウディスクとマイクロレンズアレイディスクとの間にダイクロイックミラーを組み込んでいる。又、図におけるこのダイクロイックミラーの下方には結像レンズを備えている。
【0053】
励起用レーザー10によって試料13から発せられた蛍光は、対物レンズ12の後方に配置された、固定の中間結像レンズ14と、この中間結像レンズ14に対して同一光軸上で焦点位置が重なるように配置された可動の中間対物レンズ15からなる焦点面変位用レンズペア(オリンパス光学社製 UPlanSApo100x)を通過し、前記共焦点ユニット11の結像レンズによって、蛍光共焦点像を検出するための高感度蛍光撮像用カメラである共焦点観察用カメラ16(浜松フォトニクス社製 EMCCDカメラ ImagEM)上に結像される。
【0054】
中間対物レンズ15にはピエゾアクチュエータ17(ピーアイジャパン社製 P-721)が取り付けられ、これによって中間対物レンズ15を光軸方向に駆動させることで、共焦点顕微鏡の対物レンズ12を動かすことなく、その観察焦点面を図の上下方向にずらすことが出来る。ピエゾアクチュエータの駆動は高速であるため。試料の1μm間隔の断面像を1秒間に30スライス程度取得することができる。
【0055】
また、光ピンセット用の赤外レーザー光源18からの赤外レーザーは、光ピンセット駆動用光学系19の走査用ミラー対を通過して、対物レンズ12下方のダイクロイックミラー20により、試料13上に集光される。
【0056】
対物レンズ12下方には、更に、ハーフミラー21が設置されており、このハーフミラー21により、試料13の非蛍光像を結像レンズを介して明視野観察用カメラ22上に結像させ、明視野像の観察を行うことができるようになっている。
【0057】
次に、本実施例でのデータ等の処理プロセスの流れを図4に基づいて説明する。プロセスは主に、画像処理プロセス23、断面像取得プロセス24、光ピンセット制御プロセス25の3つのプロセスから構成される。
【0058】
画像処理プロセス23では、まず、操作者が画面上でマウス操作により、観察視点を指示する。コンピュータのGPU(NVIDIA社製 GTX295)メモリ上には、断面像取得プロセス24から逐次、転送、更新される試料13の断面像セットが記憶されており、各断面像に予めキャリブレーションしておいた歪み補正演算を施した後、ボリュームレンダリングにより指示された観察視点からの3次元像を構築し、補正画像を表示する手段としての画面に表示する。512×512×512ピクセルの3次元像を30フレーム/秒で表示することが可能である。
【0059】
断面像取得プロセス24では、まず、ピエゾアクチュエータ17の駆動により中間対物レンズ15を所定の位置に移動させた後、共焦点観察用カメラ16により、当該焦点面の共焦点像を取得し、主メモリ上に収納する。この共焦点像は、即座に、画像処理プロセス23のGPUメモリ上の断面像セットに転送される。本実施例では、共焦点観察用カメラ16のフレームレートが30フレーム/秒であるため、例えば試料13を10層の断面で観察した場合、試料13の3次元像全体としては、毎秒3回更新されることになる。また、主メモリ上の共焦点像は、焦点深さ情報、取得時間情報と共にハードディスクに記録され、実験終了後の解析に用いることもできる。
【0060】
光ピンセット制御プロセス25では、まず、操作者が画面上で3次元マウスにより光ピンセットの位置を指示し、その指示に基づき光ピンセット駆動用光学系19の走査量を計算し、光ピンセットの焦点位置を移動させる。
【0061】
以上の3つのプロセスにより、光駆動ナノマシンを3次元空間で自由に操作しながら、マシン及び操作対象物の位置や変形を、任意の方向から、リアルタイムで3次元観察することができる。
〔実施例2:3次元共焦点観察用装置の使用〕
実施例1の3次元共焦点観察用装置を用いて、直径3μmの蛍光性円柱構造体を共焦点観察した様子を図5に示す。前記した歪み補正を行わない場合、試料の底面から上方に焦点面が移動するに従ってレンズの倍率が拡大するため、試料の円柱断面26が実際より大きくなり、円柱構造体の側面27も逆台形に見えるが、GPUによるリアルタイム補正を行った場合は、円柱断面28、円柱構造体の側面29共に、実サイズの3次元像が得られた。
【0062】
次に、実施例1の3次元共焦点観察用装置を用いて、2光子吸収光造形法により作製された微小構造体の駆動と細胞操作を行った。図6は明視野観察用カメラ22によって取得した微小構造体の2次元像である。この構造体は、本体30、固定腕31、この固定腕31に対して接近、離隔動作させ得る可動腕32、この可動腕32を光ピンセットにより捕捉するための円柱状突起部位33からなる。光ピンセットにより、本体30と円柱状突起部位33を捕捉し、可動腕32を駆動することで、細胞34を操作することができる。光ピンセットにより、可動腕32を駆動している様子を図7の連続写真にて示す。
【0063】
更に、図8に、光ピンセットにより微小構造体35と、可動腕36上に設けられた直径1μmの円柱状突起部位37を捕捉し、可動腕36を駆動しながら、細胞39を把持しようとする際の3次元画像を示す。円柱状突起部位37や、可動腕36の取り付け部分のリング構造38が明瞭に観察できており、サブミクロンオーダーの分解能が得られていると言える。
【0064】
従来のシステムでは試料を平面的にしか観察できなかったため、細胞と光ピンセットにより駆動される微小構造体との上下の位置関係が把握し難く、操作には熟練を要したが、本発明の3次元共焦点観察用装置では、一目で微小構造体と細胞との3次元的位置関係が把握でき、操作性が大幅に向上した。このように、本発明の3次元共焦点観察用装置により、光ピンセットを用いて微小構造体を駆動して細胞などの対象物を操作しながら、同時に、任意の視点で3次元共焦点観察を行うことができることが示された。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明によって、光ピンセットを用いた試料の操作中に、光トラップに影響を与えることなく試料の3次元像を取得することができる。更に、このようにして取得した試料の3次元像の正確さを確保することもできる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共焦点観察励起用の第1のレーザーの光源と、前記第1のレーザーを試料上で走査するための2次元走査光学系と、前記光源から供給される第1のレーザーを観察対象物たる蛍光性の試料上に集光する対物レンズと、前記蛍光性の試料から発せられた蛍光に基づいて蛍光共焦点像を検出する蛍光撮像用カメラとを備えた3次元共焦点観察用装置において、
前記対物レンズと蛍光撮像用カメラとの間には、前記試料の蛍光共焦点像の中間像を結ぶ中間結像レンズと、この中間結像レンズに対して同一光軸上で焦点位置が重なるように配置される中間対物レンズからなり、かつこれらの内の少なくとも一方のレンズがレンズ駆動手段によって光軸方向に移動可能とされている焦点面変位用レンズペアを配置し、又、
前記蛍光撮像用カメラにより得られた蛍光共焦点像と、サンプル試料の予備計測により予め取得された歪補正用データとを用いて、前記焦点面変位用レンズペアにおけるレンズの移動に起因する蛍光共焦点像の歪みをリアルタイムに補正して試料の3次元構築画像を得る演算手段を備えた計算機と、前記演算手段により得られた補正画像を表示する手段とを設け、更に、
前記焦点面変位用レンズペアと前記対物レンズとの間にビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを備えさせ、光ピンセット用の第2のレーザーの光源から供給される第2のレーザーが、前記ビームスプリッタ又はダイクロイックミラーを介して、前記対物レンズを通過し試料上に集光される構成としたことを特徴とする3次元共焦点観察用装置。
【請求項2】
前記2次元走査光学系がニッポウディスクあるいはラインスキャン型走査系を備えることを特徴とする請求項1に記載の3次元共焦点観察用装置。
【請求項3】
前記焦点面変位用レンズペアのレンズ駆動手段が、ピエゾ素子、磁歪素子、ボイスコイルのいずれかであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の3次元共焦点観察用装置。
【請求項4】
前記焦点面変位用レンズペアにおけるレンズ駆動手段の駆動と、蛍光撮像用カメラによる画像取得とのタイミングが同期するように調整されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の3次元共焦点観察用装置。
【請求項5】
前記試料の3次元構築画像を得る演算手段による演算をGPUによって行うものであることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の3次元共焦点観察用装置。
【請求項6】
前記3次元共焦点観察用装置が、更に、対物レンズと焦点面変位用レンズペアとの間に配置したビームスプリッタ又はダイクロイックミラーと、これらのビームスプリッタ又はダイクロイックミラーによって分離された試料の2次元画像を撮影するための結像レンズ及び明視野観察用カメラを備えることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の3次元共焦点観察用装置。
【請求項7】
共焦点観察励起用のレーザーの光源と、この光源から供給されるレーザーを蛍光性の試料上に集光する対物レンズと、前記試料から発せられた蛍光に基づいて蛍光共焦点像を検出する蛍光撮像用カメラとを備えた3次元共焦点観察用装置における前記対物レンズと前記蛍光撮像用カメラとの間に設置するユニットであって、
前記試料の蛍光共焦点像の中間像を結ぶ中間結像レンズと、この中間結像レンズに対して同一光軸上で焦点位置が重なるように配置される中間対物レンズからなり、かつこれらの内の少なくとも一方のレンズがレンズ駆動手段によって光軸方向に移動可能とされている焦点面変位用レンズペアを備え、更に、
前記蛍光撮像用カメラにより得られた蛍光共焦点像と、サンプル試料の予備計測により予め取得された歪補正用データとを用いて、前記焦点面変位用レンズペアにおけるレンズの移動に起因する蛍光共焦点像の歪みをリアルタイムに補正して試料の3次元構築画像を得る演算手段を備えた計算機と、前記演算手段により得られた補正画像を表示する手段とを備えていることを特徴とする観察焦点面変位・補正ユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−63668(P2012−63668A)
【公開日】平成24年3月29日(2012.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−208971(P2010−208971)
【出願日】平成22年9月17日(2010.9.17)
【出願人】(503360115)独立行政法人科学技術振興機構 (1,734)
【Fターム(参考)】