説明

3次元画像表示装置

【課題】 3D画像表示装置および3D画像の表示方法を提供する。
【解決手段】 複数の右眼用の画素および複数の左眼用の画素を有する画素層を含む画像表示装置、および前記画像表示装置上に配置された3D装置を含み、前記各右眼用の画素および前記各左眼用の画素は、実質的に同じ幅を有し、前記3D装置および前記画素層は、その間に空気の光学距離を有し、且つ前記幅と前記空気の光学距離は、1:Yの比率を有し、Yは、4.1より小さい3D画像表示装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、3次元(3D)画像表示装置に関し、特に、非合焦中心距離(defocused center pitch)または3D開口距離(aperture pitch)に関するものである。
【背景技術】
【0002】
レンチキュラーレンズタイプの3D画像表示装置は、図1Aに表されるような3D画像を表すことができる。画像表示装置、例えばLCDは、アレイ基板11、カラーフィルター基板13、およびその間に配置された液晶層14を含む。複数の右眼用の画素12Rおよび左眼用の画素12Lは、交互に配置されてアレイ基板11上にピクセル層12を構成する。偏光板15、接着層17、PETフィルム19、および複数のレンズを有するレンチキュラーレンズ層21は、カラーフィルター基板13上に順次に配置される。レンチキュラーレンズ層21の各レンズは、1つの右眼用の画素12Rおよび1つの左眼用の画素12Lと実質的に一直線に並ぶ。図1Aに示されるように、観察者の右眼Rは、レンチキュラーレンズ層21を通過して右眼用の画素12Rから右眼用の画像を見て、且つ観察者の左眼Lは、レンチキュラーレンズ層21を通過して左眼用の画素12Lから左眼用の画像をそれぞれ見る。右眼Rは、右眼用の画素12R上の非合焦領域23Rを見て、且つ左眼Lは、左眼用の画素12L上のもう1つの23Lを見る。右眼用の画像および左眼用の画像は、観察者の脳で統合されて3D画像を見る。
【0003】
図1Bは、図1Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。右眼用の画素12Rは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。同様に、左眼用の画素12Lは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。赤色、緑色、および青色画素の各々は、例えばTFTおよび/または蓄積コンデンサなどの制御素子25を含み、その輝度を制御する。右眼用の画素12Rおよび左眼用の画素12Lは、同じ幅Wを有する。右眼用の画素12Rの中心にある非合焦領域23Rおよび左眼用の画素12Lの中心にあるもう1つの非合焦領域23Lは、その間に非合焦中心距離Pを有する。図1Bに示されるように、非合焦中心距離Pは、右眼用の画素または左眼用の画素の幅Wと等しい。
【0004】
図1Cは、異なる位置で観察者が見る、図1Aの3D画像表示装置の画像(view image)タイプおよびそれらの領域マップを表している。図1Aの3D画像表示装置27は、図1Cの底部中心に位置される。図1Cでは、x位置は、観察者と3D画像表示装置27との間の水平距離を意味し、z位置は、観察者と3D画像表示装置27との間の垂直距離を意味する。観察者は、図1Cに見られる斜線領域からなる右眼用の画像領域の2D右眼用の画像を見ることができる。2D左眼用の画像は、図1Cに見られる逆斜線領域からなる左眼用の画像領域に見られることができる。3D画像は、図1Cに見られるグリッド領域からなる3D画像領域に見られることができる。図1Cの他の位置では、観察者は、右眼から2D左眼用の画像を見ることができ、左眼から2D右眼用の画像を見ることができる。対象でない(unintended)眼から見られる2D右眼用の画像および2D左眼用の画像は、脳で統合され、疑似3D画像を見る。図1Cに示されるように、狭い右眼用の画像領域および狭い2D左眼用の画像領域により、観察者は疑似3D画像を見易い。
【0005】
狭い右眼用の画像領域および2D左眼用の画像領域は、レンチキュラーレンズタイプの3D画像表示装置に生じるだけでなく、バリアタイプの3D画像表示装置にも生じる。バリアタイプの3D画像表示装置は、図2Aに表されるような3D画像を表すことができる。画像表示装置、例えばLCDは、アレイ基板11、カラーフィルター基板13、およびその間に配置された液晶層14を含む。複数の右眼用の画素12Rおよび左眼用の画素12Lは、交互に配置されてアレイ基板11上にピクセル層12を構成する。偏光板15、接着層17、PETフィルム19、および3Dバリア29は、カラーフィルター基板13上に順次に配置される。3Dバリア29は、ライトバリア29Bとの間に配置された開口29Aを含み、開口29Aは、右眼用の画素12Rと左眼用の画素12Lとの間のインターフェースと実質的に一直線に並ぶ。図2Aに示されるように、観察者の右眼は、3Dバリア29の開口29Aを通過して右眼用の画素12Rから右眼用の画像を見て、且つ観察者の左眼は、3Dバリア29の開口29Aを通過して左眼用の画素12Lから左眼用の画像をそれぞれ見る。右眼Rは、右眼用の画素12R上の3D開口領域30Rを見て、且つ左眼Lは、左眼用の画素12L上のもう1つの3D開口領域30Lを見る。右眼用の画像および左眼用の画像は、観察者の脳で統合されて3D画像を見る。
【0006】
図2Bは、図2Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。右眼用の画素12Rは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。同様に、左眼用の画素12Lは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。赤色、緑色、および青色画素の各々は、例えばTFTおよび/または蓄積コンデンサ(Cs)などの制御素子25を含み、その輝度を制御する。右眼用の画素12Rおよび左眼用の画素12Lは、同じ幅Wを有する。右眼用の画素12Rの中心にある3D開口領域30Rおよび左眼用の画素12Lの中心にあるもう1つの3D開口領域30Rは、その間に3D開口距離Pを有する。図2Bに示されるように、3D開口距離Pは、右眼用の画素または左眼用の画素の幅Wと等しい。W/Pの比率が1と等しい時、2D右眼用の画像領域は、2D左眼用の画像領域とほぼ重複するため、観察者が擬似3D画像を見易くなる。
【0007】
擬似3D画像は、観察者にめまい、または頭痛さえ生じさせる。観察者が擬似3D画像を見るのを防ぐ、より大きい2D右眼用の画像領域、より大きい2D左眼用の画像領域、およびより大きい3D画像領域を有する3D画像表示装置の新しい設計が必要である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
3D画像表示装置および3D画像の表示方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明の1つの実施形態は、複数の右眼用の画素および複数の左眼用の画素を有する画素層を含む画像表示装置、および画像表示装置上に配置された3D装置を含み、各右眼用の画素および各左眼用の画素は、実質的に同じ幅を有し、3D装置および画素層は、その間に空気の光学距離を有し、且つ前記幅と空気の光学距離は、1:Yの比率を有し、Yは、4.1より小さい3D画像表示装置を提供する。
【0010】
本発明の1つの実施形態は、観察者に上述の3D画像表示装置を提供するステップ、および3D装置によって、右眼用の画素から観察者の右眼に右眼用の画像を表示し、且つ3D装置によって、左眼用の画素から観察者の左眼に左眼用の画像をそれぞれ表示するステップを含み、右眼は、右眼用の画素上の第1領域を見て、左眼は、左眼用の画素上の第2領域を見て、第1と第2領域は、その間に中心距離を有し、且つ中心距離は、右眼および左眼用の画素幅より短い3D画像の表示方法を提供する。
【0011】
詳細な説明は、添付の図面と併せて以下の実施形態に説明される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
本発明は、添付の図面と併せて後に続く詳細な説明と実施例を解釈することによって、より完全に理解されることができる。
【図1A】従来技術のレンチキュラーレンズタイプの3D画像表示装置の断面図である。
【図1B】図1Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。
【図1C】異なる位置で観察者が見る、図1Aの3D画像表示装置の画像(view image)タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【図2A】従来技術のバリアタイプの3D画像表示装置の断面図である。
【図2B】図2Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。
【図3A】本発明の1つの実施形態のレンチキュラーレンズタイプの3D画像表示装置の断面図である。
【図3B】図3Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。
【図3C】異なる位置で観察者が見る、図1Aの3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【図4A】左眼用の画素および右眼用の画素上の非合焦領域の上面図を表している。
【図4B】左眼用の画素および右眼用の画素上の非合焦領域の上面図を表している。
【図4C】左眼用の画素および右眼用の画素上の非合焦領域の上面図を表している。
【図4D】左眼用の画素および右眼用の画素上の非合焦領域の上面図を表している。
【図5A】異なる位置で観察者が見る、図4A−4Dの3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【図5B】異なる位置で観察者が見る、図4A−4Dの3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【図5C】異なる位置で観察者が見る、図4A−4Dの3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【図5D】異なる位置で観察者が見る、図4A−4Dの3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【図6A】本発明の1つの実施形態のバリアタイプの3D画像表示装置の断面図である。
【図6B】図6Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。
【図7】異なる位置で観察者が見る、異なるW/Pの比率を有する3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下の説明は、本発明を実施するベストモードが開示されている。この説明は、本発明の一般原理を例示する目的のためのもので本発明を限定するものではない。本発明の範囲は、添付の請求の範囲を参考にして決定される。
【0014】
図3Aは、本発明の1つの実施形態のレンチキュラーレンズタイプの3D画像表示装置を表している。画像表示装置、例えばLCDは、アレイ基板31、カラーフィルター基板33、およびその間に配置された液晶層34を含む。複数の右眼用の画素32Rおよび左眼用の画素32Lは、交互に配置されてアレイ基板31上にピクセル層32を構成する。偏光板35、接着層37、PETフィルム39、および複数のレンズを有するレンチキュラーレンズ層41などの3D装置は、カラーフィルター基板33上に順次に配置される。レンチキュラーレンズ層41の上部および画素層32の上部は、その間に空気の光学距離Dを有する。空気の光学距離は、各層の屈折率で割った各層の厚さの和によって定義される。レンチキュラーレンズ層41の各レンズは、1つの右眼用の画素32Rおよび1つの左眼用の画素32Lと実質的に一直線に並ぶ。図3Aに示されるように、観察者の右眼は、レンチキュラーレンズ層41を通過して右眼用の画素32Rから右眼用の画像を見て、且つ観察者の左眼は、レンチキュラーレンズ層41を通過して左眼用の画素32Lから左眼用の画像をそれぞれ見る。右眼Rは、右眼用の画素32R上の非合焦領域43Rを見て、且つ左眼Lは、左眼用の画素32L上のもう1つの43Lを見る。右眼用の画像および左眼用の画像は、観察者の脳で統合されて3D画像を見る。注意するのは、画像表示装置は、図3Aに示されたLCDに限定されるものではない。例えば、画像表示装置は、電子ペーパー、電子書籍リーダー、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、有機エレクトロルミネッセントディスプレイ(OELD)、蛍光表示管ディスプレイ(VFD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、デジタル光処理(DLP)表示、反射型液晶パネル(LCoS)、有機発光ダイオード(OLED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)、レーザーテレビ(量子ドットレーザー; 液晶レーザー)、強誘電性液晶ディスプレイ(Ferro liquid display;FLD)、干渉計測型変調方式ディスプレイ(iMoD)、厚膜誘電体エレクトロルミネッセンスディスプレイ(TDEL)、量子ドットディスプレイ(QD−LED)、テレスコーピックピクセルディスプレイ(telescopic pixel; TPD)、有機発光トランジスタ(PLED)、エレクトロクロミックディスプレイ、レーザー蛍光体ディスプレイ(laser phosphor display; LPD)などであることができる。液晶層34は、他の画像表示装置では省略されることができることが理解されている。また注意するのは、レンチキュラーレンズ層41は、固定タイプのレンチキュラーレンズ層だけに限られず、2つのガラス、液晶層、偏光板、および他の構成要素を含む切り換え可能なレンチキュラーレンズセル(cell)でもよい。
【0015】
図3Bは、図3Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。右眼用の画素32Rは、右眼用の画素32Rは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。同様に、左眼用の画素32Lは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。赤色、緑色、および青色画素の各々は、例えばTFTおよび/または蓄積コンデンサなどの制御素子45を含み、その輝度を制御する。右眼用の画素32Rおよび左眼用の画素32Lは、同じ幅Wを有する。右眼用の画素32Rの中心にある非合焦領域43Rおよび左眼用の画素32Lの中心にあるもう1つの非合焦領域43Lは、その間に非合焦中心距離Pを有する。図3Bに示されるように、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wと非合焦中心距離Pは、100:50の比率を有する。
【0016】
図3Cは、異なる位置で観察者が見る、図3Aの3D画像表示装置の画像(view image)タイプおよびそれらの領域マップを表している。図3Aの3D画像表示装置47は、図3Cの底部中心に位置される。図3Cでは、x位置は、観察者と3D画像表示装置47との間の水平距離を意味し、z位置は、観察者と3D画像表示装置47との間の垂直距離を意味する。観察者は、図1Cに見られる斜線領域からなる右眼用の画像領域の2D右眼用の画像を見ることができる。2D左眼用の画像は、図1Cに見られる逆斜線領域からなる左眼用の画像領域に見られることができる。3D画像は、図1Cに見られるグリッド領域からなる3D画像領域に見られることができる。図3Cの他の位置では、観察者は、右眼から2D左眼用の画像を見ることができ、左眼から2D右眼用の画像を見ることができ、且つ対象でない(unintended)眼から見られる2D右眼用の画像および2D左眼用の画像は、脳で統合され、疑似3D画像を見る。図3A〜3BのW:Pの比率は、図1A〜1BのW:Pの比率より大きいため、図3Cの2D右眼用の画像領域および2D左眼用の画像領域は、図1Cの2D右眼用の画像領域および2D左眼用の画像領域より大きい。よって、図3Cの観察者は、図1Cに見られるよりも疑似3D画像を見難い。また、図3Cの3D画像領域は、図1Cの3D画像領域よりも大きい。
【0017】
よって、非合焦中心距離Pがより短い時、および/または右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wがより長い時、疑似3D画像領域は、減少され、2D/3D画像領域は、増加される。1つの実施形態では、幅Wおよび非合焦中心距離Pは、100:Xの比率を有し、且つXは85より小さい。高過ぎるW/P比率は、より薄い膜層とガラスが必要なため、量産が難しく、低過ぎるW/P比率は、2Dおよび3D画像領域を効果的に拡大することができない。注意するのは、幅W/非合焦中心距離Pの比率は、幅Wと空気の光学距離D(図3Aを参照)との間の比率によって制御されることができる。空気の光学距離Dが長ければ、非合焦中心距離Pも長くなり、空気の光学距離Dが短ければ、非合焦中心距離Pも短くなる。1つの実施形態では、幅Wと空気の光学距離Dは、1:Yの比率を有し、Yは、4.1より小さい。幅Wが定値の時、長過ぎる空気の光学距離Dは、2Dおよび3D画像領域を効果的に拡大することができず、短過ぎる空気の光学距離Dは、より薄い膜層とガラスが必要なため、量産が難しい。レンチキュラーレンズ層41の曲率半径は、画素層32上に適切な焦点を当てるように調整されることができる。しかしながら、半径の値は、実施形態の目的に対して制限されるものではない。
【0018】
図4A−4Dは、左眼用の画素および右眼用の画素上の非合焦領域の上面図を表している。図5A−5Dは、異なる位置で観察者が見る、図4A−4Dの3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。3D画像表示装置47は、図5A〜5Dの底部中心にそれぞれ位置される。図5A〜5Dでは、x位置は、観察者と3D画像表示装置47との間の水平距離を意味し、z位置は、観察者と3D画像表示装置47との間の垂直距離を意味する。1つの実施形態では、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wは、約94.5μm、空気の光学距離Dは、559μm、レンチキュラーレンズ層41の曲率半径は、315μmであり、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wおよび非合焦中心距離Pは、図4Aに示されるように100:100の比率を有する。よって、2D右眼用の画像領域、2D左眼用の画像領域、および3D画像領域は、図5Aに示されるように狭くなる。
【0019】
1つの実施形態では、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wは、約94.5μm、空気の光学距離Dは、445μm、レンチキュラーレンズ層41の曲率半径は、255μmであり、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wおよび非合焦中心距離Pは、図4Cに示されるように100:80の比率を有する。よって、図5Bに示される2D右眼用の画像領域、2D左眼用の画像領域、および3D画像領域は、図5Aの領域よりも大きい。
【0020】
1つの実施形態では、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wは、約94.5μm、空気の光学距離Dは、384μm、レンチキュラーレンズ層41の曲率半径は、255μmであり、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wおよび非合焦中心距離Pは、図4Cに示されるように100:66の比率を有する。よって、図5Cに示される2D右眼用の画像領域、2D左眼用の画像領域、および3D画像領域は、図5Aおよび5Bの領域よりも大きい。
【0021】
1つの実施形態では、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wは、約94.5μm、空気の光学距離Dは、296μm、レンチキュラーレンズ層41の曲率半径は、180μmであり、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wおよび非合焦中心距離Pは、図4Dに示されるように100:50の比率を有する。よって、図5Dに示される2D右眼用の画像領域、2D左眼用の画像領域、および3D画像領域は、図5A、5B、および5Cの領域よりも大きい。言い換えれば、より高いW/P比率を有する3D画像領域は、より大きな2D右眼用の画像領域、より大きな2D左眼用の画像領域、およびより大きな3D画像領域を有する。
【0022】
上述の設計は、レンチキュラーレンズタイプの3D画像表示装置に有用なだけでなく、3Dバリアタイプの3D画像表示装置にも有用である。図6Aは、本発明の1つの実施形態のバリアタイプの3D画像表示装置を表している。画像表示装置、例えばLCDは、アレイ基板31、カラーフィルター基板33、およびその間に配置された液晶層34を含む。複数の右眼用の画素32Rおよび左眼用の画素32Lは、交互に配置されてアレイ基板31上にピクセル層32を構成する。偏光板35、接着層37、PETフィルム39、および3Dバリア49などの3D装置は、カラーフィルター基板33上に順次に配置される。3Dバリア49の上部および画素層32の上部は、その間に空気の光学距離Dを有する。3Dバリア49は、ライトバリア49Aとの間に配置された開口49Aを含み、開口49Aは、右眼用の画素32Rと左眼用の画素32Lとの間のインターフェースと実質的に一直線に並ぶ。図6Aに示されるように、観察者の右眼Rは、3Dバリア49の開口49Aを通過して右眼用の画素32Rから右眼用の画像を見て、且つ観察者の左眼Lは、3Dバリア49の開口49Aを通過して左眼用の画素32Lから左眼用の画像をそれぞれ見る。右眼Rは、右眼用の画素32R上の3D開口領域51Rを見て、且つ左眼Lは、左眼用の画素32L上のもう1つの3D開口領域51Lを見る。右眼用の画像および左眼用の画像は、観察者の脳で統合されて3D画像を見る。注意するのは、画像表示装置は、図6Aに示されたLCDに限定されるものではない。例えば、画像表示装置は、電子ペーパー、電子書籍リーダー、エレクトロルミネッセントディスプレイ(ELD)、有機エレクトロルミネッセントディスプレイ(OELD)、蛍光表示管ディスプレイ(VFD)、発光ダイオードディスプレイ(LED)、陰極線管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、プラズマディスプレイパネル(PDP)、デジタル光処理(DLP)表示、反射型液晶パネル(LCoS)、有機発光ダイオード(OLED)、表面伝導型電子放出素子ディスプレイ(SED)、電界放出ディスプレイ(FED)、レーザーテレビ(量子ドットレーザー; 液晶レーザー)、強誘電性液晶ディスプレイ(Ferro liquid display;FLD)、干渉計測型変調方式ディスプレイ(iMoD)、厚膜誘電体エレクトロルミネッセンスディスプレイ(TDEL)、量子ドットディスプレイ(QD−LED)、テレスコーピックピクセルディスプレイ(telescopic pixel; TPD)、有機発光トランジスタ(PLED)、エレクトロクロミックディスプレイ、レーザー蛍光体ディスプレイ(laser phosphor display; LPD)などであることができる。液晶層34は、他の画像表示装置では省略されることができることが理解されている。また注意するのは、3Dバリア49は、固定タイプのバリアだけに限られず、2つのガラス、液晶層、偏光板、および他の構成要素を含む切り換え可能なバリアセル(cell)でもよい。また、3Dバリアは、画像表示装置の下方に配置されることができる。
【0023】
図6Bは、図6Aの右眼用の画素および左眼用の画素の上面図を表している。右眼用の画素32Rは、右眼用の画素32Rは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。同様に、左眼用の画素32Lは、赤色画素となる上部、緑色画素となる中間部、および青色画素となる底部を含む。赤色、緑色、および青色画素の各々は、例えばTFTおよび/または蓄積コンデンサなどの制御素子45を含み、その輝度を制御する。右眼用の画素32Rおよび左眼用の画素32Lは、同じ幅Wを有する。右眼用の画素32Rの中心にある3D開口領域51Rおよび左眼用の画素32Lの中心にあるもう1つの3D開口領域51Rは、その間に3D開口距離Pを有する。図6Bに示されるように、右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wと3D開口距離Pは、100:50の比率を有する。
【0024】
図7は、異なる位置で観察者が見る、異なるW/Pの比率を有する3D画像表示装置の画像タイプおよびそれらの領域マップを表している。図7では、x軸は、W/P比率を意味し、y軸は、観察者と3D画像表示装置47との間の水平距離を意味する。観察者は、図7に見られる逆斜線領域からなる右眼用の画像領域の2D右眼用の画像を見ることができる。2D左眼用の画像は、図7に見られる斜線領域からなる左眼用の画像領域に見られることができる。2D画像は、図7に見られるグリッド領域からなる3D画像領域に見られることができる。図7の他の位置では、観察者は、右眼から2D左眼用の画像を見ることができ、左眼から2D右眼用の画像を見ることができ、且つ対象でない(unintended)眼から見られる2D右眼用の画像および2D左眼用の画像は、脳で統合され、疑似3D画像を見る。W/Pの比率が100:100(例えば従来技術の図2のように)の時、右眼用の画像領域は、左眼用の画像領域とほぼ重複する。W/Pの比率が100:50(例えば図6のように)の時、2D右眼用の画像領域および2D左眼用の画像領域は、大きく増加される。言い換えれば、より高いW/P比率を有する3D画像領域は、より大きな2D右眼用の画像領域およびより大きな2D左眼用の画像領域を有する。
【0025】
よって、3D開口距離Pがより短い時、および/または右眼用の画素32R(または左眼用の画素32L)の幅Wがより長い時、疑似3D画像領域は、減少され、2D画像領域は、増加される。1つの実施形態では、幅Wおよび3D開口距離Pは、100:Xの比率を有し、且つXは85より小さい。高過ぎるW/P比率は、より薄い膜層とガラスが必要なため、量産が難しく、低過ぎるW/P比率は、2Dおよび3D画像領域を効果的に拡大することができない。注意するのは、幅W/3D開口距離Pの比率は、幅Wと空気の光学距離D(図6Aを参照)との間の比率によって制御されることができる。空気の光学距離Dが長ければ、3D開口距離Pも長くなり、空気の光学距離Dが短ければ、3D開口距離Pも短くなる。1つの実施形態では、幅Wと距離Dは、1:Yの比率を有し、Yは、4.1より小さい。幅Wが定値の時、長過ぎる空気の光学距離Dは、2Dおよび3D画像領域を効果的に拡大することができず、短過ぎる空気の光学距離Dは、より薄い膜層とガラスが必要なため、量産が難しい。
【0026】
よって、従来の擬似3D画像の問題は、本発明の好適なW/P比率(レンチキュラーレンズタイプ)または好適なW/P比率(バリアタイプ)を有する3D画像表示装置によって解決されることができる。言い換えれば、非合焦中心距離P(または3D開口距離P)は、右眼用の画素および左眼用の画素の幅Wより短くなければならない。
【0027】
この発明は、実施例の方法及び望ましい実施の形態によって記述されているが、本発明は、これらを限定するものではないことは理解される。逆に、種々の変更及び同様の配置をカバーするものである(当業者には明白なように)。よって、添付の請求の範囲は、最も広義な解釈が与えられ、全てのこのような変更及び同様の配置を含むべきである。
【符号の説明】
【0028】
空気の光学距離
L 左眼
、P 非合焦中心距離
、P 3D開口距離
R 右眼
、W右眼用の画素または左眼用の画素の幅
11、31 アレイ基板
12、32 画素層
12L、32L 左眼用の画素
12R、32R 左眼用の画素
13、33 カラーフィルター基板
14、34 液晶層
15、35 偏光板
17、37 接着層
19、39 PETフィルム
21、41 レンチキュラーレンズ層
23R、23L、43R、43L 非合焦領域
25、45 制御素子
27、47 3D画像表示装置
29、49 3Dバリア
29A、49A 開口
29B、49B ライトバリア
30R、30L、51R、51L 3D開口領域


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の右眼用の画素および複数の左眼用の画素を有する画素層を含む画像表示装置、および
前記画像表示装置上に配置された3D装置を含み、
前記各右眼用の画素および前記各左眼用の画素は、実質的に同じ幅を有し、
前記3D装置および前記画素層は、その間に空気の光学距離を有し、且つ
前記幅と前記空気の光学距離は、1:Yの比率を有し、Yは、4.1より小さい3D画像表示装置。
【請求項2】
前記3D装置は、複数のレンズを有するレンチキュラーレンズ層を含む請求項1に記載の3D画像表示装置。
【請求項3】
前記各レンズは、前記右眼用の画素および前記左眼用の画素と実質的に一直線に並ぶ請求項2に記載の3D画像表示装置。
【請求項4】
前記レンズの上部および前記画素層の上部は、その間に空気の光学距離を有する請求項2に記載の3D画像表示装置。
【請求項5】
前記3D装置は、開口を含む3Dバリアを含む請求項1に記載の3D画像表示装置。
【請求項6】
前記開口は、前記右眼用の画素と左眼用の画素との間のインターフェースと実質的に一直線に並ぶ請求項5に記載の3D画像表示装置。
【請求項7】
前記3Dバリアの上部および前記画素層の上部は、その間に空気の光学距離を有する請求項5に記載の3D画像表示装置。
【請求項8】
請求項1に記載の前記3D画像表示装置を観察者に提供するステップ、および
前記3D装置によって、前記右眼用の画素から前記観察者の右眼に右眼用の画像を表示し、且つ前記3D装置によって、前記左眼用の画素から前記観察者の左眼に左眼用の画像をそれぞれ表示するステップを含み、
前記右眼は、前記右眼用の画素上の第1領域を見て、前記左眼は、前記左眼用の画素上の第2領域を見て、
前記第1と第2領域は、その間に中心距離を有し、且つ
前記中心距離は、右眼および左眼用の画素幅より短い3D画像の表示方法。
【請求項9】
前記3D装置は、複数のレンズを有するレンチキュラーレンズ層を含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記各レンズは、前記右眼用の画素および前記左眼用の画素と実質的に一直線に並ぶ請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記レンズの上部および前記画素層の上部は、その間に空気の光学距離を有する請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記3D装置は、開口を含む3Dバリアを含む請求項8に記載の方法。
【請求項13】
前記開口は、前記右眼用の画素と左眼用の画素との間のインターフェースと実質的に一直線に並ぶ請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記3Dバリアの上部および前記画素層の上部は、その間に空気の光学距離を有する請求項12に記載の方法。
【請求項15】
前記右眼用と左眼用の画素幅および前記中心距離は、100:Xの比率を有し、且つXは85より小さい請求項8に記載の方法。
【請求項16】
前記右眼用と左眼用の画素幅および前記中心距離は、100:Xの比率を有し、且つXは実質的に50と等しい請求項8に記載の方法。


【図1A】
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【図1B】
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【図1C】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図4D】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図5D】
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【図6A】
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【図6B】
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【図7】
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【公開番号】特開2013−92772(P2013−92772A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−225760(P2012−225760)
【出願日】平成24年10月11日(2012.10.11)
【出願人】(505227076)群康科技(深▲セン▼)有限公司 (27)
【出願人】(510134581)奇美電子股▲ふん▼有限公司 (28)
【氏名又は名称原語表記】Chimei Innolux Corporation
【住所又は居所原語表記】No.160 Kesyue Rd.,Chu−Nan Site,Hsinchu Science Park,Chu−Nan 350,Miao−Li County,Taiwan,
【Fターム(参考)】