説明

3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法

【課題】3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドの新規調整法の提供。
【解決手段】(a)3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを酸受容体の存在下でアントラニルアミドと反応させ、及び、(b)生成したN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを次に脱水剤としてのジアルキルホルムアミドと塩化チオニル又はホスゲンの混合物と反応させることによる、3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドの調製。該反応は、少なくとも部分的に、希釈剤としての酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物の存在下で実施する。後処理及び単離に際しては、アルコール存在下で行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、殺菌特性を有する活性化合物として使用可能な3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製及び単離するための新規方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般式(I)
【0003】
【化1】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドが、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを2−シアノアニリンと反応させれば得られるということは知られている(cf. WO 99/24413)。この調製方法は、出発物質として必要とされる2−シアノアニリンが複雑な合成によってしか得ることができないという不利点を有している。例えば、最初に、ジメチルホルムアミドの存在下でアントラニルアミドをホスゲンと反応させ、次いで、第2の反応で形成されたN−2−シアノフェニル−N’,N’−ジメチルホルムアミジニウム塩酸塩を、第2段階で、水性媒体中の酢酸ナトリウムで処理することが必要である(cf. DE-A 2115624 及び DE-A 2115625)。
【0004】
さらに、WO 99/24413に記載されている調製方法は、生成物を複雑な後処理方法で単離させなければならないという不利点も有している(cf. WO 99/24413の実施例1)。
【0005】
さらに、
(a)式(II)
【0006】
【化2】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、酸受容体の存在下、及び、非プロトン性希釈剤の存在下で、式(III)
【0007】
【化3】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【0008】
【化4】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、適切な場合にはさらなる非プロトン性希釈剤の存在下で、脱水剤と反応させることにより、3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドが得られるということも知られている(cf. WO 2004/002968)。
【0009】
WO 2004/002968により知られている調製方法の当該2段階を実施するための好ましい適切な希釈剤として、場合によりハロゲン化されていてもよい芳香族炭化水素類(例えば、トルエン又はクロロベンゼン)、さらに、塩素化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン)、及び、さらに、アミド類(例えば、ジメチルホルムアミド及びジメチルアセトアミド)が挙げられている。ジメチルホルムアミドが特に好ましいと述べられている。
【0010】
しかしながら、上記希釈剤の使用にも、さまざまな不利点が伴っている。かくして、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタンなどの塩素化炭化水素類は、その潜在的な毒性のために、その取扱いには技術的に比較的高い費用を必要とする溶媒である。上記反応をトルエン又はクロロベンゼンなどの場合によりハロゲン化されていてもよい芳香族炭化水素中で実施する場合、当該生成物を汚染する望ましくない副生物としての式(V)
【0011】
【化5】

で表されるN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドの形成量が増大する。さらに、これらの希釈剤中における反応では、必要とされる脱水剤の量も増大する。
【0012】
使用する希釈剤がジメチルホルムアミドである場合、上記副生物の生成量はかなり少なくなる。しかしながら、この場合でも、該副生物の形成を完全に防止することは不可能である。さらに、ジメチルホルムアミド又はジブチルホルムアミドなどのジアルキルアミドを使用することは、これら溶媒が比較的高価であるという理由で不利である。その結果、経済的な調製方法のためには、ジアルキルアミド溶媒を少なくとも部分的に回収することが必要であるが、これは、ジアルキルアミド溶媒の特性(例えば、水との完全な又は部分的な混和性;高沸点)のゆえに困難であり、また、著しいコスト集約的な付加的な技術的費用が必要である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0013】
【特許文献1】国際公開第99/24413号
【特許文献2】独国特許出願公開第2115624号明細書
【特許文献3】独国特許出願公開第2115625号明細書
【特許文献4】国際公開第2004/002968号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0014】
従って、希釈剤として大過剰量のジアルキルアミドを使用することなく、不純物である式(V)のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドの量を著しく低減しながら3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを良好な収率で調製することを可能とする改善された調製方法が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明により、当該調製方法で溶媒として酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物を使用すれば3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドが非常に良好な収率で且つ著しく改善された純度で得られるということが分かった。
【0016】
従って、第1の実施形態において、本発明は、
(a)式(II)
【0017】
【化6】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、適切な場合には、酸受容体の存在下で、式(III)
【0018】
【化7】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【0019】
【化8】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、脱水剤と反応させることにより、式(I)
【0020】
【化9】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法に関し、ここで、少なくともプロセス段階(b)を、希釈剤として、酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物の存在下で実施する。
【0021】
特に好ましくは、使用する上記希釈剤は、酢酸メチルである。
【0022】
本発明の調製方法は、ワンポット反応として実施することができる。即ち、プロセス段階(a)とプロセス段階(b)は、一方のプロセス段階の終了後、中間体(IV)を単離することなく、直ぐにもう一方のプロセス段階を実施する。特に好ましいこの手順において、本発明によって意図されている希釈剤の酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物を、プロセス段階(a)の実施においても使用する。
【0023】
本発明の調製方法は、2段階法としても実施することができる。即ち、プロセス段階(a)の後で、まず中間体(IV)を単離し、その後、プロセス段階(b)を実施する。この手順において、少なくともプロセス段階(b)は、本発明によって意図されている希釈剤の酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物の存在下で実施する。あるいは、この2段階法において、本発明により意図されている希釈剤をプロセス段階(a)とプロセス段階(b)の両方で使用することも可能である。
【0024】
本発明による調製方法のプロセス段階(a)は、適切な場合には、酸受容体の存在下で実施する。
【0025】
プロセス段階(a)において酸受容体を使用する場合、その酸受容体は、好ましくは、第3級アミンである。例として、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N,N−ジメチルベンジルアミン、ピリジン、N−メチルピペリジン、N−メチルモルホリン、N,N−ジメチルアミノピリジン、ジアザビシクロオクタン(DABCO)、ジアザビシクロノネン(DBN)又はジアザビシクロウンデセン(DBU)などを挙げることができる。
【0026】
本発明の調製方法を実施するのに酸受容体を使用する場合、酸受容体の量は、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、一般に、0.5〜1.5モルである。さらに、本発明の調製方法の第1段階を実施する場合、式(II)で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、一般に、1〜1.5モルの式(III)のアントラニルアミドを使用する。
【0027】
本発明の調製方法を実施する場合、その温度は、比較的広い範囲でさまざまであることができる。本発明の調製方法を実施する場合、その温度は、一般に、−20〜160℃の範囲内である。好ましくは、該調製方法は、−10〜40℃で実施し、特に好ましくは、0〜25℃で実施し、極めて特に好ましくは、室温で実施する。
【0028】
本発明の調製方法のプロセス段階(a)及びプロセス段階(b)は、両方とも同じ温度で実施するのが好ましい。しかしながら、代替として、本発明の調製方法の2つのプロセス段階(a)と(b)を異なった温度で実施することも可能である。ここで、プロセス段階(a)は、−20〜160℃の温度で実施することが可能である。この場合、プロセス段階(b)は、好ましくは、−10〜30℃の温度で実施する。
【0029】
プロセス段階(b)は、脱水剤の存在下で実施する。
【0030】
適切な脱水剤は、好ましくは、ジアルキルホルムアミド(特に、ジメチルホルムアミド及びジブチルホルムアミド)と塩化チオニル、オキシ塩化リン、ホスゲン及び/又はクロロメチレンジメチルアンモニウムクロリドの混合物からなる群から選択される試薬である。脱水剤として、ジメチルホルムアミド又はジブチルホルムアミドと塩化チオニル又はホスゲンの混合物を使用するのが極めて特に好ましい。
【0031】
本発明の調製方法を実施するときに使用するホスゲン又は塩化チオニルの量は、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、一般に、1〜6モルである。3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、2〜4モルを使用するのが好ましい。
【0032】
本発明の調製方法を実施するときに使用するジアルキルホルムアミドの量は、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、1〜4モルである。3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、2〜3モルを使用するのが好ましい。
【0033】
さらに、本発明の調製方法において、第1及び/又は第2のプロセス段階による反応は、さらなる希釈剤の存在下でも実施し得る。本発明の調製方法を実施するための適切なさらなる希釈剤は、全ての慣習的な非プロトン性有機溶媒である。場合によりハロゲン化されていてもよい芳香族炭化水素類(例えば、トルエン又はクロロベンゼン)、さらに、塩素化炭化水素類(例えば、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素、ジクロロエタン又はトリクロロエタン)、及び、さらに、アミド類(例えば、ジアルキルホルムアミド及びジアルキルアセトアミド)を使用するのが好ましい。ジアルキルホルムアミドとして使用するのに適しているものは、例えば、ジメチルホルムアミド、ジエチルホルムアミド、ジプロピルホルムアミド、ジブチルホルムアミド又はN−ホルミルモルホリンである。ジメチルホルムアミド及びジブチルホルムアミドが好ましく、ジメチルホルムアミドが特に好ましい。使用する好ましいジアルキルアセトアミドは、ジメチルアセトアミドである。
【0034】
本発明の調製方法を実施する場合、第1段階における反応と第2段階における反応は、いずれも、一般に、大気圧下で実施する。しかしながら、高圧下で実施することも可能である。
【0035】
本発明の調製方法を実施するための反応時間は、一般に、1〜24時間であり、本質的に、反応温度並びにそれぞれの場合に使用する酸受容体及び脱水剤の選択及び量に左右される。好ましい反応時間は、2〜8時間である。
【0036】
本発明により、生成物の後処理及び単離に際してアルコールを使用すれば3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドが非常に良好な収率で且つ著しく改善された純度で得られるということがさらに分かった。
【0037】
従って、第2の実施形態において、本発明は、
(a)式(II)
【0038】
【化10】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、適切な場合には、酸受容体の存在下で、式(III)
【0039】
【化11】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【0040】
【化12】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、脱水剤と反応させることにより、式(I)
【0041】
【化13】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法に関し、ここで、プロセス段階(b)で得られた生成物をアルコールの存在下で後処理及び単離する。
【0042】
式(V)で表されるN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドの形成について、最終的な説明又は根拠のある説明を与えることは意図していない。しかしながら、この副生物は、当該反応混合物の水を用いた後処理に際してのみ、対応する前駆物質から形成され得ると考えられる(cf. :J. Liebscher and A. Rumler, J. prakt. Chem. 326 (1984) 311-319)。従って、未精製の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを、水を用いた後処理に付す前に、アルコールと混合させて、それにより、N−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドの前駆物質をアルコールに可溶性の生成物に変換するのが有利であるということが分かった。
【0043】
本発明の調製方法のこの実施形態のための適切なアルコールは、概ね、一価アルコール類及びジオール類である。入手可能性及び価格の理由により、一価のC−C−アルコールを使用するのが好ましい。メタノール及びエタノールが特に好ましい。
【0044】
アルコールを用いたこの後処理方法は、さまざまな方法で実施し得る。かくして、例えば、当該反応混合物を濾過し、得られた固体を最初にアルコールで洗浄した後、水で洗浄することが可能である。しかしながら、当該反応後に、その反応混合物にアルコールを添加し、次いで、水を添加し、吸引濾過することも可能である。
【0045】
原理上、当該反応混合物の酸性条件下では、生成物とアルコールの望ましくない副反応も起こり得るので(例えば、Pinner反応(例えば、以下のものを参照されたい:R. Roger and D.G. Neilson, Chem. Rev. 61 (1961) 179-211))、第2の実施形態による本発明の調製方法の後処理方法は、−10〜30℃で実施し、好ましくは、0〜20℃で実施する。
【0046】
同じ理由から、本発明の調製方法の後処理方法は、比較的短時間内で行う。通常、当該反応混合物を、10分間から4時間までの期間、アルコールと接触させる。30分間から2時間までの期間が好ましい。
【0047】
第2の実施形態による本発明の調製方法のさらなる詳細について、例えば、温度、圧力、化学量論、並びに、プロセス段階(a)及び(b)の継続時間などに関しては、第1の実施形態について上記で記載されていることを参照されたい。
【0048】
本発明により、当該調製方法で希釈剤として酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物を使用し且つ生成物の後処理及び単離に際してアルコールを使用すれば3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドが非常に良好な収率で且つ著しく改善された純度で得られるということがさらに分かった。
【0049】
従って、第3の実施形態において、本発明は、
(a)式(II)
【0050】
【化14】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、適切な場合には、酸受容体の存在下で、式(III)
【0051】
【化15】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【0052】
【化16】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、脱水剤と反応させることにより、式(I)
【0053】
【化17】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法に関し、ここで、該調製方法は、少なくともプロセス段階(b)を、希釈剤として、酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物の存在下で実施すること、並びに、プロセス段階(b)で得られた生成物をアルコールの存在下で後処理及び単離することを特徴とする。
【0054】
この第3の実施形態に対して、本発明の調製方法の第1の実施形態及び/又は第2の実施形態について上記で記載されていることは、相応して適用される。
【0055】
本発明の調製方法は、多くの有利点によって特徴付けられる。本発明の調製方法によって、3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを非常に良好な収率且つ極めて高い純度で調製することが可能となる。何の問題もなく、本発明の調製方法は、工業規模で実施することが可能である。
【0056】
下記実施例により本発明についてさらに詳細に説明する。しかしながら、それら実施例は本発明を限定するものではない。ここで、記載されている収率は、両方のプロセス段階にわたる総収率であると理解されるべきである。
【実施例】
【0057】
実施例及び比較例
[実施例1]
1280mLの酢酸メチルに、最初に、119.8g[0.88mol]のアントラニルアミド、89.1g[0.88mol]のトリエチルアミン及び175.4g[2.4mol]のN,N−ジメチルホルムアミド(DMF)を添加する。10〜20℃で、320mLの酢酸メチル中の163.7g[0.756mol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を10〜20℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、380.7g[3.2mol]の塩化チオニルを30分間かけて滴下して加える。20℃で2時間経過した後、その反応混合物を濾過し、ヌッチェ上の固体を、順次、200mLの酢酸メチルで洗浄し、200mLのメタノールで2回洗浄し、400mLの水で3回洗浄し、200mLのメタノールで再度1回洗浄する。乾燥させることにより、以下の組成を有する198.8gのベージュ色の固体が得られる:
97.4%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の85.9%);
0.43%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.42%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0058】
[実施例2]
80mLの酢酸メチルに、最初に、7.49g[55mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び11g[150mmol]のDMFを添加する。10〜20℃で、20mLの酢酸メチル中の10.2g[47.2mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を10〜20℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、23.8g[200mmol]の塩化チオニルを15分間かけて滴下して加える。20℃で2時間経過した後、その反応混合物に冷却しながら50mLのメタノールを添加し、得られた混合物を30分間撹拌する。固体を吸引濾過し、ヌッチェ上の固体を、順次、20mLの水で2回洗浄し、20mLのメタノールで1回洗浄する。乾燥させることにより、以下の組成を有する12.34gのベージュ色の固体が得られる:
97.5%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の85.5%);
0.46%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.37%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0059】
[実施例3]
320mLの酢酸メチルに、最初に、29.95g[220mmol]のアントラニルアミド、22.26g[220mmol]のトリエチルアミン及び43.86g[600mmol]のDMFを添加する。10〜20℃で、80mLの酢酸メチル中の43.3g[200mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を10〜20℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、95.2g[800mmol]の塩化チオニルを2時間かけて滴下して加える。次いで、その混合物を20℃でさらに30分間撹拌する。次いで、その反応混合物に冷却しながら200mLのメタノールを添加する。30分間撹拌した後、冷却しながら200mLの水を添加し、得られた混合物をさらに2時間撹拌する。次いで、固体を吸引濾過し、ヌッチェ上の固体を、順次、50mLの水で洗浄し、50mLのメタノールで2回洗浄する。乾燥させることにより、以下の組成を有する54.8gのベージュ色の固体が得られる:
96.75%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の88.9%);
0.45%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.44%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0060】
[実施例4]
320mLの酢酸メチルに、最初に、29.95g[220mmol]のアントラニルアミド、22.26g[220mmol]のトリエチルアミン及び43.86g[600mmol]のDMFを添加する。10〜20℃で、80mLの酢酸メチル中の43.3g[200mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を10〜20℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、95.2g[800mmol]の塩化チオニルを2時間かけて滴下して加える。次いで、その混合物を20℃でさらに2時間撹拌した後、その反応混合物に冷却しながら200mLのメタノールを添加する。30分間撹拌した後、冷却しながら200mLの水を添加し、その混合物をさらに2時間撹拌する。固体を吸引濾過し、ヌッチェ上の固体を、順次、50mLの水で洗浄し、50mLのメタノールで2回洗浄する。乾燥させることにより、以下の組成を有する54.4gのベージュ色の固体が得られる:
96.6%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の88.1%);
0.54%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.35%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0061】
[実施例5]
80mLの酢酸メチルに、最初に、7.49g[55mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び11g[150mmol]のDMFを添加する。10〜20℃で、20mLの酢酸メチル中の10.83g[50mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を10〜20℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、23.8g[200mmol]の塩化チオニルを15分間かけて滴下して加える。20℃で4時間経過した後、その反応混合物に冷却しながら0〜5℃で100mLの水を添加する。その混合物を15分間撹拌する。固体を吸引濾過し、ヌッチェ上の固体を、いずれの場合も20mLのイソプロパノールで2回洗浄する。乾燥後、以下の組成を有する13.39gのベージュ色の固体が得られる:
98.1%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の88.1%);
0.2%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.4%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0062】
[実施例6]
80mLの酢酸メチルに、最初に、7.49g[55mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び7.31g[100mmol]のDMFを添加する。10〜20℃で、20mLの酢酸メチル中の10.83g[50mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を10〜20℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、11.9g[100mmol]の塩化チオニルを15分間かけて滴下して加える。20℃で4時間経過した後、その反応混合物に冷却しながら100mLの水を添加する。その混合物を15分間撹拌する。固体を吸引濾過し、ヌッチェ上の固体を50mLの水で洗浄し、いずれの場合も20mLのイソプロパノールで2回洗浄する。乾燥後、以下の組成を有する13.35gのベージュ色の固体が得られる:
98.1%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の87.9%);
0.4%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.05%未満のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0063】
[実施例7]
8mLの酢酸エチルに、最初に、0.749g[5.5mmol]のアントラニルアミド、0.557g[5.5mmol]のトリエチルアミン及び1.1g[15mmol]のDMFを添加する。0℃で、2mLの酢酸エチル中の1.08g[5mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を0℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、2.38g[20mmol]の塩化チオニル15分間かけて滴下して加える。0℃で2時間及び20℃で2時間経過した後、その反応混合物に冷却しながら0℃で10mLの水を添加する。その混合物を15分間撹拌する。固体を吸引濾過し、ヌッチェ上の固体を20mLの水で洗浄する。乾燥させることにより、以下の組成を有する1.34gのベージュ色の固体が得られる:
97.2%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の87.2%);
0.2%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.4%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0064】
[実施例8]
実施例4の手順を用いるが、但し、使用する希釈剤が酢酸エチルである点で異なっている。以下の組成を有する50.9gのベージュ色の固体が得られる:
97.0%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の82.8%);
0.30%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.51%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0065】
[実施例9]
80mLの酢酸メチルに、最初に、7.49g[55mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び11g[150mmol]のDMFを添加する。10〜20℃で、20mLの酢酸エチル中の10.22g[47.2mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、10〜20℃で、23.8g[200mmol]の塩化チオニル15分間かけて滴下して加える。その混合物を20℃で16時間撹拌する。次いで、濾過により固体を単離し、2等分する。その固体の最初の半分を、フィルター上で、いずれの場合も10mLのエタノールで2回洗浄し、次いで、いずれの場合も15mLの水で3回洗浄し、10mLのエタノールもう一度洗浄する。乾燥させることにより、以下の組成を有する4.8gのベージュ色の固体が得られる:
97.2%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.34%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.31%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0066】
上記固体の2番目の半分をt−ブタノールで同様に処理する。得られるのは、以下の組成を有する4gの固体である:
97.4%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.35%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド
0.36%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0067】
<比較例1>
実施例5の手順を用いるが、但し、酢酸メチルの代わりに酢酸イソプロピルを使用する点で異なっている。得られるのは、以下の組成を有する15gののベージュ色の固体である:
81.5%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の82%);
0.3%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
13.2%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0068】
<比較例2>
実施例5の手順を用いるが、但し、反応をプロピオン酸エチルの中で実施する点で異なっている。
【0069】
得られるのは、以下の組成を有する14.5gののベージュ色の固体である:
83.5%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の81.2%);
0.3%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
13.4%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0070】
<比較例3>
実施例4の手順を用いるが、但し、反応をギ酸メチルの中で実施する点で異なっている。
【0071】
得られるのは、NMRにより以下の組成を有する、7.6gのベージュ色の固体である:
98%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の50%);
2%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0072】
<比較例4>
30gのジメチルホルムアミド(DMF)に、最初に、7.49g[50mmol]のアントラニルアミド及び5.57g[55mmol]のトリエチルアミンを添加する。0〜5℃で、25gのDMF中の10.83g[50mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を0〜5℃で1時間撹拌し、次いで、同じ温度で、8.63g[72.5mmol]の塩化チオニルを15分間かけて滴下して加える。0〜5℃で4時間経過した後、その反応混合物に100mLの水を添加する。その混合物をさらに4時間撹拌する。次いで、固体を吸引濾過し、20mLの水で1回洗浄し、いずれの場合も20mLのイソプロパノールで2回洗浄し、乾燥させる。
【0073】
得られるのは、以下の組成を有する、14.05gのベージュ色の固体である:
96.2%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の90.7%);
0.5%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
2.1%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0074】
<比較例5>
80mLのクロロベンゼンに、最初に、7.49g[50mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び14.62g[200mmol]のDMFを添加する。20℃で、20mLのクロロベンゼン中の10.83g[50mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その反応混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、0℃に冷却する。同じ温度で、23.79g[200mmol]の塩化チオニルを20分間かけて滴下して加える。0〜5℃で6時間経過した後、その反応混合物に100mLの水を添加する。その混合物を15分間撹拌する。固体を吸引濾過し、いずれの場合も20mLのイソプロパノールで2回洗浄し、乾燥させる。
【0075】
得られるのは、NMRにより以下の組成を有する、14.45gのベージュ色の固体である:
48%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の46%);
52%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.5%未満のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0076】
<比較例6>
80mLのクロロベンゼンに、最初に、7.49g[50mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び14.62g[200mmol]のDMFを添加する。20℃で、20mLのクロロベンゼン中の10.83g[50mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その反応混合物を20℃で1時間撹拌し、次いで、10℃に冷却する。同じ温度で、23.79g[200mmol]の塩化チオニルを20分間かけて滴下して加える。10℃で6時間経過した後、その反応混合物に100mLの水を添加する。その混合物を15分間撹拌する。固体を吸引濾過し、いずれの場合も20mLのイソプロパノールで2回洗浄し、乾燥させる。
【0077】
得られるのは、NMRにより以下の組成を有する、13.56gのベージュ色の固体である:
92%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の84%);
2%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
6%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。
【0078】
<比較例7>
40mLのブチロニトリルに、最初に、7.49g[50mmol]のアントラニルアミド、5.57g[55mmol]のトリエチルアミン及び11g[150mmol]のDMFを添加する。0〜5℃で、10mLのブチロニトリル中の10.83g[50mmol]の3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの溶液を滴下して加える。その混合物を0〜5℃で1時間撹拌し、同じ温度で、23.79g[200mmol]の塩化チオニルを20分間かけて滴下して加える。0〜5℃で5時間及び20℃で1時間経過した後、その反応混合物に100mLの水を添加する。その混合物を15分間撹拌する。固体を吸引濾過し、いずれの場合も20mLのイソプロパノールで2回洗浄し、乾燥させる。
【0079】
得られるのは、NMRにより以下の組成を有する、12.25gのベージュ色の固体である:
96%の3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミド(理論値の79%);
1%のN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド;
0.4%のN−[2−(N’−ホルミルアミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミド。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)式(II)
【化1】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、適切な場合には、酸受容体の存在下で、式(III)
【化2】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【化3】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、脱水剤と反応させることにより、式(I)
【化4】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法であって、少なくともプロセス段階(b)を、希釈剤として、酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物の存在下で実施することを特徴とする、前記方法。
【請求項2】
(a)式(II)
【化5】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、適切な場合には、酸受容体の存在下で、式(III)
【化6】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【化7】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、脱水剤と反応させることにより、式(I)
【化8】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法であって、プロセス段階(b)で得られた生成物をアルコールの存在下で後処理及び単離することを特徴とする、前記方法。
【請求項3】
(a)式(II)
【化9】

で表される3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドを、適切な場合には、酸受容体の存在下で、式(III)
【化10】

で表されるアントラニルアミドと反応させ、及び、
(b)形成された式(IV)
【化11】

で表されるN−[2−(アミノカルボニル)フェニル]−3,4−ジクロロ−5−イソチアゾールカルボキサミドを、次に、脱水剤と反応させることにより、式(I)
【化12】

で表される3,4−ジクロロ−N−(2−シアノフェニル)−5−イソチアゾールカルボキサミドを調製する方法であって、少なくともプロセス段階(b)を、希釈剤として、酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物の存在下で実施すること、並びに、プロセス段階(b)で得られた生成物をアルコールの存在下で後処理及び単離することを特徴とする、前記方法。
【請求項4】
前記調製方法を中間体(IV)を単離することなく実施すること、及び、希釈剤として使用する前記酢酸メチル、酢酸エチル又はそれらの混合物を両方のプロセス段階で使用することを特徴とする、請求項1〜3に記載の方法。
【請求項5】
前記後処理及び単離を、アルコールの存在下において、−10〜30℃の温度で及び/又は10分間〜2時間の期間にわたって、実施することを特徴とする、請求項2〜4のいずれかに記載の方法。
【請求項6】
前記後処理及び単離をC−C−アルコールを用いて実施することを特徴とする、請求項2〜5のいずれかに記載の方法。
【請求項7】
第2のプロセス段階の実施に際して脱水剤として使用される試薬が、ジアルキルホルムアミドと塩化チオニル、オキシ塩化リン、ホスゲン及び/又はクロロメチレンジメチルアンモニウムクロリドの混合物からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1〜6のいずれかに記載の方法。
【請求項8】
プロセス段階(a)及びプロセス段階(b)による反応を−20〜60℃の温度で実施することを特徴とする、請求項1〜7のいずれかに記載の方法。
【請求項9】
プロセス段階(b)で使用されるホスゲン又は塩化チオニルの量が、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、1〜6モルであることを特徴とする、請求項1〜8のいずれかに記載の方法。
【請求項10】
プロセス段階(b)で使用されるジアルキルホルムアミドの量が、3,4−ジクロロイソチアゾール−5−カルボニルクロリドの1モル当たり、2〜4モルであることを特徴とする、請求項1〜9のいずれかに記載の方法。

【公開番号】特開2013−35846(P2013−35846A)
【公開日】平成25年2月21日(2013.2.21)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−198133(P2012−198133)
【出願日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【分割の表示】特願2008−523196(P2008−523196)の分割
【原出願日】平成18年7月21日(2006.7.21)
【出願人】(507203353)バイエル・クロップサイエンス・アーゲー (172)
【氏名又は名称原語表記】BAYER CROPSCIENCE AG
【Fターム(参考)】