説明

3D表示器及びその回折格子装置の製造方法

【課題】本発明は、製造過程を簡略化させ、製造効率を大幅に向上させることができる3D表示器及びその回折格子装置の製造方法を提供する。
【解決手段】本発明は、以下の手順からなる。感光性高分子溶液と、エレクトロクロミック材料溶液と、少なくとも一つの透明導電基板を提供する手順。一定量Xの前記感光性高分子溶液と、一定量Yの前記エレクトロクロミック材料溶液を混合させ、回折格子製造溶液を生成する手順。前記回折格子製造溶液を、二つの透明導電基板の間、或いは、単一の透明導電基板の一側に設ける手順。フォトマスクを通して、光線を前記回折格子製造溶液に照射し、重合固化させて透明の柵状分離部材にし、前記回折格子製造溶液の一部は流体状態を維持する手順。本発明は、一度の製造過程で製造を完了させることができるため、製造効率を大幅に向上させることができる。また、本発明は、前記透明導電基板を、表示装置の一側に設け、電極部と電気的に接続することで、3D表示器の回折格子装置が形成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は3D表示装置に関し、特に3D表示器及びその回折格子装置の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
現在知られている立体映像表示技術の原理は、両眼視差(Binocular disparity)を利用して、左右の目でそれぞれ異なる映像を受信し、最後に、大脳で一つの立体映像に融合させる。裸眼3D表示技術でよく見られるのは、視差バリア方式(Barrier)、レンチキュラレンズ(Lenticular Lens)技術、及び、指向性光源(Directional Backlight)の三種類であり、上述の三種類の構造はそれぞれ利点と欠点がある。その内、前記レンチキュラレンズは、多くの細長い棒状の凸レンズを軸方向に沿って連続して配列し、光学屈折の原理を利用して、左右の目に異なる図面を生じさせる方式であり、回折格子構造とも呼ぶ。これは、視差バリア方式の構造と比較し、光の屈折を利用して分光の目的を達するため、光の損失が少なく、輝度が高い。しかしながら、レンズ構造の辺縁箇所に屈折の制限があり、屈折効果が悪くなるか、或いは、レンチキュラレンズを製造する時の誤差により、レンズ表面が平らになりにくい等の要素が生じ、それが光散乱を引き起こし、それにより立体映像の一部がぼやけ、3D映像全体の表示効果に影響がある。また、視差バリア方式は、バリアを利用してある角度の光の射出を制限することで、ある角度の図面映像を左右の目にそれぞれ送り、目に立体映像を生じさせる。レンチキュラレンズと比較して、その片目の映像はよりはっきりするが、その先天的な構造の特徴により、映像全体の輝度が下がる、映像解析度が下がる等の欠点が生じる。
【0003】
また、台湾特許第M371902号の「2D平面映像/3D立体映像表示画面の切換表示装置」は、平面表示器と、前記平面表示器の表示面に設けられた視差バリア面板とによって構成する。その内、前記視差バリア面板は柵状パターンと、第一エレクトロクロミック材料層と、第二エレクトロクロミック材料層とによって構成し、2D平面映像表示状態の時、前記柵状パターンと、前記第一エレクトロクロミック材料層と、前記第二エレクトロクロミック材料層はいずれも透明であり、3D立体映像表示状態の時は、前記柵状パターンは、光を通さないパターンであり、前記第一エレクトロクロミック材料層は第一色をもち、前記第二エレクトロクロミック材料層は第二色をもつ。また、台湾特許第M368088号の「統合式エレクトロクロミック2D/3D表示器」は、視差バリアユニットを液晶表示器基材に嵌めこんだ構造であり、それは、第一基板と、視差バリアユニットと、光学フィルターユニットと、共通電極と、液晶ユニットと、複数の薄膜電気結晶体と、第二基板と、光源とによって構成する。視差バリアユニットは、第一基板の下方に設けられ、光学フィルターユニットは、視差バリアユニットの下方に設けられ、共通電極は、光学フィルターユニットの下方に設けられ、液晶ユニットは共通電極の下方に設けられ、複数の薄膜電結晶体は、液晶ユニットの下方に設けられ、第二基板は、複数の薄膜電結晶体の下方に設けられ、光源は第二基板の下方に設けられる。視差バリアユニットによって、平面映像と立体映像の調整変更を行えるとともに、従来の表示装置の厚さを薄くし、組み立てコストを下げることができる。しかしながら、前記視差バリアユニットの柵状パターンは、透明導電層とエレクトロクロミック層を、絶縁性の透明材料の柵状凹溝内に配置させてなるため、立体映像の液晶表示器の厚さを縮小できるものの、実際の製造は、相当複雑になる。
【0004】
以上の特許は、いずれもエレクトロクロミック材料(Electrochromism、EC)を利用している。それは、つまり、電流或いは電場の作用の下、エレクトロクロミック材料に光吸收や光散乱を生じさせ、それにより、色に酸化或いは還元の可逆反応を生じさせている。しかしながら、上述特許におけるエレクトロクロミック装置は、必要な電解質層が欠けており、前記エレクトロクロミック装置は、可逆反応を生じさせて著色や脱色変化をさせることができないことや、或いは、その着色や脱色速度が相当遅くなることがある。また、前記視差バリア装置の透明電極層とエレクトロクロミック材料層には、柵状パターンが設けられ、その製造過程には分層塗布、スパッタ、或いは、エッチングが必要で、そして、各層を重ねる際に正確に位置を合わせなければならず、それにより、製造過程が複雑であり、製造効率が悪い。
【0005】
また、上述の特許は、いずれも従来の固体エレクトロクロミック材料を採用しているため、その着色/退色速度が遅く且つ駆動電圧も大きい。もし、反応速度を速く且つ駆動電圧を小さくする場合は、液体の溶液型エレクトロクロミック材料に変えなければならない。しかしながら、液体の溶液型エレクトロクロミック材料は、固体エレクトロクロミック材料のように、柵状構造の方式で導電基材表面にめっきするのとは違い、まず、前記導電基板にバリア柵を設けて、前記溶液型エレクトロクロミック材料を密封することで、前記溶液型エレクトロクロミック材料が変色した時、遮られた箇所が光を通す状態になる。本発明による3D表示器及びその回折格子装置の製造方法は、一度の製造過程でバリア柵の製造を完了させ、前記溶液型エレクトロクロミック材料を装置内に密封させるため、製造過程を簡略化し、製造効率を大幅に向上させることができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】台湾特許第M371902号明細書
【特許文献2】台湾特許第M368088号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上述のニーズに鑑み、本発明者は、研究を重ね、この分野の長年の経験を積み、ついに、全く新しい、3D表示器及びその回折格子装置の製造方法を考え出した。
【0008】
本発明は、製造過程を簡略化させ、製造効率を大幅に向上させることができる3D表示器及びその回折格子装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0009】
また、本発明は、前記回折格子装置を表示装置の一側に結合させることで3D立体表示の効果を生じさせることができる、3D表示器構造を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述の一つ目の目的を達成するために、本発明の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法は、二種類の実施方式をもつ。
【0011】
実施例1は、以下の手順からなる。感光性高分子溶液と、エレクトロクロミック材料と、第一透明導電基板と、第二透明導電基板とを提供する手順。一定量Xの光重合物高分子溶液と、一定量Yのエレクトロクロミック材料溶液を混合させて回折格子製造溶液を生成する手順。前記回折格子製造溶液を前記第一透明導電基板と第二透明導電基板の間に密封する手順。フォトマスクを通して、光線を前記回折格子製造溶液に照射し、照射を受けた前記回折格子製造溶液が重合固化して透明な柵状分離部材になり、前記フォトマスクに遮られた回折格子製造溶液が元々の流体状態を維持し、回折格子装置を形成させる手順。前記回折格子装置を表示装置の一側に設け、前記第一、第二透明導電基板を、電極部に電気的に接続し、通電させた後、前記回折格子製造溶液と前記分離部材の間に明暗の回折格子効果が生じ、3D表示器の回折格子装置になる手順。
【0012】
実施例2は、以下の手順からなる。感光性高分子溶液と、エレクトロクロミック材料溶液と、透明導電基板と、側縁に凸縁を備える透明導電基板とを提供する手順。一定量Xの前記感光性高分子溶液と、一定量Yの前記エレクトロクロミック材料溶液を混合して回折格子製造溶液を生成する手順。前記回折格子製造溶液を前記凸縁を備える透明導電基板の一側に設ける手順。フォトマスクを通して、光線を前記回折格子製造溶液に照射し、照射を受けた前記回折格子製造溶液が重合固化して透明の柵状分離部材になり、前記フォトマスクに遮られた前記回折格子製造溶液は元々の流体状態を維持する手順。前記第二透明導電基板を前記柵状分離部材の一側に設けて、回折格子装置を形成させる手順。前記回折格子装置を表示装置の一側に設け、前記第一透明導電基板と第二透明導電基板をそれぞれ電極部に電気的に接続し、電通させた後、前記回折格子製造溶液と前記分離部材の間に明暗の回折格子効果が生じ、3D表示器の回折格子装置になる手順。
【0013】
以上の実施例において、本発明が採用する前記感光性高分子溶液は、遊離基重合体、或いは、イオン重合体である。前記遊離基重合体の感光性高分子溶液は、アクリレート材料、或いは、不飽和ポリエステル類材料の内の一つである。また、前記イオン重合体の高分子重合溶液は、エポキシ樹脂類材料である。また、前記高分子重合溶液は、NOA−65であるのが好ましい。
【0014】
以上の実施例において、本発明が採用する前記エレクトロクロミック材料溶液は、無機エレクトロクロミック材料と有機エレクトロクロミック材料を溶媒内に溶かしてなる。その内、前記無機エレクトロクロミック材料は、遷移元素の酸化物、硫化物、塩化物、或いは、水酸化物等無機化合物の内の一つである。前記遷移元素は、スカンジウム族(IIIB)、バナジウム族(VB)、チタン族(IVB)、クロム族(VIB)、マンガン族(VIIB)、鉄系(VIII)、銅族(IB)、亜鉛族(IIB)、或いは、白金系(VIIIB)の内の一種類の材料からなる。また、前記無機エレクトロクロミック材料は、ハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、炭素族(IVA)、硼素族(IIIA)、アルカリ土類族(IIA)、或いは、アルカリ金属族(IA)の酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物等無機化合物の内の一つである。また、前記無機エレクトロクロミック材料は、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、三塩化ビスマス(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)、或いは、臭化リチウム(LiBr)の内の一つである。また、前記有機エレクトロクロミック材料は、酸化還元指示薬、pH指示薬、或いは、その他の有機化合物の内の一つである。その内、前記酸化還元指示薬は、メチレンブルー(Methylene blue,C1618ClN3S・3H2O)、ビオロゲン(Methyl Viologen)、N−ヒドロキシベンズアニリド(C1311NO2)、ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノールナトリウムエタノール溶液(C126Cl2NNaO2)、或いは、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−P−フェニレンジアミン(C20202)の内の一つである。前記pH指示薬は、バリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine Blue,B Diazonium salt,C1312ClN3O)である。前記有機化合物は、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(7,7,8,8−Tetracyanoquinodimethane)、或いは、フェロセン(Ferrocene,Fe(C552)の内の一つである。また、前記溶媒の材質は、ジメチルスルホキシド[(CH32SO]、アセト酢酸(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、グルタルアルデヒド、メチルグルタルアルデヒド、3,3’−オキシビスプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、3−メチルスルホラン、或いは、その混合物の内の一つである。また、前記エレクトロクロミック材料溶液は、さらに、少なくとも一種類の不活性導電塩を含み、前記不活性導電塩は、リチウム、ナトリウム、或いは、四級アルキルアンモニウム塩の内の一つである。
【0015】
以上の実施例において、本発明の前記回折格子製造溶液は、さらに、希釈溶液と混合される。また、前記希釈溶液はアルコールである。
【0016】
また、上述の二つ目の目的を達成するために、上述の実施例で製造された本発明の前記3D表示器をもつ回折格子装置を、表示装置の一側に設け、前記第一透明導電基板と前記第二透明導電基板を、それぞれ電極部に電気的に接続し、通電させると、前記回折格子製造溶液内のエレクトロクロミック材料溶液成分と、前記柵状分離部材構造の間に明暗の回折格子効果が生じ、3D立体表示の効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0017】
以上により、本発明の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法は、製造過程の手順を大幅に簡略化させ、製造過程を更に速めることができ、その製造効率を大幅に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】本発明の実施例1の製造手順を示したフローチャートである。
【図2】本発明の実施例1の製造過程の状態を示した説明図1である。
【図3】本発明の実施例1の製造過程の状態を示した説明図2である。
【図4】本発明の実施例1の製造過程の状態を示した説明図3である。
【図5】本発明の実施例1の製造過程の状態を示した説明図4である。
【図6】本発明の実施例1の製造過程の状態を示した説明図5である。
【図7】本発明の実施例1の構造を示した説明図である。
【図8】本発明の実施例2の製造手順を示したフローチャートである。
【図9】本発明の実施例2の製造過程の状態を示した説明図1である。
【図10】本発明の実施例2の製造過程の状態を示した説明図2である。
【図11】本発明の実施例2の製造過程の状態を示した説明図3である。
【図12】本発明の実施例2の製造過程の状態を示した説明図4である。
【図13】本発明の実施例2を示した上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
貴審査官に本発明の内容をはっきりと理解してもらえるよう、以下に、図を併せながら説明を行う。
【実施例1】
【0020】
図1から図6を参照する。図1から図6は、本発明の実施例1の製造手順を示したフローチャートと、その製造過程の各種状態を示した説明図である。図に示すように、本発明の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法は、以下の手順からなる。
【0021】
(S11)では、感光性高分子溶液131と、エレクトロクロミック材料溶液132と、第一透明導電基板11と、第二透明導電基板12とを提供する(図2に図示)。
【0022】
(S12)では、一定量Xの感光性高分子溶液131と、一定量Yのエレクトロクロミック材料溶液132を混合し、回折格子製造溶液13を生成する(図3に図示)。
【0023】
(S13)では、回折格子製造溶液13を第一透明導電基板11と第二透明導電基板12の間に密封して、回折格子製造溶液13が漏れないようにする(図4に図示)。
【0024】
(S14)では、フォトマスク30を通して光線を回折格子製造溶液13に照射すると、光線の照射を受けた回折格子製造溶液13は重合固化して透明の柵状分離部材133になり、フォトマスク30に遮られた回折格子製造溶液13は光線の照射を受けないため、元々の流体状態を維持することができ、回折格子装置10を形成する(図5に図示)。
【0025】
(S15)では、回折格子装置10を表示装置20の一側に設け、第一透明導電基板11と第二透明導電基板12を、それぞれ電極部14に電気的に接続し、通電させると、回折格子製造溶液13と柵状分離部材133の間に、明暗の回折格子効果が生じ、3D表示器の回折格子装置10となる(図6に図示)。
【0026】
図7を参照する。図7は、本発明の実施例1の構造を示した説明図である。また、同時に図2から図6も併せて参照する。図に示すように、本発明の3D表示器の回折格子装置10は、表示装置20の一側に設ける。回折格子装置10は、第一透明導電基板11と、第二透明導電基板12と、回折格子製造溶液13と、上述の方法で製造した柵状分離部材133とによってなる。第一透明導電基板11と第二透明導電基板12を、それぞれ電極部14に電気的に接続し、第一透明導電基板11と第二透明導電基板12を通電させると、第一透明導電基板11と第二透明導電基板12の間に電圧差が生じ、それにより、第一透明導電基板11と第二透明導電基板12から電子が提供されて、回折格子製造溶液13内のエレクトロクロミック材料溶液132内のイオン価数が変わり、色が変化して光線をさえぎる。また、柵状分離部材133の位置は光線を通すため、2D表示にするため回折格子装置10をオフにする際には、電極部14を取り外す、或いは逆電圧を印加すると、エレクトロクロミック材料溶液132は退色して光線が通る状態になる。
【0027】
上述の製造方法は、感光性高分子溶液131とエレクトロクロミック材料溶液132を調合してなる回折格子製造溶液13を、まず、第一透明導電基板11と第二透明導電基板12の間に密封し、その後光線を照射すると、回折格子装置10の製造を完了することができるため、大幅に製造過程を簡略化させ製造効率を高めることができるという利点がある。
【0028】
また、本発明の感光性高分子溶液131及びエレクトロクロミック溶液材料132を調合する際、まず、希釈溶液(図示せず)で希釈を行うことで、必要な濃度の回折格子製造溶液13を調合する。なお、前記希釈溶液は、通常、アルコールである。
【実施例2】
【0029】
図8から図12を参照する。図8から図12は、本発明の実施例2の製造手順を示したフローチャートと、その製造過程の各種状態を示した説明図である。図に示すように、本発明の実施例2の製造方法は、以下の手順からなる。
【0030】
(S21)では、感光性高分子溶液431と、エレクトロクロミック材料溶液432と、凸縁411を備える第一透明導電基板41と、第二透明導電基板42とを提供する(図9に図示)。
【0031】
(S22)では、一定量Xの感光性高分子溶液431と、一定量Yのエレクトロクロミック材料溶液432を混合して、回折格子製造溶液43を生成する(図10に図示)。
【0032】
(S23)では、回折格子製造溶液43を、凸縁411を備える第一透明導電基板41の一側に設ける(図11に図示)。
【0033】
(S24)では、フォトマスク60を通して光線を回折格子製造溶液43に照射すると、光線の照射を受けた回折格子製造溶液43が重合固化して透明の柵状分離部材433になり、フォトマスク60に遮られた回折格子製造溶液43は元々の流体状態を維持する(図12に図示)。
【0034】
(S25)では、第二透明導電基板42を柵状分離部材433の一側に設け、それにより回折格子装置40が形成される。
【0035】
(S26)では、回折格子装置40を表示装置50の一側に設け、第一透明導電基板41と第二透明導電基板42を、それぞれ電極部44に電気的に接続し、通電させると、回折格子製造溶液43と分離部材433の間に、明暗の回折格子効果が生じ、3D表示器の回折格子装置40となる。
【0036】
本発明の実施例2と実施例1を比較すると、実施例2は、回折格子製造溶液43を、凸縁411を備える第一透明導電基板41内に設けるが、回折格子製造溶液43を密封せず、まず、光線の照射を行い、柵状分離部材433を成型させた後(図13に図示)、さらに、第二透明導電基板42を柵状分離部材43に被せて密封を行うことで、回折格子装置40の製造を完了させる。
【0037】
その内、第一透明導電基板11、41と第二透明導電基板12、42は、プラスチック、高分子プラスチック、ガラスの内の一つであるか、或いは、樹脂、ポリエチレンテレフタラート(Polyethylene Terephthalate,PET)、ポリカーボネート(Poly Carbonate,PC)、ポリエチレン(Polyethylene,PE)、ポリ塩化ビニル(Poly Vinyl Chloride,PC)、ポリプロピレン(Poly Propylene,PP)、ポリスチレン(Poly Styrene,PS)、或いは、ポリメタクリル酸メチル樹脂(Polymethylmethacrylate,PMMA)からなるプラスチックポリマー群の内の一つである。また、第一透明導電基板11、41と第二透明導電基板12、42には、酸化インジウムスズ(Indium Tin Oxide,ITO)、酸化インジウム・酸化亜鉛(Indium Zinc Oxide,IZO)、アルミニウムドープ酸化亜鉛(Al−doped ZnO,AZO)、アンチモンドープ酸化スズ(Antimony Tin Oxide,ATO)、カーボンナノチューブ(carbon nanotube)、ポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)、或いは、ポリアニリン(polyaniline)の内の一種類の導電材料を均一に塗布し、第一透明導電基板11、41と第二透明導電基板12、42を、それぞれ電極部14、44に電気的に接続し、電極部14、44を制御することによって、第一透明導電基板11、41と第二透明導電基板12、42間の電圧値を調整する。また、実施例2の第一透明導電基板41の周囲の各側縁は、それぞれ凸縁411を備え、枠状構造を形成して、回折格子製造溶液43を収容することができる。
【0038】
その内、前記感光性高分子(photopolymer)は、光重合ゾルゲル(photopolymerized sol−gel,PSG)とも呼ばれ、その材料は、重合物を基礎とし、特定の活性希釈単体と光開始剤と複数の添加剤を加えてなり、紫外線光が照射されると、液体材料内の光開始剤が励起されて遊離基或いは陽イオンになり、それにより、材料内の不飽和二重結合物質間の化学反応を引き起こし、固化型構造を形成する。本発明が使用する光重合物高分子溶液131、431は、遊離基重合体、或いは、イオン重合体であり、光重合物高分子溶液131、431が遊離基重合体の時は、光重合物高分子溶液131、431は、アクリレート材料、或いは、不飽和ポリエステル類材料の内の一つからなり、光重合物高分子溶液131、431がイオン重合体の時は、光重合物高分子溶液131、431は、エポキシ樹脂類材料からなる。
【0039】
また、感光性高分子溶液131、431の実施例は、NOA−65(Norland Optical Adhesive 65)、ベンゾフェノン5WT%含有光開始剤(benzophenone photoinitiator)、トリメチロールプロパンジアリルエーテル(trimethylol−propane diallyl ether)、トリメチロールプロパントリスチオール(trimethylolpropane tristhiol)、及び、イソホロンジイソシアネートエステル(isophorone diisocyanate ester)の混合溶液である。ベンゾフェノン光開始剤は、特定の波長の紫外線光の照射を受けた後、励起状態になり、光開始剤分子の分裂分解或いは水素転移によって活性遊離基が生じ、これらの遊離基によって、プロペニルエーテル内のアルケン結合に新しい遊離基が生じ、システム全体に遊離基連鎖重合反応、硬化が生じて透明な固体になる。
【0040】
本発明のエレクトロクロミック材料溶液132、432は、無機エレクトロクロミック材料と有機エレクトロクロミック材料を溶媒内に溶かしてなる。その内、前記無機エレクトロクロミック材料は、遷移元素の酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物等の無機化合物であり、前記遷移元素は、スカンジウム族(IIIB)、バナジウム族(VB)、チタン族(IVB)、クロム族(VIB)、マンガン族(VIIB)、鉄系(VIII)、銅族(IB)、亜鉛族(IIB)、或いは、白金系(第5、6周期VIIIB)の内の一種類の材料からなる。また、前記無機エレクトロクロミック材料は、ハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、炭素族(IVA)、硼素族(IIIA)、アルカリ土類族(IIA)、アルカリ金属族(IA)の酸化物、硫化物、塩化物、或いは、水酸化物等無機化合物の内の一つである。また、前記無機エレクトロクロミック材料は、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、三塩化ビスマス(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)、或いは、臭化リチウム(LiBr)の内の一つである。また、本発明の前記有機エレクトロクロミック材料は、酸化還元指示薬、pH指示薬、或いは、その他の有機化合物の内の一つである。前記有機エレクトロクロミック材料が酸化還元指示薬の場合、前記酸化還元指示薬は、メチレンブルー(Methylene blue,C1618l3S3H2O)、ビオロゲン(Viologen)、N−ヒドロキシベンズアニリド(C1311NO2)、ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノールナトリウムエタノール溶液(C126l2NNaO2)、或いは、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−P−フェニレンジアミン(C20202)の内の一つである。その内、前記ビオロゲン(Viologen)は、R置換基の炭素鎖の長さ、或いは、構造の違いにより、異なる色が生じる。そのR置換基は、Methyl、Ethyl、Propyl、Butyl、Pentyl、Hexyl、Heptyl、Octyl、Iso−pentyl、或いは、Benzylの内の一つであり、その実際の実施例は、1,1’−ジメチル−4,4’−ビピリジニウムジクロリド水和物(1,1’−Dimethyl−4,4’−bipyridinium Dichloride Hydrate,MV)、1,1’−ジヘプチル−4,4’−ビピリジニウムジブロミド(1,1’−Diheptyl−4,4’−bipyridinium Dibromide,HV)、1,1’−ジベンジル−4,4’−ビピリジニウムジクロリド水和物(1,1’−Dibenzyl−4,4’−bipyridinium Dichloride Hydrate,BV)、1,1’−ビス(2,4−ジニトロフェニル)−4,4’−ビピリジニウムジクロリド(1,1’−Bis(2、4−dinitrophenyl)−4,4’−bipyridinium Dichloride)、1,1’−ジ−n−オクチル−4,4’−ビピリジニウムジブロミド(1,1’−Di−n−octyl−4,4’−bipyridinium Dibromide、Octyl)、1,1’−ジフェニル−4,4’−ビピリジニウムジクロリド(1,1’−Diphenyl−4,4’−bipyridinium Dichloride)、4,4’−ビピリジル(4,4’−Bipyridyl)等である。前記有機エレクトロクロミック材料が前記pH指示薬である場合、前記pH指示薬は、バリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine Blue,B Diazonium salt,C1312ClN3O)である。前記有機エレクトロクロミック材料が前記有機化合物の場合は、前記有機化合物は、フェロセン(Ferrocene,Fe(C552)、或いは、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(7,7,8,8−Tetracyanoquinodimethane)の内の一つである。
【0041】
また、エレクトロクロミック材料溶液132、432で使用する前記溶媒の材質は、ジメチルスルホキシド[(CH32SO]、アセト酢酸(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、グルタルアルデヒド、メチルグルタルアルデヒド、3,3’−オキシビスプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、3−メチルスルホラン、或いは、その混合物の内の一つである。
【0042】
また、エレクトロクロミック材料溶液132、432は、さらに、少なくとも一種類の不活性導電塩を含み、前記不活性導電塩は、リチウム、ナトリウム、或いは、四級アルキルアンモニウム塩の内の一つである。
【0043】
上述の内容をまとめると、本発明の実施例1と実施例2の前記製造方法の各手順を用いると、製造過程を大幅に簡略化して、製造過程を更に速めることができるため、製造効率を大幅に向上させることができる。また、本発明の回折格子装置10、40の柵状分離部材133、433の構造は、フォトマスク30、60に設けられた開孔形状、例えば、柵式の開孔、差込式開孔、或いは、隔溝式開孔等によって変わり、回折格子装置10、40を表示装置20、50の一側に結合させることにより、3D立体表示の効果を得ることができる。
【0044】
以上で述べた内容は、本発明の好ましい実施例にすぎず、本発明の実施範囲を限定するものではない。その他、例えば、前記透明導電膜の材質、サイズ、或いは形状等、或いは前記溶液型エレクトロクロミック材料の調合方法、或いは、配合比率等の変更は、いずれも本発明の範囲内に含まれる。従って、当技術領域に対して通常の知識を有する者、或いは当技術を熟知した者による、本発明の主旨を逸脱しない範囲において行われた同様の効果をもつ変更は、いずれも特許請求の範囲に含まれるものとする。
【符号の説明】
【0045】
S11〜S15 手順
10 回折格子装置
11 第一透明導電基板
12 第二透明導電基板
13 回折格子製造溶液
131 感光性高分子溶液
132 エレクトロクロミック材料溶液
133 柵状分離部材
14 電極部
20 表示装置
30 フォトマスク
S21〜S26 手順
40 回折格子装置
41 第一透明導電基板
411 凸縁
42 第二透明導電基板
43 回折格子製造溶液
431 感光性高分子溶液
432 エレクトロクロミック材料溶液
433 柵状分離部材
44 電極部
50 表示装置
60 フォトマスク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光性高分子溶液と、エレクトロクロミック材料溶液と、第一透明導電基板と、第二透明導電基板とを提供する手順と、
一定量Xの前記感光性高分子溶液と、一定量Yの前記エレクトロクロミック材料溶液を混合させ、回折格子製造溶液を生成する手順と、
前記回折格子製造溶液を、前記第一透明導電基板と前記第二透明導電基板の間に密封する手順と、
フォトマスクを通して光線を前記回折格子製造溶液に照射し、照射を受けた前記回折格子製造溶液は重合固化して透明の柵状分離部材になり、前記フォトマスクに遮られた前記回折格子製造溶液は元々の流体状態を維持し、回折格子装置が形成される手順と、
前記回折格子装置を表示装置の一側に設け、前記第一、第二透明導電基板を電極部に電気的に接続し、通電させた後、前記回折格子製造溶液と前記分離部材の間に明暗の回折格子効果が生じ、3D表示器の回折格子装置になる手順と、
からなることを特徴とする、3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項2】
前記感光性高分子溶液は、遊離基重合体、或いは、イオン重合体であることを特徴とする、請求項1に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項3】
前記遊離基重合体の感光性高分子溶液は、アクリレート材料、或いは、不飽和ポリエステル類材料の内の一つであることを特徴とする、請求項2に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項4】
前記イオン重合体の感光性高分子溶液は、エポキシ樹脂類材料であることを特徴とする、請求項2に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項5】
前記感光性高分子溶液はNOA−65であることを特徴とする、請求項1に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項6】
前記エレクトロクロミック材料溶液は、無機エレクトロクロミック材料と、有機エレクトロクロミック材料とを溶媒内に溶かしてなることを特徴とする、請求項1に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項7】
前記無機エレクトロクロミック材料は、遷移元素の酸化物、硫化物、塩化物、或いは、水酸化物等の無機化合物の内の一つであることを特徴とする、請求項6に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項8】
前記遷移元素は、スカンジウム族(IIIB)、バナジウム族(VB)、チタン族(IVB)、クロム族(VIB)、マンガン族(VIIB)、鉄系(VIII)、銅族(IB)、亜鉛族(IIB)、或いは、白金系(VIIIB)の内の一種類の材料からなることを特徴とする、請求項7に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項9】
前記無機エレクトロクロミック材料は、ハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、炭素族(IVA)、硼素族(IIIA)、アルカリ土類族(IIA)、或いは、アルカリ金属族(IA)の酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物等の無機化合物の内の一つであることを特徴とする、請求項6に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項10】
前記無機エレクトロクロミック材料は、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、三塩化ビスマス(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)、或いは、臭化リチウム(LiBr)の内の一つであることを特徴とする、請求項6に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項11】
前記有機エレクトロクロミック材料は、酸化還元指示薬、pH指示薬、或いは、その他の有機化合物の内の一つであることを特徴とする、請求項6に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項12】
前記酸化還元指示薬は、メチレンブルー(Methylene blue,C1618ClN3S・3H2O)、ビオロゲン(Methyl Viologen)、N−ヒドロキシベンズアニリド(C1311NO2)、ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノールナトリウムエタノール溶液(C126Cl2NNaO2)、或いは、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−P−フェニレンジアミン(C20202)の内の一つであることを特徴とする、請求項11に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項13】
前記pH指示薬は、バリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine Blue,B Diazonium salt,C1312ClN3O)であることを特徴とする、請求項11に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項14】
前記有機化合物は、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(7,7,8,8−Tetracyanoquinodimethane)、或いは、フェロセン(Ferrocene,Fe(C552)の内の一つであることを特徴とする、請求項11に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項15】
前記溶媒の材質は、ジメチルスルホキシド[(CH32SO]、アセト酢酸(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、グルタルアルデヒド、メチルグルタルアルデヒド、3,3’−オキシビスプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、3−メチルスルホラン、或いは、その混合物の内の一つであることを特徴とする、請求項6に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項16】
前記エレクトロクロミック材料溶液は、さらに、少なくとも一種類の不活性導電塩を含むことを特徴とする、請求項1に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項17】
前記不活性導電塩は、リチウム、ナトリウム、或いは、四級アルキルアンモニウム塩の内の一つであることを特徴とする、請求項16に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項18】
前記回折格子製造溶液は、さらに、希釈溶液と混合されることを特徴とする、請求項1に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項19】
前記希釈溶液はアルコールであることを特徴とする、請求項18に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項20】
感光性高分子溶液と、エレクトロクロミック材料溶液と、凸縁を備える第一透明導電基板と、第二透明導電基板とを提供する手順と、
一定量Xの前記感光性高分子溶液と、一定量Yの前記エレクトロクロミック材料溶液を混合し、回折格子製造溶液を生成する手順と、
前記回折格子製造溶液を、前記凸縁を備える第一透明導電基板の一側に設ける手順と、
フォトマスクを通して、光線を前記回折格子製造溶液に照射することで、照射を受けた前記回折格子製造溶液は重合固化して透明の柵状分離部材となり、前記フォトマスクに遮られた前記回折格子製造溶液は元々の流体状態を維持する手順と、
前記第二透明導電基板を前記柵状分離部材の一側に設け、回折格子装置を形成させる手順と、
前記回折格子装置を、表示装置の一側に設け、前記第一透明導電基板と第二透明導電基板を、それぞれ電極部に電気的に接続し、通電させた後、前記回折格子製造溶液と前記分離部材の間に、明暗の回折格子効果が生じ、3D表示器の回折格子装置になる手順と、
からなることを特徴とする、3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項21】
前記感光性高分子溶液は、遊離基重合体、或いは、イオン重合体であることを特徴とする、請求項20に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項22】
前記遊離基重合体の感光性高分子溶液は、アクリレート材料、或いは、不飽和ポリエステル類材料の内の一つであることを特徴とする、請求項21に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項23】
前記イオン重合体の感光性高分子溶液は、エポキシ樹脂類材料であることを特徴とする、請求項21に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項24】
前記感光性高分子溶液はNOA−65であることを特徴とする、請求項20に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項25】
前記エレクトロクロミック材料溶液は、無機エレクトロクロミック材料と、有機エレクトロクロミック材料とを溶媒内に溶かしてなることを特徴とする、請求項20に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項26】
前記無機エレクトロクロミック材料は、遷移元素の酸化物、硫化物、塩化物、或いは、水酸化物等の無機化合物の内の一つであることを特徴とする、請求項25に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項27】
前記遷移元素は、スカンジウム族(IIIB)、バナジウム族(VB)、チタン族(IVB)、クロム族(VIB)、マンガン族(VIIB)、鉄系(VIII)、銅族(IB)、亜鉛族(IIB)、或いは、白金系(VIIIB)の内の一種類の材料からなることを特徴とする、請求項26に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項28】
前記無機エレクトロクロミック材料は、ハロゲン族(VIIA)、酸素族(VIA)、窒素族(VA)、炭素族(IVA)、硼素族(IIIA)、アルカリ土類族(IIA)、或いは、アルカリ金属族(IA)の酸化物、硫化物、塩化物、水酸化物等の無機化合物の内の一つであることを特徴とする、請求項25に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項29】
前記無機エレクトロクロミック材料は、塩化第一鉄(FeCl2)、塩化第二鉄(FeCl3)、三塩化チタン(TiCl3)、四塩化チタン(TiCl4)、三塩化ビスマス(BiCl3)、塩化銅(CuCl2)、或いは、臭化リチウム(LiBr)の内の一つであることを特徴とする、請求項25に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項30】
前記有機エレクトロクロミック材料は、酸化還元指示薬、pH指示薬、或いは、その他の有機化合物の内の一つであることを特徴とする、請求項25に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項31】
前記酸化還元指示薬は、メチレンブルー(Methylene blue,C1618ClN3S・3H2O)、ビオロゲン(Methyl Viologen)、N−ヒドロキシベンズアニリド(C1311NO2)、ジフェニルアミン−4−スルホン酸ナトリウム(C1210NNaO3S)、2,6−ジクロロフェノールインドフェノールナトリウムエタノール溶液(C126Cl2NNaO2)、或いは、N,N’−ビス(4−メチルフェニル)−P−フェニレンジアミン(C20202)の内の一つであることを特徴とする、請求項30に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項32】
前記pH指示薬は、バリアミンブルーBジアゾニウム塩(Variamine Blue,B Diazonium salt,C1312ClN3O)であることを特徴とする、請求項30に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項33】
前記有機化合物は、7,7,8,8−テトラシアノキノジメタン(7,7,8,8−Tetracyanoquinodimethane)、或いは、フェロセン(Ferrocene,Fe(C552)の内の一つであることを特徴とする、請求項30に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項34】
前記溶媒の材質は、ジメチルスルホキシド[(CH32SO]、アセト酢酸(C463)、水(H2O)、γ−ブチロラクトン、アセトニトリル、プロピオニトリル、ベンゾニトリル、グルタルアルデヒド、メチルグルタルアルデヒド、3,3’−オキシビスプロピオニトリル、ヒドロキシプロピオニトリル、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン、スルホラン、3−メチルスルホラン、或いは、その混合物の内の一つであることを特徴とする、請求項25に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項35】
前記エレクトロクロミック材料溶液は、さらに、少なくとも一種類の不活性導電塩を含むことを特徴とする、請求項20に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項36】
前記不活性導電塩は、リチウム、ナトリウム、或いは、四級アルキルアンモニウム塩の内の一つであることを特徴とする、請求項35に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項37】
前記回折格子製造溶液は、さらに、希釈溶液と混合されることを特徴とする、請求項20に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。
【請求項38】
前記希釈溶液はアルコールであることを特徴とする、請求項37に記載の3D表示器及びその回折格子装置の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−185467(P2012−185467A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−155648(P2011−155648)
【出願日】平成23年7月14日(2011.7.14)
【出願人】(507294753)介面光電股▲ふん▼有限公司 (29)
【Fターム(参考)】