説明

4−アミノピペリジン誘導体及びその医薬としての使用

【課題】新規な4−アミノピペリジン誘導体及びその液相及び固相合成法による製造方法の提供。
【解決手段】下式


(式中、R1は、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基等を表し、R2は、−C(Y)NHX、−C(O)X又はSOで示される基を表し、R3は、置換基を有してもよいアルキル基、アルケニル基等を表す)で示される新規な4-アミノピペリジン誘導体。当該化合物は、液相及び固相合成法により合成され、またソマトスタチンレセプターのある種のサブタイプに対して良好な親和性を有し、特にソマトスタチンレセプターが関与する病理学的状態又は病気の治療に特に有用である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な4-アミノピペリジン誘導体及びその液相及び固相合成法による製造方法を目的とする。本発明の前記化合物は、ソマトスタチンレセプターのある種のサブタイプに対して良好な親和性を有し、特に1種又はそれ以上のソマトスタチンレセプターが関与する病理学的状態又は病気を治療するのに特に有用である。
【背景技術】
【0002】
ソマトスタチン(SSTと略記する)は、成長ホルモンを抑制する物質として視床下部から初めて単離された環状テトラデカペプチドである(Brazeau P. et al., Science, 1973, 179, 77-79)。また、ソマトスタチンは脳内で神経伝達物質としても機能する(Reisine T. et al., Neuroscience, 1995, 67, 777-790;
Reisine T. et al., Endocrinology, 1995, 16, 427-442)。分子クローニングにより、ソマトスタチンの生理活性は膜に結合した一群の5種類のレセプターに直接に依存していることが明らかにされた。
【0003】
ソマトスタチンの生物学的機能の異質性は、ソマトスタチンレセプターに対するペプチド類縁体の構造活性相関を明らかにしようとする研究をもたらしており、レセプターの5種類のサブタイプの発見をもたらしている(Yamada et al.,
Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A., 89, 251-255, 1992; Raynor, K. et al,
Mol. Pharmacol., 44, 385-392, 1993)。現在、これらのレセプターの機能的な役割が精力的に研究されている。ソマトスタチンレセプターの種々のサブタイプに対する親和性は、下記の疾患/病気の治療に関連している。サブタイプ2及びサブタイプ5の活性化は、成長ホルモン(GHと略記する)の抑制、特にGHを分泌する腺腫(先端巨大症)やホルモン TSHを分泌する腺腫の抑制に関連している。サブタイプ5ではなくサブタイプ2の活性化は、プロラクチンを分泌する腺腫の治療に関連している。ソマトスタチンレセプターのサブタイプの活性化に関連した他の適応症は、狭窄症の再発、インスリン及び/又はグルカゴンの分泌抑制、特に糖尿病、高脂血症、インスリン無感覚症、症候群X、血管障害、増殖性網膜症、あけぼの現象及び腎症;胃酸の分泌抑制、特に消化性潰瘍、腸皮及び膵皮フィステル、過敏性結腸症候群、ダンピング症候群、水性下痢症候群、AIDSに関連した下痢、化学療法によって誘発される下痢、急性又は慢性膵炎及び分泌性胃腸腫瘍;肝癌のような癌の治療;新脈管形成の抑制、関節炎のような炎症性疾患の治療;同種移植片の慢性拒絶反応;血管形成;移植血管の出血及び胃腸出血の防止である。また、ソマトスタチンのアゴニストも患者の体重を減らすのに使用することができる。
【0004】
ソマトスタチンが関係する種々の病理学的疾病(Moreau J.P. et al., Life
Science, 1987, 40, 419; Harris A.G. et al., The European Journal of
Medicine, 1993, 2, 97-105)の中から、例えば先端巨大症、下垂体腺腫、クッシング病、ゴナドトロピノーマ及びプラクチノーマ(すなわち、プラクチン産生脳下垂体腺腫)、グルココルチコイドの異化副作用、インスリン依存性糖尿病、糖尿病性網膜症、糖尿病性腎症、甲状腺機能亢進症、巨大症、内分泌腺胃腸膵臓腫瘍 例えばカルチノイド症候群、ピポーマ、インスリノーマ、膵臓島細胞腫、高インスリン血症、グルカゴン産生腫瘍、ガストリン産生腫瘍 及びゾリンジャー・エリソン症候群、GRF腺腫、並びに食道静脈瘤の急性出血、胃食道逆流、胃十二指腸逆流、膵炎、腸皮及び膵皮フィステル、さらには下痢、後天性免疫不全症候群の難治性の下痢、慢性続発性の下痢、過敏性腸症候群に関連した下痢、ガストリン放出ペプチド関連疾患、腸移植片に関連した種々の二次性の病気、門脈圧亢進症、並びに肝硬変をもつ患者の静脈瘤出血、胃腸出血、胃十二指腸潰瘍出血、クーロン病、全身硬化症、ダンピング症候群、小腸症候群、低血圧症、強皮症及び甲状腺髄質癌;細胞増殖関連疾病、例えば癌、特に乳癌、前立腺癌、甲状腺癌並びに膵臓癌及び結腸直腸癌;線維症、特に腎臓の線維症、肝臓の線維症、肺の線維症、皮膚の線維症及び中枢神経系の線維症並びに鼻の線維症、並びに化学療法によって誘発される線維症、及びその他の治療分野、例えば頭痛、例えば下垂体腫瘍に関連した頭痛、疼痛、突然発作、化学療法、傷の瘢痕化;発育不全によって生ずる腎不全症、肥満症及び肥満症に関連した発育不全症、子宮発育不全症、骨格形成異常症、ヌーナン症候群、睡眠時無呼吸症候群、グレーブス病、卵巣の多嚢性疾患、膵臓性の偽嚢包及び腹水症、白血病、髄膜腫、癌性悪液質、H幽門(H pylori)阻害、乾癬、並びにアルツハイマー病を挙げることができる。また、骨粗鬆症も挙げることができる。
【0005】
本出願人は、以下に記載の一般式で示される化合物がソマトスタチンレセプターに対して親和性と選択性とをもつことを見出した。ソマトスタチン及びそのペプチド類縁体は経口経路による生体利用性が悪く、また選択性も低い(Robinson C., Drugs of the Future, 1994, 19, 992;Reubi, J.C. et al., TIPS, 1995, 16, 110)という理由から、前記化合物、すなわちソマトスタチンの非ペプチドアゴニスト又はアンタゴニストが、前記の病理学的状態又は病気であってソマトスタチンレセプターの1種又はそれ以上が関与する病理学的状態又は病気を治療するのに都合よく使用することができる。前記化合物は先端巨大症、下垂体腺腫又は内分泌胃腸膵臓腫瘍、例えばカルチノイド症候群の治療に使用することができるものであることが好ましい。
【0006】
従って、本発明は、ラセミ体、鏡像異性体又はこれらの全ての組み合わせの形の化合物であって、次の一般式:

{式中、R1 は直鎖もしくは分岐鎖(C1〜C16)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z12はシアノ基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を表すか、又はZ12は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはR1は次の式:

で示される基を表し;
2 は式-C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3 で示される基を表し;
3 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-(CH2)n-C(0)X2 、-SO2X3 又は

で示される基を表し;
1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z21 又は基-(CH2)pZ22 を表し〔但し、基中のZ21は(C1〜C6)アルキルを表し;Z22 はシクロヘキセニル基、インダニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、アルキニル基、又は式-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 もしくは-(CH2)p-U-Z24 で示される基を表すか〔但し、式中のZ23は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z24 はアルキル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、置換されていてもよい(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記に示す基:

〔基中、保護基(PG)はH原子又はtert-ブチルオキシカルボニルを表す〕を表し;
3 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、
CF3基又は基-(CH2)pZ25(基中、Z25は置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す)を表すか、あるいはX3 は次の式:

で示される基であって1個のハロゲン原子又は2個以上の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換されていてもよい基を表し;
Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;
Wは酸素原子、硫黄原子 又は S02基を表し;
Uは共有結合又は酸素原子を表し;
nは0〜4の整数であり;
mは1〜6の整数であり;
pは0〜6の整数であり;
qは0〜2の整数である}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る無機酸もしくは有機酸との付加塩(但し、R1がアルキル基、アルケニル基又はベンジル基を表し、R2が置換されていてもよいベンジルオキシ基を表し且つR3がアラル基を表す場合の一般式Iで示される化合物を除く)を目的とする。
【0007】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iで示される化合物であって、
i)Z11及びZ12で表されるアリール基並びにZ12で表されるヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素、沃素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、-CF3基、-OCF3基、フェニル基、フェノキシ基及びアミノスルホニル基の中から独立して選択されるものであり;
ii)Z12で表されるヘテロシクロアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、オキシ基及びアルキル基の中から独立して選択されるものであり;
iii)Z22で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アミノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル、基-C(O)-アルキル、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基及びベンジルオキシ基(これらの基のフェニル基は置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
iv)Z23及びZ24で表されるアリール基並びにZ24で表されるシクロアルキル基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-O-C(O)-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミノ基、アミノアルキル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、ベンジル基及びベンジルオキシ基(これらの基のアリール基部分は1個又はそれ以上のアルキル基、CF3基又はハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
v)Z25で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、フェニル基及びピリジノ基の中から独立して選択されるものであり;
vi)R3で表されるアルキル基が有し得る置換基がシアノ基であり;
vii)R3で表されるアラルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、SCHF2基、ニトロ基、シアノ基、基-C(O)O-アルキル、アルキルスルホニル基、チアジアゾリル基、フェニル基及びフェノキシ基(これらの基のフェニル基は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
viii)R3で表されるヘテロアリールアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子及びニトロ基の中から独立して選択されるものである、
ことを特徴とする前記の一般式Iで示される化合物を目的とする。
【0008】
前記の定義において、ハロゲン原子という表現は、弗素原子、塩素原子、臭素原子又は沃素原子、好ましくは塩素原子、弗素原子又は臭素原子を表す。アルキル基という表現は(特に明記しない場合には)、好ましくは炭素原子を1〜6個有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec-ブチル基、tert-ブチル基、ペンチル基、アミル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル又はイソヘキシル基を表す。炭素原子を1〜15個有するアルキル基の中から、前記のアルキル基だけではなくヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基、トリデシル基又はペンタデシル基を挙げることができる。
【0009】
アルケニル基とは、特に明記しない場合には、炭素原子を1〜6個有し且つ不飽和結合(二重結合)を少なくとも1個有する直鎖又は分岐鎖アルキル基、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、ブテニル基又はペンテニル基であると解釈される。アルキニル基とは、特に明記しない場合には、炭素原子を1〜6個有し且つ二重不飽和結合(三重結合)を少なくとも1個有する直鎖又は分岐鎖のアルキル基、例えばエチニル基、プロパルギル基、ブチニル基又はペンチニル基であると解釈される。
【0010】
シクロアルキルという用語は、炭素原子を3〜7個有する炭素単環式系、好ましくはシクロプロピル環、シクロブチル環、シクロペンチル環又はシクロヘキシル環を示す。ヘテロシクロアルキル基という表現は、2〜7個の炭素原子と少なくとも1個の異種原子とを有する飽和シクロアルキル基を示す。この基は、数個の同一であるか又は異なる異種原子を含有することができる。異種原子は、酸素原子、硫黄原子又は窒素原子の中から選択されるものであることが好ましい。ヘテロシクロアルキル基の例としては、ピロリジン環、ピロリジノン環、イミダゾリジン環、ピラゾリジン環、イソチアゾリジン環、チアゾリジン環、イソオキサゾリジン環、ピペリジン環、ピペラジン環又はモルホリン環を挙げることができる。
【0011】
アルコキシ基は前記に示したアルキル基に対応するものであることができ、例えばメトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基又はイソプロピルオキシ基、さらには直鎖、第二級又は第三級ブトキシ基、ペンチルオキシ基であり得る。低級アルキルチオ基という用語は、好ましくはそのアルキル基が前記に定義したようなものである基、例えばメチルチオ基、エチルチオ基を示す。アルキルスルホニル基という用語は、好ましくはそのアルキル基が前記に定義したようなものである基を示す。
【0012】
アリール基という表現は、1個の環又は縮合した複数個の環によって構成される香族基、例えばフェニル基又はナフチル基を表す。ヘテロアリール基という表現は、硫黄原子、窒素原子又は酸素原子の中から選択される1個の異種原子又は2個以上の同一又は異なる異種原子を含有する環を少なくとも1個有する環又は縮合環によって構成される芳香族基を示す。ヘテロアリール基の例としては、チエニル基、フリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、チアゾリル基、イソキサゾリル基、オキサゾリル基、トリアゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジル基、キノリル基、イソキノリル基、キノキサリニル基、ベンゾチエニル基、ベンゾフリル基、インドリル基、ベンゾオキサジアゾイル基を挙げることができる。
【0013】
モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基は、好ましくはそのアルキル基が前記に定義したようなものである基、例えばメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基又は(メチル)(エチル)アミノ基を示す。 符号 →* は前記の基の結合点を表す。結合部位が前記の基について明示されていない場合には、この基が結合するために利用し得る複数の部位のうちの一つで結合が行われることを意味する。
【0014】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iで示される化合物であって、R1 が直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し;Z12はビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいは基:

を表し;Yは酸素原子を表す〕、あるいはR1が次の式:

で示される基を表し、
2 が式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3 で示される基を表し{但し、式中のX1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基又は基-(CH2)pZ22を表し〔基中のZ22はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、アルキニル基、
基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は -(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のWはSO2基を表し、Uは共有結合を表し、Z23はアリール基を表し;Z24はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、又はアミノアルキル基で置換されていてもよい(C3〜C7)シクロアルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し;
3 は基-(CH2)pZ25を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいアリール基を表す))、
3 が水素原子、アルキル基、アルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、フェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基を表す〕;
2 はフェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)又は基-(CH2)p-U-Z24を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、ヒドロキシ基、CF3基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びピロリル基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表す〕、あるいはX2は次の式:

で示される基を表し;
3は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、CF3基又は基
-(CH2)pZ25を表す〔但し、Z25は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す〕}
で示される基を表すものである前記の一般式Iで示される化合物を目的とする。
【0015】
1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は
基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し;
12はナフチル基、モルホリノ基、ビス-フェニル基、オキシ基で置換されたピロリジニル基を表すか、又は臭素原子、弗素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基及び-OCF3基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ピペラジニル基、ピリジニル基及びインドリル基を表すか、あるいはZ12 は基

を表し、Yは酸素原子を表す〕、あるいはR1が下記の式:

で示される基を表すものであることが好ましい。
【0016】
2 は式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基又は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 はシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、
基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基又はフリル基を表すか、あるいはZ22 は次の式:

で示される基を表す〕;
2 はアルキル基、アルキニル基、基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23又は-(CH2)p-Z24を表すか〔但し、基中のWは SO2基を表し;Z23 はフェニル基を表し;
24 はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、アミノアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、ベンゾチエニル基、チエニル基又はインドリル基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し、
3 は基-(CH2)pZ25を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいフェニル基を表す)}
で示される基を表すものであることが好ましい。
【0017】
3 は、水素原子、アルキル基、アルケニル基、1個又はそれ以上のニトロ基で置換されたフリルメチル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又は
SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基及びフェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基を表す〕、
2 は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基で置換されたビニル基、又は基-(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及びピロリル基の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、インドリル基、チエニル基、ピリジニル基、ベンゾチエニル基及びフリル基を表す〕、あるいはX2 は次の式:

で示される基を表し、
3 は、直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基、CF3基又は基-(CH2)pZ25を表す〔基中、Z25は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、基-NH-C(O)-アルキル基、モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピラゾリル基又はチアゾリル基を表す〕}
で示される基を表すものであることが好ましい。
【0018】
1 は、基-(CH2)mZ12(式中、m=2であり且つZ12 はビスフェニル基を表すか又はアルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されたインドリル基を表す)を表すものであることがさらに好ましい。
【0019】
2 は、式 -C(Y)NHX1 及び -C(0)X2
{式中、YはS原子を表し、X1は1個又はそれ以上のアジド基で置換されていてもよいフェニル基を表し、X2 は基-(CH2)pZ24を表す(基中、pは1、2又は3であり、Z24はシクロヘキシル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子又は-CF3基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基又はベンゾチエニル基を表す)}
で示される基を表すものであることがさらに好ましい。
3 は水素原子又はメチル基を表すものであることがさらに好ましい。
【0020】
本発明の化合物は、固相又は液相中で製造することができる。
【0021】
A)N-置換ピペリドンを経由する液相合成法
A1)還元アミノ化
還元アミノ化は下記の工程に従って行う。

(式中、Rはメチル基又はBoc基を表し且つR1は前記の意義を有する)。
一般的な方法は次の通りである: N-置換ピペリドンの還元アミノ化(Abdel-
Magid, A.F.;Maryanoff, C.A.;Carson, K.G., Tetrahedron Lett., 1990, 31, 5595-5598; Abdel-Magid, A.F.;Carson, K.G.;Harris, B.D.;Maryanoff,
C.A.;Shah, R.D., J. Org. Chem., 1996, 61, 3849-3862)は、ジクロロエタンのような無水塩素化溶媒中で、第一級アミン(1.1〜1.5当量)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムのような還元剤(1.1〜1.5当量) 及び酢酸(N-置換ピペリドンに対して10重量%)の存在下で行う。反応混合物を周囲温度で1〜4時間攪拌する。ある場合には、炭酸ナトリウム溶液(0.1 M) を加え、混合物を20〜90分間攪拌する。そうでない場合には、反応混合物を炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、次いで濃縮する。所望の生成物をシリカゲルを用いてフラッシュクロマトグラフィーで精製する。
【0022】
製造例1: 4-[(3,3-ジフェニルプロピル)アミノ]-1-ピペリジンカルボン酸-
tert-ブチル(C253422、M=394.56)

無水ジクロロエタン100 mlに溶解したN-Boc-ピペリドン5g(25ミリモル)に、
3,3-ジフェニルプロピルアミン(5.8 g、27.5ミリモル)、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(6.36 g、30ミリモル) 及び酢酸0.5 mlを加えた。得られた濁った黄色溶液を周囲温度で1時間撹拌した。次いで、炭酸ナトリウム水溶液50ml(0.1 M)を加え、この混合物を30分間撹拌した。得られた有機相を炭酸水素ナトリウムの飽和溶液及び食塩水で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、次いで濃縮して黄色固体10 gを得た。この固体を、シリカゲルを用いてフラッシュクロマトグラフィーによりヘプタン/酢酸混合物(混合比4/1、3/1、2/1次いで1/1)で溶出し、次いで精製酢酸エチルで溶出することにより精製した。得られた画分を減圧下で濃縮して淡黄色固体5.6 g(収率=57%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.27(m, 8H);7.16(m, 2H);4(dd, J=6.4及び
14MHz, 3H);2.73(m, 2H);2.55(m, 3H);2.26(q, J=7.6Hz, 2H);1.78(d,
J=12Hz, 2H);1.45(s, 9H);1.15(qd, J=4.4及び12.8Hz, 2H)。
MS/LC: m/z =395.2(M+H)。
【0023】
この方法に従って、下記の別の基R1を用いて一連の4-アミノ置換-1-ピペリジンを製造した:

【0024】
A2)ピペリジン類の官能化
A2a)ウレア類及びチオウレア類の合成
ウレア類及びチオウレア類の合成は、文献(Kaldor, S.W.;Siegel, M.G.;
Fritz, J.E.;Dressman, BA.;Hahn, P.J., Tetrahedron Lett., 1996, 37,
7193-7196; Kaldor, S.W.;Fritz, J.E.;Tang, J.;McKinney, E.R.,
Bioorg. Med. Chem. Lett., 1996, 6, 3041-3044; Booth, R.J.;
Hodges, J.C., J. Am. Chem. Soc., 1997, 119, 4882-4886; Flynn, D.L.;
Crich, J.Z.;Devraj, R.V.;Hockerman, S.L.;Parlow, J.J.;South, M.S.; Woodard, S.; J. Am. Chem. Soc., 1997, 119, 4874-4881)に記載の方法に従い下記の工程に従って行った:

(式中、Rはメチル基又はBoc基を表し且つX1及びYは前記の意義を有する)。RがBoc基を表す場合には、このようにして得られる生成物は、本発明の式Iに対応する最終生成物であるが、合成中間体としても使用できることが認められるべきである。
一般な方法は次の通りである: ジクロロメタン、テトラヒドロフラン又はジメチルホルムアミドのような非プロトン性溶媒に溶解した4-アミノ置換-1-ピペリジンにイソシアネート又はイソチオシアネート(1.1〜1.5当量)を加え、得られた混合物を周囲温度で45分〜18時間撹拌する。アミノメチル樹脂(Novabiochem社製、1.33ミリモル/g、0.2〜1当量)を加え、混合物を45分〜18時間撹拌する。ある場合には、塩基性イオン交換樹脂、例えばIRA-68(Gayo, L.M.;Suto, M.J., Tetrahedron Lett., 1997, 38, 513-516)を加えることができる。樹脂を濾過し、濾液を濃縮する。場合によっては、シリカゲル又は塩基性アルミナカートリッジ(500 mg、Interchim社製)を用いた別の精製を行うことができる。
【0025】
実施例A2a: 4-((3,3-ジフェニルプロピル){[3-(トリフルオロメチル)アニリ
ノ]カルボニル}アミノ)-1-ピペリジンカルボン酸tert-ブチル
(C3338333、M=581.68)

4-[(3,3-ジフェニルプロピル)アミノ]-1-ピペリジンカルボン酸tert-ブチル
(470 mg、1.2ミリモル)をジクロロメタン5mlに溶解した溶液に、3-(トリフルオロメチル)フェニルイソシアネート246 mg(1.32ミリモル)を加えた。得られた溶液を45分間攪拌し、次いでアミノメチル樹脂(180mg、0.36ミリモル)を加え、反応混合物を再度オービタルシェーカー上に45分間置いた。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。得られた濾液を減圧濃縮して白色フォーム状物610 mg(収率=87%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.71(s, 1H);7.57(d, 1H);7.43(t, 1H);
7.26(m, 10H);7.15(m, 1H);4.1(m, 3H);3.97(dd, J=7.6及び10Hz, 1H);
3.17(m, 2H);2.75(m, 2H);2.35(m, 2H);1.65(d, J=12Hz, 2H);
1.46(s, 9H, t-ブチル基);1.39(dd, J=2.4及び10.8Hz, 2H);1.29(s, 1H)。
MS/LC:m/z=582(M+H)。
【0026】
前記のA1で例証したような基R1について、上記の方法に従ってウレア類(Y=O原子)の合成を行い得る基X1は下記の通りである:



【0027】
前記のA1で例証したようなR1について、上記の方法に従ってウレア類(Y=S原子)の合成を行い得る基X1は下記の通りである:





【0028】
A2b)カルボン酸類からアミド類の合成
カルボン酸類からアミド類の合成は、次の反応工程図に従って行う:

(式中、Rはメチル基又はBoc基を表し且つX2は前記の意義を有する)。Rが
Boc基を表す場合には、このようにして得られる生成物は、本発明の式Iに対応する最終生成物であるが、合成中間体としても使用できることが認められるべきである。
一般的な方法は次の通りである: ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような無水非プロトン性溶媒に溶解したカルボン酸(1.1〜2.5当量)を、樹脂に結合させた1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(P-EDCと略記する、Novabiochem社製、2.33ミリモル/g、1.3〜3当量)(Desai, M.C.;Stephens Stramiello, L.M., Tetrahedron Lett., 1993, 34, 7685-7688)を用いて活性化させる。この混合物を周囲温度で5〜30分間攪拌する。次いで、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような無水非プロトン性溶媒に予め溶解しておいた4-アミノ置換-1-ピペリジンを加え、この反応混合物を周囲温度で1〜18時間攪拌する。ある場合には、塩基性イオン交換樹脂(IRA-68、SAX)を加え、再び反応混合物を周囲温度で1〜18時間攪拌する。樹脂をフリット(frit)を用いて濾過するか、あるいは塩基性イオン交換樹脂カートリッジ(IRA-68、SAX)又はアルミナカートリッジ(500 mg、
Interchim社製)を用いて濾過する。
【0029】
実施例A2b: 4-{(3,4-ジメトキシフェネチル)[2-(1H-インドール-3-イル)アセチル]アミノ}-1-ピペリジンカルボン酸tert-ブチル(C354133
M=551.74)

P-EDC樹脂 512 mg(1.12ミリモル、1.4当量)を予めジクロロメタン中で膨潤させた。2-(1H-インドール-3-イル)酢酸(153 mg、0.875ミリモル、1.1当量)を加え、次いで得られた混合物を10分間攪拌した。テトラヒドロフランに溶解した4-[(3,3-ジフェニルプロピル)アミノ]-1-ピペリジンカルボン酸tert-ブチル(292
mg、0.8ミリモル)を加え、反応混合物を一夜攪拌した。スパチュラ2杯分の量の塩基性イオン交換樹脂IRA-68を加え、反応混合物を再度、一夜攪拌した。樹脂を濾過し、濾液を減圧濃縮して淡黄色フォーム状物250 mg(収率=86%)を得た。 1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.63(d, J=8Hz, 1H);7.44(d, J=8Hz, 1H);
7.36(d, J=8Hz, 1H);7.26(d, J=8Hz, 1H);7.2(m, 6H);7.13(m, 3H);
7.1(m, 2H);6.68(s, 1H);4-3.75(m, 4H);3.65(s, 1H);3.2(m, 1H);
3(m, 1H);2.75(m, 1H);2.26(m, 3H);1.6(m, 2H);1.44(s, 9H);
1.13(m, 2H)。MS/LC:m/z=552.4(M+H)。
【0030】
この方法に従って、一連のアミドを合成した。合成を行うことができる基X2は下記の基である:







〔式中、保護基(PG)はH原子又はtert-ブトキシカルボニル基を表す〕。
【0031】
A3)4-アミノジ置換ピペリジン類の合成
本発明の4-アミノジ置換ピペリジン類の合成は、下記の反応工程図に従って前記のN-Boc化合物を酸処理することにより行うことができる:

一般的な方法: 2つの方法を使用して前記のウレア類、チオウレア類及びアミド類を酸媒体中で保護する。最初の方法は前記化合物をジクロロメタンに溶解し、次いでトリフルオロ酢酸(5〜20当量)を加えることからなり、これに対して第二の方法は希塩酸を酢酸エチル、ジオキサン又はジエチルエーテルに溶解した溶液(5〜20当量)を使用する。反応混合物を周囲温度で1〜4時間攪拌する。ある場合には、ジクロロメタンを加え、有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し次いで減圧濃縮して遊離塩基を単離する。
【0032】
実施例A3: N-(3,3-ジフェニルプロピル)-N-(4-ピペリジニル)-N´-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(C283033O、M=481.57)

4-((3,3-ジフェニルプロピル){[3-(トリフルオロメチル)アニリノ]カルボニル}アミノ)-1-ピペリジンカルボン酸tert-ブチル(600 mg、1.04ミリモル)をジクロロメタンに溶解した溶液に、トリフルオロ酢酸1.6ml(21ミリモル、20当量)を加えた。この反応混合物を90分間攪拌し、次いで濃縮した。ジクロロメタンを加え、有機相を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムを用いて乾燥し、濾過し、次いで減圧濃縮して白色フォーム状物490 mg(収率=98%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.7(s, 1H);7.55(d, 1H);7.44(t, 1H);7.28
(m, 9H);7.18(m, 2H);4.05(m, 2H);3.26(m, 2H);3.11(d, J=10.8Hz, 2H);
2.7(td, J=2.4及び12.4Hz, 2H);2.38(q, J=8Hz, 2H);1.76(d, J=10Hz, 2H);
1.63(qd, J=4及び12.4Hz, 2H)。MS/LC:m/z=482.2(M+H)。
【0033】
この方法に従って、一連の4-アミノピペリジン類を合成した。合成を行うことができる基R1、X1及びX2は、前記のA1及びA2においてすでに例証した基である。
【0034】
B)4-アミノピペリジン類の固相合成
4-アミノピペリジン類をWang樹脂を用いて製造した。
B1) 前記樹脂の調製
B1a)p-ニトロフェニルカーボネートWang樹脂の調製
p-ニトロフェニルカーボネートWang樹脂の調製を下記の反応工程図に従って行った。

この樹脂は、0.89ミリモル/gよりも大きい装填量(load rate) をもつWang樹脂(Bachem社又はNovabiochem社製)から文献(Bunin, B.A., The Combinatorial
Index, Academic Press, 1998, p.62-63; Dressman, B.A.;Spangle, L.A.;
Kaldor, S.W., Tetrahedron Lett., 1996, 37, 937-940; Hauske, J.R.;
Dorff, P., Tetrahedron Lett., 1995, 36, 1589-1592; Cao, J.;
Cuny, G.D.;Hauske, J.R., Molecular Diversity, 1998, 3, 173-179) に記載の方法に従って調製した: ジクロロメタン又はテトラヒドロフランに予め膨潤させたWang樹脂に、N-メチルモルホリン又はピリジンとクロロギ酸4-ニトロフェニルとを周囲温度で連続して加えた。混合物を一夜攪拌した。樹脂をテトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジクロロメタンで洗浄し、次いで真空中で50℃で一夜乾燥した。
【0035】
B1b)ピペリドンカルバメート樹脂の調製
ピペリドンカルバメート樹脂の調製は下記の反応工程図に従って行う。

ジメチルホルムアミドに希釈した水和ピペリドン塩酸塩に、トリエチルアミン(1当量)とモレキュラーシーブとを加える。得られた混合物を上記ケトンが完全に溶解するまで加熱する。この溶液をジメチルホルムアミドに予め膨潤させたp-ニトロフェニルカーボネートWang樹脂(0.05当量)に加える。周囲温度で24〜72時間攪拌した後に、樹脂を濾過し、次いでジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジクロロメタンで数回洗浄する。
【0036】
製造例2
p-ニトロフェニルカーボネートWang樹脂(充填量 0.88ミリモル/g、2.2ミリモル)2.5 gをジメチルホルムアミド100mlに予め膨潤させた。同時に、水和ピペリドン塩酸塩6.7 g(44ミリモル、20当量)、トリエチルアミン4.45 g(44ミリモル、20当量) 及びスパチュラ3杯分の量のモレキュラーシーブをジメチルホルムアミド100ml中で完全に溶解するまで加熱した。得られた黄色を帯びた溶液を前記樹脂上に暖かい状態で注加し、混合物を周囲温度で40時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジクロロメタンで洗浄し(それぞれの溶媒で3回)、次いで減圧下で乾燥した。窒素の元素分析後に算出した装填量0.88ミリモル/gを有する淡黄色樹脂2.4gを得た。
【0037】
B2)固体支持体上での還元アミノ化
固体支持体上での還元アミノ化は下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法は次の通りである: オルトギ酸トリメチル(TMOFと略記する)に予め膨潤させた前記のケトン樹脂に第一級アミン(5〜10当量)を加え、次いで混合物を超音波処理する。次いで、ピリジン・ボラン錯体(8M、5〜10当量)を加え、混合物を12〜72時間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する(Pelter, A.;Rosser, R.M., J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 1984,
717-720;Bomann, M.D.;Guch, I.C.;DiMare, M., J. Org. Chem., 1995, 60, 5995-5996;Khan, N.M.;Arumugam, V.;Balasubramanian, S., Tetrahedron
Lett., 1996, 37, 4819-4822)。
【0038】
製造例3

ケトン樹脂300 mg(装填量0.88ミリモル/g、0.27ミリモル)をTMOFに予め膨潤させた。次いで、4-ブロモフェネチルアミン(540 mg、420μl、2.7ミリモル、10当量)、次いでピリジン・ボラン錯体(8M、338μl、2.7ミリモル、10当量)を加えた。混合物を周囲温度で56時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンで連続的に洗浄し、次いで減圧下で乾燥した。このようにして、窒素の元素分析後に算出した装填量0.81ミリモル/gを有する淡黄色樹脂340mgを得た。
【0039】
B3)官能化
B3a)イソシアネート又はイソチオシアネートを用いた官能化
イソシアネート又はイソチオシアネートを用いた官能化を下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法は次の通りである: 上記の“第二級アミン”樹脂をジクロロメタン又はジメチルホルムアミドのような溶媒に予め膨潤させ、その後にイソシアネート又はイソチオシアネート(3〜10当量)を加える。得られる混合物を周囲温度で1〜24時間攪拌する。次いで、樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物の存在下で樹脂の解離を行い、攪拌を30分〜4時間行う。樹脂をジクロロメタンで洗浄し、次いで濾液を減圧濃縮する。ある場合には、濾液をジクロロメタンに再溶解し、次いで炭酸ナトリウム飽和水溶液で脱塩する。有機相を減圧下で蒸発させて遊離塩基を得る。
【0040】
実施例B3a:N-(4-ブロモフェネチル)-N-(4-ピペリジニル)-N´-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(C2123BrF33O、M=470.3)

樹脂(製造例3参照)55 mg(50μモル)を無水ジクロロメタンに予め膨潤させた。次いで、4-トリフルオロフェニルイソシアネート(28 mg、150μモル、3当量)を加え、全体を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラ、次いでジクロロメタンで洗浄し、その後に減圧下で乾燥した。次いで、ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物800μlの存在下で1.5時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、濾液を濃縮し、ジクロロメタンに再溶解し、次いで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。このようにして褐色油状物6mg(収率=25%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.53(m, 4H);7.44(d, J=6.8Hz, 2H);
7.21(d, J=8.4Hz, 2H);4.1(m, 1H);3.53(t, J=7.2Hz, 2H)
3.12(d, J=12.8Hz, 2H);2.89(t, J=8Hz, 2H);2.7(m, 2H);1.73(m, 4H)。
MS/LC:m/z=472.2(M+H)。
【0041】
この方法に従って、一連のウレア類(Y=O原子)及びチオウレア類(Y=S原子)を合成した。合成し得る基R1 は下記の基であった:





合成し得る基X1 は前記のAで例証した基である。
【0042】
B3b)スルホニルクロリドを用いた官能化
スルホニルクロリドを用いた官能化は下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法: 上記の“第二級アミン”樹脂を、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような溶媒に予め膨潤させる。次いで、スルホニルクロリド(5〜10当量)とトリエチルアミン(6〜12当量)を加え、混合物を周囲温度で12〜24時間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。次いで、樹脂をジクロロメタンとトリフルオロ酢酸と当モル混合物の存在下で1〜4時間攪拌する。樹脂をジクロロメタンで洗浄し、次いで濾液を減圧濃縮する。ある場合には、濾液をジクロロメタンに再溶解し、次いで炭酸ナトリウム飽和水溶液で脱塩する。有機相を減圧下で蒸発させて遊離塩基を得る。
【0043】
実施例B3b: N-(4-ブロモフェネチル)-4-メトキシ-N-(4-ピペリジニル)フェニルスルホンアミド(C2025BrN23S、M=453.4)

樹脂(製造例3参照)55 mg(50μモル)を無水ジクロロメタンに予め膨潤させた。次いで、トリエチルアミン(42μl、300μモル、6当量)、次いで4-メトキシベンゼンスルホニルクロリド(51.5 mg、250μモル、5当量)を加え、全体を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン次いでジクロロメタンで洗浄し、その後に減圧下で乾燥した。反応を2回反復して完全な置換を行った。ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物800μlを加え、周囲温度で1.5時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を濃縮し、ジクロロメタンに再び溶解し、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄した。このようにして褐色油状物14 mg(収率=63%)を単離した。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.8(dd, J=2.8及び10Hz, 2H);7.44(dd, J=1.2及び6.8Hz, 2H);7.17(d, J=8.4Hz, 2H);7.07(dd, J=3.2及び10Hz, 2H);
3.87(s, 3H, OCH3);3.72(m, 1H);3.3(m, 2H);3.04(d, J=12.8Hz, 2H);
2.92(t, J=8.4Hz, 2H);2.6(t, J=12.4Hz, 2H);1.58(m, 2H);1.47(幅広d,
J=10Hz, 2H)。MS/LC:m/z=455(M+H)。
【0044】
この方法に従って、一連のスルホンアミド類を合成した。合成し得る基R1は 前記のA及びB3aで例証した基である。合成し得る基X3は下記の基である。
【0045】


【0046】
B3c)酸塩化物を用いた官能化
酸塩化物を用いた官能化は下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法: 上記の“第二級アミン”樹脂を、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような溶媒中で予め膨潤させる。次いで、酸塩化物(5〜10当量)とトリエチルアミン(6〜12当量)を加え、混合物を周囲温度で12〜24時間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。次いで、樹脂をジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物の存在下で1〜4時間攪拌する。樹脂をジクロロメタンで洗浄し、次いで濾液を減圧濃縮する。ある場合には、濾液をジクロロメタンに再溶解し、次いで炭酸ナトリウム飽和水溶液で脱塩する。有機相を減圧下で蒸発させて遊離塩基を得る。
【0047】
実施例B3c: N-(4-ブロモフェネチル)-N-(4-ピペリジニル)-2-チオフェンカルボキサミド(C1821BrN2OS、M=393.3)

樹脂(製造例3参照) 55 mg(50μモル)を無水テトラヒドロフランに予め膨潤させた。次いで、トリエチルアミン(42μl、300μモル、6当量)、次いで2-チオフェンカルボニルクロリド(37 mg、250μモル、5当量)を加え、全体を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン次いでジクロロメタンで洗浄し、その後に減圧下で乾燥した。ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物800μlを加え、周囲温度で1.5時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を濃縮し、ジクロロメタンに再溶解し、次いで炭酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄して、褐色油状物10mg(収率=50%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.64(dd, J=0.8及び4.8Hz, 1H);7.44(d,
J=8.4Hz, 2H);7.36(d, J=3.6Hz, 1H);7.14(m, 3H);4.11(m, 1H);
3.61(t, J=8Hz, 2H);3.09(d, J=12Hz, 2H);2.92(m, 2H);2.54(m, 2H);
1.82(m, 2H);1.7(m, 2H)。MS/LC:m/z=393.1(M+H)。
【0048】
この方法に従って、一連のアミド類を合成した。合成し得る基R1は 前記のA及びB3aで例証した基である。基X3は下記の基である。
【0049】







【0050】
B3d)カルボン酸を用いた官能化
カルボン酸を用いた官能化を、文献(Kobayashi, S;Aoki, Y., J. Comb.
Chem., 1999, 1, 371-372) に記載の方法に従い、下記の反応工程図に従って行う:

一般的な方法:上記の“第二級アミン”樹脂を、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような溶媒中で予め膨潤させる。次いで、カルボン酸(3〜5当量)、ベンゾ-トリアゾール-1-イル-オキシ-トリス-ピロリジノホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBopと略記する、3〜5当量)及びジイソプロピルエチルアミン(6〜10当量)を加え、混合物を周囲温度で24時間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。次いで、樹脂をジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物の存在下で1〜4時間攪拌する。樹脂をジクロロメタンで洗浄し、次いで濾液を減圧濃縮する。ある場合には、濾液をジクロロメタンに再溶解し、次いで炭酸ナトリウム飽和水溶液で脱塩する。有機相を減圧下で蒸発させて遊離塩基を得る。
【0051】
実施例B3d: N-[2-(4-ブロモフェニル)エチル]-N-(4-ピペリジニル)アセトアミド(C1521BrN2O、M=325.25)

樹脂(製造例3参照)55 mg(50μモル)を無水ジメチルホルムアミドに予め膨潤させた。次いで、酢酸(8.8 mg、150μモル、3当量)、PyBoP(76 mg、150μモル、3当量)、次いでジイソプロピルエチルアミン(38 mg、300μモル、6当量)を加え、全体を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、次いでジクロロメタンで洗浄し、その後に減圧下で乾燥した。ジクロロメタンとトリフルオロ酢酸との当モル混合物800μlを加え、周囲温度で1.5時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を濃縮し、ジクロロメタンに再溶解し、次いで酸水素ナトリウム飽和水溶液で洗浄して褐色油状物11 mg(収率=68%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.44(m, 2H);7.20(m, 2H);4.05(m, 1H);3.45(m, 2H);3.10(m, 2H);2.83(m, 2H);2.64(m, 2H);2.13(s,3H);1.73(m, 4H)。 MS/LC:m/z=325.2(M+H)。
【0052】
この方法に従って、一連のアミドを合成した。合成を行った基R1は前記のA及びB3aで例証した基である。基X2 は前記のAで例証した基である。
【0053】
C)溶液中でのピペリジン部分の官能化
C1)R3=-C(Y)NHX1 を有するピペリジンの製造
上記ピペリジンの製造は下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法: ジクロロメタンに溶解した遊離塩基の形態のピペリジンに、イソシアネート又はイソチオシアネート(1.1〜1.5当量)を加える。混合物を周囲温度で18時間攪拌する。上記のアミノメチル樹脂(0.2〜1当量)を加え、混合物を再度2〜18時間攪拌する。ある場合には、イオン交換樹脂例えばIRA68又はSAXを加える。樹脂を濾過し、濾液を濃縮する。ある場合には、得られた生成物をジクロロメタン又は酢酸エチルに溶解し、次いでシリカゲル又は塩基性アルミナカートリッジ(500 mg、Interchim社製)を用いて濾過する。
【0054】
実施例C1: 4-((3,3-ジフェニルプロピル){[3-(トリフルオロメチル)アニリ
ノ]カルボニル}アミノ)-N-フェニル-1-ピペリジンカルボキサミド
(C3535342、M=600.68)

N-(3,3-ジフェニルプロピル)-N-(4-ピペリジニル)-N´-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(24 mg、0.05ミリモル)をジクロロメタンに溶解した。フェニルイソシアネート(9mg、0.075ミリモル、1.5 当量) を加え、得られた混合物を2.5時間攪拌した。アミノメチル樹脂(0.02ミリモル)を加え、再び反応混合物を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、次いで濾液を濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカートリッジに通し、ヘプタンと酢酸エチルとの当モル混合物で溶出し、溶出液を濃縮した後に黄色油状物12 mg(収率=40%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.72(s, 1H);7.58(d, 1H);7.44(m, 1H);
7.38(m, 2H);7.29(m, 12H);7.12(m, 2H);7.07(m, 1H);4.2(d, J=12.4Hz,
3H);3.21(t, J=8Hz, 2H);2.9(t, J=12.4Hz, 2H);2.38(q, J=8Hz, 2H);
1.73(d, J=10Hz, 2H);1.54(qd, J=3.6及び12Hz, 2H)。
MS/LC:m/z=601.4(M+H)。
【0055】
この方法に従って、一連のウレア類(Y=O原子)及びチオウレア類(Y=S原子)を合成した。合成し得る基R1、X1及びX2 は前記の(A及びB3a)、A 及び (A及びB3c)それぞれで例証した基である。
【0056】
C2)カルボン酸を用いた官能化
カルボン酸を用いた官能化を下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法: P-EDC樹脂(1.3〜3当量)を無水ジクロロメタン中で予め膨潤させる。カルボン酸(1.1〜2.5当量)をジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような無水溶媒に溶解し、上記の樹脂に加える。この混合物を周囲温度で5〜30分間攪拌する。ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような無水溶媒に遊離塩基の形態の4-アミノジ置換ピペリジンを溶解した溶液を上記の混合物に加え、全体を周囲温度で1〜18時間攪拌する。ある場合には、イオン交換樹脂例えばIRA68又はSAXを加え、混合物を再度周囲温度で1〜18時間攪拌する。樹脂をフリットを用いて濾過するか、あるいはSAXイオン交換樹脂カートリッジ(500 mg、Interchim社製)又は塩基性アルミナカートリッジ(500 mg、Interchim社製)を用いて濾過する。
【0057】
実施例C2: N-(1-アセチル-4-ピペリジニル)-N-(3,3-ジフェニルプロピル)-
N´-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
(C3032332、M=523.60)

P-EDC樹脂 117mg(175μモル、3.5当量)を無水ジクロロメタン1.5 mlに予め膨潤させた。酢酸(7.5 mg、125μモル、2.5当量)を加え、得られた混合物を10分間攪拌した。次いで、N-(3,3-ジフェニルプロピル)-N-(4-ピペリジニル)-N´-
[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(24.3 mg、50μモル)を少しずつ加え、混合物を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、濾液を濃縮した。得られた油状物をシリカゲルカートリッジに通し、ヘプタンと酢酸エチルの当モル混合物で溶出し、溶出液を濃縮した後に白色フォーム状物16 mg(収率=62%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.71(s, 1H);7.58(d, J=8.4Hz, 1H);
7.43(t, J=8Hz, 1H);7.28(m, 9H);7.17(m, 2H);4.56(dd, J=2及び11.2Hz,
1H);4.17(m, 1H);3.96(t, J=7.6Hz, 1H);3.88(d, J=12Hz, 1H);
3.19(q, J=4及び8Hz, 2H);3.1(t, J=12Hz, 1H);2.58(t, J=12Hz, 1H);
2.37(m, 2H);2.06(s, 3H, CH3);1.72(t, J=14.4Hz, 2H);1.43(qd, J=4及び
12.4Hz, 2H)。MS/LC:m/z=524.3(M+H)。
【0058】
この方法に従って、一連のアミド類を合成した。合成し得る基R1、X1及び
2 は、前記の(A及びB3a)、A 及び(A及びB3c)それぞれで例証した基である。
【0059】
C3)スルホニルクロリドを用いた官能化
スルホニルクロリドを用いた官能化は下記の反応工程図に従って行う。

一般的な方法: モルホリノメチル樹脂(Novabiochem社製、2〜3当量)をジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような無水溶媒中で予め膨潤させる。ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような無水溶媒に溶解したスルホニルクロリド(1.1〜2当量)を加え、次いで4-アミノジ置換ピペリジンを加える。混合物を16〜48時間攪拌する。アミノメチル樹脂(0.1〜1.5当量)を加え、反応混合物を一夜攪拌する。ある場合には、イオン交換樹脂、例えばIRA68又はSAXを加え、混合物を周囲温度で1〜18時間攪拌する。樹脂をフリットを用いて濾過するか、あるいはSAXイオン交換樹脂カートリッジ(500 mg、Interchim社製)又は塩基性アルミナカートリッジ(500 mg、Interchim社製)を用いて濾過する。
【0060】
実施例C3: N-(3,3-ジフェニルプロピル)-N-{l-[(4-メトキシフェニル)スルホニル-4-ピペリジニル}-N´-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
(C3536334S、M=651.75)

モルホリノメチル樹脂 27.5 mg(100μモル、2当量)を無水テトラヒドロフランに膨潤させ、次いで4-メトキシフェニルスルホニルクロリド(15.5 mg、0.075ミリモル、1.5当量)を加え、次いでN-(3,3-ジフェニルプロピル)-N-(4-ピペリジニル)-N´-[3-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア(24.3 mg、0.05ミリモル)を加えた。得られた混合物を一夜攪拌した。アミノメチル樹脂(20 mg)及びSAXイオン交換樹脂を加え、混合物を一夜攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄した。濾液を蒸発させた後に得られた油状物をシリカゲルカートリッジ(500 mg、Interchim社製)に通し、酢酸エチルで溶出し、溶出液を濃縮した後に固体白色18mg(収率=56%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.71(d, J=9.2Hz, 2H);7.65(s, 1H);7.51(d,
1H);7.41(t, J=7.6Hz, 1H);7.29(m, 9H);7.20(m, 2H);7.11(dd, J=1.6及び
6.8Hz, 2H);3.88(s, 3H, OCH3);3.77(d, J=12.4Hz, 2H);3.16(t, J=8Hz,
2H);2.33(m, 4H);1.71(d, J=10Hz, 2H);1.62(qd, J=4 及び12Hz, 2H);
1.3(m, 2H)。MS/LC:m/z=652.4(M+H)。
【0061】
この方法に従って、一連のスルホンアミド類を合成した。意図し得る基R1、X1、X2 及びX3は前記の(A及びB3a)、A、(A及びB3c)及びB3bそれぞれで例証した基である。
【0062】
D)トリ置換ピペリジン類の固相での合成
トリ置換ピペリジン類の固相合成を、ビニルスルホン樹脂(Kroll, F.E.K.;
Morphy, R.;Rees, D.: Gani, D., Tetrahedron Lett., 1997, 38, 8573-8576;Brown, A.R., J. Comb. Chem., 1999, 1, 283-285)から出発して下記の反応工程図に従って行う。
D1)樹脂の調製
樹脂の調製を下記の反応工程図に従って行う:

ジメチルホルムアミドに希釈した水和ピペリドン塩酸塩にトリエチルアミン
(1当量)を加える。得られた混合物をケトンが完全に溶解するまで加熱する。この溶液を、ジメチルホルムアミドに予め膨潤させたビニルスルホン樹脂(0.05当量)に加える。周囲温度で24〜72時間攪拌した後に、樹脂を濾過し、次いでジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジクロロメタンで数回洗浄する。
【0063】
製造例4
ビニルスルホン樹脂 1.5g (Novabiochem社製、装填量1ミリモル/g、1.5ミリモル)をジメチルホルムアミド50mlに予め膨潤させた。同時に、水和ピペリドン塩酸塩2.3 g(15ミリモル、10当量)及びトリエチルアミン1.8g(15ミリモル、10当量)を、ジメチルホルムアミド100 ml中で完全に溶解するまで加熱した。黄色を帯びた溶液を前記樹脂上に暖かい状態で注加し、得られた混合物を周囲温度で24時間攪拌した。樹脂を濾過し、次いでジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル及びジクロロメタン(それぞれの溶媒で3回)洗浄し、次いで減圧下で乾燥した。窒素の元素分析後に算出した装填量1ミリモル/gを有する淡黄色樹脂1.7 gを単離した。
【0064】
D2)固体支持体上での還元アミノ化
固体支持体上での還元アミノ化を文献(Pelter, A.;Rosser, R.M.;J. Chem. Soc. Perkin Trans I, 1984, 717-720; Bomann, M.D.;Guch, I.C.;DiMare,
M.;J. Org. Chem., 1995, 60, 5995-5996; Khan, N.M.;Arumugam, V.;
Balasubramanian, S.;Tetrahedron Lett., 1996, 37, 4819-4822)に記載の方法に従って、下記の反応工程図に従って行う:

一般的な方法: オルトギ酸トリメチル(TMOFと略記する)に予め膨潤させたケトン樹脂に第一級アミン(5〜10当量)を加え、次いでこの混合物を超音波処理する。次いで、ピリジン・ボラン錯体(8M、5〜10当量)を加え、得られた混合物を12〜72時間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、メタノール及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。
【0065】
製造例5

ケトン樹脂1g(装填量1ミリモル/g、1ミリモル)をTMOFに予め膨潤させた。次いで2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチルアミン(1.01 g、10ミリモル、10当量)、次いでピリジン・ボラン錯体(8M、1.25 ml、10ミリモル、10当量)を加えた。得られた混合物を周囲温度で48時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド、メタノール、テトラヒドロフラン及びジクロロメタンで連続して洗浄し、次いで減圧下で乾燥した。このようにして、窒素の元素分析後に算出した装填量0.91ミリモル/gを有する淡黄色樹脂1.05 gを得た。
【0066】
D3)第二級アミンの官能化
D3a)イソシアネートによる官能化

一般的な方法:ジクロロメタン又はジメチルホルムアミドのような溶媒に“第二級アミン”樹脂を予め膨潤させ、その後にイソシアネート(3〜10当量)を加える。得られた混合物を周囲温度で1〜24時間攪拌する。次いで、樹脂を濾過し、ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド及びテトラヒドロフランのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。
【0067】
製造例6

樹脂(調製例5参照)55 mg(50μモル)を無水ジクロロメタンに予め膨潤した。次いで、4-トリフルオロフェニルイソシアネート(28 mg、150μモル、3当量)を加え、全体を周囲温度で2時間攪拌した。樹脂を濾過し、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、次いでジクロロメタンで洗浄し、その後に減圧下で乾燥した。
【0068】
D3b)スルホニルクロリドによる官能化
この官能化操作方法は上記のB3bに記載の方法と同じである。
D3c)酸塩化物による官能化
この官能化操作方法は上記のB3cに記載の方法と同じである。
D3d)カルボン酸による官能化
この官能化操作方法は上記のB3dに記載の方法と同じである。
【0069】
D4)解離工程
以下に記載の解離工程は、官能化を第二級アミンに対して予め行った場合には有効である:

一般的な方法: ジクロロメタン、ジメチルホルムアミド又はテトラヒドロフランのような溶媒に前記ジ置換樹脂を膨潤させ、ハロゲン化物R3X(式中、R3は前記の意義を有し且つXはハロゲン原子を表す)(5当量)を加え、混合物を20〜60℃の温度で一夜攪拌する。樹脂を濾過し、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール及びジクロロメタンのような溶媒で洗浄し、次いで減圧下で乾燥する。樹脂を再度ジクロロメタンに膨潤させ、塩基性イオン交換樹脂
(Ouyang, X.;Armstrong, R.W.;Murphy, M.M., J. Org. Chem., 1998, 63,
1027-1032)を加える。全体を周囲温度で48時間攪拌する。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、濾液を減圧濃縮する。
【0070】
実施例D4: N-[2-(1-メチル-1H-インドール-3-イル)エチル]-N-(1-メチル-4-ピペリジニル)-N´-[4-(トリフルオロメチル)フェニル]ウレア
(C252934O、M=458.5)

尿素樹脂55 mg(50μモル)をジメチルホルムアミドに膨潤させ、次いでヨードメタン35 mg(250μモル、5当量)を加え、得られた混合物を周囲温度で18時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、メタノール及びジクロロメタンで洗浄し、次いで減圧下で乾燥した。樹脂を再度ジクロロメタンに膨潤させ、次いでアンバーライトIRA68樹脂約100 mgを加え、混合物を 48時間攪拌した。樹脂を濾過し、ジクロロメタンで洗浄し、濾液を濃縮して無色油状物18 mg(収率=78%)を得た。
1H NMR(CD3OD、400 MHz)δ:7.65(m, 2H);7.40(m, 2H);7.31(m, 1H);
7.20(t, 1H);7.10(m, 1H);7.06(m, 2H);4.04(m, 1H);3.68(s, 3H);
3.60(t, 2H);3.04(t, 2H);2.94(m, 2H);2.29(s, 3H);2.14(m, 2H);
1.91(m, 2H);1.76(m, 2H)。MS/LC: m/z=459.3(M+H)。
【0071】
前記のA及びBで例証した基R1、X1、X2及びX3に関して、上記の方法に従ってトリ置換-4-アミノピペリジンの合成を行い得る基R は下記の基である:





【0072】
また、本発明は、前記の本発明の固相又は液相における化合物Iの製造方法を目的とする。
【0073】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iで示される化合物の液相製造法であって、下記のN-置換ピペリドン:

(式中、Rはメチル基又はBoc基を表す)を、式 R1NH2(式中、R1は前記の意義を有する)で示されるアミンの存在下で還元アミノ化して、次の式(1):

で示される化合物を得、
式(1)で示される化合物を、
A) 式 X1NC(Y)(式中、X1及びYは前記のの意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(2)

で示される化合物を得、
式(2)で示される化合物は、一般式(I)で示される対応化合物であって式中の
3がMe基又はBoc基を表す化合物を表し且つR3がBoc基を表す場合には、酸処理して一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得ることができ、
このようにして得られる一般式(I)で示される化合物は、式 X1NC(Y)、X2C02H 又はX3SO2Cl(式中X1、Y、X2及びX3は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、一般式Iで示される対応化合物であって式中のR2
式-C(Y)NHX1 で示される基を表し、R3が基-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又はS02X3 それぞれを表す化合物を得ることができるか;あるいは、
B)式 X2CO2H(式中、X2は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(3)

で示される化合物を得、
式(3)で示される化合物は、一般式(I)で示される対応化合物であって式中の
3がMe基又はBoc基を表す化合物を表し且つR3がBoc基を表す場合には、酸処理して一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得ることができ、
このようにして得られた式(I)で示される化合物を、式 X1NC(Y)、X2C02H 又はX3SO2Cl(式中、X1、Y、X2及びX3は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、一般式Iで示される対応化合物であって式中のR2が式-C(Y)NHX1 で示される基を表し、R2が基-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又はS02X3 それぞれを表す化合物を得る
ことからなることを特徴とする、前記の一般式Iで示される化合物の液相製造法を目的とする。
【0074】
また、さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iで示される化合物の固相製造法であって、次のケトン樹脂

を式 R1NH2(式中、R1は前記の意義を有する)で示されるアミンの存在下で還元アミノ化して、次の式(4):

で示される化合物を得、式(4)で示される化合物を、
A)式 X1NC(Y)(式中、X1及びYは前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(5):

で示される化合物を得、次いで前記樹脂を脱離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得るか、あるいは、
B)式 X3SO2Cl(式中、X3は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(6):

で示される化合物を得、次いで前記樹脂を脱離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得るか、あるいは、
C)式 X2C02Cl(式中、X2は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(7):

で示される化合物を得、次いで前記樹脂を解離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得るか、あるいは、
D)式 X2CO2H(式中、X2は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、前記の式(7)で示される化合物を得、次いで樹脂を解離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得る
ことからなることを特徴とする前記の一般式Iで示される化合物の固相製造法を目的とする。
【0075】
最後に、さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iで示される化合物の固相製造法であって、次のケトン樹脂

を式 R1NH2(式中、R1は前記の意義を有する)で示されるアミンの存在下で還元アミノ化して、次の式(8):

で示される化合物を得、式(8)で示される化合物を、
A)式 X1NC(O)(式中、X1は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(9):

で示される化合物を得、このようにして得られた化合物(9)を式R3X(式中、
3は前記の意義を有し且つXはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで前記樹脂を脱離させて、対応する式(I)で示される化合物を得るか;あるいは、
B)式 X3SO2Cl(式中、X3は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(10):

で示される化合物を得、次いでこのようにして得られた化合物(10)を式R3
(式中、R3は前記の意義を有し且つXはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで樹脂を解離させて、対応する式(I)で示される化合物を得るか;あるいは、
C)式 X2C02Cl(式中、X2は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(11):

で示される化合物を得、このようにして得られた化合物(11)を式R3X(式中、R3は前記の意義を有し、XはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで樹脂を解離させて、対応する式(I)で示される化合物を得るか;あるいは、
D)式 X2CO2H(式中、X2は前記の意義を有する)で示される化合物と反応させて、前記の式(11)で示される化合物を得、このようにして生成させた化合物
(11)を式R3X(式中、R3 は前記の意義を有し且つXは Br原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで樹脂を解離させて、対応する式(I)で示される化合物を得る、
ことからなることを特徴とする前記の一般式Iで示される化合物の固相製造法を目的とする。
【0076】
本発明の前記の一般式Iで示される化合物は有用な薬理学的性質を有する。すなわち、本発明の一般式Iで示される化合物がソマトスタチンレセプターの1種(又はそれ以上)に対して高い親和性をもつことが知見された。本発明の化合物は、選択的な方法で又は非選択的な方法でソマトスタチンの非ペプチドアゴニスト又はアンタゴニストとして使用することができる。
【0077】
従って、本発明の化合物は種々の治療用途に使用することができる。本発明の化合物は、ソマトスタチンの1種(又はそれ以上)が関与する前記に示した病理学的状態又は病気を治療するのに都合よく使用することができる。
【0078】
本発明の化合物の薬理学的性質は以下の実験の部で例証する。
また、本発明は、医薬としての、前記の一般式Iで示される化合物及びその製薬学的に許容し得る無機又は有機酸との付加塩を目的とし、また有効成分として前記の医薬の少なくとも1種を製薬学的に許容し得る支持体と組み合わせて含有する医薬組成物を目的とする。
【0079】
前記の医薬組成物は、固体の形態であり得、例えば粉剤、顆粒、錠剤、ゼラチンカプセル又は坐薬の形態であり得る。適当な固体支持体は、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリジン及びワックスであり得る。
【0080】
また、本発明の化合物を含有する医薬組成物は、液状でも提供し得、例えば溶液、乳化液、縣濁液又はシロップの形態で提供し得る。適当な液状支持体は、例えば水、有機溶媒例えばグリセロール又はグリコール、同様に水中でこれらと添加される製薬学的に許容し得る油脂との種々の割合の混合物であり得る。滅菌液組成物は筋肉内注射、腹腔内注射又は皮下注射に使用することができ、また滅菌液組成物は静脈内投与することもできる。
【0081】
前記の一般式Iで示される化合物のうちのいくつかは、西ドイツ国特許出願第2751138号明細書によって保護されている。この西ドイツ国特許出願公開明細書には、ドーパミン及び外因性又は内因性のドーパミン作動性の薬剤の効果に拮抗し且つセロトニン作動メカニズムを刺激する化合物が記載されており、その活性は本発明の化合物の活性と全く異なる。
【0082】
また、本発明は、ソマトスタチンの1種又はそれ以上のレセプターが関与する病理学的状態又は病気を治療するための医薬を調製するための使用であって、ラセミ体、鏡像異性体又はこれらの全ての組み合わせの形の次の一般式Ia

{式中、R1a は直鎖もしくは分岐鎖(C1〜C16)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z12はシアノ基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を表すか又はZ12は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはR1aは次の式:

で示される基を表し;
2a は式-C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3 で示される基を表し;
3a は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-(CH2)n-C(0)X2 、-SO2X3 又は

で示される基を表し;
1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z21 又は基-(CH2)pZ22 を表し〔但し、基中のZ21は(C1〜C6)アルキルを表し;Z22 はシクロヘキセニル基、インダニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、アルキニル基、あるいは式-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は-(CH2)p-U-Z24 で示される基を表すか〔式中、式中のZ23 は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z24 はアルキル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、置換されていてもよい(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記に示す基:

〔基中、保護基(PG)はH原子又はtert-ブチルオキシカルボニルを表す〕を表し;
3 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、
CF3基又は基-(CH2)pZ25(基中、Z25は置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す)を表すか、あるいはX3 は次の式:

で示される基であって1個のハロゲン原子又は2個以上の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換されていてもよい基を表し;
Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;
Wは酸素原子、硫黄原子又は S02基を表し;
Uは共有結合又は酸素原子を表し;
nは0〜4の整数であり;
mは1〜6の整数であり;
pは0〜6の整数であり;
qは0〜2の整数である}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る無機酸もしくは有機酸との付加塩の使用を目的とする。
【0083】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iaで示される化合物の使用であって、
i)Z11及びZ12で表されるアリール基並びにZ12で表されるヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素、沃素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、-CF3基、-OCF3基、フェニル基、フェノキシ基及びアミノスルホニル基の中から独立して選択されるものであり;
ii)Z12で表されるヘテロシクロアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、オキシ基及びアルキル基の中から独立して選択されるものであり;
iii)Z22で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アミノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル、基-C(O)-アルキル、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基及びベンジルオキシ基(これらの基のフェニル基は置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
iv)Z23及びZ24で表されるアリール基並びにZ24で表されるシクロアルキル基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-O-C(O)-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミノ基、アミノアルキル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、ベンジル基及びベンジルオキシ基(これらの基のアリール基部分は1個又はそれ以上のアルキル基、CF3基又はハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
v)Z25で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、フェニル基及びピリジノ基の中から独立して選択されるものであり;
vi)R3で表されるアルキル基が有し得る置換基がシアノ基であり;
vii)R3で表されるアラルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、SCHF2基、ニトロ基、シアノ基、基-C(O)O-アルキル、アルキルスルホニル基、チアジアゾリル基、フェニル基及びフェノキシ基(これらの基のフェニル基は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
viii)R3で表されるヘテロアリールアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子及びニトロ基の中から独立して選択されるものである、
ことを特徴とする、前記の一般式Iaで示される化合物の使用を目的とする。
【0084】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R1a が直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は
基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し;
12はビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい
(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいは基:

を表し、Yは酸素原子を表す〕を表すか、あるいはR1aが次の式:

で示される基を表すものである、前記の一般式Iaで示される化合物の使用を目的とする。
【0085】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R2a が式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基又は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、
OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、アルキニル基、
基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は -(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のWはSO2基を表し、Uは共有結合を表し、Z23はアリール基を表し;Z24はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基又はアミノアルキル基で置換されていてもよい(C3
7)シクロアルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し;
3 は基-(CH2)pZ25 を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいアリール基を表す)}
で示される基を表すものである、前記の一般式Iaで示される化合物の使用を目的とする。
【0086】
さらに詳しくは、本発明は、前記の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R3aが水素原子、アルキル基、アルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基及びフェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基を表す〕;
2 はフェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)又は基-(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、ヒドロキシ基、CF3基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びピロリル基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表す〕、あるいはX2は次の式:

で示される基を表し;
3は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、CF3基又は基
-(CH2)pZ25を表す〔基中、Z25は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す〕}で示される基を表すものである前記の一般式Iaで示される化合物の使用を目的とする。
【0087】
1a は直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は
(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し、Z12はナフチル基、モルホリノ基、ビス-フェニル基、オキシ基で置換されたピロリジニル基を表すか、あるいは臭素原子、弗素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルキ、ピペラジニル基、ピリジニル基及びインドリル基を表すか、あるいはZ12 は基

を表し、Yは酸素原子を表す〕、あるいはR1aが下記の式:

で示される基を表すものであることが好ましい。
【0088】
2a は式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基又は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 はシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル及び
基-C(O)-アルキル又はフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基又はフリル基を表すか、あるいはZ22 は次の式:

で示される基を表す〕;
2 はアルキル基、アルキニル基、基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は
-(CH2)p-Z24 を表すか〔但し、基中のWは SO2基を表し、Z23 はフェニル基を表し、Z24 はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、アミノアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、ベンゾチエニル基、チエニル基又はインドリル基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し、
3 は基-(CH2)pZ25を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいフェニル基を表す)}、
で示される基を表すものであることが好ましい。
【0089】
3a は水素原子、アルキル基、アルケニル基、1個又はそれ以上のニトロ基で置換されたフリルメチル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基及びフェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基を表す〕、
2 は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基で置換されたビニル基、又は基-(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及びピロリル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、インドリル基、チエニル基、ピリジニル基、ベンゾチエニル基及びフリル基を表す〕、あるいはX2は次の式:

で示される基を表し、
3は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基、CF3基又は基-(CH2)pZ25 を表す〔但し、基中のZ25は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、
基-NH-C(O)-アルキル基、モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピラゾリル基又はチアゾリル基を表す〕}
で示される基を表すものであることが好ましい。
【0090】
1a は、基-(CH2)mZ12(基中、m=2であり且つZ12 はアルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されたビス-フェニル基又はインドリル基を表す)を表すものであることがさらに好ましい。
【0091】
2a は、式 -C(Y)NHX1 及び-C(0)X2
(式中、YはS原子を表し、X1 は1個又はそれ以上のアジド基で置換されていてもよいフェニル基を表し、X2 はシクロヘキシル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子又は-CF3基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基又はベンゾチエニル基を表す)
で示される基を表すものであることがさらに好ましい。
3a は水素原子又はメチル基を表すものであることがさらに好ましい。
【0092】
本明細書で使用した技術用語及び科学用語は全て当業者に知られている意味を有するものである。また、全ての特許(又は特許出願)及びその他の文献は参考文献として参照される。
【0093】
実験の部
前記の実施例A、B、C及びDに記載の方法に従って得られる本発明の別の化合物を以下の表に列挙する。
【0094】
本発明の化合物は、質量分析法(MS)によって決定されるその保持時間(rt)(分で表す) 及び分子ピーク(M+H)によって特定される。
【0095】
質量分析法に関しては、エレクトロスプレー源を備えた単一四重極質量分析計(Micromass、Platform model)であって50%valleyで0.8Daの解像度をもつ質量分析計を使用する。下記の実施例1〜778の条件は次の通りである:
条件C1及びC2
溶出液: A:水+0.02%トリフルオロ酢酸; B:アセトニトリル


【0096】
条件C3
溶出液: A:水+0.02%トリフルオロ酢酸; B:アセトニトリル

流 量:1 ml/分
注入量:5μl
カラム:Uptisphere ODS 3μm、50内径4.6mm
温 度:40℃
波長(%UV):210 nm
各実施例に対応する条件は次の通りである:

【0097】
これらの実施例は前記の方法を例証するために示すものであり、決して本発明の範囲を限定するものであると考えられるべきものではない。
【0098】

【0099】

【0100】

【0101】

【0102】

【0103】

【0104】

【0105】

【0106】

【0107】

【0108】

【0109】

【0110】

【0111】

【0112】

【0113】

【0114】

【0115】

【0116】

【0117】

【0118】

【0119】

【0120】

【0121】

【0122】

【0123】

【0124】

【0125】

【0126】

【0127】

【0128】

【0129】

【0130】

【0131】

【0132】

【0133】

【0134】

【0135】

【0136】

【0137】

【0138】

【0139】

【0140】

【0141】

【0142】

【0143】

【0144】

【0145】

【0146】

【0147】

【0148】

【0149】

【0150】

【0151】

【0152】

【0153】

【0154】

【0155】

【0156】

【0157】

【0158】

【0159】

【0160】

【0161】
薬理学的研究
本発明化合物は、以下に記載の方法に従ってソマトスタチンレセプターの種々のサブタイプに対する親和性について試験することができ、その試験を行った。
【0162】
ヒトソマトスタチンレセプターのサブタイプに対する親和性の研究:
ヒトのソマトスタチンレセプターのサブタイプ1〜5(sst1、sst2、sst3
sst4及びsst5それぞれ)に対する本発明の化合物の親和性を、移入された
CHO-K11細胞に対する[125I-Tyr11]SPRIF-14の結合の抑制を測定することにより調べた。
ヒトのソマトスタチンのsst1レセプターの遺伝子は、ゲノム断片の形でクローン化されている。100 bpの非転写5´領域と、1.17 Kbの完全な解読領域と、230 bpの非転写3´領域とを含んでいる1.5 KbのPstI-XmnI断片を、リンカーBglIIを付加することによって修飾する。得られたDNA断片をpCMV-81のBamHI制限部位にサブクローン化して、哺乳動物における発現プラスミドを得る(米国のシカゴ大学のGraeme Bell博士から提供された)。安定な方法でsst1レセプターを発現するクローン化細胞系は、リン酸カルシウム共沈法を使用して、CHO-K1細胞(ATCC)に移入することによって得られる。プラスミドpRSV-neo(ATCC)が選択マーカーとして含有されている。クローン化細胞系をG418(Gibco製)0.5mg/mlを含有するPRMI 1640培地中で選択し、次いで循環(circular)クローニングし、培地中で増殖させた。
【0163】
ヒトのソマトスタチンのsst2レセプターの遺伝子〔1.7 KbのBamHI-HindIIIの
DNAのゲノム断片の形で単離され、プラスミドベクターpGEM3Z(Promega製)にサブクローン化されている〕は、G. Bell博士(米国シカゴ大学)から提供された。哺乳動物細胞の発現ベクターは、1.7 KbのBamHI-HindII断片を、プラスミド
pCMV5に適合したエンドヌクレアーゼ制限部位に挿入することによって組み立てる。クローン化細胞系は、リン酸カルシウム共沈法を使用してCHO-K1細胞(ATCC)に移入することによって得られる。プラスミドpRSV-neoが選択マーカーとして含有されている。
【0164】
前記のsst3レセプターはゲノム断片として単離され、完全な暗号解読配列が
2.4 KbのBamHI/HindIII制限断片に含まれている。哺乳動物における発現ベクターpCMV-h3は、両末端を修飾し、次いでEcoR1リンカーを付加した後に、2.0 Kbの
NcoI-HindIII制限断片をベクターpCMVのEcoR1部位に挿入することによって組み立てる。安定な方法でsst3レセプターを発現するクローン化細胞系は、リン酸カルシウム共沈法を使用してCHO-K1細胞(ATCC)に移入することによって得られる。プラスミドpRSV-neo(ATCC)が選択マーカーとして含有されている。クローン化細胞系をG418(Gibco製)0.5mg/mlを含有するPRMI 1640培地中で選択し、次いで循環クローニングし、培地中で増殖させた。
【0165】
ヒトsst4レセプターの発現プラスミドpCMV-HXは、Graeme Bell博士(米国シカゴ大学)から提供された。このベクターは、1.4 KbのNheI-NheIのヒトsst4レセプターをコードするゲノム断片と、456 bpの非転写5´領域と、200 bpの非転写
3´領域とを含有しており、pCMV-HXのXbaI/EcoR1部位にクローン化される。安定な方法でsst4レセプターを発現するクローン化細胞系は、リン酸カルシウム共沈法を使用してCHO-K1細胞(ATCC)に移入することによって得られる。プラスミドpRSV-neo(ATCC)が選択マーカーとして含有されている。クローン化細胞系を、G418(Gibco製)0.5mg/mlを含有するPRMI 1640培地中で選択し、次いで循環クローニングし、培地中で増殖させた。
【0166】
ヒトsst5レセプターに相当する遺伝子(プローブとしてゲノムλクローンを使用してPCR法によって得られる)は、Graeme Bell博士(米国シカゴ大学)から提供された。得られた1.2 KbのPCR断片は、21 bpの非転写5´領域と、完全な解読領域と、55 bpの非転写3´領域とを含んでいた。このクローンをプラスミドpBSSK(+)のEcoR1部位に挿入した。挿入断片は、哺乳動物において発現ベクターpCVM5中でサブクローン化するための1.2KbのHindIII-XbaI断片の形で回収される。安定な方法でsst5レセプターを発現するクローン化細胞系を、リン酸カルシウム共沈法を使用してCHO-K1細胞(ATCC)に移入することによって得た。プラスミド
pRSV-neo(ATCC)が選択マーカーとして含有される。クローン化細胞系をG418
(Gibco製)0.5mg/mlを含有するPRMI 1640培地中で選択し、次いで循環クローニングし、培地中で増殖させた。
【0167】
ヒトのsstレセプターの一つを安定な方法で発現するCHO-K1細胞を、ウシ胎児血清10%とジェネテシン(geneticin) 0.4mg/mlとを含有するRPMI 1640培地中で培養した。培養細胞を0.5mM EDTAを用いて採取し、500gで約4℃で約5分間遠心分離した。得られたペレットを50mM Tris(pH 7.4) に再縣濁し、500gで約4℃で約5分間、2回遠心分離した。得られた細胞を超音波処理することにより溶菌し、次いで39000gで4℃で約10分間遠心分離した。得られたペレットを前記と同じ緩衝液に懸濁し、50000gで約4℃で約10分間 遠心分離し、得られたペレット中の細胞膜を−80℃で保存した。
【0168】
[125I-Tyr11]SRIF-14との結合の競争阻害反応を、96ウエルのポリプロピレン製プレート中で二重に行った。前記の細胞膜(タンパク質10μg/ウエル)を、
[125I-Tyr11]SRIF-14(0.05nM)と共に、BSA 0.2%、MgCl2 5mM、Trasylol 200 KIU/ml、バシトラシン0.02mg/ml、フェニルメチルスルホニルフルオリド0.02
mg/mlを含有するHEPES 50mM緩衝液(pH 7.4)中で、約37℃で約60分間インキュベートとした。
細胞膜に結合した[125I-Tyr11]SRIF-14を、濾過装置Filtermate 196(Packard社製)を使用して、0.1%ポリエチレンイミン(P.E.I.)を予め含浸させたGF/Cガラス繊維製濾過板(商品名 Unifileter、Packard社製)を通して直接濾過することにより、遊離の[125I-Tyr11]SRIF-14から分離した。得られた濾液を、50mM
HEPES緩衝液を用いて約0〜4℃で約4秒間洗浄し、その放射能をカウンター
(Pakard Top Count)を使用して測定した。
結合全体から非特異的結合(0.01μMのSRIF-14の存在下で測定した)を差し引くことによって特異的結合を得た。結合に関するデータをコンピューター支援非線形抑制分析(MDL)により分析し、阻害定数(Ki)を測定した。
【0169】
本発明の化合物のアゴニスト及びアンタゴニスト特性の決定は、下記に示す試験法を使用して行った。
【0170】
官能試験:細胞内cAMPの産生の抑制
ヒトのソマトスタチンレセプター(SRIF-14)のサブタイプを発現するCHO-K1細胞を、24ウエルのプレート中で、10%ウシ胎児血清とジェネテシン0.4mg/mlとを含有するRPMI 1640培地中で培養した。培地は実験の前日に代えた。
細胞105個/ウエルの割合の細胞を、3-イソブチル-1-メチルキサンチン(IBMXと略記する) 0.5 mMを補足した0.2%BSAを含有する新しいRPMI培地0.5mlで2回洗浄し、次いで約37℃で約5分間インキュベートした。
フォルスコリン(FSKと略記する)1mMを約37℃で15〜30分間加えることによって、サイクリックAMPの産生を促進させた。
アゴニスト化合物のソマトスタチン阻害効果を、FSK(1μM)、SRIF-14(10-12M〜10-6M)及び供試化合物(10-10M〜10-5M)を同時に加えることによって測定した。
化合物のアンタゴニスト効果を、FSK(1μM)、SRIF-14(1〜10 nM)及び供試化合物(10-10M〜10-5M)を同時に加えることによって測定した。
反応溶媒を除去し、0.1N HCl 200mlを加えた。cAMPの量を放射線免疫学的試験(FlashPlate SMP001A kit、New England Nuclear製)により測定した。
【0171】
結果
前記の方法に従って行った試験により、本発明の一般式(I)で示される化合物がソマトスタチンレセプターの複数のサブタイプのうちの少なくとも一つに対して良好な親和性をもつことが例証され、代表的な化合物については阻害定数Kiが1マイクロモル(μmol)よりも低いことが例証された。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ラセミ体、鏡像異性体又はこれらの全ての組み合わせの形の化合物であって、次の一般式:

{式中、R1 は直鎖もしくは分岐鎖(C1〜C16)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z12はシアノ基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を表すか又はZ12は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはR1は次の式:

で示される基を表し;
2 は式-C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3 で示される基を表し;
3 は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-(CH2)n-C(0)X2 、-SO2X3 又は

で示される基を表し;
1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z21 又は基-(CH2)pZ22 を表し〔但し、基中のZ21は(C1〜C6)アルキルを表し;Z22 はシクロヘキセニル基、インダニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、アルキニル基、又は式-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 もしくは-(CH2)p-U-Z24 で示される基を表すか〔但し、式中のZ23は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z24 はアルキル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、置換されていてもよい(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記に示す基:

〔基中、保護基(PG)はH原子又はtert-ブチルオキシカルボニルを表す〕を表し;
3 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、
CF3基又は基-(CH2)pZ25(基中、Z25は置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す)を表すか、あるいはX3 は次の式:

で示される基であって1個のハロゲン原子又は2個以上の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換されていてもよい基を表し;
Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;
Wは酸素原子、硫黄原子 又は S02基を表し;
Uは共有結合又は酸素原子を表し;
nは0〜4の整数であり;
mは1〜6の整数であり;
pは0〜6の整数であり;
qは0〜2の整数である}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る無機酸もしくは有機酸との付加塩(但し、R1がアルキル基、アルケニル基又はベンジル基を表し、R2が置換されていてもよいベンジルオキシ基を表し且つR3がアラル基を表す場合の一般式Iで示される化合物を除く)。
【請求項2】
請求項1に記載の一般式Iで示される化合物であって、
i)Z11及びZ12で表されるアリール基並びにZ12で表されるヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素、沃素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、-CF3基、-OCF3基、フェニル基、フェノキシ基及びアミノスルホニル基の中から独立して選択されるものであり;
ii)Z12で表されるヘテロシクロアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、オキシ基及びアルキル基の中から独立して選択されるものであり;
iii)Z22で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アミノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル、基-C(O)-アルキル、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基及びベンジルオキシ基(これらの基のフェニル基は置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
iv)Z23及びZ24で表されるアリール基並びにZ24で表されるシクロアルキル基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-O-C(O)-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミノ基、アミノアルキル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、ベンジル基及びベンジルオキシ基(これらの基のアリール基部分は1個又はそれ以上のアルキル基、CF3基又はハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
v)Z25で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、フェニル基及びピリジノ基の中から独立して選択されるものであり;
vi)R3で表されるアルキル基が有し得る置換基がシアノ基であり;
vii)R3で表されるアラルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、SCHF2基、ニトロ基、シアノ基、基-C(O)O-アルキル、アルキルスルホニル基、チアジアゾリル基、フェニル基及びフェノキシ基(これらの基のフェニル基は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
viii)R3で表されるヘテロアリールアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子及びニトロ基の中から独立して選択されるものである、ことを特徴とする請求項1に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の一般式Iで示される化合物であって、 R1 が直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は
基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し;
12はビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい
(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいは基:

を表し;Yは酸素原子を表す〕、あるいはR1が次の式:

で示される基を表し、
2 が式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3 で示される基を表し{但し、式中のX1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基又は基-(CH2)pZ22を表し〔基中のZ22はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、アルキニル基、
基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は -(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のWはSO2基を表し、Uは共有結合を表し、Z23はアリール基を表し;Z24はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、又はアミノアルキル基で置換されていてもよい(C3〜C7)シクロアルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し;
3 は基-(CH2)pZ25を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいアリール基を表す))、
3 が水素原子、アルキル基、アルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又は SO2X3
{但し、式中のX1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、フェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基を表す〕;
2 はフェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)又は基-(CH2)p-U-Z24を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、ヒドロキシ基、CF3基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びピロリル基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表す〕、あるいはX2は次の式:

で示される基を表し;
3 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、CF3基又は
基-(CH2)pZ25を表す〔但し、Z25 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、基 -NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基 及び ジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す〕}
で示される基を表すものである、請求項1又は2に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物であって、R1が直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し;Z12はナフチル基、モルホリノ基、ビス-フェニル基、オキシ基で置換されたピロリジニル基を表すか、又は臭素原子、弗素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基及び-OCF3基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ピペラジニル基、ピリジニル基及びインドリル基を表すか、あるいはZ12 は基

を表し;Yは酸素原子を表す〕、あるいはR1が下記の式:

で示される基を表すものである、請求項1〜3のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物であって、R2 が式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基又は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 はシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、
基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基又はフリル基を表すか、あるいはZ22 は次の式:

で示される基を表す〕;
2 はアルキル基、アルキニル基、基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23又は-(CH2)p-Z24を表すか〔但し、基中のWは SO2基を表し;Z23 はフェニル基を表し;Z24 はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、アミノアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、
基-C(O)O-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、ベンゾチエニル基、チエニル基又はインドリル基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し、
3 は基-(CH2)pZ25を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいフェニル基を表す)}
で示される基を表すものである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項6】
請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物であって、R3が水素原子、アルキル基、アルケニル基、1個又はそれ以上のニトロ基で置換されたフリルメチル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1
-C(O)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基及びフェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基を表す〕、
2 は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基で置換されたビニル基、又は基-(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及びピロリル基の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、インドリル基、チエニル基、ピリジニル基、ベンゾチエニル基及びフリル基を表す〕、あるいはX2 は次の式:

で示される基を表し、
3 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基、CF3基又は基-(CH2)pZ25を表す〔基中、Z25は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、基-NH-C(O)-アルキル基、モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピラゾリル基又はチアゾリル基を表す〕}
で示される基を表すものである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項7】
1が基-(CH2)mZ12(式中、m=2であり且つZ12 はビスフェニル基を表すか又はアルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されたインドリル基を表す)を表すものである請求項1〜6のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項8】
2 が式 -C(Y)NHX1 及び-C(0)X2
{式中、YはS原子を表し;X1 は1個又はそれ以上のアジド基で置換されていてもよいフェニル基を表し、X2 は基-(CH2)pZ24を表す(基中、pは1、2又は3であり、Z24はシクロヘキシル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子及び-CF3基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基又はベンゾチエニル基を表す)}
で示される基を表すものである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項9】
3が水素原子又はメチル基を表すものである請求項1〜8のいずれか1項に記載の一般式Iで示される化合物。
【請求項10】
請求項1に記載の一般式Iで示される化合物の液相製造法であって、下記のN-置換ピペリドン:

(式中、Rはメチル基又はBoc基を表す)を、式 R1NH2(式中、R1 は請求項1に記載の意義を有する)で示されるアミンの存在下で還元アミノ化して、次の式(1):

で示される化合物を得、
式(1)で示される化合物を、
A) 式 X1NC(Y)(式中、X1及びYは請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(2)

で示される化合物を得、
式(2)で示される化合物は、一般式(I)で示される対応化合物であって式中の
3がMe基又はBoc基を表す化合物を表し且つR3がBoc基を表す場合には、酸処理して一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得ることができ、
このようにして得られる一般式(I)で示される化合物は、式 X1NC(Y)、X2C02H 又はX3SO2Cl(式中X1、Y、X2及びX3は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、一般式Iで示される対応化合物であって式中のR2が式-C(Y)NHX1 で示される基を表し、R3が基-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又はS02X3 それぞれを表す化合物を得ることができるか;あるいは、
B)式 X2CO2H(式中、X2は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(3)

で示される化合物を得、
式(3)で示される化合物は、一般式(I)で示される対応化合物であって式中の
3がMe基又はBoc基を表す化合物を表し且つR3がBoc基を表す場合には、酸処理して一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得ることができ、
このようにして得られた式(I)で示される化合物を、式 X1NC(Y)、X2C02H 又はX3SO2Cl(式中、X1、Y、X2及びX3は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、一般式Iで示される対応化合物であって式中のR2が式-C(Y)NHX1 で示される基を表し、R2が基-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又はS02X3 それぞれを表す化合物を得る
ことからなることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで示される化合物の液相製造法。
【請求項11】
請求項1に記載の一般式Iで示される化合物の固相製造法であって、次のケトン樹脂

を式 R1NH2(式中、R1は請求項1に記載の意義を有する)で示されるアミンの存在下で還元アミノ化して、次の式(4):

で示される化合物を得、
式(4)で示される化合物を、
A)式 X1NC(Y)(式中、X1及びYは請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(5):

で示される化合物を得、次いで前記樹脂を脱離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得るか、あるいは、
B)式 X3SO2Cl(式中、X3は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(6):

で示される化合物を得、次いで前記樹脂を脱離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得るか、あるいは、
C)式 X2C02Cl(式中、X2は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(7):

で示される化合物を得、次いで前記樹脂を解離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得るか、あるいは、
D)式 X2CO2H(式中、X2は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、前記の式(7)で示される化合物を得、次いで樹脂を解離させて、一般式(I)で示される対応化合物であって式中のR3が水素原子を表す化合物を得ることからなることを特徴とする、請求項1に記載の一般式Iで示される化合物の固相製造法。
【請求項12】
請求項1に記載の一般式Iで示される化合物の固相製造法であって、次のケトン樹脂

を式 R1NH2(式中、R1は請求項1に記載の意義を有する)で示されるアミンの存在下で還元アミノ化して、次の式(8):

で示される化合物を得、
式(8)で示される化合物を、
A)式 X1NC(O)(式中、X1は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(9):

で示される化合物を得、このようにして得られた化合物(9)を式R3X(式中、
3は請求項1に記載の意義を有し且つXはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで前記樹脂を脱離させて、対応する式(I)で示される化合物を得るか;あるいは、
B)式 X3SO2Cl(式中、X3は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(10):

で示される化合物を得、次いでこのようにして得られた化合物(10)を式R3
(式中、R3は請求項1に記載の意義を有し且つXはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで樹脂を解離させて、対応する式(I)で示される化合物を得るか;あるいは、
C)式 X2C02Cl(式中、X2は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、次の式(11):

で示される化合物を得、このようにして得られた化合物(11)を式R3X(式中、R3は請求項1に記載の意義を有し、XはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで樹脂を解離させて、対応する式(I)で示される化合物を得るか;あるいは、
D)式 X2CO2H(式中、X2は請求項1に記載の意義を有する)で示される化合物と反応させて、前記の式(11)で示される化合物を得、このようにして生成させた化合物(11)を式R3X(式中、R3は請求項1に記載の意義を有し且つXはBr原子又はI原子を表す)で示される化合物と反応させ、次いで樹脂を解離させて、対応する式(I)で示される化合物を得る、
ことからなることを特徴とする請求項1に記載の一般式Iで示される化合物の固相製造法。
【請求項13】
医薬としての請求項1〜9に記載の一般式Iで示される化合物及びその製薬学的に許容し得る無機酸又は有機酸との付加塩。
【請求項14】
有効成分として請求項13に記載の医薬の少なくとも1種を製薬学的に許容し得る支持体と組み合わせて含有する医薬組成物。
【請求項15】
ソマトスタチンの1種又はそれ以上のレセプターが関与する病理学的状態又は病気を治療するための医薬を調製するための使用であって、ラセミ体、鏡像異性体又はこれらの全ての組み合わせの形の次の一般式Ia

{式中、R1a は直鎖もしくは分岐鎖(C1〜C16)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z12はシアノ基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、置換されていてもよいアリール基又は置換されていてもよいヘテロアリール基を表すか又はZ12は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはR1aは次の式:

で示される基を表し;
2a は式-C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3 で示される基を表し;
3a は水素原子、置換されていてもよいアルキル基、アルケニル基、アルキニル基、置換されていてもよいアラルキル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基、あるいは式-C(Y)-NHX1 、-(CH2)n-C(0)X2 、-SO2X3 又は

で示される基を表し;
1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基、アルケニル基、アルキニル基、基-(CH2)m-Y-Z21 又は基-(CH2)pZ22 を表し〔但し、基中のZ21は(C1〜C6)アルキルを表し;Z22 はシクロヘキセニル基、インダニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、アルキニル基、あるいは式-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は-(CH2)p-U-Z24 で示される基を表すか〔式中、式中のZ23 は置換されていてもよい(C1〜C6)アルキル基又はアリール基を表し;Z24 はアルキル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、置換されていてもよい(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、シアノ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記に示す基:

〔基中、保護基(PG)はH原子又はtert-ブチルオキシカルボニルを表す〕を表し;
3 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されていてもよいアルケニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、
CF3基又は基-(CH2)pZ25(基中、Z25は置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す)を表すか、あるいはX3 は次の式:

で示される基であって1個のハロゲン原子又は2個以上の同一もしくは異なるハロゲン原子で置換されていてもよい基を表し;
Yは酸素原子又は硫黄原子を表し;
Wは酸素原子、硫黄原子又は S02基を表し;
Uは共有結合又は酸素原子を表し;
nは0〜4の整数であり;
mは1〜6の整数であり;
pは0〜6の整数であり;
qは0〜2の整数である}
で示される化合物又はその製薬学的に許容し得る無機酸もしくは有機酸との付加塩の使用。
【請求項16】
請求項15に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、
i)Z11及びZ12で表されるアリール基並びにZ12で表されるヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素、沃素、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、-CF3基、-OCF3基、フェニル基、フェノキシ基及びアミノスルホニル基の中から独立して選択されるものであり;
ii)Z12で表されるヘテロシクロアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、オキシ基及びアルキル基の中から独立して選択されるものであり;
iii)Z22で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルケニル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、アミノスルホニル基、ピペリジノスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、基-C(O)-O-アルキル、基-C(O)-アルキル、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基及びベンジルオキシ基(これらの基のフェニル基は置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
iv)Z23及びZ24で表されるアリール基並びにZ24で表されるシクロアルキル基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-O-C(O)-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、アミノ基、アミノアルキル基、ピロリル基、ピロリジニル基、フェニル基、フェノキシ基、フェニルチオ基、ベンジル基及びベンジルオキシ基(これらの基のアリール基部分は1個又はそれ以上のアルキル基、CF3基又はハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
v)Z25で表されるアリール基及びヘテロアリール基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、基-NH-C(O)-アルキル、アルキルスルホニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、フェニル基及びピリジノ基の中から独立して選択されるものであり;
vi)R3で表されるアルキル基が有し得る置換基がシアノ基であり;
vii)R3で表されるアラルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、OCF3基、OCHF2基、SCF3基、SCHF2基、ニトロ基、シアノ基、基-C(O)O-アルキル、アルキルスルホニル基、チアジアゾリル基、フェニル基及びフェノキシ基(これらの基のフェニル基は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)の中から独立して選択されるものであり;
viii)R3で表されるヘテロアリールアルキル基が有し得る1個又は複数の置換基が、弗素原子、塩素原子、臭素原子及びニトロ基の中から独立して選択されるものである
ことを特徴とする、請求項15に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項17】
請求項16又は15のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R1a が直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、
基-(CH2)m-Y-Z11 又は基-(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し;Z12はビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、置換されていてもよい(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を表すか、あるいは基:

を表し;Yは酸素原子を表す〕を表すか、あるいはR1aが次の式:

で示される基を表すものである、請求項15又は16のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項18】
請求項15〜17のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R2a が式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C15)アルキル基又は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基又は基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、
OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表すか、あるいはZ22は次の式:

で示される基を表す〕;
2 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、アルキニル基、
基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は -(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のWはSO2基を表し、Uは共有結合を表し、Z23はアリール基を表し;Z24はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基又はアミノアルキル基で置換されていてもよい(C3
7)シクロアルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し;
3 は基-(CH2)pZ25 を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいアリール基を表す)}
で示される基を表すものである、請求項15〜17のいずれか1項に記載の一般式
aで示される化合物の使用。
【請求項19】
請求項15〜18のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R3aが水素原子、アルキル基、アルケニル基、置換されていてもよいヘテロアリールアルキル基を表すか、あるいは式-C(Y)-NHX1
-C(O)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基及びフェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基を表す〕;
2 はフェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよい)又は基-(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、(C3〜C7)シクロアルキル基、(C3〜C7)ヘテロシクロアルキル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基又はジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、ヒドロキシ基、CF3基、ニトロ基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びピロリル基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいアリール基又はへテロアリール基を表す〕、あるいはX2は次の式:

で示される基を表し;
3は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基(前記フェニル基はそれ自体が置換されていてもよい)、CF3基又は
基-(CH2)pZ25を表す〔基中、Z25 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、基 -NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基 及び ジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいアリール基又はヘテロアリール基を表す〕}
で示される基を表すものである請求項15〜18のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項20】
請求項15〜19のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R1aが直鎖又は分岐鎖(C1〜C6)アルキル基、
基-(CH2)m-Y-Z11 又は(CH2)m-Z12 を表すか〔但し、基中のZ11は(C1〜C6)アルキル基を表し、Z12はナフチル基、モルホリノ基、ビス-フェニル基、オキシ基で置換されたピロリジニル基を表すか、又は臭素原子、弗素原子、塩素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基及び-OCF3基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニルキ、ピペラジニル基、ピリジニル基及びインドリル基を表すか、あるいはZ12 は基

を表し、Yは酸素原子を表す〕、あるいはR1aが下記の式:

で示される基を表すものである請求項15〜19のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項21】
請求項15〜20のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R2a が式 -C(Y)NHX1 、-C(0)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基又は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 はシクロヘキシル基、シクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、モルホリノ基、ピペリジノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、
基-C(O)-O-アルキル基を表すか、あるいは弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、CF3基、OCF3基、ニトロ基、シアノ基、アジド基、ピペリジノスルホニル基、基-C(O)O-アルキル、
基-C(O)-アルキル及びフェニル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基又はフリル基を表すか、あるいはZ22 は次の式:

で示される基を表す〕;
2 はアルキル基、アルキニル基、基-(CH2)m-W-(CH2)q-Z23 又は
-(CH2)p-Z24 を表すか〔但し、基中のWは SO2基を表し、Z23 はフェニル基を表し、Z24 はシクロヘキセニル基、ビス-フェニル基、アミノアルキル基で置換されていてもよいシクロヘキシル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、-CF3基、-OCF3基、-SCF3基、ヒドロキシ基、基-C(O)O-アルキル、基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基及びアミノ基の中から選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、ベンゾチエニル基、チエニル基又はインドリル基を表すか、あるいはZ24は次の式:

で示される基を表す〕、あるいはX2 は下記の基:

を表し、
3 は基-(CH2)pZ25を表す(基中、Z25はアルコキシ基及びCF3基の中から選択される1個の基又は2個以上の同一又は異なる基で置換されていてもよいフェニル基を表す)}、
で示される基を表すものである請求項15〜20のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項22】
請求項15〜21のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用であって、R3aが水素原子、アルキル基、アルケニル基、1個又はそれ以上のニトロ基で置換されたフリルメチル基を表すか、あるいは
式-C(Y)-NHX1 、-C(O)X2 又は SO2X3
{式中、X1 は基-(CH2)pZ22 を表し〔基中、Z22 は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基及びフェノキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の基で置換されていてもよいフェニル基又はナフチル基を表す〕、
2 は1個又はそれ以上のハロゲン原子で置換されていてもよいフェニル基で置換されたビニル基、又は基-(CH2)p-U-Z24 を表すか〔但し、基中のZ24 はアルキル基、シクロヘキシル基、テトラヒドロフリル基、ビス-フェニル基、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基を表すか、あるいはアルコキシ基、臭素原子、塩素原子、弗素原子、アミノ基、モノアルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、ニトロ基、ヒドロキシ基及びピロリル基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、インドリル基、チエニル基、ピリジニル基、ベンゾチエニル基及びフリル基を表す〕、あるいはX2は次の式:

で示される基を表し、
3は直鎖又は分岐鎖(C1〜C10)アルキル基、フェニル基で置換されたビニル基、CF3基又は基-(CH2)pZ25 を表す〔但し、基中のZ25は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子、アルキル基、アルコキシ基、CF3基、ニトロ基、
基-NH-C(O)-アルキル、モノアルキルアミノ基及びジアルキルアミノ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基、ナフチル基、チエニル基、ピラゾリル基又はチアゾリル基を表す〕}
で示される基を表すものである請求項15〜21のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項23】
1aが基-(CH2)mZ12(基中、m=2であり且つZ12 はアルキル基及びアルコキシ基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されたビス-フェニル基又はインドリル基を表す)を表すものである請求項15〜22のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項24】
2a が式 -C(Y)NHX1 及び-C(0)X2
(式中、YはS原子を表し;X1 は1個又はそれ以上のアジド基で置換されていてもよいフェニル基を表し、X2 はシクロヘキシル基を表すか、又は弗素原子、塩素原子、臭素原子、沃素原子及び-CF3基の中から独立して選択される1個又はそれ以上の置換基で置換されていてもよいフェニル基又はベンゾチエニル基を表す)
で示される基を表すものである請求項15〜23のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項25】
3aが水素原子又はメチル基を表すものである請求項15〜24のいずれか1項に記載の一般式Iaで示される化合物の使用。
【請求項26】
先端巨大症、下垂体腺腫又は内分泌性胃腸膵臓腫瘍(カルチノイド症候群を含む)の治療用の医薬を調製するための請求項15〜25に記載の使用。

【公開番号】特開2011−121982(P2011−121982A)
【公開日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−24405(P2011−24405)
【出願日】平成23年2月7日(2011.2.7)
【分割の表示】特願2001−544681(P2001−544681)の分割
【原出願日】平成12年12月13日(2000.12.13)
【出願人】(509120469)イプセン ファルマ ソシエテ パール アクシオン サンプリフィエ (51)
【氏名又は名称原語表記】IPSEN PHARMA S.A.S.
【住所又は居所原語表記】65 Quai Georges Gorse,F−92100 Boulogne Billancourt FRANCE
【Fターム(参考)】