説明

4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の製造方法

式(I)(式中、Ar1は、−C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Z1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基であり;R1は、−(CH2nC(O)N(R3)(R4)(ここで、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)である)であり;R2は、ハロゲン、−C1−C3アルキルなどであり;nは、1〜4の整数であり;mは0〜4の整数である)による4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の製造に有用な方法、組成物、および中間体が開示されている。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の製造のための組成物、中間体、および方法に関する。
【背景技術】
【0002】
疼痛は、患者が医師の意見および治療を求める最も普通の症状である。疼痛は、急性であるか、または慢性であることがある。急性疼痛は通常、自己制限的であり、慢性疼痛は、3ヶ月またはそれ以上の間持続することがあり、患者の人格、ライフスタイル、機能的能力、または全体的な生活の質に大きい変化を生じることがある(K.M.フォレー(Foley)、「疼痛(Pain)」、セシルの医学テキストブック(Cecil Textbook of Medicine)、100−107、J.C.ベネット(Bennette)およびF.プラム(Plum)編、第20版、1996年)。
【0003】
伝統的に疼痛は、非オピオイド鎮痛剤、例えばアセチルサリチル酸、コリンマグネシウムトリサリチレート、アセトアミノフェン、イブプロフェン、フェノプロフェン、ジフルシナル、およびナプロキセンを投与することによって、またはオピオイド鎮痛剤、例えばモルヒネ、ヒドロモルホン、メサドン、レボルファノール、フェンタニル、オキシコドン、およびオキシモルホンを投与することによって管理されてきた。同上。
【0004】
式Iによる化合物を非限定的に包含する4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物は、動物における疼痛または下痢の予防または治療に有用である:
【化199】

(式中、Ar1は、C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Z1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基であり;R1は、−(CH2nC(O)N(R3)(R4)(ここで、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)である)であり;R2は、ハロゲン、−C1−C3アルキル、−O−(C1−C3アルキル)、−NH(C1−C3アルキル)、または−N(C1−C3アルキル)2であり;nは、1〜4の整数であり;mは0〜4の整数である)。あるいくつかの実施形態において、式Iによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は場合により、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0005】
動物における疼痛および下痢の予防および治療に有用な化合物(7)、すなわち例証的な4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物は、次の構造を有する:
【化200】

(4−[4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−イル)−N,N−ジメチル−2−2−ジフェニル−ブチラミド)
【0006】
例証的な4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物、これらの合成方法、および動物における疼痛または下痢を予防および治療するための方法であって、このような治療または予防を必要とする動物へ、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の有効量を投与することを含む方法は、2003年11月13日に出願され、2004年8月5日にUS2004/0152689号として公開された、共同所有の米国出願番号第10/714,066号に開示されている。これは、その全体が参照してここに組み込まれる。
【0007】
さらには、ほかの4−フェニルピペリジン化合物の製造方法も記載されている。例えばヤクシュ(Yaksh)らの米国特許第6,573,282B1号は、ロペラミド(4−(p−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−α,α−ジフェニル−1−ピペリジンブチラミドハイドロクロライド)の合成について記載している。より具体的には、この‘282号特許は、ジメチル−(テトラヒドロ−3,3−ジフェニル−2−フリリデン)アンモニウムブロマイドの合成、および4−(p−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−N,N−ジメチル−α,α−ジフェニル−1−ピペリジンブチラミドを生じるための、p−クロロフェニル−4−ピペリジノールとのこれの縮合について記載している。しかしながら、この‘282号特許は、テトラゾール部分を含んでいるどの化合物の合成についても記載していない。
【0008】
ニトリル置換基からのテトラゾール基の形成に関するいくつかの研究方法が、開示されている。例えば、バースタイン(Berstein)ら、J.Synth.Org.Chem.(1987)12:1133−34は、対応ニトリル化合物とナトリウムアジドとを、N−メチルピロリドン中で、テトラエチルアンモニウムクロライドの存在下、150℃の温度で反応させることによる、あるいくつかのテトラゾール誘導体の形成について記載している。
【0009】
デムコ(Demko)ら、(2001)J.Org.Chem.66:7945−7850は、ニトリル含有分子とナトリウムアジドとを、亜鉛ブロマイドの存在下に反応させることによる、ニトリル置換基のテトラゾールへの転化について報告している。デムコによって記載された反応は、水溶液中で実施される。
【0010】
ボールド(Bold)ら、(1998)J.Med.Chem.41:3387−3401は、ニトリル含有分子とナトリウムアジドとを、リチウムクロライドの存在下、メトキシエタノールを溶媒として用い、還流条件下に反応させることによる、ニトリルの対応テトラゾールへの転化について記載している。
【0011】
モルツェン(Moltzen)ら、(1994)J.Med.Chem.37:4085−4099は、アルミニウムトリクロライドの存在下、THF中で還流条件下のナトリウムアジドとの反応による、ヘテロ環式アルケニル化合物のニトリル部分の対応ニトリルへの転化について記載している。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
引用された文献に記載された手順にもかかわらず、テトラゾリル含有化合物の改良製造方法、さらにより詳しくは4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物、例えば非限定的に化合物(7)を包含する、式Iの化合物の改良製造方法へのニーズが存在する。
【0013】
この出願の背景技術におけるあらゆる文献の引用は、この文献が本出願の先行技術であるとの承認ではない。
【課題を解決するための手段】
【0014】
1つの実施形態において、本発明は、式(2):
【化201】

の化合物に関しており、これは、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用である。
【0015】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(4):
【化202】

の化合物に関しており、これは、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用である。
【0016】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(9):
【化203】

の化合物を目的とし、これは、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用である。
【0017】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(5):
【化204】

の化合物を目的とし、これは、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用である。
【0018】
もう1つの実施形態において、本発明はまた、ナトリウムアジド;亜鉛塩;極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒;および式(2):
【化205】

の化合物を含んでいる組成物にも関する。1つの実施形態において、この溶媒は、N−メチルピロリドンと水との混合物を含んでいる。
【0019】
もう1つの実施形態において、本発明は、極性非プロトン性溶媒;非求核塩基;式(2):
【化206】

の化合物、および式II:
【化207】

(式中、nは、1〜4の整数であり;R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり;X1は、−Br、−Cl、または−Iである)による構造を有するアルキル化剤を含んでいる、式Iによる化合物(例えば化合物(7)を包含する)の合成に有用な組成物を目的とする。
【0020】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(5):
【化208】

の化合物、および式(6):
【化209】

の化合物を含んでいる、式Iによる化合物(例えば化合物(7)を包含する)の合成に有用な組成物に関する。
【0021】
もう1つの実施形態において、本発明は、ナトリウムアジド;亜鉛塩;および式(8):
【化210】

の化合物を含んでいる、式Iによる化合物(例えば化合物(7)を包含する)の合成に有用な組成物を目的とする。
【0022】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(9):
【化211】

の化合物、式(6):
【化212】

の化合物、および非求核塩基を含んでいる、式Iによる化合物(例えば化合物(7)を包含する)の合成に有用な組成物を目的とする。
【0023】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)を合成するための、式(14):
【化213】

の化合物の使用を目的とする。
【0024】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(15):
【化214】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0025】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)を合成するための、式(13):
【化215】

の化合物の使用を目的とする。
【0026】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)を合成するための、式(18):
【化216】

の化合物、またはその塩の使用を目的とする。
【0027】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(20):
【化217】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0028】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(22):
【化218】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0029】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(24):
【化219】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0030】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(25):
【化220】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0031】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(26):
【化221】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0032】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(2):
【化222】

の化合物の製造方法であって、式(1):
【化223】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、式(2)の化合物を生じる工程を含む方法に関する。
【0033】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(4):
【化224】

の化合物の製造方法であって、式(2):
【化225】

の化合物と式IX:
【化226】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBr、Cl、またはIである)の化合物とを反応させて、式(4)の化合物を生じる工程を含む方法を目的とする。
【0034】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(7):
【化227】

の化合物の製造方法であって、式(5):
【化228】

の化合物と式(6):
【化229】

の化合物とを、非求核塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させる工程を含む方法を目的とする。
【0035】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(7):
【化230】

の化合物の製造方法であって、
(a)式(4):
【化231】

の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化232】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(5)の化合物と式(6):
【化233】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させ、これによって化合物(7):
【化234】

が形成される工程
を含む方法を目的とする。
【0036】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化235】

の製造方法であって、式(2):
【化236】

の化合物と式IX:
【化237】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化238】

の化合物を生じる工程、
式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化239】

の化合物を生じる工程、および
ついで式(5)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0037】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化240】

の製造方法であって、
式(2):
【化241】

の化合物と式IX:
【化242】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化243】

の化合物を生じる工程;および
ついで式(4)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0038】
本発明はまた、もう1つの実施形態において、化合物(7):
【化244】

の製造方法であって、
(a)式(1):
【化245】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化246】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(2)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0039】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化247】

の製造方法であって、
(a)式(1):
【化248】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化249】

の化合物を生じ、ついでこれを、式IX:
【化250】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物で、非求核塩基の存在下にアルキル化し、式(4):
【化251】

の化合物を生じ、ついでこれを、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化252】

の化合物を生じ、ついでこれと式(6):
【化253】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(7):
【化254】

を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0040】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化255】

の製造方法であって、
(a)式(8):
【化256】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩、例えば非限定的にZn(Br)2の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、式(9):
【化257】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(9)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0041】
あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される。ほかの実施形態において、この溶媒は、適切な極性非プロトン性溶媒と水との混合物を含んでいる。このような実施形態において、水対極性非プロトン性溶媒の比は、約10:1〜約1:1(水:極性非プロトン性溶媒)の範囲内にあってもよい。あるいくつかの実施形態において、極性非プロトン性溶媒は、ジオキサンである。
【0042】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化258】

の製造方法であって、
(a)式(9):
【化259】

の化合物と式(6):
【化260】

の化合物とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で、非求核塩基の存在下に反応させて、式(10):
【化261】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(10)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0043】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化262】

の製造方法であって、
(a)式(8):
【化263】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、式(9):
【化264】

の化合物を生じる工程;
(b)式(9)の化合物と式(6):
【化265】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(10):
【化266】

の化合物を生じる工程;および
(c)式(10)の化合物を、式IX:
【化267】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物でアルキル化して、
【化268】

化合物(7)を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0044】
あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される。ほかの実施形態において、この溶媒は、適切な極性非プロトン性溶媒と水との混合物を含んでいる。このような実施形態において、水対極性非プロトン性溶媒の比は、約10:1〜約1:1(水:極性非プロトン性溶媒)の範囲内にあってもよい。あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジオキサンである。
【0045】
さらに1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化269】

の製造方法であって、
(a)式(2):
【化270】

の化合物と式IX:
【化271】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化272】

の化合物を生じる工程;
(b)式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化273】

の化合物を生じる工程;および
(c)式(5)の化合物と式(6):
【化274】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させ、
【化275】

これによって化合物(7)が形成される工程
を含む方法を目的とする。
【0046】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化276】

の製造方法であって、
(a)式(10):
【化277】

の化合物と式IX:
【化278】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを反応させ、これによって化合物(7):
【化279】

が形成される工程
を含む方法を目的とする。
【0047】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化280】

の製造方法であって、
(a)式(9):
【化281】

の化合物と式(6):
【化282】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(10):
【化283】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(10)の化合物と式IX:
【化284】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを反応させ、これによって化合物(7)が形成される工程
を含む方法を目的とする。
【0048】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(5):
【化285】

の化合物の製造方法であって、
(a)式(2):
【化286】

の化合物と式IX:
【化287】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化288】

の化合物を生じる工程;および
ついで式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5)の化合物を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0049】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(5):
【化289】

による化合物の製造方法であって、式(1):
【化290】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化291】

の化合物を生じる工程、
式(2)の化合物と式IX:
【化292】

(式中、Xは、ハロゲン、例えば非限定的にBrおよびClである)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化293】

の化合物を生じる工程、および
ついで式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5)の化合物を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0050】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(9):
【化294】

による化合物の製造方法であって、式(2):
【化295】

の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(9)の化合物を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0051】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(9):
【化296】

による化合物の製造方法であって、式(1):
【化297】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、式(2):
【化298】

の化合物を生じる工程、および
式(2)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(9)の化合物を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0052】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(9):
【化299】

による化合物の製造方法であって、式(8):
【化300】

の化合物とナトリウムアジドおよび亜鉛塩とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させ、これによって式(9)の化合物を生じる工程
を含む方法を目的とする。この実施形態の1つの側面において、この溶媒は、ジオキサンと水との混合物を含んでいる。
【0053】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(4):
【化301】

の化合物の製造方法であって、
式(1):
【化302】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化303】

の化合物を生じる工程、および
式(2)の化合物と式IX:
【化304】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中に反応させて、化合物(4)を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0054】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(5):
【化305】

の化合物の製造方法であって、
式(4):
【化306】

の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5)の化合物を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0055】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(20):
【化307】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0056】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(25):
【化308】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0057】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式XII:
【化309】

の化合物、またはその塩(式中、R5は、
【化310】

および
【化311】

からなる群から選択される)を目的とする。
【0058】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式XIV:
【化312】

の化合物、またはその塩(式中、nは1〜4の整数であり、R3およびR4は各々独立して、水素または−(C1−C4アルキル)であり、R5は、
【化313】

および
【化314】

からなる群から選択される)を目的とする。この実施形態の特定の側面において、式XIVの化合物は、nが1であり、R3およびR4はどちらも水素であり、R5は、
【化315】

である化合物である。この実施形態のもう1つの特定の側面において、式XIVの化合物は、nが1であり、R3およびR4はどちらも水素であり、R5は、
【化316】

である化合物である。
【0059】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(15):
【化317】

の化合物の製造方法であって、式(14):
【化318】

の化合物と式IX:
【化319】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15)を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0060】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(15)の化合物の製造方法であって、化合物(20):
【化320】

と化合物(21):
【化321】

とを反応させて、式(22):
【化322】

の化合物を生成する工程、
化合物(22)を、エタノール中で、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に脱保護し、式(14):
【化323】

の化合物を生じる工程、および
式(14)の化合物と式IX:
【化324】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15)を生じる工程
を含む方法を目的とする。
【0061】
本発明はまた、もう1つの実施形態において、式(15)の化合物の製造方法であって、式(8):
【化325】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(9):
【化326】

の化合物を生成する工程、
式(9)の化合物と式(12):
【化327】

の化合物とを反応させて、式(14):
【化328】

の化合物を生成する工程、および
式(14)の化合物と式IX:
【化329】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15)を生成する工程
を含む方法を目的とする。
【0062】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(26):
【化330】

の化合物の製造方法であって、式(25):
【化331】

の化合物と式IX:
【化332】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26)を生成する工程
を含む方法を目的とする。
【0063】
さらに1つの実施形態において、本発明は、式(26):
【化333】

の化合物の製造方法であって、式(20):
【化334】

の化合物と式(23):
【化335】

の化合物とを反応させて、式(24):
【化336】

の化合物を生成する工程、
化合物(24)をエタノール中で、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に脱保護して、式(25):
【化337】

の化合物を生じる工程、および
式(25)の化合物と式IX:
【化338】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26)を生成する工程
を含む方法を目的とする。
【0064】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(20)の化合物の製造方法であって、式(18):
【化339】

の化合物と式(19):
【化340】

の化合物とを反応させて、式(20)の化合物を生成する工程
を含む方法を目的とする。
【0065】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、式(20)の化合物の製造方法であって、式(17):
【化341】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(18):
【化342】

の化合物を生じる工程、および
式(18)の化合物と式(19):
【化343】

の化合物とを反応させて、式(20)の化合物を生成する工程
を含む方法を目的とする。
【0066】
もう1つの実施形態において、本発明は、式(25):
【化344】

の化合物の製造方法であって、式(20):
【化345】

の化合物と式(23):
【化346】

の化合物とを反応させて、式(24):
【化347】

の化合物を生成する工程、および
式(24)の化合物を、エタノール中で、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に脱保護して、式(25)の化合物を生成する工程
を含む方法を目的とする。
【0067】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化348】

の製造方法であって、式(15):
【化349】

の化合物を脱保護して、式(5):
【化350】

の化合物を生成する工程、および
式(5)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0068】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化351】

の製造方法であって、式(26):
【化352】

の化合物を脱保護して、式(5):
【化353】

の化合物を生成する工程、および
式(5)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0069】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化354】

の製造方法であって、式(14):
【化355】

の化合物と式IX:
【化356】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15):
【化357】

を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0070】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化358】

の製造方法であって、式(25):
【化359】

の化合物と式IX:
【化360】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26):
【化361】

を生成する工程、および
式(26)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0071】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化362】

の製造方法であって、式(22):
【化363】

の化合物を脱保護して、式(14):
【化364】

の化合物を生成する工程、
式(14)の化合物と式IX:
【化365】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15):
【化366】

を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0072】
さらに1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化367】

の製造方法であって、式(24):
【化368】

の化合物を脱保護して、式(25):
【化369】

の化合物を生成する工程、
式(25)の化合物と式IX:
【化370】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26):
【化371】

を生成する工程、および
式(26)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0073】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化372】

の製造方法であって、式(20):
【化373】

の化合物と式(21):
【化374】

の化合物とを反応させて、式(22):
【化375】

の化合物を生成する工程、
式(22)の化合物を、エタノール中で、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に脱保護して、式(14):
【化376】

の化合物を生じる工程、
式(14)の化合物と式IX:
【化377】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15):
【化378】

を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0074】
さらにもう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化379】

の製造方法であって、式(20):
【化380】

の化合物と式(23):
【化381】

の化合物とを反応させて、式(24):
【化382】

の化合物を生成する工程、
化合物(24)を、エタノール中で、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に脱保護して、式(25):
【化383】

の化合物を生じる工程、
式(25)の化合物と式IX:
【化384】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(26):
【化385】

の化合物を生成する工程、および
式(26)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0075】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化386】

の製造方法であって、式(9):
【化387】

の化合物と式(12):
【化388】

の化合物とを反応させて、式(14):
【化389】

の化合物を生成する工程、
式(14)の化合物と式IX:
【化390】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(15):
【化391】

の化合物を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0076】
さらに1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化392】

の製造方法であって、式(9):
【化393】

の化合物と式(28):
【化394】

の化合物とを反応させて、式(25):
【化395】

の化合物を生成する工程、
式(25)の化合物と式IX:
【化396】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(26):
【化397】

の化合物を生成する工程、および
式(26)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0077】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(35):
【化398】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0078】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の合成に有用な、式(36):
【化399】

の化合物、またはその塩を目的とする。
【0079】
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(7):
【化400】

の合成方法であって、式(20):
【化401】

の化合物と式(35):
【化402】

の化合物とを反応させて、式(36):
【化403】

の化合物を生成する工程、
式(36)の化合物を、エタノール中で、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に脱保護して、式(10):
【化404】

の化合物を生じる工程、および
式(10)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法を目的とする。
【0080】
本発明は、本発明の非限定的な実施形態を例示する、次の詳細な記載および例証的実施例を参照することによって、より十分に理解することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0081】
4.1.定義
本明細書に用いられているような、普通名称「4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物」とは、式Iの構造を有する化合物のことを言う:
【化405】

(式中、Ar1は、C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;
Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;
1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基であり;
1は、−(CH2n−C(O)N(R3)(R4)であり;
3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり;
2は、ハロゲン、−C1−C3アルキル、−O−(C1−C3アルキル)、−NH(C1−C3アルキル)、または−N(C1−C3アルキル)2であり;
nは、1〜4の整数であり;かつ
mは0〜4の整数である。)
【0082】
あるいくつかの実施形態において、式Iによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は場合により、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されていてもよい。
【0083】
「ハライド」という用語は、フルオライド、クロライド、ブロマイド、またはヨーダイドのことを言う。
【0084】
「−ハロ」という用語は、−F、−Cl、−Br、または−Iを意味する。
【0085】
「−(C1−C3アルキル)」という用語は、1〜3個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素を意味する。代表的な飽和直鎖(C1−C3アルキル)は、−メチル、−エチル、および−n−プロピルであるが、一方、飽和分岐鎖−(C1−C3アルキル)は、−イソプロピルである。
【0086】
「−(C1−C4)アルキル)」という用語は、1〜4個の炭素原子を有する飽和直鎖または分岐炭化水素を意味する。代表的な飽和直鎖(C1−C4)アルキルは、−メチル、−エチル、−n−プロピル、および−n−ブチルである。代表的な飽和分岐−(C1−C4)アルキルは、−イソプロピル、−第二ブチル、−イソブチル、および−第三ブチルである。
【0087】
特定の式の化合物への本明細書における言及はまた、その化合物の塩形態も包含することが意図されている。本明細書に開示されている化合物の「塩」は、酸と、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物またはこれの合成において有用な中間体のどちらかの基本的窒素基とから形成された塩のことを言う。塩の実例は、次のものを包含するが、これらに限定されるわけではない。すなわち、スルファメート、スルフェート、シトレート、アセテート、オキサレート、クロライド、ブロマイド、ヨーダイド、ニトレート、ビスルフェート、ホスフェート、酸ホスフェート、イソニコチネート、ラクテート、サリチレート、酸シトレート、タルトレート、オレエート、タンネート、パントテネート、ビタルトレート、アスコルベート、スクシネート、マレエート、ゲンチシネート、フマレート、グルコネート、グルカロネート、サッカレート、ホルメート、ベンゾエート、グルタメート、メタンスルホネート、エタンスルホネート、ベンゼンスルホネート、p−トルエンスルホネート、およびパモエート(すなわち、1,1’−メチレン−ビスー(2−ヒドロキシ−3−ナフトエート))塩である。「塩」という用語はまた、酸性官能基、例えばカルボン酸官能基、および無機または有機塩基を有する、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の塩、またはこれの合成に有用な中間体についても言う。塩基の実例は、次のものを包含するが、これらに限定されるわけではない。すなわち、アルカリ金属、例えばナトリウム、カリウム、およびリチウムの水酸化物;アルカリ土類金属、例えばカルシウムおよびマグネシウムの水酸化物;ほかの金属、例えばアルミニウムおよび亜鉛の水酸化物;アンモニア;および有機アミン、例えば非置換またはヒドロキシ置換モノ−、ジ−、またはトリアルキルアミン;ジシクロヘキシルアミン;トリブチルアミン;ピリジン;N−メチル−N−エチルアミン;ジエチルアミン;トリエチルアミン;モノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシ−低級アルキルアミン)、例えばモノ−、ビス−、またはトリス−(2−ヒドロキシエチル)アミン、2−ヒドロキシ−第三−ブチルアミン、またはトリス−(ヒドロキシメチル)メチルアミン、N,N−ジ−低級アルキル−N−(ヒドロキシ低級アルキル)−アミン、例えばN,N−ジメチル−N−(2−ヒドロキシエチル)アミン、またはトリ−(2−ヒドロキシエチル)アミン;N−メチル−D−グルカミン;およびアミノ酸、例えばアルギニン、リシンなどである。
【0088】
4.2. 4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の製造方法
4.2.1 化合物(2)(1−ベンジル−4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)の合成
1つの実施形態において、本発明は、化合物(2)(1−ベンジル−4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジンの製造方法であって、化合物(1)(1−ベンジル−4−シアノ−4−フェニルピペリジン)(これは商業的に入手しうる)とナトリウムアジドとを、亜鉛塩、例えば非限定的に亜鉛ハライド(例えばZnBr2、ZnCl2、およびZnI2)、または別の適切な亜鉛塩、例えばZn(ClO42、またはZn(CF3SO32の存在下、下記の図式1に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化406】

【0089】
あるいくつかの任意の実施形態において、化合物(1)のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0090】
図式1の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式1の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この溶媒は、N−メチルピロリドン、またはジメチルアセトアミドである。特定の実施形態において、この溶媒は、N−メチルピロリドンである。
【0091】
あるいくつかの実施形態において、図式1の反応において用いられる溶媒は、適切な極性非プロトン性溶媒と水との混合物である。このような実施形態において、極性非プロトン性溶媒対水の比は、約50:1〜約2:1(v/v)(極性非プロトン性溶媒:水)の範囲内;約20:1〜約4:1(極性非プロトン性溶媒:水)の範囲内;または約15:1〜約10:1(極性非プロトン性溶媒:水)の範囲内にあってもよい。特定の実施例において、この溶媒混合物は、N−メチルピロリドン:水である。
【0092】
あるいくつかの実施形態において、図式1の反応は、化合物(1)に対して、モル基準で、約1〜約5当量の範囲内、または約2〜約4当量の範囲内の亜鉛塩の当初量を用いて実施される。さらにほかの実施形態において、図式1の反応は、化合物(1)に対して、モル基準で、亜鉛の約3当量を用いて実施される。この亜鉛塩は、ZnBr2、ZnCl2、およびZnI2を包含する亜鉛(ハライド)2、ならびにあらゆるほかの適切な亜鉛塩、例えばZn(ClO42またはZn(CF3SO32からなる群から選択されてもよい。特定の実施形態において、この亜鉛ハライドは、ZnBr2である。亜鉛塩は、例えばウイスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー(Aldrich Chemical Co.)から商業的に入手しうる。
【0093】
あるいくつかの実施形態において、図式1の反応は、化合物(1)に対して、モル基準で、約1〜約5当量の範囲内、または約2〜約4当量の範囲内のナトリウムアジドの当初量を用いて実施される。特定の実施形態において、図式1の反応は、化合物(1)に対して、モル基準で、ナトリウムアジドの約4当量を用いて実施される。
【0094】
あるいくつかの実施形態において、化合物(1)は、塩、例えばハイドロクロライド塩として提供される。これは、ナトリウムアジドとの反応に先立って、当分野において公知の手順を用いて遊離アミンへ転化することができる。例えば化合物(1)のハイドロクロライド塩は、適切な有機溶媒、例えば非限定的にクロロホルム中に溶解されて溶液を生じ、これは例えばNa2CO3の飽和水溶液で抽出される。有機層が回収され、水層は、有機溶媒の追加容積で逆抽出(back extract)される。これらの有機層は組合わされ、水で抽出され、例えば無水ナトリウムスルフェート上で乾燥され、ついで蒸発させられて、化合物(1)を遊離アミンとして生じる。
【0095】
図式1の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施することができる。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。あるいくつかの実施形態において、図式1の反応は、不活性雰囲気中で実施される。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式1の反応は、窒素雰囲気下に実施される。この実施形態のもう1つの非限定的な側面において、図式1の反応は、アルゴン雰囲気下に実施される。
【0096】
図式1の反応は、あるいくつかの実施形態において、約100℃〜約200℃の範囲内の温度;約120℃〜約150℃の範囲内の温度;または約130℃〜約140℃の範囲内の温度で実施される。
【0097】
図式1の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。図式1による反応は、1つの実施形態において、出発原料が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物である化合物(2)対出発原料である化合物(1)の比が、本質的に一定のままにとどまるまで実施される。
【0098】
あるいくつかの実施形態において、図式1の反応は、化合物(1)の溶液を用いて実施され、この溶液において、化合物(1)の当初濃度は、約0.05M〜約1.0Mの範囲にあるか、または約0.1M〜約0.5Mの範囲にある。特定の実施形態において、図式1の反応における化合物(1)の当初濃度は、約0.25Mである。
【0099】
図式1の反応において形成された化合物(2)は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。これらは、下記のセクション5.1に開示されているものを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0100】
4.2.2.式IIIの化合物の合成
もう1つの実施形態において、本発明は、式IIIによる化合物(例えば化合物(4))の製造方法であって、化合物(2)(1−ベンジル−4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)と式IIによるアルキル化剤とを、非求核塩基の存在下、下記の図式2に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化407】

(ここで、nは、1〜4の整数であり、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり、X1は、−Br、−Cl、または−Iである)。あるいくつかの実施形態において、化合物(2)のピペリジン環、したがってそこから形成された式IIIによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は場合により、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0101】
図式2の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式2の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この溶媒は、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドである。特定の実施形態において、この溶媒は、ジメチルホルムアミドである。
【0102】
あるいくつかの実施形態において、化合物(2)は、図式2の反応中に、約0.1M〜約0.8Mの範囲内の当初濃度で、または約0.2M〜約0.6Mの範囲内の当初濃度で存在する。特定の実施形態において、化合物(2)は、図式2の反応中に、約0.4Mの当初濃度で存在する。
【0103】
図式2の反応は、あらゆる適切な塩基、例えば非限定的にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、リチウムヒドロキシド、または2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−α]アゼピン(DBU)の存在下に実施することができる。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、トリエチルアミン、ナトリウムカーボネート、またはカリウムカーボネートである。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、図式2の反応中に、化合物(2)の当初濃度に対して、モル基準で、約0.5当量〜約3.0当量の範囲内、約0.75当量〜約2.0当量の範囲内、または約1.0当量〜約1.5当量の範囲内のレベルで存在する。特定の実施形態において、この非求核塩基は、カリウムカーボネートである。特定の実施形態において、図式2の反応は、化合物(2)の当初濃度に対して、モル基準で、この非求核塩基の約1当量を用いて実施される。
【0104】
あるいくつかの実施形態において、図式2の反応は、図式2による反応中に存在する化合物(2)の当初量に対して、モル基準で、約0.80当量〜約1.5当量の範囲内、約0.85当量〜約1.2当量の範囲内、または約0.95当量〜約1.1当量の範囲内のレベルで存在するアルキル化剤を用いて実施される。特定の実施形態において、図式2の反応は、図式2による反応中に存在する化合物(2)の当初量に対して、モル基準で、アルキル化剤の約1当量を用いて実施される。式IIによるものを包含するあらゆる適切なアルキル化剤を、図式2の反応において用いることができる。これは、式IIIによる所望の生成物を生じるであろう。あるいくつかの実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ハロアルキルアミド、例えば非限定的にブロモアセトアミド、クロロアセトアミド、またはヨードアセトアミドである。もう1つの非限定的な実施形態において、このアルキル化剤は、アクリルアミドである。あるいくつかの実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ブロモアセトアミドまたはクロロアセトアミドである。特定の実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ブロモアセトアミド(化合物(3))であるが、一方、もう1つの特定の実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、クロロアセトアミド(化合物(11))である。
【化408】

【0105】
あるいくつかの実施形態において、アルキル化は、ヨーダイドの触媒量の存在下に実施される。図式2の反応のこの側面において用いられるヨーダイドは、金属塩(MIp)の形態で添加することができる。ここで、Mは、第I族または第II族金属である。Mが第I族金属である場合、p=1である。Mが第II族金属である場合、p=2である。あるいくつかの実施形態において、ヨーダイドは、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、MgI2、またはSrI2塩として供給される。あるいくつかの実施形態において、図式2の反応において有用なヨーダイド塩は、カリウムヨーダイド、ナトリウムヨーダイト、リチウムヨーダイト、およびセシウムヨーダイド、ならびにテトラルキル−アンモニウムヨーダイドを包含する。あるいくつかの実施形態において、このヨーダイド塩は、NaIまたはKIである。ヨーダイド塩が用いられるとき、これは、図式2の反応中に、化合物(2)の当初量に対して、モル基準で、約0.01当量〜約2.0当量の範囲内、約0.05当量〜約1.0当量の範囲内、約0.1当量〜約0.6当量の範囲内、または約0.1当量〜約0.25当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0106】
図式2の反応は、様々な実施形態において、約25℃〜約100℃の温度;約30℃〜約80℃の温度;または約40℃〜約60℃の温度で実施される。
【0107】
図式2の反応は、化合物(2)を式IIIの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式2による反応は、1つの実施形態において、出発原料(例えば化合物(2))が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式IIIによる化合物)対出発原料(化合物(2))の比が、本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式2の反応に十分な時間は、約4時間〜約48時間、約8時間〜約36時間、または約12時間〜約24時間の範囲内にある。特定の実施形態において、図式2による反応は、約16時間実施される。
【0108】
図式2の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施することができる。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。あるいくつかの実施形態において、図式2の反応は、不活性雰囲気中で実施される。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式2の反応は、窒素雰囲気下に実施される。この実施形態のもう1つの非限定的な側面において、図式2の反応は、アルゴン雰囲気下に実施される。
【0109】
図式2の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0110】
図式2にしたがって合成された式IIIの化合物は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。例えばセクション5.2に開示されているものであるが、これらに限定されるわけではない。
【0111】
4.2.3.式IVの化合物の合成
もう1つの実施形態において、本発明は、式IVによる化合物(例えば化合物(5))の製造方法であって、下記の図式3に表わされているような、式IIIによる化合物のN−脱ベンジル化工程を含む方法に関する:
【化409】

(ここで、nは、1〜4の整数であり、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)である)。あるいくつかの実施形態において、式IIIによる化合物のピペリジン環、したがってそれから形成された式IVによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0112】
図式3の反応は好ましくは、極性プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式3の反応において用いることができる適切な極性プロトン性溶媒の例は、低級鎖アルコール、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、n−プロパノール、ブタノール、およびエチレングリコールを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この溶媒は、メタノールまたはエタノールである。特定の実施形態において、この極性プロトン性溶媒は、エタノールである。
【0113】
図式3の反応において、式IIIの化合物は、約0.025M〜約0.8Mの範囲内、約0.05M〜約0.4Mの範囲内、または約0.1M〜約0.2Mの範囲内の当初濃度で存在する。
【0114】
図式3の反応はまた、あるいくつかの実施形態において、適切な酸触媒、例えば非限定的にメタンスルホン酸、トルエンスルホン酸、塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、またはカンファースルホン酸の存在下に実施される。あるいくつかの実施形態において、この酸触媒は、塩酸または酢酸である。特定の実施形態において、この酸触媒は、酢酸である。
【0115】
あるいくつかの実施形態において、図式3の反応において用いられる酸触媒は、式IIIの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約0.01当量〜約0.5当量、または約0.05当量〜約0.25当量の当初レベルで存在する。特定の実施形態において、図式3の反応において用いられる酸触媒は、式IIIの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約0.1当量の当初レベルで存在する。
【0116】
図式3のN−脱ベンジル化反応は、水素ガスおよび貴金属、すなわち白金族金属の触媒の存在下に実施することができる。適切な貴金属触媒は、当分野において周知であり、イリジウム、オスミウム、パラジウム、白金、ロジウム、またはルテニウムを含むものを包含するが、これらに限定されるわけではない。このような触媒は一般に、適切な担体、例えば非限定的に活性炭上に分配された貴金属を含んでいる。あるいくつかの実施形態において、この触媒は、パラジウム、白金、ロジウム、またはルテニウムを含んでいる。ほかの実施形態において、この触媒は、パラジウムまたは白金を含んでいる。特定の実施形態において、この触媒は、活性炭担体上に分配された粉末パラジウムを含んでいる。
【0117】
あるいくつかの実施形態において、式IIIによる化合物は、不活性雰囲気下、例えば非限定的にアルゴン雰囲気下に極性プロトン性溶媒中に溶解される。この実施形態のもう1つの側面において、式IIIによる化合物の溶液、酸触媒、および貴金属触媒を含んでいる反応混合物が入っている容器が、水素でパージされる。ついで図式3による反応は、水素ガスの存在下、ほぼ大気圧(約14.7psi(lbs./in2)〜約500psiの範囲内の圧力で、ほぼ大気圧(約14.7psi)〜約100psiの範囲内の圧力で、またはほぼ大気圧(約14.7psi)〜約25psiの範囲内の圧力で実施することが可能にされる。
【0118】
あるいくつかの実施形態において、図式3による反応は、約5℃〜約100℃の範囲内の温度;約15℃〜約50℃の範囲内の温度;または約20℃〜約30℃の範囲内の温度で実施される。
【0119】
図式3の反応は、式IIIの化合物を式IVの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式3による反応は、1つの実施形態において、出発原料(式IIIの化合物)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式IVの化合物)対出発原料(式IIIの化合物)の比が本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式3の反応に十分な時間は、約4時間〜約48時間の範囲内、約8時間〜約36時間の範囲内、または約12時間〜約24時間の範囲内にある。特定の実施形態において、図式3の反応は、約16時間実施される。
【0120】
図式3の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0121】
図式3にしたがって合成された式IVの化合物は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。例えば、下記のセクション5.3に開示されているものであるが、これらに限定されるわけではない。
【0122】
4.2.4.式VIIによる化合物の製造方法
図式4は、式VIIによる化合物(例えば化合物(6))の製造方法を表わしている。あるいくつかの実施形態において、式Vによるブロモ酸は、チオニルクロライドを用いて、式VIのブロモ酸クロライドへ転化される(J.S.ピゼイ(Pizey)、合成反応(Synthetic Reaction)2:65(1974))。式VIのブロモ酸クロライドと、NH(Z1)(Z2)(ここでZ1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基である)とを、場合により塩基、例えばNa2CO3の存在下に反応させ、下記の図式4に表わされているように、式VIIによる反応性中間体を生じる:
【化410】

(ここで、Wは、−C(Ar1)(Ar2)であり、ここで、Ar1は、C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換されており;Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換されており;R2は、ハロゲン、−C1−C3アルキル、−O−(C1−C3アルキル)、−NH(C1−C3アルキル)、または−N(C1−C3アルキル)2であり;mは、0〜4の整数であり;かつZ1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)である)。
【0123】
4.2.5.式Iによる化合物の製造方法
【0124】
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物、例えば非限定的に化合物(7)の製造方法であって、式IVによる化合物(例えば化合物(5))と式VIIによる化合物(例えば化合物(6))とを、適切な非求核塩基の存在下、下記の図式5に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化411】

【0125】
Ar1は、C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換されており;Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換されており;Z1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基であり;R2は、ハロゲン、−C1−C3アルキル、−O−(C1−C3アルキル)、−NH(C1−C3アルキル)、または−N(C1−C3アルキル)2であり;R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり;nは、1〜4の整数であり;mは、0〜4の整数である。あるいくつかの実施形態において、式IVによる化合物のピペリジン環、またはそれから形成された式Iによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0126】
図式5の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式5の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジメチルホルムアミドまたはジメチルアセトアミドである。特定の実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジメチルホルムアミドである。
【0127】
図式5の反応において、式IVの化合物は、約0.05M〜約1.0Mの範囲内、約0.1M〜約0.5Mの範囲内、または約0.2M〜約0.3Mの範囲内の当初濃度で存在する。
【0128】
図式5の反応はまた、あるいくつかの実施形態において、適切な非求核塩基、例えば非限定的にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、または2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−α]アゼピン(DBU)の存在下に実施される。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、トリエチルアミン、ナトリウムカーボネート、またはカリウムカーボネートである。特定の実施形態において、この非求核塩基は、ナトリウムカーボネートである。
【0129】
あるいくつかの実施形態において、図式5の反応において用いられるこの非求核塩基は、式IVの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約1当量〜約4当量の範囲内、または約1.5当量〜約3当量の範囲内、または約2当量〜約2.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0130】
あるいくつかの実施形態において、図式5の反応において用いられる式VIIによる化合物は、式IVの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約0.6当量〜約3当量の範囲内、または約0.8当量〜約2当量の範囲内、または約1当量〜約1.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。特定の実施形態において、図式5の反応において用いられる式VIIによる化合物は、式IVの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約1当量の当初レベルで存在する。
【0131】
図式5の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施することができる。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。図式5の反応は、不活性雰囲気中で実施することができる。特定の非限定的な実施形態において、図式5の反応は、窒素雰囲気中に実施される。もう1つの特定の非限定的な実施形態において、図式5の反応は、アルゴン雰囲気中に実施される。
【0132】
あるいくつかの実施形態において、図式5による反応は、約25℃〜約175℃の範囲内の温度;約50℃〜約150℃の範囲内の温度;または約75℃〜約125℃の範囲内の温度で実施される。特定の実施形態において、図式5による反応は、約100℃の温度で実施される。
【0133】
図式5の反応は、式IVによる化合物を式Iの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式5による反応は、1つの実施形態において、出発原料(すなわち式IVによる化合物)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式Iによる化合物)対出発原料(すなわち式IVによる化合物)の比が本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式5の反応に十分な時間は、約8時間〜約48時間の範囲内、約12時間〜約36時間の範囲内、または約16時間〜約24時間の範囲内である。
【0134】
図式5の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視される。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0135】
図式5にしたがって合成された式Iの化合物は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。例えば、下記のセクション5.5に開示されているものであるが、これらに限定されるわけではない。
【0136】
4.2.6.図式1〜5による化合物(7)の製造方法
したがって、上記の図式1〜5の方法および試薬が組合わされて、式Iによる化合物の合成方法を提供する。例えば、図式6に表わされているように、式Iによる化合物である化合物(7)は、上記のセクション4.2.1〜4.2.5に開示された方法にしたがって、および開示された条件下に合成される。
【化412】

【0137】
4.2.7.化合物(9)の製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(9)(4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)の製造方法であって、化合物(8)(4−シアノ−4−フェニル−ピペリジニウムクロライド)とナトリウムアジドとを、適切な亜鉛塩の存在下に、下記の図式7に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化413】

【0138】
あるいくつかの実施形態において、化合物(8)(これは商業的に入手しうる)のピペリジン環、およびそれから形成された追加の化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0139】
図式7の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式7の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、またはジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0140】
あるいくつかの実施形態において、この溶媒は、水と適切な極性非プロトン性溶媒との混合物を含んでいる。このような実施形態において、水対極性非プロトン性溶媒の比は、約10:1〜約1:1(水:極性非プロトン性溶媒)の範囲内;約5:1〜約1:1(水:極性非プロトン性溶媒);または約2:1〜約1:1(水:極性非プロトン性溶媒)の範囲内にあってもよい。あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジオキサンである。特定の実施形態において、この溶媒は、64:36の水:ジオキサン混合物である。
【0141】
あるいくつかの実施形態において、図式7の反応において用いられる亜鉛塩は、化合物(8)に対して、モル基準で、約1〜約5当量の範囲内、または約2〜4当量の範囲内の当初レベルで存在する。ほかの実施形態において、図式7の反応は、化合物(8)に対して、モル基準で、亜鉛塩の約3当量を用いて実施される。ほかの実施形態において、図式7の反応は、化合物(8)に対して、モル基準で、亜鉛塩の約2当量を用いて実施される。特定の実施形態において、図式7の反応は、化合物(8)に対して、モル基準で、亜鉛塩の約1当量を用いて実施される。この亜鉛塩は、あらゆる適切な亜鉛塩であってもよいが、ZnBr2、ZnCl2、およびZnI2、ならびにほかの適切な亜鉛塩、例えばZn(ClO42およびZn(CF3SO32を包含する亜鉛(ハライド)2からなる群から選択されてもよい。あるいくつかの実施形態において、この亜鉛塩は、ZnBr2、ZnCl2、およびZnI2からなる群から選択された亜鉛ハライドである。特定の実施形態において、この亜鉛塩は、ZnBr2である。
【0142】
あるいくつかの実施形態において、図式7の反応において用いられるナトリウムアジドは、化合物(8)に対して、モル基準で、約1〜約5当量の範囲内、または約2〜4当量の範囲内の当初レベルで存在する。特定の実施形態において、図式7の反応は、化合物(8)に対して、モル基準で、ナトリウムアジドの約2当量を用いて実施される。
【0143】
図式7の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施される。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。図式7の反応は、不活性雰囲気中で実施することができる。特定の非限定的な実施形態において、図式7の反応は、窒素雰囲気中に実施される。もう1つの特定の非限定的な実施形態において、図式7の反応は、アルゴン雰囲気中に実施される。
【0144】
図式7の反応は、あるいくつかの実施形態において、約70℃〜約120℃の範囲内の温度;約80℃〜約110℃の範囲内の温度;または約90℃〜約100℃の範囲内の温度で実施される。
【0145】
図式7の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。図式7による反応は、1つの実施形態において、出発原料である化合物(8)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物である化合物(9)対出発原料である化合物(8)の比が、本質的に一定のままにとどまるまで実施される。
【0146】
あるいくつかの実施形態において、図式7の反応は、化合物(8)の溶液を用いて実施され、この溶液において、化合物(8)の当初濃度は、約0.01M〜約3.0Mの範囲内にあるか、約0.025M〜約2.0Mの範囲内にあるか、約0.05M〜約1.0Mの範囲内にあるか、または約0.1M〜約0.5Mの範囲内にあるか、または約0.2M〜約0.4Mの範囲内にある。特定の実施形態において、図式7の反応は、化合物(8)の溶液を用いて実施される。ここにおいて、化合物(8)の当初濃度は、約0.4Mである。
【0147】
図式7の反応において形成された化合物(9)は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。あるいくつかの実施形態において、図式7の反応において形成された化合物(9)は、濾過、結晶化、クロマトグラフィー、または抽出によって単離される。特定の実施形態において、図式7の反応において形成された化合物(9)は、濾過によって単離される。
【0148】
4.2.8.式VIIIによる化合物の製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、式VIIIによる化合物(例えば化合物(10))の製造方法であって、化合物(9)(4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)と、式VIIの化合物(例えば化合物(6))とを、下記の図式8に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する。
【化414】

(式中、Ar1は、C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Z1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基であり;R2は、ハロゲン、−C1−C3アルキル、−O−(C1−C3アルキル)、−NH(C1−C3アルキル)、または−N(C1−C3アルキル)2であり;mは0〜4の整数である)。あるいくつかの実施形態において、化合物(9)のピペリジン環、したがってそれから形成された式VIIIによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0149】
図式8の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式8の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドである。特定の実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジメチルスルホキシドである。
【0150】
図式8の反応において、化合物(9)は、約0.01M〜約3.0Mの範囲内、約0.02M〜約2.0Mの範囲内、約0.05M〜約1.0Mの範囲内、約0.1M〜約0.8Mの範囲内、または約0.2M〜約0.4Mの範囲内の当初濃度で存在する。
【0151】
図式8の反応はまた、あるいくつかの実施形態において、適切な非求核塩基、例えば非限定的に2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−α]アゼピン(DBU)、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネートの存在下に実施される。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、DBUである。
【0152】
あるいくつかの実施形態において、図式8の反応において用いられるこの非求核塩基は、化合物(9)の当初濃度に対して、モル基準で、約1当量〜約10当量の範囲内、または約2当量〜約8当量の範囲内、または約3当量〜約5当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0153】
あるいくつかの実施形態において、図式8の反応において用いられる式VIIによる化合物は、化合物(9)の当初濃度に対して、モル基準で、約0.6当量〜約3当量の範囲内、または約0.8当量〜約2当量の範囲内、または約1当量〜約1.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0154】
図式8の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施される。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。図式8の反応は、不活性雰囲気中で実施される。特定の非限定的な側面において、図式8の反応は、窒素雰囲気中に実施される。もう1つの特定の非限定的な実施形態において、図式8の反応は、アルゴン雰囲気中で実施される。
【0155】
あるいくつかの実施形態において、図式8による反応は、約5℃〜約50℃の範囲内の温度;約10℃〜約40℃の範囲内の温度;または約15℃〜約30℃の範囲内の温度;または約20℃〜約25℃の範囲内の温度で実施される。
【0156】
図式8の反応は、化合物(9)を式VIIIの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式8による反応は、1つの実施形態において、出発原料(すなわち化合物(9))が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式IXによる化合物)対出発原料(すなわち化合物(9))の比が本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式8の反応に十分な時間は、約5分〜約5時間、約15分〜約4時間、または約0.5時間〜約2時間の範囲内である。
【0157】
図式8の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視される。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0158】
図式8にしたがって合成された式VIIIの化合物は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。あるいくつかの実施形態において、図式8にしたがって合成された式VIIIの化合物は、結晶化、抽出、またはクロマトグラフィーによって単離/精製される。
【0159】
4.2.9.式Iによる化合物の製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、式Iによる化合物の製造方法であって、式VIIIによる化合物(例えば化合物(10))と式IIによる化合物(例えば化合物(3))とを、非求核塩基の存在下、下記の図式9に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化415】

(式中、Ar1は、C3−C8シクロアルキル、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;Ar2は、フェニル、ナフチル、アントリル、フェナントリル、または−(5−7員)ヘテロアリールであり、各々は、非置換であるか、または1またはそれ以上のR2基で置換され;X1は、−Br、−Cl、または−Iであり;Z1およびZ2は各々独立して、−(C1−C4アルキル)基であり;R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり;R2は、ハロゲン、−C1−C3アルキル、−O−(C1−C3アルキル)、−NH(C1−C3アルキル)、または−N(C1−C3アルキル)2であり;nは、1〜4の整数であり;mは0〜4の整数である)。さらにはあるいくつかの実施形態において、式VIIIおよび式Iによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0160】
図式9の反応は、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式9の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この溶媒は、ジメチルホルムアミドまたはジメチルスルホキシドである。特定の実施形態において、この溶媒は、ジメチルホルムアミドである。
【0161】
あるいくつかの実施形態において、式VIIIによる化合物は、図式9の反応中に、約0.01M〜約3.0Mの範囲内、約0.015M〜約2.0Mの範囲内、約0.2M〜約1.0Mの範囲内、約0.025M〜約0.8Mの範囲内の当初濃度、約0.05M〜約0.6Mの範囲内の当初濃度、または約0.1M〜約0.2Mの範囲内の当初濃度で存在する。
【0162】
図式9の反応はまた、あらゆる適切な非求核塩基、例えば非限定的にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、ナトリウムヒドロキシド、カリウムヒドロキシド、リチウムヒドロキシド、または(2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−α]アゼピン)(DBU)の存在下に実施することができる。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、トリエチルアミン、ナトリウムカーボネート、またはカリウムカーボネートである。特定の実施形態において、この非求核塩基は、カリウムカーボネートである。
【0163】
あるいくつかの実施形態において、図式9の反応において用いられるこの非求核塩基は、式VIIIによる化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約0.5当量〜約5当量の範囲内、約1当量〜約4当量の範囲内、または約2当量〜約3当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0164】
あるいくつかの実施形態において、図式9の反応は、図式9による反応中に存在する式VIIIによる化合物の当初量に対して、モル基準で、約0.80当量〜約1.5当量の範囲内、約0.85当量〜約1.2当量の範囲内、約0.95当量〜約1.1当量の範囲内のレベルで存在するアルキル化試薬を用いて実施される。特定の実施形態において、図式9の反応は、この反応中に存在する式VIIIの化合物の当初量に対して、モル基準で、約1.0当量のレベルで存在するアルキル化試薬を用いて実施される。式Iによる所望の生成物を提供するあらゆる適切なアルキル化剤(これは非限定的に式IIによるアルキル化剤を包含する)を、図式9の反応において用いることができる。あるいくつかの実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ハロアルキルアミド、例えば非限定的にブロモアセトアミド、クロロアセトアミド、またはヨードアセトアミド、または別の適切なアルキル化剤、例えば非限定的にアクリルアミドである。あるいくつかの実施形態において、式IIによるこのアルキル化剤は、ブロモアセトアミドまたはクロロアセトアミドである。
【0165】
特定の実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、クロロアセトアミドである。もう1つの特定の実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、クロロアセトアミドであってもよく、アルキル化は、ヨーダイドの触媒量の存在下に実施される。図式9の反応のこの側面において用いられるヨーダイドは、金属塩(MIp)の形態で添加される。ここで、Mは第I族または第III族金属である。Mが第I族金属である場合、そのときにはp=1である。Mが第II族金属である場合、そのときにはp=2である。あるいくつかの実施形態において、ヨーダイドは、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、MgI2、またはSrI2塩として供給される。あるいくつかの実施形態において、図式9の反応において有用なヨーダイド塩は、カリウムヨーダイド、ナトリウムヨーダイト、リチウムヨーダイト、およびセシウムヨーダイド、ならびにテトラルキル−アンモニウムヨーダイドを包含する。あるいくつかの実施形態において、ヨーダイド塩は、NaIまたはKIである。ヨーダイド塩が用いられるとき、これは、図式9による反応中に存在する、式VIIIによる化合物の当初量に対して、モル基準で、約0.01当量〜約1.0当量の範囲内、約0.05当量〜約0.8当量の範囲内、約0.1当量〜約0.6当量の範囲内、または約0.2当量〜約0.4当量の範囲内の当初量で、図式9の反応中に存在する。
【0166】
図式9の反応は、様々な実施形態において、約30℃〜約90℃の範囲内の温度;約40℃〜約80℃の範囲内の温度;または約50℃〜約70℃の範囲内の温度で実施される。特定の実施形態において、図式9の反応は、約60℃の温度で実施される。
【0167】
図式9の反応は、式VIIIによる化合物を式Iの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式9による反応は、1つの実施形態において、出発原料(例えば式VIIIによる化合物)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式Iによる化合物)対出発原料(式VIIIによる化合物)の比が、本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式9の反応に十分な時間は、約1時間〜約16時間、約2時間〜約8時間、約3時間〜約6時間、または約4時間〜約5時間の範囲内にある。
【0168】
図式9の反応は、不活性雰囲気中で実施される。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式9の反応は、窒素雰囲気下に実施される。この実施形態のもう1つの非限定的な側面において、図式9の反応は、アルゴン雰囲気下に実施される。
【0169】
図式9の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0170】
図式9にしたがって合成された式Iの化合物は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。あるいくつかの実施形態において、図式9にしたがって合成された式Iの化合物は、図式9による反応混合物を水へ添加した後、結晶化、クロマトグラフィー(例えばシリカゲル上)、または有機溶媒での抽出によって単離される。特定の実施形態において、図式9にしたがって合成された式Iの化合物は、結晶化によって単離される。
【0171】
4.2.10.図式7〜9による化合物(7)の製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の合成であって、上記の図式7〜9の方法および試薬が組合わされて、式Iによる化合物の合成方法を提供する合成を目的とする。例えば下記の図式10に表わされているように、式Iによる化合物の一例である化合物(7)は、上記のセクション4.2.7〜4.2.9に開示された方法および条件にしたがって合成される。
【化416】

【0172】
あるいくつかの実施形態において、化合物(8)の化合物(9)への転化は、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。あるいくつかの実施形態において、この極性非プロトン性溶媒は、ジオキサン、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される。ほかの実施形態において、この溶媒は、適切な極性非プロトン性溶媒と水との混合物を含んでいる。このような実施形態において、水対極性非プロトン性溶媒の比は、約10:1〜約1:1(水:極性非プロトン性溶媒)の範囲内にあってもよい。あるいくつかの実施形態において、混合物中のこの極性非プロトン性溶媒は、ジオキサンである。
【0173】
4.2.11.化合物(14)(第三ブチル4−フェニル−4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート)の製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(14)(第三ブチル4−フェニル−4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート)の製造方法であって、化合物(9)(4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)と化合物(12)(ジ−第三ブチルジカーボネート)とを、水性溶媒中で、適正な塩基の存在下、下記の図式11に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する。
【化417】

【0174】
あるいくつかの実施形態において、図式11の反応において用いられるジ−第三ブチルジカーボネートは、化合物(9)に対して、モル基準で、約1〜約3当量の範囲、または約1〜約2.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。ほかの実施形態において、図式11の反応は、化合物(9)に対して、モル基準で、ジ−第三ブチルジカーボネートの約1.5当量を用いて実施される。ほかの実施形態において、図式11の反応は、化合物(9)に対して、モル基準で、ジ−第三ブチルジカーボネートの約1.25当量を用いて実施される。特定の実施形態において、図式11の反応は、化合物(9)に対して、モル基準で、ジ−第三ブチルジカーボネートの約1.1当量を用いて実施される。
【0175】
あるいくつかの実施形態において、図式11の反応において用いられる塩基は、化合物(9)に対して、モル基準で、約1〜約3当量の範囲内、または約1〜約2.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。特定の実施形態において、図式11の反応は、化合物(9)に対して、モル基準で、塩基の約2.2当量を用いて実施される。この塩基は、あらゆる適切な塩基であってもよいが、NaOHおよびKOHからなる群から選択されてもよい。特定の実施形態において、この塩基は、NaOHである。
【0176】
図式11の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施される。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。図式11の反応は、不活性雰囲気中で実施することができる。特定の非限定的な実施形態において、図式11の反応は、窒素雰囲気中に実施される。もう1つの特定の非限定的な実施形態において、図式11の反応は、アルゴン雰囲気中で実施される。
【0177】
図式11の反応は、あるいくつかの実施形態において、約5℃〜約100℃の範囲内の温度;約10℃〜約75℃の範囲内の温度;または約15℃〜約50℃の範囲内の温度で実施される。特定の非限定的な実施形態において、図式11の反応は、室温(すなわち約20℃〜約25℃)で実施される。
【0178】
図式11の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。図式11による反応は、1つの実施形態において、出発原料である化合物(9)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物である化合物(14)対出発原料である化合物(9)の比が本質的に一定のままにとどまるまで実施される。
【0179】
あるいくつかの実施形態において、図式11の反応は、化合物(9)の溶液を用いて実施され、この溶液において、化合物(9)の当初濃度は、約0.1M〜約2Mの範囲内にあるか、約0.25M〜約1.5Mの範囲内にあるか、または約0.5M〜約1.25Mの範囲内にある。特定の実施形態において、図式11の反応は、化合物(9)の溶液を用いて実施され、この溶液において、化合物(9)の当初濃度は、約0.8Mである。
【0180】
図式11の反応において形成された化合物(14)は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。あるいくつかの実施形態において、図式11の反応において形成された化合物(14)は、濾過、結晶化、クロマトグラフィー、または抽出によって単離される。特定の実施形態において、図式11の反応において形成された化合物(14)は、濾過によって単離される。
【0181】
4.2.12.化合物13(第三ブチル4−シアノ−4−フェニルピペリジン−1−カルボキシレート)の合成方法
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物13(第三ブチル4−シアノ−4−フェニルピペリジン−1−カルボキシレート)の製造方法であって、化合物(16)(4−シアノ−4−フェニル−ピペリジン:化合物(8)(4−シアノ−4−フェニル−ピペリジニウムクロライド)の遊離塩基)と化合物(12)(ジ−第三ブチルジカーボネート)とを、下記の図式12に表わされているように反応させる工程を含む方法を目的とする。
【化418】

【0182】
図式12の反応において用いられるジ−第三ブチルジカーボネートは、化合物(16)に対して、モル基準で、約1〜約3当量の範囲内、または約1〜約2.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。ほかの実施形態において、図式12の反応は、化合物(16)に対して、モル基準で、ジ−第三ブチルジカーボネートの約1.5当量を用いて実施される。ほかの実施形態において、図式12の反応は、化合物(16)に対して、モル基準で、ジ−第三ブチルジカーボネートの約1.25当量を用いて実施される。特定の実施形態において、図式12の反応は、化合物(16)に対して、モル基準で、ジ−第三ブチルジカーボネートの約1.1当量を用いて実施されうるであろう。
【0183】
あるいくつかの実施形態において、図式12の反応において用いられる塩基は、化合物(16)に対して、モル基準で、約1〜約3当量の範囲、または約1〜約2.5当量の範囲内の当初レベルで存在する。この塩基は、あらゆる適切な塩基であってもよいが、例えばNaOHおよびKOHからなる群から選択されてもよい。この実施形態の1つの非限定的な側面において、この塩基は、NaOHである。
【0184】
図式12の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施される。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。図式12の反応は、不活性雰囲気中で実施することができる。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式12の反応は、アルゴン雰囲気中で実施される。もう1つの非限定的な実施形態において、図式12の反応は、窒素雰囲気中に実施される。
【0185】
図式12の反応は、あるいくつかの実施形態において、約5℃〜約100℃の範囲内の温度;約10℃〜約75℃の範囲内の温度;約15℃〜約50℃の範囲内の温度;または室温(すなわち約20℃〜約25℃)で実施される。
【0186】
図式12の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。図式12による反応は、1つの実施形態において、出発原料である化合物(16)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物である化合物(13)対出発原料である化合物(16)の比が本質的に一定のままにとどまるまで実施される。
【0187】
あるいくつかの実施形態において、図式12の反応は、化合物(16)の溶液を用いて実施され、この溶液において、化合物(16)の当初濃度は、約0.1M〜約2Mの範囲内にあるか、約0.25M〜約1.5Mの範囲内にあるか、または約0.5M〜約1.25Mの範囲内にある。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式12の反応は、約0.8Mの化合物(16)の当初濃度を用いて実施されてもよいであろう。
【0188】
図式12の反応において形成された化合物(13)は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。あるいくつかの実施形態において、図式12の反応において形成された化合物(13)は、濾過、結晶化、クロマトグラフィー、または抽出によって単離される。
【0189】
4.2.13.化合物(14)(第三ブチル4−フェニル−4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレートの代替合成方法
1つの実施形態において、本発明は、化合物(14)(第三ブチル4−フェニル−4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート)の製造方法であって、化合物(13)(第三ブチル4−シアノ−4−フェニルピペリジン−1−カルボキシレート)とナトリウムアジドとを、亜鉛塩、例えば非限定的に亜鉛ハライド(例えばZnBr2、ZnCl2、およびZnI2)、または別の適切な亜鉛塩、例えばZn(ClO42、またはZn(CF3SO32の存在下、下記の図式13に表わされているように反応させる工程を含む方法を目的とする。
【化419】

【0190】
あるいくつかの任意の実施形態において、化合物(13)のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0191】
図式13の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式13の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。あるいくつかの実施形態において、この溶媒は、N−メチルピロリドンまたはジメチルアセトアミドである。この実施形態の1つの非限定的な側面において、この溶媒は、N−メチルピロリドンである。
【0192】
あるいくつかの実施形態において、図式13の反応において用いられる溶媒は、適切な極性非プロトン性溶媒と水との混合物である。このような実施形態において、極性非プロトン性溶媒対水の比は、約50:1〜約2:1(v/v)(極性非プロトン性溶媒:水)の範囲内;約20:1〜約4:1(極性非プロトン性溶媒:水)の範囲内;または約15:1〜約10:1(極性非プロトン性溶媒:水)の範囲内にあってもよい。
【0193】
あるいくつかの実施形態において、図式13の反応は、化合物(13)に対して、モル基準で、約1〜約5当量の範囲内、または約2〜約4当量の範囲内の亜鉛塩の当初量を用いて実施される。さらにほかの実施形態において、図式13の反応は、化合物(13)に対して、モル基準で、亜鉛塩の約3当量を用いて実施される。この亜鉛塩は、ZnBr2、ZnCl2、およびZnI2、ならびにあらゆるほかの適切な亜鉛塩、例えばZn(ClO42またはZn(CF3SO32を包含する亜鉛(ハライド)2からなる群から選択されてもよい。この実施形態の1つの非限定的な実施形態において、この亜鉛塩は、ZnBr2であってもよい。亜鉛塩は、例えばウイスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニーから商業的に入手しうる。
【0194】
あるいくつかの実施形態において、図式13の反応は、化合物(13)に対して、モル基準で、約1〜約5当量の範囲内、または約2〜約4当量の範囲内のナトリウムアジドの当初量を用いて実施される。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式13の反応は、化合物(13)に対して、モル基準で、ナトリウムアジドの約4当量を用いて実施することができる。
【0195】
あるいくつかの実施形態において、化合物(13)は、塩、例えばハイドロクロライド塩として供給され、これは、ナトリウムアジドとの反応に先立って、当分野において公知の手順を用いて、遊離アミンへ転化することができる。例えば化合物(13)のハイドロクロライド塩は、適切な有機溶媒、例えば非限定的にクロロホルム中に溶解されて溶液を生じ、これは例えばNa2CO3の飽和水溶液で抽出される。有機層が回収され、水層は、有機溶媒の追加容積で逆抽出される。これらの有機溶媒層が組合わされ、水で抽出され、例えば無水ナトリウムスルフェート上で乾燥され、ついで蒸発させられて、化合物(13)を遊離アミンとして生じる。
【0196】
図式13の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施することができる。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。あるいくつかの実施形態において、図式13の反応は、不活性雰囲気中で実施される。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式13の反応は、窒素雰囲気下に実施される。この実施形態のもう1つの非限定的な側面において、図式13の反応は、アルゴン雰囲気下に実施される。
【0197】
図式13の反応は、あるいくつかの実施形態において、約100℃〜約200℃の範囲内の温度;約120℃〜約150℃の範囲内の温度;または約130℃〜約140℃の範囲内の温度で実施される。
【0198】
図式13の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および/または核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。図式13による反応は、1つの実施形態において、出発原料が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物である化合物(14)対出発原料である化合物(13)の比が、本質的に一定のままにとどまるまで実施される。
【0199】
あるいくつかの実施形態において、図式13の反応は、化合物(13)の溶液を用いて実施され、この溶液において、化合物(13)の当初濃度は、約0.05M〜約1.0Mの範囲内にあるか、または約0.1M〜約0.5Mの範囲内にある。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式4の反応における化合物(13)の当初濃度は、約0.25Mであってもよい。
【0200】
図式13の反応において形成された化合物(14)は、当分野において公知の方法、試薬、および装置を用いて単離および/または精製されてもよい。
【0201】
4.2.14.式Xの化合物の合成
もう1つの実施形態において、本発明は、式Xによる化合物(例えば化合物(15))の製造方法であって、化合物(14)(第三ブチル−4−フェニル−4−(1H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート)と式IIによるアルキル化剤とを、非求核塩基の存在下、下記の図式14に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化420】

(式中、nは、1〜4の整数であり、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり、X1は、−Br、−Cl、または−Iである)。あるいくつかの実施形態において、化合物(14)のピペリジン環、したがってそれから形成された式Xによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は場合により、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0202】
図式14の反応は好ましくは、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で実施される。図式14の反応において用いることができる適切な極性非プロトン性溶媒の例は、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシドを包含するが、これらに限定されるわけではない。特定の実施形態において、この溶媒は、アセトンである。
【0203】
あるいくつかの実施形態において、化合物(14)は、図式14の反応中に、約0.1M〜約0.8Mの範囲内の当初濃度で、または約0.2M〜約0.6Mの範囲内の当初濃度で存在する。特定の実施形態において、化合物(14)は、図式5の反応中に、約0.4Mの当初濃度で存在する。
【0204】
図式14の反応は、あらゆる適切な非求核塩基、例えば非限定的にトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、または2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−α]アゼピン(DBU)の存在下に実施することができる。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、トリエチルアミン、ナトリウムカーボネート、またはカリウムカーボネートである。あるいくつかの実施形態において、この非求核塩基は、図式14の反応中に、化合物(14)の当初濃度に対して、モル基準で、約0.5当量〜約3.0当量の範囲内、約0.75当量〜約2.0当量の範囲内、または約1.0当量〜約1.5当量の範囲内のレベルで存在する。特定の実施形態において、この非求核塩基は、カリウムカーボネートである。特定の実施形態において、図式14の反応は、化合物(14)の当初濃度に対して、モル基準で、この非求核塩基の約1当量を用いて実施される。
【0205】
あるいくつかの実施形態において、図式14の反応は、図式14による反応中に存在する化合物(14)の当初量に対して、モル基準で、約0.80当量〜約1.5当量の範囲内、約0.85当量〜約1.2当量の範囲内、または約0.95当量〜約1.1当量の範囲内のレベルで存在するアルキル化剤を用いて実施される。特定の実施形態において、図式14の反応は、図式14による反応中に存在する化合物(14)の当初量に対して、モル基準で、アルキル化剤の約1当量を用いて実施される。式IIによるものを包含するあらゆる適切なアルキル化剤を、図式14の反応において用いることができ、これは、式Xによる所望の生成物を提供するであろう。あるいくつかの実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ハロアルキルアミド、例えば非限定的にブロモアセトアミド、クロロアセトアミド、またはヨードアセトアミドである。もう1つの非限定的な実施形態において、このアルキル化剤は、アクリルアミドである。あるいくつかの実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ブロモアセトアミドまたはクロロアセトアミドである。特定の実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、ブロモアセトアミド(化合物(3))であり、一方、もう1つの特定の実施形態において、式IIによるアルキル化剤は、クロロアセトアミド(化合物(11))である。
【化421】

【0206】
あるいくつかの実施形態において、アルキル化は、ヨーダイドの触媒量の存在下に実施される。図式14の反応のこの側面において用いられるヨーダイドは、金属塩(MIp)の形態で添加することができる。ここで、Mは第I族または第II族金属である。Mが第I族金属である場合、p=1である。Mが第II族金属である場合、p=2である。あるいくつかの実施形態において、ヨーダイドは、LiI、NaI、KI、CsI、CaI2、MgI2、またはSrI2塩として供給される。あるいくつかの実施形態において、図式14の反応において有用なヨーダイド塩は、カリウムヨーダイド、ナトリウムヨーダイト、リチウムヨーダイト、およびセシウムヨーダイド、ならびにテトラルキル−アンモニウムヨーダイドを包含する。あるいくつかの実施形態において、ヨーダイド塩は、NaIまたはKIである。ヨーダイド塩が用いられるとき、これは、図式14の反応中に、化合物(14)の当初量に対して、モル基準で、約0.01当量〜約2.0当量の範囲内、約0.05当量〜約1.0当量の範囲内、約0.1当量〜約0.6当量の範囲内、または約0.1当量〜約0.25当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0207】
図式14の反応は、あるいくつかの実施形態において、約20℃〜約100℃の範囲内の温度;約25℃〜約80℃の範囲内の温度;または約30℃〜約70℃の範囲内の温度で実施される。特定の実施形態において、図式14の反応は、約40℃〜約50℃の範囲内の温度で実施される。
【0208】
図式14の反応は、化合物(14)を式Xの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式14による反応は、1つの実施形態において、出発原料(例えば化合物(14))が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式Xによる化合物)対出発原料(化合物(14))の比が、本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式14の反応に十分な時間は、約4時間〜約48時間、約8時間〜約36時間、または約12時間〜約24時間の範囲内にある。特定の実施形態において、図式14による反応は、約16時間実施される。
【0209】
図式14の反応は、減圧、大気圧、または高圧、すなわち大気圧以上で実施することができる。1つの実施形態において、この反応は、大気圧で実施される。あるいくつかの実施形態において、図式14の反応は、不活性雰囲気中で実施される。この実施形態の1つの非限定的な側面において、図式14の反応は、窒素雰囲気下に実施される。この実施形態のもう1つの非限定的な側面において、図式14の反応は、アルゴン雰囲気下に実施される。
【0210】
図式14の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0211】
図式14にしたがって合成された式Xの化合物は、当分野において周知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。
【0212】
4.2.15.式IVの化合物の合成
もう1つの実施形態において、本発明は、式IVによる化合物(例えば化合物(5))の製造方法であって、式Xによる化合物のピペリジン窒素を、下記の図式15に表わされているように脱保護する工程を含む方法に関する:
【化422】

(式中、nは、1〜4の整数であり、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)である)。あるいくつかの実施形態において、式Xによる化合物のピペリジン環、したがってそれから形成された式IVによる化合物のピペリジン環の4位に付着されたフェニル部分は、1またはそれ以上のR2基(ここで、R2は、上に規定されているものと同じである)で置換されている。
【0213】
図式15の反応は好ましくは、溶媒、例えば非限定的にメチレンクロライド(CH2Cl2)または1,2ジクロロエタン(ClCH2CH2Cl)中で実施される。特定の実施形態において、この溶媒は、メチレンクロライドである。
【0214】
図式15の反応において、式Xの化合物は、約0.025M〜約0.8Mの範囲内、約0.05M〜約0.4Mの範囲内、または約0.1M〜約0.2Mの範囲内の当初濃度で存在する。
【0215】
図式15の反応はまた、あるいくつかの実施形態において、適切な酸触媒、例えば非限定的にトリフルオロ酢酸の存在下に実施される。Boc部分の除去のための、当分野において公知のほかの方法が用いられてもよい。これは、例えば25℃における3M HCl(aq)/エチルアセテート中の反応を包含する。
【0216】
あるいくつかの実施形態において、図式15の反応において用いられる酸触媒は、式Xの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約1当量〜約4当量の当初レベルで存在する。特定の実施形態において、図式15の反応において用いられる酸触媒は、式Xの化合物の当初濃度に対して、モル基準で、約2当量〜約3当量の範囲内の当初レベルで存在する。
【0217】
あるいくつかの実施形態において、式Xによる化合物は、不活性雰囲気下、例えば非限定的にアルゴン雰囲気下に溶媒中に溶解される。この実施形態のもう1つの側面において、式Xによる化合物の溶液および酸触媒を含んでいる反応混合物が入っている容器が、アルゴンでパージされる。ついで図式15による反応は、アルゴンガスの存在下、ほぼ大気圧(約14.7psi(lbs./in2))〜約500psiの範囲内の圧力で、ほぼ大気圧(約14.7psi)〜約100psiの範囲内の圧力で、またはほぼ大気圧(約14.7psi)〜約25psiの範囲内の圧力で実施することを可能にされる。
【0218】
あるいくつかの実施形態において、図式15による反応は、約5℃〜約100℃の範囲内の温度;約10℃〜約75℃の範囲内の温度;または約15℃〜約30℃の範囲内の温度で実施される。
【0219】
図式15の反応は、式Xの化合物を式IVの化合物へ転化するのに十分な時間実施される。図式15による反応は、1つの実施形態において、出発原料(式Xの化合物)が消費されるまで、またはもう1つの実施形態において、生成物(式IVの化合物)対出発原料(式Xの化合物)の比が本質的に一定のままにとどまるまで実施される。典型的には、図式15の反応に十分な時間は、約1時間〜約48時間の範囲内、約2時間〜約36時間の範囲内、または約4時間〜約24時間の範囲内にある。特定の実施形態において、図式6の反応は、約16時間実施される。
【0220】
図式15の反応の進行は、従来の分析技術を用いて監視することができる。この技術は、質量分析と併せた液体クロマトグラフィー(「LC/MS」)、薄層クロマトグラフィー(「TLC」)、高性能液体クロマトグラフィー(「HPLC」)、ガスクロマトグラフィー(「GC」)、ガス液体クロマトグラフィー(「GLC」)、および核磁気共鳴分光法(「NMR」)、例えば1Hおよび13C NMRを包含するが、これらに限定されるわけではない。
【0221】
図式15にしたがって合成された式IVの化合物は、当分野において公知の方法、試薬、および設備を用いて単離および/または精製されてもよい。
【0222】
4.2.16.図式11〜15による化合物(7)の製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の合成であって、上記の図式11〜15の方法および試薬が組合わされて、式Iによる化合物の合成方法を提供する合成を目的とする。例えば下記の図式16に表わされているように、式Iによる化合物である化合物(7)は、上記のセクション4.2.11〜4.2.15に記載されている方法および条件にしたがって合成される:
【化423】

【0223】
4.2.17.化合物(18)5−ベンジル−2H−テトラゾールの製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(18)(5−ベンジル−2H−テトラゾール)の合成方法であって、化合物(17)(2−フェニル−アセトニトリルまたはベンジルニトリル)(これは商業的に入手しうる)とナトリウムアジドとを、トリエチルアミンハイドロクロライドの存在下に、下記の図式17に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化424】

【0224】
1つの実施形態において、商業的に入手しうる化合物(17)を、ナトリウムアジドおよびトリエチルアミンハイドロクロライドで、トルエン中、95℃〜100℃において不活性ガス(例えばアルゴン)下に16時間処理する。ほかの実施形態において、ニトリル(化合物(17))は、上記の図式1、7、および13、および下記の実施例1、セクション5.1、および実施例17、セクション5.17に記載されている方法にしたがって、対応テトラゾール(化合物(18))へ転化することができる。この実施形態のさらなる側面において、化合物(17)のフェニル部分は場合により、1またはそれ以上のR2基で置換され、これによって、このようなR2部分を含んでいる式Iの対応化合物を生じる。
【0225】
4.2.18.化合物(20)5−ベンジル−2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾールの製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、化合物(20)(5−ベンジル−2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾール)の合成方法であって、化合物(18)と化合物(19)(1−(プロプ−1−エン−2−イル)ベンゼン)とを、下記の図式18に表わされているように反応させる工程を含む方法に関する:
【化425】

【0226】
このようにして、化合物(18)は本質的に、2位においてのみ、例えば下記のセクション5.17、実施例17に示されている条件下、クロロホルム中での化合物(19)とトリクロロ酢酸との反応によって保護することができる。
【0227】
ほかの代替実施形態において、化合物(18)のテトラゾール部分は、(a)トルエン中で還流温度において、トリチルアルコールとの、(b)アセトニトリル中で還流温度において、トリチル保護された2−ブロモアセトアミドおよびK2CO3との、(c)アセトニトリル中で還流温度において、トルエンスルホニルクロライドおよびK2CO3との、(d)アセトニトリル中で室温において、2,4−ジニトロフルオロベンゼンおよびK2CO3との、または(e)アセトニトリル中で還流温度において、ベンゼンスルホニルクロライドおよびK2CO3との反応によって保護することができる。
【0228】
4.2.19.式XIIの化合物の合成方法
もう1つの実施形態において、本発明は、式XIIによるヒンダードテトラゾール化合物(例えば化合物(22)および化合物(24))の合成方法であって、化合物(20)(5−ベンジル−2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾール)と式XIによる化合物とを、下記のセクション5.11および5.19に記載されているように、および図式19に表わされているように反応させる工程を含む方法を目的とする:
【化426】

(式中、各X1は独立して、Cl、Br、またはIからなる群から選択され、R5は、非限定的に次のものからなる基から選択することができる窒素保護基である:
【化427】

もう1つの実施形態において、R5は、
【化428】

であり、式XIの化合物は、化合物(35)である:
【化429】

【0229】
特定の実施形態において、化合物(20)と化合物(21)とを、n−ブチルリチウムの2当量を用いて、ジエチルエーテル中で下記の図式20に表わされているように反応させて、boc−保護されたピペリジン化合物(22)を生じる:
【化430】

【0230】
もう1つの特定の実施形態において、化合物(20)と化合物(23)(これはニュージャージー州モリス・プレインズのアクロス(Acros,Morris Plains)から商業的に入手しうる)とを、n−ブチルリチウムの2当量を用いて、ジエチルエーテル中で下記の図式21に表わされているように反応させて、トシル保護されたピペリジン化合物(24)を生じる:
【化431】

【0231】
式XIによる化合物の調製、およびこれらの使用方法は、チェンバース(Chambers)ら、(J.Med.Chem.(1992)35:2033−39)、ならびに下記のセクション4.2.25に記載されている。
【0232】
4.2.20.式XIIIの化合物の合成方法
もう1つの実施形態において、本発明は、式XIIIによる化合物(例えば化合物(14)および化合物(25))の合成方法であって、下記の図式22に表わされているような、式XIIの化合物の保護基(R5)の除去工程を含む方法を目的とする:
【化432】

【0233】
特定の実施形態において、化合物(22)のクミル保護基は、エタノール中に、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に除去されて、図式23に表わされているように、脱保護されたテトラゾール部分を有する化合物(14)を生じうる:
【化433】

【0234】
もう1つの特定の実施形態において、化合物(24)のクミル保護基は、エタノール中に、カリウムホルメートおよびPd/Cの存在下に除去されて、下記のセクション5.20、実施例20に記載されているように、および図式24に表わされているように、脱保護されたテトラゾール部分を有する化合物(25)を生じうる:
【化434】

【0235】
この実施形態のもう1つの側面において、R5部分はベンジル基であり、クミル基とR5(ベンジル)保護基のどちらも、式XIIの化合物から除去されて、化合物(9)を生成物として生じうる。化合物(9)は今度は、図式10にしたがって(上記のような図式8および9の方法を介して)、または図式16にしたがって(図式11、14,15、および30の方法を介して)、式Iの化合物(例えば化合物(7))へ転化することができる。
【0236】
4.2.21.式XIVの化合物の合成方法
もう1つの実施形態において、本発明は、式XIVによる化合物(例えば化合物(15)および化合物(26))の合成方法であって、式XIIIの化合物と式IIの化合物とを、下記の図式25に表わされているように反応させる工程を含む方法を目的とする:
【化435】

【0237】
特定の実施形態において、本発明は、式Xの化合物の合成であって、化合物(14)と式IIの化合物とを、下記の図式26に示されているように反応させる工程を含む合成を目的とする:
【化436】

【0238】
もう1つの特定の実施形態において、本発明は、式XVの化合物の合成方法であって、化合物(25)と式IIの化合物とを、下記の図式27に示されているように反応させる工程を含む合成を目的とする:
【化437】

【0239】
図式25〜27のアルキル化反応は、上記のセクション4.2.2(図式2)、およびセクション4.2.9(図式9)、および下記のセクション5.2(実施例2)、セクション5.9(実施例9)、セクション5.12(実施例12)、およびセクション5.21(実施例21)に開示されている条件下に実施することができる。
【0240】
同じように、式XIII(式中、R5は、ベンジルオキシカルボニル、トリチル、メトキシトリチル、ベンジル、9−フルオロエニルメトキシカルボニル、第三−ブチルジメチルシリル、トシルなどである)の化合物と、式IIの化合物(例えば化合物(3)または化合物(11))とを反応させて、式XIVの化合物を生成物として生じることもできる。
【0241】
4.2.22.式XIVの化合物からの式IVの化合物の合成方法
もう1つの実施形態において、本発明は、下記の図式28に表わされているような、式XIVの化合物からの式IVによる化合物の合成方法を目的とする:
【化438】

【0242】
式Xの化合物からのBoc部分の除去、ならびに式XVの化合物からのトシル部分の除去は、下記の図式29に示されているように、式IVによる対応化合物(例えば化合物(5))を生じるであろう:
【化439】

【0243】
特定の実施形態において、化合物(15)のBoc保護基は、例えばジクロロメタン中でトリフルオロ酢酸を用いて除去して、上記のセクション4.2.15(図式15)に記載されているように化合物(5)を生じうる。同様に、化合物(26)のトシル保護基は、鉱酸、例えばH2SO4、HCl、またはHBrを用いて除去して、化合物(5)を生じうる。特定の実施形態において、化合物(26)のトシル保護基は、H2SO4を用いて除去される。
【0244】
4.2.23.式IVの化合物からの式Iの化合物の合成方法
本発明はまた、式I(式中、R1は、−(CH2nC(O)N(R3)(R4)である)の化合物(例えば化合物(7))の、式IVの化合物(例えば化合物(5))からの合成であって、式IVの化合物と式VIIの化合物(例えば化合物(6))とを、上記の図式5および下記の図式30に表わされているように反応させることによる合成を目的とする:
【化440】

【0245】
図式30の反応は、上記のセクション4.5.5(図式5)に示されている条件、ならびに下記のセクション5.5(実施例5)に記載されている条件下に実施することができる。
【0246】
4.2.24.図式17〜30による化合物(7)の製造方法
もう1つの特定の実施形態において、本発明は、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の合成であって、上記の図式17〜30の方法および試薬が組合わされて、式Iによる化合物の合成の図解方法を生じうる合成を目的とする。例えば、下記の図式31に表わされているように、式Iによる化合物である化合物(7)は、上記のセクション4.2.17〜4.2.23に記載されている方法および条件にしたがって合成される。
【0247】
図式31にしたがって、化合物(7)は、商業的に入手しうる化合物(17)(2−シアノベンゼン(ウイスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ))から出発して合成される。一般に、化合物(17)(ベンジルシアナイド)は、ナトリウムアジド、トリエチルアミンHCl、およびトルエンを溶媒として用いて、化合物(18)(5−ベンジル−H−テトラゾール)に転化される。試薬が組合わされ、16時間100℃に加熱される。その後の酸/塩基の後処理(workup)は、純粋なテトラゾールである化合物(18)を、白色結晶質固体として生じる。化合物(18)のテトラゾール部分の保護は、多様な保護基のいずれか1つを用いて達成することができる。特定の実施形態において、化合物(18)のテトラゾール部分の保護は、アルファ−メチルスチレンとの反応によって達成され、クミル保護されたテトラゾール、すなわち化合物(20)を生じる。ピペリジン環形成は、必須のN−保護されたビス−ジクロロエチルアミン基質(例えば化合物(23))とともにジエチルエーテル中のn−BuLiを用いて得られ、化合物(24)を生成する。化合物(24)のテトラゾール部分の脱保護は、標準的水素化分解条件(カリウムホルメート、Pd/C、EtOH、加熱)を用いて達成され、化合物(25)を生じる。2−クロロアセトアミドまたは2−ブロモアセトアミドでの化合物(25)のアルキル化は、化合物(26)を生じる。化合物(26)の脱保護は、化合物(5)を生じ、ついでこれと化合物(6)とを反応させて、化合物(7)を生じる。
【化441】

【0248】
4.2.25.ビス−ジクロロエチルアミン誘導体の合成
あるいくつかの実施形態において、本発明は、非限定的に化合物(7)を包含する、式Iの化合物の合成におけるビス−ジクロロエチルアミン誘導体の使用を包含する。例えば化合物(21)は、図式32に示されているように、一般にチェンバースら(J.Med.Chem.(1992)35:2033−39)の方法にしたがって、商業的に入手しうる化合物(29)から調製される:
【化442】

【0249】
この実施形態のほかの側面において、式XVIのビス−ジクロロエチルアミン誘導体は、一般に図式33にしたがって、化合物(30)(ウイスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ)から調製され:
【化443】

式中、R6は、非限定的に次のものからなる群から選択することができる:
【化444】

式XVIの次の化合物を生成する:
【化445】

【0250】
図式33によれば、一般に、カリウムカーボネートおよび対応R6−クロライドまたはブロマイドが、化合物(30)の攪拌溶液へ添加される。この溶液は、8時間還流温度まで加温され、室温に冷まされ、ついで濾過される。この濾過物は、乾燥に至るまで濃縮され、水性後処理後、粗材料がメタノール中に取られ、HCl(ジエチルエーテル中)が添加される。この混合物が乾燥に至るまで濃縮され、粗材料がジクロロメタン中に取られ、チオニルクロライドが一滴ずつ添加される。その結果生じた混合物が、室温で1時間攪拌され、ついで揮発性材料が真空下に除去され、生成物である式XVIの化合物を生じる。
【0251】
4.2.26.図式17〜33による化合物(7)の追加製造方法
もう1つの実施形態において、本発明は、4−テトラゾリル−4−フェニルピペリジン化合物の合成の追加研究方法であって、上記の図式17〜30の方法および試薬が組合わされて、式Iによる化合物の合成方法を提供しうる方法を目的とする。例えば、下記の図式34に表わされているように、式Iによる化合物である化合物(7)は、上記のセクション4.2.17〜4.2.25に記載されている方法および条件にしたがって合成される。
【化446】

【実施例】
【0252】
5.実施例
ほかの記載がなければ、開示された実施例において用いられた試薬および溶媒は、ウイスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンバニーから(例えば1,4−ジオキサン、ナトリウムアジド、亜鉛ブロマイド、DBU、DMSO、カリウムカーボネート)、またはフィッシャー・サイテンティフィック・カンバニー(Fisher Scientific Company)(ペンシルベニア州ピッツバーグ)から(例えばMTBE、イソプロピルアセテート、エチルアセテート、メタノール、およびナトリウムスルフェート)のどちらかから入手される。
【0253】
下で言及されているLC/MS分析は一般に、次のように実施した。液体クロマトグラフィー分析(HPLC)は、C18カラム(ゾルバックス(Zorbax)XDB−C18、4.6×50mm、5ミクロン粒子サイズ;(カリフォルニア州パロ・アルト、アジレント(Agilent))を用いて実施した。このカラムは、25℃の温度で運転し、260nm(対照360nm)で監視した。移動相の流量は、1mL/分であった。移動相は、溶媒A(0.1%TFA/H2O)とB(0.1%TFA/CH3CN)との混合物からなる勾配として実施した。これは、次の組成:85%A/15%B(0分)、5%A/95%B(2.3分)、5%A/95%B(4.3分)、85%A/15%B(4.4分)、および85%A/15%B(5.2分)を有した。
【0254】
質量選択的検出(MSD)は、プラスの極性とともに、イオン化方法として大気圧電気スプレーイオン化(API−ES)を用いて実施した。下記の分析において用いられたMSD器具(アジレント1100LC/MS(カリフォルニア州パロ・アルト、アジレント)およびウオーターズZQ MS(マサチューセッツ州ミルフォード、ウオーターズ(Waters))の各々についての典型的な設定は、次のとおりであった:アジレント1100LC/MS:(a)フラグメンター(Fragmentor)ランプ(無効化された(disabled))、(b)フラグメンター(80)、(c)ゲイン(Gain)(1EMV)、(d)閾値(20)、(e)ステップサイズ(0.15)、(f)ガス温度(℃)(350)、(g)乾燥ガス(12.0L/分)、(h)ネブライザー圧力(40psi)、(i)Vcap(3500V)、(j)ピーク幅(0.07分)、および(k)MW範囲(150−2000);およびウオーターズZQ MS:(a)コーン(Cone)、(b)エクストラクター(Extractor)(V)(2.00)、(c)RFレンズ(V)(0.3)、(d)源温度(℃)(150)、(e)コーン温度(℃)(20)、(f)デソルヴェイション(Desolvation)ガス(℃)(350)、(g)コーンガス流(111L/時間)、(h)デソルヴェイションガス流(615L/時間)、(i)キャピラリー(kV)、(j)LM1レゾルーション(Resolution)(15)、(k)HM1レゾルーション(15)、(l)イオンエネルギー1(0.5)、および(m)マルティプライアー(Multiplier)(650)。
【0255】
5.1.実施例1:化合物(2)(1−ベンジル−4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)の合成
1.0リットルのクロロホルム中の125.77g 1−ベンジル−4−シアノ−4−フェニルピペリジンハイドロクロライド(化合物(1)のハイドロクロライド塩)(ウイスコン州ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー)のよく攪拌された溶液へ、Na2CO3の500mL飽和水溶液を添加した。これらの層を分離し、クロロホルム層を回収した。水層を、約200mLのクロロホルムで抽出した。これら2つの回収されたクロロホルム層を組合わせ、約500mLの脱イオン水で抽出し、無水ナトリウムスルフェート上で乾燥し、一定重量まで蒸発させ、109.7gの化合物(1)(1−ベンジル−4−シアノ−4−フェニルピペリジン)を遊離アミンとして生じた。
【0256】
化合物(1)(109.7g)の遊離アミンを、500mLの1−メチル−2−ピロリドン中に溶解し、2つのポーションに分け、次の工程を、デュープリケイトフラスコを用いて両方のポーションについて平行して実施した。
【0257】
1−メチル−2−ピロリドン中の化合物(1)の溶液の1ポーション(54.85gの化合物(1)を含有する250mL)を、オーバーヘッド機械攪拌機、温度計、添加漏斗、および窒素流入口が取り付けられた3.0リットルフラスコ中に導入した。溶媒(500mLの1−メチル−2−ピロリドン)およびZnBr2(100mL水中に溶解された134.1g、0.595モル)を、フラスコに添加した。ZnBr2の添加は、発熱物質を生じ、これは反応混合物の温度を約55℃〜60℃に上昇させた。固体ナトリウムアジド(51.6g、0.794モル)をすべて一度に添加し、反応混合物をN2ブランケット下、135℃に加熱した。反応を、出発原料(化合物(1))がもはや検出不可能になるまで(7日)、LC/MSによって監視した。
【0258】
反応混合物を、8リットルビーカー中で攪拌しつつ、水性HCl溶液(1%HCl)へゆっくりと添加した。ビーカー中の液体の上のヘッドスペースをアルゴンで掃引し、形成されたあらゆる可能性のあるアジ化水素酸を除去した。この溶液を約3時間攪拌し、現われた固体を、真空濾過によって単離した。収集された固体をまず空気乾燥し、ついで真空下に乾燥した。全部で62.49gの化合物(2)を回収した。平行して実施されていた第二反応は、63.62gの化合物(2)を生じた(1H NMR(MeOHd4):δ7.5(m,5H),7.2(m,5H),3.5(m,2H),3.35(m,2H),3.05(m,4H),2.45(m,2H)。
【0259】
5.2.実施例2:化合物4(2−[5−(1−ベンジル−4−フェニルピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミド)の合成
【化447】

磁気攪拌機、温度制御器、凝縮器、およびN2流入口が取り付けられた3リットル丸底フラスコへ、化合物(2)(1−ベンジル−4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)(234.57g、0.734モル)、ジメチルホルムアミド(2.0L)、カリウムカーボネート(121.8g、0.881モル)、および2−ブロモアセトアミド(101.32g、0.734モル)(ウイスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー)を添加した。この反応混合物を、50℃に加熱し、N2下、一晩インキュベートした。LC/MSによるこの反応のアリコートの分析は、この反応が完了したことを示した。
【0260】
この反応混合物を室温に冷まし、4.5Lの急速攪拌脱イオン水中に注ぎ入れた。エチルアセテート(2.5L)を添加し、形成した沈殿物を、真空濾過によって収集し、ついで約6Lのエチルアセテート中に溶解した。発生したこれらの層を分離し、エチルアセテート層を回収し、無水ナトリウムスルフェート上で乾燥し、回転蒸発器によって蒸発させると、濃いスラリーを生じた。このスラリーを、約2Lのエチルエーテルで粉砕し、懸濁した固体を真空濾過によって収集し、乾燥すると、118.26gの化合物(4)を薄黄色の固体として生じた。エーテル濾過物も収集し、真空下にモービル油に濃縮した。これは、LC/MS分析によって、化合物(4)を含有することが証明された(1H NMR(MeOHd4):δ7.2−7.0(m,10H),5.3(s,2H),3.3(s,2H),2.7(m,4H),2.25(m,2H),2.1(m,2H)。
【0261】
5.3.実施例3:化合物5(2−[5−(4−フェニルピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミドの合成
【化448】

反応5.3(A):
化合物(4)(2−[5−(1−ベンジル−4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミド)(189.272g、0.5モル)、エタノール(3L)、氷酢酸(11.7mL)、触媒(約50%水を含んでいる52.6gの10%Pd/C(活性炭上のパラジウム粉末)(カタログ番号E101 NE/W 10%Pd;ニュージャージー州パーシパニー、デグッサ・コーポレーション(Degussa Corpration,Parsippany))を、アルゴンブランケット下、磁気攪拌棒が取り付けられた3つ口5リットル丸底フラスコへ添加した。水素をほぼ大気圧で導入し、このフラスコを水素でパージして、アルゴンを除去した。反応物を一晩、水素下に攪拌した。LC/MS分析は、この反応が完了に至ったことを示した。反応フラスコをアルゴンでパージし、アルゴンブランケット下にセリートを通して濾過した。フィルターケーキを、メタノールで洗浄し、組合わされた濾過物を減圧下に濃縮すると、濃い油を生じ、これをさらに、高真空下に濃縮すると、148.51gの生成物をフォームとして生じた。
【0262】
反応5.3(B):
実施例5.2のエーテル濾過物の蒸発によって生じたモービル油(118.26g、0.31モル)、エタノール(1.65L)、氷酢酸(7.3mL)、およびパラジウム触媒(約50%水を含んでいる32.9gの10%Pd/C(活性炭上のパラジウム粉末)(カタログ番号E101 NE/W 10%Pd;ニュージャージー州パーシパニー、デグッサ・コーポレーション))を含有する化合物(4)を、磁気攪拌棒が取り付けられた3.0Lの一つ口丸底フラスコに入れた。反応5.3Bを実施し、生成物を、反応5.3Aについて上記されているように単離した。最終濃縮工程後、反応5.3Bは、71.95gの生成物を透明な液体として生じた。
【0263】
化合物(5)のNMR分析は、(1H NMR(MeOHd4):δ7.2−7.0(m,10H),5.5(s,2H),3.2(m,2H),2.85(m,4H),2.3(m,2H)を生じた。
【0264】
5.4.実施例4:化合物(6)(3,3−ジフェニル−ジヒドロ−フラン−2−イリデン)−ジメチル−アンモニウムブロマイドの合成
クロロホルム中の4−ブロモ−2,2ジフェニル酪酸(100g、0.313モル)の機械攪拌懸濁液へ、トリエチルアミン(65.2mL、0.469モル)、DMF(1mL)、およびTHF中の2Mジメチルアミン(160mL、0.320モル)を添加した。反応を、−10℃(ドライアイス、アセトン浴)に冷まし、トルエン(400mL)中のオキサリルクロライド(60.6g、0.477モル)を、反応温度が−5℃〜−10℃にとどまるようにゆっくりと(一滴ずつ)添加した。オキサリルクロライドの添加が完了した後、反応混合物を、さらに1.5時間0℃(氷/水浴)で攪拌した。反応を冷間濾過し、その結果生じた、回収されたフィルターケーキを一晩乾燥すると、124.3グラムの白色固体を生じた。これは、化合物(6)およびトリエチルアンモニウムクロライドの両方を含み、これは、次の工程でそれ以上の精製を行なわずに用いた。これは、下記の実施例5に記載されている。
【0265】
5.5.実施例5:化合物(7)(4−[4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−イル]−N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−ブチラミドの合成
【化449】

反応5.5(A):
固体化合物(5)(2−[5−(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミド)(71.95g、0.25モル)、上記の反応5.3(A)において調製された(147.16g、0.513モル)、Na2CO3(127.8g)、化合物(6)(3,3−ジフェニル−ジヒドロ−フラン−2−イリデン)−ジメチル−アンモニウムブロマイド(187.48g、0.541モル)(上記のセクション5.4に記載されているように調製されたもの)、およびDMF(約2.5L)を、5.0Lの一つ口丸底フラスコへ添加した。この反応混合物を100℃に加熱し、N2下、一晩インキュベートした。反応混合物を脱イオン水(約6L)中に注ぎ入れることによって、反応を急冷し、その結果生じた溶液を、エチルアセテート(各抽出について2L)で2回抽出した。これらのエチルアセテート層を組合わせ、無水ナトリウムスルフェート上で乾燥し、真空下に濃縮すると、自由に流れる油を生じた。
【0266】
反応5.5(B):
化合物(5)、すなわち上記の反応5.3(B)において調製された透明な液体生成物、Na2CO3(62.5g)、化合物(6)((3,3−ジフェニル−ジヒドロ−フラン−2−イリデン)−ジメチル−アンモニウムブロマイド)(91.69g、0.26モル)、およびDMF(約1L)を、2.0Lの一つ口丸底フラスコへ添加した。この反応混合物を100℃に加熱し、N2下、一晩インキュベートした。反応混合物を脱イオン水(約4L)中に注ぎ入れることによって、反応物を急冷すると、混合物を生じ、これを、エチルアセテート(各抽出について1.5L)で2回抽出した。これらのエチルアセテート層を組合わせ、無水ナトリウムスルフェート上で乾燥し、真空下に濃縮すると、自由に流れる油を生じた。
【0267】
反応5.5(A)および5.5(B)によって生じた自由に流れる油を組合わせ、シリカゲルクロマトグラフィーによって精製すると、濃縮後、256.4gの化合物(7)が薄黄色の固体として生じた。シリカゲルクロマトグラフィーは、バイオテージカラム(バージニア州シャーロッツビル、バイオテージ(Biotage,Charlottesville))を用いて実施し、これは、エチルアセテートで、ついで80%エチルアセテート、10%エタノール、および10%トリエチルアミンからなる溶媒で洗浄した。生成物を含有するフラクションは、薄層クロマトグラフィーによって同定した。生成物(256.4g)を、熱い(沸騰)アセトニトリル(約2.4L)中で粉砕し、その結果生じた懸濁液を、一晩室温に冷まし、ついで氷浴中で冷却した。固体を真空濾過によって収集し、冷たい(5℃)アセトニトリルで洗浄し、空気乾燥し、ついで一晩真空下に乾燥すると、193gの化合物(7)を遊離アミンとして、白色固体の形態で生じた。
【0268】
化合物(7)のNMR分析は、(1H NMR(CDCl3)):δ7.65(m,8H),7.55(m,6H),7.42(m,1H),5.85(bs,1H),5.60(bs,1H)、5.30(s,2H)、2.98(bs,3H),2.87(bm,4H),2.20−2.45(bm,7H),1.90−2.20(bm,4H)を生じた。
【0269】
ついで遊離アミンとしての化合物(7)の一部分を、対応スルファミン酸塩へ転化した。化合物(7)(100g)を、2.0L丸底フラスコにおいて0.5Lアセトニトリル中に溶解した。1当量(17.6g)のスルファミン酸(ウイスコンシン州ミルウォーキーのアルドリッチ・ケミカル・カンパニー)を、50mLの温水(約75℃)中に溶解し、攪拌しつつ、アセトニトリル中の化合物(7)の溶液へ添加した。化合物(7)およびスルファミン酸を含んでいる、その結果生じた溶液を、約1時間、50℃の温度で攪拌し、濾紙を通して濾過して細かい沈殿物を除去し、ついで蒸発させ、真空下に一晩乾燥した。この乾燥した材料を、熱い(沸騰)アセトニトリル中に懸濁し、室温に冷まし、ついで氷水浴中に冷却した。固体を真空濾過によって収集し、空気乾燥し、ついで高真空下に乾燥すると、117.2gの化合物(7)のスルファミン酸塩を、白色固体として生じた。
【0270】
化合物(7)のスルファミン酸塩のNMR分析は、(1H NMR(DMSOd6)):δ7.80(s,1H),7.45(m,5H),7.32(m,8H),7.20(m,3H),5.38(s,2H)、2.88(bs,3H),2.72(bm,2H),2.30−2.60(bm,10H),2.20(bs,3H),2.06(s,3H)を生じた。
【0271】
5.6.実施例6:化合物(9)(4−フェニル−4H−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジンの合成
【化450】

磁気攪拌棒、還流凝縮器/窒素流入口、および温度プローブが取り付けられた100mL丸底フラスコに、化合物(8)(4−シアノ−4−フェニル−ピペリジニウムクロライド)(ニュージャージー州モリスプレインズ、アクロス・オーガニックス)(2.035g、0.009モル)、水(16mL)、1,4−ジオキサン(9mL)、およびナトリウムアジド(1.16g、0.018モル)を装入した。亜鉛ブロマイド(2.0g、0.009モル)を添加し、溶液のpHを、50%NaOHで約7に調節した。その結果生じた混合物を、約90℃〜約100℃の範囲の温度で24時間還流しつつ加熱した。反応混合物(「テトラゾール生成物」、すなわち化合物(9))中に形成した白色固体を収集し、次の工程において直接用いた。これは、下記のセクション5.7に開示される。化合物(9)は、フェノメネックス(Phenomenex)150mm×4.6mm、5ミクロン粒子サイズ、C18カラムを用いて実施されたHPLCによって特徴決定した。クロマトグラフィーは、40℃で1mL/分の流量で実施した。溶離物を、220nmでのUV吸収によって監視した。溶離は、10分にわたって実施された線形勾配(linear gradient)を用いて実施した。この場合、移動相の当初組成は、90%A/10%Bであり、移動相の最終組成は、10%A/90%Bであった(ここで、AはpH7.0のリン酸塩緩衝水であり、Bはメタノールである)。この移動相組成を5分間維持し、ついで90%A/10%Bに戻した。これらの条件下、生成物である化合物(9)は、HPLC面積(area)により、4.71分の保持時間、および98%の純度を有していた。
【0272】
5.7.実施例7:化合物(6)(3,3−ジフェニル−ジヒドロ−フラン−2−イリデン)−ジメチル−アンモニウムブロマイド)の合成
この実施例および代替方法(上記の実施例4に対する)は、化合物(6)の合成を提供する。この実施例に開示された方法において、すべてのガラス器具類を、使用前に乾燥する。この代替研究方法によれば、トルエン(20mL)中の4−ブロモ−2,2−ジフェニル酪酸クロライド(5g、14.8モル)の溶液を、ドライアイス「コールド・フィンガー」、ジメチルアミンガス流入口、および磁気攪拌棒を備えた3つ口丸底フラスコに送達する。この溶液を、0℃〜5℃に冷まし、トリエチルアミン(3mL、21.6ミリモル)を、溶液の温度を0℃〜5℃の範囲内に維持しつつ添加した。ジメチルアミンガスを、フラスコ中のヘッドスペース全体に装入し、一方、内部温度を、0℃〜5℃の範囲内に維持した。反応の進行は、4−ブロモ−2,2−ジフェニル酪酸クロライドの存在について、反応のアリコート(5分間隔で採取されたもの)を(HPLCによって)分析することによって監視した。フラスコへのジメチルアミンガスの添加は、4−ブロモ−2,2−ジフェニル酪酸クロライドが完全に消費されてしまうとすぐに停止した。その結果生じた懸濁液を、5℃でさらに30分間攪拌し、ついで懸濁された固体を、窒素パージされたグローブバッグの中での濾過によって回収した。その結果生じた湿潤ケーキを、トルエンで洗浄し、真空下に乾燥すると、所望の生成物(化合物(6))とトリエチルアミンハイドロクロライドとの混合物を含んでいる、4.75gの白色粉末を生じた。これは、下記の実施例8の反応において直接用いることができるであろう。
【0273】
5.8.実施例8:化合物(10)(N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−4−[4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン−1−イル]−ブチラミドの合成
【化451】

化合物(9)(4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)、すなわち上記のセクション5.6で開示された反応において形成されたテトラゾール生成物(1.062g)を、磁気攪拌棒、温度プローブ、および窒素流入口が取り付けられた25mL3つ口丸底フラスコへ、15mLのDMSOとともに装入した。その結果生じたスラリーを、室温で約5分間攪拌した。DBU(2,3,4,6,7,8,9,10−オクタヒドロ−ピリミド[1,2−α]アゼピン)(2.9mL、2.952g、0.0194モル)を、約3分間にわたって一滴ずつ添加した。このスラリーを、溶液が得られるまで(約10分)攪拌した。化合物(6)(3,3−ジフェニル−ジヒドロ−フラン−2−イリデン)−ジメチル−アンモニウムブロマイド)(60%純粋、2.52g、0.004モル)を、2つのポーションとして約3分間にわたって添加した。この反応物を、22℃で140分間攪拌し、ついで10mLの水で急冷した。この急冷反応混合物を、追加の30mLの水とともに分離漏斗へ移し替え、20mL MTBE(メチルt−ブチルエーテル)で抽出し、ついで20mLイソプロピルアセテートで抽出した。この水相のpHを、濃HClで約pH5に調節し、生成物(化合物(10)(N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−4−[4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン−1−イル]−ブチラミド)を、エチルアセテート中に抽出した(3×50mL)。回収された有機相をプールし、油に濃縮し(「粗化合物(10)」)、これを、下記のセクション5.9に記載されているように、化合物(7)の形成のために直接用いた。化合物(10)は、フェノメネックス150mm×4.6mm、5ミクロン粒子サイズ、C18カラムを用いて実施されたHPLCによって特徴決定した。クロマトグラフィーは、40℃で1mL/分の流量で実施した。溶離物を、220nmでのUV吸収によって監視した。溶離は、10分線形勾配を用いて実施した。この場合、移動相の当初組成は、50%A/50%Bであり、移動相の最終組成は、20%A/80%Bであった(ここで、AはpH7.0のリン酸塩緩衝水であり、Bはメタノールである)。この移動相組成を、6分間維持し、ついで50%A/50%Bに戻した。これらの条件下、生成物である化合物(9)は、HPLC面積により6.99分の保持時間、および89%の純度を有していた。
【0274】
5.9.実施例9:化合物(7)(4−[4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−イル]−N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−ブチラミド)の合成
【化452】

粗化合物(10)(1.323g)(上記のセクション5.8に開示されているように形成されたもの)を、15mL DMSO中に溶解し、磁気攪拌棒、還流凝縮器/窒素流入口、および温度プローブが取り付けられた50mL丸底フラスコへ装入した。化合物(11)(2−クロロアセトアミド)(0.300g、0.0032モル)(ウイスコンシン州ミルウォーキー、アルドリッチ・ケミカル・カンパニー)およびカリウムカーボネート(1.1g、0.008モル)を添加し、その結果生じた混合物を、60℃で4時間加熱した。イソプロピルアセテート(30mL)を添加し、混合物を、30mLの水とともに分離漏斗へ移し替えた。pH約11を有する水相を、イソプロピルアセテート(各抽出について30mL)で2回抽出した。有機抽出物を回収し、組合わせ、水中の15mLの塩化ナトリウム飽和溶液で洗浄し、ナトリウムスルフェート上で乾燥し、油に濃縮した。この油を、5.5mLのメタノール中に溶解し、30分間攪拌し、その間に、生成物(化合物(7)(4−[4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−イル]−N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−ブチラミド)が結晶した。化合物(7)の結晶(0.309g)を、濾過によって収集した。
【0275】
化合物(7)のNMR分析は、(a)1H NMR(CDCl3,600MHz):δ1.96−2.01(m,4H),2.29(m,4H),2.37−2.40(m,3H),2.74−2.76(m,4H),2.84−3.02(m,3H),5.27(s,2H),5.66(s,1H)、5.86(s,1H),7.15(m,1H),7.24−2.27(m,6H),7.34−7.38(m,8H),および(b)13C NMR(CDCl3,150.9MHz):35.43、41.58、42.37、50.76、55.20、56.02、59.86、126.17、126.84、126.92、128.29、128.59、128.75、140.96、165.76、173.73を生じた。
【0276】
化合物(7)を、フェノメネックス150mm×4.6mm、5ミクロン粒子サイズ、C18カラムを用いて実施されたHPLCによって特徴決定した。クロマトグラフィーは、40℃で1mL/分の流量で実施した。溶離物を、220nmでのUV吸収によって監視した。溶離は、10分線形勾配を用いて実施した。この場合、移動相の当初組成は、50%A/50%Bであり、移動相の最終組成は、20%A/80%Bであった(ここで、AはpH7.0のリン酸塩緩衝水であり、Bはメタノールである)。この移動相組成を、6分間維持し、ついで50%A/50%Bに変えた。これらの条件下、生成物である化合物(7)は、HPLC面積により、10.312分の保持時間、および98%の純度を有していた。
【0277】
5.10.実施例10:化合物(14)(第三ブチル4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート)の合成
【化453】

第一例において、化合物(14)は、次のように合成した。化合物(9)(4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン)ハイドロクロライド(すなわち、上記のセクション5.6に開示された反応において形成することができるテトラゾール生成物の塩)(50g;145ミリモル)を、水性ナトリウムヒドロキシド溶液(12.85g;200mL水中の321.2ミリモル)中に、攪拌しつつ懸濁した。ジ第三ブチルジカーボネート(化合物(12))を添加し、混合物を迅速に攪拌した。この反応の温度はまず、5分間にわたって40℃に上昇し、ついで正常なレベルに戻った。混合物を水浴中に冷まし、ついで一晩室温で攪拌した。この混合物を、エチルアセテート(1L)と水性酢酸(1L水中の100mL)との間で区分し、有機相を分離した。この水相をさらに、エチルアセテート(1L)で抽出し、組合わされた有機物を、真空下に乾燥に至るまで蒸発させると、所望の生成物である化合物(14)をフォームとして生じた。これは放置したときに結晶した。ついでこの生成物を、ヘキサン:エーテル(1:1)(200mL)で粉砕した。
【0278】
第二例において、化合物(14)を、次のように大規模反応で合成した:化合物(9)(4−フェニル−4−テトラゾール−1−イル−ピペリジンハイドロクロライド亜鉛クロライド錯体)(100g、292.06ミリモル)を、水(400mL)中の水性ナトリウムヒドロキシド溶液(15.42g、642.25ミリモル)中に、攪拌しつつ10分間懸濁した。アセトン(200mL)中の化合物(12)(ジ−第三ブチルジカーボネート)(70.07g、321.25ミリモル)を添加し、混合物を4時間、激しく攪拌した。混合物をエチルアセテート(250mL)で希釈し、攪拌を15分間続行して、ビーカーの側面からいくつかの粘着性固体を可溶化した。エチルアセテート(1,000mL)と0.5Mスルファミン酸溶液(1,000mL)との間で区分し、有機相を分離した。この有機相を、0.5Mスルファミン酸(1,000mL)および水(1,000mL)で洗浄した。水性洗浄物を、エチルアセテート(1,000mL)で抽出して戻し、組合わされた有機物を乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に乾燥に至るまで蒸発させると、白色固体を生じた。これを、ヘキサン(500mL)で粉砕すると、化合物(14)(80.5g、88%)を白色固体として生じた。m.p.=184.5−186℃;TLC SiO2、EtOAcRf=0.56;δH{400MHz,CDCl3}7.29−7.18(5H,m),3.90(2H,m),3.25−2.70(4H,m),2.40−2.15(2H,m),1.40 (9H,s);LC:DADによる100%純度;MS:[M+Na]+=352.2/353.1。
【0279】
5.11.実施例11:化合物(22)(第三ブチル4−フェニル−4−(2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)ピペリジン−1−カルボキシレート)の合成
【化454】

化合物(20)(5−ベンジル−2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾール)、(1g;3.59ミリモル)を、ジエチルエーテル(80mL)中に取り、n−ブチルリチウム(4.5mL;7.18ミリモル)を、約−15℃〜−20℃の温度で添加した(氷/水/NH4Cl浴)。ジエチルエーテル(10mL)中の化合物(21)(第三ブチルビス(2−クロロエチル)カルバメート)(0.95g;3.95ミリモル)を、5分間にわたって一滴ずつ添加した。その後、混合物を−15℃で30分間攪拌した。この間、暗赤色から薄黄色への色彩変化に注目した。混合物を−10℃に、ついで室温に加温させておいた。反応を、50mL水性NH4Clで急冷した。その結果生じた層を分離し、有機相を、MgSO4上で乾燥し、ついで乾燥に至るまで濃縮した。乾燥生成物を懸濁し、クロマトグラフし、生成物含有フラクションを組合わせて濃縮すると、1gの化合物(22)を生じた。
【0280】
5.12.実施例12:化合物(15)(4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル)の調製
【化455】

化合物(14)(4−フェニル−4−(1H−テトラゾール−5−イル)−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル)(20g、60.7ミリモル)、ナトリウムヨーダイド(10.85g、72.9ミリモル)、ナトリウムカーボネート(7.73g、72.9ミリモル)、および化合物(11)(2−クロロアセトアミド)(5.85g、62.52ミリモル)を、アセトン(100mL)中で攪拌しつつ、40℃で48時間、ともに加熱した。冷ました混合物を、エチルアセテート(500mL)と飽和ナトリウムビカーボネート溶液(500mL)との間で区分し、有機相を分離した。水相をエチルアセテート(500mL)で抽出して戻し、組合わされた有機物を乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空下に乾燥に至るまで蒸発させると、白色固体が残った(22.9g、95%)。この固体を、熱いエチルアセテート(100mL)中に溶解した。トルエン(400mL)を添加し、混合物を還流させた。混合物を熱間濾過して、不溶性不純物を除去し、ついで攪拌しつつ2時間にわたってゆっくりと室温に冷ましておいた。混合物を濾過し、ヘキサン(100mL)で洗浄すると、化合物(15)を生じた(16.3g、80%)。m.p.=156−157.5℃;δH{400MHz,CDCl3}7.35−7.18(5H,m),5.85(1H,bs),5.62(1H,bs),5.31(2H,s),3.96 (2H,bs),2.96 (2H,bs),2.81(2H,bd,J=13.3Hz),2.25 (2H,bt,J=13.3Hz),1.45(9H,s),TLC SiO2(EtOAc:ヘキサン、1:1)Rf=0.18検出U.V.;LC:DADによる100%純度;MS:[M+Na]+=409.2。
【0281】
この生成物のCDCl3における1H NMRは、化合物(27)の異性体生成物のどれも検出することができなかった:
【化456】

【0282】
化合物(27)の単離方法を、下記のセクション5.13(実施例13)に記載する。
【0283】
5.13.実施例13:化合物(27)(4−(1−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル)の調製
上記のように、エチルアセテート:トルエン(1:4)からの粗アルキル化テトラゾール(一般に、セクション5.12、実施例12に記載されているように調製されたもの)の300gバッチの再結晶化は、全部で255gの化合物(15)(4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル)を73%収率で生じた。母液を、真空で乾燥に至るまで濃縮すると、薄黄色の固体を生じた。エチルアセテート(700mL)を添加し、混合物を攪拌しつつ還流に至るまで加熱し、熱間濾過すると、化合物(27)(10.5g)を、1H NMRおよびLC/MSにより>98%純粋な白色固体として生じた。これをメタノールから再結晶化すると、1H NMRおよびLC/MSにより>99.9%純粋な化合物(27)(8.28g)を生じた;δH{400MHz,(CD32SO}7.67(1H,bs),7.47(1H,bs),7.41−7.28(3H,m),7.15 (2H,m),4.53 (2H,s),3.80 (2H,m),3.10 (2H,m),2.43(2H,m),2.10(2H,m),1.40(9H,s);LC:DADによる100%純度;MS:[M+Na]+=409.2。
【0284】
5.14.実施例14:化合物(5)(2−[5−(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミド)の調製
【化457】

化合物(15)(4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−カルボン酸第三ブチルエステル)(130g、336.4ミリモル)を、ドライジクロロメタン(500mL)中に懸濁した。トリフルオロ酢酸(150mL)を添加し、混合物を室温で2時間攪拌した。溶媒を真空除去し、残渣を水(800mL)中に注ぎ込み、カリウムカーボネートでpH9へ塩基性化した。混合物をこの段階で濾過し、黒い物質のいくつかの斑点を除去した。無色の濾過物を、水性ナトリウムヒドロキシド1Mで、さらに>pH12に塩基性化し、化合物(5)のシード結晶を添加した。混合物を、1時間氷水冷却しつつ攪拌し、濾過すると、白色結晶質固体を生じ、これを高真空下に18時間70℃でドリエライト(Dierite)上で乾燥すると、化合物(5)(70g)を白色固体として生じた。m.p.=155−157℃。この水性濾過物を、約300mLに真空濃縮し、pHを、ナトリウムヒドロキシド1Mを用いて>pH12に調節した。所望の生成物のシード結晶を添加し、混合物を1時間氷水冷却しつつ攪拌し、濾過すると、さらなる化合物(5)(12.2g)を生じた。これを高真空下に70℃で前のように乾燥した。化合物(5)の総収率(82.8g、85.6%);δH{400MHz,d6DMSO}7.83(1H,s),7.46(1H,s),7.32−7.16(5H,m),5.38(2H,s),2.91 (2H,bd,J=12.3Hz),2.61(2H,bd,J=12.3Hz), 2.52(2H,m),2.10(2H,bt,J=9.2Hz);LC:DADによる100%純度;MS:[M+H]+=287.2。
【0285】
5.15.実施例15:化合物(6)(ジメチル(3,3−ジフェニル−2−フリリデン)−アンモニウムブロマイド)の代替調製
上記のセクション5.4およびセクション5.7において上に開示された方法に加えて、化合物(6)はまた、次のように調製されてもよい:4−ブロモ−2,2−ジフェニル酪酸(50g、156.7ミリモル)を、ジクロロメタン(250mL)中に懸濁した。オキサリルクロライド(14.4mL、164.5ミリモル)を添加し、混合物を、還流下、アルゴン下に2時間加熱した。反応時間は、ガスの放出(evolution)が停止した時に評価し、ついで溶媒を真空除去すると、粗酸クロライドを生じ、これを直ちに用いた。ナトリウムカーボネート(19.9g、188.04ミリモル)を、水(200mL)中に溶解し、溶液を−5℃に冷却した(氷−アセトン)。水性ジメチルアミン40%w/w7.9M(24mL、188.04ミリモル)を添加し、ついでトルエン(200mL)を添加した。トルエン(250mL)中の酸クロライドを、15分にわたって、添加中に温度を0℃以下に維持しつつ添加し、その結果生じた混合物を、この温度でさらに1時間攪拌した。有機層を分離し(不純物を除去するために捨て)、水層を、ジクロロメタン(5×500mL)で抽出し、乾燥(MgSO4)し、溶媒を真空蒸発させると、オフホワイト固体が残り、これを、回転蒸発器上に50℃で20分間放置した。固体をエチルアセテート(250mL)で粉砕すると、化合物(6)(37.5g、69.4%)を白色固体として生じた。δH{400MHz,CDCl3}7.56−7.36(10H,m),4.86(2H,t,J=7.0Hz),3.82(3H,s),3.47(2H,t,J=7.0Hz),2.96 (3H,s)。
【0286】
5.16.実施例16:化合物(7)(4−[4−(2−カルバモイルメチル−2H−テトラゾール−5−イル)−4−フェニル−ピペリジン−1−イル]−N,N−ジメチル−2,2−ジフェニル−ブチラミド)の調製
【化458】

化合物(5)(2−[5−(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミドトリフルオロ酢酸塩として)(1g、2.5ミリモル)、化合物(6)(3,3−ジフェニル−ジヒドロ−フラン−2−イリデン)−ジメチル−アンモニウムブロマイド):トリエチルアミンハイドロクロライド(1:1混合物)(1.33g、2.75ミリモル)、およびナトリウムカーボネート(0.795g、7.5ミリモル)を、ドライアセトン(20mL)中に懸濁し、18時間50℃に加熱した。冷却された混合物を、エチルアセテート(100mL)と8%水性ナトリウムビカーボネート(100mL)とに区分し、有機相を分離し、乾燥(MgSO4)し、溶媒を、乾燥に至るまで真空蒸発させると、黄色のガムが残った。エチルアセテート:メタノール:アンモニア(100:10:10)で溶離する残渣のフラッシュクロマトグラフィーは、フォームを生じた。これをアセトニトリル(25mL)中に溶解し、ゆっくりと結晶化させておいた。混合物を濾過すると、化合物(7)が白色固体(930mg、67%)として生じた。δH{400MHz,d6CDCl3}7.40−7.13(15H,m),5.89(1H,bs),5.68(1H,bs),5.27(2H,s),2.96(3H,bs),2.75(4H,m),2.40(2H,m),2.30(5H,m),2.09−1.93(4H,m),1.72(4H,m);LC:DADによる100%;MS:[M+Na]+=552.3/553.3。
【0287】
5.17.実施例17:化合物(18)(5−ベンジル−1−H−テトラゾール)の合成
【化459】

化合物(17)(ベンジルシアナイド)(49mL;425ミリモル)、NaN3(33.15g;510ミリモル)、およびトリエチルアミンハイドロクロライド(70g;510ミリモル)を、800mLのドライトルエン中に懸濁した。混合物を、Ar下、100℃に加温し、この温度で16時間攪拌した。冷めた時に800mLのDI水を添加した。水層を除去し、濃HClを用いてpH<4に酸性化した。ついで水層を3×500mLエチルアセテートで抽出した。これらのエチルアセテート層を組合わせ、Mg2SO4上で乾燥し、濾過し、乾燥に至るまで濃縮すると、化合物(18)が白色固体として生じた。収率100%;δH(400MHz,CDCl3):7.28(5H,m),4.35(2H,s)。LC/MS=(100%、tr=2.234分)、m/z=161.0[M+H]+計算:160.0。
【0288】
5.18.実施例18:化合物(20)(5−ベンジル−2−(1−メチル−1−フェニル−エチル)−2H−テトラゾール)の合成
【化460】

ベンジルテトラゾール、化合物(18)(50g;310ミリモル)、およびトリクロロ酢酸(116.95g;713ミリモル)を、500mLのCHCl3中に懸濁した。これらを攪拌し、50mLのCHCl3中の化合物(19)(α−メチルスチレン)(40.3mL;310ミリモル)を、一滴ずつ10分にわたって添加した。1時間の攪拌後、500mLの10%KOH(aq)を添加した。有機層を分離し、Mg2SO4上で乾燥し、濾過し、乾燥に至るまで濃縮した。粗材料を、ストレートヘキサン中に取り、すべての過剰な化合物(19)(α−メチルスチレン)が除去されるまで、ヘキサンでのシリカ洗浄プラグを通して濾過した。ヘキサン中の50%エチルアセテートでのその後の洗浄は、乾燥に至るまでの濃縮後、所望の保護テトラゾールである化合物(20)を生じた。81.87gの生成物である化合物(20)は、無色油として得られた。収率95%;δH(400MHz,CDCl3):7.30(8H,m),7.08(2H,d,J=8Hz)。LC/MS=(100%、tr=4.889分)、m/z=301.1[M+H]+計算:278.36。
【0289】
5.19.実施例19:化合物(24)(4−フェニル−4−(2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾール−5−イル)−1−トシルピペリジン)の合成
【化461】

化合物(20)(5−ベンジル−2−(2−フェニルプロパン−2−イル)−2H−テトラゾール)(20g、71.85ミリモル)を、400mLのトライジエチルエーテル中に取った。これを、Ar下、−15℃に冷却した。ヘキサン(99mL、158.07ミリモル)中の1.6Mn−BuLiを、10分にわたって一滴ずつ添加した。混合物を0.5時間攪拌した。100mLジエチルエーテル中の化合物(23)(N−トシル−ビス−(2−クロロエチル)アミン)(25.5g、86.22ミリモル)を、10分にわたって一滴ずつ添加した。混合物を室温まで加温させておき、16時間攪拌させておいた。反応を、400mLの飽和NH4Cl(aq)で急冷した。エチルアセテート(100mL)を添加し、これらの層を分離した。有機物を、Mg2SO4上で乾燥し、濾過し、乾燥に至るまで濃縮した。少量の化合物(24)を、EtOAc/ヘキサン(1:4)で溶離するクロマトグラフィーによって精製した。白色固体。δH(400MHz,CDCl3):7.58(2H,d,J=8Hz),7.19−7.29(10H,m),6.82(2H,d,J=8Hz),3.73(2H,m),2.89(2H,m),2.44(3H,s),2.37(4H,m),2.01(6H,s)。LC/MS=(100%、tr=3.742分)、m/z=524.3[M+H]+計算:501.66。残りの粗化合物(24)を、次の工程(セクション5.20、実施例20)へ送った。
【0290】
5.20.実施例20:化合物(25)(4−フェニル−4−(2H−テトラゾール−5−イル)−1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン)の合成
【化462】

粗化合物(24)を、50mLの絶対エタノール中に取った。これへ、カリウムホルメート(36g;431.1ミリモル)、および10%Pd/C(13g)を添加した。これらを還流下に4時間攪拌した。ついでこの混合物をセリートを通して濾過し、濾過物を乾燥に至るまで濃縮すると、粗化合物(25)を生じた。この材料を、水とエチルアセテートとに区分した。エチルアセテート層を分離し、水で逆流洗浄(backwash)した。これらの水性フラクションを組合わせ、pH<3(濃HCl)に酸性化した。エチルアセテートでの水層の抽出、ついで分離、乾燥(Mg2SO4)、および乾燥に至るまでの濃縮は、実質的に純粋な化合物(25)を生じた。これはさらなる精製を行なわずに用いることができるであろう。25グラムの、生成物である化合物(25)が、白色フォームとして得られた。δH(400MHz,CDCl3):7.51(2H,d,J=8Hz),7.10−7.29(7H,m),3.59(2H,m),2.69(2H,m),2.20−2.38(7H,m),2.37(4H,m)。LC/MS=(85%、tr=2.730分)、m/z=384.1[M+H]+計算:383.48。
【0291】
5.21.実施例21:化合物(26)(2−{5−[4−フェニル−1−(トルエン−4−スルホニル)−ピペリジン−4−イル]テトラゾール−2−イル}−アセトアミドの合成
【化463】

粗化合物(25)(3.5g)を、100mLのアセトン中に取った。これへ、NaI(1.2当量)、K2CO3(1.2当量)、および化合物(11)(2−クロロアセトアミド)(1当量)を添加した。これらを攪拌し、4時間40℃に加温した。この混合物をDI水とエチルアセテートとに区分した。これらの層を分離し、有機物をMg2SO4で乾燥し、濾過し、乾燥に至るまで濃縮した。エチルアセテートを添加し、粗材料を再結晶化すると、3.7gの化合物(26)が白色結晶固体として生じた。収率89%。δH(400MHz,CDCl3):7.61(2H,d,J=8Hz),7.22(7H,m),5.91(1H,bs),5.72(1H,bs),5.20(2H,s),3.69(2H,m),2.85(2H,m),2.53(2H,m),2.40(5H,m)。LC/MS=(100%、tr=2.936分)、m/z=441.1[M+H]+計算:440.16。
【0292】
5.22.実施例22:化合物(5)(2−[5−(4−フェニル−ピペリジン−4−イル)−テトラゾール−2−イル]−アセトアミド)の合成
【化464】

化合物(26)(3.7g;8.39ミリモル)を、60mLの濃硫酸中に懸濁した。これを、8時間115℃に加温した。この混合物を室温に冷却し、10℃で激しく攪拌しつつ、400mLの6M NaOHへ一滴ずつ添加した。LC/MSは、出発原料を示さず、ピークはトシル酸、および所望の生成物である化合物(5)に対応した。この生成物を、エチルアセテート(10×500mL)で抽出した。有機物を、乾燥に至るまで濃縮すると、2.2gの粗化合物(5)を生じた。
【0293】
本発明は、本発明のいくつかの側面の例証として意図されている実施例に開示された、特定の実施形態によって範囲が限定されるわけではない。したがって、本明細書に開示された実施形態と機能的に同等のあらゆる実施形態が、この発明の範囲内にある。実際、本明細書に示され、記載されたものに加えて、本発明の様々な修正例は、当業者には明白になるであろうし、これらは添付クレームの範囲内に入ることが意図されている。
【0294】
いくつかの参考文献が引用されており、これらの全開示は、参照してその全体が本明細書に組み込まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(2):
【化1】

の化合物、またはその塩。
【請求項2】
式(4):
【化2】

の化合物、またはその塩。
【請求項3】
式(9):
【化3】

の化合物、またはその塩。
【請求項4】
式(5):
【化4】

の化合物、またはその塩。
【請求項5】
ナトリウムアジド;亜鉛塩;極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒;および式(1):
【化5】

の化合物を含んでいる組成物。
【請求項6】
前記極性非プロトン性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項7】
前記溶媒が、N−メチルピロリドンと水との混合物を含んでいる、請求項5に記載の組成物。
【請求項8】
前記混合物が、N−メチルピロリドンおよび水を、約10:1のN−メチルピロリドン:水の比で含んでいる、請求項7に記載の組成物。
【請求項9】
前記亜鉛塩が、ZnBr2、ZnCl2、およびZnI2、Zn(ClO42、およびZn(CF3SO32、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項5に記載の組成物。
【請求項10】
極性非プロトン性溶媒;非求核塩基;式II:
【化6】

(式中、nは1〜4の範囲の整数であり、R3およびR4は各々独立して、Hまたは−(C1−C4アルキル)であり、X1は、−Br、−Cl、または−Iである)による構造を有するアルキル化剤、および式(2):
【化7】

の化合物を含んでいる組成物。
【請求項11】
前記極性非プロトン性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項12】
前記非求核塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、および2またはそれ以上のこれらの混合物からなる群から選択される、請求項10に記載の組成物。
【請求項13】
1がBrであり、n=1であり、R3およびR4は各々Hであり、前記非求核塩がカリウムカーボネートであり、前記極性非プロトン性溶媒がジメチルホルムアミドである、請求項10に記載の組成物。
【請求項14】
式(5):
【化8】

の化合物、および式(6):
【化9】

の化合物を含んでいる組成物。
【請求項15】
極性非プロトン性溶媒および非求核塩基もさらに含んでいる、請求項14に記載の組成物。
【請求項16】
前記極性非プロトン性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項17】
前記極性非プロトン性溶媒がジメチルホルムアミドである、請求項16に記載の組成物。
【請求項18】
前記非求核塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、および2またはそれ以上のこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項15に記載の組成物。
【請求項19】
前記非求核塩基がナトリウムカーボネートである、請求項18に記載の組成物。
【請求項20】
式(2):
【化10】

の化合物の製造方法であって、式(1):
【化11】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、化合物(2)を生成する工程を含む方法。
【請求項21】
前記亜鉛塩が、ZnBr2、ZnCl2、およびZnI2、Zn(ClO42、およびZn(CF3SO32からなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記極性非プロトン性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、およびジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
前記極性非プロトン性溶媒がN−メチルピロリドンである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記溶媒が、N−メチルピロリドンと水との混合物を含んでいる、請求項20に記載の方法。
【請求項25】
前記溶媒が、N−メチルピロリドンと水との混合物を、約10:1のN−メチルピロリドン:水の比で含んでいる、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
式(4):
【化12】

の化合物の製造方法であって、式(2):
【化13】

の化合物と式IX:
【化14】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、化合物(4)を生成する工程を含む方法。
【請求項27】
前記極性非プロトン性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記極性非プロトン性溶媒がジメチルホルムアミドである、請求項26に記載の方法。
【請求項29】
前記非求核塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、および2またはそれ以上のこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項26に記載の方法。
【請求項30】
前記非求核塩基がカリウムカーボネートである、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
化合物(7):
【化15】

の製造方法であって、式(5):
【化16】

の化合物と式(6):
【化17】

の化合物とを、非求核塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、化合物(7)を生成する工程を含む方法。
【請求項32】
前記極性非プロトン性溶媒が、N−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、およびこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項31に記載の方法。
【請求項33】
前記極性非プロトン性溶媒がジメチルホルムアミドである、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記非求核塩基が、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ナトリウムカーボネート、カリウムカーボネート、セシウムカーボネート、および2またはそれ以上のこれらの組合わせからなる群から選択される、請求項32に記載の方法。
【請求項35】
前記非求核塩基がナトリウムカーボネートである、請求項34に記載の方法。
【請求項36】
化合物(7):
【化18】

の製造方法であって、
(a)式(2):
【化19】

の化合物と式IX:
【化20】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化21】

の化合物を生じる工程;
(b)式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化22】

の化合物を生じる工程;
(c)式(5)の化合物を化合物7へ転化する工程
を含む方法。
【請求項37】
化合物(7):
【化23】

の製造方法であって、
(a)式(2):
【化24】

の化合物と式IX:
【化25】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化26】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(4)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項38】
化合物(7):
【化27】

の製造方法であって、
(a)式(1):
【化28】

の化合物とナトリウムアジドとを亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化29】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(2)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項39】
化合物(7):
【化30】

の製造方法であって、
(a)式(1):
【化31】

の化合物とナトリウムアジドとを亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化32】

の化合物を生じる工程;
(b)式(2) の化合物と式IX:
【化33】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化34】

の化合物を生じる工程;および
(c)式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化35】

の化合物を生じる工程;および
(d)式(5)の化合物と式(6):
【化36】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させ、
【化37】

これによって化合物(7)が形成される工程
を含む方法。
【請求項40】
化合物(7):
【化38】

の製造方法であって、
(a)式(8):
【化39】

の化合物とナトリウムアジドおよび亜鉛塩とを、水とジオキサンとの混合物を含んでいる溶媒中で反応させて、式(9):
【化40】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(9)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項41】
化合物(7):
【化41】

の製造方法であって、
(a)式(9):
【化42】

の化合物と式(6):
【化43】

の化合物とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で、非求核塩基の存在下に反応させて、式(10):
【化44】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(10)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項42】
化合物(7):
【化45】

の製造方法であって、
(a)式(8):
【化46】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下、水とジオキサンとの混合物を含んでいる溶媒中で反応させて、式(9):
【化47】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(9)の化合物と式(6):
【化48】

の化合物とを非求核塩基の存在下に反応させて、式(10):
【化49】

の化合物を生じる工程;および
(c)式(10)の化合物と式IX:
【化50】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを反応させ、これによって化合物(7):
【化51】

が形成される工程
を含む方法。
【請求項43】
ナトリウムアジド;亜鉛塩;および式(8):
【化52】

の化合物を含んでいる組成物。
【請求項44】
式(9):
【化53】

の化合物、式(6):
【化54】

の化合物、および非求核塩基を含んでいる組成物。
【請求項45】
化合物(7):
【化55】

の製造方法であって、
(a)式(4):
【化56】

の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化57】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(5)の化合物と式(6):
【化58】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させ、これによって化合物(7):
【化59】

が形成される工程
を含む方法。
【請求項46】
化合物(7):
【化60】

の製造方法であって、
(a)式(2):
【化61】

の化合物と式IX:
【化62】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化63】

の化合物を生じる工程;
(b)式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化64】

の化合物を生じる工程;および
(c)式(5)の化合物と式(6):
【化65】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させ、これによって化合物(7):
【化66】

が形成される工程
を含む方法。
【請求項47】
化合物(7):
【化67】

の製造方法であって、
(a)式(10):
【化68】

の化合物と式IX:
【化69】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを反応させ、これによって化合物(7):
【化70】

が形成される工程
を含む方法。
【請求項48】
化合物(7):
【化71】

の製造方法であって、
(a)式(9):
【化72】

の化合物と式(6):
【化73】

の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(10):
【化74】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(10)の化合物と式IX:
【化75】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを反応させ、これによって化合物(7):
【化76】

が形成される工程
を含む方法。
【請求項49】
式(5):
【化77】

の化合物の製造方法であって、
(a)式(2):
【化78】

の化合物と式IX:
【化79】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化80】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化81】

の化合物を生じる工程
を含む方法。
【請求項50】
式(5):
【化82】

による化合物の製造方法であって、
(a)式(1):
【化83】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化84】

の化合物を生じる工程;
(b)式(2)の化合物と式IX:
【化85】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(4):
【化86】

の化合物を生じる工程;および
(c)式(4)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化して、式(5):
【化87】

の化合物を生じる工程
を含む方法。
【請求項51】
式(9):
【化88】

による化合物の製造方法であって、
(a)式(2):
【化89】

の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化し、これによって式(9)の化合物が形成される工程
を含む方法。
【請求項52】
式(9):
【化90】

による化合物の製造方法であって、
(a)式(1):
【化91】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させて、式(2):
【化92】

の化合物を生成する工程;および
(b)式(2)の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化し、これによって式(9)の化合物が形成される工程
を含む方法。
【請求項53】
式(9):
【化93】

による化合物の製造方法であって、式(8):
【化94】

の化合物とナトリウムアジドおよび亜鉛塩とを、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中で反応させ、これによって式(9)の化合物が形成される工程
を含む方法。
【請求項54】
前記溶媒が、ジオキサンと水との混合物を含んでいる、請求項53に記載の方法。
【請求項55】
式(4):
【化95】

の化合物の製造方法であって、
(a)式(1):
【化96】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(2):
【化97】

の化合物を生じる工程;および
(b)式(2)の化合物と式IX:
【化98】

(式中、Xは、Br、Cl、およびIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下、極性非プロトン性溶媒を含んでいる溶媒中に反応させて、化合物(4)を生成する工程
を含む方法。
【請求項56】
式(5):
【化99】

の化合物の製造方法であって、式(4):
【化100】

の化合物を、水素ガスおよび貴金属触媒の存在下に脱ベンジル化し、式(5) の化合物を生じる工程
を含む方法。
【請求項57】
式(20):
【化101】

の化合物、またはその塩。
【請求項58】
式(25):
【化102】

の化合物、またはその塩。
【請求項59】
式XII:
【化103】

の化合物、またはその塩(式中、R5は、
【化104】

および
【化105】

からなる群から選択される)。
【請求項60】
式XIV:
【化106】

の化合物、またはその塩(式中、nは1〜4の整数であり、R3およびR4は各々独立して、水素または−(C1−C4アルキル)であり、R5は、
【化107】

および
【化108】

からなる群から選択される)。
【請求項61】
nは1であり、R3およびR4はどちらも水素であり、R5は、
【化109】

である、請求項60に記載の化合物。
【請求項62】
nは1であり、R3およびR4はどちらも水素であり、R5は、
【化110】

である、請求項60に記載の化合物。
【請求項63】
式(15):
【化111】

の化合物の製造方法であって、式(14):
【化112】

の化合物と式IX:
【化113】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15)を生成する工程
を含む方法。
【請求項64】
式(15)の化合物の製造方法であって、化合物(20):
【化114】

と化合物(21):
【化115】

とを反応させて、式(22):
【化116】

の化合物を生成する工程、
化合物(22)を脱保護して、式(14):
【化117】

の化合物を生じる工程;および式(14)の化合物と式IX:
【化118】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15)を生成する工程
を含む方法。
【請求項65】
式(15)の化合物の製造方法であって、式(8):
【化119】

の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(9):
【化120】

の化合物を生じる工程、
式(9)の化合物と式(12):
【化121】

の化合物とを反応させて、式(14):
【化122】

の化合物を生成する工程、
式(14)の化合物と式IX:
【化123】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15)を生成する工程
を含む方法。
【請求項66】
式(26):
【化124】

の化合物の製造方法であって、式(25):
【化125】

の化合物と式IX:
【化126】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26)を生成する工程
を含む方法。
【請求項67】
式(26):
【化127】

の化合物の製造方法であって、式(20):
【化128】

の化合物と式(23):
【化129】

の化合物とを反応させて、式(24):
【化130】

の化合物を生成する工程、
化合物(24)を脱保護して、式(25):
【化131】

の化合物を生じる工程、および
式(25)の化合物と式IX:
【化132】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26)を生成する工程
を含む方法。
【請求項68】
式(20)の化合物の製造方法であって、式(18):
【化133】

の化合物と式(19):
【化134】

の化合物とを反応させて、式(20)の化合物を生成する工程
を含む方法。
【請求項69】
式(20)の化合物の製造方法であって、式(17):
【化135】


の化合物とナトリウムアジドとを、亜鉛塩の存在下に反応させて、式(18):
【化136】

の化合物を生じる工程、および
式(18)の化合物と式(19):
【化137】

の化合物とを反応させて、式(20)の化合物を生成する工程
を含む方法。
【請求項70】
式(25):
【化138】

の化合物の製造方法であって、式(20):
【化139】

の化合物と式(23):
【化140】

の化合物とを反応させて、式(24):
【化141】

の化合物を生成する工程、および
式(24)の化合物を脱保護して、式(25)の化合物を生成する工程
を含む方法。
【請求項71】
化合物(7):
【化142】

の製造方法であって、式(15):
【化143】

の化合物を脱保護して、式(5):
【化144】

の化合物を生成する工程、および
式(5)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項72】
化合物(7):
【化145】

の製造方法であって、式(26):
【化146】

の化合物を脱保護して、式(5):
【化147】

の化合物を生成する工程、および
式(5)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項73】
化合物(7):
【化148】

の製造方法であって、式(14):
【化149】

の化合物と式IX:
【化150】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15):
【化151】

を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項74】
化合物(7):
【化152】

の製造方法であって、式(25):
【化153】

の化合物と式IX:
【化154】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26):
【化155】

を生成する工程、および
式(26)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項75】
化合物(7):
【化156】

の製造方法であって、式(22):
【化157】

の化合物からクミル保護基を除去して、式(14):
【化158】

の化合物を生成する工程;
式(14)の化合物と式IX:
【化159】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(15):
【化160】

を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項76】
化合物(7):
【化161】

の製造方法であって、式(24):
【化162】

の化合物を脱保護して、式(25):
【化163】

の化合物を生成する工程、
式(25)の化合物と式IX:
【化164】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、化合物(26):
【化165】

を生成する工程、および
式(26)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項77】
化合物(7):
【化166】

の製造方法であって、式(20):
【化167】

の化合物と式(21):
【化168】

の化合物とを反応させて、式(22):
【化169】

の化合物を生成する工程、
式(22)の化合物を脱保護して、式(14):
【化170】

の化合物を生じる工程、
式(14)の化合物と式IX:
【化171】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(15):
【化172】

の化合物を生成する工程、および
式(15)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。
【請求項78】
化合物(7):
【化173】

の製造方法であって、式(20):
【化174】

の化合物と式(23):
【化175】

の化合物とを反応させて、式(24):
【化176】

の化合物を生成する工程、
化合物(24)を脱保護して、式(25):
【化177】

の化合物を生じる工程、
式(25)の化合物と式IX:
【化178】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(26):
【化179】

の化合物を生成する工程、および
式(26) の化合物を化合物(7) へ転化する工程
を含む方法。
【請求項79】
化合物(7):
【化180】

の製造方法であって、式(9):
【化181】

の化合物と式(12):
【化182】

の化合物とを反応させて、式(14):
【化183】

の化合物を生成する工程、
式(14)の化合物と式IX:
【化184】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(15):
【化185】

の化合物を生成する工程、および
式(15) の化合物を化合物(7) へ転化する工程
を含む方法。
【請求項80】
化合物(7):
【化186】

の製造方法であって、式(9):
【化187】

の化合物と式(28):
【化188】

の化合物とを反応させて、式(25):
【化189】

の化合物を生成する工程、
式(25)の化合物と式IX:
【化190】

(式中、Xは、Br、Cl、またはIからなる群から選択される)の化合物とを、非求核塩基の存在下に反応させて、式(26):
【化191】

の化合物を生成する工程、および
式(26) の化合物を化合物(7) へ転化する工程
を含む方法。
【請求項81】
式(35):
【化192】

の化合物、またはその塩。
【請求項82】
式(36):
【化193】

の化合物、またはその塩。
【請求項83】
化合物(7):
【化194】

の製造方法であって、式(20):
【化195】

の化合物と式(35):
【化196】

の化合物とを反応させて、式(36):
【化197】

の化合物を生成する工程、
式(36)の化合物を脱保護して、式(10):
【化198】

の化合物を生じる工程、および
式(10)の化合物を化合物(7)へ転化する工程
を含む方法。

【公表番号】特表2007−519749(P2007−519749A)
【公表日】平成19年7月19日(2007.7.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−551592(P2006−551592)
【出願日】平成17年1月31日(2005.1.31)
【国際出願番号】PCT/US2005/003170
【国際公開番号】WO2005/075455
【国際公開日】平成17年8月18日(2005.8.18)
【出願人】(599108792)ユーロ−セルティーク エス.エイ. (134)
【Fターム(参考)】