説明

4−トリフルオロメチルアゾール類の製造方法

【課題】医農薬およびそれらの合成中間体として有用な4−トリフルオロメチルピラゾール類を、温和な条件で、高選択的に収率良く製造する方法を提供する。
【解決手段】2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類とアミン類を反応させ、一般式(3a)


(式中、RおよびRは、炭素数1〜4のアルキル基等を表す。Xは、酸素原子等を表す。)で表される4−トリフルオロメチルアゾール類を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−トリフルオロメチルアゾール類の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
4−トリフルオロメチルアゾール類は、医農薬およびそれらの合成中間体として重要な化合物である。
4−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール類の製造方法として、例えば特許文献1には、3,5−二置換−1H−ピラゾール類の4位をヨウ素化し、さらに過剰量のヨウ化第一銅の存在下にトリフルオロ酢酸ナトリウムとフッ化カリウムまたはクロロジフルオロ酢酸メチルとフッ化カリウムを反応させる方法が開示されている。また、非特許文献1には、3−置換−5−ヒドロキシ−1,2,3−オキサジアゾリウム分子内塩類と(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピン−1−イル)ベンゼン類を反応さる方法が開示されている。さらに非特許文献2には、N−アリールベンゼンカルボヒドラゾノイルクロライド類と(3,3,3−トリフルオロ−1−プロピン−1−イル)ベンゼン類を反応さる方法が開示されている。
【0003】
4−トリフルオロメチルイソキサゾール類の製造方法としては、非特許文献3にベンゾヒドロキシイミノイルクロライド類と4,4,4−トリフルオロ−2−ブチン酸エステル類を反応させ、4−トリフルオロメチルイソキサゾール類を得る方法が開示されている。
一方、2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類とヒドラジン類またはヒドロキシルアミンを反応させて、4−トリフルオロメチルピラゾール類または4−トリフルオロメチルイソキサゾール類を製造する方法はこれまでに報告例は無い。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】WO2008−105383.
【特許文献2】US3,200,128.
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Journal of Heterocyclic Chemistry,30巻,365ページ,1993年.
【非特許文献2】Journal of Fluorine Chemistry,67巻,183ページ,1994年.
【非特許文献3】Journal of Heterocyclic Chemistry,40巻,575ページ,2003年.
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の方法は、120−150℃の反応温度と12時間−4日の反応時間を必要とし、収率は49−53%程度である。また、非特許文献1および2の方法は、生成物が、4−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール類と5−トリフルオロメチル−1H−ピラゾール類の混合物となる。さらに、非特許文献3の方法も、生成物は、4−トリフルオロメチルイソキサゾール類と5−トリフルオロメチルイソキサゾール類の混合物となる。
本発明は、4−トリフルオロメチルアゾール類を、温和な条件下で高選択的に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
先の課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類とアミン類を反応させることにより、4−トリフルオロメチルアゾール類を温和な条件下で製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。すなわち本発明は、一般式(1)
【0008】
【化1】

(式中、RおよびRは、各々独立に炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を表す。)で表される2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類と、一般式(2)
【0009】
【化2】

(式中、Xは、イミノ基、(炭素数1〜4のアルキル)イミノ基、フェニルイミノ基または酸素原子を表す。)で表されるアミン類を反応させることを特徴とする、一般式(3a)
【0010】
【化3】

(式中、R、RおよびXは、前記と同じ内容を表す。)で表される4−トリフルオロメチルアゾール類および/または一般式(3b)
【0011】
【化4】

(式中、R、RおよびXは、前記と同じ内容を表す。)で表される4−トリフルオロメチルアゾール類の製造方法に関するものである。
【発明の効果】
【0012】
本発明の製造方法を用いることにより、医農薬およびそれらの合成中間体として有用な4−トリフルオロメチルアゾール類を温和な条件で、高選択的に収率良く製造することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
以下に本発明をさらに詳細に説明する。
はじめに、2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類(1)およびアミン類(2)について説明する。
【0014】
およびRで表される炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖または分岐のいずれでもよく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ネオペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基等が例示できる。
2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類(1)としては、具体的には、3−トリフルオロメチル−2,4−ペンタンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−ヘキサンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−ヘプタンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−オクタンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−ノナンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−デカンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−ウンデカンジオン、3−トリフルオロメチル−2,4−ドデカンジオン、2,2,6,6−テトラメチル−3,5−ヘプタンジオン、1−フェニル−2−トリフルオロメチル−1,3−ブタンジオン、1,3−ジフェニル−1,3−プロパンジオン等が例示できる。
XRで表される(炭素数1〜4のアルキル)イミノ基としては、具体的には、メチルイミノ基、エチルイミノ基、プロピルイミノ基、イソプロピルイミノ基、ブチルイミノ基、イソブチルイミノ基、sec−ブチルイミノ基、tert−ブチルイミノ基が挙げられる。
アミン類(2)としては、具体的には、ヒドラジン、メチルヒドラジン、エチルヒドラジン、プロピルヒドラジン、イソプロピルヒドラジン、ブチルヒドラジン、イソブチルヒドラジン、sec−ブチルヒドラジン、tert−ブチルヒドラジン、フェニルヒドラジン、ヒドロキシルアミン等を例示することができる。
【0015】
次に本発明の製造方法について説明する。本発明によれば、4−トリフルオロメチルアゾール類(3a)および/または(3b)は、下式に示す2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類(1)とアミン類(2)の反応で製造することができる。
【0016】
【化5】

(式中、R、RおよびXは、前記と同じ内容を表す。)
本製造法は、有機溶媒中で行うことができる。具体的には、ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、N−メチル−2−ピリドン等のアミド系溶媒、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系溶媒、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶媒、tert−ブチルアルコール、イソプロピルアルコール、エタノール、メタノール、トリフルオロエタノール等のアルコール系溶媒、N,N,N’,N’−テトラメチル尿素、N,N’−ジメチルプロピレン尿素等の尿素系溶媒、水を例示することができ、適宜これらを組み合わせて用いても良い。収率が良い点で、アルコール系溶媒が好ましく、エタノールがさらに好ましい。溶媒の使用量に制限はない。
【0017】
アミン類(2)の使用量に特に制限は無く、2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類(1)に対して1等量以上用いることにより、収率良く目的物を得ることができる。
アミン類(2)がヒドロキシルアミンの場合、収率が良い点で酸の共存下に行うことが好ましい。用いることのできる酸としては、硫酸、塩酸、硝酸等の無機酸、酢酸、トリフルオロ酢酸等の有機酸、モレキュラーシーブ、MCM−41、モンモリロナイト、アルミナ等の固体酸を例示することができる。収率が良い点で無機酸が好ましく、硫酸または塩酸がさらに好ましい。また、ヒドロキシルアミン塩酸塩を用いても収率良く、目的物を得ることができる。
【0018】
酸の添加量に特に限定はないが、2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類(1)に対して1等量以上用いることにより、収率良く目的物を得ることができる。
反応温度は0℃から100℃の範囲から適宜選ばれた温度で行うことができる。収率が良い点で20℃から80℃が好ましい。
【0019】
反応後の溶液から目的物を単離する方法に特に限定はないが、溶媒抽出、カラムクロマトグラフィー、分取薄層クロマトグラフィー、分取液体クロマトグラフィー、再結晶または昇華等の汎用的な方法で目的物を得ることができる。
【実施例】
【0020】
次に本発明を実施例によって詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(実施例1)
【0021】
【化6】

エタノール4.0mL、3−(トリフルオロメチル)−2,4−ペンタンジオン420mg(2.50mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにヒドラジン1水和物125mg(2.50mmol)を加えた。60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、淡黄色固体の3,5−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールを得た(386mg、収率94%)。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.35(6H,q,JHF=1.2Hz),11.47(1H,brs).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ11.4,108.2(q,JCF=36.0Hz),124.0(q,JCF=266.4Hz),143.9.
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−56.1.
MS(m/z):164[M]
(実施例2)
【0022】
【化7】

エタノール3.0mL、3−(トリフルオロメチル)−2,4−ペンタンジオン252mg(1.50mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにメチルヒドラジン69mg(1.5mmol)を加えた。70℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物をジエチルエーテルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色油状の1,3,5−トリメチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(203mg、収率76%)を得た。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.28(3H,q,JHF=0.9Hz),2.32(3H,q,JHF=0.7Hz),3.72(3H,s).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ10.1,12.5,35.8,108.5(q,JCF=35.8Hz),123.9(q,JCF=266.4Hz),139.1(q,JCF=2.8Hz),145.7(q,JCF=2.1Hz).
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−55.8.
MS(m/z):178[M]
(実施例3)
【0023】
【化8】

エタノール10.0mL、3−(トリフルオロメチル)−2,4−ペンタンジオン841mg(5.00mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにフェニルヒドラジン541mg(5.00mmol)を加えた。80℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、淡黄色油状の1−フェニル−3,5−ジメチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(1.11g、収率92%)を得た。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.36(3H,q,JHF=1.3Hz),2.38(3H,q,JHF=1.2Hz),7.36−7.40(2H,m),7.41−7.45(1H,m),7.46−7.51(2H,m).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ11.1,12.5,109.7(q,JCF=35.7Hz),123.9(q,JCF=266.8Hz),125.6,128.4,129.1,138.5,139.6(q,JCF=2.8Hz),147.1.
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−56.0.
MS(m/z):240[M]
(実施例4)
【0024】
【化9】

エタノール3.0mL、1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−ブタンジオン230mg(1.0m0mol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにヒドラジン1水和物50mg(1.0mmol)を滴下した。60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、淡黄色固体の3−フェニル−5−メチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(197mg、収率87%)を得た。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.32(3H,q,JHF=1.4Hz),7.40−7.45(3H,m),7.50−7.55(2H,m),10.72(1H,brs).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ10.8,107.8(q,JCF=36.2Hz),123.6(q,JCF=270.0Hz),128.5,128.7,129.1,130.8,143.5,148.9.
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−53.9.
MS(m/z):226[M]
(実施例6)
【0025】
【化10】

エタノール3.0mL、1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−ブタンジオン230mg(1.00mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにメチルヒドラジン46mg(1.0mmol)を加えた。70℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色油状の1,3−ジメチル−5−フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(84mg、収率35%)と無色油状の1,5−ジメチル−3−フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(84mg、収率35%)を各々得た。
1,3−ジメチル−5−フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.39(3H,q,JHF=1.0Hz),3.63(3H,s),7.31−7.35(2H,m),7.45−7.49(3H,m).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ12.7,36.7,109.3(q,JCF=35.7Hz),123.3(q,JCF=267.0Hz),128.5,128.6,129.5,129.6,143.4(q,JCF=2.9Hz),146.2.
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−54.6.
MS(m/z):240[M]
1,5−ジメチル−3−フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.43(3H,q,JHF=1.2Hz),3.85(3H,s),7.35−7.42(3H,m),7.54−7.59(2H,m).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ10.4,36.3,107.9(q,JCF=35.9Hz),123.6(q,JCF=267.0Hz),128.1,128.3,128.6,132.4,139.8(q,JCF=2.9Hz),149.1(q,JCF=2.1Hz).
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−53.6.
MS(m/z):240[M]
(実施例7)
【0026】
【化11】

エタノール3.0mL、1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−ブタンジオン230mg(1.00mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにフェニルヒドラジン108mg(1.00mmol)を加えた。80℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、淡黄色固体の3−メチル−1,5−ジフェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(190mg、収率63%)を得た。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.49(3H,q,JHF=1.3Hz),7.13−7.18(2H,m),7.21−7.29(5H,m),7.30−7.40(3H,m).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):δ12.9,110.9(q,JCF=35.8Hz),123.3(q,JCF=267.5Hz),125.2,127.8,128.3,128.6,128.8,129.3,130.1,138.9,143.1(q,JCF=3.0Hz),147.6.
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−54.3.
MS(m/z):302[M]
(実施例8)
【0027】
【化12】

エタノール3.0mL、3−トリフルオロメチル−2,4−ノナンジオン180mg(0.80mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにヒドラジン1水和物40mg(0.80mmol)を加えた。60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色油状の5−メチル−3−ペンチル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾールを得た(162mg、収率92%)。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ0.89(3H,t,J=7.0Hz),1.30−1.37(4H,m),1.64(2H,tt,JHF=7.6,7.6Hz),2.35(3H,q,JHF=1.2Hz),2.70(2H,t,J=7.6Hz),10.25(1H,brs).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):11.6,13.8,22.2,25.9,28.8,31.5,107.5(q,JCF=36.0Hz),124.1(q,JCF=266.5Hz).
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−55.6.
MS(m/z):220[M]
(実施例9)
【0028】
【化13】

1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−ブタンジオン230mg(1.00mmol)、ヒドロキシルアミンの50%水溶液61μLおよび硫酸(1.00mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにエタノール4.0mLを加えた。60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色油状の3−メチル−5−フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(148mg、収率65%)を得た。
H−NMR(重クロロホルム,400MHz):δ2.45(3H,q,JHF=1.2Hz),7.47−7.56(3H,m),7.67−7.72(2H,m).
13C−NMR(重クロロホルム,125MHz):11.0(q,JCF=1.5Hz),106.9(q,JCF=38.0Hz),122.1(q,JCF=267.5Hz),126.0,128.4(q,JCF=1.6Hz),128.7,131.4,158.3(q,JCF=1.0Hz),170.2(q,JCF=3.5Hz).
19F−NMR(重クロロホルム,376MHz):δ−55.9.
MS(m/z):227[M]
【0029】
(実施例10)
1−フェニル−2−(トリフルオロメチル)−1,3−ブタンジオン230mg(1.00mmol)およびヒドロキシルアミン塩酸塩69mg(1.0mmol)をアルゴン置換した容器に量り取り、さらにエタノール4.0mLを加えた。60℃で5時間撹拌後、室温まで冷却し、生成物を酢酸エチルに抽出した。有機層を乾燥後、濃縮し、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを用いて精製することにより、無色油状の3−メチル−5−フェニル−4−(トリフルオロメチル)−1H−ピラゾール(116mg、収率51%)を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)
【化1】

(式中、RおよびRは、各々独立に炭素数1〜8のアルキル基またはフェニル基を表す。)で表される2−トリフルオロメチル−1,3−ジケトン類と、一般式(2)
【化2】

(式中、Xは、イミノ基、(炭素数1〜4のアルキル)イミノ基、フェニルイミノ基または酸素原子を表す。)で表されるアミン類を反応させることを特徴とする、一般式(3a)
【化3】

(式中、R、RおよびXは、前記と同じ内容を表す。)で表される4−トリフルオロメチルアゾール類および/または一般式(3b)
【化4】

(式中、R、RおよびXは、前記と同じ内容を表す。)で表される4−トリフルオロメチルアゾール類の製造方法。


【公開番号】特開2013−23477(P2013−23477A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−160471(P2011−160471)
【出願日】平成23年7月22日(2011.7.22)
【出願人】(000173762)公益財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(591180358)東ソ−・エフテック株式会社 (91)
【Fターム(参考)】