説明

4−ヒドロキシ安息香酸及び選択された殺有害生物剤の結晶複合体

本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及び選択された殺有害生物剤の結晶複合体に関する。本発明は、該複合体の農業上有用な組成物にも関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及び選択された殺有害生物剤の結晶複合体に関する。本発明は、該複合体の農業上有用な組成物にも関する。
【背景技術】
【0002】
有機化合物の結晶複合体は、共結晶とも呼ばれるが、25℃で通常固体であるか、少なくとも不揮発性油(25℃で蒸気圧1ミリバール未満)である少なくとも2種の異なる有機化合物からなる多成分結晶又は結晶性物質である。結晶複合体(又は共結晶)において、少なくとも2種の異なる有機化合物は、明確な結晶構造を有する結晶性物質を形成する、即ち、少なくとも2種の有機化合物は、明確な相対的空間的配置を、結晶構造内に有する。
【0003】
共結晶において、少なくとも2種の異なる化合物は、非共有結合、水素結合、及び/又はπ-スタッキング、双極子間相互作用及びファン・デル・ワールス相互作用を含めた他の非共有分子間力によって相互に作用する。
【0004】
結晶格子における充填は、設計又は予想することができないが、いくつかの超分子シントンは、共結晶において首尾よく確認することができた。「超分子シントン」という用語は、非共有相互作用、最も一般的な場合、水素結合によって一緒に結合している通常2種の化合物の実体として理解される必要がある。共結晶において、これらのシントンは、結晶格子においてさらに密集して分子結晶を形成する。分子認識は、シントンの形成の一つの状態である。しかし、共結晶は、エネルギー的に有利でなければならないこと、即ち、共結晶の形成においてエネルギーがまさることが、同様に求められる。なぜなら、分子は、純粋な成分の結晶として非常に効率よく密集し、従って、共結晶形成を妨げやすいからである。
【0005】
共結晶において、有機化合物の一方は、共結晶フォーマー(co-crystal former)、即ち、それ自体容易に結晶性物質を形成し、それら自体では必ずしも結晶相を形成することがない他の有機化合物と共結晶を形成し得る化合物として役立ち得る。
【0006】
殺菌剤、除草剤及び殺虫剤又は殺ダニ剤などの農業的に活性な有機化合物(殺有害生物剤)は、一般的に、1種又は複数の農業的に活性な有機化合物及び好適な製剤添加剤を含む液剤又は固形剤として市販されている。いくつかの理由で、農業的に活性な有機化合物が、固体状態で存在する製剤タイプが好ましく、例には、粉剤、粉末又は粒剤などの固形剤及び懸濁製剤、即ち、水性媒体中に分散された微粒子として殺有害生物剤を含有する水性組成物又はサスポエマルション製剤、即ち、水性媒体中に分散された微粒子としての殺有害生物剤及び有機溶媒中に可溶化されたさらなる殺有害生物剤を含有する水性組成物などの液剤が含まれる。懸濁製剤又はサスポエマルション製剤は、注ぐことができ、又はポンプで注入することができ、施用に必要な所望の濃度に容易に水で希釈することができる液体の望ましい特性を有する。エマルション製剤と対照的に、懸濁製剤は、水に非混和性の有機溶媒の使用を必要としない付加的な利点を有する。サスポエマルション製剤は、同じ濃縮物中に2種以上の殺有害生物剤を配合する可能性を提供するという利点を有し、微粒子の形態で存在する第一の活性剤に加えて、第二の活性剤が、有機液体中に可溶化されて存在し得る。
【0007】
粒剤、粉末又は任意の他の固形の製剤などの固形剤は、殺有害生物剤を、より高い濃度で配合することができるという利点を有し、このことは、より低い製造及び包装費用の利点を提供する。
【0008】
このような固体状態の製剤の目的について、農業的に活性な有機化合物は、十分に高い融点を有する結晶性物質でなければならない。
【0009】
残念なことに、多数のこれらの有機化合物は、微粒子のケーキング及び沈殿によって、加工上の難しさ、製剤の不安定性、及び施用の不信頼性をもたらす非晶質物質である。
【0010】
固体殺有害生物剤を含む液剤と関連したさらなる一問題は、経時変化で大きな結晶を形成し(「オズワルド熟成(Oswald ripening)」)、固体殺有害生物剤粒子の増加した沈殿をもたらし、従って、不安定性、加工上の困難及び用途の不信頼性をもたらす結晶性物質の傾向に由来する。ここで、同様に、殺有害生物剤の結晶変化の形態は、製剤における殺有害生物剤の挙動に影響を与えることがあり、種々の末端用途特性をもたらすことさえあり得る。例えば、殺有害生物剤共結晶に対しての純粋な殺有害生物剤結晶の異なる形状が、経時変化プロセスに影響を与え得る。それぞれの粒剤、粉末、又は他の固形の製剤又は懸濁製剤又はサスポエマルション製剤を、35℃を上回る、特に40℃を上回る高温で貯蔵する場合、これらの問題は、最も深刻になる。
【0011】
多くの殺有害生物剤が、不十分な低融点を有する。しかし、低融点は、特に殺有害生物剤のピラクロストロビンの場合、懸濁製剤及びサスポエマルション製剤又は粒剤の現行の製剤化プロセスを悪化するばかりでなく、最終製剤の安定性に悪影響も与えることがある。
【0012】
融点を増加させることによって、この問題に解決がもたらされる。
【0013】
融点増加の問題に加えて、製剤化学者が直面しているさらなる課題が存在する。
【0014】
同様に満足のいく殺有害生物作用を示す安定な殺有害生物製剤を開発することは、当業者にとっての難問である。製剤化技術における主要なパラメーターは、製剤それ自体及び製剤の施用形態、例えば、それぞれの製剤が、水で希釈されるタンクミックスの両方における殺有害生物剤の物理化学的性質の制御である。一方、それぞれの標的生物又は植物の防除に必要な殺有害生物剤の高い効能は、製剤化技術によって制御されない場合、非標的生物又は農薬的に有用な植物に対する毒性などの有害副作用を有することがある。殺有害生物剤のさらなる望ましくない物理化学的性質は、分解、蒸発及び浸出のような工程による崩壊である。従って、目的は、殺有害生物剤が、有用な標的生物に対する植物毒性又は毒性などの望ましくない副作用を同時に回避しながら、安定な製剤濃縮物で十分に利用可能になるように、物理化学的パラメーターを制御することである。
【0015】
残念なことに、殺有害生物剤の物理化学的性質を改変するために当業者に利用可能な技術は、極めて限られている。
【0016】
例えば、上記に記載された望ましくない側面を高濃度で有する、殺有害生物剤の利用能の減少は、カプセル化技術によって達成し得る。しかし、これらの技術は、技術的手段又はこのような技術の結果として生ずる価格のいずれかによって、市販製品に変化することは、極めて困難であることがわかっている(例えば、シクロデキストリンによる錯化の場合のように)。
【0017】
製剤化技術によって殺有害生物剤の利用能を増加又は減少することは、一層より困難である。殺有害生物剤の減少した利用能は、残余の殺有害生物剤の地下水中への浸出を防ぎ得るので、所望の性質を有し得る。
【0018】
結晶複合体の形成は、(殺有害生物剤の好適なコフォーマー(co-former)との錯化によって変化した水溶解度、融点、蒸気圧などの)その物理化学的性質を修正することによって、製剤中の殺有害生物剤の利用能及び安定性の増加又は減少を誘発するための、さらなる潜在的な道具として過去数年にわたり論じられてきた。
【0019】
しかし、たいていの場合、多くの殺有害生物剤の好適な結晶複合体は、当技術分野で知られてなく、それらは、現在使用されている殺有害生物剤について見つけることが非常に困難であり、複合体の物理化学的性質は、予想可能ではないので、この選択は、たいてい理論上のことである。
【0020】
さらに、すべての殺有害生物剤にとって、単独の殺有害生物剤に比べて増加した殺有害生物作用(例えば、殺菌又は除草作用)は、これによって用量率の低減がもたらされ得るので非常に望ましい。
【0021】
さらに、すべての殺有害生物剤にとって、種子処理の分野における発芽率へのプラスの影響、例えば、少なくとも3%、より好ましくは、少なくとも5%の発芽率の増加をもたらし得る低減された植物毒性は、農業者にとって非常に望ましい特性である。
【0022】
従って、純粋な殺有害生物剤の固体の改変と比べて、改変された物理化学的特性を有する殺有害生物剤の新規な結晶複合体を見出すことの継続的なニーズが、当技術分野において存在する。
【0023】
ピラクロストロビン及びボスカリドの結晶形態は、知られている。これらの結晶形態を懸濁製剤に使用することが、さらに知られている(国際公開第06/136357号及び国際公開第04/072039号)。しかし、同様にこれらの場合、修正された物理化学的特性は、それらが、熟練した配合化学者に、市場で現在使用されているものに比べて一層より良い製剤を開発するための新たなツールを提供するので、高く評価される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】国際公開第06/136357号
【特許文献2】国際公開第04/072039号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
従って、本発明の目的は、
a)その水溶解度を減少させることによる殺有害生物剤の減少した利用能;及び/又は
b)殺有害生物剤の増加した利用能;及び/又は
c)増加した融点及び/又は
d)製剤における高められた安定性;及び/又は
e)結晶の形態の変化;及び/又は
f)減少した蒸気圧及び/又は
g)高められた殺有害生物作用及び/又は
h)増加した発芽率
を示す市販使用されている殺有害生物剤の新規な結晶複合体を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0026】
この目的は、
(I)4-ヒドロキシ安息香酸及び
(II)ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、テブコナゾール、イマゼタピル、イマザモックス、アセタミプリド及びボスカリドから選択される1種の殺有害生物剤;
を含む新規な結晶複合体の提供によって解決され、
ここで、各複合体は、前述の性質a)、b)、c)、d)、e)、f)又はg)の少なくとも一つ、好ましくは、前述の性質a)、c)、d)、e)、h)の少なくとも一つ、特には、前述の性質a)、c)及びh)の少なくとも一つを示す。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】複合体I(ピラクロストロビン:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図2】複合体II(エポキシコナゾール:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図3】複合体III(テブコナゾール:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図4】複合体IV(ボスカリド:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図5】複合体V(イマゼタピル:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図6】複合体VI(イマザモックス:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図7】複合体VII(アセタミプリド:4-ヒドロキシ安息香酸)のPXRDである。
【図8】複合体IのDSCトレースである。
【図9】複合体IIのDSCトレースである。
【図10】複合体IIIのDSCトレースである。
【図11】複合体IVのDSCトレースである。
【図12】複合体VIIのDSCトレースである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
各複合体の技術的利点についてのさらなる詳細を以下に記載する。
【0029】
4-ヒドロキシ安息香酸は、一つの無水物結晶形及び一つの水和物を有することが知られている(それぞれ、Acta Crystallogr., Sect. C:Cryst. Struct. Commun. 1992年、48巻、1960頁及びActa Crystallogr., Sect. B:Struct. Crystallogr. Cryst. Chem.、1979年、35巻、2177頁に報告されている)。同様に、4-ヒドロキシ安息香酸の溶媒和物及び共結晶が、中性化合物及びイオン化合物の両方で報告されている(α-シクロデキストリンp-ヒドロキシ安息香酸三水和物についてK. Harata(1977年) Bull. Chem. Soc. Jpn.、50巻、1416頁;2-アミノ-4,6-ジメチルピリミジン4-ヒドロキシ安息香酸についてK. Balasubramaniら(2006年)、Acta Crystallogr.、Sect. E:Struct. Rep. Online、62,o2907;トリス(ヘキサデシル-トリメチルアンモニウム)三臭化物p-ヒドロキシ安息香酸一水和物についてK. Sawadaら(1998年) Bull. Chem. Soc. Jpn.、71巻、2109頁;デシル(トリメチル)アンモニウム臭化物p-ヒドロキシ安息香酸一水和物についてK. Sawadaら(1998年)Bull. Chem. Soc. Jpn.、71巻、2109頁;R.E. Marsh、A.L. Spek(2001年)、Acta Crystallogr.、Sect. B:デシル(トリメチル)アンモニウム臭化物p-ヒドロキシ安息香酸一水和物についてStruct. Sci.、57巻、800頁;(2-オキソ-1-ピロロジニル)アセトアミドp-ヒドロキシ安息香酸についてP. Vishweshwarら(2005年)Chem. Commun.、4601;4-ヒドロキシ-2-メチル-N-(2-ピリジル)-2H-1,2-ベンゾチアジン-3-カルボキサミド-1,1-ジオキシド4-ヒドロキシ安息香酸クラスレートについてS.L. Childs、K.I. Hardcastle(2007年) Cryst. Growth Des.、7巻、1291頁;ヘキサメチレンテトラミン4-ヒドロキシ安息香酸についてK. Goshら(2005年)、J. Mol. Struct.,434巻、201頁;Jian-Rong Su、Duan-Jun Xu(2005年)、Acta Crystallogr.、Sect.E:Struct. Rep. Online、61、m1738;シス-アクア-クロロ-ビス(1,10-フェナントロリン)-ニッケル(ii)クロリド4-ヒドロキシ安息香酸二水和物;連鎖(catena)-((u3-3-(4-カルボキシラトフェノキシ)プロピオナト-k5O,O':O':O'',O''')-(2,2'-ビピリジン-k2N,N')-カドミウム(ii)4-ヒドロキシ安息香酸溶媒和物半水和物)についてLi-Li Kong、Shan Gao、Li-Hua Huo、S.W.Ng.(2007年)、Acta Crystallogr.、Sect.E:Struct.Rep.Online、63、m2938;E.A. Heath、P. Singh、Y. Ebisuzaki(1992年)、Acta Crystallogr., Sect. C:Cryst. Struct. Commun.、48巻、1960年、「p-ヒドロキシ安息香酸」;ビス(p-ヒドロキシ安息香酸)アセトン溶媒和物についてE.A. Heath、P. Singh、Y. Ebisuzaki(1992年) Acta Crystallogr., Sect. C:Cryst. Struct. Commun., 48巻,1960年;カリウム水素ジ(p-ヒドロキシベンゾエート)一水和物についてL. Manojlovic(1968年)、Acta Crystallogr., Sec. B:Struct. Crystallogr. Cryst. Chem.、24巻、326頁;テオフィリン4-ヒドロキシ安息香酸についてS.L. Childs、G.P. Stahly、A. Park(2007年) Mol. Pharmaceutics、4巻,323頁;トリス(1,10-フェナントロリン-N,N')-鉄(ii)クロリドp-ヒドロキシベンゾエートビス(p-ヒドロキシ安息香酸)七水和物についてM.J. Zaworotko、H. H. Hammud、V. Ch. Kravtsov(2007年)、J. Chem. Cryst., 37巻,219頁;4-オキシ-2-メチル-N-(ピリジニウム-2-イル)-2H-1,2-ベンゾチアジン-3-カルボキサミド-1,1-ジオキシド4-ヒドロキシ安息香酸クラスレートについてS.L. Childs、K.I. Hardcastle(2007年) Cryst. Growth Des., 7巻、1291頁;ビス(4-ヒドロキシ安息香酸)2, 3, 5, 6-テトラメチルピラジンについてB.R. Sreekanth、P. Vishweshwar、K. Vyas(2007年)、Chem. Comm.、2375;ビス(4-ヒドロキシ安息香酸)2,3,5,6-テトラメチルピラジンについてB. R. Sreekanth、P. Vishweshwar、K. Vyas(2007年)、Chem. Comm.、2375;C.B. Aakeroyら(2006年)、New J Chem.、30巻、1452頁- 2-アミノ-4-メチル-6-(3-ピリジル)ピリミジン4-ヒドロキシ安息香酸;p-ヒドロキシ安息香酸一水和物についてK. Fukuyamaら(1973年)、Bull. Chem. Soc. Jpn.、46巻、804頁;p-ヒドロキシ安息香酸一水和物についてM. Colapietroら(1979年)、Acta Crystallog., Sect. B:Struct. Crystallogr. Cryst. Chem.、35巻、2177頁;p-ヒドロキシ安息香酸一水和物についてTiane-Jye Hsiehら(2005年)J. Mol. Struct.、741巻、193頁;1,4-ビス(カルボキシラトメチル)-1,4-ジメチルピペラジニウムビス(p-ヒドロキシ安息香酸)についてZ. Dega-Szafranら(2006年)、J. Mol. Struct.、797巻、82頁;N-メチルモルホリンベタイン4-ヒドロキシ安息香酸についてZ. Dega-Szafranら(2003年)J. Mol. Struct.、649巻、257頁;(1,4-ジメチルピペラジン-1-イウム-1-イル)アセテート4-ヒドロキシ安息香酸についてZ. Dega-Szafranら(2006年)、J. Mol. Struct.、785巻、160頁;p-ヒドロキシ安息香酸ピペリジニウム-3-カルボン酸塩についてZ. Dega-Szafranら(2007年)、Pol. J. Chem.、81巻、931頁;N-メチルピペリジンベタインp-ヒドロキシ安息香酸についてZ.Dega-Szafran(2008年)、J. Mol. Struct.、875巻、346頁;4-ヒドロキシ安息香酸イソニコチンアミドについてP. Vishweshwarら(2003年)、CrystEngComm、5巻、164頁;4-(2-フェニルイミダゾール-1-イル)メチルピリジン4-ヒドロキシ安息香酸についてC.B. Aakeroyら(2007年)、Chem. Sommun.、3936;ジアセタミド4-ヒドロキシ安息香酸クラスレートについてM.C. Etterら(1991年)J. Am. Chem.Soc.、113巻、2586頁;ビス(セフラジン)4-ヒドロキシ安息香酸四水和物についてG.J.Kempermanら(2001年)Eur. J. Org. Chem.、3641;ピリジン4ヒドロキシ安息香酸についてLin-Heng Wei(2006年)、Acta Crystallogr.、Sect. E:Struct. Rep. Online, 62, o4506;ルビジウム水素ジ-p-ヒドロキシベンゾエート一水和物についてSkinner、Speakman(1951年) J. Chem. Soc.,185;2-アミノ-4,6-ジメチルピリミジン4-ヒドロキシ安息香酸についてK. Balasubramaniら(2006年)、Acta Crystallogr., Sect. E:Struct. Rep. Online, 62, o2907;(2-オキソ-1-ピロリジニル)アセトアミドp-ヒドロキシ安息香酸についてP.Vishweshwarら(2005年)Chem. Commun.、4601;4-ヒドロキシ-2-メチル-N-(2-ピリジル)-2H-1,2-ベンゾチアジン-3-カルボキサミド-1,1-ジオキシド4-ヒドロキシ安息香酸クラスレートについてS.L.Childsら(2007年)Cryst. Growth Des.、7巻、1291頁、ヘキサメチレンテトラミン4-ヒドロキシ安息香酸についてK.Ghoshら(2005年)、J. Mol. Struct.、737巻、201頁;p-ヒドロキシ安息香酸についてE. A. Heathら(1992年)、Acta Crystallogr., Sect. C:Crysta. Struct. Commun.、48巻、1960;テオフィリン4-ヒドロキシ安息香酸についてS.L.Childsら(2007年)、Mol. Pharmaceutics、4巻、323頁;4-オキシ-2-メチル-N-(ピリジニウム-2-イル)-2H-1,2-ベンゾチアジン-3-カルボキサミド-1,1-ジオキシド4-ヒドロキシ安息香酸クラスレートについてS.L.Childs、K.I.Hardcastle(2007年)、Cryst. GrowthDes.、7巻、1291頁;ビス(4-ヒドロキシ安息香酸)2,3,5,6-テトラメチルピラジンについてB.R.Sreekanthら(2007年)Chem. Commun.、2375;ビス(4-ヒドロキシ安息香酸)2,3,5,6-テトラメチルピラジンについてB.R.Sreekanthら(2007年)Chem. Commun.、2375;2-アミノ-4-メチル-6-(3-ピリジル)ピリミジン4-ヒドロキシ安息香酸についてC.B.Aakeroyら(2006年)New J. Chem.、30巻、1452頁;1,4-ビス(カルボキシラトメチル)-1,4-ジメチルピペラジニウムビス(p-ヒドロキシ安息香酸)についてZ. Dega-Szafranら(2006年)J. Mol. Struct.、797巻、82頁;M-メチルモルホリンベタイン4-ヒドロキシ安息香酸についてZ.Dega-Szafranら(2003年)J. Mol. Struct.、649巻、257頁;(1,4-ジメチルピペラジン-1-イウム-1-イル)アセテート4-ヒドロキシ安息香酸についてZ.Dega-Szafranら(2006年)J. Mol. Struct.、785巻、160頁;p-ヒドロキシ安息香酸ピペリジニウム-3-カルボン酸塩についてZ.Dega-Szafranら(2007年)Pol. J. Chem.、81巻、931頁;N-メチルピペリジンベタインp-ヒドロキシ安息香酸についてZ.Dega-Szafranら(2008年)J. Mol. Struct.、875巻、346頁;4-ヒドロキシ安息香酸イソニコチンアミドについてP.Vishweshwarら(2003年)CrystEngCommun、5巻、164頁;4-(2-フェニルイミダゾール-1-イル)メチルピリジン4-ヒドロキシ安息香酸についてC.B.Aakeroyら(2007年)Chem. Commun.、3936及びジアセタミド4-ヒドロキシ安息香酸クラスレートについてM.C. Etter、S.M.Reutzel(1991年) J. Am. Chem. Soc.、113巻、2586頁)。国際公開第08/117060号は、殺有害生物剤のカルボン酸基を含むコフォーマーとの共結晶を開示している。しかし、4-ヒドロキシ安息香酸の、記載された殺有害生物剤との、特に本発明の殺有害生物剤との共結晶は存在しなかった。
【0030】
ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、テブコナゾール、イマゼタピル、イマザモックス、ボスカリド及びアセタミプリド並びにそれらの殺有害生物作用及びそれらを生成する方法は、一般的に知られている。例えば、市販の化合物は、いくつかある刊行物の中でThe Pesticide Manual、第14版、British Crop Protection Council(2006年)に見出すことができる。
【0031】
前述の殺有害生物剤のいずれかと4-ヒドロキシ-安息香酸との共結晶は、未だ記載されていない。
【0032】
従って、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体I」と呼ばれる)。
【0033】
さらなる一実施形態において、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体II」と呼ばれる)。
【0034】
さらなる一実施形態において、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びテブコナゾールを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体III」と呼ばれる)。
【0035】
さらなる一実施形態において、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びボスカリドを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体IV」と呼ばれる)。
【0036】
さらなる一実施形態において、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体V」と呼ばれる)。
【0037】
さらなる一実施形態において、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体VI」と呼ばれる)。
【0038】
さらなる一実施形態において、本発明は、4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドを含む結晶複合体に関する(以下で、「複合体VII」と呼ばれる)。
【0039】
特に、複合体Iは、結晶性殺有害生物剤の融点に比べて著しく増加した融点を示し、結晶性ピラクロストロビン単体に比べて、SC及び/又はSE製剤又は粒剤の生成を容易にする。複合体Iは、複合体単体に存在する殺有害生物剤に比べて、増加した発芽率も提供する。
【0040】
複合体IIは、結晶性殺有害生物剤の融点に比べて増加した融点を示し、結晶性エポキシコナゾール単体に比べて、SC及び/又はSE又は粒剤の生成を促進する。
【0041】
複合体IIIは、結晶性殺有害生物剤の融点に比べて著しく増加した融点を示し、結晶性テブコナゾール単体に比べて、SC及び/又はSE製剤の生成を促進する。
【0042】
複合体Vは、結晶性殺有害生物剤の水中の溶解度に比べて、著しく減少した水中の溶解度を示し、上記の理由のため有利である。複合体VIIは、結晶性殺有害生物剤の融点に比べて増加した融点を示し、結晶性アセタミプリド単体に比べてSC及び/又はSE製剤又は粒剤の生成を促進する。複合体VIIは、結晶性殺有害生物剤の水中の溶解度に比べて著しく減少した水中の溶解度も示し、結晶性アセタミプリド単体に比べて製剤の安定性が増加する。
【0043】
好ましいのは、結晶複合体I、II及びVIIであり、より好ましいのは、複合体I及びIIであり、最も好ましいのは、複合体Iである。
【0044】
さらに、このような結晶複合体の製剤は、特に、個別の固体化合物として、4-ヒドロキシ安息香酸及びそれぞれの殺有害生物剤IIの混合物を含有する製剤と比べて増加した安定性を示す。
【0045】
複合体Iにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とピラクロストロビンのモル比は、一般的に2:1から1:2まで、好ましくは1.5:1から1:1.5までの範囲にあり、特には1:1である。
【0046】
しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0047】
複合体IIにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とエポキシコナゾールのモル比は、一般的に2:1から1:2まで、好ましくは1.5:1から1:1.5までの範囲にあり、特には1:1である。
【0048】
しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0049】
複合体IIIにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とテブコナゾールのモル比は、一般的に10:1から1:10まで、好ましくは4:1から1:4まで、より好ましくは2:1から1:2まで(例えば、1:2、2:1、1:1などの比)の範囲にある。
【0050】
しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0051】
複合体IVにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とボスカリドのモル比は、一般的に10:1から1:10まで、好ましくは4:1から1:4まで、より好ましくは2:1から1:2まで(例えば、1:2、2:1、1:1などの比)の範囲にある。
【0052】
しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0053】
複合体Vにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とイマゼタピルのモル比は、一般的に10:1から1:10まで、好ましくは4:1から1:4まで、より好ましくは2:1から1:2まで(例えば、1:2、2:1、1:1などの比)、特には1.5:1から1:1.5までの範囲にあり、特には1:1である。しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0054】
複合体VIにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とイマザモックスのモル比は、一般的に10:1から1:10まで、好ましくは4:1から1:4まで、より好ましくは2:1から1:2まで(例えば、1:2、2:1、1:1などの比)の範囲にある。しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0055】
複合体VIIにおいて、4-ヒドロキシ安息香酸とアセタミプリドのモル比は、一般的に10:1から1:10まで、好ましくは4:1から1:4まで、より好ましくは2:1から1:2まで(例えば、1:2、2:1、1:1などの比)の範囲にある。しかし、偏差は、生じることがあるが、それらは、一般的に20モル%を超えず、好ましくは10モル%を超えない。
【0056】
結晶複合体は、結晶性4-ヒドロキシ安息香酸及びそれぞれの殺有害生物剤の単純混合物から、X線粉末回折法(PXRD)、単結晶X線回折(十分な品質の単結晶が利用可能な場合)並びに熱重量分析(TGA)及び示差走査熱量測定(DSC)などの熱化学解析又は固体NMR(例えば、13C CPMAS)、FT-IR若しくはラマンなどの分光法を含めた結晶性物質の分析に使用される標準の分析手段によって識別することができる。4-ヒドロキシ安息香酸及びそれぞれの殺有害生物剤の相対量は、例えばHPLCによって又は1H-NMR-分光法によって求めることができる。
【0057】
さらに、各複合体の詳細を以下に記載する。
【0058】
4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの結晶複合体(複合体I)は、純粋化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表1に与えられた以下の反射の少なくとも五つ、好ましくは少なくとも七つ、特に少なくとも九つ、より好ましくは全てを示す。
【表1】

【0059】
結晶複合体Iは、一般的に114から120℃までの範囲の、特に114から116℃までの範囲の融点を有する。
【0060】
4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの結晶複合体(複合体II)は、純粋な化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表1に与えられた以下の反射の少なくとも五つ、好ましくは少なくとも七つ、特に少なくとも九つ、より好ましくは全てを示す。
【表2】

【0061】
複合体IIの単結晶構造を、-170℃において求めた。4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの結晶複合体の結晶構造は、単斜結晶系を有し、空間群はP 21/Cである。結晶学的パラメーターが表4に記載されている。
【0062】
構造解析によって、結晶複合体は、それぞれ4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの1分子を含有する非対称ユニットを有する4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの1:1混合物であることが明らかにされた。結晶中の4-ヒドロキシ安息香酸分子及びエポキシコナゾール分子の空間的配置は、主として、2個の4-ヒドロキシ安息香酸分子間における水素結合及び同様に4-ヒドロキシ安息香酸分子及びエポキシコナゾール分子の間における水素結合によって決められているように考えられる。
【0063】
結晶複合体IIは、一般的に149から155℃までの範囲の、特に149から153℃までの範囲の融点を有する。
【0064】
4-ヒドロキシ安息香酸及びテブコナゾールの結晶複合体(複合体III)は、純粋な化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びテブコナゾールの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表1に与えられた以下の反射の少なくとも四つ、好ましくは少なくとも六つ、特に少なくとも八つ、より好ましくは全てを示す。
【表3】

【0065】
結晶複合体IIIは、一般的に148から153℃までの範囲の、特に148から149℃までの範囲の融点を有する。
【0066】
4-ヒドロキシ安息香酸及びボスカリドの結晶複合体(複合体IV)は、純粋な化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びボスカリドの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表1に与えられた以下の反射の少なくとも五つ、好ましくは少なくとも七つ、特に少なくとも九つ、より好ましくは全てを示す。
【表4】

【0067】
結晶複合体IVは、一般的に145から155℃まで、特に148から150℃までの融点を有する。
【0068】
結晶複合体の融点は、従って、ボスカリドの融点より約10℃高い。
【0069】
4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルの結晶複合体(複合体V)は、純粋な化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表1に与えられた以下の反射の少なくとも四つ、好ましくは少なくとも六つ、特に少なくとも八つ、より好ましくは全てを示す。
【表5】

【0070】
結晶複合体Vは、一般的に152から161℃までの範囲の、特に153から159℃までの範囲の融点を有する。
【0071】
4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの結晶複合体(複合体VI)は、純粋な化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表1に与えられた以下の反射の少なくとも四つ、好ましくは少なくとも六つ、特に少なくとも八つ、より好ましくは全てを示す。
【表6】

【0072】
結晶複合体VIは、一般的に145から155℃までの範囲の、特に148から150℃までの範囲の融点を有する。
【0073】
4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの結晶複合体(複合体VII)は、純粋な化合物の特徴的な反射が欠けている25℃におけるX線粉末回折(Cu-Kα放射線、1.54060Å;)を示す。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの結晶複合体は、2θ値又は格子面間隔dとして以下の表11に与えられた以下の反射の少なくとも四つ、好ましくは少なくとも六つ、特に少なくとも八つ、より好ましくは全てを示す。
【表7】

【0074】
本発明は、好適な溶媒で4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤(II)を混合するステップを含む、前述の主張のいずれかに定義された本発明の共結晶又は複合体を調製するプロセスも含む。
【0075】
以下で「溶液プロセス」と呼ばれる本発明の一実施形態において、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤を、好適な溶媒に完全に溶解し、ここで、第二のステップにおいて、共結晶化が、冷却(「冷却プロセス」)又は蒸発(「蒸発プロセス」)又は沈殿(「沈殿プロセス」)によって誘発される。
【0076】
以下で「剪断プロセス」と呼ばれる本発明のさらなる一実施形態において、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを、組み合わせた殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸に剪断力を適用することによって一緒に混合する。
【0077】
以下で「スラリープロセス」と呼ばれる本発明のさらなる一実施形態において、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIが、好適な溶媒中に懸濁化される。
【0078】
調製プロセスの変形の全てにおいて、プロセスに使用されるそれぞれの液体媒体は、適切ならば、農薬製剤中に一般的に存在する添加剤も含むことができる。好適な添加剤は、以下に記載されており、界面活性剤、特にアニオン性又は非イオン性乳化剤、作物保護組成物に一般的に使用される湿潤剤及び分散剤、さらには消泡剤、不凍剤、pH調製剤、安定剤、固化防止剤、染料及び殺生剤(保存剤)を含む。個別の成分の量は、最終の製剤タイプに応じて変わる。これらの助剤の例は、以下に記載されている。
【0079】
a)上記に記載されたように、「溶液プロセス」は、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸が、特定の温度で溶媒系に完全に溶解され、共結晶の結晶化が、冷却、蒸発又は沈殿プロセスのいずれかによって誘発されるプロセスとして理解されるべきである。
【0080】
本明細書で、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸の飽和溶液は、高温で別々に調製することができる(例えば、ピラクロストロビンの場合、50から120℃までの範囲、他の殺有害生物剤IIの場合、これらの温度は、より高くなることがあり、エポキシコナゾール、テブコナゾール、ボスカリド、イマゼタピル及びイマザモックスの場合、50から150℃までの範囲である)。後に、両方の溶液を、同じ温度で混合し、0から20℃まで、好ましくは3から8℃まで(例えば、5℃)冷却することができる。得られる懸濁液に存在する結晶複合体は、得られる懸濁液から従来の技術(例えば、濾過)によって分離することができる。このプロセスは、以下で、「冷却プロセス」と呼ばれる。殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸は、それらを、高温で、同時に同一容器中で溶解し、次いで、上述の冷却プロセスを適用することによっても溶液にすることができる。本明細書で、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸の絶対量及び割合は、例えば、化合物の溶解性を考慮した、対応する溶媒系における系の状態図、共結晶の割合並びに多形及び溶媒和物形成の可能性に応じて、個別的に選択する必要がある。好ましい溶媒は、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIが、類似の溶解度を有するものである。類似の溶解度は、溶媒又は溶媒系における個別の化合物の溶解度が、好ましくは20の倍数を上回らず、より好ましくは10の倍数を上回らず、特には5の倍数を上回らずに異なることを意味する。
【0081】
以下では「蒸発プロセス」と呼ばれる蒸発結晶化において、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸の溶液は、以下の差異を除き、冷却プロセス結晶化について記載された条件に従って調製される。
【0082】
1.蒸発プロセスにおいて、冷却プロセスと比較して、より低い温度が使用され得る。
【0083】
2.蒸発プロセスの溶媒中において、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIは、類似の溶解度を有するべきである。類似の溶解度は、溶媒又は溶媒系における個別の化合物の溶解度が、10%を上回らず、特に5%を上回らずに異なることを意味する。
【0084】
二つの成分を選択した溶媒中に溶解した後、溶媒を、一般的に使用される蒸発技術(例えば、加熱又は減圧による蒸発)を使用することによって除去する。
【0085】
以下では「沈殿プロセス」と呼ばれる沈殿結晶化において、殺有害生物剤IIを、冷却プロセス及び蒸発プロセスについて上記に記載されたように、4-ヒドロキシ安息香酸と共に溶液にする。結晶化は、殺有害生物剤IIの溶解度及び4-ヒドロキシ安息香酸の溶解度が、室温で、好ましくは10g/lより低い、特に2g/lより低い溶媒(以下で「逆溶媒」と呼ばれる)の添加によって溶媒系の溶解度を低下させることによって誘発される。便利な好適な逆溶媒は、水である。逆溶媒の量及び添加の方法(段階的又は長時間にわたって)は、殺有害生物剤II及び使用される溶媒系によって決まる。沈殿プロセスに好適な溶媒は、少なくとも逆溶媒と混和性でなければならない。
【0086】
第一に、殺有害生物剤IIは、溶媒に十分に可溶性でなければならず、これは、20℃で、10gを上回る、より好ましくは100及び500g/lの間の殺有害生物剤IIの溶解度を意味する。
【0087】
冷却プロセス及び蒸発プロセスに好適な溶媒は、室温で少なくとも10%の水混和性を有する有機溶媒(「極性有機溶媒」)又は水と極性有機溶媒若しくは室温で10%を下回る水混和性を有する有機溶媒(「非極性有機溶媒」)との混合物である。沈殿プロセスに好適な溶媒は、水である逆溶媒と混和性である極性有機溶媒である。
【0088】
極性及び非極性有機溶媒の例は、以下に挙げられたものである。
【0089】
好適な極性有機溶媒には、それだけには限らないが次のものが含まれる。
【0090】
1.メタノール、エタノール、n-プロパノール又はイソプロパノールなどのC1-C4-アルカノール;
2.C1-C3-カルボン酸のアミド、N-メチルアミド及びN,N-ジメチルアミド、例えばホルムアミド、ジメチルホルムアミド(DMF)、アセトアミド及びN,N-ジメチルアセトアミド;
3.合計7炭素原子を有する5又は6員ラクタム、例えばピロリドン、N-メチルピロリドン、N-エチルピロリドン、N-イソプロピルピロリドン、N-ヒドロキシエチルピロリドン;
4.ジメチルスルホキシド及びスルホラン;
5.3〜6個の炭素原子を有するケトン、例えばアセトン、2-ブタノン、シクロペンタノン及びシクロヘキサノン;
6.アセトニトリル;
7.γ-ブチロラクトンなどの5又は6員ラクトン;
8.ポリオール及びポリエーテルオール、例えばグリコール、グリセリン、ジメトキシエタン、エチレンジグリコール、エチレングリコールモノメチルエーテルなど;
9.プロピレンカーボネート及びエチレンカーボネートを含む3〜5個の炭素原子を有する環状カーボネート;並びに
10.ジメチル(ポリ)C2-C3-アルキレングリコールエーテル、例えばジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールジメチルエーテル、低分子量ポリエチレングリコール及び低分子量ポリプロピレングリコール(MW≦400)。
【0091】
より好ましいのは、グループ1の有機溶媒、及びそれらの水との混合物である。水との混合物において、有機溶媒及び水の相対量は、2:1から1:200(v/v)まで、特に1:5から1:100(v/v)まで変化し得る。
【0092】
単体で又は水との混合物中に使用すべき特に好適な極性有機溶媒は、上述のアルコール(C1-C4-アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール又はイソプロパノール)である。
【0093】
非極性溶媒の例には、それだけには限らないが、水中の溶解度<0.1%(w/w)であり、130℃から300℃までの蒸留範囲を有するC8からC11の芳香族石油派生物(芳香族炭化水素)(以下の商品名:Solvesso 100、Solvesso 150、Solvesso 200、Solvesso 150ND、solvesso 200ND、Aromatic 150、Aromatic 200、Hydrosol A 200、Hydrosol A 230/270、Caromax 20、Caromax 28、Aromat K 150、Aromat K 200、Shellsol A 150、Shellsol A 100、Fin FAS-TX 150、Fin FAS-TX 200で市販されている)、植物油、例えば、やし油、パーム核油、パーム油、大豆油、なたね油、とうもろこし油及び前述の油のメチル又はエチルエステル、40℃及び250℃の間の引火点及び150℃から450℃までの蒸留範囲を有する炭化水素、例えばアロマティックディプリーティド(aromatic depleted)、直鎖パラフィン系炭化水素、イソパラフィン系炭化水素、シクロパラフィン系炭化水素が含まれる。
【0094】
b)上述のように、「剪断プロセス」において、複合体は、共結晶の2成分に剪断力を適用することによって得られる。
【0095】
このプロセスにおいて、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸は、好適な溶媒中で混合され、但し、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸は、溶解されてなく、固体段階にあることを条件とする。第一に、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸を、固体段階において溶媒を用いずに混合し、こうして得られる固体混合物に、後から剪断力を適用することも可能である。好適な溶媒に懸濁化することが、好ましい。
【0096】
剪断力を、こうして得られる懸濁液に適用することは、少なくとも15℃の温度で、しばしば、少なくとも20℃の温度で、好ましくは、少なくとも30℃の温度で、特に、少なくとも35℃、例えば15℃から80℃までで実施されるのが好ましく、ここで、上限は、殺有害生物剤IIの融点によって決まる。
【0097】
しかし、殺有害生物剤IIが、プロセスの間、固体である必要はなく、温度が、殺有害生物剤IIの融点に近いか、それを上回ることが有利な場合がある。剪断力を、液体混合物に高温で適用すると、結晶複合体の形成が加速されることがある。
【0098】
好適な溶媒中で4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを混合することによって得られる懸濁液中の溶媒の量は、こうして得られる懸濁液の総重量に対して、5及び50w%の間、好ましくは5及び30w/w%の間である。
【0099】
懸濁液は、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを、1:5から20:1まで、好ましくは1:1.2から15:1まで変化する相対モル比で含み得る。成分の一つが、結晶複合体の化学量論比に関して過剰である場合、結晶複合体及び過剰な化合物の混合物が得られる。製剤目的について、過剰な4-ヒドロキシ安息香酸又は殺有害生物剤IIの存在は許容される。特に、過剰な4-ヒドロキシ安息香酸の存在は、安定性問題を引き起こすことはない。しかし、水性懸濁液中の殺有害生物剤IIの量は、混合物中に存在する4-ヒドロキシ安息香酸の量に対して、20モル%を上回ることがなく、特に、10モル%を上回ることがないことが好ましい。従って、本発明は、特に、本発明の結晶複合体を含有する水性製剤に関し、但し、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの一方又は両方が、非錯化形態で製剤に存在する場合、非錯化殺有害生物剤IIの量は、製剤中で20モル%、特に、10モル%を超えることがないことを条件とする。
【0100】
結晶複合体の形成に要する時間は、それ自体知られた方法で、適用される剪断力及び温度によって決まり、当業者によって標準の実験で求められ得る。例えば10分から48時間の範囲の時間が、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを含有する水性懸濁液中の結晶複合体の形成に好適であることが見出されたが、より長期間も考えられる。0.5から24時間までの剪断時間が好ましい。
【0101】
好ましい一実施形態において、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを水性液体中で混合することによって得られる、殺有害生物剤II及び4-ヒドロキシ安息香酸の水性懸濁液に、剪断力が適用される。剪断力は、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの粒子を均質に接触させるため及び/又は結晶複合体の粒子を微粉砕するために十分な剪断力を提供し得る好適な技術によって適用することができる。好適な技術には、特に湿式粉砕又は、例えばビーズミル磨砕を含む湿式磨砕、又はコロイドミルの使用による粉砕、破砕又は磨砕が含まれる。好適な剪断装置には、特にボールミル又はビーズミル、撹拌ボールミル、循環式ミル(ピン粉砕システムを有する撹拌ボールミル)、ディスクミル、環状チャンバーミル、ダブルコーンミル、トリプルロールミル、バッチミル、コロイドミル、及びメディアミル、例えばサンドミルが含まれる。プロセス中に導入された熱エネルギーを放散するために、粉砕チャンバーは、冷却システムを備えていることが好ましい。特に好適であるのは、DRAISWERKE、INC.40 Whitney Road. Mahwah、NJ 07430米国からのボールミルのDrais Superflow DCP SF 12、DRAISWERKE、INC.からのDrais Perl Mill PMC、Netzsch-Feinmahltechnik GmbHからの循環式ミルシステムZETA、Netzsch Feinmahltechnik GmbH、Selb、ドイツからのディスクミル、Eiger Machinery、Inc.、888 East Belvidere Rd.、Grayslake、IL 60030米国からのビーズミルEiger Mini 50及びWA Bachofen AG、スイスからのビーズミルDYNO-Mill KDLである。しかし、高剪断撹拌機、Ultra-Turrax装置、静的ミキサー、例えば、ミキシングノズルを有するシステム及びコロイドミルなどの他のホモジナイザーを含む他のホモジナイザーは、同様に好適であり得る。
【0102】
本発明の好ましい一実施形態において、剪断力は、ビーズミル磨砕によって適用される。特に、0.05から5mmまで、より具体的には0.2から2.5mmまで、最も具体的には0.5から1.5mmまでの範囲のビーズサイズが、好適であることが見出された。一般的に、40から99%まで、具体的に70から97%まで、より具体的に65から95%までの範囲のビーズ装入が使用され得る。
【0103】
剪断プロセス用に好ましい溶媒は、極性有機溶媒、又は水及び少なくとも1種の極性有機溶媒の混合物であり、スラリープロセス用は、少なくとも部分的に水混和性である、即ち、室温で、少なくとも10%v/v、より好ましくは少なくとも20%v/vの水との混和性を有する溶媒、それらの混合物、及び前記水混和性溶媒と室温で10%v/v未満の水との混和性を有する有機溶媒との混合物である。好ましくは、有機溶媒は、有機溶媒の総量に対して、少なくとも80%v/vの少なくとも1種の水混和性溶媒を含む。
【0104】
室温において少なくとも10%の水混和性を有する好適な溶媒には、それだけには限らないが、上記に定義された極性有機溶媒が含まれる。
【0105】
より好ましいのは、グループ1の有機溶媒、及び水とそれらの混合物である。水との混合物において、有機溶媒及び水の相対量は、2:1から1:200(v/v)まで、特に1:5から1:100(v/v)まで変化し得る。
【0106】
単独で又は水との混合物で使用すべき、特に好適な極性有機溶媒は、上述のアルコール(C1-C4-アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール又はイソプロパノール)である。
【0107】
c)スラリープロセスにおいて、複合体は、有機溶媒を含む溶媒中の4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIのスラリーから、又は特に水及び有機溶媒の混合物中の4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIのスラリーから得られる。従って、この方法は、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを、有機溶媒中、又は水及び有機溶媒の混合物中に懸濁化するステップを含む。
【0108】
スラリープロセス用の好ましい有機溶媒又は水及び有機溶媒の混合物は、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIが、類似の溶解度を有するものである。類似の溶解度は、溶媒又は溶媒系における個別の化合物の溶解度が、20の倍数を上回らず、特に10の倍数を上回らずに異なることを意味する。しかし、個別の化合物の溶解度が類似していない溶媒又は溶媒系を使用することも可能である。この場合、より高い溶解度を、それぞれの溶媒又は溶媒系において有する化合物を、過剰に使用することが、好ましいことがある。
【0109】
スラリープロセス用の好ましい溶媒は、少なくとも部分的に水混和性、即ち、室温において少なくとも10%v/v、より好ましくは少なくとも20%v/vの水との混和性を有するもの、それらの混合物、及び前記の水混和性溶媒と室温において10%v/v未満の水との混和性を有する有機溶媒との混合物である。好ましくは、有機溶媒は、有機溶媒の総量に対して、少なくとも80%v/vの少なくとも1種の水混和性溶媒を含む。
【0110】
好適な溶媒は、上記で定義された極性有機溶媒である。
【0111】
より好ましいのは、グループ1の有機溶媒、及びそれらの水との混合物である。水との混合物において、有機溶媒及び水の相対量は、2:1から1:200(v/v)まで、特に1:5から1:100(v/v)まで変化し得る。
【0112】
単体で又は水との混合物で使用すべき、特に好適な有機溶媒は、上述のアルコール(C1-C4-アルカノール、例えばメタノール、エタノール、n-プロパノール又はイソプロパノール)である。
【0113】
スラリープロセスは、有機溶媒中又は溶媒/水混合物中に4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを懸濁化することによって簡単に実施することができる。4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤II並びに溶媒又は溶媒/水混合物の相対量は、所与の温度において懸濁液を得るために選択されよう。4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの完全な溶解は回避すべきである。特に、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIは、溶媒又は溶媒/水混合物の1リットル当たり1から500gまで、より好ましくは10から400gまでの量で懸濁化する。
【0114】
スラリープロセスにおける4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの相対モル量は、1:100から100:1まで、好ましくは1:10から10:1まで、選択した溶媒又は溶媒系における4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの相対溶解度に応じて変化し得る。純粋な4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの溶解度が類似している溶媒系において、好ましいモル比は、2:1から1:2まで、特に1.5:1から1:1.5まで、特別に約1:1(即ち、1.1:1から1:1.1まで)である。過剰な殺有害生物剤IIが、殺有害生物剤IIがより高い溶解度を有する溶媒系において使用される。これは、その逆も同様に4-ヒドロキシ安息香酸にも当てはまる。成分の一つが、結晶複合体の化学量論比に関して過剰である場合、結晶複合体及び過剰な化合物の混合物が、得られることがあるが、特に、過剰に使用される化合物が、高い溶解度を、選択した溶媒系中で有する場合、過剰分は、母液に溶解したまま留まることもある。製剤目的について、過剰な殺有害生物剤II又は4-ヒドロキシ安息香酸の存在は許容される。特に、過剰な4-ヒドロキシ安息香酸の存在は、安定性問題を引き起こさない。純粋な結晶複合体を調製するために、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIは、形成すべき複合体の化学量論比に近く、化学量論的な必要量に対して、通常、50モル%より大きく逸脱しない相対モル量で使用される。
【0115】
スラリープロセスは、通常、少なくとも5℃、好ましくは少なくとも10℃、特に少なくとも20℃、例えば、5から80℃まで、好ましくは10から55℃まで、特に20から40℃までの温度で実施される。
【0116】
スラリープロセスによる結晶複合体の形成に必要な時間は、温度、溶媒のタイプによって決まり、一般的に、1時間である。いずれの場合も、完全な変換が、1週間後には達成されが、完全な変換は、通常、多くても24時間しか必要としない。
【0117】
本発明の一実施形態によれば、スラリープロセスは、種結晶としての4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの共結晶の存在下で実施される。通常、0.01から10重量%まで、好ましくは0.1から5重量%まで、より好ましくは0.3から2重量%までの種結晶が、4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの合わせた重量に対して使用される。
【0118】
既に上で述べられたように、本明細書で定義された結晶複合体は、固体殺有害生物剤に基づく作物保護組成物、例えば水性懸濁製剤(aqueous suspension concentrate)(SC、FS)、サスポエマルション製剤(SE)及び顆粒水和剤(water dispersable granule)(WG)、水和剤(WP、WS)、散粉剤(DP、DS)、粒剤(GR、FG、GG、MG)、分散性製剤(DC)を調製するために好適であり、特にSC、FS、SE又はWG製剤を調製するために好適である。
【0119】
従って、本発明は、本明細書で定義された複合体I又はII又はIII又はIV又はV又はVI、及び適切な場合、さらなる通例の製剤助剤を含む作物保護用の農業用組成物も提供する。
【0120】
製剤助剤という用語は、それだけには限らないが、液体及び固体担体及び界面活性剤(アジュバント、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤若しくは乳化剤)などのさらなる助剤、さらに粘度調節添加剤(増粘剤)、消泡剤、不凍剤、pH調製剤、安定剤、固化防止剤及び殺生剤(保存剤)が含まれる。種子処理製剤用に好適なさらなる助剤は、着色剤、粘着剤、充てん剤、及び可塑剤を含む。
【0121】
製剤助剤及びそれぞれの結晶複合体の重量比は、それぞれの固形剤及びSE又はSC製剤に一般的に使用される範囲にある。
【0122】
例えば、SC及びSEにおいて、結晶複合体及び、適切な場合、さらなる活性化合物の量は、懸濁製剤又はサスポエマルション製剤の総重量に対して、通常、10から70重量%までの範囲に、特に15から50重量%までの範囲にある。
【0123】
他の固形剤(WG、WP、WS、DP、DS、GR、FG、GG、MG、DC)において、結晶複合体及び、適切な場合、さらなる活性化合物の量は、固形剤の総重量に対して、通常、10から90重量%までの範囲に、特に15から70重量%までの範囲にある。
【0124】
製剤助剤の総量は、使用される製剤のタイプによって決まる。一般的に、それは、製剤の総重量に対して、10から90重量%まで、特に85から30重量%まで変化する。
【0125】
界面活性剤の量は、製剤タイプに応じて変化する。通常、それは、製剤の総重量に対して、0.1から20重量%まで、特に0.2から15重量%まで、特に好ましくは0.5から10重量%までの範囲にある。
【0126】
担体(液体又は固体)の量は、製剤タイプに応じて変化する。通常、それは、製剤の総重量に対して、1から90重量%まで、特に10から60重量%まで、特に好ましくは15から50重量%までの範囲にある。
【0127】
残りの製剤助剤(粘度調節添加剤(増粘剤)、消泡剤、不凍剤、pH調製剤、安定剤、固化防止剤及び殺生剤(保存剤)、着色剤、粘着剤、充てん剤、及び可塑剤)の量は、製剤タイプに応じて変化する。通常、それは、製剤の総重量に対して、0.1から60重量%まで、特に0.5から40重量%まで、特に好ましくは1から20重量%までの範囲にある。
【0128】
好適な液体担体は、場合によって水混和性有機溶媒、例えばグループ1から10までのものを含有する水、及び同様に結晶複合体I、II、III、IV、V又はVIが、低溶解度を有するかまったく溶解しない有機溶媒、例えば、結晶複合体I、II、III、IV又はVIが、25℃及び1013mbarにおいて有する溶解度が、1重量%を上回らない、特に0.5重量%を上回らない、特に0.1重量%を上回らない有機溶媒である。
【0129】
溶媒(SE製剤用に特に有用な)の例は、中から高沸点の鉱油留分などの有機溶媒、例えば灯油又はディーゼル油、さらにコールタール油及び植物又は動物由来の油、脂肪族、環式及び芳香族炭化水素、例えば、トルエン、キシレン、パラフィン、テトラヒドロナフタレン、テルペン(それだけには限らないがd-リモネンを含む)、アルキル化ナフタレン又はそれらの誘導体、直鎖及び分枝アルコール、例えばプロパノール、ブタノール、シクロヘキサノール、2-フェノキシエタノール、ドデシルフェノール、ベンジルアルカノール、グリコール、ケトン、例えばシクロヘキサノン、2-ヘプタノン、アセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、脂肪酸ジメチルアミド、脂肪酸及び脂肪酸エステル、エステル、例えば2-エチルヘキシルアセテート、ブチレンカーボネート、イソボルニルアセテート、ジメチルスクシネート、ジメチルアジペート、ジメチルグルタレート、ジイソブチルスクシネート、ジイソブチルアジペート、ジイソブチルグルタレート(及び同様にエステルの混合物、例えばRhodiasolv RPDEとして市販されている、例えばジメチルスクシネート、ジメチルアジペート、ジメチルグルタレートの混合物;又は例えばRhodiasolv RPDE Rhodiasolv DIBとして市販されている、ジイソブチルスクシネート、ジイソブチルアジペート、ジイソブチルグルタレートの混合物)、及び強極性溶媒、例えば、n-オクチルピロリドンなどのアミン及びそれらの混合物である。
【0130】
好適な固体担体は、原則として、作物保護組成物、特に殺菌剤に一般的に使用されている全ての固体物質である。固体担体は、例えば、鉱物土類、例えばシリカゲル、ケイ酸塩、タルク、カオリン、アタクレイ、石灰石、石灰、チョーク、ボール、黄土、粘土、ドロマイト、珪藻土、硫酸カルシウム及び硫酸マグネシウム、酸化マグネシウム、粉砕した合成鉱物、例えば、硫酸アンモニウム、リン酸アンモニウム、硝酸アンモニウム、尿素などの肥料及び植物由来の産物、例えば禾穀類ミール、樹皮ミール、おがくず及び堅果殻ミール、セルロース粉末及び他の固体担体である。
【0131】
好ましい界面活性剤は、アニオン性及び非イオン性界面活性剤(乳化剤)である。好適な界面活性剤は、同様に保護コロイドである。
【0132】
好適な界面活性剤(アジュバント、湿潤剤、粘着付与剤、分散剤又は乳化剤)は、アルカリ金属、アルカリ土類金属及び芳香族スルホン酸のアンモニウム塩、例えばリグニンスルホン酸(Borresperse(登録商標)タイプ、Borregard、ノルウェー)、フェノールスルホン酸、ナフタレンスルホン酸(Morwet(登録商標)タイプ、Akzo Nobel、米国)、ジブチルナフタレン-スルホン酸(Nekal(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、及び脂肪酸、アルキルスルホネート、アルキルアリールスルホネート、アルキルサルフェート、ラウリルエーテルサルフェート、脂肪アルコールサルフェート、及び硫酸化ヘキサ-、ヘプタ-及びオクタデカノーレート、硫酸化脂肪アルコールグリコールエーテル、さらにナフタレン又はナフタレンスルホン酸のフェノール及びホルムアルデヒドとの縮合物、ポリオキシ-エチレンオクチルフェニルエーテル、エトキシル化イソオクチルフェノール、オクチルフェノール、ノニルフェノール、アルキルフェニルポリグリコールエーテル、トリブチルフェニルポリグリコールエーテル、トリステアリルフェニルポリグリコールエーテル、アルキルアリールポリエーテルアルコール、アルコール及び脂肪アルコール/エチレンオキシド縮合物、エトキシル化ヒマシ油、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、エトキシル化ポリオキシプロピレン、ラウリルアルコールポリグリコールエーテルアセタール、ソルビトールエステル、リグニン亜硫酸塩廃液及びタンパク質、変性タンパク質、多糖(例えば、メチルセルロース)、疎水性加工デンプン、ポリビニルアルコール(Mowiol(登録商標)タイプ、Clariant、スイス)、ポリカルボキシレート(Sokolan(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリアルコキシレート、ポリビニルアミン(Lupasol(登録商標)タイプ、BASF、ドイツ)、ポリビニルピロリドン及びその共重合体である。
【0133】
粘度調節添加剤(増粘剤)は、組成物に、改変された流動性、即ち、静止状態下の高粘度及び撹拌中の低粘度を付与する化合物である。好適な増粘剤の例は、多糖並びに有機及び無機粘土、例えばキサンタンガム(Kelzan(登録商標)、CP Kelco、米国)、Rhodopol(登録商標)23(Rhodia、フランス)、Veegum(登録商標)(R.T.Vanderbilt、米国)又はアタクレイ(登録商標)(Engelhard Corp.、NJ、米国)である。(0.005-10%、0.01-5%、又は0.02-2%において添加される)
消泡剤の例は、シリコーン乳剤(例えば、Silikon(登録商標)SRE、Wacker、ドイツ又はRhodorsil(登録商標)、Rhodia、フランスなど)、長鎖アルコール、脂肪酸、脂肪酸の塩、有機フッ素化合物及びそれらの混合物である。
【0134】
保存剤(殺細菌剤)を、本発明に従って懸濁製剤を安定化するために添加することができる。好適な保存剤は、ジクロロフェン及びベンジルアルコールヘミホルマール(ICI製のProxel(登録商標)又はThor Chemie製のActicide(登録商標)RS及びRohm & Haas製のKathon(登録商標)MK)及びアルキルイソチアゾリノン及びベンズイソチアゾリノン(Thor Chemie製のActicide(登録商標)MBS)などのイソチアゾリノン誘導体に基づくものである。
【0135】
好適な不凍剤は、液体ポリオール、例えばエチレングリコール、ポロピレングリコール又はグリセロールである。
【0136】
適切な場合、特に本発明によるWG、SC又はSEにおける顆粒水和剤(WG)、水和剤(WP、WS)、散粉剤(DP、DS)、粒剤(GR、FG、GG、MG)、分散性製剤(DC)は、pHを調製するための緩衝液を含んでよい。緩衝液の例は、例えば、リン酸、ホウ酸、酢酸、プロピオン酸、クエン酸、フマル酸、酒石酸、シュウ酸及びコハク酸などの弱無機酸又は有機酸のアルカリ金属塩である。
【0137】
結晶複合体の製剤が、種子処理用に使用される場合、それらは、種子処理、例えば粉衣又はコーティングに使用される、さらなる通例の成分を含むことができる。例は、上記の成分に加えて、特に、着色剤、粘着剤、充てん剤、及び可塑剤である。
【0138】
着色剤は、このような目的に通例である、全ての染料及び顔料である。これに関連して、水に難溶性な顔料、及び水に可溶性な染料の両方を、使用することができる。言及し得る例は、ローダミンB、C.I.ピグメントレッド112及びC.I.ソルベントレッド1、ピグメントブルー15:4、ピグメントブルー15:3、ピグメントブルー15:2、ピグメントブルー15:1、ピグメントブルー80、ピグメントイエロー1、ピグメントイエロー13、ピグメントレッド48:2、ピグメントレッド48:1、ピグメントレッド57:1、ピグメントレッド53:1、ピグメントオレンジ43、ピグメントオレンジ34、ピグメントオレンジ5、ピグメントグリーン36、ピグメントグリーン7、ピグメントホワイト6、ピグメントブラウン25、ベーシックバイオレット10、ベーシックバイオレット49、アシッドレッド51、アシッドレッド52、アシッドレッド14、アシッドブルー9、アシッドイエロー23、ベーシックレッド10、ベーシックレッド108の名称で知られている染料及び顔料である。着色剤の量は、通常、製剤の20重量%を超えず、好ましくは、製剤の総重量に対して0.1から15重量%までに及ぶ。
【0139】
粘着剤は、粉衣製品に使用することができる、全ての通例の結合剤である。好適な結合剤の例は、熱可塑性ポリマー、例えばポリビニルピロリドン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール及びチロース、さらにポリアクリレート、ポリメタクリレート、ポリブテン、ポリイソブテン、ポリスチレン、ポリエチレンアミン、ポリエチレンアミド、前述の保護コロイド、ポリエステル、ポリエーテルエステル、ポリ無水物、ポリエステルウレタン、ポリエステルアミド、熱可塑性多糖、例えばセルロース誘導体、例えばメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースを含むセルロースエステル、セルロースエーテル、セルロースエーテルエステル及びデンプン誘導体及び修飾されたデンプン、デキストリン、マルトデキストリン、アルギネート及びキトサン、さらに脂肪、油、カゼイン、ゼラチン及びゼインを含むタンパク質、アラビアゴム、セラックを含む。好ましい粘着剤は、生体適合性である、即ち、それらは、著しい植物毒性活性を有さない。好ましくは、粘着剤は、生分解性である。好ましくは、粘着剤は、それが、製剤の活性成分用の基質として作用するように選択される。粘着剤の量は、通常、製剤の40重量%を超えることなく、製剤の総重量に対して、好ましくは、1から40重量%までの範囲に及び、特に、5から30重量%までの範囲に及ぶ。
【0140】
一般的に、それぞれの固形剤、特にSC、SE又はWGは、微粉化した粒子状物質形態で結晶複合体を含む。SC及びSE製剤において、結晶複合体の粒子は、液体媒体、好ましくは水性媒体中に懸濁化されている。顆粒水和剤(WG)、水和剤(WP、WS)、散粉剤(DP、DS)、粒剤(GR、FG、GG、MG)、分散性製剤(DC)において、特に、WGにおいて、微粉化した粒子は、より大きな粒剤にゆるく凝集し、これらは、水に希釈すると崩壊し、次いで、これらの微粉化した粒子の懸濁液をもたらす。活性化合物粒子のサイズ、即ち、活性化合物粒子の90重量%を超えない粒子のサイズは、動的光散乱によって測定して、一般的に30μmを上回らず、好ましくは20μmを上回らず、特には10μmを上回らず、特別には5μmを上回らない。有利には、本発明によるSC中の粒子の少なくとも40重量%、特に少なくとも60重量%が、2μmより小さい直径を有する。
【0141】
それぞれの製剤は、既知の方法で調製することができる(米国特許第3,060,084号、欧州特許第707445号(液体濃縮物用)、Browning:「Agglomeration」、Chemical Engineering、1967年、12月4日、147-48頁、Perry's Chemical Engineer's Handbook、第4版、McGraw-Hill、New York、1963年、S. 8-57頁以下、国際公開第91/13546号、米国特許第4,172,714号、米国特許第4,144,050号、米国特許第3,920,442号、米国特許第5,180,587号、米国特許第5,232,701号、米国特許第5,208,030号、英国特許第2,095,558号、米国特許第3,299,566号、Klingman:Weed Control as a Science(J. Wiley & Sons、New York、1961年)、Hanceら:Weed Control Handbook(第8版、Blackwell Scientific、Oxford、1989年)並びにMollet、H.及びGrubemann、A.:Formulation technology(Wiley VCH Verlag、Weinheim、2001年を参照されたい)。
【0142】
例えば、懸濁製剤、特に水性懸濁製剤は、結晶複合体を、好適な液体担体中に懸濁化することによって調製することができ、これらは、以下に記載される通常の製剤添加剤を含有してもよい。しかし、本明細書に記載された剪断プロセスによって、即ち、4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビン及び場合により、さらなる添加剤の懸濁化された粒子を含む液体に、結晶複合体が形成されるまで、剪断力を適用することによって、懸濁製剤を調製することが好ましい。
【0143】
サスポエマルション製剤は、SCについて記載された方法に従って調製することができ、但し、(結晶複合体に加えて)第二殺有害生物剤を、(場合によって好適なさらなる製剤助剤と一緒に)好適な有機溶媒に可溶化された最終のSCに、又はSCの調製の間に添加することができることを条件とする。
【0144】
粉末、散布用材料及び散粉用製品は、結晶複合体(及び場合によって、さらなる殺有害生物剤)を固体担体と混合又は同時粉砕することによって調製することができる。
【0145】
粒剤、例えば、被覆粒剤、含浸粒剤及び均質粒剤は、活性化合物を固体担体に結合させることによって調製することができる。
【0146】
粉末、散布用材料及び粉剤は、化合物I及び、適切な場合、さらなる活性物質を、少なくとも1種の固体担体と混合又は同時粉砕することによって調製することができる。
【0147】
粒剤、例えば、被覆粒剤、含浸粒剤及び均質粒剤は、活性物質を固体担体に結合させることによって調製することができる。
【0148】
上記に記載された製剤は、有害生物に対するさらなる活性化合物を含むこともできる。例えば、殺虫剤又はさらなる除草剤又は殺菌剤或いは除草若しくは成長調整活性化合物又は肥料を、必要に応じて、さらなる活性な成分として添加することができる。
【0149】
少なくとも1種の結晶複合体を含む製剤の全ての実施形態は、以下で「農薬製剤」と呼ばれる。
【0150】
本発明は、植物病原菌、その生息地、繁殖場所、その居場所又は植物病原菌に対して保護すべき植物、土壌又は植物繁殖材料を、有効量の結晶複合体I、II、III若しくはIVで、又は少なくとも1種の複合体I、II、III若しくはIVを含む農業用製剤で処理する、植物病原菌を防除する方法を含む。
【0151】
本発明は、植物、植物が成長している又は成長すると予想される場所、又はそれから植物が成長する植物繁殖材料を、有効量の結晶複合体I、II若しくはIVで、又は少なくとも1種の複合体I、II若しくはIVを含む農業用製剤で処理する、植物の健康を改善する方法をさらに含む。
【0152】
さらに、本発明は、殺有害生物剤IIに応じて、植物病原菌又は害虫のいずれかである有害生物と戦う方法を含み、この方法は、前記植物病原性有害生物による攻撃又は蔓延から保護すべき植物繁殖材料(好ましくは種子)に、少なくとも1種の結晶複合体I、II、III、VII又はIVを含む有効量の農薬製剤を接触させるステップを含む。
【0153】
本発明は、好ましくは、複合体I、II、III、VII若しくはIV又は少なくとも1種の前述の結晶複合体を含有する農薬製剤を含む、即ち、それらで被覆され且つ/又はそれらを含有する植物の繁殖産物、特に種子にも関する。植物繁殖材料(好ましくは種子)は、植物繁殖材料(好ましくは種子)100kg当たり0.01gから10kgまでの量の本発明の混合物を含む。
【0154】
本方法が、
a.植物病原性有害生物、その生息地、繁殖場所、その居場所、又は保護すべき植物、又は土壌、或いは
b.植物、植物が成長している又は成長すると予想される場所
が、有効量のそれぞれの結晶複合体で、又はそれぞれの複合体を含む農業用製剤で処理される、植物病原性有害生物と戦う、又は植物の健康を増加させる方法として定義される場合、結晶複合体の量は、所望の効果の種類に応じて、1ヘクタール当たり0.001から2kgまで、好ましくは1ヘクタール当たり0.005から2kgまで、より好ましくは1ヘクタール当たり0.05から0.9kgまで、特に1ヘクタール当たり0.1から0.75kgまでである。
【0155】
本方法が、植物繁殖材料
(a)有害生物、その生息地、繁殖場所、その居場所、若しくは有害生物の攻撃に対して保護すべき植物、若しくは土壌;又は
(b)植物、植物が成長している又は成長すると予想される場所;
が、有効量のそれぞれの結晶複合体で、又は少なくとも1種の複合体を含む農業用製剤で処理される方法として定義される場合、結晶複合体の量は、所望の作用の種類に応じて、1ヘクタール当たり0.001から2kgまで、好ましくは1ヘクタール当たり0.005から2kgまで、より好ましくは1ヘクタール当たり0.05から0.9kgまで、特に1ヘクタール当たり0.1から0.75kgまでである。
【0156】
植物病原菌という用語には、それだけには限らないが、以下の植物疾患が含まれる。
【0157】
観賞用植物、野菜(例えば、アルブゴ・カンジダ(A. candida))及びヒマワリ(例えば、アルブゴ・トラゴポゴニス(A. tragopogonis))につくアルブゴ属の種(Albugo spp.)(白さび病);野菜、アブラナ(アルテルナリア・ブラシコラ(A. brassicola)若しくはブラシカエ(brassicae))、サトウダイコン(アルテルナリア・テヌイス(A. tenuis))、果実類、イネ、ダイズ、ジャガイモ(例えば、アルテルナリア・ソラニ(A. solani)若しくはアルテルナリア・アルテルナタ(A. alternata))、トマト(例えば、アルテルナリア・ソラニ(A. solani)若しくはアルテルナリア・アルテルナタ(A. alternata))及びコムギにつくアルテルナリア属の種(Alternaria spp.)(アルテルナリア斑点病);サトウダイコン及び野菜につくアファノミセス属の種(Aphanomyces spp.);禾穀類及び野菜につくアスコキタ属の種(Ascochyta spp.)、例えば、コムギにつくアスコキタ・トリチキ(A. tritici)(炭疽病)及びオオムギにつくアスコキタ・ホルデイ(A. hordei);ビポラリス(Bipolaris)及びドレクスレラ属の種(Drechslera spp.)(テレオモルフ:コクリオボルス属の種(Cochliobolus spp.))、例えば、トウモロコシにつくごま葉枯病(ドレクスレラ・マイジス(D. maydis))若しくはすす紋病(ビポラリス・ゼイコーラ(B. zeicola)、例えば、禾穀類につくビポラリス・ソロキニアナ(B. sorokiniana)の斑点病、例えば、イネ及び芝につくビポラリス・オリザエ(B. oryzae);禾穀類(例えば、コムギ若しくはオオムギ)につくブルメリア(Blumeria)(以前はエリシフェ(Erysiphe))・グラミニス(graminis)(うどん粉病);果実類及びベリー(例えば、イチゴ)、野菜(例えば、レタス、ニンジン、セロリ及びキャベツ)、アブラナ、花、ブドウの木、森林植物及びコムギにつくボトリチス・キネレア(Botrytis cinerea)(テレオモルフ:ボトリオチニア・フケリアナ(Botryotinia fuckeliana):灰色カビ病);レタスにつくブレミア・ラクツカエ(Bremia lactucae)(べと病);広葉樹及び常緑樹につくセラトシスチス(Ceratocystis)(オフィオストマ(Ophiostoma))と同義)属の種(腐敗病若しくは立ち枯れ病)、例えば、ニレにつくセラトシスチス・ウルミ(C. ulmi)(オランダニレ病);トウモロコシ(例えば、灰斑病:セルコスポラ・ゼアエ−マイジス(C. zeae-maydis))、イネ、サトウダイコン(例えば、セルコスポラ・ベチコラ(C. beticola))、サトウキビ、野菜、コーヒーの木、ダイズ(例えば、セルコスポラ・ソジナ(C. sojina)若しくはセルコスポラ・キクチ(C. kikuchii))並びにイネにつくセルコスポラ属の種(Cercospora spp.)(セルコスポラ斑点病);トマト(例えば、クラドスポリウム・フルブム(C. fulvum):葉かび病)及び禾穀類につくクラドスポリウム属の種(Cladosporium spp.)、例えば、コムギにつくクラドスポリウム・ヘルバルム(C. herbarum)(黒穂病(black ear));禾穀類につくクラビセプス・プルプレア(Claviceps purpurea)(麦角病);トウモロコシ(コクリオボルス・カルボヌム(C. carbonum))、禾穀類(例えば、コクリオボルス・サチブス(C. sativus)、アナモルフ:ビポラリス・ソロキニアナ(B. sorokiniana))及びイネ(例えば、コクリオボルス・ミヤベアヌス(C. miyabeanus)、アナモルフ:ヘルミントスポリウム・オリザエ(H. oryzae))につくコクリオボルス(Cochliobolus)(アナモルフ:ビポラリス(Bipolaris)のヘルミントスポリウム(Helminthosporium))属の種(斑点病);ワタ(例えば、コレトトリクム・ゴシピ(C. gossypii))、トウモロコシ(例えば、コレトトリクム・グラミニコラ(C. graminicola):炭素病倒伏(Anthracnose stalk rot))、ソフトフルーツ、ジャガイモ(例えば、コレトトリクム・ココデス(C. coccodes):黒点病)、マメ(例えば、コレトトリクム・リンデムチアヌム(C. lindemuthianum))及びダイズ(例えば、コレトトリクム・トルンカツム(C. truncatum)若しくはコレトトリクム・グロエオスポリオイデス(C. gloeosporioides))につくコレトトリクム(Colletotrichum)(テレオモルフ:グロメレラ(Glomerella))属の種(炭疽病);コルチキウム属の種(Corticium spp.)、例えば、イネにつくコルチキウム・ササキ(C. sasakii)(紋枯病);ダイズ及び観賞用植物につくコリネスポラ・カシイコラ(Corynespora cassiicola)(斑点病);シクロコニウム属の種(Cycloconium spp.)、例えば、オリーブの木につくシクロコニウム・オレアギヌム(C. oleaginum);果樹、ブドウの木(例えば、シリンドロカルポン・リリオデンドリ(C. liriodendri)、テレオモルフ:ネオネクトリア・リリオデンドリ(Neonectria liriodendri):黒足病)及び観賞用植物につくシリンドロカルポン属の種(Cylindrocarpon spp.)(例えば、果樹の枯れ病若しくは若いブドウの木の植物病害、テレオモルフ:ネクトリア(Nectria)若しくはネオネクトリア属の種(Neonectria spp.));ダイズにつくデマトフォラ(Dematophora)(テレオモルフ:ロセリニア(Rosellinia))・ネカトリックス(necatrix)(根及び軸枯れ病);ジアポルテ属の種(Diaporthe spp.)、例えば、ダイズにつくジアポルテ・ファセオロルム(D. phaseolorum)(立ち枯れ病);トウモロコシ、オオムギ(例えば、ドレクスレラ・テレス(D. teres)、網斑病)及びコムギ(例えば、ドレクスレラ・トリチキ-レペンチス(D. tritici-repentis):黄褐色斑)などの禾穀類、イネ並びに芝につくドレクスレラ属の種(Drechslera spp.)(ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義、テレオモルフ:ピレノフォラ(Pyrenophora));フォルミチポリア(Formitiporia)(フェリヌス(Phellinus)と同義)・プンクタタ(punctata)、フォルミチポリア・メジテラネア(F. mediterranea)、ファエオモニエラ・クラミドスポラ(Phaeomoniella chlamydospora)(以前はファエオアクレモニウム・クラミドスポルム(Phaeoacremonium chlamydosporum)、ファエオアクレモニウム・アレオフィルム(Phaeoacremonium aleophilum)及び/又はボトリオスファエリア・オブツサ(Botryosphaeria obtusa)により発病する、ブドウの木につくエスカ(Esca)(枝枯れ病、胴枯れ病(apoplexy));仁果類(エルシノエ・ピリ(E. pyri))、ソフトフルーツ(エルシノエ・ベネタ(E. veneta):炭疽病)及びブドウの木(エルシノエ・アンペリナ(E. ampelina):炭疽病)につくエルシノエ属の種(Elsinoe spp.);イネにつくエンチロマ・オリザエ(Entyloma oryzae)(黒穂病);コムギにつくエピコックム属の種(Epicoccum spp.)(黒カビ病);サトウダイコン(エリシフェ・ベタエ(E. betae))、ウリ科植物(例えば、エリシフェ・キコラセアルム(E. cichoracearum))、キャベツ、アブラナ(例えば、エリシフェ・クルキフェラルム(E. cruciferarum)などの野菜(例えば、エリシフェ・ピシ(E. pisi))につくエリシフェ属の種(Erysiphe spp.)(うどん粉病);果樹、ブドウの木及び観賞用植物につくエウチパ・ラタ(Eutypa lata)(ユータイパ病(Eutypa canker)又は立ち枯れ病、アナモルフ:シトスポリナ・ラタ(Cytosporina lata)、リベルテラ・ブレファリス(Libertella blepharis)と同義);トウモロコシ(例えば、エクセロヒルム・ツルキクム(E. turcicum))につくエクセロヒルム属の種(Exserohilum spp.)(ヘルミントスポリウム(Helminthosporium)と同義);禾穀類(例えば、コムギ若しくはオオムギ)につくフサリウム・グラミネアルム(F. graminearum)若しくはフサリウム・クルモルム(F. culmorum)(根腐れ病、黒星病若しくは赤カビ病)、トマトにつくフサリウム・オキシスポルム(F. oxysporum)、ダイズにつくフサリウム・ソラニ(F. solani)及びトウモロコシにつくフサリウム・ベルチキリオイデス(F. verticillioides)などの様々な植物につくフサリウム属の種(Fusarium spp.)(テレオモルフ:ギベレラ(Gibberella))(立ち枯れ病、根腐れ病若しくは軸腐れ病);禾穀類(例えば、コムギ若しくはオオムギ)及びトウモロコシにつくガエウマノミセス・グラミニス(Gaeumannomyces graminis)(立ち枯れ病);禾穀類(例えば、ギベレラ・ゼアエ(G. zeae))及びイネ(例えば、ギベレラ・フジクロイ(G. fujikuroi:ばか苗病)につくギベレラ属の種(Gibberella spp.);ブドウの木、仁果類及び他の植物につくグロメレラ・キングラタ(Glomerella cingulata)、並びにワタにつくグロメレラ・ゴシピ(G. gossypii);イネにつく穀物汚染複合体(Grain-staining complex);ブドウの木につくグイグナルジア・ビドウェリ(Guignardia bidwellii)(黒斑病);バラ科植物及びネズ(juniper)につくギムノスポランギウム属の種(Gymnosporangium spp.)、例えば、ナシにつくギムノスポランギウム・サビナエ(G. sabinae)(さび病);トウモロコシ、禾穀類及びイネにつくヘルミントスポリウム属の種(Helminthosporium spp.)(ドレクスレラ(Drechslera)と同義、テレオモルフ:コクリオボルス(Cochliobolus));ヘミレイア属の種(Hemileia spp.)、例えば、コーヒーにつくヘミレイア・バスタトリックス(H. vastatrix)(コーヒー葉さび病);ブドウの木につくイサリオプシス・クラビスポラ(Isariopsis clavispora)(クラドスポリウム・ビチス(Cladosporium vitis)と同義);ダイズ及びワタにつくマクロフォミナ・ファセオリナ(Macrophomina phaseolina)(ファセオリ(phaseoli)と同義)(根腐れ病及び軸腐れ病);禾穀類(例えば、コムギ若しくはオオムギ)につくミクロドチウム(Microdochium)(フサリウム(Fusarium)と同義)・ニバレ(nivale)(紅色雪腐病);ダイズにつくミクロスファエラ・ジフサ(Microsphaera diffusa)(うどん粉病);モニリニア属の種(Monilinia spp.)、核果類及び他のバラ科植物につく例えば、モニリニア・ラクサ(M. laxa)、モニリニア・フルクチコラ(M. fructicola)及びモニリニア・フルクチゲナ(M. fructigena)(花枯れ病及び枝枯れ病、褐色腐敗病);禾穀類、バナナ、ソフトフルーツ及び粉砕ナッツにつくミコスファエレラ属の種(Mycosphaerella spp.)、例えば、コムギにつくミコスファエレラ・グラミニコラ(M. graminicola)(アナモルフ:セプトリア・トリチキ(Septoria tritici)、セプトリア斑点病)若しくはバナナにつくミコスファエレラ・フジエンシス(M. fijiensis)(ブラックシガトカ病);キャベツ(例えば、ペロノスポラ・ブラシカエ(P. brassicae))、アブラナ(例えば、ペロノスポラ・パラシチカ(P. parasitica))、タマネギ(例えば、ペロノスポラ・デストルクトル(P. destructor))、タバコ(ペロノスポラ・タバキナ(P.tabacina))及びダイズ(例えば、ペロノスポラ・マンシュリカ(P. manshurica))につくペロノスポラ属の種(Peronospora spp.)(べと病);ダイズにつくファコスプソラ・パクリジ(Phakopsora pachyrhizi)及びファコスプスラ・メイボミアエ(P. meibomiae)(ダイズさび病);ブドウの木(例えば、フィアロフォラ・トラケイフィラ(P. tracheiphila)及びフィアロフォラ・テトラスポラ(P. tetraspora))、並びにダイズ(例えば、フィアロフォラ・グレガタ(P. gregata):軸腐れ病)につくフィアロフォラ属の種(Phialophora spp.);アブラナ及びキャベツにつくフォマ・リンガム(Phoma lingam)(根腐れ病及び軸腐れ病)、並びにサトウダイコンにつくフォマ・ベタエ(P. betae)(根腐れ病、斑点病及び立ち枯れ病);ヒマワリ、ブドウの木(例えば、フォモプシス・ビチコラ(P. viticola):蔓割病(can and leaf spot))及びダイズ(例えば、軸腐れ病:フォモプシス・ファセオリ(P. phaseoli)、テレオモルフ:ジアポルテ・ファセオロルム(Diaporthe phaseolorum))につくフォモプシス属の種(Phomopsis spp.);トウモロコシにつくフィソデルマ・マイジス(Physoderma maydis)(褐斑病);パプリカ及びウリ科植物(例えば、フィトフトラ・カプシキ(P. capsici))、ダイズ(例えば、フィトフトラ・メガスペルマ(P. megasperma)、フィトフトラ・ソジャエ(P. sojae)と同義)、ジャガイモ及びトマト(例えば、フィトフトラ・インフェスタンス(P. infestans):葉枯れ病)、並びに広葉樹(例えば、フィトフトラ・ラモルム(P. ramorum):オーク突然死病)などの様々な植物につくフィトフトラ属の種(Phytophthora spp.)(立ち枯れ病、根腐れ病、葉枯れ病、果実腐敗病及び軸腐れ病);キャベツ、アブラナ、ダイコン及び他の植物につくプラスモジオフォラ・ブラシカエ(Plasmodiophora brassicae)(根こぶ病);プラスモパラ属の種(Plasmopara spp.)、例えば、ブドウの木につくプラスモパラ・ビチコラ(P. viticola)(ブドウの木のべと病)及びヒマワリにつくプラスモパラ・ハルステジ(P. halstedii);バラ科植物、ホップ、仁果類及びソフト
フルーツにつくポドスファエラ属の種(Podosphaera spp.)(うどん粉病)、例えば、リンゴにつくポドスファエラ・ロイコトリカ(P. leucotricha);例えば、オオムギ及びコムギなどの禾穀類(ポリミキサ・グラミニス(P. graminis))並びにサトウダイコン(ポリミキサ・ベタエ(P. betae))につくポリミキサ属の種(Polymyxa spp.)、並びにそれによって伝播されるウイルス病;禾穀類、例えば、コムギ及びオオムギにつくシュードセルコスポレラ・ヘルポトリコイデス(Pseudocercosporella herpotrichoides)(眼紋病、テレオモルフ:タペシア・ヤルンダエ(Tapesia yallundae));例えば、ウリ科植物につくシュードペロノスポラ・クベンシス(P. cubensis)若しくはホップにつくシュードペロノスポラ・フミリ(P. humili)などの、様々な植物につくシュードペロノスポラ(Pseudoperonospora)(べと病);ブドウの木につくシュードペジクラ・トラケイフィラ(Pseudopezicula tracheiphila)(レッドファイア病若しくはロットブレナー、アナモルフ:フィアロフォラ(Phialophora));例えば、コムギ、オオムギ若しくはライムギなどの禾穀類、並びにアスパラガス(例えば、プッキニア・アスパラギ(P. asparagi))につくプッキニア・トリチキナ(P. triticina)(茶さび病若しくは葉さび病)、プッキニア・ストリフォルミス(P. striiformis)(縞さび病若しくは黄さび病)、プッキニア・ホルデイ(P. hordei)(ドワーフさび病)、プッキニア・グラミニス(P. graminis)(軸さび病若しくは黒さび病)、又はプッキニア・レコンジタ(P. recondita)(茶さび病若しくは葉さび病)などの、様々な植物につくプッキニア属の種(Puccinia spp.)(さび病);コムギにつくピレノフォラ(Pyrenophora)(アナモルフ:ドレクスレラ(Drechslera))・トリチキ−レペンチス(tritici-repentis)(褐斑病)、若しくはオオムギにつくピレノフォラ・テレス(P. teres)(網斑病);ピリクラリア属の種(Pyricularia spp.)、例えば、イネにつくピリクラリア・オリザエ(P. oryzae)(テレオモルフ:マグナポルテ・グリセア(Magnaporthe grisea)、イモチ病)、並びに芝及び禾穀類につくピリクラリア・グリセア(P. grisea);芝、イネ、トウモロコシ、コムギ、ワタ、アブラナ、ヒマワリ、ダイズ、サトウダイコン、野菜及び他の様々な植物につくピチウム属の種(Pythium spp.)(立ち枯れ病)(例えば、ピチウム・ウルチムム(P. ultimum)若しくはピチウム・アファニデルマツム(P. aphanidermatum));ラムラリア属の種(Ramularia spp.)、例えば、オオムギにつくラムラリア・コロ−シグニ(R. collo-cygni)(ラムラリア斑点病、生理的斑点病)、及びサトウダイコンにつくラムラリア・ベチコラ(R. beticola);ワタ、イネ、ジャガイモ、芝、トウモロコシ、アブラナ、ジャガイモ、サトウダイコン、野菜及び他の様々な植物につくリゾクトニア属の種(Rhizoctonia spp.)、例えば、ダイズにつくリゾクトニア・ソラニ(R. solani)(根腐れ病及び軸腐れ病)、イネにつくリゾクトニア・ソラニ(R. solani)(紋枯病)、又はコムギ若しくはオオムギにつくリゾクトニア・セレアリス(R. cerealis)(リゾクトニアの春枯れ病(Rhizoctonia spring blight));イチゴ、ニンジン、キャベツ、ブドウの木及びトマトにつくリゾプス・ストロニフェル(Rhizopus stolonifer)(黒かび病、軟腐病);オオムギ、ライムギ及びライコムギにつくリンコスポリウム・セカリス(Rhynchosporium secalis)(雲形病);イネにつくサロクラジウム・オリザエ(Sarocladium oryzae)及びサロクラジウム・アッテヌアツム(S. attenuatum)(鞘腐れ病);野菜及び畑作物、例えば、アブラナ、ヒマワリ(例えば、スクレロチニア・スクレロチオルム(S. sclerotiorum))及びダイズ(例えば、スクレロチニア・ロルフシ(S. rolfsii)若しくはスクレロチニア・スクレロチオルム(S. sclerotiorum))につくスクレロチニア属の種(Sclerotinia spp.)(軸腐れ病若しくは白かび病);様々な植物につくセプトリア属の種(Septoria spp.)、例えば、ダイズにつくセプトリア・グリキネス(S. glycines)(褐斑病)、コムギにつくセプトリア・トリチキ(S. tritici)(セプトリア斑点病)及び禾穀類につくセプトリア(S.(スタゴノスポラ(Stagonospora)と同義)・ノドルム(nodorum)(スタゴノスポラ斑点病);ブドウの木につくウンキヌラ(Uncinula)(エリシフェ(Erysiphe)と同義)・ネカトル(necator)(うどん粉病、アナモルフ:オイジウム・ツケリ(Oidium tuckeri));トウモロコシ(例えば、セトスパエリア・ツルキクム(S. turcicum)、ヘルミントスポリウム・ツルキクム(Helminthosporium turcicum)と同義)及び芝につくセトスパエリア属の種(Setospaeria spp.)(黒葉枯れ病);トウモロコシ(例えば、スファセロテカ・レイリアナ(S. reiliana):黒穂病)、モロコシ及びサトウキビにつくスファセロテカ属の種(Sphacelotheca spp.)(黒穂病);ウリ科植物につくスファエロテカ・フリギネア(Sphaerotheca fuliginea)(うどん粉病);ジャガイモにつくスポンゴスポラ・スブテラネア(Spongospora subterranea)(うどん粉病)、及びそれにより伝播されるウイルス病;禾穀類につくスタゴノスポラ属の種(Stagonospora spp.)、例えば、コムギにつくスタゴノスポラ・ノドルム(S. nodorum)(スタゴノスポラ斑点病、テレオモルフ:レプトスファエリア(Leptosphaeria)[ファエオスファエリア(Phaeosphaeria)と同義]・ノドルム(nodorum));ジャガイモにつくシンチトリウム・エンドビオチクム(Synchytrium endobioticum)(ジャガイモ瘤病);タフリナ属の種(Taphrina spp.)、例えば、モモにつくタフリナ・デフォルマンス(T. deformans)(縮葉病)及びプラムにつくタフリナ・プルニ(T. pruni)(プラムふくらみ病);タバコ、仁果類、野菜、ダイズ及びワタにつくチエラビオプシス属の種(Thielaviopsis spp.)(黒根腐れ病)、例えば、チエラビオプシス・バシコラ(T. basicola)(チャララ・エレガンス(Chalara elegans)と同義);禾穀類につくチレチア属の種(Tilletia spp.)(なまぐさ黒穂病若しくは黒穂病)、例えば、コムギにつくチレチア・トリチキ(T. tritici)(チレチア・カリエス(T. caries)と同義、コムギ黒穂病)及びチレチア・コントロベルサ(T. controversa)(萎縮黒穂病);オオムギ若しくはコムギにつくチフラ・インカルナタ(Typhula incarnata)(灰雪かび病);ウロシスチス属の種(Urocystis spp.)、例えば、ライムギにつくウロシスチス・オクルタ(U. occulta)(軸黒穂病);マメ(例えば、ウロミセス・アペンジクラツス(U. appendiculatus)、ウロミセス・ファセオリ(U. phaseoli)と同義)及びサトウダイコン(例えば、ウロミセス・ベタエ(U. betae))などの野菜につくウロミセス属の種(Uromyces spp.)(さび病);禾穀類(例えば、ウスチラゴ・ヌダ(U. nuda)及びウスチラゴ・アバエナエ(U. avaenae))、トウモロコシ(例えば、ウスチラゴ・マイジス(U. maydis):トウモロコシ黒穂病)及びサトウキビにつくウスチラゴ属の種(Ustilago spp.)(裸黒穂病);リンゴ(例えば、ベンツリア・イナエクアリス(V. inaequalis))及びナシにつくベンツリア属の種(Venturia spp.)(黒星病);並びに、果実及び観賞用植物、ブドウの木、ソフトフルーツ、野菜及び畑作物などの様々な植物につくベルチキリウム属の種(Verticillium spp.)(立ち枯れ病)、例えば、イチゴ、アブラナ、ジャガイモ及びトマトにつくベルチキリウム・ダリアエ(V. dahliae)。
【0158】
従って、少なくとも1種の結晶複合体I、II、III又はIVを含む農薬製剤は、様々な栽培植物、例えばコムギ、ライムギ、オオムギ、エンバク、イネ、トウモロコシ、牧草、バナナ、ワタ、ダイズ、コーヒー、サトウキビ、ブドウの木、果実及び鑑賞植物、及び野菜、例えばキュウリ、インゲンマメ、トマト、ジャガイモ及びウリ科植物上の、並びにこれらの植物の種子上の多数の植物病原菌類又は虫の防除用に使用することができる。
【0159】
害虫という用語は、以下の目からの有害動物を意味する。
【0160】
鱗翅目(Lepidoptera)に由来する昆虫、例えば、アグロティス・イプシロン(Agrotis ypsilon)、アグロティス・セゲタム(Agrotis segetum)、アラバマ・アルギラセア(Alabama argillacea)、アンチカルシア・ゲマタリス(Anticarsia gemmatalis)、アルギレスチア・コンジュゲラ(Argyresthia conjugella)、オートグラファ・ガンマ(Autographa gamma)、ブパルス・ピニアリウス(Bupalus piniarius)、カコエキア・ムリナナ(Cacoecia murinana)、カプア・レチキュラナ(Capua reticulana)、ケイマトビア・ブルマタ(Cheimatobia brumata)、コリストネウラ・フミフェラナ(Choristoneura fumiferana)、コリストネウラ・オシデンタリス(Choristoneura occidentalis)、キルフィス・ウニパンクタ(Cirphis unipuncta)、シディア・ポモネラ(Cydia pomonella)、デンドロリマス・ピニ(Dendrolimus pini)、ジアファニア・ニチダリス(Diaphania nitidalis)、ジアトラエア・グランジオセラ(Diatraea grandiosella)、エアリアス・インスラナ(Earias insulana)、エラスモパルパス・リグノセラス(Elasmopalpus lignosellus)、エウポエキリア・アンビゲラ(Eupoecilia ambiguella)、エベトリア・ボーリアナ(Evetria bouliana)、フェルチア・サブテラネア(Feltia subterranea)、ガレリア・メロネラ(Galleria mellonella)、グラホリタ・フネブラナ(Grapholitha funebrana)、グラホリタ・モレスタ(Grapholitha molesta)、ヘリオチス・アルミゲラ(Heliothis armigera)、ヘリオチス・ビレセンス(Heliothis virescens)、ヘリオチス・ゼア(Heliothis zea)、ヘルラ・ウンダリス(Hellula undalis)、ヒベルニア・デフォリアリア(Hibernia defoliaria)、ヒファントリア・クネア(Hyphantria cunea)、ヒポノメウタ・マリネルス(Hyponomeuta malinellus)、ケイフェリア・リコペルシセラ(Keiferia lycopersicella)、ラムジナ・フィスセラリア(Lambdina fiscellaria)、ラフィグマ・エキシグア(Laphygma exigua)、ロイコプテラ・コフェーラ(Leucoptera coffeella)、ロイコプテラ・シテラ(Leucoptera scitella)、リトコレティス・ブランカルデラ(Lithocolletis blancardella)、ロベシア・ボトラナ(Lobesia botrana)、ロキソステジ・スティクティカリス(Loxostege sticticalis)、リマントリア・ジスパー(Lymantria dispar)、リマントリア・モナカ(Lymantria monacha)、リオネチア・クレルケラ(Lyonetia clerkella)、マラコソマ・ニューストリア(Malacosoma neustria)、マメストラ・ブラシカエ(Mamestra brassicae)、オルギア・シュードツガタ(Orgyia pseudotsugata)、オストリニア・ヌビラリス(Ostrinia nubilalis)、パノリス・フラメア(Panolis flammea)、ペクチノフォラ・ゴシピエラ(Pectinophora gossypiella)、ペリドロマ・サウキア(Peridroma saucia)、ファレラ・ブセファラ(Phalera bucephala)、フトリマエア・オペルクレラ(Phthorimaea operculella)、フィロクニスティス・キトレラ(Phyllocnistis citrella)、ピエリス・ブラシカエ(Pieris brassicae)、プラチペナ・スカブラ(Plathypena scabra)、プルテラ・キシロステラ(Plutella xylostella)、シュードプルシア・インクルデンス(Pseudoplusia includens)、リアキオニア・フルストラナ(Rhyacionia frustrana)、スクロビパルプラ・アブソルタ(Scrobipalpula absoluta)、シトトラガ・セレアレラ(Sitotroga cerealella)、スパルガノティス・ピレリアナ(Sparganothis pilleriana)、スポドプテラ・フルギペルダ(Spodoptera frugiperda)、スポドプテラ・リトラリス(Spodoptera littoralis)、スポドプテラ・リツラ(Spodoptera litura)、タウマトポエア・ピチオカンパ(Thaumatopoea pityocampa)、トルトリックス・ビリダナ(Tortrix viridana)、トリコプルシア・ニ(Trichoplusia ni)及びゼイラフェラ・カナデンシス(Zeiraphera canadensis)、
甲虫(甲虫目(Coleoptera))、例えば、アグリルス・シヌアツス(Agrilus sinuatus)、アグリオテス・リネアツス(Agriotes lineatus)、アグリオテス・オブスクルス(Agriotes obscurus)、アンヒマルス・ソルスチチアリス(Amphimallus solstitialis)、アニサンドルス・ジスパル(Anisandrus dispar)、アントノムス・グランジス(Anthonomus grandis)、アントノムス・ポモルム(Anthonomus pomorum)、アフトナ・エウフォリダエ(Aphthona euphoridae)、アトウス・ハエモロイダリス(Athous haemorrhoidalis)、アトマリア・リネアリス(Atomaria linearis)、ブラストファグス・ピニペルダ(Blastophagus piniperda)、ブリトファガ・ウンダータ(Blitophaga undata)、ブルクス・ルフィマヌス(Bruchus rufimanus)、ブルクス・ピソルム(Bruchus pisorum)、ブルクス・レンチス(Bruchus lentis)、ビクチスクス・ベツラエ(Byctiscus betulae)、カシダ・ネブロサ(Cassida nebulosa)、セロトマ・トリフルカタ(Cerotoma trifurcata)、セトニア・アウラータ(Cetonia aurata)、ソートリンクス・アシミリス(Ceuthorrhynchus assimilis)、ソートリンクス・ナピ(Ceuthorrhynchus napi)、カエトクネマ・チビアリス(Chaetocnema tibialis)、コノデルス・ベスペルチヌス(Conoderus vespertinus)、クリオセリス・アスパラギ(Crioceris asparagi)、クテニセラ属の種(Ctenicera spp.)、ジアブロチカ・ロンギコルニス(Diabrotica longicornis)、ジアブロチカ・セミプンクタタ(Diabrotica semipunctata)、ジアブロチカ・12-プンクタタ(Diabrotica 12-punctata)、ジアブロティカ・スペキオサ(Diabrotica speciosa)、ジアブロチカ・ビルギフェラ(Diabrotica virgifera)、エピラクナ・バリベスチス(Epilachna varivestis)、エピトリックス・ヒルチペニス(Epitrix hirtipennis)、エウチノボトルス・ブラシリエンシス(Eutinobothrus brasiliensis)、ヒロビウス・アビエチス(Hylobius abietis)、ヒペラ・ブルネイペニス(Hypera brunneipennis)、ヒペラ・ポスチカ(Hypera postica)、イプス・チポグラフス(Ips typographus)、レマ・ビリネアタ(Lema bilineata)、レマ・メラノプス(Lema melanopus)、レプチノタルサ・デセムリネアタ(Leptinotarsa decemlineata)、リモニウス・カリフォルニクス(Limonius californicus)、リソロプトルス・オリゾフィルス(Lissorhoptrus oryzophilus)、メラノツス・コムニス(Melanotus communis)、メリゲテス・アエネウス(Meligethes aeneus)、メロロンタ・ヒポカスタニ(Melolontha hippocastani)、メロロンタ・メロロンタ(Melolontha melolontha)、オウレマ・オリザエ(Oulema oryzae)、オチオリンクス・スルカツス(Otiorrhynchus sulcatus)、オチオリンクス・オバツス(Otiorrhynchus ovatus)、ファエドン・コクレアリアエ(Phaedon cochleariae)、フィロビウス・ピリ(Phyllobius pyri)、フィロトレタ・クリソセファラ(Phyllotreta chrysocephala)、フィロファガ属の種(Phyllophaga spp.)、フィロペルタ・ホルチコラ(Phyllopertha horticola)、フィロトレタ・ネモルム(Phyllotreta nemorum)、フィロトレタ・ストリオラタ(Phyllotreta striolata)、ポピリア・ジャポニカ(Popillia japonica)、シトナ・リネアツス(Sitona lineatus)及びシトフィルス・グラナリア(Sitophilus granaria)、
ハエ、蚊(双翅目(Diptera))、例えば、アエデス・アエギプチ(Aedes aegypti)、アエデス・アルボピクツス(Aedes albopictus)、アエデス・ベキサンス(Aedes vexans)、アナストレファ・ルデンス(Anastrepha ludens)、アノフェレス・マクリペニス(Anopheles maculipennis)、アノフェレス・クルキアンス(Anopheles crucians)、アノフェレス・アルビマヌス(Anopheles albimanus)、アノフェレス・ガンビアエ(Anopheles gambiae)、アノフェレス・フレボルニ(Anopheles freeborni)、アノフェレス・ロイコスフィルス(Anopheles leucosphyrus)、アノフェレス・ミニムス(Anopheles minimus)、アノフェレス・クァドリマクラツス(Anopheles quadrimaculatus)、カリフォラ・ビキナ(Calliphora vicina)、セラチチス・カピタタ(Ceratitis capitata)、クリソミア・ベジアナ(Chrysomya bezziana)、クリソミア・ホミニボラックス(Chrysomya hominivorax)、クリソミア・マセラリア(Chrysomya macellaria)、クリソプス・ジスカリス(Chrysops discalis)、クリソプス・シラセア(Chrysops silacea)、クリソプス・アトランチクス(Chrysops atlanticus)、コクリオミア・ホミニボラックス(Cochliomyia hominivorax)、コンタリニア・ソルギコラ(Contarinia sorghicola)、コルジロビア・アントロポファガ(Cordylobia anthropophaga)、クリコイデス・フレンス(Culicoides furens)、クレックス・ピピエンス(Culex pipiens)、クレックス・ニグリパルパス(Culex nigripalpus)、クレックス・クインクエファシアツス(Culex quinquefasciatus)、クレックス・タルサリス(Culex tarsalis)、クリセタ・イノルナタ(Culiseta inornata)、クリセタ・メラヌラ(Culiseta melanura)、ダクス・ククルビタエ(Dacus cucurbitae)、ダクス・オレアエ(Dacus oleae)、ダシネウラ・ブラシカエ(Dasineura brassicae)、デリア・アンチクエ(Delia antique)、デリア・コアルクタタ(Delia coarctata)、デリア・プラツラ(Delia platura)、デリア・ラジクム(Delia radicum)、デルマトビア・ホミニス(Dermatobia hominis)、ファニア・カニクラリス(Fannia canicularis)、ゲオミザ・トリプンクタタ(Geomyza Tripunctata)、ガステロフィルス・インテスチナリス(Gasterophilus intestinalis)、グロシナ・モルシタンス(Glossina morsitans)、グロシナ・パルパリス(Glossina palpalis)、グロシナ・フシペス(Glossina fuscipes)、グロシナ・タキノイデス(Glossina tachinoides)、ハエマトビア・イリタンス(Haematobia irritans)、ハプロジプロシス・エクエストリス(Haplodiplosis equestris)、ヒッペラテス属の種(Hippelates spp.)、ヒレミア・プラツラ(Hylemyia platura)、ヒポデルマ・リネアタ(Hypoderma lineata)、レプトコノプス・トレンス(Leptoconops torrens)、リリオミザ・サチバエ(Liriomyza sativae)、リリオミザ・トリフォリイ(Liriomyza trifolii)、ルキリア・カプリナ(Lucilia caprina)、ルキリア・クプリナ(Lucilia cuprina)、ルキリア・セリカタ(Lucilia sericata)、リコリア・ペクトラリス(Lycoria pectoralis)、マンソニア・チチラヌス(Mansonia titillanus)、マイエチオラ・デストルクトル(Mayetiola destructor)、ムスカ・ドメスチカ(Musca domestica)、ムシナ・スタブランス(Muscina stabulans)、オエストルス・オビス(Oestrus ovis)、オポミザ・フロルム(Opomyza florum)、オシネラ・フリット(Oscinella frit)、ペゴミア・ヒソキアミ(Pegomya hysocyami)、フォルビア・アンチクア(Phorbia antiqua)、フォルビア・ブラシカエ(Phorbia brassicae)、フォルビア・コアルクタタ(Phorbia coarctata)、フレボトムス・アルゲンチペス(Phlebotomus argentipes)、プソロフォラ・コルンビアエ(Psorophora columbiae)、プシラ・ロサエ(Psila rosae)、プソロフォラ・ジスコロル(Psorophora discolor)、プロシムリウム・ミクスツム(Prosimulium mixtum)、ラゴレチス・セラシ(Rhagoletis cerasi)、ラゴレチス・ポモネラ(Rhagoletis pomonella)、サルコファガ・ハエモロイダリス(Sarcophaga haemorrhoidalis)、サルコファガ属の種(Sarcophaga spp.)、シムリウム・ビッタツム(Simulium vittatum)、ストモキシス・カルキトランス(Stomoxys calcitrans)、タバヌス・ボビヌス(Tabanus bovinus)、タバヌス・アトラツス(Tabanus atratus)、タバヌス・リネオラ(Tabanus lineola)及びタバナス・シミリス(Tabanus similis)、チプラ・オレラセア(Tipula oleracea)及びチプラ・パルドサ(Tipula paludosa)、
アザミウマ(総翅目(Thysanoptera))、例えば、ジクロモトリプス・コルベッティ(Dichromothrips corbetti)、ジクロモトリプス属の種(Dichromothrips spp.)、フランクリニエラ・フスカ(Frankliniella fusca)、フランクリニエラ・オシデンタリス(Frankliniella occidentalis)、フランクリニエラ・トリチキ(Frankliniella tritici)、シルトリプス・キトリ(Scirtothrips citri)、トリプス・オリザエ(Thrips oryzae)、トリプス・パルミ(Thrips palmi)及びトリプス・タバキ(Thrips tabaci)、
シロアリ(等翅目(Isoptera))、例えば、カロテルメス・フラビコリス(Calotermes flavicollis)、ロイコテルメス・フラビペス(Leucotermes flavipes)、ヘテロテルメス・アウレウス(Heterotermes aureus)、レチクリテルメス・フラビペス(Reticulitermes flavipes)、レチクリテルメス・ビルギニクス(Reticulitermes virginicus)、レチクリテルメス・ルキフグス(Reticulitermes lucifugus)、テルメス・ナタレンシス(Termes natalensis)及びコプトテルメス・フォルモサヌス(Coptotermes formosanus)、
ゴキブリ(ゴキブリ目(Blattaria-Blattodea))、例えば、ブラテラ・ゲルマニカ(Blattella germanica)、ブラテラ・アサヒナエ(Blattella asahinae)、ペリプラネタ・アメリカーナ(Periplaneta americana)、ペリプラネタ・ジャポニカ(Periplaneta japonica)、ペリプラネタ・ブルネア(Periplaneta brunnea)、ペリプラネタ・フリギノサ(Periplaneta fuligginosa)、ペリプラネタ・アウストララシアエ(Periplaneta australasiae)、及びブラッタ・オリエンタリス(Blatta orientalis)、
半翅類の昆虫(半翅目(Hemiptera))、例えば、アクロステルヌム・ヒラレ(Acrosternum hilare)、ブリサス・ロイコプテルス(Blissus leucopterus)、シルトペルチス・ノタツス(Cyrtopeltis notatus)、ディスデルクス・キングラツス(Dysdercus cingulatus)、ディスデルクス・インテルメジウス(Dysdercus intermedius)、エウリガステル・インテグリセプス(Eurygaster integriceps)、エウシスツス・インピクチベントリス(Euschistus impictiventris)、レプトグロッスス・フィロプス(Leptoglossus phyllopus)、リグス・リネオラリス(Lygus lineolaris)、リグス・プラテンシス(Lygus pratensis)、ネザラ・ビリデュラ(Nezara viridula)、ピエスマ・クアドラタ(Piesma quadrata)、ソルベア・インスラリス(Solubea insularis)、チアンタ・ペルジトル(Thyanta perditor)、アクリトシフォン・オノブリキス(Acrythosiphon onobrychis)、アデルゲス・ラリキス(Adelges laricis)、アフィズラ・ナスツルチ(Aphidula nasturtii)、アフィス・ファバエ(Aphis fabae)、アフィス・フォルベシ(Aphis forbesi)、アフィス・ポミ(Aphis pomi)、アフィス・ゴシピ(Aphis gossypii)、アフィス・グロスラリアエ(Aphis grossulariae)、アフィス・シュネイデリ(Aphis schneideri)、アフィス・スピラエコラ(Aphis spiraecola)、アフィス・サンブキ(Aphis sambuci)、アクリトシフォン・ピスム(Acyrthosiphon pisum)、アウラコルツム・ソラニ(Aulacorthum solani)、ベミシア・アルゲンチフォリ(Bemisia argentifolii)、ブラチカウズス・カルズイ(Brachycaudus cardui)、ブラチカウズス・ヘリクリシ(Brachycaudus helichrysi)、ブラチカウズス・ペルシカエ(Brachycaudus persicae)、ブラチカウズス・プルニコラ(Brachycaudus prunicola)、ブレビコリネ・ブラシカエ(Brevicoryne brassicae)、カピトフォルス・ホルニ(Capitophorus horni)、セロシファ・ゴシピ(Cerosipha gossypii)、カエトシフォン・フラガエフォリ(Chaetosiphon fragaefolii)、クリプトミズス・リビス(Cryptomyzus ribis)、ドレイフシア・ノルドマニアナエ(Dreyfusia nordmannianae)、ドレイフシア・ピセアエ(Dreyfusia piceae)、ジサフィス・ラジコラ(Dysaphis radicola)、ジサウラコルツム・シュードソラニ(Dysaulacorthum pseudosolani)、ジサフィス・プランタギネア(Dysaphis plantaginea)、ジサフィス・ピリ(Dysaphis pyri)、エンポアスカ・ファバエ(Empoasca fabae)、ヒアロプテルス・プルニ(Hyalopterus pruni)、ヒペロミズス・ラクツカエ(Hyperomyzus lactucae)、マクロシフム・アベナエ(Macrosiphum avenae)、マクロシフム・エウホルビアエ(Macrosiphum euphorbiae)、マクロシフォン・ロサエ(Macrosiphon rosae)、メゴウラ・ビキアエ(Megoura viciae)、メラナフィス・ピラリウス(Melanaphis pyrarius)、メトポロフィウム・ジローズム(Metopolophium dirhodum)、ミズス・ペルシカエ(Myzus persicae)、ミズス・アスカロニクス(Myzus ascalonicus)、ミズス・セラシ(Myzus cerasi)、ミズス・バリアンス(Myzus varians)、ナソノビア・リビス-ニグリ(Nasonovia ribis-nigri)、ニラパルバタ・ルゲンス(Nilaparvata lugens)、ペムフィグス・ブルサリウス(Pemphigus bursarius)、パーキンシエラ・サッカリキダ(Perkinsiella saccharicida)、ホロドン・フミリ(Phorodon humili)、プシラ・マリ(Psylla mali)、プシラ・ピリ(Psylla piri)、ロパロミズス・アスカロニクス(Rhopalomyzus ascalonicus)、ロパロシフム・マイジス(Rhopalosiphum maidis)、ロパロシフム・パジ(Rhopalosiphum padi)、ロパロシフム・インセルツム(Rhopalosiphum insertum)、サッパフィス・マラ(Sappaphis mala)、サッパフィス・マリ(Sappaphis mali)、シザフィス・グラミヌム(Schizaphis graminum)、シゾネウラ・ラヌジノサ(Schizoneura lanuginosa)、シトビオン・アベナエ(Sitobion avenae)、トリアロイロデス・バポラリオルム(Trialeurodes vaporariorum)、トキソプテラ・アウランチアンド(Toxoptera aurantiiand)、ビテウス・ビチフォリイ(Viteus vitifolii)、キメックス・レクツラリウス(Cimex lectularius)、キメックス・ヘミプテルス(Cimex hemipterus)、レデュビウス・セニリス(Reduvius senilis)、トリアトマ属の種(Triatoma spp.)及びアリルス・クリタツス(Arilus critatus)、
アリ、ミツバチ、狩蜂、ハバチ(膜翅目(Hymenoptera))、例えば、アタリア・ロサエ(Athalia rosae)、アッタ・セファロテス(Atta cephalotes)、アッタ・カピグアラ(Atta capiguara)、アッタ・ラエビガタ(Atta laevigata)、アッタ・ロブスタ(Atta robusta)、アッタ・セクスデンス(Atta sexdens)、アッタ・テキサナ(Atta texana)、クレマトガステル属の種(Crematogaster spp.)、ホプロカンパ・ミヌタ(Hoplocampa minuta)、ホプロカンパ・テスツジネア(Hoplocampa testudinea)、モノモリウム・ファラオニス(Monomorium pharaonis)、ソレノプシス・ゲミナタ(Solenopsis geminata)、ソレノプシス・インビクタ(Solenopsis invicta)、ソレノプシス・リクテリ(Solenopsis richteri)、ソレノプシス・キシロニ(Solenopsis xyloni)、ポゴノミルメックス・バルバツス(Pogonomyrmex barbatus)、ポゴノミルレックス・カリフォルニクス(Pogonomyrmex californicus)、フェイドレ・メガセファラ(Pheidole megacephala)、ダシムチラ・オシデンタリス(Dasymutilla occidentalis)、ボンブス属の種(Bombus spp.)、ベスプラ・スクアモサ(Vespula squamosa)、パラベスプラ・ブルガリス(Paravespula vulgaris)、パラベスプラ・ペンシルバニカ(Paravespula pennsylvanica)、パラベスプラ・ゲルマニカ(Paravespula germanica)、ドリコベスプラ・マクラタ(Dolichovespula maculata)、ベスパ・クラブロ(Vespa crabro)、ポリステス・ルビギノサ(Polistes rubiginosa)、カンポノツス・フロリダヌス(Camponotus floridanus)及びリネピテマ・フミレ(Linepithema humile)、
コオロギ、バッタ、イナゴ(直翅目(Orthoptera))、例えば、アケタ・ドメスティカ(Acheta domestica)、グリロタルパ・グリロタルパ(Gryllotalpa gryllotalpa)、ロクスタ・ミグラトリア(Locusta migratoria)、メラノプラス・ビビタツス(Melanoplus bivittatus)、メラノプラス・フムルールブラム(Melanoplus femurrubrum)、メラノプラス・メキシカヌス(Melanoplus mexicanus)、メラノプラス・サングイニペス(Melanoplus sanguinipes)、メラノプラス・スプレツス(Melanoplus spretus)、ノマダクリス・セプテムファシアタ(Nomadacris septemfasciata)、シストセルカ・アメリカナ(Schistocerca americana)、シストセルカ・グレガリア(Schistocerca gregaria)、ドキオスタウルス・マロカヌス(Dociostaurus maroccanus)、タキキネス・アシナモルス(Tachycines asynamorus)、オエダレウス・セネガレンシス(Oedaleus senegalensis)、ゾノゼルス・バリエガツス(Zonozerus variegatus)、ヒエログリフス・ダガネンシス(Hieroglyphus daganensis)、クラウサリア・アングリフェラ(Kraussaria angulifera)、カリプタムス・イタリクス(Calliptamus italicus)、コルトイセテス・テルミニフェラ(Chortoicetes terminifera)、及びロクスタナ・パルダリナ(Locustana pardalina)、
クモ形類動物などのクモ類(コナダニ)、例えば、ヒメダニ科(Argasidae)、マダニ科(Ixodidae)及びヒゼンダニ科(Sarcoptidae)、例えば、アンブリオマ・アメリカヌム(Amblyomma americanum)、アンブリオマ・バリエガツム(Amblyomma variegatum)、アンブリオマ・マクラツム(Ambryomma maculatum)、アルガス・ペルシクス(Argas persicus)、ボーフィルス・アヌラツス(Boophilus annulatus)、ボーフィルス・デコロラツス(Boophilus decoloratus)、ボーフィルス・ミクロプルス(Boophilus microplus)、デルマセントル・シルバルム(Dermacentor silvarum)、デルマセントル・アンデルソニ(Dermacentor andersoni)、デルマセントル・バリアビリス(Dermacentor variabilis)、ヒアローマ・トルンカツム(Hyalomma truncatum)、イクソデス・リキヌス(Ixodes ricinus)、イクソデス・ルビクンズス(Ixodes rubicundus)、イクソデス・スカプラリス(Ixodes scapularis)、イクソデス・ホロシクルス(Ixodes holocyclus)、イクソデス・パキフィクス(Ixodes pacificus)、オルニトドルス・モウバタ(Ornithodorus moubata)、オルニトドルス・ヘルムシ(Ornithodorus hermsi)、オルニトドルス・ツリカタ(Ornithodorus turicata)、オルニトニスス・バコチ(Ornithonyssus bacoti)、オトビウス・メグニニ(Otobius megnini)、デルマニススス・ガリナエ(Dermanyssus gallinae)、プソロプテス・オビス(Psoroptes ovis)、リピセファルス・サングイネウス(Rhipicephalus sanguineus)、リピセファルス・アペンジクラツス(Rhipicephalus appendiculatus)、リピセファルス・エベルトシ(Rhipicephalus evertsi)、サルコプテス・スカビエイ(Sarcoptes scabiei)、並びにフシダニ属の種(Eriophyidae)、例えば、アクルス・シレクテンダリ(Aculus schlechtendali)、フィロコプトラタ・オレイボラ(Phyllocoptrata oleivora)、及びエリオフィエス・シェルドニ(Eriophyes sheldoni);タルソネミダエ属の種(Tarsonemidae spp.)、例えば、フィトネムス・パリズス(Phytonemus pallidus)及びポリファゴタルソネムス・ラツス(Polyphagotarsonemus latus);ヒメハダニ属の種(Tenuipalpidae spp.)、例えば、ブレビパルプス・フォエニキス(Brevipalpus phoenicis);ハダニ属の種(Tetranychidae spp.)、例えば、テトラニクス・キンナバリヌス(Tetranychus cinnabarinus)、テトラニクス・カンザワイ(Tetranychus kanzawai)、テトラニクス・パキフィクス(Tetranychus pacificus)、テトラニクス・テラリウス(Tetranychus telarius)及びテトラニクス・ウルティカエ(Tetranychus urticae)、パノニクス・ウルミ(Panonychus ulmi)、パノニクス・キトリ(Panonychus citri)、及びオリゴニクス・プラテンシス(Oligonychus pratensis);真正クモ目(Araneida)、例えば、ラトロデクツス・マクタンス(Latrodectus mactans)、ロクソセレス・レクルサ(Loxosceles reclusa)、
ノミ(ノミ目(Siphonaptera))、例えば、クテノセファリデス・フェリス(Ctenocephalides felis)、クテノセファリデス・カニス(Ctenocephalides canis)、キセノプシラ・ケオピス(Xenopsylla cheopis)、プレックス・イリタンス(Pulex irritans)、ツンガ・ペネトランス(Tunga penetrans)、及びノソプシルス・ファシアツス(Nosopsyllus fasciatus)、
セイヨウシミ、マダラシミ(シミ目(Thysanura))、例えば、レピスマ・サッカリナ(Lepisma saccharina)及びテルモビア・ドメスチカ(Thermobia domestica)、
ムカデ(ムカデ綱(Chilopoda))、例えば、スクチゲラ・コレオプトラタ(Scutigera cole
optrata)、
ヤスデ(ヤスデ網(Diplopoda))、例えば、ナルセウス属の種(Narceus spp.)、
ハサミムシ(革翅目(Dermaptera))、例えば、フォルフィクラ・アウリクラリア(forficu
la auricularia)、
シラミ(フチラプテラ(Phthiraptera))、例えば、ペジクルス・フマヌス・カピチス(Pediculus humanus capitis)、ペジクルス・フマヌス・コルポリス(Pediculus humanus corporis)、プチルス・プビス(Pthirus pubis)、ハエマトピヌス・エウリステルヌス(Haematopinus eurysternus)、ハエマトピヌス・スイス(Haematopinus suis)、リノグナツス・ビツリ(Linognathus vituli)、ボビコラ・ボビス(Bovicola bovis)、メノポン・ガリナエ(Menopon gallinae)、メナカンツス・ストラミネウス(Menacanthus stramineus)及びソレノポテス・カピラツス(Solenopotes capillatus)、
植物寄生線虫、例えば根こぶ線虫、メロイドギュネ・アレナリア(Meloidogyne arenaria)、メロイドギュネ・キトウォオディ(Meloidogyne chitwoodi)、メロイドギュネ・エクシグア(Meloidogyne exigua)、メロイドギュネ・ハルパ(Meloidogyne hapla)、メロイドギュネ・インコグニタ(Meloidogyne incognita)、メロイドギュネ・ヤウァニカ(Meloidogyne javanica)及び他のメロイドギュネ属の種(Meloidogyne species);シスト線虫、グロボデラ・ロストキエンシス(Globodera rostochiensis)、グロボデラ・パッリダ(Globodera pallida)、グロボデラ・タバクム(Globodera tabacum)及び他のグロボデラ属の種(Globodera species)、ヘテロデラ・アウェナエ(Heterodera avenae)、ヘテロデラ・グリュキネス(Heterodera glycines)、ヘテロデラ・スカクティイ(Heterodera schachtii)、ヘテロデラ・トリフォリイ(Heterodera trifolii)、及び他のヘテロデラ属の種(Heterodera species);種こぶ線虫、アングイナ・フネスタ(Anguina funesta)、アングイナ・トリティキ(Anguina tritici)及び他のアングイナ属の種(Anguina species);茎及び葉の線虫、アペレンコイデス・ベッセイ(Aphelenchoides besseyi)、アペレンコイデス・フラガリアエ(Aphelenchoides fragariae)、アペレンコイデス・リトゼマボシ(Aphelenchoides ritzemabosi)及び他のアペレンコイデス属の種(Aphelenchoides species);刺す線虫、ベロノライムス・ロンギカウダトゥス(Belonolaimus longicaudatus)及び他のベロノライムス属の種(Belonolaimus species);松線虫、ブルサペレンクス・クシュロピルス(Bursaphelenchus xylophilus)及び他のブルサペレンクス属の種(Bursaphelenchus species);輪状線虫、クリコネマ属の種(Criconema species)、クリコネメッラ属の種(Criconemella species)、クリコネモイデス属の種(Criconemoides species)、及びメソクリコネマ属の種(Mesocriconema species);茎及び球根の線虫、ディチュレンクス・デストルクトル(Ditylenchus destructor)、ディチュレンクス・ディプサキ(Ditylenchus dipsaci)、ディチュレンクス・ミュケリオパグス(Ditylenchus myceliophagus)及び他のディチュレンクス属の種(Ditylenchus species);オール(awl)線虫、ドリコドルス属の種(Dolichodorus species);螺旋状線虫、ヘリコチュレンクス・ディヒュステラ(Helicotylenchus dihystera)、ヘリコチュレンクス・ムルティキンクトゥス(Helicotylenchus multicinctus)及び他のヘリコチュレンクス属の種(Helicotylenchus species)、ロチュレンクス・ロブストゥス(Rotylenchus robustus)及び他のロチュレンクス属の種(Rotylenchus species);鞘型線虫、ヘミキュクリオポラ属の種(Hemicycliophora species)及びヘミクリコネモイデス属の種(Hemicriconemoides species);ヒルスマンニエッラ属の種(Hirshmanniella species);ランス(lance)線虫、ホプロライムス・コルムブス(Hoplolaimus columbus)、ホプロライムス・ガレアトゥス(Hoplolaimus galeatus)及び他のホプロライムス属の種(Hoplolaimus species);疑似根こぶ線虫、ナコッブス・アベッランス(Nacobbus aberrans)及び他のナコッブス属の種(Nacobbus species);針状線虫、ロンギドルス・エロンガテス(Longidorus elongates)及び他のロンギドルス属の種(Longidorus species);ピン状(pin)線虫、パラチュレンクス属の種(Paratylenchus species);病変(lesion)線虫、プラチュレンクス・ブラキュウルス(Pratylenchus brachyurus)、プラチュレンクス・コッフェアエ(Pratylenchus coffeae)、プラチュレンクス・クルウィタトゥス(Pratylenchus curvitatus)、プラチュレンクス・ゴオデイ(Pratylenchus goodeyi)、プラチュレンクス・ネグレクトゥス(Pratylencus neglectus)、プラチュレンクス・ペネトランス(Pratylenchus penetrans)、プラチュレンクス・スクリブネリ(Pratylenchus scribneri)、プラチュレンクス・ウルヌス(Pratylenchus vulnus)、プラチュレンクス・ゼアエ(Pratylenchus zeae)及び他のプラチュレンクス属の種(Pratylenchus species);ラディナペレンクス・ココピルス(Radinaphelenchus cocophilus)及び他のラディナペレンクス属の種(Radinaphelenchus species);穿孔線虫、ラドポルス・シミリス(Radopholus similis)及び他のラドポルス属の種(Radopholus species);腎形線虫、ロチュレンクルス・レニフォルミス(Rotylenchulus reniformis)及び他のロチュレンクルス属の種(Rotylenchulus species);スクテッロネマ属の種(Scutellonema species);太根(stubby root)線虫、トリコドルス・プリミティウス(Trichodorus primitives)及び他のトリコドルス属の種(Trichodorus species);パラトリコドルス・ミノル(Paratrichodorus minor)及び他のパラトリコドルス属の種(Paratrichodorus species);萎縮(stunt)線虫、チュレンコリュンクス・クラュトニ(Tylenchorhynchus claytoni)、チュレンコリュンクス・デュビウス(Tylenchorhynchus dubius)及び他のチュレンコリュンクス属の種(Tylenchorhynchus species)及びメルリニウス属の種(Merlinius species);かんきつ類線虫、チュレンクルス・セミペネトランス(Tylenchulus semipenetrans)及び他のチュレンクルス属の種(Tylenchulus species);ダガー(dagger)線虫、クシピネマ・アメリカヌム(Xiphinema americanum)、クシピネマ・インデクス(Xiphinema index)、クシピネマ・ディウェルシカウダトゥム(Xiphinema diversicaudatum)及び他のクシピネマ属の種(Xiphinema species);及び他の植物寄生線虫種。
【0161】
本発明は、少なくとも1種の結晶複合体I、II、III、VII又はIVを含む有効量の農薬製剤を、植物、植物の部分、植物繁殖材料又は植物が成長している場所に施用するステップを含む、植物の健康を改善する方法をさらに含む。
【0162】
本明細書で、結晶複合体の量は、所望の効果の種類に応じて、1ヘクタール当たり0.001から2kgまで、好ましくは1ヘクタール当たり0.005から2kgまで、より好ましくは1ヘクタール当たり0.05から0.9kgまで、特に1ヘクタール当たり0.1から0.75kgまでである。
【0163】
「植物の健康」という用語は、収量(例えば、増加したバイオマス及び/又は有用成分の増加した含有量)、植物の活力(例えば、改善された植物成長及び/又はより緑色の濃い葉(「緑化効果」))、品質(例えば、特定成分の改善された含有量又は組成)並びに非生物及び/又は生物ストレスに対する耐性などの単独又は互いに組み合わせたいくつかの指標によって決定される植物及び/又はその製品の状態を意味するものと理解されるべきである。植物の健康状態のための上記で特定された指標は、相互に依存し合うか、相互の結果として生ずる場合がある。
【0164】
本発明は、少なくとも1種の結晶複合体V又はVIを含む除草剤として有効な量の農薬製剤を、植物、それらの生息地又は植物が成長している場所に作用させるステップを含む、望ましくない植生を防除する方法をさらに含む。
【0165】
望ましくない植生の防除は、雑草の破壊を意味するものとして理解される。雑草は、最も広義には、それらが望まれない場所に成長している全ての植物を意味するものとして理解され、例えば:
以下の属の双子葉植物の雑草:シロガラシ(Sinapis)、マメグンバイナズナ(Lepidium)、ヤエムグラ(Galium)、ハコベ(Stellaria)、マトリカリア(Matricaria)、アンテミス(Anthemis)、ガリンソガ(Galinsoga)、アカザ(Chenopodium)、イラクサ(Urtica)、キオン(Senecio)、ヒユ(Amaranthus)、スベリヒユ(Portulaca)、オナモミ(Xanthium)、セイヨウヒルガオ(Convolvulus)、ヒルガオ(Ipomoea)、イタドリ(Polygonum)、アメリカツノクサネム(Sesbania)、ブタクサ(Ambrosia)、アザミ(Cirsium)、ヒレアザミ(Carduus)、ハチジョウナ(Sonchus)、ナス(Solanum)、イヌガラシ(Rorippa)、キカシグサ(Rotala)、クロモジ(Lindernia)、オドリコソウ(Lamium)、イヌノフグリ(Veronica)、イチビ(Abutilon)、エメックス(Emex)、シロバナチョウセンアサガオ(Datura)、スミレ(Viola)、チシマオドリコソウ(Galeopsis)、ケシ(Papaver)、ヤグルマギク(Centaurea)、クローバ(Trifolium)、キンポウゲ(Ranunculus)、タンポポ(Taraxacum)。
【0166】
以下の属の単子葉植物の雑草:イヌビエ(Echinochloa)、エノコログサ(Setaria)、ヌカキビ(Panicum)、メヒシバ(Digitaria)、オオアワガエリ(Phleum)、スズメノカタビラ(Poa)、ナギナタガヤ(Festuca)、オヒシバ(Eleusine)、パラグラス(Brachicaria)、ドクムギ(Lolium)、スズメノチャヒキ(Bromus)、カラスムギ(Avena)、カヤツリグサ(Cyperus)、セイバンモロコシ(Sorghum)、カモジグサ(Agropyron)、ギョウギシバ(Cynodon)、ミズアオイ(Monochoria)、テンツキ(Fimbristylis)、オモダカ(Sagittaria)、ハリイ(Eleocharis)、アブラガヤ(Scirpus)、スズメノヒエ(Paspalum)、ヒザオリシバ(Ischaemum)、スフェノクレア(Sphenoclea)、タツノツメガヤ(Dactyloctenium)、コヌカグサ(Agrostis)、スズメノテッポウ(Alopecurus)、アペラ(Apera)。
【0167】
一般的に、「植物」という用語には、品種改良、突然変異生成又は遺伝子工学(遺伝子導入植物及び非遺伝子導入植物)によって改変された植物も含まれる。遺伝子組換え植物は、それが、自然環境下の交雑品種改良、突然変異又は自然組換えによって容易に得ることができない方法で、遺伝物質が、組換えDNA技術の使用によって改変された植物である。
【0168】
結晶複合体の複合体I、II、III、IV、V、VI又はVIIで処理し得る植物及び同様に前記植物の繁殖材料には、全ての改変された非遺伝子導入植物又は遺伝子導入植物、例えば、遺伝子工学を含めた品種改良方法によって除草剤若しくは殺菌剤若しくは殺虫剤の作用に耐性がある作物、又は既存の植物と比べて改変された特性を有し、例えば、伝統的な品種改良方法及び/若しくは突然変異の生成、若しくは組換え手法によって生成され得る植物が含まれる。
【0169】
例えば、結晶複合体I、II、III、IV、V、VI又はVIIは、品種改良、突然変異生成又は限定されないが、市販されているか開発途上の農業用バイオテクノロジー製品を含む遺伝子工学によって改変された植物に対しても、上述の処理の方法に従って施用することができる(http://www.bio.org/speeches/pubs/er/agri_products.aspを参照されたい)。遺伝子組換え植物は、遺伝物質が、自然環境下では、交雑品種改良、突然変異又は自然組換えによって容易に得ることができない程度に改変された植物である。一般的に、1種又は複数の遺伝子が、植物の特定の性質を改善するために、遺伝子組換え植物の遺伝物質に組み込まれている。このような遺伝子組換えには、それだけには限らないが、例えば、糖鎖形成又はプレニル化部分、アセチル化部分若しくはファルネシル化部分若しくはPEG部分などのポリマー添加による、タンパク質(複数可)、オリゴ-又はポリペプチドの標的翻訳後修飾も含まれる。
【0170】
例えば、品種改良、突然変異生成又は遺伝子工学によって、改変された植物は、特定のクラスの除草剤の施用に対して耐性をもたされている。除草剤に対する耐性は、除草剤に対して耐性がある標的酵素の発現によって除草剤の作用場所に非感受性を生じること;除草剤を不活性化する酵素の発現による除草剤の急速な代謝(抱合又は分解);又は除草剤の乏しい吸収及び移行によって得ることができる。例は、野生タイプの酵素に比べて除草剤に耐性がある酵素の発現、例えば、グリホセートに耐性がある5-エノールピルビルシキメート-3-ホスフェートシンターゼ(EPSPS)の発現(例えば、Heckら、Crop Sci. 45巻、2005年、329-339頁;Funkeら、PNAS 103巻、2006年、13010-13015頁;米国特許第5,188,642号、米国特許第4,940,835号、米国特許第5,633,435号、米国特許第5,804,425号、米国特許第5,627,061号を参照されたい)、グルホシネート及びビアラホスに耐性があるグルタミン合成酵素の発現(例えば、米国特許第5,646,024号、米国特許第5,561,236号を参照されたい)並びにジカンバ分解酵素をコードするDNA構築物(一般参照のために米国特許出願第2009/0,105,077号、例えば、インゲンマメ、トウモロコシにおけるジカンバ耐性についての米国特許第7,105,724号(トウモロコシについて、国際公開第2008051633号も参照されたい)、綿(綿について、米国特許第5,670,454号も参照されたい)、エンドウマメ、ジャガイモ、モロコシ、ダイズ(ダイズについて、米国特許第5,670,454号も参照されたい)、ヒマワリ、タバコ、トマト(トマトについて、米国特許第5,670,454号も参照されたい)である。
【0171】
さらに、これは、同様に、イミダゾリノン除草剤の施用に耐性がある植物(アブラナ(Tanら、Pest Manag. Sci 61巻、246-257頁(2005年));トウモロコシ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号、Tanら、Pest Manag. Sci 61巻、246-257頁(2005年));イネ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号、S653N(例えば、米国特許出願第2003/0,217,381号を参照されたい)、S654K(例えば、米国特許第2003/0,217,381号を参照されたい)、A122T(例えば、国際公開第04/106529号を参照されたい)S653(At)N、S654(At)K、A122(At)T及び国際公開第0027182号、国際公開第05/20673号及び国際公開第0185970号又は米国特許第5,545,822号、米国特許第5,736,629号、米国特許第5,773,703号、米国特許第5,773,704号、米国特許第5,952,553号、米国特許第6,274,796号に記載された他の耐性米植物);アワ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号);オオムギ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号);コムギ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号、米国特許第6,222,100号、国際公開第04/106529号、国際公開第04/16073号、国際公開第03/14357号、国際公開第03/13225号及び国際公開第03/14356号);モロコシ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号);エンバク(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号);ライムギ(米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第5,331,107号、米国特許第5,718,079号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号);サトウビート(国際公開第9802526号/国際公開第9802527号);レンズマメ(米国特許第2004/0,187,178号);ヒマワリ(Tanら、Pest Manag. Sci 61巻、246-257頁(2005年)))を含む。遺伝子構築物は、例えば、グリホセートに耐性があるアグロバクテリウム株CP4 EPSPS;グルホシネートに耐性があるストレプトミュケス(Streptomyces)細菌;HDDPをコードするキメラ遺伝子配列を有するシロイヌナズナ(Arabidopsis)、ダウクス・カロッテ(Daucus carotte)、プセウドモナス属の種(Pseudomonas sp.)又はトウモロコシ(Zea mais)(例えば、国際公開第1996/38567号、国際公開第2004/55191号を参照されたい);プロトックス阻害剤に耐性があるシロイヌナズナ(Arabidopsis thaliana)(例えば、米国特許出願公開第2002/0,073,443号を参照されたい)などの前記除草剤に耐性がある微生物又は植物から得ることができる。
【0172】
除草剤に対する耐性を有する市販の植物の例は、グリホセートに対する耐性を有するトウモロコシ品種「Roundup Ready Corn」、「Roundup Ready 2」(Monsanto)、「Agrisure GT」、「Agrisure GT/CB/LL」、「Agrisure GT/RW」、「Agrisure 3000GT」(Syngenta)、「YieldGard VT Rootworm/RR2」及び「YieldGard VT Triple」(Monsanto);グルホシネートに対する耐性を有するトウモロコシ品種「Liberty Link」(Bayer)、「Herculex I」、「Herculex RW」、「Herculex Xtra」(Dow、Pioneer)、「Agrisure GT/CB/LL」及び「Agrisure CB/LL/RW」(Syngenta);グリホセートに対する耐性を有するダイズ品種「Roundup Ready Soybean」(Monsanto)及び「Optimum GAT」(DuPont、Pioneer);グリホセートに対する耐性を有するワタ品種「Roundup Ready Cotton」及び「Roundup Ready Flex」(Monsanto);グルホシネートに対する耐性を有するワタ品種「FiberMax Liberty Link」(Bayer);ブロモキシニルに対する耐性を有するワタ品種「BXN」(Calgene);ブロモキシニル耐性を有するアブラナ品種「Navigator」及び「Compass」(Rhone-Poulenc);グリホセート耐性を有するアブラナ品種「Roundup Ready Canola」(Monsanto);グルホシネート耐性を有するアブラナ品種「InVigor」(Bayer);グルホシネート耐性を有するイネ品種「Liberty Link Rice」(Bayer)及びグリホセート耐性を有するアルファルファ品種「Roundup Ready Alfalfa」である。さらなる除草剤で改変された植物、例えば、グリホセートに対して耐性を有するアルファルファ、リンゴ、ユーカリ、アマ、ブドウ、レンズマメ、アブラナ、エンドウマメ、ジャガイモ、米、サトウビート、ヒマワリ、タバコ、トマト、芝草及びコムギ(例えば、米国特許第5,188,642号、米国特許第4,940,835号、米国特許第5,633,435号、米国特許第5,804,425号、米国特許第5,627,061号を参照されたい);ジカンバに対する耐性を有するインゲンマメ、ダイズ、ワタ、エンドウマメ、ジャガイモ、ヒマワリ、トマト、タバコ、トウモロコシ、モロコシ及びサトウキビ(例えば米国特許出願第2009/0,105,077号、米国特許第7,105,724号及び米国特許第5,670,454号を参照されたい);2,4-Dに対する耐性を有するコショウ、リンゴ、トマト、ヒルゼ(hirse)、ヒマワリ、タバコ、ジャガイモ、トウモロコシ、キュウリ、コムギ、ダイズ及びモロコシ(例えば、米国特許第6,153,401号、米国特許第6,100,446号、国際公開第2005107437号、米国特許第5,608,147号及び米国特許第5,670,454号を参照されたい);グルホシネートに対する耐性を有するサトウダイコン、ジャガイモ、トマト及びタバコ(例えば、米国特許第5,646,024号、米国特許第5,561,236号を参照されたい);アセト乳酸シンターゼ(ALS)阻害除草剤、例えば、トリアゾロピリミジンスルホンアミド、成長抑制剤及びイミダゾリノンに対する耐性を有するアブラナ、オオムギ、ワタ、ジュンシア(juncea)、レタス、レンズマメ、メロン、アワ、エンバク、アブラナ、ジャガイモ、イネ、ライムギ、モロコシ、ダイズ、サトウダイコン、ヒマワリ、タバコ、トマト及びコムギ(例えば、米国特許第5,013,659号、国際公開第2006060634号、米国特許第4,761,373号、米国特許第5,304,732号、米国特許第6,211,438号、米国特許第6,211,439号及び米国特許第6,222,100号を参照されたい);HPPD阻害除草剤に対する耐性を有する禾穀類、サトウキビ、イネ、トウモロコシ、タバコ、ダイズ、ワタ、アブラナ、サトウダイコン及びジャガイモ(例えば、国際公開第2004/055191号、国際公開第199638567号、国際公開第1997049816号及び米国特許第6,791,014号を参照されたい);プロトポルフィリノーゲン酸化酵素(PPO)阻害除草剤に対する耐性を有するコムギ、ダイズ、ワタ、サトウダイコン、セイヨウアブラナ、イネ、トウモロコシ、モロコシ及びサトウキビ(例えば、米国特許出願第2002/0,073,443号、米国特許出願第2008/0,052,798号、Pest Management Science、61巻、2005年、277-285頁を参照されたい)は、一般的に知られている。このような除草剤耐性植物を生成する方法は、一般的に当業者に知られており、例えば、上述の刊行物に記載されている。
【0173】
除草剤に対する耐性を有する市販の改変された植物のさらなる例は、イミダゾリノン除草剤に対する耐性を有する「CLEARFIELD Corn」、「CLEARFIELD Canola」、「CLEARFIELD Rice」、「CLEARFIELD Lentils」、「CLEARFIELD Sunlowers」(BASF)である。
【0174】
さらに、組換えDNA技術の使用によって、1種又は複数の殺虫剤タンパク質、特に細菌属バキッルス(Bacillus)から、特にバキッルス・トゥリンギエンシス(Bacillus thuringiensis)から知られているもの、例えば、δ-エンドトキシン、例えば、CryIA(b)、CryIA(c)、CryIF、CryIF(a2)、CryIIA(b)、CryIIIA、CryIIIB(b1)又はCry9c;植物殺虫タンパク質(VIP)、例えばVIP1、VIP2、VIP3又はVIP3A;例えば、ポトラブドゥス属の種(Photorhabdus spp.)又はクセノラブドゥス属の種(Xenorhabdus spp.)などの線虫にコロニーをつくる細菌の殺虫タンパク質;動物によって産生される毒素、例えばサソリ毒、蛛毒、スズメバチ毒、又は他の昆虫に特異的な神経毒;菌類によって産生される毒素、例えばストレプトミュケテス(Streptomycetes)毒、植物レクチン、例えばエンドウレクチン又はオオムギレクチン;アグルチニン;プロティナーゼ阻害剤、例えばトリプシン阻害剤、セリンプロテアーゼ阻害剤、パタチン(patatin)、シスタチン又はパパイン阻害剤;リボソーム不活化タンパク質(RIP)、例えばリシン、トウモロコシ-RIP、アブリン、ルフィン(luffin)、サポリン又はブリオジン(bryodin);ステロイド代謝酵素、例えば3-ヒドロキシステロイドオキシダーゼ、エクジステロイド-IDP-グリコシル-トランスフェラーゼ、コレステロールオキシダーゼ、エクジソン阻害剤又はHMG-CoA-レダクターゼ;イオンチャネル遮断薬、例えばナトリウムチャネル又はカルシウムチャネル遮断薬;幼若ホルモンエステラーゼ;利尿ホルモンレセプター(ヘリコキニン(helicokinin)レセプター);スチルベンシンターゼ、ビベンジルシンターゼ、キチナーゼ又はグルカナーゼを合成し得る植物も含まれる。本発明との関連で、これらの殺虫タンパク質又は毒素は、プレトキシン(pre-toxin)、ハイブリッドタンパク質、短縮タンパク質又は他のやり方で改変されたタンパク質として同様に明確に理解されるべきである。ハイブリッドタンパク質は、タンパク質ドメインの新しい組合せによって特徴付けられる(例えば、国際公開第02/015701号を参照されたい)。このような毒素又はこのような毒素を合成し得る遺伝子組換え植物のさらなる例は、例えば、欧州特許第374753号、国際公開第93/007278号、国際公開第95/34656号、欧州特許第427529号、欧州特許第451878号、国際公開第03/18810号及び国際公開第03/52073号に開示されている。このような遺伝子組換え植物を生成する方法は、当業者に一般的に知られており、例えば、上述の刊行物に記載されている。遺伝子組換え植物に含有されるこれらの殺虫タンパク質は、これらのタンパク質を生成する植物に、節足動物の全ての分類群からの有害生物、特に、甲虫(鞘翅目(Coleoptera))、双翅目の昆虫(双翅目(Diptera))、及び蛾(鱗翅目(Lepidoptera))及び線虫(線虫綱(Nematoda))に対する耐性を付与する。1種又は複数の殺虫タンパク質を合成し得る遺伝子組換え植物は、例えば、上述の刊行物に記載されており、これらのいくつかは、市販されており、例えば、YieldGard(登録商標)(Cry1Ab毒素を生成するトウモロコシ栽培品種)、YieldGard(登録商標)Plus(Cry1Ab及びCry3Bb1毒素を生成するトウモロコシ栽培品種)、Starlink(登録商標)(Cry9c毒素を生成するトウモロコシ栽培品種)、Herculex(登録商標)RW(Cry34Ab1、Cry35Ab1及び酵素ホスフィノトリシン-N-アセチルトランスフェラーゼ[PAT]を生成するトウモロコシ栽培品種);NuCOTN(登録商標)33B(Cry1Ac毒素を生成する綿栽培品種)、Bollgard(登録商標)I(Cry1Ac毒素を生成する綿栽培品種)、Bollgard(登録商標)II(Cry1Ac及びCry2Ab2毒素を生成する綿栽培品種);VIPCOT(登録商標)(VIP毒素を生成する綿栽培品種);NewLeaf(登録商標)(Cry3A毒素を生成するジャガイモ栽培品種);Bt-Xtra(登録商標)、NatureGard(登録商標)、KnockOut(登録商標)、BiteGard(登録商標)、Protecta(登録商標)、Syngenta Seeds SAS、フランスからのBt11(例えば、Agrisure(登録商標)CB)及びBt176、(Cry1Ab毒素及びPAT酵素を生成するトウモロコシ栽培品種)、Syngenta Seeds SAS、フランスからのMIR604(Cry3A毒素の修正バージョンを生成するトウモロコシ栽培品種、国際公開第03/018810号を参照されたい)、Monsanto Europe S.A.、ベルギーからのMON 863(Cry3Bb1毒素を生成するトウモロコシ栽培品種)、Monsanto Europe S.A.、ベルギーからのIPC 531(Cry1Ac毒素の修正バージョンを生成する綿栽培品種)並びにPioneer Overseas Corporation、ベルギーからの1507(Cry1F毒素及びPAT酵素を生成するトウモロコシ栽培品種)などである。
【0175】
さらに、組換えDNA技術の使用によって、細菌病原体、ウイルス病原体又は菌類病原体に対する、それらの植物の抵抗性(resistance)又は耐性(tolerance)を増加する1種又は複数のタンパク質を合成し得る植物も含まれる。このようなタンパク質の例は、いわゆる「病原性関連タンパク質」(PRタンパク質、例えば、欧州特許第392225号を参照されたい)、植物の病気に耐性のある遺伝子(例えば、メキシコの野生ジャガイモのソラヌム・ブルボカスタヌム(Solanum bulbocastanum)に由来するピュトプトラ・インフェスタンス(Phytophthora infestans)に対して作用する耐性遺伝子を発現するジャガイモ栽培品種)又はT4-リゾチーム(例えば、エルウィニア・アミュルウォラ(Erwinia amylvora)などの細菌に対する増加した耐性を有するこれらのタンパク質を合成し得るジャガイモ栽培品種)である。このような遺伝子組換え植物を生成する方法は、当業者に一般的に知られており、例えば、上述の刊行物に記載されている。
【0176】
さらに、組換えDNA技術の使用によって、生産性(例えば、バイオマス生産、穀粒収量、デンプン含有率、油含有率若しくはタンパク質含有率)、干ばつ、塩分若しくは他の成長を制限する環境要因に対する耐性又はそれらの植物の有害生物及び菌類病原体、細菌病原体若しくはウイルス病原体に対する耐性を増加する1種又は複数のタンパク質を合成し得る植物も含まれる。
【0177】
さらに、組換えDNA技術の使用によって、変更された量の物質又は特にヒト又は動物の栄養を改善するための新しい物質、例えば、健康を増進する長鎖オメガ-3脂肪酸又は不飽和オメガ-9脂肪酸を生成する油料作物を含有する植物も含まれる(例えば、Nexera(登録商標)rape、DOW Agro Sciences、カナダ)。
【0178】
さらに、組換えDNA技術の使用によって、変更された量の物質又は特に原材料生産を改善するための新しい物質、例えば、増加した量のアミロペクチンを生成するジャガイモを含有する植物も含まれる(例えば、Amflora(登録商標)potato、BASF SE、ドイツ)。
【0179】
複合体V及びVIに関連する本発明の方法に使用するために好適な特に好ましい改変された植物は、除草剤に対して耐性にされた、特にイミダゾリノン除草剤に対して耐性にされたものであり、最も好ましくは、前述のイミダゾリノン耐性植物である。
【0180】
以下の図及び実施例は、本発明の説明に役立ち、本発明を制限するものとして理解されるべきではない。
【実施例】
【0181】
A)調製
[実施例1]
複合体I
ピラクロストロビン及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、100.0mgのピラクロストロビン、35.6mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び100μlの50v/v%水-エタノール溶液を、ボールミル(Retsch Modell MM301)で15分間、磨砕した。残りの溶媒を大気中で乾燥させた。結晶生成物は、図1に示されたPXRDをもたらした。
【0182】
[実施例2]
複合体I
ピラクロストロビン及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、100.2mgのピラクロストロビン、35.6mgの4-ヒドロキシ安息香酸を、10mlガラスバイアル中に置き、40℃の4mlのMeOHに溶解して透明な溶液を得た。この溶液を、開口したバイアル中において室温で蒸発させた。溶媒の全てが蒸発した後、一つの結晶を、単結晶構造の決定のために選んだ。結晶生成物は、図1におけるPXRDをもたらした(信号、表1も参照されたい)。
【0183】
構造を解いて、表2に記載された結晶学的パラメーターを得た。
【0184】
複合体Iの単結晶構造を、-170℃で測定した。4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの結晶複合体の結晶構造は、三斜晶系結晶系を有し、空間群は、P-1である。結晶学的パラメーターを表2に記載する。
【0185】
4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの結晶複合体の単結晶の研究は、結晶系は、三斜晶であり、空間群P-1を有することを示している。構造解析は、結晶複合体は、それぞれ、1分子の4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンを含有する非対称ユニットを有する、4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの1:1の混合物であることを明らかにした。結晶における4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビン分子の空間的配置は、主として、2個の4-ヒドロキシ安息香酸分子の間の水素結合及び同様に4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビン分子の間の水素結合によって決められているように見える。この複合体の結晶構造の特徴的なデータが、表2に示されている。
【表8】

【0186】
[実施例3]
複合体II
エポキシコナゾール及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、250.0mgのピラクロストロビン、104.7mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び100mlの50v/v%水-アセトニトリル溶液を、ボールミル(Retsch Modell MM301)で20分間、磨砕した。残りの溶媒を、大気中で乾燥させた。この結晶生成物は、図2におけるPXRDをもたらした(信号、表3も参照されたい)。
【0187】
[実施例4]
複合体II
エポキシコナゾール及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、100mgのエポキシコナゾール及び41.9mgの4-ヒドロキシ安息香酸を、10mlガラスバイアルに置き、40℃の4mlのアセトンに溶解して透明な溶液を得た。この溶液を、開口したバイアル中で室温において蒸発させた。溶媒の4/5が蒸発した後、溶液を濾過した。透明な針状結晶を、PXRD(図2、表3)で分析し、単結晶構造は、複合体2であることが決定された(表4)。
【表9】

【0188】
[実施例5]
複合体III
テブコナゾール及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、200.1mgのテブコナゾール、80.4mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び150mlエタノールを、ボールミル(Retsch Modell MM301)で20Hzを使用して10分間、磨砕した。結晶生成物は、図3のPXRDをもたらした(表5)。
【0189】
[実施例6]
複合体IV
ボスカリド及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、200.0mgのボスカリド、80.4mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び150mlのエタノールを、ボールミル(Retsch Modell MM301)で20Hzを使用して10分間、磨砕した。結晶生成物は、図4のPXRDをもたらした(表6)。
【0190】
[実施例7]
複合体V
イマゼタピル及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、200.3mgのイマゼタピル、95.5mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び150mlのエタノールを、ボールミル(Retsch Modell MM301)で20Hzを使用して10分間、磨砕した。結晶生成物は、図5のPXRDをもたらした(表7)。
【0191】
複合体Vの単結晶構造を、-170℃において求めた。4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルの結晶複合体の結晶構造は、単斜結晶系を有し、空間群は、P21/nである。結晶学的パラメーターを、表8に記載する。
【0192】
4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルの結晶複合体の単結晶の研究は、結晶系は、三斜晶であり、空間群P21/nを有することを示している。構造解析は、結晶複合体は、それぞれ、1分子の4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルを含有する非対称ユニットを有する4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルの1:1の混合物であることを明らかにした。結晶における4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピル分子の空間的配置は、主として、2個の4-ヒドロキシ安息香酸分子の間の水素結合及び同様に4-ヒドロキシ安息香酸分子及びイマゼタピル分子の間の水素結合によって決められているように見える。この複合体の結晶構造の特徴的なデータは、表8に示されている。
【表10】

【0193】
[実施例8]
複合体VI
イマザモックス及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、200.1mgのイマザモックス、90.4mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び150mlのエタノールを、ボールミル(Retsch Modell MM301)で20Hzを使用して10分間、磨砕した。結晶生成物は、図6のPXRDをもたらした。
【0194】
複合体VIの単結晶構造を、-170℃において求めた。4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの結晶複合体の結晶構造は、単斜結晶系を有し、空間群は、P21/nである。結晶学的パラメーターを、表2に記載する。
【0195】
4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの結晶複合体の単結晶の研究は、結晶系は、単斜であり、空間群P21/nを有することを示している。構造解析は、結晶複合体は、それぞれ、1分子の4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスを含有する非対称ユニットを有する、4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの1:1の混合物であることを明らかにした。結晶における4-ヒドロキシ安息香酸分子及びイマザモックス分子の空間的配置は、主として、2個の4-ヒドロキシ安息香酸分子の間の水素結合及び同様に4-ヒドロキシ安息香酸分子及びイマザモックス分子間における水素結合によって決められているように見える。複合体の結晶構造の特徴的なデータが、表10に示されている。
【表11】

【0196】
[実施例9]
複合体VII
アセタミプリド及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、222.7mgのアセタミプリド、138.1mgの4-ヒドロキシ安息香酸及び100mlのエタノール溶液を、ボールミル(Retsch Modell MM301)で15分間、磨砕した。残りの溶媒を、大気中で乾燥させた。結晶生成物は、図7に示されたPXRDをもたらした。
【0197】
[実施例10]
複合体VII
アセタミプリド及び4-ヒドロキシ安息香酸の1:1の共結晶について、222.7mgのアセタミプリド、138.1mgの4-ヒドロキシ安息香酸を、10mlガラスバイアル中に置き、4mlのアセトニトリルに室温で溶解して透明な溶液を得た。この溶液を、開口したバイアル中で、室温で蒸発させた。溶媒の全てが蒸発した後、一つの結晶を、単結晶構造の決定のために選んだ。構造を解いて、表12に記載された結晶学的パラメーターを得た。
【0198】
複合体VIIの単結晶構造を、-170℃において求めた。4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの結晶複合体の結晶構造は、三斜晶系結晶系を有し、空間群は、P-1である。結晶学的パラメーターを、表12に記載する。
【0199】
4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの結晶複合体の単結晶の研究は、結晶系は、三斜晶であり、空間群P-1を有することを示している。構造解析は、この結晶複合体は、それぞれ、4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの2個の独立した分子を含有する非対称ユニットを有する、4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの1:1の混合物であることを明らかにした。結晶における4-ヒドロキシ安息香酸分子及びアセタミプリド分子の空間的配置は、主として、2個の4-ヒドロキシ安息香酸分子の間の水素結合及び同様に4-ヒドロキシ安息香酸分子及びアセタミプリド分子の間の水素結合によって決められているように見える。複合体の結晶構造の特徴的なデータが、表12に示されている。
【表12】

【0200】
結晶複合体VIIは、一般的に、120から130℃までの範囲の、特に124から127℃までの範囲の融点を有する。
【0201】
B)得られた複合体の分析
図1から6に示されたX線粉末回折は、25℃におけるCu-Kα放射線を使用する0.0167℃の増分の2θ=3°-35℃の範囲における反射配置のPanalytical X'Pert Pro回折計(製造者:Panalytical)を使用して記録した。記録された2θ値は、記載された格子面間隔dを計算するために使用した。ピークの強度(y軸:線形強度カウント)を、2θ角度(2θ度におけるx軸)に対してプロットする。
【0202】
複合体I及び複合体IIの単結晶X線回折データは、黒鉛Cu-Kα放射線を使用するBruker AXS CCD Detectorで集めた。構造を直接法を用いて解き、SHELXソフトウェアパッケージによるフーリエ技術を使用することによって精製し拡大した(G. M. Sheldrick、SHELX-97、University of Gottingen、1997)。吸収補正を、SADABSソフトウェアを用いて実施した。
【0203】
本明細書で示された融点は、光学顕微鏡と組み合わせたMettlerホットステージで測定された値を意味し、上述の説明で与えられたものであった。
【0204】
C)DSC測定
DSCを、Mettler Toledo DSC 822eモジュールで実施した。溶液の結晶化から生じ、母液から取り出した結晶を、濾紙上で穏やかに乾燥し、DSC実験用の両端が押し合わせられているが通気口の付いたアルミサンプル皿に置いた。サンプルサイズは、いずれの場合にも5から10mgまでであった。出発温度は、いずれの測定においても30℃であったが、最終温度は、個別に変化したが、一般的に200℃より低かった。加熱速度は、5℃/分であった。サンプルを、DSC実験のために150ml/分で流れる窒素流れでパージした。
【0205】
複合体I:4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの結晶複合体の5℃/分の加熱速度のDSC測定は、115.7℃で開始し119℃が最大ピークの吸熱溶融ピークを示す。従って、結晶複合体の融点は、ピラクロストロビンの融点(66℃)より約50℃高い。
【0206】
複合体II:4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの結晶複合体の5℃/分の加熱速度のDSC測定は、153.9℃で開始し155℃が最大ピークの吸熱溶融ピークを示す。エポキシコナゾールの融点は、136℃である。
【0207】
複合体III:4-ヒドロキシ安息香酸及びテブコナゾールの結晶複合体の5℃/分の加熱速度のDSC測定は、148.2℃で開始し148.9℃が最大ピークの吸熱溶融ピークを示す。従って、結晶複合体の融点は、テブコナゾールの融点(96-104℃)より約40-50℃高い。
【0208】
複合体VI:4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの結晶複合体の5℃/分の加熱速度のDSC測定は、148.2℃で開始し148.9℃が最大ピークの吸熱溶融ピークを示す。イマザモックス単体の融点は、166℃である。
【0209】
複合体VII:4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの結晶複合体の5℃/分の加熱速度のDSC測定は、125.2Cで開始し126.1℃が最大ピークの吸熱溶融ピークを示す。アセタミプリドの融点は、99℃である。
【0210】
D)溶解度
溶液中の活性物質の量の測定を、PDA_230nm UV検知器及びSample Managerオートインジェクターを備えたHPLC ACQUITY(Water)システムで実施した。Waters製Enpowerソフトウェアを、クロマトグラムを記録し、クロマトグラフパラメーターを計算するために使用した。勾配溶離(ACN-0,1% H3PO4)を、C18カラム、50×2.1mm、1.7μm BEHを使用して得た。注入体積を、オートインジェクターで1μLに設定した。分析を、0.4ml/分の流動速度で実施した。UV検知は、200nm(イマゼタピル及び複合体V用)又は245nm(アセタミプリド及び複合体VII用)において実施した。ピークの同定は、スペクトル及び保持時間の比較によって確認した。全ての分析は、室温において実施した。全ての分析された溶液は、スラリー平衡実験によって調製した。特に、イマゼタピル、アセタミプリドの水懸濁液並びに対応する複合体V及びVIIの水懸濁液を、純粋な活性物質の固有溶解プロファイルの最大値に応じて24時間、スラリー化した。懸濁液を、濾過し、固相及び液相の両方を、それぞれ、XRPD及びHPLCによって分析した。
【0211】
水中の結晶複合体Vの溶解度は、結晶性イマゼタピル単独に比べて一般により低い。特に、複合体Vは、室温で480mg/lの水溶解度値を有するが、結晶性イマゼタピルについてのこの値は、1030mg/lである。この値は、化合物自体のpKaによるpH値での水中の結晶性物質の溶解度に対応する。
【0212】
水中の結晶複合体VIIの溶解度は、結晶性アセタミプリド単体に比べて低い。特に、複合体VIIは、室温で1890mg/lの水溶解度値を有するが、結晶性アセタミプリドについてのこの値は、2750mg/lである。この値は、化合物自体のpKaによるpH値での水中の結晶性物質の溶解度に対応する。
【0213】
F)発芽率
F-1)製造FSアセタミプリド-単独:296gの水に、44gのアセタミプリド、7gのAtlas G-5000及び14gの1,2-プロピレングリコールを添加した。この混合物を、Cavitronメカニカルミルで15℃において2時間、磨砕した。次いで、DSC測定を、サブサンプルに実施し、アセタミプリドの融点である99℃における変化していない溶融ピークを確認した。次いで、この混合物を、Dispermatビーズミルで5時間、ビーズミル磨砕した。最後に、151gのビーズミル磨砕された懸濁液を、43gの水及び21gの2%キサンタンガム溶液で仕上げて、75g/Lのアセタミプリドを含有する白色懸濁液とした。
【0214】
F-2)製造FSアセタミプリド-共結晶:753gの水に、125gのアセタミプリド、79gの4-ヒドロキシ安息香酸、13gのAtlas G-5000及び40gの1,2-プロピレングリコールを添加した。この混合物を、Cavitronメカニカルミルで50℃において2時間、磨砕した。次いで、DSC測定を、サブサンプルに実施し、127℃における溶融ピークが示され、アセタミプリドが、共結晶に転換されたことが示された。次いで、この混合物を、Dispermatビーズミルで5時間、磨砕した。最後に、143gのビーズミル磨砕された懸濁液を、53gの水及び21gの2%キサンタンガム溶液で仕上げて、75g/Lのアセタミプリドを含有する白色懸濁液とした。
【0215】
F-3)製造FSピラクロストロビン-単独:1080gの水に、146gのピラクロストロビン、13gのAtlas G-5000及び40gの1,2-プロピレングリコールを添加した。この混合物を、15℃で最初にCavitronメカニカルミルで、その後Dispermatビーズミルで磨砕した。最後に、143gのこの懸濁液を、98gの水及び26gの2%キサンタンガム溶液で仕上げて、75g/Lのピラクロストロビンを含有する白色懸濁液とした。
【0216】
F-4)製造FSピラクロストロビン-共結晶:1080gの水に、168gのピラクロストロビン、61gの4-ヒドロキシ安息香酸、13gのAtlas G-5000及び40gの1,2-プロピレングリコールを添加した。この混合物を、Cavitronメカニカルミルで35℃において2時間、磨砕した。次いで、DSC測定を、サブサンプルに実施し、121℃における溶融ピークが示され、ピラクロストロビンが共結晶に転換されたことが示された。次いで、この混合物を、Dispermatビーズミルで5時間、ビーズミル磨砕した。最後に、148gのこの懸濁液を、2gの水及び16gの2%キサンタンガム溶液で仕上げて、75g/Lのピラクロストロビンを含有する白色懸濁液とした。
【0217】
F-5)アセタミプリド発芽:ミニRotostatシードトリーター(seed-treater)で、2kgのOSR種子を、上記に記載されたアセタミプリド共結晶を含有する4.6gの製剤で処理した。対照として、2kgの種子を、純粋な結晶としてアセタミプリドを含有する4.6gの製剤で処理した。処理した種子バッチから、それぞれ100個の種子を、寒天平板上に置いた。3日後、発芽した純粋なアセタミプリドで処理した種子の数を、発芽したアセタミプリドの共結晶で処理した種子の数と比較した。アセタミプリド共結晶で処理した種子は、発芽率において8%の増加を示した。
【0218】
F-6)ピラクロストロビン発芽:ミニRotostatシードトリーターにおいて、2kgのOSR種子を、上記に記載されたピラクロストロビン共結晶を含有する4.6gの製剤で処理した。対照として、2kgの種子を、4.6gの純粋なピラクロストロビンを含有する製剤で処理した。処理した種子バッチから、それぞれ100個の種子を、寒天平板上に置いた。3日後、発芽した純粋なピラクロストロビンで処理した種子の数を、発芽したピラクロストロビン共結晶で処理した種子の数と比較した。ピラクロストロビン共結晶で処理した種子は、発芽率において8%の増加を示した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(I)4-ヒドロキシ安息香酸、並びに
(II)ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、テブコナゾール、イマゼタピル、イマザモックス、アセタミプリド及びボスカリドから選択される1種の殺有害生物剤
を含む結晶複合体。
【請求項2】
a)4-ヒドロキシ安息香酸とピラクロストロビンのモル比が、2:1から1:2であり、
b)4-ヒドロキシ安息香酸とエポキシコナゾールのモル比が、2:1から1:2であり、
c)4-ヒドロキシ安息香酸とテブコナゾールのモル比が、2:1から1:2であり、
d)4-ヒドロキシ安息香酸とイマゼタピルのモル比が、2:1から1:2であり、
e)4-ヒドロキシ安息香酸とイマザモックスのモル比が、2:1から1:2であり、
f)4-ヒドロキシ安息香酸とボスカリドのモル比が、2:1から1:2であり、
g)4-ヒドロキシ安息香酸とアセタミプリドのモル比が、2:1から1:2である、
請求項1に記載の結晶複合体。
【請求項3】
25℃及びCu放射線におけるX線粉末回折で、
(i)4-ヒドロキシ安息香酸及びピラクロストロビンの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:6.98±0.2°、8.02±0.2°、8.46±0.2°、10.82±0.2°、12.24±0.2°、12.66±0.2°、13.23±0.2°、14.93±0.2°、16.80±0.2°、17.64±0.2°、18.74±0.2°、21.40±0.2°、23.09±0.2°、25.42±0.2°、26.33±0.2°の少なくとも五つ、
(ii)4-ヒドロキシ安息香酸及びエポキシコナゾールの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:7.50±0.2°、8.59±0.2°、9.86±0.2°、14.96±0.2°、16.51±0.2°、16.99±0.2°、19.82±0.2°、21.91±0.2°、25.52±0.2°、28.80±0.2°及び30.47±0.2°の少なくとも五つ、
(iii)4-ヒドロキシ安息香酸及びテブコナゾールの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:6.19±0.2°、8.88±0.2°、14.51±0.2°、15.41±0.2°、16.39±0.2°、16.48±0.2°、20.15±0.2°、22.19±0.2°、26.08±0.2°、27.64±0.2°及び32.20±0.2°の少なくとも五つ、
(iv)4-ヒドロキシ安息香酸及びボスカリドの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:8.38±0.2°、10.15±0.2°、10.65±0.2°、11.92±0.2°、15.53±0.2°、16.39±0.2°、17.84±0.2°、18.70±0.2°、21.85±0.2°、22.41±0.2°、26.75±0.2°及び32.34±0.2°の少なくとも五つ、
(v)4-ヒドロキシ安息香酸及びイマゼタピルの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:6.76±0.2°、7.98±0.2°、12.39±0.2°、14.82±0.2°、15.73±0.2°、16.06±0.2°、20.92±0.2°、22.70±0.2°、26.71±0.2°及び30.74±0.2°の少なくとも五つ、
(vi)4-ヒドロキシ安息香酸及びイマザモックスの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:6.44±0.2°、8.21±0.2°±0.2°、12.20±0.2°、14.48±0.2°、15.39±0.2°、15.84±0.2°、17.33±0.2°、21.02±0.2°、23.54±0.2°、24.61±0.2°、27.16±0.2°及び31.85±0.2°の少なくとも五つ、並びに
(vii)4-ヒドロキシ安息香酸及びアセタミプリドの結晶複合体について、2θ値として与えられる次の回折線:7.33±0.2°、8.00±0.2°、8.73±0.2°、15.74±0.2°、16.44±0.2°、18.96±0.2°、21.93±0.2°、24.09±0.2°、25.21±0.2°、25.89±0.2°の少なくとも五つ
を示す、請求項1に記載の結晶複合体。
【請求項4】
好適な溶媒中で4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤(II)を混合するステップを含む、請求項1から3のいずれかに記載の結晶複合体を調製する方法。
【請求項5】
好適な溶媒中で4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを混合するステップによって得られる4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIを含有する懸濁液に、剪断力を加える、請求項5に記載の方法。
【請求項6】
請求項1から3のいずれかに記載の4-ヒドロキシ安息香酸及び殺有害生物剤IIの結晶複合体を含む農業用製剤。
【請求項7】
前記製剤が、水性懸濁製剤、サスポエマルション製剤又は顆粒水和剤である、請求項6に記載の農業用組成物。
【請求項8】
さらなる殺有害生物剤をさらに含む、請求項6又は請求項7に記載の農業用組成物。
【請求項9】
製剤助剤をさらに含む、請求項8に記載の農業用組成物。
【請求項10】
植物病原菌、その生息地、繁殖地、その居場所、又は植物病原菌に対して保護すべき植物、土壌、又は植物繁殖材料を、請求項1から3のいずれかに記載の有効量の結晶複合体で、又は請求項6から9のいずれかに記載の農業用製剤で処理し、
殺有害生物剤IIが、ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、テブコナゾール及びボスカリドから選択される、植物病原菌を防除する方法。
【請求項11】
植物、植物が成長している若しくは成長すると予想される場所、又はそれから植物が成長する植物繁殖材料を、請求項1から3のいずれかに記載の有効量の結晶複合体で、又は請求項6から9のいずれかに記載の農業用製剤で処理し、
殺有害生物剤IIが、ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、アセタミプリド及びボスカリドから選択される、植物の健康を改善する方法。
【請求項12】
植物繁殖材料を、請求項1から3のいずれかに記載の有効量の結晶複合体と、又は請求項6から9のいずれかに記載の農業用組成物と接触させるステップを含み、
殺有害生物剤IIが、ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、テブコナゾール、アセタミプリド及びボスカリドから選択される、有害生物から植物繁殖材料を保護する方法。
【請求項13】
請求項1から3のいずれかに記載の混合物を、植物繁殖材料100kg当たり0.01gから10kgの量で施用する、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
請求項1から3のいずれかに記載の有効量の結晶複合体で、又は請求項6から9のいずれかに記載の農業用組成物で、植物繁殖材料を処理するステップを含み、
殺有害生物剤IIが、イマゼタピル及びイマザモックスから選択される、植物の成長を調節する及び/又は望ましくない植生を防除する方法。
【請求項15】
植物繁殖材料100kg当たり0.01gから10kgの量の請求項1から3のいずれかに記載の結晶複合体を含み、
殺有害生物剤IIが、ピラクロストロビン、エポキシコナゾール、テブコナゾール、アセタミプリド及びボスカリドから選択される、植物繁殖材料。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2013−510113(P2013−510113A)
【公表日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−537350(P2012−537350)
【出願日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際出願番号】PCT/EP2010/066401
【国際公開番号】WO2011/054741
【国際公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【出願人】(508020155)ビーエーエスエフ ソシエタス・ヨーロピア (2,842)
【氏名又は名称原語表記】BASF SE
【住所又は居所原語表記】D−67056 Ludwigshafen, Germany
【Fターム(参考)】