説明

4−フェニル酪酸ナトリウムを含む液体剤形の調製方法

高濃度溶液の剤形を含む4−フェニル酪酸ナトリウムの安定な水性剤形を調製する方法。並びに4−フェニル酪酸および4−フェニル酪酸塩を作製する方法、および4−フェニル酪酸を使用する方法。安定な水性剤形は0℃で凍結しない。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、尿素サイクル欠損症、鎌状赤血球貧血、および癌の現存の高投薬量の治療処置に代わるものとして有用な水性媒体中の4−フェニル酪酸ナトリウムの高濃度溶液を調製する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4−フェニル酪酸ナトリウムは、現在、小児における尿素サイクル欠損症を治療するために処方されている。これは、米国では商標BUPHENYL(Ucyclyd Pharma,Inc.,Glen Burnie,MD)として、ヨーロッパでは商標AMMONAPS(Orphan Europe)として販売されている。尿素サイクルは、人体が窒素を取り除く代謝プロセスである。このプロセスに関与している酵素は6種類ある。これらのいずれか1つの欠損は、このプロセスを破壊し、アンモニアの形態で過剰の窒素を人体に蓄積させる原因となる。6種の尿素サイクル障害は、カルバミルリン酸合成酵素欠損症;n−アセチルグルタミン酸塩合成酵素欠損症;オルニチントランスカルバミラーゼ欠損症(最も一般的な型);アルギニノコハク酸合成酵素欠損症(シトルリン血症とも呼ばれる);アルギニノスクシナーゼ酸リアーゼ欠損症;およびアルギナーゼ欠損症である。窒素蓄積はまた、腎不全または肝不全の患者にもある。
【0003】
尿素サイクルにおけるこれらの稀な酵素欠損症のいずれかを持って生まれた小児では、酵素欠損が重症であれば、この状態は昏睡状態となり生後数日で死に至る。このような小児は、尿素として不要な窒素を排出することができない。したがって、不要な窒素が血漿中にアンモニウムイオンとして蓄積され、高アンモニア血症として知られる状態となる。このような遺伝的欠損が治ることは不可能であるが、この状態は、生涯に亘る低タンパク質な食事および適切な薬剤の投与の組み合わせの順守によって治療可能である。現在、フェニル酢酸ナトリウムおよび安息香酸ナトリウムの組み合わせが、N−アセチルグルタミン合成酵素−1欠損症を有する小児に投与され、4−フェニル酪酸ナトリウム(典型的には、3回以上に分割した服用で450から600mg/kg/日の投薬量)がオルニチントランスカルバモイラーゼ欠損症を有する小児に投与されている。後者の治療では、4−フェニル酪酸ナトリウムは、2−フェニル酢酸塩に変換され、血漿中に存在するアミノ酸のグルタミンと組み合わさり、得られる組み合わせ(またはコンジュゲート)は、尿中のフェニルアセチルグルタミンとして排出される。このようにして、4−フェニル酪酸ナトリウムの投与は、生体から不要な窒素を排出する手段として、尿素経路に代替物を提供する。
【0004】
上述した4−フェニル酪酸塩の市販形態は、米国ではBUPHNYLであり、ヨーロッパではAMMONAPSであり、乳児および幼児に対しては経口投与用の液体を作製するための粒状粉として、成人および体重20kgを超える小児には500mgの錠剤として市販されている。粉剤の投薬量は、大きさの異なる3種の計量スプーンの1つで計量され、大抵は不正確な投薬レベルとなる。例えば、オルニチントランスカルバモイラーゼ欠損症を患っている、体重19kgの6歳児は、毎日3回、粉末にした4−フェニル酪酸ナトリウム3.8gを摂取しなければならない。不正確な投薬計量、および投与のためにこの粉剤を流動物と混ぜる必要性は、必要とされる間隔で規定された投薬量を摂取するというコンプライアンスの欠如となる。結論としては、小児が、時には年に2、3回、病院に収容されなくてはならないという事例は常にあって、これは、彼らが吐き気を催すためであり、これは投薬計画を維持しないことを原因とする高アンモニア血症の最初の兆候である。吐き気の症状は、小児患者が粉剤を経口摂取できないことを意味する。したがって、病院では、この患者を4−フェニル酪酸ナトリウム(またはフェニル酢酸ナトリウムおよび安息香酸ナトリウム)の静脈内注射で治療し、アンモニウムイオンのレベルを正常まで下げる。吐き気が治まれば、その後、通常の経口療法が再開される。残念ながら、時として、病院への到着が遅れると、患者は高アンモニア血漿の昏睡状態で収容され、死に至るかもしれないし、または回復したとしても、小児は、一生、脳に障害が残るかもしれない。
【0005】
4−フェニル酪酸ナトリウムなどの高投薬量の医薬品に対する別の重要な要件は、純度である。4g/日以上などの高投薬量は、全体の不純度を0.05%w/w未満にするために、最も純度の高い出発物質および良好なプロセス制御を必要する。
【0006】
WO85/04805は、ヒトにおける不要な窒素を除去する方法を開示し、4−フェニル酪酸塩などの式Ph−CH−(CH−COOH(式中、nは、2である)を有する化合物が投与される。
【0007】
米国特許出願第2004/0180962号は、ヒドロキシプロピルメチルセルロースおよび放出制御賦形剤(放出抑制剤および遊離制御剤)を含む錠剤形態に調合することによって、尿素サイクル欠損症を治療するために、低投薬量の4−フェニル酪酸ナトリウムの用いる遅延放出方法論を開示している。しかしながら、このような遅延放出方法論は、この特定の疾患の治療にとって最善のアプローチではない。これは、十分量の代謝物(フェニル酢酸塩)が血漿中に存在してグルタミンと反応し、その後、フェニルアセチルグルタミンとして排出されなければならないためである。
【0008】
米国特許出願第2004/0152784号は、効果的な芳香族香味剤および少なくとも1つの合成甘味剤を含む4−フェニル酪酸ナトリウムの医薬組成物を開示している。この開示は、投与前に水に溶解可能な乾燥した粒状の医薬組成物を提供する。一例として、10℃で250mg/mLである再構成溶液中の4−フェニル酪酸ナトリウムの最大濃度を提供する。この再構成溶液は、適切な投薬のために比較的大量の溶液を必要とし、顆粒を水に溶解させるのに大量の液体が必要であるため、乳児に薬物を投与することが困難とされる。また、この特定の医薬製剤は、任意の保存剤を含まないため、生物学的に安定ではない。
【0009】
‘784出願はまた、甘味剤(カリウムアスパルテーム)は、4−フェニル酪酸ナトリウムを含む乾燥粉剤の再構成水溶液中では安定ではなく、これは、数週間を超えて保存されるとこの甘みが失われるためである。薬物4−フェニル酪酸塩は、非常に苦味のある化合物であり、このため甘みが失われると、投薬計画のコンプライアンスが損なわれることになる。したがって、‘784出願において製剤を用いる場合には更なる予防策が必要である。
【0010】
4−フェニル酪酸ナトリウムはまた、良性前立腺過肥厚、特定の癌、嚢胞性線維症、HIV、脊髄小脳失調症、腎不全および肝不全、並びにサラセミアなどの種々の他の医学的適応症を治療するために有用である。
【0011】
フェニル酪酸ナトリウムの別の使用は、鎌状赤血球貧血を患っている患者において、胎児性ヘモグロビン産生を誘導することである。これは、George J.Dover(Blood,vol.84,No.1,Jul.1,1994:pp339−343)によって説明されている。この論文は、粉末形態のフェニル酪酸ナトリウムが、多くの試みにも関わらず、ごまかすことができない苦味があることを言及している。外来患者として治療を受ける4人の被験者のうち2人は、高投薬必要量(30から40錠/日)のために、彼らの投薬計画のコンプライアンスを維持することができないことが報告されている。
【0012】
DE19,810,383は、腫瘍治療のためのアポトーシス誘導薬物として4−フェニル酪酸塩を記載している。
【0013】
WO9937150は、レチノイン酸および/またはヒストン脱アセチル化酵素の阻害剤を用いた癌の転写治療を記載している。この治療のために、4−フェニル酪酸塩は、ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤として分類されている。
【0014】
WO93/07866、WO9510271、およびEP725635は全て、癌、AIDS、貧血、および重篤なβ鎖異常血色素症を含む多数の病状の治療および予防のために、フェニル酢酸(4−フェニル酪酸塩の代謝物)およびこの誘導体を用いる組成物および方法を開示している。多くの米国特許出願は、抗癌剤(例えば、6,037,376)および抗ウイルス剤(例えば、5,877,213および5,710,178)としてフェニル酢酸の使用を記載している。
【0015】
WO9856370およびUS6,207,195は、CFTR遺伝子治療による嚢胞性線維症の治療のためにナノ粒子を含む治療用4−フェニル酪酸ナトリウムを記載している。
【0016】
米国特許出願第2003/0195255号は、慢性肝性脳症と関連した精神機能の喪失を治療するために4−フェニル酪酸ナトリウムを経口投与する方法を記載し、初期の1から2時間には約200から300mg/kgの高用量、次に、毎日、等しい投薬量で3回に分けることを推奨し、成人では、投薬量は、3から12g/mとして記載されている。4−フェニル酪酸ナトリウムおよび関連化合物の合成に関しては、一部の方法は、置換されたマロン酸エステルの使用を伴う。
【0017】
WO9901420およびWO9503271はそれぞれ、置換アミノマロン酸、およびこのエチルエステルからα−アミノ置換プロパン酸を製造する方法を記載している。置換マロン酸エステルから種々の試薬を用いて置換酪酸を調製することは、いくつかの刊行された研究論文に報告されている。J.Med.Chem.,47(12),3282−3294,2004;Bioorg&Med Chem.,11(1),113−121,2003;J.Med.Chem.,46(10),2008−2016,2003;Enantiomer,7(1),1−3,2002;J.Med.Chem.,45(2),263−274,2002;J.Het.Chem.,25(6),1689−1695,1988。
【0018】
さらに、4−フェニル酪酸塩は、脳虚血性傷害に対する保護に有用であることが示されている(X.Qi,et al.,Mol.Pharmacol.,66(4),899−908(2004))。
【0019】
4−フェニル酪酸の商業的な製造は、原料の1つのとして潜在性発癌物質であるベンゼンを含む。米国特許第6,372,938号,Burzynski et al.;J.Am.,Chem.Soc.,74,1591(1952);J.Am.Chem.Soc.74,4721(1952);Bull.Acad.Sci.USSR Div.Chem.Sci.(Engl.Transl.),EN,36,2,327−330(1987);Akad.Nauk SSSR Ser.Khim.;RU,2;367−371(1987)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0020】
4−フェニル酪酸ナトリウムは、非常に苦味のある化合物であり、このため、患者、特に大量の薬剤を毎日摂取しなければならない小児は、投薬計画に合わせることが困難である。もし経口投薬が口当たりが良くなり、投与し易くなり、および/または低容量の液体剤形を有し、好ましくはこれら3つ全部が組み合わさっていれば、小児および彼ら/彼女らの親にとって非常に大きな利益となる。治療が施されるものの、現在の投薬計画に従って服用しないことは、不完全な治療となって、場合によっては入院となる。
【課題を解決するための手段】
【0021】
したがって、本発明の1つの目的は、4−フェニル酪酸ナトリウムを含む改善された医薬組成物を提供することにより、この薬物を高投薬量および高容量の服用量で現在投与されている患者に使用されるためのものである。これを達成するために、本発明の一実施形態は、現在の技術によって提供されるものよりも濃縮された水溶液中の4−フェニル酪酸ナトリウムの液体製剤、好ましくは、香味剤を加えて、少なくとも1つの保存料および甘味剤、好ましくはこの両方を含む該液体製剤を提供し、香料もまた添加することができる。過飽和溶液は、4−フェニル酪酸ナトリウムの最大500mg/mL以上の濃度であることができ、好ましくは、この濃度は、約300mg/mLから約700mg/mLの範囲である。安息香酸ナトリウムなどの保存料が存在してもよく、好ましくは約2.5mg/mLである。他の実施形態では、投薬量は、甘味剤および/または他の香味剤、例えば、約2mg/mLのサッカリンナトリウム、0.01mg/mLのスクラロース、および/または約2mg/mLのラズベリー香味料を含むことができる。この高濃縮した液体製剤は、より濃縮され、より口当たりが良くなり、若年の患者への投与をより安易にし、投薬計画への改善されたコンプライアンスの手助けとなる。この濃縮溶液は、いずれか1回の服用で数ミリリットルしか必要でないため、乳児に効果的であり、投与が非常に簡単である。各服用はいずれか1回で数ミリリットルの溶液であるため、小児への投与も容易である。
【0022】
別の実施形態では、本発明は、約30℃から約80℃の高温で、既知量の4−フェニル酪酸ナトリウムに十分量の水を添加することによって水中の4−フェニル酪酸ナトリウムの過飽和溶液を調製し、約600mg/mLの濃度を与える方法を提供する。
【0023】
本発明のさらに別の実施形態は、0.05%(重量/重量ベース)未満レベルの不純物を含む4−フェニル酪酸ナトリウムを製造する方法を提供することである。本発明によって提供される一般的な方法は、Ph−(CH−CH(COOEt)(即ち、2−フェニルエチルマロン酸ジエチル)を酢酸および塩酸水溶液で処理して、4−フェニル酪酸(または4−フェニルブタン酸)を製造することである。別のおよび継続的な実施形態では、4−フェニル酪酸をこのナトリウム塩への変換は、無機塩基を含む有機溶媒中で達成される。
【0024】
本発明は、4−フェニル酪酸をベンゼンなしに合成する新規な方法である。
【0025】
要約すると、本発明は、一般的には300mg/mLから約700mg/mLの濃度、より好ましくは400mg/mLから約600mg/mLの濃度を含む、少なくとも約300mg/mLの濃度で水性媒体中の4−フェニル酪酸ナトリウム水溶液を含む医薬液体組成物を提供する。製剤としては、組成物は、好ましくは、甘味剤、保存料、およびこれらの相溶性のある混合物を含む、少なくとも1以上の香味剤をさらに含む。組成物はまた、無機塩基を含むことができる。
【0026】
本発明はまた、好ましくは高温で、水に4−フェニル酪酸塩を溶解させることによって、4−フェニル酪酸塩の高濃度溶液を作製する方法を提供する。
【0027】
本発明はまた、有機媒体中に4−フェニル酪酸を溶解させ、無機アルカリで処理し、加熱し、第2溶媒を添加して生成物を沈殿させ、生成物を分離/精製することによって、4−フェニル酪酸から4−フェニル酪酸塩を作製する方法を提供する。
【0028】
この発明はまた、式Ph−CH−CH−CH−(COOR)(式中、Rは、最大4個の炭素のアルキル、アリール、またはアラルキルであって、アルキル部分は、最大4個の炭素である)のジエステルを鉱酸で処理し、生成物を沈殿させ、その後、生成物を分離および/または精製することによって、該ジエステルから4−フェニル酪酸を作製する方法を提供する。
【0029】
この発明はまた、尿素サイクル欠損症、鎌状赤血球貧血、癌、または潜在性脳虚血性障害を患っている患者を治療する方法を提供し、該方法は、少なくとも約300mg/mLの濃度である4−フェニル酪酸の経口用水溶液を用意し、該溶液を治療を必要とする患者に経口投与することを含む。
【0030】
(発明の詳細)
本発明は、水性媒体の過飽和溶液中の4−フェニル酪酸ナトリウムの経口用液体医薬複合剤形に関し、好ましくは、少なくとも1つの保存料を含む。製剤中の薬物濃度は、最大約700mg/mLまで達し、600mg/mLでは、溶液は0℃で凍結しない。
【0031】
熱力学的には、種の溶解性は、温度に依存し、様々なタイプの分子間および分子内相互作用を通じた種と溶媒との間の相互作用に依存する。溶質−溶媒分子間相互作用は、様々な温度での溶解性の変化の主要原因である。真溶液に関して、相対的に高い温度での溶質−溶媒分子間相互作用は、相対的に低い温度と比べてより顕著であり、したがって、典型的には、所与の溶媒に溶解する化合物の溶解性は、温度が上昇するにつれて増加することが観察される。
【0032】
本発明では、4−フェニル酪酸ナトリウムの溶解性は、先行技術(例えば、上述したUS出願2004/0152784は、10℃で4−フェニル酪酸ナトリウムについて最大250mg/mLの溶解性を報告している)に報告されているよりも格別に高いことが判明した。この先行技術で報告された溶解性は、水への4−フェニル酪酸ナトリウムの単量体の最大溶解性に関すると考えられる。
【0033】
より詳細には後述されるように、本発明は、5gの4−フェニル酪酸ナトリウムを約3.5mLの水に溶解させ、溶液約10mLを得ることによって、水に対して500mg/mLの濃度を有する4−フェニル酪酸ナトリウムの高濃度溶液を製造する方法を記載する。温度は、室温(25℃)または高温、好ましくは最大約80℃の範囲であり得る。本出願人は、室温ではこの溶液を作製することがより困難であるが、この溶液を高温で作製し、結果物を沈殿させることなく室温まで冷却できることを見出した。このようにして、この溶液は、ファント・ホッフ式(−ln K対1/Tのプロットが直線を示し、Kは、溶解度定数であり、Tは絶対温度である)に従わない過飽和した非理想的な溶液であると考えられた。特定の理論に束縛されることを望んではいないが、これらの結果は、4−フェニル酪酸ナトリウムが水性バルク相のミセルである場合に、このように形成した溶液がミセル動的相であることを本出願人に示唆している。したがって、恐らく4−フェニル酪酸ナトリウムのミセル形成(本出願人は自己会合高分子形態と呼んでいる)のために、高濃度の約500mg/mLが溶液中で達成され得る。なおさらに、この高濃度溶液は、2日間0℃でさえも保存により凍結せず、または沈殿せず、−4℃までさらに冷却して初めて沈殿が観察される。したがって、この新規な発明は、高容量の4−フェニル酪酸ナトリウムの投薬量を現に投与されている患者をより良く手助けし得る剤形を提供する。本発明は、このミセル相の検討、または特定の加工条件および/もしくは使用される材料に依存して形成され得る他の濃縮相(例えば、スポンジまたはL3、虫のような形のミセル、シートおよび他の薄板相)の有無によって限定されることは意図してはいない。下記では、用語「溶液」は、ミセル相が存在するかどうかに関わらず用いられる。
【0034】
別の実施形態では、本発明は、有機エステルを溶媒中の酸で処理する場合、下記に示されるスキームによって、場合により生成物を濃縮し、生成物を精製し、場合により生成物をさらに精製することによって、4−フェニル酪酸を調製する方法を提供する。
【0035】
【化1】

【0036】
この方法では、式Ph−CH−CH−CH−(COOR)は、所望の温度で、水混和性有機溶媒中の鉱酸で処理される。各Rは、独立して、最大4個の炭素原子を含むアルキル基、またはアリールもしくはアラルキル基であり、ここで、該アルキル部分は、最大4個の炭素原子を有する。得られる生成物は、例えば、蒸発(減圧および/または温度により誘導される)によって濃縮することができる。その後、生成物4−フェニル酪酸は、非極性溶媒の援助により溶液から沈殿される。この粗製4−フェニル酪酸生成物はまた、減圧蒸留によって精製されてもよい。最後に、必要に応じて、粗製4−フェニル酪酸は、非極性溶媒の組み合わせを用いて再結晶により精製される。この方法では、鉱酸は、好ましくは、塩酸または硫酸であり、溶媒は、主鎖の4個未満の炭素原子のカルボン酸を含む。
【0037】
別の実施態様では、本出願人は、4−フェニル酪酸を有機媒体に溶解させ、水酸化ナトリウムまたは炭酸ナトリウムなどの無機アルカリで該溶液を処理し、得られる混合物を加熱し、場合により溶媒を蒸留して加熱した混合物を濃縮し、適切な溶媒を混合物に添加して混合物から4−フェニル酪酸ナトリウムを沈殿させ、ろ過によって生成物を分離し、選択した温度で真空乾燥させる工程を含む、4−フェニル酪酸ナトリウムを調製する方法を提供する。有機媒体は、好ましくは、アルキルアルコール(例えば、メタノール、エタノール、およびイソプロパノール)、アルキルエステル(例えば、酢酸エチル)、テトラヒドロフラン、およびこれらの相溶性のある混合物からなる群より選ばれる1以上の有機溶媒から選択される。溶液が最初に加熱される好ましい温度は、約30℃から約95℃の範囲である。沈殿工程では、有機溶媒は、好ましくは、ジアルキルエーテル(例えば、イソプロピルエーテルおよびジエチルエーテル)、ジアルキルアセテート(例えば、酢酸エチル)、ジアルキルアセトン(例えば、アセトンまたはエチルメチルケトン)、1,4−ジオキサンなどの他の溶媒、およびこれらの相溶性のある混合物からなる群より選ばれる。
【0038】
本発明の実施は、本明細書中に非限定的な実施例によって例証される。
【0039】
(実施例)
500mg/mLの強度を有する4−フェニル酪酸ナトリウムの液体経口用医薬組成物の調製
【実施例1】
【0040】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gを25mLの容量フラスコに移し、水約10mLを添加し、混合物を撹拌して、酪酸塩を溶解させて溶液を形成させた。この溶液にサッカリンナトリウム約0.05g、安息香酸ナトリウム0.05gを添加し、溶液を十分に混合した。この溶液を水と調合して、液体経口剤形 25mLを得た。
【実施例2】
【0041】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gを25mLの容量フラスコに移した。水約10mLをこのフラスコに添加し、混合物を撹拌して酪酸塩を溶解させた。この溶液にラズベリーフレイバー(例えば、ラズベリーXBF−700194、IFF International Flavors&Fragrances,New York,NYから市販されている)約0.05g、安息香酸ナトリウム0.05gを添加し、次に、十分に混合した。この混合物は、水で25mLに調合された。水に溶解可能な任意の香味料は、概して本発明に適している。
【実施例3】
【0042】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gを25mLの容量フラスコに移し、水約10mLを添加し、撹拌して溶解させた。混合物に安息香酸ナトリウム約0.05gを添加し、十分に混合した。この混合物は、水で25mLに調合された。
【実施例4】
【0043】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gは、25mLの容量フラスコに移した。水約10mLを添加し、撹拌して溶解させた。混合物にラズベリー香味料約0.05g、安息香酸ナトリウム0.05g、サッカリンナトリウム0.05gを添加し、十分に撹拌した。この混合物は、水で25mLに調合された。
【実施例5】
【0044】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gを25mLの容量フラスコに移し、水約10mLを添加し、次に、撹拌して溶解させた。混合物にラズベリーフレイバー約0.15g、安息香酸ナトリウム0.05g、サッカリンナトリウム0.25gを添加し、十分に撹拌した。この混合物を水で25mLに調合した。
【実施例6】
【0045】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gを25mLの容量フラスコに移した。ここに水約10mLを添加し、混合物を撹拌して溶解させた。次に、溶液に炭酸ナトリウム約100mg、ラズベリーフレイバー0.15g、安息香酸ナトリウム0.05g、サッカリンナトリウム0.25gを添加し、十分に混合した。この混合物を水で25mLに調合した。
【実施例7】
【0046】
4−フェニル酪酸ナトリウム約12.5gを25mLの容量フラスコに移し、水約10mLを添加し、混合物を撹拌して溶解させた。次に、炭酸ナトリウム約100mg、ラズベリーフレイバー0.15g、安息香酸ナトリウム0.05g、スクラロース0.25gを添加し、混和物を十分に混合した。この混合物を水で25mLに調合した。
【実施例8】
【0047】
4−フェニル酪酸ナトリウム約16gは、25mLの容量フラスコに移した。水約9mLを添加し、約70℃の温度に加熱しながら混合物を撹拌し溶解させた。次に、溶液を放置して室温まで冷却させ、ラズベリーフレイバー約0.05g、安息香酸ナトリウム0.05g、サッカリンナトリウム0.05gを十分に混ぜ合わせながら添加した。この混合物を水で25mLに調合した。
【0048】
640mg/mLの強度を有する4−フェニル酪酸ナトリウムの液体経口用医薬組成物の調製
【実施例9】
【0049】
4−フェニル酪酸ナトリウム約16gを25mLの容量フラスコに移し、水約9mLに添加し、次に、混合物を約70℃の温度で加熱しながら撹拌し、酪酸塩を溶解させた。その後、溶液を25℃まで冷却させ、安息香酸ナトリウム0.05gおよびサッカリンナトリウム0.05gを十分に混ぜ合わせながら添加した。この溶液を水で25mLに調合した。
【実施例10】
【0050】
4−フェニル酪酸ナトリウム約16gを25mLの容量フラスコに移し、次に、水約9mLを添加した。混合物を約70℃の高温で撹拌して酪酸を溶解させた。溶液を25℃まで冷却し、安息香酸ナトリウム0.05gを添加し、溶液を十分に混合した。この溶液を水で25mLに調合した。
【実施例11】
【0051】
4−フェニル酪酸ナトリウム約160gを250mLの容量フラスコに移した。水約90mLを添加し、混合物を温度70℃で加熱しながら撹拌し溶解させた。次に、溶液を25℃まで冷却し、安息香酸ナトリウム0.5gおよびサッカリンナトリウム0.5gを添加し、十分に混合した。この溶液を水で250mLに調合した。
【実施例12】
【0052】
4−フェニル酪酸ナトリウム約160gは、250mLの容量フラスコに移した。このフラスコに水90mLを添加し、温度70℃で加熱しながら撹拌して混合物を溶解させた。混合物を25℃まで冷却し、安息香酸ナトリウム0.5gを添加し、十分に混合した。この混合物を水で250mLに調合した。
【実施例13】
【0053】
4−フェニル酪酸ナトリウム約160gを250mLの容量フラスコに移し、次に、水約90mLを添加し、温度70℃で加熱しながら撹拌して溶解させた。混合物を25℃まで冷却し、安息香酸ナトリウム0.5gを添加し、十分に混合した。この溶液を水で250mLに調合した。次に、この溶液を約48時間0℃で保持したが、沈殿せず、または溶液の凍結が起こったように見えた。この溶液をさらに約−4℃まで冷却すると沈殿が起こった。
【0054】
4−フェニル酪酸で開始した500mg/mLの強度を有する4−フェニル酪酸ナトリウムの液体経口用医薬組成物の調製
【実施例14】
【0055】
4−フェニル酪酸約10.9gを25mLの容量フラスコに移した。水約10mLを添加し、次に、水酸化ナトリウム約2.9gを添加した。この混合物を温度70℃で約20分間加熱しながら、透明な溶液が得られるまで撹拌した。溶液を25℃まで冷却し、安息香酸ナトリウム0.05gおよびサッカリンナトリウム0.05gを添加し、十分に混合した。この溶液を水で25mLに調合した。
【実施例15】
【0056】
4−フェニル酪酸約10.9gを25mLの容量フラスコに移し、水約10mLを添加し、炭酸ナトリウム約3.9gを添加した。この混合物を約90℃の温度で約30分間加熱しながら、透明な溶液が得られるまで撹拌した。溶液を25℃まで冷却し、次に、安息香酸ナトリウム0.05gおよびサッカリンナトリウム0.05gを添加し、十分に混合した。この混合溶液を水で25mLに調合して、液体経口用組成物を得た。
【0057】
4−フェニル酪酸の調製
【実施例16】
【0058】
酢酸2000mLおよび6N塩酸1500mLの混合物にジエステル{PhCHCHCH(COOEt)}500gを添加した。混合物の温度は、約95℃から110℃の範囲まで上昇させ、約20時間還流した。反応混合物の進行をクロマトグラフィーで監視し、完了時に、酢酸および水を大気圧で蒸留によって除去した。残留物を10%水酸化ナトリウムを用いて水に溶解させた。次に、水溶液を塩化メチレンで洗浄し、pHを濃塩酸でpH約1に調整した。生成物をヘキサン1700mlで抽出し、溶出液を−10℃まで冷却させた。得られた沈殿の粗製4−フェニル酪酸をろ過によって分離し、約30℃で真空乾燥させた。収量280g(90%)。このように分離された粗製4−フェニル酪酸を約30℃から50℃の温度でヘキサン1500mLに溶解させ、次に、約−10℃まで冷却し、その後、約1時間撹拌して沈殿させた。次に、純粋な4−フェニル酪酸をろ過によって分離し、加熱せずに真空乾燥させた。(純度>99%)。
【実施例17】
【0059】
酢酸2000mLおよび6N塩酸1500mLの混合物にジエステル{PhCHCHCH(COOEt)}500gを添加した。混合物の温度は、約95℃から110℃まで上昇させ、約20時間還流した。反応混合物の進行をクロマトグラフィーで監視し、完了時に、酢酸および水を大気圧で蒸留によって除去した。残留物を10%水酸化ナトリウムを用いて水に溶解させた。水溶液を塩化メチレンで洗浄し、pHを濃塩酸で約1に調整した。生成物をヘキサン1700mlで抽出し、溶液を−10℃まで冷却させた。沈殿した粗製4−フェニル酪酸をろ過によって分離し、約30℃で真空乾燥させた。収量280g(90%)。次に、粗製4−フェニル酪酸を約170℃で減圧蒸留して分別した。(純度>99%)。
【0060】
4−フェニル酪酸ナトリウムの調製
【実施例18】
【0061】
4−フェニル酪酸約200gをメタノール1200mLに溶解させ、次に、炭酸ナトリウム65gを添加し、混合物を約45分間約60℃に加熱した。溶液を最初の溶液の約10分の1まで濃縮し、アセトン7000mLを約0℃で約40分間撹拌しながら添加した。沈殿した4−フェニル酪酸ナトリウムをろ過し、アセトンで洗浄し、30℃で真空乾燥させた。
【0062】
前述の説明は、例示的なものであり、限定しないことを意味する。種々の変更、修飾および追加は、本明細書の精読により当業者に明らかとなり得て、これらは特許請求の範囲によって定義される発明の範囲および精神に含まれることを意味する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも約300mg/mLの濃度で水性媒体中の4−フェニル酪酸ナトリウムの溶液を含む、医薬液体組成物。
【請求項2】
保存料をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項3】
香味剤をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項4】
保存料および香味剤をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項5】
香味剤が甘味剤である、請求項3の組成物。
【請求項6】
香味剤が甘味剤である、請求項4の組成物。
【請求項7】
少なくとも2つの香味剤および保存料をさらに含む請求項1の組成物であって、香味剤の少なくとも1つが甘味剤である、組成物。
【請求項8】
4−フェニル酪酸ナトリウムの濃度が、約300mg/mLから約700mg/mLの範囲である、請求項1の組成物。
【請求項9】
4−フェニル酪酸ナトリウムの濃度が、約400mg/mLから約600mg/mLの範囲である、請求項8の組成物。
【請求項10】
濃度が、約500mg/mLである、請求項9の組成物。
【請求項11】
保存料が、安息香酸ナトリウムである、請求項2、4、6または7の組成物。
【請求項12】
甘味剤が、サッカリンナトリウムである、請求項3、4、5または7の組成物。
【請求項13】
甘味剤が、スクラロースである、請求項3、4、5または7の組成物。
【請求項14】
甘味剤が、サッカリンナトリウムおよびスクラロースの混合物である、請求項3、4、5または7の組成物。
【請求項15】
香味剤が、ラズベリーフレイバーである、請求項3、4、5または7の組成物。
【請求項16】
塩基をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項17】
塩基が、炭酸ナトリウムである、請求項14の組成物。
【請求項18】
塩基が、水酸化ナトリウムである、請求項14の組成物。
【請求項19】
4−フェニル酪酸をさらに含む、請求項1の組成物。
【請求項20】
炭酸ナトリウムをさらに含む、請求項17の組成物。
【請求項21】
水の重量分率が、4−フェニル酪酸ナトリウムの重量分率より小さい、請求項1の組成物。
【請求項22】
4−フェニル酪酸ナトリウム粉末に水を添加する工程;約25℃から約80℃の範囲の温度で撹拌によって水に粉末を溶解させ、濃度が少なくとも約300g/mLである4−フェニル酪酸塩の溶液を得る工程を含む、4−フェニル酪酸塩の水溶液を調製する方法方法。
【請求項23】
溶液中の水の重量分率が、4−フェニル酪酸塩の重量分率より小さい、請求項20の方法。
【請求項24】
(A)第1有機溶媒に4−フェニル酪酸を溶解させる工程;
(B)工程(A)の溶液を無機アルカリで処理する工程;
(C)工程(B)の処理した溶液を所定温度まで加熱する工程;
(D)4−フェニル酪酸ナトリウムを沈殿させるのに効果的な第2溶媒を加熱した混合物に添加する工程;および
(E)ろ過によって沈殿物を分離し、所定温度で真空乾燥させる工程
を含む、4−フェニル酪酸ナトリウムを作製する方法。
【請求項25】
有機溶媒を蒸留することによって、工程(C)の後に得られる溶液を濃縮させることをさらに含む、請求項22の方法。
【請求項26】
無機アルカリが、炭酸ナトリウムである、請求項22の方法。
【請求項27】
無機アルカリが、水酸化ナトリウムである、請求項22の方法。
【請求項28】
第1溶媒が、2以上の有機溶媒を含む、請求項22の方法。
【請求項29】
第1溶媒が、メタノール、エタノール、イソプロパノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、およびこれらの相溶性のある混合物からなる群より選択される、請求項22または26の方法。
【請求項30】
第2溶媒が、2以上の有機溶媒である、請求項22の方法。
【請求項31】
第2溶媒が、イソプロピルエーテル、ジエチルエーテル、酢酸エチル、エチルメチルケトン、1,4−ジオキサン、アセトン、およびこれらの相溶性のある混合物からなる群より選択される、請求項22または28の方法。
【請求項32】
工程(C)および(E)のそれぞれにおける所定温度が、独立して、約30℃から約95℃の範囲であるように選択される、請求項22の方法。
【請求項33】
4−フェニル酪酸を作製する方法であって、
(i)式Ph−CH−CH−CH−(COOR)(式中、各Rは、独立して、最大4個の炭素原子を含むアルキル、アリール基、またはアラルキル基(アルキル部分は、最大4個の炭素原子を有する)である)で表わされる有機エステルを水混和性有機溶媒中の鉱酸を用いて所定温度で処理すること;および
(ii)非極性溶媒を用いて4−フェニル酪酸を沈殿させること
を含む方法。
【請求項34】
工程(i)と(ii)との間で蒸発によって溶液を濃縮させることをさらに含む、請求項31の方法。
【請求項35】
減圧蒸留によって工程(ii)で得られる粗製4−フェニル酪酸を精製する工程をさらに含む、請求項31の方法。
【請求項36】
1以上の溶媒を用いた再結晶によって、工程(ii)で得られる粗製4−フェニル酪酸を精製することをさらに含む、請求項31の方法。
【請求項37】
各Rが、独立して、メチル、エチルまたはプロピルである、請求項31の方法。
【請求項38】
水混和性有機溶媒が、主鎖に4個未満の炭素を有する1以上のカルボン酸を含む、請求項34の方法。
【請求項39】
カルボン酸が、プロパン酸、置換プロパン酸、酢酸、置換酢酸、およびギ酸から選択される、請求項36の方法。
【請求項40】
鉱酸が、塩酸である、請求項36または37の方法。
【請求項41】
鉱酸が、硫酸である、請求項36または37の方法。
【請求項42】
少なくとも約300mg/mLの濃度である4−フェニル酪酸塩の経口用水溶液を用意し、前記溶液を治療を必要とする患者に経口投与することを含む、尿素サイクル欠損症、鎌状赤血球貧血、癌、または潜在性脳虚血性障害を患っている患者を治療する方法。
【請求項43】
溶液が、保存料、香味剤、香料、またはこれらの混合物をさらに含む、請求項40の方法。
【請求項44】
溶液が、保存料および香味剤をさらに含む、請求項41の方法。
【請求項45】
溶液が、香料および香味剤として甘味料をさらに含む、請求項42の方法。
【請求項46】
溶液が0℃で凍結しない、請求項1から10および14から19のいずれかの組成物。
【請求項47】
溶液が0℃で凍結しない、請求項20または21の方法。

【公表番号】特表2009−500345(P2009−500345A)
【公表日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−519624(P2008−519624)
【出願日】平成18年6月29日(2006.6.29)
【国際出願番号】PCT/US2006/025636
【国際公開番号】WO2007/005633
【国際公開日】平成19年1月11日(2007.1.11)
【出願人】(508002623)ナビンタ・エル・エル・シー (1)
【Fターム(参考)】