4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの結晶形態
【課題】4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの可能な結晶修飾形の提供。
【解決手段】4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基およびその塩の結晶形態は、様々な方法により製造される。
【解決手段】4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基およびその塩の結晶形態は、様々な方法により製造される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年7月20日提出の米国仮特許出願第60/701405号の利益を主張するものであり、本願ではその開示全体を出典明示により援用する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの結晶形態、その製造方法、それを含む医薬組成物およびそれを用いた処置方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連背景技術
多形は、物質の結晶構造が複数存在することを示す。複数の結晶修飾が加えられた形で化学物質が結晶化する能力は、薬剤の貯蔵寿命、溶解性、製剤特性および加工特性に甚大な影響を及ぼし得る。さらに、薬剤の作用も、薬剤分子の多形性により影響され得る。多形の差異により、体内での取り込み速度も異なることから、所望の活性よりも低いかまたは高い生物活性が誘導され得る。極端な場合には、望ましくない多形が毒性を示すこともあり得る。製造中における未知多形性形態の発生は、多大な影響をもたらし得る。
【0004】
多形を理解し、これを支配すれば、市場への新薬の導入の際に決定的な利益が得られる。第一に、そして最も重要なこととして、医薬品に関する可能な多形の予測を利用することにより、他の多形性形態による薬剤製造または貯蔵中での汚染の可能性を減少させることが可能である。汚染を捕らえ損ねると、場合によっては生命を脅かす事態を招くこともあり得る。製造中に意図しない多形の結晶化が起きた場合は数週間さらには数ヶ月の製造中断期間を必要とし得、その間科学者らは新たな結晶形態の原因を発見し、これを正すかまたは新形態についての承認を得るための試験を再度遂行することになる。
【0005】
第二に、研究者らは、状況によってどの結晶構造が可能であるかを理解することにより、化合物の所望の特性、例えば溶解性、製剤特性、加工特性および貯蔵寿命を最大にすることが可能である。新薬開発において早いうちにこれらの因子を理解すれば、より活性が高く、より安定し、またはさらに製造コストの低い薬剤が得られることになる。
【0006】
式
【化1】
で示される化合物4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドは、特許文献1、例えば実施例92に記載されている。価値ある薬理学的特性はこの化合物に起因すると考えられる。すなわち、これは、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の治療に有用なプロテインキナーゼ阻害剤として使用され得る。臨床または安定性試験中に単一多形の使用に失敗すると、使用または試験されている正確な用量形態をロット間で比較できない事態に陥り得るため、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの可能性のある多形についての知識を深めることは、適切な用量形態の開発において有用である。選択されると、多形性形態は再生可能な形で製造され、開発された用量形態で長期間変化しないでいることが重要である。また、不純物の存在は望ましくない毒素作用を誘発し得るため、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドを高純度で製造する方法を有することが望ましい。
【0007】
特許文献1は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの可能な結晶修飾形についての情報を一切提供していない。この化合物は、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルの混合物から再結晶化されるが、特許文献1は、そこで使用されている特定の再結晶化を適用するべきであること、または特定条件を採用することにより、獲得された結晶形態が修飾され得ることについては全く触れていない。驚くべきことに、下記の特徴を有する種々の結晶修飾形(4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの新規多形)は、精選された製造条件の選択、例えば溶媒系、結晶化の持続時間などの選択により製造されうることが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2004/005281 A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要旨
本発明は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態に関するものである。
【0010】
本発明はまた、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩および硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態に関するものである。
【0011】
さらに本発明は、
(a)本発明の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量;および
(b)少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤
を含む医薬組成物に関するものである。
【0012】
本発明はまた、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置方法であって、処置を必要とする対象に本発明の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量を投与する段階を含む方法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態AおよびBについてのx線粉末回折像(XRPD)を示す。
【図2】図2は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aについてのx線粉末回折像(XRPD)を示す。
【図3】図3は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aに関するフーリエ変換赤外線(FT−IR)スペクトルを示す。
【図4】図4は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aに関するフーリエ変換ラマン(FT−ラマン)スペクトルを示す。
【図5】図5は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aについての熱重量測定および熱示差分析曲線を示す。
【図6】図6は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A’についてのx線粉末回折像を示す。
【図7】図7は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A”についてのx線粉末回折像を示す。
【図8】図8は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bについてのx線粉末回折像を示す。
【図9】図9は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに関するFT−IRスペクトルを示す。
【図10】図10は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに関するFT−ラマンスペクトルを示す。
【図11】図11は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bについての熱重量測定および熱示差分析曲線を示す。
【図12】図12は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B’についてのx線粉末回折像を示す。
【図13】図13は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SBについてのx線粉末回折像を示す。
【図14】図14は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SB’についてのx線粉末回折像を示す。
【図15】図15は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cについてのx線粉末回折像を示す。
【図16】図16は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cに関するFT−IRスペクトルを示す。
【図17】図17は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cに関するFT−ラマンスペクトルを示す。
【図18】図18は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態C’についてのx線粉末回折像を示す。
【図19】図19は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SCについてのx線粉末回折像を示す。
【図20】図20は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Dおよび形態Bの混合物についてのx線粉末回折像を示す。
【図21】図21は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SEについてのx線粉末回折像を示す。
【図22】図22は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態についてのx線粉末回折像(XRPD)を示す。
【図23】図23は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態に関するFT−IRスペクトルを示す。
【図24】図24は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態に関するFT−ラマンスペクトルを示す。
【図25】図25は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態AおよびBについてのx線粉末回折像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な記載
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩および4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド硫酸塩は、様々な結晶形態で得られる。これらの「結晶形態(複数も可)」(または本明細書において互換的に使用される「結晶修飾形(複数も可)」または「多形性形態(複数も可)」または「多形(複数も可)」の語)は、熱力学的安定性、物理的パラメーター、x線構造および製造工程に関して異なっている。多形は、古典的には複数の異なる結晶種(化学構造は同一であるが、物理化学特性が全く異なる特性を有する)に結晶化する化合物の能力をいい、偽多形の語は、典型的には溶媒和物および水和物結晶形態に適用される。しかしながら、本発明の目的の場合、真の多形および偽多形、すなわち水和物および溶媒和物形態は、共に「結晶形態」の範囲内に包含される。さらに、「非結晶性(の)」は、不規則な固体状態をいう。特定結晶形態の場合、異なる試料でも同一の主要XRPDピークを共有するが、小ピークに関しては粉末回折像に変化が存在し得ることに留意するべきである。さらに、XRPD最大値(°で)に関する「約」の語は、一般に与えられた値の0.3°以内、好ましくは0.2°以内、最も好ましくは0.1°以内であることを意味する。他方、「約」の語は、(これに関連して、また明細書全体において)一般的当業者が考慮した場合に許容される平均の標準誤差内であることを意味する。本明細書で使用されている「単離した」および/または「実質的に純粋な」の語は、50%を越える割合で結晶4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドまたはその塩が本明細書記載の形態の一つで存在することを意味し、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%の割合で本明細書記載の結晶形態の一つが存在することを意味する。
【0015】
本発明の第一態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。遊離塩基の形態Aは僅かな吸湿性を示し(最大吸水性25℃で2%未満〜80%相対湿度)、水性緩衝液中では低溶解性、すなわちpH6.8で2mg/LおよびpH1.0で>200mg/Lであり、吸湿性は可逆的である。形態A’の基本的熱特性を、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)により試験したところ、以下の結果が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】
遊離塩基形態Aのx線粉末回折像は、約9.2°、13.1°、13.9°、16.7°、17.9°、18.4°、19.8°、24.1°および25.8°(2θ度)から選択される最大値の少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを示す。「約」の語は、本形態および本発明で取組まれた他形態について列挙した各最大値に適用される。本発明の特に好ましい態様は、図1のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。
【0018】
本発明の第二態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。遊離塩基の形態Bは吸湿性を示さず(最大吸水性25℃で2%未満〜80%相対湿度)、水性緩衝液中では低溶解性、すなわちpH6.8で0.2mg/L、pH2.8で2.8mg/LおよびpH1.0で839mg/Lであり、吸湿性は可逆性である。形態B’の基本的熱特性を、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)により試験したところ、以下の結果が得られた。
【0019】
【表2】
【0020】
遊離塩基形態Bのx線粉末回折像は、約4.3°、6.8°、7.2°、13.5°、14.5°、17.4°、19.6°および26.7°(2θ度)から選択される最大値の少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを示す。本発明の特に好ましい態様は、図1のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。
【0021】
さらに、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの様々な単離塩形態もまた、多形を呈する、すなわち様々な結晶形態で結晶化する傾向を有することが示されている。例えば、塩酸塩および硫酸塩は各々、幾つかの異なる結晶形態を呈する。本明細書で使用されている「塩」は、有機酸または塩基薬剤と医薬上許容される無機または有機酸または塩基との反応により製造される化合物をいう。適切な医薬上許容される無機または有機酸または塩基は、Handbook of Pharmaceutical Salts、P.H.StahlおよびC.G.Wermuth(編)、VHCA、チューリッヒ、334−345頁(2002)における表1〜8に列挙されている。本願と同時提出で、同時係属中の米国特許出願第60/701406号(代理人事件番号4−34385号)は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩および塩が製造され得る方法にそれぞれ関するものである。その出願の開示内容を、出典明示により援用する。塩酸塩についての形態A、A’、A”、B、B’、SB、SB’、C、C’、SC、DおよびSEは、図2、6〜8、12〜15および18〜21にそれぞれ示されたXRPDパターンを特徴とし得る。硫酸塩についての形態AおよびBは、図25に示されたXRPDパターンを特徴とし得る。従って、本発明のさらなる態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの示された塩のこれらの実質的に純粋な結晶形態の各々に関するものである。
【0022】
塩酸塩の形態Aは、比較的結晶性に乏しい二水和物である。メタノール蒸気の存在下において、形態Aは形態Bに変換される(下記)。形態AのDSC走査は、形態Aの脱水(典型的には77℃より上)が複雑であることを示す。約210℃での最終吸熱事象は、DSC、TGAおよびXRPDにより示された融点に対応する。様々な温度でのXRPDは、約105〜135℃間で、対応する一水和物形態である中間形態(下記の形態A’)を示し、無水形態(下記の形態A”)は約135℃から上昇した場合に得られた。約205℃まで加熱後、形態A”は、約30分間約40℃で保った場合もその形態を保持している。
【0023】
塩酸塩の形態Aに関するx線粉末回折像は、約8.5°、11.0°、11.5°、17.2°、18.8°、19.2°、20.8°、22.1°および26.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図2のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態AのFT−IRスペクトルは、図3に示されている。主要IRバンドは、約3342、2925、2854、1682、1619、1541、1448、1421、1399、1378、1316、1299、1255、1226、1159、1147、1099、1089、930、868、798、749、708および693cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aは、上記IRバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−IRスペクトルを特徴としている。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態AのFT−ラマンスペクトルは、図4に示されている。主要ラマンバンドは、約3059、2933、1684、1617、1594、1562、1493、1452、1423、1401、1384、1300、1260、1115、1039、1023、997、970、807、684、627、407、318、258、227、117および86cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aは、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−ラマンスペクトルを特徴としている。塩酸塩の形態Aに関する熱重量測定および示差熱分析(TG−DTA)曲線は図5に示されている。
【0024】
塩酸塩の形態Aに関連した追加的結晶形態には、形態A’および形態A”があり、これらは形態Aの一水和物および形態Aの無水形態をそれぞれ表す。形態A’は、室内条件下で数分以内に形態Aに変換される。塩酸塩の形態A’(一水和物)に関するx線粉末回折像は、約4.3°、8.6°、11.6°、12.1°、17.1°、20.6°、24.5°、25.3°、25.8°、27.3°および31.6°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図6のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A’に関するものである。塩酸塩の形態A”(無水物)に関するx線粉末回折像は、約4.5°、8.8°、11.5°、11.9°、13.0°、14.4°、14.8°、15.3°、16.9°、17.6°、19.2°、19.5°、19.9°、21.3°、24.6°、25.4°、26.4°、27.9°および31.5°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図7のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A”に関するものである。
【0025】
塩酸塩の結晶形態Bは、3.1%の理論的含水率を有する一水和物であり、塩酸塩の形態Aに関して優れた結晶性および物理的安定性を示す。エタノールの存在下において、形態Bは形態Aに変換される。形態BのDSC走査は、脱水に対応する約100℃〜120℃での第1吸熱反応、すなわち無水結晶形態B’への変化を示す。DSCはまた、溶解に対応する約190℃での第2吸熱反応を示す。様々な温度でのXRPDは、約145℃〜195℃間で無水形態B’を示す。約195℃で溶解後、形態B’は、約30分間約40℃で保たれると非結晶性になる。形態B’は、室内条件下で数分以内に形態Bに変換される。
【0026】
塩酸塩の形態Bについてのx線粉末回折像は、約7.2°、9.2°、11.4°、12.0°、12.3°、14.6°、14.8°、15.7°、17.6°、19.2°、19.5°、20.5°、22.0°、23.4°、23.9°、25.0°、25.5°、25.9°、27.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図8のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態BのFT−IRスペクトルは、図9に示されている。主要IRバンドは、約3211、3058、2925、2854、1676、1614、1587、1454、1411、1378、1343、1304、1279、1263、1230、1197、1181、1120、1089、1046、1033、1005、905、892、874、801、755、706および695cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bは、上記IRバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−IRスペクトルを特徴とする。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態BのFT−ラマンスペクトルは、図10に示されている。主要ラマンバンドは、約3078、3026、2975、2930、1672、1610、1602、1593、1541、1476、1451、1400、1385、1332、1303、1263、1251、1210、1089、1046、1033、851、802、755、660、483、456、395、355、317、217、243、198、160、148および114cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bは、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−ラマンスペクトルを特徴とする。塩酸塩の形態Bに関する熱重量測定および示差熱分析(TG−DTA)曲線を図11に示す。
【0027】
塩酸塩の形態B’(非結晶性)に関するx線粉末回折像は、約7.2°、9.2°、11.5°、12.0°、13.9°、14.3°、15.4°、17.6°、18.6°、20.3°、21.7°、22.5°、23.2°、24.7°、24.9°、25.2°、26.0°、26.6°、27.5°、28.2°、29.2°および30.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図12のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態B’に関するものである。水分に暴露されると、無水形態B’は、一水和物に再び変換される。全般的に、形態Bは含水率が低い(<5%)溶媒に好都合であり、形態Aは含水率の高い溶媒に好都合である。塩酸塩の形態Bは、メタノールから製造され得る。しかしながら、それはまずメタノール溶媒和物(下記の形態SB)として結晶化し、次いで空気に曝されると迅速に一水和物形態Bに変換されると思われる。しかしながら、メタノール溶媒和物は、真空乾燥された場合形態Bに変換されない。形態Bへの変換には風乾で十分である。
【0028】
本発明の追加的態様は、塩酸塩の形態SBに関するものであり、これは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに対応するジメタノール溶媒和物である。この形態は、形態B一水和物塩酸塩への変換を誘発する環境条件、すなわち周囲の水分から保護されている場合のみ、単離され得る。塩酸塩の形態SBに関するx線粉末回折像は、約7.5°、9.3°、11.5°、14.8°、19.4°、21.9°、23.0°、23.8°、24.9°、25.6°、25.9°、26.3°および26.7°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図13のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SBに関するものである。別の関連結晶形態は、形態SB’であり、これは、形態Bに対応するモノ−メタノール溶媒和物であると考えられる。塩酸塩の形態SB’に関するx線粉末回折像は、約7.5°、9.3°、11.6°、12.4°、13.4°、13.8°、14.9°、19.7°、20.2°、22.0°、23.0°、23.9°、24.2°、25.1°、26.0°、26.8°、29.3°および30.7°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図14のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SB’に関するものである。
【0029】
塩酸塩の形態Cは別の一水和物である。メタノール蒸気の存在下において、形態Cは形態Bに変換される。形態CのDSC走査は、脱水に対応する約100℃〜120℃での第1吸熱反応、すなわち無水結晶形態C’への変化を示す。DSCはまた、溶解に対応する約180℃での第2吸熱反応を示す。様々な温度でのXRPDは、約155℃〜195℃間で無水形態C’を示す。約195℃で溶解後、形態C’は、約30分間約40℃で保たれると非結晶性になる。
【0030】
塩酸塩の形態Cに関するx線粉末回折像は、約6.6°、7.0°、8.9°、11.2°、11.8°、13.3°、14.0°、17.3°、18.4°、20.0°、22.1°および23.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図15のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Cに関するものである。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態CのFT−IRスペクトルは図16に示されている。主要IRバンドは、約3332、2925、2854、1670、1615、1588、1556、1455、1414、1312、1293、1260、1234、1179、1126、1087、1087、1050、1032、886、797、758、および696cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Cは、上記IRバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−IRスペクトルを特徴とする。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態CのFT−ラマンスペクトルは、図17に示されている。主要ラマンバンドは、約3075、2932、1670、1610、1592、1494、1452、1398、1383、1309、1294、1259、1210、1087、1047、1033、1022、852、799、639、271、244、162、100および85cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Cは、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−ラマンスペクトルを特徴とする。
【0031】
形態Cの脱水により、無水結晶形態C’が生じる。形態C’は、室内条件下で数分以内に形態BおよびCの混合物に変換される。塩酸塩の形態C’に関するx線粉末回折像は、約6.7°、6.9°、9.1°、11.4°、12.0°、13.8°、14.2°、24.8°および25.8°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図18のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態C’に関するものである。
【0032】
本発明のさらなる態様は、塩酸塩の形態SCに関するものであり、これは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cに対応するメタノール溶媒和物である。形態Cは、メタノール溶媒和物(形態SC)としてまず結晶化すると思われ、次いで空気に曝されると一水和物形態Cに急速に変換される。しかしながら、メタノール溶媒和物は、真空乾燥された場合には形態Cに変換されない。形態Cへの変換には風乾で十分である。塩酸塩の形態SCに関するx線粉末回折像は、約6.5°、7.3°、9.1°、10.8°、12.1°、13.0°、14.5°、14.9°、18.9°、19.4°、24.2°、25.0°、25.4°、26.2°、27.4°および28.4°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図19のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SCに関するものである。
【0033】
塩酸塩のさらなる結晶形態は形態Dである。結晶形態Dは、これまでのところ塩酸塩の形態Bとの混合物から得られている。塩酸塩の形態Dに関するx線粉末回折像は、約5.7°、8.4°および9.8°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。XRPDはまた、形態Dとの混合物中における形態Bの存在故に上記形態Bの最大値を共有している。本発明の好ましい態様は、図20に示された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の結晶形態Dに関するものである。さらに好ましい態様は、塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Dを含む。
【0034】
塩酸塩のさらなる結晶形態は形態SEであり、これは塩酸塩のジメチルホルムアミド溶媒和物である。形態SEは、例えば25℃で、塩酸塩の形態Cまたは非結晶形態をジメチルホルムアミド蒸気で処理することにより得られる。塩酸塩の形態SEに関するx線粉末回折像は、約3.4°、4.5°、5.1°、5.8°、7.2°、9.3°、10.1°、12.9°、13.3°、13.8°、14.8°、15.7°、17.4°、19.6°、20.8°、21.3°、22.5°、24.4°、25.5°、26.0°、27.4°および27.9°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図21のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SEに関するものである。
【0035】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の上記結晶形態(すわなち、多形、偽多形)の全てに加えて、塩酸塩は非結晶形態でも存在する。非結晶形態は、様々な相対湿度での貯蔵後、自然に形態A塩酸塩に変換される。メタノール蒸気の存在下では、非結晶形態は形態Bに変換される。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態を表すXRPDを図22に示す。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態のFT−IRスペクトルを図23に示す。主要IRバンドは、約1671、1615、1556、1479、1447、1416、1379、1354、1308、1263、1225、1173、1130、1025、1090、802、753、707および695cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な非結晶形態は、上記IRバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを有するFT−IRスペクトルを特徴とする。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態のFT−ラマンスペクトルは、図24に示されている。主要ラマンバンドは、約3059、2931、1672、1614、1591、1485、1445、1400、1383、1298、1261、1206、1091、1041、1024、999、969、807、755、710、614、315および109cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な非結晶形態は、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを有するFT−ラマンスペクトルを特徴とする。
【0036】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Aも、本発明のさらなる態様である。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Aに関するx線粉末回折像は、約6.3°、7.7°、9.5°、10.7°、17.9°および18.9°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図25のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。
【0037】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Bは、本発明のさらなる態様である。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Bに関するx線粉末回折像は、約7.3°、17.7°、19.0°、20.2°および20.8°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図25のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。
【0038】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の上記結晶形態に加えて、硫酸塩はまた非結晶形態でも存在する。本発明の好ましい態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な非結晶形態を含む。
【0039】
様々な方法を用いることにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基(形態AおよびB)、塩酸塩(形態A、A’、A”、B、B’、SB、SB’、C、C’、SC、DおよびSE)および硫酸塩(形態AおよびB)の各々の結晶形態が獲得され得る。これらの方法は上記および下記実施例で示されており、室温での結晶化、熱飽和溶液からの結晶化、および溶媒添加による沈殿を含む。
【0040】
本発明のさらなる態様は、
(a)本発明の先に示した態様の一つによる4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量、および
(b)少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤
を含む医薬組成物に関するものである。好ましい態様では、実質的に純粋な結晶形態は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである。好ましくは、組成物中に存在する結晶形態の50%を超える割合、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%が、選択された形態の一つを有する。
【0041】
「治療有効量」は、それを必要とする対象に投与したとき、プロテインキナーゼ活性の阻害により軽減される病状の処置に有効である本発明結晶形態の量を意味するものとする。本発明の所定化合物の治療有効量は、例えば病状およびその重症度、それを必要とする対象の個性などの因子により変動し、その量は一般的当業者により常用手順で決定され得る。
【0042】
少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤は、通常の当業者により容易に選択され得るものであり、所望の投与方法により決定される。適切な投与方法の実例としては、経口、経鼻、非経口、局所、経皮および直腸経路がある。本発明の医薬組成物は、当業者が適切なものであると認め得る医薬形態をとればよい。適切な医薬形態には、固体、半固体、液体または凍結乾燥製剤、例えば錠剤、散剤、カプセル剤、坐薬、懸濁液、リポソームおよびエーロゾルがある。
【0043】
本発明のさらに別の態様は、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置方法であって、処置を必要とする対象に、本発明の先行態様の一つによる4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの実質的に純粋な結晶形態の治療有効量を投与する段階を含む方法に関するものである。好ましい態様では、実質的に純粋な結晶形態は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである。好ましくは、投与される結晶形態の50%を超える割合、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%が、本発明形態の一つを有する。上記で示したところによると、投与方法の例には、経口、経鼻、非経口、局所、経皮および直腸経路がある。結晶形態の投与は、本発明医薬組成物の投与により、または他の有効な手段により遂行され得る。
【0044】
以下、実施例により本発明の実施態様を証明する。これらの実施例は、単に本発明を説明するために開示されているものと理解するべきであり、本発明の範囲を制限するものととるべきではない。
【実施例】
【0045】
実施例1
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約100mgを、室温で少なくとも48時間、7種の異なる溶媒(メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランおよびアセトニトリル)2mLにより平衡状態にする。形態変化は起こらなかった。
【0046】
実施例2
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約50mgを、25℃±0.5(表3)および50℃±0.5(表4)の水浴中で少なくとも20時間、列挙した溶媒1mLで平衡状態にする。次いで、溶液を濾過し、10分間空気乾燥する。次いで、固体部分をXRPDにより調べる。差異が観察される場合、追加的検査(DSC、TGA、赤外線(IR)、走査型電子顕微鏡(SEM))を実施する。溶媒を真空蒸発後、重量測定により溶媒中での概算的溶解度を測定する。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
実施例3
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態AおよびBの混合物を様々な溶媒中で平衡状態にした。
【0050】
【表5】
?=余分のピーク(新形態であるのか遊離塩基であるのか不明)
【0051】
実施例4
実施例2からの残留物(4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩)は、室温で濃縮後その結晶形態について検査され得る。結果を下表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】
実施例5
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約300mgを、60℃で最小限の溶媒に溶かす。当然、残存する結晶は全く目に見えない。次いで、溶液を氷浴中で冷却し、撹拌する。沈殿物をフィルターに集め、乾燥し、XRPDにより調べる。
【0054】
【表7】
【0055】
実施例6
2種の異なる溶媒の組合せを試験する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bを、溶解度が高い媒質に溶かし、塩が高度不溶性である溶媒を加える。沈殿物をフィルターに集め、乾燥し、XRPDにより調べる。
【0056】
【表8】
【0057】
実施例7
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B300mgを、液圧プレスにより10トンで5分間圧縮する(錠剤直径=13mm)。室温で5分間圧縮後も結晶修飾の変化は無かった(XRPDによる)。しかしながら、XRPDピークがかなり広くなっていることから、結晶性が低いことを示している。
【0058】
実施例8
造粒溶媒を、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに、固体が十分に湿るまで滴下する。各添加間に材料を渦状に撹拌する。次いで、材料を<2%またはそれ未満になるまで真空乾燥し、XRPDまたはDSCにより形態および結晶度について評価する。
【0059】
【表9】
【0060】
実施例9
非結晶性4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩を、アセトニトリル中で結晶化することにより、塩酸塩の形態Aおよび遊離塩基の形態Aの混合物を形成させる。非結晶性4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩をイソプロパノール中で結晶化することにより、塩酸塩の形態Aおよび少量の遊離塩基の形態Aの混合物を形成させる。
【0061】
実施例10
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態A約50〜60mgを、列挙した溶媒0.75mLに懸濁した。それに続いて、化学量論量の塩酸を懸濁液に加えると、添加後粘稠性は弱くなった。混合物を周囲温度で約5時間撹拌した。固体(塩)を濾過により集め、XRPDおよびNMRにより分析した。
【0062】
【表10】
*非常に良好=主要ピークが鋭く、それらの強度が70カウントを超えるとき
良好=主要ピークが鋭く、それらの強度が30〜70カウント以内であるとき
【0063】
実施例11
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態A約50〜60mgを、0.75mLの列挙した溶媒に懸濁した。それに続いて、化学量論量のH2SO4を懸濁液に加えると、添加後粘稠性は弱くなった。混合物を周囲温度で約5時間撹拌した。固体(塩)を濾過により集め、XRPDにより、および場合によってはさらにNMRにより分析した。
【0064】
【表11】
*良好=主要ピークが鋭く、それらの強度が30〜70カウント以内であるとき
弱い=主要ピークが広く、それらの強度が30カウント未満であるとき
【0065】
実施例12
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約300〜310mgを、9mLの2−プロパノールに懸濁した。それに続いて、化学量論量のHClを懸濁液に加えた。添加後、スラリーは黄色、次いでオフホワイトになった。混合物を周囲温度で約5時間撹拌した。4時間保持した後、スラリーはペースト状になり、注入および濾過が困難であった。固体を濾過により集め、XRPDおよびNMRにより分析した。XRPDは、塩酸塩の良好な結晶性および形態Aを示し、1H−NMRは、シフトの変化および溶媒ピーク無しの両方を示した。
【0066】
実施例13
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約300mgを、30mLのメタノールに懸濁した。懸濁液を64℃の還流温度に加熱した。スラリーは還流下で澄明になった。それに続いて、メタノールに溶かした化学量論量のH2SO4を懸濁液に加えた。溶液を還流下で5時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。保持後、固体が沈殿した。固体を濾過により集め、XRPDにより分析した。XRPDは、硫酸塩の形態Bを示した。
【0067】
実施例14
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約100mgを、15mLのメタノールに懸濁した。それに続いて、列挙した酸の化学量論量を懸濁液に加えた。溶液を50℃で約5時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。固体(塩)を集め、XRPDおよびNMRにより分析した。
【0068】
【表12】
【0069】
実施例15
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約100mgを、15mLのメタノールに懸濁した。それに続いて、列挙した酸の列挙した量を懸濁液に加えた。溶液を周囲温度(HCl)または50℃(H2SO4)で約5時間撹拌した。緩慢なN2気流を用いて溶媒を濃縮乾固することにより、固体(塩)を得、XRPDおよびNMRにより分析した。
【0070】
【表13】
【0071】
実施例16
メカニカルスターラー、温度計、加熱/冷却能力、および滴下漏斗を備えた1Lの4つ口丸底フラスコに、窒素パージ下で4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基(10g)、メタノール(250mL)、および37%塩酸(1.85g)を連続して注入した。混合物を42〜50℃に加熱し、さらに15分間撹拌した。バッチ温度を40℃より高く維持しながら、生成した溶液をポリプロピレンパッドにより濾過した。窒素雰囲気下で、澄明な溶液を、メカニカルスターラー、温度計および加熱/冷却能力を備えた別の1L、4つ口の丸底フラスコに移した。バッチを撹拌し、30分間にわたって30℃に冷却した。種晶(20mg)をこの温度で加え、バッチを45分間にわたって23℃に冷却した。バッチをさらに3時間撹拌することにより、粘稠性白色懸濁液を得た。懸濁液を1.5時間にわたって−10℃に冷却し、さらに30分間撹拌した。固体があればそれを濾過により集め、冷(−10℃)メタノール(20mL)ですすいだ。固体を50〜55℃/10〜20torrで8〜16時間乾燥することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド一塩酸塩一水和物塩形態B(9.8g)を白色固体として得た。
【0072】
1H NMR 300 MHz, DMSO-d6), δ 10.9(s, 1H), 9.58(s, 1H), 9.29(s, 1H), 9.20(s, 1H), 8.70(d, 1H), 8.63(s, 1H), 8.55(d, 1H), 8.49(d, 1H), 8.32(d, 2H), 8.00(s, 1H), 7.91(s, 1H), 7.84(d, 1H), 7.56-7.44(m, 3H), 2.50(s, 3H), 2.35(s, 3H); x線回折像は、2θ = 7.4°, 9.4°, 11.6°, 12.1°, 15.8°, 19.3°, 19.6°, 22.1°, 24.1°, 25.7°で最大を示す。
【0073】
実施例17
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態Aおよび形態B約100mgを、25℃の水浴中で1日間13種の異なる溶媒(アセトン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、無水エタノール、酢酸エチル、メタノール、プロパン−2−オール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、テトラヒドロフラン/水(1:1)、エタノール/水(1:1)、およびメタノール/水(1:1))2mLにより別々に平衡状態にした。次いで、溶液を濾過し、空気中で10分間乾燥した。固体部分をXRPDにより調べた。水中での形態Bの一試験以外、形態変化は起こらなかった。一例では、遊離塩基形態AおよびBの混合物が生じたが、それらの結果は再現できなかった。
【0074】
さらに、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態Aおよび形態Bの混合物約100mgを、25℃の水浴中で1日間7種の異なる溶媒(無水エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、水、テトラヒドロフラン/水(1:1)、エタノール/水(1:1)およびメタノール/水(1:1))2mLにより平衡状態にした。次いで、溶液を濾過し、空気中で10分間乾燥した。固体部分をXRPDにより調べた。形態変化は起こらなかった。
【0075】
実施例18
形態A、形態B、および形態Aおよび形態B遊離塩基の混合物の各々の溶解度を、25℃の飽和溶液から測定した。結果を下表14に列挙する。
【0076】
【表14】
【0077】
表から明らかな通り、遊離塩基の形態Aは、異なる溶媒混合物において遊離塩基の形態Bと比べたとき25℃での溶解では低かった。溶解度は低すぎて水中での適切な比較を遂行できなかった。
【0078】
実施例19
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩12gを、52℃での192mLのメタノールおよび21mlの水に溶かす。溶液を10分で64〜66℃に加熱し、45分間放置する。次いで、溶液を0℃、3時間で冷ます。溶液は0℃前に自然に結晶化する。従って、冷却ランプを20℃で停止し、2日間撹拌しながら放置した。懸濁液を2時間で0℃に冷ました後、真空濾過することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aを得る。
【0079】
実施例20
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩形態Bを、室温または50℃でのメタノールに遊離塩基を懸濁することにより製造する。1.06当量の37%塩酸水溶液を加え、混合物を還流温度(64℃)に加熱することにより溶液を得、これを濾過により澄明にする。次いで、澄明溶液を42℃に冷却し、1塩基につき0.1%の種晶を入れる。種晶を99%メタノールおよび1%水の混合物に懸濁する。懸濁液を2.5時間42℃で撹拌した後、緩やかな冷却プロフィールに従って−10℃に冷却する。20℃で、冷却を4時間中断することにより、形成された可能性のあるメタノール溶媒和物を所望の一水和物に変換させる。
【0080】
懸濁液を濾過し、2回分量のメタノール/水混合物(99%メタノール/1%水)により洗浄する。フィルターケーキを、一晩10mbar未満の減圧下、70℃のオーブンで乾燥する。濾過後の含水率は、50g規模およびそれより多い場合についての3.05%の理論値より低いことが見出された。正確な含水率を確かめるため、第2乾燥段階を追加して水を撹拌容器中で蒸発させ、真空ポンプによりドライヤーに輸送する。ドライヤーにおける条件を60℃および30mbarに変えることにより、所望の含水率に関して十分な条件を確保する。飽和容量に到達するまで水を加える。記載した方法により、2つの実験室規模(1L)パドルドライヤー実験で3.5〜3.6%の含水率が得られた。
【0081】
実施例21
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩1.2mgを、120mgのメタノールおよび12mgの水中に入れる。室温で澄明な溶液を得る。さらに12gの4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩を加え、懸濁液を室温で1時間放置する。種晶懸濁液を超音波水浴中に10秒間置く。
【0082】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩(12g)を、192mLのメタノールおよび14.87mLの水に懸濁する。溶液を10分で64〜66℃に加熱し、66℃で5分間保つ。次いで、溶液を15分で42℃まで冷却し、次いで種晶を入れる。懸濁液を42℃で2.5時間保ち、7時間で20℃まで冷まし、6時間以内に−10℃まで冷却する。懸濁液を79時間保った後、真空濾過する。固体をメタノール/水66mL/5.26mLの冷混合物(−10℃)で2回洗浄し、20時間70℃で真空乾燥することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cを得る。
【0083】
実施例22
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩(14g)を、湯浴中で1000gのメタノールに溶かす。溶液を約65℃でBuchi Mini噴霧器において噴霧乾燥することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの非結晶性塩酸塩が形成する。
【0084】
実施例23
4.0gの4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基を、50℃で60mLのメタノールに溶かす。1.05当量(688.7μL)の塩酸を、メタノール2mL中の溶液として加える。溶液を50℃で60分間放置する。溶液を42℃まで冷し、この温度で15分間保つ。超音波浴中で10秒間ホモジネートしたメタノール(40mg)/水(0.4mg)中の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩4mgの懸濁液を加える。懸濁液を42℃で2.5時間放置し、次いで7時間で20℃まで冷ます。懸濁液は20℃で56時間その状態を維持している。分析前に懸濁液の濾過は行わない。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩のジメタノール溶媒和物形態SBを得る。
【0085】
実施例24
36.0gの4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩を、52℃でメタノール576mLおよび水44.61mLの溶媒混合物に溶かす。溶液を15分で64〜66℃に加熱し、66℃で5分間保つ。次いで、溶液を15分で42℃まで冷まし、溶液に種晶を入れる。懸濁液を42℃で2.5時間保ち、7時間以内に20℃まで冷却し、この温度を11時間維持する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩のメタノール溶媒輪物形態SCを得る。
【0086】
メタノール/水溶液(360mg/36mg)に溶かした4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩3.6mgから、種晶溶液を得た。この溶液に、追加の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド36mgを加える。懸濁液を室温で1時間維持し、懸濁液を10秒間超音波浴に入れる。
【0087】
実施例25
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩の形態A、形態Bおよび形態C約100mgを、別々に10種の異なる溶媒(エタノール、メタノール、水、エタノール/水(99:1)、メタノール/水(99:1)、メタノール/水(99.3:0.7)、メタノール/HCl(0.1N)、ジエチルエーテル、ヘキサン、テトラヒドロフラン)2mLにより25℃の水浴中で1日間平衡状態にする。次いで、溶液を濾過し、固体部分をXRPDにより調べた。
【0088】
メタノール中で、形態Aは形態Bに変化し、メタノール/水(99:1)中で、形態Aは、少量の形態Bを伴って形態Cに変化し、メタノール/水(99.3:0.7)中およびメタノール・HCl(0.1N)中で、形態Aは、少量のCを伴って形態Bに変化した。形態Bについては変化は起こらなかった。メタノール中で、形態Cは形態Bに変化し、水中で、形態Cは形態Aに変化した。
【0089】
同様の平衡試験を、形態AおよびCについては50℃で1日間および形態Bについては2日間実施した。メタノール中で、形態Aは形態BおよびCの混合物に変化し、メタノール/水(99:1)、メタノール/水(99.3:0.7)およびメタノール/HCl(0.1N)の各々において、形態Aは形態Cに変化した。形態Bは、エタノール中で形態AおよびBの混合物に変化した。メタノール中で、形態Cは形態Bに変化し、水中で、形態Cは形態Aに変化した。また、エタノール/水(99:1)中で、形態Cは全3形態の混合物に変化し、テトラヒドロフラン中では形態BおよびCの混合物に変化した。
【0090】
実施例26
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約100mgを、60℃で下記に列挙した溶媒約2mLに溶かす。溶液を−10℃に冷却する。懸濁液を濾過し、固体を分析する。
【0091】
【表15】
/=結晶化は観察されなかった。
【0092】
実施例27
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約100mgを、60℃で下記に列挙した溶媒約2mLに溶かす。溶液を20℃に冷却する。懸濁液を遠心分離にかけるが、分析前に固体の乾燥は行わない。
【0093】
【表16】
/=結晶化は観察されなかった。
【0094】
実施例28
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約100mgを、60℃で下記に列挙した溶媒約2mLに溶かす。溶液を45℃に冷却する。懸濁液を遠心分離にかけるが、分析前に固体の乾燥は行わない。
【0095】
【表17】
/=結晶化は観察されなかった。
【0096】
実施例29
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、形態Bおよび形態Cの溶解度を、様々な溶媒中における異なる温度での重量測定技術により測定した。結果を下表18〜20に示す。
【0097】
【表18】
【0098】
【表19】
【0099】
【表20】
【0100】
上表から明らかな通り、水性媒質、例えば水、pH1、2、3および4(HClで希釈)中での4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の24時間後における25℃および50℃での溶解度は、形態C>形態B>形態Aという傾向に従う。大量のメタノールが存在する場合、10分後の溶解度は形態A>形態C>形態Bという傾向に従う。
【0101】
実施例30
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態Aを以下のスキームにしたがって製造する:
【化2】
【0102】
14.5g(60.0mmol)のB6および20.8g(64.8mmol)のB5を、不活性および水不含有条件下室温で120mLの無水テトラヒドロフランに溶かす。懸濁液をIT0〜5℃に冷却し、内部温度を0〜5℃に維持しながら、テトラヒドロフラン中の101.0g(180mmol)のカリウム・tert−ブトキシドの20%溶液を1時間以内に加えた。反応混合物を1時間以内で徐々にIT50℃まで加熱し、次いでこの温度でさらに1時間撹拌する。50mLの水を加えることにより、反応混合物(黄色懸濁液)をIT50℃でクエンチングする。撹拌を停止し、2相系を分離させる。水(下方)相を除去する。形態Aの種晶(0.2g)を、残存する有機相に加え、薄い懸濁液を50℃で1時間撹拌している間に、結晶化が始まる。〜10のpHに到達するまで、約1.0mLの酢酸を有機相に加える。溶媒(260mL)を標準圧下80〜100℃(外部温度)で蒸留し、同時に体積を一定に保ちながら260mLの94%エタノールを加える、すなわちテトラヒドロフランからエタノールへと溶媒を交換する。懸濁液を1時間以内にIT0〜5℃まで冷却し、撹拌をさらに1時間続行する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態A(結晶性固体)を、濾過により集め、150mLの冷エタノール94%で洗浄する。次いで、生成物を50℃で真空乾燥する。
【0103】
実施例31
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態Bを、以下のスキームにしたがって製造する:
【化3】
【0104】
14.5g(60.0mmol)のB6および20.8g(64.8mmol)のB5を、不活性および水不含有条件下室温で120mLの無水テトラヒドロフランに溶かす。懸濁液をIT0〜5℃に冷却し、内部温度を0〜5℃に維持しながら、テトラヒドロフラン中の101.0g(180mmol)のカリウム・tert−ブトキシドの20%溶液を1時間以内に加えた。反応混合物を1時間以内で徐々にIT50℃まで加熱し、次いでこの温度でさらに1時間撹拌する。50mLの水を加えることにより、反応混合物(黄色懸濁液)をIT50℃でクエンチングする。撹拌を停止し、2相系を分離させる。水(下方)相を除去する。〜10のpHに到達するまで、約1.0mLの酢酸を有機相に加える。形態Bの種晶(0.2g)を、有機溶液に加える。溶媒(260mL)を標準圧下80〜100℃(外部温度)で蒸留し、同時に体積を一定に保ちながら260mLの94%エタノールを加える、すなわちテトラヒドロフランからエタノールへと溶媒を交換する。懸濁液を1時間以内にIT0〜5℃まで冷却し、撹拌をさらに1時間続行する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態B(結晶性固体)を、濾過により集め、150mLの冷エタノール94%で洗浄する。次いで、生成物を50℃で真空乾燥する。
【0105】
化学、物理化学および形態的特性
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基(形態B)および4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド一水和物塩酸塩(形態B)の両方の化学、物理化学および形態的特性を、下記の要領で評価した。
【0106】
概算的溶解度の測定:秤量した量(20〜50mg)の試料を、2mLの溶媒中に注いだ。得られたスラリーを室温で24時間平衡させておき、次いで濾過した。飽和濾液中におけるDSの濃度をUVまたはHPLCにより測定した。
【0107】
固有溶解速度(IDR):回転ディスク方法(VanKell Instrument)を用いて、37℃で溶解速度測定を実施した。200rpmの単一回転速度を使用した。0.1NのHClにおけるIDRについては、800mL容量、そして水におけるIDRについては、200mL容量を使用した。UV測定用セルを通して溶液を連続的にポンプで吸い上げ、溶解容器へ再循環させた。
【0108】
【表21】
【0109】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、BおよびCの各々について熱重量測定試験を実施した。結果を下表22に示す。
【0110】
【表22】
【0111】
様々な溶媒中における4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、形態B、形態Cおよび非結晶形態の各々についても固有溶解速度を測定した。Cary 100光度計を用いて、VanKel器具において測定を実施した。結果を下表23に示す。
【0112】
【表23】
【0113】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、形態B、形態Cおよび非結晶形態の全てについてさらなる安定性試験を実施した。様々な相対湿度での貯蔵後、形態変化は、形態A、BおよびCについては観察されなかった。塩酸塩の非結晶形態は、自然に形態Aに結晶化する。さらに、形態は各々、50℃で1ヶ月間、80℃で1ヶ月間および80℃および75%相対湿度で1ヶ月間良好な化学的安定性を有するが、形態Cおよび非結晶形態は両方とも、最後の条件下で形態Aとの混合物を示した。
【0114】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bおよび形態SBについて、結晶学試験を実施した。室温でのメタノール中における緩慢な溶媒濃縮により適切な単晶を得た。結果を下表24に示す。
【表24】
【0115】
以上、本発明についてその実施態様を交えて説明したが、本明細書に開示された発明の概念から逸脱することなく、多くの変更、修飾および変形が加えられ得ることは明らかである。従って、添付の請求の範囲の精神および広範な範囲内に含まれる上記の変更、修飾および変形も全て包含するものとする。特許出願、特許および他の出版物については、全て出典明示により援用する。
【技術分野】
【0001】
本願は、2005年7月20日提出の米国仮特許出願第60/701405号の利益を主張するものであり、本願ではその開示全体を出典明示により援用する。
【0002】
発明の背景
発明の分野
本発明は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの結晶形態、その製造方法、それを含む医薬組成物およびそれを用いた処置方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
関連背景技術
多形は、物質の結晶構造が複数存在することを示す。複数の結晶修飾が加えられた形で化学物質が結晶化する能力は、薬剤の貯蔵寿命、溶解性、製剤特性および加工特性に甚大な影響を及ぼし得る。さらに、薬剤の作用も、薬剤分子の多形性により影響され得る。多形の差異により、体内での取り込み速度も異なることから、所望の活性よりも低いかまたは高い生物活性が誘導され得る。極端な場合には、望ましくない多形が毒性を示すこともあり得る。製造中における未知多形性形態の発生は、多大な影響をもたらし得る。
【0004】
多形を理解し、これを支配すれば、市場への新薬の導入の際に決定的な利益が得られる。第一に、そして最も重要なこととして、医薬品に関する可能な多形の予測を利用することにより、他の多形性形態による薬剤製造または貯蔵中での汚染の可能性を減少させることが可能である。汚染を捕らえ損ねると、場合によっては生命を脅かす事態を招くこともあり得る。製造中に意図しない多形の結晶化が起きた場合は数週間さらには数ヶ月の製造中断期間を必要とし得、その間科学者らは新たな結晶形態の原因を発見し、これを正すかまたは新形態についての承認を得るための試験を再度遂行することになる。
【0005】
第二に、研究者らは、状況によってどの結晶構造が可能であるかを理解することにより、化合物の所望の特性、例えば溶解性、製剤特性、加工特性および貯蔵寿命を最大にすることが可能である。新薬開発において早いうちにこれらの因子を理解すれば、より活性が高く、より安定し、またはさらに製造コストの低い薬剤が得られることになる。
【0006】
式
【化1】
で示される化合物4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドは、特許文献1、例えば実施例92に記載されている。価値ある薬理学的特性はこの化合物に起因すると考えられる。すなわち、これは、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の治療に有用なプロテインキナーゼ阻害剤として使用され得る。臨床または安定性試験中に単一多形の使用に失敗すると、使用または試験されている正確な用量形態をロット間で比較できない事態に陥り得るため、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの可能性のある多形についての知識を深めることは、適切な用量形態の開発において有用である。選択されると、多形性形態は再生可能な形で製造され、開発された用量形態で長期間変化しないでいることが重要である。また、不純物の存在は望ましくない毒素作用を誘発し得るため、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドを高純度で製造する方法を有することが望ましい。
【0007】
特許文献1は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの可能な結晶修飾形についての情報を一切提供していない。この化合物は、テトラヒドロフランおよび酢酸エチルの混合物から再結晶化されるが、特許文献1は、そこで使用されている特定の再結晶化を適用するべきであること、または特定条件を採用することにより、獲得された結晶形態が修飾され得ることについては全く触れていない。驚くべきことに、下記の特徴を有する種々の結晶修飾形(4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの新規多形)は、精選された製造条件の選択、例えば溶媒系、結晶化の持続時間などの選択により製造されうることが見出された。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】WO2004/005281 A1
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0009】
発明の要旨
本発明は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態に関するものである。
【0010】
本発明はまた、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩および硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態に関するものである。
【0011】
さらに本発明は、
(a)本発明の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量;および
(b)少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤
を含む医薬組成物に関するものである。
【0012】
本発明はまた、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置方法であって、処置を必要とする対象に本発明の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量を投与する段階を含む方法に関するものである。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】図1は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態AおよびBについてのx線粉末回折像(XRPD)を示す。
【図2】図2は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aについてのx線粉末回折像(XRPD)を示す。
【図3】図3は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aに関するフーリエ変換赤外線(FT−IR)スペクトルを示す。
【図4】図4は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aに関するフーリエ変換ラマン(FT−ラマン)スペクトルを示す。
【図5】図5は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aについての熱重量測定および熱示差分析曲線を示す。
【図6】図6は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A’についてのx線粉末回折像を示す。
【図7】図7は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A”についてのx線粉末回折像を示す。
【図8】図8は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bについてのx線粉末回折像を示す。
【図9】図9は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに関するFT−IRスペクトルを示す。
【図10】図10は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに関するFT−ラマンスペクトルを示す。
【図11】図11は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bについての熱重量測定および熱示差分析曲線を示す。
【図12】図12は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B’についてのx線粉末回折像を示す。
【図13】図13は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SBについてのx線粉末回折像を示す。
【図14】図14は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SB’についてのx線粉末回折像を示す。
【図15】図15は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cについてのx線粉末回折像を示す。
【図16】図16は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cに関するFT−IRスペクトルを示す。
【図17】図17は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cに関するFT−ラマンスペクトルを示す。
【図18】図18は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態C’についてのx線粉末回折像を示す。
【図19】図19は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SCについてのx線粉末回折像を示す。
【図20】図20は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Dおよび形態Bの混合物についてのx線粉末回折像を示す。
【図21】図21は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態SEについてのx線粉末回折像を示す。
【図22】図22は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態についてのx線粉末回折像(XRPD)を示す。
【図23】図23は、Bruker IFS−55器具を用いて2枚のKBrプレート間でのヌジョールムルにおいて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態に関するFT−IRスペクトルを示す。
【図24】図24は、Bruker RFS−100器具を用いて記録された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態に関するFT−ラマンスペクトルを示す。
【図25】図25は、本発明による4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態AおよびBについてのx線粉末回折像を示す。
【発明を実施するための形態】
【0014】
発明の詳細な記載
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩および4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド硫酸塩は、様々な結晶形態で得られる。これらの「結晶形態(複数も可)」(または本明細書において互換的に使用される「結晶修飾形(複数も可)」または「多形性形態(複数も可)」または「多形(複数も可)」の語)は、熱力学的安定性、物理的パラメーター、x線構造および製造工程に関して異なっている。多形は、古典的には複数の異なる結晶種(化学構造は同一であるが、物理化学特性が全く異なる特性を有する)に結晶化する化合物の能力をいい、偽多形の語は、典型的には溶媒和物および水和物結晶形態に適用される。しかしながら、本発明の目的の場合、真の多形および偽多形、すなわち水和物および溶媒和物形態は、共に「結晶形態」の範囲内に包含される。さらに、「非結晶性(の)」は、不規則な固体状態をいう。特定結晶形態の場合、異なる試料でも同一の主要XRPDピークを共有するが、小ピークに関しては粉末回折像に変化が存在し得ることに留意するべきである。さらに、XRPD最大値(°で)に関する「約」の語は、一般に与えられた値の0.3°以内、好ましくは0.2°以内、最も好ましくは0.1°以内であることを意味する。他方、「約」の語は、(これに関連して、また明細書全体において)一般的当業者が考慮した場合に許容される平均の標準誤差内であることを意味する。本明細書で使用されている「単離した」および/または「実質的に純粋な」の語は、50%を越える割合で結晶4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドまたはその塩が本明細書記載の形態の一つで存在することを意味し、好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%の割合で本明細書記載の結晶形態の一つが存在することを意味する。
【0015】
本発明の第一態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。遊離塩基の形態Aは僅かな吸湿性を示し(最大吸水性25℃で2%未満〜80%相対湿度)、水性緩衝液中では低溶解性、すなわちpH6.8で2mg/LおよびpH1.0で>200mg/Lであり、吸湿性は可逆的である。形態A’の基本的熱特性を、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)により試験したところ、以下の結果が得られた。
【0016】
【表1】
【0017】
遊離塩基形態Aのx線粉末回折像は、約9.2°、13.1°、13.9°、16.7°、17.9°、18.4°、19.8°、24.1°および25.8°(2θ度)から選択される最大値の少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを示す。「約」の語は、本形態および本発明で取組まれた他形態について列挙した各最大値に適用される。本発明の特に好ましい態様は、図1のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。
【0018】
本発明の第二態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。遊離塩基の形態Bは吸湿性を示さず(最大吸水性25℃で2%未満〜80%相対湿度)、水性緩衝液中では低溶解性、すなわちpH6.8で0.2mg/L、pH2.8で2.8mg/LおよびpH1.0で839mg/Lであり、吸湿性は可逆性である。形態B’の基本的熱特性を、熱重量分析(TGA)および示差走査熱量測定(DSC)により試験したところ、以下の結果が得られた。
【0019】
【表2】
【0020】
遊離塩基形態Bのx線粉末回折像は、約4.3°、6.8°、7.2°、13.5°、14.5°、17.4°、19.6°および26.7°(2θ度)から選択される最大値の少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを示す。本発明の特に好ましい態様は、図1のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。
【0021】
さらに、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの様々な単離塩形態もまた、多形を呈する、すなわち様々な結晶形態で結晶化する傾向を有することが示されている。例えば、塩酸塩および硫酸塩は各々、幾つかの異なる結晶形態を呈する。本明細書で使用されている「塩」は、有機酸または塩基薬剤と医薬上許容される無機または有機酸または塩基との反応により製造される化合物をいう。適切な医薬上許容される無機または有機酸または塩基は、Handbook of Pharmaceutical Salts、P.H.StahlおよびC.G.Wermuth(編)、VHCA、チューリッヒ、334−345頁(2002)における表1〜8に列挙されている。本願と同時提出で、同時係属中の米国特許出願第60/701406号(代理人事件番号4−34385号)は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩および塩が製造され得る方法にそれぞれ関するものである。その出願の開示内容を、出典明示により援用する。塩酸塩についての形態A、A’、A”、B、B’、SB、SB’、C、C’、SC、DおよびSEは、図2、6〜8、12〜15および18〜21にそれぞれ示されたXRPDパターンを特徴とし得る。硫酸塩についての形態AおよびBは、図25に示されたXRPDパターンを特徴とし得る。従って、本発明のさらなる態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの示された塩のこれらの実質的に純粋な結晶形態の各々に関するものである。
【0022】
塩酸塩の形態Aは、比較的結晶性に乏しい二水和物である。メタノール蒸気の存在下において、形態Aは形態Bに変換される(下記)。形態AのDSC走査は、形態Aの脱水(典型的には77℃より上)が複雑であることを示す。約210℃での最終吸熱事象は、DSC、TGAおよびXRPDにより示された融点に対応する。様々な温度でのXRPDは、約105〜135℃間で、対応する一水和物形態である中間形態(下記の形態A’)を示し、無水形態(下記の形態A”)は約135℃から上昇した場合に得られた。約205℃まで加熱後、形態A”は、約30分間約40℃で保った場合もその形態を保持している。
【0023】
塩酸塩の形態Aに関するx線粉末回折像は、約8.5°、11.0°、11.5°、17.2°、18.8°、19.2°、20.8°、22.1°および26.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図2のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態AのFT−IRスペクトルは、図3に示されている。主要IRバンドは、約3342、2925、2854、1682、1619、1541、1448、1421、1399、1378、1316、1299、1255、1226、1159、1147、1099、1089、930、868、798、749、708および693cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aは、上記IRバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−IRスペクトルを特徴としている。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態AのFT−ラマンスペクトルは、図4に示されている。主要ラマンバンドは、約3059、2933、1684、1617、1594、1562、1493、1452、1423、1401、1384、1300、1260、1115、1039、1023、997、970、807、684、627、407、318、258、227、117および86cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aは、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−ラマンスペクトルを特徴としている。塩酸塩の形態Aに関する熱重量測定および示差熱分析(TG−DTA)曲線は図5に示されている。
【0024】
塩酸塩の形態Aに関連した追加的結晶形態には、形態A’および形態A”があり、これらは形態Aの一水和物および形態Aの無水形態をそれぞれ表す。形態A’は、室内条件下で数分以内に形態Aに変換される。塩酸塩の形態A’(一水和物)に関するx線粉末回折像は、約4.3°、8.6°、11.6°、12.1°、17.1°、20.6°、24.5°、25.3°、25.8°、27.3°および31.6°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図6のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A’に関するものである。塩酸塩の形態A”(無水物)に関するx線粉末回折像は、約4.5°、8.8°、11.5°、11.9°、13.0°、14.4°、14.8°、15.3°、16.9°、17.6°、19.2°、19.5°、19.9°、21.3°、24.6°、25.4°、26.4°、27.9°および31.5°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図7のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A”に関するものである。
【0025】
塩酸塩の結晶形態Bは、3.1%の理論的含水率を有する一水和物であり、塩酸塩の形態Aに関して優れた結晶性および物理的安定性を示す。エタノールの存在下において、形態Bは形態Aに変換される。形態BのDSC走査は、脱水に対応する約100℃〜120℃での第1吸熱反応、すなわち無水結晶形態B’への変化を示す。DSCはまた、溶解に対応する約190℃での第2吸熱反応を示す。様々な温度でのXRPDは、約145℃〜195℃間で無水形態B’を示す。約195℃で溶解後、形態B’は、約30分間約40℃で保たれると非結晶性になる。形態B’は、室内条件下で数分以内に形態Bに変換される。
【0026】
塩酸塩の形態Bについてのx線粉末回折像は、約7.2°、9.2°、11.4°、12.0°、12.3°、14.6°、14.8°、15.7°、17.6°、19.2°、19.5°、20.5°、22.0°、23.4°、23.9°、25.0°、25.5°、25.9°、27.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図8のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態BのFT−IRスペクトルは、図9に示されている。主要IRバンドは、約3211、3058、2925、2854、1676、1614、1587、1454、1411、1378、1343、1304、1279、1263、1230、1197、1181、1120、1089、1046、1033、1005、905、892、874、801、755、706および695cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bは、上記IRバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−IRスペクトルを特徴とする。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態BのFT−ラマンスペクトルは、図10に示されている。主要ラマンバンドは、約3078、3026、2975、2930、1672、1610、1602、1593、1541、1476、1451、1400、1385、1332、1303、1263、1251、1210、1089、1046、1033、851、802、755、660、483、456、395、355、317、217、243、198、160、148および114cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bは、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−ラマンスペクトルを特徴とする。塩酸塩の形態Bに関する熱重量測定および示差熱分析(TG−DTA)曲線を図11に示す。
【0027】
塩酸塩の形態B’(非結晶性)に関するx線粉末回折像は、約7.2°、9.2°、11.5°、12.0°、13.9°、14.3°、15.4°、17.6°、18.6°、20.3°、21.7°、22.5°、23.2°、24.7°、24.9°、25.2°、26.0°、26.6°、27.5°、28.2°、29.2°および30.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図12のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態B’に関するものである。水分に暴露されると、無水形態B’は、一水和物に再び変換される。全般的に、形態Bは含水率が低い(<5%)溶媒に好都合であり、形態Aは含水率の高い溶媒に好都合である。塩酸塩の形態Bは、メタノールから製造され得る。しかしながら、それはまずメタノール溶媒和物(下記の形態SB)として結晶化し、次いで空気に曝されると迅速に一水和物形態Bに変換されると思われる。しかしながら、メタノール溶媒和物は、真空乾燥された場合形態Bに変換されない。形態Bへの変換には風乾で十分である。
【0028】
本発明の追加的態様は、塩酸塩の形態SBに関するものであり、これは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに対応するジメタノール溶媒和物である。この形態は、形態B一水和物塩酸塩への変換を誘発する環境条件、すなわち周囲の水分から保護されている場合のみ、単離され得る。塩酸塩の形態SBに関するx線粉末回折像は、約7.5°、9.3°、11.5°、14.8°、19.4°、21.9°、23.0°、23.8°、24.9°、25.6°、25.9°、26.3°および26.7°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図13のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SBに関するものである。別の関連結晶形態は、形態SB’であり、これは、形態Bに対応するモノ−メタノール溶媒和物であると考えられる。塩酸塩の形態SB’に関するx線粉末回折像は、約7.5°、9.3°、11.6°、12.4°、13.4°、13.8°、14.9°、19.7°、20.2°、22.0°、23.0°、23.9°、24.2°、25.1°、26.0°、26.8°、29.3°および30.7°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図14のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SB’に関するものである。
【0029】
塩酸塩の形態Cは別の一水和物である。メタノール蒸気の存在下において、形態Cは形態Bに変換される。形態CのDSC走査は、脱水に対応する約100℃〜120℃での第1吸熱反応、すなわち無水結晶形態C’への変化を示す。DSCはまた、溶解に対応する約180℃での第2吸熱反応を示す。様々な温度でのXRPDは、約155℃〜195℃間で無水形態C’を示す。約195℃で溶解後、形態C’は、約30分間約40℃で保たれると非結晶性になる。
【0030】
塩酸塩の形態Cに関するx線粉末回折像は、約6.6°、7.0°、8.9°、11.2°、11.8°、13.3°、14.0°、17.3°、18.4°、20.0°、22.1°および23.0°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図15のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Cに関するものである。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態CのFT−IRスペクトルは図16に示されている。主要IRバンドは、約3332、2925、2854、1670、1615、1588、1556、1455、1414、1312、1293、1260、1234、1179、1126、1087、1087、1050、1032、886、797、758、および696cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Cは、上記IRバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−IRスペクトルを特徴とする。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態CのFT−ラマンスペクトルは、図17に示されている。主要ラマンバンドは、約3075、2932、1670、1610、1592、1494、1452、1398、1383、1309、1294、1259、1210、1087、1047、1033、1022、852、799、639、271、244、162、100および85cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Cは、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全部を有するFT−ラマンスペクトルを特徴とする。
【0031】
形態Cの脱水により、無水結晶形態C’が生じる。形態C’は、室内条件下で数分以内に形態BおよびCの混合物に変換される。塩酸塩の形態C’に関するx線粉末回折像は、約6.7°、6.9°、9.1°、11.4°、12.0°、13.8°、14.2°、24.8°および25.8°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図18のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態C’に関するものである。
【0032】
本発明のさらなる態様は、塩酸塩の形態SCに関するものであり、これは4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cに対応するメタノール溶媒和物である。形態Cは、メタノール溶媒和物(形態SC)としてまず結晶化すると思われ、次いで空気に曝されると一水和物形態Cに急速に変換される。しかしながら、メタノール溶媒和物は、真空乾燥された場合には形態Cに変換されない。形態Cへの変換には風乾で十分である。塩酸塩の形態SCに関するx線粉末回折像は、約6.5°、7.3°、9.1°、10.8°、12.1°、13.0°、14.5°、14.9°、18.9°、19.4°、24.2°、25.0°、25.4°、26.2°、27.4°および28.4°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図19のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SCに関するものである。
【0033】
塩酸塩のさらなる結晶形態は形態Dである。結晶形態Dは、これまでのところ塩酸塩の形態Bとの混合物から得られている。塩酸塩の形態Dに関するx線粉末回折像は、約5.7°、8.4°および9.8°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。XRPDはまた、形態Dとの混合物中における形態Bの存在故に上記形態Bの最大値を共有している。本発明の好ましい態様は、図20に示された4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の結晶形態Dに関するものである。さらに好ましい態様は、塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態Dを含む。
【0034】
塩酸塩のさらなる結晶形態は形態SEであり、これは塩酸塩のジメチルホルムアミド溶媒和物である。形態SEは、例えば25℃で、塩酸塩の形態Cまたは非結晶形態をジメチルホルムアミド蒸気で処理することにより得られる。塩酸塩の形態SEに関するx線粉末回折像は、約3.4°、4.5°、5.1°、5.8°、7.2°、9.3°、10.1°、12.9°、13.3°、13.8°、14.8°、15.7°、17.4°、19.6°、20.8°、21.3°、22.5°、24.4°、25.5°、26.0°、27.4°および27.9°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図21のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SEに関するものである。
【0035】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の上記結晶形態(すわなち、多形、偽多形)の全てに加えて、塩酸塩は非結晶形態でも存在する。非結晶形態は、様々な相対湿度での貯蔵後、自然に形態A塩酸塩に変換される。メタノール蒸気の存在下では、非結晶形態は形態Bに変換される。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態を表すXRPDを図22に示す。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態のFT−IRスペクトルを図23に示す。主要IRバンドは、約1671、1615、1556、1479、1447、1416、1379、1354、1308、1263、1225、1173、1130、1025、1090、802、753、707および695cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な非結晶形態は、上記IRバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを有するFT−IRスペクトルを特徴とする。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の非結晶形態のFT−ラマンスペクトルは、図24に示されている。主要ラマンバンドは、約3059、2931、1672、1614、1591、1485、1445、1400、1383、1298、1261、1206、1091、1041、1024、999、969、807、755、710、614、315および109cm−1である。本発明の好ましい態様では、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な非結晶形態は、上記ラマンバンドの少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全てを有するFT−ラマンスペクトルを特徴とする。
【0036】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Aも、本発明のさらなる態様である。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Aに関するx線粉末回折像は、約6.3°、7.7°、9.5°、10.7°、17.9°および18.9°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図25のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態Aに関するものである。
【0037】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Bは、本発明のさらなる態様である。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の形態Bに関するx線粉末回折像は、約7.3°、17.7°、19.0°、20.2°および20.8°(2θ度)から選択される少なくとも1つ、さらに好ましくは少なくとも2つ、さらに好ましくは少なくとも4つ、そして最も好ましくは全ての最大値を示す。本発明の特に好ましい態様は、図25のXRPDを特徴とする4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態Bに関するものである。
【0038】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の上記結晶形態に加えて、硫酸塩はまた非結晶形態でも存在する。本発明の好ましい態様は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な非結晶形態を含む。
【0039】
様々な方法を用いることにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基(形態AおよびB)、塩酸塩(形態A、A’、A”、B、B’、SB、SB’、C、C’、SC、DおよびSE)および硫酸塩(形態AおよびB)の各々の結晶形態が獲得され得る。これらの方法は上記および下記実施例で示されており、室温での結晶化、熱飽和溶液からの結晶化、および溶媒添加による沈殿を含む。
【0040】
本発明のさらなる態様は、
(a)本発明の先に示した態様の一つによる4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量、および
(b)少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤
を含む医薬組成物に関するものである。好ましい態様では、実質的に純粋な結晶形態は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである。好ましくは、組成物中に存在する結晶形態の50%を超える割合、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%が、選択された形態の一つを有する。
【0041】
「治療有効量」は、それを必要とする対象に投与したとき、プロテインキナーゼ活性の阻害により軽減される病状の処置に有効である本発明結晶形態の量を意味するものとする。本発明の所定化合物の治療有効量は、例えば病状およびその重症度、それを必要とする対象の個性などの因子により変動し、その量は一般的当業者により常用手順で決定され得る。
【0042】
少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤は、通常の当業者により容易に選択され得るものであり、所望の投与方法により決定される。適切な投与方法の実例としては、経口、経鼻、非経口、局所、経皮および直腸経路がある。本発明の医薬組成物は、当業者が適切なものであると認め得る医薬形態をとればよい。適切な医薬形態には、固体、半固体、液体または凍結乾燥製剤、例えば錠剤、散剤、カプセル剤、坐薬、懸濁液、リポソームおよびエーロゾルがある。
【0043】
本発明のさらに別の態様は、プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置方法であって、処置を必要とする対象に、本発明の先行態様の一つによる4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの実質的に純粋な結晶形態の治療有効量を投与する段階を含む方法に関するものである。好ましい態様では、実質的に純粋な結晶形態は、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである。好ましくは、投与される結晶形態の50%を超える割合、さらに好ましくは少なくとも70%、さらに好ましくは少なくとも80%、そして最も好ましくは少なくとも90%が、本発明形態の一つを有する。上記で示したところによると、投与方法の例には、経口、経鼻、非経口、局所、経皮および直腸経路がある。結晶形態の投与は、本発明医薬組成物の投与により、または他の有効な手段により遂行され得る。
【0044】
以下、実施例により本発明の実施態様を証明する。これらの実施例は、単に本発明を説明するために開示されているものと理解するべきであり、本発明の範囲を制限するものととるべきではない。
【実施例】
【0045】
実施例1
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約100mgを、室温で少なくとも48時間、7種の異なる溶媒(メタノール、エタノール、2−プロパノール、酢酸エチル、アセトン、テトラヒドロフランおよびアセトニトリル)2mLにより平衡状態にする。形態変化は起こらなかった。
【0046】
実施例2
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約50mgを、25℃±0.5(表3)および50℃±0.5(表4)の水浴中で少なくとも20時間、列挙した溶媒1mLで平衡状態にする。次いで、溶液を濾過し、10分間空気乾燥する。次いで、固体部分をXRPDにより調べる。差異が観察される場合、追加的検査(DSC、TGA、赤外線(IR)、走査型電子顕微鏡(SEM))を実施する。溶媒を真空蒸発後、重量測定により溶媒中での概算的溶解度を測定する。
【0047】
【表3】
【0048】
【表4】
【0049】
実施例3
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態AおよびBの混合物を様々な溶媒中で平衡状態にした。
【0050】
【表5】
?=余分のピーク(新形態であるのか遊離塩基であるのか不明)
【0051】
実施例4
実施例2からの残留物(4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩)は、室温で濃縮後その結晶形態について検査され得る。結果を下表6に示す。
【0052】
【表6】
【0053】
実施例5
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約300mgを、60℃で最小限の溶媒に溶かす。当然、残存する結晶は全く目に見えない。次いで、溶液を氷浴中で冷却し、撹拌する。沈殿物をフィルターに集め、乾燥し、XRPDにより調べる。
【0054】
【表7】
【0055】
実施例6
2種の異なる溶媒の組合せを試験する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bを、溶解度が高い媒質に溶かし、塩が高度不溶性である溶媒を加える。沈殿物をフィルターに集め、乾燥し、XRPDにより調べる。
【0056】
【表8】
【0057】
実施例7
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B300mgを、液圧プレスにより10トンで5分間圧縮する(錠剤直径=13mm)。室温で5分間圧縮後も結晶修飾の変化は無かった(XRPDによる)。しかしながら、XRPDピークがかなり広くなっていることから、結晶性が低いことを示している。
【0058】
実施例8
造粒溶媒を、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bに、固体が十分に湿るまで滴下する。各添加間に材料を渦状に撹拌する。次いで、材料を<2%またはそれ未満になるまで真空乾燥し、XRPDまたはDSCにより形態および結晶度について評価する。
【0059】
【表9】
【0060】
実施例9
非結晶性4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩を、アセトニトリル中で結晶化することにより、塩酸塩の形態Aおよび遊離塩基の形態Aの混合物を形成させる。非結晶性4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩をイソプロパノール中で結晶化することにより、塩酸塩の形態Aおよび少量の遊離塩基の形態Aの混合物を形成させる。
【0061】
実施例10
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態A約50〜60mgを、列挙した溶媒0.75mLに懸濁した。それに続いて、化学量論量の塩酸を懸濁液に加えると、添加後粘稠性は弱くなった。混合物を周囲温度で約5時間撹拌した。固体(塩)を濾過により集め、XRPDおよびNMRにより分析した。
【0062】
【表10】
*非常に良好=主要ピークが鋭く、それらの強度が70カウントを超えるとき
良好=主要ピークが鋭く、それらの強度が30〜70カウント以内であるとき
【0063】
実施例11
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態A約50〜60mgを、0.75mLの列挙した溶媒に懸濁した。それに続いて、化学量論量のH2SO4を懸濁液に加えると、添加後粘稠性は弱くなった。混合物を周囲温度で約5時間撹拌した。固体(塩)を濾過により集め、XRPDにより、および場合によってはさらにNMRにより分析した。
【0064】
【表11】
*良好=主要ピークが鋭く、それらの強度が30〜70カウント以内であるとき
弱い=主要ピークが広く、それらの強度が30カウント未満であるとき
【0065】
実施例12
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約300〜310mgを、9mLの2−プロパノールに懸濁した。それに続いて、化学量論量のHClを懸濁液に加えた。添加後、スラリーは黄色、次いでオフホワイトになった。混合物を周囲温度で約5時間撹拌した。4時間保持した後、スラリーはペースト状になり、注入および濾過が困難であった。固体を濾過により集め、XRPDおよびNMRにより分析した。XRPDは、塩酸塩の良好な結晶性および形態Aを示し、1H−NMRは、シフトの変化および溶媒ピーク無しの両方を示した。
【0066】
実施例13
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約300mgを、30mLのメタノールに懸濁した。懸濁液を64℃の還流温度に加熱した。スラリーは還流下で澄明になった。それに続いて、メタノールに溶かした化学量論量のH2SO4を懸濁液に加えた。溶液を還流下で5時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。保持後、固体が沈殿した。固体を濾過により集め、XRPDにより分析した。XRPDは、硫酸塩の形態Bを示した。
【0067】
実施例14
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約100mgを、15mLのメタノールに懸濁した。それに続いて、列挙した酸の化学量論量を懸濁液に加えた。溶液を50℃で約5時間撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。固体(塩)を集め、XRPDおよびNMRにより分析した。
【0068】
【表12】
【0069】
実施例15
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態B約100mgを、15mLのメタノールに懸濁した。それに続いて、列挙した酸の列挙した量を懸濁液に加えた。溶液を周囲温度(HCl)または50℃(H2SO4)で約5時間撹拌した。緩慢なN2気流を用いて溶媒を濃縮乾固することにより、固体(塩)を得、XRPDおよびNMRにより分析した。
【0070】
【表13】
【0071】
実施例16
メカニカルスターラー、温度計、加熱/冷却能力、および滴下漏斗を備えた1Lの4つ口丸底フラスコに、窒素パージ下で4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基(10g)、メタノール(250mL)、および37%塩酸(1.85g)を連続して注入した。混合物を42〜50℃に加熱し、さらに15分間撹拌した。バッチ温度を40℃より高く維持しながら、生成した溶液をポリプロピレンパッドにより濾過した。窒素雰囲気下で、澄明な溶液を、メカニカルスターラー、温度計および加熱/冷却能力を備えた別の1L、4つ口の丸底フラスコに移した。バッチを撹拌し、30分間にわたって30℃に冷却した。種晶(20mg)をこの温度で加え、バッチを45分間にわたって23℃に冷却した。バッチをさらに3時間撹拌することにより、粘稠性白色懸濁液を得た。懸濁液を1.5時間にわたって−10℃に冷却し、さらに30分間撹拌した。固体があればそれを濾過により集め、冷(−10℃)メタノール(20mL)ですすいだ。固体を50〜55℃/10〜20torrで8〜16時間乾燥することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド一塩酸塩一水和物塩形態B(9.8g)を白色固体として得た。
【0072】
1H NMR 300 MHz, DMSO-d6), δ 10.9(s, 1H), 9.58(s, 1H), 9.29(s, 1H), 9.20(s, 1H), 8.70(d, 1H), 8.63(s, 1H), 8.55(d, 1H), 8.49(d, 1H), 8.32(d, 2H), 8.00(s, 1H), 7.91(s, 1H), 7.84(d, 1H), 7.56-7.44(m, 3H), 2.50(s, 3H), 2.35(s, 3H); x線回折像は、2θ = 7.4°, 9.4°, 11.6°, 12.1°, 15.8°, 19.3°, 19.6°, 22.1°, 24.1°, 25.7°で最大を示す。
【0073】
実施例17
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態Aおよび形態B約100mgを、25℃の水浴中で1日間13種の異なる溶媒(アセトン、アセトニトリル、ジエチルエーテル、無水エタノール、酢酸エチル、メタノール、プロパン−2−オール、トルエン、テトラヒドロフラン、水、テトラヒドロフラン/水(1:1)、エタノール/水(1:1)、およびメタノール/水(1:1))2mLにより別々に平衡状態にした。次いで、溶液を濾過し、空気中で10分間乾燥した。固体部分をXRPDにより調べた。水中での形態Bの一試験以外、形態変化は起こらなかった。一例では、遊離塩基形態AおよびBの混合物が生じたが、それらの結果は再現できなかった。
【0074】
さらに、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の形態Aおよび形態Bの混合物約100mgを、25℃の水浴中で1日間7種の異なる溶媒(無水エタノール、メタノール、テトラヒドロフラン、水、テトラヒドロフラン/水(1:1)、エタノール/水(1:1)およびメタノール/水(1:1))2mLにより平衡状態にした。次いで、溶液を濾過し、空気中で10分間乾燥した。固体部分をXRPDにより調べた。形態変化は起こらなかった。
【0075】
実施例18
形態A、形態B、および形態Aおよび形態B遊離塩基の混合物の各々の溶解度を、25℃の飽和溶液から測定した。結果を下表14に列挙する。
【0076】
【表14】
【0077】
表から明らかな通り、遊離塩基の形態Aは、異なる溶媒混合物において遊離塩基の形態Bと比べたとき25℃での溶解では低かった。溶解度は低すぎて水中での適切な比較を遂行できなかった。
【0078】
実施例19
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩12gを、52℃での192mLのメタノールおよび21mlの水に溶かす。溶液を10分で64〜66℃に加熱し、45分間放置する。次いで、溶液を0℃、3時間で冷ます。溶液は0℃前に自然に結晶化する。従って、冷却ランプを20℃で停止し、2日間撹拌しながら放置した。懸濁液を2時間で0℃に冷ました後、真空濾過することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Aを得る。
【0079】
実施例20
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩形態Bを、室温または50℃でのメタノールに遊離塩基を懸濁することにより製造する。1.06当量の37%塩酸水溶液を加え、混合物を還流温度(64℃)に加熱することにより溶液を得、これを濾過により澄明にする。次いで、澄明溶液を42℃に冷却し、1塩基につき0.1%の種晶を入れる。種晶を99%メタノールおよび1%水の混合物に懸濁する。懸濁液を2.5時間42℃で撹拌した後、緩やかな冷却プロフィールに従って−10℃に冷却する。20℃で、冷却を4時間中断することにより、形成された可能性のあるメタノール溶媒和物を所望の一水和物に変換させる。
【0080】
懸濁液を濾過し、2回分量のメタノール/水混合物(99%メタノール/1%水)により洗浄する。フィルターケーキを、一晩10mbar未満の減圧下、70℃のオーブンで乾燥する。濾過後の含水率は、50g規模およびそれより多い場合についての3.05%の理論値より低いことが見出された。正確な含水率を確かめるため、第2乾燥段階を追加して水を撹拌容器中で蒸発させ、真空ポンプによりドライヤーに輸送する。ドライヤーにおける条件を60℃および30mbarに変えることにより、所望の含水率に関して十分な条件を確保する。飽和容量に到達するまで水を加える。記載した方法により、2つの実験室規模(1L)パドルドライヤー実験で3.5〜3.6%の含水率が得られた。
【0081】
実施例21
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩1.2mgを、120mgのメタノールおよび12mgの水中に入れる。室温で澄明な溶液を得る。さらに12gの4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩を加え、懸濁液を室温で1時間放置する。種晶懸濁液を超音波水浴中に10秒間置く。
【0082】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩(12g)を、192mLのメタノールおよび14.87mLの水に懸濁する。溶液を10分で64〜66℃に加熱し、66℃で5分間保つ。次いで、溶液を15分で42℃まで冷却し、次いで種晶を入れる。懸濁液を42℃で2.5時間保ち、7時間で20℃まで冷まし、6時間以内に−10℃まで冷却する。懸濁液を79時間保った後、真空濾過する。固体をメタノール/水66mL/5.26mLの冷混合物(−10℃)で2回洗浄し、20時間70℃で真空乾燥することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Cを得る。
【0083】
実施例22
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩(14g)を、湯浴中で1000gのメタノールに溶かす。溶液を約65℃でBuchi Mini噴霧器において噴霧乾燥することにより、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの非結晶性塩酸塩が形成する。
【0084】
実施例23
4.0gの4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基を、50℃で60mLのメタノールに溶かす。1.05当量(688.7μL)の塩酸を、メタノール2mL中の溶液として加える。溶液を50℃で60分間放置する。溶液を42℃まで冷し、この温度で15分間保つ。超音波浴中で10秒間ホモジネートしたメタノール(40mg)/水(0.4mg)中の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩4mgの懸濁液を加える。懸濁液を42℃で2.5時間放置し、次いで7時間で20℃まで冷ます。懸濁液は20℃で56時間その状態を維持している。分析前に懸濁液の濾過は行わない。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩のジメタノール溶媒和物形態SBを得る。
【0085】
実施例24
36.0gの4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩を、52℃でメタノール576mLおよび水44.61mLの溶媒混合物に溶かす。溶液を15分で64〜66℃に加熱し、66℃で5分間保つ。次いで、溶液を15分で42℃まで冷まし、溶液に種晶を入れる。懸濁液を42℃で2.5時間保ち、7時間以内に20℃まで冷却し、この温度を11時間維持する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩のメタノール溶媒輪物形態SCを得る。
【0086】
メタノール/水溶液(360mg/36mg)に溶かした4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩3.6mgから、種晶溶液を得た。この溶液に、追加の4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド36mgを加える。懸濁液を室温で1時間維持し、懸濁液を10秒間超音波浴に入れる。
【0087】
実施例25
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド塩酸塩の形態A、形態Bおよび形態C約100mgを、別々に10種の異なる溶媒(エタノール、メタノール、水、エタノール/水(99:1)、メタノール/水(99:1)、メタノール/水(99.3:0.7)、メタノール/HCl(0.1N)、ジエチルエーテル、ヘキサン、テトラヒドロフラン)2mLにより25℃の水浴中で1日間平衡状態にする。次いで、溶液を濾過し、固体部分をXRPDにより調べた。
【0088】
メタノール中で、形態Aは形態Bに変化し、メタノール/水(99:1)中で、形態Aは、少量の形態Bを伴って形態Cに変化し、メタノール/水(99.3:0.7)中およびメタノール・HCl(0.1N)中で、形態Aは、少量のCを伴って形態Bに変化した。形態Bについては変化は起こらなかった。メタノール中で、形態Cは形態Bに変化し、水中で、形態Cは形態Aに変化した。
【0089】
同様の平衡試験を、形態AおよびCについては50℃で1日間および形態Bについては2日間実施した。メタノール中で、形態Aは形態BおよびCの混合物に変化し、メタノール/水(99:1)、メタノール/水(99.3:0.7)およびメタノール/HCl(0.1N)の各々において、形態Aは形態Cに変化した。形態Bは、エタノール中で形態AおよびBの混合物に変化した。メタノール中で、形態Cは形態Bに変化し、水中で、形態Cは形態Aに変化した。また、エタノール/水(99:1)中で、形態Cは全3形態の混合物に変化し、テトラヒドロフラン中では形態BおよびCの混合物に変化した。
【0090】
実施例26
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約100mgを、60℃で下記に列挙した溶媒約2mLに溶かす。溶液を−10℃に冷却する。懸濁液を濾過し、固体を分析する。
【0091】
【表15】
/=結晶化は観察されなかった。
【0092】
実施例27
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約100mgを、60℃で下記に列挙した溶媒約2mLに溶かす。溶液を20℃に冷却する。懸濁液を遠心分離にかけるが、分析前に固体の乾燥は行わない。
【0093】
【表16】
/=結晶化は観察されなかった。
【0094】
実施例28
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態B約100mgを、60℃で下記に列挙した溶媒約2mLに溶かす。溶液を45℃に冷却する。懸濁液を遠心分離にかけるが、分析前に固体の乾燥は行わない。
【0095】
【表17】
/=結晶化は観察されなかった。
【0096】
実施例29
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、形態Bおよび形態Cの溶解度を、様々な溶媒中における異なる温度での重量測定技術により測定した。結果を下表18〜20に示す。
【0097】
【表18】
【0098】
【表19】
【0099】
【表20】
【0100】
上表から明らかな通り、水性媒質、例えば水、pH1、2、3および4(HClで希釈)中での4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の24時間後における25℃および50℃での溶解度は、形態C>形態B>形態Aという傾向に従う。大量のメタノールが存在する場合、10分後の溶解度は形態A>形態C>形態Bという傾向に従う。
【0101】
実施例30
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態Aを以下のスキームにしたがって製造する:
【化2】
【0102】
14.5g(60.0mmol)のB6および20.8g(64.8mmol)のB5を、不活性および水不含有条件下室温で120mLの無水テトラヒドロフランに溶かす。懸濁液をIT0〜5℃に冷却し、内部温度を0〜5℃に維持しながら、テトラヒドロフラン中の101.0g(180mmol)のカリウム・tert−ブトキシドの20%溶液を1時間以内に加えた。反応混合物を1時間以内で徐々にIT50℃まで加熱し、次いでこの温度でさらに1時間撹拌する。50mLの水を加えることにより、反応混合物(黄色懸濁液)をIT50℃でクエンチングする。撹拌を停止し、2相系を分離させる。水(下方)相を除去する。形態Aの種晶(0.2g)を、残存する有機相に加え、薄い懸濁液を50℃で1時間撹拌している間に、結晶化が始まる。〜10のpHに到達するまで、約1.0mLの酢酸を有機相に加える。溶媒(260mL)を標準圧下80〜100℃(外部温度)で蒸留し、同時に体積を一定に保ちながら260mLの94%エタノールを加える、すなわちテトラヒドロフランからエタノールへと溶媒を交換する。懸濁液を1時間以内にIT0〜5℃まで冷却し、撹拌をさらに1時間続行する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態A(結晶性固体)を、濾過により集め、150mLの冷エタノール94%で洗浄する。次いで、生成物を50℃で真空乾燥する。
【0103】
実施例31
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態Bを、以下のスキームにしたがって製造する:
【化3】
【0104】
14.5g(60.0mmol)のB6および20.8g(64.8mmol)のB5を、不活性および水不含有条件下室温で120mLの無水テトラヒドロフランに溶かす。懸濁液をIT0〜5℃に冷却し、内部温度を0〜5℃に維持しながら、テトラヒドロフラン中の101.0g(180mmol)のカリウム・tert−ブトキシドの20%溶液を1時間以内に加えた。反応混合物を1時間以内で徐々にIT50℃まで加熱し、次いでこの温度でさらに1時間撹拌する。50mLの水を加えることにより、反応混合物(黄色懸濁液)をIT50℃でクエンチングする。撹拌を停止し、2相系を分離させる。水(下方)相を除去する。〜10のpHに到達するまで、約1.0mLの酢酸を有機相に加える。形態Bの種晶(0.2g)を、有機溶液に加える。溶媒(260mL)を標準圧下80〜100℃(外部温度)で蒸留し、同時に体積を一定に保ちながら260mLの94%エタノールを加える、すなわちテトラヒドロフランからエタノールへと溶媒を交換する。懸濁液を1時間以内にIT0〜5℃まで冷却し、撹拌をさらに1時間続行する。4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの遊離塩基の形態B(結晶性固体)を、濾過により集め、150mLの冷エタノール94%で洗浄する。次いで、生成物を50℃で真空乾燥する。
【0105】
化学、物理化学および形態的特性
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基(形態B)および4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド一水和物塩酸塩(形態B)の両方の化学、物理化学および形態的特性を、下記の要領で評価した。
【0106】
概算的溶解度の測定:秤量した量(20〜50mg)の試料を、2mLの溶媒中に注いだ。得られたスラリーを室温で24時間平衡させておき、次いで濾過した。飽和濾液中におけるDSの濃度をUVまたはHPLCにより測定した。
【0107】
固有溶解速度(IDR):回転ディスク方法(VanKell Instrument)を用いて、37℃で溶解速度測定を実施した。200rpmの単一回転速度を使用した。0.1NのHClにおけるIDRについては、800mL容量、そして水におけるIDRについては、200mL容量を使用した。UV測定用セルを通して溶液を連続的にポンプで吸い上げ、溶解容器へ再循環させた。
【0108】
【表21】
【0109】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、BおよびCの各々について熱重量測定試験を実施した。結果を下表22に示す。
【0110】
【表22】
【0111】
様々な溶媒中における4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、形態B、形態Cおよび非結晶形態の各々についても固有溶解速度を測定した。Cary 100光度計を用いて、VanKel器具において測定を実施した。結果を下表23に示す。
【0112】
【表23】
【0113】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態A、形態B、形態Cおよび非結晶形態の全てについてさらなる安定性試験を実施した。様々な相対湿度での貯蔵後、形態変化は、形態A、BおよびCについては観察されなかった。塩酸塩の非結晶形態は、自然に形態Aに結晶化する。さらに、形態は各々、50℃で1ヶ月間、80℃で1ヶ月間および80℃および75%相対湿度で1ヶ月間良好な化学的安定性を有するが、形態Cおよび非結晶形態は両方とも、最後の条件下で形態Aとの混合物を示した。
【0114】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bおよび形態SBについて、結晶学試験を実施した。室温でのメタノール中における緩慢な溶媒濃縮により適切な単晶を得た。結果を下表24に示す。
【表24】
【0115】
以上、本発明についてその実施態様を交えて説明したが、本明細書に開示された発明の概念から逸脱することなく、多くの変更、修飾および変形が加えられ得ることは明らかである。従って、添付の請求の範囲の精神および広範な範囲内に含まれる上記の変更、修飾および変形も全て包含するものとする。特許出願、特許および他の出版物については、全て出典明示により援用する。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態A。
【請求項2】
実質的に純粋な結晶形態が、約9.2°、13.1°、13.9°、16.7°、17.9°、18.4°、19.8°、24.1°および25.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項1記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項3】
実質的に純粋な結晶形態が、図1に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項1記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項4】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態B。
【請求項5】
実質的に純粋な結晶形態が、約4.3°、6.8°、7.2°、13.5°、14.5°、17.4°、19.6°および26.7°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項4記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項6】
実質的に純粋な結晶形態が、図1に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項4記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項7】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A。
【請求項8】
形態Aが二水和物である、請求項7記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項9】
実質的に純粋な結晶形態が、約8.5°、11.0°、11.5°、17.2°、18.8°、19.2°、20.8°、22.1°および26.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項7記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項10】
実質的に純粋な結晶形態が、図2に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項7記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項11】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A’。
【請求項12】
形態A’が一水和物である、請求項11記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項13】
実質的に純粋な結晶形態が、約4.3°、8.6°、11.6°、12.1°、17.1°、20.6°、24.5°、25.3°、25.8°、27.3°および31.6°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項11記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項14】
実質的に純粋な結晶形態が、図6に示したx線粉末回折像を特徴とする、請求項11記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項15】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A”。
【請求項16】
形態A”が無水物である、請求項15記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項17】
実質的に純粋な結晶形態が、約4.5°、8.8°、11.5°、11.9°、13.0°、14.4°、14.8°、15.3°、16.9°、17.6°、19.2°、19.5°、19.9°、21.3°、24.6°、25.4°、26.4°、27.9°および31.5°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項15記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項18】
実質的に純粋な結晶形態が、図7に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項15記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項19】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態B。
【請求項20】
形態Bが一水和物である、請求項19記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項21】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.2°、9.2°、11.4°、12.0°、12.3°、14.6°、14.8°、15.7°、17.6°、19.2°、19.5°、20.5°、22.0°、23.4°、23.9°、25.0°、25.5°、25.9°、27.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項19記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項22】
実質的に純粋な結晶形態が、図8に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項19記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項23】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態B’。
【請求項24】
形態B’が無水物である、請求項23記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項25】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.2°、9.2°、11.5°、12.0°、13.9°、14.3°、15.4°、17.6°、18.6°、20.3°、21.7°、22.5°、23.2°、24.7°、24.9°、25.2°、26.0°、26.6°、27.5°、28.2°、29.2°および30.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項23記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項26】
実質的に純粋な結晶形態が、図12に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項23記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項27】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SB。
【請求項28】
形態SBがジメタノール溶媒和物である、請求項27記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項29】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.5°、9.3°、11.5°、14.8°、19.4°、21.9°、23.0°、23.8°、24.9°、25.6°、25.9°、26.3°および26.7°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項27記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項30】
実質的に純粋な結晶形態が、図13に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項27記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項31】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SB’。
【請求項32】
形態SB’がモノメタノール溶媒和物である、請求項31記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項33】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.5°、9.3°、11.6°、12.4°、13.4°、13.8°、14.9°、19.7°、20.2°、22.0°、23.0°、23.9°、24.2°、25.1°、26.0°、26.8°、29.3°および30.7°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項31記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項34】
実質的に純粋な結晶形態が、図14に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項31記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項35】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態C。
【請求項36】
形態Cが一水和物である、請求項35記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項37】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.6°、7.0°、8.9°、11.2°、11.8°、13.3°、14.0°、17.3°、18.4°、20.0°、22.1°および23.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項35記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項38】
実質的に純粋な結晶形態が、図15に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項35記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項39】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態C’。
【請求項40】
形態C’が無水物である、請求項39記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項41】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.7°、6.9°、9.1°、11.4°、12.0°、13.8°、14.2°、24.8°および25.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項39記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項42】
実質的に純粋な結晶形態が、図18に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項39記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項43】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SC。
【請求項44】
形態SCがメタノール溶媒和物である、請求項43記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項45】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.5°、7.3°、9.1°、10.8°、12.1°、13.0°、14.5°、14.9°、18.9°、19.4°、24.2°、25.0°、25.4°、26.2°、27.4°および28.4°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項43記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項46】
実質的に純粋な結晶形態が、図19に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項43記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項47】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の結晶形態D。
【請求項48】
結晶形態が、約5.7°、8.4°および9.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項47記載の結晶形態。
【請求項49】
結晶形態が、図20に示されたx線粉末回折像に示されているとおりである、請求項47記載の結晶形態。
【請求項50】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SE。
【請求項51】
形態SEがジメチルホルムアミド溶媒和物である、請求項50記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項52】
実質的に純粋な結晶形態が、約3.4°、4.5°、5.1°、5.8°、7.2°、9.3°、10.1°、12.9°、13.3°、13.8°、14.8°、15.7°、17.4°、19.6°、20.8°、21.3°、22.5°、24.4°、25.5°、26.0°、27.4°および27.9°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項50記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項53】
実質的に純粋な結晶形態が、図21に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項50記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項54】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な非結晶形態。
【請求項55】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態A。
【請求項56】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.3°、7.7°、9.5°、10.7°、17.9°および18.9°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項55記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項57】
実質的に純粋な結晶形態が、図25に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項55記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項58】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態B。
【請求項59】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.3°、17.7°、19.0°、20.2°および20.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項58記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項60】
実質的に純粋な結晶形態が、図25に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項58記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項61】
(a)4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量、および
(b)少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項62】
実質的に純粋な結晶形態が、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである、請求項61記載の医薬組成物。
【請求項63】
プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置方法であって、処置を必要とする対象に、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項64】
実質的に純粋な結晶形態が、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである、請求項63記載の方法。
【請求項1】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態A。
【請求項2】
実質的に純粋な結晶形態が、約9.2°、13.1°、13.9°、16.7°、17.9°、18.4°、19.8°、24.1°および25.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項1記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項3】
実質的に純粋な結晶形態が、図1に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項1記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項4】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基の実質的に純粋な結晶形態B。
【請求項5】
実質的に純粋な結晶形態が、約4.3°、6.8°、7.2°、13.5°、14.5°、17.4°、19.6°および26.7°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項4記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項6】
実質的に純粋な結晶形態が、図1に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項4記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項7】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A。
【請求項8】
形態Aが二水和物である、請求項7記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項9】
実質的に純粋な結晶形態が、約8.5°、11.0°、11.5°、17.2°、18.8°、19.2°、20.8°、22.1°および26.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項7記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項10】
実質的に純粋な結晶形態が、図2に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項7記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項11】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A’。
【請求項12】
形態A’が一水和物である、請求項11記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項13】
実質的に純粋な結晶形態が、約4.3°、8.6°、11.6°、12.1°、17.1°、20.6°、24.5°、25.3°、25.8°、27.3°および31.6°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項11記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項14】
実質的に純粋な結晶形態が、図6に示したx線粉末回折像を特徴とする、請求項11記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項15】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態A”。
【請求項16】
形態A”が無水物である、請求項15記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項17】
実質的に純粋な結晶形態が、約4.5°、8.8°、11.5°、11.9°、13.0°、14.4°、14.8°、15.3°、16.9°、17.6°、19.2°、19.5°、19.9°、21.3°、24.6°、25.4°、26.4°、27.9°および31.5°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項15記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項18】
実質的に純粋な結晶形態が、図7に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項15記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項19】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態B。
【請求項20】
形態Bが一水和物である、請求項19記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項21】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.2°、9.2°、11.4°、12.0°、12.3°、14.6°、14.8°、15.7°、17.6°、19.2°、19.5°、20.5°、22.0°、23.4°、23.9°、25.0°、25.5°、25.9°、27.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項19記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項22】
実質的に純粋な結晶形態が、図8に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項19記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項23】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態B’。
【請求項24】
形態B’が無水物である、請求項23記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項25】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.2°、9.2°、11.5°、12.0°、13.9°、14.3°、15.4°、17.6°、18.6°、20.3°、21.7°、22.5°、23.2°、24.7°、24.9°、25.2°、26.0°、26.6°、27.5°、28.2°、29.2°および30.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項23記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項26】
実質的に純粋な結晶形態が、図12に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項23記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項27】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SB。
【請求項28】
形態SBがジメタノール溶媒和物である、請求項27記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項29】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.5°、9.3°、11.5°、14.8°、19.4°、21.9°、23.0°、23.8°、24.9°、25.6°、25.9°、26.3°および26.7°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項27記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項30】
実質的に純粋な結晶形態が、図13に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項27記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項31】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SB’。
【請求項32】
形態SB’がモノメタノール溶媒和物である、請求項31記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項33】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.5°、9.3°、11.6°、12.4°、13.4°、13.8°、14.9°、19.7°、20.2°、22.0°、23.0°、23.9°、24.2°、25.1°、26.0°、26.8°、29.3°および30.7°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項31記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項34】
実質的に純粋な結晶形態が、図14に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項31記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項35】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態C。
【請求項36】
形態Cが一水和物である、請求項35記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項37】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.6°、7.0°、8.9°、11.2°、11.8°、13.3°、14.0°、17.3°、18.4°、20.0°、22.1°および23.0°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項35記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項38】
実質的に純粋な結晶形態が、図15に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項35記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項39】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態C’。
【請求項40】
形態C’が無水物である、請求項39記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項41】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.7°、6.9°、9.1°、11.4°、12.0°、13.8°、14.2°、24.8°および25.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項39記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項42】
実質的に純粋な結晶形態が、図18に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項39記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項43】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SC。
【請求項44】
形態SCがメタノール溶媒和物である、請求項43記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項45】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.5°、7.3°、9.1°、10.8°、12.1°、13.0°、14.5°、14.9°、18.9°、19.4°、24.2°、25.0°、25.4°、26.2°、27.4°および28.4°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項43記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項46】
実質的に純粋な結晶形態が、図19に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項43記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項47】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の結晶形態D。
【請求項48】
結晶形態が、約5.7°、8.4°および9.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項47記載の結晶形態。
【請求項49】
結晶形態が、図20に示されたx線粉末回折像に示されているとおりである、請求項47記載の結晶形態。
【請求項50】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な結晶形態SE。
【請求項51】
形態SEがジメチルホルムアミド溶媒和物である、請求項50記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項52】
実質的に純粋な結晶形態が、約3.4°、4.5°、5.1°、5.8°、7.2°、9.3°、10.1°、12.9°、13.3°、13.8°、14.8°、15.7°、17.4°、19.6°、20.8°、21.3°、22.5°、24.4°、25.5°、26.0°、27.4°および27.9°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項50記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項53】
実質的に純粋な結晶形態が、図21に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項50記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項54】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の実質的に純粋な非結晶形態。
【請求項55】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態A。
【請求項56】
実質的に純粋な結晶形態が、約6.3°、7.7°、9.5°、10.7°、17.9°および18.9°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項55記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項57】
実質的に純粋な結晶形態が、図25に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項55記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項58】
4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの硫酸塩の実質的に純粋な結晶形態B。
【請求項59】
実質的に純粋な結晶形態が、約7.3°、17.7°、19.0°、20.2°および20.8°(2θ度)から選択される少なくとも一つの最大値を有するx線粉末回折像を特徴とする、請求項58記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項60】
実質的に純粋な結晶形態が、図25に示されたx線粉末回折像を特徴とする、請求項58記載の実質的に純粋な結晶形態。
【請求項61】
(a)4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量、および
(b)少なくとも1種の医薬上許容される担体、希釈剤、媒体または賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項62】
実質的に純粋な結晶形態が、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである、請求項61記載の医薬組成物。
【請求項63】
プロテインキナーゼ活性の阻害に応答する疾患の処置方法であって、処置を必要とする対象に、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミド遊離塩基またはその塩の実質的に純粋な結晶形態の治療有効量を投与する段階を含む方法。
【請求項64】
実質的に純粋な結晶形態が、4−メチル−N−[3−(4−メチル−イミダゾール−1−イル)−5−トリフルオロメチル−フェニル]−3−(4−ピリジン−3−イル−ピリミジン−2−イルアミノ)−ベンズアミドの塩酸塩の形態Bである、請求項63記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【公開番号】特開2013−18789(P2013−18789A)
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−231108(P2012−231108)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2008−522899(P2008−522899)の分割
【原出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年1月31日(2013.1.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−231108(P2012−231108)
【出願日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【分割の表示】特願2008−522899(P2008−522899)の分割
【原出願日】平成18年7月18日(2006.7.18)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】
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