説明

4−(フェノキシ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)ピペリジン−1−カルボン酸誘導体および関連化合物を調製する方法

本発明は、以下を開示している:式(I)の化合物を調製する方法;該方法は、塩および塩基の存在下にて、式(II)の化合物(Lは、脱離基である)と式(III)の化合物とを反応させ、それにより、式(I)の化合物を形成する工程を包含する。置換基および変数は、請求の範囲で定義されている。本発明は、グルコース代謝物のモジュレーターである芳香族エーテル化合物を調製する方法に関し、従って、代謝障害(例えば、糖尿病および肥満)の治療で有用である。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、グルコース代謝物のモジュレーターである芳香族エーテル化合物を調製する方法に関し、従って、代謝障害(例えば、糖尿病および肥満)の治療で有用である。
【背景技術】
【0002】
(発明の背景)
G−タンパク質がカップリングしたレセプターの変調は、種々の代謝障害を抑制するために、よく研究されている。レセプターRUP3、例えば、GenBank(例えば、アクセッション番号XM_066873およびAY288416を参照のこと)で記載されたレセプターの小細胞モジュレーターは、ある種の代謝障害を治療または予防するのに有用であることが明らかとなっている。特に、芳香族エーテルおよび類似の化合物(これらは、米国特許出願番号第10/888,747号で記載されている)は、RUP3レセプターの有効なモジュレーターであることが明らかであり、そして種々の代謝関連障害(I型糖尿病、II型糖尿病、不十分な糖耐性、インスリン抵抗性、高血糖、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、異脂肪血症またはシンドロームX)の治療で有用である。これらの芳香族エーテルはまた、哺乳動物において、体重増加を抑制し、食物摂取を抑制し、そして満腹を誘発するのに有用である。多数の疾患を治療または予防する際にRUP3モジュレーターの性質が有望であることから、これらの化合物を製造するさらに効率的な方法が必要となっている。本明細書中で記述した方法は、この必要性および他の現在の必要性に関する。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0003】
(発明の要旨)
本発明は、式Iの化合物を調製する方法を提供する:
【0004】
【化9】

構成メンバーは、本明細書中で定義したとおりであり、該方法は、塩基の存在下にて、
式IIの化合物と:
【0005】
【化10】

式IIIの化合物:
【0006】
【化11】

とを反応させて、それにより、式Iの化合物を形成する工程を包含する。
【0007】
本発明はまた、以下により、式IIの化合物を調製する方法を提供する:
a)式IVの化合物と:
【0008】
【化12】

式Vの化合物
【0009】
【化13】

とを混ぜ合わせて、混合物を形成する工程:
および
b)該混合物に塩基を加えて、それにより、式IIの化合物を形成する工程。
【0010】
本発明は、さらに、本明細書中の方法に従って調製された式Iまたは式IIの化合物のバルク試料を提供する。
【0011】
(詳細な説明)
本発明は、代謝障害(例えば、糖尿病および肥満)を治療するためのRUP3モジュレーターとして有用である芳香族エーテルを調製する方法および中間体に関する。
【0012】
本発明の調製および中間体例の例は、スキームI
【0013】
【化14】

において以下で提供されており、そこに描写された式の構成メンバーは、以下で定義されている。
【0014】
本発明は、式I、II、III、IVおよびVの化合物、またはそれらの塩形状が関与している方法(例えば、スキームIで例示されている方法)を提供し、ここで:
は、脱離基である;
は、脱離基である;
Xは、NまたはCRである;
Yは、NまたはCRである;
Zは、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C4〜8ジアシルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C2〜6ジアルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルカルボキサミド、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシカルバムイミドイル、ヒドロキシルアミノ、ニトロ、またはテトラゾリルである;該C1〜8アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ必要に応じて、1個、2個、3個または4個の基で置換されており、該基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、およびニトロから選択される;
は、H、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C2〜8ジアルキルアミノ、カルボキサミド、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、またはヒドロキシルである;
は、−R22、−CR2324C(O)−R22、−C(O)CR2324−R22、−C(O)−R22、−CR2324C(O)NR25−R22、−NR25C(O)CR2324−R22、−C(O)NR23−R22、−NR23C(O)−R22、−C(O)O−R22、−OC(O)−R22、−C(S)−R22、−C(S)NR23−R22、−NR23C(S)−R22、−C(S)O−R22、−OC(S)−R22、−CR2324−R22、または−S(O)−R22である;
は、C1〜3アルキル、C1〜4アルコキシ、カルボキシ、シアノ、C1〜3ハロアルキル、またはハロゲンである;
は、H、C1〜8アルキルまたはC3〜7シクロアルキルであり、該C1〜8アルキルは、必要に応じて、C1〜4アルコキシ、C3〜7シクロアルキル、またはヘテロアリールで置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、H、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C2〜8ジアルキルアミノ、カルボキサミド、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、またはヒドロキシル;
11は、C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、アリールスルホニル、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルオキシ、C2〜6ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、グアニジニル、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−オキシ、ヘテロシクロアルキルスルホニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、ヒドロキシル、ニトロ、C4〜7オキソ−シクロアルキル、フェノキシ、フェニル、スルホンアミド、スルホン酸、またはチオールである;そして、該C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、アリールスルホニル、カルバムイミドイル、C2〜6ジアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、ヘテロアリール、フェノキシおよびフェニルは、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルオキシ、C2〜6ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシル、ニトロ、フェニル、およびホスホノオキシから選択され、該C1〜7アルキルおよびC1〜4アルキルカルボキサミドは、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、C1〜4アルコキシおよびヒドロキシから選択される;
12、R13、R14およびR15は、それぞれ別個に、H、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ヒドロキシ、またはニトロである;
22は、H、C1〜8アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、または複素環であり、該複素環は、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜8ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、ニトロ、フェニル、フェノキシ、およびスルホン酸からなる群から選択され、該C1〜7アルキル、ヘテロアリール、フェニルおよびフェノキシは、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜8ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、複素環、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、およびニトロからなる群から選択される;
23、R24およびR25は、それぞれ別個に、HまたはC1〜8アルキルである;
nは、0または1である;そして
mは、0、1、2、3または4である。
【0015】
本発明の特定の特徴は、明瞭にするために、別々の実施形態の状況で記述されているが、また、単一の実施形態と組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、本発明の種々の特徴は、簡潔にするために、単一の実施形態の状況で記述されているが、また、別々に、あるいはいずれかの適切なサブコンビネーションで提供され得る。本明細書中で記述した一般的な化学式[例えば、I、II、IIIなど]内に含まれる変数(例えば、n、m、R、R、R、R、R11、R12、R13、R14、R15、X、Y、Zなど)で表わされる化学基に関係がある実施形態の全ての組み合わせおよび本明細書中で開示した方法は、このような組み合わせが安定な化合物(すなわち、生物活性について単離、特徴付けおよび試験できる化合物)を生じる化合物を包含する程度まで、具体的に開示されているごとく、本発明により具体的に包含されている。それに加えて、このような変数を記述している実施形態で列挙された化学基の全てのサブコンビネーションだけでなく、方法工程の全てのサブコンビネーションもまた、化学基および方法工程のこのようなサブコンビネーションの各々が本明細書中で明白に開示されているごとく、本発明により具体的に包含されている。
【0016】
いくつかの実施形態では、Lは、ハロである。
【0017】
いくつかの実施形態では、Lは、Clである。
【0018】
いくつかの実施形態では、Lは、ハロである。
【0019】
いくつかの実施形態では、Lは、Clである。
【0020】
いくつかの実施形態では、Xは、Nである。
【0021】
いくつかの実施形態では、Yは、Nである。
【0022】
いくつかの実施形態では、XおよびYの両方は、Nである。
【0023】
いくつかの実施形態では、Zは、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C4〜8ジアシルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C2〜6ジアルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルカルボキサミド、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシカルバムイミドイル、ヒドロキシルアミノ、ニトロ、またはテトラゾリルである。
【0024】
いくつかの実施形態では、Zは、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはニトロである。
【0025】
いくつかの実施形態では、Zは、C1〜8アルキルである。
【0026】
いくつかの実施形態では、Zは、メチル、エチルまたはプロピルである。
【0027】
いくつかの実施形態では、Zは、メチルである。
【0028】
いくつかの実施形態では、Rは、Hである。
【0029】
いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)O−R22である。
【0030】
いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)O−R22であり、そしてR22は、C1〜8アルキルまたはC3〜7シクロアルキルである。
【0031】
いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)O−R22であり、そしてR22は、C1〜4アルキルである。
【0032】
いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)O−R22であり、そしてR22は、メチル、エチル、またはプロパ−1−イル、プロパ−2−イルである。
【0033】
いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)O−R22であり、そしてR22は、プロパ−2−イルである。
【0034】
いくつかの実施形態では、Rは、Hである。
【0035】
いくつかの実施形態では、nは、1である。
【0036】
いくつかの実施形態では、mは、0である。
【0037】
いくつかの実施形態では、R11は、C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、アリールスルホニル、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルオキシ、C2〜6ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、グアニジニル、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、複素環、ヘテロシクロアルキル−オキシ、ヘテロシクロアルキルスルホニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、ヒドロキシル、ニトロ、C4〜7オキソ−シクロアルキル、フェノキシ、フェニル、スルホンアミド、スルホン酸、またはチオールである。
【0038】
いくつかの実施形態では、R11は、C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、またはC1〜4アルキルスルホニルである。
【0039】
いくつかの実施形態では、R11は、C1〜4アルキルスルフィニルまたはC1〜4アルキルスルホニルである。
【0040】
いくつかの実施形態では、R11は、C1〜4アルキルスルホニルである。
【0041】
いくつかの実施形態では、R11は、メチルスルホニルまたはエチルスルホニルである。
【0042】
いくつかの実施形態では、R11は、メチルスルホニルである。
【0043】
いくつかの実施形態では、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ別個に、H、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、シアノ、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ヒドロキシル、またはニトロである。
【0044】
いくつかの実施形態では、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ別個に、H、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、シアノ、ハロゲン、ヒドロキシル、またはニトロである。
【0045】
いくつかの実施形態では、R12、R13、R14およびR15は、それぞれ別個に、Hまたはハロゲンである。
【0046】
いくつかの実施形態では、R15は、H以外のものである。
【0047】
いくつかの実施形態では、R15は、ハロゲンである。
【0048】
いくつかの実施形態では、R15は、Fである。
【0049】
いくつかの実施形態では、R12、R13およびR14は、それぞれ、Hであり、そしてR15は、H以外のものである。
【0050】
いくつかの実施形態では、R11は、C1〜4アルキルスルホニルである;R12、R13およびR14は、それぞれ、Hである;そしてR15は、ハロゲンである。
【0051】
いくつかの実施形態では:
Xは、Nである;
Yは、Nである;
Zは、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはニトロである;
は、Hである;
は、−C(O)O−R22である;
は、Hである;
11は、C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、またはC1〜4アルキルスルホニルである;
12、R13、R14およびR15は、それぞれ別個に、H、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、シアノ、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ヒドロキシル、またはニトロである;
nは、1である;そして
mは、0または1である。
【0052】
いくつかの実施形態では:
Xは、Nである;
Yは、Nである;
Zは、C1〜8アルキルである;
は、Hである;
は、−C(O)O−R22である;
は、Hである;
11は、C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、またはC1〜4アルキルスルホニルである;
12、R13およびR14は、それぞれ、Hであるである;
15は、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、シアノ、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ヒドロキシル、またはニトロである;
nは、1である;そして
mは、0または1である。
【0053】
いくつかの実施形態では:
Xは、Nである;
Yは、Nである;
Zは、C1〜8アルキルである;
は、Hである;
は、−C(O)O−R22である;
は、Hである;
11は、C1〜4アルキルスルフィニルまたはC1〜4アルキルスルホニルである;
12、R13およびR14は、それぞれ、Hである;
15は、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、シアノ、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ヒドロキシル、またはニトロである;
22は、C1〜4アルキルである;
nは、1である;そして
mは、0である。
【0054】
いくつかの実施形態では:
Xは、Nである;
Yは、Nである;
Zは、メチルである;
は、Hである;
は、−C(O)O−R22である;
は、Hである;
11は、メチルスルホニルである;
12、R13およびR14は、それぞれ、Hである;
15は、Fである;
22は、プロパ−2−イルである;
nは、1である;そして
mは、0である。
【0055】
いくつかの実施形態では、本発明は、式Iの化合物
【0056】
【化15】

を調製する方法を提供し、この方法は、塩基の存在下にて、式IIの化合物と:
【0057】
【化16】

式IIIの化合物:
【0058】
【化17】

とを反応させて、それにより、式Iの化合物を形成することによる。
【0059】
IIとIIIとを反応させる工程は、さらに、塩(例えば、四置換アンモニウム塩またはヨウ化物塩)の存在下にて、実行できる。四置換アンモニウム塩には、式[N(R)][X]の塩が挙げられる;Xは、任意のモノアニオン(例えば、フッ化物、塩化物、臭化物、ヨウ化物など)であり、そして各Rは、別個に、C1〜8アルキル、アリール、アリールアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、複素環、または複素環アルキルであり、それらの各々は、必要に応じて、ハロ、C1〜4アルキル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4アルコキシ、またはC1〜4ハロアルコキシで置換できる。いくつかの実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、テトラ(C1〜8アルキル)アンモニウム塩である。さらなる実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、テトラブチルアンモニウム塩である。さらなる実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、ハライド塩である。さらなる実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、ヨウ化物塩である。さらなる実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、ヨウ化テトラブチルアンモニウムである。さらなる実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、フッ素塩である。さらなる実施形態では、この四置換アンモニウム塩は、フッ化テトラブチルアンモニウム[(CHCHCHCHNF]である。
【0060】
IIとIIIとを反応させる工程は、さらに、塩(例えば、アルカリ金属ハライド塩)の存在下にて、実行できる。アルカリ金属ハライド塩は、当該技術分野で公知であり、そして式M−ハライドの塩を含み、Mは、アルカリ金属であり、そしてハライドは、F、Cl、BrおよびIである。アルカリ金属ハライド塩の例には、例えば、NaF、NaCl、NaBr、NaI、KF、KCl、KBr、KI、CsF、CsCl、CsBr、CsIなどが挙げられる。
【0061】
IIとIIIとの反応の際に、この塩基は、類似のカップリング反応に当該技術分野で通常使用されるいずれかであり得る。いくつかの実施形態では、この塩基は、アルカリ金属アミド、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、または炭酸水素アルカリ金属である。さらなる実施形態では、この塩基は、炭酸アルカリ金属である。さらに他の実施形態では、この塩基は、KCOである。
【0062】
いくつかの実施形態では、IIとIIIとを反応させる工程は、高温で実行できる。例えば、その反応混合物は、約100〜約150℃、約120〜約140℃、または約130〜約135℃での温度まで加熱できる。
【0063】
いくつかの実施形態では、IIとIIIとの反応は、溶媒中で実行される。適切な溶媒には、例えば、極性溶媒または約100℃より高い沸点を有する溶媒が挙げられる。極性溶媒の例には、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジメチルホルムアミド(DMF)、酢酸ジメチル(DMA)、N−メチルピロリジン(NMP)、アセトニトリル、プロピオニトリルなどが挙げられる。高沸点溶媒の例には、DMSO、DMF、DMAなどが挙げられる。いくつかの実施形態では、この溶媒には、DMSOが挙げられる。
【0064】
いくつかの実施形態では、IIとIIIとの反応は、式IIの化合物と式IIIの化合物とのモル比が約1:1である場合に、実行される。いくつかの実施形態では、式IIの化合物は、式IIIの化合物と比べて、僅かにモル過剰で、提供される。さらなる実施形態では、塩基と式IIIの化合物とのモル比は、約2:1〜約1:1、約1.3:1〜約1.1:1、または約1.2:1である。さらに別の実施形態では、四置換アンモニウム塩と式IIIの化合物とのモル比は、約1:1〜約0.1:1、約0.8:1〜約0.5:1、または約0.7:1〜約0.6:1である。
【0065】
式IIの化合物は、以下により、調製できる:
a)式IVの化合物と:
【0066】
【化18】

式Vの化合物:
【0067】
【化19】

とを混ぜ合わせて、混合物を形成する工程;
そしてb)該混合物に塩基を加えて、それにより、式IIの化合物を形成する工程。
【0068】
IVおよびVの混合物に加えられる塩基は、任意の適当な塩基であり得、これには、例えば、C1〜6アルコキシド塩、アルカリ金属アミド、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、または炭酸水素アルカリ金属が挙げられる。いくつかの実施形態では、この塩基は、C1〜6アルコキシド塩(例えば、t−ブトキシドのアルカリ塩)である。いくつかの実施形態では、この塩基は、カリウムt−ブトキシドである。塩基は、必要に応じて、1つまたはそれ以上の部分、例えば、2つの部分で、加えることができる。
【0069】
いくつかの実施形態では、IVとVとを混ぜ合わせる工程だけでなく、加える工程は、溶媒中で実行される。適切な溶媒の例には、エーテル溶媒、例えば、ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、またはt−ブチルメチルエーテルが挙げられる。いくつかの実施形態では、この溶媒には、テトラヒドロフランが挙げられる。他の適切な溶媒には、DMF、DMA、NMP、DMSO、アセトニトリルおよびプロピオニトリルが挙げられる。
【0070】
塩基を加える工程は、必要に応じて、低温で実行できる。例えば、この添加剤は、約25℃未満、約15℃未満、約10℃未満、約5℃未満、または約0℃未満の温度で、実行できる。
【0071】
いくつかの実施形態では、化合物IVと化合物Vとのモル比は、約1:1である。さらなる実施形態では、化合物IVと化合物Vと塩基とのモル比は、約1:1:1である。いくつかの実施形態では、塩基と化合物Vとのモル比は、約1.02:1〜約0.90:1または約1:1〜約0.96:1である。
【0072】
式III、IVおよびVの化合物は、当該技術分野で通常の方法に従って、調製できる。これらの化合物の調製の例は、例えば、米国特許出願番号第10/888,747号(この内容、その全体として、本明細書中で参考として援用されている)で提供されている。
【0073】
通常の単離および精製手順により、式Iの化合物の実質的に純粋な調製物(例えば、バルク試料)を得ることができるものの、本明細書中で記述した手順の特徴である不純物は、時には、残り得る。例えば、式IIの化合物の調製では、式IIaの化合物
【0074】
【化20】

は、必要に応じて、副生成物として存在でき、これは、もし、この副生成物が出発物質II中に存在しているなら、必要に応じて、式Iの調製に持ち越すことができる。
【0075】
いくつかの実施形態では、本明細書中で記述した方法により製造される式IIのバルク試料は、検出可能な量の式IIaの化合物を含有できる。式IIの調製における式IIaの化合物の量は、例えば、約5重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.2重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、約0.02重量%未満、または約0.01重量%未満であり得る。
【0076】
いくつかの実施形態では、本明細書中で記述した方法により製造される式Iのバルク試料は、検出可能な量の式IIaの化合物を含有できる。式Iの調製における式IIaの化合物の量は、例えば、約5重量%未満、約3重量%未満、約2重量%未満、約1重量%未満、約0.5重量%未満、約0.2重量%未満、約0.1重量%未満、約0.05重量%未満、約0.02重量%未満、または約0.01重量%未満であり得る。
【0077】
いくつかの実施形態では、この副生成物は、式IIb:
【0078】
【化21】

の化合物である。
【0079】
式IIaの化合物および他の副生成物は、通常の方法により、検出および定量化でき、これらの方法には、例えば、プロトン核磁気共鳴、高速液体クロマトグラフィー、質量分析法などが挙げられる。本明細書中の方法に従って調製されるバルク試料中の式IIaの化合物および他の副生成物の量は、再結晶化またはクロマトグラフィー技術のような通常の方法により、低減または実質的になくすことができる。
【0080】
「バルク試料」との用語は、本明細書中にて、一貫して、当該技術分野でのその意味で使用され、これは、例えば、所定の方法または手順に従って調製される一定量の生成物を意味する。バルク試料は、任意の大きさであり得るが、典型的には、1mgから上に向かって数千キログラムまたはそれ以上の範囲である。
【0081】
本発明の特定の特徴は、明瞭にするために、別々の実施形態の状況で記述されているが、また、単一の実施形態と組み合わせて提供され得ることが理解される。逆に、本発明の種々の特徴は、簡潔にするために、単一の実施形態の状況で記述されているが、また、別々に、あるいはいずれかの適切なサブコンビネーションで提供され得る。
【0082】
「Ci〜j」との用語は、その用語が意味する部分における炭素原子の数を意味する。例えば、C1〜8アルキル(この場合、iは、1であり、そしてjは、8である)は、1個(C)、2個(C)、3個(C)、4個(C)、5個(C)、6個(C)、7個(C)または8個(C)の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0083】
「アシル」との用語は、アルキルラジカルで置換されたカルボニル(C=O)を意味し、アルキルの定義は、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。いくつかの例には、アセチル、プロピオニル、n−ブタノイル、iso−ブタノイル、sec−ブタノイル、t−ブタノイル(すなわち、ピバロイル)、ペンタノイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0084】
「アシルオキシ」との用語は、アシルラジカルで置換された−O−を意味し、アシルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。いくつかの例には、アセチルオキシ、プロピオニルオキシ、ブタノイルオキシ、iso−ブタノイルオキシ、sec−ブタノイルオキシ、t−ブタノイルオキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0085】
「アシルスルホンアミド」との用語は、スルホンアミドのN−原子上でアシルにより置換されたスルホンアミドを意味し、アシルおよびスルホンアミドの定義は、本明細書中で記述したものと同じ定義を有し、そしてアシルスルホンアミドは、次式:
【0086】
【化22】

で表わすことができる。本発明のいくつかの実施形態には、C1〜5アシルスルホンアミド、C1〜4アシルスルホンアミド、C1〜3アシルスルホンアミド、またはC1〜2アシルスルホンアミドが挙げられる。アシルスルホンアミドの例には、アセチルスルファモイル[−S(=O)NHC(==O)Me]、プロピオニルスルファモイル[−S(=O)NHC(=O)Et]、イソブチリルスルファモイル、ブチリルスルファモイル、2−メチル−ブチリルスルファモイル、3−メチル−ブチリルスルファモイル、2,2−ジメチル−プロピオニルスルファモイル、ペンタノイルスルファモイル、2−メチル−ペンタノイルスルファモイル、3−メチル−ペンタノイルスルファモイル、4−メチル−ペンタノイルスルファモイルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0087】
「アルケニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素二重結合を含有するアルキルラジカルを意味する。いくつかの実施形態では、このアルケニル基は、C2〜6アルケニル、C2〜5アルケニル、C2〜4アルケニル、C2〜3アルケニルまたはCアルケニルである。E異性体およびZ異性体の両方は、「アルケニル」との用語に包含される。さらに、「アルケニル」との用語には、1個、2個、3個、4個またはそれ以上の二重結合を有する基が挙げられる。従って、もし、1個より多い二重結合が存在しているなら、これらの結合は、全て、EまたはZであり得るか、あるいは、EおよびZの混合物であり得る。アルケニルの例には、ビニル、アリル、2−ブテニル、3−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、4−ペンテニル、2−ヘキセニル、3−ヘキセニル、4−ヘキセニル、5−ヘキサニル、2,4−ヘキサジエニルなどが挙げられる。
【0088】
本明細書中で使用する「アルコキシ」との用語は、酸素原子に直接結合されたアルキルラジカル(これは、本明細書中で定義した)を意味する。例には、メトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、iso−プロポキシ、n−ブトキシ、t−ブトキシ、iso−ブトキシ、sec−ブトキシなどが挙げられる。
【0089】
「アルキル」との用語は、直鎖または分枝炭化水素ラジカルを意味する。いくつかの実施形態では、このアルキル基は、1個〜8個の炭素、1個〜7個の炭素、1個〜6個の炭素、1個〜5個の炭素、1個〜4個の炭素、1個〜3個の炭素、1個または2個の炭素を含有する。アルキル基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、iso−プロピル、n−ブチル、sec−ブチル、iso−ブチル、t−ブチル、ペンチル、iso−ペンチル、t−ペンチル、neo−ペンチル、1−メチルブチル[すなわち、−CH(CH)CHCHCH]、2−メチルブチル[すなわち、−CHCH(CH)CHCH]、n−ヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
「アルキルカルボキサミド(alkylcarboxamido)」または「アルキルカルボキサミド(alkylcarboxamide)」との用語は、アミド基の窒素または炭素に結合された単一のアルキル基を意味し、アルキルは、本明細書中で見られるものと同じ定義を有する。このアルキルカルボキサミドは、以下:
【0091】
【化23】

で表わされ得る。例には、N−メチルカルボキサミド、N−エチルカルボキサミド、N−n−プロピルカルボキサミド、N−iso−プロピルカルボキサミド、N−n−ブチルカルボキサミド、N−sec−ブチルカルボキサミド、N−イソブチルカルボキサミド、N−t−ブチルカルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0092】
「アルキレン」との用語は、二価アルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、アルキレンとは、例えば、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−などを意味する。いくつかの実施形態では、アルキレンとは、−CH−、−CHCH−、−CHCHCH−などを意味し、これらの例は、一般に、「A」に関する。
【0093】
「アルキルスルフィニル」との用語は、アルキルで置換された−S(O)−を意味し、このアルキルラジカルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。例には、メチルスルフィニル、エチルスルフィニル、n−プロピルスルフィニル、iso−プロピルスルフィニル、n−ブチルスルフィニル、sec−ブチルスルフィニル、イソブチルスルフィニル、t−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0094】
「アルキルスルホンアミド」との用語は、以下の基:
【0095】
【化24】

を意味する。アルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。
【0096】
「アルキルスルホニル」との用語は、アルキルで置換された−S(O)−を意味し、このアルキルラジカルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、n−プロピルスルホニル、iso−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、sec−ブチルスルホニル、iso−ブチルスルホニル、t−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0097】
「アルキルチオ」との用語は、アルキルで置換された−S−を意味し、このアルキルラジカルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。例には、メチルスルファニル(すなわち、CHS−)、エチルスルファニル、n−プロピルスルファニル、iso−プロピルスルファニル、n−ブチルスルファニル、sec−ブチルスルファニル、iso−ブチルスルファニル、t−ブチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
「アルキルチオカルボキサミド」との用語は、次式:
【0099】
【化25】

のチオアミドを意味する。アルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。
【0100】
「アルキルチオウレイル」との用語は、式−NC(S)N−の基を意味し、窒素原子の一方または両方は、同一または異なるアルキル基で置換されており、そしてアルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。アルキルチオウレイルの例には、CHNHC(S)NH−、NHC(S)NCH−、(CHN(S)NH−、(CHN(S)NH−、(CHN(S)NCH−、CHCHNHC(S)NH−、CHCHNHC(S)NCH−などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0101】
「アルキルウレイル」との用語は、式−NC(O)N−の基を意味し、窒素原子の一方または両方は、同一または異なるアルキル基で置換されており、アルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。アルキルウレイルの例には、CHNHC(O)NH−、NHC(O)NCH−、(CHN(O)NH−、(CHN(O)NH−、(CHN(O)NCH−、CHCHNHC(O)NH−、CHCHNHC(O)NCH−などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0102】
「アルキニル」との用語は、少なくとも1個の炭素−炭素三重結合を有するアルキル基を意味する。いくつかの実施形態では、このアルキニル基は、2個〜8個の炭素、2個〜7個の炭素、2個〜6個の炭素、2個〜5個の炭素、2個〜4個の炭素、2個〜3個の炭素、または2個の炭素を有する。アルキニル基の例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル、3−ブチニル、1−ペンチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、4−ペンチニル、1−ヘキシニル、2−ヘキシニル、3−ヘキシニル、4−ヘキシニル、5−ヘキシニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。さらに、アルキニル基は、1個、2個、3個、4個またはそれ以上の三重結合を有し得、例えば、ジ−およびトリ−インを形成する。
【0103】
「アミノ」との用語は、−NH基を意味する。
【0104】
「アルキルアミノ」との用語は、アルキルで置換されたアミノを意味し、このアルキルラジカルは、本明細書中で記述したものと同じ意味を有する。いくつかの例には、メチルアミノ、エチルアミノ、n−プロピルアミノ、iso−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、sec−ブチルアミノ、iso−ブチルアミノ、t−ブチルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0105】
「アリール」との用語は、単環式または多環式芳香族炭化水素(例えば、フェニル、ナフチル、アントラセニル、フェナントレニル、インダニル、インデニルなど)を意味する。いくつかの実施形態では、アリール基は、6個〜約20個の炭素原子を有する。
【0106】
「アリールアルキル」との用語は、アリール基で置換されたアルキルを意味する。「アリールアルキル」の例には、ベンジル、フェネチレンなどが挙げられる。
【0107】
「アリールカルボキサミド」との用語は、N−原子上のアリール基により置換されたアミド基を意味し、アリールは、本明細書中で見られるものと同じ定義を有する。一例には、N−フェニルカルボキサミドがある。
【0108】
「アリールウレイル」との用語は、−NC(O)N−基を意味し、窒素の1個は、アリールで置換されている。
【0109】
「ベンジル」との用語は、−CH基を意味する。
【0110】
「カルバムイミドイル」との用語は、以下の化学式:
【0111】
【化26】

の基を意味する。そして、いくつかの実施形態では、一方または両方の水素は、別の基で置き換えられる。例えば、1個の水素は、ヒドロキシル基で置き換えることができ、N−ヒドロキシカルバムイミドイル基が得られるか、あるいは1個の水素は、アルキル基で置き換えることができ、N−メチルカルバムイミドイル、N−エチルカルバムイミドイル、N−プロピルカルバムイミドイル、N−ブチルカルバムイミドイルなどが得られる。
【0112】
「カルボアルコキシ」との用語は、カルボン酸のアルキルエステルを意味し、このアルキル基は、本明細書中で定義したとおりである。例には。カルボメトキシ、カルボエトキシ、カルボプロポキシ、カルボイソプロポキシ、カルボブトキシ、カルボ−sec−ブトキシ、カルボ−iso−ブトキシ、カルボ−t−ブトキシ、カルボ−n−ペントキシ、カルボ−iso−ペントキシ、カルボ−t−ペントキシ、カルボ−neo−ペントキシ、カルボ−n−ヘキシルオキシなどが挙げられる。
【0113】
「カルボキサミド」との用語は、−CONH基を意味する。
【0114】
「カルボキシ」または「カルボキシル」との用語は、−COH基を意味する;これはまた、カルボン酸基を意味する。
【0115】
「シアノ」との用語は、−CN基を意味する。
【0116】
「シクロアルケニル」との用語は、3個〜6個の環炭素と少なくとも1個の二重結合とを含有する非芳香環ラジカルを意味する;いくつかの実施形態は、3個〜5個の炭素を含有する;いくつかの実施形態は、3個〜4個の炭素を含有する。例には、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニルなどが挙げられる。
【0117】
「シクロアルキル」との用語は、例えば、3個〜14個、1個〜10個、3個〜8個、3個〜7個、3個〜6個、3個〜5個または3個〜4個の炭素を含有する飽和環式炭化水素を意味する。例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが挙げられる。
【0118】
「シクロアルキルアルキル」との用語は、シクロアルキル基で置換されたアルキル基を意味する。
【0119】
「シクロアルキレン」との用語は、二価シクロアルキルラジカルを意味する。いくつかの実施形態では、これらの2個の結合は、同じ炭素上にあり、例えば、以下:
【0120】
【化27】

である。いくつかの実施形態では、これらの2個の結合は、異なる炭素上にある。
【0121】
「ジアシルアミノ」との用語は、2個のアシル基で置換されたアミノ基を意味し、これらのアシル基は、同一または異なり得、例えば、以下:
【0122】
【化28】

である。ジアシルアミノ基の例には、ジアセチルアミノ、ジプロピオニルアミノ、アセチルプロピオニルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0123】
「ジアルキルアミノ」との用語は、2個の同一または異なるアルキルラジカルで置換されたアミノ基を意味し、アルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。いくつかの例には、ジメチルアミノ、メチルエチルアミノ、ジエチルアミノ、メチルプロピルアミノ、メチルイソプロピルアミノ、エチルプロピルアミノ、エチルイソプロピルアミノ、ジプロピルアミノ、プロピルイソプロピルアミノなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0124】
「ジアルキルカルボキサミド」または「ジアルキルカルボキサミド」との用語は、2個のアルキルラジカル(これらは、同一または異なる)で置換されたアミドを意味する。ジアルキルカルボキサミドは、以下の基:
【0125】
【化29】

で表わすことができる。ジアルキルカルボキサミドの例には、N,N−ジメチルカルボキサミド、N−メチル−N−エチルカルボキサミド、N,N−ジエチルカルボキサミド、N−メチル−N−イソプロピルカルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0126】
「ジアルキルスルホンアミド」との用語は、以下で示した基:
【0127】
【化30】

の1つを意味する。例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0128】
「ジアルキルチオカルボキサミド」または「ジアルキルチオカルボキサミド」との用語は、2個のアルキルラジカル(これらは、同一または異なる)で置換されたチオアミドを意味し、アルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。ジアルキルチオカルボキサミド基の例は、次式:
【0129】
【化31】

で表わすことができる。ジアルキルチオカルボキサミドの例には、N,N−ジメチルチオカルボキサミド、N−メチル−N−エチルチオカルボキサミドなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0130】
「ジアルキルスルホニルアミノ」との用語は、本明細書中で定義した2個のアルキルスルホニル基で置換されたアミノ基を意味する。
【0131】
「エチニレン」との用語は、−C≡C−を意味する。
【0132】
「ホルミル」との用語は、−CHO基を意味する。
【0133】
「グアニジン」との用語は、以下の化学式の基:
【0134】
【化32】

を意味する。
【0135】
「ハロアルコキシ」との用語は、ハロアルキルで置換された−O−を意味する。例には、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、2,2,2−トリフルオロエトキシ、ペンタフルオロエトキシなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0136】
「ハロアルキル」との用語は、アルキルが1個またはそれ以上のハロゲンで置換されたアルキル基(これは、本明細書中で定義した)を意味する。ハロアルキル基の例には、フルオロメチル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、クロロジフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、ペンタフルオロエチルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0137】
「ハロアルキルカルボキサミド」との用語は、1個またはそれ以上のハロゲンで置換されたアルキルカルボキサミド基(これは、本明細書中で定義した)を意味する。
【0138】
「ハロアルキルスルフィニル」との用語は、ハロアルキルラジカルで置換されたスルホキシド−S(O)−を意味し、このハロアルキルラジカルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。例には、トリフルオロメチルスルフィニル、2,2,2−トリフルオロエチルスルフィニル、2,2−ジフルオロエチルスルフィニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0139】
「ハロアルキルスルホニル」との用語は、ハロアルキルラジカルで置換された−S(O)−を意味し、ハロアルキルは、本明細書中で記述したものと同じ定義を有する。例には、トリフルオロメチルスルホニル、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル、2,2−ジフルオロエチルスルホニルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0140】
「ハロアルキルチオ」との用語は、ハロアルキルラジカルで置換された−S−を意味し、このハロアルキルは、本明細書中で記述したものと同じ意味を揺する。例には、トリフルオロメチルチオ(すなわち、CFS−)、1,1−ジフルオロエチルチオ、2,2,2−トリフルオロエチルチオなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0141】
「ハロゲン」または「ハロ」との用語は、フルオロ、クロロ、ブロモまたはヨード基を意味する。
【0142】
「ヘテロアルキレン」との用語は、ヘテロ原子含有基(これは、O、S、S(O)、S(O)およびNHから選択される)で中断または付加されたアルキレンを意味する。いくつかの例には、次式の基:
【0143】
【化33】

などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0144】
「ヘテロアリール」との用語は、単一環、2個の縮合環または3個の縮合環であり得る芳香環系を意味し、少なくとも1個の環炭素は、ヘテロ原子(これは、O、SおよびNからなる群から選択されるが、これらに限定されない)であり、このNは、必要に応じて、H、O、C1〜4アシルまたはC1〜4アルキルで置換できる。ヘテロアリール基の例には、ピリジル、ベンゾフラニル、ピラジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、トリアジニル、キノリン、ベンゾオキサゾール、ベンゾチアゾール、1H−ベンゾイミダゾール、イソキノリン、キナゾリン、キノキサリンなどが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、このヘテロ原子は、O、S、NHであり、例には、ピロール、インドールなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
「ヘテロアリールアルキル」との用語は、ヘテロアリール基で置換されたアルキル基を意味する。
【0146】
「複素環」との用語は、非芳香族の環式炭化水素(すなわち、本明細書中で定義したシクロアルキルまたはシクロアルケニル)を意味し、1個またはそれ以上(例えば、1個、2個または3個)の環炭素は、ヘテロ原子(これは、O、S、Nからなる群から選択されるが、これらに限定されない)で置き換えられ、このNは、必要に応じて、H、O、C1〜4アシルまたはC1〜4アルキルで置換でき、そして環炭素原子は、必要に応じて、オキソまたはスルフィドで置換され、それにより、カルボニル基またはチオカルボニル基を形成する。この複素環基は、3員、4員、5員、6員または7員環であり得る。複素環基の例には、アジリジン−1−イル、アジリジン−2−イル、アゼチジン−1−イル、アゼチジン−2−イル、アゼチジン−3−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−4−イル、モルホリン−4−イル、ピペリジン−1−イル、ピペリジン−4−イル、ピロリジン−1−イル、ピロリジン−3−イル、[1,3]−ジオキソラン−2−イルなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0147】
「複素環アルキル」との用語は、複素環基で置換されたアルキル基を意味する。
【0148】
「複素環−カルボニル」との用語は、複素環基(これは、本明細書中で定義した)で置換されたカルボニル基を意味する。いくつかの実施形態では、この複素環基の環窒素は、カルボニル基に結合されて、アミドを形成する。例には、
【0149】
【化34】

などが挙げられるが、これらに限定されない。いくつかの実施形態では、環炭素は、カルボニル基に結合されて、ケトン基を形成する。例には、
【0150】
【化35】

などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0151】
「複素環−オキシ」との用語は、複素環基(これは、本明細書中で定義した)で置換された−O−を意味する。例には、
【0152】
【化36】

などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0153】
「複素環スルホニル」との用語は、環窒素を有する複素環基で置換されたSOを意味し、この環窒素は、SO基に直接結合されて、スルホンアミドを形成する。例には、
【0154】
【化37】

などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0155】
「ヒドロキシル」との用語は、−OH基を意味する。
【0156】
「ヒドロキシルアミノ」との用語は、−NHOH基を意味する。
【0157】
「ニトロ」との用語は、−NO基を意味する。
【0158】
「オキソ−シクロアルキル」との用語は、環炭素をカルボニルで置き換えたシクロアルキル(これは、本明細書中で定義した)を意味する。オキソ−シクロアルキルの例には、2−オキソ−シクロブチル、3−オキソ−シクロブチル、3−オキソ−シクロペンチル、4−オキソ−シクロヘキシルなどが挙げられるが、これらに限定されず、それぞれ、以下の構造:
【0159】
【化38】

で現される。
【0160】
「パーフルオロアルキル」との用語は、式−C2n+1の基を意味する。パーフルオロアルキルの例には、CF、CFCF、CFCFCF、CF(CF、CFCFCFCF、CFCF(CF、CF(CF)CFCFなどが挙げられるが、これらに限定されない。
【0161】
「フェノキシ」との用語は、CO−基を意味する。
【0162】
「フェニル」との用語は、C−基を意味する。
【0163】
「ホスホノオキシ」との用語は、以下の化学構造の基:
【0164】
【化39】

を意味する。
【0165】
「スルホンアミド」との用語は、−SONΗ基を意味する。
【0166】
「スルホン酸」との用語は、−SOH基を意味する。
【0167】
「テトラゾリル」との用語は、次式:
【0168】
【化40】

の5員ヘテロアリールを意味する。いくつかの実施形態では、このテトラゾリル基は、さらに、1位置または5位置のいずれかで、それぞれ、アルキル、ハロアルキルおよびアルコキシからなる群から選択される基で置換されている。
【0169】
「チオール」との用語は、−SH基を意味する。
【0170】
本明細書中で使用する「反応させる」との用語は、当該技術分野で公知であるように使用され、一般に、化学試薬を分子レベルで相互作用させて少なくとも1種の化学試薬の化学的または物理的な変換を達成するような様式で、それらを共に結び付けることを意味する。
【0171】
本明細書中で使用する「置換された」との用語は、分子または基における非水素部分での水素部分の置き換えを意味する。
【0172】
変数が1回より多く現される化合物について、各変数は、その変数を規定するマークシュ基から選択される異なる部分であり得る。例えば、ある構造が、同じ化合物上に同時に存在している2個のR基を有して記述されている場合、これらの2個のR基は、Rについて定義したマークシュ基から選択される異なる部分であり得る。別の例では、必要に応じて複数の置換基が以下の形状
【0173】
【化41】

で指定されているとき、置換基Rは、この環上で多数回現れ得、そしてRは、各存在において、異なる部分であり得る。
【0174】
本明細書中で使用する「脱離基」との用語は、化学反応中にて、例えば、求核攻撃により、別の部分で置き換えることができる部分を意味する。脱離基は、当該技術分野で周知であり、これらには、例えば、ハロゲン(クロロ、ブロモ、ヨードなど)が挙げられる。
【0175】
本明細書中で記述した方法は、当該技術分野で公知の任意の適切な方法に従って、モニターできる。例えば、生成物の形成は、分光学的な手段(例えば、核磁気共鳴分光法(例えば、Hまたは13C)、赤外分光法、分光光度法(例えば、UV−可視)、または質量分析法により、あるいはクロマトグラフィー(例えば、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)または薄層クロマトグラフィー)により、モニターできる。
【0176】
いくつかの実施形態では、化合物の調製には、種々の化学基の保護および脱保護が関与できる。保護および脱保護する必要性、および適当な保護基の選択は、当業者に容易に決定できる。保護基の化学反応は、例えば、Greene and Wutsら、Protective Groups in Organic Synthesis3rd.Ed.Wiley & Sons1999(この内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている)で見られる。
【0177】
本明細書中で記述した反応は、適切な溶媒(これは、有機化学の当業者に容易に選択できる)中にて、実行できる。適切な溶媒は、これらの反応が実行される温度、例えば、溶媒が凍結する温度から溶媒が沸騰する温度までの範囲であり得る温度で、出発物質(反応物)、中間体または生成物と実質的に非反応性であり得る。所定の反応は、1種の溶媒または1種より多い溶媒の混合物中で、実行できる。特定の反応工程に依存して、特定の反応工程に適切な溶媒が選択できる。いくつかの実施形態では、例えば、それらの試薬の少なくとも1種が液体または気体であるとき、反応は、溶媒の非存在下にて実行できる。
【0178】
適切な溶媒には、ハロゲン化溶媒(例えば、四塩化炭素、ブロモジクロロメタン、ジブロモクロロメタン、ブロモホルム、クロロホルム、ブロモクロロメタン、ジブロモメタン、塩化ブチル、ジクロロメタン、テトラクロロエチレン、トリクロロエチレン、1,1,1−トリクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、1,1−ジクロロエタン、2−クロロプロパン、ヘキサフルオロベンゼン、1,2,4−トリクロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、フルオロトリクロロメタン、クロロトリフルオロメタン、ブロモトリフルオロメタン、四フッ化炭素、ジクロロフルオロメタン、クロロジフルオロメタン、トリフルオロメタン、1,2−ジクロロテトラフルオロエタンおよびヘキサフルオロエタン)を挙げることができる。
【0179】
適切なエーテル溶媒には、以下が挙げられる:ジメトキシメタン、テトラヒドロフラン、1,3−ジオキサン、1,4−ジオキサン、フラン、ジエチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテル、アニソール、またはt−ブチルメチルエーテル。
【0180】
適切なプロトン性溶媒には、限定ではなく例として、水、メタノール、エタノール、2−ニトロエタノール、2−フルオロエタノール、2,2,2−トリフルオロエタノール、エチレングリコール、1−プロパノール、2−プロパノール、2−メトキシエタノール、1−ブタノール、2−ブタノール、i−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、2−エトキシエタノール、ジエチレングリコール、1−、2−または3−ペンタノール、ネオ−ペンチルアルコール、t−ペンチルアルコール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、シクロヘキサノール、ベンジルアルコール、フェノール、またはグリセロールを挙げることができる。
【0181】
適切な非プロトン性溶媒には、限定ではなく例として、テトラヒドロフラン(THF)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMAC)、1,3−ジメチル−3,4,5,6−テトラヒドロ−2(1H)−ピリミジノン(DMPU)、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(DMI)、N−メチルピロリジノン(NMP)、ホルムアミド、N−メチルアセトアミド、N−メチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、プロピオニトリル、ギ酸エチル、酢酸メチル、ヘキサクロロアセトン、アセトン、エチルメチルケトン、酢酸エチル、スルホラン、N,N−ジメチルプロピオンアミド、テトラメチル尿素、ニトロメタン、ニトロベンゼン、またはヘキサメチルホスホラミドを挙げることができる。
【0182】
適切な炭化水素溶媒には、ベンゼン、シクロヘキサン、ペンタン、ヘキサン、トルエン、シクロヘプタン、メチルシクロヘキサン、ヘプタン、エチルベンゼン、m−、o−またはp−キシレン、オクタン、インダン、ノナン、またはナフタレンが挙げられる。
【0183】
超臨界二酸化炭素もまた、溶媒として使用できる。
【0184】
本明細書中で記述した方法の反応は、適切な温度(これらは、当業者に容易に決定できる)で、実行できる。反応温度は、例えば、試薬および溶媒(もし存在するなら)の融点および沸点;この反応の熱力学(例えば、発熱の激しい反応は、低温で実行する必要があり得る);および反応の動力学(例えば、活性エネルギー障壁が高いと、高温が必要であり得る)に依存している。「高温」とは、室温(約25℃)より高い温度を意味し、そして「低温」とは、室温より低い温度を意味する。
【0185】
本明細書中で記述した方法の反応は、空気中または不活性雰囲気下にて、実行できる。典型的には、空気と実質的に反応性である試薬または生成物を含む反応は、当業者に周知である空気感受性合成技術を使用して、実行できる。
【0186】
いくつかの実施形態では、化合物の調製は、所望の反応の触媒作用または塩形状(例えば、酸付加塩)の形成を引き起こすための酸または塩基の添加を包含できる。
【0187】
酸の例は、無機酸または有機酸であり得る。無機酸には、塩酸、臭化水素酸、硫酸、リン酸、および硝酸が挙げられる。有機酸には、ギ酸、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、プロピオン酸、酪酸、2−ブチン酸(2−butynoic acid)、ビニル酢酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸およびデカン酸が挙げられる。
【0188】
塩基の例には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、および炭酸カリウムが挙げられる。強塩基のいくつかの例には、水酸化物、アルコキシド、金属アミド、金属水素化物、金属ジアルキルアミドおよびアリールアミドが挙げられるが、これらに限定されず、ここで;アルコキシドには、メチル、エチルおよびt−ブチルオキシドのリチウム塩、ナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる;金属アミドには、ナトリウムアミド、カリウムアミドおよびリチウムアミドが挙げられる;金属水素化物には、水素化ナトリウム、水素化カリウムおよび水素化リチウムが挙げられる;そして金属ジアルキルアミドには、メチル、エチル、n−プロピル、i−プロピル、n−ブチル、t−ブチル、トリメチルシリルおよびシクロヘキシル置換アミドのナトリウム塩およびカリウム塩が挙げられる。
【0189】
本明細書中で記述した化合物は、非対称(例えば、1個またはそれ以上の立体中心を有する)であり得る。特に明記しない限り、全ての立体異性体(例えば、鏡像異性体およびジアステレオマー)が意図される。非対称的に置換された炭素原子を含有する本発明の化合物は、光学活性形状またはラセミ形状で、単離できる。光学活性出発物質から光学活性形状をいかにして調製するかについての方法は、当該技術分野で公知である(例えば、ラセミ混合物の分割または立体選択的な合成による)。
【0190】
本明細書中で記述した方法は、1つの立体異性体形状に富んだ1種またはそれ以上のキラル試薬を使って出発する任意の所定の反応が、また、1つの立体異性体形状に富んだ生成物を形成するように、立体選択的であり得る。この反応は、その反応の生成物がキラル中心(これは、出発物質に存在している対応するキラル中心に対して、実質的に反転される)を含むように、行うことができる。
【0191】
化合物のラセミ混合物の分割は、当該技術分野で公知の多数の方法のいずれかにより、実行できる。方法の一例には、「キラル分割酸」(これは、塩を形成する光学活性有機酸である)を使用する分別再結晶化が挙げられる。分別再結晶化に適切な分割剤には、例えば、光学活性酸(例えば、DおよびL形状の酒石酸、ジアセチル酒石酸、ジベンゾイル酒石酸、マンデル酸、リンゴ酸、乳酸または種々の光学活性ショウノウスルホン酸(例えば、α−ショウノウスルホン酸))がある。分別再結晶化方法に適切な他の分割剤には、立体異性的に純粋な形状のα−メチルベンジルアミン(例えば、SおよびR形状、またはジアステレオ異性的に純粋な形状)、2−フェニルグリシノール、ノルエフェドリン、エフェドリン、N−メチルエフェドリン、シクロヘキシルエチルアミン、1,2−ジアミノシクロヘキサンなどが挙げられる。
【0192】
ラセミ混合物の分割はまた、光学活性分割剤(例えば、ジニトロベンゾイルフェニルグリシン)を充填したカラムにおける溶出により、実行できる。適切な溶出溶媒組成物は、当業者に決定できる。
【0193】
本発明の化合物には、また、中間体または最終化合物で生じる原子の同位体を挙げることができる。同位体には、同じ原子番号を有するが質量数が異なる原子が挙げられる。例えば、水素の同位体には、三重水素および重水素が挙げられる。
【0194】
本発明の化合物には、また、互変異性形状(例えば、ケト−エノール互変異性体)を挙げることができる。互変異性形状は、適切な置換により1つの形状に平衡状態または立体的に固定され得る。
【0195】
本発明はまた、本明細書中で記述した化合物の塩形状を含む。塩(または塩形状)の例には、塩基性残基(例えば、アミン)の鉱酸塩または有機酸塩、あるいは酸性残基(例えば、カルボン酸)の有機塩などが挙げられる。一般に、これらの塩形状は、適切な溶媒または種々の組合せの溶媒中で、この有機塩基または酸を、化学量論量または過剰の所望の塩形成無機または有機の酸または塩基と反応させることにより、調製できる。適切な塩のリストは、Remington’s Pharmaceutical Sciences,17th ed.,Mack Publishing Company,Easton,Pa.,1985,p.1418で見られ、この開示内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている。
【0196】
本明細書中で記述した方法に従って化合物の調製を実行する際に、所望の生成物を単離するために、通常の単離および精製操作(例えば、濃縮、濾過、抽出、固相抽出、再結晶化、クロマトグラフィーなど)が使用され得る。
【0197】
本発明は、特定の実施例によって、さらに詳細に記述される。以下の実施例は、例示の目的のために提供されており、いずれの様式でも本発明を限定するとは解釈されない。当業者は、ほぼ同じ結果を得るように変更または改良できる種々の重要ではないパラメータを認識する。
【実施例】
【0198】
(実施例1)
(4,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン中間体(1)
【0199】
【化42】

の調製)
(工程1)
【0200】
【化43】

アンモニアのメタノール(7N、200mL)飽和溶液(これは、ナトリウム(0.2g、0.08当量)を含有する)に、0℃で、マロン酸ジエチル−メチル(0.11mol)のメタノール(100mL)溶液を加えた。その混合物を、ストッパー付きフラスコにて、室温で、2〜3日間放置した。濾過により、白色固形物として、分離したジアミドを集めメタノールで洗浄し、そして乾燥した。
【0201】
(工程2)
【0202】
【化44】

Na(1.03mol、1.2当量)のエタノール(2L)溶液に、固形物として、工程1から得たジアミド(0.86mol、1当量)を加えた。その混合物を還流状態まで加熱し、そしてホルムアミド(3.4mol、4当量)をゆっくりと加え、得られた混合物を、さらに3時間還流した。所望化合物を、室温で、白色固形物として(ナトリウム塩として)濾過し、エタノールで洗浄し、そして乾燥した。
【0203】
上記固形物を水に溶解し、これを、HClの濃縮溶液(12N)を使用して、pH=5まで酸性化した。その混合物を、5℃で、30分間攪拌した。白色固形物を濾過し、そして真空乾燥した(収率60%)。
【0204】
(工程3)
【0205】
【化45】

POCl(1.9mol、174mL)中の工程2から得たピリミジン誘導体(0.38mol、1当量)の混合物に、DMF(発熱反応、0.152mol、11.7mL)をゆっくりと加えた。得られた混合物を還流状態まで3時間加熱し、室温まで冷却し、そして氷/水に注いだ。得られた白色固形物を濾過し、水で洗浄し、そして真空乾燥(収率90%)して、4,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン(1)を得た。
【0206】
(実施例2)
(4−ヒドロキシ−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル中間体(2)
【0207】
【化46】

の調製)
4−ヒドロキシピペリジン(53.8g、1.000当量)、トリエチルアミン(71.8g、1.334当量)および酢酸エチル(498.8g)の攪拌混合物に、反応器のジャケット冷却を使って反応混合物の温度を10℃−17℃で維持するのに十分にゆっくりとした速度で、純粋なクロロギ酸イソプロピル(78.0g、1.1966当量)を加えた。この添加が完了した後、その反応混合物を、20℃で、18時間攪拌した。次いで、水(100g)を加え、そして得られた混合物を15分間攪拌した後、相分離した。有機相を、150rpmで15分間攪拌することとにより、20重量%NaCl水溶液の2つの100グラム部分で洗浄した後、水性洗浄液を分離した。水(100g)で最終洗浄した後、有機相を減圧でロータリーエバポレーターにて蒸留することにより濃縮して、GCによる96.8%純度の淡琥珀色油状物として、生成物(2)(91.1g、収率92.0%)を得た。この粗生成物を117〜120℃、0.3〜1.0torrで蒸留すると、無色油状物(これは、112℃〜119℃で集めた)として、95.7%の回収率の生成物(2)が得られた。
【0208】
(実施例3)
(4−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル中間体(3)
【0209】
【化47】

の調製)
4,6−ジクロロ−5−メチルピリミジン(1)(2.4235Kg、1.000当量)および4−ヒドロキシピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(2)(2.8182Kg、1.012当量)をテトラヒドロフラン(THF、25.0028Kg)に溶解し、そして得られた溶液を、−15〜−10℃まで冷却した。その冷溶液に、反応器のジャケット冷却を使って反応混合物の温度を0℃未満で維持するのに十分にゆっくりとした速度で、テトラヒドロフラン中のカリウム−第三級−ブトキシド(1M、12.6051Kg、0.9399当量)を加えた。次いで、その反応混合物を、約−5℃で、約2時間攪拌した後、テトラヒドロフラン中の追加部分のカリウム−第三級−ブトキシド(1M、0.5692Kg、0.0424当量)を加えて、約−5℃でさらに1時間攪拌した後、このピリミジンの>97%の転化率を達成した。次いで、30〜65℃、≦80torrで蒸留することにより、殆どの溶媒を除去した。その蒸発残渣に水(19.9681Kg)を加えると、生成物が沈殿した。次いで、30〜65℃、<80torrで、THFの蒸留除去が完了し、得られた攪拌スラリーを、1時間にわたって、0℃まで冷却した。次いで、吸引濾過により固形物を集め、水(8.011Kg、4℃)で洗浄し、そして、50℃、<40torrで、一定重量まで真空乾燥して、生成物(3)(4.491Kg、収率96.3%)を得た。
【0210】
(実施例4)
(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノール中間体(4)
【0211】
【化48】

の調製)
ナトリウムメタンスルホン酸(51.0g、4.009当量)、4−ブロモ−2−フルオロフェノール(23.8g、1.000当量)、トリフルオロメタンスルホン酸銅(I)−ベンゼン錯体(6.28g、0.1001当量)、N,N’−ジメチルエチレンジアミン(DMEDA、2.2g、0.2003当量)およびジメチルスルホキシド(DMSO、104g)の攪拌混合物を、窒素下にて、130℃〜135℃で、18時間加熱した。次いで、120℃の油浴を使って、1torrでの回転蒸発により、その反応混合物から、実質的に全てのDMSO溶媒を除去した。褐色油状蒸留残渣に、酢酸エチル(90g)および水(100g)を加えた。得られた混合物を加熱し攪拌して、この反応混合物の2つの液相への溶解を促進した後、粗い焼結ガラスフィルター漏斗(これは、Whatman filter濾紙ディスクおよび30gのセライトを含む)で濾過した。その濾液に濃HCl水溶液(20g)を加えると、水相のpHが3未満に低下した。相分離し、そして水相を、もう2回、酢酸エチル(それぞれ90g)で抽出した。合わせた有機相を、1M NaOH水溶液の3つの100グラム部分で抽出して、このフェノキシド生成物のナトリウム塩を水相に抽出した。この水相を合わせ、冷却しつつ、濃HCl水溶液(40g)でpHを3未満にし、次いで、酢酸エチルの4つの90グラム部分で、遊離フェノールとして、生成物を有機相に戻した。これらの有機相を合わせ、硫酸マグネシウム(15グラム)で乾燥し、濾過し、そして減圧での回転蒸発により濃縮して、透明な橙色から褐色の油状物として、生成物(4)(16.6g、収率70%)を得、これは、放置すると、固化した。
【0212】
(実施例5)
(4−[6−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)〜5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(5)
【0213】
【化49】

の調製)
2−フルオロ−4−メタンスルホニルフェノール(4)(1.9863Kg、1.000当量)および4−(6’−クロロ−5’−メチルピリミジン−4’−イルオキシピペリジン)−1−カルボン酸イソプロピルエステル(3)(3.3656Kg、1.027当量)を、ジメチルスルホキシド(DMSO、7.0160Kg)に溶解した。得られた溶液に、ヨウ化テトラブチルアンモニウム促進剤(2.5243Kg、0.6544当量)および炭酸カリウム(1.7422Kg、1.207当量)を加えた。その反応混合物を攪拌し、そして130℃〜135℃の内部温度で、約24時間加熱し、その時点で、フェノール(4)の生成物(5)の転化率は、>93%であった。次いで、この反応混合物を50℃〜60℃まで冷却し、追加DMSO(0.5050Kg)の助けを借りて、水(36.1206Kg)(これは、この添加の初めから終わりまで、25℃〜35℃で維持した)に加えた。得られたスラリーを、約20℃で、数時間攪拌した後、沈殿した固形物を濾過し、水(8.1264Kg、20℃)で洗浄し、そして80℃で溶解して2℃まで冷却することにより、イソプロピルアルコール(18.7195Kg)から再結晶した。再結晶した混合物を、2℃で、2時間攪拌し、次いで、濾過した。濾過した固形生成物を、イソプロパノール(6.9792Kg)および水(3.0329Kg)の2℃混合物で洗浄し、次いで、イソプロパノール(15.8899Kg、80℃)から2番目の再結晶をした。2℃まで冷却して2時間攪拌した後、再結晶した混合物を濾過した。濾過した固形生成物を、イソプロパノール(5.8689Kg)および水(2.590Kg)の2℃混合物で洗浄し、そして50℃、<40torrで、一定重量まで乾燥して、生成物(5)(3.8937Kg、収率79.75%)を得た。
【0214】
(実施例6)
(4−[6−(2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノキシ)−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ]−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(5)
【0215】
【化50】

の調製)
2−フルオロ−4−メタンスルホニル−フェノール(4)(1.33g、7.01mmol)および4−(6−クロロ−5−メチル−ピリミジン−4−イルオキシ)−ピペリジン−1−カルボン酸イソプロピルエステル(3)(2.00g、6.39mmol)を、DMSO(10mL)に溶解した。得られた溶液に、ヨウ化カリウム(0.21g、1.27mmol)および炭酸カリウム(0.97g、7.01mmol)を加えた。得られた混合物を130℃まで加熱し、そして一晩撹拌した。粗製物を室温まで冷却し、氷水に注ぎ(150mL)、そして2時間攪拌した。沈殿物を濾過し、水(2×10mL)で2回洗浄し、そして60℃で、真空オーブン中にて、乾燥した(2.74g、91%)。所望生成物をイソプロパノール(10mL)から再結晶して、2.39gの表題化合物(80%)を得た。
【0216】
本発明の種々の改良は、本明細書中で記述したものに加えて、前述の記述から当業者に明らかとなる。このような改良もまた、添付の請求の範囲の範囲内に入ると解釈される。本願で引用された各参考文献の内容は、その全体として、本明細書中で参考として援用されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

の化合物を調製する方法であって、
Xは、NまたはCRであり;
Yは、NまたはCRであり;
Zは、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C4〜8ジアシルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C2〜6ジアルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルカルボキサミド、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシカルバムイミドイル、ヒドロキシルアミノ、ニトロ、またはテトラゾリルであり;該C1〜8アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ必要に応じて、1個、2個、3個または4個の基で置換されており、該基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、およびニトロから選択され;
は、H、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C2〜8ジアルキルアミノ、カルボキサミド、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、またはヒドロキシルであり;
は、−R22、−CR2324C(O)−R22、−C(O)CR2324−R22、−C(O)−R22、−CR2324C(O)NR25−R22、−NR25C(O)CR2324−R22、−C(O)NR23−R22、−NR23C(O)−R22、−C(O)O−R22、−OC(O)−R22、−C(S)−R22、−C(S)NR23−R22、−NR23C(S)−R22、−C(S)O−R22、−OC(S)−R22、−CR2324−R22、または−S(O)−R22であり;
は、C1〜3アルキル、C1〜4アルコキシ、カルボキシ、シアノ、C1〜3ハロアルキル、またはハロゲンであり;
は、H、C1〜8アルキルまたはC3〜7シクロアルキルであり、該C1〜8アルキルは、必要に応じて、C1〜4アルコキシ、C3〜7シクロアルキル、またはヘテロアリールで置換されており;
およびRは、それぞれ別個に、H、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C2〜8ジアルキルアミノ、カルボキサミド、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、またはヒドロキシルであり;
11は、C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、アリールスルホニル、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルオキシ、C2〜6ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、グアニジニル、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−オキシ、ヘテロシクロアルキルスルホニル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、ヘテロアリール、ヘテロアリールカルボニル、ヒドロキシル、ニトロ、C4〜7オキソ−シクロアルキル、フェノキシ、フェニル、スルホンアミド、スルホン酸、またはチオールであり;該C1〜5アシル、C1〜6アシルスルホンアミド、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜6アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、アリールスルホニル、カルバムイミドイル、C2〜6ジアルキルアミノ、ヘテロシクロアルキル、ヘテロシクロアルキル−カルボニル、ヘテロアリール、フェノキシおよびフェニルは、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、別個に、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C3〜7シクロアルキルオキシ、C2〜6ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシル、ニトロ、フェニル、およびホスホノオキシから選択され、該C1〜7アルキルおよびC1〜4アルキルカルボキサミドは、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、C1〜4アルコキシおよびヒドロキシから選択され;
12、R13、R14およびR15は、それぞれ別個に、H、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ヒドロキシ、またはニトロであり;
22は、H、C1〜8アルキル、C3〜7シクロアルキル、フェニル、ヘテロアリール、または複素環であり、該複素環は、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜8ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヘテロアリール、複素環、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、ニトロ、フェニル、フェノキシ、およびスルホン酸からなる群から選択され、該C1〜7アルキル、ヘテロアリール、フェニルおよびフェノキシは、それぞれ必要に応じて、1個〜5個の置換基で置換されており、該置換基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルアミノ、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜8ジアルキルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、複素環、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、およびニトロからなる群から選択され;
23、R24およびR25は、それぞれ別個に、HまたはC1〜8アルキルであり;
nは、0または1であり;そして
mは、0、1、2、3または4であり;
該方法は、塩および塩基の存在下にて、式II:
【化2】

の化合物と式III:
【化3】

の化合物とを反応させて、それにより、式Iの化合物を形成する工程を包含し、
は、脱離基である、
方法。
【請求項2】
前記塩が、テトラ(C1〜8アルキル)アンモニウム塩であり、ハライド塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記塩が、四置換ヨウ化アンモニウム塩である、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記塩が、ハロゲン化アルカリ金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記塩が、KIである、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記塩基が、アルカリ金属アミド、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、または炭酸水素アルカリ金属である、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記塩基が、KCOである、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記反応が、高温で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
前記反応が、約120〜約140℃の温度で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項10】
前記反応が、溶媒中で実行される、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
前記溶媒が、DMSOを含む、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
が、ハロである、請求項1に記載の方法。
【請求項13】
が、Clである、請求項1に記載の方法。
【請求項14】
XおよびYの両方が、Nである、請求項1に記載の方法。
【請求項15】
Zが、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C2〜6アルキニル、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、またはニトロである、請求項1に記載の方法。
【請求項16】
Zが、メチルである、請求項1に記載の方法。
【請求項17】
が、Hである、請求項1に記載の方法。
【請求項18】
が、−C(O)O−R22であり、R22が、メチル、エチル、またはプロパ−1−イル、プロパ−2−イルである、請求項1に記載の方法。
【請求項19】
が、−C(O)O−R22であり、R22が、プロパ−2−イルである、請求項1に記載の方法。
【請求項20】
が、Hである、請求項1に記載の方法。
【請求項21】
nが、1である、請求項1に記載の方法。
【請求項22】
mが、0である、請求項1に記載の方法。
【請求項23】
11が、C1〜4アルキルスルホニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項24】
11が、メチルスルホニルである、請求項1に記載の方法。
【請求項25】
12、R13、R14およびR15が、それぞれ別個に、Hまたはハロゲンである、請求項1に記載の方法。
【請求項26】
15が、Fである、請求項1に記載の方法。
【請求項27】
11が、C1〜4アルキルスルホニルであり;R12、R13およびR14が、それぞれ、Hであり;R15が、ハロゲンである、請求項1に記載の方法。
【請求項28】
請求項1に記載の方法であって、
Xは、Nであり;
Yは、Nであり;
Zは、メチルであり;
は、Hであり;
は、−C(O)O−R22であり;
は、Hであり;
11は、メチルスルホニルであり;
12、R13およびR14は、それぞれ、Hであり;
15は、Fであり;
22は、プロパ−2−イルであり;
nは、1であり;そして
mは、0である、
方法。
【請求項29】
前記式IIの化合物が、
a)式IV:
【化4】

の化合物と式V:
【化5】

の化合物とを混ぜ合わせて、混合物を形成する工程であって、Lは、脱離基である、工程;
b)該混合物に塩基を加え、それにより、式IIの化合物を形成する工程;
により調製される、請求項1に記載の方法。
【請求項30】
前記塩基が、C1〜6アルコキシド塩、アルカリ金属アミド、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、または炭酸水素アルカリ金属である、請求項29に記載の方法。
【請求項31】
前記塩基が、カリウムt−ブトキシドである、請求項29に記載の方法。
【請求項32】
前記混ぜ合わせる工程および加える工程が、溶媒中で実行される、請求項29に記載の方法。
【請求項33】
前記溶媒が、テトラヒドロフランを含む、請求項32に記載の方法。
【請求項34】
前記加える工程が、約100℃未満の温度で、実行される、請求項29に記載の方法。
【請求項35】
が、ハロである、請求項29に記載の方法。
【請求項36】
が、Clである、請求項29に記載の方法。
【請求項37】
式II:
【化6】

の化合物を調製する方法であって、
Xは、NまたはCRであり;
Yは、NまたはCRであり;
Zは、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルチオカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルチオウレイル、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルバムイミドイル、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C4〜8ジアシルアミノ、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルチオカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、C2〜6ジアルキルスルホニルアミノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルカルボキサミド、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、ヒドロキシル、ヒドロキシカルバムイミドイル、ヒドロキシルアミノ、ニトロ、またはテトラゾリルであり;該C1〜8アルキル、C3〜7シクロアルキル、およびヘテロシクロアルキルは、それぞれ必要に応じて、1個、2個、3個または4個の基で置換されており、該基は、C1〜5アシル、C1〜5アシルオキシ、C1〜4アルコキシ、C1〜7アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜2アルキルアミノ、C2〜4ジアルキルアミノ、カルボ−C1〜6−アルコキシ、カルボキサミド、カルボキシ、シアノ、ホルミル、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、ハロゲン、ヒドロキシル、ヒドロキシルアミノ、およびニトロから選択される;
は、H、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C2〜8ジアルキルアミノ、カルボキサミド、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、またはヒドロキシルであり;
は、−R22、−CR2324C(O)−R22、−C(O)CR2324−R22、−C(O)−R22、−CR2324C(O)NR25−R22、−NR25C(O)CR2324−R22、−C(O)NR23−R22、−NR23C(O)−R22、−C(O)O−R22、−OC(O)−R22、−C(S)−R22、−C(S)NR23−R22、−NR23C(S)−R22、−C(S)O−R22、−OC(S)−R22、−CR2324−R22、または−S(O)−R22であり;
は、C1〜3アルキル、C1〜4アルコキシ、カルボキシ、シアノ、C1〜3ハロアルキル、またはハロゲンであり;
は、H、C1〜8アルキルまたはC3〜7シクロアルキルであり、該C1〜8アルキルは、必要に応じて、C1〜4アルコキシ、C3〜7シクロアルキル、またはヘテロアリールで置換されている;
およびRは、それぞれ別個に、H、C1〜5アシルオキシ、C2〜6アルケニル、C1〜4アルコキシ、C1〜8アルキル、C1〜4アルキルカルボキサミド、C2〜6アルキニル、C1〜4アルキルスルホンアミド、C1〜4アルキルスルフィニル、C1〜4アルキルスルホニル、C1〜4アルキルチオ、C1〜4アルキルウレイル、アミノ、C1〜4アルキルアミノ、C2〜8ジアルキルアミノ、カルボキサミド、シアノ、C3〜7シクロアルキル、C2〜6ジアルキルカルボキサミド、C2〜6ジアルキルスルホンアミド、ハロゲン、C1〜4ハロアルコキシ、C1〜4ハロアルキル、C1〜4ハロアルキルスルフィニル、C1〜4ハロアルキルスルホニル、C1〜4ハロアルキルチオ、またはヒドロキシルであり;
nは、0または1であり;
mは、0、1、2、3または4であり;そして
は、脱離基であり;
該方法は、
a)式IV:
【化7】

の化合物と式V:
【化8】

の化合物とを混ぜ合わせて、混合物を形成する工程であって、Lは、脱離基である、工程;および
b)該混合物の温度をほぼ室温未満で維持しつつ、該混合物に塩基を加えて、それにより、式IIの化合物を形成する工程;
を包含する、方法。
【請求項38】
前記加える工程が、前記混合物の温度を約0℃未満で維持しつつ、実行される、請求項37に記載の方法。
【請求項39】
前記塩基が、C1〜6アルコキシド塩、アルカリ金属アミド、水素化アルカリ金属、炭酸アルカリ金属、または炭酸水素アルカリ金属である、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記塩基が、カリウムt−ブトキシドである、請求項37に記載の方法。
【請求項41】
前記加える工程および前記混ぜ合わせる工程が、溶媒中で実行される、請求項37に記載の方法。
【請求項42】
前記溶媒が、テトラヒドロフランを含む、請求項41に記載の方法。
【請求項43】
前記混合物が、前記加える工程の前に、約−15〜約−10℃の温度まで冷却される、請求項37に記載の方法。
【請求項44】
が、ハロである、請求項37に記載の方法。
【請求項45】
が、Clである、請求項37に記載の方法。

【公表番号】特表2008−526881(P2008−526881A)
【公表日】平成20年7月24日(2008.7.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−550519(P2007−550519)
【出願日】平成18年1月9日(2006.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2006/000565
【国際公開番号】WO2006/076243
【国際公開日】平成18年7月20日(2006.7.20)
【出願人】(500478097)アリーナ ファーマシューティカルズ, インコーポレイテッド (97)
【Fターム(参考)】