説明

4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の製造法

【課題】4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の、安価で大量生産に適した製造方法の提供。
【解決手段】フェノール化合物と安息香酸誘導体とのFriedel-Crafts反応によりベンゾフェノン誘導体を合成し、さらにケトン部分を還元後、ハロゲン化し、最後にフェノール性水酸基をアルキル化して下記式(I)


[式(I)中、R1はC1-6アルキル基、R2はC1-6アルコキシ基、R3は水素原子又はC1-6アルキル基を示し、Xは水素原子等を示し、Zは式−CH2−等示す。]で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩を製造する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
医薬化合物の中間体としての利用が考えられる4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の製造法についてはいくつかの報告例があると解されるが、製造コスト削減等の点から、製造工程数が少なく、より安価で入手容易な原料化合物を用いた製造法の開発が求められている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の目的は、4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の、安価で大量生産に適した製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明者らは、かかる課題を解決するために鋭意検討した結果、m−アルキルフェノールとp−アルコキシ安息香酸誘導体、またはこれらのエステル体を原料に用いた、安価で効率的な4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の製造法を見出し、本発明を完成させるに至った。
【0005】
かかる本発明の態様は、
下記式(I)
【0006】
【化1】

【0007】
[式(I)中、
1はC1-6アルキル基を示し、
2はC1-6アルコキシ基を示し、
3は水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
Xは水素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、
Zは式−CH2−又は式−CO−を示す。]
で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩の製造方法であって、
下記式(II)で表される化合物(式(II)中、R1は前記と同義である。)と式(III)で表される化合物(式(III)中、Aは、水酸基、塩素原子又はC1-6アルコキシ基を示す。)との縮合反応により式(V)で表される化合物(式(V)中、R1及びR2は前記と同義である。)を合成し、該式(V)で表される化合物を還元して式(VI)で表される化合物を合成し、該式(VI)で表される化合物をハロゲン化し、フェノール性水酸基をアルキル化して前記式(I)で表される化合物を合成する方法である。
【0008】
【化2】

【0009】
本発明の他の態様は、
下記式(I)
【0010】
【化3】

【0011】
[式(I)中、
1はC1-6アルキル基を示し、
2はC1-6アルコキシ基を示し、
3は水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
Xは水素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、
Zは式−CH2−又は式−CO−を示す。]
で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩の製造方法であって、
下記式(IV)で表される化合物(式(IV)中、R1及びR2は前記と同義である。)の転位反応により式(V)で表される化合物(式(V)中、R1及びR2は前記と同義である。)を合成し、該式(V)で表される化合物を還元して式(VI)で表される化合物を合成し、該式(VI)で表される化合物をハロゲン化し、フェノール性水酸基をアルキル化して前記式(I)で表される化合物を合成する方法である。
【0012】
【化4】

【発明の効果】
【0013】
本発明により、4−(置換ベンジル)−2−ハロフェノール誘導体の、安価で大量生産に適した製造方法を提供することが可能となった。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下に、本発明の具体的な態様、置換基の定義等を説明する。
【0015】
本発明の式(I)で示される化合物において、R1はメチル基、R2はエトキシ基、R3はメチル基、Xは水素原子、塩素原子又は臭素原子、Zは式−CH2−又は式−CO−であり、R1はメチル基、R2はエトキシ基、R3はメチル基、Xは臭素原子、Zは式−CH2−であることが好ましい。
【0016】
式(II)と(III)を用いた縮合反応により式(V)で表される化合物を得る方法は、対応するカルボン酸、カルボン酸クロリド、C1-6のアルキルエステルを、有機酸、無機酸、ゼオライト等の固体触媒の存在下極性又は非極性溶媒中あるいは無溶媒にて作用させる方法が挙げられる。式(IV)を用いた転位反応により式(V)で示される化合物を得る方法は、有機酸、無機酸、ゼオライト等の固体触媒の存在下極性又は非極性溶媒中に作用させる方法が挙げられる。
【0017】
式(V)で表される化合物から式(VI)で表される化合物への変換反応は、パラジウム等の金属触媒の共存下水素ガスを作用させる方法、水素化ホウ素塩と塩化アルミニウム又はトリフルオロメタンスルホン酸にて還元する方法等が挙げられる。
【0018】
式(VI)で表される化合物から式(I)で表される化合物への変換は、ハロゲン化反応とアルキル化反応で構成されるが、その順番は反応に影響しない。ハロゲン化反応は過酸化水素やペルオキソホウ酸塩−臭化水素酸又はその塩を用いた反応、臭素、臭化銅、N−ブロモコハク酸イミド、1,3−ジブロモ−5,5−ジメチルヒダントイン、ピリジニウムブロミドペルブロミド等のブロモ化剤を用いた反応を、極性又は非極性溶媒中、酸又は塩基の存在下もしくは非存在下に行う方法等が挙げられる。アルキル化反応は、ハロゲン化アルキル、ジアルキル硫酸、アルキルまたはアリールスルホン酸アルキル等のアルキル化剤を、極性又は非極性溶媒中あるいは無溶媒で、酸又は塩基の存在下に行うことができる。
【0019】
ここで、C1-6のアルキル基とは、炭素数1から6個を有する直鎖状アルキル基、又は炭素数3個から6個を有する分岐鎖状アルキル基を示し、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、2−メチル−2−プロピル基、n−プロピル基、n−へキシル基が挙げられる。
【0020】
1-6アルコキシ基とは、炭素数1から6個を有する直鎖状アルコキシ基、又は炭素数3個から6個を有する分岐鎖状アルコキシ基を示し、メトキシ基、エトキシル基、n−プロピルオキシ基、イソプロポキシ基、n−ブトキシ基、2−メチル−2−プロピルオキシ基、n−ペンチルオキシ基、n−へキシルオキシ基が挙げられる。
【0021】
酸とは、塩酸、臭化水素酸、硫酸等の鉱酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸、酢酸等の有機酸、塩化アルミニウム、塩化鉄、塩化スズ、塩化チタン、三フッ化ホウ素、スカンジウムトリフラート等のルイス酸等を挙げることができる。塩基とは、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸カリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸セシウム等の無機塩基、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、トリブチルアミン、ピリジン、4−(N,N−ジメチルアミノ)ピリジン等の有機塩基を示す。
【0022】
極性溶媒とは、水、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−ブタノール、ジメチルスルホキシド、アセトン、2−ブタノン、4−メチル−2−ブタノン、DMF、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、塩化メチレン、クロロホルム、テトラヒドロフラン(以下、「THF」と略記する。)、酢酸等の溶媒を示す。
【0023】
非極性溶媒とは、ジエチルエーテル、(2−メチルプロピル)メチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、1,2−ジメトキシエタン、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン、トリフルオロメチルベンゼン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、n−ペンタン等の溶媒を示す。
【実施例】
【0024】
以下に、製造例を挙げ、本発明をさらに詳しく説明する。
【0025】
製造例1
m−クレゾール(前記式(II)化合物において、R1がメチル基を示す。)と4−エトキシ安息香酸(前記式(III)化合物において、R2がエトキシ基を示し、Aが水酸基を示す。)を原料に用いた、4−(4−エトキシベンゾイル)−3−メチルフェノール(前記式(V)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示す。)の合成
4−エトキシ安息香酸76.77g(0.462mol)、トルエン26.9mL、N,N−ジメチルホルムアミド(以下、「DMF」と略記する。)24μLを混合し、50℃に昇温した。塩化チオニル66.0g(0.554mol)を加え2.5時間撹拌後DMF 71μLを加えた。得られた混合物を減圧濃縮し、残渣にトルエン25mLを加え溶解して塩化4−エトキシベンゾイルのトルエン溶液を得た。
m−クレゾール50.0g(0.462mol)にトリフルオロメタンスルホン酸139.0g(0.924mol)を滴下し、さらに上記塩化4−エトキシベンゾイルのトルエン溶液を滴下した後、室温で40時間撹拌した。水酸化ナトリウム58.4gを水399mLに溶解したものに上記反応混合物を滴下し、これにトルエン76.8mLを加え分液、水層にさらにトルエン76.8mLを加え分液した。水層に硫酸23.8gとトルエン407mLを加え80〜85℃に加熱し、固体が溶解したことを確認して分液した。有機層を水49.9mLで洗浄した後、有機層を室温まで冷却し、得られた固体を濾取、乾燥して標記化合物を91.23g得た。
MS(ESI) m/z 257.1[M+H]+
1H-NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d), δ (ppm), 1.45 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.31 (s, 3 H), 4.11 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 5.95 (br, 1 H), 6.64 - 6.71 (m, 1 H), 6.71 - 6.76 (m, 1 H), 6.87 - 6.95 (m, 2 H), 7.24 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.73 - 7.80 (m, 2 H).
【0026】
製造例2
4−エトキシ安息香酸 m−クレジル(前記式(IV)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示す。)を原料に用いた、4−(4−エトキシベンゾイル)−3−メチルフェノール(前記式(V)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示す。)の合成
4−エトキシ安息香酸 m−クレジル0.300g(1.17mmol)を塩化メチレン2.62gに溶解し、トリフルオロメタンスルホン酸0.70g(4.66mmol)を加え、室温で50分撹拌した。反応混合物に水30mLを加え、酢酸エチル30mLを用い抽出した。有機層を5%炭酸水素ナトリウム水溶液にて洗浄後減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製して、標題化合物0.205gを得た。
MS(ESI) m/z 255.1[M-H]-
1H-NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d), δ (ppm), 1.45 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.32 (s, 3 H), 4.11 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 6.64 - 6.71 (m, 1 H), 6.72 - 6.76 (m, 1 H), 6.87 - 6.95 (m, 2 H), 7.24 (d, J=8.2 Hz, 1 H), 7.73 - 7.79 (m, 2 H).
【0027】
製造例3
4−(4−エトキシフェニルメチル)−3−メチルフェノール(前記式(VI)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示す。)の合成
製造例1で得られた化合物6.87g(26.8mmol)、5%水酸化パラジウム−活性炭0.69g及びメタノール34mLの混合物を、約0.5MPaの水素圧にて50℃で2時間撹拌した。反応混合物をセルロースパウダーを用いて濾過し、母液を減圧濃縮した。残渣をメタノールから再結晶して、標題化合物5.11gを得た。
MS(ESI) m/z 241.1[M-H]-
1H-NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d), δ (ppm), 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.16 (s, 3 H), 3.83 (s, 2 H), 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 4.86 (br, 1 H), 6.59 (dd, J=8.1, 2.6 Hz, 1 H), 6.64 (d, J=2.6 Hz, 1 H), 6.77 - 6.83 (m, 2 H), 6.93 (d, J=8.1 Hz, 1 H), 6.97 - 7.03 (m, 2 H).
【0028】
製造例4
2−ブロモ−4−(4−エトキシフェニルメチル)−5−メチルフェノール(前記式(I)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示し、R3が水素原子を示し、Xが臭素原子を示す。)の合成
製造例3で得られた化合物2.40g(10mmol)を酢酸75mLに溶解し、臭化水素酸(47.0〜49.0%)1.72gおよび過酸化水素水溶液(30.0〜35.5%)0.96mLを内温20〜30℃にて順次滴下した。1時間撹拌後、酢酸エチル75mL及び20%亜硫酸ナトリウム水溶液50mLを加え分液し、有機層を水(50mL、2回)、5%炭酸水素ナトリウム水溶液50mL及び飽和塩化ナトリウム水溶液50mLで順次洗浄し、無水硫酸ナトリウムを用い乾燥した。乾燥剤を濾別後、有機層を減圧濃縮し、残渣をヘキサン10mLと2−プロパノール(以下、「IPA」と略記する。)1mLの混合溶媒から再結晶にて、標題化合物1.83gを得た。
MS(ESI) m/z 319.0[M-H]-
1H-NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d), δ (ppm), 1.40 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.15 (s, 3 H), 3.80 (s, 2 H), 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 5.30 (s, 1 H), 6.77 - 6.85 (m, 3 H), 6.95 - 7.04 (m, 2 H), 7.13 (s, 1 H).
【0029】
製造例5
1−ブロモ−5−(4−エトキシフェニルメチル)−2−メトキシ−4−メチルベンゼン(前記式(I)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示し、R3がメチル基を示し、Xが臭素原子を示す。)の合成
製造例4で得られた化合物10.00g(30.0mmol)、炭酸カリウム4.56g及びアセトン50mLの混合物を45〜50℃に昇温し、ジメチル硫酸4.16gを滴下した。23時間撹拌後、炭酸カリウム0.45g(合計5.01g、36.0mmol)及びジメチル硫酸0.42g(合計4.58g、36.0mmol)を添加しさらに1.5時間撹拌した。得られた反応混合物を濃縮し、トルエン50mL及び10%水酸化ナトリウム水溶液24gを加え分液した。有機層を水50mLで洗浄後減圧濃縮し、残渣をIPA 10mLから再結晶して、標題化合物8.57gを得た。
MS(EI) m/z 334.0[M]+
1H-NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d), δ (ppm), 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.19 (s, 3 H), 3.81 (s, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 3.99 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 6.70 (s, 1 H), 6.77 - 6.83 (m, 2 H), 6.96 -7.02 (m, 2 H), 7.24 (s, 1 H).
【0030】
製造例6
1−ブロモ−5−(4−エトキシフェニルメチル)−2−メトキシ−4−メチルベンゼン(前記式(I)化合物において、R1がメチル基を示し、R2がエトキシ基を示し、R3がメチル基を示し、Xが臭素原子を示す。)の合成(化合物(V)を原料に用いた合成)
(1)製造例1で得られた化合物10.00g(39.0mmol)、10%水酸化パラジウム−活性炭1.00g及び酢酸100mLの混合物を、約0.5MPaの水素圧にて50℃で2時間撹拌した。反応混合物をセルロースパウダーを用いて濾過した。濾別した触媒と濾過助剤を酢酸30mLで洗浄後減圧濃縮し、最初に得られた母液と合わせ、製造例3で得られた化合物の酢酸溶液を得た。
(2)上記(1)にて得られた溶液に臭化水素酸(47.0〜49.0%)7.72gを加え、10〜12℃に冷却した。過酸化水素水溶液(30.0〜35.5%)3.94gを滴下して2.5時間撹拌した後、反応混合物を55〜60℃まで昇温し、過酸化水素水溶液(30.0〜35.5%)0.16gを加え0.5時間撹拌した後、10〜15℃まで冷却した。5%亜硫酸ナトリウム水溶液19.7gを加え、得られた結晶を濾取した。得られた固体を50%酢酸水溶液、水で順次洗浄し、製造例4で得られた化合物の湿体を得た。
(3)上記(1)で得られた湿体とトルエン32.8mL及び5%炭酸水素ナトリウム水溶液16.4mLの混合物を分液し、有機層を減圧濃縮後、残渣にアセトン41.1mL、炭酸カリウム4.24gを加え50℃に昇温した。ジメチル硫酸4.07g(30.7mmol)を加え16時間撹拌した。16時間撹拌後、得られた反応混合物を減圧濃縮してアセトンを留去し、トルエン41.1mLと10%水酸化ナトリウム水溶液20.4mLを加え分液した。有機層を水41.1mLで洗浄後減圧濃縮し、残渣をIPA 8.2mLから再結晶して、標題化合物6.92gを得た。
MS(EI) m/z 334.0[M]+
1H-NMR (300 MHz, CHLOROFORM-d), δ (ppm), 1.39 (t, J=7.0 Hz, 3 H), 2.19 (s, 3 H), 3.81 (s, 2 H), 3.86 (s, 3 H), 4.00 (q, J=7.0 Hz, 2 H), 6.70 (s, 1 H), 6.77 - 6.84 (m, 2 H), 6.96 - 7.03 (m, 2 H), 7.24 (s, 1 H).

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記式(I)
【化1】

[式(I)中、
1はC1-6アルキル基を示し、
2はC1-6アルコキシ基を示し、
3は水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
Xは水素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、
Zは式−CH2−又は式−CO−を示す。]
で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩の製造方法であって、
下記式(II)で表される化合物(式(II)中、R1は前記と同義である。)と式(III)で表される化合物(式(III)中、Aは、水酸基、塩素原子又はC1-6アルコキシ基を示す。)とのFriedel-Crafts反応により式(V)で表される化合物(式(V)中、R1及びR2は前記と同義である。)を合成し、該式(V)で表される化合物を還元して式(VI)で表される化合物を合成し、該式(VI)で表される化合物をハロゲン化し、フェノール性水酸基をアルキル化して前記式(I)で表される化合物を合成する方法。
【化2】

【請求項2】
下記式(I)
【化3】

[式(I)中、
1はC1-6アルキル基を示し、
2はC1-6アルコキシ基を示し、
3は水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
Xは水素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、
Zは式−CH2−又は式−CO−を示す。]
で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩の製造方法であって、
下記式(IV)で表される化合物(式(IV)中、R1及びR2は前記と同義である。)の転位反応により式(V)で表される化合物(式(V)中、R1及びR2は前記と同義である。)を合成し、該式(V)で表される化合物を還元して式(VI)で表される化合物を合成し、該式(VI)で表される化合物をハロゲン化し、フェノール性水酸基をアルキル化して前記式(I)で表される化合物を合成する方法。
【化4】

【請求項3】
下記式(I)
【化5】

[式(I)中、
1はC1-6アルキル基を示し、
2はC1-6アルコキシ基を示し、
3は水素原子又はC1-6アルキル基を示し、
Xは水素原子、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を示し、
Zは式−CH2−又は式−CO−を示す。]
で表される化合物又はその薬理学的に許容される塩。

【公開番号】特開2010−180143(P2010−180143A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22941(P2009−22941)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(000002819)大正製薬株式会社 (437)
【Fターム(参考)】