説明

4−(4−シアノ−2−チオアリール)ジヒドロピリミジノンおよびその使用

この発明は、新規な4−(4−シアノ−2−チオアリール)ジヒドロピリミジン−2−オン誘導体、その製造方法、疾患の処置および/または予防のための単独または組み合わせての使用、および/また、疾患の処置および/または予防のための、特に肺および心臓血管系の疾患の処置および/または予防する医薬の製造のためのその使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

《式中、
AおよびEは、両方ともC−Rを表すか、または二つの環員AおよびEの一方はNを表し、そして他方はC−Rを表し
[ここで、Rは、それぞれの場合、水素、フッ素または塩素を表す]、
Zは、OまたはSを表し、
nは、数0、1または2を表し、
は、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキル、フェニルまたは5員または6員のヘテロアリールによって置換されていてもよいか、または5個までのフッ素によって置換されていてもよい]を表すか、
または(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキル、フェニルまたは5員または6員のヘテロアリール
[ここで、表記の(C−C)−シクロアルキル基は、(C−C)−アルキル、ヒドロキシルおよび(C−C)−アルコキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、
そして
表記のフェニルおよびヘテロアリール基は、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表し、
は、水素、フッ素または塩素を表し、
は、シアノまたは式−C(=O)−R、−C(=O)−O−R、−C(=O)−NHまたは−C(=O)−NH−Rの基
{式中、
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルまたは(C−C)−シクロアルキル[ここで、この部分の(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、そして、化学的に安定な化合物が生じる場合には、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルにおいて、各場合で、一つのCH基は、酸素原子によって置き換えられていてもよい]を表す}
を表し、
は、メチルまたはエチルを表すか、
または
およびRは、互いに結合して、一体となって式:
【化2】

{式中、
*は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の5位への結合点を示し、
そして
**は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の6位への結合点を示し、
そして
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノカルボニル、アミノカルボニルアミノ、(C−C)−アシルアミノまたは(C−C)−シクロアルキルによって置換されていてもよい]を表す}
の縮合基を形成し、
は、水素または(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、シアノ、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−シクロアルキルによって置換されていてもよいか、または3個までのフッ素によって置換されていてもよい]を表すか、
またはフェニル、ピリジルまたはピリミジニル
[ここで、この部分のフェニル、ピリジルおよびピリミジニルは、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]
を表すか、
または
は、式−C(=O)−O−R10、−L−C(=O)−O−R11、−L−C(=O)−NR1213、−L−SO−NR1213、−L−C(=O)−NR14−NR1213または−L−SO−R15の基
〈式中、
は、(C−C)−アルカンジイルを表し、
は、結合または(C−C)−アルカンジイルを表し、
10は、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニルによって置換されていてもよい]を表し、
11は、水素または(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニルによって置換されていてもよい]を表し、
12およびR13は、同一または相異なり、そして互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは4員ないし6員のヘテロシクリル
{ここで、この部分の(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルおよび4員ないし6員のヘテロシクリルは、フッ素、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、オキソ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、
そして
化学的に安定な化合物が生じる場合には、(C−C)−アルキルにおいて、一つのCH基は、酸素原子によって置き換えられていてもよく、
そして
(C−C)−シクロアルキルおよび4員ないし6員のヘテロシクリルは、更に、同一または相異なる2個までの(C−C)−アルキルラジカルによって置換されていてもよい[この部分の(C−C)−アルキルラジカルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたはヒドロキシカルボニルによって置換されていてもよい]}を表すか、
または
12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一体となって4員ないし6員のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、N、O、S、SOおよびSOから成る群からの環内へテロ原子を含んでいてもよく、そして(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、オキソ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキル、4員ないし6員のヘテロシクリルおよび5員または6員のヘテロアリールから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、ここで、この部分の(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたはヒドロキシカルボニルによって置換されていてもよい]を形成し、
14は水素または(C−C)−アルキルを表し、
そして
15は、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、フェニルまたは5員または6員のヘテロアリール[ここで、(C−C)−アルキルは、塩素、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノまたは(C−C)−シクロアルキルによって置換されていてもよいか、または3個までのフッ素によって置換されていてもよく、
そして
この部分のフェニルおよび5員または6員のヘテロアリールは、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表す〉
を表し、
そして
は水素、フッ素または塩素を表す》
の化合物またはその塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項2】
式(I)において、
AおよびEが、両方ともC−Rを表すか、または二つの環員AおよびEの一方がNを表し、そして他方がC−Rを表し
[ここで、Rは、それぞれの場合、水素、フッ素または塩素を表す]、
Zが、OまたはSを表し、
nが、数0、1または2を表し、
が、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニルによって置換されていてもよい]を表すか、
または(C−C)−アルケニル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニル
[ここで、表記の(C−C)−シクロアルキル基は、(C−C)−アルキル、ヒドロキシルおよび(C−C)−アルコキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、
そして
表記のフェニル基は、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシ、ジフルオロメトキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表し、
が、水素、フッ素または塩素を表し、
が、シアノまたは式−C(=O)−R、−C(=O)−O−R、−C(=O)−NHまたは−C(=O)−NH−Rの基
{式中、
は、(C−C)−アルキル、(C−C)−アルケニルまたは(C−C)−シクロアルキル[ここで、この部分の(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニル、アミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、そして、化学的に安定な化合物が生じる場合には、(C−C)−アルキルおよび(C−C)−シクロアルキルにおいて、各場合で、一つのCH基は、酸素原子によって置き換えられていてもよい]を表す}
を表し、
が、メチルまたはエチルを表すか、
または
およびRが、互いに結合して、一体となって式:
【化3】

{式中、
*は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の5位への結合点を示し、
そして
**は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の6位への結合点を示し、
そして
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、アミノカルボニル、(C−C)−アシルアミノまたは(C−C)−シクロアルキルによって置換されていてもよい]を表す}の縮合基を形成し、
は、水素または(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、3個までのフッ素によって置換されていてもよい]を表すか、
またはフェニル、ピリジルまたはピリミジニル
[ここで、この部分のフェニル、ピリジルおよびピリミジニルは、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]
を表すか、
または
が、式−C(=O)−O−R10、−L−C(=O)−O−R11、−L−C(=O)−NR1213、−L−SO−NR1213、−L−C(=O)−NR14−NR1213または−L−SO−R15の基
〈式中、
は、(C−C)−アルカンジイルを表し、
は、結合または(C−C)−アルカンジイルを表し、
10は、(C−C)−アルキルを表し、
11は、水素または(C−C)−アルキルを表し、
12およびR13は、同一または相異なり、そして互いに独立して、水素、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたは4員ないし6員のヘテロシクリル[ここで、この部分の(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルおよび4員ないし6員のヘテロシクリルは、フッ素、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、オキソ、アミノ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、
そして
化学的に安定な化合物が生じる場合には、(C−C)−アルキルにおいて、一つのCH基は、酸素原子によって置き換えられていてもよい]を表すか、
または
12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一体となって4員ないし6員のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、N、O、S、SOおよびSOから成る群からの環内へテロ原子を含んでいてもよく、そして(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、オキソ、アミノ、モノ−およびジ−(C−C)−アルキルアミノから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、ここで、この部分の(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、または(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を形成し、
14は水素または(C−C)−アルキルを表し、
そして
15は、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキル、フェニルまたは5員または6員のヘテロアリール[ここで、(C−C)−アルキルは、フッ素、塩素、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、モノ−またはジ−(C−C)−アルキルアミノによって置換されていてもよく、
そして
この部分のフェニルおよび5員または6員のヘテロアリールは、フッ素、塩素、シアノ、(C−C)−アルキル、トリフルオロメチル、(C−C)−アルコキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表す〉
を表し、
そして
が、水素、フッ素または塩素を表す、
請求項1に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項3】
式(I)において、
AおよびEが、両方ともCHを表し、
Zが、Oを表し、
nが、数0または2を表し、
が、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキル、フェニルまたは5員のヘテロアリールによって置換されていてもよいか、または3個までのフッ素によって置換されていてもよい]を表すか、または(C−C)−シクロアルキル、フェニルまたは5員のヘテロアリール
[ここで表記のフェニルおよびヘテロアリール基は、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表し、
が、水素を表し、
が、シアノ、アセチルまたは(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルを表し、
が、メチルを表すか、
または
およびRが、互いに結合して、一体となって式:
【化4】

{式中、
*は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の5位への結合点を示し、
そして
**は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の6位への結合点を示し、
そして
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を表す}
の縮合基を形成し、
が、水素または(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、シアノまたはジ−(C−C)−アルキルアミノによって置換されていてもよい]を表すか、
または
式−L−C(=O)−NR1213、−L−C(=O)−NH−NR1213または−L−SO−R15の基
{式中、
は、結合、−CH−、−CHCH−または−CH(CH)−を表し、
12は、水素または(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を表し、
13は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、そして化学的に安定な化合物が生じる場合には、(C−C)−アルキルにおいて、CH基は、酸素原子によって置き換えられていてもよい]を表すか、
または
12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、N、OおよびSから成る群からの環内へテロ原子を含んでいてもよく、そして(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、オキソ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、4員ないし6員のヘテロシクリルまたは5員または6員のヘテロアリールによって置換されていてもよく、ここで、この部分の(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたはヒドロキシカルボニルによって置換されていてもよい]を形成し、
そして
15は、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニル
[ここで、(C−C)−アルキルは、(C−C)−シクロアルキルによって置換されていてもよく、
そして
フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表す}
を表し、
そして
が、水素またはフッ素を表す、
請求項1または請求項2に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項4】
式(I)において、
AおよびEが、両方ともCHを表し、
Zが、Oを表し、
nが、数0または2を表し、
が、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、アミノカルボニル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニルによって置換されていてもよい]を表すか、
または
(C−C)−シクロアルキルまたはフェニル[ここで表記のフェニル基は、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表し、
が、水素を表し、
が、シアノまたはアセチルを表し、
が、メチルを表すか、
または
およびRが、互いに結合して、一体となって式:
【化5】

{式中、
*は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の5位への結合点を示し、
そして
**は、式(I)中に示されているジヒドロピリミジン環の6位への結合点を示し、
そして
は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を表す}
の縮合基を形成し、
が、水素、(C−C)−アルキル、
または
式−L−C(=O)−NR1213、−L−C(=O)−NH−NR1213または−L−SO−R15の基
{式中、
は、結合、−CH−、−CHCH−または−CH(CH)−を表し、
12は、水素または(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を表し、
13は、水素、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、ヒドロキシカルボニル、(C−C)−アルコキシカルボニルおよびアミノカルボニルから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよく、そして化学的に安定な化合物が生じる場合には、(C−C)−アルキルにおいて、CH基は、酸素原子によって置き換えられていてよい]を表すか、
または
12およびR13は、それらが結合している窒素原子と一体となって5員または6員のヘテロ環[このヘテロ環は、更に、N、OおよびSから成る群からの環内へテロ原子を含んでいてもよく、そして(C−C)−アルキル、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシまたはオキソによって置換されていてもよく、ここで、この部分の(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、または(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を形成し、
そして
15は、(C−C)−アルキル、(C−C)−シクロアルキルまたはフェニル
[ここで、フェニルは、フッ素、塩素、シアノ、メチル、トリフルオロメチル、メトキシおよびトリフルオロメトキシから成る群からの同一または相異なる2個までの置換基によって置換されていてもよい]を表す}
を表し、
そして
が、水素またはフッ素を表す、
請求項1または請求項2または請求項3に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項5】
式(I)において、
AおよびEが、両方ともCHを表し、
Zが、Oを表し、
nが、数2を表し、
が、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシル、(C−C)−アルコキシ、シクロプロピル、シクロブチルまたはフェニルによって置換されていてもよいか、または3個までのフッ素によって置換されていてもよい]を表し、
が、水素を表し、
が、シアノまたは(2−ヒドロキシエトキシ)カルボニルを表し、
が、メチルを表し、
が、水素、(C−C)−アルキル、または式−L−C(=O)−NH−R13または−SO−R15の基
{式中、
は、結合または−CH−を表し、
13は、水素または(C−C)−アルキル
[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシ、または(C−C)−シクロアルキルによって置換されていてもよい]を表し、
そして
15は、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表す}を表し、
そして
が、水素を表す、
請求項1ないし請求項4のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項6】
式(I)において、
AおよびEが、両方ともCHを表し、
Zが、Oを表し、
nが、数2を表し、
が、(C−C)−アルキル[この(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を表し、
が、水素を表し、
が、シアノを表し、
が、メチルを表し、
が、水素、(C−C)−アルキルまたは式−CH−C(=O)−NH−R13または−SO−R15の基
{式中、
13は、水素または(C−C)−アルキル[ここで、(C−C)−アルキルは、ヒドロキシルまたは(C−C)−アルコキシによって置換されていてもよい]を表し、
そして
15は、(C−C)−アルキルまたは(C−C)−シクロアルキルを表す}
を表し、
そして
が、水素を表す、
請求項1ないし請求項5のいずれか1項に記載の式(I)の化合物またはその塩、溶媒和物または塩の溶媒和物。
【請求項7】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載されている式(I)の化合物を製造する方法であって、式(II):
【化6】

(式中、A、E、n、RおよびRは、請求項1ないし請求項6のいずれか1項で与えられている意味を有する)
の化合物を、
式(III):
【化7】

(式中、RおよびRは、請求項1ないし請求項6のいずれか1項で与えられている意味を有する)の化合物
および
式(IV)
【化8】

(式中、ZおよびRは、請求項1ないし請求項6のいずれか1項で与えられている意味を有する)の化合物と、酸または酸無水物の存在下で、3成分ワンポット反応で、または連続的に反応させ、式(I−A):
【化9】

(式中、A、E、Z、n、R、R、R、RおよびRは、それぞれ、上記に与えられている意味を有する)
の化合物を生じさせ、
そして、式(I)においてRが水素を表さない場合は、この化合物を、式(V):
5A−X (V)
(式中、R5Aは、請求項1ないし請求項6のいずれか1項で与えられているRの意味を有するが、水素を表さない、そして、
Xは、例えば、ハロゲン、メシラート、トシラートまたはトリフラートなどの脱離基を表す)
の化合物と塩基の存在下で反応させて、式(I−B):
【化10】

(式中、A、E、Z、n、R、R、R、R、R5AおよびRは、それぞれ、上記に与えられている意味を有する)
の化合物を生じさせ、
そして、必要に応じて、この方法で得られた式(I−A)または(I−B)の化合物を当業者に知られている方法によって、そのエンチオマーおよび/またはジアスレテオマーに分離し、かつ/または、適切な(i)溶媒および/または塩基もしくは酸でその溶媒和物、塩および/または塩の溶媒和物に変換させることを特徴とする、方法。
【請求項8】
疾患を処置および/または予防するための請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項9】
肺動脈高血圧症(PAH)および他の形態の肺高血圧症(PH)、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷(ALI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫、アルファ−1アンチトリプシン欠損症(AATD)または嚢胞性線維症(CF)を処置および/または予防する方法において使用のための請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化合物。
【請求項10】
肺動脈高血圧症(PAH)および他の形態の肺高血圧症(PH)、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷(ALI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫、アルファ−1アンチトリプシン欠損症(AATD)または嚢胞性線維症(CF)を処置および/または予防する医薬を製造するための請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化合物の使用。
【請求項11】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化合物を、一つまたはそれより多い、不活性な非毒性の薬学的に許容される補助剤と組み合わせて含む、医薬。
【請求項12】
請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化合物を、キナーゼ阻害剤、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、可溶性グアニル酸シクラーゼの刺激剤および活性化剤、プロスタサイクリンアナログ、エンドセリン受容体アンタゴニスト、ホスホジエステラーゼ阻害剤、ベータアドレナリン受容体アゴニスト、抗コリン作用薬およびグルココルチコイドの群より選択される、一つまたはそれより多い更なる活性化合物と組み合わせて含む、医薬。
【請求項13】
肺動脈高血圧症(PAH)および他の形態の肺高血圧症(PH)、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷(ALI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫、アルファ−1アンチトリプシン欠損症(AATD)または嚢胞性線維症(CF)を処置および/または予防するための請求項11または請求項12に記載の医薬。
【請求項14】
有効な量の少なくとも一つの請求項1ないし請求項6のいずれか1項に記載の化合物または請求項11ないし請求項13のいずれか1項に記載の医薬を用いて、ヒトまたは動物における肺動脈高血圧症(PAH)および他の形態の肺高血圧症(PH)、または慢性閉塞性肺疾患(COPD)、急性肺損傷(ALI)、急性呼吸窮迫症候群(ARDS)、肺気腫、アルファ−1アンチトリプシン欠損症(AATD)または嚢胞性線維症(CF)を処置および/または予防する方法。

【公表番号】特表2011−506503(P2011−506503A)
【公表日】平成23年3月3日(2011.3.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−538407(P2010−538407)
【出願日】平成20年12月9日(2008.12.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/010411
【国際公開番号】WO2009/080199
【国際公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【出願人】(507113188)バイエル・シェーリング・ファルマ・アクチェンゲゼルシャフト (141)
【氏名又は名称原語表記】Bayer Schering Pharma Aktiengesellschaft
【Fターム(参考)】