説明

4型メラノコルチン受容体アゴニストのピペリジノイルピロリジン

本発明は、可変基および置換基が本明細書で規定するとおりである一般式(I)の1クラスのメラノコルチンMCR4アゴニスト、特に選択的MCR4アゴニスト化合物、医療、特に性機能不全および肥満の治療におけるその使用、その合成において有用な中間体、ならびにそれを含有する組成物に関する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、メラノコルチン4(MC4)受容体のアゴニストである特定のクラスの化合物およびその薬学的に許容できる塩、それらの溶媒和物およびプロドラッグ、特に選択的MC4アゴニスト化合物、医薬におけるその使用、それを含有する組成物、その調製方法、ならびにその方法で使用する中間体に関する。特に、本発明は、性機能不全、肥満、糖尿病、および他の障害の治療に有用なMCR4アゴニストの1クラスであるピペリジノイルピロリジン化合物に関する。[「MC4」、「MC4受容体」、「MCR4」、「MC4−R」などの用語は、本明細書では区別なく使用する。]
【背景技術】
【0002】
メラノコルチンは、メラノコルチン受容体ファミリーのGタンパク質共役型受容体(GPCR)に結合し、これを活性化するプロ−オピオメラノコルチン(POMC)から派生するペプチドである。メラノコルチンは、性機能および性行動、食物摂取、ならびに代謝を含むいくつかの多様な生理的過程を調節する。クローン化されているメラノコルチン受容体は、MCR1、MCR2、MCR3、MCR4、MCR5の5種であり、様々な組織で発現される。MCR1はメラニン形成細胞およびメラノーマ細胞で特異的に発現され、MCR2はACTH受容体であり、副腎組織で発現され、MCR3は脳および大脳辺縁系で主に発現され、MCR4は脳および脊髄で広く発現され、MCR5は、脳、ならびに皮膚、脂肪組織、骨格筋、およびリンパ組織を含む多くの末梢組織で発現される。MCR3は、性機能、食物摂取、および熱産生の制御に関与する可能性もある。
【0003】
MC4−Rは、視床下部、海馬、および視床で主に発現されるGタンパク質共役7回膜貫通型受容体である(Gantzら、1993年、J Biol Chem第268巻:15174〜15179ページ)。この受容体は、体重の中枢性の調節に関係している。すなわち、MC4−Rは、プロ−オピオメラノコルチンから派生するαメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)によって活性化され、アグーチ遺伝子関連タンパク質(AGRP)によって不活化される。α−MSHは体重減少を誘発するのに対し、アグーチタンパク質の異所発現は、アグーチマウスにおいて肥満をもたらす(Fanら、1993年、Nature第385巻:165〜168ページ、Luら、1994年、Nature第371巻:799〜802ページ)。体重調節におけるMC4−Rの役割についての追加の証拠は、マウスのノックアウトモデル(Huszarら、1997年、Cell第88巻:131〜141ページ)およびヒトのハプロ不全突然変異(Vaisseら、1998年、Nat Genet第20巻:113〜114ページ;Yeoら、1998年、Nat Genet第20年:111〜112ページ、Hinneyら;1999年、J Clin Endocrinol Metab第84巻:1483〜1486ページ)から得られる。MC4−Rノックアウトマウスでは、5週齢までに体重の増加が識別可能となった。15週齢までに、ホモ変異体のメスは、平均して、その野生型同腹仔の2倍の重さとなったのに対し、ホモ変異体のオスは、野生型対照より約50%重くなった。MC4−Rノックアウトについてヘテロ接合のマウスは、野生型およびホモ変異体同腹仔で見られるものの中間の体重増加を示し、したがって体重調節に対してMC4−R消失による遺伝子量効果が示された。ホモ変異体の食物摂取は、野生型の同胞と比べて約50%増加した(Huszarら、1997年、Cell第88巻:131〜141ページ)。[From Am.J.Hum.Genet.、第65巻:1501〜1507ページ、1999年より]。MCR4の活性化は、げっ歯類において陰茎の勃起を誘発することが示されており、またMCR4の不活化は、肥満を引き起こすことが示されている(Hadley、1999年、Ann N Y Acad Sci.、第885巻:1〜21ページ、Wikbergら、2000年、Pharmacol Res.、第42巻(5)、393〜420ページで総説されている)。
【0004】
ChakiおよびNakazatoは、Drugs Of The Future、2004年、第29巻(10):1065〜1074ページで、MC4受容体において作用するリガンドの潜在的な治療用途に言及している。国際特許出願公開第WO2005/077935号、第WO02/068387号、および第WO02/068388号、ならびに国際特許出願PCT/IB2006/002151は、性機能不全、肥満、糖尿病、および他の障害の治療において有用なMC4アゴニストとして特定のピペリジニルカルボニルピロリジンに言及している。前述の刊行物は、本発明のMC4アゴニストの治療の側面に関して、その全体が参照により援用される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の化合物は、
性的欲求低下障害、性的興奮障害、オルガスム障害、および/または女性の性交疼痛障害を含む男性および女性性機能不全、男性勃起不全;
肥満(食欲を低下させ、代謝率を増大させ、脂肪摂取を減少させ、または炭水化物への渇望を低減することによる);ならびに
真性糖尿病(糖耐能を高め、および/またはインスリン抵抗性を低下させることによる)
を含む、MC4受容体の活性化に奏効する疾患、障害、または状態の治療において有用である。
【0006】
本発明の化合物は、高血圧、高脂血症、骨関節炎、癌、胆嚢疾患、睡眠時無呼吸、うつ病、不安、強迫、神経症、不眠/睡眠障害、物質乱用、疼痛、発熱、炎症、免疫モジュレーション、関節リウマチ;日焼け、にきび、および他の皮膚障害;神経保護、認知、および記憶の強化[アルツハイマー病の治療;下部尿路機能不全(尿失禁、過活動膀胱、昼間頻尿、夜尿症、尿意ひっ迫;ストレス性尿失禁、切迫尿失禁、および混合型尿失禁を含む尿失禁(不随意の尿もれのある任意の状態)、尿失禁を伴う過活動膀胱、遺尿症、夜尿症、持続性の尿失禁、性交時の失禁などの状況による尿失禁、ならびに前立腺肥大(BPH)と関連付けられる下部尿路症状(LUTS))の治療を含む]、ならびに上で参考文献として挙げた特許出願で言及されている他の任意の徴候を含むがこの限りでない、別の疾患、障害、または状態の治療において潜在的に有用である。
【0007】
本発明の化合物は、女性性機能不全、男性勃起不全、肥満、糖尿病、および下部尿路機能不全状態の治療に特に適する。
【0008】
「治療すること」、「治療する」、または「治療」という用語は、本明細書では、予防およびコントロールの両方、すなわち、指摘した状態の予防的治療および姑息的治療を含むものとする。
【0009】
本発明のMCR4アゴニスト化合物に望まれる特性には、以下で詳述する望ましいMCR4アゴニスト効力;以下で詳述する、MCR1および/またはMCR5および/またはMCR3に対してよりも高いMCR4アゴニスト作用への選択性;望ましいMC4Rアゴニスト効力と、MCR1および/またはMCR5および/またはMCR3に対してよりも高いMCR4への選択性の両方;物理的安定性などの良好な生物薬剤学的特性;溶解性;経口生体利用度;適切な代謝安定性;MC4受容体からAGRPを外す能力が含まれる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、式(I)の化合物
【0011】
【化1】

[式中、
XおよびYの一方はNであり、他方はCHであり、
Rは、F、Cl、CN、CF、またはメトキシであり、但し、YがNであるとき、RはFまたはClではなく、
は、環部分が、F、Cl、CN、メチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいフェニル、2−ピリジル、C〜Cシクロアルキル、またはCH(C〜Cシクロアルキル)であり、
は、H、F、またはClであり、但し、YがNであるとき、RはFまたはClではなく、
Hetは、1または2個のN原子を含んでいる6員環であり、この環は、芳香族であるか、または2個の環中二重結合および=O置換基を含んでおり、F、Cl、OH、CN、メチル、エチル、NH、NHCH、N(CH、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
または別法として、Hetは、ピロリジン環への結合に関して3、4位で、1または2個の別のN原子を含んでいる5員芳香環に縮合した、1または2個のN原子を含んでいる6員環であり、5員環は、OHで置換されていてもよい]
または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグを提供する。
【0012】
適切な「Het」基の非限定的な例を以下に示す。
【0013】
【化2】

【0014】
XはNであり、YはCHであることが好ましい。
【0015】
Rはクロロであることが好ましい。
【0016】
は、F、Cl、CN、メチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいフェニルであることが好ましい。
【0017】
は、フェニル、4−クロロフェニル、または4−フルオロフェニルであることがより好ましい。
【0018】
別の実施形態では、RはC〜Cシクロアルキルであることが好ましく、シクロプロピルまたはシクロヘキシルであることがより好ましい。
【0019】
はHまたはFであることが好ましい。
【0020】
はHであることがより好ましい。
【0021】
Hetは、F、Cl、OH、CN、メチル、エチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリダジン−3−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−イル、または6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イルであることが好ましい。
【0022】
Hetは、OH、CN、F、メチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリダジン−3−イル、または6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イルであることがより好ましい。
【0023】
Hetは、ピロリジン部分に連結する結合に関してパラ位がOH、CN、またはメトキシでそれぞれ置換されているピリジン−2−イルまたはピリダジン−3−イルであることがさらにより好ましい。
【0024】
Hetは、ピロリジン部分に連結する結合に関してパラ位がOH、CN、またはメトキシで置換されているピリダジン−3−イルであることが最も好ましい。
【0025】
好ましい化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグのグループには、Rが以下の具体的な化合物に関連する意味を有するものが含まれる。
【0026】
好ましい化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグのグループには、Rが以下の具体的な化合物に関連する意味を有するものが含まれる。
【0027】
好ましい化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグのグループには、Rが以下の具体的な化合物に関連する意味を有するものが含まれる。
【0028】
好ましい化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグのグループには、Hetが以下の具体的な化合物に関連する意味を有するものが含まれる。
【0029】
別の好ましい化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグのグループには、R、R、R、およびHetが以下の具体的な化合物に関連する意味を有するものが含まれる。
【0030】
化合物は、好ましくは以下のものから選択される。
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−シクロプロピル−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ニコチノニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−シアノピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4R)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−メトキシピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−1−{[(3S,4R)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−ピリダジン−3−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリミジン−2(1H)−オン、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−1−メチルピリミジン−2(1H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【0031】
化合物は、より好ましくは以下のものから選択される。
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−ピリダジン−3−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリミジン−2(1H)−オン、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−1−メチルピリミジン−2(1H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【0032】
化合物は、最も好ましくは以下のものから選択される。
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【0033】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩には、その酸付加塩が含まれる。適切な酸付加塩は、非毒性の塩を生成する酸から生成したものである。例には、酢酸塩、アジピン酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、ベシル酸塩、炭酸水素塩/炭酸塩、重硫酸塩/硫酸塩、ホウ酸塩、カンシル酸塩、クエン酸塩、シクラミン酸塩、エジシル酸塩、エシル酸塩、ギ酸塩、フマル酸塩、グルセプト酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、ヘキサフルオロリン酸塩、ヒベンズ酸塩、塩酸塩/塩化物、臭化水素酸塩/臭化物、ヨウ化水素酸塩/ヨウ化物、イセチオン酸塩、乳酸塩、リンゴ酸塩、マレイン酸塩、マロン酸塩、メシル酸塩、メチル硫酸塩、ナフチル酸塩、2−ナプシル酸塩、ニコチン酸塩、硝酸塩、オロト酸塩、シュウ酸塩、パルミチン酸塩、パモ酸塩、リン酸/リン酸水素塩/リン酸二水素塩、ピログルタミン酸塩、糖酸塩、ステアリン酸塩、コハク酸塩、タンニン酸塩、酒石酸塩、トシル酸塩、トリフルオロ酢酸塩、およびキシノホ酸塩(xinofoate)が含まれる。酸の半塩、たとえば半硫酸塩を生成してもよい。適切な塩に関する総説については、StahlおよびWermuthによる「Handbook of Pharmaceutical Salts:Properties,Selection,and Use」(Wiley−VCH、2002年)を参照されたい。
【0034】
本発明の化合物、塩、溶媒和物、およびプロドラッグは、互変異性体、双性イオン、多形体、結晶、液晶などの形態で存在する場合もある。そのような形態はすべて、本発明の範囲内に含まれる。互変異性体の関係を例示する例として、たとえば「Het」基が以下に示すとおりである式(I)の化合物では、以下の「ケト」および「エノール」の両方の互変異性体が「Het」の範囲内に含まれる。
【0035】
【化3】

【0036】
本発明の範囲内には、薬物および少なくとも1種の他の構成成分が化学量論量または非化学量論量で存在する(塩および溶媒和物以外の)多構成要素の複合体も含まれる。この種類の複合体には、クラスレート(薬物−ホスト包接複合体)および共結晶が含まれる。後者は通常、非共有結合性の相互作用によって結合し合った中性分子成分の結晶性複合体であると定義されるが、中性分子と塩の複合体にもなり得るはずである。
【0037】
たとえばH、H、13C、15N、18O、または他の同位体が組み込まれている同位体標識された式(I)の化合物も本発明の範囲内に含まれるが、このような化合物は、当業界で知られている方法および試薬またはそのごく普通の変更形態を使用する、本明細書に記載の合成法の適切な変形形態によって生成することができる。
【0038】
指摘したとおり、式(I)の化合物のいわゆる「プロドラッグ」は、本発明の範囲内である。したがって、それ自体薬理活性をほとんどまたは全くもたなくてもよい式(I)の化合物の特定の誘導体は、身体中または身体上に投与されたとき、たとえば加水分解による切断によって、所望の活性を有する式(I)の化合物に変換され得る。そのような誘導体を「プロドラッグ」と呼ぶ。プロドラッグの使用についてのこれ以上の情報は、「Pro−drugs as Novel Delivery Systems」、第14巻、ACS Symposium Series(T HiguchiおよびW Stella)、および「Bioreversible Carriers in Drug Design」、Pergamon Press、1987年(E B Roche編、米国薬剤師会)で見ることができる。
【0039】
特定の式(I)の化合物は、それ自体が他の式(I)の化合物のプロドラッグとして働き得る。
【0040】
個々の鏡像異性体を調製/単離するための従来の技術には、光学的に純粋な適切な前駆体からのキラル合成、またはたとえば、キラルな高圧液体クロマトグラフィー(HPLC)を使用するラセミ化合物(または塩もしくは誘導体のラセミ化合物)の分割が含まれる。
【0041】
別法として、ラセミ化合物(またはラセミ前駆体)を、光学活性のある適切な化合物、たとえば、アルコール、または式(I)の化合物が酸性もしくは塩基性の部分を含んでいる場合では酒石酸もしくは1−フェニルエチルアミンなどの酸もしくは塩基と反応させることもできる。得られるジアステレオ異性体混合物は、クロマトグラフィーおよび/または分別再結晶によって分離し、ジアステレオ異性体の一方または両方を、当業者によく知られている手段によって、対応する純粋な鏡像異性体に変換することができる。
【0042】
本発明のキラルな化合物(およびそのキラルな前駆体)は、0〜50体積%、通常は2〜20%のイソプロパノールを含有し、0〜5体積%のアルキルアミンを含有することもある炭化水素、通常はヘプタンまたはヘキサンからなる移動相を用いる不斉樹脂でのクロマトグラフィー、通常はHPLCを使用して、鏡像異性体を豊富に含む形で得ることもできる。溶出液を濃縮すると、濃縮された混合物が得られる。移動相の絶対的な組成は、選択されるキラルな固定相(不斉樹脂)に応じて決まる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
実施例および調製例で述べるものを含めて、以下の経路は、式(I)の化合物の合成方法を例示するものである。当業者ならば、本発明の化合物およびその中間体は、たとえば、本明細書に記載の方法を、たとえば当業界で知られている方法によって適合させることにより、本明細書に詳細に記載するもの以外の方法によって生成できるはずであることはわかるであろう。合成、官能基の相互変換、保護基の使用などの適切なガイドは、たとえば以下のとおりである。
RC Larockによる「Comprehensive Organic Transformations」、VCH Publishers Inc.(1989年);J.Marchによる「Advanced Organic Chemistry」、Wiley Interscience(1985年);S Warrenによる「Designing Organic Synthesis」、Wiley Interscience(1978年);S Warrenによる「Organic Synthesis−The Disconnection Approach」、Wiley Inetrscience(1982);RK MackieおよびDM Smithによる「Guidebook to Organic Synthesis」、Longman(1982年);TW GreeneおよびPGM Wutsによる「Protective Groups in Organic Synthesis」、John Wiley and Sons,Inc.(1999年);およびPJ,Kocienskiによる「Protecting Groups」、Georg Thieme Verlag(1994年);ならびにあれば前記標準著作の最新版。
【0044】
以下の一般合成法では、別段の指定がない限り、置換基R、R、R、X、Y、およびHetは、上記の式(I)の化合物に関して上で規定したとおりである。
【0045】
以下の経路は、式(I)の化合物の合成方法を例示するものである。当業者ならば、他の方法も同様に実行可能となり得ることがわかるであろう。
【0046】
スキーム1は、必要ならば適切な塩基および/または添加剤(1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物や4−ジメチルアミノピリジンなど)を加える、中間体(II)と(III)のペプチドカップリングによる式(I)の化合物の調製を例示するものである。
【0047】
【化4】

【0048】
用いられる別の条件は、一般式(II)のピペリジンおよび一般式(III)の酸の溶液を、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩(EDCI)、トリエチルアミンもしくはN−メチルモルホリン、および1−ヒドロキシベンゾトリアゾール水和物(HOBt)と共に、ジメチルホルムアミド(DMF)、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、または酢酸エチル(EtOAc)中にて室温で攪拌するものである。さらに別の適切な手順は、一般式(II)および一般式(III)の中間体化合物の溶液を、O−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩(HBTU)または1−プロピルホスホン酸環状無水物と共に、CHClまたはEtOAc中で攪拌することである。任意の適切な不活性溶媒を上述のものの代わりに使用してもよいが、不活性溶媒とは、カルボン酸または第一級もしくは第二級アミンを含有しない溶媒を意味する。それぞれ少なくとも1当量のカップリング試薬を使用すべきであり、所望ならばどちらか一方または両方を過剰に使用してもよい。
【0049】
別の実施形態によれば、本発明は、一般式(III)の新規な中間体化合物を提供する。
【0050】
スキーム2は、ある範囲のHet基を有する一般式(I)の化合物を、保護基戦略を利用して調製する別の経路を例示するものである。
【0051】
【化5】

【0052】
PGは、適切な窒素保護基である。
【0053】
式(IV)、(V)、および(VI)の新規な化合物は、本発明の別の実施形態である。
【0054】
スキーム2では、スキーム1に予め記載した標準のペプチドカップリング方法を使用し、一般式(II)のアミン中間体と一般式(IV)の保護された酸ピロリジン中間体を結合させて、一般式(V)の結合し保護された中間体を得、この中間体から、標準の脱保護戦略を使用して窒素保護基を除去すると、一般式(VI)の化合物を得ることができる。(「Protecting Groups in Organic Synthesis」第3版、T.W.GreeneおよびP.G.Wuts、Wiley−Interscience、1999年に記載されているような)適切などんな窒素保護基を使用してもよい。本明細書での使用に適する一般的な窒素保護基(PG)としては、ジクロロメタンや1,4−ジオキサンなどの有機溶媒中にてトリフルオロ酢酸や塩化水素などの酸で処理すると容易に除去されるt−ブトキシカルボニル(t−Boc)、ならびに適切な触媒存在下での水素化によって、またはクロロギ酸1−クロロエチルでの処理によって容易に除去されるベンジルが挙げられる。
【0055】
「Het」基(「Het」はヘテロアリール基である)は、たとえば式「Het−L」(Lは適切な脱離基である)のヘテロ芳香族前駆体から適切な脱離基を外すことにより導入できる。適切な脱離基には、ハロゲンが含まれる。特定の場合では、1,1’−ビナフタレン−2,2’−ジイルビスジフェニルホスフィンなどのホスフィン配位子と組み合わせられることもある遷移金属触媒作用(たとえばパラジウム、銅)が、必要なカップリング生成物を得るのに必要となる場合もある。
【0056】
別法として、特定のHet基を有する一般式(I)の化合物は、異なるHet基を有する一般式(I)の他の化合物に変換することができる。たとえば、以下のとおりである:
i)スキーム3に示すような、Hetがメトキシや塩素などの適切な脱離基Lを含んでいる式(Ia)の化合物は、スキーム3に示すように、酸性または塩基性条件下での加水分解によって式(Ib)の化合物に変換することができる。酸性条件が好ましく、特に好ましいのは、式(Ia)の化合物を還流温度にて酢酸で処理するものである。別法として、Lがクロロである式(Ia)の化合物を、式Z−Oのアルコキシド(Zは適切な酸素保護基である)と反応させて、LがOZである式(Ia)の中間体を得ることもできる。次いで、その後の脱保護によって式(Ib)の化合物が得られる。たとえば、Z=ベンジルであるとき、Zは、適切な触媒の存在下で水素化して容易に除去することができる。
【0057】
【化6】

ii)Hetがスキーム4に示すとおりであり、RがHである式Icの化合物は、スキーム4に示すように、適切な溶媒中にて塩基およびアルキル化剤で処理することにより、Rがメチルまたはエチルである式Idの化合物に変換することができる。適切な塩基には、水素化ナトリウム、リチウムジイソプロピルアミド、およびナトリウムヘキサメチルジシラジドが含まれ、適切なアルキル化剤には、ヨウ化メチル、トシル酸メチル、硫酸ジメチル、およびヨウ化エチルが含まれ、適切な溶媒には、テトラヒドロフラン、ジメチルホルムアミド、およびN−メチル−2−ピロリジノンが含まれる。リチウム塩、たとえば臭化リチウムなどの随意選択の添加剤が、反応混合物中に存在してもよい。
【0058】
【化7】

【0059】
スキーム5は、一般式(VII)の不飽和の中間体から、一般式(IV)の酸ピロリジン中間体を調製するための経路を例示するものである。
【0060】
【化8】

【0061】
PGは、適切な窒素保護基である。PGは、適切なカルボン酸保護基である。式(VIII)、(IX)、(X)、(XI)、および(XII)の化合物は、市販されており、または文献の前例および/または本明細書の調製例を参照することで当業者に熟知されよう。
【0062】
一般式(VII)の化合物は、適切なイリド、たとえば(トリフェニルホスホラニリデン)酢酸メチル、またはたとえばトリメチルホスホノアセタートが脱プロトンされて得られるホスホン酸アニオンを用いる、一般式(XI)のアルデヒド中間体のウィッティヒまたは同様のオレフィン化によって、主に所望のトランス異性体として生成することができる。
【0063】
一般式(VII)の不飽和中間体の生成については、標準の方法を用いての前駆体ケイ皮酸誘導体(VIII)の保護、またはパラジウム触媒およびトリエチルアミンなどの適切な塩基の存在下での、芳香族ハロゲン化物(IX)とアクリル酸t−ブチルなどの適切なアクリル酸誘導体(X)とのHeck反応を含めて、多くの代替法が文献中に存在する。
【0064】
得られる一般式(VII)のEオレフィン中間体は、一般式(XII)のイリド前駆体との反応によって[3+2]−アゾメチンイリド環付加を経て、ほぼ限定的にトランス立体化学であるピロリジンとなる。この反応には、ジクロロメタン、トルエン、テトラヒドロフランなどの不活性溶媒、ならびに(1)TFAなどの酸触媒、(2)フッ化銀などの脱シリル化剤、(3)加熱のうちの1つまたは複数による活性化が必要となる。
【0065】
環化付加反応から得られる一般式(XIII)の化合物は、ラセミ化合物であり、その成分である鏡像異性体に分割する必要がある場合もあるが、分割は、キラルな固定相を使用する分取HPLCによって実現することができる。別法として、一般式(IV)の酸中間体を、標準の方法(たとえば、鏡像異性体に関して純粋な試薬との反応によるジアステレオ異性体の誘導体の生成、得られるジアステレオ異性体の物理的方法による分離、および切断して酸(IV)にすること)によって分割することができる。
【0066】
一般式(XIII)の中間体化合物は、保護基PGの脱保護によって一般式(IV)の化合物に変換することができる。この変換の実現には多くの方法が利用できる(「Advanced Organic Chemistry:Reactions,Mechanisms,and Structure」第4版、March,Jerry、1992年、378〜383ページ、発行元:Wiley、米国ニューヨーク州ニューヨークを参照されたい)。特に、塩基に不安定な保護基では、一般式(XIII)の化合物を、適切な有機溶媒中にて水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどのアルカリ金属水酸化物水溶液で処理すると、対応する一般式(IV)の化合物が得られる。このような反応では、水に混和性の有機共溶媒(1,4−ジオキサンやテトラヒドロフランなど)も利用することが好ましい。必要ならば、反応液を加熱して、加水分解を援助してもよい。ある種の保護基は、酸性条件下、たとえばt−ブチルまたはベンズヒドリルエステル中で加水分解するとより好都合である。このようなエステルは、ジクロロメタンなどの不活性有機溶媒中にてトリフルオロ酢酸や塩化水素などの無水の酸で処理して切断することができる。
【0067】
式(XIII)の新規な化合物は、本発明の別の実施形態である。
【0068】
スキーム6は、一般式(VII)の不飽和中間体から一般式(IV)の酸ピロリジン中間体の単一の鏡像異性体を調製するための、オキサゾリジノンをキラル助剤として使用する別の経路を例示するものである。式(VIII)の酸は、(VII)の脱保護によって得、次いで混合無水物に変換し、オキサゾリジノン(Rは、フェニル、t−ブチル、またはi−プロピルであることが好ましい)に結合させると、式(XIV)の中間体となり得る。別法として、(たとえば、PG=OCOt−Buであるとき)式(VII)の化合物とオキサゾリジノンのリチウム塩とを、適切な溶媒(たとえばTHF)中で反応させても、式(XIV)の化合物を得ることができる。
【0069】
式(XIV)の化合物は、一般式(XII)の化合物との反応によって[3+2]−アゾメチンイリド環付加を経て、ジアステレオ異性体(XV)および(XVI)となり、これをクロマトグラフィーまたは結晶化によって分離し、加水分解すると、式(IV)のピロリジンを得ることができる。別法として、一般式(XVI)の化合物は、たとえば炭酸ジメチル中にてナトリウムメトキシドで処理して、一般式(XIII)の化合物に変換することもできる(PG=OMeであるとき)。
【0070】
【化9】

【0071】
PGは、適切な窒素保護基から選択される。PGは、適切なカルボン酸保護基から選択され、化合物(VII)と(XIII)に関して異なる基を用いてもよい。
【0072】
式(XVI)の新規な化合物は、本発明の別の実施形態である。
【0073】
スキーム7は、一般式(XIII)の中間体から一般式(III)の酸ピロリジン中間体を調製する経路を例示するものである。任意の適切な従来技術を使用して保護基PGを除去したならば、スキーム2について上で述べた適切な方法によってHet基を導入することができる。スキーム4に記載のとおりに酸保護基PGを除去すると、一般式(III)の酸が得られる。
【0074】
【化10】

【0075】
PGは、適切な窒素保護基から選択される。PGは、適切なカルボン酸保護基から選択される。
【0076】
式(XVII)および(XVIII)の新規な化合物は、本発明の別の実施形態である。
【0077】
スキーム8で例示するように、一般式(II)のピペリジン中間体は、適切な窒素保護基(PG)を含んでいる一般式(XIX)のケトンに有機金属求核剤を付加して、一般式(XX)の中間体を得ることにより調製できる。生成物中のヒドロキシル基が2個のメチル基に対してシスであるような付加の立体化学が好まれる。このような制御されたカルボニル系への付加は、文献(たとえば、「Journal of Medicinal Chemistry」(1964年)、第7巻(6)、726〜8ページ)に記載されている。そのような求核付加は一般に、無水エーテルまたは他の非極性溶媒中にて、グリニャール、有機リチウム、または他の適切な有機金属試薬を使用して低温で実施する。これらの有機金属試薬は、適切なハロゲン化物前駆体のR−BrまたはR−Iと、n−ブチルリチウムまたはt−ブチルリチウムを使用するハロゲン−金属交換によって生成することができる。所望の一般式(II)のピペリジン中間体を得るのに適する保護基には、水素化によって除去することのできるベンジル、またはTFAなどの酸での処理によって除去することのできるBoc、またはDDQ、CAN、またはクロロギ酸1−クロロエチルでの処理によって除去することのできるp−メトキシベンジル(PMB)が含まれる。特定の保護基および特定の条件下では、保護基は、有機金属試薬での処理に不安定になる場合もあるので、両方の変換を1ステップで実現することもできる。たとえば、PG=Bocであるとき、保護基は時に、式(XIX)の中間体を有機金属試薬で処理する際に切断してもよい。
【0078】
【化11】

【0079】
PGは、適切な窒素保護基から選択される。
【0080】
当業者ならば、上で論述したように、式Iの化合物を合成する間の様々な時点で窒素または酸の基を保護することに加え、たとえばヒドロキシ基などの別の基を適切な保護基で保護し、次いでその保護基を除去する必要がある場合もあることはわかるであろう。任意の特定の基の脱保護の方法は、保護基に応じて決まる。保護/脱保護方法の例については、「Protective groups in Organic synthesis」、TW GreeneおよびPGM Wutzを参照されたい。たとえば、ヒドロキシ基をメチルエーテルとして保護する場合では、脱保護条件は、たとえば、48%のHBr水溶液中で還流し、またはジクロロメタン中で三臭化ボランと共に攪拌することを含み得るはずである。別法として、ヒドロキシ基をベンジルエーテルとして保護する場合、脱保護条件は、たとえば水素雰囲気中でパラジウム触媒を用いる水素化を含み得るはずである。
【0081】
上記反応、および前述の方法で使用する新規な出発材料の調製はすべて、従来どおりであり、その遂行または調製に適する反応条件、ならびに所望の生成物を単離する手順は、文献の前例と本明細書の実施例および調製例に即して当業者に熟知されよう。
【0082】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、式(I)の化合物の溶液と所望の酸の溶液を適宜混ぜ合わせて容易に調製することができる。塩は、溶液から沈殿し、濾過によって収集される場合もあり、または溶媒を蒸発させて回収する場合もある。
【0083】
式(I)の化合物の薬学的に許容できる塩は、以下の3つの方法のうちの1つまたは複数によって調製することができる。
(i)式(I)の化合物を所望の酸と反応させることによる方法、
(ii)式(I)の化合物の適切な前駆体から酸もしくは塩基に不安定な保護基を除去する、または適切な環状前駆体、たとえばラクトンもしくはラクタムを、所望の酸を使用して開環することによる方法、または
(iii)適切な酸との反応によって、または適切なイオン交換カラムによって、式(I)の化合物の一方の塩を別の塩に変換することによる方法。
【0084】
3つの反応はすべて、通常は溶液中で実施される。得られる塩は、析出し、濾過によって収集される場合もあり、または溶媒を蒸発させて回収する場合もある。得られる塩のイオン化の程度は、完全にイオン化したものからほとんどイオン化していないものまで様々となり得る。
【0085】
本発明の式(I)の化合物は、様々な疾患状態の治療においてMCR4アゴニストとして有用である。前記MCR4アゴニストは、約1000nM未満、より好ましくは500nM未満、さらにより好ましくは約100nM未満、さらにより好ましくは約50nM未満のEC50として示される機能的な効力をMC4受容体で示すことが好ましく、MCR4機能的効力の前記EC50値測定は、国際特許出願公開第WO2005/077935号に記載されているプロトコルEを使用して実施することができる。このアッセイを使用すると、本発明による化合物は、1000nM未満のEC50として示される機能的な効力をMC4受容体で示す。
【0086】
好ましい化合物とは、本明細書では、本明細書で以前に定義したようなMCR4受容体で機能的な効力を示し、MCR1よりもMCR4に選択的である。前記MCR4アゴニストは、MCR1に優るMCR4への選択性を有することが好ましく、前記MCR4受容体アゴニストは、MCR4受容体への機能的な選択性が、MCR1受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約20倍、より好ましくは少なくとも約30倍、さらにより好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約500倍、特に少なくとも約1000倍であり、前記相対的な選択性評価は、本明細書に記載するようなアッセイを使用して実施することのできる、MCR1およびMCR4の機能的効力の測定に基づく。
【0087】
前記MCR4アゴニストは、MCR3に優るMCR4への選択性を有することが好ましく、前記MCR4受容体アゴニストは、MCR4受容体への機能的な選択性が、MCR3受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約500倍、特に少なくとも約1000倍であり、前記相対的な選択性評価は、本明細書に記載するようなアッセイを使用して実施することのできる、MCR3およびMCR4の機能的効力の測定に基づく。
【0088】
好ましい化合物とは、本明細書では、本明細書で以前に定義したようなMCR4受容体で機能的な効力を示し、MCR5よりもMCR4に選択的である。前記MCR4アゴニストは、MCR5に優るMCR4への選択性を有することが好ましく、前記MCR4受容体アゴニストは、MCR4受容体への機能的選択性が、MCR5受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約500倍、特に約1000倍であり、前記相対的な選択性評価は、本明細書で記載するようなアッセイを使用して実施することのできるMCR5およびMCR4の機能的効力の測定に基づく。
【0089】
前記MCR4アゴニストは、MCR1およびMCR3に優るMCR4への選択性を有することが好ましく、前記MCR4受容体アゴニストは、MCR4受容体への機能的選択的が、MCR1およびMCR3受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約1000倍である。
【0090】
好ましい化合物とは、本明細書では、本明細書で以前に定義したようなMCR4受容体で機能的な効力を示し、MCR1およびMCR5よりもMCR4に選択的である。前記MCR4アゴニストは、MCR1およびMCR5に優るMCR4への選択性を有することが好ましく、前記MCR4受容体アゴニストは、MCR4受容体への機能的な選択性が、MCR1およびMCR5受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、さらにまたより好ましくは少なくとも約500倍、特に少なくとも約1000倍である。
【0091】
前記MCR4アゴニストは、MCR3およびMCR5に優るMCR4への選択性を有することが好ましく、前記MCR4受容体アゴニストは、MCR4受容体への機能的選択性が、MCR3およびMCR5受容体と比べて少なくとも約10倍、好ましくは少なくとも約30倍、より好ましくは少なくとも約100倍、さらにより好ましくは少なくとも約300倍、最も好ましくは少なくとも約1000倍である。
【0092】
併用療法
本発明の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、性機能不全、下部尿路障害、肥満、および/または糖尿病などの問題の状態の治療に有効な補助的活性薬剤と組み合わせて有益に送達することもできる。さらに、本発明の式(I)の化合物、またはその塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグは、場合によっては嘔吐の軽減に有効な補助的活性薬剤と組み合わせて有益に送達することもできる。本発明の組合せにおいて有用となり得るいくつかの適切な補助的活性薬剤には、以下のものが含まれる。
1)ナトリウム利尿因子、特に心房性ナトリウム利尿因子(心房性ナトリウム利尿ペプチドとしても知られている)、B型およびC型ナトリウム利尿因子の作用をモジュレートする化合物、たとえば中性エンドペプチダーゼの阻害剤、特にWO02/02513、WO02/03995、WO02/079143、およびEP−A−1258474に記載され、特許が請求されている化合物、特にWO02/079143の実施例22の化合物(2S)−2{[1−{3−4(−クロロフェニル)プロピル]アミノ}カルボニル)−シクロペンチル]メチル}−4−メトキシブタン酸、
2)アンジオテンシン変換酵素を阻害する化合物、たとえばエナラプリル、ならびにアンジオテンシン変換酵素と中性エンドペプチダーゼの組合せ型阻害剤、たとえばオマパトリラト、
3)NO合成酵素の基質、たとえばL−アルギニン、
4)コレステロール低下薬、たとえばスタチン(たとえばアトルバスタチン/Lipitor(商標))およびフィブラート、
5)エストロゲン受容体モジュレーターおよび/またはエストロゲンアゴニストおよび/またはエストロゲンアンタゴニスト、好ましくはラロキシフェンまたはラソフォキシフェン(WO96/21656でその調製が詳述されている(−)−シス−6−フェニル−5−[4−(2−ピロリジン−1−イル−エトキシ)−フェニル]−5,6,7,8−テトラヒドロナフタレン−2−オールおよびその薬学的に許容できる塩)、
6)それぞれの酵素に対するIC50が100nM未満であることが好ましいPDE阻害剤、より詳細にはPDE2、3、4、5、7、または8阻害剤、好ましくはPDE2またはPDE5阻害剤、最も好ましくはPDE5阻害剤(以下を参照されたい)(但し、PDE3および4阻害剤は、男性勃起不全治療のために陰茎に局所的にまたは注射によってのみ投与される)、
7)より詳細にはVIP受容体サブタイプVPAC1、VPAC、またはPACAP(下垂体アデニル酸シクラーゼ活性化ペプチド)の1つまたは複数によって媒介される血管作用性腸タンパク質(VIP)、VIP模倣物、VIP類似体;VIP受容体アゴニスト、VIP類似体(たとえばRo−125−1553)、VIP断片の1つまたは複数;αアドレナリン受容体アンタゴニストとVIPの組合せの1つまたは複数(たとえば、インビコープ(Invicorp)、アビプタジル(Aviptadil))、
8)セロトニン受容体アゴニスト、アンタゴニスト、またはモジュレーター、より詳細には(VML670[WO02/074288]およびフリバンセリン[US2003/0104980]を含めて)5HT1A受容体、WO−09902159、WO−00002550、および/もしくはWO−00028993に記載のものを含めて5HT2A、5HT2C、5HT3、および/もしくは5HT6受容体のアゴニスト、アンタゴニスト、またはモジュレーター、
9)テストステロン補充薬(デヒドロアンドロステンジオンを含む)、テストステロン(たとえばTostrelle(商標)、LibiGel(商標))、ジヒドロテストステロン、またはテストステロン植込錠、
10)選択的アンドロゲン受容体モジュレーター、たとえばLGD−2226、
11)エストロゲン、エストロゲンとメドロキシプロゲステロンもしくは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)(すなわち組合せとして)、またはエストロゲンおよびメチルテストステロンホルモン補充療法薬(たとえばHRT、特にプレマリン、セネスチン(Cenestin)、オエストロフェミナール(Oestrofeminal)、エクィン(Equin)、エストレース(Estrace)、エストロフェム、エレステソロ(EllesteSolo)、エストリング(Estring)、イーストラデルムTTS(Eastraderm TTS)、イーストラデルムマトリックス(Eastraderm Matrix)、デルメストリル(Dermestril)、プレムフェーズ(Premphase)、プリエンプロ(Preempro)、プレムパク(Prempak)、プレミーク(Premique)、エストラテスト(Estratest)、エストラテストHS(EstratestHS、チボロン(Tibolone))、
12)ノルアドレナリン、ドーパミン、および/またはセロトニンの輸送体モジュレーター、たとえば、ブプロピオン、GW−320659、
13)オキシトシン/バソプレッシン受容体のアゴニストまたはモジュレーター、好ましくは選択的オキシトシンアゴニストまたはモジュレーター、
14)ドーパミン受容体のアゴニストまたはモジュレーター、好ましくはD3またはD4選択的アゴニストまたはモジュレーター、たとえばアポモルヒネ、ならびに
15)制吐薬、たとえば、5−HTアンタゴニストまたはニューロキニン1(NK−1)アンタゴニスト。
【0093】
適切な5−HTアンタゴニストには、グラニセトロン、オンダンセトロン、トロピセトロン、ラモセトロン、パロンセトロン(palonsetron)、インジセトロン、ドラセトロン、アロセトロン、およびアザセトロンが含まれるがこの限りでない。
【0094】
適切なNK−1アンタゴニストには、アプレピタント、カソピタント(casopitant)、エズロピタント、クリピタント(cilapitant)、ネチュピタント(netupitant)、ベスチピタント(vestipitant)、ボホピタント(vofopitant)、および2−(R)−(1−(R)−3,5−ビス(トリフルオロメチル)フェニル)エトキシ−4−(5−(ジメチルアミノ)メチル−1,2,3−トリアゾール−4−イル)メチル−3−(S)−(4−フルオロフェニル)モルホリンが含まれるがこの限りでない。たとえば、国際特許出願公開第WO2006/049933号を参照されたい。
【0095】
特に下部尿路機能不全の治療への本発明の化合物の使用に関して、他の薬剤との組合せには、その限りでないが以下のものが含まれる。
・ムスカリン性アセチルコリン受容体アンタゴニスト、たとえばトルテロジン、
・αアドレナリン受容体アンタゴニスト、特にα1アドレナリン受容体アンタゴニストまたはα2アドレナリン受容体アンタゴニスト、
・αアドレナリン受容体アゴニストまたは部分アゴニスト、特にα1アドレナリン受容体アゴニストもしくは部分アゴニスト、またはα2アドレナリン受容体アゴニストもしくは部分アゴニスト、
・5HT2Cアゴニスト(WO2004/096196を参照されたい)、
・セロトニンおよびノルアドレナリン再取込み阻害剤(SNRI)、
・ノルアドレナリン再取込み阻害剤(NRI)、たとえば、そのラセミ化合物または(S,S)−鏡像異性体の形のレボキセチン、
・バニロイド受容体(VR)アンタゴニスト、たとえばカプサイシン、
・α2δリガンド、たとえばギャバペンチンまたはプレガバリン、
・β3アドレナリン受容体アゴニスト、
・5HT1a受容体アンタゴニストまたは5HT1a受容体インバースアゴニスト、
・プロスタノイド受容体アンタゴニスト、たとえばEP1受容体アンタゴニスト。
【0096】
肥満および関連障害の治療における式(I)の化合物の使用に関しても、本化合物を他の抗肥満薬と共に使用することができる。適切な抗肥満薬には、カンナビノイド1(CB−1)受容体アンタゴニスト(リモナバントなど)、アポリポタンパク質B分泌/ミクロソームトリグリセリド転送タンパク質(apo−B/MTP)阻害剤(特に、エディパタピド(edipatapide)またはジルロタピドなどの腸に選択的MTP阻害剤)、11β−ヒドロキシステロイド脱水素酵素1(11β−HSD1型)阻害剤、ペプチドYY3−36およびその類似体、コレシストキニンA(CCK−A)アゴニスト、モノアミン再取込み阻害剤(シブトラミンなど)、交感神経刺激薬、βアドレナリン受容体アゴニスト、ドーパミン受容体アゴニスト(ブロモクリプチンなど)、メラニン細胞刺激ホルモン受容体類似体、5HT2c受容体アゴニスト、メラニン濃縮ホルモンアンタゴニスト、レプチン(OBタンパク質)、レプチン類似体、レプチン受容体アゴニスト、ガラニンアンタゴニスト、リパーゼ阻害剤(テトラヒドロリプスタチン、すなわちオーリスタットなど)、食欲低下薬(ボンベシンアゴニストなど)、ニューロペプチドY受容体アンタゴニスト(特に、NPY−5受容体アンタゴニスト)、甲状腺模倣薬剤、デヒドロエピアンドロステロンまたはその類似体、グルココルチコイド受容体アゴニストまたはアンタゴニスト、オレキシン受容体アンタゴニスト、グルカゴン様ペプチド1受容体アゴニスト、繊毛様神経栄養因子(Regeneron Pharmaceuticals,Inc.、米国ニューヨーク州タリータウンおよびProcter&Gamble Company、米国オハイオ州シンシナティから入手可能なAxokine(商標)など)、ヒトアグーチ関連タンパク質(AGRP)阻害剤、グレリン受容体アンタゴニスト、ヒスタミン3受容体アンタゴニストまたはインバースアゴニスト、ニューロメディンU受容体アゴニストなどが含まれる。以下で述べる好ましい薬剤を含めて、他の抗肥満薬は当業者によく知られており、またはこの開示に照らして容易に明白となろう。本発明の化合物は、血漿コレステロールレベルを低下させる働きをする天然の化合物と組み合わせて投与することもできる。そのような天然の化合物は通常、栄養補助食品とみなされ、たとえば、ニンニク抽出物、フーディア植物抽出物、およびナイアシンがこれに含まれる。特に好ましいものは、CB−1アンタゴニスト、腸に選択的MTP阻害剤、オーリスタット、シブトラミン、ブロモクリプチン、エフェドリン、レプチン、ペプチドYY3−36およびその類似体、ならびにプソイドエフェドリンからなる群から選択される抗肥満薬である。肥満および関連した状態の治療では、本発明の化合物および併用治療薬は、運動および賢明な食事と合わせて投与することが好ましい。好ましいCB−1アンタゴニストには、米国特許第5624941号に記載のリモナバント(Sanofi−Synthelaboから入手可能な、Acomplia(商標)の商品名でも知られているSR141716A)、ならびに米国特許第5747524号、6432984号、および6518264号、米国特許公開第US2004/0092520号、US2004/0157839号、US2004/0214855号、およびUS2004/0214838号、2004年10月22日出願の米国特許出願第10/971599号、およびPCT特許公開WO02/076949、WO03/075660、WO04/048317、WO04/013120、およびWO04/012671に記載の化合物が含まれる。好ましい腸に選択的MTP阻害剤には、米国特許第6720351号に記載のジルロタピド、米国特許第5521186号および5929075号に記載の4−(4−(4−(4−((2−((4−メチル−4H−1,2,4−トリアゾール−3−イルチオ)メチル)−2−(4−クロロフェニル)−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)フェニル)ピペラジン−1−イル)フェニル)−2−s−ブチル−2H−1,2,4−トリアゾール−3(4H)−オン(R103757)、ならびに米国特許第6265431号に記載のインプリタピド(BAY13−9952)が含まれる。本発明の併用、医薬組成物、および方法において使用される他の代表的な抗肥満薬は、当業者に知られている方法を使用して調製することができ、たとえば、シブトラミンは、米国特許第4929629号に記載のとおりに調製することができ、ブロモクリプチンは、米国特許第3752814号および3752888号に記載のとおりに調製することができ、オーリスタットは、米国特許第5274143号、5420305号、5540917号、および5643874号に記載のとおりに調製することができ、PYY3−36(類似体を含む)は、米国特許公開第2002/0141985号およびWO03/027637に記載のとおりに調製することができる。
【0097】
本明細書では、好ましい一群は、本発明の化合物と、PDE5阻害剤;NEP阻害剤;D3またはD4選択的アゴニストまたはモジュレーター;エストロゲン受容体モジュレーターおよび/またはエストロゲンアゴニストおよび/またはエストロゲンアンタゴニスト;テストステロン補充薬、テストステロン、またはテストステロン植込錠;エストロゲン、エストロゲンとメドロキシプロゲステロンもしくは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、またはエストロゲンとメチルテストステロンホルモン補充療法薬から選択される1種または複数の追加の治療薬との組合せである。
【0098】
MED治療のための好ましい組合せは、本発明の化合物と1種または複数のPDE5阻害剤および/もしくはNEP阻害剤との組合せである。
【0099】
FSD治療のための好ましい組合せは、本発明の化合物と、PDE5阻害剤;および/またはNEP阻害剤;および/またはD3もしくはD4選択的アゴニストもしくはモジュレーター;および/またはエストロゲン受容体モジュレーター、エストロゲンアゴニスト、エストロゲンアンタゴニスト;および/またはテストステロン補充薬、テストステロン、テストステロン植込錠;および/またはエストロゲン、エストロゲンとメドロキシプロゲステロンもしくは酢酸メドロキシプロゲステロン(MPA)、エストロゲンとメチルテストステロンホルモン補充療法薬との組合せである。
【0100】
MEDまたはFSD治療用の併用型製品に特に好ましいPDE5阻害剤は、
5−[2−エトキシ−5−(4−メチル−1−ピペラジニルスルホニル)フェニル]−1−メチル−3−n−プロピル−1,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン(シルデナフィル、特にクエン酸塩として存在するもの)、(6R,12aR)−2,3,6,7,12,12a−ヘキサヒドロ−2−メチル−6−(3,4−メチレンジオキシフェニル)−ピラジノ[2’,1’:6,1]ピリド[3,4−b]インドール−1,4−ジオン(IC−351またはタダラフィル)、2−[2−エトキシ−5−(4−エチル−ピペラジン−1−イル−1−スルホニル)−フェニル]−5−メチル−7−プロピル−3H−イミダゾ[5,1−f][1,2,4]トリアジン−4−オン(バルデナフィル)、5−(5−アセチル−2−ブトキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−エチル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−(5−アセチル−2−プロポキシ−3−ピリジニル)−3−エチル−2−(1−イソプロピル−3−アゼチジニル)−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、5−[2−エトキシ−5−(4−エチルピペラジン−1−イルスルホニル)ピリジン−3−イル]−3−エチル−2−[2−メトキシエチル]−2,6−ジヒドロ−7H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−7−オン、4−[(3−クロロ−4−メトキシベンジル)アミノ]−2−[(2S)−2−(ヒドロキシメチル)ピロリジン−1−イル]−N−(ピリミジン−2−イルメチル)ピリミジン−5−カルボキサミド(TA−1790)、3−(1−メチル−7−オキソ−3−プロピル−6,7−ジヒドロ−1H−ピラゾロ[4,3−d]ピリミジン−5−イル)−N−[2−(1−メチルピロリジン−2−イル)エチル]−4−プロポキシベンゼンスルホンアミド(DA8159)、およびこれらの薬学的に許容できる塩である。
【0101】
MEDまたはFSD治療のための併用型製品に特に好ましいNEP阻害剤は、WO02/079143で例示されている化合物である。
【0102】
本明細書では、発明に従って使用することのできる特許および特許出願に含まれる化合物への相互参照によって、特許請求の範囲(特に請求項1)および特定の実施例で規定される治療上活性のある化合物について述べるものである(そのすべてが参照により本明細書に援用される)。
【0103】
活性薬剤の組合せを投与するなら、それらの薬剤は、同じものでも異なるものでもよい製剤にして、同時に、別々に、または逐次投与することができる。
【0104】
生物学的アッセイ
メラノコルチン受容体アゴニスト活性、選択性
メラノコルチン受容体1型および3型(MC1およびMC3)に対する化合物のin vitroアゴニスト効力(EC50)の測定
メラノコルチン(MC)受容体がアゴニストによって活性化されると、セカンドメッセンジャーシグナル伝達分子のアデノシン3’,5’−環状一リン酸(cAMP)を合成する、細胞内アデニル酸シクラーゼ酵素が活性化される。組換え型MC1およびMC3細胞系を試験化合物で処理した後のcAMPレベルの変化を測定し、MC1およびMC3効力推定値(EC50)を以下のように算出した。
【0105】
それぞれヒトMC1またはMC3受容体をコードしている全長cDNAを安定に形質移入したヒト胚性腎(HEK)細胞またはチャイニーズハムスター卵巣細胞系統を、標準の分子生物学的方法を使用して樹立した。試験化合物をジメチルスルホキシド(DMSO)に4mMで溶解させた。通常は50uMから出発する試験化合物の11点半対数単位増加連続希釈物を、リン酸緩衝溶液(PBS)、2.5%のDMSO、および0.05%のpluronicF−127界面活性剤からなる緩衝液中に調製した。80〜90%の集密度で新たに培養した細胞を収集し、ダルベッコ変法イーグル培地(DMEM)に再懸濁した。細胞(MC3については10000、MC1については20000)を384ウェルアッセイプレート中の試験化合物連続希釈物に加え、37℃で1時間インキュベートした。次いで、GEヘルスケア/Amersham Biosciences UKからDiscoverx cAMPIIキットとしてキットの形で購入したβガラクトシダーゼ酵素断片補完法を使用して、各ウェルの相対的なcAMP濃度を測定した。MC1の場合では、アッセイに向けて細胞を再懸濁するとき、3−イソブチル−1−メチルキサンチン(IBMX)を750μMの濃度でDMEM中に含めた。各アッセイウェルから計った蛍光の読みを、最大の効果を与えるのに示されるαメラニン形成細胞刺激ホルモン濃度に相当する最大対照ウェルに対する効果(%)に変換した。SIGHTSと呼ばれる注文製ソフトウェアアプリケーションを使用して、S字形曲線を、log10阻害剤濃度対効果(%)のプロットに適合させ、このソフトウェアによって、EC50推定値を、S字形用量応答曲線の下部および上部漸近線の中間の効果を与える試験化合物濃度として測定した。各実験は、αメラニン形成細胞刺激ホルモンについてのEC50の測定を含んだが、これを標準物質として使用して、アッセイの一貫性を追跡し、種々の実験で得られるEC50推定値の公正な比較を可能にした。
【0106】
MC5およびMC4 EC50活性は、US2005/0176772(28〜30ページ)のアッセイプロトコルDおよびEにそれぞれ記載のとおりに測定した。
【0107】
MC4受容体でのNle4,D−Phe7−α−MSHの阻害
Nle4,D−Phe7−α−MSHは、MC4受容体(MC4R)でアゴニストとなるメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)の安定な類似体である。[125I]Nle4,D−Phe7−α−MSHとの競合結合アッセイを使用して、MC4Rを発現する細胞由来の膜にNle4,D−Phe7−α−MSHが結合するのを阻害し得るかどうか、化合物を評価することができる。
【0108】
MC4Rを発現する細胞をホモジナイズし、膜断片を分画遠心法によって単離した。CHO−CRE MC4R細胞膜を、2時間かけてPVT−PEI−WGA SPA Beads A型に結合させ、1000RPMで5分間回転させ、300ugビーズ/mlの濃度に懸濁させた(ウェルあたり0.15ugの膜、15ugのビーズ)。ビーズ/膜混合物を、ウェルあたり総体積50μlの緩衝液(25mMのHEPES、1mMのMgCl、2.5mMのCaCl、1%のPluronic F68、completeEDTAプロテアーゼ阻害剤1錠/50ml pH7)中で、0.06nMの[125I]Nle4,D−Phe7−α−MSHおよび11段階の半対数濃度の競合相手リガンドと共に2通りにインキュベートした。100nMのSHU9119を含めることにより、非特異的結合を測定した。ビーズ/膜を加えて反応を開始し、プレートを室温で12時間(最初の1時間はプレートシェーカー上で)インキュベートし、その後Wallacプレートカウンターを使用して、存在する放射能量を測定した。適切なソフトウェアを使用するデータ解析によってKi値を測定した。
【0109】
本発明の化合物は、Ki値として示される、MC4受容体でのNle4,D−Phe7−α−MSHに対する結合定数が、約1000nM未満、より好ましくは500nM未満、さらにより好ましくは約100nM未満、さらにより好ましくは約50nM未満であることが好ましく、前記Ki値は、上述のアッセイを使用して測定する。
【0110】
MC3受容体でのNle4,D−Phe7−α−MSHの阻害
Nle4,D−Phe7−α−MSHは、MC3受容体(MC3R)でアゴニストとなるメラニン細胞刺激ホルモン(MSH)の安定な類似体である。[125I]Nle4,D−Phe7−α−MSHとの競合結合アッセイを使用して、MC3Rを発現する細胞由来の膜にNle4,D−Phe7−α−MSHが結合するのを阻害し得るかどうか、化合物を評価することができる。
【0111】
MC3Rを発現する細胞をホモジナイズし、膜断片を分画遠心法によって単離した。CHO−CRE MC3R細胞膜をPVT−PEI−WGA SPAビーズA型に2時間かけて結合させ、1000RPMで5分間回転させ、800ugビーズ/mlの最終アッセイ濃度に懸濁させた(ウェルあたり1.2ugの膜、40ugのビーズ)。ビーズ/膜混合物を、ウェルあたり総体積50μlの緩衝液(25mMのHEPES、1mMのMgCl、2.5mMのCaCl、1%のPluronic F68、complete EDTAプロテアーゼ阻害剤1錠/50ml pH7)中で、0.06nMの[125I]Nle4,D−Phe7−α−MSHおよび11段階の半対数濃度の競合相手リガンドと共に2通りにインキュベートした。100nMのSHU9119を含めることにより、非特異的結合を測定した。ビーズ/膜を加えて反応を開始し、プレートを室温で12時間(最初の1時間はプレートシェーカー上で)インキュベートし、その後Wallacプレートカウンターを使用して、存在する放射能量を測定した。適切なソフトウェアを使用するデータ解析によってKi値を測定した。
【0112】
高密度薬物間相互作用(DDI)3μMカクテルスクリーン
薬物間相互作用とは、物質が別の薬物の活性に影響を及ぼす、すなわち、その効果が増加もしくは低下し、または全体として、どちらもがそれだけでは生じない新しい効果を生み出す状況である。薬物間相互作用は、様々な過程の結果であると言えるが、比較的一般的なのは、1種の薬物が、それを代謝するシトクロムP450を阻害することによって別の薬物の薬物動態に影響を及ぼすものである。これらの現象は重要であるので、新規化学物質(NCE)のDDI潜在性の評価は、創薬過程の早期から重要であるとみなされる。
【0113】
ヒト肝ミクロソーム(HLM)におけるDDIカクテルスクリーンは、完全に自動化された方法で実施され、このスクリーンの目標は、4種の主なシトクロムP450酵素の1A2、2D6、2C9、および3A4に対する新規化学物質(NCE、3μMで試験)のDDI潜在性についての一点評価を得ることである。
【0114】
P450 DDIの基質カクテル手法は、ヒト肝ミクロソームと共に、アイソフォーム特異的な臨床的薬物プローブを利用するものであり、単一のインキュベートでP450 1A2、2C9、2D6、および3A4活性の阻害の同時の測定が可能になる。この手法は、LC−MS/MSによって代謝産物を同時に検出しながら高処理量で実施する。この方法は、標準の化合物を使用して綿密に試験され、評価されている。使用したプローブ基質を以下の表に示す。
【0115】
【表1】

【0116】
各基質の代謝産物の出現を、濃度3μMのNCE(試験化合物/阻害剤)の存在下および不在下で経時的に測定する。化合物の阻害潜在性を百分率の値として評価し、以下のスキームを使用して解釈する。次いで、これらのデータを他の測定値と共に使用して、NCEの適合性を評価し、化合物の設計および進歩を助ける。
【0117】
【表2】

【0118】
AGRP阻害
アグーチ関連タンパク質(AGRP)は、MC4受容体に対する高親和性の内在性アンタゴニスト/インバースアゴニストである(Luら、1994年、Nature第371巻:799〜802ページ;Ollmanら、1997年、Science第278巻:135〜138ページ)。AGRPレベルは、絶食によって上向き調節され(MizunoおよびMobbs、1999年、Endocrinology、第140巻:4551〜4557ページ)、したがってMC4受容体を介して作用する抗肥満薬がAGRPの結合を阻害し得るかどうかを評価することは重要である。AGRPのC末端断片(87〜132)は、MC4R結合性の決定因子を含んでいることが突き止められており(Yangら、1999年、Mol Endocrinol第13巻:148〜155ページ)、したがって、[125I]AGRP(87〜132)に対する競合結合アッセイを使用して、MC4Rを発現する細胞由来の膜に結合するAGRPを阻害し得るかどうか化合物を評価することができる。このために、MC4Rを発現する細胞をホモジナイズし、膜断片を分画遠心法によって単離した。CHO−CRE MC4R細胞膜(12μgのタンパク質)を、総体積100μlの緩衝液(25mMのHEPES、1mMのMgCl、2.5mMのCaCl、0.5%のBSA pH7.0)中で、0.3nMの[125I]AGRP(87〜132)および11段階の半対数濃度の競合相手リガンドと共に2通りにインキュベートした。1μMのSHU9119を含めることにより、非特異的結合を測定した。膜を加えて反応を開始し、プレートを室温で2時間インキュベートした。吸引ハーベスターを使用して(1%PEIに予浸した)GF/Cフィルターで急速濾過した後、氷冷洗浄緩衝液(500mMのNaClを含有する結合緩衝液)200μlで5回洗浄することによって、反応を終了した。フィルターを50μlのシンチレーション液に浸漬し、存在する放射能の量を液体シンチレーション計数によって測定した。適切なソフトウェアを使用するデータ解析によってKi値を決定した。
【0119】
本発明の化合物は、Ki値として示される、MC4受容体でのAGRPに対する結合定数が、約1000nM未満、より好ましくは500nM未満、さらにより好ましくは約100nM未満、さらにより好ましくは約50nM未満であることが好ましく、前記Ki値は、上述のアッセイを使用して測定する。このアッセイを使用すると、本発明による化合物は、Ki値として示される、MC4受容体でのAGRPに対する結合定数が1000nM未満である。
【0120】
食物摂取調査:食物摂取および体重に対するMC4アゴニストの有効性をオスのラットで24時間にわたり評価するため
ラットを約2週間かけて1匹での収容および逆の点灯条件(9.30am〜9.30pm)に順化させた後、調査を開始する。調査日の約24時間前にラットをTechincal Scientific Equipment*(TSE)ケージに順化させる。調査の朝に、ラットをその体重に基づき無作為に処置群に割り振る(n=5/処置)。明かりが消える直前に、各ラットにMC4アゴニストまたは媒体を経口的に与える。投薬した後、ラットをTSEケージに直ちに戻し入れ、調査の過程の間終始(24時間)食物摂取および水の消費をモニターする。光線の途切れの形で運動活動もモニターする。
【0121】
調査の終わりに、イソフルランによる終末麻酔下での全採血によってラットを屠殺する。心臓穿刺によってラットから血液を除去し、薬物濃度レベルおよびバイオマーカーについて分析する。
【0122】
データは、平均±SEMとして示し、対照と処置の比較は、ANOVAによって分析したものである。統計学的有意性は、p<0.05のレベルで認められている。
【0123】
in vitro代謝率測定(ヒト肝ミクロソーム(HLM)、ラット肝ミクロソーム(RLM)アッセイ)
多くの薬物は、シトクロムP450モノオキシゲナーゼ系によって代謝される。この酵素は、肝臓で高濃度に見出され、肝実質細胞の小胞体に結合している。この酵素系は、肝臓ミクロソーム画分を調製することにより半精製状態で得ることができる。このような系で化合物のin vitro半減期を決定することは、代謝安定性の有益な指標をもたらす。
【0124】
材料および試薬
すべての試薬はANALARグレードである。
1. 200mMのリン酸緩衝液(Sigma)− 100mlの1Mリン酸緩衝液pH7.4を400mlのMilliQ水で溶解させる。必要ならば、pHを濃オルトリン酸で調整してpH7.4とし、毎月調製し、冷蔵保存(2〜8℃)すべきである。
2. 0.1MのMgCl.6HO(BDH)− 2.032gを100mlのMilliQ水に溶解させ、冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
3. 0.02MのNADP(Sigma)− 15.3mgを1000μlのMilliQ水に溶解させ、次いでさらなる使用に向けて冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
4. 0.1MのD−Lイソクエン酸(Sigma)− 129mgを5mlのMilliQ水に溶解させ、次いでさらなる使用に向けて冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
5. イソクエン酸脱水素酵素IV型(Sigma)− 冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
6. メタノール、エタノールなどの混和性有機溶媒中または水中の基質保存液(約1mg/ml)を冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
7. 50mMのp−ニトロアニソール(PNA)(Aldrich)− 7.65mgを1mlのメタノールに溶解させ、使用の準備ができるまで冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
8. 50μMのp−ニトロフェノール(PNP)(Sigma)− 0.69mgを100mlの水に溶解させ、冷蔵保存(2〜8℃)したもの。
9. 20%のトリクロロ酢酸(TCA)(BDH)− 20gを100mlのMilliQ水に溶解させ、琥珀色のガラス製品中に調製し、室温で保存したもの。
10. 10M水酸化ナトリウム(BDH)− 40gを100mlのMilliQ水に溶解させ(この反応は発熱性であるので、この溶液を調製する際は注意を払うべきである)、「safebreak」ガラス製品中に調製し、室温で保存したもの。
11. −80℃で保存した肝ミクロソームまたはSupermixミクロソームは、使用直前に解凍し、氷上で保存し、分注すべきである。
12. MilliQ水。
13. インキュベート温度が約37℃になるように設定した、サーモスタット制御の振盪水浴。
14. インキュベート終了のための試薬(通常は有機溶媒、酸、または塩基)。
【0125】
肝ミクロソームおよびSupermixミクロソームを使用するin vitro代謝率測定法
以下で概略を述べる方法は、総インキュベート体積1.5mlについてのものである。
1.試験管に以下の混合物を調製する。
【0126】
【表3】

【0127】
2. ミクロソームを室温で解凍し、インキュベート物1mlあたり0.5nmolの最終濃度のシトクロムP450を得るのに十分なミクロソームを加えるが、たとえば1.5mlのインキュベート物では、加えるミクロソーム体積は以下のとおりである。
【0128】
【数1】

【0129】
3. 総インキュベート体積1.425mlを得るのに十分なMilliQ水を加える。
【0130】
4. 237.5μlのインキュベート混合物を取り出し、PNA陽性対照用の試験管に入れる。2.5μlのPNA溶液を加え、かき混ぜ、サーモスタット制御の振盪水浴中のラックに管を差し込む。
【0131】
5. 無基質対照用に100μlを取り出し、試験管に分注する。試験管を、サーモスタット制御の振盪水浴中のラックに差す。
【0132】
6. インキュベート物に基質を加える。基質は、初濃度1μMとすべきである。残りの1.162.5mlのインキュベート物で必要となる基質体積は、次のように算出する。
【0133】
【数2】

注意:加える有機溶媒の体積は、総インキュベート体積の0.1%を上回るべきでない。
【0134】
7. 100μlのインキュベート混合物を無補因子対照用の試験管に移す。かき混ぜ、サーモスタット制御の振盪水浴中のラックに差し込む。
【0135】
8. インキュベート混合物を含んでいる管、また陽性対照および無補因子の管を、37℃に設定したサーモスタット制御の振盪水浴中で約5分間プレインキュベートする。
【0136】
9. NADPを加えて反応を開始し(各1.162.5mlのインキュベート混合物に75μl、陽性対照管に12.5μl、無基質管に5μl)、直ちに最初の時点の採取を行う。PNA陽性対照、無補因子対照、および無基質の管を合計インキュベート時間にわたりインキュベートする。
【0137】
10. 0分から60分までの9回に及ぶ異なる試料採取ポイント(通常0、3、5、10、15、20、30、45、および60分)で100μlの等分試料を取り出し、反応を終わらせる。より長いインキュベート時間を使用することもできるが、120分後にはミクロソームが変質する。反応は、有機溶媒、酸、または塩基を加えて終わらせることができる。インキュベート過程の終わりに、無補因子および無基質対照も同じようにして、すなわち同じ試薬を用いて終わらせる。
【0138】
11. PNA陽性対照手順:
最終試料を採取した後、陽性対照を取り出し、その管に1mlの20%TCAを加える。250μlのPNP標準物質を50μMで含有する管も調製し、1mlの20%TCAを加える。両方の管をかき混ぜ、約5分間放置して、タンパク質を沈殿させる。
【0139】
両方の管を、3500rpmに設定した機器で約5分間遠心分離する。1mlの上清を取り除き、きれいな試験管に入れ、残りを廃棄する。
【0140】
その上清に1mlの10M NaOHを加え、かき混ぜ、約5分間静置しておく。蒸留水を含む分光光度計を400nmでブランク測定し、次いで蒸留水を対照としてPNP標準物質の吸光度を測定する。ミクロソームの4−ニトロアニソールO−デメチラーゼ活性を以下のように算出する。
【0141】
結果の算出
【0142】
【数3】

【0143】
このインキュベートからの活性値は、妥当となるインキュベートに使用されたバッチの平均値の85%以上でなければならない。この判定基準が満たされなければ、インキュベートを繰り返さなければならない。
【0144】
11.基質特異的アッセイによって試料(無補因子および無基質対照を含む)を分析して、消滅動態を測定する。
【0145】
データ解析
上述の手順を使用して得られるデータは、基質in vitro固有クリアランス(Clint)に関して定量化することができる。基質濃度がKmより低い場合には、代謝は一次となり、時間と共に基質が消滅する対数線形プロットを与えるはずである。
【0146】
基質のin vitro半減期は、相対的基質濃度(たとえば薬物/内標準比)の測定値の自然対数(ln)を時間に対してプロットし、適合が最も良好な線をこのデータに当てはめることにより決定することができる。この線の勾配は、基質消滅の一次速度定数(k)であり、回帰分析によって決定される。この速度定数は、以下の式に従って半減期に変換することができる。
【0147】
【数4】

【0148】
別法として、速度定数は、以下の式に従って固有クリアランス(Clint)に変換することもできる。
Clint(μl/分/mg)=(k/インキュベート物中のタンパク質濃度(mg/ml))*1000
【0149】
本発明の化合物は、上記アッセイによって測定されるクリアランスが、約200μL/分/mg未満、より好ましくは100μL/分/mg未満、さらにより好ましくは約50μL/分/mg未満、さらにより好ましくは約20μL/分/mg未満の値として示されることが好ましい。このアッセイを使用すると、試験した本発明による化合物は、200μL/分/mg未満のクリアランスを示す。
【0150】
投与方法
本発明の化合物は、結晶性または非晶質の製品として投与することのできる医薬としての使用を目的とする。本発明の化合物は、たとえば、沈殿、結晶化、凍結乾燥、噴霧乾燥、蒸発乾燥などの方法によって、固体充填物、粉末、またはフィルムとして得ることができる。マイクロ波乾燥または高周波乾燥をこの目的のために使用してもよい。
【0151】
本発明の化合物は、単独で、または1種または複数の他の本発明の化合物と組み合わせて、もしくは1種または複数の他の薬物と組み合わせて(またはこれらの任意の組合せとして)投与することができる。一般に、本発明の化合物は、1種または複数の薬学的に許容できる賦形剤と合同で製剤として投与される。用語「賦形剤」は、本明細書では、本発明の化合物以外の任意の成分について述べるのに使用する。賦形剤の選択は、大部分は、特定の投与方式、賦形剤が溶解性および安定性に及ぼす影響、剤形の性質などの要素に応じて決まる。
【0152】
本発明の化合物の送達に適する医薬組成物およびその調製方法は、当業者には言うまでもない。このような組成物およびその調製方法は、たとえば「Remington’s Pharmaceutical Sciences」第19版(Mack Publishing Company、1995年)で見ることができる。
【0153】
したがって、本発明は、式(I)の化合物と薬学的に許容できる希釈剤もしくは担体とを含む医薬組成物を提供する。
【0154】
哺乳動物、特にヒトに有効投与量の本発明の化合物が提供される適切などんな投与経路を使用してもよい。たとえば、経口(頬側および舌下投与を含む)、直腸、局所、非経口、眼、肺、経鼻などを用いることができる。剤形には、錠剤、トローチ、分散液、懸濁液、溶液、カプセル剤、クリーム、軟膏、エアロゾルなどが含まれる。式(I)の化合物は、経口的にまたは鼻腔内に投与することが好ましい。
【0155】
用いる活性成分の有効投与量は、用いる特定の化合物、投与方式、治療対象となる哺乳動物の特性(たとえば体重)、治療する状態、および治療する状態の重症度に応じて様々でよい。そのような投与量は、当業者ならば容易に突き止めることができる。
【0156】
性機能不全の治療では、本発明の化合物は、体重キログラムあたり約0.001ミリグラム(mg)〜約1000mg、好ましくは約0.001mg〜約500mg、より好ましくは約0.001mg〜約100mg、さらにより好ましくは約0.001mg〜約50mg、特に約0.002mg〜約25mgの用量範囲で、好ましくは単一用量として経口的に、または点鼻薬として投与される。たとえば、経口投与では、約0.1mgから約1000mgまでの合計1日量が必要となる場合もあるが、静脈内の用量では、約0.001mgから約100mgまでしか必要とならないこともある。合計1日量は、1回で、または数回に分けて投与することができ、また医師の裁量で、本明細書で示す典型的な範囲から外れる場合もある。
【0157】
糖尿病および/または高血糖と共に、または単独で肥満を治療するとき、本発明の化合物を、動物の体重1キログラムあたり約0.0001mg〜約1000mg、好ましくは約0.001mg〜約500mg、より好ましくは約0.005mg〜約100mg、特に約0.005mg〜約50mgの1日投与量で、好ましくは1回、または数回に分けて1日2〜6回、または持続放出形態にして投与すると、一般に満足な結果が得られる。70kgの成人の場合では、合計1日量は一般に、約0.7mgから約3500mgまでとなる。この投与計画は、最適な治療応答が得られるように調整することもできる。
【0158】
真性糖尿病および/または高血糖、ならびに式Iの化合物が有用となる他の疾患または障害を治療するとき、本発明の化合物を、動物の体重1キログラムあたり約0.001mgから約100mgまでの1日投与量で、好ましくは1回、または数回に分けて1日2〜6回、または持続放出形態にして投与すると、一般に満足な結果が得られる。70kgの成人の場合では、合計1日量は一般に、約0.07mgから約350mgまでとなる。この投与計画は、最適な治療応答が得られるように調整することもできる。
【0159】
これらの投与量は、体重が約65kg〜70kgである平均的なヒト対象に基づく。医師ならば、小児、高齢者、肥満者などの、体重がこの範囲外にある対象のための用量を容易に決定することができよう。
【0160】
本発明の化合物は、経口投与することができる。経口投与は、化合物が消化管に入るように飲み込むものでもよく、かつ/または化合物が口から直接血流に入る頬側、舌側、または舌下投与を含む場合もある。
【0161】
経口投与に適する製剤には、錠剤;多粒子もしくはナノ粒子、液体、または粉末を含有する軟または硬カプセル剤;(液体充填型を含む)トローチ剤、咀嚼剤、ゲル、急速分散型剤形、フィルム、膣坐剤、スプレー、頬側/粘膜付着性パッチなどの、固体、半固体、および液体系が含まれる。
【0162】
液体製剤には、懸濁液、溶液、シロップ、およびエリキシルが含まれる。そのような製剤は、(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)軟または硬カプセル剤の充填剤として使用することができ、通常は、担体、たとえば水、エタノール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、メチルセルロース、または適切な油と、1種または複数の乳化剤および/または懸濁化剤とを含む。液体製剤は、たとえば小袋から出した固体を再形成して調製することもできる。たとえば小袋から出した固体を再形成して調製することもできる。
【0163】
本発明の化合物は、LiangおよびChenによる「Expert Opinion in Therapeutic Patents」第11巻(6)、981〜986ページ(2001年)に記載のものなどの、急速溶解急速崩壊型の剤形にして使用することもできる。
【0164】
錠剤剤形では、薬物は、用量に応じて、剤形の1重量%〜80重量%、より典型的な例では剤形の5重量%〜60重量%を占めてよい。薬物に加え、錠剤は一般に崩壊剤を含有する。崩壊剤の例には、ナトリウムデンプングリコラート、カルボキシメチルセルロースナトリウム、カルボキシメチルセルロースカルシウム、クロスカルメロースナトリウム、クロスポビドン、ポリビニルピロリドン、メチルセルロース、微結晶セルロース、低級アルキル置換されたヒドロキシプロピルセルロース、デンプン、α化デンプン、およびアルギン酸ナトリウムが含まれる。一般に、崩壊剤は、剤形の1重量%〜25重量%、好ましくは5重量%〜20重量%を占めることになる。
【0165】
結合剤は一般に、錠剤製剤に粘着性の性質を付与するのに使用する。適切な結合剤には、微結晶セルロース、ゼラチン、糖、ポリエチレングリコール、天然および合成のゴム、ポリビニルピロリドン、α化デンプン、ヒドロキシプロピルセルロース、ならびにヒドロキシプロピルメチルセルロースが含まれる。錠剤は、ラクトース(一水和物、噴霧乾燥一水和物、無水物など)、マンニトール、キシリトール、デキストロース、スクロース、ソルビトール、微結晶セルロース、デンプン、および第二リン酸カルシウム二水和物などの希釈剤を含有してもよい。
【0166】
錠剤は、ラウリル硫酸ナトリウムやポリソルベート80などの界面活性剤、および二酸化ケイ素やタルクなどの滑剤も場合により含んでもよい。存在するとき、界面活性剤は、錠剤の0.2重量%〜5重量%を占めてよく、滑剤は、錠剤の0.2重量%〜1重量%を占めてよい。
【0167】
錠剤は一般に、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、フマル酸ステアリルナトリウム、ステアリン酸マグネシウムとラウリル硫酸ナトリウムの混合物などの滑沢剤も含有する。滑沢剤は一般に、錠剤の0.25重量%〜10重量%、好ましくは0.5重量%〜3重量%を占める。
【0168】
他の考えられる成分には、抗酸化剤、着色剤、着香剤、保存剤、および矯味剤が含まれる。
【0169】
好例となる錠剤は、約80%までの薬物、約10重量%〜約90重量%の結合剤、約0重量%〜約85重量%の希釈剤、約2重量%〜約10重量%の崩壊剤、および約0.25重量%〜約10重量%の滑沢剤を含有する。
【0170】
錠剤ブレンドを直接にまたはローラーによって圧縮すると、錠剤を生成することができる。別法として、錠剤ブレンドまたはブレンドの部分量を、湿式、乾式、もしくは溶融造粒、溶融凝固、または押出し成形の処理にかけた後に打錠してもよい。最終製剤は、1種または複数の層を含んでよく、コーティングされていてもされていなくてもよく、さらにはカプセル封入されていてもよい。
【0171】
錠剤の製剤については、H.LiebermanおよびL.Lachmanによる「Pharmaceutical Dosage Forms:Tablets」第1巻(Marcel Dekker、米国ニューヨーク、1980年)で論述されている。
【0172】
ヒトまたは獣医学的用途のための摂取可能な経口フィルムは通常、急速溶解性でも粘膜付着性でもよい水溶性または水膨張性の可撓性薄膜剤形であり、通常は、式Iの化合物、フィルム形成ポリマー、結合剤、溶媒、湿潤剤、可塑剤、安定剤または乳化剤、粘度調整剤、ならびに溶媒を含む。製剤の一部の構成成分が複数の機能を果たす場合もある。
【0173】
式Iの化合物は、水溶性である場合も不溶性である場合もある。水溶性の化合物は通常、溶質の1重量%〜80重量%、より典型的な例では20重量%〜50重量%を占める。それほど可溶性でない化合物は、組成物のより高い割合、通常は溶質の88重量%までを占めてよい。別法として、式Iの化合物は、多粒子ビーズの形でもよい。
【0174】
フィルム形成ポリマーは、天然の多糖類、タンパク質、または合成の親水コロイドから選択することができ、通常は0.01〜99重量%の範囲、より典型的な例では30〜80重量%の範囲で存在する。
【0175】
他の考えられる成分には、抗酸化剤、着色剤、着香剤および香味剤、保存剤、唾液腺刺激剤、冷却剤、共溶媒(油を含む)、緩和剤、増量剤、消泡剤、界面活性剤、ならびに矯味剤が含まれる。
【0176】
本発明によるフィルムは通常、可剥性の支持担体または紙上にコートした薄い水溶性フィルムを蒸発乾燥させて調製する。これは、乾燥オーブンまたは乾燥トンネル、通常は複合塗工乾燥機で、または凍結乾燥もしくは減圧によって行うことができる。
【0177】
経口投与用の固体製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0178】
本発明の目的に適する変更型放出製剤は、米国特許第6106864号に記載されている。高エネルギー分散や浸透性粒子および被覆粒子などの他の適切な放出技術の詳細は、Vermaらによる「Pharmaceutical Technology On−line」第25巻(2)、1〜14ページ(2001年)で見られる。制御放出を実現するためのチューインガムの使用は、WO00/35298に記載されている。
【0179】
本発明の化合物は、血流、筋肉、または内臓に直接投与することもできる。非経口投与に適する手段には、静脈内、動脈内、腹腔内、くも膜下腔内、側脳室内、尿道内、胸骨内、脳内、筋肉内、滑液包内、および皮下が含まれる。非経口投与に適する装置には、(微細針を含む)針注射器、無針注射器、および注入技術が含まれる。
【0180】
非経口製剤は通常、塩、炭水化物、および(好ましくはpH3〜9にするための)緩衝剤などの賦形剤を含有してよい水溶液であるが、一部の適用例では、無菌の非水性溶液として、または発熱物質を含まない無菌水などの適切な媒体と合わせて使用される乾燥形態としてより適切に製剤することもできる。
【0181】
たとえば凍結乾燥による無菌条件下での非経口製剤の調製は、当業者によく知られている標準の製薬技術を使用して容易に実現することができる。
【0182】
非経口溶液の調製で使用する式(I)の化合物の溶解性は、溶解性改善剤を混ぜるなどの適切な製剤技術を使用して増大させることもできる。
【0183】
非経口投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。したがって、本発明の化合物は、懸濁液として、または活性化合物の変更型放出をもたらす移植デポー剤として投与するための固体、半固体、もしくは揺変性液体として製剤することもできる。そのような製剤の例には、薬物でコートしたステント、ならびに薬物を載せたdl−乳酸−グリコール酸共重合体(PGLA)ミクロスフェアを含む半固体および懸濁液が含まれる。
【0184】
本発明の化合物は、皮膚または粘膜に、局所的に、真皮内(皮内)に、または経皮的に投与することもできる。この目的のための典型的な製剤には、ゲル、ヒドロゲル、ローション、溶液、クリーム、軟膏、散粉剤、包帯剤、フォーム、フィルム、皮膚パッチ、ウェーハ、植込錠、スポンジ、線維、絆創膏、およびマイクロエマルジョンが含まれる。リポソームを使用してもよい。典型的な担体には、アルコール、水、鉱油、流動パラフィン、白色ワセリン、グリセリン、ポリエチレングリコール、およびプロピレングリコールが含まれる。浸透性改善剤を混ぜてもよい。たとえば、FinninおよびMorganによるJ Pharm Sci、第88巻(10)、955〜958ページ(1999年10月)を参照されたい。
【0185】
他の局所投与手段には、電気穿孔法、イオン導入法、音波泳動法、超音波導入法、ならびに微細針または無針注射(たとえばPowderject(商標)、Bioject(商標)など)による送達が含まれる。
【0186】
局所投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0187】
本発明の化合物は、通常、(単独の、またはたとえばラクトースとの乾燥ブレンドにした混合物として、またはたとえばホスファチジルコリンなどのリン脂質と混合した混合型成分粒子としての)乾燥粉末の形で乾燥粉末吸入器から、またはエアロゾルスプレーとして、1,1,1,2−テトラフルオロエタンや1,1,1,2,3,3,3−ヘプタフルオロプロパンなどの適切な噴射剤を使用しもしくは使用せずに加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー(好ましくは電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザー)、もしくはネブライザーから、または点鼻液として、鼻腔内投与または吸入投与することもできる。鼻腔内の使用では、粉末は、生体接着剤、たとえばキトサンまたはシクロデキストリンを含んでもよい。
【0188】
加圧容器、ポンプ、スプレー、アトマイザー、またはネブライザーは、たとえばエタノール、エタノール水溶液、または活性物質を分散させ、可溶化し、もしくはその放出を延長するのに適する別の物質、溶媒としての噴射剤、ならびにトリオレイン酸ソルビタン、オレイン酸、オリゴ乳酸などの随意選択の界面活性剤を含む、本発明の化合物の溶液または懸濁液を含んでいる。
【0189】
乾燥粉末または懸濁液製剤にして使用する前に、薬物製品は、吸入による送達に適する大きさ(通常は5ミクロン未満)に超微粉砕する。これは、スパイラルジェット粉砕、流動層ジェット粉砕、ナノ粒子を生成するための超臨界流体処理、高圧ホモジナイズ、噴霧乾燥などの、適切な任意の微粉砕法によって実現することができる。
【0190】
吸入器または注入器に入れて使用する(たとえばゼラチンまたはヒドロキシプロピルメチルセルロース製の)カプセル、ブリスター、およびカートリッジは、本発明の化合物、ラクトースやデンプンなどの適切な粉末基剤、およびl−ロイシン、マンニトール、ステアリン酸マグネシウムなどの性能改質剤の粉末混合物を含有するように製剤することができる。ラクトースは、無水でも、または一水和物の形でもよいが、後者が好ましい。他の適切な賦形剤には、デキストラン、グルコース、マルトース、ソルビトール、キシリトール、フルクトース、スクロース、およびトレハロースが含まれる。
【0191】
電気水力学を使用して微細な霧を生成するアトマイザーでの使用に適する溶液製剤は、1作動あたり1μg〜20mgの本発明の化合物を含有してよく、作動体積は、1μl〜100μlと様々でよい。典型的な製剤は、式(I)の化合物、プロピレングリコール、滅菌水、エタノール、および塩化ナトリウムを含んでよい。プロピレングリコールの代わりに使用してもよい別の溶媒には、グリセロールおよびポリエチレングリコールが含まれる。
【0192】
メントールやl−メントールなどの適切な着香剤、またはサッカリンやサッカリンナトリウムなどの甘味剤を、吸入投与/鼻腔内投与を目的とする本発明の製剤に加えてもよい。
【0193】
吸入投与/鼻腔内投与用の製剤は、たとえばPGLAを使用して、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0194】
乾燥粉末吸入器およびエアロゾルの場合では、投与量単位は、計量された量を送達するバルブによって決定される。本発明による単位は通常、0.001mg〜10mgの式(I)の化合物を含有する計量された用量または「ひと吹き」を投与するように整えられる。全体としての1日量は通常、0.001mg〜40mgの範囲にあり、その量を1回で、またはより普通にはその日を通して数回分に分けて投与することができる。
【0195】
本発明の化合物は、たとえば坐剤、膣坐剤、または浣腸の形で直腸投与または経膣投与することができる。カカオ脂が伝統的な坐剤基剤であるが、様々な代替品を適宜使用してもよい。
【0196】
直腸/経膣投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、およびプログラム放出が含まれる。
【0197】
本発明の化合物は、通常はpH調整された等張性無菌食塩水中の微粒子化された懸濁液または溶液の液滴の形で、眼または耳に直接に投与することもできる。眼および耳への投与に適する他の製剤には、軟膏、ゲル、生分解性(たとえば吸収性のゲルスポンジ、コラーゲン)および非生分解性(たとえばケイ素樹脂)の植込錠、ウェーハ、レンズ、ならびにニオソームやリポソームなどの微粒子系またはベシクル系が含まれる。架橋ポリアクリル酸、ポリビニルアルコール、ヒアルロン酸;セルロース系ポリマー、たとえばヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、またはメチルセルロース;ヘテロ多糖ポリマー、たとえばゲランガムなどのポリマーを、塩化ベンザルコニウムなどの保存剤と共に混ぜてもよい。このような製剤は、イオン導入法によって送達することもできる。
【0198】
眼/耳への投与用の製剤は、即時型および/または変更型の放出がなされるように製剤することができる。変更型放出製剤には、遅延放出、持続放出、パルス放出、制御放出、標的指向性放出、またはプログラム放出が含まれる。
【0199】
本発明の化合物は、上述の投与方式のいずれかにおける使用に向けて、その溶解性、溶解速度、矯味、生体利用度、および/または安定性を向上させるために、シクロデキストリンおよびその適切な誘導体や、ポリエチレングリコール含有ポリマーなどの可溶性の高分子物質と組み合わせることもできる。
【0200】
たとえば、薬物−シクロデキストリン複合体は、一般にほとんどの剤形および投与経路に有用であることがわかっている。包接複合体および非包接複合体の両方を使用することができる。薬物との直接の複合体形成に代わる手段として、シクロデキストリンを補助添加剤、すなわち担体、希釈剤、または可溶化剤として使用することもできる。これらの目的のために最も一般に使用されるのは、α、β、およびγシクロデキストリンであり、その例は、国際特許出願WO91/11172、WO94/02518、およびWO98/55148で見ることができる。
【0201】
たとえば特定の疾患または状態を治療する目的で活性化合物の組合せを投与することが望ましい場合もあるので、その少なくとも1種が本発明による化合物を含有する2種以上の医薬組成物を、組成物の共投与に適するキットの形で好都合に組み合わせてもよいことは、本発明の範囲内である。
【0202】
したがって、本発明のキットは、その少なくとも1種が本発明による式(I)の化合物を含有する2種以上の別個の医薬組成物と、容器、分割されたボトル、または分割されたホイル製袋などの、前記組成物を別々に保持する手段とを含む。そのようなキットの例は、錠剤、カプセル剤などの包装に使用される見慣れたブリスターパックである。
【0203】
本発明のキットは、たとえば経口および非経口の異なる剤形を投与する、別個の組成物を異なる投与間隔で投与する、または別個の組成物を互いに滴定するのに特に適する。服薬遵守を援助するために、キットは通常、投与の説明書を含み、いわゆるメモリーエイドを添えて提供してもよい。
【0204】
本発明の他の態様は、請求項で列挙する。
【0205】
生物学的データ
【0206】
【表4】

【0207】
3mg/kgおよび10mg/kgの実施例2の化合物が24時間にわたる累積的な食物摂取および24時間にわたる体重変化に与える効果を媒体と比べたものを、図1および図2に示す。
【0208】
本発明を以下の非限定的な実施例によって例示するが、その中では以下の略語および定義を使用する。
APCI 大気圧化学イオン化質量スペクトル
[α] 589nmでの比旋光度
br ブロード
Celite(登録商標) 濾過剤
δ 化学シフト
d 二重線
dd 二重二重線
EI エレクトロスプレーイオン化
Ex 実施例
LRMS 低分解能質量スペクトル
m 多重線
m/z 質量スペクトルピーク
NMR 核磁気共鳴
Prec 前駆体
Prep 調製
psi 1平方インチあたりのポンド数
q 四重線
s 一重線
t 三重線
tlc 薄層クロマトグラフィー
【0209】
合成の便宜上、化合物は、多くの場合ではその遊離塩基形態で最初に単離しているが、分析的同定の目的でしばしばその対応する塩酸塩に変換している。疑義を避けるために、遊離塩基およびHCl塩の両方の形態が本明細書で提供されるとみなす。
【0210】
疑義を避けるために、本明細書で使用する命名された化合物は、ACD Labs Name Software v7.11(商標)を使用して命名している。
【実施例】
【0211】
(実施例1)
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ニコチノニトリル
【0212】
【化12】

調製例10のピロリジン(200mg、0.46mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(0.32mL、1.8mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、2−クロロ−5−シアノピリジン(96mg、0.69mmol)を加え、混合物を窒素中にて70℃で終夜加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液とし、5%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(191mg、77%)を白色固体として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.4〜0.6(6H,4xd)、0.78〜0.82、1.60〜1.68、および1.97〜2.05(2H,3xm)、2.73〜2.80(1H,m)、3.00〜3.20(1H、m)、3.68〜4.37(8H,m)、6.62(1H,m)、7.01〜7.08および7.37〜7.48(5H,2xm)、7.74(1H,m)、7.80および7.95(1H,2xdd)、8.40(1H,m)、8.57および8.60(1H,2xd);LRMS(EI)534[MH];[α]25=−47.0(c=0.215、MeOH)。
【0213】
(実施例2)
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル
【0214】
【化13】

調製例10のピロリジン(40mg、0.09mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(0.06mL、0.37mmol)のアセトニトリル(10mL)溶液に、3−クロロ−6−シアノピリダジン(US3637691に従って調製したもの)(20mg、0.14mmol)を加え、混合物を窒素中にて70℃で終夜加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液とし、5%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(41mg、83%)を白色固体として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.4〜0.6(6H,4xd)、0.78〜0.85、1.60〜1.69、および1.97〜2.10(2H,3xm)、2.72〜2.80(1H,m)、3.00〜3.23(1H,m)、3.68〜4.38(8H,m)、6.99〜7.08および7.38〜7.50(6H,2xm)、7.70(1H,d)、7.80および7.94(1H,2xdd)、8.58および8.61(1H,2xd);LRMS(EI)535[MH]。
【0215】
(実施例3)
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
【0216】
【化14】

調製例10のピロリジン(100mg、0.23mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(0.16mL、0.93mmol)のアセトニトリル(5mL)溶液に、1,6−ジクロロピリダジン(173mg、1.2mmol)を加え、混合物を窒素中にて70℃で終夜加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液とし、5%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(52mg、42%)を白色固体として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.4〜0.6(6H,4xd)、0.78〜0.85、1.60〜1.69、および1.97〜2.10(2H,3xm)、2.72〜2.80(1H,m)、3.00〜3.23(1H,m)、3.68〜4.38(8H,m)、6.99〜7.08および7.38〜7.50(6H,2xm)、7.70(1H,d)、7.80および7.94(1H,2xdd)、8.58および8.61(1H,2xd);LRMS(EI)544[MH]。
【0217】
(実施例4)
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
【0218】
【化15】

ナトリウムt−ブトキシド(31mg、0.32mmol)、3−クロロ−6−メトキシピリダジン(34mg、0.23mmol)、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(8.5mg、0.009mmol)、および2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフタレン(11.5mg、0.0185mmol)を、調製例10のピロリジン(100mg、0.23mmol)のトルエン(10mL)溶液に加え、混合物を窒素中にて80℃で終夜加熱した。真空中で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(25mL)に溶かし、水で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。ジクロロメタンを溶離液とし、5%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させながらカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製すると、表題化合物(48mg、40%)が黄色の泡沫として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.4〜0.62(d+t+t,6H)、0.86(m,1H)、1.65(m,1H)、1.93〜2.08(br,1H)、2.75(m,1H)、3.17(t,1H)、3.74(m,3H)、3.95(s,3H)、3.96〜4.21(m,3H)、4.32(d,1H)、6.98〜7.1(m,5H)、7.38〜7.48(m,2H)、7.79+7.48(2xdd,1H)、8.56(d,1H);LRMS(EI)540[MH]。
【0219】
(実施例5)
(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−1−{[(3S,4S)−1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
【0220】
【化16】

(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−1−{[(3S,4S)−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール(調製例17のアルデヒド、および国際特許出願公開第WO2005/077935に従って調製した(3R,4s,5S)−4−(4−クロロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オールから出発して、調製例10のアミンに使用したのと同じ方法によって調製したもの)(120mg、0.28mmol)のジメチルスルホキシド(2mL)溶液に、3,6−ジクロロピリダジン(98mg、0.56mmol)、トリエチルアミン(0.12mL、0.84mmol)、およびフッ化セシウム(13mg、0.084mmol)を加えた。混合物を窒素中にて110℃で3時間攪拌した。反応混合物をメタノール(5mL)で希釈し、SCXカラムに装入し、メタノールを溶離液として非塩基性の材料およびジメチルスルホキシドを除去した後、メタノール中2M NHを溶離液として塩基性生成物を溶出した。真空中で溶媒を除去して、表題化合物(74mg、49%)を無色のゴム質として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.44〜0.60(6H,4xd)、0.95〜1.02、1.64〜1.73、および1.94〜2.09(2H,3xm)、2.69〜2.79(1H,m)、2.99〜3.06、および3.16〜3.22(1H,2xm)、3.74〜3.79(3H,m)、4.01〜4.24(4H,m)、4.32〜4.36(1H,m)、7.02〜7.07(1H,m)、7.29〜7.70(7H,m)、8.45〜8.49(1H,m);LRMS(EI+)544[MH+]。
【0221】
(実施例6)
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン
【0222】
【化17】

実施例5のクロロピリダジン(70mg、0.13mmol)の溶液を脱気した酢酸に溶解させ、窒素中にて還流温度で終夜攪拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水溶液 95/5/0.5を溶離液とするカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製した。これによって、表題化合物がオフホワイトの固体(37mg、55%)として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.43〜0.59(6H,4xd)、0.94〜1.03、1.64〜1.73、および1.93〜2.03(2H,3xm)、2.65〜2.78(1H,m)、2.97〜3.03および3.14〜3.20(1H,2xm)、3.62〜3.79(3H,m)、3.86〜4.17(4H,m)、4.31〜4.35(1H,m)、6.88〜6.91(1H,m)、7.30〜7.42(5H,m)、7.47〜7.57(1H,m)、7.63〜7.68(1H,m)、8.44〜8.48(1H,m);LRMS(EI+)526[MH+]。
【0223】
(実施例7)
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン
【0224】
【化18】

実施例6のピリダジノン(30mg、0.057mmol)のジメチルホルムアミド(2mL)溶液に、テトラヒドロフラン中1Mナトリウムヘキサメチルジシラジド(0.07mL、0.07mmol)および臭化リチウム(6mg、0.07mmol)を加えた。混合物を窒素中にて室温で30分間攪拌し、次いでヨウ化メチル(0.004mL、0.07mmol)を加え、混合物を窒素中にて室温で2時間攪拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水溶液 95/5/0.5を溶離液とするカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製した。これによって、表題化合物が黄色の固体として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.44〜0.59(6H,4xd)、0.94〜1.03、1.64〜1.73、および1.95〜2.04(2H,3xm)、2.68〜2.78(1H,m)、2.95〜3.01、および3.14〜3.21(1H,2xm)、3.62〜3.81(6H,m)、3.87〜4.17(4H,m)、4.31〜4.35(1H,m)、6.87〜6.90(1H,m)、7.25〜7.34(4H,m)、7.38〜7.42(1H,m)、7.48〜7.58(1H,m)、7.64〜7.69(1H,m)、8.44〜8.48(1H,m)、LRMS(EI+)540[MH+]。
【0225】
(実施例8)
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−4−オール
【0226】
【化19】

(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−4−オール(国際特許出願公開第WO2005/077935号に従って調製した(3R,4s,5S)−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−4−オールから出発して、調製例10のアミンに使用したのと同じ方法によって調製したもの)(50mg、0.12mmol)のトルエン(5mL)溶液に、3−ブロモ,5−フルオロピリジン(25mg、0.14mmol)、トリス(ジベンジリジンアセトン)ジパラジウム(4.4mg、0.0048mmol)、BINAP(6mg、0.0096mmol)、およびナトリウムt−ブトキシド(26mg、0.27mmol)を加えた。混合物を窒素中にて80℃で終夜攪拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水溶液 99/1/0.1を溶離液とし、95/5/0.5へと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製した。これによって、表題化合物(11mg、18%)が黄色のゴム質として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.33〜0.53(6H,4xd)、0.81〜0.93、1.81〜1.92、および2.08〜2.28(2H,3xm)、2.69〜2.78(1H,m)、2.99〜3.20(1H,m)、3.61〜3.94(5H,m)、4.01〜4.23(2H,m)、4.34〜4.42(1H,m)、6.81〜6.90(1H,m)、7.26〜7.50(3H,m)、7.70〜7.94(4H,m)、8.51〜8.62(2H,m);LRMS(EI+)510[MH+]。
【0227】
(実施例9)
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−ピリダジン−3−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−4−オール
【0228】
【化20】

(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−4−オール(国際特許出願公開第WO2005/077935に従って調製した(3R,4s,5S)−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−4−オールから出発して、調製例10のアミンに使用したのと同じ方法によって調製したもの)(50mg、0.12mmol)のDMSO(2mL)溶液に、3−クロロピリダジン(28mg、0.24mmol)、フッ化セシウム(18mg、0.12mmol)、およびトリエチルアミン(0.05mL、0.36mmol)を加えた。混合物を窒素中にて100℃で終夜攪拌した。反応混合物を10mLの酢酸エチルで希釈し、3×20mLの水で洗浄した。水性抽出物を合わせて10mLの酢酸エチルで抽出し、有機抽出物を合わせて10mLのブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、真空中で溶媒を除去した。残渣を、ジクロロメタン/メタノール/アンモニア水溶液 99/1/0.1を溶離液とし、95/5/0.5へと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製した。これによって、表題化合物(16mg、27%)が黄色のゴム質として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.20〜0.37(6H,4xd)、0.91〜1.13、1.67〜1.76、および1.94〜2.09(2H,3xm)、2.54〜2.62(1H,m)、2.87〜2.93、および2.99〜3.05(1H,2xm)、3.61〜3.74(3H,m)、3.86〜4.08(4H,m)、4.20〜4.26(1H,m)、6.83〜6.88(1H,m)、7.11〜7.44(4H,m)、7.63〜7.78(2H,m)、8.30〜8.46(3H,m)、LRMS(EI+)493[MH+]。
【0229】
(実施例10)
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン
【0230】
【化21】

調製例15のカルボン酸(42mg、0.08mmol)のジクロロメタン(3mL)溶液に、N−エチルジイソプロピルアミン(0.04mL、0.25mmol)、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(15mg、0.095mmol)、および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドを加え、混合物を窒素中で30分間攪拌した。調製例16のアミンを加え、混合物を窒素中で終夜攪拌した。反応混合物をジクロロメタン(20mL)で希釈し、飽和NaHCO(20mL)およびブライン(20mL)で洗浄した。有機層をMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけて、黄色の油状固体を得た。これを、ジクロロメタンを溶離液とし、95/5のジクロロメタン/メタノールへと極性を増大させる、カラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物を黄色の固体(31mg、67%)として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.36〜0.6(m,6H)、1.18(br,1H)、1.89(br,1H)、2.16(br,1H)、2.71(m,1H)、3.13(m,1H)、3.6〜4.2(s+m,9H)、4.33(d,1H)、6.89(d,1H)、7.2〜7.5(m,3H)、7.78〜7.92(m,2H)、8.56(d,2H)、LRMS(EI)558[MH]。
【0231】
(実施例11〜46)
実施例11〜46は、適切なピリジンアルデヒドおよび適切な4置換3,5−ジメチルピペリジン−4−オールから出発し、実施例1〜10について上で述べた方法に従って調製した。
1. 2−メトキシピリジン−5−カルバルデヒドは、市販されている。他のアルデヒドは、調製例2、17、18、および22に記載する。
2. (3R,4s,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オールを調製例16に記載する。他の必要なピペリジノールの合成は、国際特許出願公開第WO2005/077935号に記載されている。
【0232】
【化22】

【0233】
【表5−1】

【0234】
【表5−2】

【0235】
【表5−3】

【0236】
【表5−4】

【0237】
【表5−5】

【0238】
調製例
調製例1
5−クロロ−2−ヨードピリジン
【0239】
【化23】

2−ブロモ−5−クロロピリジン(20.0g、0.103mol)のアセトニトリル(120mL)溶液に、塩化アセチル(11.05mL、0.155mol)を加えた後、ヨウ化ナトリウム(23.3g、0.155mol)を加え、乾燥管を3時間装着して混合物を加熱還流した。反応液を氷浴で冷却し、炭酸カリウム飽和水溶液で慎重に塩基性にし、次いで酢酸エチル(2×100mL)で抽出した。有機層を合わせて亜硫酸ナトリウム飽和水溶液(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。次いで、反応を確実に完全なものにするために、残渣を同一の反応および後処理条件にさらし、これによって表題化合物(18.71g、75%)が褐色の固体として得られた。H NMR(CDCl、400MHz)δ7.30(1H,dd)、7.65(1H,d)、8.35(1H,d);LRMS(APCI)240[MH]。
【0240】
調製例2
5−クロロピリジン−2−カルバルデヒド
【0241】
【化24】

調製例2のヨウ化物(18.71g、78.1mmol)をテトラヒドロフラン(100mL)に溶解させ、窒素中にて−15℃に冷却した。次いで、温度が確実に0℃より低いままになるようにしながら、塩化イソプロピルマグネシウムのテトラヒドロフラン溶液(2M、42.2mL、84.4mmol)を滴下した。反応混合物を−15℃に冷却し、1時間攪拌し、温度を0℃より低く保ちながらジメチルホルムアミド(9.0mL、116mmol)を滴下した。反応混合物を室温に温め、1時間攪拌した後、0℃に冷却し直し、2M HCl(100mL)を滴下して慎重に失活させた。滴下し終えた後、混合物を室温で30分間攪拌した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液を加えてpHを6〜7に調整した。有機層を分離し、水層をジクロロメタン(2×200mL)で抽出した。有機層を合わせて水(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、温度を30℃より低く保ちながらロータリーエバポレーターで濃縮して、粗生成物(13.7g)を褐色の油状物として得、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl、400MHz)δ7.35(1H,d)、7.95(1H,d)、8.73(1H,s)、10.02(1H,s);LRMS(APCI)142[MH]。
【0242】
調製例3
(2E)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)アクリル酸t−ブチル
【0243】
【化25】

ジエチルホスホノ酢酸t−ブチル(19.1mL、81mmol)のジエチルエーテル(80mL)溶液に、窒素中にて−78℃でn−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M、34mL、85mmol)を滴下し、30分間攪拌を続けた。次いで、調製例2の粗製のアルデヒド(調製例1の78.1mmolのヨウ化物からのもの)のジエチルエーテル(20mL)溶液を滴下し、温度を−65℃より低く保った。加え終えたなら、混合物を2時間かけて室温に温めた後、塩化アンモニウム飽和水溶液(200mL)を加えて慎重に失活させた。混合物をジエチルエーテル(2×150mL)で抽出し、有機抽出物を合わせてブライン(200mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。残渣を、ペンタンを溶離液とし、8:2のペンタン/酢酸エチルへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(13.34g、2ステップで74%)を油状物として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ1.51、(9H,s)、6.79(1H,d)、7.35(1H,d)、7.52(1H,d)、7.66(1H,dd)、8.55(1H,d);LRMS(APCI)240[MH]。
【0244】
(調製例4)
(2E)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)アクリル酸トリフルオロ酢酸塩
【0245】
【化26】

調製例3のエステル(2.09g、8.7mmol)をジクロロメタン(10mL)に溶かした氷冷溶液に、トリフルオロ酢酸(10mL)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下し、得られる混合物を室温で終夜攪拌した。真空中で溶媒を除去し、トルエン(10mL)を加え、真空中で除去し、ジクロロメタン(10mL)を加え、真空中で除去して、表題化合物(2.44g、94%)を赤色固体として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ6.86(1H,d)、7.64(2H,m)、7.87(1H,dd)、8.59(1H,d);LRMS(APCI)184[MH]。
【0246】
調製例5
(4S)−4−ベンジル−3−[(2E)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)プロパ−2−エノイル]−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0247】
【化27】

調製例4の酸(2.44g、8.2mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液を窒素中にて−78℃に冷却した。温度が−65℃より低いままになるように滴下速度を制御しながら、トリエチルアミン(2.85mL、20mmol)を滴下した後、塩化トリメチルアセチル(1.11mL、9.0mmol)を滴下した。次いで、混合物を−78℃で2時間攪拌した。窒素中の−78℃の(4S)−4−ベンジル−1,3−オキサゾリジン−2−オン(1.74g、9.8mmol)のテトラヒドロフラン(15mL)溶液に、温度が−65℃より低いままになるように滴下速度を制御しながら、BuLi(ヘキサン中2.5M、4.26mL、10.7mmol)を滴下した。−78℃で20分間攪拌した後、混合された−78℃の無水物溶液に、オキサゾリジノンアニオンの溶液を、カニューレを介して加えた。次いで、反応混合物を−78℃で20分間攪拌した後、一晩かけてゆっくりと室温に温めた。塩化アンモニウム飽和水溶液(30mL)を加えて反応を失活させ、次いで真空中で濃縮してテトラヒドロフランを除去した。固体の沈殿を濾過し、ジエチルエーテルで洗浄して、表題化合物(1.52g、54%)をバフ色の固体として得た。エーテル洗液を蒸発乾燥し、ジエチルエーテル中にスラリー化し、濾過して、さらなる生成物(0.42g、15%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ2.84(1H,t)、3.37(1H,d)、4.22(2H,m)、4.78(1H,m)、7.2〜7.4(5H,m)、7.51(1H,d)、7.69(1H,d)、7.86(1H,d)、8.23(1H,d)、8.62(1H,s);LRMS(APCI)343[MH]。
【0248】
(調製例6)
(4S)−4−ベンジル−3−{[(3S,4S)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン
【0249】
【化28】

調製例5のオキサゾリジノン(1.93g、5.6mmol)のジクロロメタン(20mL)懸濁液に、トリフルオロ酢酸(90μL、1.2mmol)を加え、次いでN−ベンジル−N−(メトキシメチル)トリメチルシリルアミン(2.3mL、9.0mmol)を10分間かけて滴下した。加え終えた後、反応液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(20mL)で処理し、層を分離した。水層をジクロロメタン(2×20mL)で抽出し、有機層を合わせて乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。残渣を、2:8の酢酸エチル/ペンタンを溶離液とし、2:3へと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、所望でない(4S)−4−ベンジル−3−{[(3R,4R)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン(1.16g、44%)を第1の溶出成分として、所望の(4S)−4−ベンジル−3−{[(3S,4S)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−1,3−オキサゾリジン−2−オン(1.18g、45%)を第2の溶出成分として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ2.75(2H,m)、2.92(1H,m)、3.20(3H,m)、3.27(1H,br)、3.68(2H,br)、4.14(2H,m)、4.23(1H,m)、4.50(1H,m)、4.67(1H,m)、7.10〜7.40(11H,m)、7.58(1H,dd)、8.50(1H,d);LRMS(APCI)476[MH]。
【0250】
調製例7
(3S,4S)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル
【0251】
【化29】

調製例6のオキサゾリジノン(1.17g、2.5mmol)および炭酸ジメチル(1.03mL、12mmol)のジクロロメタン(15mL)溶液に、ナトリウムメトキシド(664mg、12mmol)を加え、反応液を室温で終夜攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、残渣を酢酸エチル(50mL)と水(30mL)とに分配した。2M HCl(約6mL)を加えて水層を中和し、次いで真空中で濃縮した。残渣をアセトニトリル(25mL)で摩砕し、次いで濾過した。濾液を濃縮すると、(3S,4S)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−カルボン酸(123mg、16%)が黄色の固体として得られた(分光学的データについては調製例8を参照されたい)。酢酸エチル層を乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。2:8の酢酸エチル/ペンタンを溶離液とし、2:3へと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって残渣を精製すると、表題化合物(371mg、45%)が無色の油状物として得られた。H NMR(CDCl、400MHz)δ2.71(1H,t)、2.97(1H,t)、3.05(2H,m)、3.23(1H,m)、3.63(5H,m)、3.82(1H,q)、7.15〜7.35(6H,m)、7.55(1H,d)、8.46(1H,s);LRMS(APCI)331[MH]。
【0252】
調製例8
(3S,4S)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−カルボン酸ビス塩酸塩
【0253】
【化30】

調製例7のエステル(371mg、1.1mmol)のジオキサン(10 mL)溶液に、NaOH(135mg、3.3mmol)の水(5mL)溶液を加え、混合物を室温で終夜攪拌した。反応混合物を真空中で濃縮し、水(10mL)に溶かし、2M HCl(約1.7mL)で中和した。次いで、混合物を真空中で濃縮し、アセトニトリル(20mL)で摩砕し、濾過した。濾液を2MのHClエーテル溶液で酸性化し、真空中で濃縮して、表題化合物(290mg、68%)を固体として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ3.40〜4.20(6H,m)、4.53(2H,m)、7.40〜7.60(6H,m)、7.81(1H,d)、8.60(1H,br);LRMS(APCI)317[MH]。
【0254】
調製例9
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−1−ベンジル−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
【0255】
【化31】

調製例8の酸(522mg、1.5mmol)をジクロロメタン(10mL)およびトリエチルアミン(1.03mL、7.4mmol)に溶かした溶液に、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(230mg、1.7mmol)および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチル−カルボジイミド塩酸塩(354mg、1.8mmol)を加え、混合物を室温で30分間攪拌した後、(3R,4s,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール塩酸塩(US2005/176772に従って調製したもの)(384mg、1.5mmol)を加えた。混合物を室温で終夜攪拌し、真空中で溶媒を除去し、残渣を酢酸エチル(50mL)と炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(50mL)とに分配した。有機層をブライン(50mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。残渣を、ジクロロメタンを溶離液とし、5%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(546mg、71%)を油状物として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.3〜0.6(6H,4xd)、1.23(1H,m)、1.75〜1.95(2H,m)、2.72(1H,t)、2.85(1H,m)、2.90〜3.20(3H,m)、3.45〜4.05(5H,m)、4.32(1H,d)、7.02(3H,m)、7.20〜7.50(7H,m)、7.80、(1H,dd)、8.50(1H,d);LRMS(APCI)522[MH]。
【0256】
調製例10
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
【0257】
【化32】

調製例9のアミド(370mg、0.7mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(0.27mL、1.6mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、クロロギ酸1−クロロエチル(0.3mL、2.8mmol)を加え、混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却した後、真空中で溶媒を除去し、残渣を10%のクエン酸水溶液(30mL)とジクロロメタン(30mL)とに分配した。有機層を水(30mL)で洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけた。得られる暗色の油状物をメタノール(10mL)に溶かし、3時間加熱還流した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、5%のジクロロメタン中メタノールを溶離液とし、10%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(305mg、100%)を油状物として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ0.4〜0.6(6H,4xd)、1.00〜1.06、1.77〜1.82、および1.98〜2.05(2H,3xm)、2.76〜2.82(1H,m)、3.00〜3.20(2H,m)、3.40〜4.10(6H,m)、4.36(1H,m)7.00〜7.50(5H,m)、7.85および7.95(1H,2xdd)、8.61および8.63(1H,2xd);LRMS(APCI)432[MH]。
【0258】
調製例11
(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル
【0259】
【化33】

調製例7のエステル(1.77g、5.35mmol)およびN−エチルジイソプロピルアミン(2.1mL、12mmol)のジクロロメタン(10mL)溶液に、クロロギ酸1−クロロエチル(2.33mL、21.4mmol)を加え、混合物を3時間加熱還流した。室温に冷却した後、真空中で溶媒を除去し、残渣をメタノール(10mL)に溶かし、16時間加熱還流した。真空中で溶媒を除去し、残渣を、ジクロロメタンを溶離液とし、10%のジクロロメタン中メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、所望の生成物とN−エチルジイソプロピルアミンの混合物を油状物として得た。油状物を酢酸エチル(30mL)に溶かし、得られる沈殿を濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残渣をアセトニトリル(25mL)に溶かした。得られる沈殿を濾過して、表題化合物(619mg、48%)を白色固体として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ3.46(m,1H)、3.61〜3.77(m,7H)、3.74(s,3H)、3.98(m,1H)、7.42(d,1H)、7.82(dd,1H)、8.57(d,1H);LRMS(APCI)241[MH]。
【0260】
調製例12
(3S,4S)−1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル
【0261】
【化34】

調製例11のピロリジン(350mg、1.50mmol)のジメチルスルホキシド(10mL)溶液に、3,6−ジクロロピリダジン(330mg、2.20mmol)、トリエチルアミン(0.61mL、4.40mmol)、およびフッ化セシウム(220mg、1.45mmol)を加えた。混合物を窒素中にて80℃で終夜攪拌した。反応混合物を25mLの酢酸エチルに溶かし、20mLの水で洗浄した。有機層を分離し、水層を別の25mLの酢酸エチルで抽出し直した。酢酸エチル抽出物を合わせてMgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけて、淡橙色の油状固体を得、これを、ジクロロメタンを溶離液とし、95/5のジクロロメタン/メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィーによって精製した。これによって、表題化合物が黄色の固体として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ3.66(s,1H)、3.72(m,1H)、3.78(t,1H)、3.96〜4.12(m,4H)、7.04(d,1H)、7.42(m,2H)、7.79(d,1H)、8.52(s,1H);LRMS(EI)353[MH]。
【0262】
調製例13
(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル
【0263】
【化35】

調製例12のクロロピリダジン(803mg、2.27mmol)の溶液を脱酸素した酢酸に溶解させ、窒素中にて44時間加熱還流した。真空中で溶媒を除去し、15mLのメタノールを加えた。次いで、HClガスを飽和するまで反応混合物にバブルし、混合物を乾燥管下で終夜攪拌した。メタノールを真空中で除去し、残渣をDCMと10%のKCOとに分配した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけて、表題化合物を淡褐色の固体(577mg、76%)として得た。H NMR(CDOD、400MHz)δ3.58〜3.76および3.83〜3.97(6H,2xm)、3.65(3H,s)、6.89(1H,d)、7.31(1H,d)、7.39(1H,d)、7.79(1H,dd)、8.52(1H,d);LRMS(EI)335[MH]。
【0264】
調製例14
(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸メチル
【0265】
【化36】

調製例13のピリダジノン(557mg、1.66mmol)のジメチルホルムアミド(10mL)溶液に、ナトリウムヘキサメチジシラジド(テトラヒドロフラン中1M、2.00mL、2.00mmol)および臭化リチウム(173mg、2.00mmol)を加えた。反応液を窒素中にて10分間攪拌した後、ヨードメタン(0.083mL、1.30mmol)を加えた。反応液を窒素中で4時間攪拌し、次いで酢酸エチル(30mL)と水(30mL)とに分配した。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、濾過し、蒸発にかけて、褐色の油状物を得、これを、100%のジクロロメタンを溶離液とし、95/5のジクロロメタン/メタノールへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)を使用して精製した。これによって、表題化合物が黄色の油状物(500mg、90%)として得られた。H NMR(CDOD、400MHz)δ3.64(m,9H)、3.92(m,3H)、6.87(d,1H)、7.26(d,1H)、7.37(d,1H)、7.79(dd,1H)、8.51(s,1H);LRMS(EI)349[MH]。
【0266】
調製例15
(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(1−メチル−6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−カルボン酸
【0267】
【化37】

調製例14のエステル(500mg、1.43mmol)のジオキサン(10mL)溶液に、5mLの水に溶かした溶液としての水酸化ナトリウム(172mg、4.30mmol)を加えた。反応液を乾燥管下で終夜攪拌した。真空中で溶媒を除去し、残渣を水に溶かし、4当量の2M HClで中和し、蒸発にかけた。残渣を20mLのアセトニトリルと共に攪拌し、濾過して、バフ色の固体を得た(3当量のNaClを含有する512mg−338mgの生成物+174mgのNaCl)。H NMR(CDOD、400MHz)δ3.6(m,2H)、3.64(s,3H)、3.7(t,1H)、3.9(m,3H)、6.88(d,1H)、7.27(d,1H)、7.41(d,1H)、7.79(dd,1H)、8.52(s,1H);LRMS(EI)335[MH]。
【0268】
調製例16
(3R,4s,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
【0269】
【化38】

ステップA:(3R,4s,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(4−メトキシベンジル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
2−ブロモ−5−クロロピリジン(6.0g、31.2mmol)のトルエン(90mL)溶液を窒素中で−78℃に冷却した。n−ブチルリチウム(ヘキサン中2.5M)(15mL、37.5mmol)を12分間かけて滴下し、混合物を−78℃で1時間攪拌した。次いで、(3R,5S)−1−(4−メトキシベンジル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オン(国際特許出願公開第WO 2005/077935に従って調製したもの)(6.93g、28.1mmol)のトルエン(15mL)溶液を10分間かけて滴下し、混合物を−78℃でさらに3時間攪拌した後、室温に温めた。混合物を飽和塩化アンモニウム(100mL)中に注いで失活させ、5分間攪拌した後、混合物を水(50mL)と酢酸エチル(300mL)とに分配した。有機相を分離し、水相を別の酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて硫酸マグネシウムで乾燥させ、濾過し、次いで蒸発乾燥して、粗製の中間体を得た。ジクロロメタン中2%メタノールを溶離液とし、ジクロロメタン中10%(10:1のメタノール:880アンモニア)へと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製すると、(3R,4s,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(4−メトキシベンジル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オールが橙色の油状物(8.48g、83%)として得られた。
【0270】
ステップB:(3R,4s,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール
ステップAの生成物(6.56g、18.2mmol)を無水ジクロロメタン(100mL)に溶解させ、トリエチルアミン(2.02g、20.0mmol)を加え、溶液を窒素中で5℃に冷却した。攪拌した溶液に、1−クロロエチルクロロギ酸(3.1g、21.9mmol)を滴下し、加え終えたなら、混合物を室温でさらに2.5時間攪拌した。次いで、混合物を10%炭酸カリウム水溶液(3×50mL)で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させ、蒸発乾燥した。粗製の油状物をメタノール(100mL)中で2.5時間加熱還流し、真空中で溶媒を除去した。残渣をジクロロメタン(100mL)およびメタノール(10mL)に溶解させ、固体の炭酸カリウム(10g)を加え、均一でない混合物を30分間攪拌した。固体の炭酸カリウムを濾別し、濾液を蒸発乾燥した。次いで、粗生成物を、ジクロロメタン中10%メタノールを溶離液とし、ジクロロメタン中20%(10:1のメタノール:880アンモニア)へと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、表題化合物(3.37g、77%)を黄色がかった固体として得た。H NMR(400MHz、CDCl)δ0.53(3H,s)、0.57(s,3H)、2.60〜2.71(m,2H)、3.13(q,2H)、3.32(d,2H)、7.43(d,1H)、7.78(dd,1H)、8.50(1H,d)、9.58(br,1H)、9.84(br,1H);LRMS(APCI+)241および243[MH]。
【0271】
調製例17
5−フルオロピリジン−2−カルバルデヒド
【0272】
【化39】

表題化合物は、2−ブロモ−5−フルオロピリジンから出発して、調製例1および2の方法に従って調製した。これによって、テトラヒドロフランおよびジエチルエーテルを含有する粗製材料が得られ、これをそれ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl、400MHz)δ7.57(1H,dt)、8.03(1H,dd)、8.62(1H,d)、10.04(1H,s);LRMS(APCI)126[MH]。
【0273】
調製例18
6−ホルミルニコチノニトリル
【0274】
【化40】

6−メチルニコチノニトリル(10.0g、84.6mmol)およびヨウ素(20.0g、78.8mmol)のジメチルスルホキシド(150mL)中混合物を、窒素中にて150℃で20分間加熱した(反応排気を漂白剤でこすり洗いして、ジメチルスルフィドを除去した)。室温に冷却した後、炭酸水素ナトリウム飽和水溶液(200mL)を慎重に加え、得られる混合物をトルエン(3×100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけて、所望の生成物を橙色の油状物(5.65g、50%)として得、それ以上精製せずに使用した。H NMR(CDCl、400MHz)δ8.06(1H,d)、8.17(1H,dd)、9.05(1H,d)、10.12(1H,s)。
【0275】
調製例19
5−メトキシ−2−メチルピリジン
【0276】
【化41】

粉末KOH(103g、1.83mol)のジメチルスルホキシド(750mL)懸濁液に、6−メチルピリジン−3−オール(50.0g、0.458mol)を加え、混合物を窒素中にて室温で1.5時間攪拌した。次いで、暗褐色の混合物にヨウ化メチル(30mL、68.3g、0.481mol)を1時間かけて滴下した(発熱性)。室温で1.5時間攪拌した後、水(1.0L)を加え、混合物を酢酸エチル(2×300mL)で抽出した。有機抽出物を合わせてブラインで洗浄し、乾燥させ(MgSO)、ロータリーエバポレーターによって40℃で蒸発にかけた。残渣を、ペンタンを溶離液とし、酢酸エチルへと極性を増大させるカラムクロマトグラフィー(シリカ)によって精製して、揮発性の生成物を酢酸エチルとの約1:1混合物(40g、約23.3gの生成物、41%)として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ2.45(3H,s)、3.79(3H,s)、7.02(1H,d)、7.08(1H,dd)、8.16(1H,d)。
【0277】
調製例20
5−メトキシ−2−メチルピリジン1−オキシド
【0278】
【化42】

調製例19の化合物(酢酸エチルとの1:1混合物40g、23.3g、189mmol)のジクロロメタン(1500mL)溶液に、m−クロロ過安息香酸(51.3g、0.297mol)を少量ずつ加え、混合物を室温で2時間攪拌した。次いで、反応液に亜硫酸ナトリウム(45g)の水(250mL)溶液を加え、混合物を15分間攪拌し、この時点でKIデンプン紙によって酸化剤の存在について陰性の試験結果が示された。有機層を分離し、MgSOで乾燥させ、蒸発にかけて、淡黄色の固体(54g)を得たが、この固体は、所望の生成物とm−クロロ安息香酸(mCBA)の約1:1混合物であった。これをそれ以上精製せずに次のステップに持ち込んだ。H NMR(CDCl、400MHz)δ3.84(3H,s)、6.97(1H,dd)、7.19(1H,d)、7.34(1H,t,mCBA)、7.48(1H,d,mCBA)、7.94(1H,d,mCBA)、8.04(1H,s,mCBA)、8.36(1H,d)。
【0279】
調製例21
(5−メトキシピリジン−2−イル)メタノール
【0280】
【化43】

調製例20の生成物(約135mmol)の氷冷ジクロロメタン(500mL)溶液に、トリフルオロ酢酸無水物(28.2mL、203mmol)を滴下し、混合物を室温に温め、終夜攪拌した。tlc分析によって、まだ大部分が出発材料であることが示されたので、追加分のトリフルオロ酢酸無水物(15mL、108mmol)を滴下し、混合物をさらに27時間攪拌した。メタノール(250mL)を慎重に加えて反応液を失活させ、30分間攪拌した後、真空中で濃縮した。次いで、2.5Mの水酸化ナトリウム(100mL)を慎重に加え、混合物をジクロロメタン(4×100mL)で抽出した。有機抽出物を合わせて乾燥させ(MgSO)、蒸発にかけて、回収された出発材料(約15mol%)が混入した所望の生成物(12g、64%)を得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ3.80(3H,s)、4.40(1H,br)、4.66(2H,s)、7.16(1H,dd)、7.20(1H,d)、8.17(1H,d)。
【0281】
調製例22
5−メトキシピリジン−2−カルバルデヒド
【0282】
【化44】

調製例21のアルコール(12g、86mmol)のジクロロメタン(500mL)溶液に、MnO(97.0g、360mmol)を一度に加え、得られる懸濁液を室温で64時間攪拌した。反応混合物をCelite(登録商標)で濾過し、真空中で溶媒を除去して、5−メトキシ−2−メチルピリジン1−オキシド(15mol%)が混入した所望の生成物(8.6g、73%)を橙色の油状物として得た。H NMR(CDCl、400MHz)δ3.93(3H,s)、7.26(1H,dd)、7.91(1H,d)、8.37(1H,d)、9.94(1H,s)。
【図面の簡単な説明】
【0283】
【図1】3mg/kgおよび10mg/kgの実施例2の化合物が24時間にわたる累積的な食物摂取に与える効果。
【0284】
【図2】3mg/kgおよび10mg/kgの実施例2の化合物が24時間にわたる体重変化に与える効果。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化1】

[式中、
XおよびYの一方はNであり、他方はCHであり、
Rは、F、Cl、CN、CF、またはメトキシであり、但し、YがNであるとき、RはFまたはClではなく、
は、環部分が、F、Cl、CN、メチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいフェニル、2−ピリジル、C〜Cシクロアルキル、またはCH(C〜Cシクロアルキル)であり、
は、H、F、またはClであり、但し、YがNであるとき、RはFまたはClではなく、
Hetは、1または2個のN原子を含んでいる6員環であり、この環は、芳香族であるか、または2個の環中の二重結合および=O置換基を含んでおり、F、Cl、OH、CN、メチル、エチル、NH、NHCH、N(CH、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよく、
または別法として、Hetは、ピロリジン環への結合に関して3、4位のところで、1または2個の別のN原子を含んでいる5員芳香環に縮合した、1または2個のN原子を含んでいる6員環であり、5員環は、OHで置換されていてもよい]、
または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項2】
XがNであり、YがCHである、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項3】
Rがクロロである、請求項1または2のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項4】
が、F、Cl、CN、メチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいフェニルである、
請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項5】
がフェニル、4−クロロフェニル、または4−フルオロフェニルである、請求項4に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項6】
がC〜Cシクロアルキルである、
請求項1、2、または3のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項7】
がシクロプロピルまたはシクロヘキシルである、
請求項6のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項8】
がHまたはFである、請求項1、2、3、4、5、6、または7のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項9】
がHである、請求項8に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項10】
Hetが、F、Cl、OH、CN、メチル、エチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリダジン−3−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−3−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリミジン−4−イル、6−オキソ−1,6−ジヒドロピリミジン−4−イル、2−オキソ−1,2−ジヒドロピリジン−4−イル、イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−イル、または6−オキソ−1,6−ジヒドロピリジン−2−イルである、
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、または9のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項11】
Hetが、OH、CN、F、メチル、およびメトキシからそれぞれ独立に選択される1個または複数の置換基で置換されていてもよいピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリダジン−3−イル、または6−オキソ−1,6−ジヒドロピリダジン−3−イルである、請求項10に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項12】
Hetが、ピロリジン部分に連結する結合に関してパラ位がOH、CN、またはメトキシでそれぞれ置換されているピリジン−2−イルまたはピリダジン−3−イルである、請求項11に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項13】
Hetが、ピロリジン部分に連結する結合に関してパラ位がOH、CN、またはメトキシで置換されているピリダジン−3−イルである、請求項12に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項14】
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−ピリジン−2−イルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−4−(4−メトキシフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−シクロヘキシル−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−1−(6−クロロピリダジン−3−イル)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−シクロプロピル−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ニコチノニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−フルオロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−シアノピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4R)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−メトキシピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−1−{[(3S,4R)−1−(5−フルオロピリジン−3−イル)−4−(6−メトキシピリジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−ピリダジン−3−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリミジン−2(1H)−オン、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−1−メチルピリミジン−2(1H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−(6−メトキシピリダジン−3−イル)ピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
から選択される、請求項1に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項15】
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチル−4−フェニルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−ピリダジン−3−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
(3R,4R,5S)−1−{[(3S,4S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−1−イミダゾ[1,2−b]ピリダジン−6−イルピロリジン−3−イル]カルボニル}−4−(4−フルオロフェニル)−3,5−ジメチルピペリジン−4−オール、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリミジン−2(1H)−オン、
4−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−1−メチルピリミジン−2(1H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロ−3−フルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(3,5−ジフルオロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
から選択される、請求項14に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項16】
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(4−フルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]−2−メチルピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3−カルボニトリル、
6−[(3S,4S)−3−{[(3R,4R,5S)−4−(4−クロロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}−4−(5−クロロピリジン−2−イル)ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
6−[(3S,4S)−3−(5−クロロピリジン−2−イル)−4−{[(3R,4R,5S)−4−(3,4−ジフルオロフェニル)−4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルピペリジン−1−イル]カルボニル}ピロリジン−1−イル]ピリダジン−3(2H)−オン、
から選択される、請求項15に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項17】
請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグと、薬学的に許容できる希釈剤、担体、または佐剤とを含む医薬組成物。
【請求項18】
医薬として使用するための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項19】
MC4アゴニスト作用が有効であろう障害を治療する医薬として使用するための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項20】
性機能不全、肥満、糖尿病、泌尿器科の状態などの、MC4受容体アゴニストによる治療が有効であろう状態を治療する医薬として使用するための、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項に記載の化合物、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ。
【請求項21】
MC4受容体のアゴニスト作用が有効であろう障害の治療方法であって、請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、または16のいずれか一項に記載の治療有効量の化合物、塩、溶媒和物、もしくはプロドラッグ、または薬学的に許容できるその塩、溶媒和物(水和物を含む)、もしくはプロドラッグ、またはこれらの医薬組成物をその必要のある患者に投与することを含む方法。
【請求項22】
障害が、性機能不全、肥満、糖尿病、または泌尿器科の状態である、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
実際には本明細書で記載する化合物、塩、溶媒和物、プロドラッグ、方法、治療方法、医薬組成物。


【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2009−527543(P2009−527543A)
【公表日】平成21年7月30日(2009.7.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−555897(P2008−555897)
【出願日】平成19年2月19日(2007.2.19)
【国際出願番号】PCT/IB2007/000456
【国際公開番号】WO2007/096763
【国際公開日】平成19年8月30日(2007.8.30)
【出願人】(597014501)ファイザー・リミテッド (107)
【氏名又は名称原語表記】Pfizer Limited
【住所又は居所原語表記】Ramsgate Road, Sandwich, Kent, England
【Fターム(参考)】