説明

4級アンモニウム塩の製造方法

【課題】本発明の課題は、生産設備を腐食等損傷させることなくフッ素系4級アンモニウム塩を高収率で生産できる製造方法を提供することである。
【解決手段】以下の(1)〜(4)の工程を含むフッ素系4級アンモニウム塩(A)の製造方法。
(1)3級アミン類を沸点が40℃〜100℃の溶媒(b1)中で4級化し、その4級アンモニウム塩溶液(S1)をフッ素系無機酸(c1)水溶液で中和処理する工程
(2)沸点が101℃〜300℃の非プロトン性溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)を除去して濃縮する工程
(3)メタノール、またはメタノールとエタノールの混合溶媒を添加し、該混合溶媒を留去することに伴い水分を除去することにより、0.0001〜1重量%の水分量に調整する工程
(4)溶媒(a)を加え、再結晶により精製することにより(A)を得る工程

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は4級アンモニウム塩の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
4級アンモニウム塩は、電気二重層キャパシタ、電池、電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解質、界面活性剤、相関移動触媒、柔軟剤、洗剤等の帯電防止剤、アスファルト、セメント等の分散剤、殺菌剤、防腐剤、肥料や粒状物の抗ブロッキング剤、抗凝集剤等として幅広い分野で使用されている。
4級アンモニウム塩の製造方法としては、第一工程で3級アミン類をアルキルハライド、ジアルキル硫酸、ジアルキルカーボネート等で4級化し、次いで第二工程で無機酸や有機酸で中和処理することにより陰イオンを変化させた4級アンモニウム塩とする方法が従来から知られている。
例えば、3級アミンとジアルキルカーボネートの反応で得られた4級アンモニウム炭酸塩と無機酸を反応させる方法(例えば、特許文献1)、3級アミンとジアルキルルカーボネートの反応で得られた4級アンモニウム炭酸塩と有機酸を反応させる方法(例えば、特許文献2)、非対称4級アンモニウムハライドを陽イオン交換膜で電解して得られた4級アンモニウム水酸化物の水溶液とカルボン酸を反応させる方法(例えば、特許文献3)等が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開昭63−284148
【特許文献2】特開昭63−280045
【特許文献3】特開平2−106915号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
これらの方法で得られた4級アンモニウム塩については、原料である4級アンモニウム炭酸塩が通常、水溶液もしくはアルコール溶液として流通しており、また、無機酸又は有機酸も水溶液であるので、通常は水溶液として得られる。
従って、4級アンモニウム塩の水溶液を蒸発させ、4級アンモニウム塩を固体として取り出し、必要に応じて再結晶により精製する方法が採用されていた。
しかし、4級アンモニウム塩の水溶液を工業的に蒸発させ、固体として取り出すには、水分を除去するのに長時間を要し、水分の除去にフィルムエバポレーター等を使用すれば、多大な設備投資となる。
また、水分を多量に含有する状態で溶媒を加え、再結晶により精製する方法も知られている。この方法では含有する水分によりフッ化水素が発生するため不純物が多くなり、収率が低くなるという問題があった。さらに、発生したフッ化水素により金属やガラスが腐食され、工業設備が損傷するという問題もあった。
本発明の課題は、生産設備を腐食等損傷させることなく高純度のフッ素系4級アンモニウム塩を高収率で生産できる製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは前記課題を解決すべく鋭意検討した結果、本発明に到達した。すなわち本発明は、以下の(1)〜(4)の工程を含むフッ素系4級アンモニウム塩(A)の製造方法である。
(1)3級アミン類を沸点が40℃〜100℃の溶媒(b1)中でアルキルハライド、ジアルキル硫酸、及びジアルキルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種で4級化し、その4級アンモニウム塩溶液(S1)をフッ素系無機酸(c1)水溶液で中和処理することにより、4級アンモニウム塩溶液(S2)を得る工程
(2)4級アンモニウム塩溶液(S2)に沸点が101℃〜300℃の非プロトン性溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)を除去して4級アンモニウム塩溶液(S2)を濃縮することにより4級アンモニウム塩溶液(S3)を得る工程
(3)4級アンモニウム塩溶液(S3)にメタノール、またはメタノールとエタノールの混合溶媒を添加し、メタノール、またはメタノールとエタノールの混合溶媒を留去することに伴い水分を除去することにより、0.0001〜1重量%の水分量に調整された4級アンモニウム塩溶液(S4)を得る工程
(4)4級アンモニウム塩溶液(S4)に溶媒(a)を加え、再結晶により精製することによりフッ素系4級アンモニウム塩(A)を得る工程
【発明の効果】
【0006】
本発明の製造方法によると、生産設備を腐食等損傷させることなく、高純度のフッ素系4級アンモニウム塩を工業的に高収率で得ることができる。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下に本発明を詳細に説明する。
工程(1)
3級アミン類の例として以下の化合物が挙げられる。
・脂肪族アミン類
トリメチルアミン、トリエチルアミン、エチルジメチルアミン、トリ− n − プロピルアミン、トリ− n − ブチルアミン、トリ− n − オクチルアミン、ジエチル− i − プロピルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなど。
・含窒素ヘテロ環式脂肪族アミン類
N − メチルピロリジン、N − エチルピロリジン、N − メチルピペリジン、N − エチルピペリジン、N − n − ブチルピペリジン、N − メチルヘキサメチレンイミン、N − エチルヘキサメチレンイミン、N − メチルモルホリン、N − ブチルモルホリン、N , N ’ − ジメチルピペラジン、N , N ’ − ジエチルピペラジン、1 − メチル− 1 , 4 , 5 , 6 − テトラヒドロピリミジン、1 , 2 − ジメチル− 1 , 4 , 5 , 6 − テトラヒドロピリミジン、1 , 5 −ジアザビシクロ〔4 . 3 . 0 〕− 5 − ノネン、1 , 8 − ジアザビシクロ〔5 . 4 . 0 〕−7 − ウンデセン、ピリジン、4 − ジメチルアミノピリジン、ピコリン類、キノリン、2 ,2 ’ − ビピリジルなど。
【0008】
・イミダゾリン環を有する化合物
1 , 2 − ジメチルイミダゾリン、1 , 2 , 4 − トリメチルイミダゾリン、1 , 2 , 5 − トリメチルイミダゾリン、1 , 4 − ジメチル− 2 − エチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 −エチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 − ヘプチルイミダゾリン、1 − メチル− 2 − ( 4 ’− ヘプチル) イミダゾリン、1 − メチル− 2 − ドデシルイミダゾリン、など。
・イミダゾール同族体
1 − メチルイミダゾール、1 − エチルイミダゾール、1 − エチル− 2 − メチルイミダゾール、1 , 2 − ジメチルイミダゾール、1 − メチル− 2 − エチルイミダゾール、1 , 4 − ジメチルイミダゾール、1 , 5 − ジメチルイミダゾール、1 , 2 , 4 − トリメチルイミダゾール、1 , 4 − ジメチル− 2 − エチルイミダゾールなど。
【0009】
溶媒(b1)の具体例としては、沸点が40℃〜100℃である、アルコール類( メタノール、エタノール、イソプロパノール等) 、ケトン類( アセトン、エチルメチルケトン等) 、エーテル類( テトラヒドロフラン、1 , 2 − ジメトキシエタン等) 、ニトリル類( アセトニトリル等) 等が挙げられる。
溶媒(b1)の量としては、通常3級アミン類1モルに対して1〜10モルであり、2〜3モルがより好ましい。4級化剤の量としては、通常3級アミン類1モルに対して1.0〜1.5モルであり、1.0〜1.2モルが好ましい。
【0010】
4級化剤として使用されるアルキルハライドはメチルクロライド、エチルクロライド、ブチルクロライド等が挙げられる。ジアルキル硫酸は、ジメチル硫酸、ジエチル硫酸、ジブチル硫酸等が挙げられる。ジアルキルカーボネートはジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、ジブチルカーボネート等が挙げられる。
【0011】
3級アミンの4級化反応の温度は、3級アミンおよび溶媒、4級化剤の種類により異なるが、通常50 〜 200℃ 、好ましくは100 〜 180 ℃ の範囲である。反応時間は、通常1〜 40 時間程度の範囲であり、好ましくは2 〜 20 時間程度の範囲である。
【0012】
無機酸(c1)水溶液としては、 下記の水溶液が挙げられる。濃度40〜60%の四フッ化ホウ素酸、六フッ化リン酸など。
無機酸の量としては、4級アンモニウム塩溶液(S1)中の4級アンモニウム塩1モルに対して通常0.8〜1.2モルであり、0.97〜1.03モルが好ましい。
【0013】
中和処理の温度は、通常0 〜 100℃ 、好ましくは10 〜 50 ℃ の範囲である。反応時間は、通常0.1 〜 20 時間程度の範囲であり、好ましくは0.5 〜3 時間程度の範囲である。
【0014】
本発明におけるフッ素系4級アンモニウム塩(A)は、カチオンとアニオンから成る。
カチオンとしては、テトラアルキルアンモニウム(炭素数4〜8)、エチレンジアンモニウム、ピロリジニウム、ピペリジニウム、ヘキサメチレンイミニウム、モルホリニウム、ピペラジニウム、テトラヒドロピリミジニウム、ピリジニウム、ピコリニウム、イミダゾリニウム、イミダゾリウム、キノリニウム、ビピリジニウム、その他の脂環式アンモニウム類及び上記2種以上の混合物があげられる。これらの中でテトラアルキルアンモニウム系化合物が好ましい。
主な例として以下のカチオンが挙げられる。
【0015】
・テトラアルキルアンモニウム
テトラメチルアンモニウム、エチルトリメチルアンモニウム、トリエチルメチルアンモニウム、テトラエチルアンモニウム、ジエチルジメチルアンモニウム、メチルトリ−n−プロピルアンモニウム、トリ−n−ブチルメチルアンモニウム、エチルトリ−n−ブチルアンモニウム、トリ−n−オクチルメチルアンモニウム、エチルトリ−n−オクチルアンモニウム、ジエチルメチル−i−プロピルアンモニウムなど。
これらの中でエチルトリメチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、トリメチルエチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種が好ましい。
・エチレンジアンモニウム
N,N,N,N’,N’,N’−ヘキサメチルエチレンジアンモニウム、N,N’−ジエチル−N,N,N’,N’−テトラメチルエチレンジアンモニウムなど。
【0016】
・ピロリジニウム
N,N−ジメチルピロリジニウム、N−エチル−N−メチルピロリジニウム、N,N−ジエチルピロリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピロリジニウム、ピペリジン−1−スピロ−1’−ピロリジニウムなど。
・ピペリジニウム
N,N−ジメチルピペリジニウム、N−エチル−N−メチルピペリジニウム、N,N−ジエチルピペリジニウム、N−n−ブチル−N−メチルピペリジニウム、N−エチル−N−n−ブチルピペリジニウム、スピロ−(1,1’)−ビピペリジニウムなど。
【0017】
・ヘキサメチレンイミニウム
N,N−ジメチルヘキサメチレンイミニウム、N−エチル−N−メチルヘキサメチルンイミニウム、N,N−ジエチルヘキサメチレンイミニウムなど。
など。
・モルホリニウム
N,N−ジメチルモルホリニウム、N−エチル−N−メチルモルホリニウム、N−ブチル−N−メチルモルホリニウム、N−エチル−N−ブチルモルホリニウムなど。
・ピペラジニウム
N,N,N’,N’−テトラメチルピペラジニウム、N−エチル−N,N’,N’−トリメチルピペラジニウム、N,N’−ジエチル−N,N’−ジメチルピペラジニウム、N,N,N’−トリエチル−N’−メチルピペラジニウム、N,N,N’,N’−テトラエチルピペラジニウムなど。
【0018】
・テトラヒドロピリミジニウム
1,3−ジメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3−トリメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,4−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、1,2,3,5−テトラメチル−1,4,5,6−テトラヒドロピリミジニウム、8−メチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−メチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウム、8−エチル−1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]−7−ウンデセニウム、5−エチル−1,5−ジアザビシクロ[4.3.0]−5−ノネニウムなど。
・ピリジニウム
N−メチルピリジニウム、N−エチルピリジニウム、N−メチル−4−ジメチルアミノピリジニウム、N−エチル−4−ジメチルアミノピリジニウムなど。
・ピコリニウム
N−メチルピコリニウム、N−エチルピコリニウムなど。
【0019】
・イミダゾリニウム
1,2,3−トリメチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリニウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリニウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリニウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリニウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリニウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリニウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリニウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリニウム、1,1−ジメチルイミダゾリニウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリニウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリニウムなど。
【0020】
・イミダゾリウム
1,3−ジメチルイミダゾリウム、1−エチル−3−メチルイミダゾリウム、1,3−ジエチルイミダゾリウム、1,2,3−トリメチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,3,4−トリメチル−2−エチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2,4−ジエチルイミダゾリウム、1,2−ジメチル−3,4−ジエチルイミダゾリウム、1−メチル−2,3,4−トリエチルイミダゾリウム、1,2,3,4−テトラエチルイミダゾリウム、1,3−ジメチル−2−エチルイミダゾリウム、1−エチル−2,3−ジメチルイミダゾリウム、1,2,3−トリエチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ヘプチルイミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(2’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(3’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−(4’−ヘプチル)イミダゾリウム、1,1−ジメチル−2−ドデシルイミダゾリウム、1,1−ジメチルイミダゾリウム、1,1,2−トリメチルイミダゾリウム、1,1,2,4−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,5−テトラメチルイミダゾリウム、1,1,2,4,5−ペンタメチルイミダゾリウムなど。これらの中で1,2,3−トリメチルイミダゾリウムが好ましい。
【0021】
・キノリニウム
N−メチルキノリニウム、N−エチルキノリニウムなど。
・ビピリジニウム
N−メチル−2,2’−ビピリジニウム、N−エチル−2,2’−ビピリジニウムなど。
・その他の脂環式アンモニウム類
1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−イウム、1−メチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イウム、1−エチル−1−アザビシクロ[2,2,1]ヘプタン−1−イウム、1−エチル−1−アザビシクロ[2,2,2]オクタン−1−イウムなど。
【0022】
アニオン(例えばテトラフルオロボレートアニオン、ヘキサフルオロホスフェートアニオン)等は対応するフッ素系無機酸水溶液を4級化後の4級アンモニウム塩と中和処理することより、合成できる。フッ素系無機酸水溶液としては、ホウフッ化水素酸水溶液、ヘキサフルオロリン酸水溶液等が挙げられる。
【0023】
カチオンとアニオンから成るフッ素系4級アンモニウム塩(A)の具体例としては、アルキルアンモニウムのBF塩、PF塩、イミダゾリウムのBF塩及びPF塩等である。具体的には、テトラエチルアンモニウム・BF塩(以下TEA・BFと略す)、テトラエチルアンモニウム・PF塩(以下TEA・PFと略す)、トリエチルメチルアンモニウム・BF塩(以下TEMA・BFと略す)、トリエチルメチルアンモニウム・PF塩(以下TEMA・PFと略す)、ジエチルジメチルアンモニウム・BF塩(以下、DEDMA・BFと記載)、ジエチルジメチルアンモニウム・PF塩(以下、DEDMA・PFと記載)、エチルトリメチルアンモニウム・BF塩(以下、ETMA・BFと記載)、エチルトリメチルアンモニウム・PF塩(以下、ETMA・PFと記載)、1、2、3−トリメチルイミダゾリウム・BF塩(以下、TMI・BFと記載)、1、2、3−トリメチルイミダゾリウム・PF塩(以下、TMI・PFと記載)等が挙げられる。
【0024】
工程(2)
溶媒(b2)の具体例としては、沸点が101℃〜300℃である、以下のものが挙げられる。これらのうち2種類以上を併用することも可能である。
・エーテル類:鎖状エーテル(ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)、環状エーテル(1,4−ジオキサン、4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・環状炭酸エステル類:プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2、3−ブチレンカーボネートなど
・鎖状炭酸エステル類:メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホン類:エチルプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ類:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・ベンゼン類:トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンなど。
・複素環式類:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:2,5ヘキサンジオンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
【0025】
これらのうち好ましくは、環状炭酸エステル類、鎖状炭酸エステル類、ラクトン類、及びスルホン類であり、特に好ましくはプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、スルホラン、アセトニトリル、及びγ−ブチロラクトンである。
【0026】
なお、4級アンモニウム塩と溶媒(b2)の重量比率は、通常70:30〜10:90、好ましくは50:50〜15:85である。
溶媒(b2)を加える温度は、通常10℃〜40℃、好ましくは20℃〜30℃である。
【0027】
溶媒(b1)と水をエバポレーターにて一時間除去して溶液(S3)を得た。このときの温度は、100〜130℃が好ましく、圧力は、その温度での溶媒(b2)の蒸気圧以上がよい。
【0028】
工程(3)
4級アンモニウム塩溶液(S3)にメタノール、またはメタノールとエタノールの混合溶媒を添加し、メタノール、又はメタノールとエタノールの混合溶媒を留去することに伴い水分を除去する。カールフィッシャー電量滴定法によりフラスコ内の水分を測定し、1重量%以下になるまでこの操作を繰り返すことにより、0.0001〜1重量%、好ましくは0.0001〜0.5%、さらに好ましくは0.0001〜0.1%の水分量に調整された4級アンモニウム塩溶液(S4)を得る。
4級アンモニウム塩溶液(S4)の水分量が1重量%を超える場合は、加水分解によりHFが発生するため好ましくない。また、通常の装置では、4級アンモニウム塩溶液(S4)の水分量を0.0001重量%未満にすることは困難である。
【0029】
上記メタノールとエタノールの混合溶媒の混合比率(wt%)は、メタノール:エタノール=99:1〜20:80であることが好ましい。
メタノール、又はメタノールとエタノールの混合溶媒を4級アンモニウム塩溶液(S3)に添加する場合、4級アンモニウム塩溶液(S3)とメタノール、又はメタノールとエタノールの混合溶媒の比率(wt%)は、97:3〜40:60であることが好ましい。
メタノール、又はメタノールとエタノールの混合溶媒を留去する条件は、温度65〜150℃、圧力は常圧〜0kPaであることが好ましい。
【0030】
工程(4)
溶媒(a)は、アルコール類、アルコール類の混合溶媒、アルコール類とアルコール類以外の溶媒との混合溶媒、アルコール類以外の溶媒、又はアルコール類以外の溶媒の混合溶媒である。これらのなかで、アルコール類の混合溶媒、又はアルコール類とアルコール類以外の溶媒との混合溶媒が好ましい。
【0031】
アルコール類としては、炭素数1〜8のアルコールが挙げられ、具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、t−ブチルアルコール、i−ブチルアルコール、n−ブチルアルコール、s−ブチルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、シクロペンタノール、シクロヘキサンメタノールが挙げられる。これらのなかで炭素数1〜3のアルコールであるメタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコールが好ましく、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
【0032】
アルコール類以外の溶媒としては、炭素数1〜8のハロゲン化炭化水素、炭素数1〜8のエーテル、炭酸数1〜8のケトン、炭素数1〜8の炭酸エステル、および炭素数1〜8のエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒が好ましく、ジメチルカーボネートがより好ましい。
【0033】
なお、溶媒(a)の使用量は、溶液(S4)中の4級アンモニウム塩100重量部に対して、通常、10〜1000重量部、好ましくは30〜270重量部である。4級アンモニウム塩の量に見合った溶媒(a)量の最適量を予め求めておき、溶媒(a)を追加した溶媒組成で4級アンモニウム塩を再結晶させる。
溶媒を追加する温度は0℃〜沸点が好ましく、20〜40℃がより好ましい。再結晶時の冷却温度は−40℃〜30℃が好ましく、−20℃〜20℃がより好ましい。冷却時間は2時間〜60時間が好ましく、5時間〜20時間がより好ましい。
再結晶により精製されたフッ素系4級アンモニウム塩(A)の乾燥方法としては、減圧下加熱乾燥(例えば20Torr減圧下、150℃で加熱)して、水、溶媒を蒸発させて除去する方法が挙げられる。
【0034】
上記の製造方法により得られたフッ素系4級アンモニウム塩(A)を非水溶媒に溶解することにより電気二重層キャパシタ用電解液を製造することができる。
非水溶媒の具体例としては、以下のものが挙げられる。これらのうち2種類以上を併用することも可能である。
・エーテル類:鎖状エーテル[炭素数2〜6(ジエチルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテルなど);炭素数7〜12(ジエチレングリコールジエチルエーテル、トリエチレングリコールジメチルエーテルなど)]、環状エーテル[炭素数2〜4(テトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサンなど);炭素数5〜18(4−ブチルジオキソラン、クラウンエーテルなど)]。
・アミド類:N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルプロピオンアミド、ヘキサメチルホスホリルアミド、N−メチルピロリドンなど。
・鎖状エステル類:酢酸メチル、プロピオン酸メチルなど。
・ラクトン類:γ−ブチロラクトン、α−アセチル−γ−ブチロラクトン、β−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン、δ−バレロラクトンなど。
・ニトリル類:アセトニトリル、グルタロニトリル、アジポニトリル、メトキシアセトニトリル、3−メトキシプロピオニトリル、アクリロニトリル、ベンゾニトリルなど。
・環状炭酸エステル類:プロピレンカーボネート、エチレンカーボネート、1,2−ブチレンカーボネート、2、3−ブチレンカーボネートなど
・鎖状炭酸エステル類:ジメチルカーボネート、メチルエチルカーボネート、ジエチルカーボネートなど。
・スルホン類:エチルプロピルスルホン、エチルイソプロピルスルホン、スルホラン、3−メチルスルホラン、2,4−ジメチルスルホランなど。
・ニトロ類:ニトロメタン、ニトロエタンなど。
・ベンゼン類:トルエン、キシレン、クロロベンゼン、フルオロベンゼン、1,2−ジクロロベンゼン、1,3−ジクロロベンゼン、1,4−ジクロロベンゼンなど。
・複素環式類:N−メチル−2−オキサゾリジノン、3,5−ジメチル−2−オキサゾリジノン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、N−メチルピロリジノンなど。
・ケトン類:アセトン、2,5ヘキサンジオン、シクロヘキサンなど。
・リン酸エステル類:トリメチルリン酸、トリエチルリン酸、トリプロピルリン酸など。
【0035】
これらのうち好ましくは、環状炭酸エステル類、鎖状炭酸エステル類、ラクトン類、鎖状エステル類、ニトリル類、及びスルホン類であり、特に好ましくはプロピレンカーボネート、ジメチルカーボネート、エチレンカーボネート、スルホラン、アセトニトリル、及びγ−ブチロラクトンである。
【0036】
本発明の電解液は、非水溶媒と4級アンモニウム塩を混合し、調製することができ、電解液中の4級アンモニウム塩の濃度は、0.5〜2.0mol/Lが好ましく、0.7〜1.7mol/Lがより好ましく、0.8〜1.5mol/Lが最も好ましい。濃度が0.5mol/L以上では、電解液の電導度が十分であり、また、2.0mol/L以下では、低温特性が良好であるとともに、経済性に優れる。
【0037】
本発明の方法で得られる電解液中の含水量は、電気化学的安定性の観点から、電解液の重量に基づいて300ppm以下が好ましく、さらに好ましくは100ppm以下、特に好ましくは50ppm以下である。この範囲であると、電気化学キャパシタの経時的な性能低下を抑制できる。電解液中の含水量はカールフィッシャー法(JIS K0113−1997、電量滴定方法)で測定することができる。電解液中の水分を上記の範囲にする方法としては、あらかじめ十分に乾燥した4級アンモニウム塩と、あらかじめ十分に脱水した非水溶媒とを使用する方法等が挙げられる。脱水方法としては、減圧下加熱脱水(例えば100Torrで加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ(ナカライテスク製、3A 1/16等)、活性アルミナ粉末などの脱水剤を使用する方法等が挙げられる。
【0038】
また、これらの他に、電解液を減圧下加熱脱水(例えば13.3kPa減圧下、100℃で加熱)して、含有されている微量の水を蒸発させて除去する方法、モレキュラーシーブ、活性アルミナ粉末などの除水剤を使用する方法等が挙げられる。これらの方法は、それぞれ単独で行ってもよいし、組み合わせて行ってもよい。
【0039】
電解液に調製後、電解質である4級アンモニウム塩中の不純物が析出するケースがある。晶析時、4級アンモニウム塩と溶解度が類似であり、晶析により除去できず、電解液溶媒にその不純物が溶解しないケースである。
調製された電解液は低温にするほど不純物の溶解性が低下するため、純度が上がる。調製された電解液はさらに0℃〜−20℃に冷却し、析出した不純物をろ過することにより除去し精製することが好ましい。0℃以下であると不純物の析出量が多く、−20℃以上であると電解質である4級アンモニウム塩が析出しないため、好ましい。
4級アンモニウム塩中の不純物としてはテトラメチルアンモニウム塩、非水溶媒としてはプロピレンカーボネート、γ−ブチロラクトン等が挙げられる。
【実施例】
【0040】
次に本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。以下、特に記載のないかぎり、「部」は「重量部」を意味する。
4級アンモニウム塩の純度は、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により測定した。トータル面積と主成分の面積から純度を算出できる。HPLCの条件は、カラム:ポリマーコート型充填剤を充填したもの、移動相:リン酸緩衝液(pH2〜3)、流速:0.5ml/min、検出器:UV、温度:40℃である(例えば、機器:型名(LC−10A)、メーカー(島津製作所)、カラム:Develosil C30−UG(4.6mmφ×25cm)メーカー(野村化学)、移動相:リン酸の濃度10mmol/l、過塩素酸ナトリウムの濃度100mmol/lの水溶液、流速:0.8ml/min、検出器:UV(210nm)、注入量:20μl、カラム温度:40℃)である。
【0041】
4級アンモニウム塩の化学構造は、通常の有機化学的手法で特定することができ、例
えば、1H−NMR(例えば機器:AVANCE300(日本ブルカー株式会社製)、溶
媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)、19F−NMR(例えば機
器:XL−300(バリアン製)、溶媒:重水素化ジメチルスルホキシド、周波数:30
0MHz)及び13C−NMR(例えば機器:AL−300(日本電子製)、溶媒:重水素
化ジメチルスルホキシド、周波数:300MHz)等によって特定することができる。
水分はカールフィシャー電量滴定法により測定した。
【0042】
実施例1
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにエチルジメチルアミン(東京化成社製)を282部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)348部、及びメタノール(沸点65℃)東京化成社製)370部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、エチルトリメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物153部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)120部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この4級アンモニウム塩溶液(S2−1)の水分は28%であった。この反応液にγ−ブチロラクトン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−1)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−1)である淡黄色透明溶液が250部残った。
この液をH−NMR分析したところ、主成分は、ETMA・BFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、ETMA・BFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。
この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のETMA・BF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、95gのETMA・BF[4級アンモニウム塩(A−1)]を得た。収率は95%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は150ppmであった。
【0043】
実施例2
実施例1と同様に作成した4級アンモニウム塩溶液(S2−1)にプロピレンカーボネート150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−2)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−2)である淡黄色透明溶液が250部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、ETMA・BFとプロピレンカーボネートであり、HPLC分析より、ETMA・BFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のETMA・BF、プロピレンカーボネート、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、95gのETMA・BF[4級アンモニウム塩(A−2)]を得た。収率は95%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は150ppmであった。
【0044】
実施例3
実施例1と同様に作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−1)にスルホラン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−3)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−3)である淡黄色透明溶液が250部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、ETMA・BFとスルホランであり、HPLC分析より、ETMA・BFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のETMA・BF、スルホラン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、94gのETMA・BF[4級アンモニウム塩(A−3)]を得た。収率は94%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は150ppmであった。
【0045】
実施例4
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにジエチルメチルアミン(東京化成社製)を319部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)330部、及びメタノール(東京化成社製)352部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、ジエチルジメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物600部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)142部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この4級アンモニウム塩溶液(S2−2)の水分は28%であった。この反応液にγ−ブチロラクトン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−4)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−4)である淡黄色透明溶液が250部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、DEDMA・BFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、ETMA・BFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のDEDMA・BF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、とイソプロピルアルコールを留去し、93gのDEDMA・BF[4級アンモニウム塩(A−4)]を得た。収率は93%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は180ppmであった。
【0046】
実施例5
実施例4と同様に作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−2)に、プロピレンカーボネート150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−5)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−5)である淡黄色透明溶液が250部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、DEDMA・BFとプロピレンカーボネートであり、HPLC分析より、DEDMA・BFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のDEDMA・BF、プロピレンカーボネート、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、93gのDEDMA・BF[4級アンモニウム塩(A−5)]を得た。収率は93%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は180ppmであった。
【0047】
実施例6
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにトリエチルアミン(東京化成社製)を352部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)314部、及びメタノール(東京化成社製)334部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、トリエチルメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物132部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)104部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この4級アンモニウム塩溶液(S2−3)の水分は28%であった。この反応液にγ−ブチロラクトン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−6)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−6)である淡黄色透明溶液が250部残った。この液をH−NMR分析したところ、主成分は、TEMA・BFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、TEMA・BFの純度は98%であった。水分量は0.2%であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のTEMA・BF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、93gのTEMA・BF[4級アンモニウム塩(A−6)]を得た。収率は93%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は175ppmであった。
【0048】
実施例7
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにトリエチルアミン(東京化成社製)を321部、ジエチルカーボネート(東京化成社製)375部、及びメタノール(東京化成社製)305部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、テトラエチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物124部をフラスコにとり、撹拌下において純度42%のホウフッ化水素酸水溶液(和光純薬社製)97部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この4級アンモニウム塩溶液(S2−4)の水分は28%であった。この反応液にγ−ブチロラクトン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−7)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−7)である淡黄色透明溶液が250部残った。この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、TEA・BFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、TEA・BFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のTEA・BF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、94gのTEA・BF[4級アンモニウム塩(A−7)]を得た。収率は94%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は160ppmであった。
【0049】
実施例8
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブに1、2−ジメチルイミダゾール(和光純薬製)を100部、ジメチルカーボネート135部、及びメタノール192部を仕込み均一に溶解させた。次いで、130℃まで昇温した。圧力0.8MPaで80時間反応を行った。反応物の1H−NMR分析を行ったところ、1、2−ジメチルイミダゾリウムモノメチル炭酸塩が生成していることがわった。
得られた反応混合物395部をフラスコにとり、撹拌下においてホウフッ化水素酸水溶液207部(純度42重量%)を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この4級アンモニウム塩溶液(S2−5)の水分は30%であった。この反応液にγ−ブチロラクトン279部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−8)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール186部を加え、10kPa、120℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−8)である淡黄色透明溶液が250部残った。
この液をH−NMR分析したところ、主成分は、1、2−ジメチルイミダゾリウムテトラフルオロボレート(以下、1,2,3−TMI・BFと略す)とγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、1,2,3−TMI・BFの純度は98%であった。水分量は0.2%であった。
この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液の1,2,3−TMI・BF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、1,2,3−TMI・BF[4級アンモニウム塩(A−8)]を得た。収率は94%であり、HPLC分析より、純度は99.5%であった。水分は150ppmであった。
【0050】
実施例9
還流コンデンサ付きステンレス製のオートクレーブにエチルジメチルアミン(東京化成社製)を282部、ジメチルカーボネート(東京化成社製)348部、及びメタノール(沸点65℃)東京化成社製)370部を仕込み均一に溶解させた。次いで、100℃まで昇温した。圧力0.8MPaで20時間反応を行った。反応物のH−NMR分析を行ったところ、エチルトリメチルアンモニウム炭酸塩が生成していることがわかった。
得られた反応混合物115部をフラスコにとり、撹拌下において純度60%のヘキサフルオロリン酸水溶液(和光純薬社製)106部を室温下約30分かけて徐々に滴下した。滴下に伴い炭酸ガスが発生した。この4級アンモニウム塩溶液(S2−6)の水分は22%であった。この反応液にγ−ブチロラクトン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて10kPa、120℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−9)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、10kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−9)である淡黄色透明溶液が250部残った。
この液をH−NMR分析したところ、主成分は、ETMA・PFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、ETMA・PFの純度は98%であった。水分量は0.3%であった。
この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のETMA・PF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、95gのETMA・PF[4級アンモニウム塩(A−9)]を得た。収率は95%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は150ppmであった。
【0051】
実施例10
実施例1で作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−1)にγ−ブチロラクトン150部を加え、均一に溶解させた。その後エバポレーターにて30kPa、100℃、一時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−10)を得た。
その後、室温まで放冷し、メタノール100部を加え、30kPa、65℃、1時間でメタノールを除去することを3回繰り返し、メタノールと共に残存していた水分を除去した。フラスコ内には、4級アンモニウム塩溶液(S4−10)である淡黄色透明溶液が250部残った。
この液をH−NMR分析したところ、主成分は、ETMA・PFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、ETMA・PFの純度は98%であった。水分量は0.9%であった。
この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のETMA・PF、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、95gのETMA・PF[4級アンモニウム塩(A−7)]を得た。収率は91%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は150ppmであった。
【0052】
比較例1
実施例1で作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−1)を、エバポレーターにて50℃、20kPa、一時間でメタノールを除去した後、イソプロピルアルコールを560部加えた。このときのETMA・BF、水、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ14%、9%、77%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水とイソプロピルアルコールを留去し、71gのETMA・BFを得た。収率は71%であり、HPLC分析より、純度は99.7%であった。水分は160ppmであった。
【0053】
比較例2
実施例4で作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−2)を、エバポレーターにて50℃、20kPa、一時間でメタノールを除去した後、イソプロピルアルコールを518部加えた。このときのDEDMA・BF、水、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、9%、76%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水とイソプロピルアルコールを留去し、68gのDEDMA・BFを得た。収率は68%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は180ppmであった。
【0054】
比較例3
実施例6で作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−3)を、エバポレーターにて50℃、20kPa、一時間でメタノールを除去した後、イソプロピルアルコールを480部加えた。このときのTEMA・BF、水、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ16%、9%、76%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水とイソプロピルアルコールを留去し、66gのTEMA・BFを得た。収率は66%であり、HPLC分析より、純度は99.5%であった。水分は180ppmであった。
【0055】
比較例4
実施例7で作製した4級アンモニウム塩溶液(S2−4)を、エバポレーターにて80℃、10kPa、一時間でメタノールを除去した後、イソプロピルアルコールを452部加えた。このときのTEA・BF、水、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ17%、9%、74%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、水とイソプロピルアルコールを留去し、65gのTEA・BFを得た。収率は65%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は160ppmであった。
【0056】
比較例5
実施例1と同様に作成した4級アンモニウム塩溶液(S2−1)にγ−ブチロラクトン150部を加え均一に溶解させ、エバポレーターにて20kPa、60℃、1時間で水とメタノールを除去し、4級アンモニウム塩溶液(S3−1’)を250部得た。
この液を1H−NMR分析したところ、主成分は、ETMA・BFとγ−ブチロラクトンであり、HPLC分析より、ETMA・BFの純度は98%であった。水分量は1.5%であった。この溶液にイソプロピルアルコール278部を加えた。この溶液のETMA・BF、プロピレンカーボネート、イソプロピルアルコールの含有量はそれぞれ15%、23%、62%であった。この溶液を−5℃の冷蔵庫に10時間放置し、結晶を析出させ、結晶をろ過にて回収した。結晶を500mlの容器に入れ、130℃で減圧下、イソプロピルアルコールを留去し、88gのETMA・BF[4級アンモニウム塩(A−1)]を得た。収率は85%であり、HPLC分析より、純度は99.6%であった。水分は160ppmであった。
【0057】
以下の表1に実施例の評価結果を示した。
【0058】
【表1】

GBL:γ−ブチロラクトン
PC:プロピレンカーボネート
SL:スルホラン
【0059】
本発明の実施例1〜10の4級アンモニウム塩の製造方法は、比較例1〜5の4級アンモニウム塩の製造方法と異なり、4級アンモニウム塩水溶液に沸点が101〜300℃の溶媒を加えた上で水を留去し、次工程で溶媒を加え、再結晶により精製する。水を留去することによりフッ化水素の発生を抑えられるため、高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高収率で得ることができる。
【産業上の利用可能性】
【0060】
本発明の製造方法により、高純度の4級アンモニウム塩を工業的に高収率で得ることができるため、電気二重層キャパシタ、電池、電解コンデンサ等の電気化学的素子用電解質などに適用できる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の(1)〜(4)の工程を含むフッ素系4級アンモニウム塩(A)の製造方法。
(1)3級アミン類を沸点が40℃〜100℃の溶媒(b1)中でアルキルハライド、ジアルキル硫酸、及びジアルキルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種で4級化し、その4級アンモニウム塩溶液(S1)をフッ素系無機酸(c1)水溶液で中和処理することにより、4級アンモニウム塩溶液(S2)を得る工程
(2)4級アンモニウム塩溶液(S2)に沸点が101℃〜300℃の非プロトン性溶媒(b2)を加えた後、溶媒(b1)を除去して4級アンモニウム塩溶液(S2)を濃縮することにより4級アンモニウム塩溶液(S3)を得る工程
(3)4級アンモニウム塩溶液(S3)にメタノール、またはメタノールとエタノールの混合溶媒を添加し、メタノール、またはメタノールとエタノールの混合溶媒を留去することに伴い水分を除去することにより、0.0001〜1重量%の水分量に調整された4級アンモニウム塩溶液(S4)を得る工程
(4)4級アンモニウム塩溶液(S4)に溶媒(a)を加え、再結晶により精製することによりフッ素系4級アンモニウム塩(A)を得る工程
【請求項2】
フッ素系無機酸(c1)がHBFであり、溶媒(a)が、炭素数1〜3のアルコール、炭素数1〜8のハロゲン化炭化水素、炭素数1〜8のエーテル、炭素数1〜8のケトン、炭素数1〜8の炭酸エステル、および炭素数1〜8のエステルからなる群より選ばれる少なくとも1種の溶媒である請求項1に記載の製造方法。
【請求項3】
溶媒(a)が、メタノール、エタノール、およびイソプロピルアルコール、ジメチルカーボネートからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1又は2に記載の製造方法。
【請求項4】
溶媒(b1)が、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコールからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項5】
溶媒(b2)が、γ−ブチロラクトン、プロピレンカーボネート、スルホランからなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項6】
フッ素系4級アンモニウム塩(A)が、テトラアルキルアンモニウム塩(A1)である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項7】
テトラアルキルアンモニウム塩(A1)がエチルトリメチルアンモニウム塩、ジエチルジメチルアンモニウム塩、トリエチルメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、からなる群より選ばれる少なくとも1種である請求項6に記載の製造方法。
【請求項8】
フッ素系4級アンモニウム塩(A)が1,2,3−トリメチルイミダゾリウム塩である請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
【請求項9】
請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法により得られたフッ素系4級アンモニウム塩(A)を非水溶媒に溶解する電気二重層キャパシタ用電解液の製造方法。
【請求項10】
さらに0℃〜−20℃に冷却し、析出した不純物をろ過することにより除去する請求項9に記載の製造方法。
【請求項11】
請求項9または10に記載の方法で製造された電気二重層キャパシタ用電解液を使用する電気二重層キャパシタの製造方法。

【公開番号】特開2013−67572(P2013−67572A)
【公開日】平成25年4月18日(2013.4.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−206052(P2011−206052)
【出願日】平成23年9月21日(2011.9.21)
【出願人】(000002288)三洋化成工業株式会社 (1,719)
【Fターム(参考)】