説明

4,7−ジオキソベンゾチアゾール−2−カルボキサミド誘導体、それらの製造方法及びそれらの治療上の使用

本発明の主題は、cdc25ホスファターゼ、特にcdc25−Cホスファターゼを阻害する4,7−ジオキソベンゾチアゾール−2−カルボキサミド誘導体にある。これらの化合物は、特にガンの処置に用いることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の主題は、cdc25ホスファターゼ、特にcdc25−Cホスファターゼを阻害する新規の4,7−ジオキソベンゾチアゾール−2−カルボキサミド誘導体にある。
【背景技術】
【0002】
有糸分裂又は成熟分裂(減数分裂、還元分裂とも称される)の際の細胞周期の様々な段階の間の移行(過渡)の制御は、酵素活性がリン酸化反応の様々な状態と関係するある一群の蛋白質によって保証される。これらのリン酸化反応の様々な状態は、キナーゼ及びホスファターゼの2つの主要な類の酵素によって制御される。
【0003】
かくして、細胞周期の様々な段階の同期は、生物界全体(微生物、酵母、脊椎動物、植物)の各周期における細胞構造の再組織化を可能にする。キナーゼの中では、サイクリン(cycline)依存性キナーゼ(CDK)はこの細胞周期の制御において大きな役割を果たす。これらの様々なCDKの酵素活性は、逆に作用する2つの別の類の酵素によって制御される(Jessus and Ozon, Prog. Cell Cycle Res. (1995), 1, 215-228)。第1の類には、ある種のアミノ酸をリン酸化することによってCDKを不活性化するWee1及びMik1のようなキナーゼが包含される(Den Haese et al., Mol. Biol. Cell (1995), 6, 371-385)。第2の類には、CDKのチロシン及びトレオニン残基を脱リン酸化することによってCDKを活性化するCdc25のようなホスファターゼが包含される(Gould et al., Science (1990), 250, 1573-1576)。
【0004】
ホスファターゼは、セリン/トレオニンホスファターゼ(PPases)、チロシンホスファターゼ(PTPases)及び二重特異性ホスファターゼ(DSPases)の3つの群に分類される。これらのホスファターゼは、多くの細胞機能の調節において重要な役割を果たす。
【0005】
ヒトcdc25ホスファターゼに関しては、3つの遺伝子(cdc25−A、cdc25−B及びcdc25−C)がCDC25蛋白質をコードする。さらに、遺伝子cdc25Bの選択的スプライシングから由来する変異体が同定されている:これらは、cdc25B1、cdc25B2及びcdc25B3である(Baldin et al., Oncogene (1997), 14, 2485-2495)。
【0006】
腫瘍形成におけるCdc25ホスファターゼの役割は現在ではよく知られており、これらのホスファターゼの作用機序は特に次の文献に示されている:Galaktionov et al., Science (1995), 269, 1575-1577;Galaktionov et al., Nature (1996), 382, 511-517;及びMailand et al., Science (2000), 288, 1425-1429。
【0007】
特に、様々な形のcdc25の過剰発現(overexpression)が今日多くの一連のヒトの腫瘍において報告されている:
・乳ガン:Cangi et al., Resume 2984, AACR meeting San Francisco, 2000);
・リンパ腫:Hernandez et al., Int. J. Cancer (2000), 89, 148-152 and Hernandez et al., Cancer Res. (1998), 58, 1762-1767;
・頸部及び頭部ガン:Gasparotto et al., Cancer Res. (1997), 57, 2366-2368。
【0008】
さらに、E. Sausvilleのグループは、60のラインのパネルにおけるcdc25−Bの発現のレベルとCDK阻害剤に対するそれらの感受性との間の逆相関関係を報告し、cdc25の存在がある種の抗腫瘍剤に対する耐性、より特定的にはCDK阻害剤に対する耐性を提供することがあると提唱している(Hose et al., Proceedings of AACR, Abstract 3571, San Francisco, 2000)。
【0009】
従って製薬産業では現在、他にもターゲットはあるが、特に抗ガン剤として用いるために、Cdc25ホスファターゼを阻害することができる化合物が研究されている。
【0010】
Cdc25ホスファターゼはまた、アルツハイマー病のような神経組織変性性疾患においても作用することがある(Zhou et al., Cell Mol. Life Sci. (1999), 56(9-10), 788-806;Ding et al., Am. J. Pathol. (2000), 157(6), 1983-90;Vincent et al., Neuroscience (2001), 105(3), 639-50を参照されたい)ため、これらの疾患を処置するためにこれらのホスファターゼに対する阻害活性を有する化合物を用いることを検討することができる。
【0011】
本発明が取り組む別の問題点は、臓器移植の拒絶反応を予防若しくは処置するため又は自己免疫疾患を処置するための薬剤(医薬)の研究である。これらの障害/疾患においては、リンパ球及び単球/マクロファージの不適当な活性化が伴われる。これまでに知られている免疫抑制薬剤には副作用があり、この副作用は、炎症を引き起こして持続させる造血細胞における信号ルートを特異的に標的とする物質によって減少させ又は緩和することができた。
【非特許文献1】Jessus and Ozon, Prog. Cell Cycle Res. (1995), 1, 215-228
【非特許文献2】Den Haese et al., Mol. Biol. Cell (1995), 6, 371-385
【非特許文献3】Gould et al., Science (1990), 250, 1573-1576
【非特許文献4】Baldin et al., Oncogene (1997), 14, 2485-2495
【非特許文献5】Galaktionov et al., Science (1995), 269, 1575-1577
【非特許文献6】Galaktionov et al., Nature (1996), 382, 511-517
【非特許文献7】Mailand et al., Science (2000), 288, 1425-1429
【非特許文献8】Cangi et al., Resume 2984, AACR meeting San Francisco, 2000)
【非特許文献9】Hernandez et al., Int. J. Cancer (2000), 89, 148-152 and Hernandez et al., Cancer Res. (1998), 58, 1762-1767
【非特許文献10】Gasparotto et al., Cancer Res. (1997), 57, 2366-2368
【非特許文献11】Hose et al., Proceedings of AACR, Abstract 3571, San Francisco, 2000
【非特許文献12】Zhou et al., Cell Mol. Life Sci. (1999), 56(9-10), 788-806
【非特許文献13】Ding et al., Am. J. Pathol. (2000), 157(6), 1983-90
【非特許文献14】Vincent et al., Neuroscience (2001), 105(3), 639-50
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の主題は、まず第1に、cdc25ホスファターゼ(特にcdc25−Cホスファターゼ)の新規の阻害剤にあり、これは4,7−ジオキソベンゾチアゾール−2−カルボキサミド誘導体であり、下に規定する一般式に相当する。上記のことから、これらの化合物は特に次の疾患や障害の処置及び/又は予防において薬剤として用いることができる:
・腫瘍増殖の阻害(単独で若しくは他の処置との組合せとして);
・正常細胞増殖の阻害(単独で若しくは他の処置との組合せとして);
・アルツハイマー病のような神経組織変性性疾患;
・自然脱毛症の予防;
・外来物質によって誘発される脱毛症の予防;
・放射線誘発性脱毛症の予防;
・正常細胞の自然若しくは誘発アポトーシスの予防;
・成熟分裂及び/若しくは受精の予防;
・卵母細胞の成熟の予防;
・CDK阻害剤について報告されている用途に対応するすべての疾患/すべての障害、特に非腫瘍増殖性疾患(例えば血管形成、乾癬若しくは再狭窄)、腫瘍増殖性疾患、寄生生物学(原生動物の増殖)、ウィルス感染症、神経組織変性性疾患、ミオパシー(筋障害);並びに/又は
・ビタミンK及びその誘導体の臨床使用に対応するすべての疾患/すべての障害。
【0013】
さらに、本発明の化合物はまた、cdc25ホスファターゼに対して阻害活性を有するので、微生物(特に酵母)の増殖を阻害又は予防するために用いることもできる。これらの化合物の1つの利点は、健康な細胞に対する毒性が低いことである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
最初に、本発明の主題は、次の一般式(I)に相当し、ラセミ体、鏡像異性体又はそれらの任意の組合せにある化合物及びその塩にある。
【化1】

[ここで、
1は水素原子又アルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR67基若しくは−CHR89基を表わし、
ここで、Xは結合又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を表わし、
Yは3〜7員の環から独立的に選択される環1〜3個(縮合環)を含有する飽和環状炭素系を表わすか、又はO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を含有し且つN若しくはCH員によってX基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR10−、−CO−、−NR11−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R10は水素原子又はアルキル基を表わし、R11は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わす)を表わすか、又はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR12基及びNR1314基(ここで、R12は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表わし、R13及びR14は独立的にアルキル基を表わす)より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式若しくはヘテロ環式アリール基を表わすかであり、
Zは結合又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を表わし、
6及びR7は、独立的に水素原子、アルキル、アラルキル基又は−(CH2)n−OH(ここで、nは1〜6の整数を表わす)から選択され、
また、R6がアルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル又はアリールアルコキシカルボニル基を表わし且つR7が水素原子又はメチル基を表わすこともでき、
また、R6及びR7が窒素原子と一緒になって1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員は−CR1516−、−O−、−S−及び−NR17−基から独立的に選択され、ここで、R15及びR16は独立的に水素原子又はアルキル基を表わし、R17は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わすか、或はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されたフェニル基を表わすかであり、
8及びR9はそれらを有する炭素原子(即ち、それらが結合する炭素原子)と一緒になってインダニル若しくはテトラリニル基を形成するか、又はR8及びR9はそれらを有する炭素原子と一緒になってO、N及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和ヘテロ環を形成するかであり、ここで、該ヘテロ環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選択される基で随意に置換されていることもでき;
2は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし;
また、R1及びR2は窒素原子と一緒になって1〜2個のヘテロ原子を有する4〜8員ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員は−CR1819−、−O−、−S−及び−NR20−から独立的に選択され、ここで、R18及びR19は独立的に水素原子又はアルキル基を表わし、R20は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし;
3は水素原子又はハロゲン原子を表わし;
4はアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基、炭素環式若しくはヘテロ環式アリール又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基の内の1種(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていてもよい)を表わし、
4はまた、−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−Aの内の1種を表わすこともでき、ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2〜4の整数であり、qは1〜4の整数であり、tは0〜4の整数であり、rは2〜12の整数(好ましくは2〜8の整数、特に2〜6の整数)であり、vは1〜12の整数(好ましくは1〜8の整数、特に1〜6の整数)であり、Alkはアルキル基であり、R21は水素原子又はアルキル、アルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基であり、R22は水素原子又はアルキル基であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR23−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はアルキル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基を表わす)であり、
4はまた、次式:
【化2】

{ここで、
1、R2、R3及びR5は、前記のR1、R2、R3基及び後記のR5基と同じであり、
Lは−(CH2)g−[O−(CH2)w]x−[O−(CH2)y]z−及び−(CH2)a−Ω−(CH2)b−基から選択され、
ここで、g、w及びyは2〜4(好ましくは2〜3)の整数であり、
xは1〜3の整数であり、
zは0又は1であり、
a及びbは独立的に2〜6(好ましくは2〜4)の整数であり、
Ωは−O−、−S−、−NR25−、−CO−、−CO−NR26−、−CR2728−、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキレン基及び炭素環式アリール基より成る群から選択され、
ここで、R25はアルキル基を表わし、
26は水素原子又はメチル基を表わし、
27及びR28はそれぞれ水素原子及びメチル基から独立的に選択される}
の基を表わすこともでき;
4はまた、次式:
【化3】

又は次式
【化4】

の基を表わすこともでき;
5は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし、また、R5は、R4がアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていてもよい)を表わす場合にはR4と同じ基を表わすこともでき;
また、R4及びR5は、それらを有する窒素原子と一緒になって合計1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員は、−CR2930−、−O−、−S−及び−NR31−基から独立的に選択され、ここで、R29及びR30は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし、R31は−COR32又は−SO233を表わし、
ここで、R32はアルキル基又は、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式アリール基を表わし、R32はまた、O、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員ヘテロ環式アリール基又は飽和ヘテロ環(特にピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ若しくは2−テトラヒドロフリル基の内の1種)を表わすこともでき、
33は水素原子又はアルキル基を表わし、
また、R4及びR5は、それらを有する窒素原子と一緒になって、次式:
【化5】

又は
【化6】

から選択されるヘテロ環式アリール基(その芳香環はアルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回置換されていてもよい)を形成することもできる。]
【発明の効果】
【0015】
本出願人は、驚くべきことに、一般式(I)に相当する上記の化合物はcdc25ホスファターゼ(特にCdc25Cホスファターゼ)の強力な阻害剤であり、抗ガン剤として用いるのに好適であるということを見出した。
【0016】
従って、本発明は、まず最初に、上記の一般式(I)の化合物及びかかる化合物の塩に関する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
アルキルとは、別途記載がない限り、1〜12個の炭素原子、好ましくは1〜10個の炭素原子、より一層好ましくは1〜8個の炭素原子(特に1〜6個の炭素原子)を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルキル基を意味する。
【0018】
アルキレンとは、別途記載がない限り、1〜5個の炭素原子を有する直鎖状又は分岐鎖状の飽和アルキレン基、例えば−CH2−又は−CH2−CH2−を意味する。
【0019】
アルコキシとは、別途記載がない限り、1〜6個の炭素原子(特に1〜4個の炭素原子)を有する直鎖状又は分岐鎖状のアルコキシ基を意味する。
【0020】
アルコキシカルボニルとは、別途記載がない限り、−CO−O−アルキルタイプの基を意味する。
【0021】
ハロアルコキシカルボニルとは、別途記載がない限り、−CO−O−ハロアルキルタイプの基を意味する。
【0022】
ハロアルキルとは、アルキル基の水素原子の少なくとも1つ(随意に全部)がハロゲン原子で置換されたものを意味する。
【0023】
アリールアルコキシカルボニルとは、別途記載がない限り、−CO−O−アルキル−アリールタイプの基を意味する。
【0024】
シクロアルキルとは、別途記載がない限り、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキル基を意味する。
【0025】
シクロアルキレンとは、別途記載がない限り、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキレン基、例えば次式:
【化7】

の基を意味する。
【0026】
アルキルチオアルキルとは、別途記載がない限り、−アルキル−S−アルキルタイプの基を意味する。
【0027】
炭素環式又はヘテロ環式アリールとは、少なくとも1つの芳香環を含む環1〜3個(縮合環)の炭素環系又はヘテロ環系を意味する。系は、系を構成する環の少なくとも1つが少なくとも1つのヘテロ原子(O、N又はS)を含む場合に、ヘテロ環式であると称される。炭素環式又はヘテロ環式アリール基が置換されていると言う場合、別途記載がない限り、これは、この炭素環式又はヘテロ環式アリール基が水素原子以外の基(これは別途記載がない限り、ハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から選択される)で1〜3回、好ましくは1〜2回置換されていることを意味する;さらに、別途記載がない限り、アリールとはもっぱら炭素環式アリールを意味する。
【0028】
ハロゲン又はハロゲン原子とは、塩素、臭素、フッ素又はヨウ素原子を意味する。
【0029】
シクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ及びアラルキル基とはそれぞれ、アルキル、シクロアルキル及びアリール基が前記の意味を有するシクロアルキルアルキル、アルコキシアルキル、ハロアルキル、ハロアルコキシ及びアラルキル基を意味する。
【0030】
基が1〜3回随意に置換されていると言う場合、これは随意に1〜2回置換されているのが好ましく、随意に1回置換されているのがより一層好ましい。
【0031】
1〜6個の炭素原子を有する直鎖状又は分枝鎖状アルキルとは、特にメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びt−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル基を意味する。ハロアルキルとは、特にトリフルオロメチル基を意味する。ハロアルコキシとは、特にトリフルオロメトキシ基を意味する。炭素環式アリールとは、特にフェニル及びナフチル基を意味する。アラルキルとは、特にフェニルアルキル基、特にベンジル基を意味する。3〜7員の環から独立的に選択される環1〜3個(縮合環)を含有する飽和環状炭素系とは、特にシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル及びアダマンチル基を意味する。ヘテロ環式アリール又はヘテロアリールとは、特にチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル及びピリジル基を意味する。最後に、ハロゲンとは、フッ素、塩素、臭素又はヨウ素原子を意味する。
【0032】
化合物の塩とは、当該化合物の有機若しくは無機酸付加塩又は適宜に塩基付加塩、特に当該化合物の製薬上許容できる塩を意味する。
【0033】
製薬上許容できる塩とは、特に塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硫酸塩、リン酸塩、二リン酸塩及び硝酸塩のような無機酸付加塩、又は酢酸塩、マレイン酸塩、フマル酸塩、酒石酸塩、コハク酸塩、クエン酸塩、乳酸塩、メタンスルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩、パモ酸塩及びステアリン酸塩のような有機酸付加塩を意味する。また、用いることができる場合には水酸化ナトリウム又は水酸化カリウムのような塩基から形成された塩も本発明の範囲内に包含される。製薬上許容できる塩のその他の例については、「Salt selection for basic drugs」、Int. J. Pharm. (1986), 33, 201-217を参照することができる。
【0034】
ある場合には、本発明に従う化合物は、不斉炭素原子を含むことがある。結果として、本発明に従う化合物は、2つの可能な鏡像異性体の形、即ち「R」及び「S」配置を有する。本発明は、2つの鏡像異性体及びこれらの異性体のすべての組合せを包含し、「RS」ラセミ混合物を包含する。簡略化のため、構造式において配置を特に示していない場合には、2つの鏡像異性体の形及びそれらの混合物が表わされることを理解されたい。
【0035】
一般的に、飽和ヘテロ環Aは、最大2個の−CO−員、最大2個の−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される員並びに最大1個の−CHR23−員(ここで、R23は水素原子以外のものである)を含むようなものであるのが好ましい。同様に、R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和ヘテロ環を形成する場合、該飽和ヘテロ環は、最大2個の−CR2930−員(ここで、R29及びR30の内の少なくとも1つは水素原子以外のものである)を含むようなものであるのが好ましい。
【0036】
本発明の1つの具体例に従えば、式(I)の化合物又はそれらの塩は、R4が次式の基を表わさないようなものである。
【化8】

本明細書の残りの部分においては、このような化合物を「一般下位式(I)Mの化合物」と称する。
【0037】
一般下位式(I)Mの化合物の中で、あるものは、一般下位式(I)M5
【化9】

(ここで、R1、R2、R3、R4及びR5は一般下位式(I)Mにおけるのと同じ意味を有する)
に相当し、別のあるものは一般下位式(I)M6
【化10】

(ここで、R1、R2、R3、R4及びR5は一般下位式(I)Mにおけるのと同じ意味を有する)
に相当する。
【0038】
本発明の別の具体例に従えば、一般式(I)の化合物又はそれらの塩は、R4が次式の基を表わすようなものである。
【化11】

本明細書の残りの部分においては、このような化合物を「一般下位式(I)Dの化合物」と称する。
【0039】
一般下位式(I)Dの化合物の中で、あるものは一般下位式(I)D5
【化12】

(ここで、
1、R2、R3及びR5は一般下位式(I)Dにおけるのと同じ意味を有し、
4は次式:
【化13】

の基を表わし、
ここで、Lは一般下位式(I)Dにおけるのと同じ意味を有する)
に相当し、別のあるものは一般下位式(I)D6
【化14】

(ここで、
1、R2、R3及びR5は一般下位式(I)Dにおけるのと同じ意味を有し、
4は次式:
【化15】

の基を表わし、
ここで、Lは一般下位式(I)Dにおけるのと同じ意味を有する)
に相当する。
【0040】
一般下位式(I)Dの化合物又はそれらの塩がLが−(CH2)a−Ω−(CH2)b−を表わすものである場合、Ωは−O−、−CO−、−CR2728−であるのが好ましく、−O−であるのがより一層好ましい。
【0041】
一般式(I)の化合物又はそれらの塩は、独立的に次の特徴の内の少なくとも1つを有するようなものであるのが好ましい。
・R1がアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR67又は−CHR89基を表わす;
・R2が水素原子又はメチル、エチル若しくはベンジル基を表わす;
・R3が水素原子を表わす;
・R4がアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基、炭素環式若しくはヘテロ環式アリール又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基の内の1種(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていてもよい)を表わすか、或は
4が−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−A基の内の1種{ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2又は3であり、qは1〜3の整数であり、tは0〜3の整数であり、rは2〜6の整数であり、vは1〜6の整数であり、Alkはアルキル基であり、R21は水素原子又はアルコキシカルボニル基であり、R22は水素原子又はメチル基であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR23−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はメチル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル基を表わす)である}を表わすか、或は
4が次式:
【化16】

又は次式
【化17】

の基を表わすかである;
・R5が水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし、R5はまた、R4がアルキル、アルコキシアルキル又は炭素環式アラルキル基(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていてもよい)を表わす場合には、R4と同じ基を表わすこともできる;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって合計1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和ヘテロ環を形成し、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員が、−CH2−、−O−、−S−及び−NR31−基から独立的に選択され、ここで、R31が−COR32−又は−SO233−を表わし、
ここで、R32がアルキル基又は、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式アリール基を表わし、R32はまた、ヘテロ環式アリール基又はピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ及び2−テトラヒドロフリル基から選択される飽和ヘテロ環を表わすこともでき、
33が水素原子又はアルキル基を表わす;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって次式:
【化18】

のヘテロ環式アリール基(その芳香環はアルキル又はアルコキシ基で1〜3回置換されていてよい)を形成する。
【0042】
一般式(I)の化合物又はそれらの塩は、独立的に次の特徴の内の少なくとも1つを有するようなものであるのがより一層好ましい。
・R1が−(CH2)−Z−NR67基を表わし、
ここで、Zが結合又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を表わし、
6及びR7が水素原子及びアルキル基から独立的に選択され、又はR6及びR7が窒素原子と一緒になって1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員が−CH2−、−O−、−S−及び−NR17−から独立的に選択され、ここで、R17が水素原子又はアルキル基を表わす;
・R2が水素原子又はメチル基を表わす;
・R4がアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基或は炭素環式若しくはヘテロ環式アリール又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基{そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基(好ましくはハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基)で1〜3回随意に置換されていてもよい}を表わすか、或は
4が−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−A基の内の1種{ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2又は3であり、qは1〜3の整数であり、tは0〜3の整数であり、rは2〜6の整数であり、vは1〜6の整数であり、Alkはアルキル基であり、R21は水素原子又はアルコキシカルボニル基であり、R22は水素原子又はメチル基であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR23−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はメチル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル基を表わす)である}を表わすか、或は
4が次式:
【化19】

又は次式
【化20】

の基を表わすかである;
・R5が水素原子を表わし、R5はまた、R4がアルキル、アルコキシアルキル又は炭素環式アラルキル基(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていてもよい)を表わす場合には、R4と同じ基を表わすこともできる;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって合計1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和ヘテロ環を形成し、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員が、−CH2−、−O−、−S−及び−NR31−基から独立的に選択され、ここで、R31が−COR32−又は−SO233−を表わし、
ここで、R32がアルキル基又は、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式アリール基を表わし、R32はまた、2−フリル、2−ピロリル及び2−チエニル基から選択されるヘテロ環式アリール基又はピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ及び2−テトラヒドロフリル基から選択される飽和ヘテロ環を表わすこともでき、
33が水素原子又はメチル基を表わす;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって次式:
【化21】

のヘテロ環式アリール基{その芳香環はアルキル又はアルコキシ基(好ましくはアルコキシ基)で1〜3回置換されていてよい}を形成する。
【0043】
一般式(I)の化合物又はそれらの塩は、独立的に次の特徴の内の少なくとも1つを有するようなものであるのがさらにより一層好ましい。
・R1が−(CH2)−Z−NR67基を表わし、
ここで、Zが結合又は1〜3個の炭素原子(特に1個の炭素原子)を有する直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を表わし、
6及びR7が水素原子及びアルキル基から独立的に選択され(特にR6及びR7がそれぞれメチル基を表わし)、又はR6及びR7が窒素原子と一緒になってピロリジニル若しくはピペリジニル(特にピロリジニル)環を形成することもできる;
・R2が水素原子を表わす;
・R4がアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基或は炭素環式若しくはヘテロ環式アリール基又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基{そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基又はアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜2回随意に置換されていてもよい}を表わすか、或は
4が−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−A基の内の1種{ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2又は3であり、qは1〜3の整数であり、tは0〜3の整数であり、rは2〜6の整数であり、vは1〜6の整数であり、Alkは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、R21は水素原子又はアルコキシカルボニル基(特にt−ブトキシカルボニル)であり、R22は水素原子であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CH2−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はメチル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル基を表わす)である}を表わすか、或は
4が次式:
【化22】

の基を表わすかである;
・R5が水素原子を表わす;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって合計1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和ヘテロ環を形成し、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員が、−CH2−、−O−、−S−及び−NR31−基から独立的に選択され、ここで、R31が−COR32−又は−SO233−を表わし、
ここで、R32がアルキル基又は、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式アリール基を表わし、R32はまた、2−フリル、2−ピロリル及び2−チエニル基から選択されるヘテロ環式アリール基又はピペリジノ、ピペラジノ、モルホリノ、チオモルホリノ及び2−テトラヒドロフリル基から選択される飽和ヘテロ環を表わすこともでき、
33がアルキル基を表わす;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって次式:
【化23】

のヘテロ環式アリール基{その芳香環はアルコキシ基(好ましくはメトキシ基)で1〜3回(好ましくは1回)置換されていてよい}を形成する。
【0044】
より一層特定的には、一般式(I)の化合物又はそれらの塩は、独立的に次の特徴の内の少なくとも1つを有するようなものである。
・R1が次の式:
−(CH2)2−N(CH3)2又は−(CH2)2−O−CH3又は
【化24】

の基から選択される少なくとも1種の基を表わす;
・R12N−が
【化25】

基を表わす;
・R2が水素原子又はメチル基を表わす;
・R3が水素又は臭素原子を表わす;
・R4が次の式:
【化26】

又はエチル、イソブチル、ブチル若しくは−(CH2)2−O−CH3基から選択される少なくとも1種の基を表わすか、或は
4が次式:
【化27】

(ここで、
Lは−(CH2)2−O−(CH2)2−O−(CH2)2−又は−(CH2)2−O−(CH2)2−から独立的に選択される基を表わし、R5、R3及びR2はHを表わし、R1は−(CH2)2−N(CH3)2を表わす)
の基を表わすかである;
・R5が水素原子又は−(CH2)2−O−CH3基又は
【化28】

基を表わす;
・R4及びR5がそれらを有する窒素原子と一緒になって次のヘテロ環:
【化29】

から選択されるヘテロ環を形成する
(ここで、
【化30】

は一般式(I)への結合地点を示す)。
【0045】
一般式(I)の化合物の中で、実施例に記載した次の化合物が特に好ましい:
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・t−ブチル{2−[2−(2−{[(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルボニル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カルバメート;
・N,N−ジベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−イソブチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・t−ブチル(4−{[(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルボニル]アミノ}ブチル)カルバメート;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−フロイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(2−メトキシエチル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−ブチル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−(シクロヘキシルメチル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド);
・N,N’−[エタン−1,2−ジイルビス(オキシエタン−2,1−ジイル)]ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド);
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・2−{[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・6−ブロモ−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−チエニルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−エチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−(4−クロロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(2−シクロヘキシルエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−フルオロフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−[(6−メトキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)カルボニル]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(4−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]−N−エチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−エチル−5−{[2−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
及びこれらの化合物の塩。
【0046】
以下の化合物がさらに特に好ましい:
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−フロイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−チエニルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−フルオロフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−[(6−メトキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)カルボニル]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(4−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
及びこれらの化合物の塩。
【0047】
本発明はまた、薬剤としての上記の一般式(I)の化合物又はそれらの製薬上許容できる塩にも関する。
【0048】
本発明の主題はまた、活性成分としての一般式(I)の化合物又は該化合物の製薬上許容できる塩を少なくとも1種の製薬上許容できる賦形剤と共に含む製薬組成物にもある。
【0049】
本発明の別の主題は、腫瘍増殖性疾患(特にガン)、非腫瘍増殖性疾患、神経組織変性性疾患、寄生生物性疾患、ウィルス感染症、自然脱毛症、外来物質によって誘発される脱毛症、放射線誘発性脱毛症、自己免疫疾患、移植拒絶反応、炎症性疾患又はアレルギーから選択される疾患又は障害を処置するための薬剤を調製するための一般式(I)の化合物又はそれらの製薬上許容できる塩の使用に関する。
【0050】
全く特定的には、一般式(I)の化合物又はそれらの製薬上許容できる塩は、ガン、特に乳ガン、リンパ腫、頸部若しくは頭部のガン、肺ガン、結腸ガン、前立腺ガン又は膵臓ガンを処置するための薬剤の調製に用いることができる。
【0051】
本発明はさらに、上記の疾患の内の1つ/上記の障害の内の1つの処置方法であって、上記の疾患/上記の障害に罹っている患者に治療上有効量の一般式(I)の化合物又は該化合物の製薬上許容できる塩を投与することを含む前記処置方法にも関する。
【0052】
本発明はまた、新規の工業製品としての一般式(A)の中間体及びかかる化合物の塩をも提供する。
【化31】

[ここで、
Rはアルキル基であり、
5は一般式(I)におけるのと同じ意味を有し、
4はアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基、炭素環式若しくはヘテロ環式アリール又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基の内の1種(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていてもよい)を表わし、
4はまた、−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−Aの内の1種を表わすこともでき、ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2〜4の整数であり、qは1〜4の整数であり、tは0〜4の整数であり、rは2〜12の整数(好ましくは2〜8の整数、特に2〜6の整数)であり、vは1〜12の整数(好ましくは1〜8の整数、特に1〜6の整数)であり、Alkはアルキル基であり、R21は水素原子又はアルキル、アルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基であり、R22は水素原子又はアルキル基であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR23−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はアルキル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基を表わす)であり、
4はまた、次式:
【化32】

{ここで、
R及びR5は前記のR及びR5基と同じであり、
Lは−(CH2)g−[O−(CH2)w]x−[O−(CH2)y]z−及び−(CH2)a−Ω−(CH2)b−基から選択され、
ここで、g、w及びyは2〜4(好ましくは2〜3)の整数であり、
xは1〜3の整数であり、
zは0又は1であり、
a及びbは独立的に2〜6(好ましくは2〜4)の整数であり、
Ωは−O−、−S−、−NR25−、−CO−、−CO−NR26−、−CR2728−、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキレン基及び炭素環式アリール基より成る群から選択され、
ここで、R25はアルキル基を表わし、
26は水素原子又はメチル基を表わし、
27及びR28はそれぞれ水素原子及びメチル基から独立的に選択される}
の基を表わすこともでき;
4はまた、次式:
【化33】

又は次式
【化34】

の基を表わすこともできる。]
【0053】
本発明の1つの具体例に従えば、一般式(A)の化合物は、R4が次式の基を表わさないようなものである。
【化35】

本明細書の残りの部分においては、このような化合物を「一般下位式(A)Mの化合物」と称する。
【0054】
本発明のこの具体例の特定的な特徴は、一般下位式(A)M5の化合物に関する。
【化36】

(ここで、R、R4及びR5は一般式(A)におけるのと同じ意味を有する。)
【0055】
本発明のこの具体例の別の特徴は、一般下位式(A)M6の化合物に関する。
【化37】

(ここで、R、R4及びR5は一般式(A)におけるのと同じ意味を有する。)
【0056】
本発明の別の具体例に従えば、前記の一般式(A)の化合物は、R4が次式の基を表わすようなものである。
【化38】

本明細書の残りの部分においては、このような化合物を「一般下位式(A)Dの化合物」と称する。
【0057】
本発明のこの具体例の特定的な特徴は、一般下位式(A)D5の化合物に関する。
【化39】

(ここで、
R及びR5は一般式(A)におけるのと同じ意味を有し、
4は次式:
【化40】

の基を表わし、
ここで、L、R及びR5は一般式(A)におけるのと同じ意味を有する。)
【0058】
本発明のこの具体例の別の特徴は、一般下位式(A)D6の化合物に関する。
【化41】

(ここで、
R及びR5は一般式(A)におけるのと同じ意味を有し、
4は次式:
【化42】

の基を表わし、
ここで、L、R及びR5は一般式(A)におけるのと同じ意味を有する。)
【0059】
一般式(I)、(I)M若しくは(I)Dの化合物又はそれらの塩について示した好ましいものは、薬剤としてのこれらの化合物又はそれらの製薬上許容できる塩、これらの化合物又はそれらの製薬上許容できる塩を含有する製薬組成物、これらの化合物又はそれらの製薬上許容できる塩の使用、本発明に従う処置方法或は一般式(I)、(A)M若しくは(A)D又はそれらの塩の中間体にも、必要に応じて変更を加えて、当てはまる。
【0060】
本発明の化合物を含有する製薬組成物は、固体の形、例えば粉末、顆粒、錠剤、ゼラチンカプセル、リポソーム又は座薬の形で存在させることができる。好適な固体状担体は、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、澱粉、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及び蝋であることができる。
【0061】
本発明の化合物を含有する製薬組成物は、液体の形、例えば液剤、乳剤、懸濁剤又はシロップ剤の形で存在させることもできる。好適な液状担体は、例えば水、グリセロール又はグリコール類のような有機溶剤及びそれらの様々な割合の混合物、水中であることができる。
【0062】
本発明に従う薬剤の投与は、局所経路で、経口若しくは非経口で、又は筋肉内注射等によって、行うことができる。
【0063】
本発明に従う薬剤について想定される投薬量は、用いる活性成分のタイプに応じて0.1mg〜10gの範囲とする。
【0064】
本発明に従えば、一般式(I)の化合物は、以下に記載する方法によって調製することができる。
【0065】
一般式(I)の化合物の調製
【0066】
一般下位式(I)Mの化合物に関するものであるか一般下位式(I)Dの化合物に関するものであるかに応じて、2つの場合に分けられる。
【0067】
もちろん、以下の調製方法は例示として与えたものに過ぎず、当業者ならばそれらに対して試薬に関して並びに反応条件及び技術に関しての両方で有用と思われる変更を加えることができる。
【0068】
一般的方法
【0069】
一般式(I)MにおいてR3が水素原子を表わす化合物は、下記の反応式1に要約される手順に従って調製することができる。
【0070】
【化43】

【0071】
この方法に従えば、一般式(I)MにおいてR1、R2、R4及びR5が前記の通りである化合物は、一般式(A)MにおいてR4及びR5が一般式(I)Mにおいてにおけるのと同じ意味を有する化合物を、メタノール又はエタノールのような極性溶媒中で20℃〜80℃の範囲の温度で随意に例えばジイソプロピルアミンのような塩基の存在下において、一般式R12NHのアミンで処理することによって得られる(Yasuyuki Kita et al., J. Org. Chem. (1996), 61, 223-227を参照されたい)。
【0072】
一般式(I)DにおいてR3が水素原子を表わす化合物は、下記の反応式1aに要約される手順に従って調製することができる。
【0073】
【化44】

【0074】
この方法に従えば、一般下位式(I)DにおいてR1、R2、L及びR5が前記の通りであるの化合物は、一般式(A)DにおいてL及びR5が一般下位式(I)Dにおけるのと同じ意味を有する化合物を、メタノール又はエタノールのような極性溶媒中で20℃〜80℃の範囲の温度で随意に例えばジイソプロピルアミンのような塩基の存在下において、一般式R12NHのアミンで処理することによって得られる(Yasuyuki Kita et al., J. Org. Chem. (1996), 61, 223-227を参照されたい)。
【0075】
一般的に、一般下位式(I)M又は(I)DにおいてR3がハロゲン原子(Hal)を表わす化合物は、一般下位式(I)M又は(I)DにおいてR3が水素原子を表わす対応化合物から、例えば、ジクロロメタン又はテトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒中でN−クロロスクシンイミド又はN−ブロモスクシンイミドを作用させることによって(Paquette and Farley, J. Org. Chem. (1967), 32, 2725-2731)、酢酸のような溶媒中で次亜塩素酸ナトリウムの水溶液(Javel水)を作用させることによって(Jagadeesh et al., Synth Commun. (1998), 28, 3827-3833)、温酢酸のような溶媒中で触媒量のヨウ素の存在下でCu(II)(CuCl2/HgCl2の混合物中)を作用させることによって(Thapliyal, Synth. Commun. (1998), 28, 1123-1126)、ジクロロメタン/メタノール混合物のような溶媒中でNaHCO3の存在下でジクロロヨウ素酸ベンジルトリメチルアンモニウムのような試薬を作用させることによって(Kordik and Reitz, J. Org. Chem. (1996), 61, 5644-5645)、又はジクロロメタンのような溶媒中で塩素、臭素若しくはヨウ素を用いることによって(J. Renault, S. Giorgi-Renault et al., J. Med. Chem. (1983), 26, 1715-1719)、得ることができる(一般下位式(I)Mの化合物のみを示した反応式1bを参照されたい)。
【0076】
【化45】

【0077】
一般式(A)M及び(A)Dの中間体の調製
【0078】
一般下位式(A)MにおいてR4及びR5が上で定義した通りである化合物は、反応式2に示したように、一般式(B)MにおいてR4及びR5が上で定義した通りであり且つQ及びQ’の一方がアミノ基を表わし且つもう一方が水素原子を表わす化合物から得ることができる。
【0079】
【化46】

【0080】
同様に、一般式(A)DにおいてL及びR5が上で定義した通りである化合物は、反応式2aに示したように、一般式(B)DにおいてL及びR5が上で定義した通りであり且つQ及びQ’の一方がアミノ基を表わし且つもう一方が水素原子を表わす化合物から得ることができる。
【0081】
【化47】

【0082】
一般式(A)M又は(A)Dの化合物は、それぞれ一般式(B)M又は(B)Dの化合物を、例えば無水媒体中で次亜塩素酸塩の形のDowexタイプのイオン交換樹脂を用いて(Hashemi et al., J. Chem. Res., Synop. (1999), 11, 672-673) 若しくはフレミーの塩(ニトロソ二硫酸カリウム)を用いて(Ryu et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. (2000), 10, 461-464)、又は水性アセトニトリル中で好ましくは−20℃〜周囲温度(即ち約25℃)の範囲の温度、好ましくは約−5℃の温度において[ビス(アセトキシ)ヨード]ベンゼン若しくは[ビス(トリフルオロアセトキシ)ヨード]ベンゼンのような超原子価ヨウ素を含む試薬を用いて(Kinugawa et al., Synthesis, (1996), 5, 633-636)、酸化することによって得られる。
【0083】
一般式(B)M及び(B)Dの中間体の調製
【0084】
一般式(B)MにおいてQ、Q’、R4及びR5が上で定義した通りである化合物は、式(C)MにおいてR4及びR5が上で定義した通りであり且つQ及びQ’の一方がアミノ基を表わし且つもう一方が水素原子であるニトロ誘導体から、当業者によく知られた還元方法、例えばパラジウムメッキ触媒の存在下での水素化又は塩酸中での塩化スズによる処理によって、得ることができる。
【0085】
一般式(B)Mにおいてメトキシ基が5位にある化合物の調製は、例えばQ=NH2であり且つQ’=Hである場合について、下記の反応式3に示す。
【0086】
【化48】

【0087】
一般式(B)Mにおいてメトキシ基が6位にある化合物の調製は、Q=Hであり且つQ’=NH2である場合について、下記の反応式3aに示す。
【0088】
【化49】

【0089】
同様に、一般式(B)DにおいてQ、Q’、L及びR5が上で定義した通りである化合物は、式(C)DにおいてL及びR5が上で定義した通りであり且つQ及びQ’の一方がニトロ基を表わし且つもう一方が水素原子を表わすニトロ誘導体から得ることができる(下記の反応式3b及び3cを参照されたい)。
【0090】
【化50】

【0091】
【化51】

【0092】
一般式(C)M及び(C)Dの中間体の調製
【0093】
一般式(C)MにおいてR4及びR5が上で定義した通りであり且つQ及びQ’の一方がアミノ基を表わし且つもう一方が水素原子を表わす化合物は、反応式4に示したように、一般式(D)においてQ及びQ’が上で定義した通りである化合物及び一般式R45NHのアミンから得ることができる。
【0094】
【化52】

【0095】
同様に、一般式(C)DにおいてL及びR5が上で定義した通りであり且つQ及びQ’の一方がアミノ基を表わし且つもう一方が水素原子を表わす化合物は、反応式4aに示したように、一般式(D)においてQ及びQ’が上で定義した通りである化合物及び一般式R5HN−L−NHR5のジアミンから得ることができる。
【0096】
【化53】

【0097】
一般式(C)M又は(C)Dの化合物は、上に示したように、ペプチド合成についての標準的な条件(M. Bodansky, The Practice of Peptide Synthesis, 145 (Springer-Verlag, 1984))を用いて、例えばジクロルメタン中でブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)のようなカップリング剤の存在下でジメチルアミノピリジン(DMAP)の存在下で(Coste et al., Tetrahedron Lett. (1990), 31, 669)、又はジメチルホルムアミド/ジクロロメタン/ジオキサン:1/1/1の混合物中で1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩、触媒量のジメチルアミノピリジン及びジイソプロピルエチルアミンの存在下で、又はジクロロメタンに溶液状の塩化オキサリルを添加することによって得られる中間体の酸クロリドを生成させることによって、得られる。
【0098】
一般式(D)の中間体の調製
【0099】
一般式(D)においてQ及びQ’が上で定義した通りである化合物は、反応式5に示したように、一般式(E.i)のカルボキサアルデヒドを、例えば、リン酸水素ナトリウム緩衝液(pH3.5)中で及びt−ブタノールの水溶液中で2−メチル−2−ブテンの存在下で、亜塩素酸ナトリウムのような酸化剤を作用させて酸化することによって、得ることができる。これらの一般式(E.i)のアルデヒド自体は、一般式(E)の化合物を例えば1,4−ジオキサン中で80℃において酸化セレンを作用させて酸化することによって得られる(Bu et al., J. Med. Chem. (2001), 44, 2004-2014)。
【0100】
【化54】

【0101】
一般式(E)の中間体の調製
【0102】
一般式(E)においてQ及びQ’が上で定義した通りである化合物は、一般式(F)においてQ及びQ’基に対応する位置を水素原子で置換された化合物から、当業者によく知られたニトロ化方法、例えば硝酸と硫酸との混合物による処理によって、得ることができる。
【0103】
一般式(E)においてメトキシ基が5位にある化合物の調製は、例えばQ=NO2であり且つQ’=Hである場合について、下記の反応式6に示す。
【0104】
【化55】

【0105】
一般式(E)においてメトキシ基が6位にある化合物の調製は、例えばQ=Hであり且つQ’=NO2である場合について、下記の反応式6aに示す。
【0106】
【化56】

【0107】
一般式(F)の化合物:
【0108】
一般式(F)の化合物は通常の供給業者から入手可能な既知の工業製品であり、又は、かかる製品から当業者によく知られた方法に従って合成することができる。
【0109】
本明細書において言及する温度に関しては、用語「約XX℃」とは、当該温度がXX℃の温度の上下10℃以内、好ましくはXX℃の温度の上下5℃以内の幅に相当することを意味する。
【0110】
別途記載がない限り、本明細書において用いられるすべての技術用語及び科学用語は、本発明が属する技術分野における通常の専門家が通常理解するものと同じ意味を有する。同様に、本明細書において言及するすべての刊行物、特許出願、すべての特許及びすべてのその他の参照物は、参照用に取り入れられる。
【0111】
以下の実施例は、上記の手順を例示するために示されたものであり、いずれの場合にも本発明の範囲を限定するものと見なすべきではない。
【0112】
融点は、ビューヒ(BUCHI)535毛細管装置を用いて測定した。
【0113】
NMRスペクトルは、ブリュッカー(BRUCKER)ARX 400分光計を用いて記録した。化学シフトはテトラメチルシラン(TMS)に対してppmで表わされ、信号の多重度はs(シングレット)、d(ダブレット)、t(トリプレット)、m(マルチプレット)の形で与えられる。
【実施例】
【0114】
保持時間(rt)及び分子ピーク(MH+)の測定に用いた方法
【0115】
化合物の特徴付けは、液体クロマトグラフィー(LC)によって測定される保持時間(rt)(単位:分)及び質量分析法(MS)によって測定される分子ピーク(MH+)によって行う。上記質量分析では、エレクトロスプレー源を備えたシングル四重極質量分析計(Micromass社製、Platformモデル)を分解能0.8Da(50%valley)で用いる。
【0116】
下記の例1〜15では、示された結果に対応する溶出条件は次の通りである:アセトニトリル−水−トリフルオロ酢酸の50−950−0.2の混合物(A)で1分間溶出させ、次いで混合物(A)からアセトニトリル−水の950−50の混合物(B)へ7.5分かけて直線勾配で移行し、その後に純粋な混合物(B)で2分間溶出させる。
【0117】
例1:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0118】
(1.1)5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸:
【0119】
(1.1.1)5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルバルデヒド:
【0120】
12.8g(0.115モル;6当量)の二酸化セレンを、無水ジオキサン180ml中の溶液状の5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール4.34g(19.3ミリモル)に添加する。この反応混合物を80℃において18時間撹拌し、次いで不溶性物質を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。所期のアルデヒドが黄色のオイルの形で得られ、これをシリカカラム上で精製する(溶離剤:酢酸エチル/ヘプタン:30%から70%への勾配)。融点:154〜155℃。
【0121】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):10.06(s、1H、CHO);8.52〜8.49(d、1H、芳香族H);7.80〜7.78(d、2H、芳香族H);4.04(s、3H、OCH3)。
【0122】
(1.1.2)5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸:
【0123】
前記カルバルデヒド残渣をt−ブタノール420ml及び2−メチル−2−ブテン100ml中に取り出し、これに、水180ml中に亜塩素酸ナトリウム18g及びリン酸水素ナトリウム18gを含有させた溶液を滴下する。この反応混合物を周囲温度において18時間撹拌下に保ち、次いで不溶性物質を濾過し、水中に取り出し、得られた水溶液を1M塩酸溶液で酸性にする。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄する。ベージュ色の粉末の形で上記の酸が得られた(m=3.12g;収率=64%)。融点:140〜142℃。
【0124】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):8.45〜8.43(d、1H、芳香族H);7.74〜7.71(d、1H、芳香族H);3.99(s、3H、CH3)。
【0125】
MS−LC:MH+=254.99;rt=8.20分。
【0126】
(1.2)5−メトキシ−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール:
【0127】
ジクロロメタン40ml中の溶液状のジイソプロピルエチルアミン344μl(1.97ミリモル:1当量)及び5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸500mg(1.97ミリモル)に、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)980mg(2.1ミリモル;1.1当量)を添加する。この反応混合物を周囲温度において撹拌下に15分間保ち、次いでモルホリン202μl(2.3ミリモル;1.2当量)及びスパチュラ先端分のジメチルアミノピリジンをこの媒体に添加し、これを周囲温度において18時間撹拌下に保つ。次いで不溶性物質を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。次いで残渣をシリカカラム上で精製(溶離剤:酢酸エチル/ヘプタン:ヘプタン中の酢酸エチルを40分間かけて30%から70%への勾配、次いで70%で5分間)して、所期の物質210mgがベージュ色の粉末の形で得られた(収率=33%)。
【0128】
MS−LC:MH+=324.01;rt=9.63分。
【0129】
(1.3)5−メトキシ−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4−アミン:
【0130】
メタノール10ml中の溶液状の5−メトキシ−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール210mg(0.65ミリモル)に、活性炭上の10%パラジウム20mgを添加する。この反応媒体を次いで水素雰囲気下で18時間撹拌下に置く。次いで触媒を濾別し、溶媒を蒸発させる。所期の物質173mgが黄色のオイルの形で得られ(グロス収率=91%)、これを別途精製することなく次の工程で用いた。
【0131】
MS−LC:MH+=294.04;rt=9.09分。
【0132】
(1.4)5−メトキシ−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0133】
アセトン5ml中の溶液状の5−メトキシ−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4−アミン173mg(0.6ミリモル)に、0.3Mリン酸水素ナトリウム水溶液(12ml)中のフレミーの塩(ニトロソ二硫酸カリウム、25〜50%水及びメタノール含有)570mg(1.063ミリモル;1.8当量)の溶液を滴下する。この反応混合物を周囲温度において4時間撹拌下に保ち、次いでアセトンを蒸発させ、この媒体をジクロロメタン10ml中に取り出し、飽和塩化ナトリウム水溶液7mlで2回洗浄する。有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。所期の物質175mgが黄色粉末の形で得られ(グロス収率=99%)、これを別途精製することなく次の工程で用いた。
【0134】
MS−LC:MH+=308.99;rt=8.40分。
【0135】
(1.5)5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0136】
無水エタノール10ml中の溶液状の5−メトキシ−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン175mgに、N,N−ジメチルエチレンジアミン66μl(0.6ミリモル;1当量)を添加する。この反応混合物を80℃において2時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をシリカカラム上で精製(溶離剤:ジクロロメタン中のメタノール:35分間かけて0から5%への勾配、次いでジクロルメタン中にメタノール5%で5分間)して、所期の化合物50mgが赤色粉末の形で得られた(収率=23%)。融点=207〜208℃。
【0137】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.56(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);4.24(m、2H);3.69(m、6H);3.26(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.19(s、6H、2CH3)。
【0138】
MS−LC:MH+=365.06;rt=7.19分。
【0139】
例2〜13の化合物は、例1について採用したものと類似のプロトコルに従い、第2工程においてモルホリンに代えて好適なアミンを用い、例6については最後の工程においてN,N−ジメチルエチレンジアミンに代えてN−(2−アミノエチル)ピロリジンを用いて、得られた。
【0140】
例2:t−ブチル{2−[2−(2−{[(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルボニル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カルバメート:
【0141】
赤色粉末。融点:55〜57℃。
【0142】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.10(t、1H、NH);7.54(t、1H、NH);6.69(t、1H、NH);5.62(s、1H、CH);3.56〜3.43(m、8H);3.37〜3.35(m、2H);3.29〜3.25(m、2H);3.04〜3.02(m、2H、CH2);2.51(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3);1.35(s、9H、3CH3)。
【0143】
MS−LC:MH+=526.34;rt=7.80分。
【0144】
例3:N,N−ジベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0145】
赤色粉末。
【0146】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.51(t、1H、NH);7.36〜7.27(m、10H、芳香族H);5.61(s、1H、CH);5.26(s、2H、CH2);4.61(s、2H、CH2);3.26〜3.23(m、2H、CH2);2.46〜2.44(m、2H、CH2);2.17(s、6H、2CH3)。
【0147】
MS−LC:MH+=475.44;rt=8.98分。
【0148】
例4:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0149】
赤色粉末。融点:92〜94℃。
【0150】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.53〜7.52(t、1H、NH);5.60(s、1H、CH);4.18−4.15(m、2H、CH2);3.69〜3.67(m、2H、CH2);3.56〜3.53(m、4H、2CH2);3.29〜3.24(m、5H);3.19(m、3H、CH3);2.48〜2.27(m、2H、CH2);2.19(s、6H、2CH3)。
【0151】
MS−LC:MH+=411.43;rt=7.52分。
【0152】
例5:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0153】
赤色粉末。融点:154〜156℃。
【0154】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.19(t、1H、NH);7.55(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.37〜3.18(m、10H);2.51〜2.49(m、2H、CH2);2.20〜2.19(m、6H、2CH3);1.93〜1.89(m、2H、CH2);1.74〜1.69(m、2H、CH2)。
【0155】
MS−LC:MH+=420.14;rt=7.26分。
【0156】
例6:4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0157】
赤色粉末。
【0158】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.18(t、1H、NH);7.67(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.37〜3.18(m、10H);2.68〜2.67(t、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.20(t、2H、CH2);1.93〜1.89(m、2H、CH2);1.74〜1.68(m、6H)。
【0159】
MS−LC:MH+=446.17;rt=7.32分。
【0160】
例7:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−イソブチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0161】
赤色粉末。融点:163〜164℃。
【0162】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.21(t、1H、NH);7.54(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.28〜3.23(m、2H、CH2);3.11〜3.08(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.18(m、6H、2CH3);1.92〜1.89(m、1H、CH);0.88〜0.86(m、6H、2CH3)。
【0163】
MS−LC:MH+=351.16;rt=7.71分。
【0164】
例8:t−ブチル(4−{[(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルボニル]アミノ}ブチル)カルバメート:
【0165】
赤色粉末。
【0166】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.21(t、1H、NH);7.54(t、1H、NH);6.77(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.28〜3.24(m、4H、2CH2);2.93〜2.90(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3);1.53〜1.49(m、2H、CH2);1.39〜1.32(m、11H)。
【0167】
MS−LC:MH+=466.25;rt=7.75分。
【0168】
例9:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−フロイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0169】
赤色粉末。
【0170】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.86(m、1H、芳香族H);7.58(t、1H、NH);7.06(m、1H、芳香族H);6.64(m、1H、芳香族H);5.62(s、1H、CH);4.32(m、2H);3.82〜3.78(m、6H);3.26〜3.25(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3)。
【0171】
MS−LC:MH+=458.08;rt=7.39分。
【0172】
例10:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(2−メトキシエチル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0173】
赤色粉末。
【0174】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.11(t、1H、NH);7.55(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.50〜3.44(m、4H);3.27〜3.24(m、5H);2.49(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3)。
【0175】
MS−LC:MH+=353.11;rt=7.27分。
【0176】
例11:N−ブチル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0177】
赤色粉末。
【0178】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.20(t、1H、NH);7.54(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.28〜3.25(m、4H);2.49(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3);1.54〜1.50(m、2H、CH2);1.32〜1.27(m、2H、CH2);0.88(t、3H、CH3)。
【0179】
MS−LC:MH+=351.10;rt=7.78分。
【0180】
例12:N−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0181】
赤色粉末。融点:188〜189℃。
【0182】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.78(t、1H、NH);7.55(t、1H、NH);7.34〜7.23(m、5H、芳香族H);5.62(s、1H、CH);4.46〜4.45(m、2H、CH2);3.27〜3.24(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.19(m、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=385.09;rt=7.89分。
【0183】
例13:N−(シクロヘキシルメチル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0184】
赤色粉末。融点:171〜172℃。
【0185】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.17(t、1H、NH);7.54(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.27〜3.24(m、2H、CH2);3.13〜3.10(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.18(m、6H、2CH3);1.67〜1.60(m、6H);1.22〜1.13(m、3H);0.95〜0.89(m、2H)。
【0186】
MS−LC:MH+=391.13;rt=8.23分。
【0187】
例14:N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド):
【0188】
(14.1)5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸:
【0189】
(14.1.1)5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルバルデヒド:
【0190】
12.8g(0.115モル;6当量)の二酸化セレンを、無水ジオキサン180ml中の溶液状の5−メトキシ−2−メチル−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール4.34g(19.3ミリモル)に添加する。この反応混合物を80℃において18時間撹拌し、次いで不溶性物質を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。所期のアルデヒドが黄色のオイルの形で得られ、これをシリカカラム上で精製する(溶離剤:酢酸エチル/ヘプタン:30%から70%への勾配)。融点:154〜155℃。
【0191】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):10.06(s、1H、CHO);8.52〜8.49(d、1H、芳香族H);7.80〜7.78(d、2H、芳香族H);4.04(s、3H、OCH3)。
【0192】
(14.1.2)5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸:
【0193】
前記カルバルデヒド残渣をt−ブタノール420ml及び2−メチル−2−ブテン100ml中に取り出し、これに、水180ml中に亜塩素酸ナトリウム18g及びリン酸水素ナトリウム18gを含有させた溶液を滴下する。この反応混合物を周囲温度において18時間撹拌下に保ち、次いで不溶性物質を濾過し、水中に取り出し、得られた水溶液を1M塩酸溶液で酸性にする。得られた沈殿を濾過し、水で洗浄する。ベージュ色の粉末の形で上記の酸が得られた(m=3.12g;収率=64%)。融点:140〜142℃。
【0194】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):8.45〜8.43(d、1H、芳香族H);7.74〜7.71(d、1H、芳香族H);3.99(s、3H、CH3)。
【0195】
MS−LC:MH+=254.99;rt=8.20分。
【0196】
(14.2)N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド):
【0197】
ジクロロメタン100ml中の溶液状のジイソプロピルエチルアミン1.13ml(6.5ミリモル;1.1当量)及び5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボン酸1.5g(5.9ミリモル)に、ブロモ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロホスフェート(PyBroP)3.03g(6.5ミリモル;1.1当量)を添加する。この反応混合物を周囲温度において周囲温度において撹拌下に10分間保ち、次いで2.2’−オキシビス(エチルアミン)0.31g(2.9ミリモル;0.5当量)及びスパチュラ先端分のジメチルアミノピリジンをこの媒体に添加し、これを周囲温度において18時間撹拌下に保つ。不溶性物質を濾過し、溶媒を減圧下で蒸発させる。次いで残渣をシリカカラム上で精製(溶離剤:酢酸エチル/ヘプタン:4/1)して、所期の物質250mgがベージュ色の粉末の形で得られた(収率=8%)。
【0198】
MS−LC:MH+=577.11;rt=10.27分。
【0199】
(14.3)N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(4−アミノ−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド):
【0200】
濃塩酸10ml中の溶液状のN,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド)250mg(0.43ミリモル)に、二水和塩化スズ0.33g(1.5ミリモル;3.4当量)を添加する。この反応媒体を60℃において4時間撹拌下に保ち、次いで氷水中に注ぎ、5N苛性ソーダ溶液で中和する。次いで所期の物質を25mlずつのジクロルメタンで3回抽出し、次いで有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。所期の物質200mgが黄色のオイルの形で得られ(グロス収率=98%)、これを別途精製することなく次の工程で用いた。
【0201】
MS−LC:MH+=517.23;rt=9.59分。
【0202】
(14.4)N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メトキシ−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド):
【0203】
アセトン10ml中の溶液状のN,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(4−アミノ−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド)220mg(0.43ミリモル)に、0.3Mリン酸水素ナトリウム水溶液(35ml)中のフレミーの塩(ニトロソ二硫酸カリウム、25〜50%水及びメタノール含有)0.91g(1.7ミリモル;4当量)の溶液を滴下する。この反応混合物を周囲温度において2時間撹拌下に保ち、次いでアセトンを蒸発させ、この媒体をジクロロメタン25ml中に取り出し、飽和塩化ナトリウム水溶液15mlで2回洗浄する。有機相を一緒にし、硫酸マグネシウムで乾燥させ、溶媒を減圧下で蒸発させる。所期の物質230mgが黄色粉末の形で得られ(グロス収率=99%)、これを別途精製することなく次の工程で用いた。
【0204】
MS−LC:MH+=547.12;rt=8.76分。
【0205】
(14.5)N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド):
【0206】
無水エタノール300ml中の溶液状のN,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−メトキシ−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド)200mgに、N,N−ジメチルエチレンジアミン81μl(0.73ミリモル;2当量)を添加する。この反応混合物を60℃において4時間撹拌し、次いで溶媒を減圧下で蒸発させる。残渣をシリカカラム上で精製(溶離剤:ジクロロメタン中のメタノール:30分間かけて0から20%への勾配、次いでジクロルメタン中にメタノール20%で15分間)して、所期の化合物12mgが赤色粉末の形で得られた(収率=5%)。
【0207】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.04(t、2H、2NH);7.49(t、2H、2NH);5.56(s、2H、2CH);3.64〜3.58(m、4H、2CH2);3.45〜3.41(m、4H、2CH2);3.26〜3.22(m、4H、2CH2);2.51〜2.49(m、4H、2CH2);2.19(s、12H、4CH3)。
【0208】
MS−LC:MH+=659.20;rt=6.99分。
【0209】
例15の化合物は、例14について採用したものと類似のプロトコルに従い、第2工程において2.2’−オキシビス(エチルアミン)に代えて好適なアミンを用いて、得られた。
【0210】
例15:N,N’−[エタン−1,2−ジイルビス(オキシエタン−2,1−ジイル)]−ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド):
【0211】
赤色粉末。
【0212】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.07(t、2H、2NH);7.55(t、2H、2NH);5.59(s、2H、2CH);3.57〜3.54(m、8H、4CH2);3.43〜3.37(m、4H、2CH2);3.26〜3.22(m、4H、2CH2);2.50〜2.49(m、4H、2CH2);2.18(m、12H、4CH3)。
【0213】
MS−LC:MH+=703.24;rt=7.14分。
【0214】
例16〜20の化合物は、例1について採用したものと類似のプロトコルに従い、第2工程においてモルホリンに代えて好適なアミンを用い、例17については最後の工程においてN,N−ジメチルエチレンジアミンに代えてN−(2−アミノエチル)ピロリジンを用いて、得られた。
【0215】
例16:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0216】
赤色粉末。融点:211〜212℃。
【0217】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.57(t、1H、NH);5.62(s、1H、CH);4.24(m、2H);3.69(m、2H);3.59〜3.56(m、4H);3.30(m、4H);3.19〜3.16(m、4H);2.52(m、4H);2.20(s、6H、2CH3)。
【0218】
MS−LC:MH+=477.20;rt=7.23分。
【0219】
例17:2−{[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0220】
赤色粉末。融点:193〜194℃。
【0221】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.72(t、1H、NH);5.64(s、1H、CH);4.24(m、2H);3.69(m、4H);3.59〜3.56(m、6H);3.19〜3.16(m、6H);2.66〜2.60(m、6H);1.73(m、4H)。
【0222】
MS−LC:MH+=503.26;rt=7.29分。
【0223】
例18:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0224】
赤色粉末。融点:207〜208℃。
【0225】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):10.96(s、1H、NH);7.78〜7.75(m、2H、芳香族);7.58(t、1H、NH);6.96〜6.93(m、2H、芳香族);5.65(s、1H、CH);3.75(s、3H、OCH3);3.27〜3.26(m、2H);2.53〜2.50(m、2H);2.20(s、6H、2CH3)。
【0226】
MS−LC:MH+=401.11;rt=7.98分。
【0227】
この化合物は、当業者に周知の標準的方法に従って塩形成された形で得られた(調製された塩はメタンスルホン酸塩である)。
【0228】
オレンジ色粉末。
【0229】
MS−LC:MH+=401.17;rt=8.07分。
【0230】
例19:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0231】
赤色粉末。融点:201〜202℃。
【0232】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.57(t、1H、NH);5.62(s、1H、CH);4.32(m、2H);3.78(m、2H);3.28〜3.25(m、6H);2.91(s、3H、CH3);2.53〜2.50(m、2H);2.18(s、6H、2CH3)。
【0233】
MS−LC:MH+=442.15;rt=7.31分。
【0234】
例20:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0235】
赤色粉末。融点:168〜169℃。
【0236】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.57(t、1H、NH);5.62(s、1H、CH);4.73〜4.69(m、1H);4.25〜4.21(m、2H);3.79〜3.72(m、2H);3.68〜3.57(m、6H);3.28〜3.25(m、2H);2.51〜2.49(m、2H);2.19(s、6H、2CH3);2.05〜2.01(m、2H);1.85〜1.80(m、2H)。
【0237】
MS−LC:MH+=462.19;rt=7.22分。
【0238】
例21:6−ブロモ−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0239】
例20の化合物78mg(0.17ミリモル)を酢酸10mL中に溶解させる。N−ブロモスクシンイミド33mg(0.19ミリモル;1.1当量)を添加し、この反応混合物を周囲温度において3時間撹拌する。減圧下で濃縮した後に、残渣をシリカカラム上でのクロマトグラフィーによって精製(溶離剤:ジクロロメタン/メタノール、90/10)し、エチルエーテル中に取り出した後に、所期の物質が紫色の粉末の形で得られた。
【0240】
融点:161〜162℃。
【0241】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.47(t、1H、NH);4.73〜4.69(m、1H);4.25〜4.21(m、2H);3.79〜3.72(m、2H);3.68〜3.57(m、6H);3.28〜3.25(m、2H);2.51〜2.49(m、2H);2.19(s、6H、2CH3);2.05〜2.01(m、2H);1.85〜1.80(m、2H)。
【0242】
MS−LC:MH+=540.09;rt=7.39分。
【0243】
例22〜26の化合物は、例1について採用したものと類似のプロトコルに従い、第2工程においてモルホリンに代えて好適なアミンを用いて、得られた。
【0244】
例22:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0245】
赤色粉末。融点:207〜208℃。
【0246】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.54(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);4.01(t、2H、CH2);3.55(t、2H、CH2);3.29〜3.25(m、2H);2.52〜2.49(m、2H);2.19(s、6H、2CH3);1.98〜1.93(m、2H);1.89〜1.84(m、2H)。
【0247】
MS−LC:MH+=349.16;rt=7.45分。
【0248】
例23:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−チエニルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0249】
赤色粉末。
【0250】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.79〜7.78(m、1H);7.57(t、1H、NH);7.50〜7.49(m、1H);7.16〜7.13(m、1H);5.62(s、1H、CH);4.33(m、2H);3.79(m、6H);3.28〜3.25(m、2H);2.50〜2.48(m、2H);2.19(s、6H、2CH3)。
【0251】
MS−LC:MH+=474.15;rt=7.55分。
【0252】
例24:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−エチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0253】
赤色粉末。融点:174〜175℃。
【0254】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.21(t、1H、NH);7.54(t、1H、NH);5.61(s、1H、CH);3.27〜3.24(m、4H);2.52〜2.49(m、2H);2.19(s、6H、2CH3);1.13(t、3H、CH3)。
【0255】
MS−LC:MH+=323.12;rt=7.29分。
【0256】
例25:N−(4−クロロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0257】
赤色粉末。
【0258】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):11.22(s、1H、NH);7.95〜7.85(m、3H);7.46〜7.39(m、2H);5.79(s、1H、CH);3.50(m、2H);2.66(m、2H);2.19(s、6H、2CH3)。
【0259】
MS−LC:MH+=405.03;rt=8.35分。
【0260】
例26:N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0261】
赤色粉末。融点:220〜221℃。
【0262】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):10.98(s、1H、NH);7.58(t、1H、NH);7.47(s、1H);7.37〜7.34(m、1H);6.93〜6.91(m、1H);6.02(s、2H、CH2);5.65(s、1H、CH);3.27〜3.25(m、2H);2.53〜2.51(m、2H);2.19(s、6H、2CH3)。
【0263】
MS−LC:MH+=415.07;rt=8.00分。
【0264】
例27〜32の化合物は、例20について採用したものと類似のプロトコルに従い、最後の工程においてN,N−ジメチルエチレンジアミンに代えて好適なアミンを用いて、得られた。
【0265】
例27:5−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0266】
赤色粉末。
【0267】
MS−LC:MH+=449.16;rt=8.16分。
【0268】
例28:5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0269】
赤色粉末。
【0270】
MS−LC:MH+=474.20;rt=7.31分。
【0271】
例29:5−[(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0272】
赤色粉末。
【0273】
MS−LC:MH+=496.20;rt=7.42分。
【0274】
例30:5−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0275】
赤色粉末。
【0276】
MS−LC:MH+=518.22;rt=7.34分。
【0277】
例31:5−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0278】
赤色粉末。
【0279】
MS−LC:MH+=550.22;rt=7.70分。
【0280】
例32:5−[(2−シクロヘキシルエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0281】
赤色粉末。
【0282】
MS−LC:MH+=501.21;rt=10.83分。
【0283】
例33の化合物は、例1について採用したものと類似のプロトコルに従い、第2工程においてモルホリンに代えて4−フルオロアニリンを用いて、得られた。
【0284】
例33:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−フルオロフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0285】
赤色粉末。融点:208〜209℃。
【0286】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):11.15(s、1H、NH);7.90〜7.85(m、2H);7.60(t、1H、NH);7.26〜7.20(m、1H);5.66(s、1H、CH);3.27〜3.25(m、2H);2.53〜2.51(m、2H);2.19(s、6H、2CH3)。
【0287】
MS−LC:MH+=389.14;rt=8.11分。
【0288】
例34の化合物は、例1について採用したものと類似のプロトコルに従い、最初の工程において5−メトキシ−2−メチル−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾールに代えて6−メトキシ−2−メチル−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾールを用い、第2工程においてモルホリンに代えてピロリジンを用いて、得られた。
【0289】
例34:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0290】
赤色粉末。融点:224〜225℃。
【0291】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.32(t、1H、NH);5.55(s、1H、CH);4.01(t、2H、CH2);3.55(t、2H、CH2);3.27〜3.22(m、2H);2.49〜2.47(m、2H);2.18(s、6H、2CH3);1.98〜1.93(m、2H);1.89〜1.84(m、2H)。
【0292】
MS−LC:MH+=349.16;rt=7.35分。
【0293】
例35〜37の化合物は、例1について採用したものと類似のプロトコルに従い、第2工程においてモルホリンに代えて好適なアミンを用いて、得られた。
【0294】
例35:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0295】
赤色粉末。融点:199〜200℃。
【0296】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):11.11(s、1H、NH);7.80〜7.76(m、1H);7.68〜7.66(m、1H);7.60(t、1H、NH);7.21〜7.16(m、1H);5.65(s、1H、CH);3.83(s、3H、CH3);3.28〜3.26(m、2H);2.53〜2.52(m、2H);2.20(s、6H、2CH3)。
【0297】
MS−LC:MH+=419.15;rt=8.11分。
【0298】
例36:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−[(6−メトキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)カルボニル]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0299】
赤色粉末。融点:192〜193℃。
【0300】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.54(m、2H);6.80(m、1H);6.70(m、1H);5.60(s、1H、CH);4.05〜4.15(m、2H);3.73(s、3H、CH3);3.27〜3.24(m、2H);2.82〜2.79(m、2H);2.51〜2.49(m、2H);2.18(s、6H、2CH3);1.98〜1.96(m、2H)。
【0301】
MS−LC:MH+=441.22;rt=8.01分。
【0302】
例37:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(4−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
【0303】
赤色粉末。融点:209〜210℃。
【0304】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):7.60(t、1H、NH);7.44〜7.42(m、2H);7.01〜6.99(m、2H);5.61(s、1H、CH);4.29〜4.31(m、2H);3.80(s、3H、CH3);3.73〜3.71(m、2H);3.63〜3.61(m、4H);3.28〜3.26(m、2H);2.50〜2.48(m、2H);2.19(s、6H、2CH3)。
【0305】
MS−LC:MH+=498.30;rt=7.73分。
【0306】
例38〜39の化合物は、例24について採用したものと類似のプロトコルに従い、最後の工程においてN,N−ジメチルエチレンジアミンに代えて好適なアミンを用いて、得られた。
【0307】
例38:5−[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]−N−エチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0308】
赤色粉末。融点:163〜164℃。
【0309】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.10(t、1H、NH);5.65(s、1H、CH);3.77〜3.74(m、2H);3.34〜3.32(m、2H);2.98(s、3H、CH3);2.35〜2.33(m、2H);1.93(s、6H、2CH3);1.13(t、3H、CH3)。
【0310】
MS−LC:MH+=337.19;rt=7.36分。
【0311】
例39:N−エチル−5−{[2−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド:
【0312】
赤色粉末。融点:260〜261℃。
【0313】
NMR−1H(DMSO−d6、400MHz、δ):9.20(t、1H、NH);7.96(t、1H、NH);7.33〜7.29(m、2H);7.13〜7.09(m、2H);5.66(s、1H、CH);3.44〜3.42(m、2H);3.30〜3.29(m、2H);2.89(t、2H、CH2);1.13(t、3H、CH3)。
【0314】
MS−LC:MH+=374.13;rt=10.27分。
【0315】
並びにこれらの化合物の塩。
【0316】
本発明の化合物の薬理学的研究
【0317】
試験プロトコル
【0318】
(i)精製された組換え型酵素Cdc25Cのホスファターゼ活性の測定
【0319】
MBP−Cdc25C蛋白質のホスファターゼ活性は、3−O−メチルフルオレセイン−ホスフェート(OMFP)を脱リン酸して3−O−メチルフルオレセイン(OMF)にし、反応生成物の475nmでの蛍光発光を測定することによって評価される。この試験は、組換え酵素Cdc25の阻害剤の特定を可能とする。融合蛋白質MBP−Cdc25Cの調製は、国際公開WO01/44467号パンフレットに記載されている。
【0320】
反応は、50μlの最終容量の384ウェルプレートフォーマット中で実施する。蛋白質MBP−Cdc25C(上記のように調製)を次の溶出緩衝液中に保存する:20mMトリス(Tris)−HCl(pH7.4);250mM NaCl;1mM EDTA;1mMジチオトレイトール(DTT);10mMマルトース。これを次の反応緩衝液中に60μMの濃度に希釈する:50mMトリス−HCl(pH8.2);50mM NaCl;1mM DTT;20%グリセロール。酵素を添加していない緩衝液を用いて、バックグラウンドノイズの測定を実施する。化合物を、40μMから開始して濃度を下げていきながら、試験する。反応は、最終的に500μMのOMFP溶液{100%DMSO中の12.5mM原液(Sigma社製、#M2629)からその場で調製}を添加することによって開始させる。使い捨て384ウェルプレート中で30℃において4時間後に、Victor2プレートリーダー(EGG−Wallac社製)を用いて、OD475nmにおいて測定される蛍光発光を読み取る。3回の独立した実験から、酵素反応を50%阻害する濃度の測定値を算出する。得られたS字形の中の直線部分に含まれる値のみを、直線回帰分析用に保っておく。
【0321】
(ii)抗増殖活性の特徴付け:
【0322】
例として、ヒトのMia−Paca2細胞及びDU145細胞の2つの細胞系に対する上記の実施例の化合物による処置の効果を研究する。上記の細胞系DU145(ヒト前立腺ガン細胞)及びMia−PaCa2(ヒト膵臓ガン細胞)は、the American Tissue Cullture Collection(米国メリーランド州ロックビル所在)から入手した。ダルベッコ改変イーグル培地(フランス国セルジー・ポントワーズ所在のGibco-Brl製)80μlに、加熱することによって不活性化させた10%ウシ胎児血清(フランス国セルジー・ポントワーズ所在のGibco-Brl社製)、50000単位/リットルのペニシリン及び50mg/リットルのストレプトマイシン(フランス国セルジー・ポントワーズ所在のGibco-Brl社製)並びに2mMのグルタミン(フランス国セルジー・ポントワーズ所在のGibco-Brl社製)を補ったものの中に前記細胞を入れ、これを、96ウェルプレート上に接種した(これを0日目とする)。前記細胞を1日目に10μMまでの様々な濃度の各被験化合物で処理して、96時間置いた。この期間の最後に、生存細胞中のミトコンドリア性デヒドロゲナーゼによってテトラゾリウム塩WST1を開裂させてホルマザンの形成に至らしめることに基づく比色分析試験によって、細胞増殖の定量化を評価する(フランス国メラン所在のBoehringer Mannheim社製)。これらの試験は、試験した各濃度について8個ずつの測定を2回行った。それぞれの被験化合物について、S字形の中の直線部分に含まれる値を直線回帰分析用に保持して、阻害濃度IC50を評価するために用いた。化合物は、ジメチルスルホキシド(DMSO)中に10-2M濃度で溶解させ、最後にDMSO0.1%を含有させた培地中で使用した。
【0323】
試験の結果
【0324】
(a)例1〜39の化合物は、精製された組換え酵素Cdc25−Cのホスファターゼ活性に対して1.1μM又はそれより低いIC50を有する。
【0325】
(b)例1〜39の化合物は、Mia−Paca2細胞系の増殖に対して10μM又はそれより低いIC50、より特定的には4μM又はそれより低いIC50を有する。
【0326】
(c)例1〜39の化合物は、DU−145細胞系の増殖に対して10μM又はそれより低いIC50、より特定的には6μM又はそれより低いIC50を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
次の一般式(I):
【化1】

に相当し、ラセミ体、鏡像異性体若しくはそれらの任意の組合せにある化合物又はその塩。
[ここで、
1は水素原子又アルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR67基若しくは−CHR89基を表わし、
ここで、Xは結合又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を表わし、
Yは3〜7員の環から独立的に選択される環1〜3個(縮合環)を含有する飽和環状炭素系を表わすか、又はO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を含有し且つN若しくはCH員によってX基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR10−、−CO−、−NR11−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R10は水素原子又はアルキル基を表わし、R11は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わす)を表わすか、又はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR12基及びNR1314基(ここで、R12は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表わし、R13及びR14は独立的にアルキル基を表わす)より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式若しくはヘテロ環式アリール基を表わすかであり、
Zは結合又は1〜5個の炭素原子を有する直鎖状若しくは分岐鎖状アルキレン基を表わし、
6及びR7は、独立的に水素原子、アルキル、アラルキル基又は−(CH2)n−OH基(ここで、nは1〜6の整数を表わす)から選択され、
また、R6がアルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル又はアリールアルコキシカルボニル基を表わし且つR7が水素原子又はメチル基を表わすこともでき、
また、R6及びR7が窒素原子と一緒になって1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員は−CR1516−、−O−、−S−及び−NR17−基から独立的に選択され、ここで、R15及びR16は独立的に水素原子又はアルキル基を表わし、R17は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わすか、或はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されたフェニル基を表わすかであり、
8及びR9はそれらを有する炭素原子と一緒になってインダニル若しくはテトラリニル基を形成するか、又はR8及びR9はそれらを有する炭素原子と一緒になってO、N及びSから選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員飽和ヘテロ環を形成するかであり、ここで、該ヘテロ環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選択される基で随意に置換されていることもでき;
2は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし;
また、R1及びR2は窒素原子と一緒になって1〜2個のヘテロ原子を有する4〜8員ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員は−CR1819−、−O−、−S−及び−NR20−から独立的に選択され、ここで、R18及びR19は独立的に水素原子又はアルキル基を表わし、R20は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし;
3は水素原子又はハロゲン原子を表わし;
4はアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基、炭素環式若しくはヘテロ環式アリール基又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基の内の1種(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていることができる)を表わし、
4はまた、−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−Aの内の1種を表わすこともでき、ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2〜4の整数であり、qは1〜4の整数であり、tは0〜4の整数であり、rは2〜12の整数であり、vは1〜12の整数であり、Alkはアルキル基であり、R21は水素原子又はアルキル、アルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基であり、R22は水素原子又はアルキル基であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR23−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はアルキル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基を表わす)であり、
4はまた、次式:
【化2】

(ここで、
1、R2、R3及びR5は、前記のR1、R2、R3基及び後記のR5基と同じであり、
Lは−(CH2)g−[O−(CH2)w]x−[O−(CH2)y]z−及び−(CH2)a−Ω−(CH2)b−基から選択され、
ここで、g、w及びyは2〜4の整数であり、
xは1〜3の整数であり、
zは0又は1であり、
a及びbは独立的に2〜6の整数であり、
Ωは−O−、−S−、−NR25−、−CO−、−CO−NR26−、−CR2728−、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキレン基及び炭素環式アリール基より成る群から選択され、
ここで、R25はアルキル基を表わし、
26は水素原子又はメチル基を表わし、
27及びR28はそれぞれ水素原子及びメチル基から独立的に選択される)
の基を表わすこともでき;
4はまた、次式:
【化3】

又は次式
【化4】

の基を表わすこともでき;
5は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし、また、R5は、R4がアルキル、ハロアルキル、アルコキシアルキル又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていることができる)を表わす場合にはR4と同じ基を表わすこともでき;
また、R4及びR5は、それらを有する窒素原子と一緒になって合計1〜2個のヘテロ原子を有する4〜7員飽和ヘテロ環を形成することもでき、ここで、このヘテロ環を完成させるために必要な員は、−CR2930−、−O−、−S−及び−NR31−基から独立的に選択され、ここで、R29及びR30は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表わし、R31は−COR32又は−SO233を表わし、
ここで、R32はアルキル基又は、ハロゲン原子、アルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換された炭素環式アリール基を表わし、R32はまた、O、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有する5〜7員ヘテロ環式アリール基又は飽和ヘテロ環を表わすこともでき、
33は水素原子又はアルキル基を表わし、
また、R4及びR5は、それらを有する窒素原子と一緒になって、次式:
【化5】

又は
【化6】

から選択されるヘテロ環式アリール基(その芳香環はアルキル基及びアルコキシ基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回置換されていることができる)を形成することもできる。]
【請求項2】
4が前記の基の内の次式:
【化7】

以外の基であることを特徴とする、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項3】
4が次式:
【化8】

の基を表わすことを特徴とする、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項4】
次の化合物:
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(モルホリン−4−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・t−ブチル{2−[2−(2−{[(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルボニル]アミノ}エトキシ)エトキシ]エチル}カルバメート;
・N,N−ジベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N,N−ビス(2−メトキシエチル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・4,7−ジオキソ−N−[3−(2−オキソピロリジン−1−イル)プロピル]−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−イソブチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・t−ブチル(4−{[(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−イル)カルボニル]アミノ}ブチル)カルバメート;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−フロイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(2−メトキシエチル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−ブチル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−(シクロヘキシルメチル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N,N’−(オキシジエタン−2,1−ジイル)ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド);
・N,N’−[エタン−1,2−ジイルビス(オキシエタン−2,1−ジイル)]ビス(5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド);
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・2−{[4−(モルホリン−4−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(メチルスルホニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・6−ブロモ−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(2−チエニルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−エチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−(4−クロロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−1,3−ベンゾジオキソール−5−イル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−[(2−メトキシエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−(4−メチルピペラジン−1−イル)−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4 ,7−ジオン;
・5−[(2−ピリジン−2−イルエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(3−モルホリン−4−イルプロピル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(1−ベンジルピロリジン−3−イル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[(2−シクロヘキシルエチル)アミノ]−2−{[4−(テトラヒドロフラン−2−イルカルボニル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(4−フルオロフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(ピロリジン−1−イルカルボニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−N−(3−フルオロ−4−メトキシフェニル)−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−[(6−メトキシ−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−イル)カルボニル]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−{[4−(4−メトキシベンゾイル)ピペラジン−1−イル]カルボニル}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
・5−[[2−(ジメチルアミノ)エチル](メチル)アミノ]−N−エチル−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
・N−エチル−5−{[2−(4−フルオロフェニル)エチル]アミノ}−4,7−ジオキソ−4,7−ジヒドロ−1,3−ベンゾチアゾール−2−カルボキサミド;
から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の化合物又はその塩。
【請求項5】
新規の工業中間体としての一般式(A)の化合物又はその塩。
【化9】

[ここで、
Rはアルキル基であり;
5は請求項1に記載の一般式(I)におけるのと同じ意味を有し;
4はアルキル基、ハロアルキル基、シクロアルキル基、シクロアルキルアルキル基、アルコキシアルキル基、炭素環式若しくはヘテロ環式アリール基又は炭素環式若しくはヘテロ環式アラルキル基の内の1種(そのアリール核はハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、ハロアルキル基及び−SO2−NH2基より成る群から独立的に選択される置換基で1〜3回随意に置換されていることができる)を表わし、
4はまた、−(CH2)m−[O−(CH2)p]q−O−Alk、−(CH2)r−[O−(CH2)s]t−NR2122又は−(CH2)v−Aの内の1種を表わすこともでき、ここで、m、p及びsはそれぞれ独立的に2〜4の整数であり、qは1〜4の整数であり、tは0〜4の整数であり、rは2〜12の整数であり、vは1〜12の整数であり、Alkはアルキル基であり、R21は水素原子又はアルキル、アルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基であり、R22は水素原子又はアルキル基であり、AはO、N及びSから独立的に選択される1〜2個のヘテロ原子を有し且つN又はCH員によって−(CH2)v−基に結合した飽和ヘテロ環(該飽和ヘテロ環はさらに−CHR23−、−CO−、−NR24−、−O−及び−S−から独立的に選択される2〜6個の追加の員を含有し、ここで、R23は水素原子又はアルキル基を表わし、R24は水素原子、アルキル基又はアルコキシカルボニル若しくはアリールアルコキシカルボニル基を表わす)であり、
4はまた、次式:
【化10】

{ここで、
R及びR5は前記のR及びR5基と同じであり、
Lは−(CH2)g−[O−(CH2)w]x−[O−(CH2)y]z−及び−(CH2)a−Ω−(CH2)b−基から選択され、
ここで、g、w及びyは2〜4の整数であり、
xは1〜3の整数であり、
zは0又は1であり、
a及びbは独立的に2〜6の整数であり、
Ωは−O−、−S−、−NR25−、−CO−、−CO−NR26−、−CR2728−、3〜7個の炭素原子を有するシクロアルキレン基及び炭素環式アリール基より成る群から選択され、
ここで、R25はアルキル基を表わし、
26は水素原子又はメチル基を表わし、
27及びR28はそれぞれ水素原子及びメチル基から独立的に選択される}
の基を表わすこともでき;
4はまた、次式:
【化11】

又は次式
【化12】

の基を表わすこともできる。]
【請求項6】
請求項1に記載の一般式(I)の化合物又はその製薬上許容できる塩から成る医薬。
【請求項7】
活性成分としての請求項1に記載の一般式(I)の化合物又はその製薬上許容できる塩を少なくとも1種の製薬上許容できる賦形剤と共に含む製薬組成物。
【請求項8】
腫瘍増殖性疾患、非腫瘍増殖性疾患、神経組織変性性疾患、寄生生物性疾患、ウィルス感染症、自然脱毛症、外来物質によって誘発される脱毛症、放射線誘発性脱毛症、自己免疫疾患、移植拒絶反応、炎症性疾患又はアレルギーから選択される疾患又は障害を処置するための医薬を調製するための、請求項1に記載の一般式(I)の化合物又はその製薬上許容できる塩の使用。
【請求項9】
調製される医薬がガンを処置するためのものであることを特徴とする、請求項8に記載の使用。
【請求項10】
処置されることが意図されるガンが乳ガン、リンパ腫、頸部若しくは頭部のガン、肺ガン、結腸ガン、前立腺ガン又は膵臓ガンから選択されることを特徴とする、請求項9に記載の使用。

【公表番号】特表2008−519015(P2008−519015A)
【公表日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−539612(P2007−539612)
【出願日】平成17年11月7日(2005.11.7)
【国際出願番号】PCT/FR2005/002763
【国際公開番号】WO2006/051202
【国際公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【出願人】(505474717)ソシエテ ド コンセイユ ド ルシェルシェ エ ダアップリカーション シャンティフィック(エス.セー.エール.アー.エス.) (41)
【Fターム(参考)】