説明

5−ピリジノン置換インダゾール

式Iの5-ピリジノン置換インダゾールおよびその使用方法を提示する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、2007年7月21日付で出願された米国仮特許出願第60/951,201号の優先権を主張するものであり、その内容の全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、肥満を処置するのに有用であるヒトメラニン凝集ホルモン(MCH1)受容体選択的アンタゴニストである5-ピリジノン置換インダゾールに関し、これらの化合物を含む薬学的組成物に関し、ならびに哺乳動物における肥満、不安(anxiety)、うつ病および精神障害の処置のための方法に関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
肥満、ならびに肥満に関連する共存症、例えば糖尿病、脂質代謝異常(dyslipidemia)、冠動脈心疾患およびある種の癌などの多くのものが、公衆衛生に関する主な懸念となっている。肥満の処置に利用可能な現在の薬物療法は、有効性が限られており、その使用を制限する副作用を有する。したがって、肥満に対するさらに良好な薬物療法が医学的にかなり必要とされている。
【0004】
メラニン凝集ホルモン(MCH)は、食物摂取および体重調節に影響を及ぼす食欲促進ペプチドとして特定された。MCHは、エネルギー制限およびレプチン欠損の両方に応じ、不確帯および視床下部外側野(lateral hypothalamus)において発現される環状の19アミノ酸神経ペプチドである。MCHは、ラットの側脳室に注射された場合、摂食を刺激することが知られており、MCHに対するmRNAは遺伝性肥満マウス(ob/ob)の視床下部において、ならびに絶食対照動物およびob/ob動物において上方制御される。さらに、MCHで処置された動物は、グルコース、インスリンおよびレプチンレベルの増加を示し、ヒトメタボリック症候群に似た症状を呈する(Gomori, A. Chronic infusion of MCH causes obesity in mice Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 284, E583, 2002(非特許文献1))。MCHを欠くマウスは食欲不振で、やせていて、代謝速度が増大しているのに対し、MCHを過剰発現している動物は標準食でも高脂肪食でも過度に体重が増える。MCHは他の神経系機能にも影響を及ぼすものと考えられている(Rocksz, L. L. Biological Examination of Melanin Concentrating Hormone 1: Multi-tasking from the hypothalamus Drug News Perspect 19(5), 273, 2006(非特許文献2))。あるオーファンGタンパク質共役型受容体(GPCR)が、最近になって、MCHに対する受容体と特定された。このようにMCHとMCH受容体との間の結合の阻止、すなわちMCHの拮抗作用は、MCHの影響を打ち消すのに必要とされうる(McBriar, M. D. Recent advances in the discovery of melanin-concentrating hormone receptor antagonists Curr. Opin. Drug Disc. & Dev. 9(4), 496, 2006(非特許文献3))。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Gomori, A. Chronic infusion of MCH causes obesity in mice Am. J. Physiol. Endocrinol. Metab. 284, E583, 2002
【非特許文献2】Rocksz, L. L. Biological Examination of Melanin Concentrating Hormone 1: Multi-tasking from the hypothalamus Drug News Perspect 19(5), 273, 2006
【非特許文献3】McBriar, M. D. Recent advances in the discovery of melanin-concentrating hormone receptor antagonists Curr. Opin. Drug Disc. & Dev. 9(4), 496, 2006
【発明の概要】
【0006】
本発明の態様によれば、式Iの化合物が提供される:

式中
nが0もしくは1であり; RがNR1R2であり、ここで、R1およびR2はそれぞれ独立してHおよび置換されていてもよいアルキルであるか、またはR1およびR2はそれらが結合しているN原子と一緒になって、示されているN原子に加えて1個もしくは2個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員の置換されていてもよい非芳香族複素環を形成し; R3およびR4がそれぞれ独立してHもしくはアルキルであるか; またはRが、R3もしくはR4のいずれかと結合して、置換されていてもよいピロリジン-2-イルを形成していてもよく; Bがアリール(ary)、ヘテロアリール、およびシクロアルキルより選択され; R5、R6、R7がそれぞれ独立してH、-OH、-O-アルキル、アルキル、ハロ、-CF3、および-CN、-O-アリール、ヘテロアリール、およびヘテロシクリルより選択され; かつR14がHもしくは-OHであり; ただし、nが0であり、R3およびR4がHであり、かつRがピロリジン-1-イルである場合で、さらに、(a) Bが5〜7員の単環式芳香族複素環である場合には、該単環式芳香族複素環の少なくとも一つのヘテロ原子が、Bとピリジノン部分との結合位置に隣接しているという条件であり、かつ(b) Bがメトキシにより2位でまたはメチルにより3位で置換されたフェニルである場合には、少なくとも一つのさらなる置換基がフェニル環上に存在するという条件である。いくつかの態様においては、nが0であり、R3およびR4がHであり、かつRがピロリジン-1-イルである場合で、Bが二環式芳香族複素環である場合には、(i) 該二環式芳香族複素環の少なくとも一つのヘテロ原子が、Bとピリジノン部分との結合位置に隣接しているか、または(ii) ピリジノン部分と結合している該二環式芳香族複素環の環がヘテロ原子を含んでいないかのいずれかである。
【0007】
本発明のいくつかの態様によれば、Rは、ピロリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、モルホリン-4-イル、3-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、ジメチルアミノ、ピペラジン-1-イル、アミノ、および2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イルからなる群より選択される。いくつかの態様において、RはS-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、R-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、S-3-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、R-3-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、および(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イルより選択される。いくつかの態様において、RはR3またはR4のいずれかと結合して、ピロリジン-2-イルを形成する。本発明のいくつかの態様によれば、R3およびR4は両方ともHである。いくつかの態様において、nは0である。他の態様において、nは1である。
【0008】
本発明のいくつかの態様において、Bはフェニルである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,4-ジクロロフェニル、4-メチルフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-シアノフェニル、4-メトキシフェニル、2-シアノ-4-フルオロフェニル、2,4-ジメトキシ-フェニル、2,4-ジフルオロフェニル、4-イソプロポキシフェニル、2,4-ジ-トリフルオロメチルフェニル、4-n-ブトキシ-2-メチルフェニル、2-メチルフェニル、4-ベンジルオキシ-2-メチルフェニル、4-クロロ-2-メトキシフェニル、ベンゾジオキソール-5-イル、4-メトキシ-2-メチルフェニル、2-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル、および4-クロロ-2-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチル-2-フルオロフェニル、4-メトキシ-2-フルオロフェニル、4-メトキシ-2-クロロフェニル、4-エトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシ-2-フルオロフェニル、および4-トリフルオロメトキシ-2-メチルフェニル、4-(ピペリジン-2-イル)フェニル、および4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニルからなる群より選択される。本発明の他の態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、ナフタレン-1-イルおよびナフタレン-2-イルより選択される。本発明のいくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、ベンゾチオフェンまたはベンゾフランである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、ベンゾチオ-フェン-2-イルおよびベンゾフラン-2-イルより選択される。本発明のいくつかの態様において、Bはインドールである。いくつかの態様において、BはN-アルキル置換インドールである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、1-メチルインドール-2-イル、1-メチルインドール-5-イル、5-メトキシインドール-2-イル、および1-メチル-5-メトキシインドール-2-イルより選択される。本発明のいくつかの態様において、Bはピリジンである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、5-メチルピリジン-2-イル、5-クロロピリジン-2-イル、および5-トリフルオロメチルピリジン-2-イルより選択される。本発明のいくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、キノリン、キナゾリン、および置換されていてもよいピリダジンより選択される。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、キノリン-2-イル、キナゾリン-2-イル、6-トリフルオロメチルピリダジン-3-イルより選択される。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、1-メチルインダゾール-5-イルである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、5-メチルベンゾイソオキサゾール-2-イルである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、4-メチルシクロヘキサ-1-エニルである。いくつかの態様において、R5、R6およびR7と一緒になったBは、4-メチルシクロヘキサ-1-イルである。
【0009】
本発明のいくつかの態様において、化合物は以下のもの





のうちの一つより選択されるか、または前記化合物の薬学的に許容される塩形態である。本発明のある態様において、薬学的に許容される塩形態は、HCl塩を含む。
【0010】
本発明のいくつかの態様において、化合物は、以下のもの



を含む群より選択されるか、または前記化合物の薬学的に許容される塩形態である。本発明のある態様において、薬学的に許容される塩形態は、HCl塩を含む。
【0011】
本発明のいくつかの態様において、化合物は、以下のもの


を含む群より選択されるか、または前記化合物の薬学的に許容される塩形態である。本発明のある態様において、薬学的に許容される塩形態は、HCl塩を含む。
【0012】
本発明のいくつかの態様において、化合物は、以下のもの


を含む群より選択されるか、または前記化合物の薬学的に許容される塩形態である。本発明のある態様において、薬学的に許容される塩形態は、HCl塩を含む。
【0013】
本発明の態様によれば、薬学的組成物であって、そのための薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤と、本明細書に記述される化合物とを含む薬学的組成物も提供される。
【0014】
本発明の態様によれば、肥満を処置する方法であって、肥満の軽減を必要としている患者に、本明細書に記述される化合物の、肥満の軽減に有効な量を投与する段階を含む方法も提供される。
【0015】
本発明の態様によれば、不安を処置する方法であって、そのような処置を必要としている患者に、本明細書に記述される化合物の有効量を投与する段階を含む方法も提供される。
【0016】
本発明の態様によれば、うつ病を処置する方法であって、そのような処置を必要としている患者に、本明細書に記述される化合物の有効量を投与する段階を含む方法も提供される。
【0017】
本発明の態様によれば、MCH1受容体モジュレーターによる処置に対して感受性のある疾患または状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、本明細書に記述される化合物の治療的有効量を投与する段階を含む方法も提供される。
【発明を実施するための形態】
【0018】
定義
本明細書の全体を通じて、用語および置換基にはその定義が維持される。
【0019】
アルキルは直鎖状、分枝状、または環状の炭化水素構造およびその組み合わせを含むよう意図される。他に制限されない場合、この用語は20個またはそれより少ない炭素のアルキルをいう。低級アルキルは炭素原子1、2、3、4、5および6個のアルキル基をいう。低級アルキル基の例としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、s-およびt-ブチルなどが挙げられる。シクロアルキルはアルキルの部分集合であり、炭素原子3、4、5、6、7、および8個の環状炭化水素基を含む。シクロアルキル基の例としては、c-プロピル、c-ブチル、c-ペンチル、ノルボルニル、アダマンチルなどが挙げられる。シクロアルキル基の他の例としては、c-プロペニル、c-ブテニル、c-ペンテニル、およびc-ヘキセニルが挙げられる。
【0020】
C1〜C20炭化水素(例えばC1、C2、C3、C4、C5、C6、C7、C8、C9、C10、C11、C12、C13、C14、C15、C16、C17、C18、C19、C20)は、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アリールおよびその組み合わせを含む。例としてはベンジル、フェネチル、シクロヘキシルメチル、カンホリル(camphoryl)およびナフチルエチルが挙げられる。「フェニレン」という用語は下記式のオルト、メタまたはパラの残基をいう。

【0021】
アルコキシまたはアルコキシルは、酸素を通じて親構造と結合した直鎖状、分枝状、環状配置およびその組み合わせの炭素原子1、2、3、4、5、6、7または8個の基をいう。例としてはメトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが挙げられる。低級アルコキシは、1〜4個の炭素を含む基をいう。本特許出願の目的で、アルコキシは、環が形成されるようにメチレンジオキシ基またはエチレンジオキシ基をペンダント(pendant)とする原子、鎖、または環に、各酸素原子が結合している、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシも含む。したがって、例えば、アルコキシによって置換されたフェニルは、例えば、

でありうる。
【0022】
オキサアルキルは、一つまたは複数の炭素(およびそれに結合した水素)が酸素原子で置き換えられたアルキル残基をいう。例としては、メトキシプロポキシ、3,6,9-トリオキサデシルなどが挙げられる。オキサアルキルという用語は、当技術分野において理解されているように意図される[参照: Naming and Indexing of Chemical Substances for Chemical Abstracts、American Chemical Society刊行、¶196、しかし¶127(a)の限定はない]、すなわち、この用語は、酸素が単結合を介してその隣接原子に結合(エーテル結合を形成)している化合物をいう。同様に、チアアルキルおよびアザアルキルは、一つまたは複数の炭素が硫黄または窒素で、それぞれ置き換えられたアルキル残基をいう。例としては、エチルアミノエチルおよびメチルチオプロピルが挙げられる。
【0023】
アシルは、カルボニル官能基を通じて親構造と結合した、直鎖状、分枝状、環状配置、飽和、不飽和および芳香族ならびにその組み合わせの炭素原子1、2、3、4、5、6、7および8個の基をいう。アシル残基中の一つまたは複数の炭素は、親への結合点がカルボニルに残っている限り、窒素、酸素または硫黄で置き換えられてもよい。例としては、ホルミル、アセチル、プロピオニル、イソブチリル、t-ブトキシカルボニル、ベンゾイル、ベンジルオキシカルボニルなどが挙げられる。低級アシルは、1〜4個の炭素を含む基をいう。
【0024】
アリールおよびヘテロアリ−ルは、置換基としての、それぞれ、芳香環または複素芳香環をいう。ヘテロアリ−ルは、O、N、またはSより選択される1個、2個または3個のヘテロ原子を含む。両方とも、単環式の5員もしくは6員の芳香環または複素芳香環、二環式の9員もしくは10員の芳香環または複素芳香環、および三環式の13員もしくは14員の芳香環または複素芳香環をいう。芳香族6員、7員、8員、9員、10員、11員、12員、13員および14員炭素環は、例えば、ベンゼン、ナフタレン、インダン、テトラリン、およびフルオレンを含み、5員、6員、7員、8員、9員および10員芳香族複素環は、例えば、イミダゾール、ピリジン、インドール、チオフェン、ベンゾピラノン、チアゾール、フラン、ベンゾイミダゾール、キノリン、イソキノリン、キノキサリン、ピリミジン、ピラジン、テトラゾールおよびピラゾールを含む。
【0025】
アリールアルキルは、アリール環に結合したアルキル残基を意味する。例としては、ベンジル、フェネチルなどが挙げられる。
【0026】
置換されたアルキル、アリール、シクロアルキル、ヘテロシクリルなどは、各残基における最大3個までのH原子がアルキル、ハロゲン、ハロアルキル、ヒドロキシ、低級アルコキシ、カルボキシ、カルボアルコキシ(アルコキシカルボニルともいわれる)、カルボキサミド(アルキルアミノカルボニルともいわれる)、シアノ、カルボニル、ニトロ、アミノ、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、メルカプト、アルキルチオ、スルホキシド、スルホン、アシルアミノ、アミジノ、フェニル、ベンジル、ヘテロアリール、フェノキシ、ベンジルオキシ、またはヘテロアリールオキシで置換されている、アルキル、アリール、シクロアルキル、またはヘテロシクリルをいう。
【0027】
「ハロゲン」という用語はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素を意味する。
【0028】
「プロドラッグ」という用語は、インビボでさらに活性となる化合物をいう。一般にプロドラッグの薬物への変換は、哺乳動物の肝臓または血液中での酵素過程によって行われる。本発明の化合物の多くは、体循環へと吸収させずとも化学修飾され得、そのような場合、インビボでの活性化は化学作用によって(胃における酸触媒切断のように)、または胃腸GI管における酵素およびミクロフローラの仲介によって起こりうる。
【0029】
一部の置換基の特徴決定においては、ある種の置換基が結合して環を形成しうることが挙げられる。特に明記しない限り、そのような環はさまざまな不飽和度(完全飽和から完全不飽和まで)を示し、ヘテロ原子を含み、低級アルキルまたはアルコキシで置換されうることが意図される。
【0030】
本発明の化合物は放射標識された形態で存在できる、すなわち、該化合物は、自然界で通常見られる原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を含んだ一つまたは複数の原子を含んでもよいことが認識されると考えられる。水素、炭素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の放射性同位体は、それぞれ、3H、14C、35S、18F、32P、33P、125I、および36Clを含む。それらの放射性同位体および/または他原子の他の放射性同位体を含む化合物は、本発明の範囲内である。本明細書において記述される放射性標識化合物およびそのプロドラッグは、一般に、当業者に周知の方法によって調製することができる。好都合なことに、そのような放射性標識化合物は、非放射性標識試薬の代わりに容易に入手可能な放射性標識試薬を用いることで、実施例およびスキームに開示した手順を実施することにより調製することができる。
【0031】
「処置または予防する方法」という用語は、脂質障害(lipid disorder)に関連する症状および/または影響の改善、阻止または軽減を意味する。本明細書において用いられる「予防する」という用語は、予め薬物を投与して、急性発症を未然に防ぐもしくは緩和すること、または慢性状態の場合には、状態に陥る可能性もしくは状態の重症度を減らすことをいう。医療分野(本方法の特許請求の範囲が対象とする)の当業者は、「予防する」という用語が絶対的な用語ではないことを認識している。医療分野においては、状態に陥る可能性または状態の重症度を実質的に減らすための薬物の予防的投与をいうものと理解されており、これが本出願人らの特許請求の範囲において意図する意味である。本明細書において用いられる場合、患者の「処置」への言及は、予防を含むよう意図される。
【0032】
本出願の全体を通じて、さまざまな参考文献が参照される。本明細書において言及される特許、特許出願、特許公報および参考文献の各々は、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0033】
「哺乳動物」という用語は、その辞書的意味で用いられる。「哺乳動物」という用語には、例えば、マウス、ハムスター、ラット、ウシ、ヒツジ、ブタ、ヤギ、およびウマ、サル、イヌ(例えば、イエイヌ(Canis familiaris))、ネコ、ウサギ、モルモット、ならびにヒトを含む霊長目の動物が含まれる。
【0034】
本明細書において記述される化合物は、一つまたは複数の不斉中心を含むことができ、したがって、鏡像異性体、ジアステレオ異性体、および他の立体異性体を生じさせることができる。各キラル中心は、絶対立体化学の観点から、(R)-または(S)-と定義することができる。本発明は、そのような全ての可能な異性体のみならず、それらの混合物、例えばラセミ体および光学的に純粋な形態なども含むよう意図される。光学的に活性な(R)-および(S)-、(-)-および(+)-または(D)-および(L)-異性体は、キラル合成もしくはキラル試薬を用いて調製され、または従来の技術を用いて分割されうる。本明細書において記述される化合物が、オレフィン二重結合もしくは他の幾何学的な非対称を含んでいる場合、特に断りのない限り、該化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むものと意図される。同様に、全ての互変異性体も含まれるものと意図される。
【0035】
本明細書において用いられる場合、および当業者によって理解されるように、「化合物」という記述は、その化合物の塩、溶媒和物および包接錯体、ならびにその化合物の任意の立体異性体、またはこのような任意の形態の任意の比率での混合物を含むよう意図される。したがって、本発明のいくつかの態様によれば、本明細書に記述される化合物は、薬学的組成物、処置方法および化合物それ自体の関連でのものを含めて、塩形態として提供される。本発明のいくつかの態様によれば、塩は塩酸塩(hydrochloride salt)である。
【0036】
「鏡像体過剰率」という用語は、当技術分野において周知であり、abをa + bに分割する場合には次のように定義される。

【0037】
「鏡像体過剰率」という用語は、ともに同じ現象の指標であるという点で「光学純度」という旧来の用語に関連する。eeの値は、0がラセミ体で、100が純粋な、単一の鏡像異性体である、0から100までの数になると考えられる。過去において98%光学的に純粋と呼べた化合物は、現在、より正確には96% eeと記述される。換言すれば、90% eeは、対象とする材料において、一方の鏡像異性体の95%のおよび他方の5%の存在を反映する。
【0038】
本明細書において現れる任意の炭素-炭素二重結合の配置は便宜のためにのみ選択されており、すなわち、本明細書でEとして任意に描かれた炭素-炭素二重結合はZ、E、またはこの二つの任意の割合での混合物であってもよい。
【0039】
「保護」、「脱保護」および「保護された」官能基に関する専門用語は、本出願の全体を通じて現れる。そのような専門用語は、当業者によく理解されており、一連の試薬を用いる逐次的処理を含む工程との関連で用いられる。その意味で、保護基は、そうしないと反応してしまうが、その反応が望ましくないような工程の段階の間に官能基をマスクするために用いられる基をいう。保護基は反応をその段階で阻止するが、その後で除去されて元の官能基を露出することができる。除去または「脱保護」は、官能基によって妨害される反応が完了した後に行われる。したがって、本発明の工程におけるように、一連の試薬が指定される場合、当業者は「保護基」として適した基を容易に想定することができる。その目的に適した基は、T.W.GreeneによるProtective Groups in Organic Synthesis [John Wiley & Sons, New York, 1991]などの、化学分野における標準的な教科書のなかで論じられており、その教科書は参照により本明細書に組み入れられる。「Protection for the Hydroxyl Group, Including 1,2- and 1,3-Diols」(10〜86頁)と題した章に特に注目されたい。
【0040】
Me、Et、Ph、Tf、TsおよびMsという略語は、それぞれメチル、エチル、フェニル、トリフルオロメタンスルホニル、トルエンスルホニルおよびメタンスルホニルを表す。有機化学者(すなわち当業者)によって利用される略語の総覧は、Journal of Organic Chemistryの各巻の創刊号に載っている。「Standard List of Abbreviations」と題した表に典型的には提示されているこの総覧は、参照により本明細書に組み入れられる。
【0041】
式Iの化合物は未加工の化学物質として投与されることも可能でありうるが、多くの場合、それらを薬学的組成物の一部として与えることが好ましい。本発明のある態様によれば、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を、一つまたは複数の薬学的に許容されるその担体および任意で一つまたは複数の他の治療成分とともに含む薬学的組成物が提供される。担体は、処方物の他の成分との適合性があり、その受容者にとって有害ではないという意味で「許容され」なければならない。さらに、独立の請求項において化合物またはその薬学的に許容される塩について言及する場合、このような化合物について言及している、その独立の請求項に従属する請求項もまた、その従属の請求項において塩について明示的に言及していなくとも、化合物の薬学的に許容される塩を含むことが理解されると考えられる。
【0042】
処方物は、経口投与、非経口投与(皮下投与、皮内投与、筋肉内投与、静脈内投与および関節内投与を含む)、直腸投与ならびに局所投与(経皮投与、口腔投与、舌下投与および眼内投与を含む)に適したものを含む。最も適した経路は、受容者の状態および疾患に依ることができる。処方物は、単位剤形で都合よく与えることができ、薬学の技術分野において周知の方法のいずれかによって調製することができる。そのような方法は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物(「活性成分」)と、一つまたは複数の補助成分を構成する担体とを混ぜ合わせる段階を含む。一般に、処方物は、活性成分を液体担体もしくは微粉化した固体担体またはその両方と均質かつ緊密に混ぜ合わせ、必要に応じて、生成物を所望の剤形に成形することによって調製される。
【0043】
経口投与に適した処方物は、各々が所定量の活性成分を含むカプセル剤、カシェ剤または錠剤などの不連続単位として; 粉末もしくは顆粒として; 水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として; または水中油型の乳濁液もしくは油中水型の乳濁液として提示することができる。活性成分は巨丸剤、舐剤またはペースト剤として提示することもできる。
【0044】
錠剤は、任意で一つまたは複数の補助成分とともに、圧縮または成形によって作出することができる。圧縮錠は、任意で結合剤、滑沢剤、不活性希釈剤、円滑剤、界面活性剤または分散剤と混合された、粉末または顆粒などの、自由流動性形態の活性成分を適当な機械の中で圧縮することにより調製することができる。成形錠は、不活性の液体希釈剤で湿らせた粉末状化合物の混合物を適当な機械の中で成形することにより作出することができる。錠剤は任意で被覆されてもまたは刻み目をつけられてもよく、錠剤中の活性成分の持続放出、遅延放出または制御放出をもたらすように処方されてもよい。薬学的組成物は「薬学的に許容される不活性な担体」を含んでもよく、この表現は、でんぷん、ポリオール、顆粒化剤、微結晶セルロース、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含む一つまたは複数の不活性の賦形剤を含むよう意図される。必要に応じて、開示された組成物の錠剤剤形は、標準的な水性または非水性技術によって被覆されてもよく、「薬学的に許容される担体」は制御された放出手段も包含する。
【0045】
薬学的組成物は、任意で他の治療成分、凝固防止剤、防腐剤、甘味剤、着色剤、風味剤、乾燥剤、可塑剤、染料などを含んでもよい。このような任意の成分のいずれも、処方物の安定性を確実とするために、式Iの化合物との適合性がなければならない。組成物は、例えばラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、ラフィノース、マルチトール、メレジトース、スタキオース、ラクチトール、パラチナイト(palatinite)、でんぷん、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトールなど、およびそれらの水和物、ならびにアミノ酸、例えばアラニン、グリシンおよびベタイン、ならびにペプチドおよびタンパク質、例えば卵白を含め、必要に応じて他の添加物を含んでもよい。
【0046】
薬学的に許容される担体および薬学的に許容される不活性の担体ならびに上記のさらなる成分として用いるための賦形剤の例としては、結合剤、増量剤、崩壊剤、滑沢剤、抗菌剤、および被覆剤が挙げられるが、これらに限定されることはない。
【0047】
成人に対する用量範囲は一般に、経口で0.005 mg〜10 g/日である。不連続単位で提供された錠剤または提示の他の形態は、そのような投与量でまたはその倍数の量として、例えば5 mg〜500 mg、通常は約10 mg〜200 mgを含む単位で有効である式Iの化合物の量を都合よく含むことができる。患者に投与される化合物の的確な量は、担当医の責務であると考えられる。しかしながら、利用される用量は、患者の年齢および性別、処置中の正確な疾患、ならびにその重症度を含めて、いくつかの要因に依ると考えられる。
【0048】
投与量単位(例えば経口投与量単位)は、例えば、本明細書において記述される化合物の1〜30 mg、1〜40 mg、1〜100 mg、1〜300 mg、1〜500 mg、2〜500 mg、3〜100 mg、5〜20 mg、5〜100 mg (例えば1 mg、2 mg、3 mg、4 mg、5 mg、6 mg、7 mg、8 mg、9 mg、10 mg、11 mg、12 mg、13 mg、14 mg、15 mg、16 mg、17 mg、18 mg、19 mg、20 mg、25 mg、30 mg、35 mg、40 mg、45 mg、50 mg、55 mg、60 mg、65 mg、70 mg、75 mg、80 mg、85 mg、90 mg、95 mg、100 mg、150 mg、200 mg、250 mg、300 mg、350 mg、400 mg、450 mg、500 mg)を含むことができる。
【0049】
薬学的組成物およびその処方物に関するさらなる情報は、例えば、Remington: The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition, 2000を参照されたい。
【0050】
剤は、例えば、静脈注射、筋肉内注射、皮下注射、腹腔内注射、局所、舌下、関節内(関節中)、皮内、口腔、眼(眼内を含む)により、鼻腔内に(カニューレの使用を含む)または他の経路により投与することができる。剤は経口的に、例えば、所定量の活性成分を含む錠剤もしくはカシェ剤、ゲル剤、ペレット剤、ペースト剤、シロップ剤、巨丸剤、舐剤、スラリー剤、カプセル剤、粉末、顆粒として、水性液体もしくは非水性液体中の溶液もしくは懸濁液として、水中油型の乳濁液もしくは油中水型の乳濁液として、ミセル処方物(例えばWO 97/11682参照)を介して、リポソーム処方物(例えば、EP 736299、WO 99/59550およびWO 97/13500参照)を介して、WO 03/094886に記述されている処方物を介してまたは何らかの他の形態で投与することができる。剤は経皮的に(すなわち、リザーバー型もしくはマトリックス型のパッチ、極微針、熱穿孔、皮下注射針、イオン導入、電気穿孔、超音波または他の形態の超音波導入、ジェット式注射、または前記方法のいずれかの組み合わせ(Prausnitz et al. 2004, Nature Reviews Drug Discovery 3:115)により)投与することもできる。剤は局所的に、例えば、損傷血管に対して損傷部位に投与することができる。剤はステントに被覆させてもよい。剤は、U.S.20020061336に記述されているヒドロゲル粒子処方物を用い経皮的高速粒子注入法によって投与することができる。さらなる粒子処方物がWO 00/45792、WO 00/53160およびWO 02/19989に記述されている。膏薬および吸収促進剤ジメチルイソソルビドを含有する経皮処方物の一例をWO 89/04179に見出すことができる。WO 96/11705では、経皮投与に適した処方物を提供している。剤は座薬の形態でまたは他の膣用もしくは直腸用の手段によって投与することができる。剤はWO 90/07923に記述されているように膜貫通処方物として投与することができる。剤は、U.S. 6,485,706に記述されている脱水粒子を介して非侵襲的に投与することができる。剤はWO 02/49621に記述されているように腸溶コーティング製剤として投与することができる。剤は、U.S. 5,179,079に記述されている処方物を用いて鼻腔内に投与することができる。注射剤に適した処方物がWO 00/62759に記述されている。剤は、U.S. 20030206939およびWO 00/06108に記述されているカゼイン処方物を用いて投与することができる。剤は、U.S. 20020034536に記述されている粒状処方物を用いて投与することができる。
【0051】
剤は、単独でまたは他の適当な成分との組み合わせで、気道内注入(注射器による肺への溶液の送達)、リポソームの気道内送達、吹送(注射器またはその他任意の類似装置による肺への粉末処方物の投与)およびエアロゾル吸入を含むがこれらに限定されない、いくつかの技術を利用して肺経路により投与することができる。鼻腔内投与にはエアロゾル(例えば、ジェットまたは超音波ネブライザー、定量噴霧吸入器(MDI)、およびドライパウダー吸入器(DPI))を用いることもできる。エアロゾル処方物は、気体媒質中の固体物質および液滴の安定な分散体または懸濁体であり、ヒドロフルオロアルカン(HFA、すなわちHFA-134aおよびHFA-227、またはその混合物)、ジクロロジフルオロメタン(またはPropellant 11、12、および/もしくは114の混合物のような他のクロロフルオロカーボン高圧ガス)、プロパン、窒素などのような、許容される加圧された高圧ガスの中に配することができる。経肺処方物は、脂肪酸およびサッカライドなどの透過促進剤、キレート剤、酵素阻害剤(例えば、プロテアーゼ阻害剤)、補助剤(例えば、グリココール酸塩、サーファクチン(surfactin)、スパン85(span 85)、およびナファモスタット)、防腐剤(例えば、塩化ベンザルコニウムまたはクロロブタノール)、およびエタノール(通常、最大5重量%まで、しかし場合によって最大20重量%まで)を含むことができる。エアロゾル組成物には一般にエタノールが含まれているが、これは、エタノールが、絞り弁の機能を改善し、場合によっては、分散体の安定性をも改善しうるからである。経肺処方物には、胆汁塩ならびにU.S. 6,524,557およびその中の参考文献に記述されているものを含むがそれらに限定されない、界面活性剤を含めることもできる。U.S. 6,524,557に記述されている界面活性剤、例えば、C8〜C16脂肪酸塩、胆汁塩、リン脂質、またはアルキルサッカライドは、それらの一部が処方物中の化合物の吸収も高めることが報告されているという点で有利である。また、本発明において適当なのは、適切な担体と混ぜ合わされ、ドライパウダー吸入器との関連で用いるのに適合された、活性化合物の治療的有効量を含むドライパウダー処方物である。本発明のドライパウダー処方物に添加されうる吸収促進剤には、U.S. 6,632,456に記述されているものが含まれる。WO 02/080884には、新たな粉末表面修飾法が記述されている。エアロゾル処方物では、U.S. 5,230,884、U.S. 5,292,499、WO 017/8694、WO 01/78696、U.S. 2003019437、U.S. 20030165436およびWO 96/40089 (これは植物油を含む)を含めることができる。吸入に適した持続放出処方物は、U.S. 20010036481A1、U.S. 20030232019A1およびU.S. 20040018243A1、ならびにWO 01/13891、WO 02/067902、WO 03/072080およびWO 03/079885に記述されている。微粒子を含有する経肺処方物は、WO 03/015750、U.S. 20030008013およびWO 00/00176に記述されている。安定なガラス状パウダーを含有する経肺処方物は、U.S. 20020141945およびU.S. 6,309,671に記述されている。その他のエアロゾル処方物は、EP 1338272A1、WO 90/09781、U.S. 5,348,730、U.S. 6,436,367、WO 91/04011およびU.S. 6,294,153に記述されており、U.S. 6,290,987には、エアロゾルまたは他の手段を介して投与できるリポソームに基づいた処方物が記述されている。吸入用のパウダー処方物は、U.S. 20030053960およびWO 01/60341に記述されている。剤はU.S. 20010038824に記述されているように、鼻腔内に投与することができる。
【0052】
ネブライザー中でエアロゾルを発生させるために、薬物を緩衝生理食塩水および類似の媒体に溶かした溶液が一般に利用されている。簡単なネブライザーは、ベルヌーイの定理に基づいて作動し、空気または酸素流を用いてスプレイ粒子を発生させる。より複雑なネブライザーは超音波を用いてスプレイ粒子を作り出す。どちらのタイプも当技術分野において周知であり、SprowlsのAmerican PharmacyおよびRemingtonのThe Science and Practice of Pharmacyなどの製薬学の標準的な教科書に記述されている。エアロゾルを発生させるための他の装置では、加圧容器中で薬物および任意の必要な賦形剤と混合される圧縮ガス、通常はヒドロフルオロカーボンおよびクロロフルオロカーボンを用いるが、これらの装置もSprowlsおよびRemingtonなどの標準的な教科書に記述されている。
【0053】
剤をリポソームの中に組み入れて、半減期を向上させることができる。剤をポリエチレングリコール(PEG)鎖に結合させることもできる。PEG化のための方法およびPEG-結合体を含有するさらなる処方物(すなわちPEGに基づくヒドロゲル、PEG修飾リポソーム)は、Harris and Chess, Nature Reviews Drug Discovery 2:214-221およびその中の参考文献において見出すことができる。剤はナノ渦巻状(nanocochleate)または渦巻状の送達媒体(BioDelivery Sciences International)によって投与することができる。剤は、U.S. 5,204,108に記述されているものなどの処方物を用いて経粘膜的に(すなわち膣、眼または鼻などの粘膜表面を越えて)送達することができる。剤は、WO 88/01165に記述されているようにマイクロカプセル内に処方することができる。剤は、U.S. 20020055496、WO 00/47203およびU.S. 6,495,120に記述されている処方物を用いて口腔内に投与することができる。剤は、WO 01/91728A2に記述されているナノ乳濁液の処方物を用いて送達することができる。
【0054】
表1に、本発明の態様を代表する化合物を記載する。
【0055】
一般に、式Iの化合物は、例えば以下に記述の、一般的な反応スキームに示されている方法により、またはその改変により、容易に入手可能な出発材料、試薬および従来の合成手順を用いて調製することができる。これらの反応において、それ自体で公知であるが、本明細書では言及されていない変種を使用することも可能である。
【0056】
式Iの化合物を得るための工程を以下に示す。式Iの他の化合物は、本明細書において合成が例示されているものと類似した方法で調製することができる。以下の手順はそのような方法について説明する。さらに、本明細書において描かれている合成では、特定の立体化学を有する鏡像異性体が調製されるという結果に至る場合があるが、本発明の範囲内に含まれるのは、いかなる立体異性体の式Iの化合物であり、本明細書において描かれているもの以外の立体異性体の式Iの化合物の調製は、本明細書に示した手順に基づき、化学分野の当業者には明らかである。
【0057】
合成方法
スキーム1

式2の化合物(式中Z1は塩素、臭素またはヨウ素である)は、酢酸中NaNO2で式1の化合物を室温で処理することにより調製することができる。
【0058】
スキーム2

あるいは、式2の化合物は、NaNO2およびハロゲン化銅でのアミノインダゾール3の処理によって調製することができる。
【0059】
スキーム3

あるいは、式2の化合物は、加熱条件下、ヒドラジンでのアルデヒド4の処理によって調製することができる。
【0060】
スキーム4

式2の化合物を塩基および式5の化合物(式中Z2 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど; n = 2または3)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式6の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、アセトニトリルおよびテトラヒドロフラン(THF)を含むが、これらに限定されることはない。
【0061】
スキーム5

あるいは、式2の化合物を塩基および式7の化合物(式中Z2 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど; Y = O、OR9またはH; R8 = アルキル基、H、またはtert-ブチルジメチルシリルなどの保護基; R9 = アルキル; n = 1または2)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式8の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。Y = OR9の場合には、式8の化合物を酸性の反応条件の下で処理して、式9の化合物を得ることができる。Y = HかつR8 = 保護基の場合には、式8の化合物を適切な脱保護条件の下で処理して、R8 = Hの、式8の化合物を得ることができる。Y = HかつR8 = Hの場合には、式8の化合物をDess-Martinペリオダンまたは塩化オキサリルなどの酸化剤とDMSOとを用いて処理し、式9の化合物を得ることができる。アミン10と、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはピコリン-ボラン錯体などの還元剤とを用いて化合物9を処理することによって、式11の化合物を得ることができる。
【0062】
スキーム6

あるいは、化合物2を塩基および式12の化合物(式中n = 1または2かつZ3およびZ4 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式13の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。周囲温度または加熱条件の下でのアミン10による式13の化合物の処理によって、n = 2または3の、式11の化合物を得ることができる。
【0063】
スキーム7

さらに、Y = OかつR8 = アルキルの場合には、式8の化合物をジアミン14 (式中R10、R11、R12はそれぞれ独立してHまたはアルキルである)およびトリメチルアルミニウムで処理して、式15の化合物を得ることができる。
【0064】
スキーム8

式19の化合物は、式16の化合物(式中X1は塩素、臭素またはヨウ素である)を式17の化合物(式中Z5 = B(OH)2、B(OR13)2、SnR133など、かつR13 = アルキル)、パラジウム(0)などの触媒、および炭酸カリウムなどの塩基で処理して、式18の化合物を得ることにより調製することができる。順に、式18の化合物を加熱条件の下で無水酢酸により処理し、引き続き周囲条件から加熱条件の下でメタノールおよび水またはメタノールおよび水酸化ナトリウムにより処理して、式19の化合物を得ることができる。
【0065】
スキーム9

あるいは、式19の化合物は、式20の化合物(式中X2は塩素、臭素またはヨウ素である)を式17の化合物(式中Z5はB(OH)2、B(OR13)2、SnR133などであり、かつR13 = アルキル)、パラジウム(0)などの触媒、および炭酸カリウムなどの塩基で処理して、式21の化合物を得ることにより調製することができる。順に、式21の化合物を酸性条件の下で加熱して、式19の化合物を得ることができる。
【0066】
スキーム10

式6の化合物を加熱条件の下でヨウ化銅などの触媒、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンまたは8-ヒドロキシキノリンなどのリガンド、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはリン酸カリウムなどの塩基、および4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2(1H)-オンにより処理して、式23の化合物を得ることができる。順に、式23の化合物を水素および炭素上のパラジウムなどの触媒で処理して、式24の化合物を得ることができる。式24の化合物のヒドロキシル基を適切な活性化基に変換して、式25の化合物を得ることができる。Z6がトリフラートである場合には、式24の化合物を冷却条件の下でトリフルオロメチルスルホン酸無水物またはN-フェニルトリフルオロメタンスルホンアミドと、ピリジンまたはリチウムビス(トリメチルシリル)アミドなどの塩基とを用いて処理し、式25の化合物を得ることができる。Z6がトリアルキルスタンナンである場合には、式25の化合物(式中Z6はトリフラートである)を加熱条件の下でヘキサアルキルジチンおよびパラジウム(0)により処理して、Z6がトリアルキルスタンナンである、式25の化合物を得ることができる。加熱条件の下での式17の化合物(式中Z5 = B(OH)2、B(OR13)2、SnR133、ハロゲンなどのような、適切に適合された活性化基およびR13 = アルキル)、パラジウム(0)などの触媒、および炭酸カリウムなどの塩基による式25の化合物の処理によって、式26の化合物を得ることができる。
【0067】
スキーム11

さらに、式8の化合物を加熱条件の下でヨウ化銅などの触媒、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンまたは8-ヒドロキシキノリンなどのリガンド、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはリン酸カリウムなどの塩基、および4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2(1H)-オンにより処理して、式27の化合物を得ることができる。Y = OR9の場合には、式27の化合物を酸性反応条件の下で処理して、式28の化合物を得ることができる。Y = HかつR8 = 保護基の場合には、式27の化合物を適切な脱保護条件の下で処理して、R8 = Hの、式27の化合物を得ることができる。Y = HかつR8 = Hの場合には、式27の化合物をDess-Martinペリオダンまたは塩化オキサリルなどの酸化剤およびDMSOで処理して、式28の化合物を得ることができる。アミン10と、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはピコリン-ボラン錯体などの還元剤とを用いて化合物28を処理することによって、式23の化合物を得ることができ、これを上記のように式26の化合物に変換することができる。
【0068】
スキーム12

あるいは、式32の化合物を、式29の化合物から出発して作出することができる。式29の化合物(式中Z7はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などの活性化基である)を炭酸ナトリウムまたは炭酸セシウムなどの塩基および4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2(1H)-オンによりDMFなどの溶媒中、加熱条件の下で処理して、式30の化合物を得ることができる。順に、化合物30をSnCl2、鉄粉およびNH4Cl、または水素雰囲気下の炭素上のパラジウムなどの還元条件の下で処理して、式31の化合物を得ることができる。酢酸中NaNO2での化合物31の室温処理によって、式32の化合物を得ることができる。化合物32を塩基および式5の化合物(式中Z2 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど; n = 2または3)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式23の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。式23の化合物を上記のように式26の化合物に変換することができる。
【0069】
スキーム13

あるいは、化合物32を塩基および式7の化合物(式中Z2 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど; Y = O、OR9またはH; R8 = アルキル基、H、またはtert-ブチルジメチルシリルなどの保護基; R9 = アルキル; n = 1または2)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式27の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。式27の化合物を上記のように式26の化合物に変換することができる。
【0070】
スキーム14

あるいは、化合物32を塩基および式12の化合物(式中n = 1または2かつZ3およびZ4 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式33の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。周囲温度または加熱条件の下でのアミン10による式33の化合物の処理によって、n = 2または3の、式23の化合物を得ることができ、これを上記のように式26の化合物に変換することができる。
【0071】
スキーム15

あるいは、式6の化合物を加熱条件の下でヨウ化銅などの触媒、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンまたは8-ヒドロキシキノリンなどのリガンド、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはリン酸カリウムなどの塩基および式19の化合物により処理して、式26の化合物を得ることができる。
【0072】
スキーム16

さらに、式8の化合物を加熱条件の下でヨウ化銅などの触媒、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサンまたは8-ヒドロキシキノリンなどのリガンド、炭酸カリウム、炭酸セシウムまたはリン酸カリウムなどの塩基および式19の化合物により処理して、式34の化合物を得ることができる。Y = OR9の場合には、式34の化合物を酸性反応条件の下で処理して、式35の化合物を得ることができる。Y = HかつR8 = 保護基の場合には、式34の化合物を適切な脱保護条件の下で処理して、R8 = Hの、式34の化合物を得ることができる。Y = HかつR8 = Hの場合には、式34の化合物をDess-Martinペリオダンまたは塩化オキサリルなどの酸化剤およびDMSOで処理して、式35の化合物を得ることができる。アミン10と、水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムまたはピコリン-ボラン錯体などの還元剤とを用いて化合物35を処理することによって、式26の化合物を得ることができる。
【0073】
スキーム17

さらに、Y = OかつR8 = アルキルの場合には、式34の化合物をジアミン14 (式中R10、R11、R12はそれぞれ独立してHまたはアルキルである)およびトリメチルアルミニウムで処理して、式36の化合物を得ることができる。
【0074】
スキーム18

あるいは、式39の化合物を、式29の化合物から出発して作出することができる。式29の化合物(式中Z7はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などの活性化基である)を炭酸ナトリウムなどの塩基および式19の化合物によりDMFなどの溶媒中、加熱条件の下で処理して、式37の化合物を得ることができる。順に、式37の化合物をSnCl2、鉄粉およびNH4Cl、または水素雰囲気下の炭素上のパラジウムなどの還元条件の下で処理して、式38の化合物を得ることができる。酢酸中NaNO2での式38の化合物の室温処理によって、式39の化合物を得ることができる。式39の化合物を塩基および式5の化合物(式中Z2 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど; n = 2または3)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式26の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。
【0075】
スキーム19

あるいは、式39の化合物を塩基および式7の化合物(式中Z2 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど; Y = O、OR9またはH; R8 = アルキル基、H、またはtert-ブチルジメチルシリルなどの保護基; R9 = アルキル; n = 1または2)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式34の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。式34の化合物を上記のように式26の化合物に変換することができる。
【0076】
スキーム20

あるいは、化合物39を塩基および式12の化合物(式中n = 1または2かつZ3およびZ4 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナートなど)により周囲温度または加熱条件の下で処理して、式40の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。周囲温度または加熱条件の下でのアミン10による式40の化合物の処理によって、n = 2または3の、式26の化合物を得ることができる。
【0077】
スキーム21

式39の化合物(式中Bはアリールまたはヘテロアリールであり、かつR5、R6、R7はそれぞれ独立してH、-OH、-O-アルキル、アルキル、ハロ、-CF3、および-CNより選択される)を塩基および式41の化合物(式中Z8 = ハロゲン、メタンスルホナート、トルエンスルホナート、3-ニトロベンゼンスルホナートなど)により、周囲温度でまたは加熱条件の下で処理して、式42の化合物を得ることができる。典型的な塩基は炭酸セシウム、炭酸カリウムおよび水素化ナトリウムを含むが、これらに限定されることはない。典型的な溶媒はN,N-ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、アセトニトリルおよびテトラヒドロフランを含むが、これらに限定されることはない。テトラヒドロフラン(tetrahyrdrofuran)などの溶媒中でのアミン10および過塩素酸リチウムなどのルイス(Lewis)酸による化合物42の処理によって、式43の化合物を得ることができる。
【0078】
スキーム22

Bが単一の不飽和部位を含む場合には、式26の化合物を水素ガスおよび炭素上のパラジウムなどの触媒で処理して、Bが完全飽和したシクロアルキルである、式44の化合物を得ることができる。
【0079】
実施例
特に断りのない限り、試薬および溶媒は商業的供給源から受け取ったままの状態で使用した。プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルはBruker分光計にて300、400または500 MHzで得た。スペクトルはppm (δ)で示されており、カップリング定数Jはヘルツ(Hertz)で報告されている。テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として使用した。質量スペクトルはFinnigan LCQ Duo LCMSイオントラップ・エレクトロスプレイイオン化(ESI)質量分析計またはmass Varian 1200L単一四極子質量分析計(ESI)のいずれかを用いて集めた。高速液体クロマトグラフ(HPLC)分析は、Luna C18(2)カラム(5u, 250×4.6 mm, Phenomenex)またはGemini C18カラム(5u, 250×4.5 mm, Phenomenex)を使い、標準的な溶媒勾配プログラム(方法A、方法B、方法C、方法D、または方法E)を用いて254 nmのUV検出で得た。
【0080】
方法A:

A = 0.025%トリフルオロ酢酸を含む水
B = 0.025%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
【0081】
方法B:

A = 0.05%トリフルオロ酢酸を含む水
B = 0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
【0082】
方法C:

A = 0.025%トリフルオロ酢酸を含む水
B = 0.025%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
【0083】
方法D:

A = 0.05%トリフルオロ酢酸を含む水
B = 0.05%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
【0084】
方法E:

A = 0.025%トリフルオロ酢酸を含む水
B = 0.025%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリル
【0085】
実施例1
4-(フェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-アミン
Beilstein登録番号10008406

この化合物はSouers et al., Bioorg. Med. Chem. Lett. 2005, 15, 2752-2757の手順にしたがって調製した。
【0086】
b) 5-ブロモ-1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール

NaNO2 (0.20 g, 2.8 mmol)のH2O (5 mL)溶液を湿式氷浴中で冷却し、1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-アミン(0.65 g, 2.8 mmol)の48%水性HBr (2 mL)溶液で処理した。得られた混合物を100℃で予熱されたCuBr (0.49 g, 3.4 mmol)の48%水性HBr (2 mL)溶液に加えた。100℃で15分間撹拌した後に、暗色の混合物を冷却させた。固形物をろ過によって分離し、1 N NaOHで洗浄し、真空下で乾燥させた。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 95:5〜90:10により、表題の化合物(0.21 g, 25%)を褐色の固形物として得た: ESI MS m/z 294 [M + H]+
【0087】
c) 4-(ベンジルオキシ)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン

窒素下で撹拌された5-ブロモ-1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール(0.21 g, 0.70 mmol)の1,4-ジオキサン(10 mL)懸濁液を、4-(ベンジルオキシ)ピリジン-2(1H)-オン(0.14 g, 0.70 mmol)、トランス-1,2-ジアミノシクロヘキサン(0.03 mL, 0.2 mmol)、CuI (28 mg, 0.15 mmol)およびK2CO3 (0.19 g, 1.4 mmol)で連続的に処理した。110℃で終夜撹拌した後に、混合物を室温まで冷却し、CH2Cl2で希釈し、塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 95:5〜90:10により、表題の化合物(21 mg, 7%)をオフホワイト色の粉末として得た:

【0088】
d) 4-ヒドロキシ-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン

4-(ベンジルオキシ)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-6-イル)ピリジン-2(1H)-オン(240 mg, 0.58 mmol)のCH3OH溶液にAr雰囲気下でPd/C (200 mg)を加えた。Ar気球をH2気球と交換した。反応物を終夜55℃まで加熱し、次いで冷却させた。混合物をセライトの層を通してろ過し、ろ液を濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 80:20)により、表題の化合物を収率65%で白色の固形物として得た:

【0089】
e) 1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン-4-トリフルオロメタンスルホナート

4-ヒドロキシ-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン(900 mg, 2.7 mmol)を窒素雰囲気下、THF (20 mL)に懸濁し、LiN(SiMe3)2 (THF中1 M) (4.2 mL, 4.2 mmol)を加えた。1分間撹拌した後に、PhNTf2 (1.48 g, 4.16 mmol)を一度に加え、混合物を2時間撹拌した。混合物を濃縮し、塩化メチレン(50 mL)で希釈し、飽和NH4Clおよび飽和Na2CO3で連続的に洗浄し、硫酸ナトリウムで乾燥させ、濃縮した。残留物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレンおよびメタノール/アンモニア混合物(10:1); 40 mL/分で30分間にわたり100%塩化メチレン〜80%塩化メチレンの勾配で溶出する40 gのISCOカラム)により精製して、表題の化合物(780 mg, 60%)を白色の固形物として得た:

【0090】
f) 4-(フェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン-4-トリフルオロメタンスルホナート(100 mg, 0.22 mmol)、フェニルボロン酸(67 mg, 0.55 mmol), K2CO3 (75 mg, 0.55 mmol)および[1,1'-ビス-(ジホスフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II) (PdCl2dppf) (18 mg, 0.022 mmol)を真空下DMSO (2 mL)中で30分間撹拌した。フラスコを窒素でフラッシュし、混合物を10分間80℃まで加熱した。冷却後に、混合物を塩化メチレンで希釈し、5%塩化リチウム溶液で洗浄し(5回)、乾燥させ、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(塩化メチレンおよびメタノール/アンモニア混合物(10:1); 25 mL/分で30分間にわたり100%塩化メチレン〜80%塩化メチレンの勾配で溶出する12 gのISCOカラム)により精製して、遊離塩基を得た。これを塩化メチレン(2 mL)に溶解し、1当量のEt2O中2 M HClで処理し、混合物を濃縮して、表題の化合物(20 mg, 21%)を黄色の固形物として得た: 融点(mp) 192-196℃;

【0091】
実施例2
4-(4-クロロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-クロロフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(26 mg, 24%)を黄色の固形物として調製した: mp 255-260℃(分解);

【0092】
実施例3
4-(ベンゾ[b]チオフェン-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにベンゾチオフェン-2-ボロン酸を用いて、表題の化合物(23 mg, 22%)を黄色の固形物として調製した:

【0093】
実施例4
4-(ベンゾフラン-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにベンゾフラン-2-ボロン酸を用いて、表題の化合物(21 mg, 21%)を褐色の固形物として調製した:

【0094】
実施例5
4-(4-フルオロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(18 mg, 19%)を黄色の固形物として調製した:

【0095】
実施例6
4-(ナフタレン-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにナフチル-2-ボロン酸を用いて、表題の化合物(24 mg, 24%)を黄色の固形物として調製した:

【0096】
実施例7
4-(3-クロロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにm-クロロフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(20 mg, 21%)を橙色の固形物として調製した:

【0097】
実施例8
4-(3-フェノキシフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに3-フェノキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(18 mg, 16%)を黄褐色の固形物として調製した:

【0098】
実施例9
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-トリフルオロメチルフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(35 mg, 31%)を白色の固形物として調製した:

【0099】
実施例10
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(3-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンジヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにm-トリフルオロメチルフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(46 mg, 40%)を褐色の固形物として調製した:

【0100】
実施例11
4-(1-メチル-1H-インドール-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンジヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにN-メチルインドール-2-ボロン酸を用いて、表題の化合物(27 mg, 24%)を褐色の固形物として調製した:

【0101】
実施例12
4-(2,4-ジクロロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2,4-ジクロロフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(29 mg, 27%)を白色の固形物として調製した: mp 110-115℃ 潮解性;

【0102】
実施例13
4-(ナフタレン-1-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンジヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにナフチル-1-ボロン酸を用いて、表題の化合物(30.5 mg, 22%)を橙色の結晶として調製した:

【0103】
実施例14
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-p-トリルピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-トリルボロン酸を用いて、表題の化合物(52 mg, 55%)を褐色の固形物として調製した:

【0104】
実施例15
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメトキシ)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-トリフルオロメトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(51 mg, 46%)を橙色の固形物として調製した:

【0105】
実施例16
4-(1-メチル-1H-インドール-5-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにN-メチルインドール-5-ボロン酸を用いて、表題の化合物(36 mg, 37%)を褐色の固形物として調製した:

【0106】
実施例17
4-(4-シアノフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-シアノフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(23 mg, 23%)を黄色の固形物として調製した:

【0107】
実施例18
4-(4-メトキシフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにp-メトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(45 mg, 46%)を橙色の固形物として調製した:

【0108】
実施例19
4-(4-フルオロ-2-シアノフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2-シアノ-4-フルオロフェニルボロン酸ピナコールエステルを用いて、表題の化合物(45 mg, 44%)を褐色の固形物として調製した:

【0109】
実施例20
4-(2,4-ジメトキシフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2,4-ジメトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(29.7 mg, 61%)を橙色の結晶として調製した:

【0110】
実施例21
4-(2,4-ジフルオロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2,4-ジフルオロフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(20.4 mg, 45%)を褐色の固形物として調製した:

【0111】
実施例22
4-(4-イソプロポキシフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-イソプロポキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(63 mg, 65%)を灰色の結晶として調製した:

【0112】
実施例23
4-(2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2,4-ビス(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(24.9 mg, 5%)を灰色の結晶として調製した:

【0113】
実施例24
4-(4-ブトキシ-2-メチルフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-(ブチルオキシ)-2-メチルフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(82.3 mg, 24%)を褐色の結晶として調製した:

【0114】
実施例25
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-o-トリルピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりにo-トリルボロン酸を用いて、表題の化合物(34.3 mg, 79%)を橙色の結晶として調製した:

【0115】
実施例26
4-(4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-(ベンジルオキシ)-2-メチルフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(45.5 mg, 51%)を橙色の結晶として調製した:

【0116】
実施例27
4-(4-クロロ-2-メトキシフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-クロロ-2-メトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(22.1 mg, 30%)を白色の粉末として調製した:

【0117】
実施例28
4-(ベンゾ[d][1,3]ジオキソール-5-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに3,4-メチレンジオキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(24.1 mg, 52%)を橙褐色の結晶として調製した:

【0118】
実施例29
4-(4-メトキシ-2-メチルフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-メトキシ-2-メチルフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(10.3 mg, 20%)を橙褐色の結晶として調製した:

【0119】
実施例30
4-(5-メチルピリジン-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン-4-トリフルオロメタンスルホナート(250 mg, 0.54 mmol)およびヘキサメチルジチン(360 mg, 1.1 mmol)を乾燥トルエン(5 mL)/DMSO (1 mL)中で撹拌し、温度を100℃まで上昇させながら窒素気流で脱気した。パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(62 mg, 0.054 mmol)を加え、反応物を窒素雰囲気下100℃で2時間維持した。冷却後に、混合物をコンビフラッシュ(Combiflash)クロマトグラフィー(塩化メチレンおよびメタノール/アンモニア(10:1); 25 mL/分で30分間にわたり100%塩化メチレン〜20%メタノール/アンモニアで溶出する12 gのISCOカラム)により精製した。適切な画分の濃縮により、所望のスタンナン(143 mg, 56%)を無色の油状物として得た:

【0120】
b) 4-(5-メチルピリジン-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2(1H)-オン(47 mg, 0.11 mmol)および2-ブロモ-5-メチルピリジン(94 mg, 0.55 mmol)を乾燥トルエン(3 mL)/DMSO (1 mL)中で撹拌し、温度を100℃まで上昇させながら窒素気流で脱気した。パラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(13 mg, 0.011 mmol)を加え、反応物を窒素雰囲気下100℃で16時間維持した。冷却後に、混合物をコンビフラッシュ(Combiflash)クロマトグラフィー(塩化メチレンおよびメタノール/アンモニア(10:1); 40 mL/分で30分間にわたり100%塩化メチレン〜20%メタノール/アンモニアで溶出する12 gのISCOカラム)により精製した。適切な画分の濃縮により、遊離塩基を得た。実施例1と同様に塩酸塩(hydrochloride salt)への変換により、表題の化合物(48 mg, 51%)を白色の固形物として得た:

【0121】
実施例31
4-(2-クロロ-4-(トリフルオロメチル)フェニル-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに2-クロロ-5-(トリフルオロメチル)ヨードベンゼンを用いて、表題の化合物(21 mg, 38%)を白色の固形物として調製した:

【0122】
実施例32
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(キノリン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オントリヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに2-クロロキノリンを用いて、表題の化合物(12 mg, 21%)を黄色の固形物として調製した:

【0123】
実施例33
4-(5-クロロピリジン-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オントリヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに2-ブロモ-5-クロロピリジンを用いて、表題の化合物(14 mg, 26%)を黄色の固形物として調製した:

【0124】
実施例34
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オントリヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに2-ブロモ-5-トリフルオロメチルピリジンを用いて、表題の化合物(10 mg, 16%)を黄色の固形物として調製した:

【0125】
実施例35
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(キナゾリン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オンジヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに2-クロロキナゾリンを用いて、表題の化合物(12 mg, 23%)を緑色の固形物として調製した:

【0126】
実施例36
1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(6-(トリフルオロメチル)ピリダジン-3-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに3-クロロ-6-(トリフルオロメチル)ピリダジンを用いて、表題の化合物(14 mg, 26%)を黄色の固形物として調製した:

【0127】
実施例37
1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 5-ヨード-1H-インダゾール

4-ヨード-2-メチルアニリン(10.0 g, 42.9 mmol)の氷酢酸(400 mL)溶液をNaNO2 (2.96 g, 42.9 mmol)の水(10 mL)溶液で処理した。6時間撹拌した後に、混合物を濃縮乾固し、酢酸エチル(EtOAc)に溶解した。シリカゲルのパッドを通したろ過(EtOAc)により、表題の化合物(10.4 g, 99%)を深紫色の固形物として得た: ESI MS m/z 245 [M + H]+
【0128】
b) 1-(2,2-ジメトキシエチル)-5-ヨード-1H-インダゾール

5-ヨード-1H-インダゾール(8.28 g, 33.9 mmol)のDMSO (104 mL)溶液に2-ブロモアセトアルデヒドジメチルアセタール(7.9 mL, 68 mmol)およびCs2CO3 (44.1 g, 136 mmol)を加えた。反応物を40℃で18時間撹拌し、次いで反応物をH2O (100 mL)およびEtOAc (175 mL)で希釈した。分配された材料をEtOAc (4×175 mL)で抽出した。有機物を塩水(2×100 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製(シリカゲル, 0.1% Et3Nを含むヘキサン/0.1% Et3Nを含むEtOAc, 100:0〜90:10)により、表題の化合物(4.49 g, 46%)を淡橙色の粉末として得た:

【0129】
c) 4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン1-オキシド

4-(トリフルオロメチル)フェニルボロン酸(1.78 g, 9.37 mmol)のDME (10 mL)および水性K2CO3 (12 mL, 1.8 M)の溶液をアルゴンで20分間脱気した。トリフェニルホスフィン(797 mg, 3.04 mmol)、パラジウム(II)アセテート(174 mg, 0.775 mmol)および4-クロロピリジン1-オキシド(1.00 g, 7.72 mmol)を連続的に加え、混合物をアルゴン雰囲気下で加熱還流した。14時間還流で撹拌した後に、混合物を冷却させ、次いでろ過した。ろ液をH2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。有機物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 95:5)により、表題の化合物(465 mg, 25%)を白色の結晶として得た:

【0130】
d) 4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

窒素雰囲気下の4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン1-オキシド(465 mg, 1.94 mmol)のAc2O (10 mL)撹拌溶液を4.5時間にわたって110から130℃に加熱した。次いで混合物を2時間還流で加熱し、その後、冷却させた。混合物を濃縮乾固し、次にMeOHおよび水(10 mL, 1:1)で処理した。室温で6時間撹拌した後に、混合物を2.5時間加熱還流した。混合物を冷却させ、濃縮乾固した。フラッシュカラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 95:5)により、表題の化合物(336 mg, 72%)を淡褐色の粉末として得た:

【0131】
e) 1-(1-(2,2-ジメトキシエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(2,2-ジメトキシエチル)-5-ヨード-1H-インダゾール(458 mg, 1.38 mmol)、4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(330 mg, 1.38 mmol)、Cs2CO3 (997 mg, 3.06 mmol)、8-ヒドロキシキノリン(42 mg, 0.29 mmol)およびCuI (311 g, 163 mmol)のDMSO (5 mL)懸濁液を高真空下で30分間真空にし、次にアルゴンで充填し直した。混合物をアルゴン下115℃で15時間撹拌し、次いで冷却させた。混合物をH2O中10%のNH4OH (40 mL)で希釈し、EtOAc (4×50 mL)で抽出した。有機物を塩水(50 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。フラッシュクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 95:5)、続いて2回目のフラッシュクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 97.5:2.5)により、表題の化合物(482 mg, 79%)を淡褐色の固形物として得た:

【0132】
f) 2-(5-(2-オキソ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1(2H)-イル)-1H-インダゾール-1-イル)アセトアルデヒド

1-(1-(2,2-ジメトキシエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(480 mg, 1.08 mmol)のTHF (10 mL)溶液を水性HCl (9 mL, 2.0 M)で処理した。溶液を1時間加熱還流し、冷却させ、次にH2O (100 mL)で処理した。得られた固形物をろ過によって分離し、H2Oで洗浄し、高真空下16時間乾燥させて、表題の化合物(1.00 g, 64%)を淡褐色の固形物として得た: ESI MS m/z 398 [M + H]+
【0133】
g) 1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

2-(5-(2-オキソ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1(2H)-イル)-1H-インダゾール-1-イル)アセトアルデヒド(84 mg, 0.21 mmol)のCH2Cl2 (4.0 mL)、MeOH (1.0 mL)およびAcOH (0.50 mL)の溶液にモルホリン(0.06 mL, 0.7 mmol)およびピコリン-ボラン錯体(25 mg, 0.23 mmol)を加えた。窒素雰囲気下、周囲温度で1.5時間撹拌した後に、溶液を1 N HCl (10.0 mL)で処理し、30分間激しく撹拌した。混合物をNaHCO3飽和水溶液(25 mL)で塩基性にし、CH2Cl2 (3×25 mL)で抽出した。有機物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮乾固した。フラッシュクロマトグラフィー精製(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 97:3)により、表題の化合物(33 mg, 33%)をオフホワイト色の固形物として得た:

【0134】
h) 1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロ-メチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(32 mg, 0.068 mmol)のCH2Cl2 (2 mL)溶液をジエチルエーテル中の無水HCl (0.07 mL, 0.07 mmol, 1.0 M)で処理した。周囲温度で15分間撹拌した後に、反応混合物をEt2O (20 mL)で希釈した。得られた固形物をろ過によって回収し、真空オーブン中で乾燥させて表題の化合物(24 mg, 69%)をオフホワイト色の粉末として得た: mp 248-250℃(分解);

【0135】
実施例38
(S)-1-(1-(2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例37の手順にしたがい、しかしモルホリンの代わりに(S)-ピロリジン-3-オールを用いて、表題の化合物(10 mg, 10%)をオフホワイト色の粉末として調製した:

【0136】
実施例39
(R)-1-(1-(2-(3-ヒドロキシピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例37の手順にしたがい、しかしモルホリンの代わりに(R)-ピロリジン-3-オールを用いて、表題の化合物(23 mg, 22%)をオフホワイト色の粉末として調製した:

【0137】
実施例40
(R)-1-(1-(2-(2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例37の手順にしたがい、しかしモルホリンの代わりに(R)-ピロリジン-2-イルメタノールを用いて、表題の化合物(88 mg, 58%)を黄色の粉末として調製した:

【0138】
実施例41
(S)-1-(1-(2-(2-(ヒドロキシメチル)ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例37の手順にしたがい、しかしモルホリンの代わりに(S)-ピロリジン-2-イルメタノールを用いて、表題の化合物(76 mg, 50%)を黄色の粉末として調製した:

【0139】
実施例42
1-(1-(2-ジメチルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例37の手順にしたがい、しかしモルホリンの代わりにジメチルアミンを用いて、表題の化合物(45 mg, 100%)を白色の粉末として調製した:

【0140】
実施例43
1-(1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(3-メチル-4-ニトロフェニル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

5-フルオロ-2-ニトロトルエン(0.27 g, 2.25 mmol)のDMF (4.0 mL)溶液に4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル-ピリジン-2(1H)-オン(0.45 g, 1.87 mmol)およびCs2CO3 (0.67 g, 2.1 mmol)を加え、反応物を18時間85℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、H2O (20 mL)を加え、混合物を20分間撹拌した。得られた固形物をろ過によって回収し、H2O (10 mL)で洗浄した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/EtOAc, 10:1〜3:1)により、表題の化合物(0.45 g, 65%)を黄色の固形物として得た:

【0141】
b) 1-(4-アミノ-3-メチルフェニル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(3-メチル-4-ニトロフェニル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(0.46 g, 1.2 mmol)のEtOH/H2O 9:1 (20 mL)溶液を鉄粉(0.62 g, 11.1 mmol)およびNH4Cl (33 mg, 0.61 mmol)で処理し、得られた懸濁液を18時間還流で加熱した。反応混合物を、熱いうちに、Celite(登録商標)を通して複数部(portions)のCH2Cl2 (2×25 mL)およびMeOH (2×25 mL)でろ過した。ろ液を合わせ、1 N NaOH (10 mL)で塩基性にした。溶液をCH2Cl2 (2×40 mL)で抽出し、合わせた有機抽出物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して表題の化合物(0.409 g, 100%)を黄色の固形物として得た:

【0142】
c) 1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(4-アミノ-3-メチルフェニル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(0.405 g, 1.22 mmol)のAcOH (12.5 mL)溶液をNaNO2 (84.0 mg, 1.22 mmol)のH2O (0.4 mL)溶液で処理し、周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH/NH4OH, 90:9:1)により、表題の化合物(0.330 g, 76%)を黄色の固形物として得た:

【0143】
d) 1-(1-(2-クロロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(120 mg, 0.338 mmol)のDMSO (2.0 mL)溶液に2-ブロモ-1-クロロエタン(485 mg, 3.38 mmol)およびCs2CO3 (330 mg, 1.01 mmol)を加え、反応物を周囲温度で3時間撹拌した。反応物をH2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 25+Mカラム, CH2Cl2/MeOH, 99:1〜98:2)により、表題の化合物(72 mg, 51%)を得た:

【0144】
e) 1-(1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1-(2-クロロエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(72 mg, 0.17 mmol)のDMF (2.0 mL)溶液にK2CO3 (0.12 g, 0.86 mmol)、ピペラジン(0.29 g, 3.4 mmol)およびKI (29 mg, 0.17 mmol)を加え、反応物を3時間50℃まで加熱した。反応物を冷却し、H2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH/NH4OH, 30:1:0〜10:1:0.2)により表題の化合物(65 mg, 80%)を得た:

【0145】
f) 1-(1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オンの代わりに1-(1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを用いること以外は、実施例37の段階hの手順にしたがい、表題の化合物(32 mg, 83%)を白色の固形物として調製した: mp 222-224℃ (分解);

【0146】
実施例44
1-(1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(278 mg, 0.783 mmol)のDMSO (4.0 mL)溶液に3-ブロモ-1-クロロプロパン(1.23 g, 7.83 mmol)およびCs2CO3 (765 mg, 2.35 mmol)を加え、反応物を周囲温度で18時間撹拌した。反応物をH2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 100:1)により、1-(1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを得た。1-(1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(84 mg, 0.19 mmol)のDMF (1.0 mL)溶液にK2CO3 (0.13 g, 0.97 mmol)、ジメチルアミン(1.94 mL, 3.88 mmol, THF中2.0 M)およびKI (32 mg, 0.19 mmol)を加え、反応物を18時間45℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、H2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 25+ Mカラム, CH2Cl2/MeOH/NH4OH, 50:1:0〜20:1:0.1)により表題の化合物(54 mg, 63%)を得た:

【0147】
b) 1-(1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オンの代わりに1-(1-(3-(ジメチルアミノ)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを用いること以外は、実施例37の段階hの手順にしたがい、表題の化合物(48 mg, 79%)を白色の固形物として調製した:

【0148】
実施例45
1-(1-(2-(ピペラジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(278 mg, 0.783 mmol)のDMSO (4.0 mL)溶液に3-ブロモ-1-クロロプロパン(1.23 g, 7.83 mmol)およびCs2CO3 (765 mg, 2.35 mmol)を加え、反応物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物をH2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 100:1)により、中間体1-(1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを得た。1-(1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(78 mg, 0.18 mmol)のDMF (1.0 mL)溶液にK2CO3 (0.12 g, 0.90 mmol)、ピロリジン(130 mg, 1.8 mmol)およびKI (30 mg, 0.18 mmol)を加え、反応物を18時間50℃まで加熱した。反応混合物を冷却し、H2O (25 mL)で希釈した。得られた固形物をろ過によって回収し、H2O (10 mL)で洗浄した。回収された固形物をEtOAc (20 mL)に溶解し、塩水(10 mL)で洗浄した。洗浄された有機溶液をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して表題の化合物(77 mg, 91%)を得た:

【0149】
b) 1-(1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オンの代わりに1-(1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを用いること以外は、実施例37の段階hの手順にしたがい、表題の化合物(54 mg, 67%)を黄色の固形物として調製した:

【0150】
実施例46
1-(1-(3-(アミノ)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(1-(3-アミノプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(278 mg, 0.783 mmol)のDMSO (4.0 mL)溶液に3-ブロモ-1-クロロプロパン(1.23 g, 7.83 mmol)およびCs2CO3 (765 mg, 2.35 mmol)を加え、反応物を周囲温度で18時間撹拌した。反応物をH2O (25 mL)で希釈し、EtOAc (3×25 mL)で抽出した。抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 100:1)により、1-(1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを得た。1-(1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(84 g, 0.20 mmol)のDMF (1.5 mL)溶液にフタルイミドカリウム(41 mg, 0.22 mmol)を加え、反応物を4時間100℃まで加熱した。反応物を冷却させ、H2O (20 mL)で希釈し、CH2Cl2 (3×25 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(25 mL)で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(Biotage 25 + Mカラム, CH2Cl2/MeOH, 50:1〜40:1)により、2-(3-(5-(2-オキソ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1(2H)-イル)-1H-インダゾール-1-イル)プロピル)イソインドリン-1,3-ジオンを得た。2-(3-(5-(2-オキソ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1(2H)-イル)-1H-インダゾール-1-イル)プロピル)イソインドリン-1,3-ジオン(73 mg, 0.13 mmol)をエタノールアミン(1.0 mL)に溶解し、周囲温度で18時間撹拌した。反応物を濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(Biotage 25+ Mカラム, CH2Cl2/MeOH/NH4OH, 30:1:0.1〜10:1:0.2)により、1-(1-(3-アミノプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを得た。1-(1-(3-アミノプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンをCH2Cl2 (1.0 mL)およびEt3N (30μL, 0.22 mmol)に溶解し、ジ-tert-ブチルジカルボナート(26 mg, 0.12 mmol)を加えた。得られた溶液を周囲温度で18時間撹拌した。反応物を濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH, 40:1)により、tert-ブチル-3-(5-(2-オキソ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1(2H)-イル)-1H-インダゾール-1-イル)プロピルカルバメートを得た。tert-ブチル-3-(5-(2-オキソ-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-1(2H)-イル)-1H-インダゾール-1-イル)プロピルカルバメートをCH2Cl2 (1.0 mL)およびTFA (25μL, 0.33 mmol)に溶解した。得られた溶液を周囲温度で18時間撹拌した。反応物をCH2Cl2 (10 mL)で希釈し、飽和NaHCO3で洗浄した。この有機溶液をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, CH2Cl2/MeOH/NH4OH, 30:1:0.1〜20:1:0.1)により、表題の化合物(16 mg, 29%)を得た:

【0151】
b) 1-(1-(3-アミノプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-モルホリノエチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オンの代わりに1-(1-(3-アミノプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンを用いること以外は、実施例37の段階hの手順にしたがい、表題の化合物(8.4 mg, 52%)を黄色の粉末として調製した: mp 222-224℃ (分解);

【0152】
実施例47
(S)-1-(1-(ピロリジン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(200 mg, 0.56 mmol)、(S)-tert-ブチル2-(ブロモメチル)ピロリジン-1-カルボキシレート(GRA-B-188) (298 mg, 1.12 mmol)および炭酸セシウム(732 mg, 2.25 mmol)のメチルスルホキシド(5 mL)混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水(20 mL)で希釈し、ジクロロメタン(2×30 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(20 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。所望の位置異性体の分離をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, Et2O〜9:1のEt2O/90:9:1のEt2O/MeOH/濃NH4OH)により行った。所望の位置異性体(100 mg, 0.18 mmol)にジクロロメタン(10 mL)およびトリフルオロ酢酸(2 mL)を加えた。周囲温度で2時間撹拌した後に、反応物を1 N NaOHでpH = 9にした。有機層を塩水(10 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。乾燥された残留物(87 mg, 0.20 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、HCl (メタノール中1.25 Mの溶液, 0.22 mL, 0.17 mmol)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、次にジクロロメタン/ヘキサンを用いて粉砕(triturate)し、得られた固形物をジエチルエーテルを用いて粉砕した。固形物を乾燥させて、表題の化合物(43 mg, 16%)をオフホワイト色の固形物として得た:

【0153】
実施例48
(R)-1-(1-(3-(ジメチルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) (S)-1-(1-(オキシラン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(750 mg, 2.11 mmol)、(R)-(-)-グリシジルノシラート(glycidyl nosylate)(657 mg, 2.53 mmol)および炭酸セシウム(1.03 g, 3.17 mmol)のメチルスルホキシド(6 mL)混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(20 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, 酢酸エチル)により、表題の化合物(480 mg, 55%)を黄色の固形物として得た:

【0154】
b) (R)-1-(1-(3-(ジメチルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

テトラヒドロフラン(5 mL)中の(S)-1-(1-(オキシラン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-2(1H)-オン(200 mg, 0.48 mmol)にLiClO4 (775 mg, 7.3 mmol)を加え、続いてジメチルアミン(テトラヒドロフラン中2 Mの溶液2.4 ml, 4.9 mmol)を加えた。反応混合物を45℃の油浴中で4.5時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、ジクロロメタン(50 ml)で希釈し、水(25 mL)および塩水(25 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この材料をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 9:1のCH2Cl2/MeOH〜90:9:1のCH2Cl2/MeOH/濃NH4OH)により精製した。乾燥された残留物(160 mg, 0.35 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、HCl (メタノール中1.25 Mの溶液, 0.31 mL, 0.43 mmol)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、乾燥させて、表題の化合物(190 mg, 80%)を黄色の固形物として得た:

【0155】
実施例49
(R)-1-(1-(2-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

テトラヒドロフラン(5 mL)中の(S)-1-(1-(オキシラン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)-ピリジン-2(1H)-オン(200 mg, 0.48 mmol)にLiClO4 (775 mg, 7.28 mmol)を加え、続いてピロリジン(0.41 mL, 4.9 mmol)を加えた。反応混合物を45℃の油浴中で4.5時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、ジクロロメタン(50 ml)で希釈し、水(25 mL)および塩水(25 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この材料をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 9:1のCH2Cl2/MeOH〜90:9:1のCH2Cl2/MeOH/濃NH4OH)により精製した。乾燥された残留物(197 mg, 0.41 mmol)をジクロロメタン(10 mL)に溶解し、HCl (メタノール中1.25 Mの溶液, 0.36 mL, 0.45 mmol)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、乾燥させて、表題の化合物(194 mg, 78%)を黄色の固形物として得た:

【0156】
実施例50
(S)-1-(1-(3-(ジメチルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) (R)-1-(1-(オキシラン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン

1-(1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(1.1 g, 3.1 mmol)、(S)-(+)-グリシジルノシラート(0.96 g, 3.7 mmol)および炭酸セシウム(1.5 g, 4.6 mmol)のメチルスルホキシド(10 mL)混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応混合物を水(20 mL)で希釈し、酢酸エチル(2×50 mL)で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水(20 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィー精製(シリカゲル, 酢酸エチル)により、表題の化合物(510 mg, 40%)を黄色の固形物として得た:

【0157】
b) (S)-1-(1-(3-(ジメチルアミノ)-2-ヒドロキシプロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

テトラヒドロフラン(5 mL)中の(R)-1-(1-(オキシラン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(230 mg, 0.56 mmol)にLiClO4 (892 mg, 8.38 mmol)を加え、続いてジメチルアミン(テトラヒドロフラン中2 Mの溶液2.8 ml, 5.6 mmol)を加えた。反応混合物を45℃の油浴中で3.75時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、ジクロロメタン(50 ml)で希釈し、水(25 mL)および塩水(25 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この材料をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 9:1のCH2Cl2/MeOH〜90:9:1のCH2Cl2/MeOH/濃NH4OH)により精製した。乾燥された残留物(198 mg, 0.43 mmol)をジクロロメタン(2 mL)に溶解し、HCl (メタノール中1.25 Mの溶液, 0.38 mL, 0.47 mmol)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、乾燥させて、表題の化合物(198 mg, 71%)を黄色の固形物として得た:

【0158】
実施例51
(S)-1-(1-(2-ヒドロキシ-3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

テトラヒドロフラン(5 mL)中の(R)-1-(1-(オキシラン-2-イルメチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)-フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(250 mg, 0.61 mmol)にLiClO4 (969 mg, 9.11 mmol)を加え、続いてピロリジン(0.51 mL, 6.1 mmol)を加えた。反応混合物を45℃の油浴中で3.75時間加熱した。反応混合物を周囲温度まで冷却し、ジクロロメタン(50 ml)で希釈し、水(25 mL)、塩水(25 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、減圧下で濃縮した。この材料をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, 9:1のCH2Cl2/MeOH〜90:9:1のCH2Cl2/MeOH/濃NH4OH)により精製した。乾燥された残留物(233 mg, 0.48 mmol)をジクロロメタン(2 mL)に溶解し、HCl (メタノール中1.25 Mの溶液, 0.42 mL, 0.53 mmol)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、乾燥させて、表題の化合物(240 mg, 76%)を黄色の固形物として得た:

【0159】
実施例52
(+)-1-(1-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 5-ブロモ-1-(2-クロロエチル)-1H-インダゾール

1-ブロモ-2-クロロエタン(2.9 mL, 35 mmol)をN2下の5-ブロモ-1H-インダゾール(4.302 g, 21.95 mmol)およびCs2CO3 (28.56 g, 87.81 mmol)のDMSO (50 mL)懸濁液に加えた。得られた懸濁液を25℃で6時間撹拌した。H2O (50 mL)を加え、得られた懸濁液を氷浴中で冷却した。懸濁液をろ過し、固形物を減圧下で乾燥させてピンク色の粉末を得た。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(19:1〜5:2のヘキサン/EtOAc)により、表題の化合物(3.094 g, 54%)を白色の固形物として得た:

【0160】
b) 5-(2-(5-ブロモ-1H-インダゾール-1-イル)エチル)-(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン

5-ブロモ-1-(2-クロロエチル)-1H-インダゾール(183 mg, 0.703 mmol)をN2下の(1S,4S)-(+)-5-アザ-2-オキサビシクロ[2.2.1]ヘプタンヒドロクロリド(286 mg, 2.11 mmol)、K2CO3 (485 mg, 3.52 mmol)およびKI (117 mg, 0.703 mmol)のDMF (10 mL)懸濁液に加えた。得られた懸濁液を90℃で19時間撹拌した。懸濁液を冷却し、H2O (10 mL)を加えた。この水溶液をEtOAcで抽出し、合わせた有機抽出物を塩水で洗浄した。この有機溶液をNa2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して透明の粘性油状物を得た。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(100:0〜0:100のヘキサン/(9:0.9:0.1のCH2Cl2/MeOH/NH4OH))により、表題の化合物(88 mg, 39%)を透明の油状物として得た:

【0161】
c) (+)-1-(1-(2-((1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピリジン-2(1H)-オン(54 mg, 0.23 mmol)、5-(2-(5-ブロモ-1H-インダゾール-1-イル)エチル)-(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン(88 mg, 0.27 mmol)、CuI (52 mg, 0.27 mmol)、8-ヒドロキシキノリン(7.0 mg, 0.045 mmol)およびCs2SO4 (81 mg, 0.25 mmol)のDMSO (5 mL)懸濁液を減圧下で45分間脱気した。懸濁液をAr下に置き、撹拌しながら130℃で22時間加熱した。懸濁液を冷却し、NH4OHを加え、得られた懸濁液を25℃で30分間撹拌した。懸濁液を4:1のCH2C12/(9:1のMeOH/NH4OH)を用いてシリカゲルのプラグに通した。ろ液の相を分離し、水相をCH2Cl2で抽出した。合わせた有機抽出物を塩水で洗浄し、Na2SO4で乾燥させ、減圧下で濃縮して粘性油状物を得た。シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(ヘキサン/(9:0.9:0.1のCH2Cl2/MeOH/NH4OH) 100:0〜9:1)により、粘性油状物13 mgを得た。Et2O中1.0 MのHCl (0.03 mL, 0.03 mmol)をN2下の粘性油状物のCH2Cl2 (10 mL)溶液に加え、混合物を25℃で1時間撹拌した。溶液を濃縮して、表題の化合物(14 mg, 12%)をオフホワイト色の粉末として得た:

【0162】
実施例53
4-(4-クロロ-2-フルオロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2-フルオロ-4-クロロフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(26.7 mg, 28%)を橙色の固形物として調製した:

【0163】
実施例54
4-(4-(トリフルオロメチル)-2-フルオロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2-フルオロ-4-メトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(40.8 mg, 40%)を褐色の固形物として調製した:

【0164】
実施例55
4-(4-メトキシ-2-フルオロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2-フルオロ-4-メトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(82.4 mg, 86%)を橙褐色の固形物として調製した:

【0165】
実施例56
4-(4-メトキシ-2-クロロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに2-クロロ-4-メトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(67.3 mg, 37%)を橙褐色の固形物として調製した:

【0166】
実施例57
4-(4-エトキシフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-エトキシフェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(54.5 mg, 23%)を橙色の固形物として調製した:

【0167】
実施例58
4-(4-(トリフルオロメトキシ)-2-フルオロフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに1-ブロモ-2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを用いて、表題の化合物(24.1 mg, 19%)を黄色の固形物として調製した:

【0168】
実施例59
4-(4-(トリフルオロメトキシ)-2-メチルフェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに1-ブロモ-2-フルオロ-4-(トリフルオロメトキシ)ベンゼンを用いて、表題の化合物(49.0 mg, 21%)を橙色の固形物として調製した:

【0169】
実施例60
4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン2(1H)-オンヒドロクロリドの調製:
a) 5-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾール
Beilstein登録番号127881

5-ブロモ-1H-インダゾール(1.0 g, 5.07 mmol)のDMSO (15 mL)溶液にヨードメタン(0.41 mL, 6.6 mmol)およびK2CO3 (3.4 g, 25 mmol)を加えた。反応物を室温で3時間撹拌し、次に反応物を塩化メチレン(100 mL)で希釈し、5% LiCl溶液で洗浄した(4回)。有機物を塩水(50 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製(40 gのISCOカラム, ヘキサン/EtOAc, 100:0〜70:30)により、表題の化合物(532 mg, 50%)を白色の粉末として得た:

【0170】
b) 4-(1-メチル-1H-インダゾール-5-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン2(1H)-オンヒドロクロリド

実施例30の手順にしたがい、しかし2-ブロモ-5-メチルピリジンの代わりに5-ブロモ-1-メチル-1H-インダゾールを用いて、表題の化合物(18.0 mg, 11%)を橙色の固形物として調製した:

【0171】
実施例61
1-(1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド
a) 2'-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)-2,4'-ビピリジン

2-ブロモ-5-トリフルオロメチルピリジン(410 mg, 2.13 mmol)、2-メトキシ-4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)ピリジン(500 mg, 1.81 mmol)、K2CO3 (749 mg, 5.43 mmol)および[1,1'-ビス-(ジホスフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II) (PdCl2dppf) (74 mg, 0.091 mmol)を真空下DMSO (2 mL)中で30分間撹拌した。フラスコを窒素でフラッシュし、混合物を30分間90℃まで加熱した。冷却後に、混合物を塩化メチレンで希釈し、5%塩化リチウム溶液で洗浄し(5回)、乾燥させ、濃縮し、残留物をカラムクロマトグラフィー(シリカゲル, ヘキサン/酢酸エチル, 97:3〜75:25)により精製して、表題の化合物(337 mg, 62%)を白色の固形物として得た:

【0172】
b) 4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン

2'-メトキシ-5-(トリフルオロメチル)-2,4'-ビピリジン(337 mg, 1.32 mmol)を濃塩酸(200 mL)中120℃で18時間撹拌し、次いで濃縮した。残留物をMeOH (100 mL)に溶解し、6 N NaOHで塩基性にし、溶媒の大部分が除去されるまで再び濃縮した。固形物を漉し取り、水で洗浄し、真空下で乾燥させて表題の化合物(289 mg, 89%)を白色の固形物として得た:

【0173】
c) 5-ブロモ-1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール

5-ブロモ-1H-インダゾール(3.0 g, 15 mmol)のDMSO (15 mL)溶液に1-ブロモ-3-クロロプロパン(2.0 mL, 20 mmol)およびK2CO3 (6.33 g, 45.9 mmol)を加えた。反応物を室温で72時間撹拌し、次に反応物を塩化メチレン(100 mL)で希釈し、5% LiCl溶液で洗浄した(4回)。有機物を塩水(50 mL)で洗浄し、乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製(40 gのISCOカラム, ヘキサン/EtOAc, 95:5〜65:35)により、表題の化合物(2.14 g, 51%)を白色の粉末として得た:

【0174】
d) 5-ブロモ-1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール

5-ブロモ-1-(3-クロロプロピル)-1H-インダゾール(2.14 g, 7.84 mmol)のDMF (40 mL)溶液にN2 (g)下、ヨウ化カリウム(1.3 mg, 7.8 mmol)およびK2CO3 (5.40 g, 39.2 mmol)を加えた。次いでピロリジン(17.2 ml, 26.6 mmol)を加えた。反応物を20時間50℃まで加熱した。反応物をEtOAc (100 mL)で希釈し、5% LiCl溶液で洗浄した(4回)。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮して表題の化合物(2.48 g, 定量的)を褐色の油状物として得た:

【0175】
e) 1-(1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

5-ブロモ-1-(3-(ピロリジン-1-イル)プロピル)-1H-インダゾール(137 mg, 0.444 mmol)および4-(5-(トリフルオロメチル)ピリジン-2-イル)ピリジン-2(1H)-オン(82 mg, 0.342 mmol)を実施例37 (段階eおよびh)にしたがい反応させて、表題の化合物(57.9 mg, 29%)を黄色の固形物として得た:

【0176】
実施例62
4-(4-(ピペリジン-1-イル)フェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン

1-(4-ブロモフェニル)ピペリジン(250 mg, 1.04 mmol)のDMSO (6 mL)溶液にビス-ピナコラトジボロン(314 mg, 1.24 mmol)およびKOAc (306 mg, 3.12 mmol)を加えた。反応物を真空下で30分間脱気し、次にフラスコをN2 (g)でフラッシュした。PdCl2dppf (85 mg, 0.104 mmol)を加え、次いで反応物を20時間60℃まで加熱した。冷却後、次に反応物を塩化メチレン(50 mL)で希釈し、5% LiCl溶液で洗浄した(4回)。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製(12 gのISCOカラム, 塩化メチレン/[MeOH/NH4OH 10:1)], 100:0〜85:15)により、表題の化合物(262 mg, 86%)を白色の粉末として得た: ESI MS m/z 288 [M + H]+
【0177】
b) 4-(4-(ピペリジン-1-イル)フェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに1-(4-(4,4,5,5-テトラメチル-1,3,2-ジオキサボロラン-2-イル)フェニル)ピペリジン(268 mg, 0.434 mmol)を用いて、表題の化合物(54.5 mg, 23%)を橙色の固形物として調製した: 融点(mp) 80-90℃;

【0178】
実施例63
4-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製
a) 5-メチル-2-(メチルチオ)ベンゾ[d]オキサゾール
Beilstein登録番号4849575

5-メチルベンゾオキサゾリン-2-チオン(1.0 g, 6.2 mmol)のアセトン(50 mL)溶液にヨードメタン(0.6 mL, 9.9 mmol)およびK2CO3 (3.4 mg, 24.8 mmol)を加えた。フラスコをN2 (g)でフラッシュし、混合物を室温で20時間撹拌した。次に反応物をセライトを通してろ過し、アセトンですすぎ、次いで有機物を濃縮した。得られた固形物をEtOAcに溶解し、水で洗浄した(3回)。有機物を乾燥させ(Na2SO4)、ろ過し、濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー精製(12 gのISCOカラム, ヘキサン/EtOAc, 95:5〜70:30)により、表題の化合物(1.04 g, 93%)を白色の粉末として得た:

【0179】
b) 4-(5-メチルベンゾ[d]オキサゾール-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリド

1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)-4-(トリメチルスタンニル)ピリジン-2(1H)-オン(実施例30、段階aにしたがって調製された) (250 mg, 0.530 mmol)、5-メチル-2-(メチルチオ)ベンゾ[d]オキサゾール(198 mg, 1.11 mmol)、臭化銅(II) (331 mg, 1.16 mmol)およびパラジウムテトラキストリフェニルホスフィン(61 mg, 0.053 mmol)を窒素雰囲気下、乾燥THF (6 mL)中で撹拌した。混合物を20時間70℃まで加熱した。冷却後に、混合物をTHFで希釈し、セライトを通してろ過し、THF/塩化メチレンですすいだ。有機物を濃縮し、フラッシュクロマトグラフィー(塩化メチレンおよびメタノール/アンモニア(10:1); 40 mL/分で35分間にわたり100%塩化メチレン〜15%メタノール/アンモニアで溶出する40 gのISCOカラム)によって精製し、次いで分取HPLCによってさらに精製した。適切な画分を濃縮し、塩化メチレンとNa2CO3との間で分配した。有機物をNa2SO4で乾燥させ、ろ過し、濃縮して遊離塩基を得た。これを塩化メチレン(2 mL)に溶解し、1当量のEt2O中2 M HClで処理し、混合物を濃縮して、表題の化合物(55.8 mg, 24%)を黄色の固形物として得た:

【0180】
実施例64
4-(5-メトキシ-1H-インドール-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに5-メトキシインドール-2-ボロン酸を用いて、表題の化合物(67 mg, 68%)を黄色の固形物として調製した:

【0181】
実施例65
4-(5-メトキシ-1-メチル-1H-インドール-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンジヒドロクロリドの調製

窒素雰囲気下で、4-(5-メトキシ-1H-インドール-2-イル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン(47 mg, 0.10 mmol)をDMF (5 mL)に溶解し、NaH (60%分散液, 5 mg, 0.12 mmol)を加えた。20分後、MeI (21 mg, 9.3μL, 0.15 mmol)を加え、混合物を終夜撹拌した。固形物を漉し取り、分取HPLCによって精製し、実施例1のようにジヒドロクロリドに変換して、表題の化合物(10 mg, 18%)を黄色の固形物として得た:

【0182】
実施例66
4-(4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニルボロン酸を用いて、表題の化合物(64 mg, 60%)を褐色の固形物として調製した:

【0183】
実施例67
4-(4-メチルシクロヘキサ-1-エニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

実施例1の手順にしたがい、しかしフェニルボロン酸の代わりに4-メチルシクロヘキサ-1-エニルボロン酸を用いて、表題の化合物(76 mg, 54%)を橙色の固形物として調製した:

【0184】
実施例68
4-(4-メチルシクロヘキシル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンヒドロクロリドの調製

4-(4-メチルシクロヘキサ-1-エニル)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オン(50 mg, 0.12 mmol)を実施例1 (段階d)の手順にしたがい反応させて、表題の化合物(EおよびZ異性体の混合物) (31 mg, 60%)を白色の固形物として得た:

【0185】
ヒトメラニン凝集ホルモン(MCH1)受容体の結合アッセイ法I
ヒトMCH1受容体に対する化合物の親和性の評価をMacDonald et al., 「Molecular characterization of the melanin-concentrating hormone/receptor complex: identification of critical residues involved in binding and activation」, Mol Pharmacol., 58:217 (2000)に記述されているように、トランスフェクト・チャイニーズハムスター卵巣(CHO)細胞において放射性リガンド結合アッセイ法で判定して行った。細胞膜ホモジネート(タンパク質5μg)を、25 mM Hepes/Tris (pH 7.4)、5 mM MgCl2、1 mM CaCl2および0.5%ウシ血清アルブミン(BSA)を含有する緩衝液中、試験化合物の非存在下または存在下で0.1 nMの[125I][Phe13,Tyr19]-MCHとともに22℃で60分間インキュベートした。非特異的な結合は0.1μM MCHの存在下で判定した。インキュベーション後、サンプルを真空下、ガラス繊維フィルタ(GF/B, Packard)を通して素早くろ過し、96サンプル・セルハーベスタ(Unifilter, Packard)を用いて25 mM Hepes/Tris (pH 7.4)、500 mM NaCl、5 mM MgCl2、1 mM CaCl2および0.1% BSAを含有する氷冷緩衝液で数回すすいだ。フィルタを乾燥させ、その後シンチレーションカクテル(Microscint 0, Packard)を使いシンチレーションカウンタ(Topcount, Packard)で放射能についてカウントした。
【0186】
結果は、対照の放射性リガンド特異的な結合の阻害率として表されている。IC50値(対照特異的な結合の半最大阻害を引き起こす濃度)およびHill係数(nH)を、Hill方程式の曲線適合を用い競合曲線の非線形回帰分析によって判定した。阻害定数(Ki)をCheng Prusoffの方程式: (Ki = IC50/(1+(L/KD))、ここでL = アッセイにおける放射性リガンドの濃度、およびKD = 受容体に対する放射性リガンドの親和性)から計算した。
【0187】
ヒトメラニン凝集ホルモン(MCH1)受容体の結合アッセイ法II
ヒトMCH1受容体に対する化合物の親和性の評価を、トリ-[3H]-標識4-(ベンジルオキシ)-1-(1-(2-(ピロリジン-1-イル)エチル)-1H-インダゾール-5-イル)ピリジン-2(1H)-オンおよびEuroscreen (Batch 1138)から入手したヒトMCH1受容体を発現する安定的なCHO-K1細胞から調製された膜を用いて行った。細胞膜ホモジネート(タンパク質8.92μg)を、50 mM Tris-HCl緩衝液, pH 7.4中、試験化合物の非存在下または存在下で1.4 nMの[3H]-標識化合物とともに25℃で60分間インキュベートした。非特異的な結合は50μMの1-(5-(4-シアノフェニル)ビシクロ[3.1.0]ヘキサン-2-イル)-3-(4-フルオロ-3-(トリフルオロメチル)フェニル)-1-(3-(4-メチルピペラジン-1-イル)プロピル)尿素の存在下で判定した。インキュベーション後、サンプルを真空下、Skatron 11731フィルタを通して素早くろ過し、0.5%ポリエチレンイミンに予浸し、Skatronセルハーベスタを用いて氷冷50 mM Tris-HCl緩衝液, pH 7.4 (洗浄の設定9,9,0)で洗浄した。シンチレーションカクテル(Ultima Gold MV, Perkin Elmer)を使い液体シンチレーションカウンタ(Tri-Carb 2100TR, Packard)で放射能についてフィルタをカウントした。
【0188】
結果は、対照の放射性リガンド特異的な結合の阻害率として表されている。IC50値(対照特異的な結合の半最大阻害を引き起こす濃度)およびHill係数(nH)を、Hill方程式の曲線適合を用い競合曲線の非線形回帰分析によって判定した。阻害定数(Ki)をCheng Prusoffの方程式: (Ki = IC50/(1+(L/KD))、ここでL = アッセイにおける放射性リガンドの濃度、およびKD = 受容体に対する放射性リガンドの親和性から計算した。
【0189】
上記の方法により、表1に記載の化合物を合成し、生物活性について試験した。表1中の化合物は全て、MCH1結合アッセイ法IまたはIIにおいて3.5μM未満のまたはそれと同等のKiを示した。
【表1】














IC50に対するKiは、測定された阻害率に基づいて約3μMであると推定される。
【0190】
本発明は、上記の例において見られる化合物に限定されることはなく、本発明の範囲内に入るその他多くの化合物を、上記の合成スキームに記載の手順を用いて調製することもできる。これらの方法を用いた式Iのさらなる化合物の調製は、化学分野の当業者には明らかであると考えられる。
【0191】
本発明をそのいくつかの態様に特に関連して詳細に記述してきたが、本発明の趣旨および範囲のなかで変形および変更を達成できることを当業者は理解すると考えられる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物:

式中
nが0もしくは1であり;
RがNR1R2であり、ここで、R1およびR2はそれぞれ独立してHおよび置換されていてもよいアルキルであるか、またはR1およびR2はそれらが結合しているN原子と一緒になって、示されているN原子に加えて1個もしくは2個のヘテロ原子を含んでいてもよい4〜7員の置換されていてもよい非芳香族複素環を形成し;
R3およびR4がそれぞれ独立してHもしくはアルキルであるか; またはRが、R3もしくはR4のいずれかと結合して、置換されていてもよいピロリジン-2-イルを形成していてもよく;
Bがアリール(ary)、ヘテロアリール、およびシクロアルキルより選択され;
R5、R6、R7がそれぞれ独立してH、-OH、-O-アルキル、アルキル、ハロ、-CF3、および-CN、-O-アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクリルより選択され; かつ
R14がHもしくは-OHであり;
ただし、nが0であり、R3およびR4がHであり、かつRがピロリジン-1-イルである場合で、さらに、
(a) Bが5〜7員の単環式芳香族複素環である場合には、該単環式芳香族複素環の少なくとも一つのヘテロ原子が、Bとピリジノン部分との結合位置に隣接しているという条件であり、かつ
(b) Bがメトキシにより2位でまたはメチルにより3位で置換されたフェニルである場合には、少なくとも一つのさらなる置換基がフェニル環上に存在するという条件である。
【請求項2】
nが0であり、R3およびR4がHであり、Rがピロリジン-1-イルであり、かつBが二環式芳香族複素環である場合に、
(i) 該二環式芳香族複素環の少なくとも一つのヘテロ原子が、Bとピリジノン部分との結合位置に隣接しているか、または
(ii) ピリジノン部分と結合している該二環式芳香族複素環の環がヘテロ原子を含んでいないか
のいずれかであるというさらなる条件を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Rが、ピロリジン-1-イル、3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、モルホリン-4-イル、3-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、ジメチルアミノ、ピペラジン-1-イル、アミノ、および2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イルからなる群より選択される、請求項1または2記載の化合物。
【請求項4】
Rが、S-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、R-3-ヒドロキシピロリジン-1-イル、S-3-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イルおよびR-3-ヒドロキシメチルピロリジン-1-イル、および(1S,4S)-2-オキサ-5-アザビシクロ[2.2.1]ヘプタン-5-イルより選択される、請求項1〜3のいずれか一項記載の化合物。
【請求項5】
R3およびR4が両方ともHである、請求項1〜4のいずれか一項記載の化合物。
【請求項6】
Rが、R3またはR4のいずれかと結合して、置換されていてもよいピロリジン-2-イルを形成している、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、4-トリフルオロメチルフェニルであり、かつnが1である、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
R14が-OHである、請求項7記載の化合物。
【請求項9】
nが0である、請求項1〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項10】
nが1である、請求項〜7のいずれか一項記載の化合物。
【請求項11】
Bがフェニルである、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項12】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、フェニル、4-クロロフェニル、4-フルオロフェニル、3-クロロフェニル、3-フェノキシフェニル、4-トリフルオロメチルフェニル、3-トリフルオロメチルフェニル、2,4-ジクロロフェニル、4-メチルフェニル、4-トリフルオロメトキシフェニル、4-シアノフェニル、4-メトキシフェニル、2-シアノ-4-フルオロフェニル、2,4-ジメトキシフェニル、2,4-ジフルオロフェニル、4-イソプロポキシフェニル、2,4-ジ-トリフルオロメチルフェニル、4-n-ブトキシ-2-メチルフェニル、2-メチルフェニル、4-ベンジルオキシ-2-メチルフェニル、4-クロロ-2-メトキシフェニル、ベンゾジオキソール-5-イル、4-メトキシ-2-メチルフェニルおよび2-クロロ-4-トリフルオロメチルフェニル、4-クロロ-2-フルオロフェニル、4-トリフルオロメチル-2-フルオロフェニル、4-メトキシ-2-フルオロフェニル、4-メトキシ-2-クロロフェニル、4-エトキシフェニル、4-トリフルオロメトキシ-2-フルオロフェニル、および4-トリフルオロメトキシ-2-メチルフェニル、4-(ピペリジン-1-イル)フェニル、および4-(1H-ピラゾール-1-イル)フェニルからなる群より選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、ナフタレン-1-イルおよびナフタレン-2-イルより選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項14】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、ベンゾチオフェンまたはベンゾフランである、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項15】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、ベンゾチオフェン-2-イルおよびベンゾフラン-2-イルより選択される、請求項14記載の化合物。
【請求項16】
Bがインドールである、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項17】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、5-メトキシインドール-2-イルである、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
BがN-アルキル置換インドールである、請求項16記載の化合物。
【請求項19】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、1-メチルインドール-2-イル、1-メチルインドール-5-イル、および1-メチル-5-メトキシインドール-2-イルより選択される、請求項17記載の化合物。
【請求項20】
Bがピリジンである、請求項〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項21】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、5-メチルピリジン-2-イル、5-クロロピリジン-2-イル、および5-トリフルオロメチルピリジン-2-イルより選択される、請求項20記載の化合物。
【請求項22】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、キノリン、キナゾリン、および置換されていてもよいピリダジンより選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項23】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、キノリン-2-イル、キナゾリン-2-イル、および6-トリフルオロメチルピリダジン-3-イルより選択される、請求項22記載の化合物。
【請求項24】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、1-メチルインダゾール-5-イルより選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項25】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、5-メチルベンゾイソオキサゾール-2-イルより選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項26】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、4-メチルシクロヘキサ-1-エニルより選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項27】
R5、R6およびR7と一緒になったBが、4-メチルシクロヘキサ-1-イルより選択される、請求項1〜10のいずれか一項記載の化合物。
【請求項28】





を含む群より選択される、請求項1のいずれか一項記載の化合物。
【請求項29】
その薬学的に許容される塩である、請求項28記載の化合物。
【請求項30】




を含む群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項31】
その薬学的に許容される塩である、請求項30記載の化合物。
【請求項32】



を含む群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項33】
その薬学的に許容される塩である、請求項32記載の化合物。
【請求項34】



を含む群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項35】
その薬学的に許容される塩である、請求項34記載の化合物。
【請求項36】
薬学的組成物であって、そのための薬学的に許容される担体、賦形剤、または希釈剤と、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物とを含む、薬学的組成物。
【請求項37】
非アルコール性脂肪性肝疾患を処置する方法であって、そのような処置を必要としている患者に、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物の治療的有効量を投与する段階を含む、方法。
【請求項38】
肥満を処置する方法であって、肥満の軽減を必要としている患者に、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物の、肥満の軽減に有効な量を投与する段階を含む、方法。
【請求項39】
不安(anxiety)を処置する方法であって、そのような処置を必要としている患者に、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む、方法。
【請求項40】
うつ病を処置する方法であって、そのような処置を必要としている患者に、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物の有効量を投与する段階を含む、方法。
【請求項41】
MCH1受容体モジュレーターによる処置に対して感受性のある疾患または状態を処置する方法であって、それを必要としている患者に、請求項1〜35のいずれか一項記載の化合物の治療的有効量を投与する段階を含む、方法。

【公表番号】特表2010−534248(P2010−534248A)
【公表日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−518311(P2010−518311)
【出願日】平成20年7月18日(2008.7.18)
【国際出願番号】PCT/US2008/070535
【国際公開番号】WO2009/015037
【国際公開日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【出願人】(509002589)アルバニー モレキュラー リサーチ, インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】