説明

5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤

【課題】5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤を提供する。
【解決手段】経皮吸収製剤層を含有する貼付剤であって、
該経皮吸収製剤層は、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類、溶解剤及び水性基剤(又はゴム系基剤)を含有し、かつ該有効成分を、経皮吸収製剤層の総量に基づき、0.1〜30質量%含有することを特徴とする貼付剤。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、皮膚疾患、例えば、肥厚性瘢痕、ケロイド、接触性皮膚炎、伝染性ゆうぜい(いぼ)、掌跡膿胞症あるいは線維性皮膚疾患等の予防及び治療に効果的な経皮吸収製剤層を含有する貼付剤に関する。より詳細には、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン(一般名:ピルフェニドン)又はその医学的に許容できる塩類を含有することを特徴とする貼付剤に関する。
【背景技術】
【0002】
5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンは、線維性疾患、例えば、肺線維症、前立腺の線維化肥大、腎硬化症等の予防及び治療に有用であることが知られている。
そして、今までに、肺線維症を治療するための薬剤として、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを主薬として含有する錠剤(特許文献1参照)が提案されている。また、線維性皮膚疾患の治療のための他の剤型の薬剤として、溶液状医薬組成物が提案されてきた(特許文献2参照)。
【0003】
しかしながら、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類を使用した、皮膚透過性、薬効の持続性等に優れ、粘着性、柔軟性、凝集性等が良好な皮膚疾患予防又は治療用の貼付剤については知られていない。
【特許文献1】国際公開第2002/060446号パンフレット
【特許文献2】特開2004−203795号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、上記課題を解決するものであり、その目的は、有効成分(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類)の皮膚透過性、薬効の持続性、粘着性、柔軟性、及び/又は凝集性が良好な5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者達は、上記目的を達成するために鋭意研究した結果、1)水性基剤において使用される数ある溶解剤のうち、溶解剤としてハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドを選択することにより、水性基剤に対する5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンの溶解性が向上し、基剤中に薬効を発揮するために十分な量の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを保持できるようになること、及び2)該溶解剤を配合したところの水性基剤において、その組成を、経皮吸収製剤層の総量に基づき、水溶性高分子1〜20質量%、架橋剤0.01〜20質量%、多価アルコール10〜80質量%、水を5〜80質量%と特定することにより、貼付剤として好ましい粘着性、柔軟性及び/又は凝集性を備えた水性型の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤を製造できることを見出した。
また、本発明者達は、1)ゴム基剤において使用される数ある溶解剤のうら、ハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール
、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール及び炭酸プロピレンを溶解剤として選択し、及び2)該溶解剤を配合したところのゴム系基剤において、その組成をゴム系高分子10〜50質量%、可塑剤10〜50質量%、粘着付与剤5〜50質量%と特定することにより、上記したような効果を有する油性型の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤を製造できることを見出し、本発明を完成させた。
【0006】
即ち、本発明の第一の態様は、経皮吸収製剤層を含有する貼付剤であって、
該経皮吸収製剤層は、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類、溶解剤及び水性基剤を含有し、かつ該有効成分を、経皮吸収製剤層の総量に基づき、0.1〜30質量%含有することを特徴とする貼付剤に関する。
本発明の第二の態様は、前記溶解剤がハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群から選択されることを特徴とする第一の態様の貼付剤に関する。
本発明の第三の態様は、前記水性基剤が、経皮吸収製剤層の総量に基づき、水溶性高分子を1〜20質量%、架橋剤を0.01〜20質量%、多価アルコールを10〜80質量%、水を5〜80質量%含有することを特徴とする第一又は第二の態様の貼付剤に関する。
本発明の第四の態様は、経皮吸収製剤層を含有する貼付剤であって、
該経皮吸収製剤層は、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類、溶解剤及びゴム系基剤を含有し、かつ該有効成分を、経皮吸収製剤層の総量に基づき、0.1〜30質量%含有することを特徴とする貼付剤に関する。
本発明の第五の態様は、前記溶解剤が、ハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール及び炭酸プロピレンからなる群から選択されることを特徴とする第四の態様の貼付剤に関する。
本発明の第六の態様は、前記ゴム系基剤が、経皮吸収製剤層の総量に基づき、ゴム系高分子を10〜50質量%、可塑剤を10〜50質量%、粘着付与剤を5〜50質量%含有することを特徴とする第四又は第五の態様の貼付剤に関する。
【発明の効果】
【0007】
本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、使用される基剤(水性基剤又はゴム系基剤)に応じて、適当な溶解剤を選択して使用することにより、基剤に対する有効成分(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類)の溶解能が向上するため、有効成分の皮膚透過性が高く、基剤中に薬効を発揮するために十分な量の有効成分を保持することができ、長時間にわたりその薬効が持続する。
更に、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、基剤に応じて適当な溶解剤を選択し、かつ該溶解剤を特定の基剤成分と組み合わせたことに
より、貼付剤において好ましい粘着性、柔軟性及び/又は凝集性を備えたものとなった。
従って、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤を使用することにより、肥厚性瘢痕、ケロイド、接触性皮膚炎、伝染性ゆうぜい(いぼ)、掌跡膿胞症あるいは線維性皮膚疾患等の皮膚疾患を効果的に予防及び治療することができる。
その上、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、患部に貼付することにより薬効成分、即ち5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを局所投与することができ、しかもその薬効成分は貼付剤を貼付した患部部位に直下浸透する。
したがって、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、薬剤が全身に拡散することがないので、光線過敏症等の副作用の発生なく効果的に皮膚疾患を予防及び治療することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本発明の貼付剤の有効成分は、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンである。
また、有効成分である5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンは、その医学的に許容できる塩類であっても良い。
このような塩類としては、例えば、塩酸、硫酸、リン酸、パラトルエンスルホン酸、メタンスルホン酸等の酸との酸付加塩、又は、例えば、ナトリウム塩、カリウム塩等のアルカリとの塩等が挙げられる。
本発明の貼付剤において、有効成分の配合量は、処方によって異なるが、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.1〜30質量%、好ましくは約0.5〜20質量%、とりわけ約0.5〜10質量%配合するのが望ましい。
【0009】
本発明の貼付剤において使用される溶解剤は、有効成分である5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを溶解又は懸濁させる基剤(水性基剤又はゴム系基剤)によって異なる。
溶解剤は、基剤として水性基剤が使用される場合は、ハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群から選択され、また、基剤としてゴム系基剤が使用される場合は、ハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール及び炭酸プロピレンからなる群から選択される。
基剤に応じて使用されるこれらの溶解剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの溶解剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.1〜20質量%である。
【0010】
本発明の貼付剤の基剤は、水性基剤又はゴム系基剤であることが好ましい。水性基剤としては、例えば、成分1):水溶性高分子、成分2):架橋剤、成分3):多価アルコール及び水を混合してなるものを使用することができ、またゴム系基剤としては、例えば、成分4):ゴム系高分子、成分5):可塑剤、成分6):粘着付与剤を混合してなるものを使用することができる。
【0011】
成分1)の水溶性高分子としては、例えば、ポリアクリル酸、ポリアクリル酸塩、ポリアクリル酸部分中和物、ポリアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ヒドロキシエチルセルロース、アクリル酸デンプン、エチル酢酸ビニル、ゼラチン、デンプン、オイドラギッド、アルギン酸、アルギン酸ナトリウム、トラガント等を利用することができるが、この限りではない。また、これらの水溶性高分子は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。
これらの水溶性高分子の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約1〜20質量%、好ましくは約5〜15質量%である。
【0012】
成分2)の架橋剤としては、例えば、水などに溶解した場合に二価又は三価の金属イオンを生成する塩類などを用いることができる。このような架橋剤の例としては、水酸化アルミニウム、水酸化アルミニウムマグネシウムのような水酸化物、或いは塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、ジヒドロキシアルミニウムアミノアセテート、カオリン、ステアリン酸アルミニウム、水酸化マグネシウム、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウムのような無機酸又は有機酸の正塩もしくはそれらの塩基性塩、アルミニウムミョウバンのような複塩、更にアルミン酸ナトリウムのようなアルミン酸塩、無機性アルミニウム錯塩及び有機性アルミニウムキレート化合物、合成ヒドロタルサイト、メタケイ酸アルミン酸マグネシウム、ケイ酸アルミン酸マグネシウム、硝酸アルミニウム、硫酸アルミニウム、EDTA−アルミニウム、アルミニウムアラントイネート、酢酸アルミニウム、アルミニウムグリシナール等を挙げることができるが、この限りではない。また、これらの架橋剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの架橋剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、0.01〜20質量%、好ましくは0.02〜5質量%である。
前述の架橋剤としての二価又は三価の金属イオンを生成する塩類は、水溶性のものであっても、水に難溶性のものであってもよい。前記架橋剤として水に難溶性のアルミニウム化合物を用いたとき、ゲル化を行なうべき反応系中に反応速度調整剤を添加することができ、特に酸を添加することでゲル化の反応速度を速くすることが可能である。酸として特に水酸基を含む有機酸又はその塩類を添加することによって、ゲル化反応は著しく速くなる。これらの架橋反応の速度調節剤としては、クエン酸、乳酸、酒石酸、グルコン酸、グリコール酸、リンゴ酸、フマール酸、メタスルホン酸、マレイン酸、酢酸、EDTA−2ナトリウム、尿素、トリエチルアミン、アンモニア等の、金属イオンに対してキレート形成能又は配位能を持つ有機酸、有機酸塩、有機塩基など、及び塩酸、リン酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸等の無機酸等を利用することができるが、この限りではない。
【0013】
成分3)の多価アルコールの例としては、エチレングリコール、トリメチレングリコール、1,3−ブタンジオール、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、グリセリン、トリオキシイソブタン、エリトリット、ペンタエリトリット、キシリット、アドニット、アロズルシット、ソルビトール、ソルビット液、マンニトール、ポリエチレングリコール等が挙げられるが、この限りではない。また、これらの多価アルコールは、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの多価アルコールの配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約10〜80質量%、好ましくは約10〜60質量%である。
【0014】
また、水性基剤は、水を含み、その配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約5〜80質量%である。
【0015】
好ましくは、水性基剤は、その総量に基づき、水溶性高分子を5〜15質量%、架橋剤
を0.02〜5質量%、多価アルコールを10〜60質量%、水を10〜60質量%含む。
【0016】
成分4)のゴム系高分子の例としては、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体、スチレンブタジエンブロック共重合体、ポリイソブチレン、生ゴム、ポリイソプレン、ポリブテン等が挙げられるが、この限りではない。これらのゴム系高分子は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いても良い。これらのゴム系高分子の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約10〜50質量%である。
【0017】
成分5)の可塑剤の例としては、流動パラフィン、植物油、動物油、ポリブテン、低分子ポリイソブチレン、ワセリン、ラノリン、高級脂肪族エステル等が挙げられるが、この限りではない。また、これらの可塑剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの可塑剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約10〜50質量%である。
【0018】
成分6)の粘着付与剤の例としては、石油樹脂、ロジン系樹脂、水添ロジン、エステルガム、テルペン樹脂、変性テルペン樹脂、芳香族炭化水素樹脂、脂肪族炭化水素樹脂等が挙げられるが、この限りではない。これらの粘着付与剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの粘着付与剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約5〜50質量%である。
【0019】
好ましくは、ゴム系基剤は、その総量に基づき、ゴム系高分子を10〜40質量%、可塑剤を10〜40質量%、粘着付与剤を5〜40質量%含む。
【0020】
本発明の貼付剤の経皮吸収製剤層には、有効成分である5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容され得る塩類、溶解剤及び水性又はゴム系基剤の他に、必要に応じて、他の種々の添加剤、例えば、従来の経皮吸収製剤において慣用の経皮吸収促進剤、粘着付与剤、軟化剤、酸化防止剤、老化防止剤、保存剤、着香剤、pH調整剤、乳化剤、分散剤、安定化剤、防腐剤、賦形剤等を配合することができる。
【0021】
経皮吸収促進剤の例としては、従来の経皮吸収製剤において慣用のものであれば特に限定されないが、例えば、アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、脂肪酸エーテル、乳酸エステル、酢酸エステル、テルペン系化合物、ピロリドン誘導体、有機酸、有機酸エステル、精油、炭化水素、炭化プロピレン、エイゾン又はその誘導体等が挙げられる。更に具体的には、経皮吸収促進剤として、エタノール、ラウリルアルコール、ミリスチルアルコール、セチルアルコール、クロタミトン、シクロデキストリン、チオグリコール酸カルシウム、N−メチル−2一ビロリドン、乳酸エチル、乳酸セチル、乳酸、尿素、1一メントール、d−リモネン、d
l一カンフル等が挙げられる。これらの経皮吸収促進剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの経皮吸収促進剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.1〜20質量%である。
【0022】
粘着付与剤の例としては、シリコーンゴム、ポリイソブチレンゴム、スチレン−ブロック共重合体ゴム、アクリルゴム、天然ゴム系接着性物質等が挙げられるが、この限りではない。これらの粘着付与剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの粘着付与剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約5〜50質量%である。
【0023】
軟化剤の例としては、流動パラフィン、ポリブテン、ヒマシ油、綿実油、パーム油、ヤシ油、プロセスオイル等が挙げられるが、この限りではない。これらの軟化剤は、1種の
みを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの軟化剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約1〜50質量%である。
【0024】
酸化防止剤の例としては、アスコルビン酸、パルミチン酸アスコルビン酸、亜
硫酸水素ナトリウム、エデト酸ナトリウム、エデト酸4ナトリウム、乾燥亜硫酸ナトリウム、クエン酸、クエン酸ナトリウム、酢酸トコフェロール、dl−α−トコフェロール、ジクロルイソシアヌル酸カリウム、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、大豆レシチン、ピロ亜硫酸ナトリウム、ベンゾトリアゾール、ペンタエリスリル−テトラキス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、没食子酸プロピル、2−メルカプトベンズイミダゾール等が挙げられるが、この限りではない。これらの酸化防止剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの酸化防止剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.005〜20質量%である。
【0025】
老化防止剤の例としては、グリシン、プロリン、ヒドロキシプロリン、ロイシン、アラニン、γ−アミノ酪酸、ε−アミノプロン酸等のアミノ酸類、レチノール、チアミン、リボフラビン、塩酸ピリドキシン、パントテン酸等のビタミン類、グリコール酸、乳酸、サリチル酸等のヒドロキシ酸類、タンニン、フラボノイド、サポニン、アラントイン、及びカミツレ、カンゾウ、ローマカミツレ、カロット、コメ等の植物由来の成分、エキス及び精油等が挙げられるが、この限りではない。これらの老化防止剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの老化防止剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.005〜20質量%である。
【0026】
保存剤の例としては、パラヒドロキシ安息香酸メチル、パラヒドロキシ安息香酸エチル、パラヒドロキシ安息香酸プロピル、クロロブタノール、ベンジルアルコール等が挙げられるが、この限りではない。これらの保存剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの保存剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.005〜5質量%である。
【0027】
着香剤の例としては、ベンジル、酢酸リナリール、酢酸アミル、ベンズアルデヒド、桂皮アルデヒド、シトロネラール、メントール、シトラール、シスジャスモン等の香料物質及びサリチル酸メチル、カンファー、クレゾール等の薬効物質が挙げられる。これらの着香剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの着香剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.05〜5質量%である。
【0028】
pH調整剤としては、従来の経皮吸収製剤において慣用のものであれば特に限定されないが、例えば、塩酸、硫酸、硝酸、臭化水素酸、リン酸等の無機酸又はこれらの塩、酢酸、コハク酸、フマル酸、リンゴ酸、シュウ酸、乳酸、グルタル酸、サリチル酸、酒石酸等の有機酸又はこれらの塩、パルチミン酸、ステアリン酸、オレイン酸、リノール酸等の脂肪酸又はこれらの塩、及び水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム等の無機塩基、アンモニア、ジイソプロパノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、トリエチルアミン等の有機塩基が挙げられる。これらのpH調整剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらのpH調整剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.05〜10質量%である。
【0029】
乳化剤の例としては、ソルビタンモノオレート、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリN−ビニルピロリドン、キチン、キトサン、セルロース等が挙げられるが、この限りではない。これらの乳化剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの乳化剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.05〜10質量%である。
【0030】
分散剤の例としては、経皮吸収製剤層中の諸成分の分散性を高めるものであれば特に限定されないが、例えば、合成ケイ酸アルミニウム、含水ケイ酸アルミニウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、酸化亜鉛、酸化チタン、ステアリン酸金属塩等の脂肪酸金属塩等が挙げられる。これらの分散剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの分散剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.5〜50質量%である。
【0031】
安定化剤としては、例えば、上記でpH調整剤として例示したものを用いることができる。更に、安定化剤としては、亜硫酸水素ナトリウム、アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、ブチルヒドロキシアニソール、ジブチルヒドロキシトルエン、没食子酸プロピル、酢酸トコフェロール、D−α−トコフェロール等を用いることもできる。これらの安定化剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの安定化剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.005〜20質量%である。
【0032】
防腐剤の例としては、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、フェノキシエタノール等が挙げられるが、この限りではない。これらの防腐剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの防腐剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.005〜5質量%である。
【0033】
賦形剤の例としては、グルコース、フルクトース、ガラクトース、マンノース、パラチノース、シュクロース、マルトース、ラクトース、トレハロース、オリゴ糖類、デキストリン等の糖類、結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース又はその塩、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース等のセルロース類等が挙げられるが、この限りではない。これらの賦形剤は、1種のみを用いてもよいし、又は、2種以上を適宜混合して用いてもよい。これらの賦形剤の配合量は、経皮吸収製剤層の総量に基づき、約0.1〜40質量%である。
【0034】
本発明の貼付剤は、用途に応じて、例えばバップ剤、ブラスター剤、テープ剤等の各種貼付剤の形態であってよい。本発明の貼付剤は、例えば、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン及び溶解剤を水性基剤又はゴム系基剤に所定量添加したもの(経皮吸収製剤)を、適当な支持体に所定の厚さで塗膏して経皮吸収製剤層を形成し、その上から所定のライナーで被覆し、これを所望の大きさに裁断することにより製造できる。また、本発明の貼付剤は、その製造方法によっては、例えば、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン及び溶解剤を含有する基剤(経皮吸収製剤)をまずライナーに塗膏して経皮吸収製剤層を形成し、その上から支持体で被覆し、該経皮吸収製剤層を該支持体上に転写することにより形成してもよい。
【0035】
また、本発明の貼付剤は、患部に直接接触するものであるので、上記したように製造した後、滅菌処理を施すことが好ましい。滅菌方法としては、従来の薬剤の滅菌において慣用の方法であれば特に限定されないが、例えば、γ線滅菌法、電子線滅菌法、高圧蒸気滅菌法、エチレンオキサイドガス滅菌法等が使用される。
【0036】
本発明の貼付剤において使用される支持体は特に限定されず、貼付剤の支持体として慣用の材料を使用することができる。これらの支持体としては、例えば、天然又は合成高分子の織布、不織布、シート、フィルム又はそれらの積層体、好ましくは、塩化ビニルフィルム、ポリエチレン系フィルム、エチレン共重合フィルム、ポリプロピレン系フィルム、ポリウレタン、更には織布及び不織布及びこれらとプラスチックとの積層体が用いられる。
また、これらの支持体の大きさ、形状、厚さ等は適宜選択される。
【0037】
本発明の貼付剤において使用されるライナーは特に限定されず、貼付剤のライナーとして慣用の材料を使用することができる。これらのライナーとしては、例えば、天然又は合成高分子のシート、フィルム又はそれらの積層体、好ましくは、剥離し易くするための処理(例えば、合成高分子のコーティング)を施した剥離紙や、セロファン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリブロピレン、ポリエステル、ポリ塩化ビニリデン等のシート、フィルム又はそれらの積層体が挙げられる。
【0038】
以下、実施例及び試験例を挙げて本発明の有用性について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。なお、特に記載がない限りは、部は質量に基づくものとする。
【実施例】
【0039】
実施例1
ポリアクリル酸ナトリウム5部、アクリル酸デンブン2.5部、カルボキシメチルセルロースナトリウム1部及び濃グリセリン30部を混合した(A液)。有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン2部又は3部と酒石酸1部を水54.13部又は53.16部に混合した(B液)。ハッカ油1部(溶解剤)を界面活性剤0.3部に溶解した(C液)。A液にB液及びC液を加え、更にポリアクリル酸共重合エマルジョン3部及び水酸化アルミニウムゲル0.04部を加えて均一に混合した。この混合物(経皮吸収製剤)をポリエチレン製フィルム(ライナー)上に展延して経皮吸収製剤層を形成し、その上からポリエステル製の不織布(支持体)で被覆した。これを所望の大きさに裁断して、実施例1の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを2%又は3%含有する貼付剤を得た。
【0040】
実施例2
ポリイソブチレン10部、スチレンイソプレンスチレンブロック共重合体25部、ジブチルヒドロキシトルエン0.5部、流動パラフィン39.5部、石油系樹脂17部を140℃で混合した(A液)。有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン3部をプロピレングリコール5部(溶解剤)に均一に混合した。A液を120℃まで加熱してから、A液にB液を加えて混合した。この混合物(経皮吸収製剤)をポリエステル製不織布(支持体)上に展延して経皮吸収製剤層を形成し、その上からポリエステル製フィルム(ライナー)で被覆し、室温まで冷却した後、これを所望の大きさに裁断して、実施例2の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを3%含有する貼付剤を得た。
【0041】
試験例1:invitro皮膚透過性試験
1)試験方法
ペントバルビタールナトリウム麻酔下、Wistar系雄性ラット(7週齢)の腹部を剃毛し、皮膚を切り取り、皮膚真皮側の脂肪を注意深く取り除いた。予め37℃の水を循環させた縦型拡散セルに真皮側を下にし皮膚を貼り付け、その中央部に直径1cmに打ち抜いた実施例1で製造した2%貼付剤を貼付した後、ドーム型セルを用いて挟み固定した。次に37℃の恒温槽で保温されていたレシーバー液を真皮側に入れ、L字管をサンプリングポートに取り付け、固定した後、更に一定量のレシーバー溶液を加えた。レシーバー溶液をマグネチックスターラーにて撹拌し、その後、経時的に、一定量のレシーバー溶液を採取し、同量のレシーバー溶液を補充した。採取したサンプル中の有効成分(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン)の量を、以下に示した条件を用いた高速液体クロマトグラフィー(HPLC)により定量し、5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンの累積皮膚透過量及び皮膚透過速度を算出した。その結果を、それぞれ図
1及び図2に示す。
<HPLC条件>
カラム :CAPCELL PAK C18 5μm 4.6×150mm
カラム温度:40℃
流速 :1mL/分
検出波長 :318nm
注入量 :10μL
移動相 :アセトニトリル:メタノール:50mMリン酸緩衝液(pH2.7)
=225:100:675(9:4:27)
2)結果
(1)5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンの累積皮膚透過量
図1に示したように、皮膚に貼付してから12時間後には、実施例1の本貼付剤中には、有効成分(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン)は約20%程度しか残存していなかった。言い換えると、実施例1の本貼付剤は、24時間にわたり累計約90%もの有効成分を皮膚へ放出した(透過させた)。
このことから、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン
含有貼付剤は、有効成分の皮膚透過性及びその薬効の持続性が優れたものであることが判った。
(2)5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンの皮膚透過速度
図2に示したように、実施例1の貼付剤は、皮膚に貼付してから3時間の間は、
有効成分(5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン)の皮膚透過速度が0.1mg/cm2/h以上と非常に速かった。
このことから、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、速効性に優れたものであることが判った。
【0042】
試験例2:肥厚性瘢痕治療試験
1)試験方法
養豚場での切傷により肥厚性瘢痕を作製したブタ(18週齢/Duroc種系統/性別雌)を、対照群、基剤群及び3%貼付剤群の3群に分けた。3%貼付剤群及び基剤群の各ブタの肥厚性瘢痕部位に、それぞれ、実施例1の本貼付剤及び経皮吸収製剤層から5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンを除いた以外は実施例1と同様の貼付剤を切傷作成後25日より1日1回24時間貼付した。
9週間後、各群のブタの肥厚性瘢痕部位の摘出皮膚(瘢痕皮膚)の厚さ及び正常な摘出皮膚の厚さをデジタルスケールで測定した。
得られた3群のブタの瘢痕皮膚及び正常な皮膚の厚さについての統計解析を、Dunnettの多重比較検定により行った。結果を図3に示す。
図3において、**は、p<0.01(対 対照群)を表わす。
2)結果
図3に示したように、経皮吸収製剤層中に5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンと溶解剤との組み合わせを含む本発明の貼付剤を使用した貼付剤群では、瘢痕皮膚の厚さがほぼ正常な皮膚の厚さまで減少(回復)したのに対し、経皮吸収製剤層中に該組み合わせを含まない基剤群では、瘢痕皮膚の厚さは、ほとんど減少しなかった。
上記結果より、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、ブタをモデルとした肥厚性瘢痕の予防及び治療において効果的であることが判った。
ヒトと皮膚構造が似ているとされるブタの皮膚においてこのような結果が得られたことから、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、ヒトの肥厚性瘢痕の予防及び治療においても同様に効果的であるといえる。
更に、上記した肥厚性瘢痕試験の結果から、本発明の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤は、5−メチル−1−フェニル−2(1H)−ピリドンが
治療薬として有効なケロイド、接触性皮膚炎、伝染性ゆうぜい(いぼ)、掌跡膿胞症又は線維性皮膚疾患等のその他の皮膚疾患の予防及び治療にも同様に効果的であるといえる。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【図1】図1は、実施例1の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤をラットの皮膚に貼付した後の経過時間と5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドンの累積透過量との関係を示すグラフである。
【図2】図2は、実施例1の5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン含有貼付剤をラットの皮膚に貼付した後の経過時間と皮膚透過速度との関係を示すグラフである。
【図3】図3は、試験例2のブタの肥厚性瘢痕抑制試験の結果を示すグラフである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
経皮吸収製剤層を含有する貼付剤であって、
該経皮吸収製剤層は、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類、溶解剤及び水性基剤を含有し、かつ該有効成分を、経皮吸収製剤層の総量に基づき、0.1〜30質量%含有することを特徴とする貼付剤。
【請求項2】
前記溶解剤がハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン、マクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール、炭酸プロピレン及び中鎖脂肪酸トリグリセリドからなる群から選択されることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
【請求項3】
前記水性基剤が、経皮吸収製剤層の総量に基づき、水溶性高分子を1〜20質量%、架橋剤を0.01〜20質量%、多価アルコールを10〜80質量%、水を5〜80質量%含有することを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付剤。
【請求項4】
経皮吸収製剤層を含有する貼付剤であって、
該経皮吸収製剤層は、有効成分として5−メチル−1−フェニル−2−(1H)−ピリドン又はその医学的に許容できる塩類、溶解剤及びゴム系基剤を含有し、かつ該有効成分を、経皮吸収製剤層の総量に基づき、0.1〜30質量%含有することを特徴とする貼付剤。
【請求項5】
前記溶解剤が、ハッカ油、オレイルアルコール、イソプロパノール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、N−メチル−ピロリドン、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、トリアセチン、グリセリン、クロタミトン及びマクロゴール、ミリスチン酸イソプロピル、トリエチルヘキサン酸グリセリン、セバシン酸ジイソプロピル、セバシン酸ジエチル、アジピン酸ジイソプロピル、クエン酸トリエチル、サリチル酸エチレングリコール及び炭酸プロピレンからなる群から選択されることを特徴とする請求項4に記載の貼付剤。
【請求項6】
前記ゴム系基剤が、経皮吸収製剤層の総量に基づき、ゴム系高分子を10〜50質量%、可塑剤を10〜50質量%、粘着付与剤を5〜50質量%含有することを特徴とする請求項4又は5に記載の貼付剤。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−290984(P2008−290984A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−139653(P2007−139653)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(591051885)リードケミカル株式会社 (18)
【出願人】(000001926)塩野義製薬株式会社 (229)
【出願人】(503007106)KDL株式会社 (1)
【Fターム(参考)】