説明

5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)の阻害剤

本発明は、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質阻害剤である、式Iの化合物を提供する。式(I)の化合物は、抗アテローム性動脈硬化症性、抗喘息性、抗アレルギー性、抗炎症性、及び細胞保護性の薬剤として有用である
【化1】


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)を阻害する化合物、かかる化合物を含有する組成物、及びアテローム性動脈硬化症並びに関連疾患及び症状の治療及び予防のための、かかる化合物を用いた治療法に関する。
【背景技術】
【0002】
ロイコトリエン生合成の阻害は、長年にわたり、薬学研究の活発な領域となってきた。ロイコトリエンは、5−リポキシゲナーゼによるアラキドン酸の酸素付加を介して誘発される、強力な収縮及び炎症の媒介物質である。
【0003】
ロイコトリエン生合成阻害剤の1つのクラスは、5−リポキシゲナーゼ(5−LO)の阻害を介して作用することが知られているものである。一般に、5−LO阻害剤は、アレルギー性鼻炎、喘息、及び関節炎を含む炎症性症状の治療用に探求されてきた。5−LO阻害剤の一例は、市販薬ジレウトン(zileuton)であり、これは、喘息の治療用に適用されている。より最近では、5−LOがアテローム発生プロセスの重要な寄与因子であり得ることが報告されてきた;メラビアン(Mehrabian,M)ら著、「サーキュレーション・リサーチ(Circulation Research)」、2002年7月26日、第91巻、第2号、p.120〜126参照。
【0004】
5−LOとは異なる新規なクラスのロイコトリエン生合成阻害剤(現在はFLAP阻害剤として知られる)は、ミラー(Miller,D.K.)ら著「ロイコトリエン産生に必要な膜タンパク質の同定及び単離(Identification and isolation of a membrane protein necessary for leukotiriene production);ネイチャー(Nature)」、1990年1月18日、第343巻、第6255号、p.278〜281に記載されている。また、ディクソン(Dixon,R.A.)ら著、「ロイコトリエン合成のための5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質の必要性(Requirement of a 5−lipoxygenase−activating protein for leukotriene synthesis);ネイチャー」、1990年1月18日、第343巻、第6255号、p.282〜4も参照。5−LO阻害剤化合物は、内核膜の18,000ダルトンタンパク質、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質(FLAP)を同定及び単離するために用いられた。これらの化合物は、細胞ロイコトリエンの形成を阻害するが、可溶性5−LO活性に対しては何ら直接的な影響はない。細胞においては、アラキドン酸は、細胞質ゾルのホスホリパーゼ2の作用により膜リン脂質から遊離される。このアラキドン酸は、FLAPにより核膜結合性5−リポキシゲナーゼへ移行される。細胞内のFLAPの存在は、ロイコトリエンの合成に不可欠である。さらに、ヘルガドッティル(Helgadottir,A.)ら著、「ネイチャー・ジェネティクス(Nature Genetics)」、2004年3月、第36巻、第3号、p.233〜239に記載された研究に基づき、5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質をコードしている遺伝子が、ヒトにおいて心筋梗塞及び卒中のリスクを与えると考えられている。
【0005】
アテローム性動脈硬化症、及びアテローム性動脈硬化症に続いて起こる疾病事象の、治療及び予防における有意な治療の進歩、例えばHMG−CoAレダクターゼ阻害剤を用いて達成されてきた改善にもかかわらず、さらなる治療選択肢が明らかに必要である。本発明は、アテローム性動脈硬化症並びに関連症状の治療又は予防のための、化合物、組成物、及び方法を提供することにより、その要求に対処する。
【発明の概要】
【0006】
発明の要旨
本発明は、FLAP阻害剤である式Iの化合物、その製造法、及びこれらの化合物を哺乳類、特にヒトにおいて使用するための方法及び製剤に関する。本発明は、構造式I:
【0007】
【化1】

【0008】
の化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を提供する。本発明はまた、アテローム発症を遅くするか又は停止させるための、本明細書に記載の化合物の使用をも包含する。それ故、本発明の1つの目的は、ひとたび臨床上明らかとなったアテローム動脈硬化性疾患の進行を停止又は遅くすることを包含する、アテローム性動脈硬化症を治療するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に対し、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含んでなる方法を提供することである。本発明の別の目的は、アテローム性動脈硬化症及びアテローム動脈硬化性疾患事象の、発症のリスクを予防又は低減するための方法であって、アテローム性動脈硬化症を発症するか又はアテローム動脈硬化性疾患事象をもつリスクのある患者に対し、式Iの化合物の予防有効量を投与することを含んでなる方法を提供することである。
【0009】
式Iの化合物はまた、抗喘息性、抗アレルギー性、抗炎症性、及び細胞保護性の薬剤としても有用である。それらはまた、アンギナ、大脳痙攣、糸球体腎炎、肝炎、内毒素血症、ブドウ膜炎、及び同種移植片拒絶の治療においても有用である。本発明は、上記記載の処置を必要とする患者に対し、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含んでなる治療法を提供する。
【0010】
さらなる目的は、他の抗アテローム性動脈硬化症薬を含む他の治療上有効な薬剤との併用における、式IのFLAP阻害剤の使用を提供することである。これらの及び他の目的は、本明細書に含まれる記載から明らかであろう。
【0011】
発明の詳細な記載
本発明は、構造式I:
【0012】
【化2】

【0013】
[式中、
qは、0(ゼロ)及び1(一)から選択される整数であり;
は、
(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N、S、及びOから選択される2乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい);
(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N及びOから選択される1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環はRで置換されていてもよい);
(c)8員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、1個の硫黄及び2〜4個の窒素から選択される、3〜5個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい);及び
(d)9員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、3〜4個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい);
(e)−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、及び−C2−6アルキニル(ここで、当該アルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、R12で置換されていてもよく、かつR13で置換されていてもよい);
(f)−C3−6シクロアルキル(これは、フルオロ、−NH、−OH、及び−C1−3アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択される、1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
(g)−O−R6a(ここで、R6aは、(1)R12で置換されていてもよく、かつR13で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(2)R12で置換されていてもよく、かつR13で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、及び(3)−C2−6アルキル−R10、からなる群より選択され;ただし、qが0のとき、R6aは、Zで置換された−C1−6アルキルではない);並びに
(h)−H、−OH、−CN、−CO4a、−C(O)NR、−NR、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−S(O)、及び−S(O)NR
からなる群より選択され;
pは、0、1、及び2から選択される整数であり;
は、(a)−OH及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基(例えば、1〜3個のフルオロ)で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(b)1〜3個のフルオロで置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、及び
【0014】
【化3】

【0015】
からなる群より選択され;
nは、0、1、2、及び3から選択される整数であり;
は、−H、−F、−OH、及び−C1−3アルキル(これは、1〜5個のフルオロで置換されていてもよい(例えば、−CFを含む))からなる群より選択されるか;又は
及びRは、一緒になって、3乃至8個の炭素原子を含有する単環又は二環式の環系を表わし、当該系は、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、F、OH、モノ−、ジ−又はトリ−フルオロC1−3アルキル、及びモノ−、ジ−又はトリ−フルオロC1−3アルコキシ、から選択される1〜2個の基で置換されていてもよく;
Xは、−O−、−S−、及び−C(R14−からなる群より選択され;
4aは、−H、−C1−6アルキル、及び−C3−6シクロアルキルからなる群より選択され;
は、−H、−C1−6アルキル、及び−C3−6シクロアルキルからなる群より選択され;
は、−H、−F、及び−CHからなる群より選択され;
は、(a)−OH、−NH、−CN、−OC1−4アルキル、及びフルオロ(例えば、1〜3個のフルオロ)からなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(b)−C1−6アルキル−R10、(c)−OH、−NH、及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−OC1−6アルキル、(d)メチル、−OH、−NH、−CF、及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、(e)−NR、(f)−SO1−3アルキル、(g)−CO−R、(h)−OH、(i)=O(オキソ)、(j)−SH、(k)=S、(l)−SMe、(m)−Cl、(n)−CF、(o)−CN、及び(p)R10
からなる群より選択され;
は、(a)−H、(b)−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(c)メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、(d)−F及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−COC1−6アルキル、(e)メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−COC3−6シクロアルキル、及び(f)1個のNを含有する4〜6員の飽和ヘテロ環(ここで該環は、該環の炭素原子を介し−NRの窒素に結合されており、かつここで、該環は、メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、
からなる群より選択され;
は、(a)−H、(b)−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、及び(c)メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、
からなる群より選択され;
は、−H、−OH、−C1−3アルキル、及び−Fからなる群より選択され;
10は、(a)アゼチジニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、(b)ピロリジニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、(c)ピペリジニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、及び(d)モルホリニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、
からなる群より選択されるヘテロ環であり;かつ
Yは、(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至4個のN及び0乃至1個のSから選択される、1乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい);(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環はR11で置換されていてもよい);(c)9員の二環式芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至4個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい);及び(d)10員の二環式芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至4個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい)からなる群より選択され;かつ
11は、−F、−NH、−OH、−OC3−4シクロアルキル、−C1−3アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、及び−OC1−3アルキル(これは、フェニル又は1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
12は、−CO4a、−C(O)NR、−N(R、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−S(O)NR、−S(O)、−F、−CF、フェニル、Hetcy、及びZからなる群より選択され;
13は、−OH、−NH、及び1〜5個の−Fからなる群より選択され;
14は、−H、及び−C1−4アルキル(これは、1〜3個のフルオロ基で置換されていてもよい)からなる群より選択され;
各Rは、
a)−H、
b)−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、及び−C2−4アルキニル(ここで、各々は、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、−NH、−NHC1−4アルキル、及び−N(C1−4アルキル)、及び−CFからなる群より選択される1〜2個の置換基で、並びに1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、
c)Hetcy、及びHetcy−C1−4アルキル(ここで、Hetcy基は、−F、−OH、−COH、−C1−4アルキル、−CO1−4アルキル、−O−C1−4アルキル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−NHC(O)C1−4アルキル、オキソ、−C(O)NHC1−4アルキル、及び−C(O)N(C1−4アルキル)からなる群より選択される1〜2個の置換基で炭素上に置換されていてもよく;かつ、−C1−4アルキル及び−C1−4アシルからなる群より選択される基である場合には、窒素上に置換されていてもよく;かつ、Hetcy−C1−4アルキルのアルキル部分は、−OH、−CN、−OC1−4アルキル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、及び1〜3個のフルオロからなる群より選択されるメンバーで置換されていてもよい);
d)Z及びZ−C1−4アルキル−(ここで、Z−C1−4アルキル−のアルキル部分は、−OH、−CN、−OC1−4アルキル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、及び1〜3個のフルオロからなる群より選択される置換基で置換されていてもよい)、
からなる群より独立して選択され;
各Rは、−H、及び−C1−3アルキル(これは、NH、−OH、−F、−CN、及び−CFからなる群より選択される1〜2個のメンバーで置換されていてもよい)からなる群より独立して選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立して、−H、−F、−Cl、−OH、−CN、−C1−4アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、及び−OC1−4アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
Hetcyは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、及びβ−ラクタミル、δ−ラクタミル、γ−ラクタミル、及びテトラヒドロピラニルからなる群より選択され;
は、
a)Z
b)8員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、1個の硫黄及び2〜4個の窒素から選択される、3〜5個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい)、及び
c)9員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、3〜4個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい)、
からなる群より選択され;
は、
a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2〜4個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの窒素は、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよく、かつ該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい);
b)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1個の酸素又は1個の硫黄及び1〜2個の窒素から選択される、2〜3個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環の1つの窒素は、C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよく、かつ該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、及びC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されていてもよい)から選択される基で置換されていてもよい)、及び
c)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1〜2個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの窒素は、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよく、かつ該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい)、
からなる群より選択される]
の化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を提供する。
【0016】
本発明の別の実施態様は、以下の構造式Ia:
【0017】
【化4】

【0018】
[式中、変数(R、Y、その他)は、式Iに定義された通りである]
を有する化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を包含する。本発明のまた別の実施態様は、以下の構造式Ib:
【0019】
【化5】

【0020】
[式中、変数(R、Y、その他)は、式Iに定義された通りである]
を有する化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を包含する。
【0021】
本発明のさらなる実施態様は、式I及びIaの範囲内に入り、かつ構造式Ia−1:
【0022】
【化6】

【0023】
[式中、変数(R、Y、その他)は、式Iに定義された通りである]
を有する化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を包含する。本発明のさらに別の実施多様は、式I及びIbの範囲内に入り、かつ構造式Ib−1:
【0024】
【化7】

【0025】
[式中、変数(R、Y、その他)は、式Iに定義された通りである]
を有する化合物、及びその薬学的に許容され得る塩を包含する。
【0026】
式I、Ia、及びIa−1により定義される各々の実施態様の中で、第1のクラスの化合物は、ここにおいて、Yが1乃至2個のNヘテロ原子を含有する6員の芳香族ヘテロ環であり、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい。各々の第1のクラスの、第1のサブクラスにおいて、化合物はYが、
【0027】
【化8】

【0028】
から選択される。
各々の第1のクラス内の、第2のサブクラスにおいて、Yは、
【0029】
【化9】

【0030】
から選択される。
【0031】
式I、Ia、及びIa−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1のクラス及びその第1のサブクラスの中で、第2のクラスの化合物は、ここにおいて、R11が、存在する場合であれば、−NH、及び−OC1−3アルキル(これは、フェニル又は1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択される。
【0032】
式I、Ib、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、第3のクラスの化合物は、ここにおいて、Yが(a)5員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のN及びゼロ乃至1個のSから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい)、及び(b)6員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい)から選択される。各々の第3のクラスの、1つのサブクラスでは、化合物は、ここにおいて、Yが、
【0033】
【化10】

【0034】
から選択される。
【0035】
各々の第3のクラスの化合物の、別のサブクラスでは、ここにおいて、Yは6員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい)であり、また、さらなるサブクラスにおいては、Yは、
【0036】
【化11】

【0037】
から選択される。
【0038】
各々の第3のクラスの化合物の、さらに別のサブクラスでは、ここにおいて、Yが5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1個のN及び1個のSを含有する)であり、また、さらなるサブクラスにおいては、Yは、
【0039】
【化12】

【0040】
から選択される。
【0041】
式I、Ib、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第3のクラス及び上記に定義されたそのサブクラスの中で、第4のクラスの化合物は、ここにおいて、R11が−Fであるか、又は存在しない(すなわち、Yは未置換である)。
【0042】
式I、Ia、及びIbにより定義される各々の実施態様の中で、並びに第1、第2、第3、及び第4のクラスの各々の中で、及びその任意のサブクラスの各々において、第5のクラスの化合物は、ここにおいて、Rが、i−プロピル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、
【0043】
【化13】

【0044】
からなる群より選択される。各々の第5のクラスの化合物の1つのサブクラスでは、ここにおいて、Rが、i−プロピル及びt−ブチルから選択される。
【0045】
式I、Ia、及びIbにより定義される各々の実施態様の中で、並びに第1、第2、第3、第4、及び第5のクラスの中で、及びその任意のサブクラスの各々において、第6のクラスの化合物は、ここにおいて、Rが、−H及び−CHからなる群より選択される。そのさらなるサブクラスにおいては、化合物は、ここにおいて、Rがt−ブチルであるとき、Rは−Hであり;またRがi−プロピルであるとき、Rは−CHである。
【0046】
式Iにより定義される実施態様の中で、及び第1から第6までのクラスの各々の中で、及びその任意のサブクラスの各々において、並びに式Ibにより定義される実施態様の中で、及び第3から第6までのクラスの各々の中で、及びその任意のサブクラスの各々において、第7のクラスの化合物は、ここにおいて、Rが、−H、−CH、及び−CHCHからなる群より選択される。
【0047】
式Iにより定義される実施態様の中で、及び第1から第7までのクラスの各々の中で、及びその任意のサブクラスの各々において、並びに式Ibにより定義される実施態様の中で、及び第3から第7までのクラスの各々の中で、及びその任意のサブクラスの各々において、第8のクラスの化合物は、ここにおいてRが−Hである。
【0048】
式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1から第8までのクラスと、任意の式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1に関連するサブクラスとの中で、第9のクラスの化合物は、ここにおいてR、R、及びRが、各々−Hである。
【0049】
式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1から第9までのクラスと、任意の式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1に関連するサブクラスとの中で、第10のクラスの化合物は、ここにおいてRが、
(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2乃至4個のN、ゼロ乃至1個のO、及びゼロ乃至1個のSから選択される、全2乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N及びOから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(c)−C1−4アルキル(これは、R12で置換されていてもよく、また特に、ここにおいてR12は、Hetcy及びZから選択され、かつ、R13で置換されていてもよく、また特に、ここにおいてR13は、−OH、及び−NHから選択される)、
(d)−OR6a(ここにおいて、R6aは、R13で置換されていてもよい−C1−4アルキルであり、また特に、ここにおいてR13は、1〜5個のフルオロである)、
(e)−CO1−6アルキル、
(f)−C(O)NR
(g)−CN、及び
(h)−C3−6シクロアルキル(これは、R12で置換されていてもよく、また特に、ここにおいてR12は、Hetcy及びZから選択され、かつ、R13で置換されていてもよく、また特に、ここにおいてR13は、−OH、及び−NHから選択される)、
からなる群より選択される。
【0050】
各々の第10のクラスの化合物の、第1のサブクラスでは、ここにおいて、Rが5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2乃至4個のN、ゼロ乃至1個のO、及びゼロ乃至1個のSから選択される、全2乃至4個のヘテロを含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)であり、また特に、ここにおいてRは、
【0051】
【化14】

【0052】
から選択され、かつRで置換されていてもよい。
【0053】
各々の第10のクラスの化合物の、第2のサブクラスでは、ここにおいて、Rが6員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)であり、また特に、ここにおいてRは、
【0054】
【化15】

【0055】
から選択され、かつRで置換されていてもよい。
【0056】
各々の第10のクラスの化合物の、第3のサブクラスでは、ここにおいて、Rは、
(a)−C(CHOH、(b)−C(CHNH、(c)−C3−6シクロアルキル(これは、−OH及び−NHからなる群より選択される、1個以上の置換基で置換されていてもよい)、(d)−OCH(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、(e)−CN、(f)−CO1−6アルキル、及び(g)−C(O)NR(ここにおいて、Rは−Hであり、Rは、(i)−H、(ii)−C1−6アルキル(これは、−F及び−OHからなる群より選択される、1個以上の置換基で置換されていてもよい)、(iii)−C3−6シクロアルキル(これは、−F及び−OHからなる群より選択される、1個以上の置換基で置換されていてもよい)、及び(iv)4〜6員の飽和ヘテロ環(これは、1個のNを含有し、ここにおいて、該環は、該環の炭素原子を介し−NRの窒素に結合されており、例えば、Rが−Hであり、かつRが6員の飽和ヘテロ環であれば、−NRは、
【0057】
【化16】

【0058】
[式中、1つのQは−NHを表わし、残りのQは−CH−を表わす]
を表わし、かつ、ここにおいて、該飽和ヘテロ環は、メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、
から選択される。
【0059】
式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1から第10までのクラスと、任意の式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1に関連するサブクラスとの中で、第11のクラスの化合物は、ここにおいて、Rが、存在する場合、
(a)−CR(これにおいて、Rは、−H、−C1−3アルキル、及び−Fから選択され、Rは、−H、−C1−3アルキル、及び−Fから選択され、そしてRは、−H、−C1−3アルキル、−OC1−3アルキル、−F、−NH、及び−OHから選択され;或いは、R及びRは、それらが結合する炭素と一緒になって、以下の構造;
【0060】
【化17】

【0061】
を有するシクロプロピル環を形成する)、
(b)−C1−3アルキル−R10
(c)−R10
(d)−OC1−4アルキル(これは、1〜5個のフルオロで置換されていてもよい)
(e)−NR
(f)−SOCH
(g)オキソ、及び
(h)−CO1−6アルキル、
からなる群より選択される。
【0062】
各々の第11のクラスの化合物の、1つのサブクラスでは、ここにおいてRは、−C(CHOH、−C(CHNH、−CHOH、
【0063】
【化18】

【0064】
−CH、−CF、−CH−R10、−CH(CH)R10、−C(CH10、−SOCH、及び−NR、からなる群より選択され、ここにおいて、Rは、−H及び−C1−3アルキルから選択され、かつRは、−H、−C1−3アルキル、及び4〜6員の飽和ヘテロ環(これは、1個のNを含有し、ここにおいて、該環は、該環の炭素原子を介し−NRの窒素に結合されており、かつここで、該環は、メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)から選択される。
【0065】
式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1から第11までのクラスと、任意の式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1に関連するサブクラスとの中で、第12のクラスの化合物は、ここにおいて、R10が、
【0066】
【化19】

【0067】
から選択され、かつ、−OH及び1〜2個のフルオロから選択される、置換基で置換されていてもよい。
【0068】
式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1から第10までのクラスと、任意の式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1に関連するサブクラスとの中で、第13のクラスの化合物は、ここにおいて、R12が、存在する場合であれは、Hetcyである。そのさらなる化合物では、ここにおいて、R12は存在しない。
【0069】
式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1により定義される各々の実施態様の中で、並びに第1から第10及び第13までのクラスと、任意の式I、Ia、Ib,Ia−1、及びIb−1に関連するサブクラスとの中で、第14のクラスの化合物は、ここにおいて、R13が、存在する場合であれば、−OHである。そのさらなるサブクラスでは、ここにおいて、R12は存在せず、かつR13は、−OHであるか、又は存在しない。
【0070】
用語「アルキル」は、指示された数の炭素原子を含有する、直鎖又は分枝してもよい炭素鎖か、又はその組合せを意味する。アルキル基の例は、メチル、エチル、プロピル、イソ−プロピル(i−プロピル)、ブチル、sec−及びtert−ブチル(s−ブチル、t−ブチル)、ペンチル、ヘキシルなどを包含する。「シクロアルキル」は、指示された数の炭素原子を有する、環化されたアルキル環であることが意図される。シクロアルキルの例は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、及びシクロヘキシルを包含する。シクロアルキル環は、分子の残りの部分の結合点として役立つ環炭素を含め、安定構造を生じる結果となる任意の利用可能な炭素上に置換されてよい。好ましくは、シクロアルキルは、シクロプロピル又はシクロブチルであり、さらに特別には、それが−CH又は−CFで置換されている場合、置換基は、分子の残りの部分の結合点として役立つ環炭素上にある。
【0071】
用語「ヘテロ環(heterocycle)」及びその派生語、例えば「ヘテロシクリル」及び「ヘテロ環(heterocyclic ring)」は、芳香族、部分的に不飽和、又は飽和した環を意味し、これは、1個以上の炭素原子及び1個以上のヘテロ原子、例えば窒素、酸素、及び硫黄を含有するが、明細書において妥当な場合には、例えば、飽和度、環中の員(すなわち原子)の数、及び/又は、該環中のヘテロ原子のタイプ及び量について、さらに詳細に定義され得る。1つの化合物構造における結合点は、他に特定されない限り、該ヘテロ環内の、安定構造を生じる結果となる任意の利用可能な炭素又は窒素を介してもよい。該ヘテロ環は、他に特定されない限り、該環内の、安定構造を生じる結果となる任意の利用可能な炭素又は窒素上に置換されていてもよい。
【0072】
句「1個以上の置換基で置換されていてもよい」は、置換されていてもよい成分全体上の全置換基数が、ゼロ、1、又は1個以上であってよいこと、及び所与の成分において置換に利用可能な各炭素及びヘテロ原子(存在する場合には)が、独立して、未置換であってもよく、或いは、出現ごとに同じか又は異なりかつ安定構造を生じる結果となる1個以上の置換基により、一置換又は多置換されていてもよいことを意味する。用語「多置換された」とは、2個以上の置換基、例えば、ジ−、トリ−、テトラ−、ペンタ−置換、及びそれ以上の、価数及び安定性の許す適切な範囲までを意味することを意図している。例えば、1個以上のフルオロで置換されていてもよいC1−3アルキルは、制限されることなく、−CH、−CHF、−CHF、−CF、−CHCH、−CH−CHF、−CHF−CHF、−CF−CF、−CH(CF)−CH、−CF−CF−CFなどを包含する。ある例では、1つの成分上に存在してもよい置換基数が特定されており、例えば、制限されることなく1乃至3個の−F(フルオロ)である。例えば、1乃至3個の−Fで置換されていてもよいメチルは、−CH、−CHF、−CHF、及び−CFを包含する。
【0073】
本明細書に含まれるある化合物は、互変異性体、例えばケト−エノール互変異性体として存在してもよい。例示すれば、Rが5員のヘテロ環であり、かつRがオキソである場合、結果として生じる化合物は、以下:
【0074】
【化20】

【0075】
に例示されるような互変異性が可能であり得る。本発明化合物が互変異性可能である場合、全ての個々の互変異性体並びにその混合物は、本発明の範囲内に包含される。
【0076】
本発明化合物を、「式I」、「式Ia」、「式Ib」、又は、本明細書で使用される任意の他の一般構造式のものとして言及することは、他に特定しない限り、その薬学的に許容され得る塩、エステル、及び溶媒和物を含み(かかる形態が可能である場合に)、該構造式の範囲内に入る化合物を包含することを意図している。用語「薬学的に許容され得る塩」は、無機又は有機塩基、及び無機又は有機酸を含む、薬学的に許容され得る非毒性の塩基又は酸から調製される塩を指す。無機塩基から誘導される塩は、アルミニウム、アンモニウム、カルシウム、銅、第二鉄、第一鉄、リチウム、マグネシウム、第二マンガン塩、第一マンガン、カリウム、ナトリウム、亜鉛などを包含する。特に好適であるのは、アンモニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、及びナトリウムの塩である。薬学的に許容され得る有機非毒性塩基から誘導される塩は、第一級、第二級、及び第三級アミンの塩;天然産置換アミンを含む置換アミンの塩;環状アミン、及び塩基性イオン交換樹脂、例えば、アルギニン、ベタイン、カフェイン、コリン、N,N’−ジベンジルエチレンジアミン、ジエチルアミン、2−ジエチルアミノエタノール、2−ジメチルアミノエタノール、エタノールアミン、エチレンジアミン、N−エチル−モルホリン、N−エチルピペリジン、グルカミン、グルコサミン、ヒスチジン、ヒドラバミン、イソプロピルアミン、リジン、メチルグルカミン、モルホリン、ピペラジン、ピペリジン、ポリアミン樹脂、プロカイン、プリン、テオブロミン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリプロピルアミン、トロメタミンなどの塩を包含する。本発明化合物が塩基性である場合、塩は、無機及び有機酸を含む、薬学的に許容され得る非毒性の酸から調製され得る。かかる酸は、酢酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、カンフルスルホン酸、クエン酸、エタンスルホン酸、ギ酸、フマル酸、グルコン酸、グルタミン酸、臭化水素酸、塩酸、イセチオン酸、乳酸、マレイン酸、リンゴ酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、マロン酸、ムチン酸、硝酸、パモン酸、パントテン酸、リン酸、プロピオン酸、コハク酸、硫酸、酒石酸、p−トルエンスルホン酸、トリフルオロ酢酸などを包含し、特に、クエン酸、フマル酸、臭化水素酸、塩酸、トリフルオロ酢酸、マレイン酸、リン酸、硫酸、及び酒石酸を包含する。
【0077】
薬学的に許容され得るエステルは、化合物中で、利用可能なカルボン酸基のエステル化によるか、又は利用可能なヒドロキシ基でのエステル形成により、作成されてもよい。かかるエステル化化合物は、プロドラッグとして役立ってよく、これは、加水分解してその酸又はヒドロキシ型へ戻すことができる。薬学的に許容され得るエステルの例は、制限されることなく、−C1−4アルキル、及びフェニルで置換された−C1−4アルキルを包含する。
【0078】
式Iの化合物は、1つ以上の不斉中心を含有してよく、したがって、ラセミ体、ラセミ(すなわち、エナンチオマーの)混合物、単一エナンチオマー、ジアステレオ異性体混合物、及び個々のジアステレオ異性体として生じ得る。本発明は、全てのかかる異性体、並びに、かかるラセミ体、混合物、エナンチオマー、及びジアステレオ異性体の、塩、エステル、及び溶媒和物をも包含する。さらに、本発明化合物のある結晶型は、結晶多形として存在してもよく、それら自体が本発明に包まれることが意図されている。さらに、本発明のある化合物は、水又は一般的な有機溶媒と、溶媒和物を形成してもよい。かかる溶媒和物及び水和物も同様に、本発明の範囲内に包含される。
【0079】
構造式Iの化合物又は中間体は、適当な溶媒、例えば、DCM/ヘキサン、又はEtOAc/ヘキサンからの分別結晶によるか、又は光学活性固定相を用いたキラルクロマトグラフィーにより、個々のエナンチオマー又はジアステレオ異性体へ分離されてもよい。絶対立体化学は、結晶生成物か、又は必要であれば、既知の立体中心構造を含有する試薬を用いて誘導される結晶中間体の、X線結晶学により測定されてもよい。
【0080】
本発明化合物の、ロイコトリエン生合成を阻害する能力は、それらを、ヒト患者においてロイコトリエンにより誘発される症候群の、予防又は逆転のために有用なものにする。したがって、本発明は、哺乳類において、ロイコトリエンの合成、作用、又は放出を予防するための方法であって、本発明化合物のFLAP阻害性の有効量を、当該哺乳類に投与することを含んでなる方法を提供する。かかるFLAP阻害性の活性は、本明細書に記載のFLAPアッセイを用いて測定可能である。ロイコトリエンは強力な炎症媒介物質であることから、哺乳類において炎症性症状を治療する方法であって、本発明化合物の治療有効量を、かかる処置を必要とする哺乳類へ投与することを含んでなる方法も提供される。
【0081】
ロイコトリエンの哺乳類における生合成の阻害はまた、該化合物及びその薬学的に許容され得る組成物が、哺乳類、及び特にヒトにおけるアテローム性動脈硬化症を、治療、予防、又は改善するために有用であることを示している。それ故、式Iの化合物は、かかる処置を必要とする患者に対し、式Iの化合物の治療有効量を投与することを含んでなる、アテローム性動脈硬化症の治療のために使用可能である。本発明のさらなる側面は、アテローム性動脈硬化症発症のリスクを予防又は低減するための方法であって、かかる処置を必要とする患者、例えば、アテローム性動脈硬化症を発症するリスクがある患者に対し、式Iの化合物の予防有効量を投与することを含んでなる方法を包含する。
【0082】
アテローム性動脈硬化症は、大及び中サイズの動脈の壁の最内層上の、コレステロール及び脂質を含有するアテローム斑の堆積により特徴づけられる。アテローム性動脈硬化症は、医学の関連領域において診療する医師によって識別及び理解される、血管の疾患及び症状を包含する。アテローム性動脈硬化症は、血管再生処置に続く再狭窄、冠性心疾患(また冠動脈疾患、又は虚血性心疾患としても知られる)、多発梗塞性痴呆を含む脳血管疾患、及び勃起不全を含む末梢血管疾患を含め、全てアテローム性動脈硬化症の臨床上の症状発現であり、かつそれ故、用語「アテローム性動脈硬化症」及び「アテローム動脈硬化性疾患」によって包含される。
【0083】
本発明のFLAP阻害剤は、冠性心疾患(CHD)事象、脳血管事象、及び/又は間欠性跛行の、発症又はその可能性がある場合には再発の、リスクを予防又は低減するために投与されてよい。冠性心疾患事象は、CHD死、心筋梗塞(すなわち、心臓発作)、及び血管再生処置を包含することが意図されている。脳血管事象は、虚血性又は出血性の卒中(脳血管事故としても知られる)、及び一過性の虚血性発作を包含することが意図されている。間欠性跛行は、末梢血管疾患の臨床的症状発現である。本明細書で用いる場合、用語「アテローム動脈硬化性疾患事象」は、冠性心疾患事象、脳血管事象、及び間欠性跛行を包含することが意図されている。以前に1つ以上の非致死性のアテローム動脈硬化性疾患事象を経験したことのある人は、かかる事象の再発の可能性がある者であることを意味している。
【0084】
したがって、本発明はまた、アテローム動脈硬化性疾患事象の、最初又は後続の発症のリスクを予防又は低減するための方法であって、かかる事象のリスクがある患者への、式IのFLAP阻害剤の予防有効量の投与を含んでなる方法を包含する。該患者は、投与の時点で既にアテローム動脈硬化性疾患を有していてもよく、或いはその発症のリスクがあるのでもよい。
【0085】
本発明の方法は、とりわけ、新たなアテローム動脈硬化性の病巣又はプラークの形成を予防又は遅らせるため、及び既存の病巣又はプラークの進行を予防又は遅らせるため、並びに、既存の病巣又はプラークの退行を引き起こすために役立つ。したがって、アテローム性動脈硬化症の治療の範囲内に包含される本発明の1つの側面は、アテローム動脈硬化性のプラーク進行を止めるか又は遅らせることを含め、アテローム性動脈硬化症の進行を止めるか又は遅らせるための方法であって、かかる処置を必要とする患者に対し、式IのFLAP阻害剤の治療有効量を投与することを含んでなる方法を包含する。本方法はまた、本処置が開始される時点で存在しているアテローム動脈硬化性プラーク(すなわち、「既存のアテローム動脈硬化性プラーク」)の進行を、止めるか又は遅らせること、並びにアテローム性動脈硬化症の患者において新たなアテローム動脈硬化性プラークの形成を止めるか又は遅らせることも包含する。
【0086】
アテローム性動脈硬化症の治療の範囲内に包含される本発明の別の側面は、本処置が開始される時点で存在しているアテローム動脈硬化性プラークの退行を含め、アテローム性動脈硬化症の退行のための方法であって、かかる処置を必要とする患者に対し、式IのFLAP阻害剤の治療有効量を投与することを含んでなる方法を包含する。本発明の別の側面は、アテローム動脈硬化性プラークの破裂のリスクを防止又は低減するための方法であって、かかる処置を必要とする患者に対し、式IのFLAP阻害剤の予防有効量を投与することを含んでなる方法を包含する。
【0087】
式Iの化合物の、ロイコトリエン生合成を阻害する能力は、それらを、ヒト患者においてロイコトリエンにより誘発される症候群を、予防又は逆転するために有用なものにする。この、哺乳類ロイコトリエン生合成の阻害は、それ故、該化合物及びその医薬組成物が、哺乳類、特にヒトにおいて、1)喘息、慢性気管支炎、及び関連する閉塞性の気道疾患といった疾患を含む、肺疾患、2)アレルギー及びアレルギー性反応、例えばアレルギー性鼻炎、接触性皮膚炎、アレルギー性結膜炎など、3)炎症、例えば関節炎又は炎症性腸疾患、4)疼痛、5)皮膚疾患、例えばアトピー性湿疹など、6)心臓血管疾患、例えば、アンギナ、アテローム動脈硬化性プラークの形成、心筋虚血、高血圧、血小板凝集など、7)免疫学的又は化学的(シクロスポリン)病因により誘発される虚血から生じる腎不全、及び8)片頭痛又は群発頭痛、9)眼の症状、例えばブドウ膜炎、10)化学的、免疫学的、又は感染性の刺激から結果として生じる肝炎、11)熱傷、内毒素血症などといった外傷又はショック状態、12)同種移植片拒絶、13)インターロイキンII及び腫瘍壊死因子のようなサイトカインの治療的投与に付随する副作用の予防、14)慢性肺疾患、例えば、嚢胞性線維症、気管支炎、及び他の小−及び大−気道疾患、15)胆嚢炎、16)多発性硬化症、17)筋芽細胞性(myoblastic)白血病細胞の増殖、18)肺線維症、19)呼吸系発疹ウイルス、20)ニキビ、及び21)睡眠時無呼吸症の、リスクを予防又は低減するため、治療又は改善するために有用であることを示している。さらに、本発明化合物は、成人及び小児患者を含む患者に対し、季節性アレルギー性鼻炎を含むアレルギー性鼻炎の症状を緩和するために投与可能である。
【0088】
特に、本発明化合物は、成人及び小児患者を含む患者に対し、喘息の予防のため、及び喘息の慢性治療のために投与可能である。本発明化合物は、成人及び小児患者を含む患者に対し、喘息の治療のため:(1)軽度の持続性喘息の患者用の、低用量の吸入コルチコステロイド(ICS)に代わるものとして、(2)軽度の持続性喘息の患者用の、低用量の吸入コルチコステロイド(ICS)との付随療法として、又は(3)吸入コルチコイド(ICS)について、又は併用されたICS/長時間作用型ベータアゴニスト(LABA)療法について、不適当に管理されている持続性喘息患者における付随療法として、投与可能である。該化合物は、制限されることなく、ステロイド抵抗性/非抵抗性の喘息患者、ロイコトリエン調節剤が既に失敗している喘息患者、喫煙する喘息患者、及びアスピリン感受性喘息患者を含む、喘息患者の治療のために使用可能である。
【0089】
該化合物は、患者に対し:(1)FEV1(1分間の努力(expitory)肺活量)を改善するため、(2)朝晩のPEF(最大(expitory)流量)を改善するため、(3)ベータアゴニストの使用を低減するため(パフ/日により測定)、(4)吸入/全身のステロイド使用を低減するため、(5)昼間の喘息症状を改善するため、(6)夜間覚醒の回数を低減するため、(7)喘息管理日数を改善するため、(8)喘息憎悪の回数を低減するためであり、ここで憎悪は、全身的なステロイド、救急室訪問、入院、臨時の喘息関係医の訪問、>20%のA.M.PEF、又はA.M.PEF<180l/分間までの減少、ベースライン(最小増加2パフ)から>70%のSABA(短期作用型ベータ−アゴニスト)の使用、又は、>50%の症状スコアの増加を要するものとして定義される、(9)喘息発作の回数(特定の期間の全日数に対し、少なくとも1回の発作がある日の%として測定)を低減するためであり、ここで発作は、全身的なステロイド使用、救急室訪問、入院、又は臨時の喘息関係医の訪問を要するものである、(10)急性喘息発作の回数を低減するため、(11)血中及び痰中の好酸球を低減するため、及び/又は(12)EIB(運動誘発気管支収縮)を予防及び治療するために投与可能である。
【0090】
本発明のFLAP阻害剤は、骨形成を促進するための治療有効量において、かかる処置を必要とする患者に使用可能である。例えば、該化合物は、骨形成を促進して、骨折治癒を促進又は増強し、骨障害を治療し及び骨形成を増強するために使用可能であった。該化合物は、単独で、又は、骨再吸収を阻害し、骨からのカルシウム再吸収を調節し、骨蓄積を促進し、骨形成を促進し、骨形成を誘導し、微生物の増殖を損なわせ、炎症を低減し、及び/又は疼痛を低減する、1種以上の追加の薬剤と併用して投与することができる。
【0091】
本発明化合物はまた、びらん性胃炎;びらん性食道炎;下痢;大脳痙攣;早産;自然流産;月経困難;虚血;有害物質に誘発される、肝臓、膵臓、腎臓、又は心筋組織の損傷又は壊死;CCl及びD−ガラクトサミンのような肝毒性物質により引き起こされる肝実質損傷;虚血性腎不全;疾患誘発性の肝損傷;胆汁酸塩誘発性の膵臓又は胃損傷;外傷−又はストレス−誘発性の細胞損傷;及びグリセロール誘発性の腎不全といった、哺乳類(特に、ヒト)の疾病状態を、治療又は予防するためにも使用されてよい。ロイコトリエン生合成阻害剤はまた、腫瘍転移阻害剤としても作用し、かつ細胞保護作用を示し、それ故、本発明はまた、この点においても有用であり得る。
【0092】
本発明のFLAP阻害剤はまた、糸球体腎炎の予防、改善、及び治療のため(グアッシュ(Guasch A.)、サヤス(Zayas C.F.)、バダ(Badr K.F.)著、「MK−591は、ヒト糸球体腎炎において緊急に糸球体サイズ選択性を回復させかつタンパク尿を低減する(MK−591 acutely restores glomerular size selectivity and reduces proteinuria in human glomerulonephritis)、キドニー・インタナショナル(KidneyInt.)」、1999年、第56巻、p.261〜267参照);及びまた、糖尿病合併症から結果として生じる腎損傷の予防、改善、及び治療のためにも投与可能である(バルディビエルソ(Valdivielso JM.)、モンテロ(Montero A.)、バダ(Badr K.F.)、マンガー(Munger K.A.)著、「FLAPの阻害は、糖尿病ラットにおいてタンパク尿を低減する(Inhibition of FLAP decreases proteinuria in diabetic rats)、ジャーナル・オブ・ネフロロジー(J.Nephrol.)」、2003年、第16巻、第1号、p.85〜940参照)。
【0093】
さらに、本発明化合物はまた、慢性閉塞性肺疾患(COPD)の治療のためにも使用可能である。キルフェザー(S.Kilfeather)著、「チェスト(Chest)」、2002年、第121巻、p.197に記載のように、COPD患者の気道好中球増加は、炎症の寄与原因であり、かつ気道リモデリングに関連すると考えられている。好中球の存在は、一部LTB4によって仲介されており、本発明化合物による処置は、COPD患者の好中球性炎症を低減し、かつCOPD憎悪の比率を低減するために使用可能であった。特に、本発明化合物は、慢性気管支炎及び肺気腫を含め、COPDに付随する気流閉塞の、毎日の、好ましくは1日1回の維持治療のために使用可能であり得る。
【0094】
化合物の細胞保護活性は、強力な刺激原、例えば、アスピリン又はインドメタシンの潰瘍発生作用の有害効果に対する、胃腸粘膜の増加した抵抗性に注目することにより、動物及びヒトの双方において観察され得る。胃腸管に対する非ステロイド性抗炎症剤の影響を減らすことに加え、動物実験は、細胞保護性化合物が、強酸、強塩基、エタノール、高張生理食塩水などの経口投与により誘発される胃損傷を予防できることを示している。二つのアッセイを用いて、細胞保護能を測定することができる。これらのアッセイは、(A)エタノール誘発性損傷アッセイ、及び(B)インドメタシン誘発性潰瘍アッセイであり、これらはEP140,684に記載されている。
【0095】
特に、本発明化合物は、シクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤と低用量アスピリンとの同時投与によって引き起こされる、胃びらんを低減するために使用されるであろう。シクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤は、従来の非選択的な非ステロイド性抗炎症薬に比較して、胃腸の合併症の可能性が低い、効果的な抗炎症薬として、広く使用されている。しかしながら、心臓保護のための、シクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤と低用量アスピリンとの併用は、このクラスの化合物の胃腸安全性を損なうことがある。5−リポキシゲナーゼ阻害剤としてのその活性の故に、本発明化合物は、この点に関し胃保護性であることが期待されるであろう。フィオルッチ(Fiorucci)ら著、「ザ・ファセブ・ジャーナル(FASEB J.)」、2003年、第17巻、p.1171〜1173参照。本発明による使用のためのシクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤は、制限されることなく、エトリコキシブ(ARCOXIATM)及びセレコキシブ(CELEBREX(登録商標))を包含する。シクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤との併用での本発明化合物は、単位剤形において、又は別々に、低用量アスピリン療法中の患者に対し投与可能であった。別法として、シクロオキシゲナーゼ2阻害剤は、低用量アスピリンとの単位剤形形態での投与も可能であり、この場合、本発明化合物は別々に投与されるであろう。単位剤形の形態にある全三種の活性成分もまた包含される。通常の投薬量のシクロオキシゲナーゼ2選択的阻害剤及びアスピリン(心臓保護用)が利用されてよい。アスピリンは、1日1回81mgで投与可能であった。
【0096】
用語「患者」は、医学的状態の予防又は治療のために本活性薬剤を使用する、哺乳類、特にヒトを包含する。患者への薬物の投与は、自己投与及び別の人による患者への投与の双方を包含する。患者は、既存の疾患又は医学的状態の治療を必要としてもよく、或いは、アテローム性動脈硬化症の開始のリスクを予防又は低減するための予防的処置を要求してもよい。
【0097】
用語「治療有効量」は、組織、系、動物、又はヒトの、生物学的又は医学的応答を誘起することができる薬物又は医薬の量を意味することが意図されており、これは研究者、獣医師、医師、又は他の臨床家によって探究されている。用語「予防的有効量」は、研究者、獣医師、医師、又は他の臨床家によって、組織、系、動物、又はヒトにおいて予防されるべく探究されている、生物学的又は医学的事象の発生のリスクを予防又は低減することができる医薬の量を意味することが意図されている。
ある特定の日用量が、同時に、治療有効量(例えば、既存のアテローム性動脈硬化症の進行を遅らせるための治療のため)、及び予防有効量(例えば、アテローム動脈硬化性疾患事象又は新たな病変の形成の予防のため)の双方であり得ることが理解される。
【0098】
一般に、FLAP阻害剤は、「FLAP結合アッセイ」において、1μM以下の、好ましくは500nM以下の、さらに好ましくは100nM以下の、及び最も好ましくは25nM以下の、IC50を有する化合物として同定可能である。
【0099】
本発明の方法におけるFLAP阻害剤の有効量は、単回又は分割用量で、1日当たり約0.01mg/kg乃至約30mg/kg体重、好ましくはkg当たり約0.1mg乃至約15mg、及び最も好ましくはkg当たり約0.5乃至約7.5mgの範囲内である。単回の日用量が好ましいが、必須ではない。それ故、平均体重70kgでは、投薬量レベルは、1日当たり約1mg乃至約2000mgの薬物、例えば、1日当たり10mg、25mg、50mg、75mg、100mg、125mg、150mg、175mg、200mg、250mg、又は500mgであり、好ましくは単回の日用量として、又は1日2乃至4回の分割用量で、或いは、徐放性の形態で与えられる。しかしながら、任意の特定の患者のための特別の用量は、年齢、体重、全身の健康、性別、食事、投与の時間、投与経路、排出率、薬物の併用、及び患者の症状の重さを含む、多様な因子に依存することが理解されよう。症状を予防するか、打ち消すか、又は停止するために必要な、治療的有効又は予防的有効な投薬量を決定するための、これらの因子についての考慮は、充分に、通常の技術の臨床家の範囲内である。FLAP阻害剤は、数か月、数年、又は患者の生涯にわたって続く治療の過程を含め、患者に関係する医学的症状を治療又は予防するために適切な期間の間、毎日、慢性的に投与されることが期待される。
【0100】
1個以上の追加の活性薬剤を、式Iの化合物と共に投与してもよい。用語「追加の活性薬剤(又は複数の薬剤)」は、式Iの化合物とは異なる、薬学的に活性のある薬剤(又は複数の薬剤)を意味することが意図されている。1つの広汎な実施態様においては、制限されることなく、抗アテローム性動脈硬化症薬(例えば、脂質修飾性化合物)、抗糖尿病薬及び/又は抗肥満薬、及びメタボリックシンドロームの治療に使用される薬剤を含む、任意の適当な追加の活性薬剤又は複数の薬剤が、単一剤形において式Iの化合物と併用して使用されてもよく、或いは、活性薬剤の同時又は連続的な投与を可能にする、別々の剤形で患者に投与されてもよい。追加の活性薬剤又は複数の薬剤は、1つ以上の薬学的活性を有してもよく、例えば、脂質修飾作用及び抗肥満活性の双方を有してもよい。使用してもよい追加の活性薬剤の例は、制限されることなく、HMG−CoAレダクターゼ阻害剤、これは、制限されることなく、ロバスタチン(MEVACOR(登録商標)、米国特許第4,342,767号参照)、シンバスタチン(ZOCOR(登録商標)、米国特許第4,444,784号参照)、プラバスタチン、特にそのナトリウム塩(PRAVACHOL(登録商標)、米国特許第4,346,227号参照)、フルバスタチン、特にそのナトリウム塩(LESCOL(登録商標)、米国特許第5,354,772号参照)、アトルバスタチン、特にそのカルシウム塩(LIPITOR(登録商標)、米国特許第5,273,995号参照)、NK−104とも呼ばれるピタバスタチン(PCT国際番号WO97/23200参照)、及びロスバスタチン(CRESTOR(登録商標)、米国特許第5,260,440号参照)を含め、そのラクトン化されたか、又はジヒドロキシオープン酸型のスタチン、及びその薬学的に許容され得る塩を含む;5−リポキシゲナーゼ阻害剤;コレステロールエステル転移タンパク質(CETP)阻害剤、例えば、JTT−705;HMG−CoAシンターゼ阻害剤;スクワレンエポキシダーゼ阻害剤;スクワレン合成酵素阻害剤(スクワレンシンターゼ阻害剤とも呼ばれる);アシル補酵素A:コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害剤、これは、ACAT−1又はACAT−2の選択的阻害剤、並びにACAT−1及びACAT−2の二重の阻害剤を包含する;ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質(MTP)阻害剤;ナイアシン;ナイアシン受容体アゴニスト、例えばアシピモックス及びアシフラン、並びにナイアシン受容体の部分アゴニスト;胆汁酸金属イオン封鎖剤;LDL(低密度リポタンパク質)受容体誘導物質;血小板凝集阻害剤、例えば、糖タンパク質IIb/IIIaフィブリノーゲン受容体アンタゴニスト及びアスピリン;ヒトペルオキシソーム増殖因子活性化受容体ガンマ(PPARγ)アゴニスト、これは、一般にグリタゾンと呼ばれる化合物、例えばピオグリタゾン及びロシグリタゾンを含み、かつ、チアゾリジンジオンとして知られる構造クラス内に含まれる化合物、並びにチアゾリジンジオン構造クラス以外のPPARγアゴニストのものを包含する;PPARαアゴニスト、例えばクロフィブラート、フェノフィブラート(これは、微粉化フェノフィブラートを含む)、及びゲムフィブロジル;PPAR二重α/γアゴニスト;ビタミンB(ピリドキシンとしても知られる)及びその薬学的に許容され得る塩、例えばHCl塩;ビタミンB12(シアノコバラミンとしても知られる);葉酸又はその薬学的に許容され得る塩又はエステル、例えばナトリウム塩及びメチルグルカミン塩;酸化防止剤ビタミン、例えばビタミンC及びE、及びベータカロテン;ベータ遮断薬;アンギオテンシンIIアンタゴニスト、例えばロサルタン、及びヒドロクロロチアジドとの合剤のロサルタン;アンギオテンシン転換酵素阻害剤、例えばエナラプリル及びカプトプリル;カルシウムチャンネル遮断薬、例えばニフェジピン及びdiltiazam;エンドセリンアンタゴニスト;ABCA1遺伝子発現を促進する薬剤;FXR及びLXRリガンド、これは阻害剤及びアゴニストの双方を包含する;ビスホスホナート化合物、例えばアレンドロネートナトリウム;及びシクロオキシゲナーゼ2阻害剤、例えば、エトリコキシブ、セレコキシブ、及びバルデコキシブを包含する。抗肥満薬は、本発明化合物と併用して使用可能であり、制限されることなく、シブトラミン、オルリスタット、トピラメート、ナルトレキソン、bupriopion、フェンテルミン、及びフェンテルミン/トピラマート合剤(QNEXA(登録商標));NPY5アンタゴニスト;アセチル−CoAカルボキシラーゼ−1及び−2(ACC)阻害剤;MCH1Rアンタゴニスト;及びCBIアンタゴニスト/逆アゴニスト、例えばWO03/077847及びWO05/000809に記載のものを包含する。本発明化合物と併用して使用してもよい追加の抗糖尿病薬は、制限されることなく、DPP−4(ジペプチジルペプチダーゼ−4)阻害剤、例えばシタグリプチン(JANUVIA(登録商標))及びビルダグリプチン(GALVUS(登録商標))を包含する;スルホニルウレア、例えば、クロルプロパミド、トラザミド、グリブリド、グリピジド、及びグリメピリド;ビグアニド、例えば、メトホルミン;アルファ−グルコシダーゼ阻害剤、例えばアカルボース、及びミグリトール;メグリチニド、例えば、レパグリニド;グルカゴン受容体アンタゴニスト;及びグルコキナーゼ活性化物質を包含する。
【0101】
他の有利な医薬併用は、本発明化合物と、抗コリン作動薬、例えば、臭化イプラトロピウム、及びチオトロピウム;気管支拡張薬、例えば、ベータアゴニストサルブタモール、メタプロテレノール、テルブタリン、フェノテロール、サルメテロール、ホルモテロールなど;及び抗喘息薬テオフィリン、コリンテオフィリナート、及びエンプロフィリン;カルシウムアンタゴニスト ニフェジピン、ジルチアゼム、ニトレンジピン、ベラパミル、ニモジピン、フェロジピンなど;及びコルチコステロイド、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニソロン、ベタメタゾン、デキサメタゾン、ベクロメタゾンなどとの組合せを含んでなる。特に、喘息の予防及び治療用には、本発明化合物は、経口吸入コルチコステロイド、例えばベクロメタゾン(例えば、QVAR(登録商標)吸入エアロゾル)、ブデソニド(例えば、パルミコート吸入液(Pulmicort Respules)、フルニソリド(例えば、AEROBID(登録商標)及びAEROBID(登録商標)−M吸入器システム)、フルチカゾン(例えば、FLOVENT(登録商標)DISKUS(登録商標)吸入粉末、FLOVENT(登録商標)HFA 吸入エアロゾル)、モメタゾン(例えば、ASMANEX(登録商標)TWISTHALER(登録商標))、及びトリアムシノロン(例えば、AZMACORT(登録商標)吸入エアロゾル)と併用して、また吸入コルチコステロイド/LABA製品、例えばフルチカゾンプロピオネート/サルメテロール(例えば、ADVAIR DISKUS(登録商標))と併用して使用可能である。本発明化合物はまた、ロイコトリエン受容体アンタゴニスト、例えばモンテルカスト(例えば、SINGULAIR(登録商標));ホスホジエステラーゼ4(PDE4)阻害剤、例えばロフルミラスト、N−シクロプロピル−1−[3−(1−オキシド−3−ピリジニルエチニル)フェニル]−1,4−ジヒドロ[1,8]ナフチリジン−4−オン−3−カルボキシアミド、及びPCT公開WO2003/018579に開示された化合物;及び、超後期抗原(Very Late Antigen)4(VLA4)阻害剤、例えば米国特許第6,229,011号に開示された化合物、特にR411(N−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−4−[(2,6−ジクロロベンゾイル)アミノ]−L−フェニルアラニン−2−(ジエチルアミノ)エチルエステル)(これは、活性成分、N−(2−クロロ−6−メチルベンゾイル)−4−[(2,6−ジクロロベンゾイル)アミノ]−L−フェニルアラニンのエステルプロドラッグである)、及びPCT公開WO2006/023396に開示された化合物との併用においても使用可能であった。
【0102】
本発明化合物と併用して使用可能であるさらに別のタイプの薬剤は、コレステロール吸収阻害剤である。コレステロール吸収阻害剤は、腸内腔から小腸壁の腸細胞内へのコレステロールの移動を遮断する。この遮断は、血清コレステロールレベルの低減におけるその第一義的な作用機序である。これらの化合物は、主としてアシルコエンザイムA−コレステロールアシルトランスフェラーゼ(ACAT)阻害、トリグリセリド合成の阻害、MTP阻害、胆汁酸金属イオン封鎖、及び例えば、核ホルモンのアゴニスト又はアンタゴニスト等の転写調節のような作用機序によって血清コレステロールレベルを低減する化合物とは異なるものである。コレステロール吸収阻害剤は、制限されることなく、米国特許5,846,966、米国特許5,631,365、米国特許5,767,115、米国特許6,133,001、米国特許5,886,171、米国特許5,856,473、米国特許5,756,470、米国特許5,739,321、米国特許5,919,672、米国特許6,498,156、US2004/0082561、US2004/0067913、US2004/0063929、US2002−0137689、WO05/047248、WO05/021497、WO05/021495、WO05/000353、WO04/005247、WO00/63703、WO00/60107、WO00/38725、WO00/34240、WO00/20623、WO97/45406、WO97/16424、WO97/16455、及びWO95/08532に記述されたものを包含する。代表的なコレステロール吸収阻害は、米国特許第Re37721号及び医師用添付文書集に記載の、商品名ZETIA(登録商標)で市販されているエゼチミブ、並びにVYTORIN(登録商標)であり、これは、エゼチミブとシンバスタチンとの合剤である。
【0103】
この及び他のコレステロール吸収阻害剤は、米国特許Re37721(コラム20に始まる)において記述された高脂血症ハムスターを用いた低脂血化合物のアッセイにより同定可能であり、これにおいては、コレステロール管理された食餌をハムスターに与え、試験化合物を数日間にわたり投与する。血漿脂質分析を行い、データを、コントロールに対する脂質のパーセント還元として記録する。
【0104】
治療有効量のコレステロール吸収阻害剤は、1日当たり、約0.01mg/kg乃至約30mg/kg体重、好ましくは約0.1mg/kg乃至約15mg/kgの投薬量を包含する。それ故、平均体重70kgでは、この投薬量レベルは、1日当たり、約0.7mg乃至約2100mgの薬物、例えば、1日当たり、10、20、40、100、又は200mgであり、好ましくは、単回の日用量として、又は1日当たり2乃至6回の分割用量として、或いは徐放性の形態で与えられる。コレステロール吸収阻害剤を本発明化合物と併用して使用する場合には、この投薬レジメンを、最適の治療応答を提供するべく調整してもよい。
【0105】
本発明の治療法においては、FLAP阻害剤は、通常の非毒性の薬学的に許容され得る担体、アジュバント、及びビヒクルを含有する単位剤形において、任意の適当な投与経路により、例えば経口的、非経口的、又は経直腸的に投与されてよい。用語、非経口は、本明細書で用いる場合、皮下注射、静脈内、筋肉内、胸骨内注射、又は灌流技術を包含する。経口用製剤が好適である。
【0106】
経口使用には、活性成分を含有する本発明の医薬組成物は、例えば、タブレット、トローチ、ロゼンジ、水性又は油性懸濁液、分散性粉末又は顆粒、エマルジョン、硬又は軟カプセル、又は、シロップ又はエリキシルでよい。経口使用を意図した組成物は、医薬組成物の製造のための、当該技術分野において周知の任意の方法により調製されてよく、かつ、かかる組成物は、医薬として優美で美味な製剤を提供する目的で、甘味剤、着香剤、着色剤、及び保存剤からなる群より選択される1種以上の薬剤を含有してもよい。タブレットは、活性成分を、タブレット製造に好適な非毒性の薬学的に許容され得る賦形剤との混合物中に含有する。これらの賦形剤は、例えば、不活性な希釈剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウム、又はリン酸ナトリウム;造粒及び崩壊剤、例えば、コーンスターチ又はアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、又はアラビアゴム、及び潤滑剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、又はタルクでよい。
【0107】
経口用即時放出及び時間制御溶出型の剤形、並びに経腸的にコートされた経口用剤形を使用してもよい。タブレットは、コートされなくてもよく、或いは、それらは周知の技術によりコートされて、胃腸管内での崩壊及び吸収を遅延させ、かつそれにより長期にわたり持効作用を提供するようにしてもよい。例えば、モノステアリン酸グリセリン又はジステアリン酸グリセリンのような、タイムディレイ物質が使用されてよい。時間制御溶出型装置の1例は、米国特許第5,366,738号に記載されている。それらはまた、米国特許第4,256,108;4,166,452;及び4,265,874号に記述された技術によりコートされて、制御放出用の浸透圧性の治療用タブレットを形成してもよい。
【0108】
経口使用のための製剤はまた、活性成分が、不活性な固体希釈剤、例えば炭酸カルシウム、リン酸カルシウム、又はカオリンと混合される硬ゼラチンカプセルとして、或いは、活性成分が、水又は、混和性溶媒、例えば、プロピレングリコール、PEG、及びエタノールと、或いは油性媒体、例えばピーナツ油、流動パラフィン、又はオリーブ油と混合される、軟ゼラチンカプセルとして与えられてもよい。
【0109】
水性懸濁液は、活性成分を、水性懸濁液の製造に適した賦形剤との混合物中に含有する。かかる賦形剤は、懸濁剤、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、ポリビニルピロリドン、トラガカントゴム、及びアラビアゴムであり;分散又は湿潤剤は、天然産ホスファチド、例えばレシチン、又は、アルキレンオキシドと脂肪酸との縮合物、例えばステアリン酸ポリオキシエチレン、又はエチレンオキシドと長鎖脂肪族アルコールとの縮合物、例えばヘプタデカエチレンオキシセタノール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトールから誘導される部分エステルとの縮合物、例えば、モノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビトール、又はエチレンオキシドと脂肪酸及びヘキシトール無水物から誘導される部分エステルとの縮合物、例えば、モノオレイン酸ポリエチレンソルビタンでよい。水性懸濁液はまた、1種以上の保存剤、例えばエチル、又はn−プロピル、p−ヒドロキシベンゾアート、1種以上の着色剤、1種以上の着香料、及び1種以上の甘味剤、例えばスクロース、サッカリン、又はアスパルテームを含有してもよい。
【0110】
油性懸濁液は、活性成分を、植物油、例えばラッカセイ油、オリーブ油、ゴマ油、又はヤシ油か、又は鉱物油、例えば流動パラフィン中に懸濁することにより製剤してもよい。油性懸濁液は、増粘剤、たとえば蜜蝋、固形パラフィン、又はセチルアルコールを含有してもよい。前記の甘味剤、及び着香剤を添加して、美味な経口製剤を提供してもよい。これらの組成物を、アスコルビン酸のような酸化防止剤の添加によって保存してもよい。
【0111】
水の添加による水性懸濁液の調製に適した分散性粉末及び顆粒は、活性成分を、分散剤又は湿潤剤、懸濁化剤、及び1種以上の保存剤との混合物において提供する。適当な分散又は湿潤剤、及び懸濁化剤は、既に前文に記述したものによって例示される。追加の賦形剤、例えば、甘味、着香、及び着色剤もまた存在してよい。
【0112】
本発明の医薬組成物はまた、水中油型エマルジョンの形状であってもよい。油性相は、植物油、例えばオリーブ油又はラッカセイ油か、又は鉱物油、例えば流動パラフィンか、或いはそれらの混合物でよい。適当な乳化剤は、天然産ホスファチド、例えば大豆レシチン、及び脂肪酸とヘキシトール無水物とから誘導されるエステル又は部分エステル、例えば、モノオレイン酸ソルビタン、及び前記部分エステルとエチレンオキシドとの縮合物、例えばモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンでよい。エマルジョンはまた、甘味剤、及び着香剤を含有してもよい。
【0113】
シロップ及びエリキシルは、甘味剤、例えばグリセロール、プロピレングリコール、ソルビトール、又はスクロースを用いて製剤してもよい。かかる製剤はまた、粘滑薬、保存剤、着香剤、及び着色剤を含有してもよい。医薬組成物は、無菌の注射可能な水性又は油脂性の懸濁液の形態でよい。この懸濁液は、当該技術分野における技術上既知の方法により、前文に述べた適当な分散又は湿潤剤、及び懸濁化剤を用いて製剤してもよい。無菌の注射可能な製剤はまた、非毒性の非経口的に許容される希釈剤又は溶媒中の、例えば、1,3−ブタンジオール中の溶液としての、無菌の注射可能な溶液又は懸濁液であってもよい。用いてもよい許容されるビヒクル及び溶媒類の中で、水、リンガー液、及び等張の塩化ナトリウム溶液を使用してもよい。エタノール、プロピレングリコール、又はポリエチレングリコールのようなコソルベントもまた使用してよい。さらに、無菌の固定油が、溶媒又は懸濁媒体として従来から使用される。この目的のためには、合成モノ−又はジグリセリドを含め、任意の無刺激固定油を使用してもよい。加えて、オレイン酸のような脂肪酸は、注射用薬の調製において用途がある。
【0114】
本発明はまた、式Iの化合物を薬学的に許容され得る担体と組合せることを含んでなる、医薬組成物を製造するための方法も包含する。また、式Iの化合物を薬学的に許容され得る担体と組合せることにより製される、医薬組成物も包含する。
【0115】
治療有効量の式Iの化合物は、本明細書に記載の投薬量において、本明細書に記載の任意の医学的状態を治療又は予防するために有用な医薬の製造のために使用可能である。例えば、式Iの化合物は、アテローム動脈硬化性疾患の発症のリスクを予防又は低減するため、ひとたび臨床上明らかとなったアテローム動脈硬化性疾患の進行を停止又は遅くするため、及びアテローム動脈硬化性疾患事象の最初の、又はその後の発生のリスクを予防又は低減するために有用な医薬の製造に使用可能である。加えて、該医薬は、喘息、アレルギー及びアレルギー性症状、炎症、COPD、又はびらん性胃炎の治療に有用であり得る。式Iの化合物を含んでなる医薬はまた、1種以上の追加の活性薬剤、例えば本明細書に記載のものを用いて製造してもよい。
【0116】
本発明の構造式Iの化合物は、以下のスキーム及び実施例の方法に従い、適当な材料を用いて製造可能であり、かつ、以下に続く具体的な実施例によってさらに例示される。さらに、本明細書記載の方法を利用することにより、当業者は、本明細書においてクレームされた本発明の追加の化合物を容易に製造可能である。実施例中に例示された化合物は、しかしながら、発明とみなされる類のみを成すものと解釈されるべきではない。全ての温度は、他に示さない限り摂氏度である。質量スペクトル(MS)は、エレクトロンスプレーイオン化質量分析法(ES−MS)により測定した。
【0117】
本発明化合物は一般に、薬学的に許容され得る形態で単離され、これは、遊離塩基か、又は酸基が存在する場合には遊離酸、或いは適当な塩誘導体でよく、例えば上記記載のものでよい。単離された塩に対応する遊離アミン塩基は、適当な塩基、例えば炭酸水素ナトリウム、重炭酸ナトリウム、水酸化ナトリウム、又は水酸化カリウム水溶液を用いた中和、及び遊離されたアミン遊離塩基の有機溶媒中への抽出、及びその後の濃縮により生成可能である。この方法で単離されたアミン遊離塩基は、有機溶媒中での溶解及びその後の適当な酸の添加と、それに続く濃縮、再沈澱、又は結晶化により、別の薬学的に許容され得る塩へさらに変換可能である。
【0118】
本明細書で使用されるいくつかの略語は、以下の通りである:
ABCA1は、アデノシルトリホスフェート結合カセットファミリーA1であり;Acは、アセチルであり;AIBNは、2,2−アゾビス(2−メチルプロピオニトリル)であり;aq.は、水溶性であり;Arは、アリールであり;Bnは、ベンジルであり;Bocは、tertブチルカルバモイルであり;brは、ブロードであり;Buは、ブチルであり;Buは、tert−ブチルであり;セライトは、Celite(登録商標)珪藻土であり;cpmは、1分間当たりのカウントであり;δは、化学シフトであり;DCMは、ジクロロメタンであり;dは、ダブレットであり;DEADは、ジエチルアゾジカルボキシラートであり;DIADは、ジイソプロピルアゾジカルボキシラートであり;DIPEAは、ジイソプロピルエチルアミンであり;DMAPは、4−ジメチルアミノピリジンであり;DMFは、N,N−ジメチルホルムアミドであり;dppfは、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンであり;DMSOは、ジメチルスルホキシドであり;EDCは、N−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩であり;EDTAは、エチレンジアミン四酢酸であり;equiv.は当量であり;ES−MSはエレクトロスプレーイオン化質量分析法であり;Etは、エチルであり;EtOは、ジエチルエーテルであり;EtOHは、エタノールであり;EtOAc、は酢酸エチルであり;FXRは、ファルネソイドX受容体であり;gは、グラムであり;hは、時間であり;HATUは、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロリン酸塩であり;HetAr又はHARは、ヘテロアリールであり;HMG−CoAは、3−ヒドロキシ−3−メチル−グルタリルコエンザイムAであり;HNMRは、プロトン核磁気共鳴であり;HOAtは、1−ヒドロキシ−7−アザベンゾトリアゾールであり;HOBtは、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり;HPLCは、高速液体クロマトグラフィーであり;Hzは、ヘルツであり;iは、イソであり;IC50は、50%阻害が存在する濃度であり;Jは、核間カップリング定数であり;kgは、キログラムであり;LGは、脱離基であり;LTBは、ロイコトリエンBであり;LXRは、肝臓X受容体であり;mは、マルチプレットであり;Mは、モーラーであり;Meは、メチルであり;m.p.は、融点であり;mgは、ミリグラムであり;μgは、マイクログラムであり;MeCNは、アセトニトリルであり;MeOHは、メタノールであり;MHzは、メガヘルツであり;minは分であり;mLは、ミリリットルであり;mmは、ミリメートルであり;μLは、マイクロリットルであり;mMは、ミリモーラーであり;μMは、マイクロモーラーであり;mmolは、ミリモルであり;Msは、メタンスルホニルであり;MSは、質量スペクトルであり、かつES−MSによって得られた質量スペクトルは、本明細書では「ES」によって示されてもよい;m/zは、質量電荷比であり;nは、ノーマルであり;nmは、ナノメーターであり;nMは、ナノモーラーであり;NMMは、N−メチルモルホリンであり;NMOは、N−メチルモルホリン−N−オキシドであり;NMPは、N−メチルピロリジン−2−オンであり;nPrは、n−プロピルであり;pは、ペンテットであり;pは、パラであり;PEGは、ポリエチレングリコールであり;Phは、フェニルであり;Phthは、フタルイミドイルであり;PPARαは、ペルオキシソーム増殖因子活性化受容体アルファであり;Prはプロピルであり;iPrはイソプロピルであり;PyBOPは、Benzotriaxole−1−イル−オキシ−トリス−ピロリジノ−ホスホニウムヘキサフルオロリン酸塩であり;qはカルテットであり;rtは室温であり;sは、シングレットであり;secは、第二級であり;tは、トリプレットであり;BuOHは、tert−ブタノールであり;tertは第三級であり;Tfは、トリフルオロメタンスルホニルであり;TFAは、トリフルオロ酢酸であり;そしてTHFは、テトラヒドロフランであり;Tsは、トシルであり;UVは、紫外線であり;xgは、掛ける重力であり;℃は、摂氏度である。
【0119】
反応スキームA−Rは、式Iの化合物の合成において用いた方法を説明している。全ての略語は、他に示さない限り、上記に定義の通りである。反応スキームA−Rにおいて、環上の置換基は、Rで標識され、これは、構造式Iで定義されたR、R、及びRに相当する。スキームでは、全ての置換基は、他に示さない限り、式Iにおいて上記に定義された通りである。
【0120】
反応スキームA−Rは、構造式Iの本発明化合物の合成において使用された方法を説明する。全ての略語は、他に示さない限り、上記に定義した通りである。反応スキームA−Rにおいて、環上の置換基は、Rで標識され、これは、構造式Iで定義されたR、R、及びRに相当する。
【0121】
反応スキームAは、タイプ8の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、タイプ1のケトン又はアルデヒドは、アリール基を転移することが可能な、タイプ2の有機金属試薬で処理され、タイプ3の化合物を得る。この転移をもたらすために好適な有機金属試薬は、有機リチウム(2、M=Li)及び有機マグネシウム(2、M=Mg;グリニャール)化合物を包含する。有機リチウム試薬を用いる場合、反応は多様な溶媒、例えばヘキサン又はジエチルエーテルなどにおいて、−78℃と室温との間の温度にて行ない得る。スキームAに示したようにグリニャール試薬を用いる場合、反応を、適当なエーテル性溶媒、例えばTHF又はジエチルエーテルか、又はそれらの混合物中で、−78℃と溶媒の沸騰温度との間の温度において行なうことが慣例である。有機リチウム及びグリニャール試薬は、一般に商業用の供給源から購入されるが、既知の有機合成法に従って合成的に調製可能である。得られたアルコール3は、一般にフリーデル・クラフツアリール化反応と呼ばれる芳香族求電子置換法において、タイプ4の、保護されたアミノメチルフラン誘導体で処理可能である。スキームAに描かれた4におけるアミノ官能基用の好ましい保護基は、フタルイミドであるが、かかる基に決して制限されない。3のアリール化を行なうための典型的な条件は、3から誘導されるタイプ5の中間体カルボカチオンの生成と、それに続く適当なタイプ4の芳香族カップリングパートナーとのインシトゥ(in situ)のトラッピングを包含し、タイプ6の生成物を得る。この反応は、適当なブロンステッド酸、例えばテトラフルオロホウ酸などか、又はルイス酸、例えば三フッ化ホウ素などの存在下に行なうことが慣例である(ジャーナル・オブ・ディ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Che.Soc.)、2005年、第127巻、p.9348〜9349)。この反応はまた、多様な不活性有機溶媒、例えば、ジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタンなどの存在下に、典型的には−78℃と室温との間の温度において行なってもよい。フタルイミド保護基の除去のために好適な条件は、MeOH又はEtOHといった溶媒中での、典型的には室温と溶媒の沸騰温度との間の温度における、ナトリウムメトキシド又はヒドラジン又はn−ブチルアミンのような試薬を用いた6の処理を包含する。この反応の生成物は、タイプ7のアミンであり、これは、適当な活性化試薬、例えば臭素又はヨウ素の、或いは付加的に塩酸又は臭化水素酸水溶液の存在下に、タイプ8の化合物へ変換可能である。この反応は、MeOH又はEtOHなどの溶媒を包含する多様な水性の溶媒混合物中で、室温と−20℃との間の温度において行ない得る。生成物8を、次に続くスキームに記載の、本発明の他の化合物(I)へさらに作り上げることができる。
【0122】
【化21】

【0123】
反応スキームBは、タイプ16の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、有機合成の当業者に既知の方法を用いて個々のカルボン酸前駆体からしばしば生成される、タイプ9の酸塩化物誘導体は、タイプ10又はタイプ11の有機金属試薬で処理され、タイプ12の生成物を得る。この変換を引き起こすために好適な有機金属試薬は、有機マグネシウム(グリニャール)及び有機亜鉛化合物を包含する。グリニャール試薬(10)を用いる場合、好適な条件は、スキームAに記載のものと同様である。有機亜鉛試薬(11)を用いる場合、反応は一般に、適当な有機遷移金属触媒、例えばビス(トリフェニルホスフィノ)パラジウム(II)ジクロリド又は塩化銅(I)などの存在下に、多様な溶媒、例えばTHF又はジエチルエーテル中で、−20℃と室温との間の温度において行なう(「ケミカル・リビューズ(Chem.Rev.)」、1993年、第93巻、p.2117〜2188)。グリニャール及び有機亜鉛試薬は、一般に、商業用の供給源から購入されるが、既知の有機合成法に従って合成的に調製可能である。得られたケトン12は、次に、スキームAに記載のものと同様の条件下に、タイプ2の有機金属試薬で処理可能であり、タイプ13の生成物を与える。13のヒドロキシル基は、一般にバートン・マクコンビー脱酸素と呼ばれる反応順序において除去し得る(「ジャーナル・オブ・ザ・ケミカル・ソサイエティ、パーキン・トランスアクションズ1(J.Chem.Soc.,Perkin Trans.1)」、1975年、1574〜1585)。反応プロセスは、ヒドロキシル基の最初の活性化を要し、これは、この基の、適当な三級アミン塩基、例えばピリジンの存在下に、フェニルチオノクロロホルマートのような試薬を用いたアルキル化により達成され、タイプ14のチオカルバメート誘導体を得る。このタイプのアシル化は、多様な不活性有機溶媒、例えばジクロロメタン又は1,2−ジクロロエタン中で、典型的には−20℃と室温との間の温度において行ない得る。別法として、タイプ15のキサンテート誘導体もまた、しばしば、水素化ナトリウム又は水素化カリウムのような塩基による13の処理と、その後の二硫化炭素の導入、及び最後のヨウ化メチルのような薬剤によるインシトゥのアルキル化を含む、三段階の作用順序により調製されてよい。キサンテート形成は、一般に、エーテル溶媒、例えばTHF又はジエチルエーテル中で、典型的には−20℃と室温との間の温度において行なわれる。14又は15の脱酸素化は、水素化トリアルキルスズのような還元剤により、しばしばAIBNなどといったフリーラジカルイニシエーターの存在下に行ない得る。このタイプの反応は、不活性有機溶媒、例えば、適当に脱気されているベンゼン又はトルエン又はジメトキシエタン中で、しばしば該溶媒の沸騰温度に相当する温度において行なわれる。この反応を加速又は促進するため、ヨウ化カリウム又はヨウ化テトラブチルアンモニウムなどといった添加剤を用いることが好適であり得る。生成物は、タイプ16の化合物であり、これは、次に続くスキームに記載のように、本発明の化合物(I)へ導くことができる。
【0124】
【化22】

【0125】
反応スキームCは、構造式20の化合物の別の合成法を説明する。この方法においては、タイプ17の化合物を、適当なパラジウム触媒、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、及び補助的な求核試薬、例えば酢酸カリウムなどの存在下に、ビス(ピナコラート)ジボロンで処理する。この反応は一般に、例えばDMSO又はジオキサンなどといった不活性有機溶媒中で、一般には70℃と100℃の間の高い温度において、1〜24時間にわたり行なわれる(「ザ・ジャーナル・オブ・オーガニック・ケミストリー(J.Org.Chem.)」、1995年、第60巻、p.7508〜7510)。この反応の生成物は、タイプ18の中間体ボロナートであり、これは、一般にスズキ反応と呼ばれる有機遷移金属触媒クロスカップリング反応に関与可能であり、ここにおいて前述のボロナート18は、適当なパラジウム触媒、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)又はテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)、及び炭酸ナトリウム水溶液又はリン酸ナトリウムなどといった塩基の存在下に、タイプ19のアリール−又はヘテロアリール−カップリングパートナーで処理される(「ピュア・アンド・アプライド・ケミストリー(Pure Appl.Chem.)」、1991年、第63巻、p.419〜422)。この反応は、通常、不活性有機溶媒、例えばトルエン−EtOH混合物又はジオキサン中で、室温より高い温度において、3〜24時間にわたり行なわれる。スズキ反応における最近の進歩は、このタイプの変換が、多くの場合室温で行なわれることを可能にした(例えば、「ジャーナル・オブ・ディ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ(J.Am.Chem.Soc.)」、2000年、第122巻、p.4020〜4028、及びそれに引用された参考文献を参照)。生成物は、タイプ20の化合物であり、これは、次に続くスキームに記載のように、本発明の化合物(I)へ導くことが可能である。
【0126】
【化23】

【0127】
反応スキームDは、構造式23の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、タイプ21のアリールヨウ化物を、銅(I)触媒及び適当なリガンド、例えば1,10−フェナントロリンの存在下に、タイプ22のアルコールで処理する。この反応は、穏やかな塩基、例えば炭酸セシウム、又はフッ化カリウム−アルミナの存在下に、非極性溶媒、例えばトルエン中で、100℃と該溶媒の沸点との間の高い温度において、48時間までの反応時間にわたり行われる(「オーガニック・レターズ(Org.Lett.)」、2002年、第4巻、p.4,973〜976、及び「シンレット(Synlett)」、2005年、p.1101〜1104)。上記の方法を、適当なパラジウム触媒−リガンド系の存在下に行なう最近の文献がある(「ジャーナル・オブ・ディ・アメリカン・ケミカル・ソサイエティ」、2005年、第127巻、p.8146〜8149、及びそれに引用された参考文献)。この反応の生成物は23であり、これは、次に続くスキームに記載のように、本発明の化合物(I)へ導かれた。
【0128】
【化24】

【0129】
反応スキームEは、構造式28及び29の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、タイプ21の化合物は、タイプ24の薬剤で処理され、ここにおいてPGは、制限されることなく、tert−ブチルジメチルシリルにより代表される好適な保護基であり、Xは、適当な脱離基、例えばハロゲン化物、メシラート、又はトリフルオロメチルスルホナートであり、タイプ25の、保護されたヒドロキシピリジン化合物を得る。この反応は、当業者に既知の多様な条件下に行われてよい。(グリーン(Greene,T.W.);ウッツ(Wuts,P.G.M.)著、「有機合成における保護基(Protective Groups in Organic Synthesis)」、第3版、ウィリー・インターサイエンス(Wiley−Interscience)、1999年、及びそれに引用された参考文献)。タイプ25の化合物は、一般にソノガシラ反応と呼ばれる、有機遷移金属触媒クロスカップリング法において、タイプ26の末端アルキンにより処理可能である。この反応は、適当なパラジウム触媒及び銅(I)共触媒、例えばヨウ化銅(I)の存在下に行われ、かつ典型的には、過剰のアミン塩基、例えばトリエチルアミン及びジエチルアミンを用いる。この反応は、不活性有機溶媒、例えばDMF中で、室温から約100℃までの範囲の温度において、3〜24時間にわたり行われる。この反応の生成物は、タイプ27のアルキンであり、これは次に、タイプ28のアルケン誘導体か、又はタイプ29の飽和アルカン誘導体へ変換される。28が所望であれば、27の部分還元を行なうための好適な条件は、大気圧又は高圧の水素下でのリンドラー触媒試薬の使用を包含する。この反応は、通常、不活性有機溶媒、例えばEtOH及びEtOAc中で、又はそれらを組合せて、室温において、3〜15時間にわたり行われる。29が所望であれば、次に、27の還元を、多様なパラジウム炭素触媒の任意の1つを用いて、大気圧又は高圧の水素下で行なう。反応の生成物は、上記参考文献において引用された方法に従って脱保護され、次に続くスキームに記載のように、本発明の化合物(I)へ導くことが可能である。
【0130】
【化25】

【0131】
反応スキームFは、構造式32の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、30は、第三級アミン、例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンの存在下に、トリフラート化剤、例えばトリフルオロメタンスルホン酸無水物又は2−(N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミノピリジンなどと反応させ、タイプ31の中間体化合物を得る。トリフラート化反応は、典型的には非プロトン性有機溶媒、例えばDCM又はTHF中で、−78℃から室温までの範囲内の温度において行なわれる。タイプ31の化合物は、適当なパラジウム触媒、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)、及び第三級アミン塩基、例えばトリエチルアミン又はジイソプロピルエチルアミンなどの存在下に、不活性有機溶媒、例えばDMF中で、メタノールにより処理可能である。この反応は、通常、高い温度で、典型的には50℃と100℃との間で、3〜24時間にわたり、大気圧の一酸化炭素下で行われる(「テトラヘドロン・レターズ(Tetrahedron Lett.)」、1986年、第27巻、p.3931〜3934)。ある場合には、反応を促進又は加速するため、高圧の一酸化炭素か、又は添加剤、例えば塩化リチウムの使用が好適であってもよい。この反応の生成物は、構造式32のエステルであり、これは、次に続くスキームに記載のように、本発明の化合物(I)へ導くことが可能である。
【0132】
【化26】

【0133】
反応スキームGは、タイプ31の化合物を合成して、タイプ33の化合物を得るための好適な方法を説明する。この方法においては、31は、適当なパラジウム触媒/リガンド試薬系の存在下に、シアン化カリウム又はトリメチルシリルシアニドなどといったシアニド供給源で処理される。この反応を加速又は促進するため、無機添加剤、例えば銅(I)塩、及び/又は、塩基、例えばトリエチルアミンを使用することが好適であり得る。この反応は、不活性有機溶媒、好ましくは双極性非プロトン溶媒、例えばDMF又はNMP又はMeCN中で、高い反応温度において、典型的には50℃−140℃の間で、3〜24時間にわたり行なうことが慣例である。この反応の生成物は、タイプ33のニトリルであり、これは、次に続くスキームに記載のように、本発明の化合物(I)へ導くことが可能である。
【0134】
【化27】

【0135】
反応スキームHは、先にスキームCで記載したものと同様の方法に従って、構造式36の化合物を合成する好適な方法を説明する。追加の官能基を含有するタイプ34又は35の投入から誘導される、タイプ36の化合物は、有機合成において既知の多くの方法で合成され、本発明の別の化合物(I)を得ることができる。
【0136】
【化28】

【0137】
反応スキームIは、先にスキームCで記載したものと同様の方法に従って、構造式36の化合物を合成する好適な方法を説明する。
【0138】
【化29】

【0139】
反応スキームJは、構造式39の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、タイプ32の化合物は、有機合成の当業者に既知の多様な方法を用いて、タイプ39のカルボン酸へ加水分解可能である。構造式39の生成物カルボン酸は、本発明化合物(I)を得るための、有機合成において既知の多様な方法において使用可能である。
【0140】
【化30】

【0141】
反応スキームKは、構造式40、41、及び42の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、31は、適当なパラジウム触媒、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下に、DMF又はNMPのような不活性有機溶媒中で、アリルトリブチルスタンナン又はビニルトリブチルスタンナンで処理される。この反応は、通常、高い温度において、典型的には50℃−120℃の間で、2〜24時間にわたり行なわれる。ある場合には、反応を促進するため、塩化リチウムのような添加剤を使用することが必要であり得る。もし反応をマイクロ波照射下に行えば、しばしば反応時間を有意に低減することができる。この反応の生成物は、構造式40のアルケンであり、これは、有機合成において既知の多様な方法を用いて、合成により導かれる。例えば、40を酸化的に切断して、タイプ41のアルデヒドを得ることができ、これはさらに、構造式42のカルボン酸誘導体へ酸化可能である。酸化的切断反応のための好適な方法は、反応スキームIに示した二段階のプロセスである。アルケン40は、まず、触媒四酸化オスミウムを用いて、化学量論的な再酸化剤、例えばNMOの存在下に、アセトン−水のような溶媒系中で、ビシナルジオールへ酸化される。中間体ビシナルジオールは、この形状は一般に単離されないが、次に、THF−水のような適当な混合溶媒系中で、過ヨウ素酸ナトリウムによる切断を受け、41を得る。酸化的切断の作用順序における双方の工程は、0℃と室温との間の温度において、一般に、数分間乃至数時間の間に完了する。アルデヒド41は、次に、緩衝亜塩素酸塩酸化系を用いて、42へさらに酸化される。この方法において、41は、塩素捕捉剤、例えば2−メチル−2−ブテンの存在下に、亜塩素酸ナトリウム及びリン酸二水素ナトリウムで処理される。この反応は、典型的には、n−ブタノール−水のような溶媒系中で、0℃と室温との間の温度において、1〜6時間にわたり行なう。ある場合には、41は、過ヨウ素酸ナトリウム/三塩化ルテニウム試薬系を用いて、直接的に42へ変換可能である。41及び42の双方は、有機合成における多くの既知の方法で合成され、本発明の別の化合物(I)を得ることができる。
【0142】
【化31】

【0143】
反応スキームLは、タイプ43の化合物の好適な合成法を説明する。この方法においては、タイプ31の化合物は、適当な均一系パラジウム触媒、例えば[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)の存在下に、不活性有機溶媒、好ましくは、極性非プロトン溶媒、例えばDMF、又はNMP中で、適当な還元剤、例えばギ酸トリアルキルアンモニウム、又はギ酸アンモニウム、又はトリエチルシランなどを用いた処理により還元可能である。この反応は、通常、高い温度において、典型的には50〜90℃の間で行ない、タイプ43のアリール化合物を得る。
【0144】
【化32】

【0145】
反応スキームMは、構造式45の化合物の好適な合成法を説明する。最も一般的な場合では、42は、タイプ44のアミンで処理され、タイプ45のアミドを得る。反応スキームMにで説明されたアミド結合カップリング反応は、適当な不活性溶媒、例えばDMF、DCMなどにおいて行ない、アミドカップリング反応に適した多様な試薬、例えば、HATU、EDC、又はPyBOPを用いて行なってよい。反応スキームMに示したアミド結合カップリング反応のために好適な条件は、有機合成の当業者には既知である。かかる
修飾は、制限されることなく、トリエチルアミン、DIPEA、又はNMMのような塩基性試薬の使用、或いは、HOAt又はHOBtのような添加剤の添加を包含する。別法として、44は、42の活性化エステル又は酸塩化物誘導体で処理してもよく、これもまた45を与える。反応スキームMに示したアミド結合カップリングは、通常、0℃と室温の間の温度において、時には高い温度において行なわれ、このカップリング反応は典型的には1乃至24時間にわたり行なう。
【0146】
【化33】

【0147】
反応スキームNは、化合物47の好適な合成法を説明する。この方法においては、42はクルチウス反応を受けて、構造式46のN−Boc保護されたアミン誘導体を得る。この反応は、42を、第三級アミン、例えばトリエチルアミン又はDIPEAの存在下に、トルエンのような溶媒中で、ジフェニルホスホリルアジドと反応させることにより行われる。最初の生成物は、一般にアシルアジドであると認められており、これは、アシルカルベンのウォルフ転位に類似の熱プロセスにおいて、イソシアナートへ転位される。この転位は、典型的には溶媒の還流温度、例えば110℃において行ない、転位は通常、1〜5時間の間に完了する。形成された中間体イソシアナートは、一般に単離されないが、次に、適当なアルコール、例えばtert−ブチルアルコールとのインシトゥの反応を受け、カルバメート46を得る。N−Boc基は、適当な脱保護法、例えば、EtOAc中の塩化水素、又はDCM中のTFAによる処理により除去可能である。この脱保護は、典型的には、0℃と室温との間の温度において行ない、反応は通常、0.5〜3時間で完了する。構造式47の生成物アミンは、本発明化合物を得るためのカップリングパートナーとして、有機合成における多様な既知の方法を用いて使用可能である。
【0148】
【化34】

【0149】
反応スキームOは、化合物50の好適な合成法を説明する。例えば、47は、タイプ48のカルボン酸とのアミド結合カップリング反応に関係することができ、反応スキームOに示した一般化されたアミドカップリングプロトコール用に記載された試薬及び条件を用いて、適当な第三級アミン塩基、例えばトリエチルアミン、又はジイソプロピルエチルアミンなどの存在下に、構造式50のアミドを得る。別法として、47を、49の活性化エステル又は酸塩化物誘導体で処理してもよい。そのような変換を実行する典型的な条件はトリエチルアミン等の過剰第三級アミン塩基の存在下で、酸塩化物49による47の処置を含む。この反応は、不活性有機溶媒、例えばDMF又はDCM中で、0℃と溶媒の還流温度との間の温度において、しばしば室温において、1〜24時間にわたり行なうことが慣例である。
【0150】
【化35】

【0151】
反応スキームPに示したように、47はまた、ミツノブ反応のフクヤマ変法(フクヤマ(Fukuyama,T.);ジョウ(Jow,C.−K.);チャン(Cheung,M.)著、「テトラヘドロン・レターズ」、1995年、第36巻、p.6373〜74)を用いても、合成することができる。例えば、47を、不活性有機溶媒、例えばDCM中で、アリールスルホニルクロリド、例えば2−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、4−ニトロベンゼンスルホニルクロリド、又は2,4−ジニトロベンゼンスルホニルクロリド、及び第三級アミン塩基、例えば2,4,6−コリジン、又は2,6−ルチジンと反応させてもよい。別法として、この反応はまた、スキームPに示した古典的なショッテン−バウマン反応のもとに行なってもよく、ここにおいて47及びアリールスルホニルクロリドは、アルカリ水溶液中で反応可能である。この反応の生成物は、タイプ51のスルホンアミドであり、これは、トリフェニルホスフィン、及び活性化剤、例えばDEAD、DIADなどの存在下での、タイプ52のアルコールとの反応によりさらに修飾可能である。この反応は、適当な有機溶媒、例えば、ベンゼン、トルエン、THF、又はそれらの混合物中で、典型的には室温において行ない、反応は一般に、0.5〜3時間で完了する。この反応の生成物は、タイプ53のジアルキルスルホンアミドであり、これは、n−プロピルアミンのような求核性アミンによりDCMのような溶媒中で、或いは、メルカプト酢酸及びトリエチルアミンによりDCM中で処理することにより、脱スルホニル化することができる。いずれの場合も、反応は、典型的には室温で、5分間乃至1時間にわたり行なう。2−又は4−ニトロベンゼンスルホニル誘導体を用いる場合、スルホンアミドの切断は、DMFのような溶媒中でのチオフェノール及び炭酸カリウムの組合せによるか、又はDMF中のメルカプト酢酸及び水酸化リチウムにより達成される。いずれの場合も、反応は、室温において、1〜3時間にわたり行なう。タイプ54の第二級アミン生成物は、有機合成における多様な既知の方法を用いてさらに修飾され、本発明の別の化合物を得ることができる。例えば、54は、スキームPの下部の反応に記述された条件を用いて、タイプ55のアルデヒド又はケトンとの還元的アミノ化に供してタイプ56の化合物を得てもよい。
【0152】
【化36】

【0153】
スキームQは、最も一般的な方法において、いかにしてタイプ57の化合物を、有機合成における既知の方法を用いて構造式58の多様なヘテロ環誘導体へ導くことができるかを説明する。かかる変換の具体的な例は、実施例の節において示される。
かかる変換を行なうための主要な参考文献は:
1)ジュール(Joule,J.A.);ミルズ(Mills,K.);及びスミス(Smith,G.F.)著、「ヘテロ環化学(Heterocyclic Chemistry)」、第3版、チャプマン&ホール(Chapman&Hall)、1995年、及びそれに引用された参考文献;
2)カトリツキー(Katritzky,A.R.);レス(Ress,C.W.)編、「総合ヘテロ環化学:ヘテロ環化合物の構造、反応、合成、及び使用(Comprehensive Heterocyclic Chemistry:The Structure,Reactions,Synthesis,and Uses of Heterocyclic Compounds)」、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)、オックスフォード、1984年、8v、及びそれに引用された参考文献;及び
3)総合ヘテロ環化学II:1982〜1995年の文献の総説;ヘテロ環化合物の構造、反応、合成、及び使用、第2版(Comprehensive Heterocyclic Chemistry II:Review of the Literature 1982〜1995:The Structure,Reactions,Synthesis,and Uses of Heterocyclic Compounds)」、ペルガモン・プレス、ニューヨーク、1996年、11v、及びそれに引用された参考文献(「総合ヘテロ環化学(Comprehensive Heterocyclic Chemistry)」、第4〜6巻、ペルガモン・プレス(Pergamon Press)、ニューヨーク、1984年、及びそれに引用された参考文献)。
4)実施例1に示した化合物については、「ジャーナル・オブ・メディシナル・ケミストリー(J.Med.Chem.)」、1992年、第35巻、p.3691〜3698及びそれに引用された参考文献参照。
5)実施例3に示した化合物については、「オーガニック・レターズ(Org.Lett.)」、2001年、第3巻、p.3165〜3168及びそれに引用された参考文献参照。
【0154】
【化37】

【0155】
スキームRは、構造式59のラセミ化合物の分割のための好適な方法を説明しており、ここにおいてアスタリスクを付した炭素は、キラル中心である。一般に、その調製の後方のもの、又は途中にある中間体は、キラル固定相液体クロマトグラフィー法か、又は有機合成において既知の他の適当な方法により、60及び61のような、エナンチオマーとして純粋な化合物へ分割し得る。
【0156】
【化38】

【実施例】
【0157】
本発明化合物の合成において使用される中間体は、以下の方法を用いて製造可能である。以下のスキームに付随の表においては、質量スペクトルのデータを有する化合物が合成的に調製された。
【0158】
【化39】

【0159】
i−1aの調製
工程A2−(2−フリルメチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(i−1a)の調製
フルフリルアミン(5.70mL、61.8mmol)及び無水フタル酸(10.0g、90.9mmol)を、120℃で45分間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、EtOHで処理した。得られた懸濁液を濾過して、標題化合物i−1aを、オフホワイトの固体として得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ7.88(dd,2H,J=3.2,5.3Hz),7.73(dd,2H,J=3.0,5.5Hz),6.38(d,1H,J=3.2Hz),6.32(m,1H),4.88(s,2H).
【0160】
【化40】

【0161】
i−2e及びi−2fの調製
工程A2−(4−ヨードフェニル)−3−メチルブタン−2−オール(i−2a)の調製
n−ブチルリチウム(37.0mLの、ヘキサン中2.5M溶液、92.8mmol)を、THF(200mL)中の1,4−ジヨードベンゼン(30.0g、90.9mmol)の攪拌溶液へ、−78℃において添加した。約20分後、3−メチル−2−ブタノン(10.2mL、95.5mmol)を添加し、得られた混合物を−78℃で約1時間攪拌した。反応混合物を1NのHCl水溶液へ注入し、ジエチルエーテルで2回抽出した。合わせた有機抽出物を水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空中で濃縮して標題化合物i−2aを得た。m/z(ES)273(M−OH)HNMR(500MHz,CDCl):δ7.67(d,2H,J=8.5Hz),7.20(d,2H,J=8.7Hz),2.00(m,1H),1.52(s,3H),0.92(d,3H,J=6.7Hz),0.81(d,3H,J=6.9Hz).
【0162】
工程B2−({5−[1−(4−ヨードフェニル)−1,2−ジメチルプロピル]−2−フリル}メチル)−1H−イソインドール−1,3(2H)−ジオン(i−2b)の調製
テトラフルオロホウ酸(13.0mLの、ジエチルエーテル中54%wt溶液、96.1mmol)を、DCM(200mL)中のi−2a(23.2g、80.1mmol)の攪拌溶液へ、−78℃において添加した。約5分後、i−1a(19.1g、84.1mmol)を一度に添加し、得られた懸濁液を−78℃において約15分間攪拌した。約2時間にわたり室温に温めた後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液で慎重にクエンチし、有機層を分離した。水性層をDCMで2回抽出し、合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;5%−20% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−2bを得た。m/z(ES)500(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ7.88(dd,2H,J=3.0,5.5Hz),7.77(dd,2H,J=3.0,5.5Hz),7.47(dd,2H,J=2.5,9.0Hz),7.06(dd,2H,J=2.3,8.8Hz),6.24(d,1H,J=3.0Hz),6.01(d,1H,J=3.0Hz),4.85(m,2H),2.58(m,1H),1.50(s,3H),0.82(d,3H,J=6.5Hz),0.68(d,3H,J=6.5Hz).
【0163】
工程C1−{5−[1−(4−ヨードフェニル)−1,2−ジメチルプロピル]−2−フリル}メタンアミン(i−2c)の調製
ヒドラジン一水化物(27.0mL、566mmol)を、EtOH(200mL)中のi−2b(18.8g、37.8mmol)の攪拌溶液へ添加した。反応混合物を、還流温度において約1時間加熱し、次に室温に冷却し、そして濾過した。残渣をEtOAcで4回洗浄し、集めた濾液を真空中で部分的に濃縮した。得られた溶液を水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物i−2cを得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ7.62(d,2H,J=8.5Hz),7.09(d,2H,J=8.7Hz),6.06(m,2H),3.81(s,2H),2.58(m,1H),1.55(s,3H),0.92(d,3H,J=6.8Hz),0.74(d,3H,J=6.9Hz).
【0164】
工程D6−[1−(4−ヨードフェニル)−1,2−ジメチルプロピル]ピリジン−3−オール(i−2d)の調製
臭素(32.0mLの、MeOH中1.0M溶液)を、MeOH(15.0mL)及び水(35.0mL)中のi−2c(13.9g、37.8mmol)の攪拌溶液へ、0°℃において、均圧添加用漏斗から滴下添加した。約1時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−50% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−2dを得た。m/z(ES)368(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.11(m,1H),7.55(d,2H,J=8.2Hz),7.08(m,3H),7.01(m,1H),2.94(m,1H),1.62(s,3H),0.83(d,3H,J=6.7Hz),0.79(d,3H,J=6.8Hz).
【0165】
工程E: (i−2e)及び(i−2f)の調製
エナンチオマーi−2e及びi−2fを、分取用順相キラルHPLCを用いて分離した。MeOH中のi−2dの溶液を、CHIRALCEL(登録商標)OD−H(キラル・テクノロジーズ・インク(Chiral Technomogies,Inc.)、ペンシルベニア州、エクストン、から市販されている)半調製用(250×21mm)HPLCカラム上に注入した(15%MeOH/COで、カラム温度40℃で、50mL/分で溶出、220nmにおいてUV検出)。エナンチオマーは、保持時間5.83分を有する速く溶出するエナンチオマー(i−2e)と、保持時間6.40分を有する遅く溶出するエナンチオマー(i−2f)とに分離した。分離した分画を濃縮して、エナンチオマーi−2e及びi−2fを得た。(−)エナンチオマーi−2fは、Rがi−プロピルであり、かつRが−CHである最終生成物を作成するために好適である。
【0166】
中間体6−[1−(4−ヨードフェニル)−2,2−ジメチルプロピル]ピリジン−3−オール(i−2g)は、中間体i−2di−2e、及びi−2fの調製用に記載したものと類似の方法に従って、いずれかのラセミ又はキラル型のピバルデヒドから調整可能である。
【0167】
【化41】

【0168】
【化42】

【0169】
i−3cの調製
工程A6−{1,2−ジメチル−1−[4−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)フェニル]プロピル}ピリジン−3−オール(i−3a)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(700mg、0.900mmol)を、DMSO(150mL)中の、i−2f(16.6g、45.2mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(12.1g、47.5mmol)、及び酢酸カリウム(13.3g、136mmol)の攪拌された懸濁液へ、室温において添加した。得られた懸濁液を、80℃で約2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して標題のi−3aを得た。
m/z(ES)368(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.21(d,1H,J=2.8Hz),7.71(d,2H,J=8.2Hz),7.34(d,2H,J=8.2Hz),7.06(d,1H,J=8.7Hz),7.02(dd,1H,J=2.8,8.7Hz),3.02(m,1H),1.66(s,3H),1.33(s,12H),0.84(d,3H,J=6.6Hz),0.78(d,3H,J=6.9Hz).
【0170】
工程B: 6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−オール(i−3b)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(700mg、0.900mmol)を、EtOH:トルエン(120mLの、各80:20混合物)中の、i−3a(16.6g、45.2mmol)、3−ブロモ−5−メトキシピリジン(10.2g、54.2mmol)、及び炭酸ナトリウム(68.0mLの2.0M水溶液、136mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。得られた溶液を、95℃で約4時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をCELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を重炭酸ナトリウム飽和水溶液、水、及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;10%−60% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−3bを得た。m/z(ES)349(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.38(brs,1H),8.25(m,2H),7.44(m,4H),7.41(m,1H),7.10(dd,1H,J=3.0,8.7Hz),7.06(dt,1H,J=2.8,8.5Hz),3.92(d,3H,J=0.9Hz),3.05(m,1H),1.69(d,3H,J=1.4Hz),0.88(dd,3H,J=1.1,6.4Hz),0.83(d,3H,J=6.9Hz).
【0171】
工程C: 6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル=トリフルオロメタンスルホナート(i−3c)の調製
2−[N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミノ]ピリジン(14.7g、41.1mmol)を、DCM(150mL)中の、i−3b(13.6g、39.1mmol)、トリエチルアミン(7.10mL、50.8mmol)、及びDMAP(10mg)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約30分後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、DCMで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−40% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−3cを得た。m/z(ES)481(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.59(d,1H,J=3.0Hz),8.47(d,1H,J=1.3Hz),8.30(d,1H,J=2.5Hz),7.53(d,2H,J=8.2Hz),7.52(m,1H),7.46(d,2H,J=8.5Hz),7.38(m,1H),7.36(d,1H,J=8.9Hz),3.94(s,3H),3.13(m,1H),1.76(s,3H),0.87(d,3H,J=6.8Hz),0.85(d,3H,J=6.9Hz).
【0172】
i−3d、i−3e、i−3f、i−3g、及びi−3hの調製
中間体i−3cの調製用に記載されたものと同様の方法に従って、以下の追加の中間体i−3d−i−3e、及びi−3f−i−3hを、それぞれi−2f、及びi−2gから調製し得る。例えば、中間体i−3fは、i−2fの代わりにラセミ又はキラルi−2gを置き換えることを除いて、i−3cの調製用に記載されたものと同様の方法に従って調製し得る。
【0173】
中間体i−3d及びi−3eは、i−3aから、3−ブロモ−5−メトキシピリジンの代わりに3−クロロ−6−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリダジン又は5−ブロモ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリダジンを置き換えることを除いて、スキームi−3、工程B及びCにおいて記載された方法に従って調製可能である。中間体i−3g、及びi−3hは、ラセミ又はキラルi−2gで出発することを除き、同様に調製可能である。
【0174】
【化43】

【0175】
i−3dについて:m/z(ES)545(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.96(s,2H),8.63(d,1H,J=2.7Hz),7.58(m,1H),7.57(d,2H,J=8.3Hz),7.52(d,2H,J=8.4Hz),7.41(d,1H,J=8.7Hz),5.94(s,2H),3.16(m,1H),2.39(s,6H),1.79(s,3H),0.89(d,3H,J=6.7hz),0.86(d,3H,J=6.7Hz).
i−3eについて: m/z(ES)545(MH)
【0176】
i−3dの調製
【0177】
【化44】

【0178】
工程A: 6−(1−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン−5−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−オール(i−3d−OH)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.01g、3.690mmol)を、EtOH:トルエン(250mLの、各80:20混合物)中の、i−3a(13.9g、37.9mmol)、5−ブロモ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン(10.5g、41.6mmol)、及び炭酸ナトリウム(57.0mLの2.0M水溶液、114mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。得られた溶液を、100℃で約1.5時間加熱した。室温に冷却後、反応混合物を、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を塩化アンモニウム飽和水溶液、及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物i−3d−OHを得た。m/z(ES)413(MH)
【0179】
工程B6−(1−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン−5−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル=トリフルオロメタンスルホナート(i−3d)の調製
2−[N,N−ビス(トリフルオロメタンスルホニル)アミノ]ピリジン(13.2g、37.0mmol)を、DCM(270mL)中の、i−3d−OH(15.6g、37.9mmol)、トリエチルアミン(6.50mL、46.6mmol)、及びDMAP(256mg、2.10mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約2時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;30%−80% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−3dを得た。m/z(ES)545(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.97(s,2H),8.61(d,1H,J=3.0Hz),7.57(d,2H,J=8.4Hz),7.53(m,1H),7.53(d,2H,J=8.0Hz),7.37(d,1H,J=8.7Hz),5.95(s,2H),3.15(m,1H),2.41(s,6H),1.78(s,3H),0.89(d,3H,J=6.7Hz),0.86(d,3H,J=6.9Hz).
【0180】
3−クロロ−6−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリダジン、及び5−ブロモ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジンの調製
【0181】
【化45】

【0182】
トルエン(150mL)中の、p−TSA(117mg、0.618mmol)、2,5−ヘキサンジオン(4.36mL、37.1mmol)、及び3−アミノ−6−クロロピリダジン(4.00g、30.9mmol)の混合物を、凝縮器及びディーン・スターク装置を具備した丸底フラスコ内で、140℃において5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し炭を加えた。混合物を、CELITE(登録商標)を通して濾過し、そして真空中で濃縮して、標題化合物i−3eを得た。m/z(ES)208(MH)
【0183】
5−ブロモ−2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジンは、3−アミノ−6−クロロピリダジンの代わりに2−アミノ−5−ブロモピリミジンを置き換えることを除いて、上記記載の方法に従って調製した。m/z(ES)252(MH)
【0184】
【化46】

【0185】
i−4aの調製
工程Aメチル=6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ニコチナート(i−4a)の調製
酢酸パラジウム(II)(6.00mg、0.0260mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(28.0mg、0.0520mmol)を、連続的に、トリメチルアミン:DMF:メタノール(2.20mLの、各1:10:10混合物)中のi−3c(82.0mg、0.171mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。反応混合物を一酸化炭素で飽和し、次いで、一酸化炭素雰囲気下(バルーン)に、75℃で6時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をCELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;15%−35% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−4aを得た。m/z(ES)391(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.22(d,1H,J=1.6Hz),8.46(s,1H),8.29(d,1H,J=2.5Hz),8.17(dd,1H,J=1.1,8.5Hz),7.50(m,4H),7.35(m,2H),3.95(s,3H),3.92(d,3H,J=1.6Hz),3.19(m,1H),1.77(s,3H),0.88(d,3H,J=6.6Hz),0.86(d,3H,J=6.9Hz).
【0186】
中間体i−4aの調製用に記載されたものと同様の方法に従って、以下の追加の中間体i−4b−fを、各々i−3d−hから調製し得る。
【0187】
【化47】

【0188】
i−4cについて:m/z(ES)455(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.22(d,1H,J=2.3Hz),8.16(1H,dd,J=2.2,8.4Hz),8.06(2H,d,J=8.4Hz),7.97(1H,d,J=8.9Hz),7.55(2H,d,J=8.7Hz),7.45(1H,d,J=8.9Hz),7.34(1H,d,J=8.5Hz),5.99(2H,s),3.94(3H,s),3.20(1H,m),2.21(6H,s),1.78(3H,s),0.88(3H,d,J=6.7Hz),0.85(3H,d,J=6.6Hz).
【0189】
【化48】

【0190】
i−5aの調製
工程A: 6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ニコチノニトリル(i−5a)の調製
テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(43.0mg、0.0370mmol)を、CHCN(2.00mL)中の、i−3c(89.0mg、0.185mmol)、シアン化カリウム(36.0mg、0.556mmol)、及びヨウ化銅(I)(14.0mg、0.0740mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。得られた溶液を、85℃で約6時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;20%−30% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−5aを得た。m/z(ES)358(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ8.90(d,1H,J=1.9Hz),8.46(m,1H),8.30(m,1H),7.84(dd,1H,J=2.3,8.4Hz),7.52(d,2H,J=8.5Hz),7.46(d,2H,J=8.5Hz),7.38(m,2H),3.94(s,3H),3.16(m,1H),1.76(s,3H),0.87(d,3H,J=6.6Hz),0.86(d,3H,J=6.9Hz).
【0191】
中間体i−5aの調製用に記載されたものと同様の方法に従って、以下の追加の中間体i−5b−fを、各々i−3d−hから調製し得る。
【0192】
【化49】

【0193】
【化50】

【0194】
i−6a及びi−6bの調製
工程A6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−オール(i−6a)の調製
2−ピリジンメタノール(442μL、4.58mmol)、ヨウ化銅(I)(38.0mg、0.200mmol)、1,10−フェナントロリン(72.0mg、0.200mmol)、炭酸セシウム(1.30g、3.99mmol)、及びi−2f(310mg、0.845mmol)の混合物を、110℃で約20時間加熱した。室温に冷却した後、反応物を飽和食塩水へ注入し、得られた懸濁液を濾過した。フィルターケークをエーテル中に溶解し、飽和食塩水で2回洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;40%−70% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−6aを得た。m/z(ES)349(MH)
【0195】
工程B6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル=トリフルオロメタンスルホナート(i−6b)の調製
化合物i−6bを、i−3bからのi−3cの調製について記載されたものと同様の方法に従って調製した。m/z(ES)481(MH)
【0196】
化合物i−6c及びi−6dは、各々、スキームi−4の工程A、及びスキームi−5の工程Aに記載のものと同様の方法に従って調製可能である。
【0197】
【化51】

【0198】
6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ニコチノニトリル(i−6d)については:m/z(ES)358(MH)
【0199】
スキームi−6に記載したものと同様の方法に従って、表i−6に表わされた追加の化合物を調製可能である:
【0200】
【表1】

【0201】
6−{1,2−ジメチル−1−[4−(1,3−チアゾール−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ニコチノニトリル(i−6Bb)について:m/z(ES)364(MH)
メチル=6−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]
プロピル}ニコチナート(i−6Ca)について:m/z(ES)391(MH)
6−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピ
ル}ニコチノニトリル(i−6Cb)について:m/z(ES)358(MH)
【0202】
【化52】

【0203】
3−(1−ブトキシビニル)−6−クロロピリダジン(i−7a)の調製
THF(24.0mL)を、tert−ブチルリチウム(150mLの、ペンタン中1.7M溶液)へ、−78℃において迅速に滴下添加した。15分後、n−ブチルビニルエーテル(14.0mL、109.4mmol)を添加し、得られた混合物を−30℃に温め、この時点で少量のガス発生を見た。ガス発生が止まったとき、2回目のn−ブチルビニルエーテル(14.0mL、109.4mmol)を添加し、反応温度を−30℃に維持した。ガス発生が止まった後、反応混合物を−78℃に冷却し、THF(250mL)中の塩化亜鉛(29.8g、219mmol)の溶液を、迅速に滴下添加した。15分後、反応物を−10℃に温め、THF(200mL)中の、3,6−ジクロロピリダジン(32.6g、219mmol)及び[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(16.0g、21.9mmol)の攪拌溶液へ、0℃において、カニューレによって移した。0℃で1時間後、反応混合物をEtOAcで希釈し、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−15% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物i−7aを得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ7.80(d,1H,J=8.9Hz),7.52(d,1H,J=8.9Hz),5.76(d,1H,J=2.5Hz),4.55(d,1H,J=2.5Hz),3.97(t,2H,J=6.4Hz),1.83(m,2H),1.57(m,2H),1.02(t,3H,J=7.5Hz).
【0204】
以下の実施例の表において、質量スペクトルのデータのある化合物を、合成により調製した。
実施例1
【0205】
【化53】

【0206】
1fの調製
工程A: N’−ヒドロキシ−6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−カルボキシイミドアミド(1a)の調製
ヒドロキシルアミン(378μLの、HO中50%溶液、5.75mmol)を、EtOH(17.0mL)中の、i−5a(685mg、1.92mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加し、得られた反応混合物を80℃で約2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−7% メタノール/DCMを溶出剤として)により精製し、標題化合物1aを得た。m/z(ES)391(MH)HNMR(500MHz,CDOD):δ8.78(d,1H,J=2.0Hz),8.36(d,1H,J=1.8Hz),8.19(d,1H,J=2.7Hz),7.91(dd,1H,J=2.4,8.3Hz),7.59(m,3H),7.49(d,2H,J=8.4Hz),7.42(d,1H,J=8.5Hz),3.93(s,3H),3.16(m,1H),1.74(s,3H),0.88(d,3H,J=6.7Hz),0.85(d,3H,J=6.9Hz).
【0207】
工程B2−({[(1E)−アミノ(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)メチレン]アミノ}オキシ)−2−オキソエチル=アセテート(1b)の調製
化合物1a(350mg、0.896mmol)を、DCM(8.00mL)中の、アセトキシ酢酸(126mg、1.07mmol)、1[3−(ジメチルアミノ)プロピル]−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(205mg、1.07mmol)、及び1−ヒドロキシベンゾトリアゾール(157mg、1.16mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加した。約1時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物1bを得て、これをさらなる精製なしに次の反応において使用した。m/z(ES)491(MH)+1HNMR(500MHz,CDCl):δ8.90(s,1H),8.51(s,1H),8.29(s,1H),7.92(d,1H,J=8.5Hz),7.83(s,1H),7.54(d,2H,J=8.0Hz),7.50(d,2H,J=8.0Hz),7.35(d,1H,J=8.3Hz),5.21(br,2H),4.90(s,2H),4.03(s,3H),3.17(m,1H),2.22(s,3H),1.76(s,3H),0.88(d,3H,J=6.4Hz),0.84(d,3H,J=6.6Hz).
【0208】
工程C[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メチル=アセテート(1c)の調製
キシレン(6.00mL)中の1b(0.896mmol)の溶液を、110℃で約1時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を真空中で濃縮し、標題化合物1cを得て、これをさらなる精製なしに次の反応において使用した。m/z(ES)473(MH)
【0209】
工程D[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メタノール(1d)の調製
水(1.00mL)中の、炭酸カリウム(743mg、5.38mmol)の混合物を、メタノール(3.00mL)中の1c(0.896mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加した。約1時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−6% メタノール/DCMを溶出剤として)により精製し、標題化合物1dを得た。m/z(ES)431(MH)HNMR(500MHz,CDOD):δ9.19(d,1H,J=2.1Hz),8.65(d,1H,J=1.4Hz),8.46(d,1H,J=2.5Hz),8.32(dd,1H,J=2.2,8.5Hz),8.24(m,1H),7.72(d,2H,J=8.4Hz),7.62(d,2H,J=8.4Hz),7.59(d,1H,J=8.7Hz),4.88(s,2H),4.07(s,3H),3.24(m,1H),1.80(s,3H),0.91(d,3H,J=6.6Hz),0.87(d,3H,J=6.8Hz).
【0210】
工程E[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メチル=メタンスルホナート(1e)の調製
メタンスルホニルクロリド(28.0μL、0.362mmol)を、DCM(2.00mL)中の、1d(104mg、0.241mmol)及びN,N−ジイソプロピルエチルアミン(105μL、0.602mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約20分後、反応混合物を水へ注入し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物1eを得て、これをさらなる精製なしに使用した。
【0211】
工程F4−{[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メチル}モルホリン(1f)の調製
モルホリン(70.0μL、0.803mmol)を、DMF(800mL)中の3e(0.0803mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加した。約1時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、YMC Pack Pro C18固定相上での分取用逆相HPLC(CHCN/HOを溶出剤として、0.05%TFAを調整剤として)により精製し、それ続く、精製された分画の凍結乾燥により、標題化合物1fを得た。m/z(ES)500(MH)HNMR(500MHz,CDOD):δ9.20(d,1H,J=2.1Hz),8.62(s,1H),8.40(m,1H),8.33(dd,1H,J=2.3,8.5Hz),8.17(m,1H),7.71(d,2H,J=8.3Hz),7.61(d,2H,J=8.4Hz),7.60(d,1H,J=8.3Hz),4.31(s,2H),4.06(s,3H),3.82(m,4H),3.24(m,1H),2.98(m,4H),1.80(s,3H),0.91(d,3H,J=6.6Hz),0.87(d,3H,J=6.8Hz).
【0212】
実施例1に記載したものと同様の方法に従って、表1に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0213】
【表2】

【0214】
【表3】

【0215】
表1. 以下の化合物についての親イオンm/z(MN)データ:
2−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−オール(1Ac)について:m/z(ES)457(MH)
2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}−5−[5−(ピペリジン−1−イルメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピリジン(1Ae)について:m/z(ES)498(MH)
5−{5−[(4−フルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン(1Af)について:m/z(ES)516(MH)
2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}−5−[5−(ピロリジン−1−イルメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピリジン(1Ag)について:m/z(ES)484(MH)
5−(5−{[(3S)−3−フルオロピロリジン−1−イル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン(1Ah)について:m/z(ES)502(MH)
5−(5−{[(3R)−3−フルオロピロリジン−1−イル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン(1Ai)について:m/z(ES)502(MH)
tert−ブチル={1−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)
フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジ
アゾール−5−イル]−1−メチルエチル}カルバメート(1Am)について:m/z(ES)558(MH)
tert−ブチル={1−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロピル}カルバメート(1An)について:m/z(ES)556(MH)
【0216】
実施例2
【0217】
【化54】

【0218】
2aの調製
工程A2−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−アミン(2a)の調製
水(20.0μL)中のHCl(380μLの、1,4−ジオキサン中4.0M、1.52mmol)を、1,4−ジオキサン(300μL)中の1Am(20.8mg、0.037mmol)の攪拌溶液へ、10℃において添加し、得られた混合物を室温に温めた。約1時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、YMC Pack Pro C18固定相上での分取用逆相HPLC(CHCN/HOを溶出剤として、0.05%TFAを調整剤として)により精製し、それ続く、精製された分画の凍結乾燥により、標題化合物2aを得た。
m/z(ES)458(MH)HNMR(500MHz,CDOD):δ9.22(s,1H),8.75(br,1H),8.55(br,1H),8.47(d,1H,J=8.2Hz),8.42(s,1H),7.78(d,2H,J=8.1Hz),7.73(d,1H,J=8.4Hz),7.64(d,2H,J=8.0Hz),4.11(s,3H),3.22(m,1H),1.88(s,6H),1.82(s,3H),0.92(d,3H,J=6.4Hz),0.87(d,3H,J=6.4Hz).
【0219】
実施例2に記載したものと同様の方法に従って、以下の追加の化合物2b2dを調製することができる:
【0220】
【化55】

【0221】
以下の化合物についての親イオンm/z(MN)データ:
1−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロパンアミン(2b):m/z(ES)456(MH)
【0222】
実施例3
【0223】
【化56】

【0224】
3cの調製
工程A2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}−5−(1−メトキシビニル)ピリジン(3a)の調製
テッベ試薬(0.510mLの、トルエン中0.5M溶液、0.256mmol)を、THF(2.00mL)中のi−4a(100mg、0.256mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加した。約16時間後、反応を、塩基性アルミナの添加によりクエンチし、得られた懸濁液を塩基性アルミナのショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を真空中で濃縮し、粗残渣(3a)を、さらなる精製なしに次の反応において使用した。
【0225】
工程Bエチル=5−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−カルボキシラート(3b)の調製
エチル=2−クロロ−2−(ヒドロキシイミノ)アセテート(116mg、0.768mmol)を、THF(10.0mL)中の、3a(0.256mmol)及びトリエチルアミン(357μL、2.56mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。約1時間後、TFAの添加により、反応混合物を〜pH1まで酸性化し、得られた混合物を50℃で約4.5時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、重炭酸ナトリウム飽和水溶液で中和し、真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−100% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物3bを得た。m/z(ES)472(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.05(d,1H,J=2.3Hz),8.46(d,1H,J=2.4Hz),8.29(d,1H,J=2.5Hz),8.00(dd,1H,J=2.3,8.5Hz),7.51(m,4H),7.41(d,1H,J=8.2Hz),7.36(m,1H),6.98(s,1H),4.50(q,2H,J=7.1Hz),3.92(s,3H),3.71(m,1H),1.78(s,1H),1.47(t,3H,J=7.1Hz),0.91(d,3H,J=6.7Hz),0.88(d,3H,J=6.9Hz).
【0226】
工程C2−[5−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル]プロパン−2−オール(3c)の調製
メチルマグネシウムブロミド(300μLの、トルエン:THF(75:25)中1.4M溶液、0.420mmol)を、THF(2.00mL)中の3b(40.0mg、0.0850mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約3時間後、反応物を、塩化アンモニウム飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上での分取用薄層クロマトグラフィー(60% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物3cを得た。m/z(ES)458(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.02(m,1H),8.46(m,1H),8.29(m,1H),7.96(m,1H),7.51(m,4H),7.38(m,2H),6.62(s,1H),3.92(s,3H),3.18(m,1H),1.78(s,3H),1.69(s,6H),0.91(d,3H,J=6.6Hz),0.88(d,3H,J=6.9Hz).
【0227】
実施例1及び3に記載したものと同様の方法に従って、表3に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0228】
【表4】

【0229】
【表5】

【0230】
実施例4
【0231】
【化57】

【0232】
4dの調製
工程A2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}−5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン(4a)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(220mg、0.303mmol)を、DMSO(25.0mL)中の、i−3c(2.91g、6.06mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(1.69g、6.66mmol)、及び酢酸カリウム(1.71g、18.2mmol)の攪拌懸濁液へ、室温で添加した。得られた懸濁液を、80℃で約1.5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物4aを得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ8.96(d,1H,J=0.9Hz),8.45(d,1H,J=1.3Hz),8.28(d,1H,J=2.5Hz),7.95(dd,1H,J=1.9,8.1Hz),7.48(m,4H),7.37(m,1H),7.26(d,1H,J=8.0Hz),3.93(s,3H),3.18(m,1H),1.75(s,3H),1.27(s,12H),0.88(d,3H,J=6.6Hz),0.84(d,3H,J=6.8Hz).
【0233】
工程B3−クロロ−6−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン(4b)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(700mg、0.960mmol)を、EtOH:トルエン(25.0mLの、各80:20混合物)中の、4a(2.20g、4.80mmol)、3,6−ジクロロピリダジン(1.40g、5.80mmol)、及び炭酸ナトリウム(4.80mLの2.0M水溶液、9.60mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。得られた溶液を、95℃で約2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−60% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物4bを得た。m/z(ES)445(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.19(d,1H,J=2.1Hz),8.46(d,1H,J=1.6Hz),8.36(dd,1H,J=2.5,8.5Hz),8.29(d,1H,J=2.8Hz),7.86(d,1H,J=8.9Hz),7.62(d,1H,J=8.9Hz),7.52(m,4H),7.46(d,1H,J=8.2Hz),7.37(m,1H),3.93(s,3H),3.21(m,1H),1.80(s,3H),0.93(d,3H,J=6.9Hz),0.89(d,3H,J=6.9Hz).
【0234】
工程Cメチル=6−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−カルボキシラート(4c)の調製
酢酸パラジウム(II)(81.0mg、0.360mmol)及び1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン(401mg、0.720mmol)を、トリメチルアミン:DMF:メタノール(25.0mLの、各1:10:10混合物)中の4b(1.60mg、3.62mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加した。反応混合物を一酸化炭素で飽和し、次いで、一酸化炭素雰囲気下(バルーン)に、70℃で約3.5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をCELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、DCMで溶出した。濾液を真空中で部分的に濃縮し、EtOAcで希釈した。有機層を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;40%−80% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物4cを得た。
m/z(ES)469(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.31(d,1H,J=1.9Hz),8.45(m,2H),8.29(d,2H,J=8.7Hz),8.03(d,1H,J=8.7Hz),7.50(m,6H),4.12(s,3H),3.94(s,3H),3.22(m,1H),1.81(s,3H),0.93(d,3H,J=6.6Hz),0.89(d,3H,J=6.6Hz).
【0235】
工程D2−[6−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オール(4d)の調製
メチルマグネシウムブロミド(1.10mLの、トルエン:THF(75:25)中1.4M溶液)を、THF(5.00mL)中の4c(360mg、0.768mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約45分後、反応を、1NのHClの添加によりクエンチし、得られた混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、EtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;20〜100% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物4dを得た。m/z(ES)469(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.21(d,1H,J=2.3Hz),8.46(br,1H),8.40(dd,1H,J=2.3,8.5Hz),8.28(br,1H),7.90(d,1H,J=8.9Hz),7.78(d,1H,J=8.7Hz),7.52(m,4H),7.45(d,1H,J=8.4Hz),7.40(m,1H),3.93(s,3H),3.20(m,1H),1.80(s,3H),1.70(s,6H),0.92(d,3H,J=6.6Hz),0.88(d,3H,J=6.8Hz).
【0236】
化合物4eを、4dの調製用の上記記載の方法に従って、i−3dから調製した。
m/z(ES)533(MH)
【0237】
【化58】

【0238】
工程A2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)−5−(4−{1,2−ジメチル−1−[5−(4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)ピリジン−2−イル]プロピル}フェニル)ピリミジン(4x)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.17g、3.89mmol)を、DMSO(200mL)中の、i−3d(21.2g、38.9mmol)、ビス(ピナコラート)ジボロン(10.9g、42.8mmol)、及び酢酸カリウム(11.5g、117mmol)の攪拌懸濁液へ、室温で添加した。得られた懸濁液を、80℃で約1.5時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物をEtOAcで希釈し、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物4xを得た。HNMR(500MHz,CDCl):δ8.98(m,1H),8.95(s,2H),7.97(d,1H,J=8.0Hz),7.54(m,4H),7.27(d,1H,J=8.2Hz),5.94(s,2H),3.20(m,1H),2.39(s,6H),1.76(s,3H),1.36(s,12H),0.89(d,3H,J=6.6Hz),0.85(d,3H,J=6.9Hz).
【0239】
工程B3−(1−ブトキシビニル)−6−[6−(1−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン−5−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]ピリダジン(4y)の調製
[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)(3.18g、3.89mmol)を、EtOH:トルエン(175mLの、各80:20混合物)中の、4x(20.3g、38.9mmol)、i−7a(9.93g、46.7mmol)、及び炭酸ナトリウム(38.9mLの2.0M水溶液、77.8mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加した。得られた溶液を、95℃で約3時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を、CELITE(登録商標)のショートカラムを通して濾過し、EtOAcで溶出した。濾液を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−60% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物4yを得た。m/z(ES)573(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.26(d,1H,J=2.0Hz),8.96(s,2H),8.46(dd,1H,J=2.2,8.3Hz),7.90(m,2H),7.58(m,4H),7.46(d,1H,J=8.5Hz),5.93(s,2H),5.85(d,1H,J=2.1Hz),4.57(d,1H,J=1.9Hz),3.99(t,2H,J=6.3Hz),3.24(m,1H),2.39(s,6H),1.83(m,2H),1.82(s,3H),1.56(m,2H),1.03(t,3H,J=7.5Hz),0.96(d,3H,J=6.7Hz),0.89(d,3H,J=6.7Hz).
【0240】
工程C1−{6−[6−(1−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン−5−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]ピリダジン−3−イル}エタノン(4z)の調製
塩酸(100mLの、EtOH中1.0M溶液)を、EtOH(50.0mL)中の4y(7.03g、12.3mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約15分後、2回目の塩酸(100mLの、2.0M水溶液)を添加し、さらに15分後、3回目の塩酸(100mLの、EtOH中1.0M溶液)を添加した。さらに15分後、最後の塩酸(50mLの、6.0M水溶液)を添加し、得られた反応物を、30分間熟成させた。反応物を固体重炭酸ナトリウムの添加によって注意深く中和した。得られた混合物を固体塩化ナトリウムで飽和し、EtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮して、標題化合物4zを得た。m/z(ES)517(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.32(d,1H,J=2.3Hz),8.95(s,2H),8.47(dd,1H,J=2.3,8.5Hz),8.22(d,1H,J=8.9Hz),8.04(d,1H,J=8.9Hz),7.58(m,4H),7.50(d,1H,J=8.4Hz),5.91(s,2H),3.24(m,1H),2.94(s,3H),2.37(s,6H),1.82(s,3H),0.94(d,3H,J=6.6Hz),0.89(d,3H,J=6.6Hz).
【0241】
工程D2−{6−[6−(1−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン−5−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]ピリダジン−3−イル}プロパン−2−オール(4e)の調製
メチルマグネシウムブロミド(32.4mLの、THF:トルエン(25:75)中1.4M溶液)を、THF(70mL)中の、塩化リチウム(1.93g、45.4mmol)、及び4z(11.7g、22.7mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。0℃で約1時間後、反応を、1.0Mの塩酸の滴下添加によりクエンチし、得られた混合物を15分間攪拌した。得られた混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ徐々に注入し、そしてEtOAcで抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸マグネシウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;35%−75% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物4eを得た。m/z(ES)533(MH)HNMR(500MHz,CDCl):δ9.23(d,1H,J=2.1Hz),8.95(s,2H),8.39(dd,1H,J=2.3,8.5Hz),7.89(d,1H,J=9.0Hz),7.79(d,1H,J=8.9Hz),7.57(m,4H),7.46(d,1H,J=8.5Hz),5.92(s,2H),4.20(s,1H),3.22(m,1H),2.38(s,6H),1.81(s,3H),1.70(s,6H),0.93(d,3H,J=6.4Hz),0.88(d,3H,J=6.6Hz).
【0242】
工程E2−[6−(6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オール(4f)の調製
ヒドロキシルアミン塩酸塩(94.0mg、1.350mmol)を、EtOH/水(900μLの、各2:1混合物)中の、4e(72.0mg、0.135mmol)及びトリエチルアミン(10.0μL、0.0730mmol)の攪拌溶液へ、室温において添加し、得られた混合物を、80℃で約14時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、そしてEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、YMC Pack Pro C18固定相上での分取用逆相HPLC(CHCN/HOを溶出剤として、0.05%TFAを調整剤として)により精製し、それ続く、精製された分画の凍結乾燥により、標題化合物4fを得た。m/z(ES)455(MH)
【0243】
【化59】

【0244】
2−[6−(6−{1−[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オー
ル(4g)の調製
化合物4gを、化合物4d及び4fの調製用の上記記載の方法に従って、i−3eから調製した。m/z(ES)455(MH)
【0245】
実施例4及び前述のスキ―ムに記載したものと同様の方法に従って、表4に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0246】
【表6】

【0247】
【表7】

【0248】
表4. 以下の化合物についての親イオンm/z(MN)データ:
3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−メチルピリダジン(4Ac)について:
m/z(ES)425(MH)
3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン(4Ad)について:m/z(ES)479(MH)
【0249】
実施例5
【0250】
【化60】

【0251】
5aの調製
工程A3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−(メチルスルホニル)ピリダジンの調製
ナトリウムメタンスルフィナート(69.0mg、0.680mmol)を、DMF(2.00mL)中の4b(150mg、0.340mmol)の攪拌溶液へ、室温で添加した。得られた混合物を、120℃で約20時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、そしてEtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;20%−60% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物5aを得た。
m/z(ES)489(MH)HNMR(500MHz,CDOD):δ9.36(m,1H),8.74(m,1H),8.68(m,1H),8.55(m,2H),8.41(m,1H),8.38(d,1H,J=8.9Hz),7.83(m,1H),7.79(d,2H,J=8.4Hz),7.66(d,2H,J=8.7Hz),4.10(s,3H),3.30(s,3H),3.25(m,1H),1.86(s,3H),0.96(d,3H,J=6.7Hz),0.90(d,3H,J=6.6Hz).
【0252】
実施例5に記載したものと同様の方法に従って、以下の追加の化合物を調製することができる:
【0253】
【化61】

【0254】
実施例6
【0255】
【化62】

【0256】
6cの調製
工程A5−[4−(1,2−ジメチル−1−{5−[6−(トリフルオロメチル)ピリダジン−3−イル]ピリジン−2−イル}プロピル)フェニル]ピリジン−3−オール(6a)の調製
ピリジニウムクロリド(160mg、1.30mmol)を、純粋な(neat)4Ad(60.0mg、0.130mmol)へ、室温において添加し、得られた混合物を、封管内で、180℃において約2時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液でクエンチし、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;30%−75% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物6aを得た。m/z(ES)465(MH)
【0257】
工程B3−{6−[1,2−ジメチル−1−(4−{5−[(メチルチオ)メトキシ]ピリジン−3−イル}フェニル)プロピル]ピリジン−3−イル}−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン(6b)の調製
クロロメチルメチルスルフィド(12.0μL、0.140mmol)を、DMF(2.00mL)中の、6a(42.0mg、0.0910mmol)、及び炭酸セシウム(46.0mg、0.140mmol)の攪拌懸濁液へ、室温において添加し、得られた混合物を、40℃で約2時間加熱した。反応混合物を室温に冷却し、2回目の炭酸セシウム(46.0mg、0.140mmol)及びクロロメチルメチルスルフィド(12.0μL、0.140mmol)を添加した。得られた混合物を、40℃でさらに約3時間加熱した。室温に冷却した後、反応混合物を、10%硫酸ナトリウム水溶液へ注入し、ジエチルエーテルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;20%−50% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物6bを得た。m/z(ES)525(MH)+1HNMR(500MHz,CDCl):δ9.28(d,1H,J=2.1Hz),8.51(br,1H),8.45(dd,1H,J=2.4,8.3Hz),8.32(br,1H),8.07(d,1H,J=8.9Hz),7.92(d,1H,J=9.0Hz),7.55(m,6H),5.25(s,2H),3.21(m,1H),2.28(s,3H),1.81(s,3H),0.93(d,3H,J=6.4Hz),0.89(d,3H,J=6.6Hz).
【0258】
工程C3−[6−(1−{4−[5−(フルオロメトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン(6c)の調製
1,2−ジクロロエタン(2.00mL)中の6b(18.0mg、0.0340mmol)の溶液を、1,2−ジクロロエタン(1.00mL)中の二フッ化キセノン(58.0mg、0.340mmol)の攪拌溶液へ、0℃において添加した。約2時間後、反応混合物をトリエチルアミン(0.250mL)でクエンチし、真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;10%−30% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物6cを得た。m/z(ES)497(MH)
【0259】
実施例6に記載したものと同様の方法に従って、表6に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0260】
【表8】

【0261】
表6. 以下の化合物についての親イオンm/z(MH)データ:
3−[6−(1−{4−[5−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン(6Ba)について:m/z(ES)515(MH)
3−(6−{1−[4−(5−エトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン(6Ca)について:m/z(ES)493(MH)
3−[6−(1−{4−[5−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン(6Da)について:m/z(ES)555(MH)
【0262】
実施例7
前述の実施例において記載したものと同様の方法に従って、表7に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0263】
【表9】

【0264】
表7. 以下の化合物についての親イオンm/z(MN)データ:
2−(6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)プロパン−2−オール(7Ad)について:m/z(ES)377(MH)
メチル=6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ニコチナート(7Ae)について:m/z(ES)377(MH)
6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ニコチノニトリル(7Af)について:m/z(ES)344(MH)
2−(6−{1−[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)プロパン−2−オール(7Bd)について:m/z(ES)377(MH)
【0265】
実施例8
【0266】
【化63】

【0267】
工程A5−(6−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン(8a)の調製
ヒドラジン一水和物(1.50mL、31.0mmol)を、エタノール(5mL)中のi−6Ca(41.0mg、0.104mmol)の攪拌溶液へ添加し、得られた溶液を、還流温度において約1.5時間加熱した。室温に冷却した後、揮発物質を真空中で除去し、残渣をEtOAcと水との間に分配した。有機相を分離し、水及び飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣をジオキサン(400μL)中に溶解し、これに重炭酸ナトリウム水溶液(17.0mg、100μLの水中に0.208mmol)をシリンジから滴下添加した。次いで、ジオキサン(100μL)中の臭化シアン(17.0mg、0.156mmol)の溶液を、徐々に添加した。約1時間後、反応混合物を重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、そしてEtOAcで2回抽出した。合わせた有機抽出物を飽和食塩水で洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、YMC Pack Pro C18固定相上での分取用逆相HPLC(CHCN/HOを溶出剤として、0.05%TFAを調整剤として)により精製し、それ続く、精製された分画の凍結乾燥により、標題化合物8aを得た。m/z(ES)416(MH)HNMR(500MHz,CDOD):δ9.08(d,1H,J=1.1Hz),8.76(brs,1H),8.44(m,1H),8.12(dd,1H,J=2.3,8.2Hz),8.02(d,1H,J=8.0Hz),7.87(m,1H),7.62(d,2H,J=8.7Hz),7.52(d,1H,J=8.2Hz),7.02(d,2H,J=8.7Hz),5.41(s,2H),3.97(s,1H),1.03(s,9H).
【0268】
既に記載したものと同様の方法に従って、表8に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0269】
【表10】

【0270】
実施例9
【0271】
【化64】

【0272】
工程A: アンモニウム=5−(6−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)テトラゾール−2−イド(9a)の調製
アジドトリメチルスズ(330mg、1.60mmol)を、トルエン(5.00mL)中のi−6Cb(145mg、0.406mmol)の攪拌溶液へ添加し、得られた溶液を、約18時間加熱還流した。室温に冷却した後、反応混合物を部分的に濃縮し、エタノールで希釈した。塩酸(エタノール中1N)を添加し、1.5時間の激しい攪拌の後、揮発物質を真空中で除去し、粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;0%−100% DCM:メタノール:水酸化アンモニウム(85:15:1)/DCMを溶出剤として)により精製し、標題化合物9aを得た。m/z(ES)401(MH)
【0273】
工程B2−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン(9b)の調製
ヨードメタン(30.0μL、0.482mmol)を、DMF(2.00mL)中の、炭酸セシウム(195mg、0.598mmol)及び9a(50.0mg、0.119mmol)の攪拌懸濁液へ、室温において添加した。約2時間後、反応混合物を、重炭酸ナトリウム飽和水溶液へ注入し、そして酢酸エチルで3回抽出した。合わせた有機抽出物を、水で3回、そして飽和食塩水で1回洗浄し、乾燥し(硫酸ナトリウム)、そして真空中で濃縮した。粗残渣を、シリカゲル上でのフラッシュクロマトグラフィー(勾配溶出;10%−60% EtOAc/ヘキサンを溶出剤として)により精製し、標題化合物9bを得た。m/z(ES)415(MH)
【0274】
既に記載したものと同様の方法に従って、表9に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0275】
【表11】

【0276】
実施例10
前述の実施例に記載したものと同様の方法に従って、表10に表わされた以下の追加の化合物を調製することができる:
【0277】
【表12】

【0278】
【表13】

【0279】
表10. 以下の化合物についての親イオンm/z(MN)データ:
2−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−オール(10Aa)について:m/z(ES)459(MH)
1−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロパンアミン(10Ad)について:m/z(ES)456(MH)
4−{[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メチル}モルホリン(10Ae)について:m/z(ES)500(MH)
3−クロロ−6−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン(10Ag)について:m/z(ES)445(MH)
メチル=6−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−カルボキシラート(10Ah)について:m/z(ES)469(MH)
2−[6−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オール(10Aj)について:m/z(ES)469(MH)
2−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(1,3−チアゾール−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−オール(10Ca)について:m/z(ES)465(MH)
1−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(1,3−チアゾール−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロパンアミン(10Cd)について:m/z(ES)462(MH)
【0280】
FLAP結合アッセイ
【0281】
【化65】

【0282】
ヒト白血球10,000xg上清からの100,000xgペレット(1)が、FLAPの供給源である。100,000xgペレットの膜を、トリス−ツイーンアッセイ緩衝液(100mM トリスHCl pH7.4、140mM NaCl、2mM EDTA、0.5mM ジチオスレイトール、5%グリセロール、0.05%ツイーン20)中に再懸濁し、50μg乃至150μg/mlの最終タンパク質濃度を得た。アリコート(100μl)の膜懸濁液を、100μlのトリス−ツイーンアッセイ緩衝液、5μlのMeOH:アッセイ緩衝液(1:1)中の30,000cpmの化合物A、及び2μlのジメチルスルホキシド、又は、ジメチルスルホキシド中の競合物質(すなわち、試験されるべき化合物)を含有する12mm×75mmのポリプロピレンチューブへ添加した。化合物B(終濃度10μM)を使用して、非特異的結合を測定した。室温で20分間のインキュベーションの後、0.1M トリスHCl pH7.4、0.05%ツイーン20の冷えた洗浄緩衝液を用いて内容物を4mlに希釈し、予め洗浄緩衝液に浸されたGFBフィルタでの濾過により、膜を収集した。チューブ及びフィルタを、4mlアリコートの冷えた洗浄緩衝液で2回すすいだ。フィルタを、ガンマ−シンチレーションカウンティングによる放射能測定用の、12mm×3.5mmのポリスチレンチューブに移した。
【0283】
特異的結合は、全結合マイナス非特異的結合として定義される。全結合は、競合物質の不在下に、膜に結合した化合物Aであり;非特異的結合は、10uMの化合物Bの存在下に結合した化合物Aであった。化合物Aの調製は、以下の参考文献1に記載されている。IC50値は、実験データのコンピューター分析(以下の参考文献2を参照)により得た。本発明の代表的な試験化合物は、IC50値<50nM未満であると測定され、以下に例を示してある:
【0284】
【表14】

【0285】
参考文献:
1. チャールソン(Charleson,S.)、プラスティ(Prasti,P.)、レジャー(Leger,S.)、ギラード(Gillard,J.W.)、ウィッカーズ(Vickers,P.J.)、マンシーニ(Mancini,J.A.)、チャールソン(Charleson,P.)、グアイ(Guay,J.)、フォード−ハッチンソン(Ford−Hutchinson,A.W.)、及びエバンス(Evans,J.F.)著、「5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質結合アッセイのキャラクタリゼーション:5−リポキシゲナーゼ活性化タンパク質への親和性とロイコトリエン合成阻害との相関関係(Characterization of a 5−lipoxygenase−activating protein binding assay:correlation of affinity for 5−lipoxygenase−activating protein with leukotrien synthesis inhibition)、モレキュラー・ファーマコロジー(Mol Pharmacol)」、1992年、第41巻、p.873〜879.
2. マクファーソン(G.A.McPherson)、「解離速度解析、前処理、リガンド、タンパク質定量:放射性リガンド結合解析プログラムのコレクション(Kinetic,EBDA,Ligand,Lowry:A collection of Radioligand Binding Analysis Programs)」、エルゼビア・バイオソフト(Elsevier−BIOSOFT)。
【0286】
本発明を、そのいくつかの特定の実施態様について記載してきたが、当業者には、本明細書に記載の技術から、多数の別の実施態様が明らかであろう。クレームにおける1つの特定の化合物(すなわち、一種類)のキラル指定なしの列挙は、該化合物のラセミ体、エナンチオマー混合物、各個のエナンチオマー、ジアステレオ異性体混合物、及び各個のジアステレオ異性体を包含することが意図されている(1つ以上の不斉中心の存在の故に、かかる形態が可能である場合)。本明細書において引用された全ての特許、特許出願、及び公報は、その記載全体が参照することにより本明細書に含まれる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
qは、0(ゼロ)及び1(一)から選択される整数であり;
は、
(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N、S、及びOから選択される2乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい);
(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N及びOから選択される1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環はRで置換されていてもよい);
(c)8員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、1個の硫黄及び2〜4個の窒素から選択される、3〜5個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい);及び
(d)9員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、3〜4個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい);
(e)−C1−6アルキル、−C2−6アルケニル、及び−C2−6アルキニル(ここで、当該アルキル、アルケニル、及びアルキニル基は、R12で置換されていてもよく、かつR13で置換されていてもよい);
(f)−C3−6シクロアルキル(これは、フルオロ、−NH、−OH、及び−C1−3アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択される、1〜3個の置換基で置換されていてもよい);
(g)−O−R6a(ここで、R6aは、(1)R12で置換されていてもよく、かつR13で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(2)R12で置換されていてもよく、かつR13で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、及び(3)−C2−6アルキル−R10、からなる群より選択され;ただし、qが0のとき、R6aは、Zで置換された−C1−6アルキルではない);並びに
(h)−H、−OH、−CN、−CO4a、−C(O)NR、−NR、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−S(O)、及び−S(O)NR
からなる群より選択され;
pは、0、1、及び2から選択される整数であり;
は、(a)−OH及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(b)1〜3個のフルオロで置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、及び
【化2】

からなる群より選択され;
nは、0、1、2、及び3から選択される整数であり;
は、−H、−F、−OH、及び−C1−3アルキル(これは、1〜5個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択されるか;又は
及びRは、一緒になって、3乃至8個の炭素原子を含有する単環又は二環式の環系を表わし、当該系は、C1−3アルキル、OC1−3アルキル、F、OH、モノ−、ジ−又はトリ−フルオロC1−3アルキル、及びモノ−、ジ−又はトリ−フルオロC1−3アルコキシ、から選択される1〜2個の基で置換されていてもよく;
Xは、−O−、−S−、及び−C(R14−からなる群より選択され;
4aは、−H、−C1−6アルキル、及び−C3−6シクロアルキルからなる群より選択され;
は、−H、−C1−6アルキル、及び−C3−6シクロアルキルからなる群より選択され;
は、−H、−F、及び−CHからなる群より選択され;
は、(a)−OH、−NH、−CN、−OC1−4アルキル、及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(b)−C1−6アルキル−R10、(c)−OH、−NH、及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−OC1−6アルキル、(d)メチル、−OH、−NH、−CF、及びフルオロからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、(e)−NR、(f)−SO1−3アルキル、(g)−CO−R、(h)−OH、(i)=O(オキソ)、(j)−SH、(k)=S、(l)−SMe、(m)−Cl、(n)−CF、(o)−CN、及び(p)R10
からなる群より選択され;
は、(a)−H、(b)−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、(c)メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、(d)−F及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−COC1−6アルキル、(e)メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−COC3−6シクロアルキル、及び(f)1個のNを含有する4〜6員の飽和ヘテロ環(ここで該環は、該環の炭素原子を介し−NRの窒素に結合されており、かつここで、該環は、メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)、
からなる群より選択され;
は、(a)−H、(b)−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C1−6アルキル、及び(c)メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい−C3−6シクロアルキル、
からなる群より選択され;
は、−H、−OH、−C1−3アルキル、及び−Fからなる群より選択され;
10は、(a)アゼチジニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、(b)ピロリジニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、(c)ピペリジニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、及び(d)モルホリニル(1個以上のメチル、−F、及び−OHで置換されていてもよい)、
からなる群より選択されるヘテロ環であり;かつ
Yは、(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至4個のN及び0乃至1個のSから選択される、1乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい);(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環はR11で置換されていてもよい);(c)9員の二環式芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至4個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい);及び(d)10員の二環式芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1乃至4個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい);かつ
11は、−F、−NH、−OH、−OC3−4シクロアルキル、−C1−3アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、及び−OC1−3アルキル(これは、フェニル又は1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
12は、−CO4a、−C(O)NR、−N(R、−NRSO、−NRC(O)R、−NRC(O)NR、−S(O)NR、−S(O)、−F、−CF、フェニル、Hetcy、及びZからなる群より選択され;
13は、−OH、−NH、及び1〜5個の−Fからなる群より選択され;
14は、−H、及び−C1−4アルキル(これは、1〜3個のフルオロ基で置換されていてもよい)からなる群より選択され;
各Rは、
a)−H、
b)−C1−4アルキル、−C2−4アルケニル、及び−C2−4アルキニル(ここで、各々は、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、−NH、−NHC1−4アルキル、及び−N(C1−4アルキル)、及び−CFからなる群より選択される1〜2個の置換基で、並びに1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、
c)Hetcy、及びHetcy−C1−4アルキル(ここで、Hetcy基は、−F、−OH、−COH、−C1−4アルキル、−CO1−4アルキル、−O−C1−4アルキル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、−NHC(O)C1−4アルキル、オキソ、−C(O)NHC1−4アルキル、及び−C(O)N(C1−4アルキル)からなる群より選択される1〜2個の置換基で炭素上に置換されていてもよく;かつ、−C1−4アルキル及び−C1−4アシルからなる群より選択される基である場合には、窒素上に置換されていてもよく;かつ、Hetcy−C1−4アルキルのアルキル部分は、−OH、−CN、−OC1−4アルキル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、及び1〜3個のフルオロからなる群より選択されるメンバーで置換されていてもよい);
d)Z及びZ−C1−4アルキル−(ここで、Z−C1−4アルキル−のアルキル部分は、−OH、−CN、−OC1−4アルキル、−NH、−NHC1−4アルキル、−N(C1−4アルキル)、及び1〜3個のフルオロからなる群より選択される置換基で置換されていてもよい)、
からなる群より独立して選択され;
各Rは、−H、及び−C1−3アルキル(これは、NH、−OH、−F、−CN、及び−CFからなる群より選択される1〜2個のメンバーで置換されていてもよい)からなる群より独立して選択され;
、R、及びRは、それぞれ独立して、−H、−F、−Cl、−OH、−CN、−C1−4アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、及び−OC1−4アルキル(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)からなる群より選択され;
Hetcyは、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、モルホリニル、テトラヒドロフラニル、及びβ−ラクタミル、δ−ラクタミル、γ−ラクタミル、及びテトラヒドロピラニルからなる群より選択され;
は、
a)Z
b)8員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、1個の硫黄及び2〜4個の窒素から選択される、3〜5個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい)、及び
c)9員の芳香族又は部分的に不飽和のオルト縮合した二環式の環系(これは、3〜4個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい)、
からなる群より選択され;
は、
a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2〜4個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの窒素は、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよく、かつ該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい);
b)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1個の酸素又は1個の硫黄及び1〜2個の窒素から選択される、2〜3個のヘテロ原子を含有し、ここで、該環の1つの窒素は、C1−4アルキル、及び置換されたC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよく、かつ該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、及びC1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されていてもよい)から選択される基で置換されていてもよい)、及び
c)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、1〜2個の窒素原子を含有し、ここで、該環の1つの窒素は、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよく、かつ該環の1つの炭素は、=O、=S、−SMe、−NH、−CF、−Cl、−C1−4アルキル、及び置換された−C1−4アルキル(これは、−NH、−OH、−OC1−4アルキル、−CN、及び1〜3個のフルオロから選択される基で置換されている)から選択される基で置換されていてもよい)、
からなる群より選択される]
の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項2】
Yが、(a)5員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のN及びゼロ乃至1個のSから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい)、及び(b)6員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい)から選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Yが、
【化3】

から選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項4】
が、i−プロピル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、
【化4】

からなる群より選択され、かつRが、−H及び−CHからなる群より選択される、請求項2記載の化合物。
【請求項5】
が、−H、−CH、及び−CHCHからなる群より選択され、かつRが−Hである、請求項4記載の化合物。
【請求項6】
が、
(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2乃至4個のN、ゼロ乃至1個のO、及びゼロ乃至1個のSから選択される、全2乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N及びOから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(c)−C1−4アルキル(これは、R12で置換されていてもよく、かつ、R13で置換されていてもよい)、
(d)−OR6a(ここにおいて、R6aは、R13で置換されていてもよい−C1−4アルキルである)、(e)−CO1−6アルキル、(f)−C(O)NR、(g)−CN、及び(h)−C3−6シクロアルキル(これは、R12で置換されていてもよく、かつ、R13で置換されていてもよい)、
からなる群より選択される、請求項5記載の化合物。
【請求項7】
が、
(a)−C(CHOH、(b)−C(CHNH、(c)−C3−6シクロアルキル(これは、−OH及び−NHからなる群より選択される、1個以上の置換基で置換されていてもよい)、(d)−OCH(これは、1〜3個のフルオロで置換されていてもよい)、(e)−CN、(f)−CO1−6アルキル、及び(g)−C(O)NR(ここにおいて、Rは−Hであり、Rは、(i)−H、(ii)−C1−6アルキル(これは、−F及び−OHからなる群より選択される、1個以上の置換基で置換されていてもよい)、(iii)−C3−6シクロアルキル(これは、−F及び−OHからなる群より選択される、1個以上の置換基で置換されていてもよい)、及び(iv)4〜6員の飽和ヘテロ環(これは、1個のNを含有し、ここにおいて、該環は、該環の炭素原子を介し−NRの窒素に結合されており、かつここで、該環は、メチル、−CF、−F、−NH、及び−OHからなる群より選択される1個以上の置換基で置換されていてもよい)から選択される)、
(h)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、Rで置換されていてもよく、ここにおいて該環は、
【化5】

から選択される)
及び(i)6員の芳香族ヘテロ環(ここで、該環は、Rで置換されていてもよく、ここにおいて該環は、
【化6】

から選択される)
からなる群より選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項8】
が、存在する場合、
(a)−CR(ここにおいて、Rは、−H、−C1−3アルキル、及び−Fから選択され、Rは、−H、−C1−3アルキル、及び−Fから選択され、そしてRは、−H、−C1−3アルキル、−OC1−3アルキル、−F、−NH、及び−OHから選択され;或いは、R及びRは、それらが結合する炭素と一緒になって、以下の構造
【化7】

を有するシクロプロピル環を形成する)、
(b)−C1−3アルキル−R10
(c)−R10
(d)−OC1−4アルキル(これは、1〜5個のフルオロで置換されていてもよい)
(e)−NR
(f)−SOCH
(g)オキソ、及び
(h)−CO1−6アルキル、
からなる群より選択される、請求項6記載の化合物。
【請求項9】
10が、
【化8】

から選択され、かつ、メチル、−OH、及び1〜2個のフルオロから選択される置換基で置換されていてもよい、請求項6記載の化合物。
【請求項10】
、R、及びRが、各々−Hである、請求項6記載の化合物。
【請求項11】
構造式Ia:
【化9】

[式中、Yは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有する6員の芳香族ヘテロ環であり、ここにおいて、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい]を有する請求項1記載である化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項12】
Yが、
【化10】

から選択される、請求項11記載の化合物。
【請求項13】
が、i−プロピル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、
【化11】

からなる群より選択され、かつRが、−H及び−CHからなる群より選択される、請求項12記載の化合物。
【請求項14】
が、
(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2乃至4個のN、ゼロ乃至1個のO、及びゼロ乃至1個のSから選択される、全2乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N及びOから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(c)−C1−4アルキル(これは、R12で置換されていてもよく、かつ、R13で置換されていてもよい)、
(d)−OR6a(ここにおいて、R6aは、R13で置換されていてもよい−C1−4アルキルである)、(e)−CO1−6アルキル、(f)−C(O)NR、(g)−CN、及び
(h)−C3−6シクロアルキル(これは、R12で置換されていてもよく、かつ、R13で置換されていてもよい)、
からなる群より選択される、請求項13記載の化合物。
【請求項15】
構造式Ib:
【化12】

[式中、Yは、
(a)5員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のN及び0乃至1個のSから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環は、R11で置換されていてもよい);及び(b)6員の芳香族ヘテロ環(これは、1乃至2個のNヘテロ原子を含有し、ここで、該ヘテロ環はR11で置換されていてもよい)から選択される]
である、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項16】
Yが、
【化13】

から選択される、請求項15記載の化合物。
【請求項17】
が、i−プロピル、t−ブチル、シクロプロピル、シクロブチル、
【化14】

からなる群より選択され、かつRが、−H及び−CHからなる群より選択される、請求項16記載の化合物。
【請求項18】
が、
(a)5員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、2乃至4個のN、ゼロ乃至1個のO、及びゼロ乃至1個のSから選択される、全2乃至4個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(b)6員の芳香族又は部分的に不飽和のヘテロ環(これは、N及びOから選択される、1乃至2個のヘテロ原子を含有し、ここにおいて、該ヘテロ環は、Rで置換されていてもよい)、
(c)−C1−4アルキル(これは、R12で置換されていてもよく、かつ、R13で置換されていてもよい)、
(d)−OR6a(ここにおいて、R6aは、R13で置換されていてもよい−C1−4アルキルである)、(e)−CO1−6アルキル、(f)−C(O)NR、(g)−CN、及び
(h)−C3−6シクロアルキル(これは、R12で置換されていてもよく、かつ、R13で置換されていてもよい)、
からなる群より選択される、請求項17記載の化合物。
【請求項19】
以下の化合物、
4−{[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メチル}モルホリン;
2−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−オール;
2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}−5−[5−(ピペリジン−1−イルメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピリジン;
5−{5−[(4−フルオロピペリジン−1−イル)メチル]−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル}−2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン;
2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}−5−[5−(ピロリジン−1−イルメチル)−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル]ピリジン;
5−(5−{[(3S)−3−フルオロピロリジン−1−イル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン;
5−(5−{[(3R)−3−フルオロピロリジン−1−イル]メチル}−1,2,4−オキサジアゾール−3−イル)−2−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン;
tert−ブチル={1−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]−1−メチルエチル}カルバメート;
tert−ブチル={1−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロピル}カルバメート;
2−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−アミン;
1−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロパンアミン;
2−[5−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル]プロパン−2−オール;
2−[6−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オール;
2−{6−[6−(1−{4−[2−(2,5−ジメチル−1H−ピロール−1−イル)ピリミジン−5−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]ピリダジン−3−イル}プロパン−2−オール;
2−[6−(6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オール;
2−[6−(6−{1−[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)フェニル]−1,2
−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2
−オール;
3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−メチルピリダジン;
3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン;
3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−(メチルスルホニル)ピリダジン;
3−[6−(1−{4−[5−(フルオロメトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン;
3−[6−(1−{4−[5−(ジフルオロメトキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン;
3−(6−{1−[4−(5−エトキシピリジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン;
3−[6−(1−{4−[5−(ベンジルオキシ)ピリジン−3−イル]フェニル}−1,2−ジメチルプロピル)ピリジン−3−イル]−6−(トリフルオロメチル)ピリダジン;
2−(6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)プロパン−2−オール;
メチル=6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプロピル}ニコチナート;
6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−1,2−ジメチルプ
ロピル}ニコチノニトリル;
2−(6−{1−[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)フェニル]−1,2−ジメ
チルプロピル}ピリジン−3−イル)プロパン−2−オール;
5−(6−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,3,4−オキサジアゾール−2−アミン;
2−{2,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}−5−(2−メチル−2H−テトラゾール−5−イル)ピリジン;
2−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−オール;
1−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロパンアミン;
4−{[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]メチル}モルホリン;
3−クロロ−6−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン;
6−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−カルボキシラート;
2−[6−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(ピリジン−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパン−2−オール;
2−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(1,3−チアゾール−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]プロパン−2−オール;
1−[3−(6−{1,2−ジメチル−1−[4−(1,3−チアゾール−2−イルメトキシ)フェニル]プロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾール−5−イル]シクロプロパンアミン;
及びその薬学的に許容され得る塩からなる群より選択される、請求項1記載の化合物。
【請求項20】
2−[3−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−(1
R)−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)−1,2,4−オキサジアゾ
ール−5−イル]プロパン−2−オールである、請求項1記載の化合物、又はその薬学
的に許容され得る塩。
【請求項21】
2−[5−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−(1
R)−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)イソオキサゾール−3−イル]
プロパン−2−オールである、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項22】
2−[6−(6−{1−[4−(5−メトキシピリジン−3−イル)フェニル]−(1
R)−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパ
ン−2−オールである、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項23】
2−[6−(6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−(1
R)−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパ
ン−2−オールである、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項24】
2−[6−(6−{1−[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)フェニル]−(1
R)−1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)ピリダジン−3−イル]プロパ
ン−2−オールである、請求項1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項25】
2−(6−{1−[4−(2−アミノピリミジン−5−イル)フェニル]−(1R)−
1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)プロパン−2−オールである、請求項
1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項26】
2−(6−{1−[4−(6−アミノピリダジン−3−イル)フェニル]−(1R)−
1,2−ジメチルプロピル}ピリジン−3−イル)プロパン−2−オールである、請求項
1記載の化合物、又はその薬学的に許容され得る塩。
【請求項27】
治療有効量の請求項1記載の化合物と、薬学的に許容され得る担体とを含んでなる医薬
組成物。
【請求項28】
アテローム性動脈硬化症を治療する方法であって、請求項1記載の化合物の治療有効
量を、かかる処置を必要とする患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項29】
喘息の予防又は治療のための方法であって、請求項1記載の化合物の治療有効
量を、かかる処置を必要とする患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項30】
アレルギー性鼻炎の症状を緩和するための方法であって、請求項1記載の化合物の治
療有効量を、かかる処置を必要とする患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項31】
COPDを治療するための方法であって、請求項1記載の化合物の治療有効量を、か
かる処置を必要とする患者に投与することを含んでなる方法。
【請求項32】
アテローム性動脈硬化症を治療するために有用な医薬製造のための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項33】
喘息を治療するために有用な医薬製造のための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項34】
アレルギー性鼻炎の症状を緩和するために有用な医薬製造のための、請求項1記載の化合物の使用。
【請求項35】
COPDを治療するために有用な医薬製造のための、請求項1記載の化合物の使用。

【公表番号】特表2010−502615(P2010−502615A)
【公表日】平成22年1月28日(2010.1.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−526695(P2009−526695)
【出願日】平成19年8月29日(2007.8.29)
【国際出願番号】PCT/US2007/018991
【国際公開番号】WO2008/030369
【国際公開日】平成20年3月13日(2008.3.13)
【出願人】(390023526)メルク エンド カムパニー インコーポレーテッド (924)
【氏名又は名称原語表記】MERCK & COMPANY INCOPORATED
【Fターム(参考)】