説明

5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体を有効成分として含有する除草剤

【課題】農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた防除効果を有する除草剤を提供すること。
【解決手段】一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を有効成分として含有する除草剤を提供するものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体を有効成分として含有する除草剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、除草活性や殺虫、殺菌活性などの農薬としての生理活性を有するピリミジン誘導体は数多く知られている。ピリミジン−4−オン誘導体の構造を示す除草活性化合物は特開平9−301957号公報(特許文献1)に記載されているが、ピリミジン環4位の置換基は炭素数1〜3のアルキル基に限定されている。
【0003】
しかしながら、該特許文献1には、ピリミジン環4位に炭素数1〜6のフルオロアルキル基が置換した化合物およびその製造方法、並びに該化合物の除草活性に関する記載はない。
【特許文献1】特開平9−301957号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた除草活性と作物に対する安全性とを兼ね備えた新規なピリミジン誘導体及びその製造方法、更には該誘導体を有効成分として含有する除草剤を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、本発明の下記一般式(1)で示される新規な2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体が、低施用量で優れた除草活性を示し、更には薬害が低減され、作物安全性が高いことも見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
すなわち、本発明は、一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体に関する。
【0007】
【化1】

【0008】
式(1)中、R1は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基又はシアノ基を表し、Zは水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいベンゼンスルホニ
ルアミノ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルカルボニルアミノ基、ニトロ基、アミノ基、ホルミル基又はシアノ基を表す。
【0009】
また、本発明は、一般式(2)で示される5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体と、一般式(3)で示されるホウ酸類とを塩基性条件下、パラジウム触媒存在下にて反応させることを特徴とする、一般式(1a)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体の製造方法に関する。
【0010】
【化2】

【0011】
式(2)中、R1は前記と同じ意味を表し、Tはハロゲン原子を表す。
【0012】
【化3】

【0013】
式(3)中、X、Y及びZは前記と同じ意味を表し、R3およびR4は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3とR4は一体となって置換していてもよいポリメチレン鎖を形成していてもよい。
【0014】
【化4】

【0015】
式(1a)中、R1、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。
また、本発明は、一般式(1a)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体と、一般式(4)で示されるアルキル化剤とを塩基の存在下に反応させることを特徴とする、一般式(1aa)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法に関する。
【0016】
【化5】

【0017】
式(1a)中、R1、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。
【0018】
【化6】

【0019】
式(4)中、R2aは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Lは脱離基を表す。
【0020】
【化7】

【0021】
式(1aa)中、R1、R2a、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。
また、本発明は、一般式(1ab)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体をニトロ化し、一般式(1ac)で示される5−(3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を得、
次いで該一般式(1ac)のニトロ基を還元し、一般式(1ad)で示される5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を得、
次いで該一般式(1ad)で示される5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と一般式(5)で示されるアシル化剤又は置換スルホニル化剤とを反応させることを特徴とする、一般式(1ae)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法に関する。
【0022】
【化8】

【0023】
式(1ab)中、R1、R2a、X及びYは前記と同じ意味を表す。
【0024】
【化9】

【0025】
式(1ac)中、R1、R2a、X及びYは前記と同じ意味を表す。
【0026】
【化10】

【0027】
式(1ad)中、R1、R2a、X及びYは前記と同じ意味を表す。
【0028】
【化11】

【0029】
式(5)中、R5は置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルカルボニル基、置換さ
れていてもよいベンゾイル基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニル基又は置換されていてもよいベンゼンスルホニル基を表し、Lは前記と同じ意味を表す。
【0030】
【化12】

【0031】
式(1ae)中、R1、R2a、R5、X及びYは前記と同じ意味を表す。
更に、本発明は、一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を有効成分とする除草剤に関する。
【0032】
【化13】

【0033】
式(1)中、R1、R2、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。
【発明の効果】
【0034】
本発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体は、農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた除草活性を有し、また、作物に対する薬害も小さく、農園芸用あるいは非農耕地用の除草剤の有効成分として有効である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0035】
以下、上記本発明に係る2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体及びその製造方法並びに該誘導体を有効成分として含有する除草剤について、具体的に説明する。
【0036】
本発明において、上記各式(1)〜(5)、(1a)、(1aa)〜(1ae)において、R1、R2、R2a、R3、R4、R5、T、X、Y及びZで表される置換基の例示を以下
に示す。
【0037】
1及びYで表される炭素数1〜6のフルオロアルキル基としては、フルオロメチル基
、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロペンチル基、パーフルオロヘキシル基等を例示することができる。活性が強い点でジフルオロメチル基とトリフルオロメチル基が好ましい。
【0038】
2、R2a、R3及びR4で表される炭素数1〜6のアルキル基としては、直鎖状もしく
は分枝状のいずれであってもよく、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、イソア
ミル基、ネオペンチル基、2−ペンチル基、3−ペンチル基、2−メチルブチル基、tert−ペンチル基、ヘキシル基、イソヘキシル基、2−エチルブチル基等を例示することができる。活性が強い点でR2とR2aはメチル基が好ましい。
【0039】
5で表される置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルカルボニル基としては、
アセチル基、プロピオニル基、ブチロイル基等を例示することができる。
これらのアルキルカルボニル基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子等で一個以上置換されていても良く、ジフルオロアセチル基、トリフルオロアセチル基、トリクロロアセチル基等を例示することができる。これらのうちでは、活性が強い点でアセチル基が好ましい。
【0040】
5で表される置換されていてもよいベンゾイル基としては、4−クロロベンゾイル基
、2,4−ジフルオロベンゾイル基、4−メチルベンゾイル基、4−イソプロピルベンゾイル基、4−イソブチルベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、4−ニトロベンゾイル基等を例示することができる。
【0041】
5で表される置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニル基としては、
メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基等を例示することができる。これらのアルキルスルホニル基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基等で一個以上置換されていても良く、クロロメチルスルホニル基、ジフルオロメチルスルホニル基、トリフルオロメチルスルホニル基、トリクロロメチルスルホニル基、2,2,2−トリフルオロエチルスルホニル基、シクロプロピルメチルスルホニル基、シクロペンチルメチルスルホニル基等を例示することができる。
【0042】
5で表される置換されていてもよいベンゼンスルホニル基としては、4−クロロベン
ゼンスルホニル基、2,4−ジフルオロベンゼンスルホニル基、4−メチルベンゼンスルホニル基、4−イソプロピルベンゼンスルホニル基、4−イソブチルベンゼンスルホニル基、4−トリフルオロメチルベンゼンスルホニル基、4−ニトロベンゼンスルホニル基等を例示することができる。
【0043】
Y及びZで表される、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、イソプロピルオキシ基、ブチルオキシ基、イソブチルオキシ基、sec−ブチルオキシ基、ペンチルオキシ基、イソアミルオキシ基、ネオペンチルオキシ基、2−ペンチルオキシ基、3−ペンチルオキシ基、2−メチルブチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、イソヘキシルオキシ基、3−メチルペンチルオキシ基、2−メチルペンチル基等を例示することができる。これらのアルキルオキシ基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基、炭素数1〜6のアルキルチオ基、炭素数1〜6のアルキルスルフィニル基、炭素数1〜6のアルキルスルホニル基、炭素数1〜6のアルキルオキシ基、炭素数1〜6のハロアルキルオキシ基、炭素数1〜6のアルキルオキシカルボニル基、アシル基等で一個以上置換されていてもよく、このような置換基を有していてもよいアルキルオキシ基としては、さらに具体的には2−クロロエチルオキシ基、3−クロロプロピルオキシ基、ジフルオロメトキシ基、3−フルオロプロピルオキシ基、シクロプロピルメトキシ基、シクロペンチルメトキシ基、シクロヘキシルメトキシ基、2−メチルチオエトキシ基、2−メチルスルフィニルエトキシ基、2−メチルスルホニルエトキシ基、メトキシメトキシ基、エトキシメトキシ基、2−メトキシエトキシ基、2−クロロエトキシメトキシ基、メトキシカルボニルメトキシ基、エトキシカルボニルメトキシ基、1−メトキシカルボニルエトキシ基、1−エトキシカ
ルボニルエトキシ基、2−エトキシカルボニルエトキシ基、1−アセチルエトキシ基、ベンゾイルメトキシ基、4−クロロベンゾイルメトキシ基、2,4−ジフルオロベンゾイルメトキシ基、4−メチルベンゾイルメトキシ基、4−イソプロピルベンゾイルメトキシ基、4−イソブチルベンゾイルメトキシ基、4−シクロヘキシルベンゾイルメトキシ基、4−シアノベンゾイルメトキシ基、4−ニトロベンゾイルメトキシ基等を例示することができる。
【0044】
Zで表される、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基としては、シクロプロピルオキシ基、シクロブチルオキシ基、シクロペンチルオキシ基、2−メチルシクロブチルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、2−メチルシクロペンチルオキシ基、3−メチルシクロペンチルオキシ基、4−メチルシクロペンチルオキシ基、シクロオクチルオキシ基等を例示することができる。
【0045】
Zで表される、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニルオキシ基としては、アリルオキシ基、2−メチル−2−プロペニルオキシ基、2−ブテニルオキシ基、1−ブテン−3−イルオキシ基、3−ブテニルオキシ基、4−ペンテニルオキシ基、5−ヘキセニルオキシ基等を例示することができる。これらの炭素数3〜6のアルケニルオキシ基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子等で一個以上置換されていてもよく、3,3−ジフルオロアリルオキシ基、3,3−ジクロロアリルオキシ基、3,3−ジブロモアリルオキシ基等を例示することができる。
【0046】
Zで表される、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニルオキシ基としては、プロパルギルオキシ基、1−ブチン−3−イルオキシ基、2−ブチニルオキシ基、3−ブチニルオキシ基、2−ペンチニルオキシ基、3−ペンチニルオキシ基、4−ペンチニルオキシ基、2−ヘキシニルオキシ基、3−ヘキシニルオキシ基、4−ヘキシニルオキシ基、5−ヘキシニルオキシ基等を例示することができる。
【0047】
Y及びZで表される、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、イソプロピルチオ基、ブチルチオ基、イソブチルチオ基、sec−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、イソアミルチオ基、ネオペンチルチオ基、2−ペンチルチオ基、3−ペンチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、ヘキシルチオ基、イソヘキシルチオ基、3−メチルペンチルチオ基、2−メチルペンチルチオ基等を例示することができる。これらのアルキルチオ基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基等で一個以上置換されていてもよく、さらに具体的には2−クロロエチルチオ基、3−クロロプロピルチオ基、ジフルオロメチルチオ基、3−フルオロプロピルチオ基、シクロプロピルメチルチオ基、シクロペンチルメチルチオ基、シクロヘキシルメチルチオ基等を例示することができる。
【0048】
Zで表される、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基としては、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、プロピルスルホニルアミノ基、イソプロピルスルホニルアミノ基、ブチルスルホニルアミノ基、イソブチルスルホニルアミノ基、sec−ブチルスルホニルアミノ基、ペンチルスルホニルアミノ基、イソアミルスルホニルアミノ基、ネオペンチルスルホニルアミノ基、2−ペンチルスルホニルアミノ基、3−ペンチルスルホニルアミノ基、2−メチルブチルスルホニルアミノ基、ヘキシルスルホニルアミノ基、イソヘキシルスルホニルアミノ基、4−メチルペンチルスルホニルアミノ基等を例示することができる。
【0049】
これらのアルキルスルホニルアミノ基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子、炭素数3〜8のシクロアルキル基等で一個以上置換されていてもよく、さらに具体的には2−クロロメチルスルホニルアミノ基、トリフルオロメチルスルホニルアミノ基、2−ク
ロロエチルスルホニルアミノ基、3−クロロプロピルスルホニルアミノ基、ジフルオロメチルスルホニルアミノ基、3−フルオロプロピルスルホニルアミノ基、シクロプロピルメチルスルホニルアミノ基、シクロペンチルメチルスルホニルアミノ基、シクロヘキシルメチルスルホニルアミノ基等を例示することができる。
【0050】
Zで表される、置換されていてもよいベンゼンスルホニルアミノ基としては、ベンゼンスルホニルアミノ基、p−トルエンスルホニルアミノ基、4−クロロベンゼンスルホニルアミノ基、4−ニトロベンゼンスルホニルアミノ基等を例示することができる。
【0051】
Zで表される、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルカルボニルアミノ基としては、ホルミルアミノ基、アセチルアミノ基、プロピオニルアミノ基、プロピルカルボニルアミノ基、ブチルカルボニルアミノ基等を例示することができる。
【0052】
これらのアルキルカルボニルアミノ基は、含有されている水素原子が、ハロゲン原子や炭素数3〜8のシクロアルキル基等で一個以上置換されていてもよく、さらに具体的には、ジフルオロアセチルアミノ基、トリフルオロアセチルアミノ基、2−クロロアセチルアミノ基、3−クロロプロピオニルアミノ基、シクロペンチルメチルカルボニルアミノ基、シクロヘキシルメチルカルボニルアミノ基等を例示することができる。
【0053】
3とR4とが一体となって置換していてもよいポリメチレン基とは、ホウ素原子や酸素原子を含めた環状構造を表し、1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基、1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル基等を例示することができる。これらの置換基は、含有されている水素原子が、炭素数1〜6のアルキル基で置換されていても良く、4−メチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基、4,4−ジメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基、4,5,5−トリメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基、4,4,5,5−テトラメチル−1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル基、5,5−ジメチル−1,3,2−ジオキサボリナン−2−イル基等を例示することができる。
【0054】
T、X、Y及びZで表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子等を例示することができる。目的物の収率が良い点で、Tはヨウ素原子又は臭素原子が好ましい。また、活性が強い点でX及びYはフッ素原子又は塩素原子が好ましい。
【0055】
Lで表される脱離基としては、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子、メチルスルホニルオキシ基、p−トルエンスルホニルオキシ基等が挙げられる。
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体>
本発明に係る第1の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体は一般式(1)で示される。
【0056】
【化14】

【0057】
式(1)中、R1、R2、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。
<5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体の製造方法>
次に、本発明に係る第2の発明である、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピ
リミジン誘導体(1a)(あるいは(1a’))の製造方法について詳細に説明する。
【0058】
【化15】

【0059】
上記反応式中、R1、R3、R4、X、Y、Z及びTは前記と同じ意味を表す。
第2の発明は、5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(2)とホウ酸類(3)とをパラジウム触媒及び塩基存在下にて反応させることを特徴とする、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(1a)の製造方法である。
【0060】
5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(1a)の互変異性体であるピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1a’)の製造方法も第2の発明に包含されるものである。便宜上、以下の説明では5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(1a)の構造で表記する。
【0061】
(5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(2))
出発原料である5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(2)は、例えばJournal of Heterocyclic Chemistry,26,6pp(1989)に記載の方法で、トリフルオロアセトニトリルとマロン酸ジエステルとを反応させた後脱炭酸することによって、2−トリフルオロメチルピリミジンを調製し、ハロゲン化剤で処理することによって容易に合成することができる。また、Journal of the American Chemical Society,78,6032pp(1956)に記載の方法で、4位がフッ素置換されたアセト酢酸エステル類とトリフルオロアセトアミジンとの反応によって調製した2−トリフルオロメチルピリミジンをハロゲン化剤で処理することによっても合成することができる(後述する参考例1〜4参照。)。
【0062】
(ホウ酸類(3))
本発明で用いることのできるホウ酸類(3)としては、4−フルオロフェニルホウ酸、4−クロロフェニルホウ酸、4−ブロモフェニルホウ酸、2,4−ジフルオロフェニルホウ酸、3,4−ジフルオロフェニルホウ酸、2,4,5−トリフルオロフェニルホウ酸、2,4−ジクロロフェニルホウ酸、3,4−ジクロロフェニルホウ酸、2,4,5−トリクロロフェニルホウ酸、4−トリフルオロメチルフェニルホウ酸、4−メトキシフェニルホウ酸、4−エトキシフェニルホウ酸、4−トリフルオロメトキシフェニルホウ酸、4−ベンジルオキシフェニルホウ酸、4−メチルチオフェニルホウ酸、4−エチルチオフェニルホウ酸、4−クロロ−3−メトキシフェニルホウ酸、4−クロロ−3−エトキシフェニルホウ酸、4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニルホウ酸、4−クロロ−2−フルオロ−3−メトキシフェニルホウ酸、4−クロロ−2−フルオロ−3−エトキシフェニルホウ酸、4−クロロ−2−フルオロ−3−シクロペンチルオキシフェニルホウ酸等が挙げられる。
【0063】
(パラジウム触媒)
本発明で用いることのできるパラジウム触媒としては、パラジウム黒、パラジウムスポンジ等のパラジウム金属を例示することができる。また、塩化パラジウム、臭化パラジウム、ヨウ化パラジウム、酢酸パラジウム、トリフルオロ酢酸パラジウム、硝酸パラジウム、酸化パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、シアン化パラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ジクロロジアンミンパラジウム、硝酸テトラアンミンパラジウム、テトラアンミンパラジウムテトラクロロパラデート、ジクロロジピリジンパラジウム、ジクロロ(2,2’−ビピリジル)パラジウム、ジクロロ(フェナントロリン)パラジウム、ジクロロ[1,4−ビス(ジフェニルホスフィノ)ブタン]パラジウムおよびジクロロ[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]パラジウム等を例示することができる。
【0064】
パラジウム触媒は、上記の金属、担持金属、金属塩および錯化合物のいずれでも良いが、収率が良い点で、塩化パラジウム、酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが望ましい。中でもテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウムが特に望ましい。
【0065】
これらのパラジウム触媒は単独で用いても良いが、さらに三級ホスフィンと組み合わせて用いても良い。具体的な三級ホスフィンとしては、トリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリプロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリイソブチルホスフィン、トリ−(tert−ブチル)ホスフィン、トリネオペンチルホスフィン、トリシクロヘキシルホスフィン、トリオクチルホスフィン、トリス(ヒドロキシメチル)ホスフィン、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,6’−ジメトキシ−1,1’−ビフェニルおよび2−(ジシクロヘキシルホスフィノ)−2’,4’,6’−トリイソプロピル−1,1’−ビフェニル等を例示することができる。これらの中では、収率が良い点でトリフェニルホスフィン、トリメチルホスフィン、トリエチルホスフィン、トリブチルホスフィン、トリ(tert−ブチル)ホスフィンが望ましい。
【0066】
パラジウム化合物の使用量は、5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(2)に対して0.01〜30モル%が好ましく、1〜20モル%がさらに好ましい。
三級ホスフィンの使用量は、パラジウム化合物に対して、1〜1000モル%が好ましく、3〜100モル%がさらに好ましい。
【0067】
(塩基)
本発明で用いることのできる塩基としては例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミン、ジブチルアミン、ピペリジン、ピリジン等の有機塩基や、炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸セシウム、リン酸カリウム、ナトリウム−tert−ブトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水素化ナトリウム等の無機塩基を挙げることができる。収率が良い点で無機塩基が望ましく、炭酸ナトリウム、炭酸セシウムがさらに望ましい。
【0068】
塩基の使用量は、5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(2)に対して、0.5〜10当量が好ましく、2〜5当量がさらに好ましい。
(溶媒)
本反応は溶媒中で実施することが好ましく、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン(T
HF)、ジオキサン、1,2−ジメトキシエタン(DME)等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、酢酸エチル、プロピオン酸エチル、ブタン酸、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル等のエステル類、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)、N−メチルピロリドン等のアミド類、ジメチルスルホキシド(DMSO)、水あるいはこれらの混合溶媒を使用することができる。収率が良い点で、エーテル系溶媒が好ましく、中でもDMEを用いて反応を実施することが好ましい。
【0069】
(反応温度)
反応温度は使用する塩基によっても異なり、−40℃〜「反応溶媒の還流温度」の範囲から選ばれるが、0℃〜「反応溶媒の還流温度」の範囲から適宜選ばれた温度で反応を実施することが収率が良い点で好ましい。反応終了後は、通常の後処理操作により目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により精製することもできる。
【0070】
<5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1aa)の製造方法>
次に、本発明に係る第3の発明である、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1aa)(あるいは(1aa’))の製造方法について詳細に説明する。
【0071】
【化16】

【0072】
上記反応式中R1、R2a、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。Lは脱離基を表す。
第3の発明は、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(1a)を、塩基の存在下にアルキル化剤で処理することを特徴とする、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1aa)の製造方法である。
【0073】
本反応では、6位酸素原子上がアルキル化された4−アルキルオキシピリミジン誘導体(1aa’)も生成するが、シリカゲルカラムクロマトグラフィーや再結晶などに付すことによって容易に分離可能である。
【0074】
(塩基)
本反応は塩基存在下に行うことが必須であり、塩基としては、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチルモルホリン、ピリジン、ジメチルアニリン等の有機アミン類を用いることができる。塩基の使用量は特に制限はないが、反応基質である5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体(1a)に対して等量以上用いて反応を実施することにより、収率良く目的物を得ることができる。
【0075】
(溶媒)
本反応は溶媒中で行うことが好ましく、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;DMSO、水あるいはこれらの混合溶媒;等を用いることができる。
【0076】
(温度)
反応温度については特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物を得ることができる。
【0077】
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ae)の製造方法>
次に、本発明に係る第4の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法について詳細に説明する。
【0078】
【化17】

【0079】
上記反応式中、R1、R2a、R5、X及びYは前記と同じ意味を表す。
第4の発明は、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ab)をニトロ化して5−(3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ac)を製造する工程−1、
該誘導体(1ac)中のニトロ基を還元し5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ad)を製造する工程−2、次いで
該誘導体(1ad)とアシル化剤又は置換スルホニル化剤(5)とを反応させ、目的とする2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ae)を製造する工程−3を含むことを特徴とする。
【0080】
次に、各工程に沿って順次説明する。
(工程−1)
工程−1は、5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ab)をニトロ化し、5−(3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ac)を製造する工程である。
【0081】
ニトロ化の方法としては、硝酸と硫酸との混酸を用いる方法(特開昭49−10661号公報)、発煙硝酸を用いる方法(特開昭61−500069号公報)などを用いること
ができる。
【0082】
本反応は溶媒中で行っても良く、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;クロロベンゼン、ニトロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;ジクロロメタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン系溶媒;DMSO、水、硫酸、酢酸あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0083】
反応温度については特に制限はないが、−40℃〜150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物を得ることができる。
反応終了後は、通常の後処理操作により目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により精製することもできる。収率が良い点で、硝酸と硫酸との混酸を用いる方法、あるいは発煙硝酸を用いる方法が好ましい。
【0084】
(工程−2)
工程−2は、5−(3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ac)のニトロ基を還元して一般式(1ad)で示される5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を製造する工程である。
【0085】
本工程におけるニトロ基の還元方法としては、亜鉛末、還元鉄、錫末、塩化第1錫、塩化チタンなどの還元剤を用いる方法、ラネーニッケル存在下にヒドラジンなどの水素供与体を用いる方法、ラネーニッケル、パラジウム炭素、水酸化パラジウム、酸化白金等の触媒の存在下での接触水素還元、又は接触水素移動還元などが挙げられる。中でも収率が良い点でパラジウム炭素を用いた接触水素還元が好ましい。
【0086】
本反応は溶媒中で行う必要があり、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができる。例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類、ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;酢酸、DMSO、水あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0087】
反応温度については特に制限はないが、0℃〜200℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物を得ることができる。反応終了後は、通常の後処理操作により目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により精製することもできる。
【0088】
(工程−3)
工程−3は、5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ad)をアシル化剤または置換スルホニル化剤(5)と反応させ、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1ae)を製造する工程である。
【0089】
本反応は塩基存在下に行うことで目的物を収率良く得ることができる。塩基としては、水素化ナトリウム、ナトリウムアミド、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド、カリウム−tert−ブトキシド、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属塩基、トリエチルアミン、トリブチルアミン、N−メチ
ルモルホリン、ピリジン、ジメチルアニリン等の有機アミン類を用いることができる。
【0090】
塩基の使用量は特に制限はないが、反応基質に対して等量以上用いて反応を実施することにより、収率良く目的物を得ることができる。
本反応は溶媒中で行うことが好ましく、反応に害を及ぼさない溶媒であれば使用することができ、例えば、ジエチルエーテル、THF、DME、ジオキサン等のエーテル系溶媒;アセトン、エチルメチルケトン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル類;ベンゼン、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒;DMF、N−メチルピロリドン等のアミド類;DMSO、水あるいはこれらの混合溶媒等を用いることができる。
【0091】
反応温度については特に制限はないが、0℃〜150℃の範囲から適宜選ばれた温度で反応させることにより、収率よく目的物を得ることができる。
反応終了後は、通常の後処理操作により目的物を得ることができるが、必要であればカラムクロマトグラフィーあるいは再結晶等により精製することもできる。
【0092】
<2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分とする除草剤>
次に、第5の発明である除草剤について詳細に説明する。
【0093】
この除草剤は、本発明に係る第1の発明である、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分として含有している。
第1の発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を除草剤の有効成分として使用する場合、第1の発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を、有害な雑草などが生えている農園芸品の栽培地や非農耕地にそのまま施用してもよいが、通常、適当な補助剤を用い、水和剤、粒剤、乳剤、フロアブル剤等の形態で使用することが多い。
【0094】
補助剤としては、例えば、カオリン、ベントナイト、タルク、珪藻土、ホワイトカーボン、デンプン等の固体担体;水、アルコール類(メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等)、エーテル類(ジエチルエーテル、1,4−ジオキサン、セロソルブ類等)、脂肪族炭化水素類(ケロシン、灯油等)、芳香族炭化水素類(ベンゼン、トルエン、キシレン、ソルベントナフサ、メチルナフタレン等)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロロエタン、四塩化炭素、トリクロロベンゼン等)、酸アミド類(DMF等)、エステル類(酢酸エチル、酢酸ブチル、脂肪酸グリセリンエステル類等)、ニトリル類(アセトニトリル等)等の溶媒;非イオン系界面活性剤(ポリオキシエチレンアルキルアリルエーテル、ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレイト等)、カチオン系界面活性剤(アルキルジメチルベンジルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウムクロリド等)、アニオン系界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩、リグニンスルホン酸塩、高級アルコール硫酸塩等)、両性系界面活性剤(アルキルジメチルベタイン、ドデシルアミノエチルグリシン等)等の界面活性剤等が挙げられる。これらの固体担体、溶媒、界面活性剤等は、それぞれ必要に応じて1種又は2種以上の混合物として使用される。
【0095】
例えば、第1の発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)(単に「誘導体(1)」ともいう。)を有効成分とする本発明の除草剤は、同一分野に用いる他の農薬、例えば、殺虫剤、殺菌剤、植物成長調節剤及び肥料等と混合施用することができる。
【0096】
また、他の1種以上の除草剤と混合施用することにより、除草効果をより安定化するこ
とも可能である。
本発明に係る第5の発明である除草剤と他の除草剤とを混合施用する場合、第5の発明の除草剤及び他の除草剤の各々の製剤を施用時に混合してもよいが、あらかじめ両方を含有する製剤として施用してもよい。
【0097】
このような、第1の発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体(1)を有効成分とする、第5の発明である除草剤は、農園芸栽培場面あるいは非農耕地における有害な雑草に対して極めて優れた除草活性と、作物に対する薬害が小さいという安全性とを兼ね備えている。
【実施例】
【0098】
以下、実施例及び参考例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明がこれらに限定されるものではない。
[実施例1]
【0099】
【化18】

【0100】
4−フルオロフェニルホウ酸(3.60g、25.7mmol)と5−ブロモ−4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジン(5.0g、17.1mmol)のジメトキシエタン溶液(60ml)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(1.49g、1.29mmol)と2M−炭酸セシウム水溶液(21.4ml、42.8mmol)とを室温で加え、6時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(180ml)を加え、酢酸エチル(180ml×2)で抽出した。有機層を水(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することによって、4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの白色固体(4.73g、90%)を得た。
【0101】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:182〜185℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ6.18(t,JHF=53Hz,1H)、7.13〜7.38(m,4H)
[実施例2]
【0102】
【化19】

【0103】
4−フルオロフェニルホウ酸(7.43g、53.1mmol)と5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(11.0g、35.4mm
ol)のジメトキシエタン溶液(130ml)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(2.05g、1.77mmol)と2M−炭酸ナトリウム水溶液(44ml、88mmol)とを室温で加え、8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(300ml)を加え、酢酸エチル(300ml×2)で抽出した。有機層を水(300ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、更に得られた固体をヘキサンで洗浄し、充分乾燥することによって、5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(8.45g、73%)を得た。
【0104】
5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:153〜154℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ7.13〜7.32(m,4H)
[実施例3]
【0105】
【化20】

【0106】
4−クロロフェニルホウ酸(6.50g、41.6mmol)と5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(10.0g、32.0mmol)のジメトキシエタン溶液(120ml)にテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(555mg、0.48mmol)と2M−炭酸ナトリウム水溶液(40ml、80mmol)とを室温で加え、8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(300ml)を加え、酢酸エチル(300ml×2)で抽出した。有機層を水(300ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、更に得られた固体をヘキサンで洗浄し、充分乾燥することによって、5−(4−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(8.90g、81%)を得た。
【0107】
5−(4−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:180〜182℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ7.22(d,J=6.8Hz,2H)、7.45(d,J=6.8Hz,2H)
[実施例4]
実施例3と同様にして、6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジンの白色固体(703mg、83%)を得た。
【0108】
6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:197〜198℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ7.44(d,J=7.5Hz,2H),7.76(d,J=7.5Hz,2H)
[実施例5]
実施例3と同様にして、6−ヒドロキシ−5−(4−メチルチオフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの淡黄色固体(920mg、定量的)を得た。
【0109】
6−ヒドロキシ−5−(4−メチルチオフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:160〜161℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ2.52(s,3H)、7.19(d,J=8.3Hz,2H)、7.29(d,J=8.3Hz,2H)
[実施例6]
実施例3と同様にして、5−(3−エトキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(2.54g、97%)を得た。
【0110】
5−(3−エトキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:111〜112℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.43(t,J=7.0Hz,3H)、4.12(q,J=7.0Hz,2H)、6.82〜6.86(m,2H)、6.93〜6.99(m,1H)、7.34〜7.41(m,1H)
[実施例7]
実施例3と同様にして、5−(4−ベンジルオキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヒドロキシピリミジンの黄色固体(8.38g、84%)を得た。
【0111】
5−(4−ベンジルオキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−6−ヒドロキシピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:150〜153℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ5.11(s,2H)、6.73〜7.47(m,9H)
[実施例8]
実施例3と同様にして、6−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの淡黄色固体(868mg、86%)を得た。
【0112】
6−ヒドロキシ−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:116〜118℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ7.17〜7.28(m,2H)、7.28〜7.41(m,1H)、7.44〜7.55(m,1H)
[実施例9]
【0113】
【化21】

【0114】
4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニルホウ酸(1.50g、6.23mmol)と5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(1.29g、4.16mmol)のジメトキシエタン溶液(40ml)にテトラキス(ト
リフェニルホスフィン)パラジウム(140mg、0.12mmol)と2M−炭酸セシウム水溶液(5.2ml、10.4mmol)とを室温で加え、19時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(120ml)を加え、酢酸エチル(100ml×2)で抽出した。有機層を水(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することによって、5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(1.06g、60%)を得た。
【0115】
5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0116】
mp:177〜180℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.62〜1.89(m,8H)、4.77(m,1H)、6.78(dd,J=1.8 and 8.1Hz,1H)、6.84(d,J=1.8Hz,1H)、7.43(d,J=8.1Hz,1H)
[実施例10]
実施例3と同様にして、5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(1.44g、60%)を得た。
【0117】
5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:185〜187℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.99(s,3H)、6.82(d,J=8.5Hz,1H)、6.87(s,1H)、7.46(d,J=8.5Hz,1H)
[実施例11]
【0118】
【化22】

【0119】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジン(4.5g、14.6mmol)のDMF(45ml)溶液にヨウ化メチル(2.08ml、21.9mmol)と炭酸カリウム(3.03g、21.9mmol)とを加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(140ml)を加え、酢酸エチル(140ml×2)で抽出した。有機層を水(160ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製することによって、4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(1.67g、37%)、及び4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの白色固体(2.66g、56%)を得た。
【0120】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン及び4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0121】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン;
mp:136〜139℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.09(t,JHF=54Hz,1H)、7.16〜7.39(m,4H)
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2−トリフルオロメチルピリミジン;
mp:83〜85℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.07(s,3H)、6.22(t,JHF=55Hz,1H)、7.14〜7.34(m,4H)
[実施例12]
【0122】
【化23】

【0123】
5−(4−フルオロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(11.8g、38.3mmol)のDMF(120ml)溶液にヨウ化メチル(5.5ml、56.5mmol)と炭酸カリウム(7.95g、57.5mmol)とを加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(400ml)を加え、酢酸エチル(400ml×2)で抽出した。有機層を水(400ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=8:1)で精製することによって、5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(2.83g、22%)、及び5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(5.74g、47%)を得た。
【0124】
5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0125】
5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
mp:90〜91℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、7.12〜7.31(m,4H)
5−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)
ピリミジン;
mp:126〜127℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.06(s,3H)、7.17〜7.26(m,4H)
[実施例13]
【0126】
【化24】

【0127】
5−(4−クロロフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(5.0g、14.6mmol)のDMF(50ml)溶液にヨウ化メチル(2.1ml、21.9mmol)と炭酸カリウム(3.03g、21.9mmol)とを加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(150ml)を加え、酢酸エチル(150ml×2)で抽出した。有機層を水(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製することによって、5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(1.36g、26%)、及び5−(4−クロロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(2.69g、52%)を得た。
【0128】
5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び5−(4−クロロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0129】
5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
mp:162〜163℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、7.21(d,J=7.5Hz,2H)、7.43(d,J=7.5Hz,2H)
5−(4−クロロフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
mp:117〜118℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.06(s,3H)、7.18(d,J=7.5Hz,2H)、7.44(d,J=7.5Hz,2H)
[実施例14]
後述する実施例16と同様にして、5−(3−メトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの無色液体(31mg、7%)、及び6−メトキシ−5−(3−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの無色液体(222mg、54%)を得た。
【0130】
5−(3−メトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピ
リミジン−6(1H)−オン及び6−メトキシ−5−(3−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0131】
5−(3−メトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.71(q,JHF=1.5Hz,3H)、3.82(s,3H)、6.78〜6.89(m,2H)、6.93〜7.02(m,1H)、7.31〜7.40(m,1H)
6−メトキシ−5−(3−メトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.83(s,3H)、4.06(s,3H)、6.75〜6.83(m,2H)、6.97〜7.03(m,1H)、7.34〜7.41(m,1H)
[実施例15]
後述する実施例16と同様にして、1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(165mg、32%)、及び6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジンの白色固体(332mg、64%)を得た。
【0132】
1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン−6(1H)−オン及び6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0133】
1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン−6(1H)−オン;
mp:128〜129℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.74(q,JHF=1.3Hz,3H)、7.42(d,J=8.1Hz,2H)、7.73(d,J=8.1Hz,2H)
6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−トリフルオロメチルフェニル)ピリミジン;
mp:106〜107℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.10(s,3H)、7.39(d,J=8.1Hz,2H)、7.64(d,J=8.1Hz,2H)
[実施例16]
【0134】
【化25】

【0135】
5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(622mg、1.46mmol)のDMF(7
ml)溶液にヨウ化メチル(0.12ml、1.9mmol)と炭酸カリウム(261mg、1.9mmol)とを加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(60ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=9:1)で精製することによって、5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの黄色液体(215mg、33%)、及び5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(361mg、56%)を得た。
【0136】
5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0137】
5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.55〜1.99(m,8H)、3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.74(m,1H)、6.77(d,J=2.5Hz,1H)、6.80(dd,J=2.5 and 7.5Hz,1H)、7.41(d,J=7.5Hz,1H)
5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
mp:78〜79℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.69〜1.96(m,8H)、4.07(s,3H)、4.74(m,1H)、6.73(dd,J=2.5 and 8.0Hz,1H)、6.79(d,J=2.5Hz,1H)、7.42(d,J=8.0Hz,1H)
[実施例17]
実施例16と同様にして、5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(766mg、21%)、及び5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(1.89g、52%)を得た。
【0138】
5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0139】
5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
mp:91〜92℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、3.90(s,3H)、6.81〜6.85(m,2H)、7.43(dd,J=1.0 and 7.5Hz,1H)
5−(4−クロロ−3−メトキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
mp:106〜108℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.90(s,3H)、4.07(s
,3H)、6.78〜6.82(m,2H)、7.45(dd,J=2.0 and 4.5Hz,1H)
[実施例18]
実施例16と同様にして、5−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの無色液体(216mg、13%)、及び5−(3−エトキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(839mg、40%)を得た。
【0140】
5−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び5−(3−エトキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0141】
5−(3−エトキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.41(t,J=7.0Hz,3H)、3.72(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.03(q,J=7.0Hz,2H)、6.80〜6.85(m,2H)、6.99(m,1H)、7.35(dd,J=8.0 and 8.0Hz,1H)
5−(3−エトキシフェニル)−6−メトキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
mp:68〜71℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.43(t,J=7.5Hz,3H)、4.03(q,J=7.5Hz,2H)、4.05(s,3H)、6.72〜6.82(m,2H)、6.98〜7.02(m,1H)、7.35(dd,J=8.9 and 8.9Hz,1H)
[実施例19]
実施例16と同様にして、5−(4−ベンジルオキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチルピリミジン−6(1H)−オンの茶色固体(2.1g,25%)を得た。
【0142】
5−(4−ベンジルオキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチルピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:114〜117℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ.71(q,JHF=1.5Hz,3H),5.10(s,2H)、7.04〜7.46(m,9H)
[実施例20]
実施例16と同様にして、1−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの無色液体(128mg、25%)、及び6−メトキシ−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの白色固体(285mg、55%)を得た。
【0143】
1−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン及び6−メトキシ−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0144】
1−メチル−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン;
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.73(q,JHF=1.3Hz,3
H)、7.11〜7.27(m,2H)、7.28〜7.38(m,1H)、7.50(dd,J=8.0 and 8.0Hz,1H)
6−メトキシ−5−(3−トリフルオロメトキシフェニル)−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン;
mp:87〜88℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ4.08(s,3H)、7.11〜7.23(m,2H)、7.30〜7.38(m,1H)、7.52(dd,J=8.0 and 8.0Hz,1H)
[実施例21]
【0145】
【化26】

【0146】
5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(3.86g、11.3mmol)のクロロホルム(55ml)溶液に発煙硝酸(28ml)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応溶液を氷水(300ml)にあけ、クロロホルム(100ml×2)で抽出した。有機層を水(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去することによって、5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの白色固体(4.10g、94%)を得た。
【0147】
5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0148】
mp:67〜71℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.75(q,JHF=2.5Hz,3H)、7.37〜7.54(m,1H)、7.54〜7.60(m,1H)、8.06(dd,J=2.3Hz,JHF=6.8Hz,1H)
[実施例22]
【0149】
【化27】

【0150】
5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(4.5g、12.6mmol)の塩化メチレン(100ml)溶液に、発煙硝酸(30ml)を0℃で加え、そのままの温度で1時間、更に室温で24時間攪拌した。反応終了後、反応溶液を氷水(200ml)にあけ、クロロホルム(100ml)で抽出した。有機層を水(150ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去することで固体を析出させた。得られた固体をヘキサンで洗浄し、充分乾燥させることで、5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−
1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの黄色固体(5.9g、定量的)を得た。
【0151】
5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0152】
mp:113〜114℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.75(q,JHF=1.3Hz,3H)、7.37(dd,J=2.1 and 8.4Hz,1H)、7.67(d,J=8.4Hz,1H)、7.88(d,J=2.1Hz,1H)
[実施例23]
【0153】
【化28】

【0154】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン(1.57g、4.87mmol)のクロロホルム(30ml)溶液に発煙硝酸(19ml)を加え、室温で24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を氷水(500ml)にあけ、クロロホルム(200ml×2)で抽出した。有機層を水(200ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去することによって、4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オンの淡黄色固体(1.61g、90%)を得た。
【0155】
4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0156】
mp:118〜119℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.74(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.13(t,JHF=53Hz,1H)、7.37〜7.54(m,1H)、7.54〜7.60(m,1H)、8.06(dd,J=2.3Hz,JHF=6.8Hz,1H)
[実施例24]
【0157】
【化29】

【0158】
水素化ナトリウム(212mg、5.31mmol)とDMF(15ml)の縣濁液を0℃に冷却し、グリコール酸エチル(589mg、5.66mmol)を滴下した。0℃で30分間攪拌した後、そのままの温度で4−ジフルオロメチル−5−(4−フルオロ−
3−ニトロフェニル)−1−メチル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン(1.30g、3.54mmol)のDMF(5ml)溶液を滴下し、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(60ml)を加え、酢酸エチル(60ml×2)で抽出した。有機層を水(100ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することによって、4−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−2−トリフルオロメチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの黄色固体(505mg,32%)を得た。
【0159】
4−[4−ジフルオロメチル−1−メチル−2−トリフルオロメチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0160】
mp:144〜148℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.28(t,J=7.5Hz,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,1H)、4.25(q,J=7.5Hz,2H)、4.83(s,2H)、6.13(t,JHF=53Hz,1H)、7.06(d,J=8.8Hz,1H)、7.51(d,J=2.3 and 8.8Hz,1H)、7.96(d,J=2.3Hz,1H)
[実施例25]
【0161】
【化30】

【0162】
5−(4−クロロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(5.0g、12.5mmol)のトルエン(30ml)溶液に、パラジウム−カーボン(1g)と水素(4atm)を添加し、40℃で加圧攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、溶媒を減圧留去することで固体を析出させた。得られた固体をヘキサンで洗浄することにより、5−(3−アミノ−4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの黄色固体(4.2g、90%)を得た。
【0163】
5−(3−アミノ−4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0164】
mp:164〜165℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.70(br s,2H)、3.71(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.57(d,J=8.3Hz,1H)、6.67(s,1H)、7.30(d,J=8.3Hz,1H)
[実施例26]
【0165】
【化31】

【0166】
5−(3−アミノ−4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(307mg、0.83mmol)のピリジン(3ml)溶液に、無水酢酸を(1ml)加え室温で1日間攪拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(20ml)を加え、酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。有機層を水(50ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することによって、N−[2−クロロ−5−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}フェニル]アセトアミドの白色固体(200mg、59%)を得た。
【0167】
N−[2−クロロ−5−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}フェニル]アセトアミドの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0168】
mp:191〜192℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ2.23(s,3H)、3.71(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.92(dd,J=2.3 and 8.3Hz,1H)、7.40(d,J=2.3Hz,1H)、7.67(d,J=8.3Hz,1H)、8.44(br s,1H)
[実施例27]
【0169】
【化32】

【0170】
5−(3−アミノ−4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(300mg、0.81mmol)のピリジン(3ml)溶液に、無水プロピオン酸(1ml)加え室温で1日間攪拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(10ml)を加え、酢酸エチル(20ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製することによって、N−[2−クロロ−5−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}フェニル]プロピオナミドの白色固体(240mg、69%)を得た。
【0171】
N−[2−クロロ−5−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}フェニル]プロピオナミドの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0172】
mp:162〜163℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.26(t,J=7.5Hz,3H)、2.46(q,J=7.5Hz,2H)、3.71(q,JHF=1.3Hz,3H)、6.92(dd,J=2.3 and 8.3Hz,1H)、7.44(d,J=8.3Hz,1H)、7.71(s,1H)、8.47(d,J=2.3Hz,1H)
[実施例28]
【0173】
【化33】

【0174】
5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(500mg、1.29mmol)のトルエン(30ml)溶液に、パラジウム−カーボン(1g)を加え、水素(4atm)を添加し、室温で24時間加圧攪拌した。反応終了後、触媒を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することによって、5−(3−アミノ−4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの褐色固体(90mg、19%)を得た。
【0175】
5−(3−アミノ−4−フルオロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0176】
mp:154〜155℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ3.70(q,JHF=1.3Hz,3H)、3.87(br s,2H)、6.55〜6.63(m,1H)、6.67〜6.71(m,1H)、7.04〜7.09(m,1H)
[実施例29]
【0177】
【化34】

【0178】
アルゴン雰囲気下、水素化ナトリウム(1.52g、38.1mmol)をDMF(100ml)に加え氷冷した後、グリコール酸エチル(4.23g、40.6mmol)を滴下した。0℃で15分間撹拌した後、そのままの温度で2,4−ビス(トリフルオロメチル)−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)−1−メチルピリミジン−6(1H)−オン(9.8g、25.4mmol)のDMF(50ml)溶液を滴下し、徐々に室温にまで昇温し24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物を1N−塩酸(400ml)にあけ、酢酸エチル(400ml×2)で抽出した。有機層を水(400ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し溶媒を減圧留去し、固体を析出させた。得られた固体をジエチルエーテルで洗浄し、充分に乾燥させることで、4−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの黄色固体(4.60g,39%)を得た。
【0179】
4−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェノキシ酢酸エチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0180】
mp:162〜163℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.29(t,J=7.3Hz,3H)、3.73(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.30(q,J=7.3Hz,2H)、4.81(s,2H)、7.05(d,J=8.5Hz,1H)、7.44(dd,J=2.3 and 8.5Hz,1H)、7.89(d,J=2.3Hz,1H)
[実施例30]
【0181】
【化35】

【0182】
水素化ナトリウム(228mg、5.71mmol)とDMF(5ml)の縣濁液を0℃に冷却し、チオグリコール酸エチル(1.57g、4.08mmol)のDMF(5ml)溶液を滴下した。0℃で30分間攪拌した後、そのままの温度で2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチル−5−(4−フルオロ−3−ニトロフェニル)ピリミジン−6(1H)−オン(735mg、6.12mmol)を滴下し、徐々に室温まで昇温させ24時間撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(30ml)を加え、酢酸エチル(30ml×2)で抽出した。有機層を水(30ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製することによって、4−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェニルチオ酢酸エチルの白色固体(1.18g,61%)を得た。
【0183】
4−[2,4−ビス(トリフルオロメチル)−1−メチル−6(1H)−オキソピリミジン−5−イル]−2−ニトロフェニルチオ酢酸エチルの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
【0184】
mp:78〜81℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ1.32(t,J=7.5Hz,3H)、2.10(s,2H)、3.75(q,JHF=1.3Hz,3H)、4.52(q,J=7.5Hz,2H)、7.13〜7.26(m,3H)
[参考例1]
【0185】
【化36】

【0186】
ナトリウムエトキシド(12.9g、180mmol)のエタノール(100ml)溶液にトリフルオロアセト酢酸エチル(23.4g、180mmol)、トリフルオロアセ
トアミジン(16.8g、150mmol)を順次加え、8時間加熱還流した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(300ml)を加え、酢酸エチル(300ml×2)で抽出した。有機層を水(300ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を減圧留去することで固体を析出させた。得られた固体をヘキサンで洗浄し、十分乾燥させることによって、6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−ピリミジンの淡黄色固体(20g、48%)を得た。
【0187】
6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)−ピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:108〜109℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ7.11(s,1H)
[参考例2]
【0188】
【化37】

【0189】
N−ブロモこはく酸イミド(30.3g、171mmol)のDMF(200ml)溶液に、6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン(36g、155mmol)を加え、80℃で5時間加熱撹拌した。反応終了後、反応混合物に1N−塩酸(600ml)を加え、酢酸エチル(600ml×2)で抽出した。得られた有機層を水(800ml)で洗浄し、無水硫酸マグネシウムで乾燥した後、乾燥剤を濾別し、溶媒を減圧留去することで固体を析出させた。得られた固体をヘキサンで洗浄し、充分乾燥させることにより5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの茶色固体(19.9g、41%)を得た。
【0190】
5−ブロモ−6−ヒドロキシ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジンの融点(mp)の測定結果を以下に示す。
mp:134〜135℃
[参考例3]
参考例1と同様にして、4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの淡黄色固体(5.46g、66%)を得た。
【0191】
4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:107〜110℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ6.29(t,JHF=55Hz,1H)、7.02(s,1H)
[参考例4]
参考例2と同様にして、5−ブロモ−4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの橙色固体(19.3g、76%)を得た。
【0192】
5−ブロモ−4−ジフルオロメチル−6−ヒドロキシ−2−トリフルオロメチルピリミジンの融点(mp)及びNMRの測定結果を以下に示す。
mp:126〜128℃
1H−NMR(CDCl3,TMS,ppm):δ6.63(t,JHF=53Hz,1H)
上記実施例に例示した方法によって合成した本発明に係る5−置換フェニル−2−トリ
フルオロメチルピリミジン誘導体を表1〜表7に、2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を表8〜表12にまとめて例示した。
【0193】
【化38】

【0194】
【表1】

【0195】
【表2】

【0196】
【表3】

【0197】
【表4】

【0198】
【表5】

【0199】
【表6】

【0200】
【表7】

【0201】
【化39】

【0202】
【表8】

【0203】
【表9】

【0204】
【表10】

【0205】
【表11】

【0206】
【表12】

【0207】
[製剤例]
以下、本発明の2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を除草剤として製剤化する方法を示す。ただし、本発明の除草剤は、これらの製剤例に限定されるものではなく、下記製剤例に例示された以外の他の種々の添加物と任意の割合で混合し、製剤化することもできる。
【0208】
本発明の化合物としては、5−(4−クロロフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(化合物No.447)、5−(4−クロロ−3−シクロペンチルオキシフェニル)−1−メチル−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−6(1H)−オン(化合物No.459)、N−[2−クロロ−5−{1−メチル−6(1H)−オキソ−2,4−ビス(トリフルオロメチル)ピリミジン−5−イル}フェニル]アセトアミド(化合物No.471)を用いた。
【0209】
〔製剤例1〕(粒剤)
本発明の化合物(1重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(1重量部)、ラウリルサルフェート(1重量部)、ベントナイト(30重量部)及びタルク(67重量部)に水(15重量部)を加えて、混練機で混練した後、押出式造粒機で造粒した。これを流動乾燥機で乾燥して、本発明の化合物1%を活性成分として含む粒剤を得た。
〔製剤例2〕(フロアブル剤)
本発明の化合物(20.0重量部)、スルホコハク酸ジ−2−エチルヘキシルエステルナトリウム塩(2.0重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(2.0重量部)、プロピレングリコール(5.0重量部)、消泡剤(0.5重量部)及び水(70.5重量部)を、湿式ボールミルで均一に混合粉砕し、本発明の化合物20%を活性成分として含むフロアブル剤を得た。
【0210】
〔製剤例3〕(ドライフロアブル剤)
本発明の化合物(75重量部)、イソバンNo.1(アニオン性界面活性剤:クラレイソプレンケミカル(株)製、商品名)(10重量部)、バニレックスN(アニオン性界面活性剤:山陽国策パルプ(株)製、商品名)(5重量部)、ホワイトカーボン(5重量部)及びクレー(5重量部)を均一に混合微粉砕して、本発明の化合物75%を活性成分として含むドライフロアブル(顆粒水和)剤を得た。
【0211】
〔製剤例4〕(水和剤)
本発明の化合物(15重量部)、ホワイトカーボン(15重量部)、リグニンスルホン酸カルシウム(3重量部)、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル(2重量部)、珪藻土(5重量部)及びクレー(60重量部)を、粉砕混合機により均一に混合して、本発明の化合物15%を活性成分として含む水和剤を得た。
【0212】
〔製剤例5〕(乳剤)
本発明の化合物(20重量部)、ソルポール700H(乳化剤:東邦化学(株)製、商品名)(20重量部)及びキシレン(60重量部)を混合して、本発明の化合物20%を活性成分として含む乳剤を得た。
【0213】
〔製剤例6〕(粉剤)
本発明の化合物(0.5重量部)、ホワイトカーボン(0.5重量部)、ステアリン酸カルシウム(0.5重量部)、クレー(50.0重量部)及びタルク(48.5重量部)を均一に混合粉砕して、本発明の化合物0.5%を活性成分として粉剤を得た。
【0214】
[試験例]
次に本発明の化合物の除草効果を試験例を挙げて説明する。
〔試験例1〕水田雑草に対する除草効果試験及び移植水稲に対する薬害試験
1/10,000アールの広さのワグネルポットに水田土壌を充填し、水を加えた後化
成肥料(N:P:K=17:17:17)を混入し、代かきを行った。その後、タイヌビエ、広葉雑草(アゼナ、コナギ)、ホタルイの種子を1cmの深さにそれぞれ30粒ずつを播種した。更に、2葉期の水稲を3本で1株としてポットあたり1株移植した。移植後ただちに湛水し、水深を約3cmに保った。その後の管理はガラス温室内で行った。水稲移植1日後に、本発明の化合物を製剤例4に準じて調製した水和剤を水希釈し、その水希釈薬液の所定量を滴下した。
【0215】
本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理21日後に水田雑草に対する除草効果及び移植水稲に対する薬害を調査した。調査方法は、水田雑草に対する除草効果および移植水稲に対する薬害とも、処理区に残った植物体の生草重量(g)と無処理区の雑草生草重量(g)とを種ごとに調査し、下記の算出式により抑草率(%)を求めた。得られた結果を表13に示した。
【0216】
抑草率の算出式
抑草率(%)=〔1−(a/b)〕×100
(式中、aは処理区の植物体の生草重量(g)を表し、bは無処理区の植物体の生草重量(g)を表す。)
【0217】
【表13】

【0218】
比較剤の化学構造を以下に示す。
【0219】
【化40】

【0220】
〔試験例2〕畑作雑草に対する除草効果試験及び薬害試験(土壌処理試験)
(1)畑作雑草に対する除草効果試験
1/10,000アールの大きさの素焼製ポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、表層1
cmの土壌と各雑草(メヒシバ、エノコログサ、シロザ、イヌタデ)の種子それぞれ50粒とを均一に混合し、表層を軽く押圧した。本発明の化合物を製剤例5に準じて調製した
乳剤を水で希釈し、その水希釈薬液を播種2日後に1ヘクタール当たり1000リットルの割合で土壌表面に炭酸ガス式散布機を用いて噴霧した。活性成分の施用量を換算すると1ヘクタール当たり1.2kgに相当した。本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理21日後に除草効果を試験例1と同様に評価した。試験結果を、表14に示す。
【0221】
(2)作物に対する薬害試験
1/10,000アールの大きさの素焼製ポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、各作物
の種子(ダイズ5粒、コムギ10粒)をそれぞれ別のポットに播種し、表層を軽く押圧した。本発明の化合物を製剤例5に準じて調製した乳剤を水で希釈し、その水希釈薬液を播種1日後に1ヘクタール当たり1000リットルの割合で土壌表面に炭酸ガス式散布機を用いて噴霧した。活性成分の施用量を換算すると1ヘクタール当たり1.2kgに相当した。本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理21日後に、各作物に対する薬害を、試験例1と同様の基準に基づいて調査した。試験結果を表14に示す。
【0222】
【表14】

【0223】
〔試験例3〕畑作雑草に対する除草効果試験及び薬害試験(茎葉処理試験)
1/10,000アールの大きさのワグネルポットに畑土壌(沖積壌土)をつめ、メヒ
シバ、エノコログサ、シロザ、イヌタデの各雑草種子をそれぞれ別のポットに30粒播き
、表層約1cmの土壌とこれらの種子とを混合して表層を軽く押圧した。同様にダイズ、コムギの各種子をそれぞれ別のポットに10粒ずつ深さ2cmに播種した。各雑草が1〜2葉期、ダイズが1葉期、コムギが2葉期にそれぞれ達したときに、本発明の化合物を製剤例5に準じて調製した乳剤を水で希釈して所定濃度に調製した後、この希釈薬液を1ヘクタールあたり1000リットルの割合で供試雑草及び作物の茎葉部に炭酸ガス式散布機を用いて噴霧処理した。活性成分の施用量を換算すると1ヘクタール当たり1.2kgに相当した。本試験は1薬液濃度区当たり2連制で行い、薬剤処理14日後に除草効果および作物薬害を試験例1と同様の基準に基づいて評価した。これらの試験結果を表15に示す。
【0224】
【表15】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体。
【化1】

[式(1)中、R1は炭素数1〜6のフルオロアルキル基を表し、R2は水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、Xは水素原子又はハロゲン原子を表し、Yは水素原子、ハロゲン原子、炭素数1〜6のフルオロアルキル基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基又はシアノ基を表し、Zは水素原子、ハロゲン原子、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3〜8のシクロアルキルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルケニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数3〜6のアルキニルオキシ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルチオ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニルアミノ基、置換されていてもよいベンゼンスルホニルアミノ基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルカルボニルアミノ基、ニトロ基、アミノ基、ホルミル基又はシアノ基を表す。]
【請求項2】
一般式(2)で示される5−ハロ−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体と、一般式(3)で示されるホウ酸類とを塩基性条件下、パラジウム触媒存在下にて反応させることを特徴とする、一般式(1a)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体の製造方法。
【化2】

[式(2)中、R1は前記と同じ意味を表し、Tはハロゲン原子を表す。]
【化3】

[式(3)中、X、Y及びZは前記と同じ意味を表し、R3およびR4は各々独立に水素原子又は炭素数1〜6のアルキル基を表し、R3とR4は一体となって置換していてもよいポリメチレン鎖を形成していてもよい。]
【化4】

[式(1a)中、R1、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
【請求項3】
一般式(1a)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン誘導体と、一般式(4)で示されるアルキル化剤とを塩基の存在下に反応させることを特徴と
する、一般式(1aa)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法。
【化5】

[式(1a)中、R1、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
【化6】

[式(4)中、R2aは炭素数1〜6のアルキル基を表し、Lは脱離基を表す。]
【化7】

[式(1aa)中、R1、R2a、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]
【請求項4】
一般式(1ab)で示される5−置換フェニル−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体をニトロ化し、一般式(1ac)で示される5−(3−ニトロフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を得、
次いで該一般式(1ac)のニトロ基を還元し、一般式(1ad)で示される5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を得、
次いで該一般式(1ad)で示される5−(3−アミノフェニル)−2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体と一般式(5)で示されるアシル化剤又は置換スルホニル化剤とを反応させることを特徴とする、一般式(1ae)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体の製造方法。
【化8】

[式(1ab)中、R1、R2a、X及びYは前記と同じ意味を表す。]
【化9】

[式(1ac)中、R1、R2a、X及びYは前記と同じ意味を表す。]
【化10】

[式(1ad)中、R1、R2a、X及びYは前記と同じ意味を表す。]
【化11】

[式(5)中、R5は置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルカルボニル基、置換
されていてもよいベンゾイル基、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキルスルホニル基又は置換されていてもよいベンゼンスルホニル基を表し、Lは前記と同じ意味を表す。]
【化12】

[式(1ae)中、R1、R2a、R5、X及びYは前記と同じ意味を表す。]
【請求項5】
一般式(1)で示される2−トリフルオロメチルピリミジン−6(1H)−オン誘導体を有効成分とする除草剤。
【化13】

[式(1)中、R1、R2、X、Y及びZは前記と同じ意味を表す。]

【公開番号】特開2009−126792(P2009−126792A)
【公開日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−300535(P2007−300535)
【出願日】平成19年11月20日(2007.11.20)
【出願人】(000173762)財団法人相模中央化学研究所 (151)
【出願人】(000003300)東ソー株式会社 (1,901)
【出願人】(000242002)北興化学工業株式会社 (182)
【Fターム(参考)】