説明

5−HT受容体アンタゴニストとしてのピリジルスルホン誘導体

本発明は、式(I)の化合物、5−HT受容体のごとき5−HT受容体が関連し、5−HT機能の変調が望まれる、哺乳動物における病気または疾患を治療するためにこれらの化合物を用いる方法を提供し、ここに、A、GおよびWないしWは明細書中に定義される。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
関連出願の相互参照
本出願は、ここに引用して一体化させる、米国特許法第119条(e)(i)下で、2002年2月22日に出願された米国仮出願セリアル番号60/359174号の利益を主張する。
【0002】
発明の分野
本発明は新規なピリジルスルホン誘導体、さらに詳しくは、後に本明細書中に記載する式IおよびIIのピリジルスルホン化合物に関する。これらの化合物は5−HT受容体リガンドであって、5−HT活性の変調が望まれる病気を治療するのに有用である。
【0003】
発明の背景
セロトニンは、中枢神経系に由来する多数の病気および疾患と関連付けられてきた。これらは睡眠、摂食、苦痛の感知、体温の制御、血圧の制御、うつ病、不安、精神分裂病および他の体の状態に関連する病気および疾患を含む。また、セロトニンは、種々の収縮、分泌および電気生理学的効果を媒介することが見出されている、胃腸系のごとき末梢系で重要な役割を演じる。
【0004】
体内でのセロトニンの広い分布の結果として、セロトニン作動性系に影響する薬物に対して大きな注目が払われている。特に、アゴニスト、部分的アゴニストおよびアンタゴニストは、不安、うつ病、高血圧、偏頭痛、肥満、強迫障害、精神分裂病、自閉症、神経変性障害(例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン舞踏病)、および化学療法で誘導された嘔吐を含めた広い範囲の障害の治療で注目されている。
【0005】
主なクラスのセロトニン受容体(5−HT1−7)は、公式に分類された14ないし18の別々の受容体を含む。Glennonら, Neuroscience and Behavioral Reviews, 1990, 14, 35;およびD.Hoyerら,Pharmacol. Rev. 1994, 46, 157-203参照。
【0006】
現在、5−HT受容体と関連付けられる病気および疾患を治療するのに有用である薬剤についての要求が存在する。特に、個々の受容体サブタイプに選択的に結合できる剤(例えば、受容体特異的アゴニストまたはアンタゴニスト)についての要求が存在し;かかる剤は、薬剤として有用であるか、あるいはその5−HT受容体ファミリーの研究を促すか、またはその特異的5−HT受容体に選択的に結合する他の化合物の同定を援助するのに有用であろう。
【0007】
例えば、その受容体の5−HT受容体は、1993年に同定された(Monsmaら Mol. Pharmacol. 1993, 43, 320-327およびRuat,M.ら Biochem. Biophys. Res. Com. 1993, 193, 269-276)。いくつかの抗うつ剤および抗精神病剤は、高親和性で5−HT受容体に結合し、この結合は、それらのプロフィールの活性における因子であり得る(Rothら J. Pharm. Exp. Therapeut. 1994, 268, 1403-1410; Sleightら Exp. Opin. Ther. Patents 1998, 8, 1217-1224; Boursonら Brit. J. Pharm. 1998, 125, 1562-1566; Boessら Mol. Pharmacol. 1998, 54, 577-583; Sleightら Brit. J. Pharmacol. 1998, 124, 556-562)。加えて、その5−HT受容体は、全般性のストレスおよび不安状態に関連している(Yoshiokaら Life Sciences 1998, 17/18, 1473-1477)。同時に、これらの研究および観察は、5−HT受容体に拮抗する化合物が中枢神経系の障害を治療するのに有用であろうことを示唆している。
【0008】
情報の開示
米国特許第5,770,613号は癌の治療および避妊で有用なピリジンを開示する。
日本国特許61−280474号は、薬物;農薬、界面活性剤等用の中間体として用いられるアルキル、アルケニルおよびアリールスルホニルピリジンを開示する。
EP 0 156 433は、抗ウイルス剤として有用なピリダジンアミドを開示する。
日本国特許11−72377は、農薬および医薬で有用なモノシアノピラジンを開示する。
WO 98/24782は、TNF−アルファ、IL−1ベータ、IL−6および/またはIL−8媒介病および疼痛および糖尿病のごとき他の病気の予防および治療で有用なピリミジン化合物を開示する。
【0009】
発明の概要
1つの態様において、本発明は、式I:
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、WないしWは−C(R)またはNであり、但し、WないしWの1以下は窒素であり、さらに、WがNである場合、Wは−C(CN)ではない;
Aは5−または6−員の単環芳香族環;8−または10−員の縮合芳香族環系、該5−または6−員の単環芳香族環および8−または10−員の縮合芳香族環系は、各々、所望により、3つまでのヘテロ原子(O,N,S)を含有してもよく;または1ないし3つのヘテロ原子(O,N,S)を含む9−員の縮合芳香族環系であり、該5−または6−員の単環芳香族環および8−ないし10−員の縮合芳香族環系の各々は所望により1ないし4のRで置換されていてもよく;
各Rは、独立して、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、−OH、アルコキシ、置換されたアルコキシ、−SH、−S−アルキル、−S−置換アルキル、−CN、−NO、−NR、−NRSO−アルキル、−NRSO−アリール、−COOR、−CONR、−SONR、−SO−アルキル、het、置換されたhet、アリールおよび置換されたアリールから選択され;
Gは:
【0012】
【化2】

【0013】
であり;
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、アリール、het、置換されたアリール、または置換されたhetであるか、あるいはRおよびRは一緒になる場合は、N、OまたはSから選択される1ないし3個のヘテロ原子を所望により含有してもよい5、6または7−員環を形成し;
各Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、または置換されたアルキルであり;
各Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、あるいはオキソであるが、該オキソ部位が同一炭素に結合している場合にはRは存在せず;
各Rは独立してHまたはアルキルであり;
各RおよびR10は、独立して、H、アルキルまたは置換されたアルキルであり;
nは0ないし1である]
の化合物をその要旨とする。
【0014】
一般に、本発明の化合物は、5−HTリガンドである。特に、それらは、その5−HT受容体に選択的に結合できる(例えば、受容体特異的アゴニストまたはアンタゴニスト)。かくして、それらは、5−HT活性、特に、5−HT活性の変調が望ましい疾患を治療するのに有用である。従って、本発明の化合物は、中枢神経系の疾患または障害を治療するのに有用である。より詳細には、精神病、パラフレニー、心因性うつ病、躁病、精神分裂病、精神分裂病型障害、不安症、偏頭痛、薬物中毒、痙攣性疾患、人格障害、外傷後ストレス症候群、アルコール症、恐慌発作、強迫神経障害および睡眠障害の治療についてである。また、本発明の化合物は、精神分裂病の精神病性、情動性、自律神経性および精神運動性の症状ならびに他の抗精神病薬の錐体外路系の運動副作用を治療するのに有用である。この最後の作用は、高用量の抗精神病薬を用いるのを可能し、かくして、副作用の低下の結果として大きな抗精神病性の効力を得るのを可能とするであろう。また、本発明の化合物は、摂食行動の変調に有用であり、かくして、過剰な体重および関連する疾病率および死亡率を処置するのに有用である。
【0015】
さらに、本発明は、治療上有効量の式IまたはIIの化合物、あるいはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを含むことを特徴とする中枢神経系の疾患または障害を治療する方法を提供する。治療なる用語には、予防的な治療が含まれる。特に、式IまたはIIの化合物は、うつ病、精神分裂病、精神分裂病型障害および分裂情動性障害を治療するのに有用である。いくらかの具体例において、式IまたはIIの化合物は、限定されるものではないが、以下のもの:肥満、妄想障害、ストレス関連疾患(例えば、一般的不安障害)、恐慌性障害、恐怖症、強迫神経障害、外傷後ストレス症候群、免疫系機能低下、泌尿器系、胃腸系または心血管系でのストレス誘導問題(例えば、緊張性尿失禁)、神経変性障害、自閉症、化学療法誘導の嘔吐、高血圧症、偏頭痛、群発性頭痛、哺乳動物(例えば、ヒト)における性的機能不全、沈溺障害および離脱症候群、適応障害、加齢関連の学習および精神障害、神経性無食欲症、感情鈍麻、一般的な医学的疾患のための注意欠陥障害、注意欠陥亢進障害、(認識低下(例えば、痴呆、精神薄弱または妄想)と関連した疾患における激昴(agitation)を含めた)行動障害、双極性異常、神経性食欲昂進症、慢性疲労症候群、行為異常症、循環気質障害、気分変調障害、線維筋肉痛および他の身体性障害、全般性不安障害、吸入性障害、中毒障害、運動障害(例えば、ハンチントン病または遅発性ジスキネジア)、反対反抗障害、末梢性神経障害、外傷後ストレス障害、月経前不快障害、神経異常障害(短期間および長期間の障害、医学的疾患のための精神障害、精神障害 NOS)、気分障害(精神的特徴を持つ重度の抑欝性または双極性異常) 周期的情動障害、睡眠障害、特異性発達障害、激昴障害、選択的セロトニン再取込阻害(SSRI)「プープアウト(poop out)」症候群またはチック障害(例えば、トゥーレット症候群)を含めた他の疾患または障害に対する活性を有し得る。
【0016】
本発明は、さらに、治療上有効量の式IまたはIIの化合物、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする不安、うつ病またはストレス関連障害を治療する方法を提供する。
本発明は、さらに、中枢神経系の病気または障害の治療または予防用の医薬を調製するための式IまたはIIの化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
もう1つの態様において、本発明は、治療上有効量の式IまたはIIの化合物、またはその医薬上許容される塩を含む医薬組成物を提供する。該組成物は、医薬上許容される担体を含んでもよい。
本発明は、さらに、治療上有効量の式IまたはIIの化合物、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする5−HT受容体が関連し、5−HT機能の変調が望まれる哺乳動物における病気または疾患を治療する方法を提供する。
本発明は、さらに、治療上有効量の前記式Iまたは式IIの化合物、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする、5−HT受容体が関連し、5−HT機能の変調が望まれる哺乳動物における病気または疾患を治療する方法を提供する。ここに、式IIは:
【0017】
【化3】

【0018】
[式中、WないしWは−C(R)またはNであり、但し、WないしWの1以下は窒素であり;
Aは5−または6−員の単環芳香族環;8−または10−員の縮合芳香族環系、該5−または6−員の単環芳香族環および8−または10−員の縮合芳香族環系は、各々、所望により、3つまでのヘテロ原子(O,N,S)を含有してもよく;または1ないし3つのヘテロ原子(O,N,S)を含む9−員の縮合芳香族環系であり、該5−または6−員の単環芳香族環および8−ないし10−員の縮合芳香族環系の各々は所望により1ないし4のRで置換されていてもよく;
各Rは、独立して、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、−OH、アルコキシ、置換されたアルコキシ、−SH、−S−アルキル、−S−置換アルキル、−CN、−NO、−NR、−NRSO−アルキル、−NRSO−アリール、−COOR、−CONR、−SONR、−SO−アルキル、het、置換されたhet、アリールおよび置換されたアリールから選択され;
Gは:
【0019】
【化4】

【0020】
であり;
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、アリール、het、置換されたアリール、および置換されたhetであるか、あるいはRおよびRは一緒になる場合、N、OまたはSから選択される1ないし3個のヘテロ原子を所望により含有してもよい5、6または7−員環を形成し;
各Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、または置換されたアルキルであり;
各Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、あるいはオキソであるが、該オキソ部位が同一炭素に結合している場合にはRは存在せず;
各Rは独立してHまたはアルキルであり;
各RおよびR10は、独立して、H、アルキルまたは置換されたアルキルであり;
nは0ないし1である]
である。
【0021】
本発明の具体例は、以下の特徴の1以上を含むことができる。各Rは、独立して、H、F、Cl、Br、I、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル−C−C−シクロアルキル、CF、OH、O−(C−C−アルキル)、O−C−C−アルキル−OH、O−C−C−NR、OCF、SH、S−(C−C−アルキル)、CN、NO、NR、NHSO−C−C−アルキル、COOR、CONR、SONR、SO−C−C−アルキル、ならびに所望により、1ないし3のH、F、Cl、Br、I、C−C−アルキルまたは−シクロアルキル、OH、O−(C−C−アルキル)、CN、NR、CONRおよびSONRで置換されていてもよいアリールから選択される。各RおよびRは、独立して、H、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−C−C−シクロアルキル、−(CH0−4−アリールから選択されるか、あるいはRおよびRは一緒になる場合、所望により、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を含有してもよい、5、6または7−員環を形成する。各Rは、独立して、H、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキルおよびC−C−アルキル−C−C−シクロアルキルから選択される。各RおよびRは、独立して、H、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−C−C−シクロアルキルであるか、あるいはRおよびRは一緒になる場合、所望により、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を含有してもよい5、6または7−員環を形成する。各RはH、C−C−アルキルまたはオキソである。各RはHまたはC−C−アルキルである。各RおよびR10は、独立して、H、C−C−アルキルおよびC−C−アルキル−OHから選択される。RないしRは各々Hである。Aはフェニルである。該化合物はフェニル5−(1−ピペラジニル)−2−ペリジニルスルホン;または5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホン;またはその医薬上許容される塩である。Gは:
【0022】
【化5】

【0023】
である。
式IおよびIIの化合物は同位体標識を含むこともできる。例えば、該化合物は炭素−11、窒素−13、酸素−15およびフッ素−18から選択される少なくとも1つの原子のごとき同位体標識を含むことができる。同位体標識化合物は、陽電子放出断層撮影法、核磁気共鳴イメージングおよび単光子放出型断層撮影法で用いることができる。
本発明は、さらに、式IまたはIIの同位体標識化合物を提供する。
本発明は、さらに、式IまたはIIの同位体標識化合物またはその医薬用許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に取り込まれた化合物を検出することを特徴とする陽電子放出断層撮影法を行う方法を提供する。
【0024】
本発明は、さらに、式IまたはIIの同位体標識化合物またはその医薬用許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に取り込まれた化合物を検出することを特徴とする、核磁気共鳴イメージングを行う方法を提供する。
本発明は、さらに、式IまたはIIの同位体標識化合物またはその医薬用許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に取り込まれた化合物を検出することを特徴とする、単光子放出型断層撮影法を行う方法を提供する。
また、本発明は、本発明の化合物を調製するための新規な中間体および製法を提供する。
【0025】
発明の詳細な記載
本発明の化合物は、一般に、IUPACまたはCAS命名システムに従って命名される。当業者によく知られた略語を用いることができる(例えば、フェニルに対して「Ph」、メチルに対して「Me」、エチルに対して「Et」、時間に対する「h」、室温に対する「rt」、例えば、18ないし25℃)。
特記しない限り、以下の定義を用いる。
種々の炭化水素−含有部位の炭素原子含有量は、該部位における炭素原子の最小数および最大数を示す接頭辞によって示すことができ、すなわち、接頭辞Ci−jは、包括的に、整数「i」個ないし整数「j」個の炭素原子の部位を示す。かくして、例えば、C1−7アルキルとは、包括的に、1ないし7個の炭素原子のアルキルをいう。
【0026】
用語「ハロ」とは、Cl、Br、IおよびFから選択されるハロゲン原子をいう。
用語「アルキル」とは、直鎖および分岐鎖双方の部位をいう。特記しない限り、具体的に記載されたアルキル部位は1および10の間の炭素原子を含む。
用語「アルケニル」とは、少なくとも1つの−C=C−を含む直鎖および分岐鎖双方の部位をいう。特記しない限り、アルケニル部位は1および10の間の炭素原子を含む。
用語「アルキニル」とは、少なくとも1つの−C≡C−を含む直鎖および分岐鎖双方の部位をいう。特記しない限りアルキニル部位は1および10の間の炭素原子を含む。
用語「アルコキシ」とは、−O−アルキル基をいう。
用語「シクロアルキル」とは、環状アルキル部位をいう。特記しない限りシクロアルキル部位は3および7の間の炭素原子を含む。
【0027】
用語「シクロアルケニル」とは、環状アルケニル部位をいう。特記しない限りシクロアルキニル部位は3および7の間の炭素原子、および該環状環内の少なくとも1つのC=C−基を含む。
用語「アミノ」とは−NHをいう。
用語「ヘテロシクロアルキル」とは、環中に1ないし4個のヘテロ原子を含む環状アルキル部位をいう。ヘテロ原子は酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される。特記しない限り、ヘテロシクロアルキル部位は5および7の間の環原子を含む。
用語「アリール」とは、フェニルおよびナフチルをいう。
【0028】
用語「het」とは、酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1ないし4個のヘテロ原子を有するC−連結5−員ヘテロアリール環;1ないし3個の窒素原子を有するC−連結6−員ヘテロアリール環;酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1ないし3個のヘテロ原子を有する8−員二環ヘテロアリール環系;および酸素、硫黄および窒素よりなる群から選択される1ないし3個のヘテロ原子を有する10−員二環ヘテロアリール環系をいう。
【0029】
「het」の例は、限定されるものではないが、ピリジニル、チオフェニル、フラニル、ピラゾリル、ピリミジニル、ピリジル、ピリダジニル、イミダゾリル、イソオキサゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサジアゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、チエニル、ピロリル、イソピロリル、オキサチアゾリル−1−オキシド、チアジアゾリル、トリアゾリル、テトラゾリル、チアゾリニル、チアゾレジオニル、チアトリアゾリル、ジチアゾロニル、インドリル、インドリニル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、ベンゾイソオキサゾリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、キノノリニル、イソノリニルおよびキノバリニルを含む。
【0030】
用語「置換されたアルキル」とは、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルケニル、het、アリール、−OQ10,−SQ10,−S(O)10,−S(O)Q10,−OS(O)10,−C(=NQ10)Q10,−SC(O)Q10,−NQ1010,−C(O)Q10,−C(S)Q10,−C(O)OQ10,−OC(O)Q10,−C(O)NQ1010,−C(O)C(Q16OC(O)Q10,−CN,=O,=S,−NQ10C(O)Q10,−NQ10C(O)NQ1010,−S(O)NQ1010,−NQ10S(O)10,−NQ10S(O)Q10および−NOから選択される1ないし4個の置換基を含むアルキル部位をいう。該シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、het、アリール、およびシクロアルケニルの各々は、所望により、ハロおよびQ15から独立して選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよい。
【0031】
用語「置換されたアリール」とは、−OQ10,−SQ10,−S(O)10,−S(O)Q10,−OS(O)10,−C(=NQ10)Q10,−SC(O)Q10,−NQ1010,−C(O)Q10,−C(S)Q10,−C(O)OQ10,−OC(O)Q10,−C(O)NQ1010,−C(O)C(Q16OC(O)Q10,−CN,−NQ10C(O)Q10,−NQ10C(O)NQ1010,−S(O)NQ1010,−NQ10S(O)10,−NQ10S(O)Q10,−NO、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、hetおよびアリールから選択される1ないし3個の置換基を有するアリール部位をいう。該シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、アリールは所望によりハロおよびQ15から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0032】
用語「置換されたhet」とは、−OQ10,−SQ10,−S(O)10,−S(O)Q10,−OS(O)10,−C(=NQ10)Q10,−SC(O)Q10,−NQ1010,−C(O)Q10,−C(S)Q10,−C(O)OQ10,−OC(O)Q10,−C(O)NQ1010,−C(O)C(Q16OC(O)Q10,−CN,−NQ10C(O)Q10,−NQ10C(O)NQ1010,−S(O)NQ1010,−NQ10S(O)10,−NQ10S(O)Q10,−NO,アルキル、置換されたアルキル、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、hetおよびアリールから選択される1ないし3個の置換基を有するhet部位をいう。該シクロアルキル、シクロアルキニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールは所望によりハロおよびQ15から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0033】
用語「置換されたアルケニル」とは、1ないし3個の置換基−OQ10、−SQ10、−S(O)10、−S(O)Q10、−OS(O)10、−C(=NQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q16OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)NQ1010、−NQ10S(O)10、−NQ10S(O)Q10、NO、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールを含むアルケニル部位をいう。該シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールは、所望により、ハロおよびQ15から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0034】
用語「置換されたアルコキシ」とは、1ないし3個の置換基−OQ10、−SQ10、−S(O)10、−S(O)Q10、−OS(O)10、−C(=NQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q16OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)NQ1010、−NQ10S(O)10、−NQ10S(O)Q10、NO、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールを含むアルコキシ部位をいう。該シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールは、所望により、ハロおよびQ15から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0035】
用語「置換されたシクロアルケニル」とは、1ないし3個の置換基−OQ10、−SQ10、−S(O)10、−S(O)Q10、−OS(O)10、−C(=NQ10)Q10、−SC(O)Q10、−NQ1010、−C(O)Q10、−C(S)Q10、−C(O)OQ10、−OC(O)Q10、−C(O)NQ1010、−C(O)C(Q16OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ10C(O)Q10、−NQ10C(O)NQ1010、−S(O)1010、−NQ10S(O)10、−NQ10S(O)Q10、NO、アルキル、置換されたアルキル、ハロ、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールを含むシクロアルケニル部位をいう。該シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、het、およびアリールは、所望により、ハロおよびQ15から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0036】
各Q10は、独立して、−H、アルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、het、シクロアルケニル、およびアリールから選択される。該het、ヘテロシクロアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、およびアリールは、所望により、ハロおよびQ13から選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
各Q11は、独立して、−H、ハロ、アルキル、アリール、およびシクロアルキルから選択される。該アルキルおよびシクロアルキルは、所望により、ハロ、−NO−CN、=S、=O、およびQ14から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。該アリールは、所望により、ハロ、−NO、−CN、およびQ14から独立して選択される1ないし3個の置換基で置換されていてもよい。
【0037】
各Q13は、独立して、Q11、−OQ11、−SQ11、−S(O)11、−S(O)Q11、−OS(O)11、−C(=NQ11)Q11、−SC(O)Q11、−NQ1111、−C(O)Q11、−C(S)Q11、−C(O)OQ11、−OC(O)Q11、−C(O)NQ1111、−C(O)C(Q16OC(O)Q10、−CN、=O、=S、−NQ11C(O)Q11、−NQ11C(O)NQ1111、−S(O)NQ1111、−NQ11S(O)11、−NQ11S(O)Q11、および−NOから選択されるが、Q10がアリールまたはhetである場合、Q13は=Oまたは=Sではない。
【0038】
各Q14は−H、またはアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニルまたはナフチルから選択される置換基であり、各々は、所望により、−F、−Cl、−Br、−I、−OQ16、−SQ16、−S(O)16、−S(O)Q16、−OS(O)16、−NQ1616、−C(O)Q16、−C(S)Q16、−C(O)OQ16、−NO、−C(O)NQ1616、−CN、−NQ16C(O)Q16、−NQ16C(O)NQ1616、−S(O)NQ1616、および−NQ16S(O)16から独立して選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよい。該アルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルはさらに=Oまたは=Sで置換されていてもよい。
【0039】
各Q15はアルキル、シクロアルキル、シクロアルケニル、フェニル、またはナフチルであり、各々は、所望により、−F、−Cl、−Br、−I、−OQ16、−SQ16、−S(O)16、−S(O)Q16、−OS(O)16、−C(=NQ16)Q16、−SC(O)Q16、−NQ1616、−C(O)Q16、−C(S)Q16、−C(O)OQ16、−OC(O)Q16、−C(O)NQ1616、−C(O)C(Q16OC(O)Q16、−CN、−NQ16C(O)Q16、−NQ16C(O)NQ1616、−S(O)NQ1616、−NQ16S(O)2Q16、−NQ16S(O)Q16、および−NO2から独立して選択される1ないし4個の置換基で置換されていてもよい。該アルキル、シクロアルキル、およびシクロアルケニルは、さらに=Oまたは=Sで置換されていてもよい。
【0040】
各Q16は、独立して、−H、アルキル、およびシクロアルキルから選択される。該アルキルおよびシクロアルキルは、所望により、1ないし3個のハロで置換されていてもよい。
哺乳動物はヒトおよび動物を示す。
本発明は、本明細書中に記載した有用な特性を有する本発明の化合物のいずれのラセミ体、光学活性体、多形、互変異性体、または立体異性体、またはその混合物も含むことは理解されるべきである。
【0041】
化合物が安定な非毒性の酸または塩基塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、医薬上許容される塩としての当該化合物の投与が適切であろう。本発明の範囲内にある医薬上許容される塩の例は、生理学上許容されるアニオンを形成する酸とで形成された有機酸付加塩、および無機塩を含む。医薬上許容される塩の例は、限定されるものではないが、以下の酸の酢酸、アスパラギン酸、ベンゼンスルホン酸、安息香酸、重炭酸、重硫酸、重酒石酸、酪酸、エデト酸カルシウム、カムシル酸(camsylic)、炭酸、クロロ安息香酸、クエン酸、エデト酸、エジシル酸(edisylic)、エシル(esyl)、エシル酸(esylic)、ギ酸、フマル酸、グルセプト酸(gluceptic)、グルコン酸、グルタミン酸、グリコリルアルサニル酸、ヘキサム酸(Hexamic)、ヘキシルレソルシン酸(hexylresorcinoic)、ヒドラバム酸(hydrabamic)、臭化水素酸、塩酸、ヨウ化水素酸、ヒドロキシナフトエ酸、イセチオン酸、乳酸、ラクトビオン酸、マレイン酸、リンゴ酸、マロン酸、マンデル酸、メタンスルホン酸、メチル硝酸、メチル硫酸、ムシ酸(mucic)、ムコン酸、ナプシル酸、硝酸、シュウ酸、p−ニトロメタンスルホン酸、パモ酸、パントテン酸、リン酸、一水素リン酸、二水素リン酸、フタル酸、ポリガラクツロ酸、プロピオン酸、サルチル酸、ステアリン酸、コハク酸、スルファミン酸、スルファニル酸、スルホン酸、硫酸、タンニン酸、酒石酸、テオクル酸およびトルエンスルホン酸を含む。
【0042】
医薬上許容される塩は、当業者によく知られた標準的な手法を用い、例えば、アミンのごとき十分に塩基性の化合物を、生理学上許容されるアニオンを供する適当な酸と反応させることによって得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)塩も作成することができる。
【0043】
本発明の化合物はチャートAに示された経路によって調製することができる。商業的に入手可能なヘテロアリール(2)を直接用いることができるか、あるいは塩基およびジクロロメタンまたはTHFのごとき溶媒の存在下で無水トリフルオロ酢酸で処理してトリフレートとしてのヘテロアリール(2)を形成することによって商業的に入手可能なヒドロキシヘテロアリール(1)から調製することができ;別法として、アニリノヘテロアリール1を亜硝酸ナトリウムおよび塩酸または臭化水素酸で処理してヘテロアリール(2)を得ることができる。次いで、ヘテロアリール(2)を、溶媒の不存在下で、またはDMF、N−メチル−ピロリジノン、ジメチルアセトアミド、THF、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、エチレングリコールおよびエタノールのごとき溶媒と共に、100ないし200℃の範囲の温度でチオアリール(3)と共に加熱して、アリールスルフィド(4)を得る。アリールスルフィド(4)は、ジクロロメタン中の酢酸中の過酸化水素、またはジクロロメタン中のm−クロロペルオキシ安息香酸を用いて、あるいはMarch、「Advanced Organic Chemistry: Reactions, Mechanisms, and Structure」,McGraw-Hill Book Co. 第2ないし4巻に教示されているごとき他の方法を用いて、酸化してアリールスルホン(5)を得る。
【0044】
次いで、アリールスルホン(5)を、70ないし170℃の範囲の温度にて、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸セシウム、炭酸リチウム、トリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、ピリジンまたは当業者によく知られた他の溶媒および塩基のごとき塩基を含むDMF、N−メチルピロリジノン、ジメチルアセトアミド、THF、ジオキサン、アセトニトリル、酢酸エチル、ジメトキシエタン、エチレングリコール、およびエタノールのような溶媒中で複素環アミン(6または7)で処理して、アミノスルホン(8または9)を得る。別法として、Buchwald(Acc. Chem. Res. 1998, 31, 805)およびHartwig(Ang. Chem. Int.編 Eng. 1998, 37, 2046)によるレビューで議論されているごとき温度にて、アリールスルホン(5)および複素環アミン(6または7)を触媒、塩基、溶媒の存在下で反応させて8または9を得ることができる。
【0045】
【化6】

【0046】
いくつかの具体例においては、化合物は同位体で標識した化合物である。同位体−標識化合物は、1以上の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられた事実以外は、式IおよびIIに記載したのと同一である。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例は、H、11C、14C、13N、15O、18F、99mTc、123Iおよび125Iのごとき水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体を含む。前記した同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される塩およびプロドラッグは、本発明の範囲内のものである。本発明の同位体−標識化合物は薬物および/または基質組織分布および標的専有アッセイで有用である。例えば、同位体標識化合物はSPECT(単光子放出型コンピュータ断層撮影法)およびPET(陽電子放出断層撮影法)で特に有用である。
【0047】
単光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)は、哺乳動物の体に導入された同位体標識化合物の濃度についての情報を獲得する。SPCETは、PET、X−線CTまたはMRIいずれにも先立って射出移動断面撮影法(emission traverse section tomography)のアイデアがD.E.KuhlおよびR.Q.Edwardsによって導入された1960年代初期に遡る。一般に、SPECTは、電子捕獲および/またはガンマ照射によって崩壊する同位体を必要とする。活性なSPECT同位体の例は、限定されるものではないが、123−ヨウ素(123I)および99m−テクネチウム(99mTc)を含む。被験者に、典型的にはトレーサー用量にて放射性標識剤を注射する。核が崩壊し、その結果、単一ガンマ線が照射され、これが組織を通過し、SPECTカメラにて体外で測定される。トモグラムとしてコンピューターによって復元された放射能の摂取は、断面イメージにおいて組織分布を示す。
【0048】
陽電子放出断層撮影法(PET)は、組織内の陽電子放射同位体の濃度を測定する技術である。SPECTのように、これらの測定は、典型的には、生きた被験者の体外のPETカメラを用いてなされる。PETは、限定されるものではないが、陽電子照射同位体を含むように化合物を合成し;同位体標識化合物を哺乳動物に投与し;次いで、放射トモグラフィーによって時間の関数として陽電子の分布をイメージングすることを含めたいくつかの工程に分けることができる。PETは、例えば、1985年にAlan R. Liss, Inc.によって発行されたPositron Emission Tomography においてAlaviらによって記載されている。
【0049】
PETで用いられる陽電子放射同位体は、限定されるものではないが、炭素−11,窒素−13、酸素−15,およびフッ素−18を含む。一般に陽電子放射同位体は、患者がPETイメージングの間に必要な高用量を受ける長期間放射線暴露を最小化するのを助けるように短い半減期を有するべきである。
【0050】
ある状況においては、PETイメージングを用いて、5−HTセロトニン受容体にて本発明の化合物の結合速度を測定することができる。例えば、身体に進入し、5−HTセロトニン受容体に結合する本発明の同位体標識化合物の投与により、ベースラインPETシグナルが生じ、これは、第二の異なる非同位体標識化合物を投与する間にモニターすることができる。ベースラインPETシグナルは、非同位体標識化合物が5−HTセロトニン受容体への結合につき競合するので減少するであろう。
【0051】
一般に、PETまたはSPECTを実行するのに有用な式Iの化合物は、血液−脳関門を進入し、5−HTセロトニン受容体に対する高い選択性および中程度の親和性を呈し、最後には代謝されるものである。非選択的である化合物、または5−HTセロトニン受容体に対して過剰なまたは小さな親和性を呈する化合物は、一般に、5−HTセロトニン受容体に関する脳受容体結合速度を調べるのに有用でない。代謝されない化合物は患者に有害であろう。
【0052】
他の具体例において、核磁気共鳴分光(MRS)イメージングを用いて、特定のスピンを持つ核を含む化合物またはそのフラグメントの全濃度を検出することができる。一般に、NMRイメージングで有用な同位体は、限定されるものではないが、水素−1、炭素―13、リンー31、およびフッ素―19を含む。例えば、19Fを含む化合物はNMRイメージングを行うのに有用である。
【0053】
さらに、ジュートリウム、すなわち、Hのようなより重い同位体での置換により、より大きな代謝安定性に由来するある種の治療的利点、例えば、増大したイン・ビボでの半減期または減少した用量の要件が供され、よって、いくつかの状況においては好ましいであろう。本発明の式Iの同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬に代えて同位体標識試薬で置き換えることによって、前記した合成手法を行うことにより調製することができる。
【0054】
本発明の化合物は、便宜には、適当な賦形剤と組み合わせて当該化合物を含む医薬組成物にて投与することができる。そのような医薬組成物は当該分野でよく知られた方法によって調製することができ、当該分野でよく知られた賦形剤を含むことができる。そのような方法および成分の一般に認められた概論は、E.W.MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences である(Mark Publ. Co., 第15版, 1975)。本発明の化合物および組成物は非経口(例えば、静脈内、腹腔内、または筋肉内注射)、局所、経口または直腸投与することができる。
【0055】
経口治療投与では、有効化合物を1以上の賦形剤と合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ、カプセル剤、キリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハーなどの形態で用いることができる。そのような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の有効化合物を含むべきである。組成物および製剤のパーセンテージは、もちろん、変化させることができ、便宜には、与えられた単位投与形態の重量の約2および60%の間とすることができる。そのような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、有効な投与量レベルが得られるようなものである。
【0056】
錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などは以下の:トラガカントガム、アカシア、トウモロコシ澱粉またはゼラチンのような結合剤;リン酸二カルシウムのごとき賦形剤;トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、アルギン酸などのごとき崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテームのごとき甘味剤、またはペパーミント、冬緑油、チェリーフレーバーのようなフレーバー剤を含有することもできる。前記リストは代表的なものにすぎず、当業者であれば他の結合剤、賦形剤、甘味剤を認識することができるであろう。単位投与形態がカプセル剤である場合、それは前記タイプの物質に加えて、植物油またはポリエチレングリコールのごとき液状担体を含有することができる。種々の他の物質をコーティングとして存在させることができるか、あるいはそうでなければ固体単位投与形態の物理的形態を修飾することができる。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤をゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖でコーティングすることができる。シロップまたはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロースまたはフルクトースまたは防腐剤としてのプロピルパラベン、チェリーまたはオレンジフレーバーのごとき色素およびフレーバー剤を含むこともできる。もちろん、いずれの単位投与形態を修飾するのに用いるいずれの物質も用いる量において許容され、かつ実質的に非毒性であるべきである。加えて、活性化合物を、限定されるものではないが、所望の放出プロフィールを得るために浸透圧に頼るものを含めた徐放製剤およびデバイス(例えば、Alza Corporationによって設計され開発されたOROS薬物送達デバイス)に取り込むことができる。
【0057】
化合物または組成物は、注入または注射によって静脈内または腹腔内投与することもできる。活性な化合物またはその塩の溶液は、所望により、非毒性界面活性剤と混合した水中にて調製することができる。また、グリセロース、液状ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびその混合物、および油中にて分散液を調製することもできる。貯蔵および使用の通常の条件下にて、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために防腐剤を含む。
【0058】
注射または注入に適した医薬投与形態は、所望によりリポソーム中にカプセル化されていてもよい滅菌注射または注入可能な溶液または分散液の即席製剤に適した有効成分を含む滅菌水性溶液または分散液あるいは滅菌粉末を含むことができる。全ての場合、最終的な投与形態は滅菌されており、製造および貯蔵の条件下で流体であって、安定であるべきである。液状担体またはビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール(例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコール等)、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびその適当な混合物を含む溶媒または液状分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、分散液の場合における必要な粒子サイズの維持によって、または界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサル等によって行うことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、緩衝液または塩化ナトリウムを含めるのが好ましいであろう。注射組成物の延長された吸収は、吸収を遅らせる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物における使用によって行うことができる。
【0059】
滅菌注射溶液は、必要であれば、必要な量の活性化合物を、前記した種々の他の成分と共に適当な溶媒に取り込み、続いて、滅菌濾過することによって調製することができる。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製の好ましい方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これにより、有効成分と既に滅菌濾過された溶液に存在するいずれかの追加の所望の成分との粉末が得られる。粉末の滅菌は、照射および無菌結晶化方法を通じて達成することもできる。選択された無菌方法は当業者の選択である。
局所投与では、本発明の化合物は、それらが液体である場合には、純粋な形態で適用することができる。しかしながら、一般に、固体または液体であり得る皮膚科学的に許容される担体と組み合わせて、組成物または処方としてそれらを皮膚に適用するのが望ましいであろう。
【0060】
有用な固体担体は、タルク、クレイ、マイクロクリスタリンセルロース、シリカ、アルミナ等のような微粉砕固体を含む。有用な液状担体は、本発明の化合物を、所望により、非毒性界面活性剤の助けを借りて有効なレベルにて溶解または分散させることができる水、アルコールまたはグリコールあるいは水−アルコール/グリコールのブレンドを含む。フラグランスおよびさらなる抗微生物剤のごときアジュバントを添加して、与えられた使用に対する特性を最適化することができる。得られた液状組成物を吸収パッドから適用し、それを用いて、包帯および他の当てものに含浸させ、またはポンプ−タイプまたはエアロゾルスプレイヤーを用いて患部領域にスプレイすることができる。合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩およびエステル、脂肪アルコール、修飾されたセルロースまたは修飾された鉱物物質のごとき増粘剤も液状担体で用いることができ、使用者の皮膚への直接的適用のために、展延ペースト、ゲル、軟膏、石けん等を形成することができる。この程度に、本発明は、さらに、ローション、洗浄剤、粉末、化粧品等のごとき個人的なケア組成物における薬学的に活性な物質の使用が考えられる。
【0061】
当該化合物は、例えば、単位投与形態当たり約0.05mgないし約500mg、便宜には約0.1mgないし約250mg、最も便宜には約1mgないし約150mgの有効成分を含有する投与形態にて投与することができる。所望の用量は、便宜には、適切な間隔にて、例えば、1日当たり2、3、4以上のサブ−用量で単一用量または分割用量にて存在させることができる。サブ−用量自体は、さらに、多数の区別される緩く間隔を開けた投与に分割することができる。
組成物は、便宜には、約0.01ないし約150mg/kg、好ましくは約0.1ないし約50mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約30mg/kg哺乳動物体重にて経口、舌下、経皮または非経口投与することができる。
【0062】
非経口投与では、化合物は、0.1ないし約10%、より好ましくは約0.1ないし約7%の濃度にて水性溶液中にて供される。溶液は、乳化剤、抗酸化剤または緩衝液のごとき他の成分を含有することができる。
本明細書中に開示した化合物および組成物の投与のための正確な方法は、必然的に、治療すべき個々の対象の必要性、治療のタイプおよび、もちろん、実行者の判断に依存するであろう。
【0063】
一般に、本発明の化合物は5−HTリガンドである。5−HT受容体に結合し、またはそこに作用する、あるいは特異的5−HT受容体サブタイプに結合し、またはそこで選択的に作用する本発明の化合物の能力は、当該分野で知られたイン・ビトロおよびイン・ビボアッセイを用いて測定することができる。本明細書中で用いるごとく、用語「選択的に結合する」とは、化合物が、1以上の他のサブタイプよりも、与えられた5−HTサブタイプに対して少なくとも2倍、好ましくは少なくとも10倍、より好ましくは少なくとも50倍より容易に結合することを意味する。本発明の好ましい化合物は1以上の5−HT受容体のサブタイプに選択的に結合する。
【0064】
5−HT受容体のアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する本発明の化合物の能力もまた、当該分野で知られたイン・ビトロおよびイン・ビボアッセイを用いて測定することができる。前記にて提供された例示的化合物の全ては5−HTリガンドであり、1μMの濃度にて1以上の5−HT受容体サブタイプからの放射性標識テストリガンドの>50%を置き換える能力を持つ。そのような置き換えをテストするのに用いられる手法はよく知られており、以下に説明する。
【0065】
5−HT受容体結合アッセイ
細胞の増殖および膜の調製
クローン化ヒト5−HT受容体を含むHela細胞は、National Institute of HealthのDavid R. Sibley博士の研究所から獲得した(Sibley, D.R., J. Neurochemistry, 66, 47-56, 1996参照)。L−グルタミン、0.5%ピルビン酸ナトリウム、0.3%ペニシリン−ストレプトマイシン、0.025%G−418および5%Gibcoウシ胎児血清を補足した高グルコースのダルベッコウの修飾イーグル培地中で細胞を増殖させ、次いで、密集すれば、冷リン酸緩衝化生理食塩水に収穫した。
【0066】
収穫した無傷細胞を冷リン酸緩衝化生理食塩水中で1回洗浄した。細胞をペレット化し、100mlの冷50mMトリス、5mM EDTAおよび5mM EGTA(pH7.4)に再度懸濁させた。ホモゲナイズ化はVir Tishearジェネレーターで行い、各々50に設定した30秒間の4サイクルであった。ホモゲナイズした細胞を700RPM(1000×g)にて10分間遠心し、上澄みを除去した。ペレットを100mlの前記緩衝液に再懸濁させ、2サイクルだけ再度ホモゲナイズした。次いで、再度ホモゲナイズした細胞を700RPM(1000×g)にて10分間遠心し、上澄みを除去した。合わせた上澄み(200ml)をBeckman Rotor(42.1Ti)にて23,000RPM(80,000×g)において1時間遠心した。HEPES 20mM、MgCl 10mM、NaCl 150mM、EDTA 1mM(pH7.4)を含有する50−8−mlのアッセイ緩衝液に膜ペレットを懸濁させ、−70℃にて別々に凍結保存した。
【0067】
5−HT受容体結合アッセイ
放射性リガンド結合アッセイは[3H]−リセルグ酸ジエチルアミド(LSD)を用いた。アッセイは、結合緩衝液中の適切な希釈の11μlのテスト試料(当該アッセイでは二連で行った試料の11シリーズの濃度を用いた)、11μlの放射性リガンド、178μlのWGA−被覆SPAビーズおよび膜の洗浄混合物の添加によって、Wallac 96-ウエル試料プレートで行った。プレートを約5分間震盪し、次いで、室温にて1時間インキュベートした。次いで、プレートを計数カセットに負荷し、Wallac MicroBeta Triluxシンチレーションカウンターでカウントした。
【0068】
結合定数(Ki)の測定
結合常数の測定は、PE/Cetus Pro/Petteピペッターを用い、テスト化合物の系列希釈、例えば、11希釈をアッセイプレートに行うことによって、結合定数測定を得ることができる。これらの希釈に続き、前記したごとく調製した放射性リガンドおよびビーズ−膜混合物を続けた。特異的に結合したcpmを得た後、GraphPad Prism ver.2.0を用いてデータを片側結合モデルに適合させる。Cheng-Prusoff式を用い、見積もったIC50値をKi値に変換する(Cheng, Y.C.ら, Biochem. Pharmacol., 22, 3099-108, 1973)。
本発明の化合物およびそれらの製剤は、以下の実施例により良好に理解され、該実施例は例示的なものであり、本発明の範囲を限定するものではない。
【0069】
実施例
5−クロロ−2−ピリジニルフェニルスルフィドの調製:
【0070】
【化7】

【0071】
2,5−ジクロロピリジン(8.9g,60ミリモル)およびチオフェノール(6.1mL,60ミリモル)を41時間で150℃まで加熱した。次いで、混合物を加熱から取り出し、室温まで冷却した。溶離剤としてヘキサンを用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,200mL)により、8.06gの表記化合物を得た;IR (liq.) 1564, 1548, 1476, 1440, 1356, 1122, 1092, 1024, 1006, 821, 748, 727, 706, 691, 628 cm-1. 1H NMR (CDC13) δ 6.8, 7.4, 7.6, 8.38.
【0072】
5−クロロ−2−ピリジニルフェニルスルホンの調製:
【0073】
【化8】

【0074】
氷酢酸(30mL)中の5−クロロ−2−ピリジニルフェニルスルフィド(7.54g,34ミリモル)の混合物に30%過酸化水素水(50ml、136ミリモル)を添加した。混合物を120℃にて3.5時間加熱した。次いで、混合物を加熱から取り出し水(150mL)に注いだ。白色固体を沈殿させ、濾過によって収集し、水(50mL)で洗浄した。溶離剤としてCH2Cl2を用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,800mL)により、7.33gの標記活性化合物得た;IR (drift) 1327, 1170, 1131, 1119, 1106, 1077, 1010, 846, 782, 764, 758, 716, 689, 626, 618 cm-1. 1H NMR (CDC13) δ 7.54, 7.63, 7.87, 8.0, 8.15, 8.6.
【0075】
実施例1:フェニル5−(1−ピペラジニル)−2−ピリジニルスルホン
【0076】
【化9】

【0077】
ピリジン(100mL)中の5−クロロ−2−ピリジニルフェニルスルホン(10.2g,40.2ミリモル)の混合物に、ピペラジン(12.8g,161ミリモル)を添加した。予め加熱した油浴中で混合物を18時間で120℃まで加熱した。次いで、混合物を加熱から取り出し、室温まで冷却した。混合物を水および酢酸エチルの間に分配した。層を分離し、有機層を水(2×50mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウムで乾燥し、濃縮した。濃縮後に得られた固体を水から再結晶し、乾燥して5.89gの標記化合物を得た;m.p. 126-127℃; IR (drift) 1568, 1479, 1447, 1306, 1290, 1254, 1175, 1154, 1145, 1104, 830, 756,715, 688, 602 cm-1. 1H NMR (CDC13) δ 3.0, 3.29, 7.13, 7.53, 8.01, 8.26.
【0078】
実施例2:5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンのメタンスルホン酸塩:
【0079】
【化10】

【0080】
DMF(50mL)中の5−クロロ−2−ピリジニルフェニルスルホン(2.0g,7.9ミリモル)の混合物に炭酸カリウム(2.5g、18ミリモル)およびホモピペラジン(1.7g,17ミリモル)を添加した。混合物を85℃にて72時間加熱した。次いで、混合物を加熱から取り出し、水および酢酸エチルの間に分配した。層を分離し、有機層を水(2×100mL)で2回洗浄した。有機層を無水硫酸マグネシウム乾燥し、濃縮した。0.7%NHOHを含むCHCl中の5%CHOHを用いるカラムクロマトグラフィー(シリカゲル,75mL)およびメタンスルホン酸塩への変換により、0.182gの標記化合物を得た;IR (drift) 1570, 1304, 1240, 1223, 1207, 1196, 1178, 1145, 1112, 1059, 1052, 785, 715, 688, 645 cm-1. 1H NMR (DMSO-d6) δ 2.0, 3.1, 3.2, 3.38, 3.56, 3.78, 7.26, 7.64, 7.88, 8.21, 8.67.


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式I:
【化1】

[式中、WないしWは−C(R)またはNであり、但し、WないしWの1以下は窒素であり、さらに、WがNである場合、Wは−C(CN)ではない;
Aは5−または6−員の単環芳香族環;8−または10−員の縮合芳香族環系、該5−または6−員の単環芳香族環および8−または10−員の縮合芳香族環系は、各々、所望により、3つまでのヘテロ原子(O,N,S)を含有してもよく;または1ないし3つのヘテロ原子(O,N,S)を含む9−員の縮合芳香族環系であり、該5−または6−員の単環芳香族環および8−ないし10−員の縮合芳香族環系の各々は所望により1ないし4のRで置換されていてもよく;
各Rは、独立して、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、−OH、アルコキシ、置換されたアルコキシ、−SH、−S−アルキル、−S−置換アルキル、−CN、−NO、−NR、−NRSO−アルキル、−NRSO−アリール、−COOR、−CONR、−SONR、−SO−アルキル、het、置換されたhet、アリールおよび置換されたアリールから選択され;
Gは:
【化2】

であり;
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、アリール、het、置換されたアリール、または置換されたhetであるか、あるいはRおよびRは一緒になった場合、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を所望により含有してもよい5、6または7−員環を形成し;
各Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキルまたは置換されたアルキルであり;
各Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、あるいはオキソであるが、該オキソ部位が同一炭素に結合している場合にはRは存在せず;
各Rは独立してHまたはアルキルであり;
各RおよびR10は、独立して、H、アルキルまたは置換されたアルキルであり;
nは0ないし1である]
の化合物。
【請求項2】
各Rが、独立して、H、F、Cl、Br、I、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルキル−C−C−シクロアルキル、CF、OH、O−(C−C−アルキル)、O−C−C−アルキル−OH、O−C−C−NR、OCF、SH、S−(C−C−アルキル)、CN、NO、NR、NHSO−C−C−アルキル、COOR、CONR、SONR、SO−C−C−アルキル、および1ないし3つのH、F、Cl、Br、I、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、OH、O−(C−C−アルキル)、CN、NR、CONRおよびSONRで所望により置換されていてもよいアリールから選択され;
各RおよびRが、独立して、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−C−C−シクロアルキル、および(CH0−4−アリールから選択されるか、あるいはRおよびRは一緒になった場合、所望により、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を含有してもよい5、6または7−員環を形成し;
各Rが、独立して、H、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、およびC−C−アルキル−C−C−シクロアルキルから選択され;
各RおよびRが、独立して、H、C−C−アルキル、C−C−シクロアルキル、C−C−アルキル−C−C−シクロアルキルであるか、あるいはRおよびRは一緒になった場合、所望により、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を含有してもよい5、6または7−員環を形成し;
各RがH、C−C−アルキル、またはオキソであり;
各RがHまたはC−C−アルキルであり;および
各RおよびR10が、独立して、H、C−C−アルキル、およびC−C−アルキル−OHから選択される請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Aがフェニルである請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Aがフェニルである請求項2記載の化合物。
【請求項5】
Gが:
【化3】

である請求項1記載の化合物。
【請求項6】
Gが:
【化4】

である請求項2記載の化合物。
【請求項7】
5−(1−ピペラジニル)−2−ピリジニルスルホンまたはその医薬上許容される塩である請求項6記載の化合物。
【請求項8】
5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンまたはその医薬上許容される塩である請求項6記載の化合物。
【請求項9】
5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンのメタンスルホン酸塩である請求項8記載の化合物。
【請求項10】
治療上有効量の請求項1ないし9いずれか1記載の化合物またはその医薬上許容される塩を含む医薬組成物。
【請求項11】
さらに、医薬上許容される担体を含む請求項10記載の医薬組成物。
【請求項12】
該化合物が5−(ピペラジニル)−2−ピリジニルスルホンまたはその医薬上許容される塩である請求項10記載の医薬組成物。
【請求項13】
該化合物が5−(1,4−ジアゼパン−2−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンまたはその医薬上許容される塩である請求項10記載の医薬組成物。
【請求項14】
該化合物が5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンのメタンスルホン酸塩である請求項13記載の医薬組成物。
【請求項15】
5−HT受容体が関連し、5−HT機能の変調が望まれる哺乳動物における病気または疾患の治療用の医薬を調製するための式IまたはIIまたはその医薬上許容される塩の使用であって、ここに、式IIが構造式:
【化5】

[式中、WないしWは−C(R)またはNであり、但し、WないしWの1以下は窒素であり;
Aは5−または6−員の単環芳香族環;8−または10−員の縮合芳香族環系、5−または6−員の単環芳香族環および8−または10−員の縮合芳香族環系、各々は、所望により、3つまでのヘテロ原子(O,N,S)を含有してもよく;または1ないし3つのヘテロ原子(O,N,S)を含む9−員の縮合芳香族環系であり、該5−または6−員の単環芳香族環および8−ないし10−員の縮合芳香族環系の各々は所望により1ないし4のRで置換されていてもよく;
各Rは、独立して、H、ハロ、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、−OH、アルコキシ、置換されたアルコキシ、−SH、−S−アルキル、−S−置換アルキル、−CN、−NO、−NR、−NRSO−アルキル、−NRSO−アリール、−COOR、−CONR、−SONR、−SO−アルキル、het、置換されたhet、アリールおよび置換されたアリールから選択され;
Gは:
【化6】

であり;
各RおよびRは、独立して、H、アルキル、シクロアルキル、置換されたアルキル、アリール、het、置換されたアリール、および置換されたhetであるか、あるいはRおよびRは一緒になった場合、N、OまたはSから選択されるヘテロ原子を所望により含有してもよい5、6または7−員環を形成し;
各Rは、独立して、H、アルキル、シクロアルキルまたは置換されたアルキルであり;
各Rは、独立して、Hまたはアルキルであるか、あるいはオキソであるが、該オキソ部位が同一炭素に結合している場合にはRは存在せず;
各Rは独立してHまたはアルキルであり;
各RおよびR10は、独立して、H、アルキルまたは置換されたアルキルであり;
nは0ないし1である]
を有する該使用。
【請求項16】
該化合物が5−(1−ピペラジニル)−2−ピリジニルスルホンまたはその医薬上許容される塩である請求項15記載の使用。
【請求項17】
該化合物が5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンまたはその医薬上許容される塩である請求項15記載の使用。
【請求項18】
該化合物が5−(1,4−ジアゼパン−1−イル)−2−ピリジニルフェニルスルホンのメタンスルホン酸塩である請求項17記載の使用。
【請求項19】
5−HT受容体に関連し、5−HT機能の変調が望まれる請求項15記載の使用。
【請求項20】
該化合物が同位体標識を含む式IまたはIIの化合物。
【請求項21】
該化合物が炭素−11、窒素−13、酸素−15およびフッ素−18から選択される少なくとも1つの原子を含む請求項20記載の化合物。
【請求項22】
該化合物が請求項1ないし9いずれか1記載の化合物である請求項21記載の化合物。
【請求項23】
式IまたはIIの同位体標識化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に取り込まれた化合物を検出することを特徴とする陽電子射出断層撮影法を行う方法。
【請求項24】
該化合物が炭素−11、窒素−13、酸素−15およびフッ素−18から選択される少なくとも1つの原子を含む請求項24記載の方法。
【請求項25】
該化合物が請求項1ないし9いずれか1記載の化合物である請求項23記載の方法。
【請求項26】
該哺乳動物がヒトである請求項23記載の方法。
【請求項27】
式IまたはIIの化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に取り込まれた化合物を検出することを特徴とする核磁気共鳴イメージングを行う方法。
【請求項28】
該化合物が少なくとも1つの19F原子を含み、該組織に結合した化合物を検出する請求項27記載の化合物。
【請求項29】
該化合物が請求項1ないし9いずれか1記載の化合物である請求項27記載の方法。
【請求項30】
該哺乳動物がヒトである請求項27記載の方法。
【請求項31】
式IまたはIIの同位体標識化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に取り込まれた化合物を検出することを特徴とする単光子放出型断層撮影法を行う方法。
【請求項32】
該化合物が請求項1ないし9いずれか1記載の化合物である請求項31記載の方法。
【請求項33】
該哺乳動物がヒトである請求項31記載の方法。
【請求項34】
該化合物が少なくとも1つの123−ヨウ素または99m−テクネチウム原子を含む請求項31記載の方法。


【公表番号】特表2006−505495(P2006−505495A)
【公表日】平成18年2月16日(2006.2.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−571254(P2003−571254)
【出願日】平成15年2月20日(2003.2.20)
【国際出願番号】PCT/US2003/005263
【国際公開番号】WO2003/072548
【国際公開日】平成15年9月4日(2003.9.4)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】