説明

5−HT受容体リガンドとしてのピリジニルオキシ誘導体

本発明は、例えば、式(I)(式中、R、RおよびRは明細書中に定義された値のいずれかを有する)の化合物、ならびに該化合物を含む医薬組成物を提供する。また、本発明は治療方法、および式Iの化合物を調製するのに有用な製法および中間体を提供する。
【化1】


【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
発明の分野
本発明は、後に明細書中で記載する式(I)の尿素化合物を提供する。これらの化合物およびその医薬上許容される塩は、5−HT受容体活性に関連した種々の病気および疾患を治療するのに有用なセロトニン受容体リガンドである。
【0002】
発明の背景
セロトニンは、中枢神経系に由来する多数の病気および疾患と関連付けられてきた。これらは睡眠、摂食、苦痛の感知、体温の制御、血圧の制御、うつ病、不安、精神分裂病および他の体の状態に関連する病気および疾患を含む。R.W.Fuller, Biology of Serotonergic Transmission, ed. Neville V. Osborne, John Wiley and Sons (1982), p221 ; D. J. Boullin, Serotonin in Mental Abnormalities 1, John Wiley and Sons (1978), p.316 ; J. Barchasら, Serotonin and Behavior, Academic Press, New York, New York (1973); Barnes, N. M.; A Review Of Central 5-HT Receptors And Their Function,Neuropharmacology, 38, (1999), 1083-1152。また、セロトニンは、種々の収縮、分泌および電気生理学的効果を媒介することが見出されている、胃腸系のごとき末梢系で重要な役割を演じる。
【0003】
体内でのセロトニンの広い分布の結果として、セロトニン作動性系に影響する薬物に対して大きな注目が払われている。特に、受容体に特異的なアゴニストおよびアンタゴニストは、不安、うつ病、高血圧、偏頭痛、肥満、強迫障害、精神分裂病、自閉症、神経変性障害、例えば、アルツハイマー病、パーキンソン病およびハンチントン舞踏病、および化学療法で誘導された嘔吐を含めた広い範囲の障害の治療で注目されている。M. D. Gershonら, The Peripheral Actions of 5-Hydroxytryptamine, 246 (1989); P. R. Saxenaら, Journal of Cardiovascular Pharmacology, 15: Supplement 7 (1990)。
【0004】
主なクラスのセロトニン受容体(5−HT1−7)は、公式に分類された14ないし18の別々の受容体を含む。Glennonら, Neuroscience and Behavioral Reviews, 1990, 14, 35;およびD.Hoyerら,Phermacol. Rev. 1994, 46, 157-203参照。
【0005】
サブタイプの同定、分布、構造および機能に関する近年発見された情報は、改善された治療プロフィール、例えば、少ない副作用を有する新規なサブタイプ特異的な薬剤を同定することが可能であることを示唆している。
【0006】
例えば、5−HTファミリーの受容体は、5−HT2A、5−HT2Bおよび5−HT2Cサブタイプよりなり、それらは、一次構造、二次メッセンジャー系および操作プロフィールに基づいて一緒に分類されている。3種のサブタイプの全てが、G蛋白結合し、主要な形質導入機構としてホスホリパーゼCを活性化し、7つの膜貫通ドメイン構造を含む。その3種の5−HTサブタイプの分布に区別可能な差が存在する。5−HT2Bおよび5−HT2A受容体は、末梢に広範囲に分布するが、5−HT2C受容体は、中枢神経系にだけ見出され、ヒトの脳の多領域で高度に発現している。G. Baxterら, Trends in Pharmacol.Sci., 1995,16, 105-110参照。
【0007】
サブタイプ5−HT2Aは、血管収縮、血小板凝集および気管支収縮を含めた効果と関連付けられているが、サブタイプ5−HT2Cは、うつ病、不安症、強迫神経障害、恐慌性障害、恐怖症、精神症候群および肥満を含めた疾患と関連付けられている。5−HT2B受容体の薬理学的役割についてはほとんど知られていない。F. Jenckら, Exp. Opin. Invest. Drugs, 1998,7,1587-1599 ; M. Bosら, J. Med.Chem., 1997,40,2762-2769 ; J. R. Martinら, The Journal of Pharmacology and Experimental Therapeutics, 1998, 286, 913-924 ; S. M. Bromidgeら, J. Med. Chem., 1998,41,1598-1612 ; G. A. Kennett, IDrugs, 1998,1, 456-470;および A. Dekeyneら, Neuropharmacology, 1999, 38, 415-423; Isaac, M., Drugs of the Future, 2001,26, 383-393参照。
【0008】
情報の開示
国際特許出願公開番号WO97/48699は、不安のごときCNS障害の治療で有用な一般式:
【0009】
【化1】

【0010】
の化合物を開示する。
【0011】
国際特許出願公開番号WO97/48700は、不安のごときCNS障害の治療で有用な一般式:
【0012】
【化2】

【0013】
の化合物を開示する。
【0014】
前記報告にもかかわらず、現在、5−HT受容体に関連する病気および疾患を治療するのに有用な医薬剤に対する要望が存在する。
【0015】
発明の概要
本発明により、有用な生物学的活性、特に5−HT受容体リガンドとしての活性を示す新規な化合物が提供される。かくして、本発明は、式(I):
【0016】
【化3】

【0017】
[式中、
はアリール、置換されたアリール、アリール(C1−8アルキレン)、置換されたアリール(C1−8アルキレン)、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−8アルキレン)、置換されたヘテロアリール(C1−8アルキレン)、ヘテロサイクル、置換されたヘテロサイクル、ヘテロサイクル(C1−8アルキレン)、または置換されたヘテロサイクル(C1−8アルキレン)であり、RおよびRは、各々、独立して、H、C1−8アルキル、アリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)であり;
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ヘテロサイクル、置換されたヘテロサイクル、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールを形成し、およびRはH、C1−8アルキル、アリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)であり;
但し、RおよびRはそれらが結合している窒素と一緒になって2,3−ジヒドロインドール−1−イル、または置換された2,3−ジヒドロインドール−1−イルではなく;および
およびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イル、または置換された2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イルではない]
の[6−(2−メチル−ピリジン−3−イルオキシ)ピリジン−3−イル]尿素を提供する。
【0018】
もう1つの態様において、本発明は、式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩、および医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物、該組成物は、好ましくは治療上有効量の該化合物または塩を含み;
治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与すること特徴とする、5−HT受容体が関連し、5−HT機能の変調が望まれる、哺乳動物例えばヒトにおける病気または疾患を治療する方法;
治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与すること特徴とする哺乳動物において中枢神経系の病気または障害を治療または予防する方法;
医療的診断、または治療、例えば、不安、肥満症、鬱病またはストレス−関連病のごとき5−HT関連病の治療または予防で用いられる式(I)またはその医薬上許容される塩;
哺乳動物において中枢神経系の病気または障害を治療または予防するのに有用な医薬を調製するための式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩の使用;または
変調有効量の式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩を投与することを特徴とする5−HT受容体機能を変調する方法を提供する。
【0019】
また、本発明は、式(I)の化合物を調製するのに有用な本明細書中に開示する合成中間体および製法を提供する。
式(I)の化合物は、5−HTリガンドである。かくして、式(I)の放射性標識化合物は、医療的治療および診断のためのイメージング剤およびバイオマーカーとして有用である。そのような放射性標識化合物は、5−HT機能および活性を調べるための薬理学的ツールとしても有用である。従って、本発明は、式(I)の放射性標識化合物、またはその塩を提供する。
また、本発明は、医療的診断または治療で用いられる式(I)の放射性標識化合物、ならびに医療的診断または治療で有用な医薬を調製するための式(I)の放射性標識化合物の使用を提供する。
【0020】
さらに、本発明は、式(I)の同位体標識化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に分布した化合物を検出することを特徴とする陽電子射出断層撮影法を行う方法を提供する。
さらに、本発明は、式(I)の同位体標識化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物の組織取り込み、次いで、該組織に分布した該化合物を検出することを特徴とする核磁気共鳴イメージングを行う方法を提供する。
さらに、本発明は、式(I)の同位体標識化合物またはその医薬上許容される塩を哺乳動物の組織に取り込み、次いで、該組織に分布した該化合物を検出することを特徴とする単光子放出型コンピューター断層撮影法を行う方法を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、中枢神経系の病気の病気または障害の治療または予防用の医薬を調製するための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
本発明のさらなる態様および具体例は実施例および添付の請求の範囲を組み合わせて、以下の詳細な記載をレビューすることにより、当業者に明らかとなろう。本発明を種々の形態で具体例に基づきつつ、以下に記載するのは、本発明の特定の具体例であり、本開示は例示的なことを意味し、本発明をここに記載する特定の具体例に限定する意図はないことが理解されよう。
【0022】
発明の詳細な記載
本発明の化合物は、中枢神経系の疾患および障害を治療および予防するのに有用である。式(I)の化合物が活性を有する中枢神経系の具体的な疾患または障害は、限定されるものではないが、肥満;うつ病;精神分裂病;精神分裂病型障害;分裂情動性障害;妄想障害;ストレス関連疾患、例えば、一般的不安障害、恐慌性障害、恐怖症、強迫神経障害、外傷後ストレス症候群、免疫系機能低下;泌尿器系、胃腸系または心血管系でのストレス誘導問題、例えば、緊張性尿失禁;神経変性障害;自閉症;化学療法誘導の嘔吐;高血圧症;偏頭痛;群発性頭痛;哺乳動物、例えば、ヒトにおける性的機能不全;沈溺障害および離脱症候群;適応障害;加齢関連の学習および精神障害;神経性無食欲症;感情鈍麻;一般的な医学的疾患のための注意欠陥障害;注意欠陥亢進障害;認識低下、例えば、痴呆、精神薄弱または妄想と関連した疾患における激昴(agitation)を含めた行動障害;双極性異常;神経性食欲昂進症;慢性疲労症候群;行為異常症;循環気質障害;気分変調障害;線維筋肉痛および他の身体性障害;全般性不安障害;吸入性障害;中毒障害;運動障害、例えば、ハンチントン病または遅発性ジスキネジア;反対反抗障害;末梢性神経障害;月経前不快障害、;神経異常障害(短期間および長期間の障害、医学的疾患のための精神障害、精神障害 NOS);気分障害(精神的特徴を持つ重度の抑欝性または双極性異常);周期的情動障害;睡眠障害;特異性発達障害;激昴障害;選択的セロトニン再取込阻害(SSRI)「プープアウト(poop out)」症候群;またはチック障害、例えば、トゥーレット症候群を含む。
【0023】
特に断りのない限り、以下の定義を用いる:
ハロはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。アルキル、アルコキシ等は直鎖および分岐鎖の双方の基を示す;しかしながら、「プロピル」のごとき個々の基への言及は直鎖基のみを含み、「イソプロピル」のごとき分岐鎖異性体は、特別に言及する。用語「アルキレン」とは、二価の直鎖または分岐鎖の炭化水素鎖(例えば、エチレン−CHCH−をいう)。例えば、「アリールC1−8アルキレン」はベンジル、フェネチル、ナフチルメチルなどを含む。「アリール」は、フェニル基、または少なくとも1つの環が芳香族性である約8ないし10個の環原子を有するオルト−縮合二環炭素環基を示す。アリールの例はフェニル、ナフチルおよびインデニルを含む。「ヘテロアリール」は、炭素、および各々が独立して非−ベルオキシド酸素、硫黄、およびWが存在しないかまたはH、O、C1−4アルキル、フェニルまたはベンジルであるN(W)よりなる群から選択される1、2、3または4個のヘテロ原子よりなる5または6個の環原子を含む単環芳香族環の基、ならびにそれに由来する、約8ないし10の環原子をオルト−縮合二環複素環の基、特に、ベンズ−誘導体またはプロピレン、トリメチレンまたはテトラメチレン二基をそれに縮合させることによって得られたものを示す。ヘテロアリール基の例は、限定されるものではないが、2H−ピロリル、3H−インドリル、4H−キノリジニル、4H−カルバゾリル、アクリジニル、ベンズ[b]チエニル、ベンゾチアゾリル、β−カルボリニル、カルバゾリル、クロメニル、シンナオリニル、フラザニル、フリル、イミダゾリル、イミダゾリル、インダゾリル、インドリジニル、インドリル、イソベンゾフラニル、イソインドリル、イソキノリル、イソチアゾリル、イソチアゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、ナフト[2,3−b]、オキサゾリル、ペリミジニル、フェナントリジニル、フェナントロリニル、フェナルザジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノオキサチイニル、フェノオキサジニル、フタラジニル、プテリジニル、プリニル、ピラニル、ピラジニル、ピラゾリル、ピリダジニル、ピリジニル、ピリミジニル、ピロリル、キナゾリニル、キノリル、キノオキサリニル、チアジアゾリル、チアントレニル、チアゾリル、チエニル、トリアゾセリル、キサンテリルなどを含む。ヘテロアリールは十分な原子価のいずれかの炭素原子のみならず、安定な化合物を形成できる十分な原子価のいずれかのヘテロ原子に結合する。
【0024】
「複素環」は、2、3または4のごとき1以上の非−芳香族環を含み、かつ非−芳香族環のいずれかに少なくとも1つの窒素、酸素または硫黄を含む、飽和したまたは部分的に不飽和であり得る単環、多環および架橋環系を含む。複素環基の例は、限定されるものではないが、その基が1以上のヘテロ原子、および約3ないし約20の合計環原子を含む単環、二環または三環基を含む。用語「複素環」は、そりに縮合した1ないし3個のベンゾ環を含む環系も含む。複素環の例は、例えば、1,3−ジオキソラン、1,4−ジオキサン、1,4−ジチアン、2H−ピラン、2−ピラゾリン、4H−ピラン、クロマニル、イミダゾリジニル、イミダゾリニル、インドリニル、イソクロマニル、イソインドリニル、モルホリン、ピペラジニル、ピペラジン、ピペリジル、ピラゾリジン、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピロリジン、ピロリン、キノクリジン、およびチオモルホリンを含む。
【0025】
「置換されたアリール」は、ここに記載するアリール基を含み、それは、独立して、ニトロ、N、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、シアノ、OCF、CF、ハロ、ヒドロキシ、−SO0−21−8アルキル、C1−8アルカノイル、C1−8アルカノイルオキシ、−NR、−C(=O)NR、−C(=S)NR、および−SONRから選択される1以上(例えば、1、2、3または4)の置換基で置換されており、ここにRおよびRは、各々、独立して、水素、C1−8アルキル、C1−8アルカノイル、C1−8アルコキシカルボニル、アリール、アリール(C1−8アルキレン)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−8アルキレン)、複素環、または複素環(C1−8アルキレン)であり、あるいはRおよびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ環を形成する。
【0026】
「置換されたヘテロアリール」は、ここに記載するヘテロアリール基を含み、それは、独立して、ニトロ、N、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、シアノ、OCF、CF、ハロ、ヒドロキシ、−SO0−21−8アルキル、C1−8アルカノイル、C1−8アルカノイルオキシ、−NR、−C(=O)NR、−C(=S)NR、および−SONRから選択される1以上(例えば、1、2、3または4)の置換基で置換されており、ここにRおよびRは、各々、独立して、水素、C1−8アルキル、C1−8アルカノイル、C1−8アルコキシカルボニル、アリール、アリール(C1−8アルキレン)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−8アルキレン)、複素環、または複素環(C1−8アルキレン)であり、あるいはRおよびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ環を形成する。
【0027】
「置換された複素環」は、ここに記載する複素環を含み、これは、ニトロ、C1−8アルキル、C1−8アルコキシ、シアノ、N、OCF、CF、ハロ、ヒドロキシ、−SO0−21−8アルキル、C1−8アルカノイル、C1−8アルカノイルオキシ、−NRcRd、−C(=O)NR、−C(=S)NR、および−SONRから選択される1以上(例えば、1、2、3または4)の置換基で置換されており、ここにRcおよびRdは、各々、独立して、水素、C1−8アルキル、C1−8アルカノイル、C1−8アルコキシカルボニル、アリール、アリール(C1−8アルキレン)、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−8アルキレン)、複素環、または複素環(C1−8アルキレン)であり、あるいはRおよびRは、それらが結合する窒素と一緒になって、ピロリジノ、ピペリジノ、モルホリノまたはチオモルホリノ環を形成する。
【0028】
キラル中心を有する本発明の化合物が存在することができ、光学的な活性な形態およびラセミ形態で単離することができるのは、当業者に認識されるであろう。いくつかの化合物は多形を呈することができる。本発明の化合物のいずれのラセミ形態、光学活性形態、多形形態、互変異性形態、立体異性形態またはその混合物を含み、それは、本明細書で記載する有用な特性を有することは理解されるべきであり、例えば、再結晶技術によるラセミ形態の分割によって、光学活性な出発物質からの合成によって、キラル合成によって、またはキラル固定相を用いるクロマトグラフィー分離によって光学活性形態を調製する方法、および当該分野でよく知られた標準的なテストを用いて、5−HT活性を測定する方法は当該分野でよく知られている。
【0029】
種々の炭化水素−含有基の炭素原子含有量は、該基における炭素原子の最小数および最大数を示す接頭辞によって示され、すなわち、接頭辞Ci−jは、包括的に、整数「i」および整数「j」の炭素原子の部位を示す。かくして、例えば、C1−8アルキルは包括的に、1ないし8個の炭素原子のアルキルをいう。
本発明の化合物は、IUPACまたはCAS命名システムに従って一般に命名される。当業者によく知られた略語を用いることができる。例えば、フェニルに対する「Ph」、メチルに対する「Me」、エチルに対する「Et」、時間または複数時間に対する「h」および室温に対する「rt」、DMFはN,N−ジメチルホルムアミドをいう。
【0030】
本発明の化合物のいずれかの態様は、例えば、用量、治療方法などに関していずれかの数値範囲が言及される程度まで該範囲はその範囲内に入る全ての数字、整数、分率を明示的に含む。
基、置換基および範囲について以下にリストする具体的かつ好ましい説明目的のためのみである;それらは他の定義される値、または定義された範囲内の他の値を排除しない。
【0031】
具体的には、C1−8アルキルは、例えば、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、ペンチル、3−ペンチル、ヘキシル、ペプチルまたはオクチルであり得;C1−8アルキレンは、メチレン、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,2−イソプロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,2−ブタンジイル、1,3−イソブタンジイル、1,2−sec−ブタンジイル、1,5−ブタンジイル、1,6−ヘキサンジイル、1,7−ヘプタンジイル、1,7−オクタンジイルであり得;C1−8アルコキシは、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、ペントキシ、3−ペントキシ、ペキシルオキシ、ヘプチルオキシであり得;C1−8アルカノイルは、アセチル、プロパノイル、ブタノイル、ペンタノイル、4−メチルペンタノイル、ヘキサノイルまたはヘプタノイルであり得;C1−8アルコキシカルボニルは、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、イソプロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル、ヘキシルオキシカルボニル、ヘプチルオキシカルボニルまたはオクチルオキシカルボニルであり得;C1−8アルカノイルオキシは、アセチルオキシ、プロパノイルオキシ、 ブタノイルオキシ、イソサブタノイルオキシ、ペンタノイルオキシ、ヘキサノイルオキシ、ヘプタノイルオキシまたはオクタノイルオキシであり得る。
【0032】
に対する具体的な値はアリールまたは置換されたアリールである。
に対する具体的な値はヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリールである。
に対する具体的な値はヘテロサイクルまたは置換されたヘテロサイクルである。
それらが結合している窒素と一緒になってヘテロサイクル、置換されたヘテロサイクル、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールを形成するRおよびRに対する具体的な値はH、C1−8アルキル、アリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)である。
それらが結合している窒素と一緒になるRおよびRに対する具体的な値は1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−9−イルである。
に対する具体的な値はC1−8アルキルである。
に対する具体的な値はアリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)である。
に対するより具体的な値はHである。
、Rおよびそれらが結合している窒素に対する具体的な値は複素環である。
に対する具体的な値はC1−8アルキルである。
に対する具体的な値はアリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)である。
に対するより具体的な値はHである。
【0033】
式(I)の好ましい化合物は:
9−{[({6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}アミノ)カルボニル]アミノ}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチル;
N−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゼピノ「4,5−b]インドール−9−イル)−N’−{6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}尿素;
6−メチル−N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボキサミド;
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキサミド;
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキサミド;
4−ベンジル−N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−カルボキサミド;
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ}ピリジン−3−イル}−N’−(2−フェニルエチル)尿素;および
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}アゼパン−1−カルボキサミドである。
【0034】
具体的には、本発明が、治療上有効量の式(I)の化合物、またはその医薬上許容される塩を哺乳動物に投与することを特徴とする哺乳動物、例えばヒトにおいて一般的不安、恐慌障害、恐怖症、強迫性障害、外傷後ストレス症候群、免疫系低下、胃腸系または心血管系に伴うストレス−誘導問題、または性的機能不全のごとき、不安、肥満症、精神分裂病、ストレス−関連病を治療する方法を提供する。
用語「治療する」は予防的処置を含む。
【0035】
具体的には、本発明は、治療上有効量の式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩を、それを必要とする、哺乳動物、例えばヒトに投与することを特徴する不安、肥満症、鬱病またはストレス関連病を治療する方法を提供する。具体的には本発明は、哺乳動物、例えばヒトにおいて、一般的な不安障害、恐慌障害、恐怖症、外傷後ストレス症候群、胃腸系または心血管系に伴うストレス−誘導問題または性的機能不全のような、不安、肥満症、鬱病、精神分裂病、ストレス−関連病の治療または予防用の医薬を調製するための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
【0036】
具体的には、本発明は、哺乳動物、例えばヒトにおいて、不安、肥満症、鬱病、またはストレス−関連病の治療または予防用の医薬を調製するための式(I)の化合物またはその医薬上許容される塩の使用を提供する。
また、本発明は、式(I)の化合物を調製するのに有用な製法および中間体も提供する。例えば、式(I)の化合物を調製するのに有用な中間体は、Rが適当なアミン保護基である式(I)の対応する化合物である。かくして、本発明は、Rが適当なアミン保護基である式Iの化合物を提供する。
【0037】
加えて、式(I)の化合物を調製するのに有用な中間体は、Rが適当なアミン保護基である式(I)の対応する化合物である。かくして、本発明は、Rが適当なアミン保護基である式Iの化合物を提供する。
加えて、式(I)の化合物を調製するのに有用な中間体は、RおよびRが、各々、独立して適当なアミン保護基である式(I)の対応する化合物である。かくして、本発明は、RおよびRが、各々、独立して適当なアミン保護基である式Iの化合物を提供する。
適当なアミン保護基、ならびにそれらの調製および除去のための方法は当該分野でよく知られている。例えば、Greene, T.W.; Wutz, P.G.M. 「Protecting Groups In Organic Synthesis」、第3版、1999、New York, John Wiley & Sons, Inc.参照。好ましい保護基はベンジルオキシカルボニル(CBZ)およびベンゾイルを含む。
【0038】
また、本発明は、式(I)、例えば、以下の製造スキームに示される式の化合物を調製するのに有用な新規な中間体化合物を提供する。
また、本発明は、式(I)の化合物を調製または精製するのに有用な中間体塩を提供する。塩を調製するのに適当な方法は当該分野で知られており、また本明細書中に開示する。当業者に明らかなごとく、そのような塩は公知の方法を用いて対応する遊離塩基またはもう1つの塩に変換することができる。
本発明の化合物は、一般に、以下に示すチャートに示された合成経路を用いて調製することができる。出発物質は、いくつかのチャートで記載された手法によって、または有機化学における当業者によく知られているであろう手法によって調製することができる。チャートで用いた変数は後に定義されるか、または請求の範囲に記載した通りである。以下に、本発明の化合物の調製を記載する。
【0039】
化合物2の調製は反応図式Aに示される。アゼピノインドール1は、J.Org.Chem.,第33巻, page 3187-95 (1968)に記載されたプロセスを採用することによって得た。78%エタノール中の塩化カルシウムの存在下でニトロ化合物1を亜鉛末で還元して、アミノ化合物2が形成される。本発明で用いる他のアミンは商業的な源から購入される。
式Iの化合物は反応図式Bに概説された反応によって調製することができる。置換されたアリールアミン3(RはH)、J.Med.Chem., 第40巻, page 3494-3496 (1997)に記載されたプロセスを採用することによって得ることができる。RがH以外である場合、例えば、Rがアルキルである場合、第二級アミンは、アルデヒドおよびシアノホウ水素化ナトリウムのような還元剤を用いる還元的アミノ化によって第一級アミン前駆体から得ることができる。該アミン3を、ジクロロメタン中のトリエチルアミンの存在下でクロロギ酸フェニル(4)と反応させてカルバメート5を得ることができる。かくして、トリエチルアミンの存在下でのDMF中でのカルバメート5とアミン6との反応により、式Iの尿素が形成される。
【0040】
【化4】

【0041】
いくつかの具体例においては、化合物は同位体で標識した化合物である。同位体−標識化合物は、1以上の原子が、天然に通常見出される原子質量または質量数とは異なる原子質量または質量数を有する原子によって置き換えられた事実以外は、式Iに記載したのと同一である。本発明の化合物に取り込むことができる同位体の例は、H、11C、14C、13N、15O、18F、99mTc、123Iおよび125Iのごとき水素、炭素、窒素、酸素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の同位体を含む。前記した同位体および/または他の原子の他の同位体を含む本発明の化合物および該化合物の医薬上許容される塩およびプロドラッグは、本発明の範囲内のものである。本発明の同位体−標識化合物は薬物および/または基質組織分布および標的専有アッセイで有用である。例えば、同位体標識化合物はSPECT(単光子放出型コンピュータ断層撮影法)およびPET(陽電子放出断層撮影法)で特に有用である。
【0042】
単光子放出型コンピュータ断層撮影法(SPECT)は、哺乳動物の体に導入された同位体標識化合物の濃度についての情報を獲得する。SPCETは、PET、X−線CTまたはMRIいずれにも先立って射出移動断面撮影法(emission traverse section tomography)のアイデアがD.E.KuhlおよびR.Q.Edwardsによって導入された1960年代初期に遡る。一般に、SPECTは、電子捕獲および/またはガンマ照射によって崩壊する同位体を必要とする。活性なSPECT同位体の例は、限定されるものではないが、123−ヨウ素(123I)および99m−テクネチウム(99mTc)を含む。被験者に、典型的にはトレーサー用量にて放射性標識剤を注射する。核が崩壊し、その結果、単一ガンマ線が照射され、これが組織を通過し、SPECTカメラにて体外で測定される。トモグラムとしてコンピューターによって復元された放射能の摂取は、断面イメージにおいて組織分布を示す。
【0043】
陽電子放出断層撮影法(PET)は、組織内の陽電子放射同位体の濃度を測定する技術である。SPECTのように、これらの測定は、典型的には、生きた被験者の体外のPETカメラを用いてなされる。PETは、限定されるものではないが、陽電子照射同位体を含むように化合物を合成し;同位体標識化合物を哺乳動物に投与し;次いで、放射トモグラフィーによって時間の関数として陽電子の分布をイメージングすることを含めたいくつかの工程に分けることができる。PETは、例えば、1985年にAlan R. Liss, Inc.によって発行されたPositron Emission Tomography においてAlaviらによって記載されている。
【0044】
PETで用いられる陽電子放射同位体は、限定されるものではないが、炭素−11,窒素−13、酸素−15,およびフッ素−18を含む。一般に陽電子放射同位体は、患者がPETイメージングの間に必要な高用量を受ける長期間放射線暴露を最小化するのを助けるように短い半減期を有するべきである。
【0045】
ある状況においては、PETイメージングを用いて、5−HT2Cセロトニン受容体にて本発明の化合物の結合速度を測定することができる。例えば、身体に進入し、5−HT2Cセロトニン受容体に結合する本発明の同位体標識化合物の投与により、ベースラインPETシグナルが生じ、これは、第二の異なる非同位体標識化合物を投与する間にモニターすることができる。ベースラインPETシグナルは、非同位体標識化合物が5−HT2Cセロトニン受容体への結合につき競合するので減少するであろう。
【0046】
一般に、PETまたはSPECTを実行するのに有用な式Iの化合物は、血液−脳関門を進入し、5−HT2Cセロトニン受容体に対する高い選択性および中程度の親和性を呈し、最後には代謝されるものである。非選択的である化合物、または5−HT2Cセロトニン受容体に対して過剰なまたは小さな親和性を呈する化合物は、一般に、5−HT2Cセロトニン受容体に関する脳受容体結合速度を調べるのに有用でない。代謝されない化合物は患者に有害であろう。
【0047】
他の具体例において、核磁気共鳴分光(NRS)イメージングを用いて、特定のスピンを持つ核を含む化合物またはそのフラグメントの全濃度を検出することができる。一般に、NMRイメージングで有用な同位体は、限定されるものではないが、水素−1、炭素―13、リン−31、およびフッ素―19を含む。例えば、19Fを含む化合物はNMRイメージングを行うのに有用である。
【0048】
さらに、ジュートリウム、すなわち、Hのようなより重い同位体での置換により、より大きな代謝安定性に由来するある種の治療的利点、例えば、増大したイン・ビボでの半減期または減少した用量の要件が供され、よって、いくつかの状況においては好ましいであろう。
【0049】
式(I)の化合物は、当該分野でよく知られた技術を用いて標識することができる。例えば、当該分野でよく知られた技術を用いて、放射性同位体を化合物に取り込み、または式(I)の化合物に結合させることができる。例えば、Arthur Murry III, D. Lloyd Williams; Organic Synthesis with Isotopes, 第IおよびII巻, Interscience Publishers Inc., N.Y. (1958)およびMelvin Calvinら, Isotopic Carbon, John Wiley and Sons Inc., N.Y. (1949)参照。検出することができるいずれの放射性同位体も標識として使用することができる。例えば、適当な放射性同位体は炭素−11、フッ素−18、フッ素−19、ヨウ素−123およびヨウ素−125を含む。好ましくは、ハロゲンの1以上の放射性同位体(例えば、ヨウ素−123)を芳香族環に結合させることによってまたは放射性同位体を担うフェニル基を含む基で式(I)の化合物の窒素をアルキル化することによって、式(I)の化合物を標識することができる。
【0050】
本発明の式Iの同位体標識化合物は、一般に、非同位体標識試薬に代えて同位体標識試薬で置き換えることによって、前記した合成手法を行うことにより調製することができる。
化合物が安定な非毒性の酸または塩基の塩を形成するのに十分に塩基性または酸性である場合、塩としての化合物の投与は適当であろう。医薬上許容される塩の例は医薬上許容されるアニオン、例えば、トシレート、メタンスルホネート、アセテート、シトレート、マロネート、タルタレート、スクシネート、ベンゾエート、アスコルベート、α−ケトグルタレート、およびα−グリセルホスフェートを形成する酸とで形成された有機酸付加塩である。塩酸塩、硫酸塩、硝酸塩、炭酸水素塩、炭酸塩等の塩を含めた適当な無機塩を形成することもできる。医薬上許容される塩は、例えば、アミノのごとき十分に塩基性の化合物を、生理学上許容されるアニオンを供する適当な酸と反応させることによって、当該分野でよく知られた標準的な手法を用いて得ることができる。カルボン酸のアルカリ金属(例えば、ナトリウム、カリウムまたはリチウム)またはアルカリ土類金属(例えばカルシウム)の塩を作成することもできる。
【0051】
本発明の化合物は、便宜には、適当な賦形剤と組み合わせて当該化合物を含む医薬組成物にて投与することができる。そのような医薬組成物は当該分野でよく知られた方法によって調製することができ、当該分野でよく知られた賦形剤を含むことができる。そのような方法および成分の一般に認められた概論は、E.W. MartinによるRemington's Pharmaceutical Sciences である(Mark Publ. Co., 第15版, 1975)。本発明の化合物および組成物は非経口、例えば、静脈内、腹腔内、または筋肉内注射、局所、経口または直腸投与することができる。
【0052】
経口治療投与では、有効化合物を1以上の賦形剤と合わせ、摂取可能な錠剤、バッカル錠剤、トローチ、カプセル剤、キリキシル剤、懸濁剤、シロップ、ウエハーなどの形態で用いることができる。そのような組成物および製剤は、少なくとも0.1%の有効化合物を含むべきである。組成物および製剤のパーセンテージは、もちろん、変化させることができ、便宜には、与えられた単位投与形態の重量の約2および60%の間とすることができる。そのような治療的に有用な組成物における活性化合物の量は、有効な投与量レベルが得られるようなものである。
【0053】
錠剤、トローチ、丸剤、カプセル剤などは以下の:トラガカントガム、アカシア、トウモロコシ澱粉またはゼラチンのような結合剤;リン酸二カルシウムのごとき賦形剤;トウモロコシ澱粉、ジャガイモ澱粉、アルギン酸などのごとき崩壊剤;ステアリン酸マグネシウムのような滑沢剤;スクロース、フルクトース、ラクトースまたはアスパルテームのごとき甘味剤、またはペパーミント、冬緑油、チェリーフレーバーのようなフレーバー剤を含有することもできる。単位投与形態がカプセル剤である場合、それは前記タイプの物質に加えて、植物油またはポリエチレングリコールのごとき液状担体を含有することができる。種々の他の物質をコーティング剤として存在させることができるか、あるいはそうでなければ固体単位投与形態の物理的形態を修飾することができる。例えば、錠剤、丸剤、またはカプセル剤をゼラチン、ワックス、シェラックまたは糖でコーティングすることができる。シロップまたはエリキシル剤は、活性化合物、甘味剤としてのスクロースまたはフルクトースまたは防腐剤としてのプロピルパラベン、チェリーまたはオレンジフレーバーのごとき色素およびフレーバー剤を含むこともできる。もちろん、いずれの単位投与形態を修飾するのに用いるいずれの物質も用いる量において許容され、かつ実質的に非毒性であるべきである。加えて、活性化合物を徐放性の製剤およびデバイスに取り込むことができる。
【0054】
化合物または組成物は、注入または注射によって静脈内または腹腔内投与することもできる。活性な化合物またはその塩の溶液は、所望により、非毒性界面活性剤と混合した水中にて調製することができる。また、グリセロース、液状ポリエチレングリコール、トリアセチンおよびその混合物、および油中にて分散液を調製することもできる。貯蔵および使用の通常の条件下にて、これらの製剤は、微生物の増殖を防止するために防腐剤を含む。
【0055】
注射または注入に適した医薬投与形態は、所望によりリポソーム中にカプセル化されていてもよい滅菌注射または注入可能な溶液または分散液の即席製剤に適した有効成分を含む滅菌水性溶液または分散液あるいは滅菌粉末を含むことができる。全ての場合、最終的な投与形態は滅菌されており、製造および貯蔵の条件下で流体であって、安定であるべきである。液状担体またはビヒクルは、例えば、水、エタノール、ポリオール、例えば、グリセロール、プロピレングリコール、液状ポリエチレングリコール等、植物油、非毒性グリセリルエステル、およびその適当な混合物を含む溶媒または液状分散媒体であり得る。適切な流動性は、例えば、リポソームの形成、分散液の場合における必要な粒子サイズの維持によって、または界面活性剤の使用によって維持することができる。微生物の作用の防止は、種々の抗菌剤および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸、チメロサル等によって行うことができる。多くの場合、等張剤、例えば、糖、緩衝液または塩化ナトリウムを含めるのが好ましいであろう。注射組成物の延長された吸収は、吸収を遅らせる剤、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの組成物における使用によって行うことができる。
【0056】
滅菌注射溶液は、必要であれば、必要な量の活性化合物を、前記した種々の他の成分と共に適当な溶媒に取り込み、続いて、滅菌濾過することによって調製することができる。滅菌注射溶液の調製のための滅菌粉末の場合には、調製の好ましい方法は真空乾燥および凍結乾燥技術であり、これにより、有効成分と既に滅菌濾過された溶液に存在するいずれかの追加の所望の成分との粉末が得られる。
局所投与では、本発明の化合物は、それらが液体である場合には、純粋な形態で適用することができる。しかしながら、一般に、固体または液体であり得る皮膚科学的に許容される担体と組み合わせて、組成物または処方としてそれらを皮膚に適用するのが望ましいであろう。
【0057】
有用な固体担体は、タルク、クレイ、マイクロクリスタリンセルロース、シリカ、アルミナ等のような微粉砕固体を含む。有用な液状担体は、本発明の化合物を、所望により、非毒性界面活性剤の助けを借りて有効なレベルにて溶解または分散させることができる水、アルコールまたはグリコールあるいは水−アルコール/グリコールのブレンドを含む。フラグランスおよびさらなる抗微生物剤のごときアジュバントを添加して、与えられた使用に対する特性を最適化することができる。得られた液状組成物を吸収パッドから適用し、それを用いて、包帯および他の当てものに含浸させ、またはポンプ−タイプまたはエアロゾルスプレイヤーを用いて患部領域にスプレイすることができる。合成ポリマー、脂肪酸、脂肪酸の塩およびエステル、脂肪アルコール、修飾されたセルロースまたは修飾された鉱物物質のごとき増粘剤も液状担体で用いることができ、使用者の皮膚への直接的適用のために、展延ペースト、ゲル、軟膏、石けん等を形成することができる。
【0058】
式(I)の化合物の有用な用量は、動物モデルにおけるそれらのイン・ビトロ活性およびイン・ビボ活性を比較することにより決定できる。マウスおよび他の動物における有効用量のヒトへの外挿方法は、当該技術分野において知られ;例えば、米国特許第4,938,949号を参照されたし。
【0059】
当該化合物は、例えば、単位投与形態当たり約0.05mgないし約500mg、便宜には約0.1mgないし約250mg、最も便宜には約1mgないし約150mgの有効成分を含有する投与形態にて投与することができる。所望の用量は、便宜には、適切な間隔にて、例えば、1日当たり2、3、4以上のサブ−用量で単一用量または分割用量にて存在させることができる。サブ−用量自体は、さらに、多数の区別される緩く間隔を開けた投与に分割することができる。
組成物は、便宜には、約0.01ないし約150mg/kg、好ましくは約0.1ないし約50mg/kg、より好ましくは約0.1ないし約10mg/kg哺乳動物体重にて経口、舌下、経皮または非経口投与することができる。
【0060】
非経口投与では、化合物は、0.1ないし約10%、より好ましくは約0.1ないし約7%の濃度にて水性溶液中にて供される。溶液は、乳化剤、抗酸化剤または緩衝液のごとき他の成分を含有することができる。
本明細書中に開示した化合物および組成物の投与のための正確な方法は、必然的に、治療すべき個々の対象の必要性、治療のタイプおよび、もちろん、実行者の判断に依存するであろう。
5―HT受容体アゴニストまたはアンタゴニストとして作用する本発明の化合物の能力は、当該分野で知られたイン・ビトロおよびイン・ビボアッセイを用いて測定することができる。本発明は、1以上の5−HT受容体サブタイプのアゴニストまたはアンタゴニストとして作用する式(I)の化合物を提供する。本明細書に例示された化合物は、5−HT受容体リガンドであり、それは典型的には、例えば、約1マイクロモーラー(μM)の濃度にて、1以上の5−HT受容体サブタイプを放射性標識テストリガンドに置換する。かかる置換をテストするために用いた手法はよく知られており、当業者に容易に利用可能であろう。例えば、L. W. Fitzgeraldら, Mol. Pharmacol, 2000, 57, 1, 75-81 ;および D. B. Wainscottら, J. Pharmacol Exp Ther, 1996, 276, 2,720-727参照。
【0061】
調製例1
9−アミノ−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチルの調製
【0062】
【化5】

【0063】
78%エタノール(7.5mL)中の9−ニトロ−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチル(0.25g,0.75ミリモル)、亜鉛(1.48g,22.6ミリモル)および塩化カルシウム(0.04g,0.38ミリモル)の混合物を2時間還流し、熱濾過した。濾液を真空中で濃縮乾固して、0.22g(99%)の固体を所望の生成物として得た:MS (EI) m/z 302 (MH+)
実施例1
9−{[({6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}アミノ)カルボニル]アミノ}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチル
【0064】
【化6】

【0065】
ジクロロメタン(4.0mL)中のクロロギ酸フェニル(0.14mL,0.18g,1.13ミリモル)の溶液に、−20℃にて、ジクロロメタン(4.0mL)中の6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミン(0.15g,0.75ミリモル)およびトリエチルアミン(0.16mL,0.11g,1.13ミリモル)の溶液を滴下した。得られた溶液を−20℃にて1時間撹拌し、室温まで加温した。混合物を炭酸水素ナトリウム溶液で洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥した。濾過の後、濾液を真空中で濃縮乾固した。残渣をDMF(4.0mL)に溶解させた。この溶液に、DMF(4.2mL)中の9−アミノ−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチル(0.23g,0.75ミリモル)およびトリエチルアミン(0.12mL,0.084g,0.83ミリモル)の溶液を添加した。得られた混合物を100℃にて1時間加熱した。室温まで冷却した後、水(10mL)および酢酸エチル(10mL)を添加し、分離した。水性溶液を酢酸エチルで3回抽出した。酢酸エチル溶液を硫酸マグネシウムで乾燥し、濾過した。濾液を真空中で濃縮乾固し、残渣をカラムクロマトグラフィー(EtOAc)に付して、0.33g(83%)の実施例1の明るい灰色固体を得た:mp 173-175℃; IR (KBr) 3327, 3296, 2976, 2916, 1690, 1667, 1639, 1592, 1551, 1475, 1448, 1420, 1376, 1368, 1350, 1330, 1315, 1288, 1265, 1247, 1238, 1221, 1169, 1111, 754 cm-1; 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.44 (br, 1H), 8.36 (br, 1H), 8.30 (br, 1H), 8.02-7.96 (m, 1H), 7.81 (br, 1H), 7.65 (br, 1H), 7.48 (br, 1H), 7.30-7.22 (m, 2H), 7.13-7.02 (m, 2H), 6.83-6.80 (d, J = 8.7 Hz, 1H), 3.58 (br, 4H), 2.83 (br, 4H), 2.39 (s, 3H), 1.47 (s, 9H); MS (EI) m/z 529 (MH+); HRMS (FAB) C29H32N6O4+Hとして 計算値: 529.2563, 実測値: 529.2550; 元素分析 C29H32N6O4として 計算値: C, 65.89; H, 6.10; N, 15.90. 実測値: C, 65.89; H, 6.23; N, 15.63.
【0066】
実施例2
N−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−9−イル)−N’−{6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}尿素
【0067】
【化7】

【0068】
ジクロロメタン(3.0mL)中の9−{[({6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}アミノ)カルボニル]アミノ}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチル(0.154g,0.291ミリモル)の溶液にトリフルオロ酢酸(0.75mL)を滴下した。室温で1時間撹拌した後、溶媒を真空中で除去して乾固させた。残渣をクロロホルム(10.0mL)および水酸化ナトリウム溶液(1N,10.0mL)中に分配した。固化した物質を濾過し、収集して実施例2の0.12g(96%)を得た:mp 205-207℃; IR (KBr) 3288, 1629, 1554, 1478, 1450, 1374, 1269, 1228, 1178, 1122 cm-1; 1H NMR (300 MHz, DMSO-d6) δ 8.28, (d, J = 2.3 Hz, 1H) 8.13 (d, J = 2.0 Hz, 1H), 8.03 (dd, J = 7.8, 2.3 Hz, 1H), 7.47-7.41 (m, 2H), 7.30-7.21 (m, 1H), 7.10-6.91 (m, 3H), 5.73 (s, 1H), 2.86-2.48 (m, 8H), 2.30 (s, 3H); MS m/z 429 (MH+); HRMS (FAB) C24H24N6O2+Hとして 計算値: 429.2039, 実測値: 429.2043; 元素分析 C24H24N6O2+0.5H2Oとして 計算値: C, 65.89; H, 5.76; N, 19.21. 実測値: C, 65.29; H, 5.70; N, 18.99.
【0069】
実施例3
6−メチル−N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボキサミド
【0070】
【化8】

【0071】
出発物質として6−メチル−1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゼピノ[4,5−b]インドールおよび6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミンを用い、実施例1の手法に従い、実施例3を無色固体として調製した(53%):mp 159-160℃; IR (KBr) 3313, 2931, 1635, 1607, 1590, 1521, 1477, 1438, 1407, 1380, 1368, 1353, 1342, 1318, 1269, 1230, 1204, 1180, 1163, 1129, 1112, 829, 804, 758, 744 cm -1; 1H NMR (300 MHz, CDCl3) δ 8.34 (br, 1H), 8.00 (dd, J = 8.8, 2.7 Hz, 1H), 7.95 (d, J = 2.6 Hz, 1H), 7.47 (d, J = 7.7 Hz, 1H), 7.35 (d, J = 6.9 Hz, 1H), 7.27-7.25 (m, 1H), 7.21-7.08 (m, 3H), 6.91 (d, J = 8.8 Hz, 1H), 6.45 (s, 1H) , 4.03 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.82 (t, J = 5.5 Hz, 2H), 3.65 (s, 3H), 3.20 (t, J = 5.7 Hz, 2H), 3.14 (t, J = 5.6 Hz, 2H), 2.44 (s, 3H); MS m/z 428 (MH+); HRMS (FAB) C25H25N5O2+Hとして 計算値: 428.2086, 実測値: 428.2082; 元素分析 C25H25N5O2として 計算値: C, 70.24; H, 5.89; N, 16.38. 実測値: C, 70.11; H, 5.97; N, 16.29.
【0072】
実施例4
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキサミド
【0073】
【化9】

【0074】
出発物質として1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンおよび6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミンを用い、実施例1の手法に従い、実施例4をベージュ色の固体として調製した(33%):mp 104-107℃; IR (diffuse reflectance) 2399, 2350, 2338, 2276, 2220, 1646, 1530, 1485, 1446, 1292, 1272, 1265, 1237, 1228, 1165 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.35 (dd, J = 1,5 Hz, 1H), 8.04 (dd, J = 3, 9 Hz, 1H), 7.92 (d, J = 3 Hz, 1H), 7.35-7.31 (m, 2H), 7.25-7.22 (m, 1H), 7.18-7.11 (m, 2H), 7.00 (s, 1H), 6.92 (d, J = 9 Hz, 1H), 3.83 (t, J = 6 Hz, 2H), 2.80 (t, J = 7 Hz, 2H), 2.43 (s, 3H), 2.04-2.78 (m, 2H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.8, 153.9, 152.0, 149.0, 145.2, 138.5, 138.4, 133.0, 132.4, 131.4, 129.9, 128.6, 127.0, 125.1, 122.9, 122.0, 111.2, 43.5, 27.0, 24.0, 19.6; MS (EI) m/z 360 (M+); 元素分析 C21 H20 N4 O2として 計算値: C, 69.98; H, 5.59; N, 15.55. 実測値: C, 69.76; H, 5.59; N, 15.30.
【0075】
実施例5
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキサミド
【0076】
【化10】

【0077】
出発物質として1,2,3,4−テトラヒドロイソキノリンおよび6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミンを用い、実施例1の手法に従い、実施例5を透明な油として調製した(70%):IR (diffuse reflectance) 1916, 1662, 1645, 1531, 1482, 1446, 1414, 1393, 1380, 1372, 1246, 1229, 1197, 1167, 749 cm-1; 1H NMR (CDCl3) δ 8.37 (dd, J = 1, 5 Hz, 1H), 8.03 (dd, J= 3, 9 Hz, 1H), 7.99 (d, J = 3 Hz, 1H), 7.38 (dd, J = 1, 8 Hz, 1H), 7.26-7.17 (m, 5H), 6.93 (d, J = 9 Hz, 1H), 6.57 (s, 1H), 4.70 (s, 2H), 3.76 (t, J = 6 Hz, 2H), 2.96 (t, J = 6 Hz, 2H), 2.45 (s, 3H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.8, 155.1, 152.0, 148.9, 145.1, 139.1, 134.8, 133.6, 132.9, 131.8, 129.3, 128.8, 128.4, 126.9, 126.6, 126.3, 111.1, 45.8, 41.6, 29.0, 19.5 ; MS (EI) m/z 360 (M+) ; HRMS (FAB) C2lH20N4O2+Hとして 計算値 361.1664, 実測値 361.1669.
【0078】
実施例6
4−ベンジル−N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−カルボキサミド
【0079】
【化11】

【0080】
出発物質としてベンジルピペラジンおよび6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミンを用い、実施例1の手法に従い、実施例6を透明な油として調製した(63%):IR (diffuse reflectance) 2499, 1948, 1662, 1639, 1531, 1481, 1447, 1415, 1297, 1247, 1230, 1210, 1173, 1000, 741 cm-1; 1H NMR (400 MHz,CDCl3) δ 8.33 (dd, J = 1, 5 Hz, 1H), 7.95 (dd, J = 3, 9 Hz, 1H), 7.89 (d, J = 3 Hz, 1H), 7.35-7.25 (m, 6H), 7.16 (dd, J = 5, 8 Hz, 1H), 6.88 (d, J = 9 Hz, 1H), 6.72 (s, 1H), 3.54-3.49 (m, 6H), 2.49-2.46 (m, 4H), 2.41 (s, 3H) ; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.8, 155.1, 152.0, 149.0, 145.1, 139.0, 137.5, 133.5, 131.7, 129.1, 128.8, 128.4, 127.3, 122.1, 111.1, 62.9, 52.6, 44.1, 19.5; MS (EI) m/z 403 (M+); HRMS (FAB) C23H25N5O2+Hとして 計算値 404.2086, 実測値 404.2077.
【0081】
実施例7
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−N’−(2−フェニルエチル)尿素
【0082】
【化12】

【0083】
出発物質としてフェネチルアミンおよび6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミンを用い、実施例1の手法に従い、実施例7を無色固体として調製した(85%):mp 136-138℃; IR (diffuse reflectance) 3347, 3302, 1634, 1608, 1587, 1563, 1525, 1484, 1453, 1431, 1377, 1295, 1279, 1234, 1175, 1114, 830, 821, 756, 722, 702 cm-1; 1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ 8.22 (br, 1H), 8.03 (dd, J = 9.0, 2.9 Hz, 1H), 7.65 (d, J = 2.8 Hz, 1H), 7.32 (dd, J = 8.0, 1.3 Hz, 1H), 7.28-7.24 (m, 2H), 7.21-7.13 (m, 5H), 6.87 (d, J = 8.9 Hz, 1H), 5.36 (t, J = 5.6 Hz, 1H), 3.54-3.49 (m, 2H), 2.83 (t, J =6. 8 Hz, 2H), 2.36 (s, 3H) ; 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.6, 155.8, 152.4, 149.2, 145.0, 138.9, 138.1, 132.4, 131.9, 129.5, 128.8, 128.7, 126.5, 122.4, 111.1, 41.4, 36.2, 19.4; MS (EI) m/z 348 (M+); HRMS (FAB) C20H20N4O2+Hとして 計算値 349.1664, 実測値 349.1657; 元素分析 C20 H20 N4 O2+0.5H2Oとして 計算値: C, 67.21; H, 5.92; N, 15.68. 実測値: C, 67.84; H, 5.79; N, 15.77.
【0084】
実施例8
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}アゼパン−1−カルボキシアミド
【0085】
【化13】

【0086】
出発物質としてヘキサメチレンイミンおよび6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−アミンを用い、実施例1の手法に従い、実施例8を透明な油として調製した(54%):IR (liq.) 2929, 2128, 1918, 1640, 1607, 1592, 1527, 1481, 1447, 1411, 1370, 1249, 1234, 1205, 1174 cm-1; 1H NMR (400MHz, CDCl3) δ 8.35-8.33 (m, 1H), 8.03 (dd, J = 3, 9 Hz, 1H), 7.94 (d, J = 3 Hz, 1H), 7.34 (dd, J = 1,8 Hz, 1H), 7.19-7.15 (m, 1H), 6.89 (d, J = 9 Hz, 1H), 6.36 (s, 1H), 3.52-3.49 (m, 5H), 2.44 (s, 3H), 1.81-1.76 (m, 2H), 1.63-1.60 (m, 5H); 13C NMR (100 MHz, CDCl3) δ 158.7, 155.2, 151.9, 149.1, 145.1, 138.9, 133.4, 132.0, 128.6, 122.0, 111.1, 46.7, 28.5, 27.3, 14.4; MS (EI) m/z 326 (M+); HRMS (FAB) C18H22N4O2+Hとして 計算値 327.1821, 実測値 327.1830.
【0087】
種々の特別なかつ好ましい具体例および技術を参照して本発明を記載してきた。しかしながら、本発明の精神および範囲内にとどまりつつ多くの変形および修飾をなすことができるのは理解されるべきである。


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
はアリール、置換されたアリール、アリール(C1−8アルキレン)、置換されたアリール(C1−8アルキレン)、ヘテロアリール、置換されたヘテロアリール、ヘテロアリール(C1−8アルキレン)、置換されたヘテロアリール(C1−8アルキレン)、ヘテロサイクル、置換されたヘテロサイクル、ヘテロサイクル(C1−8アルキレン)、または置換されたヘテロサイクル(C1−8アルキレン)であり、RおよびRは、各々、独立して、H、C1−8アルキル、アリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)であり;
あるいはRおよびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、ヘテロサイクル、置換されたヘテロサイクル、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールを形成し、およびRはH、C1−8アルキル、アリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)であり;
但し、RおよびRはそれらが結合している窒素と一緒になって2,3−ジヒドロインドール−1−イル、または置換された2,3−ジヒドロインドール−1−イルではなく;および
およびRは、それらが結合している窒素と一緒になって、2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イル、または置換された2,3,4,5−テトラヒドロ−1H−ベンゾ[d]アゼピン−1−イルではない]
の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項2】
がアリールまたは置換されたアリールである請求項1記載の化合物。
【請求項3】
がヘテロアリールまたは置換されたヘテロアリールである請求項1記載の化合物。
【請求項4】
がヘテロサイクルまたは置換されたヘテロサイクルである請求項1記載の化合物。
【請求項5】
およびRが、それらが結合している窒素と一緒になって、ヘテロサイクル、置換されたヘテロサイクル、ヘテロアリール、または置換されたヘテロアリールを形成し、およびRがH、C1−8アルキル、アリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)である請求項1記載の化合物。
【請求項6】
9−{[({6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}アミノ)カルボニル]アミノ}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボン酸tert−ブチル;
N−(1,2,3,4,5,6−ヘキサヒドロアゼピノ「4,5−b]インドール−9−イル)−N’−{6−[(2−メチル−3−ピリジニル)オキシ]−3−ピリジニル}尿素;
6−メチル−N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−1,4,5,6−テトラヒドロアゼピノ[4,5−b]インドール−3(2H)−カルボキサミド;
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロキノリン−1(2H)−カルボキサミド;
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}−3,4−ジヒドロイソキノリン−2(1H)−カルボキサミド;
4−ベンジル−N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}ピペラジン−1−カルボキサミド;
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ}ピリジン−3−イル}−N’−(2−フェニルエチル)尿素;および
N−{6−[(2−メチルピリジン−3−イル)オキシ]ピリジン−3−イル}アゼパン−1−カルボキサミドよりなる群から選択される請求項1記載の化合物またはその医薬上許容される塩。
【請求項7】
がHである請求項1記載の化合物。
【請求項8】
がC1−8アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項9】
がアリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)である請求項1記載の化合物。
【請求項10】
がHである請求項1記載の化合物。
【請求項11】
がC1−8アルキルである請求項1記載の化合物。
【請求項12】
がアリール(C1−8アルキレン)または置換されたアリール(C1−8アルキレン)である請求項1記載の化合物。
【請求項13】
請求項1ないし12いずれか1記載の化合物および医薬上許容される賦形剤を含む医薬組成物。
【請求項14】
哺乳動物において中枢神経系の病気または障害の治療または予防で有用な医薬を調製するための請求項1ないし12いずれか1記載の化合物の使用。
【請求項15】
該治療が中枢神経系の病気または障害の治療である請求項14記載の使用。
【請求項16】
5−HT受容体が関係し、5−HT機能の変調が望まれる哺乳動物における病気または疾患を治療するのに有用な医薬を調製するための請求項1ないし12いずれか1記載の化合物の使用。
【請求項17】
哺乳動物において中枢神経系の病気または障害を治療または予防するのに有用な医薬を調製するための請求項1ないし12いずれか1記載の化合物の使用。
【請求項18】
1以上の放射性同位体を含む請求項1ないし12いずれか1記載の化合物である放射性標識化合物。
【請求項19】
1以上の炭素−11、フッ素−18、フッ素−19、ヨウ素−123またはヨウ素−125を含む請求項18記載の化合物。
【請求項20】
請求項18記載の放射性標識化合物と組織とを接触させ、次いで、該組織に結合した化合物を検出することを特徴とする5−HT受容体を含む組織をイメージングする方法。
【請求項21】
該イメージングが陽電子射出断層撮影法によって行われる請求項20記載の方法。
【請求項22】
該イメージングが核磁気共鳴によって行われる請求項22記載の方法。
【請求項23】
単光子放射型コンピューター断層撮影法によって行われる請求項20記載の方法。


【公表番号】特表2006−506319(P2006−506319A)
【公表日】平成18年2月23日(2006.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−574643(P2003−574643)
【出願日】平成15年2月27日(2003.2.27)
【国際出願番号】PCT/US2003/006167
【国際公開番号】WO2003/076426
【国際公開日】平成15年9月18日(2003.9.18)
【出願人】(504396379)ファルマシア・アンド・アップジョン・カンパニー・エルエルシー (130)
【Fターム(参考)】