説明

5−HT3受容体調節物質ならびにその作製方法および使用

新規5-HT3受容体調節物質を開示する。これらの化合物を、化学療法による悪心・嘔吐、術後悪心・嘔吐、および過敏性腸症候群を含む、様々な障害の治療において用いる。これらの化合物の作製法も本発明において記載する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、2008年5月29日提出の米国特許仮出願第61/057,014号の恩典を主張し、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
発明の分野
本発明は、セロトニン3型(5-HT3)受容体調節物質、組成物、5-HT3受容体が関係している疾患の治療、例えば、過敏性腸症候群(IBS)、化学療法による悪心・嘔吐(CINV)、および術後悪心・嘔吐(PONV)の治療におけるそれらの使用、ならびに併用療法における化合物の使用に関する。本発明は、5-HT3受容体調節物質の合成法にも関する。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
米国における過敏性腸症候群(IBS)の管理は、直接的な医療費において年間80億ドル、また間接的な経済的費用においては250億ドルもかかると推定されることから、IBSは健康管理システムに対して大きな影響を有する。
【0004】
現在、特定のセロトニン受容体の活性を変化させる化合物がIBSに対して唯一認可された薬学的治療である。そのために、下痢が主症状であるIBSに対して現在米国で唯一認可されている薬物は、セロトニン3型(5-HT3)受容体阻害剤であるアロセトロンである。この薬物はGlaxoにより売り出され、虚血性結腸炎がまれに起こることからFDAによって回収され、次いでこの疾患の治療に対する需要が非常に大きいためにFDAによって復活が認められた。2002年に、米国食品医薬品局は、医学的利益がリスクを上回る患者に対し、制限付き条件下で塩酸アロセトロン(LOTRONEX(登録商標))錠を認めた。
【0005】
したがって、IBSの治療のために、安全性が改善された5-HT3受容体調節物質が非常に望まれている。5-HT3受容体調節物質は、5-HT3受容体を阻害(例えば、アンタゴニスト)または部分的に活性化(例えば、部分アゴニスト)することができる薬剤である。事実、いくつかの5-HT3受容体調節物質が、IBSの治療のために臨床試験を通じて進行中である。例示的化合物には、ラモセトロン、レンザプリド、DDP225、およびDDP733が含まれる。
【0006】
化学療法によって起こる悪心および嘔吐は、癌の治療を受けている患者にとっていまだに最も辛い副作用の1つである。投与する化学療法剤または投与法に応じて、患者の最大90%がある型の化学療法による悪心・嘔吐(CINV)を経験しうる。CINVの症状は非常に衰弱させるもので、しばしば患者がそれ以上の化学療法クールを拒絶し、癌の進行に関して明らかに好ましくない結果となりうる。さらに、CINVは医療システムにとって厄介で、それがなければ他の患者または医学的問題にかかることができる医療職員の時間を消費する。
【0007】
CINVは、急性CINVおよび遅延CINVの2つの主な範疇に分けられる。急性CINVは治療後24時間以内に発症し;遅延CINVは治療後24時間から120時間までに発症する。遅延CINVは、医療職員がこれを患っている患者の数を低く見積もる傾向があるため、化学療法を受けている患者においていまだに非常に治療が不足している副作用である。さらに、遅延CINVは、患者がいったん退院してしまうと、患者自身で管理する能力を大きく損なう。
【0008】
5-HT3受容体を標的とする化合物は、現在のところ最も有効な制吐剤で;これらは癌患者の悪心および嘔吐の管理における1つの最大の進歩である。CNSまたは末梢における5-HT3受容体シグナルを遮断することは、急性嘔吐を防止するようである。パロノセトロン(ALOXI(登録商標))を除くすべての認可された5-HT3受容体調節物質は、急性CINVを防止するために認可されている。パロノセトロンは、遅延CINVの防止のために現在認可されている唯一の5-HT3受容体調節物質である。加えて、ニューロキニンアンタゴニストのアプレピタント(EMEND(登録商標))、5-HT3受容体調節物質、およびコルチコステロイドのデキサメタゾンの組み合わせは、シスプラチンによる急性および遅延嘔吐の両方を防止する上で非常に有効であることが明らかにされている。
【0009】
パロノセトロンは最近、術後悪心・嘔吐(PONV)の治療のために認可を受けた。したがって、5-HT3受容体調節物質はPONVの治療のために有用でありうる。
【0010】
明らかに、IBS、CINV、およびPONVに対する改善された治療方法が必要とされている。本発明は、この目標を達成することを目的とする。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、式Iの化合物、またはその酸化物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、もしくはそのプロドラッグに関する:

式中、
Qは飽和二環式複素環式アミンであり、ここでこの飽和二環式複素環式アミンは式Iの化合物のアミド窒素とQの任意のアミン窒素との間に少なくとも2個の原子を含み、かつこの飽和二環式複素環式アミンは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立にC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8からなる群より選択され;
XはCH、CR3、またはNであり;
Jは直接結合、C=O、およびSO2からなる群より選択され;
R1はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R2はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ただしJ=SO2である場合はRはHではなく、かつここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R3はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、
C1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R4はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R5はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R6はC1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはフェニルであり;
R7およびR8はそれぞれ独立にH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルは置換基で1〜3回置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立にハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、およびC1-C4アルコキシからなる群より選択され;
nは1、2、または3であり;
pは0、1、2、または3であり;かつ
qは0、1、または2である。
【0012】
本発明は、5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態の治療方法にも関する。この方法は、5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態を有する患者を選択する段階、および患者に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与する段階を含む。
【0013】
本発明の別の局面は、式Iaの化合物:

の調製方法に関する。この方法は、MがHまたは対イオンである式IIの第一の中間体化合物:

を、生成物化合物を生成するのに有効なアミド結合形成条件下で処理する段階を含む。
【0014】
本発明のさらなる局面は、式Ibの化合物:

の調製方法に関する。この方法は、MがHまたは対イオンである式IIIの第一の中間体化合物:

を、生成物化合物を生成するのに有効なアミド結合形成条件下で処理する段階を含む。
【0015】
今や、式Iの化合物は5-HT3受容体調節物質であることが判明している。本発明は、セロトニン3型(5-HT3)受容体に高い親和性で結合する化合物を提供する。このクラスのメンバーは、マウスでセロトニンによる徐脈を阻害することが示されている。この薬理は他の報告された5-HT3受容体調節物質の効果と一貫性があり、そのいくつかはIBS(例えば、アロセトロン、ラモセトロン)、CINV(例えば、オンダンセトロン、パロンセトロン、グラニセトロン)、およびPONV(パロノセトロン)を含むヒト疾患を治療するために認可されている。式Iによって示す化合物は、過敏性腸症候群、悪心、嘔吐(emesis)(嘔吐(vomiting))、および他の本明細書に記載の障害を治療するために有用である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
発明の詳細な説明
本発明は、式Iの化合物、またはその酸化物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、もしくはそのプロドラッグに関する:

式中、
Qは飽和二環式複素環式アミンであり、ここでこの飽和二環式複素環式アミンは式Iの化合物のアミド窒素とQの任意のアミン窒素との間に少なくとも2個の原子を含み、かつこの飽和二環式複素環式アミンは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立にC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8からなる群より選択され;
XはCH、CR3、またはNであり;
Jは直接結合、C=O、およびSO2からなる群より選択され;
R1はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R2はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ただしJ=SO2である場合はRはHではなく、かつここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R3はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R4はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R5はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R6はC1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはフェニルであり;
R7およびR8はそれぞれ独立にH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルは置換基で1〜3回置換されていてもよく、この置換基はそれぞれの場合に独立にハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、およびC1-C4アルコキシからなる群より選択され;
nは1、2、または3であり;
pは0、1、2、または3であり;かつ
qは0、1、または2である。
【0017】
上記、および本発明の説明の全体を通して用いられる以下の用語は、特に記載がないかぎり、以下の意味を有すると理解される。
【0018】
「アルキル」なる用語は、鎖に約1個から約6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝であってもよい脂肪族炭化水素基を意味する。分枝とは、メチル、エチルまたはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が直鎖アルキル鎖に連結していることを意味する。例示的アルキル基には、メチル、エチル、n-プロピル、i-プロピル、n-ブチル、t-ブチル、n-ペンチル、および3-ペンチルが含まれる。
【0019】
「アルケニル」なる用語は、炭素-炭素二重結合を含み、鎖に約2から約6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝であってもよい脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルケニル基は鎖に2から約4個の炭素原子を有する。分枝とは、メチル、エチル、またはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が直鎖アルケニル鎖に連結していることを意味する。例示的アルケニル基には、エテニル、プロペニル、n-ブテニル、およびi-ブテニルが含まれる。
【0020】
「アルキニル」なる用語は、炭素-炭素三重結合を含み、鎖に約2から約6個の炭素原子を有する、直鎖または分枝であってもよい脂肪族炭化水素基を意味する。好ましいアルキニル基は鎖に2から約4個の炭素原子を有する。分枝とは、メチル、エチル、またはプロピルなどの1つまたは複数の低級アルキル基が直鎖アルキニル鎖に連結していることを意味する。例示的アルキニル基には、エチニル、プロピニル、n-ブチニル、2-ブチニル、3-メチルブチニル、およびn-ペンチニルが含まれる。
【0021】
「アリール」なる用語は、炭素原子6から約14個、好ましくは炭素原子6から約10個の芳香族単環式または多環式環系を意味し、アリールアルキル基を含む。代表的なアリール基には、フェニルおよびナフチルが含まれる。
【0022】
「ヘテロアリール」なる用語は、環原子約5から約14個、好ましくは環原子約5から約10個の芳香族単環式または多環式環系であって、環系の原子の1つまたは複数が炭素以外の元素、例えば、窒素、酸素、または硫黄であるものを意味する。多環式環系の場合、環系が「ヘテロアリール」と定義されるためには、環の1つだけが芳香族であればよい。好ましいヘテロアリールは約5から6個の環原子を含む。ヘテロアリールの前の接頭辞アザ、オキサ、チア、またはチオは、それぞれ少なくとも窒素、酸素、または硫黄原子が環原子として存在することを意味する。ヘテロアリールの窒素原子は、対応するN-オキシドに任意に酸化されている。代表的なヘテロアリールには、ピリジル、2-オキソ-ピリジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、トリアゾリル、オキサジアゾリル、チアジアゾリル、テトラゾリル、インドリル、 イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリニル、2-オキソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プタラジニル、キノキサリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンゾ[1,2,3]トリアジニル、ベンゾ[1,2,4]トリアジニル、4H-クロメニル、インドリジニル、キノリジニル、6aH-チエノ[2,3-d]イミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、チエノ[2,3-b]フラニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、チエノ[3,2-b]ピリジニル、フロ[2,3-b]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、フロ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジニル、6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、3,3-ジメチル-2-オキソインドリニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、3-オキソ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジン-2(3H)-イルなどが含まれる。
【0023】
「アルコキシ」なる用語は、親構造に酸素を通じて連結している、直鎖、分枝、または環式形状およびそれらの組み合わせの炭素原子1個から8個の基を意味する。例には、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、イソプロポキシ、シクロプロピルオキシ、シクロヘキシルオキシなどが含まれる。低級アルコキシとは、1個から4個の炭素を含む基を意味する。本特許出願の目的のために、アルコキシには、各酸素原子がメチレンジオキシまたはエチレンジオキシ基が側鎖として連結している原子、鎖または環に結合して環を形成する、メチレンジオキシおよびエチレンジオキシも含まれる。
【0024】
「シクロアルキル」なる用語は、炭素原子約3から約7個、好ましくは炭素原子約5から約7個の非芳香族単環式または多環式環系を意味する。例示的な単環式シクロアルキルには、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルなどが含まれる。
【0025】
「シクロアルキルアルキル」なる用語は、シクロアルキルおよびアルキルが本明細書において定義するとおりである、シクロアルキル-アルキル-基を意味する。例示的シクロアルキルアルキル基には、シクロプロピルメチルおよびシクロペンチルメチルが含まれる。
【0026】
アリールアルキルとは、アリール環に連結しているアルキル残基を意味する。例はベンジル、フェネチルなどである。
【0027】
「ハロアルキル」なる用語は、1つまたは複数のハロゲンで置換された分枝および直鎖両方のアルキルを意味し、ここでアルキル基は本明細書に記載のとおりである。
【0028】
原子の「置換(された)」または「置換」なる用語は、指定の原子の通常の原子価を超えないとの条件で、指定の原子上の1つまたは複数の水素が示された群から選択されたもので置き換えられていることを意味する。
【0029】
「無置換」原子は、その原子価によって規定される水素原子のすべてを有する。置換基がケト(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。置換基および/または変数の組み合わせは、そのような組み合わせが安定な化合物を生じる場合にのみ許容され;「安定な化合物」または「安定な構造」とは、反応混合物から有用な程度の純度までの単離、および有効な治療薬への製剤を切り抜けるのに十分強固な化合物を意味する。
【0030】
「ハロゲン」なる用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を意味する。
【0031】
「本発明の化合物」なる用語、および同等の表現は、本明細書において前述した一般式Iの化合物を含み、この表現は、文脈から可能な場合には、プロドラッグ、薬学的に許容される塩、酸化物、および溶媒和物、例えば、水和物を含む。同様に、中間体への言及は、それら自体が特許請求されているかどうかにかかわらず、文脈から可能な場合には、それらの塩、および溶媒和物を含むことになる。明らかにするために、文脈から可能な場合、特定の状況を本文中に示すこともあるが、これらの状況は純粋に例示的なものであって、文脈から可能な場合、他の状況を除外することを意図するものではない。
【0032】
「治療方法」なる用語は、本明細書に記載の障害に関連する症状および/または作用からの改善または軽減を意味する。本明細書において用いられる、患者の「治療」への言及は、予防を含むことが意図される。
【0033】
本明細書に記載の化合物は、1つまたは複数の不斉中心を含んでいてもよく、したがって、鏡像異性体、ジアステレオマー、および他の立体異性型を生じてもよい。各キラル中心は、絶対立体化学の点から、(R)-または(S)-と定義してもよい。本発明は、ラセミ型および光学的に純粋な型を含む、すべてのそのような可能な異性体、ならびにその混合物を含むことになる。光学活性な(R)-および(S)-、(-)-および(+)-、または(D)-および(L)-異性体を、キラルシントンもしくはキラル試薬を用いて調製してもよく、または通常の技術を用いて分割してもよい。本明細書に記載の化合物がオレフィン二重結合または他の幾何学的不斉の中心を含む場合、特に記載がないかぎり、化合物はEおよびZ幾何異性体の両方を含むことが意図される。同様に、すべての互変異性体も含まれることが意図される。
【0034】
本明細書において用いられ、当業者には理解されるであろうとおり、「化合物」の詳述は、その化合物の塩、溶媒和物、酸化物、および包接複合体、ならびにその化合物の任意の立体異性型、または任意のそのような型の任意の比率での混合物を含むことが意図される。したがって、本発明のいくつかの態様に従って、薬学的組成物、治療方法、および化合物それ自体の文脈を含む、本明細書に記載の化合物は塩型として提供される。
【0035】
「溶媒和物」なる用語は、適当な溶媒の分子が結晶格子内に組み込まれている、固体状態の式Iの化合物を意味する。治療的投与に適した溶媒は、投与する用量で生理的に耐容される。治療的投与に適した溶媒の例はエタノールおよび水である。水が溶媒である場合、溶媒和物は水和物と呼ぶ。一般に、溶媒和物は化合物を適当な溶媒に溶解し、冷却して、または貧溶媒を用いて溶媒和物を単離することにより形成する。溶媒和物は典型的には周囲条件下で乾燥または共沸させる。
【0036】
包接複合体は、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 19th Ed. 1:176-177 (1995)に記載されており、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。最も一般に用いられる包接複合体はシクロデキストリンによるもので、天然および合成のすべてのシクロデキストリン複合体は特許請求の範囲内に具体的に含まれる。
【0037】
「薬学的に許容される塩」なる用語は、無機酸および塩基ならびに有機酸および塩基を含む、薬学的に許容される非毒性の酸または塩基から調製される塩を意味する。式Iの化合物は塩基性窒素を含むため、塩は無機および有機酸を含む、薬学的に許容される非毒性の酸から調製してもよい。本発明の化合物に適した薬学的に許容される酸付加塩には、酢酸塩、ベンゼンスルホン酸塩(ベシレート)、安息香酸塩、カンファースルホン酸塩、クエン酸塩、エテンスルホン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルタミン酸塩、臭化水素酸塩、塩酸塩、イセチオン酸塩、乳酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩、マンデル酸塩、メタンスルホン酸塩、粘液酸塩、硝酸塩、パモ酸塩、パントテン酸塩、リン酸塩、コハク酸塩、硫酸塩、酒石酸塩、p-トルエンスルホン酸塩などが含まれる。化合物が酸性側鎖を含む場合、本発明の化合物に適した薬学的に許容される塩基付加塩には、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウムおよび亜鉛から作製される金属塩、またはリジン、N,N'-ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン(N-メチルグルカミン)、およびプロカインから作製される有機塩が含まれる。
【0038】
本明細書において現れる任意の炭素-炭素二重結合の立体配置は、便宜のためにのみ選択され、特定の立体配置を示すことを意図するものではなく;したがって、本明細書においてEとして任意に示される炭素-炭素二重結合はZ、E、または任意の比率の2つの混合物であってもよい。
【0039】
「保護」、「脱保護」、および「保護した」官能基に関連する用語は本出願の全体を通して出現する。そのような用語は当業者には十分に理解され、一連の試薬による連続処理を含む工程の文脈において用いられる。その文脈において、保護基とは、そうしなければ反応するであろうが、反応が望ましくない工程段階において、官能基をマスクするために用いる基を意味する。保護基はその段階で反応を防止するが、その後除去して、元の官能基を露出させてもよい。除去または「脱保護」は、官能基が妨害するであろう1つまたは複数の反応の完了後に行う。したがって、本発明の工程における試薬の順序が特定されれば、当業者であれば「保護基」として適当と考えられる基を容易に構想することができる。その目的に適した基は、Greene, Protective Groups in Organic Synthesis, John Wiley & Sons, New York (1991)などの、化学の分野の標準的な教科書に論じられており、その内容は全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0040】
略語Me、Et、およびPhは、それぞれメチル、エチル、およびフェニルを表す。有機化学者(すなわち当業者)によって用いられる略語の包括的リストは、Journal of Organic Chemistryの各巻の第一号に記載されている。典型的に「略語の標準的リスト」なる表題の表で示されるリストは、その全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0041】
「治療的有効量」なる用語は、5-HT3活性を調節し、したがって所望の治療効果を生じるのに有効な本発明の化合物の量を述べることになる。そのような量は一般に、決定し、明細を明らかにするために本明細書において示される記載があるとすれば、十分に当業者の技術範囲内のいくつかの因子に従って変動する。これらには、特定の被験者、ならびにその年齢、体重、身長、全身の健康状態、および病歴、用いる特定の化合物、ならびに化合物をその中で製剤する担体およびそのために選択する投与経路や、治療中の状態の特性および重症度が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0042】
「薬学的組成物」なる用語は、式Iの化合物、ならびに投与様式および剤形の特性に応じて、保存剤、充填剤、崩壊剤、湿潤剤、乳化剤、懸濁化剤、甘味料、着香剤、香料、抗菌剤、抗真菌剤、滑沢剤および分散剤などの、薬学的に許容される担体、希釈剤、補助剤、賦形剤、または媒体を含む少なくとも1つの成分を含む組成物を意味する。本明細書において用いられる「薬学的に許容される担体」なる用語は、本明細書に記載する任意の担体、希釈剤、補助剤、賦形剤、または媒体を意味するために用いられる。懸濁化剤の例には、エトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールおよびソルビタンエステル、微結晶セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物が含まれる。微生物の作用の防止は、様々な抗菌および抗真菌剤、例えば、パラベン、クロロブタノール、フェノール、ソルビン酸などによって確実にすることができる。等張化剤、例えば、糖類、塩化ナトリウムなどを含むことが望ましいこともある。注射製剤の持続吸収は、吸収を遅らせる物質、例えば、モノステアリン酸アルミニウムおよびゼラチンの使用によってもたらすことができる。適当な担体、希釈剤、溶媒、または媒体の例には、水、エタノール、ポリオール、その適当な混合物、植物油(オリーブ油などの)、およびオレイン酸エチルなどの注射用有機エステルが含まれる。賦形剤の例には、ラクトース、乳糖、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、およびリン酸2カルシウムが含まれる。崩壊剤の例には、デンプン、アルギン酸、および特定の複合ケイ酸塩が含まれる。滑沢剤の例には、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、ならびに高分子量ポリエチレングリコールが含まれる。
【0043】
「薬学的に許容される」なる用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを伴わずにヒトおよび下等動物の細胞と接触して用いるのに適し、妥当な損益比に見合っていることを意味する。
【0044】
「薬学的に許容される剤形」なる用語は、本発明の化合物の剤形を意味し、例えば、錠剤、糖衣錠、散剤、エリキシル剤、シロップ剤、懸濁剤を含む液体製剤、噴霧剤、吸入錠剤、ロゼンジ、乳剤、液剤、顆粒剤、カプセル剤、および坐剤、ならびにリポソーム製剤を含む注射用液体製剤が含まれる。技術および製剤は一般に、Remington's Pharmaceutical Sciences, Mack Publishing Co., Easton, Pa., 最新版に見いだされると思われ、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0045】
本明細書において用いられる「薬学的に許容されるプロドラッグ」なる用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などを有し、ヒトおよび下等動物の組織と接触して用いるのに適し、妥当な損益比に見合っており、かつそれらの意図される使用のために有効な、本発明の有用な化合物、ならびに可能な場合には本発明の化合物の両性イオン型のプロドラッグを意味する。「プロドラッグ」なる用語は、例えば、血中での加水分解により、インビボで速やかに変換されて前述の式の親化合物を生じる化合物を意味する。インビボで、代謝的切断により速やかに変換されうる官能基は、本発明の化合物のカルボキシル基と反応性の一連の基を形成する。それらには、アルカノイル(アセチル、プロピオニル、ブチリルなどの)、無置換および置換アロイル(ベンゾイルおよび置換ベンゾイルなどの)、アルコキシカルボニル(エトキシカルボニルなどの)、トリアルキルシリル(トリメチル-およびトリエチシリルなどの)、ジカルボン酸と形成されるモノエステル(スクシニルなどの)などの基が含まれるが、それらに限定されるわけではない。本発明の有用な化合物の代謝的に切断可能な基はインビボで容易に切断されるため、そのような基を有する化合物はプロドラッグとして作用する。代謝的に切断可能な基を有する化合物は、代謝的に切断可能な基の存在によって親化合物に与えられた高い溶解性および/または吸収速度の結果、改善されたバイオアベイラビリティを示しうるという利点を有する。プロドラッグの詳細な考察は下記において提供される:Design of Prodrugs, H. Bundgaard, ed., Elsevier (1985);Methods in Enzymology, K. Widder et al, Ed., Academic Press, 42, p.309-396 (1985);A Textbook of Drug Design and Development, Krogsgaard-Larsen and H. Bundgaard, ed., Chapter 5;''Design and Applications of Prodrugs,'' p.113-191 (1991);Advanced Drug Delivery Reviews, H. Bundgard, 8, p.1-38 (1992);Journal of Pharmaceutical Sciences, 77:285 (1988);Nakeya et al, Chem. Pharm. Bull., 32:692 (1984);Higuchi et al., ''Pro-drugs as Novel Delivery Systems,'' Vol. 14 of the A.C.S. Symposium Series, and Bioreversible Carriers in Drug Design, Edward B. Roche, ed., American Pharmaceutical Association and Pergamon Press (1987)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。プロドラッグの例には、本発明の化合物のアルコールおよびアミン官能基の酢酸、ギ酸、および安息香酸エステルおよびアミド誘導体が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0046】
本発明は、Qが置換または無置換二環式複素環式アミンである、式Iの化合物に関する。本発明に従い、二環式複素環式アミンは飽和であり、かつ環に少なくとも1個の窒素を含む。それらは追加の窒素、ならびに他のヘテロ原子を含んでいてもよい。本発明の化合物において、二環式複素環式アミンは、アミド窒素をアミン基Qの任意の窒素に連結している、少なくとも2個の原子、好ましくは2から4個の好ましくは炭素原子を含む。
【0047】
一つの態様において、Qは置換または無置換二環式アミンである。本発明の別の態様において、式IのQは実験式C7-10N1-2の二環式アミンである。本発明のより好ましい態様において、Qはアザビシクロヘプタン、アザビシクロオクタン、またはアザビシクロノナンである。適当な複素環式アミンには、キヌクリジン、トロパン、アザビシクロ[3.3.1]ノナン、メチルアザビシクロ[3.3.1]ノナン、9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-オン、3,9-ジメチル-3,9-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、3,9-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、3-チア-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、9-メチル-3,9-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、3-メチル-3,9-ジアザビシクロ[3.3.1]ノナン、3-オキサ-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、3-チア-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン、およびアザビシクロ[3.2.2]ノナンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0048】
本発明の一つの態様において、式Iの三環式核のアミド窒素に連結している二環式複素環式アミンの炭素は、キラルでありかつ(S)配置である。本発明の別の態様において、式Iの三環式核のアミド窒素に連結している二環式複素環式アミンの炭素は、キラルでありかつ(R)配置である。本発明の別の態様は、式Iの立体異性化合物の混合物である。
【0049】
本発明の別の態様において、Qは、窒素が3級である、飽和二環式複素環式アミンまたはメチル置換飽和二環式複素環式アミンである。一つの態様において、Qは下記からなる群より選択される:

式中、r=1、2、3または4であり;s=0、1、2、3または4であり;かつR9は水素またはメチルである。これらの図において、Q基は任意の炭素環メンバー(すなわち、末端のN-メチルではない)を通じて三環式各構造に連結している。
【0050】
他の適当な複素環式アミンには下記が含まれる:

式中、R10は水素またはC1-C3アルキルであり、かつZはNH、NCH3、O、S、SO、またはSO2である。
【0051】
本発明の別の好ましい態様は、R2がH、低級アルキル、フェニル、または置換フェニルである、式Iの化合物である。一つの好ましい態様において、R2は置換フェニルであり、かつJはSO2である。別の好ましい態様において、R2は4-フルオロフェニルである。
【0052】
本発明のさらに別の好ましい態様は、R1の少なくとも1つがH、F、Cl、またはBrである、式Iの化合物である。
【0053】
本発明の置換基に適したアリール基は、フェニル、ベンジル、ナフチル、インダニル、およびインデニルからなる群より選択される。本発明の置換基に適したヘテロアリール基は、ピリジル、2-オキソ-ピリジン-1-イル、ピリミジニル、ピリダジニル、ピラジニル、1,2,4-トリアジニル、1,3,5-トリアジニル、フラニル、ピロリル、チオフェニル、ピラゾリル、イミダゾリル、オキサゾリル、イソキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、1,2,3-トリアゾリル、1,2,4-トリアゾリル、1,2,3-オキサジアゾリル、1,3,4-オキサジアゾリル、1,2,3-チアジアゾリル、1,3,4-チアジアゾリル、テトラゾリル、インドリル、イソインドリル、ベンゾフラニル、ベンゾチオフェニル、インドリニル、オキソインドリニル、ジヒドロベンゾフラニル、ジヒドロベンゾチオフェニル、インダゾリル、ベンズイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイソキサゾリル、ベンゾイソチアゾリル、ベンゾトリアゾリル、ベンゾ[1,3]ジオキソリル、キノリニル、イソキノリニル、キナゾリニル、シンノリニル、プタラジニル、キノキサリニル、2,3-ジヒドロ-ベンゾ[1,4]ジオキシニル、ベンゾ[1,2,3]トリアジニル、ベンゾ[1,2,4]トリアジニル、4H-クロメニル、インドリジニル、キノリジニル、6aH-チエノ[2,3-d]イミダゾリル、1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、イミダゾ[1,2-a]ピリジニル、ピラゾロ[1,5-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニル、[1,2,4]トリアゾロ[1,5-a]ピリジニル、チエノ[2,3-b]フラニル、チエノ[2,3-b]ピリジニル、チエノ[3,2-b]ピリジニル、フロ[2,3-b]ピリジニル、フロ[3,2-b]ピリジニル、チエノ[3,2-d]ピリミジニル、フロ[3,2-d]ピリミジニル、チエノ[2,3-b]ピラジニル、フロ[2,3-b]ピラジニル 、イミダゾ[1,2-a]ピラジニル、5,6,7,8-テトラヒドロイミダゾ[1,2-a]ピラジニル、6,7-ジヒドロ-4H-ピラゾロ[5,1-c][1,4]オキサジニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロベンゾ[d]オキサゾリル、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ベンゾ[d]イミダゾール、3,3-ジメチル-2-オキソインドリニル、2-オキソ-2,3-ジヒドロ-1H-ピロロ[2,3-b]ピリジニル、ベンゾ[c][1,2,5]オキサジアゾリル、ベンゾ[c][1,2,5]チアジアゾリル、3,4-ジヒドロ-2H-ベンゾ[b][1,4]オキサジニル、5,6,7,8-テトラヒドロ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピラジニル、および3-オキソ-[1,2,4]トリアゾロ[4,3-a]ピリジニルからなる群より選択される。
【0054】
これらの態様の範囲内で、Q、X、J、R1、R2、およびR3の任意の1つにおける特定の好ましい置換基の選択は、Q、X、J、R1、R2、およびR3の任意の他における置換基の選択に影響をおよぼすことはない。すなわち、本明細書において提供する好ましい化合物は任意の位置に任意の好ましい置換基を有する。
【0055】
本発明の一つの態様において、化合物は下記からなる群より選択される:

【0056】
本発明の一つの態様は、本明細書に記載の式Iの任意の化合物の薬学的に許容される塩、または塩以外の型に関する。
【0057】
本発明の化合物の1つの鏡像異性体、ラセミ混合物を含む鏡像異性体の任意の混合物、またはジアステレオマー(分離されたものおよび任意の混合物の両方)も、本発明の範囲内に含まれる。
【0058】
本発明の範囲は、本発明の化合物の活性代謝物も含む。
【0059】
本発明は、原子、例えば、CまたはHの1つまたは複数がその原子の対応する放射性同位体(例えば、Cが14Cで、Hが3Hで)、またはその原子の安定同位体(例えば、Cが13Cで、Hが2Hで)で置き換えられた、式Iの化合物も含む。水素、炭素、リン、フッ素、ヨウ素および塩素の放射性同位体には、それぞれ3H、14C、35S、18F、32P、33P、125I、および36Clが含まれる。これらの放射性同位体および/または他の原子の他の放射性同位体を含む化合物は、本発明の範囲内である。本明細書に記載の放射性標識した化合物およびそのプロドラッグは一般に、当業者には周知の方法によって調製することができる。都合のいいことに、そのような放射性標識した化合物は、非放射性標識試薬の代わりに容易に入手可能な放射性標識試薬を用いて、実施例およびスキームに開示する手順を実施することにより調製することができる。そのような化合物は、様々な使用の可能性、例えば、可能性のある薬剤の神経伝達物質タンパク質に結合する能力を評価する際の標準および試薬としての使用の可能性を有する。加えて、安定同位体の場合、そのような化合物は、式Iの化合物の生物学的特性、例えば、薬理学的および/または薬物動態学的特性を好ましく改変する可能性を有することもある。放射性同位体を化合物に組み込むのに適した部位の選択に関する詳細は、当業者には公知である。
【0060】
本明細書に記載の本発明の化合物は、5-HT3受容体調節物質として有用である。特許請求の範囲から現在のところ除外されていない化合物が、本出願における発明者らに対し特許性がないことが、試験によって判明することもある。その場合、出願人らの特許請求の範囲における種および属の除外は、特許遂行の人為産物と考えられるべきで、発明者らの発明の概念または説明を反映するものではない。本発明は、化合物の局面において、公に占有されているものを除く、式Iのすべての化合物である。
【0061】
式Iの化合物をそのままの化学物質(raw chemical)として投与することも可能でありうるが、薬学的組成物の一部として提供するのが好ましいことが多いであろう。したがって、本発明の別の局面は、式Iの化合物、またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物の治療的有効量、および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物である。担体は、製剤の他の成分と適合性であるという意味で「許容され」なければならず、その受容者に対して有害であってはならない。さらに、独立の請求項において化合物またはその薬学的に許容される塩に言及する場合、そのような化合物に言及するその独立の請求項に従属する請求項は、塩について明確な言及がなされていなくても、化合物の薬学的に許容される塩も含むことが理解されよう。
【0062】
本発明の一つの態様において、薬学的組成物は1つまたは複数の他の治療成分、例えば、当業者には公知のIBS、CINVまたはPONVの治療において有効な他の化合物をさらに含む。そのような他の治療薬を以下に記載する。
【0063】
本発明の別の態様は、5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態の治療方法に関する。この方法は、5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態を有する患者を選択する段階、および患者に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与する段階を含む。
【0064】
本発明の5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態には、一般的不安障害、社会恐怖、眩暈、強迫性障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、神経性大食症、退薬の影響、アルコール依存症、疼痛(内臓痛を含む)、睡眠関連中枢性無呼吸、慢性疲労症候群、パーキンソン病精神病、統合失調症、統合失調症における認知の低下および欠損、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、初老期痴呆、アルツハイマー病、精神障害、肥満、物質乱用障害、神経変性疾患に関連する痴呆、認知欠損、線維筋痛症候群(米国特許出願広報第2004/0204467号を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、酒さ(PCT国際公開公報第2007/138233号を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、セロトニンによって仲介される心血管障害、化学療法による悪心・嘔吐(CINV)、術後悪心・嘔吐(PONV)、放射線による悪心・嘔吐(RINV)、過敏性腸症候群(IBS)および胃食道逆流性疾患(GERD)を含む胃腸障害(例えば食道、胃、大腸および小腸の)(欧州特許第0430190号、米国特許第6,967,207号、および米国特許第5,352,685号を参照されたく、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、気管支喘息、そう痒、片頭痛(Costall et al., Current Drug Targets - CNS & Neurological Disorders, 3:27-37 (2004)およびIsraili, Current Med. Chem. - CNS Agents, 1:171-199 (2001)を参照されたく、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、ならびにてんかん(PCT国際公開公報第2007/010275を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0065】
前述のとおり、本発明の化合物は5-HT3調節物質として有用である。5-HT3受容体調節物質は、5-HT3受容体を阻害(例えば、アンタゴニスト)または部分的に活性化(例えば、部分アゴニスト)することができる薬剤である。部分アゴニストである5-HT3受容体調節物質は5-HT3受容体に結合することができるが、完全受容体アゴニストに比べて部分的な有効性しかない。部分アゴニストである調節物質は、セロトニン(内因性5-HT3アゴニスト)のレベルに応じてアゴニスト作用およびアンタゴニスト作用の両方を示すリガンドと考えてもよい。例えば、完全アゴニスト(例えば、セロトニン)および部分アゴニストの両方が存在する場合、部分アゴニストは競合的アンタゴニストとして作用し、受容体占有について完全アゴニストと競合し、完全アゴニスト単独で観察される受容体活性化における正味の低減を生じる(Williams et al., Principles and Practice of Pharmacology for Anaesthetists, 4th Ed., Calvey et al., eds., Blackwell Science Asia Pty Ltd., Carlton South, Vic (2001)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。臨床的には、内因性リガンドの量が不十分である場合には、部分アゴニストは受容体を活性化して所望の最大下の反応を得ることができ、または内因性リガンドの量が過剰にある場合には、これらは受容体の過剰刺激を低減することができる(Zhu, Biomed. Pharmacother. 59(3):76-89 (2005)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。
【0066】
したがって、本発明の一つの態様において、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は5-HT3受容体アンタゴニストである。
【0067】
本発明の別の態様において、請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩は5-HT3受容体部分アゴニストであり、これは患者において5-HT3受容体の活性化における正味の増大または正味の低減を引き起こしうる。
【0068】
本発明の別の態様において、前述の方法は1つまたは複数の統合失調症またはパーキンソン病の補助剤の治療的有効量を投与する段階をさらに含む。精神病の適当な補助剤には、バルプロエートおよびレボメプロマジンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。パーキンソン病の適当な補助剤には、レボドパの補助剤としての経皮ロチゴチン、ロチゴチンおよび/またはラサギリン、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト(ブロモクリプチン、プラミペキソール、またはロピニロール)、COMT阻害剤(エンタカポンまたはトルカポン)、MAO-B阻害剤(ラサギリンまたはセレギリン)、アマンタジン、抗コリン作用薬(ベンズトロピンまたはトリヘキシフェニジル)、およびサルフィナミド(salfinamide)が含まれるが、それらに限定されるわけではない。組成物はアルプラゾラム、ハロペリドール、クロルプロマジン、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、ジプラシドン、クエチアピン、クロザピン、炭酸リチウム、ジアゼパム、カルバマゼピン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(ZOLOFT(登録商標)またはCELEXA(登録商標))またはPAMELOR(登録商標)などの三環系抗うつ剤をさらに含んでいてもよい。
【0069】
本発明のさらなる局面は、過敏性腸症候群(IBS)の治療方法に関する。この方法は、IBSを有する患者を選択する段階、および患者に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与する段階を含む。
【0070】
本発明の別の態様において、前述の方法は他のセロトニン5-HT3受容体調節物質および/またはセロトニン5-HT4受容体調節物質の治療的有効量を投与する段階をさらに含み、これらの調節物質のいくつかを以下に示す。適当な他のセロトニン5-HT3受容体調節物質および/またはセロトニン5-HT4受容体調節物質には、アロセトロン(LOTRONEX(登録商標))、レンザプリド、シランセトロン、テガセロッド(ZELNORM(登録商標))、プルカロプリド、オンダンセトロン;オクトレオチドなどのソマトスタチン類縁体;ダリフェナシンおよびザミフェナシンなどのムスカリン受容体アンタゴニスト;メチルセルロース(CITRUCEL(登録商標))、オオバコ(METAMUCIL(登録商標)、FIBERALL(登録商標)、REGULOID(登録商標)、KONSYL(登録商標))、麦芽汁エキス、ポリアクリル樹脂(例えば、ポリカルボフィルおよびポリカルボフィルカルシウムなどの親水性型)、シャゼンシ、スルホコハク酸ジオクチルカルシウム、スルホコハク酸ジオクチルカリウム、スルホコハク酸ジオクチルナトリウム、鉱油、クエン酸マグネシウム、水酸化マグネシウム、硫酸マグネシウム、リン酸水素ナトリウム、リン酸二水素ナトリウム、リン酸ナトリウム、グリセリン、アントラキノンまたはアントラセン緩下剤(アロエ、カスカラサグラダ、ダントロン、センナ、アロイン、カサンスラノール、フラングラ皮、およびダイオウなどの)、ジフェニルメタン(ビサコジルおよびフェノールフタレイン)、およびヒマシ油などの緩下剤;抗コリン作用薬塩酸ジサイクロミン(BENTYL(登録商標))、硫酸ヒヨスチアミン(LEVSIN(登録商標))などの鎮痙剤;イミプラミン(TOFRANIL(登録商標))、アミトリプチリン(ELAVIL(登録商標))などの抗うつ剤;塩酸ジフェノキシレート+硫酸アトロピン(LOMOTIL(登録商標))、ロペラミド(IMODIUM(登録商標))、天然または合成アヘン剤(ジフェノキシン、ジフェノキシレート、パルゴリック、アヘンチンキ、およびロペラミドなどの)、抗コリン作用薬(ベラドンナアルカロイド-アトロピンヒヨスチアミン、およびヒヨシンなどの)、アセチルタンニン酸、タンニン酸アルブミン、アルコファノン(alkofanone)、サリチル酸アルミニウム、カテキン、リダミジン、メビキン、トリリウム、およびウザリンなどの下痢止め剤;消化管運動改善薬、フェドトジンなどの末梢アヘン麻酔剤アンタゴニスト、トリメブチンなどが含まれるが、それらに限定されるわけではない。適当な消化管運動改善薬には、シサプリド1水和物(PROPULSID(登録商標))、メトクロプロミド、ドンペリドンなどが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0071】
本発明の別の局面は、嘔吐の治療方法に関する。この方法は、嘔吐を伴う患者を選択する段階、および患者に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与する段階を含む。
【0072】
本発明の別の態様において、前述の方法は1つまたは複数の他の抗嘔吐化合物の治療的有効量を投与する段階をさらに含む。適当な抗嘔吐化合物には、アロセトロン、アルプラゾラム、アプレピタント、デキサメタゾン、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドラセトロン、テトラヒドロカンナビノール、ナビロン、ドロナビノール、ドロペリドール、グラニセトロン、ハロペリドール、ロラゼパム、メトクロプラミド、ミダゾラム、オランザピン、オンダンセトロン、パロノセトロン、プロクロルペラジン、プロメタジン、およびトロピセトロンが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0073】
本発明のさらに別の局面は、CNS疾患または状態の治療方法に関する。この方法は、CNS疾患または状態を有する患者を選択する段階、および患者に式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を投与する段階を含む。適当なCNS疾患または状態には、統合失調症およびパーキンソン病が含まれるが、それらに限定されるわけではない。5-HT3調節物質の有益な効果がパーキンソン病(Zoldan J et al., Advances in Neurology, 69:541-544 (1996)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)および統合失調症(Zhang-Jin et al., Schizophrenia Research, 88: 102-110 (2006);Alder et al., Am. J. Psychiatry, 162:386-388 (2005)、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)の臨床試験で報告されている。IBS患者のアロセトロン治療により、ヒトにおける脳の反応が変えられている(Mayer et al., Aliment Pharmacol. Ther., 16:1357-1366 (2002)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。5-HT3調節物質は別の薬物療法の補助剤として、またはそれと併用して用いてもよい。
【0074】
はっきりさせるために別の態様の文脈において記載する、本発明の特定の特徴は、単一の態様において組み合わせで提供しうることが理解される。反対に、簡略のために単一の態様の文脈において記載する、本発明の様々な特徴は、別々に、または任意の適当な副次的組み合わせにおいて提供してもよい。
【0075】
本発明の別の局面は、式Iaの化合物:

の調製方法に関する。この方法は、MがHまたは対イオンである式IIの第一の中間体化合物:

を、生成物化合物を生成するのに有効なアミド結合形成条件下で処理する段階を含む。Q、R1、R2、およびR3は前述の定義のとおりである。
【0076】
本発明のさらなる局面は、式Ibの化合物:

の調製方法に関する。この方法は、MがHまたは対イオンである式IIIの第一の中間体化合物:

を、生成物化合物を生成するのに有効なアミド結合形成条件下で処理する段階を含む。Q、R1、およびR2は前述の定義のとおりである。
【0077】
適当な対イオンには、Li+およびNa+が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0078】
本発明の合成法は、有機合成の当業者には公知の標準のアミド結合形成条件を含む。これは典型的にはカルボキシル成分の活性化と、続くアミンの反応を含む。適当な活性化原子団には、Montalbetti et al., Tetrahedron, 61:10827 (2005)によって記載され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、ハロゲン化アシル、アジ化アシル、アシルイミダゾール、無水物、およびエステルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。好ましい活性化試薬には、塩化チオニル(SOCl2)、塩化オキサリル(COCl)2、オキシ塩化リン(POCl3)、カルボニルジイミダゾール(CDI)、ジシクロヘキシルカルボジイミド(DCC)、1-エチル-3-(3-ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド)(EDCI)、1-ヒドロキシベンゾトリアゾール(HOBt)、ヘキサフルオロリン酸O-(1H-ベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム(HBTU)、ヘキサフルオロリン酸O-(7-アザベンゾトリアゾル-1-イル)-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウム(HATU)、および1-プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)が含まれる。
【0079】
本発明の有用な化合物は、本明細書のために用いる、または文献に記載されている方法、例えば、Larock, Comprehensive Organic Transformations, Wiley-VCH publishers, New York (1989)に記載され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる、方法を意味する、公知の方法の応用または適合によって調製してもよい。
【0080】
1つまたは複数の窒素環原子を含む基を含む式Iの化合物を、好ましくは過酸、例えば、酢酸中の過酢酸またはジクロロメタンなどの不活性溶媒中のm-クロロ過安息香酸と、ほぼ室温から還流までの温度、好ましくは高温で反応させることにより、基の1つまたは複数の窒素環原子がN-オキシドに酸化されている、対応する化合物に変換してもよい。
【0081】
本明細書において後述する反応において、最終生成物において望まれる反応性官能基、例えば、ヒドロキシ、アミノ、イミノ、チオ、またはカルボキシ基を保護して、それらの反応における望まれない関与を避けることが必要となることもある。通常の保護基を、前述の標準的慣例に従って用いてもよい。
【0082】
本発明の式Iの新規5-HT3調節物質を、例えば、以下に記載する一般反応スキームにおいて例示する方法により、またはその改変により、容易に入手可能な出発原料、試薬、および通常の合成手順を用いて調製することができる。これらの反応において、当技術分野において公知であるが、本明細書では言及しない変形を用いることも可能である。本明細書に示す合成は、特定の立体化学を有する鏡像異性体を調製する結果となることもあるが、本発明の範囲内に含まれるのは任意の立体異性型の式Iの化合物であり、本明細書に示すもの以外の立体異性型の式Iの化合物の調製は、本明細書において提供する手順に基づき、化学分野の当業者には明白であろう。
【0083】
式Iaの化合物(A4三環式核)を構築するための一般手順

R1、R2、およびR3は式Iと一致している。
QNH2=アミン
条件:A)QNH2、CH2O、HOAc;B)水酸化物塩基;C)HBTU、DMF;D)HCl、MeOHまたはCH2Cl2
【0084】
R1=OHおよびOCH3である化合物A1を、Krutosikova et al., Collect. Czech. Chem. Commun., 57:1487 (1992)によって報告され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる方法により得ることができる。R1=OHからR1=ClへのA1の変換は、Bay et. al., J. Org. Chem., 55:3415 (1990)において報告され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる方法により達成することができる。R1=OHからR1=BrへのA1の変換は、Riche et. al., Justus Liebigs Ann. Chem., 121: 359 (1862)によって報告され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる方法により達成することができる。R1=OHからR1=FへのA1の変換は、Ashton et. al., J. Fluorine. Chem., 27:263 (1985)によって報告され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる方法により達成することができる。R1=OHからR1=OTf(フェノールトリフレートエステル)へのA1の変換は容易に達成することができる(McCort et al., Tetrahedron Lett., 40:6211 (1999)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。この材料、またはR1=ブロモ、ヨードもしくはクロロであるものを、遷移金属触媒クロスカップリング反応(例えば、鈴木、スティル、薗頭)のカップリング試薬として用いて、R1=アルキル、アリール、およびヘテロアリールである化合物A1を提供することができる。
【0085】
インドール核のマンニッヒカップリングのための一般手順(GP-A):氷酢酸中のインドールA1(1当量)、ならびに適当なアミン(1.1当量)および37%ホルムアルデヒド水溶液(1.1当量)の混合物を室温で18時間撹拌した。混合物を氷水に加え、1N水酸化ナトリウムでアルカリ性にした。得られた沈殿をろ過し、母液をジクロロメタンで抽出した。合わせた有機物を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮して、所望の生成物インドール3-アミノメチル付加物を得た。続いて、生成物をそれ以上精製せずに用いた。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって確認した。
【0086】
メチルエステルの加水分解(カルボン酸リチウム塩)のための一般手順(GP-B):テトラヒドロフラン/水(1:1)中のメチルエステルA2および水酸化リチウム1水和物(3当量)の混合物を還流温度でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製リチウム塩A3を高減圧下で乾燥し、続いてそれ以上精製せずに用いた。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって確認した。
【0087】
環化のための一般手順(GP-C):DMF中のカルボン酸リチウム塩A3(1当量)およびヘキサフルオロリン酸2-(1H-ベンゾトリアゾール-1-イル)-1,1,3,3-テトラメチルウロニウム(HBTU)(1.5当量)の混合物を50℃でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)により精製して、所望のカルボキサミドA4を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0088】
HCl塩への変換のための一般手順(GP-D):ジクロロメタン中のカルボキサミドA4(1当量)の氷冷溶液に、メタノール中の塩化水素(1〜3当量)を加えた。混合物を減圧下で濃縮した。固体を水およびアセトニトリルから凍結乾燥して、所望のA4塩酸塩を得た。生成物を質量分析および1H NMRによって検証した。
【0089】
式Ibの化合物(B5三環式核)を構築するための一般手順

R1およびR2は式Iと一致している。
QNH2=アミン
条件:E1)Cs2CO3、R2X、DMSO;E2)ArB(OH)2、Cu(OAc)2、Et3N、CH2Cl2;F)NH2Q、NaBH(OAc)3、CH2Cl2中1%HOAc;G)水酸化物塩基;H)HBTU、DMF;I)HCl、MeOHまたはCH2Cl2
【0090】
R1=Brである化合物B1(6-ブロモ-3-ホルミル-4-インダゾールカルボン酸メチルエステル)はSINOVA, BETHESDA, MD(カタログ番号SL-00263)から市販されている。R1=Clである化合物B1(6-クロロ-3-ホルミル-4-インダゾールカルボン酸メチルエステル)もSINOVA, BETHESDA, MD(カタログ番号SL-01561)から市販されている。R1=Fである化合物B1(6-フルオロ-3-ホルミル-4-インダゾールカルボン酸メチルエステル)もSINOVA, BETHESDA, MD(カタログ番号SL-01547)から市販されている。
【0091】
インダゾール3-カルボキシアルデヒド核のアルキル化のための一般手順(GP-E1):ジメチルスルホキシド中のインダゾールB1(1当量)、ならびに適当なハロゲン化アルキル(2当量)および炭酸セシウム(4当量)の混合物を室温でLC-MSにより反応が完了するまで(8から10時間)撹拌した。混合物を水で希釈し、酢酸エチルで抽出した。合わせた有機物を水および食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ヘキサンならびに酢酸エチルまたはジクロロメタンおよびメタノール)により精製して、所望のアルキル化インダゾール3-カルボキシアルデヒドB2を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0092】
インダゾール3-カルボキシアルデヒド核のアリール化のための一般手順(GP-E2):ジクロロメタン中のインダゾールB1(1当量)、ならびに適当なアリールまたはヘテロアリールボロン酸(2当量)、酢酸銅(II)(1.5当量)、およびトリエチルアミン(2当量)の混合物を室温でLC-MSにより反応が完了するまで(16時間)撹拌した。混合物をシリカゲルに直接吸着させ、クロマトグラフィにかけた。粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ヘキサンおよび酢酸エチル)により精製して、所望のアリール化インダゾール3-カルボキシアルデヒドB2を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0093】
インダゾール3-カルボキシアルデヒド核の還元的アミノ化のための一般手順(GP-F):インダゾール3-カルボキシアルデヒドB2(1当量)および適当なアミン(1.2から1.5当量)の混合物を1%氷酢酸およびジクロロメタン中、室温で4から16時間撹拌した。これにナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3から4当量)を加え、混合物をさらに2から16時間撹拌した。混合物をシリカゲルに直接吸着させ、クロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)にかけて、所望のインダゾール3-アミノメチル付加物B3を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0094】
メチルエステルの加水分解(カルボン酸リチウム塩)のための一般手順(GP-G):テトラヒドロフラン/水(1:1)中のメチルエステルB3および水酸化リチウム1水和物(3当量)の混合物を還流温度でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製リチウム塩B4を高減圧下で乾燥し、続いてそれ以上精製せずに用いた。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって確認した。
【0095】
環化のための一般手順(GP-H):DMF中のカルボン酸リチウム塩B4(1当量)およびHBTU(1.5当量)の混合物を室温でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)およびカチオン交換SCX樹脂を用いての固相抽出(典型的溶離剤メタノールおよびメタノール中7Nアンモニア溶液)のいずれか、または両方により精製して、所望のカルボキサミドB5を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0096】
HCl塩への変換のための一般手順(GP-I):ジクロロメタン中のカルボキサミドB5(1当量)の氷冷溶液に、メタノール中の塩化水素(1〜4当量)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を熱無水エタノールから再結晶した。固体を水およびアセトニトリルから凍結乾燥して、所望のB5塩酸塩を得た。生成物を質量分析および1H NMRによって検証した。
【0097】
式Ibの化合物(C4三環式核)を構築するための一般手順

R1およびR2は式Iと一致している。
QNH2=アミン
条件:J)i. PPh3PCH2OCH3Cl、KHMDS、THF;ii. 4N HCl;K)CH2Cl2中NH2Q、NaBH(OAc)3、1%HOAc;L)水酸化物塩基;M)HBTU、DMF;N)HCl、MeOHまたはCH2Cl2
【0098】
インダゾール3-カルボキシアルデヒド核のアルデヒド同族体化のための一般手順(GP-J):テトラヒドロフラン中の塩化(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム(3当量)の-40℃に冷却した懸濁液に、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドの溶液(トルエン中0.5M、3当量)を注意深く加えた。得られた暗赤橙色混合物を-40℃で30分間撹拌し、次いで0℃まで加温した。これにテトラヒドロフラン中のB2(1当量)の溶液を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランおよびメタノールの1:1混合物と、続いて4N塩酸(4当量)を加え、二相混合物を60℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ヘキサンおよび酢酸エチルまたはジクロロメタンおよびメタノール)により精製して、所望の同族体化インダゾール3-カルボキシアルデヒドメチル付加物C1を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0099】
インダゾール3-カルボキシアルデヒド核の還元的アミノ化のための一般手順(GP-K):1%氷酢酸/ジクロロメタン中のインダゾール3-カルボキシアルデヒドC1(1当量)および適当なアミン(1.2から1.5当量)の混合物を、室温で4から16時間撹拌した。これにナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3から4当量)を加え、混合物をさらに2から16時間撹拌した。混合物をシリカゲルに直接吸着させ、クロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)にかけ、次いでカチオン交換SCX樹脂を用いての固相抽出(典型的溶離剤メタノールおよびメタノール中7Nアンモニア溶液)にかけて、所望のインダゾール3-アミノエチル付加物C2を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0100】
メチルエステルの加水分解(カルボン酸リチウム塩)のための一般手順(GP-L):テトラヒドロフラン/水(1:1)中のメチルエステルC2および水酸化リチウム1水和物(3当量)の混合物を還流温度でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製リチウム塩C3を高減圧下で乾燥し、続いてそれ以上精製せずに用いた。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって確認した。
【0101】
環化のための一般手順(GP-M):DMF中のカルボン酸リチウム塩C3(1当量)およびHBTU(1.5当量)の混合物を室温でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)およびカチオン交換SCX樹脂を用いての固相抽出(典型的溶離剤メタノールおよびメタノール中7Nアンモニア溶液)のいずれか、または両方により精製して、所望のカルボキサミドC4を得た。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって検証した。
【0102】
HCl塩への変換のための一般手順(GP-N):ジクロロメタン中のカルボキサミドC4(1当量)の氷冷溶液に、メタノール中の塩化水素(1〜4当量)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、残渣を熱無水エタノールから再結晶した。固体を水およびアセトニトリルから凍結乾燥して、所望のC4塩酸塩を得た。生成物を質量分析および1H NMRによって検証した。
【0103】
式Iaの化合物(D5三環式核)を構築するための一般手順

R1、R2、およびR3は式Iと一致している。
QNH2=アミン
条件:O)POCl3、DMF;P)i. PPh3PCH2OCH3Cl、KHMDS、THF;ii. ジオキサン中4N HCl;Q)CH2Cl2中NH2Q、NaBH(OAc)3、1%HOAc;R)水酸化物塩基;S)HBTU、DMF;T)HCl、MeOHまたはCH2Cl2
【0104】
インドール核のビルスマイヤーホルミル化のための一般手順(GP-O):オキシ塩化リン(1.2当量)を氷冷DMFにゆっくり加え、得られた混合物を0℃で30分間撹拌した。これにDMF中のインドールA1(1当量)の溶液を加え、混合物を6時間撹拌し続けた。反応混合物を氷/水混合物に加え、1N NaOHの添加によりpHを7に調節した。化合物を酢酸エチル(4×)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ヘキサンおよび酢酸エチル)により精製して、所望のインドール3-カルボキシアルデヒドD1を得た。生成物の構造は1H NMRおよび質量分析によって確認した。
【0105】
インドール3-カルボキシアルデヒド核のアルデヒド同族体化のための一般手順(GP-P):テトラヒドロフラン中の塩化(メトキシメチル)トリフェニルホスホニウム(3当量)の-40℃に冷却した懸濁液に、KHMDSの溶液(トルエン中0.5M、3当量)を注意深く加えた。得られた暗赤橙色混合物を-40℃で30分間撹拌し、次いで0℃まで加温した。これにテトラヒドロフラン中のD1(1当量)の溶液を加え、混合物を室温で16時間撹拌した。テトラヒドロフランおよびメタノールの1:1混合物と、続いて4N塩酸(4当量)を加え、二相混合物を60℃で4時間加熱した。混合物を室温まで冷却し、酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、および食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ヘキサンおよび酢酸エチルまたはジクロロメタンおよびメタノール)により精製して、所望の同族体化インドール3-カルボキシアルデヒドメチル付加物D2を得た。生成物の構造は1H NMRおよび質量分析によって検証した。
【0106】
インドール3-カルボキシアルデヒド核の還元的アミノ化のための一般手順(GP-Q):1%氷酢酸およびジクロロメタン中のインドール3-カルボキシアルデヒドD2(1当量)および適当なアミン(1.2から1.5当量)の混合物を、室温で4から16時間撹拌した。これにナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(3から4当量)を加え、混合物をさらに2から16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)により精製して、所望のインドール3-アミノエチル付加物D3を得た。生成物の構造は1H NMRおよび質量分析によって検証した。
【0107】
メチルエステルの加水分解(カルボン酸リチウム塩)のための一般手順(GP-R):テトラヒドロフラン/水(1:1)中のメチルエステルD3および水酸化リチウム1水和物(3当量)の混合物を還流温度でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製リチウム塩D4を高減圧下で乾燥し、続いてそれ以上精製せずに用いた。生成物の構造は1H NMRまたは質量分析によって確認した。
【0108】
環化のための一般手順(GP-S):DMF中のカルボン酸リチウム塩D4(1当量)およびHBTU(3当量)の混合物を室温でLC-MSにより反応が完了するまで撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料をシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)およびカチオン交換SCX樹脂を用いての固相抽出(典型的溶離剤メタノールおよびメタノール中7Nアンモニア溶液)のいずれか、または両方により精製して、所望のカルボキサミドD5を得た。生成物の構造は1H NMRおよび質量分析によって検証した。
【0109】
HCl塩への変換のための一般手順(GP-T):ジクロロメタン中のカルボキサミドD5(1当量)の氷冷溶液に、メタノール中の塩化水素(1〜4当量)を加えた。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をジエチルエーテルから再結晶した。固体を水およびアセトニトリルから凍結乾燥して、所望のD5塩酸塩を得た。生成物を1H NMRおよび質量分析によって検証した。
【0110】
D5三環式核の脱ベンジル化のための一般手順(GP-U)

R1およびR3は式Iと一致している。
QNH2=アミン
条件:KOtBu(THF中1.0M溶液)、O2、DMSO、室温
【0111】
酸素ガスをDMF中のカルボキサミドD5(1当量)およびカリウムtert-ブトキシド(THF中1.0M溶液、5当量)に室温で通気した。次いで、窒素ガスを混合物中に通気し、ジオキサン中の4N HClで反応停止した(pH5)。反応混合物をジエチルエーテルで希釈してオフホワイトの固体を得、これをシリカゲルクロマトグラフィ(典型的溶離剤ジクロロメタンおよびジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム)により精製して、所望のカルボキサミドD6を得た。生成物の構造は1H NMRおよび質量分析によって検証した。
【0112】
本発明は、特に、化合物の治療的有効量および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を含む、本明細書に記載の化合物を含む組成物を提供する。
【0113】
一緒に、本発明の新規併用療法を実施するために有効に用いうる、複数の活性成分(担体と共に、または担体なしで)を有するキットを提供することは、本発明のさらなる目的である。
【0114】
本発明に従って用いる複数の活性成分を含むため、有益な併用療法において用いるために、それ自体およびそれだけで有効な新規薬学的組成物を提供することは、本発明の別の目的である。
【0115】
本発明は、疾患を治療する際に有用な1つまたは複数の活性成分を組み合わせるキットまたは単一包装も提供する。キットは(単独または薬学的に許容される希釈剤もしくは担体との組み合わせで)、前述のとおり、式Iの化合物および追加の活性成分(単独または希釈剤もしくは担体との組み合わせで)を提供してもよい。
【0116】
本発明の生成物は、ほとんどの適当な経路による投与を可能にする剤形で提供してもよく、本発明は、ヒトまたは獣医学において用いるのに適した本発明の少なくとも1つの生成物を含む薬学的組成物にも関する。これらの組成物は、1つまたは複数の薬学的に許容される補助剤または賦形剤を用い、慣習的方法に従って調製してもよい。補助剤は、特に、希釈剤、無菌水性媒質、および様々な非毒性有機溶媒を含む。組成物は、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、水性液剤もしくは懸濁剤、注射液剤、エリキシル剤またはシロップ剤の形で提供してもよく、薬学的に許容される製剤を得るために、甘味料、着香料、着色剤、または安定化剤からなる群より選択される1つまたは複数の物質を含むこともできる。
【0117】
式Iの化合物の製剤には、経口、非経口(皮下、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、および関節内を含む)、直腸、結腸、および局所(皮膚、口腔内、鼻内、舌下、および眼内を含む)投与に適したものが含まれる。最も適当な経路は受容者の状態および障害に依存することもある。製剤は単位剤形で都合よく提供してもよく、薬学の技術分野において周知の任意の方法によって調製してもよい。そのような方法は、式Iの化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物(「活性成分」)を、1つまたは複数の補助成分を構成する担体と混合する段階を含む。一般に、製剤は活性成分を液体担体もしくは微粒子状固体担体または両方と均質かつ密接に混合し、次いで、必要があれば、生成物を所望の製剤に成形することにより調製する。
【0118】
経口投与に適した製剤は、それぞれあらかじめ決められた量の活性成分を含むカプセル剤、カシェ剤、もしくは錠剤などの分離した単位として;散剤もしくは顆粒剤として;水性液体もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤として;または水中油液体乳剤もしくは油中水液体乳剤として提供してもよい。活性成分はボーラス、舐剤、またはペーストとして提供してもよい。
【0119】
錠剤は、任意に1つまたは複数の補助成分と共に、圧縮または成形により作製してもよい。圧縮錠は、適当な機械で、任意に結合剤、滑沢剤(lubricant)、不活性希釈剤、滑沢(lubricating)剤、界面活性剤、または分散剤と混合した、粉末または顆粒などの流動型の活性成分を圧縮することにより調製してもよい。成形錠は、適当な機械で、不活性液体希釈剤で湿らせた粉末化合物の混合物を成形することにより作製してもよい。錠剤は任意にコーティングしても、または刻み目を入れてもよく、その中の活性成分の持続、遅延、または制御放出を提供するために製剤してもよい。薬学的組成物は「薬学的に許容される不活性担体」を含んでいてもよく、この表現は、デンプン、ポリオール、造粒剤、微結晶セルロース、希釈剤、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などを含む、1つまたは複数の不活性賦形剤を含むことが意図される。望まれる場合には、開示した組成物の錠剤を標準の水性または非水性技術によってコーティングしてもよく、「薬学的に許容される担体」は制御放出手段も含む。
【0120】
薬学的組成物は任意に他の治療成分、抗固化剤、保存剤、甘味料、着色剤、着香料、乾燥剤、可塑剤、色素などを含んでいてもよい。いかなるそのような任意の成分も、製剤の安定性を保証するために、式Iの化合物と適合性でなければならない。組成物は必要に応じて、例えば、ラクトース、グルコース、フルクトース、ガラクトース、トレハロース、スクロース、マルトース、ラフィノース、マルチトール、メレチトース、スタキオース、ラクチトール、パラチナイト、デンプン、キシリトール、マンニトール、ミオイノシトールなど、およびその水和物、ならびにアミノ酸、例えば、アラニン、グリシンおよびベタイン、ならびにペプチドおよびタンパク質、例えば、卵白を含む、他の添加物を含んでいてもよい。
【0121】
薬学的に許容される担体および薬学的に許容される不活性担体ならびに前述の追加の成分として用いるための賦形剤の例には、結合剤、充填剤、崩壊剤、滑沢剤、抗菌剤、およびコーティング剤が含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0122】
成人のための用量範囲は一般には経口で0.001mgから10g/日である。錠剤または分離した単位で提供される他の剤形は、そのような用量で有効である式Iの化合物の量、またはその複数として、例えば、5mgから500mg、通常は約10mgから200mgを含む単位を都合よく含んでいてもよい。患者に投与する化合物の正確な量は、医師の責任となる。しかし、用いる用量は、患者の年齢および性別、治療中の明確な障害、およびその重症度を含む、いくつかの因子に依存することになる。
【0123】
用量単位(例えば、経口用量単位)は、例えば、本明細書に記載の化合物の0.01から0.1mg、1から30mg、1から40mg、1から100mg、1から300mg、1から500mg、2から500mg、3から100mg、5から20mg、5から100mg(例えば、0.01mg、1mg、2mg、3mg、4mg、5mg、6mg、7mg、8mg、9mg、10mg、11mg、12mg、13mg、14mg、15mg、16mg、17mg、18mg、19mg、20mg、25mg、30mg、35mg、40mg、45mg、50mg、55mg、60mg、65mg、70mg、75mg、80mg、85mg、90mg、95mg、100mg、150mg、200mg、250mg、300mg、350mg、400mg、450mg、500mg)を含みうる。
【0124】
本発明の生成物は、所望の治療効果を得るために、必要な頻度で投与してもよい。高用量または低用量に速やかに反応する患者もあり、はるかに低い維持用量で十分であると判明する患者もある。また、それぞれの特定の患者の生理学的必要性に応じて、1日に1回から4回の用量で長期治療を受ける必要がある患者もある。一般に、活性生成物は1日に1回から4回経口投与してもよい。言うまでもなく、1日に1または2回以下の用量しか処方する必要がない患者もあるであろう。
【0125】
薬学的組成物およびそれらの製剤に関するさらなる情報については、例えば、Remington, The Science and Practice of Pharmacy, 20th Edition (2000)を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。
【0126】
式Iの化合物は、例えば、静脈内注射、筋肉内注射、皮下注射、腹腔内注射、局所、舌下、関節内(関節の中)、皮内、口腔、眼(眼内を含む)、鼻内(カニューレの使用を含む)、または他の経路によって投与することができる。式Iの化合物は、経口、例えば、あらかじめ決められた量の活性成分を含む錠剤もしくはカシェ剤、ゲル剤、ペレット、ペースト、シロップ剤、ボーラス剤、舐剤、スラリー、カプセル剤、散剤、顆粒剤として、水性液体もしくは非水性液体中の液剤もしくは懸濁剤として、水中油液体乳剤もしくは油中水液体乳剤として、ミセル製剤により(例えば、PCT国際公開公報第97/11682号を参照されたく、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、リポソーム製剤により(例えば、欧州特許第736299号ならびにPCT国際公開公報第99/59550号および国際公開公報第97/13500号を参照されたく、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)、PCT国際公開公報第03/094886号に記載され、その全体が参照により本明細書に組み入れられる製剤により、またはいくつかの他の剤形で投与することができる。式Iの化合物は、経皮的に(すなわち、レザバー型もしくはマトリクス型パッチ、顕微針、熱穿孔、皮下注射針、イオン導入、電気穿孔、超音波もしくは他の型の音波導入、ジェット注射、または上記の方法の任意の組み合わせにより(Prausnitz et al., Nature Reviews Drug Discovery 3:115(2004)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる))投与することもできる。
【0127】
式Iの化合物をリポソームに組み込んで半減期を改善することができる。式Iの化合物をポリエチレングリコール(PEG)鎖に結合することもできる。ペグ化の方法およびPEG-結合体を含むさらなる製剤(すなわち、PEG系ヒドロゲル、PEG修飾リポソーム)は、Harris et al., Nature Reviews Drug Discovery, 2:214-221 (2003)およびその中の引用文献において見いだすことができ、これらはその全体が参照により本明細書に組み入れられる。式Iの化合物をナノコクリエート(nanocochleate)またはコクリエート(cochleate)送達媒体により投与することもできる(BioDelivery Sciences International, Raleigh, NC)。式Iの化合物をナノエマルジョン製剤を用いて送達することもできる。
【実施例】
【0128】
特に記載がないかぎり、試薬および溶媒は供給業者から受け取ったままで用いた。プロトン核磁気共鳴(NMR)スペクトルはBruker分光計により300、400、または500MHzで得た。スペクトルはppm(δ)で示し、カップリング定数Jはヘルツで報告している。テトラメチルシラン(TMS)を内部標準として用いた。質量スペクトルはFinnigan LCQ Duo LC-MSイオントラップエレクトロスプレーイオン化(ESI)または質量Varian 1200Lシングル四重極質量分析計(ESI)のいずれかを用いて収集した。高性能液体クロマトグラフ(HPLC)分析は、Luna C18(2)カラム(250×4.6mm、Phenomenex, Torrance, CA)で254nmのUV検出により、標準の溶媒勾配プログラム(方法Aまたは方法B)を用いて行った。
方法A:

A=水および0.025%トリフルオロ酢酸
B=アセトニトリルおよび0.025%トリフルオロ酢酸
方法B:

A=水および0.05%トリフルオロ酢酸
B=アセトニトリルおよび0.05%トリフルオロ酢酸
【0129】
実施例1−1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1a)の調製

条件:A)NaH、CH3I、DMF
段階A:DMF(150mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、9.90g、248mmol)の懸濁液を撹拌しながら、これにDMF(100mL)中のインドール-4-カルボン酸メチル(10.0g、62.1mmol)の溶液を窒素雰囲気下、室温でゆっくり加えた。混合物を30分間撹拌し、次いでヨードメタン(15.4mL、248mmol)を加え、混合物を室温でさらに16時間撹拌し続けた。混合物を塩化アンモニウムの飽和溶液(500mL)で反応停止し、水性混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を水(4×300mL)および食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン中0%から30%酢酸エチル)で精製して、1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1a、10.56g、90%)を油状物で得、これは放置すると結晶化した:

【0130】
実施例2−1-ベンジル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1b)の調製

条件:A)BnBr、NaHまたはCs2CO3、DMF
段階A:DMF(200mL)中、インドール-4-カルボン酸メチル(10.0g、57.14mmol)の溶液に、水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液(5.71g、142.8mmol)を分割して加えた。混合物を窒素雰囲気下で20分間撹拌した。これに臭化ベンジル(8.48mL、74.4mmol)を加え、混合物を16時間撹拌し続けた。混合物を氷/水混合物に加え、ジエチルエーテル(3×500mL)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(3×200mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中5から15%酢酸エチル)で精製して、1-ベンジル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1b、13.89g、92%)を淡黄色油状物で得、これは放置すると結晶化した:

【0131】
実施例3−3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)の調製

条件:A)NaNO2、6N HCl、H2O
R1=Hである化合物B1を、国際公開公報第02044183A2号特許に報告された改変手順を用いて調製した。
段階A:HCl水溶液(6N水溶液56.0mL、0.33mol)を、水(500mL)中の亜硝酸ナトリウム(24.0g、0.34mol)の溶液中の1H-インドール-4-カルボン酸メチル(5.0g、28.5mmol)の撹拌懸濁液に周囲温度で1時間にわたって滴加した。混合物を周囲温度で終夜撹拌し、次いで酢酸エチル(5×300mL)で抽出した。合わせた有機層を水(2×300mL)、食塩水(200mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)した。有機物を減圧下で沈澱が見られるまで濃縮した。ドライアイス浴中で冷却した後、沈澱をろ取し、冷酢酸エチル(50mL)およびへキサン(100mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)して、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1、2.1g、35%)を黄色粉末で得た:

【0132】
実施例4−(S)-5-メチル-2-(キヌクリジン-8-イル)-2,3-ジヒドロピロロ[4,3,2-de]イソキノリン-1(5H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Aに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1)を(S)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-8-イルアミノ)メチル]-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (ESI+) m/z 328 (M+H)。
【0133】
段階B:一般手順GP-Bに従い、(S)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-8-イルアミノ)メチル]-1H-インドール-4-カルボン酸エステルを(S)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-8-イルアミノ)メチル]-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 314 (M+H)。
【0134】
段階C:一般手順GP-Cに従い、(S)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-8-イルアミノ)メチル]-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムを(S)-5-メチル-2-(キヌクリジン-8-イル)-2,3-ジヒドロピロロ[4,3,2-de]イソキノリン-1(5H)-オンに変換し、これをただちに一般手順GP-Dに従って塩酸で処理し、(S)-5-メチル-2-(キヌクリジン-8-イル)-2,3-ジヒドロピロロ[4,3,2-de]イソキノリン-1(5H)-オン、塩酸塩を得た:

【0135】
実施例5−エンド-5-メチル-2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3-ジヒドロピロロ[4,3,2-de]イソキノリン-1(5H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Aに従い、エンド-9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-アミン2塩酸塩および1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1)を1-メチル-3-(エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (ESI+) m/z 356 (M+H)。
【0136】
段階B:一般手順GP-Bに従い、1-メチル-3-(エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを1-メチル-3-(エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 342 (M+H)。
【0137】
段階C:一般手順GP-Cに従い、1-メチル-3-(エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムをエンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3-ジヒドロピロロ[4,3,2-de]イソキノリン-1(5H)-オンに変換し、これをただちに一般手順GP-Dに従って塩酸で処理し、エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3-ジヒドロピロロ[4,3,2-de]イソキノリン-1(5H)-オン、塩酸塩を得た:

【0138】
実施例6−(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)およびヨードメタンを3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0139】
段階B:一般手順GP-Fに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(64mg、32%)に変換した:

【0140】
段階C:一般手順GP-Gに従い、段階Cからの生成物の溶液に、(S)-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 315 (M+H)。
【0141】
段階D:一般手順CP-Hに従い、(S)-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換し、これをただちに一般手順GP-Iに従って塩酸で処理し、(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(40mg、83%)をオフホワイト固体で得た:

【0142】
実施例7−(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B2)および2-ヨードオプロパンを3-ホルミル-1-イソプロピル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0143】
段階B:一般手順GP-Fに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-イソプロピル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (APCI+) m/z 357 (M+H)。
【0144】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(S)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 343 (M+H)。
【0145】
段階D:一般手順GP-Hに従い、(S)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン変換し、アセトニトリル/水からの凍結乾燥後に飛散性粉末として得た(72mg、45%):

【0146】
段階E:一般手順GP-Iに従い、(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換し、オフホワイト固体として得た(57mg、65%):

【0147】
実施例8−(S)-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)および2-ヨードエタンを3-ホルミル-1-エチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0148】
段階B:一般手順GP-Fに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-エチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-エチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (APCI+) m/z 343 (M+H)。
【0149】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(S)-1-エチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-エチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 329 (M+H)。
【0150】
段階D:一般手順GP-Hに従い、(S)-1-エチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換した:MS (APCI+) m/z 311 (M+H)。
【0151】
段階E:一般手順GP-Iに従い、(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0152】
実施例9−(S)-イソブチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)およびブロモ-2-メチルプロパンを3-ホルミル-1-イソブチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0153】
段階B:一般手順GP-Fに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-イソブチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-イソブチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (APCI+) m/z 371 (M+H)。
【0154】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(S)-1-イソブチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-イソブチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 357 (M+H)。
【0155】
段階D:一般手順GP-Hに従い、(S)-1-イソブチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-イソブチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換した:

【0156】
段階E:一般手順GP-Iに従い、(S)-2-イソブチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(S)-2-イソブチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0157】
実施例10−(S)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E2に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)および4-フルオロフェニルボロン酸を3-ホルミル-(4-フルオロフェニル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0158】
段階B:一般手順GP-Fに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジンおよび3-ホルミル-(4-フルオロフェニル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (ESI+) m/z 409 (M+H)。
【0159】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI-) m/z 393 (酸、M-H)。
【0160】
段階D:一般手順GP-Hに従い、(S)-1-(4-フルオロフェニル)-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換した:

【0161】
段階E:一般手順GP-Iに従い、(S)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(S)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0162】
実施例11−(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:THF/DMF(5.5:1、260mL)中の3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)(5.0g、24.5mmol)および水素化ナトリウム(1.2g、29.4mmol)の混合物を0℃まで冷却した。(2-(クロロメトキシ)エチル)トリメチルシラン(5.20mL、29.4mmol)を加え、次いで反応混合物を周囲温度で18時間撹拌した。混合物をNaHCO3の飽和溶液(100mL)で反応停止し、酢酸エチル(3×)で抽出した。合わせた有機層を食塩水(100mL)で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中5%から35%酢酸エチル)で精製して、所望の生成物を位置異性体の混合物として得た:黄色固体としての3-ホルミル-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(2.06g、25%):

および黄色固体としての3-ホルミル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(4.96g、60%):

【0163】
段階B:溶媒としてジオキサンを用い、塩基として水素化ナトリウムを用いた以外は、一般手順GP-Fに従い、3-ホルミル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.77g、85%)に変換した:

【0164】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(S)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.77g)を粗製(S)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した;MS (ESI) m/z 431 (酸、M+H)+
【0165】
段階D:ピリジン(10mL)中の上記段階Cからの粗製(S)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(1.73g、3.98mmol)の混合物に、0℃で塩化チオニル(3.0mL、39.8mmol)を5分かけて滴加した。5分間撹拌を続け、次いで反応混合物を周囲温度に戻し、さらに2時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン中5〜100%ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:9:1))で精製して、部分的に純粋な所望の生成物(9.21g)を得た。この材料をメタノール(40mL)に溶解し、メタノール中7N水酸化アンモニウムで処理し、生成した固体をろ過し、ろ液を減圧下で濃縮して、(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン(1.50g、91%)を黄色固体で得た:

【0166】
段階E:ジオキサン(10mL)中の上記段階Dからの(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン(0.71g、1.73mmol)の溶液を含む密封チューブに6N HCl(20mL)を加えた。反応混合物にアルゴンを流し、密封して115℃で30分間加熱し、周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮した。残渣をシリカゲルに前もって吸着させ、まずカラムクロマトグラフィ(ジクロロメタン/メタノール(9:1)中5から20%ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(6:3:1))と、続いて逆相半調製用HPLC(均一濃度、水中10%アセトニトリル−溶離剤はいずれも改変剤として0.05%トリフルオロ酢酸を含んでいた)により精製した。溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物であるトリフルオロ酢酸塩をメタノール中1.25N HCl溶液に溶解し(4×5mL)、溶媒を除去(×4)して、トリフルオロ酢酸塩を塩酸塩型に交換した。所望の生成物の塩酸塩をエタノール(10mL)から再結晶し、続いてアセトニトリル/水(1:5、6mL)から凍結乾燥して、(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(85.9mg、18%)をアモルファス白色固体で得た:

【0167】
実施例12−(R)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Fに従い、(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (APCI+) m/z 329 (M+H)。
【0168】
段階B:一般手順GP-Gに従い、(R)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 315 (M+H)。
【0169】
段階C:一般手順GP-Hに従い、(R)-1-メチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸塩を(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル]-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換し、これをただちに一般手順GP-Iに従って塩酸で処理し、(R)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩を得た:

【0170】
実施例13−(R)-4-フルオロ-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、6-フルオロ-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを6-フルオロ-3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0171】
段階B:一般手順GP-Fに従い、(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および6-フルオロ-3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-6-フルオロ-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0172】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(R)-6-フルオロ-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-6-フルオロ-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 333 (M+H)。
【0173】
段階D:一般手順GP-Hに従い、(R)-6-フルオロ-1-メチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(R)-4-フルオロ-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換し、調製用HPLCで精製した:

【0174】
段階E:一般手順GP-Iに従い、(R)-4-フルオロ-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(R)-4-フルオロ-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0175】
実施例14−(R)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Fに従い、(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-エチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-1-エチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (APCI+) m/z 343 (M+H)。
【0176】
段階B:一般手順GP-Gに従い、(R)-1-エチル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-1-エチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 329 (M+H)。
【0177】
段階C:一般手順GP-Hに従い、(R)-1-エチル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換した:MS (APCI+) m/z 311 (M+H)。
【0178】
段階D:一般手順GP-Iに従い、(R)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(R)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0179】
実施例15−(R)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Fに従い、(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および3-ホルミル-1-イソプロピル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (APCI+) m/z 357 (M+H)。
【0180】
段階B:一般手順GP-Gに従い、(R)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(R)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI) m/z 343 (M+H)。
【0181】
段階C:一般手順GP-Hに従い、(R)-1-イソプロピル-3-[(キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸塩を(R)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換した:

【0182】
段階D:一般手順GP-Iに従い、(R)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを(R)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0183】
実施例16−(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:ジクロロメタン(60mL)中の(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(916.0mg、4.6mmol)の懸濁液を撹拌しながら、これに水素化ナトリウム(368mg、9.2mmol)を分割して加え、混合物を1時間撹拌した。酢酸(0.15mL)を滴加した。次いで、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)(776mg、3.8mmol)を加え、混合物を室温でさらに2時間撹拌し続けた。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(4.2g、19.6mmol)を一度に加え、撹拌を室温で終夜続けた。溶媒を減圧下で除去し、粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:10:1))で精製して、(R)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを褐色固体で得た(2.15g、定量的収率):

【0184】
段階B:THF(30mL)およびH2O(30mL)中の上記段階Aからの(R)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.8g、5.7mmol)の溶液に、水酸化リチウム1水和物(721mg、17.2mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を減圧下で終夜乾燥し、粗製(R)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 301 (M+H)。
【0185】
段階C:N,N-ジメチルホルムアミド(30mL)中の上記段階Bからの粗製(R)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムの溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(5.7mL、34.4mmol)と、続いて1-プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)(17mL、28.65mmol)を0℃で加え、17時間反応させた。溶液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(70:30:3))、SCX-2カラムおよび調製用TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(70:30:3))で精製して、(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを得た。この材料をメタノールに溶解し、HCl(メタノール中1.25M溶液)で処理した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣を水から凍結乾燥して、(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン(373mg、23%)を淡黄色固体で得た。

【0186】
実施例17−(R)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)および(クロロメチル)ベンゼンを1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (ESI+) m/z 295 (M+H)。
【0187】
段階B:一般手順GP-Fに従い、1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルおよび(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩を(R)-1-ベンジル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0188】
段階C:一般手順GP-Gに従い、1-ベンジル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸エステルを(R)-1-ベンジル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 391 (M+H)。
【0189】
段階D:一般手順CP-Hに従い、(R)-1-ベンジル-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(R)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換し、これをただちに一般手順GP-Iに従って塩酸で処理し、(R)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩をオフホワイト固体で得た:

【0190】
実施例18−(R)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)(3.3g、16.1mmol)、4-フルオロフェニルボロン酸(4.5g、32.3mmol)および酢酸銅(II)(3.99g、21.9mmol)の混合物を窒素雰囲気下で脱気した(3×)。無水ジクロロメタン(240mL)およびトリエチルアミン(4.5mL、13.5mmol)を加えた。混合物を窒素雰囲気下で脱気し(2×)、周囲温度で21時間撹拌した。混合物を減圧下で濃縮し、残渣をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中0〜30%酢酸エチル)で精製して、1-(4-フルオロフェニル)-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(454mg、9%)を褐色固体で得た。

【0191】
段階B:ジクロロメタン(15mL)中の(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(360mg、1.8mmol)の懸濁液を撹拌しながら、これに水素化ナトリウム(144mg、3.6mmol)を分割して加え、混合物を1時間撹拌した。酢酸(0.15mL)を滴加した。次いで、上記段階Aからの1-(4-フルオロフェニル)-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(454mg、1.5mmol)を加え、混合物を室温でさらに4時間撹拌し続けた。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.3g、6.0mmol)を一度に加え、撹拌を室温で終夜続けた。溶媒を減圧下で除去し、粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:10:1))で精製して、(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを淡黄色油状物で得た(492mg、80%):

【0192】
段階C:THF(2.5mL)およびH2O(2.5mL)中の上記段階Bからの(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(492mg、1.2mmol)の溶液に、水酸化リチウム1水和物(152mg、3.6mmol)を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を減圧下で終夜乾燥して、粗製(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた;MS (ESI+) m/s 394 (M+H)。
【0193】
段階D:N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の上記段階Cからの粗製(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムおよびHBTU(688mg、1.8mmol)の混合物を室温で22時間撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。粗製材料をSCX-2カートリッジを通してろ過した。ろ液を濃縮し、カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:10:1))および調製用HPLCで精製して、(R)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンを得た。この材料をメタノールに溶解し、HCl(メタノール中1.25M溶液)で処理した。混合物を減圧下で濃縮した。残渣をアセトニトリル/水から凍結乾燥して、(R)-2-(4-フルオロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(83mg、16%)をオフホワイト固体で得た:

【0194】
実施例19−(R)-2-(4-クロロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:実施例16の段階Cからの(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン(100mg、0.35mmol)、1-クロロ-4-ヨードベンゼン(100mg、0.42mmol)、ヨウ化銅(I)(3.3mg、0.02mmol)、N,N-ジメチルシクロヘキサン-1,2-ジアミン(11μL、0.07mmol)、リン酸三カリウム(144mg、0.74mmol)およびトルエン(1mL)の混合物を密封チューブに入れ、窒素で2分間脱気した。反応混合物を110℃で24時間加熱し、溶液を室温まで冷却した後、溶媒を蒸発させ、残渣を調製用TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:10:1))および調製用HPLCで精製した。次いで、得られた化合物をメタノール中1.25M HClで処理して、(R)-2-(4-クロロフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(2.5mg、2%)を淡黄色固体で得た。

【0195】
実施例20−(R)-2-(4-メトキシフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:実施例16の段階Cからの(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン(150mg、0.47mmol)、1-ブロモ-4-メトキシベンゼン(80μL、0.64mmol)、ヨウ化銅(I)(61mg、0.32mmol)、L-プロリン(59mg、0.51mmol)、リン酸三カリウム(225mg、1.06mmol)、N,N'-ジメチルエチレンジアミン(55μL、0.51mmol)、1,4-ジオキサン(1.5mLl)およびDMSO(1.5mL)の混合物を密封チューブに入れ、アルゴンで2分間脱気した。次いで、密封チューブを閉じ、110℃で17時間加熱した。溶液を室温まで冷却し、酢酸エチル(3×)で抽出し、水および食塩水で洗浄し、飽和硫酸ナトリウムで乾燥した。ろ液を蒸発させ、調製用TLC(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:10:1))および調製用HPLCで精製した。次いで、得られた化合物をメタノール中1.25M HClで処理して、(R)-2-(4-メトキシフェニル)-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(5.6mg、3%)を淡黄色固体で得た。

【0196】
実施例21−(R)-4-ブロモ-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:実施例11の段階Aの手順に従い、6-ブロモ-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを位置異性体生成物の混合物に変換した:黄色固体としての6-ブロモ-3-ホルミル-2-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-2H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.61g、39%):

および黄色固体としての6-ブロモ-3-ホルミル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.60g、38%):

【0197】
段階B:溶媒としてジオキサンを用い、塩基として水素化ナトリウムを用いた以外は、一般手順GP-Fに従い、6-ブロモ-3-ホルミル-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.60g、1.45mmol)を(R)-6-ブロモ-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.49g、64%)に変換した:

【0198】
段階C:一般手順GP-Gに従い、(R)-6-ブロモ-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを粗製(R)-6-ブロモ-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した;MS (ESI) m/z 509 (酸、M+H)+
【0199】
段階D:2-プロパノール(40mL)中の粗製(R)-6-ブロモ-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1-((2-(トリメチルシリル)エトキシ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム0.40g、0.90mmol)の溶液を含む密封チューブに、6N HCl(4mL)を加えた。反応混合物にアルゴンを流し、密封し、140℃で30分間加熱し、周囲温度まで冷却し、減圧下で濃縮した。残渣を濃縮し、逆相半調製用HPLC(水中5〜20%アセトニトリル−溶離剤はいずれも改変剤として0.05%トリフルオロ酢酸を含んでいた)により精製した。溶媒を減圧下で除去し、所望の生成物のトリフルオロ酢酸塩を調製用TLC(ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(6:3:1))でさらに精製して、(R)-6-ブロモ-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸(119mg、40%)をアモルファス白色固体で得た:

【0200】
段階E:環化について実施例16の段階Cの手順および塩酸塩形成について一般手順GP-Iに従い、(R)-6-ブロモ-3-((キヌクリジン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸を(R)-4-ブロモ-7-(キヌクリジン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(42mg、38%)に変換し、アモルファス白色固体として得た:

【0201】
実施例22−7-(エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル))-2-メチル-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Fに従い、エンド-9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-アミン2塩酸塩および3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを1-メチル-3-[(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0202】
段階B:一般手順GP-Gに従い、1-メチル-3-[(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを1-メチル-3-[(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI) m/z 343 (M+H)。
【0203】
段階C:一般手順GP-Hに従い、1-メチル-3-[(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)メチル]-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを7-(エンド-N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル))-2-メチル-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オンに変換し、これをただちに一般手順GP-Iに従って塩酸で処理し、7-(エンド- N-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル))-2-メチル-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩を得た:

【0204】
実施例23−(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:実施例2の手順に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)および臭化ベンジルを1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(3.75g、48%)に変換した:

【0205】
段階B:一般手順GP-Jに従い、1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(3.75g、12.76mmol)を1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(2.79g、71%)に変換した:

【0206】
段階C:一般手順GP-Kに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(531mg、2.67mmol)および1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.37g、4.45mmol)を(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(520mg、46%)に変換し、桃色固体として得た:

【0207】
段階D:一般手順GP-Lに従い、(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(520mg、1.24mmol)および水酸化リチウム1水和物(129mg、3.07mmol)を(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(509mg、定量的収率)に変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 405 (M+H)。
【0208】
段階E:DMF(25mL)中の上記段階Dからの粗製(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(509mg、1.24mmol)の溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.22mL、7.44mmol)を0℃で加えた。上記反応混合物に1-プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)(酢酸エチル中50%、3.94g、6.2mmol)を加え、混合物を0℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を食塩水(25mL)および炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(25mL)で処理した。化合物をジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:9:1))で精製して、(S)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン(316mg、66%)を白色固体で得た:

【0209】
段階F:一般手順GP-Uに従い、(S)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンに変換した:MS (ESI+) m/z 297 (M+H)。
【0210】
段階G:一般手順GP-Nに従い、(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(S)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0211】
実施例24−(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Jに従い、3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)を1-メチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0212】
段階B:一般手順GP-Kに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および1-メチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(723mg、64%)に変換し、黄色固体として得た:

【0213】
段階C:一般手順GP-Lに従い、(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 329 (M+H)。
【0214】
段階D:一般手順GP-Mに従い、(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンに変換した:

【0215】
段階E:一般手順GP-Nに従い、(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0216】
実施例25−(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Jに従い、3-ホルミル-1-エチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを1-エチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0217】
段階B:一般手順GP-Kに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および1-エチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-エチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0218】
段階C:一般手順GP-Lに従い、(S)-1-エチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-エチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:

【0219】
段階D:一般手順GP-Mに従い、(S)-1-エチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンに変換した:

【0220】
段階E:一般手順GP-Nに従い、(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(S)-2-エチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0221】
実施例26−(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Jに従い、3-ホルミル-1-イソプロピル-1H-インダゾール-4-カルボン酸を1-イソプロピル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0222】
段階B:一般手順GP-Kに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および1-イソプロピル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-イソプロピル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0223】
段階C:一般手順GP-Lに従い、(S)-1-イソプロピル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチルを(S)-1-イソプロピル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムに変換した:

【0224】
段階D:一般手順GP-Mに従い、(S)-1-イソプロピル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウムを(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンに変換した:

【0225】
段階E:一般手順GP-Nに従い、(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(S)-2-イソプロピル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩に変換した:

【0226】
実施例27−(S)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-E1に従い、3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(B1)および臭化ベンジルを1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(375g、48%)に変換した。:

【0227】
段階B:一般手順GP-Jに従い、1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(3.75g、12.76mmol)を1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(2.79g、71%)に変換した:

【0228】
段階C:一般手順GP-Kに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(531mg、2.67mmol)および1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.37g、4.45mmol)を(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(520mg、46%)に変換し、桃色固体として得た:

【0229】
段階D:一般手順GP-Lに従い、(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(520mg、1.24mmol)および水酸化リチウム1水和物(129mg、3.07mmol)を(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(509mg、典型的には量的収率)に変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 405 (M+H)。
【0230】
段階E:DMF(25mL)中の上記段階Dからの粗製(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(509mg、1.24mmol)の溶液に、N,N-ジイソプロピルエチルアミン(1.22mL、7.44mmol)を0℃で加えた。上記反応混合物に1-プロパンホスホン酸環状無水物(T3P)(酢酸エチル中50%、3.94g、6.2mmol)を加え、混合物を0℃室温で1.5時間撹拌した。反応混合物を食塩水(25mL)および炭酸水素ナトリウムの飽和水溶液(25mL)で処理した。化合物をジクロロメタン(4×100mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮し、粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(90:9:1))で精製して、(S)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン(316mg、66%)を白色固体で得た:

【0231】
段階F:一般手順GP-Nに従い、(S)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン(75mg、0.194mmol)を(S)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩(35mg、43%)に変換した:

【0232】
実施例28−(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Kに従い、(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(0.71g、3.56mmol)および実施例27の段階Bからの1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.37g、4.45mmol)を(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.1g、59%)に変換し、油状物として得た:

【0233】
段階B:一般手順GP-Lに従い、(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(1.1mg、2.63mmol)および水酸化リチウム1水和物(332mg、7.89mmol)を(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(1.09g、定量的収率)に変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:

【0234】
段階C:実施例27の段階Eに記載の手順に従い、(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸塩(1.09mg、2.63mmol)を(R)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン(621mg、61%)に変換し、淡黄色固体として得た:

【0235】
段階D:一般手順GP-Uに従い、(R)-2-ベンジル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)オン(101mg、52%)に変換し、白色固体として得た:MS (ESI+) m/z 297 (M+H)。
【0236】
段階E:一般手順GP-Nに従い、(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オンを(R)-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩(76mg、67%)に変換し、白色固体として得た:

【0237】
実施例29および30−(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩および(S)-6-(フェニルスルホニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩の調製

段階A:THF(120mL)中のインドール-4-カルボン酸メチル(5.20g、29.68mmol)、アリルアルコ−ル(2.02mL、29.68mmol)、およびトリエチルボラン(THF中1.0M溶液、8.90mL、8.90mmol)の混合物を窒素雰囲気下、室温で撹拌しながら、これにPd(PPh3)4(1.71g、1.48mmol)を加えた。混合物を70℃で16時間加熱し、次いで室温まで冷却した。混合物を酢酸エチル(500mL)で希釈し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(200mL)、食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中0から30%酢酸エチル)で精製して、3-アリル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(5.61g、88%)を淡黄色油状物で得た:

【0238】
段階B:DMF(50mL)中の水素化ナトリウム(鉱油中60%分散液、0.450g、11.24mmol)の懸濁液を0℃に冷却し、これにDMF(30mL)中の上記段階Aからの3-アリル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(2.20g、10.22mmol)の溶液をゆっくり加えた。混合物を窒素雰囲気下、0℃で1時間撹拌した。これに塩化ベンゼンスルホニル(1.30mL、10.22mmol)を加えた。混合物を室温まで徐々に加温しながら16時間撹拌し続けた。混合物を飽和塩化アンモニウム水溶液(300mL)で注意深く反応停止し、水性混合物を酢酸エチル(3×300mL)で抽出した。合わせた有機層を水(4×100mL)、食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。カラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ヘキサン中0から30%酢酸エチル)で精製して、3-アリル-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(3.15g、87%)を淡黄色油状物で得、これは放置すると結晶化した:

【0239】
段階C:テトラヒドロフラン/水の3:1混合物(50mL)中の上記段階Bからの3-アリル-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(4.80g、13.50mmol)およびN-メチルモルホリン-N-オキシド(2.82g、24.31mmol)の溶液を0℃に冷却し、これにOsO4(水中4重量%、5.0mL、54.0mmol)を加えた。得られた混合物を室温で24時間撹拌し、次いでNa2S2O5の飽和水溶液(200mL)で希釈した。テトラヒドロフランを減圧下で除去し、混合物を酢酸エチル(200mL)と水(200mL)との間で分配した。水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン:水の3:1混合物(50mL)に溶解し、これに過ヨウ素酸ナトリウム(11.55g、54.0mmol)を加えた。混合物を室温でさらに24時間撹拌した。テトラヒドロフランを減圧下で除去し、混合物を酢酸エチル(200mL)と水(200mL)との間で分配した。水層を酢酸エチル(3×200mL)で抽出し、合わせた有機層を食塩水で洗浄し、乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮して、3-(2-オキソエチル)-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(2.50g、45%)を粗製黄色油状物で得、これを精製せずに直接合成にかけた。
【0240】
段階D:ジクロロメタン中1%酢酸(20mL)中の(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(202mg、1.01mmol)および上記段階Cからの3-(2-オキソエチル)-1-(フェニルスルホニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(330mg、0.92mmol)の混合物を周囲温度で16時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(584mg、2.76mmol)を加え、得られた懸濁液を周囲温度で2時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(10:1:0.1))で精製して、(S)-1-(フェニルスルホニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(172mg、40%)を黄色油状物で得た:MS (ESI+) m/z 468 (M+H)。
【0241】
段階E:テトラヒドロフラン(10mL)中の上記段階Dからの(S)-1-(フェニルスルホニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(480mg、1.02mmol)の溶液に、水(3mL)中の水酸化リチウム1水和物(129mg、3.07mmol)を加えた。混合物を周囲温度で終夜撹拌し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を減圧下で終夜乾燥して、粗製(S)-1-(フェニルスルホニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムを得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 454 (M+H)。
【0242】
段階F:DMF(10mL)中の上記段階Eからの粗製(S)-1-(フェニルスルホニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウム(533mg、0.37mmol)の溶液に、HBTU(210mg、0.55mmol)を加え、混合物を周囲温度で2時間撹拌した。混合物を40℃の減圧下で濃縮して、LC-MSにより(S)-6-(フェニルスルホニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンおよび(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンの1:1混合物を得た。粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(10:1:0.1))で精製して、(S)-6-(フェニルスルホニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(92mg)および(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(52mg)をオフホワイト固体で得た。これらの材料をただちにメタノール(2mL)に溶解し、別々に塩酸(メタノール中1.25M溶液、1当量)で処理した。混合物を15分間撹拌し、減圧下で濃縮し、減圧下で乾燥した。得られた固体を水(8mL)およびアセトニトリル(1mL)から凍結乾燥し、(S)-6-(フェニルスルホニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(23.5mg)および(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(29.1mg)をオフホワイト固体で得た:(S)-6-(フェニルスルホニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩:

(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩:

【0243】
実施例31−(S)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:臭化ベンジルの代わりにヨウ化メチルを用いた以外は、実施例2の手順に従い、インドール-4-カルボン酸メチル(7.0g、40.0mmol)を1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(6.44g、88%)に変換した:

【0244】
段階B:一般手順GP-Oに従い、1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(6.40g、24.16mmol)を3-ホルミル-1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(5.41g、76%)に変換した:

【0245】
段階C:一般手順GP-Pに従い、3-ホルミル-1-メチル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(3.0g、13.82mmol)を1-メチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(1.73g、54%)に変換した:

【0246】
段階D:一般手順GP-Qに従い、1-メチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(250mg、0.61mmol)および(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩を(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(231mg、63%)に変換した:

【0247】
段階E:一般手順GP-Rに従い、(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルおよび水酸化リチウム1水和物を(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 328 (M+H)。
【0248】
段階F:一般手順GP-Sに従い、(S)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウム(295mg、0.88mmol)を(S)-6-メチル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(161mg、59%)に変換した:

【0249】
段階G:一般手順GP-Tに従い、(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンを(S)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(68mg、38%)に変換した:

【0250】
実施例32−(S)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Oに従い、1-ベンジル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(A1b)を1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(12.4g、77%)に変換した:

【0251】
段階B:一般手順GP-Pに従い、1-ベンジル-3-ホルミル-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0252】
段階C:一般手順GP-Qに従い、(S)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩および1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(516mg、57%)に変換した:

【0253】
段階D:一般手順GP-Rに従い、(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを粗製1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 404 (M+H)。
【0254】
段階E:一般手順GP-Sに従い、(S)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムを(S)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンに変換した:

【0255】
段階F:一般手順GP-Tに従い、(S)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンを(S)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(95mg、95%)に変換した:

【0256】
実施例33−(R)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Qに従い、実施例32の段階Bからの1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルおよび(R)-(-)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩を(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(701mg、68%)に変換した:

【0257】
段階B:一般手順GP-Rに従い、(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(516mg、1.24mmol)および水酸化リチウム1水和物(129mg、3.07mmol)を(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた;MS (ESI+) m/z 404 (M+H)。
【0258】
段階C:一般手順GP-Sに従い、(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウム(725mg、1.24mmol)を(R)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(354mg、55%)に変換した:

【0259】
段階D:一般手順GP-Uに従い、(R)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(200mg、0.519mmol)を(R)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(140mg、52%)に変換した:

【0260】
段階E:一般手順GP-Tに従い、メタノール(2mL)中の(R)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(90mg、0.305mmol)を(R)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(100mg、66%)に変換した:

【0261】
実施例34−(R)-2-メチル-7-(キヌクリジン-3-イル)-8,9-ジヒドロ-2H-アゼピノ[5,4,3-cd]インダゾル-6(7H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Qに従い、実施例31の段階Dからの1-メチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(775mg、3.26mmol)および(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩(812mg、4.08mmol)を(R)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(510mg、68%)に変換した:

【0262】
段階B:一般手順GP-Rに従い、(R)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(500mg、1.46mmol)および水酸化リチウム1水和物(129mg、3.07mmol)を(R)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:MS (ESI+) m/z 328 (M+H)。
【0263】
段階C:一般手順GP-Sに従い、(R)-1-メチル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウム(746mg、1.46mmol)を(R)-6-メチル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(309mg、68%)に変換した:

【0264】
段階D:一般手順GP-Tに従い、(R)-6-メチル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(309mg、1.0mmol)およびHClを(R)-6-メチル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(240mg、69%)に変換した:

【0265】
実施例35−(R)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩の調製

段階A:一般手順GP-Qに従い、実施例32の段階Bからの1-ベンジル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルおよび(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩を(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(701mg、68%)に変換した:

【0266】
段階B:一般手順GP-Rに従い、(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(516mg、1.24mmol)および水酸化リチウム1水和物(129mg、3.07mmol)を(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換し、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた;MS (ESI+) m/z 404 (M+H)。
【0267】
段階C:一般手順GP-Sに従い、(R)-1-ベンジル-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウム(725mg、1.24mmol)を(R)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(354mg、55%)に変換した:

【0268】
段階D:一般手順GP-Tに従い、(R)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(100mg、0.259mmol)を(R)-6-ベンジル-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩(68mg、89%)に変換した:

【0269】
実施例36−(R)-6-(4-フルオロフェニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩の調製

段階A:密封チューブ内のDMSO(25mL)および1,4-ジオキサン(25mL)中の1H-インドール-4-カルボン酸メチル(3.0g、17.1mmol)の溶液に、リン酸カリウム(7.3g、34.3mmol)、ジメチルエチレンジアミン(1.0mL、9.1mmol)、L-プロリン(1.1g、9.1mmol)、1-ブロモ-4-フルオロベンゼン(1.3mL、11.42mmol)、およびヨウ化銅(1.1g、5.7mmol)を加えた。混合物にアルゴンガスをパージし;チューブを密封し、110℃で終夜加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、水(100mL)で洗浄し、水性混合物をジクロロメタン(3×150mL)で抽出した。合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。得られた残渣をカラムクロマトグラフィ(ヘキサン中0%から50%ジクロロメタン)で精製して、1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(2.1g、68%)を白色固体で得た:

【0270】
段階B:一般手順GP-Oに従い、1-(4-フルオロフェニル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを1-(4-フルオロフェニル)-3-ホルミル-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0271】
段階C:一般手順GP-Pに従い、1-(4-フルオロフェニル)-3-ホルミル-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを1-(4-フルオロフェニル)-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0272】
段階D:溶媒として1,4-ジオキサンを用いた以外は、一般手順GP-Qに従い、1-(4-フルオロフェニル)-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルおよび(R)-(+)-3-アミノキヌクリジン2塩酸塩を(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:

【0273】
段階E:一般手順GP-Rに従い、(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを粗製(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 406 [酸、M+H]+
【0274】
段階F:実施例16の段階Cの手順に従い、(R)-1-(4-フルオロフェニル)-3-(2-(キヌクリジン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムを(R)-6-(4-フルオロフェニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(5.5mg、10%)に変換した。
【0275】
段階G:一般手順GP-Tに従い、(R)-6-(4-フルオロフェニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンを(R)-6-(4-フルオロフェニル)-2-(キヌクリジン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩に変換した:

【0276】
実施例37−エンド-6-メチル-2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩の調製

段階A:溶媒として1,4-ジオキサンを用いた以外は、一般手順GP-Qに従い、実施例31の段階Dからの1-メチル-3-(2-オキソエチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチル(775mg、3.26mmol)およびエンド-9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-アミンをエンド-1-メチル-3-(2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルに変換した:MS (ESI+) m/z 370 [M+H]+
【0277】
段階B:一般手順GP-Rに従い、エンド-1-メチル-3-(2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸メチルを粗製(エンド)-1-メチル-3-(2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムに変換した:MS (ESI+) m/z 356 [酸、M+H]+
【0278】
段階C:実施例16の段階Cの手順に従い、(エンド)-1-メチル-3-(2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イルアミノ)エチル)-1H-インドール-4-カルボン酸リチウムをエンド-6-メチル-2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン(5.5mg、10%)に変換した。
【0279】
段階D:一般手順GP-Tに従い、エンド-6-メチル-2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オンをエンド-6-メチル-2-(9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナン-3-イル)-2,3,4,6-テトラヒドロ-1H-アゼピノ[5,4,3-cd]インドル-1-オン、塩酸塩に変換した:

【0280】
実施例38−エンド-2-メチル-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩の調製

段階A:水素化ナトリウム(60%)(0.19g)を8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-アミン2塩酸塩の溶液に分割して加え、周囲温度で1時間撹拌した。反応混合物に、ジクロロメタン中1%酢酸(50mL)中の実施例6の段階Aからの3-ホルミル-1-メチル-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.41g、1.9mmol)を加え、周囲温度で3時間撹拌した。ナトリウムトリアセトキシボロヒドリド(1.2g、5.6mmol)を加え、得られた懸濁液を周囲温度で16時間撹拌した。溶媒を減圧下で除去し、粗製材料をカラムクロマトグラフィ(シリカゲル、ジクロロメタン/メタノール/濃水酸化アンモニウム(10:1:0.1))で精製して、1-メチル-3-((8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.54g、100%)を黄色油状物で得た:

【0281】
段階B:THF(5mL)中の上記段階Aからの1-メチル-3-((8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸メチル(0.54g、1.6mmol)の溶液に、水(5mL)中の水酸化リチウム1水和物(1.6g、38mmol)を加えた。混合物を90℃で1時間加熱し、次いで減圧下で濃縮した。残渣を減圧下で終夜乾燥して、粗製1-メチル-3-((8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(1.54g)を得、これをそれ以上精製せずに次の段階で用いた:LC/MS (ESI+) m/z 329 (M+H)。
【0282】
段階C:N,N-ジメチルホルムアミド(5mL)中の粗製1-メチル-3-((8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イルアミノ)メチル)-1H-インダゾール-4-カルボン酸リチウム(1.5g)およびHBTU(1.2g、3.2mmol)の混合物を周囲温度で18時間撹拌した。反応混合物を減圧下で濃縮し、混合物をジクロロメタンと水との間で分配した。水層をジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を乾燥(Na2SO4)し、ろ過し、減圧下で濃縮した。粗製混合物をメタノールに溶解し、ジエチルエーテルを用いて沈澱させた。沈澱をろ過し、減圧下で乾燥して、2-メチル-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン(36mg)を得た。この材料をメタノール(1mL)に溶解し、過剰の塩酸(メタノール中1.25M溶液)で処理した。混合物を1時間撹拌し、ろ過し、減圧下で濃縮し、減圧下で乾燥して、2-メチル-7-(8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタン-3-イル)-7,8-ジヒドロピラゾロ[3,4,5-de]イソキノリン-6(2H)-オン、塩酸塩(20mg、2段階で4%)をオフホワイト固体で得た:

【0283】
実施例39−ヒト5-HT3受容体に対する化合物親和性
ヒト5-HT3受容体に対する様々な化合物の相対的親和性を、シンチレーション近接アッセイ(SPA)様式を用いての放射性リガンド結合アッセイで測定した。試験化合物を100%DMSO中10mMとなるように溶解し、次いで96穴ポリプロピレンプレートに100%DMSO中10×アッセイ濃度で連続希釈し、さらにアッセイ緩衝液で4×アッセイ濃度に希釈した。試料を最終量0.2mLの10nM [9-メチル-3H]BRL-43694(Perkin Elmer, Waltham, MA)、3μgのヒト5-HT3受容体膜(Perkin Elmer, Waltham, MA)および0.5mg/mL SPAビーズ(WGA PVT, Amersham Biosciences)を含む50mMトリス-HCl、pH7.5、3mM MgCl2、1mM EDTAおよび10%DMSO中でインキュベートした。結合反応を、PicoPlates-96(Perkin Elmer, Waltham, MA)のウェルに50μLの各競合化合物または緩衝液、SPAビーズ、放射性リガンドおよび5-HT3受容体膜を続けて加えることにより準備した。Nutatorミキサー上、室温で終夜インキュベートした後、プレートを1,500rpmで15分間遠心分離し、続いて暗所で30分間インキュベートした。放射能をTopCountマイクロプレート計数器(Perkin Elmer)で5分間計数した。全結合対照は化合物希釈緩衝液だけを含み;非特異的結合を30μM MDL-72222存在下で求めた。特異的結合は全結合から非特異的結合を差し引くことにより求めた。すべての実験は、10段階の濃度の競合リガンドを用い、重複して実施し、オンダンセトロンをすべての回で対照として含めた。IC50値を特異的結合データから、IDBS Ltd.のXLfit4.1曲線当てはめソフトウェアを用いて求めた。阻害定数(Ki)をCheng Prusoff式から算出した:(Ki=IC50/(1+(L/KD))、ここでL=アッセイにおける放射性リガンドの濃度であり、KD=受容体に対する放射性リガンドの親和性である。
【0284】
実施例40−組換えヒト5-HT3A受容体におけるアゴニスト活性
h5-HT3A受容体サブユニットを発現するヒト胎児腎(HEK293)細胞を、ポリ-D-リジンコーティングされた側面が黒色で、底が透明な96穴プレートに、ウェルごとに約1×105細胞で直接播種した。DMEM増殖培地(100μL)中で48時間インキュベートした後、細胞をハンクス液(Invitrogen)中で2回(各200μL)洗浄し、その後、Fluo-4アセトキシメチル(AM)エステル(100μL、2.5μM;Molecular Probes)と共にインキュベートした(1時間)。細胞をハンクス液中で2回(各200μL)洗浄し、ハンクス液(100μL)中でさらに30分間インキュベートした後、アッセイを行った(25℃)。[Ca2+]iの変化を、Flexstation(励起488nmおよび発光515nm;記録周波数3秒)を用いて測定した(相対的蛍光単位[RFU])。少なくとも80秒間の記録後に、媒体(ハンクス液)または薬物がウェルに自動的に投入された(50μL)。最初の薬物投入の直前に基準線を5つのデータ点から算出し、最大反応は薬物投入後240秒で得られるものであった。すべての実験で、ムスカリン受容体アゴニストのカルバコール(1mM)を試験薬投入の240秒後に加えた。ムスカリン受容体はHEK293細胞によって内因的に発現され;すべての実験で、カルバコールは5-HTの最大有効濃度によって誘発される最大反応に匹敵する反応を誘発した。
【0285】
実施例41−インビボにおけるvon Bezold-Jarischモデル
5-HT3受容体調節物質は、IBS-Dに対するアロセトロンおよびラモセトロンの認可によって示されるとおり、ヒトGI障害の治療において確実な有効性を有する。5-HT3受容体でのインビボ活性は、麻酔マウスにおいて5-HTまたは5-HT3選択的アゴニストの投与後に観察される5-HT3仲介性の一過性徐脈(von Bezold-Jarisch反射)を用いて評価することができる。これはインビボで5-HT3受容体機能を評価するために詳細に特徴付けられ、広く用いられているモデルである(King et al., 5-Hydroxtryptamine-3 Receptor Antagonists, CRC Press, pp. 74-75 (1993)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。特定の化合物(表1)をマウスにおいてインビボでセロトニンによる徐脈を阻害する能力について評価した(Saxena et al., Arch. Int. Pharmacodyn., 277:235-252 (1985)、これはその全体が参照により本明細書に組み入れられる)。試験物質および媒体[2%トゥイーン80]を、それぞれ体重24±2gの雄CD-1(Crl.)マウス5匹の群にそれぞれ経口投与した。投与量10mL/kgを用いた。60分後、5-HT(0.1mg/kg IV)による徐脈をウレタン(2250mg/kg IP、5-HTの10分前に投与)で麻酔した動物で記録した。試験した最高経口用量を報告する。
【0286】
(表1)例示的化合物の生物学的活性

*10μMでのアゴニスト反応%を5-HTの反応に対して規準化する(5-HT反応=3μMで100%);NR=反応無し。
【0287】
本発明は、前述の実施例において見いだされる化合物に制限されることはなく、本発明の範囲内に入る多くの他の化合物も前述の合成スキームに示す手順を用いて調製されうる。これらの方法を用いてのさらなる式Iの化合物の調製は、化学の分野の技術者には明らかであろう。
【0288】
本発明を特にそのいくつかの態様に関して詳細に記載してきたが、当業者であれば、本発明の精神および範囲内において変更および改変を行いうることを理解するであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの化合物、またはその酸化物、その薬学的に許容される塩、その溶媒和物、もしくはそのプロドラッグ:

式中、
Qは飽和二環式複素環式アミンであり、該飽和二環式複素環式アミンは式Iの化合物のアミド窒素とQの任意のアミン窒素との間に少なくとも2つの原子を含み、かつ該飽和二環式複素環式アミンは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立にC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8からなる群より選択され;
XはCH、CR3、またはNであり;
Jは直接結合、C=O、およびSO2からなる群より選択され;
R1はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R2はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ただしJ=SO2である場合はRはHではなく、かつここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R3はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R4はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R5はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R6はC1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはフェニルであり;
R7およびR8はそれぞれ独立にH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルは置換基で1〜3回置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立にハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、およびC1-C4アルコキシからなる群より選択され;
nは1、2、または3であり;
pは0、1、2、または3であり;かつ
qは0、1、または2である。
【請求項2】
Qが実験式C7-10N1-2を有する、請求項1記載の化合物。
【請求項3】
Qがアザビシクロヘプタン、アザビシクロオクタン、またはアザビシクロノナンである、請求項1記載の化合物。
【請求項4】
Qがキヌクリジン、9-メチル-9-アザビシクロ[3.3.1]ノナンおよび8-メチル-8-アザビシクロ[3.2.1]オクタンからなる群より選択される、請求項3記載の化合物。
【請求項5】
二環式複素環式アミンのC-1が、キラルであり、(S)配置であり、かつアミドNに連結している、請求項1記載の化合物。
【請求項6】
二環式複素環式アミンのC-1が、キラルであり、(R)配置であり、かつアミドNに連結している、請求項1記載の化合物。
【請求項7】
XがCHである、請求項1記載の化合物。
【請求項8】
XがNである、請求項1記載の化合物。
【請求項9】
R2が置換フェニルである、請求項1記載の化合物。
【請求項10】
JがSO2である、請求項9記載の化合物。
【請求項11】
下記からなる群より選択される、請求項1記載の化合物:

【請求項12】
請求項1記載の化合物の治療的有効量および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物。
【請求項13】
5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態の治療方法であって、
5-HT3受容体調節物質による治療に感受性のある疾患または状態を有する患者を選択する段階;および
請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を該患者に投与する段階
を含む方法。
【請求項14】
疾患または状態が一般的不安障害、社会恐怖、眩暈、強迫性障害、パニック障害、心的外傷後ストレス障害、神経性大食症、退薬の影響、アルコール依存症、疼痛、睡眠関連中枢性無呼吸、慢性疲労症候群、パーキンソン病精神病、統合失調症、統合失調症における認知の低下および欠損、パーキンソン病、ハンチントン舞踏病、初老期痴呆、アルツハイマー病、肥満、物質乱用障害、神経変性疾患に関連する痴呆、認知欠損、線維筋痛症候群、酒さ、セロトニンによって仲介される心血管障害、化学療法による悪心・嘔吐(CINV)、術後悪心・嘔吐(PONV)、放射線による悪心・嘔吐(RINV)、胃腸障害、胃食道逆流性疾患(GERD)、バーキットリンパ腫、気管支喘息、そう痒、片頭痛、ならびにてんかんからなる群より選択される、請求項13記載の方法。
【請求項15】
請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が5-HT3受容体アンタゴニストである、請求項13記載の方法。
【請求項16】
請求項1記載の化合物またはその薬学的に許容される塩が5-HT3部分アゴニストである、請求項13記載の方法。
【請求項17】
統合失調症の補助剤の治療的有効量を患者に投与する段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項18】
統合失調症の補助剤がバルプロエート、レボメプロマジン、アルプラゾラム、ハロペリドール、クロルプロマジン、リスペリドン、パリペリドン、オランザピン、ジプラシドン、クエチアピン、クロザピン、炭酸リチウム、ジアゼパム、カルバマゼピン、選択的セロトニン再取り込み阻害剤、三環系抗うつ剤、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項17記載の方法。
【請求項19】
パーキンソン病の補助剤の治療的有効量を患者に投与する段階をさらに含む、請求項13記載の方法。
【請求項20】
パーキンソン病の補助剤が経皮ロチゴチン、ラサギリン、サフィナミド、レボドパ、カルビドパ、ドーパミンアゴニスト、COMT阻害剤、MAO-B阻害剤、アマンタジン、抗コリン作用薬、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項19記載の方法。
【請求項21】
過敏性腸症候群の治療方法であって、
過敏性腸症候群を有する患者を選択する段階;および
請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を該患者に投与する段階
を含む方法。
【請求項22】
第二のセロトニン5-HT3受容体調節物質またはセロトニン5-HT4受容体調節物質の治療的有効量を患者に投与する段階をさらに含む、請求項21記載の方法。
【請求項23】
第二のセロトニン5-HT3受容体調節物質またはセロトニン5-HT4受容体調節物質がアロセトロン、レンザプリド、シランセトロン、テガセロッド、プルカロプリド、オンダンセトロン、ソマトスタチン類縁体、ムスカリン受容体アンタゴニスト、緩下剤、鎮痙剤、抗うつ剤、下痢止め剤、消化管運動改善薬、末梢アヘン麻酔剤アンタゴニスト、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項22記載の方法。
【請求項24】
嘔吐の治療方法であって、
嘔吐を伴う患者を選択する段階;および
請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を該患者に投与する段階
を含む方法。
【請求項25】
1つまたは複数の他の抗嘔吐化合物の治療的有効量を患者に投与する段階をさらに含む、請求項24記載の方法。
【請求項26】
1つまたは複数の他の抗嘔吐化合物がデキサメタゾン、アロセトロン、アルプラゾラム、アプレピタント、ジメンヒドリナート、ジフェンヒドラミン、ドラセトロン、テトラヒドロカンナビノール、ナビロン、ドロナビノール、ドロペリドール、グラニセトロン、ハロペリドール、ロラゼパム、メトクロプラミド、ミダゾラム、オランザピン、オンダンセトロン、パロノセトロン、プロクロルペラジン、プロメタジン、トロピセトロン、およびそれらの組み合わせからなる群より選択される、請求項25記載の方法。
【請求項27】
CNS疾患または状態の治療方法であって、
CNS疾患または状態を有する患者を選択する段階;および
請求項1の化合物またはその薬学的に許容される塩の治療的有効量を該患者に投与する段階
を含む方法。
【請求項28】
CNS疾患または状態が統合失調症またはパーキンソン病からなる群より選択される、請求項27記載の方法。
【請求項29】
式Iaの生成物化合物:

の調製方法であって、
MがHまたは対イオンである式IIの第一の中間体化合物:

を、該生成物化合物を生成するのに有効なアミド結合形成条件下で処理する段階を含む方法:
式中、
Qは飽和二環式複素環式アミンであり、該飽和二環式複素環式アミンは式Iの化合物のアミド窒素とQの任意のアミン窒素との間に少なくとも2つの原子を含み、かつ該飽和二環式複素環式アミンは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立にC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8からなる群より選択され;
R1はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R2はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R3はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R4はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R5はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R6はC1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはフェニルであり;
R7およびR8はそれぞれ独立にH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルは置換基で1〜3回置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立にハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、およびC1-C4アルコキシからなる群より選択され;
nは1、2、または3であり;
pは0、1、2、または3であり;かつ
qは0、1、または2である。
【請求項30】
MがLi+またはNa+である、請求項29記載の方法。
【請求項31】
式Ibの生成物化合物:

の調製方法であって、
MがHまたは対イオンである式IIIの第一の中間体化合物:

を、該生成物化合物を生成するのに有効なアミド結合形成条件下で処理する段階を含む方法:
式中、
Qは飽和二環式複素環式アミンであり、該飽和二環式複素環式アミンは式Iの化合物のアミド窒素とQの任意のアミン窒素との間に少なくとも2つの原子を含み、かつ該飽和二環式複素環式アミンは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立にC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8からなる群より選択され;
R1はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群よりそれぞれ独立に選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R2はH、ハロゲン、-OR4、-NR4R5、-NR4C(O)R5、-NR4C(O)2R5、-NR5C(O)NR5R6、-S(O)qR5、-CN、-C(O)R5、-C(O)NR4R5、C1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールからなる群より選択され、ここでC1-C6アルキル、C2-C6アルケニル、C2-C6アルキニル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、アリール、およびヘテロアリールのそれぞれは1つから3つの置換基で置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立に、ハロゲン、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシ、-CN、-OR7、または-NR7R8で1〜3回置換されていてもよいフェニル、ならびにC1-C3アルキル、ハロゲン、-CN、-OR7、および-NR7R8から選択され;
R4はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R5はH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルはハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはC1-C4アルコキシで1〜3回置換されていてもよく;
R6はC1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、またはフェニルであり;
R7およびR8はそれぞれ独立にH、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、C1-C4アルコキシアルキル、C3-C6シクロアルキル、C4-C7シクロアルキルアルキル、-C(O)R6、フェニル、またはベンジルであり、ここでフェニルまたはベンジルは置換基で1〜3回置換されていてもよく、該置換基はそれぞれの場合に独立にハロゲン、シアノ、C1-C4アルキル、C1-C4ハロアルキル、およびC1-C4アルコキシからなる群より選択され;
nは1、2、または3であり;
pは0、1、2、または3であり;かつ
qは0、1、または2である。
【請求項32】
MがLi+またはNa+である、請求項31記載の方法。

【公表番号】特表2011−521963(P2011−521963A)
【公表日】平成23年7月28日(2011.7.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−511820(P2011−511820)
【出願日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際出願番号】PCT/US2009/045484
【国際公開番号】WO2009/155054
【国際公開日】平成21年12月23日(2009.12.23)
【出願人】(509002589)アルバニー モレキュラー リサーチ, インコーポレイテッド (14)
【Fターム(参考)】