説明

5−HT6アンタゴニストとしてのアリールスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体

【化1】


本発明は、5−HT受容体のアンタゴニストとしてのアリールスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体、これらの化合物の製造方法及びそれらの合成のために有用な新規な中間体に関する。本発明は、そのような化合物及び組成物の使用、特にパーキンソン病、ハンティングトン舞踏病、精神分裂病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病、年齢関連認知減退、穏やかな認知損傷、睡眠障害、摂食障害、食欲不振、過食症、浮かれ摂食障害(binge eating disorders)、パニック発作、正座不能、注意力欠損高活動性異常、注意不足障害、コカイン、エタノール、ニコチン又はベンゾジアゼピンの乱用からの禁断症状、痛み、脊髄外傷又は頭部損傷と関連する障害、水頭、機能性腸障害、過敏性腸症候群、肥満及び2型糖尿病において治療効果を達成するための、患者へのそれらの投与におけるそれらの使用にも関する。化合物は一般式(1)を有し、式中、記号は明細書中に示した意味を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
技術的分野
本発明は、製薬化学及び有機化学の分野に関し、アリールスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体、中間体、調剤及び方法を提供する。
【背景技術】
【0002】
背景の技術
末梢及び中枢神経系の重要な伝達物質であるセロトニン(5−ヒドロキシトリプタミン又は5−HT)は、広範囲の生理学的及び病理学的機能を調節し、5−HT、5−HT、5−HT、5−HT、5−HT、5−HT及び5−HTと呼ばれる複数の受容体群に媒介される。後者の3つの機能は他のものの機能ほど十分に理解されていないが、一般に5−HT−媒介シグナル伝達を選択的に妨げる化合物が重要な新規薬剤標的であることは受け入れられている。
【0003】
ラット5−HT受容体は2つの異なるグループによりクローニングされ(非特許文献1;非特許文献2)、そのすぐ後に、89%の配列同一性を共有するヒトの5−HT受容体がクローニングされた(非特許文献3)。5−HT受容体における最近の興味の多くは、いくつかの向精神薬がヒト5−HT受容体における高親和性アンタゴニストである故である(非特許文献3;非特許文献4)。これらの化合物にはアミトリプチリン(amitriptyline)(K=65nM)及び非定型抗精神病薬であるクロザピン(clozapine)(K=9.5nM)、オランザピン(olanzapine)(K=10nM)及びクエチアピン(quetiapine)(K=33nM)が含まれる。しかしながら、これらの化合物のいずれも選択的でない。報告された最初の選択的5−HT受容体アンタゴニストは、Ro 04−6790及びRo 63−0563である。それらの有用性は、それらの中程度の親和性(それぞれK=50nM及び12nM)及び劣った薬物動態学により制限される(非特許文献5)。選択的5−HT受容体アンタゴニストRo−04−6790及びSB−271046の最近の開発と共に、認知機能のモデルにおけるそれらの化合物の活性についてのいくつかの報告があった。SB−271046は、Morrisの水迷路(Morris water maze)における能力(performance)を向上させた(非特許文献6)。これらの結果は、5−HT受容体配列に指向された(directed toward)アンチセンスオリゴヌクレオチドの慢性的大脳室内投与がMorrisの水迷路における能力のいくつかの測定値を向上させるという発見と一致する(非特許文献7)。最近、ラットにおける食物摂取を減少させる5−HTアンタゴニスト及び5−HTアンチセンスオリゴヌクレオチドの効果が報告された(非特許文献8;非特許文献9;非特許文献10)。肥満は、受容される基準を超える過剰な体重を生ずる体脂肪率における増加により特徴付けられる状態である。肥満は、西洋(western world)における最も重要な栄養障害であり、すべての工業国における主な健康上の問題を表わす。この障害は、心臓血管病、消化器病、呼吸器病、ガン及び2型糖尿病のような疾患の出現率の向上の故に死亡率を向上させる。
【0004】
5−HT選択的リガンドは、パーキンソン病、ハンティングトン舞踏病及び/又は精神分裂病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病(認知記憶の強化)、年齢関連認知減退、穏やかな認知損傷、損なわれたニューロン成長を特徴とする神経変性疾患、睡眠障害、食欲不振及び過食症のような摂食障害、浮かれ摂食障害(binge eating disorders)、パニッ
ク発作、正座不能、注意力欠損高活動性異常(ADHD)、注意不足障害(ADD)、コカイン、エタノール、ニコチン及びベンゾジアゼピンのような薬剤乱用からの禁断症状及び痛み、ならびに又、脊髄外傷及び/又は頭部損傷と関連する障害、例えば水頭のようなある種の中枢神経系の障害の処置又は予防においておそらく有用であると同定された。5−HT選択的リガンドは、機能性腸障害及び過敏性腸症候群のようなある種の胃腸障害の処置において、ならびに肥満及び2型糖尿病の処置又は予防において体重減少及び体重増加の低下を達成するために有用であることも期待される。体重減少及び体重増加の低下(例えば体重障害の処置)は、中でも食物摂取の減少により達成される。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0005】
【非特許文献1】Ruat,M.et al.著,Biochem.Biophys.Res.Commun.193:1993年,268−276
【非特許文献2】Sebben,M.et al.著,NeuroReport 5:1994年,2553−2557
【非特許文献3】Kohen,R.,et al.著,J Neurochem 66(1):1996年,47−56
【非特許文献4】Roth,B.L.,et al.著,J Pharmacol Exp Ther 268(3):1994年,1403−10
【非特許文献5】Sleight,A.J.,et al.著,Br J Pharmacol 124(3):1998年,556−62
【非特許文献6】Rogers,D.C.,et al.著,Br J Pharmacol 127(suupl.).1999年,22P
【非特許文献7】Bentley,J.C.,et al.著,Br J Pharmacol 126(7):1999年,1537−42
【非特許文献8】Bentley,J.C.et al.著,J.Psychopharmacol.Suppl.A64,1997年,255
【非特許文献9】Bentley,J.C.et al.著,Br J Pharmacol Suppl.126,1999年,P66
【非特許文献10】Woolley M.L.et al.著,Neuropharmacology 41:2001年,210−219
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、既知の化学的に関連する5−HTアンタゴニスト(国際公開第2008/034863号パンフレット中で開示されているような)より代謝的に安定な、ある種のCNS障害の処置のために有用な化合物である有力且つ選択的な5−HTアンタゴニストを提供することであった。
【課題を解決するための手段】
【0007】
開示
驚くべきことに、アリールスルホニル部分の上又はその中にH−結合ドナー官能基を有するある種のアリールスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体が、既知の化学的に関連する5−HTアンタゴニストより有力且つ代謝的により安定な5−HT受容体アンタゴニストであることが見出された。本発明は、一般式(1):
【0008】
【化1】

【0009】
[式中、
−Rは、水素又は場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子もしくはヒドロキシル基で置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれ、
−R及びRは、独立して水素、ヒドロキシル基あるいは場合により:ハロゲン、アルキル(C1−4)、アルケニル(C1−4)、アルキニル(C1−4)、CF、NH、NHアルキル(C1−4)、N[アルキル(C1−4)]、OH、=O、O−アルキル(C1−4)又はOCFから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRは、‘a’及び‘b’とマークされた炭素原子と一緒になって、場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアルキル(C1−4)基で置換されていることができるC5−8−シクロアルキル環を形成するか、あるいは
及びRは、‘b’とマークされた炭素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC3−8−シクロアルキル又はC4−8−ヘテロシクロアルキル環を形成し、
−R及びRは、独立して水素又は場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRは独立して、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができる単環式又は縮合二環式芳香族又はヘテロ−芳香族基から選ばれ、但し、芳香環上でQは=O(ケト)であることができないか、あるいは
及びRは、‘b’及び‘c’とマークされた炭素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC3−8−シクロアルキル又はC5−8−ヘテロシクロアルキル環を形成し、
−R及びRは、独立して水素又は場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子もしくはヒドロキシル基もしくはジアルキル(C1−3)−アミノ−アルキル(C1−3)基で置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRは独立して、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができる単環式又は縮合二環式芳香族又はヘテロ−芳香族基から選ばれるか、あるいは
及びRは独立して、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC5−8−シクロアルキル基又はC5−8−ヘテロシクロ
アルキル基であるか、あるいは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC5−8−ヘテロシクロアルキル基を形成し、
−Rは:
【0010】
【化2】

【0011】
から選ばれ、
ここで:
−星印(*)はS−原子への結合をマークし、
−nは0(ゼロ)又は1であり、

【0012】
【化3】

【0013】
はアリール又はヘテロアリール基であり、
−X、Y及びZは、独立してC、N、O又はSから選ばれ、X、Y又はZを含有する環中の結合は単結合又は二重結合であることができ、且つC及びNはH−原子のみで置換されていると理解され、
−R及びR’は、独立してハロゲン、アルキル(C1−4)、アルケニル(C1−4)、アルキニル(C1−4)、CF、NH、NHアルキル(C1−4)、N[アルキル(
1−4)]、OH、SH、ケト、O−アルキル(C1−4)、S−アルキル(C1−4)、SO−アルキル(C1−4)、SO−アルキル(C1−4)、OCF、ニトロ及びシアノから選ばれ、
但し、R、R、R、R及びRが水素である場合、R及びRはエチルであり、Rは4−アミノフェニル又は3−クロロ−4−アミノフェニルであり、化合物はラセミ混合物ではなくて純粋なエナンチオマーである(両ラセミ混合物は国際公開第2008/034863号パンフレットに開示された)]
の化合物あるいは前記のいずれかの互変異性体、立体異性体、N−オキシド又は薬理学的に許容され得る塩に関する。
【0014】
本発明は、式(1)を有する化合物のラセミ体、ジアステレオマーの混合物ならびに個々の立体異性体に関する。本発明は、式(1)を有する化合物のE異性体、Z異性体及びE/Z混合物にも関する。
【0015】
本発明は特に:
−R、R及びRが水素であり、
−R及びRが、独立して水素、ヒドロキシル基あるいは場合により:ハロゲン、アルキル(C1−4)、NH、NHアルキル(C1−4)、N[アルキル(C1−4)]又はOHから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC3−8−シクロアルキル又はC5−8−ヘテロシクロアルキル環を形成し、
−Rが水素又は場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基あるいは場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができる単環式芳香族又はヘテロ芳香族基から選ばれ、
−Rが水素又は場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子もしくはヒドロキシル基で置換されていることができる非置換アルキル(C1−4)基から選ばれ、
−Rが:
【0016】
【化4】

【0017】
から選ばれ、
ここで記号は請求項1において示したと同じ意味を有し、但し、R及びRが水素である場合、R及びRはエチルであり、Rは4−アミノフェニル又は3−クロロ−4−アミノフェニルであり、化合物はラセミ混合物ではなくて純粋なエナンチオマーである
一般式(1)の化合物あるいは前記のいずれかの互変異性体、立体異性体、N−オキシド又は薬理学的に許容され得る塩に関する。
【0018】
他の態様において、本発明は、ピラゾリン環中の2個の可能性のある(potentially)不斉炭素原子のいずれか一方又は両方が左旋性もしくは右旋性エナンチオマーである式(1)の化合物に関する。
【0019】
式(1)の本発明の化合物ならびにその薬理学的に許容され得る塩は、5−HT受容体アンタゴニスト活性を有する。それらは、5−HT受容体を含むか、あるいはこれらの受容体の操作により処置可能な障害の処置において有用である。例えば:パーキンソン病、ハンティングトン舞踏病、精神分裂病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病、年齢関連認知減退、穏やかな認知損傷、睡眠障害、摂食障害、食欲不振、過食症、浮かれ摂食障害、パニック発作、正座不能、注意力欠損高活動性異常、注意不足障害、コカイン、エタノール、ニコチン又はベン
ゾジアゼピンの乱用からの禁断症状、痛み、脊髄外傷又は頭部損傷と関連する障害、水頭、機能性腸障害、過敏性腸症候群、肥満及び2型糖尿病において。
【0020】
本発明の他の態様には:
例えば5−HT受容体の遮断により処置可能な障害又は状態の処置のための製薬学的組成物であって、式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩及び製薬学的に許容され得る担体を含んでなる組成物;
5−HT受容体の遮断により処置可能な障害又は状態の処置方法であって、そのような処置の必要な患者に式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩を投与することを含んでなる方法;
例えば本明細書に挙げられる障害から選ばれる障害又は状態の処置のための製薬学的組成物;
本明細書に挙げられる障害から選ばれる障害又は状態の処置方法であって、そのような処置の必要な患者に式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩を投与することを含んでなる方法;
本明細書に挙げられる障害から選ばれる障害又は状態の処置のための製薬学的組成物であって、式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩及び製薬学的に許容され得る担体を含んでなる組成物;
本明細書に挙げられる障害から選ばれる障害又は状態の処置方法であって、そのような処置の必要な患者に式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩を投与することを含んでなる方法;
5−HT受容体に拮抗する方法であって、その必要のある患者に式(1)の化合物の有効量を投与することを含んでなる方法
が含まれる。
【0021】
本発明は、薬剤の製造のための式(1)に従う化合物又は塩の使用も提供する。
【0022】
本発明はさらに、挙げられた状態の1つもしくはそれより多くの処置のために、本発明の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩あるいは本発明の化合物を含んでなる製薬学的組成物もしくは調剤を、他の単数種もしくは複数種の治療薬と同時に、又は逐次的に、又はそれらとの組み合わせ調剤として投与する組み合わせ治療に関する。そのような他の治療薬を、本発明の化合物の投与の前に、それと同時に、あるいはそれに続いて投与することができる。
【0023】
本発明は、本明細書に挙げられる障害から選ばれる障害又は状態の処置のための化合物、製薬学的組成物、キット及び方法も提供し、その方法は、そのような処置の必要な患者に式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩を投与することを含んでなる。
【0024】
本発明の化合物は、5−HT受容体アンタゴニスト活性を有する。本発明の化合物のこの活性は、例えば本明細書に記載されるか又は当該技術分野において既知のアッセイの1つもしくはそれより多くを用いて容易に示される。
【0025】
本発明は、本発明の化合物の製造方法及びそれらの方法において用いられる中間体も提供する。
【0026】
本明細書に記載される化合物及び中間体の単離及び精製を、必要なら、適した分離又は精製法、例えば濾過、抽出、結晶化、カラムクロマトグラフィー、薄−層クロマトグラフィー、厚−層クロマトグラフィー、調製的低もしくは高−圧液体クロマトグラフィーあるいはこれらの方法の組み合わせにより行うことができる。適した分離及び単離法の特定的な例を、製造及び実施例から理解することができる。しかしながら、もちろん他の同等の
分離又は単離法を用いることもできる。
【0027】
本発明の化合物は、1個もしくはそれより多い不斉中心を含有し得、かくしてラセミ体及びラセミ混合物、単一のエナンチオマー、ジアステレオマー混合物及び個々のジアステレオマーとして存在することができる。
【0028】
種々の置換基の性質に依存して、分子は追加の不斉中心を有し得る。そのような不斉中心のそれぞれは、独立して2つの光学異性体を生じる。混合物における、ならびに純粋な又は部分的に精製された化合物としての可能な光学異性体及びジアステレオマーのすべてが本発明に属する。本発明は、これらの化合物のすべてのそのような異性体を包含する。式(1)は、好ましい立体化学のない種類の化合物の構造を示す。これらのジアステレオマーの独立した合成あるいはそれらのクロマトグラフィー分離は、本明細書に開示される方法の適切な修正により、当該技術分野において既知の通りに行なわれ得る。それらの絶対立体化学を、必要なら、既知の絶対立体配置の不斉中心を含有する試薬を用いて誘導体化される結晶性生成物又は結晶性中間体のX−線結晶学により決定することができる。当該技術分野において周知の方法により、例えば化合物のラセミ混合物をエナンチオマー的に純粋な化合物にカップリングさせてジアステレオマー混合物を形成し、続いて分別結晶化又はクロマトグラフィーのような標準的な方法によって個々のジアステレオマーを分離することにより、化合物のラセミ混合物を個々のエナンチオマーに分離することができる。カップリングは多くの場合に、エナンチオマー的に純粋な酸又は塩基、例えば(−)−ジ−p−トルオイル−D−酒石酸及び/又は(+)−ジ−p−トルオイル−L−酒石酸を用いる塩の形成から成る。次いでジアステレオマー誘導体を、付加したキラル残基の切断により純粋なエナンチオマーに転換することができる。化合物のラセミ混合物を、キラル固定相を用いるクロマトグラフィー法:当該技術分野において周知の方法により、直接分離することもできる。あるいはまた、当該技術分野において周知の方法によって、光学的に純粋な出発材料又は既知の立体配置の試薬を用いる立体選択的合成により、化合物のエナンチオマーを得ることができる。
【0029】
式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩のシス及びトランス異性体も本発明に属し、これは式(1)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩の互変異性体にも当てはまる。
【0030】
化合物に関する結晶形のいくつかは多形相として存在し得る:従って本発明内に属することが意図されている。さらに、化合物のいくつかは水と(すなわち水和物)又は通常の有機溶媒と溶媒和物を形成することができる。そのような溶媒和物も本発明の範囲内に包含される。
【0031】
PET又はSPECTにより検出可能であるように同位体−標識された式(I)の化合物を含む、同位体−標識された式(I)の化合物又はその製薬学的に許容され得る塩も、本発明の範囲内に含まれる。受容体結合又は代謝研究に適した[13C]−、[14C]−、[H]−、[18F]−、[125I]−又は他の同位体濃縮原子を用いて標識された式(I)の化合物に、同じことが当てはまる。
【0032】
本発明の化合物を、神経学的機能、機能不全及び疾患の生化学的研究における試薬又は標準として用いることもできる。
【0033】
定義
本発明の範囲内で、「5−HT受容体アンタゴニスト」という用語は、別の受容体に対する実質的な交差−活性なくして−国際公開第2008/034863号パンフレットに記載されているようなアッセイを含む明瞭且つ十分に受け入れられた薬理学的アッセイ
により測定される−この活性を示す化合物を指す。
【0034】
本明細書で開示される化合物の記載において用いられる一般的用語は、それらの通常の意味を有する。本明細書で用いられるアルキルという用語は、1価の飽和分枝鎖状もしくは直鎖状炭化水素鎖を示す。他にことわらなければ、そのような鎖は1〜18個の炭素原子を含有することができる。そのようなアルキル基の代表なものは、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、tert−ペンチル、ヘキシル、イソヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ウンデシル、ドデシル、トリデシル、テトラデシル、ペンタデシル、ヘキサデシル、ヘプタデシル、オクタデシルなどである。「低級」と限定される場合、アルキル基は1〜6個の炭素原子を含有するであろう。同じ炭素含有数が親用語「アルカン」及び誘導用語、例えば「アルコキシ」に当てはまる。種々の炭化水素含有部分の炭素含有数は、その部分中の炭素原子の最小数及び最大数を示す接頭辞(prefix)により示され、すなわち接頭辞Cx−yは、x及びyを含む整数“x”から整数“y”までの、存在する炭素原子の数を定義する。例えば「アルキル(C1−3)」はメチル、エチル、n−プロピル又はイソプロピルを意味し、「アルキル(C1−4)」は「メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、2−ブチル、イソブチル又は2−メチル−n−プロピル」を意味する。「アルケニル」という用語は、1個もしくはそれより多い炭素−炭素二重結合を有する直鎖状もしくは分枝鎖状炭化水素基、例えばビニル、アリル、ブテニルなどを示し、例えば(C2−4)−アルケニルを示す。「アルキニル」基において、直鎖状もしくは分枝鎖状炭化水素基は、エチニル、プロパルギル、1−ブチニル、2−ブチニルなどのように1個もしくはそれより多い炭素−炭素三重結合を有し、例えば(C2−4)アルキニルを示す。他にことわらなければ、「アルケニル」及び「アルキニル」鎖は1〜18個の炭素原子を含有することができる。
【0035】
「アシル」という用語は、アルキル(C1−3)カルボニル、アリールカルボニル又はアリール−アルキル(C1−3)−カルボニルを意味する。「アリール」は、フェニル、ナフチル、1,2,3,4−テトラヒドロ−ナフチル、インデニル、フルオレニル、アントラセニル、フェナントレニル、ナフタセニル及びアズレニルを含む単−もしくは多環式芳香族基を包含する。「ヘテロアリール」は、フリル、チエニル、ピロリル、オキサゾリル、チアゾリル、イミダゾリル、イミダゾ[2,1−b][1,3]チアゾリル、ピラゾリル、イソオキサゾリル、イソチアゾリル、ピリジル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、1,3,5−トリアジニル、インダゾリル、インドリル、インドリジニル、イソインドリル、ベンゾ[b]フラニル、1,2,3,4−テトラヒドロイソ−キノリニル、インダニル、インデニル、ベンゾ[b]チエニル、2,3−ジヒドロ−1,4−ベンゾジオキシン−5−イル、ベンズイミダゾリル、シンノリニル、カルバゾリル、アクリジニル、フェナジニル、フェノチアジニル、フェノキサジニル、ベンゾチアゾリル、ベンゾ[1,2,5]チア−ジアゾリル、プリニル、キノリニル、イソキノリニル、キノリジニル、フタラジニル、キナゾリニル、キノキサリニル、1,8−ナフチリジニル及びプテリジニルを含む、単−もしくは多環式ヘテロ−芳香族を包含する。
【0036】
「ハロ」及び「ハロゲン」は、クロロ、フルオロ、ブロモ又はヨードを意味する;「ヘテロアルキル、ヘテロ芳香族」などにおけるような「ヘテロ」は、1個もしくはそれより多いN、O又はS原子を含有することを意味する。「ヘテロアルキル」は、いずれかの位置にヘテロ原子を有するアルキル基を含み、かくしてN−結合、O−結合又はS−結合アルキル基を含む。
【0037】
「置換された」という用語は、特定の基又は部分が1個もしくはそれより多い置換基を有することを意味する。いずれかの基が複数の置換基を保有することができ、且つ多様な可能な置換基が与えられ得る場合、置換基は独立して選ばれ、且つ同じである必要はない
。「非置換の」という用語は、特定の基が置換基を有していないことを意味する。
【0038】
置換基に関して、「独立して」という用語は、1個より多いそのような置換基が可能な場合に、それらが互いに同じかもしくは異なることができることを意味する。
【0039】
「シクロアルキル(C3−8)」は、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル又はシクロオクチルを意味し;「ヘテロシクロアルキル(C4−8)」は、ピペリジニル、モルホリニル、アゼパニル、ピロリジニル、チオモルホリニル、ピペラジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロピラニルを含むヘテロ原子含有環を指す。
【0040】
別の基の一部として本明細書で用いられる「オキシ」、「チオ」及び「カルボ」という用語はそれぞれ、例えばヒドロキシル、オキシアルキル、チオアルキル、カルボキシアルキルなどのように、2個の基の間のリンカーとして働く酸素原子、硫黄原子及びカルボニル(C=O)基を指す。単独で又は別の基の一部として本明細書で用いられる「アミノ」という用語は、末端であるか又は2個の他の基の間のリンカーであることができる窒素原子を指し、ここで基は第1級、第2級又は第3級(それぞれ2個の水素原子が窒素原子に結合している、1個の水素原子が窒素原子に結合している、及び水素原子が窒素原子に結合していない)アミンであることができる。別の基の一部として本明細書で用いられる「スルフィニル」及び「スルホニル」という用語は、それぞれ−SO−又は−SO−基を指す。
【0041】
より簡潔な記述を与えるために、「化合物(compound or compounds)」という用語は、明確に言及されていない場合も、互変異性体、立体異性体、N−オキシド、同位体標識された類似物又は薬理学的に許容され得る塩を含む。
【0042】
上記で挙げた化合物のN−オキシドは、本発明に属する。第3級アミンは、N−オキシド代謝物を生じ得るか又は生じ得ない。N−酸化が起こる程度は、微量からほとんど定量的な転換まで変わり得る。N−オキシドは、それらの対応する第3級アミンより活性であり得るか、あるいは活性がより低いかも知れない。N−オキシドは化学的手段によりそれらの対応する第3級アミンに容易に還元され得るが、人間の体内でこれは様々な程度まで起こる。いくつかのN−オキシドはほとんど定量的に対応する第3級アミンへの還元的転換を受け、他の場合には転換はほんの微量の反応であるか、又は全くない(Bickel,1969)。
【0043】
「形態」という用語はすべての固体:多形相、溶媒和物及び非晶質形態を包含する。「結晶形」は、同じ化合物の種々の固体形態、例えば多形相、溶媒和物及び非晶質形態を指す。「非晶質形態」は、長距離秩序のない非−結晶性材料であり、一般に特色のある粉末X−線回折パターンを与えない。結晶形は一般にByrn(1995)及びMartin(1995)により記載されている。「多形相」は、化合物が異なる結晶充填配置で結晶化できる結晶構造であり、それらのすべては同じ元素組成を有する。多形はしばしば起こる現象であり、温度、過飽和の程度、不純物の存在、溶媒の極性、冷却の速度のようないくつかの結晶化条件により影響される。異なる多形相は通常、異なるX−線回折パターン、固体状態NMRスペクトル、赤外又はラーマンスペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状(crystal shape)、光学的及び電気的性質、安定性及び溶解度を有する。再結晶溶媒、結晶化の速度、保存温度及び他の因子は、1つの結晶形を優勢にさせることができる。
【0044】
より簡潔な記述を与えるために、本明細書に示される量の表現のいくつかは、「約(about)」又は「約(approximately)」で限定されない。これらの用語
のいずれかが明白に用いられても用いられなくても、示されるすべての量は、実際の値ならびに又、そのような示される値に関する実験もしくは測定条件の故の近似を含む、当該技術分野における通常の熟練に基づいて合理的に推論されるそのような示される値への近似を指すことを意味すると理解される。
【0045】
「選択的」及び「選択性」という用語は、他の受容体(例えば他の5−HT受容体サブ−タイプ)に対する実質的な交差−反応性を示さずに、特定の受容体(例えば5−HT受容体)に対する反応性を示す化合物を指す。
【0046】
本明細書の記述及び請求項全体を通じて、「含む(comprise)」という用語及び「含んでなる」及び「含む(comprises)」のようなその用語の変形は、他の添加物、成分、整数又は段階を排除することを意図していない。
【0047】
式(1)の化合物を未加工の化学品(raw chemical)として投与することができるが、それらを「製薬学的組成物」として与えるのが好ましい。さらなる側面に従い、本発明は、式(1)の化合物あるいはその製薬学的に許容され得る塩又は溶媒和物を、1種もしくはそれより多い製薬学的に許容され得るその担体ならびに場合により1種もしくはそれより多い他の治療成分と一緒に含んでなる製薬学的組成物を提供する。担体は、調剤の他の成分と適合性であり、その受容者に有害でないという意味で、「許容され得」なければならない。
【0048】
本明細書で用いられる「組成物」という用語は、あらかじめ決められた量又は割合の特定の成分を含んでなる生成物(product)、ならびに特定の量における特定の成分を組み合わせることから間接的又は直接に生ずる生成物を包含する。製薬学的組成物に関連して、この用語は、1種もしくはそれより多い活性成分及び不活性成分を含んでなる場合による担体ならびに成分のいずれか2つもしくはそれより多くの組み合わせ、錯体化又は凝集から、あるいは1種もしくはそれより多い成分の解離から、あるいは1種もしくはそれより多い成分の他の型の反応もしくは相互作用から直接もしくは間接的に生ずる生成物を含んでなる生成物を包含する。一般に製薬学的組成物は、活性成分を液体担体又は微粉砕された固体担体あるいはそれら両方と均一且つ緊密に合せ(bring into association)、次いで必要なら生成物を所望の調剤に成形することにより調製される。製薬学的組成物は、疾患の進行又は状態に所望の効果を生むのに十分な活性目的化合物を含む。従って本発明の製薬学的組成物は、本発明の化合物及び製薬学的に許容され得る担体を混合することにより調製されるいずれの組成物も包含する。「製薬学的に許容され得る」により、担体、希釈剤又は賦形剤が調剤の他の成分と適合性でなくてはならず、且つその受容者に有害であってはならないことを意味する。
【0049】
本出願の範囲内で、「組み合わせ調製物」という用語は、錠剤又は注入用流体のような1つ調製物において物理的に合された式(1)の化合物と1種もしくはそれより多い他の薬剤を意味する真の組み合わせ、ならびに別々の投薬形態物における式(1)の化合物及び1種もしくはそれより多い他の薬剤を、使用のための指示と一緒に、場合により成分化合物の投与へのコンプライアンスを助長するためのさらなる手段、例えばラベル又は図面と一緒に含んでなる「部品のキット(kit−of−parts)」の両方を含む。真の組み合わせを用いると、薬物療法は定義により同時的である。「部品のキット」の内容物は、同時的に又は異なる時間間隔で投与され得る。同時的又は逐次的である治療は、用いられる他の薬剤の特性、作用の開始及び持続時間のような特性、血漿レベル、クリアランスなどならびに疾患、その段階及び個々の患者の特性に依存するであろう。
【0050】
5−HT受容体に関する本発明の化合物の親和性を上記の通りに決定した。与えられる式(1)の化合物に関して測定される結合親和性から、理論的最低有効投薬量を見積も
ることができる。測定されるK−値の2倍に等しい化合物の濃度において、5−HT受容体のほとんど100%がおそらく化合物により占有されるであろう。その濃度の、患者のkg当たりの化合物のmgへの転換は、理想的なバイオアベイラビリティーを仮定すると、理論的最低有効投薬量を与える。薬物動態学的、薬物力学的及び他の考慮は、実際に投与される投薬量をそれより高い、又は低い値に変えることができる。活性成分の典型的な1日の投薬量は広い範囲内で変わり、関連する適応症、投与経路、患者の年齢、体重及び性別のような種々の因子に依存し、医師が決定することができる。一般に、1回の又は個々の投薬における患者への合計の1日の投薬量投与は、例えば1日に体重のkg当たり0.001〜10mgの量における投与であることができ、より普通には、1日当たり0.01〜1,000mgの合計活性成分であることができる。そのような投薬量は、処置の必要な患者に毎日1〜3回、あるいは有効性のために必要なだけ頻繁に、且つ少なくとも2ヶ月間、より典型的には少なくとも6ヶ月、あるいは慢性的に投与されるであろう。
【0051】
「治療的に有効な量」という用語は、本発明の組成物の投与により処置可能な状態を処置する治療薬の量を指す。その量は、人間の組織系において検出可能な治療的又は改善的反応を示すのに十分な量を含む。効果は、本明細書に挙げられた状態の処置を含むことができる。ある患者に関する正確な製薬学的に有効な量は、患者の大きさ及び健康状態、処置されている状態の性質及び程度、医師の勧告及び投与のために選ばれる治療薬又は治療薬の組み合わせに依存するであろう。かくして、前もって正確な製薬学的に有効な量を特定することは、有用でない。「製薬学的に許容され得る塩」という用語は、健全な医学的判断の範囲内で、過度の毒性、刺激、アレルギー反応などなくして人間及び下級動物(lower animals)の組織と接触させて使用するのに適しており、合理的な利益/危険比と釣り合った(commensurate)塩を指す。製薬学的に許容され得る塩は、当該技術分野において周知である。それらは、本発明の化合物を最終的に単離及び精製する時にその場で、あるいはそれらを無機もしくは有機塩基及び無機もしくは有機酸を含む製薬学的に許容され得る無−毒性の塩基又は酸と反応させることにより別に製造することができる(Berge,1977)。塩を塩基又は酸と接触させ、通常の物質における(in the conventional matter)親化合物を単離することにより、「遊離の塩基」形態を再生することができる。化合物の親形態は、極性溶媒中における溶解度のようなある種の物理的性質において種々の塩形態と異なるが、本発明の目的のために他の点で、塩は化合物の親形態と同等である。
【0052】
「処置」という用語は、人間の状態又は疾患のいずれかの処置を指し:(1)疾患又は状態を妨げること、すなわちその進展(development)をはばむこと、(2)疾患又は状態を軽減すること、すなわち状態を戻すこと、あるいは(3)疾患の症状を止めることを含む。「妨げる」という用語は一般的に受け入れられているその意味を含み、それには進行、重度又は結果としての症状を抑制すること、緩和すること、改善すること及び遅くするか、止めるか、又は逆転させること(reversing)が含まれる。本明細書で用いられる場合、「医療」という用語は、人間に生体内又は生体外で行われる診断的及び治療的管理を含むことが意図されている。
【0053】
本明細書で用いられる場合、「体重障害」という用語は、エネルギー摂取とエネルギー消費の間の不均衡により引き起こされ、異常な(例えば過剰の)体重を生ずる障害を指す。そのような体重−障害には肥満(Roth,1994;Sibley,1993;Sleigh,1995,1997)が含まれる。「肥満」は、人が身長の二乗当たりの体重(km/m)として計算される少なくとも25.9のボディー・マス指数(BMI)を有する状態を指す。通常、正常な体重を有する人は、19.9〜25.9未満のBMIを有する。本明細書で肥満は、遺伝的又は環境的ないずれかの原因の故であり得る。肥満を生じ得るか又は肥満の原因であり得る障害の例には、過食及び過食症、多のう胞性卵巣疾
患、頭蓋咽頭腫、プラーダー−ヴィリ症候群、フレーリッヒ症候群、II−型糖尿病、GH−欠損患者、正常変異短身長(normal variant short stature)、ターナー症候群及び代謝活性の低下又は合計無脂肪質量(total fat−free mass)のパーセンテージとしての静止エネルギー消費の減少を示す他の病理学的状態、例えば急性リンパ芽球性白血病に罹った子供が含まれる。
【0054】
略語
ACE−Cl 1−クロロエチルクロロホルメート
ACN アセトニトリル
ADD 注意不足障害
ADHD 注意力欠損高活動性異常
API 大気圧イオン化
BEMP 2−tert−ブチルイミノ−2−ジエチルアミノ−1,3−ジメチル
−ペルヒドロ−1,3,2−ジアザホスホリン
BMI ボディー・マス指数
Boc tert−ブトキシカルボニル
BocO ジ−tert−ブチルジカーボネート
CHO チャイニーズハムスター卵巣(細胞)
CNS 中枢神経系
CUR カーテンガス
DCM ジクロロメタン
DiPEA N,N−ジイソプロピルエチルアミン
DMAP 4−ジメチルアミノピリジン
DMC 2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリニウムクロリド
DMF N,N’−ジメチルホルムアミド
DMSO ジメチルスルホキシド
EA 酢酸エチル
SI 電子スプレーイオン化
FCS 胎児ウシ血清
FP 焦点電位(focusing potential)
g グラム
h 時間
HPLC 高圧(性能)液体クロマトグラフィー
5−HT 5−ヒドロキシトリプタミン、セロトニン
MeI ヨウ化メチル
MeOH メタノール
mg ミリグラム
min 分
ml又はmL ミリリットル
m.p. 融点又は(c.q.)融解範囲
MS 質量分析
MTBE メチルtert−ブチルエーテル
PA 石油エーテル(40−60)
保持因子(薄層クロマトグラフィー)
保持時間(LC/MS)
RT 室温
SIM 単イオン監視(Single Ion Monitoring)
SCX 強カチオン交換(Strong Cation eXchange)
SPE 固相抽出
1/2 半減期
TBAF テトラブチルアンモニウムフルオリド
TBDPS tert−ブチルジフェニルシリル
TFAA トリフルオロ酢酸無水物
TMS トリメチルシリル
TMSCl トリメチルシリルクロリド
THF テトラヒドロフラン
WME ウィリアム培地E
X−Phos 2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’,4’,6’−トリイソプロピ
ルビフェニル
【0055】
実施例1:分析法
核磁気共鳴スペクトル(H NMR)は、他にことわらなければBruker ARX 400(H:400MHz)又はVarian VXR200(H:200MHz)測定器を用いて300Kにおいて、示される溶媒中で決定された。Cambridge Isotope Laboratories Ltdから得たジューテリウム化クロロホルム又はDMSO中でスペクトルを決定した。テトラメチルシラン(1H)から下方磁場へのppmで化学シフト(δ)を示す。カップリング定数JをHzで示す。NMRスペクトルにおけるピーク形を記号「q」(四重項)、「dq」(二重四重項(double quartet))、「t」(三重項)、「dt」(二重三重項)、「d」(二重項)、「dd」(二重二重項)、「ddd」(二重二重二重項)、「s」(一重項)、「bs」(ブロード一重項)及び「m」(多重項)で示す。試料を1滴のDOと混合した後に、NH及びOHシグナルを同定した。
【0056】
フラッシュクロマトグラフィーは、示される溶離剤及びシリカゲル(Merckシリカゲル 60:0.040−0.063mm)を用いる精製を指す。融点は、Buechi
B−545融点装置上で記録された。水分及び/又は酸素に敏感な化合物を含むすべての反応は、無水窒素雰囲気下で行なわれた。シリカがコーティングされたガラスプレート(Merck 予備コーティングされたシリカゲル 60 F254)上で、指示される溶離剤を用いる薄−層クロマトグラフィー(TLC)の使用により、反応を監視した。UV光(254nm)又はIによりスポットを視覚化した。
【0057】
液体クロマトグラフィー−質量分析(LC−MS):LC−MS系は、2つのPerkin Elmerシリーズ200マイクロポンプから成る。ポンプは、Gilson 215オートサンプラーに連結された50μlのティーミキサーにより互いに連結される。方法は以下の通りである:
【0058】
【表1】

【0059】
オートサンプラーは、2μlの注入ループを有し、3μmの粒子を含むWaters Atlantis C18 304.6mmカラムに連結された。カラムは、Perkin Elmer シリーズ 200カラムオーブン中で40℃において温度調節された。カラムは、2.7μlのフローセルを有するPerkin Elmer シリーズ 200 UVメーターに連結された。波長は254nmに設定された。UVメーターはSciex API 150EX質量分析計に連結された。質量分析計は以下のパラメーターを有した:
走査範囲:150−900a.m.u.;極性:正;走査様式:プロフィール(profile);分解能(resolution) Q1:UNIT;ステップサイズ:0.10a.m.u.;走査当たりの時間:0.500秒;NEB:10;CUR:10 IS:5200;TEM:325;DF:30;FP:225及びEP:10。光散乱検出器をSciex API 150に連結した。光散乱検出器は、50℃及び3バールのNにおいて運転されるSedere Sedex 55であった。系全体は、G3 powermacにより制御された。
【0060】
実施例2:合成の一般的側面
特許請求される化合物及びピラゾリン部分を含有する中間体の適した合成は、以前に国際公開第2008/034863号パンフレットに開示された経路に類似の経路に従い、4,5−ジヒドロ−1H−ビラゾール又は4,5−ジヒドロ−3H−ピラゾール構成単位を使用し、それらは商業的に入手可能であるか又は下記に記載する通りに製造される。
【0061】
【化5】

【0062】
経路1は一般式(V)のN−(ビス−アルキルスルファニル−メチレン)−スルホンアミド構造を用い、それはスルホンアミドからKOHの存在下におけるCSとの反応及び続くヨウ化メチルのようなアルキルアライドとの反応により製造され得る。2個のS−アルキル官能基を続いてアミンにより置換することができ、好ましくはピラゾリン構成単位を用いて開始して一般式(VI)の構造を得、一般式(IV)のスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体で終わる。
【0063】
【化6】

【0064】
経路2は、チオウレア構成単位とヨウ化メチルのようなアルキルハライドの反応により簡単に製造される一般式(IX)のアルキル−イソチオウレアフラグメント又はその適した塩形態を用い、それを塩基の存在下でピラゾリンと反応させて一般式(X)のピラゾリンカルボキシアミジン誘導体を得ることができる。後者を塩基の存在下でスルホニルハライド(X=Br、Cl、F、好ましくはCl)と反応させ、一般式(IV)のスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体を得ることができる。
【0065】
【化7】

【0066】
経路3は一般式(I)のスルホニルカルバメートを用い、それは例えば塩基の存在下におけるスルホンアミドとメチルクロロホルメート又はジ−tert−ブチルジカーボネートの反応により製造され得る。一般式(II)のそれらのピラゾリンとの反応生成物を、
続いてPCl、POCl/DMAP又は2−クロロ−1,3−ジメチルイミダゾリウムクロリド(DMC)のようなハロゲン化剤を用いて一般式(III)のクロロイミン中間体に転換し、続いてアミンと反応させて一般式(IV)のスルホニルピラゾリンカルボキシアミジン誘導体を得ることができる。
【0067】
特定の合成法の選択は、官能基と用いられる試薬の適合性、保護基、触媒、活性化及びカップリング試薬を用いる可能性ならびに製造されている最終的な化合物中に存在する最終の(ultimate)構造的特徴のような当該技術分野における熟練者に既知の因子に依存する。
【0068】
当該技術分野において周知の標準的な方法を用いて、例えば本発明の化合物を適した酸、例えば無機酸又は有機酸と混合することにより、製薬学的に許容され得る塩を得ることができる。
【0069】
実施例3:ピラゾリン中間体の合成
以下のピラゾリン中間体を、国際公開第2008/034863号パンフレットに記載されている通りに合成した。
【0070】
【化8】

【0071】
実施例4:特定の化合物の合成
4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]ベンゼン−スルホンアミド(化合物4)
4−アミノ−N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−ベンゼンスルホンアミド:
【0072】
【化9】

【0073】
100gのスルファニルアミドを375mLのDMF中に溶解し、NaOHの50%水溶液の33.2mLを滴下し、撹拌を室温で10分間続けた。白色懸濁液に19.2mLの二硫化炭素を滴下し、混合物を室温で30分間撹拌した。18.1mLの50%NaOH水溶液及び9.6mLの二硫化炭素の連続的添加で混合物をさらに2回、2回のサイクルの間に10分間撹拌する間隔を以て処理した。最後に混合物を30分間撹拌した後、オレンジ/赤色の溶液を氷浴で冷却し、混合物の温度が25℃より低く保たれるような速度で、72.3mLのヨードメタンを滴下した。混合物を撹拌可能に保つために25mLの量のDMFを加え、撹拌を1時間続けた。まだ冷却しながら、250mLの水を混合物に加え、懸濁液を室温で終夜機械的に撹拌した。沈殿を濾過し、水及び冷エタノールで洗浄した。残留物を酢酸エチルから再結晶し、真空中で50℃において乾燥した後、64.9g(40%)の白色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 3.38(s,6H),6.15(s,2H),6.66(d,J=8.73Hz,2H),7.56(d,J=8.73Hz,2H).
【0074】
4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0075】
【化10】

【0076】
25mLのマイクロ波バイアル中で、2.00gの4−アミノ−N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)ベンゼン−スルホンアミド及び1.00gの2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−2−エンを15mLのピリジン中に溶解した。バイアルにキャップをし、マイクロ波中で180℃において2時間加熱した。8回の連続的なこれらの実験から生ずる混合物を合せ、減圧下で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EA 95:5→90:10)に供し、純粋な画分を蒸発させて、5.20g(25%)の黄色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.63−1.92(m,8H),2
.23(s,3H),3.06(s,2H),4.03(s,2H),6.67(d,2H),6.98(s,1H),7.74(d,2H).
【0077】
【化11】

【0078】
30mLのMeOH中の4.05gの4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、エチルアミンの70%水溶液の7.86mLを加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、蒸発乾固した。残留物を最少量のDCM中に溶解し、MTBEを用いて磨砕した。沈殿を濾過し、真空中で乾燥し、続いて酢酸n−ブチルから再結晶して、真空中で80℃において乾燥した後に、2.40g(67%)の4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドをオフホワイト色の微結晶性材料として与えた;融点 141−142℃。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.14(t,J=7.22Hz,3H),1.47−1.89(m,8H),3.35−3.57(m,2H),3.79(s,2H),4.02(br.s.,2H),6.65(d,J=8.73Hz,2H),6.78(s,1H),6.91(br.s.,1H),7.70(d,J=8.73Hz,2H).
【0079】
4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド(化合物15)
3−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
【0080】
【化12】

【0081】
氷浴中で冷却された20mLのアセトニトリル中の5.00gの3−フルオロ−4−ニトロベンゼンスルホニルクロリドの溶液に、4.40mLの30%水酸化アンモニウム溶液を滴下した。氷浴を除去した後、室温で30分間撹拌を続けた。水を加え、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、4.65g(99%)の黄色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 7.51(s,2H),7.89(
d,J=9.33Hz,1H),7.92(dd,J=10.23,1.81Hz,1H),8.14−8.21(m,1H).
【0082】
4−アミノ−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
【0083】
【化13】

【0084】
10mLのMeOH中の1.00gの3−フルオロ−4−ニトロ−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、10モル%のパラジウムカーボンを加えた。50psiのH圧において、混合物を30分間水素化した。Hyflo上の濾過の後、真空中における濃縮は、630mg(74%)の暗−褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 6.83(t,J=8.43Hz,1H),7.42(dd,J=8.28,1.96Hz,1H),7.47(dd,J=10.99,1.96Hz,1H)[NH’s 不可視].
【0085】
4−アミノ−N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
【0086】
【化14】

【0087】
1.15gの4−アミノ−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドを50mLのDMF中に溶解し、NaOHの50%水溶液の0.33mLを滴下し、撹拌を室温で30分間続けた。混合物に0.16mLの二硫化炭素を滴下し、混合物を室温で1時間撹拌した。0.16mLの50%NaOH水溶液及び0.08mLの二硫化炭素の連続的添加で混合物をさらに2回、2回のサイクルの間に30分間撹拌する間隔を以て処理した。最後に混合物を1時間撹拌した後、紫色の溶液に0.72mLのヨードメタンを滴下し、撹拌を1時間続けた。混合物を氷浴中で冷却した後、100mLの水を混合物にゆっくり加え、懸濁液を室温で終夜機械的に撹拌した。沈殿を濾過し、乾燥して、0.60g(35%)の褐色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 2.55(s,6H),4.20(br.s.,2H),6.80(t,J=8.58Hz,1H),7.56−7.64(m,2H).
【0088】
4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−
メチルスルファニル−メチレン]−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド
【0089】
【化15】

【0090】
10mLのマイクロ波バイアル中で、530mgの4−アミノ−N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド及び325mgの2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−2−エンを5mLのピリジン中に溶解し、1滴のイオン性液体(1−ブチル−3−メチルイミダゾリウムヘキサフルオロホスフェート)を加えた。バイアルにキャップをし、マイクロ波中で180℃において2時間加熱した。混合物を減圧下で濃縮し、真空中で乾燥し、粗生成物(840mg)を続く段階において用いた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.60−2.03(m,8H),2.24(s,3H),3.07(s,2H),4.90(br.s.,2H),7.00(s,1H),7.28−7.33(m,1H),7.65−7.73(m,1H),8.62(d,J=3.91Hz,1H).
【0091】
【化16】

【0092】
25mLのMeOH中の840mgの4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミド(粗)の溶液に、エチルアミンの70%水溶液の3.43mLを加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、水を加え、混合物をDCMで抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(EA/PA 3:1)により精製し、260mg(2段階を経て33%)の4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−フルオロ−ベンゼンスルホンアミドを褐色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.16(t,J=7.2Hz,3H),1.57−1.87(m,7H),3.43−3.53(m,2H),3.82(s
,2H),4.02−4.07(m,2H),6.77(t,J=8.4Hz,1H),6.80(s,1H),7.50−7.58(m,2H)[NH 不可視].
【0093】
N−[エチルアミノ−(5−フェニル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−ヒドロキシベンゼン−スルホンアミド(化合物25)
N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
【0094】
【化17】

【0095】
10.00gの4−メトキシベンゼンスルホンアミドを90mLのDMF中に溶解し、5.16mLの二硫化炭素を加えた。混合物を氷浴中で冷却し、続いてNaOHの50%水溶液の6.47mLを滴下した。暗−赤色の混合物を30分間撹拌し、7.65mLのヨードメタンを滴下し、氷浴を除去し、混合物を室温で1時間撹拌した。続いて33mLの水を混合物にゆっくり加え、懸濁液を室温で終夜撹拌した。沈殿を濾過し、水で3回洗浄し、真空中で乾燥した。生成物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM→DCM/MeOH 95:5)により精製し、8.00g(44%)の非晶質油性白色材料を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 2.53(s,6H),3.88(s,3H),6.97(q,J=5.12Hz,2H),7.93(q,J=5.02Hz,2H).
【0096】
4−メトキシ−N−[メチルスルファニル−(5−フェニル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]ベンゼン−スルホンアミド
【0097】
【化18】

【0098】
雰囲気下に、3.26gのN−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド及び4.34gの5−フェニル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾールを25mLのピリジン中に溶解し、3日間還流させた。混合物を冷却し、減圧下で濃縮した。残留物をEA中に取り上げ、5%NaHCO水溶液で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(D
CM→DCM/MeOH 95:5)により精製した。純粋な画分の蒸発は、2.30g(40%)の黄色の油を与えた。
TLC:R 0.71(DCM/MeOH 95:5).LC−MS:R 1.85分(MH+ 390).
【0099】
N−[エチルアミノ−(5−フェニル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
【0100】
【化19】

【0101】
50mLのMeOH中の2.30gの4−メトキシ−N−[メチルスルファニル−(5−フェニル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、エチルアミンの70%水溶液の3.80mLを加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、蒸発乾固した。残留物をEA中に取り上げ、5%NaHCO水溶液で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固し、残留物を調製的HPLCにより精製し、1.20g(62%)の白色非晶質固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.14(t,J=7.2Hz,3H),2.66−2.79(m,1H),3.28−3.42(m,1H),3.48−3.67(m,2H),3.80(s,3H),5.51(dd,J=11.9,7.1Hz,1H),6.60(d,J=9.0Hz,2H),6.94−6.98(m,1H),7.02−7.09(m,2H),7.18(d,J=9.0Hz,2H),7.20−7.25(m,3H)[グアニジン NH 不可視].
【0102】
【化20】

【0103】
雰囲気下に、25mLのDCM中の1.05gのN−[エチルアミノ−(5−フェニル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、DCM中の三臭化ホウ素の1M溶液の12.91mLを加えた。混合物をN雰囲気下に室温で終夜撹拌し、水でクエンチングし、さらに30分間撹拌した。固体を濾過し、濾液を水で抽出した。有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固
した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(段階的勾配DCM→DCM/MeOH 95:5)により精製した。純粋な画分を濃縮し、EtOを用いて磨砕した。固体を濾過し、真空中で乾燥して、0.34g(34%)のN−[エチルアミノ−(5−フェニル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミドを灰色の結晶性材料として与えた、融点 158−160℃。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 1.07(t,J=7.2Hz,3H),2.69−2.81(m,1H),3.36−3.47(m,1H),3.49−3.59(m,2H),5.40−5.51(m,1H),6.55(d,J=8.7Hz,2H),7.00(d,J=8.4Hz,2H),7.04−7.12(m,3H),7.22−7.29(m,3H),9.71(s,1H)[グアニジン NH 不可視].
【0104】
N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−4−ヒドロキシメチル−ベンゼンスルホンアミド(化合物40)
4−スルファモイル−安息香酸メチルエステル
【0105】
【化21】

【0106】
150mLのメタノール中の5.16gの4−カルボキシベンゼンスルホンアミドの混合物に、6.84mLの硫酸を加えた。混合物を終夜還流させ、室温に冷ました。混合物を蒸発乾固し、EtOを用いて残留物を磨砕した。生成する沈殿を濾過し、EtOを用いて洗浄し、乾燥して、5.2グラム(92%)の白色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 3.90(s,3H),7.59(s,2H),7.97(d,J=5.84Hz,2H),8.15(d,J=5.84Hz,2H).
【0107】
4−ヒドロキシメチル−ベンゼンスルホンアミド
【0108】
【化22】

【0109】
100mLのTHF及び1.44mLのMeOH中の5.2gの4−スルファモイル−安息香酸メチルエステルの溶液に、0.77gの水素化ホウ素リチウムを10分かけて分けて加えた。混合物を終夜加熱還流し、室温に冷まし、100mLの1N HClを含有する氷上に注いだ。混合物をEtOAcで抽出し、有機層をMgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/ヘキサン 1:1)により精製し、0.75グラム(17%)の生成物を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 4.57(d,J=5.81Hz,1H),5.38(t,J=5.81Hz,1H),7.48(d,J=8.34Hz,2H),7.78(d,J=8.34Hz,2H).
【0110】
4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド
【0111】
【化23】

【0112】
50mLのDMF中の750mgの4−ヒドロキシメチル−ベンゼンスルホンアミドの混合物に、1.55mLのtert−ブチルクロロジフェニルシラン及び539mgのイミダゾールを加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、EtOAcで希釈し、水で抽出した。有機相をMgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。粗生成物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM)により精製し、0.5グラムの純粋な生成物及び0.6グラムの汚染された生成物画分からの材料を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.07(s,3H),1.11(s,6H),4.75(s,2H),4.82(s,2H),7.35−7.47(m,6H),7.49(d,J=5.68Hz,2H),7.64−7.74(m,4H),7.90(d,J=5.68Hz,2H).
【0113】
N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド
【0114】
【化24】

【0115】
50mLのDMF中の500mgの4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−ベンゼンスルホンアミドの混合物に0.11mLの二硫化炭素を加え、混合物を10℃に冷却した。撹拌下に、0.14mLの50%NaOH水溶液を滴下し、混合物を室温で1時間撹拌した。続いて0.16mLのヨードメタンを滴下し、室温における撹拌を30分間続けた。10mLの水を加えた後、混合物を室温で終夜撹拌した。沈殿を濾過し、水で洗浄し、乾燥して、0.4グラムの生成物を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 1.04−1.08(m,9H),2.57(s,6H),4.88(s,2H),7.40−7.50(m,6H),7.59(d,J=8.34Hz,2H),7.63−7.68(m,4H),7.90(d
,J=8.34Hz,2H).
【0116】
4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0117】
【化25】

【0118】
15mLのピリジンに400mgのN−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)−4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−ベンゼンスルホンアミド及び111mgの2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−2−エンを加えた。混合物を90℃で2夜加熱し、減圧下で濃縮し、真空中で乾燥して700mgの生成物(LC−MS R 3.91分)を与え、それを精製せずに続く段階において用いた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.10−1.12(m,9H),1.63−1.94(m,8H),4.82(s,2H),7.01(s,1H),7.65−7.71(m,4H),7.92−7.96(m,2H).
【0119】
4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0120】
【化26】

【0121】
50mLのメタノール中の700mgの4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、エチルアミ
ンの70%水溶液の1.84mLを加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、減圧下で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM→DCM/MeOH 97:3)により精製し、730mgの生成物を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ ppm 1.10(s,9H),1.15(t,J=7.21Hz,3H),1.66−1.75(m,8H),3.48(dd,J=7.21,5.38Hz,2H),3.85(s,2H),4.80−4.81(m,2H),6.80(s,1H),7.35−7.47(m,6H),7.65−7.70(m,4H),7.65−7.70(m,2H),7.88−7.91(m,2H).
【0122】
【化27】

【0123】
694mgの4−(tert−ブチル−ジフェニル−シラニルオキシメチル)−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを40mLのTHF中に取り上げ、テトラブチルアンモニウムフルオリドの1M溶液の1.04mLを滴下した。混合物を室温で4時間撹拌した。混合物をEtOAcで希釈し、5%NaHCO水溶液で3回抽出した。有機相をMgSO上で乾燥し、減圧下で濃縮した。残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 95:5)に供し、得られる粗生成物をEtOAc中に取り上げ、2N NaOH水溶液で2回抽出した。乾燥及び濃縮の後、残留物を5mLのMTBEと一緒に撹拌し、得られる白色の固体を濾過し、乾燥して40mgの生成物を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.15(t,J=7.20Hz,3H),1.62−1.86(m,8H),3.41−3.52(m,2H),3.84(br.s.,1H),4.77(d,J=5.31Hz,2H),6.80(s,1H),7.45(d,J=8.34Hz,2H),7.93(d,J=8.34Hz,2H).
【0124】
4−アミノ−N−[エチルアミノ−(2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド(化合物47)
4−アミノ−N−[(8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド:
【0125】
【化28】

【0126】
25mLのマイクロ波バイアル中で、1.50gの4−アミノ−N−(ビス−メチルスルファニル−メチレン)ベンゼン−スルホンアミド及び1.37gの8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−2−エンを20mLのピリジン中に懸濁させた。バイアルにキャップをし、マイクロ波中で180℃(6バール)において1時間加熱した。反応混合物をシリカ上で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM→DCM/MeOH 99:1→DCM/MeOH 98:2)を用いる精製は、1.03g(41%)のベージュ色の非晶質物質を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.57−1.72(m,2H),1.78−1.92(m,2H),2.17−2.32(m,5H),2.66−2.81(m,2H),3.51(s,2H),4.04(s,2H),4.28(s,2H),6.64−6.71(m,2H),6.98(s,1H),7.20−7.37(m,5H),7.72−7.79(m,2H).
【0127】
4−アミノ−N−[(8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド:
【0128】
【化29】

【0129】
30mLのMeOH中の1.35gの4−アミノ−N−[(8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−メチルスルファニル−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、エチルアミンの70%水溶液の2.26mL(10当量)を加えた。混合物を週末の間、室温で撹拌し、シリカ上で濃縮した。フラッ
シュカラムクロマトグラフィー(DCM→DCM/MeOH 99:1→DCM/MeOH 95:5)を用いる精製は、1.16g(87%)の淡黄色のガラスを与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.14(t,J=7Hz,3H),1.50−1.60(m,2H),1.73−1.84(m,2H),2.11−2.26(m,2H),2.63−2.76(m,2H),3.41−3.53(m,2H),3.79(s,2H),3.98(s,2H),6.62−6.70(m,2H),6.76(s,1H),6.97(br s,1H),7.22−7.36(m,5H),7.67−7.75(m,2H).
【0130】
(4−{[(8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
【0131】
【化30】

【0132】
10mLの1,4−ジオキサン中の510mgの4−アミノ−N−[(8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液に、490mg(2当量)のジ−tert−ブチルジカーボネートを加えた。混合物を終夜還流において撹拌、冷却し、シリカ上で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99:1→95:5)を用いる精製は、550mg(87%)の黄色のガラスを与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.14(t,J=7Hz,3H),1.47−1.61(m,11H),1.73−1.86(m,2H),2.11−2.26(m,2H),2.64−2.76(m,2H),3.41−3.54(m,2H),3.80(s,2H),6.66(s,1H),6.78(s,1H),6.94(br s,1H),7.21−7.37(m,5H),7.41−7.48(m,2H),7.82−7.89(m,2H).
【0133】
(4−{[エチルアミノ−(2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステル:
【0134】
【化31】

【0135】
10mLの1,2−ジクロロエタン中の550mgの(4−{[(8−ベンジル−2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルの溶液を氷浴中で冷却し、0.12mL(1.1当量)の1−クロロエチルクロロホルメート及び0.03mLのDiPEAを滴下した。15分後、氷浴を除去し、混合物を室温で30分間撹拌した。混合物を真空中で濃縮し、トルエンと一緒に3回共−蒸発させた。残留物を10mLのMeOH中に取り上げ、室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮した。残留物をEA中に取り上げ、2M NaOHで抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、シリカ上で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(EtOAc/MeOH/EtN 50:45:5)を用いる精製は、360mg(72%)のオレンジ色のガラスを与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 0.96(t,J=7Hz,3H),1.33−1.43(m,2H),1.48(s,9H),1.53−1.64(m,2H),2.44−2.56(m,2H),2.76−2.88(m,2H),3.21−3.33(m,2H),3.68(s,2H),7.29(s,1H),7.50−7.59(m,2H),7.60−7.74(m,3H),9.70(s,1H).
【0136】
【化32】

【0137】
360mgの(4−{[エチルアミノ−(2,3,8−トリアザ−スピロ[4.5]デセ−3−エン−2−イル)−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)−カルバミン酸tert−ブチルエステルを10mLのエタノール中に懸濁させ;0.44mL(5当量)のベラトロールを加え、続いてエタノール中の1M HClの3.49mL(5当量)
を加えた。混合物を60℃で終夜撹拌した。冷却後、SPE(Isolute Flash SCX−2,MeOHを用いて状態調節、サンプリング及び洗浄,MeOH中の1M
NHを用いて溶離)を用いて混合物を精製し、150mg(53%)の黄色のガラスを与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 0.97(t,J=7Hz,3H),1.33−1.45(m,2H),1.52−1.66(m,2H),2.46−2.60(m,2H),2.76−2.90(m,2H),3.20−3.40(m,2H),3.66(s,2H),5.71(s,2H),6.50−6.61(m,2H),7.26(s,1H),7.37−7.52(m,3H).
【0138】
この合成経路により製造される化合物を下記の表において「経路1」と記す。
【0139】
4−アミノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド(化合物3)
1−エチル−2−メチル−イソチオウレア ヒドロヨーダイド:
【0140】
【化33】

【0141】
20.5gのエチル−チオウレアを100mLのEtOH中に溶解した。氷浴を用いて混合物を冷却し、13.5mL(1.1当量)のMeIを滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、真空中で濃縮して、48.3gの明−黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 1.17(t,J=7.5Hz,3H),2.61(s,3H),3.34(q,J=7.5Hz,2H),9.10(br
s,2H).
【0142】
N−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリド
【0143】
【化34】

【0144】
12.0gの4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−3H−ピラゾールを100mLのピリジン中に溶解した。50mLのピリジン中の30.0gの1−エチル−2−メチル−イソチオウレア ヒドロヨーダイドの溶液を加え、混合物を20時間還流させた。混合物を室温に冷まし、減圧下で濃縮し、残留物をDCM(120mL)中に取り上げた。有機相を2N NaOH(2x120mL)で抽出し、水(120mL)で洗浄し、NaSO上で乾燥し、減圧下で蒸発させて、16.3g(79%)のオレンジ色の油を与えた。油(10.0g)をEtOAc(50mL)中に取り上げ、60℃に加熱した。熱源の除去の後、イソプロパノール中のHClの5〜6N溶液(20mL)を4分かけて加えた
。室温に冷ました後、EtOAc(50mL)を4分かけて加え、混合物を20℃で90分間撹拌した。生成する結晶を濾過により集め、EtOAc(20mL)で洗浄し、続いて穏やかに加熱しながら減圧下で乾燥し、6.52g(54%)の所望の生成物を黄色の固体として与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 1.13(t,J=7Hz,3H),1.24(s,6H),3.27−3.34(m,2H),3.64(s,2H),7.26(s,1H),8.03(br s,2H),8.13(br s,1H).
【0145】
N−(4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)アセトアミド:
【0146】
【化35】

【0147】
500mgのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを10mLのDCM中に懸濁させ、0.88mLのDiPEAを加え、続いて571mgの4−アセチルアミノ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。さらに0.44mLの塩基及び290mgのスルホニルクロリドを加えた後に終夜反応させることにより、さらに転換を行った。5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液を用いて混合物を連続的に抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固し、粗生成物(LC−MSに基づいて>95%の予想される生成物を含有する900mgの紫色の油)を続く段階において用いた。
LC−MS:R 1.34分(MH+ 366).
【0148】
【化36】

【0149】
900mgのN−(4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)アセトアミドを5mLのMeOH中に溶解し、5mLの濃HClを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。
2M NaOHを用いて混合物を塩基性とし、DCMを用いて2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99:1)により精製し、400mg(50%)の4−アミノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを非晶質の固体として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.15(t,J=7Hz,3H),1.20(s,6H),3.42−3.51(m,2H),3.74(br.s.,2H),4.00(br.s.,2H),6.62−6.68(m,2H),6.71(s,1H),6.90(br.s.,1H),7.67−7.73(m,2H).
【0150】
4−アミノ−3−クロロ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド(化合物13)
N−(2−クロロ−4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)アセトアミド
【0151】
【化37】

【0152】
500mgのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを10mLのDCM中に懸濁させ、0.88mLのDiPEAを加え、続いて655mgの4−アセチルアミノ−3−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。さらに0.44mLの塩基及び290mgのスルホニルクロリドを加えた後に終夜反応させることにより、さらに転換を行った。5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液を用いて混合物を連続的に抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固し、粗生成物(LC−MSに基づいて85%の予想される生成物を含有する680mg)を続く段階において用いた。
LC−MS:R 1.46分(MH+ 400).
【0153】
【化38】

【0154】
680mgのN−(2−クロロ−4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)アセトアミドを5mLのMeOH中に溶解し、5mLの濃HClを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。2M NaOHを用いて混合物を塩基性とし、DCMを用いて2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99:1)により精製し、240mg(40%)の4−アミノ−3−クロロ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドをオレンジ色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.17(t,J=7Hz,3H),1.21(s,6H),3.43−3.52(m,2H),3.75(br.s.,2H),4.37(br.s.,2H),6.73(s,1H),6.76(d,J=8Hz,1H),6.86(br.s.,1H),7.62(dd,J=2及び8Hz,1H),7.83(d,J=2Hz,1H).
【0155】
2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド(化合物16)
4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリド
【0156】
【化39】

【0157】
19.36gの4−エチル−4,5−ジヒドロ−1H−ピラゾールを100mLのトルエン中に溶解した。48.5gの1−エチル−2−メチル−イソチオウレア ヒドロヨーダイド及び33.8mLのDiPEAを加え、混合物を48時間還流させた。混合物を濃縮し、2M NaOHを加え、続いてDCMで抽出した(3回)。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、真空下で溶媒を蒸発させ、NMRに従って75%の所望の生成物を含有する32.7g(99%)の赤色の油を与えた。油をEtOH中に溶解し、EtOH中の1M HClの194mLを滴下した。混合物を室温で30分間撹拌し、真空中で濃
縮した。CHCN:MTBE=1:1からの結晶化は、11.52g(29%)の所望の生成物をベージュ色の固体として与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 0.96(t,J=7.5Hz,3H),1.16(t,J=7Hz,3H),1.46−1.72(m,2H),3.32(q,J=7Hz,2H),3.35−3.45(m,1H),3.55(dd,J=10.5及び7Hz,1H),3.96(t,J=10.5Hz,1H),7.34(d,J=2Hz,1H),8.00(br s,2H).
【0158】
1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド
【0159】
【化40】

【0160】
5.76gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを100mLのDCM中に懸濁させ、13.10mLのDiPEAを加え、続いて5.00gの1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液を用いて混合物を連続的に抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EA 3:1→EA)により精製し、1.85g(25%)の黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.97(t,J=7.52Hz,3H),1.15(t,J=7.37Hz,3H),1.45−1.69(m,2H),2.25(s,3H),3.01−3.16(m,1H),3.24(t,J=8.58Hz,2H),3.42−3.52(m,2H),3.64−3.75(m,1H),4.02−4.21(m,3H),6.90(d,J=1.20Hz,1H),7.72−7.82(m,2H),8.24(d,J=8.43Hz,1H)[グアニジン NH 不可視].
【0161】
【化41】

【0162】
1.74gの1−アセチル−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを100mLのEtOH中に溶解し、22.2mLの1M HClを加えた。混合物を還流下で5時間撹拌した。室温に冷ました後、5%NaHCO溶液を用いて混合物を塩基性とし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM→DCM/EA 4:1)により精製し、0.66g(43%)の2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを黄色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.97(t,J=7.52Hz,3H),1.15(t,J=7.22Hz,3H),1.44−1.68(m,2H),2.97−3.13(m,3H),3.42−3.54(m,2H),3.58−3.72(m,3H),3.99−4.09(m,1H),6.55(d,J=8.13Hz,1H),6.88(d,J=1.50Hz,1H),7.00(br.s.,1H),7.55−7.65(m,2H)[NH 不可視].
【0163】
1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド(化合物18)
【0164】
【化42】

【0165】
0.42gの2,3−ジヒドロ−1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを25mLのトルエン中に溶解し、10モル%のパラジウムカーボンを加えた。2日後に新鮮な触媒(10モル%)を加えて、混合物を50℃で5日間撹拌した。混合物を室温に冷まし、Hy
flo上で濾過した。濾液を蒸発乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM→DCM/EA 9:1)により精製し、0.26g(66%)の1H−インドール−5−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを青色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.87(t,J=7.37Hz,3H),1.08(t,J=7.22Hz,3H),1.32−1.59(m,2H),2.89−3.02(m,1H),3.35−3.50(m,2H),3.58(dd,J=11.44,7.52Hz,1H),3.96(t,J=11.29Hz,1H),6.54−6.58(m,1H),6.85(d,J=1.50Hz,1H),6.97(br.s.,1H)7.23−7.29(m,1H),7.42(d,J=8.73Hz,1H),7.69(dd,J=8.73,1.81Hz,1H),8.24(d,J=1.20Hz,1H),9.43(br.s.,1H).
【0166】
N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−ヒドロキシベンゼンスルホンアミド(化合物19)
N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
【0167】
【化43】

【0168】
雰囲気下に、0.50gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを50mLのDCM中に懸濁させ、0.43mLのDiPEAを加え、続いて0.61gの4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を週末に及んで室温で撹拌した。混合物を5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液で連続的に抽出し、有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(段階的勾配DCM→DCM/MeOH 95:5)により精製し、0.28g(28%)の生成物を与えた。
TLC:R 0.33(DCM/MeOH 99:1).LC−MS:R 1.58分(MH+ 339).
【0169】
【化44】

【0170】
20mLのDCM中に、0.28gのN−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドを溶解し、DCM中のBBrの1M溶液の3.32mLを加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、5%NaHCO水溶液で抽出し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(段階的勾配DCM→DCM/MeOH 95:5)により精製し、0.186g(59%)のN−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミドを与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.95(t,J=7.52Hz,3H),1.13(t,J=7.22Hz,3H),1.50(dq,J=14.20,7.00Hz,1H),1.60(dq,J=14.22,7.00Hz,1H),3.01−3.16(m,1H),3.43−3.50(m,2H),3.66(dd,J=11.44,7.52Hz,1H),4.05(t,J=11.29Hz,1H),6.80(br.s.,1H),6.87(d,J=8.73Hz,2H),6.91(d,J=1.50Hz,1H),7.78(d,J=8.73Hz,2H)[グアニジン NH
不可視].
【0171】
3−クロロ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミド(化合物26)
3−クロロ−4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリド
【0172】
【化45】

【0173】
雰囲気下に、41.25mLのクロロスルホン酸を氷浴中で冷却し、撹拌下で22.26mLの2−クロロアニソールを滴下した。混合物を55℃に加熱し;10分後に熱源を除去し、混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を氷水中に注ぎ、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(PA/EA 9:1)により精製し、24.94g(50%)のベージュ色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 4.03(s,3H),7.08(d
,J=8.73Hz,1H),7.94(dd,J=9.03,2.41Hz,1H),8.06(d,J=2.41Hz,1H).
【0174】
3−クロロ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミド
【0175】
【化46】

【0176】
2.00gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを100mLのDCM中に懸濁させ、10.76mLのDiPEAを加え、続いて3.79gの3−クロロ−4−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を週末に及んで室温で撹拌し、続いて蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(段階的勾配DCM→DCM/EA 9:1続いてDCM/MeOH
98:2)により精製し、1.38g(24%)の無色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.98(t,J=7.52Hz,3H),1.17(t,J=7.22Hz,3H),1.45−1.69(m,2H),3.05−3.16(m,1H),3.43−3.53(m,2H),3.70(dd,J=11.29,7.67Hz,1H),3.95(s,3H),4.04−4.13(m,1H),6.80(br.s.,1H),6.92(d,J=1.50Hz,1H),6.95(d,J=8.43Hz,1H),7.82(dd,J=8.73,2.41Hz,1H),7.95(d,J=2.11Hz,1H).
【0177】
【化47】

【0178】
25mLのDCM中に、1.09gの3−クロロ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドを溶解し、DCM中のBBrの1M溶液の11.69mLを加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、5%NaHCO水溶液で抽出し、MgSO上で乾燥し、蒸発
乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EA 95:5)により精製し、0.89g(84%)の3−クロロ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−4−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミドを黄色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.97(t,J=7.52Hz,3H),1.16(t,J=7.22Hz,3H),1.46−1.70(m,2H),3.05−3.18(m,1H),3.43−3.54(m,2H),3.69(dd,J=11.14,7.52Hz,1H),4.04−4.12(m,1H),6.05(br.s.,1H),6.83(br.s.,1H),6.93(d,J=1.50Hz,1H),7.06(d,J=8.43Hz,1H),7.75(dd,J=8.73,2.11Hz,1H),7.94(d,J=2.11Hz,1H).
3−アミノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド(化合物30)
【0179】
N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ニトロ−ベンゼンスルホンアミド
【0180】
【化48】

【0181】
1.50gのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを50mLのDCM中に懸濁させ、5.02mlのDiPEAを加え、続いて1.95gの3−ニトロ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、5%NaHCO水溶液で抽出した。1M HClを用いて水層を酸性化し、DCMで抽出した。有機相をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固し、2.18g(84%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.19(t,J=7.22Hz,3H),1.25(s,6H),3.44−3.53(m,2H),3.83(br.s.,2H),6.80(s,1H),7.66(t,J=7.98Hz,1H),8.28(d,J=7.82Hz,1H),8.34(dd,J=8.13,1.20Hz,1H).
【0182】
【化49】

【0183】
50mLのEtOH及び25mLの水の混合物中に1.11gのN−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ニトロ−ベンゼンスルホンアミドを溶解した。1.05gの鉄及び1.08mLの酢酸を加え、混合物を4時間還流させた。室温に冷ました後、Hyflo上で混合物を濾過し、HyfloをMeOHで濯いだ。濾液からアルコールを蒸発させ、5%NaHCO水溶液及びDCMを加えた。これらの相中に不溶性の材料を濾過し、有機相を分離し、水相をDCMでもう一回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固して、1.02g(100%)の3−アミノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを褐色の泡として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.14(t,J=7.22Hz,3H),1.19(s,6H),3.42−3.51(m,2H),3.73(s,2H),3.93(br.s.,2H),6.71−6.79(m,2H),6.90(br.s.,1H),7.20(t,J=7.83Hz,1H),7.24−7.31(m,2H).
【0184】
5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド(化合物32)1−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホニルクロリド
【0185】
【化50】

【0186】
雰囲気下に、25.00mLのクロロロスルホン酸を氷浴中で冷却し、撹拌下で5.00gの1−アセチル−5−ブロモインドリンを分けて加えた。撹拌を20分間続け、その後氷浴を除去し、混合物を70℃に加熱した。室温に冷ました後、混合物を氷水中に注意深く注ぎ、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固し、6.57g(93%)のベージュ色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 2.16(s,3H),3.15(t,J=8.58Hz,2H),4.11(t,J=8.58Hz,2H),7.37(s,1H),8.66(s,1H).
【0187】
1−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド
【0188】
【化51】

【0189】
1.94gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを50mLのDCM中に懸濁させ、4.58mLのDiPEAを加え、続いて2.34gの1−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、続いて蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(勾配DCM/EA 95:5→75:25)により精製し、0.65g(16%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.98(t,J=7.37Hz,3H),1.13−1.21(m,3H),1.43−1.80(m,2H),2.22(s,3H),3.11(br.s.,1H),3.17−3.27(m,2H),3.48−3.58(m,2H),3.73−3.84(m,1H),4.04−4.27(m,3H),6.91(s,1H),7.47(s,1H),8.99(s,1H).[グアニジン NH 不可視].
【0190】
【化52】

【0191】
0.65gの1−アセチル−5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを20mLのMeOH中に溶解し、MeOH中の1M HClの20.7mLを加えた。混合物を還流下で終夜撹拌した。室温に冷ました後、5%NaHCO溶液を用いて混合物を塩基性とし、DCMで2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/EA 9:1→8:2)により精製し、0.35g(64%)の5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを黄色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.96(t,J=7.37Hz,3H),1.17(t,J=7.22Hz,3H),1.45−1.68(m,2H),3.00−3.15(m,3H),3.48−3.57(m,2H),3.62(t,J=8.43Hz,2H),3.71(dd,J=11.14,7.52Hz,1H),3.91(br.s.,1H),4.08−4.17(m,1H),6.76(br.s.,1H),6.90(d,J=1.50Hz,1H),7.34(s,1H),7.46(s,1H).
【0192】
2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド(化合物33)
【0193】
【化53】

【0194】
50mLのEtOH中の0.30gの5−ブロモ−2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドの溶液に、0.94mLのトリエチルアミンを加えた。混合物を十分に脱ガスし、10モル%のパラジウムカーボンを加えた。1気圧のH圧において混合物を終夜水素化した。Hyflo上で混合物を濾過し、HyfloをEtOHで洗浄し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM→DCM/EA 95:5→DCM/EA 9:1)により精製し、0.20g(76%)の2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを赤色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.96(t,J=7.52Hz,3H),1.14(t,J=7.22Hz,3H),1.43−1.67(m,2H),3.04(t,J=8.43Hz,3H),3.42−3.52(m,2H),3.60(t,J=8.43Hz,2H),3.66(dd,J=11.44,7.83Hz,1H),4.06(t,J=11.29Hz,1H),6.89(d,J=1.50Hz,1H),7.10−7.15(m,2H),7.24−7.27(m,1H).[NH’s
不可視].
【0195】
1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミド(化合物34)
【0196】
【化54】

【0197】
0.14gの2,3−ジヒドロ−1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを25mLのトルエン中に溶解し、混合物を脱ガスし、10モル%のパラジウムカーボンを加えた。混合物を50℃で終夜撹拌した。混合物を室温に冷まし、Hyflo上で濾過し、Hyfloをトルエンで洗浄した。濾液を蒸発乾固し、残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM→DCM/EA 95:5→DCM/EA 8:2)により精製し、70mgの1H−インドール−6−スルホン酸エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレンアミドを白色非晶質固体として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.86(t,J=7.52Hz,3H),1.06(t,J=7.22Hz,3H),1.32−1.57(m,2H),2.89−3.00(m,1H),3.35−3.54(m,3H),3.89(t,J=11.44Hz,1H),6.54(br.s.,1H),6.84(d,J=1.50Hz,1H),6.96(br.s.,1H),7.36(t,J=2.86Hz,1H),7.59−7.70(m,2H),8.26(d,J=1.20Hz,1H),9.55(br.s.,1H).
【0198】
N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミド(化合物36)
N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−メトキシベンゼンスルホンアミド
【0199】
【化55】

【0200】
2.5gのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを20mLのDCM中に懸濁させ、4.39mLのDiPEAを加え、続いて2.52gの3−メトキシ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を週末に及んで室温で撹拌した。混合物を5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液で連続的に抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物
をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99.5:0.5→99:1)により精製し、2.95g(71%)のオレンジ色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.16(t,J=7Hz,3H),1.22(s,6H),3.43−3.52(m,2H),3.79(br.s.,2H),3.85(s,3H),6.74(s,1H),6.85(br.s.,1H),7.01(dd,J=8及び2.5Hz,1H),7.35(t,J=8Hz,1H),7.46−7.50(m,1H),7.53(br d,J=8Hz,1H).
【0201】
【化56】

【0202】
20mLのDCM中に、2.32gのN−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−メトキシ−ベンゼンスルホンアミドを溶解し、DCM中のBBrの1M溶液の13.7mLを加えた。混合物を週末に及んで室温で撹拌した。5%NaHCO水溶液を加えて粘着性の沈殿を含有する混合物をクエンチングした;クエンチングの後、混合物を穏やかに加熱することによりこれを溶解した。有機層を分離し、水層をDCMでもう一回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99:1→98:2)により精製し、1.24g(56%)のN−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ヒドロキシベンゼンスルホンアミドをベージュ色の粉末として与えた。
HNMR(400MHz,CDCl)δ 1.09(t,J=7Hz,3H),1.14(s,6H),3.40−3.50(m,2H),3.58(br.s.,2H),6.72(s,1H),6.79(br.s.,1H),6.97−7.03(m,1H),7.25−7.34(m,2H),7.46(br d,J=8Hz,1H),7.66(br s,1H).
【0203】
3−クロロ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−5−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミド(化合物38)
3−ブロモ−5−クロロ−フェノール
【0204】
【化57】

【0205】
乾燥窒素の雰囲気下で、103mgの1,5−シクロオクタジエン(H5−インデニル
)イリジウム(I)を25mLのパイレックスビン中に入れた。続いて0.04mLの1,2−ビス(ジメチルホスフィノ)エタン、0.61mLの3−ブロモクロロベンゼン及び1.52mLのピナコールボランを加えた。混合物を150℃で3.5時間撹拌した。室温に冷ました後、ボラン付加物を17mLのアセトン中に取り上げ、透明な溶液を与えた。この溶液を、氷浴中で冷却された水中のオキソンの0.30M溶液の17.41mLにゆっくり加えた。混合物を室温で15分間激しく撹拌し、DCMで3回抽出した。合わせた有機相をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM)により精製し、750mg(62%)のベージュ色の固体を与えた。H NMRは既知のデータに従った(化合物(1),Maleczka,2003)。
【0206】
1−ベンジルオキシ−3−ブロモ−5−クロロ−ベンゼン
【0207】
【化58】

【0208】
2.54gの3−ブロモ−5−クロロ−フェノールを50mLのアセトン中に溶解した。続いて8.04gの炭酸カリウム、1.52mLのベンジルブロミド及び0.86gのテトラブチルアンモニウムヨーダイドを加えた。混合物を2時間還流させ、室温に冷まし、濾過し、濾液を濃縮乾固した。残留物をシリカの短カラム上でクロマトグラフィーにかけ、DCM/PA 1:4を用いて溶離させ、活性炭を用いて生成物画分(前における(at the front))のピンク色を除去した。濾過及び蒸発の後、3.11g(90%)の淡黄色の油が得られた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 5.03(s,2H),6.92(t,J=2Hz,1H),7.03(t,J=2Hz,1H),7.12(t,J=1.5Hz,1H),7.31−7.45(m,5H).
【0209】
3−ベンジルオキシ−5−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリド
【0210】
【化59】

【0211】
雰囲気下に、2.23gの1−ベンジルオキシ−3−ブロモ−5−クロロ−ベンゼンを50mLの乾燥THF中に溶解し、混合物を氷浴中で冷却した。イソプロピルマグネシウムクロリド−塩化リチウム錯体の1M溶液の14.84mLを滴下し、混合物を室温で終夜撹拌した。−40℃に冷却した後、2.41mLの塩化スルフリルを一度に加え(温度は10℃に上昇)、混合物を室温で15分間撹拌した。氷浴を用いて冷却した後、水を用いて混合物をクエンチングし、1M HCl水溶液を用いて酸性化した。混合物をMTBEで抽出し、有機相をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(PA→PA/EtO 95:5)により精製し、1.53g(6
2%)の無色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 5.14(s,2H),7.30(t,J=2Hz,1H),7.34−7.47(m,5H),7.50(t,J=2Hz,1H),7.62(t,J=1.5Hz,1H).
【0212】
3−ベンジルオキシ−5−クロロ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0213】
【化60】

【0214】
0.93gのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドを10mLのDCM中に懸濁させ、1.71mLのDiPEAを加え、続いて1.52gの3−ベンジルオキシ−5−クロロ−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を週末に及んで室温で撹拌した。混合物を5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液で連続的に抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/アセトン 99:1)により精製し、1.28g(62%)のオレンジ色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.16(t,J=7Hz,3H),1.23(s,6H),3.40−3.50(m,2H),3.77(br.s.,2H),5.09(s,2H),6.77(s,1H),6.80(br.s.,1H),7.07(t,J=2Hz,1H),7.31−7.48(m,6H),7.51−7.55(m,1H).
【0215】
【化61】

【0216】
10mLのDCM中に1.28gの3−ベンジルオキシ−5−クロロ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを溶解し、氷浴中で冷却した後にDCM中のBBrの1M溶液の5.64mLを滴下した。混合物を室温で1時間撹拌し、5%NaHCO水溶液を用
いてクエンチングした。有機層を分離し、水層をDCMでもう一回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99:1→98:2)により精製し、0.93g(92%)の3−クロロ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−5−ヒドロキシ−ベンゼンスルホンアミドを白色非晶質固体として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.13(t,J=7Hz,3H),1.16(s,6H),3.41−3.51(m,2H),3.56(br.s.,2H),6.75(br.s.,1H),6.76(s,1H),6.99(t,J=2Hz,1H),7.44(t,J=1.75Hz,1H),7.54(dd,J=2及び1.75Hz,1H),7.72(br.s.,1H).
【0217】
4−アミノメチル−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド(化合物39)
N−エチル−2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−カルボキシアミジン
【0218】
【化62】

【0219】
40.89gの1−エチル−2−メチル−イソチオウレア ヒドロヨーダイドを150mLのピリジン中に40℃で溶解した。続いて20.00gの2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−2−エンを加え、混合物を還流下で終夜撹拌した。混合物を60℃に冷まし、減圧下で濃縮し、オレンジ色の残留物をDCM(250mL)中に取り上げた。有機相を水で3回抽出し、NaSO上で乾燥し、減圧下で蒸発させた。減圧下に60℃における水との共沸蒸留により残留ピリジンを除去し、減圧下に60℃におけるイソプロパノールとの共沸蒸留により残留水を除去した。これは、〜80%の予期される生成物を含有する31.5gの黄色/褐色の油を与え、それをさらなる精製なしで続く段階において用いた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.35(t,J=7.22Hz,3H),1.57−1.99(m,8H),3.60(q,J=7.22Hz,2H),4.04(s,2H),7.03(s,1H)[グアニジン NH 不可視].
【0220】
4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホニルクロリド
【0221】
【化63】

【0222】
雰囲気下に、11.26mLのクロロスルホン酸を氷浴中で冷却し、撹拌下で10.00gのn−ベンジルフタルイミドを20分かけて分けて加えた。氷浴を除去し、混合物を60℃に30分間加熱した。室温に冷ました後、混合物を氷浴中に注意深く注ぎ、クロロホルムで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、小体積に濃縮した。PAを用いる濃縮物の磨砕により生成物が得られ、10.44g(73%)の白色の粉末を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 4.95(s,2H),7.67(d,J=8.43Hz,2H),7.73−7.78(m,2H),7.85−7.90(m,2H),8.00(d,J=8.43Hz,2H).
【0223】
N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミド
【0224】
【化64】

【0225】
3.07gのN−エチル−2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−カルボキシアミジンを200mLのDCM中に取り上げ、10.83mLのDiPEAを加え、続いて5.00gの4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を5%NaHCO水溶液及び2M NaOH溶液で連続的に抽出し、有機層をNaSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(PA/EA 1:1)により精製し、2.51g(38%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.13(t,J=7.22Hz,3H),1.60−1.82(m,8H),3.41−3.50(m,2H),3.81(br.s.,2H),4.89(s,2H),6.79(s,1H),7.49(d,J=
8.43Hz,2H),7.70−7.76(m,2H),7.81−7.87(m,2H),7.88(d,J=8.43Hz,2H)[グアニジン NH 不可視].
【0226】
【化65】

【0227】
2.51gのN−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−4−(1,3−ジオキソ−1,3−ジヒドロ−イソインドール−2−イルメチル)−ベンゼンスルホンアミドを50mLのEtOH中に取り上げた。0.70mLのヒドラジン水和物の添加の後、混合物を2時間還流させた。室温に冷ました後、生成する沈殿を濾過した。濾液を濃縮し、DCMを用いて残留物を磨砕した。固体を濾過し、濾液を蒸発乾固して、1.20g(67%)の4−アミノメチル−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを赤色の油として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.14(t,J=7.22Hz,3H),1.59−1.83(m,8H),3.46(q,2H),3.82(br.s.,2H),3.92(br.s.,2H),6.82(s,1H),7.40(d,J=8.13Hz,2H),7.88(d,J=8.13Hz,2H)[NH 及びグアニジン NH 不可視].
【0228】
4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−ベンズアミジン(化合物41)
4−シアノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0229】
【化66】

【0230】
500mgのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カ
ルボキシアミジンを10mLのジクロロメタン中に懸濁させた;0.92mL(2.2当量)のDiPEAを加え、続いて0.49g(1.0当量)の4−シアノベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を5%NaHCO水溶液及び2M NaOH水溶液で抽出し、NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、680mg(82%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.16(t,J=7Hz,3H),1.25(s,6H),3.39−3.50(m,2H),3.81(s,2H),6.71(br s,1H),6.79(s,1H),7.73−7.79(m,2H),8.02−8.09(m,2H).
【0231】
【化67】

【0232】
1.08g(10当量)の塩化アンモニウムを10mLのトルエン中に懸濁させ、混合物を氷浴中で冷却した。トリメチルアルミニウムの2M溶液の10.12mL(10当量)を滴下し、氷浴を除去し、混合物を室温で30分間撹拌した。続いて10mLのトルエン中の0.71gの4−シアノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液を滴下し、混合物を80℃で終夜撹拌した。冷却後、混合物を酢酸エチルで希釈し、2M NaOHで抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で濃縮した。フラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtN 97:3)を用いる精製は、310mg(43%)のオフ−ホワイト色の非晶質物質を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.17(t,J=7Hz,3H),1.23(s,6H),3.41−3.53(m,2H),3.80(s,2H),6.77(s,1H),6.80(br s,1H),7.66−7.74(m,2H),7.94−8.02(m,2H).
【0233】
3−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−ベンズアミジン(化合物42)
3−シアノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0234】
【化68】

【0235】
500mgのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジンを10mLのジクロロメタン中に懸濁させた;0.92mL(2.2当量)のDiPEAを加え、続いて0.49g(1.0当量)の3−シアノベンゼンスルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。反応混合物を5%NaHCO水溶液及び2M NaOH水溶液で抽出し、NaSO上で乾燥し、減圧下で濃縮して、680mg(82%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.18(t,J=7Hz,3H),1.25(s,6H),3.41−3.52(m,2H),3.81(s,2H),6.71(br s,1H),6.80(s,1H),7.59(t,J=8Hz,1H),7.73−7.79(m,1H),8.15−8.21(m,1H),8.22−8.26(m,1H).
【0236】
【化69】

【0237】
535mg(10当量)の塩化アンモニウムを10mLのトルエン中に懸濁させた。混合物を氷浴中で冷却した。トリメチルアルミニウムの2M溶液の5.00mL(10当量)を滴下し、氷浴を除去し、混合物を室温で30分間撹拌した。続いて5mLのトルエン中の340mgの3−シアノ−N−[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドの溶液を滴下し、混合物を80℃で終夜撹拌した。冷却後、混合物をクロロホルムで希釈し、Hyflo上で濾過した。HyfloをMeOHで洗浄し、SPE(Isolute Flash SCX−2,MeOHを用いて状態調節、サンプリング及び洗浄,MeOH中の1M NHを用いて溶離)を用いて濾液を精製し、蒸発の後に280mgの黄色の油を与えた。これをさらにフラッシュカラムクロマトグラフィー(MeOH/EtN 97:3)を用いて精製し、210mg(59%)のオフ−ホワイト色の非晶質物質を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.17(t,J=7Hz,3H),1.23(s,6H),3.41−3.53(m,2H),3.79(s,2H),6.77(s,1H),6.80(br s,1H),7.53(t,,J=8Hz,1H),7.74−7.81(m,1H),8.00−8.07(m,1H),8.15−8.
20(m,1H).
【0238】
4−{[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−スルファモイル}−ベンズアミド(化合物43)
4−シアノ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0239】
【化70】

【0240】
雰囲気下に、2.50gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジンを30mLの乾燥DCM中に溶解し、5.69mLのDiPEA及び3.0gの4−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を5%NaHCO水溶液で2回抽出し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/アセトン 97:3)により精製し、1.47g(30%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 0.98(t,J=7.5Hz,3H),1.16(t,J=7.2Hz,3H),1.45−1.73(m,2H),3.09−3.24(m,1H),3.38−3.51(m,2H),3.72(dd,J=11.0,7.4Hz,1H),4.12(t,J=11.0Hz,2H),6.74(br.s.,1H),6.96(d,J=1.5Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,2H),8.05(d,J=8.1Hz,2H).
【0241】
【化71】

【0242】
1.37gの4−シアノ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドに、2.08mLのTMSClを加えた。混合物を0〜5℃に冷却し、この温度で0.3mLの水をゆっくり加えた。溶液がゆっくり室温に温まるのを許した(〜3時間)。固体NaHCOを用いて混合物を塩基性とし、次いでDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し
、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 95:5)により精製し、0.79g(52%)の黄色の油を与え、それは放置すると固化した;融点 146−149℃。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.97(t,J=7.5Hz,3H),1.15(t,J=7.2Hz,3H),1.42−1.79(m,2H),3.07−3.18(m,1H),3.39−3.53(m,2H),3.70(dd,J=11.3,7.4Hz,1H),4.09(t,J=11.3Hz,1H),5.79(br.s.,1H),6.34(br.s.,1H),6.79(br.s.,1H),6.94(d,J=1.5Hz,1H)7.88(d,J=8.1Hz,2H),7.98(d,J=8.1Hz,2H).
【0243】
3−{[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−スルファモイル}−ベンズアミド(化合物44)
3−シアノ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0244】
【化72】

【0245】
雰囲気下に、3.0gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジンを35mLの乾燥DCM中に溶解し、6.83mLのDiPEA及び3.6gの3−シアノベンゼン−1−スルホニルクロリドを加えた。混合物を室温で終夜撹拌した。混合物を5%NaHCO水溶液で2回抽出し、MgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/アセトン 98:2)により精製し、1.78g(27%)の褐色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.98(t,J=7.5Hz,3H),1.17(t,J=7.2Hz,3H),1.43−1.76(m,2H),3.08−3.27(m,1H),3.40−3.54(m,2H),3.73(dd,J=11.3,7.4Hz,1H),4.13(t,J=11.3Hz,1H),6.74(br.s.,1H),6.96(d,J=1.2Hz,1H),7.59(t,J=8.1Hz,1H),7.75(d,J=8.1Hz,1H),8.18(d,J=8.1Hz,1H),8.23(m,1H).
【0246】
【化73】

【0247】
1.78gの3−シアノ−N−[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドに、4.86mLのTMSClを加えた。混合物を0〜5℃に冷却し、この温度で0.35mLの水をゆっくり加えた。溶液がゆっくり室温に温まるのを許した(〜3時間)。固体NaHCOを用いて混合物を塩基性とし、次いでDCMで2回抽出した。合わせた有機層をMgSO上で乾燥し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/酢酸 96:3.75:0.25)により精製し、1.39g(74%)のオフ−ホワイト色の粉末を与えた;融点 164−168℃。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 0.96(t,J=7.4Hz,3H),1.11(t,J=7.2Hz,3H),1.44−1.71(m,2H),3.06−3.24(m,1H),3.39−3.49(m,2H),3.66(dd,J=11.3,7.4Hz,1H),4.05(t,J=11.3Hz,1H),6.58(br.s.,1H),7.01(d,J=1.5Hz,1H),7.07(br.s.,1H),7.54(t,J=7.8Hz,1H),7.86(br.s.,1H),8.02(d,J=7.8Hz,1H),8.06(d,J=7.8Hz,1H),8.47(m,1H).
【0248】
4−{[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−スルファモイル}−安息香酸(化合物45)
【0249】
【化74】

【0250】
雰囲気下に、2.27gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジンを30mLの乾燥DCM中に溶解し、5.17mLのDiPEA及び2.98gの4−(クロロスルホニル)安息香酸を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH 92:7.5:0.5を用いて第1カラム;DCM/MeOH/酢酸 92:7.5
:0.5を用いて第2カラム)により精製し、0.26g(4%)の生成物(モノ−DiPEA塩)をオフ−ホワイト色の非晶質粉末として与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.98(t,J=7.4Hz,3H),1.27(t,J=7.2Hz,3H),1.53−1.81(m,2H),3.15−3.30(ブロードピーク,1H),3.43−3.66(ブロードピーク,3H),4.01−4.20(ブロードピーク,1H),6.97(br.s.,1H),7.90(d,J=8.1Hz,2H),8.14(d,J=8.1Hz,2H),9.69(br.s.,1H).
【0251】
3−{[エチルアミノ−(4−エチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−メチレン]−スルファモイル}−安息香酸(化合物46)
【0252】
【化75】

【0253】
雰囲気下に、1.0gの4,N−ジエチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジンを15mLの乾燥DCM中に溶解し、1.14mLのDiPEA及び1.31gの3−(クロロスルホニル)安息香酸を加えた。混合物を室温で終夜撹拌し、蒸発乾固した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/酢酸 84:15:1を用いて第1カラム;DCM/MeOH/NHOH 84:15:1を用いて第2カラム)により精製し、0.08g(4%)のオフ−ホワイト色の粉末を与えた。H NMR(400MHz,CDCl)δ 0.90(t,J=7.4Hz,3H),1.14(t,J=7.2Hz,3H),1.38−1.62(m,2H),3.02−3.18(m,1H),3.27−3.62(m,3H),3.89−4.17(m,1H),6.94(s,1H),7.26(t,J=7.8Hz,1H),7.89(d,J=7.8Hz,1H),8.05(d,J=7.8Hz,1H),8.49(s,1H).
【0254】
3−アミノメチル−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド(化合物61)
3−シアノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0255】
【化76】

【0256】
150mLのDCM中の3.50gの3−シアノベンゼンスルホニルクロリドの溶液に、17.69mL(6.0当量)のDiPEA及び4.00g(1.0当量)のN−エチル−2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−カルボキシアミジンを加えた。反応混合物を室温で終夜撹拌し、水で抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、蒸発させ、残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PA 1:1)により精製し、3.54g(57%)の淡黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-)δ 1.17(t,J=8Hz,3H),1.65−1.86(m,8H),3.41−3.50(m,2H),3.87(br.s.,2H),6.70−6.80(br.s.,1H),6.87(s,1H),7.60(t,J=8Hz,1H),7.77(d,J=8Hz,1H),8.17(d,J=8Hz,1H),8.23(br.s.,1H).
【0257】
3−アミノメチル−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノニ−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0258】
【化77】

【0259】
3.54gの3−シアノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを50mLのTHF中に溶解し、ボラン−THF錯体の1M溶液の49.24mLを滴下した。混合物を30℃で1時間撹拌し、3M HCl水溶液(3.6当量)でクエンチングし、さらに1時間撹拌した。反応混合物を氷浴中で冷却し、NaOH水溶液(7当量)を用いて塩基性とし、DCMで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、蒸発させ、残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH 92:7.5:0.5)により精製し、0.80g(22%)の黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-)δ 1.13(t,J=8Hz,3H),1.50−1.76(m,8H),2.76(m,2H),3.17−3.27(m,2
H),3.78(s,2H),3.91(s,2H),4.40−4.50(br.m.,1H),6.88(br.t.,J=6Hz,1H),7.37−7.44(m,2H),7.78−7.83(m,1H),7.88(br.s.,1H).
【0260】
【化78】

【0261】
0.1gの3−アミノメチル−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノニ−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミドを10mLのTHF中に溶解し、0.5mgの酢酸銅(II)を加えた。室温で撹拌される溶液を介して、Oを20秒間に及んで泡立て、撹拌を10分間続けた。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH 92:7.5:0.5)により精製し、50mg(50%)の淡黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-)δ 1.15(t,J=8Hz,3H),1.52−1.84(br.m.,10H),3.43−3.53(m,2H),3.84(br.s.,2H),3.94(s,2H),6.81(s,1H),6.90(br.s.,1H),7.42(t,J=8Hz,1H),7.47(d,J=8Hz,1H),7.80(d,J=8Hz,1H),7.87(s,1H).
【0262】
N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ヒドロキシメチル−ベンゼンスルホンアミド(化合物62)
3−{[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−安息香酸メチルエステル
【0263】
【化79】

【0264】
150mLのDCM中の4.07gの3−クロロスルホニル−安息香酸メチルエステルの溶液に、17.69mL(6.0当量)のDiPEA及び4.00g(1.0当量)のN−エチル−2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−カルボキシアミジ
ンを加えた。反応混合物をN雰囲気下で室温において終夜撹拌し、水で抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、蒸発させ、残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PA 1:1)により精製し、4.80g(71%)の黄色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.16(t,J=8Hz,3H),1.62−1.86(m,8H),3.42−3.53(m,2H),3.87(s,2H),3.95(s,3H),6.83(s,1H),6.83−6.95(ブロードピーク,1H),7.56(t,J=8Hz,1H),8.13−8.18(m,2H),8.61(s,1H).
【0265】
N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノニ−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ヒドロキシメチル−ベンゼンスルホンアミド
【0266】
【化80】

【0267】
3.0mLの乾燥THF中の0.50gの3−{[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−安息香酸メチルエステルの溶液に、0.11g(2.0当量)の乾燥LiCl及び続いて0.10g(2.0当量)のNaBHを加え、続いて5.0mLのEtOHを加えた。混合物をN雰囲気下に室温で終夜撹拌し、氷浴中で冷却し、10%クエン酸水溶液の添加によりpH4.0に酸性化した。混合物を濃縮し、残留物を6mLの水中に溶解し、水相をDCMで3回抽出した。合わせた有機相を飽和NaHCO水溶液で洗浄し、NaSO上で乾燥し、シリカ上で蒸発させた。自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH/NHOH 96:3.75:0.25)による精製は、0.24g(51%)の白色の固体を与えた、融点 142−144℃。
H NMR(400MHz,DMSO−d)δ 0.93(t,J=8Hz,3H),1.50−1.69(m,8H),2.72(d,J=8Hz,2H),3.07−3.16(m,2H),3.50(s,2H),4.56(d,J=8Hz,2H),5.30(t,J=6Hz,1H),5.76(t,J=8Hz,1H),7.39(d,J=4Hz,2H),7.53−7.65(m,2H),7.76(s,1H).
【0268】
【化81】

【0269】
0.1gのN−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノニ−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−ヒドロキシメチル−ベンゼンスルホンアミドを10mLのTHF中に溶解し、0.1mgの酢酸銅(II)を加えた。室温で撹拌される溶液を介して、Oを5秒間に及んで泡立て、撹拌を10分間続けた。混合物を減圧下で濃縮し、残留物を自動化フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 99:1)により精製し、80mg(80%)の無色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.13(t,J=8Hz,3H),1.60−1.83(m,8H),2.58(br.s.,1H),3.41−3.51(m,2H),3.82(br.s.,2H),4.73(br.s.,2H),6.81(s,1H),6.80−7.00(br.s.,1H),7.42(t,J=8Hz,1H),7.49(d,J=8Hz,1H),7.83(d,J=8Hz,1H),7.92(s,1H).
【0270】
1H−インダゾール−5−スルホン酸(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン−アミド(化合物63)
2,2,2−トリフルオロ−N−o−トリル−アセトアミド
【0271】
【化82】

【0272】
600mLのDCM中の48.75mLのo−トルイジン及び45.90mL(1.25当量)の乾燥ピリジンの溶液を氷/アセトン浴中で−5〜0℃に冷却し、69.46mL(1.10当量)のトリフルオロ酢酸無水物を、反応混合物の温度を5℃より低く保ちながら、1時間かけて滴下した。氷浴を除去し、混合物を室温で終夜撹拌し、続いて2Lの水中に注ぎ、DCMで3回抽出した。合わせた有機層を500mlの0.5N HCl、水及びブラインで洗浄し、次いでNaSO上で乾燥し、濾過し、蒸発させて90.3g(97%)の淡黄色の固体を与え、それを精製せずに次の反応において用いた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 2.28(s,3H),7.15−7.31(m,3H),7.73(d,J=7.83Hz,1H),7.79(br.s.,1H).
【0273】
3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−ベンゼンスルホニル
クロリド
【0274】
【化83】

【0275】
16.43mL(5.00当量)のクロロスルホン酸をアセトン/氷−浴中で冷却し、反応混合物の温度を5℃より低く保ちながら、10.00gの2,2,2−トリフルオロ−N−o−トリル−アセトアミドを3回に分けて加えた。氷−浴を除去し、淡黄色の混合物が室温に温まるのを許し、次いで70℃の油浴上で5.5時間加熱した。油浴を除去し、約30〜35℃において褐色の混合物を、氷を含むビーカー中に非常に注意深く注ぎ(発熱、おびただしい量のHClが発生)、濃厚、ゴム状且つ粘着性の沈殿を与えた。混合物をDCMで3回抽出し、合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、シリカ上で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PA 1:9→1:4)を用いる精製は、10.3g(69%)の白色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 2.46(s,3H),7.90(br.s.,1H),7.94(s,1H),7.98(dd,J=8.6,2.15Hz,1H),8.35(d,J=8.6Hz,1H).
【0276】
N−(4−{[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−2−メチル−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド
【0277】
【化84】

【0278】
5mLの乾燥DMF中の0.23gのN−エチル−2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−カルボキシアミジンの溶液に、0.87mL(3.0当量)のBEMPを加え、明褐色の混合物を室温で10分間撹拌した。続いて0.33g(1.1当量)の3−メチル−4−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−ベンゼンスルホニルクロリドを一度に加え、得られる明黄色の溶液を室温で終夜撹拌した。混合物を氷浴
中で冷却し、1N HClを用いて酸性化し、次いでEtOAc/EtO 1:1を用いて3回抽出した。合わせた有機層を水で1回、次いでブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、シリカ上で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PA
4:6→5:5)を用いる精製は、0.18g(39%)の白色の固体を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.16(t,J=7.2Hz,3H),1.63−1.86(m,8H),2.33(s,3H),3.43−3.52(m,2H),3.83(s,2H),6.77−6.85(br.s.,1H),6.83(s,1H),7.73−7.79(m,2H),7.86(d,J=8.3Hz,1H),8.10(br.s.,1H).
【0279】
4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノニ−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−メチル−ベンゼンスルホンアミド
【0280】
【化85】

【0281】
0.36gのN−(4−{[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノネ−3−エン−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−2−メチル−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミドを15.00mLのMeOHに加え、すべての固体が溶解するまで(〜5−10分)混合物を撹拌した。次いで2.00mLの水及び0.54g(5.0当量)のKCOを加え、得られる懸濁液を4.5時間還流させた。混合物を冷まし、減圧下で濃縮し、DCM/HO中に取り上げ、DCMで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、シリカ上で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtOAc/PA 1:1→3:1)を用いる精製は、0.16g(56%)の淡黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.15(t,J=7.33Hz,3H),1.57−1.82(m,8H),2.18(s,3H),3.42−3.53(m,2H),3.79(s,2H),3.92(br.s.,2H)6.65(d,J=8.0Hz,1H),6.77(s,1H),6.94(br.s.,1H),7.58(dd,J=8.0,2.0Hz,1H),7.62(d,J=2.0Hz,1H).
【0282】
【化86】

【0283】
0.16gの4−アミノ−N−[(2,3−ジアザ−スピロ[4.4]ノニ−2−イル)−エチルアミノ−メチレン]−3−メチル−ベンゼンスルホンアミドを2.50mLの酢酸中に溶解し、0.2mLの水中の30.37mg(1.0当量)の亜硝酸ナトリウムの溶液を一度に加えた。得られる黄/オレンジ色の混合物を室温で3時間撹拌し、5%NaHCO溶液中に注ぎ(過剰の発泡が起こる)、EtOAcで3回抽出した。合わせた有機層をブラインで1回洗浄し、NaSO上で乾燥し、濾過し、シリカ上で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(DCM/MeOH 97:3)を用いる精製は、10mg(6%)の黄色の油を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl-3)δ 1.15(t,J=7.0Hz,3H),1.59−1.82(m,8H),3.41−3.53(m,2H),3.83(br.s.,2H),6.80(s,1H),6.90(br.s.,1H),7.58(d,J=8.8Hz,1H),7.94(dd,J=8.8,1.52Hz,1H),8.17(s,1H),8.40(s,1H).
【0284】
2−トリフルオロメチル−1H−インドール−5−スルホン酸(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレンアミド(化合物64)N−(2−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド
【0285】
【化87】

【0286】
24.9gの2−ブロモアニリンを200mLのDCM中に溶解した。28.0mL(1.4当量)のトリエチルアミンを加え、反応混合物を0℃に冷却した。次いで反応混合物の温度を10℃より低く保ちながら、24.0mL(1.2当量)のトリフルオロ酢酸無水物を滴下した。混合物が室温に温まるのを許し、2時間撹拌し、水でクエンチングした。有機層を分離し、NaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtO/PA 1:6)による精製は、34.6g(89%)の白色の結晶性化合物を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 7.12(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),7.39(dt,J=7.8,1.3Hz,1H),7.61(dd,J=8.0,1.3Hz,1H),8.31(dd,J=8.0,1.3Hz,1H),8.45(br.s.,1H).
【0287】
3−ブロモ−4−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−ベンゼンスルホニルクロリド
【0288】
【化88】

【0289】
氷浴中における冷却下に、3.0gのN−(2−ブロモ−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミドを3.74mL(5.0当量)のクロロスルホン酸に3回に分けて加えた。氷浴を除去し、混合物を室温に温め、続いて80℃で1時間撹拌した。冷却後、透明な褐色の反応混合物を氷中に注ぎ、DCMで抽出した。有機相をNaSO上で乾燥し、濾過し、蒸発乾固して3.36g(80%)の油を得、それは放置すると固化した。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 8.09(dd,J=9.0,2.0Hz,1H),8.30(d,J=2.0Hz,1H),8.69(d,J=9.0Hz,1H),8.71(br.s.,1H).
【0290】
N−(2−ブロモ−4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミド
【0291】
【化89】

【0292】
35mLの乾燥THF中の1.20gのN−エチル−4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−カルボキシアミジン ヒドロクロリドの溶液に、5.1mL(3.0当量)のBEMPを加え、反応混合物を室温で10分間撹拌した。2.15g(1.0当量)の3−ブロモ−4−(2,2,2−トリフルオロ−アセチルアミノ)−ベンゼンスルホニルクロリドを一度に加え、得られる明黄色の溶液を室温で終夜撹拌した。1N HClを用いて反応混合物を酸性化し、EAで2回抽出した。合わせた有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、減圧下で蒸発させた。フラッシュクロマトグラフィー(EtO/PA 1:1→EtO)による精製は、2.29g(78%)の生成物を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.18(t,J=7.3Hz,3H),1.24(s,6H),3.43−3.51(m,2H),3.79(br.s,2H),6.78(s,1H),7.93(dd,J=8.6,2.0Hz,1H),8.19(d,J=2.0Hz,1H),8.39(d,J=8.6Hz,1H),8.61(br.s.,1H).
【0293】
4−アミノ−3−ブロモ−N−[(4,4−ジメチル−ピラゾリジン−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド
【0294】
【化90】

【0295】
2.18gのN−(2−ブロモ−4−{[(4,4−ジメチル−4,5−ジヒドロ−ピラゾール−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−スルファモイル}−フェニル)−2,2,2−トリフルオロ−アセトアミドを75mLのMeOH中に溶解した。3.0g(5.0当量)の炭酸カリウム及び10mLの水を加え、反応混合物を2.5時間還流させた。減圧下で揮発性物質を除去し、残留物をEA中に取り上げ、2N NaOH水溶液で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、シリカ上で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(EtO)による精製は、1.54g(83%)の生成物を与えた。
H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.17(t,J=7.3Hz,3H),1.19−1.23(m,6H),3.43−3.52(m,2H),3.74(br.s,2H),4.45(br.s,2H),6.73(s,1H),6.75(d,J=8.4Hz,1H),6.88(br.s.,1H),7.65(dd,J=8.4,2.0Hz,1H)7.99(d,J=2.0Hz,1H).
【0296】
【化91】

【0297】
磁気撹拌棒が備えられ、22mg(0.10当量)の酢酸パラジウム(II)、71.
5mg(0.15当量)のX−Phos(71.5mg;0.15当量)及び0.39g(1.2当量)の炭酸セシウムを含有するスクリューストッパー付きパイレックス−ガラス試験管に、2.0mLの脱ガスされたトルエンを加えた。0.42gの4−アミノ−3−ブロモ−N−[(4,4−ジメチル−ピラゾリジン−1−イル)−エチルアミノ−メチレン]−ベンゼンスルホンアミド及び0.21g(1.2当量)の2−ブロモ−3,3,3−トリフルオロプロペンの添加の後、密閉された反応器を125℃で15時間加熱した。混合物をEA中に取り上げ、5%NaHCO水溶液で抽出した。有機層をNaSO上で乾燥し、濾過し、濃縮した。シリカゲルプレート上における厚層クロマトグラフィーによる精製(EtO)は、10mg(1.6%)の生成物を与えた。
HR−MS:[M+H] 416.1346(C1721Sに関する計算値:416.1368).H NMR(400MHz,CDCl)δ 1.15(t,J=7.3Hz,3H),1.21(br.s.,6H),3.43−3.51(m,2H),3.76(br.s.,2H),5.83(br.s.,1H),6.73(s,1H),7.01(s,1H),7.50(d,J=8.7Hz,1H),7.88(dd,J=8.7,1.5Hz,1H),8.31(br.s,1H),9.39(br.s.,1H).
【0298】
同じ合成経路により製造される化合物を、下記の表中で「経路2」と記す。
【0299】
【表2】

【0300】
【表3】

【0301】
【表4】

【0302】
【表5】

【0303】
【表6】

【0304】
【表7】

【0305】
【表8】

【0306】
【表9】

【0307】
上記に合成を記載した特定の化合物は、本発明をさらに詳細に例示することが意図されており、従っていかようにも本発明の範囲を制限するとみなされない。本発明の他の態様は、明細書の考察及び本明細書に開示される本発明の実施から、当該技術分野における熟練者に明らかになるであろう。かくして明細書及び実施例は例としてのみ考えられることが意図されている。
【0308】
実施例5:薬理学的方法
ヒト5−HT受容体に関する試験管内親和性
ヒト5−HT受容体に関する親和性を、ヒト5−HT受容体がトランスフェクションされたCHO−細胞の膜標本(membrane preparation)において、リガンドとして[H]−N−メチル−リゼルグ酸ジエチルアミド([H]−LSD)を用いる結合研究により測定した。Euroscreen(Brussels)により供給される細胞から膜標本を調製した。CHO/Gα16/mtAEQ/h5HT6−A1細胞をT−フラスコにおいて、1%の透析されたFCS、2mMのL−グルタミン、Geneticin 500μg/ml及びZeocin 200μg/mlが補足されたCHO−S−SFM II培地(Gibco BRL)中で生育させた。0.25%のトリプシン(1ml/T175−フラスコ)を用いて細胞を収穫し、遠心し、続いてCHO−S−SFM II培地中に懸濁させ、−80℃で凍結させた。解凍後、細胞を4℃で1500gにおいて3分間遠心した。ペレットから、均質化(Potter−Elvehjem 10ストローク(strokes),600rpm)及び遠心(40,000gで15分間,4℃)の2回のサイクルにより細胞膜を調製した。定常状態条件を達成するように、且つ特異的結合を最適化するようにアッセイを確立した。5−HT受容体のために、5.10個の細胞からの膜を5.0nMの[H]−LSDと一緒に37℃で30分間インキュベーションした。10−5Mのセロトニンを用いて非特異的結合を決定した。0.5%のポリエチレンイミンで予備処理されたガラス繊維フィルター(GF/B)を介する真空濾過により、アッセイを停止した。液体シンチレーションカウンティングにより、全及び結合放射性を決定した。これらのアッセイのそれぞれにおいて、80%より高い特異的結合が達成された。4対数濃度範囲(4 log concentration range)において化合物を調べた:すべての決定を三重に行った。Hill式曲線フィッティング(Hill equation curve fitting)を用いる非−線形回帰分析により、IC50値を決定した。Cheng−Preushoff式:
=IC50:(1+L/K
から阻害定数(K−値)を計算し、ここでLはアッセイにおける[H]−LSDの濃度を示し、Kは受容体に関するその親和性を示す。結果を、少なくとも3回の個別の実験の平均±SDであるpK−値として表わす。
【0309】
ヒト5−HT受容体への試験管内機能的活性((アンタ)アゴニズム)
CHO−ヒト−5HT−エクオリンアッセイをEuroscreen,Brusselsから購入した(Euroscreen,技術書類一式(Technical dossier)、ヒト組み換えセロトニン5−HT−A1受容体、DNAクローン及びCHO AequoscreenTM 組み換え細胞系,カタログ番号:ES−316−A,2003年2月)。ヒト−5−HT−エクオリン細胞は、ミトコンドリア標的アポ−エクオリンを発現する。活性なエクオリンを再構築するために、細胞にコエランテラジン(coelanterazine)を負荷しなければならない。ヒト5−HT受容体へのアゴニストの結合の後、細胞内カルシウム濃度は上昇し、アポ−エクオリン/コエランテラジン錯体へのカルシウムの結合はコエランテラジンの酸化反応に導き、それはアポ−エクオリン、コエランテラジン、CO及び光(λmax 469nm)を生産させる。このルミネセンス反応は、アゴニスト濃度に依存する。ルミネセンスはMicroBeta
Jet(Perkin Elmer)を用いて測定される。化合物のアゴニスト効果はpEC50として表わされる。化合物のアンタゴニスト効果を、10−8M α−メチルセロトニン誘導ルミネセンスの阻害として決定し、Cheng−Preushoff式に従ってpAを計算した。化合物を5対数濃度範囲(5 log concentration range)において調べ、3つの独立した実験を二重に行った。
【0310】
ヒト/ラット肝細胞の存在下における代謝安定性の試験管内決定
生物学的半減期(t1/2)の試験管内見積もりを得るために、水浴中で4〜7%のCOを含有する酸素の雰囲気下に、96−ウェルプレートにおいて5μg/mlのインスリンを含有するWME−培地中で、ヒト又はラット肝細胞と一緒に(ウェル当たり50,000個)、化合物を37℃で0、10、20、40又は60分間インキュベーションした。試験化合物をDMSO中に溶解した(1mg/ml)。試験濃度は1μg/mlであった。肝細胞への毒性効果を避けるために、DMSOの試験濃度は試験体積の0.1%を決して超えなかった。インキュベーション期間の後、96−ウェルプレートを氷上に置き、各ウェルに100μlの氷冷CANを加え、その後プレートを渦動させ、4℃において2,500rpmで5分間遠心した。次に、各ウェルからの上澄み液をピペットで取り出し、氷上に置かれた収集プレート中に入れ、ゴムカバーで覆い、HPLC−MSによる分析まで−80℃で保存した。
【0311】
HPLC−MS分析:
Agilentシリーズ1100LC−MSDを用いて、起こり得る試験化合物の濃度の低下を測定した。試験化合物の構造に依存して、MHまたは(M−H)を測定した。分析の前に、試料が室温に温まるのを許し(−80℃から)、その後それらを数秒間渦動させることにより均質化した。次に、試料を4℃において10分間、3,500rpmで遠心した。試料を1つの四極HPLC−MS系中に、クロマトグラフィー分離を達成するために勾配を用いて注入した。質量分析器において、ESIによりイオン化を達成し、続いて生成するイオンをSIMにより分析した。各化合物に関し、全走査(100−1000m/z)を測定した。種々のインキュベーション時間における「曲線下の面積」を積分し、(インキュベーション)時間に対してプロットし、t1/2を与えた。実験の詳細は以下の通りであった:
溶離剤A:0.77gの酢酸アンモニウム+800mlの水+100mlのメタノール+100 アセトニトリル
溶離剤B:0.77gの酢酸アンモニウム+100mlの水+100mlのメタノール+800 アセトニトリル
ポンプ勾配表:
【0312】
【表10】

【0313】
カラム:プレ−カラム Chromsep Guard Column SS 10x2mm(CP28141)
Inertsil 5 ODS−3 100x3.0mm(CP22234)
カラム温度 25℃
注入:ウェルプレート温度 4℃
注入体積:20μl
スプリッター(後カラム(post column)) 1:4
合計実験時間 11.0分
検出SIM:全走査記録から得られるMH,(M−H)
ESI(正/負)スプレー 4.0kV
フラグメンター 70
ゲイン 2.0
滞留時間 700ミリ秒
ネブライザー圧 42psi
乾燥ガス温度 325℃
キャピラリー温度 325℃
【0314】
実施例6:活性及び代謝安定性へのH−結合ドナーの効果
【0315】
【表11】

【0316】
上記の表中に示す比較データは、フェニル環において追加のH−結合供与基、例えば−NH又は−OHで置換された本発明の化合物が、H−結合供与基のない国際公開第20
08/034863号明細書中で開示された構造的に密接に関連する化合物より長い肝細胞の存在下におけるより半減期(half−life times)ならびに/あるいはより高い親和性及び機能的活性を有することを明白に示している。
【0317】
実施例8:製薬学的組成物
臨床的使用のために、式(1)の化合物は製薬学的組成物に調製され、それらは本明細書に開示される化合物、さらに特定的に特定の化合物を含有するので、本発明の重要且つ新規な態様である。用いることができる製薬学的組成物の型には、錠剤、チュワブル錠、カプセル(マイクロカプセルを含む)、溶液、非経口用溶液、軟膏(クリーム及びゲル)、座薬、懸濁剤ならびに本明細書に開示されるか、あるいは明細書から又は当該技術分野における一般的な知識から当該技術分野における熟練者に明らかな他の型が含まれる。活性成分は、例えばシクロデキストリン、それらのエーテル又はそれらのエステル中の包接錯体(inclusion complex)の形態にあることもできる。組成物は、経口的、静脈内、皮下、気管的、気管支的、鼻内、肺的、経皮的、頬的、直腸的、非経口的又は他の投与方法のために用いられる。製薬学的調剤は、製薬学的に許容され得る助剤、希釈剤及び/又は担体と混合された少なくとも1種の式(1)の化合物を含有する。活性成分の合計量は、適切には調剤の約0.1%(w/w)〜約95%(w/w)、適切には0.5%〜50%(w/w)そして好ましくは1%〜25%(w/w)の範囲内である。
【0318】
液体又は固体、粉末成分のような補助物質、例えば製薬学的に通例の液体又は固体充填剤及び伸展剤、溶媒、乳化剤、滑沢剤、風味剤、着色剤及び/又は緩衝物質を用いて、通常の方法により、本発明の化合物を投与に適した形態にすることができる。頻繁に用いられる補助物質には、炭酸マグネシウム、二酸化チタン、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール及び他の糖類及び糖アルコール、タルク、乳タンパク、ゼラチン、デンプン、アミロペクチン、セルロース及びその誘導体、動物及び植物油、例えば魚肝油、ヒマワリ、ラッカセイもしくはゴマ油、ポリエチレングリコール及び溶媒、例えば無菌水及び一−もしくは多価アルコール、例えばグリセロール、ならびに崩壊剤及び滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸カルシウム、フマル酸ステアリルナトリウム(sodium stearyl fumarate)及びポリエチレングリコールワックスが含まれる。次いで混合物を顆粒剤に加工するか、又は錠剤に圧縮することができる。錠剤は下記の成分を用いて調製される:
【0319】
【表12】

【0320】
成分を配合し、圧縮して、それぞれ230mgの重さの錠剤を形成する。
【0321】
活性成分を他の非−活性成分と別々に予備混合してから、混合して調剤を形成することができる。活性成分を互いに混合してから、非−活性成分と混合して調剤を形成することもできる。
【0322】
本発明の活性成分の混合物、植物油、脂肪又は軟質ゼラチンカプセルに適した他のビヒクルを含有するカプセルを用いて、軟質ゼラチンカプセルを調製することができる。硬質ゼラチンカプセルは、活性成分の顆粒を含有することができる。硬質ゼラチンカプセルは、ラクトース、サッカロース、ソルビトール、マンニトール、ポテトデンプン、コーンスターチ、アミロペクチン、セルロース誘導体又はゼラチンのような固体の粉末成分と一緒に活性成分を含有することもできる。
【0323】
直腸的投与に適した投薬単位を、(i)天然の脂肪基剤と混合された活性物質を含有する座薬の形態で;(ii)植物油、パラフィン油又はゼラチンレクタルカプセルに適した他のビヒクルとの混合物において活性物質を含有するゼラチンレクタルカプセルの形態で;(iii)既製の微小浣腸剤(micro enema)の形態で;又は(iv)投与の直前に適した溶媒中で再構築されるべき乾燥微小浣腸調剤の形態で調製することができる。
【0324】
シロップ、エリキシル剤、濃厚滴剤又は懸濁剤の形態、例えば活性成分ならびに例えば糖もしくは糖アルコール及びエタノール、水、グリセロール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコールの混合物から成る残りのものを含有する溶液又は懸濁剤の形態で、液体調製物を調製することができる。
【0325】
必要なら、そのような液体調製物は着色剤、風味剤、防腐剤、サッカリン及びカルボキシメチルセルロース又は他の増粘剤を含有することができる。使用前に適した溶媒を用いて再構築される乾燥粉末の形態で、液体調製物を調製することもできる。非経口的投与のための溶液を、製薬学的に許容され得る溶媒中の本発明の調剤の溶液として調製することができる。これらの溶液は安定化成分、防腐剤及び/又は緩衝成分も含有することができる。非経口的投与のための溶液を、使用前に適した溶媒を用いて再構築される乾燥調製物として調製することもできる。
【0326】
本発明に従い、1種もしくはそれより多い本発明の製薬学的組成物の成分が充填された1個もしくはそれより多い容器を含んでなる、医療において用いるための調剤及び「部品のキット」も提供する。使用のための指示又は製薬学的製品の製造、使用又は販売を規制する政府機関により規定された書式における注意書(notice)のような種々の説明書(written materials)がそのような容器に伴っていることができ、その注意書は、人間への投与のための製造、使用もしくは販売の機関による承認を反映する。5−HT受容体の拮抗が必要であるか又は望ましい状態の処置における使用のための薬剤の製造における本発明の調剤の使用ならびに5−HT受容体の拮抗が必要であるか又は望ましい状態に苦しんでいるか又はその状態に罹りやすい患者に、少なくとも1種の式(1)の化合物の治療的に有効な合計量を投与することを含んでなる医学的処置方法。
【0327】
制限ではなくて例として、全身的使用又は局所的適用に好ましい活性化合物を含んでなるいくつかの製薬学的組成物を示す。該化合物の代わりに(又はそれに加えて)、本発明の他の化合物又はそれらの組み合わせを用いることができる。活性成分の濃度は、本明細書で議論した通りに広い範囲に及んで変わることができる。含まれることができる成分の量及び型は、当該技術分野において周知である。
【0328】
参考文献目録
当該技術分野における熟練者に、あるいは本発明をさらに十分に記載するために以下の参考文献が有用である程度まで、それらは引用することによりその記載事項が本明細書の内容となる。これらも、あるいは本明細書で引用される他の文書又は引用文も、あるいはいずれかの参考文献への引用も、先行技術の文書又は引用であると認められない。
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国際公開第2008/034863号(=PCT/EP2007/059944)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(1):
【化1】

[式中、
−Rは、水素又は場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子もしくはヒドロキシル基で置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれ、
−R及びRは、独立して水素、ヒドロキシル基あるいは場合により:ハロゲン、アルキル(C1−4)、アルケニル(C1−4)、アルキニル(C1−4)、CF、NH、NHアルキル(C1−4)、N[アルキル(C1−4)]、OH、=O、O−アルキル(C1−4)又はOCFから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRは、‘a’及び‘b’とマークされた炭素原子と一緒になって、場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子、ヒドロキシル基又はアルキル(C1−4)基で置換されていることができるC5−8−シクロアルキル環を形成するか、あるいは
及びRは、‘b’とマークされた炭素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC3−8−シクロアルキル又はC4−8−ヘテロシクロアルキル環を形成し、
−R及びRは、独立して水素又は場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRは独立して、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができる単環式又は縮合二環式芳香族又はヘテロ−芳香族基から選ばれ、但し、芳香環上でQは=O(ケト)であることができないか、あるいは
及びRは、‘b’及び‘c’とマークされた炭素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC3−8−シクロアルキル又はC5−8−ヘテロシクロアルキル環を形成し、
−R及びRは、独立して水素又は場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子もしくはヒドロキシル基もしくはジアルキル(C1−3)−アミノ−アルキル(C1−3)基で置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRは独立して、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができる単環式又は縮合二環式芳香族又はヘテロ−芳香族基から選ばれるか、あるいは
及びRは独立して、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC5−8−シクロアルキル基又はC5−8−ヘテロシクロアルキル基であるか、あるいは
及びRは、それらが結合している窒素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるC5−8−ヘテロシクロアルキル基を形成し、
−Rは:
【化2】

から選ばれ、
ここで:
−星印(*)はS−原子への結合をマークし、
−nは0(ゼロ)又は1であり、

【化3】

はアリール又はヘテロアリール基であり、
−X、Y及びZは、独立してC、N、O又はSから選ばれ、X、Y又はZを含有する環中の結合は単結合又は二重結合であることができ、且つC及びNはH−原子のみで置換されていると理解され、
−R及びR’は、独立してハロゲン、アルキル(C1−4)、アルケニル(C1−4)、アルキニル(C1−4)、CF、NH、NHアルキル(C1−4)、N[アルキル(C1−4)]、OH、SH、ケト、O−アルキル(C1−4)、S−アルキル(C1−4)、SO−アルキル(C1−4)、SO−アルキル(C1−4)、OCF、ニトロ及びシアノから選ばれ、
但し、R、R、R、R及びRが水素である場合、R及びRはエチルであり、Rは4−アミノフェニル又は3−クロロ−4−アミノフェニルであり、化合物はラセミ混合物ではなくて純粋なエナンチオマーである]
の化合物あるいは前記のいずれかの互変異性体、立体異性体、N−オキシド又は薬理学的
に許容され得る塩。
【請求項2】
−R、R及びRが水素であり、
−R及びRが、独立して水素、ヒドロキシル基あるいは場合により:ハロゲン、アルキル(C1−4)、NH、NHアルキル(C1−4)、N[アルキル(C1−4)]又はOHから独立して選ばれる1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基から選ばれるか、あるいは
及びRが、それらが結合する炭素原子と一緒になって、場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Q置換されていることができるC3−8−シクロアルキル又はC5−8−ヘテロシクロアルキル環を形成し、
−Rが水素又は場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができるアルキル(C1−4)基あるいは場合により上記で定義した1個もしくはそれより多い置換基Qで置換されていることができる単環式芳香族又はヘテロ芳香族基から選ばれ、
−Rが水素又は場合により1個もしくはそれより多いハロゲン原子もしくはヒドロキシル基で置換されていることができる非置換アルキル(C1−4)基から選ばれ、
−Rが:
【化4】

から選ばれ、
ここで記号は請求項1において示したと同じ意味を有し、但し、R及びRが水素である場合、R及びRはエチルであり、Rは4−アミノフェニル又は3−クロロ−4−
アミノフェニルであり、化合物はラセミ混合物ではなくて純粋なエナンチオマーである
請求項1に記載の一般式(1)の化合物あるいは前記のいずれかの互変異性体、立体異性体、N−オキシド又は薬理学的に許容され得る塩。
【請求項3】
光学的に活性なエナンチオマーである請求項1又は請求項2に記載の化合物あるいは前記のいずれかの互変異性体、立体異性体、N−オキシド又は薬理学的に許容され得る塩。
【請求項4】
請求項1〜6のいずれか1項に記載の化合物又は薬理学的に許容され得るその塩を含んでなる薬剤。
【請求項5】
少なくとも1種の追加の治療薬をさらに含んでなる請求項4の薬剤。
【請求項6】
パーキンソン病、ハンティングトン舞踏病、精神分裂病、不安、うつ病、躁うつ病、精神病、てんかん、強迫性障害、気分障害、片頭痛、アルツハイマー病、年齢関連認知減退、穏やかな認知損傷、睡眠障害、摂食障害、食欲不振、過食症、浮かれ摂食障害(binge eating disorders)、パニック発作、正座不能、注意力欠損高活動性異常、注意不足障害、コカイン、エタノール、ニコチン又はベンゾジアゼピンの乱用からの禁断症状、痛み、脊髄外傷又は頭部損傷と関連する障害、水頭、機能性腸障害、過敏性腸症候群、肥満及び2型糖尿病の処置又は予防用の製薬学的組成物の調製のための請求項1〜6のいずれかに記載の化合物の使用。
【請求項7】
一般式(1)の化合物の合成において有用な一般式(1
【化5】

[式中、Aはハロゲン又はS−アルキル(C1−4)を示し、他の記号は請求項1で示した意味を有する]
の化合物ならびにその互変異性体及び立体異性体。
【請求項8】
が水素である請求項1に記載の式(1)、したがってすべての記号が請求項1で示した意味を有する式(1’)を有する化合物を製造する方法であって:
(i)式(IX)の化合物をアルキルハライド、例えばメチルヨーダイドと反応させることにより得ることができる式(X)の化合物を、塩基の存在下でピラゾリンと反応させて式(1)の化合物を与え、
(ii)式(1)の化合物を、XがBr、Cl又はFである式R−SO−Xのスルホニルハライドと、ジイソプロピルエチル−アミンのような塩基の存在下に、ジクロロメタンのような非プロトン性溶媒中で反応させる
【化6】

段階を含んでなる方法。

【公表番号】特表2011−517443(P2011−517443A)
【公表日】平成23年6月9日(2011.6.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−500192(P2011−500192)
【出願日】平成21年3月17日(2009.3.17)
【国際出願番号】PCT/EP2009/053133
【国際公開番号】WO2009/115515
【国際公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.パイレックス
【出願人】(501439149)アボツト・ヘルスケア・プロダクツ・ベー・ブイ (71)
【氏名又は名称原語表記】Abbott Healthcare Products B.V.
【Fターム(参考)】