説明

5又は6位で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジオン及びベンゾオキサゾール−4,7−ジオン並びにその製造方法

本発明は、それ自体任意で置換されていてもよいアミノ基で5又は6位をモノ置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジオン及びベンゾキサゾール−4,7−ジオン誘導体並びにその中間体の製法に関する。上記誘導体はCdc25ホスファターゼ阻害剤であり、癌治療薬の製造に使用できる。上記誘導体は好ましくは下記ベンゾチアゾール−4,7−ジオンである:2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン及び2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ、及び/又はCD45ホスファターゼを抑制する、5位又は6位で置換されたベンゾチアゾール−4,7−ジオン及びベンゾオキサゾール−4,7−ジオンの特定の誘導体、並びにこれら誘導体の製造方法及びこの方法の実施に使用できる合成中間体の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
有糸分裂又は減数分裂中の細胞周期の異なる段階間の転移の調整は一群の蛋白質により行われ、その酵素活性は異なるリン酸化の段階と関連する。これらの段階は2種の大きな酵素種:キナーゼ及びホスファターゼにより調節される。
従って、細胞周期の異なる段階の同期化は、全ての生物界(微生物、酵母、脊椎動物、植物)中のそれぞれのサイクルで細胞構造体の再組織化を可能とする。キナーゼの中でも、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)は細胞周期のこのコントロールに主要な役割を果たす。これら異なるCDKの酵素活性は反対に作用する2種の別々の酵素ファミリーによりコントロールされる(Jessus及びOzon、Prog.Cell Cycle Res.(1995)、1、215-228)。第一の種類はある種のアミノ酸のリン酸化によりCDKを非活性化するWee1及びMik1等のキナーゼが挙げられる(Den Haeseら、Mol.Biol.Cell(1995)、6、371-385)。二番目の種類として、CDKのチロシン及びスレオニン残基の脱リン酸化によりCDKを活性化するCdc25等ホスファターゼが挙げられる(Gouldら、Science(1990)、250、1573-1576)。
【0003】
ホスファターゼは3種のグループ:セリン/スレオニンホスファターゼ(PPase)、チロシンホスファターゼ(PTPase)及び二重特異性ホスファターゼ(DSPase)に分類される。これらホスファターゼは数多くの細胞機能のレギュレーションに重要な役割を有する。
ヒトCdc25ホスファターゼに関して、3種の遺伝子(Cdc25−A、Cdc25−B及びCdc25−C)はCdc25蛋白質をコードする。
更に、Cdc25B遺伝子の選択的スプライシングから生じる変異体が特定された(例えばBaldinら、Oncogene(1997)、14、2485-2495参照)。
腫瘍形成におけるCdc25ホスファターゼの役割は、現在更に良く知られておりこれらホスファターゼの作用機構は特に下記資料に示されている:Galaktionovら、Science(1995)、269、1575-1577;Galaktionovら、Nature(1996)、382、511-517;並びにMailandら、Science(2000)、288、1425-1429。
【0004】
特に現在、Cdc25の異なる形の過発現が数多くの種類のヒト腫瘍で報告されている:
乳癌:Cangiら、要旨集2984、AACRサンフランシスコ会議、2000参照;
リンパ腫:Hernandezら、Int.J.Cancer(2000)、89、148−152及びHernandezら、Cancer Res.(1998)、58、1762−1767参照;
頸部及び頭部癌:Gasparottoら、Cancer Res.(1997)、57、2366−2368参照;
すい臓癌:Junchao Guoら、Oncogene(2004)、23、71−81参照。
更に、E.Sausvilleらは、60ラインのパネル中のCdc25−Bの発現レベル及びそのCDK阻害剤への感受性の間の逆相関関係を報告し、それによりCdc25の存在はある種の抗新生物性薬、好ましくはCDK阻害剤への抵抗性をもたらす可能性を示唆した(Hoseら、AACR会報、要約3571、サンフランシスコ、2000)。
従って他の目的の中で、医薬産業は現在Cdc25ホスファターゼを抑制できる化合物を、それらを特に抗癌剤として使用するために求めている。
【0005】
Cdc25ホスファターゼは又、アルツハイマー病等の神経変性疾患においてもで作用し(Zhouら、Cell Mol.Life Sci.(1999)、56(9-10)、788-806;Dingら、Am.J.Pathol.(2000)、157(6)、1983-90;Vincentら、Neuroscience(2001)、105(3)、639-50参照)、その作用はこれら疾患を同様に治療するために、これらホスファターゼへの抑制活性を有する化合物を使用できることを予測させる。
【0006】
本発明の他の目的は、臓器移植の拒絶反応の予防若しくは対処用又は自己免疫性疾患の治療薬の探求である。これら障害/疾患では、リンパ球及び単球/マクロファージの不適切な活性化が生じる。現在知られている免疫抑制性薬は副作用を有し、その副作用は炎症を引き起こし維持する造血細胞中のシグナル経路を特異的に標的とする製品により消滅又は緩和できる。
CD45ホスファターゼは、そのネガティブレギュレーションサイトp56lck及びp59fynは脱リン酸化可能である、srcファミリーのチロシンキナーゼのリン酸化及び活性を調節することにより、Tリンパ球上のレセプターからのシグナル伝達中で重要な役割を果たす。
【0007】
従ってCD45ホスファターゼは、免疫性疾患の治療に可能性のある標的である。実際、抗−CD45抗体によるCD45ホスファターゼのブロッキングは、Tリンパ球のin vitro活性化を抑制する(Prickett及びHart、Immunology(1990)、69、250-256)。同様に、CD45を発現しないトランスジェニックマウス(CD45ノックアウトマウス)のTリンパ球は、抗原による刺激に応答しない(Trowbridge及びThomas、Annu.Rev.Immunol.(1994)、12,85-116)。
更に、CD45はLynに関係するサブユニットを脱リン酸化でき、それはカルシウムの流動及び肥満細胞の活性化を引き起こす。Hamaguchiら(Bioorg.Med.Chem.Lett.(2000)、10、2657-2660)は、特定のCD45阻害剤(280nMでIC50)がラット腹膜性肥満細胞からのヒスタミンの放出を抑制し、マウスをアナフィラキシーショックから保護することを示した。
【非特許文献1】Jessus及びOzon、Prog.Cell Cycle Res.(1995)、1、215-228
【非特許文献2】Den Haeseら、Mol.Biol.Cell(1995)、6、371-385
【非特許文献3】Gouldら、Science(1990)、250、1573-1576
【非特許文献4】Baldinら、Oncogene(1997)、14、2485-2495
【非特許文献5】Galaktionovら、Science(1995)、269、1575-1577
【非特許文献6】Galaktionovら、Nature(1996)、382、511-517
【非特許文献7】Mailandら、Science(2000)、288、1425-1429
【非特許文献8】Cangiら、要旨集2984、AACRサンフランシスコ会議、2000
【非特許文献9】Hernandezら、Int.J.Cancer(2000)、89、148−152
【非特許文献10】Hernandezら、Cancer Res.(1998)、58、1762−1767
【非特許文献11】Gasparottoら、Cancer Res.(1997)、57、2366−2368
【非特許文献12】Junchao Guoら、Oncogene(2004)、23、71−81
【非特許文献13】Hoseら、AACR会報、要約3571、サンフランシスコ、2000
【非特許文献14】Zhouら、Cell Mol.Life Sci.(1999)、56(9-10)、788-806
【非特許文献15】Dingら、Am.J.Pathol.(2000)、157(6)、1983-90
【非特許文献16】Vincentら、Neuroscience(2001)、105(3)、639-50
【非特許文献17】Prickett及びHart、Immunology(1990)、69、250-256
【非特許文献18】Trowbridge及びThomas、Annu.Rev.Immunol.(1994)、12,85-116
【非特許文献19】Hamaguchiら(Bioorg.Med.Chem.Lett.(2000)、10、2657-2660
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
上記より、CD45ホスファターゼ抑制薬の研究の利点は特に下記利益がある場合明らかである:特に下記の場合に一般的な免疫抑制性効果を得る:
/自己免疫性疾患(Zongら、J.Mol.Med.(1998)、76(8)、572-580)、例えば多発性硬化症又は自己免疫の脳炎(Yacyshynら、Dig.Dis.Sci.(1996)、41(12)、2493-8)等、及び糖尿病(Shimadaら、J.Autoimmun.(1996)、9(2)、263-269)の治療の範囲;
移植拒絶反応の治療の範囲;
/一般的炎症の治療、特に:
関節炎(Pelegriら、Clin.Exp.Immunol.(2001)、125(3)、470-477)、リューマチ性関節炎、リューマチ性疾患、結膜炎(Iwamotoら、Graefes Arch.Clin.Opthalmol.(1999)、237(5)、407-414)及びかゆみ性疾患の治療の範囲;
消化性炎症性疾患、例えばクローン病(Yacyshynら、Dig.Dis.Sci.(1996)、41(12)、2493-2498)、出血性直腸結腸炎及び肝炎(Volpesら、Hepatology(1991)、13(5)、826-829)等の治療の範囲;並びに
/アレルギーの治療(Pawlikら、Tohoku J.Exp.Med.(1997)、182(1)、1-8)。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明はCdc25ホスファターゼ抑制薬(特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬)、及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬を提供し、それはここで特定される一般式(I)、(II)及び(III)に対応するベンゾチアゾール−4,7−ジオン及びベンゾオキサゾール−4,7−ジオンの誘導体である。上記より、これら化合物は薬品として、好ましくは下記疾患/障害の治療中に使用できる:
単独又は他の治療と組み合わせた腫瘍性増殖の抑制;
単独又は他の治療と組み合わせた正常細胞増殖の抑制;
アルツハイマー病等の神経変性疾患;
先天性脱毛症の予防;
外因性産物誘発脱毛症の予防;
放射線誘発脱毛症の予防;
天然性又は誘起性正常細胞アポトーシスの予防;
減数分裂及び受精の予防;
卵母細胞の成熟化の予防;
CDK阻害剤の使用が報告されている全ての疾患/全ての障害、特に非腫瘍性増殖性疾患(例えば:血管形成、乾癬又は再狭窄)、腫瘍性増殖性疾患、寄生虫(原生動物の増殖)、ウィルス性感染、神経変性疾患、筋障害;
ビタミンK及びその誘導体の臨床的使用に対応する全ての疾患/全ての障害;
自己免疫性疾患、例えば多発性硬化症及びリューマチ性関節炎等;並びに
糖尿病。
【0010】
更に、本発明の化合物は又、Cdc25ホスファターゼ抑制性を理由として、微生物、特に酵母の増殖を抑制するために使用できる。これらの化合物の利点の一つは健康な細胞への低い毒性である。
ベンゾチアゾール−4,7−ジオン及びベンゾオキサゾール−4,7−ジオンの数種の誘導体は公知である。
【0011】
特に、ドイツ国特許GB1534275号は除草剤に関し、その活性成分は下記一般式の一つに対応する化合物である。
【化1】

但し、R1は特に水素原子又はアルキル若しくはシクロアルキル基を表し;
2は特に水素原子、アルキル又はシクロアルキル基を表し;
Xは特にハロゲン原子又はアルコキシ基を表し;
Y及びZは特にそれらを有する炭素原子と一緒にアルキル基で任意に置換されたチアゾール環を表すことができ;並びに
Rは特にアルキル基を表す。
【0012】
更に、国際公開99/32115号には一般式(A3)の化合物が記載されている。
【化2】

但し、置換基R2〜R6は水素原子、電子供与基、電子吸引基及び電子調整(modulating)基の群から選ばれ;
5及びY6は特に水素原子、電子供与基、電子吸引基及び電子調整基の群から選ばれる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
国際公開99/32115号中、用語「電子供与基」は電子的密度を与える傾向を有する官能基を言い;アルキル、アルケニル及びアルキニル基が挙げられる。本出願書類を通して、「電子吸引基」は電子的密度を引きつける傾向を有する官能基を言い;シアノ、アシル、カルボニル、フルオロ、ニトロ、スルホニル及びトリハロメチル基が挙げられる。最後に、「電子調整基」は、電子的密度を調整する傾向のある官能基として本明細書で特定され、それは電子を吸引及び供与の両方ができ、従って芳香族親電子的置換反応中でカチオン性中間体を安定化でき;例えばアミノ基(例えば−NH2,アルキルアミノ又はジアルキルアミノ)、ヒドロキシ、アルコキシ又はアリール、複素環状基、ハロゲン原子等の官能基が挙げられる。
【0014】
一般式(A3)の化合物は、リアノジンレセプターのモジュレーターとして示され、殺虫剤又は、例えばうっ血性心不全、偏頭痛、高血圧、パーキンソン病若しくはアルツハイマー病の治療又は流産の予防用治療薬として使用できる。
【0015】
最後に、一般式(A4)のベンゾオキサゾール−4,7−ジオンの誘導体は、光受容体の感光性層の活性成分として記載されている。
【化3】

但し、Ar1は任意で置換されたアリール基を表し、
それぞれのAr2及びAr3は水素原子又は任意で置換されたアリール基を表し、
それぞれのQ1及びQ2は特にOを表す。
【0016】
国際出願PCT/FR02/04544(国際公開03/055868号として出版された)中で、Cdc25ホスファターゼ抑制薬、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬、及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬として、本出願人は一般式(I)の化合物及びその医薬的に適用可能な塩を記載した。
【化4】

但し、R1は水素原子又はアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR56基若しくは−CHR3536基を表し(上記R35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒にインダニル又はテトラリニル基を形成するか、又はR35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒に5〜7員並びにO、N及びSから選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有する飽和複素環を形成し、上記複素環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選ばれる基により任意で置換されてもよい);
1は又、WがOを表す場合、更にハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル又はアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された、炭素環状アリール基を表し、
Xは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
【0017】
Yは、3〜7員環から独立して選ばれる1〜3縮合環を含有する飽和炭素含有環式を表し;又はYはO、N及びSから独立して選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有し、N又はCH構成員によりX基へ結合された飽和複素環を表し、上記飽和複素環は更に−CHR7−、−CO−、−NR8−、−O−及び−S−から独立して選ばれる2〜6の追加的構成員を含有し(上記R7は水素原子又はアルキル基を表し、R8は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);又Yはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR9及びNR1011基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された炭素環状若しくは複素環状アリール基を表し(上記R9は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R10及びR11は独立してアルキル基を表す)、
Zは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
【0018】
5及びR6は水素原子、アルキル、アラルキル又は−(CH2n−OH基(但し、nは1〜6の整数を表す)から独立して選ばれ、
又はR5はアルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル又はアラルコキシカルボニル基を表し、R6は水素原子又はメチル基を表し、
又はR5及びR6は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は、−CR1213−、−O−、−S−及び−NR14−基から独立して選ばれ(上記R12及びR13は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R14は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又はR14はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
【0019】
2は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し;
又はR1及びR2は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜8員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR1516−、−O−、−S−及び−NR17−基から独立して選ばれ(上記R15及びR16は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R17は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);
3は水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル、ハロアルキル、アルコキシ若しくはアルキルチオ基を表し;
4はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノ、アミノ、−CH2−COOR18、−CH2−CO−NR1920又は−CH2−NR2122基を表し、又R4はハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜4回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基を表し、又はR4は、一緒にメチレンジオキシ又はエチレンジオキシ基を形成する2個の置換基を有するフェニル基を表し、
【0020】
18は水素原子又はアルキル基を表し、
19は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、そのアリール基はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR23基及びNR2425基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換され(上記R23は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R24及びR25は独立してアルキル基を表す)、
【0021】
20は水素原子又はアルキル基を表し、
又R19及びR20は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を構成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR2627−、−O−、−S−及び−NR28−基から独立して選ばれ(上記R26及びR27は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R28は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又R28はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
21は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、そのアリール基はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR29基及びNR3031基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換され(上記R29は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R30及びR31は独立してアルキル基を表す)、
【0022】
22は水素原子又はアルキル基を表し、
又はR21及びR22は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR3233−、−O−、−S−及び−NR34−基から独立して選ばれ(上記R32及びR33は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R34は水素原子、アルキル又はアラルキル基を表し、又はR34はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
【0023】
37及びR38は水素原子及びアルキル基から独立して選ばれるか、又はR37及びR38は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR3940−、−O−、−S−及び−NR41−基から独立して選ばれ(上記R39及びR40は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R41は水素原子又はアルキル基を表す);並びに
WはO又はSを表す。
上記化合物は従ってCdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬を製造するために使用できる。
【0024】
「アルキル」とは、特記しない限り1〜12炭素原子、好ましくは1〜10炭素原子、更に好ましくは1〜8炭素原子(特に1〜6炭素原子)を含有する直鎖状又は分岐状アルキル基を意味する。「シクロアルキル」とは、特記しない限り3〜7炭素原子を含有するシクロアルキル基を意味する。「炭素環状又は複素環状アリール」とは、少なくとも1の芳香族環を含む1〜3縮合環を有する炭素環式又は複素環式を意味し、上記環式は、それを構成する少なくとも1の環がヘテロ原子(O、N又はS)を含有する場合、複素環状と呼ばれ;上記炭素環状又は複素環状アリール基が特記せずに「置換されている」とされる場合、その炭素環状又は複素環状アリール基は、1〜3回、好ましくは1〜2回、水素原子とは異なる基、特記しない限りハロゲン原子及びアルキル又はアルコキシ基から選ばれる基により置換されていることを意味し;更に、特記しない限り「アリール」は炭素環状アリールのみを意味する。「ハロアルキル」とは、その少なくとも1の(任意で全ての)水素原子はハロゲン原子により置換されているアルキル基を意味する。
【0025】
シクロアルキルアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ及びアラルキル基は、それぞれシクロアルキルアルキル、アルコキシ、ハロアルキル、ハロアルコキシ及びアラルキル基を意味し、そのアルキル、シクロアルキル及びアリール基は上記の意味を有する。
基が1〜3回任意で置換されたと表される場合、それは好ましくは1〜2回任意で置換され、更に好ましくは任意で1回置換されている。
【0026】
1〜6炭素原子を有する直鎖状又は分岐状アルキルは、好ましくはメチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル及びtert−ブチル、ペンチル、ネオペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシル基を意味する。ハロアルキルは、好ましくはトリフルオロメチル基を意味する。ハロアルコキシは、好ましくはトリフルオロメトキシ基を意味する。炭素環状アリールは、好ましくはフェニル及びナフチル基を意味する。アラルキルは、好ましくはフェニルアルキル基、更に好ましくはベンジル基を意味する。3〜7員環から独立して選ばれる1〜3縮合環を含有する飽和炭素含有環式は、好ましくはシクロプロピル、シクロブチル、シクロヘキシル及びアダマンチル基を意味する。複素環状又はヘテロアリールのアリールは、好ましくはチエニル、フラニル、ピロリル、イミダゾリル、チアゾリル、オキサゾリル及びピリジル基を意味する。最後に、ハロゲンは、フッ素、塩素、臭素又は沃素原子を意味する。
【0027】
医薬的に適用可能な塩は、特に塩酸、臭化水素酸、沃化水素酸、硫酸、リン酸、二リン酸及び硝酸等の無機酸、又は酢酸、マレイン酸、フマル酸、酒石酸、コハク酸、クエン酸、乳酸、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、パモエート及びステアリン酸等の有機酸の付加塩を意味する。又本発明の範囲内には、それらが使用できる場合には、水酸化ナトリウム又は水酸化カリウム等の塩基から形成される塩が含まれる。医薬的に適用可能な塩の他の例として、「Salt selection for basic drugs」Int.J.Pharm.(1986)、33,201-217を資料とする。
【0028】
例えば本発明の化合物は不斉炭素原子を含有してもよい。その場合、本発明の化合物は2個の可能な鏡像体、即ち「R」及び「S」配置を有する。本発明は2種の鏡像体及び、「RS」ラセミ混合物を含むそれら形の全ての組み合わせを含有する。簡略化するために、構造式中に特定の配置が記載されていない場合、2種の鏡像体及びそれらの混合物が表されているものとする。
【0029】
一般式(I)の化合物の4種の変異体が好ましく認められる:
最初の変異体では、一般式(I)の化合物は又一般派生式(I)1に対応する
【化5】

但し、WはSを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(I)における意味と同じである;
【0030】
第2変異体では、一般式(I)の化合物は又一般派生式(I)2に対応する
【化6】

但し、WはOを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(I)における意味と同じである。
【0031】
第3変異体では、一般式(I)の化合物は又一般派生式(I)3に対応する。
【化7】

但し、WはSを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(I)における意味と同じである。
【0032】
第4変異体では、一般式(I)の化合物は又一般派生式(I)4に対応する。
【化8】

但し、WはOを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(I)における意味と同じである。
【0033】
一般式(I)1若しくは(I)2の化合物、又はその医薬的に適用可能な塩は従って、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ、及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬製造に使用できる。同様に、一般式(I)3又は(I)4の化合物、又はその医薬的に適用可能な塩も、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ、及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬製造に使用できる。
【0034】
好ましくは、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬製造に使用される一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有する:
1はアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR56又は−CHR3536基を表し;
2は水素原子又はメチル、エチル若しくはベンジル基を表し;
1及びR2は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子(好ましくは2ヘテロ原子)を含有する4〜8員(好ましくは5〜7員、特に6員)の複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CH2−、−O−及び−NR17基(好ましくは−CH2−及び−NR17−基)から独立して選ばれ(上記R17はメチル又はベンジル基を表す);
【0035】
3は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル、アルコキシ又はアルキルチオ基を表し;
4はアルキル、−CH2−COOR18又は−CH2−CO−NR1920若しくは−CH2−NR2122基、又は、ハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基を表す。
【0036】
一般的に、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬を製造するための使用には、一般式(I)の化合物(但しWはイオウ原子を表す。)が好ましい。Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬を製造するための使用の別の代替品は、やはり一般式(I)の化合物(但し、Wは酸素原子を表す。)の使用である。
【0037】
更に、X基は好ましくは1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状アルキレン基を表す。又好ましくは、Y基は3〜7員環から独立して選ばれる1〜3縮合環を含有する飽和炭素含有環式を表すか、Yは炭素環状アリール基を表し任意で置換された(好ましくはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、SO2NHR9又はNR1011基から選ばれる1〜3基で任意で置換された、更に好ましくはハロゲン原子及びアルキル、アルコキシ、SO2NHR9又はNR1011基から選ばれる1〜3基で任意で置換された)、又はYは任意で置換された複素環状アリール基を表し、上記複素環状アリール基は、好ましくは5員のアリール基から(特にイミダゾリル、チエニル又はピリジニル基から)選ばれ、かつ好ましくはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ、SO2NHR9又はNR1011基から選ばれる1〜3基で任意で置換され、更に好ましくはハロゲン原子及びアルキル、アルコキシ、SO2NHR9又はNR1011基(上記R9は好ましくは水素原子を表し、R10及びR11は好ましくは独立してアルキル基から選ばれる基を表す)から選ばれる1〜3基で任意で置換されている。Z基は好ましくは1〜5炭素原子含有アルキレン基、特に−(CH2p−基(但し、pは1〜3から選ばれる整数を表し、pは好ましくは1又は2、更に好ましくは1である)を表す。又好ましくはR5及びR6は独立して水素原子及びアルキル基から選ばれ、R5及びR6はそれらを有する窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環は好ましくは1〜3アルキル基により(好ましくは1〜3メチル基により)任意で置換されたアゼチジニル(azetidinyl)、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニル基のいずれかであり;更に好ましくは、R5及びR6は独立してアルキル又はアルコキシカルボニル基から選ばれるか(特にR5及びR6はそれぞれメチル又はtert−ブトキシカルボニル基である。)、R5及びR6はそれらを有する窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環は好ましくは1〜3アルキル基により(好ましくは1〜3メチル基により)任意で置換されたアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニル基のいずれかである。R18は好ましくは水素原子又はメチル若しくはエチル基を表す。
【0038】
更に、R7、R12、R13、R15、R16、R26、R27、R39及びR40基は、好ましくは独立して水素原子及びメチル基から選ばれ、R8、R14、R17、R28及びR41基は、好ましくは独立して水素原子及びメチル又はベンジル基から選ばれる。
【0039】
更に、R19及びR20に関して、R19は水素原子、アルキル基又はベンジル基を表し、R20は水素原子又はメチル基を表す場合が好ましく、同様にR19及びR20はそれらを有する窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環は好ましくは1〜3アルキル基により任意で置換された(好ましくは1〜3メチル基により任意で置換された)アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニル基のいずれかでもよい。
【0040】
更に、R21及びR22に関して,R21は水素原子、アルキル基又はベンジル基を表し、R22は水素原子又はメチル基を表す場合が好ましく、同様にR21及びR22はそれらを有する窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環は好ましくは任意で置換されたアゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、ピペラジニル、ホモピペラジニル、モルホリニル及びチオモルホリニル基のいずれかでもよい。R32、R33及びR34基に関して、R32及びR33は独立して水素原子及びアルキル基、好ましくは水素原子及びメチル基(R32及びR33はいずれも更に好ましくは水素原子を表す。)から選ばれ、かつR34は水素原子、アルキル基又は、ハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基(R34は更に好ましくは水素原子又はメチル又はフェニル基を表す。)を表す場合が好ましい。
【0041】
更に、R35及びR36に関して、R35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒にインダニル基を形成するか、R35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒に5〜7員並びにO、N及びSから選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有する飽和複素環を形成し、上記複素環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選ばれる基により任意で置換されてもよい場合が好ましい。
更に、R37及びR38に関して、R37及びR38はアルキル基から独立して選ばれる基を表す場合が好ましい。
【0042】
最後に、R4が1〜4回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基である場合、それは好ましくはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜3回(特にハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回)任意で置換された炭素環状及び複素環状アリール基及び2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基の群から選ばれる。更に好ましくは、R4が1〜4回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基である場合、R4はハロゲン原子、アルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜2回(特にハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜2回)任意で置換された炭素環状及び複素環状アリール基、3,4,5−トリハロフェニル基及び2,3,4,5−テトラフルオロフェニル基の群から選ばれる。
【0043】
更に好ましくは、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬を製造するために使用される一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有する:
1はアルキル、シクロアルキル、又は−(CH2)−Z−NR56基を表し;
2は水素原子又はメチル基を表し;
3は水素原子、ハロゲン原子又はメトキシ基を表し;
4はアルキル、−CH2−NR2122基、又は、ハロゲン原子及びアルキル若しくはNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜4回(特に1〜3回)任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基を表す。
【0044】
更に好ましくは、本発明で使用される一般式(I)、(I)’、(I)”、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有する:
1は−(CH2)−Z−NR56基を表し;
2は水素原子を表し;
3は水素原子又はハロゲン原子を表し(上記ハロゲン原子は好ましくは塩素又は臭素原子である);
4はアルキル基又は、1〜4、好ましくは1〜3のハロゲン原子により、若しくは1のNR3738基により任意で置換された、フェニル、ピリジル、チエニル若しくはフラニル基を表す。
【0045】
更に好ましくは、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬を製造するために使用される一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有する:
3は水素原子又は塩素原子(更に好ましくは水素原子)を表し;
4はアルキル基、又は1〜4、好ましくは1〜3ハロゲン原子で任意で置換されたフェニル、ピリジル、チエニル又はフラニル基を表し(特にR4はアルキル基、好ましくは1〜4炭素原子を含有するアルキル基、更に好ましくはメチル又はエチル基を表す)。
【0046】
本発明の別の態様として、WはOを表す。この場合、好ましくはR1はハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル又はアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたアリール基、特にフェニル基を表す。更に好ましくは、WはOを表す場合、好ましくはR1はハロゲン原子(上記ハロゲン原子は好ましくはフッ素原子である)により任意で置換されたフェニル基を表す。
【0047】
本発明の特別な態様として、R4は、ハロゲン原子、トリフルオロメチル基及びトリフルオロメトキシ基の群から選ばれる(好ましくはハロゲン原子及びトリフルオロメチル基の群から選ばれる)置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたフェニル基又は5〜6員複素環状アリール基でもよい。好ましくは、上記任意で置換された5〜6員複素環状アリールは、任意で置換されたピリジン、チオフェン、フラン又はピロール環である。
【0048】
本発明の別の態様として、一般式(I)の化合物(但し、WはSを表し、R3は水素原子を表し、置換基−NR12、上記R1及びR2のための好ましい記載例はここで適用できる、がベンゾチアゾールジオン環の5位に結合され、R4はアルキル、シクロアルキルアルキル、−CH2−COOR18,−CH2−CO−NR1920及び−CH2−NR2122基から選ばれ、R4は本発明の特別な態様に応じて好ましくはアルキル又はシクロアルキルアルキル及び更に好ましくはアルキルである。)は、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ抑制薬を製造するために使用される。
【0049】
好ましくは、一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、下記疾患/下記障害から選ばれる疾患の治療薬製造用に使用される:腫瘍性増殖性疾患、特に癌、非腫瘍性増殖性疾患、神経変性疾患、寄生虫性疾患、ウィルス性感染、先天性脱毛症、外因性産物誘発脱毛症、放射線誘発脱毛症、自己免疫性疾患、移植拒絶反応、炎症性疾患及びアレルギー。
非常に好ましくは、一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、癌、特に乳癌、リンパ腫、頸部及び頭部癌、肺癌、腸癌、前立腺癌及びすい臓癌治療薬の製造に使用できる。
又本発明では、一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4の化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、先天性脱毛症、外因性産物誘発脱毛症又は放射線誘発脱毛症治療薬の製造に使用できる。
【0050】
本発明の目的は一般式(II)の化合物及び上記で特定される一般式(II)の化合物の塩にも関する。
【化9】

但し、R1は水素原子又はアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR56基若しくは−CHR3536基を表し(上記R35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒にインダニル又はテトラリニル基を形成するか、又はR35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒に5〜7員並びにO、N及びSから選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有する飽和複素環を形成し、上記複素環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選ばれる基により任意で置換されてもよい);
1は又、WがOを表す場合、更にハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル又はアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された、炭素環状アリール基を表し、
【0051】
Xは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
Yは、3〜7員環から独立して選ばれる1〜3縮合環を含有する飽和炭素含有環式を表し;又はYはO、N及びSから独立して選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有し、N又はCH構成員によりX基へ結合された飽和複素環を表し、上記飽和複素環は更に−CHR7−、−CO−、−NR8−、−O−及び−S−から独立して選ばれる2〜6の追加的構成員を含有し(上記R7は水素原子又はアルキル基を表し、R8は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);又Yはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR9基及びNR1011基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された炭素環状若しくは複素環状アリール基を表し(上記R9は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R10及びR11は独立してアルキル基を表す)、
Zは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
【0052】
5及びR6は水素原子、アルキル、アラルキル又は−(CH2n−OH基(但し、nは1〜6の整数を表す)から独立して選ばれ、
又はR5はアルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル又はアラルコキシカルボニル基を表し、R6は水素原子又はメチル基を表し、
又はR5及びR6は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は、−CR1213−、−O−、−S−及び−NR14−基から独立して選ばれ(上記R12及びR13は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R14は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又はR14はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
【0053】
2は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し;
又はR1及びR2は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜8員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR1516−、−O−、−S−及び−NR17−基から独立して選ばれ(上記R15及びR16は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R17は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);
3は水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル、ハロアルキル、アルコキシ若しくはアルキルチオ基を表し;
4は−CH2−Ar基を表し(上記Arはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR4243基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたアリール基を表す)、又はR4はビフェニル基を表し、
【0054】
42及びR43は水素原子及びアルキル基から独立して選ばれるか、又はR42及びR43は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR4445−、−O−、−S−及び−NR46−基から独立して選ばれる(上記R44及びR45は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R46は水素原子又はアルキル基を表す)。
これら化合物はCdc25ホスファターゼ抑制薬、特にCdc25−Cホスファターゼ及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬として使用できる。
【0055】
本発明は又、医薬品として、一般式(II)の化合物又はその医薬的に適用可能な塩に関する。本発明は更に、活性成分として一般式(II)の化合物又は後者の医薬的に適用可能な塩の一つ、及び少なくとも1の医薬的に適用可能な賦形剤を含有する医薬的組成物に関する。
【0056】
本発明の目的は又、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬の製造のための一般式(II)の化合物又はその医薬的に適用可能な塩の使用である。好ましくは、上記化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、下記疾患/下記障害から選ばれる疾患の治療薬製造用に使用される:腫瘍性増殖性疾患、特に癌、非腫瘍性増殖性疾患、神経変性疾患、寄生虫性疾患、ウィルス性感染、先天性脱毛症、外因性産物誘発脱毛症、放射線誘発脱毛症、自己免疫性疾患、移植拒絶反応、炎症性疾患及びアレルギー。非常に好ましくは、上記化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、癌、特に乳癌、リンパ腫、頸部及び頭部癌、肺癌、腸癌、前立腺癌及びすい臓癌治療薬の製造に使用できる。
【0057】
上記一般式(I)の化合物のR1、R2、R3及びWの定義の好ましい記載例は、必要な変更を加えて一般式(II)の化合物のR1、R2、R3及びWの定義に適用できる。
一般式(II)の化合物には4種の変異体が好ましく挙げられる。
第一の変異体では、一般式(II)の化合物は一般派生式(II)1に対応する。
【化10】

但し、WはSを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(II)における意味と同じである;
【0058】
第2変異体では、一般式(II)の化合物は一般派生式(II)2に対応する。
【化11】

但し、WはOを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(II)における意味と同じである。
【0059】
第3変異体では、一般式(II)の化合物は一般派生式(II)3に対応する。
【化12】

但し、WはSを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(II)における意味と同じである。
【0060】
第4変異体では、一般式(II)の化合物は一般派生式(II)4に対応する。
【化13】

但し、WはOを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(II)における意味と同じである。
【0061】
更に、R4に関して、R4は一般式(II)の化合物の可能な変異体の一つに応じて−CH2−Ar基を表してもよい。この場合、好ましくはR4は−CH2−Ar基を表し、但しArはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシから独立して選ばれる置換基により1〜4回任意で置換されたアリール基を表す。更に好ましくは、R4は−CH2−Ar基を表し、但しArはハロゲン原子及びアルキル又はハロアルキルから独立して選ばれる置換基により1〜4回任意で置換されたアリール基を表す。最も好ましくはR4は−CH2−Ar基を表し、但しArはハロゲン原子(好ましくは塩素及びフッ素原子から選ばれる。)により1〜4回(特に1〜3回、更に好ましくは1〜2回)任意で置換されたアリール基を表す。
一般式(II)の化合物の別の態様として、R4はビフェニル基、特に4−フェニル−フェニル基を表してもよい。
【0062】
本発明では、下記一般式(II)の化合物及び後者の塩も好ましい:
2−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,6−ジクロロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチルメチル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン。
【0063】
下記一般式(III)の化合物の定義は、R1、R2、R3及びWは一般式(I)で特定され、R4は一般式(I)で特定されるか一般式(II)で特定されるもののいずれかである。
【化14】

【0064】
上記一般式(I)又は(II)の化合物のR1、R2、R3及びWの定義の好ましい記載例は、必要な変更を加えて一般式(III)の化合物のR1、R2、R3及びWの定義に適用できる。
【0065】
一般式(III)の化合物の4種の変異体が好ましく認められる。
最初の変異体では、一般式(III)の化合物は又一般派生式(III)1に対応する。
【化15】

但し、WはSを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(III)における意味と同じである。
【0066】
第2変異体では、一般式(III)の化合物は又一般派生式(III)2に対応する。
【化16】

但し、WはOを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(III)における意味と同じである。
【0067】
第3変異体では、一般式(III)の化合物は又一般派生式(III)3に対応する。
【化17】

但し、WはSを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(III)における意味と同じである。
【0068】
第4変異体では、一般式(III)の化合物は又一般派生式(III)4に対応する。
【化18】

但し、WはOを表し、R1、R2、R3及びR4は一般式(III)における意味と同じである。
【0069】
特に、一般式(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有することが好ましい:
1はアルキル、シクロアルキル、アルコキシアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR56又は−CHR3536基を表し;
2は水素原子又はメチル、エチル若しくはベンジル基を表し;
1及びR2は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子(好ましくは2ヘテロ原子)を含有する4〜8員(好ましくは5〜7員、特に6員)の複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CH2−、−O−及び−NR17基(好ましくは−CH2−及び−NR17−基)から独立して選ばれ(上記R17はメチル又はベンジル基を表す);
3は水素原子、ハロゲン原子又はアルキル、アルコキシ又はアルキルチオ基を表し;
4はアルキル、−CH2−COOR18又は−CH2−CO−NR1920若しくは−CH2−NR2122基、ハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基を表してもよく、又R4は−CH2−Ar基を表し、但しArはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシから独立して選ばれる置換基により1〜4回任意で置換されたアリール基を表してもよい。
【0070】
一般式(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有することが更に好ましい:
1は−(CH2)−Z−NR56基を表し;
2は水素原子を表し;
3は水素原子又はハロゲン原子を表し(上記ハロゲン原子は好ましくは塩素又は臭素原子である);
4はアルキル基又は、1〜4、好ましくは1〜3のハロゲン原子により、若しくは1のNR3738基により任意で置換された、フェニル、ピリジル、チエニル若しくはフラニル基を表してもよく、R4は−CH2−Ar基(但し、Arはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたフェニル又はナフチル基を表す)を表してもよい。
【0071】
一般式(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物は少なくとも1の下記性質を有することが非常に好ましい:
3は水素原子又は塩素原子(更に好ましくは水素原子)を表し;
4はアルキル基、又は、その基の芳香族部上で1〜4、好ましくは1〜3ハロゲン原子により任意で置換されたフェニル、ピリジル、チエニル、フラニル、ベンジル若しくはナフチルメチル基を表す。
【0072】
好ましくは、一般式(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物(特に一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3若しくは(I)4の化合物又は一般式(II)、(II)1、(II)2、(II)3若しくは(II)4の化合物)は選択的製法により製造できる。上記製法は、ベンゾチアゾール−4,7−ジオン又はベンゾオキサゾール−4,7−ジオン核の5位又は6位のいずれかを置換することを可能として、その結果一般式(III)1の化合物であり対応する一般式(III)3の化合物ではないもの(若しくはその逆)、又は一般式(III)2の化合物であり対応する一般式(III)4の化合物ではないもの(若しくはその逆)を得ることができる。
【0073】
本発明は従って第一に上記で特定された一般式(III)1又は(III)2の化合物(R3は水素原子を表す)の製法に関し、上記製法は下記一般式(A)の化合物を一般式R12NHのアミンとプロトン性溶媒中で好ましくは20℃〜溶媒沸点の温度で反応させることに特徴を有する。
【化19】

但し、Wはイオウ原子又は酸素原子を表し、R4は一般式(III)1又は(III)2における意味と同じである。
【0074】
本発明は特に上記で特定された一般式(I)1又は(I)2の化合物(R3は水素原子を表す)の製法に関し、上記製法は下記一般式(A)の化合物を一般式R12NHのアミンとプロトン性溶媒中で好ましくは20℃〜溶媒沸点の温度で反応させることに特徴を有する。
【化20】

但し、Wはイオウ原子又は酸素原子を表し、R4は一般式(I)1又は(I)2における意味と同じである。
好ましくは、上記方法でのプロトン性溶媒はエタノール及びメタノールから選ばれる。
【0075】
本発明は又上記で特定された一般式(III)3又は(III)4の化合物(R3は水素原子を表す)の製法に関し、上記製法は下記一般式(K)の化合物を一般式R12NHのアミンとプロトン性溶媒中で好ましくは20℃〜溶媒沸点の温度で反応させる。
【化21】

但し、Wはイオウ原子又は酸素原子を表し、R4は一般式(III)3又は(III)4における意味と同じである。
【0076】
本発明は特に上記で特定された一般式(I)3又は(I)4の化合物(R3は水素原子を表す)の製法に関し、上記製法は下記一般式(K)の化合物を一般式R12NHのアミンとプロトン性溶媒中で好ましくは20℃〜溶媒沸点の温度で反応させることに特徴を有する。
【化22】

但し、Wはイオウ原子又は酸素原子を表し、R4は一般式(I)3又は(I)4における意味と同じである。
好ましくは、上記方法でのプロトン性溶媒はエタノール及びメタノールから選ばれる。
【0077】
本発明は又、新規な製品として一般式(A)の化合物(但し、W及びR4は上記の意味を有し、Wがイオウ原子を表す場合はR4はメチルではない)及びその塩に関する。
従って、本発明は特に、新規な製品として一般式(A)の化合物(但し、Wは酸素原子を表す。以降それぞれ一般式(A’)の化合物)及びその塩に関する。
本発明は、同様に一般式(A)の化合物(但し、Wはイオウ原子を表し、R4は上記の意味であるが、メチルを表さない。以降それぞれ一般式(A’’)の化合物)及びその塩に関する。好ましくは、一般式(A’’)の化合物又はその塩ではR4は上記の意味であるがアルキルを表さない。
【0078】
本発明は又、新規な製品として一般式(K)の化合物(但し、W及びR4は上記の意味を有し、Wがイオウ原子を表す場合はR4はフェニル基ではないが、置換されたフェニル基でもよい。)及びその塩に関する。
従って本発明は特に、新規な製品として一般式(K)の化合物(但し、Wは酸素原子を表す。以降それぞれ一般式(K’)の化合物)及びその塩に関する。
【0079】
本発明は、同様に一般式(K)の化合物(但し、Wはイオウ原子を表し、R4は上記の意味であるがフェニル基ではないが、置換されたフェニル基でもよい。上記化合物は以降一般式(K’’)の化合物という。)及びその塩に関する。好ましくは、一般式(K’’)の化合物又はその塩は、R4は少なくとも1のハロゲン原子により置換されたフェニル基を表し、又R4はアルキル基を表すものである。
【0080】
本発明は又下記化合物から選ばれる一般式(III)の化合物及びその塩に関する:
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(1、1’−ビフェニル−4−イル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,6−ジクロロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチルメチル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−エチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−ヘキシル−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン。
【0081】
本発明は特に下記一般式(I)の化合物及びその塩に関する:
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン。
【0082】
上記一般式(III)の化合物及びその塩中で、下記化合物及びその塩が好ましい:
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,6−ジクロロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−エチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン。
【0083】
上記一般式(III)の化合物及びその塩中、下記化合物及びその塩が好ましい:
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,6−ジクロロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン。
【0084】
上記一般式(III)の化合物及びその塩中、下記化合物及びその塩が更に好ましい:
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン。
【0085】
本発明は又、薬品として上記一般式(I)、(II)若しくは(III)の化合物又はその医薬的に適用可能な塩に関する。
本発明は、更に活性成分として上記一般式(I)、(II)若しくは(III)の化合物又はその医薬的に適用可能な塩の一種、及び少なくとも1の医薬的に適用可能な賦形剤を含有する医薬的組成物に関する。
本発明の目的は又、Cdc25ホスファターゼ、特にCdc25−Cホスファターゼ及び/又はCD45ホスファターゼ抑制薬の製造用の上記一般式(I)、(II)若しくは(III)の化合物又はその医薬的に適用可能な塩の使用に関する。好ましくは、上記化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、下記疾患/下記障害から選ばれる疾患の治療薬製造用に使用される:腫瘍性増殖性疾患、特に癌、非腫瘍性増殖性疾患、神経変性疾患、寄生虫性疾患、ウィルス性感染、先天性脱毛症、外因性産物誘発脱毛症、放射線誘発脱毛症、自己免疫性疾患、移植拒絶反応、炎症性疾患及びアレルギー。非常に好ましくは、上記化合物又はその医薬的に適用可能な塩は、癌、特に乳癌、リンパ腫、頸部及び頭部癌、肺癌、腸癌、前立腺癌及びすい臓癌治療薬の製造に使用できる。
【0086】
本発明の化合物(即ち一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4(II)、(II)1、(II)2、(II)3又は(II)4又は(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4)の化合物は又、腫瘍性増殖性疾患、特に癌、非腫瘍性増殖性疾患、神経変性疾患、寄生虫性疾患、ウィルス性感染、先天性脱毛症、外因性産物誘発脱毛症、放射線誘発脱毛症、自己免疫性疾患、移植拒絶反応、炎症性疾患及びアレルギー、の治療方法に使用できる。上記方法は一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4、(II)、(II)1、(II)2、(II)3又は(II)4又は(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物をこの治療を必要とする患者へ治療用に有効な投与量を投与することを含む。
【0087】
本発明の化合物を含有する医薬的組成物(即ち一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4、(II)、(II)1、(II)2、(II)3又は(II)4又は(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物)は、固体形状、例えば粉、顆粒、錠剤、ゼラチンカプセル、リポソーム又は座薬として提供できる。適切な固体サポートとして、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、ポリビニルピロリジン及びワックスが挙げられる。
【0088】
本発明の化合物(即ち一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4,(II)、(II)1、(II)2、(II)3又は(II)4又は(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物)を含有する医薬的組成物は、液体形状、例えば溶液、エマルジョン、懸濁液又はシロップで提供できる。適切な液体サポートとして、例えば水、グリセロール又はグリコール等の有機溶媒、及び様々な割合のそれらの水との混合物が挙げられる。
【0089】
本発明の医薬品の投与は、局所(表面)、経口、腸管外経路により、又は筋肉内注射等により行うことが出来る。
一般式(I)、(I)1、(I)2、(I)3又は(I)4、(II)、(II)1、(II)2、(II)3又は(II)4又は(III)、(III)1、(III)2、(III)3又は(III)4の化合物用に予定される投与量は、使用された活性な化合物種に応じて0.1mg〜10gの範囲である。
【0090】
本発明の医薬品、医薬的組成物及びその使用として、一般式(I)、(II)及び(III)の化合物のための好ましい記載例はもちろん必要な変更を加えて適用できる。
【0091】
一般式(I)、(II)及び(III)の化合物は下記のプロセスにより製造できる。
一般式(I)、(II)及び(III)の化合物の調製;
下記製法は例示のためであり、当業者は試薬並びに反応条件及び技術の両方に関して、それらに使用可能と考える変形を加えることが出来る。
【0092】
本発明では、下記プロセスは、一般式(III)1の化合物であり対応する一般式(III)3の化合物ではないもの(若しくはその逆)、又は一般式(III)2の化合物であり対応する一般式(III)4の化合物ではないもの(若しくはその逆)を得るために使用できる。このプロセスは、明らかにレジオ選択的に一般式(I)及び(II)の化合物を得るために必要な変更を加えて使用できる。一般式(III)の化合物を得るための唯一のプロセスは従って下記のとおりである。
【0093】
A)一般式(III)1又は(III)2のレジオ異性体の製法
一般的に、一般式(III)1又は(III)2の化合物(但しR3はHを表す)は下記反応図1に概略された方法により製造できる。
【化23】

【0094】
本発明の方法では、一般式(III)1又は(III)2の化合物(但し、W、R1、R2及びR4は上記で特定されるとおりであり、R3はHを表す)は、一般式(A)の化合物を一般式R12NHのアミンとメタノール又はエタノール等のプロトン性溶媒中で、好ましくは25℃〜溶媒沸点の温度で処理して得られる(Yasuyuki Kitaら、J.Org.Chem.(1996)、61、223−227)。
ベンゾチアゾールジオン又はベンゾキサゾールジオン核(R3≠Hである一般式(III)1又は(III)2の化合物)の6位を置換することが必要な場合、当業者に公知の条件を使用して追加的置換を行えば充分である。
【0095】
i)Wがイオウ原子を表す場合:
一般式(A)の中間体の製造:
Wがイオウ原子を表す場合、一般式(A)の中間体は下記反応図2で表されるプロセスにより製造できる。
【化24】

【0096】
一般式(A)の化合物(但し、R4は上記のとおりである)は一般式(B)の化合物の酸化的脱メチル化により得られ、例えば酢酸中で酸化クロム(VI)処理(J.M.de L.Vanderleiら、Tetrahedron:Asymmetry(1997)、8(16)、2781-2785)、又はリンモリブデン酸及び蟻酸の存在下で50%過酸化水素溶液処理(A.S.Chidaら、Synth Commun(2001)、5、657-660)によるか、又はH2O/THF混合物中でのジクロロジシアノキノン(DDQ)処理によるか(K.Narayanan、Heterocycles(1991)、10、2005-2014)又は等モルのアセトニトリル/水若しくは酢酸エチル/水混合物中、室温で激しく攪拌される硝酸アンモニウムセリウム処理が挙げられる。
【0097】
ニトロ化された一般式(B.i)の化合物は、硝酸アンモニウムセリウム(CAN)で一般式(B)の化合物を処理して得られる。次に炭素に担持されたパラジウムの存在下での水素作用によるか塩化スズの作用によるニトロ基の還元後に、一般式(B.ii)の中間体を得て、それを次に酸化して最後に硝酸アンモニウムセリウムの作用により一般式(A)のキノンを製造して一般式(A)の化合物が得られる(下記反応図3;K.Mohriら、Chem Pharm Bull、(1998)、12,1872-1877参照)。
【化25】

【0098】
一般式(B)の中間体の製造:
一般式(B)の化合物(但し、R4は上記のとおりである)は、3,5−ジメトキシアニリンから次にアミド(D)へ対応する酸クロライドの作用により当業者に公知の標準的方法(M.A.Lyonら、J.Chem.Soc.、Perkin Trans 1、(1999)、437-442)で変換されて、3段階で得られる。一般式(D)のアミドは次に一般式(C)のチオアミドへ、Lawesson試薬で乾燥トルエン中、好ましくは80℃〜還流温度で好ましくは2時間〜18時間の間処理されるか、カリウムペンタスルフィドでDME中、好ましくは85℃〜還流温度で処理されて変換される。一般式(C)のチオアミドは次に、Jacobson方法によりフェリシアン化カリウムで水性媒体中ソーダの存在下で処理され(P.Jacobson、Chem.Ber.(1886)、19、1067)一般式(B)の化合物が製造される。
【0099】
ii)Wが酸素原子を表す場合:
一般式(A)の中間体の製造:
Wが酸素原子を表す場合、一般式(A)の中間体は下記反応図4で表されるプロセスにより製造できる。
【化26】

【0100】
一般式(A)の化合物(但し、R4は上記のとおりである)は、4−メトキシ−2,6−ジニトロフェノールから3段階で得られる(特にP.Cotelle及びJ.P.Catteau、Synth.Commun.、26、(1996)、4105-4112記載)。その場合、一度エステル化され、当業者に公知の通常の方法により一般式(F.i)の中間体を製造し、還元剤の作用を脱水条件下で受け(例えばエタノール中でのスズ及び塩酸等、Y.A.M.Marghlaniら、Pakistan J.Sci.Ind.Res.、23、(1980)、166-168に記載)、一般式(E)の7−アミノ−5−メトキシ−ベンゾキサゾール誘導体を製造する。
一方、4−メトキシ−2,6−ジニトロフェノールも、例えば炭素に担持されたパラジウムの存在下で水素作用により還元され、次に中間体(F.ii)を単離せずに一般式(T)のチオイミデートとエタノール等のプロトン性溶媒中、25℃〜溶媒沸点で縮合して(例えばS.RostamizadehらJ.ChemRes、Synop、6、(2001)、227-228に記載されている方法)、一般式(E)の7−アミノ−5−メトキシ−ベンゾキサゾール誘導体を製造できる。一般式(T)のチオイミデートは、市販されており当業者に公知の方法でも調製できる。一般式(E)の化合物の7−アミノ基は、次に酸化され、上記のプロセスにより一般式(A)の化合物が製造される。
【0101】
又、一般式(A)の中間体(但し、Wは酸素原子を表す)は下記反応図4aで表されるプロセスによっても製造できる。
【化27】

【0102】
反応図4a中に示された別の合成では、4−メトキシ−2−ニトロフェノール(市販品)は、反応図4の脱水エステル化/還元によるか,上記の還元及び次に続く縮合により一般式(H)の5−メトキシ−ベンゾキサゾール誘導体へ変換される。一般式(H)の中間体は次に上記の方法によりニトロ化され、対応するアミンへ還元され(反応図3参照)、次に上記のように一般式(A)のキノンへ酸化される。
【0103】
B)一般式(III)3又は(III)4のレジオ異性体の製法:
一般的に、一般式(III)3又は(III)4の化合物(但し、R3はHを表す)は下記反応図5に概略された方法により製造できる。
【化28】

【0104】
本発明の方法では、一般式(III)3又は(III)4の化合物(但し、W、R1、R2及びR4は上記で特定されるとおりであり、R3はHを表す)は、一般式(K)の化合物を一般式R12NHのアミンとメタノール又はエタノール等のプロトン性溶媒中で、好ましくは25℃〜溶媒沸点の温度で処理して得られる(Yasuyuki Kitaら、J.Org.Chem.(1996)、61、223-227)。
ベンゾチアゾールジオン又はベンゾキサゾールジオン核(R3≠Hである一般式(III)3又は(III)4の化合物)の6位を置換することが必要な場合、当業者に公知の条件を使用して追加的置換を行えば充分である。
【0105】
i)Wがイオウ原子を表す場合:
一般式(K)の中間体の製造:
Wがイオウ原子を表す場合、一般式(K)の中間体は下記反応図6で表されるプロセスにより製造できる。
【化29】

【0106】
一般式(K)の化合物(但し、R4は上記のとおりである)は、一般式(A)の中間体の製造用に記載されたもの(反応図2及び3参照)と類似のプロセスにより得ることができ、出発物質は2,4−ジメトキシアニリン(市販品)である。
【0107】
又、一般式(K)の中間体(但し、Wはイオウ原子を表す)は下記反応図6aで表されるプロセスによっても製造できる。
【化30】

【0108】
反応図6a中に示された別の合成では、6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン(市販品)は、当業者に公知のサンドマイヤー法により2−ブロモ−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾールへ変換され、それは当業者に公知の方法によりニトロ化され、2−ブロモ−6−メトキシ−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾールが得られる。一般式(K.ii)の中間体は次に、当業者に公知の鈴木法によりボロン酸との縮合により得られる。一般式(K)の中間体が、炭素に担持されたパラジウムの存在下で水素作用によるか塩化スズの作用によりニトロ基の還元後に得られ、それは一般式(K.i)の中間体として次に酸化され、一般式(K)のキノンがフレミーの塩(カリウムニトロソジスルホン酸)の作用によりリン酸水素ナトリウム溶液の存在下アセトン中で得られる(G.R.Allen Jrら、J Med Chem(1967)、10、23)。
【0109】
ii)Wが酸素原子を表す場合:
一般式(K)の中間体の製造:
Wが酸素原子を表す場合、一般式(K)の中間体は下記反応図7で表されるプロセスにより製造できる。
【化31】

【0110】
反応図7に示される方法は反応図4に示されるものと類似であるが,この場合、出発物質は5−メトキシ−2−ニトロ−レソルシノールである(特にJ.F.GroveらJ.Chem.Soc.(1956)、1956-1963に記載)。
【0111】
一方、下記反応図8に示される方法も又使用できる。
【化32】

【0112】
この方法では、5−メトキシ−2−ニトロフェノール(市販品)は、反応図4に示される脱水エステル化/還元反応を使用するか,上記の還元後の縮合により一般式(S)の6−メトキシ−ベンゾキサゾール誘導体へ変換される。一般式(S)の中間体は次に、反応図3で示されたプロセスによりニトロ化され、対応する一般式(R)のアミンへ還元され,次に上記記載されたように一般式(K)のキノンへ酸化される。
【0113】
本書類で記載される温度に関して、用語「約XX℃」は、温度XX℃として特定された温度の上下10℃の範囲、好ましくは上下5℃の範囲を表す。
特記しない限り、ここで使用された全ての技術的及び化学的用語は、通常本発明の属する分野の通常の専門家が把握する意味と同じである。又、ここで挙げられた全ての刊行物、特許出願、全ての特許及び他の文献をここで資料として使用する。
下記実施例は上記手順を説明するために示されるものであり、本発明の範囲を限定するために使用されるものではない。
【実施例】
【0114】
保持時間(r.t.)及び分子ピーク(MH+)測定方法:
化合物は、液体クロマトグラフィー(LC)により測定された保持時間(r.t.、単位:分)、及び質量分析法(MS)により測定された分子ピーク(MH+)によりその特性を示される。上記質量分析では、エレクトロスプレー源付きシングル四重極マススペクトロメーター(Micromass社製、プラットフォームモデル)を分解能0.8Da(50%valley)で使用される。
【0115】
下記実施例1〜7では、結果に対応する溶出条件は下記のとおりである:アセトニトリル−水−トリフルオロ酢酸混合物50−950−0.2(A)からアセトニトリル−水混合物950−50(B)へ8.5分間かけて直線勾配で変化させ、次に純粋な混合物Bで10.5分間溶出する。下記実施例8〜60では、結果に対応する溶出条件は下記のとおりである:アセトニトリル−水−トリフルオロ酢酸混合物50−950−0.2(A)で1分間溶出し、次に混合物Aからアセトニトリル−水混合物950−50(B)へ7.5分間かけて直線勾配で変化させ、次に純粋な混合物Bで2分間溶出する。
【0116】
実施例1:2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
1.1) N−(3,5−ジメトキシフェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミド:
5.5ml(39.2mmol;1.2当量)のトリエチルアミン及び4.5ml(35.9mmol;1.1当量)の2,6−ジフルオロベンゾイルクロライドを5g(32.6mmol)の3,5−ジメトキシアニリンの100mlの無水トルエン溶液へ添加される。反応溶媒は70℃で1時間30分継続攪拌され、次に室温へ戻された後、3回50mlの水で洗浄される。得られた有機相は硫酸マグネシウムで乾燥され、次に溶媒が減圧下で留去される。目的生成物が、白色粉の形で得られ(8.75g;収率=97%)、他の精製をせずに下記段階で使用される。
MS−LC:MH+=294.11;r.t.=9.93分
【0117】
1.2) N−(3,5−ジメトキシフェニル)−2,6−ジフルオロベンゼンカルボチオアミド:
20.3g(50mmol;1.5当量)のLawesson試薬が、150mlの無水トルエン中に溶解した9.8g(33.4mmol)のN−(3,5−ジメトキシフェニル)−2,6−ジフルオロベンズアミドへ添加される。反応溶媒は120℃で8時間継続攪拌され、次に室温へ戻された後、3回75mlの水で洗浄される。得られた有機相は硫酸マグネシウムで乾燥され、次に溶媒が減圧下で留去される。残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製され(溶出液:ジクロロメタン/メタノール98/2)、目的生成物が緑オイルの形状で得られる(10g;収率=96%)。
MS−LC:MH+=310.06;r.t.=10.53分
【0118】
1.3) 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール:
170ml(103mmol;3当量)の新たに調製した20%フェリシアン化カリウム水溶液が、150mlの1.5Mソーダ溶液中に溶解した10.3g(33.3mmol)のN−(3,5−ジメトキシフェニル)−2,6−ジフルオロベンゼンカルボチオアミドへ添加される。反応溶媒は室温で24時間継続攪拌される。次に形成されたベージュ色の沈殿物がろ過され、水で洗浄され乾燥される(6.8g;収率=66%)。母液は3回75mlのジクロロメタンで抽出され、次に有機相が飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄され、減圧濃縮後得られた残渣はシリカカラムで精製され(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン:1/3)、別の2gの目的生成物(全収率=86%)が得られる。融点:136−138℃。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.65(m、1H、arom.H);7.36−7.31(m、3H、arom.H);6.75(m、1H、arom.H);3.96(s、3H、CH3);3.87(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=308.12;r.t.=11.48分
【0119】
1.4) 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
1.4.1) 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール:
16g(29.3mmol;3当量)の硝酸アンモニウムセリウムの40mlの水との溶液が、75mlの酢酸エチル中の3g(9.76mmol)の2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール溶液へ滴下される。反応混合物は2時間室温で継続攪拌され、次に3回20mlの水で洗浄される。有機相が硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過し次に減圧下で濃縮される。残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン:3/7)。2個のフラクションが分離される:
0.3g(収率=10%)の2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンが黄色粉の形状で得られる。
MS−LC:MH+=308.08;r.t.=10分
1.5gの2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−4−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール(45%収率)がオレンジ色粉の形状で得られる。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.72(m、1H、arom.H);7.38(m、2H、arom.H);7.11(m、1H、arom.H);4.12(s、3H、CH3);4.07(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=353.05;r.t.=11.30分
【0120】
1.4.2)2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4−アミン:
15mlの濃塩酸中に溶解した230mg(0.65mmol)の中間体1.4.1が5mlの水中の0.5g(2.2mmol;3.4当量)の塩化スズ二水和物と反応させられる。反応混合物は2時間50℃で継続攪拌され、次に室温へ戻された後、氷上へ注がれ5Mソーダ溶液で中和される。生成物は次に3回15mlのジクロロメタンで抽出され、有機相は併せて飽和塩化ナトリウム溶液で洗浄され、硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、次に減圧濃縮後、目的生成物が黄色オイルの形として得られる。これは更に精製せずに下記で使用される。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.67(m、1H、arom.H);7.34(m、2H、arom.H);6.92(s、1H、arom.H);3.91(s、3H、CH3);3.90(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=323.10;r.t.=9.86分
【0121】
1.4.3) 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
1.22gの硝酸アンモニウムセリウム(2.23mmol、2.1当量)の8mlの水との溶液が、343mg(1.06mmol)の2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4−アミンの25mlの酢酸エチルとの溶液へ添加される。反応混合物は室温で1時間30分激しい攪拌を継続され、次に有機相が分離され、3回20mlの水で洗浄され、次に硫酸マグネシウムで乾燥され、ろ過され、更に溶媒が減圧下で留去される。残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン:3/7)、280mg(収率=86%)の2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンが黄色粉の形状で得られる。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.72(m、1H、arom.H);7.39(m、2H、arom.H);6.32(s、1H、CH);3.88(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=308.05;r.t.=9.99分
【0122】
1.5) 2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
104ml(0.95mmol;1.5当量)のN,N−ジメチルエチレンジアミンが195mgの2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンの20mlの無水エタノールとの溶液へ添加される。反応混合物は70℃で2時間攪拌され、次に溶媒が減圧下で留去される。残渣はシリカカラムで精製され(溶出液:ジクロロメタン中5%メタノール)。130mg(収率=57%)の目的の化合物を赤色粉の形で得られる。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.72(m、1H、arom.H);7.52(m、1H、NH.);7.38(m、2H、arom.H);5.60(s、1H、CH);3.28(m、2H、CH2);2.53(m、2H、CH2);2.20(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=364.14;r.t.=7.85分
【0123】
実施例2〜7の化合物は、実施例3、5及び7では第一段階で2,6−ジフルオロベンゾイルクロライドを適切なアシル塩素と置き換えて、最終段階でN,N−ジメチルエチレンジアミンをN−(2−アミノエチル)ピロリジンで置き換える以外は、実施例1記載と同様な方法で得られる。
【0124】
実施例2:2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
2.1) 2,5−ジクロロ−N−(3,5−ジメトキシフェニル)チオフェン−3−カルボキシアミド:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):10.20(s、1H、NH);7.47(s、1H、arom.H);6.95(s、1H、arom.H);6.27(s、1H、arom.H);3.72(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=332.01;r.t.=11.08分
【0125】
2.2) 2,5−ジクロロ−N−(3,5−ジメトキシフェニル)チオフェン−3−カルボチオアミド:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):11.96(s、1H、NH);7.30(s、1H、arom.H);7.25(s、1H、arom.H);6.44(s、1H、arom.H);3.74(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=348.00;r.t.=11.55分
【0126】
2.3) 2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.72(s、1H、arom.H);7.22(s、1H、arom.H);6.73(s、1H、arom.H);3.96(s、3H、CH3);3.86(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=345.94;r.t.=12.77分
【0127】
2.4) 2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.75(s、1H、arom.H);6.31(s、1H、CH);3.88(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=345.98;r.t.=11.52分
【0128】
2.5) 2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.72(s、1H、arom.H);7.51(m、1H、NH.);5.58(s、1H、CH);3.36(m、2H、CH2);2.54(m、2H、CH2);2.20(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=402.06;r.t.=8.42分
【0129】
実施例3:2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
MS−LC:MH+=427.97;r.t.=8.70分
【0130】
実施例4:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
4.1) N−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−フルオロベンズアミド:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):10.15(s、1H、NH);8.01(m、2H、arom.H);7.36(m、2H、arom.H);7.05(m、2H、arom.H);6.26(s、1H、arom.H);3.73(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=276.17;r.t.=10.07分
【0131】
4.2) N−(3,5−ジメトキシフェニル)−4−フルオロベンゼンカルボチオアミド:
MS−LC:MH+=292.17;r.t.=10.72分
【0132】
4.3) 2−(4−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):8.11(m、2H、arom.H);7.40(m、2H、arom.H);7.22(s、1H、arom.H);6.69(s、1H、arom.H);3.95(s、3H、CH3);3.86(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=290.07;r.t.=11.93分
【0133】
4.4) 2−(4−フルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):8.15(m、2H、arom.H);7.42(m、2H、arom.H);6.28(s、1H、CH);3.87(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=290.14;r.t.=11.95分
【0134】
4.5) 5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):8.11(m、2H、arom.H);7.48(m、1H、NH);7.41(m、2H、arom.H);5.57(s、1H、CH);3.26(m、2H、CH2);2.55(m、2H、CH2);2.22(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=346.18;r.t.=8.01分
【0135】
実施例5:2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):8.12(m、2H、arom.H);7.58(m、1H、NH);7.41(m、2H、arom.H);5.55(s、1H、CH);3.41(m、2H、CH2);2.69(m、2H、CH2);2.51(m、2H、CH2);2.44(m、2H、CH2);1.70(m、4H、2CH2)。
MS−LC:MH+=372.19;r.t.=8.12分
【0136】
実施例6:2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
6.1) 2−クロロ−N−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−フルオロベンズアミド:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):10.69(s、1H、NH);7.53(m、1H、arom.H);7.43(m、1H、arom.H);7.37(m、1H、arom.H);6.93(m、2H、arom.H);6.29(s、1H、arom.H);3.72(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=310.15;r.t.=10.11分
【0137】
6.2) 2−クロロ−N−(3,5−ジメトキシフェニル)−6−フルオロベンゼンカルボチオアミド:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.41(m、2H、arom.H);7.27(m、3H、arom.H);6.46(s、1H、arom.H);3.75(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=326.09;r.t.=10.73分
【0138】
6.3) 2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5,7−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.66(m、1H、arom.H);7.56(m、1H、arom.H);7.47(m、1H、arom.H);7.30(s、1H、arom.H);6.77(s、1H、arom.H);3.96(s、3H、CH3);3.88(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=324.03;r.t.=11.60分
【0139】
6.4) 2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.69(m、1H、arom.H);7.61(m、1H、arom.H);7.52(m、1H、arom.H);6.32(s、1H、CH);3.88(s、3H、CH3)。
MS−LC:MH+=324.03;r.t.=9.23分
【0140】
6.5) 2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.67(s、1H、arom.H);7.59(m、1H、arom.H);7.55(m、1H、NH.);7.49(m、1H、arom.H);5.61(s、1H、CH);3.36(m、2H、CH2);2.54(m、2H、CH2);2.19(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=380.10;r.t.=7.88分
【0141】
実施例7:2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
MS−LC:MH+=406.10;r.t.=8.01分
【0142】
実施例8:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
8.1) N−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−フルオロベンズアミド:
プロトコルは、2,6−ジフルオロベンゾイルクロライドを4−フルオロベンゾイルクロライドで置き換えて、3,5−ジメトキシアニリンを2,4−ジメトキシアニリンで置き換える以外は、実施例(1.1)の記載と同様である。
MS−LC:MH+=276.14;r.t.=10.11分
【0143】
8.2) N−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−フルオロベンゼンカルボチオアミド:
11g(131mmol;4当量)のNaHCO3を、350mlの1、2−ジメトキシエタン中に溶解した9g(32.7mmol)のN−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−フルオロベンズアミドへ添加される。29g(65.2mmol;2当量)の五硫化リン(P25)が次に反応溶媒へ分割して加えられ、をアルゴン不活性雰囲気下85℃で4時間継続攪拌される。250mlの飽和NaHCO3溶液が次に媒体へ加えられ、次に生成物が3回200mlの酢酸エチルで抽出される。併せた有機相が200mlの飽和NaCl溶液で2回洗浄され、次に硫酸ナトリウムで乾燥される。溶媒は減圧下で留去され残渣はシリカカラムで精製され(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン混合物1:4)4.65g(収率=49%)の目的生成物が得られる。
MS−LC:MH+=292.11;r.t.=10.70分
【0144】
8.3) 2−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾール:
プロトコルは、N−(3,5−ジメトキシフェニル)−2,6−ジフルオロベンゼンカルボチオアミドをN−(2,4−ジメトキシフェニル)−4−フルオロベンゼンカルボチオアミドで置き換える以外は、実施例1の段階(1.3)の記載と同様である。
MS−LC:MH+=290.12;r.t.=11.51分
【0145】
8.4) 2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
63mlの新たに調製した0.65M硝酸アンモニウムセリウム溶液が、3.8g(13.1mmol)の2−(4−フルオロフェニル)−4,6−ジメトキシ−1,3−ベンゾチアゾールの100mlの酢酸エチル中の溶液へ滴下で添加される。反応混合物は室温で3時間継続攪拌され、次に水相が分離され、3回75mlの酢酸エチルで洗浄される。有機相は併せて硫酸ナトリウムで乾燥され、溶媒が減圧下で留去される。残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製され(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン混合物1:3)、0.6g(16%収率)の目的生成物が得られる。
MS−LC:MH+=290.05;r.t.=10.30分
【0146】
8.5) 6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
プロトコルは、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンを2−(4−フルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンで置き換える以外は、実施例1の段階(1.5)の記載と同様である。目的の化合物は赤色粉の形で得られる。
融点:246−247℃。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):8.14−8.18(m、2H、arom.H);7.40−7.45(m、2H、arom.H);7.30(t、1H、NH.);5.50(s、1H、CH);3.26(m、2H、CH2);2.50(m、2H、CH2);2.20(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=346.14;r.t.=8.21分
【0147】
実施例9〜12の化合物は、第一段階で4−フルオロベンゾイルクロライドを適切なアシル塩素と置き換える以外は、実施例8記載と同様な方法で得られる。
実施例9:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は茶色粉の形で得られる。融点:172−173℃。
MS−LC:MH+=378.14;r.t.=8.52分
【0148】
実施例10:2−(1、1’−ビフェニル−4−イル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:194−195℃。
MS−LC:MH+=404.13;r.t.=9.07分
【0149】
実施例11:2−(4−ブチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は茶色粉の形で得られる。融点:126−127℃。
MS−LC:MH+=384.19;r.t.=9.35分
【0150】
実施例12:2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。
MS−LC:MH+=380.06;r.t.=7.89分
【0151】
実施例13:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
13.1) 2−ブロモ−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミン:
20g(111mmol)の6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンが400mlのアセトニトリル中に溶解され、次に13.2ml(111mmol;1当量)のtert−硝酸ブチル及び29g(130mmol;1.2当量)のCuBr2を反応溶媒へ添加し、次にそれを80℃で2時間継続攪拌した。溶媒は減圧下で留去され、次に残渣を250mlの酢酸エチル中に取り、2回200mlの水で洗浄される。有機相が硫酸ナトリウムで乾燥され、次に溶媒は減圧下で留去されて24g(収率=89%)の2−ブロモ−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンが得られ、他の精製をせずに下記段階で使用される。
MS−LC:MH+=243.98;r.t.=10.89分
【0152】
13.2) 2−ブロモ−6−メトキシ−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール:
24g(100mmol)の2−ブロモ−6−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−2−アミンを30mlの硫酸中に0℃で溶解し、次に30mlの硝酸(密度1.41)を滴下される。攪拌を30分0℃で、次に1時間室温で継続する。反応混合物は35%ソーダ溶液(13.5M)で中和後、形成された生成物が3回100mlのジクロロメタンで抽出される。有機相が硫酸ナトリウムで乾燥され、次に溶媒は減圧下で留去され、得られた固体はジクロロメタン中に溶解され、ろ過され、ジクロロメタン/ヘプタン混合物1:1で洗浄される。母液はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン混合物1:1)。9.9g(収率=35%)の2−ブロモ−6−メトキシ−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾールをオレンジ色粉の形状で得られる。
MS−LC:MH+=288.75;r.t.=10.70分
【0153】
13.3) 6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール:
0.716g(4.16mmol;1.1当量)の2−ナフタレンボロン酸、並びに、1.2g(11.35mmol;3当量)の炭酸ナトリウムの15mlの水との溶液が、30mlの1,2−ジメトキシエタン中の1.09g(3.78mmol)の2−ブロモ−6−メトキシ−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾール及び131mg(0.114mmol;0.03当量)のパラジウムテトラキス−トリフェニルホスフィンの懸濁液へ添加される。反応混合物は85.5℃で18時間継続攪拌され、次に減圧濃縮後、100mlの酢酸エチルが媒体へ添加され、それは次に2回75mlの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄される。有機相が硫酸ナトリウムで乾燥され、次に溶媒は減圧下で留去され、残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン混合物1:2)。1.06g(83%収率)の6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾールをベージュ色粉の形状で得られる。
MS−LC:MH+=337.14;r.t.=12.54分
【0154】
13.4) 6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−7−アミン:
1.06g(3.15mmol)の6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−7−ニトロ−1,3−ベンゾチアゾールが50mlのメタノール及び5mlの酢酸の懸濁液へ加えられる。105mg(10%)の炭素に担持されたパラジウムが、反応混合物へ添加され、それは2.5bars水素下で24時間継続攪拌される。触媒はろ過され、次に溶媒が減圧下で留去される。0.51g(収率=53%)の6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−7−アミンが得られ、他の精製をせずに下記段階で使用される。
MS−LC:MH+=307.14;r.t.=11.57分
【0155】
13.5) 6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
45mlの0.3Mのナトリウム水素フォスフェート溶液中に溶解された0.8g(3mmol;1.8当量)のフレミーの塩が、0.51g(1.67mmol)の6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−7−アミンの20mlのアセトンとの溶液へ添加される。反応混合物は室温で18時間継続攪拌され、次に減圧下で濃縮される。形成された生成物が3回50mlのジクロロメタンで抽出され、水相を50mlの飽和塩化ナトリウム水溶液で洗浄される。有機相は併せて硫酸ナトリウムで乾燥され、更に溶媒が減圧下で留去される。0.5g(収率=93%)の6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンが得られ、他の精製をせずに下記段階で使用される。
MS−LC:MH+=322.08;r.t.=11.26分
【0156】
13.6) 6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
プロトコルは、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンを6−メトキシ−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンで置き換える以外は、実施例1の段階(1.5)の記載と同様である。目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:167−168℃。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):8.76(s、1H、arom.H);8.09−8.16(m、3H、arom.H);8.00−8.03(m、1H、arom.H);7.61−7.68(m、2H、arom.H);7.30(t、1H、NH.);5.52(s、1H、CH);3.26(m、2H、CH2);2.50(m、2H、CH2);2.20(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=378.19;r.t.=8.34分
【0157】
実施例14の化合物は第三段階で2−ナフタレンボロン酸を2,5−ジフルオロフェニルボロン酸に置き換える以外は実施例13記載と同様な方法で得られる。
実施例14:2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。
MS−LC:MH+=364.18;r.t.=8.03分
【0158】
実施例15:2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
15.1) 2,5−ジフルオロベンゼンカルボチオアミド:
10g(71.9mmol)の2,5−ジフルオロベンゾニトリル及び16.2g(215.7mmol;3当量)のチオアセトアミドが、10%塩酸を含有する80mlのジメチルホルムアミド中に溶解される。反応混合物は100℃で48時間継続攪拌される。室温へ戻された後、反応混合物は氷上へ注がれ、不溶物はろ過除去される。母液は3回80mlの酢酸エチルで抽出され、有機相が2回50mlの水で洗浄される。有機相は併せて硫酸ナトリウムで乾燥され、溶媒が減圧下で留去される。残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン混合物1:2)、10.8g(収率=87%)の2,5−ジフルオロベンゼンカルボチオアミドを得られる。
MS−LC:MH+=174.04;r.t.=8.94分
【0159】
15.2) メチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸:
5.9ml(94.2mmol;1.5当量)の沃化メチルが、10.8g(62mmol)の2,5−ジフルオロベンゼンカルボチオアミドの70mlのアセトンとの溶液へ添加される。反応混合物は25℃で24時間継続攪拌され、次に溶媒が減圧下で留去される。エチルエーテルからの再結晶後、ベージュ色粉の形状でメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸が得られる(18.4g;収率=93%)。
MS−LC:MH+=188.03;r.t.=7.27分
【0160】
15.3) 2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−7−アミン:
7.1g(33.3mmol)の4−メトキシ−2,6−ジニトロフェノール(P.Cotelle及びJ.-P.Catteau、Synth.Commun.、26、(1996)、4105-4112により記載された方法により得られる)が100mlのエタノール中に溶解される。710mg(10%)の炭素に担持されたパラジウムが、反応混合物へ添加され、それは次に水素雰囲気下20時間攪拌される。次に水素はアルゴンフローを使用して除去され、7g(22.2mmol;0.67当量)のメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸の60mlのエタノールとの溶液が、上記混合物へ滴下される。反応混合物は25℃で24時間継続攪拌され、次にパラジウムがろ過除去され、溶媒は減圧下で留去され、残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:酢酸エチル/ヘプタン混合物1:2)。3.2g(52%収率)の2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−7−アミンがベージュ色粉の形状で得られる。
MS−LC:MH+=277.17;r.t.=10.07分
【0161】
15.4) 2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
130mlのアセトニトリル/水混合物4/1中に溶解された7g(16.2mmol;2.2当量)のビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼンが、2.04g(7.38mmol)の2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−7−アミンの75mlのアセトニトリル/水混合物4:1との溶液へ−5℃で滴下される。1時間−5℃で攪拌後、150mlの水が反応溶媒へ添加され、形成された生成物が2回300mlのジクロロメタンで抽出される。有機相は併せられ硫酸ナトリウムで乾燥され、次に溶媒が減圧下で留去される。残渣は次にシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製され(溶出液:ジクロロメタン/メタノール混合物98:2)、200mg(10%収率)の2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオンが黄色粉の形状で得られる。
MS−LC:MH+=292.07;r.t.=9.98分
【0162】
15.5) 2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
プロトコルは、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンを2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオンで置き換える以外は、実施例(1.5)の記載と同様である。目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:181−182℃。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.87−7.91(m、1H、arom.H);7.56−7.60(m、3H、NH、arom.H);5.43(s、1H、CH);3.26(m、2H、CH2);2.50(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=348.24;r.t.=7.80分
【0163】
実施例16〜23の化合物は、第三段階でメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸を適切なメチルカルビミドチオエートと置き換える以外は、実施例15記載と同様な方法で得られる。
実施例16:2−(2−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:153−154℃。
MS−LC:MH+=390.02;r.t.=7.93分
【0164】
実施例17:2−(3−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:187−188℃。
MS−LC:MH+=390.06;r.t.=8.03分
【0165】
実施例18:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:181−182℃。
MS−LC:MH+=330.18;r.t.=7.20分
【0166】
実施例19:2−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:187−188℃。
MS−LC:MH+=348.14;r.t.=7.86分
【0167】
実施例20:2−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:178−179℃。
MS−LC:MH+=348.30;r.t.=7.84分
【0168】
実施例21:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:200−201℃。
MS−LC:MH+=266.27;r.t.=8.10分
【0169】
実施例22:5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:169−170℃。
MS−LC:MH+=340.23;r.t.=8.20分
【0170】
実施例23:2−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:135−136℃。
MS−LC:MH+=326.22;r.t.=7.82分
【0171】
実施例24〜26の化合物は、第三段階でメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸を適切なメチルカルビミドチオエートと置き換え、最終段階でN,N−ジメチルエチレンジアミンをN−(2−アミノエチル)ピロリジンと置き換える以外は、実施例15記載と同様な方法で得られる。
実施例24:2−(3−ブロモフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:169−170℃。
MS−LC:MH+=416.05;r.t.=8.61分
【0172】
実施例25:2−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:182−183℃。
MS−LC:MH+=374.12;r.t.=8.03分
【0173】
実施例26:5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:193−194℃。
MS−LC:MH+=392.27;r.t.=8.21分
【0174】
実施例27:2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
27.1) 2−アミノ−5−メトキシベンゼン−1,3−ジオール:
3.36g(18.1mmol)の5−メトキシ−2−ニトロベンゼン−1,3−ジオール(J.F.Groveら、J.Chem.Soc.(1956)、1956-1963に記載されたプロトコルにより得られる)が、50mlのエタノール中に溶解される。336mgの炭素に担持されたパラジウム(10%)が反応混合物へ添加され、それは次に水素雰囲気下で20時間攪拌される。パラジウムがろ過除去され、更に溶媒が減圧下で留去される。2−アミノ−5−メトキシベンゼン−1,3−ジオールは他の精製をせずに下記段階で使用される。
【0175】
27.2) 2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾオキサゾール−4−オール:
2.8g(9.02mmol;1当量)のメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸の20mlのエタノールとの溶液が、1.4g(9.02mmol)の2−アミノ−5−メトキシベンゼン−1,3−ジオールの80mlのエタノールとの溶液へ添加される。反応混合物は78℃で5時間継続攪拌され、次に溶媒が減圧下で留去される。残渣はシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製される(溶出液:ジクロロメタン/メタノール混合物98:2)、860mg(34%収率)の2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4−オールが得られる。
MS−LC:MH+=278.15;r.t.=10.49分
【0176】
27.3) 2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
75mlのアセトニトリル/水混合物4:1を中に溶解された2.9g(6.81mmol;2.2当量)のビス(トリフルオロアセトキシ)ヨードベンゼンが、0.86g(3.10mmol)の2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−7−アミンの30mlのアセトニトリル/水混合物4:1との溶液へ−5℃で滴下される。30分−5℃で攪拌後、70mlの水が反応溶媒へ添加され、形成された生成物が2回100mlのジクロロメタンで抽出される。有機相は併せられ硫酸ナトリウムで乾燥され、次に溶媒が減圧下で留去される。残渣は次にシリカカラムを備えたクロマトグラフィーにより精製され(溶出液:ジクロロメタン/メタノール混合物99:1)、475mg(収率=53%)の2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオンが黄色粉の形状で得られる。
MS−LC:MH+=292.10;r.t.=9.97分
【0177】
27.4) 2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
プロトコルは、2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−メトキシ−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオンを2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−メトキシ−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオンで置き換える以外は、実施例1の段階(1.5)の記載と同様である。目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:162−163℃。
NMR1H(DMSOd6、400MHz、δ):7.91−7.95(m、1H、arom.H);7.58−7.62(m、2H、arom.H);7.38(t、1H、NH);5.40(s、1H、CH);3.23(m、2H、CH2);2.49(m、2H、CH2);2.18(s、6H、2CH3)。
MS−LC:MH+=348.26;r.t.=7.80分
【0178】
実施例28〜44の化合物は、第三段階でメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸を適切なメチルカルビミドチオエートと置き換える以外は、実施例27記載と同様な方法で得られる。
実施例28:2−(2−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物はピンク色の粉の形で得られる。融点:147−148℃。
MS−LC:MH+=390.12;r.t.=7.94分
【0179】
実施例29:2−(3−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:174−175℃。
MS−LC:MH+=390.21;r.t.=8.10分
【0180】
実施例30:2−(3−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:174−175℃。
MS−LC:MH+=346.21;r.t.=8.20分
【0181】
実施例31:2−(4−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:181−182℃。
MS−LC:MH+=390.13;r.t.=8.37分
【0182】
実施例32:2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:206−207℃。
MS−LC:MH+=468.03;r.t.=8.74分
【0183】
実施例33:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:169−170℃。
MS−LC:MH+=330.26;r.t.=7.79分
【0184】
実施例34:2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:176−177℃。
MS−LC:MH+=348.19;r.t.=7.91分
【0185】
実施例35:2−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:178−179℃。
MS−LC:MH+=348.25;r.t.=7.84分
【0186】
実施例36:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:188−189℃。
MS−LC:MH+=366.17;r.t.=8.06分
【0187】
実施例37:2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:165−166℃。
MS−LC:MH+=404.13;r.t.=8.67分
【0188】
実施例38:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:151−152℃。
MS−LC:MH+=340.20;r.t.=8.19分
【0189】
実施例39:2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:163−164℃。
MS−LC:MH+=424.12;r.t.=8.36分
【0190】
実施例40:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は茶色粉の形で得られる。
MS−LC:MH+=402.26;r.t.=7.78分
【0191】
実施例41:2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:181−182℃。
MS−LC:MH+=372.27;r.t.=7.70分
【0192】
実施例42:2−(2,6−ジクロロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:172−173℃。
MS−LC:MH+=394.08;r.t.=8.19分
【0193】
実施例43:2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:178−179℃。
MS−LC:MH+=378.17;r.t.=8.21分
【0194】
実施例44:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチルメチル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:153−154℃。
MS−LC:MH+=376.24;r.t.=8.42分
【0195】
実施例45〜59の化合物は、第三段階でメチル2,5−ジフルオロベンゼンカルビミドチオエート沃化水素酸を適切なメチルカルビミドチオエートと置き換え、最終段階でN,N−ジメチルエチレンジアミンをN−(2−アミノエチル)ピロリジンと置き換える以外は、実施例27記載と同様な方法で得られる。
【0196】
実施例45:2−(2−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:123−124℃。
MS−LC:MH+=416.13;r.t.=8.04分
【0197】
実施例46:2−(3−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:163−164℃。
MS−LC:MH+=416.22;r.t.=8.21分
【0198】
実施例47:2−(3−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:161−162℃。
MS−LC:MH+=372.14;r.t.=8.27分
【0199】
実施例48:2−(4−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:165−166℃。
MS−LC:MH+=416.16;r.t.=8.50分
【0200】
実施例49:2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:202−203℃。
MS−LC:MH+=494.04;r.t.=8.90分
【0201】
実施例50:2−(4−フルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:170−171℃。
MS−LC:MH+=356.24;r.t.=7.92分
【0202】
実施例51:2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:163−164℃。
MS−LC:MH+=374.20;r.t.=8.02分
【0203】
実施例52:6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は黒色粉の形で得られる。融点:171−172℃。
MS−LC:MH+=392.17;r.t.=8.20分
【0204】
実施例53:2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:171−172℃。
MS−LC:MH+=430.14;r.t.=8.78分
【0205】
実施例54:2−(4−エチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:176−177℃。
MS−LC:MH+=266.24;r.t.=8.36分
【0206】
実施例55:2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:153−154℃。
MS−LC:MH+=450.14;r.t.=8.49分
【0207】
実施例56:6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は茶色粉の形で得られる。
MS−LC:MH+=428.27;r.t.=7.90分
【0208】
実施例57:2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:198.5−199.5℃。
MS−LC:MH+=398.26;r.t.=7.93分
【0209】
実施例58:2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。融点:173−174℃。
MS−LC:MH+=404.16;r.t.=8.33分
【0210】
実施例59:2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は茶色粉の形で得られる。融点:171−172℃。
MS−LC:MH+=382.15;r.t.=7.95分
【0211】
実施例60の化合物は、第三段階で2−ナフタレンボロン酸をn−ヘキシルボロン酸と置き換える以外は、実施例13記載と同様な方法で得られる。
実施例60:6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−ヘキシル−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン:
目的の化合物は赤色粉の形で得られる。
MS−LC:MH+=336.17;r.t.=8.29分
【0212】
本発明の化合物の薬理試験:
試験プロトコル:
i)精製されたCdc25C組み換え型酵素のホスファターゼ活性の測定
MBP−Cdc25C蛋白質のホスファターゼ活性は、3−O−メチルフルオレセイン−フォスフェート(OMFP)の3−O−メチルフルオレセイン(OMF)への脱リン酸化反応による475nmでの反応生成物の蛍光発光を測定して評価される。この試験はCdc25組み換え型酵素の阻害剤の特定を可能とする。融合蛋白質MBP−Cdc25Cの製造は国際公開01/44467号に記載されている。
【0213】
反応は最終体積の50μlの384ウェルプレート形式で行われる。MBP−Cdc25C蛋白質(上記の通り調製される)は下記溶出バッファ中に保存される:20mMトリス−HCl(pH7.4);250mM NaCl;1mM EDTA;1mMのジチオトレイトール(DTT);10mMマルトース。それは下記反応バッファ中に濃度60μMまで希釈される:50mMトリス−HCl(pH8.2);50mM NaCl;1mM DTT;20%グリセロール。バックグラウンドノイズの測定は、酵素の添加なしのバッファで行われる。生成物は40μMから開始する濃度減少で測定される。反応は500μM最終でOMFP溶液の添加により開始される(100%DMSOの12.5mMストック溶液(シグマ社製、番号M2629)から即時的に調製される)。使い捨て384ウェルプレート中で4時間30℃後、蛍光発光測定はOD475nmでVictor2(商標)プレートリーダー(EGG−Wallac社製)を使用して記録される。酵素反応の50%阻害濃度の決定値は、3回の独立した実験から計算される。S字状の直線部分に含まれる値のみが直線回帰分析用に用いられる。
【0214】
ii)CD45酵素のチロシンホスファターゼ活性の測定:
CD45のチロシンホスファターゼ活性の測定は、CD45によるペプチドpp60c-srcの脱リン酸化反応に基づく。酵母発現系中で発現する精製されたヒトCD45酵素の細胞質性ドメイン(アミノ酸584〜1281、分子量=95kDa)のみが測定に使用される。基質は、pp60c-srcの抑制性転写(negative regulatory)ドメインの配列をベースとする合成的ペプチドである。放出されたフォスフェートはマラカイトグリーン型試薬により測定される。
【0215】
反応は384ウェルプレート形式で最終体積20μlで行われる。基質pp60c-src(商標P-301、BIOMOL社製、プリムスミーティング、PA、USA)を下記反応バッファ中、濃度925μMまで希釈される:50mMのHepes(pH7.2);1mMのEDTA;ジチオトレイトール(DTT)の1mM;0.05%NP−40(商標)界面活性剤。最終基質濃度は185μMである。候補生成物を、160μMから開始して濃度減少範囲内で試験する。反応を、反応バッファ中に希釈した15U/μl(1U=1pmol/min)のCD45(商標SE−135、BIOMOL社製、プリムスミーティング、PA、USA)を添加して開始する。最終酵素濃度は1.75U/μlである。1時間30℃でインキュベーション後、BIOMOL社製グリーン試薬(商標AK−111、BIOMOL社製、プリムスミーティング、PA、USA)を体積50μl/ウェルで添加される。発色期の20〜30分後、620nmでの吸収がVictor2(商標)プレートリーダー(EGG−Wallac社製)を使用して測定される。酵素反応の50%阻害濃度の決定値が3回の独立した試験から計算される。
【0216】
iii)抗増殖性活性の特定:
一例として、上記実施例の化合物による2個のヒトセルラインMia−Paca2及びDU145の治療効果を試験する。セルラインDU145(ヒト前立腺癌細胞)、Mia−PaCa2(ヒトすい臓癌細胞)を米国組織培養コレクション(ロックビル、メリーランド、USA)から得た。加熱不活性化した10%ウシ胎児血清(Gibco−Brl社製、セルジーポントワーズ、フランス)、50000ユニット/lのペニシリン及び50mg/lのストレプトマイシン(Gibco−Brl社製、セルジーポントワーズ、フランス)、並びに2mMのグルタミン(Gibco−Brl社製、セルジーポントワーズ、フランス)を含む80μlのダルベッコ変法イーグル培地(商標、Gibco−Brl社製、セルジーポントワーズ、フランス)中に配置された細胞を、第0日に96ウェルプレートに接種した。細胞を、第1日に、96時間それぞれの試験用化合物の濃度を10μMまで増加させて処理した。この期間の最後に、細胞増殖の定量化は、生存細胞中のミトコンドリア性デヒドロゲナーゼによる、ホルマザンの形成へ至るテトラゾリウム塩WST1の開裂に基づいた比色分析測定により評価される(Boehringer Mannheim社製、メラン、フランス)。これらの試験は試験された濃度当たり8個の複製物の測定で行われる。測定される化合物それぞれについて、S字状の直線部分に含まれる値が直線回帰分析用に用いられ、阻害濃度IC50を計算するために使用される。生成物はジメチルスルホキシド(DMSO)中に10-2Mで溶解され、最後に0.1%DMSOの培地中で使用される。
【0217】
試験結果;
a)実施例1〜60の化合物は、精製されたCdc25−C組み換え型酵素のホスファターゼ活性に対して10μM以下のIC50を有する。
b)実施例1〜60の化合物は、Mia−Paca2ラインの細胞増殖に対して10μM以下のIC50を有する。
c)実施例1〜60の化合物は、DU−145ラインの細胞増殖に対して10μM以下のIC50以下を有する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(III)1又は一般式(III)2の化合物の製造方法であり、一般式(A)の化合物を一般式R12NHのアミンとプロトン性溶媒中で反応させることに特徴を有する製造方法;
【化1】

【化2】

但し、Wは、一般式(III)1ではイオウ原子、一般式(III)2では酸素原子を表し、
1は水素原子又はアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR56基若しくは−CHR3536基を表し(上記R35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒にインダニル又はテトラリニル(tetralinyl)基を形成するか、又はR35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒に5〜7員並びにO、N及びSから選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有する飽和複素環を形成し、上記複素環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選ばれる基により任意で置換されてもよい);
1は又、WがOを表す場合、更にハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル又はアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された、炭素環状アリール基を表し、
Xは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
Yは、3〜7員環から独立して選ばれる1〜3縮合環を含有する飽和炭素含有環式を表し;又はYはO、N及びSから独立して選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有し、N又はCH構成員によりX基へ結合された飽和複素環を表し、上記飽和複素環は更に−CHR7−、−CO−、−NR8−、−O−及び−S−から独立して選ばれる2〜6の追加的構成員を含有し(上記R7は水素原子又はアルキル基を表し、R8は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);又Yはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR9基及びNR1011基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された炭素環状若しくは複素環状アリール基を表し(上記R9は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R10及びR11は独立してアルキル基を表す)、
Zは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
5及びR6は水素原子、アルキル、アラルキル又は−(CH2n−OH基(但し、nは1〜6の整数を表す)から独立して選ばれ、
又はR5はアルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル又はアラルコキシカルボニル基を表し、R6は水素原子又はメチル基を表し、
又はR5及びR6は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は、−CR1213−、−O−、−S−及び−NR14−基から独立して選ばれ(上記R12及びR13は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R14は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又はR14はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
2は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し;
又はR1及びR2は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜8員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR1516−、−O−、−S−及び−NR17−基から独立して選ばれ(上記R15及びR16は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R17は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);並びに
4はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノ、アミノ、−CH2−COOR18、−CH2−CO−NR1920又は−CH2−NR2122基を表し、又R4はハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜4回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基を表し、又はR4は、一緒にメチレンジオキシ又はエチレンジオキシ基を形成する2個の置換基を有するフェニル基を表し、
18は水素原子又はアルキル基を表し、
19は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、そのアリール基はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR23基及びNR2425基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換され(上記R23は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R24及びR25は独立してアルキル基を表す)、
20は水素原子又はアルキル基を表し、
又R19及びR20は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を構成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR2627−、−O−、−S−及び−NR28−基から独立して選ばれ(上記R26及びR27は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R28は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又R28はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
21は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、そのアリール基はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR29基及びNR3031基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換され(上記R29は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R30及びR31は独立してアルキル基を表す)、
22は水素原子又はアルキル基を表し、
又はR21及びR22は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR3233−、−O−、−S−及び−NR34−基から独立して選ばれ(上記R32及びR33は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R34は水素原子、アルキル又はアラルキル基を表し、又はR34はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
37及びR38は水素原子及びアルキル基から独立して選ばれるか、又はR37及びR38は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR3940−、−O−、−S−及び−NR41−基から独立して選ばれ(上記R39及びR40は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R41は水素原子又はアルキル基を表す)、
又はR4は−CH2−Ar基を表し(上記Arはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR4243基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたアリール基を表す)、又はR4はビフェニル基を表し、
42及びR43は水素原子及びアルキル基から独立して選ばれるか、又はR42及びR43は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR4445−、−O−、−S−及び−NR46−基から独立して選ばれ(上記R44及びR45は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R46は水素原子又はアルキル基を表す);
【化3】

但し、Wはイオウ原子又は酸素原子を表し、R4は一般式(III)1又は(III)2における意味と同じである。
【請求項2】
一般式(III)1又は(III)2の化合物は下記で表される請求項1の方法:
1は−(CH2)−Z−NR56基を表し;
2は水素原子を表し;並びに
4はアルキル基又は、1〜4、好ましくは1〜3のハロゲン原子により又は1のNR3738基により任意で置換された、フェニル、ピリジル、チエニル若しくはフラニル基を表し、又R4は−CH2−Ar基(但し、Arはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたフェニル又はナフチル基を表す)を表す。
【請求項3】
一般式(III)3の化合物又は一般式(III)4の化合物の製造方法であり、一般式(K)の化合物を一般式R12NHのアミンとプロトン性溶媒中で反応させることに特徴を有する製造方法;
【化4】

【化5】

但し、Wは一般式(III)3ではイオウ原子、一般式(III)4では酸素原子を表し、
1は水素原子又はアルキル、アルコキシアルキル、アルキルチオアルキル、シクロアルキル、−(CH2)−X−Y、−(CH2)−Z−NR56基若しくは−CHR3536基を表し(上記R35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒にインダニル又はテトラリニル基を形成するか、又はR35及びR36はそれらを有する炭素原子と一緒に5〜7員並びにO、N及びSから選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有する飽和複素環を形成し、上記複素環の窒素原子はアルキル基及びベンジル基から選ばれる基により任意で置換されてもよい);
1は又、WがOを表す場合、更にハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル又はアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された、炭素環状アリール基を表し、
Xは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
Yは、3〜7員環から独立して選ばれる1〜3縮合環を含有する飽和炭素含有環式を表し;又はYはO、N及びSから独立して選ばれる1〜2のヘテロ原子を含有し、N又はCH構成員によりX基へ結合された飽和複素環を表し、上記飽和複素環は更に−CHR7−、−CO−、−NR8−、−O−及び−S−から独立して選ばれる2〜6の追加的構成員を含有し(上記R7は水素原子又はアルキル基を表し、R8は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);又Yはハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR9基及びNR1011基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換された炭素環状若しくは複素環状アリール基を表し(上記R9は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R10及びR11は独立してアルキル基を表す)、
Zは、1の結合又は1〜5炭素原子を含有する直鎖状若しくは分岐状アルキレン基を表し、
5及びR6は水素原子、アルキル、アラルキル又は−(CH2n−OH基(但し、nは1〜6の整数を表す)から独立して選ばれ、
又はR5はアルコキシカルボニル、ハロアルコキシカルボニル又はアラルコキシカルボニル基を表し、R6は水素原子又はメチル基を表し、
又はR5及びR6は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は、−CR1213−、−O−、−S−及び−NR14−基から独立して選ばれ(上記R12及びR13は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R14は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又はR14はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
2は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し;
又はR1及びR2は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜8員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR1516−、−O−、−S−及び−NR17−基から独立して選ばれ(上記R15及びR16は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R17は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表す);並びに
4はアルキル、シクロアルキル、シクロアルキルアルキル、シアノ、アミノ、−CH2−COOR18、−CH2−CO−NR1920又は−CH2−NR2122基を表し、又R4はハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR3738基から独立して選ばれる置換基により1〜4回任意で置換された炭素環状又は複素環状アリール基を表し、又はR4は、一緒にメチレンジオキシ又はエチレンジオキシ基を形成する2個の置換基を有するフェニル基を表し、
18は水素原子又はアルキル基を表し、
19は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、そのアリール基はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR23基及びNR2425基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換され(上記R23は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R24及びR25は独立してアルキル基を表す)、
20は水素原子又はアルキル基を表し、
又R19及びR20は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を構成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR2627−、−O−、−S−及び−NR28−基から独立して選ばれ(上記R26及びR27は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R28は水素原子又はアルキル若しくはアラルキル基を表し、又R28はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
21は水素原子、アルキル基又はアラルキル基を表し、そのアリール基はハロゲン原子、アルキル基、ハロアルキル基、アルコキシ基、ハロアルコキシ基、水酸基、ニトロ基、シアノ基、フェニル基、SO2NHR29基及びNR3031基の群から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換され(上記R29は水素原子又はアルキル若しくはフェニル基を表し、R30及びR31は独立してアルキル基を表す)、
22は水素原子又はアルキル基を表し、
又はR21及びR22は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR3233−、−O−、−S−及び−NR34−基から独立して選ばれ(上記R32及びR33は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R34は水素原子、アルキル又はアラルキル基を表し、又はR34はハロゲン原子及びアルキル若しくはアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜3回任意で置換されたフェニル基を表す)、
37及びR38は水素原子及びアルキル基から独立して選ばれるか、又はR37及びR38は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR3940−、−O−、−S−及び−NR41−基から独立して選ばれ(上記R39及びR40は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R41は水素原子又はアルキル基を表す);
又はR4は−CH2−Ar基を表し(上記Arはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ、ハロアルコキシ又はNR4243基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたアリール基を表す)、又はR4はビフェニル基を表し、
42及びR43は水素原子及びアルキル基から独立して選ばれるか、又はR42及びR43は窒素原子と一緒に1〜2ヘテロ原子を含有する4〜7員複素環を形成し、上記複素環を構成する必須構成員は−CR4445−、−O−、−S−及び−NR46−基から独立して選ばれ(上記R44及びR45は存在する場合、独立して水素原子又はアルキル基を表し、R46は水素原子又はアルキル基を表す);
【化6】

但し、Wはイオウ原子又は酸素原子を表し、R4は一般式(III)3又は(III)4における意味と同じである。
【請求項4】
一般式(III)3又は(III)4の化合物で:
1は−(CH2)−Z−NR56基を表し;
2は水素原子を表し;
4はアルキル基又は、1〜4、好ましくは1〜3のハロゲン原子により又は1のNR3738基により任意で置換された、フェニル、ピリジル、チエニル若しくはフラニル基を表し、又R4は−CH2−Ar基(但し、Arはハロゲン原子及びアルキル、ハロアルキル、アルコキシ又はハロアルコキシ基から独立して選ばれる置換基により1〜4回、好ましくは1〜3回任意で置換されたフェニル又はナフチル基を表す)を表す;請求項3の方法。
【請求項5】
請求項1及び3の一般式(III)1、(III)2、(III)3及び(III)4の化合物の一つであり、下記から選ばれる化合物:
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(1,1’−ビフェニル−4−イル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
−2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−ベンジル−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,3−ジフルオロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2,6−ジクロロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(1−ナフチルメチル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジブロモフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,5−ジフルオロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリフルオロフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−3−メチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−エチルフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−2−(3,4,5−トリメトキシフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロベンジル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
2−(1,3−ベンゾジオキソル−5−イル)−6−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−ヘキシル−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
又はそれらの塩。
【請求項6】
下記化合物から選ばれる請求項5の化合物:
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(2−ナフチル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
6−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−エチルフェニル)−1,3−ベンゾキサゾール−4,7−ジオン;
又はそれらの塩。
【請求項7】
下記化合物から選ばれる請求項1の一般式(III)1の化合物:
2−(2,6−ジフルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2,5−ジクロロチエン−3−イル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−2−(4−フルオロフェニル)−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(4−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−{[2−(ジメチルアミノ)エチル]アミノ}−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
2−(2−クロロ−6−フルオロフェニル)−5−[(2−ピロリジン−1−イルエチル)アミノ]−1,3−ベンゾチアゾール−4,7−ジオン;
又はそれらの塩。
【請求項8】
請求項5〜7いずれか1項記載の化合物又はその医薬的に適用可能な塩から選ばれる医薬用化合物。
【請求項9】
請求項5〜7いずれか1項記載の化合物又はその医薬的に適用可能な塩の、癌治療薬製造のための使用。
【請求項10】
上記癌は乳癌、リンパ腫、頸部及び頭部癌、肺癌、腸癌、前立腺癌及びすい臓癌から選ばれる請求項9の使用。
【請求項11】
新規な工業製品としての、Wがイオウ原子を表す場合はR4はメチルではない一般式(A)の請求項1の化合物又はその塩。
【請求項12】
新規な工業製品としての、Wがイオウ原子を表す場合はR4はフェニル基ではない一般式(K)の請求項1の化合物又はその塩。


【公表番号】特表2007−515383(P2007−515383A)
【公表日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−516315(P2006−516315)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【国際出願番号】PCT/FR2004/001578
【国際公開番号】WO2005/000843
【国際公開日】平成17年1月6日(2005.1.6)
【出願人】(505474717)ソシエテ ド コンセイユ ド ルシェルシェ エ ダアップリカーション シャンティフィック(エス.セー.エール.アー.エス.) (41)
【Fターム(参考)】