説明

5員複素環で置換されているMTP阻害性アリールピペリジン若しくはピペラジン

【化1】


本発明は、apoB分泌/MTP阻害活性および付随する脂質低下活性を有するある種の5員複素環で置換されている新規アリールピペリジン若しくはピペラジン化合物に関する。本発明はさらに、こうした化合物、前記化合物を含んでなる製薬学的組成の製造方法物、ならびに高脂血症、肥満およびII型糖尿病の処置のための医薬品としての前記化合物の使用に関する(式(I))。本発明はさらに、こうした化合物、前記化合物を含んでなる製薬学的組成物の製造方法、ならびにアテローム硬化症、膵炎、肥満、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症、糖尿病およびII型糖尿病の処置のための医薬品としての前記化合物の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、apoB分泌/MTP阻害活性および付随する脂質低下活性を有する、ある種の5員複素環で置換されている新規アリールピペリジン若しくはピペラジン化合物に関する。本発明はさらに、こうした化合物の製造方法、前記化合物を含んでなる製薬学的組成物、ならびに、アテローム硬化症、膵炎、肥満、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、高脂血症、糖尿病およびII型糖尿病の処置のための医薬としての前記化合物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
肥満は、糖尿病および心疾患の成人発症のような無数の重大な健康上の問題の原因である。加えて、減量がヒト集団の増大する比率のなかで強迫観念となりつつある。
【0003】
高コレステロール血症、とりわけ低密度リポタンパク質(下でLDLと称される)および超低密度リポタンパク質(下でVLDLと称される)の増大した血漿濃度を伴うものと、未熟なアテローム硬化症および/若しくは心血管系疾患との間の因果関係は、現在、広範に認識されている。しかしながら、制限された数の薬物が高脂血症の処置に現在利用可能である。
【0004】
高脂血症の管理に主として使用される薬物は、コレスチラミンおよびコレスチポールのような胆汁酸抑制剤(sequestrant)樹脂、ベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、シプロフィブラートおよびゲムフィブロジルのようなフィブリン酸誘導体、ニコチン酸、ならびにHMG補酵素A還元酵素阻害剤のようなコレステロール合成阻害剤を包含する。上で挙げられた薬物よりも改善された有効性を伴いかつ/若しくは他の機序を介して作用する新たな脂質低下剤に対する必要性がなお存続している。
【0005】
血漿リポタンパク質は、脂質(コレステロール、トリグリセリド、リン脂質)およびアポリポタンパク質から形成される高分子量の水溶解性複合体である。全部が肝および/若しくは腸にそれらの起源を有する、脂質の比率およびアポリポタンパク質の型が異なる、リポタンパク質の5つの主要な分類が、(超遠心により測定されるところの)それらの密度に従って定義されている。それらは、LDL、VLDL、中密度リポタンパク質(下でIDLと称される)、高密度リポタンパク質(下でHDLと称される)およびカイロミクロンを包含する。10種の主要なヒト血漿アポリポタンパク質が同定されている。肝により分泌されかつアポリポタンパク質B(下でApo−Bと称される)を含有するVLDLは、総血清コレステロールの60ないし70%を輸送するLDLへの分解を受ける。Apo−BはまたLDLの主タンパク質成分でもある。過剰合成若しくは低下した代謝による血清中の増大したLDL−コレステロールが、原因としてアテローム硬化症に関係している。対照的に、アポリポタンパク質A1を含有する高密度リポタンパク質(下でHDLと称される)は保護効果を有し、そして冠動脈心疾患の危険と逆相関する。HDL/LDL比は、従って、個体の血漿脂質プロファイルのアテローム生成能力の便宜的な一評価方法である。
【0006】
アポリポタンパク質(apo)Bの2種のアイソフォームapo B−48およびapo B−100は、ヒトのリポタンパク質代謝において重要なタンパク質である。apo
B−48は、ドデシル硫酸ナトリウム−ポリアクリルアミドゲル上でapo B−100の約48%の大きさであり、ヒトでは腸により合成される。apo B−48はカイロミクロンの集成に必要であり、そして従って食物脂肪の腸吸収において必須の役割を有する。ヒトでは肝で産生されるapo B−100は、VLDLの合成および分泌に必要とされる。ヒト血漿中のコレステロールの約2/3を含有するLDLはVLDLの代謝産物である。apo B−100は、事実上、LDLの唯一のタンパク質成分である。血漿中のapo B−100およびLDLコレステロールの上昇した濃度は、アテローム硬化性冠動脈疾患を発症するための認識された危険因子である。
【0007】
多数の遺伝および後天的疾患が高脂血症をもたらし得る。それらは一次および二次性高脂血状態に分類し得る。二次性高脂血症の最も一般的な原因は、糖尿病、アルコール濫用、薬物、甲状腺機能低下、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、胆汁うっ滞および過食症である。一次性高脂血症は、一般的な高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性高コレステロール血症、レムナント高脂血症、カイロミクロン血症候群および家族性高トリグリセリド血症にもまた分類されている。
【0008】
ミクロソームのトリグリセリド転移タンパク質(下でMTPと称される)が、ホスファチジルコリンのようなリン脂質に対する好みにより(by preference to)トリグリセリドおよびコレステリルエステルの輸送を触媒することが知られている。無β−リポタンパク質血症を引き起こす欠陥がMTP遺伝子中にあることが非特許文献1により示された。これは、MTPが、LDLの前駆体VLDLのようなApo B含有リポタンパク質の合成に必要とされることを示す。従って、MTP阻害剤は、VLDLおよびLDLの合成を阻害して、それによりヒトにおいてVLDL、LDL、コレステロールおよびトリグリセリドのレベルを低下させるとみられるということになる。
【0009】
MTP阻害剤は、特許文献1、特許文献2および特許文献3に開示されている。
【特許文献1】第WO−00/32582号
【特許文献2】第WO−01/96327号
【特許文献3】第WO−02/20501号
【非特許文献1】D.Sharpら、Nature(1993)365:65
【発明の開示】
【0010】
[発明の要約]
本発明は、ある種の5員複素環で置換された新規アリールピペリジン若しくはピペラジン化合物の一群がapoB分泌/MTP阻害活性を有するという予期されない発見に基づく。式(I)のこれらの化合物は、全身性にかつ/若しくは選択的MTP阻害剤として作用し得る、すなわち哺乳動物において腸壁のレベルでMTPを選択的に阻害することが可能である。
【0011】
本発明は、式(I)
【0012】
【化1】

【0013】
の新規化合物、それらのN−オキシド、製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体の一族に関し、式中、
点線は任意の結合であり、かつ、Xが窒素を表す場合には存在せず;
基−Y−Y−は、式
−N=CH−(a−1)、
−CH=N−(a−2)、
−CH−CH−(a−3)、
−CH=CH−(a−4)
の基であり、式中、式(a−1)若しくは(a−2)の二価の基において、水素原子はC1−6アルキル若しくはフェニルにより場合によっては置換されていることができるか;または、式(a−3)若しくは(a−4)の二価の基において、1若しくは2個の水素原子がC1−6アルキル若しくはフェニルにより場合によっては置換されていることができ;
は炭素若しくは窒素であり;
若しくはXの少なくとも一方が窒素を表し、かつ、他方のX若しくはXがCH、若しくは点線が結合を表す場合は炭素を表すか、またはXおよびXの双方が窒素を表し;
は、C1−6アルキル;
アリール
ヒドロキシ、C3−6シクロアルキル、アリール若しくはナフタレニルで置換されているC1−6アルキル;
3−6シクロアルキル;
3−6シクロアルケニル;
3−6アルケニル;
アリールで置換されているC3−6アルケニル;
3−6アルキニル;
アリールで置換されているC3−6アルキニル;
アリールで場合によっては置換されているC1−4アルキルオキシC1−4アルカンジイルであるか;
または、−Y−Y−が式(a−1)の基である場合には、RとYは一緒になって式−CH=CH−CH=CH−の基を形成することができ、式中、各水素は、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル若しくはアリールから独立に選択される1置換基で場合によっては置換されていることができ;
式中、アリールは、フェニル;またはC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、ハロ、シアノ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1若しくは5個の置換基からで(from one or five substituents)置換されているフェニルであり;
は水素、C1−4アルキル若しくはハロであり;
Aは、C1−6アルカンジイル;
アリール、ヘテロアリールおよびC3−8シクロアルキルから選択される1若しくは2個の基で置換されているC1−6アルカンジイルであるか;
または、XがCHを表すことを条件として、前記基Aは、アリール、ヘテロアリール若しくはC3−8シクロアルキルで場合によっては置換されているNHもまた表すことができ;
式中、アリールは、フェニル;またはC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、シアノ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1から5個までの置換基(from one to five substituents)で置換されているフェニルであり;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル若しくはピリダジニルであり;また、前記ヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、シアノ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されており;
Bは、NR;若しくは
ORであり;
式中、各RおよびR
水素、
1−8アルキル、
ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C3−8シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、NR、CONR、アリール、多環式アリール(polycyclic aryl)若しくはヘテロアリールからそれぞれ相互に独立に選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されているC1−8アルキル;
3−8シクロアルキル;
3−8シクロアルケニル;
3−8アルケニル;
3−8アルキニル;
アリール
多環式アリール;
ヘテロアリール
から独立に選択されるか;または
およびRは、RおよびRをもつ窒素原子と組合わさって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、アゼパニル若しくはアゾカニル環を形成することができ、ここで、これらの環のそれぞれは、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、カルボニルアミノ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、CONR若しくはC1−4アルキルCONRにより場合によっては置換されていることができ;
式中、
は水素、C1−4アルキル、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールであり;
は水素若しくはC1−4アルキルであり;
は水素、C1−4アルキル若しくはフェニルであり;
は、水素、C1−4アルキル若しくはフェニルであるか;あるいは
は、C1−6アルキル、または、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル、トリフルオロメチル、NR、CONR、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールからそれぞれ相互に独立に選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されているC1−6アルキルであり;
式中、
アリールは、フェニル;C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、メチルスルホニルアミノ、メチルスルホニル、NR、C1−4アルキルNR、CONR若しくはC1−4アルキルCONRからそれぞれ独立に選択される1ないし5個の置換基で置換されているフェニルであり;
多環式アリールは、ナフタレニル、インダニル、フルオレニル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルであり、かつ、前記多環式アリールは、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR、C1−4アルキルNR、CONR、C1−4アルキルCONR若しくはC1−4アルキルオキシカルボニルアミノからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換され、そして
ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサ
ゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル;キノリニル;イソキノリニル;1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル;ベンゾチアゾリル;ベンゾ[1,3]ジオキソリル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル;インドリル;2,3−ジヒドロ−1H−インドリル;1H−ベンゾイミダゾリルであり;また、前記ヘテロアリールは、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR、C1−4アルキルNR、CONR若しくはC1−4アルキルCONRからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されている。
【0014】
[発明の詳細な記述]
前述の定義で使用されるところの:
・ハロは、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードに包括的なものであり、
・C1−4アルキルは、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、1−メチルエチル、2−メチルプロピルなどのような、1から4個までの炭素原子を有する直鎖状および分枝状鎖飽和炭化水素基を定義し、
・C1−6アルキルは、C1−4アルキル、および例えば2−メチルブチル、ペンチル、ヘキシルなどのような5若しくは6個の炭素原子を有するその高級な相同物を包含することを意味しており;
・C1−8アルキルは、C1−6アルキル、および例えばヘプチル、エチルヘキシル、オクチルなどのような7ないし8個の炭素原子を有するその高級な相同物を包含することを意味しており;
・ポリハロC1−4アルキルは、ポリハロ置換C1−4アルキル、とりわけ、ジフルオロメチル、トリフルオロメチル、トリフルオロエチルなどのような2ないし6個のハロゲン原子で置換されている(上で定義されたところの)C1−4アルキルと定義され;
・C3−6シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシルに包括的なものであり;
・C3−8シクロアルキルは、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチルおよびシクロオクチルに包括的なものであり;
・C3−6シクロアルケニルは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニルおよびシクロヘキセニルに包括的なものであり;
・C3−8シクロアルケニルは、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニルおよびシクロオクテニルに包括的なものであり;・C1−4アルカンジイルは、例えばメタンジイル、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイルおよび1,4−ブタンジイルのような1から4個までの炭素原子を含有する二価の直鎖状若しくは分枝状鎖炭化水素基を定義し;
・C1−6アルカンジイルは、例えばメタンジイル、1,2−エタンジイル、1,3−プロパンジイル、1,4−ブタンジイル、1,5−ペンタンジイル、1,6−ヘキサンジイルおよびそれらの分枝状異性体のような1から6個までの炭素原子を含有する二価の直鎖状若しくは分枝状鎖炭化水素基を定義し;
・C3−6アルケニルは、例えば2−プロペニル、3−ブテニル、2−ブテニル、2−ペンテニル、3−ペンテニル、3−メチル−2−ブテニル、3−ヘキセニル、2−ヘキセニルなどのような、1個の二重結合を含有しかつ3から6個までの炭素原子を有する直鎖状および分枝状鎖炭化水素基を定義し;
・C3−8アルケニルは、C3−6アルケニル、および、2−ペンテニル、2−オクテニルなどのような7ないし8個の炭素原子を有するその高級な相同物を包含することを意味しており;
・C3−6アルキニルは、例えば2−プロピニル、3−ブチニル、2−ブチニル、2−ペンチニル、3−ペンチニル、3−メチル−2−ブチニル、3−ヘキシニル、2−ヘキシニルなどのような、1個の三重結合を含有しかつ3から6個までの炭素原子を有する直鎖状
および分枝状鎖炭化水素基を定義し;
・C3−8アルキニルは、C3−6アルキニル、および2−ペンチニル、2−オクチニルなどのような7ないし8個の炭素原子を有するその高級な相同物を包含することを意味している。
【0015】
上で使用されたところの「立体異性体」という用語は、式(I)の化合物が有しうる全部の可能な異性体を定義する。別の方法で挙げられ若しくは示されない限り、化合物の化学的呼称は全部の可能な立体異性体の混合物を示し、前記混合物は基礎的な分子構造の全部のジアステレオマーおよび鏡像異性体を含有する。より具体的には、ステレオジェン中心はR若しくはS配置を有することができ;二価の環状の(部分的)飽和基上の置換基はcis若しくはtransいずれかの配置を有しうる。二重結合を包含する化合物は前記二重結合でE若しくはZの立体化学を有し得る。式(I)の化合物の立体異性体は、明らかに、本発明の範囲内に包含されることを意図している。
【0016】
式(I)の化合物およびそれらの製造で使用される中間体の絶対的な立体化学配置は、例えばX線回折のような公知の方法を使用する際に当業者により容易に決定されうる。
【0017】
さらに、式(I)の数種の化合物およびそれらの製造で使用される中間体のいくつかは多形を表しうる。本発明は上に示された状態の処置で有用な特性を有するいかなる多形も包含することが理解されるべきである。
【0018】
上で挙げられたところの製薬学的に許容できる酸付加塩は、式(I)の化合物が形成することが可能である治療上有効な非毒性の酸付加塩の形態を含んでなることを意味している。これらの製薬学的に許容できる酸付加塩は、塩基の形態をこうした適切な酸で処理することにより便宜的に得ることができる。適切な酸は、例えばハロゲン化水素酸、例えば塩酸若しくは臭化水素酸、硫酸、硝酸、リン酸および類似の酸のような無機酸;または例えば酢酸、プロパン酸、ヒドロキシ酢酸、乳酸、ピルビン酸、シュウ酸(すなわちエタン二酸)、マロン酸、コハク酸(すなわちブタン二酸)、マレイン酸、フマル酸、リンゴ酸、酒石酸、クエン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、サイクラミン酸、サリチル酸、p−アミノサリチル酸、パモ酸および類似の酸のような有機酸を含んでなる。
【0019】
逆に、前記塩の形態は、適切な塩基での処理により遊離塩基の形態に転化し得る。
【0020】
式(I)の化合物のいくつかはそれらの互変異性体でもまた存在しうる。こうした形態は、上の式中で明確に示されないとは言え、本発明の範囲内に包含されることを意図している。例えば、芳香族複素環がヒドロキシで置換されている場合は、ケトの形態が主として占める互変異性体でありうる。
【0021】
一態様において、本発明は、アリール、多環式アリールおよびヘテロアリールの定義が後に続くとおり読める、式(I)の化合物に関する。すなわち、
アリールは、フェニル;C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、メチルスルホニルアミノ、NR、C1−4アルキルNR、CONR若しくはC1−4アルキルCONRからそれぞれ独立に選択される1ないし5個の置換基で置換されているフェニルであり;および
多環式アリールは、ナフタレニル、インダニル、フルオレニル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルであり、また、前記多環式アリールは、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、N
、C1−4アルキルNR、CONR、若しくはC1−4アルキルCONRからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換され、そして
ヘテロアリールは、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル;キノリニル;イソキノリニル;ベンゾ[1,3]ジオキソリル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル;インドリル;2,3−ジヒドロ−1H−インドリル;1H−ベンゾイミダゾリルであり;また、前記ヘテロアリールは、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR、C1−4アルキルNR、CONR若しくはC1−4アルキルCONRからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されている。
【0022】
別の態様において、本発明は、
点線が任意の結合であり、かつ、Xが窒素を表す場合には存在せず;
基−Y−Y−が、式
−N=CH−(a−1)、
−CH=N−(a−2)、
−CH−CH−(a−3)、
−CH=CH−(a−4)
の基であり、式中、式(a−1)若しくは(a−2)の二価の基において、水素原子はC1−6アルキル若しくはフェニルにより場合によっては置換されていることができ;
は炭素若しくは窒素であり;
がCHを表しかつXが窒素を表すか;若しくはXが窒素を表しかつXがCHを表すか;若しくはXおよびXが窒素を表し;
は、C1−6アルキル;
アリール
ヒドロキシ、C3−6シクロアルキル、アリール若しくはナフタレニルで置換されているC1−6アルキル;
3−6アルケニル;
アリールで置換されているC3−6アルケニル;
アリールで場合によっては置換されているC1−4アルキルオキシC1−4アルカンジイルであるか;
または、−Y−Y−が式(a−1)の基である場合には、RとYは一緒になって式−CH=CH−CH=CH−の基を形成し、式中、各水素は、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、トリフルオロメチル若しくはアリールから独立に選択される1置換基で場合によっては置換されていることができ;
式中、アリールは、フェニル;またはC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されているフェニルであり;
は水素、C1−4アルキル若しくはハロであり;
Aは、C1−6アルカンジイル;
アリールおよびヘテロアリールから選択される1若しくは2個の基で置換されているC1−6アルカンジイルであり;
式中、アリールは、フェニル;またはC1−4アルキル若しくはハロからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されているフェニルであり;
ヘテロアリールはチエニル若しくはピリジニルであり;
BはNR;若しくはORであり;
式中、各RおよびR
水素、
1−8アルキル、
ヒドロキシ、シアノ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、ポリハロC1−4アルキル、NR、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールからそれぞれ相互に独立に選択される1若しくは2個の置換基で置換されているC1−8アルキル;
3−8シクロアルキル;
3−8アルケニル;
アリール
多環式アリール;
ヘテロアリール
から独立に選択されるか;または
およびRは、RおよびRをもつ窒素原子と組合わさって、C1−4アルキルオキシカルボニルにより場合によっては置換されているピペリジニル環を形成することができ;
式中、
は水素、C1−4アルキル若しくはアリールであり;
は水素若しくはC1−4アルキルであり;
はC1−6アルキルであり;
式中、
アリールは、フェニル;C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、C1−4アルキルオキシカルボニル、メチルスルホニル若しくはNRからそれぞれ独立に選択される1ないし3個の置換基で置換されているフェニルであり;
多環式アリールは、ナフタレニル、インダニル若しくはフルオレニルであり、また、前記多環式アリールは、C1−4アルキルオキシカルボニルアミノから独立に選択される1個の置換基で場合によっては置換され、そして
ヘテロアリールは、ピリジニル、チアゾリル、フラニル、キノリニル;1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル;ベンゾチアゾリル;ベンゾ[1,3]ジオキソリル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル;インドリル;2,3−ジヒドロ−1H−インドリル;1H−ベンゾイミダゾリであり;また、前記ヘテロアリールは、C1−6アルキル、フェニル、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル若しくはC1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキルからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されている
式(I)の化合物に関する。
【0023】
式(I)の興味深い化合物は、以下の制限の1種若しくはそれ以上、すなわち
a)点線が存在せず;
b)点線が結合を表しかつXが炭素を表し;
c)RがC1−6アルキル若しくはアリール、またはアリールで置換されているC1−6アルキルであり;
d)AがC1−6アルカンジイル、若しくはアリールで置換されているC1−6アルカンジイルであり、とりわけ、Aは−CH−若しくは−CH(C)−であり;
e)Aがヘテロアリールで置換されているC1−6アルカンジイルであり;
f)BがORであり、式中RはC1−6アルキルであり;
g)BがNRであり、式中、各RおよびRは、水素、C1−8アルキル、C1−4アルキルオキシカルボニル、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールから選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されているC1−8アルキルである、が当てはまる、式(I)の化合物である。
【0024】
化合物の第一の特定の群は、Xが窒素を表しかつXがCHを表す式(I)の化合物である。
【0025】
化合物の第二の特定の群は、XがCHを表しかつXが窒素を表す式(I)の化合物である。
【0026】
化合物の第三の特定の群は、XおよびX双方が窒素を表す式(I)の化合物である。
【0027】
化合物の第四の特定の群は、点線が結合であり、Xが炭素を表しかつXが窒素を表す式(I)の化合物である。
【0028】
化合物の第五の特定の群は、Xが炭素である式(I)の化合物である。
【0029】
化合物の第六の特定の群は、Xが窒素である式(I)の化合物である。
【0030】
化合物の第七の特定の群は、基Aが、アリールで置換されているC1−6アルカンジイルを表す式(I)の化合物である。
【0031】
化合物の8の特定の群は、基BがC1−6アルキルオキシを表す式(I)の化合物である。
【0032】
化合物の8の特定の群は、基BがNRを表し、式中Rが水素である式(I)の化合物である。
【0033】
化合物の第九の特定の群は、基Aが−C(CH−若しくは−C(CH)(C)−若しくは−C(C)を表し、とりわけ、基Aが−C(CH)(C)−を表す式(I)の化合物である。
【0034】
式(I)の好ましい化合物は、表1に列挙されるところの化合物(187)、(192)、(196)、(204)、(223)、(224)、(227)、(228)、(271)、(272)、(278)〜(295)、(298)〜(302)、(314)、(343)〜(346)、(361)および(362)である。
【0035】
一般に、式(I)の化合物は、式(III)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに、場合によっては少なくとも1種の遷移金属カップリング試薬および/若しくはトリフェニルホスフィン、トリフェニルアルシンなどと会合したパラジウムのような少なくとも1種の適する触媒の存在下に、Qがブロモ、ヨード、トリフルオロメチルスルホネート、B(OH)、アルキルボロン酸化物(alkylboronates)およびそれらの環状アナログから選択される式(II)の中間体と反応させることにより製造し得る。これらのBuchwald反応に関するさらなる情報を下に見出し得る。
【0036】
【化2】

【0037】
が窒素である式(I)の化合物と定義される式(I−a)の化合物は、一般に、Zがハロ、B(OH)、アルキルホウ酸化物およびそれらの環状アナログから選択される式(V)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては少なくとも1種の遷移金属カップリング試薬および/若しくは少なくとも1種の適するリガンドの存在下で式(IV)の中間体と反応させることにより製造し得、前記方法はさらに、場合によっては、式(I)の化合物をその付加塩に転化すること、および/若しくはその立体異性体を製造することを含んでなる。Buchwald反応として当該技術分野で既知であるこの型の反応、該当する金属カップリング試薬および/若しくは適するリガンド、例えばパラジウムテトラ(トリフェニルホスフィン)、トリス(ジベンジリデンアセトンジパラジウム、2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルなどのようなパラジウム化合物への言及は、例えばTetrahedron Letters(1996)37(40)7181−7184およびJ.Am.Chem.Soc.(1996)118:7216に見出しうる。ZがB(OH)、アルキルホウ酸化物若しくはその環状アナログである場合には、酢酸銅(II)若しくは銅(II)アルカノール和物を、Tetrahedron Letters(1998)39:2933−6に従ってカップリング試薬として使用すべきである。
【0038】
【化3】

【0039】
式(I−a)の化合物の代替の一製造手順は、Xが窒素を表しかつB−(C=O)−A−部分が水素若しくは例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような適する保護基により置換されている式(IV)の中間体を使用する。前記保護基はBuchwald反応後に除去され、その後中間体(VI)でのN−アルキル化反応が続く。
【0040】
が窒素である式(I)の化合物と定義される式(I−b)の化合物は、一般に、式(VII)の中間体を、Wが例えばハロ、例えばフルオロ、クロロ、ブロモ若しくはヨードのような適切な脱離基であるか、または、いくつかの場合にはWがスルホニルオキシ基、例えばメタンスルホニルオキシ、トリフルオロメタンスルホニルオキシ、ベンゼンスルホニルオキシおよび類似の反応性脱離基であってもまたよい式(VI)の中間体でN−アルキル化することにより製造し得る。該反応は、例えばアセトニトリル、2−ペンタノール、イソブタノール、ジメチルアセトアミド若しくはDMFのような反応不活性溶媒中、および場合によっては例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、N−メチル−ピロリドン若しくはトリエチルアミンのような適する塩基の存在下で実施し得る。攪拌が反応の速度を高めうる。該反応は、室温と反応混合物の還流温度との間の範囲にわたる温度で便宜的に実施しうる。
【0041】
【化4】

【0042】
基BがNRを表す式(I)の化合物と定義される式(I−c)の化合物は、一般に、式(VIII)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては少なくとも1種の適するカップリング試薬および/若しくは適する塩基の存在下に式(IX)の中間体と反応させることにより製造し得、前記方法はさらに、場合によっては、式(I)の化合物をその付加塩に転化すること、および/若しくはその立体異性体を製造することを含んでなる。
【0043】
【化5】

【0044】
有効量の反応促進剤を添加することにより式(IX)のカルボン酸を活性化することが便宜的でありうる。こうした反応促進剤の制限しない例は、カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド若しくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドのようなジイミド、およびそれらの機能的誘導体を包含する。式(VIII)のキラル的に純粋な反応体を使用する場合、前記中間体(IX)との式(VIII)の中間体の迅速かつ鏡像異性化を伴わない反応は、有効量のヒドロキシベンゾトリアゾール、ヘキサフルオロリン酸ベンゾトリアゾリルオキシトリス(ジメチルアミノ)ホスホニウム、ヘキサフルオロリン酸テトラピロリジノホスホニウム、ヘキサフルオロリン酸ブロモトリピロリジノホスホニウム、若しくはD.Hudson、J.Org.Chem.(1988)、53:617により開示されるようなそれらの機能的誘導体のような化合物のさらなる存在下で実施しうる。
【0045】
基BがORを表す式(I)の化合物と定義される式(I−d)の化合物は、一般に、式(X)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては少なくとも1種の適するカップリング試薬および/若しくは適する塩基の存在下に式(IX)の中間体と反応させることにより製造し得、前記方法はさらに、場合によっては、式(I)の化合物をその付加塩に転化すること、および/若しくはその立体異性体を製造することを含んでなる。
【0046】
【化6】

【0047】
有効量の反応促進剤を添加することにより式(IX)のカルボン酸を活性化することが便宜的でありうる。こうした反応促進剤の制限しない例は、カルボニルジイミダゾール、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド若しくは1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドのようなジイミド、およびそれらの機能的誘導体を包含する。
【0048】
点で描いた結合が結合を表しかつXが炭素である式(I)の化合物と定義される式(I−e)の化合物は、一般に、式(XI)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに、場合によっては少なくとも1種の遷移金属カップリング試薬および/若しくはトリフェニルホスフィン、トリフェニルアルシンなどと会合したパラジウムのような少なくとも1種の適する触媒の存在下に、LおよびQの一方がブロモ、ヨードおよびトリフルオロメチルスルホネートから選択されかつLおよびQの他方がトリ(C1−4アルキル)スズ、B(OH)、アルキルホウ酸化物およびそれらの環状アナログから選択から選択される式(XII)の中間体と反応させることにより製造し得る。この型の反応はStille反応若しくはSuzuki反応として当該技術分野で既知である。
【0049】
【化7】

【0050】
式(I−d)の化合物の代替の一製造手順は、Xが窒素を表しかつB−(C=O)−A−部分が例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような適する保護基により置換されている式(XI)の中間体を使用する。前記保護基はカップリング反応後に除去され、その後、中間体(VI)でのN−アルキル化反応が続く。
【0051】
出発原料および中間体のいくつかは既知化合物であり、そして商業的に入手可能であるか、若しくは当該技術分野で公知の慣習的反応手順に従って製造しうる。
【0052】
が窒素を表す式(IX)の中間体と定義される式(IX−a)の中間体は、下に示されるとおり製造し得る。式(XIII)の中間体を、Buchwald反応条件下で式(V)の中間体と反応させ、そして、式(XIV)の生じる中間体をその後、技術既知の酸若しくは塩基に触媒される加水分解手順を使用して、式(IX−a)の中間体に転化する。
【0053】
【化8】

【0054】
式(VII)の中間体は、式(III)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては少なくとも1種の遷移金属カップリング試薬および/若しくはトリフェニルホスフィン、トリフェニルアルシンなどと会合したパラジウムのような少なくとも1種の適する触媒の存在下で、PGが例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような保護基でありかつQがブロモ、ヨードおよびトリフルオロメチルスルホネートから選択される式(XV)の中間体と反応させること;次いで該保護基の除去により製造し得る。
【0055】
【化9】

【0056】
−Y−Y−が−CH=N−を、かつRが水素を表す式(VII)の中間体と定義される式(VII−a)の中間体は、下に概説されるとおり製造し得る。PGは例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような保護基であり、最終段階で除去される。
【0057】
【化10】

【0058】
−Y−Y−が、1個の水素がC1−6アルキル若しくはフェニルにより置換されている−CH=N−を、また、Rが水素を表す式(VII)の中間体と定義される式(VII−b)の中間体は、下に概説されるとおり製造し得る。PGは例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような保護基であり、最終段階で除去される。
【0059】
【化11】

【0060】
−Y−Y−が、1個の水素がC1−6アルキル若しくはフェニルにより置換されている−CH=N−を表す式(VII)の中間体と定義される式(VII−c)の中間体は、下に概説されるとおり製造し得る。PGは例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような保護基であり、最終段階で除去される。
【0061】
【化12】

【0062】
式(VII)の他の中間体は下に概説されるとおり製造し得る。PGは例えばベンジル若しくはtert−ブトキシカルボニルのような保護基であり、最終段階で除去される。
【0063】
【化13】

【0064】
が窒素を表す式(IV)の中間体と定義される式(IV−a)の中間体は、ピペラジンを伴う式(VI)の中間体でピペラジンをN−アルキル化することにより製造し得る。該反応は、例えばアセトニトリルのような反応不活性溶媒中、および場合によっては例えば炭酸ナトリウム、炭酸カリウム若しくはトリエチルアミンのような適する塩基の存在下で実施し得る。攪拌が反応の速度を高めうる。該反応は、便宜的に、室温と反応混合物の還流温度との間の範囲にわたる温度で実施しうる。
【0065】
【化14】

【0066】
Zがハロを表す式(V)の中間体と定義される式(V)の中間体は、式(III)の中間体を、少なくとも1種の反応不活性溶媒中、ならびに場合によっては少なくとも1種の遷移金属カップリング試薬および/若しくはトリフェニルホスフィン、トリフェニルアルシンと会合したパラジウムのような少なくとも1種の適する触媒の存在下に、Qがブロモ、ヨードおよびトリフルオロメチルスルホネートから選択される式(XVI)の中間体と反応させることにより製造し得る。
【0067】
【化15】

【0068】
上述された方法で製造されるところの式(I)の化合物は、鏡像異性体のラセミ混合物の形態で合成されることがあり、それらは技術既知の分割手順に従って相互から分離し得
る。ラセミ化合物の形態で得られる式(I)の化合物は、適するキラルな酸との反応により対応するジアステレオマー塩の形態に転化しうる。前記ジアステレオマー塩の形態をその後、例えば選択的結晶化若しくは分別結晶により分離し、そして鏡像異性体をアルカリによりそれらから遊離させる。式(I)の化合物の鏡像異性体の代替の一分離様式は、キラルな固定相を使用する液体クロマトグラフィーを含む。前記純粋な立体異性体は、適切な出発原料の対応する純粋な立体異性体からもまた派生しうるが、但し、該反応が立体特異的に起こることを条件とする。好ましくは、特定の立体異性体が望ましい場合、前記化合物は立体特異的製造方法により合成することとなる。これらの方法は、有利には、鏡像異性的に純粋な出発原料を使用することとなる。
【0069】
式(I)の化合物、それらのN−オキシドの形態、製薬学的に許容できる塩および立体異性体は、好都合なapoB分泌およびMTP阻害活性、ならびに付随する脂質低下活性を有する。従って、式(I)の本化合物は、とりわけ高脂血症、肥満、アテローム硬化症若しくはII型糖尿病に苦しめられている患者の処置方法において、医薬品として有用である。
【0070】
その後、本化合物を、過剰な超低密度リポタンパク質(VLDL)若しくは低密度リポタンパク質(LDL)により引き起こされる障害、およびとりわけ前記VLDLおよびLDLと関連するコレステロールにより引き起こされる障害を処置するための医薬品の製造に使用しうる。とりわけ、本化合物は、高脂血症、肥満、アテローム硬化症若しくはII型糖尿病の処置のための医薬品の製造に使用しうる。
【0071】
式(I)の化合物の主たる作用機序は、それぞれ低下されたVLDLおよびカイロミクロン産生をもたらす、肝細胞および腸上皮細胞におけるMTP(ミクロソームトリグリセリド転移タンパク質)活性の阻害を含むようである。これは、高脂血症に対する新規かつ革新的なアプローチであり、そして、VLDLの低下された肝産生およびカイロミクロンの腸産生によりLDL−コレステロールおよびトリグリセリドを低下させると期待される。
【0072】
多数の遺伝および後天的疾患が高脂血症をもたらし得る。それらは、一次および二次性高脂血状態に分類し得る。二次性高脂血症の最も一般的な原因は、糖尿病、アルコール濫用、薬物、甲状腺機能低下、慢性腎不全、ネフローゼ症候群、胆汁うっ滞および過食症である。一次性高脂血症は、一般的な高コレステロール血症、家族性複合型高脂血症、家族性高コレステロール血症、レムナント高脂血症、カイロミクロン血症候群、家族性高トリグリセリド血症である。本化合物はまた、肥満症若しくはアテローム硬化症、とりわけ冠動脈アテローム硬化症、およびより一般的には虚血性心疾患、末梢血管疾患、脳血管疾患のようなアテローム硬化症に関係する障害に苦しめられている患者を予防若しくは処置するのにも使用しうる。本化合物はアテローム硬化の退縮を引き起こすことができ、かつ、アテローム硬化症の臨床結果、とりわけ罹患率および死亡率を阻害しうる。
【0073】
式(I)の化合物の利用性を鑑みれば、本発明は、過剰の超低密度リポタンパク質(VLDL)若しくは低密度リポタンパク質(LDL)により引き起こされる障害、およびとりわけ前記VLDLおよびLDLと関連するコレステロールにより引き起こされる障害に苦しめられているヒトを包含する温血動物(一般に本明細書で患者と呼ばれる)の処置方法もまた提供することになる。結果として、例えば高脂血症、肥満、アテローム硬化症若しくはII型糖尿病のような状態に苦しめられている患者を救済するための処置方法が提供される。
【0074】
腸により合成されるapo B−48はカイロミクロンの集成に必要であり、そして従って食物脂肪の腸吸収において必須の役割を有する。本発明は、腸壁のレベルで選択的MTP阻害剤として作用している化合物を提供する。
【0075】
加えて、本発明は、少なくとも1種の製薬学的に許容できる担体および治療上有効な量の式(I)の化合物を含んでなる製薬学的組成物を提供する。
【0076】
本発明の製薬学的組成物を製造するために、有効成分としての塩基若しくは酸付加塩の形態の有効量の特定の化合物を、少なくとも1種の製薬学的に許容できる担体と緊密な混合状態で組合せ、この担体は投与に望ましい製剤の形態に依存して多様な形態をとりうる。これらの製薬学的組成物は、望ましくは、好ましくは経口投与、直腸投与、経皮投与若しくは非経口注入に適する単位投与剤形にある。
【0077】
例えば、経口投薬形態物の組成物の製造において、懸濁剤、シロップ剤、エリキシル剤および溶液のような経口の液体製剤の場合には例えば水、グリコール、油、アルコールなどのような通常の液体の製薬学的担体のいずれか;若しくは散剤、丸剤、カプセル剤および錠剤の場合にはデンプン、糖類、カオリン、滑沢剤、結合剤、崩壊剤などのような固体の製薬学的担体を使用しうる。それらの容易な投与のため、錠剤およびカプセル剤が最も有利な経口の投薬単位形態物を表し、この場合、固体の製薬学的担体が明らかに使用される。非経口注入組成物のためには、製薬学的担体は主として滅菌水を含むことができるとは言え、有効成分の溶解性を向上させるために他の成分を包含しうる。注入可能な溶液は、例えば、生理的食塩水溶液、ブドウ糖溶液若しくは双方の混合物を含んでなる製薬学的担体を使用することにより製造しうる。注入可能な懸濁剤もまた、適切な液体担体、懸濁化剤などを使用することにより製造しうる。経皮投与に適する組成物中では、製薬学的担体は、場合によっては、皮膚に有意の有害な影響を引き起こさない少ない比率の適する添加物と組合せた、浸透増強剤および/若しくは適する湿潤剤を場合によっては含みうる。前記添加物は、皮膚への有効成分の投与を助長するため、かつ/若しくは所望の組成物を製造するのに役立つように選択しうる。これらの局所組成物は、多様な方法で、例えば経皮貼付剤、スポットオン剤、若しくは軟膏剤として投与しうる。式(I)の化合物の付加塩は、対応する塩基の形態を上回るそれらの増大された水溶解性により、水性組成物の製剤中で明らかにより適する。
【0078】
本発明の製薬学的組成物を、投与の容易さおよび投薬量の均一性のために投薬単位形態物に処方することがとりわけ有用である。本明細書で使用されるところの「投薬単位形態物」は、単位投薬量として適する物理的に別個の単位を指し、各単位は、必要とされる製薬学的担体とともに所望の治療効果を生じさせるよう計算された、予め決められた良の有効成分を含有する。こうした投薬単位形態物の例は、錠剤(割線付き錠剤若しくはコーティング錠剤を包含する)、カプセル剤、丸剤、粉末の小包、カシェ剤(wafers)、注入可能な溶液若しくは懸濁液、茶さじ1杯、テーブルスプーン1杯など、およびそれらの分離された倍数(multiples)である。
【0079】
経口投与のためには、本発明の製薬学的組成物は、結合剤(例えば糊化済トウモロコシデンプン、ポリビニルピロリドン、ヒドロキシプロピルメチルセルロースなど)、増量剤(例えば乳糖、結晶セルロース、リン酸カルシウムなど)、滑沢剤(例えばステアリン酸マグネシウム、タルク、シリカなど)、崩壊剤(例えばバレイショデンプン、デンプングリコール酸ナトリウムなど)、湿潤剤(例えばラウリル硫酸ナトリウム)などのような製薬学的に許容できる賦形剤および担体とともに慣習的手段により製造される固体の投薬形態物、例えば錠剤(嚥下可能および咀嚼可能の双方の形態)、カプセル剤若しくはゲルカプセル剤の形態をとりうる。こうした錠剤は、当該技術分野で公知の方法によりコーティングしてもまたよい。
【0080】
経口投与のための液体製剤は、例えば溶液、シロップ剤若しくは懸濁剤の形態をとりう
るか、または、それらは、使用前の水および/若しくは別の適する液体担体との混合状態のための乾燥生成物として処方しうる。こうした液体製剤は、場合によっては、懸濁化剤(例えばソルビトールシロップ、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース若しくは硬化可食脂肪)、乳化剤(例えばレシチン若しくはアラビアゴム)、非水性担体(例えばアーモンド油、油性エステル若しくはエチルアルコール)、甘味料、着香料、マスキング剤および保存剤(例えばp−ヒドロキシ安息香酸メチル若しくはプロピル、またはソルビン酸)のような他の製薬学的に許容できる添加物を伴い、慣習的手段により製造しうる。
【0081】
本発明の製薬学的組成物中で有用な製薬学的に許容できる甘味料は、好ましくは、アスパルテーム、アセスルフェームカリウム、サイクラミン酸ナトリウム、アリテーム、ジヒドロカルコン甘味料、モネリン、ステビオサイド スクラロース(4,1’,6’−トリクロロ−4,1’,6’−トリデオキシガラクトスクロース)、または好ましくはサッカリン、サッカリンナトリウム若しくはカルシウムのような少なくとも1種の強い甘味料(intense sweetner)、および、場合によっては、ソルビトール、マンニトール、果糖、ショ糖、麦芽糖、イソマルト(isomalt)、ブドウ糖、水素化ブドウ糖シロップ、キシリトール、カラメル若しくは蜂蜜のような少なくとも1種のバルク甘味料を含んでなる。強い甘味料は便宜的に低濃度で使用する。例えば、サッカリンナトリウムの場合、前記濃度は最終製剤の約0.04%から0.1%まで(重量/容量)の範囲にわたりうる。バルク甘味料は、約10%から約35%まで、好ましくは約10%から15%まで(重量/容量)の範囲にわたるより高濃度で効果的に使用し得る。
【0082】
低投薬量製剤中の苦味成分をマスキングし得る製薬学的に許容できる香味料は、好ましくはチェリー、ラズベリー、クロフサスグリ若しくはイチゴ香味料のような果実香味料である。2種の香味料の組合せが非常に良好な結果を生じうる。高投薬量製剤中では、カラメル チョコレート(Caramel Chocolate)、ミント クール(Mint Cool)、ファンタジー(Fantasy)などのような、より強い製薬学的に許容できる香味料が必要とされうる。各香味料は、約0.05%から1%まで(重量/容量)の範囲にわたる濃度で最終組成物中に存在しうる。前記強い香味料の組合せを有利に使用する。好ましくは、製剤の環境下で味および/若しくは色のいかなる変化若しくは喪失も受けない香味料を使用する。
【0083】
式(I)の化合物は、注入、慣習的には静脈内、筋肉内若しくは皮下注入、例えばボーラス注入若しくは連続静脈内注入による非経口投与のため処方しうる。注入のための製剤は、単位投与剤形で、例えば添加された保存剤を包含するアンプル若しくは複数用量容器(multi−dose containers)中で提示されうる。それらは、油性若しくは水性ベヒクル中の懸濁液、溶液若しくは乳液のような形態をとることができ、そして、等張剤、懸濁化剤、安定剤および/若しくは分散助剤のような配合剤(formulating agent)を含有しうる。あるいは、有効成分は、使用前に適するベヒクル、例えば滅菌の発熱性物質を含まない水と混合するための粉末の形態で存在しうる。
【0084】
式(I)の化合物は、例えばカカオバターおよび/若しくは他のグリセリドのような慣習的坐剤基剤を含有する、坐剤若しくは保持浣腸のような直腸組成物にもまた処方しうる。
【0085】
式(I)の化合物は、他の製薬学的剤とともに使用することができ、とりわけ、本発明の製薬学的組成物は、少なくとも1種の付加的な脂質低下剤をさらに含むことができ、従っていわゆる併用脂質低下療法に至る。前記付加的な脂質低下剤は、例えば、例えば本発明の背景で以前に挙げられたところの胆汁酸抑制剤樹脂、フィブリン酸誘導体若しくはニコチン酸のような高脂血症の管理に慣習的に使用される既知薬物でありうる。適する付加的な脂質低下剤は、他のコレステロール生合成阻害剤およびコレステロール吸収阻害剤、とりわけHMG−CoA還元酵素阻害剤およびHMG−CoA合成酵素阻害剤、HMG−CoA還元酵素の遺伝子発現阻害剤、CETP阻害剤、ACAT阻害剤、スクアレン合成酵素阻害剤、CB−1アンタゴニスト、エゼチミブのようなコレステロール吸収阻害剤などもまた包含する。
【0086】
いかなるHMG−CoA還元酵素阻害剤も、本発明の併用療法の局面での第二の化合物として使用しうる。本明細書で使用されるところの「HMG−CoA還元酵素阻害剤」という用語は、別の方法で述べられない限り、酵素HMG−CoA還元酵素により触媒されるところのヒドロキシメチルグルタリル補酵素Aのメバロン酸への生体内変化を阻害する化合物を指す。こうした「HMG−CoA還元酵素阻害剤」は、例えば、ロバスタチン、シンバスタチン、フルバスタチン、プラバスタチン、リバスタチンおよびアトロバスタチンである。
【0087】
いかなるHMG−CoA合成酵素阻害剤も、本発明の併用療法の局面での第二の化合物として使用しうる。本明細書で使用されるところの「HMG−CoA合成酵素阻害剤」という用語は、別の方法で述べられない限り、酵素HMG−CoA合成酵素により触媒されるアセチル補酵素Aおよびアセトアセチル補酵素Aからのヒドロキシメチルグルタリル補酵素Aの生合成を阻害する化合物を指す。
【0088】
いかなるHMG−CoA還元酵素遺伝子発現阻害剤も、本発明の併用療法の局面での第二の化合物として使用しうる。これらの作用剤は、DNAの転写を阻害するHMG−CoA還元酵素転写阻害剤であっても、若しくはHMG−CoA還元酵素をコードするmRNAのタンパク質への翻訳を予防する翻訳阻害剤であってもよい。こうした阻害剤は、転写若しくは翻訳に直接影響を及ぼしうるか、またはコレステロール生合成カスケード中の1種若しくはそれ以上の酵素により上述された属性を有する化合物に生体内変化されうるか、または上述された活性を有する代謝物の蓄積に至りうるかのいずれかである。
【0089】
いかなるCETP阻害剤も、本発明の併用療法の局面での第二の化合物として使用しうる。本明細書で使用されるところの「CETP阻害剤」という用語は、別の方法で述べられない限り、HDLからLDLおよびVLDLへの多様なコレステリルエステルおよびトリグリセリドのコレステリルエステル転移タンパク質(CETP)媒介性の輸送を阻害する化合物を指す。
【0090】
いかなるACAT阻害剤も、本発明の併用療法の局面での第二の化合物として使用しうる。本明細書で使用されるところの「ACAT阻害剤」という用語は、別の方法で述べられない限り、酵素アシルCoA:コレステロールアシル転移酵素による食物コレステロールの細胞内エステル化を阻害する化合物を指す。
【0091】
いかなるスクアレン合成酵素阻害剤も、本発明の併用療法の局面での第二の化合物として使用しうる。本明細書で使用されるところの「スクアレン合成酵素阻害剤」という用語は、別の方法で述べられない限り、酵素スクアレン合成酵素により触媒される、スクアレンを形成するための2分子のファルネシルピロリン酸の縮合を阻害する化合物を指す。
【0092】
高脂血症の処置の当業者は、下に提示される試験結果から、式(I)の化合物の治療上有効な量を容易に決定するであろう。一般に、治療上有効な用量は、約0.001mg/kgから約50mg/kgの治療されるべき患者の体重まで、より好ましくは約0.01mg/kgから約5mg/kg体重までであることができることが企図される。治療上有効な用量を、1日を通じて適切な間隔で2若しくはそれ以上の下位用量(sub−doses)の形態で投与することが適切でありうる。前記下位用量は単位投薬形態物として処
方することができ、例えば、それぞれは単位投薬形態物あたり約0.1mgから約350mgまで、より具体的には約1から約200mgまでの有効成分を含有する。
【0093】
正確な投薬量および投与頻度は、当業者に公知であるとおり、使用される式(I)の特定の化合物、処置されている特定の状態、処置されている状態の重症度、特定の患者の重量および全般的な身体状態、ならびに患者が服用しているかもしれない他の医薬品(上述された付加的な脂質低下剤を包含する)に依存する。さらに、前記有効1日量は、処置される患者の応答に依存して、および/若しくは本発明の化合物を処方する医師の評価に依存して低下若しくは増大されうる。上で挙げられた有効1日量範囲は従って指針にすぎない。
【0094】
実験の部
下述される手順において、以下の略語を使用した。すなわち、「DMSO」はジメチルスルホキシドを表し、「THF」はテトラヒドロフランを表し;「DCM」はジクロロメタンを表し;「DIPE」はジイソプロピルエーテルを表し;「DMF」はN,N’−ジメチルホルムアミドを表し、「TFFH」はヘキサフルオロリン酸テトラメチルフルオロホルムアミジウムを表し;「NMP」はN−メチル−2−ピロリドンを意味し、そして;「DIPEA」はジイソプロピルエチルアミンを意味し;「TFA」はトリフルオロ酢酸を意味し;「TIS」はトリイソプロピルシランを意味し、そして「BINAP」は2,2’−ビス(ジフェニルホスフィノ)−1,1’−ビナフチルを表す。「PyBOP(R)」は(T−4)−ヘキサフルオロリン酸(1−)(1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾラト−O)トリ−1−ピロリジニルホスホラス(1+)の複合体を意味している。
【0095】
ExtrelutTMはMerck KgaA(ドイツ・ダルムシュタット)の製品であり、そして珪藻土を含んでなる短いカラムである。
【0096】
メチルイソシアン酸ポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0169);4−ベンジルオキシ−ベンズアルデヒドポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0182);2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エトキシメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0261);(±)−1−グリセロールポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0408);およびN−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール−6−カルボキサミドメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0425)は、Calbiochem−Novabiochem AG、Weidenmattweg 4,CH−4448
Laeufelfingen,Switzerlandから得ることができる。
A.中間体の合成
実施例A.1
【0097】
【化16】

【0098】
4−ブロモフェニルヒドラジン塩酸塩(1:1)(0.11mol)を、CHCl/HO/NaCOを用いて遊離塩基に転化した。トリエチルアミン(22ml)およびキシレン(200ml)中のエチルN−エトキシカルボニルアセチミダート(0.13mol)および4−ジメチルアミノピリジン(2g)を添加した。混合物を一夜攪拌かつ還流し、そしてその後室温で週末にわたり攪拌し、濾過かつ乾燥して、16gの中間体(1)を生じた。
【0099】
【化17】

【0100】
DMF(300ml)中の中間体(1)(0.063mol)および水酸化カリウム(0.69mol)の混合物を20分間攪拌した。2−ブロモプロパン(0.126mol)を添加した。混合物を60℃で一夜攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解しかつ水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、7gの中間体(2)を生じた。
実施例A.2
【0101】
【化18】

【0102】
ジクロロメタン(200ml)中のN,N−ジメチル−N’−(4−ニトロフェニル)メタンヒドラゾンアミド(0.17mol)、2−イソシアナトプロパン(23g)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(2g)の混合物を一夜攪拌かつ還流した。2−イソシアナトプロパン(20g)を添加し、そして反応混合物を2時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させた。残渣をキシレン(300ml)中で2時間攪拌かつ還流した。混合物を冷却し、そして生じる沈殿物を濾過分離しかつトルエンから再結晶した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、29gの中間体(3)を生じた。
【0103】
【化19】

【0104】
メタノール(500ml)中の中間体(3)(0.11mol)の混合物を、チオフェン溶液(2ml)の存在下で触媒として炭上パラジウム(10%、4g)を用いて水素化した。水素(3等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をMIK/DIPEから結晶化して、18gの中間体(4)(mp.132.5℃)を生じた。
実施例A.3
【0105】
【化20】

【0106】
4−ブロモベンゼンアミン(0.2mol)および(1−エトキシエチリデン)ヒドラジンカルボン酸エチルエステル(0.4mol)の混合物を、窒素下130〜140℃で
油浴上で4時間攪拌し、その後、反応混合物を冷却しかつエーテル(150ml)下で摩砕した。生じる固形物を濾過分離しかつ乾燥して21.5gの粗生成物を生じた。該粗生成物の一部(3.5g)を2−プロパノールから結晶化し、その後、生じる生成物を収集しかつ50℃で18時間乾燥して、2.60gの中間体(5)(m.p.88〜90℃)を生じた。
【0107】
【化21】

【0108】
DMF(50ml)中の中間体(5)(0.01mol)、2−ブロモブタン(0.02mol)および水酸化カリウム(0.02mol)の混合物を120℃で2時間反応させた。反応混合物を冷却しそして氷水(500ml)に注いだ。生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、2.20gの粗生成物を生じ、それをシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液1:CHCl;溶離液2:CHCl/(10%NHOH/CHOH)99/1)により精製した。純粋な生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、1.56gの中間体(6)(m.p.168〜170℃)を生じた。
実施例A.4
【0109】
【化22】

【0110】
トリエチルアミン(0.040mol)を、N流下にDCM(150ml中の2,4−ジヒドロ−4,5−ジフェニル−3H−1,2,4−トリアゾル−3−オン(0.013mol)、4−ブロモフェニルホウ酸(0.026mol)および酢酸銅(II)(0.0209mol)の懸濁液に添加した。モレキュラーシーブ(3g)を添加した。混合物を室温で週末にわたり攪拌し、その後ディカライトを通して濾過し、10%NHOH溶液(150ml)で洗浄し、水(100ml)で2回洗浄し、そして飽和NaCl溶液で洗浄した。生じる沈殿物をディカライトで濾過しそして濾液を蒸発させた。残渣をメタノール中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、1.8gの中間体(7)を生じた。
実施例A.5
【0111】
【化23】

【0112】
2−ブロモプロパン(0.03mol)を、DMF(40ml)中の4−(p−ブロモフェニル)−5−フェニル−4H−1,2,4−トリアゾル−3−オール(0.01mol)および水酸化カリウム(0.011mol)の攪拌する溶液に室温で添加した。混合
物を60℃で16時間攪拌し、そしてその後70℃で6時間攪拌した。混合物を冷水(200ml)中に注いだ。生じる沈殿物を濾過分離し、水およびDIPEで洗浄しかつ真空中で乾燥した。濾液をDIPE(2×75ml)で2回抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、中間体(8)を生じた。
実施例A.6
【0113】
【化24】

【0114】
THF(3ml)中のN−(4−ブロモフェニル)ベンゼンカルボヒドラゾン酸エチルエステル(0.00063mol)の溶液を−40℃に冷却した。リチウムヘキサメチルジシラザン(THF中1M)(0.0007mol)を一滴ずつ添加した。混合物を−40℃で30分間攪拌した。THF(2ml)中のイソシアン酸イソプロピル(0.001mol)の混合物を添加した。混合物を、温度を室温にもたらしつつ3時間攪拌し、その後室温で1時間攪拌しかつ水およびHCl(1N)中に注いだ。有機層を分離し、DCMで希釈し、水および飽和NaCl溶液で洗浄し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。この画分をDIPE中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/ヘキサン 10/1)により精製した。純粋な画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、0.065gの中間体(9)を生じた。
実施例A.7
【0115】
【化25】

【0116】
DMF(200ml)中の4−(4−ブロモフェニル)−2,4−ジヒドロ−3H−1,2,4−トリアゾル−3−オン(0.062mol)および水酸化カリウム(0.07mol)の混合物を15分間攪拌した。2−ブロモプロパン(0.2mol)を添加し、そして反応混合物を60℃で一夜攪拌した。反応混合物を冷却し、水中に注ぎ、その後1時間攪拌した。反応混合物を濾過した。沈殿物をDCMに溶解した。有機溶液を洗浄し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE下で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、11.2gの中間体(10)を生じた。
【0117】
【化26】

【0118】
トルエン(4ml)中の中間体(10)(0.001mol)、Pd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.0000025mol)、BINAP(0.000005mo
l)およびピバル酸ナトリウム(0.00116mol)の混合物をAr流下に5分間攪拌した。トルエン(1ml)中の1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.00116mol)の混合物を添加した。混合物を100℃で16時間攪拌し、蒸発させ、そしてHPLC(溶離液:(HO中0.5%NHOAc/CHCN 90/10)/CHCN 85/15、10/90および0/100;カラム:Hyperprep C18 8μm)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、0.076gの中間体(11)を生じた。
【0119】
【化27】

【0120】
水中臭化水素酸の溶液(48%)(125ml)中の中間体(11)(0.05mol)および亜硫酸水素ナトリウム(3g)の混合物を5時間攪拌かつ還流した。混合物を冷却しかつ蒸発させた。残渣をDCMに溶解しそしてNHOHで中和した。有機層を乾燥し、濾過分離しかつ蒸発させた。残渣を酢酸エチルから結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ真空中75℃で乾燥して、12.9gの中間体(12)(mp.125.3℃)を生じた。
実施例A.8
【0121】
【化28】

【0122】
2−ブタノール(400ml)中の中間体(4)(0.17mol)および2−クロロ−N−(2−クロロエチル)エタンアミン塩酸塩(0.35mol)の混合物を攪拌かつ還流した。炭酸カリウム(7×15g)を毎時添加し、そして混合物を一夜攪拌かつ還流した。混合物を冷却しかつ濾過分離した。沈殿物を水に溶解しそしてDCMで抽出した。有機層を蒸発させ、そして残渣をDIPE中で攪拌した。沈殿物を濾過分離しかつ真空中65℃で乾燥して、29gの中間体(13)(m.p.130.2℃)を生じた。
実施例A.9
【0123】
【化29】

【0124】
無水トルエン(100ml)中の中間体(7)(0.010mol)、Pd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.0002mol)、BINAP(0.0004mol)およびナトリウムブトキシド(0.025mol)の懸濁液を室温で15分間攪拌した。ピペラジン(0.050mol)を添加した。混合物を110℃で6時間攪拌し、ディカライトで濾過し、そして濾液を水で3回洗浄し、濃塩水で洗浄し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl
/CHOH/NH 90/10/1)により精製した。純粋な画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール中で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、1.1gの中間体(14)を生じた。
【0125】
中間体(15)、(16)および(17)を類似の方法で製造した。
【0126】
【化30】

【0127】
実施例A.10
【0128】
【化31】

【0129】
DMF(150ml)中のピペラジン(0.2mol)を完全な溶解まで攪拌した。2−ブロモフェニル酢酸メチル(0.043mol)を一滴ずつ添加した。混合物を一夜攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、そして水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させて、10gの中間体(18)を生じた。
実施例A.11
【0130】
【化32】

【0131】
塩化チオニル(81ml)を、無水クロロホルム(450ml)中の2−ブロモ−2−フェニル酢酸(0.54mol)の攪拌する溶液に添加した。反応混合物を2.5時間攪拌かつ還流した。混合物を蒸留分離し、そして残渣をテトラヒドロフラン(200ml)に溶解し、そして、生じる溶液を、氷水で冷却したテトラヒドロフラン(300ml)中の1H−2,3−ジヒドロ−インデン−5−アミン(0.42mol)およびトリエチルアミン(80ml)の攪拌する溶液に15分間ゆっくりと添加した。反応混合物を一夜攪拌し、そして水(100ml)からDCM(3×250ml)で抽出した。抽出液を合わ
せ、希HCl溶液および塩水で洗浄し、その後混合物を乾燥しかつ濾過した。残渣を酢酸エチル(250ml)から2回結晶化し、そしてその後生成物を収集して、65.0gの中間体(19)(mp.:112〜114℃)を生じた。
実施例A.12
【0132】
【化33】

【0133】
塩化クロロフェニルアセチル(0.0015mol)を、DCM(25ml)中の5−アミノ−2−メチル−安息香酸メチルエステル塩酸塩(0.0010mol)およびトリエチルアミン(0.0030mol)の溶液に添加し、そして反応混合物を20℃で70時間攪拌し、その後水(5ml)を添加し、そして混合物を20℃で3時間攪拌した。有機層を分離しかつ溶媒を蒸発させた。粗残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。残渣をDCM(20ml)に溶解し、そして水性炭酸ナトリウム溶液で洗浄し、その後有機層を分離しかつ溶媒を蒸発させて、0.160gの中間体(20)を生じた。
実施例A.13
【0134】
【化34】

【0135】
DMF(50ml)中の4−[5−(1,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)−2−ピリジニル]−1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.005mol)、2−ヨードプロパノン(0.0066mol)および水酸化カリウム(0.0062mol)の混合物を50℃で一夜攪拌した。混合物を冷却し、水中に注ぎ、そして水層をDCMで抽出した。有機層を洗浄し、乾燥し、濾過分離しかつ蒸発させた(残渣1)。反応を、4−[5−(1,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)−2−ピリジニル]−1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.0144mol)および同一の手順を用いて再度開始して残渣(2)を生じた。残渣(1)および(2)を一緒にし、そしてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/(CHOH/NH)99.5/0.5)により精製した。純粋な画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をイソプロパノから結晶化して、0.5gの中間体(21)(m.p.157.4℃)を生じた。
【0136】
【化35】

【0137】
水中の臭化水素酸の溶液(48%)(250ml)中の中間体(21)(0.056mol)の混合物を5時間攪拌かつ還流した。混合物を蒸発させ、氷およびDCMを残渣に添加し、そして水層を濃NHOHでアルカリ化した。有機層を分離し、乾燥し、濾過し
そして溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、9gの中間体(22)を生じた。
【0138】
類似の方法で、中間体(23)を、4−[4−(1,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)フェニル]−1−ピペラジンカルボン酸エチルエステルから出発して製造した。
【0139】
【化36】

【0140】
実施例A.14
【0141】
【化37】

【0142】
鉱物油中水素化ナトリウムの分散系(60%)(0.011mol)を無水DMF(50ml)中で攪拌した。4−[4−(1,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)フェニル]−1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.01mol)を添加し、そしてその後余分のDMFを添加して攪拌を助長した。1−クロロ−1−(4−フルオロフェニル)エタン(0.015mol)を添加し、そして反応混合物を70℃で一夜加熱した。有機溶媒を蒸発させ、そして濃縮物を水中で攪拌し、DCMで抽出し、その後乾燥した。粗物質(crude)をフラッシュクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン 1/2)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、2.6gの中間体(26)(m.p.140〜141℃)を生じた。
【0143】
【化38】

【0144】
2−メトキシエタノール(20ml)中の中間体(24)(0.0056mol)および水酸化カリウム(0.011mol)の混合物を一夜攪拌かつ還流し、その後溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:エタノール)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、1.3gの中間体(25)(m.p.199〜201℃)を生じた。
実施例A.15
【0145】
【化39】

【0146】
DMF(200ml)中の1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.16mol)、3−クロロ−4−フルオロニトロベンゼン(0.14mol)および炭酸ナトリウム(0.2mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。混合物を濾過しそして濾液を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、4.18gの中間体(26)を生じた。
【0147】
【化40】

【0148】
メタノール(500ml)中の中間体(26)(0.13mol)およびトリエチルアミン(15g)の混合物を、メタノール中チオフェンの溶液(4%、3ml)の存在下に触媒として活性炭上パラジウム(10%、3g)を用いて50℃で一夜水素化した。水素(3等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をDIPE中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、27.3gの中間体(27)を生じた。
【0149】
【化41】

【0150】
流下の反応。スルホラン(50ml)中の中間体(27)(0.096mol)および[(ジメチルアミノ)メチレン]ヒドラジンカルボン酸エチル(0.29mol)の混合物を180℃で1時間攪拌し、その後冷却し、水中に注ぎ、1時間攪拌しかつデカンテーションした。残渣をDCMに溶解した。有機溶液を洗浄し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEおよび酢酸エチル中で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、17gの中間体(28)を生じた。
【0151】
【化42】

【0152】
DMF(50ml)中の中間体(28)(0.025mol)および2−ブロモプロパン(0.050mol)の混合物を室温で攪拌し、そして水酸化カリウム(80%)(0.050mol)を添加した。反応混合物を6時間攪拌かつ還流し、その後冷却した。混合物を水で希釈し、水をデカンテーション分離し、そして新鮮な水を添加した。混合物をDCM(4×100ml)で抽出し、そして抽出液を乾燥しかつ濃縮した。残余の油状物をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:EtOAc/ヘキサン 1/2)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をジエチルエーテルから結晶化し、そして生じる沈殿物を収集して、8.63gの中間体(29)(mp.:108〜110℃)を生じた。
【0153】
【化43】

【0154】
臭化水素酸(48%)(40ml)中の中間体(29)(0.01mol)および亜硫酸水素ナトリウム(0.009mol)の混合物を5時間攪拌かつ還流した。その後、反応混合物を冷却し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、そしてNHOHで中和した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しそして溶媒を蒸発させた。残渣を酢酸エチルから結晶化し、その後、生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、4.3gの中間体(30)(m.p.152〜153℃)を生じた。
【0155】
類似の方法で、中間体(31)を、1,2−ジフルオロ−4−ニトロベンゼンおよびN−ピペラジンカルボン酸エチルから出発して製造した。
【0156】
【化44】

【0157】
実施例A.16
【0158】
【化45】

【0159】
クロロギ酸フェニル(0.33mol)を、DMA(300ml)中の4−[1−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]ベンゼンアミン(0.3mol)の混合物に一滴ずつ添加し、そして反応混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を水中に注ぎ、その後、生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、118gの中間体(32)(m.p.160.6℃)を生じた。
【0160】
【化46】

【0161】
1,4−ジオキサン(300ml)中の中間体(32)(0.15mol)およびヒドラジン水和物(1:1)(0.62mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。水を添加し
、沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、35gの中間体(33)を生じた。
【0162】
【化47】

【0163】
1−ブタノール(300ml)中の中間体(33)(0.107mol)およびメタンイミダミド一酢酸塩(0.55mol)の混合物を4時間攪拌かつ還流した。混合物を冷却しそして生成物を結晶化させた。沈殿物を濾過分離し、フィルター上で酢酸エチルで洗浄しかつ乾燥して、23.5gの中間体(34)を生じた。
【0164】
【化48】

【0165】
DMF(250ml)中の中間体(34)(0.178mol)、2−ブロモブタン(0.36mol)および水酸化ナトリウム(0.36mol)の混合物を窒素流下80℃で一夜攪拌した。水酸化ナトリウム(3g)および2−ブロモブタン(10g)を添加した。混合物を100℃で2時間攪拌し、その後冷却しかつ水中に注いだ。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥した。残渣を2−プロパノールから結晶化して、40gの中間体(35)を生じた。
【0166】
【化49】

【0167】
メタノール(250ml)中の中間体(35)(0.03mol)の混合物を、大気条件下に触媒として活性炭上パラジウム(10%)(3g)を用いて水素化した。水素(1等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をメタノールに溶解し、そしてHCl/2−プロパノールで塩酸塩(1:1)に転化した。溶媒を蒸発させた。固形物残渣を2−プロパノン中で攪拌し、濾過分離しかつ乾燥して、11.5gの中間体(36)を生じた。
【0168】
類似の方法で、中間体(37)を4−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]ベンゼンアミンから出発して製造した。
【0169】
【化50】

【0170】
実施例A.17
【0171】
【化51】

【0172】
DMF(35ml)中の1−(フェニルメチル)ピペラジン(0.32mol)、4−フルオロ−2−メチルニトロベンゼン(0.32mol)および炭酸ナトリウム(1.27mol)の混合物を60℃に加熱し、そしてその後一夜攪拌した。反応混合物を水中に注いだ。生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、78.64gの中間体(38)を生じた。
【0173】
【化52】

【0174】
エタノール(250ml)中の中間体(38)(0.08mol)の混合物を、エタノール中チオフェンの溶液(0.6ml)の存在下に触媒として炭上パラジウム(5%、0.8g)を用いて、水素(50bar=5.0M.Pa)で40℃で90分間水素化した。水素(3等量)の取り込み後に反応混合物をディカライトで濾過し、そして濾液を蒸発させた。残渣をDCM下で摩砕し、そしてその後、生じる沈殿物を濾過分離して、20gの中間体(39)を生じた。
【0175】
【化53】

【0176】
クロロ炭酸(carbonochloridic acid)フェニルエステル(0.048mol)を、DCM(40ml)中の中間体(39)(0.048mol)および炭酸ナトリウム(0.068mol)の懸濁液に5℃より下で一滴ずつ添加し、そして反応混合物を、3と5℃との間の範囲にわたる温度で3時間攪拌した。水(60ml)を添加し、そして層を分離した。生成物をDCM(2×140ml)で抽出した。有機層を合わせ、水(125ml)で洗浄し、乾燥しかつ蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン 1/2)により精製した。2個の生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させて、4.42gの中間体(40)(m.p.:106〜108℃)を生じた。
【0177】
【化54】

【0178】
1,4−ジオキサン(200ml)中の中間体(40)(0.042mol)、N−(2,2−ジメトキシエチル)−2−プロパンアミン(0.063mol)、トリエチルアミン(0.042mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.042mol)の混合物を2時間攪拌かつ還流した。反応混合物を一夜静置させた。水(200ml)を添加し、そして混合物を1時間攪拌し、次いでDCM(3×100ml)で抽出した。有機層を合わせ、水(200ml)で洗浄し、乾燥しかつ蒸留分離した。ギ酸(25ml)を添加し、そして生じる混合物を2時間攪拌かつ還流し、その後蒸留分離しかつ水性NaHCO溶液(300ml)からDCM(3×80ml)で抽出した。抽出物を合わせ、乾燥しかつ蒸留分離した。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)により精製した。2個の生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、7.97gの中間体(41)(m.p.135〜137℃)を生じた。
【0179】
【化55】

【0180】
酢酸(40ml)中の中間体(41)(0.0072mol)の混合物を、触媒として炭上パラジウム(10%、0.4g)を用いて10Bar(1.0M.Pa)で6時間水素化した。水素の取り込み後に反応混合物をセライトで濾過した。セライトの流路(path)をエタノールで洗浄し、そして濾液を蒸発させた。残渣をNaOH(2N、70ml)からDCM(2×75ml)で抽出した。その後、抽出液を合わせ、乾燥しかつ蒸発させた。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。2個の生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。双方の画分を完全に脱ベンジル化(しかし部分的にのみ還元)しかつ合わせて残渣(I)を生じた。残渣(I)を2回目の同一の反応手順にかけて、0.81gの中間体(42)を生じた。実施例A.18
【0181】
【化56】

【0182】
無水ジクロロメタン(10ml)中のクロロギ酸1−クロロエチル(0.017mol)の混合物を、無水DCM(50ml)中の中間体(41)(0.013mol)の攪拌する溶液に0℃で一滴ずつ添加した。反応混合物を24時間攪拌しかつ蒸留分離した。メタノール(75ml)を残渣に添加し、そして混合物を1時間攪拌かつ還流した。混合物を蒸留分離し、ジエチルエーテル(80ml)を添加し、そして粉末状の固形物を濾過分離して、4.53gの中間体(43)(mp.:232〜234℃)を生じた。
実施例A.19
【0183】
【化57】

【0184】
2−[(ジメチルアミノ)メチレン]ヒドラジンカルボン酸メチルを、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン(15ml)中の中間体(39)(0.025mol)の攪拌する溶液に160℃で添加した。反応混合物を1時間にわたり160℃に保った(若干のCHOHが蒸留分離された)。2−[(ジメチルアミノ)メチレン]−ヒドラジンカルボキシレート(適量)の残りを添加し、そして混合物を160℃に保った。生じる混合物を室温に冷却し、そして水(100ml)からジエチルエーテル(3×150ml)で抽出した。ジエチルエーテル層を蒸発乾固し、そして残渣を濾過分離し、その後エーテル(2×50ml)で洗浄して、3.56gの中間体(44)(m.p.124.5〜126.5℃)を生じた。
【0185】
【化58】

【0186】
DMF(25ml)中の中間体(44)(0.010mol)、2−ブロモプロパン(0.020mol)および水酸化カリウム(0.012mol)の混合物を室温で42時間攪拌し、そしてその後水(200ml)を添加した。生じる固形物を濾過分離しかつ水(3×60ml)で洗浄して、3.39gの中間体(45)(m.p.145.5〜146.5℃)を生じた。
【0187】
【化59】

【0188】
ジクロロメタン(10ml)中のクロロギ酸1−クロロエチル(0.011mol)の混合物を、DCM(30ml、無水)中の中間体(45)(0.0082mol)の攪拌する溶液に0℃で一滴ずつ添加し、その後反応混合物を0℃で2時間攪拌し、そして蒸留分離した。メタノール(50ml)を添加し、そして生じる混合物を1時間攪拌かつ還流した。混合物を蒸留分離しかつエーテルとともに粉砕した。残渣をメタノール(50ml)に溶解し、そして溶液を飽和NaHCO溶液からDCM(3×100ml)で抽出した。抽出液を合わせ、乾燥しかつ蒸留分離した。残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 9/1)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、1.6gの中間体(46)(m.p.140〜142℃)を生じた。
実施例A.20
【0189】
【化60】

【0190】
1,4−ジオキサン(360ml)中の中間体(74)(0.073mol)、N−(2,2−ジメトキシエチル)−2−プロパンアミン(0.116mol)、N,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.073mol)およびトリエチルアミン(0.073mol)の混合物を2時間攪拌かつ還流した。反応混合物を室温に冷却した。水(360ml)を添加した。混合物を15分間攪拌し、そしてDCM(3×200ml)で抽出した。有機抽出液を合わせ、乾燥しかつ蒸発させた。残渣をギ酸(290ml)中で2時間攪拌かつ還流し、その後混合物を冷却しかつ溶媒を蒸留分離して、67gの生成物を生じた。生じる残渣をDCMに溶解し、飽和NaHCO溶液で洗浄し、乾燥しかつ蒸発させた。この残渣をNaHCOで洗浄しかつフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して、中間体(47)を生じた。
【0191】
【化61】

【0192】
無水DCM(3ml)中のクロロギ酸1−クロロエチル(0.00346mol)の混合物を、無水DCM(10ml)中の中間体(47)(0.00266mol)の攪拌する溶液に0℃で一滴ずつ添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌した。溶媒を蒸留分離し、そして残渣をメタノール(20ml)に溶解した。溶液を1時間攪拌かつ還流し、その後混合物を室温に冷却しかつ溶媒を蒸発分離した。残渣をジエチルエーテル(20ml)下で摩砕し、そして生じる生成物を収集して、0.55gの中間体(48)(m.p.196〜198℃)を生じた。
実施例A.21
【0193】
【化62】

【0194】
酢酸(200ml)中の中間体(47)(0.053mol)の混合物を、触媒として炭上パラジウム(10%、2g)を用いて水素(2bar=0.2M.Pa)下30℃で6時間水素化し、その後、反応混合物を水素下30℃で別の7時間加熱し、そして室温で一夜攪拌した。水素(2等量)の取り込み後に混合物をセライトで濾過しかつ蒸留分離した。残渣をNaOH(2N、200ml)からDCM(2×250ml)で抽出し、その後抽出液を合わせ、乾燥かつ蒸発させて、14.4gの中間体(49)(m.p.159〜161℃)を生じた。
実施例A.22
【0195】
【化63】

【0196】
DMF(250ml)中の4−[4−(1,5−ジヒドロ−3−メチル−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)フェニル]−1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.0078mol)、2−ブロモプロパン(0.023mol)および炭酸ナトリウム(0.023mol)の混合物を80℃で一夜攪拌した。水酸化カリウム(1.4g)を添加した。混合物を5分間攪拌した。2−ブロモプロパン(0.023mol)を再度添加した。混合物を80℃で一夜攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、水で洗浄し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させた。水酸化カリウム(1.4g)、2−ブロモプロパン(3g)およびDMF(250ml)を残渣に添加した。混合物を80℃で5時間攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、洗浄し、乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、2.1gの中間体(50)を生じた。
【0197】
【化64】

【0198】
2−プロパノール(50ml)中の中間体(50)(0.0053mol)および水酸化カリウム(3g)の混合物を一夜攪拌かつ還流し、室温で週末にわたり攪拌し、そしてその後一夜攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、洗浄し、乾燥し、濾過しそして溶媒を蒸発させて、1.6gの中間体(51)を生じた。
実施例A.23
【0199】
【化65】

【0200】
DMF(100ml)中の4−[4−(1,5−ジヒドロ−5−オキソ−4H−1,2,4−トリアゾル−4−イル)フェニル]−1−ピペラジンカルボン酸エチルエステル(0.016mol)、硫酸ジメチル(0.02mol)および水酸化カリウム(0.02mol)の混合物を室温で2時間攪拌した。混合物を濾過分離し、濾液を水(400ml)中に注ぎ、結晶化させ、そして10分間攪拌した。沈殿物を濾過分離し、DCMに溶解し、そしてシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。純粋な画分を収集しかつ蒸発させた。残渣を酢酸エチルから結晶化して、2.5gの中間体(52)(mp.169.7℃)を生じた。
【0201】
【化66】

【0202】
水中臭化水素の混合物(48%)(250ml)中の中間体(52)(0.076mol)の混合物を5時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させた。氷およびDCMを添加した。混合物を濃NHOH溶液で塩基性化し、そしてその層に分離した。有機層を乾燥し、濾過し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEから結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、18gの中間体(53)を生じた。
実施例A.24
【0203】
【化67】

【0204】
(+)−(R)−α−メチルベンゼンメタンアミン(0.1mol)をTHF(200ml)中室温で攪拌し、その後2−メトキシ−2−メチルプロパン中のジメトキシアセトアルデヒド0.2mol、45%、次いでチタン(IV)イソプロポキシド(0.11mol)を添加した。混合物を室温で2時間反応させ、そしてメタノール(80ml)を添加し、その後テトラヒドロホウ酸ナトリウム(0.2mol)を一部分ずつ添加し、そして反応混合物を室温で2時間攪拌した。水(80ml)を添加し、そしてその後、生じる沈殿物をディカライトで濾過分離しかつTHFで3回洗浄した。THFおよびメタノールが除去されるまで濾液を蒸発させ、そして残渣をDCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しそして溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 100/0、98/2)により精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させて、17gの中間体(54)を生じた。
実施例A.25
【0205】
【化68】

【0206】
Mp−トリアセトキシホウ水素化物樹脂(製品コード800414を伴うArgonaut(New Road,Hengoed,Mid Glamorgan CF82 8AU,United Kingdom)から得られるポリスチレン結合した−CH−NEt−BH(Oac)樹脂)(0.500g)を、THF(5ml)中の(R)−α−メチル−4−(トリフルオロメチル)ベンゼンメタンアミン(0.00082)およびジメトキシアセトアルデヒド(0.0010mol)の溶液に添加し、そして反応混合物を100℃で30分間振とうし、その後混合物を室温に冷却しかつ室温で24時間振とうした。余分のジメトキシアセトアルデヒド(0.0010mol)および余分のArgonaut 800414トリアセトキシホウ水素化物樹脂(0.250g)を添加し、そして生じる混合物を室温で24時間振とうした。2−(4−トルエンスルホニルヒドラジノ)エチル官能性化シリカゲル(Aldrichコード55,259−3でSigma−Aldrich Corporationから得られる)(0.200g、1mmo
l/g)を添加し、そしてその後、Novabiochem 01−64−0182 4−ベンジルオキシベンズアルデヒドポリスチレン樹脂(0.300g)を添加した。反応混合物を24時間振とうし、そして余分のNovabiochem 01−64−0182樹脂(0.300g)を添加した。混合物を24時間振とうし、濾過し、DCM(5ml)で洗浄しそして濾液を蒸発させて、0.181gの中間体(55)を生じた。
実施例A.26
【0207】
【化69】

【0208】
(R)−(ヒドロキシ)(フェニル)酢酸エチル(0.139mol)、1,2−ルチジン(21g)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(1g)の混合物をDCM(200ml)中で攪拌し、そして混合物を氷浴中で冷却し、その後DCM(50ml)中の塩化4−クロロベンゼンスルホニル(0.153mol)の混合物を一滴ずつ添加し、そして反応混合物を室温で一夜攪拌した。トリエチルアミン(適量)を添加し(発熱反応)、そして混合物を室温で2時間攪拌した。生じる混合物を希HClで洗浄し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を、少量のDIPEを用いてヘキサンからさらに結晶化させ、そして生じる沈殿物を収集して、20.1gの中間体(56)(mp.46.3〜48.8℃)を生じた。
実施例A.27
【0209】
【化70】

【0210】
塩化チオニル(1mol)を、ジヒドロ−3−フェニル−2(3H)−フラノン(0.4mol)および塩化亜鉛(5g)の混合物に添加し、そしてその後、反応混合物を一夜攪拌かつ還流した。重合した生成物をCHClに溶解し、そして溶媒を蒸発させた。残渣を蒸留しかつ生成物を収集して、7gの塩化4−クロロ−2−フェニル−ブチリルを生じた。得られた塩化4−クロロ−2−フェニル−ブチリルを、DCM(500ml)中のジプロピルアミン(1mol)の溶液に10℃より下の温度で一滴ずつ添加し、そして反応混合物を一夜攪拌した。混合物を水で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させて、75gの中間体(57)を生じた。
実施例A.28
【0211】
【化71】

【0212】
トリエチルアミン(0.040mol)および塩化クロロフェニルアセチル(0.0333mol)を、THF(50ml)中の2−アミノ安息香酸エチルエステル(0.0333mol)の混合物に攪拌下に一滴ずつ添加し、そして反応混合物を15分間攪拌し、その後有機溶媒を除去しかつ残渣をCHCl/HO(25/50)に溶解した。有機層を分離し、そして水層をDCM(25ml)で抽出した。有機層を合わせ、乾燥し、濾過しかつ溶媒を除去して、10.5gの中間体(58)(m.p.55〜59.5℃)を生じた。
実施例A.29
【0213】
【化72】

【0214】
無水DMF(25ml)中の1−(4−ニトロフェニル)ピペラジン(0.024mol)、α−ブロモベンゼン酢酸エチルエステル(0.024mol)および炭酸ナトリウム(0.036mol)の混合物を室温で一夜攪拌し、そしてその後有機溶媒(DMF)を蒸発させた。残渣を水中で攪拌しかつDCMで抽出した。有機層を分離かつ乾燥し、その後溶媒を蒸発させ、そして残渣をヘキサン中で攪拌した。最後に、所望の生成物を収集して、中間体(59)(m.p.101〜104℃)を生じた。
【0215】
【化73】

【0216】
シクロヘキサン(5ml)およびエタノール(25ml)中の中間体(59)(0.01mol)の混合物を、触媒として炭上パラジウム(10%、0.12g)を用いて36時間水素化した。水素(3等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をフラッシュカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン 1/4、1/1)により精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、中間体(60)を生じた。
実施例A.30
【0217】
【化74】

【0218】
中間体(60)(0.088mol)を、キラルな高速液体クロマトグラフィー(Pr
ochrom D.A.C.カラム;500gのChiralcel OJ 20μm;溶離液:エタノール(アイソクラチック))により分離かつ精製した。2個の生成物の画分を収集し、そして溶媒の蒸発後に、HCl/2−プロパノールを用いてそれらの塩酸付加塩(1:2)に転化して、その塩酸塩として単離される13.7gの中間体(61)(mp.214.5〜214.6℃;[α]20=−54.58°(c=DMF中10.26mg/5ml)、およびその塩酸塩として単離される11.7gの中間体(62)(mp.222〜222.1℃;[α]20=+54.90°(c=DMF中10.11mg/5ml)を生じた。
【0219】
【化75】

【0220】
クロロギ酸4−ニトロフェニルをDCM(100ml)中で攪拌し、そして混合物を氷塩浴上で冷却した。その後、中間体(61)、次いで飽和炭酸水素ナトリウム溶液(100ml)を添加した。反応混合物を1時間攪拌かつ冷却し、その後室温で1時間攪拌した。有機層を分離し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をエーテル/DIPE(50/50)下で摩砕し、濾過分離しかつ所望の生成物を収集して、1.76gの中間体(63)を生じた。
【0221】
類似の方法で、中間体(64)を中間体(62)から出発して製造した。
【0222】
【化76】

【0223】
実施例A.31
【0224】
【化77】

【0225】
ジオキサン中の中間体(40)(0.029mol)、(R)−N−(2,2−ジメトキシエチル)−ベンゼンメタンアミン(0.029mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.029mol)の混合物を24時間攪拌かつ還流し、その後反応混合物を冷却し、水中に注ぎかつDCMで抽出した。抽出液を水で洗浄しそして溶媒を蒸発させた。油状残渣をトリフルオロ酢酸およびメタノールの(1:1)混合物で処理しそして60℃で4時間加熱し、その後、生じる混合物を冷却しそして濾過した。残渣をDCMに溶解し、水および炭酸ナトリウムで洗浄しかつ乾燥して、中間体(65)を生じた。
【0226】
【化78】

【0227】
無水DCM中の中間体(65)(0.015mol)の溶液を0℃で攪拌し、そしてDCM中のクロロギ酸1−クロロエチル(0.0195mol)の混合物を一滴ずつ添加し、その後、反応混合物を0℃で1時間攪拌しそして溶媒を蒸発させた。残渣をメタノール(140ml)に溶解し、そして生じる溶液を還流温度で1時間加熱した。混合物を室温に冷却しかつ乾固まで蒸発させ、その後、残渣をエーテルとともに摩砕し、そして所望の生成物を収集して、中間体(66)を生じた。
実施例A.32
【0228】
【化79】

【0229】
クロロギ酸フェニル(0.33mol)を、DMA(500ml)中の4−[1−(フェニルメチル)−4−ピペリジニル]−ベンゼンアミン(0.33mol)の氷上の冷却した混合物に一滴ずつ添加し、そして混合物を1時間攪拌した。混合物を水中に注ぎ、沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、128gの中間体(67)を生じた。
【0230】
【化80】

【0231】
1,4−ジオキサン(1l)中の中間体(67)(0.33mol)およびヒドラジン一水和物(1.6mol)の混合物を室温で48時間、およびその後60℃で一夜攪拌した。混合物を水中に注いだ。沈殿物を濾過分離しかつ1−ブタノールから結晶化して、61gの中間体(68)を生じた。
【0232】
【化81】

【0233】
1−ブタノール(250ml)中の中間体(68)(0.12mol)およびメタンイミドアミド一酢酸塩(0.5mol)の混合物を48時間攪拌かつ還流した。混合物を冷却し、DIPEを添加しかつ結晶化させた。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥した。残渣をシ
リカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 98/2)により精製した。純粋な画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をDIPE中で摩砕して、18.7gの中間体(69)を生じた。
【0234】
【化82】

【0235】
中間体(69)(0.04mol)をDMF(200ml)中室温で攪拌し、そしてその後水素化ナトリウム(60%)(0.04mol)を添加し、そして混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を70℃で加熱し、そして30分後に1−(1−クロロエチル)−2−フルオロベンゼン(0.062mol)を添加した。反応混合物を70℃で20時間攪拌し、そしてその後水(500ml)およびDIPE(50ml)を添加した。生じる混合物を室温で1時間攪拌し、そして生成物を濾過分離し、その後シリカゲルでの液体クロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させて、13gの生成物を生じ、それをキラルなAD−カラムでの液体クロマトグラフィー(溶離液:CHOH/CHCN 65/35)によりその鏡像異性体に分離した。2個の生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。各残渣をDIPE下で摩砕し、そして所望の生成物を濾過分離して、5.1gの中間体(70)および5.1gの中間体(71)を生じた。
【0236】
【化83】

【0237】
メタノール(100ml)中の中間体(70)(0.011mol)の混合物を、触媒として炭上パラジウム(1g)を用いて室温で24時間水素化した。余分の水素および炭上パラジウム(10%)(触媒量)を添加し、そして混合物を24時間さらに水素化した。水素(1等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして濾液を蒸発させた。残渣をDIPE下に摩砕し、そして所望の生成物を濾過分離して、3.3gの中間体(72)を生じた。
【0238】
類似の方法で、中間体(73)を中間体(71)から出発して製造した。
【0239】
【化84】

【0240】
実施例A.33
【0241】
【化85】

【0242】
クロロギ酸フェニル(0.33mol)を、DMA(300ml)中の4−[4−(フェニルメチル)−1−ピペラジニル]ベンゼンアミド(0.3mol)の混合物に一滴ずつ添加し、そして反応混合物を室温で1時間攪拌した。混合物を水中に注ぎ、その後、生じる沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、118gの中間体(74)(mp.160.0℃)を生じた。
【0243】
【化86】

【0244】
1,4−ジオキサン(300ml)中の中間体(74)(0.15mol)およびヒドラジン一水和物(0.62mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。水を添加し、沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、35gの中間体(75)を生じた。
【0245】
【化87】

【0246】
1−ブタノール(300ml)中の中間体(75)(0.107mol)およびメタンイミドアミド一酢酸塩(0.55mol)の混合物を4時間攪拌かつ還流した。混合物を冷却し、そして生成物を結晶化させた。沈殿物を濾過分離し、フィルター上で酢酸エチルで洗浄しかつ乾燥して、23.5gの中間体(76)を生じた。
【0247】
【化88】

【0248】
中間体(76)(0.30mol)および1−(1−クロロエチル)−2−フルオロベンゼン(0.38mol)を、DMF(500ml)中の水酸化カリウム(0.38mol)の溶液に添加し、そしてその後反応混合物を60℃で6時間攪拌し、そして冷却した。混合物を水中に注ぎ、そしてDCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥しかつビッキのフィルターで濾過した。濾液を蒸発させ、そして残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、3gの中間体(77)を生じた。
【0249】
【化89】

【0250】
DCM中の中間体(77)(0.06mol)の溶液を0℃で攪拌し、そしてその後DCM中のクロロギ酸1−クロロエチル(0.077mol)の混合物を一滴ずつ添加した。反応混合物を0℃で1時間攪拌し、そして余分のクロロギ酸1−クロロエチル(2ml)を添加した。混合物を一夜攪拌し、そして再度余分のクロロギ酸1−クロロエチル(2ml)を添加した。生じる混合物を室温で48時間攪拌しかつ濃縮し、その後生じる残渣をメタノール(540ml)に溶解した。溶液を1時間攪拌かつ還流し、その後室温に冷却しかつ蒸留した。残渣をエーテル下で摩砕しかつ所望の生成物を収集して、21gの中間体(78)(mp.190〜192℃)を生じた。
実施例A.34
【0251】
【化90】

【0252】
中間体(44)(0.039mol)および1−クロロ−1−フェニルエタン(0.049mol)をDMF(100ml)中の水酸化カリウム(2.7g)の溶液に添加し、そしてその後、反応混合物を60℃で一夜攪拌した。混合物を水中に注ぎかつ濾過した。生成物をDCMで抽出し、乾燥しかつビッキのフィルターで濾過した。濾過残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:ヘキサン/酢酸エチル 90/10→60/40)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、7.5gの中間体(79)(mp.80〜82℃)を生じた。
【0253】
【化91】

【0254】
DCM中のクロロギ酸1−クロロエチル(0.022mol)の混合物をDCM中の中間体(79)(0.017mol)の混合物に0℃で一滴ずつ添加し、そしてその後反応混合物を0℃で1時間攪拌した。溶媒を蒸留分離し、そして得られた生成物をメタノール(150ml)に溶解した。溶液を1時間攪拌かつ還流し、その後室温に冷却しかつ蒸留分離した。乾燥残渣をエーテル中で攪拌し、濾過分離しかつ乾燥して、中間体(80)を生じた。
実施例A.35
【0255】
【化92】

【0256】
臭化水素酸(100ml)中のα−フェニル−4−ピペリジンアセトニトリル一塩酸塩(0.038mol)の混合物を5時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させた。2−プロパノールを残渣に2回添加し、そして溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノールおよびDIPEとともに摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、その臭化水素酸塩として単離される8.6gの中間体(81)を生じた。
【0257】
【化93】

【0258】
ジオキサン(150ml)を水(100ml)中の中間体(81)(0.028mol)および炭酸ナトリウム(0.06mol)の溶液に添加した。混合物を氷上で冷却した。クロロギ酸9−フルオレニルメチル(0.03mol)を添加した。混合物を室温にもたらし、そしてその後2時間攪拌した。水(500ml)を添加した。混合物をDIPE(200ml)で3回抽出した。水層を1N HClで酸性化しかつDCMで抽出した。合わせた有機層を乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPEとともに摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ風乾して、5.2gの中間体(82)を生じた。
実施例A.36
【0259】
【化94】

【0260】
エタノール(無水、50ml)中の1−(4−ニトロフェニル)−α−フェニル−4−ピペリジン酢酸(0.01469mol)および濃硫酸(触媒量)の混合物を還流温度で45時間加熱し、そして反応混合物を冷まさせた。生じる沈殿物を収集しかつクロロホルムに溶解し、それに水性NaHCO溶液を添加した。有機層を分離し、乾燥し、濾過分離しかつ溶媒を蒸発させた。残余の油状物をヘキサン下で摩砕して、1.92gの中間体(83)(mp.93〜97℃)を生じた。
【0261】
【化95】

【0262】
メタノール(400ml)中の中間体(83)(0.1mol)の混合物を、触媒として炭上パラジウム(10%、0.6g)を用いて50℃で18時間水素化した。水素(3等量)の取り込み後に触媒をセライトで濾過し、そしてセライトの流路をメタノール(50ml)で洗浄した。濾液を蒸発させ、そしてその後トルエン(15ml)とともに共蒸発させた。残渣は室温で2日後に固化して、中間体(84)(m.p.20.5〜21.5℃)を生じた。
実施例A.37
【0263】
【化96】

【0264】
DMF(220ml)中の4−(4−ニトロフェニル)−ピペリジン(0.1455mol)、α−ブロモベンゼン酢酸エチルエステル(0.1455mol)およびNaCO(15.4g)の混合物を一夜攪拌し、その後、反応混合物を冷水(500ml)中に注ぎ、そしてエーテルで3回抽出した。有機層を合わせ、塩水で洗浄し、乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残余の油状物をエタノール下で摩砕し、そして懸濁液を5℃で一夜静置させた。生じる固形物を濾過分離しかつ乾燥して、31gの中間体(72−a)を生じた。濾液を蒸発させ、そして残余の油状物をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル/ヘキサン 50:50)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させた。油状残渣を室温で固化させ、そして少量のエタノール下で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、追加の9gの中間体(85)(mp.102〜104℃)を生じた。
【0265】
【化97】

【0266】
THF(無水、300ml)中の中間体(85)(0.0841mol)の混合物を、触媒として炭上パラジウム(10%、3g)を用いてオートクレーブ中40barで水素化した。水素(3等量)の取り込み後に反応混合物を濾過し、そして固形物をTHF(300ml)で洗浄した。濾液の溶媒を蒸発させ、そして粗残渣をエーテル(300ml)中で攪拌し、その後濾過分離しかつエーテル(100ml)で洗浄した。所望の生成物を収集しかつ乾燥して、22gの中間体(86)(m.p.132〜135℃)を生じた。実施例A.38
【0267】
【化98】

【0268】
DCM(15ml)中の中間体(84)(0.0030mol)および炭酸カリウム(0.580g)の懸濁液を攪拌しかつ冷却し、その後クロロギ酸フェニル(0.0030mol)を一滴ずつ添加し、そして反応混合物を一夜攪拌した。有機層を分離しかつ水(3×10ml)で洗浄し、その後乾燥しかつ濃縮した。1.22gの中間体(87)を生じた。
【0269】
類似の方法で、中間体(88)を中間体(86)から出発して製造した。
【0270】
【化99】

【0271】
実施例A.39
【0272】
【化100】

【0273】
DMF(100ml)中の4−ピペリジン酢酸メチルエステル塩酸塩(0.019mol)、1−フルオロ−4−ニトロベンゼン(0.022mol)および炭酸ナトリウム(0.044mol)の混合物を室温で20時間攪拌し、その後水およびDIPEを添加し、そして反応混合物を1時間攪拌した。生成物を濾過分離し、水およびDIPEで洗浄しそして最後に乾燥して、2.1gの中間体(89)を生じた。
【0274】
【化101】

【0275】
THF(50ml)中の中間体(89)(0.0075mol)の混合物を、チオフェン溶液(0.5ml)の存在下に触媒として炭上パラジウム(0.5g)を用いて室温で水素化した。水素(3等量)の取り込み後に触媒を濾過分離し、そして2−プロパノール/HCl(3ml)を濾液に添加した。エタノールおよびDCMを添加し、そして生じる溶液を蒸発させた。残渣をエタノール/DIPE(50/50)下で摩砕し、その後所望の生成物を濾過分離しかつ乾燥して、その塩酸塩として単離される1.8gの中間体(90)を生じた。
【0276】
【化102】

【0277】
クロロギ酸フェニル(0.006mol)をDCM(100ml)中室温で攪拌し、そして中間体(90)(0.0056mol)、次いで炭酸水素ナトリウム(50ml)を添加した。反応混合物を4時間攪拌しかつ層を分離し、その後有機層を乾燥しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE下で摩砕し、そして所望の生成物を濾過分離して、2.06gの中間体(91)を生じた。
【0278】
【化103】

【0279】
中間体(91)(0.00027mol)、(±)−N−(2,2−ジメトキシエチル)−α−メチル−ベンゼンメタンアミン(0.0005mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.00027mol)の混合物を96℃で週末にわたり振とうかつ加熱し、そして溶媒を窒素流下に蒸発させた。DCM(5ml)、次いでNovabiochem 01−64−0169イソシアン酸メチルポリスチレン樹脂(0.200g)を添加し、そして反応混合物を4時間振とうし、濾過しかつ溶媒を蒸発させて、中間体(92)を生じた。
実施例A.40
【0280】
【化104】

【0281】
塩酸(36%、50ml)中の化合物(36)(0.02mol)の混合物を4時間攪拌かつ還流し、そしてその後室温で一夜攪拌した。沈殿物を濾過分離した。残渣をDIPE中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、その塩酸塩として単離される5.5gの中間体(93)を生じた。
【0282】
類似の方法で、中間体(94)から中間体(129)を、それらの塩酸塩の形態で製造した。
【0283】
【表1】

【0284】
【表2】

【0285】
【表3】

【0286】
実施例A.41
【0287】
【化105】

【0288】
DCM(70ml)中の2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エトキシメチルポリスチレンNovabiochem 01−64−0169樹脂(0.00244mol)、2,3−ジヒドロ−1H−インデン−5−アミン(0.0116mol)およびチタン(V)イソプロポキシド(0.0116mol)の混合物を室温で1時間振とうし、その後NaBH(OAc)(0.0116mol)を添加し、そして反応混合物を室温で週末にわたり振とうした。混合物を濾過し、そして生成物を3×[メタノールで3回およびDCMで3回]洗浄して、中間体(130)を生じた。
実施例A.42
【0289】
【化106】

【0290】
塩化チオニル(0.0027mol)を、DCM(1ml)中の中間体(130)(0.000175mol)の混合物に添加し、そして生じる混合物を還流温度にもたらし、その後混合物を50℃で窒素で乾燥した。余分のDCM(2×1ml)を添加し、そして混合物を再度乾燥し、そして生じる残渣をDCM(1ml)に溶解し、そしてDCM(1ml)中の中間体(82)(0.000039mol)および2,6−ルチジン(0.00035mol)の混合物に添加した。反応混合物を室温で20時間振とうしそして濾過した。残渣を3×[DCMで3回およびメタノールで3回]ならびに再度DCMで3回、その後DMFで1回洗浄した。DMF(4ml)中のピペリジンの20%混合物を添加し、そして混合物を2.5時間振とうし、その後、生成物を濾過分離しかつ3×[DCMで3回およびメタノールで3回]洗浄して、中間体(131)を生じた。
【0291】
類似の方法で、中間体(130)を1−[(9H−フルオレン−9−イルメトキシ)カルボニル]−4−ピペリジン酢酸若しくは1−(9H−フルオレン−9−イルメチル)1,4−ピペリジンジカルボン酸エステルと反応させることにより、中間体(132)および中間体(133)を製造した。
【0292】
【化107】

【0293】
実施例A.43
【0294】
【化108】

【0295】
無水DCM(1ml)中の2−ブロモ−1,1−ジエトキシエタン(0.0012mol)の混合物を、無水DCM(2ml)中の(±)−1−グリセロールポリスチレンNovabiochem 01−64−0408樹脂(0.00012mol)の混合物に添加し、その後、無水DCM(1ml)中のDL−10−カンファースルホン酸(0.00012mol)の混合物を添加し、そして反応混合物を室温で20時間振とうした。所望の生成物を濾過分離し、2×[DCMで3回およびDMFで3回]、ならびに最後にDCMで再度6回洗浄して、中間体(134)を生じた。
【0296】
【化109】

【0297】
1−メチル−2−ピロリジノン(1ml)中の4−フルオロ−α−メチル−ベンゼンメタンアミン(0.0012mol)の混合物を1−メチル−2−ピロリジノン(3ml)中の中間体(134)(0.00012mol)の混合物に添加し、そして反応混合物を80℃で20時間加熱し、その後反応混合物を冷却しかつ濾過した。所望の生成物を収集
しかつ2×[DCMで3回およびDMFで3回]、ならびに最後にDCMで6回洗浄して、中間体(135)を生じた。
【0298】
類似の方法で、中間体(136)および中間体(137)を製造した。
【0299】
【化110】

【0300】
実施例A.44
【0301】
【化111】

【0302】
Novabiochem 01−64−0425 N−ヒドロキシベンゾトリアゾール−6−カルボキサミドメチルポリスチレン樹脂(0.1g)をDCMで洗浄し、DCM(2ml)を添加して混合物(I)を生じた。DCM(1ml)、その後1,3−ジイソプロピルカルボジイミド(0.00005mol)を、DMF(1ml)およびDCM(1ml)中の中間体(93)(0.0004mol)、ルチジン(0.0008mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.00008mol)の溶液に添加して混合物(II)を生じた。混合物(I)および(II)を合わせ、そして室温で4時間攪拌した。反応混合物を濾過し、DCMで(3回)洗浄し、DMFで(3回)洗浄し、再度DCMで(3回)洗浄し、そしてその後乾燥(50℃)して、0.126gの中間体(138)を生じた。
実施例A.45
【0303】
【化112】

【0304】
DCM(20ml)中の2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エトキシメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0261)(0.00112mol)、ベンゼンメタンアミン(0.0056mol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.0056mol)の混合物を室温で2時間振とうした。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.0056mol)を添加し、そして反応混合物を室温で24時間振とうした。メタノール(2ml)を添加した。混合物をしばらく振とうし、濾過し、そして濾過残渣をDCMで3回、その後(DCM次いでメタノール)で3回、および再度DCMで3回洗浄した。反応を同時に4回行って、中間体(139)を生じた。
【0305】
【化113】

【0306】
1−(4−ニトロフェニル)−α−フェニル−4−ピペリジン酢酸(0.0056mol)を中間体(139)(0.00112mol)に添加した。DCM(15ml)およびDMF(5ml)中のPyBOP(R)(2.9g)の溶液を添加した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.0112mol)を添加し、そして反応混合物を室温で24時間振とうし、濾過し、そして濾過残渣をDMF(5×20ml)、その後CHCl/CHOH(50/50;20ml)で5回、CHCl/CHCOOH(95/5;20ml)で5回、DMF(20ml)で5回およびNMP(20ml)で3回洗浄した。反応を同時に4回行って、中間体(140)を生じた。
【0307】
【化114】

【0308】
1−メチル−2−ピロリジノン(20ml)中の中間体(140)(0.00112mol)および塩化スズ(II)二水和物(0.0224mol)の混合物を55℃で6日間振とうし、その後冷却し、濾過し、そして濾過残渣をDMF(3回)、DMF/DIPEA(90/10、2回)、DMF(3回)およびその後(DCM、次いでメタノール)で3回洗浄し、その後乾燥して、中間体(141)を生じた。
【0309】
【化115】

【0310】
NMP(8ml)中の[(ジメチルアミノ)メチレン]ヒドラジンカルボン酸エチルエステル(0.044mol)の溶液を中間体(141)(0.00112mol)に添加し、そして反応混合物を120℃で24時間振とうし、その後、混合物を冷却しかつ濾過した。濾過残渣をDMFで3回、DCMおよびメタノールで3回洗浄し、そしてその後乾燥して残渣(I)を生じた。
【0311】
NMP(8ml)中の[(ジメチルアミノ)メチレン]ヒドラジンカルボン酸エチルエステル(0.019mol)の溶液を中間体(102)(0.00112mol)に添加し、そして反応混合物を120℃で週末にわたり振とうし、その後混合物を冷却しかつ濾過した。濾過残渣をDMFで3回、(DCM、次いでメタノール)で3回洗浄し、そしてその後乾燥して残渣(II)を生じた。
【0312】
残渣(I)および残渣(II)を合わせ、そしてその後[(ジメチルアミノ)メチレン]ヒドラジンカルボン酸エチルエステル(0.038mol)およびNMP(15ml)を添加した。反応混合物を125℃で一夜加熱し、そして冷却した。混合物をDMFで3回、DCMおよびメタノールで3回洗浄し、その後3×[DMFで再度洗浄し、30分間振とうし、ならびにその後DCMおよびメタノールで洗浄し]、最後に所望の生成物を乾燥して、2.68gの中間体(142)を生じた。
実施例A.46
【0313】
【化116】

【0314】
ジクロロメタン(100ml)中の2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エトキシメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0261)(0.0056mol)、1−プロパンアミン(0.028mol)およびチタン(IV)イソプロポキシド(0.028mol)の混合物を室温で2時間振とうした。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.028mol)を添加し、そして反応混合物を室温で20時間振とうした。メタノール(30ml)を添加した。混合物を濾過し、そして濾過残渣をCHCl/CHOH 50/50(3回)、DMF(3回)、その後[DCM、次いでメタノール]で3回洗浄して;5.280gの中間体(143)を生じた。
【0315】
【化117】

【0316】
中間体(82)(0.0005mol)およびPyBOP(R)(2.6g)をDCM(20ml)に溶解した。この混合物を中間体(143)(0.00106mol)に添加した。N,N−ジイソプロピルエチルアミン(0.010mol)を添加し、そして反応混合物を室温で4時間振とうし、その後週末にわたり静置し、濾過し、そして濾過残渣をCHDCMCl(3回)、その後[DCM、次いでメタノール]で3回洗浄し、その後乾燥して、1.365gの中間体(144)を生じた。
【0317】
【化118】

【0318】
ピペリジンおよびDMF(20/80)(15ml)の混合物中の中間体(144)(0.00085mol)を室温で3時間振とうし、その後濾過し、そして濾過残渣をDMFで洗浄した。反応を再度行い(室温で一夜)、その後濾過し、そして濾過残渣をDMF(3回)、その後[(CH2Cl2、次いでCH3OH]で3回洗浄し、その後乾燥して、1.164gの中間体(145)を生じた。
【0319】
【化119】

【0320】
トルエン(3ml)中の中間体(145)(0.000054mol)および中間体(10)(0.001mol)の混合物を、アルゴンで5分間泡立たせて混合物(I)を生じた。トルエン(3ml)をアルゴンで5分間泡立たせ、そしてPd(ジベンジリデンアセトン)錯体(0.0000136mol)、BINAP(0.000054mol)および2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(0.0012mol)の混合物を添加した。混合物をアルゴンでもう5分間処理して混合物(II)を生じた。
【0321】
混合物(I)を混合物(II)と合わせ、そして全体を80℃で6時間振とうした。反応混合物を冷却し、濾過し、DMF(3回)、水(3回)、DMF(3回)、DCM(3回)、DCM/酢酸(96/4)(3回)およびその後[DCM、次いでメタノール]で3回洗浄し、その後乾燥して、0.111gの中間体(146)を生じた。
実施例A.47
【0322】
【化120】

【0323】
DCM(120ml)およびDMF(40ml)の混合物中の中間体(117)(0.020mol)、2,6−ジメチルピリジン(0.086mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.5g)の溶液を、N−ヒドロキシ−ベンゾトリアゾール−6−カルボキサミドメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0425)(0.0065mol)に添加し、その後、N,N’−メタンテトライルビス−2−プロパンアミン(0.0325mol)を添加し、そして反応混合物を室温で3時間振とうした。混合物を濾過し、DCMおよびDMFで洗浄し、その後DCMで2回、(DMFで3回、DCMで3回)で2回洗浄した。生成物を真空オーブン中50℃で一夜乾燥して、5.450gの反応生成物を生じた。前記反応生成物の一部(5.250g)を、中間体(117)、2,6−ジメチルピリジン、N,N−ジメチル−4−ピリジンアミン、ジクロロメタンおよびDMFならびにN,N’−メタンテトライルビス−2−プロパンアミンと再反応させ、そして、生じる混合物を3時間振とうしかつ濾過分離した。残渣をDCM、その後[DMFで3回およびDCMで3回]で2回洗浄した。生成物を50℃で一夜乾燥して、6.946gの中間体(147)を生じた。
実施例A.48
【0324】
【化121】

【0325】
5−アミノ−2−メチル−安息香酸エチルエステル塩酸塩(0.0035mol)を1−メチル−2−ピロリジノン(10ml)に溶解した。この溶液を、DCM(15ml)中の2−(3,5−ジメトキシ−4−ホルミルフェノキシ)エトキシメチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0261)(0.00072mol)の混合物に添加した。チタン(IV)イソプロポキシド(0.0035mol)を添加し、そして混合物を室温で2時間攪拌した。トリアセトキシホウ水素化ナトリウム(0.0035mol)を添加し、そして反応混合物を室温で72時間振とうした。反応混合物の水分を抜き、DCM(3回)、CHCl/DIPEA 90/10(3回)、メタノール(3回)、DCM(3回)、メタノール(3回)、その後DCM(3回)で洗浄して、中間体(148)を生じた(さらなる精製を伴わずに次の反応段階で使用した)。
【0326】
【化122】

【0327】
中間体(82)(0.000426mol)をDCM(5ml)に溶解した。塩化チオニル(0.0069mol)を添加した。混合物を加熱し、その後1時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させそして新鮮なDCM(5ml)を添加した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCM(2ml)に溶解した。この溶液をDCM(2ml)中の中間体(148)(0.000144mol)の溶液に添加した。N−エチル−N−(1−メチルエチル)−2−プロパンアミン(0.00085mol)を添加し、そして混合物を再度室温で20時間攪拌した。混合物の水分を抜き、[DCM(3回)、メタノール(3回)]で2回、その後DCM(3回)で洗浄した。DMF中のピペリジンの溶液(20%、(4ml)を添加し、そして混合物を室温で2時間攪拌した。反応の水分を抜き、[DCM(3回)、メタノール(3回)]で2回、その後DCM(3回)で洗浄し、その後穏やかな窒素流下に乾燥して、中間体(149)を生じた。
実施例A.49
【0328】
【化123】

【0329】
DCM(150ml)中の2−ブロモ−6−ヒドラジノピリジン(0.069mol)および1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(0.207mol)の混合物を室温で3時間攪拌し、その後氷浴上で冷却した。沈殿物を濾過分離し、2−プロパノール
で洗浄しかつ乾燥して、10gの中間体(150)を生じた。濾液を蒸発させ、そして残渣を2−プロパノール中で攪拌し、濾過分離しかつ乾燥して、追加の3gの中間体(150)を生じた。
【0330】
【化124】

【0331】
NaCO溶液(水中1M、25ml)およびTHF(35ml)中の中間体(150)(0.01mol)、4−(トリフルオロメチル)フェニルホウ酸(0.01mol)およびパラジウムテトラ(トリフェニルホスフィン)(0.00022mol)の混合物を一夜攪拌かつ還流(±65℃)した。溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解した。有機溶液を水で洗浄し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、1gの中間体(151)を生じた。
【0332】
【化125】

【0333】
1,2−ジメトキシエタン(15ml)中の中間体(151)(0.0015mol)、4−ブロモフェニルホウ酸(0.0030mol)、酢酸銅(0.00225mol)、およびTHF中のカリウムtert−ブトキシドの1M溶液(0.00225mol)の混合物を室温で一夜攪拌した。NHOH(2ml)を添加し、そして混合物を15分間攪拌した。水を添加し、そしてこの混合物をDCMで抽出した。有機層を分離し、水で洗浄し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE下で摩砕し、濾過分離し、その後2−プロパノールから結晶化し、濾過分離しかつグラスフィルター上のシリカゲルで精製した(溶離液:DCM)。所望の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノール下で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、0.125gの中間体(152)を生じた。
実施例A.50
【0334】
【化126】

【0335】
テトラヒドロチオフェンS,S−ジオキシド(50ml)中の4−[1,2,3,6−テトラヒドロ−1−(フェニルメチル)−4−ピリジニル]ベンゼンアミン(第WO−2
002/081460号明細書で中間体(47)として製造される)(0.085mol)および[(ジメチルアミノ)メチレン]ヒドラジンカルボン酸エチル(0.25mol)の混合物を、窒素流下150℃で90分間攪拌した。混合物を室温で一夜攪拌した。2−プロパノン(50ml)を添加し、そして反応混合物を1時間攪拌し、濾過しかつ乾燥して、17.4gの中間体(153)を生じた。
【0336】
【化127】

【0337】
DMF(200ml)中の中間体(153)(0.052mol)および水酸化カリウム(0.06mol)の混合物の混合物を20分間攪拌した。臭化イソプロピル(0.15mol)を添加し、そして反応混合物を60℃で一夜攪拌した。反応混合物を冷却しかつ蒸発させた。残渣をDCMに溶解しそして水で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しかつ蒸発させた。残渣を2−プロパノール中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、11.6gの中間体(154)を生じた。
【0338】
【化128】

【0339】
中間体(154)(0.13mol)をジクロロメタン(200ml)に懸濁し、そして氷浴上で冷却した。クロロギ酸1−クロロエチル(10g)を一滴ずつ添加した。反応混合物を室温で1時間攪拌し、10時間還流しそして再度室温で一夜攪拌した。反応混合物を蒸発させ、そして残渣をメタノール(200ml)に溶解し、1時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発により除去し、そして残渣を2−イソプロパノール中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、7.2gの中間体(155)を生じた。
実施例A.51
【0340】
【化129】

【0341】
濃HCl溶液(100ml)中の化合物(422)(0.0148mol)の混合物を6時間攪拌かつ還流し、そしてその後室温で一夜攪拌した。沈殿物を濾過分離し、水で洗浄しかつ乾燥して、その塩酸付加塩として単離される4.8gの中間体(156)を生じた。
【0342】
最終化合物の製造のため、例えば2−ブロモペンタン酸エチル、α−ブロモ−2−チオフェン酢酸エチルエステル、2−ブロモ−2−フェニル酢酸メチル、2−ブロモ−2−フェニル酢酸エチル、α−ブロモ−α−フェニル−ベンゼン酢酸エチルエステルのような技術既知の中間体もまた使用した。
【0343】
B.最終化合物の製造
実施例B.1
トルエン(50ml)中の中間体(18)(0.02mol)、中間体(2)(0.01mol)、Pd(dba)(0.05g)、[1,1’−ビナフタレン]−2,2’−ジイルビス[ジフェニルホスフィン(0.1g)およびKCO/CsCO(2g)の混合物をアルゴン流下110℃で2日間攪拌し、そしてその後濾過した。CsCO(4g)、Pd(dba)(0.05g)および[1,1’−ビナフタレン]−2,2’−ジイルビス[ジフェニルホスフィン(0.1g)を追加した。混合物を110℃で一夜攪拌し、その後水中に注ぎかつDCMで抽出した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。純粋な画分を収集し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE中で摩砕した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、1.05gの化合物(159)を生じた。
【0344】
実施例B.2
トリエチルアミン(3ml)およびDMF(100ml)中の中間体(57)(0.01mol)および中間体(12)(0.009mol)の混合物を60℃で6時間攪拌した。混合物を冷却し、水中に注ぎ、DCMで抽出しかつ水で洗浄した。有機層を乾燥し、濾過分離しかつ蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。純粋な画分を収集しかつ蒸発させた。残渣をアセトニトリルに溶解しそしてエタン二酸塩(1:1)に転化した。沈殿物を濾過分離した。残渣を2−プロパノールから結晶化した。残渣を2−プロパノールおよび数滴の水から再結晶し、そのエタン二酸塩(1:1)、(mp.165℃)として単離される0.7gの化合物(2)を生じた。
【0345】
実施例B.3
トリエチルアミン(0.1ml)およびDCM(5ml)中の中間体(93)(0.0002mol)およびPyBOP(R)(0.0004mol)の混合物を30分間攪拌し、その後エタンアミン塩酸塩(0.0004mol)を添加し、そして反応混合物を40℃で一夜攪拌した。水(2ml)を添加し、混合物を30分間攪拌し、そしてExtrelutTMを通して濾過した。濾液の残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製し、その後生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、0.056gの化合物(113)を生じた。
【0346】
実施例B.4
中間体(12)(0.0052mol)および炭酸ナトリウム(0.02mol)を窒素流下でDMF(120ml)に懸濁した。混合物を60℃に加熱した。DMF(20ml)中の臭化N−(ジヒドロ−3,3−ジフェニル−2(3H)−フラニリデン)−N−メチル−メタンアミニウム(0.0058mol)の混合物を添加した。混合物を90℃で3時間攪拌しかつ氷上に注いだ。沈殿物を濾過分離しかつ2−プロパノールに溶解した。混合物を活性炭と共に沸騰させ、そしてセライトで濾過した。水を添加した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥した。残渣を2−プロパノール/水の混合物から結晶化した。沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、2gの化合物(147)を生じた。
【0347】
実施例B.5
DMF(100ml)中のα−フェニルアクリル酸エチル(0.01mol)および中間体(12)(0.011mol)の混合物を週末にわたり攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。純粋な画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。残渣をDIPE中で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、3gの化合物(138)を生じた。
【0348】
実施例B.6
THF(50ml)およびメタノール(50ml)中のα−(2−オキソエチル)−ベンゼン酢酸メチルエステル(0.06mol)、中間体(12)(0.017mol)および酢酸カリウム(20g)の混合物を水素下で2日間攪拌した。混合物を濾過しそして濾液を蒸発させた。残渣をDCMに溶解し、そして炭酸ナトリウム溶液で洗浄した。有機層を分離し、乾燥し、濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノール中で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、3.5gの化合物(169)を生じた。
【0349】
実施例B.7
中間体(117)(0.00049mol)をトルエン(3ml)中で攪拌した。塩化チオニル(0.3g)を一滴ずつ添加し、そして混合物を60℃で3時間攪拌した。溶媒を蒸発させた。プロパノール(3ml)を添加し、そして反応混合物を3時間攪拌した。トリエチルアミン(0.2ml)を添加し、そして反応混合物を一夜攪拌した。溶媒を蒸発させた。残渣をシリカゲルでのカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)により精製した。所望の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、0.031gの化合物(38)を生じた。
【0350】
実施例B.8
ジオキサン(3ml)中の中間体(87)(0.0001mol)、N−(2,2−ジメトキシエチル)−α−メチルベンゼンメタンアミン(0.0002mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.0001mol)の混合物を95℃で48時間振とうし、そして、生じる混合物を窒素流で乾燥した。トリフルオロ酢酸(1ml)およびエタノール(1ml)を添加し、そして反応混合物を60℃で4時間加温し、その後混合物を50℃で窒素流で乾燥し、そして残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をDCM(5ml)に溶解し、そして飽和水性NaHCO溶液で洗浄した。混合物を、ExtrelutTMを通して濾過し、そして、分離された有機層からの蒸発後に、所望の生成物を乾燥して、0.018gの化合物(222)を生じた。
【0351】
実施例B.9
トルエン(4ml)中の中間体(88)(0.000087mol)、中間体(55)(0.0002mol)およびN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.0001mol)の混合物を100℃で48時間振とうし、そしてその後、Novabiochem
01−64−0169イソシアン酸メチルポリスチレン樹脂(0.0003mol、1.5mmol/g)および3−(ジエチレントリアミノ)プロピル官能性化シリカゲル(Aldrichコード53,792−6でSigma−Aldrich Corporationから得られる)(0.0002mol;1mmol/g)を添加した。反応混合物を100℃で2時間および室温で8日間振とうした。混合物を濾過し、トルエン(2ml)で洗浄し、そしてスルホン酸−2Ar官能性化シリカゲル(Acrossコード36022でAcrossから得られる)(0.0005mol;1mmol/g)を濾液に添加した。生じる混合物を60℃で1時間振とうし、その後冷却し、濾過しかつDCM(3ml)で3回洗浄した。所望の生成物を、CHCl/(CHOH/NH)(90/10、2ml)で反応混合物を3回溶出することによりそれから遊離させた。溶媒を窒素流下50℃で蒸発させ、そして残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製して、0.007gの化合物(278)を生じた。
【0352】
実施例B.10
トリフルオロ酢酸(2ml)およびメタノール(2ml)中の中間体(92)(0.0
0027mol)の混合物を60℃で20時間振とうし、そして溶媒を蒸発させ、その後、残渣をDCM(5ml)に溶解しかつ飽和水性NaHCO溶液で洗浄した。混合物を、ExtrelutTMを通して濾過し、そして有機層を蒸発させた。水性残渣をシリカゲル(溶離液:CHCl/CHOH 99/1)で精製し、そして生成物の画分を収集した。溶媒を蒸発させ、そして残渣をDIPEから結晶化し、その後所望の生成物を収集して、0.0185gの化合物(264)を生じた。
【0353】
実施例B.11
トルエン(4ml)中の中間体(63)(0.000079mol)および中間体(55)(0.0002mol)の混合物を60℃で20時間振とうし、そして混合物を冷却し、その後、Novabiochem 01−64−0169イソシアン酸メチルポリスチレン樹脂(0.0003mol、1.5mmol/g)、次いで3−(ジエチレントリアミノ)プロピル官能性化シリカゲル(Aldrichコード53,792−6でSigma−Aldrich Corporationから得られる)(0.0002mol、1mmol/g)を添加し、そして反応混合物を8日間振とうした。混合物を濾過し、トルエン(2ml)で洗浄し、そして、スルホン酸−2Ar官能性化シリカゲル(Acrossコード36022でAcrossから得られる)(0.300g、1mmol/g)を添加した。生じる混合物を60℃で1時間加熱かつ振とうし、その後冷却し、濾過しかつDCM(3ml)で3回洗浄した。所望の生成物を、CHCl/(CHOH/NH)(90/10、2ml)で反応混合物を3回溶出することによりそれから遊離させた。溶媒を窒素流下50℃で蒸発させ、そして残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、0.023gの化合物(270)を生じた。
【0354】
実施例B.12
化合物(265)(0.040mol)を、Chiralpak AD 20μm(Daicel)(溶離液:エタノール/アセトニトリル 80/20)カラムでのキラルな分離によりその鏡像異性体に分離した。4個の生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。各画分をその後DIPE下で摩砕し、濾過分離しかつ乾燥して、3.75gの化合物(280)、3.77gの化合物(281)、3.94gの化合物(360)および3.53gの化合物(304)を生じた。
【0355】
実施例B.13
60%水素化ナトリウム(0.0026mol)をDMF(15ml)に添加し、そしてその後化合物(190)(0.0024mol)を添加した。ブロモ酢酸エチル(0.0024mol)を褐色の溶液に添加し、そして反応混合物を80℃(水浴)で4時間加熱した。溶液を冷却しかつ水(250ml)中に慎重に注ぎ、生じる固形物を濾過分離しかつ水で洗浄して、0.44gの化合物(210)(mp.90〜92℃)を生じた。
【0356】
実施例B.14
トルエン(5ml)中の中間体(131)(0.000039mol)の混合物を30分間振とうし、そしてその後混合物を濾過した。トルエン(2ml)中の中間体(6)(0.000525mol)の混合物、およびその後トルエン(1ml)中の[1,1’−ビナフタレン]−2,2’−ジイルビス[ジフェニルホスフィン(0.000035mol)の懸濁液、次いでトルエン(1ml)中の2−メチル−2−プロパノールナトリウム塩(0.00063mol)の懸濁液を添加し、そして反応混合物を窒素流下50℃で30分間振とうした。トルエン(1ml)中のPd(dba)(0.0000087mol)の混合物を添加し、そして生じる混合物を85℃で6時間振とうした。生成物を熱時濾過分離し、そしてDMFで2回、水で1回、DMFで3回、水で3回、メタノールで3回、DCMで3回、メタノールで3回およびDCMで3回洗浄した。トリフルオロ酢酸/ジクロロメタン/トリイソプロピルシラン 49/49/2)の混合物(3ml)を添加し、そして反応混合物を室温で1時間振とうし、その後濾過しかつDCMで3回洗浄した。最後に濾液を蒸発させ、そして残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させて、0.008gの化合物(207)を生じた。
【0357】
実施例B.15
ジオキサン/トルエン(0.65/3.35ml)(3ml)中の中間体(88)(0.00036mol)の溶液を中間体(135)(0.00012mol)に添加し、そして、ジオキサン/トルエン(0.65/3.35ml)(1ml)中のN,N−ジメチル−4−ピリジンアミン(0.00012mol)の混合物を添加し、その後反応混合物を60℃で20時間加熱しそして冷却した。混合物を濾過し、そして[DCMで3回およびDMFで3回]で2回、ならびに最後にDCMで6回洗浄した。TFA/DCM(20/80)(4ml)を添加し、そして生じる混合物を室温で3時間振とうした。混合物を濾過し、そしてTFA/DCM(20/80)(2ml)で洗浄した。濾液を50℃で蒸発させ、そして残渣を高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させた。残渣をDCMに溶解しかつ水性NaHCOで洗浄した。有機層を分離しかつ蒸発させて、0.006gの化合物(223)を生じた。
【0358】
実施例B.16
5−インダニルアミン(0.00135mol)および水素化ナトリウム(触媒量)をキシレン(50ml)中の化合物(302)(0.00111mol)の溶液に添加し、そしてその後、反応混合物を48時間攪拌かつ還流した。溶媒を蒸発させ、そして残渣をエーテルに溶解し、その後、生じる粗物質をカラムクロマトグラフィー(溶離液:酢酸エチル)により精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。残渣を2−プロパノン下で摩砕し、そして生成物を濾過分離しかつ最後に乾燥して、0.2gの化合物(209)(mp.:198〜200℃)を生じた。
【0359】
実施例B.17
DCM(30ml)中の臭素(0.03451mol)の溶液を、−10℃でDCM(70ml)中の3−ピリジン酢酸エチル(0.03027mol)の溶液に一滴ずつ添加し、その後、反応混合物を室温で90分間攪拌しそして溶媒を蒸発させて油状残渣を生じた。前記残渣をDCM(50ml)に溶解し、そしてDCM(100ml)中の中間体(12)(0.03027mol)およびトリエチルアミン(0.06054mol)の冷溶液に10℃で一滴ずつ添加した。反応混合物を室温で一夜攪拌し、そしてその後溶媒を蒸発させた。油状残渣をカラムクロマトグラフィー(溶離液:CHCl/酢酸エチル 50/50)により精製した。生成物の画分を収集しそして溶媒を蒸発させた。残渣をエーテルから結晶化し、その後、生じる生成物を収集しかつ乾燥して、5gの化合物(302)(mp.:142〜143℃)を生じた。
【0360】
実施例B.18
DCM(5ml)中の中間体(117)(0.00025mol)およびN,N−カルボニルジイミダゾール(0.00075mol)の混合物を室温で攪拌した。2−アミノ−5−メチルチアゾール(0.00025mol)を室温で攪拌しながら添加し、そして反応混合物を室温で一夜攪拌した。反応混合物を、ExtrelutTMを通して濾過し、蒸発させ、そして残渣をHPLCにより精製して、0.027gの化合物(125)を生じた。
【0361】
実施例B.19
中間体(142)(0.000044mol)をNMP(5ml)中で攪拌した。TH
F中のNaN[Si(CHの1M溶液(0.4ml)を添加した。混合物を室温で30分間振とうした。1mlのTHF中の臭化エチルの溶液(0.00042mol)を添加した。混合物を室温で20時間振とうし、その後濾過し、DMF(3回)、その後メタノール、次いでDMFで3回洗浄し、NMPで1回洗浄した。反応を再度行った。混合物を24時間振とうし、その後濾過し、DMF(3回)、その後メタノール、次いでDCMで3回洗浄した。TFA/DCM/TIS(5/93/2)の混合物を添加した。混合物を室温で1時間振とうし、濾過分離し、TFA/DCM/TIS(5/93/2)の混合物(2ml)およびDCM(1ml)で洗浄した。濾液を50℃で窒素下に乾燥した。所望の化合物を、RP BDS Sphericalでの高速液体クロマトグラフィー(100g Hyperprep C18(100Å、8μm;溶離液:[(HO中0.5%NHOAc)/CHCN 90/10)]/CHOH/CHCN(0分)75/25/0、(10分)0/50/50、(16分)0/0/100、(18.10〜20分)75/25/0)により単離/精製した。純粋な画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。NaCOを水性濃縮物に添加し、そしてこの混合物をDCMで抽出した。抽出液を50℃で窒素で乾燥し、その後乾燥(真空、60℃)して、0.005gの化合物(179)を生じた。
【0362】
実施例B.20
中間体(142)A(0.000054mol)をNMP(5ml)中で攪拌した。THF中のNaN[Si(CHの1M溶液(0.4ml)を添加した。混合物を室温で30分間振とうした。1mlのTHF中の1−クロロエチルメチルケトン(0.00042mol)の溶液を添加した。混合物を室温で20時間振とうし、その後濾過し、DMF(3回)、その後メタノール次いでDMFで3回で洗浄し、NMPで1回洗浄した。反応を再度行った。混合物を24時間振とうし、その後濾過し、DMF(3回)、その後3回メタノール次いでDCMで洗浄し、その後乾燥した。THF(5ml)を添加した。THF中のLiBHの1M溶液(0.5ml)を添加し、そして反応混合物を室温で4時間振とうした。メタノール(1ml)を添加した。混合物を1時間振とうし、濾過し、メタノール(3回)、およびその後3回DCM次いでメタノールで洗浄した。TFA/DCM/TIS(5/93/2)の混合物(4ml)を添加した。混合物を室温で1時間振とうし、濾過分離し、TFA/DCM/TIS(5/93/2)の混合物(2ml)およびDCM(1ml)で洗浄した。濾液を窒素下50℃で乾燥した。所望の化合物を高速液体クロマトグラフィー(100g Hyperprep RP−C18 BDS(100Å、8μm;溶離液:[(HO中0.5%NHOAc)/CHCN 90/10)]/CHOH/CHCN(0分)75/25/0、(10分)0/50/50、(16分)0/0/100、(18.10〜20分)75/25/0)により単離/精製した。純粋な画分を収集しそして有機溶媒を蒸発させた。水性濃縮液を水性KCO溶液で処理し、そしてDCMで抽出した。抽出液を50℃で窒素で乾燥して、0.003gの化合物(93)を生じた。
【0363】
実施例B.21
TFA/DCM/TIS(5/93/2)の混合物(4ml)中の中間体(146)(0.000054mol)の混合物を室温で30分間振とうし、その後濾過し、TFA/DCM/TIS(5/93/2)の混合物(2ml)およびDCM(2ml)で洗浄し、その後50℃で窒素で乾燥して、0.037gの化合物(99)を生じた。
【0364】
実施例B.22
DCM(2ml)中の中間体(138)(0.03mol)および5−インダニルアミン(0.045mol)の混合物を室温で4時間攪拌した。イソシアン酸メチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0169)(0.1g)およびMP−カーボネート樹脂(製品コード800268でArgonaut(New Road,H
engoed,CF82 8AU Mid Glamorgan,United Kingdom)から得られるポリスチレン結合した−CH−N(Et)/(CO樹脂)(0.150g)を添加し、そして反応混合物を一夜攪拌し、濾過しかつ乾燥して、0.012gの化合物(191)を生じた。
【0365】
実施例B.23
DMF(1ml)およびDCM(1ml)中の5−アミノ−1−メチル−2−フェニル−ベンズイミダゾール(0.0001mol)の溶液を、DCM(1ml)中の中間体(147)(0.0001mol)の混合物に添加した。モノホリノメチルPS HL樹脂(Novabiochem 01−64−0171)(0.1g)を添加し、そして反応混合物を室温で振とうした。その後、イソシアン酸メチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0169)(0.100g)およびMP−カーボネート樹脂(製品コード800268を伴うArgonaut樹脂)(0.1g)を添加した。生じる混合物を室温で24時間振とうしそして濾過した。残渣をDCM(5ml)で洗浄しそして濾液を蒸発させた。残渣をDCM(3ml)およびTFA(1.5ml)に溶解し、その後溶液を一夜静置しそして溶媒を蒸発させた。残渣を高速液体クロマトグラフィー(溶離液:(NHOAc/HO)/CHOH/CHCN)により精製した。生成物の画分を収集し、そして溶媒を蒸発させて、0.015gの化合物(199)を生じた。
【0366】
実施例B.24
3−(トリメチルアンモニウム)プロピル官能性化シリカゲル、カーボネート(Aldrichコード55,288−7でSigma−Aldrich Corporationから得られる)(0.000378mol)をDMF(2.5ml)中の中間体(43)(0.000189mol)の溶液に添加した。N,N−(ジイソプロピル)−アミノ−メチルポリスチレン(PS−DIEA)(0.000378mol)を、24位置のMiniBlockTM反応容器(Mettler−Toledoから得られる)の反応容器に添加し、その後DMF(2.5ml)中の中間体(20)(0.000126mol)の溶液を添加し、そして反応混合物を40℃で18時間振とう(600rpm)した。混合物を60℃で72時間振とう(650rpm)し、そしてその後80℃で72時間振とう(600rpm)した。室温に冷却した後、イソシアン酸メチルポリスチレン樹脂(Novabiochem 01−64−0169)(0.100g)を添加し、そして生じる混合物を20℃で18時間振とう(600rpm)した。混合物を濾過し、そして残渣をDMF(2ml)で洗浄しかつ同一チューブに濾過分離した。溶媒を蒸発させ、そして残渣をRP−18での高速液体クロマトグラフィーにより精製した。生成物の画分を収集しかつ溶媒を蒸発させた。残渣をDCM(9ml)に溶解し、そして水性10%NaCO溶液で洗浄した。混合物を、ExtrelutTMを通して濾過し、そして、ExtrelutTMフィルターをDCM(3ml)で2回洗浄した。最後に溶媒を蒸発させて、0.030gの化合物(282)を生じた。
【0367】
実施例B.25
DMF(4ml)中の中間体(43)(0.000100mol)の溶液をMiniBlockTM反応容器(Mettler−Toledoから得られる)に添加し、MP−カーボネート樹脂(製品コード800268を伴うArgonaut樹脂)(0.000300molに同等な0.08g)を添加し、そしてPS−DIEA(製品コード800279でArgonautから得られるN,N−(ジイソプロピル)アミノメチルポリスチレン樹脂)(0.000300mol)を添加した。α−ブロモ−2−クロロフェニル酢酸メチル(0.000100mol)を添加し、そして反応混合物を600rpmで70℃で70時間振とうした。混合物を濾過し、そして生じる残渣をDMF(2ml)で洗浄し、その後混合物を再度濾過しかつ溶媒を蒸発させた。残渣を逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製して、0.019gの化合物(307)を生じた。
【0368】
実施例B.26
4−(4−ブロモフェニル)−2−(1−フェニルエチル)−2,4−ジヒドロ[1,2,4]トリアゾル−3−オン(0.00108mol)をトルエン(2ml)に溶解した。この溶液をトルエン(1ml)中の中間体(149)(0.000072mol)の溶液に添加した。トルエン(2ml)中のBINAP(0.00007mol)の懸濁液を添加し、次いでトルエン(2ml)中のナトリウムtert−ブトキシド(0.001296mol)の懸濁液を添加した。反応混合物を50℃に加熱し、そして窒素流下で30分間攪拌した。トルエン(1ml)中のPd(dba)(0.0000144mol)の溶液を添加し、そして反応混合物を90℃で6時間加熱かつ攪拌した。なお温かいうちに反応の水分を抜き、その後DMF(3回)、水(3回)、DMF(3回)、メタノール(3回)、DCM(3回)、メタノール(3回)およびDCM(3回)で洗浄した。その後、TFA/TIS/CHClの混合物(2ml)を添加し、そして反応混合物を室温で2時間攪拌した。さらなるTFA/TIS/CHCl(2ml)を追加し、そして混合物を15分間攪拌した。混合物を濾過し、その後濾過残渣をDCM(2ml)で洗浄した。濾液を真空中で蒸発させた。残渣をDCM(1ml)に溶解した。塩化チオニル(0.100ml)を添加し、そして混合物を40℃で1時間加熱し、その後窒素流下50℃で濃縮した。エタノール(1ml)を添加した。混合物を40℃で1時間加熱し、その後溶媒を蒸発させた。残渣を、NHHCO緩衝液を使用する逆相高速液体クロマトグラフィーにより精製して、0.011gの化合物(369)を生じた。
【0369】
実施例B.27
a)NaOHの溶液(2N、13.5ml)をメタノール(45ml)中の化合物(386)(0.02mol)の溶液に一部分ずつ添加した。反応混合物を20℃で1時間および40℃で1時間攪拌した。反応混合物を10℃に冷却し、そして混合物をAmberlyst樹脂で6ないし7のpHまで中和した。樹脂を濾過分離し、メタノールで洗浄しかつ濾液を蒸発させて、5.5gの(1−{4−[5−オキソ−1−(1−フェニル−エチル)−1,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾル−4−イル]−フェニル}−ピペリジン−4−イル)−酢酸を生じた。
【0370】
b)(1−{4−[5−オキソ−1−(1−フェニル−エチル)−1,5−ジヒドロ−[1,2,4]トリアゾル−4−イル]−フェニル}−ピペリジン−4−イル)−酢酸(0.000075mol)をジクロロメタン(2ml)に溶解したをMiniBlockTM反応容器(Mettler−Toledoから得られる)に添加し、その後PS−DCC(1.38mmol/g;2等量)を添加し、そしてMiniblockを650rpmで室温で1時間振とうした。PS−DIPEA(3.50mmol/g;1.5等量)を追加し、そしてその後、DMF(0.5ml)中の(R)−2−(エトキシカルボニル)ピペリジン(0.0001125mol;1.5等量)の溶液を添加した。反応混合物を650rpmで室温で20時間振とうしそして濾過した。溶媒を蒸発させ、そして残渣を逆相HPLCにより精製して、0.002gの化合物(387)を生じた。
【0371】
実施例B.28
DMF(100ml)中の中間体(155)(0.02mol)およびNaCO(0.02mol)の混合物を室温で攪拌した。2−ブロモフェニル酢酸メチル(0.02mol)を一滴ずつ添加し、そして混合物を2日間攪拌した。溶媒を蒸発させ、そして残渣をDCMに溶解し、洗浄し、濾過しかつ蒸発させた。残渣をDIPE中で摩砕し、沈殿物を濾過分離しかつ乾燥して、6.4gの化合物(422)を生じた。
【0372】
実施例B.29
DCM(5ml)中の中間体(156)(0.0002mol)、PyBOP(0.3
g)およびトリエチルアミン(0.5ml)の混合物を20分間攪拌した。エチルアミン(0.0004mol)を添加し、そして反応混合物を40℃で一夜攪拌した。反応混合物を蒸発させ、そして残渣を逆相HPLCにより精製して、0.065gの化合物(414)を生じた。
【0373】
表F−1aおよびF−1bは上の実施例の1つに従って製造した化合物を列挙する。数種の化合物はそれらの絶対配置を知ることなく単一の鏡像異性体として得られた。それらの場合、実際の立体化学配置へのさらなる言及を伴わずに、液体クロマトグラフィーにより最初に単離された立体異性体を「A異性体」、第二を「B異性体」、第三のものを「C異性体」および第四のものを「D異性体」と呼称する。数種の化合物の立体化学配置は、絶対的な立体化学が未知であるため、相対的な立体化学を示すR*若しくはS*と呼称した。
【0374】
【表4】

【0375】
【表5】

【0376】
【表6】

【0377】
【表7】

【0378】
【表8】

【0379】
【表9】

【0380】
【表10】

【0381】
【表11】

【0382】
【表12】

【0383】
【表13】

【0384】
【表14】

【0385】
【表15】

【0386】
【表16】

【0387】
【表17】

【0388】
【表18】

【0389】
【表19】

【0390】
【表20】

【0391】
【表21】

【0392】
【表22】

【0393】
【表23】

【0394】
【表24】

【0395】
【表25】

【0396】
【表26】

【0397】
【表27】

【0398】
【表28】

【0399】
【表29】

【0400】
【表30】

【0401】
【表31】

【0402】
【表32】

【0403】
【表33】

【0404】
【表34】

【0405】
【表35】

【0406】
化合物の同定
手順1
化合物は、逆相HPLCで勾配溶出系を使用するLC/MSにより同定した。化合物はそれらの特異的保持時間およびそれらのプロトン化した分子イオンMHピークにより同定される。HPLC勾配は、40℃に設定したカラムヒーターを伴うWaters Alliance HT 2790装置により供給した。カラムからの流れを、Waters
996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器、ならびに陽および陰イオン化モードで作動する電子スプレーイオン化源を伴うWaters−Micromass ZQ質量分析計に分割した。逆相HPLCは、1.6ml/分の流速で、Xterra MS C
18カラム(3.5μm、4.6×100mm)で実施した。3種の移動相(移動相A 95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、6.5分で100%Aから50%Bおよび50%Cまで、1分で100%Bまで、100%B1分間の勾配条件を運転しかつ100%A1.5分間で再平衡化した。10μLの注入容量を使用した。
【0407】
質量スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用して1秒で100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、そしてイオン源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。コーン電圧は、陽イオン化モードについて10V、および陰イオン化モードについて20Vであった。デ―タ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0408】
【表36】

【0409】
【表37】

【0410】
【表38】

【0411】
【表39】

【0412】
手順2
以下の化合物は、逆相HPLCで勾配溶出系を使用するLC/MSにより同定した。化合物は、それらの特異的保持時間およびそれらのプロトン化した分子イオンMHピークにより同定される。HPLC勾配は、45℃に設定したカラムヒーターを伴うWaters 600装置により供給した。カラムからの流れを、Waters 2996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器、および陽イオン化モードで作動する電子スプレーイオン化源を伴うWaters−Micromass LCT質量分析計に分割した。逆相HPLCは、1.6ml/分の流速で、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6×100mm)で実施した。3種の移動相(移動相A:95% 10mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、3.5分で100%Aから35%A 35%Bおよび35%Cまで、3分で50%Bおよび50%Cまで、1分で100%Bまで、100%B1分間の勾配条件を運転しかつ100%A1.5分間で再平衡化した。10μLの注入容量を使用した。
【0413】
質量スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用して1秒で100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、そしてイオン源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。コーン電圧は、陽イオン化モードについて10V、および陰イオン化モードについて20Vであった。デ―タ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0414】
【表40】

【0415】
手順3
以下の化合物は、逆相HPLCで勾配溶出系を使用するLC/MSにより同定した。化合物は、それらの特異的保持時間およびそれらのプロトン化した分子イオンMHピークにより同定される。HPLC勾配は、40℃に設定したカラムヒーターを伴うWaters Alliance HT 2790装置により供給した。カラムからの流れを、Waters 996フォトダイオードアレイ(PDA)検出器、ならびに陽および陰イオン化モードで作動する電子スプレーイオン化源を伴うWaters−Micromass ZQ質量分析計に分割した。
【0416】
逆相HPLCは、1.2ml/分の流速で、Xterra MS C18カラム(3.5μm、4.6×100mm)で実施した。3種の移動相(移動相A:95% 25mM酢酸アンモニウム+5%アセトニトリル;移動相B:アセトニトリル;移動相C:メタノール)を使用して、10分で100%Aから50%Bおよび50%Cまで、1分で100%Bまで、100%B3分間の勾配条件を運転しかつ100%A1.5分間で再平衡化した。10μLの注入容量を使用した。
【0417】
質量スペクトルは、0.1秒の滞留時間を使用して1秒で100から1000まで走査することにより取得した。キャピラリーニードル電圧は3kVであり、そしてイオン源温度は140℃で維持した。窒素をネブライザーガスとして使用した。コーン電圧は、陽イオン化モードについて10V、および陰イオン化モードについて20Vであった。デ―タ取得はWaters−Micromass MassLynx−Openlynxデータシステムを用いて実施した。
【0418】
【表41】

【0419】
C.薬理学的実施例
C.1.ApoBの分泌の定量
HepG2細胞を、10%ウシ胎児血清を含有するMEM Rega 3中、24ウェルプレートで培養した。70%コンフルエンシーで培地を交換し、そして試験化合物若しくは担体(DMSO、0.4%最終濃度)を添加した。24時間のインキュベーション後に、培地をエッペンドルフチューブに移し、そして遠心分離により澄明にした。いずれかのapoBに向けられたヒツジ抗体を上清に添加し、そして、混合物を8℃で24時間保った。その後、ウサギ抗ヒツジ抗体を添加し、そして免疫複合体を8℃で24時間沈降させた。1320gで25分間の遠心分離により免疫沈降物をペレットにし、そして40mM Mops、40mM NaHPO、100mM NaF、0.2mM DTT、5mM EDTA、5mM EGTA、1%Triton−X−100、0.5%デオキシコール酸ナトリウム(DOC)、0.1%SDS、0.2μMロイペプチンおよび0.2μM PMSFを含有する緩衝液で2回洗浄した。ペレット中の放射活性を液体シンチレーション計数により定量した。IC50値は通常、使用の容易さのため、pIC50値(=−logIC50値)に変換する。
【0420】
以下の化合物は5.5から6.5までのpIC50値を有する:2、4、5、9、10、12、13、14、15、16、17、18、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、45、46、47、49、50、52、53、56、65、67、68、70、71、72、73、75、76、78、79、81、84、86、87、89、90、91、92、93、94、102、104、105、107、108、111、112、114、115、116、117、118、119、120、121、122、126、127、129、130、131、132、133、134、135、136、137、138、144、145、146、147、148、149、152、159、160、161、162、165、166、167、169、170、172、185、189、195、196、199、208、213、219、223、226、228、230、231、234、236、238、239、240、241、243、245、246、248、250、251、252、254、256、257、258、259、260、264、265、266、272、273、274、275、279、280、287、290、291、293、294、298、318、320、321、323、324、326、327、329、330、347、351、352、354、356、357、358、359、372、373、374、379、380、383、384、385、386、391、392、395、396、397、398、401、402、403および404。
【0421】
以下の化合物は6.5から7.5までのpIC50値を有する:1、3、6、7、8、19、20、21、22、23、24、44、48、51、54、55、57、58、59、60、61、62、63、64、66、69、74、77、80、82、83、85、88、95、96、97、98、99、100、101、103、106、109、110、113、123、124、125、128、139、140、141、142、143、150、151、153、154、155、156、157、158、163、164、168、171、173、174、175、176、177、178、179、180、181、182、183、184、186、191、192、193、194、197、198、200、201、202、204、206、209、210、216、217、221、222、224、225、227、229、232、233、235、237、242、244、247、249、253、255、261、262、263、268、269、279、271、276、277、278、281、286、288、289、292、295、296、297、299、304、305、319、322、325、328、331、332、333、334、335、336、337、338、339、340、341、342、350、353、369、370、371、375、376、377、378、382、393および394。
【0422】
以下の化合物は7.5以上のpIC50値を有する:11、187、188、190、203、205、207、211、212、214、215、218、220、267、282、283、284、285、306、349および381。
【0423】
C.2.MTPアッセイ
MTP活性は、J.R.WetterauとD.B.ZilversmitによりChemistry and Physics of Lipids、38、205−222(1985)に記述されたアッセイに類似のアッセイを使用して測定した。ドナーおよびアクセプター小胞を調製するために、クロロホルム中の適切な脂質をガラス試験管に入れ、そしてN流下で乾燥した。15mMトリス−HCl pH7.5、1mM EDTA、40mM NaCl、0.02% NaNを含有する緩衝液(アッセイ緩衝液)を乾燥した脂質に添加した。混合物を短時間ボルテックス攪拌し、そして脂質をその後氷上で20分間水和させた。小胞をその後、室温で最大15分間の浴超音波処理(Branson 2200)により調製した。ブチル化ヒドロキシトルエンを0.1%の濃度で全部の小胞調製物に包含した。脂質転移アッセイ混合物は、1.5ml微小遠心管中の675μlの総容量中に、ドナー小胞(40nmolホスファチジルコリン、7.5mol%のカルジオリピンおよび0.25mol%グリセロールトリ[1−14C]−オレエート)、アクセプター小胞(240nmolホスファチジルコリン)、ならびに5mgのBSAを含有した。試験化合物をDMSO(0.13%最終濃度)に溶解して添加した。37℃での5分のプレインキュベーション後に、100μlの透析緩衝液中のMTPの添加により反応を開始した。15mMトリス−HCl pH7.5、1mM EDTA、0.02%NaN(1:1、vol/vol)中で前平衡化した400μlのDEAE−52セルロースの添加により停止反応をした。混合物を4分間攪拌し、そしてエッペンドルフ遠心機(4℃)中最大速度で2分間遠心分離して、DEAE−52に結合したドナー小胞をペレットにした。アクセプターリポソームを含有する上清のアリコートをカウントし、そして[14C]のカウントを使用して、ドナー小胞からアクセプター小胞へのトリグリセリド転移パーセントを算出した。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)
【化1】

の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体であって、式中、
点線は任意の結合であり、かつ、Xが窒素を表す場合には存在せず;
基−Y−Y−は、式
−N=CH−(a−1)、
−CH=N−(a−2)、
−CH−CH−(a−3)、
−CH=CH−(a−4)
の基であり、式中、式(a−1)若しくは(a−2)の二価の基において、水素原子はC1−6アルキル若しくはフェニルにより場合によっては置換されていることができるか;または、式(a−3)若しくは(a−4)の二価の基において、1若しくは2個の水素原子がC1−6アルキル若しくはフェニルにより場合によっては置換されていることができ;
は炭素若しくは窒素であり;
若しくはXの少なくとも一方が窒素を表し、かつ、他方のX若しくはXがCH、若しくは点線が結合を表す場合は炭素を表すか、またはXおよびXの双方が窒素を表し;
は、C1−6アルキル;
アリール
ヒドロキシ、C3−6シクロアルキル、アリール若しくはナフタレニルで置換されているC1−6アルキル;
3−6シクロアルキル;
3−6シクロアルケニル;
3−6アルケニル;
アリールで置換されているC3−6アルケニル;
3−6アルキニル;
アリールで置換されているC3−6アルキニル;
アリールで場合によっては置換されているC1−4アルキルオキシC1−4アルカンジイルであるか;
または、−Y−Y−が式(a−1)の基である場合には、RとYは一緒になって式−CH=CH−CH=CH−の基を形成することができ、式中、各水素は、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、ハロ、シアノ、トリフルオロメチル若しくはアリールから独立に選択される1置換基で場合によっては、置換されていることができ;
式中、アリールは、フェニル;またはC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ポリハロC1−4アルキル、ハロ、シアノ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1若しくは5個の置換基からで置換されているフェニルであり;
は水素、C1−4アルキル若しくはハロであり;
Aは、C1−6アルカンジイル;
アリール、ヘテロアリールおよびC3−8シクロアルキルから選択される1若しくは
2個の基で置換されているC1−6アルカンジイルであるか;
または、XがCHを表すことを条件として、前記基Aは、アリール、ヘテロアリール若しくはC3−8シクロアルキルで場合によっては、置換されているNHもまた表すことができ;
式中、アリールは、フェニル;またはC1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、シアノ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1から5個までの置換基で置換されているフェニルであり;
ヘテロアリールは、フラニル、チエニル、ピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル若しくはピリダジニルであり;また、前記ヘテロアリールは、C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、シアノ若しくはトリフルオロメチルからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては置換されており;
Bは、N、若しくは
ORであり;
式中、各RおよびR
水素、
1−8アルキル、
ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C3−8シクロアルキル、ポリハロC1−4アルキル、NR、CONR、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールからそれぞれ相互に独立に選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されているC1−8アルキル;
3−8シクロアルキル;
3−8シクロアルケニル;
3−8アルケニル;
3−8アルキニル;
アリール
多環式アリール;
ヘテロアリール
から独立に選択されるか;または
およびRは、RおよびRをもつ窒素原子と組合わさって、アゼチジニル、ピロリジニル、ピペリジニル、モルホリニル、アゼパニル若しくはアゾカニル環を形成することができ、ここで、これらの環のそれぞれは、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、カルボニルアミノ、C1−4アルキルカルボニルアミノ、CONR若しくはC1−4アルキルCONRにより場合によっては、置換されていることができ;
式中、
は水素、C1−4アルキル、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールであり;
は水素若しくはC1−4アルキルであり;
は水素、C1−4アルキル若しくはフェニルであり;
は、水素、C1−4アルキル若しくはフェニルであるか;あるいは
は、C1−6アルキル、または、ヒドロキシ、ハロ、シアノ、C1−4アルキルオキシ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C3−8シクロアルキル、C3−8シクロアルケニル、トリフルオロメチル、NR、CONR、アリール、多環式アリール若しくはヘテロアリールからそれぞれ相互に独立に選択される1、2若しくは3個の置換基で置換されているC1−6アルキルであり;
式中、
アリールは、フェニル;C1−4アルキル、C1−4アルキルオキシ、ハロ、ヒドロキシ、トリフルオロメチル、シアノ、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、メチルスルホニルアミノ、メチルスルホニル、NR、C1−4アルキルNR、CONR若しくはC1−4アルキルCO
NRからそれぞれ独立に選択される1ないし5個の置換基で置換されているフェニルであり;
多環式アリールは、ナフタレニル、インダニル、フルオレニル若しくは1,2,3,4−テトラヒドロナフタレニルであり、かつ、前記多環式アリールは、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR、C1−4アルキルNR、CONR、C1−4アルキルCONR若しくはC1−4アルキルオキシカルボニルアミノからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては、置換され、そして
ヘテロアリールはピリジニル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、トリアジニル、トリアゾリル、イミダゾリル、ピラゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、オキサゾリル、ピロリル、フラニル、チエニル;キノリニル;イソキノリニル;1,2,3,4−テトラヒドロ−イソキノリニル;ベンゾチアゾリル;ベンゾ[1,3]ジオキソリル;2,3−ジヒドロ−ベンゾ[1,4]ジオキシニル;インドリル;2,3−ジヒドロ−1H−インドリル;1H−ベンゾイミダゾリルであり;また、前記ヘテロアリールは、C1−6アルキル、C1−6アルキルオキシ、フェニル、ハロ、シアノ、C1−4アルキルカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニル、C1−4アルキルオキシカルボニルC1−4アルキル、NR、C1−4アルキルNR、CONR若しくはC1−4アルキルCONRからそれぞれ独立に選択される1若しくは2個の置換基で場合によっては、置換されている、
上記化合物。
【請求項2】
が窒素を表しかつXがCHを表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項3】
がCHを表しかつXが窒素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項4】
およびX双方が窒素を表す、請求項1に記載の化合物。
【請求項5】
基Aが、アリールで置換されているC1−6アルカンジイルを表す、請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物。
【請求項6】
基BがORを表し、式中RがC1−6アルキル若しくはNRであり、式中Rが水素である、請求項1ないし4のいずれかに記載の化合物。
【請求項7】
製薬学的に許容できる担体、および治療上有効な量の請求項1ないし6のいずれかに記載の化合物を含んでなる、製薬学的組成物。
【請求項8】
治療上有効な量の請求項1ないし6のいずれかに記載の化合物が、製薬学的に許容できる担体と緊密に混合される、請求項7に記載の製薬学的組成物の製造方法。
【請求項9】
医薬品としての使用のための、請求項1ないし6のいずれかに記載の化合物。
【請求項10】
a)式(II)[式中Y、YおよびRは請求項1でのとおり定義される]の中間体を、反応不活性溶媒中、かつ、場合によっては少なくとも1種の遷移金属カップリング試薬および/またはトリフェニルホスフィン若しくはトリフェニルアルシンと会合したパラジウムのような少なくとも1種の適する触媒の存在下で、式(III)[式中、X、X、X、R、AおよびBは請求項1で定義されるとおりであり、かつ、Qはブロモ、ヨードおよびトリフルオロメチルスルホネートから選択される]の中間体と反応させるか;あるいは
【化2】

b)あるいは、式(I)の化合物を、技術既知の変換反応に従って相互に転化するか;または、所望の場合は;式(I)の化合物を製薬学的に許容できる酸付加塩に転化するか、若しくは、逆に、式(I)の化合物の酸付加塩をアルカリで遊離塩基の形態に転化し;そして、所望の場合は、その立体異性体を製造すること、
を特徴とする式(I)の化合物の製造方法。
【請求項11】
式(IX)
【化3】

の化合物、そのN−オキシド、製薬学的に許容できる酸付加塩および立体異性体であって、式中、R、R、X、X、X、Y、Y2およびAは請求項1で定義されるとおりである、上記化合物。

【公表番号】特表2007−527897(P2007−527897A)
【公表日】平成19年10月4日(2007.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−502335(P2007−502335)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【国際出願番号】PCT/EP2005/051010
【国際公開番号】WO2005/085226
【国際公開日】平成17年9月15日(2005.9.15)
【出願人】(390033008)ジヤンセン・フアーマシユーチカ・ナームローゼ・フエンノートシヤツプ (616)
【氏名又は名称原語表記】JANSSEN PHARMACEUTICA NAAMLOZE VENNOOTSCHAP
【Fターム(参考)】