説明

6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態

本発明は、5−HT1A結合剤、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態、その医薬組成物、およびその使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、5−HT1A結合剤6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態、その医薬組成物およびその使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
N−アリール−ピペラジン誘導体は、5−HT1A受容体に結合することが知られており、種々の中枢神経系(CNS)障害、例えば認知障害、不安障害およびうつ病の治療用の医薬として有用である。例えば、Childers, et al., J. Med. Chem., 2005, 48, 3467;および米国特許第6,465,482号;第6,127,357号;第6,469,007号;および第6,586,436号ならびにWO97/03982を参照のこと。これらのなかで、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(式I)(WO2006/135839に開示されている)を含むある種のN−アリール−ピペラジン−ピペリジン化合物は、5−HT1A受容体の活性をモジュレートすることが見出され、例えば、CNS障害の中でも特に認知の増強、不安の治療およびうつ病の治療に有用である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
薬剤化合物は、適当には、他の医薬上許容される成分と組み合わせて、所望の投与方法に適した組成物に形成される。固体処方は、薬剤化合物が、実施可能な固体状態特性、例えば熱および湿度に対する安定性、取扱いの容易さ、および固体剤形の調製を容易にする他の特性を有することを要求する。したがって、現存の薬剤分子の、より安定な形態ならびにかかる形態を調製するための中間体および方法が必要とされている。本明細書に記載する6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態は、このような目的に関する。
【0004】
【化1】

【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態を提供する。
本発明はさらに、形態Aで示される6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態を提供する。
本発明はさらに、形態Bで示される6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態を提供する。
本発明はさらに、形態Cで示される6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態を提供する。
本発明はさらに、形態Dで示される6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態を提供する。
本発明はさらに、形態Eで示される6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態を提供する。
【0006】
本発明はさらに、本明細書に記載の結晶形態を含む組成物を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の結晶形態の製造方法を提供する。
本発明はさらに、本明細書に記載の製造方法により製造された結晶形態を提供する。
本発明はさらに、治療における本明細書に記載の結晶形態の使用を提供する。
本発明はさらに、治療において用いるための医薬の製造における本明細書に記載の結晶形態の使用を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1は、形態Aに対応するXRPDパターンを示す。
図2は、形態Bに対応するXRPDパターンを示す。
図3は、形態Cに対応するXRPDパターンを示す。
図4は、形態Dに対応するXRPDパターンを示す。
図5は、形態Eに対応するXRPDパターンを示す。
図6は、形態A、B、C、DおよびEに対応するDSCデータを示す。
【発明を実施するための形態】
【0008】
結晶形態
本発明は、5−HT1A受容体をモジュレートすることができ、CNS障害の治療に有用な化合物6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(上記式Iを参照)の結晶形態を提供する。
【0009】
本明細書で用いられる場合、「結晶形態」は、結晶性物質のある格子配置を表すことを意味する。同じ物質(例えば、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン)の異なる結晶形態は、典型的には、異なる結晶格子(例えば単位格子)を有し、典型的には、異なる結晶格子の寄与により異なる物理特性を有し、ある場合には、異なる量の水または溶媒を含有する。異なる結晶格子は、固体状態キャラクタリゼーション法、例えばX線粉末回折(XRPD)により同定することができる。他のキャラクタリゼーション法、例えば示差走査熱量測定(DSC)、熱重量分析(TGA)、動的ベーパーソープション(DVS)等も、さらに結晶形態を同定するのに役立ち、同様に、安定性および溶媒/水含有量の測定に役立つ。
【0010】
特定の物質の異なる結晶形態は、物質の無水形態および物質の溶媒和/水和形態の両方を含み、無水形態および溶媒和/水和形態は各々、異なるXRPDパターン(または単結晶X線結晶法の場合には異なる単位格子)により互いに区別され、それにより異なる結晶格子を示す。いくつかの例において、単結晶形態(例えば、ユニークなXRPDパターンにより同定される)は種々の水または溶媒を含有するが、水および/または溶媒について組成が変異するにも拘わらず、格子は実質的に変化しないままである(XRPDパターンとして)。
【0011】
反射のXRPDパターン(ピーク)は、典型的には、特定の結晶形態のはっきりした特徴であると考えられている。XRPDピークの相対的な強度は、とりわけ、試料調製法、結晶の大きさの分布、種々の用いるフィルター、試料の装填方法および用いる特定の装置に依存して、大きく変化し得ることが知られている。いくつかの例において、装置の型またはセッティング(例えば、Niフィルターを用いるか用いないか)に応じて新たなピークを観測することができ、存在したピークが消滅する。本明細書で用いられる場合、「ピーク」なる用語は、少なくとも最大ピークの高さ/強度の4%の相対的な高さ/強度を有する反射を意味する。さらに、装置のバリエーションおよび他の因子は、2シータ値に影響を与え得る。かくして、ピーク配置、例えば本明細書に報告されるものは、プラスまたはマイナス約0.2°(2−シータ)で変化し、本願明細書のXRPDにおいて用いられる「実質的に」なる語は、上記のバリエーションを包含することを意味する。
【0012】
同様に、DSC、TGA、または他の熱的実験に関わる温度は、装置、特定のセッティング、試料調製などに応じて約±3℃で変化し得る。したがって、いずれかの図に「実質的に」示されるDSCサーモグラムを有する本明細書に記載される結晶形態は、このようなバリエーションに対応することは理解される。
【0013】
本発明は、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン遊離塩基の5つの結晶形態を提供する。第1の結晶形態(形態Aと称する)は、実質的に無水物であり、約196℃の融点で溶媒和されていないと考えられている。形態Aは、図1のXRPDパターン(ピークデータについては表1参照)ならびに図6に記載のDSCデータにより特徴付けられる。DSCトレースは、約196℃を中心とするシングル吸熱を示し、これは、融解減少が原因である。
【0014】
第2の結晶形態(形態Bと称する)は水和物であると考えられる。形態Bは、図2のXRPDパターン(ピークデータに関しては表1を参照)ならびに図6に与えられるDSCデータにより特徴付けられる。DSCトレースは、約97℃でブロードな吸熱を示し、約122℃で発熱を示し、約196℃でシャープな吸熱を示す。
【0015】
第3の結晶形態(形態Cと称する)は、実質的に無水物であり、水和していないと考えられる。形態Cは図3のXRPDパターン(ピークデータについては表1を参照)ならびに図6のDSCデータにより特徴付けられる。DSCトレースは、約192℃でシャープな吸熱を示す。
【0016】
第4の結晶形態(形態Dと称する)は溶媒和物であると考えられる。形態Dは、図4のXRPDパターン(ピークデータについては表1を参照)ならびに図6のDSCデータにより特徴付けられる。DSCトレースは、約188℃を中心としてブロードな吸熱を示し、これは分解に対応すると考えられ、約192℃で他のブロードな吸熱を示す。
【0017】
第5の結晶形態(形態Eと称する)は溶媒和物であると考えられる。形態Eは、図5のXRPDパターン(ピークデータについては表1を参照)ならびに図6のDSCデータにより特徴付けられる。DSCトレースは、185℃でブロードな肩を示し、189℃および196℃でブロードな吸熱を示す。
【0018】
5種の結晶形態の個々の関するXRPDピークおよび強度データを下記表1に示す。装置および取得パラメータは、実施例に記載する。強度は相対強度として示し、+++は最大強度と等しいかまたは50%以上の強度を意味し;++は、最大強度の25%と等しいかそれ以上であるが、最大強度の50%以上の強度未満の強度を意味し;+は、最大強度の25%未満の強度を意味する。
【0019】
【表1】

【0020】
個々の結晶形態の利点は容易に明らかである。例えば、形態Aの高融点は安定性に優れており、これによりこの結晶形態から製造される固体医薬処方に相対的に長い有効期間を与える。より低い融点を有する形態Cは、より良好な溶解性が期待され、したがって、より優れた生物学的利用能を示す。水和物としての形態Bは、厳格に水を含まない条件下でなくても調製でき、調製において有害性が低い水性溶媒を使用することができるという利点を有する。形成DおよびEは、形態A、または無水物、非水和物形態の調製において有用な中間体であり得る。
【0021】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約9.6および約13.1での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約196℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)を提供する。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約22.6での特性ピークを含む。さらなる具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約24.0での特性ピークを含む。
【0022】
いくつかの具体例において、本発明は、約9.6、約13.1、約22.6、約24.0、約19.5および約20.3から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約196℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)を提供する。
【0023】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図1に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)を提供する。
【0024】
いくつかの具体例において、本発明は、約196℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)を提供する。
【0025】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項6記載の結晶形態を提供する。
【0026】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約9.0および約15.9での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態B)を提供する。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約22.4での特性ピークを含む。さらなる具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約25.2での特性ピークを含む。
【0027】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約9.0および2θで約12.6、約13.4、約15.9、約22.4、および約25.2から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態B)を提供する。
【0028】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図2に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態B)を提供する。
【0029】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する結晶形態(形態B)を提供する。
【0030】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約9.6および約13.1での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約192℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)を提供する。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約22.4での特性ピークを含む。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約23.8での特性ピークを含む。
【0031】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約9.6、約13.1、約15.7、約19.4、約22.4、約22.8、約23.8から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約192℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)を提供する。
【0032】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図3に示されるX線粉末回折パターンを有する6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)を提供する。
【0033】
いくつかの具体例において、本発明は、約192℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)を提供する。
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する結晶形態(形態C)を提供する。
【0034】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約12.2および約12.8での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)を提供する。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約13.0での特性ピークを含む。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約19.6での特性ピークを含む。
【0035】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約12.2および2θで約12.8、約13.0、約18.8、約19.6、約22.4から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)を提供する。
【0036】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図4に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)を提供する。
【0037】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)を提供する。
【0038】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約12.3および約19.7での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)を提供する。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約18.9での特性ピークを含む。いくつかの具体例において、パターンはさらに、2θ(°)で約21.8での特性ピークを含む。
【0039】
いくつかの具体例において、本発明は、2θ(°)で約12.3および2θで約12.9、約18.9、約19.7、約21.8、約22.1から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)を提供する。
【0040】
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図5に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)を提供する。
いくつかの具体例において、本発明は、実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)を提供する。
【0041】
結晶形態の調製
本発明の結晶形態は、慣用的な方法、例えば6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンを含有する溶液から結晶形態を沈殿させるか、または固体6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンを有機溶媒、水、またはその混合物中にスラリー化することにより調製することができる。沈殿は、いずれかの適当な方法、例えば冷却、溶媒容量を減少させること(例えば、エバポレーション)、または貧溶媒の添加(例えば、蒸気拡散、層拡散、直接混合等)により行うことができる。固体を濾過により回収し、乾燥し、慣用的な方法に従って分析することができる。
【0042】
結晶形態Aは、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの種々の有機溶媒中溶液から沈殿させることにより調製することができる。適当な有機溶媒は、例えば、脂肪族(例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン等)、ハロゲン化脂肪族(例えば、ジクロロメタン)、芳香族(例えば、ベンゼン、トルエン、ピリジン、クロロベンゼン等)、ケトン(例えば、アセトン、2−ブタノン、メチルエチルケトン等)、エーテル(ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等)、アルコール(例えば、メタノール、エタノール、ブタノール、2−プロパノール等)、アセテート(例えば酢酸メチル)などおよびそれらの混合物を含む。沈殿は、多くの慣用的な方法、例えば溶液の温度を下げる、蒸発させて溶液を濃縮する(例えば、空気下、ガス流下、または減圧下)、種結晶、貧溶媒の添加またはこれらの方法の組み合わせにより誘発することができる。いくつかの具体例において、沈殿は、エバポレーションにより誘発することができる。
【0043】
結晶形態Bは、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンのDMSOまたは同様の溶媒中溶液から沈殿させることにより調製することができる。沈殿は、貧溶媒として作用する水を添加することにより誘発することができる。
【0044】
結晶形態Cは、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンのケトン(例えば、メチルエチルケトン)およびジオキサンの混合物中溶液から沈殿させることにより調製することができる。沈殿は、溶媒のエバポレーションにより誘発することができる。
【0045】
結晶形態Dは、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンのアセテート、例えば酢酸エチル中溶液から沈殿させることにより調製することができる。沈殿は、例えばエバポレーションにより誘発することができる。
【0046】
結晶形態Eは、形態Aを有機溶媒、例えばテトラヒドロフラン中に高温(例えば、約40〜約60℃、例えば約50℃)でスラリー化することにより調製することができる。
本発明は、さらに、本明細書に記載のいずれかの方法で調製された結晶形態A、B、C、DおよびEを提供する。
【0047】
組成物
本発明はさらに、本発明の結晶形態および1種またはそれ以上の成分を含有する組成物を提供する。いくつかの具体例において、組成物は、少なくとも約50重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98.0重量%、少なくとも約98.1重量%、少なくとも約98.2重量%、少なくとも約98.3重量%、少なくとも約98.4重量%、少なくとも約98.5重量%、少なくとも約98.6重量%、少なくとも約98.7重量%、少なくとも約98.8重量%、少なくとも約98.9重量%、少なくとも約99.0重量%、少なくとも約99.1重量%、少なくとも約99.2重量%、少なくとも約99.3重量%、少なくとも約99.4重量%、少なくとも約99.5重量%、少なくとも約99.6重量%、少なくとも約99.7重量%、少なくとも約99.8重量%、または少なくとも約99.9重量%の本発明の結晶形態またはその混合物を含有する。
【0048】
いくつかの具体例において、組成物は、少なくとも約50重量%、少なくとも約70重量%、少なくとも約80重量%、少なくとも約90重量%、少なくとも約95重量%、少なくとも約97重量%、少なくとも約98.0重量%、少なくとも約98.1重量%、少なくとも約98.2重量%、少なくとも約98.3重量%、少なくとも約98.4重量%、少なくとも約98.5重量%、少なくとも約98.6重量%、少なくとも約98.7重量%、少なくとも約98.8重量%、少なくとも約98.9重量%、少なくとも約99.0重量%、少なくとも約99.1重量%、少なくとも約99.2重量%、少なくとも約99.3重量%、少なくとも約99.4重量%、少なくとも約99.5重量%、少なくとも約99.6重量%、少なくとも約99.7重量%、少なくとも約99.8重量%、または少なくとも約99.9重量%の6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンを形態A、形態B、形態C、形態D、または形態E、またはその混合物として含む。
【0049】
いくつかの具体例において、組成物は、少なくとも1種の本発明の結晶形態および少なくとも1種の医薬上許容される担体を含有する医薬組成物である。いくつかの具体例において、医薬組成物は、経口投与に適している。いくつかの具体例において、組成物は、持続放出剤形で提供される。
【0050】
医薬上許容される賦形剤(担体)は、液体、例えば水および石油、動物性、植物性もしくは合成油を含む油、例えばピーナッツ油、大豆油、鉱油、ゴマ油等であり得る。賦形剤は、セイライン、アカシアガム、ゼラチン、でんぷんペースト、タルク、ケラチン、コロイド状シリカ、尿素等であり得る。加えて、補助剤、安定化剤、増粘剤、滑沢剤および着色剤を用いることができる。一の具体例において、賦形剤は、動物に投与される場合滅菌される。賦形剤は、製造および貯蔵条件下で安定であるべきであり、微生物の腐食作用に対して保護されるべきである。水は、化合物または化合物の医薬上許容される塩を静脈内投与する場合に特に有用な賦形剤である。セイライン溶液および水性デキストロースおよびグリセロール溶液もまた、液体賦形剤として、特に注射可能溶液に用いることができる。また、賦形剤は、スターチ、グルコース、ラクトース、シュークロース、ゼラチン、麦芽、米、小麦、チョーク、シリカゲル、ステアリン酸ナトリウム、モノステアリン酸グリセロール、タルク、塩化ナトリウム、乾燥スキムミルク、グリセロール、プロピレン、グリコール、水、エタノール等を含む。本発明の組成物は、所望により、また、少量の湿潤剤または乳化剤またはpH緩衝剤を含有することができる。
【0051】
液体担体は、溶液、懸濁液、エマルジョン、シロップ、およびエリキシルを調製するのに用いることができる。本発明の塩および結晶形態は、医薬上許容される液体担体、例えば水、有機溶媒、両方の混合物、または医薬上許容される油または脂質中に溶解または懸濁されることができる。液体担体は、可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、保存剤、甘味剤、フレーバー剤、懸濁化剤、増粘剤、着色剤、粘性調整剤、安定化剤または浸透圧調整剤を含む他の適当な医薬添加剤を含有する。経口および非経口投与に適した液体担体の例としては、水(特に上記添加剤、例えばナトリウムカルボキシメチルセルロースを含有するセルロース誘導体を含有する溶液を含む)、アルコール(一価アルコールおよび例えばグリセロールを含む多価アルコールを含む)およびそれらの誘導体、および油(例えば、ヤシ油)を含む。非経口投与に関して、担体はまた、油性エステル、例えばオレイン酸エチルおよびミリスチン酸イソプロピルであり得る。滅菌液体担体は、非経口投与用の滅菌液体形態組成物において用いられる。加圧型組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素または多の医薬上許容される推進剤であり得る。
【0052】
本発明の組成物は、溶液、懸濁液、乳濁液、錠剤、ピル、ペレット、カプセル、液体含有カプセル、散剤、持続放出処方、坐剤、エマルジョン、エアロゾール、スプレー、懸濁液、または他の使用に適した形態をとり得る。一の具体例において、組成物はカプセル形態である。適当な賦形剤の他の例は、Remington’s Pharmaceutical Sciences 1447 1676 (Alfonso R. Gennaro, ed., 19th ed. 1995)に記載されている。
【0053】
一の具体例において、本発明の結晶形態は、ヒトに経口投与するのに適した組成物として慣用的な方法で処方される。経口デリバリー用の組成物は、錠剤、ロゼンジ、バッカル形態、トローチ、水性または油性懸濁液または溶液、顆粒、散剤、エマルジョン、カプセル、シロップ、またはエリキシル等の形態であり得る。経口投与組成物は、1種またはそれ以上の剤、例えば甘味剤、例えばフルクトース、アスパルテームまたはサッカリン;フレーバー剤、例えばペパーミント油、冬緑油、またはサクラ油;着色剤;および保存剤を、口当たりがよい医薬製剤を提供するのに含んでいてもよい。散剤において、担体は微粉化固体であり得、これは、微粉化化合物または化合物の医薬上許容される塩の混合物であり得る。錠剤において、化合物または化合物の医薬上許容される塩は、適当な割合で所望の形および大きさに必要な圧搾特性を有する担体と混合される。散剤および錠剤は、99%までの塩または結晶形態を含有し得る。
【0054】
カプセルは、化合物または化合物の医薬上許容される塩と不活性充填剤および/または希釈剤、例えば医薬上許容されるでんぷん(例えば、とうもろこしでんぷん、ポテトでんぷんまたはタピオカでんぷん)、糖、人工甘味料、粉末セルロース(例えば、結晶性および微結晶セルロース)、小麦、ゼラチン、ガム等含んでいてもよい。
【0055】
錠剤処方は、慣用的な圧搾、湿式造粒法または乾式造粒法により製造することができ、医薬上許容される希釈剤、結合剤、滑沢剤、崩壊剤、表面修飾剤(界面活性剤を含む)、懸濁化剤または安定化剤(限定するものではないが、ステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、タルク、糖、ラクトース、デキストリン、でんぷん、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ナトリウムカルボキシメチルセルロース、カルボキシメチルセルロースカルシウム、ポリビニルピロリジン、アルギン酸、アカシアガム、キサンタンガム、クエン酸ナトリウム、複合シリカ、炭酸カルシウム、グリシン、シュークロース、ソルビトール、リン酸二カルシウム、硫酸カルシウム、ラクトース、カオリン、マンニトール、塩化ナトリウム、低融点ワックスおよびイオン交換剤)を利用する。表面修飾剤は、非イオン性およびアニオン性表面修飾剤を含む。表面修飾剤の代表的な例としては、限定するものではないが、ポロキサマー188、塩化ベンザルコニウム、ステアリン酸カルシウム、セトステアリルアルコール、セトマクロゴール乳化ワックス、ソルビタンエステル、コロイド状二酸化ケイ素、ホスフェート、ドデシル硫酸ナトリウム、ケイ酸マグネシウムアルミニウムおよびトリエタノールアミンが挙げられる。
【0056】
錠剤またはピル形態である場合、組成物は、崩壊を遅延させるため、胃腸管に吸収されるのを遅延されるためにコートすることができ、これにより、長期間にわたって持続的な活性が与えられる。浸透活性化合物または化合物の医薬上許容される塩の周りの選択性透過性膜は、経口投与される組成物に適している。後のプラットホームにおいて、カプセルの周囲の環境からの流体は化合物により吸収され、これらは膨潤して、隙間から薬剤または薬剤組成物を放出させる。これらのデリバリープラットホームは、即時放出処方の急激なプロファイルとは反対に、本日的にゼロオーダーのデリバリープロファイルを与える。モノステアリン酸グリセロールまたはステアリン酸グリセロールのような遅延物質もまた用いることができる。経口組成物は、標準的な賦形剤、例えばマンニトール、ラクトース、でんぷん、ステアリン酸マグネシウム、サッカリンナトリウム、セルロース、およびカルボン酸マグネシウムを含む。一の具体例において、賦形剤は、医薬品グレードである。
【0057】
他の具体例において、結晶形態は、静脈内投与用に処方することができる。典型的には、静脈内投与用組成物は、滅菌等張性水性緩衝液を含む。要すれば、組成物は、可溶化剤を含みうる。静脈内投与用の組成物は、所望により、局所麻酔剤、例えば注射部位で痛みを減少されるリグノカインを含み得る。一般的には、成分は、別個または単位剤形中に一緒に混同して、例えば活性成分の量を表示した密封容器、例えばアンプルまたはサシェ中の凍結乾燥粉末または水不含濃縮物として提供される。結晶形態を吸入により投与する場合、これらは、例えば、水滅菌医薬グレードの水またはセイラインを含有する吸入ボトルで投薬される。塩および結晶形態を注射により投与する場合、注射用滅菌水またはセイラインのアンプルを、投与前に成分と混合できるように提供する。
【0058】
他の具体例において、結晶形態は、経皮パッチを用いることにより経皮投与することができる。経皮投与は体表面および上皮および粘膜組織を含む体の内壁を介する投与が含まれる。かかる投与は、本発明の塩および結晶形態をローション、クリーム、泡、パッチ、懸濁液、溶液および坐剤(例えば、直腸または膣)の形態で用いて行うことができる。
【0059】
経皮投与は、本発明の塩または結晶形態および化合物または化合物の医薬上許容される塩に不活性であり、皮膚に対して非毒性であり、薬剤を皮膚を介して血流に全身吸収さえることができる担体を含有する経皮パッチの使用により行うことができる。担体は、クリームまたは軟膏、ペースト、ゲル、または閉鎖デバイスのような多くの形態をとり得る。クリームまたは軟膏は、粘性液体または水中油型または油中水型のいずれかの半固体エマルジョンであってもよい。活性成分を含有する鉱油または親水性石油中に分散された吸収性パウダーからなるペーストもまた、適当である。種々の閉鎖デバイスは、化合物または化合物の医薬上許容される塩を血流に放出するのに用いることができ、例えば、化合物または化合物の医薬上許容される塩を担体と一緒にまたは担体無しで含有するリザーバー、または活性成分を含有するマトリックスを覆う半透膜がある。
【0060】
本発明の結晶形態は、慣用的な坐剤形態で直腸または膣投与することができる。坐剤処方は、慣用的な物質、例えばココアバターおよびグリセリンから、坐剤の融点を変化させるワックスを添加して、または添加せずに製造される。水溶性坐剤基剤、例えば種々の分子量のポリエチレングリコールもまた、用いることができる。
【0061】
結晶形態は、制御放出または持続放出により、または当業者に公知のデリバリーデバイスにより投与することができる。かかる剤形は、種々の割合での所望の放出プロファイルを与えるヒドロキシプロピルセルロース、他のポリマートトリクス、ゲル、透過性膜、浸透システム、多層コーティング、マイクロカプセル、リポソーム、マイクロスフェアまたはそれらの組み合わせを用いて、1種またはそれ以上の活性成分の制御または持続放出を可能にする。当業者に知られており、本明細書に記載のものを含む適当な制御または持続放出処方は、本発明の活性成分を用いるために容易に選択することができる。かくして、本発明は、経口投与に適した一の単位剤形、限定するものではないが、制御または持続放出に適した錠剤、カプセル、ゲルキャップおよびカプレットを包含する。
【0062】
一の具体例において、制御または持続放出組成物は、最小限の時間で5−HT1A関連障害の治療または予防するための最小限の量の塩または結晶形態を含む。制御または持続放出組成物の利点は、薬剤の長い活性、投与頻度の減少、および治療される動物のコンプライアンスの強化を含む。加えて、制御または持続放出組成物は、作用の開始時期または他の特性、例えば化合物または化合物の医薬上許容される塩の血中レベルに好適な影響を与え、かくして、不利なび副作用の発現を減少させることができる。
【0063】
制御または持続放出組成物は、所望の治療および予防効果を即時に与える量の化合物を最初に放出し、治療および予防効果を維持するレベルの量の化合物を長期間にわたってゆっくりと持続的に放出する。体内における化合物または化合物の医薬上許容される塩を一定のレベルを維持するために、化合物または化合物の医薬上許容される塩は、化合物または化合物の医薬上許容される塩が代謝され、体内から排出される量と置き換わるような速度で剤形から放出させることができる。活性化成分の制御または持続放出は、限定するものではないが、pHの変化、温度の変化、酵素の濃度または利用能、水の濃度または利用能、または他の生理学的な条件または化合物を含む種々の条件により刺激されうる。
【0064】
デリバリーされる結晶形態の量は、5−HT1A関連障害を治療または予防するのに効果的な量である。加えて、インビトロまたはインビボアッセイは、所望により、最適な投与量範囲を同定するのに利用することができる。用いるべき正確な投与量はまた、投与経路、症状、治療する症状の重度、ならびに治療する個体に関連する種々の物理的因子に依存し、医療関係者の判断に応じて決定され得る。同様の投与量を、限定するものではないが、約2時間毎、約6時間毎、約8時間毎、約12時間毎、約24時間毎、約36時間毎、約48時間毎、約72時間毎、約2週毎、約約3週毎、約約1月毎、約2月毎を含む種々の期間にわたって投与することができる。全体の治療に応じて、投与の数および頻度は、医療関係者の判断に応じて決定されるだろう。本明細書に記載の有効な投与量は、合計の投与量を意味し;すなわち、1以上の化合物を投与する場合、有効量は投与した総量に対応する。
【0065】
5−HT1A関連障害の治療または予防に有効な結晶形態の量は、典型的には、1日当たり約0.001mg/kg〜約600mg/kg体重、一の具体例において、1日当たり約1mg/kg〜約600mg/kg体重、他の具体例において、1日当たり約10mg/kg〜約400mg/kg体重、他の具体例において、1日当たり約10mg/kg〜約200mg/kg体重、他の具体例において、1日当たり約10mg/kg〜約100mg/kg体重、他の具体例において、1日当たり約1mg/kg〜約10mg/kg体重、他の具体例において、1日当たり約0.001mg/kg〜約100mg/kg体重、他の具体例において、1日当たり約0.001mg/kg〜約10mg/kg体重、および他の具体例において、1日当たり約0.001mg/kg〜約1mg/kg体重の範囲だろう。
【0066】
一の具体例において、医薬組成物は、例えば、錠剤、カプセル、散剤、溶液、懸濁液、エマルジョン、顆粒または坐剤として単位剤形である。かかる形態において、組成物は、適当な量の活性成分を含有する単位剤形に分けられていてもよい;単位剤形は、パッケージ化組成物、例えばパッケージ化散剤、バイアル、アンプル、予め充填されたシリンジまたは液体を含有するサシェであり得る。単位剤系は、例えば、カプセルまたは錠剤それ自体であってもよく、または適当な数のかかる組成物のパッケージ形態であってもよい。かかる単位剤形は、約0.01mg/kg〜約250mg/kgを含有し、単回投与されるか、あるいは2回またはそれ以上に分割して投与される。投与量のバリエーションは、必要に応じて、治療される患者の種、体重および症状および医薬に対する患者の応答に依存するだろう。
【0067】
一の具体例において、単位剤形は約0.01〜約1000mgである。他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約500mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約250mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約100mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約50mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約25mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約10mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約5mgであり;他の具体例において、単位剤形は約0.01〜約10mgである。
【0068】
いくつかの具体例において、組成物は、経口投与に適しており、および/または経口剤形を含む。
結晶形態は、ヒトに用いられる前に所望の治療または予防活性について効果インビトロまたはインビボでアッセイされ得る。動物モデル系は、安全かつ有効に用いることができる。
医薬組成物は、適当な薬務、例えばRemingtons Pharmaceutical Sciences, 17th edition, ed. Alfonoso R. Gennaro, Mack Publishing Company, Easton, PA (1985)(出典明示により本明細書に組み入れる)に従って調製することができる。医薬上許容される担体は、処方の他の成分と適合し、生物学的に許容される担体である。
【0069】
医薬
本発明の結晶形態は、種々の5−HT1A関連疾患または障害、例えば認知関連障害または不安関連障害の治療方法に有用である5−HT1Aモジュレーターである。
【0070】
本明細書で用いられる場合、「5−HT1A関連障害」なる用語は、5−HT1A受容体により介在される症状を意味する。いくつかの具体例において、5−HT1A関連障害は、5−HT1A受容体の活性化を防止することが有用である症状である。他の具体例において、5−HT1A関連障害は、5−HT1A受容体の活性化が有益な症状である。一の具体例において、5−HT1A関連障害は、中枢神経系に影響を与える(すなわち、CNS関連障害)。5−HT1A関連障害の例としては、限定するものではないが、うつ病、一過性または再発性大うつ病性障害、気分変調障害、うつ性神経症および神経性うつ病、食欲不振、体重減少、不眠症、早朝覚醒または精神運動遅延を含むメランコリーうつ病;食欲増加、睡眠過剰、精神運動性激越または興奮性、季節性情動障害、小児うつ病、児童虐待うつ病および分娩後うつ病を含む非定型うつ病(または反応性うつ病);双極性障害または躁うつ、例えば、双極性I型障害、双極性II型障害および気分循環性障害;行為障害;破壊的行動障害;注意および学習障害、例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD)および失読症;精神遅滞に伴う行動障害、自閉性障害、広汎性発達障害および行為障害;不安症、例えば広場恐怖症を伴うかまたは伴わないパニック障害、パニック障害の経歴がない広場恐怖症、特定恐怖症、例えば、特定の動物恐怖症、社会不安、対人恐怖症、強迫性障害、心外傷後ストレス障害および急性ストレス障害を含むストレス障害、および全般性不安症;境界性人格障害;統合失調症および他の精神病性障害、例えば、統合失調症様障害、統合失調性感情障害、妄想性障害、短時間精神病性障害、共有精神病性障害、妄想または幻覚を伴う精神病性障害、不安の精神病エピソード、精神疾患に付随する不安、精神病性気分障害、例えば重度の大うつ病;精神病性障害に付随する気分障害、例えば急性躁病および双極性障害に付随するうつ病;全身病状による、統合失調症、物質誘発性精神病性障害、共有精神病性障害、および精神病性障害に付随する気分障害;せん妄、認知症、および健忘症および他の認知障害または神経変性障害、例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、老年性認知症、アルツハイマー型の認知症、軽度認識障害(MCI)、記憶障害、実行機能の喪失、血管性認知症、および他の認知症、例えば、HIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病による認知症、または多発性病因による認知症;神経学的状態に付随する認知障害、例えば、パーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病;運動障害、例えば無動症、家族性発作性ジスキネジアを含むジスキネジア、痙性、トゥレット・シンドローム、スコット・シンドローム、PALSYSおよび無動−固縮型症候群;錐体外路運動障害、例えば薬剤誘発運動障害、例えば、神経弛緩剤誘発パーキンソン病、神経弛緩剤性悪性症候群、神経弛緩剤誘発急性ジストニア、神経弛緩剤誘発急性無動症、神経弛緩剤誘発遅発性ジスキネジーおよび薬剤誘発姿勢振戦;化学的依存および依存症(例えば、アルコール、ヘロイン、コカイン、ベンゾジアゼピン、ニコチン、またはフェノバルビタールに対する依存または依存症);行動嗜癖、例えばギャンブル中毒;および眼疾患、例えば緑内障および虚説性網膜症;薬剤治療に付随する性機能不全(例えば、SSRIに付随する性機能不全)が挙げられる。
【0071】
5−HT1A関連障害の一の非限定的な例としては、認知関連障害(例えば、認知機能障害)がある。認知関連障害の例としては、限定するものではないが、軽度認識障害(MCI)、認知症、せん妄、健忘障害、アルツハイマー病、パーキンソン病、ハンチントン病、うつ病に付随する記憶障害を含む記憶障害、老年性認知症、アルツハイマー病の認知症、認知障害、または例えばパーキンソン病(PD)、ハンチントン病(HD)、アルツハイマー病、うつ病および統合失調症を含む神経学的症状に付随する認知機能障害(および他の精神病性障害、例えば被害妄想および躁うつ病;統合失調症における認知機能障害、注意および学習の障害、例えば注意力欠如障害(例えば、注意欠陥多動性障害(ADHD))および失読症、発達障害に付随する認知機能障害、例えばダウン症および脆弱性X症候群、実行機能の喪失、学習情報の喪失、血管性認知症、統合失調症、認識錐体、神経変性障害、および他の認知症、例えばHIV疾患、頭部外傷、パーキンソン病、ハンチントン病、ピック病、クロイツフェルト−ヤコブ病による認知症、または多発性病因による認知症が挙げられる。認知関連障害はまた、限定するものではないが、MCIに付随する認知機能障害および認知症、例えばレヴィー小体、血管性、および卒中後認知症を含む。術後、外傷性脳傷害または卒中に付随する認知機能障害はまた、本発明により治療することができる。
【0072】
5−HT1A関連障害の他の非限定的な例としては、不安関連障害がある。不安関連障害の例としては、限定するものではないが、全般性不安障害、注意力欠如障害、注意欠陥多動性障害、強迫性障害、薬物依存症、薬物乱用、アルコールまたはニコチン中毒、パニック障害、パニック発作、心的外傷後ストレス疾患、月経前不快気分障害、社会不安障害、摂食障害、例えば神経性無食欲症および神経性大食症、血管運動性顔面紅潮、および対人恐怖症、広場恐怖症、および特定恐怖症を含む恐怖症を含む。物質中毒は、限定するものではないが、薬剤、アルコールまたはニコチン中毒を含む。
【0073】
いくつかの具体例において、認知関連障害の治療は、認識機能の改善または認知障害の抑制を含みうる。認識機能の改善の例としては、限定するものではないが、記憶増進および学んだ知識の保持が挙げられる。したがって、化合物は、認知関連障害を患っている患者の記憶および認知の喪失の遅延および独立した機能の保持に有用である。したがって、本発明の塩および結晶形態は、認識機能の改善に有用である。さらに、認知関連障害の例としては、認知症、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、アルツハイマー病に付随する認知障害、軽度認識障害、および統合失調症が挙げられる。
【0074】
いくつかの具体例において、不安関連障害は、注意力欠如障害、強迫性障害、薬物依存症、薬物依存症からの離脱症状、月経前不快気分障害、社会不安障害、神経性無食欲症、および神経性大食症を含む。
【0075】
本発明の結晶形態はさらに、アルツハイマー病の治療に有用である。いくつかの具体例において、アルツハイマー病の治療方法は、第2の治療剤を投与することを含む。いくつかの具体例において、第2の治療剤は、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である。
【0076】
本発明の結晶形態はさらに、軽度認識障害(MCI)の治療に有用である。いくつかの具体例において、MCIの治療方法は、第2の治療剤を投与することを含む。いくつかの具体例において、第2の治療剤は、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である
【0077】
本発明の結晶形態はさらに、うつ病の治療に有用である。いくつかの具体例において、うつ病の治療方法は、第2の治療剤を投与することを含む。いくつかの具体例において、第2の治療剤は、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である。
【0078】
本発明の塩および結晶形態は、さらに性機能不全、例えば薬剤治療(例えば、抗うつ剤、抗精神病剤、抗痙攣剤での治療に伴う性機能不全)の治療に有用である。
【0079】
ある具体例において、性機能不全に関連する薬剤治療は、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)(例えば、フルオキセチン、シタロプラム、シュウ酸エシタロプラム、マレイン酸フルボキサミン、パロキセチン、またはセルトラリン)、三環式抗うつ剤(例えば、デシプラミン、アミトリプチリン、アモキシピン、クロミプラミン、ドクサピン、イミプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、トリミプラミン、ドチエピン、ブトリプチリン、イプリンドール、またはロフェプラミン)、アミノケトン化合物群(例えば、ブプロピオン)に関連する。いくつかの具体例において、薬剤は、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAOI)(例えば、フェネルジン、イソカルボキサジド、またはトラニルシプロミン)、セロトニンおよびノルエピネフリン再取り込み阻害剤(SNRI)(例えば、ベンラファキシン、ネファゾドン、ミルナシプラン、デュロキセチン)、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤(NRI)(例えば、レボキサチン)、部分5−HT1Aアゴニスト(例えば、ブスピロン)、5−HT2A受容体アンタゴニスト(例えば、ネファゾドン)、全身性抗精神病薬、または非定型抗精神病薬である。かかる抗精神病薬の例としては、脂肪族フェノチアジン、ピペラジンフェノチアジン、ブチロフェノン、置換ベンズアミド、およびチオキサンチンが挙げられる。かかる薬剤のさらなる例としては、ハロペリドール、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、ピモジド、アリピプラゾール、およびジプラシドンが挙げられる。ある場合において、薬剤は、抗痙攣剤、例えば、フェノバルビタール、フェニトイン、ピリミドン、またはカルバマゼピンである。ある場合において、性機能不全の治療を必要とする患者は、抗うつ剤、抗精神病薬、抗痙攣薬、またはそれらの組み合わせである少なくとも2種の薬剤で治療されている。
【0080】
本発明のある具体例において、性機能不全は、ペニスの勃起不全を含む。
【0081】
いくつかの具体例において、結晶形態は、薬剤治療に付随する性機能不全の動物モデル、例えば性機能不全の抗うつ剤誘発モデルでの性機能不全の動物モデルでの性機能不全を緩和するのに有効である。
【0082】
本発明の結晶形態は、さらに患者の性機能の改善に有用である。
【0083】
本明細書で用いられる場合、「患者」なる用語は、哺乳動物を含む動物、好ましくはマウス、他の齧歯類、ウサギ、イヌ、ネコ、ブタ、ウシ、ヒツジ、ウマまたは霊長類、最も好ましくはヒトを意味する。いくつかの具体例において、患者は治療を必要とする。
【0084】
本明細書で用いられる場合、「治療的に有効な量」なるフレーズは、研究者、獣医、医師または他の臨床医により考えられる、組織、系、動物、個体またはヒトにおいて、下記の1またはそれ以上:
(1)疾患の予防;例えば、疾患、症状または障害に罹りやすいが、疾患の病状または兆候が見られないまたは現れてない個体の疾患、症状または障害の防止;
(2)疾患の阻害;例えば、疾患、症状または障害の病状または兆候が見られる、または現れている個体の疾患、症状または障害の阻害(すなわち、病状および/または兆候のさらなる進行の抑止または遅延);および
(3)疾患の緩和;例えば、疾患、症状または障害の病状または兆候が見られる、または現れている個体の疾患、症状または障害の緩和(すなわち、病状および/または兆候の逆進)
を含む生物学的または医薬的応答を発揮する活性化合物または薬剤の量を意味する。
【0085】
投与、組成物および剤形
本発明の結晶形態は、そのままでまたは医薬上許容される担体またはビヒクルを含む組成物の一成分として投与され得る。本発明の医薬組成物は、化合物または化合物の医薬上許容される塩および医薬上許容される担体、賦形剤、または希釈剤を混合することを含む方法を用いて調製することができる。混合は、化合物または化合物の医薬上許容される塩および医薬上許容される担体、賦形剤、または希釈剤を混合するのによく知られた方法を用いて行うことができる。
【0086】
本発明の医薬組成物は、経口投与することができる。本発明の結晶形態はまた、他の経路、例えば注入またはボーラス注射、皮膚粘膜内壁(例えば、経口、直腸、膣および腸粘膜等)からの吸収により投与することができ、他の治療剤と一緒に投与することもできる。投与は、全身性または局所性であってもよい。リポソーム、マイクロ粒子、マイクロカプセルおよびカプセルを含む種々の公知のデリバリーシステムを用いることができる。
【0087】
投与方法は、限定するものではないが、皮内、筋肉内、腹腔内、静脈内、皮下、鼻内、硬膜内、経口、舌下、大脳内、膣内、直腸投与、吸入による投与または局所、特に耳、鼻、目または皮膚への投与を含む。ある場合において、投与は、血流内への化合物または化合物の医薬上許容される塩の放出を生じさせるだろう。投与方法は、医師の判断に委ねられる。
【0088】
一の具体例において、本発明の結晶形態は経口投与される。
他の具体例において、本発明の結晶形態は静脈内投与される。
他の具体例において、本発明の結晶形態は局所投与することが望ましい。これは、例えば、手術中の局所注入により、例えば、術後の創傷包帯と組み合わせた局所適用により、注射により、カテーテル法により、坐剤により、または埋めこみにより行うことができ、該埋めこみは、膜、例えばシアラスティック膜または繊維を含み、ポーラス、非ポーラスまたはゼリー状物質であってもよい。
【0089】
ある具体例において、本発明の結晶形態は、中枢神経系、循環系または胃腸管に、髄腔内、心室内注射、傍脊椎注射、硬膜外注射、浣腸および末梢神経の近傍への注射を含む適当な経路で誘導することが望まれ得る。心室内注射は、Ommayaリザーバーのようなリザーバーに接続した心室内カテーテルにより容易に行うことができる。
【0090】
肺内投与もまた、吸入または噴霧のおよびエアロゾル剤を含む処方またはフルオロカーボンでの還流または合成肺界面活性剤を用いることにより行うことができる。ある具体例において、結晶形態は、慣用的な結合剤およびトリグリセライドのような賦形剤と坐剤として処方することができる。
【0091】
他の具体例において、本発明の結晶形態は、ビヒクル、特にリポソームでデリバリーすることができる(Langer, Science 249:1527-1533 (1990)およびTreat et al., Liposomes in the Therapy of Infectious Disease and Cancer 317-327および353-365 (1989)を参照)。
【0092】
さらなる他の具体例において、本発明の結晶形態は、制御放出システムまたは持続放出システムでデリバリーすることができる(例えば、Goodson, in Medical Applications of Controlled Release, vol. 2, pp. 115 138 (1984)を参照のこと)。Langer, Science 249:1527 1533 (1990)に記載されている他の制御または持続放出システムもまた用いることができる。一の具体例において、ポンプを用いることができる(Langer, Science 249:1527-1533 (1990); Sefton, CRC Crit. Ref. Biomed. Eng. 14:201 (1987); Buchwald et al., Surgery 88:507 (1980);およびSaudek et a1., N. Engl. J Med. 321:574 (1989))。他の具体例において、ポリマー物質を用いることができる(Medical Applications of Controlled Release (Langer and Wise eds., 1974); Controlled Drug Bioavailability, Drug Product Design and Performance (Smolen and Ball eds., 1984); Ranger and Peppas, J. Macromol. Sci. Rev. Macromol. Chem. 2:61 (1983); Levy et al., Science 228:190 (1935); During et al., Ann. Neural. 25:351 (1989);およびHoward et al., J. Neurosurg. 71:105 (1989)参照)。
【0093】
組み合わせ療法
本発明の結晶形態は、治療的に有効な量の1種またはそれ以上のさらなる治療剤と組み合わせて患者に投与することができる。さらなる治療剤の効果的な量は、当業者によく知られている。他の治療剤の最適量の範囲の決定は当業者の通常の技術範囲内である。結晶形態および他の治療剤は相加的に作用することができるか、または一の具体例においては相乗的である。一の具体例において、他の治療剤を動物に投与する場合、本発明の結晶形態の有効量は、他の治療剤を投与しない場合の有効量よりも少ない。この場合、理論に縛られることなく、結晶形態および他の治療剤は、相乗的に作用することができると考えられる。ある場合において、治療を必要とする患者は、1種またはそれ以上の他の治療剤で治療されている。ある場合において、治療を必要とする患者は、少なくとも2種の他の治療剤で治療されている。
【0094】
一の具体例において、他の治療剤は、1種またはそれ以上の以下の剤:抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤から選択される。本発明の活性化合物と組み合わせて用いることができる抗うつ剤の群の例としては、ノルエピネフリン再取り込み阻害剤、選択的セロトニン再取り込み阻害剤(SSRI)、NK−1受容体アンタゴニスト、モノアミンオキシダーゼ阻害剤(MAO)、モノアミンオキシダーゼ可逆阻害剤(RIMA)、セロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤(SNRI)、副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニスト、α−アドレナリン受容体アンタゴニスト、および非定型抗うつ剤が挙げられる。適当なノルエピネフリン再取り込み阻害剤は、三環式第三級アミンおよび三環式第二級アミンが挙げられる。適当な三環式第三級アミンおよび三環式第二級アミンは、アミトリプチリン、クロミプラミン、ドクサピン、イミプラミン、トリミプラミン、ドチエピン、ブトリプチリン、イプリンドール、ロフェプラミン、ノルトリプチリン、プロトリプチリン、アモキサピン、デシプラミンおよびマプロチリンを含む。適当な選択的セロトニン再取り込み阻害剤は、フルオキセチン、シトロプラム、エシタロプラム、フルボキサミン、パロキセチンおよびセルトラリンを含む。モノアミンオキシダーゼ阻害剤の例としては、イソカルボキサジド、フェネルジン、およびトラニルシプロミンが挙げられる。適当なモノアミンオキシダーゼ可逆阻害剤は、モクロベミドを含む。本発明の使用に適当なセロトニンおよびノルアドレナリン再取り込み阻害剤は、ベンラファキシン、ネファゾドン、ミルナシプラン、およびデュロキセチンを含む。適当なCRFアンタゴニストは、国際特許出願番号WO94/13643、WO94/13644、WO94/13661、WO94/13676およびWO94/13677に記載のものを含む。適当な非定型抗うつ剤は、ブプロピオン、リチウム、ネファゾドン、トラゾドンおよびビロキサジンを含む。適当なNK−1受容体アンタゴニストは、国際特許出願WO01/77100に記載のものを含む。
【0095】
本発明の活性化合物と組み合わせて用いることができる抗不安剤は、限定するものではないが、ベンゾジアゼピンおよびセロトニン1A(5−HT1A)アゴニストまたはアンタゴニスト、特に5−HT1A部分アゴニスト、および副腎皮質刺激ホルモン放出因子(CRF)アンタゴニストを含む。適当なベンゾジアゼピンの例としては、アルプラゾラム、クロルジアゼポキシド、クロナゼパム、クロルアゼペート、ジアゼパム、ハラゼパム、ロラゼパム、オキサゼパム、およびプラゼパムが挙げられる。適当な5−HT1A受容体アゴニストまたはアンタゴニストの例としては、ブスピロン、フレシノキサン、ジェピロンおよびイプサピロンが挙げられる。
【0096】
本発明の活性化合物と組み合わせて用いることができる抗精神病剤は、限定するものではないが、脂肪族フェノチアジン、ピペラジンフェノチアジン、ブチロフェノン、置換ベンズアミド、およびチオキサンチンを含む。かかる薬剤のさらなる例としては、限定するものではないが、ハロペリドール、オランザピン、クロザピン、リスペリドン、ピモジド、アリピプラゾール、およびジプラシドンが挙げられる。ある場合において、薬剤は、抗痙攣剤、例えば、フェノバルビタール、フェニトイン、ピリミドン、またはカルバマゼピンである。
【0097】
本発明の活性化合物と組み合わせて用いることができる認知増強剤は、限定するものではないが、神経伝達物質レベルを調節する薬剤(例えば、アセチルコリンエステラーゼまたはコリンエステラーゼ阻害剤、コリン作動性受容体アゴニストまたはセロトニン受容体アンタゴニスト)、可溶性Aβアミロイド線維形成、またはアミロイド斑苦痛のレベルを調節する薬剤(例えば、γ−セクレターゼ阻害剤、β−セクレターゼ阻害剤、抗体療法および分解酵素)、および神経を全体的に保護する薬剤(例えば、酸化防止剤、キナーゼ阻害剤、カスパーゼ阻害剤、およびホルモン)が挙げられる。本発明の化合物と同時投与される他の代表的な候補薬剤は、コリンエステラーゼ阻害剤、(例えば、タクリン(COGNEX(登録商標))、ドネペジル(ARICEPT(登録商標))、リバスティグミン(EXELON(登録商標))ガランタミン(REMINYL(登録商標))、メトリホナート、フィゾスチグミン、およびヒューパジンA)、N−メチル−D−アスパルテート(NMDA)アンタゴニストおよびアゴニスト(例えば、デキストロメトルファン、メマンチン、マレイン酸ジゾシルピン(MK−801)、キセノン、レマセミド、エリプロディル、アマンタジン、D−シクロセリン、フェルバメート、イフェンプロジル、CP−101606(Pfizer)、デルセミン、および米国特許第6,821,985号および第6,635,270号に記載の化合物)、アンパカイン(例えば、シクロチアジド、アニラセタム、CX−516(Ampalex(登録商標))、CX−717,CX−516、CX−614、およびCX−691(Cortex Pharmaceuticals,Inc.Irvine,CA)、7−クロロ−3−メチル−3−4−ジヒドロ−2H−1,2,4−ベンゾチアジアジン S,S−ジオキシド(Zivkovic et al., 1995, J. Pharmacol. Exp. Therap., 272:300-309; Thompson et al., 1995, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 92:7667-7671を参照)、3−ビシクロ[2,2,1]hept−5−en−2−イル−6−クロロ−3,4−ジヒドロ−2H−1,2,4−ベンゾチアジアジン−7−スルホンアミド−1,1−ジオキシド(Yamada, et al., 1993, J. Neurosc. 13:3904-3915);7−フルオロ−3−メチル−5−エチル−1,2,4−ベンゾチアジアジン−S,S−ジオキシド;および米国特許第6,620,808号および国際特許出願番号WO94/02475、WO96/38414、WO97/36907、WO99/51240、およびWO99/42456に記載の化合物)、ベンゾジアゼピン(BZD)/GABA受容体複合体モジュレーター(例えば、プロガビド、ゲンガビン、ザレプロン、および米国特許第5,538,956号、第5,260,331号、および第5,422,355号に記載の化合物);セロトニンアンタゴニスト(例えば、5HT受容体モジュレーター、5HT1Aアンタゴニストまたはアゴニスト(限定するものではないが、レコゾタンおよび米国特許第6,465,482号、第6,127,357号、第6,469,007号および第6,586,436号およびPCT公開番号WO97/03982に記載されている)および5−HTアンタゴニスト(限定するものではないが、米国特許第6,727,236号、第6,825,212号、第6,995,176号、および第7,041,695号));ニコチン酸(例えば、ニコチン酸);ムスカリン様薬剤(例えば、キサノメリン、CDD−0102、セビメリン、タルサクリジン、オキシブチン、トルテロジン、プロピベリン、塩化トロスピウムおよびダリフェナシン);モノアミンオキシダーゼ型B(MAOB)阻害剤(例えば、ラサジリン、セレギリン、デプレニール、ラザベミド、サフィナミド、クロルジリン、パルギリン、N−(2−アミノエチル)−4−クロロベンズアミド塩酸塩、およびN−(2−アミノエチル)−5(3−フルオロフェニル)−4−チアゾールカルボキサミド塩酸塩);ホスホジエステラーゼ(PDE)IV阻害剤(例えば、ロフルミラスト、アロフィリン、シロミラスト、ロリプラム、RO−20−1724、セオフィリン、デンブフィリン、ARIFLO、ロフルミラスト、CDP−840(トリ−アリールエタン)CP80633(ピリミドン)、RP73401(Rhone−Poulenc Rorer)、デンブフィリン(SmithKline Beecham)、アロフィリン(Almirall)、CP−77、059(Pfizer)、ピリド[2、3d]ピリダジン−5−オン(Syntex)、EP−685479(Bayer)、T−440(Tanabe Seiyaku)、およびSDZ−ISQ−844(Novartis));G蛋白質;チャンネルモジュレーター;免疫治療剤(例えば、米国特許出願番号US2005/0197356およびUS2005/0197379に記載の化合物);抗アミロイドまたはアミロイド低下剤(例えば、バピネオズマブおよび米国特許第6,878,742号または米国特許出願番号US2005/0282825またはUS2005/0282826に記載の化合物);スタチンおよびペルオキシゾーム増殖活性化受容体(PPARS)モジュレーター(例えば、ゲムフィブロジル(LOPID(登録商標))、フェノフィブラート(TRICOR(登録商標))、マレイン酸ロシグリタゾン(AVANDIA(登録商標))、ピオグリタゾン(Actos(商標))、ロシグリタゾン(Avandia(商標))、クロフィブレートおよびベザフィブラート);システイニルプロテアーゼ阻害剤;糖化最終産物に関する受容体の阻害剤(RAGE)(例えば、アミノグアニジン、ピリドキサミンカルノシン、フェナジンジアミン、OPB−9195、およびテニルセタム);直接または間接的神経向性剤(例えば、セレブロリシン(登録商標)、ピラセタム、オキシラセタム、AIT−082(Emilieu, 2000, Arch. Neurol. 57:454));ベータ−セクレターゼ(BACE)阻害剤、α−セクレターゼ、イムノフィリン、カスパーゼ−3阻害剤、Srcキナーゼ阻害剤、組織プラスミノーゲンアクチベーター(TPA)アクチベーター、AMPA(アルファ−アミノ−3−ヒドロキシ−5−メチル−4−イソキサゾールプロピオン酸)モジュレーター、M4アゴニスト、JNK3阻害剤、LXRアゴニスト、H3アンタゴニスト、およびアンギオテンシンIVアンタゴニストを含む。他の認知増強剤は、限定するものではないが、アセチル−1−カルニチン、シチコリン、ヒューパジン、DMAE(ジメチルアミノエタノール)、バコパモンニエラ抽出物、セージ抽出物、L−アルファグリセリルホスホリルクロライド、イチョウおよびイチョウ抽出物、ビンポセチン、DHA、フェニルトロピンを含む向知性薬、ピカトロピン(Creative Compounds,LLC,Scott City,MO)、ベシピルジン、リノピルジン、シボピルジン、エストロゲンおよびエストロゲン様化合物、イデベノン、T−588(Toyama Chemical,Japan)、およびFK960(Fujisawa Pharmaceutical Co.Ltd.)を含む。米国特許第5,219,857号、第4,904,658号、第4,624,954号および第4,665,183号に記載の化合物もまた、本明細書に記載のように認知増強剤として有用である。上記のメカニズムの1つまたはそれ以上で作用する認知増強剤は、本発明の範囲内に含まれる。
【0098】
一の具体例において、本発明の結晶形態および認知増強剤は、相加的に作用し、または一の具体例において、相乗的に作用する。一の具体例において、認知増強剤および本発明の結晶形態は、動物に同時投与される場合、本発明の結晶形態塩または結晶形態の有効量は、認知増強剤を投与しない場合の有効量よりも少ない。一の具体例において、認知増強剤および本発明の結晶形態を動物に同時投与する場合、認知増強剤の有効量は、本発明の結晶形態を投与しない場合の有効量よりも少ない。一の具体例において、認知増強剤および本発明の結晶形態は、これらを同時投与しない場合の有効量よりも少ない投与量で動物に同時投与される。これらの場合において、理論に縛られることなく、化合物または化合物の医薬上許容される塩よび認知増強剤は、相乗的に作用すると考えられる。
【0099】
一の具体例において、他の治療剤は、アルツハイマー病またはアルツハイマー病に付随する症状、例えば認知症の治療に有用な薬剤である。アルツハイマー病に有用な薬剤の例としては、限定するものではないが、ドネペジル、リバスティグミン、ガランタミン、メマンチン、およびタクリンが挙げられる。
【0100】
一の具体例において、結晶形態は、少なくとも一種のさらなる治療剤と共に同時に投与される。
【0101】
一の具体例において、有効量の結晶形態および有効量の少なくとも1種のさらなる治療剤を同じ組成物中に含む組成物を投与することができる。
【0102】
他の具体例において、有効量の結晶形態を含む組成物および有効量の少なくとも一種のさらなる治療剤を含む別個の組成物を、同時に投与することができる。他の具体例において、有効量の結晶形態は、有効量のさらなる治療剤の投与の前またはそれに続いて投与される。この具体例において、他の治療剤が治療効果を発揮する間に、結晶形態を投与するか、あるいは結晶形態が、5−HT1A関連障害の治療または予防において治療または予防効果を発揮する間に、他の治療剤を投与する。
【0103】
本明細書に記載の発明をさらに理解するために、以下に実施例を記載する。これらの実施例は本発明を説明するためのものであって、何ら限定するものではないことは理解されるだろう。
【0104】
実施例
実施例1
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(形態A)の調製
【0105】
工程1:5−フルオロ−8クロロキノリン
(5.0g)2−クロロ−5−フルオロアニリン(市販されている、6.0g)、グリセロール(6.0g)およびm−ニトロベンゼンスルホン酸ナトリウム塩(11.0g)の混合物に、20mLの70%硫酸を滴下した。反応温度を、2時間140℃に上げた。ついで、混合物を冷却し、氷水に注ぎ、セライトにより濾過した。濾液をNaOHで中和し、CHClで抽出した。合した有機層を無水MgSOで乾燥し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物を、100%CHClを用いるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーに付して、3.7gの所望の生成物を黄色固体として得た;MP=74−76℃;MS(ES)m/z(相対強度):182(M+H)(100)。
【0106】
工程2:8−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デク−5−イル)−5−フルオロキノリン
5−フルオロ−8−クロロキノリン(工程1、1.12g)の20mLの無水テトラヒドロフラン中溶液に、0.085gのトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba)、0.085g)、ナトリウムtert−ブトキシド(0.83g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)−ビフェニル(CYMAP、0.036g)、および1,4−ジオキソ−8−アザスピロ−4,5−デカン(1.05g)を加えた。混合物を、窒素雰囲気下で6時間還流した。ついで、反応混合物を室温に冷却し、エーテルで希釈し、セライトにより濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。ついで、粗物質を、ヘキサン/酢酸エチルを用いるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、0.700gの所望の生成物を褐色油として得た;MS(ES)m/z(相対強度):289(M+H)(100)。
【0107】
工程3:1−(5−フルオロキノリン−8−イル)ピペリジン−4−オン
8−(1,4−ジオキサ−8−アザスピロ[4,5]デク−5−イル)−5−フルオロキノリン(工程2、2.1g))の10mLの1:1テトラヒドロフラン/2NのHCl中溶液を室温にて一晩撹拌した。反応混合物を水で希釈し、1NのNaOH水溶液で塩基性化し、CHClで抽出した。合した有機層を無水MgSOで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して、1.68gの所望の生成物を黄色固体として得、これは次の反応に用いるのに十分な純度であった;MSm/z=245[M+H]
【0108】
工程4:8−クロロ−6−ヒドロキシキノリン
機械的スターラー、還流コンデンサーを備えた500mLの3首フラスコに、順次、発煙硫酸(2.0g)、4−アミノ−3−クロロフェノール塩酸塩(6.4g、市販品)、ニトロベンゼン(2.9mL)およびホウ酸(3.0g)のグリセロール(16g)中溶液を加えた。ついで、濃硫酸(9mL)を冷却しながら滴下した。氷浴を除去し、油浴に置き換え、混合物を連続して2時間120℃に加熱し、ついで、150℃に加熱して、この温度で20時間撹拌を続けた。冷却した後、反応物を砕いた氷に加え、得られた溶液をKCOで中和した。明褐色固体として分離された生成物を濾過し、水およびヘキサンで洗浄し、減圧下(35℃)で一晩乾燥して、7g(77%)の所望の生成物を得た。MS(ES)m/z(相対強度):180(M++−H、100)
【0109】
工程5:8−クロロ−6−メトキシキノリン
3.3gの8−クロロ−6−ヒドロキシキノリン(工程4、3.3g)のジメチルホルムアミド中溶液に、KCO(3.8g)、ついで、ヨウドメタン(5.2g)を加えた。混合物を室温にて一晩撹拌した。ついで、水を加え、水性混合物をCHClで抽出した。合した有機層を無水MgSOで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗生成物を、100%CHClを用いるシリカゲルのフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、2.2gの所望の生成物をベージュの固体として得た;MP=74−75℃;MS(ES)m/z(相対強度):194(M+H)(100)。
【0110】
工程6:6−メトキシ−8−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペラジノ]キノリン
8−クロロ−6−メトキシキノリン(工程5、2.7g)の無水テトラヒドロフラン中混合物に、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム(0)(Pd(dba)、0.064g)、ナトリウムtert−ブトキシド(1.9g)、2−ジシクロヘキシルホスフィノ−2’−(N,N−ジメチルアミノ)ビフェニル(CYMAP、0.08g)およびtert−ブトキシカルボニルピペラジン(3.4g)を加えた。混合物を5時間窒素雰囲気下で還流した。ついで、反応物を室温に冷却し、エーテルで希釈し、セライトにより濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮した。粗物質を、100%CHClを用いるフラッシュクロマトグラフィーにより精製して、4.0gの所望の生成物をベージュの固体として得た;mp=92−93℃;MS(ES)m/z(相対強度):344(M+H)(100)。
【0111】
工程7:6−メトキシ−8−ピペラジノキノリン
6−メトキシ−8−[1−(tert−ブトキシカルボニル)−4−ピペラジノ]キノリン(工程6、4.0g)の20mLのジジオキサン中溶液に、10mLの4NのHCl/ジオキサンを加えた。混合物を室温にて一晩撹拌した。得られた沈殿を、減圧濾過により回収し、水に溶かし、水酸化ナトリウム水溶液で中和して、CHClで抽出した。合した有機層を無水NaSOで乾燥し、濾過し、ロータリーエバポレーターで濃縮して、2.8gの所望の生成物をベージュの固体として得た;MP=105−107℃;MS(ES)m/z(相対強度):244(M+H)(100)。
【0112】
工程8:6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン
1−(5−フルオロ−キノリン−8−イル)−ピペリジン−4−オン(工程3、4.1g)および6−メトキシ−8−ピペラジノキノリン(工程7、4.3g)を、20mLの無水メタノール中で撹拌した。ついで、1.1当量(1.2gm)のナトリウムシアノボロヒドリドを加え、反応物を一晩室温にて撹拌した。溶媒を分離し、残渣を酢酸エチル中に溶解し、水で洗浄した。有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥し、濾過し、分離して、黄色固体を7.4g得た。粗生成物を、分取HPLC(ヘキサン中4%エタノール)により精製した。得られた溶液を濾過し、溶媒を濾液から除去し(ロータリーエバポレーションにより)、XRPDにより形態Aとして特徴付けられる1.27gの黄色固体を得た。MS[M+H]+472.2.m.p.198℃。純度94〜98%。
【0113】
実施例2
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(形態B)の調製
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン形態AをDMSO中に溶解した。灰白色粉末が、水貧溶媒を添加することにより沈殿した。固体を減圧濾過により回収し、空気乾燥した。乾燥した固体をXRPDにより形態Bとして特徴付けた。
【0114】
実施例3
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(形態C)の調製
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン形態Aを、メチルエチルケトンおよびジオキサンの1:1混合物中に溶解した。溶媒を外界条件下の開口バイアル中で蒸発させて、XRPDにより形態Cとして特徴付けられる板状結晶を得た。
【0115】
実施例4
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(形態D)の調製
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン形態Aを酢酸エチル中に溶解した。溶媒を外界条件下の開口バイアル中で蒸発させて、XRPDにより形態Dとして特徴付けられる角柱状結晶を得た。
【0116】
実施例5
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン(形態E)の調製
6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリン形態Aをテトラヒドロフラン中に50℃で約48時間スラリー化した。得られた固体は、XRPDにより形態Eとして特徴付けられた。
【0117】
実施例6
粉末X線回折
粉末X線回折パターンを、Rigaku Miniflex Diffraction System(Rigaku MSC inc.)で得た。粉末試料は、zero−background研磨シリコン試料ホルダー上に沈着した。3.00〜40.00°の2−シータで1度/分のNiKβフィルタースキャニングを備えた標準焦点銅X線チューブを0.45kWでX線源として用いた。例えば、最初のスキャン速度は、2度/分を用いた。データ処理は、Jade6.0ソフトウェアを用いて行った。
【0118】
実施例7
示差走査熱量測定
DSCデータをQ1000 DSC(TA instruments)を用いて取得した。典型的には、3〜5mgの試料を、密閉したアルミニウムパン(ピンホール無し)で用いた。試料を、40℃から300℃に、10℃/分の加熱速度で加熱した。熱流データは、Universal Analysisソフトウェア(TA instruments)を用いて分析した。
【0119】
本明細書に記載されているものに加え本発明の種々の改変は、上記記載から当業者には明らかだろう。また、かかる改変は本発明の範囲に含まれる。本明細書に示されたすべての特許、特許出願および雑誌を含む個々の引用文献は、出典明示により本明細書に組み入れる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
2θ(°)で約9.6および約13.1での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約196℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)。
【請求項2】
さらに2θ(°)で約22.6での特性ピークを含む、請求項1記載の結晶形態。
【請求項3】
さらに2θ(°)で約24.0での特性ピークを含む、請求項1または請求項2記載の結晶形態。
【請求項4】
約9.6、約13.1、約22.6、約24.0、約19.5および約20.3から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約196℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)。
【請求項5】
実質的に図1に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)。
【請求項6】
約196℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態A)。
【請求項7】
実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項6記載の結晶形態。
【請求項8】
2θ(°)で約9.0および約15.9での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態B)。
【請求項9】
さらに、2θ(°)で約22.4での特性ピークを含む、請求項8記載の結晶形態。
【請求項10】
さらに、2θ(°)で約25.2での特性ピークを含む、請求項9記載の結晶形態。
【請求項11】
2θ(°)で約9.0および2θで約12.6、約13.4、約15.9、約22.4、および約25.2から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態B)。
【請求項12】
実質的に図2に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態B)。
【請求項13】
実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項12記載の結晶形態。
【請求項14】
2θ(°)で約9.6および約13.1での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約192℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)。
【請求項15】
さらに、2θ(°)で約22.4での特性ピークを含む、請求項14記載の結晶形態。
【請求項16】
さらに、2θ(°)で約23.8での特性ピークを含む、請求項15記載の結晶形態。
【請求項17】
2θ(°)で約9.6、約13.1、約15.7、約19.4、約22.4、約22.8、約23.8から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有し、約192℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)。
【請求項18】
実質的に図3に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)。
【請求項19】
約192℃での吸熱ピークにより特徴付けられるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態C)。
【請求項20】
実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、請求項19記載の結晶形態。
【請求項21】
2θ(°)で約12.2および約12.8での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)。
【請求項22】
さらに、2θ(°)で約13.0での特性ピークを含む、請求項21記載の結晶形態。
【請求項23】
さらに、2θ(°)で約19.6での特性ピークを含む、請求項22記載の結晶形態。
【請求項24】
2θ(°)で約12.2および2θで約12.8、約13.0、約18.8、約19.6、約22.4から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)。
【請求項25】
実質的に図4に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)。
【請求項26】
実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態D)。
【請求項27】
2θ(°)で約12.3および約19.7での特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)。
【請求項28】
さらに2θ(°)で約18.9での特性ピークを含む、請求項27記載の結晶形態。
【請求項29】
さらに2θ(°)で約21.8での特性ピークを含む、請求項28記載の結晶形態。
【請求項30】
2θ(°)で約12.3および2θで約12.9、約18.9、約19.7、約21.8、約22.1から選択される少なくとも3つの特性ピークを含むX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)。
【請求項31】
実質的に図5に示されるX線粉末回折パターンを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)。
【請求項32】
実質的に図6に示されるDSCサーモグラムを有する、6−メトキシ−8−[4−(1−(5−フルオロ)−キノリン−8−イル−ピペリジン−4−イル)−ピペラジン−1−イル]−キノリンの結晶形態(形態E)。
【請求項33】
治療を必要とする患者における5−HT1A関連障害の治療方法であって、該患者に治療的に有効な量の請求項1〜32いずれか1項記載の結晶形態を投与することを含む方法。
【請求項34】
5−HT1A関連障害が認知関連障害または不安関連障害である、請求項33記載の方法。
【請求項35】
認知関連障害が、認知法、パーキンソン病、ハンチントン病、アルツハイマー病、アルツハイマー病に付随する認知障害、軽度認識障害、または統合失調症である、請求項34記載の方法。
【請求項36】
不安関連障害が、注意力欠如障害、強迫性障害、薬物依存症、薬物依存症からの離脱症状、月経前不快気分障害、社会不安障害、神経性無食欲症、または神経性大食症である、請求項34記載の方法。
【請求項37】
さらに第2の治療剤を含む、請求項34記載の方法。
【請求項38】
第2の治療剤が、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である、請求項37記載の方法。
【請求項39】
第2の治療剤が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤である、請求項37記載の方法。
【請求項40】
第2の治療剤が、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、クロナゼパム、ジアゼパム、ブスピロン、ハロペリドール、オランザピン、またはクロザピンである、請求項37記載の方法。
【請求項41】
第2の治療剤が、コリンエステラーゼ阻害剤である、請求項37記載の方法。
【請求項42】
第2の治療剤が、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、またはガランタミンである、請求項37記載の方法。
【請求項43】
治療を必要とする患者のアルツハイマー病の治療方法であって、該患者に治療的に有効な量の請求項1〜32いずれか1項記載の結晶形態を投与することを含む方法。
【請求項44】
さらに第2の治療剤を投与することを含む、請求項43記載の方法。
【請求項45】
第2の治療剤が、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である、請求項44記載の方法。
【請求項46】
第2の治療剤が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤である、請求項44記載の方法。
【請求項47】
第2の治療剤が、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、クロナゼパム、ジアゼパム、ブスピロン、ハロペリドール、オランザピン、またはクロザピンである、請求項44記載の方法。
【請求項48】
第2の治療剤が、コリンエステラーゼ阻害剤である、請求項44記載の方法。
【請求項49】
第2の治療剤が、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、またはガランタミンである、請求項44記載の方法。
【請求項50】
治療を必要とする患者の軽度認識障害(MCI)の治療方法であって、該患者に治療的に有効な量の請求項1〜32いずれか1項記載の結晶形態を投与することを含む方法。
【請求項51】
さらに第2の治療剤を投与することを含む、請求項50記載の方法。
【請求項52】
第2の治療剤が、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である、請求項51記載の方法。
【請求項53】
第2の治療剤が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤である、請求項51記載の方法。
【請求項54】
第2の治療剤が、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、クロナゼパム、ジアゼパム、ブスピロン、ハロペリドール、オランザピン、またはクロザピンである、請求項51記載の方法。
【請求項55】
第2の治療剤がコリンエステラーゼ阻害剤である、請求項51記載の方法。
【請求項56】
第2の治療剤が、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、またはガランタミンである、請求項51記載の方法。
【請求項57】
該治療を必要とする患者のうつ病の治療方法であって、該患者に治療的に有効な量の請求項1〜32いずれか1項記載の結晶形態を投与することを含む方法。
【請求項58】
さらに第2の治療剤を投与することを含む請求項57記載の方法。
【請求項59】
第2の治療剤が、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である、請求項58記載の方法。
【請求項60】
第2の治療剤が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤である、請求項58記載の方法。
【請求項61】
第2の治療剤が、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、クロナゼパム、ジアゼパム、ブスピロン、ハロペリドール、オランザピン、またはクロザピンである、請求項58記載の方法。
【請求項62】
第2の治療剤が、コリンエステラーゼ阻害剤である、請求項58記載の方法。
【請求項63】
第2の治療剤が、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、またはガランタミンである、請求項58記載の方法。
【請求項64】
治療を必要とする患者における薬物療法に付随する性機能不全の治療方法であって、該患者に治療的に有効な量の請求項1〜32いずれか1項記載の塩または結晶形態を投与することを含む方法。
【請求項65】
薬物療法が、抗うつ剤療法、抗精神病薬療法または抗痙攣薬療法である、請求項64記載の方法。
【請求項66】
改善を必要とする患者の性機能の改善方法であって、有効量の請求項1〜32いずれか1項記載の結晶形態を投与することを含む方法。
【請求項67】
請求項1〜32いずれか1項記載の結晶形態および少なくとも1種の医薬上許容される担体を含む組成物。
【請求項68】
さらに第2の治療剤を含む請求項67記載の組成物。
【請求項69】
第2の治療剤が、抗うつ剤、抗不安剤、抗精神病剤、または認知増強剤である、請求項68記載の組成物。
【請求項70】
第2の治療剤が、選択的セロトニン再取り込み阻害剤である、請求項68記載の組成物。
【請求項71】
第2の治療剤が、フルオキセチン、フルボキサミン、パロキセチン、セルトラリン、クロナゼパム、ジアゼパム、ブスピロン、ハロペリドール、オランザピン、またはクロザピンである、請求項68記載の組成物。
【請求項72】
第2の治療剤が、コリンエステラーゼ阻害剤である、請求項68記載の組成物。
【請求項73】
第2の治療剤が、タクリン、ドネペジル、リバスティグミン、またはガランタミンである、請求項68記載の組成物。

【公表番号】特表2009−539855(P2009−539855A)
【公表日】平成21年11月19日(2009.11.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−514391(P2009−514391)
【出願日】平成19年6月8日(2007.6.8)
【国際出願番号】PCT/US2007/013498
【国際公開番号】WO2007/146116
【国際公開日】平成19年12月21日(2007.12.21)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】