説明

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンおよびその塩の結晶形

本発明は、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(I)の固体状態に関し、それゆえ、その塩基ならびにその医薬的に許容される塩および溶媒和物の新規な結晶形、それらの製造方法にも関し、各医薬製剤およびそれらの治療用途に関する。化合物(I)は、5種類の異なる結晶形、3種類の多形、2種類の溶媒和物中の遊離塩基として得られうる。医薬開発に許容可能な物理化学的特性を有する(I)のいくつかの医薬的に許容される塩が得られ、各多形および/または水和物が特徴付けられた。


(I)

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン,CR4056の新規な結晶形、その医薬的に許容される塩および溶媒和物に関し、その製造方法にも関する。6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンは、新規の強力な鎮痛剤、抗炎症薬および抗うつ薬である。それゆえ、本発明はまた、CR4056の結晶形、そのそれぞれの塩および溶媒和物の医薬製剤、それらの製造、ならびに慢性または急性疼痛の治療、炎症状態の治療および鬱病の治療におけるこれらの医薬形態の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
イントロダクション
我々は、特許文献1(鎮痛剤および抗炎症薬としての6−(1H−イミダゾ)−キナゾリンおよび−キノリン誘導体の製造)において、強力な鎮痛作用および抗炎症作用を有する一群の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−アリールキナゾリン誘導体を以前に報告し、関節リウマチおよび骨関節炎のような炎症状態、気道の炎症状態の症状、エリテマトーデス、湿疹および乾癬のような皮膚の症状、ならびに潰瘍性大腸炎、クローン病および術後炎症合併症などの胃腸管の炎症状態を治療するために最適な薬理作用を有する物質であることを示した。
【0003】
さらに、それらの高い鎮痛作用のため、これらの化合物は、急性および慢性疼痛、例えば、術後および外傷後疼痛、線維筋痛を含む筋肉痛、神経因性疼痛および癌に関連する疼痛の治療で用いられ得る。
【0004】
2008年6月20日に出願の特許文献2(6−(1H−イミダゾ)−キナゾリンおよび−キノリン誘導体、新規のMAO−A阻害剤およびイミダゾリン受容体リガンド)では、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−アリールキナゾリン誘導体の同一群に関して、その非常に強い抗うつ作用は、上記の鎮痛作用と組み合わされると、鬱が上記慢性症状において無視できない副作用であることから、これらの製剤に有利な薬理学的なプロファイルを付与することを記載した。
【0005】
上記の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−アリールキナゾリン誘導体のなかでは、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、CR4056が極めて高い全体的な薬理学的プロファイルを有していることが判明している。
【0006】
原薬(API)の固体状態の物理化学的特性は、原薬およびその相当する医薬形態の両方のバイオアベイラビリティ、安定性および加工性について影響を及ぼしうるため、製剤の開発において基本的に重要である。
【0007】
多くの場合、この原薬は、結晶形およびアモルファス形の固体状態で存在し、結晶形については、様々な溶媒和物および多形が可能であることが知られている。
【0008】
それゆえ、多形は、1種類以上の形体で結晶化する物質の能力からなり、各形体は、結晶格子における分子の異なる配置によって特徴付けられ、一方で、溶媒和物を生じる能力は、正確な位置および規定された化学量論に従って、水または溶媒分子をその結晶格子に取り込める可能性からなる。
【0009】
よって、多形は、ICH Q6A(医薬品規制調和会議、トピックQ6A、2000年5月)で説明されるように本明細書で理解され、用語「APIの結晶形」は、本明細書では、多形または溶媒和物のいずれかである固体の特定の形体を意味する。異なる多形および溶媒和物は、異なる溶解性、異なる安定性、異なる吸湿性および異なる力学的特性、例えば、濾過性および流動性を有しうる。
【0010】
溶解特性は、製剤のバイオアベイラビリティに重要でありうる一方で、その他の物理化学的および力学的特徴は、原薬および医薬形態の両方の安定性および加工性を決定するのに重要であり、それゆえ、その製剤の品質およびコストにかなり影響を与えうる。治療用途のタイプ、投与経路および製剤によって、同じ原薬を、様々な製剤要件に適合させるために異なる物理化学的特性で付与することが必要となりうる。
【0011】
それゆえ、多形は、これらの要件を満たすための有利な条件でありうる。例えば、即効型経口製剤または非経口製剤の場合、原薬の溶解性は、治療の有効性またはこの投与経路を用いる可能性さえも決定するための基本でありうる。6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、CR4056は、溶媒和物および多形を含む様々な結晶形の遊離塩基として結晶化する驚くべき能力を示し、適正に制御されなければ、原薬の物理化学的特性の調和を妨げ、上記の問題を生じうる。特に、特許文献1および2に報告されている方法による原薬の結晶化は、多形および溶媒和物の混合物を生じうる。
【0012】
経口投与される製剤の吸収は、胃腸壁に拡散する能力である透過性および胃腸液に溶解する能力である溶解性の2つの根本的な因子によって決定される。
【0013】
これらの2つの因子を考慮するために、BCS(Biopharmaceutical Classification System)(非特許文献1)として知られる原薬の分類法が導入された。6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンは、優れた透過性および低い溶解性が付与されているため、BCSシステムのクラスII(高い透過性、低い溶解性)に分類される。このクラスの原薬について、溶解性はそれらの吸収を決定するために必須である。医薬的に許容される塩の製造は、一般に、難溶性原薬の溶解性を高めるための方法を表し、優れた透過性を有する原薬の場合、それらのバイオアベイラビリティを高めるための適切な方法である。
【0014】
しかしながら、必ずしも、溶解性、安定性および加工性のような適当な特性が付与された塩を得ることができるわけではない。有機化合物の塩でさえも、多形および溶媒和物を生じることができるため、対象とする要件を満たす医薬製剤の製造のための適当な使用を可能にするであろう前記特性を有する塩または溶媒和物の適当な結晶形を同定できる場合もある。例えば、様々な保存条件下での結晶形の安定性は、原薬およびその対応する医薬製剤の製造サイクルにとって必要であり、製剤の特性の品質、均一性および一貫性を確保するために必須な条件である。
【0015】
さらに、製造サイクルにおいて、その結晶形の吸湿性または低い安定性に起因する特定の知られている注意すべき使用を回避することで、多くの場合、製造コストを著しく減らすことができる。力学的ストレスに対する結晶形の安定性は、医薬専門の製造サイクル、例えば、剤形(流動性)および溶解に適当な粒径を得るために必要な粉砕、製剤中の原薬を均一にするために必要な混合、および錠剤の製造に必要な圧縮で通常用いられる全ての方法に重要である。
【0016】
結晶形の同定および特徴付けは、しばしば、容易ではない方法で行われうる(非特許文献2)。補完的な分析技術、例えば、X線回折、熱量および振動分光法は、多くの場合、所定の結晶形を明確に同定し、特徴付けることを可能にする。
【0017】
熱重量分析法(TGA)は、しばしば、示差走査熱量測定法(DSC)と組み合わせて、水和物または溶媒和物の存在を示すのに極めて有用である。DSCはまた、多形およびその関連する熱特性を示すために必要な技術である。振動分光技術のなかでも、赤外線分光法(FT−IR)は、多形の同定を可能にし、これができない場合、ラマン分光法が所望の情報を提供しうる。
【0018】
水和物の場合であって、化合物の吸湿性を研究するためには、DVS(水蒸気吸着測定)は重要な技術である。しかしながら、多形または溶媒和物であるかの結晶形の特徴付けのための選択方法はX線分光法である。この比較的単純な技術は、粉末回折実験(XRPD)であれば、多くの場合、結晶形およびその相対的な結晶化度を明確に同定できる(非特許文献3)。
【0019】
XRPDが用いられ得る場合、適切な較正後、非常に高い感度で多形の純度を決定することについて(非特許文献4)、多形の同定および特徴付けの方法の通常の使用時に、この技術はその他の結晶形の存在を一般的にはほぼ5〜10%単位の感度で検出することができる。
【0020】
結晶形を同定し、特徴付けるための最良の方法は、単結晶X線回折分光法(SC−XR)である。これは単位格子のタイプおよび寸法の同定を可能にし、結晶形のタイプを特徴付けし、それにより多形または溶媒和物を特徴付け、塩の場合には、それらの化学量論を明確に解明し、それらの特性を理解するのに最適な方法である。
【0021】
かなりの技術的な進歩がなされたにもかかわらず、この技術の大きな欠点が、いつも容易に或いはなお可能かどうかわからないが、適当な大きさで、限られた数の欠点を有する、解析されるべき形体の結晶を得る可能性において、いまだに存在している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0022】
【特許文献1】WO2008/014822
【特許文献2】PCT/EP2008/057908
【非特許文献】
【0023】
【非特許文献1】GL Amidon et al., Pharm. Res. 1995, 12: 413-419
【非特許文献2】Giron Danielle, Monitoring polymorphism of drugs, an on-going challenge - part 2. American Pharmaceutical Review (2008), 11(3), 86-90
【非特許文献3】Harry G. Brittain, X-ray powder diffraction of pharmaceutical materials, American Pharmaceutical Review 2002, 5(1), 74-76
【非特許文献4】Stephen R. Byrn, Regulatory aspects of X-ray powder diffraction, American Pharmaceutical Review 2005, 8(3), 55-59
【発明の概要】
【0024】
発明の説明
本発明は、遊離塩基および安定で医薬的に許容される塩の形態の両方の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの固体状態に関する。本明細書に記載される遊離塩基およびその塩の様々な結晶形の適当な使用によって、その原薬の物理化学的特性の一貫性を確実にするだけではなく、経口および非経口形態などの様々な形態で投与することができる。
【0025】
特に、本発明は、原薬である6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(I)、CR4056の固体形体、より具体的には、遊離塩基の結晶形、ならびにその医薬的に許容される塩および溶媒和物に関し、これらの多形、塩および溶媒和物の製造方法にも関し、ならびに遊離塩基の前記多形および溶媒和物、またはその塩もしくは相当する溶媒和物の医薬製剤の製造のための使用に関する。本発明はまた、この化合物によって以前に記載された疼痛および炎症状態の症状の薬物治療のための前記医薬製剤の使用に関する。
【化1】

(I)
【0026】
特に、本発明の1の態様は、塩化されていない塩基として、および非溶媒和形における6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの多形に関する。
【0027】
より具体的には、この態様には、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの実質的に純粋な多形結晶形が含まれ、これらは、適当な医薬製剤の製造に用いることができるように再現可能に製造され得、バイオアベイラビリティ、安定性および吸湿性ならびに力学的特性が付与され、品質の観点から当該規定を満たしうる(ICH Q10、医薬品品質システム、2008年6月)。
【図面の簡単な説明】
【0028】
原文に記載なし
【発明を実施するための形態】
【0029】
用語「実質的に純粋な結晶形」は、本明細書および以下の文中において、XRPDによって特徴付けられた結晶形を意味し、その他の結晶形に関するシグナルの痕跡をわずかにしか含まない。好ましくは、かかるシグナルの存在は、そのシステム(XRPD)の検出可能な限度以下であるか、もしくは同等であり、それゆえ、本明細書に記載される多くの場合には、用語「実質的に純粋な形」は、90%以上の純度を有する結晶形を意味する。
【0030】
−図1に示されるX線粉末回折(XRPD)スペクトルによって特徴付けられ、表1に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)の結晶形(遊離塩基多形A)。
【0031】
用語「主要なピーク」は、本明細書および以下の文中において、>5%の相対強度を有するものを意味する。本明細書に記載のXRPDディフラクトグラムは、Cu Kαによる照射により、およびそのデータ処理に関するXPERT−PROを用いて得られた。
【0032】
より具体的には、本明細書に示される粉末回折スペクトルは、X’Pert PROディフラクトメータ(PANalytical)を用い、データ取得および処理のための以下のパラメータを用いて取得された:
陽極:Cu(タイプ:セラミック回折X線チューブ、Long Line Focus、PW3373/00 Cu LFF)
フォーカスディメンション(focus dimension):12mmx0.4mm
フォーカス品質(Focus quality):COCIR基準
ウィンドウ直径(Be window diameter):14mm、ウィンドウ厚さ(Be window thickness):300μm
発生器設定:40mA、40KV
波長:Kα1=1.54060Å
Kα2=1.54443Å
Kβ=1.39225Å
Kα1/Kα2比率:0.50000
Kα=1.541874Å
Kβ=1.392250Å
入射ビーム経路半径(Incident beam path Radius)(mm):240.0
PW3050/60 X’Pert PRO標準分解ゴニオメーター
ゴニオメーター半径:240.00mm(X’Pert PRO MPDシステム)
分散フォーカス発散スリット(Dist. Focus-diverg. Slit):91.00mm
回転速度:1°/秒
開始位置:2θ°=3.0084
終了位置:2θ°=39.9834
ステップサイズ:2θ°=0.0170
スキャンステップ時間(s):12.9218
スキャンタイプ:連続(continuous)
PSDモード:スキャンニング
PSD長:2θ°=2.12
オフセット:2θ°=0.000
発散スリットサイズ:0.2393°
試料長(specimen Length):10.00mm
表面回折面(face-diffraction plane)150mm
フィルター:ニッケル(0.020mm)
検出器名:X’Celerator
タイプ:RTMS検出器
PHD−下限レベル(%):39.5
PHD−上限レベル(%):80.0
モード:スキャニング
有効長(°):2.122
【0033】
本発明に記載される全てのその他のディフラクトグラムを同一の方法で得た。
表1
【表1】

【0034】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのこの結晶形(遊離塩基多形A)はまた、図2に示される示差走査熱量測定法(DSC)によって特徴付けられ、これは開始温度が約180℃である融解に相当する吸熱現象を示す。
【0035】
本明細書に記載される全てのDSCスペクトルは、10°/分の走査速度で得た。
【0036】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのこの結晶形(遊離塩基多形A)はまた、図3に示されるFT−IRスペクトル(ATR)(FT−IR/ATR:減衰全反射測定モードでのフーリエ変換赤外分光法)によっても特徴付けられ、これは、3086、1587、1155、1169、1185、851および836cm-1で特徴的な吸収を示す。
【0037】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)の結晶形(遊離塩基多形A)は、この原薬の熱力学的により安定な形体であり;これは、図2の形体AのDSCスペクトルと、図5および8に関して相当する多形DおよびEのDSCスペクトルとを比較することによって明らかである。形体Aは、より高い融点(約180℃)によって特徴付けられる一方で、その他の2つの形体はより低い温度(それぞれ約160および約162℃)で融解することに留意すべきであり;さらに、DSCスペクトルから、その他の形体の融解熱が両者とも形体Aより低く、形体DおよびEのその両者とも形体Aに再結晶化することに留意すべきである。形体DおよびEと比較した形体Aのより高い安定性はまた、実施例21および26で報告されている実験によって立証されている。さらに、実施例3の実験は、形体の混合物をより安定な形体Aに変換することができることを明確に示す。
【0038】
経口製剤の開発において、適当な結晶形の選択は、通常、原薬の有効性および加工性の両方を最適化するために不可欠である。
【0039】
形体Aは、中和pHでの最適な溶解性によって特徴付けられるものではないが、胃のpHでの許容可能な溶解性(実施例7)および許容可能なバイオアベイラビリティ(実施例8)を示す。多形Aは、熱力学的により安定なものであるため、化学的およびその他の形体への変換の両方に関してより高い安定性を有している。さらに、この多形は、力学的ストレスについて特に安定であり(実施例6)、その他の形体への変換またはアモルファス物質の形成を生じず、しばしば、製剤化プロセス中に悪影響を及ぼす前記原薬の流動性および吸湿性を減じる。それゆえ、形体Aは、即時放出型錠剤およびカプセル剤のような6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの医薬製剤の製造時に特に用いられる。
【0040】
経口製剤の開発において、原薬は、バイオアベイラビリティ、流動性および密度などの物理化学的および力学的特性、また原薬の安定性の一貫性を確実にして製剤の特性を確保するために、明確で一貫した結晶形で投与されることが絶対に必須である(ICH、Q6A:新しい薬物および新しい製剤のための試験法および許容可能な判断基準、2000年5月)。
【0041】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンは、結晶化プロセスが適当な定められた方法に従って行われない場合、多形および水和物の形体の混合物として結晶化し、それゆえ、多形および水和物の組成に応じて異なる特性で特徴付けられる原薬を生じるという驚くべき性向を示した。これは、上記とは対照的に、製剤の製造時の加工性および一貫性についての多くの問題を引き起こし得る。
【0042】
実施例1、2および3に記載される6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの結晶化は、形体Aを高純度で一貫して得ることを可能にする。さらに、その熱的安定性のため、この生成物を乾燥させるための方法には少し注意する必要があり、それゆえ、その他の記載される形体より簡単で、かつ費用がかからない。
【0043】
−図4に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表2に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)の結晶形(遊離塩基の多形D)。
表2
【表2】

【0044】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのこの結晶形(遊離塩基多形D)はまた、図5に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、開始温度が約160℃である融解に相当する吸熱現象、形体Aの結晶化に相当する発熱現象、開始温度が約180℃である形体Aの融解に相当する吸熱現象を示す。
【0045】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのこの結晶形(遊離塩基多形D)はまた、図6に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられ、これは、3096、1579、1586、1556および1247cm-1で特徴的な吸収を示す。
【0046】
結晶形体Aは、強酸性ではないpHにおいて優れた溶解性を示さない。ある場合において、製剤の吸収は、pHが中性もしくは塩基性である場合に腸管で生じることが必要である。腸溶剤は、しばしば、このために用いられる。ある場合において、難溶性原薬の溶解性は、湿潤性を高めず、分散および崩壊作用を有する適当な賦形剤中で当該原薬のアモルファス化およびアモルファス生成物の分散によって高められ得る。このアモルファス化が当該原薬を賦形剤とともに粉砕することによって生じる工程は、特に有効である。その安定性を考慮すると、多形Dは、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン形体のなかでこの用途タイプに最適である。
【0047】
−図7に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表3に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)の結晶形(遊離塩基の多形E)。
表3
【表3】

【0048】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのこの結晶形(遊離塩基多形E)はまた、図8に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約162℃である融解に相当する吸熱現象、形体Aの結晶化に相当する発熱現象、および開始温度が約181℃である形体Aの融解に相当する吸熱現象を示す。
【0049】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのこの結晶形(遊離塩基多形E)はまた、図9に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられ、これは、3122、1577、1338、1174、1146、1071および1057cm-1で特徴的な吸収を示す。
【0050】
結晶形体Aは、強酸性ではないpHにおいて優れた溶解性を示さない。一定の場合において、製剤の吸収は、pHが中性もしくは塩基性である場合に腸管で生じることが必要である。酸性でないpHでの結晶形体Eは、形体Aの2倍の溶解性を有しており、形体Dより安定であり、それゆえ、腸溶性カプセル剤中の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの医薬製剤の最有力候補である。
【0051】
さらに、形体Eは、その結晶化度および結晶塑性の低さから、持続放出型医薬製剤の製造において、ならびに、形体Dについて記載されるように、原薬のアモルファス化およびアモルファス生成物の分散が賦形剤とともに粉砕されることによって得られる医薬製剤の製造において用いられうる。
【0052】
多形Eは、実施例25に示される方法に従って高い収率で一貫して得られうる。
【0053】
その別の態様において、本発明は、塩化されていない塩基としての、および溶媒和物の形体における、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの多形に関する。より具体的には、この態様には、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン水和物の実質的に純粋な多形結晶形が含まれ、これらは、上記のように適当な医薬製剤の製造で用いることができるように、再現可能に製造され得、バイオアベイラビリティ、安定性および吸湿性の特性ならびに力学的特性が付与される。
【0054】
−図10に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表4に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)の結晶形(遊離塩基の形体B)。
表4
【表4】

【0055】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物のこの結晶形(遊離塩基の形体B)は、図11に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、約40〜100℃の範囲での脱溶媒和に相当する吸熱現象、開始温度が約156℃である融解に相当する吸熱現象、形体Aの結晶化に相当する発熱現象、および開始温度が約178℃である形体Aの融解に相当する吸熱現象を示す。
【0056】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物のこの結晶形(遊離塩基の形体B)はまた、図12に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられ、これは、1327、1310、1174、1146、1103、901および878cm-1で特徴的な吸収を示す。
【0057】
−図13に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表5に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)の結晶形(遊離塩基の形体C)。
表5
【表5】

【0058】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物のこの結晶形(遊離塩基の形体C)はまた、図14に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、約30〜80℃の範囲での脱溶媒和に相当する吸熱現象、開始温度が約163℃である融解に相当する吸熱現象、形体Aの結晶化に相当する発熱現象、および開始温度が約179℃である形体Aの融解に相当する吸熱現象を示す。
【0059】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物のこの結晶形(遊離塩基の形体C)はまた、図15に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられ、これは、1566、1520、1323、1175、1146および1110cm-1での特徴的な吸収を示す。
【0060】
通常、安定性の理由から、原薬の水和物の形体を生じさせないことが好ましいが、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの場合、水和物の形体、特に形体Cは、周囲環境下で驚くべき安定性を示し、実施例10から14でそれぞれ示されている方法によって最適な収率および不純物で製造されうる。
【0061】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの多形の溶解性と同様の溶解性によって特徴付けられるが、その水和物の形体の湿潤性は多形のものより高く、それゆえ、これらの水和物の形体は、原薬の湿潤性を高めやすい賦形剤の使用に関わらず医薬製剤の製造に有用である。さらに、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン多形を水で処理するとこれらの水和物の形体を生じることから、それらは、造粒方法またはその他の操作のいずれかにおいて水の使用に関する全ての製剤過程で有用である。
【0062】
多形および水和物を含み、塩化されていない塩基に関する6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンについて報告されている様々な結晶形のXRPDスペクトルは、図16で比較されている。この場合であっても、XRPDスペクトルは常に最も強いピークを示し、様々な形体で十分に分離されているため、XRPD法はこれらの形体を同定するためにそれだけで十分であり、各形体のXRPDスペクトルから見出されうるように適当な純度も保証することがわかる。
【0063】
本発明の別の態様は、有機酸もしくは鉱酸との塩化によって得られうる6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの無水もしくは水和物の形体での結晶形に関する。より具体的には、この態様には、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの塩の実質的に純粋な結晶形が含まれ、これらは、上記のように適当な医薬製剤の製造で用いることができるように、再現可能に製造され得、一貫したバイオアベイラビリティ、安定性および吸湿性ならびに力学的特性が付与される。
【0064】
−図17に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表6に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物(C17124・2HCl・H2O)の結晶形(二塩酸塩の形体A)。
表6
【表6】

【0065】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物のこの結晶形(塩酸塩の形体A)はまた、図18に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約144℃である吸熱現象および開始温度が約226℃である第2の吸熱現象を示す。
【0066】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物のこの結晶形(塩酸塩形体A)はまた、図19に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0067】
溶解性は、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのような優れた透過性を有する製剤の吸収を決定する際の基本的要因である。その塩基が許容可能なバイオアベイラビリティを示しているが、低い溶解性は、そのバイオアベイラビリティを高めるための優れた余地を生じる。一般に、塩の形成はこのために用いられるが、しばしば、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのような弱い塩基の塩は、不安定な吸湿性であり、力学的特性に乏しい。吸湿性を有することが見出され、単離の点で問題を生じるその一塩酸塩とは異なり、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物は、非吸湿性であり(実施例32)、適切な保存および乾燥条件下では熱的に安定であり(実施例30)、力学的ストレスに関して安定であり(実施例31)、および高溶解性であり、生体に吸収されやすい(実施例33および34)ことが立証されている。
【0068】
それゆえ、この塩は、錠剤およびカプセル剤の形で即時放出型医薬製剤の製造に適当である。さらに、この塩は、原薬の高い溶解性を確保することが必要であるシロップおよび非経口製剤のような原薬の医薬製剤に適当である。
【0069】
−図20に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表7に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン塩酸塩(C17124・HCl)の結晶形(塩酸塩の形体B)。
表7
【表7】

【0070】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一塩酸塩のこの結晶形(塩酸塩形体B)はまた、約240℃での分解を伴う融解によって特徴付けられる。
【0071】
−格子パラメータa=8.0152(6)Å、b=5.9038(4)Å、c=33.127(3)Å、α:90°、β=93.280°(8)、γ=90°、V=1565.0(2)Å3、空間群P21/cの単斜系であって、図21に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表8に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩(C17124・0.5C464)の結晶形(コハク酸塩形体A)。SC−XRにより得られたこの結晶形の三次構造は、図21aに示され、この得られた構造に基づいて算出した粉末ディフラクトグラムと実験XRPDとの比較が図21bに示される。
表8
【表8】

【0072】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩のこの結晶形(コハク酸塩形体A)はまた、図22に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約150℃である吸熱現象、および開始温度が約183℃である融解に相当する第2の吸熱現象を示す。
【0073】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩のこの結晶形(コハク酸塩形体A)はまた、図23に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0074】
−図24に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表9に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩(C17124・C464)の結晶形(コハク酸塩形体B)。
表9
【表9】

【0075】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩のこの結晶形(コハク酸塩形体B)はまた、図25に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約108℃である吸熱現象、および開始温度が約181℃である融解に相当する第2の吸熱現象を示す。
【0076】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩のこの結晶形(コハク酸塩形体B)はまた、図26に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0077】
−図27に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表10に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩の結晶形(コハク酸塩形体C)。
表10
【表10】

【0078】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩のこの結晶形(コハク酸塩形体C)はまた、図28に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約119℃である吸熱現象、開始温度が約184℃である融解に相当する第2の吸熱現象を示す。
【0079】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩のこの結晶形(コハク酸塩形体C)はまた、図29に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0080】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩、特に形体Aは、あまり可溶性を有していないが、対応する塩基より可溶性であり、より急激な条件下であっても吸湿性がないため、優れた力学的安定性によって特徴付けられる。それゆえ、結晶形体Aのこの塩は、特定の力学的ストレスまたは水への過剰な露出に関連する医薬製剤の製造において有用である。
【0081】
−図31に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表11に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩二水和物(C17124・C466・2H2O)の結晶形(酒石酸塩形体A)。
表11
【表11】

【0082】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩二水和物のこの結晶形(酒石酸塩形体A)は、図32に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、約60〜95℃の範囲での吸熱現象、開始温度が約103℃である結晶化に相当する発熱現象および開始温度が約190℃である分解を伴う融解に相当する第2の吸熱現象を示す。
【0083】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩二水和物のこの結晶形(酒石酸塩形体A)はまた、図33に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0084】
−図35に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表12に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩四水和物(C17124・C466・4H2O)の結晶形(酒石酸塩形体B)。
表12
【表12】

【0085】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩四水和物のこの結晶形(酒石酸塩形体B)はまた、図36に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、H2Oの4分子を喪失する約36〜100℃の範囲での吸熱現象、約114℃でピークを有する結晶化に相当する発熱現象、および開始温度が約187℃であ分解を伴う融解に相当する第2の吸熱現象を示す。
【0086】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩四水和物のこの結晶形(酒石酸塩形体B)はまた、図37に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0087】
−図38に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表13に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩一水和物の結晶形(C17124・C466・H2O)(酒石酸塩形体C)。
表13
【表13】

【0088】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩一水和物のこの結晶形(酒石酸塩形体C)はまた、図39に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約42℃である吸熱現象、約130℃での発熱現象、および開始温度が約180℃である第2の吸熱現象を示す。
【0089】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩一水和物のこの結晶形(酒石酸塩形体C)はまた、図40に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0090】
−図41に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表14に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩(C17124・C466)の結晶形(酒石酸塩形体D)。
表14
【表14】

【0091】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩のこの結晶形、形体Dはまた、図42に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約189℃である分解を伴う融解に相当する吸熱現象を示す。
【0092】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩のこの結晶形、形体Dはまた、図43に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0093】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン酒石酸塩一水和物の塩(形体A)は、吸湿性を有しておらず(実施例45)、力学的ストレスに関して安定であり(実施例44)、優れた溶解性(実施例46)および最適なバイオアベイラビリティ(実施例47)を有する。この塩は、適当な溶解性、安定性および加工性を有するため、カプセル剤および錠剤のような経口製剤に用いることができるだけでなく、その優れた溶解性により、その溶液のpH、高度に濃縮された溶液のpHでさえも、対応する塩酸塩または二塩酸塩のものよりはるかに生理学的に適合するため、非経口製剤にも用いられ得る。
【0094】
−格子パラメータa=10.7980(8)Å、b=11.6643(7)Å、c=13.0888(11)Å、α:90°、β=106.842°(8)、γ=90°、V=1577.8(2)Å3、空間群P21/cの単斜晶系であって、図44に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表15に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩(C17124・0.5C444)の結晶形(フマル酸塩形体A)。
表15
【表15】

【0095】
SC−XRにより得られたこの結晶形の三次構造は、図44aに示され、この得られた構造に基づいて算出した粉末ディフラクトグラムと実験XRPDとの比較が図44bに示される。
【0096】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩のこの結晶形(フマル酸塩形体A)はまた、図45に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約190℃である吸熱現象、開始温度が約209℃である第2の吸熱現象、および開始温度が約240℃である第3の吸熱現象を示す(これらの現象に相当する重量の喪失は、無水マレイン酸の喪失に相当する、TGA−FT−IR)。
【0097】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩のこの結晶形(フマル酸塩形体A)はまた、図46に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0098】
−格子パラメータa=8.9412(5)Å、b=9.8081(5)Å、c=10.5922(6)Å、α:90.517°(4)、β=101.969°(5)、γ=99.132°(4)、V=896.34(8)Å3、空間群P−1の三斜晶系であって、図47に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表16に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(C17124・C444)の結晶形(マレイン酸塩形体A)。SC−XRにより得られたこの結晶形の三次構造は、図47aに示され、この得られた構造に基づいて算出した粉末ディフラクトグラムと実験XRPDとの比較が図47bに示される。
表16
【表16】

【0099】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩のこの結晶形(マレイン酸塩形体A)はまた、図48に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約156℃である吸熱現象、および開始温度が約243℃である第2の吸熱現象を示す(これらの現象に相当する重量の喪失は、無水マレイン酸の喪失に相当する、TGA−FT−IR)。
【0100】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩のこの結晶形(マレイン酸塩形体A)はまた、図49に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0101】
−図50に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表17に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(C17124・C444・1/2H2O)の結晶形(マレイン酸塩形体B)。
表17
【表17】

【0102】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩半水和物のこの結晶形(マレイン酸塩形体B)はまた、図51に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、約83℃でピークの吸熱現象、開始温度が約153℃である吸熱現象および開始温度が約228℃である吸熱現象を示す。
【0103】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩半水和物のこの結晶形(マレイン酸塩形体B)はまた、図52に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0104】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンのマレイン酸塩、特にその結晶形体Aは、この生成物について得られた安定な塩のなかでも、過剰な溶解性が付与されているわけではないが(実施例58)、最高のバイオアベイラビリティを示した(実施例59)ものである。さらに、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩形体Aは、完全に非吸湿性であり(実施例57)、力学的ストレスに関して比較的安定であること(実施例56)を見出した。それゆえ、この形体は、適当な溶解性、安定性および加工性を有することから、錠剤およびカプセル剤のような即時放出型経口製剤の製造において非常に有用である。さらに、その優れた溶解性により、その溶液のpH、高度に濃縮された溶液のpHでさえも、相当する塩酸塩もしくは二塩酸塩のものより生理学的にはるかに適合することから、注射製剤に用いることもできる。
【0105】
−図53に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表18に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンリン酸塩(C17124・H2PO4)の結晶形(リン酸塩形体A)。
表18
【表18】

【0106】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンリン酸塩のこの結晶形(リン酸塩形体A)はまた、融点242〜246℃によって特徴付けられる。
【0107】
−図54に示されるXRPDスペクトルによって特徴付けられ、表19に示される主要なピークを含む、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンシュウ酸塩(C17124・C224)の結晶形(シュウ酸塩形体A)。
表19
【表19】

【0108】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンシュウ酸塩のこの結晶形(シュウ酸塩形体A)はまた、図55に示されるDSCスペクトルによって特徴付けられ、これは、開始温度が約229℃である吸熱現象を示す。
【0109】
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンシュウ酸塩のこの結晶形(シュウ酸塩形体A)はまた、図56に示されるFT−IRスペクトル(ATR)によって特徴付けられる。
【0110】
本化合物の製造の代表的な実施例およびそれらの特性の決定を以下に示す。
【実施例】
【0111】
実施例1:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)、多形Aの製造(方法A)
【化2】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(2.7g)をアセトニトリル(300mL)中で懸濁し、該懸濁液を加熱還流し、混合物を温めながら濾過し、濾液を40℃に冷まし、溶媒の約半分量を軽度の減圧下で蒸留して除去し、酢酸エチル(150mL)をゆっくり加える。該混合物を室温に冷まし、この温度で3時間撹拌し、濾過し、25mmHgにて50℃で6時間乾燥させる。2.1g(78%)の黄土色の生成物を得る、KF<0.5%、XRPD:多形A。m.p.:180.4℃(DSC),TGA:40〜180℃の範囲で重量の喪失は見られなかった。C17H12N4についての計算値: C 74.98, H 4.44, N 20.57; 実測値: C 74.82, H 4.41, N 20.68. 1H NMR (DMSO-d6) 9.72 (s, 1H), 8.39-8.63 (m, 5H), 8.23 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58-7.62 (m, 3H), 7.23 (s, 1H). 多形Aは、同様にして、ジメチルホルムアミド(DMF)/酢酸エチル、DMF/アセトン、DMF/メチルエチルケトン、ジクロロメタン(DCM)/酢酸エチルまたはDCM/アセトンから得られうる。
【0112】
実施例2:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)、多形Aの製造(方法B)
236gの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、250mLの還流メタノール中に溶解させ、その温かい溶液を濾過し、1.5Lのアセトンに攪拌しながら40°〜50℃で加え、得られた懸濁液を軽度の減圧下にて30°〜40℃でその体積の約半分量にまで濃縮し、次いで室温まで冷まし、この温度で終夜撹拌させる。該混合物を濾過し、生成物をアセトンで洗浄し、25mmHgにて50℃で12時間乾燥させる。208g(88%)の黄土色の生成物を得る、KF<0.5%、XRPD:多形A。多形Aは、メタノール/酢酸エチルから同様に得られうる。
【0113】
実施例3:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)、多形Aの(その他の結晶形の形体Aへの変換による)製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(2.6g)を250mLの還流DCM中に溶解させ、その温かい溶液を濾過し、1.5Lのアセトンに攪拌しながら40°〜50℃で加え、得られた懸濁液を、軽度の減圧下にて30°〜40℃でその体積の約半分量にまで濃縮し、次いで+5℃に冷却し、この温度で1時間撹拌する。該混合物を濾過し、生成物をアセトンで洗浄し、20mmHgにて40℃で8時間乾燥させる。2.08g(80%)の黄土色の生成物を得た、XRPD:多形A+Cの混合物。そうして得られた混合物を、100mLの酢酸エチル中で室温にて懸濁させ、この温度で3日間撹拌し、濾過し、20mmHgにて40℃で8時間乾燥させる。1.73g(83%)の黄土色の生成物を得る、KF<0.5%、XRPD:多形A。記載される方法と同様の方法において、結晶形体A、B、C、D、Eの二成分もしくは三成分混合物は、該懸濁液を以下の溶媒:アセトニトリル、tert−ブチルメチルエーテル(TBME)、ジエチルエーテル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、イソプロピルエーテル、ヘキサンのうちの1つの中で攪拌することによって、多形Aに変換されうる。懸濁液の攪拌は、用いる溶媒および変換される多形の混合物の組成によっては7日間続けなくてはならない。
【0114】
実施例4:懸濁液中の形体Aの安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン多形A(150mg)を5mLの溶媒中で懸濁させ、25±5℃で7日間攪拌し、次いで濾過し、該濾液をXRPD分析にかけた。
【0115】
形体Aは、懸濁液中にて室温で攪拌されると、以下の溶媒:DCM、プロパノール、エチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、トルエン、ヘキサンの中で安定であることを見出した。
【0116】
実施例5:熱的安定性
多形Aは、加熱されると、その他の形体の形成(XRPD)および多形A以外のピークがいずれの場合も見出されることはないので、40℃、RH85%で少なくとも5日間安定であり、90℃で少なくとも12時間加熱したときでも安定であることが示される。
【0117】
実施例6:形体Aの力学的ストレス(粉砕)に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、多形AをRetsch MM 200millを用いて50Hzで5分間粉砕し、得られた生成物をXRPDにより分析した。形体Aのディフラクトグラムを、その他の結晶形が混入することなく取得し、粉砕の間にアモルファス物質の生成はほとんど検出されなかった。
【0118】
実施例7:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、多形A(150mg)の試料を、懸濁液を得るために、pH7.4のリン酸緩衝溶液(8mL)中で、500rpmにて37℃で24時間攪拌した。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は0.1mg/mL以下である(0.02〜0.06mg/mL)。6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、多形Aの試料(250mg)を、懸濁液を得るために、pH2のリン酸緩衝溶液(2mL)中で、500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は1.8mg/mLである。
【0119】
実施例8:多形Aのバイオアベイラビリティ
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、多形Aの薬物動態は、ラットにおいて、経口投与(蒸留水中で10mg/Kg、ヒプロメロース 0.5%、Tween80 0.4%、ベンジルアルコール 0.9%、塩化ナトリウム 0.9%)を静脈内投与(5mg/kg、DMSO/Tween 80/0.9% NaCl 10:10:80)と5、15、30、60、120、240、360、480および720分で採取した血液試料について比較することによって評価した。該試料をHPLC−MSにより分析して、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの内容物を、ジフェニルヒドラミン塩酸塩を内部標準として用いて調べる。測定した薬物動態パラメータを以下にまとめる。対象とする多形が低溶解性であるにもかかわらず、バイオアベイラビリティ(F%)は十分に許容可能であることに注目すべきである。
【表20】

【0120】
実施例9:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)、形体Bの製造(方法A)
【化3】

50mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、4mLのイソプロパノール中で懸濁させ、該懸濁液を70℃で数分間加熱し、次いで濾過し、静止させて室温でゆっくり蒸発させる。得られた結晶を解析する。XRPD:形体B。TGA:重量の喪失:6.8%(C17124・H2Oについての理論値:6.2%)、TGA−IRは放出した蒸発物についてのH2Oのスペクトルに一致する。形体Bは、同様にして、n−プロパノールおよびエタノールから得られうる。
【0121】
実施例10:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)、形体Bの製造(方法B)
2.5gの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、200mLのイソプロパノール中で懸濁させ、該懸濁液を、攪拌しながら、30分間加熱還流し、次いで該混合物を温めながら濾過し、該溶媒を軽度の減圧下にて75℃で約50〜80mLの体積にまで蒸発させて除去し、次いで生じた混合物を+5℃で軽く攪拌しながら約2時間冷ます。得られた固形物を濾過して除去し、冷イソプロパノールで洗浄し、20mmHgにて40℃で12時間乾燥させる。2.2g(88%)の黄土色生成物を得る、XRPD:形体B。KF:6.5%、C17H12N4・H2Oについての計算値:C 70.33, H 4.86, N 19.30; 実測値 C 70.22, H 4.91, N 19.25. 1H NMR (DMSO-d6) 9.72 (s, 1H), 8.39-8.63 (m, 5H), 8.23 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58-7.62 (m, 3H), 7.23 (s, 1H);形体Bは、同様にして、n−プロパノール、ブタノール、t−ブタノールから製造されうる。
【0122】
実施例11:熱的安定性
形体Bを40℃、RH85%で7日間加熱し:XRPDスペクトルの形体Eのシグナル形状が認められる。様々な温度の実験(VT−XRPD)において、形体Bは、40℃から180℃の間に加熱されると、180℃の温度に達する前に形体Eへの変換を示す。融解することなく変換するが、40〜80℃の範囲ですでに極めて顕著となり、120〜130℃でほぼ完了する。室温に冷ますと、生成された多形Eは安定である。
【0123】
実施例12:形体Bの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、形体Bの試料(50mg)を、懸濁液を得るために、pH7.4のリン酸緩衝溶液(2mL)中で37℃にて24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は約0.1mg/mL(0.08〜0.12mg/mL)である。
【0124】
実施例13:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)、形体Cの製造(方法A)
【化4】

50mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを2mLのメタノール中で懸濁させ、該懸濁液を数分間加熱還流し、次いで濾過し、静止させて室温でゆっくり蒸発させる。得られた結晶を解析する。XRPD:形体C。TGA:重量の喪失:6.32%(C17124・H2Oについての理論値:6.2%)、TGA−IRは放出した蒸発物についてのH2OのIRスペクトルと一致する。
【0125】
実施例14:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)、形体Cの製造(方法B)
1.5gの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、15mLのメタノール中で懸濁させ、該懸濁液を5分間加熱還流し、次いで濾過し、攪拌しながら0℃に冷却し、10mLのtert−ブチルメチルエーテルを攪拌しながら加え、攪拌を0℃でさらに5分間続け、次いで該生成物を濾過して除去し、20mmHgにて40℃で12時間乾燥させる。1g(68%)の生成物を黄色の結晶の形で得る。得られた結晶を解析する。XRPD:形体C。KF:6.4%、C17H12N4・H2Oについての理論値: C 70.33, H 4.86, N 19.30; 実測値 C 70.29, H 4.88, N 19.31. 1H NMR (DMSO-d6) 9.72 (s, 1H), 8.39-8.63 (m, 5H), 8.23 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58-7.62 (m, 3H), 7.23 (s, 1H);形体Cは、エチルエーテルまたはテトラヒドロフランを貧溶媒として用いて同様の方法で得られる。
【0126】
実施例15:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン一水和物(C17124・H2O)、形体Cの製造(方法C)
3gの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、80mLのエタノール中で懸濁させ、該懸濁液を10分間加熱還流し、次いで温めながら濾過し、得られた溶液を室温で80mLの水に攪拌しながら加え、攪拌をさらに5分間続け、次いで、該混合物を濾過し、10mmHgにて20℃で12時間乾燥させる。2.3g(75%)の生成物を黄色の粉末の形で得る。得られた結晶を解析する。XRPD:形体C。形体Cは、同様にして、生成物をメタノール/H2Oから沈殿させることによって得る。
【0127】
実施例16:懸濁液中での形体Cの安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン多形C(150mg)を、5mLの溶媒中で懸濁させ、25±5℃で7日間攪拌し、次いで濾過し、該濾液をXRPD分析にかけ、これによりスペクトルの一致から安定性が明らかになった。形体Cは、室温にて懸濁液中で攪拌させるとH2O中で安定である一方で、以下の溶媒:エチルエーテル、ジメチルtert−ブチルエーテル、DCM、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル中では、形体Aに変換する。形体A、B、DおよびEは、H2O中で25±5℃で7日間攪拌しながら懸濁させると形体Cに変換する。
【0128】
実施例17:熱的安定性
形体Cは、40℃、RH85%で5日間加熱しても、XRPDスペクトルにおいてその他のシグナル形状が見られないことから、これらの条件下で安定である。90℃で3時間加熱した形体Cは、形体Eへの完全な変換を示す(XRPD)。室温に冷ますと、生じた多形Eは安定である。
【0129】
実施例18:形体Cの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、形体Cの試料(30mg)を、懸濁液を得るために、pH7.4のリン酸緩衝溶液(2mL)中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は約0.1mg/mL(0.06〜0.10mg/mL)である。
【0130】
実施例19:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)、多形Dの製造(方法A)
【化5】

50mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、15mLのtert−ブチルメチルエーテル中で懸濁させ、該懸濁液を数分間加熱還流し、次いで濾過し、静止させて室温でゆっくり蒸発させた。得られた結晶を解析する:XRPD:多形D、TGA:40〜180℃の範囲で重量の喪失は見られない。
【0131】
実施例20:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)、多形Dの製造(方法B)
1.2gの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、150mLの酢酸イソプロピル中で懸濁させ、該懸濁液を、攪拌しながら30分間加熱還流し、次いで温めながら濾過し、軽度の減圧下にて70℃で濃縮する。体積が約50mLになったら、蒸留を止め、該混合物を70〜60℃でさらに5分間攪拌し、次いで濾過し、20mmHgにて40℃で6時間乾燥させる。560mg(47%)の生成物を淡黄色の結晶の形で得る。得られた結晶を解析する。XRPD:多形D。1H NMR (DMSO-d6) 9.72(s, 1H), 8.39-8.63(m, 5H), 8.23 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58-7.62 (m, 3H), 7.23 (s, 1H);同様の方法ではあるが、+5℃まで冷まし、この温度で濾過することによって、多形Dおよび形体Cの混合物を得る。この結晶形の混合物を、乾燥エチルエーテル中で懸濁させ、室温で6日間攪拌し、純粋な多形Dに変換する。純粋な形体Dはまた、上記のように実施し、約2時間かけて室温に冷まし、室温で濾過することによっても得られる。純粋な形体Dはまた、上記のように実施するが、メチルエチルケトン(MEK)を溶媒として用いることによって得られる。
【0132】
実施例21:熱的安定性
形体Dは、40℃、RH85%で7日間加熱しても、XRPDスペクトルにおいてその他のシグナル形状が見られないことから、これらの条件下で安定である。90℃で3時間加熱した形体Dは安定であることが立証される(XRPD)。160℃に更に加熱すると、形体Dは溶解し、形体Aに再結晶化する(XRPD)。
【0133】
実施例22:形体Dの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、形体Dの試料(50mg)を、懸濁液を得るために、pH7.4のリン酸緩衝溶液(2mL)中で500rpmにて37℃で24時間撹拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解した生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は約0.1mg/mL(0.04〜0.06mg/mL)である。
【0134】
実施例23
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(C17124)、多形Eの製造(方法A)
【化6】

50mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、6mLのp−キシレン中で懸濁させ、該懸濁液を数分間加熱還流し、次いで濾過し、静止させて室温でゆっくり蒸発させた。得られた結晶を解析する。XRPD:多形E。TGA:重量の喪失は40〜180℃の範囲で見られない。
【0135】
実施例24:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、多形Eの製造(方法B)
250mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、20mLのDCM中で懸濁させ、該懸濁液を数分間加熱還流し、次いで濾過し、軽度の減圧下にて室温でゆっくり蒸発させる。得られた結晶を解析する。XRPD:多形E。
【0136】
実施例25:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、多形Eの製造(方法C)
1.5gの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、15mLのメタノール中で懸濁させ、該懸濁液を5分間加熱還流し、次いで温めながら濾過し、120℃に加熱した150mLのp−キシレンに、攪拌しながらゆっくり加え、次いでメタノールを蒸発させて除去し、該混合物を攪拌しながら50〜60℃に冷まし、軽度の減圧をかけることによって体積を約100mLに減らし、生じた混合物をさらに30分間ゆっくり攪拌し、次いで濾過し、キシレンで洗浄し、10mmHgにて60℃で24時間乾燥させる。1.4g(98%)の生成物を黄色の結晶の形で得る。得られた結晶を解析する。XRPD:多形E。1H NMR (DMSO-d6) 9.72 (s, 1H), 8.39-8.63 (m, 5H), 8.23 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.58-7.62 (m, 3H), 7.23 (s, 1H). 同様の方法を行うが、トルエンおよびp−キシレンを用いることによって多形A+Eの混合物を得る。
【0137】
実施例26:熱的安定性
40℃、RH85%で7日間加熱した形体Eは、その他のシグナルの形状が見られないことから(XRPD)、これらの条件下で安定である。90℃で3時間加熱した形体Eは安定であることが証明される(XRPD)。162〜165℃にさらに加熱すると、形体Eは溶解し、形体Aに再結晶化する(XRPD)。
【0138】
実施例27:形体Eの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、形体Eの試料(80mg)を、懸濁液を得るために、pH7.4のリン酸緩衝溶液(3mL)中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は約0.2mg/mL(0.24〜0.21mg/mL)である。
【0139】
実施例28:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物(塩酸塩形体A)の製造
【化7】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、20mLのエタノール中で懸濁させ、該混合物を、攪拌しながら60℃に加熱し、4.5mLの1N 塩酸を加え、該混合物を数分間攪拌し、その体積の半分量まで濃縮し、次いで室温に冷まし、得られた懸濁液を+5℃で終夜攪拌し、次いで該混合物を濾過し、該生成物をアセトンで洗浄し、20mmHgにて20℃で12時間乾燥させる。660mg(97%)の非吸湿性の黄色の結晶を得る、XRPD 形体A。KF:4.7%。1H NMR (d6-DMSO + D2O) δ: 9.96 (d, 1H), 9.83 (m, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.5 (m, 1H), 8.30-7.92 (m, 3H), 7.60-7.25 (m, 5H). C17H12N4・2HCl・H2Oについての計算値: C 56.21, H 4.44, N 15.42, Cl 19.52; 実測値, C 56.18, H 4.53, N 15.48, Cl 19.48. 形体Aは、メタノール、イソプロパノール、水(10mL/g)、およびエタノール/H2Oもしくはメタノール/H2O混合物またはメタノールもしくはエタノールとアセトン、ジオキサンもしくはテトラヒドロフラン(THF)との混合物から同様の方法で得うる。
【0140】
実施例29:懸濁液中での形体Aの安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物、形体A(60mg)を、1mLの溶媒中で懸濁させ、25±5℃で7日間攪拌し、次いで濾過し、該濾液をXRPD分析にかける。形体Aは、懸濁液中で室温にて7日間攪拌しても、以下の溶媒:DCM、エチルエーテル、tert−ブチルメチルエーテル、アセトン、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、THF、ヘキサン中で安定である。
【0141】
実施例30:熱的安定性
形体Aは、40℃、RH85%で7日間安定であり;さらに、90℃で数時間安定である。実際に、図19b(VT−XRPD)で見られ得るように、この一塩酸塩の生成は36時間後にのみ生じ、一塩酸塩への完全な変換は90℃で48時間後にのみ生じる。
【0142】
実施例31:形体Aの力学的ストレス(粉砕)に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物形体AをRetsch MM 200millを用いて50Hzで5分間粉砕にかけ、得られた生成物をXRPD解析にかけた。アモルファス生成物の量は対照例と比較して増加しておらず、その他の形体を示す他のシグナルは存在しておらず、形体Aのスペクトルであることは明らかである。
【0143】
実施例32:形体Aの水に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物形体Aの試料を、DVS解析(動的水蒸気吸着法(Differential Vapour Sorption))にかけた。微量てんびん上に置いた試料を、制御された湿度のチャンバー中で、25℃にて水和(湿度の上昇、赤線)および脱水和(湿度の減少、青線)のサイクルにかける。該変化を図19cに示す。30〜80%の範囲の相対湿度(RH)において、生成物は、水含有量が約5%(一水和物に相当する値)のままであるため、あまり吸湿性を有していない。
【0144】
実施例33:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物、形体Aの試料(450mg)を、懸濁液を得るために、NaCl 0.9%の水溶液(2mL)中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は138mg/mLである。溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、次いで吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;溶出速度が2.17×10-3gr/分であることを見出した。
【0145】
実施例34:形体Aのバイオアベイラビリティ
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物、形体Aの薬物動態を、実施例8に記載されるように行うことによってラットにおいて評価した。測定した薬物動態パラメータを以下にまとめる:対象とする塩が最適のバイオアベイラビリティ(F%)を有することに注目すべきである。
【表21】

【0146】
実施例35:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン塩酸塩(塩酸塩形体B)の製造
【化8】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、20mLのアセトニトリル中で懸濁させ、次いで該混合物を、10分間攪拌しながら50℃で加熱し、室温に冷まし、4mLのHCl飽和イソプロピルエーテルを加え、該混合物を数分間攪拌し、乾燥するまで濃縮し、該残渣を室温で2時間攪拌しながら10mLのアセトニトリル中に溶解させ、次いで該混合物を濾過し、該生成物をアセトンで洗浄し、20mmHgにて20℃で12時間乾燥させる。730mg(99%)の吸湿性生成物を黄色の結晶の形で得る、XRPD 形体B。KF:1.2%。1H NMR (200 MHz, d6-DMSO + D2O) δ: 9.96 (d, 1H), 9.83 (m, 1H), 8.72 (d, 1H), 8.5 (m, 1H), 8.30-7.92 (m, 3H), 7.60-7.25 (m, 5H). C17H12N4についての計算値: C 66.13, H 4.24, N 18.14, Cl 11.48; 実測値, C 60.38, H 4.48, N 17.98, Cl 11.26.
【0147】
実施例36
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩(コハク酸塩形体A)の製造
【化9】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、40mLのエタノール(EtOH)中で懸濁させ、該混合物を攪拌しながら60℃に加熱し、220mgのコハク酸を加え、該混合物を数分間攪拌し、20mLの酢酸エチル(EtOAc)をゆっくり加え、該混合物を室温まで冷まし、得られた懸濁液を+25℃で終夜攪拌し、次いで濾過し、EtOAcで洗浄し、20mmHgにて25℃で8時間乾燥させる。670mg(95%)の非吸湿性の黄色の結晶を得る、KF<0.5%、XRPD:形体A。形体Aは、メタノールまたはイソプロパノールから、アセトンまたは酢酸イソプロピルとの混合物として同様の方法で得うる。格子構造の決定(SC−XR)のための結晶は、50mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸を沸騰したEtOH(2mL)中に溶解させ、次いで室温で静置させて数種類の結晶を得ることによって得た。SC−XRで用いるものは約0.4x0.4x0.02mmの寸法のものである。形体Aは、85% RHにて40℃で7日間加熱しても安定であり(XRPDが一致)、90℃で少なくとも12時間加熱することによっても安定であることを見出した。SC−XR測定は、オックスフォード Xcalibur S照射 Mo−K屈折計をグラファイトモノクロメータおよびサファイアCCD検出器とともに用いてλ=0.71073Åにて室温で行った。
【0148】
実施例37:形体Aの力学的ストレス(粉砕)に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩形体Aを、Retsch MM 200 millを用いて50Hzで5分間粉砕し、得られた生成物をXRPD解析にかけた。得られたディフラクトグラムは、形体Aが結晶形について全く変化していないことを示し、アモルファス生成物が存在していないことが明らかとなった。
【0149】
実施例38:形体Aの水に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩形体Aの試料を(実施例32に記載されるように)DVS解析にかけた。その変化を図30に示す。該生成物は完全に吸湿性ではなく、約90%のRHにおいてのみ、水の顕著な極小吸収が存在することを示す。
【0150】
実施例39:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩形体Aの試料を、懸濁液を得るために、NaCl 0.9%の水溶液中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は0.6mg/mLである。溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、次いで吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;該溶出速度が3.53×10-5gr/分であることを見出した。
【0151】
実施例40:形体Aのバイオアベイラビリティ
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩、形体Aの薬物動態を、実施例8に記載されるようにラットにおいて評価し、測定した薬物動態パラメータを以下にまとめた:対象とする塩が最適な溶解性を有していないにもかかわらず、そのバイオアベイラビリティ(F%)がその遊離塩基のものより優れていることに注目すべきである。
【表22】

【0152】
実施例41:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩(コハク酸塩形体B)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、40mLのEtOH中で懸濁させ、次いで、該混合物を攪拌しながら加熱還流し、280mgのコハク酸塩を加え、該混合物を還流状態でさらに30分間攪拌し、溶媒(150mL)を蒸留して除去しながらジオキサン(200mL)を加え、得られた懸濁液を氷浴で冷まし、濾過し、ジオキサンで洗浄し、20mmHgにて25℃で20時間乾燥させる。580mg(865%)の非吸湿性の黄色の結晶を得る、KF<0.5%、XRPD:形体B。C17H12N4・C4H6O4についての計算値: C 64.61, H 4.65, N 14.35, 実測値: C 64.02, H 4.67, N 14.44; H-NMR (d6-DMSO) δ: 9.75 (s, 1H), 8.58 (m, 2H), 8.46 (d, 2H), 8.38 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 8.0 (s, 1H), 7.59 (m, 3H), 7.21 (s, 1H), 2.40 (s, 4H). 形体Bは、90℃で加熱することによって形体Aに変化しうる。
【0153】
実施例42:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩(コハク酸塩形体C)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩形体A、250mgを、40mLのn−プロパノール中に溶解させ、該溶液を軽度の減圧下、50mmHgにて室温で蒸発させる。得られた生成物である黄色の結晶は、吸湿性ではなく、XRPD解析は、それが形体Cであることを示す。同様の結果は、n−プロパノールの代わりにEtOHを用いて得られる。形体Cは90℃に加熱しても安定である。
【0154】
実施例43:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)酒石酸塩二水和物(酒石酸塩形体A)の製造
【化10】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、40mLのEtOH中で懸濁させ、該懸濁液を攪拌しながら加熱還流し、それを50℃に冷まし、300mgのL−酒石酸を加え、該混合物を数分間攪拌し、20mLのMEKをゆっくり加え、次いで、該混合物を室温に冷まし、得られた懸濁液を0℃で終夜攪拌し、次いで濾過し、MEKで洗浄し、20mmHgにて20℃で12時間乾燥させる。730mg(96%)の非吸湿性の黄色の結晶を得る、XRPD 形体A。KF=8.25%。C17H12N4・C4H6O6についての計算値:C 55.02, H 4.84, N 12.22; 実測値: C 54.78, H 4.92, N 12.18. 形体Aは、同様の方法で、メタノールまたはイソプロパノールまたは水から、アセトンまたはジオキサンまたはTHFとの混合物として得られる。70% RHにて40℃で7日間加熱した形体Aは安定であるが、90℃で12時間加熱するとアモルファス形を生じる(XRPD)。
【0155】
実施例44:形体Aの力学的ストレス(粉砕)に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンL−酒石酸塩二水和物、形体Aを、Retsch MM 200 millを用いて、50Hzで5分間粉砕にかけ、得られた生成物をXRPD解析にかけた。得られたディフラクトグラムは、形体Aが結晶形について全く変化していないことを示し、アモルファス生成物の存在量が少し増加したことを明らかにする。
【0156】
実施例45:形体Aの水に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンL−酒石酸塩二水和物、形体Aの試料をDVS解析にかけた。その変化を図34に示す。該生成物は25〜70%の範囲のRHで吸湿性ではないが、75%のRHで変曲点を示し、80%より高いRHの値でのみ極めて高い吸湿性を有することとなることに注目すべきである。
【0157】
実施例46:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンL−酒石酸塩二水和物、形体Aの試料を、懸濁液(8mL中で85mg)を得るために、NaCl 0.9%の水溶液中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は2.5mg/mLである。溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、次いで吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;該溶出速度が1.04×10-3gr/分であることを見出した。
【0158】
実施例47:形体Aのバイオアベイラビリティ
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン酒石酸塩二水和物、形体Aの薬物動態を、実施例8に記載されるようにラットにおいて評価し、測定した薬物動態パラメータを下記にまとめる:対象とする塩が最適のバイオアベイラビリティ(F%)を有することに注目すべきである。
【表23】

【0159】
実施例47:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)酒石酸塩(酒石酸塩形体B)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、50mg(0.18mmol)を、4mLのアセトニトリル中で懸濁させ、次いで、該混合物を加熱還流し、30mgのL−酒石酸を加え、該懸濁液をさらに30分間加熱還流し、濾過し、次いで0℃に冷却し、得られた懸濁液を25℃で3日間攪拌し、次いで濾過し、20mmHgにて20℃で12時間乾燥させる。30mgの生成物を黄色の結晶の形で得る、KF=14.67%、 C17H12N4・C4H6O6・4H2Oについての計算値: C 51.01, H 5.30, N 11.33, 実測値: C 50.64, H 5.41, N 11.28. XRPD 形体B。85%のRHにて40℃で7日間加熱した形体Bは安定であるが(XRPD)、90℃で12時間加熱するとアモルファス形を生じる。
【0160】
実施例48:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)酒石酸塩(酒石酸塩形体C)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、40mLのイソプロパノール中で懸濁させ、次いで、該混合物を攪拌しながら加熱還流し、300mgのL−酒石酸を加え、該混合物を数分間攪拌し、濾過し、濾液を50℃に加熱し、溶媒を軽度の減圧下で体積の約1/3に蒸発させて除去し、次いで0℃に冷却し、終夜攪拌し、次に濾過し、少量のイソプロパノールで洗浄し、20mmHgにて20℃で24時間乾燥させる。120mgの生成物を黄色の結晶の形で得る、KF=5.2%、TG−IR LOD 4.93%、IRスペクトルにより、H2Oの喪失を確認する。XRPD 形体C。C17H12N4・C4H6O6・H2Oについての計算値: C 57.27, H 4.58, N 12.72, 実測値: C 57.16, H 4.61, N 12.68. 85%のRHにて40℃で7日間加熱した形体Cは安定であり(XRPD)、90℃で12時間加熱しても安定である。
【0161】
実施例49:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)酒石酸塩(酒石酸塩形体D)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、攪拌しながら窒素気流下にて50mLのニトロメタン中に還流状態で溶解させ、300mgのL−酒石酸を加え、該混合物を数分間攪拌し、窒素下で濾過し、該濾液を60℃に加熱し、溶媒を、攪拌しながら窒素気流下にて軽度の減圧下で約1/2の体積まで蒸発させて除去し、次いで窒素下で0℃に冷却させ、室温で終夜攪拌し、次いで濾過し、20mmHgにて30℃で24時間間乾燥させる。520mgの生成物を黄色の結晶の形で得る、KF<0.5%、C17H12N4・C4H6O6についての計算値: C 59.71, H 4.30, N 13.26, 実測値: C 59.76, H 4.34, N 13.22. XRPD 形体D。85%のRHにて40℃で7日間加熱した形体Dは、形体Aに相当するXRPDを示し、90℃で12時間加熱するとアモルファス生成物を示す。
【0162】
実施例50:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩(フマル酸塩形体A)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、500mg(1.8mmol)を、攪拌しながら200mLのEtOH中に40℃で溶解させ、該溶液が清澄になったら、220mgのフマル酸を加え、生じた混合物を15分間攪拌し、次いで沈殿するまで軽く減圧をかけながらゆっくり濃縮する。
【0163】
得られた懸濁液を室温で2時間攪拌し、次いで濾過する。得られた非吸湿性生成物を、20mmHgにて20℃で12時間乾燥させる。541mgの生成物を得る、KF<0.5%、XRPD 形体A。C17H12N4・1/2C4H4O4についての計算値: C 67.93, H 4.24, N 16.25, 実測値: C 67.53, H 4.27, N 16.09; H-NMR (d6-DMSO) δ: 9.71 (d. 1H), 8.59-8.56 (m, 3H), 8.49 (m, 1H), 8.46 (d, 1H), 8.21 (d, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.95-7.57 (m, 3 H), 6.61 (s, 1H). 格子構造の測定(SC−XR)のための結晶は、50mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩を沸騰しているEtOH(2mL)中に溶解させ、該溶液を室温で静置させ、数種類の結晶を得ることによって得た。SC−XRに用いたものは、約0.3x0.2x0.2mmの寸法を有した。形体Aは、85%のRHにて40℃で7日間加熱しても安定であることが証明された(XRPD)。SC−XR測定は、オックスフォード Xcalibur S radiation Mo−K屈折計をグラファイトモノクロメータおよびサファイアCCD検出器とともに用いてλ=0.71073Åにて室温で行った。
【0164】
実施例51:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩形体Aの試料を、懸濁液(4mL中で100mg)を得るために、NaCl 0.9%の水溶液中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は1.2mg/mLである。該溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、次いで吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;該溶出速度が2.67×10-5gr/分であることを見出した。
【0165】
実施例52:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(マレイン酸塩形体A)の製造、方法1
【化11】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、2.7g(0.01mol)を、攪拌しながら還流状態で65mLのアセトン中に溶解させ、アセトン(13mL)中の1.16g(0.01mol)のマレイン酸の温かい溶液を加え、次いで該混合物を室温に冷まし、得られた懸濁液を室温で終夜攪拌し、次に該混合物を濾過し、該生成物をアセトンで洗浄し、20mmHgにて60℃で12時間乾燥させる。2.68g(69%)の非吸湿性生成物を得る、XRPD 形体A。KF<0.5%。C17H12N4・C4H4O4についての計算値: C 64.94, H 4.15, N 14.43, 実測値: C 64.51, H 4.20, N 14.45; H-NMR (d6-DMSO) δ: 9.74 (s, 1H), 8.83 (s, 1H), 8.59-8.71 (m, 2H), 8.51 (d, 1H), 8.42 (d, 1H), 8.09 (s, 1H), 7.61-7.58 (m, 3 H), 7.59 (s, 1H), 6.19 (s, 2H).
【0166】
実施例53:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(マレイン酸塩形体A)の製造、方法2
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、2.7g(0.01mol)を、攪拌しながら還流状態でEtOH(75mL)中に溶解させ、次いで1.16g(0.01mol)のマレイン酸を加え、該混合物を30分間攪拌し、室温に冷まし、得られた溶液を室温で終夜攪拌し、次に濾過し、少量のEtOHで洗浄し、20mmHgにて60℃で12時間乾燥させる。2.4g(62%)の非吸湿性生成物を得る、XRPD 形体A。KF<0.5%。形体Aは、メタノール、イソプロパノールまたはアセトニトリルから同様に製造しうる。格子構造の測定(SC−XR)のための結晶は、68mgの6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩を沸騰しているEtOH(4mL)中に溶解させ、次いで該混合物を室温および常圧下でゆっくり蒸発させて数種類の結晶を得ることによって同様に得られた。SC−XRに用いるものは、約0.2x0.08x0.08mmの寸法を有した。
【0167】
実施例54:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(マレイン酸塩形体A)の製造、方法3
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、5.44g(0.021mol)を、攪拌しながら還流状態で酢酸イソプロピル/イソプロピルアルコール(75mL)の1/1混合物中に溶解させ、2.9g(0.025mol)のマレイン酸を加え、該混合物を15分間攪拌し、室温に冷まし、得られた溶液を室温で終夜攪拌し、次いで濾過し、酢酸イソプロピルで洗浄し、20mmHgにて60℃で12時間乾燥させる。5.5g(77%)の非吸湿性生成物を得る、XRPD 形体A。KF<0.5%。形体Aは、エタノールと、酢酸エチル、または酢酸メチル、またはDCM、またはTHF、またはメチルエチルケトン、またはジオキサンとの混合物から同様に製造しうる。
【0168】
実施例55:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(マレイン酸塩形体A)の製造、方法4
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、147g(0.54mol)を、還流状態でアセトン(3.5L)およびメタノール(350mL)の混合物中に溶解させ、該混合物を30℃で攪拌しながら温めつつ濾過し、59.7g(0.514mol)のマレイン酸を加え、生じた混合物を温かいアセトン(300mL)中に溶解させ、40℃で30分間攪拌し、次いで室温に冷まし、得られた懸濁液を室温で終夜攪拌し、次に濾過し、冷アセトン(200mL)で洗浄し、20mmHgにて60℃で12時間乾燥させる。180g(98%)の非吸湿性生成物を得る、XRPD 形体A。KF<0.5%。70%のRHにて40℃で7日間加熱した形体Aは、安定であり(XRPD)、90℃で12時間加熱しても安定である。
【0169】
実施例56:形体Aの力学的ストレス(粉砕)に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩、形体Aを、Retsch MM 200 millを用いて50Hzで5分間粉砕にかけ、得られた該生成物をXRPD解析にかけた。得られたディフラクトグラムは、形体Aが結晶形について変化を全く生じていないが、アモルファス生成物の存在量がわずかに増加したことを明らかにし、そのままで数時間以内に再結晶化することを示す。
【0170】
実施例57:形体Aの水に対する安定性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩、形体Aの試料をDVS解析にかけた。該変化を図50に示す。該生成物は、0〜85%の範囲のRHで吸湿性を有しておらず、同様に、85%より高いRH値でさえ、あまり吸湿性を有していないことに注目すべきである。
【0171】
実施例58:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩、形体Aの試料を、懸濁液(4mL中で150mg)を得るために、NaCl 0.9%の水溶液中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は7.9mg/mLである。該溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、次いで吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;該溶出速度が1.45×10-3gr/分であることを見出した。
【0172】
実施例59:形体Aのバイオアベイラビリティ
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩、形体Aの薬物動態を、実施例8に記載されるようにラットにおいて評価した。測定した薬物動態パラメータを下記にまとめる:対象とする塩は、最適のバイオアベイラビリティ(F%)を有することに注目すべきである。
【表24】

【0173】
実施例60:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩、形体A/Bの製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、136mg(0.5mmol)を、50℃で攪拌しながら還流状態でイソプロパノール(15mL)および水(0.5mL)の混合物中に溶解させ、60mg(0.5mmol)のマレイン酸を加え、該混合物を40℃で30分間攪拌し、次いで0℃に冷却し、得られた懸濁液を0℃で数分間攪拌し、濾過し、冷イソプロパノールで洗浄し、20mmHgにて30℃で5時間乾燥させる。120mgの生成物を得る、XRPD:図51に示されるように形体A+形体B。
【0174】
実施例61:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩(マレイン酸塩形体B)の製造
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、136mg(0.5mmol)を、還流状態でイソプロパノール(15mL)および水(0.5mL)の混合液中に溶解させ、60mg(0.5mmol)のマレイン酸を加え、該混合物を40℃で30分間攪拌し、次いで室温に冷まし、該溶液をゆっくり蒸発させながら3日間静置し、得られた物質を濾過し、冷イソプロパノールで洗浄し、20mmHgにて30℃で5時間乾燥させる。180mgの生成物を得る、XRPD:形体B。KF:2.03%。RH85%にて40℃で7日間加熱した形体Bは、形体Aに部分的に変換する(XRPD)。90℃で12時間加熱した形体Bは形体Aに変換する。
【0175】
実施例62:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンリン酸塩、形体Aの製造
【化12】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、275mg(1mmol)を、還流状態でEtOH(15mL)中に溶解させ、100mg(1mmol)のリン酸を加え、該混合物を30分間攪拌し、次いで室温に冷まし、該溶液をゆっくり蒸発させながら3日間静置させ、得られた物質を濾過し、20mmHgにて30℃で8時間乾燥させる。270mgの生成物を得る、XRPD:形体A。TGA:重量の喪失は250℃まで見られなかった。C17H12N4・H3PO4についての計算値: C 48.59, H 4.13, N 15.84, 実測値: C 57.22, H 4.22, N 15.84; H-NMR (d6-DMSO) δ: 9.72 (s, 1H), 8.60-8.50 (m, 2H), 8.48 (d, 1H), 8.41 (d, 1H), 8.23 (d, 1H), 8.21 (s, 1H), 7.98-7.58 (m, 3 H), 7.22 (s, 1H).
【0176】
実施例63:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンリン酸塩、形体Aの試料を、懸濁液(2mL中で50mg)を得るために、NaCl 0.9%の水溶液中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は6.2mg/mLである。該溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;該溶出速度が1.73×10-4gr/分であることを見出した。
【0177】
実施例64:6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンシュウ酸塩、形体Aの製造
【化13】

6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン、275mg(1mmol)を、還流状態でEtOH(15mL)中に溶解させ、90mg(1mmol)のシュウ酸を加え、該混合物を30分間攪拌し、次いで室温に冷まし、該溶液をゆっくり蒸発させながら3日間静置させ、得られた物質を濾過し、20mmHgにて30℃で8時間乾燥させる。180mgの生成物を得る、XRPD:形体A。TGA:重量の喪失は230℃までなかった。H-NMR (d6-DMSO) δ: 9.73 (s, 1H), 8.60-8.58 (m, 2H), 8.48 (d, 1H), 8.43 (d, 1H), 8.24 (d, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.60-7.58 (m, 3 H), 7.24 (s, 1H).
【0178】
実施例65:形体Aの溶解性
6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンリン酸塩、形体Aの試料を、懸濁液(2mL中で70mg)を得るために、NaCl 0.9%の水溶液中で500rpmにて37℃で24時間攪拌する。次いで、該懸濁液を濾過し、溶解させた生成物の濃度は、UV吸光度を260nmで読み取ることによって測定する。該濃度は3.6mg/mLである。該溶出速度は、2mgの生成物を40mLの水に37℃で加え、500rpmで攪拌し、次いで吸光度を0.05分ごとに260nmで測定することによって測定し;該溶出速度が1.9×10-4gr/分であることを見出した。
【0179】
医薬製剤
上記の本発明の化合物は、経口もしくは非経口で投与されうる医薬製剤の製造に用いられうる。上記の全ての製剤に関して、本化合物は、示された病状の治療において、治療される病状の状態および重症度によって決定される1日の投与の最適な量および回数、好ましくは、約0.1から約20mg/kgの間の量で投与される。
【0180】
本発明には、薬理学的に活性な量の本発明の化合物を、適当な分散剤、滑沢剤および/または溶媒と組み合わせて含有する医薬製剤も含まれる。
【0181】
本発明の化合物は、カプセル剤、錠剤、丸薬、顆粒剤などの様々な経口医薬製剤で製造されうる。このような製剤に適当な分散剤および滑沢剤には、炭酸マグネシウム、ステアリン酸マグネシウム、滑石、乳糖、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウムが含まれるが、これらだけに限定されない。このような製剤を製造するために用いられる技術には、原薬と分散剤との混合、造粒および圧縮、またはカプセルの充填が含まれる。
【0182】
本発明の化合物は、前もって充填したバイアルまたはシリンジの形態での非経口投与のために製剤化されうる。原薬は、水性ベヒクル中に溶解されうるか、または油性乳濁液の形態でありうる。
【図1】

【図2】

【図3】

【図4】

【図5】

【図6】

【図7】

【図8】

【図9】

【図10】

【図11】

【図12】

【図13】

【図14】

【図15】

【図16】

【図17】

【図18】

【図19−1】

【図19−2】

【図19−3】

【図20】

【図21−1】

【図21−2】

【図21−3】

【図22】

【図23】

【図24】

【図25】

【図26】

【図27】

【図28】

【図29】

【図30】

【図31】

【図32】

【図33】

【図34】

【図35】

【図36】

【図37】

【図38】

【図39】

【図40】

【図41】

【図42】

【図43】

【図44−1】

【図44−2】

【図44−3】

【図45】

【図46】

【図47−1】

【図47−2】

【図47−3】

【図48】

【図49】

【図50−1】

【図50−2】

【図51−1】

【図51−2】

【図52】

【図53】

【図54】

【図55】

【図56】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
以下の特徴:
i) 図1に示され、および/または表1に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約180℃である融点および図2に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するもの;
iii) 図3に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの多形。
【請求項2】
以下の特徴:
i) 図4に示され、および/または表2に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約160℃である融点および図5に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するもの;
iii) 図6に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの多形。
【請求項3】
以下の特徴:
i) 図7に示され、および/または表3に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約162℃である融点および図8に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するもの;
iii) 図9に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの多形。
【請求項4】
以下の特徴:
i) 図10に示され、および/または表4に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 図11に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するものであって、約40〜100℃の範囲で吸熱現象、開始温度が約156℃である吸熱現象、開始温度が約178℃である吸熱現象を示すDSCサーモグラム;
iii) 図12に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの水和物の形体。
【請求項5】
以下の特徴:
i) 図13に示され、および/または表5に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 図14に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するものであって、約30〜80℃の範囲で吸熱現象、開始温度が約163℃である吸熱現象、開始温度が約179℃である吸熱現象を示すもの;
iii) 図15に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの水和物の形体。
【請求項6】
以下の特徴:
i) 図17に示され、および/または表6に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約144℃である融点および図18の130〜280℃の範囲と一致するDSCサーモグラム;
iii) 図19に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン塩酸塩の水和物の形体。
【請求項7】
以下の特徴:
i) 図20に示され、および/または表7に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 約240℃での分解を伴う融点
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン塩酸塩の結晶形。
【請求項8】
格子パラメータ a=8.0152(6)Å、b=5.9038(4)Å、c=33.127(3)Å、α:90°、β=93.280°(8)、γ=90°、V=1565.0(2)Å3、空間群P21/cの単斜晶系によって特徴付けられ、以下の特徴:
i) 図21に示され、および/または表8に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約150℃である吸熱効果および開始温度が約183℃である第2の吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図22に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図23に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によってさらに特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩の結晶形。
【請求項9】
以下の特徴:
i) 図24に示され、および/または表9に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約108℃である吸熱効果および開始温度が約181℃である第2の吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図25に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図26に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩の結晶形。
【請求項10】
以下の特徴:
i) 図27に示され、および/または表10に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約119℃である吸熱効果および開始温度が約184℃である第2の吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図28に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図29に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンコハク酸塩の結晶形。
【請求項11】
以下の特徴:
i) 図31に示され、および/または表11に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約60℃である吸熱効果、開始温度が約103℃である発熱効果および開始温度が約190℃である第2の吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図32に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図33に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩の二水和物の結晶形。
【請求項12】
以下の特徴:
i) 図35に示され、および/または表12に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 図36に示されるDSCサーモグラムと一致するものであって、約36〜100℃の範囲で吸熱現象および開始温度が約187℃である第2の吸熱現象を示すDSCサーモグラム;
iii) 図37に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩の四水和物の結晶形。
【請求項13】
以下の特徴:
i) 図38に示され、および/または表13に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 図39に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するものであって、開始温度が約42℃である吸熱現象、および開始温度が約180℃である第2の吸熱現象を示すDSCサーモグラム;
iii) 図40に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩の一水和物の結晶形。
【請求項14】
以下の特徴:
i) 図41に示され、および/または表14に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 約189℃で吸熱現象を示すDSCサーモグラムであって、図42に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するもの;
iii) 図43に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン(L)−酒石酸塩の形体Dの結晶形。
【請求項15】
格子パラメータ a=8.9412(5)Å、b=9.8081(5)Å、c=10.5922(6)Å、α:90.517°(4)、β=101.969°(5)、γ=99.132°(4)、V=896.34(8)Å3、空間群P−1の三斜晶系によって特徴付けられ、以下の特徴:
i) 図47に示され、および/または表16に記載の主要なピークを含むX線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約156℃である吸熱効果および開始温度が約243℃である第2の吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図48に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図49に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によってさらに特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩の結晶形。
【請求項16】
以下の特徴:
i) 図50に示され、および/または表17に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 図51に示されるDSCサーモグラムと実質的に一致するものであって、約83℃でピークの吸熱現象、および開始温度が約153℃である吸熱現象および開始温度が約228℃である吸熱現象を示すDSCサーモグラム;
iii) 図52に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンマレイン酸塩の半水和物の結晶形。
【請求項17】
格子パラメータ a=10.7980(8)Å、b=11.6643(7)Å、c=13.0888(11)Å、α:90°、β=106.842°(8)、γ=90°、V=1577.8(2)Å3、空間群P21/cの単斜晶系によって特徴付けられ、以下の特徴:
i) 図44に示され、および/または表15に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約199℃である吸熱効果、開始温度が約200℃である吸熱効果、および開始温度が約240℃である第3の吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図45に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図46に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンフマル酸塩の結晶形。
【請求項18】
以下の特徴:
i) 図53に示され、および/または表18に記載の主要なピークを含む、X線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 242〜246℃の融点
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンリン酸塩の結晶形。
【請求項19】
以下の特徴:
i) 表19に記載の主要なピークを含む図54に示されるX線粉末回折スペクトル(XRPD);
ii) 開始温度が約229℃である吸熱効果を示すDSCサーモグラムであって、図55に示されるDSCサーモグラムと一致するもの;
iii) 図56に示されるFT−IRスペクトルと実質的に一致するもの
のうちの1つまたはそれ以上によって特徴付けられる、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンシュウ酸塩の結晶形。
【請求項20】
請求項1に記載の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの製造方法であって、6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンを、40℃から還流温度の間の温度でアセトニトリル、DMF、メタノール、エタノールまたはDCMのような溶媒中に溶解させ、得られた溶液を温めながら濾過し、次いで該濾液を、酢酸エチル、アセトンまたはメチルエチルケトンのような貧溶媒に加えることを特徴とし;用いられる溶媒がメタノールまたはエタノールである場合、前記溶媒の大部分は、50℃から還流温度の間の温度で留去し;多形の結晶化は、得られた溶液を8から36時間撹拌することによって、30から20℃の間の温度で行われるものである製造方法。
【請求項21】
請求項1に記載の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの製造方法であって、アセトニトリル、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、TBME、ジエチルエーテル、イソプロピルエーテルまたはヘキサンのような溶媒中の請求項1から5に記載の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの結晶形のいずれかの組成の混合物を;24時間から7日の間で15から35℃の間の温度にて、請求項20に記載の方法により得られた請求項1に記載の多形の少なくとも100mgの種結晶の存在下で懸濁液として撹拌することを特徴とする製造方法。
【請求項22】
請求項2に記載の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの製造方法であって、該生成物を酢酸イソプロピルまたはMEK中に、60℃から還流温度の間の温度で溶解させ、得られた溶液を濾過し、前記溶液を60℃から還流温度の間の温度で結晶化の適当な体積に濃縮し、前記溶液を結晶化の間に60〜70℃で撹拌し、前記多形を結晶化から2時間以内に70℃から25℃の間の温度で濾過することを特徴とする製造方法。
【請求項23】
請求項3に記載の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリンの製造方法であって、前記生成物をキシレンから結晶化し、それを50から90℃の間の温度で濾過することを特徴とする製造方法。
【請求項24】
請求項6に記載の6−(1H−イミダゾール−1−イル)−2−フェニルキナゾリン二塩酸塩一水和物の製造方法であって、前記塩基化合物をメタノール、エタノール、イソプロパノールまたは水のような溶媒中に50℃から還流温度の間の温度で溶解させ、HCl溶液で酸性にし、場合により、アセトン、ジオキサンまたはテトラヒドロフランのような貧溶媒を加え、5℃に冷却し、得られた懸濁液を少なくとも3〜4時間撹拌し、濾過し、次いで20mmHg以下の減圧下にて20〜30℃で乾燥させることを特徴とする製造方法。
【請求項25】
乳糖、デキストロース、マンニトール、ポリ乳酸およびこれらの混合物からなる群から選択される少なくとも1つの賦形剤および薬理学的に活性な量の請求項1から19に記載の化合物のうちの少なくとも1つを含む、医薬製剤。
【請求項26】
薬理学的に活性な量の請求項1から19に記載の化合物の少なくとも1つ、ならびに生理食塩水溶液(NaCl 0.9%)、マンニトール等張溶液、およびジメチルスルホキシドから選択される適当な溶媒を含む、医薬製剤。
【請求項27】
慢性または急性疼痛、炎症状態の症状および鬱病の治療のための、請求項25および26に記載の医薬製剤の使用。

【公表番号】特表2012−528849(P2012−528849A)
【公表日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−513729(P2012−513729)
【出願日】平成22年6月4日(2010.6.4)
【国際出願番号】PCT/IB2010/052496
【国際公開番号】WO2010/140139
【国際公開日】平成22年12月9日(2010.12.9)
【出願人】(598105824)ロッタファルム・ソシエタ・ペル・アチオニ (18)
【氏名又は名称原語表記】ROTTAPHARM S.p.A.
【Fターム(参考)】