説明

6−(6−置換トリアゾロピリダジン−スルファニル)5−フルオロベンゾチアゾールおよび5−フルオロベンゾイミダゾールの誘導体、これらの調製、医薬としてのこれらの使用ならびにMET阻害剤としてのこれらの使用

本発明は式(I)の新規生成物に関し、式中:(II)は単結合または二重結合であり;Fはフッ素原子であり、RaはH、Hal、アルコキシ、O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル;−NH−シクロアルキル、−NH−ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリール、フェニル、NHCOalk、NHCOシクロalkまたはNR1R2であり;XはS、SOまたはSO2であり、AはNHまたはSであり;WはH、アルキルもしくは、Rがシクロアルキルである、COR;NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシ、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルキル;NR3R4によって場合により置換されるアルコキシ.即ち、O−(CH2)n−NR3R4基、フェニルが場合により置換され、およびn=1から4である、O−フェニルもしくはO−(CH2)n−フェニル基;またはNR1R2基を表し;R1はHまたはalkであり、R2はH、シクロアルキルまたはアルキル;R3およびR4はH、alk、シクロアルキル、ヘテロアリールまたはフェニルであり;R1、R2および/またはR3、R4は、Nと共に、O、S、Nおよび/またはNHを場合により含む環を形成し;ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニルならびに環はすべて場合により置換され;該生成物はあらゆる異性体または塩形態であり得、および薬物、特には、MET阻害剤として用いることができる。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は新規6−(6−置換トリアゾロピリダジン−スルファニル)5−フルオロベンゾチアゾールおよび5−フルオロベンゾイミダゾール誘導体、これらの調製方法、得られる新規中間体、医薬としてのこれらの使用、これらを含有する医薬組成物ならびにこのような6−(6−置換トリアゾロピリダジン−スルファニル)5−フルオロベンゾチアゾールおよび5−フルオロベンゾイミダゾール誘導体の新規使用に関する。
【0002】
本発明は、より具体的には、タンパク質、特には、キナーゼの活性の調節による抗癌活性を有する、新規6−(6−置換トリアゾロピリダジン−スルファニル)5−フルオロベンゾチアゾールおよび5−フルオロベンゾイミダゾール誘導体に関する。
【背景技術】
【0003】
現在まで、化学療法において用いられる市販化合物のほとんどは細胞毒性であり、副作用および患者による寛容の大きな問題を引き起こしている。これらの作用は用いられる医薬が健常細胞を除いて癌細胞に対して選択的に作用する場合に制限することができる。従って、化学療法の有害作用を制限するための解決法の1つは、癌細胞において優先的に発現し、健常細胞においてはそれほどまたは全く発現しない、代謝経路またはこれらの代謝経路の構成要素に対して作用する医薬を用いることからなる。キナーゼタンパク質は特定のタンパク質残基、例えば、チロシン、セリンまたはトレオニン残基のヒドロキシル基のリン酸化を触媒する酵素の1ファミリーである。このようなリン酸化はタンパク質の機能を大幅に修飾し得る:従って、キナーゼタンパク質は、特には細胞代謝および増殖、細胞接着および運動性、細胞分化または細胞生存を含む、広く様々な細胞作用の調節において重要な役割を果たし、特定のキナーゼタンパク質は細胞周期事象の開始、発達および完了において中心的な役割を果たす。
【0004】
キナーゼタンパク質の活性が関与する様々な細胞機能のうち、特定の方法が特定の疾患を治療するための魅力的な標的を示す。特に挙げることができる例には、キナーゼタンパク質が重要な役割を果たし得る、血管形成および細胞周期の制御および、その上、細胞増殖の制御が含まれる。これらの方法は固形腫瘍の成長および、その上、他の疾患に特に重要である:特には、このようなキナーゼを阻害する分子は癌において観察されるもののような望ましくない細胞増殖を制限することが可能であり、神経変性性疾患、例えば、アルツハイマー病または神経細胞アポトーシスの予防、調節または治療に介入することができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主題の1つはキナーゼタンパク質に対する阻害作用が与えられている新規誘導体である。従って、本発明による生成物は、特には、キナーゼタンパク質を阻害することによって調節することができる疾患の予防または治療に用いることができる。
【0006】
本発明による生成物は、特には、キナーゼの活性の調節により、抗癌活性を示す。活性調節が望ましいキナーゼのうち、METおよび、その上、タンパク質METの突然変異体が好ましい。
【0007】
本発明は、ヒトを治療するための医薬を調製するための該誘導体の使用にも関する。
【0008】
従って、本発明の主題の1つは、特にはキナーゼに対して作用することにより、抗癌活性を有する組成物を提示することである。活性調節が望ましいキナーゼのうち、METが好ましい。
【0009】
以下の薬理学的区分において、本特許出願の生成物がMETの自己リン酸化活性およびこの増殖がMETまたはこれらの突然変異形態に依存する細胞の増殖を特に阻害することが生化学的試験において細胞株で示される。
【0010】
MET、即ち、肝細胞成長因子受容体は、特には上皮および内皮細胞に発現する、チロシンキナーゼ活性を有する受容体である。HGF、肝細胞成長因子はMETの特異的リガンドとして記述される。HGFは間葉細胞によって分泌されてMET受容体を活性化し、これはホモ二量体化する。従って、受容体は触媒ドメインのチロシンY1230、Y1234およびY1235で自己リン酸化するようになる。
【0011】
HGFでのMETの刺激は細胞増殖、散乱(または分散)および運動性、アポトーシスに対する耐性、浸潤および血管形成を誘導する。
【0012】
METおよび、同様に、HGFは、多くのヒト腫瘍および様々な癌において過剰発現することが見出されている。METは胃腫瘍およびグリア芽種において増幅することも見出されている。MET遺伝子の多くの点変異が腫瘍において、特には、キナーゼドメインにではあるが膜近接ドメインおよびSEMAドメインにおいても、記述されている。過剰発現、増幅または突然変異は受容体の構成的活性化およびこの機能の脱制御を生じる。
【0013】
従って、本発明は、特には腫瘍学において抗増殖性および抗転移性治療に用いることができる、キナーゼタンパク質METおよびこれらの突然変異体の新規阻害剤に特に関する。
【0014】
本発明は、特には腫瘍学において抗血管形成性治療に用いることができる、キナーゼタンパク質METおよびこれらの突然変異体の新規阻害剤にも関する。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の主題の1つは式(I)の生成物であり:
【0016】
【化1】

[式中、
【0017】
【化2】

は単結合または二重結合を表し;
Raは水素原子;ハロゲン原子;これ自体場合により置換される塩素原子、ヒドロキシル基もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換される、アルコキシ基;すべて場合により置換される、基−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル;すべて場合により置換される、−NH−シクロアルキルおよび−NH−ヘテロシクロアルキル;場合により置換されるヘテロアリール基;場合により置換されるフェニル基;基NHCOアルキルもしくはNHCOシクロアルキル;または以下で定義される基NR1R2を表し;
XはS、SOまたはSO2を表し;
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子;アルコキシ、ヘテロシクロアルキルもしくはNR3R4で場合により置換される、アルキル、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基;または、Rが以下を表す、基CORを表し;
− これら自体場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、ならびにR1およびR2のうちからの他方が、以下の基:場合により置換される、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4、フェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される、水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表すものであり、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、これが含む可能なNHを含めてO、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む、場合により置換される3から10員環状基を形成する、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基もしくはフェニル基を表し、これらはすべて以下の基:場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NH2、NHAlk、N(Alk)2もしくはフェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換され;またはその代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基はハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2およびアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2、NHalkならびにN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものであり;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である]の生成物。
【発明を実施するための形態】
【0018】
式(I)の生成物において、Fはフッ素原子を表す。
【0019】
本発明は、特には、Raが水素原子;ハロゲン原子;これ自体場合により置換されるヘテロシクロアルキル基で場合により置換されるアルコキシ基;場合により置換されるヘテロアリール基;場合により置換されるフェニル基;または場合により置換される基−O−シクロアルキル;場合により置換されるO−ヘテロシクロアルキル;場合により置換される−NH−シクロアルキル;場合により置換される−NH−ヘテロシクロアルキル;基NHCOアルキルもしくは−NHCOシクロアルキル;または上または下で定義される基NR1R2を表す式(I)の生成物に関し、
該式(I)の生成物上の他の置換基は上または下に示される意味のいずれかを有する。
【0020】
本発明の主題は、上または下で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0021】
【化3】

、XおよびAは上または下に示される意味を有し、
Raは、これ自体が場合により置換される、塩素原子、ヒドロキシル基もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換されるアルコキシ基;基−O−シクロアルキル;基−NHCOalk;または基−NR1aR2aで場合により置換されるアルコキシ基を表し;この場合による置換は、R1aおよびR2aが、場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4およびフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される、水素原子、環状アルキル基またはアルキル基を表すものであり;
ならびにWは水素原子;アルコキシ、ヘテロシクロアルキルもしくはNR3R4で場合により置換されるアルキル基;またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、およびR1およびR2のうちからの他方が以下の基:場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4、フェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換される、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基またはフェニル基を表し、これらはすべて以下の基:場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NH2、NHAlk、N(Alk)2もしくはフェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換され;または、その代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基はハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2およびアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2、NHalkならびにN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
生成物であり、
該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、およびその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0022】
本発明の主題は上または下で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0023】
【化4】

、XおよびAは上または下に示される意味を有し;
Raは、これ自体場合により置換されるヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;基NHCOalkまたは基NR1aR2aを表し;これは、R1aおよびR2aが、場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4およびフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される、水素原子、シクロアルキル基またはアルキル基を表すものであり;
ならびに、Wは水素原子;アルコキシ、ヘテロシクロアルキルもしくはNR3R4で場合により置換されるアルキル基;またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体が場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4およびフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される水素原子もしくはアルキル基を表すものであり、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換される、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基もしくはフェニル基を表し、これらはすべてヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキル基またはNH2、NHAlk、N(Alk)2基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換され、またはその代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2およびアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0024】
本発明の主題の1つは上で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0025】
【化5】

は単結合または二重結合を表し;
Raは水素原子;ハロゲン原子、これ自体場合により置換されるヘテロシクロアルキル基で場合により置換されるアルコキシ基;場合により置換されるヘテロアリール基;場合により置換されるフェニル基;基NHCOアルキルもしくはNHCOシクロアルキル;または以下で定義される基NR1R2を表し;
XはS、SOまたはSO2を表し;
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子;アルコキシ、ヘテロシクロアルキルもしくはNR3R4で場合により置換されるアルキル基;またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体が場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が以下の基:場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4、フェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表すものであり、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の別のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換される、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロシクロアルキル基、ヘテロアリール基もしくはフェニル基を表し、これらはすべて場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NH2、NHalk、N(alk)2およびフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換され、またはその代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2およびアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2、NHalkならびにN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである、
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0026】
このように、
【0027】
【化6】

が単結合または二重結合を表す、上で定義される式(I)の生成物に関する本発明は、従って、正確には、
【0028】
【化7】

が単結合を表す式(I)の生成物を表す式(I’)の生成物および
【0029】
【化8】

が二重結合を表す式(I)の生成物を表す式(I”)の生成物に関する。
【0030】
従って、上または下で定義されるすべての式(I)の生成物は、特には、
【0031】
【化9】

が単結合を表す式(I’)の生成物を表す。
【0032】
上または下で定義される式(I)の生成物は
【0033】
【化10】

が二重結合を表す式(I”)の生成物をも表す。
【0034】
本発明の主題は上または下で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0035】
【化11】

、RaおよびXは上または下で定義される値を有し、ならびに:
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子;アルコキシもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルキル基;またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体が場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が、NR3R4もしくはアルコキシで場合により置換される、水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表すものであり;またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換される、基NR1R2;
NR3R4は、同一であっても異なっていてもよいR3およびR4が水素原子もしくはアルキル基を表すか、またはその代わりに、R3およびR4が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるものであり;
すべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、上で定義される、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2およびアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0036】
従って、本発明の主題の1つは上で定義される式(I)の生成物であって、
【0037】
【化12】

、Ra、X、AおよびWは上または下で定義される値のいずれかを有し、ならびに基NR1R2は、R1およびR2のうちからの一方が水素原子またはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が、NR3R4またはアルコキシで場合により置換される、水素原子またはアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換されるものであり;
すべての他の置換基は上に示される定義を有する;
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0038】
本発明の主題は上または下で定義される式(I)の生成物であって、
式中
【0039】
【化13】

は単結合または二重結合を表し、
Raは水素原子もしくはハロゲン原子、またはその代わりに、場合により置換されるフェニル基を表し、
XはS、SOまたはSOを表し、
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体が場合により置換されるフェニル、ヘテロアリール、NR3R4もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4で場合により置換されるアルコキシ基、即ち、基O−(CH2)n−NR3R4;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が、場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4もしくはフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換されるシクロアルキル基もしくはアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換されるものである、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基またはフェニル基を表し、これらは場合により置換され、またはその代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalkおよびN(alk)2基ならびにアルキル、シクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、CH2−フェニル、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである、
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0040】
上または下で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0041】
【化14】

、RaおよびXは上または下で定義される値を有し、ならびに:
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子またはアルキル基またはRが以下を表す基CORを表し:
− OCH3もしくはNR3R4で場合により置換されるアルキル基;
− シクロアルキル基
− OCH3もしくはNR3R4で場合により置換されるアルコキシ基、即ち、基O−(CH2)n−OCH3もしくは基O−(CH2)n−NR3R4、フェニルが場合により置換され、およびnが1から2の整数を表す、基O−フェニルもしくはO−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方がNR3R4で場合により置換されるアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるような、基NR1R2;
NR3R4は、同一であっても異なっていてもよいR3およびR4が水素原子もしくはアルキル基を表すか、またはその代わりに、R3およびR4が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるものであり;
フェニル基ならびに、その上、上で定義される、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2ならびにアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、CH2−フェニル、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0042】
従って、本発明の主題の1つは、上で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0043】
【化15】

、RaおよびXは上または下で定義される値のいずれか1つを有し、
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子またはRが以下を表す基CORを表し:
NR3R4で場合により置換されるアルキル基;
NR3R4で場合により置換されるアルコキシ基、即ち、基O−(CH2)n−NR3R4、フェニルが場合により置換され、およびnが1から2の整数を表す、基O−フェニルもしくはO−(CH2)n−フェニル;
または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方がNR3R4で場合により置換されるアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換されるような、基NR1R2;
NR3R4は、同一であっても異なっていてもよいR3およびR4が水素原子もしくはアルキル基を表し、またはその代わりに、R3およびR4が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換されるものであり;
フェニル基ならびに、上で定義される、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2基ならびにアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、CH2−フェニル、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0044】
従って、本発明の主題の1つは上で定義される式(I)の生成物であって、式中、
【0045】
【化16】

、X、AおよびWは上または下に示される意味を有し、Raは水素原子もしくは塩素原子または基:
【0046】
【化17】

を表し、
Rbはハロゲン原子または、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される基で場合により置換される、基S−ヘテロアリールを表す、
生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0047】
R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基に関して、これらの基はO、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含み、場合によりSはおそらくはSOまたはSO2の形態にある;従って、これらの基は、これらが含む場合によるNHを含めて、特には、これら自体ハロゲン原子およびアルキル、アルコキシ、NH2、NHalkまたはN(alk)2基から選択される1つ以上の基で場合により置換される、アルキル、アルコキシ、シクロアルキルおよびヘテロシクロアルキルから選択される基で場合により置換され得る。
【0048】
式(I)の生成物および以下の文章において:
− アルキル基(またはAlk)という用語は、直鎖および、適切であるならば、分岐鎖メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、ペンチル、イソペンチル、ヘキシル、イソヘキシルおよび、その上、ヘプチル、オクチル、ノニルおよびデシル基ならびに、その上、これらの直鎖または分岐鎖位置異性体を示す:上記リストのうちの1から6個の炭素原子を含むアルキル基および、より具体的には、1から4個の炭素原子を含むアルキル基が好ましい;
− アルコキシ基という用語は、直鎖および、適切であるならば、分岐鎖メトキシ、エトキシ、プロポキシまたはイソプロポキシ、二級もしくは三級直鎖ブトキシ、ペントキシまたはヘキソキシおよび、その上、これらの直鎖または分岐鎖位置異性体を示す:上記リストのうちの1から4個の炭素原子を含むアルコキシ基が好ましい;
− ハロゲン原子という用語は、塩素、臭素、ヨウ素またはフッ素原子、好ましくは、塩素、臭素またはフッ素原子を示す。
【0049】
− シクロアルキル基という用語は3から10個の炭素原子を含む飽和炭素環式基を示し、従って、特には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基、最も具体的には、シクロプロピル、シクロペンチルおよびシクロヘキシル基を示す;
− 従って、ヘテロシクロアルキル基という用語は、酸素、窒素およびイオウ原子から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1個以上のヘテロ原子が割り込む3から10員単環式または二環式炭素環式基を示す:挙げることができる例には、モルホリニル、チオモルホリニル、アジリジル、アゼチジル、ピペラジニル、ピペリジル、ホモピペラジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピラゾリジニル、テトラヒドロフリル、テトラヒドロチエニル、テトラヒドロピラニルおよびオキソジヒドロピリダジニル基または、その代わりに、オキセタニルもしくはチエタニル基が含まれ、これらの基のすべては場合により置換される;これらのヘテロシクロアルキル基が2つの環メンバーから形成される架橋を含んで、例えば、オキサ−5−アザビシクロ[2.2.1]ヘプタンもしくはアザスピロ[3.3]ヘプタン基または他のアザビシクロアルカンもしくはアザスピロアルカン環を形成し得ることを注記することができる。
【0050】
− アリールおよびヘテロアリールという用語は、それぞれ、12員を上回ることはなく、おそらくは−C(O)環メンバーを含む、不飽和または部分的に不飽和の単環式または二環式炭素環式および複素環式基を示し、複素環式基はO、NおよびSから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1個以上のヘテロ原子を含み、適切であるならば、Nは場合により置換される;
− 従って、アリール基という用語は6から12員単環式または二環式基、例えば、フェニル、ナフチル、ビフェニル、インデニル、フルオレニルおよびアントラセニル基、より具体的には、フェニルおよびナフチル基、さらにより具体的には、フェニル基を示す。−C(O)環メンバーを含む炭素環式基は、例えば、テトラロン基であることを注記することができる;
− 従って、ヘテロアリール基という用語は5から12員単環式または二環式基を示す:単環式ヘテロアリール基、例えば、チエニル基、例えば、2−チエニルおよび3−チエニル、フリル、例えば、2−フリル、3−フリル、ピラニル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、ピリジル、例えば、2−ピリジル、3−ピリジルおよび4−ピリジル、ピラジニル、ピリミジニル、ピリダジニル、オキサゾリル、チアゾリル、イソチアゾリル、ジアゾリル、チアジアゾリル、チアトリアゾリル、オキサジアゾリル、イソオキサゾリル、例えば、3−または4−イソオキサゾリル、フラザニル、遊離または塩化されたテトラゾリル、これらすべての基は場合により置換され、これらのうち、より具体的には、チエニル基、例えば、2−チエニルおよび3−チエニル、フリル、例えば、2−フリル、ピロリル、ピロリニル、ピラゾリニル、イミダゾリル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ピリジルおよびピリダジニルであり、これらの基は場合により置換される;二環式ヘテロアリール基、例えば、ベンゾチエニル基、例えば、3−ベンゾチエニル、ベンゾチアゾリル、キノリル、イソキノリル、ジヒドロキノリル、キノロン、テトラロン、アダマンチル、ベンゾフリル、イソベンゾフリル、ジヒドロベンゾフリル、エチレンジオキシフェニル、チアントレニル、ベンゾピロリル、ベンゾイミダゾリル、ベンゾオキサゾリル、チオナフチル、インドリル、アザインドリル、インダゾリル、プリニル、チエノピラゾリル、テトラヒドロインダゾリル、テトラヒドロシクロペンタピラゾリル、ジヒドロフロピラゾリル、テトラヒドロピロロピラゾリル、オキソテトラヒドロピロロピラゾリル、テトラヒドロピラノピラゾリル、テトラヒドロピリジノピラゾリルまたはオキソジヒドロピリジノピラゾリル、これらすべての基は場合により置換される。
【0051】
ヘテロアリールまたは二環式基の例として、より具体的には、上に示される1つ以上の同一または異なる置換基で場合により置換される、ピリミジニル、ピリジル、ピロリル、アザインドリル、インダゾリルまたはピラゾリル基を挙げることができる。
【0052】
式(I)の生成物のカルボキシル基(1つ以上)は当業者に公知の様々な基で塩化またはエステル化することができ、挙げることができる例のうちには以下が含まれる:
− 塩化化合物のうちには、無機塩基、例えば、1当量のナトリウム、カリウム、リチウム、カルシウム、マグネシウムもしくはアンモニウムまたは有機塩基、例えば、メチルアミン、プロピルアミン、トリメチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、トリス(ヒドロキシメチル)アミノメタン、エタノールアミン、ピリジン、ピコリン、ジシクロヘキシルアミン、モルホリン、ベンジルアミン、プロカイン、リジン、アルギニン、ヒスチジンまたはN−メチルグルカミン、
− エステル化化合物のうちには、アルコキシカルボニル基を形成するアルキル基、例えば、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、tert−ブトキシカルボニルまたはベンジルオキシカルボニル、これらのアルキル基は、例えば、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、アルコキシ、アシル、アシルオキシ、アルキルチオ、アミノおよびアリール基、例えば、クロロメチル、ヒドロキシプロピル、メトキシメチル、プロピオニルオキシメチル、メチルチオメチル、ジメチルアミノエチル、ベンジルまたはフェネチル基から選択される基でおそらくは置換される。
【0053】
式(I)の生成物の無機または有機酸との付加塩は、例えば、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硝酸、硫酸、リン酸、プロピオン酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、安息香酸、マレイン酸、フマル酸、コハク酸、酒石酸、クエン酸、シュウ酸、グリオキシル酸、アスパラギン酸もしくはアスコルビン酸、アルキルモノスルホン酸、例えば、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、プロパンスルホン酸、アルキルジスルホン酸、例えば、メタンジスルホン酸、α,β−エタンジスルホン酸、アリールモノスルホン酸、例えば、ベンゼンスルホン酸およびアリールジスルホン酸で形成される塩であり得る。
【0054】
立体異性を、この最も広範な意味で、同じ構造式を有するもののこの様々な基が空間において異なるように配置される化合物の異性、特には、例えば、置換基がアキシャルまたはエクアトリアル位にあり得る一置換シクロヘキサンおよびエタン誘導体の様々な可能な回転配座におけるものと定義できることを想起することができる。しかしながら、二重結合または環のいずれかに固定される置換基の様々な空間配置のため、別のタイプの立体異性が存在し、これらはしばしば幾何異性またはシス−トランス異性と呼ばれる。立体異性体という用語は本特許出願においてはこの最も広範な意味で用いられ、従って、上で示されるすべての化合物に関する。
【0055】
一方でR1およびR2によってこれらが結合する窒素原子と共に、他方でR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に、形成され得る環状基は、ヘテロシクロアルキル基上の可能な置換基について上で示されるものから選択される1つ以上の基で、即ち、ハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2;NHaik、N(alk)2およびアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリールおよびCOフェニル基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合により置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキルおよびフェニル基これら自体がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2;NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである。
【0056】
一方でR1およびR2によってこれらが結合する窒素原子と共に、他方でR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に、形成され得る環状基は、特には、アルキル、ピロリジニルおよびフェニル基これら自体がハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、オキソおよびアルコキシ基から選択される1つ以上の同一の、または異なる、基で場合により置換される、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、CH2−ピロリジニル、CH2−フェニル、ヘテロアリールおよびフェニル基から選択される1つ以上の同一の、または異なる、基で場合により置換される。
【0057】
上で定義されるヘテロシクロアルキル基は、特には、アゼパニル、モルホリニル、ピロリジニル、ピペリジルおよびピペラジニル基を表し、これらは、上または下で定義されるように、これら自体が場合により置換される。
【0058】
NR1R2またはNR3R4が上で定義される環を形成するとき、このようなアミン環は、特には、ピロリジニル、ピラゾリジニル、ピラゾリニル、ピペリジル、アゼピニル、モルホリノおよびピペラジニル基から選択することができ、これらの基は、上または下に示されるように、これら自体が場合により置換される:例えば、ハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシル、アルコキシ、フェニルおよびCH2−フェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で置換され、これらのアルキルまたはフェニル基はこれら自体がハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択される1つ以上の同一の、または異なる、基で場合により置換される。
【0059】
環NR1R2またはNR3R4は、特には、ピロリジニルおよびモルホリノ基から選択することができ、これらの基は、これら自体がハロゲン原子ならびにアルキル、ヒドロキシルおよびアルコキシ基から選択される1つ以上の同一の、または異なる、基で場合により置換されるアルキル、フェニルまたはCH2−フェニル基で第2窒素原子上で場合により置換される、1または2のアルキルまたはピペラジニル基で場合により置換される。
【0060】
本発明の主題は、特には、AがNHを表し、置換基Ra、XおよびWがこれらの基について上または下で定義されるすべての値から選択される式(I)の生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0061】
本発明の主題は、特には、AがSを表し、置換基Ra、XおよびWがこれらの基について上または下で定義されるすべての値から選択される式(I)の生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0062】
特には、本発明は式(Ia)または(Ib):
【0063】
【化18】

【0064】
【化19】

に対応する式(I)の生成物に関し、式中、
【0065】
【化20】

、RaおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(Ia)および(Ib)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(Ia)および(Ib)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0066】
従って、本発明は、特には、式(I’):
【0067】
【化21】

の生成物に対応する、
【0068】
【化22】

が単結合を表す、上または下で定義される式(I)の生成物に関し、
置換基Ra、X、AおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(I’)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I’)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0069】
従って、本発明は、特には、式(I”):
【0070】
【化23】

の生成物に対応する、
【0071】
【化24】

が二重結合を表す、上または下で定義される式(I)の生成物に関し、
式中、置換基Ra、X、AおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(I”)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I”)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0072】
従って、本発明は、特には、式(Ia’):
【0073】
【化25】

の生成物に対応する、
【0074】
【化26】

が単結合を表す、上または下で定義される式(Ia)の生成物に関し、
式中、RaおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(I’a)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I’a)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0075】
従って、本発明は、特には、式(I”a):
【0076】
【化27】

の生成物に対応する、
【0077】
【化28】

が二重結合を表す、上または下で定義される式(Ia)の生成物に関し、
式中、RaおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(I”a)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I”a)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0078】
従って、本発明は、特には、式(I’b):
【0079】
【化29】

の生成物に対応する、
【0080】
【化30】

が単結合を表す、上または下で定義される式(Ib)の生成物に関し、
式中、RaおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(I’b)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I’b)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0081】
従って、本発明は、特には、式(I”b):
【0082】
【化31】

の生成物に対応する、
【0083】
【化32】

が二重結合を表す、上または下で定義される式(Ib)の生成物に関し、
式中、RaおよびWは上または下に示されるすべての意味から選択され、
該式(I”b)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I”b)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0084】
式(I)の生成物において、Raが基:
【0085】
【化33】

を表すとき、Rbは、特には、パラ位に存在する。
【0086】
上で定義されるRbがハロゲン原子を表すとき、Rbは、特には、フッ素を表す。
【0087】
本発明の主題は、最も具体的には、以下の式:
− 1−(6−{[6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメート
− 5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
− 1−(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 1−(6−{[6−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 1−(6−{[6−(シクロヘキシルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}アセトアミド
− N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
に対応する、上で定義される式(I)の生成物ならびに、その上、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【0088】
本発明の主題は、上で定義される式(I)の生成物を調製するためのあらゆる方法でもある。
【0089】
従って、本発明の主題は、AがNHを表す、上で定義される式(I)の生成物を調製するためのあらゆる方法である。
【0090】
従って、本発明の主題は、AがSを表す、上で定義される式(I)の生成物を調製するためのあらゆる方法である。
【0091】
本発明による生成物は有機化学の従来法から調製することができる。下記スキーム1、2、2bis、3、4、5および6は式(I)の生成物の調製に用いられる方法を説明する。この点において、これらは、請求される化合物の調製方法に関して、本発明の範囲の制限を構成するものではない。
【0092】
従って、本発明による、上で定義される式(I)の生成物は、特には、下記スキーム1、2、2bis、3、4、5および6に記述される方法に従って調製することができる。
【0093】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム1に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0094】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム2に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0095】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム2bisに従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0096】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム3に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0097】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム4に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0098】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム5に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0099】
従って、本発明の主題は、以下で定義されるスキーム6に従って式(I)の生成物を調製するための方法でもある。
【0100】
同様に、
【0101】
【化34】

が単結合または二重結合を表す、上で定義される式(I)の生成物のうち、
【0102】
【化35】

が単結合を表す式(I)の生成物を表す式(I’)の生成物および
【0103】
【化36】

が二重結合を表す式(I)の生成物を表す式(I”)の生成物が定義され、ならびに、同様に、
【0104】
【化37】

が単結合または二重結合を表す式(a)、(b)、(c)、(d)、(e)および(f)の以下で定義される合成中間体について、
【0105】
【化38】

が単結合を表す式(a’)、(b’)、(c’)、(d’)、(e’)および(f’)の化合物ならびに
【0106】
【化39】

が二重結合を表す式(a”)、(b”)、(c”)、(d”)、(e”)および(f”)の化合物が定義される。
【0107】
スキーム1:式(1a”)、(1b”)、(1”c)、(1d”)、(1e”)、(1a’)、(1b’)、(1c’)、(1d’)および(1e’)のベンゾイミダゾール誘導体の合成
【0108】
【化40】

上記スキーム1において、置換基Raは式(I’)および(I”)の生成物について上に示される意味を有し、Wを構成する基CONR1R2、COR6およびCOR7は、W≠Hのとき、式(I’)および(I”)の生成物について上で定義されるWの値をとることができる。
【0109】
上記スキーム1において、一般式(1a”)、(1b”)、(1c”)、(1d”)および(1e”)のベンゾイミダゾールならびに、その上、一般式(1a’)、(1b’)、(1c’)、(1d’)および(1e’)のこれらの還元類似体は式(S)の市販3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンから調製することができる。
【0110】
【化41】

化合物(E)は下記スキーム3に記述される経路によって得ることができる。
【0111】
【化42】

化合物(G)は、例えば、式(F)の2−フルオロ−4−ニトロ−5−アミノベンゼンチオールを式(E)の化合物と反応させることによって得ることができる。式(F)の化合物は、例えば、チオ酢酸カリウムの存在下、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、20℃近傍の温度で、誘導体2−ニトロ−4,5−ジフルオロアニリン(Q)(市販化合物)にチオール官能基を導入することによって得ることができる。
【0112】
【化43】

【0113】
【化44】

が二重結合を表すような化合物(H”)は、例えば、メタノールのような溶媒中、酢酸の存在下、70℃近傍の温度での、式(G)の化合物の鉄(0)での還元によって得ることができる。
【0114】
【化45】

が単結合を表すような化合物(H’)は、例えば、酢酸の存在下、20℃近傍の温度での、式(G)の化合物の亜鉛(0)での還元によって得ることができる。
【0115】
より具体的には、一般式(1a’)および(1a”)のカルバメートは、特には、特許WO 03/028721 A2に記述されるようにではあるが、それぞれ、式(H’)および(H”)の2−フルオロ−4,5−ジアミノフェニルスルフィドおよび式(J)のシュードチオ尿素で出発して、酢酸の存在下、メタノールのような極性溶媒中、80℃近傍の温度で調製することができる。
【0116】
より具体的には、一般式(1b’)および(1b”)のベンゾイミダゾールは、それぞれ、例えば、1−メチル−2−ピロリジノンのような非プロトン性溶媒の存在下、式(R)のNHR1R2(上で定義される通りのR1およびR2を有する。)を式(1a’)および(1a”)のカルバメートと反応させることによって調製することができる。この反応は、例えば、密封管内、マイクロ波の下、120℃近傍の温度で行う。
【0117】
より具体的には、式(1c’)および(1c”)の2−アミノベンゾイミダゾールは、例えば、エタノールのようなプロトン性溶媒存在下、臭化シアンを、それぞれ、式(H’)および(H”)の化合物と反応させることによって調製することができる。この反応は80℃近傍の温度で行う。
【0118】
より具体的には、式(1d’)および(1d”)のカルバメートは、例えば、テトラヒドロフランのような溶媒中、炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下、20℃近傍の温度で、式(O)のクロロカーボネート(X=Cl)を一般式(1c’)および(1c”)の化合物と反応させることによって得ることができる。
【0119】
より具体的には、カルボキサミド(1e’)および(1e”)は、それぞれ、一般式(Ic’)および(1c”)のアミンから、
− アミン(1c’)および(1c”)を式(P)の酸塩化物(X=Cl)と、例えば、ピリジンのような溶媒の存在下、20℃近傍の温度で反応させることによって;
− アミン(1c’)および(1c”)を式(P)の酸無水物(X=OCOR7)と、例えば、ピリジンのような溶媒の存在下、20℃近傍の温度で反応させることによって;
− アミン(1c’)および(1c”)を式(P)の酸(X=OH)と、例えば、D.D.DesMarteau;V.Montanari(Chem.Lett.、2000(9).1052)によって記述される条件下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドの存在下、ならびにトリエチルアミンのような塩基の存在下、40℃近傍の温度でカップリングさせることによって、得ることができる。
【0120】
スキーム2:式(2a’)、(2b’)、(2c’)、(2d’)、(2a)’、(2b’)、(2c’)および(2d’)のベンゾチアゾール誘導体の合成
【0121】
【化46】

上記スキーム2において、置換基Raは式(I’)および(I”)の生成物について上に示される意味を有し、Wを構成する基CONR1R2、COR6およびCOR7は、W≠Hであるとき、式(I’)および(I”)の生成物について上で定義されるWの値をとることができる。
【0122】
上記スキーム2において、一般式(2a”)、(2b”)、(2c”)および(2d”)のベンゾチアゾールならびに一般式(2a’)、(2b’)、(2c’)および(2d’)のこれらの還元類似体は2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)から調製することができる。
【0123】
【化47】

上記スキーム2において、2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)は、3−フルオロアニリンから、K.PapkeおよびR.Pohloudek−FabiniによってPharmazie;GE;22,5 1967,P229−233に記述される方法で調製することができる。
【0124】
【化48】

一般式(L1)のカルバメートは,例えば、式(O)のクロロカーボネート(X=Cl)を2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)と、テトラヒドロフランのような溶媒中、炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下、20℃近傍の温度で反応させることによって得ることができる。
【0125】
【化49】

一般式(L2)の化合物は、例えば、R6=フェニルである式(L1)のカルバメートを式(R)のアミンNHR1R2(上で定義されるR1およびR2を有する。)と、テトラヒドロフランのような非プロトン性溶媒の存在下、20℃近傍の温度で反応させることによって得ることができる。
【0126】
尿素(2b’)および(2b”)は、例えば、それぞれ、R6=フェニルであるカルバメート(2a’)および(2a”)から、アミンを(L1)型のカルバメートと反応させることによって尿素(L2)を得るのと同じ方法で得ることができる。
【0127】
【化50】

一般式(L3)の化合物は、例えば:
− 式(P)の酸塩化物(X=Cl)を2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)と、例えば、ピリジンのような溶媒の存在下、20℃近傍の温度で反応させることによって、
− 式(P)の酸無水物(X=OCOR7)を2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)と、例えば、ピリジンのような溶媒の存在下、20℃近傍の温度で反応させることによって、
− 2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)を式(P)の酸(X=OH)と、例えば、D.D.DesMarteau;V.Montanari(Chem.Lett.,2000(9).1052)によって記述される条件下、1−ヒドロキシベンゾトリアゾールおよび1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドの存在下、ならびにトリエチルアミンのような塩基の存在下、40℃近傍の温度でカップリングさせることによって、得ることができる。
【0128】
アミン(K)のアシル化によってカルボキサミド(L3)を得ることができるのと同じ方法で、カルボキサミド(2c’)および(2c”)を,それぞれ、アミン(2d’)および(2d”)から得ることができる。
【0129】
スキーム2bis:グリシンアミド誘導体(2c’)および(2c”)を合成するための経路
【0130】
【化51】

上記スキーム2bisにおいて、置換基R7はアミノメチル基の意味をとることができる。これらのグリシンアミド(2c’/2c”)は、アミン(2d’)および(2d”)をグリシド酸(P’)と、酸(P)(X=OH)について上述される方法を用いてカップリングさせることによって得ることができる。
【0131】
グリシド酸(P’)は、ブロモ酢酸およびアミンHNR3R4から、D.T.Witiakら;J.Med.Chem.1985,28,1228によって記述されるものに類似する条件下で調製することができる。その代わりに、アミン(2d’)および(2d”)を、ピリジン、トリエチルアミンまたはN−メチルモルホリンのような塩基の存在下、ジクロロメタンのような溶媒中、0℃から20℃近傍の温度で、塩化フルオロアセチルで処理することができる。このようにして形成されるα−クロロアセトアミド(2e’/2e”)を上で定義されるHNR3R4型のアミンと、ピリジンのような溶媒中、20℃近傍の温度で反応させ、上記スキーム2bisにおいて定義される誘導体(2c’/2c”)を得ることができる。
【0132】
一般式(M1)、(M2)および(M3)の化合物は、例えば、炭酸水素ナトリウムの存在下、エタノールのような溶媒中、80℃近傍の温度での、一般式(L1)、(L2)または(L3)の化合物のDL−ジチオトレイトールでの還元によって得ることができる。
【0133】
一般式(N)の化合物は、式(K)の化合物を、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、トリエチルアミンのような塩基の存在下、95℃近傍または20℃から95℃の温度で、水素化ホウ素ナトリウムで還元することによってこの場で、または、その代わりに、例えば、炭酸水素ナトリウムの存在下、エタノールのような溶媒中、80℃近傍の温度で、DL−ジチオトレイトールで還元することによってこの場で調製することができる。
【0134】
より具体的には、一般式(2d’)および(2d”)のベンゾチアゾールは、それぞれ、R6=t−ブチルである式(2a’)および(2a”)のカルバメートから、例えば、ジクロロメタンのような溶媒中、20℃近傍の温度でのトリフルオロ酢酸との反応によって調製することもできる。
【0135】
逆に、一般式(2a’)および(2a”)のベンゾチアゾールは、それぞれ式(2d’)および(2d”)のベンゾチアゾールから、例えば、テトラヒドロフランのような溶媒中、炭酸水素ナトリウムのような塩基の存在下、20℃近傍の温度での、式(O)のクロロカーボネート(X=Cl)との反応によって調製することもできる。
【0136】
より具体的には、一般式(2a”)、(2b”)、(2c”)および(2d”)のベンゾチアゾールならびに一般式(2a’)、(2b’)、(2c’)および(2d’)のこれらの還元類似体は、例えば:
1)式(E)の化合物を、誘導体(L1)、(L2)、(L3)および(K)の水素化ホウ素ナトリウムでの還元によってこの場で生成される誘導体(M1)、(M2)および(M3)および(N)と、N,N−ジメチルホルムアミドの溶媒中、トリエチルアミンのような塩基の存在下、95℃近傍または50℃から95℃の温度でカップリングさせることにより;
2)または、単離誘導体(M1)、(M2)および(M3)ならびに式(E)の化合物を、水素化ホウ素ナトリウムの存在下、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、トリエチルアミンのような塩基の存在下、95℃近傍の温度でカップリングさせることにより;
3)または、単離誘導体(M1)、(M2)および(M3)ならびに式(E)の化合物を、例えば、U.Schopferら(Tetrahedron,2001,57,3069)によって記述される条件下、n−トリブチルホスフィン、カリウムtert−ブトキシド、トリス(ジベンジリデン−アセトン)ジパラジウム(0)およびビス(2−ジフェニルホスフィノフェニル)エーテルの存在下、トルエンのような溶媒中、110℃近傍の温度でカップリングさせることにより;
4)または、式(E)の化合物を、誘導体(L1)、(L2)、(L3)および(K)の還元によってこの場で生成される誘導体(M1)、(M2)および(M3)および(N)と、DL−ジチオトレイトールおよび炭酸水素ナトリウムの存在下、エタノールのような溶媒中、80℃近傍の温度でカップリングさせることにより、
調製することができる。
【0137】
還元条件1)および2)は、
【0138】
【化52】

が単結合または二重結合を表すように式(2a)、(2b)、(2c)および(2d)の生成物をもたらすことができ、これに対して、条件3)および4)は、
【0139】
【化53】

が二重結合を表すように式(2a)、(2b)、(2c)および(2d)の生成物をもたらす。
【0140】
スキーム3:式(E)のトリアゾロピリダジン誘導体を合成するための経路
【0141】
【化54】

上記スキーム3において、置換基Ra、R1およびR2は式(I’)および(I”)の生成物について上に示される意味を有する。置換基R7はアルキルまたはシクロアルキル基を表す。置換基R8は以下を表す:
− これ自体場合により置換される塩素原子、ヒドロキシル基もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換される、アルキル基、
− または、シクロアルキル基。
【0142】
式(E)の化合物は、例えば、上記スキーム3に示されるように、式(S)の市販3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンから得ることができる。
【0143】
より具体的には、Raが基OR8を表す式(E)の化合物は、3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(S)を80℃近傍の温度、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で、これ自体対応するアルコールを0℃から20℃近傍の温度、水素化ナトリウムのような塩基で処理することよって得られる、式(U)のアルコキシドで処理することによって得ることができる。
【0144】
より具体的には、Raが基NR1R2を表す式(E)の化合物は、3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン(S)を、20℃近傍の温度、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中で式(R)のアミンを用いて処理するか、または、NR1R2がNH2であるとき、ジオキサンのような溶媒中、密封管内、70℃から90℃の温度でアンモニア水を用いて処理することによって得ることができる。
【0145】
より具体的には、Raが基NHCOR7を表す式(E)の化合物は、Ra=NH2である一般式(E)の化合物を、一般式(L3)、(1e’)および(1e”)について記述される式(P)の化合物と反応させることによって得ることができる。
【0146】
より具体的には、Raがアリールまたはヘテロアリール基を表す式(E)の化合物は、例えば:
− 水酸化バリウム8水和物および(1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン)ジクロロパラジウム(II)の存在下、例えば、N,N−ジメチルホルムアミドの溶媒中、80℃近傍の温度で、式(B)のボロン酸から、
−またはその代わりに、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウムの存在下、例えば、1,2−ジメトキシエタンのような溶媒中、1N水酸化ナトリウムのような塩基の存在下、80℃近傍の温度で、式(V)のボロン酸エステルから、
得ることができる。
【0147】
スキーム4:式(2e’)および(2e”)のベンゾチアゾール誘導体の合成
【0148】
【化55】

上記スキーム4によると、一般式(2e’)および(2e”)のベンゾチアゾールを、それぞれ、式(2a’)および(2a”)の化合物から調製することができる。
【0149】
上記スキーム4において、置換基OR6はO−t−ブチルを優先的に表す。置換基R9は、アルコキシもしくはヘテロシクロアルキル基またはNR3R4(R3およびR4は上で定義される通り)で場合により置換される、アルキル、シクロアルキルまたはヘテロシクロアルキル基を表す。
【0150】
【化56】

一般式(T’)および(T”)のカルバメートは,それぞれ、R6=tBuである一般式(2a’)および(2a”)のカルバメートを、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、水素化ナトリウムの存在下、20から90℃の温度で、優先的には、例えば、式(W)のハロゲン化アルキルと反応させることによって得ることができる。
【0151】
一般式(2e’)および(2e”)のベンゾチアゾールは、好ましくはR6=tBuである、式(L1)の化合物から、式(T’)および(T”)の化合物を介して調製することもできる。
【0152】
より具体的には、一般式(2e’)および(2e”)の化合物は、ジクロロメタンのような溶媒中、20℃近傍の温度で、それぞれ、単離化合物(T’)および(T”)を、例えば、トリフルオロ酢酸で処理することによって得ることができる。
【0153】
その代わりに、一般式(2e”)の化合物は、例えば、DL−ジチオトレイトールおよび炭酸水素ナトリウムの存在下、エタノールのような溶媒中、80℃近傍の温度で、式(L4)および(E)の化合物を反応させることによりこの場で形成される化合物(T”)を介して、場合により続いて、必要であるならば、20℃でトリフルオロ酢酸で原位置処理することによって、直接得ることができる。
【0154】
【化57】

一般式(L4)のカルバメートは、一般式(L1)のカルバメートを,例えば、式(W)のハロゲン化アルキルと、N,N−ジメチルホルムアミドのような溶媒中、水素化ナトリウムの存在下、20から90℃の温度で反応させることによって得ることができる。
【0155】
スキーム5:式(2e’)および(2e”)のベンゾチアゾール誘導体の合成
【0156】
【化58】

その代わりに、上記スキーム5によると、一般式(2e”)のベンゾチアゾールは、例えば、DL−ジチオトレイトールおよび炭酸水素ナトリウムの存在下、エタノールのような溶媒中、80℃近傍の温度で、式(L6)および(E)の化合物から調製することができる。
【0157】
一般式(2e’)のベンゾチアゾールは、化合物(I”)からの化合物(I’)の調製について以下に記述される方法に従って式(2e”)の化合物から調製することができる。
【0158】
式(L6)の化合物は2−ブロモベンゾチアゾール誘導体(L5)から、例えば、テトラヒドロフランのような溶媒中、20℃近傍の温度で、誘導体NH2R9で処理することによって調製することができる。
【0159】
置換基R9は、アルコキシもしくはヘテロシクロアルキル基またはNR3R4(R3およびR4は上で定義される通り)で場合により置換される、アルキルまたはシクロアルキル基を表す。
【0160】
式(L5)の化合物は2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(K)(市販化合物)から、例えば、アセトニトリルのような溶媒中、0−20℃近傍の温度で、Jagabandhu DasらによってJ.Med.Chem.2006,49,6819−6832に記述される方法に従って亜硝酸アルキルおよび臭化銅で処理することによって調製することができる。
【0161】
スキーム6:式(I’)の還元誘導体を合成するための他の経路
【0162】
【化59】

上記スキーム6によると、一般式(I’)のベンゾチアゾールは式(I”)の化合物から、例えば、エタノールのような溶媒中、80℃近傍の温度での水素化ホウ素ナトリウムでの還元によって、または酢酸の存在下、20℃近傍の温度での亜鉛(0)での還元によって調製することもできる。
【0163】
その代わりに、化合物(I’)は式(E’)の化合物から、スキーム2において上に記述されるように、この場での化合物L1、L2、L3またはKの還元による中間体として得られるM1、M2、M3またはN型の化合物とのカップリングによって調製することもできる。M1、M2またはM3型の化合物を単離し、(E’)とのカップリングに用いることもできる。化合物(E’)は式(E)の化合物から、例えば、酢酸の存在下、20℃近傍の温度での亜鉛(0)を用いる還元によって得ることができる。
【0164】
その代わりに、化合物(I’)は他の化合物(I’)から、Wについて上に定義されるものと同じ性質の基Wへの基Wの変換によって、およびスキーム2に定義される反応の型に従って調製することもできる:2a’/2a”および2c’/2c”への2d’/2d”の変換、2d’/2d”および2b’/2b”への2a’/2a”の変換。
【0165】
上で定義される一般式(I)の化合物において、当業者に公知の方法に従い、必要であれば、あらゆる反応性基を適切な保護基で保護して、イオウSをスルホキシドSOまたはスルホンSO2に酸化することができる。
【0166】
式B、D、J、K、O、P、P’、Q、R、S、U、VおよびWの出発物質のうち、幾つかは公知であり、商業的に得ることができるか、または当業者に公知の通常の方法に従って、例えば、市販製品から得ることができる。
【0167】
前述の本発明による方法を実施するのに、副反応を回避するため、アミノ、カルボキシルおよびアルコール官能基に保護基を導入する必要があり得ることは当業者によって理解される。
【0168】
反応性官能基の保護の例の以下の限定的なリストを挙げることができる:
− ヒドロキシル基は、例えば、アルキル基,例えば、tert−ブチル、トリメチルシリル、tert−ブチルジメチルシリル、メトキシメチル、テトラヒドロピラニル、ベンジルまたはアセチルで保護することができ、
− アミノ基は,例えば、アセチル、トリチル、ベンジル、tert−ブトキシカルボニル、BOC、ベンジルオキシカルボニルもしくはフタルイミド基またはペプチド化学において公知の他の基で保護することができる。
【0169】
酸官能基は,例えば、容易に開裂可能なエステル、例えば、ベンジルもしくはtert−ブチルエステルまたはペプチド化学において公知のエステルで形成されるエステルの形態で保護することができる。
【0170】
用いることができる様々な保護基のリストは当業者に公知の取扱説明書、例えば、特許BF 2 499 995に見出される。
【0171】
このようにして上に示される方法によって得られる中間体生成物または式(I)の生成物には、所望であれば、および必要であれば、他の中間体または他の式(I)の生成物を得るため、当業者に公知の1つ以上の変形反応、例えば、以下:
a)酸官能基をエステル化するための反応、
b)エステル官能基を酸官能基にケン化するための反応、
c)遊離またはエステル化カルボキシル官能基をアルコール官能基に還元するための反応、
d)アルコキシ官能基をヒドロキシル官能基に、またはその代わりに、ヒドロキシル官能基をアルコキシ官能基に変換するための反応、
e)保護された反応性官能基が坦持し得る保護基を除去するための反応、
f)対応する塩を得るための、無機または有機酸または塩基との塩化反応、
g)ラセミ形態を分割生成物に分割するための反応、
を施すことができることを注記することができ、このようにして得られる該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にある。
【0172】
反応a)からg)は当業者に公知の通常の条件、例えば、以下に示されるものの下で行うことができる。
【0173】
a)所望であれば、上述の生成物に、可能なカルボキシル官能基で、当業者に公知の通常の方法に従って行うことができるエステル化反応を施すことができる。
【0174】
b)所望であれば、上述の生成物の酸官能基へのエステル官能基の可能な変換を、当業者に公知の通常条件下で、特には、例えば、アルコール性媒体、例えば、メタノール中で水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを用いるか、またはその代わりに、塩酸もしくは硫酸を用いる、酸もしくはアルカリ加水分解によって行うことができる。
【0175】
ケン化反応は当業者に公知の通常の方法に従って、例えば、メタノール、エタノール、ジオキサンまたはジメトキシエタンのような溶媒中、水酸化ナトリウムまたは水酸化カリウムの存在下で行うことができる。
【0176】
c)所望であれば、上述の生成物の可能な遊離またはエステル化カルボキシル官能基を当業者に公知の方法によってアルコール官能基に還元することができる:可能なエステル化カルボキシル官能基は、所望であれば、当業者に公知の方法により、特には、例えば、テトラヒドロフラン、ジオキサンまたはエチルエーテルのような溶媒中で水素化アルミニウムリチウムを用いて、アルコール官能基に還元することができる。
【0177】
上述の生成物の可能な遊離カルボキシル官能基は、所望であれば、特には水素化ホウ素を用いて、アルコール官能基に還元することができる。
【0178】
d)所望であれば、上述の生成物の可能なアルコキシ官能基、特には、例えば、メトキシを、当業者に公知の通常の条件下で、例えば、塩化メチレンのような溶媒中で三臭化ホウ素を用いて、還流温度の水またはトリフルオロ酢酸中で臭化水素もしくは塩化水素ピリジンまたは、その代わりに、臭化水素酸もしくは塩酸を用いて、ヒドロキシル官能基に変換することができる。
【0179】
e)保護基、例えば、上に示されるものの除去は当業者に公知の通常の条件下で、特には、酸、例えば、塩酸、ベンゼンスルホン酸もしくはパラ−トルエンスルホン酸、ギ酸またはトリフルオロ酢酸で行う酸加水分解によって、またはその代わりに、触媒水素化によって行うことができる。
【0180】
フタルイミド基はヒドラジンで除去することができる。
【0181】
f)所望であれば、上述の生成物にケン化反応を、例えば、無機もしくは有機酸または無機もしくは有機塩基を用いて当業者に公知の通常の方法に従って施すことができる:このようなケン化反応は、例えば、塩酸または酒石酸、クエン酸もしくはメタンスルホン酸の存在下、アルコール、例えば、エタノールまたはメタノール中で行うことができる。
【0182】
g)当業者に公知の通常の方法によってラセミ混合物を分割することにより、上述の生成物の可能性のある場合により活性形態を調製することができる。
【0183】
上で定義される式(I)の生成物およびこれらの酸付加塩は、特には上に示されるこれらのキナーゼ阻害特性による、有利な薬理特性を有する。
【0184】
本発明による生成物は、特には、腫瘍の治療に有用である。
【0185】
従って、本発明の生成物は通常用いられる抗腫瘍剤の治療作用を高めもする。
【0186】
これらの特性はこれらの治療上の使用を正当化し、本発明の主題は、特には、医薬としての、上で定義される式(I)の生成物であり、該式(I)の生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、該式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩である。
【0187】
本発明の主題は、最も具体的には、医薬としての、以下の式:
− 1−(6−{[6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメート
− 5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
− 1−(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 1−(6−{[6−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 1−(6−{[6−(シクロヘキシルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 2−(4−シクロプロポリピペラジン−1−イル)−N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}アセトアミド
− N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
に対応する上で定義される式(I)の生成物ならびに、その上、該式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩である。
【0188】
本発明は、活性主成分として、上で定義される式(I)の生成物の少なくとも1つまたはこの生成物の医薬的に許容し得る塩またはこの生成物のプロドラッグおよび、適切である場合、医薬的に許容し得る支持体を含む医薬組成物にも関する。
【0189】
従って、本発明は、上で定義される医薬の少なくとも1つを活性主成分として含む医薬組成物に及ぶ。
【0190】
このような本発明の医薬組成物は、適切である場合、他の抗有糸分裂医薬、特には、例えば、タキソール、シスプラチン、DNA挿入剤等に基づくものを含むこともできる。
【0191】
これらの医薬組成物は経口的に、非経口的に、または皮膚および粘膜への局所塗布として局所的に、または静脈内もしくは筋肉内注射によって投与することができる。
【0192】
これらの組成物は固体であっても液体であってもよく、ヒトの医薬において通常用いられるあらゆる医薬形態、例えば、単純または糖衣錠、ピル、ロゼンジ、ゲルカプセル、ドロップ、顆粒、注射用調製品、軟膏、クリームまたはゲルであり得る;これらは通常の方法に従って調製される。活性主成分はこれらの医薬組成物において通常用いられる賦形剤、例えば、タルク、アラビアゴム、ラクトース、デンプン、ステアリン酸マグネシウム、カカオ脂、水性もしくは非水性ビヒクル、動物もしくは植物起源の脂肪物質、パラフィン誘導体、グリコール、様々な湿潤剤、分散剤もしくは乳化剤および保存剤と共に組み込むことができる。
【0193】
通常の投薬量は、用いられる生成物、治療を受ける患者および検討中の苦痛に従って変化し得るが、例えば、成人に対して毎日0.05から5g、好ましくは、毎日0.1から2gであり得る。
【0194】
本発明の主題は、キナーゼタンパク質の活性を阻害するための医薬を調製するための、上で定義される式(I)の生成物またはこれらの生成物の医薬的に許容し得る塩の使用でもある。
【0195】
本発明の主題は、キナーゼタンパク質の活性の脱制御を特徴とする疾患を治療または予防するための医薬を調製するための、上で定義される式(I)の生成物の使用でもある。
【0196】
このような医薬は、特には、哺乳動物における疾患の治療または予防を目的とするものであり得る。
【0197】
本発明の主題は、キナーゼタンパク質がチロシンキナーゼタンパク質である、上で定義される使用でもある。
【0198】
本発明の主題は、チロシンキナーゼタンパク質がMETまたはこれらの突然変異形態である、上で定義される使用でもある。
【0199】
本発明の主題は、キナーゼタンパク質が細胞培養物中に存在する、上で定義される使用でもある。
【0200】
本発明の主題は、キナーゼタンパク質が哺乳動物体内に存在する、上で定義される使用でもある。
【0201】
本発明の主題は、特には、無制限増殖に関連する疾患を予防または治療するための医薬を調製するための、上で定義される式(I)の生成物の使用である。
【0202】
本発明の主題は、特には、血管増殖障害、線維性障害、「メサンギウム」細胞増殖障害、代謝性障害、アレルギー、喘息、血栓症、神経系疾患、網膜症、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、筋肉変性および癌からなる群より選択される疾患を治療または予防するための医薬を調製するための、上で定義される式(I)の生成物の使用である。
【0203】
従って、本発明の主題は、最も具体的には、腫瘍科疾患を治療または予防するための、特には、癌を治療するための医薬を調製するための、上で定義される式(I)の生成物の使用である。
【0204】
これらの癌のうち、固形または液体腫瘍の治療ならびに細胞毒性剤に耐性である癌の治療に注目が集まる。
【0205】
本発明の引用生成物は、特には、原発腫瘍および/または転移、詳細には、胃癌、肝臓癌、腎臓癌、卵巣癌、腸癌もしくは前立腺癌、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、グリア芽種、甲状腺癌、膀胱癌もしくは乳癌、メラノーマ、リンパもしくは骨髄造血性腫瘍、肉腫、脳癌、喉頭の癌、リンパ系の癌、骨癌および膵癌に用いることができる。
【0206】
本発明の主題は、癌化学療法を目的とする医薬を調製するための、上で定義される式(I)の生成物の使用でもある。
【0207】
癌化学療法を目的とするこのような医薬は単独で、または組み合わせて用いることができる。
【0208】
本特許出願の生成物は、特には、単独で、または化学療法もしくは放射線療法との組み合わせで、またはその代わりに、例えば、他の治療薬との組み合わせで投与することができる。
【0209】
このような治療薬は通常用いられる抗腫瘍剤であり得る。
【0210】
挙げることができるキナーゼ阻害剤には、ブチロラクトン、フラボピリドールおよびオロモウシンとして公知の2−(2−ヒドロキシエチルアミノ)−6−ベンジルアミノ−9−メチルプリンが含まれる。
【0211】
本発明の主題は、上で定義され、および以下で想起される、Rbがフッ素原子を表す、新規産業製品、式M1、M2、M3およびNの合成中間体でもあり:
【0212】
【化60】

式中、Wを構成する基CONR1R2、COR6およびCOR7は、W≠Hであるとき、式(I’)および(I”)の生成物について上で定義されるWの値をとり得る。
【0213】
式(I)の生成物である以下の例は本発明を説明するが、これは本発明を限定することはない。
【0214】
実験の項
本発明の化合物の命名はACDLABSソフトウェア・バージョン11.0で生成された。
【0215】
用いたマイクロ波オーブン:
Biotage、Initiator EXP−EU、最大300W、2450MHz
400MHzおよび300MHz 1H NMRスペクトルは、303Kの温度で、2.5ppmを参照する溶媒ジメチルスルホキシド−d(DMSO−d)中の化学シフト(δ in ppm)を有するBrueker Avance DRX−400またはBruker Avance DPX−300分光計を用いて獲得した。
【0216】
質量スペクトルは以下の分析のいずれかによって獲得した:
− LC−MS−DAD−ELSD(MS=Waters ZQ)
− LC−MS−DAD−ELSD(MS=Platform II Waters Micromass)
− UPLC−MS−DAD−ELSD(MS=Quattro Premier XE Waters)
考慮したDAD波長 λ=210−400nm
ELSD:Sedere SEDEX 85;噴霧温度=35℃;噴霧圧=3.7bar
【実施例1】
【0217】
1−(6−{[6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
a)1−(6−{[6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素を以下の方法で調製することができる:
エタノール15cm中のN,N”−[ジスルファンジイルビス(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6,2−ジイル)]ビス{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素}の混合物を通してアルゴン流を5分間泡立てる。次に、水0.1cm中に3mgのリン酸二水素カリウム、310mgのDL−ジチオトレイトールおよび170mgの3−クロロ−6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(1e)を添加する。この反応混合物を80℃で44時間加熱した後、減圧下で濃縮乾固する。重炭酸ナトリウムを含む水にこの残渣を溶解し、酢酸エチルで抽出する。減圧下で有機相を濃縮する。得られる白色固体を、ジクロロメタン/(38 ジクロロメタン/17 メタノール/2 アンモニア水)の95/5から75/25までの勾配で溶出しながら、シリカで固体析出によって生成する。このようにして、253mgの1−(6−{[6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素が白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d)δppm 1.12−1.31(m,3 H)1.32−1.44(m,2H)1.44−1.55(m,1H)1.56−1.67(m,2H)1.73−1.88(m,2H)2.35−2.45(m,6H)3.21−3.27(m,2H)3.59(t,J=4.4Hz,4H)4.57−4.77(m,1H)6.75(t,J=4.9Hz,1H)7.01(d,J=9.8Hz,1H)7.53(d,J=10.3Hz,1H)8.00(d,J=7.3Hz,1H)8.27(d,J=9.8Hz,1H)10.99(br.s.,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:MH+ m/z=573+;MH−=571−
b)N,N”−[ジスルファンジイルビス(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6,2−ジイル)]ビス{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素}を以下の方法で調製することができる:
0.24cmの2−(モルホリン−1−イル)エタンアミンおよび0.39cmのトリエチルアミンをテトラヒドロフラン10cm中に322mgのフェニル(5−フルオロ−6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートに20℃で添加する。この反応媒体を60℃で5時間加熱する。得られる透明褐色溶液を減圧下で蒸発乾固させる。この残渣を、ジクロロメタン/(38 ジクロロメタン/17 メタノール/2 アンモニア水)の99/1から75/25までの勾配で溶出しながら、Biotage Isolera Four 12/25(KP−SIL、60A;32−63μM)でクロマトグラフィー処理する。このようにして、231mgのN,N”−[ジスルファンジイルビス(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6,2−ジイル)]ビス{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素}が白みがかった粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:MH+ m/z=711+;MH−=709−
c)フェニル(5−フルオロ−6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートを以下の方法で調製することができる:
0.75cmのフェニルクロロカーボネートをピリジン5cm中に451mgの2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネートに20℃で添加する。5時間30分後、この黄色懸濁液を減圧下で濃縮乾固する。この残渣を、100%ジクロロメタンから90/10ジクロロメタン/メタノールの勾配で溶出しながら、Biotage Quad 12/25(KP−SIL、60A;32−63μM)でクロマトグラフィー処理する。このようにして、570mgのフェニル(5−フルオロ−6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートがベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters ZQ:MH+ m/z=346+
d)2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネートをK.PapkeおよびR.Pohloudek−FabiniによってPharmazie;GE;22,5 1967,pp.229−233に記述される方法で調製することができる。
e)3−クロロ−6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを以下の方法で調製することができる:
油中60%の水素化ナトリウム762mgをテトラヒドロフラン30cm中に3.18gのシクロヘキサノールの溶液に0℃、アルゴンの下で添加する。15分間撹拌した後、3gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)を添加する。この褐色懸濁液を20℃まで徐々に暖めながら22時間撹拌する。反応混合物を氷水に注ぎ入れ、この混合物を酢酸エチルで抽出する。有機相を真空下で濃縮乾固した後、褐色油が得られる。この油性残渣を、シクロヘキサン/酢酸エチルの95/5から65/35までの勾配で溶出しながら、Biotage Quad 12/25(KP−SIL、60A;32−63μM)でクロマトグラフィー処理する。このようにして、2.7gの3−クロロ−6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンが黄色がかった粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:WATERS UPLC−SQDでのLC/MSエレクトロスプレー:MH+=253+
【実施例2】
【0218】
2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメート
a)2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートを、実施例1aのものに類似する方法ではあるが、80℃で42時間後、131mgの2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメート、10cmの脱気エタノール、水0.2cm中に4mgのリン酸二水素カリウム、186mgのDL−ジチオトレイトールおよび100mgの3−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンで開始して調製することができる。このようにして、33mgの2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d)δppm 1.50(s,9H)7.40(t,J=8.8Hz,2H)7.65(d,J=10.3Hz,1H)8.02(d,J=9.8Hz,1H)8.10(dd,J=8.8,5.4Hz,2H)8.26(d,J=7.1Hz,1H)8.50(d,J=9.8Hz,1H)11.97(br.s,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:MH+ m/z=513+;MH−=511−
b)2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−カルバメートを以下の方法で調製することができる:
41mgのジメチルアミノピリジンおよび348mgのジ−tert−ブチルジカーボネートをジクロロメタン5cmおよびトリエチルアミン0.45cm中に300mgの2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネートに20℃で添加する。20℃で3時間後、この反応混合物を水に注ぎ入れ、沈降によってジクロロメタンを分離し、水相を酢酸エチルで抽出する。合わせた有機相を減圧下で濃縮する。固形黄色残渣をエーテルで洗浄し、真空下で乾燥させる。このようにして、343mgの2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−チオシアナト−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートが黄色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:WATERS UPLC−SQDでのLC/MSエレクトロスプレー:MH+=324+
c)3−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを以下の方法で調製することができる:
水10cmを含むN,N−ジメチルホルムアミド40cm中に4.16gの4−フルオロフェニルボロン酸、9.37gの水酸化バリウム8水和物、2.20gの、ジクロロメタンとの錯体(1:1)としての[1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン]ジクロロパラジウム(II)および5.1gの市販3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンの混合物を浴内、80℃で1.5時間過熱する。得られるベージュ−褐色懸濁液を20℃に冷却した後、約200cmの水に注ぎ入れる。不溶性物質を吸引によって濾別し、水およびエーテルで連続的に洗浄した後、真空下、20℃で乾燥させる。得られるベージュ色の固体をジクロロメタン中にスラリー化し、吸引によって濾別して減圧下、20℃で乾燥させる。このようにして、1.24gの3−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンが得られる。合わせた母液に30gのシリカを添加し、この混合物を真空下で蒸発乾固する。この残渣を焼結漏斗内のシリカ10gの床に堆積させ、ジクロロメタンで溶出する。このようにして、さらに1.60gの3−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンが回収され、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:LC−MS−DAD−ELSD:MH+ m/z=249+
【実施例3】
【0219】
5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンを以下の方法で調製することができる:
0.9cmのトリフルオロ酢酸(10%アニソールを含む。)を、ジクロロメタン5cm中に157mgの2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル)−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメートの混合物に20℃で、出発物質が消失するまで、24時間にわたって徐々に添加する。この反応混合物を減圧下で濃縮する。残渣を、ジクロロメタン/(ジクロロメタン:38/メタノール:17/アンモニア水:2)の100/0から50/50の勾配で溶出しながら、Biotage Quad 12/25(KP−SIL、60A;32−63μm)でのクロマトグラフィーによって精製する。このようにして、67mgの5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]−スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミンがベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d)δppm 7.26(d,J=10.3Hz,1H)7.41(t,J=8.8Hz,2H)7.84(s,2H)7.94−8.06(m,2H)8.11(dd,J=8.8,5.4Hz,2H)8.48(d,J=9.8Hz,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:MH+ m/z=413+;MH−=411−
【実施例4】
【0220】
1−(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4)トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
a)1−(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素を以下の方法で調製することができる:
エタノール10cm中に217mgのN,N”−[ジスルファン−ジイルビス(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6,2−ジイル)]ビス{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素}(1b)の溶液を通してアルゴン流を泡立てる。次に、水0.1cm中に3mgのリン酸二水素カリウム、282mgのDL−ジチオトレイトールおよび152mgの3−クロロ−6−(4−フルオロフェニル)−1,2,4−トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを添加する。この反応媒体を80℃で40時間加熱した後、減圧下で濃縮乾固する。この残渣を、100%ジクロロメタンから75/25 ジクロロメタン/(38 ジクロロメタン/17 メタノール/2 アンモニア水)の勾配で溶出しながら、固体堆積によりシリカで精製する。このようにして、104mgの1−(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]−スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素がベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d)δppm 2.28−2.47(m,6H)3.30(masked m,2H)3.50−3.67(m,4H)6.76(br.s.,1H)7.40(t,J=8.8Hz,2H)7.57(d,J=10.0Hz,1H)8.02(d,J=9.8Hz,1H)8.10(dd,J=8.9,5.3Hz,2H)8.21(d,J=7.3Hz,1H)8.50(d,J=9.5Hz,1H)11.01(s,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:MH+ m/z=569+;MH−=567−
【実施例5】
【0221】
1−(6−{[6−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
a)1−(6−{[6−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素を、実施例1aのものに類似する方法ではあるが、80℃で18時間後、脱気エタノール5cm中に203mgのN,N”−[ジスルファンジイルビス(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6,2−ジイル)]ビス{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素}(1b)、水0.5cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、265mgのDL−ジチオトレイトールおよび120mgの3−クロロ−N−シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン−6−アミンで出発して調製することができる。この反応媒体を20℃に冷却し、沈殿を吸引によって濾別した後、エタノールで洗浄する。このようにして、198mgの1−(6−{[6−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル)−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素が乳白色(cream−white)の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d)δppm 0.32−0.45(m,2H)0.59−0.73(m,2H)2.51−2.56(masked m,1H)3.11(br.s.,2H)3.19−3.29(masked m,2H)3.43−3.62(m,4H)3.64−3.81(m,2H)3.98(m,J=10.5Hz,2H)6.77(d,J=9.8Hz、1H)7.22(br.s.,1H)7.55(d,J=10.3Hz,1H)7.70(d,J=2.7Hz,1H)7.93(d,J=9.8Hz,1H)8.14(d,J=7.3Hz,1H)10.12(br.s.,1H)11.39(br.s.,1H)
質量スペクトル:Waters ZQ:MH+ m/z=530+;MH−=528−
b)3−クロロ−N−シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−アミンを、実施例1eのものに類似する方法ではあるが、20℃で18時間、トリエチルアミン2.5cmを含むN,N−ジメチルホルムアミド20cm中に1cmのシクロプロピルアミンおよび2gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)で開始して調製することができる。このようにして、1.83gの3−クロロ−N−シクロプロピル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−アミンが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters ZQ:保持時間Tr(分)=2.66;MH+ m/z=210+;MH−=208−
【実施例6】
【0222】
1−(6−{[6−(シクロヘキシルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
a)1−(6−{[6−(シクロヘキシルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素を、実施例1aのものに類似する方法ではあるが、80℃で18時間後、脱気エタノール5cm中に226mgのN,N”−[ジスルファンジイルビス(5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾール−6,2−ジイル)]ビス{3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素}(1b)、水0.5cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、265mgのDL−ジチオトレイトールおよび160mgの3−クロロ−N−シクロヘキシル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン−6−アミンで出発して調製することができる。この反応媒体を20℃に冷却し、沈殿を吸引によって濾別した後、エタノールで洗浄する。このようにして、189mgの1−(6−{[6−(シクロヘキシルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素が乳白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,DMSO−d)δppm 1.00−1.32(m,5H)1.47−1.69(m,3H)1.79(d,J=11.5Hz,2H)2.36−2.46(m,6H)3.22−3.28(m,2H)3.32−3.42(m,1H)3.59(t,J=4.4Hz,4H)6.75(br.s.,1H)6.78(d,J=10.0Hz,1H)7.25(d,J=7.1Hz,1H)7.50(d,J=10.3Hz,1H)7.90(d,J=9.8Hz,1H)7.95(d,J=7.3Hz,1H)10.97(br.s.,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:MH+ m/z=572+;MH−=570−
b)3−クロロ−N−シクロヘキシル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−アミンを、実施例1eのものに類似する方法ではあるが、20℃で18時間、次いで50℃で4時間、トリエチルアミン11.2cmを含むN,N−ジメチルホルムアミド50cm中に3.4cmのシクロヘキシルアミンおよび5gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)で開始して調製することができる。このようにして、4.45gの3−クロロ−N−シクロヘキシル[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−6−アミンが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:保持時間Tr(分)=0.86;MH+ m/z=252+;MH−=250−
【実施例7】
【0223】
2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}アセトアミド
a)2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ{4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}アセトアミドを、実施例2aのものに類似する方法ではあるが、90℃で21時間30分後、189mgの2−{[(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(7b)、5cmの脱気エタノール、水0.1cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、222mgのDL−ジチオトレイトールおよび96mgの3−クロロ−6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(7c)で開始して調製することができる。このようにして、114mgの2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}アセトアミドが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):0.27(m,2H);0.39(m,2H);1.27(t,J=7.1Hz,3H);1.61(m,1H);2.42 to 2.58(partially masked m,8H);3.32(s,2H);4.24(q,J=7.1Hz,2H);7.06(d,J=9.8Hz,1H);7.68(d,J=10.0Hz,1H);8.22(d,J=7.1Hz,1H);8.28(d,J=9.8Hz,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:M+H]+:m/z 529;[M−H]−:m/z 527
b)2−{[(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾ−チアゾル−6−イルチオシアネートを以下の方法で調製することができる:
エーテル中の塩化水素の2N溶液10cm中に1.34gの(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)酢酸(7d)のカリウム塩の混合物を20℃で1時間撹拌する。得られる懸濁液を真空下で蒸発乾固させる。15cmのピリジン、226mgの2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(1d)および1.92gのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチル−カルボジイミド塩酸塩を、20℃で、得られる白色残渣に添加する。2時間30分後、この褐色媒体を蒸発乾固させる。油性残渣を水に溶解する。形成される沈殿を濾別した後、水性濾液を酢酸エチルおよびメタノールの90/10混合液で抽出する。濾過された沈殿を酢酸エチルに溶解した後、有機相と合わせる。得られる溶液を硫酸マグネシウムで脱水させ、濾過した後、真空下で蒸発乾固させる。褐色残渣を、ジクロロメタン/メタノールの97.4/2.6から90/10の勾配で溶出しながら、シリカカートリッジ(SVF D26 Si60;15−40μM;25g)でのクロマトグラフィーによってSPOT IIで精製する。このようにして、191mgの2−{[(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネートが黄色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters ZQ:保持時間Tr(分)=2.75;[M+H]+:m/z 392;[M−H]−:m/z 390
c)3−クロロ−6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを、実施例1eのものに類似する方法ではあるが、7時間還流した後、エタノール中に21%のナトリウムエトキシドの溶液19.7gおよびジオキサン100cm中に10gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)で開始して調製することができる。このようにして、9.6gの3−クロロ−6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4、3−b]ピリダジンがベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters ZQ:保持時間Tr(分)=2.89;[M+H]+:m/z 199
d)(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)酢酸のカリウム塩を、D.T.Witiakら;J.Med.Chem.1985,28,1228によって記述される条件に類似するが、1gのブロモ酢酸および3gの4−シクロプロピルピペラジン塩酸塩を用いる方法で調製することができる。このようにして、2.66gの(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)酢酸のカリウム塩がベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:保持時間Tr(分)=0.10;[M+H]+:m/z 185
【実施例8】
【0224】
N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4)トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセトアミド
a)N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセトアミドを、実施例2aのものに類似する方法ではあるが、90℃で24時間後、266mgの2−{[(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(7b)、5cmの脱気エタノール、水0.1cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、315mgのDL−ジチオトレイトールおよび153mgの3−クロロ−6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(8b)で開始して調製することができる。このようにして、180mgのN−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b)ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセトアミドが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):0.22 to 0.30(m,2H);0.36 to 0.44(m,2H);1.52 to 1.65(m,2H);1.69 to 1.81(m,1H);1.95 to 2.11(m,2H);2.19 to 2.30(m,2H);2.43 to 2.58(partially masked m,8H);3.32(s,2H);4.86(m,1H);7.05(d,J=9.8Hz,1H);7.70(d,J=10.3Hz,1H);8.15(d,J=7.3Hz,1H);8.29(d,J=10.0Hz,1H);10.15 to 14.69(very broad m,1H)
質量スペクトル:Waters ZQ:[M+H]+:m/z 555;[M−H]−:m/z 553
b)3−クロロ−6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを、実施例1eのものに類似する方法ではあるが、テトラヒドロフラン100cm中に10.4cmのシクロブタノール、油中60%の水素化ナトリウム3.17gおよび10gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)で開始して調製することができる。このようにして、9gの3−クロロ−6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジンがベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):1.63 to 1.96(m,2H);2.07 to 2.24(m,2H);2.41 to 2.52(partially masked m,2H);4.95 to 5.34(m,1H);7.10(d,J=9.8Hz,1H);8.28(d,J=9.8Hz,1H)
【実施例9】
【0225】
N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
a)N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミドを、実施例2aのものに類似する方法ではあるが、90℃で21時間後、353mgの2−{[(4−エチル−ピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(9b)、10cmの脱気エタノール、水0.1cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、430mgのDL−ジチオトレイトールおよび185mgの3−クロロ−6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(7c)で開始して調製することができる。このようにして、259mgのN−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミドが白みがかった粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):0.98(t,J=7.1Hz,3H);1.27(t,J=7.1Hz,3H);2.31(q,J=7.1Hz,2H);2.35 to 2.44(m,4H);2.48 to 2.58(partially masked m,4H);3.33(s,2H);4.24(q,J=7.1Hz,2H);7.06(d,J=9.8Hz,1H);7.69(d,J=10.3Hz,1H);8.23(d,J=7.3Hz,1H);8.28(d,J=9.8Hz,1H);12.16(broad m,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:[M+H]+:m/z 517;[M+2H]2+:m/z 259(基本ピーク);[M−H]−:m/z 515
b)2−{[(4−エチルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネートを、実施例7bのものに類似する方法ではあるが、ピリジン50cm中に4.6gの(4−エチルピペラジン−1−イル)酢酸(市販品または(4−エチルピペラジン−1−イル)酢酸のカリウム塩は実施例7dにおけるD.T.Witiakらによって記述される条件に類似する方法で調製することもできる。)、1gの2−アミノ−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(1d)および8.51gのN−(3−ジメチルアミノプロピル)−N’−エチルカルボジイミド塩酸塩で開始して調製することができる。このようにして、714mgの2−{[(4−エチルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネートが黄色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:保持時間Tr(分)=0.59;[M+H]+:m/z 380;[M−H]−:m/z 378
【実施例10】
【0226】
N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
a)N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル)−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミドを、実施例2aのものに類似する方法ではあるが、90℃で21時間後、355mgの2−{[(4−エチルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イル(5−フルオロ−6−チオシアナトチオシアネート(9b)、10cmの脱気エタノール、水0.1cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、430mgのDL−ジチオトレイトールおよび210mgの3−クロロ−6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(8b)で開始して調製することができる。このようにして、232mgのN−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル)−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミドが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):0.98(t,J=7.1Hz,3H);1.51 to 1.66(m,1H);1.74(m,1H);1.95 to 2.10(m,2H);2.19 to 2.27(m,2H);2.31(q,J=7.1Hz,2H);2.39(m,4H);2.54(m,4H);3.33(s,2H);4.86(m,1H);7.05(d,J=9.8Hz,1H);7.70(d,J=10.3Hz,1H);8.15(d,J=7.2Hz,1H);8.29(d,J=9.8Hz,1H);12.20(broad m,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:[M+H]+:m/z 543;[M+2H]2+:m/z 272(基本ピーク);[M−H]−:m/z 541
【実施例11】
【0227】
2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(オキセタン−3−イル−オキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
a)2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミドを、実施例2aのものに類似する方法ではあるが、90℃で22時間後、346mgの2−{[(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(7b)、10cmの脱気エタノール、水0.1cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、407mgのDL−ジチオトレイトールおよび200mgの3−クロロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(11b)で開始して調製することができる。このようにして、238mgの2−(4−シクロプロピル−ピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミドが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):0.22 to 0.29(m,2H);0.36 to 0.42(m,2H);1.60(m,1H);2.43 to 2.60(partially masked m,8H);3.32(s,2H);4.48(m,2H);4.71(m,2H);5.36 to 5.46(m,1H);7.20(d,J=9.8Hz,1H);7.71(d,J=10.3Hz,1H);8.06(d,J=7.3Hz,1H)8.38(d,J=9.8Hz,1H);12.15(broad m,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:[M+H]+:m/z 557;[M+2H]2+:m/z 279(基本ピーク);[M−H]−:m/z 555
b)3−クロロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを、実施例1eのものに類似する方法ではあるが、テトラヒドロフラン20cm中に1.96gのオキセタン−3−オール、油中60%の水素化ナトリウム634mgおよび2gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)で開始して調製することができる。このようにして、2.04gの3−クロロ−6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンが白みがかった粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:保持時間Tr(分)=0.41;[M+H]+:m/z 227
【実施例12】
【0228】
Rac−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
a)rac−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−アセトアミドを、実施例2aのものに類似する方法ではあるが、90℃で18時間後、325mgの2−{[(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセチル]アミノ}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−6−イルチオシアネート(7b)、10cmの脱気エタノール、水0.1cm中に5mgのリン酸二水素カリウム、385mgのDL−ジチオトレイトールおよび200mgのrac−3−クロロ−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(12b)で開始して調製することができる。このようにして、206mgのrac−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミドが白色粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
1H NMRスペクトル(400MHz,δ in ppm,DMSO−d):0.19 to 0.30(m,2H);0.36 to 0.43(m,2H);1.60(m,1H);1.91 to 2.02(m,1H);2.07 to 2.22(m,1H);2.42 to 2.60(partially masked m,8H);3.32(s,2H);3.60 to 3.84(m,4H);5.27(m,1H);7.08(d,J=9.8Hz,1H);7.70(d,J=10.0Hz,1H);8.14(d,J=7.3Hz,1H);8.31(d,J=9.8Hz,1H);12.17(broad m,1H)
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:[M+H]+:m/z 571;[M−H]−:m/z 569
b)rac−3−クロロ−6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンを、実施例1eのものに類似する方法ではあるが、テトラヒドロフラン20cm中に2.33gのrac−テトラヒドロフラン−3−オール、油中60%の水素化ナトリウム634mgおよび2gの3,6−ジクロロ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン(市販品)で開始して調製することができる。このようにして、2.09gのrac−3−クロロ−6−(テトラヒドロフラン−3−イル−オキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジンがベージュ色の粉末の形態で得られ、この特徴は以下の通りである:
質量スペクトル:Waters UPLC−SQD:保持時間Tr(分)=0.49;[M+H]+:m/z 241
【実施例13】
【0229】
医薬組成物
以下の処方に相当する錠剤を調製した:
実施例1の生成物 0.2g
重量1gの完成錠剤を得るだけの賦形剤(賦形剤の詳細:ラクトース、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム)。
【実施例14】
【0230】
医薬組成物
以下の処方に相当する錠剤を調製した:
実施例6の生成物 0.2g
重量1gの完成錠剤を得るだけの賦形剤(賦形剤の詳細:ラクトース、タルク、デンプン、ステアリン酸マグネシウム)。
【0231】
実施例2および5は医薬調製品の例とみなされ、この調製品は、おそらくは、所望であれば、本特許出願において説明される他の生成物で実施される。
【0232】
薬理の項:
実験プロトコル
I)MET、細胞質ドメインの発現および精製
バキュロウイルスとしての発現
pFastBac(Invitrogen)内の組換えDNA His−Tev−MET(956−1390)を昆虫細胞にトランスフェクトし、数回のウイルス増幅工程の後、最終バキュロウイルスストックを対象のタンパク質の発現について試験する。
【0233】
この組換えウイルスを用いて27℃で72時間の感染の後、SF21細胞培養物を遠心によって回収し、細胞ペレットを−80℃で保存する。
【0234】
精製:
細胞ペレットを溶解バッファ(バッファA[50mM HEPES、pH7.5、250mM NaCl、グリセロール10%、TECP 1mM];+Roche Diagnostics EDTA非含有プロテアーゼ阻害剤カクテル、ref.1873580)に再懸濁させ、4℃で均質になるまで撹拌した後、「Dounce」機器を用いて機械的に溶解する。
【0235】
遠心の後、溶解上清をニッケルキレート樹脂(His−Trap 6 Fast Flow(商標)、GE Healthcare)と共に4℃で2時間インキュベートする。20容積のバッファAで洗浄した後、この懸濁液をカラムに充填し、バッファB(バッファA+290mMイミダゾール)の勾配でタンパク質を溶出する。
【0236】
電気泳動分析(SDS PAGE)を踏まえて対象のタンパク質を含有する画分をプールし、限外濾過(10kDaカットオフ)によって濃縮し、バッファAで平衡化した排除クロマトグラフィーカラム(Superdex(商標)200、GE Healthcare)に注入する。
【0237】
ヒスチジン標識を酵素的に開裂した後、バッファAで平衡化した新たなIMACニッケルキレートクロマトグラフィーカラム(His−Trap 6 Fast Flow(商標)、GE Healthcare)にタンパク質を歳注入する。バッファBの勾配で溶出され、電気泳動(SDS PAGE)の後に対象のタンパク質を含む画分を最終的にプールし、−80℃で保存する。
【0238】
自己リン酸化タンパク質を生成するため、ATP 2mM、MgCl 2mMおよびNaVO 4mMを添加した後、前記画分を室温で1時間インキュベートする。5mMのEDTAで反応を停止させた後、バッファA+NaVO 4mMで予備平衡化したHiPrep脱塩カラム(GE Healthcare)に反応混合物を注入し、対象のタンパク質を含む画分(SDS PAGE分析)をプールして−80℃で保存する。リン酸化の程度は質量分析(LC−MS)およびペプチドマッピングによってチェックする。
【0239】
II)試験AおよびB
A)試験A:96−ウェル形式でのHTRF MET試験
最終容積50μlの酵素反応において、最終MET 5nMを試験分子(0.17nMから10μMの最終濃度範囲に対して最終DMSO 3%)の存在下、MOPS 10mM pH7.4、DTT 1mM、0.01% Tween 20バッファ中でインキュベートする。基質溶液で反応を開始させ、ポリ−(GAT)1μg/ml、ATP 10μMおよびMgCl 5mMの最終濃度を得る。室温で10分間のインキュベーションの後、30μlの混合物で反応を停止させ、ウェルあたり80ngのストレプトアビジン61SAXLB Cis−Bio Int.および18ngの抗−ホスホチロシンMab PT66−Europtum Cryptateの存在下で、Hepes 50mM pH7.5、フッ化カリウム500mM、0.1% BSAおよびEDTA 133mMの最終溶液を得る。室温で2時間のインキュベーションの後、TRACE/HTRF技術用の読み取り機を用いて2つの波長、620nmおよび665nmで読み取り値を得、665/620比から阻害のパーセンテージを算出する。
【0240】
実験の項において説明される式(I)の生成物についてこの試験Aによって得られる結果は、IC50が500nM未満、特には、100nM未満であるようなものである。
【0241】
B)試験B:METの自己リン酸化の阻害;ELISA技術(pppY1230、1234、1235)
a)細胞溶解物:200μlのRPMI培地+10% FCS+1% L−グルタミン中に20000細胞/ウェルの割合までの、96−ウェルプレート(Cell coat BDポリリジン)内の接種MKN45細胞。インキュベーター内に24時間放置して接着させる。
【0242】
接種の翌日、これらの細胞を6つの濃度の生成物で1時間、2回ずつ処理する。少なくとも3つの対照ウェルを同じ量の最終DMSOで処理する。
【0243】
生成物希釈:純粋DMSO中に10mMの貯蔵物−純粋DMSO中に3の増分で10mMから30μMの範囲−中間体は培養培地で50倍希釈の後、10μlを除去して細胞(200μl)に直接添加する:10000から30nMの最終範囲。
【0244】
インキュベーションの最後に、上清をきめ細かに除去し、200μlのPBSですすぐ。次に、100μlの溶解バッファを氷上のウェル内に直接入れ、4℃で30分間インキュベートする。溶解バッファ:10mM トリス−HCl pH7.4、100mM NaCl、1mM EDTA、1mM EGTA、1% Triton X−100、10%グリセロール、0.1% SDS、0.5%デオキシコレート、20mM NaF、2mM NaVO、1mM PMSFおよび抗−プロテアーゼカクテル。
【0245】
100μlの溶解物をV底ポリプロピレンプレートに移し、ELISAを直接行うか、またはこのプレートを−80℃で凍結する。
【0246】
b)ELISA PhosphoMET BioSource Kit KHO0281
70μlのキット希釈バッファ+30μLの細胞溶解物または30μlのブランク用溶解バッファをキットプレートの各ウェルに添加する。穏やかに揺らしながら室温で2時間インキュベートする。
【0247】
400μlのキット洗浄バッファでウェルを4回すすぐ。100μlの抗−ホスホMET抗体と共に室温で1時間インキュベートする。
【0248】
400μLのキット洗浄バッファでウェルを4回すすぐ。100μlの抗−ウサギHRP抗体と共に室温で30分間インキュベートする(色原体のみを有するウェルは除く)。
【0249】
400μlのキット洗浄バッファでウェルを4回すすぐ。100μlの色原体を導入し、暗所において室温で30分間インキュベートする。
【0250】
100μlの停止溶液で反応を停止させる。遅延なしに、450nM、0.1秒で、Wallac Victorプレートリーダーを用いて読み取りを行う。
【0251】
C)試験C:14C−チミジンパルスによる細胞増殖の測定
Cytostar 96−ウェルプレートにおいて、180μl中、37℃および5% COで4時間、細胞に接種する:DMEM培地+10%仔ウシ血清+1% L−グルタミン中にウェルあたり2500細胞の割合のHCT116細胞およびRPMI培地+10%仔ウシ血清+1% L−グルタミン中にウェルあたり7500細胞の割合のMKN45細胞。これらの4時間の接種の後、ELISAで引用される希釈法による20倍濃縮溶液として生成物を10μl添加する。3の増分で10000nMから0.3nMまで、10の濃度で2回ずつ生成物を試験する。
【0252】
処理の72時間後、10μCi/mlの14C−チミジン10μlを添加してウェルあたり0.1μCiを得る。パルスの24時間後および処理の96時間後、14C−チミジンの取り込みをMicro−Beta機器(Perkin−Elmer)で測定する。
【0253】
すべての試験工程はBIOMEK 2000またはTECANステーションで自動化する。
【0254】
実験の項において説明される式(I)の生成物についてこの試験Bによって得られる結果は、IC50が10μM未満、特には、1μM未満であるようなものである。
【0255】
実験の項において説明される生成物について得られる結果は以下の薬理学的結果の表において以下のように示される:
試験Aについて、+記号は500nM未満に相当し、および++記号は100nM未満に相当し、
試験Bについて、+記号は500nM未満に相当し、および++記号は100nM未満に相当し、
試験Cについて、+記号は10μM未満に相当し、および++記号は1μM未満に相当する。
【0256】
薬理学的結果の表:
【0257】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

[式中、
【化2】

は単結合または二重結合を表し;
Raは水素原子;ハロゲン原子;これ自体場合により置換される塩素原子、ヒドロキシル基もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換される、アルコキシ基;すべて場合により置換される、基−O−シクロアルキル、−O−ヘテロシクロアルキル;すべて場合により置換される、−NH−シクロアルキルおよび−NH−ヘテロシクロアルキル;場合により置換されるヘテロアリール基;場合により置換されるフェニル基;基NHCOアルキルもしくはNHCOシクロアルキル;または以下で定義される基NR1R2を表し;
XはS、SOまたはSO2を表し;
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子;アルコキシ、ヘテロシクロアルキルもしくNR3R4で場合により置換される、アルキル、シクロアルキルもしくはヘテロシクロアルキル基;または、Rが以下を表す、基CORを表し;
− これら自体場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、ならびにR1およびR2のうちからの他方が、以下の基:場合により置換される、ヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4、フェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される、水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表すものであり、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含み、場合により置換される、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基もしくはフェニル基を表し、これらはすべて以下の基:場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NH2、NHAlk、N(Alk)2もしくはフェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換され;
またはその代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基はハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2ならびにアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2、NHalkならびにN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものであり;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびにその上、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。]の生成物。
【請求項2】
請求項1に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化3】

、XおよびAは請求項1に示される意味を有し、
Raは、これ自体が場合により置換される、塩素原子、ヒドロキシル基もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換されるアルコキシ基;基−O−シクロアルキル;基−NHCOalk;または、R1aおよびR2aが、場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4およびフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される、水素原子、シクロアルキル基またはアルキル基を表すような、基−NR1aR2aを表し;
ならびにWは水素原子;アルコキシ、ヘテロシクロアルキルもしくはNR3R4で場合により置換されるアルキル基;またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、およびR1およびR2のうちからの他方が場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4もしくはフェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換される水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換される、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基またはフェニル基を表し、これらはすべて場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NH2、NHAlk、N(Alk)2もしくはフェニルから選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換され;または、その代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む場合によるNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基はハロゲン原子、ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2ならびにアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2、NHalkならびにN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、および、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である請求項1に記載の式(I)の生成物。
【請求項3】
請求項1または2のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化4】

、RaおよびXは請求項1または2のいずれかに記載の値を有し、ならびに:
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子;アルコキシもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルキル基;またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体が場合により置換される基NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシル、フェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4、アルコキシ、ヒドロキシルもしくはヘテロシクロアルキルで場合により置換されるアルコキシ基;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が、NR3R4もしくはアルコキシで場合により置換される、水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表すものであり;またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換される、基NR1R2;
NR3R4は、同一であっても異なっていてもよいR3およびR4が水素原子もしくはアルキル基を表すか、またはその代わりに、R3およびR4が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む3から10員環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるものであり;
ヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、その上、上で定義される、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2基ならびにアルキル、ヘテロシクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、フェニル、CH2−フェニル、ヘテロアリール、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1または2のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化5】

は単結合または二重結合を表し;
Raは水素原子もしくはハロゲン原子、またはその代わりに、場合により置換されるフェニル基を表し;
XはS、SOまたはSOを表し;
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子またはRが以下を表す基CORを表し:
− これら自体が場合により置換されるフェニル、ヘテロアリール、NR3R4もしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換される、シクロアルキル基もしくはアルキル基;
− NR3R4で場合により置換されるアルコキシ基、即ち、基O−(CH2)n−NR3R4;フェニルが場合により置換され、およびnが1から4の整数を表す、基O−フェニルもしくは基O−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方が、以下の基:場合により置換されるヒドロキシル、アルコキシ、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、NR3R4、フェニル基から選択される、同一であっても異なっていてもよい、1つ以上の基で場合により置換されるシクロアルキル基もしくはアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるものである、基NR1R2;
同一であっても異なっていてもよいR3およびR4は、場合により置換される、水素原子、アルキル基、シクロアルキル基、ヘテロアリール基またはフェニル基を表し、またはその代わりに、R3およびR4は、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換され;
上で定義されるすべてのヘテロシクロアルキル、ヘテロアリールおよびフェニル基ならびに、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子ならびに以下の基:ヒドロキシル、オキソ、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2基ならびにアルキル、シクロアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、CH2−フェニル、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびに以下の基:ヒドロキシル、オキソ、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである、
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である請求項1から3のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化6】

、RaおよびXは請求項1から4のいずれか1項に記載の値を有し、ならびに:
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子またはアルキル基または基CORを表し、ここで、Rが以下を表し:
− OCH3もしくはNR3R4で場合により置換されるアルキル基;
− シクロアルキル基;
− OCH3もしくはNR3R4で場合により置換されるアルコキシ基、即ち、基O−(CH2)n−OCH3もしくは基O−(CH2)n−NR3R4、フェニルが場合により置換され、およびnが1から2の整数を表す、基O−フェニルもしくはO−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子、シクロアルキル基もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方がNR3R4で場合により置換されるアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるような、基NR1R2;
NR3R4は、同一であっても異なっていてもよいR3およびR4が水素原子もしくはアルキル基を表すか、またはその代わりに、R3およびR4が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるものであり;
フェニル基ならびに、上で定義される、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子および以下の基:ヒドロキシル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2ならびにアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、CH2−フェニル、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から4のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化7】

、RaおよびXは請求項1から5のいずれか一項に記載の値のいずれか1つを有し、ならびに:
AはNHまたはSを表し;
Wは水素原子またはRが以下を表す基CORを表し:
− NR3R4で場合により置換されるアルキル基;
− NR3R4で場合により置換されるアルコキシ基、即ち、基O−(CH2)n−NR3R4、フェニルが場合により置換され、およびnが1から2の整数を表す、基O−フェニルもしくはO−(CH2)n−フェニル;
− または、R1およびR2が、R1およびR2のうちからの一方が水素原子もしくはアルキル基を表し、R1およびR2のうちからの他方がNR3R4で場合により置換されるアルキル基を表し、またはその代わりに、R1およびR2が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるような、基NR1R2;
NR3R4は、同一であっても異なっていてもよいR3およびR4が水素原子もしくはアルキル基を表し、またはその代わりに、R3およびR4が、これらが結合する窒素原子と共に、O、S、NおよびNHから選択される1個以上の他のヘテロ原子を場合により含む環状基を形成し、この基は、これが含む可能なNHを含めて、場合により置換されるものであり;
フェニル基ならびに、上で定義される、R1およびR2またはR3およびR4によってこれらが結合する窒素原子と共に形成され得る環状基は、ハロゲン原子ならびに以下の基:ヒドロキシル、アルコキシ、NH2、NHalk、N(alk)2基ならびにアルキル、CH2−ヘテロシクロアルキル、CH2−フェニル、CO−フェニルおよびS−ヘテロアリール基から選択される1つ以上の基で場合により置換され、この場合による置換は、後者の基において、アルキル、ヘテロシクロアルキル、フェニルおよびヘテロアリール基これら自体がハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される1つ以上の基で場合により置換されるものである;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から5のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化8】

、X、AおよびWは請求項1から6のいずれか一項に示される意味を有し、Raは水素原子もしくは塩素原子または基:
【化9】

を表し、
Rbはハロゲン原子または、ハロゲン原子ならびにヒドロキシル、1から4個の炭素原子を含むアルキルおよびアルコキシ基、NH2、NHalkおよびN(alk)2から選択される基で場合により置換される、基S−ヘテロアリールを表す、
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から6のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、AがNHを表し、置換基
【化10】

、Ra、XおよびWはこれらの基について請求項1から7のいずれか一項に記載のすべての値から選択される生成物であり、式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、請求項1から7のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、AがSを表し、置換基
【化11】

、Ra、XおよびWはこれらの基について請求項1から8のいずれか一項に記載のすべての値から選択される生成物であり、式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から8のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項10】
式(Ia)または(Ib):
【化12】


に対応する、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、式中、
【化13】

、RaおよびWは請求項1から9のいずれか一項に示される意味から選択される生成物であり、
式(Ia)および(Ib)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(Ia)および(Ib)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から9のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項11】
式(I’):
【化14】

の生成物に対応する、
【化15】

が単結合を表す、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、
置換基Ra、X、AおよびWは請求項1ないし10のいずれかに示される意味を有する;
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から10のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項12】
式(I”):
【化16】

の生成物に対応する、
【化17】

が二重結合を表す、請求項1から11のいずれか一項に記載の式(I)の生成物であって、
式中、置換基Ra、X、AおよびWは請求項1から11のいずれか一項に示される意味を有する生成物であり、
式(I)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から11のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項13】
式(Ia’):
【化18】

の生成物に対応する、
【化19】

が単結合を表す、請求項1から12のいずれか一項に記載の式(Ia)の生成物であって、
式中、RaおよびWは請求項1から12のいずれかに示される意味から選択される生成物であり、
式(I’a)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I’a)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から12のいずれか一項に記載の式(Ia)の生成物。
【請求項14】
式(I”a):
【化20】

の生成物に対応する、
【化21】

が二重結合を表す、請求項1から13のいずれか一項に記載の式(Ia)の生成物であって、
式中、RaおよびWは請求項1から13のいずれか一項に示される意味から選択される生成物であり、
式(I”a)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I”a)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である。
【請求項15】
式(I’b):
【化22】

の生成物に対応する、
【化23】

が単結合を表す、請求項1から14のいずれか一項に記載の式(Ib)の生成物であって、
式中、RaおよびWは請求項1から14のいずれか一項に示される意味から選択される生成物であり、
式(I’b)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I’b)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から14のいずれか一項に記載の式(Ib)の生成物。
【請求項16】
式(I”b):
【化24】

の生成物に対応する、
【化25】

が二重結合を表す、請求項1から15のいずれか一項に記載の式(Ib)の生成物であって、
式中、RaおよびWは請求項1から15のいずれか一項に示される意味から選択される生成物であり、
式(I”b)の該生成物はあらゆる可能なラセミ、エナンチオマーまたはジアステレオ異性異性体形態にあり、ならびに、式(I”b)の該生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩である、請求項1から15のいずれか一項に記載の式(Ib)の生成物。
【請求項17】
以下の式:
− 1−(6−{[6−(シクロヘキシルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 2−メチルプロパン−2−イル(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]−ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)カルバメート
− 5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−アミン
− 1−(5−フルオロ−6−{[6−(4−フルオロフェニル)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 1−(6−{[6−(シクロプロピルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 1−(6−{[6−(シクロヘキシルアミノ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−3−[2−(モルホリン−4−イル)エチル]尿素
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル}アセトアミド
− N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− N−{6−[(6−エトキシ[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル)スルファニル]−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− N−(6−{[6−(シクロブチルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−5−フルオロ−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)−2−(4−エチルピペラジン−1−イル)アセトアミド
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(オキセタン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
− 2−(4−シクロプロピルピペラジン−1−イル)−N−(5−フルオロ−6−{[6−(テトラヒドロフラン−3−イルオキシ)[1,2,4]トリアゾロ[4,3−b]ピリダジン−3−イル]スルファニル}−1,3−ベンゾチアゾル−2−イル)アセトアミド
に相当するもの、ならびに、該式(I)の生成物の無機および有機酸または無機および有機塩基との付加塩、請求項1から16のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項18】
請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の調製方法。
【請求項19】
AがNHを表す、請求項1から18のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の調製方法。
【請求項20】
AがSを表す、請求項1から19のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の調製方法。
【請求項21】
医薬としての、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物ならびに、該式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩。
【請求項22】
医薬としての、請求項17おいて定義される式(I)の生成物ならびに、該式(I)の生成物の医薬的に許容し得る無機および有機酸または医薬的に許容し得る無機および有機塩基との付加塩。
【請求項23】
活性主成分として、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物またはこの生成物の医薬的に許容し得る塩もしくはこの生成物のプロドラッグを少なくとも1種類含有しおよび医薬的に許容し得る支持体も含む医薬組成物。
【請求項24】
キナーゼタンパク質METおよびこれらの突然変異形態の活性を阻害するための医薬を調製するための、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物またはこれらの生成物の医薬的に許容し得る塩の使用。
【請求項25】
キナーゼタンパク質が細胞培養物中に存在する、請求項24に記載の使用。
【請求項26】
キナーゼタンパク質が哺乳動物体内に存在する、請求項24または25に記載の使用。
【請求項27】
血管増殖障害、線維性障害、「メサンギウム」細胞増殖障害、代謝性障害、アレルギー、喘息、血栓症、神経系疾患、網膜症、乾癬、関節リウマチ、糖尿病、筋肉変性および癌からなる群より選択される疾患を治療または予防するための医薬を調製するための、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項28】
癌を治療するための医薬を調製するための、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項29】
固形または液体腫瘍を治療するための請求項28による使用。
【請求項30】
細胞毒性剤に耐性である癌を治療するための請求項28または29に記載の使用。
【請求項31】
原発腫瘍および/または転移、詳細には、胃癌、肝臓癌、腎臓癌、卵巣癌、結腸癌もしくは前立腺癌、肺癌(NSCLCおよびSCLC)、グリア芽種、甲状腺癌、膀胱癌もしくは乳癌、メラノーマ、リンパもしくは骨髄造血性腫瘍、肉腫、脳癌、喉頭の癌、リンパ系の癌、骨癌および膵癌の原発性腫瘍および/または転移の治療のための、請求項28から30の1項以上に記載の使用。
【請求項32】
癌化学療法のための医薬を調製するための、請求項1から17に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項33】
単独での、または組み合わせでの、癌化学療法のための医薬を調製するための、請求項1から17に記載の式(I)の生成物の使用。
【請求項34】
キナーゼ阻害剤としての、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項35】
MET阻害剤としての、請求項1から17のいずれか一項に記載の式(I)の生成物。
【請求項36】
新規産業製品としての、式M1、M2、M3およびN:
【化26】

(式中、R6は、基NR3R4(基−(CH2)n−NR3R4)、アルコキシ、ヒドロキシル、ヘテロシクロアルキル、フェニルまたは−(CH2)n−フェニル(フェニルは場合により置換され、およびnは1から4の整数を表す。)で場合により置換されるアルキル基を表し、この置換はOR6が上で定義されるRの対応値を表すものであり;R7は、請求項1に示されるように、これら自体が場合により置換される基NR3R4、アルコキシもしくはヒドロキシルまたはフェニル、ヘテロアリールもしくはヘテロシクロアルキル基で場合により置換される、シクロアルキルまたはアルキル基を表し;ならびにRa、R1、R2、R3およびR4は請求項1に示される意味を有する。)合成中間体。

【公表番号】特表2012−517410(P2012−517410A)
【公表日】平成24年8月2日(2012.8.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−548753(P2011−548753)
【出願日】平成22年2月4日(2010.2.4)
【国際出願番号】PCT/FR2010/050180
【国際公開番号】WO2010/089509
【国際公開日】平成22年8月12日(2010.8.12)
【出願人】(504456798)サノフイ (433)
【Fターム(参考)】