説明

600ダルトン未満の分子量を有するポリエチレングリコールを含む医薬組成物

生分解性ポリマー、600ダルトン未満の分子量を有するポリエチレングリコール、薬学的活性剤および0.5%未満の生物学的に許容される有機溶媒を含む、液体医薬組成物。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬学的活性剤を含む液体医薬組成物、特にデポ剤および該デポ剤を製造するための方法に関する。
【背景技術】
【0002】
デポ剤は、典型的に非経腸的に投与される。液体形態の活性剤は、小口径注射針を介して注射により皮下または筋肉内に投与され得るか、またはカニューレを介して到達可能な組織部位に入れられ得る。しかしながら、非経腸投与は、とりわけ反復注射が必要なとき、非常に苦痛を伴う可能性がある。さらに、50%以上の有機溶媒を含む液体形態で投与され、かつ注射後に体内で固形インプラントを形成するデポ剤には困難が存在し得る。固形化工程はしばしば、注射前にシリンジ中で始まり、注射針の目詰まりを引き起こす。注射後インプラントを形成するデポ剤は、ポリマーまたはポリマーの混合物を含み得る。これらのポリマーは、有機溶媒中に溶解されなければならない。有機溶媒が注射用溶液中に残っているとき、それは埋込み部位で重度の組織炎症または壊死を引き起こすかもしれない。
【0003】
多様な方法が、デポ剤を製造するための方法を提供するために開発されている。しかしながら、これらの方法はしばしば、多くの様々な工程を含み非常に複雑である。いくつかの方法は、例えば、ポリマーのようなデポ剤の賦形剤の安定化の深刻な問題をもたらす可能性のある加熱工程を含む。
【0004】
上記の困難を克服するための、改良されたデポ剤および該デポ剤を製造するための簡素化された工程を提供する必要がある。
【発明の開示】
【0005】
驚くことに、生分解性ポリマーを用いる有利な非経腸的デポ剤が、前記組成物が、600ダルトン未満の分子量のポリエチレングリコール(PEG)および約0.5%未満の他の有機溶媒を含むときに得られることが発見された。
【0006】
本発明は、1つの局面において、
(a)生分解性ポリマー、
(b)600ダルトン未満の分子量を有するポリエチレングリコール、
(c)薬学的活性剤、および
(d)約0.5%未満の薬学的に許容される溶媒、および所望により
(e)添加剤
を含む液体組成物を提供する。
【0007】
本発明の組成物は、長期間沈殿することなく、例えば予め充填されたシリンジ中で貯蔵され得る。さらに、本発明の組成物は、良好な耐容性を示し、例えば、わずかな刺激、壊死または毒性作用のみ示すかもしれない。
【0008】
本発明のデポ剤は、長期間かけて活性剤の全てまたは実質的に全てを放出するのに適する。
【0009】
他の局面において、本発明は、
(i)薬学的に許容される有機溶媒中に生分解性ポリマーを溶解する工程
(ii)所望により工程(i)のポリマー/溶媒溶液に添加剤を添加する工程
(iii)600ダルトン未満の分子量のポリエチレングリコール中に薬学的活性剤を溶解する工程
(iv)溶液(i)と(iii)または(ii)と(iii)を混合する工程
(v)例えば、減圧下で撹拌しながらN通気により、またはダイアフィルトレーションを可能にする十字クロスフローろ過により、混合物から薬学的に許容される有機溶媒を除去する工程
を含むデポ剤を製造するための方法を提供する。
【0010】
さらなる局面において、本発明は、
(i)薬学的に許容される有機溶媒中に生分解性ポリマーを溶解する工程
(ii)所望により添加剤を600ダルトン未満の分子量のポリエチレングリコールと混合する工程
(iii)薬学的活性剤を600ダルトン未満の分子量のポリエチレングリコールまたは工程(ii)のポリエチレングリコール/添加剤混合物中に溶解する工程
(iv)溶液(i)と(iii)を混合する工程
(v)例えば、減圧下で撹拌しながらN通気により、またはダイアフィルトレーションを可能にする十字クロスフローろ過により、混合物から薬学的に許容される有機溶媒を除去する工程
を含むデポ剤を製造するための方法を提供する。
【0011】
本発明によれば、薬学的に許容される有機溶媒を、生分解性ポリマーを溶解するために用いるが、この溶媒は工程の最後に除かれる。結果として得られる本発明の組成物は、ほんの少量、例えば組成物の全重量の0.5重量%未満の有機溶媒、例えば刺激性溶媒しか含まない。
【0012】
本発明の組成物のポリマーは、合成または天然ポリマーであり得る。前記ポリマーは、生分解性または非生分解性ポリマーであるか、または生分解性および非生分解性ポリマーの組合せのいずれかであり得、好ましくは生分解性ポリマーが使用され得る。
【0013】
“ポリマー”なる語は、ホモポリマーまたはコポリマーを意味する。
【0014】
本明細書で用いる“生分解性”は、身体過程により体内ですぐに処理できる(readily disposable)産物に分解されるであろう物質、および体内に蓄積しないであろう物質を意味する。
【0015】
適するポリマーには、
(a)ポリオール部分、例えばグルコースから放射状に伸びた直鎖である直鎖ポリエステルまたは分枝鎖ポリエステル
(b)D−、L−またはラセミ体ポリ乳酸、ポリグリコール酸、ポリヒドロキシ酪酸、ポリカプロラクトン、ポリアルキレンオキサレート、クレブス回路、例えばクエン酸回路の酸のポリアルキレングリコールエステルなど、ならびにそれらの組み合わせのようなポリエステル
(c)有機エーテル、無水物、アミド、およびオルトエステルのポリマー
(d)有機エステル、エーテル、無水物、アミド、およびオルトエステルの、それら自体または他のモノマーとの組み合わせのコポリマー
が含まれる。
【0016】
前記ポリマーは、架橋または非架橋であり得る。通常5%以下、典型的には1%未満が架橋される。
【0017】
本発明の好ましいポリマーは、直鎖ポリエステル、および分枝鎖ポリエステルである。直鎖ポリエステルを、α−ヒドロキシカルボン酸、例えば乳酸およびグリコール酸から、ラクトンダイマーの縮合により製造することができる(例えば、参照によりその内容が本明細書に包含されるUS3,773,919を参照のこと)。直鎖または星型ポリマーの好ましいポリエステル鎖は、α−カルボン酸部分、乳酸およびグリコール酸のコポリマー、またはラクトンダイマーのコポリマーである。本発明によって好ましくは用いられるポリラクチド−コ−グリコリドのラクチド:グリコリドのモル比は、好ましくは、約95:5から5:95、例えば75:25から25:75、例えば60:40から40:60、55:45から45:55、例えば52:48から48:52、例えば50:50である。
【0018】
本発明によって好ましくは用いられる直鎖ポリエステル、例えば直鎖ポリラクチド−コ−グリコリド(PLG)は、約1,000から約50,000Daの間の平均分子量(Mw)、例えば約10,000Da、および例えば1.2から2の間の多分散性M/Mを有する。Mw1000から50,000の直鎖ポリマーの固有粘度は、クロロホルム中0.05から0.6dl/gである。適する例には、例えば公知のものおよびBoehringer Ingelheimにより提供されるResomers(登録商標)、特にResomers(登録商標)RG、例えばResomer(登録商標)RG502、502H、503、503H、504、504Hとして市販のものが含まれる。
【0019】
本発明によって好ましくは用いられる分枝鎖ポリエステル、例えば分枝鎖ポリラクチド−コ−グリコリドを、出発物質として、ポリヒドロキシ化合物、例えばポリオール、例えばグルコースまたはマンニトールを用いて製造することができる。ポリオールのこれらのエステルは公知であり、例えば参照によりその内容が本明細書に包含されるGB2,145,422Bに記載される。前記ポリオールは、少なくとも3個のヒドロキシ基を含み、かつ20,000Daまでの分子量を有し、それは、エステル基の形態であるポリオールのヒドロキシ基を少なくとも1個、好ましくは少なくとも2個、例えば平均3個有し、ポリ−ラクチドまたはコ−ポリ−ラクチド鎖を含む。典型的に、0.2%グルコースを、ポリマー化の開始に用いる。分枝鎖ポリエステル(Glu−PLG)は、放射状の直鎖ポリラクチド鎖を有する中心グルコース部分を有し、例えばそれらは星型構造を有する。
【0020】
放射状の直鎖ポリラクチド−コ−グリコリド鎖(Glu−PLG)を有する中心グルコース部分を有する分枝鎖ポリエステルは、開環ポリマー化を可能とする触媒の存在下、高温で、ポリオールをラクチドおよび好ましくはまたグリコリドと反応させることにより製造できる。
【0021】
放射状の直鎖ポリラクチド−コ−グリコリド鎖(Glu−PLG)を有する中心グルコース部分を有する分枝鎖ポリエステルは、好ましくは、約1,000から55,000の範囲の平均分子量M、好ましくは20,000、例えば10,000Daであり、そして例えば1.1から3.0、例えば2.0から2.5の多分散性を有する。M10,000からM50,000の星型ポリマーの固有粘度は、クロロホルム中0.05から0.6dl/gである。50,000のMを有する星型ポリマーは、クロロホルム中0.5dl/gの粘度を有する。
【0022】
ポリマー分解の所望の速度および本発明の化合物の所望の放出プロフィールは、モノマーの種類、ホモ−またはコポリマーが用いられるか、またはポリマーの混合物が用いられるかどうかに依存して変化し得る。
【0023】
ポリマーの混合物は、例えば上記に列挙した(a)から(e)のうち少なくとも2個の異なるポリマー、または異なる特性を有する同じポリマークラスの2個のポリマーを含んでいて良い。例えば、ポリマーの混合物には、例えば約30,000から約50,000Daの平均分子量、例えば約20,000Daのポリマー、および例えば約2.000から約20,000Da、例えば約10,000Daの低い平均分子量を有するポリマーが含まれ得る。
【0024】
好ましくは、ポリマーマトリックスは、直鎖および/または分枝鎖ポリラクチド−コ−グリコリドを含む。より好ましくは、前記ポリマーマトリックスは、Resomer(登録商標)RGおよび/または約10,000Daの平均分子量を有する星型ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーおよび/または約50,000Daの平均分子量を有する星型ポリラクチド−コ−グリコリドポリマーを含む。直鎖対分枝鎖ポリラクチド−コ−グリコリドの比は、好ましくは0:100から100:0、例えば50:50から25:75である。
【0025】
本発明の溶媒は、ポリエチレングリコールと混和性であり得る。そのような溶媒の例には、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸メチル、塩化メチレン、酢酸エチル、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンが含まれる。好ましくはアセトンまたは塩化メチレンを用いることができる。
【0026】
例えばアセトンまたは塩化メチレン中に溶解されるポリマーの量は、約10%w/vから約40%w/v、好ましくは約15%w/vから約30%w/vであり得る。
【0027】
所望により、添加剤を、ポリマー/溶媒溶液および/またはポリエチレングリコール/薬剤溶液に添加して良い。前記添加剤は、ポリマーおよび活性成分の薬剤の溶解性を高め得る。前記共溶媒はさらに、インビトロまたはインビボでの薬剤放出を改善し得る。前記添加剤を、約0.1%から約20%w/v、好ましくは約1%から約5%の量で含むことができる。そのような添加剤の例には、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンエステル(トウィーン)またはひまし油のグリセリンポリオキシエチレンエステル(Cremophor EL)のような液体界面活性剤、乳酸、酢酸、グリセロール、N,N−ジメチルアセトアミド、安息香酸ベンジル、ポリオキシエチル化脂肪酸、レシチン、大豆油、ベニバナ油、植物油、綿実油、ポリ(l−ラクチド)もしくはポリ(d,l−ラクチド)もしくはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)のオリゴマー、またはこれらのオリゴマーの混合物が含まれ得る。
【0028】
前記薬学的活性剤は、例えば共溶媒の存在下または不存在下にてこの溶媒におけるその溶解度に依存して、室温、例えば25℃で、液体ポリエチレングリコール(PEG)、例えばPEG200、PEG300、PEG400、PEG540またはPEG600(Handbook of Pharmaceutical Excipients loc.cit., p. 454)または修飾末端基を有するPEG、例えばポリエチレングリコール モノおよびジ−アルキルエーテル(Handbook of Pharmaceutical Excipients loc.cit. p. 469)またはポリエチレングリコール600 一および二酸中に溶解または分散されていて良い。
【0029】
本発明の方法における使用に適する賦形剤の詳細は、参照により包含される“Handbook of Pharmaceutical Excipients”、Rowe, Sheskey and Weller, 4th Edition 2003に記載される。
【0030】
本発明の目的に関して、“薬学的活性剤”とは、薬学的または治療的効果を生じる全ての物質を意味する。薬学的活性剤の例には、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、オリゴヌクレオチド、RNAおよびDNAが含まれるが、それらに限定されない。ペプチドのいくつかの例は、抗体、成長ホルモン、例えば上皮細胞増殖因子(EGF)、プロラクチン、ルリベリン(luliberin)または黄体形成ホルモン放出ホルモン(LH−RH)、グルカゴン、ガストリン、ペンタガストリン、ウロガストロン、セクレチン、エンケファリン、エンドロフィン、アンジオテンシン、レニン、ブラジキニン、バシトラシン、ポリミキシン、コリスチン、チロシジン、グラミシジン、インスリン、オクトレオチド、例えばUS4,395,403に開示のもの、インターフェロン、エリスロポエチン、カルシトニン、ヘパリン、ソマトスタチン類似体、例えばソマトスタチンパモ酸塩または二アスパラギン酸塩、細胞刺激因子および副甲状腺ホルモンである。
【0031】
好ましい活性剤は、ポリエチレングリコール中に溶解されるソマトスタチン類似体であり得る。より好ましい活性剤は、ソマトスタチンパモ酸塩または二アスパラギン酸塩であり得、それらは、ポリエチレングリコール中に1:1で溶解され、20mg/mlまでの活性剤を含む溶液を形成し得る。
【0032】
ソマトスタチンは、構造式
【化1】

で示されるテトラデカペプチドである。
【0033】
特に興味のあるソマトスタチン類似体は、例えばWO97/01579およびWO97/25977に記載されている。該ソマトスタチン類似体は、式I
−(D/L)Trp−Lys−X−X− I
[式中、Xは、式(a)または(b)
【化2】

〔式中、Rは、所望により置換フェニル(ここで、前記置換基は、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシであり得る。)であり、
は、−Z−CH−R、−CH−CO−O−CH−R
【化3】

(式中、Zは、OまたはSである。)である。〕
で示されるラジカルであり、そして
は、Cα側鎖上に芳香族残基を有するαアミノ酸、またはDab、Dpr、Dpm、His、(Bzl)HyPro、チエニル−Ala、シクロヘキシル−Alaおよびt−ブチル−Alaから選択されるアミノ酸単位、天然ソマトスタチン14の残基Lysに対応する該配列の残基Lysである。]
で示されるアミノ酸配列を含む。
【0034】
本発明で用いるソマトスタチン類似体は、式Iの配列を含む、天然に存在するソマトスタチン14のそれから誘導される直鎖または環状ペプチドを意味し、ここで、さらに1個以上のアミノ酸単位が、欠失されおよび/または1個以上の他のアミノ酸ラジカルにより置換されており、ならびに/または1個以上の官能基が、1個以上の他の官能基により置換されており、および/または1個以上の基が、1個またはいくつかの他の等配電子基(isosteric group)により置換されている。一般的に、本用語は、下記に記載の少なくとも1個のソマトスタチン受容体サブタイプにnM範囲で結合親和力を有する上記の式Iの配列を含む天然ソマトスタチン−14の全ての修飾誘導体を包含する。
【0035】
好ましくは、ソマトスタチン類似体は、ソマトスタチン−14の8位から11位の残基が、上記の式Iの配列で示される化合物である。
【0036】
より好ましくは、ソマトスタチン類似体は、ヘキサペプチド単位の3位から6位の残基に式Iの配列を含む、該ヘキサペプチド単位を含む上記に開示の化合物である。ヘキサペプチド単位の1位および2位の残基が、当業者に公知のもの、例えばA.S. Dutta in Small Peptides, Vol.19, 292−354, Elsevier, 1993に開示のものか、またはソマトスタチン−14のPheおよび/またはPheに対する置換基のいずれかであり得るソマトスタチンヘキサペプチドが、特に好ましい。
【0037】
より特には、ソマトスタチン類似体は、ヘキサペプチド単位が、例えば6位の残基のαカルボニル基と1位の残基のαアミノ基との間の直接ペプチド結合を有する環状である化合物である。
【0038】
式Iの配列中、Lys、XおよびXがL配置を有するとき、Trpは、DまたはL配置を有し得る。好ましくは、Trpは、D配置を有する。
【0039】
は、好ましくは式(a)または(b)の残基であり、Rは、好ましくは、
【化4】

である。
【0040】
が、Cα側鎖上に芳香族残基を含むとき、それは、好適には、天然または非天然αアミノ酸、例えばPhe、Tyr、Trp、Nal、Pal、ベンゾチエニル−Ala、Ticおよびサイロニン(thyronin)であり得、好ましくはPheまたはNal、より好ましくはPheである。Xは、好ましくはCα側鎖上に芳香族残基を有するαアミノ酸である。
【0041】
が置換フェニルであるとき、それは、好適には、ハロゲン、メチル、エチル、メトキシまたはエトキシにより、例えばオルトおよび/またはパラにて置換され得る。より好ましくは、Rは、非置換フェニルである。
【0042】
は、好ましくはOである。
本発明の代表的な化合物は、例えば、式(II)
【化5】

[式中、
およびXは、上記に定義の通りであり、
Aは、Pro、
【化6】

〔式中、Rは、NR−C2−6アルキレン、グアニジノ−C2−6アルキレンまたはC2−6アルキレン−COOHであり、R3aは、H、C1−4アルキルであるか、または独立して、Rに記載の意味のうち1つを有し、R3bは、HまたはC1−4アルキルであり、Rは、OHまたはNRであり、Rは、−(CH1−3−または−CH(CH)−であり、Rは、HまたはCHであり、R4aは、所望により環により置換されたベンジルであり、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C1−4アルキル、ωアミノ−C1−4アルキレン、ωヒドロキシ−C1−4アルキレンまたはアシルであり、Rは、直接結合またはC1−6アルキレンであり、RおよびRはそれぞれ独立して、H、C1−4アルキル、ωヒドロキシ−C2−4アルキレン、アシルまたはCHOH(CHOH)−CH(ここで、cは、0、1、2、3または4である。)であるか、またはRおよびRは、それらが結合される窒素原子と共に、さらなるヘテロ原子を含んでいてよいヘテロ環式基を形成し、そしてR11は、所望により環により置換されたベンジル、−(CH1−3−OH、CH−CH(OH)−または−(CH1−5−NRである。〕
から選択される二価の残基であり、そして
ZZは、天然または非天然αアミノ酸単位である。]
で示される化合物である。
【0043】
ZZは、D−またはL−配置を有し得る。ZZが、天然または非天然αアミノ酸単位であるとき、それは、好適には、例えばThr、Ser、Ala、Val、Ile、Leu、Nle、His、Arg、Lys、Nal、Pal、Tyr、Trp、所望により環により置換されたPheまたはNα−ベンジル−Glyであり得る。ZZが、Pheであるとき、そのベンゼン環は、例えばNH、NO、CH、OCHまたはハロゲンにより、好ましくはパラ位にて置換され得る。ZZが、Pheであるとき、そのベンゼン環は、好ましくは非置換である。
【0044】
Aが、Proアミノ酸残基を含むとき、プロリン環上に存在する任意の置換基、例えばR−NH−CO−O−などは、好ましくは4位に存在する。そのような置換プロリン残基は、シス形態、例えば、
【化7】

ならびにトランス形態で存在し得る。各幾何異性体の個々ならびにその混合物は、本発明の化合物である。
【0045】
Aが、
【化8】

(ここで、NRは、ヘテロ環式基を形成する。)
であるとき、そのような基は、芳香族性または飽和であり得、そして1個の窒素または1個の窒素ならびに窒素および酸素から選択される第二のヘテロ原子を含み得る。好ましくは、前記ヘテロ環式基は、例えばピリジルまたはモルホリノである。この残基中のC2−6アルキレンは、好ましくは−CH−CH−である。
【0046】
A中のR、R、RおよびRとしての任意のアシルは、例えばR12CO−(ここで、R12は、H、C1−4アルキル、C2−4アルケニル、C3−6シクロアルキルまたはベンジルであり、好ましくはメチルまたはエチルである。)であり得る。A中のR4aまたはR11が、環により置換されたベンジルであるとき、そのベンゼン環は、ZZについて上記の通り置換されていて良い。
【0047】
遊離型、塩形態または保護形態の、式III
【化9】

[式中、C−2の配置は、(R)または(S)であるか、またはその混合であり、
Rは、NR1011−C2−6アルキレンまたはグアニジン−C2−6アルキレンであり、そしてR10およびR11はそれぞれ独立して、HまたはC1−4アルキルである。]
で示される化合物が、特に好ましい。
【0048】
好ましくは、Rは、NR1011−C2−6アルキレンである。式IIの好ましい化合物は、遊離型、塩形態または保護形態の、Rが、2−アミノ−エチルである化合物、すなわちシクロ[{4−(NH−C−NH−CO−O−)Pro}−Phg−DTrp−Lys−Tyr(4−Bzl)−Phe](本明細書中、化合物Aと称する)およびシクロ[{4−(NH−C−NH−CO−O)Pro}−DPhg−DTrp−Lys−Tyr(4−Bzl)−Phe]である。Phgは、−HN−CH(C)−CO−を意味し、そしてBzlは、ベンジルを意味する。
【0049】
保護形態の本発明の化合物は、アミノ基の少なくとも1個が、好ましくは生理学的に除去可能に保護され、そして脱保護により式IIの化合物に至る、ソマトスタチン類似体に相当する。適するアミノ保護基は、例えば、“Protective Groups in Organic Synthesis”, T. W. Greene, J. Wiley & Sons NY (1981), 219−287中に開示される通りであり、その内容は参照により本明細書中に包含される。そのようなアミノ保護基の例は、アセチルである。
【0050】
本発明の化合物は、例えば遊離型または塩形態で存在し得る。塩には、例えば無機酸、ポリマー酸または有機酸、例えば塩酸、酢酸、乳酸、アスパラギン酸、安息香酸、コハク酸またはパモ酸との酸付加塩が含まれる。酸付加塩は、例えば1または2酸当量のいずれを添加するかに依存して、一価または二価塩として存在し得る。好ましい塩は、一価および二価塩を含む乳酸塩、アスパラギン酸塩、安息香酸塩、コハク酸塩およびパモ酸塩であり、より好ましくはアスパラギン酸二価塩およびパモ酸一価塩である。
【0051】
もう1つの局面において、本発明は、本発明の方法で得られるソマトスタチン類似体、例えばソマトスタチンパモ酸塩を含む医薬組成物を提供する。前記組成物は、上記のポリマーおよびポリエチレングリコールをさらに含み得る。
【0052】
本発明のさらなる局面において、本発明の方法で得られる組成物は、液体形態、例えば溶液であり得る。0.2マイクロメーターフィルターを通して滅菌ろ過後、その液体組成物、例えば溶液を、シリンジ中に入れることができる。滅菌はまた、冷却条件下、例えば2から8℃または−70℃下で、20から30kGy、好ましくは25kGyでのガンマ線照射で最終的に滅菌することにより達成できる。滅菌溶液を、注射針、例えば20Gまでの注射針を介して、体内に皮下または筋肉内に注射することができる。注射されると、溶媒、例えばポリエチレングリコールは分散し、そしてポリマーと薬学的活性剤である凝固剤は共にインプラントを形成する。本発明に従い、好ましくは予め充填したシリンジを、使用のための取扱説明書と共に提供することができる。
【0053】
もう1つの局面において、本発明は、薬学的活性剤の持続放出のためのデポ剤を提供する。注射後に体内で形成されるインプラントは、長期間活性剤を放出することができる。所望の放出プロフィールは、モノマーの種類、ホモもしくはコポリマーか、またはポリマーの混合物が用いられるかどうかに依存して変化し得る。放出期間は、1から12週間まで、例えば1から8週間の範囲であり得る。
【0054】
本発明の組成物は、ポリマー中に組み込まれた特定の活性剤の既知の適応症の処置に有用である。ソマトスタチン類似体を含む本発明の組成物は、下記の適応症において有用であり得る:
a)過剰なGH分泌および/または過剰なIGF−1を含むかまたはそれと関係する病因(aetiology)を有する疾患の予防または処置のために、例えば末端肥大症の処置、ならびにI型またはII型糖尿病、とりわけその合併症、例えば血管障害(angiopathy)、糖尿病性増殖型網膜症、糖尿病性黄斑浮腫、腎症、神経症および暁現象(dawn phenomenon)、および他のインスリンまたはグルカゴン放出と関係する代謝障害、例えば肥満、例えば病的肥満または視床下部性肥満または高インスリン血症性肥満の処置
【0055】
b)腸管皮膚瘻および膵臓皮膚瘻(pancreaticocutaneous fistula)、過敏性腸症候群、炎症性腸疾患、例えばグレーブス病、炎症性腸疾患、乾癬またはリウマチ性関節炎、多膿胞性腎疾患、ダンピング症候群、水様性下痢症候群、AIDSに関係する下痢、化学療法により誘導される下痢、急性または慢性膵炎および消化管ホルモン分泌腫瘍(例えば、GEP腫瘍、例えばビポーマ(vipoma)、グルカゴノーマ(glucagonoma)、インスリノーマ(insulinoma)、カルチノイドなど)、リンパ球悪性腫瘍、例えばリンパ腫または白血病、肝細胞癌ならびに消化管出血、例えば食道静脈瘤出血(variceal oesophagial bleeding)の処置
【0056】
c)炎症性眼疾患、黄斑浮腫、例えば類嚢胞黄斑浮腫、特発性類嚢胞黄斑浮腫、滲出性加齢性黄斑変性、脈絡膜血管新生関連疾患および増殖性網膜症を含む上記の血管形成、炎症性疾患の予防または処置
【0057】
d)例えば、臓器移植、例えば心臓、肺、複合型心臓−肺、肝臓、腎臓または膵臓移植における移植血管疾患、例えば同種または異種移植片血管障害、例えば移植血管アテローム性動脈硬化症の予防または対処、または、例えば経皮経管的血管形成法、レーザー療法または血管内もしくは内皮の完全性を破壊する他の侵襲的方法のようなカテーテル法または血管剥離法により引き起こされる、静脈移植狭窄、再狭窄および/または血管損傷後の血管閉塞の予防または処置
【0058】
e)下垂体腫瘍、例えばクッシング病、胃腸膵臓腫瘍、カルチノイド腫瘍、中枢神経系腫瘍、乳癌、前立腺癌(進行性ホルモン耐性前立腺癌を含む)、卵巣腫瘍または結腸腫瘍、小細胞肺癌、悪性腸閉塞、傍神経膠腫、腎臓癌、皮膚癌、神経芽腫、褐色細胞腫、甲状腺髄様癌、骨髄腫、リンパ腫、ホジキンおよび非ホジキンリンパ腫、骨腫瘍およびその転移、ならびに自己免疫性または炎症性疾患、例えばリウマチ性関節炎、グレーブス病または他の炎症性眼疾患のようなソマトスタチン受容体発現または蓄積型腫瘍の処置。
【0059】
好ましくは、本発明の組合せ剤は、末端肥大症および癌、例えばクッシング病の処置に有用である。
【0060】
本発明の液体組成物の活性および特徴を、標準臨床試験または動物実験において示すことができる。
【0061】
本発明の組成物の適当な投与量は、もちろん、例えば、処置すべき状態(例えば、耐性の性質の疾患型)、使用する薬剤、所望の効果および投与経路に依存して変化するだろう。
【0062】
ソマトスタチン類似体を含む本発明の組成物について、満足のいく結果が、一度に投与されるかまたは分割用量で、1月当たり注射当たり約0.2から約60mg、好ましくは約5から約40mgか、または1月当たり動物体重kg当たり約0.03から約1.2mgの範囲の投与量での投与、例えば非経口投与で得られる。従って、患者に適する毎月投与量は、約0.3mgから約40mgの範囲のソマトスタチン類似体、例えば化合物Aパモ酸塩である。組成物を、2から3月毎に投与してよい。3月毎の投与に適する投与量は、約1mgから約180mgである。
【0063】
下記は、本発明の方法および組成物の例示のみを目的として説明する。
【実施例】
【0064】
実施例1
異なるポリマー(直鎖ポリマー)の溶解度:ポリエチレングリコール中で試験する。直鎖ポリマー(Resomer(登録商標))および星型ポリマー(ポリ(D)、L−ラクチド−コ−グリコリド)、D,L−PLG−Gluの溶解度を、表1に示す。
【表1】

【0065】
実施例2
ポリマー/PEG溶液20mlの調製:
4.004gのResomerRG502Hを、アセトン13.3ml中に溶解する。ポリエチレングリコールPEG20mlを、25mg/mlの化合物Aパモ酸塩と共にこの溶液に添加する。完全溶液を、減圧下、室温およびN通気しながら4時間撹拌する。滅菌ろ過後、溶液をシリンジ中に充填する。得られた予め充填したシリンジを、皮下投与用に用いることができる。
【0066】
実施例3
4gのResomerRG502Hを、6.6mlの塩化メチレン中に溶解した。0.250gの化合物A二アスパラギン酸塩を、2mlの水に溶解し、そして20mlのPEG300に添加した。ポリマーおよび薬剤溶液の両方を、共に混合した。塩化メチレンを、水浴中40℃で5時間蒸発させ、その結果、PEG300中、1.25%w/vの化合物A二アスパラギン酸塩および20%w/vのResomerRG502Hの注射可能なインサイチュウで形成されるデポ剤を得た。
【0067】
実施例4
1.5gのResomerRG502Hおよび1.0gのポリ(ラクチド−コ−グリコリド)50:50のオリゴマーを、3.3mlの塩化メチレン中に溶解した。0.250gの化合物Aパモ酸塩を、10mlのPEG300中に溶解した。両ポリマーおよび薬剤溶液を、共に混合した。塩化メチレンを、水浴中40℃で5時間蒸発させ、その結果、PEG300中、2.5%w/vの化合物Aパモ酸塩および15%w/vのResomerRG502Hおよび10%のオリゴマーの注射可能なインサイチュウで形成されるデポ剤を得た。
【0068】
実施例5
1.54gのResomerRG502Hおよび0.5gの安息香酸ベンジルを、3.3mlの塩化メチレン中に溶解した。0.250gの化合物Aパモ酸塩を、10mlのPEG300中に溶解した。両ポリマーおよび薬剤溶液を、共に混合した。塩化メチレンを、水浴中40℃で5時間蒸発させ、その結果、PEG300中、2.5%w/vの化合物Aパモ酸塩および15%w/vのResomerRG502Hおよび5%の安息香酸ベンジルの注射可能なインサイチュウで形成されるデポ剤を得た。
【0069】
実施例6:
2.0gのResomerRG502Hを、3.3mlの塩化メチレン中に溶解した。0.250gの化合物Aパモ酸塩を、10mlのPEG250ジエチルエーテル中に溶解した。両ポリマーおよび薬剤溶液を、共に混合した。塩化メチレンを、水浴中40℃で5時間蒸発させ、その結果、PEG250ジエチルエーテル中、2.5%w/vの化合物Aパモ酸塩および20%w/vのResomerRG502Hの注射可能なインサイチュウで形成されるデポ剤を得た。
【0070】
実施例7
4gのResomerRG502Hを、6.6mlの塩化メチレン中に溶解した。0.50gの化合物Aパモ酸塩を、20mlのPEG300中に溶解した。両ポリマーおよび薬剤溶液を、共に混合した。塩化メチレンを、水浴中40℃で5時間蒸発させ、その結果、PEG300中、2.5%w/vの化合物Aパモ酸塩および20%w/vのResomerRG502Hの注射可能なインサイチュウで形成されるデポ剤を得た。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a)生分解性ポリマー
(b)600ダルトン未満の分子量を有するポリエチレングリコール
(c)薬学的活性剤、および
(d)約0.5%未満の薬学的に許容される有機溶媒、および所望により
(e)添加剤
を含む液体医薬組成物。
【請求項2】
前記ポリエチレングリコールが、PEG200、PEG300、PEG400またはPEG600またはジアルキルエーテルPEGである、請求項1に記載の液体医薬組成物。
【請求項3】
前記ポリマーが、直鎖または分枝鎖ポリラクチド−コ−グリコリドである、請求項1または2に記載の液体医薬組成物。
【請求項4】
前記薬学的活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、オリゴヌクレオチド、RNAおよびDNAから選択される、請求項1から3のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
【請求項5】
前記薬学的活性剤がソマトスタチン類似体である、請求項1から4のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
【請求項6】
前記薬学的活性剤が、シクロ[{4−(NH−C−NH−CO−O−)Pro}−Phg−DTrp−Lys−Tyr(4−Bzl)−Phe]パモ酸塩または二アスパラギン酸塩である、請求項1から5のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
【請求項7】
前記薬学的に許容される有機溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンから選択される、請求項1から6のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
【請求項8】
前記添加剤が、メタノール、エタノール、プロピレングリコール、ポリ(オキシエチレン)ソルビタンエステル(トゥイーン)のような液体界面活性剤、またはリシン油のグリセリンポリオキシエチレンエステル(Cremophore EL)、乳酸、酢酸、グリセロール、N,N−ジメチルアセトアミド、安息香酸ベンジル、ポリオキシエチル化脂肪酸、レシチン、大豆油、ベニバナ油、植物油、綿実油、ポリ(l−ラクチド)もしくはポリ(d,l−ラクチド)もしくはポリ(ラクチド−コ−グリコリド)のオリゴマー、またはこれらのオリゴマーの混合物から選択される、請求項1から7のいずれか一項に記載の液体医薬組成物。
【請求項9】
i)薬学的に許容される有機溶媒中に生分解性ポリマーを溶解する工程
ii)所望によりi)のポリマー/溶媒溶液に添加剤を添加する工程
iii)600ダルトン未満の分子量を有するポリエチレングリコール中に薬学的活性剤を溶解する工程
iv)溶液(i)と(iii)または(ii)と(iii)を混合する工程
v)混合物から薬学的に許容される有機溶媒を除去する工程
を含む、デポ剤を製造するための方法。
【請求項10】
添加剤を、所望により、ポリエチレングリコール中に薬学的活性剤を溶解する前にこの溶液に添加する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリマーが、直鎖または分枝鎖ポリラクチド−コ−グリコリドである、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
少なくとも2個の異なるポリマーを、薬学的に許容される有機溶媒中に溶解する、請求項9または11に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリエチレングリコールが、PEG200、PEG300、PEG400またはPEG600またはジアルキルエーテルPEGである、請求項9から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
前記薬学的活性剤が、ペプチド、ポリペプチド、タンパク質、炭水化物、オリゴヌクレオチド、RNAおよびDNAから選択される、請求項9から13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記薬学的活性剤がソマトスタチン類似体である、請求項9から14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記薬学的活性剤が、パモ酸塩または二アスパラギン酸塩である、請求項9から15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
前記薬学的に許容される有機溶媒が、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、エタノール、アセトン、アセトニトリル、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、塩化メチレン、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド、テトラヒドロフラン、カプロラクタム、デシルメチルスルホキシド、オレイン酸、および1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オンである、請求項9から16のいずれか一項に記載の方法。
【請求項18】
前記組成物が、請求項9から17のいずれか一項に記載の方法により得られる、薬学的活性剤を含む医薬組成物。
【請求項19】
前記薬学的活性剤がソマトスタチン類似体である、請求項18に記載の医薬組成物。
【請求項20】
前記ソマトスタチン類似体が、パモ酸塩または二アスパラギン酸塩である、請求項19に記載の医薬組成物。
【請求項21】
注射のための、請求項1から8または18から20のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項22】
注射後、体内で固形インプラントを形成する、請求項1から8または18から21のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項23】
前記活性剤が、1週間以上、12週間まで放出される、請求項1から8または18から22のいずれか一項に記載の医薬組成物。
【請求項24】
請求項1から8または18から23のいずれか一項に記載の組成物および使用説明書を含む予め充填されたシリンジ。

【公表番号】特表2008−501757(P2008−501757A)
【公表日】平成20年1月24日(2008.1.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−526299(P2007−526299)
【出願日】平成17年6月8日(2005.6.8)
【国際出願番号】PCT/EP2005/006173
【国際公開番号】WO2005/120453
【国際公開日】平成17年12月22日(2005.12.22)
【出願人】(597011463)ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト (942)
【Fターム(参考)】