説明

7α−(ζ−アルキルアミノ−ω−ペルフルオロアルキル)アルキル側鎖を有するエストロゲン−拮抗性11β−フルオロ−17α−アルキルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−ジオールの調製方法、及びα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン類及びそれらの調製方法

本発明は、7α−(ζ−アルキルアミノ−ω−ペルフルオロアルキル)アルキル側鎖を有する一般式Iのエストロゲン−拮抗性11β−フルオロ−17α−アルキルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−ジオールの新規調製方法、及び一般式IIのα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン類、それらの調製方法及びこの目的のために必要とされる中間体に関する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、7α−(ζ−アルキルアミノ−ω−ペルフルオロアルキル)アルキル側鎖を有する一般式Iのエストロゲン−拮抗性11β−フルオロ−17α−アルキルエストラ−1,3,5(10)−トリエン−3,17−ジオールの新規調製方法、及び一般式IIのα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン類、それらの調製方法及びこの目的のために必要とされる中間体に関する。
【発明の概要】
【0002】
より特定には、本発明は、下記一般式I:
【化1】

【0003】
[式中、R17αは、1〜4個の炭素原子を有し、そして部分的に又は完全に弗素化されていてもよいアルキル基、又は2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基であり、
R17βは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有するアルカノイル基であり、
hは、1〜6の整数であり、
Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
iは、6〜9の整数である]
で表される化合物の調製方法に関する。
【0004】
本発明はさらに、下記一般式II:
H(R)N-(CH2)i-C2F5 (II)
[式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
iは、6〜9の整数である]
で表されるα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン類、及びそれらの調製方法にも関する。
【0005】
本発明はまた、一般式IIのα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン類の調製において必要とされる中間体にも関する。それらは、一般式VII 、IXの化合物、及び化合物16b, 20, 24, 25, 26, 27及び28である。
【0006】
一般式Iの化合物は、強い抗エストロゲン活性を有する化合物である。より特定には、それらは、それらの受容体からの天然のエストロゲンの競争置換のために、及び/又はエストロゲン受容体の不安定化により、それらの抗エストロゲン活性を示すエストロゲンアンタゴニストである。後者の場合、選択的エストロゲン受容体不安定化剤(SERD)を言及する。時折り、同じ略語がまた、用語、選択的エストロゲン受容体ダウンレギュレーターを意味することが理解されている。両者の場合、すなわち競争エストロゲンアンタゴニストの場合、及びSERDの場合、その結果は、エストロゲン刺激の伝達の制御である。
【0007】
さらに、一般式Iの化合物類は好ましくは、純粋な抗エストロゲンであり、これは、それらの化合物が、もしあるならば消滅するエストロゲン残留作用のみを有することの意味を意図する。
【0008】
一般式Iのそれらの化合物類及びそれらの調製は、最初にWO03/045972号に記載されている。この場合、下記一般式III :
【0009】
【化2】

【0010】
[式中、R17αは、1〜4個の炭素原子を有し、そして部分的に又は完全に弗素化されていてもよいアルキル基、又は2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基であり、
R17βは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有するアルカノイル基であり、
hは、1〜6の整数であり、そして
Halは、ハロゲン原子である]
で表される化合物が、下記一般式II:
H(R)N-(CH2)i-C2F5 (II)
[式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
iは、6〜9の整数である]
で表されるα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンと反応せしめられ、一般式Iの化合物が得られる。
【0011】
特に、Rはメチル基であり、iは5であり、そしてHalは、臭素原子、塩素原子又はヨウ素原子である。
【0012】
一般式IIの化合物は、中でも、α−ヒドロキシ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンから出発して、当業者に知られている方法により調製され得る(スキーム1を参照のこと)。
【0013】
【化3】

【0014】
この目的のための出発化合物として必要とされるα−ヒドロキシ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンの調製への可能な経路は、WO99/33855A1号に記載されている(スキーム2を参照のこと)。
【0015】
【化4】

【0016】
一般式IIの化合物の調製のためのα−ヒドロキシ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンを調製するための上記方法(スキーム2)の1つの欠点は、中間体のクロマトグラフィー精製段階が、十分な純度でのその対応するα−ヒドロキシ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンを調製するために必要とされることである。
【0017】
さらに、化合物4a-bから調製されるグリニャール試薬と、1,1,1,2,2−ペンタフルオロ−5−ヨードペンタンとの反応が、厳格な制御及び特殊な操作方法を必要とし、そして実験室規模で適切な制御を行うことは可能であり得るが、それらの反応の産業規模への拡大は大きな技術的困難性を有する。
【0018】
スキーム2に代わって、α−ヒドロキシ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンの調製はまた、α−ヒドロキシ−ω−アルケンから出発して、スキーム3に示される経路を通して可能である。
【0019】
【化5】

【0020】
このためには、ペルフルオロアルキル基(通常、その対応するペルフルオロアルキルヨージドを用いる)がα−ヒドロキシ−ω−アルケンの末端二重結合上に付加される。
【0021】
一般式IIの化合物の調製のためのα−ヒドロキシ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンの調製のための上記方法(スキーム3)の1つの欠点は、この場合に使用される出発材料(α−ヒドロキシ−ω−アルケン)が産業規模での合成のために多量に、すなわち、少数の場合のみ(例えば、アリルアルコール(m=1)又は5−ヘキセン−1−オール(m=4)、Kg 規模での量で市販されていることである。特定の問題が、スキーム3によれば、一般式I(i=7)の化合物の特定の抗エストロゲンの調製のための出発材料として使用されるべきである多量の6−ヘプテン−1−オール(m=5)の利用に見出されて来た。従って、スキーム3に従っての一定のアミンの調製は、産業規模(kg量)への実験室合成の拡大のためには不適切である。
【0022】
さらに、末端二重結合への末端ペルフルオロアルキル基の導入のためのペルフルオロアルキルハロゲン化物(例えば、ペンタフルオロエチルヨージド、CF3CF2I)の他に、所望する直鎖生成物のみならず、また一定割合の枝分れ鎖の異性体(追加の立体中心の導入と供に)が形成されることは知られている(スキーム4を参照のこと)。
【0023】
【化6】

【0024】
活性医薬成分の合成のために必要とされる純度必要条件を満たすためには、遊離基付加の生成物が、合成の間、所望しない異性体を除去するために精製されるべきである。これは、より高い費用、及び制限された利用性(例えば、6−ヘプテン−1−オール(m=5))に関連し、重大な問題が、この調製経路の産業規模への転換、特に下記化合物1の調製に関して発生する:
【0025】
【化7】

【0026】
従って、限定された利用性のみのものである、α−ヒドロキシ−ω−アルケンの使用を伴わないで、一般式IIのα−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカンの調製のための改良された方法を提供することが、本発明の目的である。安価な市販の出発材料の使用が可能であるべきである。特に、出発化合物はKg規模で、すなわち産業規模で入手できるべきであり、その結果、一般式IIの化合物を調製するための本発明の方法を産業規模に転換することがまた可能である。
この目的は、一般式IIの化合物を調製するための本発明の方法により達成される。
【0027】
この方法においては、下記一般式V:
Hal1-(CH2)p-P+(Ar)3(Hal2)- (V)
[式中、Hal1及びHal2はそれぞれ独立して、ハロゲン原子であり、Arは芳香族基、特にフェニル、0−、m−又はp−トリル基であり、そしてpは3〜6の整数である]
で表されるWittig試薬と、下記式VI:
H(O)C-(CH2)2-C2F5 (VI)
で表される4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタナールとを、Wittig反応における強塩基の存在下で反応せしめ、下記一般式VII :
Hal1-(CH2)(p-1)-C=C-(CH2)2-C2F5 (VII)
[式中、pは上記に定義される通りである]
で表されるオレフィンを得、
前記一般式VIIのハロオレフィンを、下記一般式VIII :
HN(R)(Rb) (VIII)
[式中、Rは、一般式IIに定義される通りであり、そして
Rbは、水素原子又はベンジル基である]
で表されるアルキルアミンにカップリングし、
下記一般式IX:
(Rb)(R)N-(CH2)(p-1)-C=C-(CH2)2-C2F5 (IX)
で表される化合物を得、そして次に、二重結合が水素化され(Rbがベンジル基である場合、ベンジル基の追加の排除による)、下記一般式II:
H(R)N-(CH2)i-C2F5 (II)
[式中、R及びiはそれぞれ、上記で定義される通りである]
で表される化合物が得られる。
【0028】
使用される式(V)のWittig試薬は、アルキル成分(CH2)pに3〜6個の炭素を有する化合物である。
追加の出発材料として使用されるべき式VIの4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタナールは、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタノールから既知方法により入手できる。
【0029】
一般式VII 及びIXの化合物、及び8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オール、8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルトルエン−4−スルホネート及び8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルメタンスルホネートは、E及びZ異性体のいずれかの混合物として存在する。
【0030】
一般式I及びIII の化合物における、R17α及びR17βは特にメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、イソ−ブチル、及びtert−ブチルであり、それにより、R17βはまたさらに、水素、アセチル、プロピオニル及びブタノイルであり得、そしてこの場合、その対応する異性体も包含され得る。さらに、R17αは、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、1−ブチニル、2−ブチニル及び3−ブチニル、並びにトリフルオロメチル、ペンタフルオロエチル、ヘプタフルオロプロピル及びノナフルオロブチルであり得、ここでこの場合、その対応する異性体もまた包含される。R17βは特に、水素、CH3又はCH3C(O)−である。R17αは好ましくは、メチル、エチニル及びトリフルオロメチルを表す。本発明の1つの態様においては、特定化合物におけるRはメチル基である。
【0031】
本発明のさらなる態様においては、特定化合物におけるiは7である。
本発明のさらなる変法は、特定化合物におけるHal1が塩素原子であることを想定する。
さらに、特定化合物におけるHal1は、臭素又はヨウ素原子であり得る。
特定化合物におけるArは主にフェニル基である。
【0032】
使用される強塩基は例えば、カリウムtert−ブトキシド、n−ブチルリチウム又はリチウムトリメチルシリルアミドであり得る。
本発明は、容易に入手できる多量化学物質に基づいて効率的態様でのそれらの化合物の調製を可能にする一般式IIの化合物の合成方法を提供する。
【0033】
この合成法を用いて、化合物IIが異性的に純粋な形で得られ、その結果、それらは、一般式Iのその対応する化合物を得るために一般式III の化合物との反応のための反応において、直接的に及びさらなる精製を伴わないで使用され得る。
前記反応は、実験室規模で及び産業規模で同等に実施され得る。
【0034】
従って、本発明は、また下記一般式I:
【化8】

【0035】
[式中、R17αは、1〜4個の炭素原子を有し、そして部分的に又は完全に弗素化され得るアルキル基、又は2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基であり、
R17βは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有するアルカノイル基であり、
hは、1〜6の整数であり、
Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
iは、6〜9の整数である]
で表される化合物の産業規模での調製方法にも関し、ここで任意には、反応混合物からの単離を伴わないで、請求項1〜7のいずれか1項に従って調製された一般式IIの化合物と、それ自体既知の態様で一般式III の化合物とを直接的に反応し、一般式Iの化合物を得ることを特徴とする。
【0036】
反応自体は、例えば類似する化合物についてWO03/045972号(変法2.2, 第27頁)にすでに記載される態様に類似してもたらされる。
本発明によれば、一般式IIの化合物(1a-d)が、下記スキーム5に示されるようにして、調製される:
【0037】
【化9】

【0038】
この合成路(N−メチルベンジルアミンの使用)の他に、α−クロロ−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン16をアルキル化するためにN−メチルアミンを使用することが同等に可能である:
【0039】
【化10】

【0040】
特に、α−官能価されたω−ペンタフルオロノナンのシリーズの調製に関しては、同様に4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−オールから進行する次の合成路を通して化合物24を調製することが可能である:
【0041】
【化11】

【0042】
4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−オール14が、既知方法によりトシレート19に転換される。新規ホスホニウム塩20の調製は、19とヨウ化ナトリウム及びトリフェニルホスフィンとを、1つの工程段階で反応することにより容易に達成され得る。テトラヒドロフラン−2−オール23は、ブチロラクトン21の還元により、又は1,4−ブテンジオール22の金属触媒された二重結合異性化により、文献の方法により調製される。23と20とのWittig反応における反応により、新規アルコール8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オール24を得る。
【0043】
化合物24におけるヒドロキシル基は、当業者に知られている方法により、良好な脱離基、例えば塩素、臭素又はヨウ素原子又はメシル又はトシル基により置換され得る。次に、得られる化合物が、スキーム5及び6におけるように、又は下記に示される全体的なスキーム8におけるように、一般式IIの化合物の代表として化合物1に転換され得る。
【0044】
要約すれば、α−アルキル(アミノ)−ω−ペルフルオロ(アルキル)アルカン1の合成は、種々の合成路を通して可能であり−それらは、下記全体的スキームにもう1度、示される:
【0045】
【化12】

【0046】
すべての合成路は、いくつかの供給者により比較的多量に供給される、出発材料としての4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタノールの使用に基づかれる。
記載される一般式II、VII 及びIXの中間体、及び個々の化合物16b, 20, 24, 25, 26, 27及び28は新規である。
【0047】
従って、それらはすべて、本発明の範囲内に属する。抗エストロゲン、特に一般式Iのそれらを調製するためへのそれらの使用は同様に、本発明の内容の一部を形成する。
下記例は、本発明のより詳細な説明のために使用される。
【実施例】
【0048】
(4−クロロブチル)トリフェニルホスホニウム臭化物を、文献の方法[ii]に類似して調製した。
4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−アール(又は関連する化合物)は、文献にすでに記載されている[例えば、iii又はivを参照のこと]。ここで、4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−アールを、標準条件下で4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−オールを酸化することにより調製した(ジクロロメタン溶液を、ピリジニウムジクロメートとの反応により、又はTEMPO酸化により調製し[例えば、vを参照のこと]−4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−アールのジクロロメタン溶液を、低沸点のためにWittig反応に、直接使用した)。ペンタフルオロペンタノールのSwern酸化は問題である[vi]。
【0049】
テトラヒドロフラン−2−オールを、ブチロラクトンの還元、又は1,4−ブタンジオールの金属触媒された二重結合異性化により、文献の方法に類似して調製した[vii]。4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルトルエン−4−スルホネートは、特許文献[viii]にすでに記載されている。
【0050】
例1:1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(16b)(E/Z混合物)の調製
1072.1gの(4−クロロブチル)トリフェニルホスホニウム臭化物をまず、1200mlのTHFに充填する。−25℃に冷却しながら、1900mlのTHF中、252.5gのKOtBuの溶液をゆっくり添加し、その結果、内部温度は、-20℃以上に上昇しない。添加の終結の後、撹拌をこの温度で30分間、続け、脱プロトン化を完結し、そして次に(同様に、-20℃以下の温度で)、2000mlのジクロロメタンに溶解された、約390gの4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタン−1−アールをゆっくり添加した。添加の終結の後、混合物をまず、冷条件下でさらに1時間、撹拌し、そして次に、その反応混合物を、冷浴を除くことにより、室温に暖める。
【0051】
さらなる作業のために、反応混合物をまず、減圧下で約2000mlの残留体積に濃縮し、そして次に3800mlのシクロヘキサンを添加する。このようにして得られた懸濁液を1200gのシリカゲルのプラグを通して濾過し、そして粗生成物の溶液を、減圧下で溶媒を除去する。残渣を最終的に、約3〜5mバールの減圧下で及び75−78℃で蒸留する。210.6g(34%の理論値)の1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E/Z混合物)を、無色の液体として得る。
【0052】
1H NMR (400MHz; CDCl3): 1.80-1.95 (m; 2H); 2.05-2.35 (m; 4H); 2.35-2.50 (m; 2H); 3.60 (tr, 7.0 Hz; 2H); 5.40-5.55 (m; 2H) ppm。
【0053】
例2:ベンジルメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(17b)(E/Z混合物)の調製
3.0gのヨウ化ナトリウムをまず、8.0gの無水炭酸ナトリウムと共に充填する。続いて、126mlのDMFに溶解された25.2gの1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E/Z混合物)の溶液を添加する。20.2mlのN−ベンジルメチルアミンの添加の後、その反応混合物を、約70℃の内部温度に加熱し、反応を完結する(約7時間)。
【0054】
さらなる作業のために、126mlのメチルtert−ブチルエーテル及び126mlの水を添加する。相を分離し、そして水性相をまず、それぞれ63mlのメチルtert−ブチルエーテルにより2度、抽出する。続いて、組合された有機相を、それぞれ63mlの水により3度、洗浄し、そして次に濃縮乾燥する。少量の不純物を、最終的に100gのシリカゲルのプラグを通しての濾過により除去する。25g(70%の理論値)のベンジルメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(E/Z混合物)、わずかに黄色の液体の形で得る。
1H NMR (400MHz; CDCl3): 1.55-1.70 (m; 2H); 1.95-2.15 (m; 4H); 2.2 (s, 3H); 2.30- 2.45 (m; 2H); 3.5 (s, 2H); 5.25- 5.50 (m; 2H); 7.20-7.35 (m; 5H) ppm。
【0055】
例3:メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミン(1)(水素化及び脱ベンジル化から)の調製
264gのベンジルメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(E/Z混合物)を、2600mlのメタノールに溶解する。10.6gのPd/C(10%)の添加の後、反応混合物を、水素吸収が停止するまで、1−バールの圧力下で水素雰囲気下で撹拌する。
【0056】
さらなる作業のために、反応混合物を濾過し、残留物を、3×100mlのメタノールにより洗浄し、そして濾液を減圧下で濃縮する。残留物を2500mlのメチルtert-ブチルエーテル及び2500mlの水に取る。氷浴で冷却しながら、250mlのNaOH(50%)を用いて、12以上のpHにする。
相を分離する。水性相を、それぞれ250mlのMTBEにより3度、抽出する。組合された有機相を、それぞれ250mlの水により3度、洗浄し、そして次に濃縮する。169.6g(87%の理論値)のメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミンを、無色の液体として得る。少量の不純物を、減圧下での蒸留により除去する(4mバール及び90℃)。
1H -NMR-(400MHz; CDGl3): 1.1 (br s; NH); 1.3-1.7 (m; 10H); 1.9-2.1 (m; 2H); 2.4 (s; 3H); 2.6 (tr; 7.2 Hz; 2H) ppm。
【0057】
例4:メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(18b)(E/Z混合物)の調製
5gの1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E/Z混合物)を、25mlのエタノールに溶解し、そして次に60mlのメチルアミン水溶液(40%の強度)と共に混合し、そしてオートクレーブにおいてジャケット温度80℃で16時間、加熱する。室温への冷却の後、50mlのMTBE及び20mlの水を添加し、そして相を分離する。水性相を、30mlのMTBEにより2度、再抽出し、そして20mlのNaOH(1M)により洗浄する。
【0058】
次に、有機相を、回転蒸発器上で10mlに濃縮し、そして約10mlの10%硫酸により2以下のpHに調節する。生成物の水溶液を、15mlのヘキサンにより、そして次にそれぞれ20mlのヘキサン及びMTBEの混合物(3:1)により2度、洗浄する。28mlの1MのNaOH溶液の添加により、水性相のpHを12以上に調節し、そして生成物をMTBEにより3度、抽出する。組合された有機相を濃縮し、3.35g(68%の理論値)のメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(E/Z混合物)を、オレンジ色の油状物として得る。
【0059】
1H NMR (400 MHz, CDCl3): 1.1 (br s; NH); 1.6 (クィンテット; 7.3 Hz; 2H); 2.0-2.2 (m; 4H); 2.3-2.4 (m; 2H); 2.5 (s; 3H); 2.6 (t; 7.3 Hz; 2 H); 5.3-5.6 (m; 2H) ppm。
【0060】
例5:メチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミン(1)(水素化からの)の調製
1.5gのメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(E/Z混合物)を、15mlのMTBEに溶解し、そして1.5mlの酢酸と共に混合する。80mgのPd/C(10%)の添加の後、反応混合物を、水素吸収が停止するまで、1−バールの圧力下で水素雰囲気下で撹拌する。さらなる作業のために、反応混合物を濾過し、残留物を洗浄し、そして15mlの水を添加する。その後、pHを、約2mlの50%NaOHにより12以上に調節し、そして相を分離する。次に、水性相を、それぞれ7.5mlのMTBEにより2度、再抽出し、そして組合された有機層を7.5mlの水により再抽出する。溶媒を除去し、1.42g(92%の理論値)のメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノニル)アミンを、わずかに黄色の油状物として得る。
1H NMR (400MHz; CDCl3): 1.1 (br s; NH); 1.3-1.7 (m; 10H); 1.9-2.1 (m; 2H); 2.4 (s; 3H); 2.6 (tr; 7.2 Hz; 2H) ppm。
【0061】
例6:(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)トリフェニルホスホニウムヨージド(20)の調製
100gの4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチルトルエン−4−スルホネートを、300mlのアセトニトリルに溶解し、そして86.8gのトリフェニルホスフィン及び49.6gのヨウ化ナトリウムと共に混合する。その懸濁液を90℃に8時間にわたって加熱する。その後、固形物を濾過し、そして残留物を300mlのアセトニトリルにより2度、洗浄する。濾液を約600mlの酢酸エチルにより再蒸留し、そして生成物が固形物として沈殿する。結晶を濾過し、200mlの酢酸エチルにより洗浄し、そして乾燥キャビネットにおいて乾燥する。151gの淡黄色の結晶を得る。
1H NMR (400MHz; DMSO-d6): 1.70-1.80 (m; 2H); 2.35-2.55 (m; 2H); 3.65-3.75 (m; 2H); 7.70-7.95 (m; 15H) ppm。
【0062】
例7:8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オール(24)(E/Z混合物)の調製
2.97gの(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)トリフェニルホスホニウムヨージドを、2.4mlのTHFに懸濁し、そして次に、冷条件下で、2.4mlのTHFに溶解された665mgのKOtBuを添加する。30分後、1.2mlのTHF中、570mgのテトラヒドロフラン−2−オールの溶液を滴下し、そしてその混合物を冷条件下で、さらに30分間、撹拌し、そして次に、室温に3時間にわたって暖める。反応を5mlの水の添加により急冷し、そして有機相を、10mlのMTBEの添加の後、除去する。
【0063】
次に、水性相を、それぞれ5mlのMTBEにより2度、再抽出し、そして有機相を減圧下で濃縮する。粗物質を10mlのヘキサンと共に混合し、固形物を吸引下で濾過し、そして濾過ケークを10mlのヘキサンにより洗浄する。続いて、その混合物を回転蒸留発器上で濃縮し、そして生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。830mg(66%の理論値)の8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オール(E/Z混合物)を、無色の油状物として得る。
1H NMR (400MHz; CDCl3): 1 .35 (br s; OH); 1.65 (quintet; 7.0 Hz; 2H); 2.0-2.2 (m; 4H); 2.3-2.4 (m; 2H); 3.65 (tr; 7.0 Hz; 2H); 5.3-5.55 (m; 2H) ppm。
【0064】
例8:1−ブロモ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(26)(E/Z混合物)の調製
5gの1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E/Z混合物)を、25mlのDMF中、10.26gの臭化ナトリウムと共に懸濁し、そして次に、130℃に5時間にわたって加熱する。30mlの酢酸エチル及び50mlの水の添加の後、相を分離し、そして次に、有機相を、それぞれ50mlの水により4度、洗浄し、そして硫酸ナトリウム上で乾燥する。溶媒を除去し、そして粗生成物をシリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。4.33gの無色の油状物を得る。
1H NMR (400MHz; CDCl3): 1.85-2.00 (m; 2H); 2.05-2.20 (m; 4H); 2.20-2.40 (m; 2H); 3.40 (tr; 7.0 Hz; 2H); 5.35-5.50 (m; 2H) ppm。
【0065】
例9:1−ヨード−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(27)(E/Z混合物)の調製
10gの1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E/Z混合物)を、50mlのDMF中、33.12gのヨウ化カリウムと共に懸濁し、そして次に、130℃で2時間にわたって加熱する。反応混合物の作業のために、75mlのヘキサン及び50mlの水を添加し、そして相を分離する。水性相をヘキサンにより、もう1度抽出し、そして組合された有機相を、50ml及び25mlの水により2度、洗浄する。溶媒を除去し、そして粗生成物を、シリカゲル上でクロマトグラフィー処理する。8.47gの無色の油状物を得る。
1H NMR (400MHz; CDCl3): 1.80-1.95 (m; 2H); 2.00-2.25 (m; 4H); 2.30-2.45 (m; 2H); 3.20 (tr, 7.0 Hz; 2H); 5.35-5.50 (m; 2H) ppm。
【0066】
例10:8,8,9.9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルメタンスルホネート(25)(E/Z混合物)の調製
100mgの8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オールを、2.8mlのジクロロメタンに溶解する。次に、0.17mlのトリエチルアミン及び107mgのメタンスルホン酸塩化物を添加し、そしてその反応混合物を室温で18時間、撹拌する。7.2mlのジクロロメタンを添加し、そしてその反応混合物を5mlの水及び10mlのブライン溶液により抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして有機溶媒を蒸発し、110mgの淡黄色の油状物を得る。
1H-NMR (400MHz; CDCl3): 1.75-1.90 (m; 2H); 2.00-2.25 (m; 4H); 2.30-2.40 (m; 2H); 3.00 (s; 3H); 4.25 (tr; 6.4 Hz; 2H); 5.35-5.50 (m; 2H) ppm。
【0067】
例11:8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルトルエン−4−スルホネート(28)(E/Z混合物)の調製
100mgの8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オールを、2.8mlのジクロロメタンに溶解する。次に、0.17mlのトリエチルアミン及び107mgのトルエン−4−スルホン酸塩化物を添加し、そしてその反応混合物を室温で18時間、撹拌する。7.2mlのジクロロメタンを添加し、そしてその反応混合物を5mlの水及び10mlのブライン溶液により抽出する。有機相を硫酸ナトリウム上で乾燥し、そして有機溶媒を蒸発し、156mgの淡黄色の油状物を得る。
1H-NMR (400MHz; CDCl3): 1.65-1.75 (m; 2H); 1.95-2.15 (m; 4H); 2.20-2.30 (m; 2H); 2.45 (s; 3H); 4.05 (tr; 7.0 Hz; 2H); 5.30-5.45 (m; 2H); 7.35 (d; 8.1 Hz; 2H) 7.80 (d; 8.1 Hz; 2H) ppm。
【0068】
文献:
i J. D. Park, F. E. Rogers, J. R. Lacher, J. Org. Chem. 1961 , 26, 2089 - 2095.
ii W.H. Pearson, K-C. Lin, Tetrahedron Lett. 1990, 31, 7571 - 7574.
iii I. Ojima, K. Kato, M. Okabe, T. Fuchikami, J. Amer. Chem. Soc. 1987, 109, 7714 - 7720.
iv a) G. Pozzi, S. Quici, I. Shepperson, Tetrahedron Lett. 2002, 43, 6141 - 6144. b) C. Rocaboy, W. Bauer, J.A. Gladysz Eur. J. Org. Chem. 2000, 65, 2621 - 2628.
【0069】
v Organic Syntheses Col. Vol. 8, 367.
vi L. Leveque, M. Le Blanc, R. Pastor, Tetrahedron Lett. 1998, 39, 8857 - 8860.
vii a) K. Watanabe, Yuto Suzuki, K. Akoi, A. Sakakura, Kiyotake Suenaga, H. Kigoshi, J. Org. Chem. 2004, 69, 7802-7808 b) B. Seddig, J. Aim, Journal f. prakt. Chemie 1987, 329, 711-716.
viii Chugai Seiyaku Kabushiki Kaisha, US6645951 B1 (2003/11/11), Appl. US2001 -7-19608 (2001/07/16)。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式II:
H(R)N-(CH2)i-C2F5 (II)
[式中、Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そしてiは6〜9の整数である]
で表されるα−アルキル(アミノ)−ω−(ペルフルオロアルキル)アルカンの調製方法であって、
下記一般式V:
Hal1-(CH2)p-P+(Ar)3(Hal2)- (V)
[式中、Hal1及びHal2はそれぞれ独立して、ハロゲン原子であり、Arは芳香族基、特にフェニル、o−、m−又はp−トリル基であり、そしてpは3〜6の整数である]
で表されるWittig試薬と、下記式VI:
H(O)C-(CH2)2-C2F5 (VI)
で表される4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンタナールとを、Wittig反応における強塩基の存在下で反応せしめ、下記一般式VII :
Hal1-(CH2)(p-1)-C=C-(CH2)2-C2F5 (VII)
[式中、pは上記に定義される通りである]
で表されるオレフィンを得、
前記一般式VIIのハロオレフィンを、下記一般式VIII :
HN(R)(Rb) (VIII)
[式中、Rは、一般式IIに定義される通りであり、そして
Rbは、水素原子又はベンジル基である]
で表されるアルキルアミンにカップリングし、
下記一般式IX:
(Rb)(R)N-(CH2)(p-1)-C=C-(CH2)2-C2F5 (IX)
[式中、Rは、一般式IIに定義される通りであり、そして
Rbは、水素原子又はベンジル基である]
で表される化合物を得、そして次に、二重結合が水素化され(Rbがベンジル基である場合、ベンジル基の排除による)、下記一般式II:
H(R)N-(CH2)i-C2F5 (II)
[式中、R及びiはそれぞれ、上記で定義される通りである]
で表される化合物が得られることを特徴とする方法。
【請求項2】
特定化合物におけるRがメチル基である、請求項1記載の方法。
【請求項3】
特定化合物におけるiが7である、請求項1又は2記載の方法。
【請求項4】
特定化合物におけるHal1が塩素原子である、請求項1〜3のいずれか1項記載の方法。
【請求項5】
特定化合物におけるHal1が臭素又はヨウ素原子である、請求項1〜4のいずれか1項記載の方法。
【請求項6】
特定化合物におけるArがフェニル基である、請求項1〜5のいずれか1項記載の方法。
【請求項7】
前記強塩基がカリウムtert−ブトキシド、n−ブチルリチウム又はリチウムトリメチルシリルアミドである、請求項1〜6のいずれか1項記載の方法。
【請求項8】
下記一般式VII :
Hal1-(CH2)(p-1)-C=C-(CH2)2-C2F5 (VII)
[式中、Hal1及びpはそれぞれ、請求項1に定義される通りである]
で表される化合物。
【請求項9】
a)請求項8記載の1−クロロ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
b)請求項8記載の1−ブロモ−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
c)請求項8記載の1−ロド−8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項10】
一般式Iの抗エストロゲンの合成のための中間として使用するための請求項8又は9記載の一般式VII の化合物。
【請求項11】
下記一般式IX:
(Rb)(R)N-(CH2)(p-1)-C=C-(CH2)2-C2F5 (IX)
[式中、R及びRb、及びまたpはそれぞれ、請求項1に定義される通りである]
で表される化合物。
【請求項12】
請求項11記載のベンジルメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項13】
請求項11記載のメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−イル)アミン(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項14】
一般式Iの抗エストロゲンの合成のための中間として使用するための請求項11、12又は13記載の一般式IXの化合物。
【請求項15】
下記一般式II:
H(R)N-(CH2)i-C2F5 (II)
[式中、Rは1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
iは6〜9の整数である]
で表される化合物。
【請求項16】
請求項15記載のメチル(8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−1−イル)アミン。
【請求項17】
一般式Iの抗エストロゲンの合成のための中間として使用するための請求項15又は16記載の一般式IIの化合物。
【請求項18】
(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)トリフェニルホスホニウムヨージド。
【請求項19】
一般式Iの抗エストロゲンの合成のための中間として使用するための請求項18記載の(4,4,5,5,5−ペンタフルオロペンチル)トリフェニルホスホニウムヨージド。
【請求項20】
8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オール(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項21】
一般式Iの抗エストロゲンの合成のための中間として使用するための請求項20記載の8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エン−1−オール(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項22】
a)8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルトルエン−4−スルホネート(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)
b) 8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルメタンスルホネート(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項23】
一般式Iの抗エストロゲンの合成のための中間として使用するための請求項22記載の
a)8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルトルエン−4−スルホネート(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)
b) 8,8,9,9,9−ペンタフルオロノン−4−エニルメタンスルホネート(E及びZ異性体、及びE及びZ異性体のいずれかの混合物)。
【請求項24】
下記一般式I:
【化1】

[式中、R17αは、1〜4個の炭素原子を有し、そして部分的に又は完全に弗素化されていてもよいアルキル基、又は2〜4個の炭素原子を有するアルキニル基であり、
R17βは、水素原子、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基、又は1〜4個の炭素原子を有するアルカノイル基であり、
hは、1〜6の整数であり、
Rは、1〜3個の炭素原子を有するアルキル基であり、そして
iは、6〜9の整数である]
で表される化合物の産業規模での調製方法であって、任意には、反応混合物からの単離を伴わないで、請求項1〜7のいずれか1項に従って調製された一般式IIの化合物と、それ自体既知の態様で一般式III の化合物とを直接的に反応し、一般式Iの化合物を得ることを特徴とする方法。

【公表番号】特表2010−536910(P2010−536910A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−522266(P2010−522266)
【出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際出願番号】PCT/EP2008/007210
【国際公開番号】WO2009/027108
【国際公開日】平成21年3月5日(2009.3.5)
【出願人】(300049958)バイエル・シエーリング・ファーマ アクチエンゲゼルシャフト (357)
【Fターム(参考)】