説明

7−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−4−イル−メタノン誘導体を含むグリコーゲン合成酵素キナーゼ−3ベータ阻害剤

7−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−4−イル−メタノン誘導体を含むGSK−3ベータ阻害剤が提供される。例えば、本阻害剤は以下の一般式(I)を有する。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先権
本出願は、2008年11月20日提出の米国特許仮出願第61/116,543号の恩典を主張し、その全内容は参照により本明細書に組み入れられる。
【0002】
技術分野
本発明は、GSK−3ベータの活性を阻害するための化合物、その調製方法、および活性成分としてその化合物を含む薬学的組成物に関する。
【背景技術】
【0003】
背景技術
グリコーゲン合成酵素キナーゼ−3(GSK−3)は、当初、グリコーゲン合成酵素をリン酸化により不活化するタンパク質として同定された、プロリン指向性セリンスレオニンキナーゼである。2つのイソ型、アルファ(GSK−3アルファ)およびベータ(GSK−3ベータ)が同定されており、これらは互いに高度のアミノ酸相同性を示す。以前の研究は、GSK−3ベータがエネルギー代謝、神経細胞発生、および体パターン形成に関与することを報告している(非特許文献1)。
【0004】
アルツハイマー病を含む、神経変性ニューロパチーは、プロリン指向性セリン/スレオニンリン酸化部位における微小管関連タンパク質タウの異常な過剰リン酸化によって特徴付けられる(非特許文献2)。GSK−3ベータは、疾患関連部位における異常なタウリン酸化を仲介する主な候補として同定された(非特許文献3〜6)。したがって、GSK−3ベータは、アルツハイマー病を含む、神経変性タウオパチーにおける治療的介入の有望な標的である。
【0005】
炭酸リチウム、クエン酸リチウムおよび塩化リチウムは、躁病、うつ病および片頭痛のような様々な障害を治療するために一般に用いられ、また単極型うつ病に用いられる他の標準的薬物の利益を増すための「増強」剤としても用いられる。リチウムはGSK−3ベータ阻害剤であり、したがって、GSK−3ベータ阻害は様々なそのような障害を治療するための有望な標的である。
【0006】
肥満糖尿病マウスにおけるGSK−3の活性は対照における活性の約2倍であるとの報告があり(非特許文献7)、2型糖尿病患者におけるGSK−3の活性および発現は健常者に比べて著しく高い(非特許文献8)。したがって、GSK−3阻害剤は、グルコース合成酵素の活性を低下させることにより2型糖尿病を治療するために利用可能である。
【0007】
まとめると、GSK−3ベータ阻害剤は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛および2型糖尿病などの広範な疾患に対して用いることができ、GSK−3ベータ依存性疾患の治療および/または予防のためにそのような阻害剤を開発することが強く必要とされている。
【0008】
本発明者らは、GSK−3ベータの有効な阻害剤を開発するために努力し、ベンゾイミダゾール誘導体がGSK−3ベータの活性を選択的に阻害できることを見いだした。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】Plyte SE, et al., Biochim. Biophys. Acta, 1114:147-162, 1992
【非特許文献2】Lee VM, et al., Annu. Rev. Neurosci. 24: 1121-1159, 2001
【非特許文献3】Hanger DP, et al., Neurosci. Lett. 147: 58-62, 1992
【非特許文献4】Ishiguro K, et al., J. Biol. Chem. 267: 10897-10901, 1992
【非特許文献5】Mandelkow EM, et al., FEBS Lett. 314: 315-321, 1992
【非特許文献6】Paudel HK, et al., J. Biol. Chem. 268: 23512-23518, 1993
【非特許文献7】Eldar-Finkelman H, et al., Diabetes, 48:1662-1666, 1999
【非特許文献8】Nikoulina SE, et al., Diabetes, 49:263-271, 2000
【発明の概要】
【0010】
発明の概要
したがって、本発明の目的は、GSK−3ベータに対する高い阻害活性を有するGSK−3ベータ阻害剤を提供することである。
【0011】
本発明のさらなる目的は、それを必要とする対象におけるGSK−3ベータ依存性疾患の治療に用いるための、本化合物、その薬学的に許容されるその塩、水和物、溶媒和物、または異性体を含む、薬学的組成物を提供することである。
【0012】
本発明の一つの局面に従い、式(I)の化合物、およびその薬学的に許容される塩、水和物、溶媒和物、または異性体が提供される:
【化1】

式中
Xはフェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキルであり;
このフェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキルは、A群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよく;
Lは−NH−または単結合であり;
MはC−Cシクロアルキルまたは3〜8員飽和複素環基から選択され;
このC−Cシクロアルキル、および3〜8員飽和複素環基は、A群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよく;
ここでA群はヒドロキシル、オキソ、ニトロ、シアノ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、アミド、ハロゲン、スルファモイル、トリフルオロメチル、p−トルエンスルホニルアミノ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルカルボニルアミノ、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ホスホリル、カルボニル、カルボキシル、および3〜8員飽和複素環基からなり;かつ
aは0〜5の整数である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
態様の説明
定義
本発明において、「GSK−3ベータ依存性疾患」は、GSK−3ベータの活性阻害が治療上の有効性に関連する疾患である。そのような疾患には、例えば、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛および2型糖尿病が含まれる。当業者には、そのような疾患は乳癌、膀胱癌および小細胞肺癌などの癌を含まないことが理解されるであろう。したがって、いくつかの態様において、特許請求されるGSK−3ベータ依存性疾患の治療法または予防法は、乳癌、膀胱癌または小細胞肺癌などの癌を同時に患っている患者を除外する。したがって、いくつかの態様において、「それを必要としている患者」なる用語は、患者が乳癌、膀胱癌または小細胞肺癌などの癌を同時に患っていないとの条件で、GSK−3ベータ依存性疾患を患っている患者を意味する。
【0014】
本発明において、「アルキル」とは、いかなるヘテロ原子または不飽和炭素−炭素結合も含まない、直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。「C−Cアルキル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。「C−Cアルキル」とは、1〜4個の炭素原子を有するアルキル基を意味する。
【0015】
「C−Cアルキル」の例には、メチル、エチル、1−プロピル、2−プロピル、2−メチル−1−プロピル、2−メチル−2−プロピル、1−ブチル、2−ブチル、1−ペンチル、2−ペンチル、3−ペンチル、2−メチル−1−ブチル、3−メチル−1−ブチル、2−メチル−2−ブチル、3−メチル−2−ブチル、2,2−ジメチル−1−プロピル、1−ヘキシル、2−ヘキシル、3−ヘキシル、2−メチル−1−ペンチル、3−メチル−1−ペンチル、4−メチル−1−ペンチル、2−メチル−2−ペンチル、3−メチル−2−ペンチル、4−メチル−2−ペンチル、2−メチル−3−ペンチル、3−メチル−3−ペンチル、2,3−ジメチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−1−ブチル、2,2−ジメチル−1−ブチル、2−エチル−1−ブチル、3,3−ジメチル−2−ブチル、および2,3−ジメチル−2−ブチルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0016】
本発明において、「フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキル」とは、フェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピルまたはシクロペンチル基に結合したC−Cアルキルを意味する。一つの態様において、フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキルは、前述のA群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよい。そのような置換は、前記基のフェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピル、もしくはシクロペンチル部分またはC−Cアルキル部分のいずれかで起こってもよく、あるいは前記基の両方の部分で起こってもよい。
【0017】
「フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキル」の例には、フェニルメチル、フェニルエチル、フェニル−1−プロピル、フェニル−2−プロピル、フェニル−n−ブチル、フェニル−s−ブチル、フェニル−t−ブチル、フェニル−2−エチルブチル、チオフェン−2−イルメチル、チオフェン−2−イルエチル、チオフェン−2−イル−1−プロピル、チオフェン−2−イル−2−プロピル、チオフェン−2−イル−n−ブチル、チオフェン−2−イル−s−ブチル、チオフェン−2−イル−t−ブチル、チオフェン−2−イル−2−エチルブチル、フラン−2−イルメチル、フラン−2−イルエチル、フラン−2−イル−1−プロピル、フラン−2−イル−2−プロピル、フラン−2−イル−n−ブチル、フラン−2−イル−s−ブチル、フラン−2−イル−t−ブチル、フラン−2−イル−2−エチルブチル、シクロプロピルメチル、シクロプロピルエチル、シクロプロピル−1−プロピル、シクロプロピル−2−プロピル、シクロプロピル−n−ブチル、シクロプロピル−s−ブチル、シクロプロピル−t−ブチル、シクロプロピル−2−エチルブチル、シクロペンチルメチル、シクロペンチルエチル、シクロペンチル−1−プロピル、シクロペンチル−2−プロピル、シクロペンチル−n−ブチル、シクロペンチル−s−ブチル、シクロペンチル−t−ブチルおよびシクロペンチル−2−エチルブチルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0018】
本発明において、「アルケニル」とは、1つの不飽和炭素−炭素結合を含み、かついかなるヘテロ原子も含まない、直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。「C−Cアルケニル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルケニル基を意味する。
【0019】
「C−Cアルケニル」の例には、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、3−プロペニル、2−メチル−プロパ−1−エン−1−イル、2−メチル−プロパ−1−エン−3−イル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−1−エン−2−イル、ブタ−1−エン−3−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−2−エン−2−イル、ペンタ−1−エン−1−イル、ペンタ−1−エン−2−イル、ペンタ−1−エン−3−イル、ペンタ−1−エン−4−イル、ペンタ−1−エン−5−イル、ペンタ−2−エン−1−イル、ペンタ−2−エン−2−イル、ペンタ−2−エン−3−イル、ペンタ−2−エン−4−イル、ペンタ−2−エン−5−イル、2−メチル−ブタ−1−エン−1−イル、2−メチル−ブタ−1−エン−2−イル、2−メチル−ブタ−1−エン−3−イル、2−メチル−ブタ−1−エン−4−イル、2−メチル−ブタ−2−エン−1−イル、2−メチル−ブタ−2−エン−3−イル、2−メチル−ブタ−2−エン−4−イル、3−メチル−ブタ−1−エン−1−イル、3−メチル−ブタ−1−エン−2−イル、3−メチル−ブタ−1−エン−3−イル、3−メチル−ブタ−1−エン−4−イル、2,2−ジメチル−プロパ−1−エン−1−イル、2,2−ジメチル−プロパ−1−エン−2−イル、ヘキサ−1−エン−1−イル、ヘキサ−1−エン−2−イル、ヘキサ−1−エン−3−イル、ヘキサ−1−エン−4−イル、ヘキサ−1−エン−5−イル、ヘキサ−1−エン−6−イル、ヘキサ−2−エン−1−イル、ヘキサ−2−エン−2−イル、ヘキサ−2−エン−3−イル、ヘキサ−2−エン−4−イル、ヘキサ−2−エン−5−イル、ヘキサ−2−エン−6−イル、ヘキサ−3−エン−1−イル、ヘキサ−3−エン−2−イル、ヘキサ−3−エン−3−イル、2−メチル−ペンタ−1−エン−1−イル、2−メチル−ペンタ−1−エン−3−イル、2−メチル−ペンタ−1−エン−4−イル、2−メチル−ペンタ−1−エン−5−イル、2−メチル−ペンタ−2−エン−1−イル、2−メチル−ペンタ−2−エン−3−イル、2−メチル−ペンタ−2−エン−4−イル、2−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル、3−メチル−ペンタ−1−エン−1−イル、3−メチル−ペンタ−1−エン−2−イル、3−メチル−ペンタ−1−エン−3−イル、3−メチル−ペンタ−1−エン−4−イル、3−メチル−ペンタ−1−エン−5−イル、3−メチル−ペンタ−2−エン−1−イル、3−メチル−ペンタ−2−エン−2−イル、3−メチル−ペンタ−2−エン−4−イル、3−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル、4−メチル−ペンタ−1−エン−1−イル、4−メチル−ペンタ−1−エン−2−イル、4−メチル−ペンタ−1−エン−3−イル、4−メチル−ペンタ−1−エン−4−イル、4−メチル−ペンタ−1−エン−5−イル、4−メチル−ペンタ−2−エン−1−イル、4−メチル−ペンタ−2−エン−2−イル、4−メチル−ペンタ−2−エン−3−イル、4−メチル−ペンタ−2−エン−4−イル、4−メチル−ペンタ−2−エン−5−イル、2,3−ジメチル−ブタ−1−エン−1−イル、2,3−ジメチル−ブタ−1−エン−3−イル、2,3−ジメチル−ブタ−1−エン−4−イル、2,3−ジメチル−ブタ−2−エン−1−イル、3,3−ジメチル−ブタ−1−エン−1−イル、3 ,3−ジメチル−ブタ−1−エン−2−イル、3,3−ジメチル−ブタ−1−エン−4−イル、2−エチル−ブタ−1−エン−1−イル、2−エチル−ブタ−1−エン−3−イル、2−エチル−ブタ−1−エン−4−イル、3−エチル−ブタ−1−エン−1−イル、3−エチル−ブタ−1−エン−2−イル、3−エチル−ブタ−1−エン−3−イル、3−エチル−ブタ−1−エン−4−イル、2−エチル−ブタ−2−エン−1−イル、2−エチル−ブタ−2−エン−3−イルおよび2−エチル−ブタ−2−エン−4−イルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0020】
本発明において、「アルキニル」とは、1つの不飽和炭素−炭素結合を含み、かついかなるヘテロ原子も含まない、直鎖または分枝鎖炭化水素基を意味する。「C−Cアルキニル」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルキニル基を意味する。
【0021】
「C−Cアルキニル」の例には、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、3−プロピニル、2−メチル−プロパ−1−イン−1−イル、2−メチル−プロパ−1−イン−3−イル、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−1−イン−2−イル、ブタ−1−イン−3−イル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−2−イン−2−イル、ペンタ−1−イン−1−イル、ペンタ−1−イン−2−イル、ペンタ−1−イン−3−イル、ペンタ−1−イン−4−イル、ペンタ−1−イン−5−イル、ペンタ−2−イン−1−イル、ペンタ−2−イン−2−イル、ペンタ−2−イン−3−イル、ペンタ−2−イン−4−イル、ペンタ−2−イン−5−イル、2−メチル−ブタ−1−イン−1−イル、2−メチル−ブタ−1−イン−2−イル、2−メチル−ブタ−1−イン−3−イル、2−メチル−ブタ−1−イン−4−イル、2−メチル−ブタ−2−イン−1−イル、2−メチル−ブタ−2−イン−3−イル、2−メチル−ブタ−2−イン−4−イル、3−メチル−ブタ−1−イン−1−イル、3−メチル−ブタ−1−イン−2−イル、3−メチル−ブタ−1−イン−3−イル、3−メチル−ブタ−1−イン−4−イル、2,2−ジメチル−プロパ−1−イン−1−イル、2,2−ジメチル−プロパ−1−イン−2−イル、ヘキサ−1−イン−1−イル、ヘキサ−1−イン−2−イル、ヘキサ−1−イン−3−イル、ヘキサ−1−イン−4−イル、ヘキサ−1−イン−5−イル、ヘキサ−1−イン−6−イル、ヘキサ−2−イン−1−イル、ヘキサ−2−イン−2−イル、ヘキサ−2−イン−3−イル、ヘキサ−2−イン−4−イル、ヘキサ−2−イン−5−イル、ヘキサ−2−イン−6−イル、ヘキサ−3−イン−1−イル、ヘキサ−3−イン−2−イル、ヘキサ−3−イン−3−イル、2−メチル−ペンタ−1−イン−1−イル、2−メチル−ペンタ−1−イン−3−イル、2−メチル−ペンタ−1−イン−4−イル、2−メチル−ペンタ−1−イン−5−イル、2−メチル−ペンタ−2−イン−1−イル、2−メチル−ペンタ−2−イン−3−イル、2−メチル−ペンタ−2−イン−4−イル、2−メチル−ペンタ−2−イン−5−イル、3−メチル−ペンタ−1−イン−1−イル、3−メチル−ペンタ−1−イン−2−イル、3−メチル−ペンタ−1−イン−3−イル、3−メチル−ペンタ−1−イン−4−イル、3−メチル−ペンタ−1−イン−5−イル、3−メチル−ペンタ−2−イン−1−イル、3−メチル−ペンタ−2−イン−2−イル、3−メチル−ペンタ−2−イン−4−イル、3−メチル−ペンタ−2−イン−5−イル、4−メチル−ペンタ−1−イン−1−イル、4−メチル−ペンタ−1−イン−2−イル、4−メチル−ペンタ−1−イン−3−イル、4−メチル−ペンタ−1−イン−4−イル、4−メチル−ペンタ−1−イン−5−イル、4−メチル−ペンタ−2−イン−1−イル、4−メチル−ペンタ−2−イン−2−イル、4−メチル−ペンタ−2−イン−3−イル、4−メチル−ペンタ−2−イン−4−イル、4−メチル−ペンタ−2−イン−5−イル、2,3−ジメチル−ブタ−1−イン−1−イル、2,3−ジメチル−ブタ−1−イン−3−イル、2,3−ジメチル−ブタ−1−イン−4−イル、2,3−ジメチル−ブタ−2−イン−1−イル、3,3−ジメチル−ブタ−1−イン−1−イル、3,3−ジメチル−ブタ−1−イン−2−イル、3,3−ジメチル−ブタ−1−イン−4−イル、2−エチル−ブタ−1−イン−1−イル、2−エチル−ブタ−1−イン−3−イル、2−エチル−ブタ−1−イン−4−イル、3−エチル−ブタ−1−イン−1−イル、3−エチル−ブタ−1−イン−2−イル、3−エチル−ブタ−1−イン−3−イル、3−エチル−ブタ−1−イン−4−イル、2−エチル−ブタ−2−イン−1−イル、2−エチル−ブタ−2−イン−3−イルおよび2−エチル−ブタ−2−イン−4−イルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0022】
本発明において、「アルコキシ」とは、Rがアルキルである、−ORで表される基を意味する。
【0023】
「C−Cアルコキシ」とは、1〜6個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。「C−Cアルコキシ」とは、1〜4個の炭素原子を有するアルコキシ基を意味する。
【0024】
「C−Cアルコキシ」の例には、メトキシ、エトキシ、1−プロピルオキシ、2−プロピルオキシ、2−メチル−1−プロピルオキシ、2−メチル−2−プロピルオキシ、ならびに1−ブチルオキシ、および2−ブチルオキシが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0025】
本発明において、「C−Cアルキルカルボニル」とは、C−Cアルキルに結合しているカルボニル基を意味する。「C−Cアルキルカルボニル」とは、C−Cアルキルに結合しているカルボニル基を意味する。
【0026】
「C−Cアルキルカルボニル」の例には、メチルカルボニル、エチルカルボニル、1−プロピルカルボニル、2−プロピルカルボニル、n−ブチルカルボニル、s−ブチルカルボニル、t−ブチルカルボニル、および2−エチルブチルカルボニルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0027】
本発明において、「シクロアルキル」とは、飽和炭素環系を意味する。「C−Cシクロアルキル」とは、3〜8員シクロアルキルを意味する。
【0028】
「C−Cシクロアルキル」の例には、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプタニル、およびシクロオクタニルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0029】
本発明において、「アミノ」とは、その水素が置換基で置換されていてもよい、−NHで表される基を意味する。
【0030】
本発明において、「C−Cアルキルアミノ」とは、C−Cアルキルに結合しているアミノ基を意味する。
【0031】
「C−Cアルキルアミノ」の例には、メチルアミノ、エチルアミノ、1−プロピルカルボニルアミノ、2−プロピルアミノ、n−ブチルアミノ、s−ブチルアミノ、t−ブチルアミノ、および2−エチルブチルアミノが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0032】
本発明において、「C−Cアルキルカルボニルアミノ」とは、C−Cアルキルカルボニルに結合しているアミノ基を意味する。「C−Cアルキルカルボニルアミノ」とは、C−Cアルキルカルボニルに結合しているアミノ基を意味する。
【0033】
「C−Cアルキルカルボニルアミノ」の例には、メチルカルボニルアミノ、エチルカルボニルアミノ、1−プロピルカルボニルアミノ、2−プロピルカルボニルアミノ、n−ブチルカルボニルアミノ、s−ブチルカルボニルアミノ、t−ブチルカルボニルアミノ、および2−エチルブチルカルボニルアミノが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0034】
本発明において、「C−Cシクロアルキルアミノ」とは、C−Cシクロアルキルに結合しているアミノ基を意味する。
【0035】
「C−Cシクロアルキルアミノ」の例には、シクロプロピルアミノ、シクロブチルアミノ、シクロペンチルアミノ、シクロヘキシルアミノ、シクロヘプタニルアミノ、およびシクロオクタニルアミノが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0036】
本発明において、「スルホニル」は、−SO−で表される基である。
【0037】
本発明において、「C−Cアルキルスルホニル」とは、C−Cアルキルに結合しているスルホニル基を意味する。「C−Cアルキルスルホニル」とは、C−Cアルキルに結合しているスルホニル基を意味する。
【0038】
「C−Cアルキルスルホニル」の例には、メチルスルホニル、エチルスルホニル、1−プロピルスルホニル、2−プロピルスルホニル、n−ブチルスルホニル、s−ブチルスルホニル、t−ブチルスルホニル、および2−エチルブチルスルホニルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0039】
本発明において、「C−Cアルキルスルホニルアミノ」とは、「C−Cアルキルスルホニル」に結合しているアミノ基を意味する。「C−Cアルキルスルホニルアミノ」とは、「C−Cアルキルスルホニル」に結合しているアミノ基を意味する。
【0040】
「C−Cアルキルスルホニルアミノ」の例には、メチルスルホニルアミノ、エチルスルホニルアミノ、1−プロピルスルホニルアミノ、2−プロピルスルホニルアミノ、n−ブチルスルホニルアミノ、s−ブチルスルホニルアミノ、t−ブチルスルホニルアミノ、および2−エチルブチルスルホニルアミノが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0041】
本発明において、「飽和複素環基」とは、環系内に1つまたは複数のヘテロ原子を有する飽和複素環基を意味する。「3〜8員飽和複素環基」とは、その環が3〜8個の原子からなる、飽和複素環基を意味する。
【0042】
「3〜8員飽和複素環基」の例には、アジリジニル、アゼチジニル、ピロリジニル、イミダゾリジニル、ピペラジニル、ピペリジニル、アゼパニル、およびモルホリニルが含まれるが、それらに限定されるわけではない。
【0043】
塩は、酸および塩基の中和反応から生じる生成物と定義される。塩は、カチオン(正に荷電したイオン)およびアニオン(負イオン)からなるイオン化合物であり、したがって生成物は電気的に中性である。これらの成分イオンは無機ならびに有機でありうる。
【0044】
水和物は、無機化学および有機化学において、物質が水を含むことを示すために用いる用語である。溶媒和物は、溶媒分子と複合体形成した、溶液中の分子を意味する。異性体は、同じ分子式を有するが、構造式は異なる化合物である。より具体的には、異性体には化合物の幾何異性体、光学異性体、立体異性体、互変異性体、およびその混合物が含まれる。
【0045】
本発明は、式(I)で表される化合物を提供する:
【化2】

式中
Xはフェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキルであり;
このフェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニルC−Cアルキル、チオフェン−2−イルC−Cアルキル、フラン−2−イルC−Cアルキル、シクロプロピルC−Cアルキル、またはシクロペンチルC−Cアルキルは、A群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよく;
Lは−NH−または単結合であり;
MはC−Cシクロアルキルまたは3〜8員飽和複素環基から選択され;
このC−Cシクロアルキル、および3〜8員飽和複素環基は、A群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよく;
ここでA群はヒドロキシル、オキソ、ニトロ、シアノ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−Cシクロアルキルアミノ、アミド、ハロゲン、スルファモイル、トリフルオロメチル、p−トルエンスルホニルアミノ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルキルカルボニルアミノ、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ホスホリル、カルボニル、カルボキシル、および3〜8員飽和複素環基からなり;かつ
aは0〜5の整数である。
【0046】
好ましい化合物には、下記からなる群より選択されるものが含まれる:以下の表1に挙げる実施例番号5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、50、51、52、53、54、55、56、57、58、59、60、および72;ならびに前述の化合物の薬学的に許容される塩、プロドラッグ、水和物および溶媒和物。
【0047】
【表1】







【0048】
本発明の式(I)の化合物は、無機または有機酸から誘導される薬学的に許容される塩の形であってもよく、無機または有機酸から誘導される薬学的に許容される塩の代表例には塩酸、臭化水素酸、リン酸もしくはスルホン酸などの無機酸、あるいは酢酸、トリフルオロ酢酸、クエン酸、ギ酸、マレイン酸、シュウ酸、コハク酸、安息香酸、酒石酸、フマル酸、マンデル酸、アスコルビン酸もしくはリンゴ酸などの有機カルボン酸、メタンスルホン酸、またはパラトルエンスルホン酸を式(I)の化合物に加えることにより得られる塩が含まれ、これらはその範囲を限定することはない。そのような酸は通常の方法によって調製してもよく、またそれ自体は薬学的に許容されない、シュウ酸を含む他の酸を、塩基の調製において用いてもよい。
【0049】
または、本発明の式(I)の化合物は、無機または有機塩基を加えることにより得られる塩を含む、無機または有機塩基から誘導される薬学的に許容される塩の形であってもよい。例えば、水酸化ナトリウムもしくは水酸化カリウムを含むアルカリ、または水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、水酸化アルミニウムもしくは水酸化アンモニウムを含む水酸化アルカリ土類金属を、本化合物の無機塩の調製のために用いてもよい。さらに、トリエチルアミンまたはジイソプロピルエチルアミンを含む有機塩基も、本化合物の有機塩の調製のために用いてもよい。
【0050】
式(I−II)および(I−III)の本発明の好ましい化合物をスキーム(I)のとおりに調製してもよい。
【0051】
スキーム(I)
【化3】

上図において、p−TSAはp−トルエンスルホン酸であり、HATUは2−(1H−7−アザベンゾトリアゾル−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェートメタンアミニウムであり、DIPEAはN,N−ジイソプロピルエチルアミンであり、EDCは1−[3−(ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドであり、HOBtは1−ヒドロキシベンゾトリアゾールであり、かつX、a、およびMは前述の定義と同じ意味を有する。
【0052】
アニリンAを必要なニトリルと、p−トルエンスルホン酸存在下で反応させて、アミジンBを得る。アミジンBを次亜塩素酸ナトリウムで塩素化し、炭酸水素ナトリウムを用いて環化して、ベンズイミダゾールCを生成する。中間体Cを水酸化ナトリウムでけん化して、メトキシ酸Dを得、これを様々なアミンと、HATU存在下で反応させて、アミドFを得る。アミドFを三臭化ホウ素で処理して、式(I)の化合物を得る。中間体Cを三臭化ホウ素で処理してヒドロキシ酸Eを得、これを様々なアミンと、EDCおよびHOBtを用いて反応させて、式(I)の化合物を得る。
【0053】
スキーム(II)
【化4】

【0054】
化合物Tを必要なアミンと、銅およびヨウ化銅(I)存在下で反応させ、続いて脱保護して、化合物Uを得た(スキームII)。
【0055】
本発明の式(I)の化合物の塩、水和物、溶媒和物および異性体を、任意の公知の方法を用いて調製してもよい。本発明の式(I)の化合物、その塩、水和物、溶媒和物または異性体を、GSK−3ベータの活性を阻害することにより、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病などのGSK−3ベータ依存性疾患の治療のために用いてもよく、本発明の化合物は、概して0.0001から100、例えば、0.001から50、好ましくは0.001から10、より好ましくは0.001から5の範囲のIC50値(マイクロM)を有する。
【0056】
したがって、本発明は、活性成分としての式(I)の化合物、その塩、水和物、溶媒和物または異性体の治療的有効量および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物を含み;したがって、本発明の薬学的組成物はGSK−3ベータ依存性疾患において優れた予防および治療効果を発揮する。
【0057】
薬学的製剤を、任意の通常の手順に従って調製してもよい。製剤の調製において、活性成分を好ましくは担体と混合もしくは担体で希釈するか、または担体、サシェもしくは他の容器内に封入する。担体が希釈剤として役立つ場合、これは活性成分の媒体、賦形剤または媒質として作用する固体、半固体、または液体材料であってもよい。したがって、製剤は錠剤、丸剤、散剤、サシェ、エリキシル剤、懸濁剤、乳剤、液剤、シロップ剤、エアロゾル、軟および硬ゼラチンカプセル剤、滅菌注射液剤、滅菌包装散剤などの形であってもよい。
【0058】
適当な担体、賦形剤、および希釈剤の例は、ラクトース、デキストロース、スクロース、ソルビトール、マンニトール、ケイ酸カルシウム、セルロース、メチルセルロース、微結晶セルロース、ポリビニルピロリドン、水、および鉱油である。製剤はさらに充填剤、抗乳化剤、保存剤などを含んでいてもよい。本発明の組成物を製剤して、当技術分野において周知の任意の手順を用いてそれらを哺乳動物に投与した後、活性成分の急速、持続または遅延放出を提供してもよい。
【0059】
本発明の薬学的組成物を、経口、経皮、皮下、静脈内および筋肉内導入を含む様々な経路を介して投与することができる。
【0060】
前述に加えて、本発明の組成物は、本発明の化合物のインビボでの機能を阻害しないかぎり、他の薬学的活性成分を含んでいてもよい。例えば、組成物はアルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、または2型糖尿病を治療するために通常用いられる化学療法剤をさらに含んでいてもよい。
【0061】
本明細書において開示する化合物を用いて、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患を治療または予防することができる。例えば、本発明は、対象における、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患を治療または予防する方法であって、該対象に本明細書において開示する化合物を投与することによる方法を提供する。好ましい態様において、そのような化合物を対象に、本発明の化合物および薬学的または生理的に許容される担体を含む薬学的組成物の形で投与することができる。本発明の薬学的組成物を、対象における、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患を治療するために、経口、経皮、皮下、静脈内および筋肉内導入を含む様々な経路を介して投与することができる。
【0062】
もう一つの態様において、本発明は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患を治療するための薬学的組成物の製造における、本発明の化合物の使用も提供する。例えば、本発明は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患を治療するための薬学的組成物の製造のための、本発明の化合物の使用に関する。
【0063】
または、本発明は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患の治療において用いるための本発明の化合物をさらに提供する。
【0064】
または、本発明は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患の治療のための薬学的組成物の製造の方法または工程であって、薬学的または生理的に許容される担体を活性成分としての本発明の化合物と共に製剤する段階を含む方法または工程をさらに提供する。
【0065】
もう一つの態様において、本発明は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛、および2型糖尿病を含むGSK−3ベータ依存性疾患を治療するための薬学的組成物の製造の方法または工程であって、活性成分を薬学的または生理的に許容される担体と混合する段階を含み、該活性成分が本発明の化合物である方法または工程も提供する。
【0066】
用量および投与法は、患者の体重、年齢および症状に応じて変動するが;しかし、当業者であればそれらを適切に選択することができる。
【0067】
例えば、本発明の化合物の、その活性を調節する用量は症状に依存するが、健常成人(体重60kg)に経口投与する場合、用量は一般には1日あたり約0.1mgから約100mg、好ましくは1日あたり約1.0mgから約50mg、より好ましくは1日あたり約1.0mgから約20mgである。
【0068】
化合物を注射剤の形で健常成人(体重60kg)に非経口投与する場合、患者、標的器官、症状および投与法によっていくらかの差があるが、1日あたり約0.01mgから約30mg、好ましくは1日あたり約0.1から約20mg、およびより好ましくは1日あたり約0.1から約10mgの用量を静脈内注射することが好都合である。他の動物の場合、適当な投与量は、60kgの体重に変換することによって常法により計算してもよい。
【実施例】
【0069】
以下の実施例は、その範囲を限定することなく、本発明をさらに例示することを意図する。
【0070】
実施例1
段階1:4−メトキシ−3−(チオフェン−2−カルボキシミドアミド)安息香酸メチルの合成
【化5】

p−トルエンスルホン酸一水和物(42g、110mmol)を摂氏120度で加熱し、固体が完全に融解したら、これを高減圧下に1時間置いて水を除去した。減圧を解除し、アニリン(20g、55mmol)および2−チオフェンカルボニトリル(24g、110mmol)を加え、反応混合物を摂氏160度で4時間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、続いて飽和NaHCO水溶液(250mL)および酢酸エチル(250mL)を加えた。層を分離し、水層を酢酸エチル(100mL)で抽出し、合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濾過し、濃縮した。粗残渣をカラムクロマトグラフィで精製して、16gの粗アミジン中間体を得た。粗中間体を酢酸エチル(350mL)に溶解し、HCl(ジエチルエーテル中2.0M、55mL、110mmol)を加えた。得られた沈殿物を濾過して、所望の生成物(16g、収率42%)をオフホワイト固体で得た:ESI MS m/z 291 [C14H14N3O2S + H]+
【0071】
段階2:7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化6】

メタノール(100mL)中の段階1からの生成物(16g、49mmol)の溶液に、5%NaOCl水溶液(75mL、55mmol)を加え、反応混合物を室温で2時間撹拌した。次に、飽和NaHCO水溶液(150mL)およびメタノール(150mL)を加え、得られた反応混合物を摂氏60度で2日間加熱した。反応混合物を室温まで冷却し、濃縮してメタノールを除去した。反応混合物を6N HClを用いてpH4まで酸性化し、得られた沈殿物を濾過し、乾燥して、所望の生成物(8g、収率57%)を褐色固体で得た:

【0072】
段階3:7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化7】

エタノール(30mL)および水(15mL)中の段階2からの生成物(4.2g、14mmol)の溶液に、6N NaOH(55mL)を加え、反応混合物を摂氏90度で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、濃縮乾燥した。粗残渣を水(30mL)に溶解し、6N HClを用いてpH4まで酸性化した。得られた沈殿物を濾過し、乾燥して、所望の生成物(2.2g、収率58%)を褐色固体で得た:

【0073】
段階4:7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化8】

ジクロロエタン(100mL)中の段階3からの生成物(2.5g、9.1mmol)の溶液に、BBr(23g、91mmol)を加え、反応混合物を摂氏90度で2日間加熱した。反応混合物を冷却し、氷上に注いだ。得られた固体を濾過し、所望の生成物(0.45g、収率19%)を褐色固体で得た。濾液を6N HClを用いてpH4まで酸性化し、得られた沈殿物を濾過して、所望の生成物の第二バッチ(ALB 128328、1.6g、収率88%)を褐色固体で得た:

【0074】
実施例2
段階1:3−(シクロプロパンカルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩の合成
【化9】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸メチル(10g、55mmol)をシクロプロパンカルボニトリル(7.4g、110mmol)と反応させて、所望の生成物(16g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 249 [C13H16N2O3 + H]+
【0075】
段階2:2−シクロプロピル−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化10】

実施例1の段階2について概略を示した手順に従い、3−(シクロプロパンカルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩(15g、50mmol)をNaOCl水溶液と、続いて飽和NaHCO水溶液と反応させて、所望の生成物(12g、粗製)を褐色固体で得た:ESI MS m/z 247 [C13H14N2O3 + H]+
【0076】
段階3:2−シクロプロピル−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化11】

実施例1の段階3について概略を示した手順に従い、2−シクロプロピル−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチル(2.0g、8.0mmol)を水酸化ナトリウムと反応させて、所望の生成物(1.7g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 233 [C12H12N2O3 + H]+
【0077】
段階4:2−シクロプロピル−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化12】

実施例1の段階4について概略を示した手順に従い、2−シクロプロピル−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(1.5g、6.1mmol)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(1.2g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 219 [C11H10N2O3 + H]+
【0078】
実施例3
段階1:3−(シクロペンタンカルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩の合成
【化13】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸メチル(5.0g、27mmol)をシクロペンタンカルボニトリル(5.2g、55mmol)と反応させて、所望の生成物(7.7g、粗製)を褐色固体で得た:ESI MS m/z 277 [C15H20N2O3+ H]+
【0079】
段階2:2−シクロペンチル−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化14】

実施例1の段階2について概略を示した手順に従い、3−(シクロペンタンカルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩(5.6g、18mmol)をNaOCl水溶液と、続いて飽和NaHCO水溶液と反応させて、所望の生成物(4.9g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 275 [C15H18N2O3 + H]+
【0080】
段階3:2−シクロペンチル−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化15】

実施例1の段階4について概略を示した手順に従い、2−シクロペンチル−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチル(1.1g、4.0mmol)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(0.92g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 247 [C13H14N2O3 + H]+
【0081】
実施例4
段階1:3−ベンズイミドアミド−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩の合成
【化16】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸メチル(5.0g、27mmol)をベンゾニトリル(5.7g、55mmol)と反応させて、所望の生成物(7.8g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 285 [C16H16N2O3 + H]+
【0082】
段階2:7−メトキシ−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化17】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−ベンズイミドアミド−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩(2.0g、8.0mmol)をNaOCl水溶液と、続いて飽和NaHCO水溶液と反応させて、所望の生成物(1.7g、粗製)をオフホワイト固体で得た:ESI MS m/z 283 [C16H14N2O3 + H]+
【0083】
段階3:7−ヒドロキシ−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化18】

実施例1の段階4について概略を示した手順に従い、7−メトキシ−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチル(4.0g、12mmol)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(2.1g、粗製)を黒色固体で得た:ESI MS m/z 255 [C14H10N2O3 + H]+
【0084】
一般手順A − スキーム(1)に記載の式(I−II)の化合物の合成:
THF(5〜10mL)中のヒドロキシ酸E(1.0当量)の溶液に、EDC(1.2当量)、HOBt(1.1当量)、およびアミン(1.2当量)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌するか、または摂氏50〜70度で16時間加熱した。反応混合物を酢酸エチル(50mL)で希釈し、水(25mL)で洗浄した。層を分離し、有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で精製した。いくつかの場合には、所望の生成物をトリフルオロ酢酸(2mL)に溶解し、室温で1時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、イオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物を得た。
【0085】
実施例5
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化19】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ4−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(21mg、収率27%)を淡黄褐色固体で得た:

【0086】
実施例6
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル−メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化20】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(12mg、収率15%)を淡灰色固体で得た:

【0087】
実施例7
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化21】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ2−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(13mg、収率17%)を淡灰色固体で得た:

【0088】
実施例8
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(1−メチルピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化22】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ1−メチルピペリジン−3−アミン(43mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(21mg、収率32%)を黄褐色固体で得た:

【0089】
実施例9
(S)−2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化23】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)を(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(75mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(28mg、収率37%)を黄褐色固体で得た:

【0090】
実施例10
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化24】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ4−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(75mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(27mg、2段階の全収率36%)を黄褐色固体で得た:

【0091】
実施例11
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化25】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(75mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(16mg、収率21%)を黄褐色固体で得た:

【0092】
実施例12
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピロリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化26】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)をラセミ3−アミノピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(70mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(19mg、収率27%)を黄褐色固体で得た:

【0093】
実施例13
N−(アゼチジン−3−イルメチル)−2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化27】

一般手順Aに従い、2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)を3−(アミノメチル)アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(70mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(22mg、収率31%)を黄褐色固体で得た:

【0094】
実施例14
2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミドの合成
【化28】

一般手順Aに従い、2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(62mg、0.25mmol)をラセミ2−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(33mg、収率39%)を褐色固体で得た:

【0095】
実施例15
2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化29】

一般手順Aに従い、2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(62mg、0.25mmol)をラセミ3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(35mg、収率41%)をオフホワイト固体で得た:

【0096】
実施例16
(S)−2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化30】

一般手順Aに従い、2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)を(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(75mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(22mg、収率27%)を褐色固体で得た:

【0097】
実施例17
(S)−4−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化31】

一般手順Aに従い、4−ヒドロキシ−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(55mg、0.25mmol)を(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(75mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(10mg、収率12%)を緑黄色固体で得た:

【0098】
実施例18
4−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化32】

一般手順Aに従い、4−ヒドロキシ−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(62mg、0.25mmol)をラセミ2−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(20mg、収率23%)を褐色固体で得た:

【0099】
実施例19
4−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド
【化33】

一般手順Aに従い、4−ヒドロキシ−2−フェニル−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(62mg、0.25mmol)を3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(81mg、0.38mmol)と反応させて、所望の生成物(20mg、収率23%)を褐色固体で得た:

【0100】
実施例20
7−ヒドロキシ−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化34】

DMF(10mL)中の4−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.15g、0.57mmol)の溶液に、HATU(0.26g、0.68mmol)、DIPEA(0.30mL、1.7mmol)、およびトランス−4−アミノシクロヘキサノール(0.13g、1.1mmol)を加えた。反応混合物を摂氏50度で16時間加熱した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で精製した。所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得、これをイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物(13mg、32%)をオフホワイト固体で得た:

【0101】
実施例21
(7−ヒドロキシ−2−[チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾ[d]イミダゾル−4−イル)(ピペラジン−1−イル)メタノン
【化35】

DMF(10mL)中の4−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.20g、0.76mmol)の溶液に、HATU(0.34g、0.92mmol)、DIPEA(0.39mL、2.3mmol)、およびピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.17g、0.92mmol)を加えた。反応混合物を摂氏50度で16時間加熱した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で精製した。中間体を二塩化メチレンに溶解し、エーテル中2N HClで処理し、反応混合物を室温で6時間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物(13mg、32%)をオフホワイト固体で得た:

【0102】
一般手順B − スキーム(1)に記載のアミドFの合成:
トルエン(5〜15mL)中の7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(1.0当量)の懸濁液に、塩化チオニル(4.0当量)を加えた。室温で16時間撹拌した後、反応混合物を摂氏70度で2時間加熱した。反応混合物を冷却し、濃縮し、残渣をTHF(10〜20mL)に懸濁し、続いてピリジン(2.0当量)および対応するアミン(2.0当量)を加え、反応混合物を摂氏70度で16時間加熱した。反応混合物を濃縮し、残渣を水(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層を飽和NaHCO水溶液(20mL)で洗浄し、濃縮し、フラッシュクロマトグラフィ(シリカ、0〜15%メタノール/ジクロロメタン)で精製して、アミドFを得た。ほとんどの場合に、これらの中間体を粗生成物として単離し、詳細な特徴づけまたはさらなる精製を行うことなく繰り越した。
【0103】
実施例22
3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化36】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.15g、0.44mmol)をラセミ3−アミノ−1−boc−ピペリジン(0.18g、0.88mmol)と反応させて、所望の生成物(0.13g)を褐色固体で得た:ESI MS m/z 443 [C23H28N4O4S + H]+
【0104】
実施例23
4−{2−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]エチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化37】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.16g、0.58mmol)を4−(2−アミノエチル)ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.27g、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(0.24g)を泡状物で得た:ESI MS m/z 486 [C24H31N5O4S + H]+
【0105】
実施例24
(R)−3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化38】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.13g、0.46mmol)を(R)−3−アミノ−1−boc−ピペリジン(0.18g、0.92mmol)と反応させて、所望の生成物(0.12g)を褐色固体で得た:ESI MS m/z 457 [C23H28N4O4S + H]+
【0106】
実施例25
(S)−3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化39】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.13g、0.46mmol)を(S)−3−アミノ−1−boc−ピペリジン(0.18g、0.92mmol)と反応させて、所望の生成物(0.13g)を褐色油状物で得た:ESI MS m/z 457 [C23H28N4O4S + H]+
【0107】
実施例26
3−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化40】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.17g、0.62mmol)をラセミ3−アミノメチル−1−boc−ピペリジン(0.26g、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(0.23g)を褐色油状物で得た:ESI MS m/z 471 [C24H30N4O4S + H]+
【0108】
実施例27
4−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化41】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.16g、0.58mmol)を4−アミノ−1−boc−ピペリジン(0.23g、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(0.20g)を褐色油状物で得た:ESI MS m/z 457 [C23H28N4O4S + H]+
【0109】
実施例28
7−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化42】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.16g、0.59mmol)をラセミ1−メチル−ピペリジン−3−アミン(0.14g、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(0.15g)を褐色ガラス状物質で得た:ESI MS m/z 371 [C19H22N4O2S + H]+
【0110】
実施例29
4−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化43】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.15g、0.56mmol)を4−アミノメチル−1−boc−ピペリジン(0.24g、1.1mmol)と反応させて、所望の生成物(0.16g)を褐色泡状物で得た:ESI MS m/z 471 [C24H30N4O4S + H]+
【0111】
実施例30
3−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化44】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.15g、0.56mmol)を1−boc−3(アミノメチル)アゼチジン(0.20g、1.1mmol)と反応させて、所望の生成物(0.17g)を褐色泡状物で得た:ESI MS m/z 443 [C22H26N4O4S + H]+
【0112】
実施例31
3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化45】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.15g、0.56mmol)を3−アミノ−1−Boc−ピロリジン(0.21g、1.1mmol)と反応させて、所望の生成物(0.20g)を褐色油状物で得た:ESI MS m/z 443 [C22H26N4O4S + H]+
【0113】
実施例32
2−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化46】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.16g、0.58mmol)をラセミ2−(アミノメチル)−1−N−boc−ピペリジン(0.25g、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(0.23g)を褐色泡状物で得た:ESI MS m/z 471 [C24H30N4O4S + H]+
【0114】
実施例33
3−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化47】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.16g、0.58mmol)を3−(アミノメチル)−1−N−Boc−ピロリジン(0.24g、1.2mmol)と反応させて、所望の生成物(0.19g)を褐色油状物で得た:ESI MS m/z 457 [C23H28N4O4S + H]+
【0115】
実施例34
4−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル
【化48】

一般手順Bに従い、4−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボン酸(0.15g、0.55mmol)を1−Boc−アミノ−1,4−シクロヘキシルジアミン(0.23g、1.1mmol)と反応させて、所望の生成物(92mg)を褐色油状物で得た:ESI MS m/z 471 [C24H30N4O4S + H]+
【0116】
一般手順C − スキーム(1)に記載の化合物の合成:
ジクロロエタン(10〜25mL)中のアミドF(1.0当量)の懸濁液に、三臭化ホウ素(6.0〜10当量)を加え、反応混合物を摂氏80度で16時間加熱した。反応混合物を氷上に注ぎ、得られた混合物を濃縮した。粗精製として、粗残渣をイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)した。粗生成物を調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)でさらに精製した。所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得、これをイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物を得た。
【0117】
実施例35
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化49】

一般手順Cに従い、3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.13g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(34mg、収率23%)を淡黄色固体で得た:

【0118】
実施例36
7−ヒドロキシ−N−[2−(ピペラジン−1−イル)エチル]−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化50】

一般手順Cに従い、4−{2−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]エチル}ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.24g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(70mg、収率32%)を白色固体で得た:

【0119】
実施例37
(R)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化51】

一般手順Cに従い、(R)−3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.12g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(25mg、収率16%)を淡黄色固体で得た:

【0120】
実施例38
(S)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化52】

一般手順Cに従い、(S)−3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.13g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(45mg、収率29%)を淡黄色固体で得た:

【0121】
実施例39
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化53】

一般手順Cに従い、3−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.23g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(90mg、収率41%)を淡褐色固体で得た:

【0122】
実施例40
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化54】

一般手順Cに従い、4−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.2g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(85mg、収率42%)を淡黄色固体で得た:

【0123】
実施例41
7−ヒドロキシ−N−(1−メチルピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化55】

一般手順Cに従い、7−メトキシ−N−(1−メチルピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド(0.15g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(75mg、収率36%)を淡黄色固体で得た:

【0124】
実施例42
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化56】

一般手順Cに従い、4−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.16g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(700mg、収率35%)を黄色固体で得た:

【0125】
実施例43
N−(アゼチジン−3−イルメチル)−7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化57】

一般手順Cに従い、3−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}アゼチジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.17g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(43mg、収率24%)を淡黄色固体で得た:

【0126】
実施例44
7−ヒドロキシ−N−(ピロリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化58】

一般手順Cに従い、3−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.20g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(0.12g、収率63%)を淡褐色固体で得た:

【0127】
実施例45
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化59】

一般手順Cに従い、2−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.23g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(90mg、収率44%)を黄色固体で得た:

【0128】
実施例46
7−ヒドロキシ−N−(ピロリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化60】

一般手順Cに従い、3−{[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピロリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.19g)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(79mg、収率39%)を淡黄色固体で得た:

【0129】
実施例47
N−(4−アミノシクロヘキシル)−7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化61】

一般手順Cに従い、4−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル(92mg)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(21mg、2段階で収率10%)を淡黄色固体で得た:

【0130】
実施例48
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化62】

一般手順Cに従い、3−((2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)メチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(330mg、粗製)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(71mg、収率45%)を淡黄色固体で得た:

【0131】
実施例49
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化63】

一般手順Cに従い、3−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(210mg、粗製)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(72mg、収率43%)を淡黄色固体で得た:

【0132】
一般手順D − スキーム(1)に記載の式(I−II)の化合物の合成:
DMF(5〜10mL)中の酸(1.0当量)の溶液に、HATU(1.2〜1.5当量)、DIPEA(3.0〜5.0当量)、およびアミン(1.5〜2.0当量)を加え、反応混合物を室温で16時間撹拌するか、または摂氏50〜70度で16時間加熱した。反応混合物を飽和NaHCO水溶液(20mL)で希釈し、酢酸エチル(3×20mL)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、濃縮し、調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で精製した。所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得、これをイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物を得た。いくつかの場合には、所望の生成物をTFA(1〜2mL)で1時間処理し、濃縮し、調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で精製した。所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得、これをイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物を得た。
【0133】
実施例50
(S)−3−(2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化64】

一般手順Dに従い、2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(90mg、0.27mmol)を(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(106mg、0.53mmol)と反応させて、所望の生成物(48mg、収率35%)を黄褐色固体で得た:

【0134】
実施例51
(S)−2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化65】

CHCl(1mL)およびTFA(1mL)中の(S)−3−(2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(35mg、0.067mmol)の溶液を室温で1時間撹拌した。反応混合物を調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で濃縮、精製した。所望の生成物をトリフルオロ酢酸塩として得、これをイオン交換カラムを通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物(20mg、72%)を黄色固体で得た:

【0135】
実施例52
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−((S)−ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化66】

一般手順Cに従い、(3S)−3−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(230mg、粗製)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(103mg、2段階で52%)を淡褐色固体で得た:

【0136】
実施例53
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(アダマンタン−3−イルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化67】

一般手順Cに従い、3−{[2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}アダマンタン−1−カルボン酸tert−ブチル(140mg、粗製)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(57mg、2段階で31%)を淡黄色固体で得た:

【0137】
実施例54
2−(チオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(アダマンテート−3−イルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化68】

一般手順Cに従い、3−((2−チオフェン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)メチル)アダマンタン−1−カルボン酸tert−ブチル(110mg)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(62mg、2段階で28%)を淡黄色固体で得た:

【0138】
実施例55
N−(3−アミノシクロヘキシル)−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化69】

一般手順Cに従い、3−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル(120mg、粗製)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(66mg、収率40%)を淡黄色固体で得た:

【0139】
実施例56
N−{[(シス)−4−アミノシクロヘキシル]メチル}−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化70】

一般手順Cに従い、(シス)−4−{[2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル(220mg、粗製)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(64mg、2段階で53%)を淡黄色固体で得た:

【0140】
実施例57
(S)−7−ヒドロキシ−2−(5−(ピペラジン−1−イル)チオフェン−2−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化71】

2−(ジメチルアミノ)エタノール(2mL)中の(S)−3−(2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.12g、0.24mmol)、ピペラジン−1−カルボン酸tert−ブチル(110mg、0.60mmol)、CuI(5.7mg、0.030mmol)、Cu(2.0mg、0.030mmol)、KPOO(160mg、0.72mmol)の混合物を摂氏75度で18時間撹拌した。反応混合物を冷却し、濃縮し、CHOH(3mL)に溶解し、濾過した。濾液を調製用HPLC(C18シリカ、10〜90%アセトニトリル/水+0.05%TFA)で精製した。所望の分画を合わせて、濃縮し、残渣をCHCl(2mL)およびTFA(1mL)に溶解し、室温で30分間撹拌した。反応混合物を濃縮し、残渣をイオン交換カラム(SCX−2)を通して溶出(メタノールおよびアンモニア中7Nメタノールを用いて)して、所望の生成物(7mg、収率14%)を黄色固体で得た:

【0141】
実施例58
(R)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化72】

一般手順Dに従い、2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(0.13mg、0.47mmol)を(S)−3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(200mg、0.93mmol)と反応させ、中間体をTFAで処理して、所望の生成物(15mg、収率31%)を黄色固体で得た:

【0142】
実施例59
(S)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化73】

一般手順Dに従い、2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(0.17mg、0.62mmol)を(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(250mg、1.3mmol)と反応させ、中間体をTFAで処理して、所望の生成物(25mg、収率68%)を黄色固体で得た:

【0143】
実施例60
(S)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド
【化74】

一般手順Dに従い、2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(0.13mg、0.47mmol)を(R)−3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(200mg、0.93mmol)と反応させ、中間体をTFAで処理して、所望の生成物(12mg、収率28%)を黄色固体で得た:

【0144】
実施例61
段階1:3−(5−ブロモチオフェン−2−カルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩の合成
【化75】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸メチル(1.5g、7.9mmol)を5−ブロモチオフェン−2−カルボニトリル(3.0g、16mmol)と反応させて、所望の生成物(1.6g、収率54%)を暗褐色固体で得た:ESI MS m/z 368 [C14H13BrN2O3S + H]+
【0145】
段階2:2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化76】

実施例1の段階2について概略を示した手順に従い、3−(5−ブロモチオフェン−2−カルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル塩酸塩(1.7g、4.2mmol)を5%NaOCl水溶液および飽和NaHCO水溶液と反応させて、所望の生成物(0.45g、収率30%)を褐色固体で得た:ESI MS m/z 369 [C14H11BrN2O3S + H]+
【0146】
段階3:2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化77】

実施例1の段階4について概略を示した手順に従い、2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチル(0.40g、1.1mmol)を三臭化ホウ素(1.5g、6.6mmol)と反応させて、所望の生成物(0.34g、収率92%)を淡褐色固体で得た:ESI MS m/z 340 [C12H7BrN2O3S + H]+
【0147】
実施例62
段階1:4−メトキシ−3−(2−(チオフェン−2−イル)アセチミドアミド)安息香酸メチル塩酸塩の合成
【化78】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸メチル(2.2g、12mmol)を2−(チオフェン−2−イル)アセトニトリル(3.0g、24mmol)と反応させて、所望の生成物(3.2g、収率78%)を黄褐色固体で得た:ESI MS m/z 305 [C15H16N2O3S + H]+
【0148】
段階2:7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化79】

実施例1の段階2について概略を示した手順に従い、4−メトキシ−3−(2−(チオフェン−2−イル)アセチミドアミド)安息香酸メチル塩酸塩(3.1g、10mmol)を5%NaOCl水溶液および飽和NaHCO水溶液と反応させて、所望の生成物(1.1g、収率30%)を褐色固体で得た:ESI MS m/z 303 [C15H14N2O3S + H]+
【0149】
段階3:7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化80】

実施例1の段階4について概略を示した手順に従い、7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチル(0.91g、3.0mmol)を三臭化ホウ素(4.5g、18mmol)と反応させて、所望の生成物(0.63g、収率73%)を淡褐色固体で得た:ESI MS m/z 275 [C13H10N2O3S + H]+
【0150】
実施例63
段階1:3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチルの合成
【化81】

実施例1の段階1について概略を示した手順に従い、3−アミノ−4−メトキシ安息香酸メチル(7.5g、41mmol)を2−ノルボルナンカルボニトリル(10g、82mmol)と反応させて、生成物(11g、90%)を白色固体で得た:

【0151】
段階2:2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチルの合成
【化82】

実施例1の段階2について概略を示した手順に従い、3−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−カルボキシミドアミド)−4−メトキシ安息香酸メチル(11g、37mmol)をNaOCl(33mL、10〜13%、44mmol)と反応させ、クロマトグラフィ(ヘキサン/酢酸エチル)にかけて、生成物(3.9g、36%)を泡状物で得た:

【0152】
段階3:2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸の合成
【化83】

実施例1の段階3について概略を示した手順に従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸メチル(3.9g、13mmol)を水酸化ナトリウム(30mL、3M)と反応させて、粗生成物(3.6g)を白色固体で得た:ESI MS m/z 287 [C16H18N2O3 + H]+
【0153】
実施例64
3−{[2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]メチル}ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化84】

一般手順Dに従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(125mg、0.43mmol)を3−(アミノメチル)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(138mg、0.65mmol)と反応させて、所望の生成物(338mg、粗製)を油状物で得た:ESI MS m/z 483 [C27H38N4O4 + H]+
【0154】
実施例65
3−((2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)メチル)アダマンタン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化85】

一般手順Dに従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(125mg、0.43mmol)を3−アミノアダマンタンカルボン酸tert−ブチル(176mg、0.65mmol)と反応させて、所望の生成物(145mg、粗製)を油状物で得た:ESI MS m/z 535 [C31H42N4O4 + H]+
【0155】
実施例66
(3S)−3−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化86】

一般手順Dに従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(150mg、0.54mmol)を(S)−3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(160mg、0.81mmol)と反応させて、所望の生成物(237mg、粗製)を油状物で得た:ESI MS m/z 467 [C26H36N4O4 + H]+
【0156】
実施例67
(シス)−4−((2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)メチル)シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル
【化87】

一般手順Dに従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(90mg、0.31mmol)を(1s,4s)−4−(アミノメチル)シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル(71mg、0.31mmol)と反応させて、所望の生成物(237mg、粗製)を油状物で得た:ESI MS m/z 497 [C28H40N4O4 + H]+
【0157】
実施例68
3−((2−チオフェン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)メチル)アダマンタン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化88】

一般手順Bに従い、7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(0.15g、0.55mmol)を3−アミノアダマンタンカルボン酸tert−ブチル(0.22g、0.82mmol)と反応させて、所望の生成物(118mg、粗製)を白色固体で得た:ESI MS m/z 523 [C28H34N4O4S + H]+
【0158】
実施例69
3−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル
【化89】

一般手順Bに従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(150mg、0.55mmol)を3−アミノピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル(0.22g、1.1mmol)と反応させて、所望の生成物(219mg、粗製)を泡状物で得た:ESI MS m/z 469 [C26H36N4O4 + H]+
【0159】
実施例70
3−(2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)シクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル
【化90】

一般手順Bに従い、2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−メトキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(150mg、0.55mmol)を3−アミノシクロヘキシルカルバミン酸tert−ブチル(0.24g、1.1mmol)と反応させて、所望の生成物(126mg、粗製)をガラス状物質で得た:ESI MS m/z 483 [C27H38N4O4 + H]+
【0160】
実施例71
4−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]シクロヘキサンカルボン酸
【化91】

一般手順Bに従い、7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボン酸(140mg、0.52mmol)を4−アミノシクロヘキサンカルボン酸(150mg、1.0mmol)と反応させて、所望の生成物(53mg)を黄色固体で得た:ESI MS m/z 400 [C20H21N3O4S + H]+
【0161】
実施例72
4−[7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]シクロヘキサンカルボン酸
【化92】

一般手順Cに従い、4−[7−メトキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]シクロヘキサンカルボン酸(53mg)を三臭化ホウ素と反応させて、所望の生成物(18mg、収率35%)を淡緑色固体で得た:

【0162】
実施例73
キナーゼアッセイ
GSK−3ベータの活性を化合物存在下または非存在下で、Z’−LYTEキナーゼアッセイ(Rodems SM, et al., Assay Drug Dev Technol. 1: 9-19, 2002.)キットおよびSER/THR 9ペプチド(Invitrogen)を用いて製造業者の使用説明書に従い測定した。Z’−LYTEキナーゼアッセイキットは、基質ペプチドの各末端に連結した2つの蛍光体、クマリンとフルオレセインとの間の蛍光共鳴エネルギー転移(FRET)を用いる。
【0163】
試験化合物をDMSOに12.5mMで溶解し、次いで検定試料中のDMSO濃度が1%となるよう段階希釈した。段階希釈した化合物、0.04ng/μl GSK−3ベータ(Invitrogen)および2μM SER/THR 9ペプチドを反応緩衝液(50mM HEPES pH7.5、0.01% Brij−35、10mM MgCl、1mM EGTA、15μM ATP)中で反応させた。0%リン酸化対照のために、ATPを反応混合物から除いた。100%リン酸化対照のために、SER/THR 9リンペプチドをSER/THR 9ペプチドの代わりに用いた。室温で1時間インキュベートした後、検定量の半量の展開溶液を加えて反応を停止し、室温でさらに1時間インキュベートした。検定量の半量の停止試薬を加えた後、クマリンおよびフルオレセインの発光シグナルをWallac EnVision 2103マルチラベルリーダー(PerkinElmer)で測定した。リン酸化の程度を以下の式を用いて0%および100%リン酸化対照試料に基づき求めた:
[式1]

IC50値をSigmaPlot、バージョン10.0(Systat Software, Inc.)を用いて非線形4パラメーターフィットにより計算した。
【0164】
本発明の化合物のIC50値を以下の表2に示す。
【0165】
【表2】



【0166】
産業上の適用性
本発明は、GSK−3ベータ阻害効果を有する新規7−ヒドロキシ−ベンゾイミダゾール−4−イル−メタノン誘導体化合物を提供する。本発明の化合物は、GSK−3ベータ依存性疾患を患っている患者においてGSK−3ベータの活性を阻害するための薬学的組成物用に用いてもよい。そのような薬学的組成物は、アルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛および2型糖尿病を治療または予防するのに適している。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)で表される少なくとも1つの化合物、またはその塩、水和物、溶媒和物、もしくは異性体を含む、GSK−3ベータ阻害剤:
【化1】

式中
Xはフェニル、チオフェン−2−イル、フラン−2−イル、シクロプロピル、シクロペンチル、フェニル−C−Cアルキル、チオフェン−2−イル−C−Cアルキル、フラン−2−イル−C−Cアルキル、シクロプロピル−C−Cアルキル、シクロペンチル−C−Cアルキル、またはビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イルであり、ここで各基は、A群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基で置換されていてもよく;
Lは−NH−、または単結合であり;
Mは、A群からそれぞれ独立に選択される1〜3つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、C−Cシクロアルキル、または3〜8員飽和複素環基であり;
ここでA群はヒドロキシル、オキソ、ニトロ、シアノ、アミノ、C−Cアルキルアミノ、C−C10シクロアルキルアミノ、アミド、ハロゲン、スルファモイル、トリフルオロメチル、p−トルエンスルホニルアミノ、C−Cアルキル、C−Cシクロアルキル、C−Cアルコキシ、C−Cアルコキシカルボニル、C−Cアルキルカルボニルアミノ、C−Cアルキルスルホニル、C−Cアルキルスルホニルアミノ、C−Cアルケニル、C−Cアルキニル、ホスホリル、カルボニル、カルボキシル、および3〜8員飽和複素環基からなる群より選択され;かつ
aは0〜5の整数である。
【請求項2】
Mが、A群からそれぞれ独立に選択される1つまたは2つの置換基でそれぞれ置換されていてもよい、ピペリジン−4−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−2−イル、ピペラジン−1−イル、ピロリジン−3−イル、アゼチジン−3−イル、シクロヘキシル、またはアダマンタン−3−イルである、請求項1記載のGSK−3ベータ阻害剤。
【請求項3】
Xがチオフェン−2−イルである、請求項1または2記載のGSK−3ベータ阻害剤。
【請求項4】
Xがフェニルである、請求項1または2記載のGSK−3ベータ阻害剤。
【請求項5】
Xがシクロプロピルである、請求項1または2記載のGSK−3ベータ阻害剤。
【請求項6】
Xがシクロペンチルである、請求項1または2記載のGSK−3ベータ阻害剤。
【請求項7】
Xが二環[2.2.1]ヘプタン−2−イルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項8】
Xが5−ブロモチオフェン−2−イルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項9】
Xが5−(ピペラジン−1−イル)チオフェン−2−イルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項10】
Xがチオフェン−2−イルメチルである、請求項1または2記載の化合物。
【請求項11】
下記からなる群より選択される、請求項1記載のGSK−3ベータ阻害剤:
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル−メチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(1−メチルピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
(S)−2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−N−(ピロリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
N−(アゼチジン−3−イルメチル)−2−シクロプロピル−4−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
(S)−2−シクロペンチル−4−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
(S)−4−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
4−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
4−ヒドロキシ−2−フェニル−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−7−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(4−ヒドロキシシクロヘキシル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(7−ヒドロキシ−2−[チオフェン−2−イル]−1H−ベンゾ[d]イミダゾル−4−イル)(ピペラジン−1−イル)メタノン、
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−[2−(ピペラジン−1−イル)エチル]−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(S)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(1−メチルピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−4−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
N−(アゼチジン−3−イルメチル)−7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(ピロリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−2−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
7−ヒドロキシ−N−(ピロリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
N−(4−アミノシクロヘキシル)−7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(S)−3−(2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)ピペリジン−1−カルボン酸tert−ブチル、
(S)−2−(5−ブロモチオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−((S)−ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(アダマンタン−3−イルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
2−(チオフェン−2−イル)−7−ヒドロキシ−N−(アダマンテート−3−イルアミノ)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド)、
N−(3−アミノシクロヘキシル)−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
N−{[(シス)−4−アミノシクロヘキシル]メチル}−2−(ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−2−イル)−7−ヒドロキシ−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(S)−7−ヒドロキシ−2−(5−(ピペラジン−1−イル)チオフェン−2−イル)−N−(ピペリジン−3−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(R)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(S)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イル)−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、
(S)−7−ヒドロキシ−N−(ピペリジン−3−イルメチル)−2−(チオフェン−2−イルメチル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド、および
4−[7−ヒドロキシ−2−(チオフェン−2−イル)−1H−ベンゾ[d]イミダゾール−4−カルボキサミド]シクロヘキサンカルボン酸。
【請求項12】
GSK−3ベータ依存性疾患を予防または治療するために利用可能である、少なくとも1つの化合物および薬学的に許容される担体を含む薬学的組成物であって、前記化合物が請求項1から11のいずれか一項記載のGSK−3ベータ阻害剤である、薬学的組成物。
【請求項13】
GSK−3ベータ依存性疾患がアルツハイマー病、躁病、うつ病、片頭痛および2型糖尿病からなる群より選択される、請求項13記載の薬学的組成物。
【請求項14】
請求項1から11のいずれか一項記載のGSK−3ベータ阻害剤から選択される1つの化合物の有効量を対象に投与する段階を含む、対象におけるGSK−3ベータ依存性疾患を治療または予防する方法。
【請求項15】
GSK−3ベータ依存性疾患を治療または予防するための薬学的組成物の製造における、請求項1から11のいずれか一項記載のGSK−3ベータ阻害剤の使用。

【公表番号】特表2012−509249(P2012−509249A)
【公表日】平成24年4月19日(2012.4.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−522179(P2011−522179)
【出願日】平成21年9月29日(2009.9.29)
【国際出願番号】PCT/JP2009/004975
【国際公開番号】WO2010/058512
【国際公開日】平成22年5月27日(2010.5.27)
【出願人】(502240113)オンコセラピー・サイエンス株式会社 (142)
【Fターム(参考)】