説明

7−置換テトラサイクリン化合物

【課題】細菌感染症および新生物のような多数のテトラサイクリン化合物反応状態を治療するためと共に、テトラサイクリンの流出の阻害および遺伝子発現の調節のような一般的にミノサイクリンおよびテトラサイクリン化合物に関するその他の既知の適応に用いることができる7−置換テトラサイクリン化合物を提供する。
【解決手段】例えば、下記式に代表される7−置換テトラサイクリン化合物

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本出願は、2001年3月13日に提出された「7-置換テトラサイクリン化合物」と題する米国特許出願番号第60/275,576号、および2000年7月7日に提出された「7-置換サンサイクリン化合物」と題する米国特許出願番号第60/216,760号に対する優先権を主張する;これらの出願のそれぞれの全ての内容は参照として本明細書に組み入れられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
テトラサイクリン系抗生物質の開発は、世界の多くの地域から収集した土壌標本を、殺菌および/または静菌組成物を産生することができる微生物の有無に関して系統的にスクリーニングした直接の産物であった。これらの新規化合物の最初のものは、1948年にクロルテトラサイクリンの名前で紹介された。2年後、オキシテトラサイクリンが利用できるようになった。これらの化合物の化学構造の解明によって、それらが類似であることが確認され、1952年にこのグループの第三のメンバー、すなわちテトラサイクリンが産生される分析的基礎となった。初期のテトラサイクリンには存在した環結合メチル基が存在しない新しいファミリーのテトラサイクリン化合物は、1957年に調製され、1967年に販売されるようになり、1972年にはミノサイクリンが用いられるようになった。
【0003】
最近、多様な治療条件および投与経路で有効な新規テトラサイクリン抗生物質組成物を開発するために研究努力が集中して行われている。最初に導入されたテトラサイクリン化合物と同等またはそれより有効であることが証明される可能性がある新規テトラサイクリン誘導体も同様に研究されている。例として、米国特許第2,980,584号(特許文献1);第2,990,331号(特許文献2);第3,062,717号(特許文献3);第3,165,531号(特許文献4);第3,454,697号(特許文献5);第3,557,280号(特許文献6):第3,674,859号(特許文献7);第3,957,980号(特許文献8);第4,018,889号(特許文献9);第4,024,272号(特許文献10);および第4,126,680号(特許文献11)が含まれる。これらの特許は、薬学的に活性なテトラサイクリンおよびテトラサイクリン誘導体組成物の範囲の代表的なものである。
【0004】
歴史的に、その最初の開発および導入後まもなく、テトラサイクリンは、リケッチア:多くのグラム陽性菌およびグラム陰性菌;ならびに鼠径リンパ肉芽腫、封入体性結膜炎およびオウム病の起因菌に対して薬理学的に非常に有効であることが判明した。したがって、テトラサイクリンは、「広域スペクトル」抗生物質として知られるようになった。その後、そのインビトロ抗菌活性、実験的感染症における有効性および薬理学的特性が確立されて、テトラサイクリンは一つのクラスとして、治療目的に広く用いられるようになった。しかし、主要なおよび少数の病気および疾患にテトラサイクリンをこのように幅広く使用したことから、共生および病原性の双方(例えば、肺炎球菌(pneumococci)とサルモネラ)の非常に感受性の高い細菌種においてもこれらの抗生物質に対する耐性が直ちに出現した。テトラサイクリン耐性菌の出現によって、選択される抗生物質としてのテトラサイクリンとテトラサイクリン類似体組成物の使用は全般的に減少した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,980,584号
【特許文献2】米国特許第2,990,331号
【特許文献3】米国特許第3,062,717号
【特許文献4】米国特許第3,165,531号
【特許文献5】米国特許第3,454,697号
【特許文献6】米国特許第3,557,280号
【特許文献7】米国特許第3,674,859号
【特許文献8】米国特許第3,957,980号
【特許文献9】米国特許第4,018,889号
【特許文献10】米国特許第4,024,272号
【特許文献11】米国特許第4,126,680号
【発明の概要】
【0006】
発明の概要
本発明は、少なくとも部分的に、式Iの7-置換テトラサイクリン化合物、ならびにその薬学的に許容される塩に関する:
【化69】

式中、
XはCHC(R13Y'Y)、CR6'R6、C=CR6'R6、S、NR6、またはOである;
R2、R2'、R4'およびR4"はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、ヘテロ芳香族、またはプロドラッグ部分である;
R4はNR4'R4"、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素である;
R2'、R3、R10、R11およびR12はそれぞれ水素またはプロドラッグ部分である;
R5はヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、ヘテロ芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシである;
R6およびR6'はそれぞれ独立して、水素、メチレン、存在しない、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;
R7は水素、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、複素環、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アミド、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0-3NR7cC(=W')WR7aである;
R9は、水素、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アミド、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(例えば、-N=S)または-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aである;
ZはCR9dR9e、S、NR9bまたはOである;
Z'はO、S、またはNR9fである;
WはCR7dR7e、S、NR7b、またはOである;
W'はO、NR7fSである;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分である;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;ならびに
Y'およびYはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
【0007】
本発明はまた、以下の式の7-置換サンサイクリン化合物ならびにその薬学的に許容される塩にも関する:
【化70】

式中、
R4およびR4"はそれぞれアルキルである;
R7は式
【化71】

の融合環部分であり、式中QはC、またはヘテロ原子;アシルフラニル基;トリ、テトラ、もしくはペンタ-ハロ置換フェニル基;アミノメチルフェニル基;アシルアミノメチル基;アルキルエステルフェニル基;アシルフェニル基;アシルアルキニル基;アシルアルコキシフェニル基;メチルフェニル基;ジメチルフェニル基;カルボキシフェニル基;カルボキシアルキニル基;チオフェン基;ハロチオフェン基;アルコキシカルボニルフェニル基;アルコキシフェニル基;アルコキシフェニルアルキニル基;アルコキシピリジル基;アルキレンピリジン基;シクロペンチルもしくはシクロペンテニル基;シクロヘキシルアルキニル基;シクロヘキセニルアルキニル基;シクロヘキセニルハロアルケニル基;ヒドロキシシクロヘキシルアルキニル基;フェニルアルキニル基;フェニルアルケニル基;アミノアルキニル基;シクロブチルアルケニル基;ピリジルアルキニル基;ピリジルアルケニル基;ニトロフェニルアルキニル基;ニトロフェニルアルケニル基;シアノアルキニル基;アルキニル基;シアノアルケニル基;シアノフェニル基;ジアルキルアミドアルケニル基;ジアルキルアミドフェニル基;アミノフェニルエチル基;アミノフェニルエチニル基;ハロエテニル基;ハロフェニルアルキニル基;またはアルキルエステル置換ペンテニル基である。
【0008】
本発明はまた、本発明の7-置換テトラサイクリン化合物(例えば、式IまたはIIの化合物)を、テトラサイクリン反応状態が治療されるように対象に投与することによって、対象におけるテトラサイクリン反応状態を治療する方法にも関する。
【0009】
本発明にはまた、本発明の7-置換テトラサイクリン化合物の有効量と選択的に薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物が含まれる。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の詳細な説明:
本発明は少なくとも部分的に、新規7-置換テトラサイクリン化合物に関する。これらのテトラサイクリン化合物は、細菌感染症および新生物(neoplasm)のみならず、一般的にテトラサイクリンの流出を阻害して遺伝子発現を調節するようなミノサイクリンおよびテトラサイクリン化合物一般に対する他の既知の適応のような、多数のテトラサイクリン化合物反応状態を治療するために用いることができる。
【0011】
「テトラサイクリン化合物」という用語には、テトラサイクリンと類似の環構造を有する多くの化合物が含まれる。テトラサイクリン化合物の例として:テトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、オキシテトラサイクリン、デメクロサイクリン、メタサイクリン、サンサイクリン、ドキシサイクリンおよびミノサイクリンが含まれる。類似の四つの環構造を含む他の誘導体および類似体も同様に含まれる。表1はテトラサイクリンといくつかの既知のテトラサイクリン誘導体を示す。
【0012】
【表1】

【0013】
「7-置換テトラサイクリン化合物」という用語には、7位で置換を有するテトラサイクリン化合物が含まれる。一つの態様において、7位での置換は、テトラサイクリン化合物がその意図される機能を行う、例えばテトラサイクリン反応状態を治療する能力を増強する。一つの態様において、7-置換テトラサイクリン化合物は、7-置換テトラサイクリン(例えば、式中、R4がNR4'R4"、R4'およびR4"がメチル、R5が水素、そしてXがCR6R6'、式中R6はメチルであってR6'はヒドロキシである);7-置換ドキシサイクリン(例えば、R4がNR4'R4"、R4'およびR4"がメチル、R5がヒドロキシル、そしてXがCR6R6'、式中R6はメチルであってR6'は水素である);7-置換テトラサイクリン化合物、式中XはCR6R6'、R4、R5、R6'およびR6は水素である;または7-置換サンサイクリン(式中R4がNR4'R4"、R4'およびR4"がメチル、R5が水素、そしてXがCR6R6'、式中R6およびR6'は水素原子である)である。
【0014】
本発明は、少なくとも部分的に、式Iの7-置換テトラサイクリン化合物ならびにその薬学的に許容される塩に関する:
【化72】

式中、
XはCHC(R13Y'Y)、CR6'R6、C=CR6'R6、S、NR6、またはOである;
R2、R2'、R4'およびR4"はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、ヘテロ芳香族、またはプロドラッグ部分である;
R4はNR4'R4"、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素である;
R2'、R3、R10、R11およびR12はそれぞれ水素またはプロドラッグ部分である;
R5はヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、ヘテロ芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシである;
R6およびR6'はそれぞれ独立して、水素、メチレン、存在しない、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、またはそれらをひとまとめにしたものである;
R7はニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アミド、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0-3NR7cC(=W')WR7aである;
R9は、水素、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アミド、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(例えば、-N=S)または-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aである;
ZはCR9dR9e、S、NR9bまたはOである;
Z'はO、S、またはNR9fである;
WはCR7dR7e、S、NR7b、またはOである;
W'はO、NR7fSである;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分である;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;ならびに
Y'およびYはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アミド、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。ある態様において、R7はニトロまたはアミノではない。
【0015】
一つの態様において、XはCR6R6';R2、R2'、R6、R6'、R8、R9、R10、R11、およびR12はそれぞれ水素である;R4はNR4'R4"である;R4'およびR4"は低級アルキル(例えば、メチル);ならびにR5がヒドロキシまたは水素である。
【0016】
一つの態様において、R7はアリールである。アリールR7基の例として、置換または非置換フェニルが含まれる。フェニルR7基は、テトラサイクリン化合物がその意図される機能を行うことができる如何なる置換基にも置換することができる。置換基の例として、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0017】
さらなる態様において、フェニルR7基は置換または非置換アルキルによって置換される。アルキルの置換基の例として、モルフォリン、ピペリジン、およびピロリジンのような複素環が含まれる。もう一つのさらなる態様において、フェニルR7基はアミノ基によって置換される。またアミノ基を、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボニル、アルコキシ、またはアリール(例えば、置換または非置換ヘテロアリール、フェニル等)基によってさらに置換してもよい。フェニルアミノ置換基は、その意図される機能を行うことができる如何なる置換基または置換基の組み合わせによって置換してもよい。そのような置換基の例として、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、アミノ(例えばアルキル、カルボニル、アルケニル、アルキニル、またはアリール部分によって置換することができる)、およびアリールアミノ(例えば、フェニルアミノ)が含まれる。
【0018】
R7フェニル基はまた、アルコキシ基によって置換してもよい。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペルフルオロメトキシ、ペルクロロメトキシ、メチレンジオキシ等が含まれるが、これらに限定されるものではない。フェニル基はまた、カルバメート部分(例えば、アルコキシカルボニルアミノ基)のようなアミド基によって置換してもよい。
【0019】
アリールR7基は、置換または非置換バイアリール、例えばナフチル、フルオレニル等であってもよい。バイアリールR7はその意図される機能を行うことができる如何なる置換基によっても置換することができる。置換基の例として、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0020】
一つの態様において、置換基はアミノまたはホルミルである。
【0021】
アリールR7基はまたヘテロアリールであってもよい。ヘテロアリールR7部分の例として、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフチリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。特定の態様において、ヘテロアリールR7基は、チアゾリル、チオフェニル、またはフラニルである。
【0022】
R7はまた、置換または非置換アルキルであってもよい。アルキル基は直鎖または分岐鎖(例えば、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル等)となりうる。アルキル基はまた、環、例えばシクロアルキル(例えば、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、またはシクロブチル)を含んでもよい。アルキルR7基は、化合物がその意図される機能を実行することができる如何なる置換基または置換基の組み合わせによって置換してもよい。置換基の例として、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールが含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0023】
特定の態様において、アルキル基はアミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボニル(例えば、置換カルボニル、例えばモルフォリニルカルボニル)、複素環またはアリール基によって置換する。複素環基の例として、例えば、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナプスリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルが含まれる。さらなる態様において、アリール基はピリジニルである。
【0024】
さらなる態様において、アラルキルR7基は、置換または非置換フェニルを含む。このフェニル基はまた、その意図される機能を行うことができる如何なる置換基によって置換してもよい。置換基の例として、スルホンアミド、アルキル、およびアルキルR7基に関して先に記載した他の置換基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0025】
R7はまた、置換または非置換アルケニルであってもよい。置換基の例として、化合物がその意図される機能を行うことができる置換基が含まれる。置換基の例として、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミド、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリール部分が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0026】
さらなる態様において、アルケニルR7基は、アミノカルボニル(例えば、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、ジメチルアミノカルボニル)またはアルコキシカルボニルによって置換される。アルケニルR7基はまた、一つまたは複数のハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、ヒドロキシ基、ヘテロアリール基(例えば、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフストジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、デアザプリニル等)によって置換してもよい。一つの態様において、ヘテロアリール置換基はチアゾリルである。
【0027】
さらなる態様において、アルケニルR7基は、置換または非置換フェニルによって置換される。フェニルは、その意図される機能を行うことができる如何なる置換基によっても置換することができる。置換基の例として、他のフェニル部分に関して先に記述した置換基が含まれる。その他の置換基の例として、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等)、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペルフルオロメチル、ペルクロロメチル等)、ヒドロキシ、またはアルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル等)基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0028】
R7基のもう一つの例として置換および非置換アルキニルが含まれる。アルキニル部分は、本発明のテトラサイクリン化合物がその意図される機能を行うことができる如何なる置換基または置換基の組み合わせによっても置換されうる。置換基の例として、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリール部分が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0029】
一つの態様において、アルキニルR7部分はアリール、例えば置換または非置換ヘテロアリール、フェニル等によって置換される。このアリール部分は、アルキニルR7部分に関して先に記述した如何なる置換基、または置換基の組み合わせによって置換してもよい。都合のよい置換基の例として、カルボニルアミノ(例えば、アルキルカルボニルアミノ、ジアルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ等)、およびスルホンアミド基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0030】
もう一つの態様において、アルキニルR7基は、テトラサイクリン部分によって置換される。「テトラサイクリン部分」という用語には、上記の四環テトラサイクリン系が含まれる。これは、原子1〜20個のリンカーによってアルキニルR7基に連結してもよい。リンカーは、都合のよい、または化合物がその意図される機能を行うことができるその環系上の如何なる位置でテトラサイクリン部分に結合してもよい。特定の態様において、テトラサイクリン部分は、その7位でリンカーに結合する。
【0031】
R7部分の他の例として、置換および非置換アルキルカルボニルアミノ、スルホンアミド、イミノおよびカルボニル部分が含まれる。カルボニル部分は、置換または非置換アルキル基によって置換してもよい。アルキル基に関して考えられる置換基の例として、フェニルおよびヘテロアリールのようなアリール部分(例えば、ピリジニル等)が含まれるが、これらに限定されるものではない。イミノ置換基の例として、ヒドロキシおよびアルコキシ基が含まれるが、これらに限定されるものではない。
【0032】
さらなる態様において、R7はNR7c(C=W')WR7aである。本発明のテトラサイクリン化合物の例として、R7cが水素、W'が酸素およびWが酸素である化合物が含まれる。特定の態様において、R7aは、置換または非置換フェニルである。置換基の例として、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールが含まれるが、これらに限定されるものではない。さらなる態様において、R7aは置換または非置換アルキルである。
【0033】
本発明はまた、以下の式の7-置換サンサイクリン化合物ならびにその薬学的に許容される塩にも関する:
【化73】

式中、
R4およびR4"はそれぞれアルキルである;ならびに
R7は式
【化74】

の融合環部分であり、式中QはC、またはヘテロ原子;アシルフラニル基;トリ、テトラ、またはペンタ-ハロ置換フェニル基;アミノメチルフェニル基;アシルアミノメチル基;アルキルエステルフェニル基;アシルフェニル基;アシルアルキニル基;アシルアルコキシフェニル基;メチルフェニル基;ジメチルフェニル基;カルボキシフェニル基;カルボキシアルキニル基;チオフェン基;ハロチオフェン基;アルコキシカルボニルフェニル基;アルコキシフェニル基;アルコキシフェニルアルキニル基;アルコキシピリジル基;アルキレンピリジン基;シクロペンチルもしくはシクロペンテニル基;シクロヘキシルアルキニル基;シクロヘキセニルアルキニル基;シクロヘキセニルハロアルケニル基;ヒドロキシシクロヘキシルアルキニル基;フェニルアルキニル基;フェニルアルケニル基;アミノアルキニル基;シクロブチルアルケニル基;ピリジルアルキニル基;ピリジルアルケニル基;ニトロフェニルアルキニル基;ニトロフェニルアルケニル基;シアノアルキニル基;アルキニル基;シアノアルケニル基;シアノフェニル基;ジアルキルアミドアルケニル基;ジアルキルアミドフェニル基;アミノフェニルエチル基;アミノフェニルエチニル基;ハロエテニル基;ハロフェニルアルキニル基;またはアルキルエステル置換ペンテニル基である。
【0034】
「7-置換サンサイクリン化合物」という用語には、式Iに記載するように7位で置換基を有するサンサイクリン化合物が含まれる。さらなる態様において、R4およびR4"はそれぞれメチルである。
【0035】
さらなる態様において、R7は式
【化75】

の融合環部分であり、式中QはCまたはヘテロ原子である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-ベンゾフラン)サンサイクリンが含まれる。
【0036】
さらにもう一つの態様において、R7はアシルフラニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-ホルミルフラニル)サンサイクリンが含まれる。
【0037】
さらにもう一つの態様において、R7はトリ、テトラ、またはペンタ-ハロ置換フェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0038】
さらにもう一つの態様において、R7はアミノメチルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-アミノメチルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0039】
さらにもう一つの態様において、R7はアシルアミノメチル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-ホルミルアミノメチルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0040】
さらにもう一つの態様において、R7はアルキルエステルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-カルボキシフェニルメチルエステル)サンサイクリンおよび7-(2-カルボキシフェニルエチルエステル)サンサイクリンが含まれる。
【0041】
さらにもう一つの態様において、R7はアルキルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-トリル)サンサイクリンが含まれる。
【0042】
さらにもう一つの態様において、R7はアシルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-ホルミルフェニル)サンサイクリン、7-(4-ホルミルフェニル)サンサイクリン、7-(3-アセチルフェニル)サンサイクリン、7-(2-アセチルフェニル)サンサイクリン、7-(3-アセチルフェニル)サンサイクリン、および7-(4-アセチルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0043】
さらにもう一つの態様において、R7はアシルアルコキシフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-ホルミル-6-メトキシフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0044】
さらにもう一つの態様において、R7はメチルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-メチルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0045】
さらにもう一つの態様において、R7はジメチルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3,5-ジメチルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0046】
さらにもう一つの態様において、R7はカルボキシフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-カルボキシフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0047】
さらにもう一つの態様において、R7はカルボキシアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(カルボキシエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0048】
さらにもう一つの態様において、R7はチオフェン基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-チオフェン)サンサイクリン、7-(3-メチル-2-チオフェン)サンサイクリン、および7-(3-メチル-5-チオフェン)サンサイクリンが含まれる。
【0049】
さらにもう一つの態様において、R7はハロチオフェン基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-クロロ-2-チオフェン)サンサイクリンおよび7-(4-クロロ-2-チオフェン)サンサイクリンが含まれる。
【0050】
さらにもう一つの態様において、R7はアルコキシカルボニルフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-エトキシカルボニルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0051】
さらにもう一つの態様において、R7はアルコキシフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-エトキシフェニル)サンサイクリン、7-(3-エトキシフェニル)サンサイクリン、7-(4-メトキシフェニル)サンサイクリン、および7-(2,5-ジメトキシフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0052】
さらにもう一つの態様において、R7はアルコキシフェニルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-メトキシフェニルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0053】
さらにもう一つの態様において、R7はアルコキシピリジル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-メトキシ-5-ピリジル)サンサイクリンが含まれる。
【0054】
さらにもう一つの態様において、R7はシクロペンチルまたはシクロペンテニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(シクロペンテニル)サンサイクリンが含まれる。
【0055】
さらにもう一つの態様において、R7はシクロヘキシルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(シクロヘキシルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0056】
さらにもう一つの態様において、R7はシクロヘキセニルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(1-エチニル-1-シクロヘキシル)サンサイクリンが含まれる。
【0057】
さらにもう一つの態様において、R7はシクロヘキセニルハロアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(1-クロロビニル-1-シクロヘキシル)サンサイクリンが含まれる。
【0058】
さらにもう一つの態様において、R7はヒドロキシシクロヘキシルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(1-エチニル-1-ヒドロキシシクロヘキシル)サンサイクリンが含まれる。
【0059】
さらにもう一つの態様において、R7はフェニルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(フェニルエチニル)サンサイクリン、7-(トリルエチニル)サンサイクリン、および7-(4-メトキシフェニルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0060】
さらにもう一つの態様において、R7はフェニルアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-ビニルピリジル)サンサイクリン、および7-(ビニルフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0061】
さらにもう一つの態様において、R7はアミノアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(ジメチルアミノエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0062】
さらにもう一つの態様において、R7はシクロブチルアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(シクロブチルメテニル)サンサイクリンが含まれる。
【0063】
さらにもう一つの態様において、R7はピリジルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-ピリジルエチニル)サンサイクリンおよび7-(3-ピリジルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0064】
さらにもう一つの態様において、R7はピリジルアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-ピリジルエテニル)サンサイクリンが含まれる。
【0065】
さらにもう一つの態様において、R7はニトロフェニルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-ニトロフェニルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0066】
さらにもう一つの態様において、R7はニトロフェニルアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-ニトロスチリル)サンサイクリンが含まれる。
【0067】
さらにもう一つの態様において、R7はアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(エチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0068】
さらにもう一つの態様において、R7はシアノアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(シアノ-1-ペンチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0069】
さらにもう一つの態様において、R7はシアノアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(シアノヘキセニル)サンサイクリンが含まれる。
【0070】
さらにもう一つの態様において、R7はシアノフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-シアノフェニル)サンサイクリンおよび7-(4-シアノフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0071】
さらにもう一つの態様において、R7はヒドロキシフェニルエチニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-ヒドロキシフェニルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0072】
さらにもう一つの態様において、R7はジアルキルアミドアルケニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(N,N-ジメチルアクリルアミド)サンサイクリンおよび7-(ジメチルアミドエテニル)サンサイクリンが含まれる。
【0073】
さらにもう一つの態様において、R7はジアルキルアミドフェニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(3-ジメチルアミドフェニル)サンサイクリンが含まれる。
【0074】
さらにもう一つの態様において、R7はアミノフェニルエチル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-アミノフェニルエチル)サンサイクリンが含まれる。
【0075】
さらにもう一つの態様において、R7はアミノフェニルエチニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-アミノフェニルエチニル)サンサイクリンが含まれる。
【0076】
さらにもう一つの態様において、R7はハロエテニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-クロロエテニル)サンサイクリンが含まれる。
【0077】
さらにもう一つの態様において、R7はハロフェニルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(2-フルオロフェニルエテニル)サンサイクリンが含まれる。
【0078】
さらにもう一つの態様において、R7はアルキルエステル置換ペンテニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(1-ヨード-1,3-ジカルボエトキシ-1,3-ブタジエン)サンサイクリンが含まれる。
【0079】
さらにもう一つの態様において、R7はアミノフェニルアルキニル基である。このR7置換基を有するサンサイクリン化合物の例として、7-(4-アミノフェニルビニル)サンサイクリンが含まれる。
【0080】
本発明は、以下に示すテトラサイクリン化合物に関する:
【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

【化80】

【化81】

【化82】

【化83】

【化84】

【化85】

【化86】

【化87】

【化88】

【化89】

【化90】

【化91】

【化92】

【化93】

【化94】

【化95】

【化96】

【化97】

【化98】

【化99】

【化100】

【化101】

【化102】

【化103】

【化104】

【化105】

【化106】

【化107】

【化108】

【化109】

【化110】

【化111】

【化112】

【化113】

【化114】

【化115】

【化116】

【化117】

【化118】

【化119】

【化120】

【化121】

【化122】

【化123】

【化124】

【化125】

【化126】

【化127】

【化128】

【化129】

【化130】

【化131】

【化132】

【化133】

【化134】

【化135】

【化136】

【化137】

【化138】

【化139】

【化140】

【化141】

【化142】

【化143】

【化144】

【化145】

【化146】

【化147】

【化148】

【化149】

【化150】

同様に、上記の化合物の塩、エステルおよびプロドラッグも含まれる。
【0081】
さらなる態様において、本発明は、式の7-置換テトラサイクリン化合物に関する。
【0082】
本発明はまた、表2に示す7-置換テトラサイクリン化合物およびその薬学的に許容される塩、エステル、およびプロドラッグのそれぞれにも関する。
【0083】
本発明のテトラサイクリン化合物は、スキーム1〜8に記載する方法を用いて合成することができる。
【0084】
特定の7-置換テトラサイクリン化合物は、スキームIに示す方法によって合成することができる。それぞれのスキームにおいて、サンサイクリンはテトラサイクリン化合物として用いるが、当業者は、テトラサイクリンおよびドキシサイクリンのような他のテトラサイクリン化合物にも方法論を適用できることを認識するであろう。
【0085】
【化151】

一般的に、7-置換テトラサイクリン化合物は、サンサイクリンに関してスキーム1に示すように合成することができる。サンサイクリン(1A)を硫酸および硝酸ナトリウムによって処置する。得られた産物は、7-ニトロ(1B)サンサイクリン(9-位の異性体との混合物として)である。次に、ニトロサンサイクリン化合物を水素ガスと白金触媒とによって処置すると、7-アミノサンサイクリン化合物1Cが得られる。7-誘導体を合成するために、7-アミノサンサイクリン化合物をHONOによって処置すると、ジアゾニウム塩(1D)が得られる。次に、塩をアルケンまたはアルケン、アリールおよびアルキニル(例えばR7Br)のようなπ結合官能基を有する多数の化合物によって処置すると、7-置換サンサイクリン化合物(1E)が得られる。
【0086】
【化152】

スキーム2に示すように、R7がカルバメートまたはウレア誘導体である本発明のテトラサイクリン化合物は、以下のプロトコールを用いて合成することができる。サンサイクリン(2A)を酸性条件でNaNO2によって処置して、7-ニトロサンサイクリン(2B)を位置異性体の混合物として形成する。次に、7-ニトロサンサイクリン(2B)をH2ガスおよび白金触媒によって処置して、7-アミノサンサイクリン誘導体(2C)を形成する。ウレア誘導体(2E)を形成するために、イソシアネート(2D)を7-アミノサンサイクリン誘導体(2C)と反応させる。カルバメート(2G)を形成するために、適当な酸塩化物エステル(2F)を2Cと反応させる。
【0087】
【化153】

スキーム3に示すように、R7が複素環(例えば、チアゾール)置換アミノ基である本発明のテトラサイクリン化合物は、上記のプロトコールを用いて合成することができる。7-アミノサンサイクリン(3A)をFmoc-イソチオシアネート(3B)と反応させて、保護されたチオウレア(3C)を生じる。次に、保護されたチオウレア(3C)を脱保護して活性なサンサイクリンチオウレア(3D)化合物を生じる。サンサイクリンチオウレア(3D)をα-ハロケトン(3E)と反応させて、チアゾール置換7-アミノサンサイクリン(7F)を生じる。
【0088】
【化154】

7-アルキニルサンサイクリン(4A)および7-アルケニルサンサイクリン(4B)のような7-アルケニルテトラサイクリン化合物に水素を添加して、アルキル7-置換テトラサイクリン化合物(例えば、7-アルキルサンサイクリン、4C)を形成することができる。スキーム4は、飽和メタノールおよび塩酸水溶液中で、パラジウム/炭素触媒を用いて加圧下で7位の二重または三重結合の選択的水素添加を行うと、産物が得られることを示している。
【0089】
【化155】

スキーム5において、7-位のアリール誘導体を合成する一般的な合成スキームを示す。ホウ素酸アリールとヨードサンサイクリン化合物とのスズキカップリングを示す。ヨードサンサイクリン化合物(5B)は、サンサイクリン(5A)を少なくとも1等量のN-ヨードスクシニミド(NIS)によって酸性条件で処置することによって、サンサイクリンから合成することができる。反応を停止させて、得られた7-ヨードサンサイクリン(5B)を当技術分野で既知の標準的な技術を用いて精製することができる。アリール誘導体を形成するために7-ヨードサンサイクリン(5B)を塩基性水溶液(例えば、Na2CO3)および適当なホウ酸(5C)によって不活性大気中で処置する。反応をパラジウム触媒(例えば、Pd(OAc)2)によって触媒する。産物(5D)は、当技術分野で既知の方法(HPLCのような)によって精製することができる。その他の7-アリールおよびアルキニルテトラサイクリン化合物も、類似のプロトコールを用いて合成することができる。
【0090】
本発明の7-置換テトラサイクリン化合物はまた、スティルのクロスカップリングを用いて合成することができる。スティルのクロスカップリングは、適当な錫試薬(例えばR-SnBu3)およびハロゲン化テトラサイクリン化合物(例えば、7-ヨードサンサイクリン)を用いて行うことができる。錫試薬とヨードサンサイクリン化合物は、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)2Cl2またはPd(AsPh3)2Cl2)および選択的にさらなる銅塩、例えばCuIによって処置することができる。得られた化合物は、当技術分野で既知の方法を用いて精製することができる。
【0091】
【化156】

スズキまたはスティルカップリングによって形成されたアリール誘導体をさらに誘導体化することができる。例えば、スキーム6において、ホルミルアリールサンサイクリン(6A)、アミン、および溶媒(例えば、1,2-ジクロロエタン)を反応フラスコにおいて混合する。次に、還元剤を加えて(例えば、NaBH(OAc)3)、反応を終了するまで進行させると産物(6B)が得られる。産物を精製して、標準的な方法を用いて特徴を調べる。
【0092】
【化157】

本発明の化合物は、ヘックタイプのクロスカップリング反応を用いても合成することができる。スキーム7に示すように、ヘックタイプのクロスカップリングは、ハロゲン化テトラサイクリン化合物(例えば、7-ヨードサンサイクリン、7A)と適当なパラジウムまたは他の遷移金属触媒(例えば、Pd(OAc)2およびCuI)を適当な溶媒(例えば、脱気したアセトニトリル)に懸濁することによって行うことができる。次に、基質、反応性アルケン(7B)、またはアルキン(7D)およびトリエチルアミンを加えて、混合物を数時間加熱してから室温に冷却する。次に、得られた7-置換アルケニル(7C)または7-置換アルキニル(7E)テトラサイクリン化合物は当技術分野で既知の技術を用いて精製することができる。
【0093】
【化158】

7-(2'-クロロ-アルケニル)-テトラサイクリン化合物を調製するために、以下の技法を用いることができる。7-(アルケニル)-サンサイクリン(8A)を飽和メタノールおよび塩酸に溶解して攪拌する。次に、溶媒を除去して産物(8B)を得る。
【0094】
「アルキル」という用語には、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等)、分岐鎖アルキル基(イソプロピル、t-ブチル、イソブチル等)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換シクロアルキル基およびシクロアルキル置換アルキル基を含む飽和脂肪族が含まれる。アルキルという用語にはさらに、炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素の代わりに酸素、窒素、硫黄、または燐原子をさらに含みうるアルキル基が含まれる。特定の態様において、直鎖または分岐鎖アルキルはその骨格に炭素原子6個またはそれ未満を有し(例えば、直鎖の場合C1-C6、分岐鎖の場合C3-C6)、より好ましくは4個またはそれ未満を有する。同様に、好ましいシクロアルキルは、その環構造に炭素原子3〜8個を有し、より好ましくは環構造に炭素5または6個を有する。用語C1-C6には、炭素原子1〜6個を含むアルキル基が含まれる。
【0095】
その上、アルキルという用語には、「非置換アルキル」と「置換アルキル」の双方が含まれ、後者は炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素上の水素の代わりに置換基を有するアルキル部分を意味する。そのような置換基には、例えばアルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が含まれうる。シクロアルキルはさらに、例えば上記の置換基によって置換することができる。「アルキルアリール」または「アリールアルキル」部分は、アリールによって置換したアルキルである(例えば、フェニルメチル(ベンジル))。「アルキル」という用語にはまた、天然および非天然のアミノ酸の側鎖が含まれる。
【0096】
「アリール」という用語には、ヘテロ原子0〜4個を含んでもよい5-および6-員環の単環式芳香族基を含む基、例えばベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジン等が含まれる。さらに、「アリール」という用語には、多環式アリール基、例えば、三環式、二環式、例えばナフタレン、ベンズオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフスリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジンが含まれる。環構造にヘテロ原子を有するそれらのアリール基は、「アリール複素環」「複素環」、または「ヘテロアリール」、または「ヘテロ芳香族」とも呼ばれる。芳香環は、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族もしくはヘテロ芳香族部分によって一つまたは複数の環の位置で置換することができる。アリール基は、多環(例えばテトラリン)を形成するために、芳香族でない脂環式または複素環に融合または架橋することができる。
【0097】
「アルケニル」という用語には、上記のアルキルと長さおよび可能性がある置換が類似であるが、少なくとも一つの二重結合を含む不飽和脂環式基が含まれる。
【0098】
例えば、「アルケニル」という用語には、直鎖アルケニル基(例えば、エチレニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニル等)、分岐鎖アルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニル)、アルキル、またはアルケニル置換シクロアルケニル基およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルケニル基が含まれる。アルケニルという用語には、さらに、炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素の代わりに酸素、窒素、硫黄、または燐原子を含むアルケニル基が含まれる。特定の態様において、直鎖または分岐鎖アルケニル基は、その骨格に炭素原子6個またはそれ未満を有する(例えば、直鎖の場合C2-C6、分岐鎖の場合C3-C6)。同様に、シクロアルケニル基は、その環構造に炭素原子3〜8個を有してもよく、より好ましくは環構造に炭素5または6個を有する。C2-C6という用語には、炭素原子2〜6個を含むアルケニル基が含まれる。
【0099】
その上、アルケニルという用語には、「非置換アルケニル」および「置換アルケニル」の双方が含まれ、後者は炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素原子上の水素の代わりに置換基を有するアルケニル部分を意味する。そのような置換基は例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族もしくはヘテロ芳香族部分となりうる。
【0100】
「アルキニル」という用語には、長さおよび可能性がある置換が上記のアルキルと類似であるが、少なくとも一つの三重結合を含む不飽和脂肪族基が含まれる。
【0101】
例えば、「アルキニル」という用語には、直鎖アルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、へプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニル等)、分岐鎖アルキニル基、およびシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換アルキニル基が含まれる。アルキニルという用語にはさらに、炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素の代わりに酸素、窒素、硫黄、または燐原子を含むアルキニル基が含まれる。特定の態様において、直鎖または分岐鎖アルキニル基は、その骨格に炭素原子6個またはそれ未満を有する(例えば、直鎖の場合C2-C6、分岐鎖の場合C3-C6)。C2-C6という用語には、炭素原子2〜6個を含むアルキニル基が含まれる。
【0102】
その上、アルキニルという用語には、「非置換アルキニル」および「置換アルキニル」の双方が含まれ、後者は炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素上の水素の代わりに置換基を有するアルキニル基を意味する。そのような置換基には、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族もしくはヘテロ芳香族部分が含まれうる。
【0103】
炭素数が明記されていなければ、本明細書において用いる「低級アルキル」は、先に定義したアルキル基であるがその骨格構造に炭素原子1〜5個を有する基を意味する。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、例えば炭素原子2〜5個の鎖長を有する。
【0104】
「アシル」という用語には、アシルラジカル(CH3CO-)またはカルボニル基を含む化合物および部分が含まれる。これには置換アシル部分が含まれる。「置換アシル」という用語には、一つまたは複数の水素原子がアルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族もしくはヘテロ芳香族部分によって置換されているアシル基が含まれる。
【0105】
「アシルアミノ」という用語には、アシル部分がアミノ基に結合している部分が含まれる。例えば、この用語には、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基が含まれる。
【0106】
「アロイル」という用語には、カルボニル基に結合したアリールまたはヘテロ芳香族部分を有する化合物および部分が含まれる。アロイル基の例として、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシ等が含まれる。
【0107】
「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」および「チオアルコキシアルキル」という用語には、炭化水素骨格の一つまたは複数の炭素の代わりに酸素、窒素、または硫黄原子をさらに含む、上記のアルキル基が含まれる。
【0108】
「アルコキシ」という用語には、酸素原子に共有結合した置換および非置換アルキル、アルケニル、およびアルキニル基が含まれる。アルコキシ基の例として、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびペントキシ基が含まれる。置換アルコキシ基の例として、ハロゲン化アルコキシ基が含まれる。アルコキシ基は、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリールまたは芳香族もしくはヘテロ芳香族部分のような基によって置換することができる。ハロゲン置換アルコキシ基の例として、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシ等が含まれる。
【0109】
「アミン」または「アミノ」という用語には、窒素原子が少なくとも一つの炭素またはヘテロ原子に共有結合している化合物が含まれる。この用語には、窒素原子が少なくとも一つのさらなるアルキル基に結合している基および化合物を含む「アルキルアミノ」が含まれる。「ジアルキルアミノ」という用語には、窒素原子が少なくとも二つのさらなるアルキル基に結合している基が含まれる。「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」という用語には、窒素原子がそれぞれ、少なくとも一つまたは二つのアリール基に結合している基が含まれる。「アルキルアリールアミノ」「アルキルアミノアリール」、または「アリールアミノアルキル」という用語には、少なくとも一つのアルキル基および少なくとも一つのアリール基に結合しているアミノ基が含まれる。「アルカミノアルキル」という用語は、アルキル基にも結合している窒素原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する。
【0110】
「アミド(amide)」、「アミド(amido)」または「アミノカルボニル」という用語には、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合した窒素原子を含む化合物または部分が含まれる。この用語には、カルボニル基に結合したアミノ基に結合したアルキル、アルケニル、アリール、またはアルキニル基を含む「アルカミノカルボニル」または「アルキルアミノカルボニル」基が含まれる。これには、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合したアミノ基に結合したアリールまたはヘテロアリール部分を含むアリールアミノカルボニルおよびアリールカルボニルアミノ基が含まれる。「アルキルアミノカルボニル」、「アルケニルアミノカルボニル」、「アルキニルアミノカルボニル」、「アリールアミノカルボニル」「アルキルカルボニルアミノ」、「アルケニルカルボニルアミノ」、「アルキニルカルボニルアミノ」および「アリールカルボニルアミノ」は、「アミド」という用語に含まれる。アミドにはまた、ウレア基(アミノカルボニルアミノ)およびカルバメート(オキシカルボニルアミノ)が含まれる。
【0111】
「カルボニル」または「カルボキシ」という用語には、二重結合によって酸素原子に結合した炭素を含む化合物および部分が含まれる。カルボニルはさらに、本発明の化合物がその意図される機能を行うことができる如何なる部分によっても置換されうる。例えば、カルボニル部分は、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アミノ等によって置換してもよい。カルボニルを含む部分の例として、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物等が含まれる。
【0112】
「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」という用語には、二重結合によって硫黄原子に結合した炭素を含む化合物および部分が含まれる。
【0113】
「エーテル」という用語には、異なる二つの炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を含む化合物または部分が含まれる。例えば、この用語には、もう一つのアルキル基と共有結合した酸素原子に共有結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する「アルコキシアルキル」が含まれる。
【0114】
「エステル」という用語には、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素またはヘテロ原子を含む化合物および部分が含まれる。「エステル」という用語には、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニル等のようなアルコキシカルボニル基が含まれる。アルキル、アルケニル、またはアルキニル基は上記の定義の通りである。
【0115】
「チオエーテル」という用語には、異なる二つの炭素またはヘテロ原子に結合した硫黄原子を含む化合物および部分が含まれる。チオエーテルの例として、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニル、およびアルクチオアルキニルが含まれるが、これらに限定されるものではない。「アルクチオアルキル」という用語には、アルキル基に結合した硫黄原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を有する化合物が含まれる。同様に、「アルクチオアルケニル」および「アルクチオアルキニル」という用語は、アルキル、アルケニル、またはアルキニル基がアルキニル基に共有結合した硫黄原子に結合している化合物または部分を意味する。
【0116】
「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」という用語には、-OHまたは-O-を有する基が含まれる。
【0117】
「ハロゲン」という用語には、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素等が含まれる。「過ハロゲン化」という用語は一般的に、全ての水素がハロゲン原子に置換されている部分を意味する。
【0118】
「ポリシクリル」または「多環式ラジカル」という用語は、二つまたはそれ以上の炭素が二つの隣接する環と共通している、例えば環が「融合環」である二つまたはそれ以上の環状環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリール、および/またはヘテロシクリル)を意味する。非隣接原子に結合している環は「架橋」環と呼ばれる。多環の環のそれぞれは、上記のような置換基、例えば、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、ホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミド、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシレート、スルフェート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキル、アルキルアリールまたは芳香族もしくはヘテロ芳香族部分によって置換することができる。
【0119】
「ヘテロ原子」という用語には、炭素または水素以外の如何なる元素の原子も含まれる。好ましいヘテロ原子は窒素、酸素、硫黄、および燐である。
【0120】
「プロドラッグ部分」という用語には、インビボでヒドロキシル基に代謝されうる部分およびインビボで都合よくエステル化されたままである部分が含まれる。好ましくは、プロドラッグ部分は、インビボでエステラーゼまたは他の代謝によってヒドロキシル基または他の都合のよい基に代謝される。プロドラッグおよびその使用例は当業者に周知である(例えば、バージ(Berge)ら、(1977)、「薬学的な塩(Pharmaceutical Salts)」、J. Pharm. Sci. 66:1〜19)。プロドラッグは、化合物の最終的な単離および精製のあいだにインサイチューで、またはその遊離の酸の形の精製化合物またはヒドロキシルを適したエステル化剤と個々に反応させることによって調製することができる。ヒドロキシル基は、カルボン酸による処置によってエステルに変換することができる。プロドラッグ部分の例として、置換および非置換の分岐または非分岐低級アルキルエステル部分(例えば、プロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ-低級アルキル-アミノ低級アルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例えば、アセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール低級アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル)、置換(例えば、メチル、ハロ、またはメトキシ置換基による)アリールおよびアリール-低級アルキルエステル、アミド、低級アルキルアミド、ジ-低級アルキルアミド、およびヒドロキシアミドが含まれる。好ましいプロドラッグ部分は、プロピオン酸エステルおよびアシルエステルである。
【0121】
本発明のテトラサイクリン化合物のいくつかの構造には、不斉炭素原子が含まれることが注目される。したがって、そうでないことを明記している場合を除き、そのような非対称性に由来する異性体(例えば、全てのエナンチオマーおよびジアステレオマー)が本発明の範囲に含まれる。そのような異性体は、古典的な分離技術および立体化学的に制御された合成によって実質的に純粋に得ることができる。さらに、本出願において考察した構造、他の化合物および部分には同様に、その全ての互変異性体が含まれる。
【0122】
本発明はまた、テトラサイクリン反応状態が治療されるように、本発明の7-置換テトラサイクリン化合物(例えば、式(I)または表1に示す化合物)の有効量を対象に投与することによって、対象におけるテトラサイクリン反応状態を治療する方法にも関する。
【0123】
「テトラサイクリン化合物反応状態」という用語には、本発明のテトラサイクリン化合物の投与によって治療、予防、またはそうでなければ改善されうる状態が含まれる。テトラサイクリン応答性状態には、細菌感染症(他のテトラサイクリン化合物に対して耐性である細菌感染症を含む)、癌、糖尿病、およびテトラサイクリン化合物が活性であることが判明した他の状態(例えば、米国特許第5,789,395号;第5,834,450号;および第5,532,227号を参照のこと)。本発明の化合物は、下痢、尿路感染症、皮膚および皮膚構造の感染症、耳、鼻、および喉の感染症、創傷の感染症、乳腺炎等のような重要な哺乳類および獣医学疾患を予防または制御するために用いることができる。さらに、本発明のテトラサイクリン化合物を用いて新生物を治療する方法も含まれる(ファンデルボゼール(van der Bozert)ら、Cancer Res. 48:6686〜6690(1988))。
【0124】
細菌感染症は、広い範囲のグラム陽性菌およびグラム陰性菌によって引き起こされる可能性がある。本発明の化合物は、他のテトラサイクリン化合物に対して耐性である微生物に対する抗生物質として有用である。本発明のテトラサイクリン化合物の抗生物質活性は、実施例2に考察する方法を用いて、またはウェイツ(Waitz, J.A.)「米国臨床検査標準物質委員会(National Commission for Clinical Laboratory Standards)」、文書番号M7-A2、第10巻、8号、13〜20頁、第二版、ビラノバ、ペンシルバニア州(1990)に記載されるインビトロ標準ブロス希釈法を用いることによって決定してもよい。
【0125】
テトラサイクリン化合物はまた、例えばリケッチア;多くのグラム陽性およびグラム陰性菌;ならびに鼠径リンパ肉芽腫、封入体性結膜炎およびオウム病の起因菌、のようなテトラサイクリン化合物によって従来治療されている感染症を治療するために用いてもよい。テトラサイクリン化合物は、例えば、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、サルモネラ(Salmonella)、E.ヒラエ(E. hirae)、A. バウマニイ(A. baumanii)、B. カターハリス(catarrhalis)、インフルエンザ菌(H. influenzae)、緑膿菌(P. aeruginosa)、E. フェシウム(E. faecium)、大腸菌、黄色ブドウ球菌(S. aureus)、またはE. フェカーリス(E. faecalis)の感染症を治療するために用いてもよい。一つの態様において、テトラサイクリン化合物は、他のテトラサイクリン抗生物質化合物に対して耐性である細菌感染症を治療するために用いられる。本発明のテトラサイクリン化合物は薬学的に許容される担体と共に投与してもよい。
【0126】
化合物の「有効量」という用語は、テトラサイクリン化合物反応状態を治療または予防するために必要なまたは十分な量である。有効量は、対象の体格および体重、疾患のタイプ、または特定のテトラサイクリン化合物のような要因に応じて変化しうる。例えば、テトラサイクリン化合物の選択は、「有効量」を構成するものに影響を及ぼしうる。当業者は、上記の要因を調べて、不適当な実験を行うことなくテトラサイクリン化合物の有効量に関する決定を行うことができるであろう。
【0127】
本発明はまた、微生物感染症および関連疾患に対する治療方法にも関する。方法には、対象に一つまたは複数のテトラサイクリン化合物の有効量を投与することが含まれる。対象は、植物、または都合よくは、動物、例えば、哺乳類、例えば、ヒトのいずれかとなりうる。
【0128】
本発明の治療的方法において、本発明の一つまたは複数のテトラサイクリン化合物を単独で対象に投与してもよく、またはより典型的に、本発明の化合物は、従来の賦形剤、すなわち活性化合物と有害な反応をせず、そのレシピエントに対して有害でない非経口、経口、または他の所望の投与に適した薬学的に許容される有機もしくは無機担体物質と混合した薬学的組成物の一部として投与される。
【0129】
本発明はまた、テトラサイクリン化合物(例えば、式Iの化合物、表2、または本明細書に記載の他の化合物)および選択的に薬学的に許容される担体の治療的有効量を含む薬学的組成物にも関する。
【0130】
「薬学的に許容される担体」という用語には、その意図される機能を行うことができる、例えばテトラサイクリン応答性状態を治療または予防する、テトラサイクリン化合物(複数)と同時投与することができる物質が含まれる。適した薬学的に許容される担体の例として、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、珪酸、粘性パラフィン、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、ペトロエスラル(petroethral)脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドン等が含まれるが、これらに限定されるものではない。薬学的調製物は滅菌して、望ましければ、本発明の活性化合物と有害に反応しない補助剤、例えば潤滑剤、保存剤、安定化剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に影響を及ぼすための塩、緩衝剤、着色剤、着香料、および/または芳香物質等と混合することができる。
【0131】
本質的に塩基性である本発明のテトラサイクリン化合物は、様々な無機および有機酸と多様な塩を形成することができる。本質的に塩基性である本発明のテトラサイクリン化合物の薬学的に許容される酸付加塩を調製するために用いてもよい酸は、非毒性の酸付加塩、すなわち、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、重硫酸塩、燐酸塩、酸燐酸塩、イソニコチネート、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、二酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシネート、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルクロン酸塩、サッカラート、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩、およびパルモエート[すなわち、1,1'-メチレン-ビス(2-ヒドロキシ-3-ナフトエート]塩のような薬学的に許容される陰イオンを含む塩を形成することができる酸である。そのような塩は、対象、例えば哺乳類に投与するために薬学的に許容されなければならないが、実践においては、反応混合物から薬学的に許容されない塩として本発明のテトラサイクリン化合物をまず単離して、その後アルカリ試薬による処置によって遊離の塩基化合物にしてから、遊離の塩基を薬学的に許容される酸付加塩に変換することがしばしば望ましい。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、水性溶媒において、またはメタノールもしくはエタノールのような適した有機溶媒中で選択した無機または有機酸の実質的に等量によって塩基性化合物を処置することによって容易に調製される。溶媒を注意深く蒸発させると、所望の固体の塩が容易に得られる。前述の実験の項に特に説明していない本発明の他のテトラサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかである上記の反応の組み合わせを用いて行うことができる。
【0132】
前述の実験の項に特に記載していない本発明の他のテトラサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかである上記の反応の組み合わせを用いて行うことができる。
【0133】
本質的に酸性である本発明のテトラサイクリン化合物は、広く多様な塩基との塩を形成することができる。本質的に酸性である本発明のテトラサイクリン化合物の薬学的に許容される塩基性の塩を調製するために試薬として用いてもよい化学塩基は、そのような化合物と非毒性の塩基性塩を形成する塩基である。そのような非毒性の塩基性塩には、アルカリ金属陽イオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)、およびアルカリ土類金属陽イオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)、アンモニアまたはN-グルカミン-(メグルミン)のような水溶性アミン溶液、ならびに薬学的に許容される有機アミンの低級アルキルアンモニウムおよびその他の塩基性塩が含まれるが、これらに限定されるものではない。本質的に酸性である本発明のテトラサイクリン化合物の薬学的に許容される塩基付加塩は、従来の方法によって薬学的に許容される陽イオンによって形成してもよい。このように、これらの塩は、所望の薬学的に許容される陽イオンの水溶液によって本発明のテトラサイクリン化合物を処置して、好ましくは減圧下で、得られた溶液を蒸発乾固させることによって容易に調製してもよい。または、本発明のテトラサイクリン化合物の低級アルキルアルコール溶液を、所望の金属のアルコキシドと混合させて、その後溶液を蒸発乾固させてもよい。
【0134】
前述の実験の項に特に記載していない本発明の他のテトラサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかである上記の反応の組み合わせを用いて行うことができる。
【0135】
本発明のテトラサイクリン化合物および薬学的に許容されるその塩は、経口、非経口、または局所経路のいずれかによって投与することができる。一般的に、これらの化合物は、最も好ましくは、治療すべき対象の体重および状態、ならびに選択した特定の投与経路に応じて、有効な用量で投与される。治療される対象の種および上記の薬剤に対するその個々の反応と共に、選択した薬学的製剤のタイプならびにそのような投与を行う時点および期間に応じて、容量を変更してもよい。
【0136】
本発明の薬学的組成物は、対象、例えば哺乳類におけるテトラサイクリン反応状態を治療するため、単独でまたは他の既知の組成物と併用して投与してもよい。好ましい哺乳類には、ペット(例えば、ネコ、イヌ、フェレット等)、家畜動物(ウシ、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギ等)、実験動物(ラット、マウス、サル等)、および霊長類(チンパンジー、ヒト、ゴリラ)が含まれる。既知との組成物と「併用して」という用語には、本発明の組成物と既知の組成物との同時投与、本発明の組成物を先に投与した後、既知の組成物を投与すること、および既知の組成物を先に投与した後本発明の組成物の投与することが含まれると解釈される。テトラサイクリン応答性状態を治療するための技術分野において既知の如何なる治療的組成物も本発明の方法において用いることができる。
【0137】
本発明のテトラサイクリン化合物は、単独でまたは薬学的に許容される担体もしくは希釈剤と併用して、これまでに述べた如何なる経路によって投与してもよい。例えば、本発明の新規治療物質は、広く多様な異なる投与剤形において都合よく投与することができる、すなわち、それらは錠剤、カプセル剤、ロゼンジ、トローチ、硬キャンデー、粉末、スプレー、クリーム、軟膏、坐剤、ゼリー、ゲル、パスタ、ローション、軟膏、水性懸濁液、注射用溶液、エリキシル剤、シロップ等の形で様々な薬学的に許容される不活性担体と組み合わせてもよい。そのような担体には、固体希釈剤、または増量剤、滅菌水性培地および様々な非毒性の有機溶媒等が含まれる。その上、経口薬学的組成物は、適当な甘味料および/または着香料を加えることができる。一般的に、本発明の治療的に有効な化合物は重量で約5.0%〜約70%の範囲の濃度レベルのような投与剤形で存在する。
【0138】
経口投与の場合、微結晶セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、燐酸二カルシウムおよびグリシンのような様々な賦形剤を含む錠剤を、デンプン(および好ましくはトウモロコシ、ジャガイモ、またはタピオカデンプン)、アルギン酸、および特定の複合シリカのような様々な崩壊剤と共に、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチンおよびアカシアのような造粒結合剤と共に用いてもよい。さらに、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような潤滑剤はしばしば、打錠目的にとって非常に有用である。類似のタイプの固体組成物もまた、ゼラチンカプセルにおける増量剤として用いてもよい;これに関連して好ましい材料にはまた、高分子量ポリエチレングリコールと共に乳糖または乳糖(milk sugar)が含まれる。水性懸濁液および/またはエリキシル剤が経口投与にとって望ましい場合、活性成分を水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンのような希釈剤、およびその様々な類似の組み合わせと共に、甘味料または着香料、着色物質または色素、および望ましければ、乳化剤および/または懸濁剤と混合してもよい。
【0139】
非経口投与(腹腔内、皮下、静脈内、皮内、または筋肉内注射)の場合、本発明の治療化合物のゴマ油もしくはピーナッツ油溶液または水性プロピレングリコール溶液を用いてもよい。水溶液は必要であれば適当に緩衝能を有しなければならず(好ましくはpH8以上)、液体希釈剤を最初に等張にしなければならない。これらの水溶液は、静脈内注射の目的として適している。油性溶液は、関節内、筋肉内、および皮下注射目的にとって適している。滅菌条件でのこれらの全ての溶液の調製は、当業者に周知の標準的な薬学的技術によって容易に行われる。非経口投与の場合、適した調製物の例として、溶液、好ましくは油性または水性溶液と共に懸濁液、乳液、または坐剤を含むインプラントが含まれる。治療化合物は、注射剤に関して一般的に用いられる滅菌生理食塩液、または5%生理食塩液デキストロース溶液のような液体担体に分散されるような多数または単一の用量フォーマットで滅菌型として製剤化してもよい。
【0140】
さらに、同様に、皮膚の炎症状態を治療する場合、本発明の化合物を局所に投与することが可能である。局所投与方法の例として、経皮、口腔内、舌下適用が含まれる。局所適用の場合、治療化合物はふさわしくは、ゲル、軟膏、ローション、またはクリームのような薬理学的に不活性な局所担体に混合することができる。そのような局所担体には、水、グリセロール、アルコール、脂肪アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステル、または鉱油が含まれる。可能性がある他の局所担体は、流動パラフィン、イソプロピルパルミテート、ポリエチレングリコール、95%エタノール、5%モノラウリン酸ポリオキシエチレン水溶液、5%ラウリル硫酸ナトリウム水溶液等である。さらに、抗酸化剤、湿潤剤、粘度安定化剤等のような材料も望ましければ加えてもよい。
【0141】
腸内適用の場合、特に適しているのは、タルクおよび/または炭化水素担体結合剤等を有する錠剤、ドラジェまたはカプセルであり、担体は好ましくは乳糖、またはコーンスターチ、またはジャガイモデンプン、あるいはその組合せである。甘味媒体を用いる場合には、シロップ、エリキシル等を用いることができる。活性成分が異なるように崩壊するコーティング、例えば、微量封入、多剤コーティング等によって保護されている徐放性組成物を製剤化することができる。
【0142】
ヒト対象の治療の他に、本発明の治療方法は、ウシ、ヒツジ、ヤギ、ウシ、ブタ等のような家畜;ニワトリ、アヒル、ガチョウ、七面鳥等のような家禽;ならびにイヌおよびネコのようなペットを治療するために重要な獣医学応用を有するであろう。同様に、本発明の化合物は、植物のような動物以外の被験体を処置するために用いてもよい。
【0143】
所定の治療において用いられる活性化合物の実際の好ましい量は、利用する特定の化合物、処方される特性の組成物、適用様式、特定の投与部位等に従って変化するであろうと認識される。所定の投与プロトコールに関して最適な投与速度は、前述のガイドラインに関して行われた従来の用量決定試験を用いて、当業者によって容易に確認することができる。
【0144】
一般的に、治療のための本発明の化合物は、これまでのテトラサイクリン治療において用いられた用量で対象に投与することができる。例えば、「医師用添付文書集(Physicians' Desk Reference)」を参照のこと。例えば、本発明の一つまたは複数の化合物の適した有効量は、1日にレシピエントの体重1kgあたり0.01〜100 mg、好ましくは1日にレシピエントの体重1kgあたり0.1〜50 mg、より好ましくは、1日にレシピエントと体重1kgあたり1〜20 mgの範囲であろう。望ましい用量は、ふさわしくは1日1回、あるいは少量に分けて数回(例えば、少量の2〜5回)を1日を通して適当な間隔で、または他の適当なスケジュールで投与する。同様に通常の使用条件でその有効性を一般的に確実にするために、テトラサイクリンの投与に関して、通常の従来の既知の用法注意が守られることが理解される。インビボでヒトおよび動物の治療的治療のために特に用いる場合、医師は従来の既知の禁忌および毒性効果を防止するために全ての分別のある予防措置をとらなければならない。このように、胃腸の不快感および炎症、腎毒性、過敏反応、血液の変化、ならびにアルミニウム、カルシウム、およびマグネシウムイオンの吸収障害のこれまで認識されている有害反応は、従来のように適切に検討しなければならない。
【0145】
さらに、本発明はまた、式Iのテトラサイクリン化合物を薬剤の調製に用いることにも関する。薬剤には、薬学的に許容される担体が含まれてもよく、テトラサイクリン化合物は、有効量、例えばテトラサイクリン反応状態を治療するための有効量である。
【実施例】
【0146】
本発明の例示
本発明の化合物は、当業者の範囲内で下記の技法に改変を加えて下記に示すように作製してもよい。
【0147】
実施例1:7-置換サンサイクリンの合成
7-ヨードサンサイクリン
サンサイクリン1gを、0℃に冷却した(氷中で)TFA(トリフルオロ酢酸)25 mlに溶解した。1.2等量のN-ヨードスクシニミド(NIS)を反応混合物に加えて、40分間反応させた。反応を氷浴から取り出して、室温でさらに5時間反応させた。次に混合物をHPLCおよびTLCによって分析して、NISを段階的に加えて反応を終了させた。反応が終了した後、TFAを真空下で除去してMeOH3mlを加えて残査を溶解した。メタノール溶液を、激しく攪拌しているジエチルエーテル溶液に徐々に加えると、緑がかった茶色の沈殿物が形成された。サンサイクリンの7-ヨウ化異性体は、7-ヨウ化産物を活性炭によって処理することによって精製し、セライトの中を濾過して、溶媒を真空で除去すると7-異性体化合物が収率75%で純粋な黄色の固体として得られた。
MS(M+H)(ギ酸溶媒)541.3

【0148】
化合物B(7-フェニルサンサイクリン)
7-ヨードサンサイクリン150 mg(0.28 mM)、Pd(OAc)2、およびMeOH 10 mlを攪拌棒を入れたフラスコに加えて、この系をアルゴンを用いて3回脱気した。Na2CO3(87 mg、0.8 mM)を水に溶解して、脱気したアルゴンをシリンジを通して、同様に脱気したフェニルホウ酸(68 mg、0.55 mM)のMeOH溶液と共に加える。反応をHPLCによって2時間追跡して室温に冷却した。溶液を濾過して、乾燥させると粗混合物が得られた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを用いて分離用HPLC系に注入した。36〜38分の分画を単離して、溶媒を真空で除去すると産物プラス塩が得られた。塩を50:25:25の水、ブタノール、酢酸エチルに抽出することによって除去して真空で乾燥させた。この固体をMeOHに溶解して、HClガス中で泡立てることによってHCl塩を作製した。溶媒を除去すると、産物が42%の収率で黄色の固体として得られた。
Rt 21.6分:MS(M+H、ギ酸溶媒):491.3

【0149】
化合物E(7-(4'-クロロフェニル)サンサイクリン)
7-ヨードサンサイクリン500 mg(0.91 mM)、Pd(OAc)2 21 mg、およびMeOH 20 mlを、攪拌棒を入れたフラスコに加え、アルゴンを用いて系を3回脱気した。Na2CO3(293 mg、2.8 mM)を水に溶解して、脱気したアルゴンを、同様に脱気した4-Cl-フェニルホウ酸(289 mg、1.85 mM)のMeOH溶液と共にシリンジを通して加えて、反応をHPLCによって45分間追跡して、室温に冷却した。溶液を濾過した後乾燥させると粗混合物が得られた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを用いて分離用HPLC系に注入した。39分の分画を単離して、溶媒を真空で除去すると産物プラス塩が得られた。塩を50:25:25の水、ブタノール、酢酸エチルに抽出することによって除去して真空で乾燥させた。この固体をMeOHに溶解して、HClガス中で泡立てることによってHCl塩を作製した。溶媒を除去すると、産物が57%の収率で黄色の固体として得られた。
Rt 20.3分:MS(M+H、ギ酸溶媒):525.7

【0150】
化合物A(7-(4'-フルオロフェニル)サンサイクリン)
7-ヨードサンサイクリン200 mg(0.3 mM)、Pd(OAc)2 8.3 mg、およびMeOH 10 mlを、攪拌棒を入れたフラスコに加え、アルゴンを用いて系を3回脱気した。Na2CO3(104 mg、1.1 mM)を水に溶解して、脱気したアルゴンを、同様に脱気した4-F-フェニルホウ酸(104 mg、0.7 mM)のMeOH溶液と共にシリンジを通して加えて、反応をHPLCによって20分間追跡して、室温に冷却した。溶液を濾過した後乾燥させると粗混合物が得られた。固体をジメチルホルムアミドに溶解して、C18逆相シリカを用いて分離用HPLC系に注入した。19〜20分の画分を単離して、溶媒を真空で除去すると産物プラス塩が得られた。塩を50:25:25の水、ブタノール、酢酸エチルに抽出することによって除去して真空で乾燥させた。この固体をMeOHに溶解して、HClガス中で泡立てることによってHCl塩を作製した。溶媒を除去すると、産物が47%の収率で黄色の固体として得られた。
Rt 19.5分:MS(M+H、ギ酸溶媒):509.4

【0151】
化合物AT(7-(4'-ヨード-1',3'-カルボエトキシ-1',3'-ブタジエン)サンサイクリン)
7-I-サンサイクリン(1mg、1.86 mmol)をアセトニトリル25 mlに溶解して、脱気して、窒素を通気した(3回)。この懸濁液にPd(OAc)2(20 mg、.089 mmol)、CuI(10 mg、.053 mmol)、(o-トリル)3P(56 mg、.183 mmol)を加えて、窒素を通気した。エチルプロピオレート(1ml)およびトリエチルアミン(1ml)を懸濁液に加えた。Et3Nを加えると茶色の溶液になった。次に、反応混合物を70℃に2時間加熱した。反応の進行をHPLCによってモニターした。次にこれを室温まで冷却して、セライトの中を濾過した。溶媒を除去すると、茶色の固体が得られ、これを次に分離用HPLC上で精製すると黄色の固体が得られた。
【0152】
化合物AI(7-(2'-クロロエテニル)-サンサイクリン)
7-ヨードサンサイクリン0.65 g(1mmol)、テトラキストリフェニルホスフィネートパラジウム0.05 g、酢酸パラジウム0.012 g、ヨウ化銅(I)0.05 gの10 mlアセトニトリル水溶液、トリエチルアミン2ml、およびトリメチルシリルアセチレン0.5 gを室温で加えた。反応を2時間進行させてから、セライト床の中を濾過して濃縮した。粗産物を分離用HPLCによって精製した。回収した分画を濃縮して、残査をメタノール約1mlおよびHCl飽和メタノール2mlに溶解した。産物をエーテルによって沈殿させた。固体を濾過して除去し、減圧下で乾燥させた。NMR分光法およびLC-MSにより、化合物が7-(2-クロロエテニル)サンサイクリンであることが示された。
【0153】
化合物D(7-(4'-アミノフェニル)サンサイクリン)
7-(4-ニトロフェニル)サンサイクリン200 mgの50 mlメタノール溶液に10%パラジウム/活性炭触媒10 mgを加えた。反応混合物を40 psiの水素圧下で2時間振とうさせた後、濃縮によって濾過した。残査を分離用HPLCによってさらに精製した。35 mgをHCl塩として単離して、構造をNMRおよびLC-MSによって7-(4-アミノフェニル)サンサイクリンであることを証明した。
【0154】
化合物EF(1,8-ジ-7-サンサイクリニル-1,8-ヘプチン)
【化159】

7-ヨードサンサイクリン(3.0 g、4.57 mmol、9A)、Pd(OAc)2(0.102 g、0.46 mmol)、CuI(0.044 g、0.23 mmol)、およびP(o-Tol)3(0.278 g、0.91 mmol)および内容物を無水アセトニトリルに懸濁した。この混合物に窒素を60℃(湯浴の温度)で通気して、1,7-オクタジン(0.305 ml、2.29 mmol、9B)をこれに加えた後、トリエチルアミンを加えた。暗色の溶液を60℃で3時間攪拌した後、セライト床の中を濾過して、乾燥させた。産物(9C)のメタノール:DMF:TFA(90:8:2)溶液を分離用HPLCカラム上で精製した。最終産物(9C)の特徴をHPLC、MS、および1H NMR分光法によって調べた。
【0155】
化合物U(7-(NN-ジメチルプロピニル)-サンサイクリン)
【化160】

アセトニトリル25 mlに溶解した7-I-サンサイクリン(1g、1.86 mmol)を脱気して、窒素(3回)を通気した。この懸濁液にPd(OAc)2(20 mg、0.089 mmol)、CuI(10 mg、.053 mmol)、(o-トリル)3P(56 mg、.183 mmol)を加えて窒素を数分間通気した。NN-ジメチルプロピン(308 mg、3.72 mmol)とトリエチルアミン(1ml)を懸濁液に加えた。Et3Nを添加するとこれは茶色の溶液になった。次に、反応混合物を70℃に3時間加熱した。反応の進行はHPLCによってモニターした。これを室温まで冷却してセライトの中を濾過した。溶媒を蒸発させると茶色の固体を生じ、次にこれを分離用HPLCによって精製すると、黄色の固体を生じた。この化合物の構造の特徴は、1H NMR、HPLCおよびMSを用いて調べた。
【0156】
化合物BA(7-(2'-クロロ-3-ヒドロキシプロペニル)-サンサイクリン)
【化161】

7-(アルキニル)-サンサイクリン(100 mg)を飽和MeOH/HCl 20 mlに溶解して、20分間攪拌した。次に、溶媒を蒸発させると黄色の粉末を生じた。この化合物の構造の特徴は1H NMR、HPLC、およびMSを用いて調べた。
【0157】
化合物CC(7-(3'-メトキシフェニルエチル)-サンサイクリン)
【化162】

7-(3'-メトキシフェニルエチニル)サンサイクリン(1mmol)をMeOH/HCl飽和溶液に溶解した。この溶液に、10%Pd/Cを加えて、50 psiで12時間水素添加を行った。次に、これをセライトの中に濾過した。溶媒を蒸発させると黄色の粉末を生じた。最後に、これをMeOH/ジエチルエーテルから沈殿させた。この化合物の構造の特徴は1H NMR、HPLC、およびMSを用いて調べた。
【0158】
化合物CW((2-ジメチルアミノ-アセチルアミノ)-サンサイクリン)
【化163】

NN-ジメチルグリシン(1.2 mmol)をDMF(5ml)に溶解してO-ベンゾトリアゾル-1-イル-N,N,N',N'-テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HBTU、1.2 mmol)を加えた。次に、溶液を室温で5分間攪拌した。この溶液に、7-アミノサンサイクリン(1mmol、10A)を加えた後、ジイソプロピルエチルアミン(DIEA、1.2 mmol)を添加した。次に、反応を室温で2時間攪拌した。溶媒DMFを真空で除去した。粗材料をMeOH 5mlに溶解して、オートバイアルを用いて濾過して、分離用HPLCを用いて精製した。産物(10B)の構造の特徴を1H NMR、HPLC、およびMSを用いて調べた。
【0159】
化合物DJ(7-(N-メチルスルホンアミドプロパジルアミン)サンサイクリン)
【化164】

7-ヨードサンサイクリンモノトリフルオロ酢酸塩(1g;1.53 mmol、11A)、酢酸パラジウムII(17.2 mg;0.076mmol)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(176.8 mg;0.153 mmol)、およびヨウ化銅(I)(49 mg;0.228mmol)を、きれいな乾燥した二頚丸底フラスコにおいて試薬等級のアセトニトリル15 mlに加えた。反応物に、アルゴンガスの遅い流れを攪拌しながら5分間通気してからN-メチルスルホンアミドプロパジルアミン(11B)を加えた(固体として一度に)。スルホンアミドは当技術分野で既知の方法によって調製した(J. Med. Chem. 31(3)、1988;577〜82)。この後トリエチルアミン1ml(1ml;0.726 mg;7.175 mmol)を加えて、アルゴン大気中で反応を室温で約1時間攪拌した。反応混合物を珪藻土床の中を吸引濾過して、アセトニトリルによって洗浄した。濾液を真空下で減少させて乾燥させ、残査のpHを約2に調節するためにトリフルオロ酢酸のアセトニトリル希釈溶液によって処置した。残査をより希釈したトリフルオロ酢酸のアセトニトリル溶液によって処理した後、沈殿物が形成され、これを吸引濾過によって除去した。粗濾液をDVBを固相として、1:1メタノール/アセトニトリル1%トリフルオロ酢酸および1%トリフルオロ酢酸水溶液の勾配によって逆相HPLCを用いて精製した。適当な分画を減圧下で蒸発乾固させて、固体を回収した。産物(11C)の特徴は1H NMR、マススペクトル、およびLC逆相によって調べた。
【0160】
化合物BK(7-(2'-メトキシ-5'-ホルミルフェニル)サンサイクリン)
【化165】

7-ヨードサンサイクリン(12A、1g、1.53 mmol)、Pd(OAc)2(34 mg、0.153 mmol)およびMeOH(50 ml)を、濃縮器とアルゴンラインを備えた250 mlの二頚丸底フラスコにおいて混合した。次に、油浴中で約70℃に加熱しながら溶液にアルゴン(15分)を通気した。炭酸ナトリウム(482 mg、4.58 mmol)を水(3〜5ml)に溶解して、反応フラスコに加えた。次に、フラスコにアルゴンをさらに5分間通気した。2-メトキシ-5-ホルミルフェニルホウ酸(12B、333 mg、1.83 mmol)をMeOH(5ml)に溶解して、反応フラスコに加えた。フラスコに再度アルゴンを10分間通気した。反応をモニターして3時間以内に完了した。フラスコの内容物を濾紙によって濾過して、残っている溶媒を蒸発させた。塩酸塩を形成するために、残査をMeOH(飽和塩酸)に溶解して、HCl塩を作製した。次に、溶液を濾過して、溶媒を排液した。産物(12C)の特徴は1H NMR、LC-MSによって調べた。
【0161】
化合物FD(7-(2'-メトキシ-5'-N,N'-ジメチルアミノメチルフェニル)サンサイクリン)
【化166】

アルデヒド(12A、1g、1.82 mmol)、塩酸ジメチルアミン(13B、297 mg、3.64 mmol)、トリエチルアミン(506 μl、3.64 mmol)、および1,2-DCE(7ml)を40 mlのバイアル中で混合した。内容物を数分間振とうまたは攪拌することによって溶解した。トリアセトキシ水素化ホウ素(772 mg、3.64 mmol)を固体として加えた。反応をHPLCおよびLC-MSによってモニターして、3時間以内に完了した。反応はMeOH(20 ml)によって停止させて、溶媒をその後排液した。残査をDMF3mlに再度溶解して、C-18カラム上で分離した。分離用カラムからの分画を真空で乾燥させ、内容物をメタノールに溶解することによってHCl塩を作製した(飽和HCl)。溶媒を減少させると、黄色の粉末(13C)が形成された。1H NMR、LC-MS、HPLCによって特徴を調べた。
【0162】
実施例2:インビトロ最小阻止濃度(MIC)アッセイ
以下のアッセイを用いて、一般的な細菌に対してテトラサイクリン化合物の有効性を決定する。各化合物2mgをDMSO 100 μlに溶解する。次に、溶液を、化合物の最終濃度が200 μg/mlとなるように陽イオン調節ミューラー・ヒントンブロス(CAMHB)に加える。テトラサイクリン化合物溶液を容量50 μlに希釈して、試験化合物濃度は.098 μg/mlとなる。吸光度(OD)測定は、試験株の新鮮な対数期ブロス培養から行う。希釈は、1×106 CFU/mlの最終細胞密度が得られるように希釈する。OD=1では、異なる属の細胞密度はおよそ以下となるはずである:
大腸菌 1×109 CFU/ml
黄色ブドウ球菌 5×108 CFU/ml
腸球菌種 2.5×109 CFU/ml
【0163】
細胞浮遊液50 μlをマイクロタイタープレートの各ウェルに加える。最終的な細胞密度は約5×105 CFU/mlとなるはずである。これらのプレートを35℃でアンビエント・エア・インキュベータ内で約18時間インキュベートする。プレートをマイクロプレートリーダーによって読みとり、必要であれば肉眼で検分した。MICは、増殖を阻害するテトラサイクリン化合物の最小濃度として定義される。本発明の化合物は、増殖の良好な阻害を示す。
【0164】
表2において、特定の細菌の増殖の良好な阻害剤である化合物を*印で示し、特定の細菌の非常に良好な阻害剤である化合物を**印で示し、そして特定の細菌の特に良好な阻害剤である化合物を***印で示す。
【0165】
同等物
当業者は、本明細書に記載の特定の技法に対して、単なる日常的な実験を用いて無数の同等物を認識する、または確認することができるであろう。そのような同等物は、本発明の範囲内であり、添付の特許請求の範囲に含まれると見なされる。本明細書において引用した全ての参考文献、特許、および特許出願の内容は、参照として本明細書に組み入れられる。それらの特許、出願、および他の文書の適当な成分、プロセス、および方法を、本発明およびその態様に関して選択してもよい。
【0166】
【表2】





































【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iの置換テトラサイクリン化合物、ならびにその薬学的に許容される塩:
【化1】

式中、
XはCHC(R13Y'Y)、CR6'R6、C=CR6'R6、S、NR6、またはOである;
R2、R2'、R4'およびR4"はそれぞれ独立して、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、ヘテロ芳香族、またはプロドラッグ部分である;
R4はNR4'R4"、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素である;
R2'、R3、R10、R11およびR12はそれぞれ水素またはプロドラッグ部分である;
R5はヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、ヘテロ芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシである;
R6およびR6'はそれぞれ独立して、水素、メチレン、存在しない、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;
R7は、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、または-(CH2)0-3NR7cC(=W')WR7aである;
R9は、水素、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ(例えば、-N=S)または-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aである;
ZはCR9dR9e、S、NR9bまたはOである;
Z'はO、S、またはNR9fである;
WはCR7dR7e、S、NR7b、またはOである;
W'はO、NR7fSである;
R7a、R7b、R7c、R7d、R7e、R9a、R9b、R9c、R9d、およびR9eは、それぞれ独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、複素環、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分である;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである;ならびに
Y'およびYはそれぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。
【請求項2】
R4がNR4'R4"、XがCR6R6';R2、R2'、R6、R6'、R8、R9、R10、R11およびR12がそれぞれ水素;R4'およびR4"が低級アルキル;ならびにR5がヒドロキシまたは水素である、請求項1記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項3】
R4'およびR4"がそれぞれメチルであって、R5が水素である、請求項2記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項4】
R7がアリールである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項5】
R7が置換または非置換フェニルである、請求項4記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項6】
フェニルが、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される置換基によって置換されている、請求項5記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項7】
置換基が置換または非置換アルキルである、請求項6記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項8】
アルキルが複素環によって置換されている、請求項5記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項9】
複素環がモルフォリン、ピペリジン、またはピロリジンである、請求項8記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項10】
フェニルがアミノ基によって置換されている、請求項5記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項11】
アミノ基が、アルキル、アルケニル、アルキニル、カルボニル、アルコキシ、およびアリール基からなる群より選択される一つまたは複数の置換基によって置換されている、請求項10記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項12】
アミノ基が、アルコキシ基によって置換されている、請求項11記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項13】
アミノ基が置換または非置換フェニル基によって置換されている、請求項11記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項14】
置換フェニルがハロゲンによって置換されている、請求項13記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項15】
置換フェニルアミノ基が第二の置換アミノ基によって置換されている、請求項13記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項16】
第二の置換アミノ基が置換または非置換アリールである、請求項15記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項17】
第二の置換アミノ基が第二の置換フェニルである、請求項16記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項18】
フェニル基がアルコキシによって置換されている、請求項5記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項19】
フェニル基がアルコキシカルボニルアミノ基によって置換されている、請求項5記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項20】
アリール基が置換または非置換ナフチルである、請求項4記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項21】
ナフチル基がアルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される一つまたは複数の置換基によって置換されている、請求項20記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項22】
置換基がアミノまたはホルミルである、請求項21記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項23】
R7がヘテロアリールである、請求項4記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項24】
ヘテロアリールがフラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ピリジニル、ピラゾリル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフストジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルからなる群より選択される、請求項23記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項25】
ヘテロアリールがチアゾリル、チオフェニル、またはフラニルである、請求項24記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項26】
R7が置換または非置換アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項27】
アルキルが直鎖または分岐鎖である、請求項26記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項28】
アルキルがメチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、n-ブチル、i-ブチル、t-ブチル、ペンチル、またはヘキシルである、請求項27記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項29】
アルキルがシクロアルキルを含む、請求項26記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項30】
シクロアルキルがシクロペンチル、シクロヘキシル、シクロプロピル、またはシクロブチルである、請求項29記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項31】
アルキルが、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される一つまたは複数の置換基によって置換される、請求項26記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項32】
アルキルがアミノ、ヒドロキシ、カルボキシ、カルボニル、またはアリール基である、請求項31記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項33】
アリール基がヘテロ芳香族である、請求項32記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項34】
ヘテロ芳香族基が、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフストジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルからなる群より選択される、請求項33記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項35】
ヘテロ芳香族基がピリジニルである、請求項34記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項36】
アリール基が置換または非置換フェニルである、請求項32記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項37】
フェニル基がスルホンアミドまたはアルキルによって置換されている、請求項36記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項38】
カルボニル基がモルフォリニルカルボニルである、請求項32記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項39】
R7が置換または非置換アルケニルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項40】
アルケニル基が、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される一つまたは複数の置換基によって置換される、請求項39記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項41】
アルケニル基がアミノカルボニルまたはアルコキシカルボニル基によって置換される、請求項40記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項42】
アミノカルボニルがジアルキルアミノカルボニルである、請求項41記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項43】
アルケニル基が一つまたは複数のハロゲンによって置換されている、請求項40記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項44】
アルケニル基が一つまたは複数のヒドロキシ基によって置換されている、請求項40記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項45】
アルケニル基がヘテロアリールによって置換されている、請求項40記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項46】
ヘテロアリールがフラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンズオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリジニル、ピラゾリル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフストジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、およびデアザプリニルからなる群より選択される、請求項45記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項47】
ヘテロアリールがチアゾリルである、請求項46記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項48】
アリール置換基が置換または非置換フェニルである、請求項40記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項49】
置換フェニルが一つまたは複数のハロゲン、アルコキシ、ヒドロキシ、またはアルキル基によって置換されている、請求項48記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項50】
置換フェニルが一つまたは複数のフッ素によって置換されている、請求項49記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項51】
R7が置換または非置換アルキニルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項52】
置換アルキニルがアリールによって置換されている、請求項51記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項53】
置換アルキニルが置換または非置換フェニルによって置換されている、請求項52記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項54】
置換フェニルが、アルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される一つまたは複数の置換基によって置換されている、請求項53記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項55】
フェニルがアルキルカルボニルアミノまたはスルホンアミドによって置換されている、請求項54記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項56】
置換アルキニルがテトラサイクリン部分によって置換されている、請求項51記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項57】
R7がアルキルカルボニルアミノである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項58】
R7がカルボニルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項59】
R7が置換または非置換アルキルカルボニルである、請求項58記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項60】
アルキルカルボニルがアリールによって置換されている、請求項59記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項61】
アリール置換基がヘテロアリールである、請求項60記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項62】
ヘテロアリール置換基がピリジニルである、請求項61記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項63】
R7が置換または非置換イミノである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項64】
置換イミノがヒドロキシまたはアルコキシ基によって置換されている、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項65】
R7がNR7c(C=W')WR7aである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項66】
R7cが水素、W'が酸素、およびWが酸素である、請求項55記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項67】
R7aが置換または非置換フェニルである、請求項65または66記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項68】
置換フェニルがアルキル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、カルボキシ、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルアミノ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシレート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、ホスフェート、アラルキル、ホスホネート、ホスフィネート、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、スルフェート、アリールチオ、チオカルボキシレート、アルキルスルフィニル、スルホネート、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロシクリル、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される一つまたは複数の置換基に置換されている、請求項67記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項69】
R7aがアルキルである、請求項65または66記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項70】
R7がスルホンアミドである、請求項1〜3のいずれか一項記載のテトラサイクリン化合物。
【請求項71】
以下からなる群より選択されるテトラサイクリン化合物ならびにその薬学的に許容される塩、プロドラッグおよびエステル:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【化39】

【化40】

【化41】

【化42】

【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【化65】

【化66】

【請求項72】
以下の式の7-置換サンサイクリン化合物ならびにその薬学的に許容される塩、エステル、およびプロドラッグ:
【化67】

式中、
R4およびR4"はそれぞれアルキルである;
R7は式
【化68】

の融合環部分であり、式中QはC、またはヘテロ原子;アシルフラニル基;トリ、テトラ、もしくはペンタ-ハロ置換フェニル基;アミノメチルフェニル基;アシルアミノメチル基;アルキルエステルフェニル基;アシルフェニル基;アシルアルキニル基;アシルアルコキシフェニル基;メチルフェニル基;ジメチルフェニル基;カルボキシフェニル基;カルボキシアルキニル基;チオフェン基;ハロチオフェン基;アルコキシカルボニルフェニル基;アルコキシフェニル基;アルコキシフェニルアルキニル基;アルコキシピリジル基;アルキレンピリジン基;シクロペンチルもしくはシクロペンテニル基;シクロヘキシルアルキニル基;シクロヘキセニルアルキニル基;シクロヘキセニルハロアルケニル基;ヒドロキシシクロヘキシルアルキニル基;フェニルアルキニル基;フェニルアルケニル基;アミノアルキニル基;シクロブチルアルケニル基;ピリジルアルキニル基;ピリジルアルケニル基;ニトロフェニルアルキニル基;ニトロフェニルアルケニル基;シアノアルキニル基;アルキニル基;シアノアルケニル基;シアノフェニル基;ジアルキルアミドアルケニル基;ジアルキルアミドフェニル基;アミノフェニルエチル基;アミノフェニルエチニル基;ハロエテニル基;ハロフェニルアルキニル基;またはアルキルエステル置換ペンテニル基である。
【請求項73】
化合物が、7-(2-ベンゾフラン)サンサイクリン、7-(3-ホルミルフラニル)サンサイクリン、7-(2,3,4,5,6-ペンタフルオロフェニル)サンサイクリン、7-(4-アミノメチルフェニル)サンサイクリン、7-(4-ホルミルアミノメチルフェニル)サンサイクリン、7-(4-カルボキシフェニルメチルエステル)サンサイクリン、7-(2-カルボキシフェニルエチルエステル)サンサイクリン、7-(4-トリル)サンサイクリン、7-(3-ホルミルフェニル)サンサイクリン、7-(4-ホルミルフェニル)サンサイクリン、7-(3-アセチルフェニル)サンサイクリン、7-(2-アセチルフェニル)サンサイクリン、7-(3-アセチルフェニル)サンサイクリン、7-(4-アセチルフェニル)サンサイクリン、7-(3-ホルミル-6-メトキシフェニル)サンサイクリン、7-(4-メチルフェニル)サンサイクリン、7-(3,5-ジメチルフェニル)サンサイクリン、7-(3-カルボキシフェニル)サンサイクリン、7-(カルボキシエチニル)サンサイクリン、7-(3-チオフェン)サンサイクリン、7-(3-メチル-2-チオフェン)サンサイクリン、7-(3-メチル-5-チオフェン)サンサイクリン、7-(3-クロロ-2-チオフェン)サンサイクリン、および7-(4-クロロ-2-チオフェン)サンサイクリン、7-(2-エトキシカルボニルフェニル)サンサイクリン、7-(2-エトキシフェニル)サンサイクリン、7-(3-エトキシフェニル)サンサイクリン、7-(4-メトキシフェニル)サンサイクリン、7-(2,5-ジメトキシフェニル)サンサイクリン、7-(4-メトキシフェニルエチニル)サンサイクリン、7-(4-メトキシ-5-ピリジル)サンサイクリン、7-(シクロペンテニル)サンサイクリン、7-(シクロヘキシルエチニル)サンサイクリン、7-(1-エチニル-1-シクロヘキシル)サンサイクリン、7-(1-クロロビニル-1-シクロヘキシル)サンサイクリン、7-(1-エチニル-1-ヒドロキシシクロヘキシル)サンサイクリン、7-(フェニルエチニル)サンサイクリン、7-(トリルエチニル)サンサイクリン、7-(4-メトキシフェニルエチニル)サンサイクリン、7-(2-ビニルピリジル)サンサイクリン、7-(ビニルフェニル)サンサイクリン、7-(ジメチルアミノエチニル)サンサイクリン、7-(シクロブチルメテニル)サンサイクリン、7-(2-ピリジルエチニル)サンサイクリン、7-(3-ピリジルエチニル)サンサイクリン、7-(4-ピリジルエテニル)サンサイクリン、7-(シアノ-1-ペンチニル)サンサイクリン、7-(シアノヘキセニル)サンサイクリン、7-(3-シアノフェニル)サンサイクリン、7-(4-シアノフェニル)サンサイクリン、7-(3-ヒドロキシフェニルエチニル)サンサイクリン、7-(N,N-ジメチルアクリルアミド)サンサイクリン、7-(ジメチルアミドエテニル)サンサイクリン、7-(4-ニトロフェニルエチニル)サンサイクリン、7-(4-ニトロスチリル)サンサイクリン、7-(エチニル)サンサイクリン、7-(N,N-ジメチルアクリルアミド)サンサイクリン、7-(3-ジメチルアミドフェニル)サンサイクリン、7-(4-メトキシフェニル)サンサイクリン、7-(4-アミノフェニルエチル)サンサイクリン、7-(2-クロロエテニル)サンサイクリン、7-(2-フルオロフェニルエテニル)サンサイクリン、7-(1-ヨード-1,3-ジカルボエトキシ-1,3-ブタジエン)サンサイクリン、または7-(4-アミノフェニルビニル)サンサイクリンである、請求項72記載の化合物。
【請求項74】
位置異性体を少なくとも75%含まない、請求項1または71記載の化合物。
【請求項75】
位置異性体を少なくとも80%含まない、請求項74記載の化合物。
【請求項76】
位置異性体を少なくとも85%含まない、請求項75記載の化合物。
【請求項77】
位置異性体を少なくとも90%含まない、請求項76記載の化合物。
【請求項78】
位置異性体を少なくとも95%含まない、請求項77記載の化合物。
【請求項79】
対象が治療されるように、請求項1、71または72に記載のテトラサイクリン化合物を対象に投与することを含む、対象におけるテトラサイクリン応答性状態を治療する方法。
【請求項80】
テトラサイクリン応答性状態が細菌感染症である、請求項79記載の方法。
【請求項81】
細菌感染症が大腸菌に関連している、請求項80記載の方法。
【請求項82】
細菌感染症が黄色ブドウ球菌に関連している、請求項80記載の方法。
【請求項83】
細菌感染症がE. フェカーリスに関連している、請求項80記載の方法。
【請求項84】
細菌感染症が他のテトラサイクリン抗生物質に対して耐性である、請求項80記載の方法。
【請求項85】
対象がヒトである、請求項79記載の方法。
【請求項86】
テトラサイクリン化合物が薬学的に許容される担体と共に投与される、請求項79記載の方法。
【請求項87】
表2に記載される群より選択される置換テトラサイクリン化合物。
【請求項88】
請求項1、71、72、または87に記載のテトラサイクリン化合物の治療有効量と、薬学的に許容される担体とを含む薬学的組成物。

【公開番号】特開2012−140438(P2012−140438A)
【公開日】平成24年7月26日(2012.7.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−32850(P2012−32850)
【出願日】平成24年2月17日(2012.2.17)
【分割の表示】特願2002−509075(P2002−509075)の分割
【原出願日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願人】(399127843)トラスティーズ・オブ・タフツ・カレッジ (12)
【氏名又は名称原語表記】TRUSTEES OF TUFTS COLLEGE
【出願人】(500127209)パラテック ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】