説明

7−(4−置換−3−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル)キノロンカルボン酸誘導体

【課題】 安全で、強力な抗菌作用を示すだけでなく、従来の抗菌剤が効力を示しにくい耐性菌に対して有効な新規なキノロンカルボン酸系化合物を提供する。
【解決手段】 下記一般式(I)
【化1】


で示されるグラム陽性菌、特にMRSA,PRSP,VREといった耐性菌に対し、強い抗菌活性を示しかつ安全性に優れた7−(4−置換−3−シクロプロピルアミノメチルピロリジニル)キノロンカルボン酸誘導体(代表例:1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸)を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、安全で、強力な抗菌作用を示すだけでなく、従来の抗菌剤が効力を示しにくい耐性菌に対して有効な新規7−(4−置換−3−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル)キノロンカルボン酸誘導体およびその塩並びに水和物に関する。
【背景技術】
【0002】
ノルフロキサシンの開発以来、ニューキノロンと呼ばれるキノロンカルボン酸系抗菌剤の開発が全世界で行われ、現在感染症の治療薬として重要な位置を占めるまでに発展している。
【0003】
近年になってグラム陽性菌を中心に各種抗菌剤に耐性を示すメチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)、ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)あるいはバンコマイシン耐性腸球菌(VRE)などが増加し、治療の大きな妨げになっている。従来のキノロンカルボン酸系抗菌剤はグラム陽性菌に対する抗菌力が本質的に弱いため、これらの耐性菌に対する治療薬として十分な効力を有しているとは言い難い。さらにキノロンカルボン酸系抗菌剤に対して耐性を示す黄色ブドウ球菌(QRSA)の増加も治療をさらに困難なものにしている。
【0004】
3−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル基を有するキノロンカルボン酸誘導体の例は知られているが、耐性菌に対する抗菌力や安全性については明らかとなっていない(特許文献1、2)。また、4−置換−3−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル基を有するキノロンカルボン酸誘導体については合成並びにその生物学的活性に関する報告はない。
【0005】
【特許文献1】特開昭59−67269号公報
【特許文献2】WO97/400パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明が解決しようとする課題は、安全で、強力な抗菌作用を示すだけでなく、従来の抗菌剤が効力を示しにくい耐性菌に対して有効な新規なキノロンカルボン酸系化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明はグラム陽性菌、特にMRSA,PRSP,VREといった耐性菌に対し、強い抗菌活性を示しかつ安全性に優れた7−(4−置換−3−シクロプロピルアミノメチルピロリジニル)キノロンカルボン酸誘導体を提供する。
【0008】
即ち、本発明は
1)一般式(I)
【0009】
【化1】

【0010】
(式中、R1はハロゲン原子で1または2以上置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子で1または2以上置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基、またはハロゲン原子およびアミノ基から選択される同一または異なる置換基で1または2以上置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を、R2は水素原子、炭素数1から3のアルキル基、医薬的に許容される陽イオンまたはプロドラッグとして容認できる基を、R3は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基または炭素数1から3のアルキル基を、R4は水素原子またはハロゲン原子を、R5は炭素数1から3のアルキル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基またはフッ素原子を、R6は水素原子またはフッ素原子を、Aは窒素原子または=C−X(Xは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子で1または2以上置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基を示す)を示す)
で表されるキノロンカルボン酸誘導体およびその塩並びに水和物、
2)前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基である1)に記載の化合物およびその塩並びに水和物、
3)前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基、R4が水素原子またはフッ素原子である1)に記載の化合物およびその塩並びに水和物、
4)前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基、R4が水素原子またはフッ素原子およびAが窒素原子または=C−X(Xが水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基またはメチル基)である1)に記載の化合物およびその塩並びに水和物、
5)前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基、R4が水素原子またはフッ素原子、R5がフッ素原子またはメチル基およびR6が水素原子またはフッ素原子、Aが窒素原子または=C−X(Xが水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基またはメチル基)である1)に記載の化合物およびその塩並びに水和物、
6)上記1)ないし5)に記載の化合物及びその塩並びに水和物を有効成分として含有することを特徴とする抗菌剤、に関するものである。
【0011】
前記一般式(I)において医薬的に許容される陽イオンとしてはナトリウムイオン、カリウムイオン、マグネシウムイオン、カルシウムイオンあるいはアンモニウムイオンを、およびプロドラッグとして容認できる基としてはピバロイルオキシメチル基、アセトキシメチル基、フタリジニル基、インダニル基、メトキシメチル基および5−メチル−2−オキソ−1,3−ジオキソレン−4−イル基を示す。ハロゲン原子とはフッ素、塩素、臭素およびヨウ素を示す。
【0012】
また、炭素数1から6のアルキル基とはエチル基、プロピル基、2−プロピル基、ブチル基、2−ブチル基、1,1−ジメチルエチル基、ペンチル基およびヘキシル基を示す。炭素数3から6のシクロアルキル基とはシクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基およびシクロヘキシル基を示す。炭素数1から3のアルキル基とはメチル基、エチル基、プロピル基、2−プロピル基およびシクロプロピル基を示す。炭素数1から3のアルコキシ基とはメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、2−プロポキシ基およびシクロプロピルオキシ基を示す。アリール基とはフェニル基およびナフチル基を示す。ヘテロアリール基とはピリジル基、ピリミジニル基、ピラジニル基、ピリダジニル基、チアゾリル基およびイミダゾイル基を示す。
【発明の効果】
【0013】
前記一般式で表される本発明化合物は新規な化合物であり、グラム陽性菌、特にMRSA,PRSP,VREといった耐性菌に対し、強い抗菌活性を示しかつ安全性に優れている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
前記一般式(I)で表されるキノロンカルボン酸誘導体としては、例えば1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−(trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−(trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−トリフルオロメチル−1−ピロリジニル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R、2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メトキシ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メチル−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メトキシ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、8−クロロ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1−[(1R、2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、8−クロロ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、5−アミノ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、5−アミノ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、5−アミノ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、5−アミノ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸、およびその塩並びに水和物等を挙げることができる。
【0015】
前記一般式(I)で表される本発明化合物の製造方法の一実施形態を以下に示す。
【0016】
本発明化合物は、例えば一般式(II)
【0017】
【化2】

【0018】
[式中R1、R3、R4およびAは一般式(I)と同じ、R7はフッ素、塩素、臭素またはヨウ素などのハロゲン原子を、R8は水素原子、炭素数1から6のアルキル基、ベンジル基または一般式(III)
【0019】
【化3】

【0020】
(式中R9およびR10は同一または異なってフッ素原子または低級アルキルカルボニルオキシ基を示す。)を示す。]で表される化合物を一般式(IV)
【0021】
【化4】

【0022】
(式中R5およびR6は一般式(I)と同じ、R11は水素原子あるいはt−ブトキシカルボニル基等の窒素原子の保護基を示す。)で表される化合物あるいはその酸付加塩と反応させた後、必要ならばホウ素キレート、エステルあるいは窒素原子の保護基を除去することにより製造することができる。
【0023】
一般式(II)と一般式(IV)で表される化合物との反応は無溶媒またはアルコール類、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドン、テトラヒドロフラン、ジオキサン、ベンゼン、トルエン等の溶媒中、脱酸剤の存在下で実施される。脱酸剤としてはアルカリ金属もしくはアルカリ土類金属炭酸塩または炭酸水素塩あるいはトリエチルアミン、ジアザビシクロ−7−ウンデセン、ピリジンなどの有機塩基性物質等を使用することができる。反応温度は通常室温ないし200℃の温度範囲で実施でき、好ましくは25℃から150℃の範囲である。反応時間は30分から48時間で、通常30分から15時間で完結する。
【0024】
一般式(I)で表される化合物は所望ならば、常法に従ってその塩に変換することができる。塩としては例えば塩酸、硫酸、リン酸等の無機酸との塩、メタンスルホン酸、乳酸、蓚酸、酢酸等の有機酸との塩、あるいはナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム、アルミニウム、セリウム、クロム、コバルト、銅、鉄、亜鉛、白金、銀等の塩があげられる。
【0025】
さらに本発明化合物がヒトまたは動物へ投与される時は、従来、薬学的に良く知られた形態および経路が適用される。例えば散剤、錠剤、カプセル剤、軟膏、注射剤、シロップ剤、水剤、点眼剤、座薬等により経口または非経口的に使用される。
【0026】
本発明化合物およびその塩には、2つ以上の不斉炭素に基づく複数の光学異性体が存在し得るが、本発明はこれらの光学異性体もしくはジアステレオ異性体のいずれをも含み、またそれらの任意の比率を示す混合物またはラセミ体をも含むものである。
【実施例】
【0027】
次に本発明化合物の試験例及び製造方法を、実施例をもって詳細に説明する。
【0028】
<参考例1>
trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンの合成
第一工程:
trans−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボン酸(4.04g)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、1,1’−カルボニルビス−1H−イミダゾール(3.58g)を加え、室温で1時間撹拌した。この反応液に氷水冷下でシクロプロピルアミン(1.53mL)のジクロロメタン(15mL)溶液を滴下した後、室温で3時間撹拌した。反応液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をヘキサン−ジイソプロピルエーテル混液で結晶化させ、析出晶を濾取した。濾取した結晶をヘキサン−ジイソプロピルエーテル混液で洗浄後、減圧乾燥し、白色結晶のtrans−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(4.07g)を得た。
融点:81−83℃.
MS(EI)m/z:258(M).
【0029】
第二工程:
tarns−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(3.80g)を無水テトラヒドロフラン(85mL)に懸濁し、1Mボラン・テトラヒドロフラン錯体テトラヒドロフラン溶液(58.8mL)を加えた後、8時間加熱還流した。反応液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(35mL)を加え、4時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣をトルエン(2×100mL)で抽出した。トルエン層を合わせ、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(50mL)に溶解し、ジtert−ブチルジカーボネート(3.53g)を加え、室温で4時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、無色油状のtarns−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(3.07g)を得た。
MS(FAB)m/z:345(MH).
HRMS(FAB)C2133(MH)として
計算値 345.2542
実測値 345.2505.
【0030】
第三工程:
tarns−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(3.00g)をエタノール(50mL)に溶解し、7.5%パラジウム炭素(300mg)を加え3.9×10Paの水素圧下、室温で6間撹拌した。反応液中の触媒を濾去し、濾去した触媒をエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、残渣を減圧乾燥して淡褐色油状のtrans−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(2.12g)を得た。
MS(FAB)m/z:255(MH).
HRMS(FAB)C1427(MH)として
計算値 255.2073
実測値 255.2079.
【0031】
第四工程:
trans−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(2.07g)をジクロロメタン(10mL)に溶解し、氷水冷下でトリフルオロ酢酸(5mL)を加えた後、室温で2時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をテトラヒドロフラン(6mL)に溶解し、室温で13時間放置した。析出した結晶を濾取し、テトラヒドロフランで洗浄後、減圧乾燥してtrans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジントリフルオロ酢酸塩を2.47g得た。この塩(2.37g)を水(5mL)に溶解し、20%水酸化ナトリウム水溶液でpH14とした後、ジエチルエーテル(2×50mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留で精製し、trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(660mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.30−0.37(m,2H),0.41−0.45(m,2H),1.04(d,J=6.3Hz,3H),1.66−1.76(m,4H),2.08−2.13(m,1H),2.46(dd,J=7.3Hz,10.7Hz,1H),2.57(dd,J=8.3Hz,11.7Hz,1H),2.63(dd,J=6.3Hz,10.7Hz,1H),2.80(dd,J=5.4Hz,11.7Hz,1H),3.10(dd,J=6.8Hz,10.7Hz,1H),3.14(dd,J=7.3Hz,10.7Hz,1H).
元素分析値(%):C18・2CFCOOHとして
計算値:C;40.84,H;5.27,N;7.33
実測値:C;40.90,H;5.47,N;7.37.
【0032】
<参考例2>
(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンの合成
第一工程:
(3R,4R)−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボン酸(6.27g)をジクロロメタン(250mL)に懸濁し、シクロプロピルアミン(1.76mL)次いで塩酸1−エチル−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド(12.2g)を加え、室温で4時間攪拌した。反応液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製し、白色結晶の(3R,4R)−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(3.32g)を得た。
MS(EI)m/z:258(M).
元素分析値(%):C1622Oとして
計算値:C;74.38,H;8.58,N;10.84
実測値:C;74.46,H;8.67,N;10.72.
【0033】
第二工程:
(3R,4R)−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(5.52g)を用い、参考例1の第二工程と同様に反応を行い淡褐色油状の(3R,4R)−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(4.16g)を得た。
MS(FAB)m/z:345(MH).
HRMS(FAB)C2133(MH)として
計算値 345.2542
実測値 345.2585.
【0034】
第三工程:
(3R,4R)−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(4.00g)を用い、参考例1の第三工程と同様に反応を行い、(3R,4R)−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(2.88g)を得た。
MS(FAB)m/z:255(MH).
HRMS(FAB)C1427(MH)として
計算値 255.2073
実測値 255.2070.
【0035】
第四工程:
(3R,4R)−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(2.78g)を用い、参考例1の第四工程と同様に反応を行い、(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(730mg)を得た。
比旋光度:+74.6°(c=0.648、メタノール).
元素分析値(%):C18・2CFCOOHとして
計算値:C;40.84,H;5.27,N;7.33
実測値:C;40.73,H;5.26,N;7.36.
【0036】
<参考例3>
(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンの合成
第一工程:
(3S,4S)−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボン酸(14.5g)を用い、参考例2の第一工程と同様に反応を行い、淡褐色結晶の(3S,4S)−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(6.33g)を得た。
MS(EI)m/z:258(M).
元素分析値(%):C1622Oとして
計算値:C;74.38,H;8.58,N;10.84
実測値:C;74.64,H;8.66,N;10.71.
【0037】
第二工程:
(3S,4S)−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(6.13g)を用い、参考例1の第二工程と同様に反応を行い淡褐色油状の(3S,4S)−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(4.67g)を得た。
MS(FAB)m/z:345(MH).
HRMS(FAB)C2133(MH)として
計算値 345.2542
実測値 345.2547.
【0038】
第三工程:
(3S,4S)−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(4.47g)を用い、参考例1の第三工程と同様に反応を行い、(3S,4S)−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(3.05g)を得た。
MS(FAB)m/z:255(MH).
HRMS(FAB)C1427(MH)として
計算値 255.2073
実測値 255.2075.
【0039】
第四工程:
(3S,4S)−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−メチルピロリジン(2.85g)を用い、参考例1の第四工程と同様に反応を行い、(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンを(1.21g)を得た。
比旋光度:−74.5°(c=0.62、メタノール).
元素分析値(%):C18・2CFCOOHとして
計算値:C;40.84,H;5.27,N;7.33
実測値:C;40.80,H;5.18,N;7.39.
【0040】
<参考例4>
cis−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンの合成
第一工程:
cis−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン(6.81g)をジクロロメタン(70mL)に溶解し、ドライアイス−アセトン浴上で冷却しながらトリエチルアミン(5.21mL)を加えた後、塩化メタンスルホニル(2.89mL)を滴下し、さらに1時間攪拌した。反応液に水(50mL)を加え、室温に戻した後、ジクロロメタン層を分取し、水層をジクロロメタン(50mL)で抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をアセトニトリル(180mL)に溶解し、シアノテトラブチルアンモニウム(23.9g)を加え、7時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解した。この溶液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、褐色油状のcis−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニトリル(4.61g)を得た。
IR(neat):2240,1496,1454cm−1
MS(EI)m/z:200(M).
【0041】
第二工程:
水素化リチウムアルミニウム(80%,3.89g)をジエチルエーテル(90mL)に懸濁し、cis−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニトリル(4.11g)のジエチルエーテル(25mL)溶液を氷水冷下で滴下した後、室温で1時間攪拌した。反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(8mL)を氷水冷下で注意して滴下した。反応混合物をジエチルエーテル(100mL)で希釈したの値、不溶物を濾去、不溶物をジエチルエーテルで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製して淡黄色油状のcis−1−ベンジル−4−メチル−3−アミノメチルピロリジン(2.35g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.94(d,J=7.3Hz,3H),1.09−1.66(br,2H),2.03(dd,J=7.3Hz,9.3Hz,1H),2.11−2.26(m,2H),2.31−2.42(m,1H),2.58(dd,J=8.3Hz,12.2Hz,1H),2.82(dd,J=5.9Hz,12.2Hz,1H),2.96−3.02(m,2H),3.60(s,2H),7.21−7.35(m,5H).
【0042】
第三工程:
cis−1−ベンジル−4−メチル−3−アミノメチルピロリジン(1000mg)をメタノール(10mL)に溶解し、氷水冷下でベンズアルデヒド(0.50mL)を滴下した後、室温で1時間攪拌した。反応液にシアノ水素化ホウ素ナトリウム(184mg)を加え、室温で1.5時間攪拌したのち、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(123mg)を追加し、さらに5.5時間攪拌した。反応液に2mol/L水酸化ナトリウム水溶液(5mL)を加え、2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣をトルエン(2×30mL)で抽出した。トルエン層を合わせ、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、淡黄色油状のcis−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−メチルピロリジン(690mg)を得た。
MS(EI)m/z:294(M).
HRMS(EI)C2026(M)として
計算値 294.2096
実測値 294.2110.
【0043】
第四工程
cis−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−メチルピロリジン(680mg)をメタノール(7mL)に溶解し、モレキュラーシーブス3A(700mg)、酢酸(1.32mL)、[1−(エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシラン(1.85mL)及びシアノ水素化ホウ素ナトリウム(435mg)を加え、4時間加熱還流した。反応液中の不溶物を濾去、不溶物をメタノールで洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮した。残渣に水(5mL)を加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした後、トルエン(2×50mL)で抽出した。トルエン層を合わせ、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、無色油状のcis−1−ベンジル−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−4−メチルピロリジン(648mg)を得た。
MS(EI)m/z:334(M).
HRMS(EI)C2330(M)として
計算値 334.2409
実測値 334.2403.
【0044】
第五工程:
cis−1−ベンジル−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−4−メチルピロリジン(640mg)をエタノール(10mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(500mg)及びクロロホルム(0.77mL)を加え、3.9×10Paの水素圧下、50℃で7時間攪拌した。反応液中の触媒を濾去し、濾去した触媒をエタノールで洗浄後、濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮した。残渣に水(2mL)を加え、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、塩化ナトリウムを加えて塩析した後、ジエチルエーテル(2×25mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1→ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、淡褐色油状のcis−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(124mg)を得た。
MS(CI)m/z:155(MH).
HRMS(CI)C19(MH)として
計算値 155.1548
実測値 155.1553.
【0045】
<参考例5>
(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンの合成
第一工程:
(3R,4S)−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン(4.00g)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、ドライアイス−アセトン浴上で冷却しながらトリエチルアミン(3.06mL)を加えた後、塩化メタンスルホニル(1.70mL)を滴下し、さらに1時間攪拌した。反応液に水(40mL)を加え、室温に戻した後、ジクロロメタン層を分取し、水層をジクロロメタン(40mL)で抽出した。ジクロロメタン層を合わせ、水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(120mL)に溶解し、シアノテトラブチルアンモニウム(5.53g)及びシアン化ナトリウム(2.05g)を加え、80℃で13時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に水(50mL)を加え、ジエチルエーテル(2×200mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、褐色油状の(3R,4S)−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニトリル(3.32g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 1.22(d,J=7.3Hz,3H),2.12(dd,J=8.3Hz,9.3Hz,1H),2.45−2.57(m,1H),2.60−2.67(m,1H),2.99(dd,J=7.3Hz,9.3Hz,1H),3.09−3.19(m,2H),3.62(s,2H),7.25−7.35(m,5H).
MS(EI)m/z:200(M).
【0046】
第二工程:
(3R,4S)−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニトリル(3.20g)を用い、参考例4の第二工程と同様に反応を行い、(3S,4S)−1−ベンジル−4−メチル−3−アミノメチルピロリジン(2.98g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.94(d,J=7.3Hz,3H),2.03(dd,J=7.3Hz,9.3Hz,1H),2.11−2.26(m,2H),2.31−2.43(m,1H),2.58(dd,J=8.3Hz,12.2Hz,1H),2.82(dd,J=5.9Hz,12.2Hz,1H),2.97−3.02(m,2H),3.60(s,2H),7.22−7.33(m,5H).
【0047】
第三工程:
(3S,4S)−1−ベンジル−4−メチル−3−アミノメチルピロリジン(2.80g)を用い、参考例4の第三工程と同様に反応を行い、(3R,4S)−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−メチルピロリジン(3.49g)を得た。
MS(EI)m/z:294(M).
HRMS(EI)C2026として
計算値 294.2096
実測値 294.2072.
【0048】
第四工程:
(3R,4S)−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−メチルピロリジン(3.40g)を用い、参考例4の第四工程と同様に反応を行い(3R,4S)−1−ベンジル−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−4−メチルピロリジン(3.72g)を得た。
MS(FAB)m/z:335(MH).
HRMS(EI)C2331として(MH
計算値 335.2487
実測値 335.2503.
【0049】
第五工程:
(3R,4S)−1−ベンジル−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−4−メチルピロリジン(3.60g)を用い、参考例4の第五工程と同様に反応を行い、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(1.29g)を得た。
MS(CI)m/z:155(MH).
HRMS(CI)C19として
計算値 155.1548
実測値 155.1539.
【0050】
<参考例6>
(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジンの合成
第一工程:
(3S,4R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メチルピロリジン(4.62g)を用い、参考例5の第一工程と同様に反応を行い、(3S,4R)−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニトリル(3.07g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 1.22(d,J=6.8Hz,3H),2.13(t,J=9.3Hz,1H),2.45−2.55(m,1H),2.61−2.65(m,1H),2.99(dd,J=6.8Hz,9.3Hz,1H),3.09−3.19(m,2H),3.62(s,2H),7.27−7.34(m,5H).
【0051】
第二工程:
(3S,4R)−1−ベンジル−4−メチル−3−ピロリジンカルボニトリル(3.00g)を用い、参考例4の第二工程と同様に反応を行い、(3R,4R)−1−ベンジル−4−メチル−3−アミノメチルピロリジン(1.44g)を得た。
MS(EI)m/z:204(M).
HRMS(EI)C1320(M)として
計算値 204.1626
実測値 204.1614.
【0052】
第三工程:
(3R,4R)−1−ベンジル−4−メチル−3−アミノメチルピロリジン(1.06g)を用い、参考例4の第三工程と同様に反応を行い、(3S,4R)−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−メチルピロリジン(1.20g)を得た。
MS(EI)m/z:294(M).
HRMS(EI)C2026として
計算値 294.2096
実測値 294.2106.
【0053】
第四工程:
(3S,4R)−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−メチルピロリジン(1.40g)を用い、参考例4の第四工程と同様に反応を行い(3S,4R)−1−ベンジル−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−4−メチルピロリジン(1.55g)を得た。
MS(FAB)m/z:335(MH).
HRMS(EI)C2331として
計算値 335.2487
実測値 335.2498.
【0054】
第五工程:
(3S,4R)−1−ベンジル−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−4−メチルピロリジン(700mg)を用い、参考例4の第五工程と同様に反応を行い、(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(215mg)を得た。
MS(CI)m/z:155(MH).
HRMS(CI)C19として
計算値 155.1548
実測値 155.1510.
【0055】
<参考例7>
trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−トリフルオロメチルピロリジンの合成
第一工程:
trans−1−ベンジル−4−トリフルオロメチル−3−ピロリジンカルボン酸(3.00g)を用い、参考例1の第一工程と同様に反応を行い、trans−1−ベンジル−4−トリフルオロメチル−3−ピロリジンカルボキサミド(3.32g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.42−0.46(m,2H),0.75−0.79(m,2H),2.64−2.78(m,4H),2.82−2.86(m,1H),2.95(t,J=9.3Hz,1H),3.10−3.22(m,1H),3.59(d,J=13.2Hz,1H),3.68(d,J=12.7Hz,1H),6.34−6.53(br,1H),7.26−7.36(m,5H).
【0056】
第二工程:
trans−1−ベンジル−4−トリフルオロメチル−3−ピロリジンカルボキサミド(3.21g)を用い、参考例1の第二工程と同様に反応を行い、trans−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−トリフルオロメチルピロリジン(3.37g)を得た。
MS(FAB)m/z:399(MH).
HRMS(FAB)C2130として
計算値 399.2259
実測値 399.2254.
【0057】
第三工程:
trans−1−ベンジル−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−トリフルオロメチルピロリジン(3.27g)を用い、参考例1の第三工程と同様に反応を行い、trans−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−トリフルオロメチルピロリジン(2.38g)を得た。
MS(FAB)m/z:309(MH).
HRMS(FAB)C1424として
計算値 309.1790
実測値 309.1783.
【0058】
第四工程:
trans−3−[[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル]−4−トリフルオロメチルピロリジン(2.30g)を用い、参考例1の第四工程と同様に反応を行い、trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−トリフルオロメチルピロリジン(992mg)を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.29−0.33(m,2H),0.42−0.46(m,2H),2.10−2.15(m,1H),2.30−2.39(m,1H),2.41−2.53(m,1H),2.62−2.71(m,2H),2.83(dd,J=6.3Hz,11.7Hz,1H),3.10(d,J=6.8Hz,2H),3.18(dd,J=7.8Hz,11.7Hz,1H).
元素分析値(%):C15・2CFCOOHとして
計算値:C;35.79,H;3.93,N;6.42
実測値:C;35.82,H;3.90,N;6.59.
【0059】
<参考例8>
(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジンの合成(I法)
第一工程:
(E)−3−ベンジルオキシプロペニル−(1R)−カンホルスルタム(21.6g)をトリフルオロ酢酸(0.116mL)を含むジクロロメタン(300mL)に溶解し、室温でN−メトキシメチル−N−(トリメチルシリル)ベンジルアミン(15.0g)を滴下した後、さらに2時間撹拌した。反応液を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×200mL)次いで水(200mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣の淡黄色油状物をジエチルエーテル(150mL)に溶解し、室温で18時間放置した。析出晶を濾取し、ジエチルエーテルで洗浄後、減圧乾燥し、白色結晶のN−[[(3S,4R)−ベンジル−4−ベンジルオキシピロリジン−3−イル]カルボニル]−(2’S)−ボルナン−10,2−スルタム(11.5g)を得た。濾液と洗浄液を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:シクロヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、さらにN−[[(3S,4R)−ベンジル−4−ベンジルオキシピロリジン−3−イル]カルボニル]−(2’S)−ボルナン−10,2−スルタム(8.48g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 0.95(s,3H),1.02(s,3H),1.32−1.45(m,2H),1.86−1.96(m,3H),2.00−2.10(m,2H),2.57(dd,J=9.3Hz,5.3Hz),2.69(dd,J=9.8Hz,3.9Hz,1H),2.93(dd,J=10.3Hz,6.3Hz,1H),3.20(t,J=9.3Hz),3.42−3.51(m,3H),3.69−3.74(m,2H),3.90(d,J=11.7Hz),4.54(d,J=11.7Hz),4.63−4.66(m,1H),7.22−7.31(m,10H).
【0060】
第二工程:
水素化リチウムアルミニウム(80%,5.56g)をテトラヒドロフラン(170mL)に懸濁し、食塩−氷浴上で冷却しながらN−[[(3S,4R)−ベンジル−4−ベンジルオキシピロリジン−3−イル]カルボニル]−(2’S)−ボルナン−10,2−スルタム(19.9g)のテトラヒドロフラン(300mL)溶液を滴下した後、−5℃以下で1時間撹拌した。反応液に水(34mL)を注意して滴下した後、不溶物を濾取し、酢酸エチル(2×400mL)で洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ1mol/L塩酸(2×500mL)で抽出した。塩酸層を合わせ30%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性(pH14)とし、ジエチルエーテル(2×500mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、淡黄色油状の(3R,4R)−(1−ベンジル−4−ベンジルオキシピロリジン−3−イル)メタノール(9.91g)を得た。
H NMR(CDCl):δ 2.29−2.34(m,1H),2.40(dd,J=10.3Hz,4.4Hz,1H),2.68(dd,J=9.3Hz,2.4Hz,1H),2.75(dd,J=9.8Hz,6.3Hz,1H),3.18(dd,J=9.8Hz,6.8Hz,1H),3.61(s,2H),3.65(dd,J=10.3Hz,4.4Hz,1H),3.73(dd,J=10.3Hz,4.4Hz,1H),4.07(ddd,J=6.3Hz,4.4Hz,2.0Hz,1H),4.48(s,2H),7.25−7.35(m,10H).
【0061】
第三工程:
A法:(3R,4R)−(1−ベンジル−4−ベンジルオキシピロリジン−3−イル)メタノール(9.80g)をエタノール(100mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(2.00g)を加え、3.9×10Paの水素圧下、50℃で21時間撹拌した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾過し、触媒及びセライトパッドをエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮した。残渣をエタノール(100mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(2.00g)を加え、3.9×10Paの水素圧下、50℃で20時間撹拌した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾過し、触媒及びセライトパッドをエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮し、残渣を減圧乾燥して淡褐色油状の(3R,4R)−(4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(3.77g)を得た。
H NMR(DMSO−d):δ 1.96−2.03(m,1H),2.61(dd,J=11.6Hz,5.5Hz,1H),2.68(dd,J=11.6Hz,3.1Hz,1H),2.91(dd,J=11.1Hz,5.5Hz,1H),3.06(dd,J=11.0Hz,7.3Hz,1H),3.26(dd,J=10.4Hz,7.3Hz,1H),3.37(dd,J=10.4Hz,6.1Hz),3.90−3.93(m,1H).
【0062】
水酸化ナトリウム(2.70g)を水(25mL)に溶解し、ジオキサン(15mL)を加えた溶液に(3R,4R)−(4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(1.00g)を溶解し、氷水浴上で冷却しながら塩化カルボベンゾキシ(0.97mL)を滴下した。5℃以下で1時間撹拌した後、塩化カルボベンゾキシ(0.97mL)を滴下した。さらに5℃以下で1時間撹拌した後、塩化カルボベンゾキシ(0.97mL)を滴下し、5℃以下で1時間次いで室温で1時間撹拌した。反応混合物をジクロロメタン(2×100mL)で抽出し、ジクロロメタン層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、乳白色タール状の(3R,4R)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(1.18g)を得た。
MS(EI)m/z:251(M).
H NMR(CDCl):δ 2.08−2.40(br+m,2H),2.58−2.79(br,1H),3.20(dd,J=11.0Hz,7.3Hz,1H),3.32(dt,J=11.1Hz,5.5Hz,1H),3.59−3.76(m,4H),4.23−4.33(br,1H),5.12(s,2H),7.28−7.36(m,5H).
【0063】
B法:(3R,4R)−[1−ベンジル−4−ベンジルオキシピロリジン−3−イル]メタノール(10.0g)をメタノール(200mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(3.00g)を水(60mL)に懸濁したもの、次いでギ酸アンモニウム(21.2g)を加え、撹拌しながら4時間加熱還流した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾過し、触媒及びセライトパッドをメタノール−水混液(80:20)で洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮した。残渣の淡褐色タール状物質をN,N−ジメチルホルムアミド(100mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらトリエチルアミン(9.40mL)を加えた後、塩化カルボベンゾキシ(6.00mL)を滴下した。氷水冷下で1.5時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(400mL)に溶解し、飽和食塩水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、乳白色タール状の(3R,4R)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(7.66g)を得た。
本化合物はA法で得た化合物と一致した。
【0064】
第四工程:
A法:(3R,4R)−(1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(3.19g)をN,N−ジメチルホルムアミド(91mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらイミダゾール(6.05g)次いでtert−ブチルクロロジメチルシラン(5.74g)を加えた。室温で3時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮し、残渣をジエチルエーテル(400mL)に溶解した。ジエチルエーテル層を飽和食塩水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、無色油状の(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシピロリジン(5.46g)を得た。
MS(CI)m/z:480(MH).
H NMR(CDCl):δ 0.03(s,3H),0.05(s,3H),0.06(s,3H),0.07(s,3H),0.87(s,9H),0.88(s,9H),2.17−2.27(m,1H),3.21−3.28(m,2H),3.48−3.67(m,4H),4.21−4.28(m,1H),5.13(s,2H),7.31−7.37(m,5H).
【0065】
(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシピロリジン(5.46g)をテトラヒドロフラン(23mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながら水(23mL)次いで酢酸(68mL)を加えた後、室温で8時間撹拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、無色油状の(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ヒドロキシメチル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(2.74g)を得た。
MS(CI)m/z:366(MH).
H NMR(CDCl):δ 0.07−0.08(m,6H),0.88(s,9H),2.23−2.35(m,1H),3.21−3.30(m,2H),3.58−3.72(m,4H),4.17−4.25(m,1H),5.128(s,1H),5.135(s,1H),7.31−7.37(m,5H).
【0066】
(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ヒドロキシメチル−4−(tert−ブチルジメチルシリルオキシ)ピロリジン(2.73g)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、食塩−氷浴上で冷却しながらトリエチルアミン(1.21mL)を加えた後、塩化メタンスルホニル(0.71mL)を−5℃以下で滴下した。−5℃以下で1時間撹拌後、反応液を水洗(2×25mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(1.14g)を加え、100℃で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水(30mL)を加え、ジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、無色油状の(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシピロリジン(3.06g)を得た。
MS(CI)m/z:391(MH).
H NMR(CDCl):δ 0.07−0.09(m,3H),2.23−2.34(m,1H),3.19−3.25(m,2H),3.27−3.40(m,2H),3.60−3.71(m,2H),4.11−4.17(m,1H),5.13(s,2H),7.31−7.37(m,5H).
【0067】
(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシピロリジン(3.05g)をテトラヒドロフラン(50mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、13.3mL)を滴下した後、さらに1時間撹拌した。反応液に飽和食塩水(70mL)を加えた後、酢酸エチル(150mL,100mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製し、乳白色シロップ状の(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(2.01g)を得た。
MS(CI)m/z:277(MH).
H NMR(CDCl):δ 2.18−2.30(br,1H),2.32−2.40(m,1H),3.24(dd,J=11.6Hz,6.1Hz,1H),3.30−3.47(m,3H),3.68−3.75(m,2H),4.18−4.24(m,1H),5.13(s,2H),7.31−7.37(m,5H).
【0068】
B法:(3R,4R)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(3.00g)、アジ化ナトリウム(2.32g)、トリフェニルホスフィン(3.43g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(60mL)を混合し、氷水浴上で冷却しながら四臭化炭素(4.34g)のジクロロメタン(14mL)溶液を滴下した。室温で25時間さらに60℃で2時間撹拌した後、反応混合物にメタノール(5mL)を加え、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和食塩水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し、淡褐色シロップ状の(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(2.94g)を得た。本化合物はA法で得た化合物と一致した。
【0069】
C法:(3R,4R)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(150mg)をジクロロメタン(12mL)に溶解し、2,4,6−コリジン(0.79mL)を加えた後、氷水浴上で冷却しながら塩化メタンスルホニル(46.2μL)を滴下した。氷水浴上で2時間撹拌した後、冷蔵庫(3℃)中で15時間放置した。反応液を水(2mL)、1mol/L塩酸(2×2mL)、飽和食塩水(2×2mL)の順に洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル1:2→酢酸エチル)で精製し、淡黄色シロップ状の(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−メタンスルホニルオキシ−4−メタンスルホニルオキシメチルピロリジンを38.7mg、白色シロップ状の(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ヒドロキシ−4−メタンスルホニルオキシメチルピロリジン(133mg)を得た。
【0070】
(3R,4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ヒドロキシ−4−メタンスルホニルオキシメチルピロリジン(125mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(3mL)に溶解し、アジ化ナトリウム(50.0mg)を加え、100℃で1時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(5mL)に溶解し、水洗(2×1mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製し、乳白色シロップ状の(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(91.0mg)を得た。本化合物はA法で得た化合物と一致した。
【0071】
第五工程:
A法:(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(1.20g)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、食塩−氷浴上で冷却しながらジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(1.20mL)を滴下した後、室温で3時間撹拌した。再度、反応容器を食塩−氷浴上で冷却し、ジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.57mL)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。氷水浴上で冷却しながら反応液に飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)を滴下し、ジクロロメタン層を分取した。ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(2×20mL)次いで水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、淡褐色油状の(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(726mg)を得た。
MS(CI)m/z:279(MH).
H NMR(CDCl):δ 2.34−2.54(m,1H),3.22(dt,J=11.0Hz,2.4Hz,1H),3.39−3.49(m,1H),3.54−3.69(m,2H),3.73−3.91(m,2H),5.14(s,2H),5.16(dt,J=53.2Hz,3.7Hz,1H),7.32−7.37(m,5H).
【0072】
B法:(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(1.79g)をトルエン(56mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながら1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(2.03mL)を加えた後、ペルフルオロ−1−オクタンスルホニルフルオリド(2.80mL)を滴下し、さらに1時間撹拌した。反応液中の不溶物を濾去し、不溶物をトルエンで洗浄した。濾液と洗浄液をあわせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、淡褐色シロップ状の(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.58g)を得た。本化合物はA法で得た化合物と一致した。
【0073】
第六工程:
(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.35g)をエタノール(30mL)に溶解し、酸化白金(IV)(190mg)を加え、水素気流(風船)中室温で2時間撹拌した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾取し、濾取した触媒とセライトパッドをエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製して淡褐色油状の(3S,4S)−3−アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.13g)を得た。
MS(CI)m/z:253(MH).
【0074】
第七工程:
(3S,4S)−3−アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.10g)をメタノール(13mL)に溶解し、モレキュラーシーブス4A(440mg)次いでベンズアルデヒド(0.44mL)を加えた。室温で1時間撹拌した後、ボラン−ピリジン錯体(0.44mL)を加え、室温でさらに3.5時間撹拌した。反応混合物に6mol/L塩酸(7.3mL)を加え、室温で1時間撹拌した後、30%水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とし、ジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、無色タール状の(3S,4S)−3−ベンジルアミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.18g)を得た。
MS(CI)m/z:343(MH).
【0075】
第八工程:
(3S,4S)−3−ベンジルアミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.15g)をメタノール(21mL)に溶解し、モレキュラーシーブス3A(1.05g)、酢酸(1.92mL)、[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシラン(2.70mL)及びシアノトリヒドロほう酸ナトリウム(633mg)を加え、撹拌しながら2時間加熱還流した。反応液中の不溶物をセライトパッドを用いて濾去し、不溶物とセライトパッドをメタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性(pH14)とした後、メタノールを減圧留去し、残留物をジエチルエーテル(2×100mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して無色タール状の(3S,4S)−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.26g)を得た。
MS(EI)m/z:382(M).
【0076】
第九工程:
(3S,4S)−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.22g)をエタノール(14mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(150mg)を加え、水素気流(風船)中、室温で4時間撹拌した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾過し、触媒とセライトパッドをエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製した。さらに溶出物を減圧蒸留し、無色油状の(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(414mg)を得た。
MS(CI)m/z:159(MH).
HRMS(CI)C16FNとして
計算値 159.1298
実測値 159.1316.
【0077】
<参考例9>
(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジンの合成(II法)
第一工程:
(3R,4R)−(4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(1.18g)をエタノール(25mL)に溶解し、トリエチルアミン(1.40mL)を加えた後、食塩−氷浴上で冷却しながら臭化ベンジル(1.10mL)を滴下した。室温で1時間撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、乳白色シロップ状の(3R,4R)−(1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(1.02g)を得た。
MS(EI)m/z:207(M).
HRMS(EI)C1217NOとして
計算値 207.1259
実測値 207.1237.
【0078】
第二工程:
(3R,4R)−(1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(1.36g)をジクロロメタン(14mL)に溶解し、ドライアイス−アセトン浴上で冷却しながらトリエチルアミン(0.83mL)を加え、ついで塩化メタンスルホニル(0.46mL)を滴下した後、さらに30分間撹拌した。反応液に水(10mL)を加えた後、室温に戻し、ジクロロメタン(20mL)で希釈してジクロロメタン層を分取した。ジクロロメタン層を水洗(2×10mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製した。ヘキサン:酢酸エチル=1:1溶出部から乳白色シロップ状の(3R,4R)−1−ベンジル−3−メタンスルホニルオキシ−4−メタンスルホニルオキシメチルピロリジン(585mg)を得た。
MS(EI)m/z:363(M).
HRMS(EI)C1421NOとして
計算値 363.0810
実測値 363.0804.
【0079】
酢酸エチル:メタノール=20:1溶出部より、白色結晶の(3R,4R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メタンスルホニルオキシメチルピロリジン(840mg)を得た。
MS(EI)m/z:285(M).
HRMS(EI)C1319NOSとして
計算値 285.1035
実測値 285.1045.
【0080】
第三工程:
(3R,4R)−1−ベンジル−3−ヒドロキシ−4−メタンスルホニルオキシメチルピロリジン(835mg)、アジ化ナトリウム(381mg)及びN,N−ジメチルホルムアミド(12mL)を混合し、120℃で1時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水(10mL)を加え、ジエチルエーテル(2×30mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、淡褐色油状の(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン(576mg)を得た。
MS(EI)m/z:232(M).
HRMS(EI)C1216Oとして
計算値 232.1324
実測値 232.1309.
【0081】
第四工程:
(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジル−4−ヒドロキシピロリジン(566mg)をジクロロメタン(9mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.39mL)を滴下した後、室温で2時間撹拌した。反応容器を氷水浴上で冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(9mL)を加え、ジクロロメタン(15mL)を加えて希釈した後、ジクロロメタン層を分取した。ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(10mL)次いで水(10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製した。前半部より淡褐色油状の(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(76.7mg)を得た。
MS(EI)m/z:234(M).
HRMS(EI)C1215FNとして
計算値 234.1281
実測値 234.1263.
【0082】
後半部から淡褐色油状の(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(220mg)を得た。
MS(EI)m/z:234(M).
HRMS(EI)C1215FNとして
計算値 234.1281
実測値 234.1269.
【0083】
第五工程:
(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(215mg)をエタノール(3mL)に溶解し、酸化白金(IV)(30.0mg)を加え、水素気流(風船)中、室温で5時間撹拌した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾去し、触媒とセライトパッドをエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液をあわせ、減圧濃縮して褐色油状の(3S,4S)−3−アミノメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(191mg)を得た。
MS(CI)m/z:209(MH).
HRMS(CI)C1218FNとして
計算値 209.1454
実測値 209.1465.
【0084】
第六工程:
(3S,4S)−3−アミノメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(186mg)をメタノール(4mL)に溶解し、モレキュラーシーブス4A(80.0mg)次いでベンズアルデヒド(90.8μL)を加え、室温で1時間撹拌した後、ボラン・ピリジン錯体(90.2μL)を加え、室温でさらに3時間撹拌した。反応混合物に6mol/L塩酸(1.5mL)を加えて1時間撹拌後、6mol/L水酸化ナトリウム水溶液を加えてアルカリ性とし、ジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧能濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、淡褐色油状の(3S,4S)−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(179mg)を得た。
MS(CI)m/z:299(MH).
HRMS(CI)C1924FNとして
計算値 299.1924
実測値 299.1960.
【0085】
第七工程:
(3S,4S)−1−ベンジル−3−ベンジルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(175mg)をメタノール(2mL)に溶解し、モレキュラーシーブス3A(180mg)、酢酸(0.36mL)、[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシラン(0.47mL)及びシアノトリヒドロほう酸ナトリウム(110mg)を加え、撹拌しながら3時間加熱還流した。反応液中の不溶物をセライトパッドを用いて濾去し、不溶物とセライトパッドをメタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性(pH14)とした後、メタノールを減圧留去し、残留物をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製して無色タール状の(3R,4S)−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(172mg)を得た。
MS(CI)m/z:339(MH).
HRMS(CI)C2228FNとして
計算値 339.2237
実測値 339.2285.
【0086】
第八工程:
(3R,4S)−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−1−ベンジル−4−フルオロピロリジン(170mg)をエタノール(10mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(200mg)及びクロロホルム(0.17mL)を加え、3.9×10Paの水素圧下、50℃で23時間撹拌した。反応液中のパラジウム炭素をセライトパッドを用いて濾去し、パラジウム炭素とセライトパッドをエタノールで洗浄した後、濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮した。残渣に30%水酸化ナトリウム水溶液(約1mL)を加え、塩化ナトリウムを加えて飽和させた後、ジエチルエーテル(3×10ml)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、淡褐色油状の(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(65.4mg)を得た。本化合物は参考例8(I法)で得た化合物と一致した。
【0087】
<参考例10>
(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジンの合成
第一工程:
(3R,4R)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(2.50g)、トリフェニルホスフィン(5.74g)、安息香酸(2.55g)をテトラヒドロフラン(60mL)に溶解し、食塩−氷浴上で冷却しながらアゾジカルボン酸ジエチル(40%トルエン溶液、9.53mL)を滴下した。0℃以下で1時間さらに室温で2時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製した。溶出した淡褐色タール状物質をエタノール(60mL)に溶解し、炭酸カリウム(4.07g)を水(30mL)に溶解したものを加え、撹拌しながら3時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣をジクロロメタン(200mL)に溶解した。このジクロロメタン溶液を飽和食塩水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製し、乳白色シロップ状の(3R,4S)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(2.04g)を得た。
MS(EI)m/z:=251(M).
【0088】
第二工程:
(3R,4S)−[1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル]メタノール(2.33g)、アジ化ナトリウム(1.81g)、トリフェニルホスフィン(2.67g)及びN,N−ジメチルホルムアミド(46mL)を混合し、氷水浴上で冷却しながら四臭化炭素(3.38g)のジクロロメタン(10mL)溶液を滴下した。室温で13時間さらに60℃で3時間撹拌した後、反応混合物にメタノール(3mL)を加え、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解し、飽和食塩水(2×50mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し、乳白色シロップ状の(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(2.18g)を得た。
MS(FAB)m/z:277(MH).
【0089】
第三工程:
(3R,4S)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(300mg)をジクロロメタン(6mL)に溶解し、食塩−氷浴上で冷却しながらジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(0.43mL)を滴下した。室温で4時間撹拌した後、反応容器を氷水浴上で冷却し、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(6mL)を加え、ジクロロメタン層を分取した。ジクロロメタン層を飽和食塩水(2×2mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジンと3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ピロリンの混合物(211mg)を得た。
【0090】
第四工程:
酸化白金(IV)(50.0mg)をエタノール(7mL)に懸濁し、水素気流(風船)中、室温で30分間撹拌した。これに(3R,4R)−3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジンと3−アジドメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ピロリンの混合物(551mg)のエタノール(3mL)溶液を加え、水素気流(風船)中、室温で5時間撹拌した。反応液中の触媒を濾去し、触媒をエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液をあわせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル→酢酸エチル:メタノール=10:1)で精製し、(3S,4R)−3−アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジンと3−アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ピロリンの混合物(313mg)を得た。
【0091】
第五工程:
(3S,4R)−3−アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジンと3−アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ピロリンの混合物(310mg)をメタノール(4mL)に溶解し、モレキュラーシーブス4A(130mg)次いでベンズアルデヒド(0.13mL)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にボラン・ピリジン錯体(0.19mL)を加え、室温で4時間撹拌した。次いで反応混合物に6mol/L塩酸(2mL)を加え、室温で1時間撹拌した後、30%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とし、ジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、淡黄色油状の(3S,4R)−3−ベンジルアミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(177mg)を得た。
MS(FAB)m/z:343(MH).
HRMS(FAB)C2024FNとして
計算値 343.1822
実測値 343.1815.
【0092】
第六工程:
(3S,4R)−3−ベンジルアミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(170mg)をメタノール(5mL)に溶解し、モレキュラーシーブス3A(160mg)、酢酸(0.29mL)、[(1−エトキシシクロプロピル)オキシ]トリメチルシラン(0.40mL)及びシアノトリヒドロほう酸ナトリウム(93.5mg)を加え、撹拌しながら3時間加熱還流した。反応液中の不溶物をセライトパッドを用いて濾去し、不溶物とセライトパッドをメタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性(pH>12)とした後、メタノールを減圧留去し、残留物をジエチルエーテル(3×10mL)で抽出した。ジエチルエーテル層を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製して無色タール状の(3S,4R)−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(166mg)を得た。
MS(FAB)m/z:383(MH).
HRMS(FAB)C2328FNとして
計算値 383.2135
実測値 383.2119.
【0093】
第七工程
(3S,4R)−3−(N−ベンジル−N−シクロプロピル)アミノメチル−1−ベンジルオキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(160mg)をエタノール(3mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(20.0mg)を加え、水素気流(風船)中室温で5時間撹拌した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾過し、触媒とセライトパッドをエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1→ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、無色油状の(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(50.7mg)を得た。
MS(FAB)m/z:159(MH).
HRMS(FAB)C16FNとして
計算値 159.1298
実測値 159.1286.
【0094】
<参考例11>
(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−フルオロメチルピロリジンの合成
第一工程:
(1S,5R)−7−[(1R)−1−フェニルエチル]−3−オキサ−7−アザビシクロ[3.3.0]オクタン−2−オン(7.73g,33.4mmol)をエタノール(92mL)に溶解し、シクロプロピルアミン(46.3ml)を加え、80℃で44時間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、水洗(2×50mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテル(300mL)を加え、加熱して結晶化させた後、約1/2まで濃縮し析出晶を濾取した。濾取した結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧乾燥し、白色結晶の(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(4.41g)を得た。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮した後、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1→酢酸エチル)で精製し、さらに(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(1.50g)を得た。
MS(EI)m/z:288(M).
元素分析値(%):C1724・0.2HOとして
計算値:C;69.93,H;8.42,N;9.59
実測値:C;70.16,H;8.32,N;9.60.
【0095】
第二工程:
(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(7.54g)をN,N−ジメチルホルムアミド(180mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらイミダゾール(2.67g)次いでtert−ブチルクロロジメチルシラン(4.72g)を加え、室温で90分間撹拌した後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、水洗(2×100mL)し、無視硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル)で精製し、淡黄色タール状の(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(7.05g)を得た。
MS(EI)m/z:402(M).
【0096】
第三工程:
(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(7.00g)をトルエン(70mL)に溶解し、ボラン・硫化ジメチル錯体(2.20mL)を加え、撹拌しながら5時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、10%炭酸ナトリウム水溶液(42mL)を加え、100℃で1時間撹拌した後、トルエン層を分取した。トルエン層を水洗(2×30mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1)で精製し、無色油状の(3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−3−シクロプロピルアミノメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(4.78g)を得た。
【0097】
第四工程:
(3S,4S)−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−3−シクロプロピルアミノメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(4.70g)をジクロロメタン(70mL)に溶解し、ジtert−ブチルジカーボネート(2.77g)を加え、室温で2時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、無色油状の(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(5.28g)を得た。
【0098】
第五工程:
A法:(3R,4S)−N−シクロプロピル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン−3−カルボキサミド(1.49g)をトルエン(15mL)に溶解し、ボラン・硫化ジメチル錯体(0.65mL)を加え、撹拌しながら6時間加熱還流した。反応混合物を室温まで冷却し、10%炭酸ナトリウム水溶液(12.4mL)を加え、100℃で1時間撹拌した後、トルエン層を分取した。トルエン層を水洗(10mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジtert−ブチルジカーボネート(1.13g)を加え、室温で30分間撹拌し、さらに一夜放置した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、淡褐色結晶の(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(1.50g)を得た。
【0099】
B法:(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−(tert−ブチルジメチルシリル)オキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(3.02g)をテトラヒドロフラン(45mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらフッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、7.42ml)を滴下し、室温で2時間撹拌した。反応混合物に飽和食塩水(60mL)を加え、酢酸エチル(2×150mL)で抽出した。酢酸エチル層を合わせ、飽和食塩水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(10mL)に溶解し、析出した結晶を濾取し、少量の酢酸エチルで洗浄後、減圧乾燥して白色結晶の(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(781mg)を得た。濾液と洗浄液を合わせて減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、さらに(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(1.43g)を得た。
MS(EI)m/z:374(M).
元素分析値(%):C2234として
計算値:C;70.55,H;9.15,N;7.48
実測値:C;70.56,H;9.29,N;7.52
【0100】
第六工程:
(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−ヒドロキシメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(2.66g)をジクロロメタン(40mL)に溶解し、食塩−氷浴上で冷却しながらトリエチルアミン(1.05mL)を加えた後、塩化メタンスルホニル(0.58mL)を滴下した。−5℃以下で30分間撹拌した後、反応液を水洗し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をテトラヒドロフラン(21mL)に溶解し、フッ化テトラブチルアンモニウム(1mol/Lテトラヒドロフラン溶液、21.3mL)を加え、撹拌しながら2時間加熱還流した。反応液を減圧濃縮し、残渣を酢酸エチル(200mL)に溶解した。この酢酸エチル溶液を水洗(2×50mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=4:1→1:1)で精製し、淡褐色タール状の(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−フルオロメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(1.13g)を得た。
MS(EI)m/z:376(M).
【0101】
第七工程:
(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−フルオロメチル−1−[(1S)−1−フェニルエチル]ピロリジン(1.10g)をメタノール(20mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(230mg)を水(4mL)に懸濁したもの次いでギ酸アンモニウム(921mg)を加え、撹拌しながら90分間加熱還流した。反応液中の触媒をセライトパッドを用いて濾去、触媒とセライトパッドを20%含水メタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ減圧濃縮し、残渣に水(20mL)を加えた後、氷水冷下、30%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性(pH14)とし、ジクロロメタン(50mL×2)で抽出した。ジクロロメタン層を合わせ水洗(2×20mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ジクロロメタン:メタノール=20:1)で精製し、淡褐色タール状の(3R,4S)−3−[(N−tert−ブトキシカルボニル−N−シクロプロピル)アミノ]メチル−4−フルオロメチルピロリジン(684mg)を得た。
MS(EI)m/z:272(M).
【0102】
<参考例14>
(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン・トリフルオロ酢酸塩の合成
第一工程:
1−ベンジル−4−(R)−メチル−3−(R)−[(4−(S)−フェニル−2−オキサゾリジノン−3−イル)カルボニル]ピロリジン(150g)をシクロプロピルアミン(650mL)に溶解し、室温で23h撹拌した後、反応液を減圧濃縮した。残渣にジイソプロピルエーテル(800mL)を加え、室温で70分撹拌した後、析出した結晶を濾取した。濾取した結晶をジクロロメタン(800mL)に溶解し、1mol/L塩酸(2×400mL)で抽出した。1mol/L塩酸層を合わせ、氷水浴上で冷却しながら、30%NaOH水溶液でアルカリ性(pH13)とした。析出した結晶を濾取し、水次いでジイソプロピルエーテルで洗浄後、減圧乾燥して白色結晶の(3R,4R)−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(52.2g)を得た。
【0103】
第二工程:
(3R,4R)−1−ベンジル−N−シクロプロピル−4−メチル−3−ピロリジンカルボキサミド(70.0g)をトルエン(700mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらボラン・硫化ジメチル錯体(90%,34.3mL)を滴下し、さらに15分撹拌した後、反応混合物を加熱還流した。室温まで冷却後、10%NaCO水溶液(400mL)を加え、100℃で2h撹拌した。室温まで冷却後、トルエン層を分取し、水洗(2×250mL)し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留で精製し、無色油状の(3S,4R)−1−ベンジル−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(62.1g)を得た。
【0104】
第三工程:
(3S,4R)−1−ベンジル−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(25.0g)をエタノール(200mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(15.7mL)及び10%パラジウム炭素(12.5g)を加え、3.9×10Paの水素圧下、室温で9時間撹拌した。反応液中の触媒を濾去、濾去した触媒を25%含水エタノール(300mL)で洗浄した。濾液と洗浄液をあわせて減圧濃縮し、残渣の淡褐色結晶をテトラヒドロフラン(100mL)で懸濁して濾取した。濾取した結晶をテトラヒドロフランで洗浄後、減圧乾燥し、白色結晶の(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン・トリフルオロ酢酸塩(34.1g)を得た。
【0105】
<参考例15>
(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジンの合成(III法)
第一工程
A法:(3R,4S)−デオキシ−3−C−(N−ベンジルオキシカルボニル)アミノメチル−1,2:5,6−ジ−O−イソプロピリデン−α−D−アロフラノース(14.1g)をテトラヒドロフラン(150mL)に溶解し、1mol/L塩酸(150mL)を加え、60℃で1.5時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、褐色泡状物質(10.1g)を得た。
【0106】
上記の褐色泡状物質(9.64g)とジクロロメタン(100mL)を混合し、トリエチルシラン(9.40mL)及び三フッ化ほう素・ジエチルエーテル錯体(3.80mL)を加え、室温で2時間撹拌し、さらに1時間加熱還流した後、反応混合物を減圧濃縮した。残渣をエタノール(300mL)と水(100mL)の混液に溶解し、過よう素酸ナトリウム(13.9g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液中の不溶物を濾去し、不溶物をエタノール(30mL)で洗浄した。濾液と洗浄液をあわせ、水素化ほう素ナトリウム(1.33g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物に水素化ほう素ナトリウム(0.61g)を追加し、室温でさらに1.5時間撹拌した。反応混合物中の不溶物を濾去し、不溶物をエタノール(30mL)で洗浄した後、濾液と洗浄液をあわせ減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、飽和食塩水(2×100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、淡黄色タール状の(3R,4R)−(1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(5.07g)を得た。
【0107】
B法:(3R,4S)−4−[(1S,2R)−1,2,3−トリヒドロキシプロピル]ピロリジン−3−オール(0.76g)及びトリエチルアミン(0.60mL)をN,N−ジメチルアセトアミド(12mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらクロロぎ酸ベンジル(0.58mL)を滴下した後、さらに1時間撹拌した。反応混合物にテトラヒドロフラン(12mL)を加え、さらに30分撹拌した。反応混合物中の不溶物を濾去し、不溶物をN,N−ジメチルアセトアミド−テトラヒドロフラン(1:1)混液で洗浄した後、濾液と洗浄液をあわせ減圧濃縮した。残渣をエタノール(32mL)と水(7mL)の混液に溶解し、過よう素酸ナトリウム(1.85g)を加え、室温で1時間撹拌した。反応液中の不溶物を濾去し、不溶物をエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液をあわせ、水素化ほう素ナトリウム(242mg)を加え、室温で1時間撹拌した。反応混合物にアセトン(2mL)を加えた後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、飽和食塩水(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:メタノール=20:1)で精製し、乳白色シロップ状の(3R,4R)−(1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(828mg)を得た。
【0108】
第二工程:
(3R,4R)−(1−ベンジルオキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(503mg)及びトリフェニルホスフィン(577mg)をN、N−ジメチルアセトアミド(10mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらし四臭化炭素(730mg)のジクロロメタン(2mL)溶液を滴下した。室温で5時間撹拌した後、反応混合物にメタノール(1mL)を加え、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(50mL)に溶解し、飽和食塩水(2×10mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し、乳白色シロップ状の(3S、4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ブロモメチル−4−ヒドロキシピロリジン(503mg)を得た。
MS(FAB):m/z=314(M+H).
HRMS(FAB)C1317BrNO(M+H)として
計算値 314.0392
実測値 314.0346.
【0109】
第三工程
A法:(3S、4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ブロモメチル−4−ヒドロキシピロリジン(2.70g)をジクロロメタン(60mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(2.30mL)を滴下した後、室温で20時間攪拌した。反応混合物に氷水冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)を加え、ジクロロメタン層を分取した。ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(30mL)次いで飽和食塩水(30mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、黄褐色タール状の(3S、4S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ブロモメチル−4−フルオロピロリジン(2.20g)を得た。
【0110】
B法:(3S、4R)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ブロモメチル−4−ヒドロキシピロリジン(492mg)をトルエン(13mL)に溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.35mL)を加えた後、氷水浴上で冷却しながらペルフルオロ−1−オクタンスルホニルフルオリド(0.42mL)を滴下した。反応混合物を2℃で30分、さらに室温で5時間攪拌した後、シリカゲルパッド上にあけ、酢酸エチル(80mL)で溶出した。溶出液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1で精製し、乳白色シロップ状の(3S、4S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ブロモメチル−4−フルオロピロリジン(421mg)を得た。
MS(FAB):m/z=316(M+H).
HRMS(FAB)C1316BrFNO(M+H)として
計算値 316.0348
実測値 316.0362.
【0111】
第四工程:
(3S、4S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−ブロモメチル−4−フルオロピロリジン(415mg)とシクロプロピルアミン(0.91mL)及びアセトニトリル(3mL)を混合し、80℃で6時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣にシクロプロピルアミン(4.55mL)を加え、80℃で6時間攪拌後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(15mL)に溶解し、飽和食塩水(2×5mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、淡褐色油状の(3S、4S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(239mg)を得た。
MS(FAB):m/z=293(M+H).
HRMS(FAB)C1622FN(M+H)として
計算値 293.1665
実測値 293.1698.
【0112】
第五工程:
(3S、4S)−1−ベンジルオキシカルボニル−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(2.29g)をエタノール(25mL)に溶解し、10%パラジウム炭素(229mg)を加え、水素気流中、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物中の触媒を濾去し、触媒をエタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせ、減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留し、無色油状の(3R、4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(1.14g)を得た。
本化合物は参考例8(I法)で得た化合物と一致した。
【0113】
<参考例16>
(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジンの合成(IV法)
第一工程:
(3R,4R)−(1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン−3−イル)メタノール(3.64g)及びトリフェニルホスフィン(4.41g)をN、N−ジメチルアセトアミド(84mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながら四臭化炭素(5.57g)のジクロロメタン(16mL)溶液を滴下した。室温で13時間撹拌した後、反応混合物にメタノール(8mL)を加え、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(300mL)に溶解し、水(100mL)次いで飽和食塩水(100mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:酢酸エチル:ヘキサン=2:1)で精製し、乳白色シロップ状の(3S、4R)−3−ブロモメチル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(3.17g)を得た。
MS(EI):m/z=279(M).
HRMS(EI)C1018BrNO(M)として
計算値 279.0470
実測値 279.0471.
【0114】
第二工程
A法:(3S、4R)−3−ブロモメチル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(1.97g)をジクロロメタン(50mL)に溶解し、氷水浴上で冷却しながらジエチルアミノ硫黄トリフルオリド(1.90mL)を滴下した後、室温で19時間攪拌した。反応混合物に氷水冷下で飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(40mL)を加え、ジクロロメタン層を分取した。ジクロロメタン層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液(20mL)次いで飽和食塩水(20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、黄褐色タール状の(3S、4S)−3−ブロモメチル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.64g)を得た。
【0115】
B法:(3S、4R)−3−ブロモメチル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−ヒドロキシピロリジン(561mg)をトルエン(20mL)に溶解し、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(0.50mL)を加えた後、氷水浴上で冷却しながらペルフルオロ−1−オクタンスルホニルフルオリド(0.93mL)を滴下した。反応混合物を2℃で1時間攪拌した後、シリカゲルパッド上にあけ、酢酸エチル(100mL)で溶出した。溶出液を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、黄色油状の(3S、4S)−3−ブロモメチル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(447mg)を得た。
MS(EI):m/z=281(M).
HRMS(EI)C1017BrFNO(M)として
計算値 281.0427
実測値 281.0470.
【0116】
第三工程:
(3S、4S)−3−ブロモメチル−1−tert−ブトキシカルボニル−4−フルオロピロリジン(1.91g)とシクロプロピルアミン(23.6mL)を混合し、80℃で23時間攪拌後、減圧濃縮した。残渣を酢酸エチル(100mL)に溶解し、飽和食塩水(2×20mL)で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ヘキサン:酢酸エチル=2:1)で精製し、淡褐色油状の(3S、4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(1.67g)を得た。
MS(EI):m/z=258(M).
HRMS(EI)C1323FN(M)として
計算値 258.1744
実測値 258.1756.
【0117】
第四工程:
(3S、4S)−1−tert−ブトキシカルボニル−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(1.81g)をテトラヒドロフラン(10mL)に溶解し、トリフルオロ酢酸(5.40mL)を加え、室温で4時間攪拌後、さらに一夜放置した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をトリフルオロ酢酸(10.8mL)に溶解し、室温で1.5時間攪拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣にジイソプロピルエーテル−テトラヒドロフラン混液を加え、析出晶を濾取した。濾取した結晶をジイソプロピルエーテルで洗浄し、(3R、4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン二トリフルオロ酢酸塩(2.19g)を得た。
【0118】
(3R、4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン二トリフルオロ酢酸塩(2.09g)を水(5mL)に溶解し、30%水酸化ナトリウム水溶液でアルカリ性とした後、ジクロロメタン(3×15mL)で抽出した。ジクロロメタン抽出液を合わせ、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣を減圧蒸留し、無色油状の(3R、4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(785mg)を得た。本化合物は参考例8で得た化合物と一致した。
実施例1
【0119】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(73.0mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(30.0mg)、トリエチルアミン(29.0μL)およびアセトニトリル(2mL)を混合し、60℃で3時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(酢酸エチル:メタノール=5:1)で精製した。溶出物を5%酢酸水溶液(2mL)に溶解し、80℃で2時間撹拌した。反応混合物を酢酸エチル(2×1mL)で洗浄後、2mol/L水酸化ナトリウム水溶液で中和した。析出した固体を濾取し、少量の水で洗浄後、減圧乾燥し、淡褐色固体の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(31.6mg)を得た。
MS(FAB)m/z:434(MH
HRMS(FAB)C2226として
計算値 434.1891
実測値 434.1913
実施例2
【0120】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−7−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(70.0mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(30.0mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡褐色固体の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(41.0mg)を得た。
MS(EI)m/z:415(M
HRMS(EI)C2226FNとして
計算値 415.1907
実測値 415.1881
実施例3
【0121】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(79.4mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(30.0mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、白色固体の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(33.4mg)を得た。
MS(EI)m/z:469(M
HRMS(EI)C2223として
計算値 469.1625
実測値 469.1642
実施例4
【0122】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−7−フルオロ−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(76.4mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(30.0mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、白色固体の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(55.4mg)を得た。
MS(EI)m/z:451(M
HRMS(EI)C2224として
計算値 451.1719
実測値 451.1681
実施例5
【0123】
1−シクロプロピル−7−(trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(300mg)、trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(135mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色結晶の1−シクロプロピル−7−(trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(208mg)を得た。
MS(EI)m/z:429(M
元素分析値(%):C2328FNとして
計算値:C;64.32,H;6.57,N;9.78
実測値:C;63.95,H;6.57,N;9.69
実施例6
【0124】
1−シクロプロピル−7−(trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−トリフルオロメチル−1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(300mg)、trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−トリフルオロメチルピロリジン(177mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、白色結晶の1−シクロプロピル−7−(trans−3−シクロプロピルアミノメチル−4−トリフルオロメチル−1−ピロリジニル)−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(129mg)を得た。
MS(EI)m/z:483(M
元素分析値(%):C2325として
計算値:C;57.14,H;5.21,N;8.69
実測値:C;56.95,H;5.25,N;8.64
実施例7
【0125】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−7−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(300mg)、(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(137mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、黄色結晶の1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(181mg)を得た。
MS(EI)m/z:411(M
元素分析値(%):C2329として
計算値:C;67.13,H;7.10,N;10.21
実測値:C;67.11,H;7.11,N;10.24
実施例8
【0126】
1−シクロプロピル−7−[(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル)−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−7−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(300mg)、(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(137mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、黄色プリズム晶の1−シクロプロピル−7−[(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(162mg)を得た。
MS(EI)m/z:411(M
元素分析値(%):C2329として
計算値:C;67.13,H;7.10,N;10.21
実測値:C;67.04,H;7.15,N;10.28
実施例9
【0127】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(73.0mg)、(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(30.0mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、白色結晶の1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(45.9mg)を得た。
MS(FAB)m/z:434(MH
元素分析値(%):C2225として
計算値:C;60.96,H;5.81,N;9.69
実測値:C;60.76,H;5.72,N;9.32
実施例10
【0128】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(200mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(85.4mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、黄色結晶の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(57.1mg)を得た。
MS(FAB)m/z:418(MH
HRMS(EI)C2226として
計算値 418.1942
実測値 418.1974
実施例11
【0129】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R、2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メトキシ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[6、7−ジフルオロ−1−[(1R、2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(300mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(118mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R、2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メトキシ−3−キノリンカルボン酸(145mg)を得た。
MS(FAB)m/z:452(MH
元素分析値(%):C2224・0.5HOとして
計算値:C;57.39,H;5.47,N;9.31
実測値:C;57.45,H;5.28,N;9.06
実施例12
【0130】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(334mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(122mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−8−ジフルオロメトキシ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(84.0mg)を得た。
MS(FAB)m/z:488(MH
元素分析値(%):C2222として
計算値:C;54.21,H;4.55,N;8.62
実測値:C;53.90,H;4.51,N;8.55
実施例13
【0131】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メチル−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(213mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(94.9mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色アモルファス状の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メチル−3−キノリンカルボン酸(15.8mg)を得た。
MS(FAB)m/z:436(MH
HRMS(EI)C2225として
計算値 436.1848
実測値 436.1878
実施例14
【0132】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メトキシ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[7−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(199mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(81.7mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−8−メトキシ−3−キノリンカルボン酸(111mg)を得た。
MS(FAB)m/z:434(MH
元素分析値(%):C2225・0.5HOとして
計算値:C;59.72,H;5.92,N;9.50
実測値:C;59.87,H;5.71,N;9.40
実施例15
【0133】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[1−エチル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(288mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(122mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡褐色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(135mg)を得た。
MS(FAB)m/z:422(MH
元素分析値(%):C2125として
計算値:C;59.85,H;5.98,N;9.97
実測値:C;59.89,H;5.90,N;9.97
実施例16
【0134】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(300mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(122mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡褐色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(112mg)を得た。
MS(FAB)m/z:440(MH
元素分析値(%):C2124・0.25HOとして
計算値:C;56.82,H;5.56,N;9.47
実測値:C;56.90,H;5.40,N;9.37
実施例17
【0135】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(212mg)、(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(84.8mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の1−シクロプロピル−7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(123mg)を得た。
MS(FAB)m/z:430(MH
元素分析値(%):C2328FNとして
計算値:C;64.32,H;6.57,N;9.78
実測値:C;64.04,H;6.53,N;9.72
実施例18
【0136】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(212mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(84.8mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(106mg)を得た。
MS(FAB)m/z:430(MH
元素分析値(%):C2328FN・0.75HOとして
計算値:C;62.36,H;6.71,N;9.48
実測値:C;62.65,H;6.53,N;9.44
実施例19
【0137】
1−シクロプロピル−7−[(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(212mg)、(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(84.8mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色粉末の1−シクロプロピル−7−[(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(131mg)を得た。
MS(FAB)m/z:430(MH
元素分析値(%):C2328FN・0.25HOとして
計算値:C;63.65,H;6.62,N;9.68
実測値:C;63.77,H;6.54,N;9.64
実施例20
【0138】
1−シクロプロピル−7−[(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)(1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O)ボロン(212mg)、(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(84.8mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色粉末の1−シクロプロピル−7−[(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(85.3mg)を得た。
MS(FAB)m/z:430(MH
元素分析値(%):C2328FN・0.5HOとして
計算値:C;63.00,H;6.67,N;9.58
実測値:C;62.89,H;6.43,N;9.58
実施例21
【0139】
7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[6、7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(130mg)、(3R,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(50.0mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の7−[(3S,4R)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(45.7mg)を得た。
MS(FAB)m/z:448(MH
元素分析値(%):C2327・0.5HOとして
計算値:C;60.52,H;6.18,N;9.21
実測値:C;60.57,H;6.01,N;9.17
実施例22
【0140】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
ビス(アセタト−O)[6、7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボキシラト−O,O]ボロン(130mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチルピロリジン(50.0mg)を用い、実施例1と同様に反応を行い、淡黄色固体の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−メチル−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(61.4mg)を得た。
MS(FAB)m/z:448(MH
元素分析値(%):C2327・0.25HOとして
計算値:C;61.12,H;6.13,N;9.30
実測値:C;61.08,H;6.04,N;9.18
実施例23
【0141】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
1−エチル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(253mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデカ−7−エン(164μL)およびアセトニトリル(5mL)を混合し、撹拌しながら3時間加熱還流した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水(3mL)を加えて析出物を濾取した。濾取した析出物を水洗後、エタノールで再結晶し、白色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(248mg)を得た。
MS(FAB)m/z:392(MH
元素分析値(%):C2023として
計算値:C;61.37,H;5.92,N;10.74
実測値:C;61.13,H;6.10,N;10.63
実施例24
【0142】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
1−エチル−6,7,8−トリフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(200mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(128mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−1−エチル−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(140mg)を得た。
MS(FAB)m/z:410(MH
元素分析値(%):C2022として
計算値:C;58.68,H;5.42,N;10.26
実測値:C;58.59,H;5.33,N;10.22
実施例25
【0143】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(271mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色粉末の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(186mg)を得た。
MS(FAB)m/z:410(MH
元素分析値(%):C2022・0.4HOとして
計算値:C;57.66,H;5.52,N;10.09
実測値:C;57.82,H;5.31,N;10.04
実施例26
【0144】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7,8−トリフルオロ−1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(200mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(120mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ1−(2−フルオロエチル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(98.0mg)を得た。
MS(FAB)m/z:428(MH
元素分析値(%):C2021として
計算値:C;56.21,H;4.95,N;9.83
実測値:C;55.81,H;4.77,N;9.80
実施例27
【0145】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸の合成
7−クロロ−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(355mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(190mg)を用い実施例23と同様に反応を行い、淡黄色粉末の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(229mg)を得た。
MS(FAB)m/z:477(MH
元素分析値(%):C2320として
計算値:C;57.98,H;4.23,N;11.76
実測値:C;57.80,H;4.10,N;11.67
実施例28
【0146】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7−ジフルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(337mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)を用い実施例23と同様に反応を行い、淡黄色粉末の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−(2,4−ジフルオロフェニル)−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(309mg)を得た。
MS(FAB)m/z:476(MH
元素分析値(%):C2421・0.25HOとして
計算値:C;60.06,H;4.52,N;8.76
実測値:C;60.18,H;4.35,N;8.84
実施例29
【0147】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸の合成
7−クロロ−1−シクロプロピル−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(283mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(190mg)を用い実施例23と同様に反応を行い、白色粉末の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(79.4mg)を得た。
MS(FAB)m/z:405(MH
元素分析値(%):C2022・0.25HOとして
計算値:C;58.74,H;5.55,N;13.70
実測値:C;58.98,H;5.34,N;13.70
実施例30
【0148】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(199mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(131mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(148mg)を得た。
MS(FAB)m/z:404(MH
元素分析値(%):C2123として
計算値:C;62.52,H;5.75,N;10.42
実測値:C;62.14,H;5.65,N;10.29
実施例31
【0149】
1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
1−シクロプロピル−6,7,8−トリフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(212mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(142mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(157mg)を得た。
MS(FAB)m/z:422(MH
元素分析値(%):C2122として
計算値:C;59.85,H;5.26,N;9.97
実測値:C;59.53,H;5.25,N;9.76
実施例32
【0150】
8−クロロ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
8−クロロ−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(300mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色固体の8−クロロ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(218mg)を得た。
MS(FAB)m/z:438(MH
元素分析値(%):C2122ClF・0.2HOとして
計算値:C;57.13,H;5.11,N;9.52
実測値:C;57.19,H;4.97,N;9.49
実施例33
【0151】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸の合成
7−クロロ−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(200mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(116mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(101mg)を得た。
MS(FAB)m/z:423(MH
元素分析値(%):C2221・0.25HOとして
計算値:C;56.27,H;5.08,N;13.35
実測値:C;56.40,H;4.88,N;13.05
実施例34
【0152】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(283mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(190mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(203mg)を得た。
MS(FAB)m/z:422(MH
元素分析値(%):C2122・0.25HOとして
計算値:C;59.22,H;5.32,N;9.87
実測値:C;59.17,H;5.09,N;9.78
実施例35
【0153】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6、8−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7,8−トリフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(301mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(190mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、淡黄色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1−[(1R、2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(231mg)を得た。
MS(FAB)m/z:440(MH
元素分析値(%):C2121・0.25HOとして
計算値:C;56.82,H;4.88,N;9.47
実測値:C;56.91,H;4.67,N;9.35
実施例36
【0154】
8−クロロ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
8−クロロ−6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(318mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)を用い、実施例23と同様に反応を行い、黄色固体の8−クロロ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(93.6mg)を得た。
MS(FAB)m/z:456(MH
元素分析値(%):C2121ClF・0.5HOとして
計算値:C;54.26,H;4.77,N;9.04
実測値:C;54.36,H;4.54,N;8.88
実施例37
【0155】
5−アミノ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
5−アミノ−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(250mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(190mg)、トリエチルアミン(0.17mL)およびジメチルスルホキシド(4mL)を混合し、100℃で9時間撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ジクロロメタン:メタノール=40:1)で精製した。溶出した黄色固体をエタノールで再結晶し、黄色結晶の5−アミノ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(248mg)を得た。
MS(FAB)m/z:449(MH
元素分析値(%):C2226として
計算値:C;58.92,H;5.84,N;12.49
実測値:C;58.60,H;5.74,N;12.39
実施例38
【0156】
5−アミノ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
5−アミノ−1−シクロプロピル−6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(79.0mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(51.0mg)を用い、実施例36と同様に反応を行い、黄色固体の5−アミノ−1−シクロプロピル−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(9.6mg)を得た。
MS(FAB)m/z:433(MH
HRMS(EI)C2227として
計算値 433.2051
実測値 433.2086
実施例39
【0157】
5−アミノ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(240mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)を用い、実施例36と同様に反応を行い、黄色固体の5−アミノ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メトキシ−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(204mg)を得た。
MS(FAB)m/z:467(MH
元素分析値(%):C2225として
計算値:C;56.65,H;5.40,N;12.01
実測値:C;56.63,H;5.31,N;11.84
実施例40
【0158】
5−アミノ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
5−アミノ−6,7−ジフルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(20.0mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(15.2mg)を用い、実施例36と同様に反応を行い、黄色固体の5−アミノ−7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1−[(1R,2S)−2−フルオロシクロプロピル]−1,4−ジヒドロ−8−メチル−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(9.6mg)を得た。
MS(FAB)m/z:451(MH
HRMS(EI)C2226として
計算値 451.1957
実測値 451.1996
実施例41
【0159】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸の合成
7−クロロ−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸エチル(327mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0.]ウンデカ−7−エン(160mg)およびアセトニトリル(5mL)を混合し、80℃で1時間撹拌後、反応混合物を減圧濃縮した。残渣をジクロロメタン(30mL)に溶解し、水次いで飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ジクロロメタン:アセトン=2:1→1:1→ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製した。溶出した淡黄色固体をエタノール(4mL)に溶解し、10%水酸化ナトリウム水溶液(4mL)を加えた後、60℃で70分撹拌した。反応混合物を減圧濃縮し、残渣に水(10mL)を加えて希釈し、1mol/L塩酸で中和(pH7.5)した後、ジクロロメタン(2×30mL)で抽出した。ジクロロメタン抽出液を合わせ、飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラム(溶出溶媒:ジクロロメタン:メタノール=10:1)で精製し、白色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−1,8−ナフチリジン−3−カルボン酸(141mg)を得た。
MS(FAB)m/z:421(MH
元素分析値(%):C2126・0.5HOとして
計算値:C;58.73,H;6.34,N;13.05
実測値:C;58.83,H;6.10,N;13.00
実施例42
【0160】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸エチル(309mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(174mg)を用い、実施例40と同様に反応を行い、淡黄色結晶の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6−フルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(91.3mg)を得た。
MS(FAB)m/z:420(MH
元素分析値(%):C2227として
計算値:C;62.99,H;6.49,N;10.02
実測値:C;63.31,H;6.47,N;9.95
実施例43
【0161】
7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸の合成
6,7,8−トリフルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸エチル(50.0mg)、(3R,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロピロリジン(29.0mg)を用い、実施例40と同様に反応を行い、淡黄色粉末の7−[(3S,4S)−3−シクロプロピルアミノメチル−4−フルオロ−1−ピロリジニル]−6,8−ジフルオロ−1,4−ジヒドロ−1−(1,1−ジメチルエチル)−4−オキソ−3−キノリンカルボン酸(25.1mg)を得た。
MS(FAB)m/z:438(MH
HRMS(EI)C2227として
計算値 438.2005
実測値 438.2015
【0162】
<抗菌活性>
<試験例:インビトロ抗菌力>
本発明化合物のインビトロ抗菌力(最小発育阻止濃度、MIC)をNCCLS法[National Committee for Clinical Laboratory Standard(1997).methods for Dilution Antibacterial Susceptibility Tests for Bacteria thatgrow Aerobically−Forth Edition:Approved Standardm7−A4.NCCLS,Villanova,Pa.]に準じてMueller−Hinton寒天培地を用いた寒天平板希釈法により測定した。ただし、肺炎球菌および腸球菌に対しては、馬脱繊維血を5%含むmueller−Hinton寒天培地を用いMICの測定を行った。その結果を表1に示す。
【0163】
【表1】

【産業上の利用可能性】
【0164】
本発明の新規な7−(3−シクロプロピルアミノメチル−1−ピロリジニル)キノロンカルボン酸誘導体およびその塩並びに水和物は、安全で、強力な抗菌作用を示すだけでなく、従来の抗菌剤が効力を示しにくい耐性菌に対して有効である。
【0165】
従来の抗菌剤が効力を示しにくい耐性菌に対して有効な新規なキノロンカルボン酸系抗菌剤を提供することができる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(式中、R1はハロゲン原子で1または2以上置換されていてもよい炭素数1から6のアルキル基、ハロゲン原子で1または2以上置換されていてもよい炭素数3から6のシクロアルキル基、またはハロゲン原子およびアミノ基から選択される同一または異なる置換基で1または2以上置換されていてもよいアリール基もしくはヘテロアリール基を、R2は水素原子、炭素数1から3のアルキル基、医薬的に許容される陽イオンまたはプロドラッグとして容認できる基を、R3は水素原子、ハロゲン原子、水酸基、アミノ基または炭素数1から3のアルキル基を、R4は水素原子またはハロゲン原子を、R5は炭素数1から3のアルキル基、フルオロメチル基、トリフルオロメチル基またはフッ素原子を、R6は水素原子またはフッ素原子を、Aは窒素原子または=C−X(Xは水素原子、ハロゲン原子、アミノ基、シアノ基、ハロゲン原子で1または2以上置換されていてもよい炭素数1から3のアルキル基または炭素数1から3のアルコキシ基を示す)を示す)
で表されるキノロンカルボン酸誘導体およびその塩並びに水和物。
【請求項2】
前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基である請求項1に記載の化合物およびその塩並びに水和物。
【請求項3】
前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基、R4が水素原子またはフッ素原子である請求項1に記載の化合物およびその塩並びに水和物。
【請求項4】
前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基、R4が水素原子またはフッ素原子およびAが窒素原子または=C−X(Xが水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基またはメチル基)である請求項1に記載の化合物およびその塩並びに水和物。
【請求項5】
前記一般式(I)においてR1がシクロプロピル基、2−フルオロシクロプロピル基、エチル基、2−フルオロエチル基、4−フルオロフェニル基または2,4−ジフルオロフェニル基、R4が水素原子またはフッ素原子、R5がフッ素原子またはメチル基およびR6が水素原子またはフッ素原子、Aが窒素原子または=C−X(Xが水素原子、ハロゲン原子、メトキシ基、ジフルオロメトキシ基またはメチル基)である請求項1に記載の化合物およびその塩並びに水和物。
【請求項6】
請求項1ないし5に記載の化合物及びその塩並びに水和物を有効成分として含有することを特徴とする抗菌剤。

【国際公開番号】WO2005/026147
【国際公開日】平成17年3月24日(2005.3.24)
【発行日】平成19年11月8日(2007.11.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−513875(P2005−513875)
【国際出願番号】PCT/JP2004/013049
【国際出願日】平成16年9月8日(2004.9.8)
【出願人】(000001395)杏林製薬株式会社 (120)
【Fターム(参考)】