説明

9−置換ミノサイクリン化合物

【課題】新規な9-置換ミノサイクリン化合物の提供。
【解決手段】新規の9-置換ミノサイクリン化合物は、例えば下記式で表される。


ナフチルチオ尿素の部位は、フェニル尿素、フェニルスルフォン酸アミド等、種々の置換基とすることができる。これらのミノサイクリン化合物は、細菌感染症および新生物形成性疾患のような多くのテトラサイクリン化合物-反応状態を治療するため、更には例えば、テトラサイクリン排出の阻害および遺伝子発現の変調のような、一般的ミノサイクリンおよびテトラサイクリン化合物の公知の他の適用のために使用することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願
本明細書は、2001年3月13日に出願された米国特許仮出願第60/275,621号、名称「9-置換ミノサイクリン化合物」、および2000年7月7日に出願された米国特許仮出願第60/216,580号、名称「9-置換ミノサイクリン化合物」に優先して主張するものであり;これらの両明細書は、本明細書に参照として組入れられている。本明細書は、1999年9月14日に出願された米国特許仮出願60/154,701号;2000年3月31日に出願された第60/193,972号;2000年3月31日に出願された第60/193,879号;2000年5月15日に出願された第60/204,158号;2000年6月16日に出願された第60/212,030号;および、2000年6月16日に出願された第60/212,471号に関連しており、これら各々の全内容は本明細書に参照として組入れられる。
【背景技術】
【0002】
発明の背景
テトラサイクリン系抗生物質の開発は、殺菌性および/または静菌性組成物の製造が可能な微生物の証拠のために世界中の多くの地域から収集された土壌標本の系統的スクリーニングの直接の結果であった。これらの新規化合物の最初のものは、1948年にクロルテトラサイクリンという名称で紹介された。2年後、オキシテトラサイクリンが利用可能になった。これらの化合物の化学構造の解明は、それらの類似性を確認し、かつ1952年にはこの群の第三の要員であるテトラサイクリンの製造のための解析的基礎を提供した。初期のテトラサイクリン類に存在する環に結合したメチル基を伴わない、テトラサイクリン化合物の新規ファミリーが、1957年に調製され、かつ1967年には公に利用可能となり;および、ミノサイクリンは1972年までに使用されていた。
【0003】
最近、様々な治療条件および投与経路の下で有効な、新規テトラサイクリン抗生物質組成物の開発に、研究が集中して成されている。新規テトラサイクリンアナログはさらに、当初導入されたテトラサイクリン化合物と同程度またはより効果的であることを証明するために研究されている。例えば、米国特許第2,980,584号(特許文献1);第2,990,331号(特許文献2);第3,062,717号(特許文献3);第3,165,531号(特許文献4);第3,454,697号(特許文献5);第3,557,280号(特許文献6);第3,674,859号(特許文献7);第3,957,980号(特許文献8);第4,018,889号(特許文献9);第4,024,272号(特許文献10);および、第4,126,680号(特許文献11)を含む。これらの特許は、薬学的活性のあるテトラサイクリンおよびテトラサイクリンアナログの組成物の範囲を開示している。
【0004】
歴史的に、それらの初期の開発および導入のすぐ後に、これらのテトラサイクリン類が、リケッチア;多くのグラム陽性菌およびグラム陰性菌;ならびに、性病性リンパ肉芽腫、封入体結膜炎およびオウム病に寄与する物質に対し、薬学的に高度に効果があることが発見された。これによりテトラサイクリンは「広域スペクトル」抗生物質として知られるようになった。その後のそれらのインビトロ抗微生物活性、実験的感染症における有効性、および薬理学的特性の確立により、テトラサイクリンは、クラスとして治療目的で急激に広範に使用され始めた。しかしこの大・小両疾患および疾病のための広範なテトラサイクリンの使用は、とりわけ高度に感染性のある寄生性および病原性の両方の細菌種(例えば肺炎球菌およびサルモネラ菌)におけるこれらの抗生物質に対する耐性の出現に直接結びついている。テトラサイクリン-耐性生物の出現は、テトラサイクリンおよびテトラサイクリンアナログ組成物の抗生物質選択肢としての使用の全般的減少をもたらしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第2,980,584号
【特許文献2】米国特許第2,990,331号
【特許文献3】米国特許第3,062,717号
【特許文献4】米国特許第3,165,531号
【特許文献5】米国特許第3,454,697号
【特許文献6】米国特許第3,557,280号
【特許文献7】米国特許第3,674,859号
【特許文献8】米国特許第3,957,980号
【特許文献9】米国特許第4,018,889号
【特許文献10】米国特許第4,024,272号
【特許文献11】米国特許第4,126,680号
【発明の概要】
【0006】
本発明は、少なくとも一部が、式Iのミノサイクリン化合物:
【化40】

(式中、Xは、CHC(R13Y'Y)、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R4'、R4"、R7'およびR7"は各々、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、ヘテロ環式、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4'R4"、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R2'、R3、R10、R11およびR12は、各々水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、ヘテロ芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6'は、独立して、水素、メチレン、非存在、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R9は、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ、または-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9bまたはOであり;
Z'は、NR9f、OまたはSであり;
R9a、R9b、R9c、R9d、R9eおよびR9fは、各々独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、ヘテロ環式、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
Y'およびYは、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。)、ならびにそれらの薬学的に許容できる塩、エステルおよびプロドラッグに関する。
【0007】
本発明は更に、少なくとも一部において、式(II)の9-置換ミノサイクリン化合物:
【化41】

(式中、R4'、R4"、R7'およびR7"は各々アルキルであり;ならびに
R9は、ピリジルエチニル基;アルケニルカルバメート基;ハロ基;アルキルアクリレート基;ナフチル基;ハロアセチル基;アルキルカルバメート基;シクロペンチルまたはシクロペンテニル基;ベンゾフラニル基;フェニルプロピオノンアミノ基;トシルアミノ基;メトキシピリジル基;アルケンアミノ基;N-t-ブチル基;t-ブチルアミド基;ヒドロキシブチルアミノ基;ヒドロキシプロピルアミノ基;フェニル基;ニトロフェニル基;ニトロフェニルアルキニル基;アミノフェニル基;アルコキシフェニル基;ハロフェニル尿素基;シアノフェニル基;カルボキシフェニル基;アシルフェニル基;アルキルフェニル基;ハロフェニル基;アルコキシフェニル基;カルボキシアルキルフェニル基;フェニルアルキニル基;アルキニル基;アルキルグリシンエチルエステル基;スチレン基;チオフェン基;および、アルキルアミノホスホ基である。);ならびに、それらの薬学的に許容できる塩、エステル、およびプロドラッグに関する。
【0008】
本発明は更に、本発明のミノサイクリン化合物を用いて治療することができる状態に罹患した対象を治療するために本発明のミノサイクリン化合物を使用する方法にも関する。
【0009】
本発明は更に、本発明のミノサイクリン化合物および薬学的に許容できる担体を含有する薬学的組成物に関する。本発明は更に、医薬品(例えばテトラサイクリン反応状態の治療のための医薬品)を製造するための本発明のミノサイクリン化合物の使用にも関する。
【発明を実施するための形態】
【0010】
発明の詳細な説明
本発明は、少なくとも一部において、新規9-置換ミノサイクリン化合物に関する。これらのミノサイクリン化合物は、多くのテトラサイクリン化合物-反応状態、例えば細菌感染症および新生物形成性疾患を治療するため、更には一般的ミノサイクリンおよびテトラサイクリン化合物のその他の公知の適用、例えばテトラサイクリン排出の防止および遺伝子発現の変調などに使用することができる。
【0011】
本発明は、少なくとも一部において、式Iのミノサイクリン化合物:
【化42】

(式中、Xは、CHC(R13Y'Y)、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R4'、R4"、R7'およびR7"は各々、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、ヘテロ環式、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4'R4"、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R2'、R3、R10、R11およびR12は、各々水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、ヘテロ芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6'は、独立して、水素、メチレン、非存在、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R9は、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ、または-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9bまたはOであり;
Z'は、NR9f、OまたはSであり;
R9a、R9b、R9c、R9d、R9eおよびR9fは、各々独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、ヘテロ環式、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
Y'およびYは、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである。)、ならびにそれらの薬学的に許容できる塩、エステルおよびプロドラッグに関する。
【0012】
ミノサイクリン化合物という用語は、前記式(I)の化合物を意味する。ひとつの態様において、用語ミノサイクリン化合物は、XがCR6R6'であり;R2、R2'、R5、R6、R6'、R8、R9、R10、R11およびR12は、各々水素であり;R4は、NR4'R4"であり;ならびに、R4'、R4"、R7'およびR7"は、各々、低級アルキル(例えばメチル)である。
【0013】
R9の例は、置換および未置換のアリール基である。アリール基は、置換および未置換のヘテロアリール(例えば、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、またはデアザプリニル)、置換または未置換のフェニル、および1個よりも多い芳香環を持つ基、例えばナフチルを含む。
【0014】
置換基R9の例は、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、アラルキル、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミド、スルフヒドリル、アルキルチオ、硫酸塩、アリールチオ、チオカルボキシラート、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールを含むが、これらに限定されるものではない。
【0015】
更なる態様において、アリールR9基は、1個または複数の置換基、例えばカルボキシラート、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロ環式、シアノ、アミノ、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルカルボニル、またはニトロなどで置換されている。
【0016】
別の態様において、R9は、置換または未置換のアルキニルである。アルキニルR9 基は、置換または未置換のアリール基、例えばフェニルなどにより、置換することができる。置換されたフェニル基のための可能性のある置換基は、例えば、アリールR9基について先に列記されたものを含む。更に、置換されたアルキニルR9基は、ヘテロアリール(例えば、ピリジニル)、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシルなど)、アルケニル(例えば、エテニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニルなど)、カルボキシラート、シリル(例えば、トリアルキルシリル、例えば、トリメチルシリル)、アラルキル、またはアルキルオキシカルボニル基で置換することができる。
【0017】
これらの基は各々、更に、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アミノアルキル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、アラルキル、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、硫酸塩、アリールチオ、チオカルボキシラート、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールのような置換基で置換することができる。
【0018】
更なる態様において、アルキニルR9基は、アミノアルキル基で置換される。その後アミノアルキル基は、例えば、アルキル、アルケニル、アルキニル、アシル、カルボニル、またはアルキルスルホン基によっても置換され得る。
【0019】
別の更なる態様において、アルキニルR9基は、シクロアルケニル基、例えば、シクロペンテンなどで置換される。
【0020】
別の態様において、R9はアルキルである。このアルキル基は、置換されてもされなくてもよい。アルキル基の例は、例えば、直鎖、分枝鎖の両方および環状アルキル基を含む。例えばアルキル基は、メチル、エチル、i-プロピル、n-プロピル、i-ブチル、n-ブチル、t-ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなどを含む。環状アルキル基は、例えば下記のような、1個または複数の環を伴う基を含む:シクロプロパン、シクロブタン、シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプテンなど。ある態様において、アルキルR9基は、2-シクロペンチルエチルである。
【0021】
アルキル基の置換基の例は、例えば、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシ、ペントキシ、ペルフルオロメトキシ、ペルクロロメトキシなど)、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、カルボキシ、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩, ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフニル、アルケニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、アルケニル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールを含む。
【0022】
別の態様において、本発明のミノサイクリン化合物は、R9が、NR9cC(=Z')ZR9a、-CH2NR9cC(=Z')ZR9a、-(CH2)2NR9cC(=Z')ZR9a、または-(CH2)3NR9cC(=Z')ZR9aである化合物である。ある態様において、R9は、-NR9cC(=Z')ZR9aまたは-CH2NR9cC(=Z')ZR9aである。R9cの例は、水素を含む。Z'は、例えば、S、NH、またはOである。Zの例は、NR9b(例えば、R9bは水素、アルキルである。)、OまたはSである。
【0023】
R9a基の例は、置換および未置換のフェニルのような、アリール基を含む。可能性のあるアリールR9a基の例は、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ペルフルオロメチル、ペルクロロエチルなど)、アルケニル、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素など)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ペルフルオロメトキシ、ペルクロロメトキシなど)、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、アセチル、アルキル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリール基を含むが、これらに限定されるものではない。
【0024】
ある種の態様において、置換されたフェニルの少なくとも1個の置換基は、ニトロ、アルコキシ(例えば、メトキシ、メチレンジオキシ、ペルフルオロメトキシ)、アルキル(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、もしくはペンチル)、アセチル、ハロゲン(例えば、フッ素、塩素、臭素、もしくはヨウ素)、またはアミノ(例えば、ジアルキルアミノ)である。ある種の態様において、アルコキシ基は、過ハロゲン化された、例えばペルフルオロメトキシである。
【0025】
アリールR9a基の例は、未置換のフェニル、p-ニトロフェニル、p-メトキシフェニル、p-ペルフルオロメトキシフェニル、p-アセチルフェニル、3,5-メチレンジオキシフェニル、3,5-ジペルフルオロメチルフェニル、p-ブロモフェニル、p-クロロフェニル、およびp-フルオロフェニルを含むが、これらに限定されるものではない。
【0026】
別のアリールR9a基の例は、置換および未置換のヘテロ環式(例えば、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジニル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、ピロリジニル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、またはデアザプリニル)ならびに置換および未置換のビアリール基、例えばナフチルおよびフルオレンを含む。
【0027】
R9aは更に、置換または未置換のアルキル、例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチルなどであることができる。置換基の例は、ハロゲン(例えば、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素など)、ヒドロキシル、アルコキシ(例えば、メトキシ、エトキシ、プロポキシ、ブトキシなど)、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、アルケニル、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールを含むが、これらに限定されるものではない。
【0028】
R9aは更に、置換または未置換のアルケニルであることができる。アルケニルR9a基の置換基の例は、先にアルキルR9a基について列記したものを含む。アルケニルR9a基の例は、ペント-1-エニルを含む。
【0029】
ある態様において、Z'はNHであり、ZはNHであり、およびR9aはアルキルである。
【0030】
本発明は更に、R9はアミノアルキル(例えば、アミノメチル)である化合物に関する。アミノアルキルR9は、更に置換することもできる。置換基の例は、アリール基、例えば、置換または未置換のフェニル(例えば、メチレンジオキシフェニルもしくはp-ペルフルオロメトキシフェニル)、または本発明の化合物が意図された機能を発揮することができるようにするヘテロ芳香族基を含む。
【0031】
本発明のミノサイクリン化合物の例は、表1に列記したものに加え、下に列記したものを含む:
【化43】

【化44】

【化45】

【化46】

【化47】

【化48】

【化49】

【化50】

【化51】

【化52】

【化53】

【化54】

【化55】

【化56】

【化57】

【化58】

【化59】

【化60】

【化61】

【化62】

【化63】

【化64】

【化65】

【化66】

【化67】

【化68】

【化69】

【化70】

【化71】

【化72】

【化73】

【化74】

【化75】

【化76】

【化77】

【化78】

【化79】

【0032】
これらの化合物の薬学的に許容できる塩も含まれる。その他の本発明の化合物は、表1に示した。
【0033】
本発明は更に、少なくとも一部において、下記式の9-置換ミノサイクリン化合物:
【化80】

(式中、R4'、R4"、R7'およびR7"は各々アルキルであり;ならびに
R9は、ピリジルエチニル基;アルケニルカルバメート基;ハロ基;アルキルアクリレート基;ナフチル尿素基;ハロアセチル基;アルキルカルバメート基;シクロペンチルまたはシクロペンテニル基;ベンゾフラニル基;フェニルプロピオノンアミノ基;トシルアミノ基;メトキシピリジル基;アルケンアミノ基;N-t-ブチル基;t-ブチルアミド基;ヒドロキシブチルアミノ基;ヒドロキシプロピルアミノ基;フェニル基;ニトロフェニル基;ニトロフェニルアルキニル基;アミノフェニル基;ハロフェニル尿素基;アルコキシフェニル基;シアノフェニル基;カルボキシフェニル基;アシルフェニル基;アルキルフェニル基;ハロフェニル基;アルコキシフェニル基;カルボキシアルキルフェニル基;フェニルアルキニル基;アルキニル基;アルキルグリシンエチルエステル基;スチレン基;チオフェン基;および、アルキルアミノホスホ基である。);ならびに、それらの薬学的に許容できる塩に関する。
【0034】
「9-置換ミノサイクリン化合物」というは、9位に置換基を有するミノサイクリン化合物を含む。別の態様において、この化合物は、ミノサイクリン誘導体である。
【0035】
ある態様において、R9はアルケニルカルバメート基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-イソプロペニルカルバメートミノサイクリンである。
【0036】
ある態様において、R9はピリジルエチニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(2-ピリジルエチニル)ミノサイクリンを含む。
【0037】
ある態様において、R9は、ハロ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-ヨードミノサイクリンである。
【0038】
ある態様において、R9はアルキルアシルレート基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-ブチルアクリレートミノサイクリンである。
【0039】
ある態様において、R9はナフチル尿素基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-ナフチルミノサイクリン尿素である。
【0040】
ある態様において、R9はハロアセチル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-クロロアセチルミノサイクリン尿素である。
【0041】
ある態様において、R9はアルキルカルバメート基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-ネオペンチルミノサイクリンカルバメートである。
【0042】
ある態様において、R9はシクロペンチルまたはシクロペンテニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-シクロペンテンミノサイクリンである。
【0043】
ある態様において、R9はベンゾフラニル基である。このR5置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-ベンゾフラニルミノサイクリンである。
【0044】
ある態様において、R9はフェニルプロピオンアミノ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(フェニルプロピオンアミノ)ミノサイクリンである。
【0045】
ある態様において、R9はトシルアミノ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-トシルアミノミノサイクリンである。
【0046】
ある態様において、R9はメトキシピリジル基である。このR5置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(2-メトキシ-3-ピリジル)ミノサイクリンである。
【0047】
ある態様において、R5はアルケンアミノ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(N-2'-ヒドロキシデシル-9'-エン-アミノ)ミノサイクリンである。
【0048】
ある態様において、R9はN-t-ブチル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、N-t-ブチル-ミノサイクリンHClを含む。
【0049】
ある態様において、R9はt-ブチルアミド基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-BOC-NHミノサイクリンである。
【0050】
ある態様において、R9はヒドロキシブチルアミノ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(N-2'-ヒドロキシブチルアミノ)ミノサイクリンである。
【0051】
ある態様において、R9はヒドロキシプロピルアミノ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(N-3-クロロ, 2-ヒドロキシルプロピルアミノ)ミノサイクリンである。
【0052】
ある態様において、R9はフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-フェニルミノサイクリンHClおよび9-p-トリルミノサイクリンである。
【0053】
ある態様において、R9はニトロフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(3'-ニトロフェニル)ミノサイクリンである。
【0054】
ある態様において、R9はニトロフェニルアルキニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(4'-ニトロフェニルエチニル)ミノサイクリンである。
【0055】
ある態様において、R9はアミノフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(3-アミノフェニル)ミノサイクリンである。
【0056】
ある態様において、R9はハロフェニル尿素基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(4-クロロ,2-トリフルオロメチルフェニル)ミノサイクリン尿素である。
【0057】
ある態様において、R9はアルコキシフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(p-メトキシフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-メトキシフェニル)ミノサイクリン、および9-(3,4-メチレンジオキシフェニル)ミノサイクリンである。
【0058】
ある態様において、R9はシアノフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(4'-シアノフェニル)ミノサイクリンである。
【0059】
ある態様において、R9はカルボキシアルキルフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(4'-カルボキシフェニル)ミノサイクリンである。
【0060】
ある態様において、R9はアシルフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(3-ホルミルフェニル)ミノサイクリンである。
【0061】
ある態様において、R9はアルキルフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(4'-t-ブチルフェニル)ミノサイクリンである。
【0062】
ある態様において、R9はハロフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(3-クロロフェニル)ミノサイクリン、9-(2',4'-ジフルオロフェニル)ミノサイクリン、9-(3,4-ジフルオロフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-クロロフェニル)ミノサイクリン、9-(3,4-ジクロロフェニル)ミノサイクリン、および9-(4'-トリフルオロメチルフェニル)ミノサイクリンである。
【0063】
ある態様において、R9はアルコキシフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(3-エトキシフェニル)ミノサイクリンである。
【0064】
ある態様において、R9はカルボキシアルキルフェニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(4-カルボキシメチルフェニル)ミノサイクリンである。
【0065】
ある態様において、R9はフェニルアルキニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(フェニルエチニル)ミノサイクリン、9-(3-ヒドロキシフェニルエチニル)ミノサイクリン、9-(p-トリルエチニル)ミノサイクリン、および9-(p-メトキシフェニルエチニル)ミノサイクリンである。
【0066】
ある態様において、R9はアルキニル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-エチニルミノサイクリン、9-(p-フルオロエチニル)ミノサイクリン、9-(トリメチルシリルエチニル)ミノサイクリン、9-(プロピオニル)ミノサイクリン、9-(シクロヘキセニルエチニル)ミノサイクリン、および9-(1-シクロヘキシル-1-ヒドロキシエチニル)ミノサイクリンである。
【0067】
ある態様において、R9はアルキルグリシンエチルエステル基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-プロピルグリシンエチルエステルミノサイクリンHCl、および9-メチルグリシンエチルエステルミノサイクリンである。
【0068】
ある態様において、R9はスチレン基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(スチレン)ミノサイクリン、9-(4'-フルオロスチレン)ミノサイクリンである。
【0069】
ある態様において、R9はチオフェン基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(2-チオフェン)ミノサイクリン、および9-(5'-クロロ-2'-チオフェン)ミノサイクリンである。
【0070】
ある態様において、R9はアルキルアミノホスホ基である。このR9置換基を持つテトラサイクリン化合物の例は、9-(p-メトキシフェニルアミノホスホ)ミノサイクリン、および9-(フェニルアミノホスホ)ミノサイクリンである。
【0071】
本発明のミノサイクリン化合物は、スキーム1-6に説明された方法を用いて合成することができる。
【0072】
9-置換ミノサイクリンは、スキーム1に示された、下記一般的方法により合成することができる。
【化81】

【0073】
概して、9-置換ミノサイクリン化合物は、スキーム2に示されたように、ミノサイクリン(1A)を、硫酸および硝酸ナトリウムで処理することにより、合成することができる。得られる生成物は、9-ニトロ(1B)ミノサイクリンである。ニトロミノサイクリン化合物は、次に、水素ガスおよび白金触媒により処理し、9-アミノミノサイクリン化合物1Cを得る。9-誘導体を合成するために、9-アミノミノサイクリン化合物を、HONOで処理し、ジアゾニウム塩(1D)を得る。この塩は引き続き、アルケン、またはアルケン、アリール、およびアルキニルのようなπ結合官能基を有する多くの化合物(例えば、R9Br)で処理し、9-置換ミノサイクリン化合物(1E)を得ることができる。
【0074】
【化82】

【0075】
スキーム3に示されるように、本発明のミノサイクリン化合物(R9は、カルバメートまたは尿素誘導体である。)は、下記プロトコールを用いて合成することができる。ミノサイクリン(2A)は、酸性条件下でNaNO2により処理し、9-ニトロミノサイクリン(2B)を生成する。9-ニトロミノサイクリン(2B)は次に、H2ガスおよび白金触媒により処理し、9-アミノミノサイクリン誘導体(2C)を生成する。尿素誘導体(2E)を生成するためには、イソシアナート(2D)を、9-アミノミノサイクリン誘導体(2C)と反応させる。カルバメート(2G)を生成するためには、適当な酸クロリドエステル(2F)を、(2C)と反応させる。
【0076】
【化83】

【0077】
スキーム3に示されたように、本発明のミノサイクリン化合物は、R9がヘテロ環(すなわち、チアゾール)で置換されたアミノ基である場合、前述のプロトコールを用いて合成することができる。9-アミノミノサイクリン(3A)は、Fmoc-イソチオシアナート(3B)と反応し、保護されたチオ尿素(3C)を生成する。次に保護されたチオ尿素(3C)を、脱保護し、活性テトラサイクリン尿素またはテトラサイクリンチオ尿素(3D)化合物を得る。テトラサイクリンチオ尿素(3D)は、α-ハロケトン(3E)と反応し、チアゾール置換された9-アミノミノサイクリン(3F)を得る。
【0078】
【化84】

【0079】
スキーム4に示されたように、9-アルケニルミノサイクリン化合物(4A)は、水素化され、アルキル9-置換ミノサイクリン化合物(4B)を得る。スキーム4は、水素ガスおよびパラジウム/炭素触媒により、9-位の二重結合の選択的水素化を示す。同様に、9-アルキニルミノサイクリンも水素化され、9-アルキルミノサイクリン化合物を形成する。
【0080】
【化85】

【0081】
スキーム5において、ミノサイクリン化合物の9-位のアリール誘導体の合成に関する一般的合成スキームが示されている。スキーム5において、アリールボロン酸のヨードミノサイクリン化合物とのSuzukiカップリングが示されている。ヨードミノサイクリン化合物(5B)は、サンサイクリンから、酸性条件下での、少なくとも1個の等価のN-ヨードスクシンイミド(NIS)によるミノサイクリン(5A)の処理により合成することができる。この反応を停止し、かつ次に得られる9-ヨードミノサイクリン(5B)を、当該技術分野において公知の標準の技術を用いて精製する。アリール誘導体を生成するためには、9-ヨードミノサイクリン(5B)を、ボロン酸(5C)と炭酸ナトリウム水溶液で処理し、かつこれをパラジウムで触媒することができる。生成物(5D)を、当該技術分野において公知の方法(HPLCなど)により精製する。他の9-アリールミノサイクリン化合物は、同様のプロトコールを用い合成することができる。
【0082】
本発明の9-置換ミノサイクリン化合物は、更にStille交差カップリングを用い合成することができる。Stille交差カップリングは、適当なスズ試薬(例えば、R-SnBu3)およびハロゲン化されたテトラサイクリン化合物(例えば、9-ヨードミノサイクリン)を用い行うことができる。スズ試薬およびヨードミノサイクリン化合物は、パラジウム触媒(例えば、Pd(PPh3)2Cl2またはPd(AsPh3)2Cl2)により、および任意に、追加の銅塩、例えばCuIにより処理される。得られる化合物は次に、当該技術分野において公知の技術を用い精製される。
【0083】
【化86】

【0084】
本発明の化合物は、更に、Heck-型交差カップリング反応を用いて合成することができる。スキーム6に示されたように、Heck-型交差カップリングは、ハロゲン化されたテトラサイクリン化合物(例えば、9-ヨードミノサイクリン、6A)、反応性アルケン(6B)またはアルキン(6D)、ならびに適当なパラジウムまたは他の遷移金属触媒を用いて行うことができる。得られる9-置換アルケニル(6C)または9-置換アルキニル(6E)ミノサイクリン化合物は、次に当該技術分野において公知の技術を用いて精製することができる。
【0085】
用語「アルキル」は、直鎖アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシルなど)、分枝鎖のアルキル基(イソプロピル、t-ブチル、イソブチルなど)、シクロアルキル(脂環式)基(シクロプロピル、シクロペンチル、シクロヘキシル、シクロヘプチル、シクロオクチル)、アルキル置換されたシクロアルキル基、およびシクロアルキル置換されたアルキル基を含む、飽和した脂肪族基を含む。さらに用語アルキルは、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換されている酸素、窒素、イオウまたはリン原子を更に有することができるアルキル基を含む。ある種の態様において、直鎖または分枝鎖のアルキルは、その主鎖に6個またはより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC1-C6、分枝鎖についてC3-C6)、およびより好ましくは4個またはより少ない炭素原子を有する。同様に好ましいシクロアルキルは、それらの環構造内に3〜8個の炭素原子を有し、より好ましくはその環構造に5または6個の炭素を有する。用語C1-C6は、1〜6個の炭素原子を有するアルキル基を含む。
【0086】
さらに、用語アルキルは、「未置換のアルキル」および「置換されたアルキル」の両方を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を有するアルキル残基を意味する。このような置換基は、例えば、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含むことができる。シクロアルキルはさらに例えば先に説明された置換基により置換することができる。「アルキルアリール」または「アラルキル」残基は、アリールで置換されたアルキル(例えばフェニルメチル(ベンジル))である。用語「アルキル」はさらに、天然または非天然のアミノ酸の側鎖も含む。
【0087】
用語「アリール」は、0〜4個のヘテロ原子を有することができる5-および6-員の単環芳香族基、例えば、ベンゼン、フェニル、ピロール、フラン、チオフェン、チアゾール、イソチアゾール、イミダゾール、トリアゾール、テトラゾール、ピラゾール、オキサゾール、イソオキサゾール、ピリジン、ピラジン、ピリダジン、およびピリミジンなどがある。さらに用語「アリール」は、三環、二環などの多環式アリール基、例えばナフタレン、ベンゾオキサゾール、ベンゾジオキサゾール、ベンゾチアゾール、ベンゾイミダゾール、ベンゾチオフェン、メチレンジオキシフェニル、キノリン、イソキノリン、ナフチリジン、インドール、ベンゾフラン、プリン、ベンゾフラン、デアザプリン、またはインドリジンがある。このような環構造にヘテロ原子を有するアリール基は、「アリールヘテロ環」、「ヘテロ環」、「ヘテロアリール」または「ヘテロ芳香族」とも称される。芳香環は、前述のような置換基で1個または複数の環の位置で置換することができ、例として、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基である。アリール基はさらに、多環システム(例えば、テトラリンなど)を形成するために、芳香族でない脂環式またはヘテロ環式環と融合または架橋することもできる。
【0088】
用語「アルケニル」は、長さおよび置換の可能性は前述のアルキルと同様であるが、少なくとも1個の二重結合を有する、不飽和の脂肪族基を含む。
【0089】
例えば用語「アルケニル」は、直鎖のアルケニル基(例えば、エチレニル、プロペニル、ブテニル、ペンテニル、ヘキセニル、ヘプテニル、オクテニル、ノネニル、デセニルなど)、分枝鎖のアルケニル基、シクロアルケニル(脂環式)基(シクロプロペニル、シクロペンテニル、シクロヘキセニル、シクロヘプテニル、シクロオクテニルなど)、アルキルまたはアルケニル置換されたシクロアルケニル基、ならびにシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換されたアルケニル基を含む。用語アルケニルはさらに、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換されている酸素、窒素、イオウまたはリン原子を有するアルケニル基を含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖のアルケニル基は、その主鎖に6個またはより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC2-C6、分枝鎖についてC3-C6)を有する。同様にシクロアルケニル基は、それらの環構造内に3〜8個の炭素原子を有し、より好ましくはその環構造に5または6個の炭素を有する。用語C2-C6は、2〜6個の炭素原子を有するアルケニル基を含む。
【0090】
さらに、用語アルケニルは、「未置換のアルケニル」および「置換されたアルケニル」の両方を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を有するアルケニル残基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含むことができる。
【0091】
用語「アルキニル」は、長さおよび置換の可能性は前述のアルキルと同様であるが、少なくとも1個の三重結合を有する、不飽和の脂肪族基を含む。
【0092】
例えば用語「アルキニル」は、直鎖のアルキニル基(例えば、エチニル、プロピニル、ブチニル、ペンチニル、ヘキシニル、ヘプチニル、オクチニル、ノニニル、デシニルなど)、分枝鎖のアルキニル基、ならびにシクロアルキルまたはシクロアルケニル置換されたアルキニル基を含む。用語アルキニルはさらに、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換されている酸素、窒素、イオウまたはリン原子を有するアルキニル基を含む。ある態様において、直鎖または分枝鎖のアルキニル基は、その主鎖に6個またはより少ない炭素原子(例えば、直鎖についてC2-C6、分枝鎖についてC3-C6)を有する。用語C2-C6は、2〜6個の炭素原子を有するアルキニル基を含む。
【0093】
さらに、用語アルキニルは、「未置換のアルキニル」および「置換されたアルキニル」を含み、後者は、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素上の水素と置換する置換基を有するアルキニル残基を意味する。このような置換基は、例えば、アルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含むことができる。
【0094】
炭素数が特に指定されない限りは、本明細書において使用される「低級アルキル」は、先に定義されたアルキル基を意味するが、その主鎖構造に1〜5個の炭素原子を有する。「低級アルケニル」および「低級アルキニル」は、例えば2〜5個の炭素原子の長さの鎖を有する。
【0095】
用語「アシル」は、アシルラジカル(CH3CO-)またはカルボニル基を含む化合物および残基を含む。用語「置換されたアシル」は、1個または複数の水素原子が、例えばアルキル基、アルキニル基、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノおよびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基であるアシル基を含む。
【0096】
用語「アシルアミノ」は、アシル残基がアミノ基に結合している残基を含む。例えば、この用語は、アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド基を含む。
【0097】
用語「アロイル」は、カルボニル基に結合したアリールまたはヘテロ芳香族残基を伴う化合物および残基を含む。アロイル基の例は、フェニルカルボキシ、ナフチルカルボキシなどを含む。
【0098】
用語「アルコキシアルキル」、「アルキルアミノアルキル」および「チオアルコキシアルキル」は、前述のようなアルキル基を含み、これはさらに例えば酸素、窒素またはイオウ原子などの、炭化水素主鎖の1個または複数の炭素と置換している酸素、窒素またはイオウ原子を含む。
【0099】
用語「アルコキシ」は、酸素原子と共有結合した置換および未置換のアルキル、アルケニル、およびアルキニル基を含む。アルコキシ基の例は、メトキシ、エトキシ、イソプロピルオキシ、プロポキシ、ブトキシ、およびペントキシ基を含む。置換されたアルコキシ基の例は、ハロゲン化されたアルコキシ基を含む。アルコキシ基は、アルケニル、アルキニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルアミノカルボニル、ジアルキルアミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイド)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ環式残基のような基で置換することができる。ハロゲン置換されたアルコキシ基の例は、フルオロメトキシ、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、クロロメトキシ、ジクロロメトキシ、トリクロロメトキシなどを含むが、これらに限定されるものではない。
【0100】
用語「アミン」または「アミノ」は、少なくとも1個の炭素またはヘテロ原子に窒素原子が共有結合した化合物を含む。用語「アルキルアミノ」は、窒素が少なくとも1個の追加のアルキル基に結合した基および化合物を含む。用語「ジアルキルアミノ」は、窒素原子が少なくとも2個の追加のアルキル基と結合した基を含む。用語「アリールアミノ」および「ジアリールアミノ」は、各々、窒素が、少なくとも1個または2個のアリール基と結合した基を含む。用語「アルキルアリールアミノ」、「アルキルアミノアリール」または「アリールアミノアルキル」は、少なくとも1個のアルキル基および少なくとも1個のアリール基に結合したアミノ基を意味する。用語「アルカミノアルキル」は、同じくアルキル基に結合した窒素原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を意味する。
【0101】
用語「アミド」または「アミノカルボニル」は、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合した窒素原子を有する化合物または残基を含む。この用語は、カルボニル基に結合したアミノ基に結合したアルキル、アルケニル、アリールまたはアルキニル基を含む「アルカミノカルボニル」または「アルキルアミノカルボニル」基を含む。これは、カルボニルまたはチオカルボニル基の炭素に結合したアミノ基に結合したアリールまたはヘテロアリール残基を含むアリールアミノカルボニル基を含む。用語「アルキルアミノカルボニル」、「アルケニルアミノカルボニル」、「アルキニルアミノカルボニル」、「アリールアミノカルボニル」、「アルキルカルボニルアミノ」、「アルケニルカルボニルアミノ」、「アルキニルカルボニルアミノ」および「アリールカルボニルアミノ」は、用語「アミド」に含まれる。アミドはさらに、尿素基(アミノカルボニルアミノ)およびカルバメート(オキシカルボニルアミノ)も含む。
【0102】
用語「カルボニル」または「カルボキシ」は、二重結合により酸素原子に結合した炭素を有する化合物および残基を含む。カルボニルを含む残基の例は、アルデヒド、ケトン、カルボン酸、アミド、エステル、無水物などである。
【0103】
用語「チオカルボニル」または「チオカルボキシ」は、二重結合によりイオウ原子に結合した炭素を有する化合物および残基を含む。
【0104】
用語「エーテル」は、2個の異なる炭素原子またはヘテロ原子に結合した酸素を有する化合物または残基を含む。例えばこの用語は、別のアルキル基に共有結合している酸素原子に共有結合したアルキル、アルケニルまたはアルキニル基を意味する、「アルコキシアルキル」を含む。
【0105】
用語「エステル」は、カルボニル基の炭素に結合した酸素原子に結合した炭素またはヘテロ原子を有する化合物または残基を含む。用語「エステル」は、メトキシカルボニル、エトキシカルボニル、プロポキシカルボニル、ブトキシカルボニル、ペントキシカルボニルなどのアルコキシカルボキシ基を含む。このアルキル、アルケニル、またはアルキニル基は、先に定義したものである。
【0106】
用語「チオエーテル」は、2個の異なる炭素またはヘテロ原子に結合したイオウ原子を有する化合物および残基を含む。チオエーテルの例は、アルクチオアルキル、アルクチオアルケニル、およびアルクチオアルキニルを含むが、これらに限定されるものではない。用語「アルクチオアルキル」は、アルキル基に結合したイオウ原子に結合したアルキル、アルケニル、またはアルキニル基を伴う化合物を含む。同様に、用語「アルクチオアルケニル」および「アルクチオアルキニル」は、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基が、アルキニル基に共有結合したイオウ原子に結合している化合物または残基を意味する。
【0107】
用語「ヒドロキシ」または「ヒドロキシル」は、-OHまたは-O-を伴う基を含む。
【0108】
用語「ハロゲン」は、フッ素、臭素、塩素、ヨウ素などを含む。用語「過ハロゲン化された」とは概して、全ての水素がハロゲン原子と置き換えられている残基を意味する。
【0109】
用語「多環式」または「多環式ラジカル」は、2個またはそれより多い炭素が2個の隣接環で共有される2個またはそれより多い環式環(例えば、シクロアルキル、シクロアルケニル、シクロアルキニル、アリールおよび/またはヘテロ環式)、例えば環が「融合環」であることを意味する。非隣接原子で連結された環は、「架橋した」環と称される。多環の各環は、前述のような置換基で置換することができ、これは例えばハロゲン、ヒドロキシル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルコキシカルボニル、アルキルアミノカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、アルコキシ、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ(アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノ、およびアルキルアリールアミノを含む)、アシルアミノ(アルキルカルボニルアミノ、アリールカルボニルアミノ、カルバモイルおよびウレイドを含む)、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキル、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基である。
【0110】
用語「ヘテロ原子」は、炭素または水素以外の元素の原子を含む。好ましいヘテロ原子は、窒素、酸素、イオウおよびリンである。
【0111】
用語「プロドラッグ部分」は、インビボにおいてヒドロキシル基へ代謝され得る残基および有利なことにインビボにおいてエステル化され続ける残基を含む。好ましくは、プロドラッグ部分は、エステラーゼによりまたは他の機構によりヒドロキシル基または他の有利な基へとインビボにおいて代謝される。プロドラッグおよびそれらの使用の例は、当該技術分野において周知である(例えば、Bergeら、「医薬用塩(Pharmaceutical Salts)」、J. Pharm. Sci.、66:1-19(1977)参照)。これらのプロドラッグは、化合物の最終単離および精製時にインサイチュで、または精製された化合物のその遊離酸型もしくはヒドロキシルの適当なエステル化剤との個別の反応により調製することができる。ヒドロキシル基は、カルボン酸による処理によりエステルに転換することができる。プロドラッグ部分の例は、置換または未置換の、分枝したまたは分枝していない低級アルキルエステル残基(例えば、プロピオン酸エステル)、低級アルケニルエステル、ジ-低級アルキルアミノ低級-アルキルエステル(例えば、ジメチルアミノエチルエステル)、アシルアミノ低級アルキルエステル(例えば、アセチルオキシメチルエステル)、アシルオキシ低級アルキルエステル(例えば、ピバロイルオキシメチルエステル)、アリールエステル(フェニルエステル)、アリール-低級アルキルエステル(例えば、ベンジルエステル)、置換された(例えば、メチル、ハロ、またはメトキシ置換基により)アリールおよびアリール-低級アルキルエステル、アミド、低級-アルキルアミド、ジ-低級アルキルアミド、およびヒドロキシアミドがある。好ましいプロドラッグ部分は、プロピオン酸エステルおよびアシルエステルである。
【0112】
本発明のミノサイクリン化合物のいくつかの構造は、不斉炭素原子を含むことは注目されるであろう。従って、このような不斉から生じる異性体(例えば、全てエナンチオマーおよびジアステレオマー)は、特に記さない限り、本発明の範囲に含まれると理解されるべきである。このような異性体は、古典的分離技術および立体化学的に制御された合成により、実質的に純粋型で得ることができる。さらに本明細書において考察した構造ならびに他の化合物および残基も、それらの全ての互変異性体を含む。
【0113】
本発明は更に、本発明のミノサイクリン化合物(例えば、式(I)または表1に示した化合物)を対象へ有効量投与し、その結果テトラサイクリン反応状態が治療されることによる、対象においてテトラサイクリン反応状態を治療する方法に関する。
【0114】
専門用語「テトラサイクリン化合物反応状態」は、本発明のミノサイクリン化合物の投与により治療、予防またはさもなければ改善することができる状態を含む。テトラサイクリン化合物反応状態は、細菌感染症(他のテトラサイクリン化合物に対し耐性であるものを含む)、癌、糖尿病、およびテトラサイクリン化合物が活性があることがわかっている他の状態を含む(例えば、米国特許第5,789,395号;第5,834,450号;および、第5,532,227号参照)。本発明の化合物は、下痢、尿路感染症、皮膚および皮膚構造の感染症、耳、鼻およびのどの感染症、創傷感染症、乳腺炎などのような、重要な哺乳類および動物の疾患を防御しかつ管理するために使用することができる。加えて、本発明のテトラサイクリン化合物を用い、新生物形成性疾患を治療する方法も含まれる(van der Bozertら、Cancer Res.、48:6686-6690(1988))。ある種のテトラサイクリン反応状態のためには、抗菌活性をほとんどまたは全く有さない本発明のミノサイクリン化合物が望ましい。
【0115】
細菌感染症は、広範なグラム陽性菌およびグラム陰性菌により引き起され得る。本発明の化合物は、他のテトラサイクリン化合物に対し耐性のある生物に対する抗生物質として有用である。本発明のテトラサイクリン化合物の抗生物質活性は、実施例2において考察した方法を用いて、またはWaltz, J.A.の論文(National Commission for Clinical Laboratory Standards,、Document M7-A2、第10巻8号、13-20ページ、第2版、Villanova、PA(1990))に説明されたインビトロ標準ブロス希釈法を用いることにより決定することができる。
【0116】
これらのミノサイクリン化合物はさらに、例えばリケッチア;多くのグラム陽性菌およびグラム陰性菌;ならびに、性病性リンパ肉芽腫、封入体結膜炎およびオウム病に寄与する物質などのような、テトラサイクリン化合物で伝統的に治療された感染症を治療するために使用することもできる。これらのテトラサイクリン化合物は、例えば、肺炎桿菌(K. pneumoniae)、サルモネラ(Salmonella)、エンテロコッカス・ヒラエ(E. hirae)、アシネトバクター・バウマニ(A. baumanii)、カタル球菌(B. catarrhalis)、インフルエンザ菌(H. influenzae)、緑膿菌(P. aeruginosa)、ヘシュム菌(E. faecium)、大腸菌(E. coli)、黄色ブドウ球菌(S. aureus)または大腸レンサ球菌(E. faecalis)などの感染症を治療するために使用することもできる。ある態様において、ミノサイクリン化合物は、他のテトラサイクリン抗生性化合物に対して耐性である細菌感染症を治療するために使用することができる。本発明のミノサイクリン化合物は、薬学的に許容できる担体と共に投与することができる。
【0117】
専門用語化合物の「有効量」は、テトラサイクリン化合物反応状態の治療または予防に必要なまたは十分な量である。有効量は、対象の大きさおよび体重、疾患の種類、または具体的ミノサイクリン化合物などの要因により変動することができる。例えば、ミノサイクリン化合物の選択は、「有効量」を構成するものに影響を及ぼすことができる。当業者は、前述の要因を試験し、かつ過度の実験を必要とはせずにミノサイクリン化合物の有効量に関して決定を下すことができるであろう。
【0118】
本発明はさらに、微生物感染症および関連疾患に対する治療法に関する。これらの方法は、1種または複数のミノサイクリン化合物の有効量を対象へ投与することを含む。対象は、植物、または有利なことに動物、例えば哺乳類、例としてヒトのいずれかであることができる。
【0119】
本発明の治療的方法において、1種または複数の本発明のミノサイクリン化合物は、単独で対象に投与することができ、より典型的には、本発明の化合物を薬学的組成物の一部として、通常の賦形剤、すなわち非経口、経口または他の所望の投与に適し、およびこの活性化合物と有害に反応せずかつそのレシピエントに対し有害に作用しない、薬学的に許容できる有機または無機の担体物質と混合して投与されるであろう。
【0120】
本発明は更に、ミノサイクリン化合物の治療的有効量、および任意に薬学的に許容できる担体を含む薬学的組成物に関する。
【0121】
専門用語「薬学的に許容できる担体」は、ミオサイクリン化合物(複数)と同時投与することが可能である物質、およびテトラサイクリン化合物反応状態の、例えば治療または予防の、それらの意図された機能を両方発揮することができる物質を含む。適当な薬学的に許容できる担体は、水、塩溶液、アルコール、植物油、ポリエチレングリコール、ゼラチン、乳糖、アミロース、ステアリン酸マグネシウム、タルク、ケイ酸、流動パラフィン(viscous paraffin)、香油、脂肪酸モノグリセリドおよびジグリセリド、石油エーテル性脂肪酸エステル、ヒドロキシメチルセルロース、ポリビニルピロリドンなどを含むが、これらに限定されるものではない。薬学的調製物は、滅菌することができ、かつ望ましい場合は、本発明の活性化合物と有害に反応しない賦形剤、例えば滑沢剤、保存剤、安定剤、湿潤剤、乳化剤、浸透圧に作用する塩、緩衝剤、着色剤、矯味・矯臭剤および/または芳香物質などと混合することができる。
【0122】
自然状態では塩基性である本発明のミノサイクリン化合物は、様々な無機酸および有機酸と共に広範な塩を形成することが可能である。自然状態では塩基性である本発明のミノサイクリン化合物の薬学的に許容できる酸付加塩の調製に使用することができる酸は、無毒の酸付加塩、すなわち塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、硝酸塩、硫酸塩、亜硫酸塩、リン酸塩、酸性リン酸塩、イソニコチン酸塩、酢酸塩、乳酸塩、サリチル酸塩、クエン酸塩、酸性クエン酸塩、酒石酸塩、パントテン酸塩、重酒石酸塩、アスコルビン酸塩、コハク酸塩、マレイン酸塩、ゲンチシン酸塩、フマル酸塩、グルコン酸塩、グルカル酸塩、サッカリン酸塩、ギ酸塩、安息香酸塩、グルタミン酸塩、メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、p-トルエンスルホン酸塩およびパルミチン酸塩[すなわち、1,1'-メチレン-ビス-(2-ヒドロキシ-3-ナフトエ酸塩)]のような、薬学的に許容できるアニオンを含む塩を形成するものである。このような塩は、例えば哺乳類のような対象への投与について薬学的に許容できなければならないが、実際には最初に本発明のミノサイクリン化合物を反応混合物から薬学的に許容できる塩として単離し、かつ次にこれをアルカリ試薬による処理により遊離塩基化合物に戻すよう単純に転換し、引き続きこの遊離塩基を薬学的に許容できる酸付加塩に転換することが望ましいことが多い。本発明の塩基化合物の酸付加塩は、塩基化合物の、実質的に等量の選択された鉱酸または有機酸による、メタノールまたはエタノールのような水性溶媒中でまたは適当な有機溶媒中の処理により、容易に調製することができる。この溶媒を慎重に蒸発し、所望の固形塩が容易に得られる。先の実験の項において詳細には説明されていないその他の本発明のミノサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかなように、先に説明された反応の組合せを用い実現することができる。
【0123】
先の実験の項において詳細には説明されていないその他の本発明のミノサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかなように、先に説明された反応の組合せを用い実現することができる。
【0124】
自然の状態で酸性である本発明のミノサイクリン化合物は、広範な塩基性塩の形成が可能である。自然の状態で酸性である本発明のミノサイクリン化合物薬学的に許容できる塩基性塩の調製に試薬として使用することができる化学塩基は、このような化合物との無毒の塩基性塩を形成するものである。このような無毒の塩基性塩は、アルカリ金属カチオン(例えば、カリウムおよびナトリウム)ならびにアルカリ土類金属カチオン(例えば、カルシウムおよびマグネシウム)のような薬学的に許容できるカチオン由来のもの、アンモニウムまたは水溶性アミン付加塩、例えばN-メチルブルタミン-(メグルミン)、ならびに低級アルカノールアンモニウムおよび他の薬学的に許容できる有機アミンの塩基性塩を含むが、これらに限定されるものではない。自然の状態で酸性である本発明のミノサイクリン化合物の薬学的に許容できる塩基付加塩は、常法により薬学的に許容できるカチオンにより形成することができる。従ってこれらの塩は、望ましい薬学的に許容できるカチオンの水溶液で本発明のミノサイクリン化合物を処理し、かつ得られる溶液を、好ましくは減圧下で蒸発乾固することにより容易に調製することができる。あるいは、本発明のミノサイクリン化合物の低級アルキルアルコール溶液を、望ましい金属のアルコキシドおよび溶液と混合し、その後蒸発乾固することができる。
【0125】
先の実験の項において詳細には説明されていない他の本発明のミノサイクリン化合物の調製は、当業者に明らかである、先に説明された反応の組合せを用い実現することができる。
【0126】
本発明のミノサイクリン化合物およびそれらの薬学的に許容できる塩は、経口、非経口または局所的経路のいずれかにより投与することができる。一般に、これらの化合物は、治療される対象の体重および状態ならびに選択された具体的投与経路に応じて、有効な用量で投与されることが最も望ましい。治療される対象の種およびその該医薬品に対する個々の反応に応じて、さらには選択された薬学的処方の種類ならびにそのような投与が実行される期間および間隔に応じて、変更することができる。
【0127】
本発明の薬学的組成物は、例えば哺乳類のような対象においてテトラサイクリン反応状態を治療するために、単独でまたはその他の公知の組成物と組合せて投与することができる。好ましい哺乳類は、ペット(例えば、ネコ、イヌ、フェレットなど)、家畜(乳牛、ヒツジ、ブタ、ウマ、ヤギなど)、実験動物(ラット、マウス、サルなど)、ならびに霊長類(チンパンジー、ヒト、ゴリラ)である。専門用語公知の組成物と「組合せて」とは、本発明の組成物および公知の組成物の同時投与、最初に本発明の組成物、それに続けて公知の組成物の投与、ならびに最初に公知の組成物、それに続けて本発明の組成物の投与を含むことが意図されている。テトラサイクリン反応状態の治療のための当該技術分野において公知の治療的組成物のいずれかを、本発明の方法において使用することができる。
【0128】
本発明のミノサイクリン化合物は、前述の経路のいずれかにより、単独でまたは薬学的に許容できる担体もしくは希釈剤と組合わせて投与することができ、かつこの投与は、単回または反復用量で行うことができる。例えば本発明の新規治療物質を、広範な異なる剤形で有利に投与することができ、すなわちこれらは、錠剤、カプセル剤、甘味入り錠剤、トローチ剤、硬質キャンディ、散剤、スプレー剤、クリーム剤、ロウ膏(salve)、坐剤、ゼリー剤、ゲル剤、貼付剤、ローション剤、軟膏剤、水性懸濁剤、注射剤、エリキシル剤、シロップ剤などの形で様々な薬学的に許容できる不活性担体と組合わせることができる。このような担体は、固形希釈剤または充填剤、滅菌水性媒質および様々な無毒の有機溶剤などを含む。さらに、経口の薬学的組成物は、適宜甘味および/または矯味・矯臭を加えることができる。一般に本発明の治療に有効な化合物は、濃度レベル約5.0%〜約70質量%の範囲の剤形で存在することができる。
【0129】
経口投与について、微晶質セルロース、クエン酸ナトリウム、炭酸カルシウム、リン酸二カルシウムおよびグリシンのような様々な補形剤を含有する錠剤を、デンプン(および好ましくはトウモロコシ、ジャガイモまたはタピオカデンプン)、アルギン酸およびある種の複合シリカなどの様々な崩壊剤と共に、ポリビニルピロリドン、ショ糖、ゼラチンおよびアラビアゴムのような顆粒結合剤と一緒に使用することができる。加えて、ステアリン酸マグネシウム、ラウリル硫酸ナトリウムおよびタルクのような滑沢剤も、打錠目的で非常に有用であることが多い。同様の種類の固形組成物も、ゼラチンカプセル錠内の充填剤として使用することができ;この結合において好ましい物質は、さらに乳糖またはミルクシュガーに加え、高分子量ポリエチレングリコールも含む。水性懸濁剤および/またはエリキシル剤が経口投与に望ましい場合、この活性成分は、様々な甘味剤または矯味・矯臭剤、着色物質または色素、ならびに望ましいならば、さらには乳化剤および/または懸濁化剤と、水、エタノール、プロピレングリコール、グリセリンおよびそれらの様々な組合せなどと一緒に組合わせることができる。
【0130】
非経口投与(腹腔内、皮下、静脈内、皮内または筋肉内注射)について、本発明の治療的化合物の溶液は、ゴマ油もしくはピーナッツ油のいずれかの中または水性ポリエチレングリコール中の本発明の治療用化合物の溶液を使用することができる。水溶液は、必要ならば、適当に緩衝され(好ましくはpHが8より大きい)、かつ液体希釈剤は最初に等張とされる。これらの水溶液は、静脈内注射目的に適している。油性溶液は、関節内、筋肉内および皮下注射目的に適している。これらの溶液全ての無菌条件下での調製は、当業者に周知の標準の薬学的技術により容易に実現することができる。非経口適用について、適当な調製物の例は、液剤、好ましくは油性または水性液剤に加え、懸濁剤、乳剤または坐剤を含む埋込剤を含む。治療的化合物は、注射剤に通常使用される無菌生理食塩水または5%生理食塩水デキストロース溶液などの液体担体中に分散されているような、反復または単回投与剤形において無菌型で処方することができる。
【0131】
加えて皮膚の炎症状態を治療する場合に、本発明の化合物を局所的に投与することも可能である。局所投与法の例は、経皮的、頬内または舌下適用を含む。局所適用のためには、治療的化合物を、ゲル、軟膏、ローションまたはクリームのような薬学的不活性局所用担体中に適当に混合することができる。このような局所用担体は、水、グリセロール、アルコール、プロピレングリコール、脂肪族アルコール、トリグリセリド、脂肪酸エステルまたは鉱油を含む。他の可能性のある局所用担体は、液体ペトロラタム、パルミチン酸イソプロピル、ポリエチレングリコール、95%エタノール、水を溶媒とする5%ポリオキシエチレンモノラウリエート、水を溶媒とする5%ラウリル硫酸ナトリウムなどがある。加えて、酸化防止剤、湿潤剤、粘度安定化剤などの物質も、望ましいならば添加することができる。
【0132】
腸用適用のために特に適しているのは、タルクおよび/または炭水化物担体結合剤などを含む錠剤、糖衣錠またはカプセル剤であり、この担体は好ましくは乳糖および/またはトウモロコシデンプンおよび/またはジャガイモデンプンであることができる。シロップ剤、エリキシル剤などを、甘味を増したビヒクルを使う場合に使用することができる。活性成分が、例えばマイクロカプセル封入、多層コーティングなどのような、示差的に分解可能なコーティングにより保護されているものを含む徐放性組成物を処方することができる。
【0133】
本発明の治療的方法は、ヒト対象の治療に加え、畜牛、ヒツジ、ヤギ、乳牛、ブタなどの家畜;ニワトリ、アヒル、ギース、七面鳥など家禽;ウマ;ならびにイヌおよびネコなどのペットの治療のような、重要な動物用途もある。さらに本発明の化合物は、植物のような動物以外の対象の治療に使用することができる。
【0134】
所定の療法において使用される活性化合物の実際に好ましい量は、使用される特定の化合物、処方された具体的組成物、適用様式、具体的投与部位などに従い変動することは理解されるであろう。所定の投与プロトコールに関する最適投与速度は、前述の指針について実行された従来型の用量決定試験を用い、当業者に容易に理解されるであろう。
【0135】
一般に、治療のための本発明の化合物は、先行するミノサイクリン療法において使用される用量で対象に投与することができる。例えば「医師用卓上参考書(Physicians' Desk Reference)」を参照のこと。例えば、本発明の1種または複数の化合物の適当な有効量は、0.01〜100mg/kgレシピエント体重/日の範囲であり、好ましくは0.1〜50mg/kgレシピエント体重/日の範囲であり、より好ましくは1〜20mg/kgレシピエント体重/日の範囲である。望ましい用量は、1日1回投与に適しているか、または数回の分割投与、例えば2〜5回の分割量が、1日を通して適当な間隔で、または別の適当なスケジュールで投与される。
【0136】
通常の、従来公知の予防策が、一般には通常の使用環境でのミノサイクリンの効能を確実にするために、ミノサイクリンの投与について考慮されることは理解されるであろう。ヒトおよび動物のインビボでの治療的処置に利用される場合特に、医師は、従来公知の禁忌および毒性作用を避けるために、あらゆる理にかなった予防策を採用しなければならない。従って、胃腸管窮迫および炎症、腎毒性、過敏反応、血液の変化、ならびにアルミニウム、カルシウムおよびマグネシウムイオンによる吸収不全のような従来認められた有害作用は、従来の様式で正式に考慮されなければならない。
【0137】
ある態様において、本発明のミノサイクリン化合物は、本明細書に参照として組入れられる、米国特許出願第09/823,884号に開示されたものは含まない。
【0138】
更に、本発明は、医薬品調製のための、式IまたはIIのミノサイクリン化合物の使用にも関する。この医薬品は、薬学的に許容できる担体を含むことができ、およびミノサイクリン化合物は有効量、例えばテトラサイクリン反応状態の治療に有効な量であることができる。
【0139】
[発明の適例]
本発明の化合物は、当業者の技術の範囲内で下記の手法の変更を伴い、下記に説明したように作成することができる。
【実施例】
【0140】
実施例1:本発明のミノサイクリン化合物の調製
9-ヨードミノサイクリンの調製
97%メタンスルホン酸200mlに、周囲温度で、ミノサイクリン-ビス-塩酸塩[30g;56.56mM]を滴下により添加した。暗黄褐色溶液をその後周囲温度で攪拌しながら、N-ヨードスクシンイミド[38g;169.7mM]を、6回等量に分け、3時間かけて添加した。反応は、分析的LCによりモニタリングし、出発物質が消滅したことを調べた。
【0141】
この反応を、迅速に攪拌しているチオ硫酸ナトリウム[17.88g;1134.1mM]を含有する氷冷水2Lへ添加することにより、ゆっくり停止した。この停止した反応液(quench)は、周囲温度でおよそ30分間攪拌した。その後水相を、酢酸エチル6x200mlで抽出し、その後水相を、炭酸水素ナトリウム[259.8g;3.08M]を含有するn-ブタノール300mlに注いだ。これらの相を分離し、かつ水相をn-ブタノール4x250mlで抽出した。有機画分を一緒にし、水3x250mlおよび飽和ブライン250mlで1回洗浄した。得られた有機相を、減圧下で乾燥し減量した。残渣を、メタノール(〜600ml)中に懸濁し、溶液となるまで、無水HClガスをこの混合物中に通気した。溶液を減圧下で乾燥し減量した。濾液を減圧下で乾燥し減量した。得られた物質を、メチルt-ブチルエーテル300mlで摩砕し、濾過により単離した。この物質を、メタノール300ml中に再度溶解し、木炭(wood carbon)0.5gで処理し、濾過し、かつ濾液を減圧下で乾燥し減量した。この物質を再度メチルt-ブチルエーテルで粉末化し、吸引濾過により単離し、かつ更なるエーテル、および最後にヘキサンにより洗浄した。この物質を真空乾燥し、明黄褐色粉末22.6gを得た。
【0142】
9-アルキニルミノサイクリン化合物の調製のための一般的手法
9-ヨードミノサイクリン1mmol、テトラキストリペニル(penyl)ホスフィン酸パラジウム50mg、酢酸パラジウム12mg、ヨウ化銅(I)32mgを、アセトアニリド10mlに溶解/懸濁した。トリエチルアミン2〜5mlおよびアルキニル誘導体3〜5mmolを添加した。反応混合液を、周囲温度から70℃の間で激しく攪拌した。反応時間は、2〜24時間であった。反応が完了した時点で、暗色懸濁液を、セライト床を通して濾過し、濃縮した。粗生成物を、分取HPLCにより精製した。一緒にした画分を濃縮し、かつ最大〜1mlメタノール中に仕上げた。HCl飽和メタノール〜3mlを添加し、かつ生成物をエーテルにより沈殿した。
【0143】
9-アリールミノサイクリン化合物の調製のための一般的手法
9-ヨードミノサイクリン0.15mmol、PdOAc(3.2mg)、2M Na2CO3 229μlおよびフェニルボロン酸2当量を、メタノール10ml中に溶解/懸濁した。反応フラスコを、アルゴンで一掃し、反応を最低4時間またはHPLCモニタリングが出発物質の消費および/または生成物の出現を示すまで進行させた。懸濁液をセライトで濾過し、ジビニルベンゼンカラム上での分取HPLCによる精製にかけた。
【0144】
化合物OU(9-(4-トリフルオロメトキシフェニルウレイド)-メチルミノサイクリン)
【化87】

【0145】
ジメチルホルムアミド3mLに、9-メチルアミノミノサイクリン三塩酸塩150mg(0.25mmol)およびトリエチルアミン67mL(0.50mmol)を25℃で添加した。攪拌しながら、4-トリフルオロメトキシフェニルイソシアナート75mL(0.50mmol)を添加し、得られた反応混合液を25℃で2時間攪拌した。この反応を、分析HPLC(4.6x50mm逆相Luna C18カラム、1〜100%のB緩衝液の5分間直鎖勾配、A緩衝液は0.1%トリフルオロ酢酸を含む水であり、B緩衝液は0.1%トリフルオロ酢酸を含むアセトニトリルであった。)によりモニタリングした。完了時に、水1mLを添加して反応を停止し、そのpHを濃HClを用いておよそ2.0に調節した。溶液を濾過し、化合物を、分取HPLCにより精製した。化合物OUの収量は、64mg(収率37%)であった。化合物OUの純度は、LCMS(M+1=690)により95%と決定した。
【0146】
化合物LA(9-(4'カルボキシフェニル)ミノサイクリン)
【化88】

【0147】
透明で乾燥した反応容器に、9-ヨードミノサイクリン[500mg;0.762mmole]ビスHCl塩、酢酸パラジウム(II)[17.2mg;0.O76mmole]を、試薬等級のメタノール10mlと共に入れた。この溶液を、撹拌しながら、アルゴンガス流れにより、すぐにおよそ5分間パージした。反応容器を還流し、これに順次シリンジにより、2M炭酸カリウム溶液[1.91ml;3.81mmole]、その後試薬DMF5ml中のp-カルボキシフェニルボロン酸溶液[238.3mg;1.53mmole]を加えた。これらの溶液は両方とも、先にアルゴンガスでおよそ5分間脱気した。反応液を45分間加熱し、進行を逆相HPLCによりモニタリングした。反応液を、珪藻土パッドを通して吸引濾過し、このパッドをDMFで洗浄した。濾液を、真空下で油状物へ減量し、残渣をt-ブチルメチルエーテルにより処理した。粗生成物を、DVB上で、水ならびに1.0%トリフルオロ酢酸を含有するメタノールおよび/またはアセトニトリル勾配を使用する、逆相HPLCにより精製した。生成物は質量分析により確認した;測定されたM+1 578.58;構造は、1H NMRにより確認した。
【0148】
実施例2:インビトロ最小発育阻害濃度(MIC)アッセイ
下記のアッセイを用い、共通の細菌に対するミノサイクリン化合物の効能を決定した。各化合物2mgを、DMSO 100μlに溶解した。次にこの溶液を、カチオン調節したMueller Hintonブロス(CAMHB)に添加し、これは最終化合物濃度200μg/mlを得た。ミノサイクリン化合物溶液を、容量50μLに希釈し、被験化合物濃度0.098μg/mlとした。試験菌株の新鮮な対数相ブロス培養物から光学濃度(OD)測定を行った。希釈を行い、最終細胞濃度1x106 CFU/mlとした。OD=1で、異なる属の細胞濃度をおよそ以下のようにした:
大腸菌 1x109 CFU/ml
黄色ブドウ球菌 5x108 CFU/ml
エンテロコッカス種 2.5x109 CFU/ml
細胞懸濁液50μlを、マイクロタイタープレートの各ウェルに添加した。最終細胞濃度は、およそ5x105 CFU/mlとした。これらのプレートを、大気中のインキュベーターで35℃でおよそ18時間インキュベーションした。これらのプレートを、マイクロプレートリーダーで読み取り、必要ならば肉眼で検査した。MICは、増殖を阻害するミノサイクリン化合物の最低濃度と定義した。本発明の化合物は、良好な増殖阻害を示した。
【0149】
表1において、特定の細菌の増殖の良好なインヒビターであった化合物は、*で示し、特定の細菌の増殖の非常に良好なインヒビターであった化合物は、**で示し、かつ特定の細菌の増殖の特に良好なインヒビターであった化合物は、***で示した。
【0150】
同等物
当業者は、日常的な範囲内の実験を用いて、本明細書において説明された特定の手段に対して同等物を多く認めるだろう、もしくは確認することができるであろう。このような同等物は、本発明の範囲内であると考えられ、かつ添付の特許請求の範囲に含まれる。本明細書を通じて引用された参考文献、特許および特許明細書の全ての内容は、本明細書に参照として組入れられる。これらの特許、明細書および他の文書の適当な成分、手法および方法を、本発明およびその態様のために選択してもよい。
【0151】
【表1】
















【特許請求の範囲】
【請求項1】
式Iのミノサイクリン化合物:ならびにそれらの薬学的に許容できる塩、エステルおよびプロドラッグ:
【化1】

(式中、Xは、CHC(R13Y'Y)、CR6'R6、S、NR6、またはOであり;
R2、R4'、R4"、R7'およびR7"は、各々、水素、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、ヘテロ環式、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分であり;
R4は、NR4'R4"、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヒドロキシル、ハロゲン、または水素であり;
R2'、R3、R10、R11およびR12は、各々水素またはプロドラッグ部分であり;
R5は、ヒドロキシル、水素、チオール、アルカノイル、アロイル、アルカロイル、アリール、ヘテロ芳香族、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アルキルカルボニルオキシ、またはアリールカルボニルオキシであり;
R6およびR6'は、独立して、水素、メチレン、非存在、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R9は、ニトロ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アリールアルキル、アミノ、アリールアルケニル、アリールアルキニル、チオニトロソ、または-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aであり;
Zは、CR9dR9e、S、NR9bまたはOであり;
Z'は、NR9f、OまたはSであり;
R9a、R9b、R9c、R9d、R9eおよびR9fは、各々独立して、水素、アシル、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、アリールアルキル、アリール、ヘテロ環式、ヘテロ芳香族またはプロドラッグ部分であり;
R8は、水素、ヒドロキシル、ハロゲン、チオール、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
R13は、水素、ヒドロキシ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルであり;
Y'およびYは、各々独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、シアノ、スルフヒドリル、アミノ、アルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アルキルチオ、アルキルスルフィニル、アルキルスルホニル、アルキルアミノ、またはアリールアルキルである)。
【請求項2】
R4は、NR4'R4"であり;Xは、CR6CR6'であり;R2、R2'、R5、R6、R6'、R8、R9、R10、R11およびR12は、各々水素であり;かつ、R4'、R4"、R7'およびR7"は、各々低級アルキルである、請求項1記載のミノサイクリン化合物。
【請求項3】
R4'、R4"、R7'およびR7"は、各々メチルである、請求項2記載のミノサイクリン化合物。
【請求項4】
R9が、置換または未置換のアリールである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項5】
R9が、置換または未置換のフェニルである、請求項4記載のミノサイクリン化合物。
【請求項6】
R9が、未置換のフェニルである、請求項5記載のミノサイクリン化合物。
【請求項7】
R9が、以下の群より選択される1個または複数の置換基により置換されている、請求項5記載のミノサイクリン化合物であり、その群がハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、ホルミル、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、カルボキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホナト、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、または芳香族もしくはヘテロ芳香族残基を含む、化合物。
【請求項8】
R9は、カルボキシラート、アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロ環式、シアノ、アミノ、ハロゲン、アルコキシ、アルコキシカルボニル、アミド、アルキルカルボニルおよびニトロからなる群より選択される1個または複数の置換基により置換されている、請求項7記載のミノサイクリン化合物。
【請求項9】
R9が、置換または未置換のヘテロアリールである、請求項4記載のミノサイクリン化合物。
【請求項10】
ヘテロアリールが、フラニル、イミダゾリル、ベンゾチオフェニル、ベンゾフラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジオキサゾリル、ベンゾオキサゾリル、ベンゾチアゾリル、ベンゾイミダゾリル、メチレンジオキシフェニル、インドリル、チエニル、ピリミジル、ピラジニル、プリニル、ピラゾリル、オキサゾリル、イソオキサゾリル、ナフトリジニル、チアゾリル、イソチアゾリル、またはデアザプリニルからなる群より選択される、請求項9記載のミノサイクリン化合物。
【請求項11】
ヘテロアリールが、チエニルまたはベンゾフラニルである、請求項10記載のミノサイクリン化合物。
【請求項12】
R9が、置換または未置換のアルキニルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項13】
置換されたアルキニル基が、置換または未置換のアリール基で置換されている、請求項12記載のミノサイクリン化合物。
【請求項14】
アリール基が、置換または未置換のフェニルである、請求項13記載のミノサイクリン化合物。
【請求項15】
フェニル基が、アルキル、アルケニル、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アルキルオキシカルボニル、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、アラルキル、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミド、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、硫酸塩、アリールチオ、チオカルボキシラート、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールから選択された基で置換されている、請求項14記載のミノサイクリン化合物。
【請求項16】
アリール基がヘテロアリールである、請求項13記載のミノサイクリン化合物。
【請求項17】
アルキニル基が、アルキル、アルケニル、カルボキシラート、シリル、アラルキル、またはアルキルオキシカルボニル基で置換されている、請求項12記載のミノサイクリン化合物。
【請求項18】
アルキル置換基がアミノアルキルである、請求項15記載のミノサイクリン化合物。
【請求項19】
アミノアルキルが、アルキルスルホンアミド基で置換されている、請求項18記載のミノサイクリン化合物。
【請求項20】
アルキニル基が、シクロアルケニル基で置換されている、請求項17記載のミノサイクリン化合物。
【請求項21】
シクロアルケニル基が、シクロフェニルである、請求項20記載のミノサイクリン化合物。
【請求項22】
R9が、アルキルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項23】
アルキル基が、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、アルケニル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される1個または複数の置換基で置換されている、請求項22記載のミノサイクリン化合物方法。
【請求項24】
アルキル基が環を含む、請求項22記載のミノサイクリン化合物。
【請求項25】
アルキル基が、2-シクロペンチルエチルである、請求項24記載のミノサイクリン化合物。
【請求項26】
R9が、-(CH2)0-3NR9cC(=Z')ZR9aである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項27】
R9が、-NR9cC(=Z')ZR9aである、請求項26記載のミノサイクリン化合物。
【請求項28】
R9が、-CH2NR9cC(=Z')ZR9aである、請求項26項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項29】
R9が、水素である、請求項27または28記載のミノサイクリン化合物。
【請求項30】
Z'がSである、請求項27〜29のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項31】
Z'がOである、請求項27〜29のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項32】
ZがNR9bである、請求項27〜31のいずれか1記載のミノサイクリン化合物。
【請求項33】
ZがOである、請求項27〜31のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項34】
ZがSである、請求項27〜31のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項35】
R9bが、水素である、請求項32記載のミノサイクリン化合物。
【請求項36】
R9aが、アリールである、請求項26〜35のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項37】
R9aが、置換または未置換のフェニルである、請求項36記載のミノサイクリン化合物。
【請求項38】
フェニル基が、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、アセチル、アルキル、シアノ、アジド、ヘテロ環式、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される1個または複数の置換基で置換されている、請求項36記載のミノサイクリン化合物。
【請求項39】
置換基が、 ニトロ、アルコキシ、アルキル、アシル、ハロゲンまたはアミノから選択される、請求項38記載のミノサイクリン化合物。
【請求項40】
アミノ基が、ジアルキルアミノである、請求項39記載のミノサイクリン化合物。
【請求項41】
アルコキシ基が、メトキシである、請求項39記載のミノサイクリン化合物。
【請求項42】
アルコキシ基が、メチレンジオキシである、請求項39記載のミノサイクリン化合物。
【請求項43】
アルコキシ基が、過ハロゲン化されている、請求項41記載のミノサイクリン化合物。
【請求項44】
アルコキシ基が、ペルフルオロメトキシである、請求項43記載のミノサイクリン化合物。
【請求項45】
アルキル基が、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルである、請求項39記載のミノサイクリン化合物。
【請求項46】
ハロゲンが、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素である、請求項39記載のミノサイクリン化合物。
【請求項47】
フェニル基が、未置換のフェニル、p-ニトロフェニル、p-メトキシフェニル、p-ペルフルオロメトキシフェニル、p-アセチルフェニル、3,5-メチレンジオキシフェニル、3,5-ジペルフルオロメチルフェニル、p-ブロモフェニル、p-クロロフェニル、またはp-フルオロフェニルである、請求項36記載のミノサイクリン化合物。
【請求項48】
R9aが、アリールカルボニルである、請求項38記載のミノサイクリン化合物。
【請求項49】
R9aが、ビアリールである、請求項36記載のミノサイクリン化合物。
【請求項50】
R9aが、ナフチルである、請求項49記載のミノサイクリン化合物。
【請求項51】
R9aが、置換または未置換のアルキルである、請求項26〜35のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項52】
R9aが、未置換のアルキルである、請求項51記載のミノサイクリン化合物。
【請求項53】
R9aが、メチル、エチル、プロピル、ブチル、またはペンチルである、請求項52記載のミノサイクリン化合物。
【請求項54】
アルキルが、ハロゲン、ヒドロキシル、アルコキシ、アルキルカルボニルオキシ、アリールカルボニルオキシ、アルコキシカルボニルオキシ、アリールオキシカルボニルオキシ、カルボキシラート、アルキルカルボニル、アルキルアミノアカルボニル、アリールアルキルアミノカルボニル、アルケニルアミノカルボニル、アルキルカルボニル、アリールカルボニル、アリールアルキルカルボニル、アルケニルカルボニル、アルコキシカルボニル、シリル、アミノカルボニル、アルキルチオカルボニル、リン酸塩、ホスホン酸塩、ホスフィン酸塩、シアノ、アミノ、アシルアミノ、アミジノ、イミノ、スルフヒドリル、アルキルチオ、アリールチオ、チオカルボキシラート、硫酸塩、アルキルスルフィニル、スルホン酸塩、スルファモイル、スルホンアミド、ニトロ、トリフルオロメチル、シアノ、アジド、アルケニル、ヘテロ環式基、アルキルアリール、アリールおよびヘテロアリールからなる群より選択される1個または複数の置換基で置換されている、請求項51記載のミノサイクリン化合物。
【請求項55】
R9aが、置換または未置換のアルケニルである、請求項26〜35のいずれか一項記載のミノサイクリン化合物。
【請求項56】
R9aが、ペント-1-エニルである、請求項55記載のミノサイクリン化合物。
【請求項57】
Z'がNHであり、ZがNHであり、およびR9aがアルキルである、請求項26記載のミノサイクリン化合物。
【請求項58】
R9が、-N=Sである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノイクリン化合物。
【請求項59】
R9が、アミノアルキルである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノイクリン化合物。
【請求項60】
アミノアルキルが、アルキルアミノアルキルである、請求項59記載のミノサイクリン化合物。
【請求項61】
R9が、置換または未置換のアルキルアミノである、請求項1〜3のいずれか一項記載のミノイクリン化合物。
【請求項62】
アルキルアミノが、アリール基で置換されている、請求項61記載のミノサイクリン化合物。
【請求項63】
アリール基が、置換または未置換のフェニルである、請求項62記載のミノサイクリン化合物。
【請求項64】
置換されたフェニルが、メチレンジオキシフェニルまたはp-ペルフルオロメトキシフェニルである、請求項63記載のミノサイクリン化合物。
【請求項65】
下記からなる群より選択される、ミノサイクリン化合物またはそれらの薬学的に許容できる塩:
【化2】

【化3】

【化4】

【化5】

【化6】

【化7】

【化8】

【化9】

【化10】

【化11】

【化12】

【化13】

【化14】

【化15】

【化16】

【化17】

【化18】

【化19】

【化20】

【化21】

【化22】

【化23】

【化24】

【化25】

【化26】

【化27】

【化28】

【化29】

【化30】

【化31】

【化32】

【化33】

【化34】

【化35】

【化36】

【化37】

【化38】

【請求項66】
対象に、請求項1または65記載のミノサイクリン化合物を投与し、その結果該対象が治療されることを含む、哺乳類においてテトラサイクリン反応状態を治療する方法。
【請求項67】
テトラサイクリン反応状態が細菌感染症である、請求項66記載の方法。
【請求項68】
細菌感染症が大腸菌に関連している、請求項67記載の方法。
【請求項69】
細菌感染症が黄色ブドウ球菌に関連している、請求項68記載の方法。
【請求項70】
細菌感染症が大腸レンサ球菌に関連している、請求項68記載の方法。
【請求項71】
細菌感染症が、その他のテトラサイクリン抗生物質に対し耐性である、請求項67記載の方法。
【請求項72】
ミノサイクリン化合物が、薬学的に許容できる担体と共に投与される、請求項66記載の方法。
【請求項73】
対象がヒトである、請求項66記載の方法。
【請求項74】
請求項1または65記載のミノサイクリン化合物の治療有効量および薬学的に許容できる担体を含有する、薬学的組成物。
【請求項75】
下記式の9-置換ミノサイクリン化合物;ならびに、それらの薬学的に許容できる塩:
【化39】

(式中、R4'、R4"、R7'およびR7"は各々アルキルであり;ならびに
R9は、ピリジルエチニル基;アルケニルカルバメート基;ハロ基;アルキルアクリレート基;ナフチル基;ハロアセチル基;アルキルカルバメート基;シクロペンチルまたはシクロペンテニル基;ベンゾフラニル基;フェニルプロピオノンアミノ基;トシルアミノ基;メトキシピリジル基;アルケンアミノ基;N-t-ブチル基;t-ブチルアミド基;ヒドロキシブチルアミノ基;ヒドロキシプロピルアミノ基;フェニル基;ニトロフェニル基;ニトロフェニルアルキニル基;アミノフェニル基;アルコキシフェニル基;ハロフェニル尿素基;シアノフェニル基;カルボキシフェニル基;アシルフェニル基;アルキルフェニル基;ハロフェニル基;アルコキシフェニル基;カルボキシアルキルフェニル基;フェニルアルキニル基;アルキニル基;アルキルグリシンエチルエステル基;スチレン基;チオフェン基;および、アルキルアミノホスホ基である)。
【請求項76】
請求項74記載の9-置換ミノサイクリン化合物であって、それが9-イソプロペニルカルバメートミノサイクリン、9-(2-ピリジルエチニル)ミノサイクリン、9-ヨードミノサイクリン、9-ブチルアクリラートミノサイクリン、9-ナフチルミノサイクリン尿素、9-クロロアセチルミノサイクリン、9-ネオペンチルミノサイクリンカルバメート、9-シクロペンテンミノサイクリン、ベンゾフラニルミノサイクリン、9-(フェニルプロピオンアミノ)ミノサイクリン、9-トシルアミノミノサイクリン、9-(2-メトキシ-3-ピリジル)ミノサイクリン、9-(N-2'-ヒドロキシデシル-9'-エン-アミノ)ミノサイクリン、N-t-ブチル-ミノサイクリン、9-BOC-NHミノサイクリン、9-(N-2'-ヒドロキシブチルアミノ)ミノサイクリン、9-(N-3-クロロ,2-ヒドロキシルプロピルアミノ)ミノサイクリン、9-フェニルミノサイクリン、9-p-トリルミノサイクリン、9-3'-ニトロフェニルミノサイクリン、9-(4-ニトロフェニルエチニル)ミノサイクリン、9-(3-アミノフェニル)ミノサイクリン、9-(4-クロロ,2-トリフルオロメチルフェニル)ミノサイクリン尿素、9-(p-メトキシフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-メトキシフェニル)ミノサイクリン、9-(3,4-メチレンジオキシフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-シアノフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-カルボキシフェニル)ミノサイクリン、9-(3-ホルミルフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-t-ブチルフェニル)ミノサイクリン、9-(3-クロロフェニル)ミノサイクリン、9-(2',4'-ジフルオロフェニル)ミノサイクリン、9-(3,4-ジフルオロフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-クロロフェニル)ミノサイクリン、9-(3,4-ジクロロフェニル)ミノサイクリン、9-(4'-トリフルオロメチルフェニル)ミノサイクリン、9-(3-エトキシフェニル)ミノサイクリン、9-(4-カルボキシメチルフェニル)ミノサイクリン、9-(フェニルエチニル)ミノサイクリン、9-(3-ヒドロキシフェニルエチニル)ミノサイクリン、9-(p-トリルエチニル)ミノサイクリン、9-(p-メトキシフェニルエチニル)ミノサイクリン、9-エチニルミノサイクリン、9-(p-フルオロエチニル)ミノサイクリン、9-(トリメチルシリルエチニル)ミノサイクリン、9-(プロピオニル)ミノサイクリン、9-(シクロヘキセニルエチニル)ミノサイクリン、9-(1-シクロヘキシル-1-ヒドロキシエチニル)ミノサイクリン、9-プロピルグリシンエチルエステルミノサイクリンHCl、または9-メチルグリシンエチルエステルミノサイクリン、9-スチレンミノサイクリン、9-4'-フルオロスチレンミノサイクリン、9-2-チオフェンミノサイクリン、9-(5'-クロロ-2'-チオフェン)ミノサイクリン、9-(p-メトキシフェニルアミノホスホ)ミノサイクリン、9-(フェニルアミノホスホ)ミノサイクリン、9-(p-メトキシフェニルアミノホスホ)ミノサイクリン、または9-(フェニルアミノホスホ)ミノサイクリンである、化合物。
【請求項77】
対象に、請求項75または76記載の9-置換ミノサイクリン化合物を投与し、その結果該対象のテトラサイクリン反応状態が治療されることを含む、対象においてテトラサイクリン反応状態を治療する方法。
【請求項78】
テトラサイクリン反応状態が細菌感染症である、請求項77記載の方法。
【請求項79】
細菌感染症が、大腸菌、黄色ブドウ球菌、または大腸レンサ球菌に関連している、請求項78記載の方法。
【請求項80】
細菌感染症が、その他のテトラサイクリン抗生物質に対し耐性である、請求項78記載の方法。
【請求項81】
前記化合物が、薬学的に許容できる担体と共に投与される、請求項77記載の方法。
【請求項82】
表1に列記された群から選択されるミノサイクリン化合物。
【請求項83】
請求項75、76または82記載の化合物の治療有効量および薬学的に許容できる担体を含有する、薬学的組成物。

【公開番号】特開2012−107045(P2012−107045A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−34839(P2012−34839)
【出願日】平成24年2月21日(2012.2.21)
【分割の表示】特願2008−157219(P2008−157219)の分割
【原出願日】平成13年6月29日(2001.6.29)
【出願人】(399127843)トラスティーズ・オブ・タフツ・カレッジ (12)
【氏名又は名称原語表記】TRUSTEES OF TUFTS COLLEGE
【出願人】(500127209)パラテック ファーマシューティカルズ インコーポレイテッド (50)
【Fターム(参考)】