9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法
【課題】本発明の目的は、フルオレノンとクレゾールの反応による9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造において、煩雑な触媒除去操作や精製操作を行なわなくとも、イオウ分を含まず、高純度でかつ着色の防止された高品質な製品を工業的有利に製造する方法を提供することにある。
【解決手段】 フルオレノンとクレゾールをヘテロポリ酸触媒存在下、30〜95℃の温度範囲で30×103Pa以下の減圧下に反応させることにより、高収率で着色の防止された高品質な9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造できることができる。
【解決手段】 フルオレノンとクレゾールをヘテロポリ酸触媒存在下、30〜95℃の温度範囲で30×103Pa以下の減圧下に反応させることにより、高収率で着色の防止された高品質な9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造できることができる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂等の原料として有用な9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造方法としては、硫酸とチオールを触媒としてフルオレノンとクレゾールを脱水縮合させる方法が開示されている(特許文献1)。 しかし、この方法では製品中に触媒由来のイオウ分が混入することにより、製品の着色や安定性の低下などの問題が生じる。更に光学樹脂原料など、高純度の製品を得るにはイオウ分を除くために精製を繰り返す必要があり、工業的に有利な方法とは言えない。
硫酸または塩化水素ガスを使用しない方法として、我々は、先にヘテロポリ酸触媒下、フルオレノン類とフェノール類からフルオレン誘導体を製造する方法を提案した。(特許文献2)。しかし、この方法において、フェノール類にクレゾールを用いた場合、9,9−ビスクレゾールフルオレンが着色したり、異性体や多量体などの副生成物が生成し、純度や収率が低下する場合があった。
【0003】
【特許文献1】特開2003−221352号公報
【特許文献2】特開2007−23016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はフルオレノンとクレゾールの反応による9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造において、煩雑な触媒除去操作や精製操作を行なわなくとも、イオウ分を含まず、高純度でかつ着色の防止された高品質な製品を工業的有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく反応条件に着目し、鋭意研究を重ねた結果、フルオレノンとクレゾールをヘテロポリ酸触媒存在下、30〜95℃の温度範囲で200mmHg以下の減圧下に反応させることにより、高収率で着色の防止された高品質な9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を提供するものである。
(1)ヘテロポリ酸存在下、フルオレノンとクレゾールを反応させ、9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造する方法において、30×103Pa以下の減圧下、30〜95℃の温度範囲で反応させることを特徴とする9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法。
(2)フルオレノンに対し11〜20モル倍のクレゾールを使用し反応することを特徴とする請求項1記載の製造法。
(3)クレゾールがo−クレゾールである請求項1〜2記載の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェノール)フルオレンの製造法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フルオレノンとクレゾールの反応による9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造において、煩雑な触媒除去操作や精製操作を行なわなくとも、イオウ分を含まず、高純度でかつ着色の防止された高品質な製品を工業的有利に製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明をその実施の形態とともに記載する。
【0009】
本発明において好ましく用いられるヘテロポリ酸とは、一般的には異なる2種以上の無機酸素酸が縮合して生成した化合物の総称であり、中心の酸素酸とその周りで縮合する別種の酸素酸の組み合わせにより種々のヘテロポリ酸が可能である。中心の酸素酸を形成する数の少ない元素をヘテロ元素といい、その周りで縮合する酸素酸を形成する元素をポリ元素という、ポリ元素は単一種類の元素であってもよいし、複数種類の元素であってもよい。
【0010】
ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のヘテロ元素は特に限定されるものではないが、例えば、銅、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、セリウム、トリウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ウラン、セレン、テルル、マンガン、ヨウ素、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、オスミウム、イルジウム、白金が挙げられる。好ましくはリンまたはケイ素である。また、ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のポリ元素は特に限定されるものではないが、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルが挙げられる。好ましくはバナジウム、モリブデン、タングステンである。
【0011】
ヘテロポリ酸骨格を構成するヘテロポリ酸アニオンとしては種々の組成のものを使用できる。例えば、XM12O40、XM12O42、XM18O62、XM6O24などが挙げられる。好ましいヘテロポリ酸アニオンの組成は、XM12O40である。各式中、Xはヘテロ元素であり、Mはポリ元素である。これらの組成を有するヘテロポリ酸として、具体的には、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモリブデン酸などが例示される。
【0012】
ヘテロポリ酸は、遊離のヘテロポリ酸であってもよく、プロトンの一部もしくはすべてを他のカチオンで置き換えて、ヘテロポリ酸の塩として使用することもできる。従って、本発明で言うヘテロポリ酸とはこれらのヘテロポリ酸の塩も含まれる。プロトンと置換可能なカチオンとしては、例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。
【0013】
ヘテロポリ酸は無水物であってもよく、結晶水含有物であってもよいが、無水物の方がより反応が早く、また副生成物の生成が抑制され好ましい。結晶水含有物の場合、予め減圧乾燥や溶媒との共沸脱水等の脱水処理を行うことにより無水物と同様の効果を得ることができる。ヘテロポリ酸は活性炭、アルミナ、シリカ−アルミナ、ケイソウ土などの担体に担持した形態で用いてもよい。これらのヘテロポリ酸は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲でヘテロポリ酸以外の他の触媒を併用してもよい。
【0014】
ヘテロポリ酸の使用量は特に限定されるものではないが、充分な反応速度を得るには、フルオレノンに対して、0.0001重量倍以上、好ましくは0.001〜30重量倍、更に好ましくは0.01〜5重量倍である。
【0015】
本発明におけるクレゾールとしては、o−クレゾール,m−クレゾール,p−クレゾールが挙げられ、これらは、単独でも2種以上の混合物でもよいが、o−クレゾールが好ましい。その使用量は、特に限定されるものではないが、作業性及び経済性の点から、通常、フルオレノン1モルに対して、11〜25モルであり、好ましくは11〜20モルである。クレゾールの使用量が11モル倍より少ない場合は反応中結晶(生成物)が析出し作業性が悪化する場合がある。また、クレゾールの使用量が25モル倍より多いと経済的に不利になる。
【0016】
フルオレノンとフェノール類とを反応する方法は、例えば、フルオレノンとフェノール類とヘテロポリ酸を反応装置に仕込み、加熱攪拌することにより行うことができる。この際、触媒含有水や反応生成水などの反応系内の水分を除去する脱水条件下で反応を行うことにより、反応系内の水分を除去しない場合よりは反応が早く進行し、副生成物の生成が抑制される。
【0017】
本発明における反応温度は溶媒の種類、減圧度により異なるが、30〜95℃であり、好ましくは40〜80℃、更に好ましくは55〜80℃である。反応温度が95℃より高いと副生成物の増加により純度、収率が低下する。また、製品の着色が生じ好ましくない。反応温度が30℃より低いと反応が進行しないかまたは反応が完結するのに長時間を要するため好ましくない。
【0018】
本発明における減圧度は、30×103Pa以下であり、好ましくは7×103Pa以下、更に好ましくは0.5×103Pa〜3×103Paである。反応温度が30〜95℃である場合において、減圧度が30×103Paを超えた場合には、得られる9,9−ビスクレゾールフルオレンが着色し、工業的に使用できない。
【0019】
本発明において、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で共沸脱水溶媒を用いて減圧反応することもできる。反応に用いられる共沸脱水溶媒としては、特に限定されるものではないが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの脂肪族および環状エーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノンなどのアミド溶媒、などが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒であり、さらに好ましくはトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンである。その使用量は特に限定されるものではないが、通常、フルオレノンに対し10重量部以下、好ましくは5重量部以下、更に好ましくは2重量部以下である。適量の溶媒は反応を促進するが、使用量が多いと反応が遅くなる場合がある。
【0020】
反応後、反応液に溶媒を加え、冷却晶析することにより結晶として9,9−ビスクレゾールフルオレンを得ることができ、析出した結晶は濾過等により回収される。また必要に応じて洗浄、吸着、水蒸気蒸留、再結晶などの精製を行うことができる。
【0021】
(実施例)
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例中、特にことわらないかぎり%はHPLCにおける面積百分率値であり、部は重量基準である。
HPLC測定条件:
装置 :島津 LC−2010A
カラム:L−Column ODS(5μm、4.6mmφ×150mm)
移動相:A液: 水/メタノール=70/30(v/v)、B液:メタノール
B液濃度:30%→100%(25分)→100%(35分)
流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃、検出波長:UV 254nm
イオウ分測定方法および測定条件
試験法: 酸水素炎燃焼−イオンクロマト法
装置 : 酸水素炎燃焼装置:N-LS(東京科学精機)
イオンクロマトグラフ:DX−120(DIONEX製)
カラム;DIONEX IonPac AS14
検出器;DS4 DETECTION STABILIZER
MODEL DS4−1
【実施例1】
【0022】
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度70℃、1.3×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら4時間反応した。
得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの白色結晶41.0g(収率84.9%、HPLC純度99.4%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【実施例2】
【0023】
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)、トルエン10gおよび触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度70℃、1.3×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら3時間反応した。 得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの白色結晶37.7g(収率78.0%、HPLC純度99.4%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【実施例3】
【0024】
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度90℃、6.5×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら2時間反応した。
得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの白色結晶35.1g(収率72.7%、HPLC純度99.0%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0025】
(比較例1)
攪拌機、窒素吹込管、温度計および冷却管を備えたガラス製反応器にフルオレノン10.0g(0.056モル)、o−クレゾール36.7g(0.339モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]2.0gを加え、常圧下、温度を160℃に保ちながら、窒素雰囲気下で約5時間反応した。得られた反応混合物にトルエン65gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン80gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの褐色結晶9.15g(収率43.6%、HPLC純度95.3%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0026】
(比較例2)
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度100℃、13×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら4時間反応した。 得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの淡黄色結晶28.5g(収率59.0%、HPLC純度96.8%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0027】
(比較例3)
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度70℃、40×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら25時間反応した。 得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの淡黄色結晶28.5g(収率59.0%、HPLC純度96.8%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0028】
(比較例4)
攪拌機、窒素吹込管、温度計および冷却管を備えたガラス製反応器にフルオレノン10.0g(0.056モル)、o−クレゾール36.7g(0.339モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]2.0gを加え、温度70℃、1.3×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら4時間反応したところ、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの結晶が析出し、攪拌が困難になった。
【技術分野】
【0001】
本発明は、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーボネート、エポキシ樹脂、変性アクリル樹脂等の原料として有用な9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法に関する。
【背景技術】
【0002】
9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造方法としては、硫酸とチオールを触媒としてフルオレノンとクレゾールを脱水縮合させる方法が開示されている(特許文献1)。 しかし、この方法では製品中に触媒由来のイオウ分が混入することにより、製品の着色や安定性の低下などの問題が生じる。更に光学樹脂原料など、高純度の製品を得るにはイオウ分を除くために精製を繰り返す必要があり、工業的に有利な方法とは言えない。
硫酸または塩化水素ガスを使用しない方法として、我々は、先にヘテロポリ酸触媒下、フルオレノン類とフェノール類からフルオレン誘導体を製造する方法を提案した。(特許文献2)。しかし、この方法において、フェノール類にクレゾールを用いた場合、9,9−ビスクレゾールフルオレンが着色したり、異性体や多量体などの副生成物が生成し、純度や収率が低下する場合があった。
【0003】
【特許文献1】特開2003−221352号公報
【特許文献2】特開2007−23016号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明はフルオレノンとクレゾールの反応による9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造において、煩雑な触媒除去操作や精製操作を行なわなくとも、イオウ分を含まず、高純度でかつ着色の防止された高品質な製品を工業的有利に製造する方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明者らは、前記の課題を解決すべく反応条件に着目し、鋭意研究を重ねた結果、フルオレノンとクレゾールをヘテロポリ酸触媒存在下、30〜95℃の温度範囲で200mmHg以下の減圧下に反応させることにより、高収率で着色の防止された高品質な9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造できることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0006】
即ち、本発明は、下記(1)〜(3)を提供するものである。
(1)ヘテロポリ酸存在下、フルオレノンとクレゾールを反応させ、9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造する方法において、30×103Pa以下の減圧下、30〜95℃の温度範囲で反応させることを特徴とする9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法。
(2)フルオレノンに対し11〜20モル倍のクレゾールを使用し反応することを特徴とする請求項1記載の製造法。
(3)クレゾールがo−クレゾールである請求項1〜2記載の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェノール)フルオレンの製造法。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、フルオレノンとクレゾールの反応による9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造において、煩雑な触媒除去操作や精製操作を行なわなくとも、イオウ分を含まず、高純度でかつ着色の防止された高品質な製品を工業的有利に製造する方法を提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明をその実施の形態とともに記載する。
【0009】
本発明において好ましく用いられるヘテロポリ酸とは、一般的には異なる2種以上の無機酸素酸が縮合して生成した化合物の総称であり、中心の酸素酸とその周りで縮合する別種の酸素酸の組み合わせにより種々のヘテロポリ酸が可能である。中心の酸素酸を形成する数の少ない元素をヘテロ元素といい、その周りで縮合する酸素酸を形成する元素をポリ元素という、ポリ元素は単一種類の元素であってもよいし、複数種類の元素であってもよい。
【0010】
ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のヘテロ元素は特に限定されるものではないが、例えば、銅、ベリリウム、ホウ素、アルミニウム、炭素、ケイ素、ゲルマニウム、スズ、チタン、ジルコニウム、セリウム、トリウム、窒素、リン、ヒ素、アンチモン、バナジウム、ニオブ、タンタル、クロム、モリブデン、タングステン、ウラン、セレン、テルル、マンガン、ヨウ素、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、オスミウム、イルジウム、白金が挙げられる。好ましくはリンまたはケイ素である。また、ヘテロポリ酸を構成する酸素酸のポリ元素は特に限定されるものではないが、例えば、バナジウム、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタルが挙げられる。好ましくはバナジウム、モリブデン、タングステンである。
【0011】
ヘテロポリ酸骨格を構成するヘテロポリ酸アニオンとしては種々の組成のものを使用できる。例えば、XM12O40、XM12O42、XM18O62、XM6O24などが挙げられる。好ましいヘテロポリ酸アニオンの組成は、XM12O40である。各式中、Xはヘテロ元素であり、Mはポリ元素である。これらの組成を有するヘテロポリ酸として、具体的には、リンモリブデン酸、リンタングステン酸、ケイモリブデン酸、ケイタングステン酸、リンバナドモリブデン酸などが例示される。
【0012】
ヘテロポリ酸は、遊離のヘテロポリ酸であってもよく、プロトンの一部もしくはすべてを他のカチオンで置き換えて、ヘテロポリ酸の塩として使用することもできる。従って、本発明で言うヘテロポリ酸とはこれらのヘテロポリ酸の塩も含まれる。プロトンと置換可能なカチオンとしては、例えば、アンモニウム、アルカリ金属、アルカリ土類金属などが挙げられる。
【0013】
ヘテロポリ酸は無水物であってもよく、結晶水含有物であってもよいが、無水物の方がより反応が早く、また副生成物の生成が抑制され好ましい。結晶水含有物の場合、予め減圧乾燥や溶媒との共沸脱水等の脱水処理を行うことにより無水物と同様の効果を得ることができる。ヘテロポリ酸は活性炭、アルミナ、シリカ−アルミナ、ケイソウ土などの担体に担持した形態で用いてもよい。これらのヘテロポリ酸は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用することもできる。また、必要に応じて、本発明の目的を損なわない範囲でヘテロポリ酸以外の他の触媒を併用してもよい。
【0014】
ヘテロポリ酸の使用量は特に限定されるものではないが、充分な反応速度を得るには、フルオレノンに対して、0.0001重量倍以上、好ましくは0.001〜30重量倍、更に好ましくは0.01〜5重量倍である。
【0015】
本発明におけるクレゾールとしては、o−クレゾール,m−クレゾール,p−クレゾールが挙げられ、これらは、単独でも2種以上の混合物でもよいが、o−クレゾールが好ましい。その使用量は、特に限定されるものではないが、作業性及び経済性の点から、通常、フルオレノン1モルに対して、11〜25モルであり、好ましくは11〜20モルである。クレゾールの使用量が11モル倍より少ない場合は反応中結晶(生成物)が析出し作業性が悪化する場合がある。また、クレゾールの使用量が25モル倍より多いと経済的に不利になる。
【0016】
フルオレノンとフェノール類とを反応する方法は、例えば、フルオレノンとフェノール類とヘテロポリ酸を反応装置に仕込み、加熱攪拌することにより行うことができる。この際、触媒含有水や反応生成水などの反応系内の水分を除去する脱水条件下で反応を行うことにより、反応系内の水分を除去しない場合よりは反応が早く進行し、副生成物の生成が抑制される。
【0017】
本発明における反応温度は溶媒の種類、減圧度により異なるが、30〜95℃であり、好ましくは40〜80℃、更に好ましくは55〜80℃である。反応温度が95℃より高いと副生成物の増加により純度、収率が低下する。また、製品の着色が生じ好ましくない。反応温度が30℃より低いと反応が進行しないかまたは反応が完結するのに長時間を要するため好ましくない。
【0018】
本発明における減圧度は、30×103Pa以下であり、好ましくは7×103Pa以下、更に好ましくは0.5×103Pa〜3×103Paである。反応温度が30〜95℃である場合において、減圧度が30×103Paを超えた場合には、得られる9,9−ビスクレゾールフルオレンが着色し、工業的に使用できない。
【0019】
本発明において、必要に応じて本発明の目的を損なわない範囲で共沸脱水溶媒を用いて減圧反応することもできる。反応に用いられる共沸脱水溶媒としては、特に限定されるものではないが、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶媒、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンなどのハロゲン化芳香族炭化水素溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタンなどの脂肪族炭化水素溶媒、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンなどのハロゲン化脂肪族炭化水素溶媒、ジエチルエーテル、ジ−iso−プロピルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、ジフェニルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどの脂肪族および環状エーテル溶媒、酢酸エチル、酢酸ブチルなどのエステル溶媒、アセトニトリル、プロピオニトリル、ブチロニトリル、ベンゾニトリルなどのニトリル溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、1−メチル−2−ピロリジノンなどのアミド溶媒、などが挙げられる。好ましくは芳香族炭化水素溶媒、ハロゲン化芳香族炭化水素溶媒であり、さらに好ましくはトルエン、キシレン、クロロベンゼン、ジクロロベンゼンである。その使用量は特に限定されるものではないが、通常、フルオレノンに対し10重量部以下、好ましくは5重量部以下、更に好ましくは2重量部以下である。適量の溶媒は反応を促進するが、使用量が多いと反応が遅くなる場合がある。
【0020】
反応後、反応液に溶媒を加え、冷却晶析することにより結晶として9,9−ビスクレゾールフルオレンを得ることができ、析出した結晶は濾過等により回収される。また必要に応じて洗浄、吸着、水蒸気蒸留、再結晶などの精製を行うことができる。
【0021】
(実施例)
以下に本発明の実施例を示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
例中、特にことわらないかぎり%はHPLCにおける面積百分率値であり、部は重量基準である。
HPLC測定条件:
装置 :島津 LC−2010A
カラム:L−Column ODS(5μm、4.6mmφ×150mm)
移動相:A液: 水/メタノール=70/30(v/v)、B液:メタノール
B液濃度:30%→100%(25分)→100%(35分)
流量:1.0ml/min、カラム温度:40℃、検出波長:UV 254nm
イオウ分測定方法および測定条件
試験法: 酸水素炎燃焼−イオンクロマト法
装置 : 酸水素炎燃焼装置:N-LS(東京科学精機)
イオンクロマトグラフ:DX−120(DIONEX製)
カラム;DIONEX IonPac AS14
検出器;DS4 DETECTION STABILIZER
MODEL DS4−1
【実施例1】
【0022】
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度70℃、1.3×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら4時間反応した。
得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの白色結晶41.0g(収率84.9%、HPLC純度99.4%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【実施例2】
【0023】
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)、トルエン10gおよび触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度70℃、1.3×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら3時間反応した。 得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの白色結晶37.7g(収率78.0%、HPLC純度99.4%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【実施例3】
【0024】
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度90℃、6.5×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら2時間反応した。
得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの白色結晶35.1g(収率72.7%、HPLC純度99.0%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0025】
(比較例1)
攪拌機、窒素吹込管、温度計および冷却管を備えたガラス製反応器にフルオレノン10.0g(0.056モル)、o−クレゾール36.7g(0.339モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]2.0gを加え、常圧下、温度を160℃に保ちながら、窒素雰囲気下で約5時間反応した。得られた反応混合物にトルエン65gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン80gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの褐色結晶9.15g(収率43.6%、HPLC純度95.3%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0026】
(比較例2)
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度100℃、13×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら4時間反応した。 得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの淡黄色結晶28.5g(収率59.0%、HPLC純度96.8%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0027】
(比較例3)
攪拌機、窒素吹込管、温度計およびT字管を付けたガラス製反応器に、フルオレノン23g(0.128モル)、o-クレゾール184g(1.70モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]0.58gを加え、温度70℃、40×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら25時間反応した。 得られた反応混合物にトルエン130gと水酸化ナトリウム水溶液を加え、70℃で中和後水洗した。 有機層を分液し得られた有機層を減圧濃縮することにより、トルエンおよび過剰のo-クレゾールを除去した。得られた濃縮物にトルエン161gを加え、115℃で9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンを溶解させた後、得られた溶液をそのまま10℃まで冷却した。析出した結晶を濾過により取り出し、乾燥させることにより、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの淡黄色結晶28.5g(収率59.0%、HPLC純度96.8%)を得た。得られた結晶中のイオウ分は検出限界(10ppm)未満であった。
【0028】
(比較例4)
攪拌機、窒素吹込管、温度計および冷却管を備えたガラス製反応器にフルオレノン10.0g(0.056モル)、o−クレゾール36.7g(0.339モル)および触媒としてリンタングステン酸[(H3PW12O40)・nH2O]2.0gを加え、温度70℃、1.3×103Paの減圧下で生成する水を系外に除去しながら4時間反応したところ、9,9−ビス(4−ヒドロキ−3−メチルフェニル)フルオレンの結晶が析出し、攪拌が困難になった。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘテロポリ酸存在下、フルオレノンとクレゾールを反応させ、9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造する方法において、30×103Pa以下の減圧下、30〜95℃の温度範囲で反応させることを特徴とする9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法。
【請求項2】
フルオレノンに対し11〜20モル倍のクレゾールを使用し反応することを特徴とする請求項1記載の製造法。
【請求項3】
クレゾールがo−クレゾールである請求項1〜2記載の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェノール)フルオレンの製造法。
【請求項1】
ヘテロポリ酸存在下、フルオレノンとクレゾールを反応させ、9,9−ビスクレゾールフルオレンを製造する方法において、30×103Pa以下の減圧下、30〜95℃の温度範囲で反応させることを特徴とする9,9−ビスクレゾールフルオレンの製造法。
【請求項2】
フルオレノンに対し11〜20モル倍のクレゾールを使用し反応することを特徴とする請求項1記載の製造法。
【請求項3】
クレゾールがo−クレゾールである請求項1〜2記載の9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェノール)フルオレンの製造法。
【公開番号】特開2010−59098(P2010−59098A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−226603(P2008−226603)
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年9月4日(2008.9.4)
【出願人】(000216243)田岡化学工業株式会社 (115)
【Fターム(参考)】
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