説明

A1アデノシンレセプターアンタゴニスト

本発明は、式(I)の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および水和物に関する:


式(I)において、Rは、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;Rは、式(II)であり、ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、Rは、式(III)であり、ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;Rは、式(IV)であり、ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択される。本発明は、式(I)の化合物を調製するための方法ならびに治療剤および診断剤としての使用をさらに提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
本出願は、米国仮特許出願番号第60/476,967号(2003年6月9日出願)の利益を主張する。米国仮特許出願番号第60/476,967号の開示は、本明細書中でその全体が参考として援用される。
【0002】
(発明の分野)
本発明は、Aアデノシンレセプターアンタゴニストとして有用な新規化合物に関する。
【背景技術】
【0003】
(発明の背景)
アデノシンレセプターは、多数の末梢性制御機構および中枢性制御機構(例えば、血管拡張、心臓抑制、脂肪分解の阻害、インシュリン放出の阻害および膵臓におけるグルカゴン放出の増強、ならびに神経終末からの神経伝達物質放出の阻害)に関与する。
【0004】
一般的に、アデノシンレセプターは、2つの主なクラス(アデニル酸シクラーゼ活性を阻害し得るAレセプター、およびアデニル酸シクラーゼ活性を促進し得るAレセプター)に分類され得る。アデノシンレセプターアンタゴニストの最も公知のクラスのうちの1つは、カフェインおよびテオフィリンを含むキサンチンである。例えば、Muellerら、J.Med.Chem.33:2822−2828(1990)を参照のこと。
【0005】
一般的に、これらのアンタゴニストの多くは、多くの場合、乏しい水溶性および低い効力を示すか、またはアデノシンレセプターに対する選択性を欠如する。さらに、アデノシンレセプターアンタゴニストの選択的アナログは、「官能性をもたせられた同族種」アプローチによって開発されている。官能性をもたせられた鎖を保持するアデノシンレセプターリガンドのアナログが合成され、種々の有機部分(例えば、アミンおよびペプチド)に共有結合されている。キサンチン同族種への極性基の結合は、水溶性を増大させることが見出されている。それにも拘らず、そのような開発は、未だに効力および選択性に関与する問題を完全に解決していない。
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0006】
(発明の要旨)
1つの局面において、本発明は、一般式(I):
【0007】
【化36】

の化合物、ならびにその塩、溶媒和物および水和物であり、
ここで
は、分枝鎖状または直鎖状のC〜Cアルキルであり;
は、式(II):
【0008】
【化37】

であり、
ここで、nは1〜8の範囲の整数であり;RはHまたは(CHCHであり、そしてRはHまたは(CHOHであり、
ここで、pは1〜7の範囲の整数であり、そしてmは1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III):
【0009】
【化38】

であり、
ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、RCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する、直鎖状または分枝鎖状のアルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV):
【0010】
【化39】

であり、
ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され、
ここで、fは0であるか、あるいはfおよびsは独立して、1〜8の範囲の整数であり;そして、
10はC〜C直鎖状またはC〜C分枝鎖状のアルキレンまたはアルケニレンである。
【0011】
第2の局面は、哺乳動物(ヒトを含む)におけるAアデノシンレセプター関連障害を処置する方法であり、この方法は、有効量の式(I)の化合物、または塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを、上記処置を必要としている哺乳動物に投与する工程を包含する。
【0012】
第3の局面は、式(I)の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物を提供する。
【0013】
第4の局面は、式(I)の化合物の診断アッセイ型プローブを提供し、ここで、上記プローブは、放射活性物質もしくは非放射活性物質で標識されるか、またはそれらと結合している。
【0014】
第5の局面は、式(I)の化合物の、診断手順(例えば、MRIおよびPET)における画像化剤としての使用である。
【0015】
第6の局面は、式(I)の化合物の、細胞ベースのアッセイまたはレセプターベースのアッセイでの使用である。
【0016】
第7の局面は、式(I)の化合物の調製である。
【0017】
第8の局面は、医薬としての使用のための式(I)の化合物の調製である。
【0018】
(発明の実施形態の詳細な説明)
本発明はここで、本発明の実施形態が示される以下の本明細書中でより完全に記載される。しかし、本発明は、種々の形態で実施され得、本明細書中で示される実施形態に限定されるように構築されるわけではない。さらに、これらの実施形態は、本開示が全体的および完全であり、そして本発明の範囲を当業者に完全に伝達するように提供される。
【0019】
本明細書中の本発明の記載で使用される用語法は、特定の実施形態のみを記載する目的のためであり、本発明を限定することは意図されない。本発明および添付の特許請求の範囲の記載で使用される場合、単数形「a」、「an」および「the」は、その文脈が他で特に明確に示されない限り、複数形を同様に含むことが意図される。
【0020】
他で特に定義されない限り、本明細書中で使用される技術用語および科学用語の全ては、本発明が属する分野の当業者に一般的に理解されるものと同じ意味を有する。
【0021】
本明細書中で引用される全ての刊行物、米国特許出願、米国特許および他の参考文献は、その全体が参考として援用される。
【0022】
式(I)に従う化合物の1つの実施形態において、RはCアルキルであり;Rは、pが1であるCH(CHであり;Rは、mが2である(CHOHであり;RはHであり;RはNHであり;fは0であり;nは2であり;qは1であり;そしてrは2である。
【0023】
式(I)に従う化合物の別の実施形態において、RはCアルキルであり;Rは、pが1であるCH(CHであり;RはHであり;RはNHであり;RはNHであり;fは0であり;nは2であり;qは1であり;そしてrは2である。
【0024】
式(I)に従う化合物の別の実施形態において、RはCアルキルであり;Rは、pが1であるCH(CHであり;RはHであり;RはHであり;RはNHであり;fは0であり;nは2であり;qは1であり;そしてrは2である。
【0025】
式(I)に従う化合物の別の実施形態において、RはCアルキルであり;Rは、pが1であるCH(CHであり;RはHであり;RはHであり;Rは、(CHOH(ここでsは2である)およびR10COOH(ここでR10はCH=CHである)であり;nは2であり;qは1であり;そしてrは2である。
【0026】
式(I)に従う化合物の別の実施形態において、RはCアルキルであり;Rは、pが1であるCH(CHであり;RはHであり;Rは、RCOOH(ここでRがCH=CHである)および(CHOH(ここでtは2である)であり;Rは、NHであり;fは0であり;nは2であり;qは1であり;そしてrは2である。
【0027】
式(I)の化合物は、有機酸および無機酸ならびに有機塩基および無機塩基と塩を形成し得る。同様に、式(I)の化合物は、水和物を含む溶媒和物を形成し得る。式(I)の化合物の塩および溶媒和物の全ては、本発明の範囲内である。薬学的に受容可能な塩および溶媒和物は、ヒトを含む哺乳動物の処置に有用であるが、非薬学的な塩および溶媒和物は、化学中間体として有用であり得、従って、本発明の範囲内である。薬学的に受容可能な塩の形成のために適切な酸の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:塩酸、硫酸、リン酸、酢酸、クエン酸、シュウ酸、マロン酸、サリチル酸、アスコルビン酸、マレイン酸、メタンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸など。いずれのアミン酸付加塩もまた、使用され得る。それらの塩は、化合物の遊離塩基形態と適切な量の所望の酸とを、当業者に公知の様式で接触させることによって調製される。
【0028】
薬学的に受容可能な塩の形成のために適切な塩基の例としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:水酸化アンモニウム、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化カルシウム、アンモニア、有機アミン(例えば、トリエチルアミン)など。これらの塩は、化合物の遊離酸形態と適切な量の所望の塩基とを当業者に公知の様式で接触させることによって調製され得る。適切な溶媒和物の例は、水和物である。溶媒和物は、当該分野の任意の適切な方法によって調製され得る。
【0029】
式(I)の化合物は、公知の技術に従って、それ自体で投与され得るか、またはその酸性塩もしくは塩基性塩、水和物、溶媒和物およびプロドラッグの形態で投与され得、本明細書中で記載される方法を実行し得る。
【0030】
本発明の活性化合物は、プロドラッグの形態で提供され得る。用語「プロドラッグ」とは、例えば、血中での加水分解によって上記式の親化合物を生じるためにインビボで変換される化合物をいう。完全な考察は、T.HiguchiおよびV.Stella,Prodrugs as Novel Delivery Systems,A.C.S.Symposium Seriesの第14巻、ならびにEdward B.Rocheら(編),Bioreversible Carriers in Drug Design,American Pharmaceutical Association and Pergamon Press,1987に提供される。米国特許第6,680,299号もまた参照のこと。例としては、本明細書中で記載されるような活性化合物の活性の少なくともいくらかを有する活性薬物に被験体によってインビボで代謝されるプロドラッグが挙げられるが、これに限定されず、ここで、そのプロドラッグは、以下である:アルコール基またはカルボン酸基のエステル(そのような基が化合物中に存在する場合);アルコール基のアセタールもしくはケタール(そのような基が化合物中に存在する場合);アミン基のN−マンニッヒ塩基もしくはイミン(そのような基が化合物中に存在する場合);またはカルボニル基のシッフ塩基、オキシム、アセタール、エノールエステル、オキサゾリジンもしくはチアゾリジン(そのような基が化合物中に存在する場合)(例えば、米国特許第6,680,324号および同第6,680,322号に記載される)。
【0031】
本発明の化合物は、診断アッセイに有用であり得る。従って、本発明はまた、そのようなアッセイを実行するのに適切な、放射活性標識または非放射活性標識を有するAアデノシンレセプターアンタゴニスト化合物を提供する。標識化合物は、アッセイ型プローブまたは共役体として、そしてAアデノシンレセプターアンタゴニスト化合物の定量結合測定を得るために有用である。本明細書中で使用される場合、用語「アッセイ型プローブ」とは、本発明のAアデノシンレセプター化合物の定量分析の選択性を高めるのに有用である物質をいう。
【0032】
そのようなアッセイ型プローブおよびそれらの診断使用の例は、Jacobsonら,米国特許第5,248,770号('770)に記載される。上記プローブは有用である。なぜなら、上記プローブは、本発明の化合物の親和性についての反作用をほとんど有さないからである。核マーカー(「標識」とも称される)としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:核スピンマーカー(例えば、19F MRIプローブ)、放射活性マーカー(例えば、18F、11C、15N、125IおよびH(トリチウム)の同位元素マーカー)、ならびに金属原子または金属イオンの錯体およびキレート剤。代表的に、錯体中の金属または金属イオンは、重い放射活性核を有する。上記マーカー原子は、式(I)の化合物化学的に結合し得るかまたは錯化(例えば、キレート化)され得るか、あるいは式(I)の化合物の不可欠な炭素またはヘテロ原子のうちの1つであり得る。
【0033】
そのような標識化化合物は、特に組織(脳、心臓、肝臓、腎臓および肺が挙げられるが、これらに限定されない)におけるアデノシンレセプターのインビトロまたはインビボの画像化に使用され、アデノシンレセプターの定量測定を達成して、組織におけるアデノシンレセプターの分布および局所的結合特性を決定し得る。これらのアッセイ型プローブは、特に、磁気共鳴画像化(MRI)およびポジトロン放射断層撮影(PET)のような診断技術と合わせて使用され得る。例えば、Myerら,Quantification of cerebral A1 Adenosine Receptors in Humans Using[18F]CPFPX and PET.J Cerebral Blood Flow & Metabolism 24:323−333,2004およびWakabayashiら,A PET Study of Adenosine A1 Receptor in the Anesthetized Monkey Brain,Nuclear Med & Biol 27:401−406,2000を参照のこと。例示的な金属イオンは、テクネチウムまたはインジウムの放射活性同位元素である。例示的なキレート剤は、ジエチレントリアミン五酢酸である。
【0034】
種々の非放射活性物質は、本発明のAアデノシンレセプター化合物を標識することに使用され得る。多くの例は、米国特許第5,248,770号に提示される。ビオチンは、R.W.Oldら.Principals of Gene Manipulation,第4版:328−331(1989)に記載されるような、プローブに対する周知の非放射活性標識である。上記化合物をビオチンまたは任意の他の適切な標識で標識することを容易にするために、スペーサー成分またはスペーサー部分が、当該分野で教示されている任意の適切な方法によって、本発明の化合物に添加され得る(例えば、米国特許第5,248,770号を参照のこと。例示的なスペーサー部分としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:オリゴペプチド、トリグリシジル、N−ヒドロキシスクシンイミドエステル、スクシンイミジル−チオヘキサン(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)、スクシンイミジルヘキサメチレンアミン(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)、スクシンイミジル−カダベリン(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)、およびスクシンイミジル−ヘキシルマレイミド(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)。
【0035】
非放射活性標識(例えば、ビオチン)は、当該分野で教示される任意の適切な技術に従って、上記化合物構造上の置換基によって提供される任意の適切な結合に結合され得る。例えば、本明細書中で定義されるような化合物(I)に関して、ビオチンは、上記化合物がRに(CHOH(mは本明細書中で定義されている)を含む場合、R上のヒドロキシ基に結合され得るか;NHがこれらの位置(RまたはRのいずれか)に含まれる場合、RまたはRのいずれか上に存在するアミノ基に結合され得るか;あるいはRおよびRがそれぞれRCOOHまたはR10COOH(RおよびR10は本明細書中で定義されている)である場合、存在するカルボキシル基に結合され得る。さらに、ビオチンは、Rが(CHOH(sは本明細書中で定義されている)である場合、R上に存在するヒドロキシル基に結合され得る。ビオチンはまた、Rが(CHOH(tは本明細書中で定義されている)である場合、Rに結合され得る。ビオチン標識プローブは、適切かつ公知の分析技術によって検出され得る。
【0036】
蛍光化合物(代表的には蛍光色素)もまた、非放射活性標識として使用され得、上記のような本発明の化合物の適切な位置に適用される。そのような色素としては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:テトラメチルローダミン、フルオレセインイソチオシアネート、Cy3(Waggonerら,米国特許第5,268,486号,1993年12月7日を参照のこと)またはCy3B(Waggonerら,米国特許第6,133,445号,2000年10月17日を参照のこと)およびそれらの混合物。他の非放射活性物質としては、例えば、ニトロベンゾキサジオゾール;2,2,6,6−テトラメチル−ピペリンジニルオキシ−4−イソチオシアネート;発光色素;オベリン;およびそれらの混合物が挙げられ、これらは、同一様式で蛍光化合物として適用され得る。
【0037】
当業者は、本発明の範囲内のことはまた、放射活性標識または非放射活性標識で標識された式(I)の化合物をインビトロアッセイで使用することであると理解する。例えば、そのような標識(marked)化合物は、臨床的な細胞ベースのアッセイおよびレセプターベースのアッセイに使用され得る。そのようなアッセイとしては、以下が挙げられるが、これらに限定されない:放射性リガンド結合アッセイ、高速大量処理スクリーニングアッセイ、およびフローサイトメトリーベースのアッセイ(例えば、蛍光細胞分析分離(FACS)ベースのアッセイ)。そのようなアッセイの例としては、放射免疫アッセイおよび酵素関連免疫吸着アッセイ(ELISA)(例えば、Nelsonら,Lehninger Principles of Biochemistry,231,Worth,NY,(2000)を参照のこと)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0038】
本発明はまた、本発明の化合物および薬学的に受容可能なキャリアを含む、薬学的組成物に関する。本明細書中に記載される薬学的組成物は、当該分野のいずれの適用可能な方法によっても、調製され得る。上記薬学的組成物は、インビボまたはインサイチュの器官の保存、身体から除去されたか、または身体内に含まれるかいずれかの単離器官の灌流(例えば、器官が移植のために輸送される場合)、心肺バイパス、手足(extremity)または四肢(limb)の灌流などに関して適用する際に、特に有用である。この化合物は、関節内適用、腱鞘内適用、胃腸適用、および泌尿生殖器の適用(genital urinary application)において、ならびに任意の腔(cavity)または内腔(lumen)(例えば、胸腔または外耳道)において使用され得る。
【0039】
本発明は、主にヒト被験体の処置について意図される一方で、他の被験体(特に、哺乳動物被験体(例えば、イヌ、ネコ、ウマ、ウサギなど))もまた、獣医学的目的のための本発明の方法によって処置され得ることが理解される。
【0040】
上記薬学的組成物は、例として、液体組成物として経口投薬形態において使用され得る。このような液体組成物は、懸濁組成物またはシロップ組成物を含み得、例えば、以下のようなキャリアと共に調製され得る;水;糖類(例えば、ショ糖、ソルビトール、フルクトースなど);グリコール(例えば、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコールなど);油(例えば、ゴマ油、オリーブ油、大豆油など);防腐剤(例えば、p−ヒドロキシ−安息香酸エステルなど);および矯味矯臭薬成分(例えば、果実香味またはミント香味)。
【0041】
上記薬学的組成物はまた、散剤、錠剤、カプセル剤、および錠剤の形態であり得、そして、種々のキャリアと共に調製され得る。適切なキャリアとしては:ラクトース、グルコース、ショ糖、マンニトールなど;崩御剤(例えば、デンプン、アルギン酸ナトリウムなど);結合剤(例えば、ポリビニルアルコール、ヒドロキシプロピルセルロース、ゼラチンなど);界面活性剤(例えば、脂肪酸エステル);および可塑剤(例えば、グリセリン)が挙げられるが、これらに限定されない。本発明の組成物は、舌下に適用される場合、特に有用である。錠剤およびカプセル剤の調製において、固体の薬学的キャリアが使用されることが注意されるべきである。有利に、上記薬学的組成物は、例えば、点眼またはエアロゾルの形態で使用され得る。
【0042】
他の型の薬学的組成物は、坐剤、スプレー式点鼻薬、および注射可能溶液の形態で使用され得る。これらの組成物は、適切な水溶液(蒸留水、ならびに生理的食塩水および緩衝液の添加剤が挙げられ得るが、これらに限定されない)を使用して調製される。中性脂肪性塩基を含む有機物質のような他の成分が、使用され得る。さらに、上記薬学的組成物は、経皮的適用において利用され得る。
【0043】
生体高分子は、上記の薬学的組成物中のキャリアとして使用され得る。例示的な生体高分子としては、例えば、タンパク質、糖類、脂質、または糖脂質が挙げられ得る。例えば、PCT出願WO 02/095391(2002年11月22日公開)を参照のこと。
【0044】
本発明のAレセプターアンタゴニストは、例えば、抗アレルギー剤、抗炎症剤、CNS刺激剤、利尿剤、抗喘息剤、強心剤、冠状血管拡張剤、および咳止め、ならびにウイルス感染またはレトロウイルス感染および免疫不全障害(例えば、後天性免疫不全症候群(AIDS))を処置するための薬剤として特に有用である。
【0045】
本発明はまた、Aアデノシンレセプター関連性障害を処置する方法を提供する。このような障害としては、うっ血性心不全、高血圧症(例えば、全身性高血圧症および肺高血圧症)、虚血再灌流器官損傷(ischemia−reperfusion organ injury)、内毒素関連性組織損傷(endotoxin−related tissue injury)、腎不全、アルツハイマー病、うつ病、肥満症、ぜん息、糖尿病、嚢胞性線維症、アレルギー性状態(アレルギー性鼻炎およびアナフィラキシーショックが挙げられるが、これらに限定されない)、自己免疫障害、炎症性障害、慢性閉塞性肺疾患、慢性の咳、冠状動脈疾患、胆石仙痛、術後の腸閉塞症、繊維症、硬化症、成人呼吸促進症候群(ARDS)、急性肺損傷(ALI)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、敗血症、物質乱用、薬物依存、パーキンソン病、および後天性免疫不全症候群(AIDS)が挙げられるが、これらに限定されない。
【0046】
活性剤の投薬は、処置される状態、被験体の年齢および状態、投与の経路などに依存する。一般に、投薬は、公知の技術に従って決定され得る。一実施形態において、活性剤の投薬は、例えば、成人被験体1個体あたり、1mgまたは10mg〜300mgまたは800mgであり得る。
【0047】
本明細書中に記載される化合物は、単独で使用され得るか、または本明細書中に記載される障害を処置するための他の化合物と組み合わせて使用され得る。これらの化合物としては、PCT出願WO 03/103675(2003年12月18日公開)に記載される化合物が挙げられるが、これに限定されない。
【0048】
従って、本発明の他の実施形態に従って、本発明は、Aアデノシンレセプター関連性障害を処置する方法に関し、この方法は、Aアデノシンレセプター関連性障害を処置するための有効量で、
(a)上に記載のAアデノシンレセプターアンタゴニスト、またはその薬学的に受容可能な塩;を、
(b)プロピオン酸フルチカゾン、サルメテロール、テオフィリン、Aアデノシンレセプターアンタゴニスト、A2aアデノシンレセプターアゴニスト、A2bアデノシンレセプターアンタゴニスト、Aアデノシンレセプターアンタゴニスト、P2yプリンレセプターアゴニスト、およびP2xプリンレセプターアンタゴニスト、およびこれらの組み合わせからなる群より選択される化合物のようなさらなる活性剤と共に、同時に投与する工程を包含する。
【0049】
本明細書中で使用される場合、「有効量」または「有効治療量」は、所望の薬理学的効果を提供するための、化合物の非毒性であるが、十分な量をいう。所望の薬理学的効果としては、(例えば、1以上の症候における)被験体の状態の改善、状態の進行の遅延、疾患もしくは疾病の発症の予防または遅延などが挙げられるが、これらに限定されない。
【0050】
本明細書中で指摘したように、必要とされる正確な量は、被験体の年齢、一般的状態、処置される状態の重篤度、投与される特定の生物学的活性剤などに依存して、被験体によって変動する。任意の個々の事例における、適切な「有効」量は、適切な教科書および文献の参照によって、ならびに/または慣用実験を使用することによって、当業者によって決定され得る。
【0051】
本発明のプロドラッグの有効量は、身体または哺乳動物(例えば、ヒト)の中で代謝されて効果を与えなければならないプロドラッグの量であり、かつ式(I)の化合物の有効量である。
【0052】
本発明は、Aアデノシンレセプター関連性障害を処置する方法に関する。この方法は、上に記載されるAアデノシンレセプターアンタゴニストを、少なくとも1つのさらなる活性剤と共に同時に投与する工程を包含する。この添加剤は、例えば、Aアデノシンレセプター関連性障害を処置するために有効な上に記載された添加剤であって、ここでAアデノシンレセプター関連性障害は、上に記載されたものである。
【0053】
組み合わせた化合物の投与は、同じキャリアまたは異なるキャリア中の投与される活性化合物およびさらなる活性剤と共に、上に記載のような様式で実行され得る。このような活性剤の組み合わせを含有する薬学的処方物はまた、上に記載の様式で調製され得る。
【0054】
式(I)の化合物は、当該分野の任意の適用可能な方法によって調製され得る。便利なことに、これらは、スキーム1の方法によって調製され得る。
【0055】
【化40】

工程1において、RNHは、塩基(例えば、トリエチルアミン)の存在下においてRNCOと縮合され、式(V)の置換尿素を生じる。次に、工程2において、シアン酢酸と反応し、式(VI)の化合物を生じる。工程3において、強塩基(例えば、NaOH)の存在下で式(VI)の化合物は、式(VII)の化合物に変換される。工程4において、式(VII)の化合物を酸性条件下(例えば、酢酸の存在下)でNaNOで処理すると、式(VIII)の化合物を生じる。
【0056】
工程5において、式(IX)の化合物は、式(VIII)の化合物を(NHSで還元することによって調製される。式(IX)の化合物の式(Xa)および式(Xb)の化合物への変換は、工程6において、アミドカップリング剤(例えば、ジメチルホルムアミド(DMF)溶媒中の1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミドハイドロクロライド(EDC)および4−(ジメチルアミノ)ピリジン(DMAP))の存在下でRCOOHで処理することによって実現される。工程7において、式(Xa)および式(Xb)の化合物は、強塩基(例えば、NaOH)の存在下で環化され、式(XI)の化合物を生じる。最後に、工程8において、式(XI)の化合物は、式L−R2の化合物(ここで、Lは脱離基(例えば、ハロゲン化物)である)と反応し、式(I)の化合物を生じる。
【0057】
有機化学分野の当業者は、本明細書中に記載される式の化合物を調製する際の種々の段階において、中間体は保護される必要があり得、続いて脱保護されるか、またはそれらの最終形態へ変換される必要があり得ることを認識する。例えば、R3がニトロ基を含む場合、その最終生成物は、当該分野で周知の方法によって、最終生成物をアミノ基に変換するための還元条件に供されなければならない。さらに、本明細書中に提供される方法を包含する工程は、独立に実行され得るか、または少なくとも2つの工程は、本発明の教示から逸脱することなしに組み合わせられ得ることに注意するべきである。
【0058】
本発明は、以下の非限定的な実施例において、非常に詳細に説明される。
【実施例】
【0059】
(実施例1)
(5,6−ジアミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(6)の合成)
【0060】
【化41】

(工程a:4−ニトロフェネチルアミンハイドロクロライド(1)の1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(2)への変換)
777gmの4−ニトロフェネチルアミンハイドロクロライド(1)および11.2Lのトルエンのスラリーに、620mLのトリエチルアミンをゆっくりと添加し、この混合物を30分間室温で攪拌した。次いで、この懸濁液に、398mLのn−プロピルイソシアネートをゆっくりと添加し、この混合物を一晩室温で攪拌し、固体の沈殿物を生じた。この異種の混合物を濾過し、単離した固形物を1.5Lのトルエンで洗浄し、次いで空気乾燥させた。2.3kgの粗生成物を6Lの水と共に攪拌し、残りの塩酸トリエチルアミンを溶解した。この固形物を濾過によって単離し、空気乾燥させた。この物質を4Lの無水エタノール中に溶解し、1Lの水を添加して結晶化を誘導した。この固形物を濾過し、2Lの1:1のエタノール−水で洗浄して空気乾燥させ、第一の群の880gmの1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(2)を生じた。再結晶化の母液は、さらに39.8gmの1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−l’−プロピルウレア(2)を生じた。
【0061】
(工程b:1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’プロピルウレア(2)の1’−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(3)への変換)
920gmの1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−l’−プロピルウレア(2)および1.0Lの無水酢酸の濃い混合物を攪拌し、約50℃まで温めた。この混合物に343.2gmのシアン酢酸および0.5Lの無水酢酸を添加し、この異種の混合物を3時間80〜85℃において攪拌した。この混合物を冷却し、真空下で濃縮して酢酸および残りの無水酢酸を除去した。引き続いて、残渣を1.0Lの水、アセトニトリル、トルエンおよび酢酸エチルで粉砕した。次いで、この残渣を真空下で乾燥させ、1261gmの2:1混合の1’−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(3)と、その所望でない異性体1−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレアとを生じた。この物質を、約750mLのヘキサンを曇り点まで添加した2.2Lの熱い酢酸エチル中に溶解し、この混合物を室温まで冷却して結晶化を誘導した。固形物を濾過して空気乾燥させると、363gmの1’−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(3)を生じた。必要な場合、酢酸エチル−ヘキサンからのさらなる再結晶化が実行され得、純粋な1’−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(3)を生じた。
【0062】
(工程c:1’−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル)−1’−プロピルウレア(3)の6−アミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(4)への変換)
約2Nの水酸化ナトリウムの混合物を、4.2Lの水中に336gmの固体の水酸化ナトリウムを溶解することによって生成した。この温かい溶液に、少量ずつ312gmの1’−シアノアセチル−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1’−プロピルウレア(3)を添加し、混合物を1時間80℃で攪拌した。次いで、攪拌しながら室温まで冷却して結晶化を誘導した。この固形物を濾過によって単離し、500mLの水で4回洗浄し、65℃で真空乾燥させて232gmの粗製の6−アミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(4)を生じた。
【0063】
(工程d:6−アミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(4)の6−アミノ−5−ニトロソ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(5)への変換)
232gmの粗製の6−アミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(4)、4.0Lの水および約2.0Lのエタノールの溶液(80℃)に、55.3gmの亜硝酸ナトリウムを一度に添加し、続いて100mLの氷酢酸を滴下した。80℃で20分間攪拌した後、この混合物を室温近くまで冷却し、次いで氷浴中で冷やして結晶化を達成した。この固形物を濾過によって単離し、1.0Lの水で2回洗浄した。真空下で乾燥させ、244gmの紫色の6−アミノ−5−ニトロソ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(5)を生じた。
【0064】
(工程e:6−アミノ−5−ニトロソ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(5)の5,6−ジアミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(6)への変換)
243gmの6−アミノ−5−ニトロソ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(5)および2.1Lの水の混合物を加熱して還流し、528mLの硫化アンモニウムの50%水溶液を、攪拌しながら添加して泡立ちを制御した。この黒っぽい溶液を、90〜100℃で30分間攪拌し、攪拌しながら1.5時間冷却した。次いで、この混合物を氷浴中で冷やして完全な結晶化を達成した。この固形物を濾過によって単離し、500mLの水で3回洗浄し、真空下で乾燥させて219gmの黒っぽい固形物を生じた。この物質を1.0Lのアセトニトリルから再結晶化し、合計169.5gmの5,6−ジアミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(6)の2つの群を生じた。
【0065】
(実施例2)
(8−ベンジル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチン(9)の合成)
【0066】
【化42】

630mLのジメチルホルムアミド(DMF)中の44.9gmのフェニル酢酸溶液を、氷水浴中で冷却し、そして63.38gmの1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)を添加し、次に5.24gmの4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)を添加した。この混合物を、約4℃で30分間攪拌し、100gmの5,6−ジアミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシル(6)を、一度に添加した。この混合物を、60時間室温で攪拌した。暗色の均質な溶液を、700mLの氷水に攪拌しながら注ぎ、沈澱を形成した。この固形物を、濾過により単離し、3つの100mLの水で洗浄し、減圧下で乾燥して103gmの5−アミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−6−フェナセトアミノ−3−プロピルウラシル(7)、および6−アミノ−1−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−5−フェナセトアミノ−3−プロピルウラシル(8)中間体の混合物を得た。これらの固形物を、450mLのp−ジオキサンに溶解し、600mLの2N水性水酸化ナトリウムを添加し、その混合物を1時間加熱還流した。次いで、その溶液を、氷水浴中で冷却し、pHを約100mLの濃塩酸でpH4に調節して沈殿物を得た。この固形物を、濾過により単離し、3×100mLの水で洗浄し、減圧下で乾燥して82gmの橙色の固形物を得た。熱エチル酢酸からの再結晶化により、58.0gmの8−ベンジル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチン(9)を得た。
【0067】
(実施例3)
(8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンの合成)
2.1gmの8−ベンジル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチン(9)、1.02gmの炭酸ナトリウム、3.82mlの1,2−ジクロロエタン、および0.59mlの2−(エチルアミノ)エタノールの混合物を、鋼鉄製圧力容器(steel pressure vessel)中でアルゴン下にて、120℃で3〜5時間加熱した。次いで、その混合物を冷却し、大気にさらした。半固体の反応混合物を、5〜10mlに分けたメタノールで数回粉砕し、次に、塩化メチレンで粉砕して合わせた溶液を乾燥するまでエバポレーションした。その残渣を、エチル酢酸−ヘキサンの1:1の勾配、エチル酢酸およびエチル酢酸中の5%メタノールを使用して、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した。適切な画分を回収し、乾燥するまでエバポレートして、淡橙色の固体である8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得た。
【0068】
(実施例4)
(3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基および3−[2−4(アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン塩化二水素塩の合成)
400mlのテトラヒドロフラン中、不活性ガス下の9.4gmの8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンの混合物に、1.2gmの10%炭素上パラジウム触媒を添加し、次に12mlのヒドラジン水和物を滴下した。その混合物を、ガス発生が治まるまで2時間の間攪拌した。600mgの10%炭素上パラジウム触媒を添加し、次に、5mlのさらなるヒドラジン水和物を添加した。さらなる触媒およびヒドラジン水和物を、反応を完了するために必要に応じて添加した。次いで、その反応混合物を、セライトを通して濾過し、乾燥するまでエバポレートして、橙色油を得た。シリカゲルカラムクロマトグラフィーによる精製により、精製固形物の3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得て、これを75mlのテトラヒドロフランに溶解した。この溶液に、p−ジオキサン中の15mlの4N塩化水素を添加し、白色沈殿物を得た。この沈殿物をスラリーとして攪拌し、濾過により回収し、減圧乾燥して、3−[2−4(アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン塩化二水素塩、m.p.230−231℃(正確ではない)を得た。
【0069】
(実施例5)
(3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基または塩化二水素塩の合成)
実施例3の方法により、8−ベンジル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを、炭酸ナトリウム、1,2−ジクロロエタンおよびエチルアミンと反応させて、8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例4の方法により、8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−(4−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを、パラジウム触媒の存在下でヒドラジン水和物または水素ガスで還元して3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得る。次いで、対応する塩化二水素塩を、溶液中で過剰量の塩化水素にさらすことで生成する。
【0070】
(実施例6)
(3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基および3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン塩化二水素塩の合成)
実施例1の方法により、2−ニトロフェネチルアミン塩酸塩およびn−プロピルイソシアネートを、5,6−ジアミノ−1−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシルに変換する。実施例2の方法により、フェニル酢酸を、5,6−ジアミノ−1−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシルと反応させて8−ベンジル−3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例3の方法により、この基質を、1,2−ジクロロエタンおよび2−(エチルアミノ)エタノールの混合物でアルキル化して8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例4の方法により、この基質を、パラジウム触媒の存在下で、ヒドラジン水和物または水素ガスで還元して3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得る。次いで、対応する塩化二水素塩を、溶液中の過剰量の塩化水素にさらすことで生成する。
【0071】
(実施例7)
(3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基および3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン塩化二水素塩の合成)
実施例1の方法により、3−ニトロフェネチルアミン塩酸塩およびn−プロピルイソシアネートを、5,6−ジアミノ−1−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシルに変換する。実施例2の方法により、フェニル酢酸を、5,6−ジアミノ−1−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシルと反応させて8−ベンジル−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例3の方法により、この基質を、1,2−ジクロロエタンおよび2−(エチルアミノ)エタノールの混合物でアルキル化して8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例4の方法により、この基質を、パラジウム触媒の存在下で、ヒドラジン水和物または水素ガスで還元して3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得る。次いで、対応する塩化二水素塩を、溶液中の過剰量の塩化水素にさらすことで生成する。
【0072】
(実施例8)
(3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基または塩化二水素塩の合成)
実施例3の方法により、8−ベンジル−3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを、炭酸ナトリウム、1,2−ジクロロエタンおよびエチルアミンと反応させて8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例4の方法により、8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−(2−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを、パラジウム触媒の存在下でヒドラジン水和物または水素ガスで還元して3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得る。次いで、対応する塩化二水素塩を溶液中で過剰量の塩化水素にさらすことで生成する。
【0073】
(実施例9)
(3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基または塩化二水素塩の合成)
実施例3の方法により、8−ベンジル−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを、炭酸ナトリウム、1,2−ジクロロエタンおよびジエチルアミンと反応させて8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例4の方法により、8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを、パラジウム触媒の存在下でヒドラジン水和物または水素ガスで還元して3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得る。次いで、対応する塩化二水素塩を溶液中で過剰量の塩化水素にさらすことで生成する。
【0074】
(実施例10)
(トリチウム標識3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン遊離塩基および3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[1H、2H−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル]−1−プロピルキサンチン塩化二水素塩の合成)
実施例1の方法により、3−ニトロフェネチルアミン塩酸塩およびn−プロピルイソシアネートを、5,6−ジアミノ−1−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシルに変換する。実施例2の方法により、フェニル酢酸を、5,6−ジアミノ−1−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−3−プロピルウラシルと反応させて8−ベンジル−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例3の方法により、この基質を、トリチウム標識1,2−ジクロロエタン[H−1,2−ジクロロエタン]と2−(エチルアミノ)エタノールとの混合物でアルキル化してトリチウム標識8−ベンジル−7−[1H,2H−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]−3−[2−(3−ニトロフェニル)エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。実施例4の方法により、この基質を、パラジウム触媒の存在下で、ヒドラジン水和物または水素ガスで還元してトリチウム標識3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[1H、2H−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル]−1−プロピルキサンチン遊離塩基を得る。次いで、対応する塩化二水素塩を、溶液中の過剰量の塩化水素にさらすことで生成する。
【0075】
(実施例11)
(3−[2−(4−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンの合成)
当該分野で周知の方法により、3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを、6−アミノヘキサン酸およびカップリング剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC))と反応させて3−[2−[4−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを得る。
【0076】
(実施例12)
(8−ベンジル−3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンの合成)
当該分野で周知の方法により、3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを、コハク酸無水物および塩基(例えば、トリエチルアミン)と反応させて、8−ベンジル−3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを得る。
【0077】
(実施例13)
(3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)−アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンの合成)
当該分野で周知の方法により、8−ベンジル−3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを、1,6−ジアミノヘキサンおよびカップリング剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC))と反応させて、3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)−アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを得る。
【0078】
(実施例14)
(3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンのCy3B連結アミド誘導体の合成)
当該分野で周知の方法により、3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを、市販の6,7,9,10−テトラヒドロ−2−カルボキシメチル−14−スルホナト−16,16,18,18−テトラメチル−7aH,8aH−ビスインドリニウム(bisindolinium)[3,2−a,3’2’−a]ピラノ[3,2−c;5,6−c’]ジピリジン−5−イウム、N−ヒドロキシスクシンイミジルエステル(Amersham Biosciences UK Limited,Little,Chalfont,Buckinghamshire,EnglandよりCyB3として販売される)および塩基(例えば、ジイソプロピルエチルアミン)と反応させて3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミノカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンのCy3B連結アミド誘導体を得る。
【0079】
(実施例15)
(8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンの合成)
当該分野で周知の方法により、1,6−ジアミノへキサンを、マレイン酸無水物と反応させて、6−アミノヘキシルマレイミドを生成する。当該分野で周知の方法により、3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを、6−アミノヘキシルマレイミドおよびカップリング剤(例えば、1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC))と反応させて、水で処理した後、8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−マレイミドへキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。
【0080】
(実施例16)
(8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンの合成)
当該分野で周知の方法によって、3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]−エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチンを、6−アミノヘキサンチオール、および1−(3−ジメチルアミノプロピル)−3−エチルカルボジイミド塩酸塩(EDC)のような結合剤と反応させて、8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンを得る。
【0081】
(実施例17)
(8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシ−プロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンのCy3B結合チオ誘導体の合成)
当該分野で周知の方法によって、8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンを、市販の6,7,9,10−テトラヒドロ−2−カルボキシメチル−14−スルホナト−16,16,18,18−テトラメチル−7aH,8aH−ビスインドリニウム[3,2−a,3’2’−a]ピラノ[3,2−c;5,6−c’]ジピリジン−5−イウム,N−ヒドロキシスクシニミジルエステル(Amersham Biosciences UK Limited(Little Chalfont,Buckinghamshire,England)によってCy3Bとして販売される)およびジイソプロピルエチルアミンのような塩基と反応させて、8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチンのCy3B結合チオ誘導体を得る。
【0082】
(実施例18)
前出の実施例1〜9と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−メチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−メチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−メチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−8−[4−(2−ヒドロキシエチル)]ベンジル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−8−[4−(2−ヒドロキシエチル)]ベンジル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(4−アミノフェニル)エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−8−[4−(2−ヒドロキシエチル)]ベンジル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチルアミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチルアミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、および
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン。
【0083】
(実施例19)
前出の実施例1〜9と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−メチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−メチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、および
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン。
【0084】
(実施例20)
前出の実施例1〜9と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
3−[4−(2−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(2−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(2−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(2−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(3−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(3−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(3−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(3−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン,
3−[4−(4−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(4−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(4−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、および
3−[6−(4−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン。
【0085】
(実施例21)
前出の実施例12と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
8−ベンジル−3−[2−[2−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−3−[2−[3−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−3−[2−[2−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−3−[2−[3−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、および
8−ベンジル−3−[2−[4−(3−カルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン。
【0086】
(実施例22)
前出の実施例11と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
3−[2−[2−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[3−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[4−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[2−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ])エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[3−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、および
3−[2−[4−(6−アミノヘキサノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン。
【0087】
(実施例23)
前出の実施例13と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
3−[2−[2−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[3−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[2−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[3−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、および
3−[2−[4−(6−アミノヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン。
【0088】
(実施例24)
前出の実施例13と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
3−[2−[2−(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[3−(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[4−(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[2−(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−[3−(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、および
3−[2−[4−(5−アミノペンチル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン。
【0089】
(実施例25)
前出の実施例15と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[2−(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[3−(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−3−[2−[4−(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−[2−(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチン、
8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−[3−(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチン、および
8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−3−[2−[4−(6−N−マレイミドヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]−1−プロピルキサンチン。
【0090】
(実施例26)
前出の実施例16と同様の様式で、以下の化合物を調製する:
8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピル−3−[2−[2−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]キサンチン、
8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピル−3−[2−[3−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]キサンチン、
8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]キサンチン、
8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピル−3−[2−[2−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]キサンチン、
8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピル−3−[2−[3−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]キサンチン、および
8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピル−3−[2−[4−(6−チオヘキシル−3−アミドカルボキシプロパノイル)アミノフェニル]エチル]キサンチン。
【0091】
(実施例27)
(薬学的処方)
【0092】
【表1】

活性成分、デンプン、およびセルロースを、45番メッシュ米国ふるい(No.45 mesh U.S.sieve)に通して、十分混合する。ポリビニルピロリドンを含む水溶液を、得られた粉と混合し、次いでこの混合物を14番メッシュの米国ふるいに通す。このように生成された顆粒を、50℃で乾燥させ、18番メッシュの米国ふるいに通す。カルボキシメチルデンプンナトリウム、ステアリン酸マグネシウムおよび滑石は、予め60番メッシュの米国ふるいに通し、次いで上記顆粒に添加し、これを混合後、錠剤製造機で圧縮して、錠剤を得る。
【0093】
【表2】

活性成分、セルロース、デンプンおよびステアリン酸マグネシウムをブレンドし、45番メッシュ米国ふるいに通し、硬質ゼラチンカプセル剤に充填する。
【0094】
【表3】

滅菌環境において、活性成分を等張生理食塩水に溶解し、得られた溶液を、2ミクロンのフィルターに通し、次いで滅菌静脈内流体バッグに充填し、直ちに密封する。
【0095】
本明細書および実施例において、本発明の代表的実施形態が開示された。そして特定の用語が使用されたが、これらは、一般的かつ説明的な意味のみに使用され、そして本発明の範囲を限定する目的で使用されたものではない。本発明の範囲は、添付の特許請求の範囲に示されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および水和物であって、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化2】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化3】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化4】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、オルトまたはメタであり、そしてH、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され;
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして、
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および水和物。
【請求項2】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、−(CHN(CHCH)(CHOHであり;Rは、NHであり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;そしてrは、2である、化合物。
【請求項3】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;fは、0であり;Rは、NHであり;nは、2であり;qは、1であり;そしてrは、2である、化合物。
【請求項4】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;そしてrは、2である、化合物。
【請求項5】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、sが2である(CHOH、およびR10がCH=CHであるR10COOHであり;nは、2であり;qは、1であり;そしてrは、2である、化合物。
【請求項6】
請求項1に記載の化合物であって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、tが2である(CHOH、およびRがCH=CHであるRCOOHであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;そしてrは、2である、化合物。
【請求項7】
化合物(I):
【化5】

の診断アッセイ型プローブであって、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化6】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化7】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化8】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、オルトまたはメタであり、そしてH、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され;
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして、
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
化合物(I)、ならびにその塩、溶媒和物、および水和物の診断アッセイ型プローブであって;
ここで、該化合物は、該化合物上の放射活性物質または非放射活性物質によって標識されるか、または必要に応じて、該化合物に存在するスペーサー構成要素によって式(I)の該化合物に接続され、ここで、該スペーサー構成要素は、該化合物のR置換基またはR置換基に存在する、アミン官能基、ヒドロキシル官能基、またはカルボキシル官能基に結合する官能基を有する、
診断アッセイ型プローブ。
【請求項8】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、前記非放射活性物質は、蛍光色素である、アッセイ型プローブ。
【請求項9】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、前記非放射活性物質は、ビオチンである、アッセイ型プローブ。
【請求項10】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、前記非放射活性物質は、発光色素である、アッセイ型プローブ。
【請求項11】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、前記非放射活性物質は、オベリンである、アッセイ型プローブ。
【請求項12】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、Rは、Cアルキルであり、Rは、CH(CHであり;pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2であり;そしてRは、(CHOHであり;mは、2であり;そして前記非放射活性物質は、Rに存在する水酸基に結合したビオチンである、アッセイ型プローブ。
【請求項13】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2であり;Rは、NHであり;そして前記非放射活性物質は、Rに存在するアミノ基に結合したビオチンである、アッセイ型プローブ。
【請求項14】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2であり;そしてRは、R10COOHであり、ここで、R10は、1〜8個の炭素原子を有するアルキレン基またはアルケニレン基であり;そして前記非放射活性物質は、Rに存在するカルボキシル基に結合したビオチンである、アッセイ型プローブ。
【請求項15】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、前記化合物は、スペーサー構成要素によって接続された放射活性物質によって標識され、そして該スペーサー構成要素は、該化合物のR置換基またはR置換基に存在する、アミン官能基、ヒドロキシル官能基、またはカルボキシル官能基に結合する官能基を有する、アッセイ型プローブ。
【請求項16】
請求項7に記載のアッセイ型プローブであって、ここで、前記化合物は、放射活性物質によって標識され、そして該放射活性物質は、18F、トリチウム、11C、13C、および15N;金属原子の複合体もしくは金属イオンの複合体、キレート剤、または125Iからなる群より選択される放射活性同位体である、アッセイ型プローブ。
【請求項17】
式(I):
【化9】

の化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および水和物を含むアデノシンレセプターに対する画像化剤であって、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化10】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化11】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化12】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され;
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして、
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
化合物、ならびにその塩、溶媒和物、および水和物を含むアデノシンレセプターに対する画像化剤であって、ここで、その原子のうちの少なくとも1つまたはそれに結合した1つ以上の原子は、放射活性的に標識されるか、スピン標識されるか、または放射活性的およびスピンの両方で標識される、画像化剤。
【請求項18】
請求項17に記載の画像化剤であって、ここで、前記マーカー原子は、核スピン標識される、画像化剤。
【請求項19】
請求項18に記載の画像化剤であって、ここで、前記マーカー原子は、19Fである、画像化剤。
【請求項20】
請求項17に記載の画像化剤であって、ここで、前記マーカー原子は、放射活性同位体である、画像化剤。
【請求項21】
請求項17に記載の画像化剤であって、ここで、前記放射活性同位体は、18F、11C、15N、125I、またはHである、画像化剤。
【請求項22】
アデノシンレセプター関連障害の処置を必要とする哺乳動物においてAアデノシンレセプター関連障害を処置するための方法であって、該方法は、式(I):
【化13】

の有効量の、化合物、ならびにその薬学的に受容可能な、塩、溶媒和物、および水和物、または式(I)の化合物の組合わせを、必要に応じて1種以上の他の治療剤と組合わせてAアデノシンレセプター関連障害の処置を必要とする哺乳動物に投与する工程を包含し、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化14】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化15】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化16】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され;
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
方法。
【請求項23】
請求項22に記載の方法であって、ここで、式(I)の化合物について、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、(CHOHであり、ここで、mは、2であり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;mは、2であり;qは、1であり;rは、2である、方法。
【請求項24】
請求項22に記載の方法であって、ここで、式(I)の化合物について、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、NHであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2である、方法。
【請求項25】
請求項22に記載の方法であって、ここで、式(I)の化合物について、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、NHであり、;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2である、方法。
【請求項26】
請求項22に記載の方法であって、ここで、式(I)の化合物について、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、Hであり;Rは、(CHOHであり、ここで、sは、2およびR10COOHであり、ここで、R10は、CH=CHであり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2である、方法。
【請求項27】
請求項22に記載の方法であって、ここで、式(I)の化合物について、Rは、Cアルキルであり;Rは、CH(CHであり、ここで、pは、1であり;Rは、Hであり;Rは、(CHOHであり、ここで、tは、2およびRCOOHであり、ここで、Rは、CH=CHであり;Rは、NHであり;fは、0であり;nは、2であり;qは、1であり;rは、2である、方法。
【請求項28】
請求項22に記載の方法であって、ここで、前記Aアデノシンレセプター関連障害が、うっ血性心不全、高血圧、虚血再灌流器官損傷、内毒素関連組織損傷、腎不全、アルツハイマー病、うつ病、肥満症、ぜん息、糖尿病、嚢胞性線維症、アレルギー状態、自己免疫障害、炎症性障害、慢性閉塞性肺疾患、慢性咳、冠動脈疾患、胆石仙痛、術後イレウス、線維症、硬化症、成人呼吸促進症候群(ARDS)、後天性免疫不全症候群(AIDS)、急性肺損傷(ALI)、後天性免疫不全症候群(AIDS)、重症急性呼吸器症候群(SARS)、敗血症、物質乱用、薬物依存症、またはパーキンソン病であって、前記哺乳動物が、ヒトである、方法。
【請求項29】
式(I):
【化17】

の化合物、ならびにその薬学的な塩、その溶媒和物、その水和物および薬学的に受容可能なキャリアを含有する薬学的組成物であって、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化18】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化19】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化20】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され;
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして、
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
薬学的組成物。
【請求項30】
式(I):
【化21】

の化合物、ならびにその塩、その溶媒和物およびその水和物のプロドラッグであって、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化22】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化23】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化24】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され;
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして、
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
プロドラッグ。
【請求項31】
請求項30に記載の適切な量のプロドラッグの投与を必要とする患者に、請求項30に記載の適切な量のプロドラッグを投与する、方法。
【請求項32】
式(I):
【化25】

の化合物ならびにその塩、その溶媒和物およびその水和物を調製する方法であって、
ここで、
は、分枝鎖または直鎖のC〜Cアルキルであり;
は、式(II)であり、
【化26】

ここで、nは、1〜8の範囲の整数であり;Rは、Hまたは(CHCHであり、そしてRは、Hまたは(CHOHであり、
ここで、pは、1〜7の範囲の整数であり、そしてmは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(III)であり、
【化27】

ここで、qは、1〜8の範囲の整数であり;そしてRは、H、OH、NH、(CHOH、およびRCOOHからなる群より選択され;
ここで、Rは、1〜8個の炭素原子を有する直鎖または分枝鎖の、アルキレン基またはアルケニレン基であり、そしてtは、1〜8の範囲の整数であり;
は、式(IV)であり、
【化28】

ここで、rは、1〜8の範囲の整数であり、そしてRは、H、OH、(CHNH、(CHOH、およびR10COOHからなる群より選択され、
ここで、fは、0であるか、またはfおよびsは、独立して1〜8の範囲の整数であり;そして、
10は、C〜Cの直鎖または分枝鎖の、アルキレンまたはアルケニレンである;
方法であって、以下:
−NHを、RNCOで濃縮して、式(V)
【化29】

の置換尿素を生成する工程、
式(V)の置換尿素を、シアノ酢酸で濃縮して、式(VI)
【化30】

の化合物を生成する工程、
式(VI)の化合物を、強塩基を用いた処理によって、式(VII)
【化31】

の化合物を生成する工程、
式(VII)の化合物を、酸性条件下でNaNOと反応させて、式(VIII)
【化32】

の化合物を生成する工程、
式(VIII)の化合物を還元して、式(IX)
【化33】

の化合物を生成する工程、
式(IX)の化合物を、R−COHで濃縮して、式(Xa)または(Xb)
【化34】

のいずれかの化合物を生成する工程、
式(Xa)または(Xb)の化合物を、強塩基の存在下で環化して、式(XI)
【化35】

の化合物を形成する工程、および、
式(XI)の化合物をL−R2と反応させて、式(I)の化合物を生成する工程であって、ここで、Lは、離脱基である、工程
を包含する、方法。
【請求項33】
以下:
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−メチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−メチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−8−[4−(2−ヒドロキシエチル)]ベンジル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−7−(2−エチルアミノ)エチル−8−[4−(2−ヒドロキシエチル)]ベンジル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチルアミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチルアミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−メチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−メチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(2−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
8−(4−アミノベンジル)−3−[2−(3−アミノフェニル)エチル]−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(2−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(2−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(2−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(2−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(3−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[6−(3−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−[2−エチル(2−ヒドロキシエチル)−アミノ]エチル−1−プロピルキサンチン、
3−[4−(3−アミノフェニル)ブチル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、または
3−[6−(3−アミノフェニル)ヘキシル]−8−ベンジル−7−(2−エチルアミノ)エチル−1−プロピルキサンチン、
である、請求項1に記載の化合物。

【公表番号】特表2007−506804(P2007−506804A)
【公表日】平成19年3月22日(2007.3.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−533610(P2006−533610)
【出願日】平成16年6月7日(2004.6.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/018171
【国際公開番号】WO2004/110379
【国際公開日】平成16年12月23日(2004.12.23)
【出願人】(505445164)エンダセア, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】