説明

ACL再建用のトンネルゲージ及び方法

【課題】前十字靱帯(ACL)を再建するためのシステム及び方法を提供する。
【解決手段】ビースピン10は、細長い本体12と、鋭利な遠位先端部14と、遠位先端部14に隣接する任意選択のドリルフルート16と、遠位先端部14から約15cm離れて位置するレーザーエッチングされた深さ表示18とを有している。これを使用することにより、ACL再建において骨トンネルのソケット部分が正確に測定される。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
[技術分野]
本発明は、前十字靱帯(ACL)を再建するためのシステム及び方法に関し、より具体
的には、そのような再建において大腿骨トンネルを寸法計測するための方法及びゲージに関する。
【0002】
[関連技術の記載]
損傷したACLは通常、患者の脛骨及び大腿骨に調製されたトンネルを通じて置換移植片を配置することによって再建される。その内容が参照によって本明細書に組み込まれる米国特許第5,306,301号に記載されているそのような手技の一種において、膝蓋面にある又は膝蓋面の近くにある位置から、大腿骨の一部分を上方に貫き、上位の部位で大腿骨の側部を通じて抜け出すトンネルが、大腿骨内に調製される。移植片が、細長い棒材に取り付けられたループを跨ぐ。棒材は、一方向にトンネルを通じて上方に向かい、次いでトンネルの上位端部の近くでトンエルを抜け出すことができる。棒材は、トンネルを通じて元に戻らないように向け直され、ループと移植片が棒材からトンネルの中に懸架する状態で、大腿骨に当接させて配置される。このトンネルは、移植片を収容するのに十分な直径を下位部分に有する。このトンネルは好ましくは、骨の除去が最小限となるように、ループのみを支持し移植片を支持しない上位部分にて狭小化される。便宜上、トンネルの上位部分はソケットと呼ばれることがある。ソケットの適切な深さを迅速に、正確にかつ容易に決定することが望まれている。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明による器具が、ACL再建において骨トンネルの深さを測定する。この器具は、細長い本体を有する測定ピンを備え、その細長い本体は、第1の端部と、その第1の端部から離間した第1の表示とを有する。第1の管が、測定ピン本体の第1の端部を同軸に受容し、その第1の管は、測定ピン本体の第1の端部、開口した第1の端部、及び第2の端部を収容するように寸法を定められている。第1の管の第2の端部にある第2の管が、第1の管の内径よりも大きな内径と、第1の管の第2の端部に連結された第1の端部とを有する。測定ブロックが、第2の管の内部に少なくとも部分的に配設され、当接部と、測定ブロック上にあるソケット深さの目盛表示とを有する。第2の管の上にある第1の指示器は、測定ピン本体の第1の端部が測定ブロックの当接部と当接したとき、指示器とソケット深さの目盛表示とが位置合わせされると骨トンネルの望ましい深さを示す読みを与えるように向けられたソケット深さの目盛表示に相対的に向けられる。
【0004】
好ましくは、測定ブロックは第1の管に向かって付勢される。また好ましくは、第1の指示器は第2の管の第2の端部である。好ましくは、ループ寸法の表示が上に設けられる。
【0005】
好ましくは、ソケット深さの目盛表示における読みは、第1の表示と第1の管の第1の端部との間の距離から、ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表す。方向転換用の長さは、移植片を骨トンネルの中に懸架するループを運ぶ細長い棒材を、骨トンネルを通じて棒材を送ることができる向きから、再び骨トンネルの中に送られることを防止する横向きへと向け直すのに必要な、大腿骨にわたる距離である。
【0006】
好ましくは、このループ寸法の表示とは異なる値を示す第2のループ寸法の表示と、それに関連付けられた第2のソケット深さの表示とを備える。したがって、ソケット深さの目盛表示における読みは、第1の表示と第1の管の第1の端部との間の距離から、ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表し、第2のソケット深さの目盛表示における読みは、第1の表示と第1の管の第1の端部との間の距離から、第2のループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表す。種々のループ寸法に対するソケット深さの読みを単一の器具で与えるために、複数のループ寸法の表示と、それに関連付けられたソケット深さの表示が設けられ得る。
【0007】
好ましくは、第2の管は、移植片の移植深さの表示を上に有し、測定ブロックは、骨トンネルの中に移植片が移植された深さの読みを与えるために、測定ブロックに関連付けられた第2の指示器を有する。そのような場合、移植深さの目盛表示における読みは好ましくは、第1の表示と第1の管の第1の端部との間の距離から、ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算したものを表す。
【0008】
本発明によるある方法は、ACL再建において骨トンネルのソケット部分の深さを測定する。その方法は、パイロットホールが、大腿骨の顆状切欠き表面にある第1の端部と、大腿骨の上位部分にある第2の端部とを有するように、大腿骨を通るパイロットホールを形成するステップであって、そのパイロットホールは、大腿骨内の置換靱帯に望ましい経路に沿って向けられるステップと、測定ピン上の第1の表示がパイロットホールの第1の端部に位置し、測定ピンの第2の端部がパイロットホールの第2の端部から外に延出するように、測定ピンを配置するステップと、測定ピンの一部分が、第1の管の中に同軸に受容され、第1の管の第1の端部がパイロットホールの第2の端部で大腿骨と当接するように、第1の管を測定ピンに被せて配置するステップと、距離の目盛表示を上に有する測定ブロック上の当接部に対して測定ピンの第2の端部を当接させるステップであって、測定ブロックは、測定ピンの最大横寸法よりも大きな横寸法を有するステップと、距離の目盛表示から、骨トンネルのソケット部分に対する所望の深さを読むステップであって、ソケット部分は、パイロットホールによって規定される経路に沿って、パイロットホールの第1の端部から延在するステップとを含む。
【0009】
好ましくは、パイロットホールは測定ピンを用いて作成される。また好ましくは、指示器が第1の管と関連付けられ、その指示器は距離の目盛における読みを与える。
【0010】
好ましくは、距離の目盛における所望の深さの読みは、第1の管の第1の端部と測定ピン上の第1の表示とを分離する距離と相関し、より具体的には、所望の深さは、第1の管の第1の端部と測定ピン上の第1の表示とを分離する距離から、所定のループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表す。好ましくは、所定のループ寸法は、距離の目盛に隣接して指示されている。
【0011】
この方法は、経路に沿って指示された深さまで大腿骨の中にソケット部分を穿孔するステップを更に含む。その方法は好ましくは、所定のループ寸法のループの上に移植片を懸架するステップであって、ループは細長い棒材に連結されるステップと、細長い棒材が骨トンネルの中に再び送られるのを防止して、ループがソケット部分の中に垂下し、移植片がループからソケット部分内に少なくとも部分的に懸架した状態に残るように、骨トンネルを通じて棒材を縦方向に送り、大腿骨の上位部分に対して、棒材を横向きにして配置するステップとを更に含む。所定の方向転換用の長さは、棒材がトンネルを通じて送られた後に、ループがトンネルの中に垂下する状態で、縦向きから横向きに棒材を操作するのに十分な、大腿骨にわたる距離である。
【0012】
好ましくは、第1の管に関連付けられたソケット深さの表示からソケット部分における移植片の移植深さを読むステップが設けられ、移植深さは、第1の管の第1の端部と測定ピン上の第1の表示とを分離する距離から、所定のループ寸法を減算したものを表す。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下で、本発明の好ましい実施形態について、図面を参照して更に詳細に説明する。
【図1】本発明によるビースピン(beath pin)の第1の実施形態の側面図。
【図1A】本発明によるビースピンの第2の実施形態の側面図。
【図1B】本発明によるビースピンの更なる実施形態の側面図。
【図2】本発明による深さゲージの一部分の側面図。
【図3】図2の深さゲージを破断図とした側面図。
【図3A】本発明による深さゲージの第2の実施形態を部分的にファントム図とした斜視図。
【図3B】本発明による深さゲージの更なる実施形態の側面図。
【図4】本発明による手技で使用するための移植片構造の斜視図。
【図5】本発明によるACL再建具を有する膝を破断図とした側面図。
【図6】図5の膝の大腿骨の正面図であり、図1のビースピンを使用してパイロットホールを作成するところを示している。
【図7】図5の膝の大腿骨の正面図であり、所定の深さまで挿入された図1のビースピンを示している。
【図8】ビースピンの上に配置された図2及び3の深さゲージの斜視図。
【図9】図8の深さゲージ及びビースピンの斜視図であり、深さゲージの端部が大腿骨の表面と係合している。
【図10】図8の深さゲージの側面図であり、指示されたソケット深さの読みを示している。
【図11】図5の膝の大腿骨の正面図であり、ソケットが穿孔されていることを示している。
【図12】図5の膝の大腿骨の正面図であり、通過チャネルが穿孔されていることを示している。
【図13】図5の膝の大腿骨の正面図であり、移植片構造が通されていることを示している。
【発明を実施するための形態】
【0014】
図1〜3は、本発明の主要な構成要素を示している。図1はビースピン10を示しており、このビースピン10は、細長い本体12と、鋭利な遠位先端部14と、遠位先端部14に隣接する任意選択のドリルフルート16と、遠位先端部14から約15cm離れて位置するレーザーエッチングされた深さ表示18とを有している。図1Aは別のビースピン20を示しており、このビースピン20は、細長い本体22と、鋭利な遠位先端部24と、遠位先端部24に隣接するドリルフルート26と、環状フランジ28とを有し、環状フランジ28は、ビースピン10のレーザーエッチングされた深さ表示18に代わるものである。ピン10又は20は、表示18か又はフランジ28まで大腿骨の中に通され(図1〜3には示さず)、フランジは、正しい深さで大腿骨に通されたという触覚フィードバックを外科医に与える。図1Bは別のビースピン27を示しており、このビースピン27は、逆の環状フランジ29を有し、この逆の環状フランジ29は、正しい深さで大腿骨に通されたという視覚的フィードバックを与える。逆のフランジ29はまた、通路を通じてビースピン27を前方に引っ張り、大腿骨から抜き出すことによって、ビースピン27を取り出すことを可能にしている。
【0015】
図2及び3は、大腿骨内のトンネルを測定し所定寸法にするための深さゲージ30を示している。ゲージは、ビースピン10を収容するように寸法を定められた細長い円筒状の第1の管32を備え、第1の管32は、第1の端部34と第2の端部36とを有し、第2の端部36は、より太い第2の管38に取り付けられている。第2の管38は、第1の管32に取り付けられた第1の端部40と、自由な第2の端部42とを有している。第2の端部36は、管32を使い捨てにできるように、ネジ、スナップ、バヨネット締結、又は他の手段によって第2の管38に脱着可能に取り付けられ得る。測定ブロック44が第2の管38内で移動し、好ましくは張力バネ46によって第1の端部40に向かって付勢される。測定ブロック44の第1の端部48が、ビースピン10の先端部14に対する当接部として働く。この第1の端部48は、係合をより確実にするために、わずかに座ぐりされ得る。深さの表示目盛50が測定ブロック上に設けられており、ループサイズの表示52が測定ブロック44の第2の端部54に向かって設けられている。
【0016】
ビースピン10、20及び27は好ましくは、2.4mmなど、小径をなすものである。ビースピン上のマーキングは、大きさが小さいがために目視するのが極めて困難であり、また体組織で覆い隠されることがある。測定ブロック44は寸法を増しており、それによって表示目盛50を読むことを容易にしている。好ましくは、測定ブロック44は少なくとも8mmの幅を有する。また、この構成により、ビースピン10の鋭利な遠位先端部14が被覆されて安全性が向上する。
【0017】
図3A及び3Bは別の実施形態を示しており、この実施形態において、同様の部品が、同様の参照符号にそれぞれ添え字「a」及び「b」を付けて識別される。図3Aにおいて、測定ブロック44aは、第2の管38aの中に延びる突出部45を有しており、ビースピン先端部14が当接するのはこの突出部45である。これにより、ビースピンはより短く、したがってより安全なものとなる。図3Bにおいて、第2の管38bは、窓53上に付加的なマーキング目盛51を備えられており、窓53を通じて測定ブロック44b上の指示器55が目視され得る。マーキング目盛51は、これから議論するように、大腿骨内に配設された移植片の長さを指示する。加えて、測定ブロック44b及び第2の管38bは、それらの周りの円周方向に配設された複数の面を設けられることができ、それらの面はそれぞれ、対応する表示目盛50b、付加的なマーキング目盛51、及びループ寸法の表示52bを有する。例えば、ある面は20mmのループ寸法と、もう1つの面は25mmのループ寸法などと協働するように構成され、それに応じてループ寸法の表示52b、表示目盛50b、及び付加的な目盛51が構成され得る。
【0018】
図4は、細長い棒材62を備える移植片構造60を示しており、この細長い棒材62は、それぞれ第1及び第2の外側ホール72及び74を貫く第1及び第2の案内縫合糸68及び70と共に、1対の中央開口部66を貫く太い縫合糸ループ64を有している。置換移植片76がループ64を跨いでいる。図5は、患者の脚78内の定位置にある移植片構造60を示している。大腿骨82内のトンネル80は、移植片76を収容するように寸法を定められた大径下位部分、つまりソケット84と、棒材62を長手の向きに受けるように寸法を定められた小径上位部分、つまり通過チャネル86とを備えている。棒材62は、横向きに大腿骨82と当接し、ループ64は、通過チャネル86を通じて下方に、移植片76が配置されているソケットの中へと垂下している。移植片76の反対側の端部が脛骨90内の脛骨トンネル88の中に配置され、マサチューセッツ州レイナム(Raynham)のデピュイ・ミテック社(Depuy Mitek Inc.)から入手可能なINTRAFIX(登録商標)アンカーなどのアンカー92で定位置に保持される。
【0019】
図6〜13は、トンネル80の測定及び作成を示している。まず、ビースピン10で、大腿骨82を貫いて所望の向きに穿孔されて、大腿骨82を貫くパイロットホール94が形成される。ピン10は次いで、レーザーマーク18が大腿骨82の表面と面一になるまで前進される(図6及び7を参照)。適切な寸法のゲージ30が、ループ64の長さに基づいて選択されるが、その寸法はゲージ30上に印刷されているもの52である。それに代わって、ゲージ30が、これまでに説明したように表示50などを備えた複数の面を有する場合、適切なループ寸法の面が外科医に向けられる。ゲージ30の第1の管32は、ビースピン10に被さるように送られ、第1の端部34が大腿骨に当接するまで前進される(図8及び9を参照)。すぐ後に穿孔されてトンネル80となる経路(パイロットホール94)に沿って大腿骨82を通じてビースピンを押し込むと、大腿骨82の顆状切欠き表面98においてパイロットホール94の下方端部96にレーザーマーク18が続き、パイロットホール94の反対側の上位端部100にゲージの第1の管の第1の端部34が続く。
【0020】
ピン10の遠位先端部14は、測定ブロックの第1の端部48と当接し、バネ46の抵抗力に対抗して測定ブロック44を第2の管38から押し出し、表示目盛50が、第2の管の第2の端部42にて読み取られ得る(図3及び10を参照)。それによって、ソケット84の所望の深さが、顆状の切欠表面から戻る。ソケット84に対して適切な直径をなし、穿孔深さの表示104を上に有するカニューレ付きドリル102が、ビースピン10に被せて送られ、ソケットは、表示目盛50で示される適切な深さまで穿孔される(図11を参照)。次いで、別個の小径のカニューレ付きドリル106がピン10に被せて送られ、通過チャネル86が、大腿骨82を貫いて穿孔される(図12を参照)。次いで、移植片構造60が、第1の縫合糸68によって棒材62を長手の向きにして、トンネル80を通じて引っ張り上げられ、次いで、棒材62は、第2の縫合糸70によって横向きになるように操作され、大腿骨82に当接するように置かれる。
【0021】
深さゲージ30は、所与のループ寸法に合わせてソケット84を穿孔するのに必要な情報を外科医に与える。トンネル80の長さは、大腿骨82の解剖学的形態と、大腿骨82を貫くトンネル80の経路で決まる。ゲージ30は、レーザーマーク18とゲージの第1の管の第1の端部34との間隔によってこの長さを測定する。この間隔は次いで、ゲージ30の各部の寸法及び向きによって、適切なソケット84へと変換される。ゲージ30は、全体的な長さからループの長さを減算し、次いで、大腿骨から棒材62を引き抜き、その向きを変えるのに十分な長さを加算することによって、この深さを約8mm〜10mmと判定する。目盛51で示される、ソケット84内の移植片長さは、ソケット84の深さから方向転換用の長さを減算したものを表す。外科医が計算を実施する必要なく、ゲージの目盛は、所与のループ寸法に対して、トンネル内における適切なソケット深さ及び移植片長さを読み取るように適合されている。
【0022】
このように、本発明の基本的な新規な特徴について、本発明の好ましい実施形態に応用されたものとして図示し、説明し、指摘したが、説明した装置の形態及び細部において、またそれらの装置の動作において、様々な省略、置換、及び変更が、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく当業者になされ得ることが理解されよう。例えば、同じ結果を達成するように実質的に同じ方式で実質的に同じ機能を果たす要素及び/又はステップのすべての組合わせが、本発明の範囲に含まれることが、明確に意図されている。また、説明したある実施形態から別の実施形態へと要素を置換することも、十分に意図され企図される。また、図面は必ずしも一定の尺度で描かれておらず、事実上、概念的なものに過ぎないことが理解されよう。したがって、その意図は、添付の「特許請求の範囲」によって示唆されるものとしてのみ限定されることである。
【0023】
本願にて引用したすべての発行済みの特許、係属中の特許出願、刊行物、学術論文、書籍、又は任意の他の参考文献はそれぞれ、参照によって全容が組み込まれる。
【0024】
〔実施の態様〕
(1) ACL再建において骨トンネルの深さを測定するための器具であって、
第1の端部と該第1の端部から離間した第1の表示とを有する細長い本体を有する測定ピンと、
前記測定ピン本体の前記第1の端部を同軸に受容する第1の管であって、前記測定ピン本体の第1の端部を収容するように寸法を定められた内径、開口した第1の端部、及び第2の端部を有する、第1の管と、
前記第1の管の第2の端部にある第2の管であって、前記第1の管の内径よりも大きな内径及び前記第1の管の第2の端部に連結された第1の端部を有する、第2の管と、
前記第2の管の内部に少なくとも部分的に配設された測定ブロックであって、当接部及び該測定ブロック上にあるソケット深さの目盛表示を有する、測定ブロックと、
前記第2の管の上にある第1の指示器であって、該第1の指示器及び前記ソケット深さの目盛表示は、前記測定ピン本体の第1の端部が前記測定ブロックの当接部と当接したとき、前記指示器と前記ソケット深さの目盛表示とが位置合わせされると前記骨トンネルの望ましい深さを示す読みを与えるように向けられる、第1の指示器と、
を備える器具。
(2) 前記測定ブロックが前記第1の管に向かって付勢される、実施態様1に記載の器具。
(3) 前記第1の指示器は前記第2の管の第2の端部である、実施態様1に記載の器具。
(4) ループ寸法の表示を前記器具上に有する、実施態様1に記載の器具。
(5) 前記ソケット深さの目盛表示における読みは、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表す、実施態様4に記載の器具。
(6) 前記ループ寸法の表示とは異なる値を示す第2のループ寸法の表示と、それに関連付けられた第2のソケット深さの表示とを更に備える、実施態様4に記載の器具。
(7) 前記ソケット深さの目盛表示における読みは、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表し、前記第2のソケット深さの目盛表示における読みは、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記第2のループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、前記所定の方向転換用の長さを加算したものを表す、実施態様6に記載の器具。
(8) 前記第2の管が、移植片の移植深さの表示を前記第2の管上に有し、前記測定ブロックが、前記骨トンネルの中に移植片が移植された深さの読みを与えるために前記測定ブロックに関連付けられた第2の指示器を有する、実施態様1に記載の器具。
(9) 前記移植深さの目盛表示における読みが、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記ループ寸法の表示を減算したものを表す、実施態様6に記載の器具。
(10) ACL再建において骨トンネルのソケット部分の深さを測定するための方法であって、
パイロットホールが、大腿骨の顆状切欠き表面にある第1の端部と、前記大腿骨の上位部分にある第2の端部とを有するように、前記大腿骨を通るパイロットホールを形成するステップであって、前記パイロットホールは前記大腿骨内の置換靱帯に望ましい経路に沿う向きにされる、ステップと、
測定ピン上の第1の表示が前記パイロットホールの第1の端部に位置し、前記測定ピンの第2の端部が前記パイロットホールの第2の端部から外に延出するように、測定ピンを配置するステップと、
前記測定ピンの一部分が、第1の管の中に同軸に受容され、前記第1の管の第1の端部が前記パイロットホールの第2の端部で前記大腿骨と当接するように、第1の管を前記測定ピンに被せて配置するステップと、
距離の目盛表示を測定ブロック上に有する前記測定ブロック上の当接部に対して前記測定ピンの前記第2の端部を当接させるステップであって、前記測定ブロックは、前記測定ピンの最大横寸法よりも大きな横寸法を有する、ステップと、
前記距離の目盛表示から、前記骨トンネルの前記ソケット部分に対する所望の深さを読むステップであって、前記ソケット部分は、前記パイロットホールによって規定される前記経路に沿って、前記パイロットホールの第1の端部から延在する、ステップと、
を含む方法。
【0025】
(11) 前記パイロットホールは前記測定ピンを用いて形成される、実施態様10に記載の方法。
(12) 指示器が前記第1の管に関連付けられ、前記方法は、前記指示器が前記距離の目盛における読みを与えるステップを更に含む、実施態様10に記載の方法。
(13) 前記距離の目盛における所望の深さの読みは、前記第1の管の第1の端部と前記測定ピン上の前記第1の表示とを分離する距離に相関する、実施態様10に記載の方法。
(14) 前記距離の目盛における読みは、前記第1の管の第1の端部と前記測定ピン上の前記第1の表示とを分離する距離から、所定のループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものである、実施態様13に記載の方法。
(15) 前記所定のループ寸法は、前記距離の目盛に隣接して指示される、実施態様14に記載の方法。
(16) 指示された深さまで前記大腿骨の中に前記ソケット部分を穿孔するステップを更に含む、実施態様15に記載の方法。
(17) 前記所定のループ寸法のループの上に前記移植片を懸架するステップであって、前記ループは細長い棒材に連結される、ステップと、
前記細長い棒材が前記骨トンネルの中に再び送られるのを防止して、前記ループが前記ソケット部分の中に垂下し、前記移植片が前記ループから少なくとも部分的に前記ソケット部分内に懸架した状態に残るように、前記骨トンネルを通じて前記棒材を縦方向に送り、前記大腿骨の前記上位部分に対して、前記棒材を横向きにして配置するステップと、
を更に含む、実施態様16に記載の方法。
(18) 前記所定の方向転換用の長さは、前記棒材が前記トンネルを通じて送られた後に、前記ループが前記トンネルの中に垂下する状態で、縦向きから横向きに前記棒材を操作するのに十分な、前記大腿骨にわたる距離である、実施態様17に記載の方法。
(19) 前記第1の管に関連付けられたソケット深さの表示から前記ソケット部分における前記移植片の移植深さを読むステップであって、前記移植深さは、前記第1の管の第1の端部と前記測定ピン上の前記第1の表示とを分離する距離から、前記所定のループ寸法を減算したものを表す、ステップを更に含む、実施態様14に記載の方法。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ACL再建において骨トンネルの深さを測定するための器具であって、
第1の端部と該第1の端部から離間した第1の表示とを有する細長い本体を有する測定ピンと、
前記測定ピン本体の前記第1の端部を同軸に受容する第1の管であって、前記測定ピン本体の第1の端部を収容するように寸法を定められた内径、開口した第1の端部、及び第2の端部を有する、第1の管と、
前記第1の管の第2の端部にある第2の管であって、前記第1の管の内径よりも大きな内径及び前記第1の管の第2の端部に連結された第1の端部を有する、第2の管と、
前記第2の管の内部に少なくとも部分的に配設された測定ブロックであって、当接部及び該測定ブロック上にあるソケット深さの目盛表示を有する、測定ブロックと、
前記第2の管の上にある第1の指示器であって、該第1の指示器及び前記ソケット深さの目盛表示は、前記測定ピン本体の第1の端部が前記測定ブロックの当接部と当接したとき、前記指示器と前記ソケット深さの目盛表示とが位置合わせされると前記骨トンネルの望ましい深さを示す読みを与えるように向けられる、第1の指示器と、
を備える器具。
【請求項2】
前記測定ブロックが前記第1の管に向かって付勢される、請求項1に記載の器具。
【請求項3】
前記第1の指示器は前記第2の管の第2の端部である、請求項1に記載の器具。
【請求項4】
ループ寸法の表示を前記器具上に有する、請求項1に記載の器具。
【請求項5】
前記ソケット深さの目盛表示における読みは、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表す、請求項4に記載の器具。
【請求項6】
前記ループ寸法の表示とは異なる値を示す第2のループ寸法の表示と、それに関連付けられた第2のソケット深さの表示とを更に備える、請求項4に記載の器具。
【請求項7】
前記ソケット深さの目盛表示における読みは、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記ループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、所定の方向転換用の長さを加算したものを表し、前記第2のソケット深さの目盛表示における読みは、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記第2のループ寸法の表示で示されるループ寸法を減算し、前記所定の方向転換用の長さを加算したものを表す、請求項6に記載の器具。
【請求項8】
前記第2の管が、移植片の移植深さの表示を前記第2の管上に有し、前記測定ブロックが、前記骨トンネルの中に移植片が移植された深さの読みを与えるために前記測定ブロックに関連付けられた第2の指示器を有する、請求項1に記載の器具。
【請求項9】
前記移植深さの目盛表示における読みが、前記第1の表示と前記第1の管の第1の端部との間の距離から、前記ループ寸法の表示を減算したものを表す、請求項6に記載の器具。

【図1】
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【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2013−6030(P2013−6030A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−140865(P2012−140865)
【出願日】平成24年6月22日(2012.6.22)
【出願人】(507083478)デピュイ・ミテック・エルエルシー (47)
【住所又は居所原語表記】325 Paramount Drive,Raynham,Massachusetts 02767 United States of America
【Fターム(参考)】