説明

AGEの脱糖化

本発明は、特に、組織中のAGEの存在を制限するための組成物の調製のための、AGEの脱糖化を促す少なくとも1つの物質の、活性成分としての使用に関する。本発明は、特に、好ましくは皮膚、あるいは血管または臓器の組織壁である組織中のAGEの脱糖化を促すことにより、組織の柔軟性および/または可塑性および/または弾力性および/または機能性の低減を予防しかつ/またはこれに対抗する、ならびに/あるいは組織の老化を予防しかつ/またはこれに対抗する上での使用のための組成物を調製するためのこのような物質の使用に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖化タンパク質の脱糖化を促すための、言い換えればメイラード反応の逆転を促すための活性成分の使用に関する。
【0002】
本発明は、特に、組織中の、例えば特にヒトにおける皮膚中の、あるいは血管または臓器の組織壁中の糖化タンパク質に作用するために局所的にまたは経口的に用いられ得る物質に関する。
【背景技術】
【0003】
特にグリカンの形態の糖は、特に皮膚中のタンパク質の糖化(タンパク質との糖の結合)を誘導する、ということが従来技術において知られている。しかしながら、血糖レベルが、例えば老化中に、特に糖尿病患者において、上昇する場合、または食物が糖を多く含む場合、この糖化は完全に正常である。
【0004】
非酵素的グリコシル化または糖化は、炭水化物をペプチド鎖と共有的に結合するように起こる純粋に化学的なかつ自発的な反応である、ということが従来技術において知られている。
【0005】
糖化は、アミノ酸との、またはタンパク質との遊離糖の結合に起因する老化の基本的機序である。
【0006】
糖化タンパク質は、終末糖化産物またはAGEとしても知られている。これらの化合物は、特に、皮膚の柔軟性、弾力性および機能性を低下させる。
【0007】
糖化プロセスは、以下の3つのステップで起こる:
1:還元糖(グルコース、リボースまたはフルクトース)の、あるいはアルデヒドの、タンパク質のアミノ酸残基との、主にリシンおよびN末端アミン画分との結合に起因するシッフ塩基の形成。
2:シッフ塩基の異性化に起因するアマドリ転位として知られている分子転位。これらのアマドリ生成物の形成速度は、糖濃度に比例する。
3:糖化最終産物またはメイラード生成物の、転位、水素移動および極反応性中間体の形成による、ゆっくりとした不可逆的蓄積。この反応は、メイラード生成物という表現によってよりよく知られているAGEの形成をもたらす。これらの化合物の形成速度は、媒質の糖濃度とは無関係であるが、しかし高血糖の持続期間、ならびにタンパク質ターンオーバー速度に左右される。
【0008】
最初の2段階(シッフ塩基およびアマドリ転位)は、プラトーで安定化し、血糖のレベルによって逆転し得る。他方で、第3段階は、血糖のレベルに関係なく進行する。
【0009】
身体中の寿命が非常に長い細胞外マトリックスタンパク質は、糖化により影響を及ぼされる。糖化はこれらのタンパク質の特性を改質して、それらをタンパク質分解に対してより耐性にし、それらのターンオーバーを防止する。さらに、AGEは、コラーゲン線維間の分子架橋の形成を誘導して、それらをより強固にかつ低可溶性にする。最後に、炎症誘発性サイトカインまたは増殖因子の分泌を誘導することにより、AGEは、それ自体を、マクロファージ、内皮細胞およびメサンギウム細胞中に存在する特定の受容体と結合することにより、他の作用を有し得る。タンパク質の糖化の重要性は、実験動物におけるある種の機能の老化を遅らせることにより発現される、糖化を抑制する薬剤の作用により強調されてきた。糖尿病の経過中、タンパク質の過剰糖化も起こり、これは血糖の上昇に関連づけられる。
【0010】
従来技術で提案される解決策は、タンパク質の糖化を、ならびにAGEの形成も制限することを可能にする活性物質に関する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の主な目的は、特に、組織中の、例えば皮膚中の、あるいは血管または臓器の組織壁中で、メイラード反応を逆転することにより、AGEの存在を制限することを可能にする活性物質の提供からなる技術的課題を解決することである。
【0012】
本発明の特定の一目的は、例えば皮膚における、あるいは血管または臓器の組織壁における、特に組織の老化中または糖尿病中の特に皮膚における、組織の弾力性および可塑性の低減を予防しまたはこれに対抗する化粧用、皮膚科学的または医薬組成物の提供の状況内でこの技術的課題を解決することである。
【0013】
本発明の別の目的は、前記の特性を有する活性成分のスクリーニング方法を提供することである。
【0014】
本発明の特定の一目的は、特に化粧品産業、または皮膚科学的産業、または皮膚薬剤産業、または製薬産業に、好ましくは局所的に適用され得る非毒性活性物質を提供することにより、信頼できるかつ再現可能な方法で上記技術的課題を解決することである。
【0015】
本発明の特定の一目的は、低毒性を有し、皮膚科学的に許容可能である物質を提供することである。
【0016】
本発明の別の目的は、活性成分の調製が安価であり、および信頼性が高く簡単な方法で工業的規模で実施され得る活性成分を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0017】
糖化は、老化に関連する多数の進行性疾患、例えば血管性疾患(例えばアテローム硬化症)、腎臓疾患、関節炎、糖尿病合併症、瘢痕形成等に関与する。糖化による糖尿病合併症は、その平均血糖濃度が正常より高い糖尿病個体において若年でも起こり得る、ということは重要である。
【0018】
糖尿病中の遊離ラジカルの関与が広範に実証されている糖尿病では、酸化ストレスが高血糖と直接関連がある。血中に余りにも多量に存在する糖は、次に容易に酸化される。糖のこの酸化は、とりわけ、糖/タンパク質グラフトまたは糖化をもたらす。糖尿病の症例における糖化ヘモグロビンのレベル増大は、典型例である。
【0019】
そのレベルが長期間に亘って血糖のレベルに比例する糖化産物は、部分的に、弾力性および可塑性の低減が組織老化の原因の1つである組織老化の原因となる。
【0020】
したがって、本発明は、特に、組織中のAGEの存在を制限するための組成物の調製のための、AGEの脱糖化を促す、またはAGEに関するメイラード反応の逆転を促す、活性物質の使用を記載する。
【0021】
この組成物が、例えば、皮膚における、あるいは血管または臓器の組織壁におけるような組織の柔軟性および/または弾力性および/または可塑性および/または機能性の低減に対抗することが意図されることは有利である。
【0022】
本発明は、皮膚組織中のAGEの脱糖化により、あるいはAGEに関するメイラード反応の逆転により、皮膚の老化に対抗しかつ/またはこれを予防するための、特に皮膚の組織の弾力性および可塑性の低減を予防しかつ/またはこれに対抗するための、AGEの脱糖化を促す物質を活性物質として含む組成物にも関する。
【0023】
本発明は、AGEの脱糖化を促すための組成物を調製するための、以下の群:3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)、トランス−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン(カテキン)、オキシインドール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)、4−アミノフェノール、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス)、ノルジヒドログアイアレチン酸、6−メチル−5,7a,13,13b−テトラアザペンタフェン−8,14−ジオン、6−ヒドロキシインドール、サルソリノール臭化水素酸塩、7−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフタリド、3,4−ジヒドロキシ桂皮酸(カフェイン酸)、フィゾスチグミン、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−γ−ピロン(コウジ酸)、および以上の化合物を含む植物の抽出物、ならびに以下:Awati、piper mistletoe、アオクマツヅラ、セクロピア、ウインターグリーン、サクラ、カッシアおよびダンドク(Indian shot)からなる群から選択される植物の少なくとも1つの抽出物、ならびにその任意の混合物からなる群から選択される、AGEの脱糖化を促すかまたはAGEに関するメイラード反応の逆転を促す少なくとも1つの活性物質の使用に関する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
好ましくは、AGEの脱糖化を促すまたはAGEに関するメイラード反応の逆転を促す活性物質は、以下:
・awati(マプロウネア・グヤネンシス(Maprounea guyanensis))、および好ましくはその葉;
・ジャマイカ・クマツヅラ(スタキタルフェタ・ジャマイセンシス(Stachytarpheta jamaicensis));
・セクロピア(セクロピア・オブツサ(Cecropia obtusa))、および好ましくはその葉および/または芽;ならびに
・ウインターグリーン(キマフィラ・ウンベラタ(Chimaphila umbellata))
からなる群から選択される植物抽出物である。
【0025】
好ましい代替的一実施形態によれば、AGEの脱糖化を促すか、あるいはAGEに関するメイラード反応の逆転を促す活性物質は、以下:
・3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸);
・トランス−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン(カテキン);
・オキシインドール;
・3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC);
・1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール);
およびその混合物、ならびにそれらを含有する植物抽出物
からなる群から選択される特性決定された分子である。
【0026】
組成物が、好ましくは局所的に適用され得る化粧用、皮膚科学的、皮膚薬学的または医薬組成物、あるいは食品(栄養)補助剤であることは有利である。
【0027】
本発明は、糖尿病中の血糖の上昇に関連した、特に皮膚組織中の糖化タンパク質の糖化に対抗するための組成物を調製するための活性物質の使用に関する。
【0028】
本発明は、糸球体中に形成されるAGEに対抗するための、特に糖尿病患者におけるアルブミンの排泄を低減するための組成物を調製するための活性物質の使用に関する。
【0029】
活性物質は、凍結乾燥、噴霧乾燥などにより濃縮され得る。
【0030】
上記の活性物質は、用いられるべき濃度のこの制限を伴わずに、植物抽出物に関して総組成物の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、さらに特に1%で、特性決定された分子に関して1×10−7〜1重量%、好ましくは1×10−7〜1×10−1重量%、さらに好ましくは1×10−5〜1×10−1重量%の濃度で、一般的に、用いられる。
【0031】
これらの活性物質のすべての中で、15mMアミノグアニジンにより生成される作用を基準にしてAGEの脱糖化を少なくとも50%促進するものが好ましい。
【0032】
本発明は、局所的に、または食品補助剤として適用され得る化粧用組成物、あるいは皮膚中のAGEに関連したメイラード反応の逆転を促すことにより、皮膚の柔軟性および/または可塑性および/または弾力性および/または機能性の低減を予防しかつ/またはこれに対抗する、ならびに/あるいは皮膚の老化を予防しかつ/またはこれに対抗することが意図される医薬組成物にも関し、この場合、上記組成物は、好ましくは、以下:3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)、トランス−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン(カテキン)、オキシインドール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)、4−アミノフェノール、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス)、ノルジヒドログアイアレチン酸、6−メチル−5,7a,13,13b−テトラアザペンタフェン−8,14−ジオン、6−ヒドロキシインドール、サルソリノール臭化水素酸塩、7−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフタリド、フィゾスチグミン、およびその混合物、あるいは以下の:awati、piper mistletoe、ジャマイカ・クマツヅラ、セクロピア、ウインターグリーン、サクラ、カッシアおよびダンドクからなる群から選択される植物の少なくとも1つの抽出物からなる群から選択される、皮膚中のAGEの脱糖化を促す少なくとも1つの物質を、活性成分として、任意に、特に無機化により、糖化を抑制する化合物、例えばEDTA誘導体、フィチン酸またはアゼライン酸との、あるいは皮膚タンパク質の保護を促す化合物、例えばアミノグアニジン、グアニジン、または酵素阻害剤、例えばペントシジン、または糖化反応に参加するために利用可能な糖の量を低減する物質、例えばカルノシン、アスコルビン酸またはα−トコフェロールとの混合物として含む。
【0033】
本発明による好ましい一組成物において、AGEの脱糖化を促す、またはAGEに関するメイラード反応の逆転を促す活性物質は、以下:
・awati(マプロウネア・グヤネンシス)、および好ましくはその葉;
・ジャマイカ・クマツヅラ(スタキタルフェタ・ジャマイセンシス);
・セクロピア(セクロピア・オブツサ)、および好ましくはその葉および/または芽;ならびに
・ウインターグリーン(キマフィラ・ウンベラタ)
からなる群から選択される植物抽出物である。
【0034】
好ましい代替的一実施形態によれば、AGEの脱糖化を促す、またはAGEに関するメイラード反応の逆転を促す活性物質は、以下:
・3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸);
・トランス−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン(カテキン);
・オキシインドール;
・3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC);
・1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール);
からなる群から選択される特性決定された分子である。
【0035】
植物によって、植物全体、または根、根茎、茎、殻、花、果実、種子、胚芽および葉から選択される植物部分を、好ましくは溶媒または溶媒の混合物、好ましくは極性プロトン性溶媒中に、有利には水、アルコール、グリコール、ポリオール、100/0〜0/100(v/v)の水/アルコール、水/グリコールまたは水/ポリオール混合物(例えばエタノール、グリセロール、ブチレングリコールまたはその他のグリコール、例えばキシリトールなどと混合された水)中に1〜10%(w/w)で用いられることが有利である。次に、得られた抽出物は、可溶性分画を回収するために、好ましくは濾過されるかまたは蒸留され、これは次に濾過される。活性物質は、有利には、好ましくは0.01〜10%(v/v)の濃度に希釈された、溶媒、例えば水、アルコール、ポリオール、グリコールまたはその混合物中の植物抽出物である。
【0036】
糖化を抑制する(すなわち、AGEの形成を低下させる)化合物の中で、好ましくは溶媒または溶媒の混合物、例えば水、アルコール、グリコール、ポリオールまたはこれらの溶媒の混合物、好ましくは水中での浸軟により、以下のものから選択される植物から抽出された化合物を用いることもできる(好ましくは濾過後に、これらの溶媒中に可溶性である化合物を好ましくは用いる):ガラナ(パウリニア・クパナ(Paullinia cupana))、好ましくは種子、イカリソウ属(エピメジウム・ブレビコルヌム(Epimedium brevicornum))、好ましくは葉、ナガバギシギシ(ルメックス・クリスプス(Rumex crispus))、好ましくは殻、サルサパリラ(スミラックス・オルナタ(Smilax ornata))、好ましくは根、原産種ツル植物(ダビラ・ルゴサ(Davilla rugosa))、好ましくは葉、アセンヤクノキ(好ましくは木部)、オオアザミ(好ましくは果実)、マツ、好ましくはマツ属(好ましくは根)、ショウヨウダイオウ(好ましくは根)、サンザシ(好ましくは葉)、ロイコシアニジン(好ましくは種子)、ビンロウジュ(好ましくは種子)、コケモモ(好ましくは果実)、ニワトコ(好ましくは果実)、クルミ(好ましくは葉)、ヤナギ(好ましくは樹皮)、レタス(好ましくは葉)、およびハギ(好ましくは葉)の抽出物;および/またはエリスロシンナトリウム、1,4−アントラキノン、カテコール、4−ヒドロキシカルコン、4−アミノフェノール、OPC(PCO プロシアニドール・オリゴマー)、例えばイチゴ植物OPC、プルニン、および1−アミノ−2−ヒドロキシメチルアントラキノン、あるいはこれらの物質の混合物から選択される化合物。
【0037】
メイラード反応を逆転することによりAGEの存在を制限することを可能にする活性物質を、独立してまたは組合せて用いられる、好ましくはガラナ(Paullinia cupana)、好ましくは種子、イカリソウ属(エピメジウム・ブレビコルヌム)、好ましくは葉の抽出物、ナガバギシギシ(ルメックス・クリスプス)、好ましくは殻の抽出物、サルサパリラ(スミラックス・オルナタ)、好ましくは根の抽出物、原産種ツル植物(ダビラ・ルゴサ)、好ましくは葉の抽出物、3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)、トランス−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン(カテキン)、オキシインドール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)から選択される糖化を抑制する上記の活性物質のうちの少なくとも1つと組合せることは特に有利である。
【0038】
したがって、本発明は、上記の活性成分または下記の活性成分のうちの少なくとも1つを、化粧用活性成分として含む組成物の、局所適用、または食品(栄養)補助剤としての適用を含む美容ケア方法に関する。
【0039】
本発明は、特に血糖レベルが上昇するかおよび/または高い場合の、例えば糖尿病の間の、組織中のタンパク質の糖化を予防しかつ/またはこれに対抗するための、好ましくは局所適用による、前記の医薬組成物または下記の医薬組成物の投与を含むヒト身体の治療方法にも関する。本発明は、特に、糖尿病患者におけるアルブミンの排出を低下させる方法に関する。
【0040】
本発明は、AGEの脱糖化を促す活性成分のスクリーニング方法であって、以下のステップ:
(a)AGEを生成するステップ;
(b)AGEの脱糖化に関連したその活性に関してスクリーニングすつ対象の物質とAGEを接触させるステップ;および
(c)AGEの脱糖化を促す少なくとも1つの活性成分を選択するステップ
を含む方法にも関する。
【0041】
有利には、ステップ(a)は、AGEの形成を可能にする条件下での、糖(例えば:グルコース、リボース、フルクトースなど)の存在下での、好ましくは、40〜60℃、より好ましくは約50℃の温度で、1〜5週間、好ましくは3週間の、皮膚のまたは血管壁の少なくとも1つの種類のタンパク質のインキュベーションを含む。
【0042】
有利には、ステップ(b)は、40〜60℃、好ましくは約50℃の温度でスクリーニング対象の少なくとも1つの物質の存在下でのAGEのインキュベーションを含む。
【0043】
活性成分の選択は、対照と比較して試験対象の活性成分の存在下で得られる結果を比較することにより実施される。
【0044】
本発明の化合物は、局所組成物、特に化粧用組成物、皮膚薬学的組成物または医薬組成物の形態で調製される。したがって、これらの組成物に関して、賦形剤は、例えば防腐剤、皮膚軟化剤、乳化剤、界面活性剤、保湿剤、増粘剤、調節剤、艶消剤、安定化剤、酸化防止剤、触感改良剤、光沢剤、フィルム形成剤、可溶化剤、顔料、色素、香料および日焼け止め剤からなる群から選択される少なくとも1つの化合物を含有する。
【0045】
これらの賦形剤は、好ましくは、アミノ酸およびその誘導体、ポリグリセロール、エステル、セルロースのポリマーおよび誘導体、ラノリン誘導体、リン脂質、ラクトフェリン、ラクトペルオキシダーゼ、スクロースベースの安定化剤、ビタミンEおよびその誘導体、天然および合成ろう、植物油、トリグリセリド、不鹸化物質、フィトステロール、植物エステル、シリコンおよびその誘導体、タンパク質加水分解物、ホホバ油およびその誘導体、脂溶性/水溶性エステル、ベタイン、アミノキシド、植物抽出物、サッカロースエステル、二酸化チタン、グリシンおよびパラベンからなる群から、さらに好ましくは、ブチレングリコール、ステアレス−2、ステアレス−21、グリコール−15、ステアリルエーテル、セテアリルアルコール、フェノキシエタノール、メチルパラベン、エチルパラベン、プロピルパラベン、ブチルパラベン、ブチレングリコール、天然トコフェロール、グリセリン、ジヒドロキシセチルリン酸ナトリウム、イソプロピルヒドロキシセチルエーテル、ステアリン酸グリコール、トリイソノナノイン、オクチルココアート、ポリアクリルアミド、イソパラフィン、ラウレス−7、カルボマー、プロピレングリコール、グリセロール、ビサボロール、ジメチコン、水酸化ナトリウム、ジポリヒドロキシステアリン酸PEG−30、カプリン酸/カプリル酸トリグリセリド、オクタン酸セテアリル、ジブチルアジペート、グレープシード油、ホホバ油、硫酸マグネシウム、EDTA、シクロメチコン、キサンタンゴム、クエン酸、ラウリル硫酸ナトリウム、鉱油および鉱ろう、イソステアリン酸イソステアリル、ジペラルゴン酸プロピレングリコール、イソステアリン酸プロピレングリコール、PEG−8蜜ろう、水添パーム核油のグリセリド、水添パーム油のグリセリド、ラノリン油、ゴマ油、乳酸セチル、ラノリンアルコール、ヒマシ油、二酸化チタン、ラクトース、サッカロース、低密度ポリエチレンおよび等張生理食塩溶液からなる群から選択される。
【0046】
皮膚老化に対する、皮膚の柔軟性および/または可塑性および/または弾力性および/または機能性の低減に対する効力をさらに改善するために、本発明の活性物質を、補足特性を有する他の活性作用物質と併用することは特に有利である。有利には、これらの他の作用物質が、以下のものから選択される:
・抗老化作用を有する細胞増殖および/または分化を刺激する活性物質、特に以下の分子:NGF、α−MSH、β−エンドルフィンまたはその誘導体、特に特許出願FR2857874に記載されているもの;
・繊維芽細胞増殖因子(FGF)特にFGF2を保護する活性物質、特にGB244036として公開された本出願人の名で特許出願に記載されているもの、特にアンブレット・シード(ヒビスクス・アベルモスクス(Hibiscus abelmoschus))の抽出物;
・繊維芽細胞の活性および/または増殖を刺激する活性物質、特に、発酵大豆ペプチド、有利にはアンブレット・シードの抽出物と組合せて、フィトカイン(商標)の名称で本出願人により販売されているもの;
・ヒアルロン酸シンターゼ、特にHAS2を刺激する活性物質、特に特許FR2893252に記載されたもの;
・リシルオキシダーゼ、特にLOXの活性および/または合成を刺激する活性物質、特に特許出願FR2855968に記載されているもの、特にディル抽出物;ならびに
・抗炎症特性を有する活性物質、例えばPLA2を抑制するもの、特に特許FR2847267に記載されたものなどのクズの根の抽出物(Inhipase(登録商標))。
【0047】
有利には、前記の組成物は、水性または油性溶液、クリームまたは水性ゲルもしくは油性ゲル(特にポット中またはチューブ中)、特にシャワー用ゲルまたはシャンプー;乳液;特に水中油型または油中水型あるいはマルチ型またはシリコンベース型のエマルション、マイクロエマルションまたはナノエマルション;ローション(特にガラス瓶またはプラスチック瓶中、あるいは計量瓶中、あるいはエーロゾル中);アンプル;液体石鹸;皮膚科学的バー;軟膏;フォーム;例えばスティック形態の、特にリップスティックの形態の、好ましくは液体、ペースト状または固体である無水生成物からなる群から選択される形態で処方される。
【0048】
本明細書中で用いられる「局所適用」という表現は、皮膚の表面上に本発明の組成物を塗布するかまたは噴霧することを意味する。
【0049】
本明細書中で用いられる「皮膚科学的」という表現は、組成物または組成物の構成成分が、毒性、不適合性、不安定性、アレルギー応答などを生じることなく、ヒト皮膚と接触して用いるのに適している、ということを意味する。
【0050】
「AGEの脱糖化を促す」または「AGEに関するメイラード反応の逆転に好都合である」という表現は、例えば対照試料(活性成分非存在)とAGEの脱糖化を促す物質を含有する試料との間で実施例1に従って蛍光の差により評価した場合、当該物質が、陰性対照(活性成分非存在)より多い量で非糖化タンパク質を糖化最終産物(AGE)から得ることを可能にする、ということを意味する。好ましくは、AGEの脱糖化を促す物質を含有する試料に関して得られる蛍光は、アミノグアニジンの存在下で評価されて得られる蛍光と比較される。「AGEの脱糖化を促す物質」という表現は、特に、当該物質の存在下で得られる蛍光が15mMのアミノグアニジンの存在下でかつ活性成分の非存在下で得られる蛍光の少なくとも70%である物質に関する.「AGEの脱糖化」と言う表現は、メイラード反応の逆転を意味する。
【0051】
皮膚の健康および/または物理的外見を改善するための多数の化粧用活性成分が、当業者に知られている。最良の効果を得るための化粧用組成物または皮膚科学的組成物の処方方法を、当業者は知っている。他方で、本発明に記載される化合物は、それらが互いに併用される場合、相乗作用を有し得る。これらの併用は、本発明によっても取り扱われる。CTFA Cosmetic Ingredient Handbook, Second Edition (1992)は、化粧品産業および製薬産業で一般に用いられる特に局所的使用に適している種々の化粧用および医薬成分を記載する。これらの種類の成分の例としては、以下の化合物:研磨剤、吸収剤、審美的目的を有する化合物、例えば香料、顔料、色素、精油、アストリンゼン等(例えば:丁子油、メントール、樟脳、ユーカリ油、オイゲノール、乳酸メンチル、ハマメリス蒸留液)、抗座瘡剤、抗凝固剤、消泡剤、抗微生物剤(例えば;ヨードプロピルブチルカルバメート)、酸化防止剤、結合剤、生物学的添加剤、緩衝剤、膨潤剤、キレート剤、添加剤、殺生物剤、変性剤、外用鎮痛剤、フィルム形成剤、ポリマー、不透明化剤、pH調節剤、還元剤、脱色または明色化剤(例えば:ヒドロキノン、コウジ酸、アスコルビン酸、アスコルビルリン酸マグネシウム、アスコルビルグルコサミン)、調節剤(例えば:保湿剤)、皮膚鎮静剤および/または創傷治癒剤(例えば:パンテノールおよびその誘導体(例えばエチルパンテノール)、アロエベラ、パントテン酸およびその誘導体、アラントイン、ビサボロールおよびグリシリジン酸ジカリウム)、増粘剤およびビタミンならびにビタミンの誘導体または同等物が挙げられるが、これらに限定されない。
【0052】
本発明のその他の目的、特徴および利点は、実施例に言及する説明的記述を読めば、当業者には明らかになるが、これらの実施例は、単に例証に過ぎず、如何なる点でも本発明の範囲を限定するものではない。
【0053】
実施例は本発明の一構成部分であり、実施例を含めて全体として取り扱われる記述に基づいた任意の従来技術に関して新規であると思われる任意の特徴は、機能的および一般的に、本発明の一構成部分である。
【0054】
したがって、各実施例は、一般的範囲を有する。
【0055】
さらに、実施例において、パーセンテージはすべて、別記しない限り重量%で示され、温度は、別記しない限り摂氏で表され、圧力は、別記しない限り大気圧である。
【実施例】
【0056】
実施例1
メイラード反応の逆転
1.AGEの調製:
タンパク質および還元糖を含有する溶液の調製を、下準備なしで、以下のように実行した:1.5μM〜1.5M、好ましくは15μM〜500μMの濃度のウシ血清アルブミン(BSA)の溶液を、0.1M〜10M、好ましくは0.5M〜5Mの濃度の還元糖、例えばグルコース、フルクトースなどの溶液とともに、好ましくはグルコースとともにインキュベートした。ウシ血清アルブミンの溶液は、ヒトコラーゲンに置き換えることができる。
【0057】
インキュベーションを、1〜5週間、好ましくは3週間保持した。
【0058】
インキュベーション温度は、20〜70℃、好ましくは50℃に維持した。
【0059】
2.潜在的に活性な化合物とのAGEのインキュベーションおよびメイラード反応の逆転現象の検出
1で調製したAGEを含有する溶液を、そのAGE脱糖化活性に関して試験する対象の化合物の存在下で、または非存在下で(陰性対照)、40〜60℃、好ましくは約50℃の温度で、1〜5週間、好ましくは3週間、インキュベートした。総組成物の0.001〜10重量%、好ましくは0.01〜5重量%、特に1重量%の濃度で、化合物を試験した。用いた陽性対照は、15μM〜150mMの濃度の、好ましくは1.5〜15mMの濃度のアミノグアニジンであった。蛍光を測定することにより、AGEの抑制の測定を実施した(励起波長350〜375nm、好ましくは355nm;発光波長420〜450nm、好ましくは430nm)。100%(最大蛍光)に設定されたAGEの蛍光を、AGE+試験した活性剤の蛍光と比較することにより、メイラード反応の逆転を算定した。
【0060】
実施例2
特性決定された分子によるAGEの脱糖化
実施例1(段落1)に記載した方法に従って、タンパク質/還元糖溶液の調製を実施した。実施例1(段落2)に記載したように、例えば水またはDMSO中の1×10−7〜1×10−1重量%、好ましくは1×10−5〜1×10−1重量%、特に1×10−1重量%の濃度で、分子を試験した。
【0061】
15mMで用いられるアミノグアニジンのものと少なくとも同等の様式で、記載した条件下でAGEの脱糖化を促す分子を、以下に示す:
【表1】

【0062】
実施例3
植物抽出物によるAGEの脱糖化
実施例1(段落1)に記載した方法に従って、タンパク質/還元糖の溶液の調製を実施した。
【0063】
表2の化合物は、水中での浸軟により得た抽出物であった。総組成物の0.01〜5重量%の濃度で、特に1重量%で、該化合物を試験した。
【表2】

【0064】
実施例4
ヒトコラーゲンの脱糖化における本発明の物質の活性
BSAの代わりにヒトコラーゲンを用いて、実施例1(段落1)に記載した方法に従って、タンパク質/還元糖の溶液の調製を実行した。
【0065】
1.ヒトコラーゲンの調製
形成外科手術から得たヒト生検から、ヒトコラーゲンを抽出した。溶液の形態で得られたコラーゲンを、還元糖、例えばグルコース、フルクトースまたはリボースとともに、好ましくはリボースとともにインキュベートした。インキュベーション濃度は、前記実施例に記載したものと同一とした。
【0066】
2.潜在的活性成分の調製および試験
「植物抽出物」型の、および「特性決定された分子」型の潜在的活性成分を、実施例2および3に記載したものと同一条件下で用いた。
【0067】
3.結果
記載した条件下で、用いた15mMアミノグアニジンのものと少なくとも同等の様式で、AGEの脱糖化を促す分子は、実施例2および3に記載したものと同一であった。
【0068】
実施例5〜10
局所的に適用され得る老化防止組成物
以下の実施例において、「本発明の生成物」は、本発明の活性物質、特に実施例2または3に従って得られたものを表す。
【0069】
実施例5
水中油型エマルションの化粧用または医薬製剤における本発明の生成物の使用
【表3】

【表4】

【表5】

【0070】
実施例6
油中水型の製剤中の本発明の生成物の使用
【表6】

【0071】
実施例7
水性ゲル(アイライナーなど)製剤中の本発明の生成物の使用
【表7】

【0072】
実施例8
シャンプーまたはシャワー用ゲル型の製剤中の本発明の生成物の使用
【表8】

【0073】
実施例9
リップスティック型およびその他の無水製品の製剤中の本発明の生成物の使用
【表9】

【0074】
実施例10
錠剤、軟膏または注射用製剤中の本発明の生成物の使用
【表10】

【表11】

【表12】

【0075】
相Aおよび相Bは、別個のアンプル中に封入され、使用前に混合される。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヒト皮膚組織中のAGEの存在を制限するための組成物の調製のための、AGEに関するメイラード反応の逆転を促す少なくとも1つの物質の、局所適用による活性成分としての使用。
【請求項2】
AGEの脱糖化を促すための組成物を調製するための請求項1に記載の使用であって、前記活性物質が、以下:3,5−ジメトキシ−4−ヒドロキシ桂皮酸(シナピン酸)、トランス−3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラバン(カテキン)、オキシインドール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)、4−アミノフェノール、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス)、ノルジヒドログアイアレチン酸、6−メチル−5,7a,13,13b−テトラアザペンタフェン−8,14−ジオン、6−ヒドロキシインドール、サルソリノール臭化水素酸塩、7−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフタリド、3,4−ジヒドロキシ桂皮酸(カフェイン酸)、フィゾスチグミン、2−ヒドロキシメチル−5−ヒドロキシ−γ−ピロン(コウジ酸)、以下の:awati、ジャマイカ・クマツヅラ、セクロピア、ウインターグリーン、piper mistletoe、サクラ、カッシアおよびダンドク(Indian shot)からなる群から選択される植物の少なくとも1つの抽出物、ならびにその任意の混合物からなる群から選択される、上記使用。
【請求項3】
前記組成物が局所的に適用され得る化粧用組成物である、請求項1または請求項2に記載の使用。
【請求項4】
前記組成物が、皮膚組織中のAGEの脱糖化を促すことにより、組織の柔軟性および/または可塑性および/または弾力性および/または機能性の低減を予防しかつ/またはこれに対抗する、ならびに/あるいは組織の老化を予防しかつ/またはこれに対抗することが意図される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の使用。
【請求項5】
前記物質が、総組成物のうち、好ましくは植物抽出物に関して0.001〜10重量%の濃度、および特性決定された分子に関して10−7〜1重量%の濃度で用いられる、請求項1〜4のいずれか1項に記載の使用。
【請求項6】
AGEの脱糖化を促す活性成分のスクリーニング方法であって、以下のステップ:
(a)AGEを生成するステップ;
(b)AGEの脱糖化に関連したその活性に関してスクリーニングする対象の物質とAGEを接触させるステップ;および
(c)AGEの脱糖化を促す少なくとも1つの活性成分を選択するステップ
を含む方法。
【請求項7】
ステップ(a)が、AGEの形成を可能にする条件下での、糖の存在下での、皮膚からのまたは血管壁からの少なくとも1種類のタンパク質、例えばヒトコラーゲンのインキュベーションを含む、請求項6に記載のスクリーニング方法。
【請求項8】
ステップ(b)が、40〜60℃、好ましくは約50℃の温度でスクリーニング対象の少なくとも1つの物質の存在下でのAGEのインキュベーションを含む、請求項6に記載のスクリーニング方法。
【請求項9】
皮膚中のAGEの脱糖化を促すことにより、皮膚の柔軟性および/または可塑性および/または弾力性および/または機能性の低減を予防しかつ/またはこれに対抗する、ならびに/あるいは皮膚の老化を予防しかつ/またはこれに対抗することが意図される、局所的にまたは食品(栄養)補助剤として適用され得る化粧用組成物であって、任意に、糖化を抑制する化合物、または皮膚タンパク質の保護を促す物質、または酵素阻害剤、または糖化反応に参加するために利用可能な糖の量を低減する物質との混合物として、好ましくはオキシインドール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)、4−アミノフェノール、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス)、ノルジヒドログアイアレチン酸、6−メチル−5,7a,13,13b−テトラアザペンタフェン−8,14−ジオン、6−ヒドロキシインドール、サルソリノール臭化水素酸塩、7−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフタリド、フィゾスチグミン、以下:awati、ジャマイカ・クマツヅラ、セクロピア、ウインターグリーン、piper mistletoe、サクラ、カッシアおよびダンドクからなる群から選択される植物の少なくとも1つの抽出物;ならびにその任意の混合物からなる群から選択されるヒト皮膚中のAGEに関するメイラード反応の逆転を促す物質を活性成分として含む、上記組成物。
【請求項10】
任意に、糖化を抑制する化合物、または皮膚タンパク質の保護を促す物質、または酵素阻害剤、または糖化反応に参加するために利用可能な糖の量を低減する物質との混合物として、好ましくはオキシインドール、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸(DOPAC)、1,3,5−トリヒドロキシベンゼン(フロログルシノール)、4−アミノフェノール、2−ヒドロキシ安息香酸(サリチル酸)、6−ヒドロキシ−2,5,7,8−テトラメチルクロマン−2−カルボン酸(トロロックス)、ノルジヒドログアイアレチン酸、6−メチル−5,7a,13,13b−テトラアザペンタフェン−8,14−ジオン、6−ヒドロキシインドール、サルソリノール臭化水素酸塩、7−ヒドロキシ−4,6−ジメチルフタリド、フィゾスチグミン、以下:awati、ジャマイカ・クマツヅラ、セクロピア、ウインターグリーン、piper mistletoe、サクラ、カッシアおよびダンドクからなる群から選択される植物の少なくとも1つの抽出物;ならびにその任意の混合物からなる群から選択される皮膚中のAGEに関するメイラード反応の逆転を促す物質を活性成分として含む、皮膚の柔軟性および/または可塑性および/または弾力性および/または機能性の低減を予防しかつ/またはこれに対抗することが特に意図される医薬組成物。

【公表番号】特表2010−533143(P2010−533143A)
【公表日】平成22年10月21日(2010.10.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−515508(P2010−515508)
【出願日】平成20年7月9日(2008.7.9)
【国際出願番号】PCT/EP2008/058955
【国際公開番号】WO2009/007412
【国際公開日】平成21年1月15日(2009.1.15)
【出願人】(500226948)ビーエーエスエフ ビューティ ケア ソリューションズ フランス エスエーエス (21)
【住所又は居所原語表記】32 rue Saint Jean−de−Dieu 69007 LYON, FRANCE
【Fターム(参考)】